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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】
586
:
581
:2007/09/04(火) 14:31:00
(…渡部、遅いな)
とりあえず思考を逸らした。考え続けたところで、どうせ答えは出ないだろうから。
壁時計を見上げ、自分が早く来すぎていることにやっと気付く。
手元の灰皿にねじ込まれた吸殻が多すぎることにも気付き、目を見開く。それ程の量だった。
児嶋は一旦タバコを置き、再びブレスレットを摘み上げた。
トップの石が白い輝きを放ちながら揺れている。
角度を変えると、何色もの色が輝いた。虹色。やっぱ高そうだな、と思う。
じいっとそれを見つめていると、児嶋は、なんだか自身が透けていくような錯覚に襲われた。
途端、すうっと雑音が消えていく。静寂。
背景に溶け込んだ自分を、かき消すように紫煙が通り抜けて――
そこまでイメージした所で、思い出したように瞬きをした。
石は、相変わらず澄ました顔でぶら下がっている。無視されている気分になり、少し苛立つ。
(…渡部なら訪問販売のバイトとかやってたらしいから、何か分かるかもしれないな)
しっかり者の相方が、しかし時間にはルーズであったことを思い出す。
早く来てしまった分、待ち時間は相当長くなりそうだ。大げさに肩を落として。
ともあれ気を紛らわそうと、さっきのタバコを咥えた。
不安混じりの溜め息は長くて、白かった。
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