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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

1名無しさん:2004/11/25(木) 19:54
「自分も小説を書いてみたいけど、文章力や世界観を壊したらどうしよう・・・。」
「自分では面白いつもりだけど、うpにイマイチ自信がないから、
読み手さんや他の書き手さんに指摘や添削してもらいたいな。」
「新設定を考えたけど矛盾があったらどうしよう・・・」

など、うpに自身のない方、文章や設定を批評して頂きたい方が
練習する為のスレッドです。

・コテンパンに批評されても泣かない
・なるべく作者さんの世界観を大事に批評しましょう。
 過度の批判(例えば文章を書くこと自体など)は避けましょう。
・設定等の相談は「能力を考えようスレ」「進行会議」で。

488here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:17:49
 「−殺さない程度にやれよ!」

 仲間らしい別の男の、物騒な指示が聞こえる。
 隣にいた猫が走っていく。座り込んだ地面の砂の感触。振りかぶる拳がスローモーションで見えた。
 当たれば殺されずとも気絶は間違いなさそうだ。そしてこの距離では避けられない。
 取れる策はひとつだった。その軌跡をしっかり見据え、意を決してキーワードを叫ぶ。
 「『獲った』…けど、返すわっ!!」
 言い終わった瞬間、濱口の首元で白い輝きが弾ける。
 次いで鈍い、何かがめりこむような重たい音が響いた。

 「…っ、………!?」
 フラッシュに似た光が収まった時、困惑と苦痛を混ぜたような表情を浮かべていたのは
濱口ではなく彼に攻撃を仕掛けたはずの男の方。
 倒れこみ動かなくなる仲間の姿に、集まってきた面々は事態を把握できずに硬直する。
 濱口はその隙に体勢を立て直し、地面を蹴った。

489here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:18:47

 追われてるし、捕まりたくないし、暗いし、しんどいし。
 様々な事象が恐怖に直結し、喉元に込み上げてきて吐きそうになる。

 濱口の石が最初に光ってから10分。
 人数差の不利はあまりにも大きく、公園からの脱出は果たされぬまま
絶望的にユーモアの欠けた真夜中の鬼ごっこは続いていた。
 現在数は7対1。既に2人には先程と同じくカウンターで自らの攻撃に沈んでいただいたのだが、
そろそろその代償すらも濱口を追い詰めはじめている。
 心臓が痛い。激しくなるばかりの動悸が容赦なく脳を叩き、息を継ぐのもままならない。
 単に運動不足のせいだけではなかった。
 石を使えば使うほど臆病になる−限界値を越えるまではそうきつい制約でないはずの副作用はしかし、
こうして激しい動作に絡まると途端に厄介な足枷と化す。
 タイミングの悪いことに、弱々しくも頑張っていた公園内の街灯がバチっと音を立てたきり沈黙し
 ほぼ完全な暗闇の中で駆け回らなくてはならなくなった。
 ぼんやり浮かぶ遊具や木々。環境すべてがなにか恐ろしいイメージの元に見える。
 「嘘ぉ、」
 思わず漏らした嘆きは完璧に震えていた。
 背中にぶつかる相手の忌々しげな文句にも必要以上に臆してしまう不本意な現状に加え
 頭の中では昼間聞いた稲川淳二印の怪談がリピートで流れはじめる始末。

490here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:19:46
 だからこれ使いたくないねん、首元で慌てたように揺れるセレナイトを恨みつつ
 いじめられっ子の代名詞「のび太」にも勝る切羽詰まった顔で、
 濱口は必死に黒の追っ手御一行と暗闇と脳内の稲川淳二から逃げ回った。
 ジャイアンがいっぱいおったらこんな感じになんねや。感心する余裕もすでにない。
 あかん、涙出てきた−
 いよいよ体力より先に精神がくじける頃。視界の先、路地の明るみから聞き覚えのある声が響く。

 「…飛んで!」

 鋭い声。彼の「ドラえもん」が何を意図したのか考える暇もなく、濱口はその指示に従った。
 目減りする精神力は一旦踏み止まってくれたらしい。こういう時単純な性格でよかったと思う。
 出口を塞ごうと車止めの方へ回りこむ数人の動きを横目にそのまままっすぐ走り、
 大きく息を吸い込んでもつれかけた両足を跳ね上げ、公園と道路を隔てた垣根を飛び越える。
 左足がわずかに葉を掠った。
 「あだっ、!」
 バランスを崩し、中途半端な飛び込み前転のような格好で地面に転がる。
 ぬるいアスファルトの感触でどうやら成功したことはわかったものの
急な動作で無理に伸びた腰や膝から、早くも痛覚が駆け上がってきた。
 (え、言われた通り、道に出たけど…、それからどうにもならへんのとちゃうか!?)
 背後に追いすがる人の気配はしっかり残っているし、こちらは気力を使い果たしたらしく動けない。
 痛みと街灯の眩しさ、それからこの後の悲惨な展開を予想して思わず固く目を閉じた。
 (…なんやねん!意味ないやんけ俺の大ジャンプ!)

491here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:20:44

 声に出さなかった文句がどうやって彼まで届いたのか、どこからか穏やかな声が応じた。
「いやいや。ちゃんと意味あるから、そこに居って」

 次の瞬間、街灯の光の下に伸びた濱口の影がだしぬけに膨らんだ。
 大きさは子どもの背丈ほど、ゆらりと揺らいだそれが、追っ手と濱口の間に立ち塞がる。
 男たちは垣根を乗り越えて我先にと濱口に手を伸ばすところだった。
 うちの一人が奇妙な気配と理由に気付いたらしく、慌てて周辺に視線をめぐらせる。
 大通につながる道の先。手の中で瞬く石を握る者。
 目の合ったそれが−ー有野が、笑う。

「待っ…!」
 男が仲間に何か告げようとしたが、神経伝達より速く飛んできた影の一閃−
横薙ぎの重いボディブローが集団ごと、彼の意思と意識を黙らせた。

492here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:21:48
 再び公園周辺に戻った、穏やかな夜。
 どこかに避難していたらしい野良犬が(やれやれ)と言いたげな表情で2人の前を横切っていく。

 「大丈夫か?立てる?」
 「うー…大丈夫やけど、もうちょい待って…」

 疲労と安堵、それから石を使ったことによる倦怠感。濱口はその場にへたりこんだままだ。
 影はもう地面におとなしく張り付いている。
 「やっぱり焦ってると加減がうまくいかへんなあ」
 有野は足でちょいちょいっと倒れた男たちをつつき、
大して心配していないような声で生きてるか〜、と問うた。うめき声が聞こえたので恐らく大丈夫だろう。
 強風で飛ばされた洗濯物のごとく植え込み廻りに散らばっていた男たちのシャツを
片っ端から中途半端にめくってやった。

 「腹冷やしてもうたらええねん、なあ。…あれ、濱口くん?」
 「…なんか俺腰抜けたみたい…」
 「ぇえー」

 世話焼けるわあ、ぼやきながら有野が脇に屈みこむ。
 その肩を借りてどうにか立ち上がりながらふと(こいつよく間に合ったな)と思った。
 濱口の影を使った分少しはましなのだろうが、よく見ればけっこうしんどそうな顔をしている。
 もしかしたらメールの文面とは裏腹に、急いで駆け付けてくれたのかもしれなかった。

493here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:22:30

 「…たすけつ、って何?」
 「へ?………あっ」
 「メールでも噛むねんなあ」
 「ええやんけ、伝わってんから」

 感謝の言葉はそれでうやむやにしてしまったけれど、こっそり濱口は心中で誓う。

 (いつかお前がピンチになったら、颯爽と助けに行ったるわ)

 そして、うまいこと逃げ出してみせるのだ。手に手を取って一目散に。
 格好よく事が運べばありがたいけれど、まあ。
 それはこの際二の次でも。

494here,there. ◆1En86u0G2k:2006/08/10(木) 15:23:26

濱口優(よゐこ)
 石:セレナイト(透石膏、無色透明。石言葉は洞察力、直感力)
能力:向けられた攻撃を無効化させる。
条件:攻撃が自分に影響を及ぼすと想定できること(他者への攻撃を止めるには間に割り込む必要がある)。
攻撃に対し「獲った」と言うと攻撃に含まれるエネルギーを石で吸収し、ダメージを受けずに済む。ただし体力や気力には変換できない。一定量を超えるとそれまで止めた分が周囲に炸裂する。
精神攻撃にも有効だが、基本的に耐性が低い(ドッキリに弱い実績から)。また消耗は大きくなるものの「逃した」「返す」「いらん」等の言葉を続けるとその攻撃を相手に反射できる。
気力を消耗するほど勇気や度胸が減ってへたれてしまい(特に野外での)無茶な行動が苦手になる。最終的には行動不能に。
笑うことで攻撃の意思自体を削ぐこともできるが、自分も相手もしばらく笑いが止まらなくなる。


間が開いてしまいましたが、前回と同じく98さんの提案した能力を参考にさせていただきました。
めちゃイケでの「笑う男」のトランスっぷりが強く印象に残っているのでそのへんも加えています。
ご指導、よろしくお願いします。

495名無しさん:2006/08/10(木) 16:39:06
乙です!
おもしろかったです。有野さんカコイイ!
濱口さんの能力いいですね。使い勝手よさそう。

496名無しさん:2006/08/11(金) 01:33:36
乙です。おもしろかった!
画が浮かびますね。
灯に照らされた有野がにやっと笑うとことか、キタキタって感じでワクワクしました
続きが読みたくなりますね。
能力も良いんじゃないでしょうか。
石の能力が「向けられた攻撃を無効化させる」だから
笑うことによって相手の攻撃の意思自体をそぐ事も出来るってわけですね。
なるへそです。
若干一文の長い部分があるような気がしないでもないですが、
そんなに気になりませんでした。
GJです!

