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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

1名無しの勇者:2006/07/12(水) 21:32:41
FFDQなんでもあり部門の小説専用スレです。
シリーズ、作品の枠を超えた作品を投稿する時はこちらで。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

ネタスレについては>>2以降(テンプレ考案中)

2突撃!カッコイイ男キャラコンテストfromネタスレ:2006/07/12(水) 21:34:17
 ドラクエれきだいしゅじんこうが あらわれた!

1主「はじめまして、もしここがローラフォン圏外ならば悪魔に魂を売り渡してもいいかもしれない、DQシリーズ第一作の主人公こと1主です」
2主「はじめまして、よくわからないけどご先祖様たちについてきたんだ。2主とかもょもとって呼ばれてるぞ。よろしくな」
3主「はじめまして、そして伝説となるロトこと3主だ。愛用サイトはヤフーだ、皆ヤフー使おうぜ!」
4主「はじめまして、竜とぴーちゃんとザラキと8主にちょっぴり切れやすいソロこと4主です」
5主「はじめまして、二人の妻と子供達と魔物達と世の中の女性達をこよなく愛する二言目にはエロネタのグランバニア王こと5主です」
6主「はじめまして、この俺が世界のお兄ちゃんこと6主だ!」
7主「はじめまして、歴代一の強さとドMさを併せ持つアルスこと7主です。知ってる?SとMって表裏一体なんだよね」
8主「はじめまして、最近腹黒からツンデレへ移行しつつあるという噂のエイトこと8主です」

4主「ところで、ここに来たのは俺達だけなのか?」
8主「一応言っておきますが、ネタスレ専用のスレではないですよ。越境カプなんかもこのスレなんだそうです。
   僕達(DQ主雑)だけでなくお隣さん(FF主雑)やキャラスレ、サロンからも来る可能性はありますね。『なんでもあり部門』ですし」
2主「なんと、サマルやムーンも来るのか?」
8主「職人さん次第ですね。ムーンさんは来られないかもしれません」
2主「そうか、サマルが来るのは嬉しいけど、ムーンが来れないのは残念だな」
8主「そうでもないですよ」
2主「そうでもないのか」
8主「そうでもないですね。本スレだってサマルさん達は滅多に来ないでしょう。
   そういう『お約束』がここにもあるんですよ」
2主「なるほど」

6主「はじめに言っておくことがある。
   ネタスレ本スレに迷惑かけちゃだめだぞ、ここのことはここだけで楽しんでくれ」
7主「ここのせいで本スレが荒れちゃったりしたらすごく悲しいからね」
4主「それから元が元なんで、職人さんによっては小説形式だけでなく
   これのように会話形式のものもあると思う」
1主「更に自己紹介の通り、ネタスレの歴史によって育まれてきたオリジナルの設定も多い。
   だからといってこんなのドラクエ○じゃねぇ!と言われると俺達はお手上げだ」
6主「不快だったらスルーは基本だ。皆のお兄ちゃんと」
3主「ヤフー仮面と」
5主「エロキングとの約束だよ」
全主「よろしく!」


テリー 「ふっ俺の名はテr」
キーファ「俺の名はキーファだ!」
テリー 「……俺達は外伝のsh」
トルネコ「私達は外伝の主人公です。男というだけで私も来て良いんでしょうかね」
キーファ「いいんじゃねーの?他にもルカって坊主とか剣神って金髪サムライとかいるぞ。
   主雑スレには俺達もいるんだ、よろしくな!」
テリー 「orz」

3名無しの勇者:2006/07/12(水) 23:26:24
スレ立て乙です!
職人様の降臨を期待してます。

46主×1主fromDQ主雑(0/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:04:42
6主「ハイハイハイハイ」
1主「どーもー」
6主「ネタスレ派生SS一番乗り〜」
1主「ぶっちゃけ言うとサクラです」
6主「ちょwおまwwwぶっちゃけすぎwwwwwwww」
1主「無理にVIPPERしなくていいから。
   まぁあれですよ、せっかく立てたのに一本も作品が無かったら寂しいからな」
6主「枯れ木も山の賑わいと」
1主「立てた本人引責辞任」
6主「武勇伝武勇d(ry」
1主「レッツゴー。」
6主「つーかなんで61なのよ」
1主「俺のほうこそ聞きたいむしろ小一時間問い詰めたい。
   お前サクラやろう思う寸前まで全然違うカプじゃなかったのかと」
6主「認めたくないものだな若さゆえの過ちなど以下略」
1主「一言も略してねえ以下略つけんな」
6主「しかし書いてしまったものは仕方が無い」
1主「でも読み手が一番読みたいであろうシーンをざっくりテテレテテッテッテーで済まして良いものなのか色気ねー」
6主「1主だからか?」
1主「俺絡みで宿屋に泊まるともれなく宿屋の親父がデバガメという諸刃の剣。素人にはお勧めできない」
6主「夕べはお楽しみでしたね!」
1主「うるせー!」
6主「主雑スレには大家さんは居ても宿屋の主人は居ないから安心しろ!」
1主「微塵とも安心できねー!」
6主「厨風味で逝くと『だめ…ローラフォンが聞いてる…』?」
1主「おおおお恐ろしいこと言うんじゃねええぇ!!!」

   ……プルルルル……

6主「着信アリキタコレ!」
1主「ぎゃー!」
6主「1主が電話対応に終日費やす前に本文へどうぞ、いやその前に」

6主&1主「どう見てもまかない料理です、本当にありがとうございました!!」


※この物語はフィクションです。実在のドラクエ、ネタスレ主人公達には何ら関わりを持ちません。
 悪い子も悪い大人も真似しないでください。良い子良い大人は真似出来ないと思われます。
※この話の6主は二重人格のような扱いです。ネタ元では3主と女3主のように別人として出たりと設定は固まっていません。

56主×1主fromDQ主雑(1/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:05:16
 ろくしゅが あらわれた!

 ろくしゅは にしゅを おとうとにしようと さそっている!

 にしゅは あにに なった!

 ろくしゅは かいしんのいちげきを こころにうけた!

 ろくしゅを たおした!

「……と、いうことがあってだなーあ」
 6主がコップ片手に、ぐんにゃりとテーブルに懐いたまま喋っている。どういった理屈か、バリバリに立てた髪までしんなり気味だ。
「俺が来るまでそんなくだらんことを話してたのかお前らは」
「くだらんだと!世界お兄ちゃん機構を侮るんじゃねえ!」
脱線しまくる一部始終をようやく聞き終え、『遅れてきた男』1主はため息をついた。
「はいはいシスコンシスコン」
かなり投げ遣りな相槌を打つ1主。どうせ6主は聞いていない。
「……しかもその後更に『お兄ちゃんなんて嫌い!』などというメッセージを受信して、俺はあまりのことに心臓が止まった」
「それでショック死するあたりがお前らしいな」
確かそれは6主に向けた発言じゃなかったはずであるが、そんなことはお兄ちゃんには関係無いらしい。
「てやんでえ世にお兄ちゃんは不滅じゃあ、うぃっとくらあ」
いっそ芝居にしか見えない酔っ払い方に、1主は呆れて再びため息をついた。
「それでチューハイで酔っ払ってくだまいてんのかお前は。ていうか一口二口で酔うか?」
「うふふ俺にはターニアだけだよ〜」
聞いちゃいねえ。むしろ妹の名が出た時点でマジで夢見る5秒前。
「うぉら、部屋に戻って寝れ」
「んひひ」
「ったく……」
 いつの時代もワリを食うのは先輩である。そのままにしておこうかと迷ったあげく、結局1主は6主を部屋へ運んだ。お姫様抱っこはお約束。

66主×1主fromDQ主雑(2/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:05:39
「ぬあー」
「へいへいトンヌラトンヌラ」
 暴れる6主をベッドに落とす。
「ちがーうそれはぬわー」
「へいへいへいへい」
「へいは一回でヘイヘイホー!」
手を振り上げて高らかに宣言。もはや何かと勘違いしまくり。
「ああやかましい。お前はなんでそんな酔わんでも酔ってもテンション高いんだ」
「あはーん」
振り回した手が1主の頭に当たる、と。
「おお?」
ぐしゃぐしゃと撫で回したかと思えば髪をつんつん引く6主。
「こら、引っ張んな痛い」
「へー1主の髪ってあんま硬くないんだな」
「はあ?」
おかまいなしに、小さな子供にするように頭を撫でる。
「ターニアの頭撫でた時みたいだ〜あの子もちょっと癖毛なんだよ」
まとわりつく手をはがし、1主が近くの枕を投げつけた。
「お前はなんでも妹と結び付けなきゃ話せんのか」
「妹サイコー。妹は世界を救う」
「わかったわかった」
立ち上がろうとした1主の腕を掴み、ベッドに引き倒す。
「うわっ」
「隙あ〜り」
上手い具合に位置を入れ替え、6主の唇が1主のそれに軽く合わさった。すぐに離れる。
「……え」
妙に座った目でじっと見つめられ、1主が硬直する。
「先生」
「は、え?」
「髪フェチじゃないけどむらむらしました」
真面目くさった面で淡々と告げられた言葉に1主は目を見開いた。

76主×1主fromDQ主雑(3/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:05:59
「……ふ、ふざけんな!寝ろ!ラリ」
 我に返った1主の口を手で塞ぐ。
「ぶ」
「マホトーン」
ちなみに現在の6主はマホトーンは使えない。
「と見せかけて誘う踊り〜」
タコ踊りとしか表現できないふざけた振り付けをやらされて1主が怒鳴る。
「全然見せかけてねえ!てかなんだこれは!」
「くゎいせつしよう、これぞ誘う踊りde1ターン敵行動封じだあーもっぺん踊る」
「お前も踊って1ターン行動不能だろうが!タイマン意味ねー!」
踊り続けながら鷹揚に6主が答えた。
「いかにも」
「いかにもじゃねえー!」
「でもあれだよな〜誘う踊りてんだから7枚のヴェールの踊りやったらどうなんのかな〜」
くねくねしながら上着に手をかける。つられて手が勝手に動き、1主は上擦った声をあげた。
「ちょ、これじゃちょっとだけヨ〜だろっ」
「ちゃらりららら〜てあれもうラスト?俺まだ上着と腰紐までなのに」
「7枚も着てねぇよ!その前になんで脱いでんだよ!脱がしてんだよ!もうやだ助けてローラフォン!」

〜ピッ〜 ……ろーらデス……男ハのーかんトデス……ろーらデス…… 〜ピッ〜

恐るべしローラフォン。しかも自動的に電源が切られた。
「嘘ォ!?何!?ノーカンて何!?何をカウントしてんの!?」
「いっしゅ〜うるさいぞ〜」
「ぅお前が騒がせてんだろうがあぁうわちょっとなにをするやめ」

86主×1主fromDQ主雑(4/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:06:17
 1主は飛び起きた!しかし何も起こらなかった。
「……ゆ、夢か……?」
と、いかにもシャワーから戻ってきたところの6主と目が合う。
「あ、おはようあち!あつっ!」
「すまん、ついベギラマを」
6主が必死で燃えた服の裾をはたきながら悲痛な声で叫ぶ。
「落ち着くんだ!無理もないけど」
雰囲気に違和感を感じ、1主は目の前の人物をまじまじと見つめた。
「あれ?なんか感じ違うのはお前、下の6主?」
「その通りだよ……上のボクが迷惑をかけたみたいで、すまぬぁちあちあちあつッ!」
服の焦げ、侵蝕。
「すまん、ついベギラマを」
「それはもうやったから!」
改めて1主は状況を把握しようと部屋を見回した。紛れも無く寝かせに運んできた6主の部屋だ。
「やっぱり夢じゃないのか……」
「申し訳ない」
心底反省している様子の本来の6主にため息をつき、ふと疑問を覚える。
「のわりにはどこも痛くないが」
「ホイミをかけてたよ」
「そんな実用的なホイミの使い方は知りたくなかった」
「ボクも目からウロコだった」
真顔をつき合わせ数秒、先に1主が頭を抱えた。
「てか、なんで妹でも弟でもない俺に……」
困った顔で6主がベッドに腰掛け、軽く首を傾げる。
「うーん……彼、あなたの事を甘えられる兄のように思っているみたいなんだ」
更にぐったりする1主。
「兄貴を襲うのかあいつは」
「そこはそれ普段が妹ハァハァですみません」
今の気分はレミーラ効果切れ寸前。おざなりに1主は提案した。
「なら素直に妹に逝けって。実の妹じゃないんだろ」
「彼にはできないよ。ボクとターニアが望んでいないからね」
軽い調子で主人格を否定され、一瞬言葉に詰まる。
「……ややこしいなお前は」
「申し訳ない」
苦笑いを浮かべる6主に、ひらひらと手を振る。
「あぁ、もう。謝りすぎだ」
「うん」

96主×1主fromDQ主雑(5/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:06:36
「1主さん」
「何だ」
 真面目な表情で、6主がベッドに両手をつき、頭を下げた。
「ヘンなお願いだけど、上のボクを嫌わないでやってくれないか」
「……シリアス路線に持ってって情に訴えるとか、お前も上のと違った意味で厄介だな」
上目遣いに1主を見上げ、へらっと笑う。
「あ、バレた?あなた押し切られるタイプみたいだから」
「さらっとお前、そんなひどい」
天を仰ぐ1主に呆れて指摘する6主。上の6主との掛け合いではひっくり返っても見られない風景だ。
「あなたがその台詞言ってどうするんだ」
「一人なのにパーティーアタックの効果。どう見ても自虐です本当に以下略」
「そんな痛い」
様式美的棒読みの応酬の後、1主が隣を見た。
「で、上のは?」
「そろそろ起きそうだよ。レム睡眠中でターニアに出かける挨拶をしている」
「夢の実況とは器用な」
副人格の6主が立ち上がり、背伸びをする。
「体を共有しているもので。ではボクはそろそろ退場するよ」
「ああ。またな、かな」
曖昧な挨拶に6主が微笑んだ。
「うん。あー1主さん」
意外に品の良い笑い方に面食らいつつ、1主は返事をした。
「何?」
「どうもご馳走さまでし」
さくッ。
「……目覚ましにロトの剣は地獄のように苦い珈琲に似て……ぐふっ」
ステータス確認。HP残り1。頭に剣が刺さって即死しない方が有り得ないが、それが6主クオリティ。
「うわあ変わり身の術みごとなりぃ。とりあえずベホイミ」
「危なくまた逝くとこだったぜ」
ぶっ倒れた姿勢から一瞬にしてモデル立ち。連邦の化け物はアメーバ並か。
「で」
「ん」
仁王立ちの職業スーパースターに未だベッドに居た1主が問いかけた。
「何か言い残したことはあるか」
「辞世の句か。いただきますっていいわすれぅあちぃ!あづぃ!火力増してる同じベギラマなのに!」
ベッドの上で立ってはいけません。ぐらつく足場を物ともせず、呪文発動5秒前。
「今ならきっと撃てるギガデイン並のベギラマ!食らえ!」
「フバーハ!嘘です持ってない!」
逃げ惑う6主が頭を腕でかばう。
「ベホイミ」
「ぎにゃああってあれ?」
火傷が消えて6主がきょとんと1主を見た。
「お前のテンションに合わせんの疲れた」
いつのまにかベッドから降り、6主の目の前に立つ1主。
「そんなひど」
「ラリホー」
「ターニア早いただいまでごめんねぐー」
有無を言わさずようやく静かになった6主を、今度こそベッドに放り込む。
軽く息をつき、眠る6主のピアスを指先で弾く。
「嫌わないでくれとか、無限ループに2万回ノーと言った男をお前は舐めている」
暢気に寝返りを打つ様に小さく笑い、1主は部屋を後にした。

106主×1主fromDQ主雑(6/6) ◆6mX52.ZZco:2006/07/13(木) 09:06:52
「シスコンプリンスに俺はなる!!!」
「はいはいワンピワンピ」
「良かったな夢が叶って」
 エクスクラメーションマークを三つもつけた6主の宣言に、飽きもせず口喧嘩を繰り広げていた8主と4主が同時に合いの手を入れた。本日の舌戦のテーマは2主の保健体育知識への介入についてbyサロン。
「6主のやつ今日も無駄にテンション高ぇな」
「だな」
のほほんと遠くで見守る1主3主観客席。そこへ当の6主が割り込む。
「なーなーなー1主、ロトの剣装備のソロ冒険者だから濁点つけて剣士やってー」
1主が嫌そうな顔でしっしっと手を振る。
「お前高度な嫌味かそれは。ソロならギガソード付きPS4主の名前もだろ」
「おお。4主ー4主ー」
3主がにやにやする横で、1主はローラフォンを取り出した。
「どこの小学生だよあれ」
「まったくだ」
携帯でぷちぷちメールを打っている1主を眺め、3主が口を開いた。
「なあ」
「なんだ、ご先祖」
顔もあげずに1主が返事をする。
「お前最近、6主のあしらいスキルあがってね?」
「そうか?気のせいだろ」
「そっか」
なおも視線を感じ、怪訝そうに1主が見返した。
「なんだ?」
「お前最近、妙に6主に絡まれてね?」
居心地の悪そうな目で問いかける3主に、1主は口を開いて、閉じて、苦虫を噛み潰したかのような表情で答えた。
「ご先祖。気のせいだ」
「そ、そか。お前、なんか目が怖いよ?」
「それも気のせいだ」
「そ、そか」
ローラフォンに目を落とし、1主がぽつりとつぶやいた。
「俺には弟妹を欲しがる気持ちはわからん」
あんなのは一人居れば釣り銭でバブルが崩壊する。
1主はメール送信ボタンを押し、テーブルに突っ伏した。
「主雑スレは今日も平和だ」
「は?」


End

11名無しの勇者:2006/07/13(木) 10:38:10
GJです!朝からイイものみさせて頂きましたw
なんだろうこの萌える掛け愛は(*´Д`)お兄ちゃんテンション高い!

全体的にいい雰囲気で面白かったです。
情事後の淡々とした掛け合い、
下の6主の上品な中にある面白さが見えてワロス。ご馳走さまってw
振り回される1主はカワカッコイイと思います先生。

12名無しの勇者:2006/07/17(月) 17:14:43
61GJ!
新たな萌えをありがとう。
真のお兄ちゃんはひょっとして1主なのか?w

つい84を書いてしまったので投下。
携帯からなんで読みにくかったら申し訳ない。

1384ちょっとシリアス小ネタ1/2:2006/07/17(月) 17:19:52
夜中に喉が渇いたので、6主さんのアモールの水と
1主さんのカルピスで贅沢カルピスでも作ろうと階下に下りた。
リビングを通り掛かったら明かりが付いていて、
消し忘れかと思って覗き込んだら4主さんがソファでうたた寝していた。
テーブルの上には2主さんの漢字テストの答案。
どうやら採点途中で力尽きてしまったらしい。
とにかく起こそう、こんなところで寝たら風邪をひいてしまう。
あー僕って親切。
「4主さん、寝るなら部屋で……うわぁ」
間近で見て気付いたけど、ものすごく苦しそういうか機嫌が悪そうというか、
とにかく「安らかな寝顔」からは程遠い顔だ。
7主さんが見たら泣くんじゃないか?
寝てる時までこんな顔しなくたっていいだろうに…。
眉間にぎゅっと寄ったシワをほぐしてやろうかと思わず手が伸び、
何やってるんだと手を引っ込めようとしたところで、4主さんの唇から声が漏れた。
「み…な……ごめ…な……」
―――みんなごめんなさい―――
ほぼ同時に閉じられた瞼から涙。
ああそうか、機嫌が悪い顔じゃなくて泣くのを我慢してる顔だったんだ。

1484ちょっとシリアス小ネタ2/2:2006/07/17(月) 17:25:37
普段が普段だから忘れていた、もう立ち直ったとはいえ、そう簡単に傷が癒えるわけがない。
自分を守るために、育った村の人々が、大切な人が犠牲になったなんて。
ああもうこれだから嫌なんだ、なんだって僕の前で
歴代主人公中トップクラスの不幸ぶり(ついでに美形ぶり)を発揮するんだ。
こんなの見ちゃったらツンデレのデレ部分を駆使するしかないじゃないか。
僕はキャラに忠実なんだ。
こぼれた涙を指先で拭って、彼の耳にそっと囁く。
「…誰も4主さんを責めたりなんかしません。
自分たちが守った4主さんが世界を救って、村の皆さんだって誇らしいはずですよ。
それは4主さんが一番よく分かってるでしょう?」
「わかってるよ」
「!!」
ぎょっとして4主さんの顔を見ると、紫色の瞳と目が合って(こんなところまで美形カラーリングだ腹が立つ)
ニヤリといつもの悪人面で笑われた。
目にはまだ涙の跡があって、迫力は普段の3割減だ。
「…性格悪いですよ」
「お前ほどじゃねーよ」
ふん、と鼻で笑われた。
腹が立つ!けれど、泣かれるよりはずっといい。
衝動的に4主さんの髪を引っ掴むようにして頭を抱えて、
窒息しろと言わんばかりに唇を貪ってやった。
最初は驚いたようだった4主さんもすぐに応えて、
ようやく唇を離した時には二人とも息が上がっていた。
「なぁ8主」
僕に腕を伸ばしながら4主さんが囁く。
「酷くしてくれないか」
会心の一撃だ。なんて魅力的なお誘い。
でも4主さん、忘れてませんか?僕は天邪鬼なんですよ。
傷つきたがってる相手に親切に酷くしてあげるような素直な性格してないんです。
「嫌ですよ」
鼻白む4主さんにもう一度キスをする。
「めちゃくちゃ優しくしてあげますから」

15名無しの勇者:2006/07/17(月) 17:28:57
とりあえずここまでで。
肝心なとこの直前で切ってすいません。
続きはエロ神が降臨したらあるかもしれないしないかもしれない。

16名無しの勇者:2006/07/17(月) 23:37:32
84萌えますた(*´Д`)
続き期待してます!!

17名無しの勇者:2006/07/18(火) 07:15:19
同じくワクテカしながら、待ってます。

18名無しの勇者:2006/07/22(土) 01:34:54
84クオリティタカスww
オレもwktkしてry

どうでもいいが
不幸度トップが4主、次点5主だとオモ

19名無しの勇者:2006/07/22(土) 14:14:09
4主と5主の不幸っぷりはDQ歴代主人公で群を抜いてるよな。
84にwktkしながら雑談スレ形式挑戦。
上の84の職人さんともサロンの職人さんとも縁もゆかりもありません。

2084fromDQFFサロン(1/4):2006/07/22(土) 14:14:31
EOK「エロスオブザキ〜ング」
エドガー「キャラサロンからお邪魔するよ」
5主「FFからは初登場だね。ようこそエドガー君」
エド「我々は女好きという設定だから、いきなり絡めと言われても戸惑うな」
5主「そこは安心したまえ、名前欄が保証している」
エド「犠牲になるのは彼らか」
5主「さぁ飛ばしていこう、僕達の乗った列車は途中下車はできないんだ!」
エド「それはFF7だね。私の弟の場合は途中下車しなければ南十字星まで行ってしまうところだ

ったらしい」
5主「魔列車と銀河鉄道が混ざっているな。FF6はともかくケンジはどうかと思うよ」
エド「どうやら冒頭から脱線しかねないようだな」
5主「では軌道に戻すとしよう。サロンネタ801バージョンということで、
   まずはウホネタあたりから入ってみようか」
ハッサン「ウホッ」
エド「……今、何かが通り過ぎて行かなかったか?」
5主「気にしたら負けだ。DQ界きってのウホキャラとは彼の事だよ」
エド「そ、そうか……」
5主「さて、ウホネタと801ネタとはどのように違うのか、例を交えながらイッてみようじゃな

いか」
エド「カタカナにするだけで下品になるな」
5主「そこでこういうスレが存在すると仮定する。
   つ『4主がレ○プされる自然なストーリー考案スレ』」
エド「ちょちょちょちょっとまった、いきなりガチじゃないか?」
5主「大丈夫大丈夫、参考元もそのタイトルで中身はネタスレだから」
エド「参考までに聞くけど元は誰なんだい?」
5主「4主ではないよ」
エド「追求するなということか……不安になってきたよ」
5主「百聞は一見にしかず。とにかく例文を見てみよう」
エド「映像ではお見せできないけれどね」


8主「4主さん!」
4主「どうした血相を変えて。極上の鳥ハムでも作れたか?」
8主「自虐なんてあなたらしすぎます!とりあえず見てください、これをどう思います?」
4主「すごく……紫ですってななな何だテメェそんなとこだけオイ!」
8主「あなたのことを想うだけで僕の下半身はスーパーハイテンションなんだ!」
4主「ええええぇえ?!」
8主「モウ我慢デキナイ!」
4主「ら、らめぇぇぇぇえええええ!!」

2184fromDQFFサロン(2/4):2006/07/22(土) 14:14:51
エド「待った」
5主「どうかしたかね?エドガー君」
エド「……あまりにムジュンに満ちあふれているので……一瞬、めまいと混乱を。」
5主「逆転裁判なんてスレ違いなネタには、ここのレディ達はついてこないと思うよ」
エド「失礼。しかし、自然どころか不自然極まりない流れだね」
5主「そこがネタスレのネタスレたる所以なんだろうね」
エド「しかもらめぇとは奇妙な叫びだね」
5主「みさくら語というらしいね。ウホッの女性版?」
エド「版?と聞かれても。」
5主「しかしこのシチュエーションにはとんだ落とし穴が隠されていた」
エド「飛んだのに落ちるのか。というか続きがあったのか」


4主「や、やめろ8主……」
8主「駄目ですよ4主さん。僕達の乗っ(ry」
4主「使いまわすな!そうじゃなくて、……が見てる……」
8主「ry)できないん、って、え?」
4主「…………シンs」
8主「(((((((( ;゜Д゜)))))))ガクガクブルブル」


エド「待った」
5主「どうかしたかね?エドガー君」
エド「これでは猥談以前に怪談だ。サロンも801も真っ青だよ」
5主「夏らしくて良いと思ったんだが……仕方が無い、せっかくの女性だが彼女には退場してい

ただこう」
エド「いくら女性でも見えなくてはね……」
5主「見えそうで見えない方がそそられるというよ」
エド「それはまた別の話だろう」
5主「しかしこのオチだと、せっかくの8主のSHTも事を起こす前に通常に戻ってしまっただろう

な」
エド「そのテンションを保ち続けられるのが801という事だろうか」
5主「そうでもないよ」
エド「そうでもないな」
5主「それでは次は、これが801表現だとどうなるのか」
エド「話を進めるのが怖いな」
5主「行動描写が必要かもしれない。SS形式でやってみよう」
エド「お気に召すまま」

2284fromDQFFサロン(3/4):2006/07/22(土) 14:15:13
「4主さん」
 キッチンでカルピスを注いでいた4主が振り返った。いつの間にか背後に近寄っていた8主の

、そのとっておきの悪戯を思いついたかのような表情に呆れた視線を送る。
「また俺をからかいにでも来たのか?」
「違いますよ」
カルピスの蓋を閉める手が止まった。ぴたりと体を寄せた8主が、耳元で声を殺して笑っている


「なんか……当たってんだが……」
4主がボトルから離した手を、腰にやった。
「昨日のあなたの事を想うと、つい」
こくりと唾を飲み込む。
「……だからそれは……忘れろって……」
掠れた声で弱々しく言い募り、身じろぎをする4主。
「忘れようとしても出来なかったんですよ。あなたがあまりにもいじらしくて……ね」
8主は低い声でその耳に囁き続ける。
「なんなら、今ここでもう一度、やりますか?いつでも付き合いますよ」
かっとなり、4主は振り向き様に叫んだ。
「てめえ……ッ」


エド「正直、驚いた」
5主「いや、驚くには早すぎたな」
エド「そうなのかい?これ以上先へ進めてしまうと
   雑談の超えてはいけない一線を越えてしまうと思うんだが」
5主「甘いな。何年サロンに居るんだね」
エド「……というと?」
5主「この状況から予測されるオチがあるのだ。
   すなわち昨日、日頃の8主の振る舞いにストレスを溜めていた4主が
   たまたま冷蔵庫に8主のプリンを見つけ、衝動的に腹の内へ仕舞った。
   それを知った8主がスーパーハイテンション化、例に寄って表へ出ての大騒ぎを演じる事

となる。
   翌日の今日、キッチン+4主=食べ物の恨みはしつこいという方程式の元に8主は
   その背後に忍び寄り、剣を背中に突きつけた」
エド「つまり、紛らわしいネタか」
5主「この場合『腰に手をやった』とは4主も剣を手に取ったのだろうね。
   この読み手を意図してミスリーディングさせる流れがいわゆるサロンクオリティだ」

2384fromDQFFサロン(4/4):2006/07/22(土) 14:15:48
エド「な、なるほど……これでキッチンのドアの外に
   5主なりさっきのハッサンとやらなりが立ち聞きしていれば完璧というわけだな」
5主「まさにその通り。そのスレスレさは時に読み手をドン引きさせる」
エド「恐れ入った。自らをオチ要素として認めているところも含めて脱帽だ」
5主「そしてここがまさにウホと801の境界線なのだろう。
   僕の予測がまったくの見当違いであり、つまり勘違いではなくガチなら」
エド「そこに801が成立するというわけか……ん?」
5主「どうした?」
エド「いや、どうも雲行きが怪しい」
5主「そうかな、立派に実証してみせたはずだよ」
エド「それについては異論を挟む気持ちは無いよ。そうではなく、空が曇ってきているような」
5主「はて、ここは屋内だと思い込んでいたんだが、言われてみればいかにも雷を伴う雨雲g」

 ガラガラピシャーンシュバババババッヌワー!!!

エド「……くっ……SHTな雷に直撃された上に…ブーメラン、か……?……5主、生きているか!?」

 返事がない。ただのしかばねのようだ。

エド「なんということだ……!要は雷が落ちたとオチとの駄洒落の為に、私達は!
 ……801道、その奥の深さ……確かに感じた……」

 返事がない。ただの(ry

エド「エ、エロス……オブザ……キ〜ン……グふっ」

 返(ry



End

24名無しの勇者:2006/07/22(土) 14:16:46
ああああぁメモ帳の折り返すオンのままだった
改行おかしくてすみませんすみませんorz

25名無しの勇者:2006/07/22(土) 16:17:17
爆笑www

26名無しの勇者:2006/07/25(火) 15:56:29
笑い死にしそうなくらい笑いましたwww

27名無しの勇者:2006/11/07(火) 23:41:26
   |
   |∀・) …ダレモイナイ。ホモネタトウカスルナラ、イマノウチ…。
   |⊂
   |

281主×3主fromDQ主雑 1/6:2006/11/07(火) 23:42:48
3主「俺に彼女がいない件について話し合いたい」
1主「……随分と唐突かつくだらない議題だな」
3主「世界を救った伝説の勇者ロトであるこの俺が
   全然モテないってのは世の中おかしくね?」
1主「人の部屋にいきなり入ってきて、そんなくだらない事を言ってくる
   ご先祖のほうがおかしいと正直俺は思う」
3主「あーあ…彼女欲しいなぁ…」
1主「恋人なんて出来たら出来たで結構煩わしいもんだぞ」
3主「…ケッ、彼女持ちの奴には一人身の寂しさなんてワカンネーよな。
   俺なんて生まれてこのかた右手が恋人だぜ、コンチクショー!」
1主「まあまあ、そうやさぐれんなって」
3主「だってよぅ…このままいったら一生童貞どころか、
   チューすらやることなく死んでしまうんじゃないかと心配で心配で…」
1主「…え、マジ?ご先祖ってばキスもしたことないのか!?」
3主「しょうがないだろ!年齢=彼女いない歴なんだから!」
1主「うわー……」
3主「うっ……人をそんな目で見るな!一応、女の人と手を繋いだことはあるんだぞ!
   ………子供の頃、母さんとだけど…」
1主「………」

ポンポン…

3主「ええーい、憐れんだ目つきしながら人の肩を叩くな!」
1主「だってさぁ…」
3主「チクショー……チューしてぇ…
   キテレツのエンディング観ても哀しい気持ちなんかになりたくねぇ…」
1主「ご先祖…」
3主「……はぁ…」

291主×3主fromDQ主雑 2/6:2006/11/07(火) 23:43:26
1主「なぁ、ご先祖……ちょっと、ちょっと…」
3主「…ん?」

(*´з)(゚ー゚ )

(*´(゚д゚ ) チュッ

3主「!!!!!!!!!!!」
1主「良かったな、ご先祖。これで死ぬ前に一度はチューしたとこになるな」
3主「良くNeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!
   何でお前なんかにほっぺにチューされなきゃなんねーんだよ!!」
1主「…あ、ごめん、ごめん。ほっぺじゃ嫌か…」

(   )゚ ) チュッ

1主「………………………………。」
3主「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
1主「…おめでとう、ご先祖。これで今死んでも
   『一度もキスすらしたことない勇者』の汚名を被らなくてすむぞ」
3主「めでたくNeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!
   …うああああ……俺のキスが…俺のファーストキスが……グスッ…」
1主「ちょっ、泣くなよ。ほんの冗談なんだから…」
3主「……はじめてのチュウ……君とチュウ……I will give you all my love…
   涙が出ちゃう……男のくせに………うううっ………(;A;) 」
1主「わ、悪かった!俺が悪かったって!だから泣きやめよー」
3主「だって…グスッ……はじめてだったのに……ヒック……うえぇぇぇぇぇ……。・゚・(ノД`)・゚・。」
1主「ご先祖ってば〜…」
3主「……ひっく…ひっく…」
1主「………」
3主「……ぐすっ…」

301主×3主fromDQ主雑 3/6:2006/11/07(火) 23:44:09
1主「…………………………………や…やばい…」
3主「……?」
1主「……俺、いけるかも…」
3主「……いける??」
1主「ご先祖の泣き顔見てたら俺……男でもガチでいける気がしてきた…」
3主「……へ???」
1主「ご先祖!!」

ガバッ!!

3主「うひゃっ!?」
1主「 や ら な い か ? 」
3主「ヒィィィィィー(((゚Д゚;)))) 」
1主「イイ!怯えた顔もなんか萌える!!」
3主「…お、おい1主!冗談はよせ!!」
1主「本気だってば。ご先祖は童貞のまま死ぬのが嫌なんだろ?
   だったら、俺が脱童貞の手伝いをしてやるよ」
3主「い、いや待て。このシチュエーションって俺が掘られる役だろ?」
1主「うん。そうなるな」
3主「それって犯られても脱童貞にならないんじゃ…?」
1主「ドンマイ。俺はそんな細かいこと気にしない」
3主「俺は気にする!それじゃ掘られ損じゃないか!」
1主「まー、まー。それでも『生涯オナニー勇者』の称号よりはマシだろ?」
3主「…そ、そうか?『ガチムチ勇者』の称号もかなり嫌な気が…」
1主「それにさ、俺には一晩でローラをメロメロにしたテクがあるんだぜ?
   一度味わってみて損はないって!」
3主「そうかなぁ…」
1主「騙されたと思ってさ、俺に身を預けてみろよ」
3主「今まさにお前に騙されているような気がしてならないのだが…」
1主「……チッ、なかなか往生際の悪い……こうなったら……ていっ!」
3主「ひゃううっ!?」
1主「実力行使あるのみ!」

311主×3主fromDQ主雑 4/6:2006/11/07(火) 23:44:50
3主「ちょっ……あっ………どこ触ってんだよ、このバカ子孫!!」
1主「そのバカに弄られて気持ちよさそうな顔してるのは何処の誰かな〜?」
3主「うっ……そ…それは…」
1主「な、自分でするより気持ちいいだろ?
   これからもっと良くしてやるから、大人しくしててくれよ」
3主「………ん……でもこれって…近親相姦じゃ……ヤバクないか……?」
1 「ご先祖って俺の遠い先祖なんだろ?平気だろ、たぶん」
3主「…あっ……でもローラ姫に……んんっ………知られたら…」
 主「男はノーカウントだってさ」
3主「……でも……でもっ……あ…そこはやめ……っ」
1 「ったく、素直じゃないな。こっちの子ロト君は素直なクセに…」
3主「……………なぁ、1主…」
 主「ん、何だ、ご先祖?そろそろ観念した?」
3主「…さっきからお前、点滅してるようなんだけど……それって何かの裏技か?」
1 「……え、マジ?」
3主「うん。マジ」
  「うーん……ま、いっか。続きやろうぜ、続き」
3主「いいのか!?つか、何かさっきより悪化してるぞ!名前の表記が消えてる!!」
  「どうせ只のバグだろ?気にしない、気にしない」
3主「………はうっ!!…そ…そこは…っ!?」
   ご先祖……力を抜いて……
3主「……(゚д゚)」
   大丈夫……怖がらなくていいから…
3主「……1主?」
   痛くないようにするから、心配すんな…
3主「いやいやいやいやいや!待て!これヤバイって!なんかもうカギ括弧まで消えてるぞ!!」
   …マジっすか!?
3主「お前もしかして存在そのものが消えかかってないか?」
   うーん…そういえば意識が朦朧としてきたかも…

321主×3主fromDQ主雑 5/6:2006/11/07(火) 23:45:31
3主「…たぶんこれって、俺がお前に掘られることによって俺の結婚フラグが完全消滅し、
   お前が生まれるっていう歴史が変わってしまったんじゃないか?」
   あー、そういえば昔そんなネタがあったな
3主「やめだ。やめ、やめ!これ以上やったらお前死ぬぞ!」
   えー、これからいいトコだったのに…
3主「エッチなことは中止!消滅したくなかったら俺に変なマネすんじゃねーぞ!!」
  「……ちぇー…」
3主「…ん、今ちょっとだけ回復したぞ」
 主「あ、ホントだ」
3主「ってことは、俺の仮説は正しいってことだな。
   おい、1主。これからはご先祖様を襲おうなんて馬鹿げたことは考えんなよ」
1主「分かったよ……はぁ…」
3主「ため息をつきたいのはこっちのほうだ。
   ったく、どーしてくれんだよ、このバイキルト状態の子ロト君は…」
1主「正直スマンかった…」
3主「…はぁ……結局俺はオナニー勇者なのか…」
1主「まあまあ、本番は無理そうだけど手でならOKなんじゃないか?俺がヌイてやるって」
3主「…ん?いや、待てよ。俺が掘られる側じゃなくて掘る側ならいけるんじゃないか?
   両刀使いって言葉があるくらいだし、男を掘っても女が抱けなくなるってワケじゃない」
1主「え?」
3主「つーワケで1主!さっさとケツを出せ!」
1主「…はぁ?嫌だよ」
3主「何でだよ?さっきまで俺に欲情してたじゃねーか。
   ヤるのもヤられるのも似たようなモンだろ」
1主「だってご先祖って下手そうだし」
3主「ちょ、おまっ、ご先祖様に向かってなに失礼なこと言ってんだよ!?」
1主「それにさっきの消滅騒動で体力消耗してるしな。エッチなことする元気も無いって」
3主「お前に元気が無くても俺の子ロト君は元気いっぱいなの!」
1主「だから手でならやってやるって言ってるだろ…」
3主「このテンションは手じゃ収まらねーよ!元はといえばお前が原因なんだから
   お前の身体で責任取れ!!」

331主×3主fromDQ主雑 6/6:2006/11/07(火) 23:46:11
1主「そりゃないよ、ご先祖。ちょっと前まで俺は死にかけてたんだぜ?
   お前の子孫なんだから少しは労わってくれよ…」
3主「弱ってる俺の子孫より、元気いっぱいな俺の息子のほうが大事だ!」

ガバッ!!

1主「うわっ!ちょ、マジでやめ…」



8主「うわ―――!?しっかりして下さい、2主さん!!」
4主「くそっ、さっきから何なんだ!?」


3主「……ん?なんだか外が騒がしいな」
1主「いつもの喧嘩とは違いそうだけど…」


  「……あれ?…なんだか急に眠くなってきたぞ…」
4主「寝ちゃ駄目だ、2主!しっかりしろ!!」
8主「さっきから消えたり元に戻ったり、一体どうなってるんですか!?」
4主「新種の病気かもしれない!…8主、俺はパデキアを採ってくる!
   それまで2主を頼んだぞ!!」
8主「はい、分かりました。…2主さん、4主さんが帰ってくるまでの辛抱です。頑張って下さい!」
  「……お…おう……頑張るぞ…」



3主「……」
1主「……」
3主「……やっぱ俺、オナニーで我慢しとくわ…('A`)」
1主「早く彼女ができるといいな…」

34名無しの勇者:2006/11/09(木) 21:14:14
投下キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
掘られかける3主かわいいよ3主(;´Д`)ハァハァ

35名無しの勇者:2006/11/11(土) 17:27:42
ちょ、萌え!3主かわいい〜GJ!

36名無しの勇者:2006/11/12(日) 15:55:04
今まで31だったけど13もいけるようになったよ
3主かわいいよ3主(*´Д`)

37名無しの勇者:2006/11/13(月) 21:44:39
GJ!!久しぶりに来たらすごい萌え作品が…!
1主と3主カワユスwwあと248が一緒にいて萌え。

38名無しの勇者:2006/11/26(日) 16:04:54
GJGJGJ!
倍数に萌えまくった

39名無しの勇者:2006/12/16(土) 18:12:37
2主×3主fromDQ主雑

3主「……まずは事情を聞かせてもらおうか?」
2主「それはつまり、おれがごせんぞの上にのっかっていることについてか?」
3主「しかもベッドの上で、だ。いったい何のつもりだ!」
2主「じつはこの間、わからないことがあったんで8主にそうだんしたんだ」
3主「8主に相談するというのが間違っていると思うんだが……そのわからないことってなんなんだ?」
2主「女の方のごせんぞだけど、みんなに男の方のごせんぞとくべつがつかないとか、男っぽいと言われてなやんでるだろ?だからどうやったらたすけられるかかんがえてたんだ」
3主「それは子孫として殊勝な心がけだ。で……ま、まさか。女らしくさせるため夜這いを!……待て!俺は男の方だぞ!!」
2主「それはわかってる。それで8主が教えてくれたんだ。

2主「どうすればいいんだろう?」
8主「逆に考えてみるんです。つまり3女さんが3主さんと区別がつかないのは、3女さんが男っぽいのではなく3主さんが女っぽいのだ、と」
2主「おお!」
8主「2主さん、ここは一つ確認して見たらどうですか?」
2主「何をだ?」
8主「つまり3主さんを……」

2主「で、男の方のごせんぞを女の子みたいにあつかうように言われたんだ」
3主「……てことはやっぱり……ひえぇぇぇぇ!」
2主「あんしんしてくれ、女の子のあつかいかたは前にサマルに教わったからな!」(ttp://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1125877746/617)
3主「ちょ、俺は男だってば!」
2主「そっちももんだいないぞ」
3主「相手はもしかしてサマルか?……って脱がすなこら!」
2主「ごせんぞ、たのむからしずかにしてくれ。いたくなるぞ」
3主「う……逃げようとしても全然動けん、この馬鹿力め」
2主「おとなしくなったところで……いただくぞごせんぞ」
3主「うひいぃぃ!!」

♪チャーラーラーラーチャッチャッチャー♪

2主「ゆうべはおたのしみだったなごせんぞ!」
3主「……もうお婿にいけない……(泣)」
2主「なんで泣いてるんだ?きのうはあんなによろこんでたじゃないか」
3主「く!子孫相手にイクなんて……初代ロトのくせに不覚……」

40名無しの勇者:2006/12/17(日) 08:15:14
5主×6主

5主「ジーッ」
6主「なに人の顔を見つめてんだ?なんだか気持ち悪いぞ」
5主「ジーッ」
6主「おい、その涼しげな視線はやめろ!なんだか胸がドキドキと……ええい!」
5主「おっと失敗失敗。やっぱり誘惑するには一度殴り倒さないと駄目なのかな?」
6主「なんだかよく分からないが、とにかく不穏当なことを考えているということはよく分かった。とにかくそこに直れ」
5主「はっはっは。冷たい顔してラミアスの剣を構えるのはよしてくれよ」
6主「で、何の意味があったんだ?さっきの視線には」
5主「もちろん君を誘惑し」
6主「輝く息」
5主「熱!」
6主「誘惑するなら奥さんか3女ちゃんたちだろ!」
5主「いやいや、僕の愛は万人に平等なのさ。もちろん男性でもね!この間も城の若い兵士と……」
6主「おい、しゃべりながらにじり寄るな!」
5主「君って天空組の最初の勇者だろ?ひょっとしたら、僕や妻たちの遠いご先祖様かもしれないじゃないか。だからたまには親睦を深めようとね……」
6主「それ以上近寄るなあぁ!さもないと──」
5主「よいではないか、よいではないか♪」
6主「ジゴスパ──!」
5主「それより早く、魅惑の眼差し!」
6主「うっ!……てそりゃあ8僧の技でお前のやってるのは単なるウィンクだろうが!」
5主「ツッコミありがとう。でもその間に君を壁に押し付けて行動を封じてしまったよ」
6主「やけに説明的なセリフだな……って俺ピーンチ!」
5主「さあ、このまま僕と睦言を交し合おうか……」
6主「う、う、うわーー!!!」

キーン!
その時、6主の体が光に包まれた!

5主「ここ、これはいったい?」

そして光は急速に消えていった

5主「はて、何だったのかな?とりあえず6主は僕が捕まえたままだし……」
?6主「ううーん、捕まえたまま?ということはここにいる俺はいったい……」
?6主「あれ?そこにいる僕は誰なんだい?」
5主「どうやら危機に瀕して分裂してしまったようだね。どっちが上でどっちが下になる、いやいやそれぞれの出身なんだい?」
下6主「なんなのその表現は……
上6主「俺は上の方だ」
5主「ひょっとして……」
上下6主「「これは……」」
5主上下6主「「「チャーンス!」」」
下6主「え?」
上6主「何で5主にもチャンスなんだ?」
5主「う〜ん、僕よりも先に君たちの理由を聞かせてもらえないかい?」
下6主「つまり僕たちは今、一人が5主に捕まって、一人が自由の身という状態なんだ」
上6主「そう!この状況を利用して……」
下6主「助ける!」
上6主「逃げる!」
上下6主「「……ん?」」
下6主「ちょっと待ってよ!君は僕を見捨てるのかい!?」
上6主「あほう!お前も俺の分身なら覚悟は決めろ!それじゃあな!」
下6主「ちょ……」
5主「……とりあえず、こっちの6主から頂こうかな」
下6主「ひい〜〜!」
上6主「あう!」
5主「おや?……もう一度」
下6主「あぁ、ん」
上6主「う、くぅぅ」
5主「ふむ。こちらの6主を弄ると、あちらの6主もあえぐ。はてさて?」」
下6主「ひょっとして……体の感覚がリンクしている?」
上6主「そういえばライフコッドが襲われた時にも魔王の使いが言ってたな。一人が死ねばもう一人も死ぬとか何とか」
5主「なるほど。二人で一人、ということか」
上6主「それじゃあ逃げるわけにはいかないな。ターニアやバーバラちゃんといる時にあえぎ声をあげたりしたらドン引きだぜ」
下6主「……早く助けてくれよ」
上6主「よし!てえい!」

41名無しの勇者:2006/12/17(日) 08:15:35
バシッ!

下6主「な!」
上6主「俺の一撃を片手で受け止めた」
5主「君たち、なんだか弱くなってない?二人とも」
上6主「言われて見ると確かに」
下6主「僕なんか今は5主に片手で押さえつけられているしね」
上6主「俺もさっきだってギガスラッシュを放ったつもりなのに発動しなかった」
下6主「分裂する前は魔王の使いに勝てなかったというようなこと……?」
5主「そうときたら(ガシッ)」
上6主「は、離せ!」
5主「ふふ、両手に花とはこのことだね」
下6主「いったい何をするつもり!?」
上6主「こら!一人で十分だろ!」
5主「安心してくれ。3(ピー)は得意だからね(笑)]
上6主「伏せ字になってねえぞ!」
5主「まあまあ、二人とも平等に可愛がってあげるよ♪」
上下6主「「((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル」」

42名無しの勇者:2006/12/26(火) 15:28:26
読ませてもらいましたGJ!!!6主カワユス(*´Д`)ハアハア

43名無しの勇者:2007/01/07(日) 12:27:50
GJ!お兄ちゃんはそのままお父さんに食べられてしまえ。
もちろん性的な意味で。
しかし分裂って、色々おいしい設定だな。

44名無しの勇者:2007/01/22(月) 00:19:58
3主も6主も可愛いww両方ともすごい好き

453主×4主fromDQ主雑(避難所)0/3:2007/01/24(水) 02:58:49
4主「DQ主雑の避難所のとある長編から設定をお借りしてます」
3主「ご本人様にも許可はもらってんだが(快諾カンシャ!)」
4主「このスレに合うかは微妙だなーとちと心配」
3主「ダメなら遠慮なく言ってくれな」

4主「え、しかも長編の予感……!?」

463主×4主fromDQ主雑(避難所)1/3:2007/01/24(水) 03:00:04
この頃、4主がしょっちゅう俺の部屋に入り浸るようになった。
何をするわけでもなく雑誌を読みあさったり、壊れたパソコンの残骸を分解したり、
とにかくダラダラと好きに過ごしている。
今日もヤツは入ってくるなり勝手に戸棚からポテチを引っ張り出し、
「サンちゃんサンちゃん、これ食ってもい〜い?」
俺が許可する前に開けてしまった。
ポテチの袋を口にくわえて億劫そうにベッドまで這っていって寝転がる。
どこかボーッとした表情でテレビを眺めつつパリパリ……多少こぼしても気にしない。
普段のヤツとはほど遠い。リラックス状態を通り越して単にだらしないってもんだ。
俺はモニターに集中するポーズを取りつつ横目で様子を見てみた。
目が合った。ニンマリ笑う。綺麗な白い歯に青ノリがくっついている。ため息が出た。
「人のベッドに菓子をこぼすな」
「これマズイ。今度コンソメ買っといてー」
俺の小言もさくっと無視し、ほとんど減っていないポテチをゴミ箱に放り込む。
「食べ物を粗末にするな、って俺に言われてるようじゃ終わってるぞ」
「ねえサンちゃん、パソコンそんなに楽しい?」
ベッドをズリ落ちて、四つん這いのままノソノソと俺のもとに来る。
俺が座ってるデスクチェアをよじ登り、グデっと横から抱きついてきた。
「ねえってば。何やってんの?」
「ニュースサイトをチェックしてただけだ」
「変なの。今テレビでもニュース流してんじゃん」
「俺はこっちのが頭に入んだよ」
「入れてどうすんの」
何とかって大臣が賄賂もらってたとか、宮廷法務官の試験で大規模な不正があったとか、
確かに俺たちには縁のないニュースばかりだ。
「どうもしねえよ。それより、歯に青ノリくっついてたぞ」
「ほんと? じゃあ……サンちゃん取ってよ」
――間近で、青紫の瞳がすっと細められた。蠱惑の笑みに射すくめられる。
「取ってよ」
堕天使だの小悪魔だのといった単語が、俺の頭の隅を掠めていった。

473主×4主fromDQ主雑(避難所)2/3:2007/01/24(水) 03:01:08
ゆっくりと唇を重ねた。一応(この辺だったかなー)と舌先で青ノリ取りをする。
4主がくすぐったそうに身をよじった。なるほど、ノリ塩風味のキスは微妙だ。
次からはチョコとかプリンとか甘いものが――。
その瞬間、俺は我に帰った。ちょっと待て、なんで俺を誘う? だってコイツは8主と……。
「やっぱやめ!」
俺は4主の腕を外して、後ろにひっくり返らない程度に押しやった。
「当て馬ならゴメンだ」
ペタンと正座を崩した女みたいな座り方で、4主は俺を見上げる。
「もしかして8主を気にしてる?」
「そりゃそうだろ、あっちは本気で――」
「あはは、サンちゃん勘違いだよ。あっちが当て馬なんだってば」
酷なことをさらりと言う。コイツが何を考えているのか、俺にはもうわからない。
「お前、そこまでひどいやつだったか?」
「アレは気に入ってるけど、すぐ壊れちゃいそうでさ、気を遣うから疲れるもん」
そう言って肩をすくめる4主に、俺は呆れた。
「普段はお前の方がよっぽど繊細に見えるがな。それが全部演技だっつーんなら、
この宿舎のためにも俺がこの場で叩っ斬っとくぞ」
「なんだよ〜。全部演技だったのはサンちゃんの方じゃん。
俺、サンちゃんがこんなにデキるなんてまるで気づかなかったし」
「それは……」
「サンちゃん、人間にしてはヤル方だよね」
人間、の部分に妙にアクセントを付けて、コイツは言った。
「あのときも、俺にとどめを刺したのはサンちゃんだった。
一度吹っ切れると剣にまったく迷いが無いんだ。さすが勇者ロトだよ」
自分の胸の、中心からやや左に親指を突きつけて、4主がケラケラ笑う。
「実はまだ動いてないんだよ。マスドラさえ気づいてないけどねー」
今でも手に残っている、肉を断つ感触。心臓を一突き。
言葉を無くしている俺に、青みがかったパープルアイが不意に近づいてきた。
ついばむようなキス。俺を見つめるその瞳の中心が、昼の猫のように縦長にすぼまる。
その背中にうっすらと透けて見えるのは……まさか。
――バサッ
「責任、取ってよ。人としての俺を殺したのは、あんたなんだぜ?」

483主×4主fromDQ主雑(避難所)3/3:2007/01/24(水) 03:03:44
「4主さーん! 洗剤の買い置きがどこにあるかわかりませーん!」
突然飛び込んできたあまりに日常的なセリフに、俺は一気に力が抜けた。
「ったく、キッチンの戸棚の一番上だって前にも言ったろうがよ!」
さっきまでの妖しい空気はどこへやら、4主もいつもの4主に戻っている。
背中に妙な影も背負ってなければ、瞳の虹彩も綺麗な円形だ。
「ああもうこんな時間か。本当、宿舎に来るとゆっくりするヒマねえな俺」
ドッコイショなどとオヤジくさい掛け声とともに立ち上がる。
「3主、押入れに溜め込んでる下着類、あとでちゃんと出しといてくれよ」
「はあ……」
「晩飯どうすっかな。7主が釣ってきたヒラメがあるからムニエルにしてと……」
まったくいつもの4主だった。
「お、おい」
「ん?」
思わず声をかけたものの、次の言葉が見つからない。
あたふたしている俺に、4主はありえない返事をよこしてきた。
「ああ、さっきの忘れてくれていいから」
……ムチャ言わんでください。
「その代わり、またgdgdしにきても、いいよな?」

部屋のドアが閉じられた。
去り際の4主が残していったどこか寂しげな笑顔に、逆に俺の心臓がヤバイ状態。
「どないせっつーんだ」
デスクチェアの背もたれに全体重を預けて、俺は再びため息をついた。

49名無しの勇者:2007/01/24(水) 22:37:40
GJ! リク答えてくれてありがと〜!
続き気になるよ。たぶん続けても大丈夫じゃないかな?
元ネタ知らない人も、あの長編は読んでおいて損はないと思うし。

500/2:2007/01/24(水) 23:43:04
7主→キーファ前提の、7主→6主です。

511/2:2007/01/24(水) 23:43:21
 へべれけになってすっかりと眠り込んでいる宿舎の面々を背に、酔い覚ましにと6主は外の空気を吸いに出た。
 新しい年を迎えても何も変わりなく、むしろさらに遠慮なく振る舞う他の世界の救世主たちが、6主には好ましいものだった。
 欲を言えば、もうちょっと色気がほしいだろうか。3女ちゃんなんかももうちょっとこうばいんばいんと
「6主さん」
「ばいんっ!?」
 急に背後に立たれて、6主はのけぞった。ふりかえると、少しも酔っていない様子の7主が気遣わしげな顔をしている。
「ばいん?」
「いや、そのなんでもない。えーと、起きてたのか?」
 夜の闇の中で、頭一つ小さい弟のような少年が笑う。
「だってお酒飲むと背が伸びないぞって4主さんが怒るんで。ずっとジュースでしたからね」
「ああ……」
 妙に世話焼き体質な青年の顔を思い出して、6主も吹き出す。
「6主さんは?」
「俺? 俺はたまたま起きただけ」
 答えながら、6主はまどろみの中見た夢を思い出す。下の世界のライフコッドが魔王軍の襲撃に遭った夜。平和なはずなのに何度も繰り返し見る夢の一つだ。
 いつかこの平穏がまたなくなりはしないかと。
 7主は何も問わず、小さく頷いただけだった。そしてまた小さく笑う。
「また今年もよろしくお願いしますね」
「ん、ああ、よろしく」
 お互い深々と頭を下げて、そういえば新年会だったんだよな、と6主は思った。
「猪年でしたっけ、今年は。猪突猛進ですね。羊猛進とかの方がいいと思うんですけど」
「いやそれお前だけだから」
「そうですか?」
 互いに笑い合って、ふと、7主が妙に緊張したような顔つきをしたのに気がついた。

522/2:2007/01/24(水) 23:43:52
 昔なら気付かなかっただろう変化だが、なんとなくわかった。付き合いは長い。
「どうかしたか?」
「……」
 少し寂しげな笑顔が返ってくる。
「僕は、少し押しが弱いところがあるようで」
 ぽつり、ぽつりと語り出す言葉が、いつもにまして弱々しく聞こえた。
「行かないでって、とうとう言えなかったんですよ。好きなひとに。行かないでって言えたら、何か変わってたのかなあ、と思って」
 その言葉に、少年キーファを思い出した。利発そうで元気で、信念を曲げないイメージだった。行くなと言っても行ったろう。そう思ったが、口をつぐんだ。
「でも、過去のことばっかり考えてるのはよくないと思ったんですよね。羊、じゃないや、猪みたいに真っ直ぐ、押しを強く。それが僕の今年の抱負です」
 えいえい、と空に向かってパンチを繰り出す。その頭に、6主はそっと手を乗せた。
「無理しなくていいぞ」
 不意をつかれて涙を湛えた目が、6主を見上げた。すぐにうつむくが、涙声は隠しきれていなかった。
「ずるいなあ、6主さん」
 しばらく控えめな嗚咽を聞きながら、6主は7主の頭を撫で続けた。
「……僕は」
 落ち着いた頃、7主は再び言葉を紡ぎ出した。
「もう後悔はしたくないな、と思ったんです。言わないでああだったらって考えるより、動こうって」
 6主はできる限り優しく、そうだな、と答えようとした。その言葉が発せられるより先に、7主の言葉が届いた。
「6主さんが好きです」
「はぇ?」
 ぱちくりと目を丸くする6主を見て、7主は隙あり、と少し背伸びをした。ふに、と頬に温かいものが重なる感触。
「よくわかんないけど、好きです。えっと、お兄ちゃん……」
 お兄ちゃん、というワードを使われて、上目遣いで見られて、心臓がどかんと爆発したような気がした。ついでに下半身も。
「そんじゃお休みなさい! 今年はアタックしますよー」
 ちょっと前かがみのまま取り残されて、6主はその場にぱったりと倒れこんだ。
 結構まんざらでもないなあ、とかなんとか呟きながら。

53名無しの勇者:2007/01/25(木) 10:14:54
>>45-48
仕事速いな!GJ!
続きが激しく気になる(*´Д`)

54名無しの勇者:2007/01/26(金) 21:25:05
いっぱいキテタ━━━━━━(*゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
上の3×4と7→6は同じ人?
どっちも萌えたよ!

>46-48
小悪魔な4主モエス(*´Д`)4主色っぽいよ4主
プリンで思い出される当て馬8主もモエス
避難所のネタでも思ったけど、3主の前でだけ素になる4主って萌えー

>51-52
7主の告白台詞にこっちまでキュンときた
背伸びする7主かわいい。素直な7主かわいい(*´Д`)

5546-48:2007/01/27(土) 11:41:11
>>49 >>53 >>54
3主「レスありがとさん!」
8主「>>51-52様は別な方ですね。
   あのような激メロカワイイ神7主さん、うちの中の人は逆立ちしても書けません」
4主「ちなみに避難所のも別なお方だよ」

3主「さて、どうも長くなりそうなのでタイトルつけることにしたぞ」
4主「これでいちいち中身を確認しなくとも手軽にスルーできるな」
8主「スルー前提で投下しないでください」
3主「んでタイトルだが、【Ligament】だ。読み方はリガメント」
4主「おい、意味が【靭帯】になってるんだが……」
8主「テキトーに付けたんじゃないんですか?」
3主「違う! 他に【きずな】って意味もあるんだ!」
4主「このメンツで」
8主「きずなとかほざきます?」
3主「ああもういいわ! このひねくれどもめ!」
48主(こいつにだけは言われたくないなぁ)
3主「では本編スタート!」

56【Ligament】[2] 1/3:2007/01/27(土) 11:42:25
お前はすでに死んでいる。なんて懐かしいフレーズを思い出してしまった。
『自ら命を断つことも自然淘汰の一環、ザオリク対象外なんだ』
5主の言葉の通りなら、今目の前にいる彼は、いったいなんなんだろう。

「本当はさ、もしやとは思っていたんだ」
俺がそう切り出すと、共有テラスで洗濯物を干していた4主はひらりと手を振った。
「だから忘れてくれって言ったろ。ちょっと意地悪しただけだ」
「そう言われてハイそうですかってワケにいかんだろうが」
4主の“自殺”を手伝ったのは俺だ。
俺は王者の剣がコイツの急所に届く前に、寸止めしたつもりだった。
確かに仲間を殺されて逆上していたから、殺意に近いものはあったが、
それでもコイツを本気で斬れるわけがない。
だが4主は自分から倒れこんできたのだ。
最初から覚悟を決めていたような、清廉な笑みが浮かべて。
「ひでえよな。伝説の勇者に自殺幇助なんかさせんなよ」
「悪い。なんとなく、あんたなら大丈夫だと思ったから」
パンっと真っ白に仕上がったシーツを広げ、物干しにかける。
そのまま冬の薄い青空を見上げて、彼は一つに結っていた髪をほどいた。
男にしては華奢なその肩に、さらりと翠の髪が流れ落ちた。
「3主なら、ちゃんと殺してくれると思ったから」
「……どうせ甘えるなら、もっと早くしてくれよ」
エビプリの野郎の狡猾な罠も、ただの引き金に過ぎなかったはずだ。
あんな風に追い詰められる前に、ひとことでも俺に言ってくれてたなら。
俺は絶対にお前を守ったのに。

57【Ligament】[2] 2/3:2007/01/27(土) 11:43:06
「それで、どれくらい保ちそうなんだよ」
共有テラスから3主さんの声が聞こえてきた。
いつもアホなことばかり言っている3主さんにしては妙に深刻な声だったから、
僕はつい陰で聞き耳を立ててしまった。
やや間があって、答えたのは4主さんの声だ。
「わかんねえ。このまま一生、今まで通りの生活ができるかもしれないし、
次の瞬間には消えてなくなるのかもしれない。逆に何百年もこのままかも」
その内容に僕は耳を疑った。なにが、なんだって?
「生き返らせる方法は本当にないのか」
3主さんが問いを重ねる。シリアスな口調もそのままに。
「わからん。おかしいよな、ちゃんとここにいるのに生きてないんだもんな」
「頼むから、消えないでほしい」
「俺だって嫌だ」
「世界樹の花ってやつ、探してみるか?」
「千年に一度だと聞いてる。確率はかなり低いだろ」
――なんてことだ。
「3主さん、4主さん、本当にシンシアさん消えちゃうんですか!?」
僕はたまらずに飛び出した。
3主さんと4主さんは、ポカーンとした顔で僕を見た。

4主さんは一瞬、視線を斜め下に向けたあと、近づいてきて僕の肩をつかんだ。
「皆にはまだ黙っていてほしい。彼女が何も言わないうちは」
「じゃ、じゃあシンシアさん本人の意思かもしれないんですか?」
僕の言葉に、4主さんはつらそうに目を伏せた。
確かにそれが彼女の決断だというのなら、止めることは難しい。
でもそれじゃあ4主さんが悲しすぎる。あんなに仲良くしていたのに。
「なんとかしましょうよ、ちょっと死んでるくらいなんだってんですかッ。
 今までずっと一緒にいた大切な人を、そんな簡単に諦めたらダメです!」
「ッブハー! アーッハッハッハッハ!」
いきなり盛大な笑い声が聞こえてきた。3主さんだった。目の端に涙まで浮かべている。
その不謹慎さは、僕を一瞬でSHT状態にするには十分だった。

58【Ligament】[2] 3/3:2007/01/27(土) 11:43:56
8主の会心の一撃を食らい、3主は奥の手すりを越えて盛大に吹っ飛んでいった。
そういえばここ最上階だったっけ。ヤツは庭に転がったまま動かないが、まあいいや。
「まったく、時と場合を考えろってんですよ!」
咄嗟にごまかしてみたが、仲間のことで真剣になるとコイツはとたんに直情型になる。
腹黒錬金術師なんて異名を持ってるが、根は俺よりよっぽどイイヤツだろう。
「8主、ありがとな」
「だ、だって落ち込んでる4主さんを煽ってもつまらないし……」
はいはいツンデレツンデレ。信号カラーの半竜も、今日はかわいいじゃないか。
だからこんなことをお願いするのは、少し気が引けるのだが。
「8主、頼みがある」
俺の言葉に、アイツはやや緊張した面持ちで「はい」とうなずいた。
「シンシアのことは少し冷静に考えを練るから、今はおいといてくれ。
 当座の問題は俺の方なんだ。いろいろあって気持ちが不安定でさ。
 もしなんか俺の様子がおかしいなと思ったら、落ち着かせてほしい」
「わかりました。どうすればいいんですか?」
「ああ、こうやって――」
8主の顔を両手で挟んで、俺はついっとキスをした。案の定カタまったから、
それをいいことに強めに吸ってみる。ふむ、ごちそーさん。
「……ぼぼ僕なな7主さんに頼まれてゆゆ夕飯のホホッケの一夜干しを」
そういやここの隅に干してたな。あれを取りに来たのか。
「でではまままたごごごききげんよよう〜〜」
8主はホッケを取ると、デキの悪いロボットみたいな動きで去っていった。

口の中にアイツの唾液が残っている。大切に飲み下して、約2秒。
さっきからうずいていた背中の痛みが止んだ。やっぱりそうか。
そばにいるだけでも効果はあるが、直接的に摂取したほうが効きはいいみたいだ。
――俺は確実に別な生き物に変わりつつある。身体の変化もそうだが、精神的にも。
アイツを殺して喰ったら治るかな〜、とか平気で考えるようになってきた。
それを抑えているのが、あのとき奇跡を起こしてくれた8主の存在なのだから、因果なものだ。
まったく、ちょっと勇者をやめたいと思った罰がこれですか、カミサマ?

59【Ligament】[2] おまけ:2007/01/27(土) 11:44:44
4主「サンちゃんサンちゃん。この話ちっともエロくな〜い」
3主「出た誘い受け魔王。コラしだれかかるな」
4主「サンちゃんカッコつけて焦らすなら、俺8主にいっちゃうよん?」
3主「コラ耳に息を吹きかけるな」
8主「ちょっと4主さんってば!」
4主「8主か、どうした?」
3主「あ、素に戻った」
8主「僕は殺されて喰われちゃうんですか?」
4主「いや血肉じゃなくても。痛くない体液もいろいろあるし」
8主「痛くない体液て……アワワワワ////」
3主「この組み合わせで8主が純な設定は珍しいかもなぁ」
8主「タマネギ持ち歩いていつでも泣けるようにしとくかな」
4主「やめろ、宿舎の食材を無駄にするな」
3主「どっちもそういう問題かよ」

60名無しの勇者:2007/01/27(土) 12:30:53
全身全霊でGJ!
もう自分の中でエロ食物連鎖が止まらないよボスケテ

61名無しの勇者:2007/01/27(土) 16:45:39
ちょwww普通におもしろいんだけど
あの神長編の人とは別人なんだよね?

62小ネタ:2007/01/27(土) 22:38:03
5主「そう、上手だぞ二人とも…2主、今度はそこに指を入れて」
2主「こう、か?」
4主「ん……」
5主「あんまり力を込めると切れてしまうから優しく扱うんだぞ。
  4主、そう、ゆっくり広げて。自分でできるね……?」
4主「ちょっと、難しい……」
5主「仕方がないな、こっちにおいで」
7主「はいサ」
8主「くぁwせdrftgyふjっじkなにやってんですか!」
7主「8主さん落ち着いて8主さん!って、
  ……それ、なんですか?」
5主「これは折り紙と言って異国の遊びだよ。色々な形を作れるんだ。ちなみにこれは鳥」
4主「色も綺麗でいいな」

8主(……よかった、けどなんか複雑な……)
7主(僕、やっぱりムッツリスケベなのかな……)

63名無しの勇者:2007/01/27(土) 22:48:43
>56-58
エロくないのになんかエロいよ!!
誘い受け魔王テラエロス!キスだけなのにエロス!!
あと純情な8主かわいい(*´Д`)
8主は4主の方から迫られると急に乙女になりそうなイメージがあるw

>62
5主の言い方がエロすぎて噴いたwwww
手取り足取り腰取り教えてそうだw

64【Ligament】[3] 0/5:2007/01/28(日) 19:29:07
3主×4主←(?)8主fromDQ主雑

3主「まずは恒例 >>60>>61>>63様 レスサンクス!」
4主「>>61様のおっしゃる『神長編』が避難所454〜のことなら、違う人です」
8主「話変わりますが、このシリーズ348の三角関係って設定でしたよね」
4主「言っとくが直角二等辺三角形だから。そこんとこ大事」
3主「一応、基本は3主×4主らしいがな。まだ俺なにもしてないが」
8主「どっちもどうでもいいです。そんなことより激しく重大なことがあります!」
34主『なんだよ』
8主「この話4主さん総受の設定なのに、なんか僕の方が受けっぽいんですけど」
3主「それはお前がヘタレだからじゃねえの?」
4主「俺ですら襲いたくなるしな」
8主「|||orz ……クックルにカリスマの上げ方教えてもらうかな。クスン」

65【Ligament】[3] 1/5:2007/01/28(日) 19:29:42
今日も翡翠色の髪の少年は、俺の部屋でダラダラとやっている。
俺だけに見せる、無防備で甘ったれな裏の顔。いつからこうなったのか。 
例の事件のあとにも兆候はあった。ネットの件でも俺への評価を変えたようだが、
たぶん一番の理由は、その二つの出来事の間にあった、あのことだったと思う――。

「そんなとこで何やってる。風邪ひくぞ」
宿舎の近くにある公園のベンチで、見慣れた緑頭がうつむいていた。
何の気なしに声をかけた俺は、顔を上げた4主が今にも泣きそうだったので驚いた。
「どうしたんだ?」
「いや、いい加減『可哀想なキャラ』辞めようと思ったら、ちょっと失敗しちゃってさ」
これ以上宿舎のみんなに迷惑はかけられないし、と4主は言う。
「いろいろ考えてたんだ。たぶん周囲も俺自身も、俺を悲惨に思わせてるのは、
 白黒はっきりしない状態が未だに続いてるからじゃないかって」
「その辺のけじめはついたんじゃなかったか?」
俺たちを相手に散々大暴れして、4主も随分すっきりしたように見えていたんだが。
「ほとんどついてる。でも全部じゃない。だからピサロのとこに行ってきたんだ。
 こないだの謝罪も兼ねて、今まで聞けなかったことを確認してきた」
彼はそこで一呼吸おいた。
「魔王たるあいつが……本当にモシャスなんかで騙されたのかって」
「シンシアが命懸けで成した奇跡だろ。お前が否定してどうする?」
思わず語調が強くなった俺に、どこか疲れたように首を振る。
「現実は甘くない。俺が嫌というほど叩き込まれたことだ」
それで?と先を促すと、少年は少しかすれた声で答えた。
「あいつ、ほんの一瞬目をそらしたんだ。気のせいかも、しれないけど」
俺は空を仰いだ。つまり当時はレベル1の取るに足らない勇者の卵を、
P様は気まぐれに生かしてみることにした。シンシアはそのお遊びの犠牲だった、と。
「でも次の瞬間には『不覚だがまったく気付かなかった』と言い切ったし……」
「じゃあヤツを討つ口実を作りたがってる、お前の醜い被害妄想だろうが」
何かにすがり付く様な4主の言葉を、俺は途中で遮った。
もうやる事は決まっていたから、俺はさっさと切り上げることにしたのだ。
黙りこんだ4主に、『信じる心』でも使っとけよと言い捨てて、俺は宿舎に戻った。

66【Ligament】[3] 2/5:2007/01/28(日) 19:30:13
宿舎のリビングでまたカルピスに心血を注いでいた1主が、珍しげに俺を見やった。
「ご先祖が外出なんて珍しいな。ん、またどっか出かけるのか?」
「ちょっとな。6主は…そこに寝てるな。5主はいないか?」
「呼んだかい?」
5主が隣から顔を出す。マドレーヌの乗った皿を持っているところを見ると、
これからティータイムだったらしい。
「すまん、ちょっと付き合ってくれ」
悪いと思ったが、2人を強引に出口まで連れていく(一人はそのまま引きずった)。
ちゃっちゃとルーラ。軽い酩酊感があったあと、風景が一変した。
「モグモグ……どこだっけここ? この禍々しい城は見たことあるなぁ」
咄嗟にマドレーヌを取ったらしい5主が、のんきにあたりを見回した。
「ふぁ〜あ、いきなりなんだよー。いいところを起こしやがって」
6主もようやく目を覚ましたところで、俺は「デスパレスだ」と短く伝えた。
ピサロに会いに来たというのはそれだけでわかる。6主が首をかしげた。
「でもなんでこのメンツなんだ」
なぜかって?
万が一のとき、説得力と戦闘力の双方から俺を止められる人間が必要だからだ。

「私になんの用だ。いきなり抜刀するとは不躾ではないか、異世界の勇者よ」
相変わらず偉そうな銀髪野郎に、俺は至近距離で剣を突きつけたまま、核心から切り出した。
「あんた、偽りの勇者と知りながら身代わりの娘を殺したって本当か?」
後ろで天空組の2人がハッと息を飲む。5主が遠慮がちに声をかけてきた。
「それは本当か3主? でも剣はしまえ、彼はもう敵じゃないんだろ」
敵かどうかを決めるのはこれからだ。
「どうなんだ――答えろ魔王」
「だとしたらどうする?」
不敵に笑う魔王に、俺は安堵した。本当に自分の愛する女性と同じ種族の……
同じ年頃の娘を平気で殺したというのなら、話が早い。
「いい外道っぷりじゃないか。勇者が討つには十分な理由だ」
「ふん、あの甘ったるいお人よしにそれができると思うか?」
「できずに悩んでるよ。だから代わりに、俺が来たんだ」
次の瞬間、ピサロの右の手首から先が、宙を飛んでいた。

67【Ligament】[3] 3/5:2007/01/28(日) 19:30:42
返す刀で、同じ右腕の肘から下を斬り飛ばす。どうせなら左腕をいったものかと迷ったが、
万が一くっつかなかったときのことを考えてやめておいた。
ヤツは声こそ上げなかったものの、驚愕の目で俺を見た。
まさか俺が――4主の仲間が、本気で斬るとは思っていなかったのだろう。
「腕1本落とされれば状況もわかったろ。さて魔王さんよ、次はどこを斬ろうか?」
「やめろ3主! どっちが悪者だかわかんねえぞ!」
6主が俺の腕をつかむ。普段は夢遊病気味のバカ王子だが、戦闘能力はすごい男だ。
ぼやっとした雰囲気から一転、いつでも必殺の一撃を繰り出せる気迫と集中力が全身を包む。
だから俺は安心して、ピサロと対峙することができる。俺は銀の魔王を見据えたまま続けた。
「勇者と魔王。立ち位置が違うだけの肩書きに、ピサロ、貴様は何を懸けてきた?」
「っく。矜持、だったはずだがな」
「だったら、なぜ最後まで貫かない。討つべき敵としても在れず、
 仲間としても貴様はあいつを裏切った。なぜ、半端に悟らせるような真似をした!」
――今にも涙があふれそうになっていた、深い青紫の瞳がオーバーラップする。
切り裂かれるようだっただろうその胸の内を思うと、このバカ魔王は殺しても飽き足らない。
「私とて完璧ではない! 私に罪の意識が皆無なら、気付かせずに済んだはずだ」
言い訳がましいピサロの言に、俺はつばを吐いた。
「それが通用するとでも? あいつは血を吐くような思いで貴様の元まで這い上がった。
 そして超えたにも関わらず、許すことを選んだ。これ以上甘えられる立場か」
「落ち着け3主、俺たちが口を挟んでいい問題じゃないだろう」
冷静さを取り戻したらしい5主が、6主の反対側から俺の肩に手を置いた。
「そういうわけにはいかない。本人に頼まれたことだしな」
「本人って……なに、4主にか!?」
仲間2人に動揺が走る。そのスキに、俺は再びヤツに斬りかかった。
「半端な宿敵なんぞ無用だ、あいつの真の幸福のためにも……死ね」
「3主!」

「――長い付き合いだからな。言わなくてもはっきり伝わってきたぞ」
雄々しい造りの王者の剣と、対照的に優美な意匠の天空の剣が、交錯する。
「頼む、やめてくれ」
ようやく来たか。どんなに俺がピサロの無神経さに腹を立てたとしても、
こればかりは、4主が自分自身でケリをつけなきゃならん問題だからな。

68【Ligament】[3] 4/5:2007/01/28(日) 19:31:10
「誰か自分の代わりにピサロを殺してくれと、俺には聞こえたんだがな」
意地悪にそう言ってやると、彼は剣をおろして、困ったように笑った。
「その通りだ。でもやめてくれ。俺の方が半端だっただけだ、あいつは悪くない」
「違う、両方悪い。二人で反省してな」
後ろを振り返ると、天空組は顔を見合わせて肩をすくめた。
「まったく、こういうことなら最初に説明してくれよ、3主」
5主が苦笑する。だが一国を治める器の5主に、どうせ余計な説明など不要だろう。
実際すでにしっかり流れを理解していて、この場を立ち去ろうとしている。
「大丈夫かピサロ、今回復するよ。すまない、まさかここまでするとは思わなかった」
「お前の友人は本当に手厳しいな。この私がロクに言い返せなかったぞ」
「俺もガッツリ叱られちまったよ。――さて、ちゃんと話し合おうか?」
「そうだな。あんなとんでもない人間に斬られるのは、私ももう遠慮したい」
二人のやり取りを背中に聞きながら、俺たちは外に出た。

「3主ちゃーん、もう普通に戻ってるぅ?」
恐る恐る声をかけてきた6主に、俺は思わず吹き出した。
「戻るってなんだよ、二重人格とかじゃねえんだぞ?」
「でもあれはマジ怖いって!」
5主もうんうんとうなずいている。
「君は本気になると底冷えするようなキレ方をするね。何があったの?」
「4主が半端にウジウジしてるから渇を入れてやったんだよ。覚悟が無さ過ぎだ」
覚悟ってなにが?と6主に問われ、俺は自分の考えをストレートに口にした。
「勇者なんて無用の長物だってことさ。世が平和なら要らんのよ、こんなもん」
俺の返答に5主がため息をつく。その勇者の父として、思うところがあるのだろう。
所詮「勇者」なんてもんは、乱世の末期に希求される忌み名に過ぎない。
特に俺と4主は、生まれながらに勇者の十字を架せられ、それを降ろせない立場の人間だ。
だから「無用」を背負って生きるだけの、絶対的な覚悟が必要なのだ。
6主がつぶやいた。
「以前あいつも、人間やめても勇者はやめられなくて、死のうとしたからな……」
今でも鮮明に蘇る感触。斬った瞬間の、押し潰されそうなほどの罪悪感と喪失感。
――そう、あんなのはもうたくさんだ。だから4主には強く生きてほしいと願うんだ。

69【Ligament】[3] 5/5:2007/01/28(日) 19:31:36
4主が宿舎に戻ってきたのは、その夜更けすぎのことだった。
「おかえり」
リビングのソファから声をかけると、人が起きているとは思わなかったんだろう、
彼はびっくりした顔のまま、ぎこちなく「ただいま」と答えた。
「ピーちゃんときちんと話ツケてきたか?」
読みかけの漫画に再び目を落とし、相手の方を見ずに問う。
4主はおずおずといった雰囲気で近づいてきて、俺の後ろに立った。
「うん。彼女が死んだ後で正体に気付いたけど、エルフと知ってわざと見逃したって。
 シンシアとロザリーを重ねた瞬間に、もう勝負はついていたんだなって苦笑してた」
「へえ。で、トモダチにはなれそうか?」
間があった。首を回すと、彼は口を両手で押さえて肩を震わせている。
夜中だから遠慮しているのだろうが、耐え切れなくなったのか盛大に笑い出した。
「あははは! 何言ってんだ、絶っ対ムリに決まってんだろ!」
5分もしないで喧嘩になったよ、と腹を抱える4主に、俺もつられて笑った。
「そりゃそうだよな。ところで腕はくっついたか」
「大丈夫、切り口が綺麗だったからベホマで一発だった。さすがだよ」
それから後ろから肩を抱きしめられた。
「ありがとう」
耳打ちされた謝辞に、俺はポンポンと緑頭をなぜてやった。
「気にするな」
と、4主は何を思ったのか、いきなりソファを乗り越えてきた。
そのまま半回転して背中から落ち、俺の脚をまくらに仰向けに寝る。
衣服が落ち着かないのか少しの間モゾモゾやって、それからニヘラっと笑った。
「ねえ……サンちゃん」
サンちゃん? 聞きなれない呼称に俺は戸惑った。
光の加減か、青紫の瞳の中心がキュッと縦に細められた気がした瞬間、
「お礼の代わりね」
4主の腕が上がり、俺の襟元をつかんでグイっと引き寄せた。
決して深くも長くもなかったのに……ひどく淫らがましいキスだと思った。

4主が俺の部屋に本格的に入り浸るようになったのは、このあとからだ。

70【Ligament】[3] おまけ:2007/01/28(日) 19:34:00
4主「いーやー!! もう嫌だ! 全然エロが無いじゃん!
   サンちゃん俺を欲求不満で殺す気か!!??」
3主「しょうがねえだろ回想シーンなんだから。コラ服を脱がそうとするな」
4主「回想シーンがどうしたよ! 俺そんなに魅力ないワケ!?」
3主「落ち着けエロ受け魔王、そういうことじゃ……ッハ!」

 |
 |Д`)・゚・。 …デバンスラ…
 |⊂
 |

3主「8主か。ほら、そんなとこにいないでこっち来い」
8主「ヒドイですぅぅ! 0/5とおまけだけって、なんなんですかこの扱い!」
4主「しょうがねえだろ回想シーンなんだから」
3主「ちょwwwおまwwww」
8主「もう本編なんか無視で4主さんを襲って……!」
4主「悪い、なんか興が冷めたからまた今度な。さて夕飯の支度をせねば」
8主「||!|!orz!|!||」
3主「……イキロ」

71名無しの勇者:2007/01/29(月) 00:55:43
>62
ちょwwww8主慌て過ぎwwwww
4主の反応えろいwww

>65-69
3主かっけえええ!!!GJ!!!
そりゃあ4主もおちるわ

ロビーに書き込んでたけど、投下ペースは気にしなくていいんじゃないかな?
気にせず割り込む気まんまんでSS書いてる人間がここにw
むしろ続きが気になって仕方ないです
三角関係萌え(*´Д`)

72名無しの勇者:2007/01/31(水) 00:37:53
>65-69
3主のことはとくになんとも思ってなかったのに
一連のシリーズで急速に萌え対象になったよ。


あと出番なくても8主かわいいよ8主
8主は4主好きすぎて乙女すぎて困る

738主→4主 0/4:2007/01/31(水) 23:55:43
8主→4主の媚薬エロネタ投下します。
すいません、多分続きます。

748主→4主 1/4:2007/01/31(水) 23:56:33
部屋に帰ってきたのが10時頃。
遅かったですね、なんて平然とのたまう不法侵入者の頭をはたいて、
追い出そうとして結局酒とツマミに懐柔されて、
小さな宴が始まったのがその15分後。

8主曰く久しぶりの自信作という
アヤシイ釜から出てきた創作チーズは
城からくすねてきたらしい年代物のワインによく合った。
一瞬、こいつの錬金したものなんざ
何が入ってるか分かったもんじゃないとも思ったが、
まぁ、ヤツ自身も手を付けていたし、大丈夫だろう。
……そういえば、最初の数口以降あまり食べてなかった気もするが……。
まぁ。大丈夫。多分。

無警戒に箸はすすみ、酒もよくすすんだ。
そのせいか、いつもより妙に早く酔いが回り、意識が虚ろになり、
ふと気付くと、さっきまで正面にいたはずの男がいつの間にか横にいて、
いつの間にかその肩に頭をあずけてウトウトしていた。
やたら眠い。
それ以上に熱い。
体の芯が妙に熱くて、熱くて、熱を追い出そうと何度も息を吐くが、追い付かない。
自然息が荒くなる。
苦しい。
熱い。
火照った頬を冷えた頬に押し付ける。
その触れる感触に、冷めるどころか一層何かが燻る。
熱い息を吐いて、何か肩を掴まれ、それにまた息が洩れ、
瞬間視界がどこかへ飛んだ。

758主→4主 2/4:2007/01/31(水) 23:57:11
紫の双貌が呆けたようにこちらを見上げる。僕の腕の下で。
上気した頬におそるおそる触れると、んぅ、と声を出して切なげに目を細める。
少し薬が効きすぎたか。
僕の服をキュゥと掴む手を、それが、
怪しまれない程度には口にしたあのいかがわしい効能のチーズよりも、
はるかに僕の理性を吹き飛ばすことを、
この人は分かっているのだろうか。

浅く開いた唇にしゃぶりつきたい衝動を抑え、そっと頬を撫でる。
ビクリと体が動き、悩ましげなため息が洩れる。
すべらかな感触。湿った髪が指先に絡む。
「どうしたんですか?」
「え……」
何か、様子がおかしいですよ、と努めて平然と囁くと、
ぁ……と、吐息のような声をあげた。
「なんか……酔った……か、な?」
あっつい。そう言いながら頬を包む僕の手にそっと触れる。
指先が絡まる。
「手、きもちいい……」
目を細めて頬を擦り寄せる。
肌が擦れる度、はぁ、と鼻にかかった息が洩れる。
熱いため息が頬を霞める。
咽が、無意識に音を立てる。
「お酒弱いんでしたっけ?」
うるさいくらい高鳴る鼓動をなんとか無視して、
努めて冷静に、平然と、空いている方の手を首筋に触れさせる。
頬以上に熱く、しっとりと手のひらに吸い付く。
ひときわ熱い息を吐いて身をよじらせる。
「……くすぐってぇ」
明らかにそれとは違う表情で抗議する。
指先を遊ばせると、眉間の皺が深くなる。
目をギュッと閉じて、時折体を震わせる。

768主→4主 3/4:2007/01/31(水) 23:57:50
「こことか」
耳元に唇を寄せる。
「ん……っ」
「すごい熱くなってるんですけど」
「ぅあ……あ、」
「こっちとか。すごいかも」
「あ、ぁ、……ん……ッ!」
熱い息を吹きかけて、何食わぬ顔で舌先を触れさせて、
服の中に手をもぐりこませて、
まさぐって、這い回って、唇で吸って、
その度気持ち良さそうな声をあげる。
目を反らしたまま潤ませて、やぁ、とか、はなせ、とか、
溶けそうな程甘ったるい声で、息を荒げて身をよじる。
「あ……!そこ……」
「ここ?」
「あ、ぁ、」
「乳首、いいんですか?」
「ば、やめ……!んぅ……っ」
「好きなんですか?この辺」
既に硬くなったそこをコリコリと転がす。
舐める。
押し殺した矯声。
舌先で弄って、吸って、また優しく舐める。
媚るような甘ったるい抗議。
少しきつめに吸い上げると、首を振って嫌がった。
「そこ……も、いじんなって…なんか、やだぁ……」
涙目で訴えられる。
目があったまま舌先でつついて見せる。
触れる度、あ、あ、と矯声を洩らす。
「そんなに嫌ですか?」
「や、つってんだ…ろ……んぅ……」

778主→4主 4/4:2007/01/31(水) 23:59:10
「嫌そうに見えないんですけどね」
「ぁ、や、……」
キュ、と摘むとまた声をあげる。
涙がポロポロと零れ落ちる。
「も……なんだよこれぇ……」
その雫に、
「マジわかんねぇよ…なんか……」
瞳に、何か、
「なんか…あっついし……苦しいし……」
何か、良くないものが
「体、どこ触られても変な声でるし……」
「でも、なんか全然足りねぇし……」
「むしろ、逆に……」
「……ホント、何だよ……これぇ……」
暗い愉悦が背筋を走る。
理性が音を立てて切れる。

熱い手を引き寄せる。
頬を寄せ、唇を寄せ、舌を寄せる。
ちゅ、くちゅ、と水音をたてながら指先を口に含む。
舌と歯で愛撫すると、また高い声を出して身をよじる。
「気持ち良いですか?」
「ば……!」
「気持ちいいんでしょう。でも、ここじゃ足りないんですよね?」
「あ、……ふっ…」
「もっと別のところ、いじって欲しいんでしょう?」
「あ……」
「じゃあ」
どこをどうして欲しいのか、先に4主さんがしてみせて下さい。
耳元で囁いてそっと促すと、ノロノロと起き上がり、僕の腰にしがみついて、
おぼつかない手つきでベルトをはずし、衣服を剥き、
既に硬くなった性器を躊躇いもなく口に含んだ。

78名無しの勇者:2007/02/01(木) 19:45:31
エロキター!!! 言いなり4主テラカワユスww
覚悟キメてるくせにどっかビクビクな8主萌えwww

79名無しの勇者:2007/02/01(木) 20:32:19
続きはまだですか(;゚∀゚)=3

80続きを待つ間に小ネタ:2007/02/01(木) 20:40:45
3主「おうちにかえろ〜ぉぉ♪シチューをた〜べ〜よぉ……ん?」

3主「台所の方からよからぬ声が聞こえる……」

5主「もうこんなにきゅっと締まって。そろそろいいだろう?」
7主「まだです……待ってください」
3主(ちょ、若妻プレイktkr!(;゚∀゚)=3ハァハァ)
5主「ああ、赤くなってる。とても魅力的だ」
7主「あの……」
5主「こりこりと歯を立てて、吸い付きたいな」
3主(おおっ、エロスエロス!)
7主「5主さん……」
3主(焦らすなあ、早くやっちまえよ)

7主「そんなにサロンにぶちこまれたいんですか?
   たかが魚介類で興奮しすぎです」
5主「グランバニアは漁業が発達していなくてね。ああこのエビのぷりぷり感!」


        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄

1主「なにしてんだご先祖。お、今日はシーフードカレーか」
3主「俺溜まってんのかなー……」

81名無しの勇者:2007/02/02(金) 00:04:04
84エロGJ!!!!1!!
為すがままな4主がエロス!!
小悪魔な4主も魅力的だが
無自覚フェロモン天使な4主もイイ!

82名無しの勇者:2007/02/02(金) 23:52:25
>>80
珍しくサロン大王がミスリーディングをする側になってるwww
3主! 素直に言えば相手は周囲にいくらでもいるじゃないwww

83【Ligament】[4] 0/4:2007/02/03(土) 01:24:26
3主×4主←(?)8主fromDQ主雑

4主「まずは御礼、>>71様、>>72様、レス感謝です」
3主「>>81様、こんなうちの小悪魔を気に入っていただいてありがとう」

4主「それにしても……つまんないなあ」
3主「なにが」
4主「誰かさんがカイショーなしだからさぁ。ちーっとも発展しないんだもん」
3主「そりゃお前、あんまりあからさまに迫られても可愛げっつうもんがさ。
   かえって引くっていぅぶぼべあ!」
4主「サンちゃんのバカぁ!!」ダダダダ!!
3主「……ちょ……一撃でHP1……誰か……ベホマ……」

8主「4主さん!? どうしたんですか!?」
4主「……あ、あれ? いや何でもない」
8主「でも泣いてるみたいじゃないですか!」
4主「いや本当に大丈夫。なんかお前の顔見たら落ち着いた」
8主「え? もう4主さんったらぁ、実は僕のこと信頼しまくってるんですね。
   顔を見たら落ち着いた、なんて」
4主「そういうのでもないんだが……うん、冷静になった。ありがとな」
8主「いいんですか? ま、困ったことがあったらいつでも相談に乗りますよー」

4主「サンちゃんゴメンね、やりすぎた」
3主「いや、俺も悪かったよ」
4主「うん♪」

8主「なーんか大きなチャンスを逃した気がしてしょうがない……。
   ひとまず本編スタートです」

84【Ligament】[4] 1/4:2007/02/03(土) 01:25:09
最近4主の方から誰かに絡むことが多くなった、と7主から相談された。
「エロ撲委としては見過ごせないんだけど、なにせ4主さんが相手だから」
怖くてお得意の羊軍団も呼べないそうだ。
そもそもこのスレでエロ撲委は無謀じゃないかと思ったが、それ以前に、
4主がサロン発言を他の連中の前でもしている、という事実が気になった。
――俺のこんな姿を見せるのはサンちゃんだけだよ。
アイツはそう言っていたんだが。
「わかった。この件は俺に任せとけ」
「ありがとう3主さん。僕、今日はフィッシュベルに戻るから、よろしくね」
彼はわざわざそう断って、俺の部屋を出て行った。
自室に引きこもっていることが多い俺は気づかなかったが、
7主が一日でも宿舎を空けるのをためらうほど、深刻だということか。

その日の夕方。廊下に出ると、階下から6主の歓声が聞こえた。
「いいぞーやれやれー!」
リビングの方らしい。行ってみると、4主がソファに1主を押さえつけていた。
「なんで嫌がるんだよー、こういうのを期待したんじゃねえの?」
マウントポジションで哄笑する4主。6主の他に5主と2主がいる。
「俺が悪かったって! ちょっとからかっただけだろう!?」
1主のほうは「どうしていいかわからない」という表情だ。
4主が彼の胸のあたりをまさぐりはじめると、本気で怯えの色が混じった。
テーブルの上では、ローラフォンが悲鳴のように鳴り続けている。
最初こそはやし立てていたらしい面々も、戸惑うように顔を見合わせた。
「なんか4主、いつもと違うぞ」
2主が救いを求めて周りを見る。5主がひきつった笑顔で4主の肩に手を置いた。
「4主、サロンは僕の特権だよ? 君のキャラじゃないでしょ」
それをうるさそうに跳ね除けて、4主は1主の身体をさらになぜ回す。
「嫌ならこっから出て行けよ。俺は楽しみたいの。ああ、コレうるさいな」
ローラフォンを手に取った4主は、そのまま片手で握りつぶしてしまった。
トラックが轢いても壊れないという最高強度のローラフォンを、素手で。
――どうする? 俺は頭をフル回転させた。とにかく皆の気をそらさないと……

85【Ligament】[4] 2/4:2007/02/03(土) 01:25:30
「そんなに溜まってたんなら僕がお相手しますよ?」
4主がハッとしたように顔をあげた。リビングの入り口に8主が立っていた。
一瞬、俺の方を見て目だけでうなずくと、ツカツカとソファに歩いていく。
そしてわざとらしく音を立てて、4主の頬にキスをした。
「スキあり♪」
カァっと4主の頬が赤くなった。パァン!という景気のいい音が響き渡る。
「この変態クソドラゴン! 何しやがんだてめぇ! 表ぇ出やがれ!」
「野外プレイですか、4主さんもいいご趣味で……おっと! はははーこっちですよ」
8主と4主はすっかりいつもの様子で、リビングを飛び出していった。
残された人間たちも、今ので普段の空気を取り戻したようだ。
「まさかホントにチューまでするとは、8主も4主イジメに命かけてるねぇ」
5主がソファに腰を下ろし、1主の背中をポンと叩いた。
「だから4主もストレス溜まってキレやすくなるんだよ。許してやりな」
「マジびびったよ。俺、女家庭教師とかいいねーって言っただけなのにさ」
「でも近いほうのご先祖、4主は女装が似合うとかいろいろ、ずいぶんしつこかったぞ」
「まあ俺もちょっとくどかったな。しかしローラフォンが……信じられねえ」
「あいつ対ドラゴンなら20000以上のダメージ叩き出せるしなwww なあ3主?」
「だな。お前の頭が潰されなかっただけマシだったんじゃねえの?」
「ひぃぃ(((((( ;゜Д゜)))))ガクガクブルブル」
8主の機転のおかげで、4主の奇行についてはうまく流されたようだ。
俺はほっとしつつ、リビングを後にして二人を追った。

案の定、二人は最上階の共有テラスにいた。
テラスといっても、屋上の入り口から屋根がせり出してるだけで、
洗濯物を干すとかの用事でもない限り、あまり訪れる理由のない場所だ。
「あ、来ましたね。あんな感じで良かったです?」
「助かったよ。お前の方も変な誤解はされてないぜ」
「そうなるように計算しましたからね……」
そう言って奥に目を向ける。4主は屋上の手すりに寄りかかって遠くを眺めていた。
「本当のことを教えてください。あの人に何が起きてるんですか?」
俺はすぐには答えられなかった。

86【Ligament】[4] 3/4:2007/02/03(土) 01:25:54
「実は4主は……」
俺が言いかけたときだ。
「待て、俺から説明する」
4主が俺を手で制した。黙っていてくれと目で訴えっている。
確かに本人が告白すべきことだろうと、俺は一歩下がったが……。
「男同士だから言うがな、実は最近シンシアとご無沙汰でさ」
……は?
「あーそれは、その、そういう意味で?」
「そういう意味で。いい加減この宿舎だけで2年たってるんだぜ、
 いまだにプラトニックって方がおかしいだろ?」
ちょっと待て。いけしゃーしゃーと嘘をつく4主に、俺は呆然とした。
8主は疑いもせずにうなずいている。
「理解できますよ。ちょっと想像はできませんけど」
「でも今は消えるの消えないのって、それどころじゃない時期だろ?
 そんな時に1主が、やれお前は男らしくないだの、女装しろだのと」
「なるほどね。それはキレても仕方ないですよ。うん」
信じられなかった。
あの時は8主の方が先に勘違いをしたから、咄嗟に話を合わせたんだろうけど。
今は4主が自主的に8主を騙そうとしている……シンシアをダシにして。
まるで彼女のせいだ、というようにさえ聞こえてしまう、そんな嘘を。
「それでシンシアさんの方は、どうなんですか?」
「とりあえず、今は落ち着い……」
4主が、そこで言葉に詰まった。俺のほうを見て目を見開く。
――同時に周囲の温度が、下がった気がした。

だが彼はそのまま言葉を続けた。“彼女”が見えないのをいいことに。
「今は……村の方にいて、4女が様子を見てる」
何かが俺の横を通り過ぎ、階段を駆け下りていったような気配を感じた。
4主はうつむいたまま、じっとしている。
8主は当然だが、誤解したままの解釈で、彼に慰めの言葉をかけている。
おいおい、追いかけなくていいのか? 今のお前は正気なんだろう? 
あれほど大切にしていた彼女だろ? あんな風に傷つけたままで平気なのか?

