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あと3話で完結ロワスレ
1
:
FLASHの人
:2012/12/09(日) 21:32:05
ルール等詳細は
>>2
を参照
お前が、このロワを、完結させるんだ……!
488
:
FLASHの人
:2013/05/01(水) 00:47:46
んではとりあえず3話ロワにかけて3日の金曜夜にしましょうかね
時間は9時くらいから2時間程度で
489
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/05/01(水) 01:58:30
>>488
了解です
490
:
◆XksB4AwhxU
:2013/05/01(水) 03:31:18
桶。
491
:
◆c92qFeyVpE
:2013/05/01(水) 22:53:11
りょーかいっ
492
:
FLASHの人
:2013/05/02(木) 02:02:17
3話ロワ全体のまとめサイトができました
ここからこれまでまとめたロワには飛べます
それとFC2の上んとこに出てくるうざったいQRコードを出なくしたので
少しは見やすくなってるかなと思います
ttp://akerowa.web.fc2.com/3warowa/index.html
493
:
名無しロワイアル
:2013/05/02(木) 19:53:58
>>492
乙です!
次はどのロワが完結するかな。
494
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:00:38
まとめサイトの作成やリンクの整備、ラジオ企画などお疲れ様です。
完結はきっちりみてますが、リテイクやリアルの事情などで遅れてしまって申し訳ない……!
では、『Splendid Battle B.R.』の投下いきます。
今回は第二話・第二章。今回予告の漫画は下記のURLからどうぞ。
ttp://www.eonet.ne.jp/~ice9/3rowa/etc_comic03.html
495
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:01:28
289-b 素晴らしき小さな戦争(Ⅱ)われら死地に踏み入る者たち
Scene 06 ◆ 黒の鳥・世界の歯車が軋み始める
なんとも、安直な発想だね。
世界を静かに眠らせることを使命とする鳥は、穏やかな声でそう言った。
なにものにも染まらず、染まらぬものをも逃がさない、響きはほがらかに心を侵す。
だが、軽薄そうに謳う鳥――齢三十を超えたかどうかという見目をした男の、双眸はひどく冷酷に光っていた。
宵闇の輪郭をぼかす月の瞳には諧謔と超然が混淆して、見たものの裡にある空虚を暴き立てる。
彼がため息をついて腕を組めば、襟巻から墨色をした羽根がこぼれ、白手袋に包まれた指先を包み込んだ。
道化のごとく剽げた佇まいは世界を憎んでいるのか愛しているのか、あるいは許しているのかさえ余人に掴ませない。
この箱庭にある鳥よ。
貴方も『そう』だったのかな。
ただひとつ、囀る言葉の自嘲だけが周囲の闇を揺らしていく。
◆◆
足りないものがあるから足す。
安直だという感想を撤回はしないが、使い方によっては、それほど悪い考えではないとも思うんだ。
なにせ私は、時で滅ばぬ黒の鳥。箱庭の滅びを司る存在なんだ。自殺行為を破滅的だというだけで否定はしないさ。
白梟ともども、他の者の主観から復元された存在<タイム&アゲイン>だからこそ素直な言葉もほうりやすいよ。
それに、ここでこうしていると、失敗作を壊して行かれるあの方の気持ちを察することが出来る気もしてねぇ。
ま、私も『たったひとつ』のために世界すべてを裏切っていける者だ。
滅びを恐れ、喪失を嘆いて手を伸ばすこと自体にどうこう言うつもりはないよ。
ただ、伸ばした手を離すべき時に至ってなおもぐずぐずしていると、結局世界はこうなるというわけだ。ほんとうに、
愛とは害意に他ならないな。なぁムラクモ。箱庭の楔たる鳥、ヴァルキュリアを手にかけた現人神よ。
なんていうか、お前が掲げた天命と主の浮かべる理想は、わずかに色味が似ているんだ。悪い意味でというよりは、私が
好まない方向で合致している。だから、届かないと分かっていても意地悪を言いたくなってしまったんだなぁ。
――ひとがひとを殺し過ぎない世界を。
……まだ負ってもいない傷をさえ嘆いて、征く途を綺麗にしてみたところで、世界にはなにも実るまい。
それは花に満ちる庭とて同じだ。すべてが白い花の色に塗り潰された楽園は、なにも香らせ得ずに滅びるさ。
だって、綺麗だと思ったものだけを集めたというのなら、美しきを峻別するはずの五感は役に立たなくなるじゃないか。
世界に息づいているものの、一体なにが綺麗であるのか、なにがそれを綺麗に見せたのかも見えなくなった世界で生きろと
いうのなら、人は情愛を注ぐべきを選べなくなる。なにを見てもいとおしいと思えなくなるだろうね。
比喩表現が気に入らないなら、花を闘争にでも入れ替えたまえ。
なにを当てはめるにせよ、そんな世界ではだれもが神のように生きてしまう。だから世界も壊れるというわけだ。
それは推測でも、予測でもない。経験に基づいた確信で、私にとっての絶望ともいうべきものさ。
でも正直、顰め面如く行う講釈なんてどうでもいいんだ。
私はこの世界も気に入らないけれど、それ以上に、この世界に従うお前が嫌いだなぁと思うから。
泣き言と感傷しかない、おもちゃ箱をひっくり返して戻さない戦争。
あのちびっこのように、道を歩みきったはずの者が折れるまで紡がれる繰り言。
胸が悪くなるほどに密で甘い感傷すら――胸が悪くなること自体に飽きてしまったから、感傷に浸らせていたものを
死なせてなかったことにする。そんな世界の様相を前にすると、すべてが嫌になってこないか。
こんなふうに雪であるとか花だとか、美しいものたちをかき回しても、生み得るものなどありはしないよ。
指を伸ばす前に発想したことを正答としているものにとって、世界は我を肥やすエサにしかならないから。
496
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:03:07
ムラクモ。結局、お前もおのが力を自分自身にさえ使ってやれないんだ。おのが現状、そのありようの正しさを示すお前は、
相手方から「話にならない」と見放されることさえも「受容」とみなして、人の身で神に至らんとする自身を守り続けている。
そうして自身が餓えないために他者と闘って意味を喰らうけれど、自らの意味は喰らわせない。
魂が死んでいるなんて濡れ女は言ったようだが、何にも満たされ得ない自分に、お前はうんざりしていないのか。
もちろん、あの玄冬を息子として育て、世界を内側から見ることで変化したのは私個人の問題で感じ方だよ。
だけどそんなにもお前だけが正しくて、お前だけは変わらないのなら、ずっと自分だけを見ていれば十分じゃないか。
なのにお前はこの期に及んで終わりきれずに、他のものを殺そうとするんだな。
ゆっくりと息を吐き、ならばと黒の鳥は続ける。
言葉が空に散じてほどけ、そのたび無為に心を凍らせてなおも口を開く。
そうであるなら、そんなお前に『足りないもの』というのはいったいなんだ。
過去を殺して未来を潰して、切り捨てるものばかりしかない現在にあって満たされもしない現人神。真理に到達しても
腐るばかりの死体を満たし得るなにものかは、死よりほかに与えるものの無い手を伸ばした先にあるというのか。
いま、完全者が世界を無理矢理に抱き締めているけれど、それを儀式忍法に活かしてしまったのはお前だ。
その先でも傷つかず繋がり得ず、すべてを投げ出して死んでいけるなら、……そうだな。赦さないよ。
箱庭を滅ぼすものとされても世界や人々を憎まず、未来をも望み得たあの子<玄冬>。
自身の罪を知り、玄冬と救世主とで創られた世界のシステムに抗おうとしたちびっこ<花白>。
世界の平和をまえに萎れたちびっこを見つめて、籠の鳥と定義する己の心を揺らがせたあの人<白梟>。
ああ、それとまぁ……代わりは創らないと仰った主の言葉を無視して、『代わり』にされた私<黒鷹>もだろうな。
個人で完結など出来ない者どもの魂を、お前の裡の矮小なものを慰撫するために歪めたのなら、私はお前を赦さない。
◆◆
言いたい放題言ってみたけれど、ここまで言えば、貴方にも伝わったかな。
気分? よくはないね。私自身に心当たりがあることを札にしたんだから、すっきりなんてするわけがない。
それでも口を開かなければ、『思考され得たものは棄却されない』この場のルールを利用出来ないじゃないか。
……あの儀式忍法の力で死に終われるかもしれないのに、自身の主観で世界を弄ぶ気分はどうかな。
去ると決めたはずの世界に手を伸ばし、貴方を排斥したものにさえ手を伸ばすのは、どうしてなのかな。
手を伸ばして、結局は消えていくだけなのが解っているのだと、私は勝手に思っていたんだが。
ああ――だって、そうだろう。
救いを綴って優しい物語を受け取ろうにも、他の誰かのためにあるようで腰が引けるのが貴方だ。
息をひそめた背中は気持ちの悪い言葉に刺され続けているし、グリム・グリモワールの『魔法』だけに沿おうとしたって
迫る無意味が恐ろしいし、だけど足を止めることは一時しのぎにもならないと理解しているのも貴方だ。
それでもまだ朝は、変化は自身の胸中にすら訪れていないのだと目を閉じれば、そこに何もありはしないことへの
焦燥にさいなまれると知っているから、膝の上に世界があるように振る舞うことさえかなわない――。
逸脱しようにも、常軌を逸することさえ出来ないのが貴方や、あの男たちなんじゃないか。
だから暴力を蹂躙を殺戮を短絡を欲望する自分から目を背けても胸中の自身<他者>にさえ呆れられる有様で、
それでもまだ、かたりたいものがあるんだろう。
かたりたいものを語るか、それとも騙るのか。私はどちらでも構わない。
いずれにせよ、それは何かを信じるということか、こうあって欲しいと祈り願う思いなんだから。
貴方の目に対面の打ち手さえ見えなくても、そもそも打ち手がいないとしても、ゲームはまだ続いている。
たまらず汚した世界、詰みかかっている自分の手筋に殺されようとも、それでも好きだと貴方だけは言えるはずさ。
◆◆
.
497
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:05:13
Scene 07 ◆ 咲乱の間・透明な傘の内側より
白梅の鮮華こぼれるなか、藤林修羅ノ介は深く瞑目していた。
こころ澄ませばいくさ場に流れし雪の香を、自身の肌をなす忍術秘伝が吸い取ってゆく。
「は? ……ええー、なんだ、なんだよそれ。第三の選択肢にもほどがあんだろッ」
淡く、果敢ない匂いから盤面に刻まれた【情報】――『合咲の間』が二重に分割されたことと、花白の自殺という
結末を手にした少年は、雪白へ荒々しく語尾をぶつけた。
流された血の優しさに、抗うように目蓋を開けば、そこにはしかり、まなこがある。
「雪の香から情報を読み取る、忍法……やっぱ『匂追(におい)』だよなぁ。
天華ちゃんの術そのものじゃなくて、俺なりの変奏だけどさ。名前だけもらっとくよ」
化野天華(あだしの・てんか)という名前は、まだ、思い出すことがかなった。
私立御斎学園で迎えた何度目かの六道祭、萬川集海の断章を奪い合う魔戦が始まる日に転校してきた狐の少女。
血盟『化野生徒会』のリーダーとしてあった仲間の名を呼べば、失せて久しい胸も痛んだ。
鋼玉の赤をした瞳に沈んだ悲しみは、されどいくばくもせぬうちにほどける。
仮睡の余韻か、あるいは桜の香にも似て情の薄まる原因は、少年の精神でなく肉体にあった。
「しっかし、よろしくねぇなあ、なにもかも」
口を開いた傍から、肉の薄い頬がくずれる。
白く、きめの粗い肌が『紙のようだ』という形容は、露出した文字列と竹で出来た巻物の芯が超越した。
「もう四六時中くだらないことでも喋ってなきゃ、俺はコイツに全部持ってかれちまう。
萬川集海の力を使わなきゃまだマシだろうが、それじゃなんにも出来ないうちにタイムアップだ」
水は好きじゃないんだけどな。うそぶいた彼の唇に、ゆるんだ雪が染み込んでいく。
それほどまでに、伊賀の末裔は自身を萬川集海そのものであると信じている。
「面白いな。藤林の、修羅ノ介」胡座をかいて刀を見分するムラクモの声に、喜色はかけらもなかった。
「自我を保つために抗うべきものとの同調を敢えて深め、死に体となってなおも闘志を収めぬとは」
石床をすべった囁きの底にあるものは、いつしか主と従が逆転している。
憂いと紙一重の疲労。特段面白くもないものを面白いと断ずる苦しさが、少年を見下ろす赤に映っていた。
くるめきを覚えるほどに濡れた鋼の、赤い眼光が、雪とも花とも見えぬもので遮られたそのとき、修羅ノ介は風の流れに
触れて返す言葉の刃を喪う。いまも滅びにむけて時が進んでいるというのに、滅びゆく世界の今日という日が暮れたとて、
やって来る明日は雪に埋もれた昨日と見分けのつかぬ無明であったのに、それでも時の流れが嬉しい。
自他の間にあるものの、なにひとつとして変わることなく「脳裡」で泡の弾けるような幸福が。自他の間に、なにひとつも
生むこともなく、認識の空白に痛む「背骨」の熔ける安堵が、――とうに原型がない「四肢」から「五指」に沁みる。
死よりほかに思うこともない少年の、「爪」に覆われた「肉」がしびれていわれない多幸感がうたを運んだ。
◆◆
――――創って壊す〜、それが真理〜、しんらばんしょー。
◆◆
壊すことの痛みも創ることへの躊躇も知らないヒトビトの声を、「耳」にしたのはなにゆえか。
いま、まさに音楽的なまどろみに浸りかけていた修羅ノ介は、その声を聴きたかったからだと断じた。
「創って壊すー、壊して創るー。……イッゴー、イッゴー、リッサ―――イクル――」
かすれた「のど」で歌の続きを引き取れば、夢のなかでは美しくあった誤解が崩れ去る。
冴えた雪に韻律を載せれば、卑小で行き詰まるしかない思いも綺麗に。たとえば空から降る白い花の、風に舞い遊ぶが
ごとくに響くと思えたのに、自分の「耳」にさえ感傷と泣き言しか届かないとなれば笑ってやるほかなくなった。
たがの外れた笑いで「胸」を開けば、壊れた誤解の招いた感傷が感慨に変じる。
「ああ――なあ、……ムラクモさんよ」
忘我のもたらす深い息。そこに沈んだ名を、修羅ノ介は、ただ滑らかな音のつらなりとして捉えていた。
雪を見通した先にある天井の、石の継ぎ目を見つめるしかない「後頭部」がしびれ、「目」の焦点が現世のどこにもない
紫明に合わされて盤面からずれ落ちるばかりの存在が自身の「肉体」であったものを構成する
498
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:07:12
紙に、神に近づいていく。
孤独に対しておぼえる安らぎ。永遠に対する感覚の鈍麻。これらが招くであろう死をいっとき忘れさせ、今、このとき
だけでも主を生きながらえさせる「胸」の昂ぶりさえ修羅ノ介を大地に縫い止めて離さない。
忘却と停滞の肯定。それこそが生にしがみつくヒトガタ、「いのち」の性質さえ無為なものとしてしまう。
なんだこれと、洒落にならねえとこぼした声は、はたしてかたちをなしたろうか。
子供のむずがるようにもがいて、――紙のかたまりはぴくりともせぬまま、梅花のひとひらに口をふさがれた。
なんだこれ、ではない。これを自分は知っている。萬川集海の断章を取り込んだとき、力に酔いしれて『神モード』などと
うそぶいたものだが、違う。あの、スイッチを操作するようにおのれの任意で変えられる状態と、これとは違う。
銀色にひかって痛む、「眼」の前を青白く燃えて流れる星が塗りつぶした。
黒焔の、華散るがごとくに翻る幻想は、九尾の妖狐が中天へ舞った夜に見たものだ。
――俺にはいくらでも時間がある。俺が俺を見失わないうちはな!
六道ノ書と六識ノ書。萬川集海のうちの二巻をみずから散逸させたときに紡いだ言葉が「耳」に蘇る。
秘伝書に自身を侵蝕させたことは、しかし計算のうちにあったことだ。
この魔戦が盤面の、ひいては世界を形作る【情報】のひとつもなければ、自分は自分の定点を見失う。世界に関わらず、
そのありようを拒絶するという選択さえ、世界に抱かれていなければ選べないように。
“喰らうべき意味が裡になければ”外側から取り込むしかないのだと考えて、探った相手は花白だった。
この世界はどうすれば君に償えるんだろう。箱庭における唯一の被害者としてある玄冬の「顔」を見た救世主は世界と
折り合いをつけることすら出来ぬがゆえに正しく少年で、それだから死ぬことでしか存在しえないものだったのかと思えた、
その思いも逃散する。
逃げゆくいま<ヒト>との間にある距離を嘆いて伸ばした「手」が刻む文字で時をつかもうとあがく発想の
健全に自分はまだヒトだまだ大丈夫なのだと安堵して「心臓」をさすろうと溢れるものを止められない。
ならば自分こそが他者の定点、他者の情動を励起する、モノになる。
過去のように死のように、他者から意識を向けられねば現れ得ぬ機能と成り果てる。
もはや喪失への危惧もなく、そのくせ「膝」の裏の「腱」がひきつる痛みが恐れの役をはたしている。
茫洋とたゆとう、思考がそのとき煤竹色に。大外套の役を果たす上着の、腕に通していない片袖で引き裂かれ、
.
499
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:07:49
他者<自分自身>を認めた一秒で、藤林修羅ノ介は神の、死体からヒトへと戻っていた。
.