497元金持ちピン芸人の話:2006/08/11(金) 11:08:31
はじめまして。
以前からかいてみたいと思っていた功太さんの小説を投下したいと思います。
批評おねがいします…

498元金持ちピン芸人の話:2006/08/11(金) 11:12:31
ここはbaseよしもと
「そんじゃ、先輩方。お疲れ様でしたー」
baseよしもとのピン芸人、中山功太はそう言うと建物を出た。

「あー、疲れたわー。さっさと家帰りたい」
ブツブツ言いながら歩いていく彼の後ろに一つの影が近づいていく

「あの、」
「うわっ!びっくりしたわー。何?」
声をかけてきたのは名もよく知らない若手芸人だった。

その芸人は中山の目をじっと見つめながらボソリとつぶやいた。

「…あなたはどっちなんですか?」

前にもこんなことがあったのでちょっと嫌な予感がした。

まったく物騒な世の中になったもんやな。
このお笑いの世界はどうなってしもうたんや。

「別にどっちでもええわ。どっちもあんまり変わらんやろ」
「僕にとっては重要なことなんですよ。石を奪っていいのか悪いのかわからないでしょう?」
「お前も石目当てか」
「そうですよ」
「別に俺はこの石、守る必要ないねん」
「じゃ、大人しく渡していただけませんか」
「でもなー、石の力借りてまで有名になろうとしてるお前らに腹立つねん」
「…じゃあ、力づくで取らせて頂きます」
「やる気マンマンか…!」
うわ、めんどくさいわー。っていうかこの状況でこんなん考える自分サイコー。

「僕の能力、教えましょうか?」
そう言った途端にその若手の手のひらの石が輝き、
足元に何かが集まってきた。
その集まってきた何かはー
虫。
さまざまな種類の虫がぞわぞわと集まっていた。
女の子ならとっくの昔に悲鳴をあげていただろう。

「さあ、虫たち!行け!!」
足元に群がっていた虫たちは若手の指示を聞くやいなや一斉に中山へ向かってきた。

「…しゃあないな…」
マジで、こんな戦いに意味あんのか。

499元金持ちピン芸人の話:2006/08/11(金) 11:15:38
スッと息を吸い込んでー

「チェケラー!虫たち行けーって言われて簡単に行くんかー、人に動かされるのは何も考えてない虫の脳の小ささ故です!」

この真面目な場面で普段やっているようなネタをやる中山。

「…真面目にやらないと…そいつらが襲ってきますよ!!」
「…んー、しばらくの間それは無いなあ」
「なっ、何を言って………?!」

虫たちを見た若手は驚いていた。
先ほど自分が命令した虫たちが動きを止めていたのだ。

「な、何を…」
「チェケラー!『な、何を…』!そう言われてすぐに教える奴いるかー、よく考えー」
「こ、このっ…!」

怒りをあらわに若手はすぐ近くにいる中山を掴もうとする。
しかし、体が思うように動かない。
頭の中は怒りのほかに何故、と言う疑問と能力がわからない恐怖でいっぱいであった。

「な、何で体が…動かせないんだ…!」
「チェケラー!普通気付けー、今石の取り合いしてるんだから石の力に決まってるだろうがー」

中山の手からオレンジの光がこぼれんばかりに輝く。
石の力を使っている証拠。

「くそっ…くそっ…!なめるなあーー!!僕は…僕は…有名になるんだーー!!!」
それはもはや声にもなっていない叫びだった。

「…あーあ」

確かに自分も売れたいと思ったときがあった。でも、気付いた。

売れるのが目標やない。

別に売れなくても、自分のネタを気に入ってくれた人が笑ってくれればそれでいい。

芸人に大切なのはその気持ちとちゃうんか?

この石の取り合いでそういうことを忘れた奴らを見ると腹が立つ。

だから、俺は自分に向かってくる奴はとにかく倒す。

白も黒も関係ないわ。

とにかく倒す。


ー虫もコイツも、そろそろ動くかなー

その通りだった。
若手が動くのと、虫たちが動き出すのは同時だった。
ザザザザザザザザ…………ッ!!!!
「消えろーーーー!!!!!」

アイツが動けへん間に帰ればよかったわ。
「…石が力を失えば虫も止まるか?」
うーん、やってみるしかないか。
ホンマ疲れてんのに。めんどくさっ。
時計をチラリと見る。まだ15分たってへんな。

「チェケラー!『なめるなあー』!お前は笑いの世界をなめてますからー、石でどうこうできる世界じゃないから。

…シーユーバイ」

そのツッコミを言った途端にその若手の表情がなくなった。
それと同時に石の輝きが消えー
若手の手の中から滑り落ち。
虫たちは止まりー
一斉にどこかへと散らばっていった。

それからどれぐらいたったのだろうか
「ふー…、危なかったわ…」
そう言うと手のひらの中の石を眺めた。
「自分の攻撃系じゃないから大変やわ…」

そうつぶやくと、地面に落ちている先ほどの若手の石を拾い。
家路へと向かうのだった…。

「この石はあとで田村さんにでも渡すか…。
あーあ、これでしばらくネタ作れへん」

あーあ、どないしよ。
この石のせいやで、まったく。

家につくまでそのつぶやきは止まらなかった…

500元金持ちピン芸人の話:2006/08/11(金) 11:21:30
中山功太
石:レッドアベンチュリン
(自分が計画した事柄をまるで壮大な絵を描くかのように進めることができる)

能力:
①「チェケラー」と言った後に、対象へツッコミを入れると発動。対象の動きを一定時間、完全に停止することができる。

②15分以内に3回、①の能力を同じ相手に使うと、石に関する相手の記憶を無くすことができる。
ただし、一時的な作用であり、何かの拍子に思い出す可能性もある。
①の能力を3回発動させた後に「シーユーバイ」と付け加えなければ、この②の能力は発動せず、①の能力を3回使っただけになる。

代償:洞察力が使う程、ガタ落ちする。(相手にツッコミが入れれなくなる。)

なお、②の能力は三日間で二人までしか使用できない。

新しい石の能力を考えようの>405から頂きました。
前には石が違う中山さんの話がありましたが私はこちらを書いてみました…

おそってきた若手の石
石 ?
能力 周りに虫を集めあやつる
条件 虫がいないところでは使えない
   使った後は家の中にゴキブリやムカデがたくさん増える

あんまり深く考えてなかったんです…ホントにすいません…

501名無しさん:2006/08/11(金) 12:47:41
乙!面白かったです。
やる気ないのが中山さんらしい。

502名無しさん:2006/08/11(金) 13:07:21
過疎気味の本スレの為に是非投下を。

503 ◆1En86u0G2k:2006/08/11(金) 13:34:54
>>497さん
消極的ながらも信念のある感じが素敵でした。
虫の能力と代償が恐ろしいw

>>495-496さん
コメントありがとうございました!
文章が続いて止まらない癖には毎回悩んでいるので、
徐々に直していきたいです。
本スレ、保守がてら行ってきます!

504名無しさん:2006/08/13(日) 00:33:26
>>497
乙です!面白かったです
何か一匹狼でっぽくて良いキャラですね。
「チェケラー」のネタが中山功太口調で聞こえました。
勝手に言うだけですが、もう少し長い話が読んでみたい気がしました。
話が広がる感じの(他と絡んだりとか)
中山功太良い感じだと思います。GJです!

505名無しさん:2006/08/24(木) 09:17:28
提案スレの405です。

まさか、あの案を使っていただけるとは思っていなかったので非常に嬉しいですw

元々、中山を一人で戦わせようと思っていなかったので、あのような補助系の石の能力にしています。
(ネゴと組ませた話を考えていたので)


そんな使いにくい設定で単独で使っていただきありがとうございます!!話も中山らしさがすごく出ていてGJです!!!続きがあるなら、楽しみに待っています!!!!

506 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:43:24
はじめまして
麒麟の川島と次長課長の井上の話をかいてみました。
時期的には麒麟の田村が石の力に目覚めた直後
まだ井上が石を手にしていない頃の話です。
添削お願いします。

507 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:45:35
「…井上さん」
「しゃべっとらんと手ぇ動かしぃ」
「いや、あのすいません、これ途中で終わらせてくれませんかね?」
川島の手にはゲーム機のコントローラー
目の前にあるテレビの画面には2次元のキャラクターが肉弾戦を繰り広げている。
たまに、手から炎が出たり竜巻が起こったりするのは
ここ数ヶ月間自分の目の前で似たようなことが起こってるなというのをどこかでぼんやり思った。
「そうやな、お前が俺を超えたら終わらせたるわ」
「無理です、井上さん強すぎます。」
「何やの、お前最近付き合い悪いから絶対自宅でゲーム特訓しとるもんやと思ってたのに…
むしろ前より弱くなっとるやん」
「まぁ、最近別件で忙しくって…ろくにゲームも触れてなかったんで」
「だから、俺が今ここでその弛んだゲーム根性叩きなおしたる」
「それって叩きなおすものですか?」
苦笑を浮かべながら川島は先ほど井上から課せられた対コンピューター100人抜きの37人目の対戦相手に必殺技をくらわせた。
「そういや、河本もぼやいとったわ。『最近みんな付き合い悪ぅなって飲み会誘っても誰ものってこん』て」
「そう、ですか」
「何なん?そういうの最近流行ってるん?」
その質問に対して川島は曖昧に笑ってかえすしかできなかった。

508 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:47:07
次長課長の井上は彼らがまだ大阪にいた頃大変世話になった人物である。
相方である田村の次に川島に声をかけてくれて極度の人見知りであった川島を変えてくれた大きな要因だ。
以前は仕事で東京に来た際には、ほぼ毎回といっていい程井上とこういったゲームで遊んでいた。
しかし、黒水晶を手にして以来、黒ユニットの芸人に幾度となく襲われ
否が応にも戦いに巻き込まれる事となって彼らの周りの環境は一変した。
どうやら思っていた以上に「石」は芸人の間に広がっているらしいが
幸いにもこの先輩はまだ石を持っていないらしい。
こんな無意味な戦いに自分にとって大切な人達を巻き込みたくない。
だからしばらく相方である田村にも「石」の事は語らなかった。
しかし、その相方も石の力に目覚め「一緒に戦う」と力強く言ったのはつい最近の事だ。
だが、一方で川島は考えていた。
田村の石が完全に覚醒した今ならその力を封印できるのではないかと。
今からでも遅くない、戦うのだけは自分だけでいい。
あまつさえ田村の石を覚醒させるに至ってしまった自分に少し憤りさえ感じていた。

509 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:50:51
そんな中東京での仕事を終えた川島達の楽屋前に突然現れた井上に驚き
「川島、ちょっと来い」の一言を投げかけられた
ついていった先は久々に訪れた井上の自宅。
そして自分もまだ購入していないゲームをいきなりやれと言われ、
100人抜きという課題を与えられといわれ現在に至るという。
いくら突拍子な言動をする井上の事とはいえ、いきなりすぎないか…
そんな事を思い返しながら、慣れないキャラを動かしていると急に目の前の画面が一時停止した。
ゲームを停止させた張本人、井上は頭をかきながら目を泳がしながら何かぶつぶつ呟いた後川島の方に向き直った。
「川島お前や、昔っから厄介ごと一人で抱え込むんクセやな」
「えっ?」
「別にそれが絶対にアカンって言っとる訳やないけどや…
お前が思っとる以上にお前の事心配してる奴おるんやから…」
「心配…俺なんかの…ですか?」
「なんかとか言うなや。お前いっつもそうやって自分卑下して…今後そういう態度禁止!これは先輩命令や」
「いや、これはまぁ、性格上の問題なんで…まぁ極力改善していくようにはしていきますよ」
「じゃあ、今ここでお前が何を抱え込んで悩んでるんかをさぁ、言え、今すぐ言え」
「今すぐって、何ですか?刑事と犯人のコントやないんですから」
笑いながらも内心川島は焦っていた。
妙な所で勘のいい井上に誤魔化しがきくだろうか。
だからといって正直に全てを話すという事もできるはずがない。
川島が思考の海に沈みかけた時だった。