87【Ligament】[4] 4/4:2007/02/03(土) 01:26:16
「――まあ8主の言うとおり何とかなるよな。ところで3主、
 あとでパソコン教えてくれないか? わかんないとこがあって」
「はぁ〜?」
いきなりそう声をかけられて、俺はつい頓狂な返事をしてしまった。
8主は「ではまた。気を落とさないでくださいね」とか何とか言いながら、
すでに戻っていこうとしている。
黄色いチュニックが見えなくなってすぐ、俺は4主に詰め寄った。
「なに言ってんだよ、いいのか? 今彼女、ここにいたんだろ?」
「へえ、わかったんだ。確かにいたよ、今も、あそこに」
4主は再び屋上の手すりに寄りかかると、誰もいない庭を見下ろした。
視線が、宿舎の入り口からゆっくりと外に向かって動いていく。
彼女の姿を目で追っているのだろうか。
「シンシアのことはね、もう振ったんだ」
俺は開いた口が塞がらなかった。
だが4主の表情を見て、のど元まで出掛かった言葉はすべてかき消された。
「振ったんだ。――こないだ、俺、彼女を消し飛ばしそうになって」
もう近くにはいられないと、堪え切れなくなったように、4主は泣き崩れた。
「4女に任せてるのは本当なんだ。もう宿舎には来るなって言ったから。
 俺どんどんおかしくなってる。急に血が見たくなったりして、本当はピサロも……」
殺しかけたんだ。4主は言った。俺が話し合いの場を作った、あの日に。
「みんなが帰ってから、最初は談笑していたのに、気が付いたらあたり一面、
 赤とか、青とか、絵の具をぶちまけたみたいになってて」
デスパレスにいたモンスターを、ほとんど皆殺しにしていたのだという。
「これでチャラだろって。もしまた仕返しを考えるなら……ロザリーを殺すって。
 俺そう言ったんだ。そんなこと、平気で言ったんだ俺!」
そっと触れようとしたら、4主は俺にしがみついた。
「こんなの誰にも言えない。俺、ここにいたいんだ。みんなと一緒にいたいんだ……!」
震える少年の肩を、俺は強く抱きしめた。途端に彼の方から唇を重ねてきた。
「お願い、抱いてよ。怖いんだ」
俺はもう、はぐらかしたりはしなかった。
――腕の中の彼がクスッと笑ったことにも、本当は気付いていたけれど。

88【Ligament】[4] おまけ:2007/02/03(土) 01:26:55
4主「“おまけ”じゃNeeeeeeeeeee!!!! どこでブチ切ってやがんだテメエ!」
3主「誰に言ってんだ? あとそれ>>29さんのパクリだろ。って聞けよ」
4主「こっからがイイとこじゃん! ようやく本格エロじゃん!
   さあ張り切ってコクメイな描写いってみよっかぁ?って時に!」
3主「コラ襲い受け魔王、0/4の反省はどうした」
4主「でもさ〜、早くサンちゃんとイイことしたいし〜」
ピサロ「その前に私に何か言うことはないのか?」
4主「あーごめ」
ピサロ「軽! 誠意まるでナシ! 貴様いい加減に」
4主「きゃーぴさろにおそわれるたすけてはっしゅ〜」
8主「SHTギガスロー!! 大丈夫ですか4主さん!?」
4主「ありがとはっしゅたすかったよ」
8主「4主さんってばすっかり僕に頼るようになりましたね。
   もうヘタレの汚名も返上ですね!ッグ!」
3主(いや、ヘタレです。しっかり騙されてるお人よしのヘタレです)
ピサロ「ちょ……ひどくない? ねえ?」

4主「ちなみにデスパレスのモンスターの方々ですが、
   俺のザオラル&ピーちゃんのザオリク連打でちゃんと生き返らせました」
3主「なんだ意外と優しいじゃないか」
4主「そしたらまた殺れるしさ♪」
3主「……そうか」

89名無しの勇者:2007/02/03(土) 11:24:56
GJ! だんだん4主の魔王化が進んでたねー。超wktkしてまっせ!
最近、本編よりレス0番とおまけの方が楽しみになりつつあるww

90名無しの勇者:2007/02/03(土) 13:53:56
ピーちゃんかわいそうwwww
ものすごい被害www

91名無しの勇者:2007/02/04(日) 11:16:43
GJGJGJ!!!!
ひょっとして次は34エロですかー?!!(*゚∀゚)=3

92ひどい下ネタです。一応13か31:2007/02/05(月) 01:09:06
3主「俺欲求不満なんだ。誰かいれさせてくれないかなあ」
1主「身も蓋もないな。俺がご先祖にいれるんだったら別に良いぜ」
3主「アホ!尻が痛いだろが。4主、そのへんどうなの」
4主「実際問題痛いよ。相手も痛いし。慣れるまでは本番にいたらないで別のもんでもいれといたら」
3主「さすが4主!いいアドバイスだぜ。1主!おいで」
1主「えーっなんで俺なんだよ」
3主「ゆくゆくは俺お前につっこむつもりなんだから、ちゃんと慣れとかなきゃ痛いだろ。
何がいい?じゃあこのエアコンのリモコンでもいれとく?」
4主「バカ!リモコンがなきゃ困るだろ」
1主「全くだ。第一嫌だよ俺…ご先祖もいれるってんなら何か入れといてもいいけど…」
3主「んー?まあ1主につっこむためならその位の苦労いとわないぜ。何入れたらいい?」
1主「このカップラーメンとかどう?ご先祖ラーメン好きだろ?」
3主「好きだけど流石にでかすぎると思うぜ。お前俺の尻を破壊する気か」
1主「じゃあこのテレビのリモコンとか…」
4主「バカ!リモコンがなきゃ困るだろ」
6主「お前らー、こののりとテープどっかにしまっといてくれる?悪いな」
13主「あっうんしまっとくしまっとく」


1主「どう?ご先祖…」
3主「うう…すっごい痛い…1主のテープはどう?」
1主「痛いとかじゃないよ…死にそう…動けない…」
3主「俺ものりで死にそうだけど…痛がっちゃってる1主見れて萌えーwwだからいいやwハァハァ」
1主「俺も痛がっちゃってるご先祖見れて萌えー!wwハァハァ」
4主「ははは幸せそうだなお前ら」

93名無しの勇者:2007/02/05(月) 02:15:54
ホントにヒデエwww
あんたらまさかバージンをテープとのりにやっちゃったんじゃないだろなwww
そして4主が何やらすごい経験豊かな口ぶりwwwww

94名無しの勇者:2007/02/05(月) 22:09:42
本家スレみたいなノリですごい笑った!
やってることはめちゃくちゃおバカなのに
平和なやりとりが可愛らしいね〜
そして4主・・・・いろんなモノ入れられちゃったの?
玩具ネタ布石ktkr!?

958主→4主[2] 0/4:2007/02/07(水) 03:06:14
>>74-77
の続きです。
前回はレスたくさんいただけて、ありがとうございました(´∀`*)

やまもおちもいみもないわりに、まだ続きます。

968主→4主[2] 1/4:2007/02/07(水) 03:07:28
唇を触れさせると、くちゅ、と音がした。
なんか、やらしい。
そう思いつつ舌も触れさせ、絡ませ、口に含み、更にその卑隈な音を増やす。
静かな部屋に水音と荒い息遣いとくぐもった矯声が響く。
音が聴覚を愛撫する。
きもちいい。
どこを触られてるわけでもないのに、舌が触れて、粘膜が擦れて、
それだけで、背筋がゾクゾクするほどきもちいい。


熱いため息を吐く。
吐息が声になりかけるのを危ういところで止める。
この状況で声を出すのは、ちょっと格好悪い気がする。
少なくとも4主さんには聞かれたくない。
でも、実際声が出るくらい気持ち良い。
口でされるのってこんなに良いんだ。熱い粘膜が絡み付いて、
しかもそれが4主さんの、あの4主さんの口で、
あの妖艶な舌で一生懸命僕のものを舐めてくれてるなんて、
それだけでもう頭がおかしくなるほど興奮する。

そっと翠の髪に触れる。
ぼんやりと濁った紫の瞳が、行為を中断しこちらを向く。
優しく撫でると、ふにゃ、と気持ちよさそうに目を細めた。
「止めないで。続けてください」
囁くと、そのまま舌の動きが再開される。
かわいい。
髪を梳くと、くすぐったそうに身をよじった。
鼻にかかった甘ったるい声が洩れる。
それが、どうにも嗜虐心をそそる。

978主→4主[2] 2/4:2007/02/07(水) 03:08:52
「何がそんなに良いんですか」
柔らかい髪が指先に絡み、サラリとほどける。
「気持ち良さそうな顔してますよ。目がトローンとして。
 好きなんですか?しゃぶるの」
「……すき、っつーか……」
なんか、口ん中きもちいい。
たどたどしく呟かれる。
指先がギシリ、と強ばる。
「……口の中が気持ち良いんですか」
「ん……」
「……へぇ」
「んー」
「舌とか、唇とかも?」
「ぅん……んっ?!」
「……こういうのも、感じちゃうんですか?」
「んッ!!……んぐ……ぅ、」
頭を押さえ付けて奥まで突き入れる。そのままガクガクと揺する。
苦しそうな悲鳴に一瞬罪悪感が霞めるが、止まらない。
引き抜いて、また思い切り突っ込む。
熱い粘膜が絡み付き、思わず声が洩れる。
だって、これは絶対4主さんが悪い。
というかおかしい。いくらなんでも、普通口の中は感じない。
あの唇が、いつもゾクゾクする程色っぽい声を出す唇が、煽情的な赤い舌が、
実はこんなことで感じちゃうなんて、そんな、ああ、もう。
さっきキスしておけば良かった。

「……っ、く、は!…はぁ……ぁ……てめ…8主……!」
無我夢中で射精を終える。すごい目で睨まれた。
ゲホゲホと苦しそうに咳き込んでる。ちょっと泣いてる。
ああ、飲んでくれたんですね。嬉しいなあ。
「好きで、っは……飲んだ…わけ、じゃ……ッケホ、」
どうやら声に出してたらしい。

988主→4主[2] 3/4:2007/02/07(水) 03:09:53
「っは……ぁ…、し、死ぬかと思った……」
「大丈夫ですか?」
「死ね」
「あ、先っぽに残った分も吸いとってもらえます?」
「死ね。氏ねじゃなく死ね」
「字面が浮かぶから嫌ですよね」
飲みきれなくて溢したのか、唇から顎にかけて白いのがべったりしてる。
息が荒い。口は悪いし目つきも悪いのに全然怖くない。
ぐったりしてうるんだ瞳は、どう見ても欲情しているそれだ。
促すと、心底嫌そうな顔でこちらを睨みつつも、それでも、ゆっくりと唇を近づ
「いいいいいい!いた!いた!痛い痛い痛い!!!
 ちょ、や、か、噛まないで下さい!そこ!!
 つ、使いものにならなくなっちゃいますよ!」
「望むところだ」
「4主さんだって困るでしょう!」
「困んねえよ」
「え、だって」
抱き上げて、ベッドに乗せる。
うん、やっぱり、床でっていうのはどうにも色気が足りないですよね。
「これから、4主さんの方を気持よくしてあげないといけないでしょう?」
は?
意味がわからない、といった顔をして、しばらく間があいて、
赤く蒸気した顔がサッと青ざめた。
「え、お、おい、それって……ん…っ」
細い顎をクイと持ち上げて、唇を塞ぐ。
歯茎に舌を沿わせただけで簡単に甘い声を洩らす。
減らず口は叩けても、体はもう限界らしい。
深く重ね、舌を絡める。向こうからも、甘えるように絡み付けてくる。
腕の中で背筋が跳ねるのがわかる。
口の中に所々残ってる粘り気と苦味はすごく嫌だけど、
4主さんとキスできて、しかもこれだけ可愛い反応を見せてくれるなら
そのくらい全然構わない。

998主→4主[2] 4/4:2007/02/07(水) 03:10:55
「……っぷは!…は、……ぁ…。な、なぁ……」
「どうしました?」
さっき一瞬だけ青くなった顔は、もう首まで赤くなってる。
「え、あ、あの……さっき言った、その、気持ちよく、って……」
「ああ、大丈夫ですよ。ちゃんと気持ちよくしてあげますから」
「いや、そうじゃなくて、」
「すみませんね、僕だけ先に気持ちよくなっちゃって」
バサリと残りの服も脱いで、4主さんの服にも手をかける。
泣きそうな顔で、や、とか抵抗するけど気にしない。むしろ興奮する。
「やめ、ま、待てって!おい!……ん…ッ!
 お、おま……俺が気持ちよくなるのとお前のそれが、ぁ、ふ……、
 ど、どんな関係が……ぁ……」
「聞きたいですか?」
「!?ば……!ち、ちょ……どこ触っ……んっ」
「ちゃんと慣らさないと痛いですからね」
「な、慣ら?!何を……ぅ、あ!あ、ぁ、や、やだ!やだやだやだ!!
 そこは、や……ぁ、」
指一本でも結構きつい。初めてなんですね。良かった、嬉しい。
張りつめた先端にちゅ、と口付けると、声に甘味がかかる。こっちはもうベトベトだ。
優しく舌を絡ませてあげると、口の中でビクンと脈打つ。いい加減限界に近いらしい。
一度出させて、それからほぐすか、もしくは先に後ろでイくまで追い詰めてみるか。
どっちにしようかな。どっちもいいなあ。夜はまだ長い。

100名無しの勇者:2007/02/07(水) 21:46:28
ちょ、エロキター>>96
超gj!!

101名無しの勇者:2007/02/08(木) 06:25:09
84のエロさ具合はもはや異常
GJGJ!!

102名無しの勇者:2007/02/08(木) 09:58:15
夜はまだ長いって8主!ちょっ!!
なだ覚醒していない(性的な意味で)4主にあんなことやこんなこと!?
・・・!!!GJ!!!

103【Ligament】[5] 0/4:2007/02/12(月) 18:42:08
3主×4主←(?)8主fromDQ主雑

3主「恒例サンクス、>>89>>90>>91様!」
3主「……」
3主「ん? いつもは俺にベッタリの変態半魔王はどこにいったんだ?」

5主「はい? え? 今なんて言ったの?」
4主「だーからぁ。相手がなかなかソノ気になってくれないとき、どうする?って〜」
5主「パ……」
4主「パ?」
5主「パデキアはドコー!? 4女ちゃんパデキア! 4主がおかしくなったー!!」
4主「ま、俺って生真面目な優等生イメージが強いから、当然の反応だけどね」
3主「コラ4主、見境なく正体を出すな。俺の前だけにしとけ」
4主「おお? それって独占欲? 俺の4主だ宣言? 離さないよマイハニーな感じ?」
3主「ここの生活管理をやってんのはお前だろ。その状態だとまったく仕事しなくなるからダメだ」
4主「なにその事務的な言いぐさ〜」
3主「宿舎が混乱すると、ここを居住にしてる俺が困るんだよ。というわけでホレ」
  つ8主
4主「……おや? そういえば先週の家計簿つけるの忘れてた。
   あと2主の新しい問題集も作らないとな。ちょっと行ってくるわ」
3主「ハイいってらっさい」

8主「もはや僕アイテム扱いですかそうですか。
   もう本編も好きにしやがれってんだはいスタートですっ」

104【Ligament】[5] 1/4:2007/02/12(月) 18:42:42
「ねえ、サンちゃんの部屋に行こう?」
「ああ……」
請われるままに、俺は彼の手を引いて自分の部屋に向かった。
部屋に入ると、鍵をかけるのすら待てない様子で、4主は俺の腕をひっぱった。
そのまま自分のベッドに押し倒される。
4主が俺の上にまたがり、もどかしそうに服を脱ぎはじめたのを、俺は黙って見上げていた。
――心臓が鳴っている。口の中が乾いて、いがらっぽい唾を無理に飲み込んだ。
別に自信がないわけじゃない。旅の間、実はけっこう女遊びはしていたりする。
世間体ってのがあるから奥手を演じていただけで、色を好まない英雄がいるもんか。
だが今は……。
「どうしたの、ねえ? サンちゃんも脱いでよ。それとも俺が脱がせる?」
上半身を露わにした4主は、言ってるそばから俺の服に手をかけた。
押さえの飾りベルトを外して、上着をたくし上げながら頭側から引き抜く。
とりあえず相手がしやすいように合わせてやっているが、
ダメだ、気の利いたセリフ一つ出やがらねえ。なんだか頭が回らない。
今度はインナーのボタンが外された。
俺の首筋に顔を埋めるようにして、少年が熱っぽくささやく。
「好きにしていいんだよ? 優しくなくてもいいから」
絹糸のような翡翠色の髪が香る。白磁の肌。繊細な肩のライン。
細い指が俺の前髪を顔の上から優しく払いのけた。
軽く相手の腰を抱くように手を回したら、男とは思えないほどに細い。
「ねえ……?」
麻薬めいた甘い声。間近で俺を覗き込む青紫の瞳は、猫のような縦長で。
薄く開かれた唇がぺろりと舐められて、さらに艶やかさを増す。
天空人というのは、みなこうも優美でたおやかで……妖艶な生き物なのか?

俺は気がついたら、少年の後頭部をつかんで、自分の顔の上に引き落としていた。
息を継ぐ間も与えないほどに、夢中でむさぼっていた。
俺の中のどこかが、激しく警鐘を鳴らしている。行くな、戻れと、繰り返し訴えている。
だが、理性が利かない。本能が聞かない。
今にも、溺れてしまいそうな……。
あとはもう、なんだかよくわからなくなった。

105【Ligament】[5] 2/4:2007/02/12(月) 18:43:18
激しいキスは好きだけど、さすがに息苦しくなって俺は3主の肩を叩いた。
ようやく唇を解放された。つうっと間で銀色の糸が引く。
「さ、サン…ちゃん……?」
彼は無言で俺の身体を抱き込みむと、自分の上から横に投げた。
危うくベッドから落ちそうになったが、彼は俺を軽々と中心まで引き戻して、覆い被さってきた。
――3主の瞳からは、今にも理性の色が消えかかっている。
彼の下に組み敷かれながら、俺はそれを冷静に観察していた。
さて、ようやくありつけそうだ。極上の……に。

「クスクス……慌てないでさ。まずは脱いだら?」
俺の言葉に、彼は思い出したように自分の衣服を脱ぎ捨てた。
履いていたままだった俺のズボンを引きずり下ろそうとして、なかなかうまくいかない。
じれったくて自分で脱いであげたら、彼は何か言いたげに俺を見た。
考えるのも面倒だから横を向く。
彼は再び俺に覆い被さって、首に、胸に、痣がつくようなキスを落とし始めた。
「ぁ……」
彼の舌先が俺の乳首を愛撫する。背中から下腹部にかけて、痺れるような快感が走る。
俺の下半身に彼の手がのびる。いきなり強く掴まれて「ひっ!」と声が漏れた。
「ああ……やぁ…っく…ぁ…」
彼の男っぽい手が、俺のを乱暴にもみしだく。すごくいい。もっと責め立てて。
と思った矢先に、戸惑うように動きが止まった。
もしかしてわかんないのかな。男を抱いたこと、無いみたいだから。
「あのね……」
仕方ない。最初だから教えてやるよ。
俺はそっと相手の肩を両手で押して、密着していた身体を離させた。
それから自分の足を後ろから抱え上げて、よく見えるようにしてやる。
3主がごくりとのどを鳴らした。
「指、濡らして……中に、ね? ゆっくり、ほぐすようにして……」
「……ああ」
俺が促すと、彼は自分の指を舐めてから、おそるおそる言われた場所に持って行った。
「慣らさないと、俺もサンちゃんも……痛いから……そう…いいよ……あっ…ぅん……」
理屈がわかれば飲み込みの早い彼のこと。最初は静かに、段々と性急に――
指の本数を徐々に増やしながら、俺の中をかき混ぜ、柔らかくしていく。

106【Ligament】[5] 3/4:2007/02/12(月) 18:43:41
3主は、今度は俺のを丁寧に舐め始めた。
先端に軽く歯を立てたり、時々強く吸ったり――指はずっと、中で動かしながら。
空いてる方の手は胸を刺激していて、なんかさすがに、余裕なくなりそうかも。
そろそろ欲しいな、と思った時。
「もう…いいか……?」
目を開けて下を見たら、物欲しそうに俺を見上げる3主がいた。
ぬれている顎のその向こうに、たくましい胸板があって、さらに向こうには、
今にもはち切れそうなくらい、膨張してる彼の下半身が見えた。
そう言えば俺の方からは何もしてやってなかったなぁ。
なのに、そんなになってくれてるなんて、嬉しいじゃん。
「俺もサンちゃん……欲しいよ」
3主がへらっと笑った。おあずけ食らっていた犬がよしと言われた瞬間のようで、カワイイ。
先端が当てられた。ゆっくりと進んでくるそれの大きさが、少し入っただけで予想できた。
だいぶ慣らしてもらったけど、それでもキツイかも。なるべく身体の力を抜く。
「あ!……んぅ……ゆっくり……」
それは時間をかけて、静かに、だが確実な力で押し入ってくる。
異物が挿入される感覚に、全身の肌が泡立つ。中で、彼のものが脈打ってるのがわかる。
……進入が止まった。ようやく根本まで呑み込んだみたい。
このまま突き破られるんじゃないかと思うくらい、奥の奥まで届いていた。
互いにふっと息をついてから、少し間を置いて、今度は静かに抜かれていく。
内側が擦られる感触に合わせて、繋がっているあそこも、身体全体も、ビクビクと痙攣した。
彼は途中でまた戻ってきて、そして最奥に届くと、また引き抜いた。
何度も繰り返す……だんだん間隔が早くなる。
ずりゅっずりゅっと卑猥な水音がしてる。
俺の身体から出てるんだと思うと、それがまたゾクゾクするくらい気持ちいい。
「いいっ……あう!……いいよ…ぉ……!」
物理的に満たされる充足感が、無意識に言葉になって出て行く。
突き上げられるたびに、激しく刻まれる快感。頭が真っ白になる。
今の俺は、色んなものが決定的に足りないのだけれど、それが全て満たされていくようで――。
「あう! あ、あ、さんっ…しゅ…ぅう……!」
なにかが吹っ飛んで、そして一気に弾けて。
同時に中に熱いものが注ぎ込まれた。
それから、がくりと3主の身体が俺に倒れ込んできた。

107【Ligament】[5] 4/4:2007/02/12(月) 18:44:07
隣で3主が寝息を立てている。先に目を覚ましたのは俺の方だった。
「…よ…ん……きれい…だ……」
3主の低くかすれた声が聞こえた。寝言らしい。俺は思わず吹き出しそうになった。
いまさら夢の中で、そんな睦言を囁かれてもなぁ。
彼としては、本当はもうちょっと余裕をかました一夜を過ごすつもりだったんだろう。
ま、相手が悪かったんだと思うよ?
俺は最初にやってあげたように、彼の前髪を顔からそっと払ってあげた。
「あのねサンちゃん、嬉しいけど、それあんまり自慢にならないんだよね」
俺がキレイなのは当然。天空人はみな、そういう風にアイツに造られているんだから。
もっともハーフの俺には、いまいち神聖性が足りないらしいけれど。
教会の聖像のような、美しくも近寄りがたい生粋の天空人とは違って、
奴らが内心で“汚らわしい”とか思ってる下界の人間にも、俺の翼は簡単に開かれる。
まして、俺はもう死んじゃってるしねぇ。
窓の外が徐々に白んできた。朝が近い。
「じゃあ行くね」
眠ったままの彼の額にキスをして、俺はベッドを降りた。
ポットの水で濡らしたタオルで簡単に身体を拭いて、服を着る。
「また『喰わせて』ね」
あんたは俺の……極上の、餌だから。

そうして3主の部屋のドアを開けた、その時だった。
バタバタと、廊下を走っていく足音がした。
薄暗い中でも目立って見える黄色い姿が、角を曲がってすぐ見えなくなる。

――しまった、と。そう思った。

ふわふわしていた頭が、芯から急速に冷えていく。
俺の中を満たしていた狂気の霧が、一気に取り払われていく。
戻ってくる……『人間としての俺』が。
そうして思い出す。自分が何をしてしまったのかを。
それでもまだ、さっきまで幅を利かせていたもう一人の俺が、
心の隅でニヤニヤ嗤っているのを感じながら――俺は8主の後を追った。

108【Ligament】[5] おまけ:2007/02/12(月) 18:44:29
4主「いや〜喰った喰った。ごちそーさまっっ♪♪ツヤツヤ」
3主「喰われました……orz もうさ、表記4主×3主の方が合ってないか?」
4主「読者にどっちが攻か受かをお知らせする表記なんだから、そこ変えちゃダメだろ」
3主「知るか。しかも異常な疲労感が……俺マジでなんか喰われてる気がするんだが」
4主「さあねぇ? ハイな時の俺って何考えてるか自分でもよくわからんし〜」
8主「なんで僕が出歯亀なんですか〜〜〜!!!!!!!」
4主「おや変態覗き魔8主じゃないか」
8主「ヒドス!……いくら僕でもいい加減ホントに泣き入りますよ?゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン」
4主「ごめんてば、機嫌直せよ。次回はなんかお前との絡みらしいし」
8主「キ……キター・*:.。. .。.:*・゚・*:(゚∀゚):*・゚・*:.。. .。.:*・!」
3主「いきなり次で浮気するんかお前!!」
4主「展開しだいじゃアリかも……?」
3主「うわっこの淫乱魔王最低最悪だこんなDQ4男主人公世界中どこ探してもいねえぞ!」
8主「うおっしゃ淫乱魔王大いに結構恋人は奪ってなんぼのDQ8張り切って行きまっせ!」
4主「淫乱淫乱ってお前らなぁ……言っとくけど、俺今回が初めてだったんだけど?」
38主『―――――――――――――――――――――――――――――(゚д゚lll)(゚д゚lll)マジ?』
4主「知識だけでもヤれることはヤれちゃうもんだね。うん」
8主「どうぞ3主さんと仲良くしてください僕とてもお相手する自信ありません」
3主「いや8主に譲るから頼む持ってってくれ俺これ以上付き合えばたぶん死ぬ」
4主「ふぅ。俺もそろそろいつものテンションに戻りたいかも」
38主『ぜひそうしてください魔王様』

109名無しの勇者:2007/02/12(月) 19:18:14
ああ、魔王様…!!
萌えたり燃えたり大忙しですな。
続きも楽しみにしてます!

110名無しの勇者:2007/02/12(月) 22:58:20
GJ…!激しくGJです!!
覗き見8主に期待
いっぱいいっぱいな3主かわいいよ(*´Д`)=3

111名無しの勇者:2007/02/13(火) 00:09:49
GJGJ!!
3主色んな意味で喰われちゃったよハァハァ
もう8主は可哀相で当たり前になってきてるw

1128主→4主[3] 0/8:2007/02/16(金) 06:56:15
>96-99の続き投下します。完結です。

1138主→4主[3] 1/8:2007/02/16(金) 06:57:26
視界がまわる。
さっきからあっちこっちにひっくり返されて、自分の体が今どうなってるのかわからない。
眩しいから、多分仰向けになってるんだろう。そういえば天井が見える。
見慣れた天井がギシギシと揺れる。揺れにあわせて体が溶ける。
触れられる度熱く溶かされる体は、ひょっとしたらもうどこも残っていないかもしれない。
どこかで話し声が聞こえる。話し声、ではないかもしれない。
片方は楽しそうに話しているが、その返事は言葉にすらなってない。
ただ壊れたように湿った声を垂れ流すだけで、その媚るような甘ったるい音は妙に淫隈で、
頭の奥まで響いて、火照る体を更に熱くさせた。
「痛くないですか?」
「……ふぁ…っ…あ、……」
「今、指三本入ってますよ。結構きついですけど」
「ぁ、あ……んぅ……」
話し声がうるさい。何を言ってるのかわからない。
体の奥が熱くて、ドロドロに溶けて、疼いて、おかしくなりそうだ。
「ていうか、時々きゅぅ、って締め付けるんですよね。
 むしろ気持ちよかったりします?」
「…あ、…あぁ…んっ……」
「ですよねー、さっきこっちでイっちゃいましたもんねー」
「あ………あ、ぁ、」
「……ねー」
視界が暗くなる。頬に触れる。つめたい。なのに、あつい。
「ね、4主さん」
いま、俺の名前を呼ばれたような気が、
「4主さん、ってばぁ」
「ん……」
唇を塞がれる。軟らかいものが奥まで入ってくる。口の中を好き勝手蹂躙する。
歯茎の付け根とか、上顎の裏とか、気持ちいいとこばっか狙って這いまわる。
息ができない。

1148主→4主[3] 2/8:2007/02/16(金) 06:58:00
「…んっ……んー…」
「……」
「んー!んんーっ!」
「……」
「…ぷはっ」
ようやく開放された唇で、肺いっぱいに酸素を吸い込む。
数回繰り返すと、ボヤけた視界が大分鮮明になった。
見慣れた男の顔が映る。見慣れない表情でこちらを覗きこむ。
「……なんだよ…」
「あ」
嬉しそうに笑う。
「良かった、やっとまともに喋ってくれましたね」
「はぁ……?」
「ね、4主さん」
ちゅ、と音をたてて唇が触れる。
「気持ちいいですか?」
「ん……っ、ぁ…」
「ここも、ここも、4主さん相当好きですよね。覚えましたよ」
「ば……!…ぁ、や……っ」
「こういうときの声は可愛いんですね」
「……っ!!」
「ね、4主さん」
「……っ…ん……」
「痛かったら言って下さいね」
いくら痛いっつっても嫌だっつってもやめなかったくせに
ここにきて妙に殊勝なことを言う。
散々いじくられたそこに、また何か入り込む。きつい。
体が悲鳴をあげる。ギチギチと音を立ててめりこんでくるそれに、唇を噛みしめる。
今度は何本入ってんだか知らないが、いい加減限界だ。壊れる。
内臓まで圧迫されるような苦しさに涙がにじむ。体が、満たされる。

1158主→4主[3] 3/8:2007/02/16(金) 06:58:58
「きつ……」
「く……っ」
「…大丈夫ですか?」
苦しそうな、のぼせたような顔で頬に口付ける。髪を撫でる。
「今、半分くらいですよ」
「も……むり……」
「大丈夫ですから、力抜いて」
大丈夫じゃねえし。無理っつってんのに。まだ入ってくる。
粘膜をこそがれるような感触に悲鳴が漏れる。
苦しいのと、痺れるような快感に。
胸板を叩くと手首が取られ、枕に押し付けられた。
空いた方の手があやすように頬を撫でる。

……空いた方の手?

「4主さんの中、きっつい……」

吐息が頬を霞める。
体内に入る何かが、届くはずのない奥まで届く。なのに、まだ進もうとする。

「……な、ぁ…」
「え……?」

声が乾いているのが自分でもわかる。

「い、いま…なに……入っ…」
「あぁ」
腰がぐい、と持ち上げられる
「……っ!」
「見えます?ほら、あと少しですよ」
うまく見えないけど、それは、確実に

1168主→4主[3] 4/8:2007/02/16(金) 06:59:40
「う、嘘…うそ……ぁ……っ」
「……っはいりましたよ…」
「ふ……!ふざけ……」
「大分慣らしたつもりだったんですけど、きついですね」
「や……あ……」
「きつくて、熱くて、すっごく気持ちいいですよ」
動いてもいいですか、なんて尋ねておきながら、返事も待たず抽送が始まる。
グチュグチュとかきまわされ、粘膜がえぐられる。そこが、燃えるように熱い。
「やだ……ぁ、ふ……っ…」
「な、泣かないで下さいよ!」
「そこ……いれるとこじゃ…ねぇ、って……」
「……でも、気持ちいいんでしょう?」
「なわけ……な……ぁ…や……」
「またそんなこと言って」
声も、顔も、すっごい気持ち良さそうですよ。
熱っぽい声で囁かれ、ゾクリと震える。思わず顔を隠そうとすると、
手首を掴まれ邪魔された。
「駄目ですよ、顔隠したら」
「や、ぁ……ん、ぅ…っ」
「声も。抑えないで下さいよ」
「ん……っ…ん、く、…っ!」
「ほら、ここ、いいんでしょう?」
「あ…!ぁ……っ…あ、ぁ、あ、」
体内を深くえぐられ、頭が白くなる。
逃げようと身をよじると、腰を掴まれ強く打ち付けられた。
その激しい動きに、また意識が遠のく。気持ちいい。こんなことされてるのに。
こんな、こんなところに突っ込まれてんのに、きもちいい。
もっと欲しい。
「あ…!ん、ぁあ……っ」
「……ん…っ……」
「やぁ……あぁ…ん……」
「……」

1178主→4主[3] 5/8:2007/02/16(金) 07:00:17
「ん……あ!あ、ぁ、んん……っ!」
「……4主さん…、ちょっと、声大きい」
好きで出してるわけじゃねえ。
「我慢できないんですか」
「ん……く…っ、あぁ……っ!」
「隣の部屋に聞こえちゃいますよ」
「……っ!ん…んん……っ、あ、ぁ、あ!」
「仕方ないですねぇ」
その割りに妙に嬉しそうな声。
「指咥えさせてあげましょうか?あ、肩に噛みついてくれても良いですよ。
 ついでに背中にギューってしがみついて、爪立ててください」
背中に手がまわるように、腰を抱かれる。
角度がかわり、より深く挿される。
また悲鳴があがりそうになり、余裕もなくしがみつき肩口に歯を食い込ませる。
痛そうなうめき声が聞こえた。ざまあみろ。もっと痛がれ。
やつあたり気味に指先に力をこめ、掻き抱き、その後のことは覚えていない。

1188主→4主[3] 6/8:2007/02/16(金) 07:00:53
吐精の名残でボヤける頭のまま、抱きしめる腕に力をこめる。
腕の中の可愛い人が、んぅ、とうめき、虚ろな目でこちらを見る。
涎でベトベトの唇に触れ、髪を撫でる。
深く重ねると、隙間から吐息が洩れた。
唇を塞がないように気をつけながら、軟らかい舌を絡めとる。
白い肩が時折ピクリと震える。声が洩れる。
まだ薬が効いてるのか。あれだけイったのに。元気なもんだ。
歯茎をくすぐり、背筋を撫で、敏感な反応を楽しんでいると、
入れたままだったそれがズルリと抜けた。
まだ抜きたくなかったのに。なんとなくしょんぼりしながら後始末をする。
肌の触れ合う感触が名残惜しい。さっさと終わらせてまた抱きしめよう。

「……なぁ」
「あれ?」
いつの間に気が付いたのか、4主さんがこちらをじっと見てる。
「いつから起きてたんですか」
「寝てると思う人間に悪戯すんなよ」
「反応が可愛かったので」
「それはどうでもいいんだが」
あれ?
「どうでもいいんですか?」
「それ」
「え?」
「ゴム。お前、いつも持ち歩いてんの?」
ギク。
背筋がヒヤリとする。まさか、色々用意してきたこと、バレた?
「え、えーっと……」
「まだ残ってる?」
……は?
「どうなんだよ」
「……え、今ですか?」
「あぁ」

1198主→4主[3] 7/8:2007/02/16(金) 07:01:14
「あります、けど」
あったらどうだというんだ。
「よし」
良いのか。何が良いんだ。
「もう一回やろう」

……………………。

「…………はい?」
「まだ起つよな?」
「……た、多分」
「起たせろ。何なら手伝ってやるから」
「て、手伝っ……っ?!」
「……なんかさぁ」

視線を外してつぶやく。こころなし、頬が赤い。

「気に入った、かも」
今の。すごい、良かった。

しばし沈黙が流れる。

「え……あの……」
「あ、起ったな」
「あ」
「よし。ほら、ゴム貸せ」
「あの……」
「ん?」
「手伝いは……?」
「は?もう必要ないだろ」
「えー!」
なんか、すごく勿体無いことした。

1208主→4主[3] 8/8:2007/02/16(金) 07:01:41
「ちょ、ちょっと萎えさせるんで待って下さい」
「何を言ってんるんだお前は」
「だ、だって!」
「いいからそれは入れさせろ。で、イったらまたしてやるから。
 手でも口でも好きなとこで」
「……そんなに何回もやる予定なんですか?」
「ん?」
既に限界を感じはじめている腰に不安を感じつつ恐る恐る尋ねると、
ゾクリとするような妖艶な笑みで返された。

「満足させてくれるんだろ?」




「というかなんでまだ満足してないんですか」
「なんでだろうな。どっちかっていうと淡白な方なんだが」
「……多すぎたか」
「あん?」
「い、いえ、なんでもないです。なんでもないですってば!
 ほら!さっさとしますよ!」
「あ、……ん…っ!……な、に……ワセリン…?
 なんでそんなものまで持っ、ふぁ!!」
「ほら、集中して!今夜は寝かせませんよ!」
「あ、ぁ……ん…っ……後悔すんなよ…それ……」

本気で後悔するのはその後、空が白みはじめた頃。

121名無しの勇者:2007/02/16(金) 12:30:50
……逆転したぁ!wwww
やっぱ天空の勇者、負けてないしw
GJGJ!!アーンドお疲れ様でした!!

122名無しの勇者:2007/02/16(金) 13:23:47
エロスの連続投下にハァハァが止まりません(;゚∀゚)=3

123名無しの勇者:2007/02/16(金) 20:27:50
5主とは逆方向に最強になりつつあるwwww

124名無しの勇者:2007/02/16(金) 21:19:49
GJ!GJ!!
何かもう色々だだもれそうだ…
萌 え つ き た

125主雑より:2007/02/18(日) 21:12:35
ほのぼの系?

5勇「4主さん4主さん」キャッキャ

5主「最近息子が4主にべったりでね パパサミシス」
1主「お兄ちゃんが出来たみたいで嬉しいんじゃないのか?
   俺も子供の頃兄貴が欲しかったから、気持ちはわかる。
   4主は面倒見もいいしな」
5主「ある意味親戚のお兄ちゃんとも言えるしね…でもパパテラサミシス」
1主「…微妙にループするの止めてくれないか?
   話も合うんだろ。直角二等辺三角形とか」
5主「あれね…僕には理解できないからね…」
1主「まあ、微笑ましくていいじゃないか」
5主「パパサミシス…」
1主「だからループ止めろって」

5勇「ねえ4主さん」
4主「何だ?」
5勇「僕が大人になったら結婚して下さい!」

4主&5主&1主「!!!???」

126名無しの勇者:2007/02/18(日) 23:06:40
思わぬところにライバルが!!!(´Д`*)

127名無しの勇者:2007/02/18(日) 23:12:10
これはいいほのぼのだ(*´∀`)
天空の勇者コンビいいなあ

128名無しの勇者:2007/02/19(月) 02:38:51
かわいい〜
5勇と4主が手とかつないでるとこ脳内変換。
うわ萌え〜

129125続き:2007/02/20(火) 23:12:08
調子に乗って続き書いてみた



5勇「ね、ね、いいでしょ4主さん!!」
4主「…(子犬に甘えられてる気分だな)」
5勇「ねえ、4主さん…ダメ?」

4主「そうだな…
   5勇が大人になってもまだそう言ってくれるなら考えよう ワシャワシャ」
5勇「やめてよ、髪がグシャグシャになっちゃうよ!!」
   …4主さん、もしかして誤魔化そうとしてる?」
4主「そんな事はない。
   ちゃんと大人になるまで待っててやると約束する」
5勇「ブゥ…
   僕、ちゃんとカッコイイ勇者になるよ!
   世界一直角二等辺三角形の似合う男になるから、覚悟してね!」
4主「はいはい。じゃあオヤツにするか?
   あっちにいる5主と1主を呼んできてくれ」
5勇「わぁい! お父さ〜ん、1主さ〜ん、オヤツだって!
   …ってうわあ、何でお父さんまた石になってるの!?」

4主「子供はテンション高いなあ…」
4主(そのまま変わらずいてくれよ、5勇)

130名無しの勇者:2007/02/21(水) 00:45:06
5勇かわいいなあ(´∀`*)
直角二等辺三角形どうしなかよくしたらいいよ

131名無しの勇者:2007/02/21(水) 12:08:32
 妹 |ω・`) <チョッカクニトウヘンサンカッケイナカマ…



 妹 |彡 ピャッ

132名無しの勇者:2007/02/22(木) 02:04:30
6主乙

133名無しの勇者:2007/03/02(金) 02:27:47
リガメントの続きが気になって仕方がない…困ったww
待ちながら小ネタ(8×4)


8主「4主さんを掘るのはいいんですが、それをヤオイと称されるのは気に食わないですね」
4主「俺は掘られる所から既に気に食わない訳だが」
8主「4主さんの中に入れて、達して、抜く。この一連の作業の中にヤマもオチも意味もないと、そう言ってるんでしょう?」
4主「正しい呼称だね」
8主「バカ言わないでください。むしろこれ程までにヤマもオチも意味もある行為ありますか!?どうです!ほら!」
4主「わわっ何だよ…だってさ、常にいれて、達して、抜く訳だからそんなにヤマもオチも意味もないだろ?」
8主「僕にとってはそれが最大限に意味があるんです」
4主「僕は別にないです」
8主「わかりましたそこまで言うのなら、ヤマと、オチと、意味を作ってしまいましょう。ちょっと3主さん」
3主「ん、何」
8主「なんか四コマみたいなことをして下さい」
3主「よ、四コマ…?あ〜…(起)ふんふ〜ん今日もいい天気だなぁ〜…」
8主「さぁこの3主さんのわきでジョブをすれば、僕達の行為は晴れてヤマもオチも意味もある事柄になる訳です!」
4主「な、ならない…特に『意味』が…わぁやめろ!服を脱がせるな!」
3主「(承)ってうひゃぁ!なっなんだ!?…」
8主「この短時間でやるのは少々きついですが…いきますよそれっ」
4主「ぐぁ!いてぇwwwもうこの時点でムリwww勘弁してww」
3主「(転)うわぁ〜落とし穴に落ちちゃったよ〜誰か〜…」
8主「いたたたっさすがに僕も痛い!ちょ…抜きますねいったん…」
4主「うっ…い、痛かった…」
3主「(結)ってルーラで抜けれたwwえへww」
8主「…ヤマ・オチが出来てもいつも以上に意味ありませんでしたね。やはり大切なものは、何でもない些細な時間に
   こそある、と…」
4主「このアホネタを綺麗な言葉でまとめようとするな。それよりこの状況下で普通に四コマやりきる3主に感心」

134名無しの勇者:2007/03/02(金) 14:34:25
マジ3主に感心w

135名無しの勇者:2007/03/02(金) 15:01:48
3主素敵だw
仕事をやり抜く人が好きだからマジ惚れしかけたw

136【Ligament】[6] 0/7:2007/03/03(土) 06:02:00
3主×4主←(?)8主fromDQ主雑

4主「今回は3主がすーっかりダウンしちゃってるので、俺と8主でサンクスコールいきます。
   >>109>>110>>111様、レスありがとうございます!」
8主「>>133様、お待たせいたしました。今回もお楽しみいただけるよう祈りつつ……
   【Ligament】第6部、本編スタ

4主「ちょっと待て、俺たちまだなんもコントやってないぞ」
8主「え? 0番ってコント用の枠なんですか?」
4主「なんか本編よりこっちのが楽しみという方もいるじゃないか」
8主「でも……僕と一緒にいる4主さんじゃあ」
4主「三日寝ないで考えたボケはホイミンだっつってんだろ、何度も言わすな」
8主「僕もパトハッシュ役は、3主さんと半魔王の4主さんあってこそですからねぇ」
4主「つまり俺らだけじゃつまらんということだな。
   もういい、お前とは二度とコンビ組まん!」
8主「え?え?え? ちょちょちょっと待ってください!
   わかりました! 今すぐ! 何かネタ考えますから!」
4主「よーし。つまらんかったら一生奴隷な」
8主「ちょwww小学生並の発言でもマジなりそうで怖いってかそれリスク大き過ぎwww」
4主「バーカ、おもしろかったら逆になるじゃん」
8主「――――――まさか、4主さんが僕の性奴隷に!?」
4主「勝手に文字を足すな。鼻血を出すな。
   何モーレツな勢いでコント系のFlashかき集めてんだよ」
8主「武○伝!好きだけどちょっと古いかな!欧米か!こないだ本スレで使ったしな!
   ちょっとちょっと!は無理だ僕たちじゃ美形過ぎる!えーとあと何があったっけ!
   温故知新か!ドリフか!タライと白鳥プリマか!僕脱ぐか!脱がせたいのは相方だ!」

4主「おーい、もう次いくぞー。おーいってば。聞いてないな。
   なんかすみません。それでは本編スタートです」

137【Ligament】[6] 1/7:2007/03/03(土) 06:02:26
 階段のところまで来ると、踊り場の隅の壁に背をつけて座り込んでいる8主がいた。
 立てたひざに顔を埋めている。俺は8主のとなりに、同じように腰を下ろした。
「すみません」
 ようやく顔を上げた8主は、俺の方を見ようとしない。
 目の端が光っているのに気づいて、ギシリと胸が痛んだ。
 あの日を境に動かなくなってしまった、心臓の辺りが。
「すみません。最初、あなたの部屋に行ったんですけど、いなくて。
それで、パソコンがどうとか言っていたから、3主さんの部屋にいるかなと思って」
 確かに言った。あの時、わざとそういうセリフで8主を誘導したんだ。
 ――見せつけて、傷つけて、それを楽しむつもりで。最低だ、俺は。

 そうして怖くなる。
 コイツが近くにいたのにも関わらず、俺はスイッチが切り替わっていた。
 もうこの男がそばにいても正気を保てないということなのか。
 "俺" が消えてしまう……。

「助けてくれ」
 俺は思わずそう言っていた。あのときのように。
「8主、頼むから俺から距離を置こうとか思わないでくれ。そばにいてくれ」
「どうしてですか? 僕は別に、お二人の邪魔をしようとか、そんなことは……」
 俺のすがりつくような言葉に、8主は困惑と切なさがない交ぜになった表情を浮かべた。
 当然の反応だとは思うが、今はそんな色恋うんぬんの甘い話をしてるんじゃない。
「聞いてくれ8主。そうじゃなくて。俺、その、実は死んでるんだ」
「は? 死んでる…って、それはどういうことなんですか」
 8主は今度こそ怪訝そうな顔になった。
「世界樹でお前たちと戦った時にな。少なくとも心臓は動いてない」
「あの、よくわからないんですが……」
 ますます混乱している様子の8主に、俺は内心で舌打ちをした。
 回転の速いコイツにしては察しが悪い。

138【Ligament】[6] 2/7:2007/03/03(土) 06:02:53
「だから死んでるんだよ。昨晩のことも、実はそれに関係があってさ」
 8主が目を見開いた。恐る恐ると言った感じで聞いてくる。
「昨晩のことって……アレ、が?」
「もちろん3主のことは嫌いじゃないが、ああいうのを望んでたわけじゃない」
「じゃあ、なにかその、3主さんとのことには……訳があったっていうんですか?」
「さっきからそう言ってるだろ!」
 イライラしてきた。いつもと違ってえらく鈍い。コイツこんなにバカだったっけ?
「ったく、本人にそんな話をあんまりさせんなよ。嫌がらせか?」
「いや、僕はそんな」
「俺がこんな必死になってんのに、少しは協力しようって気はねえのか」
「す、すみません。あの協力って何を……」
 ――さっき「そばにいてくれ」って頼んだばかりなんですけど。
「お前、ワザとか?」
「え?」
 普段はケンカばっかしてても、イザとなりゃ助けてくれると思ってたんだがなー。
 なんだかなぁ。もういいや、やっぱコイツ嫌いだ。マジヌッコロしてえ。
「っつーか殺すか、もう」
「……4主さん?」
 考えてみりゃ、コイツがいるから俺がどっちつかずで混乱するんだもんな。
「そうだよな、てめえが消えればスッキリする話だ。よし、協力しろ」
 俺は8主の前に回って、相手の襟元をつかんで壁に押しつけた。
「ちょ、どうしたんですか4主さん……痛いですって」
「おとなしくしてろよ、すぐ済むから」
 大丈夫、いくら8主でも仲間なんだから、苦しませるつもりはないさ。
 ちょっと手を差し込んでひねってやればスグだ。
「うん? それよりは、首をねじ切っちゃう方が早いかな。その方が痛くないか」
「な、何を言ってるんですか? い…ッ苦しいですってばっ」
「安心しろよ、俺の料理の腕は知ってるだろ? ちゃんと全部、喰ってやるから」
 二度と生き返らないように、引き千切って、バラバラにして、トロトロに煮溶かして。
 今晩のメインディッシュだな。もちろんみんなにも喰わしてやろう♪
「4…主さん…く…苦し……4主さんヤメて!!」

139【Ligament】[6] 3/7:2007/03/03(土) 06:03:19
「あ……?」

 唐突に理解して。
 同時に絶望する。
 8主から手を放すと、彼はゲホゲホと咳き込んだ。
「ケホッ……よ、4主さん?」
 8主はようやく息を整えた様子で、俺を見る。
 目が合う前に、目をそらした。恐怖?侮蔑? どんな目で俺を見てる?
「4主さん、待って」
 あとずさった。逃げたかった。違う――死にたかった。
「4主さん、落ち着いてください、大丈夫ですから」
「う……うう……」
 不快感。吐き気がする。視界がゆがむ。
「うううっ……」
 絶望が切望に。
「僕は大丈夫だから、落ち着いて!」
 死への切望に。
「あああ……ああああああ!」 
「4主さん!!!」
 
 押さえつけられて、抱きしめられた。 
 叫び出しそうになった俺の口を、8主がふさいでいた。
 ――彼自身の口で。
 
 ヒューズが飛んだように、唐突に、荒れ狂っていた何かが落ちた。 
「ごめんなさい。でも落ち着かせるときは、こうしろって指示でしたよね?」
 ようやく焦点の定まった俺の視界に、今にも泣き出しそうな8主の顔が映った。
 彼の手が、俺の胸のあたりにそっと置かれて、ある瞬間にビクッと引っ込められる。
「ああ……本当に動いてないや。なんでいつも――あなたばかりが」
 乱れた俺の髪をそっとかき上げて、耳にかけてくれる。
 そのまま俺の顔を両手でつつんで、そして、もう一度唇を重ねてきた。
 壊れ物でも扱うみたいな……とても静かな口づけだった。

140【Ligament】[6] 4/7:2007/03/03(土) 06:03:43
 薄暗い階段の片隅で、二人とも無言のまま、身体を寄せ合ってじっとしていた。
 8主は、自分の胸に頭をあずけてぼんやりしている俺の背中を、優しくあやすように
とん、とんと叩いてくれている。
「……潮時かな」
 呟いた俺に、8主はあまり抑揚のない声で「なにがですか?」と聞いてきた。
 俺は自分でわかってる範囲のことを、今度は正直に、そのまま告げた。
「俺は今、あの時と同じような化け物になりつつある。あの黒い羽の化け物に」
「あの時の――でも4主さんであることには変わりないでしょう?」
「さっき本気でお前を殺して喰ってやろうとしたんだぜ? 化け物だろ」
 小さく息を呑み、8主は黙り込む。
「3主のこともだ。あれは――SEXの形を取った "食事" だ」
 直截的な単語に青年の身体が一瞬こわばったが、俺は気づかないフリをして続けた。
「ああいう形で摂取したのは初めてだったが、俺はたぶん行為を通して、
あいつの生命力みたいなもんを喰ってたんだと思う」
 まるで吸血鬼だよな、と俺は苦笑した。天空の勇者もずいぶんと堕ちたものだ。
「じゃあ、さっきのキスで、僕のも?」
「違う。お前には、俺のそういう変化を抑える力があるみたいなんだ。
今もそばにいるから、俺もまだまともでいられる」
 もう近くにいるくらいじゃ、効かなくなってきているけれど。
 少し身体を起こして、8主を見上げた。彼は目を細め、頭を巡らせている。
 真剣な表情をすると、けっこう男っぽくて格好いい。とか少し場違いなことを思う。
「それってつまり……」
 俺の言葉の意味を、8主はゆっくりと別な言い方で繰り返した。 
「僕があなたを抑え続ければ、あなたは人間のままでいられるけれど、死んでしまう。
 そして僕がいなくなれば、あなたは人間以外の何かに変化して、でも生き続けられる」
「ただし俺の『人間以外の何か』ってのは相当ヤバイ。その選択肢はあり得ないぜ」

 アレがなんなのか、俺にもよくわからない。
 やたらハイな気分で、何でもできる気がして、実際とんでもなく能力値が跳ね上がる。
 本物の魔王が……桁外れな強さを持つアイツでさえ、化け物と呼んだのだ。
『お前はこの世にあってはならない存在だ』
 俺に半殺しにされて、俺の足の下で血を吐きながら、そう言ったのだ。

141【Ligament】[6] 5/7:2007/03/03(土) 06:04:08
 ダメなものはダメだな、と今度は素直にそう思った。
「悪かったな。お前に選ばせるつもりはないさ、自分の始末は自分でつける」
 潮時だ。さっきとは違った緩やかさと確実さで、俺は消える決意を固め始めていた。

 ――と、立ち上がりかけた俺の手をつかんで、8主がグイッと胸の中に引き戻した。
 もう一度ぎゅっと抱きしめられる。
「こぉら、また一人で抱え込んで勝手に決めようとしてるでしょう」
 見上げると、まるっきりいつも通りの笑みが返された。
 いつもの、ちょっと意地悪な感じの、でもなんか憎めないあの笑顔で――
「言ったでしょう? ちょっと死んでるくらいなんだって。
ずっと一緒にいる、こんなに大切な人を、僕は簡単に諦めたりしません」

 ……ここにアホがいるよ。
 こんな俺でも、まだ大切だとかぬかしやがりますか、このアホは。
「僕たちこれでも、世界を救ってるんですよ? 必ず何か方法はあるはずです」
 8主が自信満々の口調で続ける。俺はほうけたように「うん」とうなずいていた。
「それで、まず確認したいのですが」
 青年は今までにない真剣な顔で、俺を見つめた。
「…………………………………その『食事』って、僕じゃダメ?」
 おい。思わず腕を払って身体を起こしたら、8主はやっぱり真剣な顔で詰めてくる。
「どうなんですか? ただの食事なんでしょ? 僕でもいいんじゃないんですか?
HPの高さには自信ありますし。あ、MPも。なーにちょっとやそっとじゃ参りませんって」
 お前ポジティブすぎ。っつうか俺の身体が目当てですか? 姫さんに言いつけるぞ。
「ダ〜メ。お前の場合、混ざってるその力と反発するから。食あたりする」
「そうですかぁ……しゅん(´・ω・`)」
 しゅんとか声に出すな。顔文字ヤメレ。

 なんだかなー。今けっこう悲愴な決意を固めて、
 どこでくたばろうかとか真剣に考えちゃってたのに。やる気無くした。

142【Ligament】[6] 6/7:2007/03/03(土) 06:04:35
「お前、実は真性のバカだろ?」
「なんかものすごい言われようですが、今日だけは許してあげます」
 8主がニヤリと笑う。立ち上がって、う〜んと背中を伸ばした。
「こんなとこに座ってたからおしりが痛くなっちゃいましたよ。
しかも徹夜ですよ、完徹。あーあ、ほんとこの人は手がかかる」
「すんませんね。昼まで自分の部屋で寝てろよ、起きたらなんかメシ作ってやる」
「お優しいことで。でも離れていいんですか?」
「お前なんかとそんな始終ベッタリしてられっか」
 それに、今日は村に戻ってシンシアに謝って来ないとまずいからな。
 彼女を振った、だと? んなことありえねえだろ。
 3主をひっかけるために勝手なこと抜かしやがって、あのヤロー。
 いや、アレも自分には違いないんだけども。
「俺も用事があるし、たぶんこの調子なら半日くらい大丈夫だと思う。
昼には戻るから、その時にメシ食いながら今後のことを話したい」
「わかりました。でも、おかしいなと思ったらすぐ呼んでくださいね。
ケータイまくら元に置いておきますから」

 俺は8主とわかれて、階下に向かおうとした。
 と、「4主さん」と再び呼び止められた。
 振り向くと、相手はちょっとためらったあと、言った。
「僕の今の位置づけとか、聞いてもいいですか」
 あ〜……意外と乙女思考なんだなぁ。その辺ハッキリさせなきゃダメなタイプ?
「シンシアは恋人。絶対領域だから何人たりとも立ち入ることは不可能」
「そりゃそうでしょう、僕もミーちゃん絶対領域だし。3主さんは?」
「今さらトモダチとは言えんしなぁ。まあ強いて言うなら、愛人ですかね」
「僕は?」
「お前は……主治医?」
「うは!」
 あ、喜んだ。
「オーケー了解です! じゃあ一眠りして "治療法" を考えますよ。では後で!」
 微妙にアイツの思考回路は、よくわからん。

143【Ligament】[6] 7/7:2007/03/03(土) 06:05:03
 村に戻ると、家のドアを開けた途端に、待ちかまえていた4女に蹴りをかまされた。
 階段の下まで転がり落ちる。手加減まるでナシだ。
「これ以上やったら、ますますシンシアが泣くから勘弁してやるけど」
 恐ろしいオーラを立ちのぼらせて、コメカミのあたりをピクピクさせている。だが、
「あたしは外に出てるから。終わったら呼んで」
 多くは言わず、スタスタと俺の横を通り過ぎていった。
 自分の分身みたいなものだが、なかなかイイ女だと思う。
 もし彼女が俺だったなら、こんなことにはならなかったのかもしれない。

 シンシアは奥の寝室で、ベッドに突っ伏していた。カーテンを締め切っていて薄暗い。
 肩に触れると、ガバッと胸に抱きついてきた。
「ごめんな、シア」
 小さく首を振る。――私が悪いの、約束を破って宿舎に勝手に行ったんだもの。
「でも、俺いろいろ、裏切ってる」
 また首を振る。――全部わかってるわ、あなたが昨日……何をしていたのかも。
「やっぱりか。じゃあ俺はどうすればいい?」
 彼女が顔を上げた。――あなたが死なないようにすること。それだけを考えて。
「マジ? うわゴメン、危うく自殺するとこだった」
 軽く頭を叩かれた。――悪い子ね。知ってるでしょ? 私が怒るのはそこだけなのに。
「わかった。8主とか、他の連中に相談してみる。前向きにさ」
 彼女は小首をかしげた。――8主さん? でも彼がいると、あなたは死ぬじゃない。
「まあ、そうだけど」
 俺の耳元に唇を寄せて、そっと囁く。――ダメよ、せっかく目覚めかけているのに。
「どういうこと?」
 彼女が笑った。とても美しい笑顔で。――8主さんを消してしまいましょう。
「……それが、最善なの?」
 彼女は、はっきりうなずいた。

 俺は急いで部屋を出て4女を呼び戻し、入れ替わりに外に出た。
 最近ようやく使い慣れてきたケータイの短縮8番でヤツを呼び出す。
 ワンコールですぐ出た相手に、俺は叩きつけるように言った。
「今すぐ全員を連れて逃げろ。今度は……止められそうにない」

144【Ligament】[6] おまけ:2007/03/03(土) 06:05:34
3主「はい一回休み! いいなぁ、のんびりできて」
8主「ふふん、負け惜しみですか?」
3主「お前そんな余裕かましてていいのか? なんか死亡フラグ立ってるぞ」
4主「さーつじんき〜殺人鬼〜♪ BL展開どこいった〜♪ 次のぉ回にはヤりたいな♪」
38主『なんちゅー歌だ!』
4主「だってさー。なんかバトロワっぽくなってきてイヤーンなんだもん。
   まあサンちゃんの寝こみ襲ってもいけどさ。俺そろそろ腹減ってきたしぃ♪」
8主「あ、あれ? 僕ここにいるのに、正気に戻らない?」
4主「しょーきってなぁにィ? ……まぁた俺の邪魔する気ィ?」
3主「ちょwwwおいおい、しまえその剣」
4主「サンちゃんも、邪魔するなら、殺すよ?」
3主「マーダー化ktkr」
4主「なぁに勝手なこと言ってんのさー。ねえシンシアちゃん?」
8主「いらっしゃってるんですか!?」
4主「当たり前じゃん。ようやくこうして一緒にいられるの、超シアワセ♪」
3主「おい、なんか言ってることおかしくないか? いや普段もおかしいけど」
8主「っていうか――あなた、『誰』ですか?」
4主「俺は俺だろ。みんなのアイドル4主クンだよ。
   ちょっとばかしマイナーチェンジしてるけど」
3主「マイナーチェンジってレベルかよ、ほとんど機種変だ!」
4主「ま、謎は次回で明らかに?」
8主「このシリーズもいよいよ佳境に突入でしょうか」
3主「さあねえ。っつーか、ちゃんと収拾つくのかね」
48主  「それは禁句www」

3主「↑この空白はもしや……(((((( ;゜Д゜)))))」

145名無しの勇者:2007/03/03(土) 14:15:46
>>137
相も変わらず素敵な燃えをありがとう!
wktkしながら続き待ってます!

146名無しの勇者:2007/03/03(土) 16:02:31
もう萌えと燃えで前が見えない
乙&続き期待してます!

147名無しの勇者:2007/03/03(土) 17:06:05
8主が4主好きすぎて健気すぎて可愛くて泣けてきた
4主がなんかもう痛々しくて泣けてきた

148名無しの勇者:2007/03/03(土) 23:52:47
乙ったら乙!!!1!!
4主は一体どうなるの!?教えてエロイ人ーーーっ!

149133:2007/03/04(日) 01:49:12
キターーー!!
でも…ダメだ余計に続きが気になって仕方なくなりましたw
GJです!!

150名無しの勇者:2007/03/11(日) 13:58:33
こんにちは〜。こちらには初めてカキコさせていただきます。
今回、久々に【Ligament】を読んだらなんと、
まさかこんな展開になっているとは! 驚きました〜w
4主クンどうなっちゃうんでしょう、激しく気になります。

あとおっしゃる通り、文体とかクセが私と少し似てるかもですが……
私なんかより全然うまいですよ! っもう、うらやましいってばw
連載は大変だと思いますが、頑張ってください。ではでは〜。

151名無しの勇者:2007/03/11(日) 17:59:52
元祖ネ甲キタ―――!!

152名無しの勇者:2007/03/11(日) 19:11:03
うわ〜、まさかこちらに書き込みいただけるとは!
ありがとうございます! そしてすみません! こんなに内容変えちゃって。
うまいなんてとんでもないです。元ネタに恥じないよう必死です。

あと、自分が言うのは本当におかしな話なんですが、
どうかご無理はなさらないでください……全部自分の責任なんで(いやマジで)

153名無しの勇者:2007/03/12(月) 00:53:06
大丈夫ですよー、今はだいぶ耐性がつきましたし!
チューくらいなら平気になりましたwwイエー!

実は私、あんなもん書いてる割に基本的にはBLダメな人間なんですよwww
便乗願いを頂いた時、てっきり普通の避難所への投下だと思いこんでまして、
なんとリガメントも4話まで進んだあとに勘違いに気付いたのでしたw
(あのあたりのやり取りは今思い出しても笑えますよね、靱帯さん?w)

というわけで、こちらへの書き込みはあまりしないと思いますが、
リガメントは全面的に応援してますので! もう好き勝手やっちゃってくださいね!
ではお邪魔しましたー ノシ

154【Ligament】[7] 0/5:2007/03/16(金) 15:40:57
3主×4主←8主fromDQ主雑

4主「恒例サンクスコール行っきまース! >>145-149の皆様、レスありがと♪」
3主「そして恐れ多くも元祖、ご本人様にご支援いただいて、大感謝です」
8主「苦手分野にも関わらずカキコありがとうございます。いや〜しかしホント、
   あの時のやり取りは一生忘れられそうにないですよ」

 --------以下、実話を元にした再現VTR--------
元祖「え、BL……ですか?」
靱帯「ええ。なので普通の避難所には間違っても落とせないっていうか……あれ?
   最初のメールで投下先のURL書きましたよね?」
元祖「そこページが無くて、でも普通の避難所だと思ってたんでいつもブックマークから
   通ってたんで、ちゃんと確かめてなかったんです。ごめんなさい」
靱帯「あ、URLのコピーをミスってました! こちらこそすみません」
元祖「BL……BL……それって当然……ブルース・リーの略じゃないですよね?」
靱帯「アチョー!ですか!?燃えよドラゴンですか!? そんな男らしいパロ自分には書けません!」
元祖「そうですよねー。うんうん」
靱帯「あの……もしかしてもしかしますが……BL……ダメ……なんですか?」
元祖「あはははは。実は」
靱帯「あはははは。なるほど」
元祖「………」
靱帯「………」

靱帯「うわーーーー!!! どうしよマジごめんなさいすぐ連載中止しますぅぅぅ!!」
元祖「落ち着けー!! 気にしなくていいから全然平気だから大丈夫だから続けてー!!」
 --------再現VTR終了(ご本人様の承諾を得ております)--------

3主「なんつーか、自分アホですみません。その後も何度も励ましていただきまして」
4主「お陰様で、今ではもう好き勝手やらせてもらってます、はい」
8主「拙筆ながら頑張りますので、元祖様と読者の皆様方、今後ともよろしくお願いいたします。
   それでは、【Ligament】第7部 本編スタートです!」

155【Ligament】[7] 1/5:2007/03/16(金) 15:41:25
  <8主>
「3主の様子がおかしい」
 5主さんが僕の部屋に飛び込んできたのは、4主さんの電話が切れた直後だった。
「どういうことです!?」
 かけ直そうとしていた手を止めて、思わず大声で問い返した。思い当たることが
あるだけに、僕も冷静ではいられない。5主さんは、むしろ自分を落ち着かせる
ためのように、殊更ゆっくりと言った。
「血の気がなくて、体温が異常に低い。ぼうっとしていて呼んでも反応がないし」
 3女さんが発見して、ロト組の階は大騒ぎになっているという。
 僕が甘かった。まさか「喰われる」ということが、これほどの負担だったなんて。
「パデキアを飲ませようにも4主が見あたらないんだ。携帯も一回目は話し中で、
次からは電源が切れちゃってて繋がらなくて。今1・2・6主が探しに行ってるが、
君は彼の居場所を知らないかい?」
 携帯の電源が? じゃあかけ直しても無駄か。どうしよう……。 
「もしや何か知ってるのか」
 彼の視線は、携帯を持ったままの僕の手元に注がれている。「さっき4主が
話していた相手は君だったのでは?」と、言外で問うている。あの不思議な瞳で
見据えられ、出かかったごまかしの言葉ものど元で止まった。
 さすがだな。僕ごときじゃ、真剣モードの5主さんをはぐらかすのは無理だ。
「言います……が、くれぐれも4主さんのことを考えてあげてくださいね」
 それが条件。正直、この一連の問題は、僕の判断には余ることだと思っていたんだ。

 手短に今までのことを説明する。
 5主さんは最初こそ驚いていたけれど、話終わる頃にはしっかりとうなずいてくれた。
「事情はわかった。安心しなさい、絶対に悪いようにはしない。4主も3主も――君も」
 やっぱり大人なんだな、と思う。普段はアホなことばっかり言ってるエロキングだけど、
こういう時は頼もしい。
「まずは3主を回復させないとな。呪いかなんかだったら1回死んでもらってザオリク
するかなーとか思ってたんだけど、そういう話じゃ直らなそうだしね」
「いやちょっと、もう少し命を重視した方法を考えましょうよ」
「しかも4主クンとヤったのか……いいなぁチクショー。天罰だ」
 頼もしいという評価は早計だったか。
「ここにいたの! 早く来て、あのバカが起き上がったの!」
 3女さんが飛び込んできた。目に涙をいっぱい溜めている。よっぽど心配なんだな。
「行きましょう」

156【Ligament】[7] 2/5:2007/03/16(金) 15:41:52
 女性の前では話しづらいことなので、3女さんには部屋の外で待っててもらう。
彼女も何となく悟っていたみたいで、素直に従ってくれた。
 3主さんはベッドの端に座って、ぼうっと床を見ている。パジャマを着てたことに
ホッとした……のもつかの間。首の辺りに小さな赤いアザを発見してしまった。
 あの人に付けられたんだろうか。昨晩のことが蘇ってきて、胸が痛い。
 でもそれは仕方のないことだったんだからと、自分に言い聞かせる。
 ――と、放心状態だった彼の口から、小さく言葉が漏れた。
「……チクショウ」
「ん? 何か言ったかい3主?」
 5主さんが3主さんの前に膝をつき、頬に手を伸ばした。
 のろのろと視線が動き、5主さんを見て、それから後ろにいる僕を見る。
 3主さんはそこで、ようやく表情らしい表情を浮かべた。――苦笑。
「ここまで根こそぎ…取られるとはな。しかも、刷り込んで……いきやがった」
「刷り込む?」
 前半の意味はわかるけど、後半は何のことかわからない。二人で顔を見合わせると、
彼はこめかみの辺りを押さえてうめいた。
「ひでえ二日酔いみたいだ……頭の中に…ガンガン響いてる。8主を…殺せって」
「僕ですかぁ!?」
「おうよ……よっぽどお前が邪魔みたいだな。くそ、気を抜いたら……流されそうだ」
 ひぃい、勘弁してください。4主さん、エッチはただの食事だなんて嘘ばっかり!
「いやでも、僕に『逃げろ』って電話して来たんだし。近づくと殺すぞーっていう
警告で、本気じゃないんですよね、きっと」
 僕がそう言うと、5主さんは神妙な顔で腕を組んだ。
「そんな連絡を受けたら、8主は当然、事情を知ってる3主のところに向かうよね?
3主が強い精神力で自我を保ってたから良かったものの、下手したら同士討ちに
なってたんじゃないの?」
「で、でもあの人の声、必死な感じで、とても演技とは思えませんでしたよ?」
 つい4主さんを庇ってしまう僕だったけど。
「それも計算の内だとしたら?」
 5主さんの言葉にゾクリとする。
 正気に戻った時の自分の行動パターンさえ計略に練り込む……どこの夜神Ligjtだ。
 ――忘れてましたよ、相手は4主さん。天才指揮官にして、稀代の策士。
「もちろんザオリクってものが存在している以上、決定打にならないけど。
こういう細かい仕掛けも含めて君の殺害を考えているんだとしたら、厄介だよ」
 真っ向勝負でかかって来られてもかなりの強敵なのに、頭脳戦も絡めてくるか。
 あー、ワタクシ8主の人生、ちょっと終わっちゃったかもw

157【Ligament】[7] 3/5:2007/03/16(金) 15:42:16
  <7主>
 僕はそのとき、宿舎に向かって森の中を歩いているところだった。午前の柔らかい
日差しが、木漏れ日となって周囲や僕を斑に光らせている。
 釣り道具一式を持って山に向かったのは、今日の早朝、というより夜中の3時頃。
昨日の晩、6主さんが「たまには川魚料理もいいな」なんて言い出したからだ。
 他でもない6主さんの頼みとあれば、夜中に起き出して渓流釣りに挑むのも仕方ない。
 戦利品は40センチもあるイワナが3匹。イワナのフルコースが作れるだろう。お造り、
塩焼き、お吸い物、皮の炒め、骨酒なんかも付けようかな。
 正直、川魚の調理は4主さんの方が得意なんだけど――今回は譲れない。
 まったく6主さんったら「最近4主のヤツ妙に色っぽくなったよな」なんて。確かに
綺麗な人だとは思うけど、僕はむしろ、最近よけいに4主さんが怖くて仕方ないのに。
 ……失礼なのはわかっているんだけど、どうしてか彼には、まるで肉食獣にでも
狙われているような、そんな不安を感じてしまう。
「おう7主、ちょうどいいところにいた。頼む、少し手伝ってくれないか?」
「うわあ!」
 いきなり声をかけられて、僕はマジメに死ぬかと思った。
 振り返ると、4主さん当人がきょとんとした顔で立っている。なんだこのタイミング。
「なんだよ、また怖がってるのか」
 4主さんは数歩手前で立ち止まり、僕の反応をうかがっている。
「違うよ、ごめん考え事してたんだ。――で、手伝いって何?」
 僕が平静を装って問い返すと、4主さんは追いついて来て一緒に歩き出した。
「いや〜ガチでタイマン張ったらやっぱお前が最強じゃん? だから最初に頼もうと思って」
 なんだろう。またマスドラ打倒作戦でも考えてるのかな。
「悪いけどケンカの手伝いをする気はないよ? 僕はこれでも平和主義者なんだ」
「いやいや、ちょっと借りたい物があるだけだって〜」
「借りたいって、なんかの特殊アイテム?」
「はずれー。アイテムじゃないよん」
 ニッコリ笑う4主さん。なんか妙に明るいノリで変な感じだ。
「じゃあなにさ」
「――アルテマソードと、マダンテ」
「え?」
 瞬間、視界が回転した。

158【Ligament】[7] 4/5:2007/03/16(金) 15:42:41
 足払いをかけられて転ばされたんだ、というのはすぐに理解できたけど、同時に
4主さんが覆い被さってきて、僕はパニック寸前になった。
「マホトーン♪」
 耳元で囁かれて、まるっきり体勢のできてない僕はあっさり呪文を封じられてしまう。
「え?え? ちょっ」
「どうするナナちゃん? 俺は奉仕されるのが好きだけど、今回はやったげてもいいよ」
 フーっと首筋に息を吹きかけられて、僕は全身から血の気が引いた。
「ななな、なんのお話しデスカ!?」
「ヤラシイことしようよ、ってハ・ナ・シ☆」
 言うなり、僕の唇に彼のそれが重ねられた。舌が押し入ってきて、それだけ別の
生き物みたいに僕の口の中を動き回る。柔らかく絡め取られて、吐息とともに、何かが
吸い出されていく感触に、身体から力が抜ける。ちょっと待って、なにが起きてるの?
「ぷはっ……ふ…ぁ……」
 ようやく解放されたときには、僕は息も上がっていて。
「ねえナナちゃん。人間がもっとも無防備になる瞬間って、いつだと思う?」
 問いかけられた言葉も、頭の中に入ってこなくて。
「寝てる時って意外にガード堅いんだよね。物理的には無抵抗だけどさ、精神的には
オープンになってるわけじゃない。催眠術だの自白剤だのは、強引に記憶を引っ張り
出してるだけで、内側に入り込むのとは違う」
 楽しそうに、歌うように、4主さんは話し続ける。
「完全な無防備……直に魂に触れ、その瞬間に相手の全部がつかめるような、そんな状態」
 なに? なにを言ってるのこの人?
「ま、答えは簡単なんだけどさ。要は――イかせちゃえばいいのね」
 とんでもないワードが出てきて、混乱が一気に恐怖に変わる。
 それは「僕は今襲われている」という強烈な認識に至り。
「わー! 待ってよ! 4主さんにはちゃんと恋人がいるじゃないか!」
「それは大丈夫、公認だから♪」
「えーっ!!?? いやそれでも、僕の特技を借りるのとコレと、なんの関係が……!」
「ヒントは『サンちゃんで実験済み』と、『俺はマホトーン使えましたか?』の二つ」
 そう言えば……4主さんはマホトーンを使えなかったはず。
 "サンちゃん" ってのが3主さんのことなら、確かに彼の方は封呪魔法の使い手だけど。
 つまり4主さんがさっきから言ってる「借りる」とは――。
 能力の、コピー。

159【Ligament】[7] 5/5:2007/03/16(金) 15:43:06
「本当はこんなん面倒なんだけどさぁ。前に覚醒したときは、ほとんどの呪文も
特技もプリインストールされてる状態だったのに、あのバカが初期化しやがって」
「覚醒。あの、黒い翼の……?」
 極大呪文を楽々と連発し、僕をあっさりと殺した、アイツ。
「そう。だからまず最強ワザから回収しようと思って。その二つさえあれば
他はいらんし。というわけで大人しくしろよ? 楽しませてやるからサ♪」
 4主さんは僕の首筋に唇を寄せた。

「い――――。いい加減にしてよっ!」
 叫ぶと同時に、僕はメラミをたたき込んだ。
 反射的に離れようとした4主さんは、避けきれず至近距離から火の玉を腹に
くらって後方に吹っ飛んだ。木の幹に背中から叩きつけられて、ズリ落ちる。
 マホトーン。使い慣れてないから忘れてるようだけど、僕や8主クンはある
程度時間が経つと呪縛が解けるんだよ。神秘的な力を借りる先の精霊が世界に
よって違うから、とかなんとかって小難しい仮説は、よくわからないけど。
 密着してると特技系は失敗しやすいから、このチャンスを待っていたんだ。
「そうやって他のみんなからも奪い取るつもりなの!? そんなことしたら、
今度こそ仲間じゃいられるなくなるよ!?」
 みんな必死に戦って、4主さんが死んだと思った時は本当に絶望して、助かったと
知った時には心の底から喜んで。
「みんな必死にあなたを助けようとしたのに! また負けちゃったの? 目を覚まして!」

 木の根元にへたり込んだまま、4主さんはクックックと低い声で笑った。
「密着状態では自分が巻き込まれるのを避けるために、火炎系は使わないもんだが。
俺が距離を取るのも計算して、あえて一点集中型で発動の早いメラミを選択したわけだ」
 4主さんがスウッと顔を上げる。ザワリと、周囲の空気が蠢いた。
「DQ界屈指の戦闘能力はダテじゃないか。せっかく穏便に済ませようと思ったのになー」
 彼の背後に、半透明の黒い翼が開かれていく。そして瞳は猫のような縦長の瞳孔に。
「お前は弟みたいで気に入ってるんだが……仕方ないね。少し、痛いよ?」
 そいつがゆっくりと僕に近づいてくる。さっきとはまるで違う威圧感に、僕は動けない。
 なんとかひれ伏すのだけは堪えている――そんな感じで。
「や…だ……」
 怖い――。怖い助けて。怖い怖いコワイ、いやだ、助けて!
 6主さん……!

160【Ligament】[7] おまけ:2007/03/16(金) 15:43:32
7主「キャー! いや…やめて!……あ…ふ…ぅあ…!」
4主「ククク、嫌がっていても身体は正直だよね……ほら、ここをこうすると」
7主「あん!……あ、あ、ダメ…そこは……爪はダメなのー!」
3主「爪?」
7主「左足の親指の爪はダメなのー!」
4主「ふっふっふ、それとここ……右手の中指の第2関節をモミモミ……」
7主「あーん! もう許して……!」
8主「ちょっと待て」
4主「可愛いよナナちゃん、もっと乱れてよ。ほら、左腕のひじの内側をキュウっと」
7主「はう! ソコは……そんな強く押さえないで……!」
3主「どう見ても『はい採血しますよー。グーしてください、痛くないですよー』
   の場面にしか思えないのだが」
8主「ナースコスの4主さんならメッサ萌えますけどね〜」
7主「あぁ、あ…っく……はう!…ガクッ」
4主「おやおや、もうイっちゃったの? ここが一番カンジちゃうんだね……鼻の頭」
3主「いやこいつの性感帯おかしいだろ!」
8主「そしてなんでそこ的確に知ってんですか!」
4主「アハハハー! あいつもナナちゃん満足させんのは大変そうだなー♪」




6主「7主…………orz」

161名無しの勇者:2007/03/16(金) 19:50:50
続きキテターー!
なにげに6×7ぽい表現が入っててテラウフフ

162名無しの勇者:2007/03/17(土) 10:59:31
Ligament続き待ってましたー!
どうなるのか続きがマジ気になる。
これからも頑張ってください!

163名無しの勇者:2007/03/17(土) 14:09:28
続きキテタ―――!!
相変わらず4主がテラエロスで8主がテラケナゲス
それに加えて7主可愛いよ7主

164【Ligament】[8] 0/5:2007/03/20(火) 14:37:54
3主×4主←8主fromDQ主雑

3主「ういーっす、毎度お騒がせしておりますリガメントです。それでは恒例の」
8主「サンクスコール行きます。>>161・162・163様、レスありがとうございます!」
4主「そのあたたかい一言が、ウラン以上の核燃料になります、ハイ♪」

3主「ところでこのシリーズも8回目か。ちょっとダレてきた気がするな」
8主「そうですか? みなさん楽しみにしていただているようですし、
   中の人もヘタっぴなりに展開を頑張ってるみたいですが……」
4主「実はそう思って、今回はちょっと変わった趣向にしてみたぞ?」
8主「さすが4主さん、用意がいいですね! で、どんな趣向ですか?」
4主「おう! 今回は――ちょっとスプラッタな映像が入りまーす。
   血とか痛い話が苦手な方は、ご注意くださいネ☆」
3主「ススス、スプラッタだとぉ? 今度はなにをやらかしたんだお前はぁ!」
4主「ちょっぴり残虐なだけで、別にそんな大したことしてないって〜」
8主「残虐のどこが大したことないんですか!? 誰を殺ったんです!?」
4主「それは本編を読んでのお楽しみじゃねーの?」
3主「いやだからお楽しみにならん苦手な人はどうするんだと小一時間(ry」
4主「問題のシーンは3/5にあります。苦手な方は、
   最後の「おまけ」にそのシーンの簡単な説明文を載せておりますので、
   3/5の代わりに「おまけ」を読んでから、4/5に進んでください」
8主「スプラッタであることを示しているだけで、嫌な人がいるかもしれませんけどね」
4主「それはそれ、仕方ないよネー♪」
3主「HAHAHAHAHA……もう俺の手には負えなくなってきますたw」

8主「というわけで、もはやBLというよりBRになりつつある
   【Ligament】第8部 本編スタートです。誰かこの人を止めてください」

165【Ligament】[8] 1/5:2007/03/20(火) 14:38:22
  <6主>
 3主の状態は異常だった。
 まずは万能薬バデキアだと5主に言われ、4主の部屋を訪ねてみたが留守。確か
今日は村に戻る日ではなかったはず……と疑問に思ったが、考えても仕方ない。
「3人でぞろぞろ行っても意味ないし、パデキアはお前に頼む。その間に、俺と
2主は何か栄養のあるもんを買ってくるよ」
 1主の提案で俺たちは宿舎の前で別れ、俺は一人で4主と4女ちゃんが暮らす
山奥の村に向かった。

 そこで俺は、滅多に見ない物を見てしまった。
 俺の妹レーダーにこそひっかからないが、可愛くていつも明るい4女ちゃんが。
 本当はなかなか芯の強いしっかり者で、滅多なことでは負けない彼女が。
 庭先に一人、地べたに座り込んで、声を殺して泣いていた。
 小さく、繰り返しつぶやいているのは――。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「どうしたんだ4女ちゃん! どっか痛いのか? 誰かにイジメられたか!?」
 駆け寄って彼女を揺すると、4女ちゃんは俺を見て、くしゃっと顔をゆがませた。
「……まさか本当に……ことは進んでるのね」
 脈絡がつかめない。ただ、絶望を悟ったような、胸の痛くなる表情だった。
 俺は迷った。もちろん普段なら、一も二もなく女の子を優先するところだが……。
(まずは3主さんの方が先だよ)
 もう一人の俺が心の中でささやく。表から見ればどちらも6主だが、俺たちの中で
役割分担は割と明確にできている。
 こういう時の冷静な判断はこいつに任せた方がいい。
「すまん4女ちゃん、今すぐ手助けしたい気持ちは山々なんだが、3主が大変なんだ。
パデキアを分けてくれないか? 宿舎に届けたらすぐ戻ってくるからさ」
 ああ――と彼女はうめくようにうなづいた。
「今ここにはないわ。全部アイツが持ってっちゃった。きっと邪魔になるから」
「邪魔になる? どういうこと」
「ごめん。あたしには何も言えない。シンシアが決めたことだから……ごめん」
 瞬間、彼女はルーラの詠唱を始めた。バチッと空気が弾けて、俺が移動呪文の
対象外に指定されたことを知って慌てて距離を取る。対象外指定されているのに
近くにいると、半端に巻き込まれて時空の狭間で身動きが取れなくなるのだ。
「たぶんアイツは、宿舎の近くにいると思う。でも絶対アイツには近づかないで。
そしてもし会ってしまったら……」
 彼女は意味深なメッセージを残しつつ、光に包まれて上空に姿を消した。

166【Ligament】[8] 2/5:2007/03/20(火) 14:38:50
 4女ちゃんを見送ってから、俺は宿舎の近くの森を捜索することにした。
 会うなと言われても、4主がパデキアを持っているのなら探すしかない。
(4女さんの言ってたこと、みんなに言った方がいいのかな)
 もう一人からの問いかけに、俺はうーんとうなった。4女ちゃんの言うことを
全面的に真に受けるワケではないが、なにも知らないまま4主とばったり会うのは、
やはり良くない気はする。
 彼女が去り際に残していった言葉が、俺の頭でぐるぐると回っている。
「アイツに会ってしまったら絶対に逆らわないで。でなきゃみんな殺されるよ」
 殺される……か。
 蘇生呪文、という究極の超自然現象を操ることができる俺たちにとって、生き
死にはどうしても軽いものになりがちだ。
 だがこないだの4主の事件で、俺たちはザオリクが決して万能では無いことを
思い知った。たとえば、自殺はザオリク対象外の死であるとか。実際のところ、
ザオリクが成立しない条件の方が、成立する条件より圧倒的に多いのだという。

 あの事件のあと、5主は「この際だから」と改めて全員に蘇生呪文について
講義してくれた。城での勉強の時間はいつも居眠りしている俺だったが、事が事
だけに、あの時は真剣に聞いたものだ。
「呪文という一連のプログラムを実際に形として成しているのは、この世界全てに
溶け込んでいる不定形のエネルギー体……エーテルとか呼ばれている……が働いて
いる結果だ、というのは今さら言うまでもないよね?
 精霊神ルビスやマスタードラゴンなどの神格級の存在も、人間より高度にこの
仕組みを使いこなせるという点で、上位者にいる者達だ。
 ここでザオリクの話に戻るけど、これら蘇生呪文を構成するプログラムには、必ず
『対象となる生物の死因』が組み込まれるという特性がある。『死因』つまりその
生命の故障過程の情報を受け渡さなければ、ちゃんと修復できないからね。
 ところが『死因』によっては、自然の摂理を大幅にねじ曲げるプログラムができて
しまい、世界の基礎を構成するエーテルそのものが処理できないケースが出てくる。
例を挙げると『自殺』もそうだし、他にも――」

 そこまで思い出したとき、ふと前方の茂みの上に帽子が引っかかっているのが
目に入った。緑色の頭巾、間違いなく7主のものだ。
 そういえばあいつも今朝から姿を見ていない。まずいな――妙な胸騒ぎを覚える。
 と、人の声がした。低くくぐもった笑い声と、かすれるようなうめき声。少しでも
距離があれば、気づかずに通り過ぎていただろう。

 通り過ぎていたのなら、俺は7主のあんな姿を見ずに済んだのだろうけど。

167【Ligament】[8] 3/5 (ちょっと痛い話です):2007/03/20(火) 14:39:15
  <7主>
 ピチャピチャと、犬が水でも飲んでいるような音が、僕の身体から発せられている。
 4主さんに散々いじられ、えぐられ、かき回されたそこが、とてつもなく熱い。
 動けない僕を樹に寄りかからせ、4主さんは恍惚とした表情で作業を続けている。
 僕が見つめているのに気がついて、彼はぬらぬら光る指先を僕の頬に滑らせた。
「ナナちゃんの中、いいよ。あったかくて、柔らかくて、最高だ」
 何度目かの口づけを受けた。ねっとりした液体が流れ込んできて、あまりの気持ち
悪さに吐き気を覚える。どうして4主さんは、こんなものを美味しいと言えるんだろう。
「大丈夫、最後はきちんとしてあげるから安心しなよ」
 なにが大丈夫なんだ。ちっとも大丈夫じゃない。そんな単語が当てはまる状況は、
あなたに会った時点から銀河の彼方じゃないのか。

 気持ち悪い。自分の――血のにおいが気持ち悪い。
 あたり一面に立ちこめる鉄サビのにおいが嫌だ。すぐ目の前から漂ってくる、
僕の内臓の生臭いにおいが嫌だ。さばいた魚の方がずっとマシだ。僕は魚以下か。
「気にするなよ、人間なんてみんなこんなもんだ」
 僕の心を読んでいるのか、4主さんがなだめるように言う。きれいな顔の半分
以上を血で汚し、髪の毛まで赤黒いまだらに染まっている。8主クンが見たら
きっと「どこの原住民のコスプレですか」なんてツッコムところだろう。
 それでも彼は、壮絶に美しい。
 恐怖はとっくの昔に消えている。最初に、あんまり簡単に利き腕を飛ばされた
あたりで諦めたように思う。残りの手足も、今はどこにいったかわからない。
 僕のお腹に顔をうずめて、4主さんはまた僕を丁寧に貪り始めた。
 クチャクチャ。ピチャピチャ。グチュリ。別に痛みはない。4主さんが言うには、
恐怖も極限を通り越すと、アドレナミンやドーパミンといった脳内麻薬がバンバン
出まくって麻痺するんだそうだ。なんかイっちゃった時みたいになるらしい。
 別に気持ちいいって感じはしないけどね。むしろ、やっぱり気持ち悪いよ。
 ただ、もうじき死にそうだなぁとか、冷静に考えられるのはそれのお陰なのかな。

「ふぅ。あー喰った喰った。ごちそうさま♪ ――おっと、お客さんだ」
 チュッと僕の額にキスをして、彼はおもむろに立ち上がった。一歩横にどける。
 今来た相手に、僕がよく見えるように。僕が相手をよく見えるように。
「ちょっと遅かったね――ロクちゃん」
 ブラックアウトしかかっている僕の視界に、一瞬青い色がかすめた。
 あの人の声が僕の名を絶叫する。それを最後に、僕の意識は戻ることはなかった。

168【Ligament】[8] 4/5:2007/03/20(火) 14:39:40
  <4主>
「アルスーーーー!!!!!!!」
 叫びながら猛然と突進してきた青髪を、俺はバックステップでヒョイっと避けた。
二人の時はその名で呼んでたのか。ほほう、さてはこいつらデキてたな?
 6主は俺のことなどアウトオブ眼中で、動かない7主にすがりついた。
「アルス! アルス! っく……In spirits of the dead Rubiss's name, Return
your soul. The earth makes body, The water makes blood, The flame makes
temperature, The wind makes pulse, and The light falls on eyes.....」
 ほとんど聞き取れないほどの早口で、一切の乱れもなく回復系の最高等位呪文を
練り上げていく。とてもそこらの神父じゃマネできない正確無比の詠唱。
 普段のバカチン王子とはほど遠い真剣な表情に、この俺でさえちょっと見とれて
しまいそうだ。
「――My shadow changes into the wing, flies about the nether world, and
leads you to me.――Revival cantrip Zaoriku!!」
 最後の実行キーが唱えられ、呪文が発動する。
 しかし、彼の渾身のザオリクは奇跡を見せず。
「……何を……した」
 ゆらりと立ち上がった6主は、ここでようやく俺を見た。
「見ての通りおいしくいただきましたが、何か?」
「本当に……喰ったのか!?」
 見りゃわかるでしょうに。俺は自分の手の甲についてた7主の血をペロッと舐めて、
肯定してみせた。
「だからナナちゃんは生き返らない。5主の授業は覚えてるだろ?」
 ザオリクが効く死に方と、そうでない死に方の違い。
 後者に当てはまる死因の一つに、食うための殺害が含まれる。考えてみれば当然の
話、殺して食べた家畜にザオリクが効くようじゃ、農業が成り立たないもんねえ。
「この……化け物がぁ!」
 ラミアスの剣を振りかぶり、6主は素晴らしい動きで斬りかかってきた。
 おお、なんか初めて面と向かって化け物呼ばわりされたな。自分では散々言ってる
けど、いざ仲間に言われると結構グッと来るなぁ。
「死ね! 化け物! よくも、よくもアルスを!」
「生き返らせる方法、無くはないよ?」
 ザン! 俺の首のあたりをかすめるようにして、ラミアスの剣が木の幹に突き刺さる。
ほんの少し横にスライドさせるだけで俺の頭は胴体から離れるわけだが、剣を持つ手を、
もう一方の手が必死に押しとどめていた。

169【Ligament】[8] 5/5:2007/03/20(火) 14:39:58
「落ち着け……僕」
 6主の口から聞き慣れない一人称が出た。そういやもう一人この場にいたな。
「悔しいけど勝てる相手じゃない。それに、アルスを助ける方が先だろ」
 もう一人の彼はなかなか冷静だ。もし彼が止めなければ、6主は俺のアルテマ
ソードで粉々になっていただろう。
 発動しかかっていた最強特技をキャンセルし、硬直している6主の身体を押し
やる。変わり果てた少年の遺体のところへ戻り、彼を振り返った。
「物理的に全部はムリだから、こんな風に喰い散らかしちゃってるけどさ。
大事な物は……魂とか、なんかそういうの?は全部ここにしまってある」
 俺は自分の胸を押さえた。ここに7主の意識が眠っている。たまにフニャっと
寝返りをうつような感覚があったりして、穏やかに寝てるみたいだ。
 殺害と摂食は、決して混じり合えない他人に対する、最大の干渉行為だ。
 死ぬ間際から徐々に拡散していく精神や魂を、一切漏らさずに移し取るためには、
喰うのが手っ取り早いってワケ。あんまりスマートな方法じゃないけどさ。
「これさえあれば生き返る。潰すこともできるけどね。さて、どうする?」
「だから俺に、言うことを聞けってのか?」
 再び主権を交代したらしい6主が、射殺さんばかりに睨みつけてくる。
「まぁさか。そんな面倒なこと言わねえよ」
 わずかに怪訝そうな顔をする6主に、俺は彼が取るべき行動を教えてやった。
「俺の望みを考えて動け。俺が気に入るようなことを死ぬ気でやれ。いちいち
指示しないが、ミスったらナナちゃんは戻ってこないから、そのつもりで」
「……殺してえ」
 6主がギリリと音が聞こえるくらい歯を食いしばった。あはは、耐えてる耐えてる。
 さて、落ち着いたところで残骸を片付けよう。これを放っておくのも迷惑だろうし。
「せっかくだから試し撃ち〜♪ ――マダンテ!」
 辺り一帯を巻き込んで、7主だった物が跡形もなく消え去った。快調だ。やっぱり
神域クラスの呪文や特技となると、本人ごと取り込んでしまった方が間違いないな。
 なんか後ろで青髪が騒いでるけど、無視してルーラの詠唱に入る。
 そろそろ身体をきれいにしたいんだよね。ナナちゃんの血が乾き始めてて、カピカピ
して気持ち悪いんだもん。

170【Ligament】[8] おまけ:2007/03/20(火) 14:40:25
8主「0番レスでお伝えした通り、痛いお話が苦手な方のために、
   スプラッタな3/5の内容をここで簡単にご説明いたします」

   7主さんは4主さんに生きたままムシャムシャ食べられてしまいました。
   出血多量で死ぬ間際に6主さんがその場に現れました。以上です。
   それでは4/5へお進みください。 →4/5へ
   (これ以降は通常の「おまけ」となります。)


4主「カニバリズム〜やっほい♪」
3主「やっほい♪じゃNeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!!」
8主「食べちゃったんですか!? 本当に7主さん食べちゃったんですかぁ!?」
4主「うん。でもほとんど残しちゃったからなぁ。もったいない」
7主「そうだよ4主さん、食べ残すのは行儀悪いよ」
8主「ちょwww被捕食者登場wwwww」
4主「時間あったらちゃんとサバいて、レバ刺しにしたりモツ鍋にしたんだが」
7主「まったくだよ、こんなにいい食材を無駄にして」
3主「やめろぉ! 二度とモツ鍋が食えなくなる……ウプッ」
6主「4主ヌッコロス!」
4主「おやロクちゃん」
6主「今すぐ屠りてぇ! おいお前ら! この期に及んでまだこの化け物に
   肩入れする気じゃねえだろうな!?」
3主「いや、実は少し考えを改めようかと思っている」
8主「右に同じく」
7主「僕はさっさとリタイアしちゃったしなぁ。6主さんが必死になってくれて
   ちょっと嬉しかったけどね。じゃあ次の出番まで寝てるね。オヤスミー」
4主「はいオヤスミ〜。じゃあ行こうかロクちゃん」
6主「ちくしょ〜。絶対ブッ殺してやる」

8主「……どうなるんでしょうね、これから」
3主「……俺に聞くな」

171名無しの勇者:2007/03/20(火) 19:22:09
うおお何か怖いけど展開気になりすぎ!
(いつもそればっかですみません…)

172名無しの勇者:2007/03/20(火) 19:25:49
続きキター!
カニバリズムは私は大丈夫なので楽しめました
BRスレも好きだったりするもので
しかし怒り心頭な6主がカッコイイです
続き楽しみにしてます!