500
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:10:04
「うわあ」。
のどをすり抜けた響きは彼が纏っていたはずの果敢無さを裏切って太く、間が抜けている。
声からのぞけた生理的な――ああ、ああ。そうだ。もう自分にはこのヒトガタが自身の身体であるどころか、まるで、
これがヒトの、半端な温度に縛られた肉であるように感じられる――嫌悪感。いっそ「ひるんだ」と言ったほうが楽になる
思いの向かった先は『藤林修羅ノ介』が死して神となる過程かどこまでいこうと逸脱出来ない自分自身にか――。
それこそとりとめもなく浮かぶ思考の、一切を現実が黙らせた。
黒手袋に包まれていた男の爪が、修羅ノ介の視線に晒されている。節くれだった指と、肉の厚い手のひらが有する輪郭は
弛緩とかけ離れて、彼が自身の肉体を我が物にしていることがひと目で判別出来るものだった。
すんなりと修羅ノ介に向かって伸ばされた指は、彼の吐息が飛ばした花びらの、赤い萼を軽々と摘む。
自身の肉体を扱うことに慣れた男の所作は生理的な震えがくるほどに優しい。
そうして震えは修羅ノ介の意識に背中を、腋下を二の腕を脇腹を腿を膝をくるぶしを土踏まずを思い起こさせ、
書物が、肉体としての意識を模る。
それを意識したときには、くぐもって固まり、不恰好に軋んでさえいる鼓動の、――幻想を取り戻したことによる緊張が
すすり泣きのような呼気にまで及んでいた。不随意のうごきで息を吸い込めば、もはや不要となった空気になめし革の
蒸れた匂いが鼻孔をつく。『ああこんなヤツでも汗をかくのか』と思い遊ばせたそのときに傘の、透明な内側からすべてを
睥睨するしかなかった修羅ノ介の花よりおぼろな認識を突き抜け
半端な熱に触れた瞬間夢の淡いから世界が異物感を誇示して立ちのぼり、透き通ってあろうとするものの
底に沈む鈍い、濁りを鋭角なものとして少年がたましいに流れる、赤いものにと突き込んでくる。
だから、もう、藤林修羅ノ介は神に戻らなかった。
紙たる自身が神に変ずるという逃避、透き通って口当たりがいいだけのひとりよがりに醒めていた。
『神モード』とうそぶいてまで現実にしなかったものの影を見た目尻に伝うものがある。肌が水を弾くさまを感じる。
涙かと、あるはずがないものに鼻孔の奥を衝かれて――泣きたくなるほど、意識が自らの肉体を捉えている。
根拠ひとつない自分の、体温で雪を解かすほど確かな在り方へなぜなど問わず、修羅ノ介は視線を上げた。
淡く、果敢ない。恥ずかしげもなく白にまみれた世界にあって、鋼玉の瞳はそれ以外の色と、音と光をつかんで輝く。
色は、泥砂にくすんだ都市迷彩の青で、音は、歯列を抜けた嘲笑の原型で、光は、つやめく無彩の黒髪だった。
「ああ――ちくしょう。こういうのアンタに言うとか絶対変だし、死ぬほど不本意なんだけどなぁ」
眉間が深く落とした翳を、みずから払って強く光る武官の瞳を見た、少年の目は気安い口調と裏腹に緊張している。
平然と手袋をはめ直したこの男。父よりは少しく若いだろうムラクモよりほかに、修羅ノ介が視える世界にはいない。
そう思えるほどに閉塞し客観というべきものから遠ざかった状況で、ゆえにこそ客観を連れて来る他者が。どれほど抽象に
溺れようと世界に残る不純物が、自分に常軌を逸させはしなかったのだと今にして気づく。
動かない武官の表情に二の腕がひりつく感覚は、それこそ父を盗み見る時間でおぼえたものに近い。
「でもいまは、もういい。俺はお前で……じゃねぇな。お前がいいよ」
ムラクモ。
精神の血肉を取り戻した身体の紡ぐ名が空気をふるわせ、銀花をもたつかせた。
どうにもならないものを前にふてくされながら引き下がる、子供の言いようが口へと残る。
言葉を費やしたとて記号に出来ず、視線で射抜けども磔にされず、思惟の果てにさえ汲み尽くせぬ不可侵の、
「……お前は、私とあの女に勝つつもりではなかったのか?」
他者は、しかし鼻にかかった笑みで修羅ノ介に『応じた』。
深い響きを有する、現実認識をあざけって怒りを引き出す言葉には拍子抜けするほど傷つかない。
永遠の少年は、雪と花を割り裂く男から、自分が体感していたものと同質の空虚を視ているがゆえに。
ムラクモ。神に至ろうとするものに意識を向ければ――そこで、暴力と軽侮に対する怒りにとらわれさえしなければ、
赤く沈んだ光をのぞかせる瞳が想い出のように死体のように相対する者の胸を衝く。
呼気を詰める切なさこそは、過去を忘れ現在を手放し、未来を迷妄に押し込めた先刻から消えない思いであった。
501
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:12:11
「莫迦を言うなよ。お前は俺とか完全者サンに向かって行って勝つとか、そんなんないでしょ?」
仰向けになっているしかない修羅ノ介は、ゆえに愛惜ともいうべき情をもって武官に応える。
彼を直視し立ち向かおうとしなければ、彼は世界から消えていく。命の器による【封鎖結界】の罠を仕掛け、『影弥勒』を
使って『天魔伏滅の法』を展開し、『綾鼓ノ儀』で理想に夢さえ抱かせぬ強敵であっても関係はない。
「だって……ほら。ここで俺らがみんな死んじまって、世界の全部が壊れちまったら。
絶対、誰も気付けない。俺もお前も、この天井突き抜けた宇宙のどこからも忘れられて、いなくなっちまう」
あンの八咫烏だって、俺ら『化野生徒会』が墜としちまったし。
天才的にエロい――えげつなくろくでもなく、いやらしいにもほどがある札さえ、事無草はまなうらに追憶する。
こうして追憶しなければ生まれ得ないからこそ、自分は現世にない過去にありもしない熱を燃やしているのだと、
萬川集海による侵蝕と闘う際に覚えた絶望とて、こうして、喰らえずともしがみ続けて慣れていったのだろうと、
なにものかを呑めぬまましがみ続ける代わりに男へ刻まれたのが、額から頬骨に落ちる翳であるのかと、思った。
「濡れ女みたいには、言ってやれねえけど……でも『斬らないならお前、また負けるよ』。
その得物の、美の一閃で、物語<Winter Tales>なんざすぐに終わらせちまえる冬の圧制者だってのに」
あぁ、でも、――斬っても負けたんだっけ。
ささめいて冬の気配たる雪を水にほどけば、修羅ノ介の双眸には九重ルツボの魂が宿る。
これまで命を落とした忍びたちの名をもって過去を刻む忍術秘伝が外典・『天下忍名録』にかたどられた他者に触れても、
彼女の置き土産であろう哀れみにちかい愛惜に口を開かされても、情報を溶かし落とした心水は揺らがない。
「その、ヒトガタをすら作れぬ身体で、私に勝つつもりか」
「なんでよ? 俺の負けがお前の勝ちとか、その逆になるような場所じゃないっしょ、ここはさ」
けれども哀れみの行く先は、この、短い間で移り変わりかけていた。
意識せねば現し世に浮かび上がることのない、昨日の体現。それがムラクモなのだというのなら、昨日を愛し、あるいは
傷つけてみたところで、振り向かせることはかなうまい。日向影斗という『いま』を武器として、彼に立ち向かおうとした
九重ルツボと、いまの自分はきっと同じだ。『過去の、想い出から人間を取り出そうとする』自分をこそ哀れんで、
――――所詮、夢は夢。過去を追っても、何も得られぬ。
「……うるっせえんだよ『花狂い』!」
哀れむことがかなったからこそ、修羅ノ介は冬の気配に怒声をもって応じられた。
怒り。紙の身体が何より恐れる焔のごとき感情こそは、ムラクモという他者に声を放ったつもりでいて、そのじつ自分に
声が返ってくる感触を前にすれば、どうしても抱ききれなかった思いである。
「何も得られない。夢を見続けたくて目を閉じたって、夢を見られる自分にさえ冷めちまってる。
そんなのはもう知ってるよ。でも、それを分かっててしがみつくのはいつだって九尾の――狐じゃねえか」
けれども今、殴り返されることのないのだろう場所から響いた声に、少年は酷薄な笑みをもって応じた。
ヒトは完全な受動にあって、はじめて己の本性を露にする。藤林修羅ノ介。のらりくらりと立ち回り、ときに『悪魔忍者の
再来』とさえ言われよう策を弄して勝ちを奪う「戦術」の得手。怒りで自身を燃やす《火術》の達人。
過去の喪失を取り戻さんとする彼の本性は、ならば変化を拒む盲信であり拘泥であり、憎悪であった。
「だけど、それで俺を黙らせようってなら、当てが外れてんだよなぁ……。
本当は何も喪ってないなら、本当は傷ついてないなら、あのときつらかった自分は何だったのかって、思うよ。
でもあのとき、止まれなくなってた俺を止めた狐<天華ちゃん>だって、ここばっかりは止まらずに走るだろうさ」
けれどこのとき、修羅ノ介は決めた。
都合よく日常を謳歌し夢を思い出し、ひとりよがりに咲き散らかす自分をこそ赦さないと決めてしまった。
502
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:14:29
「俺はもう、黙らないし誤魔化さない。この『傷痕』に何度でも目を覚まして、それでもほっとく不義理を許す。
だって腐る傷のかさぶた剥がして、そんな安い快感で満足するかよこんな、世界に――――萬川集海・巻ノ七!」
怒りの激しさを裏切るように、紡がれた声はさえざえとしていた。
先ほどの絶対失敗<ファンブル>で、何も起こらなかったことも幸いしたのだろう。数多の巻物、忍法の秘奥綴られし
紙片が部屋の全域に鮮烈な嵐を起こす。それが骨となり肉をなして、藤林修羅ノ介のヒトガタが再び模られる。
骨組みの心もとない身体が纏うのは、しわや汚れのひとつとしてない、白の学ラン。
私立御斎学園の生徒会に所属する者だけが着用を許される、いささか時代錯誤な『勝負服』であった。
◆◆
Scene 08 ◆ 無限の始源・闇夜が食べるは影の色
「……忍法、『秘身宝鑑』」
凛然と響きわたったはずの、声はしおれた反響となってあるじの耳朶を叩いた。
秘伝書の紙は着衣の上から四肢を覆って垂れ下がり、事無草を木乃伊のごとくによどませている。
雪と花の白で満たされた世界に著しく透明度の低い自身を認めながら、修羅ノ介は背筋を伸ばす。
凍りついた世界のなかでヒトビトが――自分が、泡沫となって氷を濁らせる空気となっていようと構うことはない。
どんなに終わりかけた世界でも濁っていた双眸を開けば、血と泥にまみれた肉は、心臓は脈を打つのだと信じて、
「ああ、あ――ははッ。ホンっト、清々しいなあ……カラダを動かすってのは」
信じれば、空白への恐怖さえ覚悟の扉に。この先に通じるものへと変わって彼を動かしていく。
『かみ』より降ってきた御言に逆らうのではなく、言を受けて弾んだと言うに相応しい転回を遂げた修羅ノ介の、しかし
右腕は動かない。様々な陣形や忍法、特技の策を断簡として授けてきた萬川集海は巻物の数こそ揃っていても、そこに
刻まれた情報を伝える精神の血<インク>が圧倒的に不足している。
「なんだ、完全者サン刺されてたんだ。その深傷で《リザレクト》してんなら、しばらくは起き上がれねえか」
完全者に乗られている者の姿が、けれど、今ならよく見えた。
どうということもない短髪を、真理を得た『完全者』――電光機関の力を使ったムラクモらのように白く染めた青年を、
修羅ノ介は知らない。うつ伏せになったパーカーの、影からのぞくネクタイさえ彼を『ヒトビト』に埋もれさせる。
「一応聞いとくけど、あいつ、誰?」
忍びが声をかけるまで無個性の影に落ち込んでいたのは、ムラクモとて同じだった。
「高崎隼人(たかさき・はやと)……『ファルコンブレード』。UGNのエージェントだ」
「あ、そっちなら知ってるわ」どうということもない顔で、修羅ノ介は頷く。「ま、始末されてないんなら生還するだろ」
そうして彼は、その認識で射抜くべきただひとつ<Sロイス>を定めて一歩を踏み出す。
つねに自身を貫くなにかに耐えているような、この男。目を逸らしてしまった瞬間に世界から消えてしまう空虚に向かって
いくというのなら、脇目もふらずに進まねば――指で、腕で身体で、彼のあばらをこじ開けることさえかなわない。
東風吹かば萬川集海の紙片がまたたいて、ふたりの場所を満たしていく。
そのなかでいちど息を吸い、呼気と変えた修羅ノ介は、得心がいったとばかりに息を漏らした。
「俺の《ワーディング》にも反応しねぇってことは、やっぱ、そっちも『もう』オーヴァードか」
「そのとおりだ。藤林修羅ノ介――愚者の黄金<デミクリスタル>に適合した、新たなる『神の現実態』よ」
「ヤだ」取り繕うような言葉を、修羅ノ介は即座に断った。「俺は自分を人間だと信じきるコトにしたんで、そういうのは
もう要らねぇ。ていうか、もともと俺は『新神宮殿』とかどうでもいいって、言って――言ってたよね?」
「私やあの女と敵対する【使命】などないとは、その口でさえずっていたな」
「うん、そう。そんで、でも隼人がデッドマンになるまでにお前と戦うとかそういうのは……言ったっけなぁ……」
だが、正確無比な返答と温度のない視線を受けて、忘れたふりをする言葉尻は濁った。
生きていようとすることの濁りとは違い、まったくもって美しくはない光景の先で蒼い刃の鯉口が切られる。
503
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:16:11
「『神の死体』……お前の屍を、いま此処に創り出すか。あるいは、その手で私を倒してみるか」
「あー、ダメダメ。俺とお前に殺しあうのは無理だって、ちゃんと説明したでしょ?」
月下美人の銘が刻まれた刀、世界にあまぎる雪を呼ぶ遺産を恐れることなく、修羅ノ介は歩を進めた。
分かってないなら、もっかい言うよ。気負いのない言葉は、水が、波紋をつくるように彼らの世界を侵蝕する。
「俺はお前を選んだ。壊れかけた俺の全部を壊して、もっかい同じに創ろうとしたお前を心に刻んでるんだ。
まぁ……俺が勝手にお前『で』立ち直ったのかもしれねぇが、それならやっぱ、俺はとっくにお前を選んでるんで」
それは、白に雑ざった影とよどんだ修羅ノ介の身ごなしも同じであった。
『幽霊歩き』と呼ばれる、忍者の高速機動のなかでも最も遅い足取りは、けれどムラクモに捉えられない。
より正確には、修羅ノ介の纏う文字が『影』と変わるさまを、捉えようとさえしていなかった。
レネゲイドウィルス。第二次大戦前夜には『ヴリル』や『魔術』と呼ばれていた力でもって、身体能力や思考能力の
増大が果たされていようとも。いいや。レネゲイドウィルスによる力を有するからこそ、彼は足を止めている。
この空間における音波の伝達、匂いの拡散――。
藤林修羅ノ介が『いた』場所を中心とした地点から、それらすべてが遮断され、
(こいつ、が、オーヴァードのエフェクト。《イージー、フェイカー》……?)
「――ッ、ぅ――――!」
転瞬、ムラクモに肉薄していた少年は、声にならぬ声を喉奥に詰まらせた。
とうにヒトから離れた身体の、それでも文字が熔け堕ちてゆく異形化<イレギュライゼーション>。
文字が渦をなし、影となって場を支配するイメージが使い手をも貫いて、久方ぶりに『肉体的な痛み』をもたらしたのだ。
自身を構成する萬川集海に刻まれた【情報】をアヴァターとして操る幻想。これまでも忍法や奥義のかたちで現実にしてきた
都合のよさが、もはや都合よく切り離せないものになったのだと、交錯以前の接近で叩き込まれる。
「ちぃ……ホンモノ、触るまで怖さが分かんねえとかッ」
はっきりとした声が出て、はじめて《無音の空間》が壊れたことを知った。
その体たらくを笑ってやる前に、膝のほうが笑っている。そのふるえが情報までも揺さぶって、ああ、……思い出した。
この力。影と、他人様の発現したシンドロームをコピーして使う力は『ウロボロス』のシンドロームに属するものだ。
それは、忍術の秘伝書から力を引き出して使う者が目覚めるにはなんとも似つかわしい、
借り物を我が物顔で操る力。
物欲しげに喰らった他者の意味を自身の進化のためにしか使えない能力。
外部からの刺激を受けて進化するという力への絶望が、修羅ノ介の存在に叩きこまれた。
空を見れば星と消えてしまいそうな、モードにすらならない『神』になりかけたときに何度も、何度も響いた言葉。
カミからの御言が響く瞬間に世界からは色も音も、光さえも消え失せるのだと今さらのように知覚する。
きっと、この現象には誰も気付けない。神鏡による未来視を扱えるムラクモでさえ、気付いているかは分からない。
「そん、でも……知るか。腹が減っても選り好みする感傷なんざ、俺は、分かってたって知らねえッ!」
ゆえにこそ、感傷で腹など満ちなかった少年は、強く声を張ってみせた。
世界と折り合いをつけようと譲歩して、それでも残った意地と見栄が、声に折れることを赦さなかった。
至近で、その声を聞かされたからか。かたくななまでに動かないでいた武官の「顔」が、はっきりとしかめられる。
動かぬがゆえに相手の感情だけを励起してきたモノ――神としての表情が、大きく揺らいだ修羅ノ介の視界でさらに歪みを
増して植物の。あるいは無機物から生命の芽吹くように色と、音と光とをにじませた。
見開かれた双眸が詰まった呼気が熱を帯びる、そのさまは顔を伏せた少年の目に見えることがない。
「ほら。借り物ばっかでも、射抜くべきヤツには、届いた」
見えなくとも、爪先立ちになって相手方の首にかじりついた腕の、左で鼓動を感じ取っていた。
504
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:18:14
「な――――」
「こういうのはないって思ってた顔だろうな。でも残念。俺はセクハラを、男にだってするんだぜぇ……」
濡れ女とは違って、俺は、お前に優しくする義理もないわけだしさ。
ある意味においては絶望的な言葉を耳朶に這わせて、修羅ノ介はムラクモの、剣を振るう右肩に額を預ける。
斬らないならまた負けるよ。その言葉のとおりに、武官は負け続けている。人間に価値はないと言い放つわりに他者を
『面白い』と評し、人の身を保って神に至ろうとする彼は、価値はないとした人間にこそ意味を求めてやまない。
ただひとりでは闘争など成り立たぬことを知悉しているがゆえに、ヒトとの繋がりを鏡面のごとく構築する、――。
九重ルツボ<死者>の余韻を超え藤林修羅ノ介<生者>自身の認識が芽吹きひらいて枝をなす。
神。かの者の存在を意識したものの想いを照り返す機能を願うヒトの過去に沈んでなお悲しまぬさまに心が灼ける。
――ふたりでいれば、寒くないね。
自身の裡にあるなにものも返さぬ男<無為の咎人>に相応しい言葉が思考の端へ浮かんだが、即座に叩き潰す。
それを言ってしまうには、フラグも好感度もイベントも足りていない。理合いだけに満ちた相手の抱えているだろう、
過去と名のついたブラックボックスに比すれば、わずかな言葉と時間で作った手筋はあまりに脆いものだ。
(でも、ヒトの敵愾心を煽るコイツは【人類の敵】だろうが、ジャームになれるようなヤツじゃない。
自分ひとりで完結出来て、相手の言動にタイミングよく応えて衝動を満たすだけの存在なら……塞とかいうヤツに、
前後不覚になるまで怒る理由なんかない。絆を持てないっていう存在なら、過去にだって執着出来ねえよ)
だのに「小賢しい」との評には、瞬速の抜刀どころか、四本貫手も軍靴による鋭い蹴り上げも乗りはしない。
いつの間にか適合させられた『愚者の黄金』とやらが大事なのか、やり過ごせると判断したか。――せめて、後者を
潰さねば、過去に逃れるムラクモを意識して繋ぎ止める修羅ノ介の側が彼の孤独に取り込まれかねなかった。
そうなればきっと、『貴方はそこにいていいのか』と男に問い続けたルツボのように死ぬしかなくなってしまう。
けして返らぬ熱情を抱き続ける自分が可哀想になってしまうか、熱情を注いだものへの憎しみにとらわれてしまう。
(ええい。死。死ぬ。そりゃあもう、都合よく家族を蘇らせる『モード』なんか使わないって言ったけどさ!)
