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ダンゲロス流血少女:01事前応援スレ

49ひじ:2015/07/30(木) 00:24:56
ダンゲロス流血少女MM 陸道舞靡汎用出会いSSテンプレート「代わり映えのしない日々の変わった出会い〜菅生燈編〜」


 面接会場にきゅっきゅ、と金属をこする音が響くのを聞きながら、陸道舞靡はため息をついた。
 今日の面接対象者は全部で30人以上、先ほどで20人目だったか。
 陸道の腕につけられた超巨大プレス機を掃除する下級面接官を横目で見ながら、彼女は先ほど面接した受験生を思い出そうとした。
 代わり映えのしないアピールポイント、特徴のない経歴、ちょっと圧迫したらすぐに潰れてしまった。
 もう顔も思い出せない。記憶のそこからひねり出そうにも、出てくるのはため息だけだ。
 これがまだ10人以上も続くと思うと気が重いが、仕事故に投げ出すこともできない。

「陸道さん、プレス機のメンテ、終わりました」
「ああ、ご苦労。あと、次の人の履歴書も出しておいてね」
「はい」

 下級面接官が取り出した履歴書を、陸道は一瞥もせず机に放置する。どうせ対して期待も出来ない、目を通すだけ無駄というものだ。
 
「それでは、次の方どうぞ」

 可能な限りおざなりになる気持ちを隠し、次の面接対象者を呼ぶ。
 コンコンコン、とドアがノックされ、失礼します、と面接対象者が入ってきました。

「二年三組、保健委員所属、ジャイアントキリングの斉藤です。よろしくお願いします」

 瞬間、部屋の空気が塗り替わった。
 これまでの受験者とは違うすごさでよさのありそうな雰囲気に、陸道は思わず息を呑んだ。
 口の端に笑みが溢れる。この女じゃないやつの力を試したい。圧迫したい。それを押し返すところが見たい。

「それでは、面接を開始させていただきます」

 超巨大プレス機の蒸気シリンダーに煙を吐き出させながら、陸道とジャイアントキリングの斉藤の圧迫面接が始まった。

――――

 ふぅ、と呼気が口から漏れだす。シリンダーの蒸気よりも熱量がこもっているように感じるのも、無理は無いだろう。

「予想外だったな。まさかあんな奴が圧迫されても普通に耐えるとは。
多少口調におかしな部分があったような気もするが、まあ、それは面接なんだからそうもなるだろう」

 違和感を覚えて腕に手を向ける。万全のメンテナンスをされていた超巨大プレス機がガクガクと震えていた。

「恐怖……いや、期待か。まさか私があんな希望を湛えたモケーレ・ムベンベのような瞳をした奴にな……!」

 手元の履歴書に目を落とし、合格の判をプレスする。
 一次面接はこれで突破だ。あいつが最終的に採用されるか、それとも不採用か。それは陸道の知るところではない。だが…… 

「ふふ……どうやらこれから、面白くなりそうだ」

 抑えきれない熱い蒸気が、再び、口とシリンダーから漏れだした。

あとその時菅生燈はキャラメルフラペチーノの誘惑に敗北していた。




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