173名無しの勇者:2007/03/20(火) 22:38:52
こんな大変な状況なのに
6×7に萌えています。

174名無しの勇者:2007/03/21(水) 00:46:07
同じくBR好きだったりしますw
むしろ自分がナーナを美味しく召上りたいなと思ったのは内緒(ェ?

ロト紋的な詩のような詠唱も好きですが英語もなかなかオツですね。
では、今後も頑張って下さい。

175名無しの勇者:2007/03/22(木) 01:52:32
ひどいことになってるのに67に萌える萌える
すっかりBR状態だけどおまけの7主の軽いノリのおかげで案外平気で楽しめました

176【Ligament】[9] 0/4:2007/03/22(木) 04:35:42
3主×4主←8主fromDQ主雑

4主「それでは恒例のサンクスコール >>171>>175の皆様、レスありがとう!」
8主「4主さんの暴走のお陰でどういう評価が来るかとハラハラしてましたが」
3主「大丈夫そうで良かったです。ですが不快に思われた方には、改めてお詫び
   申し上げます。これも一つの表現として、お許しいただければ幸いです」

8主「ところで前回6主さんが唱えてた呪文って、出展元あるんですか?」
4主「なんか台本にほめろ!ってあるから適当にヨイショしといたけど」
6主「台本っておまwww 一応中の人が無い頭で考えたみたいだぞ」
7主「最初は普通に日本語で考えて、あとから思いつきで英訳したらしいね」
3主「舞台裏っぽい話題でいいな。元の文はなんだったんだ?」
6主「えーと。ありがちだな――
   精霊ルビスの御名において 汝が魂を喚び戻さん、
   地は肉に水は血に炎は温もりに風は鼓動に 光よ降りて瞳に宿れ
   我が影は冥府を巡る翼となり 我が前に汝を導く 蘇生呪文ザオリク
   ――だってさ」
8主「なんだ、ほとんどそのまんまじゃないですか」
7主「でもこういう呪文とか考えるのって、ちょっと楽しいよね」
3主「つい凝っちまって、これだけにやたら時間かかったりなw」
4主「でも大したことないからやっぱり無駄じゃん」
8主「それを言ったら可哀想ですよw」

3主「お、そろそろ時間か。
   たまにはこんな穏やかな会話で始めるのもいいだろう」
8主「ですねぇ。中身は緊迫しまくってるから、0番枠くらいはのんびりと♪
   それでは【Ligament】第9部 本編スタートです!」

177【Ligament】[9] 1/4:2007/03/22(木) 04:36:12
  <3女>
 あたしは今、宿舎の裏口の外階段に座っている。5主と8主に遠回しに席を外す
よう言われて、行く場所がなくて、仕方なくここで時間を潰している。
 別にすぐ戻っていいよって話だったけどね。でも言外の雰囲気は、最初から最後
まであたしが邪魔みたいだったから、ここは気を利かせないと。
 だいたい、自分が好きになった相手が、実は兄貴と付き合ってたってどうよ。
どんなに鈍い神経してたって、いたたまれないっつーの。
 ――失恋したんだな、というのは、意外とあっさり納得できた。
 最初から叶わないと知っていたから。あの緑髪の奇麗な男の子には心に決めた
女性がいて、そして彼から彼女を引き離すことなど、誰にもできはしないのだ。
 だけど、次点の愛人の立場でもいいんじゃマイカとか思い始めた矢先に、よりに
よって分身にそのポジションをさらわれるとは不覚だったわ。ホント失礼な話。
性別以外まったく同じ二人の人間を前にして、わざわざ同性に走りますか、普通?
 なんてね。それが実はあたしを守るためだってこと、わかってるから許すけど。
 あいつは――兄貴は、あたしの身代わりになった。自覚あるかどうかちょっと
微妙だけど、あたしが前に「彼」への想いを匂わせたとき、ものすごく反対した
から、「彼」という存在に関わることの危険性は悟っていたはずだ。
 あの翼を持たない天使は、とてもあたしなんかの手に負える相手じゃない。
 あーあ、あたしが1主や2主のご先祖ってのは、ほぼ確定だわね。いいわよ、
うんっとイイ男見つけて、シアワセになってやるわよ。そっちはせいぜい、泥沼の
中でもがいてろっての。バーカバーカ。
 いかん、涙出てきた。誰に対して泣いてるんだあたしは。
 あの人に? 兄貴に? それとも自分に? わかんないけど、ただ、悲しい。
「3女ちゃん……」
 呼ばれて顔を上げたら、4女が立っていた。問題児、だけどあたしの親友。
「いこっか」
 手を差し出されて、あたしは素直に握り返した。どこへとは聞かない。
「あんたも、失恋したのね」
 代わりにそう聞いたら、彼女は泣き笑いみたいな顔で、こくりとうなずいた。
 彼女もずっと、絶対に叶わない恋をしていて、そしてとうとう諦める日がきた。
 仕方ない、失恋二人組で傷心旅行といきますか。
 彼女のルーラの詠唱を聞きながら、あたしは宿舎を振り返った。あとは任せたよ、
兄貴。あたしたちが戻ってくるまでに、しっかり終わらせといてよね。

178【Ligament】[9] 2/4:2007/03/22(木) 04:36:43
  <3主>
 ごめんな――。急速に遠のいていく分身の気配に、俺は心の中で詫びた。
 緑髪の少年があの子の想い人というのは知っていた。でも決して許すことは
できなかった。ヤツが抱えている闇はあまりにも深すぎて、あの子をみすみす
不幸にするわけにはいかなかったから。
 幸い例の事件以降、ヤツの関心はすっかり俺の方に移った。だから好きに甘え
させておいた。俺自身の気持ちがどうかと聞かれれば、実は今もよくわからない。
 だが責任は取る。お前が戻ってくるまでに、きっちりカタをつけてやる。

 冷え切った心と体を温めてくれる優しい感触の湯の中から、両手を持ち上げる。
手を開き、握って、もう一度開く。だいぶ力が戻ってきた。ここまで回復すれば、
剣くらいは振れるだろう。
「どうだい、効いてる?」
 浴室のドア越しに5主に聞かれ、俺は「ああ」と短く答えた。バスタブ一杯に
アモールの水を沸かし、大量の万能薬を溶かし込んだ即席の「回復の泉」だ。
「病気じゃないなら、別にパデキアじゃなくてもいいんですよね?」
 と、8主が機転を利かせて用意してくれた、普段なら絶対にやれない贅沢な
一風呂だ。そこらの温泉よりよっぽど効くな。
 あのうるさく響いていた「声」も、体力の回復とともに自力で打ち消した。
 まだまだ本調子ではないが、いつまでもヘバってはいられない。あのバカが
取り返しの付かない事をしでかす前に、止めてやらなければ。

 浴室から戻ってみると、我が子孫たちがそろってリビングで待っていた。
「大丈夫か遠い方のご先祖!」
「なんか作るか? 果物とかヨーグルトとかも買ってきたんだが」
 5主と8主が目だけで「どうする?」と聞いてくる。まだ事情は話していない
ようだ。なにも知らないこいつらにとっては、今のところ、ご先祖がタチの悪い
インフルエンザにかかったようだとか、そんな平和な話でしかない。
 ひとまず栄養のあるものを、と買い出しに行ってくれた1主と2主。そんな
普通の気遣いが急に愛おしくなって、俺はソファに崩れるように座った。
「すまん。初代としては、あんまり情けないな」
「オイオイどうしたんだよ、ご先祖らしくもねえな。風邪で気が弱ったか?」
「遠い方のご先祖、バナナあるぞ! ごはん食べれば元気になるぞ!」
 こいつらには、俺からきちんと説明してやらなくては。俺の子孫なんだから。
「実はな……」
 言いかけたときだ。玄関の方からドアが開く音がした。

179【Ligament】[9] 3/4:2007/03/22(木) 04:37:04
 さっと緊張が走る。決して鈍くはない子孫たちは、俺の警戒心を感じ取った
途端にスッと臨戦の構えをとった。
「俺が見てくる」
 5主が席を立つと同時に、向こうからリビングのドアが開いた。
「6主? いつの間に戻って……」
 今度は5主が息を呑んだ。キッとにらみつけるような目で、俺たちを見渡す
6主。いつものハイテンションなお兄ちゃんキャラは、微塵もうかがえない。
「4主から伝言だ」
 今にも爆発しそうな感情をギリギリで押さえ込んでいるような声だった。
「“今夜遊びに行くよ。8主は一番いい服を着て待っているように。どっちに
着くかは各主に任せるけど、ちょっと考えればわかるよね?”――だとさ」
 5主は天井を仰いで、しまいに苦笑した。
「さすが4主クン、常に先手を打ってくるな」
「なんだ? 4主はでかけてて、夜に戻ってくるのか? 遊び?」
 オロオロしている2主の肩を、1主がぽんぽんと軽く叩いて落ち着かせる。
「もしかしなくても、あいつまた魔王化したのか?」
「魔王? ただの浅ましい怪物だ、あんなのは」
 6主が吐き捨てた。彼らしからぬ辛辣な言いように、再び全員が押し黙る。
「アルスが……7主が人質になってるから、俺はあっちに着く。でも最後は、
絶対に俺がこの手で殺してやる。あいつはな――」
 握りしめている両手がブルブルと震えている。
「7主の手足を引き千切って、生きたまま内臓を喰ってたんだ」
 ガシャン!と後ろでハデな音がした。8主が壁に背中をつけ、そばのサイド
ボードの下に花瓶が砕けていた。
「喰った……?」
「それも、うまそうにな。あれをまだ仲間だと思える方が異常だぜ」
 それだけ言って、6主はまたリビングを出て行こうとする。
「どこに行くんだい?」
 5主に問われ、6主は振り向かずに言った。
「ヤツの着替えを取りにきたんだ。ここから2キロくらい東に泉があるだろ?
あそこで7主の血を洗い流してる」
 ドアがしまり、階段を上っていく足音。
 6主が再び階段を下りてきて、そして玄関を出て行くまでの間、誰一人、口を開く
者はいなかった。

180【Ligament】[9] 4/4:2007/03/22(木) 04:37:26
「4主さんが、7主さんを喰った……? 嘘です! そんなの、だって、
今朝まで普通に会話してたんですよ!? あの人は、僕に助けてって……」
「2主!」
 俺は8主の言葉を遮って、半ば怒鳴るように2主を呼んだ。弾かれたように
顔を上げた少年は、俺が手招きすると駆け寄ってきた。
「ご、ご先祖ぉ、6主は何を言ってるんだ? 8主もおかしいぞ!」
「大丈夫だから落ち着け。わかるように説明してやる。8主もだ、グダグダ
言ってるだけなら、どっかの地下室にでも隔離するぞ」
 あいつが昔、村人にされたように。8主はビクッと肩をふるわせた。
 5主がわざとらしいくらいノンビリとフォローを入れる。
「大丈夫だよ8主。4主が7主を手にかけてしまったのが事実としても、7主が
人質になってるからこそ、6主も逆らえないんでしょ? どういう状態なのか
イマイチわかんないけど、取り戻せるなら、まだチャンスはあるってことだよ」
 チャンスは残ってる。全員が無事に、元の仲間に戻れるチャンスは。
「でも戦況は厳しいけどねぇ。主戦力の6・7主を先に押さえられるとは」
「はーい、最初っからちゃんと説明してくださーい! なんかご先祖と4主が
ラブラブだったのは知ってるけど、その辺と関係あんの?」
「ぶはっ――ゲホゴホ」
 1主の言葉に思わずむせる俺。おいおい、なんで知ってんだ。
「あのなー。他人の色恋沙汰に首突っ込む趣味はねーけどよ、これがご先祖とも
なると、俺の存在にダイレクトに繋がる話だからな。敏感にもなるだろ」
 あー……確かに。傍らの2主を見ると、こっちはきょとんとしているが。
「あっはっは、理解のある子孫で良かったね。じゃあ経緯の説明を交えながら、
作戦会議と行きますか?」
 特にムリしてる風でもない軽い声で、5主がいう。こういう器のでかさは、
さすが宿舎のリーダーだ。
「待て、その前にもう一人、呼ばなきゃいけないヤツがいるだろ?」
 俺の言葉に5主は一瞬考えるようなそぶりを見せてから、ぽんと手を打った。
「その通りだ、あの人にも責任の一端はあるからね」
 正真正銘の魔族の王。銀月の貴公子を。

181【Ligament】[9] おまけ:2007/03/22(木) 04:37:52
4主「で、で、出番ね〜〜〜!!! 主役なのに! 俺主役なのにぃ!」
3主「たまにはいいだろ、お前が出ると常に大変なことになるからな」
4主「キーッ! 0番枠でおとなしくしてやったらこれかよ! 許せん!」
8主「僕、本当にキーッて言う人見たの初めてです」
4主「だいたい俺が出なけりゃお色気ゼロだろこのシリーズ!
   ナナちゃん喰い殺しちゃった今となっては!」
3主「殺った本人がすげえ言いようだなオイ」
4主「脱いだり誘ったり結構大変なのに、みんなこの苦労をわかってくれない……」
8主「いやちょっと待ちましょうwww」
3主「暴走トークも当社比1.5倍になっとるな」
4主「だって受けって俺だけやん。
   通常割り当てだとサンちゃんも8主もだいたいこっちだろうに……じと〜」
8主「ヤ、ヤバイです」
3主「逃げるぞ!」
4主「お・ま・え・ら・も……脱げー!」
38主『どわー!』


7主「……っふ、甘いよ4主さん。僕がいつ『受け』なんて言った?」
6主「え……!?」

182名無しの勇者:2007/03/22(木) 11:14:19
GJGJ!
少し前まで自分13、48、72だったけど、
【Ligament】のおかげで4主受けもありだと思うようになりますた。

183名無しの勇者:2007/03/22(木) 14:33:42
ピーちゃんキタワァ
ハッピーエンドを想像しつつエールを送ります。作者さん無理せず投下頑張ってー。

184名無しの勇者:2007/03/23(金) 21:32:00
>>181
7主カコヨスwww

ピーちゃん楽しみだよピーちゃん!!
まさかこんなに早く更新きてるとは思わなかったよ!

185名無しの勇者:2007/03/24(土) 21:32:15
ピー様ktkr
もりあがってまいりました

186【Ligament】[10] 0/6:2007/03/25(日) 01:30:46
3主×4主←8主fromDQ主雑

4主「どうも。さっそくですが、恒例のサンクスコールいきます」
3主「>>182>>185の皆様方、レスありがとうございます」
8主「更新ペースがまちまちで申し訳ないです。完結できるよう
   自分なりのペース配分で投下しておりますので、ご了承くださいませ」

4主「ここらでいったん休憩」
3主「いきなりなんだ」
8主「まさかリガメント休載するんですか!?」
4主「違う違う、俺の魔王モードだ。ずっとハイなのも疲れるんだよ」
8主「はうー♪ もしかしていつもの4主さんですかぁ?」
4主「おっす、久しぶり」
3主「まともな方か! そういうや冒頭からおとなしかったな」
4主「で、さっそくだが聞いていいか?」
8主「なんですか? なんでも聞いてください!」
4主「どうして俺が半日空けただけで、宿舎中が散らかってるんだ」
3主「すみません。風呂上がりにバスタオル投げっぱなしは俺です」
8主「本当は朝食の片付け僕だったんですが忘れてました」
3主「ソファでまるまってる毛布は6主だよな?」
8主「1主さんと2主さん、買い物は冷蔵庫にしまうまでが買い物です」
4主「……はぁ〜。やっぱ俺、引っ込んでた方が楽かな」
38主『いやホントごめんなさい』

187【Ligament】[10] 1/6:2007/03/25(日) 01:31:19
  <6主>

 俺が泉に戻ると、ヤツは素っ裸のまま、うつぶせで水の中をのぞいていた。
真っ白な背中から黒い翼が一対はえていて、身体の両サイドへとだらしなく
広げられている。
 血反吐ブチまけそうな怒りを必死にこらえ、ヤツのご機嫌取りのために(!)
着替えを持ってきてやろうか?と聞いたときは、ガキみたいにバシャバシャと
水しぶきをあげて、はしゃぎ回っていたんだが。
 俺は水ぎわに腰をおろし、ヤツが起き上がるのを待った。
 今度はなんの遊びか、ヤツはじっと水に顔をつけたまま微動だにしない。
湧水の立てるさざ波に、かすかに揺られているのみだ。
 かれこれ5分は経過したが――。
「溺れてんのかぁ!!??」

「いやぁ、カナヅチだったこと忘れてたーね♪」
「お前はどうでもいいが、7主まで死んだらどうすんだ!」
「すまんすまん。――これ難しいな」
 背中を叩いて水を吐かせ、ヤツはようやく息を吹き返した。今は上着の
後ろ側に、羽を出すための穴を開けようとナイフで四苦八苦している。
「ああもう死ね。氏ねじゃなく死ね。マジ死ね、死んでください」
 ぎりぎりシネをザキにしないで済んでいるのは、俺の素晴らしい忍耐力の
たまものであろう。どうせ聞いちゃいねえだろうが。
「でーきた! うにゅ……うにゅ……うにゅ?」
「羽がひっかかってるんだアホ。ほら引っ張るぞ」
 穴から翼の先端をつかんでグイッと出してやると、ヤツは「いたた!」とか
言いながらも、なんとか服を着ることができた。
 っつかお前、さっきは穴なんかなくても羽出してなかったか? 透けてたが。
「一度こうやって実体化しちゃうと、戻すのメンドイ。この方がラクだし」
 バサバサと動かしてみて、満足そうにニィっと笑う。
 それから腰をあげると、いきなり俺の腕をつかんだ。
「ちょっと見せたいものがあるんだ。一緒に来てくれない?」
 ……俺に選択権がないにも関わらず、こいつは必ず俺の了承を得ようとする。
以前の4主なら彼らしい気遣いとして受け取れるが、今の俺には苛立たしさしか
感じない。だから俺は、ただ黙ってうなずいた。

188【Ligament】[10] 2/6:2007/03/25(日) 01:31:39
 そこはヤツの故郷の村だった。俺が午前中に、ヤツを探しに来た場所だ。
こんな形で同日中に舞い戻ることになるとは、思ってもみなかったな。
 思いつくわけもねえ。今朝までは、いつも通りだったのに――。
「村、元に戻してくれて、ありがとな」
 先を行くヤツが、ぽつりとつぶやいた。
 以前マスドラによって完全に破壊され、すっかり更地となってしまった
この場所を、俺たち全員で復元したのだ。
 特に役に立ったのは7主だっただろう。岩石落としやら津波やら、MP
いらずで土木治水工事にうってつけの特技組だ。俺なんて疲れたらサボって
たけど、7主は労働が好きなタイプだから、ずいぶんマジメにやってたな。
 丘を盛り、木を植え、川を引き、家を建て、田畑を作った。1ヶ月くらい
かけてようやく八割ほど戻したとき、4主のやつマジ泣きしてたっけ。
「――なぁ、なんであんなヒデェことしたんだよ」
 ヤツが振り返る。目を細め、口の端をゆがめて笑う。
「あんまり美味しそうだからかじってみたら、止まんなくなってさ♪」
「ちゃんと答えてくれ、理由があるんだろ?」
「いいから、黙ってついて来いってーの」

 村を通り過ぎ、裏手に広がる森をしばらく歩いたところで、前方に大きな
岩が見えた。苔むして森と一体化している巨大な岩石で、それをくり抜いて
鉄製の扉が取り付けられている。
 扉にはなにかの紋章がはめ込まれていた。ヤツがそれに手をかざすと、
ピーっという甲高い音がして、扉は自動的に奥へと開いた。
「なんだ今の。アバカムとは違うよな?」
 ヤツは答えずに、さっさと入っていく。
 中はたくさんのたいまつが燃えていて、視界に不自由はなかった。思った
よりも広く、二人が楽にすれ違えるような通路がしばらく続いたところで、
奥にもう一枚、木製のドアがあった。そのドアにも紋章がついている。
 ヤツが同じ要領で手をかざすと、また勝手に開いた。ずいぶん通い慣れた
場所のようだ。

189【Ligament】[10] 3/6:2007/03/25(日) 01:32:02
「なんだここは?」
 室内の様子を見て、俺は思わず声をあげていた。
 城の応接間ほどの広さで(10m×10mくらいか)、見慣れないオブジェが
所狭しと置かれている。いや、オブジェじゃなくて、なにかの機械か?
 いくつかにグループ分けして寄せられているデスクの上には、これも
なんだかよくわからない器具が散乱している。細い口のついた丸いガラス
ビンとか、目盛のついたガラスコップとか、どうもそれらを熱するための
装置とか。至る所に散らばっているメモには、小難しい数式が走り書き
されている。
 四方の壁はびっちり本棚で、並んでいるのはすべて、とても読む気に
ならない学術書のたぐいだ。
 ヤツはその本棚の一角から、分厚い冊子を一冊引っ張り出すと、表紙の
ほこりを払いながら俺の前まで戻ってきた。
 黙ってその冊子を差し出す。
 黒革張りの厚紙で挟み、綴り紐で上下2カ所を閉じている。それは本と
いうより、なにかの帳簿のような、事務的なあつらえのものだった。
 表紙のタイトルはすり切れて読めない。開いてみると、黄色く変色した
中表紙は、黒インクで書かれた文字がはっきり読めた。


          【Progress Reports】

            Project・SOLO
            Project・SOFIA 

                      Observer Cynthia.

 ……経過報告書?
 プロジェクト・ソロ?
 プロジェクト・ソフィア?
 観察者――――シンシア??

 はっと顔を上げた俺に、ヤツはとても穏やかな笑みを浮かべ。
 静かに、言った。
「ようこそ、俺の本当の故郷へ」

190【Ligament】[10] 4/6:2007/03/25(日) 01:32:23
  <8主>

「進化の秘法!?」
 対話の中心となっていた二人の内の一人、3主さんが、思わずといった
ようにテーブルに身を乗り出した。
 進化の秘法……もっとも忌むべき邪術とされる、DQ界最大の禁忌じゃ
ないか。
「ヤツの急激な変化を見て、他に思いつくものがあるか?」
 上座のソファで長い足を組み、僕が煎れた紅茶を優雅にすすりながら、
魔王は事も無げに言う。
「でも……いつ誰が、そんな恐ろしいモンをあいつに仕込んだんだ。
光の勇者としてのあいつを取り込もうとしていたエビプリは、それを
する意味がないだろうし――」
 眉間にしわを寄せる3主さん。ピサロさんはあくまで冷静だ。
「そんなもの、マスタードラゴンに決まっているだろう」
 天空世界の支配者、いと高き黄金の巨竜。
「正確には、4主という人間に進化の秘法を使ったのではない。天空人と
人間の混血をベースに、古代の秘術によって作り出された『勇者』という
名の生物兵器――それが4主だ」
 次々と出てくるショッキングな事実に、僕たちは顔を見合わせるばかり。
 ピサロさんは淡々と続ける。
「エスタークに対抗するのが目的だったようだが、竜神にとっても危険な
賭けだったろう。秘法の完成に不可欠な物を、ヤツも用意することができ
なかったからな」

191【Ligament】[10] 5/6:2007/03/25(日) 01:32:46
 進化の秘法とは、元々は遙か昔に滅んだ古代文明の遺物であり、その
手段が伝わっているだけで、マスタードラゴンのような神格クラスの存在
ですら理解しえない、超高度技術なのだという。
 要となる「黄金の腕輪」の正体は、莫大な量の生体情報を調整、制御
するためのハイスペックな演算装置。これが無い場合、どのような結果を
引き起こすか予測できず、行き当たりばったりの実験になってしまう。
 彼の場合も、結果はやはり失敗だった。できた「もの」は、少々天空の
力を扱えるというだけの、ただの人間に過ぎなかった。
 だが彼は、何も知らないままに、自力で当初の目的をすべて果たした。
竜神もそれでよしとしたのだが――。皮肉にも、物語の幕が下りたあとで、
彼は本来の力に目覚めてしまったのである。
 最悪のシナリオ。
 言葉も出ない僕たちに、追い打ちのようにピサロさんが告げる。
「私の襲撃があと1年遅ければ、いったん廃棄処分にし、最初からやり直す
計画もあったそうだ」
 ……人の命を……なんだと……!

「目的を取り違えるな」
 場の空気が怒り一色に染まりかける瞬間、銀の魔王が制止をかけた。
「言っておくが、これは全てヤツ本人から聞いたことだ」
「4主クン本人が?」
「最初の覚醒のあとで、竜神の方から全てを打ち明けてきたそうだ。許せな
ければ自分を討っても良いとまで言われた――と。
 私が庇うのもおかしな話だが、結局あの時代は、聖も魔もどこかが狂って
いたんだろう。戦乱は狂気を招く。人の世にもあることだろう?」
 誰が悪いわけでもない。みんなが瀬戸際でギリギリでどうしようもなくて、
なにもかもが狂い始め。
 一人の青年がその全てを背負うことで、ようやく平和を見いだせた世界。
 それはここにいる全員が、様々な形で共有しているもので。

192【Ligament】[10] 6/6:2007/03/25(日) 01:33:11
「じゃあそろそろ、具体的な対策に入ろうか。進化の秘法が原因だという
なら、つまりあの子を元に戻すことは可能と考えていいんだね?」
 ずっしりと重くなった空気を取り払うように、5主さんが明るく言った。
「あなた、という前例がいるんだから」
 1主さんがうんうんとうなずく。
「それにあんたの時と違って、あいつ、姿はあんま変わってないじゃん。
ちょっと羽はうっとうしいが、性格さえ元に戻ってくれりゃあ、俺たちは
それでいいんだもんな。なぁ?」
「僕としては、もう少し竜に寛大になって戻ってきてくれるとありがたい
んですけどねぇ」
 僕が混ぜっ返すと、3主さんが軽く殴るまねをした。
「それはお前個人の問題が大半だろうが!」
 1主さんと5主さんが同時に吹き出した。2主さんは相変わらずなんだか
よくわからない様子だったけれど、
「4主も8主も優しいぞ? いつも俺の勉強、見てくれるもんな!」
 ひとまず思ったことを口にしてみたようだ。
 そうですね……僕もあの優しい4主さんが、大好きですよ。

 よし! グダグダ言ってても始まらない。やるべきことを考えろ。
 僕はあの人に――主治医を任されたんだから。
「ピサロさん、僕を調べることはできますか? どうして僕が、彼の進化を
止められるのか。その原因がわからないことには、確実な手が打てません」
「その前に、お前の出生を詳しく聞かせろ。いや、行った方が早いか」
 長い銀髪をかきあげ、立ち上がる。行くって、僕の生まれ故郷へ?
「パーティー分けが必要だね。勘だけど、例のブツが必要になる気がする」
 全体を見通せる5主さんの発言は、いつも必ず最後に効いてくる。彼が
言うのなら、たぶん間違いなくそれは必要になるはずだ。
「だがアレは、地の底深くに封じ込められたんじゃなかったか?」
 あごを押さえる3主さんに、ピサロさんがにやりと笑う。
「案ずるな。黄金の腕輪なら、今は卵と鶏が持っている」
「げっ、マジか?」
「魔王の腕を簡単に切り落とすような勇者なら、造作もないだろう?」
 なにやら含みのあるピサロさんの言葉に、3主さんは小さく舌打ちした。

193【Ligament】[10] おまけ:2007/03/25(日) 01:33:34
8主「第10部にきて、ようやく謎のひとつが解けましたねー」
3主「お前のそれって……進化だったのか」
4主「あんだよー。そういう言われ方すると微妙だな〜」
3主「だってさ、精神的には退化してないか? 退行っつーか」
ピサロ「いや、元からガキっぽいところはあったぞ? 旅の間、かなり
   コイツのわがままに振り回されたからな」
8主「そう思ってるのはあなただけだと思いますよ?」
4主「だってピーちゃん、なんだかんだ言って優しいから甘えやすいだもん」
3主「ん? 世界樹の葉一枚だけ持たせて、棺桶に突っ込んでたんじゃなかったか」
ピサロ「本家ではそうなんだが……ここでそのお笑い設定を持ち出すと、
   ムードどころか根幹からこの話がブッ壊れかねないだろう?」
4主「うんうん。俺もそこまで鬼な性格もヤだしぃ♪」
8主「でも7主さん……」
4主「ここでは、ピーちゃんとはそれなりに仲良しだったってことで。
   俺が昔のことでズ〜ンってなったときとか、ギュっとしてくれたもんねぇ?」
ピサロ「あ、あれはロザリーが慰めてやれとうるさいから……」
3主「ちょお待てや兄ちゃん」
8主「まさか過去に、この人となんかあったんですか?」
ピサロ「ナイナイナイ! 私はロザリーひとすじだ!」
4主「そんな! あの夜のことは遊びだったの!!??」
ピサロ「なんのことだー!!!」
38主『――ヌッコロス』

4主「それにしても腹減ったなー。ねえねえ、つまみ食いしてもいい?」
6主「やめれ('A`)」

194名無しの勇者:2007/03/25(日) 11:16:48
新展開ktkr
終盤の怒涛の展開楽しみにしていますw

……ピサロが出てきたくだりで外伝主人公の姿が浮かんだのは内緒

195名無しの勇者:2007/03/25(日) 12:45:15
更新キテタ!
wktkして待ちます

196名無しの勇者:2007/03/25(日) 14:49:26
ピーちゃんがかっこよくて安心したw
ここでまで世界樹だったらどうしようかと…

そして相変わらずカナヅチな4主テラモエスwww

197名無しの勇者:2007/03/26(月) 09:25:03
なんか萌える上に燃える展開になってきた〜!
発想スゴイなぁ。
黄金の腕輪とか、プレイ中はなんやねん思ってたけど、違和感なく納得。
もうこれ脳内公式設定になりますたww

198靱帯:2007/04/05(木) 19:35:01
現在、仕事が忙しすぎてなかなか執筆が進みません。
(昨日も2時間くらいしか寝てませんマジで)
頑張って書いているので、続きはもう少しお待ちください。

199名無しの勇者:2007/04/05(木) 19:54:58
お疲れさんです。
ゆっくりやってください。

200名無しの勇者:2007/04/05(木) 20:50:13
お疲れ様です>靱帯タン
どうぞご自分のペースで投下なさって下さい。
wktkしながら待ってますw

201名無しの勇者:2007/04/22(日) 08:53:13
久しぶりに来てみたら、新作が投稿されてて嬉しかったです。
お気になさらずやってください。

202名無しの勇者:2007/04/23(月) 07:35:06
4の人も2ヶ月に1回くらいのペースだったしね
その間に他の投稿もあると思うし 気長に待ってるから
気にしない気にしない

2034×8 過去サロンネタより思いつきネタ:2007/04/27(金) 11:33:22
8主「僕ずっと気になってることがあるんですけど。」
4主「なんだよ唐突に。」
8主「聞いてくれます?もう気になって気になって夜もロクに眠れなくて。」
4主「なんだよ?そんなに気になることって」
8主「でも確信を得るためには4主さんの協力が不可欠でして。」
4主「なんだよ。俺となんか関係あるのかよ?」
8主「協力してくれるんですね?じゃあ・・」
4主「って何急に服を脱がそうとするんだよ!?」
8主「いや、鳥類って乳首がないじゃないですか?4主さんが哺乳類かどうか
   確かめる上で重要なことなんですよ?」
4主「・・・・・で?・・もう確認したんだからいいだろ・・」
8主「はいvv良かった。4主さんも今この瞬間をもって立派な哺乳類ですよ!!」
4主「・・・・・で?・・なぜ俺はベッドに押し倒されてるんだ?・・」
8主「はいvv4主のおかげで僕もようやく不眠から解消されそうですしゆっくり
   眠ろうかと。」
4主「???お前は何がしたいんだ?!ってちょっどこ触って?!」
8主「嫌ですね。不眠解消の恩人である4主さんにもそれ相応のお礼をしないとv

204上の続き:2007/04/27(金) 11:42:53
すいません!!カプ表記間違えました!!
正しくは8×4のつもりです。
なんか紛らわしいものを・・・・
ほんとすいませんでした!
ちなみに1レスで終了なので職人さん気にせず投下をドウゾです。

205名無しの勇者:2007/04/27(金) 17:04:16
>>203-204
カプ表記を見て、襲い受け!?
とwktkしました
すみません
妙にvも飛ばしまくってるから…

206上の続き:2007/04/27(金) 19:12:51
203です。間違いのせいで不快な思いをする方もいますよね。
本当にすいません!
削除したいのですが削除パスを入れておらずサポート登録方法もわからず
できませんでした。
読んで嫌な思いをしたりがっかりさせてしまった方々、本当にすいません!

207名無しの勇者:2007/04/27(金) 19:32:41
竜神族は胎生なのかな
何が言いたいのかってーと、8主にヘソはあるのかな

208名無しの勇者:2007/04/27(金) 20:19:56
>>203
このドジッ子めw

209名無しの勇者:2007/04/27(金) 20:38:05
ドジっ子だけどGJ!

どうでもいいけど
4主の血筋は羽と腕が両立してる時点で鳥類というよりむしろ異形なんだけど
8主の血筋は西洋竜だからファンタジー爬虫類で確定だと思うんだ

何が言いたいかというと8主は屁理屈で4主を仲間に引き込みたがってるよな、と

210主雑>>756-757ネタ:2007/05/04(金) 22:26:35
4主「はっ……ぁ、っう、そこっ……」
6主「えーと、ここかな?」
4主「そ……っ、んんっ……!」
6主「それにしてもよくもまあ毎度ここまで溜めてくるよな。もっと早く来いよ」
4主「だ…って、そんなしょっちゅう、っ、頼むわけにも…いッ」
6主「悪い、痛かった?……そんな気にしなくたっていいのに」
4主「そ…いう……わけには……ッ!」
6主「こーんな首から腰までガッチガチにコリ溜めてちゃしんどいだろーに」

7主「……8主くん、握り締めすぎてスプーン曲がってるよ……プリンもぐっちゃぐちゃになってるし」
8主「あはははちょっと力が入りすぎちゃったみたいです」(ぐちゃぐちゃ)
7主「そんなふうに混ぜないの、食べ物を粗末にするんじゃありません」
8主「やだな何言ってるんですか混ぜたプリンも結構おいしいですよ」
7主「まあそりゃ味は変わんないだろうけど、食べ物に八つ当たりはさすがにどうかと」
8主「別に八つ当たりなんて」

4主「あ、っいい、もっと……ッ!」
6主「そんなに気持ちいいのか?俺ってば凄いなやっぱり神かも」

   (ガシャッ!)
8主「…………」
7主「……あーあ、とうとうお皿まで割っちゃった」
8主「ははははははちょっと手が滑っちゃいまして」
7主「君も大人げない人だねー。あの場に割って入りたいならさっさとすればいいじゃん」
8主「7主さんこそエロ撲委じゃなかったんですか?隣の部屋のアレ放っといていいんですか?
   悠長に紅茶飲んでていいんですか?!」
7主「…まぁ、あんなのにいちいち目くじら立ててちゃあ、ねぇ……(フッ)」

4主「んっ、うーん!スッキリしたー!」
6主「はははそりゃあよかった」
4主「いつもいつも悪いな、ホント助か」(ゾッ)
6主「あ?」
4主「……なんか悪寒が……」
6主「おいおい、大丈夫かよw」

211名無しの勇者:2007/05/04(金) 23:37:30
>>210
ちょwww
こういうネタ大好物www

212名無しの勇者:2007/05/05(土) 01:13:12
GJGJ!!!!
あくまで雰囲気だけだからエロ撲委に頼むのは間違ってるぞ8主www

213名無しの勇者:2007/05/05(土) 09:42:43
GJ!!
エロ撲委は明らかに違うとわかってたら発動しないからねw

>7主「そんなふうに混ぜないの、食べ物を粗末にするんじゃありません」
やべえ他の連載と相まってテラフイタw

214>>210追加 67?:2007/05/05(土) 12:32:36
7主「6主さん」
6主「よ、7主!どした?」
7主「さっきまで4主さんのマッサージしてあげてたでしょ。
   気持ちよさそうだったね、僕にもやってくれない?」
6主「いいぜー感じろ俺の神技!」
7主「楽しそうだね?」
6主「いやこれ結構奥が深いんだぜ?マイブームかも」
7主「まさに世界を平和にするマイブームだね。じゃあ僕も腰お願い」
6主「おっけー。……4主といいお前といい、腰痛持ちの多い宿舎だなぁ」
7主「特権階級には第一次産業の苦労は分かるまい……、んっ」
6主「おーおー凝っとる凝っとる。俺だって農業経験くらいあるぜ?」
7主「じゃあ次は一緒に鰹でも釣りに行く?……あぁー確かにこれは気持ちいい〜」
6主「だろー?最早宿舎の半分は俺の指先の虜」
7主「虜ってw……ふあー、でもやっぱり気持ちいいや〜」
6主「………(ニヤッ)」
7主「ってうわっ!ちょっ!どこ触っ……うひゃひゃひゃっ!やめてよっ!くすぐったいってば!」
6主「ほーらほーら擽っちゃうぞー」
7主「やだったら!ちょっと…あははははは!ひっ、ひどいよっ!やめてって、ば!」
6主「…………」
7主「…………」
6主「…………さっきの、妬いた?」
7主「……あんなので妬いてたらキリがないでしょ、8主くんじゃあるまいし」
6主「つまり8主は妬いたと」
7主「彼もいろいろ不器用な人だよねえ。……何、妬いて欲しかったの?」
6主「まさか」
   (ガチャ パタン)
3主「どーもー。…………あらお二人さんソファで折り重なっちゃって一体何……
   …………しっつれーしましたー!」
   (バタン!ドタドタドタドタ)
6主「騒がしい奴だな」
7主「騒がしい人だね」

215名無しの勇者:2007/05/05(土) 12:37:01
大人な7主モエス

216名無しの勇者:2007/05/05(土) 13:14:45
わっふるわっふる

217名無しの勇者:2007/05/05(土) 17:01:12
3主がかわいいw

218名無しの勇者:2007/05/05(土) 17:02:14
8主ならどこが凝ってるのかな?

219名無しの勇者:2007/05/05(土) 19:11:24
8主は凝り固まってるよ

固定観念で

220名無しの勇者:2007/05/05(土) 20:01:51
頭でも揉んでもらうか

兵士だから脚かな?
でも8主、怪力なのに筋肉ないみたいだから
肉体疲労しないかな

やはり頭か

221名無しの勇者:2007/05/05(土) 23:42:25
なんという熟年夫婦
なんなんだ67のこの出来上がっちゃってる空気はテラモエスGJ!!!

222名無しの勇者:2007/05/06(日) 00:57:56
身体に凝ってる所がなくて、
揉まれてもくすぐったくて笑い転げるだけの8主と
指先の虜にできなくて何気に悔しい6主が浮かんだ

223名無しの勇者:2007/05/06(日) 02:26:19
6主に揉まれまくる8主想像して足つった。

224名無しの勇者:2007/05/06(日) 10:25:20
>>222
それいいなあ!
肩とか触られただけで笑い過ぎ8主w

そういや爆笑する8主て結構レアじゃね?

225名無しの勇者:2007/05/06(日) 17:04:21
>223
なんで足つるんだよwwww
お大事にw

226マッサージネタさらに便乗8×4:2007/05/07(月) 13:56:33
8主「というわけで今日から僕が4主さんの専属マッサージ師です。僕の美技に酔いな!」
4主「どういうわけでそうなったん……まあいい。俺が気になってるのはお前の持ち物だ。その小瓶はなんだ?」
8主「この小瓶は薬の瓶です。患部にサッと塗るだけで有効成分がじわあっと効いてきて、どんどん熱くなっていってとろけるくらい気持ち良くなることうけあい」
4主「ほー。じゃあそのうねうねうぃんうぃんしてる卑猥な形の物体は」
8主「これはマッサージ器です。ほぐれにくいところをぐんぐんほぐしてあなたを快楽の波に誘う事うけあい」
4主「ギ ガ デ イ ン!!!!!!!!!!!!!!」


2主「遠い方のご先祖、あのぶるぶる動いてるやつはなんだ?」
3主「ぼくこどもだからわかんないや」

227名無しの勇者:2007/05/07(月) 14:01:40
8主wwwww
ちょっとエロ撲委の世話になってこいwwww

228名無しの勇者:2007/05/07(月) 15:39:19
やっぱり3主がかわいい…
誤魔化すためには、
漢字と句読点の使えない子供にだってなってみせる
そこに痺れる!真似できない!

普通できない返しが通用する日頃の行いもすごいな

229名無しの勇者:2007/05/07(月) 22:11:25
というわけってどういうわけwwww
自分の欲望に忠実な8主が大好きです!!

230名無しの勇者:2007/05/07(月) 22:33:46
脳味噌が下半身についてる8主が大好きですwww

231名無しの勇者:2007/05/07(月) 23:01:02
これはいい8主ですね

232名無しの勇者:2007/05/10(木) 03:20:46
48投下いきます。
苦手な方スルーしてください。

23348 1/7:2007/05/10(木) 03:22:38
 いつもの通りの喧噪。いつもの軽い喧嘩。その後に、大好きです、と強く強くアピールして、追い払われて、終わり。宿舎での毎日はそうやってごくごく平和に流れていく。
 そう、思っていたはずなのに。


 今日の追いかけっこは妙に長く続き、4主さんの部屋の中まで誘導されてしまった。僕の部屋とは違って彼らしい整頓された部屋だ。4主さんの匂いに包まれているようで、なんだかドキドキした。
 ふう、とちょっと息をついて、4主さんはベッドに腰を下ろした。4主さんが使っているベッド。うわあ、うわあ、と叫びそうになるのをぐっとこらえる。
 4主さんは眉間に皺を寄せて僕を見た。怒ってる顔も綺麗だなあ。怒られるから言わないけど。
 ぼんやりしていると、柔らかそうで吸い付きたくなる唇がゆっくり動いた。
「で、さあ。お前、俺とどうなりたいの?」
 唐突にそう言われて思わず固まってしまった。
「どうって、そのぉ」
 思えばこの時正直に、「あなたの***に僕の***を突っ込みたいです」とかもっとストレートに言ってしまえばよかったのだ。僕はいつも肝心なところで押しが足りない。
「もっと、深く仲良くなりたいです」
「……ふぅん」
 4主さんは端正な顔にちょっといたずらっぽい笑みをつけて、僕を見つめ返した。

23448 2/7:2007/05/10(木) 03:23:18
「具体的に、どう?」
「ぐ、具体的には、っですね」
 何度も思い描いていた光景が頭の中をぐるぐると支配していく。深い大人のキスをして、綺麗な肌を丹念に愛撫したい。舐め回したい。それから、それから。
「……具体的には?」
 紫色の瞳が、試すように僕を見つめていた。形のいい唇がにんまりと笑う。
「、っ、」
 僕、もしかして誘われてる……? 
 我慢の限界だ。もうどう思われてもいい。襲っちゃおう。
 決意した瞬間、視界が真っ暗になった。驚いた隙に、足をひっかけられてバランスを崩す。ばふっと音がして、あったかいものが上にかぶさってきた。なんだ、と脳が理解するより早く、唇を塞がれる。
 どうやら僕はベッドに押し倒されたらしい。タオルか何かで目隠しをされているようだ。
 冷静に判断しようとすると、角度を変えて何度も口づけを受ける。ちろちろとあったかくてぬるりとした何かが上唇を這い、そっと口の中に忍び込んでくる。
 あらららら。
 夢でも見てるんだろうか。
「こういうふうにしたかったのか?」
 不意に目隠しがはずされた。にこにこと楽しそうに4主さんが笑っている。
「……これは、仕返しのつもりですか?」
「さあ。で、この後はどうしたかったんだ?」
 4主さんは誰かにメダパニされたんだろうか。
 まあいい。このチャンスを逃す手はないと、僕の下半身が告げている。
「この後は……いっぱい、いじりたい、です」
「どこを? どんなふうに?」
 色んなとこをねちねちと、と言い終わらないうちに服をすぽんと脱がされた。長い指が、つつつ、と胸元を滑っていく。背筋がぞわぞわした。
「よよよよ4主さん! 誰か、誰かメダパニを解ける方はいらっしゃ、あ、ンっ」
 助けを求める声も封じられる。妙な声を出してしまい、僕は顔がざあっと熱くなるのを感じた。

23548 3/7:2007/05/10(木) 03:23:45
 4主さんが僕の胸のぽっちに噛み付いていた。
「んな、な、なにを、」
「いじられたいんじゃないのか?」
「い、いじられたいんじゃなくていじりたいんですっ」
「ああそうか。じゃ、どうぞ」
 どうぞ、と言われても。
 僕はここでまたタイミングを誤ったらしい。混乱しているうちに両手が捕まった。右手を胸に、左手をズボンの中にと導かれる。
「……あのお」
「ん? いじりたいんだろ? ほらどうぞ」
「いやだって、これじゃただのオナニーじゃあないですか」
 僕の手は何故か僕の体を愛撫する体勢になっていた。
「いじりたいって言ったのはお前だろうが」
「こういうんじゃないですっ」
「じゃあこうか?」
 僕は軽々とひっくり返されて、下半身まで裸にされてしまった。抵抗できないように手足はがっちりと固定されている。天空人侮るなかれ。今更気づいても遅かったようだ。
 固定された左手を動かされた。その指が、ゆっくりと秘部に向かう。
 もちろん、4主さんの、じゃなくて、僕の。
「アッー! じゃなくて何をするだ、ですか、わあああ!」
「うるさい」
 うつぶせになってるからよく見えないけれど、指に何か冷たいぬるりとしたものをつけられた。潤滑剤? とか考えちゃって思わず固まる。この潤滑剤でくぁwせdrftgyふじこ?
「やめてくださいっ、やー、めー、てー!」
 暴れても暴れても上手く体重をかけられて動けない。動けないのをいいことに、ぬるり、と4主さんの舌が背中をなぞる。声にならない悲鳴が喉から漏れた。だんだん、力も抜けていく。

23648 4/7:2007/05/10(木) 03:24:26
「あのさ」
 しつこいくらいの愛撫の隙間に、4主さんの声。
「俺もお前ともっと深く仲良くなりたい」
 耳を甘噛みされて、ついでのように囁かれた。
 ずるい。
 こんな時にそんなこと言うなんて。
 全部、許してしまうじゃないか。
 固まっていた左手の指がじりじりと入ってきた。無茶な体勢と慣れない感触に、小さなうめきが漏れる。
「手伝ってやろうか?」
 答えを待たずに4主さんは半ば強引に僕の中へと指を侵入させた。嫌な感じがぞわぞわと体中を這い上がってきたけれど、あの長くて綺麗な4主さんの指が、と考えると興奮した。萎えかけていた前がゆっくり力を取り戻すのがわかる。
 静かに行為は続いた。耳に届くのは浅ましい僕の荒い息づかいと、4主さんの指が動くのに合わせて鳴る潤滑剤の水音だけだ。
 指二本にしてみるか? とか、どのあたりが気持ちいい、とか、いちいち聞いてくるのがまたたまらなくて、顔を伏せる。
 4主さんは僕の中のキモチイイポイントを確実に、何度も擦る。全部わかりきっているのに、そうやって聞いてくる。こっちはもう何も考えられないくらいに気持ちよくて、もうどこかにすっとんでいっちゃいそうなくらいなのに。
「よ、しゅさ……、あ、あ、ッ……! もう、も、う、」
「もう、何?」
 意地悪。
 僕は好きになる相手を間違えたかもしれない。
「も……、イく……」
「ん。よかったな」
 え、それだけ?
「じゃあ一回出しとけよ」
 一回って、どういう。
 言葉の意味を確認することはできなかった。ぎゅっと前も握り込まれて、僕はあっけなくシーツの上に吐精した。
「ひど、い……4主さん……」
 荒い息で文句を言うと、心外だ、とでも言いたげに眉をひそめられた。

23748 5/7:2007/05/10(木) 03:24:58
「お前だってあわよくばこういうことを俺にしようとか考えてたんだろうが。どっこいどっこいだろ」
「う」
 まあその通りではあるけれど。できればもうなんかとろんとろんのでろでろにしてあンあン泣かせてみた挙げ句僕の英雄の槍でこれでもかというほどズコバコしてみたいなあとか考えてたけど。まさか自分が泣かされるなんて思いもしなかった。
 天罰だろうか。なんか4主さんには色んな守護神がついてるみたいだし。
「さて」
「さて……?」
 ちゅ、と優しいキスが降ってくる。ああなんかこういうのはいいな、と幸せに浸っていると、また両手を掴まれた。そして超SHT状態の4主さんのを触らされる。僕のよりちょっと大きくないか。プライドが。いやそんなことよりも。
「これを、その、どうするおつもりで」
「こうするおつもりで」
 4主さんはもう一回僕の体をひっくり返すと、よっこいせ、と僕の足の間に割りこんできた。熱い感触が、まだ快楽の残りを掻き集めている入り口に伝わってくる。
「むり、むりむりむりむりぽ!」
「なんかまだぱくぱく開いたり閉じたりしてるからいけるんじゃねえの」
「死んじゃいますって、そんな、」
「そしたらお前んとこの赤いの呼んできてザオリクさせるから大丈夫」
「うわあすごい羞恥プレイ!」
「じゃあうちんとこのザラキと5主の息子とどっちがいい」
「うわあほんとにひどいや!」
「死なねえって。……いくぞ」
「う、わ、っ」
 指なんか比べ物にならない圧迫感。息ができなくなる。
「は……」
 4主さんも苦しいみたいだ。綺麗な顔が少し歪んでいる。ああ、でも本当に綺麗だなあ。どんな顔してても綺麗だなあ。僕は呑気にそんなことを考えた。
 大きく息を吐くと、少し楽になった気がした。滑るように4主さんのが入ってくる。ゆっくりと僕の中を進んで、やがて、止まった。

23848 6/7:2007/05/10(木) 03:25:24
「全部……入ったぞ」
 ああ。
 4主さんが中にいるのか。
 悪くないかもしれない。
「すげ、キモチイイ……」
 だから、そんなこと言わないで。
 ずっとこのままでいたくなる。
「4主さん……」
 色々ごちゃごちゃした頭で、何を言いたかったのか、文句か、それとも睦言か、全部わからなくなって、とりあえず僕は4主さんにしがみついた。
 卑猥な水音を響かせながら、ゆるやかに腰が動きだす。くちゅ、くちゅ、と音を立てて、4主さんのが行ったり来たりする。さっき不本意にも探り当てられてしまった一番気持ちいいところを、見逃すことなく。
 じわじわと痛みが快楽に乗っ取られ始める。うめき声が、甘ったるい媚声に変わる。
 紫色と目が合った。その中にしっかりと、間抜け面をして喘ぐ僕がいた。なんとなく満ち足りた感触が胸に広がった。綺麗な人が笑んで、口づけをした。腰をしっかりと抱かれ、さらに奥まで突き上げられる。
「ふ、あっ、あ、やあ、やっ……よんしゅさ、よんしゅさん……」
「8主……」
 もっと。もっと名前を呼んで。
「好きだ」
「よん、しゅ、さ、……あ、あ、あ、あッ……!」
 そのまま僕は、二度目の絶頂を迎えた。

23948 7/7:2007/05/10(木) 03:25:58
「納得がいきません」
 僕はあのまま気絶してしまっていたらしい。目が覚めたらシーツは綺麗になっているわ体は拭かれて身ぎれいになっているわでものすごく居心地の悪い思いをした。どこまで几帳面なんだ。この人は。
「納得がいかないって? お互い気持ちよくて目出度し目出度しだろう」
「僕は上がよかったんですっ」
「ああ、なるほど」
 4主さんはぽんと手を打ち、にっこり笑う。
「騎上位がよかったのか。次はそうしような」
「違いますっ! ああ、もう」
 否定しながらも、それも気持ちいいかもなあとか次ってやっぱり次だよなあとか、4主さんの味を覚えてしまった僕の後ろは、きゅう、と反応してしまった。
 お父さんお母さんじいちゃんミーちゃんごめんなさい。僕は違う世界に足を踏み入れてしまいました。でも気持ちよかったので後悔はしていません。以上。
「……今度は、絶対に僕が4主さんをアンアン言わせますからね」
「へーえ」
 ゾクゾクするような艶やかな笑み。
 きっともう、僕はこの人なしにはいられないんだろうなあ。なんとなく、そう思った。


「ところで、どうしてこんなことしようと思ったんですか?」
「軽い嫌がらせ」
「……」
 誰か助けてください。

24048 8/7:2007/05/10(木) 03:27:10
普段は8×4だがあまりに8主がかわいいので書いてしまった。
反省はしていない。

241sage:2007/05/10(木) 22:35:54
萌えた

242名無しの勇者:2007/05/10(木) 23:12:56
>お前んとこの赤いの

ほんとだ…こりゃ赤い!

243名無しの勇者:2007/05/11(金) 00:17:44
8主は誰相手でも攻め派だけど萌えた
攻めを攻めのまま食っちまうネタは大好物だ

244名無しの勇者:2007/05/11(金) 04:07:32
>「むり、むりむりむりむりぽ!」
>「死んじゃいますって、そんな、」
>「そしたらお前んとこの赤いの呼んできてザオリクさせるから大丈夫」
>「うわあすごい羞恥プレイ!」
>「じゃあうちんとこのザラキと5主の息子とどっちがいい」

ここにすごいウケたwww
鬼だwwwww

>「好きだ」
最中にと言いながら
>「軽い嫌がらせ」
最後にと言ってのける4主恐いよー
彼は最早魔王様…?

エロくて、面白くて萌えました!

245名無しの勇者:2007/05/11(金) 13:30:07
48テラモエス!!
微妙に男前な二人がツボw

246名無しの勇者:2007/05/12(土) 19:44:08
4主は嫌がらせのつもりがついついハマったとみた

247小ネタ(1)   (5×7 6×7風味):2007/05/13(日) 23:19:24
5主「なーなーちゃんっ♪」
7主「うわ、びっくりした!なんなんですかもー」
5主「いやぁ今妻と子どもたちが里帰り中でね。
  人肌恋しいんだけど城にはサンチョと叔父上しかいないし。パパテラサミシス」
7主「はあ。で、なんで僕に抱きつくんですか?」
5主「うん。このサイズがちょうど抱きつきやすくてね」
7主「ケンカ売ってます?」
5主「そんなことあるわけないじゃないか……ショタっ子(*´д`*)ハァハァ」
7主「ちょ、どさくさにまぎれて何ハァハァしてるんですか!」
5主「これは風の音だよ。爽やかな五月の薫風さ」
7主「おしりのあたりに固いものが当たるんですが」
5主「これはあの有名なドラゴンの杖だよ。パパこれで魔王を倒したんだぞう!」
7主「なんで僕の服に手をつっこむんですか?」
5主「手がかじかんじゃったからあっためたくて(ごそごそ)」
7主「そろそろ羊が来ますよ」
5主「羊が来る前にオオカミさんが君をメロメロにしちゃうから平気さっ!いただきまーーーす!」
7主「アレぇーーーー!!」
6主「ギガスラーーッシュ!!!」
5主「ぬわーーーーーーーーーーーっ!」
7主「6主さん!怖かった……」
6主「よしよし、お兄ちゃんが来たからにはもう大丈夫だぞ」
7主「6主さん……」
6主「ん?かわいいところがちょっと反応しちゃったんだな。おいで。鎮めてあげる」
7主「だめ…5主さんが見てる…あっ」
6主「見せつけてやろうぜ…」

5主「あれっなんかダシにされ…ぐふっ…」

248小ネタ(2)   (5×3 1×3風味):2007/05/13(日) 23:20:41
5主「はあ、最近の若者とスキンシップをとりたい…」
3主「スキンシップという名のセクハラな」
5主「4主のお尻に顔をつっこんでふんはふんはしたら天空の剣とギガスローが飛んでくるし」
3主「それは当然だろう。てか何やってんのあんた」
5主「じゃあ8主にさわるか、と思ったら鬼武者装備するし」
3主「そりゃ無理だわ」
5主「7主に抱きつけば6主とのイチャイチャのダシにされるし」
3主「あ、やっぱできてたんだあの二人。てかホモ率高くね?大丈夫かこの宿舎。てかドラクエ世界」
5主「2主はロンダルキア。1主は鎧でコーティング」
3主「……嫌な予感がしてきたぞ」
5主「そういうわけで3主、一緒に天国に い か な い か」
3主「消去法かよ!悔しいっ…でも感じちゃう!ビクンビクン」
5主「ふふふ、まずはそのやぼったいイモジャージを脱ぎ脱ぎしようね」
3主「やっ…あっ…」
1主「大丈夫かご先祖!くそうベギラマ!」
5主「ぬわーーっ!あっでも耐えられないほどじゃない!」
1主「ベギラマをバカにするな!ベギラマベギラマベギラマそんなひどいベギラマ……」
5主「ひゃぁぁぁぁん!無限ループらめぇぇぇぇえ!ぐふっ…!」
1主「ご先祖!よかった、無事で……」
3主「助かったぜ1主!つーかお前、そんなに俺のこと…」
1主「当たり前だろ?ご先祖は俺にとって大事な人なんだ」
3主「1主……」
1主「ご先祖がそっちに走ったら俺生まれなくなっちゃうもんなー」
3主「あ、うん、そだね('A`)」

5主「私は負けない…必ずや全主とあんあんうふんな関係に…
   そしてハーレムを作るまで…は…ぐふっ…」

249名無しの勇者:2007/05/14(月) 00:01:29
>3主「あ、やっぱできてたんだあの二人。てかホモ率高くね?大丈夫かこの宿舎。てかドラクエ世界」
ドラクエ世界っていうか801世界はみんなヤバイんだぞ3主w

……と、ふと思ったんだが2主が帰ってくるまで我慢すればよくね?
サマルなぞ敵ではないし、なんかギリギリまで何されてるのか分からなそうw

250名無しの勇者:2007/05/14(月) 00:10:15
2主の括約筋にかかればパパのドラゴンの杖なんてそのへんの花のように手折られるよ

ところでまだ6主を襲うというところに考えが至ってないわけだが

251名無しの勇者:2007/05/14(月) 00:32:09
6と7にちょっかいかけるとまたダシにされるなあということでひとつ

252名無しの勇者:2007/05/14(月) 23:09:53
本当に最強なのは6主じゃなくて7主だからな……

253名無しの勇者:2007/05/17(木) 00:14:02
>>233-239
GJ!萌えた。
48も84も、むしろ848(リバ)もいける自分は範囲広スギなのだろうかw
>>247-248
5主!!www
なんかエライコトになってマスがw
1主「ベギラマをバカにするな!ベギラマベギラマベギラマそんなひどいベギラマ……」
5主「ひゃぁぁぁぁん!無限ループらめぇぇぇぇえ!ぐふっ…!」
ワロタwww

254昔の設定で7&4:2007/05/24(木) 19:05:06
7主「あ」
4主「お」
7主「ごめ、ごめんなさい決してお茶のお邪魔をするつもりはないんですごめんなさい」
4主「なんでいきなりそんな謝罪の嵐なんだよ」
7主「にらんでるんじゃないんですか?」
4主「なんでそうお前は俺に慣れないんだ。……まあいい。
  シンシアが茶でもどうだと誘っている」
7主「………………(それでカップが二つなのか)…………えんr」
4主「スコーン作り過ぎてもったいないんだよ。食ってけ」
7主「はいいいいいいすみません食べますからせっかんはやめて」
4主「せっかん?お前は大丈夫か。色々と。……砂糖は?」
7主「三つでごめんなさい甘党でごめんなさいついでにミルクが欲しいなんておこちゃまでごめんなさい」
4主「……あのな」
7主「わーん、やっぱり怒ってるじゃないですか!」
4主「怒ってるのはそういうんじゃなくて」
7主「ごめんなさい手をわずらわせてごめんなさいもう行きますさようなら!」
4主「あ、ちょっとま」


7主(……4主さんともっと近づきたいのに、なんで僕こんなに臆病なんだろう?)
4主(精一杯かわいがってるつもりなんだが、どうしてなついてくれないんだろう。
   ネーシンシアタン(*´・ω・)     )

255名無しの勇者:2007/05/24(木) 19:27:17
懐かしいのktkr
今の最強ショタっ子7主もそれはそれで良いけど
M全開のウザ小僧7主は面白かわいくていじめたくなる萌えキャラだったよ

256名無しの勇者:2007/05/25(金) 00:08:09
海千山千緑コンビも萌え
いろいろ正反対+いろいろ共通点あるよねこの二人。
4主と8主もそのパターンだけど対極な似たもの同士萌える。

2573×4? 8はノンケ設定ですスマソ:2007/05/25(金) 05:50:57
3主「なー。お前の毛って全部緑?」
4主「なんだよやぶからぼうに」
3主「薮から棒か。なんかそれって卑猥だよな。いかにもアレって感じで」
4主「はいはいさ……ないんだったな。エロ撲委は釣りに行ったし」
3主「でさー、腕と足は見たけどさ、アッチも緑?」
4主「……知ってどうする」
3主「いやこういうことって追求しないと満足しないもんで。で、どっち?」
4主「…………緑だよ。悪かったな」
3主「マジ? 見たい見たい!」
4主「ええ?」
3主「いーじゃん男同士だし。減るもんでもないし」
4主「……〜〜〜〜ほらっ、さっさとしろ!」
3主「うわっすげえ! 本当に緑だ! え、てか息子さん俺のと比べてみない?」
4主「なんでそうなるんだ! ズボンを脱ぐな! しまえ!」
3主「いや男としてサイズの比べっこは当然でしょ……ん?」



8主 壁| ゚∀゚) ミタヨー

3主「ちょwwこれはwwwwちがwwww」
4主はショックを受けてうごけない!

8主<パシャッ、ティロリンティロリン♪

3主「写メかよ! やーめろーよー!」
8主「Yahoo!ニューストップ記事が決まりましたね!
  おーいみなさーん! この宿舎に不純異性交遊してる人たちがいまーす!」
3主「やーめーろーよー! やーめーてーよー!」

4主はまだうごけない……

258名無しの勇者:2007/05/25(金) 05:52:01
×異性
○同性だ。すんませんorz

259名無しの勇者:2007/05/25(金) 08:18:42
8主がノンケって書いてあるのに
34がバカ男子高生なノンケでなんでもすぐホモに直結してる8主がそっち系
に見えてしまった自分は何かが末期かもしれない

260名無しの勇者:2007/05/25(金) 08:23:25
>>257
3主実は巧妙に仕掛けてないか?www
こんな妄想が浮かんでしまった。

4主「この大バカ! どうすんだよ!」
3主「だったらさ、いっそホントに付き合っちまおーぜ」
4主「なんでそうなるんだ?」
3主「だってさ、やーいホモホモーってからかわれて必死に否定しても墓穴広げるだけじゃん」
4主「認めて開き直った方がかえって言われないか。いじめっコ対策の基本だが……いやいやいやちょっと待て」
3主「善は急げだ、さっさと公表しちゃおうぜ。おーいみんなー!」
4主「いやそれおかしいって! 待てってオイ!」

便乗スマソ

261>>257 8主変態バージョン:2007/05/25(金) 11:55:21
(〜省略〜)
4主「……〜〜〜〜ほらっ、さっさとしろ!」
3主「うわっすげえ! 本当に緑だ! ……ん?」


パシャッ    パシャッ
   パシャッ
         パシャッ
パシャッ (   )】Σ
.     /  /┘   パシャッ
    ノ ̄ゝ ←8主

4主「…………」
3主「…………あの……」
8主「これはいけません! 卑猥すぎます! エロ撲委二号としてカメラを持っていてよかった」
4主「いつの間に? てかお前が撲滅されろ」
8主「なんてことだ、主人公宿舎がエロで満たされてしまう! これは鑑定の必要がありますね!」
3主「何を鑑定するんだ、何を」
8主「じっくり今回の件を検討し検証ししかるべき措置をとらなければ」
3主「その滝のように溢れ出る鼻血を止めてからな」
8主「今後このようなことがないよう今回の写真はぐーっと引き伸ばして飾り付けましょう」
4主「やめろ! 馬鹿かお前は!」
8主「それでは今後このようなことをしないとサインを」
4主「なんのサインだよ……『私4主はみだりにあられもない姿を出しません』?」
3主「『今後指一本4主に触れません』……お前は……」
8主「4主さん独占禁止法です。べ、べつに僕が独占したいんじゃなくて珍しい天空人のハーフだからなんだからね!」
3主(もはや何がなんだか……)
4主「よしわかった、表に出ろ」
8主「望むところです!」

3主「……あーあ。行っちゃった。馬鹿だなあ8主は」

3主「……バカなのは俺も、か。うわー微妙に勃っちゃってる」

262名無しの勇者:2007/05/25(金) 17:45:14
>>261
8主ウザカワイイwww

3主も色んな意味で青春ぽくて可愛いな。

263名無しの勇者:2007/05/25(金) 21:34:31
>>257
ショックを受けて動けないって状況に変に興奮した。

>>261
3主は男友達とバカやってるのに妙な瞬間芽生えそうになっちゃった的な
思春期特有の…なんかうまく表現できないけど、とにかく思春期特有の
何かが滲み出てて萌える。

264名無しの勇者:2007/05/25(金) 21:47:38
4主独占禁止法はむしろ8主にかけた方がいいと思うんだ

265名無しの勇者:2007/05/25(金) 22:13:21
ノンケで100%嫌がらせ目的で局部の入る写メ撮ったんだとしたらとんでもない悪党だ8主
しかも公表する気満々な発言してるしそりゃ動けなくもなる罠
悪ノリでハメ撮りされてそれをネタに脅される被害者の心境だろうw

性的な目的があって写メ撮ったんなら…
ストーカーから盗撮裸写真を送ってこられた気分だろうか。どっちにしてもダメダメだwwww

266名無しの勇者:2007/05/26(土) 08:49:15
まあ4主は似たようなことをPちゃんにやってるからw
しかも虹どころか本家で普通に設定化してるところがスゴス

2676×7いちゃいちゃ:2007/05/29(火) 21:43:04
6主「7主、一緒に風呂入ろうぜ!」
7主「ええ?いきなりどうしたのさ」
6主「いやー、最近風呂でも寝ちゃうんだよな。昨日なんかそのまま溺れかけちゃって」
7主「なんだか親御さんが聞いたら泣きそうな話だね」
6主「ってことで一人で入るの怖いからさ、頼むよ。
  お兄ちゃん全力でお背中流しちゃうぞー。マッサージもしちゃるぞー」
7主「うーん、別にいいけど、でも」
6主「でも?」
7主「みんなの迷惑になるから、えっちなことはお預けだよ?」
6主「…おさわりは?」
7主「なし」
6主「ちゅーは?」
7主「ちゅーはいいよ」
6主「よーしお兄ちゃんちゅーしまくっちゃうぞー」
7主「目的が変わってるよ!」
6主「いいからいいから、風呂が待ってるぜ!」


4主「というわけで、これから二時間ほど風呂立ち入り禁止な」
3主「俺もちゅーとかしたいんですけど」
1主「諦めろ」

268名無しの勇者:2007/05/29(火) 23:51:07
GJ!
2時間が男二人の入浴にはちょいと長い時間設定である件について

6主のちゅーによる執拗な攻撃>会心の一撃>なしくずし的に本番
な展開を期待してもいいですか

しかも4主はそこまで読んだ、ということでおk?

269名無しの勇者:2007/05/29(火) 23:59:55
この二人はもう所かまわずいちゃいちゃしてたらいいよ

270267:2007/05/30(水) 02:20:49
>>268
おっしゃるとおりでございます

271名無しの勇者:2007/05/30(水) 13:23:55
経験者は語るってやつかw

2721←3? 1/4:2007/06/01(金) 19:55:58
3主「聞いて驚け1主!俺は凄いことに気付いてしまった!」
1主「うわー。そんなことにきがつくなんて、さっすがごせんぞさま!
   おれびっくりしちゃったよ!!」
3主「おい、コラ。まだ何も話していない内から驚いたフリすんな」
1主「だってどーせくだらない事だろ。聞く価値無いし」
3主「あのなー!本当に世紀の大発見だっつーの!」
1主「ホントかよ?」
3主「ホント、ホント」
1主「嘘臭いなぁ…」
3主「嘘じゃないって。マジだって」
1主「……じゃあ、まぁ、話だけは聞いてやるよ」
3主「えっ、いいのか!?」
1主「いいから手短に話せよ」
3主「よしっ、それじゃあ…………えー……コホン」
1主「……(どうせくだらないんだろうな)」

3主「実は俺って 萌 え キ ャ ラ じゃね?」

 ゴスッ

3主「痛っ!?」
1主「はぁ……やっぱくだらないし…」
3主「ちょ、おま、何ご先祖様に向かって暴力ふるってんだよ!」
1主「確かメダパニに掛かってる奴はパーティーアタックで正気に戻るんだろ」
3主「俺は正気だ!」
1主「人の部屋に勝手に上がりこんできた挙句、自分のことを
   萌えキャラだと主張する男が正気なワケあるかヴォケ!!」
3主「だって萌えキャラなんだから仕方ないだろ!」
1主「まだ言うかこの馬鹿先祖は…」

2731←3? 2/4:2007/06/01(金) 19:56:42
3主「なぁ1主よ、お前は絶対領域という言葉を聞いたことがあるか?」
1主「絶対領域?……ああ。詳しくは知らんがオタク用語だよな」
3主「絶対領域とはスカートとハイソックス、もしくはロングブーツとの間の
   太もも部分に存在する萌え空間のことだ」
1主「へー」
3主「そして1主、俺の服装をよく見てみろ」
1主「えぇと……マントに全身タイツに上着にロングブーツ…………ハッ!ま、まさか…」
3主「そうだよ。あるんだよ、この俺にも!
   このファンタジーによくあるスカートっぽい服とロングブーツとの間に萌えの絶対領域が!!」
1主「な、なんだってー!! Ω」
3主「ふっふっふ……どうだ凄いだろ。これからは俺に萌えてもいいんだぜ?」
1主「いや、待て。絶対領域は生足じゃなきゃ効果無いんじゃないか?」
3主「大丈夫だ。世の中にはスパッツ萌えという属性もある」
1主「ご先祖のは全身タイツじゃ…?」
3主「よーするにだ、俺は絶対領域とスパッツ属性の2つの要素を兼ね備えた萌えの申し子だったんだよ!」
1主「そうかぁー?」
3主「そう強がるな。真実を知って正直俺に萌えてきてるんだろ?」
1主「いや、全然」
3主「またまたぁ〜。本当は萌えてるクセに」
1主「すみません。これっぽっちも萌えてません」
3主「えー?だって絶対領域だぞ?」
1主「男の太ももには萌えを見出せねーよ」
3主「しかもスパッツだぞ?」
1主「それ全身タイツだし」
3主「全然萌えない?」
1主「全然萌えない」
3主「でもちょこっとは萌えるだろ?」
1主「1㍉も萌えない」
3主「本当に?」
1主「本当に」
3主「嘘じゃないよな?」
1主「嘘じゃないよ」

2741←3? 3/4:2007/06/01(金) 19:57:37
3主「ぶー。ケチー」
1主「ケチでも無理なものは無理だし」
3主「ちぇー…」
1主「……あのなぁ、ご先祖。俺を萌やそうとしてどーすんだよ?」
3主「んー……ほらさぁ、俺って彼女いないじゃん?」
1主「ああ。いないな」
3主「女の恋人が出来ないならいっそ男の恋人でもいいかなー。って」
1主「よくねーよ!」
3主「やっぱ駄目か?」
1主「駄目に決まってるだろーが。んな事されたら俺が生まれてこなくなるだろ」
3主「だよなー」
1主「まったくこの馬鹿ご先祖は…」
3主「まぁまぁ、そんな怒んなよ」
1主「誰のせいだと思ってるんだ。…………あー、何か疲れた。
   俺は寝るからご先祖もさっさと部屋に帰れ」
3主「はーい」


 テクテクテク…

3主「んー、やっぱ俺を萌えキャラに仕立てるのは無理があったか…」
8主「話は全て聞かせてもらいましたよ3主さん」
3主「うおっ!8主いつのまに!?」
8主「3主さん、あなたは絶対領域で萌えキャラ化を狙っているとか」
3主「まあな。作戦は失敗に終わったみたいだが…」
8主「…………許せませんね」
3主「へ?」
8主「エロ撲委二号としてそんな宿舎の風紀を乱すような格好は断固許しません!」
3主「……え?ちょっ…」

 ガバッ

2751←3?(ちょっと48?) 4/4:2007/06/01(金) 19:59:06
3主「ひっ!!?」
8主「こんな卑猥な上着とロングブーツは僕が没収します!」
3主「ぎゃっ!うわっ!や、やめっ……!!」
8主「駄目です、やめません。絶対領域で宿舎のみんな……特に
   4主さんを悩殺しようったって、そうはいきませんよ!」
3主「何でそこで4主の名前が出てくるんだよ!?
   っていうか、やめてー!身包み剥ぐのはやめて――っ!!」
8主「安心して下さい。僕もそこまで悪じゃありません。ちゃんと全身タイツは残してあげますよ」
3主「いやー!全身タイツのみって何処の変態だよー!?」
8主「じゃあマントも残してあげますね」
3主「マントに全身タイツってより変態度が上がってるしー!」
8主「ああー、もぅ!往生際が悪いですね!」ビリビリビリ
3主「らめえええええええええええええ」


 ガチャッ

4主「おい、お前ら廊下で騒ぐなよ。一体何時だと思って……」
8主「……え?」
3主「……あ」
4主「…………………」
8主「あっ、い、いえ……これはその……」
4主「…………うん。そっか……ごめん……邪魔して悪かった……」

 パタン

8主「いやぁぁぁあああああ!誤解です!!誤解ですよ4主さあああああああああん!!!!」





3主「……やべ。8主に襲われかけたときちょっとドキドキしちまった……」

276名無しの勇者:2007/06/01(金) 21:46:46
3主かわいいよ3主
萌えます!!

277名無しの勇者:2007/06/01(金) 22:48:11
全身タイツ3主萌え。
あと4主の…になぜか萌えた。
最後のほうなんて俯いて涙目だったりしたら可愛いなと・・

278名無しの勇者:2007/06/01(金) 23:18:47
キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!
あますとこなく萌えた!

279名無しの勇者:2007/06/01(金) 23:29:40
3主かわいいよ3主萌えキャラだよ3主

このあとたっぷり1ヵ月くらい4主の周りで必死の弁解をし続ける半べそ8主と
他人行儀で取りつく島もない4主の攻防戦が見られそうだ

280名無しの勇者:2007/06/02(土) 00:17:14
ええ、DQのスカート(っぽいの)には、
余すところ無く萌えてるのでご安心を。

……矢張り313はこれくらいで丁度かな

2811→3?:2007/06/04(月) 14:00:27
1主「まったく聞いて呆れるぜ。布団しくのめんどくださいからこたつで寝てて風邪引いたって?」
3主「……すんっませ……ごふ、こふ」
1主「そんでもってさらに風呂上がりの濡れた髪を拭かずに寝たと」
3主「面目次第もない……けほ」
1主「子どもじゃないんだから自己管理くらいできるだろ?」
3主「返す言葉もない……ごっほ、けふ」
1主「あーあ、俺きっと女の方のご先祖の子孫なんだろうなー。
   情けないよ。勇者ロトここにありなんて称えられた人がこんなんで!」
3主「…………」
1主「…………」
3主「…………ごめん、な」
1主「…………」
3主「ごめん、ダメな先祖で」
1主「…………」
1主(なんか、調子狂うな……)
1主「いいから、薬飲んでとっとと寝ろよ。早く治せ」
3主「……ん」
1主(素直。子供みてえ。ってかまだ子供、なんだよな。一応)
3主「1主」
1主「ん?」
3主「俺が寝るまで、ここにいてもらっていいか?」
1主「……しょーがないな。どんだけガキなんだあんたは」
3主「ごめんな。ついでに手握っててもらえる?なんか今テラサビシス」
1主「…………どんだけだよ。はいはいなんでもいたしますよ」


1主(すげー調子狂う。なんだよ)
1主(ご先祖、って言っても、今は俺より年下なんだよな。変なの)
1主(なんかすげー罪悪感……)
1主(てか、手、あっつい。熱結構あんのかな)
3主「う……」
1主「あ。ごめ、起こした?」
3主「…………」
1主(!……泣いてる……?)
3主「…………カーチャン……」
1主(寝言か。俺は母ちゃんじゃねっつの。子孫だっつーの)


1主(ああ。くそ。なんだこれ。すげー心臓がじりじりしやがる。ムカツク。早く治れよ馬鹿)

282名無しの勇者:2007/06/04(月) 15:31:41
この二人…好きだ!かわいいー

283名無しの勇者:2007/06/04(月) 19:18:02
なにこの3主祭
まとめ読みして禿げ散らかるほど萌えた*・゚・*:(゚∀゚):*・゚・*:.

284名無しの勇者:2007/06/05(火) 13:51:52
おかげでご先祖受に目覚めました!

285名無しの勇者:2007/06/05(火) 17:46:20
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 3主!3主!
 ⊂彡

3主は可愛いなあ

286もしもDQ主雑キャラの閉じ込めスレがあったら:2007/06/05(火) 18:55:30

*閉じ込めスレとはかつてFFDQ板で大流行したネタスレです。
 六畳間や馬車や次元の狭間などに2〜4人程度のFFDQキャラを閉じ込め、
 1000レスまでそこで生活させる内容のスレです。
 基本的に1000レス達成するまで閉じ込められた場所から出ることは出来ません。

2871主と3主を同じ部屋に閉じ込めてみた 1/4:2007/06/05(火) 18:56:40
1主「あれ、ドアが開かないぞ?」
3主「そうみたいだな」
1主「しかも窓も開かないし」
3主「どうやら俺達は閉じ込められてしまったようだな」
1主「……一体どういうことだ?」
3主「これはあれだ。閉じ込めスレ現象ってヤツだ」
1主「閉じ込めスレ?」
3主「詳しい原理は分からんが俺達は当分この部屋から出られないぞ」
1主「当分ってどの位だ?」
3主「早くて2ヶ月、下手すると半年から1年程度脱出にかかるはずだ」
1主「マジかよ!?」
3主「閉じ込められたら最後、1000レス達成しないと出られないからな」
1主「そ、そんなー…」
3主「まあ、犬に噛まれたとでも思って諦めるんだな。地道にレスを消費してこーぜ」
1主「いきなり閉じ込められたっていうワリにご先祖は随分と余裕だな」
3主「だって俺、自宅警備員兼ネット監視係だし。
   ここPC置いてあるから普段の生活と何ら変わらないんだよな」
1主「ヒッキー兼ねらー乙」
3主「閉じ込めスレっていいよなー。ここにいれば働けなんて小言言われることもないしー」
1主「何でこんな駄目人間が俺のご先祖なんだろ…」
3主「何とでも言え。あー、閉じ込めスレマンセー!ニートマンセー!!
   ずっとここに閉じ込められてればいいのにヽ(´ー`)ノ 」
1主「はぁ……この人完全に駄目ニートだ('A`)」




3主「……」カタカタカタ
1主「……なあ」
3主「……」カタカタカタ
1主「……ご先祖」
3主「……」カタカタカタ

2881主と3主を同じ部屋に閉じ込めてみた 2/4:2007/06/05(火) 18:57:28
1主「……おいってば」
3主「何だよ?今、祭りで忙しいから後にしてくんない?」カタカタカタ
1主「すげー暇なんスけど…」
3主「テレビでも見てろよ」
1主「面白いのやってないんだよ」
3主「じゃあ、漫画でも読めば?」
1主「部屋にあるヤツ全部読んじゃったよ」
3主「まだ閉じ込められてから1週間しか経ってないんだぞ。
   今からそんな調子でどーすんだよ…」
1主「真っ当な人間は1週間も部屋に篭ってられねーよ」
3主「えー?俺は平気なのになぁ…」
1主「……なぁ、ご先祖」
3主「何だ?」
1主「エッチしよ」
3主「はぁああ!?」
1主「何かさ、ローラと1週間もご無沙汰だから溜まっちゃって…」
3主「だったらトイレか風呂にでも行ってヌいてこい」
1主「自分でやるのと人とするのじゃ全然違うじゃんか。
   ……あっ、ごめん。ご先祖には分からないなw」
3主「謝れ!お前はご先祖様に全力で謝るべきだ!!」
1主「まぁまぁ怒るなよ。だからさ、ご先祖も俺と一緒に
   他人とやる気持ちよさを体験しよーぜ」
3主「死ね。氏ねじゃなく死ね」
1主「1回でいい。1回でいいから。な?」
3主「このLANケーブル貸してやるから今すぐ首吊ってこい」
1主「でもご先祖ってこのままエッチ経験なかったら
   30歳になったとき魔法が使えるようになっちゃうぜ?」
3主「今でも魔法使えるんだが。見せてやろうか、ギガデイン?今ここで」
1主「うわっ、冗談だって!……じゃあ、ちゅーでいいや。ちゅーさせてよ」
3主「ふざけんな!ファーストキスは可愛い女の子とレモン味のキッスをするって決めてんの!」
1主「ちょwwwレモン味ってwwwwww童貞だからって夢見すぎwwwwwwwwwww」
3主「る、るせー!非童貞だからっていい気になんな!」

2891主と3主を同じ部屋に閉じ込めてみた 3/4:2007/06/05(火) 18:58:17
1主「あはは。ごめん、ごめん。……じゃあさ、ハグハグさせてよご先祖。
   なーんか一肌恋しいんだよね。とりあえずそれで我慢するからさ」
3主「やなこった。可愛いヒロインならともかく男なんかに抱きつかれるなんて真っ平御免だ」
1主「そんな酷い。……ハグハグさせてよご先祖」
3主「 お 断 り だ 」
1主「そんな酷い。……ハグハグさせてよご先祖」
3主「だが、断る!」
1主「そんな酷い。……ハグハグさせてよご先祖」
3主「ちょwww無限ループktkrwwwwww」
1主「そんな酷い。……ハグハグさせてよご先祖」
3主「あああああああああ!!分かった!分かったから無限ループすんな!!」
1主「ヤッタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!」
3主「言っとくがハグだけだからな」
1主「えへへー。ご先祖結構抱き心地いいなー(*´∀`*)」
3主「はぁ……そりゃどーも…」
1主「ご先祖って女のほうのご先祖と背格好変わらないもんな。ちっこくてカワエエー」
3主「くっ、さりげなく人が気にしている事を…」
1主「お肌も16歳のスベスベお肌だし」
3主「うひゃっ!ほっぺをスリスリさせてくんな!」
1主「スベスベのぷにぷに〜」
3主「んんー、ちょっ、やめろって!」
1主「ご先祖様(;´Д`)ハァハァ 」
3主「(ま、まずい、このノリのままいくとなし崩し的にエッチまでされそうだ。
    なんとかしてヤツの気を逸らさなくては……!)
   ……あ、そういえば2chのスレはどうなってるかなー?」カタカタカタ
1主「なぁご先祖。その2chってのは面白いのか?」
3主「(おっ!喰いついてきた!)もちろんだとも!
   特に今覗いているスレは女神が降臨しそうで祭り状態なんだぜ」
1主「女神?ルビス様みたいなもんか?」
3主「いや、女神っていうのは本当の神様じゃなくて……
   ……ん?キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!女神が降臨してるー!」
1主「へ?何処に??」

2901主と3主を同じ部屋に閉じ込めてみた 4/4:2007/06/05(火) 18:59:20
3主「これだよ、これ!女神のおっぱいうp画像!!!!」
1主「おおー。すげー」
3主「ひゃほ〜〜〜い!女神の生乳画像ゲットだぜ!!!!」
1主「よかったな、ご先祖」
3主「おう!よくグロやちんこうp画像に騙されたもんだが、諦めずに張り付いててよかったぜ!」
1主「……でさぁ、ご先祖…」
3主「……ん?あれ?」
1主「非常に言いにくいんだけどさぁ…」
3主「な、なぁ…。この俺の腰に当たってる妙に生暖かい硬いモノは何だ?」
1主「さっきの画像見たらおっきしちゃった。えへっ。(*´∀`*)」
3主「えへっ。じゃねえええええええええええええ!!!
   気色の悪いモンを押し付けてくるなあああああああああああ!!!!!!」
1主「だってご先祖が悪いんだぜ。あんな画像見せるから」
3主「しまったぁぁあああ!!話を逸らすつもりが墓穴を掘っちまった―――――!!!!」
1主「そして墓穴を掘ったご先祖はおケツを掘られると…」
3主「誰が上手いこと言えと言った!?」
1主「ま、それはともかく俺をこんな状態にした責任は取ってもらうぜご先祖!」
3主「ひっ……やっ………んんっ……あっ………………らめぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!!!!」



1主「いやー。ゆうべは楽しかったな、ご先祖!」
3主「こんな子孫にやられるなんて……くやしいっ!…………でも感じちゃった……orz」
1主「そう言ってもらえると男冥利に尽きるな。はっはっは…」
3主「うぅ……童貞を卒業する前に処女が無くなるとは…」
1主「おいおい、泣くなよ。……つか、泣き顔も可愛いな」
3主「……え?」
1主「んじゃ、朝のお仕事と参りますか!」
3主「ひゃっ……ん……ちょっ………いきなり何を……っ!」
1主「だって部屋にいても暇だし。エッチな事する位しかやる事ないだろ」
3主「……あっ……だ…からって……朝っぱらから……しなくて……も……」
1主「閉じ込められてる間は朝晩関係なく可愛がってやるからな。
   ローラもメロメロな俺の絶倫パワーを思い知らせてやるぜ!」
3主「ふぇぇぇぇぇん!らめぇぇぇぇえええ!!誰か助けて―――っ!!
   もうニートマンセーなんて言わないから!部屋に引き篭もったりしないから!
   だから誰かここから出してええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」

2914主と8主を同じ部屋に閉じ込めてみた 1/2:2007/06/05(火) 19:00:52
4主「くそっ!何だここは!?」
8主(4主さんと二人っきりのシチュキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!! )
4主「ドアも窓も開かないなんて…」
8主(これからは4主さんと一緒に寝起きして、一緒にご飯食べて、誰にも邪魔されずお話できるなんて……(*゚∀゚)=3 )
4主「どうにかして脱出する方法はないものか…?」
8主(あぁん、幸せ過ぎ(*´д`*) このままずっと二人で閉じ込められていたい!)
4主「……あ。そういえばこの最後の鍵でドア開けられるかも」
8主「させるかぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」

 パシッ

4主「なっ!!?」
8主「どうりゃああああああああああああああああああ!!!!
   スーパーハイテンションギガスロォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!!」

 パリ――――ン!!!! ←(窓ガラスが割れた音) キラ―――ン +

4主「………( ゚д゚)ポカーン 」
8主「……ぜぇ…はぁ……ぜぇ…はぁ……」
4主「は、8主……お前…」
8主(例え4主さんに怒られたって構わない!このまま二人っきりでいられるなら!!)
4主「8主!お前でかしたぞ!!」
8主「……へ?」
4主「お前が割ってくれた窓から脱出できるな!」
8主「……え?」
4主「よく見てみたらこのドア鍵穴無かったしな。
   お前が窓破ってくれなかったら一生閉じ込められてたままかもしれなかったぞ」
8主「ええぇぇぇぇーっ!?そ、そんな……orz」
4主「……?何ガックリきてんだよ?ほら、さっさと出るぞ」
8主「は、はい……('A`)」

2924主と8主を同じ部屋に閉じ込めてみた 2/2:2007/06/05(火) 19:01:40
4主「……よいしょっと。ここ割れたガラス片が落ちてるから気をつけろよ、8主」
8主「いっそガラスが刺さって死んでしまいたい……」
4主「……?」
8主「はぁ……('A`)」
4主「……なぁ、8主」
8主「……はい、何でしょう?('A`)」
4主「さっきはアリガトな。いつもは変なことばっかするヤツだけど
   いざって時に頼りになるな、お前(^ー^)ニコッ」
8主「.。゚+.(・∀・)゚+.゚!!!!」


8主(4主さんに……4主さんに笑い掛けてもらえた!!ヽ(*´∀`*)ノ )
4主(さっきからニヤニヤしたり落ち込んだりニヤニヤしたりと忙しい奴だな…)

293名無しの勇者:2007/06/05(火) 20:12:49
3主が可愛すぎて困る

2946主と7主を同じ部屋に閉じ込めてみた 1/2:2007/06/05(火) 20:15:57
7主「どうしよう、6主さん。僕達この部屋から出られないみたいだよ?」
6主「うーむ、こういうときは…」
7主「こういうときは?」
6主「寝る!」
7主「ちょ、それ何の解決にもなってないよ!」
6主「すぴー……むにゃむにゃ……」
7主「しかも早いよ!……ってか、本当に寝ちゃってるし!」
6主「Zzzz……」
7主「おーい、6主さーん!」
6主「Zzzz……」
7主「完全に寝ちゃってるなぁ…」
6主「Zzzz……」
7主「むー……」
6主「Zzzz……」
7主「6主さーん。早く起きてくれないと寝込み襲っちゃいますよー」
6主「Zzzz……」
7主「……」
6主「……むにゃ………ターニアたん……」
7主「……6主さん、また妹さんに会いに行ってるのか……」
6主「Zzzz……」
7主「で、僕はこっちの世界に置いてけぼり、と……」
6主「Zzzz……」
7主「こんなに可愛いショタっ子と二人きりなのに、無視ですか、そうですか」
6主「Zzzz……」
7主「あーあ……何で僕ってこう難儀な人を好きになるかなー?」
6主「Zzzz……」
7主「……まぁ、いいや。とりあえずご飯でも作ってあげよっと」

2956主と7主を同じ部屋に閉じ込めてみた 2/2:2007/06/05(火) 20:16:41
6主「んん〜〜。ふぁあああ。良く寝たー」
7主「あ、6主さん。ようやく起きたみたいだね」
6主「おう、7主!おっはー!」
7主「時間的には、こんばんは。だけどね。……はい、これ。夕飯作っておいたよ」
6主「おー!さんきゅー!」
7主「一応この部屋には生活する為の必要最低限のモノは揃ってみたいだね」
6主「ふーん、そっか」
7主「とは言ってもいつまでもここにいるワケにはいかないしね。
   明日からは脱出する方法考えなくっちゃ」
6主「まあ、俺はターニアたんといつでも会えるからこのままでもいいけど」
7主「そりゃ6主さんは、ね……」
6主「んー、それにしてもこのサバの味噌煮うまいなー」
7主「…………」
6主「こっちのおひたしもウマー」
7主「……ねぇ、6主さん」
6主「……ん?」
7主「僕、いつか絶対に6主さんのこと萌やしてみせるからね!」
6主「……へ?燃やす??………………メラゾーマっすか!?」
7主「絶対だから!覚悟しといてよね!!」
6主「え?なになに!?Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) 俺、何か7主を怒らせるよーな事したか!?」
7主「……さぁ?どうかな?」
6主「あれ?もしかして夕飯作らせたの怒ってる?
   ごめんね、ごめんね。お兄ちゃん謝るから。だから機嫌直してよ、7主〜」
7主(ったく、鈍感なんだから。何でこんな人好きになっちゃたんだろ…?)

2965主と2主を同じ部屋に閉じ込めてみた:2007/06/05(火) 20:17:46
2主「ん?ここは何処だ?」
5主「どうやら僕達は閉じ込められてしまったようだね」
2主「なるほど。オレたちは閉じ込められてしまったのか!」
5主「それにしてもこの組み合わせ……カップリングからあぶれた二人を
   とりあえず閉じ込めてみたようなテキトーさを感じる……」
2主「???」
5主「……だが、しかし!余りモノには福がある。という言葉がある」
2主「あ、そうだ…」
5主「現にここにいる2主はFC版。7主顔負けのショタっ子じゃないか」
2主「んーと、たしか…」
5主「この部屋ならエロ撲委も邪魔はできまい。
   つまりショタっ子2主にあーんな事やこーんな事もし放題!」
2主「……おっ、あったぞ!」
5主「さぁ、2主!パパと一緒に大人の階段上りましょ〜ね〜」
2主「ごめん、5主。これからロンダルキア攻略に行ってくるから、階段上るのはまた今度な」
5主「……え?だって僕達閉じ込められてるし、どうやってここから出る気なんだい?」
2主「これを使うんだぞ!」

ピッ ピッ ピッ
 どうぐ>キメラのつばさ>つかう

5主「え、ちょ、待って!こんな室内でキメラの翼使っても…!」
2主「じゃあなー、5主ー!」

 ばひゅーん…

5主「あ、あれ……?」

*DQ2は街中なら屋根のある建物の中でもキメラの翼が使えます

5主「…………」

 シ―――ン…

5主「え……えっと……」
5主「もしかしてこれ…………僕が一人寂しく取り残されるってオチ?」
5主「…………」

5主「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」

297名無しの勇者:2007/06/05(火) 20:34:55
割り込んでいたようですね
すみませんでした。

298名無しの勇者:2007/06/05(火) 20:45:52
>>297
いえいえ。48投下した後に全員分作ったほうがいいかなーと
67と52を書き足したんで…

レスありがとうございます!

299名無しの勇者:2007/06/05(火) 20:55:31
これは新しい解釈!
まんべんなく萌えさせていただきますた

300名無しの勇者:2007/06/05(火) 21:24:51
パトハッシュかわいいよパトハッシュ健気だよ(*´д`*)ハァハァ

301名無しの勇者:2007/06/05(火) 21:50:25
3主4主6主に萌えて淡々とした2主にワロタw GJ!