「石…の事?」

井上の口からその単語が飛び出た瞬間川島は自分の心臓が一際はねたのを感じた。
心臓の脈打つ音が耳元で大きく聞こえる。
石の噂が芸人の間で広まっているならそれが井上の耳に入っていてもおかしくはない。
だが、川島に対して石の事を切り出すという事はすなわち少なからずとも川島の現状を把握した上での事。
川島はポケットに忍ばせている黒水晶を握る。
だが黒水晶は共鳴すらもせずひたすら沈黙を守っている。
石をもっていない、しかし黒い欠片に操られている気配すらない。

510 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:52:33
「どうして、いきなりそんな事聞いてきはるんですか?」
一気に乾いた喉から出る声は弱冠かすれてはいたが、極力平静を川島は装った。
「どうしてって、どうしても川島が何もいわんかったらこう言えって田村が…」
「は?田村?」
「あー、そういや俺の名前は出さんで下さいーみたいな事言うとったな…
でも、もう言うてもうたし…別にえぇか」
井上の口から飛び出た田村の名前に先ほどまでの井上の行動に合点がいき
一気に緊張感がとけ笑いがもれてしまう。
「ははっ、はははっ…あー、そういう事ですか…アイツに頼まれたんですか?」
「まぁ…川島が元気ないから励ましたってくれって…」
「やっぱりな…すいません井上さん。いらん迷惑かけて。」
「迷惑とかこっちは思ってへんよ。俺かて最近お前の様子おかしいとは思っとったし…
何とかしたいとも思ってたんはあったし」
「ほんま下らん事先輩に頼むなやアイツ」
ぼそっとつぶやいた川島の一言に井上は叫んだ。
「下らん事ちゃうわ。田村はお前の事本気で心配しとったんやで!」
突然の剣幕に川島は言葉を失う

511 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:54:30
「なぁ、相方ってのは何でも話せて、心から信頼しあって、
どんな時でもお互いの事を気遣って支えあう存在ちゃうん?
俺にとってはそれは河本で、川島にとってのそういった存在が田村やろ?」
そんな井上の言葉にいつだか田村のいった言葉が蘇る。

『俺ら二人で麒麟やろ!』

「信頼…」
川島の脳裏に二人で戦った時の記憶が蘇る。
何も言わなかったのにお互いわかりあえて、ただ側にいただけなのにどこか心強かった。
一人の時には感じなかった安心感。
どこかでわかっていたはずなのに気づこうとしなかった。
それを気づかせてくれたのは目の前の先輩の言葉。
川島は改めて井上の何気ない偉大さを思い知った。

「とにかく俺が言いたいんは、もっと田村とか俺とかbaseの奴らとか、
そういった人らを頼っても全然構わへんねんで」
「いいんですか?頼ったりして」
「おう、いつでも大歓迎や」
「ありがとうございます。」
川島のそのセリフは目の前にいる先輩に対してそして、
おせっかいにも余計な気を回してくれた相方に対しても
心の中で同様の言葉を投げかけた。
そう言っただけで川島は自分の中の渇いていたものが急速に潤っていくのを感じた。

512 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/26(土) 23:57:45
「井上さん」
「ん?」
「今はまだ、何も言えません…でも、全部終わったら必ずなんもかも話します」
「それって、いつになるん?」
「そうですね…ちょっと前まではまだかなりの時間がかかる思ってましたけどでもこれからは相方を、
田村の事を頼るんでそんな遠い事やありません。」
今までは先の見えない戦いだったはずなのにどこかそんな事を思えるようになった。
「ほっか…川島、お前さっきよりえー顔しとるで」
「井上さんのおかげです。いつか、全部終わったら話しますからそれまで待っててください」
いつか全部、黒や白の争いがなくなりこの戦いが終わった後
全てが笑い話で話せる時が来ることを信じているから、その時に全て。

「ところで井上さん、俺明日、朝一番の新幹線で大阪帰らなあかんのですよ。やからもう帰ってええですかね?」
「川島、お前下段の攻撃に甘いねん、ほら」
「えっ?途中乱入?!てか終わらせてくれないんですか?」

しかし戦いの波は容赦なく全てを飲み込んでいく。
その波が井上を巻き込んでいく事をこの時の川島はまだ知らない。

513 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/27(日) 00:05:21
以上です。
井上の持つ石の言葉が「確実な助言」だったので
それを意識してみました。
ご指導の程よろしくお願いします。

514名無しさん:2006/08/27(日) 00:32:21
>506
いい話だ…GJ!

515名無しさん:2006/08/27(日) 08:50:51
乙です!
いいこと言ってるけどちゃんと井上らしさも出てるw

516名無しさん:2006/08/28(月) 18:03:23
>>506
本スレに投下してもいいとオモ。

517 ◆L2gLDbsqeY:2006/08/29(火) 21:46:14
>514-515さん
感想ありがとうございます。
そう言っていただけるとは思わなかったので心底嬉しいです。

>516さん
ありがとうございます。
お言葉に甘えて本スレに行ってまいります。

518廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:32:14
はじめまして。能力スレの515です。
お話が(途中ですが)出来たので、アップしてみます。

519廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:33:08




 それはある日の、事だった。

 人気のない公園に、ぶらぶらしている二人がいた。
 収録も終わった後、マネージャーを待つ時間が余りブランコに座り込む。
 爆笑問題の二人には、その椅子はかなり小さいようだった。―――子供用なのだから、仕方ないが。


 「暇だな、田中」
 つぶやいた太田の視線の先には、空がある。
 もう昼とは言いがたい時間だが、かといって夕方ともいえない空だった。
 金属同士がきしむ音がする。それよりも若干大きな声で、田中が同意した。
 「そーだね」
 余りに簡単な回答に、太田からため息が漏れた。こいつは芸人ではないのか。
 「おまえさぁ・・・もっと、気は利かないわけ? 『じゃあ俺がケツにバラを踊るよ』とかさ、」
 「踊るか! そんなもん。もっと別の例えはないのかよ」
 太田は比較的真剣に言ったのだが、田中にはふざけているとしか捉えられなかったらしい。突っ込みを入れられた。

 その声の後ろ側に、人の気配がした。

 太田の視線は自然にそちらへ向く。気配の正体は、六人の男たちだった。年齢層で言えば、二十代前半から三十代後半だろうか。
 その中から比較的若い、めがねを掛けた理知そうな男が歩み寄り尋ねた。
 「爆笑問題の、・・・太田光さんと田中裕二さんですね?」
 「さぁ?」
 「太田さん、『さぁ?』じゃないの。・・・で、そうなんだけど、何の用?」
 若干のボケや突込みを交える。そうでもしなければ、雰囲気が重ったるくて仕方がない。

 「僕たちに・・・石を頂きたいなぁと思いまして」
 「お前たちが石を持っているのはわかりきってるんだよ!」
 「ちょ、おま、その態度・・・」
 青年達の言葉は、余りに直接的かつ分かり易いものだった。勢いのまま、太田は怒鳴った。
 「やらねぇよ、ばぁっか!!!」
 「太田さん挑発しすぎ!」
 それは、田中にとっては呆れる要素にしかならない。そのため息とともに、笑顔を顔面に貼り付けたような男が笑った。
 「じゃあ、容赦は無用という事で・・・」
 その言葉を聞いた青年は、よほど残念なのだろう、眉根を寄せた。
 「残念ですが、そのようですね」
 「イエーイ、これで俺たちも・・・えへへ」
 子供のように、一人の青年が笑う。きっと、純粋に名誉を得たいのであろう。その純粋さを、『笑い』に転換してくれたら良いのに。

 その中で、一人だけ黙っている男が居た。
 「・・・・・・」
 誰も気づいては居なかった。が、その男の顔色は、悪かった。

520廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:34:01


 そのころ、若手芸人コンビの二人が太田たちを呼ぶために探していた。
 5番6番の片方、樋口が目当ての二人を見つけ、立ち止まる。
 「あ、」
 「何、樋口?」
 立ち止まった樋口に寄って、猿橋が問うた。聞かれた樋口は公園のブランコのほうへ指す。
 「太田さんと田中さん、二人とも見つけた」

 「あ、ほんとだ」
 乗り出して迎えに行こうとする猿橋を、樋口が止める。とたん、猿橋の機嫌が悪くなった。
 「何だよ」
 それに気づいているのかいないのか。樋口は呟く。
 「様子がおかしい。とりあえず待ってようぜ」
 だが、やがてそれも無駄なことになってしまう。

 子供のような青年は、猿橋と樋口に気づいた。
 「ピッコーン! 石持ち芸人あと二人発見!」
 「おう、ようやったな」
 「えへへ、誉められちった」
 壮年の男性に誉められ照れている様子は、もう小学生にしか見えない。
 そして、ほかのメンバーにもばれたのであろう。6人とも、樋口たちが隠れている茂みに注目した。
 「誰です、そこにいるのは。隠れてないで出てきなさい」
 投げかけられたのは、冷静な声。だが、次の声が5番6番の緊張を促す。

 「出てこねぇならたたき出すまで・・・」
 そいつは、砂で銃を作り、樋口と猿橋のいる茂みを狙って撃った。
 狙われた二人は、茂みの外側へと転がり出る。そこで、田中は二人の正体に気づいた。

 「お前ら・・・樋口に猿橋じゃねーか」

 「へぇ、5番6番ですか・・・大体太田さんと田中さんを呼びに来た・・・といったところでしょうか」
 「いいじゃんいいじゃんそんなの思いださなくったって。どうせ邪魔者は排除するんだろ?」

 悪魔のような声。
 死神のような言葉。狙われた二人は青ざめた。
 その中に、猿橋は小さな声を聞く。
 「で、でも殺すのはやっぱりいけないと思う・・・」
 彼の発言は、みんな聞いてない。

 ―――誰か聞いてやれば良いのに。
 自分もろくに聞こえていないのに、猿橋はそう思った。

521廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:35:49

 まず狙われたのは、樋口だった。
 「まずはお前だ!」
 壮年の男性は、腕をゴリラのように変形させ樋口を襲う。
 「樋口!」
 太田が駆け出すが、間に合わない。ちなみに、猿橋はちゃっかり逃げていた。
 受け止めるように、樋口は顔の前でガードする。樋口の腕にゴリラ腕の拳が触れた、その瞬間。
 樋口の腕のブレスレットの石―――詳しくはその中の、半透明で白い丸い石が―――柔らかい白に光る。
 その光は時計の文字盤の図形を描き、ゴリラ腕の拳にぴたり、とくっついた。
 そのゴリラ腕は、動きを止めた。
 反動がないことに安堵しつつ、樋口は不思議に思い腕をはずす。
 「あれ・・・?」
 襲っていたはずの拳が、まったく動かない。まるで、『時が止まった』様に。
 そして、目の前の壮年の男は混乱していた。
 「なぜだ、なぜ動かねぇ・・・!」
 その腕を見ると、白い光で描かれた時計の絵が張り付いている。そして、その時計は針を進めていた。
 時計の針の進み方に危険を感じた樋口は、よける。そして、精神を落ち着けた。

 時計の針が、『ⅩⅡ』を指す。
 『時が進み』、おっちゃんはバランスを崩してこけた。

 樋口はその足をつかむ。そして、腕の白い石に意識を集中した。また、柔らかい白の光が時計を描いた。
 今度はしっかり時が止まる。ものすごく無様な格好で、ゴリラ腕を持つ男は停止した。

522廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:36:23
樋口 和之
石:スノークォーツ(白石英)  半透明で真っ白な水晶。ほかの、特別な能力の無い石のビーズとともにブレスレットにしている。
落ち着きを得る。個性が出すぎてしまうときに周囲とのバランスを取る。こだわりを開放する。新しい気持ちで再出発するエネルギーを得る。
力:直接触れたものの時間を止める。物体や体の一部分はもちろん、触れられるので影もOK。
条件:直接触れていなくてはいけない。だから空間の時間を止めることは不可能だし、炎も風も止められない。
集中している時間に比例して、止められる時間が増える(例:とっさの判断→30秒程度<1分集中→5分ぐらい)
代償:体力を使う力なのでそんなに多くは使えない。簡単なものでも、一日6回が限度。そして樋口の目がかすむ。

523廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:37:16
壮年の男
石:未定
能力:腕をゴリラの腕にする。
代償:効力が切れると、腕がろくに動かせない。そして、ゴリラの性質に近くなっている。


やられ役なんで、テキトーです。

524名無しさん:2006/11/17(金) 18:06:37
乙!独特で面白い。

525廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:44:50
>>524サマ
ありがとうございます!
面白いといわれて、ありがたいです。

今日は続きを投下してみます。

526廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:50:42
『俺達の3時4時  後』


さて、樋口が怪物の腕を持つ男と対峙しているとき。猿橋の感覚に、異常が発生していた。
触覚が、敏感になっているような気がする。

何かが猿橋に『触れた』。それは気持ち悪いとしか言い様がなく、触れた本人に嫌悪感しかもたらさない。

「うわっ! 何だこれ、気持ち悪・・・」
腕をなぎ払い振り払おうとしても、次々とそれに『ぶつかって』しまう。
猿橋は、払うことに躍起になっていた。

足の『時』を止められ、無様な姿をさらす男を一瞥し、馬鹿にする、理知そうな男。
「馬鹿ですね・・・」


「さぁ、田中さん」
彼自身の仲間を馬鹿にした彼が、田中に詰め寄る。先手を打つように、田中の口が開いた。
「何だよ・・・エメラルドなら渡さねーぞ」
敬語を繰り出す彼の口から、ため息が漏れた。
「何も言わないうちから交渉決裂ですか・・・」
「決まりきってるだろおめーらの言うことは! とにかく、太田さんとついでにゴーロクの二人連れて、帰るから」
怒鳴る田中に、理知そうな男がにやりと微笑んだ。そして、気持ち悪いものに夢中になっていた猿橋も、田中の異変に気づく。
「田中さん!」
猿橋が田中の近くに駆け寄る。敬語の出る唇が、大きく歪んだ。
「逃げられませんよ・・・私が居る限りねぇっ!」
その瞬間、猿橋の手に、さっきまでとは違う何かが触れる。猿橋はそれを、無意識に両手で包んだ。


ちょうど、バク天で卵を温めた、あの形のごとく。

527廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:51:26

―――次に猿橋の手が感じたのは、針が突き刺さるような痛み。

「何!?」

攻撃を繰り出した相手は動揺した。絶対あたると信じていた攻撃が、効かない。
猿橋はその手を開く。次に、うめいた。
「いっでぇ・・・」
「おいおい大丈夫か?」
そんな猿橋が心配になって、田中が訊く。
「あ、ハイ大丈夫です」


「そんな、まさか、あれが・・・効かないなんて」
敬語を繰る青年は、動揺していた。
田中はその隙に、立ち上がって一斉に浄化をはじめる。

浄化したのは、怯える無口の青年を除いた五人。

「・・・あ、と一人、」
その一言を残して、田中は倒れた。疲れから来るものだった。
「田中?」
太田が田中に駆け寄る。

「全部・・・力、見たこと、ある、」
無口な青年は恐怖に怯えながら、ずりずりと後ずさりする。
「レピドライドに、スノークオーツ、チャロアイトやエメラルドまで・・・揃ってたら勝ち目なんて・・・」
トン、と、猿橋にあたるの背中。猿橋は再び気持ち悪いそれに触れる。そして、その後何かが吸い出される感覚に陥った。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
敬語の男
石:未定
力:精神攻撃っぽい。
混乱を引き起こすような力を持った針を相手に埋め込む。

528廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:54:20
一分後、無口は一人一人を起こして立ち去った。先輩芸人である太田に、挨拶を残して。5番6番の二人は、呆然とそれを見送った。
その二人に、太田が話し掛ける。
「大丈夫か、二人とも」

その言葉に安心した。
樋口は安心したとたん、足に力が入らなくなってしまい、その場に座り込んだ。
「大丈夫かよ樋口!?」

「・・・すっげぇ疲れた」
樋口はそれを言ったきり、俯き黙り込んでしまった。
猿橋は振り向いて太田に問う。
「一体どうしちまったんですか!?」
問いの答えは簡単なものだった。

「『代償』だよ」

「『代償』・・・? まさか、石の力と何か関係があるんすか?」
再び猿橋が訊く。問いを投げかけられた男は大げさに頷いた。
「おぅおぅ、大アリだ。力を使うとその代償に、樋口みたいに体力奪われたり精神力奪われたり、後は面白いやつだと・・・そうそう霊に取り付かれるやつもいるなぁ」
「・・・・・・」
猿橋は不安になって黙り込んだ。俯くと、タンブルホルダーに入った自分の石が見える。

どことなく、石は歪んでいた。

「!?」
「・・・どうした?」
驚いた猿橋に、太田はそっと聞く。猿橋の口は、もううまく回らなくなっているようだ。
「あ、あの、石がゆゆ歪んでるんですけど・・・ッこれって・・・」
「・・・『代償』だな」
太田がにやりと口端を上げると、猿橋の混乱は頂点へ達した。
「どどどどーすればあqせxふぇgd」
「落ち着けサル。俺は知らねぇ」
「そんなぁ!!」
太田の一言に、猿橋は肩を落とす。
どうしようと頭を回転させていると、ふと、最近調べたパワーストーンの浄化方法を思い出した。

「そーだ、浄化すれば・・・土で浄化する? だめだココ家から遠いし。塩? ・・・駄目だ個人的にヤだ。水・・・そうだ水だ!」

茂みに突撃し、猿橋はバッグをあさる。バッグの中から封をしてあるミネラルウォーターを取り出した。
チャロアイトをタンブルホルダーから外し、その中に入れる。
「・・・ちょっと不安になってきた」
そういいながら蓋をし、バッグにそれを戻した。
自分のバッグとついでに樋口のバッグを担ぐ。そして、太田のところへ向かった。

「どうだった?」
太田の問いに、猿橋は樋口のバッグを下ろす。
「・・・まだちょっと不安です。」
「回復してる感じはすんの?」
今度は太田が問うた。猿橋が首をかしげながら、答える。
「それはあります。ちょっとですけど・・・」
「あるんだったら正解じゃねぇの?
「は、はぁ」
「じゃ、俺は田中つれて帰るから。猿橋も早く帰れよ」
それだけ言って田中を担ぎ、太田は立ち去った。


人の居なくなった公園で、猿橋は樋口を見下ろし、訊く。
「樋口、歩ける?」
「なんとかな」
「仕方ねーなぁ。お前の荷物持ってやるから、自分で歩けよ」
猿橋は笑いながらおろした樋口の荷物を、再び担いだ。
「わりぃな」
苦笑いする樋口。担いだその腕で、猿橋は手を合わせる。

「だから、2万もうちょっと待って」
「珍しく優しいなと思ったらそれか!」

軽く漫才のような会話をし、そして二人は歩き出す。
空を見上げて、猿橋が呟いた。
「うーわー、空真っ赤」
「だな。もう夕方かぁ」

紅い、重い陽が5番6番を、照らした。

『その赤は、俺達の選択を急き立てるようで、とても不安になったんだ』

529廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:55:14
猿橋 英之
石:チャロアイト  紫系のまだら。丸い石をペンダントトップ用のバネみたいな入れ物?にいれてペンダントにしてる。
清く正しい考え方をしたい時に持つと良いとされる石。
精神と感情のバランスを保ちながら両者を融合させ、互いに高めながら発展させる力がある。
浄化にとても優れた石で、持つ人を純粋で優しい気持ちにさせ、心身の働きを正常にする力がある。
力:1)直接触れられないものに触れる。炎も風も、空間や感情、感覚さえ触れて動かすことが出来る。
 2)触れた石の、(黒いかけらなどで)穢れた部分を吸い出す。
条件:1)防衛、または何らかの補助でしか使えない。
 2) 1)を使った状態で無ければ発動しない。無意識に発動。
代償:1)触れられる分だけダメージが増える。気力を(樋口の体力ほどではないが)大幅に使う。使いすぎると眩暈のち、昏倒。
 2)吸い出すと、猿橋の石が歪む。使いすぎると壊れる(ミネラルウォーターに一日漬け込むと直る)。また、黒いかけらは浄化不可能。

共通として、猿橋自身のチキン度がアップ。

530廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:56:47
このお話はココでおしまいです。

531名無しさん:2006/11/29(水) 23:30:43
お疲れ様です!ゴーロク格好いいですね。
ぜひ本スレ投下お願いします。

532名無しさん:2007/02/05(月) 11:33:42
能力スレ562の者です。
まとめのロザン・ザ・プラン9編をベースにさせてもらいました。

途中までで、タイトル未定

「なぁ、宇治原」
「何や?」

宇治原はカタカタとパソコンを打ち鳴らしながら
耳をかたむけた

「次にコッチに入れる人やねんけどさ」
「あぁ」
「・・・・この人、どお?」

菅に差し出された写真の人物を見て宇治原はニヤリと笑った

「・・・・ええな。」









♪〜

「・・・・久馬?」

コンビを解散し、仕事でも殆ど会わなくなった
元相方からの突然の電話に後藤は首をかしげた

「はい。もしもし、何?」
ーお前、変な石渡されてへんか?ー
「へ?石って何?どういう石?」
ー持ってないんやったら、ええわー
「何の事?話がわからんのやけど?」
ーええか?誰かに石