こんな体になっても、こんな力を手にしても、それだけはいやだった。
忘我の果てに命を落とすなど、無意味などあり得ない書物を核としていなくとも認められない。鼻がぶつかりそうな
ほど近くにいる、無意味に、執着をあっさりと捨てて死ねるがあまりに無意味に生きることすら出来そうな男は吐き気が
するほどおぞましい。だからこそ相手にすがって体温を奪い鼓動を盗み、心を、聴き取ろうとしている。
それもきっと、事無草ではない『藤林修羅ノ介』の。ヒトのかたちを崩していながら常軌を逸することのかなわない
小市民の性だった。あるいは、世界から拾いあげた意味を喰らい刺激を受けて進化するものであるものの業だった。
外界に在るなにものかを理解出来ぬ責が自身にあるとして、それをも呑み込めるように――。
愛せるように、少年は思考を続ける。同時に自分が理解出来ないものを繋ぎ止めて記号になるまでしがみ、相手を
標本にしてしまうような行いにさえ快感をおぼえる事実を認識して、
「お前の得意分野に付き合う気はなかったけど、こういうのも立派に暴力だろ。
でもまぁ、意外と肌が気持ちいいしなんだか眠たくなる匂いがするから、冗談で済むまでに本題に入ろうか」
だからそれがなんなのだと、開き直って視線を上げた。
「正直言ってさぁ、俺、このままならお前を躊躇なく傷つけてやれると思うんだよ」
紙でいたからか『影』を扱うシンドロームに目覚めたからか、ともすれば内閉に向かいかねない自分自身の心持ちに
こそうんざりする。絶望のなかにあっておぼえる、不思議に停滞した安堵。死にも近いあの感覚を、もう二度と味わいたく
ないというのなら目の前にいる他者の、鏡写しのように赤い双眸を見なければならない。
505
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:20:14
「俺の思ったコトを叶えるなら、たぶん出来ることはふたつ。
お前が、自分が無意味である事実を嫌になるくらいに愛していくか、アンタが自分のたましいを守りたくなるくらいに
傷つけてやるかだと思うんだけど、そっちのコトよく知らないから後者は選びやすいんだ。
ホント……戦争とかおぼろげに覚えてるコトはあるし、学園にいた頃とかの想い出もきっちり刻んでんだけど、魔戦の
全貌となるとハイライトみたいな記憶しかないんで、俺自身、再構成にゃ苦労したんだよねぇ」
「……まるで、最終決戦<クライマックスフェイズ>からセッションが始まったように、か?」
「は、――え、セッションッ?」
紙の身体を突き放して、同時に『砂時計週報日本語版』の縮刷版をほうってきたかみさま。
自分と同じ『人間のなりそこない』が、鏡像のように触れ得ども奪えぬ他者であるのだと認めて、
この世界に、不可侵の他者が。自身の餓えをしのぐためにあるのでない者がいることにこそ安堵を、覚えたい。
「『次のリプレイのセッションあり。至急連絡求む』――って、すげえ。
リプレイってラノベになるヤツでしょ? あンの猫耳、莫迦っぽく見えてガチの遊侠<テーブルパンク>なのな」
「兵棋演習か、それを基に作られたウォーゲームのようなものだろう。騎士ならばやっておいて損はない」
「えっ、なにこれ。お前がそういう遊びをしてりゃ楽だったなと思うけど、それがないコトに安心する……だと?」
そうして、ひどく殊勝なことを考えていたのに、言葉を交わせば思考は回転の速度を増した。
安堵でいいのかと問う声はカミでなく安堵に浸された胸から届いて、そのたびに自分が憎らしくなる。
火のつきかけた憎しみを怯懦や惰性に拠らずいなし、衝動に溺れることなく、この足で歩きたくなってしまう。
「さて。だったらやるべきコトも見えてきたよね。けっこう、俺のやりたいコトともかぶってるかも」
「フ……もう、手数というべきも残されてはいないというのにか?」
「まあ、そうだなあ。白子ちゃんとか【電撃作戦】得意だったけど、ソレももう使える局面じゃねえから」
挑発的な笑みへ応えないことに、ムラクモががっかりでもしてくれないだろうか。
忘れ水のごとくに沸いた思いを受けて、修羅ノ介は肩をすくめた。『天下忍名録』から取り出したというほかない
九重ルツボも瑣末な歯がゆさを重ね、それでも他者を解体する行いへの誘惑を殺し続けていたに違いない。
そのはずだが上っ面をなぞるようなやり取り、その手応えのなさへ、自分はすでに寂しさを感じ始めている。
いっそ戦ってみたほうが、お互い楽しくなれるのではないか。いいや。では、なぜこの男から戦わない――。
「だけど、戦う理由が……俺たちの知らない昨日に来て欲しいってのは、そっちだって同じだろ?」
回転する思考の転回を受けて言葉が口をつき、修羅ノ介は、この男に感じる親近感の源泉を視た。
想像出来ない、世界は創造出来ない。完全者――ミュカレらも、それは同じだ。この世界は嫌だと思っているくせに
常軌を逸した世界の土台から妄想することは出来ないまま、これまでに『旧世界』から受け取った意味を拾って言葉を。
最終解決策に最終戦争、新世界に現人神といった語を繋げて、幻想を、なんとか現実にしようとしているだけの、
少しく影に色がついたばかりのヒトビトが盤上へ唐突に放り込まれて理由のひとつもなく戦えるわけがない。
転瞬、修羅ノ介を動かしたのは自身に対する恐怖であった。
絡んだロープをほどく程度であった思考の回転が加速しすぎて、このままでは相手を構成する螺子や歯車さえバラバラに
分解してしまう。常軌を逸するのと他者を守らないのとは違う。
守られなくとも生きて死んでしまえるようなヤツであるからこそ、自分はこれを喰らいたくはない。
「なんだ、それは……?」
違う、違うと繰り返してどうにかヒトの側にとどまろうとしたくせに、指が甘えてムラクモの服を掴んだ。
「あー、えっと、その。手汗がひどいなーって錯覚がしたからつい」
「ならば、せめて外套にしておけ」
「え、なに、脇腹弱いの?」
「……………………死ね」
だのに、この反応さえシナリオに見えてしまうまでに掴んで良かったと心から思えた。
ああ、そこはお前は死ねでいいんだ。斬らないと負けるのに殺すとは言わないのか言えないのか、だったらアンタは
どれだけ優しく殺されてくれるのかみさま。これを胸中に留め置く藤林修羅ノ介もずいぶん優しくなったではないか。
506
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:23:11
「ま、嫌がるなら仕方ないな。お前の悔しがったりとかするところ、一回見てみたかったんだけどさ」
へらへらとしながら一歩後ろに下がった少年は、まだ動かせる左手を振って汗を払うふりをした。
文字。情報。影。種々のしがらみを纏ったままで、力に目覚めた事無草は同族喰らい<ウロボロス>の左手を伸ばす。
「さあ、綱引きを始め……始められない……?」
「なんだと……」
「だって俺、もうお前のこと選んじゃったじゃん。なんでこんなに『真面目じゃないけど変な話』に行くんだよ!」
「私の知ったことか! それを悔やむのならば、少しは考えてものを言え――」
開いた指の銀花に冷えてゆくその先で、ムラクモの眉がしかめられた。
許容とかけ離れた怒りと自制が前にでた顔つきへ、新たに加わった色は困惑。
眉間をひくつかせている彼の視界から左手が収められ、その先では藤林修羅ノ介が『腹を抱えて笑っている』。
「やったぜ。『真面目じゃないけど変な話』……茶番や楽屋落ちって死ぬほど大事なもんでさ。
楽屋なんざ必要なさげなアンタがそういうコト出来るように、雰囲気を壊して、まずは楽屋を創らせてもらったよ」
真の創造は、破壊なくしてはあり得ない。
日常を壊され家族を奪われ力の使い方さえ去勢され、それらすべてを手放してなお影に囚われた、
少年は外界から引いてきた言葉を諦観に拠らず受け容れて、なおも抗うようにひねた笑みを口角に刻み付ける。
「なぜなら、『破壊こそが創る事そのものだからさ』。
師匠……イゴさんのゴッドハンドにゃ及ばないが、これが俺の忍法『イゴイゴリサイクル』だ!」
――――口上を放った藤林の、修羅ノ介の出で立ちからは、冬の気配がゆるやかに拭われていた。
痛みを喪わず、なれど傷に固執せず。ヒトガタを成したときの言葉どおりに動く少年は、今こそ世界という激流に、
自分自身という濁流に、無自覚という清流に正しく抗うものとしてある。
「さあ、だから、今度はそっちが選べ。ロイスなんざ一方通行の片思いだけど、それでもここで選んでよ」
先ほどの言に沿うのならば、「壊してよ」と同義の言葉を、彼は優しい響きでさえずる。
世界も人も赦せないのに手放したり見放したりすることだって出来ない、お前、この世界がけっこう好きだろ。
好きだという言葉の白々しさを知っていながら、それを口にすることで生にすがる化け物が、
「それならもう、ここでかみさまを殺して全部終わらせて、誰も悲しまない世界にしよう」
世界へ色を、音を光をつけるように甘く、せつない声でうたう。
「……でもリリカルポップ・ダンジョンシアターは恥ずかしいんでちょっと今風に」
言い終わって、はじめて羞恥心の存在を思い出したとでも言いたげに、でたらめな言葉をつなぐのだ。
「『カミサマヤメマスカ』――ッて、え?」
ああ、ああ。……歌を覚えたばかりの声でわめくな。
何を無理をしているのか、何に堪えているのか何を望んでいるのか、
そのすべてを知らずともお前は。『お前たち』は自儘に、自力で救われて征くのだろうに。
失ってなお喪わぬものどもは、こうして、命を落としてなお落とし得ぬものさえ奪ってゆくのだ。
そうして、それが。このひととき、命を賭け金として遊戯に興じることが、なにゆえかひどく面白い――。
◆◆
▼ムラクモ用リバースハンドアウト
シナリオロイス:完全者 推奨感情 ポジティブ:懐旧/ネガティブ:侮蔑
キミは、過去に箱庭の楔となる『星の意志』の声を聞いたことがある。
魔戦の始まる前、旧世界に死をもたらす黒き鳥・ヴァルキュリアを打倒した一因もそこにあった。
だが、星の意志を取り込んだという九重ルツボは、キミに向けてこう言った。
「『いびつな戦役<バロック・キャンペーン>』を私戦<フェーデ>に変えられるときは、今より他にありませんよ」
すなわち終わるしかない世界で、ここからは一騎討ちをするしかないほど限定された状況に向かってしまうのだから、
自分の好きにしてよいのではないかと。
キミは、完全者の手で望んだ世界――無価値と断じた人間が減った世界を創られている。
だが、それでもキミはあの魔女に刃を向けた。
あのとき、キミは、掲げた使命以上のなにを望んだのだろうか。
◆◆
.
507
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:25:21
情報の塊である『萬川集海』を、おのが核としているがゆえにか――。
「……やはりな。そういうことかって、ツナセンなら言うだろうよ」
あるいは茶化すような言葉のとおりに、予想から外れていなかったであるからか。
「何を我慢してたのかなって思ってたけど、それこそこの盤をひっくり返して『壊すこと』だったわけだな」
藤林の、修羅ノ介は、問題の要諦を捉えて言った。
「それならお前はやれる……のかなあ? なんだかんだ、人減らしも完全者サンにやってもらったんじゃない」
「……では、やれた方が良かったのか?」
「んー、まあ、どっちもヤだね。だって俺、こんなザマでもまだ死にたくないし」
でもまあ、そうやって照れ隠し出来るアンタにほっとした。
さながら保護者であるかのように言う少年。神を辞めたという人間の、神のごとき安堵を前にして、
私は、どのような顔をすべきか解れぬままに息を吐く。
創って壊す。その言葉に自身が釣り合わぬなどと、この草は欠片たりとも考えまい。
――救世主の使命なんかより大事なものはあるよ。
神であるならその不遜をこそ受け容れよとばかりに私の前へ立つ、賢しさへ水と桜が混淆する。
「で、どうやってこれ壊すの?」
「影弥勒が忍法【合方】。終焉の石<デミクリスタル>を埋め込む際に、お前の『絆』を奪っている」
「はぁ? 絆、て――そいつは『魔獣の絆』ッ!?」
「そのとおりだ。この絆が綾なすは、妖かしどもが忍法【魔界転生】。これで一手は稼げようが」
「うん、俺それが本業だから知ってるよ! てぇか、俺もソイツは使いたいんだけどマジでここにあったの!?」
言いながら、藤林の若者は忍術秘伝の巻物を四肢より乱雑に引き出した。
そのうちの『どれが頑丈なつくりをしているのか』認識して、私は、壊すために瞑目する。
迎撃でなく反撃でもなく、純然たる進撃のために征く、耳朶にバリトンが染みた。
「あぁ、無い物はしゃーねえ。……ならもう、せめて『エゴ』じゃなく『愛』をもって、そいつを使いやがれ!」
世界の何もかもが許せねえ、俺が許すから。
化け物であろうとする人間をこれほどに許容する、この少年こそ神なのではないか。
追憶の入り口にあって、あれの忍法はいまだ力を発揮しているようであった。
◆◆
追憶の行われる、どこにも届かない一瞬で、藤林修羅ノ介は息を吐いた。
「ったく、さすがに軍人なだけあって、戦い方とか分かってやがる。
この戦争、結局は壊しあい……てか、空白<ブランク>になってる過去の創りあいなんだよねぇ」
結局、ちらとも視線を向けられなかった完全者と『ファルコンブレード』高崎隼人……忍法の布石であるとはいえ、
下手をすれば衆人環視の戦場ロマンスのような何かを演じかねなかった状況を思えば、そこにため息が続く。
そうしてついに、ため息は八つ当たりとなって絶対の他者にと向かった。
「微妙に乙女ちっくになった俺が気持ち悪いんだけど、せめてなんか言わせろよあの莫迦。
【魔界転生】の反動も『4点になっちまったヤツ<絶対防御>』で防げたけど、人目のあるとこで見せたくな――あ」
それは駄目だと思い直すと同時、思考も醒めた。
かなり緊張していた自分自身を見つけた少年は、これから纏うと決めた『影』に意識を向け直す。
真面目じゃないけど変な話。
その『変』で脳が動き、喰らった意味から新たな何かが生まれるのならば、それはべつに構わない。
だが、真面目じゃないうえに変なところさえない話は無為や益体もないといった形容を通り越して無意味に。
――単なる無意味ならばまだいいが、恥ずかしげもなく白くて淡い、透き通るものに堕してしまうと思えたのだ。
◆◆
.
508
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:27:14
【交錯迷宮・咲乱の間】
【ムラクモ@エヌアイン完全世界】
[状態]:【人類の敵】、侵蝕率120%、衝動:解放、青×黒カラー
[シンドローム]:ノイマン/エンジェルハィロゥ(クロスブリード。思考強化と屈折率の変更)
[エフェクト]:《コンバットシステム:白兵》、《エクスマキナ》、《陽炎の衣》、《神の眼》、《ゆらめき》、《朧の旋風》、他
[Dロイス]:反抗者、??? [ロイス]:完全者(Positive:懐旧/○Negative:侮蔑)
[忍法・奥義]:【達人:《刀術》】、【合方】、【秘剣『人間華』:クリティカルヒット《封術》】
[エクストラアーツ]:大乱れ雪月花【桜嵐】(月下美人装備時のみ/属性:神斬、氷撃+5、敵勢力全体を攻撃)
[装備・所持品]:六〇式電光被服@エヌアイン完全世界、神鏡@シノビガミ、銀朱の外套@花帰葬、
月下美人【天霧】(Mサイズ・刀/パライズ、AP+9、オーバーソウル種に特攻)@ラストレムナント、
魔獣の絆(流派を問わず【魔界転生】が使用可能になる)@シノビガミ、???