302ベタな勘違いネタ(67):2007/06/07(木) 17:38:20
2主「大変だ4主!」
4主「血相を変えてどうした2主?」
2主「7主が病気なんだ!」
4主「なんだって!?」
2主「7主の部屋の前を通りがかったら7主のうめき声が聞こえてきて……
   で、部屋を覗いてみたら7主が苦しそうにしてたんだ!」
4主「それは大変だな!」
2主「6主が看病してたけど全然よくならないみたいだった。
   だから4主、パデキアで7主を助けてやってくれ!」
4主「よし分かった。たしかパデキアの予備が…………ん、あった!」
2主「よかった!これで7主が助けられるぞ!」
4主「確か7主は自分の部屋にいるんだよな?」
2主「おう、そうだぞ。早く助けに行ってくれ!」
4主「ああ!……7主、待ってろよ。今助けに行く!」



7主「……うぅっ……いた…い……」
6主「大丈夫か、7主?何処が痛むかお兄ちゃんに教えてくれ」
7主「……お兄ちゃん……お腹が…痛いよぅ……」
6主「……ここか?」
7主「ううん…………もっと……下……」
6主「じゃあ……ここか?」
7主「違うよお兄ちゃん……もっと下のほう……」
6主「じゃあ……ここか?」
7主「……あっ……うん……そ…こ……」
6主「これは大変だ。患部が熱をもってるじゃないか!」
7主「お兄ちゃん……苦しいよぉ………身体が…すごく……熱いんだ……」
6主「こうなったら注射を打つしかないな。お兄ちゃん特製の太くてデッカイ注射を」
7主「……うん……お願い………お兄ちゃんの注射……僕に…打って……」
6主「ああ、分かった。今お兄ちゃんの注射を用意するからな」
7主「あっ……んんっ………お…兄ちゃ……ん…」


4主「……( ゚д゚)ポカーン 」

7主「あれ?どうして4主さんがここにいるの?」
6主「おいおい、出刃亀かよ。お前結構ムッツリだな」
4主「…………………………お、お前ら……」
7主「Σ(((゚Д゚lll))))) ビクッ!! 」
6主「ちょっ、4主??」
4主「紛らわしいプレイすんならせめてドアに鍵掛けてからにしろ!この大馬鹿ヤロ――――っ!!!!」
6主「ぎゃー!早まるな!ギガソードはやめてぇぇぇぇぇっ!!!!」
7主「ひぃぃっ!!4主さんの顔、超怖いよおおおおっっ!!うわ―――――ん!!!!」


2主「……あれ、何で4主は怒ってるんだ?それに7主も元気そうだし。オレよく分からないぞ」

303名無しの勇者:2007/06/07(木) 20:29:50
お兄ちゃん台詞がベタすぎwww

304名無しの勇者:2007/06/08(金) 00:57:29
なにがキレたって、2主の教育によろしくないからだと思われww

30524 0/2:2007/06/09(土) 11:40:27
>>304
教育によろしくない、ということから妄想。
たぶん24。5がセクハラ王。
微妙に女体化を想像させる記述があるので、苦手な方はご注意ください。

30624 1/2:2007/06/09(土) 11:41:07
5主「2主の性教育について」
4主「ギガd」
5主「ストップ4主君。これはそれなりに真面目な話なんだ」
4主「どこがどう真面目なんだよ」
5主「君は2主が王様になるために必要となる知識を教えているんだろう?」
4主「まあな。最近はどっちかというと一般常識のレベルだが」
5主「落ち込まない落ち込まない。そこで王に必要なのは、何かってことだ」
4主「……で?」
5主「何より重要なのは子孫を残すことさ」
4主「納得いくようないかんような」
5主「だから4主、これ」
4主「AVかよ!」
5主「実際にしてるのを見るのが一番だろ。顔赤くなってるよ、4主」
4主「赤くもなるわ!しかもなんだこのラインナップ、女教師ものばっか!」
5主「そこで作戦第2弾、ここで重要になるのが君のモシャスだ」
4主「……は?」
5主「女の子に変身!4主先生の実施教育☆」
4主「…〜!!(へなへな)」
5主「実際にさせるのが一番だろ。腰砕けちゃったの?4主」
4主「アブノーマルもいいとこだろ!教育になってねえ!」
5主「難しい問題を解いてしまえば後々楽だよ。まさか女の子に頼むわけにはいかないしね」
4主「そりゃそうだが、なんで俺が」
5主「だって4主が先生じゃないか。もちろん僕が教えてもいいんだけどね?」
4主「んだと?」
5主「まあその場合男同士にしかならないけど、2主君ならいいかなあ」
4主「……」
5主「ちなみに4主も大丈夫だよ。守備範囲内、むしろストライクゾーン?」
4主「こ・ん・の、ばっかやろう!!ギガデイン!!!」
5主「ぬ、ぬわー!」

30724 2/2:2007/06/09(土) 11:41:45
4主(……ったく、5主は調子に乗ると性質悪すぎだ)
2主「4主ー?」
4主「あ、ああ。2主か」
2主「顔が赤いぞ」
4主「なんでもない、なんでもないから」
2主「そういえば、さっき5主にあったらほんのりこげてた」
4主「そうか。大変だな(棒読み)」
2主「それで、今日4主が特別授業してくれるって言ってた」
4主「なっ……」
2主「子供の作り方を実施で教えてくれるって言ってた」
4主「ああああああんの野郎!」
2主「4主、顔が怖いことになってるぞ」
4主「よし。とりあえず5主の言ったことは忘れてくれ。で、特別授業は変態さんの倒し方にしよう」
2主「4主ー」
4主「止めるな、これは勇者としてやらなきゃならない仕事だ」
2主「あのな、俺、子供の作り方なら知ってるんだ」
4主「……へ?」
2主「王族にはひっすのことだって教えてもらったんだぞ」
4主「そ、そうなのか」
2主「……4主が教えてくれるって言われて、ちょっとどきどきしたんだ」
4主「えっと……2主?」
2主「5主の冗談だったんだな」
4主「あ、ああ。その。すまん」
2主「いいんだ。俺はまず、ハーゴンをたおさないとな」
4主「うん……そうだな。がんば、れっ?!」
 ちぅー
4主「ぶはっ、ちょ、に、ににに」
2主「へへ。クリアしたら覚悟しといてくれ!じゃ、行ってくる!」
4主「……うっわ…勘弁してくれよ」

1主「2主はいっつも元気だなあ。ん、4主どうした、顔が赤いぞ」
4主「ほっといてくれ。……いや、1主にはむしろ王族の義務について小一時間ほど問い詰めたい。
  とりあえず表に出ろ」
1主「え?ちょ、俺もしかして地雷踏んだ?つーかそれ使う相手が……タスケテローラァ、ゴセンゾサマー…」

308名無しの勇者:2007/06/09(土) 19:28:12
2主脳はピュアピュア派だったけど新たな境地が開けました(*゚∀゚)
むしろそれでもピュアラブに見えるのが2主クオリティ

309名無しの勇者:2007/06/09(土) 22:14:44
ああんもょかわいいよもょ(*´д`*)ハァハァ

310名無しの勇者:2007/06/10(日) 00:01:12
何この新たな萌え開拓……!!!いざ新境地へ…!!
2主可愛いよ。ロンダルキア雪原のように真っ白でピュアピュア。
でも攻め。  そ こ が 萌 え た。
2主相手だと素直で初心になっちゃう4主が堪らん!!!!!

311名無しの勇者:2007/06/10(日) 00:16:38
2主にはデレデレのニコニコの親バカ化しててべったべたに過保護な4主
4主に構ってもらうためなら命も賭ける体も張る日常的に殺される8主
8主に大ボラ吹き込まれては素直に「8主はすごいな」とか言っちゃう2主

なんだこのジャンケンのような三すくみ。ハァハァ

312便乗スマソ上6←7←下6:2007/06/10(日) 00:40:46
7主「……という話なんだけど、確か6主さんも王子だったよね?」
6主「なんだ7主はエロい子だな。思春期? このエロガキ! マセガキが! どうしようもないメスブタ!」
7主「言葉責めはいいから。なんか違う方に行ってるよ」
6主「いや最近マゾっ子成分が足りないかと思って。えーと、あったかも知れないけど覚えてない。
  まあでも下の俺なら普通にやったんじゃね?」
6下(ちょwwwなすりつけktkr! 7主くんに嫌われる……!)
7主「今の6主さんは? どうなの?」
6下(あれ、スルー? スルー?)
6主「覚えてない、けど、体はあいつのだしなあ。ドの字は卒業してるかもなはっはっは」
7主「そう……だよね」
6下(違うんだ、誤解だって! あれは必要だから仕方なく)
6主「およ、なんか沈んだ? ははーん、さては脱☆童貞がうらやましいんだろう」
6下(上のボクー! 泥沼! 泥沼!)
7主「ち、違うもん」
6主「あり? ……マジ涙目? いやほら、あれだよ、素人童貞ってやつじゃねーの?
  まあでも気持ちよかったんだろうなー、覚えてないのはもったいな……」
7主「……うええええええん(つд⊂)」
6主「おわっ、何泣いてんだよ! お兄ちゃんなんかしたのか? なんか最近わかんねーよ!
  どうした7主〜。ハッスルダンスしてやろうか? それともぱふぱふ?」
7主「うええええええええええん……ひっく……ぱふぱふ……」
6主「おっしゃぱふぱふだなどんとこい!」
7主「ひっく……6主さん乳首丸出し……」
6主「乳首も出さずにぱふぱふができるかソイヤー!!! 男のぱふぱふとくと見ろ!」
7主「ふええええええん(……喜んでいいのかどうかわからない……)」
6下(orz)


3主「……で、あれはなんだ」
5主「ちょっと僕にも掴めない世界だね」
1主「2主は見るなよ」
2主「ちょっと見てみたいぞ」
8主「4主さん僕この前ゼシカにぱふぱふ教えてもr」
4主「だ が 断 る」

313名無しの勇者:2007/06/10(日) 09:28:09
ちゃっかりぱふぱふを要求する7主萌えw
あと下6主のヘタレっぷりが可愛い過ぎ(*´Д`)

314名無しの勇者:2007/06/10(日) 18:22:45
もょ4…萌えるわ和むわ、もうどうしたら。

315名無しの勇者:2007/06/19(火) 10:46:16
お邪魔しまーす。
某スレで、靱帯さんのサンクスコールの形式をお借りしました。
前から一度やってみたかったんでw
(だいぶ前ですが、別スレでご本人様に承諾もらってました)
もし見かけて「おや?」と思うことがありましても別人です。

それにしても忙しいみたいですね靱帯さん……。

316名無しの勇者:2007/06/21(木) 00:39:08
根暗・シリアス・悲恋ものってスレ違いかな?
13なんだが、今までの明るく楽しくくっついてんのを、
真っ向からブチ壊す話が浮かんでしまった。

317名無しの勇者:2007/06/21(木) 01:48:37
とりあえず投下お願いいたします

318名無しの勇者:2007/06/21(木) 09:28:16
>>316
そういうのも良いと思うよ。ぜひ!

3191×3暗め [0]:2007/06/21(木) 17:36:29
>>316です。
なんか1主が悪男になっちゃったなぁ……。
それでは投下します。

3201×3暗め [1]:2007/06/21(木) 17:36:54
 今日もうちのバカご先祖はパソコンでカタカタやっている。
 こないだ強引にコタツを片付けさせたので、部屋の中は少し広くなったが、
やってることは相変わらずだ。
 一日何時間も画面を見つめ続けてて、目は疲れないんだろうか。
「あん? それはねえなぁ。やっぱ勇者ともなると視力もいいのかも」
「勇者かどうか関係ない気もするが。ってか勇者と名乗れるのかその状態で」
「うるせえよ。それよかメシ作ってくれ」
「またかよ。なに食いたいんだ」
「オムライス」
「ガキくせえ食いモン好きだよな……」
「なんだと! オトナだってオムライス食うだろ!」
 オトナとか言ってる時点でガキっぽい。
 まあなんというか、そういうところが可愛いなぁ、と思ってしまうんだが。
「10分だぞ、10分で作れよ」
「そりゃちとキツイぞご先祖」
「ダメ、10分しか待てない。腹減ったー!」
 下手をすればローラよりワガママなんじゃないか、こいつ。
「じゃあ10分過ぎたら食わないんだな?」
「食う! なんだよ1主、なんか意地悪いぞ」
 足バタバタさせんな。ホコリが立つだろ。
「はいはい、わかったからおとなしく待ってろ」
「うい〜……」
 口を尖らせるな。上目遣いにこっちを見んな。

 ――そういう仕草のひとつひとつが、俺的にかなりヤバイ。
 わかってんのかこの人。

3211×3暗め [2]:2007/06/21(木) 17:37:11
 とりあえず、キッチンに朝炊いた米がまだ残ってたんで、10分でオムライスは完成した。
 持って行ったらご先祖はえらく喜んだ。本当に腹が減ってたんだな。
「さすが俺の子孫! ちゃんと約束を果たすとは感心だ」
 偉そうなセリフ吐いてるが、「プワ〜ン」とした笑顔はやっぱり子供っぽい。
 ニコニコしながらオムライスをつついている。
「ウマイかご先祖?」
「うむ!」
 口の周りがケチャップだらけなんだが。
「ほら、ついてるって」
 テーブルの向かいから手を伸ばして、ティッシュでぬぐってやる。
 素直に顔をふかれているご先祖が、ふと、眉をひそめて俺の手をつかんだ。
「1主、指」
「あ……?」
 ご先祖が見つめている俺の人差し指が、赤茶色に染まっている。
 明らかにケチャップのそれとは違うものだ。血?
 急いで作ってるうちに、包丁で切ったのか。気付かなかった。
「たいしたことじゃ……って、え!?」

 ――指先を、口に含まれた。

 ほんの一瞬のことだったが、俺はその場で固まった。
「意外におっちょこちょいだなぁ。ホイミ〜っと。気をつけろよ」
 なにごとも無かったみたいに、ぽい、と手を返される。

3221×3暗め [3]:2007/06/21(木) 17:37:40
 それからほどなくオムライスは片付けられたが、俺はまだ固まっていた。
 食べ終わったご先祖が、すぐにパソコンに向かおうとしてから、首をかしげた。
「1主?」
「……あ、なんだ?」
「んーと。俺、また口の周りについてる?」
 ふいてくれないのかよ〜。
 言外の意味を読み取る。

 俺は半ば自動的に、もう一度ティッシュを箱から引き出して、ご先祖に近づいた。
 ヘラっと笑う彼。
 あどけないその目が、どこか媚びているような、

 誘っているような、気がして。

「え……?」
 気がついたら相手の唇に、自分のそれを押しつけていた。


 いや「気がついたら」というのは言い訳がましい。
 俺はそんなガキでもウブでもない。
 身体全体は火照っていても、頭の一部は冷静だ。
 その氷の理性が主導権を握っていて、俺の行動を決定づけている。

 この人が、前から欲しかった。
 今がいいチャンスだ。宿舎は今、他に人がいない。
 なに、所詮「女」さえ知らない子供だ。
 なし崩しで、なんとでもなる――と。

3231×3暗め [4]:2007/06/21(木) 17:37:55
「なにすん……や! なにすんだよこの……!」
「しーっ。静かに。動かない、動かない。暴れるとかえってつらいから、な?」
「…な…なに言ってやが……あっ……!」
 極力「無理やり」という感じを出さないようにする。
 相手をおびえさせないように、でも素早く確実に、動きを封じていく。
 抱きしめるように見せて組み伏せ、キスをして、その隙に足の間に身体を割り込ませる。
「大丈夫、怖くないから。腕とか足とか、もっと力抜いた方がいい」
「…やだって言って……ひぁ!?」
 速攻で仕掛けるときは、行為そのものは焦らさない。
 煽るだけ煽ってしまえば、すぐ抵抗できなくなる。

 もともと相手にその気が無いときでも、俺は苦労せずにありつけるタチだった。
 いや、散々ローラに苦労させられたから鍛えられた、というべきだが。

 ごめん、ご先祖。そういうわけで。
 もう逃げられないよ。
 
「やぁ……やめ、あっ……!」
「かわいいな。大丈夫、力を抜いて。ゆっくり息、吐いて」
 間近で見ると、本当にきれいな肌してるなぁ。
 未開発の身体は反応する部分が少ないから、さっさとポイントに直行する。
 だが服の上から軽くさすってやるだけで、背中がビクッと跳ね上がった。
 感度、いいかもしれない。

「…はぅ……おかし…い…って…! …こんな…だって……ぅあ…!」
「おかしくない。ほら、気持ちいいだろ? ここ……意識、集中してごらん」
「さわ……さわんなよぉ……やだぁ……」
 目の端から涙が流れていく。
 混乱した視線が、必死に俺を避けて、あちこちに飛ぶ。

3241×3暗め [5]:2007/06/21(木) 17:38:33
「ご先祖――3主、俺を見て」
 なるべく優しく言いながら、あごをつかんで、こっちを向かせた。
 すがるような黒い瞳。もうどうしていいかわからないんだろう。
「平気だから。なにも怖いこと、ないから」
 ゆっくり、あやすようにキスをする。

 
 やがてフッと、相手から張り詰めていた空気が消えた。


 少し身体を起こすと、なにかを諦めたような表情の少年が、俺を見つめている。
 それでも迷いに迷っている相手を辛抱強く待つ。

 ――向こうからキスをしてきた。


 思ってたとおりだ。あんまり手こずらずに落ちたね。
 こんなことなら、もう少し先に取っておいても良かったかもしれない。

 少し惜しいような気持ちで、俺は行為を進めていった。

3251×3暗め [6]:2007/06/21(木) 17:49:33
   ・
   ・
   ・
 眠ったのはご先祖が先だった。
 というか、途中で気を失ってしまったのだ。
 起こそうか迷ったが、さすがに可哀想で、そのまま寝せておいた。

 だからというわけではないだろうが、先に起きていたのもご先祖の方だった。
 すでに服を着ていて、毛先が濡れて垂れている。シャワーも済ませたらしい。
 ぺたんとテーブルの前に座り込んでいた。
「おはよ、ご先祖」
 なるべく普通に、爽やかに声をかける。
 行為に対して、それをあまり特別に思わせ過ぎるのはよくないからだ。
「……おはよう」
 ちょっとよそよそしいが、ちゃんと挨拶を返してきた。
 大したことじゃない、オトナなら普通のことだと、そういう態度でいるほうが、
相手も素直に受け止められるものだ。

 といっても、俺にも良心の呵責はある。
 合意なんてあって無いようなものだったからな。
「ごめんなご先祖。大丈夫か?」
「ああ。別に」
 首を振って、それから彼は、なにかを差し出してきた。

3261×3暗め [7]:2007/06/21(木) 17:49:47
 うっ。ローラフォン……か。
「これ、一応マナーモードはあるんだな。ずっと鳴ってたみたいだぞ」
 知ってました――ご先祖はそれどころじゃなかっただろうけど。
 取り込み中だったので無視してたんだよなぁ。
 ごめんローラ。
「あー。悪い、かけてくるわ。じゃあ後でな」
 どうせ長くなるに決まってる。
 俺は、座り込んだまま俺を見上げているご先祖に、もう一度キスをした。
 ローラへの言い訳を考えながら慌てて服を着て、部屋を出た。

 そんなんだったから、俺は気がついていなかったのだ。
 彼がその時点で、すっかり変わってしまっていたことに。



   ――つづく

327名無しの勇者:2007/06/21(木) 19:45:37
おわあああああああああああ
なにこれモエス(*´д`*)ハァハァ
続きが気になる!

328名無しの勇者:2007/06/21(木) 20:38:40
何これ1主テラカッコヨス!!3主もかわいいなあ(*´Д`)
GJです!

329名無しの勇者:2007/06/22(金) 02:04:51
テラモエス!!
めちゃくちゃ続きが気になる!!(*゚∀゚)=3ハァハァ

3301×3暗め [8]:2007/06/23(土) 00:17:57
>>326の続きです)


 昼飯の頃には、すでにほとんどの住人が宿舎に戻っていた。
 泊まりがけで旅行に行っている3女と4女が帰ってくるのはもう2日後だが、
やっぱりここは賑やかな場所だと思う。
 昨日から今朝にかけて、宿舎には俺とご先祖しかいなかったわけだが、誰か彼かが
出入りしているここでは、ちょっと珍しいことだった。

 ――考えてみると、それで俺も少し焦ってしまったかもしれない。
 時間がたつにつれ、俺はなんとなく不安になってきた。
 俺はご先祖には、今までそんなそぶりを一度も見せたことがなかったのだ。
 いきなり抱いたのは、まずかっただろうか。
 あとでもう一度謝っておこう。

 ダイニングキッチンからいい匂いがしてくる。
 行ってみると、6主が相変わらずのテンションで歓声あげていた。
「シーフードピザかぁ! うまそうじゃん!」
「でしょ、実家から持ってきた新鮮素材だからね」
 7主が手際よくサラダを盛りつけている。
「熟成チーズもタップリとね」
 そういう8主は、大きなピザを慣れた手つきで人数分に切り分けている。
 それぞれが暗にお国自慢をしているのが微笑ましい。
 ここの宿舎は、本当「食」に関しては恵まれている。

「うまそうだぞ! 遠い方のご先祖を呼んでくる」
 立ち上がりかけた2主を、俺は手で制した。
「いや、俺が呼んでくるよ」
 丁度いい。俺は再びダイニングを出て、ご先祖の部屋に向かった。

3311×3暗め [9]:2007/06/23(土) 00:18:22
 彼の部屋の中はまだ薄暗かった。カーテンを締め切ったままだったのだ。
 ご先祖はテーブルの上でノート型のキーボードをカタカタ叩いている。 
「おいおい、カーテンくらい開けろよ」
「うん」
 カタカタカタカタカタ……
「昼飯だって。みんなと一緒に食うだろ?」
「うん」
 カタカタカタカタカタ……
「ご先祖。あのさ、やっぱ、怒ってるか?」
 カタ
 手が止まった。パソコンをパタンと閉じて、ご先祖が立ち上がる。
「怒ってない」
 抑揚のない声だ。俺の方を見ようともしない。
 やっぱり怒ってる。というか、拗ねてるのか。
 そりゃそうだ、朝はなんの余韻も楽しまないうちに、ローラの電話に対応してたから。

 ご先祖は俺の横をすり抜け、さっさと廊下に出て行こうとする。
 その腕をつかんで、抱き寄せた。なんの抵抗も無かった。
 上を向かせて、唇を重ねる。少し長めに、優しく。
 それから耳元で囁いた。
「ごめんって。な? 拗ねるなよ」
「拗ねてない」
 やっぱり声が固い。どうしたもんか。

3321×3暗め [10]:2007/06/23(土) 00:18:43
 ……そう思ったら。
「今夜はどうするんだ」
 いきなり聞かれた。

「ええ? あ、実はその、ローラが……」
 バカか俺はっ。予想外に誘いをかけられて、思わず余計なことを口走る。
「わかった」
 みなまで言わさず、彼は俺の胸のあたりをグッと押して、身体を離した。
 一瞬、また怒らせたか、と思った。
 だがそんなに乱暴な仕草でもなく、ただ離れた、という感じだった。

 今度こそ部屋を出ようとしたご先祖が、ふと、立ち止まった。
「ローラ姫はお前のことが大好きなんだから、泣かせたらだめだ」
 内容だけ聞けば、よくある嫉妬の裏返しの言葉だろう。
 だが、その声はあまりにも普通で――というか冷静すぎた。 
「な、泣かせねえよ、あとがコワイし……。いやっ、ご先祖のことも大事だけど」
 またもや、しどろもどろになっている俺。
 彼は背中を向けたまま、
「わかってるなら、いいんだ」
 そう言った。やっぱり冷静な声だった。

 なんか調子狂うな。

3331×3暗め [11]:2007/06/23(土) 00:19:00
 ダイニングに戻る。
 遅い! と全員に毒づかれた。ピザは冷めたらおいしさが激減するからな。
 俺とご先祖が席に着くと同時に、「いただきます」の声がそろった。
 王族出身の多いこの宿舎は、基本的なマナーに関しては割ときっちりしている。

「……8主、お前それ、辛くないのか?」
「4主さんこそ、そんなんで物足りなくないんですか?」
 見ると、8主のピザは真っ赤だった。
 激辛の粉チーズをバンバン振った上に、これでもかとタバスコをかけている。
「甘ったるいくらいのプリンやケーキなんか好きなくせに、極端だな」
 味覚おかしいんじゃねえか、とあきれる4主。
「田舎くさい精進料理がお好みの4主さんにはわかんないでしょうね」
 いつも通り倍にして切り返す8主。
「んだとコラ――」
 もはや習慣だな、こいつら。

「そんなんじゃ足りないでしょう! そりゃ!」
「やめろ! 俺の生バジルの香りが死ぬだろ!」
 相手の皿に激辛粉チーズを振ろうとする8主と、必死に防ぐ4主。
 そうかバジルはヨンシュ村産か。
 無論、8主は本気ではない。4主もわかっている。だから誰も止めようとしない。
 残すようなことになったら、食材を用意してくれた7主にも失礼になるからだ。
「こらこら君たち、もう少し落ち着いて食べたらどうだい?」
「ほんと子供なんだから〜」
 みんな大笑いだ。

3341×3暗め [12]:2007/06/23(土) 00:19:18
 これだから、ちょっと無理してでも、みんな宿舎に集まるのだろう。
 特に一人旅が長かった俺は、こういう空気がいとおしい。
 誰かが笑っていると、こっちも楽しくなる――


 瞬間、俺は目を見開いた。
 この中で一番笑っていてほしいと思う相手が……まるで無表情だったからだ。


(ご先祖……?)

「うわ、しまったぁ!」
 俺が驚いて立ち上がりかけたのと同時だった。
 ポーン、と赤い缶が頭上に飛んだ。
 一回転してる間にフタが開いて、ご先祖の皿に逆さまに突き刺さる。
 激辛粉チーズの中身が、ばっさりとかかっていた。
「あ……ご、ごめんなさい、手が滑って……」
 謝りつつ、8主は大防御の姿勢に入る。
 他の人間もギガデインの余波を食らわないよう、咄嗟に金属製のフォークから手を放す。

 だがご先祖は、手に持っていた1枚目のピザを、ただ黙々と食べ続けている。
 それから、皿の上の2枚目に手を伸ばした。
 引っ張り上げただけで、ザラッと赤い粉がこぼれるようなソレを、口に運ぶ。
 見ている全員が、言葉もない。
 モソモソと無表情で食べる様は、なんだかウサギに餌をやっているみたいだ。

3351×3暗め [13]:2007/06/23(土) 00:19:38
「ちょ、3主くん、辛くないのかい……?」
 向かいの席にいた5主が、おそるおそる尋ねる。ご先祖は答えない。
 前方の一点を見つめたまま黙って食べている。
 ――と、
「けほ」
 むせた。

「けほ……けほっ、こふっ……」
「バカ、なにやってんだ! 吐き出せ!」
 4主がご先祖の手からピザを取り上げて皿に戻し、空いてる手で背中を叩いた。
「はいお水! 3主さんダメだよ無理したらぁ」
 7主から水を渡されて、ご先祖はそれを口に流し入れた。
 それもどこか機械的な動作だった。飲めと言われたから飲んだ、というような。
「すみません。僕の1枚あげますね、まだ手つけてないし、なにもかけてないし」
 8主も慌てて自分の皿を差し出すが、ご先祖は首を振った。
「いらない」
「で、でも……」
 尋常ではないご先祖の様子に、みんな戸惑っている。
 当たり前だ。
 個性豊かなこのメンバーの中でも、喜怒哀楽が激しい方の彼が、こんな様子なら。

「大丈夫か遠い方のご先祖。どこか具合悪いのか?」
 2主が素直に心配を口にする。
 いつもだったら俺が真っ先に駆け寄っているところだが、できなかった。
 今、俺がなにを言っても白々しくなってしまう。
 ご先祖がどうなってしまったのかはわからないが、原因は明らかに俺なのだ。

3361×3暗め [14]:2007/06/23(土) 00:20:59
「なんでもない」
 ご先祖が答える。
 刺激物のせいでややかすれた声だが、静かな声音だった。
「寝不足なんだ。気を遣わせてごめん」
「そ、そうか……」
 受け答えはまともだから、2主もそれ以上は詰められない。

 ご先祖は席を立つと、自分の皿とコップをシンクに持って行った。
 生ゴミ入れに赤いピザを捨て、スポンジで皿とコップを洗って、水切りかごに置く。
 それもいつも通りの行動だ。
 おふくろさんの躾なのか、自分の部屋で食事を済ませたときはロクに始末しないが、
こうして全員で食べるときは、ちゃんと最後まで後片付けをする。
 だからみんな、普段はニートだなんだとバカにしていても、決して彼を本気で見下す
ようなことはないのだ。

「部屋で休む」
 作り物のように表情のないままで、彼はダイニングを出て行った。
 誰も追いかけようとはしなかった。



   ――つづく

337名無しの勇者:2007/06/23(土) 00:22:52
リアルタイム遭遇キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
3主せつないよどうなっちゃうの3主…!

338名無しの勇者:2007/06/23(土) 15:41:31
つ、続きが気になる!

339名無しの勇者:2007/06/23(土) 16:09:32
続きktkr
3主大丈夫かー!

340名無しの勇者:2007/06/23(土) 19:31:49
うわっは続きキターーー!
更なる続きをwktkしながら待ってます!

341名無しの勇者:2007/06/23(土) 20:17:18
今更sage忘れに気付きましたすみませ…!

3421×3暗め [15]:2007/06/24(日) 02:45:00
>>336の続きです)


 たまりかねて俺も席を立った。
「ちょっと俺が見てくるよ。すまんが、これ……」
「俺が食べるからいいぞ、近い方のご先祖」
 2主が気をきかせて、俺の皿を手前に引っ張る。
 大食漢な印象の強い2主だが、やはり王子だ、実はそんなにがっつく子じゃない。
 ちょっと多いな、と思ってるのが見て取れたが、ここは任せることにした。
「頼んだよ1主」
 5主にうなずいて、俺はご先祖を追った。


 彼には、廊下ですぐ追いついた。
 やや乱暴にその肩をつかんで、こちらを向かせる。そして、
「あぶね!」
 そのまま倒れそうになったご先祖を、俺はとっさに支えた。
 力が入りすぎてしまったか? 違う。
 相手にまったく抵抗する気がないから、簡単によろけるのだ。

「いったいどうしたっていうんだ? 俺が悪いなら言ってくれよ。な?」
 我ながら必死だ。
 ご先祖はうつむいたまま、ただ首を振る。
「ちゃんと言えよ!」
 つい怒鳴ってしまった。
 理不尽だと自分でもわかっているが、感情が先に立ってしまう。

 それは「不安」だった。
 あんなにクルクルと表情の変わる、情緒豊かだった少年を、こんなになるまで
壊してしまったということに対しての。

3431×3暗め [16]:2007/06/24(日) 02:45:22
 ……でも、なにもここまで激変することは、ないんじゃないか?

 俺の中で、利己的な部分が疑問を投げかける。
 芝居なんじゃないのか。俺を騙そうとしてるんじゃないのか。
 そうであってほしい。そうなんだと、信じたい。

「本当は怒ってるんだろ? な?」
「怒ってない」
「でも、ローラのことだよな? そうだろ」
「うん」
 肯定された……!
 俺はごくりと唾を飲み込んだ。

「そうか……。でも、すまない、ローラと別れるってのは無理だ」
 嘘は言えないと思った。
 傷つけてしまった相手に、もう不誠実なことはできない。
「でも絶対にご先祖を軽く扱うことはしない。信じてくれ、頼む」
 本心だった。
 ムシのいい話だとしても、俺はご先祖のことも大好きなのだ。

「わかった」
 少年がぽつりと言った。
「ローラとは別れない。ちゃんと、大事にするんだな」
「? ああ、そうだが――」
 なにか言ってることがおかしい。
 これでは「ローラの方を心配している」ようにしか取れない。
 いや、そう言えば最初から、彼はそう言っていたか……?

3441×3暗め [17]:2007/06/24(日) 02:45:45
「なら、いいんだ」
 少年が、顔を上げた。


 ――その目を見て、俺は今度こそ言葉を失った。

 ガラスのような目、という表現があるが、そんなもんじゃなかった。
 虚無だ。
 きれいなオニキスの瞳には、確かに俺が映っているのに。
 まるで、深い、昏い穴をのぞき込んでいるような――。


「今朝、少し電話で話をした。お前のことをすごく心配していた」
 絶句している俺に、ご先祖は淡々と続ける。
「あんなに大事に思ってくれる人を、裏切ったらだめだ」
 言葉はしっかりしている。内容も。
 でもあの少年が発しているとは思えないくらい、無感情で。
「それがわからないようなら、俺の子孫とは認めない」

 立ちつくしている俺に、彼は背を向けた。
「ゆっくり眠りたいから、みんなに起こさないよう言っておいてくれ」
 去っていく彼を、もう追いかけるだけの気力はなかった。
 俺の前で、ご先祖は自分の部屋に戻り、パタンとドアを閉めた。

3451×3暗め [18]:2007/06/24(日) 02:46:05
「……なんかご先祖、やっぱ具合悪かったみたいで。寝るから起こすなって」
 他に言いようがない。
 俺の報告に、落ち着かない様子でリビングに集まっていた面々もとりあえず納得した。
「じゃあ俺、パデキア煎れとくわ」
 4主が再びキッチンの方に消える。
「言ってくれれば良かったのに。僕も卵がゆでも作っておくよ」
 すぐに7主も立ち上がる。
 サッと行動に移るあたり、さすがそれぞれの世界で主役張ってるだけはある。

「近い方のご先祖」
 2主が寄ってきた。不安げな眼差しだ。
「こんな時だけど、俺……」
 ああ、ロンダルキアか。
 責任感の強い子だから、仲間との先約を破ることができないんだろう。 
「安心して行ってこい。なにかあったらすぐ知らせるから」
 邪教の総本山に命懸けで戦いに行く相手に、「安心して」というのもおかしいが。
「わかったぞ」
 ホッと息を吐いて、2主はいつもの道具入れを背負って玄関に向かった。

 真っ直ぐ目的に向かう子孫の後ろ姿が、その時、俺は少し羨ましかった。
 今の自分が、ひどく薄汚れた存在に思えた。


 ご先祖が起きてきたら、今度こそちゃんと謝ろう。
 土下座してでも許してもらおう。

 もう一度笑ってくれるまで、何度でも。

3461×3暗め [19]:2007/06/24(日) 02:46:28
 その日の夕方。
 俺は頭の中で何百回もシミュレーションした謝罪の文句をひっさげて、
ご先祖の部屋に向かった。
 この時間なら一眠りした頃だろう。
 無理に起こす気はないが、聞いてもらえそうなら早い方がいい。


 ところが、先客が来ていた。
 4主が湯気の立つティーカップを持って、ドアの前に突っ立っている。
「そんなところでなにやってんだ?」
 正直(申し訳ないが)邪魔だなと思いつつ、顔に出さないように聞いた。
 4主は俺を見ると、困ったようにもう一度ドアに目をやった。
「いや、そろそろ1回起こしてもいい頃かと思ってな。先にパデキアだけでも
飲ませておこうと持ってきたんだが」
 なるほど、そういう気の回し方は4主も俺と近い。だから重なったんだな。
「でも、ずいぶんぐっすり寝てるみたいで、いくら呼んでも出てこねえんだよ」
「そうか……じゃあ今は、静かにしてた方が良さそうだな」
 謝りに来たから起きろ、というワケにもいくまい。
 ここは素直に、俺は4主と一緒に引き返すことにした。



 だが、ご先祖は。
 翌日の朝になっても、昼になっても――夜を迎えてさえも。
 部屋から出てこなかった。



   ――つづく

347名無しの勇者:2007/06/24(日) 03:30:05
寝る前にのぞいてみたら続キターーーーーーーー!
最高潮に続きが気になる!モエス!

348名無しの勇者:2007/06/24(日) 08:48:35
この締め付けられるような胸の痛みは……萌えですねっ!

349名無しの勇者:2007/06/24(日) 13:21:05
切ない…続きが気になって仕方ないです!

3501×3暗め [20]:2007/06/24(日) 22:25:46
>>346の続きです)


 普段から籠もりがちなご先祖だが、さすがにこれは異常だ。
 戻ってきた2主も、話を聞いてまた不安な顔をする。 
「そろそろ様子を見に行った方がいいかもね」
 5主の言葉をかわぎりに、今度は全員がご先祖の部屋に向かった。

「3主さん、起きてる? 3主さん!」
 7主がドアを叩いても、当然のように反応はない。
「開けるけど――いいよな?」
 最後の鍵を持った4主が、一同を見回した。
 実家のある俺たちと違い、ご先祖は宿舎に居住している。
 旅先の宿で仲間の部屋に訪問するのと、他人の家に上がるのとでは違うように、
勝手に鍵を開けるのはためらいがあるのだろう。
「非常事態だからね、仕方ないよ」
 責任は自分が取るから、というように、5主が4主の肩に手を置いた。
 緑髪の少年は、思い切ったようにガチャリと鍵を開けた。


 外は夜だが、思ったより明るかった。
 カーテンが開けっ放しで、月明かりが直に差し込んでいたからだ。
 窓の端にきちんと紐で結われている……俺が開けたときのままってことだ。
「あれ、いなくね?」
 6主が首をかしげる。ベッドを見ても、枕に例のツンツン頭は見あたらない。
 そう広い部屋ではないから、他に隠れるような場所もない。
 もしや、いつの間にかでかけたのか?

3511×3暗め [21]:2007/06/24(日) 22:26:16
「いや、いますよ。寝てます」
 8主がベッドの端に片手で乗って、そっとかけぶとんをめくった。

 ――いた。

 真ん中に小さくまるまって、ご先祖は静かに寝息を立てていた。
 いつもは大の字になって、ふとんは常にベッドの下に蹴落としている。
 そんな先入観があったから、いないと錯覚してしまったのだ。

「ご先祖、起きろよ」
 肩をゆすってみる。なんの反応もない。
「起きてくれ、みんな心配してるぞ」
 無反応。
 せめてむずがるとかするならまだしも、これでは死んでるみたいだ……。
「ご先祖、ご先祖ってば!」
「落ち着くんだ1主」
 逆に俺が5主に肩をつかまれた。
「4主くん、ザメハってあったよね?」
「わかった」
 4主があまり聞かない詠唱を口にする。寝ている人間を強制的に覚醒させる呪文だ。
 だが。
「……効かない? そんなはずねえんだが」

 まさかこのまま目を覚まさないなんてことはないよな――。

3521×3暗め [22]:2007/06/24(日) 22:26:43
 ゾッとした俺に追い打ちをかけるように、7主が叫んだ。
「うわ、なにこれ!」
 ご先祖のパソコンの画面を、おびえているような目で見つめている。
「どうしたんだ」
 思わず「遺書でも書いてあるのか」とバカなことを考えた。
 
 画面の中を見た俺は、二の句が継げなかった。
 遺書の方が、まだマシだった。


mciudficndjf svdfjksvnfauwehvtaunksmcwcfimaeornvfjklgjvaemoirgnvzmc
faiohjkvdfncioamcghjvaoc fmaghfmvmierojacklrer aoijgojcmiagfcswioaerw
eiorjfc0m239 uojiegravffhvfnifsndjewfvocwimafiewjfk dmcl,jgihrufsdkmac
ldcfkmscad,,d wcmihuvtgjsvfklma;fkmieadks;kfwmdkkwfdlwkcfugjlsx ;dlkpf
tdhimrjgkflsjriejn dpkjegjnraklmsd;p;jtyfgfj oewjgv ngcersuhtv3ooqvwjq94
tyeuwrfiopdsgjvm acaifihbdvdfmca,xflsdaic jgivgfsdw@waeprgoijsfsaodljk
kfdvme cfgna,ldssgmvkgceaklmcv,etgjo ifcad,sga;alsropeiwhrtgjknfdsvmci
h rtjgabmswk;,sfghj nkdmslcmfrhvytoak;dflsnpqowihegrdvlojngdmslfjkojn
dskkoidanadjgankdsmfaiwcojm awpergjiovfkcm3irgkfldfsvmc,flsgmvmagk
snmc,vrjgdfkgjkddcngkfjgajfxairjgec,q4t jigraefkdlvjknjrkgmdfbnjiergjfnbr
igvcoeghfkm.............................


「全然わかんないぞ……」
 横からのぞきこんだ2主も、怖い物を見たみたいに引く。
 とても意味があるとは思えない。だからこそ不気味だ。
 しかも使っているソフトは、ただ書くためだけの基本エディタ、メモ帳だ。
 Yahoo!の画面や2chあたりが開いていたなら、まだわかるが――。

3531×3暗め [23]:2007/06/24(日) 22:27:10
 と、6主が割り込んできた。
「あっちだとなんて書いてんのかな」
 彼だけはいつも通りの様子で、画面を見ている。 
「あっち?」
 4主がいぶかしげに尋ねると、6主はこともなげに言った。
「こんなもん、寝ぼけて打ったに決まってんじゃん」
「はぁ?」
「なんだいそれは」
 5主と7主が顔を見合わせる。俺もよくわからない。

 そこで48の頭脳派コンビが、「あっ」と声を揃えた。
「つまり夢の世界では、意味がわかるってことですか?」
 8主の言葉に、6主は軽く肩をすくめた。
「夢ってのは、基本的に理想を具現化する場所だからさ。
たとえば、本当は全っ然わかんねえような難しい課題とかもスラスラ解けたりするんだけど、
それを下の世界……つまり現実に持って来ると、こんな風に意味不明の文章になってたりするんだ。
現実には解けないんだから当たり前だが、でも夢の世界では確かにちゃんと形になってんだよ」
 珍しく理路整然と答える6主。
 こと「眠り」に関しては、彼の右に出る者はいない。

「それに」
 6主はご先祖のところにいくと、眠り続ける少年の顔のそばに耳を寄せた。
「やっぱりな。俺も起こされたくないときにたまに使うんだけど、こいつ、
自分にラリホーをかけ続けてる」
「じゃあザメハも効かないんじゃなくて、即座にラリホーが上掛けされてたのか」
「そゆこと」

3541×3暗め [24]:2007/06/24(日) 22:27:27
 ふと6主が、もう一度ご先祖の顔を近くで見て、小さく呟いた。
「でもここまで拒否るってことは……よっぽど起きたくない事情でもあんのかね」


 心臓が。
 握りつぶされるような気がした。


「どうやったら起こせる!?」
 俺は思わず6主に詰め寄った。
 きょとんとしている6主の表情が、ほんの一瞬だけ、険しくなる。
(お前が原因か?)
 目だけで問われ、俺はうなずいた。


「ハッハッハ、1主は本当に心配性だな〜」
 6主はすぐにいつものハイテンションお兄ちゃんに戻って、俺の肩をバンと叩いた。
「別に悪い夢に捕まってるって感じでもないし、大したことないだろうけどな」
「なんだ、じゃあ心配するようなことでもないのかい?」
 宿舎の夢診断士がそう言うのなら、とみんな安心したように顔を見合わせた。

 そこで6主がニヤッと笑う。
「でもこのまま掃除当番もメシ当番もサボられるのはムカつかね?」
「あ、そうですよね! まったく人に心配かけといて、その上サボられたらたまりませんよ」
「だろ? 1主、ちょっと起こしてこいよ」
 グイッと俺の手を引いて、6主は眠っているご先祖の手に重ねた。

3551×3暗め [25]:2007/06/24(日) 22:27:49
「こうやってコイツの手ぇ握って……って、コラ気持ち悪いとか言うな」
 言ってない、と返しそうになって、口をつぐむ。
 そういうことにしておけ、ということか。
「俺がこいつの夢の中に通してやるから、引っ張り出してこい」
「へ〜、そんなことできるの?」
 半分あきれてるような7主に、6主は派手なウィンクを返した。
「お兄ちゃんだからな。はいはい、気が散るからみんな出てってね〜♪」

   ・
   ・
   ・

 ドアが閉じられ、俺と6主と、ご先祖だけになった。
 6主が明かりを消す。パソコンから溢れるぼんやりした光だけになる。

「――なにがあったかは、聞かねえけどよ」
 いつもと違う、まじめな声だ。
「夢の中ではそいつの本音がわかる。ちゃんとしてこいよ」


「……恩に着る」


 気の回るお兄ちゃんに心から感謝しつつ、俺は自分に催眠呪文をかけた。



   ――つづく

356名無しの勇者:2007/06/24(日) 23:25:29
こ、これは続きが気になる!!
3主何考えてるの3主

357名無しの勇者:2007/06/24(日) 23:28:05
1×3の話に対する感想としてアレだけどお兄ちゃんかっけー!

358名無しの勇者:2007/06/24(日) 23:50:40
ようやく3主の気持ちがわかるのか…
お疲れさまです。続き待ってます

3591×3暗め [27]:2007/06/25(月) 13:22:14
>>355の続きです)


 次に目を開けたとき、俺は思わず「はぁ?」と間抜けな声を出していた。
 宿舎だった。それもご先祖の部屋の前だ。
 まるで時間が巻き戻ったような気分だ。

 中からは、この部屋の主がゲラゲラ笑っているのが聞こえる。
「年金問題で怒らないのはお金を払ってないニートだけですね、だって! うまいな」
 テレビのニュースにでも突っ込んでるのか。
 おいこら、「うまいな」なんて感心していい問題じゃないだろうが。
「なにバカなこと言ってんだ。働けこのニート勇者」
 俺はいつものように突っ込みを返しながら、ドアを開けて中に入った。


 ……え?

 部屋の中は、まるで様相が違っていた。
 テレビもベッドもない。タンスも本棚もない。
 窓も、壁すらなく、ただ一面まぶしいくらいの真っ白な空間が、どこまでも広がっている。
 その中にちょこんと小さなテーブルがあり、ノート型パソコンだけが置いてある。
 ご先祖はそのテーブルに頬杖をついて座っている。
 
「なんだよー、子孫のくせに偉そうにすんな。俺は勇者だからいーの!」
 ご先祖がベーッと舌を出す。
 それから少し間をおいて、首をかしげる。
「いや、実はよく知らねえ。お前はどうしてんの?」
 また少し間をおいて、今度はいきなり声を上げて笑った。
「あはは! それだったら、お前だって滞納してるってことになんじゃねえか?」
 いつもの屈託のない笑顔だ。

3601×3暗め [28]:2007/06/25(月) 13:22:29
 彼は――。
 入り口に呆然と立ちつくしている俺には目もくれず。
 誰もいないテーブルの向こう側に向かって話しかけている。
 心から楽しそうに。
 俺が大切に思うあの笑顔を、惜しげもなく見せて。 

「ぷはw ほらまた鳴ってるぞ、ローラフォンw」
 ご先祖がテーブルの上を指さす。
 そこにはなにもない。当然、着信音も聞こえない。
「俺のことばっか構ってるから、ローラも面白くねえんじゃねえのぉ?」
 からかうような笑みを浮かべて、見えない相手が電話を切るのを待つ。
「終わったか〜? これ見てみろよ、俺ちゃんと考えてんだぞ、結婚式のスピーチ」
 パソコンを開いて、それを反対側に回してみせる。
 ああ、あの意味不明な文字列は、俺とローラの結婚式用のスピーチだったのか。
「実は楽しみにしてんだぞ。やっぱ子孫が幸せになんのは、俺も嬉しいからな!」

 少年は一人で盛り上がっている。
 悲しいまでに滑稽な一人遊びだった。
 彼の目には、彼が望むとおりの俺が映っているのだろう。
 普段のままの、世話焼きで心配性で、ちょっと神経質な年上の子孫が――。


「ご先祖」
 俺はそっと、彼の後ろから、その肩に腕を回した。
「ごめん、3主」
 涙が溢れた。

3611×3暗め [29]:2007/06/25(月) 13:22:49
 ご先祖が口を閉ざした。
 唐突に、静寂に包まれた。


「だって」
 やがて彼が、小さくつぶやいた。
 その頬を透明なしずくが滑り落ちていく。いくつも、いくつも。
「……だって……お前は……好きって言ってくれたのに……」
 しゃくりあげる合間に、少年の本心が漏れる。
「……俺は……違う、から……」
 ああ。
「……俺も、好きだけど……そういうのとは……違う気がするから……」
 そうか。
「だから……傷つけるかなって……でも……ローラは優しいし……」
 優しいのは、この少年こそが。
「きっとローラなら……ローラのところに戻れば……大丈夫かなって……」
 だけど、優しすぎたから。
「でも、やっぱり俺、好きなのかなって……段々、わかんなくなって……」
 その純真さ故に、混乱して、自分の感情すら把握できなくなった。
「……自分のことも……わかんなくなって……どうしていいか、わかんなくて……!」



「それがあなたの、答えなんだね」

3621×3暗め [30]:2007/06/25(月) 13:23:13
 今まで通りの関係が、彼の一番の望みだったのだと。
 ただ楽しく話していられれば、それで良かったのだと。
 これは最初から……俺の失恋だったのだと。

 今になってようやく、俺は、思い知らされた。

 なのに――俺は気づかないままに。
 まだろくに恋愛を知らない少年の心を、無理やり変えようとしてしまった。
 まだなんの汚れも知らない無垢な躯に、リアルな事実だけを刻みつけてしまった。
 そして、追い詰められた彼は。
 感情を殺して、意識を殺して、夢の中に逃げ込んでしまったのだ。


 もっと、強く抱きしめる。
 その華奢な背中は、小刻みに震えていた。
「すまない。――本当にごめん。ごめんな」








 それから、どれくらい過ぎたのか。
 ある瞬間に、彼は聞こえるかどうかの小さな声で、囁くように言った。
「忘れても、いい……?」

 俺の答えは決まっている。
「いいよ――忘れてくれて、いい」

3631×3暗め [31]:2007/06/25(月) 13:23:28
 パソコンが四散した。
 テーブルが溶けて消える。
 空間がそのものが白い粒子となって飛び散り、そこに現れた真っ暗な闇に呑まれていく。

【ピッ!】

 場違いな甲高い音が響き渡り、視界いっぱいに、巨大な白い枠と文字が浮かび上がる。
 闇を背景に展開されたそれは――ウィンドウ。
 黒地に白文字、右向き三角のカーソル。
 コマンドはただ一つだけ。
 
【わすれる】


「1主……ごめん」

 謝るのは俺の方だろ、ご先祖。
 ああ、本当にこの人は、こんなときまで優しすぎる。

 だから好きになったんだな、俺は。

   ・
   ・
   ・

3641×3暗め [32]:2007/06/25(月) 13:23:45
 今日もうちのバカご先祖はパソコンでカタカタやっている。
「外は天気もいいってのに、少しは表に出たらどうなんだ」
「あん? 特に用事ねえもんな。だいたい1主、ジャンプの発売はあさってだぞ」
「威張って言うなっ」
 俺が殴るマネをすると、ご先祖は笑いながら頭を抱える。
「あ! やべえ!」
 なんだ唐突に。
「背中かゆい〜!」
「そんなことでいちいち騒ぐなよ!」
「だってかゆいんだもん! しかも自分じゃ届かない真ん中あたり! ちょ、掻いて」
「だぁあああ、もうあんたって人はぁ……」
 世話が焼けるなぁと思いつつ、もぞもぞ変な動きをしているご先祖の背中に手を伸ばす。

 ――その指先が触れそうになった瞬間。
 不意に恐ろしくなって、俺は手を引っ込めてしまった。
「んにゃ? どうしたんだよ」
「……いや、なんでもない。動くなってほら! ここか?」
 ガリガリ掻いてやる。ご先祖は「ふにゃ〜ん」と顔を弛緩させた。
「あ〜いい。ありがとな♪」


 いつもの笑顔だ。前と同じ、なんの翳りもない明るい笑み。
 もうすっかり、元通りになった。……違うのは俺だけだ。

 俺の内側に、あの時の闇が抱え込まれていること。
 胸の痛くなるような彼への想いと一緒に、それは静かに重く、横たわっている。



   ――おわり

3651×3暗め [-]:2007/06/25(月) 13:25:13
これで終わりです。
暗くてごめんなさい。

366名無しの勇者:2007/06/25(月) 15:15:00
ウィンドウ出たところで鳥肌立った!乙です

367名無しの勇者:2007/06/25(月) 15:56:37
わかるなー自分もドラクエな雰囲気にホレた!
乙でした、感動でした

368名無しの勇者:2007/06/25(月) 19:01:12
めちゃくちゃ萌えました。1主切ないなー…
本当にGJです!

369名無しの勇者:2007/06/25(月) 19:40:00
超乙です!!
あますことなく萌えさせていただきました…!

3701×3暗め [--]:2007/06/25(月) 23:34:41
いや〜、あんまり間あけすぎたもので、ちょっと顔が出しづらくてですね。
おみやげ代わりの一作でした(^_^;
その割りにはなんか暗いからどうかなと不安でしたが、萌えてもらえて良かったです。

さてと、一作仕上げて気合いも入ったことだし。
本当に休載状態になっちまった長編の方、頑張らないとなぁ。

ということで【Ligament】続編、今週末を目処に続きあげます。
いろいろリアルで事情がありまして、なかなか執筆できませんでした。
お待たせして本当にすみません。
以上、靱帯でした!

371:2007/06/25(月) 23:38:37
黙って投下も考えたんですが、ちょっとしたサプライズということで。
うざくてすみません……orz

372名無しの勇者:2007/06/25(月) 23:48:40
あ、やっぱり靭帯さんでしたか!そうだと思ってましたよ〜
長編の方も楽しみに待ってますw

373名無しの勇者:2007/06/26(火) 02:56:17
超〜乙です!!
1主テラ切ナス(TДT)
2主がピュアなのは、遠いご先祖が隠れピュアピュアだからなのね。

374:2007/06/26(火) 02:57:32
sage忘れスマソ。

375名無しの勇者:2007/06/26(火) 20:05:56
ギャー靱帯さん復活ktkr
大変楽しませていただきました。
続くLigamentも楽しみにしていますw 復習しなきゃー!

376【Ligament】[11] 0/6:2007/07/02(月) 01:40:25
3主×4主←8主fromDQ主雑

3主「……いや〜、本当に休載状態になっちまったな」
4主「えー、仕事で抱えていた大きな案件がようやく落ち着きまして、
   これからはまたちょこちょこ書けると思います」
8主「お待たせしてすみませんでした。今後ともよろしくお願いします」

3主「んで、もういっこ謝ることが……」
8主「すみません! 恒例サンクスコールは次の時にまとめて送らせていただきます」
4主「いや〜、ぶっちゃけ今週もいろいろと……もう……あの取引先殺してぇ……」

8主「ひとまず本編スタートです」

377【Ligament】[11] 1/6:2007/07/02(月) 01:40:50
  <6主>

 奥にもう一つ部屋があった。目測ではさっきの部屋の半分もないだろう。
 ここは外に面していて2方向に大きな窓がある。
 自然の外光で照らされた明るい室内には、壁際に小さな机と椅子のセットが一つ。
 窓がない壁側に簡素な寝台があり、その横に鏡台と、小さなタンスがあった。
「シンシアの部屋さ。てっきり森の中で妖精みたいな不思議な生活をしてると思ってたから、
ここを見たときはおかしくなったな。普通じゃん、みたいな」
 ベッドに腰掛けて、ヤツは隣をポンポンと叩いた。一瞬迷ったが、俺もそこに座った。
 窓から差し込む陽光に、細かなチリが光るのを眺めながら、ヤツは静かに語り出した。
「ある日、世界中の名だたる識者の元に、神より勅命が下った。
いずれ目覚める地獄の帝王を滅ぼすために『勇者』を用意せよと。
必要な道具も実験素材もすでにこの地に用意されていて、選ばれた者たちは、
その栄光と誇りに懸けて大いなる研究に心血を注いだ。
 素材の提供者だった地元人が実験に反対し、通電実験の最中に助けようとして
巻き込まれて死んだ、って事故あったが、それ以外はおおむね順調に進んだ」
 ……雷に打たれて……父親は……。
「俺の育ての親は、本職は心理学者だったそうだ。勇者として適正な人格を作る、
その教育プログラムの考案と実施が担当だった。強い正義感を持たせるのは当然だが、
潔癖すぎてもいけない。守るべき人間にも、醜い部分はあるからな」
 徹底した情操教育と訓練、そして本人の知らぬところで繰り返される生体実験。
 のどかな山村で育った4主が、そうとは思えない高い教養と礼儀作法を備えていることに
以前から疑問はあったが、これなら納得もできる。
 ヤツはまるで他人事のように言葉をつむいでいく。
「結論を言えば、実験は失敗だった。もっと早くそれがわかったなら、さっさと廃棄処分
にして、新たに作り直した方が早かったはずだ。だけど……間に合わなくて」
 あの運命の日が訪れる。魔王の襲来。

378【Ligament】[11] 2/6:2007/07/02(月) 01:41:07
「もし実験がうまくいっていたなら、きっとみんなを守ることができたと思う。
守るべき人間が死んで、道具だけが残るなんて、本末転倒もいいところだ」
 自分を道具と言い切るヤツの目に、その思いに、嘘は見えない――。
 ちょっと待て。待ってくれ!
「お前はなんとも思わないのか!? そりゃ命がけで守ってもらったかもしれないが……」
「彼らの愛情に疑問を持たなかったのかって? でもな、俺を守ってみんなが死んだのは
事実だ。それが実験動物に対する憐れみでも、研究成果を残したいという学者としての
意地だったとしても。責められるべきは、彼らの生前に何一つ期待に応えられなかった、
できそこないのこの俺なんだよ」
「いやおかしいだろ。エスタークは倒したし、ピサロも改心させて、悪の元凶のエビル
プリーストも闇に葬ったんだ。与えられた使命は全部、果たしたじゃねえか」

 その瞬間だった。ヤツを取り巻いていた愁然とした空気が、急に濁ったのは。
 肌の裏がザラつくような不快感。
 目つきが変わる。7主を喰っていた時に見た、飢えた獣のそれだ。
「俺の使命は、そんなくだらないことじゃない」
 思わず立ち上がりかけた俺の腕を、ヤツはグイっとつかんで引き寄せた。すごい力だった。
指が食い込む。ミシリと音がして、俺はぎりぎりで悲鳴をかみ殺した。
「俺の使命はシンシアの望みを叶えること。彼女が目指した『究極の生命』に、進化することだ」
「それは手段であって目的じゃないだろう!!」
 怒鳴った俺に、ヤツはくすくすと笑った。それから、つっ……とある方向をあごで示す。
 つられてそっちに目をやったが、なにもない。
「本人がそう言ってるんだ。間違いないよ」
 は……?
 4主はその方向をじっと見ている。俺ももう一度目をこらした。
 ある瞬間、スウッと、半透明の女性の姿が浮かび上がる。
 エルフらしい清楚なたたずまいの美しい女性だ。

 だが――その彼女の笑みは硬質で、実験動物を眺める観察者の顔に他ならなかった。

379【Ligament】[11] 3/6:2007/07/02(月) 01:41:26
  <3主>

「でりゃぁああああああ!!!!!」
 2主がつっこんで行ったあとには、魔物の死骸が累々と横たわっている。5主は顔を
しかめていたが、俺が見ているのに気付くと、いつもの飄々とした様子で手を振った。
「いいよいいよ、緊急事態だからね。ちんたら説得してるヒマはないだろうし」
「すまんな」
 正直、魔物を人間と同等に考えられる5主の気持ちは、俺にはいまいちわからない。
 厳しい一人旅を続けてきた1主もそうだし、普段は穏和な2主も、あれで意外と向かって
くる敵には容赦しない戦士の一面を持っている。
 アレフガルドは2度に渡って大敗を喫している。闇に閉ざされ、飢えと寒さに多くの
人間が死んだ。ようやく平和を取り戻したのちも、ムーンブルクという大国が女子供も
関係なく一晩で焼き払われた。
 ロトの血族にとって魔物とは、人間という種族の生き残りを懸けて滅ぼすべき敵なのだ。
害意が無いなら捨て置くが、一度剣を向けた相手に、安易に情をかけるような考えはない。
 だから――、
(3主なら、ちゃんと殺してくれると思ったから)
 4主も俺を選んだのだろう。

「ご先祖ー! 5主ぅ、なんかいるぞぉ!」
 2主が遠くで叫んだ。この場合の「なんかいる」は、アレ以外には考えられない。
 俺と5主は一瞬顔を見合わせてから、急いであとを追いかけた。

 果たして、なんともトリっぽい魔物と、タマゴっぽい魔物が、くだらない議題を
熱く語り合っている。どうやら例の問題は、未だに解決していないらしい。
 できるだけ多くの敵を弊すために、無駄な戦闘を避けるのもロトの兵法だ。
 さて、穏やかな話し合いの上で黄金の腕輪を渡してもらえるといいんだが。
「元祖魔物使いのお手並み、拝見させてもらうぜ?」
「うーん、自信ないけど、まあやってみるよ」
 言葉とは裏腹に、5主は不敵な笑みを浮かべた。

380【Ligament】[11] ■/6:2007/07/02(月) 01:43:40
本日はいったんここまでです。半端なところでごめんなさ〜い。
ちなみに■/6の四角は、停止ボタンの四角です(誰も聞いてないか)。

381名無しの勇者:2007/07/02(月) 19:16:12
連載再開ktkr
つか、益々続きが気になる展開だw
4主どうなるんだろう…

靱帯さん、お仕事お疲れ様でした!
今後の更新も楽しみにしています。

382名無しの勇者:2007/07/03(火) 02:25:37
靭帯さんキタ―――!!!!
もういろんなこと頭ん中いっぱいで言葉が浮かばない。
怒涛の展開ですねぇ〜
4主が可哀想で早く救ってあげたい…でも(Ligament)終わらないでほしい。
ああアンビバレンツ!!

383名無しの勇者:2007/08/05(日) 22:36:49
みなさん靭帯さんまちでジリジリしているようなので(自分もその一人www)
ちょっとオツマミ投下していきますね

世にも珍しい4主と5主の絡み 苦手な人はヌルーおね

384【1】:2007/08/05(日) 22:37:28
”悪夢なんてもう慣れた”

と、言うのはやはり幻想だ。少なくとも俺はそう思った。
夢と分かりきってても、あの日の惨劇は生々しく蘇る。

家畜や人の悲鳴、魔物の興奮した鳴き声、生き物も家も何もかもが焼ける匂い。
記憶にこびりついたそれが、あたかも今、目の前に起きている事のように再生される。

何度も見た夢だ。始めから最後まで全部一緒。だからこの先の展開まで全て分かっている。

−ここからでちゃダメよ?−

そういって気丈に微笑み、そして僕の身代わりになった少女の最後のあの笑顔。

「   シンシア  」

そして俺はまたここで現実の世界に引き上げられる。

385【2】:2007/08/05(日) 22:38:04

あの夢は何度も見ているが、やはり慣れない。
過去の記憶だと解っていても、俺の心がそれを拒絶する。
見るたびに後悔と自責が押し寄せてくる。あの日、何も出来なかった非力な自分が恨めしいからだ。

あーもう寝汗がぐっちょりできもちわるい。喉もカラカラに渇いて張り付く。
だから悪夢なんていやなんだチクショウ。


とりあえずシャワーを浴び、べったりとした汗を流した。
「そーいえばこの間買っておいた珈琲牛乳が・・・」
頭をタオルでガシガシ拭きながら冷蔵庫に向かう。
だがいざ空けた瞬間、そこにあるはずのものは無かった。

仕方が無いことかもしれない。複数の人間が一つ屋根の下で生活する場合、
誰が買ったかわからないものを、これまた誰かわからないものがうっかり飲み食いしてしまうことがある。
とくに2主は風呂上りのイッキ飲みが日課の奴だ。うっかり飲んでしまったという可能性もある。

半ば仕方ないなぁと諦めかけた瞬間、視界にあるものが飛び込んできた。
空の瓶だ。その瓶の下には見てくれ、と言わんばかりのメモ帳が敷かれていた。


〜 4主さんへ

    コーヒー牛乳とっても美味しかったですwww ごちそうさま^^
    
                                親愛なる8主よりw 〜


手の中で紙がひしゃげる音がするがキニシナーイ。
先ほどの悪夢も。就寝前に8主から嫌がらせされたことが原因かもしれない。
くそう、あのクソドラゴン。 明日起きたらプチころしてさしあげますわよ、っと。

386【3】:2007/08/05(日) 22:38:37

最悪な気分のまま、ダイニングのソファーに向かった。
あのコーヒー牛乳攻撃が地味に効いたらしく、全ての気力を失ってしまった。
あー 部屋に帰るのもマンドクセー
ので、とりあえずダイニングのソファーで寝ようと思ったのだ。  が。

「今日は厄日ですかそうですか。」

ソファーには5主が腰掛け、何かをしているようだった。
よく見ると本を読んでるらしい。どうせ5主のことだエロ本の類なんだろうよ。
あーあ、えらく真剣な顔しちゃって。なんかメガネまでかけてるし。

だが普段とは違い、物静かで落ち着きのある5主を見るのはこれが初めてかもしれない。
姿勢の良い、だが張り詰めたわけでもなくゆったりとした座り方。
サロン送り寸前のエロワードがいつも紡がれる口はきりりと閉まっている。
そのせいか妙に気分がざわついてきた。




・・・ん? なんか俺ときめいてません?
いやいやいやいや ないないないない

387【4】:2007/08/05(日) 22:39:01


「私でなくとも無言で、しかも背後の方から見つめられるのはあまりよろしくない気分なんだが?」

こちらを振り返らずにかけられた声に心臓が跳ね上がった。
一応気配は隠していたのだが、やはり相手も一応は歴戦の戦士。ばれていたみたいである。

「まぁ何時までも突っ立ってないで、座ったらどうだね?」

栞を挟んでぱたんと本を閉じ、5主はすこしだけ首を振り返らせ、こちらを向きながら
自分の隣を手のひらでトントンと叩く。ようは此処に座れ、ということだろう。
べつに反抗する理由も無いのでどっかりと座り、背もたれに両腕をかけ、足を組んだ。
隣の5主に比べればかなりだらしのない姿勢だ。

「んで、なにがあった? 恋の悩みか、それとも8主のいやがらせか?」

どこかおどけたように言う5主だが、単に喉が乾いたーなどといった類の穏やかな理由で俺がここにいるのでは
ないということに気付いているらしい。血のせいか、それとも経験からか。
とにかくこういった感情変化に変に鋭いからあなどれないんだ。まったく。

「べつにー?急にソファーでくつろぎたくなったら変態な先客がいただけですぅ。」
「はははあんまり嬉しくない冗談だな。」

棒読みと乾いた笑いの5主。
唇を尖らせていってみるがコレはどう見ても子供が拗ねているのと一緒ジャマイカ。

388【5】:2007/08/05(日) 22:39:26

「んであんたはどうなの?」
「ん?何がだい?」
「こんな時間に本読んで。しかも普段かけないメガネなんかかけちゃってるし」

わざわざ本を読むためにこんな深夜にこんな所にいるって言うのは不自然だ。突っ込んで言えば、本なんて
自室で読めばいいことだし、一応子持ちであるせいか以外にも夜更かしをしないのだ。5主は。
そんな5主が自室でなく、しかもこんな夜更けに本を読んでいるのだ。めずらしすぎる。

「案外君と同じ理由かもしれないぞ?」
「またそんな風にはぐらかしやがって」

誤魔化されたような気がしたので悪戯でメガネを奪う。しかし悪戯されても5主はこらこら、と言うだけで、
まるで子ども扱いだ。緩く微笑んでさえいる。ちくしょーめ。
弄っていたメガネを5主に返す。5主は苦笑しながらそれを受け取った。

「最近書類が片付かなくてね、深夜まで食い込むからどうも寝不足で。そのせいか若干視力が、ね。」
「老眼鏡じゃなくてざんねーん。」

その言葉に一応こいつが王であることを思い出した。
普段の行動にまったく王族らしいものが含まれていないせいだ。もうちょっと普段からまじめにしてりゃーいいのに。

389【6】:2007/08/05(日) 22:39:52

何をするでもなく、しばしの沈黙が流れた。

「ここにいる理由は、ちょっと部屋にいるのが息苦しくなってね。」

その穏やかな沈黙を、5主は穏やかな声で破った。

「昔の夢を見たんだ。私が己が王であることを知ったころよりもっと昔のころの。
 親友と二人、あの石の牢獄に閉じ込められていたときのころの。
 あのころは本当酷くてね、四六時中怒鳴り声、病人怪我人のうめき、鞭の音しかしなくて。
 昼間は炎天下の中石を引きずって、夜は狭く、薄暗い所に押し込められて眠って。
 
 でも昼間より、むしろ夜になったときの方が辛くてね。
 だれも彼もが疲れ果て、たまには重労働のため死に至る者までいて。
 明るいうちは働くことでいっぱいだけど、夜になって監視者の声がしなくなったとき、
 暗く狭いそこでは聞こえるのはうめきだけ。視覚が塞がれている分それが克明になるから。

 逃げ出した後、あの場所以外で得た初めての眠りに、夜とはこんなに穏やかなものなのかと感動すらしたよ。」


どこか遠くを見るよに5主は淡々と続ける。俺は食い入るように5主を見つめながらその話を静かに聞いていた。

「だから目が覚めたとき、部屋にいるのがちょっと辛くてね。」

ここなら広すぎるくらいだし、ちょっと電気代もったいないけど。
そういって5主は何時ものようにおどけて話を締めくくった。

390【7】:2007/08/05(日) 22:40:12

他の連中に言わせれば、俺とこいつは相等悲惨な部類に入る過去を持っているらしい。
だが、こうして5主の過去を聞いたのはこれが初めてかもしれない・・・。

「ふーん。あんたも相当苦労してたんだなァ・・・」
「ふふっ、君ほどでもないさ。」

「それにね、正直一人ぼっちでいるのには心細かった。だから僕は何度もあの親友に感謝したよ。
 そして今も、ね。詰まり何が言いたいかというと・・・」


そういって5主は突然俺の体を引っ張った。予期してなかったその行動にアレはあっさりと引き倒されてしまう。
はっと気付いたときには5主の膝の上に、仰向けで頭を預けていた。
俗に言う膝枕である。

「こんなときぐらい、誰かに甘えてもいーんだよ、って事さ。」
「は!? え、ちょwwwうぇうぇwwww」

こんなことになろうとはまったく予想だにしてなかったうえ、恥ずかしいやら情けないやらで俺はもうメダパニ状態だ。
なんだこれ?何この展開???

391【8】:2007/08/05(日) 22:40:37


「ちょwなにしてるんすかあーたwwwww」
「いいから黙って身を任せときなさい。」

仰向けになった俺の額、正確には額から産毛の辺りまでを、まるで前髪を掻き揚げる様に手のひらで撫でられる。
何度も撫でるそのやさしい手つきが以外に心地よく、眠気の波がやってくる。
さっきまでの目の冴えが嘘のようだった。


「・・・なにこれ・・・? ラリホーかなんかっすか?なんか・・・ 眠たいんですけど・・・」
「ははっ、こんな事に魔法なんて必要ないよ。仮にも私は”お父さん”だぞ?」

つまりはこうだ。寝付けない子供をあやすのと、まったく同じ事をしているのだ。
暗に自分が子供といわれているみたいで、ちょっと腹が立ったが、その心地よさには勝てず、うつらうつらと目を閉じる。

「うる・・せー・・・ 子、供扱い・・・ するなよ・・・・な・・・・・」

せめてもの抵抗として悪態をつくが、眠たくなっているのはモロバレ。
心地よい闇に流されるまま、5主のおやすみ、という声を最後に俺は意識を手放した。





  だがあんた、コレじゃお父さんというより、まるでおかーさんだぜ・・・?

392【9】:2007/08/05(日) 22:41:00



「・・・あれ・・・?」

朝の光とちゅんちゅんという鳴き声に目を覚まし、そして普段とは違う目覚めた時の景色にうろたえる。
珍しくすっきりと目は覚めていた。
横様に眠っていたため頬に暖かい感触がする。頭にも似たような温度。
だがこの枕はフワフワとした綿ではなく、しっかりとした弾力がある。

「ん?暖かい?」

昨晩のことを思い出し、急いで飛び起きた。頭の上におかれた手が腕ごと肩にずり落ちる。
体を起こすとぐんにゃりとソファーに体を預け、眠り込んでいる5主がいた。
すっかり熟睡している。

「あちゃー・・・」

どうやら俺も5主も、あのまま眠っていたらしい。
口元の濡れた感触を拭うとそれは涎だった。5主の膝を見ると少しだけ濡れている。
やっちまった・・・。 でもしらんぷりしときゃばれない、よな?

5主はまだ起きる気配なし。誰も来ないうちに部屋に戻ろう。特に8主に見られたらどんなデマを流されるか
わかったものではなry・・・

「おっ! 4主に5主じゃないか!二人ともこんな所で何やってるんだ?」


・・・俺の望みはあっけなく砕け散った。

393【10】:2007/08/05(日) 22:41:31

  朝から元気のいい2主を丸め込むので一気に体力を使った気がする。





「・・・ん、んん?  ああ、2主か、それに4主もおはよう。」

あのあと、2主のあの大声で5主は目が覚めたらしく、伸びをしながら眠たそうな声で朝の挨拶をした。

「なぁなぁ5主、こんな所で寝ちゃうと風邪引いちまうよ?」
「ああ、ちょっと本を読んでいたらそのまま寝ちゃったみたいでね。気を付けるよ。」
「そうだぜ! 健康第一だな!!」

元気のいい2主の頭をポンポンと撫でながら5主は苦笑する。
解っているのか解っていないのかあいも変わらず解らない2主はただ元気よく返事をしていた。
ああ、2主にはいろんな意味で救われるというか、癒されるというか・・・

「でも4主に膝枕してるなんてめずらしいな! 今度俺もしてくれよ5主!」


あ、でもちゃっかり地雷は踏んじゃう。無知ゆえか純粋ゆえか。
俺はガクッと肩を落とした。

「2主ちょっといいかな?」
「お?なんだ4主?」
「これは昨日した賭けの罰ゲームでゼッタイ命令でシンシアがみてるからズルはらめえぇぇぇぇぇぇ
 とにかくあんまりコレは知られたくない事で特に8主辺りにはゼッタイバレてほしくないことでry」
「うーん、よくわかんないけど、要はゼッタイ誰にも言っちゃだめ!ってことだよな?」


2主の肩を掴んで必死に弁解、超必死だったので怨念オーラ辺りでてかかもしれない。
だがそんなことは露ほども気にしていない2主。なおかつ俺の望みは理解してくれたみたいである。
(内容を理解しているかどうか怪しいので、俺の剣幕で判断した可能性もあるが)
だがあっけらかんといわれたので内心不安であることは隠せないと言って置こう。

394【11】:2007/08/05(日) 22:41:51

と、朝のそんな騒ぎ(といっても俺だけの一人祭り状態だったが)が嘘のように、
普段道理の毎日である。
あいも変わらず6主は妹妹うるさいし、3主はヤフーでわけのわからないものを検索している。
1主はローラフォンに脅え、2主は今日も元気にトレーニング、7主は存在感が無さすぎて何処にいるのか解らない。
ただ8主の嫌がらせもいつも道理なのでいつか羽なりむしってただのトカゲにしてやりたいとは思っているが
残念、奴は竜には変身しないんだぜチクショウ。


でもこんな変わらない日常の中、普段見ることのないであろうまじめな5主の姿を見て、5主のことを見直したのと、
他の皆に対して不思議と優越感のような、物を感じているのは俺だけの秘密にしておこう。






「あれ?何考えこんでるの?5主」
「ああ、7主か。今夜妻たちとどんなプレイをしようかと考えry」


・・・・・・やっぱり前言撤回だ。

395名無しの勇者:2007/08/05(日) 22:46:17

裏テーマは「親子」ということで
こんなまじめな5主はぶっちゃけアリエナーイってやつなのでキニシナイでくだしあ

靭帯さん続きwktkお待ちしておりますw では御目汚し失礼しますた



ぶっちゃければシリーズ中ドンゾコ二人組みを絡めてみようってのと、とりあえずまじめな5主を
書いてみたかった(テラ本音www)

396名無しの勇者:2007/08/06(月) 02:11:28
5主の父性に和んだ。メガネ萌え。
主雑はカプ抜きで萌えるから止められない止まらない。

397名無しの勇者:2007/08/06(月) 18:35:02
パパ…!
>>384gj!

398名無しの勇者:2007/08/06(月) 23:10:33
5主と4主の真面目な絡みがありえないとか珍しいって認識にびっくりだ

天空の勇者に5主の父性がうずくのも天空の勇者の父に4主が懐くのも
選べないダブル嫁のルーツという理由で5主に恋愛感情が絡むのも
子孫が二人とも惚れた男という理由で4主に恋愛感情が絡むのも
バッチリ設定の裏付けができるぶん普通に王道になり得るカプだと思ってた
少数派だったとはorz

でもそんな少数派な萌えを書いてくれた>>383に感謝

399名無しの勇者:2007/08/07(火) 00:24:55
>>398
ちょwww
あなたのカキコのおかげでより一層萌えがみなぎるwww

400名無しの勇者:2007/08/07(火) 07:36:42
>>398の分析にもっともだとうなずきつつ萌えました。抗えない天空人の魅力。どんだけ4主は綺麗なんだろう。

しかし、5主パパカッコいいよ5主パパ。
途中まで、この人は4主の弱ってるところにつけこんでエロい事するんじゃ…と疑っててごめんねパパ。すごく優しいパパだったよ。
8主も可愛かったです。コーヒー牛乳の空き瓶は、きっとご丁寧に綺麗に洗ってあるとか妄想した。
とにもかくにも、>>384GJでした。

401名無しの勇者:2007/09/04(火) 13:33:02
読み直してみたが6×7がかわいすぎる
6が鈍感なせいで進まないのがもどかしいww

4028主→3主 [0]:2007/10/04(木) 02:27:40
8主→3主の監禁調教物(?)いきます。
3主途中までちょっと可哀想かも。長くなるかもしれません。

4038主→3主 [1]:2007/10/04(木) 02:28:11
いつからでしょうか。
たぶん割と最近だと思います。
僕が3主さんを、無意識に目で追うようになったのは。

とても子供なんですよね、彼。いつもバカバカしいことで騒いでる。
1主さんはそんなご先祖様のお守りで毎日大変です。
でもそこが純粋と言えば、そうなんでしょう。
16歳で急に親元を離れて、魔王討伐の過酷な旅を続けて、帰れなくなって、
気がついたら宿舎でのんべんだらりとネット漬けの日々を過ごしている彼は、
悪く言えば世間知らず、よく言えば世間擦れしていないというか。

魔王を倒した勇者としてのプライドはしっかりあるけれど、
変に意固地になって自分を守るようなことはなくて。
ちゃんといろいろわかっているくせに、それでも素直でいられるような。
それは芯が強いからなのかな、なんて考えたり。


案外……逸材、かもしれない。
僕の錬金術師としての血が騒いだのです。

4048主→3主 [2]:2007/10/04(木) 02:28:29
も国元へ帰れば、近衛隊長として多少の権限は持っています。
いろんな帳面をうまくごまかして、まずは3主さんを迎え入れるための別荘を造りました。
一見すると変哲のない物見塔なのですが、中はかなり豪奢にしています。
間取りにはだいぶ気を遣いました。不便な思いをさせたくありませんしね。
急ピッチで仕上げたにしては、なかなかのデキです。

準備を整えて、いよいよ今日、作戦実行です。
現在明け方四時。昨晩は早めにベッドに横になりましたから、眠気はありません。
逆に3主さんは今頃、夜通しのネットに疲れて眠りに入るあたりです。
足音を忍ばせて、3主さんの部屋に向かいます。

ドアの隙間から光が漏れていないので、すでに就寝したようです。
僕は最後の鍵を使って、そっと侵入しました。
「ムニャ……」
気持ちよさそうに眠っています。寝顔が本当にかわいい。
念のためラリホーを二度ほどかけておきます。
すべすべのほっぺたにキスをしてから、かついで部屋を出ました。
おや、思ったよりぜんぜん軽いですね。太ったなんて騒いでいたけれど。

玄関を出てから、僕は宿舎を振り返りました。
急にご先祖様がいなくなったら、1主さんはとても心配するでしょう。それは申し訳なく思います。
いつかお返ししないとなぁ、と考えながら、僕は別荘へルーラしました。

4058主→3主 [3]:2007/10/04(木) 02:28:52
人里離れた森野奥にある塔の最上階が、3主さんのための部屋です。
窓が無いので明かりが消えていると、室内は真っ暗。
スイッチを付けて視界が広がると、高級ホテルのスイートルームそのままの部屋があります。
僕は趣味にはお金を惜しまない主義なので、だいぶ奮発しました。

さて、フカフカの大きなベッドに3主さんを寝かせます。
彼はぐっすり寝ています。あごの下をコチョコチョしたら、くすぐったそうに身をよじりました。
だめだ、可愛すぎる。
いつまでもやっていたいのですが、そうもいきません。

まずは服を脱がせにかかりました。
眠っている人間の着ている物を脱がせるのは、けっこう大変です。
しかも……うわぁ、なんて白い肌。いくらなんでも日カゲにいすぎでしょう。
白い方が好みなので窓も作らなかった僕ですが、最初からこうだと少し拍子抜けです。
だんだん白くなっていく様を観察したかったのに。

全部脱がせてしまうと、僕はさらにびっくりしました。
だから、誰ですか、太ったなんて言ってたのは! むしろちょっと痩せすぎじゃないですか?
まったく、全然運動しないで一日中パソコンなんかやってるから、すっかり筋肉が落ちちゃってる。
栄養学の本まで読んで食事の内容も練ったのに、考え直さないといけません。やれやれ。

4068主→3主 [4]:2007/10/04(木) 02:29:13
3主さんの服をたたんで足下にまとめてから、僕はとっておきの錬金アイテムを取り出しました。
偶然できたしろものなのですが、これほど見事に目的にマッチした作品は滅多にないでしょう。
むしろ、これができたからこそ今回のことを思いついたのです。

見た目は「首輪」です。鎖つきの。他に呼びようがありませんね。
「まふうじのつえ」などが合成されている、と言えば、その効果はおのずとわかるでしょう。
もちろん呪いのアイテムなので、自分では外せません。
カチャリ、とな。
鎖の端はベッドのヘッドボード(頭側の背もたれみたいな部分ですね)の上に打ち込んでいる
鉄の輪っかに繋がっています。長さは優に10メートルくらいあるので、室内を自由に移動できます。
ぎりぎり入り口に届かないくらいでしょうか。

ヘッドボードの真ん中あたりにも、小型のベルトが二つ、短い鎖につながってぶら下がっています。
そこに3主さんの手首をはめて固定しました。
あ、誤解しないでくださいね。僕はこういうのあんまり好きじゃないんですよ。
ただ最初は仕方ありません。3主さんだって急にこんなことになって驚くでしょうし。
暴れてケガでもしたら可哀想ですからね。僕、自分でも他人でも痛いのは嫌いなんです。

えーと、他に忘れていることはないかな?
ああ、そうそう、口もね。猿ぐつわって、最初に誰が名付けたんでしょうね。
僕の大切な友人をサル呼ばわりするみたいでムカつくんですが、まあ怒っても仕方ない。
バーの部分をくわえさせて、ゴムのベルトを後ろでパチンと留めます。
もちろん、これも最初のうちだけです。頃合いを見てすぐ外してあげますよ。
だって普段の3主さんを考えれば、元気なうちはとんでもなく騒ぐに決まっているし。
この人、口は悪いですからねぇ。
品のない罵詈雑言の嵐を頭からかぶせられたら、僕だって萎えますもん。

4078主→3主 [5]:2007/10/04(木) 02:29:36
よし、準備OK!
ですが3主さんはまだ寝ています。
ザメハの使い手が寝ている本人なので、僕は目覚めを待つしかありません。
パーティーアタック? だから痛いのは嫌なんですってば。そもそもDQ8ではできません。
退屈なので、さっそくイタズラしちゃいましょうか。

桜色の胸の飾りを、指と舌先でいじってみます。
「……ん……」
きれいな形の眉がちょっとしかめられました。
「…んん……ん……」
もぞもぞと身体を動かします。
吸ったり舐めたりしているうちに、それまでおとなしかった3主さんの性器もピクリと動きました。
感じているんでしょうか。早く目を覚まさないかな。
「んん……ん………ん?」
ようやく3主さんが起きました。まだ寝ぼけ半分でぼんやりしています。
まるで視力の悪い人みたいに、目を細めて僕の顔を見つめ、首をひねりました。
(なんでお前がいるの?)
といった顔です。

チャリっと鎖が鳴りました。音につられたように、3主さんはまず右の手首のベルトを見ました。
ハッとしたように首を振り、左手首のベルトを見ます。次に自分の身体を見下ろしました。
事態が飲み込めてきたようです。
「んん!? んぐ! んーんん!!!」
案の定、激しく暴れ始めました。両足は僕がまたがって押さえつけているので、
ほとんど身動きの取れない状態ですが。

4088主→3主 [6]:2007/10/04(木) 02:29:59
「んん!! んぐー!」
「大丈夫ですよ、3主さん。落ち着いてください」
僕は優しく語りかけます。
「びっくりするのはわかりますが、おとなしくしてください。お願いですから、ね?」
ここで無駄な体力を使ってしまうと、あとがつらいですから。
ですがやっぱり3主さんは聞いてくれません。
耳まで真っ赤になりながら僕を睨みつけて、んーんー叫んでいます。

仕方ありません、強行手段です。
と言ってもやることは一緒。愛撫を再開。硬くなった乳首に刺激を与えます。
「ん! んんん…!! んぐ…ん…!」
声音に少し別の色が混じり始めました。
グンと背中が弓なりにしなって、あれも首をもたげつつあります。
黒い瞳が潤んでいます。目が合うと、いやいやするように首を振りました。
(頼むからやめてくれ)
懇願の眼差しに、僕は背中がぞくぞくしました。
身体全体がうっすらピンクに染まっていて、ああどうしよう、本当にかわいい。
やっぱりあなたを選んで正解ですね。

「じゃ次はこっちもやってあげますからね」
硬くなった彼のものを口に含んで、ゆっくり舌でなぞります。
連続でジャラジャラ鳴っていた鎖の音の間隔が、徐々に長くなってきました。
「んぐ……ん、ん、ん……!」
見上げると、両方の瞳から涙を溢れさせて、必死に首を振り続けています。
あんまりシャッフルすると、頭がクラクラになってしまいますよw

4098主→3主 [7]:2007/10/04(木) 02:30:20
そんな感じで可愛がっているうちに、3主さんは早々に達してしまいました。
記念すべき一回目、と。
ちょっと急だったので全部飲んであげられなかったんですが、こぼれた分は潤滑剤にしましょう。
ローションも一応は用意しているんですが、なるべく使わない方向で。
3主さん以外の味が混じるのは、なんかもったいないですし。

いったん3主さんの上から降りて、吐精後の弛緩した両足を開きます。
自由になった足で蹴飛ばそうとするのですが、ほとんど力が入ってないので楽に押さえられます。
「はいはい。まだ時間はありますから、飛ばしすぎない方がいいですよ?」
奥の隙間に手を差し込んで、スッと性器の先端までなぜ上げると、3主さんた大きくのけぞりました。
白い喉がさらされて、艶めかしく上下に動いているのが見えます。
さっきから感心しているんですが、経験がないと言うわりに感度抜群なんですよねぇ。

彼から取り出したベタベタと僕の唾液を混ぜて、秘部にすりつけます。
まずは一本、指を差し込むと、するっと奥まで入りました。
「ん……!」
二本目は少しきついです。中で動かすと、クチュクチュと音がしました。
「んんん! ん…………んー………」
あ、あら? なんか本格的に泣き出しちゃいましたね。初めてだから怖くなったかな。
「大丈夫ですってば。絶対に痛くしないですから」
正直、僕もそうとう我慢の限界なんですけど、裂けて出血なんてもってのほか。
ちゃんとしっかりほぐしてからって決めてます。

4108主→3主 [8]:2007/10/04(木) 02:30:42
というわけで、三本目。
内側をかきまぜるように、ゆっくり動かします。前立腺はこの辺かな?
いったん小休止に入っていた彼のあれも、再び起き上がりました。
もう一方の手でこするとビクビクっと動きます。またすぐイッちゃいそうな気配ですね。
女の子とのセックスを知らないから、我慢することに慣れていないんでしょう。
「ん!……んん……ん、ん、ん……!」
「気持ちいいですか3主さん?」
って、答えられないですよね。つい聞いてしまいましたよ、やだなぁ。
少し考えて、僕はもう一回イかせておくことにしました。
ある程度疲れてる方が感じるっていうじゃないですか。

まぶたと頬にキスをして、そのまま首筋から胸に唇を這わせて、中心をくわえ込みます。
「ん……んぐ! んー……!」
少し激しくカポカポっとやってあげたら、案の定あっさり二回目の射精となりました。
今度はちゃんと飲んであげましたよ。あんまりおいしいものではありませんけど。

いよいよぐったりしている3主さん。
身体の力がいい具合に抜けたので、うしろもだいぶ緩くなった気がします。
そろそろ大丈夫そうですね。

僕はいつもの黄色の上着とバンダナを外して絨毯に放り捨てました。
ズボンを半分ほど降ろし、3主さんの両足をよいしょっと抱え上げました。
僕の方は、もう待ちかねている状態です。痛いくらいに張ってます。
「3主さん。3主さん、入れますよ?」
「……ん……んん……」
ゆらゆらと首を振ります。
目がうつろになってますが、まだ意識はしっかりしてますね。

4118主→3主 [9]:2007/10/04(木) 02:31:03
先端をあてがって、ゆっくり押し進めます。
最初だけ少しきつい気がしましたが、くびれまで飲み込んだあとは、
クポッとかわいい音を立てて奥まで入っていきました。
「ん……!」
3主さんがギュッと目をつぶって横を向きました。

ああそうだ、もうそろそろ口の、外してあげようかな。
というか、ここからはちゃんと声を聞きたいところですよね。
呼吸だって追いつかなくなるだろうし。
「3主さん、ちょっとそのままでいてください」
首の後ろに手を回して、留め金をパチンと外します。
ゴムベルトがゆるんで自然に顔の上から落ちました。
「……っあふ!……はぁ……はぁ……」
必死に空気を吸っています。やっぱり息苦しかったんですね。
「あ……あぅ……ど、どうして……うぁ!」
質問はあとで。まずは僕のも気持ち良くさせてください。
ここまで本当に我慢したんですよ?

僕は前後に腰を動かしました。
3主さんと僕の間で、すごくいやらしい音がしています。
「あ、ああ、うあ!……や……やめ……ふああ!」
身体を打ちつけるたびに、3主さんは聞いたことがないような色っぽい悲鳴をあげます。
これはヤバイ、僕の方まで理性が飛んでしまいそうです。
気がついたらかなり激しくやってしまっているんですが、この様子なら痛みはなさそうですね。

4128主→3主 [10]:2007/10/04(木) 02:32:37
「い、いきますよ、3主さん……!」
無我夢中で思い切り動かして、絶頂の瞬間にありったけの熱を中に注ぎ込みました。
「あ…あぅ!…や…ああああ……!!」
同時に、僕のお腹の辺りにもあついしずくがかかりました。
すごいなぁ、これで三回目ですよ。さすがに最初ほどの量はないですけど。
でも一緒にイけたのは嬉しいですね。
僕たちって身体の相性がいいんじゃないでしょうか。


「はぁ……はぁ……けほっ……」
立て続けにイかされて、3主さんは完全にグロッキー状態です。
目ではなにか訴えているんですが、言葉にする余力もないようです。
だから最初に注意したのになぁ。


ああもう、本当に――――すごくいい感じです。
ここまで来ると、あとはのんびり楽しむだけですね。頑張ったなぁ、僕。
たぶん、クスリとか使えばもっと楽なんでしょうけど、僕のこだわりというか、
3主さんに3主さん以外の余計なものが混じるの、やっぱり嫌なんですよねぇ。

「じゃあもう1ラウンドいきますか」
「……! そ、そんな……ああ……!」
だって僕はまだ元気ですもん。これからが本番なんですから。


それに、ね、3主さん。
このあともいろいろと準備があるんですよ?

そう……本番はこれからです。


   続く

413名無しの勇者:2007/10/04(木) 03:20:15
なんか斬新な組み合わせktkr

ところでザメハって3は僧侶の呪文じゃなかったっけ?

414名無しの勇者:2007/10/04(木) 07:45:54
確かそう。
あと8はキアリクが目覚め効果でゆうきスキル初期で覚えられるから
よほど地雷踏んでない限り8主も使える。

きっと勇気に欠けててリサーチ不足なんだよ

415書いたヤツ:2007/10/04(木) 10:02:51
マジごめん、なんかいろいろ素で間違えた。
どんなに好きでも忘れてるもんだなー。ショックだ。
内容的には大丈夫?
カップリングもジャンルもちょっとあれだし、
需要少なそうならここで打ち切るけど。

416名無しの勇者:2007/10/04(木) 11:17:18
書きたいものを我慢して無理して需要に合わせた何かを書くよりは
仮に自分にしか需要がなくても書きたいものを書いといた方がいいよ
興味のない人を新カプに引っ張りこむくらいのつもりで

人を選ぶジャンルでも先に注意書きしてればわざわざ読む方が悪いし
まして自分と逆だからって他人の萌えカプにわざわざ叩きレスするような厨はいないはず

417名無しの勇者:2007/10/04(木) 11:45:31
面白いから続けて欲しいな

418名無しの勇者:2007/10/04(木) 11:54:16
需要ならここに300人分萌えている俺がいるから安心してくれ!
だから自分にしか需要がない、なんてことは絶対ないよw

419名無しの勇者:2007/10/04(木) 18:45:43
私も続き読みたいです

420名無しの勇者:2007/10/04(木) 22:25:56
正直カプは真逆だけど続きがすごく気になる自分ガイル

421名無しの勇者:2007/10/04(木) 22:44:11
正直萌えた。
続きが気になる!8主何してるの8主

422名無しの勇者:2007/10/05(金) 01:36:48
ヤバイ。83良い!
私も続き気になります!

423名無しの勇者:2007/10/05(金) 07:42:01
83は凄い良いんだけど83って表記だと違う良いものを想像する

424名無しの勇者:2007/10/05(金) 07:52:08
ハッサンか

4258主→3主(監禁調教物?)続き:2007/10/05(金) 12:02:09
たくさんのレスありがとうございます。
続きです。
苦手な方は引き続きスルーでよろしくお願いします。

4268主→3主 [11]:2007/10/05(金) 12:03:09
……なんで。
なんでこんなことになってるんだ。
わけわかんねえ。
俺、宿舎にいたんだよな? いつも通りネットしたあと眠くなったから寝て。
起きたらこれだ。
服むしられてて、動けなくされてて、なんか呪文も封じられてるっぽい。
身体中いじられたし。ってか、犯された上に中出しされたし。
それを悲しむヒマも与えられずに、今もギシアン続行中だし。

「ふぁ…あ! あぅ……あ…ん!」
言いたいことは山のようにあるんだが、どれひとつまともな言葉にならない。
あん、じゃねえよ俺。そろそろマジでやべえって。俺きっとHP黄色だって。
「や……! もう……や、め……あぅ!……くるし……」
なんとか単語を絞り出した。今のはわかっただろ。俺の心からのヘルプ伝わったよな?
「ああ、そうですねぇ。ずっとこの体勢もつらいか」
8主はニコニコしたまま、俺の上から降りた。
ズルッと抜けた感覚があって、また勝手に甘ったるい声が漏れた。
うわ、最低だ。なにこの異様な空虚感。余計「入ってた」って思い知らされる。

勘弁してくれよ、とか思ってたら、くるんと身体をひっくり返された。
手枷で繋がってたはずなのに、と上を見たら、留め具が2段のレールで動くようになってて、
左右を入れ替えれるようになってやんの。すげえw超アホだw誰だこんなもん作ったヤツは。
「はい、ひざ立てて。少し開いてください、その方が楽ですから」
このやろ、なんて格好させんだ。あ、また挿れ――
「あ! うぁ…ああ! ひぁ……!」
「どうです、これなら苦しくないでしょう?」
違うって、死ねこのバカ。

4278主→3主 [12]:2007/10/05(金) 12:03:34
っつーか先に俺が死ぬ。何回イかされたんだろ。無理、もう出ない。
だから先っぽ爪でカリカリすんのやめれ。
背筋や太ももの裏がびりびりして、おかしくなる。
「は……あ…ぅ……」
「すごい、まだ締まるんだ。3主さんの中、すごく気持ちいいですよ」
わかったから、その手を止めてくれ。もう前をいじるな。
突っ込まれてるところも内臓もギュウっとなるのに、半端なままでつらい。
頼む、やめ――

「や……いやだ…もうやらぁ……!」
必死になって叫んだ。
「あらら、どうしました? 気持ち良くないですか?」
8主は俺の髪をなぜて、背中にいくつもキスをしてきた。
あそこへの刺激がやんでいる間に、なんとか息と精神を整える。
「やだ……げん…か…い……だって……」
頭ン中はワヤクチャだが、始まりから何時間も経ってることくらいはわかる。
こんだけ喘がされて、気持ち良くなかったとは言えねえけど。
物事には限度があるだろ。

しかも俺、初めてなんよ? 別に男が好きとかでもないんだぜ?
なのにいきなり、こんな突っ込まれて、しかも顔見知りの――仲間だと、信じてた相手に。
あんまり、ひどくね?

4288主→3主 [13]:2007/10/05(金) 12:03:52
「……う……うえ……ヒク……」
俺の中で張り詰めていたものが、ついに切れたって感じだ。

はっきり言って、怖い。本当はとんでもなく怖い。
魔物に殺される瞬間だって、こんな気持ちになったことはない。
「ちょ、泣かないでくださいよ。僕も困りますよ」
8主が動いた。塞いでいたものがなくなった途端、うしろからドロッてなんか出た気がする。
感覚がおかしくてよくわかんねえけど、もしかして開きっぱなしになってるとか?
これ元に戻るの? 俺の身体どうなっちまったの? 俺、どうなんの?
「泣かないでください。そんなんじゃ、僕も続けられませんよ」
8主は小さい子をあやすみたいに、俺の頭をなぜている。

それがまた、怖くてたまらない。
なんでコイツ、いつものままなんだよ。
まるで普段と変わんない口調で、笑顔で、こんなこと平気でやれるのかよ。
つい昨日だって、みんなと一緒にメシ食ってたじゃん。
夕飯のあとにスマブラやって、お前と俺で共同戦線はって、4主と5主の天空組やっつけて。
借りてた漫画にラーメンのつゆこぼしたってお前が怒って、でも謝ったら許してくれて。
それから、それから……

「うーん、全然ダメですか? そうか、思ったより早かったなぁ」
やがて8主は、ふぅっと溜息をついた。
「僕はもう少し楽しみたかったんですけど、仕方ない。次に行きますか」
起き上がって、ベッドから離れていく。
次って……?