コンコン

「ごめん。誰かきたみたいや。その話はまた今度な」
ーあ、ちょっと、ごとー

後藤は電話をきり、ドアを開けた

「・・・・なんや、ロザンか。どないしてん?」
「はい。実は後藤さんにお話があって」
「入っても・・・ええですか?」
「あぁ、別にかまへんよ」

彼はロザンを部屋に入れた。・・・・それが大きな誤算とも知らず

533 ◆UD94TzLZII:2007/02/05(月) 15:01:45
名前忘れてました。↑と申します

534ジェット ◆UD94TzLZII:2007/02/05(月) 15:03:31
失敗。これが名前です。
すいません、何回も。

535 ◆UD94TzLZII:2007/02/11(日) 22:02:49
やっぱりこの名前で。

「後藤さんに渡したいものがあって」
「何?」
「これです」

差し出されたのは黒い石

「石?」
「はい」
「そういえば、さっき電話で久馬が石がどうのって言うてたなぁ。これ何の石?」
「「え・・・?」」

二人は唇をかんだ。先をこされたか。
しかし、こんなことで宇治原はひるまない

「なんていってました?」
「いや、なんか変な石もらわんかったか?って聞かれたわ」

ならば。と宇治原は薄く笑った。まだきちんとした存在を知らないのであれば
・・・・いける。

「これ。お守りなんですよ、きっと久馬さんもこれを後藤さんに薦めようとして・・・」
「そんな感じやなかったけどなぁ」

しぶとい後藤に宇治原は最終手段を使った

「実はですね・・・・」

宇治原は今起きているこの石の騒動を簡潔に後藤に話した
もちろん、自分たちに都合の良いように。

「じゃあ、久馬は・・・・」
「はい。後藤さんをそっちに引き込もうとしてるんですよ」
「そんな・・・久馬が・・・」
「ですから、この石を持って僕らと一緒に戦いましょう」
「せやな」
「よろしく、お願いしますね」

菅が後藤に石を手渡した

「あぁ。頑張るわ。それで久馬が救えるなら・・・」

そして後藤は黒い石を手にした





「こんなに簡単にひっかかるとは・・・予想外やな」
「俺は予想通りや。あの二人が今でも仲ええのは有名やからな」

菅は楽しそうに笑った

「ありがとな」
「何言うてんねん。後藤さんなんて単なる通過点、やろ?」
「せやな」

今度は二人でより一層楽しそうにわらった。




「ところで、後藤さん。調子はどうですか?」
「最高の気分や!これで、俺は・・・!」
「そうです」

宇治原はこれから起こる出来事を想像し、微笑んだ

♪〜

後藤の携帯に電話が。

「あ、ちょっと、ごめん」
「はい」
「もしもし・・・・久馬?」
「久馬さんやと・・?感付かれたんか?」
「どないすんねん?宇治原」
「・・・・こっち来るように言ってもらえますか?」
「あ、あぁ・・・」

そして後藤は久馬を呼び出した。

「どないしたん?急に呼び出したりして?」
「あぁ。ちょっと用があるんや」
「・・・後藤、お前石持ってるやろ?」

一瞬、後藤は硬直した

「え。何の事や?」
「黒い石、持ってるやろ?」
「持ってへんって、そういえば前にそんな話しとったなぁ」
「ごまかしたって無駄や」

鋭い眼光が後藤に向けられた

「・・・さすがやな。そうや、石は持っとる」

そこから少し離れた場所で二人はその話を聞いていた。

「ばらしてええんか?」
「あぁ、計画通り。もっと久馬さんには後藤さん追い詰めてもらわな」

菅は反論しなかったが宇治原の考えてる事がわからないらしく、不満げな顔をした

「せやから・・・」

宇治原は菅に耳打ちした

「・・・そういう事かいな」
「そういうことって。お前が見つけたんやろ?」

菅は納得した表情で改めて相方の頭の良さに感服した

「久馬、お前が持ってるんは悪の石や。誰にもらったんか知らんけどすぐに捨てた方がええ」
「それは出来ひんな」
「なんでや?」
「俺が持ってるのは悪の石とちゃう。お前が持ってるんが悪の石や」
「何を言うてんの?」
「お前その石、宇治原にもらったやろ?」
「だったらなんや」
「あいつはその石に操られてんねん」
「・・・何、言うてん?訳わからん・・・」

「もう少しや・・・もう少しで・・・・」

離れた場所で見ている宇治原はほくそ笑んだ

「その石は絶対に使ったらあかん!その石は人間の意識を・・・」
「待って・・・・頭痛い・・・頭・・・おかしなりそうや・・・」

後藤は苦しそうに頭をかかえ、石は赤い光を放った
しかしその手はすぐにブラリと下がってしまった

「・・・しい。」
「え?」

後藤は小さく呟いた

「俺は・・・正しい」

そういうなり、後藤は久馬に攻撃をしかけた

536 ◆UD94TzLZII:2007/02/11(日) 22:08:36
「成功や。」

宇治原は呟いた。

「さすが、宇治原やんな」
「あぁ。あとは、久馬さんを倒してもらうだけや」
「残酷やなぁ、お前は。元コンビ同士で戦わせるなんて」

菅はクスクスと笑った

「・・・・褒め言葉か?」
「当たり前やん」

そして二人で笑った。こんなに楽しいことはないといわんばかりに

「じゃあ、俺らは高みの見物といこか」
「せやな」



「後藤!やめろ!」
「うるさい。・・・お前は敵や。正しいんは、俺らや」
「後藤!」

久馬の石が光を放った

「俺、知ってんねんぞ。お前のその石、単体やと何の意味もないんやってなぁ?」
「くっ・・・・」
「さぁ、おとなしく観念せぇや」

後藤は雷をおこした
そしてそれを久馬に放り投げた

「ぐぁ!」
「痛いやろなぁ・・・。どうや?元仲間から受ける攻撃は?」
「っく・・・」
「もう一発いくで〜」

次々に久馬の身体に雷を放り投げた。その光景を後藤は楽しそうに見つめる
しかし、10発目で雷が落とされようとした時

「・・・・っあ!!」
「・・・あ〜ぁ。よけてもうたか。もうちょっとで黒焦げやったのに」

後藤は至極残念そうな顔をした

「はぁ・・・っ、はぁ・・・っ」
「もー終わりか?久馬?」
「ごと・・・っ」

久馬は立ち上がろうとするが力が入らないようで再び地面に伏した

「ふん。弱いな。」

そう言うと、後藤はその場を去った

「よっしゃ。後藤さんとこ行くで」

二人も後藤の後を追った

「ごとーさん。ぴったりみたいですね。その石。」
「あぁ」
「その調子でほかの人もお願いしますね。こっちは人数増やしときますんで」
「あぁ、次に襲うんは・・・」

後藤は膝から崩れた

「え〜。気失うとるやん」
「・・・使いすぎ、ってとこやな」
「そっか」
「このまま放っとこ。目覚めてこれ見て、また発動するかもしらんしな」
「せやね」

二人はその場を去った





「う・・・。あれ、俺?」

目が覚めた後藤は久馬を探した

「久馬!」

後藤は倒れている久馬を見て悟った、自分がやったのだと。

「ごめん、でもお前を助ける為や。」
「ご・・・と?」
「きっとほかの仲間も持ってんのやろ?」
「ち・・・が」
「お前の石は俺が持ってる。」

後藤は久馬の手から石を取り出した。なんだか、酷く熱くて火傷しそうだ。

「・・・俺が救ったるから」

こうして、後藤は間違った正義へ一歩を進めた

537 ◆UD94TzLZII:2007/02/11(日) 22:18:55
終了です。

後藤秀樹
アラゴナイト(霰石)
心にたまった負担による心と体の不調を取り去り、心を穏やかにする。
力:混乱を治め、自分に対しての悪に攻撃をしかける。
自分が正しいと思えば思うほどその力は強くなる。
条件:何が正しいのかわからなくなり、混乱した時。
混乱が最大要因なので、使いすぎると頭と心の整理が付かなくなり、所持者が狂う。
そして、混乱の原因は戦いの後にすぐ忘れる。戦いにおいて、それが混乱をよぶから。

538名無しさん:2007/02/15(木) 17:12:19
添削スレなのでアドバイスさせていただきます。

空白行が多過ぎて読み辛いので減らしたほうが良い。
場面が変わる時とかに使うだけにした方が読みやすくなると思う。
あとはもっと句読点を使ったほうが良いと思う。特に行の終わり。
会話文と会話文の間に登場人物の動きを挟むともっと臨場感が出ると思う。
文体をできるだけ一つにした方が良い。
例)
>後藤は久馬の手から石を取り出した。なんだか、酷く熱くて火傷しそうだ。
 (前は「第三者から見た語り調子」後ろは『本人の語り』)
統一するならこんな感じで。
「後藤は久馬の手から石を取り出した。それは何故か酷く熱く、火傷をしてしまいそうな程だ。」
『俺は久馬の手から石を取り出した。何故か酷く熱くて、火傷しそうだ。』

話自体は本スレに落としても問題ないと思われます。では

539 ◆UD94TzLZII:2007/02/16(金) 20:44:27
レスどうもです。

句読点つけないのは癖です。すいません、読みにくいですね。
基本的に3人称得意じゃないんですが、本スレの話とかはこれが多いんでその方がいいのかと。

いろいろ手直し出来次第本スレ投下させてもらいます。

540 ◆RIz.umiCEo:2007/02/26(月) 23:05:52
能力スレの558です。
ハリセンボン編を書いてみたのですが、評価お願いいたします。


ーone caratー 前編


あるテレビ番組の収録前の楽屋。
女芸人コンビ――ハリセンボンの近藤春菜は眠気覚ましの飲み物を飲んでいた。
こういう飲み物は大抵不味い。
近藤は渋い顔をしながらそれを飲んでいる。
「……。」
突然、近藤はポケットからピンク色の石を取り出した。
「…春菜、もしかしてまた、あれ使うの?」
近藤は頷いた。そして呟いた。

『この飲み物、まあまあの味かな?』

ピンク色の石が光る。

光が飲み物のビンを包んでいく。

そして光が消えた。
ビンに変化が見られなかったが、「味」の方は確かに変わっているらしかった。
さっきとはうってかわって、近藤は飲み物を渋い顔一つせず飲み干した。
そんな近藤を見て、近藤の相方、箕輪は苦笑した。

541 ◆RIz.umiCEo:2007/02/26(月) 23:07:44
(手に入れた時期は同じくらいなんだけどな…。)
同じ時期に二人で手に入れた同じような石。
相方は、石を手に入れてすぐ能力が目覚めた。
今では相方なりの使い方をして、使いこなせるまでになっている。
自分の方は、目覚める気配すらない。

やっぱり、こういうのも気持ちの問題なんだろうか。

相方は比較的前に出て行く方で、積極的だ。
自分は比較的後ろへ下がる方で、消極的だ。
石の事も、相方は興味を示していたが、自分はあまり興味がなかった。
相方の石の能力が目覚めたときも、余り気にしていなかった。

ただ、最近の周りの状況から、石の事を気にせざるをえなくなってきた。
だけど、無理に気にする必要はない。まだ、焦る必要は無いはず。―――たぶん。


「何ボーっとしてんの?収録おくれるよ!」
「え?あ!」
時計を見ると収録開始まであと3分しかなかった。
石についてはまだ焦る必要はなかったが、彼女自身は、焦った方が良さそうだった。

542 ◆RIz.umiCEo:2007/02/26(月) 23:08:41
近藤 春菜

ピンクコーラル(女性にとってのお守りであり、不安を取り除き愛情豊かになると、伝承される。)
能力:「まぁまぁの○○かな?」と投げかける事で○○の中に入った言葉が「まぁまぁ」になる
(例 まぁまぁの料理かな?→どんなに美味しいor不味い料理でも「まぁまぁ」の味になる)

条件:まぁまぁの定義が曖昧なので良くなるか悪くなるかは本人にもわからない。
  (ただし良い物は悪く、悪い物は良くなる傾向性がある)
   力はあまり消費しないが、1日30回ぐらいが限度。
   また、力が切れると手首が痛くなる。

