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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

526廃墟病院 ◆ubhTcKtmc.:2006/11/29(水) 00:50:42
『俺達の3時4時  後』


さて、樋口が怪物の腕を持つ男と対峙しているとき。猿橋の感覚に、異常が発生していた。
触覚が、敏感になっているような気がする。

何かが猿橋に『触れた』。それは気持ち悪いとしか言い様がなく、触れた本人に嫌悪感しかもたらさない。

「うわっ! 何だこれ、気持ち悪・・・」
腕をなぎ払い振り払おうとしても、次々とそれに『ぶつかって』しまう。
猿橋は、払うことに躍起になっていた。

足の『時』を止められ、無様な姿をさらす男を一瞥し、馬鹿にする、理知そうな男。
「馬鹿ですね・・・」


「さぁ、田中さん」
彼自身の仲間を馬鹿にした彼が、田中に詰め寄る。先手を打つように、田中の口が開いた。
「何だよ・・・エメラルドなら渡さねーぞ」
敬語を繰り出す彼の口から、ため息が漏れた。
「何も言わないうちから交渉決裂ですか・・・」
「決まりきってるだろおめーらの言うことは! とにかく、太田さんとついでにゴーロクの二人連れて、帰るから」
怒鳴る田中に、理知そうな男がにやりと微笑んだ。そして、気持ち悪いものに夢中になっていた猿橋も、田中の異変に気づく。
「田中さん!」
猿橋が田中の近くに駆け寄る。敬語の出る唇が、大きく歪んだ。
「逃げられませんよ・・・私が居る限りねぇっ!」
その瞬間、猿橋の手に、さっきまでとは違う何かが触れる。猿橋はそれを、無意識に両手で包んだ。


ちょうど、バク天で卵を温めた、あの形のごとく。


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