4298主→3主 [14]:2007/10/05(金) 12:04:18
枕から顔を離して横目で見ていると、あいつは布の袋を持って戻ってきた。
弁当入れよりちょっと大きいくらいで、それを俺の顔の横に置いた。
カチャカチャとものがぶつかりあうような音がした。
袋のヒモをほどいて、俺の目の前に中身をぶちまける。

最初に目についたのは、作りものの、アレ。
さっきまで俺の中を引っかき回してたヤツをもっとグロくして、デカくしたような。
しかも半透明の蛍光ピンク。後ろ側にコードとスイッチみたいなのがついてて。
他にも小さいカラフルな卵に、同じようなコードとスイッチがついてるのとか、
変な形のクリップみたいなのとか、なんか、たくさんあって――。

「…なに…を……?」
理解したくなかった。
それがどういう用途で使われるのか、わかってはいるけど考えたくなかった。
「今はいろんなものがありますよねぇ。これなんておもしろいんですよ?」
そのうちの一個を取り上げて、手もとでカチカチいじってみせる。
「この吸盤に乳首を吸い込むんです。ほら見えます? 中で小さなブラシが動いてるの」
「……お前……なに考えて……!」
「こういうのは、最初が肝心だと思うんですよ」
また手枷の左右を入れ替えて俺を仰向けにさせる。
体力なんてカケラも残ってない俺に、8主は相変わらずの笑顔のままで言った。
「ひとまずフルセット、いってみましょうか♪」

4308主→3主 [15]:2007/10/05(金) 12:04:43
3主さんってば、限界だとか言っておきながらまだ余裕があったのか、
僕がエッチなオモチャを取り付けている間中、バタバタ暴れていました。
でもそれくらい元気があった方が、セットする方も楽しいですね。

親指の先くらいのローターを3個入れて、奥に押し込むようにバイブを挿入。
「ああ! や…ぁ…!」
少し大きいかなと思ったんですが、すんなり入って良かったです。
バンドで抜けないように固定してと。
さっき見せてあげた吸盤を2つ、胸にキュッと吸い付けます。
あはは、これはちょっと……マヌケかもしれない。
テレビでポロリしたら星マークとか入ったりするじゃないですか。
あれを思い出しちゃう。本人にはないしょにしておきましょうねww

「頼む……頼むからやめてくれ」
ひとつ取り付けるごとに、3主さんは引きつったような声で哀願します。
「そんなに心配しないでください。このテのは電池の消耗が激しいんですよ」
動かないやつが出たら、そこで終了ということにします。
万が一僕が離れたまま忘れちゃっても、半日経たないうちにすべて自然に停止するでしょう。
「やだ! そんなの、そんな……!」
「さすがにタイマー式とかはないみたいなんですよ、我慢してくださいね」
そうすれば細かい時間設定ができていいんですけど。
もう少し時間があったら、特注で作らせることも考えたんですけどねぇ。

4318主→3主 [16]:2007/10/05(金) 12:05:12
さて最後のひとつ。これが緊張します。
5mmくらいの小さなビーズをつないだバイブなんですけど、挿れるところがデリケートですから。
「3主さん、ちょっと動かないでくださいね」
僕は最初みたいに彼の身体に乗っかって、やわらかくなってきたあれをつかみました。
「なんだよそれ! どこに……やめろ!」
「動かないでってば、痛いの嫌でしょう?」

実はここだけの話、僕、これだけは同じものをもう一つ買って自分で試してみたんですよ。
ネットで調べてて、「こんなのもあるのか」ってびっくりしたんですが、
いきなり大事な3主さんに使うほど僕も勇気ないですし。
結果として、ゆっくりゆっくりやれば、ちゃんと根本まで入りました。
スイッチを入れると中心に通ってる針金が細かく振動する仕組みですが、これがまた感じる感じる。
僕は1分も保たなかったんですよねw

ツプツプツプ……と、ビーズをひとつずつ、先端の小さな穴に押し込んでいきます。
「あ、あ、あ――」
3主さんはその様子を呆然と見下ろしています。
「入りましたよ。ほら、最後のビーズってハート型なんです。かわいいですよね」
「や……あう」
これで全部つけ終わりました。

4328主→3主 [17]:2007/10/05(金) 12:05:37
小刻みに震えている3主さんに、ひとつめのスイッチを間近で見せてあげました。
「…やめて……やめ……」
スライド式のスイッチで、強弱設定が可能の優れもの……なんですけど、コレどれのだっけ?
ONランプが点灯した瞬間、3主さんの身体の中からヴィィンとかすかなモーター音が聞こえました。
「あう! やぁああ!」
中のやつだったみたいです。とりあえず最強設定にしちゃえ。
僕は順番にスイッチを入れていきます。
刺激を与える箇所が増えるたびに、3主さんは切ない声を上げます。
「たす……たすけ……ゆるして……ああああ!」
身体の外側と中側から同時に激しく責められてガクガクしています。
最後に、あの細いビーズのスイッチを入れました。
カッと目を見開いた3主さんが、大きく弓なりになってから、バタンとベッドに沈みました。
「あぐぐ……が……」
白目を剥いて、口の端から泡をふいています。
おっと、刺激が強すぎて落ちちゃったみたいですね。

もちろん、人間こんな程度じゃ死にやしません。
ただ気道が詰まると窒息してしまうので、横を向かせて口に指を突っ込みました。
「げっ……かほ……」
せきをさせると、ヒュー、っと空気を吸い込む音がしました。
黒い瞳も戻ってきましたが、もうどこも見ていないようです。
身体はビク、ビクっと震え続けています。

主役の3主さんが静かになってしまうと、室内には蜂の羽音のようなモーター音だけになりました。
考えてみれば、おいしいところは全部こいつらに任せてしまった状態です。
しまった、僕ヒマじゃんw この間になんか食べてこようかな。

4338主→3主 [18]:2007/10/05(金) 12:06:08
あ、その前にこれだけは伝えておかなくては。
「3主さん、聞こえますか?」
話しかけても、わずかな喘ぎが漏れるだけで、なんの反応もありません。
その耳元に口を寄せて、僕は噛んで含めるように、囁きました。
「3主さん。今日のこと、よーく、憶えていてくださいね」
僕の言うことを聞かないときは、またこうなりますよ。
わかりましたね?
3主さんは天井を見上げたまま、痙攣を繰り返しているだけでした。




それから僕はシャワーを浴びて、外で軽い食事を取ってきました。
1時間くらいでしょうか、戻ってみると、すでに動いてないオモチャがありました。
連続使用すると本当に電池保たないんですね。約束通りその時点で終了とします。
胸のとか、うしろのとか、いっこいっこ外していきます。
なにせ本人がすっかり壊れちゃってお人形さん状態なので、取り付け時とは反対につまらない作業です。
最後に例のビーズを引っ張り出すと、先端からトプっと白いのが少し溢れてきました。
さすが元気がいいなぁ。指先でちょんとつついてみたら、ゆらゆら揺れてちょっと笑えました。

そろそろきれいにしてあげましょうか。手首の枷も外します。
と――ああっ、なんとういうことでしょう、こすれて血がにじんでるぅ!
やっちゃったよ〜。
内側に綿が入ってるから大丈夫だと思ってたんですけど、よっぽどの力がかかってたんですね。
首輪の効果でかなり押さえられているはずなのに……。ロトの腕力を甘く見てました。
「ごめんなさい3主さん。次からは気をつけますね」
ホイミホイミ。もひとつホイミっと。

4348主→3主 [19]:2007/10/05(金) 12:06:30
手首の傷がきれいに治ったのを確かめてから、3主さんを抱き上げてシャワー室に運びました。
まだ刺激の名残があるのか、時折ブルッと震えています。

シャワー室は2〜3人が入れるくらいの間取りです。
お湯で充分暖めてから床のタイルに直に座らせて、背中をバスタブに寄りかからせました。
3主さんはだらんと手足を投げ出して、ぼんやりどこかを見つめています。
僕はまず、手に洗顔料をつけて顔を洗ってあげました。これ1本2000Gするんですよねー。
次にボディソープ(1本4000G!)を、これも手につけて3主さんの身体を丁寧に洗いました。
ツルツルした肌の感触がたまりません。性感帯に触れたときはまたビクビクしていました。
次は頭。シャンプーもいいのを選んだんですが……
「えーと確かここに」
あったあった。じゃーん、シャンプーハット! 子供の頃に使いませんでした?

「……いらねえよ、そんなん」
かすれるような少年の声。
おや、正気に戻ったようですね。
「じゃあこれは使いませんけど。それとも、自分で洗います?」
彼は小さく首を振りました。
「腕、上がんねえ……」
それじゃ無理ですね。髪を濡らして、シャカシャカシャカと。
「どこか痒いところはないですか?」
またふるふると首を振ります。
お湯でよくゆすいで、これもたっかいコンディショナーでケアします。

4358主→3主 [20]:2007/10/05(金) 12:06:47
すっかりきれいになった3主さんをかかえて戻り、ベッドのとなりにあるドレッサーの前に座らせます。
もちろんスキンケア用品もバッチリ取りそろえています。
ミーちゃんに頼み込んで、王家御用達のローション(化粧水の方ですよ?w)と
クリームのセットをもらっちゃいました。
「まずはこのローションからで……次がクリームっと」
本当にいい物って、何種類も重ねづけする必要がないんだそうです。
それから髪を乾かしました。3主さんの髪って濡れてる間はペタっとしてるんですが、
乾いてくるとあちこちハネてきます。すごいくせっ毛。
一瞬どうしようか迷いましたが、フワフワしてるのも可愛いので、ここは自然に任せることにしました。

その間もずっと3主さんはボーッとしています。
顔の前でヒラヒラ手を振ってみると、彼は物憂げに僕を見ました。
「なんだよ」
「いえ。大丈夫かなぁって思って」
「なわけねーだろ……」
ふむ、今日は早めに寝せてあげた方がいいようですね。
「ちょっとここに座っててくださいね」
僕は急いで替えのシーツを引っ張り出して、ベッドの上を整えました。
ちなみに、隠すのはもったいないので掛け布団はありません。ベッドメイクも楽で一石二鳥です。
「これでよしと。さ、3主さん、つかまって」
自分では立てない3主さんを寝かせたところで、僕はすっかり汗ばんでいました。
風邪をひかせないようにと、部屋の温度を高めに設定しているせいもあります。
もう一度シャワーを浴びないとダメですね、これは。

4368主→3主 [21]:2007/10/05(金) 12:07:22
「……なぁ、8主」
横になったまま、3主さんがその黒い瞳だけをキロっとこちらに向けました。
「はい、なんでしょう」
「さっきのあれ……マジ?」
「さっきの?」
僕が聞き返すと、3主さんはわずかに目をそらしました。
「言うこと聞かないと、またやるって……」
おお偉い、ちゃんと聞いていたんですね。
「そうですよ。でも別にクセになっちゃったって言うなら、いつでもやってあげますけど」
「…………ぜってーやだ……」

それだけ言って、3主さんはすーっと気絶するように眠ってしまいました。
「3主さん――」
やっぱり寝顔、かわいいなぁ。
水音でうるさくするのも可哀想ですし、シャワーは宿舎の方ですませましょうか。
「今日はもう戻りますね。また来ます、3主さん」
彼の中指にそっとキスをして、僕は部屋を出ました。



なんだかもう、スキップしたいくらい楽しい気分です。
こんなにwktkするのは久しぶりです。
次はどうしようかな。

437名無しの勇者:2007/10/05(金) 13:05:22
おお続き来てた!
もう書き込んでもおk?
ご先祖かわいいよご先祖

438名無しの勇者:2007/10/05(金) 13:39:38
3主大丈夫かw
8主Sすぎるぜ…!

439名無しの勇者:2007/10/06(土) 20:36:34
ちょ、これなんてエロゲww
8主なにを考えてるんだ!?
続きが気になるぅ!

440名無しの勇者:2007/10/07(日) 03:22:27
ご先祖可愛いけど壊れちゃわないか心配…でもやっぱ萌える
何この矛盾w
続き気になる…っ!

441名無しの勇者:2007/10/08(月) 23:43:39
萌えました
3主かわいいよ3主!

442名無しの勇者:2007/10/11(木) 07:08:56
これなんてエロゲw
続きが気になる……

4438主→3主(監禁調教物?)続き:2007/10/19(金) 17:13:56
続きです。今回はちょっとマッタリさせました。
苦手な方は引き続きスルーでよろしくお願いします。

4448主→3主 [22]:2007/10/19(金) 17:15:18
俺がここに連れてこられてから、何日くらいたったんだろう。
時計もなけりゃ窓もないんで、時間の経過がわからない。
運ばれる食事の回数が普通より少ない気はするが、
なにせ以前から不摂生な生活をしていたから、自分の体内時計もアテにならねえ。
うーん、もうちょい1主の言うこと聞いておけば良かったか。
みんな心配してるかな。大騒ぎになってたり?
それとも8主が、あの人の良さそうな笑顔でうまくごまかしてんのか……。

首輪と鎖の違和感はいつの間にか消えてしまった。裸族生活にももう慣れた。
肩や背中に鎖の触れるヒヤッとした感触にイライラしていたのも最初だけで、
部屋の中は空調が効いてて暖かいし、土足禁止の絨毯も柔らかくてどこに転がっても寝られる。
そう言えば8主も寝るときはスッポンポンだったっけ。
確かに楽でいいかもなー。

ただ、部屋の反対側の壁に大きな姿見があって、ベッドの上の自分が映ってるのが落ち着かない。
どけてくれと頼んだが、8主に却下された。
「自覚するのが大事なんです」とかなんとか。
なんの自覚だよ。ペットとしての?
それにしては、あいつの俺に対する気の遣い方はおかしい。
ご主人様、とか呼ばせられるのかと思ったら、そんなことはないし。
ここに訪れる度に人の貞操をもてあそんでるが、それ以外はまるでお姫様あつかいだ。
気色悪い。まるで理解できない。
あの変態近衛隊長はなにを考えてるんだ。

4458主→3主 [23]:2007/10/19(金) 17:15:42
「……退屈だー……」
ネットがないのがツライな。2ch見てえ。
なんか、一日の大半を寝て過ごしてる気がする。
起きてると首輪と鎖の重みで肩が凝るって理由もあるが、実は俺、
自分で人間だと思ってるだけで、本当は猫かなんかに変身してるんじゃないか? 


俺――――勇者ロト――――だったよなぁ?


一番理解できないのは、こんな状況でも妙に冷静な俺自身だ。
きっとあの時に、俺の頭のネジも何本か飛んでしまったんだろう。





それからまた一眠りしたところで、8主がやってきた。
「3主さん起きてますかー? すみません遅くなっちゃって。ご飯にしましょうね」
8主はひとかかえある保温ボックスから、食い物を取り出してテーブルに並べた。
ここにはキッチンも冷蔵庫もないから、こうして作った物を熱いうちに急いで持ってくるのだ。
皿とかフォークとか、硬くて危なそうな物はない。
いつもタッパ詰めのメシをプラスチックのスプーンで食ってる。
それなりに警戒してるんだろう。
反抗防止のためか。
自傷防止のためか。

4468主→3主 [24]:2007/10/19(金) 17:16:14
「今日はチキンソテーとトマトスープのリゾット。おいしそうでしょう」
「……ラーメン食いたい」
「もう、わがまま言わないでください。一発でカロリー計算狂っちゃいますよ」
んなこと言ったって、俺まだ16よ?
見た目からして栄養バランスばっちりな献立だってのはわかるが、
味の濃いものとか、脂っこいものとか食いたいじゃん。

ま、どうせ文句を言ったところで、とんちんかんな答えが返ってくるだけだ。
俺はいつものように、テーブルに置かれたタッパ類を、全部下におろして並べた。
「またですか。3主さん、床で食べるのは行儀悪いですよ」
「いいって言ったじゃねえか」
「そりゃまあ……」
こんな格好させられて、テーブルで行儀良く食べろって方が違和感あるっつーの。
スープとかハネたら熱いし。
そんなわけで、うつぶせに寝っ転がって食べる。
8主は椅子に座って、呆れたように俺を見下ろしている。
「3主さんって、ちょっと変わってますよね」
こいつのツッコミどころ満載なコメントにも、だいぶ慣れたな。

「そうそう、退屈だろうと思って、今日はいいもの持って来ましたよ」
チキンをスプーンでグズグズにしてる俺に、8主がなにかピンクっぽい小さな箱を差し出した。
渡された俺は、見るなり絨毯にぐったり横顔を押しつけた。
ネイルケアセット、とか書いてあるんだが。
「……お前は俺をどうしたいんだ」
女になって欲しいのか。わたし、とか言うか。

4478主→3主 [25]:2007/10/19(金) 17:16:45
「なんで爪を磨いたくらいで女の子になるんですか。世のオカマさんがどれだけ苦労してると思うんです」
知るかよ。
「いいから、ちょっと来てください。どうせもう食べないんでしょう?」
8主はひたすらグチャグチャにされただけのチキンとリゾットを取り上げて、テーブルに戻した。
いつもほとんど口をつけないんだが、8主はそれについてはなにも言わない。
別に反発してるとかじゃなくて、単に食欲がないからだってのは、わかってるようだ。

8主はベッドの端に座ると、ひざをそろえてポンポンと叩いた。
「ここに座ってください」
……いまさら、いいけど。
8主に背中をあずけて、その足にまたがるように座った。
後ろから俺を抱くようにして、8主は器用にさっきのセットを手元に並べる。
「右手、貸してください。まず人差し指から」
電動ヤスリ(?)で、爪の表面を磨いていく。
何本もアタッチメントがあって、これが粗め、こっちが仕上げ用、とか説明される。
「なんか手慣れてないか、お前」
「い、いやあ、いつもミーちゃんにやってあげてるんですよ///」
うぜえ。
しかも「指先もすごくきれいで細くてー」なんて誰も聞いてねえのにノロケている。
こいつも別に男専門ではないんだな。どうでもいいことだが。

とか思ってるうちに人差し指の爪が磨き終わった。
「ほらできた! きれいでしょう?」
ふむ、確かに。磨いた爪だけが、まるでニスでも塗ったみたいに光っている。
そう言ったら8主が吹き出した。
「ニスって……トップコートとか、せめてマニキュアとか、プクク」
ギュッと抱きしめられた。
「3主さんて、なんでこうかわいいかなぁ」

4488主→3主 [26]:2007/10/19(金) 17:18:23
首筋と肩にキスをしてきた。
「勃ってますよ」
「んっ」
スッ、と前に触れられて変な声が出た。
正面の鏡を見たら、なぜか反応している。
「もしかして、これで思い出しちゃいました?」
8主が俺の耳元で電動ヤスリのスイッチをカチカチさせた。
言われてみれば、音が似てる、かも。
小さなモーターが電気で動くって構造は、どれも同じようなもんだからな。

そうか、電動ヤスリで反応しちゃうんだ、俺。
終わってる。

「じゃあ今度は自分でやってみてください」
8主に機械を持たされた。
次は中指の爪ですね、とか言いながら、このバカはまた俺のをいじりだした。
「その間に僕はこの子と遊んでますから」
「ん……あん!……この……できるか……!」
俺の弱々しい抗議もこいつは楽しんでいるようで、焦らすようにヤワヤワと触れる。
なんだよこれ。ネイルケアプレイ? 新ジャンルもいいとこだ。



結局、4本目の小指の爪を磨き終わる前に、
向こうが我慢できなくなって普通に抱かれた。
最初からそうしろよ。いつもの3倍は疲れた気がする。

4498主→3主 [ここまで]:2007/10/19(金) 17:20:00
今回はここまでです。

450名無しの勇者:2007/10/19(金) 21:11:33
続きキテター!

451名無しの勇者:2007/10/25(木) 03:04:57
床に寝っ転がってるご先祖に萌えた!
続きホント気になる!
未だに8主が何をしたいのか謎だ…

452名無しの勇者:2007/10/26(金) 05:58:36
8主何考えてるのかわからんなー先が読めない。そして3主…ちゃんと食事摂って…
続きがホント気になる。楽しみにしてます!

4538主→3主(監禁調教物?)続き:2007/10/28(日) 13:10:33
さらに続きです。だんだんマッド度合いが強くなってきました。
苦手な方は引き続きスルーでよろしくお願いします。

4548主→3主 [27]:2007/10/28(日) 13:13:51
3主さんは僕の肩口に頭を乗せようにして眠っています。
もう少しこのままでいたいのですが、そろそろ戻らないといけません。
近衛隊長の仕事と、宿舎の方と、顔を出しておかないとまずいですからね。
僕の肩の代わりにそっと首の下に枕を滑り込ませて、ベッドを降ります。
散らばっていたネイルケアセットを片付けて、まとめてドレッサーの前に置きました。

「ん……」
3主さんがベッドの上で、自分を抱きしめるようにして小さく身体を丸めました。
なんか本当に子犬みたいだなぁ。
なぜてあげようと近づいたら、その頬を、つーっと涙が落ちていきました。
ふむ。一人にさせておくことが多いから、やっぱり寂しいんでしょうか。
「泣かせる」つもりの時はともかく、こういう涙にはちょっと弱いです。

「ごめんなさい3主さん。僕もずっといるわけにいかないんですよ」
またおみやげ買ってきますからね。
帰りの挨拶に、中指にそっと唇を当てて、僕は部屋を出ました。



「ああいう顔も捨てがたいんだけど……」
3主さんのいろんな表情を観察していますが、僕が一番気に入っているのは、
抱いたあとの、フッと正気に戻る瞬間です。
何度も泣かされて掻き乱されたあとの、快楽から明けたその瞬間に僕を見るときの、
反抗心と自己嫌悪と諦念とがない交ぜになったような……
それでいてどこか甘えるような、媚びるような、なんともいえない妖艶さのある、表情。
絶対に僕にしか見せたことがない顔だと思います。

4558主→3主 [28]:2007/10/28(日) 13:14:18
本当に……ゾクゾクする。
一人の英雄を根底から作りかえてしまうことへの好奇心やら罪悪感やらで、
もう僕の頭の中は毎日お祭り状態です。
理想に完全に近づけるまでは、もうちょっと手を加える必要があるでしょうけど。





翌日、僕はベルガラックであれこれと買い物をしてから別荘に行きました。
部屋に入ると、3主さんはベッドの上でなにかやっています。
見ると、足の爪に電動ヤスリをかけていました。
無心に作業しているその指先は、ぜんぶの爪がピカピカになっています。
「偉いじゃないですか、3主さん」
僕が声をかけると、そこで初めて気がついたように、ハッと顔を上げました。
「ああ、ヒマだったから」
バツが悪そうに横を向いて、手にしていたヤスリを絨毯に放り出します。

「……で、それはなんだ」
3主さんが僕の抱えている物を見て、心底嫌そうな顔をしました。
うーん、そういう表情はあんまり好きじゃないんですけど。
「プレゼントですよ。一人じゃ寂しいだろうと思っ ワブッ!」
物が大きすぎて前がよく見えていないのをいいことに、
3主さんがプレゼントごと僕を思いきり蹴飛ばしたのです。
僕は後ろに盛大に転がりました。

4568主→3主 [29]:2007/10/28(日) 13:14:45
「な、なにするんですか3主さん!」
「そういう使い方じゃないのか? サンドバックにはいいな、そのクマ」
「も〜。もっと可愛がってあげてくださいよ!」
ベルガラックのカジノでこの「巨大クマさん」を取るのに、いくらつぎ込んだと思ってるんですか。
18の男がここまでクマさんヌイグルミを抱えてくるだけでも、相当恥ずかしかったってのに!
まくしたてる僕に、ふぅ〜と溜息をつく3主さん。
「それを俺にくれようってところで、間違いには気付かないのかお前は」
「なにがですか?」
3主さんは目と目の間を親指でもみほぐしていましたが、
やがてしぶしぶといった感じで、クマちゃんの両耳を指先でつまんで引っ張り起こしました。
薄茶色の巨大テディです。立たせると3主さんと同じくらいになります。
「ありえねえ……」
3主さんは口の端をヒクヒクさせながらクマちゃんと向かい合っていました。


でも結局のところ、けっこう気に入ったみたいです。
そのあとは僕のことをそっちのけでクマさんと遊んでいました。
ウエスタンラリアートで吹っ飛ばしたり、ジャイアントスイングで投げ飛ばしたり。
そのたびに、なぜかクマは僕に命中します。
「うわ! っもう3主さん!」
「すまん、俺はどうもノーコンのようだ」
「じゃあもっとおとなしく遊んでください。こぼれちゃいますよ」
僕はテーブルに今日のごはんを出しました。
最近あんまり食欲が無いみたいなので、今日は特別に3主さんの好きなものにしています。
「はーいそこまで。片付かないんで食べちゃってください」

4578主→3主 [30]:2007/10/28(日) 13:15:12
3主さんは一瞬クマと僕を見比べると、クマをポンとベッドに放り出しました。
テーブルまで来ると、熱々の湯気を立てているドンブリをジーッと見ています。
「久しぶりですもんね、ラーメン♪ 嬉しいでしょう?」
「……ん」
3主さんはなんだか困っているみたいに立ちつくしています。
「ああ、箸を出してませんでしたね、ごめんなさい。はいどうぞ」
割り箸を手渡しましたが、3主さんはやっぱり戸惑っています。どうしたんでしょう。

「どうしました? 麺がのびちゃいますよ?」
「器……熱いから」
ああ、下に置けないと。テーブルで食べないんですもんね。
僕は取り出したときに使った鍋つかみで、どんぶりをそーっと下に置きました。
「絨毯の上じゃ安定しないんで、気をつけてくださいね」
「ああ」
3主さんはどんぶりの前にペタンと座りました。
それからふと、思い出したように言いました。
「お茶、飲みたいんだけど」
「お茶ですか?」
「ブラックウーロンあたり。これ、カロリー高いんだろ?」
「さ、3主さん……!」
まさか自分からそんなことを言うなんて、驚きです。
僕が頑張って栄養計算とかしているの、ちゃんとわかってくれたんですね。
「じゃあさっそく持ってきます! すぐ戻りますから!」

僕は塔を駆け下りて、玄関を飛び出すなり宿舎にルーラをしました。
確か健康志向の5主さんが買いだめしていたはずです。

4588主→3主 [31]:2007/10/28(日) 13:15:48
「じゃあさっそく持ってきます! すぐ戻りますから!」
8主は靴を履くのももどかしそうに、部屋を飛び出していった。


俺の前には、白い湯気を立てている器が置いてある。
手渡されたのは「箸」とかいう、棒きれ。
わかってる。
あのバカの様子を見れば、これは俺が好物だったなにかなんだろう。
確かに俺が好きそうな匂いがしてる。

たぶん、見た瞬間に記憶から飛んだんだと思う。
ついさっきまでは、これがなんだったかわかっていたはずだ。
「いい加減、食わねえとマズイしなぁ……」
さっきクマを8主にぶつけてたとき、一瞬クラッときた。
ほとんど動いてないから極端に痩せたりはしてないが、血が足りてない。
でもこれの食い方が思い出せない。


考えてるうちに、俺は急に面倒になってきた。
別にこれが最後のメシでもないだろうし。次のときにちゃんと食えばいいか。
テーブルに置いてあった鍋つかみでどんぶりを持っていって、中身をトイレに流した。
「箸」は小さく折って、ティッシュでくるんでからゴミ箱に捨てた。

4598主→3主 [32]:2007/10/28(日) 13:16:15
そこに8主が息を切らして戻ってきた。
「あ、あれ、もう食べちゃったんですか?」
なんか小さめのペットボトルがぎっしり詰まった箱を抱えている。
ケースごと持ってきたらしい。
「こんな短時間で完食とは。本当にラーメン好きなんですねえ。はいお茶」
ケースから一本取り出して渡してくる。
開け方を忘れてたりして……そう思ったが、俺の手は勝手にフタを開けた。


「さてと、今日は僕ちょっと用事があるんで帰ります」
空のどんぶりをボックスにしまいつつ、8主が言った。
俺に手を出さないで帰るのは珍しいな。
「それで、明日はお客様が来ますから」
さらりと付け足す。一瞬、聞き流しそうになった。

……今、なんて言った?

「客? ここに!?」
「はい! だから明日は大人しくしててくださいね。それじゃあ」
「ちょ、待てよ。なんだよそれ」
「ではでは〜」
俺が引き留める間もなく、8主は部屋を出て行ってしまった。

4608主→3主 [33]:2007/10/28(日) 13:17:32
客って……客だよなぁ?
なに、俺の買い手? 俺、そういう意味でここに閉じこめられてんの?


ああ、でも。
そう考えると全部つじつまが合うよな。
俺、そういう商品なんだ。
商品。


ベッドの上から、クマがこっちを見つめている。
俺は一人では広すぎるくらいのその上にのぼって、クマの腹に寄りかかった。
「…………」
誰かの名前を呼ぼうとして、それも忘れてることに気がついた。
思い出したところで、あんまり意味が無い気もする。

「お前……そうだな。クマキチにするか」
代わりにクマに名前をつけて、俺は眠ることにした。





     今回はここまでです。

461名無しの勇者:2007/11/01(木) 02:23:26
巨大テディと戯れる3主モエス!
でも大好きなラーメン忘れちゃうのセツナス…

462名無しの勇者:2007/11/03(土) 00:30:23
だんだん気になる展開になってきたなw

463名無しの勇者:2007/11/03(土) 18:03:04
ご先祖ちゃんと食事して…っ!
ってか8主は何を考えてるんだ?
客ってホントにそういう客なんだろうか…

464sage:2007/11/06(火) 23:44:02
久々に読みにきたらかなり萌える83キテター!
3主が徐々に自我を失っていくよ…どうなっちゃうんだろ

465名無しの勇者:2007/11/06(火) 23:44:52
sage位置間違ったゴメン

4668主→3主(監禁調教物?)続き:2007/11/08(木) 03:43:25
さらにさらに続きです。もはや3主かなり壊れてます。
苦手な方は引き続きスルーでよろしくお願いします。
可哀想なのがダメな方、本当にお気を付けください。

4678主→3主 [34]:2007/11/08(木) 03:44:32
「今日は午後からお客様が来ますけど、3主さんは別になにもしなくていいですからね」
あの黄色いのは鼻歌なんか歌いながら、大きなバッグを絨毯に置いた。
中から取りだしたのは、なんかツヤツヤした布地の、ヒラヒラしたやつ。
「はい、3主さん」
ベッドの奥に座っている俺の前に、それを広げた。
あいつはまたバッグに向き直り、中からもっと大きなカタマリを引っ張り出そうとし始めた。

それからふと、俺を振り返った。
「3主さん? それ」
ニコニコしたまま、でもちょっと困ったように、あごをしゃくる。
俺はクマキチをかかえたまま、そのヒラヒラをもう一度見た。
薄い青緑の、エメラルドグリーンっちゅうの? うむ、きれいな色だ。
「あの……着てみてください」
あん? ああ、俺に言ってんのね。
端っこを持って、手元に引き寄せた。触った感じもスベスベして気持ちいいな、これ。

「いやその……えーと。まずちょっと、クマさんどけましょうか」
あいつは俺のところまでやってくると、クマキチを取り上げて俺の横に置いた。
それから、俺の手を引っ張ってベッドの端に座らせる。
「足あげてください。……はい、じゃあ立ってください。ここに腕を通して……」
ヒラヒラに空いた穴に足を通して、立ち上がった俺の身体にまとわりつくようにさせて、
んで、最後に背中の方で、ジーッとなんか音がして。
「はいオッケ。ごめんなさい、これは僕が悪かったです。
 いきなり男の子にワンピース着ろったって、無理ですよね〜」
無理なこと要求すんなよ。よくわからんが。

それより、クマキチ。
最近どうも、こいつがいないと落ち着かないんだよな。
男がぬいぐるみってどうよって思うけど。

4688主→3主 [35]:2007/11/08(木) 03:44:49
あいつはバッグからデカイのをようやく引っ張り出して、それも大きくベッドに広げた。
「僕も考えたんですけど、やっぱり落ち着かないと思うんで、毛布も持ってきましたよ。
 部屋の温度は1度だけ下げますけど、でも寒かったらすぐ言ってくださいね」
バサッと広げて、俺の腰の辺りまでそれをかぶせる。
これもフワフワして肌触りがいい。
「だいたい、タダで見せるわけにいかないですもんねぇ」
なるほど、商品って普通、あれこれラッピングしてるもんな。

それからも、なんかあいつはてきぱき動いて、部屋を掃除したり、テーブルに花を飾ったりした。
一通り落ち着いてから、もう一つ持ってきたいつもの保温ボックスから、今日のメシを取り出した。
「お待たせしてすみません。今日は服を着てますから、テーブルで食べてもいいですよね?」
それなんか変な質問じゃねえか? まあ、どうせなんもかんもおかしいから、別にいいのか。
「ほら、冷めないうちに食べましょう」
トントン、とテーブルを指先で叩く。
そうだよな、食わねえとやべえよな。あんまり腹は減ってないんだけど。
だけど困ったな。クマキチどうしよう。
クマキチがここにいるから、俺、動けねえよ。

「……3主さん。クマさん、放しましょうね」
黄色いのが、簡単にクマキチをどけてしまった。ついでに俺も抱き上げられた。
「やっぱり軽すぎるよな……食べてくれないんだもんなぁ」
なんか耳元でブツブツ言ってる。変なヤツ。
椅子に座らせられた。
あいつは自分でスプーンを持つと、器の中身をすくってフーッと息を吹きかけた。
「はい、あーんして」
口に流し込まれた。こいつのメシって、味付けは悪くないよなぁ。
「ふー……はい、あーん」

4698主→3主 [36]:2007/11/08(木) 03:45:05
それから、なんかえっらい時間をかけて、全部食わされた。
その間にいろいろ話しかけられたんだが、こいつの言ってることは難しすぎてよくわからん。
答えようがないから、俺はずっと黙っていた。


空になった器を片付けながら、あいつはうーっと唸っていた。
「おかしいなぁ。いくらなんでも、ここまで壊れるなんて計算外なんだけど」
えー? 俺、ここにあるもの、なんにも壊してねえぞ。
「ちょっとヤバイかな……。3主さん、やっぱり今日は招待するのやめますね。
 代わりに、僕と遊びましょう。ね?」
あれ、客は来ねえの? 遊ぶってなにを。
「本当はお客様が帰ったあとに、と思ってたんですけど……」
さっきのデカイバックから、またごそごそと取り出す。
うわ、なんかすげえ懐かしい! それ俺のパソ――――

「回線を引いてないんでネットはできないんですけど、さすがに恋しいでしょうから」
――――――

「なんか3主さんが活躍するSSとか、書いてたことありましたよねw」
――――――

「僕、ひそかに続きを楽しみにしてたんですよ。もう書かないんですか?」
――――――

……四角くて平たくて、なんか硬そうなやつを、パカッと開いてみせる。
「3主さん? 聞いてます?」
あいつが俺の顔の前で手を振った。うるせっちゅうの、ちゃんと聞いてるよ。
うなずいたら、黄色いのはホッとしたように笑った。
「はいどうぞ」
線のついた丸いのを持たされた。

4708主→3主 [37]:2007/11/08(木) 03:45:22
カリカリカリ……と小さな音がして、黒い画面に大きく「Windows」の文字。
それからちょっと口で説明しづらい、でもきれいな音がして、画面が明るくなった。
緑の草原の風景写真が出た。
「あはは、すぐVistaにしたくせに、デスクトップはXPのデフォルトなんですか?」
丸いのを動かすと、風景写真の上を矢印が動いた。
「さて、僕ちょっと電話してきます。すぐ戻りますから、これで遊んでてくださいね」
あいつは席を立って部屋を出て行った。



ふーむ。また飛んだな……これの記憶。
なんかノド元まで出かかってるんだけど、俺の頭のどっかが「やめろ」ってうるさい。
思い出さない方がいいらしい。
ま、今のところ困るようなもんでもなさそうだから、ほっとこう。
でもあの最初の、きれいな音。あれは好きだな。きっとよく聞いてたんだな。
どうやって出すんだっけ?
いや、わかる。なんとなく手が覚えてる。
確か…………


「3主さんお待たせしました。あ、再起動中ですか。なんか調子悪かったのかな?」
うるさいっつーの、静かにしろよ。これから鳴るとこなんだから……キター!
〜♪
うん、これやっぱ好きだ。もう一回。
このスタートから、これだ、「再起動」っと。

カリカリカリ…………〜♪

4718主→3主 [38]:2007/11/08(木) 03:45:42
カリカリカリ…………〜♪
カリカリカリ…………〜♪
カリカリカリ…………〜♪
カリカリカリ…………〜♪
カリカリカリ…………〜♪
カリカリカリ…………〜♪
・・・・・



「……参ったな」
気がついたら、黄色いのが向かい側でテーブルに突っ伏していた。
「完っ全に壊れたな。どこで計算狂ったんだろ。これじゃ作り直すとか以前の段階だもんなぁ」
なんだよさっきからー。
だから俺、ここにあるものはなにも壊してねえってば。冤罪だぞ?

俺の無言の訴えには気づかずに、黄色いのはポケットから携帯電話を取り出した。
「あ、僕だけど。ごめん、やっぱり来てくれる? うんうん、じゃああとで」
もしかして今日来る予定だったっつー客か?
「3主さん、ころころ変わってすみませんが、お客様、呼ぶことにしましたから」
言いながら、パタンと四角いのを閉じてしまった。
「あなたはなにもしなくていいですからね。ベッドで寝ていてください」
さっさと俺の手から丸いのをもぎ取って、抱き上げてベッドに運んでいく。
バサッと毛布をかけられた。これもいいんだが、えーと。
「はいはい、クマさんですよ」
そう、これこれ。渡されたクマキチをぎゅっとする。
これでようやく定位置に着いたって感じだ。落ち着く。


そういえば、「携帯電話」については記憶が飛ばなかったな。
いかにも飛びそうな感じのモンなんだが。自分のじゃなかったからかな。

4728主→3主 [39]:2007/11/08(木) 03:46:02



3主さんはクマさんを抱きしめると、またぼんやりとどこかを見ています。
今日は朝からずっとこんな調子です。
さすがに、延々と再起動を繰り返している様子を見たときには、背筋が寒くなりました。

まったく、本当に参っちゃいましたよ。
僕もまさか、こんなに簡単に人格崩壊を起こすとは思いませんでした。
別に叩いたり殴ったりしたわけじゃないんだし、普通はこうはなりませんよ?

いやーまあね。原因はわかってます。
この人、自分の記憶を意識的に操作できるって特技があったんですよね。
幼少時の記憶をなくしてる僕からすると、ちょっと羨ましいんですが。
それが変な作用を起こしちゃったんでしょうね。
警戒はしてたつもりだったんですけど、甘かったです。
一度忘れちゃったことって、取り返すのは不可能なんでしたっけ?
うーむ、どうしたもんかなぁ……。


そこに、先ほど携帯で呼び出した相手がやってきました。
僧衣にはとても見えない派手な赤と、目の覚めるようなプラチナブロンド。
「お前、アホだろ」
そして第一声がまず毒づくというのもまた、彼らしいスタイルです。

「ごめんククール。ちょっと計算ミスっちゃって」
僕が手を合わせると、彼は長々とため息をつきました。
「黙れキ○ガイ。お前の趣味にはついていけねえよ。んで犠牲者はどこ……」
ベッドの方を見たククールは、そこで目をまん丸にしたまま固まりました。

4738主→3主 [40]:2007/11/08(木) 03:46:22
「う、嘘だろ。お前……宿舎の仲間に手ぇ出したのか!!??」
「だって、我慢できなくてつい」
「ついじゃねえだろうが!」
いきなりボッカリ殴られました。痛いなーもう。

「っつ〜。お、落ち着いてよククール」
「……!!……」
ククールは顔を真っ赤にして怒っています。もう言葉も出ないって感じです。
そりゃ当然の反応でしょうね〜。

3主さんはいきなりの騒ぎにびっくりしたみたいです。
ベッドの隅っこの方で、クマさんを盾にするように抱きしめて様子を見ています。
「ほら、あの子も怖がるからさ。まず落ち着いてくれよ」
僕が両手を挙げて降参のポーズを取ると、ククールは目頭を押さえて必死に息を整えます。
「――とりあえず、詳しい話はあとで聞く」
それから、彼はゆっくりとベッドに近づいていきました。


「驚かせてすまんな。……大丈夫だ、なにもしないから」
3主さんの近くに座って、その頬にそっと手を伸ばしました。
「可哀想に。俺のこと、わかるか?」
問われて、3主さんは少しだけ首をかしげました。チラッと僕を見ます。
「……きゃく……って……」
「きゃく? ああ、客だな。俺の名前はわかるか?」
「……くく……る……」
「そうだ、ククールだ。――宿舎のことは?」
「しゅく…しゃ……」
3主さんはしばらく悩んでいましたが、やがて小さく首をふりました。

4748主→3主 [41]:2007/11/08(木) 03:47:37
「わかった……無理に考えなくていいからな。もういいぜ、ありがとう」
ククールが横になるように優しく促します。
3主さんは素直に従って、クマさんを抱いたまま身体を横たえました。
その上からククールは毛布をかけてあげます。
モコモコの山になった隙間から、3主さんはそうっとこっちの様子を伺っています。


ククールは、どかっと乱暴に椅子に座りました。今はもう彫像みたいに無表情です。
向かいの席をあごでしゃくって、僕にも座るように無言で命令します。
僕もここは素直に従っておいた方が良さそうですね。

「――で、どうする気だ」
押し殺すような声で、ククールが聞いてきました。
どうするって言われてもねぇ。
「とりあえず、軌道修正しつつ続けようかと思ってるけど」
「だろうな。今宿舎に返したところで、『まとも』なあの連中じゃどうもできねえしな」
「まるで僕が『まともじゃない』みたいな言い方だねw」
僕が混ぜっ返すと、ククールはギロッと睨んできました。
「やだなぁ、冗談だよ。僕の頭がおかしいのは、自分でもよくわかってる」
「わかってんなら、治そうって気はないのかよ」
「治ると思う?」
ククールがジッと僕を見ます。でも、すぐに目をそらしました。

「……間違っても、他の連中には悟られるなよ」
はぐらかすようにそう言って、ククールは立ち上がりました。
「俺は “客” になりそうな連中を見つくろってくる。お前、もう少しアレをなんとかしとけ」
振り返らずに、なんだか逃げるように部屋を出て行きます。
きっと3主さんが可哀想で、目が合わせられないんでしょうね。
ククールは僕よりずっと優しいですから。

4758主→3主 [42]:2007/11/08(木) 03:48:03
僕も見送りのために、彼のあとについていったん塔の外に出ました。
「いつもごめんね。頼むよ」
僕が言うと、ククールが振り返りました。

いきなり襟首をつかまれて、力任せに引き寄せられました。
噛みつくようなキス。
どこが切れたわけでもないのに、血の味がするような。

「――バレて、殺されそうになったら逃げてこい。俺が殺してやる」
怖いくらい真剣に言われて、さすがの僕も茶化せそうにありません。
「約束するよ。ごめんね」
もう一度あやまると、ククールはようやく僕を解放してくれました。
それから、ルーラでどこかに消えていきました。





部屋に戻ると、3主さんはベッドから出て、僕のバックをごそごそと漁っていました。
「なにを探してるんですか?」
聞いてみますが、返事をしてくれません。
ちょっとムッと来ます。ククールにはちゃんと返事をしていたのに、この子ったら〜。
「3主さん。こらっ」
グイッと肩をつかんだら、身体全体でビクッとして後ずさりしました。
そんなに怖がらなくてもいいじゃないですか。
「あ……あれ……」
手にマウスを持っています。
どうやらパソコンを探していたようです。

4768主→3主 [43]:2007/11/08(木) 03:48:26
「パソコンはあとです。ベッドに戻ってください」
3主さんは立ち上がると、その場でマウスを手放しました。
足下に転がったマウスを見つめて、ぼんやり立ちつくしています。
「ベッドに戻って」
少し強い口調で命令すると、彼はふらふらと歩いていきました。
ベッドによじのぼって、クマさんを抱きしめて座り込んだまま、また動かなくなりました。

正直こうなると、ちょっとだけ面倒な気持ちになります。
ククールにはああ言ったけど。
いっそ……壊れたまんま宿舎に返してみようか?


いやいや。落ち着こう。
それはとってもおもしろそうだけど。すごい魅力的な試みだけど。
僕、間違いなく彼の子孫たちに八つ裂きにされるww

「ふ〜……3主さぁん、なんか疲れましたよ、僕」
上着を脱いで僕はベッドにダイブしました。
もういいです。今日はもうなにも考えないで、3主さんとイチャイチャしようっと。
「クマじゃま〜。いいの! 僕にギュッとしなさい、僕に」
クマさんを取り上げられてちょっと切なそうな顔をする3主さんを、ベッドに押し倒します。
薄いシルクごしにあちこちいじっていると、すぐに反応し始めました。
「あ……! あう……ああ……はぅ!」
どんなに壊れてても、感じてる時の3主さんは、やっぱりたまらなくカワイイです。
「――ま、どうにかなるでしょ」



それから、気絶するまで抱いて。気絶しても抱いて。
しまいに僕も途中で寝ちゃったらしくて、次の日はちょっと大変でした。



     今回はここまでです。

477名無しの勇者:2007/11/10(土) 00:56:06
3主とうとう壊れちゃった……!
でも萌えるゴメンヨ
ククの態度からだと
8主もしかして常習犯なの?

478名無しの勇者:2007/11/10(土) 11:34:40
なんか凄い人だ8主ww
ククかっこいいなw

479名無しの勇者:2007/11/11(日) 20:25:43
うおおお続きが気になる
しかし3主かわいいよ3主(;´Д`)ハァハァ

4801→3 (1/2):2007/12/02(日) 01:37:15
※遠回し&本家とネタかぶり

    (ガチャ)

1主「こんな夜中に誰がキッチンにいるのかと思ったらあんたか。しかも今からラーメンかよ」
3主「だって深夜って腹減るじゃん(ハフハフズルズル)」
1主「だれが深夜に起きてろって言った」
3主「まーまーそうカタいこと言うなよ(フーフー)」
1主「やれやれ、コレがあのロトとはなぁ。どっこらしょ(ガタッ)」
3主「コレとはなんだコレとは」
1主「だってさ、俺の時代のあんたって言えば神様みたいなもんだぜ?
   どんな人だろうって想像もしたし、あんたみたいになりたいって憧れたりもした。
   そんな神様が深夜にラーメン貪ってる自宅警備員だった健気な俺の気持ちを想像してみろ」
3主「なんだと失礼な。誰のおかげで存在してられると思ってんだ。崇めろ、奉れ」
1主「またそういう物言いをする……。
   ……あの旅の間、あんたの子孫だって言われるのはしんどかったよ」
3主「そりゃまたなんで(ズルズル)」
1主「……俺の体にあんたの血が流れてるなんて証拠、なかったからな。
   道中いたるところでロトの血統を疑われたし、伝説の神様はあまりにも偉大すぎた」
3主「さすが俺様、まさに新世界の神。参っちゃうねぇ(コリコリ)」
1主「メンマ食いながら何を偉そうに……。
   ……だからさ、『生き延びたらロトの子孫』『野垂れ死んだらただの人』って思いながら歩いたよ」
3主「ふーん……(ズルッズルズルッ)
1主「ま、今となっちゃどうでもいいことなんだ。血が繋がっていようがいまいが俺は俺だから」
3主「(カタン...)……お前、それ恥ずかしくなんない?」
1主「言うな。口に出して言ってみたらすごく恥ずかしいんだこれ……!」
3主「だろうな、聞いてるこっちも恥ずかしくなってくるぜ(ズルズルズルッ)」
1主「……とにかくさ、御先祖は俺の支えだったわけだ、たとえ先祖じゃなくてもな。
   ――…それに」
3主「?」
1主「今は血が繋がってないほうが都合がいい」

4811→3 (2/2):2007/12/02(日) 01:37:51
3主「……そんなにニートの子孫なのが嫌ですかぁこのヤロー(ズルズル)」
1主「だからさぁ、自覚があるならせめてもうちょっとちゃんとした生活してくれよ(チラッ)」
ローラフォン (…………)
1主「……俺や2主のためにもさ」

     (危ねー!……よかった、聞かれてなかったみたいだな。……いや、違うか)

3主「ったくよー、ここは小煩い連中が多くてかなわねぇな(ゴクゴク)」
1主「そりゃ夜中にラーメン食ってるのを見りゃ小言も言いたくなるわ。」

     (そりゃ、普通なら、そういう解釈にしかならないよなぁ……)

3主「食えるときに食うって癖はどうやっても直るもんじゃねぇんだよ(ゴクゴクゴク)」
1主「ああ、それは分かる……。……っておい、飲み干すな」
3主「ぷはぁ、(ゴトッ)
   スープを捨てるなんて、とんでもない!」
1主「もうだめだこの人……。
   さて、俺は寝るよ。ご先祖も朝まで起きてるんじゃないぞ(ガタッ)
   ……おやすみ」

     (寝よう、これ以上起きてたってろくでもないことばっかり考えそうだ……)

3主「へーへー、うるせーな。おやすみ」


   (ガチャッ、カツ、カツ、カツ、カツ……)





3主「…………ローラフォン気にするくらいなら、馬鹿なこと考えてんじゃねーよ、アホ子孫」

482名無しの勇者:2007/12/03(月) 17:17:38
切ないな・・・

483名無しの勇者:2007/12/04(火) 12:15:22
も(´д`;)萌えた…!

4842→1 (1/4):2007/12/08(土) 15:24:53
 仲間が死んだり、仲間のMPが切れたりして退却を余儀なくされることには慣れている。
 いつもいつもそのタイミングが早いか遅いかだ。
 だが、今日の2主はいつもより進めた気がしていた。
 仲間たちを送り届けてから宿舎に入るとそこはとても暖かく感じた。
 少しうれしくなって、いつもより進めたことを人に教えたくなる。
 2主はまっすぐにリビングまで進み、閉まっていたドアを開けようとした。

「っだー!何なんだよお前、人を馬鹿にしてんのか!」
「ご先祖が勝ったんだからいいだろ、別に!」

 リビングの中から響いた大声に気圧されて、2主はドアノブに伸ばしかけた手を引っ込めた。

「よくねーよボケ!10連鎖以上が当たり前の奴が何ちまちま4連鎖で消してんだよ!
 そうあからさまに手加減されりゃいくら俺でも腹立つわ!」
「負けたら負けたで怒るくせに!さっきまで負け続けて怒ってたのはどこのどいつだよ!」
「もういい!もうやめた!」

 ふたりの勇者の怒声はリビングの厚いドアをびりびりと震わせる。
 乱暴な足音がドアに向かって進んでくるのを聞いて2主はあわててドアの前から離れた。
 バン!と力いっぱいドアを開けて、怒りを全身から発しながら3主が出て行く。
 怒りのあまりそこにいた2主にも気づかなかったらしい。

「コントローラー投げるなよ!危ないだろ!」

 1主がリビングの中から怒鳴った。
 彼らが取り戻した平和を享受している人々が一気に失望しそうな喧嘩だ。
 しかし、勇者だらけのこの宿舎においてはもはやいつも通りの光景となっていることである。

 そう、いつも通りの。

 2主はその事実を何となく苦く思いながら、開いたままのドアからリビングに足を踏み入れた。
 さっきまで伝えたかったことがどこかへ行ってしまって、妙な感触ばかりが胸の中でわだかまっていた。

4852→1 (2/4):2007/12/08(土) 15:25:36
 テレビの前に屈み込んで、接続してあったコードを抜いていた1主が2主に気づき微笑んだ。

「ああ2主、帰ってたのか。お帰り」
「ただいま」
「ロンダルキアは寒かっただろ?よく頑張ってるな、えらいぞ」

 1主はコードを束ね、床に散乱していたコントローラーやゲームカセットを集めている。
 そしてそれらと本体を一緒に棚にしまいながら苦笑した。

「2主が頑張ってるっていうのに、御先祖は人をゲームに誘って負けて怒ってるんだもんなあ……。
 誰かが面倒みてやらないと平気で何も食べなかったり寝っぱなしだったりするし。
 ――…まったく困ったご先祖様だよ、本当に」

 そう言って1主は笑いかけてくる。
 誰かが面倒みてやらないと、の「誰か」がこの人である必要性とか。
 そもそも「みてやらないと」いけないのかとか。
 「困った」と言いながら、なんだかすごく楽しそうなのはどうして、だとか。

 思わず戸惑う。
 いつもならちゃんと出てくる言葉が、喉につかえたようになってちっとも出てきてくれない。

「……どうした、2主。元気ないな。何かあったのか?」

 身を屈めて1主が顔を覗き込んでくる。
 まっすぐに見つめられて、この人はなんて格好いいんだろうと思う。
 ムーンとも4主とも違う種類のきれいな顔。
 こうなりたいと思うけれど、決してなれないと思ってしまうような。
 言葉にできなくて、2主は俯いた。

「……なんでもないんだ」
「いいから、隠すなよ。……本当にそういうところローラに似てるんだから」

 ため息と一緒に発せられた言葉に、2主は俯いたまま思わず目を見開いた。

「いつも素直なのに、一番肝心なことだけは言ってくれない。よく似てるよ」

4862→1 (3/4):2007/12/08(土) 15:26:04
 ゆっくりと顔を上げると、1主が優しい表情を浮かべていた。
 めったに見られない、幸せをかみしめるようなとびきり優しい笑顔だった。
 ただ、それが自分でない別の人に向けられていることは痛いほど理解できる。
 胸が引き攣れるように疼いて、2主は唇を噛み締めてから、もう一度開いた。

「……おれ、近いほうのご先祖が好きだ」

 こんな短い言葉では絶対に足りない。
 けれど、どんな言葉でなら伝えられるのか、まったくもってわからない。

「ああ、俺も好きだよ」

 大きな手で頭を撫でられながら言われて、案の定伝わっていないことがわかった。
 自分の子供を慈しむような応えに、2主は思わず叫んだ。

「ちがうんだ!」
「?」
「そういうんじゃ、ないんだ……」

 どうしてこんなにも言葉が見つからないんだろう。
 どうしてこんなにも胸が苦しいのに、相手に伝えることはできないんだろう。
 悔しくて切なくて、1主を見つめる視界がぼやけてくる。

「泣くな2主、男だろ!」

 断ち切るような強い言葉に浮かびかけた涙は消えてしまった。
 そして次の瞬間には強く抱き寄せられていた。

「……お前が頑張ってること、俺はちゃんと分かってるよ」

4872→1 (4/4):2007/12/08(土) 15:26:41
 手袋をしていない大きな手に背中を撫でられる。
 背中を上下する温度に、次第に驚きは諦めへと変わっていく。

「無理はしなくていい。疲れたら休めばいい。困ったり苦しかったりしたら何だって言ってくれ」

 穏やかな、しかし力強い激励を聞きながら2主は考える。
 自分は本当はしがみついてわがままを繰り返して、放したくないのかもしれない。
 そうすれば1主は2主にかまうようになるだろう。彼の正確ではきっと放っておけないだろうから。
 でも自分はそうしないし、そうできない。
 そんなことでこの大人を独り占めすることができないと解るほどには、大人になったから。

「……ありがとう、ご先祖。もう大丈夫だ」

 少し名残惜しい気がしたが、軽く胸を押すようにして2主は1主の腕から逃れた。
 
「また明日も行って来る。……そう、今日はいつもより奥まで進めたんだ!」
「よし、よくやった!それでこそ俺の子孫!」

 ばしん、と強く背中を叩かれる。
 大丈夫だ、と心の中で自分に言い聞かせる。

「おーい!……おっ2主、戻ってたのか!」

 ドアを開けて、さっき出て行ったはずの3主がなにもなかったかのように入ってきた。
 彼が抱えている64の本体とカセットをを見て1主が顔を顰める。

「ちょうどいいや、今度は3人でマリカとスマブラやろうぜ!」
「お前、いい加減に懲りろよ!」

 1主が思わず突っ込みを入れ、2主はたまらず笑い出した。

488sage:2007/12/09(日) 05:05:51
も、萌え・・・!!!
>こんな短い言葉では絶対に足りない。
>けれど、どんな言葉でなら伝えられるのか、まったくもってわからない。
の所とか特に

うはぁあ〜〜貧乏くじ ご先祖1主と天然2主・・・!!

489名無しの勇者:2007/12/09(日) 13:25:52
なんだろう…少年期の同性への憧れと恋愛感情が混同してる感じでキュンとした。
1主が包容力ある大人の男でかっこいい!
ピュアな2主もかわいい!

490名無しの勇者:2008/01/29(火) 18:53:13
自分も本館の設定お借りして6×7です。



7主 コンコン「6主さん、居る〜?」ガチャ
6主「…zzz…」
7主「また寝てるよ。せっかくどら焼き持ってきたのに。おーい。」
7主「お兄ちゃん、起きて一緒にどら焼き食べようよ〜」
7主「…ついでに僕も食べていいんだよ。な〜んて★」
6主「…ムニャ……グーグー」
7主「虚しいな〜これだけスルーされると。でも…ちょっくらい良い目に合わせて
もらってもいいよね。」
ギシッ、モゾモゾ、ゴソゴソ

7主「エヘヘ…1回6主さんを膝枕させてみたかったんだよね。(ナデナデ)髪の毛、硬く
て真っ青だなぁ…睫毛も濃紺だ。あぁもうその半開きの口にどら焼き突っ込んで
しまいたいくらい好きなんだけどなぁ……僕は」
6主「ぅ…くっ、…な、7主…」
7主「わ!聞かれた?ってなんだか急に…眠気が……zzz」

7主「ハッ!こ…ここは…?なんで僕どら焼き持って荒野にいるわけ?」

ウォオオオ!ギン!ガン!ギガディーン!!!グォオオオオオオオオオ
7主「あ、あそこで魔物の群と戦ってるのって…6主さん?」
6主「ハァ…ハァ…くそっ数が多いな…こんな時…」
7主「おーい6主さーん!」
6主「7主がいてくれたら…って7主じゃん!!ななしゅううぅぅぅ〜!!」

4916×7甘め 2/2:2008/01/29(火) 19:06:45
7主「6主さん!どうしたの…ってうわ!何この数!(ブンッ)危なっ(ゴンッ)うわっとと!!」
6主「なんかしんないけど7主(ガンッ)なんとかしてくれーーーーーーー!(ギンッ)」
7主「ええ!?えーと、えーと(どら焼きで両手ふさがってるから…)と、とりあえず…
マ ダ ン テ  ! !   」


6主「ふ〜助かったぜ。サンキュー7主」
7主「う、うん。6主さんはなんであんな数の魔物の群と戦ってたの?」
6主「いや〜たまに魔物が暴れて困るって国民の声があってさ、そーゆー時討伐し
  てんだわ。俺が1番強いから」
7主「そうなんだ…(色々アレだけどやっぱ王子様なんだなぁ…)
6主「今回数多くてさ、まぁそれは俺がくちぶえ吹き過ぎたからなんだけど。
   7主いてくれないかな〜って思ってたらマジでお前来てくれんだもん助かったよ!!
ところでずっと何持ってんの?」
7主「あ…どら焼き…一緒に食べようと思ってたんだけど、もう型崩れてグチャグ
チャだね」
6主「マジ?やった!いただきま〜す!」
7主「え?埃もいっぱいついてるし止めたほうが…(ヒョイ、モグモグ)あ〜あ食べちゃた。
   お腹壊しても知らないよ」
6主「(モグモグ)美味いって。疲れてるから甘いのサイコー!…7主手ぇ出して」
7主「僕の手あんこついてて汚い…ってなに舐めて…っ。汚いってば!」
6主「(ペロペロ)汚くないって…すげえ甘い。なんかこのままお前ごと食べちゃいた
   いんだけど、いいか?」
7主「ええっ!え、え〜……う、ん、いいよ……(うわぁ夢みたいだなぁ)」
6主「じゃうちの城行くか!(夢だと言えんだけどなぁ)

492490:2008/01/29(火) 19:08:30
最初の投稿名前欄1/2です。あと改行もぐちゃぐちゃで申し訳ないです…。

49378or87(48、67前提) 1/5:2008/02/07(木) 00:46:21
音のない室内、人気のない広間。
誰にも遠慮する事はないのに決まった席へと座り、なんとなく食べたくなって買ったデザートの桃に手を伸ばす。

「最近みんな外出しすぎだと思わない?」

ピンク色の薄い皮を剥いている内に指についた果汁を舐めとり、隣の席でプリンの欠片を突付いている青年に話しかける。

「3主さんみたいに引き篭もりニート状態になるよりはいいんじゃないですか?」

最後の一口のプリンを名残惜しそうに見つめながら、やる気のない返事。

「それはそうなんだけど…ロト組が出かけると、決まって天空組もいなくなるじゃない?」
「あー…確かに…で、6主さんを4主さんと5主さんにをとられたみたいでご立腹なわけですか」
「なっ、何言ってるのさ、別に6主さんがいないから寂しいとか、夕食の作りがいがないとか、
 ちょっとベッドが広すぎるとか、全然考えてなんかないんだからね…って…はっ!」

内心しまったと舌打ちすると、青年がほれみろと言わんばかりの表情を見せた。

「7主さんにしては珍しく思い切り動揺してますね」

言いながらスプーンの上で踊っていたプリンを口の中へ運ぶ。

「はぁ…でも8主君だって4主さんがいなくて寂しいんじゃないの?今回は一週間も離れ離れだっていうのに」
「僕達は普段はドライな関係ですから、何の問題も」
「ふうん」

いつもながら自分の本性を見せないあたり、したたかだと思う。

「でも6主さんに会えなくて落ち込んでる7主さん、かわいいですね、6主さんが押し倒したくなる気持ちもわかるような気がします」
「普段仲悪い癖に、夜4主さんにこれでもかってくらいにゃんにゃんしてる8主君に言われたくないね」

49478or87(48、67前提) 2/5:2008/02/07(木) 00:47:25
言われ続けるのは性に合わない、負けじと少年も切り返す。

「うぐっ…み、見てたんですか!?」
「舌っ足らずな声で『4主さあん膝枕ー』とか、どこの馬鹿っプルですかと問い詰めたかったね」
「…っ!」
「それに比べたらまだ僕の方がまだ男らしいと思うよ」
「さっきまで『寂しいよぉ6主さん、早く帰ってきてぇ』オーラ全開だった7主さんに言われたくありません、女々しいったらないですよ」
「むかっ…じゃあどっちが男らしいか、これから勝負しようか」
「…臨む所です」

かくして互いに一歩も譲れない戦の火蓋が切って落とされた。

「で、勝負の方法は」
「どっちがより相手をリード出来るかっていうのでどうですか?」
「いいよ、じゃあまずはお互いに抱き合ってから、キスしてベッドインまでっていう流れでね」
「最終的に組み敷かれた方が負けって事で」

方向性がだいぶ間違っている気がするが、展開は自重することなく先へと進みはじめる。

「…」
「…」
「……あの」
「ちょっと…」
「あまり真剣に見つめないでもらえますか」
「8主君こそ…」

見つめ合っている内に、気分が高揚していくのがわかる。

「と、とにかく次は抱き合お…」
「わ、わかりました」

49578or87(48、67前提) 3/5:2008/02/07(木) 00:50:14
一呼吸おいて、互いに背中に腕を回し、互いの体を寄せ合って目を閉じた。

「…ん…(意外と…柔らか…い?それに…なんだか…甘い匂いが…)」
「……う…(細…このまま力入れたら…折れそう…あ…桃の香りがする…)」

その芳香に体の力が抜けていく。

「(やば…)8主君、プリン食べすぎなんじゃないの?こんなさわり心地のいい肌しちゃってさ」
「(このままだと…負ける…)7主さんこそ、成長の欠片も見られませんよ、まるで女の子みたいじゃありませんか」

互いに今の状態を悟られまいと強がるが、今にも膝をついてしまいそうだ。

「とにかく…次で最後だよ…覚悟しなよ」
「僕だって負けるつもりは…ありません」

言い終えると、互いの唇を重ねあった。
さっきまで食べていたデザートの味がする。

(なんだかぼーっとして来ちゃった…このまま倒れちゃっても…けど…)
(もう立ってるの限界かも…でも…)

《負けるわけにはいかない!》

もはや後戻り出来ない状態の二人の行為は留まる事を知らず。
少年が青年の唇を無理やり舌でこじ開け、そのまま口内へとねじ込んだ。
逃げようとする舌を執拗に追いかけ、互いの舌を絡ませるようにねぶる。

「んー!んぅー!」

その行為に青年は驚き、声にならない声を上げた。

49678or87(48、67前提) 4/5:2008/02/07(木) 00:51:12
(このままいけば僕の勝ち…!)

「…ひぁっ」

しかし、突然体を襲った刺激に、自ら口を離す。
それと同時に、糸を引いた唾液が床へ弧を描いて落ちていく。

「や…くすぐった…」

青年の様子を伺うと、したり顔でこちらを見ていた。

「危なかったですよ今のは…7主さんが感じやすい体で助かりました」

いつの間にか上着がたくしあげられ、露になったわき腹に指をあてられている。
青年はそこに置いた指をそっと円を描くようにゆっくりと撫ではじめた。

「ぁ…やめっ…」
「ほら…7主さん、このまま楽になっちゃいましょう…もっと気持ちいい事もしてあげますから」

耳元で囁かれ、体が震える。

(くっ…こうなったら)

窮地に立たされた少年は、目の前に曝け出された青年の首筋に思い切り噛み付いた。

「痛っ!」

そして出来た噛み跡を更に舌でぺろぺろと舐め始める。

「うぁ…くっ…」

49778or87(48、67前提) 5/5:2008/02/07(木) 00:52:22
そのなんとも言えない感触に思わず声を上げ、少年を押し倒すかのように体制を崩す。
同時にその頭を両手でがっちりと押さえ込み、その瞼に舌を這わせた。

「…7主さん…僕…なんだか勝負どうでもよくなってきちゃいました…」
「うん…僕も…今日はこのまま二人で…過ごそっか…」





「で、どうするんだあれ」
「寂しいだろうからって早めに帰って来てみれば、旦那のいない間に『今晩はお楽しみですね』とは」
「ちゃんと躾ておけよ…」
「俺んとこは本番さえ行かなきゃOK、俺ってば大らか〜、流石皆のお兄ちゃん…けど」
「流石にあんな状態見せられたらな…」
「…誰がご主人様かっていうのをしっかり覚えて貰う必要がありそうだ」
「あんまり無茶はするんじゃないぞ」
「お前もな」

夜はまだ、始まったばかりのようだ。

498名無しの勇者:2008/02/07(木) 00:53:54
ムラムラして書いた、反省はしていない。

499名無しの勇者:2008/02/07(木) 10:49:52
これは性的な果汁ですね

500名無しの勇者:2008/02/07(木) 19:04:41
ご主人様方のお仕置きが気になって仕方ありません

5014→2だか24だか 1/2:2008/02/16(土) 04:44:09
過去ログ読んでたら4→2萌えが来たのでバレンタインネタ。本家ネタも少し。
4主がテラオトメ


2主「ただいま!」
4主「おかえり、お疲れさん」
2主「……?なんか、チョコのにおいがする」
4主「鋭いな。チョコレートケーキあるんだが、食うか?」
2主「おお!これ、買ってきたのか?」
4主「いや、作った」
2主「4主はすごいな!」
4主「売り物でもあるから、味はそれなりに保証するぞ」
2主「4主の料理はいつもうまいもんな。いただきます!」

3主「あーあー、なんだ4主のあの満ち足りた顔」
7主「4女さんと『彼女』と……えーと、3人でケーキ食べてたときと、
   あまり変わらない幸せオーラだね」
1主「2主はうまそうに食べるからな。あの食べっぷりは微笑ましいが」
5主「それだけじゃないんだろうね」
8主「あのザッハトルテ、明らかに僕らのより気合い入ってますよ」
6主「俺らに回ってきたのは売るには微妙な、端が欠けたりしたやつだったからな。
   味には影響なかったが」
8主「それだけじゃないですって。チョコの色つやが段違いです」
7主「なんでここから見えるの」
8主「それはもう、甘いもの好きの名にかけて」
7主「限度があるよ」

2主「すっげーうまかった!ごち…」
4主「あ、もう一切れあるけど」
2主「いただきまーす!」

5024→2だか24だか 2/2:2008/02/16(土) 04:45:04
3主「わかりやすい贔屓ktkr」
8主「ちょ、ずるい……」
6主「まあまあ、たまには4主も甘やかしてやろうぜ」
3主「2つ目なのに2主もよく食うよな」
5主「うーん、あれ2切れ続けてはちょっと」
8主「何言ってんですか、あんなのホールでも2ついけますよ」
1主「胸やけしてきた……」
3主「にしても、2主はあのケーキの意味わかってんのか」
6主「4主からして意識してるのかあやしいし、そもそも当日じゃないからな」
7主「わかりやすいデコレーションしてるわけでもないしね」

2主「ごちそうさま!」
4主「ん、うまかったならよかった」
2主「ほんとにうまかった。来年も食べたいな」
4主「ああ、食べたくなったらいつでも……え、来年?」
2主「ちゃんと、お返しするからな!」
4主「……ああ。来年も、毎年でも作るよ」

5主「……通じてた、と考えるべきかな」
3主「胸やけしてきた……」
1主「来年はさらに入魂のケーキが出来そうだな」
8主「僕らにもお裾分けがあるならいいですけど」
7主「わー、4主さんの顔が嘘みたいに和やか」
6主「あれ観察してても面白そうだけど、そろそろ」
全主「邪魔しに行こうか」

503名無しの勇者:2008/02/16(土) 19:40:48
主雑の雰囲気を保ちつつの良ネタに和んだ&悶えますた
姐さんGJ!

しかし邪魔しに行くのかwww

504名無しの勇者:2008/02/16(土) 20:35:41
24可愛いよ24ハアハア

他主達は2主に嫉妬してるのかそれとも4主に嫉妬してるのか

505名無しの勇者:2008/02/17(日) 02:39:43
どっちかに嫉妬だったりケーキに嫉妬だったり単純にラブラブに嫉妬だったり

24かわいいよかわいいよ
邪魔されたあととかまで妄想広がる可愛さ

506ほのぼの7×8 1/5:2008/03/22(土) 18:12:00
7主「ポカポカして気持ちいいなぁ…今日は釣り日和だ、ほんと。
   待ってるときの、こののんびり感が
   すっごい心地いいんだよね」

  ザザーン…
     ザザーン…

7主「いーい天気だぁー……」
8主「ですよねぇ……」
7主「ねー、眩しい太陽と、青い波と、白い雲と、やたらカラフルな8主くん…
   …って何で8主くんいつの間に!」
8主「狙うは一つ、クロマグロのみ!!」
7主「いつの間に僕の船に来たのさ、ここ海のど真ん中だよ」
8主「やだなぁ7主さん。イタズラ命の僕は
   だいたいの要所はルーラ登録済みです。この船も例外じゃない!」
7主「まったくもー、今日は僕、一人で釣りしてるんだよ」
8主「ふふふ。今日僕がここに来たのはただジャマするためじゃありません。
   7主さんに挑戦状を叩きつけるためなんです!」
7主「え、挑戦?それじゃヒツジさんスタンバイ!」
8主「ちょちょちょちょちょ違いますよ。
   釣り勝負です釣り勝負!だからこの僕を絶好の釣りポイントに
   案内してください!」
7主「釣り勝負じゃー8主くん勝ち目ない気がするんだけどなぁ」
8主「ッフ…、僕をナメちゃいけませんよ!」ゴゴゴゴゴ
7主「テンション上げと釣りの上手さに関連性は無いと思う」
8主「え、マジですか?」

507ほのぼの7×8 2/5:2008/03/22(土) 18:12:34
7主「よっし、釣れた釣れた」
8主「……」
7主「8主くん、調子はどう?」
8主「……魚が僕に恐れをなして逃げてるんですよね」
7主「それを世間では釣れないって言うんだよ」
8主「むぅ……7主さん、あの、その…」
7主「ん?どうしたの?」
8主「いや、その……、あ、好きな料理ってありますか?」
7主「料理?何で?」
8主「いや!その!あの、あはは、えーと…
   あ、7主さんって魚くさいじゃないですかっ!」
7主「いきなりどんな悪口さ」
8主「違うんです違うんです。あのですね。
   えー…魚の気持ちがわかる7主さんの好きなものをエサにしたら、
   魚もバンバン釣れるんじゃないかと」
7主「そーいうもんかなぁ…
   えっとね、そうだなーグラタンとか、ヨーグルトとか
   小松菜とか小魚のフライとか……」
8主「見事なまでのカルシウム豊富っぷり。
   これでこの体格とは涙を禁じえな」
7主「アルテマソ」
8主「ごめんなさい」
7主「いいよいいよ…どうせ僕身長低いからカッコよくないもん…」
8主「な、そんなことないですよ!!」
7主「そう…?」
8主「僕だってチビだから7主さんの気持ちわかるつもりですし…
   それに漁やってるときの7主さんとか、正直、あの、その」
7主「…?」
8主「…うっわぁ!何でもないです!それより早く釣りまくってきますから
   見てやがれ7主さん!!」
7主「う、うん…?」

508ほのぼの7×8 3/5:2008/03/22(土) 18:13:00
7主「なんか8主くん最近様子がおかしいなぁ」
7主「まぁそんなとこも可愛らしいよね…」
7主「…わわ、いや何言ってるんだ僕。釣りに集中しよっと」
7主「……」
  ザザーン…
     ザザーン…
7主「8主くん…」


8主「あー釣れない!何でですかーもう魚のアホ!
   バカ!ラプソーンそっくりですよあんたら!!」
7主「8主くーん」
8主「うわっ!7主さん!あとちょっとで釣れますから
   ちょっと待ってください!」
7主「えっとね、…あ、釣りのコツ教えてあげるから」
8主「え?…でも、僕自分で釣れますから、待ってて…」
7主「ダメダメ、こーいうのは経験者が教えないとさ。
   まずね、針とエサには相性があるんだ。
   食いつきがいいものがわかるまで変えてみるといいよ」
8主「…わかってますもん」
7主「いいからいいから。それで、竿の持ち方はね…
   えーと、ちょっと持ってみて」
8主「え?こうですか?」
7主「違う違う。持ったままでいて。手はここに…」
8主「ちょちょちょちょちょ7主さん、くっつきすぎなんですけどカラダが」
7主「あはは、8主くん赤くなってるー」
8主「いやいやいやそんなことないです。わかります」
7主「へへ…そんな感じであとは静かに待ってれば、絶対釣れるから。頑張って!」
8主「あ、…はい!頑張りますから!」

509ほのぼの7×8 4/5:2008/03/22(土) 18:13:40
7主「…そろそろ日も暮れてきたかな。おーい、8主くん」
7主「……あれ、8主くん?」
7主「……」
7主「帰っちゃったのかな…」
7主「…うーん、まぁ、村に帰ろっかな」
  ザザーン…
     ザザーン…
7主「何か、…8主くんが近くで騒いでるのに慣れちゃったのかな…」
7主「…さみしいや」

    ヒュオンッ!

8主「ふぅ、いい汗かきました」
7主「わ、わわ、8主くん!」
8主「見てくださいよ7主さん!魚を素材に錬金しまくってたとこなんです!」
7主「え、てことは釣れたんだ!よかったね8主くんっ」
8主「えへへ、まあ僕の才能ならこんなもんですから」
7主「ふふふ。何作ったの?」
8主「それは、…えっと、この船の食事室に置いておきましたから見てください!
   それじゃ僕はこれで!」
    ヒュインッ!

7主「あ、ちょっと…行っちゃった」
7主「とりあえず見にいこうかな」

510ほのぼの7×8 5/5:2008/03/22(土) 18:13:59
7主「わ、すごい!小松菜と小魚の和え物にワカサギフライ、
   シーフードグラタンにヨーグルト!」
7主「全部僕の好物じゃないか!うわー嬉しいなぁ」
7主「…これ、作った人と一緒に食べれたらもっと嬉しいんだけどな♪」
8主「(ガサッ)…ほんとですか!?」
7主「やっぱり、いると思ったよ8主くん」
8主「そ、そりゃー反応くらいは見たいですもん。
   腕によりをかけて錬金しましたから。その、7主さんのためだけに」
7主「8主くん」
8主「へ?」
   チュッ
7主「ありがとう♪」
8主「…なななななな、いきなりしないでくださいよぉ!」
7主「へへ、さっき僕の好物聞いてきたのもこのためでしょ?
   8主くんてさ、ほんっと可愛いよね」
8主「何言ってるんですか、いや僕はただ、獲った食材で
   自力で料理プレゼントしたいなぁなんて…」
7主「こんな嬉しいことってないよ、ほんとにさ。
   ね、一緒に食べよう?プリンも貯蔵庫に用意してあるから」
8主「マジですか!いただきますいただきます!」
7主「それじゃ、今晩ヒマなら一緒に船に泊まってこうよ」
8主「…ま、まぁ、ヒマだしいいですけどね…」
7主「ふふふ」
8主「7主さんものすごい笑顔丸出しですね」
7主「そういう8主くんもねっ」

511名無しの勇者:2008/03/22(土) 18:33:59
>>506-510
うっわ可愛すぎる
ほのぼの萌えをありがとう!

512名無しの勇者:2008/03/23(日) 03:47:14
78は普通に可愛いから困る。
見た目ショタなくせに8主の前だと先輩な7主とか
7主には比較的素直な8主とかマジ萌えるわぁ・・・!
果汁好きだー

51323スレ目>>382-389ネタ 1→3:2008/03/29(土) 19:39:38
3主「しかし、頑張るっていったって二枚目キャラでもダメなわけだろ?
   それじゃあ俺、一体どう頑張ったらいいんだよ。
   なあ、彼女持ちとしてはどう思う?俺どうしたらいい?」
1主「さぁてね……。嫌いな相手にそんなことを訊くとはご先祖も殊勝だなあ」
3主「……何だよ、根に持ってんのかよ。お前本当変に粘着質なところあるよな!」
1主「だから、嫌いなんだろ?」
3主「いや、……あれはその場の勢いで」
1主「解ってるさ。どうせ俺は粘着質で意固地でそのくせ優柔不断で村人Aで仲間のいない男だからな」
3主「そこまで言ってな……」
1主「ほらほら、嫌いなんだろう?嫌いな相手と敢えて喋るなんて、いい男になるための修行か何かか?」
3主「おまえ……、いい加減にしろよ……!」
1主「だって、嫌いなんだろう?」
3主「ニヤニヤしながら言うなよ、だからあれは勢いだって」
1主「でも、嫌いなんだろう?」
3主「無限ループかよ!違うってば」
1主「嫌いなんだろう?」
3主「……違うって、言ってるだろ!なぁ、もうやめてくれよ!俺が悪かった!
   そんな……ふう、に……理不尽なこと言われたら、どうしたらいいか解んないだろ……!」
1主「………………」
3主「反省するからさ……俺が、悪かったから……だから……」
1主「……理不尽に嫌われて、どういう気持ちになるか解っただろ?」
3主「え」
1主「悪いな、ちょっと意地悪してやりたくなっただけだ」
3主「……なん、だよそれ……何だよそれぇ!」
1主「いやーご先祖があんまり必死だからつい」
3主「つい、じゃねぇよ!何だそれふざけんなバカ!」
1主「そのままでいいよ」
3主「あ?」
1主「そのままでも好きになる奴はいるって」
3主「どこにだよ。また不確定要素持ち出しやがって。お前本当変に日和見なところあるよな!」
1主「wwww」
3主「……だからニヤニヤ笑うなっつの!」

514名無しの勇者:2008/03/29(土) 20:57:36
これはテラウフフ

515名無しの勇者:2008/03/30(日) 18:22:34
読んでてニヤニヤしちゃったじゃないか

516名無しの勇者:2008/04/01(火) 01:18:29
うはww1主も3主も萌えるwww

517名無しの勇者:2008/05/22(木) 06:08:56
>>493-497
遅レスだがGJ!
あと1年は戦えるくらい萌えました!
>>500と同じくお仕置きが気になるw

5188→4前提で、8主と2主 1/2:2008/05/26(月) 21:27:35
8主「おや、2主さん宿題ですか?」
2主「算数の宿題だぞ」
8主「毎日大変ですねぇ」
2主「おう、大変だけど4主が一生懸命教えてくれてるから
   がんばるぞ」
8主「2主さんは偉いですね」
2主「そうでもないぞ」
8主「そうでもないことないですよ。
   2主さんは毎日よく頑張ってますし。
   ・・・2主さんは、良いですね」
2主「ん?なにがだ?」
8主「あ!いや・・・変なことを言ってしまってすみません。
   今のは忘れてください」
2主「う〜ん、そんな風にいわれると少し気になるぞ」
8主「じゃあ、4主さんには絶対内緒にしてくださいね?」
2主「わかった」
8主「2主さんと4主さんの仲が、少し羨ましいな、って思ったんです。
   僕は2主さんのように4主さんとは話せませんから」
2主「そうなのか?でも、8主と4主はすごく仲がいいと思うぞ」
8主「そんなことないですよ。
   いつも喧嘩ばかりしていますし」
2主「・・・そういえば、前に4主もそんなことを言っていたな」
8主「え?4主さんがですか?」
2主「前に8主が算数を教えてくれたあとに、
   今の8主と同じようなことを4主が言っていたんだ」
8主「4主さんが・・・ですか」
2主「だから、大丈夫だとおもうぞ」
8主「え?」
2主「・・・よし、できたぞ!
   8主、答え合わせをしてくれないか?」   
8主「え、ええ・・・。
   ・・・2主さん、これなら大丈夫です。4主さんにも褒めてもらえますよ」
2主「そうか!ありがとう8主」
8主「僕のほうこそ、ありがとうございました」
2主「ふふっ、俺は8主と4主が仲良くしていると嬉しいからな!」
8主「そうなんですか?」
2主「そうなんだ!」

5198→4前提で、8主と2主 2/2:2008/05/26(月) 21:28:47
3主「なんかさー、こないだ2主の勉強風景みてたら
   何か親子みたいなんだよ、アイツら。
   そんで、2主にアイツらお前のお父さんとお母さんみたいだな、って
   思わず言っちゃったんだよ」
1主「たしかに、アイツら3人揃うと親子みたいだよなw
   ・・・で、2主はなんて?」
3主「んー、なんか知らんがすげー喜んでたな」
1主「ふーん。よくわからんが2主がそれで良いなら良いんじゃね?」
3主「だなー」
1主「・・・でも、アイツらに2主をとられたみたいで、ちょっと寂しいな」
3主「お前は男に娘をとられた父親みたいだなw」

520名無しの勇者:2008/05/27(火) 00:35:11
きゅんきゅんした(*´Д`)

521名無しの勇者:2008/05/27(火) 23:09:10
>>518-519
ええはなしだな〜
このままついでに48をお願いしたい気分になるよw

522名無しの勇者:2008/05/27(火) 23:09:52
↑間違った84ね

52384と愉快な仲間たち 0/2:2008/05/28(水) 21:26:18
>>518-519の後日談みたいな感じです。
よーしパパ、レス貰ったしついでで投下しちゃうぞ〜!

とりあえず、これで全主を登場させられたから
それだけで満足だ。
みんなでワイワイしてるの大好き。

52484と愉快な仲間たち 1/2:2008/05/28(水) 21:28:38
8主「お義父さん、4主さんを僕にください!」
5主「だれがお前のお義父さんだっ!娘は嫁にやらんぞ!!
   ・・・って、4主??」
6主「そうだ!それに俺はお義父さんじゃなくておにいちゃんだ!!
   ・・・ん?5娘ちゃんじゃなくて、4主?」

4主「お前らうっさい!8主、てめぇはいきなり現れて何の話をしてんだ!」
8主「え?つ >>518-519 の話ですけど」
4主「・・・・・・なんだ、これは。
   2主と親子、まではまだ良いとしても何でお前なんぞと
   夫婦だとか言われねばならんのだ…!」
8主「や〜、僕たちそう見えちゃってるらしいんですよ。テヘッ☆
   これって公認ですかね?」
4主「えぇい!満面の笑みで気色悪いことを言うな!喜ぶな!!」
8主「ふふふ、4主さんはツンデレですね!」
4主「誰がツンデレだ!大体ツンデレはお前だろうが!
   いっつもいっつもわかりづらいアプローチばっかりしやがって!」
8主「・・・あれ?もしかして・・・・・・気付いて、たんですか?」
4主「っ・・・!あ・・・っいや、その・・・い、今のは、だな・・その・・・・・・」
8主「顔、真っ赤ですよ?
   ・・・・・・なぁんだ、4主さんの方がよっぽどツンデレなんじゃないですか」
4主「うるさい、ばか!半竜!目に悪い配色の服着やがって!
   あと、えーと、アレだ!腹黒!ツンデレ!」
8主「いや、だから、ツンデレは4主さんでしょう?」
4主「っ〜!・・・そのニヤニヤした顏やめろ」
8主「えへへ。・・・ね、4主さん」
4主「なんだよ」
8主「これからも、一緒に2主さんのお勉強をみていきましょうね。
   僕、なるべく邪魔しないようにしますから」
4主「・・・・・・なるべく、じゃなくて勉強の邪魔はするなよ」
8主「努力はします」
4主「ばーか」

52584と愉快な仲間たち 2/2:2008/05/28(水) 21:30:02
5主「うーん、見事に置いてきぼりだねぇ」
6主「なあ、アイツら結局何しにきたわけ?」
5主「さあ?何かよく分からないけど上手い具合に
   納まったみたいだから良いんじゃないのかな」
6主「まぁな〜」
5主「しかしあれだな。娘に彼氏を紹介されたときの
   父親の心境ってのはこんな感じなんだろうな。パパチョッピリサミシス」
6主「それはもういいっつうのw」


7主「あれー?皆であつまって何の話?」

5・6主(・・・そういや、7主のこと忘れてたな)

6主「まあ、あれだ。7主、天空組の弟に な ら な い か ?」
7主「意味がわからないよ!」

5265勇+4主:2008/06/15(日) 22:04:16
5勇「4主さーん!」トテテテテ
4主「5勇じゃないか。一人で来たのか?」
5勇「うん、今日は父の日だから、ご先祖様の4主さんにもプレゼント。ハイ!」
4主「ああ……ありがとう」
4主(うーん…ちょっと複雑な気分だな)

4主「…ん? そういえば、母の日には4女に何かやってたっけ?」
5勇「ううん、上げてないよ?」
4主「…??? あいつもご先祖様だぞ?」
5勇「前にね、4女さんにご先祖様って言ったら……」

4女『やあねえ、私がシンシアちゃん以外の人に恋するはずないじゃない!
   だから5勇、アナタ達が私の子孫て事は有り得ないわ、絶対!』

5勇「……って。」
4主「……アイツ……」
5勇「それにね」
4主「うん?」
5勇「お父さんがね、こじ付けでも何でもいいから、記念日には贈り物をするのが
   好きな人とずっとラブラブでいる為の秘訣なんだよって教えてくれたんだ!」
4主「ふーん…5主もロクな事言わねえなあ……」
5勇「じゃあ僕、もう帰ります。今度はお手伝いに来るね!」
4主「……ん?」
5勇「またね、さよーならー」(5勇はキメラの翼を使った!)
4主「おーい?」

4主(????)

527名無しの勇者:2008/06/16(月) 00:50:40
キュンキュンした(*´д`*)
5勇かわいいなぁ

528名無しの勇者:2008/06/17(火) 01:57:22
これはかわいすぎるときめくキュン死する
>>524-525と合わせて次男にしたい
ごちそうさまでした(*´∀`)

529526:2008/06/17(火) 18:54:42
レスありがとう、キュンとしていただけて嬉しいです
正直こんなに早くレスもらえるとは思ってなかったので、ちょっとビビりましたw

>>125>>129の続きでした…一年以上ぶりとかワロスwww

530名無しの勇者:2008/06/20(金) 01:03:01
>>125>>129の続きが読めるとは思いませんでした。
超GJ!
>>524-525も超GJ!

53184 ある意味無限ループ:2008/06/20(金) 23:09:13
4主「最っっっ悪だ・・・」

8主「・・・何がですか?」
4主「全部。この状況の全てが、もう最悪」
8主「えー、どこら辺がですか?」
4主「目が覚めたら頭は痛いわ、隣で真っ裸の8主が寝てるわ
  よく見たら自分も真っ裸だわ、身体はあっちこっち痛いわ・・・」
8主「あぁ、昨夜はぐでんぐでんになってましたもんね。
  もしかして、昨夜のことは何も覚えてません?」
4主「それが所々微妙に覚えてるもんだから、これがまた腹の立つ・・・一生の不覚だ・・・OTL」
8主「あ、少しは覚えてるんですか。いやぁ、昨夜の4主さんったら・・・」
4主「言うな!!・・・あ〜もう、昨日のことはなかったことにしたい・・・頭いてー」
8主「・・・じゃあ、時間を戻してみたら良いんじゃないですか?」
4主「は?」
8主「つ『時の砂』」
4主「・・・!お前頭良いな!そうか!俺には時の砂があった!!
  よっしゃ!これを使えば昨日の出来事はなかったことに・・・!
  お前マジ天才!!ちょっと見直したぜ!」
8主「いえいえ、お役に立てたなら良かったです」
4主「じゃあ早速・・・」


4主は 時の砂を ふりまいた!
時間が ぎゃくもどりした!


4主「う〜気持ち悪い〜」
8主「4主さん、大丈夫デスカー?・・・まあ、普通に考えて多少時間を戻したところで
  また元の酔っ払い状態に戻るってだけなんですよねー」
4主「はぁ・・・なんか・・・暑くなってきた・・・」
8主「何回騙されるか試してみるのも面白そうだなぁ。
  ・・・さて、とりあえず今は目の前の据え膳を頂いときますか♪ (・∀・)イタダキマース」


そして 一行目へ・・・

532名無しの勇者:2008/06/20(金) 23:26:26
8主テラ悪辣www
4主現状把握しすぎwww

>>531GJ!

5335主と8主 1/2:2008/08/05(火) 23:41:08
8主「はぁ・・・」
5主「おや、溜息なんてついてどうしたんだい?」
8主「あぁ・・・5主さんですか・・・そうですね、今日は5主さんのお相手をする日でした」
5主「8月5日だからね。エロキングとしては非常に不本意だが念のため
  今日はファイトいっぱつでドーピングをしてこの日に備えてきたよ」
8主「そうですか。いやでも今日はそれどころじゃないんですよ」
5主「何かあったのかい?」
8主「僕はこの月に入ってから、1日は1主さんとそれぞれの姫について語り合い、
  2主さんとはお勉強をして過ごしてきました」
5主「へぇ、良い過ごし方じゃないか」
8主「はい。ところが問題は3日なんです。この流れでいけば当然3主さんが相手だと思い
  密かに楽しみにしながらその日を迎えたんです。すると、そこにいたのは・・・ハッサンさんでした」
5主「うほっ!それは・・・災難だったな」
8主「あまりの出来事に僕は動転し、その場から逃げようとして思いっきりすっ転んでしまい、
  そのまま丸一日意識を失っていました」
5主「・・・それで?」
8主「丸一日経過して今日という日を迎えています」
5主「うーん、その話し振りでいくと、君は別にハッサンとうほっ!なことがあったわけでもないんだろ?
  一体なにが問題なんだ?」
8主「僕が丸一日意識を失っていた所為で、肝心の8月4日を寝過ごしてしまったことが問題なんです」
5主「・・・あぁ、そういうことか」
8主「そういうことかって何ですか!僕が一体どれだけこの日を楽しみにしていたか・・・!
  せっかく4主さんにあんなことしたりこんなことしたり、ドサクサに紛れてそんなことしてもらっちゃおっかな♪
  ・・・とか毎晩毎晩楽しみに考えていたのに全部台無しですよ・・・! OTL」
5主「まあ長い人生そんなこともあるさ。
  仕方ない、よーし、今日はパパはりきってサービスしちゃうぞー!」
8主「うぅ、5主さんとあんなことやそんなことしてもちっとも楽しくないです・・・」
5主「まぁそういうなよ。重婚で培った俺の超絶テクを披露してやるからさw」
8主「ちょwwwその流れでいくと僕が下になっちゃうじゃないですかwwwwテライヤスwwwwwww
  って、うわ!脱がすのはやっ!!あっ、あっ、そんなとこ触っちゃらめえええええええええ!!!」

5345主と8主 2/2:2008/08/05(火) 23:42:33
8主「うぅ・・・お嫁にいけない身体にされてしまった・・・OTL」
4主「あいつは部屋の隅で一体なにをブツブツと言っているんだ?」
5主「まぁ、人には触れられたくないことが色々とあるんだよ、うん」
4主「ふーん。何か知らんがあとでプリンでも作ってやるか・・・」

535名無しの勇者:2008/08/06(水) 22:10:14
食われたw
こういうノリ好きだー

536名無しの勇者:2008/08/06(水) 22:53:47
8主、どんなところ触られたんだかkwsk

さりげに優しい4主に萌えたw

537>>533から続いて8主と6主:2008/08/06(水) 23:07:06
8主「は〜・・・」
6主「お、8主!何だ、悩みがあるならおにいちゃんが聞いてやるぞ!」
8主「あぁ、今日はもう6日ですか・・・。いや、ここ数日ロクなことがなくて落ち込んでるんですよ・・・」
6主「そうか!まあ生ハムメロンでも食べて元気だせよ!」
8主「・・・有難うございます。生ハムメロンってちょっと贅沢な感じがしますよねw」
6主「メロンの甘みに生ハムの程よい塩気が最高だな!うん、美味い!
  これは是非妹たちにも食べさせてやらねば!」
8主「あれ、まだ皆に配ってないんですか?」
6主「まあ、何か死にそうな顔して部屋の隅でウジウジしてるヤツがいたからなw
  それじゃ、お兄ちゃんは妹たちに生ハムメロン配ってくるから!それ食ったら元気だせよ!じゃあな!」
8主「あ、6主さん!・・・お礼を言う前に去っていっちゃいましたか。
  それにしても美味しいなぁ、この生ハムメロン」

2主「ジー・・・」
4主「ん?2主、さっきから何を見てるんだ?」
2主「8主と6主の方だぞ。あの2人がさっきからハムハムしてて・・・すごく・・・美味しそうです」
4主「2主、その表現は誤解を招くからやめろな。
  今日はハムの日だし、夕飯も何かハムを使った料理にするか」
2主「ハム♪ハム♪」
4主「・・・野菜も食べないと駄目だからな」
2主「う・・・が、がんばるぞ!」
4主「よし。じゃ、買い物に付き合ってくれ」
2主「おう!・・・元気がでたみたいだから8主もさそってきていいか?」
4主「む〜。アイツがくるとやたらプリンを放り込むから嫌なんだが・・・たまにはいいか」
2主「よし、じゃあ呼んでくるぞ!お〜い、8主〜!」
4主「やれやれ。まあ元気になったんなら良いか、うん」

538さらに続いて8主と7主 1/2:2008/08/07(木) 23:02:28
7主「やあ、8主くん。今日はもう元気そうだね」
8主「ええ、おかげさまで。84の日を逃したことは悔しいですが、また来年リベンジします。
  4主さんから貰ったプリンウマー」
7主「8月3日を無事にやり過ごすことが条件になりそうだねwさて、じゃあ今日はどうする?」
8主「そうですねぇ・・・僕がたまに破廉恥なことを考えるとロクなことに
  ならないってことがここ数日で十分身に染みましたし、下ネタはナシの方向で」
7主「そうだね、僕に破廉恥行為を行おうなんて考えたら大量の羊さんをお見舞いしちゃうよ☆」
8主「こんな場所でもエロ撲委ですかwさて、どうしましょう?」
7主「そうだ!撲、夏休みにはいってから毎日朝顔の観察をしてるんだけど・・・」
8主「7主さん・・・いくら見た目が小学生だからって朝顔の観察なんてそんな、似合いすぎますよ!」
7主「アルテマソー・・・」
8主「冗談ですよ、冗談!・・・で、朝顔がどうしたんです?」
7主「次につまらない冗談を言ったら容赦なくアルテマソードだからね。
  ・・・で、朝顔を育ててるんだけど、その朝顔が何だか最近元気がないから
  8主くんの錬金釜を使って栄養剤を作るっていうのはどうだろう」
8主「ふんふん、87の日ですし丁度良いですね!
  ついでに朝顔の品種改良とかもしちゃいましょうよ、7主さん!」
7主「そうだね、やるからには最高のものを作ろうよ、8主くん!」

539さらに続いて8主と7主 2/2:2008/08/07(木) 23:03:03
1主「・・・で、何故か宿舎が謎の植物に覆われているわけだが」
5主「うーん、呪われたトロデーン城よりもひどいね・・・ってうわっ!何かウネウネしてる!キンモー☆」
3主「ま た お ま え ら か。こんな場所でまで宿舎を滅茶苦茶にしやがって!」
8主「違います!これは宿舎の全体を植物で覆うことによって
  宿舎に地球温暖化対策を施したんです!」
7主「そうだよ!宿舎を植物で覆うことにより宿舎に入る紫外線を大幅カット、
  緑もいっぱいで地球に優しいエコ宿舎に生まれ変わったんだよ!」
8主「そうです!これぞ世界中にファンをもつ僕らドラクエ主人公に
  ふさわしいエコ宿舎なんですよ!」
4主「・・・よし、言い訳はそれだけか?」
6主「それじゃあ恒例のギガデインギガソードギガスラッシュバギクロスベキラマバコッ、といきたいところだが・・・」
3主「それでは面白く・・・ゲフン!・・・いや、お前らは懲りんだろうから今日はスペシャルなゲストをお呼びした」
5主「ハッサンさ〜ん、オルゴ姐さ〜ん、お願いしま〜す!」

ハッサン「ウホッ!」
オルゴ「んもう、7主ちゃんたら聞いたわよぉ〜?また宿舎を駄目にしちゃったんですってね!
   そんな悪い子にはお姐さんがお仕置きし・ちゃ・う・ぞ☆」

7・8主『・・・・・・・・・・・・・・・っ!?』

オルゴ「うふふふ、お2人とも覚悟はいいかしら?」
ハッサン「うほっ! や ら な い か ?」

8主「まさか最後の最後にこんなことが・・・!」
7主「ふふ・・・8主くん。遺書は書いたかい・・・?僕はもう覚悟を決めたよ・・・ぐふっ」
8主「そんな!あきらめないで下さい7主さん、7主さあああッアーん!ぐふっ」

540538:2008/08/07(木) 23:05:02
8月4日に何もしないでやり過ごしてしまったのが
悔しかったのでついカッとなって3日間連続投稿してしまいました。
無理やり連続投稿にしたので、それぞれの話に微妙にズレがありますが
その辺は多めに見てやってくださいw
535、536さんレス有難うございました〜

541名無しの勇者:2008/08/08(金) 01:38:55
>534
5主、自分でいろいろしときながらなんという他人事w
来年はがんばれ、8主!