543 ◆RIz.umiCEo:2007/02/26(月) 23:11:26
前編終了です。
後編はまだ書き途中なので後日投下いたします。

544名無しさん:2007/06/16(土) 09:14:46
age

545 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:00:56
初めまして。小説作成依頼スレの156です。
千原兄弟の話を書いたので、添削お願い致します。
次から投稿します。

546 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:01:28
「ほんま、迷惑な奴らやな」
完全に気を失い倒れている二人の若手芸人を見ながら、一人の男がつぶやいた。


不思議な力を秘めた石なんて、自分には縁の無い話だ。
以前はそのように考えていた千原ジュニアこと千原浩史だが、
ほんの一月ほど前に石を手にしてから、あっという間に石による争いに巻き込まれてしまった。

それからは、名前も知らない若手芸人達に襲撃される事が多くなった。
彼らは、突然襲撃してくる事から、全員黒側の芸人だったと思う。
幸い浩史の石―チューライトは戦闘に適したものだったので、その都度、返り討ちにしていた。
今も、彼の石を奪おうとした若手芸人を倒したところである。


「あー…しんど」
石を使ったことによる疲労を覚えつつ、浩史は家路に着いた。

547 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:02:03
数日後、ルミネtheよしもとの楽屋にて。
楽屋には、浩史の他に、相方であり兄である千原靖史がいた。
浩史はふと靖史のほうへ目をやった。
靖史は、何やら熱心な様子でコンパクトミラーを覗き込んでいる。
「靖史お前、なに鏡なんか見とんねん。ブサイクな顔しとるくせに」
「ブサイクは余計や!…別にええがな」
浩史は「ふーん」と生返事をし、特に気に留めない事にした。


舞台が終わった後、浩史はいきなり誰かに呼び止められた。
見ると、プライベートでも仲の良い後輩がそこにいた。
「これからジュニアさんの家に行ってもいいですか?」
「ええけど…どないしたん?急に」
「ちょっと相談したいことがありまして…」


その後、浩史は、その後輩を連れて、自宅へと向かった。
相手の緊張をほぐそうと、酒を振る舞ったりもしたが、
相手は、なかなか話を切り出そうとしない。
「なんか今日のお前、おかしいで。何かあったん?」
すると、後輩は、ようやく話し出した。
「石を……貸してくれませんか?」

548 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:02:36
浩史は嫌な予感がした。以前も、このような事があったのだ。
「何でお前に石貸さなあかんねん」
浩史は後輩の申し出を断ったが、後輩はなお「本当に少しだけでいいんです!」と、しつこく頼んでくる。
これには浩史もさすがにイライラした。そして、とうとうブチ切れてしまった。
「あーー!もう、何やねん!お前もう帰れ!!」
すると後輩は黙り込んだ。そして、
「ジュニアさん……。…すいません!」
後輩は、いきなり浩史に襲いかかってきた。
(…こいつも黒側かいな。うっとうしいわー)
浩史は舌打ちをしつつも、精神を集中し始めた。ポケットの中のチューライトが光り出す。
そして、後輩の攻撃をぎりぎりで交わし、相手の顎にパンチを喰らわせたのだった。


殴られた後輩は、そのまま床に尻餅をついた。
その拍子に、彼の懐から黒いガラス片のようなものがこぼれ落ちた。
「黒い…欠片?」
以前噂で聞いたことがあったが、実物を見るのは初めてだった。
「これは…えーと、ある人が貸してくれて…それで、えっと」
後輩は、かなりしどろもどろな様子で答えた。
「それでそいつが『俺の石奪って来い』って言うたんか?」
「……」
「誰の指示でやったんや!言うてみい!」
後輩は、ほとんど泣きそうな表情を浮かべ、こう答えたのだった。
「…せ、靖史さんです……」


浩史は、ひとまず後輩を帰らせた。黒い欠片は、ゴミ箱に捨てた。
後輩の前では平静を装っていた浩史だったが、内心、かなり動揺していた。
(…まさか靖史が、俺を襲わせただなんて。ひょっとしたら、あいつ……)
その時、浩史の携帯電話が鳴った。番号を確認したが、見たことの無いものだった。
「はい」
『おージュニアか!俺や!』
「靖史!?お前、何で俺の番号…」
『マネージャーから聞いといたわ。それより、さっき家で後輩に襲われたやろ?』
「!」
『今から劇場近くのファミレスに来い。そこで色々と話がある』
じゃー後でな、と言うと、靖史は一方的に電話を切った。
ひょっとしたらワナかも知れない。しかし、今あった事を靖史から聞き出さなければならない。
(…まあ、襲われそうになったら石の力使えばええか)
浩史は、ファミレスへと向かった。

549 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:03:11
ファミレスには、既に靖史の姿があった。
浩史は、靖史の向かいの席へ座った。
「…一体何のつもりや。後輩使って俺を襲わして。あと何でお前、俺の様子知っとんねん」
浩史は、靖史を睨みつけながら言った。
「とりあえず落ち着け。順番に説明するわ。
まず理由やけど、単純にお前の石が欲しかっただけや。
あの後輩使ったのは、仲のええ芸人のほうがお前が油断するかと思ったけど、失敗してもうたわ」
「な…!?」
浩史は耳を疑った。やはり、靖史は……
「……黒側の人間か」
「おう」

「…何で、黒に入ったりしたんや!」
浩史は声を荒げた。
「…まあ、黒のほうが色々と面白そうやったからな」
浩史は、靖史がほんの少し悲しそうな表情を浮かべた事に気付いた。
今の質問は、聞いてはいけない事だったかもしれない。
浩史はひとまず落ち着いて、次の質問をした。
「じゃあ、俺の様子知っとったのは…」
「ああ、それな、俺の石の力や。
俺の石な、『こいつの様子が見たい』って思った奴を、鏡で見れんねん。
普段は黒の若手の様子を見とるけど、今日はお前の事を見てたわけや」
「そーいう事か」
浩史は、ルミネにいた時の靖史の行動を思い出していた。
他にも、靖史は黒ユニットについてを事細かに説明した。

550 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:03:32
「ところでお前…黒に入る気無いんか?」
いきなり、靖史が尋ねてきた。
「入るわけないやろ」
浩史は、うんざりしながら答えた。
「しゃーない。今日のところは見逃したるわ。お前の石もいらん。
もし黒に入りたくなったら、いつでも俺に言え」
「…誰が言うか。ボケ」

「じゃー俺は帰るわ」
そう言うと、靖史は立ち上がった。
「待て。最後に、もう一つ聞きたい事があるわ」
「ん?何や?」
「…何で俺に黒の事色々と説明したんや」
「お前、白側につくつもりも無いやろ。だからや」
図星であった。実際、白と黒のユニットの争いには興味が無かったのだ。
「せいぜい、他の黒の芸人には気ぃ付けや」
そして靖史は、ファミレスを後にした。

551 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:03:51
翌日、浩史は家で煙草を吸っていた。
昨日あった様々な事を、ぼんやりと思い返しながら。
浩史にとって、最も身近な人間が黒だった。
もう今までと同じようにはいられないだろう。靖史が、吉本の後輩をけしかける事がまたあるかもしれない。
(…ったく、しょーもない兄貴やな)
それでも、白側に付くつもりは全く無い。
靖史の事は、必ず自分でケリを付ける。相方として。弟として。
そんな事を思いながら、浩史は、二本目の煙草に火を点けた。

552 ◆xNBhsxtsB6:2007/07/07(土) 13:04:22
千原せいじ
石:ブロンザイト(偏見の無い公正な洞察力)
能力:持ち主が今様子を見たい物(人・動物・物)の様子を鏡に映す。
その物が居る(ある)場所までは分からないが、近くだと鮮明に、遠くだと
ぼやけて映る。
条件:持ち主が鏡の近くにいて、「○○の様子を見たい」と念じなければならず、
念じる力が大きければ広範囲が見れるが、疲労も大きくなる。


千原ジュニア
石:チューライト(霊的な感性に恵まれて、直観力、洞察力を高めるとされる)
能力:反射神経が数倍になり、相手の攻撃を避けやすくなってカウンターが出来るようになる。
条件:神経を研ぎ澄まさなければならない。研ぎ澄ますまでは無防備。
疲労が大きいため、1日10回出せればいいところ。(その日の体調で回数が減ったりする)

2人の石の能力は、能力スレの323と333から持ってきました。

553 ◆wftYYG5GqE:2007/07/07(土) 13:07:18
以上です。後半は会話だらけになってしまいました。
一応靖史を黒ということにしましたが、問題無いでしょうか。
ご指導、宜しくお願いします。

554名無しさん:2007/07/07(土) 13:08:18
あれ、トリップおかしいですね…orz
一応、553=554です。

555 ◆wftYYG5GqE:2007/07/07(土) 13:19:15
552=553でした…何度もすみませんorz
今度からは、このトリップにします。

556名無しさん:2007/07/07(土) 20:06:34
乙!
面白かったし本スレ投下していいと思う

557 ◆wftYYG5GqE:2007/07/08(日) 11:35:56
>>556
ありがとうございます。
近いうちに、本スレに投下しに行きます。

558ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/07/28(土) 05:20:52
【序曲】

右手を掲げ、ふと手首にぶら下がっている石を見つめる。
ライラック色の美しい石には陽の光が差し込み、高佐は思わず目を細めた。
美しくも、どこかに魔力を感じる、そんな石。
『常時身に着けてなくてはいけない』そんな気持ちにさせる力が、この石にはある。
最初は気味が悪かったし、何度も捨てた。だが、気がついたら鞄に入っていたりと、自分のもとへ戻ってくるのだ。
それが彼にはこれから起こる不幸の予兆のような気がしてならなかったのだが、
折角こんな綺麗な石がタダで手に入ったのだからと思い直し、業者に頼んでブレスレットにしてもらったのだ。
その業者によるとこの石はクリーダイトと言い、ライラック色はその中でも人気が高いものなのだそうだ。
高佐はそれを聞いて尚更手放す気はなくなった。
「(…そういえば、オジェは?)」
尾関は、石を持っていないのだろうか?そんな疑問が高佐の頭に浮かぶ。
気がついたら高佐は枕元に置いてあった携帯電話を開いていた。

ルルルルル ルルルルル
ガチャ
『んーどしたー?』
「あのさ、オジェ。ちょっと聞きたいことあるんだけど。」
『ネタのこと?』
「いや、違う。最近、誰かから石貰ったりしなかった?」
『石ぃ?何でまたそんなこと』
「いいから!」
『あぁ、貰ったよ。石…つーかブレスレット。ファンの人から貰ったんだけどさー、超綺麗なの。』
「…そう、そうか。うん。わかった。有り難う。明日、ネタ合わせ遅れないでね。」
『こっちのセリフだっつの。じゃあな〜』
プツッ

