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ダンゲロス流血少女:01事前応援スレ

57赤牛崎黄毬:2015/07/30(木) 22:54:47
ダンゲロス流血少女MM 陸道舞靡汎用出会いSSテンプレート「代わり映えのしない日々の変わった出会い〜赤牛崎黄毬編〜」


 面接会場にきゅっきゅ、と金属をこする音が響くのを聞きながら、陸道舞靡はため息をついた。
 今日の面接対象者は全部で30人以上、先ほどで20人目だったか。
 陸道の腕につけられた超巨大プレス機を掃除する下級面接官を横目で見ながら、彼女は先ほど面接した受験生を思い出そうとした。
 代わり映えのしないアピールポイント、特徴のない経歴、ちょっと圧迫したらすぐに潰れてしまった。
 もう顔も思い出せない。記憶のそこからひねり出そうにも、出てくるのはため息だけだ。
 これがまだ10人以上も続くと思うと気が重いが、仕事故に投げ出すこともできない。

「陸道さん、プレス機のメンテ、終わりました」
「ああ、ご苦労。あと、次の人の履歴書も出しておいてね」
「はい」

 下級面接官が取り出した履歴書を、陸道は一瞥もせず机に放置する。どうせ対して期待も出来ない、目を通すだけ無駄というものだ。
 
「それでは、次の方どうぞ」

 可能な限りおざなりになる気持ちを隠し、次の面接対象者を呼ぶ。
 コンコンコン、とドアがノックされ、失礼します、と面接対象者が入ってこない!

「…等……年、………所…、…牛………で…。よ…………願…………」

 瞬間、部屋の空気が塗り替わらない!
 陸道ご自慢の超巨大プレス機の射程外から声を張り上げているらしいがそれは届いていない!
 これまでの受験者とは違うのか違わないのかな雰囲気など一切伝わってこない!

 赤牛崎黄毬。アピールポイントなき貧弱なる受験者。
 彼女もまた陸道のプレス機に劣らぬ射程を持つが先手を取られれば間違いなく即!圧!殺!
 ゆえに相手のフィールドで戦う気などさらさらない!
 面接できるならしてみるがいい!
 それほどまでに圧迫がしたいのならば!!

 ムッフッフッフ。ムッフッフ。挑発的な目で笑う。いかしたいかレた女が笑う。

 陸道は思わず息を呑んだ。
 口の端に笑みが溢れる。この女の力を試したい。圧迫したい。それを押し返すとかどうでもいいから圧迫したい。

 圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫圧迫アパヒャーーーーー!
 
「それではヒャッ、面フヒッ接をヒャ!開始させていただキヤッハァーーーー!!」

 超巨大プレス機の蒸気シリンダーに煙を吐き出させながら、陸道と赤牛崎黄毬の圧迫面接が始まった。

――――

 ふぅ、と呼気が口から漏れだす。シリンダーの蒸気よりも熱量がこもっているように感じるのも、無理は無いだろう。

「予想外だったな。まさかあんなにもあっさり圧迫されて死ぬとは。
多少口調におかしな部分があったような気もするが、まあ、それは面接なんだからそうもなるだろう」

 違和感を覚えて腕に手を向ける。万全のメンテナンスをされていた超巨大プレス機がガクガクと震えていた。

「恐怖……いや、期待か。まさか私があんな粘ついた乙女のような瞳をした奴にな……!」

 手元の履歴書に目を落とし、合格の判をプレスする。
 一次面接はこれで突破だ。あいつが最終的に採用されるか、それとも不採用か。それは陸道の知るところではない。だが…… 

「ふふ……どうやってこれから、死んだやつを面接するんだろう?」

 抑えきれない熱い蒸気が、再び、口とシリンダーから漏れだした。




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