542名無しの勇者:2008/08/08(金) 21:42:08
>>540
GJでした!
8主と7主、二人揃うとやっぱり宿舎をどうこうしちゃうんだなw

54313 (下ネタ注意):2008/08/26(火) 00:57:09
3主「おい1主」
1主「何だよ。今忙しいんだ」
3主「ほうほう。どんな理由で?」
1主「見りゃわかるだろ。話しかけるな、気が散る」
3主「散って結構だ!いいか、俺はもよおしてきた!」
1主「うわっ…空気嫁」
3主「お前がだ!お前全然空気読めてない!」
1主「えーもうどっち?小?」
3主「大だよ!何が言いたいかわかるな?」
1主「…スカトロってお前」
3主「違う!抜け!」
1主「嫌だ」
3主「嫌だじゃない!抜け!」
1主「嫌だ」
3主「お前のこれが俺のケツに蓋をしてると俺は排出も満足に出来ないんだぞ!」
1主「可哀想だな。でも俺は抜きたくない。まだ俺も出すもん出してないし」
3主「お前は抜こうが抜くまいが出せるだろ!問題はお前が抜かないと出せない俺の方だよ!」
1主「えーめんどー…あ、そうだ。じゃあ口とかから出したら?」
3主「お、お前…!口から大の方を出してる奴に突っ込んでイケるなら俺はお前を尊敬する」
1主「大丈夫ご先祖なら大抵俺はいける」
3主「口からうんこ出した時点でそれは俺という生物じゃねーんだよ」
1主「うるさいなもう。動いてやれ」
3主「あう!痛い!」
1主「ほらほら」
3主「あぁ!ああっ!や、やめろ!上までとくらべて俺のキャラが急変するだろ!」
1主「それでいいよ」
3主「や、やめてっ痛いっ…というよりはマジで漏れるwwwうぇwwww」
1主「あーもう大人しく喘いでればいいものを…わかったよ、いいからトイレ行ってこい」
3主「ハッハッハもう手遅れだ。お前がいま抜いたら俺は確実に漏らす」
1主「…」
3主「…」
1主「どうすんの」
3主「どうしようかw」
1主「スカトロか…」
3主「新境地開拓してみるかwww」

544名無しの勇者:2008/08/28(木) 09:08:59
その前にちゃんとトイレ済ませてからヤろうよww

545名無しの勇者:2008/08/28(木) 11:12:20
アホすぎるwww

546名無しの勇者:2008/10/31(金) 23:22:16
どっちだかよくわからなくなったけど
4←8寄りの848、
あと6主は出ないけど6←7要素ありハロウィンネタです

5471/6:2008/10/31(金) 23:22:53
8主「おかしてくれなきゃイタズラしますよ!」
4主「一文字違うだけでえらい違いだなオイ」
8主「まあそういうわけなんで4主さん、どっちか選んでください」
4主「いいえ」
8主「そんなひどい…どっちか選んでください」
4主「何回言われようといいえはいいえだ」
8主「そんなひどい…どっちか選んでください」
4主「無限ループ合戦がしたいなら受けて立つがやってる間にハロウィン終わるぞ?
   イベント事は時期はずしたらもう無効だからな。その時点でお前の負けだ」
8主「そんなひどい。本当にひどい。それはひどい」
4主「なんとでも言え。いいえと言ったらいいえだ」
8主「……でも、僕うれしいです」
4主「あぁ?」
8主「だって、ハロウィンが終わるまで僕が折れないって4主さんが信じてくれただなんて」
4主「実際そうだろ。お前言い出したら聞かないし」
8主「かわされてばっかだから僕の気持ちなんて軽く見られてるんだと思ってましたけど
   僕が本気だってこと、ちゃんと伝わってたんですね…!」
4主「え…別にそういう意味じゃ…」
8主「信じてもらったからには応えないわけにはいかないですよね!
   わかりました、僕…諦めません!トリックオアセックス!」
4主「いいえ」
8主「そんなひどい! なんでですか!」
4主「なんでと言われてもなぁ。
   むしろ今死ねと言わなかった俺の寛大さを褒めて欲しいくらいだ」
8主「まぁ僕はその回答でもいいですけどね。
   これ選ぶ選ばないの2択じゃないですから。犯すかイタズラかの2択ですから」
4主「ふざけんな。何勝手に決めてんだよ」
8主「ハロウィンのトリックオアトリートってそもそもそういうものじゃないですか。
   この場合『いいえ』と答えるのはたいてい前者の条件の拒否になりますから
   4主さんは僕にイタズラされるの希望ということに」

548848 2/6:2008/10/31(金) 23:24:11
4主「……ちなみにイタズラってのは?」
8主「もろちん、性的な意味でですが?」
4主「5主みたいな白々しい誤字しやがって浮かれすぎだろ」
8主「ハロウィンなんて素面でやる行事じゃないと思いますよ」
4主「かと言ってトチ狂った言動する行事でもねぇだろ」
8主「だから今日の僕は自重しない! やりたい放題浮かれます!
   仮装をしてない? いいんです、もう一人の僕が夜のモンスターです」
4主「お前もうちょっと恥じらいとか理性とか持てねぇの?」
8主「恥じらったら襲ってくれるんですか?
   理性があれば襲わせてくれるんですか?
   違うんでしょう? だったらそんな邪魔なものは錬金釜にポイです」
4主「いいからお前ちょっと7主に粛清されてこい、な?」
8主「知ってます?
   このアイディアで僕をけしかけたのは7主さんその人なんですよ?」
4主「……何やってんだあいつ! エロ撲委の名が泣くぞ!」
8主「僕が成功したのを確認したのを確認したら
   後で自分も6主さんに同じことやるって言ってました」
4主「実験台じゃねぇかお前それでいいのか」
8主「いい案だと思いましたしいわゆるモニターだと思えば」
4主「なんでそれをいい案だと思うんだお前ら。果汁頭沸いてんじゃねえの」
8主「恋する果汁組は切なくて大好きな天空組を想うとすぐHなおねだりしちゃうおませなぷにぷにです」
4主「風紀の乱れを正してる第一人者が
   まさかこんなのの片割れだなんて宿舎終わったな」
8主「知ってます? エロ撲委、別名ボクエロ委の秘密。
   あれって本当は『一人称が僕の主人公はエロいの会』なんですよ?」
4主「…5、7、8……うわぁシャレになってねぇ…」
8主「そんなわけで僕エロ委7主さんの期待を裏切るわけにはいきません!
   犯されるかイタズラするか、成果をもぎ取ってみせますから!」
4主「そんな話聞かされたら余計お前の思い通りになんかさせられるか。
   今の流れだとこの後の6主の貞操が俺の肩にかかってるって話じゃねえか」

549848 3/6:2008/10/31(金) 23:25:41
8主「6主さんはうれしいはずですから気にすることないですよ」
4主「え、あいつらそうなの?」
8主「僕は知りませんけど7主さんが『うれしくないはずがない』って言い切ってました。
   自信満々だからてっきりすでにそういう関係なのかと」
4主「そんなに自身満々ならそうなのか…?」
8主「ちなみに僕も『4主さんは押せ押せすぎるくらいで丁度いいよ大丈夫だよ』
   って7主さんに言われたのでこのとおり押せ押せにしてみました」
4主「やっぱアテになんねぇんじゃねえかあいつの意見」
8主「で、大丈夫なんですよね?」
4主「大丈夫じゃねぇよドン引きしてるっつの」
8主「ええっ!? ひどい! 騙された! うそつき!」
4主「俺に言うな!」
8主「何がダメなんですか? こんなに健気で可愛いって言うのに!」
4主「この状況でお前のどのへんを健気で可愛いと思えと?」
8主「想いが叶うなら掘っても掘られてもいいだなんてすごく健気だと思いません?」
4主「こいつヤれればなんでもいいのかなって思った」
8主「違いますよ! 僕だって本当は…こんななりふりかまわない感じじゃなくて
   もっといろいろ、それはもういろいろと憧れとか夢とかドリームとかあるんです!
   僕と4主さんのピュアラブ妄想だけで400字詰め原稿用紙が50枚埋まります! 3日で!」
4主「原稿用紙勿体無いからチラシの裏にでも書いてろ」
8主「でも贅沢言ってられないし、もうどんな形でもいいからって…
   僕にできることならなんでもするって、僕なりに必死で…
   それなのに4主さんは僕のことただのサロン脳みたいに…うぅっ…グスッ」
4主「うわ、悪い。悪かった。言い過ぎたから泣くなよ」
8主「じゃあ犯すかイタズラか」
4主「いいえ。それとこれとは話が別だ」
8主「そんなひどい…ハロウィンなのに…
   トリートできないならトリックされるのは決まりなのに…」
4主「通例どおりのもてなしならちゃんとしてやるよ」
8主「ダメです。お菓子なんかもらってもごまかされませんから」

550848 4/6:2008/10/31(金) 23:26:14
4主「ハロウィンのトリートは普通菓子だろうが」
8主「フンだ! 相手が満足してないのに何がもてなしですか!
   お菓子? ちゃんちゃらおかしいですよ。
   もっと宿舎内でも2、3番には年長にあたる大人な僕にふさわしい
   なんかアダルトな感じのもてなしを要求します!」
4主「俺はお前が大人とか言ってることの方がよっぽどちゃんちゃらおかしい」
8主「お菓子なんかで人をごまかせると思ってるなんて
   これだから称号:山奥の子供の考えは…」
4主「本当にいらないんだな? カボチャプリンだぞ」
8主「プリ……!」
4主「そうか…お前がいらないなら俺が食っちまうか…
   俺甘いもん好きじゃねぇし自分で作ったのなんて食っても嬉しくないけど」
8主「手作り!? しかもそんなもったいない食べ方…!
   もっとおいしくありがたく全身全霊をかけて全力かつ全開で
   持てる限りの敬意を払って食べないとプリンに失礼ですよ!」
4主「だってお前いらないって言うし捨てるよりマシだろ。
   ああ、それとも食いたいのか? トリートされとくか?」
8主「ゴク……いや、いいえ! そんな…そんな姑息な手で僕が…
   あ、でもどうしてもって言うならトリートとは別口で」
4主「トリートとして認めないならやらん」
8主「……!! ……!!!!
   ぐっ…いいえ! 認めません!」
4主「ふーん? じゃあ今から食うけど別にいいんだな?」
8主「い、いいいいですよ? 僕が求めるのはイタズラかもてなしだけですから。
   そそそれよりトリックかトリートか選んでくださいね」
4主「食ったら決めてやるよ。うわーカボチャうめぇ。糖度ハンパねえ。
   こんなうまいのにプリン好きの口には入らないんだな。
   可哀想になあ。プリンが。今すぐ誰かさんがトリートこれでいいって言えば
   このプリンだっておいしく食べられて浮かばれるだろうにマジ可哀想」
8主「そ、そんな心にもないこと言ったってダメですから! 釣られませんから!」

551848 5/6:2008/10/31(金) 23:26:46
4主「あー…やっぱでもなんか今はこんな甘ったるいの食う気分じゃねぇな」
8主「僕食べてあげてもいいですよ? トリートとは別口で」
4主「そうなるともう食うやつもいないし…」
8主「華麗にスルーですかそうですか」
4主「生モノは日持ちしねぇしもう捨てちまうか」
8主「!!!!!!1!!
   あ、ああ! ちょ、待っ…」
4主「どした? 言いたいことがあるなら言ってみろよ」
8主「あ……」
4主「あ?」
8主「味見……」
4主「それはトリートはこれでいいと、そう取っていいのか?」
8主「違います…でも、試食くらい…させてから…」
4主「ダメだ。食うだけ食ってこんなんじゃもてなされてないなんて言われちゃ困るんでな」
8主「……味も見ずにもてなされたかどうかなんて判断できないじゃないですか!
   もしかしたら4主さんは大嘘つきでそれはカボ茶碗蒸しかもしれないのに!」
4主「でも食ったら満足してまた無茶な要求突きつけてくるんだろ」
8主「一口だけ! 一口食べて、僕がもう一口を要求したら…
   そのときは、それほどの代物は立派なトリートとして認めます!」
4主「結局お前がトリート以外でプリン口にできるようになるだけじゃねぇかそれ」
8主「ふふん、さては自信がないんでしょう?」
4主「あぁ?」
8主「僕ほどのプリン好きが一口じゃ足りなくなる程度のレベルの味、
   4主さんの腕なら当然だと思ってましたけど…僕の買い被りでしたかね?」
4主「……面白ぇ、じゃあ食わせてやろうじゃねえか。
   絶対『もう一口』って言わせてやるから覚悟しとけ」
8主「(よし乗ってきた!一口でも食べられればあとはいくら僕だって我慢くらい…
   この後のおたのしみのためだと思えばそれくらい…!)」
4主「ほらよ。目ぇ瞑って口開けろ」
8主「はい、あー……んむっ!? ん…ぅ…んーっ……!」

552848 6/6:2008/10/31(金) 23:27:18
8主「(ゴクン)ぷは……ッ!」
4主「よし、食ったな。一口」
8主「……あ、あのー、4主さん、今……」
4主「黙れ。今言うべき言葉はそうじゃねぇだろ?」
8主「え…?」
4主「『もう一口』か……『もういらない』か、だ」







7主「あ、8主くん早かったね。どうだった? 襲えた? 襲われた?」
8主「……あー、7主さん」
7主「お、その調子だとトリートだね」
8主「そう…ですね」
7主「うわー自分で案出しといてなんだけどなんかドキドキするね!
   どうだった? 大人の階段登る君はまだシンデレラな感じ?」
8主「プ…ン……」
7主「え? 何? 聞こえないよ」
8主「カボチャプリンを2口ほど…貰いました…」
7主「えぇ? それだけ? 全く君はツメが甘いよね!
   エロ展開に持ち込むまで帰ってくるなって言ったのに」
8主「はぁ…すみません…ふぅ…」
7主「どしたの? さっきからそんな唇ばっか触って…まさか2口って、口移し?」
8主「………ッ! そ、そんな大きな声で…!」
7主「なんだぁ、ふにゃふにゃだからどんな過激体験談かと思えば口移しって…
   犯せとか言いに行っといて何キス程度で満足させられて帰ってきてるのさ」
8主「……や、ちょ、7主さん! そんな何回も言わないで!」
7主「うわ、8主くん顔真っ赤」
8主「だって7主さんが囃し立てるから…」
7主「いやいや、いくらなんでもそれは恥じらいすぎでしょ。
   君がしてきたのキスだけだよ? その先にまだアレやらこれやらしなきゃなんないんだよ?」
8主「キス…キスですよね、あれ……あああううううわああぁぁぁ……」
7主「何それ、思い出し笑いならぬ思い出し悶え?
   わーすごい。すごいよ。何がすごいってよくそんなんで犯してくれとか言えたね君」
8主「…………はぁぁ」
7主「あ、聞いてないね。ていうか聞こえてないね」
8主「ああもう……好き…」
7主「(こういう姿見せてたらもうちょっと進展しそうなもんなんだけどなぁ…)」

553名無しの勇者:2008/11/01(土) 01:20:35
なんというハッピーハロウィン…
GJです!

554名無しの勇者:2008/11/01(土) 06:12:43
めっちゃGJ!
8主かわええw

555名無しの勇者:2008/11/01(土) 15:14:22
48だけどこれはあり(*´∀`)

556名無しの勇者:2008/11/01(土) 19:04:25
どちらでも美味しくいただける良作ですね

557名無しの勇者:2008/11/03(月) 23:28:07
アアン萌える(*´Д`)

558名無しの勇者:2008/11/04(火) 01:23:09
8主健気で可愛い!
デレ姿はこんなに可愛いのに4主に見せなきゃイミないじゃないの…っ
ヤキモキするしかしGJ!GJ!!GJ!!!

559名無しの勇者:2008/11/06(木) 21:13:29
僕エロ委に歯磨き粉吹いたwww
つか、8主の半端ない絡みっぷりがたまらんwwwカワユスwww

56084風邪ネタ1/2:2008/11/08(土) 10:03:53
 季節の変わり目というものは恐ろしいもので。屈強な勇者たちといえど、そもそもが不規則な生活を送っていればこうなることは分かりきっていたことだろう。
 ということで、夜更かし常習犯3主から始まった一連の風邪ブームは、「ロトぐみよ かぜを ひいてしまうとは なさけない」とも言わんばかりにロト組に感染していった。
 パデキアの力で復活したところで、4女、7主、5主、そしていつも寝ていて抵抗力には定評のある6主にまで広まっていた、驚異的な風邪。
「むしろこれ、呪いかなんかじゃないですか?」というのは8主の弁。そう思うのも無理はなかった。呪いを受けないヤツだけがこの風邪には冒されていないのだから。
「つまり最後に残った4主さんも、今となっては風邪の餌食ってことですね」
 ピピ、と体温計が鳴る。38.6℃。もともとが体温の低い俺にとっては、地獄のような高熱だ。
「あーくそ…丁度6主のときにパデキアなくなりやがって…」
 俺がこんな状態で、4女はいないから、ソレッタへパデキアを取りに行くこともできない。
 8主がなぜベッドの端に座っているのか、よくわからなかったが、それに文句を言う余裕すらなかった。
「4女さん、治った途端村に帰っちゃいましたからね」
「シンシアとふたりきりとは羨ましい…ゴホゴホ」
 ソレッタまで行ける奴がいない状況だから、俺の風邪は自力で治すべきらしい。こんなことなら、もっと節約しておくべきだった。
「大丈夫ですか?かなりキツそうですね」
「大丈夫じゃねーって…」
 自明のことを今さら言ってのけるこいつの根性は疑える。ありったけの眼力をこめて、俺は8主を睨み付けてやった。魔王と見紛うこの眼光、ざまあみやがれってんだ。
 しかし8主は微かに微笑みながら、俺の額に右手を乗せてきただけだった。
「熱で虚ろな目なんてちっとも怖くないですよ」
 昔の7主さんじゃあるまいし。そう笑う8主の手はひんやりときもちいい。いつもは(小柄な体格のせいか)体温は高めなのに、今日はすげえ冷たく感じた。手のひらが冷たい奴は心があったかいんだ、と2主あたりが言っていた気がする。まさか8主には絶対当てはまらないと思うけど。
「あらら、すっかり弱っちゃって。ウコッケ様が泣いちゃいますよ」
 懐かしの鳥ネタなんてどうでもいい。8主の右手がそのまま頬まで滑るように下りて来て、俺はびくりと身を震わせた。

5612/2:2008/11/08(土) 10:04:49
「お」
 なんだその、悪戯っ子が遊び道具を見つけたような表情は。お、って何だよ。
「……4主さーん、診察しちゃいますねっ」
 満面の笑みで、ヤツは布団の上にがばりと覆い被さってきた。どけ、重い。そんな言葉すら億劫だ。何を思いついたのかは知らんが、そもそもわけの分からないことを言い出したこいつには何を言っても無駄だし。
「まずは胸からー」
「うぁ、」
 布団に潜り込ませた8主の両手が、俺の胸やら腹やらをぺたぺたと触れていく。気持ち悪いが、その冷たさはなんとなく心地よかった。
「次は首でーす」
 絞めるのかと思ったが、流石にそれはなかったらしい。そのまま上がってきた両手が首筋にそっと触れた。
「ちょっと腫れてるっぽいですね」
 ずっと触っているもんだから、俺の体温と同化してしまったのか、ひんやりとした心地よさはいつの間にか失われてしまっていて、少し物足りない。8主は俺のリアクションがなくなったのがつまらなかったのか、首筋から両手を外してうなった。
「お医者さんごっこはいいんですけど、患者さんが黙ってるのはつまりません」
「…お前なぁ」
 てかお医者さんごっこのつもりだったのか。…5主とでもやってろよ。
 すると8主は、がばりと布団をはぎ取って、俺の上に直接覆い被さった。ひんやりとかいうレベルじゃなく、寒い。超高熱だって言ってんだろ、この馬鹿竜が。
「さて、主治医8主くんの診察結果でーす。
経口薬と座薬、どっちがいいでしょうか?」
「お前のことだから、どーせどっちもろくなモンじゃないんだろうが…」
「えへ、どっちも軽くサロン逝きでーす」
 満面の笑み。あーヌッコロしてぇ。風邪治ってはじめてのギガソードを食らわしてやろう、はい決定。
「おやー返事がありませんね?こうなれば両方フルコースということに…」
「いいえ」
「そんなひどい」
「いいえ」
「そんなひどい」
 このまま無限ループ突入かと思われた矢先、部屋のドアががちゃりと開く音。救世主か。
「4主さーん、クレージュで買って来たよ、世界樹のしず……………」
「救い主さm」「やぁ7主さん☆」
 静寂。
「……ごめん2人とも、こんやはおたのしみですね!」バタン!
「待て7主ー!誤解だー!」
「ということでおたのしみしましょう!」
「ぬわー!」


 その後8主の治療がどうだったかとか、
 結局風邪がうつった8主がどうなったかとかは、
 また別のおはなし。

562名無しの勇者:2008/11/08(土) 10:06:16
リガメントの「主治医」という響きに萌えて勢いでやった。あまり反省はしていない。

ていうか靭帯さん、いつまでも続きお待ちしていますm(_ _)m

563名無しの勇者:2008/11/17(月) 16:47:28
催促イクナイ

564名無しの勇者:2008/11/17(月) 21:31:27
正直一人の文章がずっとここを占領して、しかも放置ってのもどうかと思うけど

565名無しの勇者:2008/11/19(水) 00:06:37
>>564
じゃあ誰かの独占にならないようにあなたが定期的に書いてよ☆
当然、絶対に完結すること前提で♪

って言われるのは覚悟の上だよね、その発言。

566名無しの勇者:2008/11/19(水) 04:46:46
>>564
絡みすぎ ROMれ

567名無しの勇者:2008/11/19(水) 04:47:35
スマソ ↑は>>565

568名無しの勇者:2008/11/19(水) 06:18:40
前から思ってたんだけどさ、何かにつけ靭帯さん靭帯さんって、他の書き手さんに失礼じゃないのかな

569名無しの勇者:2008/11/19(水) 09:17:39
>>1

570名無しの勇者:2008/11/19(水) 09:18:07
匿名掲示板だからコテハン付けてる人が目立ちやすい上に
長編書いてるから余計靭帯さん靭帯さん言われるだけじゃね?
自分は全部面白く読んだよ。真面目な5主とか好きだ

571568:2008/11/19(水) 10:17:54
うん。その通りなんだ。ごめん一生ROMる。

572名無しの勇者:2008/11/22(土) 18:30:24
殺伐としたスレに
救世主が!
  __
ヽ|・∀・|ノようかんマン
 |__|
  ||

573名無しの勇者:2008/11/29(土) 08:11:00
ほっしゅー

5741/5:2008/12/14(日) 00:56:35
保守代わりに

2主「あっおやつ!…じゃなかった
 なあ5主、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか?」
5主「おや、僕に聞きたい事があるなんて珍しいね。4主と8主はどうしたんだい?」
2主「俺がいつも通りに4主に勉強教わってたら8主がヒント出してくれて
 そしたらなぜか4主が怒りだして、今すごいスピードで追いかけっこしてるぞ」
5主「(成る程、いつものパターンか。よく飽きないよねえ)
 まあ立ち話も何だから座りなよ。おやつ食べるかい?」
2主「おう!食べるぞ!ありがとな5主!」

5752/5:2008/12/14(日) 01:01:37
5主「それで僕に聞きたい事って?」

2主「(モグモグ)んお、ほうらっら。
 はのらりーふひふっれらんら?」

5主「うんパパが悪かったから落ち着いて…
ちゃんと飲み込んでから喋ろうね」

2主「(コクコクゴックン)あのな、でぃーぷきすってなんだ?」

5主「……!?ッゲホゲホゲホゲホゲホウホッぐえっ
あー気管に入った……ふー」

2主「大丈夫か?」

5主「有難う、大丈夫だよ。
…ところでどこでその言葉を聞いたんだ?」

2主「昨日の夜にトイレに起きてきたら
 遠い方のご先祖様と、近い方のご先祖様がしゃべってたんだ」

5主「ふーん…他に何か言ってなかったかな?」

2主「すぐに部屋にもどったからよく分かんないけど
 えっと、確かドウテイがどーとかシソンがこーとか。
シソンって子孫の事だよな!」

5主「ソーダヨ君達の事ダヨー
(あいつら少しは周りに注意しろよ!!
 でも2主がすぐに立ち去ってくれたのは幸いだったかな)」

5763/5:2008/12/14(日) 01:04:29
2主「なあ、それで“でぃーぷきす”って何なんだ?」

5主「(さて、ここで鱚(キス)の事だとか言って
適当に誤魔化すのは容易いが…)チラリ」
2主「  +
 +  ∧_∧ +
  + (* ・∀・)ワクワク
   ( ∪ ∪ ドキドキ
 +  と_)__) +」

5主「(フフッ…そんな期待の眼差しを向けられたら
 本来の意味を教えてあげない訳にはいかないよな)」

5主「じゃあ2主、ここへおいで」

2主「?5主の膝の上にか?俺重いぞ?」

5主「その方が説明しやすいんだよ。大丈夫だから」

2主「そうか。じゃあ…よいしょ、これで良いか?」

5774/5:2008/12/14(日) 01:09:40
5主「よしよし、じゃあ教えてあげよう。
 2主はおやすみのキスとかはした事あるかな?」



2主「あるぞ!小さい頃寝る前に頬っぺたにしてもらったことがあるぞ」


5主「だったら話は早い“ディープキス”はね
 好きな人とするキスなんだ。…口にね」


2主「口に?5主はしたことがあるのか?」

5主「まあね。何ならどんな感じなのか実際に試して…」



ドドドドドドドドドドドド…



『てんめーこのくそドラゴン!待ちやがれ!』


『嫌ですよ。大体いくら自分が鳥だからって
ウコッケ様呼ぶのは卑怯ですよ!』

『うるせー!いつもいつも勉強の邪魔ばっかしやがって!!』

『毎日毎日同じような手に引っ掛かるのがいけないんです
進歩が無さすぎですよ?
あー鶏頭だからすぐ忘れちゃうんですかね』


『…今日こそヌッ殺す!』

5785/6(ずれた!申し訳ない):2008/12/14(日) 01:12:49
5主「…みようかと思ったけど又の機会にしておこうか。騒がしくなってきたしね」

2主「なんでだ?人が居ると駄目なのか?」

5主「そうなんだ。こういうのは二人きりで静かな時にするもんなんだよ」

2主「でもそこのソファに6主と7主達がずっと寝てた?」

5主「!?」

6主「よっ!」

5主「…いつからそこに?」

6主「お前が来る前から昼寝してた。いやー2主が来た辺りで目が覚めたんだけど
 タイミングが掴めない内にどんどん起きづらい雰囲気に…エヘッ☆」

5主「可愛くないぞ…それにしてもよく羊さんが飛んで来なかったな」

6主「ああ、まだ7主は寝てるからな。
 騒がしくなってきたからそろそろ起きるだろ」

5主「やれやれ、これじゃあ人に注意しろだなんて言えないなあ」

5796/6:2008/12/14(日) 01:16:29
6主「それより何で2主?」
5主「あの少年らしさを残しつつも素晴らしく均整のとれた無駄のない身体!
汚れを知らない幼子の様に無垢な心!
このアンバランスさが堪らないね!!夜のベッドの上7主「羊さーん!!!!!!!」
5主「ぬわーーーーーーっ!!!!!!!!」
6主「…おはよう」
7主「おはよ。何だかうるさいから目が覚めちゃった」


2主「ん、今日もみんな元気だな!
 じゃあロンダキア行ってきまーす!」

580名無しの勇者:2008/12/14(日) 01:36:09
何かスペースとか改行とか色々読みづらくてゴメソ

581名無しの勇者:2008/12/14(日) 16:26:10
も え た

582名無しの勇者:2008/12/14(日) 23:07:55
これはなんていけないパパ!!萌える!

583名無しの勇者:2008/12/15(月) 22:03:52
なんというオールスター!!
妄想が膨らむわぁ

584名無しの勇者:2008/12/21(日) 13:11:44
1→←3←4投下です。
ちょっと長め、そしてテラシリアス。皆可哀相な感じです。
あと表記以外のCPも飛び出すと思いますので、「こりゃ無いわ」と思った方はスルー願います。

5851→←3←4  00:2008/12/21(日) 13:16:08
「『勇者』なんてのは、救いようの無い世界で助けを求めて、世界が平和になればハイ終わり。
 忌み名ってヤツだよな、コレって」

あいつが珍しくそんなことを言った。

別に同意を求めてる訳でも無く、シリアスな話題からそんなことを言った訳でも無く。
いつもみたいに宿舎のデカイソファーに寝転びながら、通りすがりの俺に言ったんだ。

答えを期待してる訳でもなさそうだったから、「そうかもな」とか、適当に答えた気がする。


「気がする」って言うのは、内心その言葉に面食らったから。

いつも強気で子供臭くて運動嫌いなあいつが、耐えきれない思いが零れたように、呟いたから。


それ以上の問答は無くて、あいつの言葉も、俺の言葉も、無かったように消えていた。




俺達の存在と、似ている気がした。

5861→←3←4  01:2008/12/21(日) 13:18:27
「天気は快晴、気温は適度に暖かい。大人は働き子供は無邪気に駆け回る……そんな日に
俺の目の前には床に寝転がる理解しがたい人が。これは何故か?」
「あれ1主、お帰り。お土産は?」
「ねぇよ!何か欲しいなら、外外!!今日はあったかいぞ〜!」
「エー」
「“エー”じゃない!働け!動け!!」

台所まで響いてくる毎日のやり取り。
必死なところ悪いが1主、お前のご先祖様は望みを叶えてくれないと思うぞ。

だってな1主、俺は知ってるんだ。

5871→←3←4  02:2008/12/21(日) 13:20:41
「働く働く、そのうち!」
「やらないフラグだろうがそれは!」
『働かない』んじゃない、『働き方を知らない』んだ。
勇者として育てられて、剣を振るって世界を救って、平和になったら全部奪われたんだから。


「4主の所で畑手伝うとか!」
「いや俺体動かす系は…」
「ご先祖ォォォォォォ!!!」
お前、体動かすの苦手なワケないだろ。
ただ、俺の迷惑になるのが嫌なんだろ。仕事のやり方知らないから、
俺の手を煩わせると思ったんだろ。


「あぁ…この人が伝説の勇者ロト……」
「おぉ、そうだ伝説の勇者様だ!苦しゅうない、ちこう寄れ」
「ご先祖……orz」

俺は、知ってるんだ。
お前が1主の言葉に、傷ついてるのを。

だってな3主、俺は知ってるんだ。



お前が、1主の事を好きだってこと。

5881→←3←4  03:2008/12/21(日) 13:23:14
夜、急に目が覚めることがある。
眠りは深いほうじゃないから、こんなことは何回もある。眠れない夜には、もう慣れた。

寝付けないので、プラプラ当てもなく歩いてみる。広いな、宿舎。
暇だし台所の掃除でもしようか、と考えた時、リビングの電気が点いてることに気がついた。
夜更かしする連中も多いし、珍しくない。夜食をせびられたら面倒だと、通り過ぎようとした。

ちらりと目に入ったのは、逆毛の黒髪。あの自宅警備員がこの時間起きてるのは、まぁいつもの事だ。


違ったのは、パソコンも何も無くて、テレビもついてなかった事。

ただ床に座り込んで、動きもしない事。


男か女か。俺にその区別はつかないし、シンシアは4女の所だ。
でもそのどちらにしても珍しいことだから、風邪でもひいたのかと扉の向こうから眺める。
誰も来ませんように。来たら明日の朝のネタになる。

くだらない事を考えている間も、向こうは動かない。
座ったまま寝てるのか、と少し体を乗り出した時だった。


黒い瞳から、透明な雫が頬を伝っていくのを、見た。


途端に不安に駆られて、ドアを開けた。
動揺していた。俺が、だ。

あいつがこんな静かに泣くなんて、知らなかったから。

「3主………っ!」

5891→←3←4  04:2008/12/21(日) 13:26:15
『あれ、お前今日城に戻んの?』
『あぁ…何だ、どうかしたか?』
『いや、別に』

別に、って。分かりやすいな俺。気付かれてないけど。
あいつが宿舎に泊まることは稀で、1か月に片手で数えるくらいしかなかった。

子孫にヤキモチとかホントワロスな話なんだけど、
正直 寂しい。


なぁ1主。次宿舎に泊まるのはいつ?
明日の朝は、またローラの相手して、遅れて来るのか?
困った口調で、また幸せそうに笑うのか?

なぁ1主。俺が働かなくて、真面目な人間じゃないから、もう愛想つきたのか?
違う、俺だって、普通に生きてみたかった。
でも働き方を知らない。そんな事言ったら、幻滅するだろ?

なぁ1主。寂しい。
傍には誰も居なくて、俺には何も無くて、夜が、ひどく重い。

足に力が入らなくて、頬を伝う雫がやけに冷たい。


なぁ1主。知ってるか?


誰も居ない夜がこんなに冷たいのを。

5901→←3←4  05:2008/12/21(日) 13:36:13
「3主………っ!」
必死で、その後のことは考えなかった。
いや人間なんてそんなもんだろ普通。他人が泣いてたら、心配するだろjk

黒くて大きな瞳が、驚いて更に大きくなる。童顔だな。って、子供か。16歳だもんな。

「よん、しゅ………」
声は小さくて、掠れてた。

ぼろぼろと涙が零れてく。目、真っ赤だ。
不安げに震える両手を右手で握って、左手で濡れた頬に触れる。

どうした、と聞いても、「なんでもない」と顔を背けるだけ。
お前そんなキャラじゃねぇだろ。声で男の方だって分かった。尚更そんなキャラじゃねぇ。

「何でも無くねぇだろ。人に言ったりしねぇし、笑わねぇから。」
「や…なんでもねぇって……」
首振って、逃げようとする。そんなに俺が嫌か、と少し腹が立った。
「……1主か」
怒気を含んだ声で言うと、びく、と肩が震えた。違う、と訂正したけれど、誤魔化せたと思うな。

…あの野郎。
いつもコイツの気持ちに気付かない上に、傷つけて、期待させるような事を言う。
大事に出来ないくせに。コイツをこんなに泣かせて。

「4主……?」
あぁ腹が立つ。コイツをこんなにして。
顎を掴んで強引にこっちを向かせる。怯えたような黒目と目が合った。

抗議の声が聞こえた気がするが気にしない。

柔らかな唇を親指でなぞってから、ゆっくりと口付けた。

5911→←3←4  06:2008/12/21(日) 13:39:50
…さて何が起きてるのか。

どうしようもなくてバカみたいに一人で泣いてたら4主が来て。そうだ、あいつ、「1主」って言った。


いやそれにしてもこの状況は何だ。俺に言われたくないと思うけど、男同士だよな?な??
混乱してたのが無意味なように、唇は意外にもアッサリ離れた。
ぽかんとしてると、端正な顔が覗き込んでくる。

「3主、正直に言え。なんで泣いてた?」
宝石嵌め込んだみたいな紫の瞳、サラッサラの翠の髪、人形みたいに白い肌。
顔近い近いちーかーいーーー!そんな顔で問い詰めんな!なんか泣きたくなってくるだろ!


早くこのやり取りを終わらせたくて、さぁ、と笑いながら体を離した。

頼むから、思い出させんな。

体を押すと、意外にあっさり離してくれた。
良かった、と息をついた瞬間、視界が回った。




……え?

5921→←3←4  07:2008/12/21(日) 13:43:57
いやいやいやいや流石に冗談だろこの状況!
天井見える。て言うか4主の顔が、有り得ない向きで見える。


端的に言うと、押し倒されてる訳ですが。


「……そんなにアイツが良いのか」
オイオイオイオイ勘弁してくれ何のドラマだよ!
FC版パケ絵よりこえぇよ。手を離せ、と言いたいところだけど迫力負けして言えない。

「んぁっ……」
足!足当たってるってやめろバカ!…言えねーけど。
「よ、4主、な、おいっ……」
頭回んねー、口も回んねぇ。首にキスされる。くすぐってぇ。

「や、やだって……4主、おい!」
「3主」
また顎を掴まれる。耳元で名前を囁かれる。

5931→←3←4  08:2008/12/21(日) 13:45:17
「…俺が嫌いか?」
…は?

「1主の方が良いのか?俺じゃダメなのか?」
ちょ、待て。なに言ってんだお前。

「3主」
やめろ、やめろ。駄目だ言うな。


「…好きだ」
ぎゅう、と愛おしげに頭を抱かれて。

もうそれ以上何も言えなかった。

ただ夜は冷たくて、なのに触れる体温は温かくて、
涙を拭う優しい手を、突き放せなかった。

594名無しの勇者:2008/12/23(火) 23:38:43
うおぉおおぉ切ねー!!!GJGJ!!!
あんな奴より俺を選べよ的切な系好きだから萌えた!
続きが気になる!

595つぶあん派vsこしあん派:2009/01/06(火) 20:18:04
付き合っている奴がいる。同性だが、キスしたりセックスしたり、まったりしたり。
そいつと喧嘩をして一週間が立った。関係修復の兆しは無い。
言い争いはいつもの事で、時には手が出る事だって珍しくない二人が、視線も合わせず口もきかない。
喧嘩をしたとバレバレな俺達に、周囲が向けてくる気遣いの視線が苛立たしかった──八つ当たりだという自覚は、まあ、なくもない。


「で、お前ら。何でケンカしてんの?」
そいつの質問に素直に答える気になったのは、ただ気になったから、という響きが気に入ったからだ。心配の気配をかけらでも感じていたら、オレはだんまりを決め込んだだろう。
「つぶあん派とこしあん派の間には、狭くて深い溝があるって事だ」
やけに重々しい響きになってしまったオレの言葉に、そいつは何とも言いがたい表情を浮かべた。
「それは比喩?」
「いや、そのままの意味」
そいつは天上を見た。多分、溜息を堪えたのだろう──いい判断だ。こいつはさっきから、素晴らしい読みでオレの地雷を避け続けている。
いっそ、こいつに乗り換えるべきかと思った。

「お前、つぶあん派だっけ。あいつは」
「こしあん派だったんだ」
溜息が出た。お前は? と視線で問いかけると、そいつはニヤリと笑った。
「オレは中立? あんまんの餡しか食えないし」
「そうか」
ラードと練った餡の味を思い出す。ジャンクフード大好きなそいつは、油っ気がないと物足りないのだろう。生活習慣病になる日は、そう遠くなさそうだ。
「ゴマ風味のヤツが結構好きなんだけど、近所のコンビニじゃ売ってないんだよな」
そいつは、住処から一番近いコンビニまでしか出かけない。引きこもり気味のネットジャンキーなのだ。
「ネットで取り寄せればいいだろうが」
「蒸すのめんどい。そういやつぶ入りのあんまんてあるよな」
この面倒くさがりめ。その内、呼吸すら面倒がるんじゃないかと不安になってくる。
「あるな。でもオレは、あんまんの餡は何も入ってない方が好きだ」
滑らかに練られた餡には、余計なものは不必要だと思うのだ。

オレの言葉にそいつは驚いた表情になり、そして笑った。
「じゃあ、それで妥協すりゃいいじゃん」
「は?」
何を言われているのかわからず間の抜けた声を出した俺の肩を、そいつがバンバンと叩いてくる。お前は欧米人か。
「こしあん対つぶあんの争いにさ、そこで妥協してやりゃあいいんじゃね?」
俺は渋面を作る。結局、こいつはオレとあいつを仲直りさせようと思っていたのか。
「お前が折れてやれよ」
絶対の自信を滲ませたそいつの声に、オレは溜息を吐いた。頭に置かれた手を振り払って、ぼそりと呟く。
「悪かったな」
心配かけて。オレの言葉にそいつは笑って手を振った。早く行けという事だろう。礼を言って立ち上がる。


あいつに何て言ってやろうかと、歩きながらオレは考える。
謝罪はしない。そして自分も求めない。それだけは決定事項。
方針だけ決めて、あとは臨機応変にというのがオレのやり方だ。
とりあえず言いたい事だけはちゃんと言って、後はあいつの出方次第だ。

あいつの部屋の前に立ち、オレは思い切りドアを蹴り開けた。
そして怒鳴る。

「あんまんに関してだけは、粒の存在を否定してやってもいい!!」

全く、あいつの表情と来たら。笑い出しそうになるのを堪えて、オレは背中を向けて歩き出す。
背後でちょっと待ってという言葉が聞こえたが、待ってなどやるものか。

──今度はてめえが追いかけて来い。






オレ=4主
そいつ(こいつ)=3主
あいつ=8主

596名無しの勇者:2009/01/08(木) 00:53:06
最後のキャスティングを確認するまでもなく  
ドンピシャで脳内再生させていただきました。 
ごちそうさまです!

5976主→←7主 1:2009/02/08(日) 01:08:35
「6主さんって、優しいよね」
「へ、?」

7主の、唐突な言葉だった。
前触れは皆無。だって俺、今やってたことと言えばコタツに潜ってみかん食べてただけだし。
なんかしたっけ?と首を傾げる。別にみかんをあげたというような事もない。リモコンとか渡した?いやいや、テレビはついてない。
んじゃ新聞を渡したとか…いや、そもそも俺も7主も新聞なんて読むタイプじゃないし。
それよりもっと前。4主の作った夕飯を食べた。7主とは向かい合わせに座ってたけど、特に何をしたという事も思いつかない。
ああそういえば、醤油をとってやったかもしれない。とりづらそうにしてたから、「ん」って言って。(でもそれぐらいで?、)
きょとんと首をかしげたままの俺の耳に、くすくすと笑い声が聞こえる。
俺の顔をまるで子犬でも眺めるかのように、頬杖をついてニコニコ眺める7主からのものだ。今日の7主はなんか、変。

「俺、なんかしたっけ?」

笑われてるって事は、思い当たらないのがバレてるって事だろうから、素直に疑問を口にする。
もしかすると知らず知らずのうちに7主にとって嬉しい何かをしていたのだろうか。
だとするとさすがお兄ちゃんだと自分を褒め称えたい。けど、それにはまずその「何か」が気になる。凄く気になる。
けど7主は頬杖をつくのもニコニコするのもやめずに、答えも返さなかった。(細められた黒い目に、ちょっとドキっとする)
くすくす笑うたびに揺れる、トレードマークの緑の頭巾。暑くないのだろうか、コタツに入ってるのに。
不意に手を伸ばして頭巾を引っ張りたいような気持ちに襲われ、なんとなく目を逸らす。いけない事を考えている気分だ。
(そう思うと、コタツの中で何気に触れ合っていた足にまで意識が向いて、またどきまぎした。思春期の少年か俺は、)
7主の目は何を考えているか分からない、黒。今は見る事も出来ないけど。

5986主→←7主 2:2009/02/08(日) 01:09:27
「7主?」

耐え切れなくなって、名前を呼ぶ。
すると7主はようやく可愛らしい笑顔をいつもの困ったような顔に変えて、肩をすくめた。
8主と組んでいたずら(と呼べば可愛らしいけど、あれは破壊活動だ)をした時のような感じ……に可愛さだけ10倍したような表情と行動だった。

「んー、言ってみただけ」

6主さんは優しいから、言ってみたくなったんだよ。
ぺろっと赤い舌を出して、7主がまた笑う。今度はさっきみたいなニコニコじゃなく、もうちょっとあくどい笑顔だった。
さっきのがただ単に可愛らしいというなら、今のは子悪魔的とでもいうか。
ああこいつが妹だったら、俺今以上にシスコンになったかもしんねえ。そんな風な笑顔。
さり気なくくっついてた足を、あぐらをかく事でそっと外して、みかんの皮を捨てるついでに拳一つ分7主から離れる。
その間も考えているふり。何を考えるんだっけ?ああ、優しいとか優しくないとか、そんな話だ。
なんとなく7主を見ないで、2個目のみかんに手を伸ばす。別に食べたくないけど、しかもこれすっぱそう(失敗した、)

「あー、うん。まぁ俺は、お兄ちゃんだからな」
「うん。お兄ちゃんだもんね」
「そ、そうだぞ。皆のお兄ちゃんだ」
「うん。皆の優しいお兄ちゃん」

変わらない頬杖をついた7主のポーズ。表情はもう分からない。
みかんを口に含む。死ぬほどすっぱい。なんとなく7主が近づいたような気がした。こつんとあたる足。口の中の酸味。
あれ、みかんってもしかしてアルコール分含んでる?なんか死ぬほど暑くなってきた。
それともあれか。7主が頭巾なんて被ってるから、見てる方まで暑くなる的な。
心臓が痛い。病気かもしんない。みかんのアルコールに当てられて病気。おい4主助けてくれよ、この際8主でもいいから。
視界の端っこで、7主がむくっと起き上がった。膝立ちになった、のかもしれない。見てないから分からないけど。

5996主→←7主 3:2009/02/08(日) 01:10:06
「皆、の、お兄ちゃん。みかん一個頂戴」

何故か凄い一部を強調された気がする、と思った瞬間、7主の細い腕が俺の前に伸ばされた。
慌てて体を引く。しまったあからさまだったかもしれない。でも7主は気にした様子なく、細い指で俺のみかんを1房。
(あ、ごめんそれ死ぬほど――…)
止める間もなく、赤い舌に飲まれるみかん。アルコールに気をつけろ、とも言いたかったのに。

「っすっぱ!」
「……いから気をつけろよ」
「先に言ってよ6主さんの意地悪!」

近かった顔が一瞬で離れて、それどころか体も全部離れて、7主が俺の視界から消える。
どこ行くんだろうってその小さい体を目で追うと、台所の方へ消えるのが見えた。ああお茶を取りに行くのか。
同時に妙な熱はどっかへ行ったようで、無意識の内に深く息を吐いていた。死ぬかと思った。(すっぱさじゃなくて)
何かよく分からないものを誤魔化すつもりで、残ったみかんを一気に頬張る。すっぱい、けど頭が冴える。

「あー……」

もしゃもしゃとみかんを頬張り、よく分からない音を漏らす。そろそろやばいかもしれない。誰かが頭の中で囁いた気がした。
たたたっと、軽い足音が聞こえたと同時にみかんを飲み干す。戻ってきたのはやっぱり7主だった。
その手には二人分のお茶。(優しい、というか気の利く奴)
はいっと笑顔で差し出されたので、一気に飲み干す。ちょっと熱かった。

「さっきね、3主さんが台所で1主さんと……」

さっきまでの空気はどこへやら、いつもの調子で話し出す7主。
それにほっとした反面、どこか残念に思う自分はやばいどころじゃないかもしれない。
だってこれ、もう、引き返せないだろ。


(皆のお兄ちゃん、引退かもしんない)

600名無しの勇者:2009/02/08(日) 01:11:49
おしまいです。青臭くちょっとずるい6主×天然か計算か分からない7主でした。
6×7もっと増えないかなー。

次はエロ書きたい。

601名無しの勇者:2009/02/10(火) 01:01:39
投下キテタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!
7主かわいいし6主もかわいいし萌えましたーエロも待ってます!

602名無しの勇者:2009/03/04(水) 23:39:11
本日は34の日!

603名無しの勇者:2009/03/12(木) 00:45:03
今日はロトシリーズの日!
3→1→2的な意味でw

604名無しの勇者:2009/04/12(日) 22:20:47
84、67風味の、8主と7主の会話投下します。
8主が変な子になっちゃったかも。

60584、67風味 長い割りにエロなし:2009/04/12(日) 22:22:06
―ふぅ。
扉を閉めて、一息吐く。今日もよく走った。走ってもらえた。
おかげで、退屈な錬金時間を潰すことができた。
8主は、疲れてはいるが満足そうな顔を浮かべながらリビングへ向かった。
ガチャリ。
「おかえりー。」
「…と。7主さん、ただいま帰りましたー。」
リビングには先客がいた。入り口に背を向けるソファから、顔だけを振り向かせている。
真正面に置かれたテレビが光を放っている。が、その音量は[限りなく小さい。
少し、話し声に耳を傾けただけでかき消されてしまう。
「7主さん、音、小さくないですか?」
「んー、大きくしちゃうと起きちゃいそうな気がして。」
「少しくらいなら大丈夫だと思いますけどね。」
冷蔵庫から冷えた瓶を取り出しながら、8主は話す。冷えた瓶を3本分、グラスに注ぎ込んでいく。
「少しどころか至近距離でギガデイン落とされたって大丈夫だと思う。
 っていうか大丈夫だった。でも、なんとなく小さくしておこうかなーって。」
「確認済みでしたか。
 …何か飲みます?」
「あ、うん。ありがとう。お茶お願いしてもいいかな? 喉渇いちゃって。」
「冷たい方がいいですか? それても、温かい方?」
「冷たいのが冷蔵庫にあるから、それでいいよ。」
「かしこまりました。」
グラスを取り出し、氷を数個いれる。氷のみが入ったグラスの中を、マドラーでかき回す。グラスが冷えたことを確認して、中の氷はシンクに捨てた。手早くグラスの外側についた水滴をふき取り、冷蔵庫から取り出したペットボトルからお茶を注いだ。
「お待たせしました。」
「うん、ありがとう。ごめんね、今動けなくって。」
「ついでですから、別に構いませんよ。」

60684、67風味 長い割りにエロなし:2009/04/12(日) 22:23:01
「(ズズズ)あー美味しい。君が来てくれて助かったよ。
喉は渇いてるしでも動けないしでもー大変だったんだからぁ。」
「その割には、嬉しそうですね。…あと7主さん、飲み方がジジィくさいです。」
「そりゃもう、達観してるから? …じゃなくて、ごきゅごきゅ飲んで零れちゃったら、それでも起きちゃうんじゃないかと思って。」
「……(ごきゅごきゅ)」
「…(ズズズ)…」
「愛しちゃってますね。」
「うん、愛しちゃってるね。」
二人でくすりと笑い合う。7主は、テレビのリモコンを手に取り、その電源ボタンを押す。
テレビからの微かな雑音が、消える。
「…君の方はどうなのさ?」
「どうって言われても? 毎日楽しいですよ?」
「うーん、じゃあ、質問を変えるよ。今日の連金の成果は?」
「ばっちりですよ!走るのも苦じゃありませんし、今週はチーズ強化週間のためチーズを沢山錬金してみました! かちかちチーズにベホマラチーズ、天使のチー…」
「ねえ8主くん。」
音を立てないように、7主がグラスをそっと置いた。動けないなりに、手を一生懸命伸ばして、テーブルの端へとグラスを載せる。
「錬金釜って、走らなくても錬金できるように強化してもらえるんでしょ? どうして、しないの?」
「えっとー…旅も終わっちゃったし、何もしてないと体が鈍るじゃないですか。トレーニングのためですよ。トレーニングの。」
「ふぅーん…」
「お城で稽古もできるんですけど、それじゃつまらないし。
走るにしても風景が変わらないとやっぱりつまらないし…」
「釜を強化してもらったら、4主さんにちょっかいをかける理由が、ひとつなくなっちゃうから?」
「はい。…っ、って、ええ!?」

60784、67風味 [3]:2009/04/12(日) 22:23:57
にまー。7主は口の両端を持ち上げて笑っている。その顔を見ながら8主は、冷や汗をつぃ、と流した。
「…あ、の…7主さん…。」
「うん?」
「あの、…………」
「…………」
「……バレバレ?」
「うん、バレバレ。多分みんな気づいてると思うよ。2主さんはどうかわからないけど。
 …意外と、本人も気づいてるんじゃないかな。」
それを聞いた8主の冷や汗が増す。だらだらと。8主の襟元が、汗ににじんだ。
「ほっ、本人もっ…?」
「でも、みんな釜が強化できることは知らないみたいだから、確信をもってそうだと思ってる人はいないと思うけど。」
「…な、7主さんは、釜のことをどこから…」
「マリベル経由で、ゼシカさんから。赤毛連盟で仲良くなったみたい。」
赤毛連盟って、何それ。8主はそんなツッこみを飲み込む。今声を出しても、擦れたおかしな声しか出ないと思ったから。
間をおいて、やっと声を絞り出す。
「……そうですか、バレバレですか……」
「せっかくだから、錬金のために一緒に走ってくださいとか言ってみたら?
 ついでに告白してくればいいじゃない。
ちょっかい出すにしてもさぁ、2主さんの勉強の邪魔しないで、僕にも体育の時間を作ってくださいとかお願いして。」
「そんなの『お前に割く時間などない』と『ギガソード』のコンボで終了するに決まってるじゃないですか。 僕は確実な冒険しかしないんです。」
「でも、向こうから進展する可能性はあるの? ないんでしょ?
 だったら君から動かなきゃ。いいじゃんもう、いっちゃいなよ。
 っていうかいつも通りでいいから、走ってる途中で押し倒しちゃいなよ。」
「うわぁーお、そんな無茶な。ギガソード喰らってまでそうできるか自信ないです。」

60884、67風味 [4]:2009/04/12(日) 22:26:20
「じゃあ格闘スキル上げて、なんかうまくこう、押さえ込むとか。戦闘画面じゃないんだから、
ターンとか特技とか関係ないんだから連続技で押さえ込んでしまえばいんだって。あ、もちろん口は口でふさぐこと。」
「口っ…!!」
ぼわんっ! 真っ赤になった8主の顔から、輪になった湯気が飛び出した。
それを、7主はどこかで見たアニメのようだと思った。
「○様家族、みたい…」
「だってだって、口を口でって、…それって…」
「どさくさに紛れてキスしちゃいなよ。あとはもう舌技にものを言わせてあはんうふんなカンジに持ち込んじゃえ。人は、そういう時に一番無防備になるんだから、反撃なんて怖くないさ。」
「き…す……きす……キス…!」
ぐるぐるぐるぐる…8主の頭のなかで、瞬間的に展開されていく光。光はほぐれ、その姿を大きくし、多数の色をまとい、そして、爆発する。

―…大きな色が、オレンジ色。オレンジ色の夕日が、広がっている。
何故か、波打ち際にいる。何故か、4主さんがいる。なぜか、二人とも、走っている。
うふふあはは。そんな、声が聞こえる。走りながら笑っている。僕は釜を抱えている。
4主さんは、剣を構えている。でも、二人とも、笑顔だ。なんでだろう?僕が、ふいに、砂浜に倒れ込む。
急に倒れこんだせいか、4主さんが僕の足につまづいた。剣が放り出される。僕の頭の上で、ざす、と砂が鳴る。
剣が落ちて砂にささったらしい。僕もいつの間にか釜を放り出していた。いつの間にだろう。
そして、これもいつの間にか僕も仰向けになり、倒れてきた4主さんを受け止めていた。
僕は、4主さんの手首をからめとり、足首を滑らせ、ロックをかける。
身動きが取れなくなった4主さんが、微笑んでいる。何すんだよぅって。
甘い声で、僕の耳をくすぐる。いいかも。ぎゅっと引き寄せ、その顔を覗き込む。
4主さんが文句を言っている。初めてなのって。文句じゃなかった。
赤らんだ顔がすごく可愛い。すごく可愛い。可愛すぎて二回言ってしまった。
僕はその可愛い4主さんに唇を……―

60984、67風味 [5]:2009/04/12(日) 22:27:31
「…くん…8主……聞いてるの?」
7主が不安そうな顔をしている。動けないので、その声で8主の意識を元にもどしてくれたらしい。
「7主さん………」
「ああよかった。なんかぶつぶつ言ってるし涎は垂れてるしで怖かったよ?」
「キス……いいかも。」
「え?」
「波打ち際で追いかけっこの末倒れてキス! なんかこう使い古された少女漫画臭がしますけどだがそれがいい!
 ふいに恋心<KOI-GOKORO>を意識する瞬間! 赤い顔の4主さん! 耳には二人の息遣いと波音だけ!
 そんな二人の顔が近づいて…! ああんもう!」
「僕波打ち際とか言ってないんだけど、ねえ、8主くん。鼻血拭きなよ。ねえ。
しかも少女漫画じゃあそんなに使ってないと思うよ。むしろギャグとして使い込まれてるよ。ねえ、大丈夫?」
ああもう。いやん。そんな言葉をぶつぶつと吐きながら、テーブルにガンガンと頭を打ち付ける8主。
額が赤くなっているが、血が出るほど打ち付けているわけでもなさそうなので、7主は止めることはなかった。
その代わり、流れた鼻血が襟元を染めていることに、眉をひそめた。
「宿舎まわりに海岸なんてないしさ。どうやって誘い込む気?」
「…そうか。」
「あれこれ煽ってごめんね8主くん。とりあえず落ち着いて。ホイミ。」
「…はい。落ち着きます。(ごきゅごきゅ)」
グラスの中身を、半分以上あったそれを一気に飲み下す。脳が消化作業に勤しんだ結果、妄想は脳の片隅に追いやられた。

61084、67風味 [6]:2009/04/12(日) 22:28:41
「…でも実際、僕なんかが好きだって言っても無駄だと思うんです。気持ち悪いだけだろって。そう、思うんです。」
「…そう。」
「僕は別に、キスしたいとか恋人になりたいとかあわよくばうふんあはんなコトしてあんあん泣かせてみたいとかそういうのが目的じゃないんですよ。」
「………」
「ただ、4主さんが時々、寂しそうなんです。」
「寂しそう?」
「時々、ふっと、目を細めて、どこか遠くを見て…なんだか消えてしまいそうな顔をするんです。睫が長くって、すごく綺麗でんでもって微かに開いた唇がすごく色っぽくて…いやほらそんな、ききききすまではしなくてもいいけど触ってみたいとか舐めてみたいとかそんなことは…」
「8主くん、鼻血出てるよ。」
「…はっ!」
8主は慌てて鼻を拭う。手の甲が赤く染まった。ウェットティッシュの位置を、7主が、指で指し示した。
「あと涎もね。」
「…もう、僕、ダメなんです。」
8主の顔が、赤く染まっている。目の端に涙がうっすらと溜まっている。その表情は、普段の悪戯好きな彼の姿をすっかりと覆い隠す。
…いや、こちらの方が、本来の姿なのかもしれない。悪戯好きな顔は、この本来の顔を隠すための。涙を、隠すための。
「僕は…4主さんに向かって話せないんです。7主さんが怯えるのと同じように。僕の場合は、綺麗すぎてですけど。
普通に話すのは緊張するんですけど、でも、あの人が寂しい顔をしてるのは、見たくないんです。
なんだか子供みたいな感情ですけど、悪戯するしかできなくて。それでも、寂しい顔を見なくてすむなら…」
「…愛しちゃってるん、だね。」
「……………はい、愛しちゃって、ます。」

61184、67風味 [7]:2009/04/12(日) 22:29:53
「今ここで話したことを4主さんにも話せば、うまく行きそうだとも思うんだけど…うん、無理だよね。」
8主が無言でぶるぶると首を振っている。無理だと、泣きそうな目尻がさらに歪んだ。
「少しだけ、頑張ってみようよ。少しだけでいい。みんなの前じゃなくて、タイミング計ってもいいから。10回に1回くらい、素直になってみようよ。それだけで、きっと、4主さんにも伝わると思うんだ。」
「…そんな、もんでしょうか。また演技だろとか言われて…」
不安そうな、もう泣きそうな8主を制して、7主がにこりと微笑む。その表情は、先輩として、果汁組の相方として、偽りのない優しさをもっていた。
「真剣なら、伝わるよ。きっと。そんなに思ってるんだもん。頑張ってみてよ。」
「7主さん…」
「それで、うまくいったら、結果だけ教えてね。」
「はい、頑張り、ます。」
ガチャリ。
ドアが開く。大きな荷物を抱えた4主が、ゆっくりとドアを開いた。
「おーい、なんだ果汁組、いたのか。7主、悪いが荷物持つの手伝ってくれないか。」
「ごめんねー、僕今手が、じゃなくて足が離せないの。」
そう言いながら、7主は8主にウィンクを送る。わかりやすい合図だ。
それを見て、8主は緊張した顔で、ゆっくりと、頷いた。
「7主さんに頼むなんて野暮なこと言わないでくださいよ。今日は特別に僕が手伝ってさしあげます。」
「…そうか。じゃあ頼む」
「まかせてください。」
4主の手から、大きな袋を受け取る、買い置きだろうか。油や砂糖、味噌や醤油など、調味料類が大小あった。
「あー重かった。おい8主、油と醤油はそっちの下の棚。砂糖は2段目。かつおだしは上の棚な。あと細かいのは…
あっ、お前、また瓶洗ってないな! しかもこれ3本も。一気に飲んだのか!?」
「えっと、その、一気に飲み…」
「プリンドリンクはカロリー高いから、1日1本にしとけって言っただろうが!!」
「そんなひどい。僕はそれに同意した覚えはないんですよ!」

61284、67風味 [8]:2009/04/12(日) 22:30:23
「ねえ、6主さん。」
「ん?」
7主は、膝の上に声をかけた。途中からずっと寝ているフリをしていた―8主はおそらく気づいていない―相手に声をかけた。
「4主さんの手、見える?」
「ああ、真っ赤だな。ずっと荷物持ってたんだな。ルーラ使える俺らが、あんなになるまで持つってそうないもんな。」
「いつから居たんだろうね。」
「あー、多分、8主が<KOI-GOKORO>とか言ってた時かな? なんか玄関のほうでガサって聞こえた。」
「聞いてたんだよね。」
「ああ、聞いてたな。見てみろ。耳、真っ赤だ。」
「ほんとだ。…僕初めて、4主さんのこと可愛いって思えたよ。」
7主がくすくす笑う。その様子をしたから見ていた6主は、その顔に手を伸ばす。優しく、ふわりと、その柔らかな頬に触れる。そしてゆっくりと、引き寄せた。
「…ん…。」
「オトナなアルスも可愛かったぞ。アルスは優しいなぁ。んー、いい子だからもっかいちゅーしてあげちゃう。」
「ちょっと、やだよ、見られるじゃないかぁ。もう、6主…ん…さんたらぁ。」

「こらそこ!共有スペースでいちゃつかない!」
キッチンからその様子を見咎めた4主が声を荒げる。手に持ったニンジンが二人を指し捕らえる。
キャッキャウフフな二人を見ながら、8主は呟く。
「…………いいなぁ…」
「…何か、言ったか?」
「いっいえ、何も!」
8主は頭の中で展開しかけた妄想を打ち消す。
鼻血ものの妄想が、現実となるのはいつだろうか。それはもしかしたら、意外と近いのかもしれない。

613名無しの勇者:2009/04/12(日) 22:32:33
8主がアホすぎるし、エロもないのに長くなりすぎた。
反省はしている。

614名無しの勇者:2009/04/13(月) 21:21:44
かわええええ(*´Д`)=зGJGJGJ!

615名無しの勇者:2009/04/16(木) 21:56:23
おおおおおおおすんごい萌えました・・・!!
GJGJ!!!!!!!
やっぱ84はいいなぁ(*´∀`*)

616名無しの勇者:2009/04/17(金) 20:29:01
た、たまらん…!!

617131:2009/04/23(木) 21:12:18
3主「・・・っ!痛っ!痛い痛い痛いって!」
1主「・・・うーん、十分に慣らしたんだけどなぁ・・・」
3主「くっそー!絶対ご先祖を気持ち良くしてやる、とか
  ほざいてたのはどこのどいつだよ!あーいてー・・・」
1主「いやぁ、慣らしさえしとけばあとは何とかなるかなってw」
3主「はぁ!?じゃあお前アレか!全然経験ないクセにいきなり俺で実践して
  気持ち良くしてやる!とかほざいてたのかよ・・・!うーわー、信じらんねぇ!」
1主「悪かったって、ご先祖。ほれ、ホイミホイミ」
3主「ケツにホイミすんなw」
1主「一応傷はふさがったみたいだけど・・・もう大丈夫か?」
3主「ケツの痛みは治まったが、俺の怒りは治まりそうにないな・・・。
  あー、なんか腹立ってきた!お前ケツだせ、今すぐに!」
1主「は?・・・俺はご先祖の筆卸なんてする気はないぞ」
3主「ふっざけんな!テメーはご先祖様のケツに痛い思いをさせておきながら
  自分が痛い思いをするのは嫌だと!?俺はお前をそんな子孫に育てた覚えはないぞ!」
1主「ホイミしたら直ったじゃんw・・・ってかご先祖に育てられた覚えはない!とにかく断る!!
  ・・・・・・絶対ご先祖、俺よりもヘタだし(ボソッ)」
3主「小声で言っても聞こえてるぞテメェ・・・。よーし、わかった。
  お前はよっぽど俺にケツを掘られたいらしいな・・・?
  ・・・観念してとっととこっちにケツ向けろやゴルァッ!」
1主「っぎゃー!いやー!やめてーご先祖!!」
3主「ふははははは、さっきのお返しだこの野郎!ほら、ココか?ココがええのんか??」
1主「いってぇ!ケツ痛いってご先祖!本気痛いからコレ!!」
3主「指の一本や二本でガタガタ抜かすなよ、っと」
1主「〜〜〜〜っ!ごめん、マジ悪かったって・・・う〜マジで痛ぇ・・・」
3主「・・・まあ、わかったんなら、よし。これぐらいで勘弁しといてやろうw」
1主「ふー・・・。あ〜、久しぶりに嫌な汗掻いた・・・。ホイミホイミ」
3主「次からは無責任な言動で人のケツを弄ばないようにすること、オーケイ?」
1主「・・・肝に銘じときます。しかし自分のケツにホイミをかける日が来るとは思わなかった・・・」
3主「俺だってまさか自分の子孫にケツにホイミをかけられる日が来ようとは夢にも思わなかったってのw」
1主「・・・ところでご先祖」
3主「ん?」
1主「この中途半端に放置されたブツは一体どうすれば良いんだろうな・・・」
3主「知るか!テメーで処理しろ!俺は寝る!」
1主「そんなひどい!」
3主「zzz」
1主「・・・ほんとに寝てるし。あーあ、どうすんよコレ・・・」

618名無しの勇者:2009/04/23(木) 21:14:51
131は本当にリバで美味しいと思うんだが
何か方向性を誤ったような気がせんでもない。
ケツケツ連呼しててすみません。ウホッ

619名無しの勇者:2009/04/24(金) 22:21:31
GJ!
この二人は相変わらずムードがないな(ワラ

620小ネタ 1/1:2009/04/25(土) 19:22:36
6主「お、今日の夕飯は煮物か?」
7主「煮物は煮物でも魚だけどね」
6主「そうか、じゃあ俺はとりあえずドラ焼きをいただいておくぜ!」
7主「何で夕飯の話してるのにドラ焼きを食べようとするのさ」
6主「何でって、小腹が空いてしまったからだ!」
7主「普通、夕飯のためにお腹空かせておこうとか思わない?
  煮付け、嫌いだった?」
6主「うんにゃ。大好き。7主のは特に旨いよな!」
7主「な!って言われても…ありがと」
6主「おう!でもお前、まだ16時半だぜ。夕飯の準備にしては早くないか?
  煮物ってそんなに時間かかるのか?」
7主「まぁ、かかるといえばかかるけど。でもそれより、
魚を捌いた後だから、片づけする時間が欲しいからなんだ」
6主「ふーん。片付けなら片付けの当番に任せりゃいいのに」
7主「魚だからね。早めに片付けた方がいいんだよ。臭いがつくと大変だし」
6主「ふーん。…ほんとだ。魚の臭いがする」
7主「ちょっ!やだ!首はダメ!」
6主「ごめんごめん」
7主。ほっぺたにウロコ付いてる」
7主「あー、それ取り忘れだ」
6主「…7主ぅー」
7主「なぁに?」
6主「片付け終わったら。風呂入ろうぜー」
7主「え、」
6主「風呂―。おにいちゃんが頭洗ってやるよ」
7主「一緒に入る気!?」
6主「嫌か?」
7主「………ちょっと待って。すぐ片付けるから」
6主「うん、待ってる。」



6主「なぁなぁ。ドラ焼きは食わないから、7主食っていい?」
7主「食べる違いだよ!」

62184 0/2:2009/04/25(土) 20:40:17
しまった!上のネタにカップリング書き忘れた!
間違えて読んでしまった人ごめんなさい。。。

続いて↓は84になります。

62284 1/2:2009/04/25(土) 20:41:46
「早く食えよ。片付けが終わらんだろうが。」
「えー、せっかくのプリンなんだから味わって食べさせてくださいよぅ」
「何がせっかくだ。毎食後に食ってるくせしやがって」
「いついかなる時でもプリンには敬意を払って全力で崇め奉り丁寧に食べないと失礼でしょうが」
「……もういい。食い終わったらちゃんとこっちまで持って来いよ」
「んーvvv幸せv」
「………」
「はぁ…vvv」
「…そんなに好きか」
「はい?」
「プリン。そんなに好きか」
「はい!大好きです!」
「そうか。好きか」
「はい!!」
「…俺のことは」
「はい!大好きです!」
「………」
「食べちゃいたいくらい大好きです(にっこり)」
「………そうか」
「(あ、照れてる照れてる)大好きです!」
「……食べられないけどな」

62384 2/2:2009/04/25(土) 20:42:39
「そんなことないです。食べちゃいたいです」
「ちょっ、お前っ…洗い物してんだから邪魔すんな!尻を触るな!」
「じゃあ終わったら触ってもいいんですか?」
「駄目に決まってんだろ!」
「えー。じゃあ抵抗されにくい今のうちに触りまくります」
「ちょっ…アホ…やめっ……邪魔…」
「ああ柔らかいなぁ。顔埋めていいですか?いいですね。埋めます」
「いいですかって聞いておいて返事も待たずに埋めるな!」
「いやぁん尻―」
「邪魔だ!相手なら後でしてやる!どけ!」
「ほんとですか?言いましたね?ちゃんと聞きましたから。
 待ってますからさっさと終わらせてくださいよ」
「やかましい!」
「はい。プリンの容器。ちゃんと持ってきましたよ」
「………」
「無視しないで下さいよー。淋しいじゃないですか」
「……8主」
「何でしょう?」
「………俺も好きだ」
「………」
「………」
「っはい!僕も大好きです!」


そして2人で、プリン味のちゅーをした。

624名無しの勇者:2009/05/06(水) 00:22:33
ちょっと気になったから訊かせてほしいんだけど、
ここって雑談スレ以外のネタスレは需要ある?

625名無しの勇者:2009/05/06(水) 11:28:29
とりあえず投下してみたらどうだろう
該当スレ知らない人も新たな萌えに目覚めるかもしれない

6267×3 1/3:2009/05/20(水) 03:37:03
7主「っもう、またあやしいサイト観てる〜」
3主「健全な16歳男子がオパーイに興味持って悪いか」
7主「でも3主さんてどっちかっていうと男にモテる方だよね?」
3主「違う! 基本ロトの勇者は男女問わず人気あるの!
   でも3女が極端に女にモテるから、変に比較されて誤解されてるだけなの!」
7主「そうなの? でも僕、どうも3主さんって……」
3主「なんだよ」
7主「見てたらいじりたくなってくるんだよね……」
3主「なんだその目は。指ワキャワキャさせんな。にじり寄って来るな」
7主「なに怯えてるのさ、エロ撲委だよ? 変なことするわけないじゃない」
3主「そう言いながら押し倒されてるんですが! そして身体中をなぜ回されてるんですがぁ!」
7主「ほら僕宿舎の風紀委員だし。健全な16歳男子が2次にハマって人生終了するのを黙って見過ごすわけにいかないもん」
3主「それはエロゲの女を本気で俺の嫁宣言してるような廃人だろ! 俺はちゃんと3次派だ!」
7主「そうなの? ごめん僕そういう知識はうといから」
3主「いやお前絶対わざと間違って解釈してるだろ!?」
7主「とか言いながら3主さんも期待してるんでしょ? さっきから全然抵抗してないしw」
3主「いや激しく抵抗してるから! てめえの最強ステータス相手にどうしろってんだ!」
7主「どうもしなくていいよ。わかんないでしょ? 僕がリードするから」
3主「なにをだ…って、うわやめっ! ちょっ、マジでそこはっ……ああっ」
7主「ほら、他人のオパーイなんか見てるより、自分のいじられた方が遥かに楽しいと思うんだけど」
3主「いやそれとこれとは別……はうっ、そんなとこ触んな!」
7主「やっぱりいじり甲斐あるなぁw こんなに感じやすいなんてね。
   ねえ、ベルトで手しばっちゃってもいい?」
3主「いいわけねえだろ! ってかすでに実行してるしぃぃ!」
7主「僕の手が空かないんだもん。さてどうしようかな。実は僕、ぶっちゃけ掘る趣味はないんだよね」
3主「はぁあ? じゃあなんでこんなこと……あうっ、待っ、やめ……これ以上はもうっ……!」
7主「ほら僕、基本MだけどドSでもあるから。見てる方が好きっていうか」
3主「な…んだよ! なに言ってるかわかんねえよ! あっ…や…ぁ……!」

7主「ふふっ。ねえ3主さん――羊さん喚んでもいい?」

6277×3 2/3:2009/05/20(水) 03:44:22
3主「……な…に?」
7主「大丈夫、しっかり躾けてるから、そこらの奴よりよっぽど上手だと思うよ♪」
3主「い、いやだ! そんなの、そんな、本気で……!?」
7主「モフモフしてあったかいし、体力あるし、きっとご満足いただけるかとw」
3主「やだやだやだ、いやだぁ!」
7主「特別大サービスで20頭くらい喚んであげる♪ きっと頭おかしくなっちゃうだろうねw」
3主「やめてくれ! やだ、助けて……!」
7主「そ・れ・で・は……羊さーん!」
3主「いやあぁぁぁあーー!!」






3主「……ヒック……やだぁ……ヒック……」

7主「――じゃあもう変な画像とか見ない?」
3主「ヒック……え?…」
7主「ずっと引きこもって当番サボったり、ご飯なのにいつまでもゲームしてたりしない?」
3主「し、しない……です……」
7主「本当に? 嘘ついたら羊さん喚んじゃうよ?」
3主「しません! 絶対しません! 約束するから、だから……ヒック、ヒック……」7主「はいはい、わかったらいいよ♪ 冗談だから泣かないで、ね? ほら手もほどいたから」
3主「ふ、ふええぇぇん!」
7主「よしよしw すっかり震えちゃってるね〜。怖かった?」
3主「怖いに決まってるだろ! ひでえよ、俺、本気で……」


7主「でも次は本気で羊さんだよ?」
3主「!!」
7主「だからイイ子にならないと、ね……?」

6287×3 3/3:2009/05/20(水) 03:54:36
7主「――という方法で良ければ、僕が3主さんをしっかり更正してあげるよ?」

1主「ふぅ……。あのな、7主。こちらから相談した手前あれなんだが……

   そんなん許せるわきゃねぇだろぉがぁあ!!
   うちのご先祖になにさらす気じゃクソガキがブチ殺すぞワレぇあぁぁぁぁあああ!!!!!」
7主「うわちょっと1主さん落ち着いてなにこのステータス無視した攻撃力うぎゃああああああ!!!!」




3主「うるせーな、さっきからなに隣でゴチャゴチャやってんだ? 2chに集中できねえじゃねえか」カタカタカタ…





なんか急にご先祖を苛めたくなっちゃいました。
ガチじゃないので許してください。

629名無しの勇者:2009/05/20(水) 20:00:07
ご先祖のためなら最強を超えられる1主に萌え(´∀`)

630名無しの勇者:2009/05/21(木) 03:45:40
1主賢者タイム自重www

631名無しの勇者:2009/05/24(日) 03:26:13
「ふぅ……。」てとこはやっぱ賢者タイムなのかwww

泣いてる3主は萌えるな!

632名無しの勇者:2009/05/24(日) 10:08:13
以前本スレで、3主に羊さんの世話をさせようってネタがあったけど、
もしやその「お世話」ってそういう意味だったのか!?w

633名無しの勇者:2009/05/24(日) 16:18:16
>>632
ちょwおまw萌えるwww

634羊×3(エログロ?要注意!!)1/3:2009/05/24(日) 16:21:30
>>632
それならばと実際にやってみたら、なんかエログロになっちゃった……;
結構ハード?だと思うんで、要注意。




 青い空と緑の草原。爽やかな風が渡る牧場に、
 そこだけ不穏な空気に包まれた一角があります。

3主「いやあ!助けて!お願いやめて! やめ…あぁっ…!」
7主「でも3主さんだってやるって言ったでしょ?
   みんなで決めたことなんだし、頑張って羊さんたちの『お世話』してよ」3主「そ、そういう意味じゃな……あうっ、ああ…!」

 そこには足を広げられ、あられも無い格好で柵に拘束されている3主の姿がありました。
 白い裸体の数ヵ所から、小さなモーター音がしています。

7主「さすがに羊さんに細かい愛撫は難しいから、乳首と裏筋のローターは僕からのサービスだよw」
3主「やだよぉ、うっ、外してぇ…はうっ…あっあっ……!」
7主「じゃあまずこの子からね。おいでー」

 7主に呼ばれ、群れの中から1匹がにじり寄ってきました。
 目の前に突き出されている尻の割れ目を舐めたり匂いをかいだりしていましたが、
 やがておもむろに立ち上がり、そして……。

3主「ひぎぁ!痛い!あぐ!ひぁあ…! は…うぐぅ!」

 一気に貫かれ3主は泣き叫びますが、羊さんは気にもしません。
 容赦なく突きまくり、激しいピストンに柵ごとギシギシ揺れています。

3主「ああっはうっ…あっあっ…やぁあ!」

 もはやローター程度の刺激など吹っ飛び、最大まで押し広げられた穴はすぐに痙攣し始めました。
 あまりの激しさに、これが苦痛なのか快感なのかも定かではありません。

7主「どう3主さん、すごいでしょ。こっちの要望なんてお構い無しで犯されまくる感じで。
   これが獣姦の醍醐味ってやつなんだろうね〜。僕は死んでも御免だけどw」

 7主の言葉も耳に入りません。
 下半身に叩き付けられる感覚に、今にも意識が飛びそうです。

3主「ああっ……もうやめっ…お願……あぐっ…あっ……!」

 羊さんの営みがさらに激しさを増し、とうとう熱い液体が放出されました。
 人とは比べものにならないほど大量に注ぎ込まれ、内臓が圧迫されます。
 羊さんのソレが抜かれると、だらしなく拡がったままの後孔から溢れ出して、
 内股や足元の地面をべったりと濡らしました。

7主「よしよしすっきりしたねー。なに、そこらのメスより締まってて気持ち良かったって?」
3主「あ…あぅ……」
7主「じゃあこの調子で、他のみんなもどんどん『お世話』になっちゃおうねw」
3主「いやだ! もう許してぇ!!」
7主「でもこの子だけじゃ不公平だし。それじゃ僕、漁に行くから、
   あとはみんな仲良く順番に楽しんでね。夕方には迎えに来るから」
3主「行かなっ…行かないで! いやっ、助けて! いやぁぁあ!!」

635羊×3(エログロ?要注意!!)2/3:2009/05/24(日) 16:25:29
 7主が行ってしまうと、羊さんたちが一斉に群がってきました。
 どんなに泣いても懇願しても、羊さんたちにはまったく通用しません。

3主「もうやめてっ…! あうっ、苦し…!」

 次々に突き込まれ、大量に注ぎ込まれて、あっという間に胃まで満たされてきました。
 今や3主のお腹は妊娠したようにぽっこりと膨れています。

3主「あ…うそ、ダメ……いやっ、ダメぇ……うぐぇぇえ!」

 さらに何頭かに犯されたところで、ついに堪え切れず口から吐いてしまいました。
 鼻も口も生臭い匂いが広がり、余計に嘔吐感を促します。
 後ろから入れられた獣の精液を口から出してしまったということに、人としてのプライドは粉々です。

3主「だ、誰か…もう…殺して……あっあっ、はうぅ……!」

 何度も吐いて息も絶え絶えですが、羊さんたちは容赦なく責め立てます。
  ときどき間が空いても、ローターの刺激が戻って来るためちっとも休まりません。

3主「はうっ…あう……うぐっ……」

 狂った宴は本当に夕方まで続きました。
 やがて7主が戻って来ましたが、3主は柵に寄りかかったままぐったりしています。

7主「ただいま3主さん。今日はありがとね〜。大丈夫?」
3主「…あ…う……」
7主「おーい。あらま、すっかりおかしくなっちゃった? まあ当然かもだけど。
   とりあえず今きれいにしてあげるからね。まずこれで栓をしてと……」

 7主はプラグを取り出し、3主の後ろの口にズプリと差し込みました。
 かなり太いプラグでしたが、羊さんにめいっぱい拡腸されたためすんなり飲み込みます。

7主「ごめんね、こうしないと羊さんたちのが漏れてきて、洗ってもまた汚れちゃうから。
   じゃあちょっと冷たいけど我慢してねー」

 近くに羊さんの飲み水などを汲むための水道がありました。
 ホースを繋げて3主の身体を一気に洗浄します。

3主「ひ……!」

 急に冷たい水をかけられ、3主の身体は縮み上がりました。
 あそこもキュッと締まったので、7主が挿入したプラグはもう自力では抜けません。

7主「はいおしまい。さすがに疲れたろうから、今日はこの近くの納屋に泊まりなよ。
   羊さんたちにたっぷり飲まされたみたいだし、ご飯いらないでしょ?」

 そう言いつつ、7主は3主から拘束具やローターを外し、羊毛で編んだ柔らかい布でくるみました。
 そしてその上から拘束用のベルトでグルグルにしばってしまいました。
 す巻き状態の3主をひょいっと抱えて納屋に運び、ワラの山の上に転がします。

7主「今日はご苦労様でした! じゃあゆっくり寝てね。明日もまたお願いね♪」
3主「う…ぅ…」

 こうしてその日の仕事は終わりました。
 羊さんの『お世話』はその後数日間も続き、帰ってきた3主は「ヒツジ」の一言だけで何でも言うことを聞く、
 たいへん素直ないい子に変わっていました。

636羊×3(エログロ?要注意!!)3/3:2009/05/24(日) 16:28:59
7主「――とまあ、実際にやったらこんな感じだね。
   青姦、獣姦、輪姦、ある意味放置プレイも入ってるかな?」
1主「ふぅ……。あのな7主、つい興味が沸いてこちらから聞いたのにあれだが……

   そんなんじゃ更正どころか廃人確定じゃぁあ!!!
   この変態サドガキがてめえが羊に輪姦されとけやボケぇぇええ!!!!!」
7主「うわ待って1主さん聞いてちょっと脚色したけど実はうぎゃああああ!!!」


3主「うるせぇぇ!! さっきから聞いてりゃ人を肴になんつう会話してやがんだ!」
1主「あ、ご先祖! 大丈夫だ、今すぐこのエロガキ成敗するから!」
3主「当たり前だ、勝手なことばっかほざきやがって!
   この俺が、たかが10頭や20頭の畜生を相手にしたくらいで人格崩壊するか!」
1主「…………………え?」
3主「そりゃ最初はちょっとビビったけど、慣れたら病み付きになったくらいだぞ。
   なあ7主、今日もいいだろ? 昨日からプラグ入れっぱなしでウズウズしてんだけど」
7主「いやあの、羊さんにも体力の限界っていうのがあるから……。
   こう毎日だと本業にも差しつかえるし」
3主「ええ〜!? 我慢できねーよ!
   あの無理矢理プラグむしり取られるところからの乱暴なスタートとか、
   昨日の羊さんのアレがドロっと出てきて、興奮した羊さんがまたムチャクチャに突いてきて、
   これでもかって熱いのが注ぎ込まれると、もうワケわかんなくなっちゃうのとか……!
   確かに腹一杯になって吐く時はちょっと苦しいし気持ち悪いけど、
   あの人間やめたくなるような屈辱感とか、それでも快楽感じちゃってる背徳感とか、
   ああんもう、思い出すだけでゾクゾクしちゃうのにぃ!」
1主「そ、そんな……うちのご先祖がこんな変態に……」
3主「ほら早く7主、今すぐ牧場に行こう! 別にここに喚んでもいいぞ!」
7主「いやだから今日の『お世話』ナシだよ。ってかどっちのお世話かわかんなくなってきたよ。
   3主さんだってまともなご飯も食べないと身体に悪いし、もうやめた方がいいよ?」
3主「んだとコラ! 誰が俺をこんな身体にしたんだ、ああ?
   いいから喚べよ。もちろん一匹でも途中でご奉仕がおろそかになったら、
   全匹かっさばいてジンギスカンにしてやるけどな!」
7主「ひぃぃ! 羊さん食べないで〜!」
3主「それとも7主が相手してくれんのか、羊さん数十頭分」
7主「無理だよ! たとえ5主さんだって死んじゃうよ!
   まさかこんなことになるなんて……。ねえ1主さんなんとかしてよ!」
1主「あは…あはは……ご先祖が……変態に……」
7主「ああ、1主さんが廃人になってるし!」
3主「おい7主! 早く羊さん喚べ! 羊さんー!」
7主「誰かこの変態勇者なんとかしてぇぇ! このままじゃ羊さん全滅しちゃうよ〜!!」

637名無しの勇者:2009/05/24(日) 20:52:20
>>634-636
(´д`*)ハァハァ
(´д`*)リンカーンハァハァ
なかなか見れないジャンルだったから楽しませてもらったよ!
お腹いっぱい満足しますた!

638「体格」:1+4+α:2009/05/25(月) 01:40:54
本家からネタをお借りしました。匂い薄めです...