―−偶、然?いやそれにしちゃ出来すぎてないか?
誰かが仕組んだ?いや、そんなの、無理だろ。そこまでして単なる石を持たせる必要性って?
「…単なる、石じゃなかったら?」
ボソリと呟く。石になんか不思議な力でも、あるっていうのか。
「(そういえば)」
そんな話、聞いたことある気がする。
不思議な石の力を使って先輩の芸人さん達が、戦っているとかいないとか。
御伽噺や嘘話の類かと思い聞き流していたが…。
「(いよいよ、信じなきゃいけない感じかな)」


薄暗い部屋で、数人の男が話していた。
一人は知的な雰囲気を漂わせ、ノートにペンを奔らせている。
「調子はどう?『シナリオライター』。」
「…」
「あぁ、そうだ、力を使っている間は話しかけても夢中だったんだっけ。」
クスクスといやらしい笑い声をあげる男。
それを無愛想な顔で見つめるガタイの良い男性。
先程までペンを奔らせていた男は、ピタリと書くのをやめ、ペンを置いた。
「おっ、終わった?」
「えぇ。まぁ、とりあえず、は。」
「どうよ?出来のほうは。」
そう問われ、男はふっと笑う。
ノートをパタンと閉じ、
「なかなかの出来じゃないでしょうかね。」
それを聞いて安心したように男は良かったと呟く。
「…ちゃんと彼らを引き込めるんだろうね、『こちら側』に。」

「えぇ。…設楽さん、土田さん。」

559ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/08/02(木) 13:39:57
申し訳ないですがこれで一応ひと段落です
スマソ 名無しに戻ります

560ふしぎなくみあわせ:2007/08/04(土) 21:32:52
思いついて書いてみました。
なんだか不思議な組み合わせです。

561ふしぎなくみあわせ:2007/08/04(土) 21:33:09
東京の片隅、いわゆる「隠れ家」的なバー。

深夜と呼ぶにはもはや遅すぎる時間帯だ。高い位置にぽっかりと空いた窓から見える空はもう白み始めている。
閉店時間が迫っているせいもあり、カウンター座っている二人の男以外に、客はいない。
二人の男は、何も話さなかった。黒いシャツを着た男は青い色のカクテルを呷り、眼鏡をかけた男はウーロン茶を飲んでいた。
カクテルを飲み干した男は、空になったグラスを脇にどけた。店員は何も言わずにグラスを取り、店の奥へと消える。
それを見送り、黒シャツの男は傍らの男に話しかけた。
「あのね、是非こちら側に欲しい子がいるんだよね。」
眼鏡の男は何も言わない。俯いたままウーロン茶をまた一口飲む。
話を聞いているのかどうかわからない。ずっと、美味しくなさそうにちびちびとグラスに口をつけるだけだ。
「結構頭いいからね、きっと役に立つと思うんだ。力もね、こっち向きなんだよ。今は向こう寄りではあるんだけどさ、まだ完全にくっついたわけじゃあないみたいだし。」
お構いなしに、黒シャツの男は続ける。どこか芝居かかった口調は、酒のせいもあるのだろうか。
「それにね、そいつの相方、詳しく言えばその相方の力がね、こちらとしては手に入れたらだいぶ有益だと思うんだよね」
そこで初めて、眼鏡の男は顔を上げた。青白い顔を照明が照らす。
やっと興味しめしてくれたね、と黒シャツの男は笑う。
「それは、誰だ?」
探るような言い方で、眼鏡の男は問う。
「協力してくれんなら教えてもいいよ。『シナリオライター』さん。」
「…いいだろう。」
ついでにその呼び名はやめてくれ、と眼鏡の男…小林は引き攣ったような苦笑いをする。
鞄からシャーペンとスケッチブックが取り出し、スケッチブックのページをめくる。
しかし黒シャツの男、設楽の口から出た名前に、その動きは止まることになった。
「麒麟。麒麟だ。」

562黒猫:2007/08/06(月) 15:48:53
医者に日本語力が無いと言われましたが、頑張って書いてみた。

なんかアドバイスください!

563黒猫:2007/08/06(月) 15:49:11
ますだおかだ短編


「増田ぁ。」
「なんや。」
「週明けって特に用事ないよな。」

突然の岡田からの質問。
2人は前の仕事を終え、次の仕事に向かっていた。
岡田は車から見える外の景色を眺め、俺は新聞を読んでいた。

Piririririri

突然岡田の携帯がなった。
どうやらメールらしく、しばらく画面と向き合い俺に尋ねたのだ。

「特に無いはずやけど・・・なんで?」
「いやな、俺さ、この間のイベントであのロザンの宇治原呼んだやん。」
「あぁ、呼んどったなぁ。」
「でな、その宇治原からな、今度お互いの相方も連れて4人で会いませんか?って来たから。」
「ふ〜ん・・・まぁ、用事もないしええけど。」
「ん、分かった〜。」

そう言ってまた画面と向き合い返事を打ち始める。

「・・・大丈夫なんか?」
「んっ、何が?」
「何がって・・・・【石】の事や。」
「・・・・・・あぁ〜。」

そう言って岡田は自分の首につけてるネックレスの無彩色と暗い青の石を、俺も携帯につけてるストラップの淡い青の石に手をやった。


今芸人の間で流れている【石】の話。
持ってると不思議な力が使える、それを巡って芸人同士が白と黒とに別れ争っている等・・・。
もちろん、俺らも例外ではなく・・・


「疑ってるんか?」
「いや・・・まぁな。」
「大丈夫やろ。あの子頭エェし、それくらいの事は分かるやろ。」
「そうか・・・。」
「ま、いざって時は増田さん頑張って。」
「俺頼りかい!」
「やって、俺の石2つとも攻撃に向いてへんもん。」
「お前なぁ・・・。」
「だってホントの事やん。」
「そりゃそうやけど・・・。」

そう、俺の石『ブルーレースメノウ』は攻撃系、一方岡田の石『コランダム』と『ピーターサイト』は防御・補助系の能力を持つ。

「ええやん、お前の事頼りにしてるって事なんやから。」
「ふ〜ん・・・・、まぁそれなら岡田さんも補助やらいろいろ頼むよ。」
「お〜。」

まぁ、岡田さんがそういうなら信じますか。

「ますおかさ〜ん、もうそろそろつきますよ〜。」
「「は〜い。」」

564黒猫:2007/08/08(水) 14:40:59
岡田圭右(ますだおかだ)
石:1・ピーターサイト(理想の石・目標に近づくための方法を持ち主に感づかせ、実現させる力を与える)
  2・コランダム(鋼玉。多結晶の塊は加工して研磨材などに使われる)
能力:1・岡田が向いている方向にシャッターを作りだし、石の能力を無効化する。
     シャッターの有効時間は5秒程度。
     一定時間経つと、がらがらと開く。
  2・触れた物の表面の摩擦係数を少なくする。(スベリまくるようにする)
     力の調整しだいで、スベりやすさは変わる。(床に使えば「うまく立っていられない程」にも「走ろうとすると転ぶ程度」にも出来る)
     対象は無生物に限り、複数の物に使うことも可能。
条件:1・真っ直ぐ立った状態から「閉店がらがら」をする事。
    ポーズを取った時岡田が向いている方向にシャッターが出るため
    ポーズ前に方向転換し、シャッターの場所は変えられるが、ポーズ中・ポーズ終了時に方向転換をしてもシャッターの場所は変わらない。
    また、連発は出来ず最低20秒程の間隔が必要。
  2・「パァ!」のフレーズで発動。「閉店ガラガラ」で効果を消す。
     岡田の意思で取り消さない限り効果は持続するが、意識が無くなるか体から石が離れるとすると、その時点で消える。
     一日に合計20㎡程度が限界。
代償:1・発動後しばらく石で受ける影響が大きくなる。(説得を受けやすい、治療されやすい等)
    一度だけ面白いギャグを言ってしまうオプション付き。


増田英彦(ますだおかだ)
石:ブルーレースメノウ(どこかの国で、神の石と崇められてる)
能力:投げる力を増幅する。
  とにかく、持ったモノを投げる力が上がる。
  野球で言うと、160km/分位の早さ。
条件:片手で持てる大きさのモノに限る。
   また、使用しすぎると腕に大きな負担がかかる。
  投げたモノが投げた瞬間の力を持続できるのは、3秒。

【提案】新しい石の能力を考えよう【添削】に書かれていた物で考えました。

565名無しさん:2007/08/08(水) 23:26:03
皆さん乙。だれもいないようなので添削。


>>558
表現がすごくいい。ただ構成があっさりしてるからもっと細かく書いてくれると読み応えがでると思う。
あと、気になったんだが2人の口調ってそんな感じだった?あまり聞く機会ないけど。

>>561
まとまった文章で光景が目に浮かぶようだった。続きあるのかな?

>>563
台詞がリアルだから文章に入っていけた。状況とかはわかるんだけど、増田の語りなのに文章が簡単すぎる。もっと心情とかが欲しいと思った。



えらそうに書いたが皆さんに期待。

566ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/08/09(木) 22:20:10
>>565さん
添削ありがたいっす。
一応何回か御話させていたのとライブで軽く話しているのを
聞いて、自分なりのものを作っていったつもりです。
やはりまだ露出の少ない人はむずいですねorz

567名無しさん:2007/08/10(金) 06:57:09
>>566
自分があまりフリートーク聞いたことがないから違和感があるだけかもしれない。
>>566がそういう口調だと思ったのならおそらくそちらの方が正しい。すまんが添削の口調についてはスルーしてください。

ギース好きなんで話読めて嬉しかったよ。

568561:2007/08/10(金) 10:31:07
>565
添削ありがとうございます。
一応続きは考えているのですが、麒麟は他の書き手さんがまだ使っている(とは言ってももう一年前くらいになりますが…)のと、
麒麟が黒の上層部と出会うという大きな局面であるので続きを投下していいものか…。
というか、悩むんだったら廃棄スレに行けばよかったんですよねorzすみません

569黒猫:2007/08/11(土) 12:27:45
>>565
添削ありがとうございます。
そうですよね、自分でも増田さんならもっと・・・って感じがします。
もうちょっと頑張ってみます。
はぁ・・・考える力が欲しい。

570名無しさん:2007/08/15(水) 21:37:03
>>568
よければ続きが読みたい。確かに本編ってことにすると不都合が起きそうだが、>>568の言うとおり短篇って形で添削スレか廃棄スレに投下すれば問題ないと思う。この過疎りっぷりだし、本編の進行の話し合いもできないだろう。
期待して待ってるよ。

>>569
えらそうかもしれないけど、何回か客観的に読み返してみてわかりにくいかなーとか増田だったらこんなこと考えるんじゃないかなーとか思う所を書き足してみるといいかなと。あと、どんな状況かも書いてくれると読みやすい。

571561:2007/08/22(水) 02:37:06
>570
どうもありがとうございます。
とりあえず番外編(パラレル?)として、廃棄スレに投下することにしました。

早く前みたいにたくさん人が戻ってきてくれると嬉しいんですけどね…orz

572名無しさん:2007/08/27(月) 00:05:28
>>571
期待。
過疎ってるけど人はいるようだし、あくまでネタスレだからヒッソリマッタリやるのもいいとおも。

