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あと3話で完結ロワスレ
570
:
298話
◆9n1Os0Si9I
:2013/06/28(金) 19:36:44
【ヒーローとして】
何をやっているんだ、そう思いながら俺は唇を噛んだ。
ヒーローなんて言って、結局は守れなかったんだ。
バニーとの約束も、守れなかった。
「――――なーにやってんだかな」
自分を嘲笑いたくなる。
これ以上誰も殺させはしない。
その約束はもう守ることはできないのだ。
日向創、そういわれた少年と遭遇し、永遠に分かれることになった。
羊飼士狼――――奴に俺は負けたんだ。
「こんなんじゃ、ヒーロー失格だよな」
かつて、Mr.レジェンドに助けてもらったとき、彼は被害を出しただろうか。
レジェンド――――彼はどんな時でもヒーローだった。
それに比べて自分はどうだろうか。
バニーも助けられず、日向という少年も救えなかった。
それ以前にどれだけの人間を見捨ててしまったのか。
「――――クソッ」
結局はすべて自分の無力さが招いた結果だった。
100人いたこの殺し合いも6人しか生きていない。
バニーもカリーナもキースもあの裁判官さんだって死んでしまった。
ヒーローの奴らは全員、最後までヒーローらしく動いたのだろう。
「――――なぁ、虎徹さん」
そこで、左右田が俺に話しかけてきた。
目は宙を見ているようであった。
焦点が俺に会っていない。
まるで、絶望に染まった景色でも見ているかのように。
「……なんだ」
「日向が目覚めないんだよ、どうしてなんだ?」
「…………」
もう、左右田は精神的にボロボロになっているのだとわかった。
何を言ってやればいいのかわからない自分にさらに苛立ちを覚える。
下手をすれば、完全に左右田は廃人のようになってしまうだろう。
こういう状況に陥るなんて、よほどの人間じゃなければ正気は保てない。
左右田は機会にめっぽう強いらしいが、言ってしまえば弱いただの一般人だ。
いや、逆にここまで精神を保ててるだけ左右田は強いのだろう。
しかし友人が全員死んでしまった今、もう彼の支えがない。
だから今、このようになってしまっているのだ。
「なぁ、虎徹さん――――どうしてなんだよ」
「左右田、俺は今からお前を信じて言わせてもらうぞ」
「は?」
「現実を見ろ、日向創はもう死んでいるんだ。
さっきの放送でも、もう死んだって言われた。
バニーだって死んだのを確認した、そして呼ばれた。
あの放送に嘘はないはずだ、だから日向創はもうこの世にはいない」
「何言ってんだよ、そんなわけねぇだろ!! さっきまで、俺と話して、俺を守ってくれて……」
「もう、いないんだよ……目の前でお前を守って死んだんだぞ、ソイツは……!
お前はその死を侮辱するつもりかよ!」
「違う! 日向が、死んでるわけねー!」
「現実を見やがれ、このわからず屋がッ!!」
ぱぁん、と気味のいい音が耳に触れる。
おれの手は、いつの間にか左右田の頬を叩いていた。
あの時――――バニーに対しやった時と同じように。
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