 7主「うわっ」
 よろけた7主を支えたのは、家から出てきた1主だった。
 「大丈夫?」
 「あ、はい、ありがとう1主さん...どうしました?」
 支えてくれる1主の顔を見上げると、怪訝そうな顔をしている。
 「7主さん、大丈夫?」
 ばたばたと走りよってきたのは8主と4主だった。
 「また喧嘩してたのか、お前ら」
 一種と一緒に出てきた3主が呆れたように二人を見ると、二人は互いにそっぽを向いている
 「1主?」
 視線を戻し、7主を見ようとした3主も、駆け寄ってきた8主も4主もそこで1主が7主を支えたまま怪訝そうな顔をしていることに気づいた。
 「どうした?」
 「あ、ごめん。7主。4主、ちょっと来て」
 4主が問いかけると、1主は7主を起こした後、4主を手招く。
 思わず7主の顔が引きつり、慌てて3主のほうに駆け寄る。4主はそんな7主の行動に気づいたが、何時ものことなので何も言わず1主の言葉に従った。後ろでは8主も首をかしげている。
 「なんだ?」
 「いや、ちょっと確かめたいことがあって。いいか?」
 「確かめたいこと、ですか?」
 1主の問いに答えたのは問われた4主ではなく8主だった。4主は先ほどの1主と同じような顔をしているが、戸惑いながら頷いた。
 すると、1主はかがんで、4主の膝裏に手を差し入れた。
 「うわっ!?」
 「1主?」 
 「「1主さん?」」
 何時もローラ姫を抱えているからか、驚いて身を強張らせた4主をいとも簡単に抱き上げる。
 いわゆる、お姫様抱っこというその行動に、見ている全員が固まった。
 「う〜ん。やっぱり」
 1主だけが、うんうんと頷いている。
 「1主?」
 何時も悪ふざけをする6、7、8や、5、3などと違い、真面目な1主の取った行動に、4主は固まった首を無理やり見下ろしてくる相手に向ける。
 「な...」
 「な?」
 答えようとした1主は、地獄の其処から響いてくるようなおどろおどろしい声に前方に意識を向けた。
 そこには、真っ黒に近い紫色をまとった8主。何時もの見た目だけの穏やかさをかなぐり捨てている。
 その瘴気の濃さに他のものたちも正気に返った。
 「な、ナにやってるんですかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 あたり一面に響き渡る怒声に、宿舎の中でくつろいでいた5主、6主も顔を出している。
 「なにって、体重量った」
 「「「「「「は?」」」」」」
 怒り狂っている8主にちょっと腰を引きながら、1主は抱き上げた4主を見下ろし、答えた。

639「体格2」:1+4+α:2009/05/25(月) 01:42:38
 「...なんでだコラ?」
 4主の額に皺がよるが、1主は気にせず答えてくる。
 「いや、さっき7主支えただろ?そんとき思ったんだけど」
 「なにが!?」
 「以前、抱えた4主と殆ど変わらないなあって。それで確認した」
 「抱えたっていつだい?」
 「4主とはじめてあった時」
 「そーいえば、はじめてあった時、「今までともに旅をすると言うと俺が運ぶものだった」とかいって抱き上げたな、お前...つーか、降ろせっ!」
 いい加減耐え難いのか、怒鳴る4主に1主は素直に従い、ゆっくり降ろした。
 「流石にローラ姫のほうが軽いが、お前、殆ど代わらないぞ?メシ食ってるか?」
 普通に考えたら、1主は心配して言ってくれている、というのは分かる。
 主人公達の中でも長身に含まれる4主と一番小柄な7主の体重が同じぐらいで、尚且つ7主は太っているわけではない。常識的には、4主がかなりやせているのでは、ということが結果として出る。
 「...(ーー#)」
 「ひぃっっっっ!!」
 「「「「ぷっ」」」」
 本人が気にしていることをずばりと指摘してくる1主に、4主の眉は顰められ、7主は3主の後ろに隠れ、3主、5主、6主、8主は素直に噴出した。
 「あははははははっ!1主さんナイスっ!」
 「ぷっくくくくくっ流石俺の子孫。着眼点最高っ!」
 「確かに4主ほっせぇもんなぁ。しかも其れをダブダブの服であざとく隠してるしっ」
 「く、くくくくくくっ。わ、悪いよ。彼は親切で言っているんだから。ね...あれ?」
 「おや?なんか魔法使ったような疲労感が急に...」
 「あれ?本当ですね?これってもしかして...」
 「って、7主居ないぞ?いつの間に!?」
 「あ、なんか遠くに羊の群れらしきものが遠ざかっていくのが見える」
 「うん。流石戦闘力ピカ1。とっさの判断が素晴らしいよね。ところで、パパ、この感覚覚えあるんだけど」
 状況がいまいち分からない1主を含めた全員が視線を上げると、其処には両手に魔力を宿らせた緑髪の魔王が光臨していた。
 「...いっぺん死んで来いっ!お前らぁぁぁぁぁぁっっ!ミナデインッ!!!」
 「「「「「ぬわーーーーーーーっ!!?」」」」」



 「ただいまー。あれ?」
 「おう、おかえり。ロンダルキアはどうだった?」
 「サマルがまた棺桶入ったんで帰ってきたぞっ」
 「...おつかれさん。今、なんか美味いものでも作ってやる」
 「おおっ!4主の飯美味いから好きだぞっ!あ、そだ。表に炭が転がってたけど、なんだあれ?」
 「...ああ、あれはほうっておいていい。ただのごみだ。後で回収しておくから」
 「そうなんだ。5つも転がってたぞー。ご飯食べたら俺も手伝うぞっ!」
 「ありがとう。2主はいい奴だな...アノデリカシーノナイヤツラトチガッテ」
 「おうっ!」

640名無しの勇者:2009/05/26(火) 20:49:08
>>638
2主に和んだwww

641名無しの勇者:2009/05/27(水) 00:18:44
姫抱っこは正義
そういやいきなり抱きかかえるネタあったなw

642名無しの勇者:2009/05/28(木) 15:14:15
羊さんと3主、たまたま本スレ25見たら、
「3主さんより羊さんの方が大事」
「俺が羊の餌になる方が現実的なのか」
みたいな会話しててドキドキしたw

643彼にとっての…1/3:2009/05/29(金) 01:42:16
638を投稿した者です。
>>640さま
>>641さま
つたない作品にお返事ありがとうございました。
それに励まされ、相変わらず匂い薄めながらも投稿させていただきます。

 緑豊かな平和な村。
 道行く人々はみな顔見知りで、歩いているといきなり剣だの魔法だので襲い掛かってくるお茶目な人が多いが、それでも時間はゆったりと流れていた。
 「いつまでも一緒に…」
 幼馴染の少女が微笑む。頷き、差し伸べられた手を取ろうとした瞬間、背後から爆発音が響いた。
 自分の手を取って走る師匠。薄暗い地下室の埃の匂い。そして、捕まれた手の暖かさと、目の前で己の姿を写し取る少女。
 まって、と手を伸ばそうとした少女は、もう一つの呪文を唱えた。
 それは、一時の強制の眠りをもたらすもの。
 伸ばされたては、少女に届かぬまま闇に包まれた。
 「……っ!」
 手を伸ばしたポーズのまま、起き上がり、そこではじめて其れが夢だと気づく。
 額に張り付く髪を書き上げ、窓の外を見ると、淡い月の光が窓から差し込んでくる。
 「…夢…か」
 首を軽く振るが、不快感は消えてくれない。
 暫く考え、4主はベッドから床に足を下ろした。



 幸い、意外と広い宿舎は、夜にシャワーを浴びても、誰の迷惑にもならない。
 お湯ではなく水を浴びると、意識がはっきりとしてくる。
 流れる水を拾うかのように広げた掌は、農業をやっているにしては日焼けせず、青白い。
 かって、この手は真っ赤だった。失われたものを取り戻すことなど出来ないとわかっていながら、ただひたすら、あの時、眠りの中で聞いた名前にたどり着くため、モンスターを屠り続けた。
 如何して村が襲われたのか、如何して自分が狙われたなのかなど、父や母の言葉だけではよく分からず、ただひたすらに力を求めた。
 戦いから離れたいまでも、命を奪う感触も、命を失う感触も、この手には残っている。
 壁に縋るように寄りかかる。
 己の口を塞いだ手から、水音にかき消されてしまうような小さな嗚咽が漏れた。

644彼にとっての…2/3:2009/05/29(金) 01:43:19
 水を取りにキッチンに向かうと、其処には先客がいた。
 キッチンから続くバルコニーに、月を見上げる影が二つ。
 「3主、5主…」
 声に気づいたように二人は振り返った。5主がにっこり笑って手招く。
 その手に導かれるようにバルコニーに出ると、3主が手をひらひらと振ってくる。
 「5主、帰らなかったのか?」
 生活の主体を此処においている3主と違い、国に家族がいる5主は、イベント以外は殆ど自宅に帰っている。その彼が夜、ここにいるのは珍しい。
 「一度帰ったんだけど、良いお酒が手に入ってね」
 5主が指差した大きな瓶には、透明な液体がかすかに揺れる。
 台所を管理している自分が見たことがないものだから、言葉どおり持ってきたものなのだろう。
 「そうしたら、見事な月夜で、ついね」
 5主の言葉に3主が頷き、4主に席を進めた。ちょうど二人の真ん中を指差され、一瞬躊躇うものの、再度促されて従う。
 手渡されたのはグラスではなく湯のみ。鼻を近づけると、アルコールの匂いのほかに、この前下ろしたばかりのお茶の匂いがする。
 「お茶割り。美味いよ?」
 促されるまま一口含むと、さわやかな緑茶の香りが口内に広がる。
 好みの味にもう一口飲むと、3主も5主も笑っている。
 「…芋焼酎?」
 「そう。嫌い?」
 5主の言葉に小さく首を横に振り、もう一口飲む。
 癖がある酒を緑茶のさわやかさが緩和している。好みの味だな、などと考えていると、3主が嬉しそうに笑った。
 思わず視線で問いかけると、3主は湯飲みを置き、4主の額を指出す。
 「いや、そーゆー笑い、久々だなって」
 その言葉に湯飲みを見下ろすが、自分の表情は見えない。首をかしげて5主を見ると、5主も微笑んでいる。
 その穏やかな微笑みは父親の笑みを思い出させた。すると、3主の方から手が伸び、酒が更に注がれる。
 「ほら、飲め飲め。今飲まないと、他の奴らに飲みつくされちまうぞ?」
 二人に促されるまま、湯飲みを傾ける。
 どこまで気づかれているのかは分からない。ただ、この二人がここにいて、自分を待っていたのだけは確かだろう。
 だって、湯飲みは三つある。
 4主は頬を綻ばせた。
 自分は一人になってしまった。だけど、此処には仲間がいる。失われた命ではないけど、それでも掛替えのない仲間が。ここだけではなく、自分の世界にも。
 こうやって、夜中に起き出して一緒に月見を楽しんでくれる仲間が。
 穏やかで静かな月夜の酒宴は月が沈むまで続けられた。

645彼にとっての…3/3:2009/05/29(金) 01:44:01
 「おっはよーって、5主だ、珍しいな!あ、遠いほうのご先祖も起きてるー」
 「おーう」
 「…おはよう」
 元気良く飛び出してきた2主は、ダイニングテーブルに突っ伏している5主を覗き込んだ。
 横では、3主が頭を抱えている。
 掠れた声でもきちんと聞き取ったのか、2主は元気良く返事を返してくる。その大きな声は、容赦なく二日酔いの頭に響く。
 のた打ち回る二人には気づかず、キッチンから香ってくる良い匂いにつられ、2主はキッチンを覗き込んだ。
 「おっはよー。4主」
 「ん。おはよう。顔洗ってきたか?」
 「うん!ねえねえ、4主、それ、何のスープ?」
 くんくんと良い匂いに鼻を鳴らしながらキッチンに入ってきた2主は、4主がかき混ぜている鍋を覗き込んだ。
 「ああ、味噌汁だ」
 「ミソシル?」
 聞いたことがない名前に2主が首を傾げる。
 4主は小皿を取り、スープを少しだけ入れて味を見ている。そして、2主のために、もう一度小皿に少しだけスープを入れた。
 「味見てくれ。熱いからちゃんと冷ませよ?」
 「うんっ…あ、うまいっ♪」
 途端に上機嫌になる2主から、4主は小皿を受け取った。
 「そうか。2主、スープ皿出してくれるか?」
 「ああっ!俺手伝うッ!…あれ?」
 食器棚に向かおうとした2主が振り返る。4主も釣られたように其方を向くと、2主が此方を覗き込んでいた。
 「どうした?」
 じーーと凝視され、少々居心地悪そうに鍋に視線を戻すと、2主が更に覗き込んでくる。
 「2主?」
 「めずらしいぞ?」
 心底珍しそうな声に顔を上げると、嬉しそうな2主の顔が飛び込んでくる。
 「?」
 「4主、笑ってる。なんかいいことあったか?」
 無邪気な問いかけに4主は、今度こそ鍋に視線を戻し、食器棚を指差した。
 「…そうだな。とりあえず、皿を出してくれ。今日は5主の分もだぞ?」
 「あ、はーい」
 慌てて食器棚に向かう2主を視線だけで追い、4主は再び微笑んだ。



おまけ
 「うっわ、1主さん5主さんお酒臭いっ!」
 「ほんとだ。大丈夫か?二人とも」
 「オジさん二人で酒盛りなんていやらしー」
 「見事に潰れてんなー」
 「大丈夫?」
 「…二本も飲みつくすとは恐れ入った」
 「だなぁ。ワクとは思わなかったよ、パパ」
 「ワクってなんだ?」
 「2主。よそ見するとスープが零れる」

646名無しの勇者:2009/05/30(土) 22:12:36
いいなあ、みんな仲良くて和みます
2主かわいいよ2主

647「ムヒョウジョウ」1/4:2009/05/31(日) 01:02:57
調子にのって第三弾。
前二つよりは匂い濃い目……が、エロなしです。
ピュアピュア視点ですので……。

 カリカリとペンの音が響く。先ほど行った簡易テストの採点をしている4主を2主はじっと眺めていた。
 ここはDQ主人公たちが集まる宿舎。2主はロンダルキアから時々ここに訪れ、遊んだり食べたり、そして現在は4主に勉強を教えてもらっっている。
 『なんで、みんな4主のことムヒョウジョウだっていうんだろう?』
 2主は首をかしげた。仲間たちはみんな4主のムヒョウジョウだっていう。ムヒョウジョウって何だ、と4主に聞いたら、表情がないことだって教えてくれた。
 『そんなことないのに…』
 さらさらと滑るペンを持つ手が止まり、小さく目を伏せる。あれは、困った顔。多分問題が間違っていたのだろう。
 2主は申し訳なくて、小さくなる。
 だって、2主はずっと4主に勉強を教えてもらっているのに、4主は今もたまにあんな顔をする。
 再びさらさらとペンの音がする。そして、今度は鋭い眼差しがかすかに緩む。これは、笑み。
 多分問題があっていたのだろう。手が丸の形を描いたから間違いない。
 2主はうれしくなった。4主はぜんぜんムヒョウジョウじゃない。いつだっていろんな表情を浮かべている。
 再びさらさらと手が滑り出す。かすかに俯いて採点する4主の顔は真剣だと誰が見たってわかる。
 手が止まり、ぱちりと瞬き。それからまたさらさらという音。
 『マツゲ長いなあ…目もキレイだな』
 4主はどこを見てもキレイだ。それを行ったら、3主、1主、5主に笑われた。
 農業をしながらもあまり焼けない白い肌も、森の色の髪の毛も、紫の目もキレイだといったらまた笑われる。
 『あれはカッコいいっていうんだよ』
 『もしくはイケメンだな』
 1主の言葉に大きくうなずく。3主の言葉はわからなかったけど、同じ意味かなと思ったので同じくうなずいた。
 でも、カッコいいのは1主も3主も5主もだ。
 4主は違う気がするといったら、今度は5主も笑う。
 『確かにキレイだね』
 キャシャダシセハタカイケドホソイシカオハトトノッテルシメツキワルイケド。
 三人の言葉が全部わかったわけじゃないけど、4主がキレイだって思っているのは分かったので嬉しくなった。
 特に目がキレイだと思う。ロンダルギアでは見れない色で、どっかで見た色だ。
 「…2主?」
 声に驚いたように顔を上げると、目の前に4主の顔があった。
 突然に驚いてのけぞると椅子が傾く。
 「うわっ!?」
 「ととっ…大丈夫か?」
 転んだと思ったそのとき、伸びてきた手が体を支えてくれる。思わず手を見て、それから4主を見た。
 4主は手が長く、背も高い。でも、腕自体は俺より細いのにとても力持ちだ。
 「ありがとう!」
 「どういたしまして」
 お礼を言うと、また目が緩む。笑ってくれたのが分かったので嬉しくて笑い返した。

648「ムヒョウジョウ」2/4:2009/05/31(日) 01:04:11
 「で、どうした?」
 体を起こし、元通り座ると聞こえてきた4主の声。
 「何が?」
 4主をじぃっと見ると、4主が「それだ」といった。
 「いつの間にか、テストじゃなくて俺を見てる。顔になんかついてるか?」
 4主の手が自分の頬を撫でる。現役の戦士ではないとはいえ、剣の稽古を欠かしてないはずの4主の手は、剣だこが目立たなくて、白くて長くてキレイ。
 『うん、またキレイなとこ見つけた』
 「2主?」
 再び4主の声。あわてて2主は首を振った。
 「ごめん、何もついてない。ただ」
 「ただ?」
 4主の視線が向けられ、なぜか恥ずかしくなって2主は俯いた。しかし、すぐに顔を上げる。
 『人と会話するときは相手の目を見ること』
 これは親から教わったこと。4主にいったらほめてくれた。
 「キレイだと思った」
 「は?」
 怪訝そうな声。4主は目を見開いている。
 『あ、この顔はキレイじゃなくてカワイイ』
 「4主の目、キレイだなあ、って思ったんだ」
 まっすぐ目を見て言うと、4主は再び瞬き、それからついっと視線をそらした。
 「そりゃ、どうも…」
 「4主?」
 視線を合わせてくれない4主を見ると、手のひらで顔を覆っている。キレイな顔も目もほとんど手のひらで覆われてしまっている。
 ちょっとだけのぞいた耳はとっても赤い。
 『これじゃあ、4主の目が見れない』
 ちょっとむっとして、手を引っ張ろうとしたら、4主は自分で手のひらをどけてくれた。
 「いったいなんなんだ…」
 ちょっと疲れた声。これは問題がまったくできなかったときの声と同じ。がっかりさせたのかと考えていると、4主は小さく口の端を上げる。
 これも笑い。でもあんまり見たことないものだ。
 「4主?どうしたの?」
 「いや…ほめてくれてありがとうな?」
 顔をあげると4主はいつもの顔。でも目元がちょっとやわらかいのでまた嬉しくなった。
 「うんっ!あ、そーだっ!」
 勢いよく顔を上げた俺に4主がちょっとのけぞる。
 「どうしたんだ?」
 「ねえ、4主の目の色ってどうやって書くんだっ!?」
 ちょうど今やっていたのは漢字のテスト。せっかくなので聞いてみた。漢字教わったら、どこで見た色か分かるかもしれないし。

649「ムヒョウジョウ」3/4:2009/05/31(日) 01:05:22
 「目の色?う〜ん」
 しばし考え、テストではなく、横に置いてあったメモに4主は書いてくれた。
 差し出されたメモを見たが…。
 「いと….分からない」
 がっくりうなだれると、4主の手が帽子を取っていた俺の頭に載せられる。なでなでは嬉しいが、それより目の色の名前を知りたい。
 4主はメモを再び取り、下におっきくひらがなを書いてくれた。
 「し、あん?いとじゃないのか?」
 「ああ。この先の字がムラサキで、シと読む。次がヤミでアンと読む。で、紫闇(シアン)というらしい。昔仲間が言ってた」
 「仲間?」
 なんで自分の目の色なのに仲間に聞いたんだろう?とりあえず分からないことは聞いてみる、を試すと4主はまた口を小さく上に上げる。
 「色の名前は沢山あるんだ。だから、俺もよく知らなかったんだよ。ああ、ちなみに」
 再びメモにさらさらと漢字を書き、その上にひらがなを書いてくれた。
 「こんぺき?」
 「そう。これがお前の目の色。紺碧(コンペキ)。黒みを帯びた紺色って意味だ。この先の字が紺色のコン、碧ってのはアオ、だな。この名前がついた石があって、聖なる石ともいわれてるんだぞ。とても、キレイな色だな」
 4主の言葉に、顔が熱くなる。なんだろう?褒められたから嬉しいんだろうか?
 「4主のは?」
 尋ねると、4主はまた頭を撫でてくる。今度はちょっとおざなりだ。
 「今いったぞ?紫は分かるな?闇は暗闇とか、あー、つまり、真っ暗ってことだな」
 再び口の端が上がる。伏せられた目はキレイな目の色が隠れてしまうのでちょっといやだ。この表情もキレイだけど、なんか嫌だ。
 だから俺はあわてて4主の服を引っ張った。
 「違うぞ?4主真っ暗じゃないぞっ!」
 かがんでくれた4主の目が再び瞬く。その色を見て、その後ろに見える窓を見てやっと俺はその色をどこで見たか思い出した。
 「4主の目の色、あれだっ!!」
 服を引っ張った腕で、4主を窓のほうに向かせる。窓から見えるのは、夕日が沈むところ。空が淡い紫に染まるその光景が、2主は好きだ。
 「この色だっ!真っ暗じゃないっ!」
 さっきの顔はやめてほしい。口は笑っているのに泣きそうな顔は、2主も一緒に泣きたくなってしまう。
 「2主、痛い…」
 「え?あ、ゴメンっ」
 躊躇いながら告げられた言葉に、2主はあわてて手を離す。それでなくても自分の力がとても強いのは知っている。
 こんなことで4主を怪我させるのは嫌だ。
 あわてて手を離す2主が顔を上げると、再び目を緩めた4主の顔。2主が一番好きな顔だ。
 「…ありがとう、な」
 「どーいたしましてだぞっ!」

650「ムヒョウジョウ」4/4:2009/05/31(日) 01:08:09
 勢いよく手を挙げ、笑うと4主はもう一度頭を撫で、立ち上がった。
 「さて、そろそろ終わりだ。今日は何食べたい?」
 「4主が食事当番かっ!俺、ハンバーグが食べたいぞ」
 「了解っと♪」
 楽しげな声が廊下に響く。
 『こんど、ムヒョウジョウっていってたらいってやろう』
 2主は笑う。4主はとっても表情が豊かだ。自分にはいつも笑ってくれるのだと。
 『あ、でもやっぱりやめた』
 だって、みんながムヒョウジョウだというのなら、これは2主しか知らないことなのだ。だったら秘密にしておきたい。
 『だって、4主の笑みはとってもキレイだから』
 だからこれは、自分だけの秘密。

※紫闇:造語です。こんな色の名前はありません。多分(−−;
一応、続きではないですが、残り3、5、6、7、8と続く予定です。

651名無しの勇者:2009/05/31(日) 08:29:57
2主かわえええ萌える
連作楽しみにしてます!

652名無しの勇者:2009/05/31(日) 20:54:26
イイヨーイイヨー
24萌えにはたまらんです。

653名無しの勇者:2009/05/31(日) 22:32:47
うわぁぁぁぁ。「体格」以外の組み合わせ書くの忘れてましたっ!
ちなみに、以下のようになりますm(_ _)m
「体格」:1+4+α
「彼にとっての…」3→4←5
「ムヒョウジョウ」:24

ではでは、3を投稿します。5は、たぶん来週……。

654過去と今と…… 3→4 1/4:2009/05/31(日) 22:36:04
本家からネタをお借りしました。匂い相変わらず薄めです……。

 魔王を倒した後の感想は、ただ、終わった、だった。
 もちろん達成感もあった。英雄扱いも嫌じゃない。だけど、本当に褒めてほしかった人の手はもう届かないから。
 空を見上げると、きれいな青空。あれを取り戻したのが自分たちという誇りもあるが、それでも、その空の向こうにいるはずの母と祖父、そして神竜の力で復活したであろう父にはもう会えない。
 後悔はしていないが、少し残念だ。
 とりあえず、一ヶ月はのんびりすごした。それから、旅が好きだった仲間はひとり、また一人と旅立っていき、最後に3主が残った。
 仲間たちから定期的に連絡が来るから心配はしてない。だけど、しばらく旅はしたくなかった。
 毎日ぐうたら寝転び、たまに町を散歩する。
 宿代を使い尽くすのもあれなので、小さな一軒家を購入した。ご飯もまあ簡単なものは作れるので大丈夫。
 そうして半年が過ぎ、なんとなく悟らざるを得なかった。もう帰れないのだと。
 後悔はしてない。別れは済ましてきた。一生あえなくても、死んだわけじゃない。そんなこと考えながらふらふらと過ごしていたら、いつの間にか「ニート」といわれた。
 失礼な。別に他人に迷惑かけてないぞ?確かに勇者なんて知られてないけどさ。
 で、やけになって「俺はニート達が幸せに暮らせる国を探す!」なんて冗談でご近所にいって旅に出て…穴に落っこちた。
 しばらく歩いて、出会ったのは紫色のターバンを巻いた男。元戦士の僧侶だと思った。体格いいし。
 しばらく話していると、「勇者」の息子がいるというちょっと変な話。出身国も聞いたことがない国だったので変だなあと歩いていたらはぐれた。
 で、もうしばらく歩いてみると広場について、今度は俺に似た鎧を着てるやつらに会った。
 話してみると、どうも、この二人は俺の子孫らしい。
 変なとこ来ちゃったなーと考えてたら、旅の扉みたいな渦が音を立てる。今までの経験上、また俺の子孫かそれとも先祖かなとか考えていたら、現れたのは一人の男。
 服装はまともだが、俺たちとは違う深い緑色の髪。賢者の髪色も緑だが、それよりずっと深い、森の奥のような深い色。
 最初の二人は俺に似てるかな、と思うが、この男はまったく似てない。
 だけど、どことなく親近感を感じる。なぜだ?まったく似てないのに。
 「そうか、こういう人をびじゅある系って言うんだな」
 2主の声が聞こえてじっくり眺めてみると、確かにひどく整った顔をしている。だけど、それが目に入らないほど、印象的な事があった。そう、多分違うといいながら、否定できないほどの共通点が、男と俺にはあった。
 それは眼差し。正確には、少し前の俺。何かを諦めてしまったような悲しい色の目。
 二人の問いかけにも、言葉少なく答えていた青年は、なんとなく興味を引いた。
 しばらくして、さっきちょっと話した男やら今度は真っ青な髪のでも顔は町人A、ちびっちゃいの、そして、最後にさわやかな笑顔の町人Bが来た。
 いつの間にか、俺にそっくりな女や例の緑色の髪の男に似た女まで現れて、あっという間ににぎやかになり、俺は久しぶりに声を上げて笑った。
 最後に現れた男がこの宿屋を自由に使って良いってんで、早速個室ゲットのために走り出した俺は、途中であの緑色の男が来ないことに気づいた。
 とりあえず部屋を確保してから窓から外をみて、木の影に腰掛けた緑色と、その横に立つバンダナに声をかける。
 慌てて部屋確保に走ってくるやつらの最後尾に、鮮やかなバンダナの後ろから見える深緑。
 俺はほっとして、飯を作るために台所に向かった。

655過去と今と…… 3→4 2/4:2009/05/31(日) 22:39:46
 だけどさ。がんばったら未来にそれなりのご褒美を望むぐらいはいいだろう?
 栄誉だの金だのでもいいけど、やっぱり欲しいのは、大切な人の笑顔。
 少なくとも、生き別れだろうが、俺は家の神さんにいって、一度だけ家族の笑顔をみた。村の人や、旅で出会った人たちの幸せな姿を。
 俺に会えないことを嘆いていたが、それでも俺は無事だと知って笑ってくれた。
 1主は妻に出会えた。5主は奴隷だったが奥さん二人もゲットして、子供までいる。6主も7主も両親健在だし、8主なんて、幼馴染の姫さんゲットだ。
 親がいないとか、家族がいないとか、大切な人と別れたとか、一から十まで幸せって奴はいないが、それでも幸せに終わる。
 だけど、4主は…村を全滅させられ、親は神に殺されたり監禁され、すべてが終わっても誰も待っていない村に一人で帰るだと?
 仲間も別れて…どこに救いがある?頑張った褒美は絶望なんてそんなのありかっ!?
 それどころか、後のリメイクで敵すら救わねばならず、望んだこと何一つかなわねぇってそんなのありかよっ!!
 俺はその資料をつかんで、自分の世界に戻り、ルビスに訴えた。
 だって、4主は、何ももらってない。仲間たちの笑顔だけ、世界の笑顔だけ。だけど、そこには自分が守りたかったものがないなんて。仇すら討てないなんて。」
 これじゃあ、神様の体のいい操り人形じゃねぇかっ!
 俺の言葉に、ルビスは悲しげに目を伏せた。
 「神といえど、理を曲げることはできません。寿命だけでなく、捕食によって失われた命。核を失った体などは私たちですら蘇らせることはできません」
 「カミサマならそれぐらいどうにかしろよっ!……だって、4主は勇者なんて称号まったく欲しがってないじゃねぇかっ!なのに、世界何って抽象的なものしか結果が残らないなんて変だろうっ!?討つべき敵の心すら救うような勇者の大切な村人ぐらい、生き返らせてやってもいいじゃねぇか!!全員とは言わねぇから、大切な幼馴染一人ぐらい、カミサマなら何とかなるだろうがっ!」
 俺の知る4主は、とりあえず短気以外の欠点が見つからない。剣にも魔法にも優れ、人の目をひきつける存在感とカリスマ性。
 それこそ、大国の王様だって4主と並ぶと霞む。だけど、そんなあいつがすべてが終わってしていることは、生まれた村で専業農家。
 そんなことに満足しているような人物が栄誉や称号なんて望むわけねぇだろうっ!?
 少なくとも、俺の旅は大変だった。他の奴らだって。あんな苦しい思いして頑張ってこれが結末かっ!?
 「あなたも、完璧な結末ではないでしょう?相変わらず、優しいのですね」
 そんな言葉は嬉しくない。だって、そんな言葉で心なんて救われない。俺の心なんて救っても仕方がない。救いたいのは、もう、何も望まなくなった大切な仲間の心。あの凍りついた心をどうにかしたいのに……勇者なんて何も出来ない。
 俺は、資料を握り締め、蹲るしかなかった。

656過去と今と…… 3→4 3/4:2009/05/31(日) 22:41:12
 結局俺は帰るしかなかった。ルビスに八つ当たりなんて自己満足でしかないそれに、気分が落ち込む。
 結末は変えられない。俺たちは勇者だけど人だから。カミサマじゃないから。いや、カミサマでも無理だって分かった。
 なんとなく、あの場所はそのために用意されたような気がした。
 4主だけじゃない。俺たちは、同じ立場の人間があまりいない。友も仲間もいるけど、それでもときより押し寄せる孤独感は仲間ですら分かち合えないことがある。
 そんな、俺たちのためののんびり休める場所。
 「っしゃっ!俺はやるぞっ!」
 誰もいない森の中、王者の剣を振り上げて誓う。
 これは気合入れ。俺はこれから皆と一緒に幸せになってやる。あの、終わった直後の俺のような4主の表情を変えてやる。
 過去は無理でも未来は何とかなるはずだ。それが、俺の持論。



 「とはいえ、どうすっかなー?」
 机に突っ伏した。机にはヤフって集めた情報だけじゃなく、しばらく観察したものをまとめたノートも散らばってる。
 「あいつ、なんか悟り開いてねーかぁ」
 趣味、料理(シンシアのため)、読書(ジャンル無視。推理小説から数学書哲学書なんでもござれ)。職業農業。ファッション興味なし。女シンシア以外興味なし。無表情。
 そんな単語が並んだノートを見てため息をつく。
 しばらく観察した結果。未来を明るく、というのはとても難しいという結論に達した。
 手っ取り早く、女だろうと話題を振ってみれば、虚空を見上げてトリップする。
 趣味は、と聞けば料理という地味なこと。あと、ピサロいじめっちう怖い答えもあったが。
 晴耕雨読の生活ってどっかの坊さんかっ!
 どれも明るい未来にはぜんぜん結びつかない。
 「見てくれは良いくせに〜」
 女にモテナイ俺からすれば、買い物に町に下りるたび、町中の女の視線を集めるその造作を無駄にしくさっているのは腹立たしいことこの上ない。
 「まあ、2主には優しいが」
 良いことのひとつは、2主への教師だろう。もともと面倒見が良いのか良く面倒を見ている。
 純粋純朴な彼の相手は、それなりに心を和ますのか、ぶっちょう面が少し緩む瞬間が増えてきた。
 「これも、いいことかなあ?」
 めくったノートのページには、ここ数日の4主と8主のやり取り、というか戦績。
 「最初は和やかだったくせに〜」
 なんとなく生い立ちが似ている二人は、もしかしたら仲良くなるかもと見守っていたら、なぜか犬猿というか鳥竜の仲に。
 「4主が最初に嫌ったんだろうけどさあ、8主も煽りまくるし」
 4主の竜種嫌いは有名だ。経緯を考えたら仕方ないとは思うが、半分竜なのは、8主のせいではない。
 しかも、8主がその4主をからかいまくるので、彼らがそろった状態で喧嘩を見ない日はまったくない。
 それでも、無表情から怒りへジョブチェンジするようになっただけでも進歩ではあるのだが。
 「あとは協力者、か」
 4主をそれとなく観察してて気づいたのは、俺と同じ視点で4主を見ている男。

657過去と今と…… 3→4 4/4:2009/05/31(日) 22:42:13
 いつもはふざけていることが多いセクハラ大魔王だが、時々、探るように4主と他のメンバーの対話を眺めている。
 「おかげで視線があうあう。男とアイキャッチなんてしたくないのに」
 「まったくだな」
 ため息とともにかけられる声は頭上から。見上げると、資料を手に取る不思議な目の紫の王様。
 「どうよ、これ」
 ついでにノートも渡すと、再びこぼれるため息。
 「女性たちと戯れる楽しみも選ばず、おさんどんの毎日か」
 最近では、キッチンに立つ割烹着姿は見慣れてきた。容姿と格好のギャップすら感じない。
 「子孫として、どうだ?」
 問いかけにはノートが手渡される。
 「多分、子孫じゃないな。だったら嬉しかったのだが…妻たちの先祖は多分4女ちゃんのほうだな」
 同じ立場とはいえ、性別の違いからか、4女はわりと前向きだ。そして、シンシアラブなのは分かっているが、種が必要なら馬ぐらい用意するわよ、ぐらい平気で言う強さがある。それに引き換え、4主は合コンに連れて行っても、あの巨乳美女相手に宿舎の愚痴を言う始末。
 二人に共通する意識はシンシアへの思いと……。
 「なあ?」
 再びの問いかけに相手の目が細まる。俺が言いたいことはたぶん相手もわかってる。そして、言ってしまえば、多分二度と俺たちはごまかされない。
 「「彼らは、シンシアが生身でないことに気づいている」」
 そう、みなの前でトリップするのはうそでないが、多分、自覚はしているのだ、もう。
 証拠としては、彼らのバースデー。いつだか、自分の分身がバレンタインデーに二人きりでもシンシアと会話しているのを見たといったが、本当に二人きりになった彼らの間に、シンシアは出てこなかった。
 だって、誕生日だ。彼女がいなければ大騒ぎするはずであろうそれに、彼らは静かだった。
 それが、彼らの自分たち仲間たちへの甘えだと気づいたのはいつだっただろう。
 心を開いた証拠が、そんな分かりにくい甘え方。正直、泣きたい。
 もっと素直に甘えてくれれば、幾らだって手を貸すのに、どうしてそんな婉曲するのだろう。



 それでも、心を開いてくれる為の努力を惜しむつもりはない。だから今日も、昼寝て夜更かし。
 廊下を歩く足音はしないが、起きて注意していれば、誰かが通るぐらいは分かる。
 煌々と照らす満月。そろそろ時期だと見張ってて良かった。
 早速協力者に連絡をいれ、自分はシャワーの音がし始めたらキッチンに向かい湯を沸かす。
 香りの良い煎茶は、最近の彼のお気に入りだ。
 それから程よく暖めた湯飲みを三つ。
 やっぱり5月とはいえ夜は肌寒い。冷より暖がよいだろう。
 そうして、俺らは月夜で濡れネズミならぬ、濡れ緑ウサギを待つのだ。

658過去と今と…… 3→4 1.5/4:2009/05/31(日) 23:06:31
ごめんなさい、一部かけてしまったみたいなので追記。
1/4と2/4の間に入る部分です。

 お互いの簡単な紹介は終わったが、その後、偶々お互いの未来、というか冒険の結果を知ることになった。
 自分もまあ、無難な人生とはいわんが、皆結構波乱万丈だなとか考えながら情報をめくる。
 一応、全員最後はそれなりに幸せか。一部地雷に捕獲されている輩はいるが。
 2主はまあ、最後は結構とんでもないらしいが、話に聞くとまだそこまでいってないそうだから、せっかくだから邪魔してやろう。
 素直で純朴な子孫を、俺は結構気に入っている。
 そして、最後に知った、緑達の冒険の結果をみて、俺は絶句した。
 いやだってさ、確かに皆波乱万丈だよ?だけど、最後には希望の結果をつかんでる。守りたいものを救って、大切な人に幸せをあげられる。
 だけど、これは何だ?
 確かに、俺たちは勇者と言われる者達だ。勇者たるもの、私欲のみで動くのは無理だろう。なんせ、その両肩には世界が乗ってる。

659名無しの勇者:2009/05/31(日) 23:38:09
>一部地雷に捕獲されている輩はいるが。
バロス

ここから643につながるんですね!GJです!

660名無しの勇者:2009/06/01(月) 01:22:03
やっぱり伝説の勇者組は特別な感じがする…
個人的に一番ガツンとくる組み合わせだ

超GJ!
わがまま言うと、次は4視点の3の様子も見てみたいです

661名無しの勇者:2009/06/01(月) 10:56:00
純正勇者組いいねーw

二人とも最後に「使い捨て」られた感が強いから・・・(ノД`)
この二人には幸せになって欲しいお。

662名無しの愚者:2009/06/06(土) 02:56:19
5が完成に時間がかかったので先に>>660様の書かれている4主視点の3を妄想したら、最初ホラー最後ガチンコバトルになりました……。
ご、ごめんなさい。なんか怖い話になりそうです(−−;

とりあえず、5、投入します。

663マナーと教養 5→4 1/5:2009/06/06(土) 03:02:49
 「「行きたい行きたいっ〜」」
 「わ、分かった分かった」
 かわいらしい子供のおねだりは、最近構えなかった父親としてはかなえないといけない。
 5主は二人をつれ、宿舎への道のりを歩いた。
 やがて見えてきた家の外に、真っ白なシーツを手際よく取り込む姿。
 「5主?に5勇に5娘?めずらしいな」
 シーツの束から鮮やかな新緑の髪が覗く。
 「ねだられてしまってね」
 「「こんにちわーーー!」」
 柔らかな物腰の声と元気な声に、いつもの鋭い眼差しがかすかに緩む。
 笑みとはとてもいえないが、それでも彼が歓迎してくれているのが分かる。
 彼は己を見ても泣き出さない5主の二人の子供を気に入っているらしい。
 鮮やかな手際でシーツをたたみながら、共に宿舎へ向かう。玄関に回りながら、彼の問いかけは子供たちに向けられた。
 「冒険つれてってもらっているか?」
 「「全然ーーーっ!」」
 元気良く即答。思わず頭を抱えると、冷ややかな眼差しが向けられた。
 「オイ」
 「……反省してます。だからつれて来たんだよ」
 そう言い訳すると、しょうがないとばかりにため息をついた。
 「二人とも、甘いものは好きか?」
 突然の言葉に息子は首をかしげ、娘は元気に「大好きっ」と答える。
 「じゃあちょうど良かった。もうすぐスコーンが焼ける。食べるか?」
 「「うんっ」」
 二人そろっての合唱に、彼の目元が柔らかく笑む。
 「バルコニー行っててくれ。すぐ持ってく。紅茶でいいか?」
 「ああ、楽しみだね。君のお茶は美味しいから」
 さらりと告げられた賞美の言葉には、背を向けるといういささかぶしつけな返答を返されてしまい、5主は苦笑した。
 二人を連れてバルコニーに行き、備え付けられた椅子に座って待っていると、二つお盆を持った4主が来た。
 「すまない。取りに行けばよかった」
 「気にするな」
 あわてて立ち上がるのを言葉で制され、手際よく紅茶と、バスケット入ったスコーンが並べられる。
 馥郁とした香りがあたりに広がり、微笑む。子供たちの視線は、香りよりバスケットに山盛りのスコーンと横に並べたクロッテッドクリームとピンク色のジャムに注がれていた。
 その姿に4主が目を再び緩め、二人の前においた皿に、トングでスコーンをひとつづつおいてやる。
 「さあ、どうぞ。簡単な茶菓子で悪いが」
 「「いただきます」」
 子供たちは早速少し大きめのスコーンの攻略に取り掛かった。

664マナーと教養 5→4 2/5:2009/06/06(土) 03:04:23
 5主は笑いながら、自分の皿にも置いてくれたスコーンを取り合げ、4主に礼を言う。
 彼は気にするなとばかりに目を細めた。
 「美味しいっ!!」
 「うん、美味しいっ」
 今度ははもらなかったな、と子供たちを見ながら、自分もジャムを塗ったスコーンを齧る。
 口に広がるのは甘い白桃の香り。よく見ると、ジャムというよりは、形が少し多めに残っている。
 「本当に美味しいな……これは、君が?」
 問いかけると、一度瞬きして、手で割ったスコーンを皿に置いてこちらを向く。
 「ああ、よく分かったな。売り物にならないのが余ってたから、ちょっと作ってみた」
 ジャムというのは、一つ作るのに数時間かかる代物だ。少なくとも片手間に作れるほど簡単ではないはず。
 「君は本当に器用だな」
 もう一口分スコーンに塗り、齧る。桃の持つ甘みが口の中に広がる。優しい味がサンチョのお菓子を思い出す。
 ほめ言葉の連続に、少し照れたように笑む4主は、子供たちにも褒められている。
 視線がこっちを向いていないのを良いことに、5主はじっくり4主を眺めた。
 先ほど手で割ったスコーンを取り上げ、ジャムを塗って一口食べる。崩れやすいお菓子なのに、彼の皿の周りは綺麗だ。
 2主ではないが、綺麗な人だと思う。
 いつもの喧嘩や口調で見落としがちだが、彼のテーブルマナーは、にわか王の自分がお手本にしたいほど完璧だ。
 生まれつき王族として過ごしている息子や娘、それどころか、今まであったどの王族と並んでも見劣りしない洗練された仕草にため息が出る。
 「なんだ?」
 視線を向けられて自分が凝視していたことに彼もやっと気づいた。
 幸い、子供たちはジャムとスコーンに夢中でこちらには気づいていない。
 「いや、マナーがきちんとしてるなあと思ってね」
 「王族ほどじゃないだろ?」
 カップを取り上げ、紅茶を口に含む其の姿は、典雅とさせ言えよう。改装を重ねてくたびれた宿舎のバルコニーの背景が、王宮の応接間に摩り替わるような気がしてくる。
 正直、彼ほど完璧な人間を5主は知らない。剣も魔法も宿舎でも見劣らず、指揮をさせたら超一流。数学や国語どころか帝王学までこなすなど文武両道。無愛想なのが玉に瑕だが、どこの上流階級の集まりでも通用する高い教養をもつ。
 そのせいか、仲間内で正式な場へは彼を連れて行くことが多い。下手をすると、生まれつき王族であるはずの2主、6主よりも多いくらいだ。まあ、巻き込まれ体質であることも要因の一つであろうが。
 5主自身、彼をこっそり自分の世界に連れて行ったときは、王宮であっても完璧な立ち振る舞いに酷く驚いたものだ。
 根っからの王族ならともかく、彼の出身は小さな村。どうしたって王宮でも通じるような礼儀作法や教養など学ぶべきではない環境のはずだ。
 疑問が顔に出たのか、4主が苦笑する。彼は、言葉にしない表情を読むので、こういうときは心を読まれているような気がしてしまう。
 「まあ、叩き込まれたからな?」
 「叩き込まれた?」
 「ああ。剣や魔法や学問と一緒に。いつか偉い人に会うこともあるだろうってな」
 彼の言葉に、なるほどと頷く。彼の出身は確かに小さな村だが、其の村は、彼を、「勇者」を育てるためだけに作られたと聞く。
 勇者なればこそ、王族と会う機会もまた多いと想定したのだろう。
 そういえば、ニートでおちゃらけまくっている3主も、勇者として教育されてきただけあって、あれでTPOによってはなんでもさらっとこなす。
 学問や剣や魔法など言わずもがな。それどころか、簡単な医学すら時々こなす彼の、現在の宿舎での立場は『お母さん』。
 なんだか酷くもったいない気がする。

665マナーと教養 5→4 3/5:2009/06/06(土) 03:06:13
 苦笑すると、彼は怪訝そうにこちらを見るがすぐに視線を娘に移した。
 手に取ったハンカチが、娘の頬についたジャムを拭う。驚いたように見上げた娘には、新たなスコーンをとってやり、紅茶を注ぎ、ホットウォータージャグで薄めてちょうどいい濃度にする。
 ここは宿舎じゃなかったか?
 そんな考えが浮かんでしまうほどスマートなホスト振りだ。というか、紅茶が濃くなるのを薄めるためのお湯を用意することすら、知らなかったんだが……。
 娘の礼に、彼は頭を撫でてやることで答える。
 自分の笑みが子供を怖がらせると知っているからの行動だが、娘の顔が赤面した理由は多分分かってないだろう。
 「気に入ったか?」
 彼の言葉に娘が大きく頷く。息子も横で同じ動きをしている。
 「本当にすごく美味しいです。これ、どこで売っているんですか?」
 「うん、僕もこれもっと食べたい。父さん、買ってっていいよね」
 二人の言葉に彼が大きく瞬き、そして小さく微笑んだ。そのインパクトたるや、娘だけでなく、息子すら赤面させてしまった。
 『頼むから、娘だけじゃなくて息子まで魅了しないで欲しいのだけどね』
 端正な顔立ちは、女性どころか、男性まで魅了する。宿舎のメンバーにも何人か犠牲者がいるのだ。これ以上争奪戦を繰り広げてほしくないし、何より息子の人生を踏み外させないでほしい。
 頬が真っ赤に染まった息子を眺めながら考えてしまう。
 「これは俺が作ったんだが、もし良かったら、少し持って帰るか?」
 彼の言葉に、子供二人は頷くばかり。苦笑して、言葉を補足してやる。
 「ぜひお願いするよ。妻たちも君の料理のファンだから」
 其の言葉に彼はきょとんとした顔で瞬く。彼は、5主の妻たちとも仲が良い。
 先祖と子孫だからというより、料理のレシピの交換や4主の農業の成果を時々届けるからか。
 おかげで、ここでの悪事は4主を通して、妻たちにはかなり筒抜けなのが痛いところだが。
 「ファンは言い過ぎだろう?」
 「いいや。だって君とレシピ交換した後は必ず作るし。で、どうしても同じ味にならないとか悩んでるしねぇ」
 サンチョやその妻まで巻き込んで一緒にレシピ片手に作るのだが、どうも違うらしいと首を傾げている。
 「今度、城に来て一緒に作ってあげてくれないか?そろそろコックも巻き込んでいるんだ」
 4主は目を伏せる。
 元々、彼は他の世界に行くことをあまり好んでいないらしい。特に、直接影響がありそうな5主の世界には殆ど来てくれない。
 妻たちがこちらに来るか、または息子や娘の願いでくるのがせいぜいといったところか。

666マナーと教養 5→4 4/5:2009/06/06(土) 03:07:21
 『そんなこと気にしなくて良いのに』
 5主はこっそりと笑う。
 もっと妻たちと、子供たちと仲良くなって欲しい。そして、己より世界を救いあげた勇者を愛さない世界など捨てて、グランバニアに住んでしまえばいいのだ。
 天空人の子供さえ残せば、妻たちの存在は失われない。ならば、別に彼である必要はない。残された天空城の主がせいぜい辻褄を合わせるだろう。
 彼が幸せになるのなら祝福しよう。だけど、彼の仲間たちでは、彼を引き止められなかった。なら、自分が貰い受ける。
 包み込んで、溺れるほどに愛を注いであげよう。
 三人の妻も、子供たちも誰もが彼を大切にしているのだから。
 寂しいのなら、もう一人の純正勇者も連れてくればいい。
 裏切り者の大臣や僕より、彼らのほうが国を率いるに相応しい知識も能力もある。
 勿論、本人たちが嫌がるなら無理強いはしないが。
 落ちた天空城の主などに文句を言わせるつもりもない。
 『言う資格ないし。悔しかったら村人全員復活させてみろって言いたいよねぇ』
 「5主」
 カップをゆっくり下ろすと、彼がこちらを見ていた。
 言葉を促すように微笑んでみせると、彼が苦笑した。
 「こんど新作レシピもって伺うよ。だけどな……」
 「うん?」
 「足固めはやめれ。つうか人に仕事押し付けようとするな」 「……ばれたか」
 「ばればれだから。王様ならもう少し腹芸磨け。顔に書いてあるぞ」
 「そこまで正確に当てられるの君だけだから。グランバニアこない〜?今なら宰相の座が開いてるよ〜♪」
 冗談めかしていう僕は子供たちに目配せする。
 子供たち二人は小さく頷き、早速きらきらと目を輝かして天空の勇者を見あげた
 「5主……子供使うな」
 案の定子供に弱い4主はたじろいでいる。
 「「4主さん……だめ?」」
 ハモリは高等技術だな〜とか暢気に眺めていると、4主がこちらを向いた。
 困ったようにこちらを見る彼に、思わず噴出してしまう。
 「笑うなっ!!///」
 「い、いやだってっ。わかったわかった。今回は諦める。ほら、二人とも」
 「「むーーー」」
 じたばたと暴れる二人の頭に、4主の手が置かれる。
 丁寧に撫で、彼は笑みを浮かべた。
 「遊びに行くからって、うわっ」
 子供たちはうれしそうに頷き、抱きつきをかます。
 中々可愛らしい光景に僕は笑った。

667マナーと教養 5→4 5/5:2009/06/06(土) 03:08:57
 今はこの約束だけで良いと思う。
 『諦めるつもりもないけど♪元祖腹黒をなめちゃあいけない』
 5主は宿屋の二階から注がれる視線に顔を向けた。
 『<もっと頑張らないと連れて行くよ?>』
 声を出さずに口だけ動かしたけど、果たして彼には伝わったかな?
 くすくす
 「なに含み笑いしてるんだ?スケベ親父」
 「酷いな」
 5主は紅茶を楽しみながら小さく笑った。
 もう少しだけ待とう。だけど、このままなら連れて行く。
 まだ、協力者にも話していないことだが、彼も巻き込んでいけばなんとなるだろう。
 5主は心をその穏やかな瞳と笑みで考えを心に封じ込めた。 
『あと、少しだけね……』

668名無しの勇者:2009/06/06(土) 04:04:54
投下キテタ-!
今回もGJです!

個人的にはトリの8主がたまらなく待ち遠しいです!

669名無しの勇者:2009/06/06(土) 09:01:23
投下キターー!
4主の完璧っぷりが素敵すぐるw
最後の2階からの眼差しは、やっぱり半竜クンかしら(´∀`)
マターリ続き待ってまつ!


ところで最初ホラー最後ガチンコバトルが非常に気になる……いったいどういう話にw

670名無しの愚者:2009/06/07(日) 00:17:12
最初ホラーなのは、出だしが4の村の話だから。最後は訓練が本気モードに突入だからです。
多分最後は削られます。私戦闘シーン書けません(^^;
そして、7が進まないので音楽聴いてたら、なぜかモード葉っぱ隊の話に……
外伝が出来そうです。と、トリもとい竜さんもまだなんでがんばりますね。

では、7投下。避難所のネタをお借りしてます。

671色気 6+4 1/4:2009/06/07(日) 00:19:58
 「おーこりゃ見事な小望月」
 脱衣所の窓から空を見上げると、満月一歩手前の微妙な丸の月が見えた。
 先日教わったばかりの月の別名を使ってみる。
 教えてくれたのは、最近めっきり子持ちの母な宿舎の主夫だ。2主の家庭教師を務める彼は本当にいろいろなことを知っている。
 農夫な彼は、こんな深夜に起きてはいないだろう。
 というより、自分自身こんな深夜に起きることはあまりない。
 ただ、なんとなく目覚めてしまい、深夜に風呂なんてことを思いついた。こんな贅沢は賭け流しの温泉ならではだろう。
 今回は温泉行きたい、出かけたいと3主と俺がごねまくり、宿舎の歩く家計簿がOKを出したことで、温泉に来た。
 「露天風呂〜♪」
 ちゃかちゃかっと服を脱いで扉を開け、6主は思わず固まった。
 月明かりに照らされた露天風呂の淵に腰掛け、月を見上げる人影が一つ。
 『こここここっここ、ここ、混浴だっけっ』
 背を向けているため、胸元が確認できないし、シルエットからわかる細腰にはタオルが巻かれている。
 しかし、月明かりに照らされた姿はひどく清廉で、白い肌や結い上げた髪とあいまって女神像をみているような気にさせる。
 『だぁぁぁぁぁっ!!女神ってなんだっ!おにいちゃんはノンケだぁぁぁぁぁぁっ』
 「……何首振ってんだ?6主。そんな勢いで振ってるともげるぞ?首」
 思わず盛大に首を横に振っていたことでこちらに気づいたらしい。人影が振りかってあきれ返った声をかけてきた。
 「……4主?」
 「なんで疑問系なんだ?というか、まっぱでずっと立ってると風邪引くぞ?とりあえず湯に浸かれ」
 手で露天風呂を示され、大人しく従う。
 4主も再び湯に体を沈める。しかし、腰掛る岩でもあるのか、上半身は湯の外に出たままだ。
 大人しく湯に浸かった俺を見て満足そうに笑う顔はいつもの強面。なのになんでだろう。その水にぬれた白い肌から目が離せない。
 「よしよし。でもどうした?万年寝たろうのお前がこんな夜中に」
 「それは俺の台詞。どしたん?」
 あまり夜更かしが得意でない4主がこの時間に風呂に入っているの方が不思議だ。
 「昼間ゆっくり入れなかったからな」
 俺たちが集まって何かするとき、静かなことなんてまずない。
 が、俺は、こいつがその雰囲気を嫌いじゃないって知ってる。なんだかんだ言って、寂しがりやなんだ。こいつ。
 なのに、今も村に一人で住んでいるのが信じられない。もっと人の多い町に住めばよいのに。バトランドでもサントハイムでもエンドールでもモンバーバラでもブランカでも移民の町でも良い。
 とにかく、一人じゃないとこに住んだ方が良い。
 村の人たちを忘れろなんて言わない。でも、その為に一生自分が枷を負う必要なんてないのだ。
 悪いのは4主ではない。何もしない神様とうっかり暴走した魔王だ。しかも、原因二人は自分の願いをかなえてもらってるのに、被害者のはずの4主には何もない。
 『あ、なんだか腹たってきた。バーバラには申し訳ないが、やっぱりあの卵壊してくるか』
 「6主?」
 「お。おうっ!?なんだ?」
 突然目の前で話しかけられて思わず大きな声が出てしまう。

672色気 6+4 2/4:2009/06/07(日) 00:20:29
 『っていうか、顔近いぞっ!?』
 目前15cmのところにある顔は、やっぱり端麗な容姿をしている。白い肌を水に湿った新緑色の髪が彩る。
 『おお、睫毛も緑なんだな』
 覗きこんでくる眼差しは紫水晶のように月明かりで煌めく。
 『ここにいたのが俺で良かった……』
 少なくとも、ほかのメンバーの場合、この匂いたつ様な壮絶な色気に対抗できたか怪しい。
 『3主は耐え切れるか、5主は……コイツの精神次第?』
 脳裏に浮かぶのは二人の仲間。彼らはどうもコイツに対して保護者的な態度をとっている。
 『本人たちは気づかれていないと思っているが、皆のおにいちゃんには丸わかりだっ!』
 あの二人がその立場を取っていることに安堵したのはそう遠い過去ではない。
 なんだかんだといって、あの二人に本気になられたら、純朴少年なんて、イチコロだろう。
 他のメンバーなら、ギガソードやギガデインで振り払えても、あの二人は口先一つで丸め込んでしまう。
 『そうしないのは、コイツが大切なんだからなんだろうなあ』
 自分が本気で欲しいと思ってしまったら、どうするか3主は自覚があるのだろう。5主はもとより、遊びで4主を傷つけるつもりは絶対にない。
 『他のやつらは、普通なら問題ないんだろうけど……この色気さえなければ』
 思わずため息がこぼれる。
 「なにさっきから挙動不審なんだ?お前」
 乱暴な言葉だが、その目が口より物を言っている。どうやら心配させてしまったようだ。
 「あー、ちょっとな。いろいろ考えてた」
 「色々?」
 「おうっ!バーバラとターニア二人と一緒にデートするのにはどうすればよいかとか」
 深々とため息をつかれる。うん、なかなか失礼な態度だな。
 だが、顔が離れたんでちょっと安心。俺も正常な男なんで、無自覚に垂れ流される色気に当てられ続けるのは勘弁願いたい。
 「で?」
 「ん?」
 落ちてきた髪を結びなおす姿に視線を逸らしながら問いかけてやると、視線をこちらに向けてくる。
 『だぁら、どうして無意識でそういう色っぽい姿するかなっ!?』
 俺は内心頭を抱える。どういったら伝わるんだろうなーとか考えても答えは出ない。なのでとりあえず思考を元に戻した。
 「だからどうしてこんな遅くに?」
 「理由ゆったろ?」
 不機嫌な声に視線を戻すと珍しく素直にむくれた顔。ついっと視線を逸らすあたり、あんまり言いたくないことらしい。
 そして、体ごと視線を逸らしたため、月光に照らされた背中が見えた。
 そこには、見慣れない傷。肩甲骨の辺りに、まるで肉を引き裂いたかのような傷跡があった。
 俺たちは全員、古傷が体に残っている。いくら回復魔法が発達していても、完全に治せない傷もあるし、そもそも回復魔法のレベルが低いときに残ってしまうことだってあるのだ。
 勿論4主の体にも無数に刻まれた傷があった。ただ、背中はあまりなかったような気がするのだが?

673色気 6+4 3/4:2009/06/07(日) 00:20:51
 「……これが理由」
 俺の視線の位置に気づいたのか、4主の声が届いた。
 「へ?」
 思わず惚けた声を出す俺に、4主が苦笑した。
 「いつもは、モシャス応用して隠してるんだ。背中に傷なんて、みっともないだろう?」
 確かに背中に傷がつくということは、敵に背を向けたか、不意打ちされたということ。この以外と見栄っ張りの純正勇者はそのことを気にしているらしい。
 「マーニャやミネアにあう前、一人で戦っている時についたんだ。まあ、背中の傷でからかうやつなんていないけど、別の意味でからかいそうなクソ竜が一匹」
 「うん、確かに<背中に傷がついた理由>でからかうやつはいない。が、別の理由?」
 「……見た目がさ、翼みたいに見えるんだろう?またウコッケとか言われるのはな」
 4主に言われ、もう一度マジマジと見ると、確かに傷そのものが翼に見えなくもない。
 「成る程」
 鳥ネタはいまだもってこの二人の喧嘩の理由の第二位だ。第一位は言わずもがな、2主関連である。
 「でも、そこまで悪辣ではないと思うんだが……」
 「俺以外にはな」
 断言口調に思わず苦笑がこぼれる。
 『う〜ん。根深いなあ』
 どうもあの腹黒ツンデレはもう少しデレ要素を増やすべきだとつくづく思う。というか、今のコイツ見た時点で襲い掛かるか、鼻血かのどちらかだろう。昼は5分で後者だったし。
 『ま、これは言わないほうがいいかな?理解できないだろうし』
 色気と鈍さが反比例してるのだ、コイツは。
 「にしても、モシャスして若くなってるのか?あんまり変わってないけど」
 「若く?いや、全身かけてるわけじゃなくて、背中だけ」
 「へ?部分変化なんてできるのか?」
 『確か、変化の杖とか全身化けるって聞いたような気がするんだけど』
 昔聞いた知識を思い出してみる。こういうとき、特技もちって便利だとつくづく思う。
 「普通は出来ない。ので、呪文をこうちょちょいと応用」
 「……そんなことするのお前ぐらいだ」
 がっくりうな垂れる俺に4主は不思議そうに首を傾げる。
 『またそういう可愛い仕草するし』
 この天然純正勇者は、魔法+剣を磨くのではなく、もうちょっと自分が回りにどう見られているか自覚して欲しい。

674色気 6+4 4/4:2009/06/07(日) 00:23:00
 真面目な上に時間があるから、すでに完成している魔法の改造なんてやってのけるのだろうが、どうしてその明晰な頭脳は自分の貞操を守るために動いてくれないんだろう。
 『お兄ちゃん頭痛い……』
 「6主?」
 心配そうな声音。初めて会った時から感じていた、凍りついた感情が少しづつ緩んでいるのが分かるそれに、6主は苦笑した。
 「ん〜ま、そろそろ出ようか。逆上せるから」
 「そうだな」
 湯から上がると、4主が横に並ぶ。自分とほぼ並ぶ高い視線は、まっすぐに前を見つめている。
 その姿は凛々しく、頼りがいがありそうなのに、同時にひどく切なくさせる。だから6主は思いついたことを即座に実行する。
 「うりゃっ」
 「うぉっ!?6主っ!?」
 がしっと掴んだその肩は細く華奢だ。この肩を包み込める人物になら、この可愛い弟分を譲ってもいい。だけど、まだまだ、譲る気はない。
 最低でも、この色気に太刀打ちできるレベルでないと。
 無理やり傷つけるつもりなら、天空組+ロト初代巻き込んで盛大にオシオキしちゃるっ!
 「おにいちゃんがんばるっ!」
 「……そーかーよかったなー」
 冷たい視線と冷めた声はちょっと痛かったりするが気にしない。
 だって、おにいちゃんは心配症なんです。

675名無しの勇者:2009/06/07(日) 10:28:37
テラ和んだwお兄ちゃんファイトwww

676名無しの愚者:2009/06/12(金) 23:03:42
投下したの6でした。
そして、4主視点3主のお話はちょっとお待ちください。
書いてたら、マスドラがものすごい悪い人になってしまいました。
ちょっとリテイクします。

では、今度こそ7投下。

677やさしさ 7→4 1/3:2009/06/12(金) 23:05:03
 木漏れ日が木立に差し込んでくる。
 「う〜ん、良い天気」
 ここのところ、雨が続いたから、久しぶりの晴れ間はとても気持ちが良い。
 宿舎には、久々の天気なのに部屋にこもってる3主さんしかいなかったので、僕の分のおやつを食べてから、宿舎の周りにある森をお散歩をすることにした。
 『でも、あの枇杷のコンポートが入ったフルーツゼリーは4主さん作だと思うんだけど、今日はもう帰っちゃったかな?』
 宿舎の男性メンバーは男性には珍しく、全員料理が出来る。しかし、おやつまで手作りするのは4主さんと4女さんぐらいだ。
 しかし、4女さんはめったにおやつなんて作ってくれないので、あれは多分4主さんだと思う。
 あ、あと8主くんもだけど、彼は、おやつはプリンしか作らないから当然除外。
 旬の枇杷を煮詰めてコンポートにしたものを同じく枇杷の味のするゼリーで固めたフルーツゼリーは美味しかった。
 彼の作るお菓子も料理もとても美味しい。
 作った本人のしかめっつらを思い出し、その顔で可愛らしいお菓子を作る姿を想像して思わず笑みが浮かぶ。
 昔は彼が怖かったが、今はそうでもない。
 来た頃と違い、彼の性格は最近やっと把握したから。ちょっとぶっきらぼうだけど、とても優しいってことを。



 僕は昔、彼に酷いことを言ったことがある。
 僕は彼の外見だけを見て、彼の辿った道筋をあまり知らなかった。
 いつも彼の視線に怯え、話しかけられるとただただその視線から逃れたいとしか思わなかった。
 だから、遠くに行ってほしくて、何も考えずにいった言葉。
 『どうせなら天空城に帰ればよかったのに…』
 その時はすごい顔で睨まれたと思った。だけど、本当は彼が自分で言ったとおり、泣きたかったんだと思う。
 その時だって、彼はただ山で取れた山菜を届けてくれただけだったのに。
 僕にはそれが食べ物に思えなかったから、思わず力を振るってしまった。
 親切で山菜を届けてにくれた4主さんに比べ、僕は最低だと思う。
 だって、4主さんはそのことを誰にも言わなかったし、それどころか、山菜には、調理方法のメモすら挟んであった。
 お母さんにそれを渡したら、喜んで調理してくれた。
 はりぎりとこごめ、そして僕が雑草だと思っていた土筆は天ぷらに、菜の花はハマグリと一緒に炊き込みご飯になった。
 お父さんも珍しい料理に喜んでいた。
 土筆の天ぷらは、少し苦味があったけど、サザエの肝ほどじゃなくて、とても美味しいと思った。
 でも、僕はお礼を言えなかった。それどころか、お母さんがお礼に持たせてくれたアンチョビのビン詰めを渡したら、逆に御礼を言われてしまった。
 どうして、そんなに優しく出来るのかと思う。
 少なくとも、僕は4主さんを助けたことなんてない。何時も酷いことを言って、傷つけた。
 それどころか、6主さんに怒られて、4主さんのことを聞いても、5主さんと4主さんの会話を見せられても、僕はただ4主さんの顔が怖いって泣いて、彼がどうしてそうなったかなんて考えたことなかったんだ。

678やさしさ 7→4 2/3:2009/06/12(金) 23:06:42
 今なら、分かる。完全に分かるわけじゃないけど、それでも彼にとっての天空城がどんな存在なのか。僕がなんて残酷なことを言ったか。
 僕には分からない。大切な人を失う辛さは分かっても、帰る所がないという辛さは。
 僕には分からない。全てを奪った憎い相手を許せることが。
 ……僕に分かるのは、あの人はそれが出来たということだけ。
 どうして許せるのだろう。僕なら許せない、と思う。
 もしマリベルが、お母さんやお父さんが、考えるだけでも恐ろしい。
 もう一度4主さんの顔を思い出す。
 最近は、随分と無表情が緩んできた。2主さんの勉強の時は声のトーンが少し優しくなるし、5主さんには時々甘えている。6主さんや1主さんと楽しそうに騒ぎ、おきてくるのが遅い3主さんの為にご飯を作り、8主くんとじゃれ合う。
 僕以外とは、彼はとても仲が良い。
 チクリと、胸の奥が痛くなった気がした。



 考え事をして歩いていたせいか、見慣れない場所に出た。
 澄んだ泉。小さなそれに、岩の壁から水が染み出している。そして、その近くの大きな木に寄りかかって眠る佳人。
 珊瑚礁の海の色のようなエメラルドグリーンの髪。夕闇が沈む寸前の空の色の瞳は今は閉じられている。
 すやすやと眠るその人は、僕がさっきまで考えていた人だ。
 『そういや、お昼寝にちょうど良い時間だもんねぇ』
 一次産業で朝が早い僕や4主さんは、昼寝をすることが多い。
 『洗濯物も取り込んで、おやつを作った後散歩して、あまりの良い天気につい寝ちゃったんだろうなあ』
 今日は珍しく良い天気だし、ここは不思議と風が通り、心地よい。
 さらさらと流れる水の音が、子守唄のように響く。
 よほど疲れているのか、僕が近づいて覗き込んでも、まったく起きない。
 ちょっと思いついて、その鮮やかな緑色の髪に手を伸ばしてみる。
 『うぁ。すっごいサラサラ。8主くんが触りたがるの、分かるなあ』
 掬い上げるとさらりと落ちる。その触り心地のよさに、もう一度掬い上げる。
 鮮やかな緑色がとても綺麗だ。先ほどは海の色に例えたが、この色は、どちらかというと新緑の緑色だ。
 こうして、森にいるとそう思う。
 大地の緑と、空の色を持つ人。今は、この人が空を選ばなくて良かったと思う。
 だって、そうしたら僕たちはこの人に会えなかった。
 皆に会えたこの場所が僕は好きだ。
 気遣ってくれる1主さん。元気で明るい2主さん。意外と相談に乗ってくれる3主さん。ちょっとサロン発言が多いけど、傍にいると暖かい5主さん。楽しくて頼りがいのある6主さん。一緒に弾けてくれる8主くん。そして、哀しいほど優しいこの人。
 僕は皆に何が出来るかと最近考える。
 僕は皆ほど失ったものがない。だけど、僕を気遣ってくれる。そんな優しい皆のために何が出来るだろう。
 幾度も傷つけた、この人に何が出来るだろう。

679やさしさ 7→4 3/3:2009/06/12(金) 23:07:04
 「……7主?」
 優しいテノールが聞こえ、僕は思考のループから突然引き戻された。
 紫色の瞳がぼんやりと僕を見つめている。
 己の手を見ると、掴んだままの髪。
 『え?もしかして僕、ひっぱっちゃった??』
 「ご、ごめんなさいっ!ぼ、僕起こすつもりじゃなくてっ」
 慌てて飛び起きようとした僕の体が、急に引っ張られて4主さんに倒れこんでしまう。
 『え?え?え?え?え?え?』
 頭巾の上から頭を撫でられ、僕の思考はメダパニ状態だった。
 「お前は良くやってるよ」
 頭上から囁かれる声。それは、多分先ほど僕が考えていたことへの返答。
 『もしかして僕、声に出してたっ!?』
 「だから、気にしなくてい…い…」
 声がかすれ、目が閉じられる。頭を撫でていた手が止まる。どうやら、寝ぼけていたらしい。
 泣きそうになる。僕はこの人にはまだ何も出来ていないのに。『良くやってる』なんて言葉一つがこんなに嬉しいなんて。
 力を失って、背に置かれた手が暖かい。
 『そういえば、僕、今日昼寝してなかったな』
 ぽかぽかした陽気が、そんな思考を後押しする。
 僕は迫りくる眠気に逆らわず、4主さんに寄りかかった。
 とくとくと聞こえてくる心音。水のせせらぎ。時折吹く優しい風。
 そんな優しい空間で、僕は考える。
 僕は非力だ。最強ステータスとか言われても、それを生かす技術が、経験が低い。でも、頑張れば、この人を、皆を守れるかな、と考える。
 神と戦う禁忌も僕はあまりない。いつか、マスタードラゴンに挑んでみるのもいいかもしれない。
 ああ、それよりまた、フィッシュベルの僕の家に呼んでみようか。
 お母さんも山菜くれた人だって紹介したら喜んでいたし、4主さんも喜んでくれた。
 身長の高い彼の腕は、僕をすっぽり包み込んでいる。体は、1主さんが行ったように、ちょっと華奢だけど。それでも広い胸元。少し体温が低いが、それでも寄り添うと暖かい。
 まるで森に包まれているようで、僕は微笑み、眠りに引き込まれた。

680やさしさ 7→4 おまけ:2009/06/12(金) 23:07:33
 「で、夜まで帰ってこないから探してみれば」
 「8主、声震えてるぞ……紫色になるのやめれ」
 「そうだよ8主くん。可愛いじゃないか。子猫たちが陽だまりで寄り添って寝てるみたいで」
 「ほんとに、良く眠ってるなあ、起こすの可哀相なぐらいだっ!」
 「6主さんのその声で起きそうですが。起きないですね。っていうか、これが怒らずにいられますか?3主さん、5主さんっ」
 「いや別に。これが7主じゃなくてお前だったらギガデインだが」
 「バギクロスは4主にあたっちゃうから、ドラゴンの杖で一撃かなあ?」
 「俺はギガスラッシュかなぁ」
 「いじめですっ。どうして僕には容赦ないんですかっ」
 「「「それはお前(君)には下心あるから。7主(くん)と違って」」」
 「そんなひどい」

681名無しの勇者:2009/06/13(土) 09:18:56
かわええ〜*
心がほっこらしましたw GJ!

682強く儚い導き 8→4 1/7:2009/06/13(土) 19:46:01
 鳥もといトリです。流石、8さん、3さんを抜いて、ダントツで長くなりました。
 これで1〜8の流れは終わります。それでは、8投下!

 この頃、皆が4主さんに構ってる気がする。
 「ほら。もっと食え。おっきくなれよー」
 「これ以上背が伸びてどうする」
 「横におっきくなれといってるんだ。身長が半分の7主と体重変わらないって細すぎだろう?」
 「余計な世話だっ!!ってか1主さり気に酷いぞっ!半分以上あるだろう、7主は……えと、5分の3ぐらい?」
 「お前も大概酷いな」
 1主さんが当番の時、大皿が出ると、1主さんは4主さんの皿に大盛りにするようになった。4主さんもけっして小食ではないけど、山盛りの焼きそばは流石に多かったみたいだ。少し苦しそうにしていた。
 「4主っ、出来たっ!」
 「ああ。良く頑張ったな」
 「4主がみてくれるおかげだぞっ」
 2主さんのテストの点数が思ったより良かったんだろう。4主さんが2主さんの頭を撫でた。2主さんが嬉しそうに笑い、つられるように4主さんも微かだが笑顔になる。
 「4主ー。この前頼まれてた店リストー」
 「ああ。サンキュ。ふうん、結構価格が違うんだな。今度サイト見せてくれるか」
 「お安い御用だが、これ以上レパートリー増やすのか?」
 3主さんは、元々不思議と4主さんと仲が良い。生真面目農夫な4主さんとニートな3主さんの組み合わせと考えると共通の話題があるのかと考えてしまうが、不思議と二人で居ることを見る。
 「「4主さぁんっ!遊ぼーーっ!」」
 「再度のおねだりに負けました」
 「事前に連絡しろ。おやつたりないぞ?お前の分、無しな?」
 「ええっ!?そんな殺生なっ!?」
 「……変わりに土産持たせてやるから。奥さんたちの分もな」
 5主さんは元々4主さんと繋がりが深いからか、4主さんを気に掛けている上に、最近5勇くんや5妹さんもつれてくる。
 というか、この前の白桃のジャム、僕の口に殆ど入らなかったのが悔しい。美味しかったのに、あっという間にお客さんに食べられてしまった。
 「4主ーっ!また、牛見に行っても良いかっ!?」
 「かまわんが、俺の村は体験村じゃないぞ?ちうか、王子の仕事はいいのか?」
 「いーのいーの。まだリメイクでてねぇし。今度は鳥小屋で卵集めてみたいぞっ!」
 「卵ねぇ。甘いのか出汁かどっちだ?」
 「両方しょもうっ!」
 「どっちかにしぼれっ」
 6主さんは、彼は誰にでも態度が変わらないけど、元々4主さんとは天空組だからか、良く一緒に居る。というか、4主さん振り回しているというか。
 『でも、意外と寂しがりのあの人は嫌がっていないんだよね』

683強く儚い導き 8→4 2/7:2009/06/13(土) 19:48:14
 「7主。昨日はありがとうな」
 「ううん、ボクこそ。鯖っていろんなレパートリーがあるんだね。今度レシピくれる?」
 「ああ、構わない。俺もこの前作ったブイヤベースのレシピ知りたいし」
 「うん。良いよ。じゃ、交換だね♪」
 昨日は4主さんの食事当番に、7主さんが手伝っていた。魚の捌き方を教えていたらしい。
 『鯖のコチュジャン煮はとても美味しかったけど……なんか悔しい』
 前は、トリップする4主さんを遠目で見てた皆が、今は彼に構っている。
 分かっている、彼は優しい。彼は綺麗で壊れそうに華奢で危なっかしくて、誰もが惹かれる。誰もが彼に幸せになってほしいと願う。
 分かってるけど、でも、辛い。
 『触れないで。彼に触れないで。僕が見つけたんだ。僕が最初に……ボクノユイイツヲトラナイデ』
 頭の中を勝手な言葉が巡る。彼は別に誰のものでもないのに。それでも、胸の中に湧き上がるどす黒い感情が止められない。
 僕は足を止め、遠目から皆を見ながら、ここに来たときのことを思い出していた。
 僕はこの場所で、胸に宿っていた淡い思いを塗りつぶしてしまうような、鮮烈な存在に出逢ったのだ。



 突然僕の前に現れた人たち。綺麗な女の人とか、髭のおじさんとかお爺さん。
 「っていうか、『人』は一人もいませんよね?」
 「流石、竜神族の血を引くものですね。私たちは、貴方にお願いがあってきたのです」
 大地色の髪の女性が代表で話しかけてきた。
 彼女の話はこうだった。
 この世界とつながった、でも時代や場所が違う世界で、僕と同じような冒険をした人たちがいる。
 その人たちが、冒険が終わり、疲れを癒す場所を作ったのだと。そして、僕にもそこに向かってほしいと。
 「それだけ、ですか?」
 「そう。それだけ。別に何をして欲しいいわけではないのです。ああ、一つだけ、その場所の説明をして上げて頂けないかしら?」
 「はあ……」
 正直、何が何だか分からなかった。でも、純粋にその人たちに会ってみたいと思ったから、僕は頷いて彼らが指し示す旅の扉に飛び込んだ。
 何が変わるとか、期待したわけじゃない。
 だって、僕には何の憂いもない。仲間は皆仲が良くて、姫と王の呪いは解かれた。その功績で長期の休みと、その後、近衛隊長になるというエリートコースにまで乗ってしまった。
 そう、何の憂いもない。母と父の素性も分かった。亡くなっていたのは悲しかったけど、祖父が全てを捨てて一緒にいてくれる。
 何の憂いもない、はずだった。



 旅の扉で辿り着いたのは森。だけど、人ならぬ彼らが言っていた人たちはすぐ見つかった。
 普通の宿屋よりも大きい建物の前に、色とりどりの人が集まっている。
 全身鎧の堅そうな青年、高貴さを纏う厳しそうな青年。少年だけど、前の二人より存在感のある人。この三人は良く似ていた。血縁なのかも知れないと思った。しかも横にそっくりさんがいるから、双子だとすると四人か。
 紫のターバンの青年は年齢に相応しくない貫禄を感じ、青い髪の少年は生きるエネルギーに満ち溢れているように見えた。

684強く儚い導き 8→4 3/7:2009/06/13(土) 19:50:04
 その横にいる小柄な少年は、周りに負けない力を持っているように感じ、最後に、翡翠色の髪の二人に目がいった。
 一人はくせっ毛の少女。人形のように整った容姿だけど、そう感じないのは、生きるエネルギーに満ち溢れているからか。葡萄色の瞳がきらきらと輝いていた。
 そして、その横に立つ少年。整った容姿は少女同様。しかし、こちらは良く出来た彫像のように見えた。硬質な紫水晶の瞳はどこか遠くを見ているようで、思わず手を伸ばそうとして、隠れている木陰から飛び出してしまった。
 そして小柄な少年に見つかり。あれよあれよというまに中心に引きずられた。
 僕が伝言されたここの説明すると、双子さんが率先して宿屋に飛び込んでいく。
 その勢いに押され、視線をずらすと、木陰に腰掛けた翡翠色の少年。
 近寄って声を掛けると、そっけない言葉。鋭い眼差しが少し怖い。
 「俺は…あまり騒がしくしたくないんだ、すまん」
 ポツリと零れた言葉。
 ああ、なんで気になったのか分かった。この人は僕と同じ。同じ冒険と聞いたのに、仲間なのに、薄い膜が一枚張られているような疎外感。
 種という絶対的な違い。
 だから、僕の言葉に、彼の視線が僕に向けられたのが嬉しかった。
 その硬質な輝きの紫水晶に僕をもっと映して。僕を見て。……一人にしないで。
 少々無理やり伸ばされた手を、彼は確かに取ってくれたのだ。


 足を止めて立ち尽くしていた僕に気づいたのか、1主さんが手を振っていた。
 「8主おかえり」
 爽やかな笑みに、僕も何時も通りの笑みを返せただろうか?
 「「「おかえりー」」」
 天気が良いので、ベランダで全員テーブルについている。
 そういえば、そろそろおやつ時だ。カップのようなものをスプーンでつついている。その中に、緑は二つ。つい何時もの癖で、彼を探してしまう。
 「おお、8主。変わった格好しているな」
 6主さんの言葉に自分の格好を見下ろす。そういえば、今日は同僚の結婚式に出席するので、近衛の正装を来ていたのだ。何時も着替えてくるのに、今日は着替えるのが億劫でそのまま来てしまっていた。
 「近衛の正装かい?良く似合ってるよ」
 「8主にあうぞっ。クンショウもたくさん付いてる」
 「なんか色々じゃらじゃらくっついてるの、勲章だったんだ」
 「こう見ると、確かに近衛隊長って感じだな」
 流石5主さん、目ざとい。そして、2主さん、流石王族です。僕的には7主さんの反応が一番らしいと思うけど。1主さんも、ちょっと興味深そうに見ている。
 「ん?帰ったのか?」
 窓からひょこっと顔を出した4主さんに、僕の体が硬直する。
 何時も、宿舎に来ると真っ先に居場所を確認してしまう人。だけど、今日は、会いたくなかった。
 彼はこちらを見て、微かに眉を顰める。態度には出さなかったと思うけど、油断出来ない。彼は、わずかな表情からこちらの感情を読み取る。肝心なことには全然気づいてくれないが。
 「そんな不安そうな顔せんでも、お前の分もあるよ。甘夏プリン」
 そんな言葉が返ってきたのでどうやら気づかれなかったのだろう。僕は内心胸を撫で下ろした。

685強く儚い導き 8→4 4/7:2009/06/13(土) 19:50:27
 本当なら、食べますって言うべきだと思う。実際、4主さんの作るプリンは絶品だ。しかも、新作のそれは、食べてみたいと思う。
 だけど、僕は首を振った。
 「ありがとうございます。だけど、ちょっと祝い酒で酔ってしまってるので、部屋で休みます。取っといてもらえますか?」
 僕の言葉に、4主さんの目が瞬いた。
 昔見た、硬質な色が柔らかくなった。それは素直に嬉しいと思うのに、それを向けられるのは自分だけではない。
 「8主。具合悪いのか?」
 3女さんの言葉に僕は首を振った。
 「いえ、本当に酔っ払っちゃって、物凄く眠いだけです。こんな寝ぼけ眼でプリンを味わうのはプリンに失礼ですしっ!」
 何時もどおりの態度に、3女さんは苦笑してた。4女さんは我関せずとばかりにプリンをつついている。
 正直、彼女が参戦しないはありがたい。彼女はマイペースがだが、基本スペックが4主さんと同じなのだ。嘘は殆ど見抜かれてしまう。
 彼女が何か言い出す前に、僕は皆に謝ってさっさと自室へ戻った。



 物が詰まれた部屋には寝転がれる場所などない。礼服をさっさと脱ぎ、そこら辺に放る。暫く着ることもないから、後でクリーニングにでも出せば良い。7主さんから借りている魔法の絨毯を広げ、そこにおいてあった寝巻きに着替える。さっさと眠ってしまいたい。
 こんな、うだうだ悩むのは僕らしくないのだ。鬱なのは4主さんだけで十分だ。
 布団に潜り込む。そもそも窓なんてとっくに荷物に埋もれているから、明かりを消してしまえば何も見えなくなる。
 眠りたいのに眠れない。先ほどみた、元同僚の幸せそうな顔がちらつく。
 うん、幸せなのは良い事だ。僕も、ミーティア姫とああなれるとずっと考えてた。
 だけど、僕は彼女と一緒に居られない。僕の時は人と違う。彼女はやがて僕を置いて……逝ってしまう。
 思考がぐるぐる回ってどうしようもなくなった頃、ノックの音が聞こえた。出なければ、僕はもう眠ってしまったと思うだろう。
 コンコン。コンコン。
 ノックが繰り返される。しつこいっ。僕は寝てるんだっ!
 布団を被り直し潜り込む。すると、ノックがやんで、カチャリと扉が開く音がした。
 「……あいっかわらず魔境だな、ここは」
 下から聞こえてきたのは、低いテノール。驚いて布団から顔を出すと、下から絨毯を見上げていたのは、4主さんだった。
 「……4主さん?」
 声が擦れる。ああ、これじゃばれてしまう。
 だけど、4主さんはかまわず、声を掛けてくる。
 「降りて来い。ここじゃゆっくり眠れないだろうが。俺と4女は今日は村に帰るから、特別に部屋を貸してやる」
 少し不機嫌な声。ああ、何時もの彼の声だ。だけど、そうすると僕の中の反抗心が頭を出す。
 「いやです。僕眠いんで。鳥さんと違って、木の枝じゃ眠れません」
 「OK。とりあえず降りて来い。このクソ竜」
 何時もの言葉。でも、気遣っているのか、外に出ろじゃないな。
 思わず小さく笑ってしまう。だけど、降りたくない。暫くそのままでいると、小さなため息が聞こえた。

686強く儚い導き 8→4 5/7:2009/06/13(土) 20:05:26
 『そう、諦めてください。今日はお相手できません。オネガイダカラ、カマワナイデ。イマノボクハナニモミタクナイ、キキタクナイ』
 しかし、そう考えた瞬間、再び絨毯の下で何か声が聞こえ、絨毯が急に下降し始めた。
 『え?これ、7主さんに借りたやつだから、7主さんと借主の僕の言うことしか聞かないはずなのにっ!』
 慌てて起き上がって絨毯に指示を出すが、絨毯は言うことを聞いてくれず、結局4主さんの腰あたりまで降りてしまった。
 4主さんが無言で見下ろしてくる。
 怖い。なんとなく、7主さんっていつもこんな感じなのかと考えた。要するに、僕の思考はメダパニ状態なんだろう。
 「ったく、素直に降りて来い」
 言葉共に、布団ごと体が持ち上げられる。
 「へ?え、えぇぇぇぇぇぇっ!?」
 そのまま肩に担ぎ上げられ、運ばれてしまう。
 『どうしてこの人僕より華奢なのに力持ちなんだっ!?』
 僕が状況が飲み込めない内に4主さんの部屋に着き、僕はベッドに丁寧に下ろされた。
 布団を優しく掛けられ、4主さんはベッドの横に置かれた椅子に腰掛けた。
 手の平が僕の額に伸ばされる。其れから頭をゆっくり撫でられる。
 「熱はねぇな?」
 喉にも触れたので、リンパ腺も確かめたのだろう。
 相変らず甲斐甲斐しい。見下ろしてくる紫水晶は、心配だと言外に告げてくる。違うのに、僕はただ、持て余した感情を落ち着かせたいだけなのに。
 しっとりと冷たい手が僕の額の前髪を書き上げ、目元に触れる。
 指が目元をぬぐい、そこで初めて自分が泣いていることに気づいた。
 彼は何も言わず、お日様のにおいのするタオルを目元に置いてくれる。
 再び頭が撫でられ、手が離れようとする。その手を、僕は慌てて掴んだ。
 「8主?」
 不思議そうな声。しかし、僕の手が導くままに僕の頬に手を置いてくれる。せっかく置いてくれたタオルは落ちてしまったが、それより冷たいこの手のほうが気持ちがいい。
 手に頬を摺り寄せる。彼は困ったような顔で、でも好きにさせてくれる。
 暫くその感触を味わってから、彼を見上げた。
 「聞かないんですね?」
 「……聞いたほうがいいか?」
 彼は優しい。でもとても厳しい。僕が仕舞い込もうとする心を暴こうとする。溜め込んでしまうほうが楽だけど、そうすると心に澱が降り積もる。その恐ろしさを誰より知っているから。だから、自分から吐き出せ、というのだ。
 「聞いてください……今日。同僚の結婚式だったです」
 其れから僕は、ぽつりぽつりと話した。
 確かに祝っていること。でも、置いていかれたような気がしたこと。ミーティア姫のこと。
 自分の寿命のこと。多分、自分は竜神族ほどではなくても、普通の人より遙かに長命だろう。だから、彼女の傍にいてはいけないと思ったこと。
 彼女は好きだ。4主さんへ向ける渇望じゃなくて、一緒に居るととても暖かい、幸せな気分になれる。
 だけど、それじゃあ駄目なんだ。愛していない人に、時の流れの違う僕が傍にいることがどれほどの苦痛を生むか……。
 4主さんが好きだということ以外、自分の心を吐き出した。

687強く儚い導き 8→4 6/7:2009/06/13(土) 20:05:59
 4主さんはただ、時々相槌をうって、頬を、頭を撫でてくれた。
 「ミーティア姫は好きです。でも、僕は彼女を愛していなかった」
 「……好きだからこそ、自分の運命に巻き込みたくなかったんじゃないのか?」
 「いいえ。僕は聖人君子じゃない。本当に大切な人は、相手の都合なんか考えず道連れにするっ。僕は……」
 声が震える。言ってしまいたい。貴方が好きだと。だから一緒に来てくれと。一人は寂しい。置いていかないでと。
 4主さんは小さく微笑んだ。こちらを見下ろす目は優しい。誰だろう、この人。こんな4主さん見たことない。
 「死は、二度訪れるって知っているか?」
 4主さんの突然の言葉に僕は疑問符を浮かべた。表情から答えを得た4主さんが言葉を続ける。
 「一度目の死は肉体の死。二度目は、記憶の死」
 「記憶の、死?」
 僕の頭を4主さんの手が掻き混ぜる。その手の感触が心地よくて、僕は目を細めた。
 「2度目の死は、故人の思い出を生ける者が忘れた時に訪れる死。……死が絆を別つわけじゃねぇ。俺もお前も。いつか、旅の仲間においていかれるだろうさ。それはもう分かっている。だけど、それで最後じゃない。俺たちが彼らを彼女たちを忘れるまで、皆は死なない」
 「なんですか、それ」
 聡いくせに、微妙にずれるのは彼の特性だ、突っ込みの癖に天然入るから、時々ちょっとぼける。
 でも、胸の中の闇に、光が差し込んだ気がする。
 頭を撫でる手が暖かい。本当に欲しいのはこの手。でも、僕の心が怖がっていたのは仲間において行かれること。
 ククールの髪が伸びた、ゼシカの判断の基準がお兄さんじゃなくなって、ヤンガスは例の彼女といい雰囲気で。
 皆進んでいるのに、僕だけ立ち止まっている気がした。一緒に歩きたいのに、歩いていくつもりだったのに、僕の体は、確実に老いのスピードが、時の流れが変わってしまった。
 そして、僕は気づいた。この人も、幾度となく同じことを考えたんだと。考えて考えて、辿り着いた答えを、道を僕に示してくれているんだと。
 「仲間を忘れないでやれ。……それでも寂しかったら、俺のところに遊びに来れば良いさ。どうせ、俺もその頃はシンシアちゃんと二人で、いや、4女も含めると三人でか。そんな感じで隠居してるから」
 物凄く魅力的なお誘い。一部ホラーはいってるけど。どうしてこの人は、こんなに簡単に僕の機嫌を直すのか。
 見上げると、照れているのか、ちょっと視線を逸らしている、耳が赤い。言い馴れないことをいうからだ。
 僕は笑った。完璧で不器用で優しくて厳しい、僕はこの人が好きだ。
 ああ、僕はずいぶんとくだらない勘違いをしていたらしい。
 時の流れが近いからじゃない。異種族とのハーフだからじゃない。優しくて厳しい、不器用なこの人だから好きなんだ。
 いつか言おう。だけど、それは今じゃない。こんな風に、甘やかしてもらえる時間がなくなってしまうのは悲しいから。
 一応、一つ年上のはずなのに、彼は僕を年下のように扱う。
 もう、仲間にも同僚にもしてもらえない年下扱い。
 『でも、いつか下克上したい、かな』
 頭を撫でる手は気持ち良い。でも、本当は、その唇に触れたい。
 悲しい、硬質な瞳を僕の声で潤ませたいのだ。いや、そんな大それたことじゃなくて、微笑んでほしい。きっとこんな綺麗な彼が微笑んだら、とても素敵だろうから。
 『ライバル、増えそうだけどなあ』
 さっきの光景を思い出す。
 うん。頑張らないと。こんなことで止まってる暇なんてない。
 僕は再び頭をかき混ぜる4主さんの手を取り、さっきみたいに頬を寄せる。

688強く儚い導き 8→4 7/7:2009/06/13(土) 20:09:17
 「……4主さん」
 「ん?なんだ?」
 「子守唄、歌ってください」
 「は?」
 不思議そうな4主さんを見上げ、おねだりしてみる。
 4主さんは驚いた顔をしてたけど、僕がじぃっと見上げると、小さくため息をついた。
 「俺は下手だから、笑うなよ?ちょっとでも笑ったら止めるからな?」
 「笑いません。だからお願い」
 小さな、低いテノールが奏でる優しい声が部屋に満ちる。
 その優しさに包まれて、僕は眠りに落ちた。



 「で、朝なんだけど、帰ってこないから見にきたら」
 不機嫌そうな声。葡萄色の瞳が怒りに染まっている。うん、やっぱりこの二人同一人物だ。物凄く怖い。
 4主さんはあのまま眠ってしまったらしい。というか、僕の手がちゃっかり4主さんの手を掴んだままなので、手を振りほどけなかったんだろう。この人らしい。
 「ねえ、8主?」
 「は、はいっ!?」
 「私ねぇ、今日の朝は4主が作ったフレンチトースト食べたかったの。か弱い女の子の手じゃ、生クリーム泡立てるの大変なんだもの」
 「そ、そうですね」
 「うん。物凄く食べたかったのよ?」
 「そういうことって、あ、ありますよね。僕もプリン食べたいことありますし」
 「分かってくれた?」
 「はい」
 「じゃ、選択肢あげましょう。ギガデインとギガソード、どっちがよい?」
 「ど、どっち?」
 「そう。どっち?(はあと)」
 「選ばなきゃ、駄目ですよね?やっぱり」
 「勿論♪ついでに、どっち選んでも、甘夏プリンは私と3女ちゃんで山分けです」
 「ええええっ!?そ、そんなっ!4主さんが僕のために残してくれたプリンっ!!!!!!」
 「いやかましっ!私のフレンチトースト返せっっ!!ギガデインっ!ついでにギガソードっ!」
 「ぬわーっ!!!」

689名無しの勇者:2009/06/14(日) 02:09:31
大作お疲れ様でした!
8主乙女すぎて悶え萌えました8主かわいいよ8主
最後の4女ふいたw
GJでした!!!!


そういやぁ、8主や4主(PS、DS版)も童顔なのは
寿命が長くて成長がゆるやかだからなのかな

690名無しの勇者:2009/06/14(日) 02:18:45
8は青臭くて可愛いなあ
でも他のどのキャラよりも片思いで終わりそうで(ノ∀`)
(個人的意見ですが)

ホラー最後ガチンコバトルも外伝も期待して待ってます!

691名無しの勇者:2009/06/14(日) 14:47:18
乙でした! 超GJ!
個人的には8主がミーちゃんのことも大事にしてて良かった。
今は自分の寂しさが先に立ってしまうところまだまだ子供だけど、
いつか4主のように、他人を包み込める人間に成長していくんでしょうね。
8主が4主を超えられるのはいつの日か?w

私も外伝マターリ期待してます♪

692変わるもの変わらないもの 84 1/4:2009/06/20(土) 04:34:00
連作のあなざーえんどです。
これがエンディングではないですが……IF世界というとこで。
※1 注意。血の表現や、明確には書いていませんが、「死」の表現が含まれます。
また、かなりオリジナル設定が含まれます。
以上の注意事項に引っかからない方のみ、ご観覧くださいませ。
※2 ちょっとばっかりピロートークが含まれますので、其れが駄目な方もご注意ください。










 目が片方しか開かない。眼球は傷ついていないが、額から流れる血が、固まって目を塞いでしまっていた。左手の肘から下も右足も感覚がない。
 『動け、動いてくれっ』
 片方の目で見えたのは、倒れ付した影。
 『ざまぁない。世界に干渉しないなんて、引きこもっていた罰か』
 彼は己を嘲笑う。かつて、天空の勇者と呼ばれた者。しかし、彼を勇者たらしてめていたのは、仲間と、平和を願う人々だった。
 かつて、勇者と導かれし者たちによって地底深く封じられた地獄の帝王は、それでも、滅んだわけではなかった。
 かの者は、ただ深く、闇深く眠りに付いただけだった。
 それでも、闇が、憎しみや恨み、悪意といったあらゆる負の念を人々が生み出されなければ、その眠りは守られるはずだった。
 勇者は、各国の王達にそれを警告し、自らは姿を消した。天に昇ったとも、地に潜り眠りに付いたともされたが、彼の行方を知るものは居なかった。
 しかし、人々は勇者達の残した平和を、導かれし者達が没した数十年しか持たせることが出来なかった。
 国と国は争い、血は流れ、怨嗟の声が世界中に満ち、闇が、再び力を得てしまった。
 地獄の帝王は、かつての失敗を学んでいた。
 人知れず、野望を持つものへ囁き、世界の希望の光になれたであろう者達を、国々の争いへ巻き込んだ。
 今、世界は疲弊し、かの帝王に逆らえる力を持つものは居ない。
 そうして、地獄の帝王は蘇り、世界を紅蓮の戦火で包み込んだのだ。



 「四百年、しか持たなかったなんてな」
 彼は苦笑する。彼は、かつて、白金の鎧を纏い、優美な剣を振るい、地獄の帝王を封じ込めた。

693変わるもの変わらないもの 84 2/4:2009/06/20(土) 04:34:42
 半分、人ではない神の眷属の血が流れていた彼は、仲間達が全て没した後、生まれた村に結界を張り、その中でのんびりと過ごしていた。
 時折訪れるのは、仲間の直系の子孫か、かつて魔族の王だった銀糸の魔人だけ。
 それ以外は、天の使いすら彼は訪れるのを拒んだ。
 彼と半身と、彼とともにあることだけを望んで全て捨ててきた人と、緩やかに時を過ごしていた青年が外の世界の不穏に気づいたのは、気まぐれに人里に下りた時。
 その裏に、地獄の帝王が居ることに気づいた彼は、一度は封印した剣を再び取り、ともに戦ってくれるものを探し始める。
 しかし、その時には全てが遅すぎた、世界全てが戦渦に巻き込まれ、かつての仲間の子孫もまた国同士の争いに巻き込まれ、次々に倒れていった。
 残されたのは、戦う術を知らぬ幼子数人。
 彼は、半身に幼子を任せ、友と、魔人と三人だけでかつて戦った地獄の帝王に挑まざるを得なかった。



 帝王は強かった。世界中を怨嗟に包みこみ、力をつけていた。それに引き換え、かつての勇者達とはいえ、たった三人。しかも、世界の希望の光はまるで蝋燭の灯のようにか細くなっていた。
 辛うじて再び封じ込めることは出来たが、代償は以前よりはるかに大きい。
 右手を、大地に着く。左の肘と交互に動かし、赤い影へと動いていく。
 外れた兜。額からは赤い筋が頬を伝って流れ落ちている。
 甘い物好きな青年の大好きなカラメル色の瞳は閉じられている。
 青年が彼を呼ぶ声が好きだった。彼を見つけると、バンダナの端がぴょんと跳ねる。その赤い布がはねるのが大好きだった。
 年の割りに幼い寝顔。だけど、これは違う。彼同様、青年もぼろぼろだった。
 必死に手を動かし、閉じた口に耳を寄せる。
 心臓が握りつぶされるような気がした。聞こえるはずの息が聞こえない。
 青年は、こんなことに巻き込みたくなかった。だけど、躊躇う彼に、青年は笑った。
 『居候なんだから、たまには働かないといけませんよね?ま、体も鈍ってたし、ちょうどよいですよ。なんですか?えすたっく?お薬みたいな名前ですよね。そんなの、僕と貴方の敵じゃないですよ』
 手を伸ばす。瞳と同色の煮詰めたカラメルのような甘い色の髪を梳く。
 「くそっ!」
 大地を叩く。今の自分に適うのは、せいぜい傷をふさぐ程度の治癒魔法。
 「どうして……どうして俺にはメガザルが使えないっ」
 血を吐くような叫びが洞窟に響く。
 「こんな、こんなところで失っていいはずないっ!俺はまだ、答えてないっ!全てを捨ててきたこいつに、何も返せてないっ!!」
 止まった涙が再び溢れる。頬を伝う涙が彼の手に落ちても、その手は動かない。
 『また泣いてるんですか?泣き虫ですねぇ』
 『泣かないでください。僕達が……僕が居ます』
 『トロデ王……とおさんにも、姫にも、クックルにもゼシカにも、ヤンガスにも……じいちゃんにも竜神王にもちゃんと言ってきました。貴方の傍に居たいって。そしたら、あの人、中々剛毅で、竜神の装備全部もってって良いって言われました♪』
 竜神王、あんたは気づいてたのか?この世界がまだまだ安定していないと。
 だから、コイツに神具を持たせた。なら、如何して止めなかった?
 「どうして……お前が逝かなきゃならない……いやだ」
 零れ落ちる言葉。
 脳裏に浮かぶのは魔人の言葉。

694変わるもの変わらないもの 84 3/4:2009/06/20(土) 04:36:21
















 『お前は、もう、自分のことだけ考えればよい。もう、世界に、<勇者>に己をささげるな……』
 そんな積りは無かった。ただ、自分の役目が終わったと、引きこもっていた自分に与えられた言葉。最後の、言葉。
 言って、よいのだろうか。最後だとするなら、言ってしまいたい。言ってしまおう。もう、誰も聞いていない。最後ぐらい許してもらえるだろう。
 「いやだっ!ハッッシュ……エイトッ!!生きてっ!!置いて、俺を置いていくなっ!!」
 まだ、暖かい体に縋りつく。しかし、いつもなら頭に添えられる手は動かない。瞳は開かれない。
 「いやだいやだいやだぁぁぁぁぁ」
 子供の頃のように泣きじゃくる。どれぐらいだろう、そんなことを考えていたら、つきりと背に痛みが走った。
 『背?』
 何しろ、全身傷だらけだ。背にも負っていたのだろうか?
 ズクリッ
 考えた瞬間、背中に心臓が移動したように全身の神経が集中した。
 「う、ぁ?」
 全身が焼けるように熱い。特に熱いのは背中。まるで、剣で斬りつけられたかのような痛みに体を抱えるように蹲る。
 ずるりっ。
 異質な音。何とか背を振り返った己の目に映ったのは、翼。
 背中を突き破った所為で根元が朱に染まっている。
 「血?いや、なんだ……」
 天空人の翼は一対。そして、その色は白。しかし、この翼は、二対四枚。色こそ白だが、一枚一枚、纏うオーラの色が異なる。
 一枚は紅玉。燃え盛る炎のような色。一枚は琥珀。大地に眠る木から生まれた宝石の色。一枚は碧石。新緑を慈しむ風の色。一枚は蒼玉。命を繋ぐ水の色。
 「これは……力、戻ってる」
 広がる翼。泉のように満ちてくる力。

695変わるもの変わらないもの 84 4/6:2009/06/20(土) 04:39:50
(注ページ数間違えました。4→6となります)














 手を伸ばす。そこには倒れた青年。
 「これなら、いける……ザオラルッ」
 差し出した手が、暗い洞窟の光で満たした。


 ぱちり。
 思わずそんな音がしそうなほど唐突に目覚めた。
 窓から差し込んでくる光。先ほどの夢の光は、この朝日だったのだろう。
 頭に髪を梳く感触。目の前には、心配そうなキャラメル色の瞳。
 青年は出会った頃からずいぶんと背が伸びた。身長はまだ辛うじて自分が勝っているが、肩幅はとっくの昔に負けている。
 それでも、この子犬のような目は変わらない。
 苦笑すると、青年は首を傾げた。
 「どうしたんです?」
 甘いものを食べると、声まで甘くなるのか。いや、違う。青年のこの態度はもはや彼専用だ。
 青年が、彼以外にこんな優しい声も、丁寧な言葉遣いももうしない。
 「懐かしい、夢を見たんだ」
 手を伸ばし、首に回すと、青年は嬉しげに笑い、抱きしめてくる。
 変わらない。まるで子犬が尻尾を振っているような満面の笑みも優しい声も。
 「懐かしい、ですか?」
 「ああ、翼が生えたときの…懐かしい夢」
 肩に顔を寄せると、顎に手が添えられる。
 掠める口付けの間に除くのは、いたずらっ子の笑み。
 顎に添えられた手はいつの間にか後頭部に、もう一方の手はいつの間にか夜着の裾から滑り込んでいる。

696変わるもの変わらないもの 84 5/6:2009/06/20(土) 04:40:29















 「……朝、なんだが」
 「朝ですね。駄目ですか?」
 子犬の眼差しは本当に卑怯だと思う。しかし、ここで流されるわけには行かない。そんなことになった日には、一日寝台で過ごすことになる。
 「駄目。そろそろ、暗黒神とやらも倒された頃だろう?」
 伸びた髪を引っ張ってやると、痛いですよなんて軽く言いながら頷いた。
 「確認したところ。昨日。彼らが来るのは後一週間ぐらいですかね?」
 「そんなもんか?」
 髪をもう一回引っ張る。青年は彼の頬にキスを落とす。
 「はい。確か、夢を見たのは、倒した直後に宿屋に泊まったときでした」
 「なら、本当に猶予ないだろう?さっさと人の姿を捨て完全な竜になるための儀式を始めないと。」
 彼は青年の手をゆっくり振り解き、半身を起こした。
 長い時をへて、青年同様伸びた髪が寝台に広がる。
 彼としては切ってしまいたいのだが、青年はこの髪が好きで、伸ばして欲しいとねだるので切ることが出来ない。
 自分も、大概甘くなったと思う。
 ため息をつくと、同じく身を起こした青年が抱きしめてくる。
 変わらない。図体が大きくなろうが、この甘ったれなところも全然。
 「いい加減にしろ。準備するぞ。っていうか、さっさと変化しないと。俺もお前も、この姿じゃまずいだろう?」
 再び離れようとするが、がっちりと廻された腕が彼の体を拘束する。

697変わるもの変わらないもの 84 6/6:2009/06/20(土) 04:41:05















 「オイ」
 「明日、儀式を始めます。だから、今日は……」
 ぎゅうっと音がするほど抱きしめてくる青年に、彼は苦笑し、瞼に唇で触れる。
 変わらない青年、変わってしまった彼。だけど、この手を放せないのだから仕方ない。
 「しょうがない、な……ってこらっ!せめてメシ食わせろっ!」
 「色気ない……でも、可愛いです」
 「キスすんな、変なとこ撫でるなぁっ!……ひゃっぁんっ……いい加減にしろーーーーっ!!ギガソーードッ」
 「ぬわーーーっ!!!」


 「竜神王、また朝っぱらからあの方に手を出しておられるのか」
 「懲りない方だよな」
 竜神族の里は今日も平和である。

698名無しの愚者:2009/06/20(土) 04:43:18
>>646さま、>>651さま、>>652さま、>>659さま、>>660さま、>>661さま、>>668さま、>>669さま、>>675さま、>>681さま、>>689さま、>>690さま、>>691さま
皆様、本当にありがとうございました。
一言でも感想をいただけると嬉しいです。

で、思わずおまけ作りました。
>>690さまの意見に思わず同意してしまったので。
あのオトメンじゃ、片思いで終わりそうで……
たぶん84、です。
「変わるもの変わらないもの」>>692-697

699名無しの勇者:2009/06/20(土) 20:06:41
ふぉぉぉぉぉ…!おまけキテタ−−−−−!!!GJGJです!
ふたりともかわいいです(*´∀`*)
楽しませていただきました!