[思考]:【魔界転生】で過去時制のドラマシーンに移行。修羅ノ介にロイスを結ぶ……?
[備考]:儀式忍法『天魔伏滅の法』と、その変奏『綾鼓ノ儀』を発動させています。
この儀式忍法が発動している間、【生命力】がゼロになったキャラクターは必ず死亡します。
侵蝕率は120%固定。ロイスは取得可能ですがタイタスの昇華は出来ません。
Eロイス(エグゾーストロイス)をもたず、通常のロイスを取得しているため、ジャームではありません。
【藤林修羅ノ介@シノビガミ・リプレイ戦】
[状態]:【右腕使用不可】、【限界寸前 >> 終焉の継承者】、侵蝕率???%、衝動:憎悪、【生命力】残り2点
[シンドローム]:ウロボロス/???(ブリード:不明。影の使役・能力の模倣)
[ロイス・タイタス]:愚者の黄金(Dロイス)、ムラクモ(Sロイス・○Positive:親近感/Negative:憐憫)
[忍法]:【末裔:鏡地獄】、【内縛陣:《呪術》】、【御斎魂:《意気》】、【早乙女】、【達人:《火術》】、【鏡獅子:《火術》】
[奥義]:【傷無形代:絶対防御《呪術》】−同じシーンにいる者からひとり選び、【生命力】の減少を4点まで無効化する
[背景]:【他流派の血(常世:屍人使い)】、【末裔(伊賀者:鏡地獄)】、【政治的対立】、【目撃者】
[装備・所持品]:萬川集海@シノビガミ・リプレイ戦、御斎学園の生徒会専用白ラン@シノビガミ、
終焉の石(デミクリスタル相当/レムナント種に特攻、アニメート無効、ユニークアーツ+5)@ラストレムナント、
『砂時計週報』日本語版@シニカルポップ・ダンジョンシアター 迷宮キングダム
[思考]:過去から想い出<人間>を見出……そのプライズ俺が持ってたのォッ!?
[備考]:修羅ノ介の体を構成しているのは、萬川集海@シノビガミ・リプレイ戦です。
弱点【目撃者(超存在たる『忍神』と遭遇したことで現在を正しく生きることが出来ず、同時にふたりまでにしか
感情を抱けない)】を克服する条件を満たしました。
自身の心を確かめ、ショックを受けることでオーヴァード@ダブルクロス The 3rd Editionとして覚醒しました。
《リザレクト》、《ワーディング》、《イージーフェイカー:無音の空間》以外のエフェクト・ウロボロス以外の
シンドロームは不明。また、「制限:侵蝕率100%・120%以上」のエフェクトを使うことは、彼に大きな負担を強います。
【完全者@エヌアイン完全世界】
[状態]:【人類の敵】、転生中、???
[装備・所持品]:???
[思考]:???
[備考]:高崎隼人(たかさき・はやと)@ダブルクロス・リプレイ・オリジンに転生していました。
【高崎隼人@ダブルクロス・リプレイ・オリジン】
[状態]:侵蝕率100%未満、重度刺傷、《リザレクト》中、白い髪と赤い瞳、???
[シンドローム]:モルフェウス/ハヌマーン(クロスブリード。物質錬成と反射神経の強化)
[ロイス・タイタス]:生還者(Dロイス・侵蝕率を減少させる際にダイス数が増加)、???
[装備・所持品]:完全者@エヌアイン完全世界と共通
[思考]:???
[備考]:参戦時期は『ダブルクロス The 3rd Edition データ集 レネゲイズアージ』巻頭コミック以降。
《リザレクト》による自動回復の速度が低下しています。
509
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:29:40
【高崎隼人(たかさき・はやと)@ダブルクロス The 3rd Edition】
『ダブルクロス・リプレイ・オリジン』のPC1。
UGNチルドレンとして様々な街に赴き、レネゲイドと能力者から日常を守る少年。
普段は気怠げにしているが、任務はけして放棄せず、やる気になれば実力以上の力を発揮する。
かつては、絆を喪ってジャームと化したオーヴァードを人間に戻すために始められた「プロジェクト・アダムカドモン」の
実験体であり、暴走した計画において『ダインスレイフ』と呼ばれる戦闘用人格<Dロイス>を与えられていた。
現在のコードネームは『ファルコンブレード』。戦闘においては物質を錬成するモルフェウスの力で思い出の写真から
日本刀を作り出し、ハヌマーンの超スピードをもってそれを振るう。
【ウロボロス@ダブルクロス The 3rd Edition】
サプリメント『インフィニティコード』で追加された、オーヴァードの十三番目の能力。
別のシンドロームに目覚めた者が持つエフェクトを取り込み、自分の力とすることが出来る。また、世代によって
進化するウィルスの特性どおりに喰らった能力――外部刺激からの自己進化を繰り返す特性に秀でている。
純粋にウロボロス自身のものといえる能力としても、『影』と呼ばれるものを扱う力が挙げられる。
藤林修羅ノ介のプレイヤーである田中天は、『ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・ナイツ』で、公式リプレイ
初となるウロボロス・シンドロームのPC、炎の魔神ラハブを演じていた。
【Dロイス(ディスクリプトロイス)@DX3】
『上級ルールブック』で追加された、自分に対する特殊なロイス。
取得したキャラクター自身の過去や特徴、強い思いを、データ的な裏付けも含めて表現する。
▼反抗者(レジスタンス)
キャラクターが、とてつもなく強大な敵手と戦っていることを表すDロイス。
このDロイスを持つ者が有する不屈の精神は、ぎりぎりの死地においてかれに勝利をもたらす。
万物の理は闘争にあるとしたムラクモが反抗<闘争>をやめるのは、勝利か、死を迎えたときだけだ。
▼愚者の黄金(デミクリスタル)
レネゲイドウィルスの結晶・賢者の石の紛い物に適合したことを表すDロイス。
デミクリスタルに適合した者は、石の力を引き出すことで一度だけエフェクトのレベルを上げて
使用することが可能になるが、代償としてHPを失う。
また、このDロイスを持つ者が死亡すると身体は塵のように崩壊し、あとには力をほとんど使い果たした
デミクリスタルだけが残される。
藤林修羅ノ介が手にした石は、『神の現実態』たるエヌアインがその身に埋めたものだった。
▼生還者(リターナー)
このDロイスを持つキャラクターが、強い自我で衝動から生還する者であることを表す。
代わりに、このDロイスを持つ者は他のDロイスを取得することは出来ない。
隼人の記憶、けして手放せない日常に対する思いはリプレイ本編の彼を幾度も人間につなぎとめた。
【Eロイス(エグゾーストロイス)@DX3】
レネゲイドに侵蝕されて理性を喪ったジャームのみが取得出来るロイス。
超人を日常へと繋ぎ止める絆<ロイス>をすべて無くして燃え尽きた魂のなかに、わずかに残る人間性の残滓は、
歪んだ心が求める衝動を満たすためにかれらを動かす。ジャームとなったものはEロイスと、自身のもつ
力の特性を示すDロイス以外のロイスを新たに取得することは出来ない。
【リバースハンドアウト@DX3】
サプリメント『ユニバーサルガーディアン』で追加された要素。
他のキャラクターに対して非公開の背景を持ってセッションに参加する。
情報判定で内容が分かる【秘密】とは違い、内容を公開出来るのは持ち主のみである。
【合方@シノビガミ】
血盟の仲間と連携行動を行うことを示す、常駐タイプの「装備忍法」。
戦闘中、自分と同じプロット値に血盟の者がいる場合はあらゆる行為判定に+1の修正がかかり、また、対象にした
血盟の者との間で同意が得られれば攻撃を行う代わりに忍具<支給品>の受け渡しを行うことも出来る。
【魔界転生@シノビガミ】
妖怪や年を経た獣らがゆるやかに集う「隠忍の血統」の流派忍法。
戦闘中、自分が攻撃を行う代わりに【生命力】を消費して、自分をシーンプレイヤーとした過去の
ドラマシーンに移行する。一度の戦闘に回しか使えないが、戦闘しながら手数を増やすことが出来る。
510
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:31:46
Scene 09 ◆ 断簡・散り往く桜の語部
ああ、やっと起きたね。おはよう。
目覚めはど……え? 寒くはないのかって、なんで、僕の側がそんなこと訊かれるのさ。
そりゃ、こんな雪だけどさ。
「ここはどこだ」とか「なぜ助けた」とか「お前は誰だ」とか、まずはそういう質問をするんじゃないの?
え、あ……うん。そう。僕がきみを助けたんだ。この――雪がやまないから上着かけたり、焚き火とかしてみたりで。
きみは戦いだけが得意なのかと思ってたんだけど、そうやって、自然に聞き出すことも出来るんだね。
でも、やっぱり名前とかは忘れちゃってるか。
……ああ、ごめん、こっちの話。きみは知らなくても平気だからさ。
きみの名前は『アカツキ』。
日の出とか黎明とか、そんな意味合いの言葉だね。
ここ、底なしの迷宮だから太陽なんて見えないんだけど。きみの戦いぶりは、たしかに太陽みたいだったよ。
うん。あの森の向こう、見える? 大陸間弾道列車砲『グングニル』――えっと、なんか、ものすごい射程の鉄砲……?
あ、それ。大砲。そんな危ないモノが、あそこにあった要塞を見つけたヒトたちを一網打尽にしてさ。
それだけなら【発射台】の拠点を壊しちゃえばいいんだけど、この迷宮の核を支配したヤツ……ものすごい雷使いの、
黒須左京ってバカが魔物まで呼び出しちゃったんだよね。小鬼とかバンダースナッチとか、ザコならともかく火炎魔神みたいな
ヤツらまでいる砦なんて、下手に行ったら各個撃破されるのは目に見えてるでしょ?
だから、僕らはアイツらに戦争を仕掛けたんだ。小隊<ユニオン>を組んで魔物の群れと戦うのが普通だったっていう
侯爵様……ダヴィッドってヒト……ミトラっていう種族なんだっけ?
あー、うん、ゴメン。訊かれたって覚えてないよね。
ソイツと、ソイツの脇を固める四将軍……うーん。二刀を使う女の人の他には、四本腕の猫<ソバニ>とか、二本の足で
歩ける魚<ヤーマ>とかカエル<クシティ>とか、変だけど強くて、ムカつくくらい真っ直ぐなヤツらがいたんだ。
で、ソイツらのところに忍者とかオーヴァード、ランドメイカーみたいな強いヤツらがたくさん集まってきてたんだよ。
それでも、結果はこのとおりさ。
この平原って、もとは森だったところだし、一緒に戦ってたヤツらも、もう何人も生きちゃいない。
完全者を一回倒すまではいけたんだけど、本陣に【リセットスイッチ】ってのが仕掛けられてた。ほとんど、っていうか
全部そのせいだな。
なんていうか、ひどい名前の戦罠<トラップ>だよね。
そいつを誰も見つけられなかったのが悪かったんだけどさ、攻め込んでいった側は消耗したままなのに魔物や罠は全部
元に戻りました、なんて身も蓋もなさすぎると思わない?
で、そのままダヴィッドたちも初手を取られたから、最後は撤退戦にもならなかった。
攻めれば大抵の敵は蹴散らしてたし、護りにまわっても鉄壁だったのに、兵の士気って簡単に上下するんだね。
僕? 僕は後方にいたよ。剣なら少しは使えるけど、あのとき風邪をひきかけてたから。だからきみを拾えたんだ。
う……うるさい。子供だからなんて言うな。『始末屋』のアリサやエヌアインは、僕より年下だったんだぞ。
名前? そっか。僕の名前も、もう一回言わなきゃいけないんだ。
花白。僕は花白っていうんだ。きみの切り札の名前は、たしか『桜花』だったよね。
ん。春に咲いて、この雪みたいに空から降るしろいはな。――これは、桜と同じ名前だよ。
511
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:33:48
※イゴイゴリサイクル
『花帰葬』を制作したHaccaWorks*の二作目、『あかやあかしやあやかしの』の劇中に登場する幼児向け工作番組。
白手袋にステッキを持った紳士「イゴさん」が、相手役の子供「イゴンくん」と会話しながら、ゴッドハンドで様々なものを創造(破壊)していく。
「よく分からないがカッコいい」というのがヒトビトの評価であるらしく、テトリスが視た過去の風景においても、修羅ノ介らの世界に住まう
子供たちが番組のテーマ曲を口ずさんでいた。
"創って壊す〜それが真理〜しんらばんしょー♪"
※スプレンディッド・ビッグ・ウォー(Splendid Big War)
交錯迷宮の森林部・閃刃の間で「戦争の夏」を終わらせた大規模戦闘。
人類の敵と迷宮支配者が集う【要塞】を陥とすことに加え、そこに据えられた【発射台】――「大陸間弾道列車砲
『グングニル』@ダブルクロス・リプレイ・トワイライト」を破壊して、再度の砲撃を止めるのが寄せ手の目的であった。
集団戦闘の指揮に慣れた青年・アスラム侯ダヴィッド@ラストレムナントと、小隊の長<ユニオンリーダー>を
務める者の手によって束ねられた強者は、それぞれが持ち得た力を尽くして拠点を落とすことに成功する。
だが、拠点の本陣に仕掛けられ、発見されなかった【リセットスイッチ】の罠が発動したことで戦況は一変。
これまでに倒した魔物や死んだはずの完全者らが蘇った状況にあって、死力を尽くしたがゆえに消耗した
ダヴィッドたちは撤退戦以前の状況に立ち向かうことを強いられる。
大盤振る舞いの許された『素晴らしき大きな戦争』は、月下美人の力を引き出すユニークアーツ『大乱れ雪月花』
によって終わりを告げた。
512
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:34:52
以上で投下を終わります。
そして、藤林修羅ノ介(シノビガミver.)のキャラクターシートと登場人物一覧を「公開情報」に。
キャラクターシート:藤林修羅ノ介 ttp://www.eonet.ne.jp/~ice9/3rowa/etc_cs01.html
登場人物一覧 ttp://www.eonet.ne.jp/~ice9/3rowa/etc_chara.html
TRPGリプレイを読んだ後にキャラシートを眺める時間も好きなんで、そういうところが状態表とかにも出てます。
『ダブルクロス』くらいになるとエフェクトの量が多いのでアレなんですが、そっちもうまいこと見せられればいいな、と。
ページ名にしている『アイテム・コレクション』『キャラクター・コレクション』等にもお世話になりました。
513
:
名無しロワイアル
:2013/05/03(金) 21:23:04
うん?もうラジオ始まってる?
514
:
FLASHの人
:2013/05/03(金) 21:28:23
ラジオ一応開始です。
こちらからどうぞ
ttp://www.ustream.tv/broadcaster/new/3580224
515
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 22:20:10
あ、遅れましたが元ネタは『花帰葬PLUS+DISC』の「打鶏肉」です>289話
ゼロ羽>一羽>二羽>三羽(天・地)>四羽>五羽(陰・陽)と、
タイピングゲームのなかでも分岐があったんで。
つまりはそういうことです。はい。
516
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 22:20:56
……スレ間違えッ……!(1ゾロ感)
517
:
◆uPLvM1/uq6
:2013/05/03(金) 22:43:17
皆忘れてると思うけど変態ロワ投下します。
518
:
158話 走る変態
◆uPLvM1/uq6
:2013/05/03(金) 22:45:32
安錠は涙を流しながら、城を走り回っていた。
走り回っていたというより、逃げ回っていたという表現のほうが正しいのだが。
(殺される殺される殺される殺される殺される殺される……)
彼のスタンスは殺し合いはせず、ただ隠れ続けること。
しかし、バトルロワイアルが中盤に差し掛かった頃に、謎の気持ち悪い生物に見つかった。
そして生死をかけた鬼ごっこが始まったのである。
そのため、立ち止まればその生物に食われて死ぬ、と安錠は思っている。
が、自分を追いかけていた生物が、既に死んでいることに安錠は気づいていない。
安錠を追いかけていた生物、レギオン・ムクロはキシンによって退治されていた。
クルクル回転しながらレギオンに突っ込んでいく様は、まごうことなき変態であった。
安錠にとって幸いだったのは、キシンが自分の存在に気づかなかったことである。
もしキシンが存在に気づいていたなら、既に安錠の命は無かったのだから。
そんなこんなで、安錠がもう謎の生物に追いかけられていないことに気づくのは、少し先の話である。
と同時に、最終決戦の場である最上階へ近づいていることに気づくのも、先の話。
【安錠春樹@新米婦警キルコさん】
[状態]:恐怖
[装備]:拳銃@現実 おなべのふた@ドラクエシリーズ
[道具]:基本支給品一式、エロ本
[思考・状況]
基本:この殺し合いを打破したい……俺は無理。
1:止まったら殺される……!
2:死にたくねえ!
[補足]
安錠春樹は追っ手がいないことに気づいていません。
また、最上階に向かって走っていることにも気づいていません。
□□□
さて、安錠の存在に気づくことなくレギオンを倒したキシン。
彼もまた、最上階に向けて変態的な速度で走っていた。
いつものような変態的な動きはできないが、それでも変態的な速度で走り続ける。
ちなみに、走っている方向は安錠とは全く違う方向だが、最上階へと向かうもう一つのルートでもある。
(ジュスト……もうすぐでお前の敵はとれる……!)
