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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】
561
:
ふしぎなくみあわせ
:2007/08/04(土) 21:33:09
東京の片隅、いわゆる「隠れ家」的なバー。
深夜と呼ぶにはもはや遅すぎる時間帯だ。高い位置にぽっかりと空いた窓から見える空はもう白み始めている。
閉店時間が迫っているせいもあり、カウンター座っている二人の男以外に、客はいない。
二人の男は、何も話さなかった。黒いシャツを着た男は青い色のカクテルを呷り、眼鏡をかけた男はウーロン茶を飲んでいた。
カクテルを飲み干した男は、空になったグラスを脇にどけた。店員は何も言わずにグラスを取り、店の奥へと消える。
それを見送り、黒シャツの男は傍らの男に話しかけた。
「あのね、是非こちら側に欲しい子がいるんだよね。」
眼鏡の男は何も言わない。俯いたままウーロン茶をまた一口飲む。
話を聞いているのかどうかわからない。ずっと、美味しくなさそうにちびちびとグラスに口をつけるだけだ。
「結構頭いいからね、きっと役に立つと思うんだ。力もね、こっち向きなんだよ。今は向こう寄りではあるんだけどさ、まだ完全にくっついたわけじゃあないみたいだし。」
お構いなしに、黒シャツの男は続ける。どこか芝居かかった口調は、酒のせいもあるのだろうか。
「それにね、そいつの相方、詳しく言えばその相方の力がね、こちらとしては手に入れたらだいぶ有益だと思うんだよね」
そこで初めて、眼鏡の男は顔を上げた。青白い顔を照明が照らす。
やっと興味しめしてくれたね、と黒シャツの男は笑う。
「それは、誰だ?」
探るような言い方で、眼鏡の男は問う。
「協力してくれんなら教えてもいいよ。『シナリオライター』さん。」
「…いいだろう。」
ついでにその呼び名はやめてくれ、と眼鏡の男…小林は引き攣ったような苦笑いをする。
鞄からシャーペンとスケッチブックが取り出し、スケッチブックのページをめくる。
しかし黒シャツの男、設楽の口から出た名前に、その動きは止まることになった。
「麒麟。麒麟だ。」
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