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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

520廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/17(金) 00:34:01


 そのころ、若手芸人コンビの二人が太田たちを呼ぶために探していた。
 5番6番の片方、樋口が目当ての二人を見つけ、立ち止まる。
 「あ、」
 「何、樋口?」
 立ち止まった樋口に寄って、猿橋が問うた。聞かれた樋口は公園のブランコのほうへ指す。
 「太田さんと田中さん、二人とも見つけた」

 「あ、ほんとだ」
 乗り出して迎えに行こうとする猿橋を、樋口が止める。とたん、猿橋の機嫌が悪くなった。
 「何だよ」
 それに気づいているのかいないのか。樋口は呟く。
 「様子がおかしい。とりあえず待ってようぜ」
 だが、やがてそれも無駄なことになってしまう。

 子供のような青年は、猿橋と樋口に気づいた。
 「ピッコーン! 石持ち芸人あと二人発見!」
 「おう、ようやったな」
 「えへへ、誉められちった」
 壮年の男性に誉められ照れている様子は、もう小学生にしか見えない。
 そして、ほかのメンバーにもばれたのであろう。6人とも、樋口たちが隠れている茂みに注目した。
 「誰です、そこにいるのは。隠れてないで出てきなさい」
 投げかけられたのは、冷静な声。だが、次の声が5番6番の緊張を促す。

 「出てこねぇならたたき出すまで・・・」
 そいつは、砂で銃を作り、樋口と猿橋のいる茂みを狙って撃った。
 狙われた二人は、茂みの外側へと転がり出る。そこで、田中は二人の正体に気づいた。

 「お前ら・・・樋口に猿橋じゃねーか」

 「へぇ、5番6番ですか・・・大体太田さんと田中さんを呼びに来た・・・といったところでしょうか」
 「いいじゃんいいじゃんそんなの思いださなくったって。どうせ邪魔者は排除するんだろ?」

 悪魔のような声。
 死神のような言葉。狙われた二人は青ざめた。
 その中に、猿橋は小さな声を聞く。
 「で、でも殺すのはやっぱりいけないと思う・・・」
 彼の発言は、みんな聞いてない。

 ―――誰か聞いてやれば良いのに。
 自分もろくに聞こえていないのに、猿橋はそう思った。


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