最上階にはジュスト殺した、髭をたくわえた老人。
恐らく奴もドラキュラであろう、なんとしてでも奴は殺さなくてはならない。
はじめは優勝するつもりだった。
だから他の参加者を躊躇無く殺した。
しかし、最上階に奴がいるとなれば話は早い。
敵を討つのだ。
奴を殺すのだ。
ドラキュラを、殲滅する。
邪魔をするものも殺す。
彼の頭の中には復讐という二文字しか、ない。
【マクシーム・キシン@悪魔城ドラキュラ】
[状態]:健康、疲労(中)
[装備]:日本刀@現実 ヨーヨー@現実
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本:主催を殺す。そのためなら他の参加者も容赦なく殺す。
1:最上階へ向かう。
2:邪魔をする者は殺す。
519
:
158話 走る変態
◆uPLvM1/uq6
:2013/05/03(金) 22:46:05
□□□
「ワシのことはいい! 早く最上階へ急ぐんじゃ!」
「で、でも! 亀仙人を置いていくことなんてできないよ!」
「早く行くんじゃ!」
一方、ふんどし仮面一行は危機的状況に陥っていた。
亀仙人がいまにも、落とし穴に落ちそうになっているのだ。
ギリギリ床を掴んでいるのだが、最早命は風前の灯火である。
亀仙人にはもう、右腕がない。
従って、左腕でしか掴むことはできない。
片手で自分の全体重を支えているのだ。
さらにここまで、最上階に向かって休まずに移動していたので、疲労も溜まっている。
限界は近かった。
「クッ……! 少しでも休んでいればこんなことには!」
「…………ひとついい?」
「なんだ! お前も見ている暇があったら手伝え!」
「…………普通は、あんなみえみえの罠には引っかからないよね?」
「…………そうだな」
ムッツリーニこと土屋康太が指差したのは、落とし穴の手前にある台。
そこにはエロ本が置かれている。
そう、亀仙人はあのエロ本を取ろうとして罠にかかってしまったのだった。
他の三人はあからさまに怪しいなと思い、取ろうとはしなかったが、亀仙人は違った。
普通に取りに行った。
結果、今の状況に至る。
ふんどし仮面とクマ吉はそのことを思い出し
「ああ、じゃあ別にいいか」
「亀仙人! 君の犠牲は忘れないぞっ!」
「ええっ!?」
「よし、最上階に急ぐぞ」
あっさりと亀仙人を見捨てることを決めたのだった。
今までのやりとりはなんだったのだろうか。
この数分後
わしは ふかい ふかーい やみの なかへと
てんらくした。
そして そこによこたわる ドクロたちの
なかまになるのを まつだけになってしまった。
ざんねん!!
わしの ばとるろわいあるは これで おわってしまった!!
亀仙人は死神を見たという。
「あんな罠に引っかかりにいくなんて、亀仙人はまさしく、しんのゆうしゃだよ!(笑)」
【亀仙人@ドラゴンボール 死亡】
【残り5人】
【ふんどし仮面@銀魂】
[状態]:限界寸前、疲労(中)
[装備]:盾@現実
[道具]:基本支給品 月刊チェヨンス@ギャグマンガ日和 上条の右手@とある魔術の禁書目録
[思考・状況]
基本:この殺し合いを打破する。
1:最上階へと向かう
2:亀仙人……お前のことは忘れない……
【クマ吉@ギャグマンガ日和】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)
[装備]:ジャスタウェイ@銀魂×10 西洋の鎧@ギャグマンガ日和
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:この殺し合いを打破する
1:最上階へと向かう
2:亀仙人……プークスクスwwwwwwww
【ムッツリーニ(土屋康太)@バカとテストと召喚獣】
[状態]:疲労(中)、フラッシュバックによる無効化の可能性
[装備]:クサリ@悪魔城ドラキュラ
[道具]:基本支給品 エロ本 輸血パック@バカとテストと召喚獣
[思考・状況]
基本:この殺し合いを打破する
1:最上階へと向かう
2:…………なんで、引っかかったんだろう
520
:
◆uPLvM1/uq6
:2013/05/03(金) 22:46:40
というわけで158話目終了です。
おもっくそ忘れてましたすんません……
521
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/08(水) 17:27:13
『Splendid Little B.R.』、ちょっとSSの内容を修正したので報告を。
黒須左京からアカツキに結んだロイスの感情、「憐憫/殺意」を、
ダイス振った結果に沿って「親近感/殺意」に変更します。
自分以外の誰かへ、ポジティブ・ネガティブで表裏一体になった思いを抱くのが
ロイスなんですが憐憫は間違ってもポジティブじゃねえよ!w
と、報告の義務はあまり無いんでしょうが、他のどなたかに見られてる・どなたかに
伝えているという観点は持っていたいのでこちらに。
次の投下は……またちょっと色々仕込む羽目になるんでゆっくりになりそうですが、
そのネガティブ感情に尖りまくった左京さんと、アカツキのお話になると思います。
雷使いどうしの対決とか見た目からしてカッコいいですね!
522
:
名無しロワイアル
:2013/05/08(水) 22:00:30
>>520
へ、変態だー!?
最強戦力と思われた亀仙人が割と初期の頃のノリで墓穴掘ってクソ吹いたww
クマ吉とふんどし仮面もあっさり見限りやがってw
次もどうなるのか楽しみにしてます。
>>521
あと3話詐欺(褒め言葉)がどう転ぶのか常に楽しみにしています。
TRPGが良く分からないのが残念な所。小学校の頃は友人に付き合ってやってたんですが。
折角だから雑談ネタも振ってみる。
皆さんこの3話ロワ企画で知って、読んでみたい・見てみたい・やってみたいと思った作品はありますか?
自分はワイルドアームズ3とトトリのアトリエです。
ええ、想い出ロワに影響されましたとも。
しかしバトライドウォーに買いそびれたマクロス30に迷っているDIVAf、
やりこみ中のUXにいつでもやりたい大神……最近は良作が多くて困る。
523
:
名無しロワイアル
:2013/05/08(水) 23:39:26
>>522
ゼクレアトルかな…>読んでみたい
524
:
名無しロワイアル
:2013/05/09(木) 23:15:51
>>522
読んでみたいと思ったのは想い出ロワの『レジンキャストミルク』、
やってみたいのは剣士ロワの『大神』だなあ……。
前者は殊子のキャラが、後者は神さびた色合いの世界観がよく伝わったのです。
で、もう持ってるしやってるけれど、作品に影響されて触り直したっていうのが
『クロノ・クロス』と『ワイルドアームズ3』でした。
書き手さんさえよければロボロワにイルランザーとかフェイトとか出てもいいんだよ……
と無責任に思っていた読み手だったので、9D氏の手によるクロノ・クロスは嬉しかったッ!w
TRPGは >522 氏とは逆に、小学生の頃に出来なかったけれどTwitterなどの
オンライン募集をとおして十年越しの夢がかなった! やった! ってヤツでしたねー。
『シノビガミ』『ダブルクロス』ともに、リプレイ読んでても面白いですし、後者はたしか
アニメ版『氷菓』でも遊んでるシーンが出てきたり、声優さんの参加もちょこちょこあるので
「あのゲームなんなの」とか「主人公が若林神だと……!?」とかから読んでみても面白い気がしますー。
525
:
名無しロワイアル
:2013/05/10(金) 00:33:19
>>522
大神やりたくなった
前から気にはなってたんだけど手を出せてなかったんだよな
526
:
◆nucQuP5m3Y
:2013/05/10(金) 17:31:34
>>522
割と把握率高いので改めてってそんなにないんですが、
やっぱレジンキャストミルクかなあ
あとはスパロボ効果もあるけどSD三国伝!
>>523
やったー!書いたかいがあったというもの!
まあ読む人を選ぶタイプなので手放しで推薦できない感はありますが
それでも読む人が増えたら嬉しいことこの上ない!!
527
:
名無しロワイアル
:2013/05/10(金) 19:34:46
は、花帰葬(小声)
花白の最期に震えたけど乙女ゲー?なんだよなぁ
528
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/05/10(金) 20:30:58
>>524
俺好みの発想だ……(下っ端風に)>ロボロワにフェイトでもイルランザーでも
というか、隙あらばグランドリオンを魔剣にしてスバルかエックスにプレゼントしようと画策していましたw
ちなみに、グランドリオンは剣士ロワではオキクルミと共に孫権の真の勇気によって救われ、最後はゼンガー(α外伝)と共に壮絶な最期を遂げました。
あとは本編中にダリオぐらいしかクロス要素を入れられなかったのが心残り。
俺とお前達でトリプルグレン団(要するにグレン2人と鬼リーダー)とか考えていた時期もありました……。
余談ですが、クロノ・クロスがお好きでしたらファントム・ブレイブがある意味オススメ。
人間と亜人種が存在=種族間の差別や軋轢がある、というクロスでも存在したお決まりパターンを完全無視。
最初から、あらゆる人種が一つの世界の住人としてごく普通に共存して暮らしております。
ファルガやイレーネス、ゼルベス、亜人の賢者に是非とも見せたい世界です。
>>大神、三国伝やってみたい・読みたい
書いた甲斐が、あったというもの!
大神で注意点は、オキクルミは終盤に登場する重要人物ということですね。
あと三国伝は漫画版(風雲豪傑編、英雄激突編、戦神決闘編、計8巻)がオススメ。
漫画だとSDガンダムシリーズのメインテーマ『光と闇の戦い』が描かれているのと、曹操の苛烈な一面が強調されているのもポイント。
アニメに比べて孫権が地味というか劉備と曹操に食われ気味という難点がありますが。
アニメもアニメでメイン主人公であるホンタイさんを蔑ろにし過ぎている点が非常に気に食わない。
プラモキットでは、轟大帝孫権、真・翔烈帝劉備、玄武装呂布、呂布+天玉鎧セット、紅蓮装曹操+猛虎装孫権セット、天熾鵬司馬懿サザビー
などが特にお勧め。
529
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/11(土) 12:27:04
>>528
うおお、熱い……!>真の勇気
ラスト三話で十分伝わりましたが、『光と闇の戦い』には、それこそ
グランドリオンとイルランザーは大事な存在だったろうなあ。
>524ではうっかりトリ外して返答しちゃってなんでしたが、『クロノ・クロス』には
テキストにおける言葉つきから何から、色々影響されました。
大好きなゲームのひとつに、いまだ思い入れを持ってくれてる方が見つかったのも嬉しいところです。
そして異種族のちゃんぽんというと、自分の場合はサガシリーズですとか、
自分のロワなら『ラストレムナント』がミトラ(人間)・魚・猫・カエルの四種族がごた混ぜに
平然と生きてて、その世界にプレイヤーとして立つのがたまらなく好きですね。
調べるかぎりでは『ファントム・ブレイブ』は隙間時間でも遊びやすそうな感じなので、
機会があれば触ってみようかと思います。
最後に、『花帰葬』が気になるあなたは……PSP版、やりましょう(笑顔)。
RPGロワの「勇者と魔王」を掘り下げるために触ってみて、最初は女性のヒロインが欲しくて
仕方なかったんですけどw それでも「この世界はどうすれば君に償えるんだろう?」を
はじめとした台詞に力がありますし、雰囲気作りも巧い。志方あきこさんのBGMもいい。
(同人版が出た当時、志方さんご本人がシナリオを読んで必要だと思ったシーンにBGMをつけたのだとか)
なにより勇者(花白)と魔王(玄冬)のうち片方が死ぬエンディングが多いし、世界を滅ぼす雪の表現が
綺麗なのに、けして死を美化していない姿勢はロワというか、ひとの生き様を書くうえでも役立つかもしれないです。
530
:
名無しロワイアル
:2013/05/27(月) 00:58:30
続きのプロットは頭にあるんだけど、
なかなかそれを文章化できぬぇ
531
:
名無しロワイアル
:2013/05/27(月) 21:40:36
>>530
いっそソードマスター形式にしてみよう(暴論)
当初は最終回をソードマスターにしようと本気で考えていたのもいい思い出ですw
黒幕「俺は1回攻撃したら死ぬぞぉー! ウボァー!!」
一同「えぇー!?」
主催者「待て慌てるなこれは孔明の罠である」
532
:
名無しロワイアル
:2013/06/09(日) 19:09:17
パロロワ系列のbotなど見かけるので、ちょっと作ってみました。
ttps://twitter.com/3rowa_bot
登録したつぶやき数は、いまの時点では130程度。
さすがにこのスレではリクエストを受けられないですけど、想い出を楽しむ時間などが生まれれば幸い。
読み返す間にも琴線に触れる表現や切り口が多くて、作業の手がしばしば止まりましたよ!
533
:
◆XksB4AwhxU
:2013/06/09(日) 21:25:07
おお、すげえwこんなの作ってくれるとは!
534
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/09(日) 22:18:18
>>532
素晴らしい。覗いてみたら早速剣士ロワの一節が出ていてしんみりしました。
少しでも皆さんを楽しめたのなら、俺は満足だ……。
ところで、剣士ロワ死者スレラジオとかやってもいいでしょうか?
535
:
名無しロワイアル
:2013/06/10(月) 00:01:32
私は一向に構わんッッ
(ん?死者スレラジオ?
死者スレネタ投下でもなく、剣士ロワをネタにしたラジオでもない?
一体何が始まるんです?)
536
:
名無しロワイアル
:2013/06/10(月) 00:55:30
たしか漫画ロワとかの死者スレでやってた、登場人物のロワ内での行動とか
異名、ネタなんかを紹介するヤツ……かな?>死者スレラジオ
たいてい、パーソナリティが見せしめのひととかなんだよねw
予想が間違ってたらあれですが巻末漫画読んだり、ギャグ調のおまけシナリオを
見たりするのが好きな自分もばっちこーいですよー。
537
:
名無しロワイアル
:2013/06/11(火) 00:06:15
3話ロワbot、1日12ツイートで全130ワードか・・・
全部見終わるのは結構掛かりそうだな
538
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/13(木) 19:33:40
>>535-536
いいんですね!? やったー!
>>536
の方の説明の通りで、基本ギャグでネタ満載でカオスです。三国伝の公式ページぐらい。
漫画ロワの死者スレで停滞していた死者スレラジオを勝手に再開させて以降、ほぼ毎回投下していたのは私だし、
ロボロワに至っては死者スレネタの大半が私のネタでした。人気投票の集計と発表もやってたり。
そうか、死者スレラジオを知らないロワ住人の人もいるんですね……ジェネレーションギャップってやつか(多分違う)。
539
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/13(木) 19:34:16
司馬懿「剣士ロワ完結記念」
逞鍛(今更だなおい)
「「死者スレラジオ特別編、名前だけ出たあいつら」である」
司馬懿「さて、今回の死者スレラジオは表題にある通り、剣士ロワの最終3話で名前だけ出て来た者達を、たまに本人もゲストに呼びつつ、本編で解説役の位置にあった我らが直々に解説する」
逞鍛「孫権や衛有吾のように、本編で普通に出番があった奴もいるがな」
司馬懿「ちなみに、前回まで死者スレラジオのメインパーソナリティを務めていたのは右京さんとデスティニーガンダム。見事なボケとツッコミであった」
逞鍛「突っ込み不足で呼んでた参加者じゃないキャラが、何時の間にか居ついて死者スレラジオまでやってたとかどういうことだ」
司馬懿「所謂イボンコとウェンディの法則である。そしてフルカラーRPG編で剣士キャラだったから余裕のセーフ。では、早速始めるとしよう」
その1.幻魔皇帝アサルトバスター「刃鳴散し、華と散れ。類稀なる剣士達よ!」
逞鍛「そういえば、あと3話ロワで最初から死んでいた主催者はこいつだけだったな」
司馬懿「我らと同じ主催者でありながら哀れな奴。ちなみに死者スレでは曹操将軍によりアイマスファンとなり参加者達と和解した。
推しアイドルは天海春香と佐久間まゆ」
逞鍛「奴もまた、俺と同じく常闇の皇によって闇へと堕ちた頑駄無だ。その為、俺達の世界と大神の世界が同一世界であるかのような描写が散見されたが、全ては謎のまま」
司馬懿「闇の使命よりも、己が力を示すという享楽を優先する愚物であった。儀式に古今東西の剣士達のみを召喚することとなったのもこやつの仕業。
しかし、私と逞鍛が異を挟めぬ力を持つだけあり、なまじ強過ぎた。その強さ故の慢心と油断から隙が生じ、タクティモンによって深手を負わされる最大の敗因となった」
逞鍛「俺達からすれば、目障り極まりない目の上の瘤を消せた上、常闇の皇の復活の生贄にも使えた。あの状況は一石二鳥だったよ」
司馬懿「本人の名誉などどうでもいいが、付記しておくとすれば奴の力は絶大の一語に尽きる。もしも奴が生きていたなら、結末は変わっていたやもしれぬ」
アサルトバスター「ぶっちゃけ資料不足で把握きついってレベルじゃないからな」←カードダスだけでしかも絶版。
司馬懿「……そうでもあるな」←最終章3巻で大体把握できる。
逞鍛「そんなことを言っていいのか」←最終巻だけでほぼ完璧に把握できる。
その2.ゼンガー・ゾンボルト「償いようのない過ちを犯したのなら、戦うしかない。俺達は……“剣”なのだから」
逞鍛「実は最後の生き残りの対主催連中はなかなか1つに纏まらなかった」
司馬懿「そんな奴らを1つにまとめ上げた侠こそ、大地の守護神とも称された悪を断つ剣、ゼンガー・ゾンボルトなのである」
逞鍛「当初こそこっちはα外伝出典だから戦闘力に一抹の不安があるなど散々言われていたが、
最終的にグランドリオンを手に生身で星薙の太刀を放っていた」
司馬懿「もう1人のPXZ出典の方は割合あっさりと死んだというのに、どこで差が付いたのか……」
ゼンガー「俺の存在が、勝利へと繋がったと言うなら……何も悔いは無い」
逞鍛「アサルトバスターとは逆に、お前さえいなければ闇の勝利となっていただろうな」
540
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/13(木) 19:39:22
その3.真の正義を持つ侠・劉備ガンダム「燃えよ龍帝剣! 宿せ正義!」
司馬懿「龍帝の魂を継ぎ、龍帝剣を継承した者。我ら闇の宿敵にして怨敵の代表格であった」
逞鍛「正直、この侠は最終局面まで生き残るものと思っていたが……ロイド・アーヴィングとの正義問答が響いたか」
司馬懿「正義を心得ずして正義を網羅したかのように語り謗る視野狭窄の愚者……ふふ、この2人を早期に遭遇するよう配置したのは正解だった」
逞鍛「しかし、その後に加わった青龍のロック……じゃなかった、楓と衛宮士郎の存在は誤算だった。2人の緩衝と橋渡しを見事にこなしていたからな」
司馬懿「なにより、青龍とは同じく龍神の力と宿命を受け継ぐ者同士……奴らは力を高め合っていた。故に危険視し妖魔王キュウビと黒き王アルトリアを向かわせたのである」
逞鍛「その策は見事に嵌り、劉備は仲間を、お前の言う愚者を庇って散った……滑稽なほどに策略通りに」
劉備「黙って聞いていれば好き勝手を! ロイドが愚者などと、どの口が言った!!」
司馬懿「正義を毛嫌いし、知ろうとも理解を深めようともせぬ輩が、正義とは暴力を正当化する暴論であるという持論をさも真理であるかのように語る。
これを愚者の物言いとせずしてなんとするか、龍帝剣よ」
劉備「それこそは、正義を信じたくとも信じられぬ世界に生まれ、正義の言葉を暴力として振りかざす悪虐の徒に蹂躙されて生きて来た、彼の心の悲痛な叫び声に他ならない!