5731/2   ◆s8JDRQ.up6:2007/08/30(木) 15:15:46
ギースの短編です。
書いたくせにお二人の性格と口調がよくわかりません。
それも含めて添削おながいします。



*****



石を、拾った。

道端に落ちているはずのない石を。
装飾品をあまり付けない男の部屋にあるはずのない石を。
ジーンズのポケットに気付かないうちに入っているはずのない石を。
幾度となく捨てても気が付けば自分の元へ戻ってくる『宝石』を。


奇妙な事だと左手首のブレスレットを蛍光灯へかざす。
銀の冷たい輝きのなか、穏やかな色彩は芯のある強さを訴えているような気がした。

例えるならば
砂塵が丁寧に洗い流された雨上がりの空を、蜘蛛の糸で絡めとった欠片。
無機物でありながら、意志を持つかのごとく俺の生活に入り込み、その青に俺は瞳を奪われたのだ。

5742/2 ◆s8JDRQ.up6:2007/08/30(木) 15:18:48
『クモの巣ターコイズ』というものだと教えてられたのはつい最近の事だった。
どちらも調べてみたんだけど俺はクリーダイトっていう石だったんた、と装飾品のライラック色の石を俺に見せた男は、茶色の頭を傾げていた。

「やっぱり、あの話は本当だったんだ。」

目を伏せため息を吐く相方は、不健康な痩せ方のせいか不安と困惑を隠し切れないように見えた。

「芸人の間で出回っている不思議な力を持つ石なんて、誰かの冗談だと思ってた。」

俺はその時、噂に聞いた芸人の原因不明の負傷を思い出しながら、そうだねと言ったと思う。

特異な力は時に不幸を呼ぶからだ。


俺たちもいずれ何かしら人間の力を超えた能力に目覚める事になるんだろう。

それは修羅場に堕ちた能力者たちを、空へ引き上げる蜘蛛の糸なのだろうか。
石はその糸を俺の目の前に垂らしたということか。



もし、私欲のため切れてしまったら。



「尾関、そろそろネタ合わせ始めよう。」

「・・・あぁ、うん。」



まだ石は沈黙を続ける。




******

以上です。切れてないといいな。

575 ◆s8JDRQ.up6:2007/08/30(木) 15:22:34
誤字ハケーン

×→教えてられた
○→教えられた

576①高佐編/ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/08/31(金) 13:55:21
追いかけてくる

何かが

恐ろしいほどに禍々しい

何かが

俺は必死に逃げていた。何かからかは分からない。
ただ恐ろしい"何か"。必死に、必死に、逃げていた。
それに手首を掴まれ、俺は振りほどこうとする。だが、手首を掴む恐ろしい力は離れない。
せめてそれの正体を見てやろうと俺は振り返る。そこにいたのは―−

『何で逃げるんだよ、俺?』

間違いなく、そこにいたのは自分だった。

そこでプツリと何かが途切れた。


高佐は夢から醒めた。シャツは汗でぐっしょりと濡れ、先程の夢を思い出させた。
起き上がり、自分の頭をくしゃりと撫ぜた。
「(今の、は)」
こんな恐ろしく奇妙な夢を見たのは初めてだった。
二度とあんな夢はみたくない。そう思いながら今は何時かと携帯電話を開いた。
「…はぁ。」
早朝五時十五分。眠りについてからおよそ三時間であった。
ふと右手首にぶら下がる美しいそれを見る。ぴん、と左手で弾く。
「…お前のせいか?」
もう一つ溜息を吐き、高佐は初めて無機物を恨めしく思った。


今日は尾関とネタ合わせ。自分が遅れるな、と言ったので遅れるわけにはいかない。
高佐はしかたなくそのまま起きていることにした。とりあえずぐっしょりと濡れた寝巻きを何とかしよう。
「(汗かいてるし風呂はいろ)」
妹を起こさぬように息を潜め、こっそりと風呂に向かったのは余談である。


風呂に入りながら、高佐は考えていた。
ネタの事、妹のこと、アルバイトのこと。そして、石のこと。
あの美しい色の石にはどんな力があって、自分達にどんな運命をもたらすのか―−。
少し前に聞いた御伽噺としか思えない話を思い出した。

石は持ち主を選び、その石を手にした人間は必然的に戦いに巻き込まれていく
持ち主は芸人が殆どで、芸人達は各々の信念で『白』になるか『黒』になるか、『灰』になるかを決める
なかには無理やり引き込まれる人間もいる

もし、自分がどこかに入らなくちゃいけなくなったら?
「…だとしたら、迷わず」
灰を選ぶだろう。正義でもなく、悪でもない『中立』。
だがそれはあくまで誰にも干渉されなかった場合の意見。もし、尾関や妹を人質にとられたら
「(でもそこまでするのか?)」
いや、するのか、という疑問は大したことじゃない。する可能性はなくはないのだ。

(尾関がいなくなったら俺は、多分、コントを出来なくなる。)
(俺は書けないわけじゃない)
(でも、アイツの台本で演じたい)
(どこまでのしあがれるのか、そう考えただけでワクワクする)
(――この厳しい世界で)

右手をグッと握る。先程までとは違う。もう、迷いはない。
「(アイツがどうしたいのかちゃんと聞こう)」
「(それで俺の意見も言って、それから二人で考えればいい)」



――俺達はコンビなのだから

577①尾関編/ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/08/31(金) 13:59:14
昨日、彼の様子がおかしかった。
俺が言うのも何なのだが、本当におかしかったのだ。
声は微かに震えていて、ネタに関する質問なのかと思えば最近石をもらったか、だとさ。
正直言って彼がおかしくなると困るのだ。ストッパーがいなくなる。
「…(まぁ、いいや、そんなこと。)」
しっかりとした、アイツのことだ。すぐにペースを戻すだろう。
尾関はそう考える。話題にあがった石を見つめた。光が綺麗に透き通る石。
ふとこの石はなんと言う名前なんだろう。そんなことを考えた。
「高佐に調べてもらお」
携帯電話で写真をとり、メールを作成。
「(ちょ っと な ま え し ら べて お い て !)」
送信ボタンを押して携帯電話を閉じる。
やや乱雑に携帯電話を放って、尾関は布団に倒れこんだ。


「(そういえば)」
何であんなに必死だったんだ?
疑問が一つ浮かび上がる。見たところただの綺麗な石。何か変な噂でもあるのか。
…まぁいい、気に留めるほどのことでもないだろう。
今日はネタ合わせだ。あんなに必死になった理由と、石の名前を教えてもらおう。


待ち合わせの時間まであと四時間。尾関はアラームをセットして、眠りについた。

578ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/08/31(金) 14:00:17
ここでひと段落的な感じで。

>>573
いい感じだと思いますよー。
ギースさんは仲良しなんでそんな感じかと

579ヴィクラモールヴァシーヤ ◆XNziia/3ao:2007/08/31(金) 14:00:51
とりあえず本スレのほうに序曲投下したいのですがおkでしょうか?

580名無しさん:2007/09/01(土) 20:53:11
ぜひ!本スレもしばらく停滞中なんで、盛り上げてほしいねえ

581名無しさん:2007/09/04(火) 01:39:43
はじめまして。アンジャの話書いてみました。
多分アホみたいに長くなりそうですが、投稿してみてもよろしいでしょうか?

582581:2007/09/04(火) 01:41:42
↑すみませんさげ忘れ…最悪だ…!!

583名無しさん:2007/09/04(火) 04:25:07
いいですよー

584581:2007/09/04(火) 14:26:55
ありがとうございます
ではとりあえず書けた分だけ投下します…

585581:2007/09/04(火) 14:27:22
しまった、と思う時には、すでに遅すぎる。
何でもっと早くに気付けないんだろう。
今となっては、それも無意味な思考かもしれないけれど。


とある日。児嶋は、楽屋の椅子に腰掛けて一人紫煙を燻らせていた。
タバコを咥えたまま、ジーパンのポケットから銀色のゴツいブレスレットを取り出す。
トップに埋め込まれているのは、綺麗な宝石。名前は知らない。
「…怪しいよな、やっぱ」
ぼそりと独りごちる。右手でチャラチャラ弄んでみるも、意味は無かった。

先日、差出人不明の小包が届いた。中身は、この高そうなブレスレット。
熱狂的なファンからのプレゼント?なんだか悪いなあ。
送り返そうにも宛先は謎だけど。
母親からのプレゼント?宛名ぐらい書けっての。
電話で確認してみたが、違った。謎かよ。
じゃあ悪徳商法か、何かか?クーリングオフとか効くのかな。
いや会社の住所は謎なんだけどさ。

586581:2007/09/04(火) 14:31:00
(…渡部、遅いな)
とりあえず思考を逸らした。考え続けたところで、どうせ答えは出ないだろうから。
壁時計を見上げ、自分が早く来すぎていることにやっと気付く。
手元の灰皿にねじ込まれた吸殻が多すぎることにも気付き、目を見開く。それ程の量だった。
児嶋は一旦タバコを置き、再びブレスレットを摘み上げた。
トップの石が白い輝きを放ちながら揺れている。
角度を変えると、何色もの色が輝いた。虹色。やっぱ高そうだな、と思う。
じいっとそれを見つめていると、児嶋は、なんだか自身が透けていくような錯覚に襲われた。

途端、すうっと雑音が消えていく。静寂。
背景に溶け込んだ自分を、かき消すように紫煙が通り抜けて――

そこまでイメージした所で、思い出したように瞬きをした。
石は、相変わらず澄ました顔でぶら下がっている。無視されている気分になり、少し苛立つ。
(…渡部なら訪問販売のバイトとかやってたらしいから、何か分かるかもしれないな)
しっかり者の相方が、しかし時間にはルーズであったことを思い出す。
早く来てしまった分、待ち時間は相当長くなりそうだ。大げさに肩を落として。
ともあれ気を紛らわそうと、さっきのタバコを咥えた。
不安混じりの溜め息は長くて、白かった。

587581:2007/09/04(火) 14:40:44
楽屋へと向かう渡部の足取りは、軽やかだった。
Tシャツの中に隠しているが、細身のシルバーペンダントはそこに存在している。
トップには水晶。透明な光は、すべてを浄化してくれるような気さえした。

不思議な「石」については、聞いたことがあった。
芸人たちの滾る情熱が結晶として具現化されたものだ、といっても過言ではない、それ。
最近若手芸人の間で出回り始めたらしいが、まさか自分の元にも来ようとは。

「どんな能力なんだろう…」
わくわくして独りごちる。服の上から胸をなでると、石の存在が実感できた。
渡部はその性格上、こんなに夢のある話を黙っていたくなかった。
(言いふらしたい。先輩、後輩、同期。いや、素人の友達でも、いっそ犬でもいいや)

だがもちろん、それが利口な行動でないことは知っている。
自分の石の情報を知る者が増えると、それだけ危険も高まる。
知られた自分も、場合によっては、知った相手にも害が及ぶかもしれない。

本能、というより、冷静な”もう一人の自分”が、そう理解していた。
故になんとか気を紛らわせるべく、親指の爪を、噛んだ。


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