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あと3話で完結ロワスレ
498
:
◆MobiusZmZg
:2013/05/03(金) 17:07:12
紙に、神に近づいていく。
孤独に対しておぼえる安らぎ。永遠に対する感覚の鈍麻。これらが招くであろう死をいっとき忘れさせ、今、このとき
だけでも主を生きながらえさせる「胸」の昂ぶりさえ修羅ノ介を大地に縫い止めて離さない。
忘却と停滞の肯定。それこそが生にしがみつくヒトガタ、「いのち」の性質さえ無為なものとしてしまう。
なんだこれと、洒落にならねえとこぼした声は、はたしてかたちをなしたろうか。
子供のむずがるようにもがいて、――紙のかたまりはぴくりともせぬまま、梅花のひとひらに口をふさがれた。
なんだこれ、ではない。これを自分は知っている。萬川集海の断章を取り込んだとき、力に酔いしれて『神モード』などと
うそぶいたものだが、違う。あの、スイッチを操作するようにおのれの任意で変えられる状態と、これとは違う。
銀色にひかって痛む、「眼」の前を青白く燃えて流れる星が塗りつぶした。
黒焔の、華散るがごとくに翻る幻想は、九尾の妖狐が中天へ舞った夜に見たものだ。
――俺にはいくらでも時間がある。俺が俺を見失わないうちはな!
六道ノ書と六識ノ書。萬川集海のうちの二巻をみずから散逸させたときに紡いだ言葉が「耳」に蘇る。
秘伝書に自身を侵蝕させたことは、しかし計算のうちにあったことだ。
この魔戦が盤面の、ひいては世界を形作る【情報】のひとつもなければ、自分は自分の定点を見失う。世界に関わらず、
そのありようを拒絶するという選択さえ、世界に抱かれていなければ選べないように。
“喰らうべき意味が裡になければ”外側から取り込むしかないのだと考えて、探った相手は花白だった。
この世界はどうすれば君に償えるんだろう。箱庭における唯一の被害者としてある玄冬の「顔」を見た救世主は世界と
折り合いをつけることすら出来ぬがゆえに正しく少年で、それだから死ぬことでしか存在しえないものだったのかと思えた、
その思いも逃散する。
逃げゆくいま<ヒト>との間にある距離を嘆いて伸ばした「手」が刻む文字で時をつかもうとあがく発想の
健全に自分はまだヒトだまだ大丈夫なのだと安堵して「心臓」をさすろうと溢れるものを止められない。
ならば自分こそが他者の定点、他者の情動を励起する、モノになる。
過去のように死のように、他者から意識を向けられねば現れ得ぬ機能と成り果てる。
もはや喪失への危惧もなく、そのくせ「膝」の裏の「腱」がひきつる痛みが恐れの役をはたしている。
茫洋とたゆとう、思考がそのとき煤竹色に。大外套の役を果たす上着の、腕に通していない片袖で引き裂かれ、
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