ならばこそ、俺は……この魂を賭して我が正義を示したのだ!!」
司馬懿「……見事。それでこそ翔烈帝、真の正義の持ち主よ」
その4.真の理想を持つ男・曹操ガンダム「笑止。正義無くして理想無し!」
司馬懿「私の元主君である。尤も、我ら闇の使命を果たす為の依り代程度の関係であったがな」
逞鍛「それだけに、お前が最も敵視し、また危険視していた侠でもあったな」
司馬懿「然り。その太陽の如きカリスマ性で、見る間に一大対主催グループを作り上げて行った。
闇の王アルトリアや豪将ハイドラ、朱雀を始め、多くの闇の盟主達を刺し向けたが……」
逞鍛「最後に奴を討ったのは、我々が最早闇の盟主の器に非ずと見限っていた魔星だった」
司馬懿「うむ。流石は史上唯一の闇の大将軍。事前に弱っていたとはいえ、よくぞ曹操将軍を討ち取ってくれた」
曹操「父を想う子の心、そして……子を想う父の心。余が理解できなかった情の前に、敗れ去ることになるとはな」
逞鍛「情の力、か……」
曹操「だが、闇を討つべく配した余の布陣、その全ては見切れなかったようだな、司馬懿よ」
司馬懿「星凰剣と威天剣。雀瞬の力の象徴とも言うべき双剣を魁斬に預けたまま別れた時は何事かと思ったが……
よもや、七逆星として天命を授けられし魁斬が、天の刃の資質を秘めていようとはな……!」
曹操「自らに課せられた宿命に殉じながらも、その果てに運命を超えるという切なる祈りを胸に、己が魂を燃やし尽くしてでもそれを成そうとする心――
それ即ち、真の理想。それを見抜けなんだ貴様の不明よ!」
逞鍛「ところで、お前の一推しアイドルは誰だ?」
曹操「菊池真だ。しかしマコマコリーンは無い」
司馬懿「私はシスプリ派であるのでファンから搾取するゲームとか心底どうでもよい」
曹操「なに……?」
司馬懿「なにか?」
曹操「こやつめハハハ」
司馬懿「ははは」
逞鍛(殺気と剣を収めろよ……)
541
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/13(木) 19:45:02
その5.疾風剣豪精太「歯を食い縛れ! 貴様のような我が儘小僧は、修正してやる!!」
逞鍛「今思ったが、俺達の名前は武者頑駄無シリーズに馴染みが無いと難読漢字となってしまうな」
司馬懿「酷く今更な話であるが、実際、昔日のラジオでも貴公の名前でちょっと止まっていたな」
逞鍛「こいつはゼータ、そして俺はティターンだ。共に天宮の光の七人衆に名を連ねていた。
邪悪武者との第二次決戦に勝利した後、光の力の暴走が治まった本来の状態からの参戦だ」
司馬懿「曹操将軍の唱える理想を太陽と称し、最初に共感した戦友。この男がいなければ、もっと早くに手を打てたものを……」
逞鍛「とにかく騎馬の扱いに手慣れており、アルトリアのポンコツ道中記に騎馬戦での完敗を加えたのもこの男だ」
精太「なんだ、そのポンコツ道中記って。彼女の実力はとてもポンコツなんてものじゃなかったが……」
司馬懿「正確には、あの女を完全なる闇の王へと仕立てる為に張り巡らせた我が謀略である。悉く嵌って片腹痛すぎたが」
逞鍛「しかし、お前は結局……誰も守れなかったな。結果としてだが、曹操のグループはあの戦いで全滅した」
精太「その通りだ。それだけが、この戦場での俺の最大の悔いだ」
司馬懿「さて、こんな所であるか」
逞鍛「取り敢えず、298話分はこれで終わりだな」
頑駄無「待て! 俺達は!?」
孫権「俺たちだって298話で名前が出ていたはずだ!」
アルフォースブイドラモン「そうだよ! だから僕らも何時でも出られるように準備していたのに」
司馬懿「お前たちは普通に出番があった。故に、今回は無し」
逞鍛「まぁ、次があるかも分からんがな」
司馬懿「全くの余談であるが、剣士ロワの書き手は某所で殺伐ガンアクションのラスボスがほのぼの日常の水の惑星で過ごすという気の狂ったものを書いている」
逞鍛「大神とUXに現を抜かした上に剣士ロワを書き終えて燃え尽き気味で止まっているがな。暇に殺されそうになった時に気が向いたら探してみるといい」
司馬懿「では、次回があればその時に、再び相見えようぞ」
逞鍛「司会進行役が変わっていそうな気もするがな」
司馬懿「待て慌てるな落ち着けそうなったならそれは孔明の罠である」
逞鍛「お前が落ち着け」
542
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/13(木) 19:46:28
以上で死者スレネタは終わりです。
死者スレネタ書くのも久しぶりだったなぁ……。
543
:
名無しロワイアル
:2013/06/13(木) 20:57:51
はじめまして、失礼します。
最近この企画のことを知ったのですが新しく参加を申し込んでも構わないでしょうか。
申し込み期限は半年前ですしまだ書き手の経験もないのですが良ければよろしくお願いします。
544
:
名無しロワイアル
:2013/06/13(木) 21:20:10
>>543
>>365
らしいですぜー、楽しみが増えたー。
545
:
名無しロワイアル
:2013/06/13(木) 21:41:48
>>543
これから毎日ロワを書こうぜ?
546
:
名無しロワイアル
:2013/06/13(木) 21:54:29
>>543
おや、いらっしゃいませ。よい完結を楽しめますようにッ!
547
:
名無しロワイアル
:2013/06/13(木) 21:58:54
あたたかい言葉ありがとうございます。
では、準備ができ次第投下させていただきます。
548
:
FLASHの人
:2013/06/14(金) 10:53:14
なんかすげえのが投下されてるwwwwwww
推しアイドル設定は必要なのか
まとめサイトに追加すべきなのか……!?
でも死者スレネタいいな……うちもちょっとやろうかな……
わりと297話分の設定はあるし
>>543
いらっしゃいませいらっしゃいませ
こちらの企画はすでに期限などあってなきが如しのお祭り騒ぎ
締め切りがあるとすれば己の心にのみ誓って突き進んで下され
投下をお待ちしております
549
:
名無しロワイアル
:2013/06/14(金) 20:10:46
>>548
やめてください(剣士ロワのシリアスな雰囲気が)しんでしまいますw
でも、それはそれで面白いかも…w
550
:
◆uuKOks8/KA
:2013/06/14(金) 21:47:45
1話め?を半分まで書き終えたのでロワテンプレを投下します。
551
:
◆uuKOks8/KA
:2013/06/14(金) 21:52:40
【ロワ名】幻想水滸ロワイヤル
【生き残りの6人】
[グレミオ@幻想水滸伝【マーダー】【極限状態】][リオウ@幻想水滸伝Ⅱ][テンガアール@幻想水滸伝Ⅱ【フラッシュバックによる無力化の可能性】][ルカ・ブライド@幻想水滸伝Ⅱ【右腕切断】][ユーラム・バロウズ@幻想水滸伝Ⅴ][リムスレーア@幻想水滸伝Ⅴ]
【主催者】
ウィンディ@幻想水滸伝→ルック@幻想水滸伝Ⅲ
【開催目的】
所有者を殺し真の紋章を手に入れる→真の紋章を集め、破壊する
【補足】
・幻想水滸伝Ⅰ〜Ⅴまでのキャラクターを集めたバトルロワイヤルです。
・真の紋章は配分アイテムに数えません。
・紋章の使用回数は全キャラ共通で8/6/4/2とします。これは例外を除き回復しません。
回復アイテムが配布されない代わりに死者蘇生を除き、紋章での回復量に制限はありません。無論、欠損した器官は喪われたままです。
・真の紋章を宿している人物が死んだ場合最も近くにいた人物に移ります。ただし自決、首輪の爆発による死亡の場合は主催者の元に移動します。
・原作とは違い宿せる紋章の数制限はありませんが宿しすぎることで精神崩壊や体調の異変が起こることもあります。真の紋章は原則1つまでです(無理に宿すと精神崩壊します)。固有紋章を他の人物が使用することもできます。
戦闘中に使用できる紋章の数はどんなに宿していても3つまでです(常時効果以外)。
・紋章師、魔法使いなら誰でも紋章を他人に宿すことができます。
いない場合でも紋章を宿すことはできますが効果は半減します。
☆ルック@幻想水滸伝Ⅲが主催者を殺害し成り代わりました。参加者リストでは死亡として扱っています。
☆紋章の効果に多少の捏造を含みます
【参加者リスト】
・幻想水滸伝(1/17)
●ティル・マクドール(Ⅰ主人公)【ソウルイーター】/○グレミオ/●オデッサ・シルバーバーグ/●レパント/●アイリーン/●テオ・マクドール/●キルキス/●カーミユ/●バルバロッサ【黄金剣・・覇王の紋章】/●クロン/●ヨシュア【竜の紋章】/●クロミミ/●バルカス/●シドニア/●ソニア・シューレン/●ミルイヒ・オッペンハイマー/●クワンダ・ロスマン
・幻想水滸伝Ⅱ(3/21)
○リオウ(Ⅱ主人公)【輝く盾の紋章】/●ジョウイ・ブライト【黒き刃の紋章】/○ルカ・ブライト【獣の紋章(使用不可)】/●ソロン・ジー/●ムクムク/●ヒックス/○テンガアール/●ビクトール【星辰剣・・星の紋章】/●ハンフリー/●ネクロード/●バレリア/●エイダ/●アビズボア/●カスミ/●ニナ/●ジル・ブライト/●シエラ【夜の紋章】/●フリック/●テンプルトン/●ポール/●ラウラ
・幻想水滸外伝(0/2)
●ザジ/●リイン
・幻想水滸伝Ⅲ(0/29)
●ヒューゴ【真の火の紋章】/●ジンバ【真の水の紋章】/●ゲド【真の雷の紋章】/●ササライ【真の土の紋章】/●ルック【真の風の紋章】/●ビッキー/●フッチ/●コゴロウ/●パーシヴァル/●エース/●クイーン/●ジャック/●アイラ/●バスバ/●シバ/●デューク/●エレーン/●アヤメ/●ピッコロ/●ケンジ/●フーバー/●メルヴィル/●アラニス/●エリオット/●ワイルダー/●ルイス/●ルビ/●ユーバー【八鬼の紋章】
・幻想水滸伝Ⅳ(0/11)
●ラズル(Ⅳ主人公)【罰の紋章】/●スノウ/●カタリナ/●タル/●ハーヴェイ/●キカ/●ジュエル/●レイチェル/●リーリン/●ラインホルト/●ミツバ/
・幻想水滸伝Ⅴ(2/20)
●ファルス(Ⅴ主人公)/○リムスレーア/●リオン/●ミアキス/●ギゼル・ゴドヴィン/●アルシュタート【太陽の紋章】/●サイアリーズ/●モルル/●ドルフ/キルデリク/●ベルクート/●マリノ/●フェルド/●ラハル/●ニック/●サルム・バロウズ/○ユーラム・バロウズ/●ボズ・ウィルド/●レツオウ/●ゲッシュ
男女比:70:30
生存比: 4: 2
552
:
◆uuKOks8/KA
:2013/06/14(金) 22:00:04
テンプレは以上です。補足が長いのは一々細かい所まで考えているからです、はい。そしてやっぱり状態表は長いと言われました。
1週間以内に本文を投下させていただきます。
553
:
名無しロワイアル
:2013/06/14(金) 22:10:55
>>552
幻想水滸伝きたーッ!
最終盤まで生きているルカ様とかもう恐すぎる……ッ!
リムとかグレミオも気になるし、超楽しみだ!
554
:
名無しロワイアル
:2013/06/14(金) 22:14:44
と、よく見たらルカ様マーダーじゃないのか。
それはそれで気になるッ!
555
:
名無しロワイアル
:2013/06/14(金) 22:20:52
剣士ロワ死者スレ乙〜!
本編未登場キャラの活躍分かって嬉しかったw
真の勇気でグランドリオンもだけど、個人的にはカイザーを出してくれたのが嬉しかったなーw
確かにあいつは天の刃にふさわしい。天に輝く7つ星的にも
あの最終回は子供の頃泣いた
そして幻水ロワだと!?
個人的にはテンガアールがいてくれてるのがすごい嬉しいw
556
:
名無しロワイアル
:2013/06/14(金) 23:12:22
執筆や投下など、お疲れ様ですー
……あの剣士ロワにもこんな部分がッ!?
死者スレのこの空気、なんだか懐かしくて好きだなあ。
いくら良い話を見ても、というか良い物語が終わったから「あとちょっと余韻を味わいたいな」
と感じるのだろうけど、本編のノリをキープしつつネタとしてのノリを出して掛け合いしてるのが
純粋に凄い。氏はそのへん、読ませるにあたってのバランス感覚がいいのだなあと、改めて思いますね。
しかし自分も推しアイドルはいないからか、あのへんバッサリいっちゃう司馬懿いいキャラだわw
そして、幻水ロワもすっげえ気になります。
幻水やったのは3までで、しかもRPGロワ関連だったんですが、それでも名簿を
見ていて感じるところが多いのがこのシリーズのすごいとこなんだろなあ。
ユーバーにはお世話になったけど、まさか死亡表記だけでクるとは思わなかったw
ゲーム好きとしては、紋章関連のルールがリソース管理的に楽しそうで身悶えしちまう……。
改めまして、よい完結を迎えられますようにッ。
557
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/15(土) 10:29:03
>>548
残念ながら、あと3話に登場した面子に推しアイドルはいないのです……
司馬懿:モバマス・グリマスのゲーム性の低さ、課金制度に幻滅。
逞鍛:なんだよアイドルって……。そんなことより語り合おうぜ衛有吾。
トゥバン:そんなことより仕合しようぜ!
タクティモン:そんなことより仕合しようぜ! 完璧算数教室もね!
スプラウト:孫娘が愛し過ぎて他が見えていない。
生還者:そんな事情は露知らず。
ちなみに、元ネタは某動画サイトの菊地真をSDガンダムがプロデュースするMADシリーズだったり。
死者スレネタは皆さんもっとやっていいと思いますw
>>555
自分も魁斬の最期には心打たれ、涙しました。
なので、実は最初、逞鍛の最期は魁斬のパク……
もとい、リスペクトした展開にしようと考えていました。
>>556
司馬懿は多分、煽りスキルがカンスト。
ちなみにシスプリ派になっている原因は公式ネタで、
曹丕を妙に楽しそうにシスプリ厨に教育していたことから。
そして新たなあと3話は幻水ロワでしたか。
未プレイですが何度か耳にしたことはあるシリーズなのでちょっと楽しみです。
またプレイ予定ゲームの増える予感が……。
558
:
名無しロワイアル
:2013/06/16(日) 01:21:26
何だよ、完璧算数教室ってw
559
:
◆uuKOks8/KA
:2013/06/16(日) 09:21:40
失礼します。寝ぼけていたのか所持している真の紋章を間違えて書いていたので修正します。
修正箇所
・さあ
560
:
◆uuKOks8/KA
:2013/06/16(日) 09:26:55
くっ、途中送信してしまった
修正箇所
ビクトール【星辰剣…×星の紋章○夜の紋章】
シエラ×【夜の紋章】○【月の紋章】
ユーバー×【八鬼の紋章】○【八房の紋章】
561
:
名無しロワイアル
:2013/06/16(日) 20:12:29
>>558
さぁ、漫画版クロスウォーズ第3巻収録の特別編をチェックするんだ!
タクティモンがいじけてOTZする貴重な姿が見られるぞ!
562
:
558
:2013/06/16(日) 20:25:40
>>561
公式ネタかよw
「みんな〜♪タクティモンのさんすうきょうしつはっじまっるよ〜♪
あたいみたいなてんさいになれるように、がんばっていってね〜♪」
的なネタじゃなかったのかよw
563
:
◆loZDXIX6eU
:2013/06/21(金) 22:34:14
【NARUTOロワ】
【生存者】
1 自来也 【疲労大】
2 うちはサスケ【木の葉に帰る決意】
3 奈良シカマル【フラッシュバック無力の可能性】
4 テマリ 【限界寸前】
5 干柿鬼鮫 【左目失明】
6 大蛇丸 【右腕欠損】
【主催者】
うちはオビト
うちはマダラ
【主催者の目的】
全て明かされていない。
【補足】
・参加者にはクナイと手裏剣が基本支給品として支給されています。
・影分身ストック(仙人の所から戻す)などは禁止。
・参加者は穢土転生を使えません。
・変身には時間制限が付きます。
・現在は昼です。
先にテンプレを投下させていただきました。
投下は来週になると思いますがよろしくお願いします。
564
:
◆uuKOks8/KA
:2013/06/22(土) 03:07:38
申し訳ありません。書き直しに書き直しを重ねた結果、まだ書き終えておりません…!
もう少しお待ちください。
NARUTOロワは忍者の戦いがどう描写されるかが楽しみであります。
565
:
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/06/24(月) 22:31:14
>>563
千客万来! ようこそ、あと3話ロワスレへ。
サスケェ! お前は木の葉の新たなる光だぁ!
