したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ダンゲロス流血少女:01事前応援スレ

61仔狐クリス:2015/07/31(金) 02:37:55
一応、現段階で分からないことは全て尋ねることができた。
じっくりと咀嚼するように情報を噛み砕いていく。
と、そこでふと気になることが出てきた。

「……貴方は、迦南さんは、どうしてそんなに情報を知っているのでしょうか?」
「えー、そこ聞いちゃいますか? んー、そうですね。とある組織に所属しているから、とだけ言っておきます」
「組織、ですか。その言い方だと詳しくは教えてくれないんでしょうね」
「ですね。言っちゃったらわたし先輩に怒られちゃいますし。……さて、と」

迦南さんは立ち上がり、伸びをした。
それから砂を払うように軽くホットパンツを叩いて言った。

「暇つぶしのお付き合いありがとうございました。いつの間にか良い夜空になりましたね」

夜になった。
その事実は、戦闘の開始を示していた。

「――では、始めましょうか」

薄暗い景色の中で、コバルトブルーの瞳だけが戦意に燃えて光っていた。

◇◇◇

――夜が来て、また戦闘が始まる。

再び戦闘衝動が全身を駆け巡る。
今まで会話していて、かつ情報提供してくれた相手と戦わなくてはならないことは少し心苦しいが、そうも言っていられない。
私には生き延びて元の日常に戻る目的がある。
迷いを振り払って、臨戦態勢になった。

今回の敵は武器が見当たらない。
今のところ、手の内を隠しているようだ。
迦南さんは同じ準転校生だが、今までの敵より強敵の気配がする――そう考え警戒したのは、実際間違いではなかった。

――この銀髪の少女に、私は苦戦を強いられることになる。

まず最初の動作では、私は精神を集中し、相手は回避に備える態勢を取った。
お互い様子見ということである。

痺れを切らした私は、必殺技である「エナジーフィスト」を放った。
私の戦法は、基本的に昨日と変わっていない。
昨日の調子ならば、大敗を喫したあの少女はともかく、他の同格の存在ならばそこそこ戦えるのではないかという算段からだ。
そして恐らくこの戦法が一番ダメージ効率が高いと思われるという理由も、基本戦法を変えない原因になっていた。

しかし相手も攻性行動をしてくるだろうと見込んでの大技であったが、見込み違いであったようだ。
弾速も決して遅くはないはずのエナジーフィストが回避された。
二度目のエナジーフィストも同じく躱される。
昨日戦った虎の仮面を被った少女といい、私よりも速度の速い敵が多いように感じる。
もっと鍛えて、速度で追いつけるようにもならなくては――そんな事を考えていると、カウンターからの四連撃を食らった。

思い出すのは、転校生の攻撃。
彼女も四連撃で攻撃を放ってきた。
トラウマが私の動きを鈍らせたのか、防御も回避も出来なかった。昨日の戦いで少しは防御に動きを割くことも覚えたはずなのに。

昨夜負けた相手と違う点といえば、威力が昨日の相手より小さいということと、攻撃手段が違うということだろうか。
迦南さんは、十字架を召喚して放ってきた。

十字架。
基督教の象徴であり、人を磔に処す為の刑具でもある。
どのような思いでこの十字架を振るっているのだろうか。
戦意に満ちた表情からは伺い知ることはできない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板