みたいな展開を勝手に予想しときますw
>>564
はは、自分も散々書き直したりで延びまくりましたから、あまり気張らず行きましょう。
566
:
名無しロワイアル
:2013/06/25(火) 23:28:32
>>564
あるあるw
大まかなプロットはできてても、必要な描写を入れてくとドゥンドゥン長くなるんだよなw
567
:
◆LO34IBmVw2
:2013/06/27(木) 20:37:54
【ロワ名】
『孤独ロワイアル』
【生存者6名】
ナナ(エルフェンリート)【右腕使用不可】
岩倉玲音(serial experiments lain)
佐藤達広(NHKにようこそ!)
桐敷沙子(屍鬼)【限界寸前】【フラッシュバックによる無力化の可能性】
引企谷八幡(やはり俺の青春ラブコメは間違っている。)
鈴木英雄(アイアムアヒーロー)
ピノ(Ergo Proxy)
【主催者】
球磨川禊(めだかボックス)
【主催者の目的】『暇つぶし』『強いて言うなら』
『パロロワってやつを開催してみたくてね』
【補足】『優勝したら元にいた世界に返してあげるけど』『願いは叶えないよ』
『だってどんな願いも叶えるだなんて』『人間にできるわけないだろう(笑)』
【参加作品】
・エルフェンリート
・serial experiments lain
・NHKにようこそ!
・屍鬼
・やはり俺の青春ラブコメは間違っている。
・Ergo Proxy
・めだかボックス
・GUNSLINGER GIRL
・僕は友達が少ない
・今、そこにいる僕
・ぼくらの
・BRIGADOON まりんとメラン
・灰羽連盟
・アイアムアヒーロー
・烈火の炎
・おやすみプンプン
以上テンプレです。投下はまた来週か再来週になると思います。よろしくお願いします。
568
:
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:35:23
まともなロワも書きたいと思い、前回やったやきうロワの反省(仮)を生かし、今度は真面目なロワを1つ書こうと思ってます。
という事でテンプレ+298話投下
<<ここからテンプレ>>
【ロワ名】希望ロワ
【生存者6名】
1.鏑木・T・虎徹@TIGER&BUNNY【対主催:NEXT能力使用可能、体中にダメージ】
2.左右田和一@スーパーダンガンロンパ2-さよなら絶望学園-【対主催:精神的不安定】
3.江迎怒江@めだかボックス【マーダー:右目が潰されている、全身に裂傷】
4.天野雪輝@未来日記【マーダー:左脇腹に銃創】
5.玄野計@GANTZ【対主催:GANTZスーツ着用(壊れている)】
6.羊飼士狼@オオカミさんと七人の仲間たち【マーダー:左頬に切り傷、右足に銃創】
【主催者】超高校級の絶望@ダンガンロンパシリーズ
【主催者の目的】最上級の絶望を得る、そしてこの世を絶望で支配する
【補足】鏑木・T・虎徹と左右田和一は共に行動中
<<ここまでテンプレ>>
0/8【リトルバスターズ】
●直枝理樹●棗鈴●棗恭介●井ノ原真人●神北小毬●来ヶ谷唯湖●三枝葉留佳●二木佳奈多
0/7【enigme【エニグマ】】
●灰葉スミオ●来宮しげる●支倉モト●九条院ひいな●祀木ジロウ●水沢アル●崇藤タケマル
1/7【オオカミさんと七人の仲間たち】
●大神涼子●森野亮士●赤井林檎●桐木リスト●桐木アリス●猫宮三郎○羊飼士狼
1/7【GANTZ】
○玄野計●加藤勝●風大左衛門●桜井弘斗●西丈一郎●和泉紫音●鈴木良一
0/7【ToHeart2】
●河野貴明●柚原このみ●向坂環●小牧愛佳●十波由真●姫百合珊瑚●姫百合瑠璃
0/6【ダンガンロンパ-希望の学園と絶望の高校生-】
●苗木誠●霧切響子●大和田紋土●石丸清多夏●大神さくら●戦場むくろ
0/6【物語シリーズ】
●阿良々木暦●戦場ヶ原ひたぎ●八九寺真宵●神原駿河●羽川翼●阿良々木火憐
0/6【ペルソナ4】
●鳴上悠●花村陽介●里中千枝●天城雪子●巽完二●クマ
1/6【めだかボックス】
●黒神めだか●人吉善吉●阿久根高貴●喜界島もがな●球磨川禊○江迎怒江
1/5【未来日記】
○天野雪輝●我妻由乃●来須圭悟●雨流みねね●秋瀬或
1/5【スーパーダンガンロンパ2-さよなら絶望学園-】
●日向創●狛枝凪斗●終里赤音○左右田和一●ソニア・ネヴァーマインド
1/5【TIGER & BUNNY】
○鏑木・T・虎徹●バーナビー・ブルックスJr.●カリーナ・ライル●キース・グッドマン●ユーリ・ペトロフ
0/5【バトルロワイアル】
●七原秋也●川田章吾●桐山和雄●三村信史●杉村弘樹
0/5【戦場のヴァルキュリア】
●ウェルキン・ギュンター●アリシア・メルキオット●ロージー●ラルゴ・ポッテル●イーディ・ネルソン
0/5【おまもりひまり】
●天河優人●緋鞠●九崎凛子●静水久●神宮寺くえす
0/5【かのこん】
●小山田耕太●源ちずる●犹守望●源たゆら●熊田流星
0/5【魔法少女まどか☆マギカ】
●鹿目まどか●暁美ほむら●美樹さやか●巴マミ●佐倉杏子
569
:
298話
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:36:19
<Chapter6 元『超高校級の絶望』が??という『??』を掴んだ理由>
【超高校級のメカニックとその相棒の永遠的な別れ】
『うぷぷぷぷ……オマエラ、絶望してるぅ〜?』
俺はただその声を聴いていた。
ただ茫然と、感情をどこかへやってしまったかのように。
前の放送からすでに6時間が経っていた。
俺はただ目の前で目を閉じている奴を見る。
安らかに眠っている。
寝息も立てずに、ただ眠っている。
『かれこれ前の放送から6時間たっちゃったねぇ〜、コロシアイの方も順調でいい感じだね!
うぷぷぷ……それじゃあこの6時間で死んじゃった人の発表と行きましょうか!
棗恭介
風大左衛門
ウェルキン・ギュンター
バーナビー・ブルックスJr.
川田章吾
日向創
以上6人でーす! うぷぷぷ……残りの生存者も言っておいた方がいいかなぁ?
鏑木・T・虎徹
左右田和一
江迎怒江
天野雪輝
玄野計
羊飼士狼
残りも6人だね! もうすぐこのコロシアイも終焉って所だね……。
あ、言っておくけどボクを倒して脱出できるなんて思ってないよね?
無理無理無理! 無駄無駄無駄! そんな考えは甘いんだよ!
それじゃあ、ほどほどに頑張ってね!
禁止エリアについては、もう言わなくていいや!
オマエラは全員、同じエリアにいるんだからさ!
それじゃーねー!』
放送は終わった、だが目を覚まさない。
先ほどからずっと揺すってるのに、目を覚まさない。
「なぁ、目を覚ませよ」
「嘘だよな、嘘だと言ってくれよ」
「さっきまで、動いてたじゃねぇか」
いつの間にか、自分の目から液体が流れていることに気が付いた。
何故俺は泣いているんだ。
泣く理由なんてねぇだろうがよ。
ソニアさんが死んだ時、あの時もう涙は枯れたはずなんだ。
それにコイツは、日向はまだ生きてるんだ。
死んでなんかない、すぐに目を覚ますはずなんだ。
「起きろよ、寝たふりで俺を驚かせようなんてオメェらしくねぇぞ」
「なぁ、何とか言えよ」
日向、そういわれた少年は重力に負けて横たわる形となって落ちた。
彼の背中からは、大量の出血の跡。
誰が見ても死んでいるとわかるような状態であった。
「何とか言えよ、日向あああああああああああああああああああああああ!!」
その悲痛な叫びは、もう日向に届かなくなっていた。
日向創の『ココロ』はもう二度と、『ロンパ』できない。
◆ ◆
570
:
298話
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:36:44
【ヒーローとして】
何をやっているんだ、そう思いながら俺は唇を噛んだ。
ヒーローなんて言って、結局は守れなかったんだ。
バニーとの約束も、守れなかった。
「――――なーにやってんだかな」
自分を嘲笑いたくなる。
これ以上誰も殺させはしない。
その約束はもう守ることはできないのだ。
日向創、そういわれた少年と遭遇し、永遠に分かれることになった。
羊飼士狼――――奴に俺は負けたんだ。
「こんなんじゃ、ヒーロー失格だよな」
かつて、Mr.レジェンドに助けてもらったとき、彼は被害を出しただろうか。
レジェンド――――彼はどんな時でもヒーローだった。
それに比べて自分はどうだろうか。
バニーも助けられず、日向という少年も救えなかった。
それ以前にどれだけの人間を見捨ててしまったのか。
「――――クソッ」
結局はすべて自分の無力さが招いた結果だった。
100人いたこの殺し合いも6人しか生きていない。
バニーもカリーナもキースもあの裁判官さんだって死んでしまった。
ヒーローの奴らは全員、最後までヒーローらしく動いたのだろう。
「――――なぁ、虎徹さん」
そこで、左右田が俺に話しかけてきた。
目は宙を見ているようであった。
焦点が俺に会っていない。
まるで、絶望に染まった景色でも見ているかのように。
「……なんだ」
「日向が目覚めないんだよ、どうしてなんだ?」
「…………」
もう、左右田は精神的にボロボロになっているのだとわかった。
何を言ってやればいいのかわからない自分にさらに苛立ちを覚える。
下手をすれば、完全に左右田は廃人のようになってしまうだろう。
こういう状況に陥るなんて、よほどの人間じゃなければ正気は保てない。
左右田は機会にめっぽう強いらしいが、言ってしまえば弱いただの一般人だ。
いや、逆にここまで精神を保ててるだけ左右田は強いのだろう。
しかし友人が全員死んでしまった今、もう彼の支えがない。
だから今、このようになってしまっているのだ。
「なぁ、虎徹さん――――どうしてなんだよ」
「左右田、俺は今からお前を信じて言わせてもらうぞ」
「は?」
「現実を見ろ、日向創はもう死んでいるんだ。
さっきの放送でも、もう死んだって言われた。
バニーだって死んだのを確認した、そして呼ばれた。
あの放送に嘘はないはずだ、だから日向創はもうこの世にはいない」
「何言ってんだよ、そんなわけねぇだろ!! さっきまで、俺と話して、俺を守ってくれて……」
「もう、いないんだよ……目の前でお前を守って死んだんだぞ、ソイツは……!
お前はその死を侮辱するつもりかよ!」
「違う! 日向が、死んでるわけねー!」
「現実を見やがれ、このわからず屋がッ!!」
ぱぁん、と気味のいい音が耳に触れる。
おれの手は、いつの間にか左右田の頬を叩いていた。
あの時――――バニーに対しやった時と同じように。
571
:
298話
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:37:17
「――――わかってんだよ、それくらい……日向はもういねーんだって。
終里だって、あの狛枝だって……ソニアさんだって、もういねーんだよ」
「左右田……」
「……くそ、なんでこんなことになってんだよ……! アレで、あの殺し合い修学旅行で終わったんじゃねーのかよ……!」
殺し合い修学旅行、左右田が経験した悪夢の日々のことだ。
彼はそこから、命からがら生還した。
その時の一番の立役者が、日向創――――今、目の前に死体となっている彼だ。
左右田にとって、そんな彼は心の支えだったに違いない。
自分にとっての……Mr.レジェンドと同じだ。
「――――」
この時から、崩壊と言う名の【絶望】は始まっていたのだ。
【鏑木・T・虎徹@TIGER&BUNNY】
[状態]NEXT能力使用可能、体中にダメージ
[装備]ワイルドタイガー用ヒーロースーツ(かなりボロボロ)
[道具]ヒーローのブロマイド(ワイルドタイガーとバーナビー・ブルックスJr.)@TIGER&BUNNY
[思考]
1:ヒーローとして、バニーの相棒として主催を倒す
2:……左右田
3:能力がいつまで持つのか……
[備考]
※NEXT能力が減退して行っています。 現在は3分強くらいしか続きません
【左右田和一@スーパーダンガンロンパ2-さよなら絶望学園-】
[状態]精神が不安定
[装備]なし
[道具]サバイバルナイフ@ダンガンロンパ-希望の学園と絶望の高校生-
[思考]
1:……
◆ ◆
【君と僕が壊れた世界】
少なくとも、もう6人しか生きていないらしい。
あれだけたくさんいた中で、僕が生きている。
これは、あくまで決まっていたことなのだ。
この『未来日記』の通りでは、僕はまだ死なないと決まっていた。
「――――ねぇ、由乃」
由乃、僕の大事な存在となった女の子だ。
サバイバルゲームを終えて、一緒にHAPPYENDを掴み取ったはずの相手だ。
だが、そのHAPPYENDは消えてしまった。
その掴み取ったものが消えたとき、僕は絶望したのだろう。
だけれども、今は違う。
この殺し合いで優勝し、もう一度……4周目に行けばいい。
4周目に行けば変わってしまうのだろう。
だけれども、僕の中で由乃はそれほど大事な人なのだ。
たとえこの世が壊れたとしても、由乃と居れるのならば僕はそれも甘んじて受け入れれる。
それほどに――――僕の中で、彼女は大きかった。
「こんな、由乃が死ぬなんていうふざけた結末も……無かった世界に行けるんだ」
――――それはとっても、幸せなことに違いない。
だからこそ、彼女を追いかけ続ける。
その、はるか遠い幻影(我妻由乃)までも。
たとえそれが異端であり、この世を敵に回す行為なのだとしても。
僕はそれほどに――――彼女を愛しているのだから。
【天野雪輝@未来日記】
[状態]脇腹に銃創
[装備]無差別日記@未来日記、ガリアン-4(5/5)@戦場のヴァルキュリア
[道具]ガリアン-4の弾丸(30)、雪輝日記@未来日記
[思考]
1:殺し合いに優勝し、4周目の世界に行く
2:間違っているかもしれないけれど……それでも……
[備考]
※無差別日記は制限がかかっていて少し先の未来しか見えなくなっています
572
:
298話
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:37:38
◆ ◆
【私と貴方が壊した世界】
あと6人だそうですね。
ねぇ、球磨川さん。
貴方が死んでしまってから、私は頑張ったんですよ?
もう、体だってボロボロになって。
右目なんかも見えなくなっちゃったんですよ。
でも私は諦めません……あなたを再び生き返らせるために。
この殺し合いに、勝利しなくてはならないのだから。
貴方がいなければ、マイナス十三組はどうなるのですか。
この私の愛を受け止めてくれる人は、いないんですよ。
貴方が――――球磨川さんがいなければ。
プラスもマイナスもない、0とも言えない様な最高に最悪な状況です。
「ふふ、ふふふふふ待っててください球磨川さん。
私は絶対にこの殺し合いで優勝して貴方をよみがえらせます。
そしてマイナス十三組全員で箱庭学園を……!」
球磨川さんを殺すほどの化け物が、ここにはいる。
死んでいるかもしれないし、今も生きているかもしれない。
だけれども私は……止まるわけにはいかない。
この『愛』のために、絶対に止まれない。
【江迎怒江@めだかボックス】
[状態]右目が潰されている、全身に裂傷
[装備]万能包丁×2@現地調達品
[道具]なし
[思考]
1:殺し合いに優勝して球磨川さんを生き返らせる
[備考]
※荒廃した腐花が進化しています
◆ ◆
【わるいおおかみにごようじん】
「――――くくくっ、ああ……なんて滑稽なんだろうね」
白い清楚な制服に身を纏う男はただただ笑っていた。
彼の名前は羊飼士狼、鬼ヶ島高校の生徒会長にして生徒達の頭を張る男。
そして――――この殺し合いのトップマーダーである。
鏑木・T・虎徹と左右田和一を襲撃し、日向創を殺した張本人でもある。
「まぁ、今ここで彼らに接触する意味はない……このままいけば、もっと彼らは崩れてくれる」
そして、彼は物陰から虎徹と左右田を見ていた。
接触しようと思えばすぐにでもできたが、彼はそれを良しとしなかった。
もっともっともっと、彼らが崩れるのを見たかったからだ。
彼はただの殺人者ではない。
面白い風になるように動く、それが羊飼のスタンスだ。
573
:
298話
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:37:48
「でも、結局涼子ちゃんには会えなかったね。 本当は壊れていく彼女を見たかったんだけどなぁ……」
大神涼子――――羊飼が壊したいと思った少女だ。
彼女を強くしたのは羊飼であり、弱くしたのも羊飼である。
そして、彼女を知らずの場所で絶望させたのも――――彼だ。
森野亮士という大神涼子が好意を寄せた男を、彼が殺したからだ。
彼にとって本来歩むべき未来にて倒される相手を、羊飼は殺したのだ。
自分の未来を消し、書き換えた。
「――――まぁ、どうせそういう運命だったんだ。 今はとりあえず、このつまらなくなってきたゲームを終わらせなきゃね」
その場から離れる――――と思ったその時だった。
左ポケットからナイフを取り出し茂みに放つ。
それと同時に茂みから何かが飛び出してきた。
「ッ――――なぜわかった」
「バレバレだよ……気付かれてないとでも思ったの?」
「……そうかよ」
黒いスーツを身にまとった男――――玄野計は羊飼の前に立つ。
この殺し合いを止めようと動いていた彼は、先ほどまで潜んでいたのだ。
自分の親友であった、加藤勝を殺した張本人を殺した羊飼を殺すために。
「絶対ぇ――――殺す!」
「見せてやるよ、格の違いって奴をさ」
二人の人間の対決が、ここに始まる。
【羊飼士狼@オオカミさんと七人の仲間たち】
[状態]左頬に切り傷、右足に銃創
[装備]投げナイフ@現実、安綱@おまもりひまり
[道具]支給品の一部
[思考]
1:この殺し合いに優勝し、主催も殺す
2:まずは目の前の奴(玄野)の対処
【玄野計@GANTZ】
[状態]左肩脱臼
[装備]GANTZスーツ@GANTZ(オシャカ)、GANTZソード@GANTZ
[道具]なし
[思考]
1:死んだ皆の分まで、生きぬく
2:加藤を殺したコイツ(羊飼)は許せねぇ……!
574
:
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:38:53
投下終了ですん。
前回のカオス系と違って、ちょっと考えたりしないといけないので、さすがに前回よりは投下ペースが落ちる(確信)
575
:
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:41:14
遅れながらNARUTOロワ一回目投下させていただきます
576
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:45:00
「あの小僧……霧隠れの鬼人の底力ですか」
地図に存在している建物は全て消えている。
草原もその姿を消し視界に広がるのは荒々しい大地が彼方まで続く。
大地の中央に存在感を放ち君臨するは再不斬の愛刀首切り包丁一本のみ。
彼が死に際に放った斬撃は会場を覆う邪悪を断罪した。
四代目火影波風ミナトが己のチャクラと体を犠牲にして瞬身の術を発動し会場を飛び回る。
その役目は各地にある幻術の札を破壊するためであり故に10分の間に7つのエリアを巡回。
札は8つあった事をミナトは知らない。
8つ目を破壊したのは大蛇丸。
無論知っていたとしても大蛇丸が協力したなど信じられる話ではないし、大蛇丸も協力した訳ではないようだ。
しかしそれが会場を騙る幻術を破壊するのに繋がった。
札を破壊したことにより幻術が解け会場がただの荒地に戻る。
そこは第四次忍界大戦が行われた場所である。
大きなチャクラの反応――それは始まりの仮面の男。
奴のせいで多くの人間が死に、多くの悲劇が生まれ、多くの憎しみが生まれた。
ミナトは酷使し過ぎた反動により一矢報いるチャクラも命も残っていなかった。
破壊に協力したガイ、キラービーもチャクラが残っていなく絶命寸前。
唯一の生き残りである再不斬を他にオビトと戦える者は残っていない――
三人は状況が理解できないほど頭が回らない訳ではない。
常に最善の方法を尽くす忍。
ならば可能性が高い方に賭けるのが筋であり故に全てのチャクラを再不斬に捧げる。
木の葉の気高き碧い猛獣、八尾の人柱力、四代目火影、そして己の生命を一本の愛刀に宿し根城を斬り裂く。
結果として四代目の瞬身の助けもありオビトと激突を起こし命を取る事はなかったが傷を負わし仮面を割る。
仮面が割れたことによりそのチャクラに気付く生き残った忍達は主催を目指す。
霧隠れの鬼人桃地再不斬が切り開いた可能性を目指して――
577
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:47:12
「イタチさんも死んでしまい残る暁は私だけですか」
唯一の暁生き残りとなった干柿鬼鮫
彼の動向は定まっていない。
この場に来てからも慣れ合うことはしなかった。
時に人を殺せば時に悪者を斬り付け人の命を奪うにも様々な形で行なってきた。
始まりの仮面の男であるトビ――オビトの計画である月の眼計画が生き残りの参加者に知れ渡った。
無論干柿鬼鮫は最初から全てを知っていた、参加自体には何の説明も無かったが。
イタチの死に際の際に語られたうちは一族の真実。
そして今もこの会場に存在しているイタチの弟であるうちはサスケ。
会場で遭遇している生存者は伝説の三忍の一人である自来也、木の葉の奈良一族の忍そして風影の側近の三人。
出会ってはいないがかつての裏切り者大蛇丸、そして自分を含めた計六人。
外道魔像がまだ発動できる状態とは思えない。
九尾の人柱力であるうずまきナルトのチャクラ反応がまだ残っているため儀式前だろう。
再不斬の一撃は魔像に直撃しているためもしかしたら発動が出来ない状態かもしれない。
無論、条件を無視してマダラの口寄せが可能のため主催の戦力は十分高いものと予想できる。
生存戦力を考えた場合己を含め全員が万全な状態とは呼べないはずだ。
それに鬼鮫自身暁の一員であるためオビトと対立する必要がない。
そう必要がない――――――
「私の処分に来ましたか……ゼツ」
578
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:48:13
前方に広がるのは大量の暁の一員であるゼツ。
その数十万ををも超える。
「やぁ鬼鮫久し振りだね」
「邪魔者は全て消す……私もデイダラもサソリもペインもイタチさんも邪魔者でしたか」
「ごめんねぇもう君たちは要らないみたいだ」
何故殺し合いを画策したかは一切不明であるが月の眼計画に必要なのだろう。
死人の魂やチャクラが必要だったのかも知れない。
暁の構成員も元の大蛇丸を含め複数死人を出しているので形として計画に協力していたかもしれない。
だとしたら、だとしたらだ。
終盤とも言えるこの状況なら必要と仮定する魂やチャクラは集まった。
ならもう出先の者は用済みで後はその生命を粛清するだけだとしたら――鬼鮫はもう必要ない。
「ククク……私もイタチさんも随分と馬鹿にされたみたいですね」
「まあそうゆうことだからごめんね!」
一斉に飛びかかる大量のゼツ
「水遁・大瀑布の術!!」
鮫肌に大量の水を己のチャクラを宿し腰を落とした体制で前方を見つめる。
そこから放たれる一閃は豪快に水流を飛ばし迫るゼツを孤高の彼方へと押し流す。
それでもゼツの数は減らず依然として視界に映る景色はゼツ一色。
『もし機会があるのなら……サスケを頼む』
「イタチさん……あなたは最後にとても面倒な事を頼みましたねえ――
ですがあなたの頼みなら断れませんねぇまったく!!」
【干柿鬼鮫@NARUTO】
[状態]左目失明、疲労(中)、チャクラ消費(小)、腹部損傷、左腕に裂傷
[装備]鮫肌
[道具]バック、クナイ、手裏剣、起爆札、各×10、ガイの額当て、イタチの指輪、ヒナタの左目
[思考]基本:イタチの頼みに従う
1:ゼツを殺す
2:イタチの遺言通りサスケを助ける
3:碧い猛獣……覚えておきますよ
[備考]
※うちは一族の真実を知りました。
※鮫肌はもう裏切ることはありません。
579
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:50:34
「シカマル!!」
叫ぶ
そう、叫んでしまう
お前は今何処に行こうとしている
何故私を置いていこうとするのだ
我愛羅もカンクロウも皆、みんな死んでしまった
「もう私を一人に――――」
■
「俺は今からあいつの首を取る」
崖から見下ろすこの景色に思い出はない。
イタチにも会えずに彼は死んでしまった。
ナルトのチャクラの反応が消えた。
カカシもサクラもリーもネジもテンテンもチョウジもいのもキバもシノもヒナタもみんな死んでしまった。
「俺は木の葉に帰る」
聞かされたうちはの真実。
もうあんな悲劇は二度と繰り返さない。
「俺の復讐に終止符を撃つ――!!」
【うちはサスケ@NARUTO】
[状態]疲労(中)、チャクラ消費(中)、万華鏡写輪眼開眼可能
[装備]草薙の剣
[道具]バック、忍具一式
[思考]基本:木の葉に帰り一族の悲劇を繰り返さないため火影になる
1:仮面の男を殺す
2:もう人を殺す気はない
3:ナルト……
[備考]
※うちは一族の真実を知りました。
580
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:52:32
「こいつ……魘されてるのか?」
限界寸前で気絶しているテマリの傍にいるシカマルが呟く。
無理もないこの会場に来てから常に死との隣合わせの状況で時間が過ぎている。
そして我愛羅が自分を守り抜いて目の前で絶命した――気絶するのも仕方がない。
このまま一人で残しておくのは大変危険である。
それに知り合いを見捨てる程腐っている男ではない。
生存者も一桁となりこの先には辛い戦いしか待ち受けていないだろう。
ならば少しでも休息を取るのが最善の策といえる。
生き残れる保証など最初から存在していない。
少しでも可能性を上げるためにチャクラを温存し体力を回復するのが今行うべき行動。
少しでも長く術を発動できるように、少しでも勝てる可能性を上げるために――――――。
「みんな……みんなが切り開いた道を無駄にはしたくねえ」
数々のドラマが、色が生まれた殺し合い。
それは悲劇の繰り返しであり行わない方が良いに決まっている。
終わり良ければ全て良しなど存在しない、そんな事なら始めからやる必要がない。
でも死んだ命を無駄にすることは許されない。
残った希望を生存者は導く必要が、義務がある。
弱い消極的な意思は捨てろ、理不尽な世界に反逆しろ、ここは諦める場面何かじゃない。
受け継いだ希望の意思をその胸に宿し例えその身が砕けようとも貢献しろ。
根性、この言葉がよく似合う。
「これじゃあナルトみてぇだな……まぁたまにはいいかもな」
世の中数字だけでは測れない事が多数に存在している。
今思えばサスケ奪還任務の時だって同じだ。
テマリ達が助けに来てくれなければ自分を含めキバとリーが死んでいただろう。
無論その助けなど知らず計算の内に入っていなかった。
「『絶対』何て言葉は通用しない……残された奴は次の世代に全てを繋ぐ……そうだろアスマ」
581
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:54:32
「――やっぱタバコは合わないわ」
空を見上げる。
幻術が解け大地は荒々しくなったが空は色褪せることは無かった。
美しい蒼に邪魔することなく存在している白い雲。
思い返せば自分は昔雲に憧れていた。
何物に縛られない自由な存在に憧れていた時代を思い出す。
「たしかにめんどくせぇ事ばっかだ」
出来る事ならゆっくり風を感じながら寝ていたい。
縛るものなど存在しない世界でゆっくり気が赴くままに事を成し遂げたい。
「でもそんな事言ってる暇があったら……」
感じるチャクラ反応。
噂に聞く暁の一人干柿鬼鮫。
以前とは変わったがそれでも懐かしさを感じるうちはサスケ。
全ての元凶でもあるアスマやカカシ先生の同期らしい男うちはオビト。
邪悪さは相変わらずの禍々しいチャクラ大蛇丸。
今この場で倒れている何かと縁のある女テマリ。
そして木の葉が誇る伝説の三忍の一人自来也。
三桁もあった参加者も気づけば指で数えられるような所まで減ってしまった。
それでもシカマルは前を見続ける――この遥か先に感じるオビトのチャクラから。
所謂次が最終戦――――――
【奈良シカマル@NARUTO】
[状態]疲労(大)、チャクラ消費(中)、固い決意
[装備]忍具一式、チャクラ刀
[道具]バック、忍具一式
[思考]基本:全てを背負い任務を行う
1:テマリを守る
2:オビトを倒し木の葉に帰る
3:悲しむのは全てが終わった後
[備考]
※我愛羅からテマリを任されました
【テマリ@NARUTO】
[状態]疲労(大)、チャクラ消費(大)、全身消耗
[装備]忍具一式、巨大扇子
[道具]バック、忍具一式
[思考]基本:気絶中
582
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:55:17
四代目火影波風ミナト。
正義の具現者としてその最後は自らの犠牲を顧みずその身と引き換えに幻術破壊に貢献する。
三代目火影猿飛ヒルゼン。
強い力と圧倒的経験を活かし戦いだけではなく精神的支柱にもなっていた。
その最後は薬師カブトに敗れるもその後の勝利へと繋げた。
五代目火影綱手。
治療術を活かして数々の負傷者を救ったがその最後はデイダラに爆破された。
そして伝説の三忍の生き残りである――
「大蛇丸か……」
「あら気付いていたのね自来也」
再び相まみえる両雄。
方や正義方や悪を名乗るに相応しいかつての仲間がこの地で再び出会う。
その瞳に映る影はどちらも――昔から変わらない姿だけ。
交わす言葉も必要ない、自来也からすれば語りたいことはたくさん存在する。
だが、それでもだ。
言葉で解決するほど簡単な物ならとっくに物事は解決しているだろう。
止めれるなら既に止めている――ナルトとサスケのように。
「綱手の仇を取ってくれたらしいのう」
「デイダラと綱手を天秤に掛けただけよ……」
それは大蛇丸が変わったわけではない、いや、変わっている。
だが彼の本質的な、根本的な事に影響している訳ではない。
形成されている全てが人一人の死で変わるのなら争いなんて起きない。
それこそ月の眼計画何て必要ない。
「お前はオビトの策に乗るのかのう?」
「うちはオビト……カカシの同期であったうちは一族……興味ないわねえ」
「ならお前はどうするんだ?――これから」
「他人の起こした戦争に興味はないのよ……だからと言って」
583
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:56:39
大蛇丸は言わずとも【悪】の位置に存在する生物である。
その性格、構成ともに常人とはかけ離れ酷く歪んでいる存在。
故に数多の人間を殺し闇と向かい合ってきた忍者。
それは表舞台に立つことを二度と許されない闇の役者。
「私は帰るわ……失った右腕もヤマトの、初代の細胞を手に入れることが出来たしね」
「今どうするかを聽いているんだがのう」
「愚問ね自来也……これまでと変わることなんてない……あなたも分かっているでしょう?」
そうだ。
人間には、忍には己の意地がある。
アイデンティティが簡単に崩壊している様じゃ真っ当な忍は務まらないし邪魔なだけ。
強い意志を持っていないものは成長どころか戦場に立つことを許されない。
他人に流される人間が忍を、人の命を奪う忍を語る上で己の強さを認識しろ。
責任を持てない人間に忍を語る資格はない。
「火遁――――――!!」
己の意思とは己の忍道
簡単に曲げる柔な意思では伝説の三忍は務まらない。
火遁と火遁のぶつかり合いは互い譲らず大きな爆発を起こす。
距離を取る両者――こんな事で命が取れるなど全く思っていない、目の前の男が簡単に死ぬはずがない。
煙が晴れて自来也が前方を見るも大蛇丸の姿を捉えられない。
大蛇丸は足にチャクラを集中させ岩場に張り付いている――チャクラの簡単な応用。
そこから右腕を伸ばし蛇を、初代の細胞によって更に木遁も追加し自来也に放つ。
クナイを投げつけ撃墜を試みる自来也だが大蛇丸の意志によって行動するため避けられてしまう。
木遁と蛇が螺旋を組み自来也に襲いかかるが伝説の三忍の戦いは終わらない。
「忍法・針地蔵!!」
584
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 13:58:21
長い髪を己に纏わせチャクラを流して硬化させ針のように身を守る自来也の忍術。
蛇と木遁は髪に捕まり自来也に衝撃を与え後退させる。
ジリジリと大地を引き摺るが損傷は一切与えられずその術を大蛇丸は解く。
岩場を離れその手にクナイを握り自来也に急接近、そこから格闘戦に映る。
大蛇丸が自来也の首元を斬りつけようとするが自来也もクナイで応戦、これを防ぐ。
自来也の上を飛び越し踵落としを脳天に叩きこむも両腕を交差させその攻撃に耐える。
腕を大蛇丸ごと払い上げ接近し腹に拳を叩きこむ。
しかし変わり身で背後を取られ大蛇丸が逆にその体を貫く。
だがこれは分身――本物の自来也は後方に居る。
「火遁・火龍炎弾!!」
「水遁・水龍弾の術!!」
どちらも引かない蒼炎の龍は大きく跡を残しこの世を去る。
自来也と大蛇丸――その意志は違えど最終的な行動は同じである。
チャクラを温存しておかないとうちはオビトに勝利するのが断然難しくなる。
だが。
目の前の相手は手を抜いて勝てる程弱い男なのだろうか?
答えは違う。
因縁の、昔の仲間に、友達に手を抜ける筈がない。
「相変わらずの力ね自来也」
「お前は劣ることを知らんのか大蛇丸」
再び対峙する二人に冷たい空気が張り詰める。
元より無傷で勝てるなど思っていない。
互いが互いを知りその強さも、その忍道も全てをしっているのだから。
585
:
意志を継ぐ者/繋げる者
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 14:00:00
「風遁・大突破!!」
荒々しく吹き荒れる暴風。
大地に残る僅かな緑をも毟り取り自来也目掛けて螺旋を描く。
「土遁・土流壁!!」
自来也を守るべく厚い肉壁が大地から出現する。
風遁は土流壁を抉り取りながらも破壊までには至らない。
風は貫く事を諦め次の段階に移る。
大きく上空に吹き荒れる暴風は土流壁を遥か彼方に吹き飛ばす。
「やるのう……だが!」
「こんな簡単に終わるとは思っていないわ……!」
術の応酬を繰り返すかつての友。
その実力は生存者の中でも間違いなく上位を争う屈強なき力。
それこそ生存者、いや参加者全体の中でもトップクラスの激突である。
もしこの二人が手を組んだら。
所詮甘い妄想である。
幼稚な妄想に取り憑かれるほど弱い人間ではない。
傷つくことを恐れる忍は成長が……大切な存在を守ることも出来ない。
潜り抜けてきた場数は並の忍と並ぶ事なかれ――此処に君臨するは木の葉が誇る伝説の三忍。
その器量、その度胸どれも一級品。
小さい瞳を開眼させ拝んでおくがいい。
「「口寄せの術!!」」
事実上の最終決戦を――――――
【自来也@NARUTO】
[状態]疲労(大)、チャクラ消費(中)、全身にダメージ、右肋骨骨折
[装備]忍具一式、
[道具]バック、忍具一式
[思考]基本:火の意志を次の世代に受け渡す
1:大蛇丸を止める――倒す
2:受け継いだ火の意志を次の世代に受け渡す
3:ナルト……お前は今何処にいる?
【備考】
※は一族の真実をしりました
【大蛇丸@NARUTO】
[状態]疲労(中)、チャクラ消費(中)、ヤマトの右腕
[装備]忍具一式、草薙の剣
[道具]バック、忍具一式
[思考]基本:???
1:自来也と戦う
2:他人の戦争に興味はない
[備考]
※うちは一族の真実を知りました
586
:
◆Q0VzZxV5ys
:2013/06/30(日) 14:03:56
以上で投下終了です
トリップが違いますが同じ人です(前のトリは忘れてしまいました)
これからよろしくお願いします
587
:
◆uuKOks8/KA
:2013/07/03(水) 13:18:42
遅くなりましたが
>>551
幻想水滸ロワ投下します。
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