トロデ王、とおさんって呼ばれてたんですね。
トロデ、ミーティア、8主の家族も想像してニヤニヤしました。

700cherry 34 1/4:2009/06/26(金) 00:49:48
4主視点ではありません、突発で34出来ました。
匂いちょっと濃い目です。



 「腹減ったぁ」
 「起きてくるなり、それか」
 独り言のはずのそれに返事が返り、声のほうに顔を向けると、キッチンに立っていた4主だった。
 「あ、らっきー♪腹減った。なんか作ってくれ♪」
 「しゃあねぇな」
 いそいそとダイニングテーブルに座ると、4主はキッチンへ向かった。
 ここに住んでいる自分と違い、彼は己の世界に仕事を持っているため、いつもいるわけではない。しかし、いる場合は苦情を言いながらも飯を作ってくれるため、3主は素直に其れに甘えている。
 まあ、これが自分だけではないのがちょっと惜しいが。
 暫く食卓の爪楊枝を弄り回してると、ワンディッシュにボリューム大目なサンドイッチ。サラダはちゃんと小皿に分けているので、ソースが混じることが無い。カップに注がれた冷たいスープにはパセリとクルトン。サラダにはシーフードと歯応えを考えてパスタ。で、サンドイッチはローストビーフ。デザートはチェリークラフティ。
 「……やっぱりおかん以外のなんか入っているだろう、お前」
 「やかましい。さっさと食え」
 『お?ちょっと不機嫌。ううむ。なんか作ってりゃそれなりにご機嫌なのだが、珍しいな』
 しかも、何時もはなんだかんだ言いながら、飯を食っている間、自分は食わなくても前に座ってくれている彼は、珍しくキッチンに戻ってしまった。
 『本当に珍しい』
 彼は、一人の食卓を嫌う。だからこそ、いつも、誰かが食べている間は席を外さない。
 『なんかあったっけ?』
 サンドイッチに齧り付きながら、昨日のことを反芻してみる。
 『いつもどおり朝飯作って、2主に勉強教えて、7、8主の暴走を拳骨で止めてたっけ』
 そう。昨日は珍しく宿舎が壊れる前に果汁組の暴走を止められた。
 『拳固一発って親父かおかんだよな』
 すっかり宿舎の主夫−っていうかもう主婦でいいだろう−が染み付いている。
 『で、オヤツ抜きって言って、二人に泣き付かれていたっけ?』
 オヤツで釣られる勇者もどうかと思う。というか、それ以前に破壊活動が日常茶飯事なのもどうかと思うが。最近は、魔王たちが一番大人しいとか言われてるし。
 『結局あきらめて全員でオヤツ食べたんだったか。実は2主、7主だけじゃなくて8主まで年下扱いで甘いよな、コイツ』
 チラリとキッチンで動く後姿に視線をやる。
 ことことと何か煮る音。大方、夜の仕込みをしてるんだろう。マメな男である。
 『で、オヤツ食べて……おや?』
 ふと、デザートで出されたチェリークラフティに目をやる。昨日のオヤツは確か、売り物にならないさくらんぼだった。
 これは、其れを流用したものだろう。しかし、彼は妙なところで拘るなので、前の日と同じ食材をメインには持ってこない。それは、デザートもしかりである。
 『どしたんだ?』
 サラダを平らげ、スープに取り掛かる。冷製スープがさっぱりとしてる。
 『あ、そういえば……』
 3主は昨日のおやつの時間の騒動を思い出した。

701cherry 34 2/4:2009/06/26(金) 00:50:17
 「おおー初物だな」
 「ああ。冷蔵庫に小分けにしてあるから、姫や奥方のお土産にもってけ」
 4主の言葉に、1主や5主はありがとうと礼を言ってた。
 残りのメンバーはその間にも、中央に盛られたサクランボに手を出していく。
 「んん〜たまにはフルーツも美味しいですね♪これでプリンがあれば最高なんですけど」
 「美味しいよね♪」
 果汁組はちゃっかり小皿に自分の分も確保している。ほかのメンバーも其れを見て、さっさと小皿に確保を始めた。
 折角の初物を食べつくさんばかりの勢いに、持ってきた4主は先ほどの怒りを持続できず、苦笑していた。
 そんな何時もの午後、不意に3主がサクランボの茎を取り上げ、口に放り込んだ。
 驚いた1主、2主に、3主は舌を出してみせる。
 舌には、茎に結び目が作られていた。
 「すっえぇあろ」
 「ご先祖、なに言ってるかわから無い。でも、懐かしいな」
 1主も茎を一本取り上げ、口に放り込む。暫くもごもごと口を動かし、舌を出して見せた。
 そこには、3主が作ったのと同じような、結ばれた茎があった。
 「ああ、懐かしいですね。僕も良くお城で同僚と競争しましたよ」
 8主が笑い、自分も茎を取り上げる。5主も笑いながら其れに習う。
 「パパは大人になってから知ったけど、巧いよ♪」
 「お兄ちゃんも得意だぞ♪ターニアにやって見せてくれっていわれて練習したんだ」
 6主も茎を取り上げる。7主はちょっと顔を赤らめている。
 「なあなあ、ご先祖、皆、なんだそれ?」
 「知らないのか?」
 1主の言葉に頷くのは、2主と4主だ。首の角度まで同じで、よく似た師弟である。
 3主は苦笑し、再びサクランボを口の中に放り込んだ。
 「口の中で結ぶんです」
 「これが巧く出来るかで、あることが分かるんだな」
 「あること?」
 8主の言葉を引き取ってにやりと笑って見せると、1主、5主も同じように笑う。6主は元よりにこやかで、7主は頬を赤く染めたままだ。
 「おこちゃまは知らんで良いこと♪」
 1主の珍しいにやにや顔に、4主の額に皺が集まる。その袖をくいっと引っ張られ、4主は顔を横に向けた。7主が耳元で囁く言葉に頷いていた4主は、不意に顔をうっすらと赤く染める。
 思わず、といった風に8主が息を飲むのが聞こえた。中々未熟者である。
 「お、お前ら、2主の前でっ!!」
 「怒らない怒らない」
 「このサロン王がっむぐっ!?」
 くすくすと笑う5主は、茎を一本4主の口に放り込んだ。
 やってごらん、という言葉にしぶしぶ従う4主に、1主がニヤニヤしている。
 『自分で振っておいてなんだが、1主がこういうの乗るのは珍しいな?』
 暫くもごもごと口を動かしているが、どうも上手く行かないらしい。だんだん寄せられる額の皺に、ニヤニヤ笑いが4匹に増える。

702cherry 34 3/4:2009/06/26(金) 00:50:55
 「なんだ?お兄ちゃんが教えてやるか?」
 からかう6主を睨みつける4主に思わず笑ってしまうと、睨まれた。
 『結局、あの時は出来なくて、2主、7主を除く皆にからかわれていたっけ』
 ボリュームたっぷりランチを平らげ、チェリークラフティに取り掛かる。
 キッチンでは相変らず、彼が背中を向けている。
 『そういうことか』
 もう一度デザートを見て、3主はにやりと笑った。



 わざと足音を立てず、気配まで消してキッチンの彼の元へ歩み寄る。大きな鍋の前に、小さな小皿が二つ。一つは、デザートを作ったサクランボから取り除いた茎。もう一つは、よれよれになった茎の残骸。其れを確認してから、3主は声を掛けた。
 「練習してたん?」
 想像通り、びくりと4主が肩を震わせる。恐る恐る振り返り、皿を下げに来た3主を見た。
 その顔は、無表情とは程遠く、3主の読みどおりであると語っている。
 「た、たまたまだ。デザート作ったら茎余ったから」
 「たまたま、ねぇ?」
 歩み寄ると、一歩ずれる。再び歩み寄り、水場に背を向けて立つ4主を見上げた。残念ながら、彼は自分より背が高い。
 「教えてやろうか?」
 「え?」
 無防備な表情を向けてくる彼に、小さく笑う。
 小皿から茎を取り上げ、己の口に放り込む。彼は、素直にこちらを見ていた。
 『どうして、こういうことに警戒心が育たないかねぇ?』
 彼の死角になるように手をそっと伸ばし、首を掴んで引き寄せ、唇を奪う。
 紫の瞳が大きく瞬く。そして離そうと3主の胸元を押すが、元より逃がすつもりは無い。
 油断していたからか、あっさり進入出来た舌で、茎を押し込んでやる。
 更に歩み寄り、4主を水場に寄りかからせた。不利な体制で押さえ込んでしまえばこちらの勝ちだ。背はともかく、純粋な力は3主のほうが強い。
 「んむっ……さん……んぅっ」
 涙目で背中を叩いてくる。紫の目が潤む様は、何時見ても3主の心を躍らせる。
 コトコトと何かが煮える音の合間に水音が響く。いや、態と響かせる。彼は耳が良いからか、音に酷く弱い。
 背中を叩いていた手が、単調になり、やがて服を掴む。
 まだ開放しない。油断をすると、するりと抜け出すのだ、この翡翠の小鳥は。
 暫く堪能し、彼の足が力を失ったように崩れ掛けるところで、やっと唇を開放する。
 4主は3主の肩に頭を乗せ、ぐったりとしている。
 汗で張り付いた髪を拾い上げ、耳に掛けてやると睨みつけられた。
 「3主ぅぅぅぅぅ」
 恨めしげな表情。荒い息を耳元で吐かれてそんな顔して、誘ってるとしか思えない。
 「出来ただろ?」

703cherry 34 4/4:2009/06/26(金) 00:51:21
 4主が眉をひそめ、口の中の違和感を己の手で探る。
 出てきたのは、二つ結びされた茎。
 「……3主っ!?///」
 「手伝ってやったろ?……お礼は?」
 にやりと笑い、髪を梳いてやる。4主は再び顔を赤らめる。
 『……其れが誘っているって、いつになったら気づくんだろうな?』
 「お・れ・いは?」
 「……ひゃっ」
 無防備に耳を晒してるから、舐めてやる。4主は小さく声を上げてから口を押さえた。
 『相変らず感度良いなあ』
 「……4主?」
 かしりと甘噛み。さて、いつまで頑張れるかな?
 内心笑うと、4主が再び睨む。しかし、直ぐに顔を起こした。
 『珍しく復活が早い?……もっかい塞がんと逃げられるか?』
 顎を再び掴もうとして、逆に掴まれた。そっと寄せられる唇。
 『オヤ。珍しい』
 折角のお誘いを逃すのは惜しい。触れるだけの唇が離れるのを、再び掴んだ後頭部を引き寄せることで防ぐ。
 舌で唇を突付けば、躊躇いがちに開かれ、舌が絡まる。
 再びキッチンに響く水音。しかし、何かが煮える音はもうしない。視線を向けると、いつの間にか、鍋の火は止められていた。
 『……こういうところが油断ならないんだよな』
 離れる唇。潤んだ瞳につられるように瞼に口付けを落とす。
 「なあ、4主」
 「んだよ?」
 背に廻した手に力を入れる。ぴくりと震える体は逃れようとするが、逃がさない。
 「腹、一杯になったから、運動しねぇ?」
 色っぽい誘いなんて通用しない。この翡翠の鳥を手に入れるには、いつも最後は直球勝負。
 どんなに情欲におぼれても、最後の一線で理性を残すにはただ、欲しいと願うしかないのだ。
 「……ばかやろう。二度と公共の場ではやめれ」
 お答えはこちらも色気の無い言葉。まあ、俺達には其れが似合ってる。
 笑いながら、もう一度だけ、煮詰めたサクランボの色の唇に己の其れを重ねた。

7041主&4主:2009/06/27(土) 15:10:19
カプ要素ほぼなし。本スレの主夫コンビという言葉にみなぎったので

4主「1主、これやるよ」つ梅シロップ
1主「何だこれ? あ、梅のにおいする……つかスゲー甘いんですけど喉焼ける」
4主「青梅を氷砂糖で仕込んだやつ。水とかで割って飲んでくれ。
   ホントは梅酒漬けようと思ったんだが、未成年なので自重した」
1主「…水とかで…割って…飲むだと…?」
4主「そう、カルピスみたいに」
1主「……」
4主「どうした1主? 要らんようなら果汁グミどもにやるけど」
1主「いや、そうじゃない。ありがたく頂くよ。
   ……長く険しいカルピス道を歩ききらんとしていた俺に、新たに立ちふさがる強敵…梅シロップ!
   俺の冒険は、まだ始まったばっかりだぜヒャッハー!」
4主「打ち切り漫画の主人公かお前は!?」


>>701さん乙 4主カワユスwww

705名無しの勇者:2009/06/28(日) 01:08:02
>>700-703
34キターーーーーーーーーー!!!!!!!!!
GJでした! 最高に萌えました! やっぱり純正勇者組はいいなぁ。

3主ってば意外と手慣れてる感じがカコイイぜ惚れるw
どっちも(男以上に男らしい)女主が控えてることだし、
安心してくっついて幸せになっちゃえばいいのに(*´∀`)
……と思うんだけど、
寿命のこと考えるとマジで悲恋になりそうだから困るwヒャッホーイw

706名無しの勇者:2009/06/28(日) 01:46:58
ちょいと質問なんだが、ここって3主スキーと4主スキーが多いん?
この二人がからまないカプ話って需要ある?

707名無しの勇者:2009/06/28(日) 03:41:02
需要が気になる、反応欲しいならウケそうなの書けばいいし
書きたいものがあるんなら需要や反応なんか気にしないでいいのでは。

67や果汁も人気あるしあまり見かけないカプも普通に受け入れられてるスレだと思うけど。

708名無しの愚者:2009/06/28(日) 03:50:40
>>704さん
GJです!!主夫コンビ大好きだっ!
二人がとっても可愛いです。

>>705さん
感想ありがとうございます。
大丈夫ですっ!初代ロトなら寿命の一つや二つ、マスドラ脅して伸ばすぐらいやってのけると信じていますっ!
……逆に、3主と死に分かれたあと、ちび5主と出会うという悲恋→次の恋というネタにも繋げられますし(^^;)

>>706さん
私は4主スキーですが、67とか、76とか読むのは好きですよ♪
過去ログにある、61とか21とか87とか56とかも読む分には
美味しく頂けます。

709名無しの勇者:2009/06/28(日) 07:46:42
ごめん、半年ROMってくんない?
すごいウザいんだけど

710名無しの勇者:2009/06/28(日) 22:25:08
>>709
こらこら、落ち着きなさい。
なんでそんなつっけんどんな言い方しかできないのかしらこの子ったらw
「半年ROMれ」はまず言った方が一番KYってパターンが多いから気をつけた方がいいよ〜w

711名無しの勇者:2009/06/28(日) 23:44:09
なんだこの流れ…

712名無しの勇者:2009/06/28(日) 23:46:37
書いてくれる人激減してたんだし新規さん歓迎だけどなぁ
そのうち慣れるだろうし何をそんなカリカリしてるのかと

713名無しの勇者:2009/06/29(月) 00:07:44
新規さんは歓迎だが、あまりに空気読めてないと正直怖いよ
本スレに迷惑かかったらって考えてしまう
ここでならどんな発言してもらってもスルーすりゃいいだけだが

714名無しの愚者:2009/06/29(月) 00:10:20
>>709さん、みなさん
708です。
すいません。調子乗ってました。
連続投稿もしてしまいましたし。
半年ほどROMってきます。

715名無しの勇者:2009/06/29(月) 00:14:15
ここに来れてる時点で本スレに迷惑かける確率は低いけどな
本当にやばいやつはここにすら来ない

716名無しの勇者:2009/06/29(月) 03:22:00
>>708(714)さん
落ち着いて落ち着いて。たぶん>>709さんは>>707さんに対してだと思います。
あなたのこれまでのレスはすごく周囲に気を遣っているし、どう考えても問題があるとは思えません。
どうか恐れず、今まで通り普通に参加してください。



それと、この際だから言わせてもらいたいのですが。
いくら2chのスレに関連しているからって、「このスレ」にまで「2ch」の流儀を持ち込むのはどうかと思います。
あの、人を小馬鹿にするような、上から目線で物を言うのが当たり前みたいな態度は、
「2ch」だからこそ許されてるんであって、本来は見ず知らずの人にあんな口の利き方をするのは非常識でしょう。
まして、ここの住人のほとんどは妙齢の女性でしょう? 恥ずかしいですよ。
こういう同好の士が集まる場所ですから、堅苦しいのは抜きで楽しくやりたいけれど。
ここは2chじゃないんだから、最低限度の礼節はわきまえてください。

717名無しの勇者:2009/06/29(月) 03:37:26
あ〜いるよね、TPOわからない人。
でも全体で見たらほんの一握りだし、そうカリカリしなさんなw



そろそろこの変な流れ切るよ〜。
なにごともなかったように次ドゾー


718名無しの勇者:2009/06/29(月) 13:20:46
>>708
こんだけ顔文字とか使ってればそりゃ言われるよ
>>710>>716に至っては気持ち悪いにもほどがある
>>708もフォローされたんだからいまさら半年ROMる必要もない

719名無しの勇者:2009/06/29(月) 14:25:24
>>718
おいおい。気持ち悪いにもほどがある、なんて確かに失礼じゃないの?
端で聞いてても気分悪いよ。
709にしたってウザイとか半年ROMれとか、テメーが気に入らないだけだろうに、いきなり何様だこいつとか思ったし。
ガキはスルーに限るってほっといたけど、そんなに気に入らないならあんたらが出て行けばいいんじゃね?
一連の流れからして、709と718が沸いて来なきゃ平和だったと思うけどね。

720名無しの勇者:2009/06/29(月) 14:37:44
一旦切ったのを続けた時点で>>718>>719も同じだよ
ついでに言いたいんだけど、>>716はそこまで人を思いやれるのに、>>707に失礼なことしてるよね。気づいてる?

721名無しの勇者:2009/06/29(月) 15:46:47
全員ウザイ
別にスレ立ててそこで話し合えば?

以下なにごともなかったように


722名無しの勇者:2009/06/29(月) 18:44:10
ロビーだったらいいのかね?
板全体用だからあまり占拠するのは好ましくないのだけど。
34受けスキーは変な人が多いね。

723名無しの勇者:2009/06/29(月) 20:02:09
>34受けスキーは変な人が多いね。
はぁ?一緒にするなバカ。死んでこい。二度とここ来るな。

724名無しの勇者:2009/06/29(月) 22:16:48
>>719 >>723
18歳以下は帰れ

7251→3前提14下品:2009/06/29(月) 23:38:54
1主「頼む、ご先祖にモシャスしてくれないか?」
4主「死ね」
1主「4主…会話の途中でいきなり死ね宣言はよくないと思う」
4主「8主相手なら普通のことだ」
1主「でも俺8主はじゃないし」
4主「そうだな。これが8主だったら宣言する前に死んでもらってる」
1主「お前は本当に物騒な奴だな…」
4主「この状況でその発言はそうなっても文句言えないだろ」
1主「この状況…って」
            
        i    
     o/ ⊥ o   
     /レ  ‘ ̄)  
     》    <\   
    ↑     ↑
    1     4

1主「何がいけないんだ?」
4主「とりあえずしまえ。せめて降ろせ」
1主「武器を出してるのも振り上げてるのもお前の方だろ?
   危ないから降ろしてくれ」
4主「降ろしたら俺の身が危ないだろうが!」
1主「大丈夫だって、モシャスしてもらうまでは何もしないから」
4主「それを踏まえた上で一言目の死ね発言をした俺は絶対に正しいよな」
1主「なんだよ家計以外でもドケチだな。心の狭いやつめ」
4主「今お前が生きてるって時点で俺ほど寛大な男もそういないぞ。
   つーか馬鹿言ってねぇで本物のとこ行けよ」
1主「だって…本物に手を出して俺が消えたら嫌だし…」
4主「俺に手を出して5主の家族がまとめて消えたらどうすんだ」
1主「いやぁ…お前は純粋で童貞のご先祖と違ってそこまでハマらないと思うから…」
4主「褒められてるのか?貶されてるのか?」
1主「ヤリチンとビッチと女王様の素質がありそうなチートキャラだと予測してる」
4主「そうか貶されてるのかありがとう」
1主「どういたしまして。お礼は体で。もちろんモシャス付きで」
4主「だが断る」
1主「頼むよ一生のお願いだ。もう我慢の限界なんだよ。
   このままじゃご先祖を無理矢理獣のようにガッツンガッツン襲ってしまう…」
4主「襲ってこいよ。ヤりたい放題ヤって跡形もなく消えちまえ、お前なんか」
1主「でも俺が消えたら2主だって消えるぞ?」
4主「ガッツンガッツンは嫌だ。誠心誠意丁重に扱え」
1主「……可愛がってくれるのは先祖として嬉しいがお前の過保護はちょっと異常だな」
4主「お前が言うな」

726名無しの勇者:2009/06/30(火) 00:03:01
ワロタwガッツンガッツンすればいいじゃない

727名無しの勇者:2009/06/30(火) 00:34:57
>>725
ワロタwそのうちマネマネ紹介してとか言ってきそうだなwww

728名無しの勇者:2009/06/30(火) 01:10:30
なにこのお馬鹿な1主www好きwwwww

7295主と1主でgdgd 1/4:2009/06/30(火) 12:22:23

―夜の宿舎、台所にて―

1主「お、珍しいな。こんな時間に台所なんぞで遭遇するとは」
5主「やあ。眠れないから寝酒を少々ね…そういう1主は?」
1主「カルピスのベストな割合を思いついたからちょっと試そうかと」
5主「ふふ、君も本当に好きだねぇ…良ければ一杯付き合わないか?おつまみもあるし」
1主「ん〜じゃあお言葉に甘えてご相伴にあずかるとしますか」
5主「ルラフェンの地酒にワインにウィスキーにビールその他色々、好きなの飲んでくれ」

1主5主「「それじゃあ、かんぱ〜い」」

5主「…所でずっと気になってた事があるんだけどさー」
1主「何だ?」
5主「3主とはどこまで進んでるんだい?」
1主「ぅぶふぉ!?」
5主「もうキスまでは済ませたのかな?ん?(ニッコリ)」
1主「いいいいいいやあ何といいますか
  その件の回答につきましてはしかるべき検討をいたしま…」
5主「別に隠さなくても良いじゃないか」
1主「う、いや、その、あー、なんだ」
5主「それともとっくに全部いたしちゃった後なのかな?」
1主「!…馬鹿言え。そこまで簡単にいかねえって」
5主「まさかまだキス止まりなんだーとか言わないよね?」
1主「……」
5主「え、本当にそうなの?」
1主「…くっ!文句あっかよ!?」
5主「……ふふふ、顔が真っ赤だよ(ニヤニヤ)」
1主「うっせ!こっちみんな!!」

7305主と1主でgdgd 2/4:2009/06/30(火) 12:25:04

5主「でも未だキス止まりなんて奥手すぎやしないかい?
  折角だから君が1から手取り足取り腰取り…」
1主「お前と一緒にすんな!んな事こっ恥ずかしくて出来る訳ないだろ!?
  男の相手はした事無いから、正直どうすりゃ良いか分からんっちゅーの!」
5主「逆に男同士なんだから、お互いに気持ちの良い所が分かりやすそうだけど…」
1主「えっ!やった事あんの!?」
5主「いや、やった事は無いから詳しくは分からないけど」
1主「…ビックリした」

1主「…そもそも、ご先祖の童貞喪失の前に処女喪失ってのは…」
5主「だったら君が童貞貰ってあげれば良いじゃないか」
1主「俺が女役!?…確かにまだどっちが女役かはっきりしてないけどさ…(ブツブツ)
  ………う〜…酒!!おかわり!!!濃いめで!」
5主「でも3主が経験豊富でもそれはそれで複雑だろ?
  …はい、おかわりお待ち」
1主「ん、まーな…(ゴキュゴキュ)…ふー、うめー!
  しっかしお前も意外と細かい所まで見てるもんだな」
5主「これでも一応年長者だから、若者達のために気を配るようにしてるのさ
  なんならこれからパパ♪って呼んでくれても良いよ?」
1主「|>いいえ」
5主「つれないねえ〜パパ寂しい……あ、おつまみ追加しようか?」
1主「いや、十分足りるだろ(ゴクゴク)それにしてもこの酒うまいな!」

5主「…カプカプ飲んでるけど、そのお酒口当たりの割に結構強いよ?大丈夫かい?」
1主「へ?どのくらい?」
5主「んーと…大体どぶろくと同じくらいかな?」
1主「げっ!…そういわれるとなんらか、景色…が……あー、5主がぶんしんしてる…」
5主「あらら、もう手遅れだったか」

7315主と1主でgdgd 3/4:2009/06/30(火) 12:27:18

5主「さてさて、1主もいい具合に出来上がったし
  夜も更けてきた事だから、そろそろお開きにしますか」
1主「にゃにおぅ!?おれは酔ってない!
  全っっ然よっれないぞう!!?」
5主「そう言う人に限って確実に酔ってるよね…
  もういい加減に寝ないと明日に響くと思うよ?」
1主「い〜〜や〜〜だ〜〜!!5主もいっしょに!あさまでのみつづけるんだ!!」
5主「そんな子供みたいな事言って…」
1主「……(ゴキュッゴキュッ)」
5主「ちょっと、こら!無言でボトルで煽らないの!!!
  まったく…ほら、いい子だから寝よう……ね?」
1主「…(コクリ)わかった。いっしょならねる」
5主「はいはい仕方ないな。じゃあ手繋いで行こうか?」
1主「おう!(ニコニコ)」
5主「……(満面の笑顔なんて珍しい…幼児還り?)」

5主「お部屋についたよ。ほら、お布団被ってねんねしようね〜」
1主「……(ギュー)」
5主「…分かってる。一緒に寝るから、しがみ付かれると動きづらいよ」

1主「ん…んー…服あっつい…」
5主「わっ!そこまで脱いだらダメだって、風邪引くから……!?
  あっ、ちょっ、せめてパンツだけは…それだけは脱がないで…!」
1主「ん。すずしい」
5主「えー………朝色々誤解されそうだけど…まあ良いか」
1主「おやすみー」
5主「…お休み」

7325主と1主でgdgd 4/4:2009/06/30(火) 12:31:17
―朝―

1主「ん、ふあぁああぁぁ…よく寝た……」
5主「スー……スー……」
1主「!!!!!!????!!!♂×♂?????;
  ……………………はっ!?いかん惚けてる場合じゃ!!5主起きろ!起き」

ガチャ

3主「おーい1主!起こしにきてやった…」
5主「ふぁー…おはよ」
1主「なにこの状況」
3主「……う」
1主「……う?」
3主「うわきものー!!!!!!」
1主「ちがっ!ご先祖!待って誤解だって!!!ご先祖ー!!!!!!!」
5主「あーあ、やっぱりこうなるよな(ニヤニヤ)」
1主「ご先祖ー!!!!!!!!」

733名無しの勇者:2009/06/30(火) 14:52:11
>>725
なんだwwwこの二人wwwAAが秀逸すぎるwww
普段良識派な感じなのに、一旦ボケだすとグダグダだよねこの二人w

>>729
5主の策士ぶりに吹いたw
1主も3主も可愛いなあ

734名無しの勇者:2009/06/30(火) 19:54:29
1主ご先祖大好きだなww

735名無しの勇者:2009/07/01(水) 19:54:50
ご先祖大好きな1主萌えるww

736名無しの勇者:2009/07/03(金) 23:45:06
ご先祖ご先祖な1主可愛いなw

7378+4:2009/07/08(水) 03:23:36
本スレネタお借りします。

7主「先輩って言葉に弱いみたいだよ」
4主「何だかな、おい8主浮かれるのはわかっけど」
8主「先輩かぁ先輩、なんて良い響きだ」
4主「…駄目だアイツ。6主のお兄ちゃんに匹敵する勢いだ」
7主「それは、何とかしないと!おーい8主くん」
4主「8主ー」
7主「プリン星人」
4主「半竜」
7主「信号機」
4主「ファッキンドラゴン」
74「……」
4主「駄目だな」
7主「うん、…4主さんこうなったら8主君をエイトって呼んで」
4主「は?嫌だよ」
7主「じゃなきゃいつまでも晩御飯食べれないよ」
4主「だったら代わりに作れば良いんだろ」
7主「今日はチーズフォンデュなんだよ!」
4主「鍋入れて掻き回すだけじゃんか」
7主「チーズの事はチーズマンに聞けじゃない、ほらエイト君ー」
4主「エ……言えるか!」
7主「そんなに頑なにならなくてもえーっと、とかでもギリいけるから」
4主「いけねぇよ。いかねぇよ」
7主「チッ意気地無し」
4主「今なんか言ったか?」
7主「ううん何も?」
4主「あ、そ。」
4主「いっそパーティーアタックとかは?ある種の混乱だろあれ?」
7主「それが、血が出る迄殴ったけど効果無いんだよね」
4主「うわっ、良く見たらバンダナ赤いの血かよ!?血出る前にやめてやれ!」
7主「先輩かって殴られても尚笑ってるのが怖くて…つい。Mは僕のキャラなのに」
4主「いや、あいつ別にMじゃねーし」
7主「流石4主さん解ってるね」
4主「辞めろその温い視線」
7主「さぁ思いきってエイトー!」
4主「やんねぇよ」
7主「早くしなきゃお腹と背中がくっつくよ?」
兵士「エイト先輩!!」
8主「あれ?どうかしたの?」
兵士「遠方に探索に出ていた部隊が怪我をして戻って来ました!」
8主「何?解った詳細は戻って聞く。王への報告は?」
兵士「済んでいます。お休みの所申し訳ありません」
7主「あらま、8主君も一国の兵士隊長だもんね」
8主「すみません晩御飯支度出来なくて緊急事態なんで戻ります」
7主「あ、うん。気をつけてね」
8主「はい」
兵士「お騒がせしました」
7主「いやいや気にしないで」
8主「遠いとこ来させて悪かったね」
兵士「そんな勿体ないお言葉」
7主「あ、あの子目キラキラしてるあれ、絶対羨望の眼差しだよね」


8主「戻りましたー。もうヘトヘトです」
4主「何でお前そんなに先輩呼びに憧れるんだ?後輩いっぱいいんだろ?」
8主「まぁなんていうか、一度で良いから後輩に蔑ろにされてみたくて」
4主「は?」
8主「何やってもウチの兵士達大袈裟だし、この前も血みどろで帰ってきたから、
お疲れって頭撫でたら恐れ多いとか、今死んでも構わないとか言うんですよ?死
なれたら困るって言うのに青い顔が赤くなって奇病ですかね」
4主「お前もう9主も含めて後輩に近寄るな」
8主「そんなひどい!]

738名無しの勇者:2009/07/08(水) 20:29:05
8主www
ちゃんと会話してる4主と7主もいい味でてますな〜

739名無しの勇者:2009/07/09(木) 00:19:28
> 4主「いや、あいつ別にMじゃねーし」
ちょ、4主、それkwsk

740名無しの勇者:2009/08/04(火) 20:07:13
8主「今日は8月4日で8×4の日ですね」
4主「この100%スイカジュースやるから黙ってろ」
8主「さっき皆で食べた西瓜の皿に溜まってた奴じゃないですか!」
4主「うん、我ながら良い出来の西瓜だった」
8主「ええ、美味しかったです…じゃなくてですね。
  僕が4主さんの果汁をちゅっちゅするのが84の日に相応しいでしょうという事で」
4主「俺の果汁って何」
8主「何でしょう…やっぱ精え」
4主「いや黙れ。いいからホラ、こっちの100%メロンジュースをやろう」
8主「さっき皆で食べた以下略じゃないですか。
  …まあ僕も好き好んであんな味の物を口にしたい訳じゃないですけどね。
  4主さんが恥かしがるのが可愛いから頑張れるというか」
4主「うっせ黙れ」
8主「照れちゃって。
  じゃあ妥協点という事で、4主さんの乳首をちゅっちゅしますか」
4主「フーンあっそう…って勝手に剥くな!?」
8主「折角だから、このスイカ果汁とメロン果汁でも塗ってみますか」
4主「痒くなりそうだから止めろ!」

741名無しの勇者:2009/08/10(月) 13:13:26
萌えれて笑える…二度旨ッ

74284(0/10):2009/08/19(水) 01:19:34
久し振りにコチラを覗かせていただいたら創作意欲が萌えたので、
ちょこっと場所をお借りします。

ちょっとだけ注意事項です。

・84のつもりで書いたんですが、どうにも8主がヘタレすぎて受け臭いですw
・最後の2つを除けば、むしろ48として読めるかも!?
・4主に限らず男前な受けが大好物なものでお許し下さい。

少し長めですが、お付き合い下さい。

74384(1/10):2009/08/19(水) 01:20:33



───お前さ、もう少しあいつのこと真剣に考えてやれよ?

いつもいつもぐうたらと生きているニートが、
ふいに真剣な顔つきで零したことがあった。
あのときは心底不快に思ったものだ。

いったい、何をどう考えてやれというのだ?
あんな、人をからかうことが至上の喜びとばかりに
毎日飽きもせずに喧嘩を売ってくるような奴。



───さすがに、同情してしまうなぁ。

そう云って唇に苦笑を滲ませたのは、妻を2人も娶るという、
彼にとっては不誠実極まりないことを平然とやってのけている男だった。

同情ならば、こちらに向けて欲しい。
どう見ても被害者は自分のほうだろう。
ひっそりと平穏に生きていたいだけなのに、奴のせいで毎日が戦場だ。



「あのさぁ、疲れねぇ?」

毎日のことにふいに気持ちが冷めて、剣を降ろして問い掛けたことがある。
顔を合わせるたびに毎回毎回。鳥竜の仲、だなんて仲間たちは笑うけれど、
4主とて、争い合いたいわけではないのだ。
世界に平和をもたらすための勇者としての力を、
こんな無駄に使うはめになるだなんて。
何だか急に馬鹿馬鹿しくなってしまって、背を向けた。

「……だって、こうでもしないと貴方、僕を見てくれないでしょう?」

小さな、本当に小さな呟きだった。
思わず振り返った4主が見たのは、静かな微笑だった。
初めてみた表情だった。こんな顔もするのか、と正直驚いた。

74484(2/10):2009/08/19(水) 01:21:16

きっと、それからだったと思う。彼の真意を探り始めたのは。
あんな遣り取りがあった後も、彼の暴言は止むことがなく、
つい習い性で相手をしてしまっていた。
けれども、あのときの彼の微笑が頭を離れなくて。

その日、風呂から出て広間を横切る際にテーブルの上に
散らかされたままの菓子の袋の残骸が気になって(おそらく3主の仕業だろう)、
仕方なく片付けてやっていた。
たまたま通り掛かったのだろう8主が、そんな4主の姿を見て早速からかってきて。
風呂上りで帯剣などしていなかったから、素手で殴り掛かった。
それなりに体術もこなす8主をなんとか追い詰め、
床に引き倒して首を締め上げて降参を要求していたときだった。
呼吸を妨げられて苦しいだろう少年が、
それでも楽しそうに笑っているのが不可解で、堪らず聞いてしまった。
「お前、そんなにオレに構ってもらえるのが嬉しいのか?」
「嬉しいですね。とっても」
答えられるように、と少しだけ首元を緩めてやれば、
8主はにっこりと綺麗に笑って見せた。
「そんなにオレのことが大好きか?」
「大好きですとも!」
躊躇いなく云ってのける少年が、無性に憎らしくて。
「……ほざいてろ」
あぁ、本当に馬鹿らしく仕方ない。
こうも簡単に笑いながら平然と嘘を吐けるやつの真意など、
知ろうと思った自分が馬鹿だった。
8主の上から退いて、そのままを背を向ける。
解放された少年が背後で軽く咳き込んでいるのが聞こえたが、
無視しようとして失敗した。
咳の中に、微かに笑う声が混じったからだ。
瞬間的に怒りが沸騰するのが自分でも分かった。
これが、最後だ。
もう2度と、こいつのお遊びに付き合ったりなんかしない!
決意を込めて踵を返して───、「……ぁ?」、硬直した。
少年は、笑っていた。
床に座り込んだまま、苦しそうに胸を押さえて。

まるで───酷く傷付いたと云わんばかりの悲しげな微笑。

74584(3/10):2009/08/19(水) 01:21:54

何て顔だ……いつか見た、静かな微笑みを思い出す。
8主は胸に当てた手をぎゅっと握りしめると、
何かを振り切るように左右に首を振って立ち上がり、
そこでようやく、4主の視線に気付いたらしい。
明らかに狼狽した顔が、かっと赤く染まったかと思えば、
先ほどの4主に劣らぬ勢いで踵を返して広間を出て行く。
4主はと云えば、いまだ呆然と動けずにいた。
なんだ、今のは。
なんなんだ、あいつは!
ぐるぐると色んなものが頭の中を巡った。
3主の、5主の意味深な言葉たち。
8主の浮かべた微笑。……静かな、悲しげな、苦しげな、それ。
大好きだから……構ってもらえて嬉しい?
まさかのまさかだ。有り得ない。
けれど、このままではいけないような気がした。

───真剣に考えてやれよ?

真剣に考えてしまって、良いのか?
これ以上、踏み込んだら戻れなくなりそうで、恐い。
混乱したまま、それでも自然と足が動いた。
向かったのは、8主に割り当てられた部屋。
ドアノブに手を掛ければ、鍵が掛けられていないことが知れた。
鍵を掛け忘れるほど動揺していたのか、それとも追ってくるとは思わなかったのか。
思い切ってドアを開けば、慌てたように少年がこちらを振り返るところだった。
「入って来ないで!……出て行って、下さい」
部屋の中へ一歩踏み入ったところで、剣を突き付けられた。
制止の声は、その剣先同様に微かに震えていて。
更に一歩踏み出せば、悲鳴のような声が上がった。
「出て行けと云ってるでしょう! それ以上近づいたら、何するか分かりませんよ!?」
こんなに上擦った声など、聞いたことがあっただろうか?
この少年は、いつも何処か余裕を感じさせる声音で、それはそれは楽しそうに嬉しそうに
こちらの神経を逆撫でてきたものだが、どうだ。
ぱたん、とドアを閉じてやれば、必死な形相でこちらを睨んでいた少年の肩がびくりと揺れる。
らしくない───あまりにも、らしくない。
「……何をそんなに、怯えてるんだ?」
静かに問い掛ければ、言葉も無く少年の首がゆるゆると振られた。

74684(4/10):2009/08/19(水) 01:22:55

疑念は、すでに確信めいたものに変わっていた。
ただ、決め付けるのはどうだろう。
この8主の反応はどうだ。7主にだってここまで怯えられたことはないというのに。
もう後戻りは出来ない。扉はたった今、自分が閉めてしまった。
だが、前へ進んでどうなる? どうなってしまう?
確かめたところで、どうするつもりなのだ、自分は。
一歩、また一歩と近づくたびに、8主は後退していく。
やがて寝台に突き当たり、そのまま座り込んでしまう。
更に歩み寄れば、その手から力なく剣が滑り落ち、
くしゃくしゃと顔が歪んでいくのを見ながら、4主は困り果てた。
どうにも幼子に悪いことをしているような気分が拭えない。
とうとう両手で顔を覆って嗚咽を漏らし始めた8主を前に、4主は複雑な思いで膝を折る。
赤いバンダナが巻かれた頭を引き寄せれば、ひ、と情けない声が腕の中から聞こえた。
どのくらい、そうしていたのか。
膝立ちのまま抱き寄せた少年の呼吸が落ち着いたのを見計らって、4主はその顔を覗き込む。
予想に違わぬ子供の泣き顔をそこに見て、思わず苦笑すれば、恨みがましそうに睨まれてしまう。
「……楽しそうですね」
「あぁ、なんか、楽しいな」
「……僕の云ったこと、聞いてました?」
何を、と聞き返すことは出来なかった。
強い力に引っ張り上げられたかと思えば、視界がぐるりと回って。
気付けば、寝台の上に押し倒されていた。
「何をするか、分かりませんよ?」
接近を拒まれたときと同じ台詞が繰り返された。
真上から無表情に見下ろされて、4主は逡巡する。
まずい展開になってきた、という自覚はあった。
すぐにでも上に乗っかる少年を突き飛ばして逃げるべきだ、と本能が警告を告げている。
どこか冷めた脳内は、それと相反する考えで埋め尽くされていて。
そろりと持ち上げた手で少年の頬に触れれば、その顔がまた苦しそうに歪んでしまう。
こんな表情をさせたいわけではないのに。
「……そんなに、オレのことが大好きか?」
今とは逆の体勢で放った質問を、再度ぶつけた。
「……ッ、好きですよ大好きですとも!! 何か悪いですか!?」
ついに逆ギレしたらしい少年が唾を飛ばす勢いで声を張り上げる様に、
4主は堪らず噴き出す。
まったく、この半竜人族の少年と来たら!

74784(5/10):2009/08/19(水) 01:23:31

腹を抱えんばかりに笑い出した4主を憮然と眺め下ろす8主の顔に、困惑が混じり始めた頃。
「オレ、やっとツンデレって言葉の意味を本当に理解出来た気がするよ」
ニヤリ、と笑ってやれば、少年の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。

───同情してしまうなぁ。

好きな子ほどイジメたくなるものだ、と云っていたのは、誰だったろう?
そのときは聞き流してしまったけれど、きっとこのことだった。
なんと分かりにくいことか!
「お前って、本当に馬鹿だったんだなぁ」
「……しみじみと云わないで下さい」
「だって馬鹿すぎるだろ」
「……嫌ってくらい自覚はしてます」
「そりゃいいことだ。あー、馬鹿って治らないんだっけ?」
「……だから馬鹿馬鹿云わないで下さいってば」
「せめてアホだったら治ったのになー」
「……うるさい!!」
「……ッん、」
どうやらからかいすぎたらしい。唇が塞がれた。……同じ熱を持つ、唇で。
直接伝わる吐息が、かすかに震えているのが分かった。
さて、どうしたものか。
今更ながらに困ってしまった。
8主の秘めていた想いを知ってしまった今、今度はこちらが答えるべきだろう。
否か、それとも───。
まったく動かない4主を不審に思ったのか、8主が僅かに唇を離してこちらを伺ってきた。
その黒と呼ぶには柔らかな色合いの瞳が、不安そうに揺れているのが分かる。
無言のまま、見つめ合う。
先に視線を逸らしたのは、8主だった。
同時に身体の上の重みも消えていくのを感じて、4主は思わずその腕を掴んでいた。
「……駄目ですよ、4主さん」
「何、が……駄目なんだ?」
「これ以上は、駄目です。勘違い、してしまいたくなるから」
勘違い。何を?
「……オレは」
「僕に同情してくれるなら……どうか、忘れて下さい」
8主の腕を掴んでいた手が、ゆっくりと外される。
遠ざかる。身体だけではない、心までが、離れていく。

74884(6/10):2009/08/19(水) 01:24:12

「───違う!」
駄目だ、と思った。本能が訴える。今、離してはいけない。
「違いません。僕は、同情なんか欲しくない……!」
再度伸ばした手は、苛立ったように振り払われた。
「誰が同情なんかするか!」
「じゃあ何だって云うんです!? お優しい貴方のことだ、哀れんでくれるとでも!?」
「こんの……馬鹿が!!」
卑屈に哂う8主の顔が見ていられなくて。思わずその頬を平手で打っていた。
その勢いのままに、首元を掴んで引き寄せる。
「あのなぁ、オレはたった今、お前の気持ちを知ったばかりなんだぞ?」
ずっと、嫌われていると思っていた。
気に食わないから、いつも喧嘩を仕掛けてくるのだ、と。
「それなのに、いきなり同情も哀れみもあるか!」
込み上げた感情は、純粋な驚きと、あぁそうだったのかという安心───喜び、だった。
嫌われていたわけではなかったのか、と。
「……嬉しかったんだぞ、これでも」
さすがにこれは照れて、小さな声になってしまった。
8主は呆然とこちらを見ていた。恥ずかしいから、何か反応を返して欲しいのだが。
「……悪かった。でも、そんな痛くないだろ?」
平手を食らわせた頬が、僅かに赤くなっている。
両手が塞がっていたから、謝罪を込めて仕方なく舌を這わせた。
「な───に、するんですか貴方はっ!」
ようやく我に返ったらしい8主が、慌てたように4主の手から逃れる。
4主にしてみれば、ただの謝罪のつもりだったのだが、お気に召さなかったらしい。
「だから悪かったって───ぉわッ」
再び押し倒される。しかし、今度は両手首がまとめて頭上に縫いとめられた。
「じゃあ、からかってるんですか」
「からかってない」
憮然と見上げれば、目を細めた8主がべろりと頬に舌を這わせてきた。
「ぅ、わ……な、ななななにを……っ」
ぞわわっ、と悪寒が走って、堪らす4主は首を竦める。
「何って貴方がさっき、僕にしたことですよ」
しれっと云われて、4主は顔が赤くなってしまうのが分かった。
決してそんなつもりではなかったのだが……
8主には違う形で伝わってしまっていた、ということか。
あーうー、と視線を彷徨わせて唸っていたら、今度は首筋に滑った感触がして慌てる。
「ちょ、こら……!」
「……抵抗すればいい」
上擦ってしまうこちらの声と正反対に、やけに落ち着いた声音で8主が囁く。

74984(7/10):2009/08/19(水) 01:24:48

「嫌なら、逃げればいいでしょう。貴方が本気を出せば、簡単なことだ」
「……ッう、」
声と共に耳元へ吐息が掛かったと思ったら、そのまま舌が潜り込んで来た。
いやだ、と素直に思った。無意識の内に、拘束された両手が逃れようと暴れる。
逃げろとは云うが、拘束する力は強い。簡単に逃がす気はないらしい。
耳朶を甘噛みして、そのまま頬を伝い顎を掠めて降りてきた舌先が、鎖骨の窪みを辿り始めた。
いよいよもって、決断すべきときが来たようだ。
逃げるか、受け入れるか───受け入れる?
それは、8主を好きだと認めることと同義でなければならない。
好きかと問われれば、分からないとしか答えられない。
だって、本当に今さっきまで嫌われていると思っていたのだ。
ならば嫌いか、と問われると───違う、としか云えない。
決して嫌いではない。好きかどうかは分からない。
この場合は、どうすべきなのだろう?
ちり、と鎖骨の上に微かな痛みを感じた。きつく吸い付かれたのだ。
同じような感覚が、首筋にも落とされる。
ぞくりと腰にまで響くそれが、僅かなものでも快感であると悟って、4主はきつく目を閉じる。
そうして、目を開けて8主を睨み据えた。
「……8主。手を、放せ」
自分でも驚くくらい、しっかりとした静かな声だった。
8主の動きがぴたりと止まり、やがてのろのろと顔が上げられた。
そこには、何処かほっとしたような微笑があった。諦めの滲んだ、笑顔。
「……どうぞ」
あっさりと拘束が解かれる。
4主は自由を取り戻した両腕を、そのまま8主の首に回して引き寄せ───口付けた。
狙いを過たぬよう目は開けたままだったから、8主が瞠目しているのがよくわかった。
合わせた唇の隙間から歯列に舌を伸ばせば、びくりと身体を揺らした8主が慌てたように唇を離す。
「貴方は───何を、考えているんですか!!」
「お前のこと」
「な……、」
あっさりと答えれば、8主が絶句した。まぁ、それはそうだろう。
「考えてはいるんだが、どうも答えが出そうにない。たぶん、今日明日じゃ無理だ」
だから、仕方ないのだ。
「とりあえず、好きにしろよ」
好きになれるかは分からないが、嫌いにはなれそうにないのだ。それだけは確信している。
口付けられても、そんなに嫌じゃなかった。自ら口付けるのも、結構平気だった。
……ちょっと、どきどきはしたが。今だって、いつもより動悸は早い。

75084(8/10):2009/08/19(水) 01:25:23

「貴方……馬鹿でしょう?」
長い沈黙の後、ようやく8主が口を開いた。
「散々人に馬鹿馬鹿云っておきながら……っ、貴方のほうが馬鹿じゃないですか!!」
「馬鹿じゃないとは云ってない」
「開き直らないで下さい!!」
「開き直るしかないだろう!?」
首に腕を絡めたまま、至近距離で睨み付ける。
「仕方ないだろ。……なんか、お前の泣き顔見るの、ヤなんだよ」
低く呟いて、8主の目元を舌でなぞれば、微かな塩気を感じた。
「だからさ、とりあえずお試し? 」
「……僕が貴方に何をしようとしてるか、分かってるんですか?」
「分かってるつもりだ。まぁ……一応、オレも男だし」
「お試しなんて軽い気持ちで、男に抱かれてやろうと?」
「本気で嫌になったら全力で抵抗してやるから安心しろ」
「どう安心しろって云うんですか」
「とりあえず、殺しはしないから」
8主の口元が、不服そうにへの字の曲がる。
その結ばれていた口元が次第に緩み始めたところで、こちらの肩口に顔を埋めてきた。
それを膝立ちのまま支えてやって、頭を撫でてやれば微かな嗚咽が漏れ聞こえた。
……泣き顔は見たくない、と云ったのに。
あぁ、だからこそ顔を埋めてきたのか、と思い至り、4主は思わず笑ってしまう。
「お前、本当に可愛いなぁ」
抗議の代わりか、どん、と胸が叩かれた。嗚咽は、まだ止まらない。
ふいに顔が見たくなって、8主の頬を両手で包んで引き上げてやる。
濡れた眦に口付け、赤くなった鼻先を啄ばんで、
嗚咽を堪えるためにだろう食いしばっている口元に唇を重ねた。
解けた唇から情けない声が漏れる前に、と舌を滑り込ませる。
んん、と零れたのは、どちらの吐息だったか。
緩やかに歯列を辿っていたら、調子に乗るな、と云わんばかりに甘噛みされて。
舌先が絡み合い、強く吸われる。
さすがに息苦しくなってきて口付けを解けば、微笑む8主と目が合ってどきりと心臓が跳ねた。
───こんな表情も、初めてみた。
それは、酷く幸せそうで。
こんな顔が見れるのだから、きっと自分は間違った選択はしていないのだろう。
「もう一度……」
小さく乞われるままに目を閉じて、口付けを待つのだった───。

75184(9/10):2009/08/19(水) 01:25:56



───本当に、詐欺だとしか思えない。
ぐったりと仰向けに身体を横たえながら、ぜぇはぁと苦しい呼吸を繰り返す。
ちらりと隣を見遣れば、同じように横になりながら、こちらを見てにっこりと笑う顔がある。

幾度目かの、2人きりの夜である。

顔が見たいから、と云われて、膝を畳まれて圧し掛かられた。
男の身体の構造上、それはとてつもなく負担が掛かる体勢なのだが、悲しいかな、
4主の身体は男としてはかなり柔らかいほうで。
それでも無理な体勢であることに代わりはなく、
こうして終わったあとにじわじわと苦痛が押し寄せてくるのだ。
やはり、最初の躾が悪かったのだと思う。

初めて身体を繋げた夜───8主は涙を見せた。
互いに男相手など初めてで、当然ながら負担が大きかったのは受け入れた4主のほうで。
泣きたかったのはこちらのほうだったはずだ。
身体を内側から裂かれる痛みを、こいつにも味合わせてやりたいくらいだ。
ふつふつと怒りを沸き立たせていたら、ふいに少年は呟くのだ。
ずっと貴方に触れたかった───それが叶って、嬉しくて涙が止まらないのだ、と。
何とも卑怯だと思った。急速に萎んでいく怒気に、気力も萎えたものだ。
それでついつい、甘やかしてしまった。
どうにも8主の涙には弱いのだ。
だから、これっきりだと嘆く少年に、次もあるのだと示唆してしまった。
あまつさえ、またしても空気に流されて2度目も許してしまった。
そうこうするうちに、少年は本来の「腹黒」と称される己の本分を思い出したらしい。
なんだかんだとあの手この手と乗せられて、気付けば数えるのも面倒なくらい、
身体を許してしまっていた。
今度はやらせろ、と立場の逆転を何度も要求しているにも関わらず、
常に受け入れる側として、だ。
どうやら、自分で思っている以上にこの身体は快楽に弱いらしい───。
これでも2、3度はマウントポジションを取ったことがあるのだ。
なのに、気付けばいつも形勢逆転、酷いときは上に乗ったまま貫かれているのだから、
我ながら救いようがない。
単に少年のほうが上手なだけなのかもしれないが。

75284(10/10):2009/08/19(水) 01:27:02

今日も今日とて、ちょっと甘い顔を見せただけでこれだ。
……まぁ散々気持ち良さそうに喘いでしまった後なので、あまり文句など云えないのだが。
「……なぁ」
「なんですー?」
うっすらと汗で湿った髪の毛を引っ張れば、8主がごろりと身体を転がして引っ付いてきた。
「今度こそ、やらせろよ」
「まだ諦めてないんですか?」
肘をついて半身を起こした8主が、額の髪をかき上げながら笑った。
「久し振りに、お前の泣いた顔が見たい」
「でも4主さん、僕の泣き顔を見るのは嫌いだって云ってたじゃないですか」
「……よく覚えてんな」
「貴方の云ったことなら、一言一句、すべて間違えずに覚えてますよ」
彼の気持ちを知らずにいた頃なら、
こうした言葉は全て悪意に満ちた冗談としてしか聞こえなかっただろうが、
今となっては全てが本心だと分かってしまっているから厄介だ。
よくぞこんなこっぱずかしい台詞を堂々と云えるものだ。
「あーもー……信じられねぇええええええ……」
きっと赤くなっているだろう顔を見られたくなくて、8主のいない方へ身体ごと横へ向ける。
けれども隠し切れない真っ赤な耳元へ、少年は殊更声を潜めて囁くのだ。

「僕はねぇ、貴方の泣いてる顔、かなり好きですよ」

駄目だ、もう耐えられない……!!
攻撃呪文の詠唱を始めながら8主のほうを向き直れば、待ってましたとばかりに口が塞がれて、
手の平に集まり始めていた力がパチパチと爆ぜていってしまう。
「ん───ッ!!」
そうして抗議の声は、甘い口付けに溶けていくのだった───。



<了>

753名無しの勇者:2009/08/19(水) 20:13:16
投下キテターーーーーーー!
乙女8主かわいいよ8主カワイイヨハァハァ(´д`;)
4主がいつになく優しいね。こんな84もいいなぁ
742-752乙!!!

754名無しの勇者:2009/08/22(土) 23:17:46
>742-752うおー乙です
4主のことが好き過ぎて泣きじゃくる8主が凄く凄く可愛い
4主じゃなくてもこれは抱き締めてよしよししたくなるw

8主を包み込む4主がまるで怯えたチワワを撫でるご主人様のようで好いw
それにどこか母性のような包容さがあって萌える、しかも4主なだけあってやっぱりエロい
包容から始まって、頬舐めから、口付け→目元舐め→なでなで→顔中にキス攻め
の流れに萌えいでか
なんなのあの人凄くエロいよ最高だ
>742-752素晴らしくGJでした

755名無しの勇者:2009/08/27(木) 22:00:40
久々に来たら…投下も来てた!
乙女8主タマンネ(´д`)ムフー
84ドッチモカワイイヨ…

今更だが大作GJ!

7561→3前提14下品:2009/09/26(土) 02:47:00
>>725続き

7571→3前提14下品:2009/09/26(土) 02:47:26
1主「さてご先祖にモシャスしてきてもらったわけだが…
   ご…ご先祖!ご先祖!3主!3主ぅぅうううわぁあああああん!!
   あぁああ…あっあっー!クンカクンカ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 」
4主「それ現実に言う奴いるんだな」
1主「……ハァッハァッ!ダメだ!そっくりすぎて手が出せない!
   これじゃあ俺の欲望を開放してやることができない…」
4主「十分すぎるほど変態っぷりは見せてもらったが」
1主「違うんだ!こんなんじゃないんだ!もっとこう…ああ、全然足りない…!」
4主「お前普段どんだけ変態を抑え込んでんの?」
1主「ご先祖相手なら必死でセーブしてるからな…
   そう…体はご先祖なのにご先祖じゃないから色々曝け出せるこの奇跡」
4主「……気がすんだなら帰るぞ」
1主「待って!もうちょっとご先祖もどきを堪能したい!」
4主「でもモシャスじゃ似すぎてスーハーするだけしかできないんだろ。
   大丈夫だって、そのくらいならさせてくれるよ本物も」
1主「待て待て!どうせならスーハーよりもっと踏み込んだことしたいし!
   ほら、もうちょっと微妙なそっくりさんとかにできない?」
4主「バーサーカーかプチヒーローでも飼えよ」
1主「そこまで行ったら遠すぎるだろ、人間じゃないし」
4主「剣神とか顔も髪型も結構似てるぞ。色全然違うけど」
1主「アーアーキコエナーイ」
4主「6主の髪を黒に染めるとか」
1主「職業勇者にはあの勇者オーラが足りないからなぁ…」
4主「じゃあ女3主」
1主「女相手の浮気だとローラの目が厳しくって…じゃなくて!
   なんてこと言ってんだお前鬼畜にもほどがあるぞ!女のご先祖が可哀想すぎる!」
4主「そろそろヌッコロしていいか?」
1主「ご先祖はそんなこと言わない」
4主「そりゃ俺はご先祖じゃねぇからな」
1主「やだやだ!今だけは俺のご先祖でいて!」
4主「いいかげんにしないと踏むぞ」
1主「そんな凶悪な表情で凄むのなんてご先祖じゃなゲフッ!!
   ちょっ…どこ踏ん…で……っ!らめぇっ!ぐ、ぐりぐりしちゃらめぇぇ!
   やぁっ…お、女の子になっちゃう…ッ!あぐっ…やめ………に、2主っ…2主たちが……!」
4主「チッ 2主のためにもこのへんにしといてやる」
1主「ハァハァ…ハァ…………」
4主「これに懲りたら代用とか馬鹿なこと考えんじゃねぇぞ」
1主「……女王様ご先祖……新ジャンルすぎる…」
4主「しまった逆効果か!」
1主「衝撃的すぎて…俺のこれからの歴史の冒険の書は…おきのどくですが…」
4主「消すなあああああ!!」




1主「結局変化の杖を借りてローラに使わせてご先祖プレイをすることで事なきをえました」
4主「それ、ローラ怒んねえの?」
1主「本気の浮気されるよりはいいってさ」
4主「器でけぇな」
1主「めでたしめでたし☆」
4主「頭がな」

758名無しの勇者:2009/09/26(土) 20:10:55
ワロタwwwww

759sage:2009/09/27(日) 01:57:52
>757
クソワロタwwww
つかローラ器でかすぎだろうwww

760名無しの勇者:2009/09/27(日) 23:24:26
ローラさん尊敬するっす!!

761名無しの勇者:2009/09/28(月) 22:05:56
ローラさんもマジパネエすけど、4主さんもスゲエっすね!

762名無しの勇者:2009/09/29(火) 08:17:38
1主www
本人の前で必死に欲望を抑え込んでる様も見てみたいww

763名無しの勇者:2009/09/30(水) 21:47:52
冒険の書が消えてやみつきになるような足テク軽々しくおみまいしちゃらめぇ

764名無しの勇者:2009/10/04(日) 19:14:14
4主「葡萄が豊作なので、ジュースにしてみた」
8主「葡萄ジュース? はて、ジュース……ああ、果汁! 葡萄果汁の事ですね!」
4主「ジュースだろ?」
8主「いいえ果汁です」
4主「はいはい果汁果汁。お前にも一本やるよ」
8主「何ですか、その投げ遣りな言い方!
   果汁…いえ、果汁グミに対する侮辱ですね!?」
4主「いきなり切れられても…いや、押し付けようとして悪かったな。
   これは1主にや
8主「あそこで紫に透き通る美しい果汁をカルピスで濁らせている人にですか!?
   それこそ果汁に対する冒涜というものです!
   いいえ、これは僕が頂きます!!」
4主「何も一気にスーパーハイテンションにまでならんでも…ほれ」
8主「ありがとうございます」
4主「洗わなくていいから、後で壜だけ返してくれ」

8主「へー。これ、手作りなんですかー。綺麗な色ですね」
4主「言っておくが、着色料は使ってない。
   保存料も入れてないから、早めに飲みきるように…でないと」
8主「でないと?」
4主「酒税法違反でしょっ引かれる危険性も無きにしも非ず、だ。
   まあ、かびが生えるのが関の山だろうがな」
8主「はーい。でも、本当に綺麗な色ですね…あ。」
4主「ん? どうかしたか?」
8主「いえ。何でもないです」
4主「変な奴だな……じゃあ、他の奴らにも配ってくるから」
8主「ええ、ご馳走様でした」

8主「フゥ…」
8主(光に透かすと、4主さんの瞳と同じ色に見える)
8主「綺麗、だなあ…」

765名無しの勇者:2009/10/05(月) 19:33:22
テラカワイス(´∀`)

766名無しの勇者:2009/10/06(火) 23:13:45
つ山葡萄カルピス
こういう雰囲気は結構好きです。

767名無しの勇者:2009/11/11(水) 10:22:28
近親相○も好きな自分は 1主→3主→3女 とかすごく萌える。
だが女子が絡んでしまうので肩身が狭かったりする。

768名無しの勇者:2009/11/12(木) 17:43:04
それをここで言う必要はまったくないがな

769名無しの勇者:2009/11/12(木) 21:37:59
うわぁ、このおばちゃん冷た〜いw こんな程度もまったく許容できないんだねw
言葉遣いもわざわざ男っぽくして、なにそれ俺カコイイーとか自分に酔ってんの?

770名無しの勇者:2009/11/12(木) 22:18:37
ガキは一生ROMってろ

771名無しの勇者:2009/11/29(日) 02:44:55
1主→3主がメインなら3主→3女要素があったって問題ない
逆に1主×ローラだって3主の片思い話なら書かれるわけだし
変に卑屈になって肩身狭いとか言う必要はないな

33がメインなら住むところが違うと言うしかないが

772名無しの勇者:2009/12/10(木) 23:23:45
んじゃ、1主→3主→←3女でもおkなの?
なるべくメインは1主と3主になるようにはしたいけど、
女出る時点でムカつくとかいう人に問答無用で叩かれそうでなんか怖いなぁ…。

っていうかこのスレ最近、読者層は女性が多いはずなのに、
2chの本スレよりギスギスしてて口悪い人多いから投下するの迷う。
前は結構書いてたし、その頃は和気あいあいしてて楽しかったのに。
700番台のどこかでROMれとか言い出した人が出てから空気おかしくなったよね。

773名無しの勇者:2009/12/10(木) 23:55:52
誰もムカつくとまでは言ってないんじゃない
過去作にだって女の子は出てきてるし
ただ男女カプをここでやることには疑問が残る

774名無しの勇者:2009/12/11(金) 22:19:06
>>772>>1

7751→3(1/2):2009/12/12(土) 01:47:44
空気読まずに投下
1→3です


「ご先祖、いい加減ネットやめろよ」
1主が呆れたように呟いた。3主は画面を食い入るように覗き込みながら返事もしない。
1主は大きくため息をついた。
「はぁ、俺の先祖様が、あれ程憧れていた初代ロトがコイツだなんて…」
1主はそう言ってわざとくさくかぶりを振る。
「うるせー!俺のライフワークなんだよネットは。ジャマしてくれるな」
3主がそういって振り返ると、1主はなんとも言えないような微妙な表情をして3主を見ている。
「…なんだよ」
3主が尋ねると、1主がいや、と首を振る。
「やっぱ、現実味ないなぁって」
古代の魔王を倒した勇者その人とは思えない、今の3主。年は1主より下だし、引きこもって何ぼの生活ぶりだ。
「ご先祖、本当に魔王倒した? だいぶ俺の理想像とちがうんだけど」
「お前の理想像ってどんなだよ。俺ほど勇者の風格をもつ男もいないだろ」
そう言って3主は得意げに腕を組んでみせる。その腕は引きこもりすぎて筋肉が落ちており、まとう服はジャージだ。
1主はうーん、とうなった。
「そうだな、やっぱ勇者ロトなら、25歳以上で、冷静沈着で、近寄りがたい雰囲気で…」
1主がつらつらと条件を上げ連ねだすと、3主がうんざりしたような顔つきになった。まるで自分と正反対だ。
「賢くて、度胸があって、努力家で…」
「俺はどうせ落ち着きも度胸もないよ!ちぇっ」「でも」
1主が突然言葉を切って3主をじっと見つめた。3主は思わず口をつぐむ。
「何でか俺、納得しちゃってんだよなぁ…ご先祖が、勇者ロトだってことに」
はは、と1主がおかしそうに笑った。その表情は、本当に何で納得しているかわかってないみたいな顔つきだ。

7761→3(2/2):2009/12/12(土) 01:48:38
3主はムキになって言った。
「当たり前だろ!俺、勇者ロトだもん」
「こんなに、正反対なのになぁ」
1主が笑って独り言のように言う。
「理想と違ったのに、ずっといると、何でだか、分かる。何でだろ」
1主がそういって、すっと手でわずかに3主の顎に触れた。視線がぶつかる。
「たぶん…ご先祖だから…」
1主のその熱っぽい目に3主は息を飲んだ。それは、ずっと長い間もっていたのだろう憧れとか、尊敬とか、そして
それ以上の何か、が。確かに込められていた。3主は瞬時にかっと顔が赤くなるのを感じた。
「何だよそれ、」
3主は目を合わせていられなくなってそっぽを向いた。そのまま、パソコンの画面に視線をうつす。心臓がどくどくと
波打っている。
「わかんないかなぁ」
1主はまた笑いをこぼして、そのまま何でもなさそうに立ち上がった。
「ネットはほどほどにしろよ」
そういい残して、部屋から出ていった。3主は、じっとして気分を落ち着ける。
(何だ今の)
あの目。
(初めて見た…)
口元を押さえた手が微かに震える。3主はその手を理解できずに見つめた。
「クソッ」
3主はわざと声に出してみた。気をそらそう。
「あと2時間はネットやってやる」
そういって、あとはもう考えまいと、また画面に集中した。

777名無しの勇者:2009/12/12(土) 09:24:02
やきもきするうぅ
ごちそうさまでした

778名無しの勇者:2009/12/12(土) 16:27:08
>>774
なんでもかんでも1に振らないでください。微妙だから聞いてるのにわからないの?
第3者から見たら私含めてうざいのはわかりますが、今後他の人のことも考えてはっきり言わせていただきます。
実力が伴わないなら偉そうにしゃしゃり出てきて仕切らないでください。

779名無しの勇者:2009/12/12(土) 16:42:55
>>778
ネタ書いてるから自分は偉いんだとか勘違いしてる系の厨房か?
荒らしはスルー、ネタもいらないから半年ROMれ

780名無しの勇者:2009/12/12(土) 16:52:10
>>778
ここのやり方が嫌ならサイトなりなんなり作って出てって下さい
半年と言わず一生ROMれ

781本スレ351より 8→4ぎみってか8主が変態くさい:2009/12/16(水) 18:20:54
3主「おらおらあああ抜き打ち清掃じゃワレえぇぇ!!」
8主「いやぁぁぁぁ!押し入り清掃は勘弁してくださいいいいいい!」
3女「さあどんどん捨てちゃおうねっ!……って、あれ?」
8主「あああああああその服溜まりはらめえええええええ!」
3主「なんだこれ。パジャマ?」
3女「パジャマにも見えるけど、4主の服にも似てるな」
8主「違います!それは僕のパジャマです!断じて4主さんの服なんかじゃありません!」
3主「そういや昨日洗濯物が足りねーとか言ってなかったか」
3女「あー言ってた言ってた」
8主「偶然です!ぬれぎぬです!決して匂いを嗅いでくんかくんかすーはーすーはーなんかしてません!」
3主「……」
3女「……」
8主「なっ、なんですかその目は……見るな僕を哀れな物のように見るなあああ!」
3主「判定は?」
3女「有罪(ギルティ)」
3主「……おーーーーーい4主ーーーーーー!!!」
3女「4主ちょっと来て今すぐ来てーーーーーーーー!!!」
8主「いやああああああああああああんらめえええええええええええええええ!」

782名無しの勇者:2009/12/17(木) 21:55:29
8主ww
服以外にも4主使用済み歯ブラシとか持ってそうwww

783名無しの勇者:2009/12/23(水) 02:51:52
4主使用済み歯ブラシが8主使用済み歯ブラシ(性的な意味で)になるんですねわかります

78448で性なる夜 0/3:2009/12/25(金) 20:15:32
48投下いきます。
少々ベタな展開になりました。
ちょっと女装ネタ入りなので、苦手な方はご注意を。

78548で性なる夜 1/3:2009/12/25(金) 20:16:13
「…何、してやがる」
「いえ、ちょっと」
「格好を見るとサンタのつもりらしいが、サンタってのは人の寝込みを襲う生き物じゃなかったよなぁ」
「いえ、サンタです。プレゼント配布中なのでいい子は寝ててください」
「服脱がされかけてんのに寝てられるか。…このアホッ」
「いたいっ! 何するんですか! 人を殴る悪い子にはプレゼントあげませんよ!」
「…念のため聞いておくが、プレゼントってのは俺が脱がされてることと関係ないんだよな?」
「え、何言ってるんですかこれは僕へのプレゼントです。4主さん用のプレゼントは別に用意してありますよー」
「勝手にプレゼントを貰おうとすんな!」
「いたいっ! また殴った!! ひどいっ!」
「勝手にプレゼント貰おうとしてんじゃねぇよ。…てかお前、よく見たらそれ女モノじゃないのか」
「あっバレました? 9主くんの世界で買いました! サンタガールの服です可愛いでしょう?」
「可愛いとか自分で……いやそうじゃなくて…
 なんでそこでガールを選ぶんだお前は…普通のを選べ!普通のを!」
「普通なんてつまらないです。実は4主さんの分もあるんですよーv 着てみてください!」
「人の服を脱がそうとしたり、着てみろっつったり、何がしたいんだお前は」
「何って、ナニですが」
「……(耳で聞いてるハズなのに、エロい字面に変換されるあたり、俺も末期かな)」
「今日こそは4主さんをいただきますよ! 僕、張り切って準備してきたんですから!」
「…準備…って…その袋の中身全部か」
「はいv あっ勝手に見ちゃダメですよ! プレゼントを勝手に見るなんて悪い子です!」
「見ねぇよ。……とりあえずその服貸せ」
「えっあっはい!」
「…………」
「(4主さんのサンタガールwktk!あっビデオカメラ持ってくればよかった!
 仕方ない、携帯の写メで我慢しよう…)」
「おい」
「はっはいっ!? なんでしょう!?」
「背中。閉めてくれないか」
「はぃっ! (うーわぁーうーわぁー! 4主さんの背中!うなじ!あーやばいイイ匂いがする…クラクラす…る…)」

78648で性なる夜 2/3:2009/12/25(金) 20:16:57


ぼふっ

「あれ? ずずず随分積極的ですね」
「まぁ、せっかくサンタがプレゼントくれるっつってんだ。貰ってやろうと思ってな」
「あああああのプレゼント貰ってくれるのは嬉しいんですけど、僕がリードしたいので…その…」
「なんだよ」
「僕の上から降りてもらえませんか?」
「だが断る」
「えっちょっあのっ」
「なんだようるせぇな」
「あの…騎乗位は嬉しいですけど…できれば初めてなので普通で…っていうか僕がリードしたいんですが」
「…さっきから勘違いしてるようだが…騎乗位じゃねぇぞ」
「えっ」
「宝船とかでもねぇぞ。俺が上でお前が下。それで正常位だ。わかったな?」
「えぇぇえぇぇぇぇぇえええええええ…もがっ」
「うるせえよ。お前少し黙ってな」
「(ふわぁ…4主さんの唇…柔らかい…)」
「…お前サンタだろ? とりあえず俺はお前をもらってやる。」
「わ…っ…! んっあっ…やっ…」
「…で、俺からはコレをやるよ。もうちょっと楽しんでからな」
「あっ……んっ……」


「…っん……」

「(あっ…なんかこれ…幸せなのかも…)」

「(いい匂い…体が…ふわふわ…する…)」

「…………………………っぁぁぁぁっ…!」

78748で性なる夜 3/3:2009/12/25(金) 20:18:06

「…おはよう」
「…おはようございます」
「……」
「…あれっ? あっ服っ? あれっ写メがっ4主さんのガールがっ」
「寝ぼけてんのか」
「寝ぼけてなんかないですよっ! 4主さんがサンタガール着てくれたのに写真撮れなかったー!
 もう一回!もう一回着てくださいっ あっでもその前にビデオカメラ取ってきますっ」
「もう一回…ねぇ…」
「そうですよもう一回! 昨日の夜……………ってあぁぁぁぁあああ!」
「朝からうるせぇよ! ふさぐぞ!!」
「あ…あああぁぁあの…昨日…僕…」
「昨日はごちそうさまでしたね」
「…ごちっ……やっぱり…夢じゃ…」
「夢にしようとすんな。現実だ。写メ見るか?」
「とっ撮ったんですかっ!?」
「イった直後に気失ったから撮っておいた」
「ちょっ消してっ消してくださいっ!」
「消したらもう一回撮るぞ。消させねぇけど」
「…もう一回…?」
「別に消さなくても撮るつもりだったし」
「あああのっ…もう一回が…あるんですか…?」
「お前から貰ったふくろの中に、こーんなにゴムが入ってたからな。こんだけしてもいいってことなんだろ?」
「えっ…(あれ…お徳用120個入りなんですけどっ…)」
「この量は一日じゃ無理だしなー…とりあえず今夜もここに来いよ」
「えっ…(今夜!?今夜って言った!? また…あの4主さんと…?)」
「顔赤いぞ。風邪ひいたか? 今日はやめておくか?」
「えっ…!」
「お前さっきから“え”しか言ってねぇぞ。どうなんだよ。」
「…あっあの…僕は…」
「…ほんとに体調悪いなら…やめてもいいんだが…」
「体調は悪いわけではないですけど…」
「じゃぁ決まりな。夜に」
「…ああああの…また、僕が下…?」
「騎乗位がいいならそうするが」
「そうじゃなくて…僕が4主さんに…?」
「…あぁ、そうか。諦めろ。俺はお前を抱く気はあっても抱かれる気はない」
「えー!」
「大丈夫。優しくするから」



「(袋の中に用意していたアレコレは、4主さんの手によって僕自身に使用されることとなりました
 少し、予定と違ったけど、HAPPY Christmas…)」

78848で性なる夜 4/3:2009/12/25(金) 20:20:09
宝船…騎乗位の変形

以前にあったネタとかぶり気味で申し訳ない。
8主を右側にしようとしたらこうなってしまった。

789名無しの勇者:2009/12/25(金) 20:26:36
性夜にプレゼントキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
ごちそうさまですありがとうございます

790名無しの勇者:2009/12/26(土) 22:38:17
あなたがサンタさんだったのか・・・っっ
プレゼントごちそうさまでした!GJ!

791保守コネタ:2010/03/26(金) 21:36:33
4主「……」
5主「どうしたんだい4主、元気がないね。
よーしパパ、4主のこと抱っこしちゃうぞー。ぎゅー!」
4主「……ぎゅー…」
5主「ぎゅー。君はもうちょっと、人に甘えてもいいと思うよ」
4主「……うん…」

5勇「あっズルい! お父さん、僕も僕もー」
5主「おや5勇もかい? よーしおいで!」

5主は りょうてを ひろげて わが子を かき抱いた!
5勇は ひらりと みを かわした!

5主「あれ?」
5勇「4主さん、ぎゅー!」
4主「…ぎゅー」
5主「え? アレ!?」

792名無しの勇者:2010/03/31(水) 09:15:25
ぎゅー‥、('ヮ'*)ノイイワァ

793名無しの勇者:2010/03/31(水) 12:10:56
54キタワァ

794名無しの勇者:2010/03/31(水) 22:18:48
甘えてる4主かわいい(*´∀`)

795sage:2010/08/04(水) 19:06:29
84保守

79684版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)0/9:2011/02/20(日) 22:12:07
突然、萌えが再燃したので投下させていただきます。
映画「恋愛睡眠のすすめ」の8→4パロです。
通し番号がずれたらごめんなさい。

妄想激しい8主のバカで都合のいい夢の話です。
8主が最高にヘタレです。

79784版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)1/9:2011/02/20(日) 22:12:45
一日目

最初は別にどうでもよかった。
端正な顔とか珍しい髪の色とか、それを上回るどす暗い不幸オーラが出過ぎてて、ヒーローにあるまじき陰気さだったので正直お近づきになりたくないと思った。今も別にどうでもいい。
ただ少し、笑った顔が見てみたい。 これはあの仏頂面がだらしなく緩んだらどうなるんだろうという興味本位で、決して好意なんかじゃない。
きっかけは意地の悪い、ちょっとしたいたずら心だ。



「いい天気ですね!」
裏庭で洗濯物を干してる4主さんに声をかける。彼が少し振り向いてとてもイヤな顔をしたのを見たら、僕はとてもいい気分になった。
4主さんは僕を無視することに決めたらしい。何も言わずに洗濯物の続きに取りかかる。
「羽を伸ばせますね!」
「お前はそんな嫌味を言いにわざわざここまでオレを追いかけてきたのか」
あ、反応があった。
「せっかくだし」
「マメだな」
吐き捨てるように言って、後はもう振り返らなかった。
最近は前みたいに簡単に激昂したりしない。お互い慣れすぎてどうでもよくなった。いつも僕が軽くあしらわれて終わる。
でもなんとなくちょっかいを出しに行かずにいられない。もうすでに半分意地だと思う。だって前みたいにすぐこっちを見てくれなくなった。
僕は苛立ちばかり募って、余計に子供みたいな手で嫌がらせをするしかない。こっちを向かせるには、そういう方法しか知らない。
「おい、手伝おうという気はないのか」
「ないです」
4主さんが舌打ちをした。条件反射だ。
悪いとは思わないけど、ひどく気分が悪くなる。4主さんの人相も一層悪くなる。
そういう顔が見たいんじゃないのに。

79884版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)2/9:2011/02/20(日) 22:13:18
「おい!」
ものすごい形相で、 4主さんが駆けてくるなり僕の肩をつかんだ。普段とは違う、乱暴というか強引な態度に面食らう。
「な!なんですか?!」
振り向こうとして、予想外に顔が近くて思わずたじろいだ。しかもえらく興奮していて、頬が上気している。瞳孔も開き気味だ。そんなでも見られる顔という事実に多少イラッとする。イケメンなんて滅んでしまえ。
「お前!」
「はい!」
一瞬間があって突然、粘土が崩れるみたいに4主さんが破顔した。
「お前が錬金釜で作った××××な!あれすごいぞ!○○が□□になるんだ!」
「××××……」
なんだっけ?とか思う間もなく、4主さんが畳み掛ける。
「お前実はすごいんだな!見直したぞ!」
いつもの仏頂面はどこへやら、ものすごくいい笑顔とはこういうことを言うんだろう。しかし僕は思った。この人は笑うと意外とかわいい。いつもこういう顔でいればいいのに。
4主さんが無理矢理僕の腕を取って、ぶんぶんと握手を始めた。骨っぽい感触がした。
「ありがとうな!助かるよ」
4主さんが僕の目を見て、嬉しそうにはにかんだ。あまりに出来過ぎてて気味が悪いけど、僕はとてもいい気分だった。天にも登れそうだ。
あの4主さんが僕に礼を言った。勝ち誇った気分。
僕のしたことが4主さんの役に立つ、それでこんなに喜んでもらえるなら、そのことで僕がこんなにいい気分になるならまあ悪くない。いがみ合うよりよっぽどいいかもしれない。



そこで目が覚めた。
あまりにベタな展開で溜息も出ない。夢の中でなら4主さんともうまくいく。むやみに怒らせたりしない。
完全に願望だ。だって僕は平和主義者で、できるなら誰とも波風立てずに生きていきたいのだ。その方が楽だし。
4主さんはものすごく笑っていた。そして僕に礼を言った。現実じゃまずありえない。
いい気分なのは優越感からだろう。あの4主さんが僕に頭を下げた。決して役に立てたから、4主さんが喜んでいたからではない、と思う。
そんな殊勝なことを僕が考えるなんてありえない。僕はそんな柄じゃない。

79984版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)3/9:2011/02/20(日) 22:13:54
二日目

「今日もご苦労なことで」
今日も今日とて裏庭までちょっかいを出しに来た僕を振り返りもしないで、4主さんが言う。声だけでイヤそうなのがわかって内心ほくそ笑む。
「その鳥面を見ないと一日が始まった気がしないんです」
これは本当。この顔を見て話すと目が覚める。
「暇なんだな」
「いいえ!わざわざ来てるんで!これから錬金釜持って走らなきゃいけないし!」
「お前、錬金と言えばな」
「はい?」
「お前が錬金釜で作ったやつな」
ん?
この流れ、どっかであったような。あれ?
僕が考え込んだ一瞬後に、4主さんが洗濯を干す手を止めて白け切った顔で言った。
「あれ最悪な。なんなのあれ。ガラクタもいいとこだな」
現実は厳しかった。
「もう余計なもん作るなよ」
僕が明らかにがっかりした様子を見て、4主さんはわかりやすく機嫌が良くなった。そのまま鼻唄まで歌って、宿舎へふらふらと歩いていく。
いつだって僕が面白いことが4主さんには面白くなくて、4主さんが面白いことが僕には面白くないのだ。
嫌われてるとは思わないけど、好かれてる気はしない。僕らそんな一触即発な状況でずっといる。

80084版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)4/9:2011/02/20(日) 22:14:29
「よう」
珍しく向こうから挨拶をしてくる4主さんを、僕はふて腐れた顔で迎えた。
「何。どうしたんだよ」
楽しそうな声だ。僕が元気がないのがそんなに楽しいか。
「8主、あれすごく役に立ってるよ。またなんか作ってな」
あれ?僕は顔を上げる。
「これ夢ですか?」
4主さんの顔には、トレードマークの眉間のしわがない。不自然だけどこの方が好きだ。
「そう。お前の夢だよ」
「じゃあ、あなたは僕の想像の4主さん?」
「まあな。機嫌いいだろ?」
確かに。
「本当の4主さんは僕の作ったの、最悪だって言いましたよ」
「言わねえよ。最高だろ」
「もう余計なもの作るなって」
「いやいや。お前はやればできる子なんだ」
「わかりました。とりあえず一言謝ってください」
「………………………………。しょうがねえな。悪かった」
「じゃあもう僕が何しても怒らない?」
「まあ場合によるな」
「僕の夢なのに態度デカイですね」
「じゃあ怒らない」
「…………何かしてくれる?って頼んでも怒らない?」
「内容による」
「そんなひどい」
「アホか」
確実に夢だこれは。こんなに彼が優しい筈がない。
夢ならいっそ、何をやっていいか。僕は気が大きくなっていた。何でもできるし、何にでもなれる。例えば親友。例えば恋人。
「じゃあ……」



朝だった。
なんておいしいところで目が覚めてしまったんだろう。もったいない!
……しかし僕は何をしてもらおうと思ったんだろう。て言うか何だってあの人も二日も連続で、人の夢に出て来るんだ。気軽に出て来ないでほしい。
僕が機嫌のいい4主さんに会いたいみたいじゃないか。自分が本当は4主さんとどう接したいのか再確認させられてるみたいで気分が悪い。
僕の本心なんて別に知りたくない。面倒なのはもう姫だけでこりごり。

80184版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)5/9:2011/02/20(日) 22:14:56
三日目

目覚めのひどく悪い頭を抱えてキッチンへ行くと、例の人がいた。
間が悪い。身勝手な夢を見ちゃったせいで、なんとなくばつが悪くて嫌だ。
目が合ってあからさまに4主さんが身構えたので、僕があえて無視を決め込んだら相手は肩透かしをくらったみたいだった。横を無言で通り過ぎて冷蔵庫へ向かう。
「よう」
夢と同じで、珍しく向こうから挨拶がくる。僕はしょぼくれた顔を上げた。
「……ひどい顔だな。雨でも降るか?槍か?」
眉間のしわは深く刻まれていた。かわいくない。
「……夢見が悪くて」
「お前が?」
ものすごく意外だという顔をされた。心外だ。
「どんな?」
「…………」
言葉に詰まる。あなたの夢ですなんて口が裂けても言えない。
「……ほっといてください」
間髪入れずに舌打ちされた。この人はなんだか最近険悪だ。
僕ら、いつからこんな感じに喧嘩もままならなくなったのだろう。ひどくやりづらい。
前はお互い沸点が低くてすぐキレて、でも言いたいことは言ってた。もっと正面切って喧嘩してたから、嫌な感じじゃなかったし僕は正直楽しかった。
最近は顔を合わせれば舌打ちとかで、真剣に打ちのめされる。
あがけばあがくほどおかしくなって、でも今日こそは変わるかもと思って毎日喧嘩しに行くのに毎日険悪になる。それがきつい。

「8主」
名前を呼ぶその声が、思いがけず柔らかいのでなんかやりきれない気分になる。
「はい」
「お前はさ」
4主さんが言いにくそうに視線を泳がせてから、たっぷり十秒くらい黙った。言いかけてやめるのは一番感じが悪いと思う。
「僕は?」
先を促す。4主さんは目を伏せた後、僕を見た。
「何がしたいんだ?」
「え、」
「そんな、一方的に怒られてもオレはわからない」
「怒るって」
「なんでいつもオレに苛立ってる?」
「え…………」
「言いたいことがあるなら言え。ないなら陰険に怒るな」
「…………」
「そんなんで会う度に悪意をぶつけられると、さすがにこっちもへこむ」
「…………」
「…………。何かオレに言うことは?」

僕はなんて答えたか覚えていない。ただ見切りをつけて去って行った4主さんの顔だけは覚えてる。

80284版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)6/9:2011/02/20(日) 22:15:53
「おーい」
あ、これは。
「…………」
僕の想像の優しい4主さんだ。眉間のしわなし、かわいい笑顔の4主さん。
4主さんは僕の前までゆっくり歩いてきて、僕と目線を合わせるために軽くかがんだ。4主さんの方が少し背が高い。気に入らないがこればかりは仕方がないので、気にしないことにする。
「新しいの、なんか作った?」
錬金釜での話だろう。確かに日頃碌なものを作っていないけど、実は役に立ちたいなんていう願望でもあるのかな。
「作ってないです」
「作れよ。オレが楽しみにしてるだろ」
この想像の4主さんは、本当の4主さんが絶対に言わないことを選んで言ってくるので、あまりのそぐわなさに吹き替えでも見てるようなチグハグな印象がする。
「……これはまた夢で、あなたは僕の想像の4主さんですよね?」
「いかにも。何の確認だ?」
「いや、じゃあ今から言うことも夢の中の戯言だから」
「?」
「見なかったことにしてください……」

これは僕の夢でこの4主さんは実物じゃない。だったら夢の中でくらい、素直になってみてもいいんじゃないだろうか。開き直りつつも恐る恐る、僕は手を伸ばした。
まずその緑の髪に触れる。ゆっくりと手の位置をずらし、その耳と顔と首に触れる。そこまでで緊張しすぎて感極まりそうになって、ひと呼吸入れる。
4主さんは僕のなすがままで、何も言わず薄く笑ってから目を閉じた。
その一連の動作に見とれ、見とれたことにひどく敗北感を覚える。何だってこの人、何しててもこんなに格好いいんだろう。
考えがまとまらなくなって、思考を振り払うように僕はそのままその首に巻き付いた。
「おおぉっ」
驚いた4主さんが呻き声を上げた。予想外に勢いがついていたのか、二人してその場にしりもちをついてしまった。
4主さんは二人分の体重を引き受けて、また呻いていた。しばらくどうしたものかと困っていたようだけど、僕が首にしがみついたまま離れないので、仕方なく4主さんが僕の背中に腕を回して僕を支えた。
「重いんだけど」
「すみません」
「首、苦しいんだけど」
「すみません」
「なあ」
「ごめんなさい」
「何が」
僕は4主さんの首に額を押し付けたまま、話し続ける。唇が動くとたまに4主さんの首筋に触れてくすぐったかったらしく、4主さんがよじって避けようとしたけどびくともしなくて諦める。その時、僕はそこまで気が回らなかった。
「僕は、現実でも夢でも4主さんを困らせてますね」
また避けようともぞもぞしていた4主さんが動きを止めた。
「困らせたいわけじゃないのに、どうしたらいいかわからないんです」
4主さんは黙っている。
「怒らせたいわけでもないんです。普通に会話して、たまには喧嘩したりしたいんです。苛立たせたいわけでもない」
「8主」
4主さんが僕を呼ぶ。
「…………何かオレに言うことは?」
なんとなく、もうごまかす必要はないと思った。これは夢だし、何がどうなってもかまわない。
もうどうだっていい。

「あなたが好きです」
僕は顔を上げず、4主さんも動かなかった。
「なんかもう、この気持ちが好意なのか、ただの執着なのかわからないんです」
「…………」
「僕は、もうどうしたらいいのかわからない」
「……うん」
「………………………………」
「知ってた」
ゆっくり僕の髪をなでて、一回ぐしゃっとする。
何を言っているんだ。知ってるわけないじゃないか。慈しむように優しく髪をなでる手が愛しくて、涙が出そうになった。
夢の中でだけうまくいくなんてひどいじゃないか。こんなに打ちのめされることはない。あんまりだ。
むなしすぎてやりきれない。

80384版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)7/9:2011/02/20(日) 22:16:33


「泣くなよ」
「泣いてないですよ」
「じゃあオレの首を濡らさないでくれ」
「無理です」
「おかしくねえ?」
「これは僕の夢だから許されるんです」
「……なるほど」
明らかに納得してない口調だ。夢のくせに生意気な。
「ていうか僕の夢なら、慰めのキスくらいさらっとしてみせてくださいよ」
「わりーその発想はなかったわ」
「想像力ないですよね」
「お前はありすぎるな」
こんな何気ないやり取りが嬉しくて仕方ない。飢えていたんだなあと実感する。
「するんですかしないんですか」
「えー……マジ勘弁してほしいんだけど、一応聞くけどどこに?」
「そりゃ口でしょう!」
「ふざけんな。調子に乗るな。口はオレにはハードルが高すぎる。全然無理」
「だらしないなあ」
「…………。妥協案を考えようぜ」
「じゃあ五択で。目、耳、鼻、頬、おでこ」
「…………耳かな」
「口はナシなのに耳は有りなんですか!?おかしくないですか!?」
「え!?」
「ど変態じゃないですか!耳の方がハードル高くない!?」
「あっじゃあ無難におでこで!」
「いや僕はどこでもいいんですがね。なんだよ、4主さんもしかしてムッツリですか?」
「……………………」
やってられん、というように4主さんは黙ってしまった。
赤くなって河豚のようにむくれていてかわいい。とか思ってたら突然頬を強くつねられる。
「いたいってば4主さん!あっしかも引っ掻いた!」
軽くミミズ腫れになってしまった頬をさする。

「…………もういいから黙ってくれ」
「わかりました」
4主さんが息を飲んだのがわかった。
「8主」
僕の額にかかる髪をそっとかきあげる。僕も息を飲んだ。
触れるか触れないくらいかのキスだった。
優しすぎて嫌になる。涙が出そうだったけど、僕は泣かない。
「お前に応えてやることはできなくても、嫌われてないってわかって嬉しかった」
そんなことは言わなくていい。僕の勝手な思いなんて引き受けなくていい。優しくなんてしなくていい。
「ありがとな」
ただ、笑顔が見たかったんだ。笑ってほしかった。
それが僕のためじゃなくてもいいから。



ひどく身勝手で疲れる夢だった。起きたばかりなのに疲労困憊だ。
後ろめたくて、今日は4主さんの顔を見られそうになかった。

80484版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)8/8すみません:2011/02/20(日) 22:17:11
最終日

わざわざ朝食の時間をずらしたのに、例の人はどっかりダイニングテーブルで新聞を読んでいた。おっさんか。
「……おはようございます」
仕方がないので声をかけたら、4主さんは僕をちらっと見てから思いっきり目を逸らした。返事もない。
……別に、今更そんなんどうってことないけど。
僕はもう4主さんの存在を無視して、朝食の続きに取りかかろう。そう思って冷蔵庫の扉を開けた時、何か痛みが走った。
「いたっ」
少し遅れて、4主さんが顔を上げる。
「どうした?」
「なんか顔に傷ができてるみたいで……」
「ああ……」
顔をしかめて、4主さんが立ち上がった。
「オレが引っ掻いたやつだな。悪い」
「あ、いえ大丈夫で…………」







確かに時間が止まった。僕らは顔を見合わせた。
「ええぇ?!」
「はっ?!」
「ちょっと……」
何が起こったのか理解できない。でも僕らは確かに、同じ夢を見ていたようだ。
咄嗟に思ったのはやばいやばいやばいくらいで、思考回路が完全に壊れた。
あれは夢だったから好き勝手やれたんだし素直になれた。実は全部相手にだだ漏れだったなんて、一体どう取り繕えばいいんだ。お互い本気でシャレにならない。
「……………………えーと」
「えーっと……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
二人ともたっぷり黙ってから、4主さんがぽつりと言った。
「……………………なかった、ことに……?」
「……………………今更?」
「……だよな」
「ですよね」
「……………………どうする?」
「……………………どうするもこうするも」
「……………………」
「……………………」
お互い顔を見合わせて、僕らはついに吹き出してしまった。シリアスでセンチメンタルな夢での自分があまりにも滑稽で哀れだった。
言ってやりたい。真実はもっとシンプルでわかりやすい。
僕らはきっとうまくいくと。



おしまい

805名無しの勇者:2011/02/21(月) 20:48:04
>>796
GJ! GJ!
読み応えのある萌えをありがとう!

しかし、満面笑顔の4主って想像つかないwww

806名無しの勇者:2011/03/02(水) 23:30:21
久々の投下〜!
普通に読み物としても面白かったよ
gj!

80784のはなし 0:2011/03/06(日) 22:03:17
たびたび投下失礼いたします。
8→(←)4のややシリアス長編です。文字数が多くて通し番号が読めないので、
番号だけ振ります。
それではどうぞ〜

>>805,806
ありがとうございます。お楽しみ頂けて何よりです!

80884のはなし 0:2011/03/06(日) 22:06:31
これは、オレが失ったものと再び出会うまでの話。
オレと彼女とある男の、再生の物語だ。

1 意識【4主】

変化は突然だった。ずっと一緒だった彼女が消えた。見えなくなった。
彼女がどういうものだったのかよくわかってなかったけど、存在は確かにあるらしいと思っていた。他の奴らの話を聞いても、オレがいなくて彼女がいる時があったらしいので、どうやらオレだけの幻覚ではないんだと考えていた。
話はできるけど体温は感じられない。触れることもできない、時折透けてしまう彼女をでもオレは好きで好きで、触りたくてもどかしくて泣きたくなることもあった。彼女は何のためにいるのか、オレのためじゃないのか。
科学的に理解できないものでも、自分に都合がよければ人はそれを正当化してしまうもので、彼女は生きているんだとオレは思い込んでいた。オレのために戻ってきた。ここへ。オレと一緒に幸せになるために。
説明のつかないことには目をつぶっていた。そんなものは見なければいい。ひどく盲目的だった。
真っ向からそれを否定してたのが、奴だった。

「消えた?」
外のベンチに二人どっかりと腰を降ろし、オレは話を切り出した。赤いバンダナを巻いた頭を揺らして、奴が訝し気に聞き返す。必要以上にいい天気で木漏れ日がまぶしい。重い話をしてるってのに、まったく不釣り合いだ。
「いなくなっちゃったんですか?前にもありました?」
「わかんねえ。でもこんなにずっといなかったのは初めてだ」
「いつ頃から?」
「一週間くらい……かな」
予想外に奴が真剣な受け答えをしたので、多少オレは面喰らった。もっとバカにされるかと思ってた。
「一週間前に、何か特別なことありました?」
「うーん…………一週間前、ねえ」
正直に言うと、あった。つーかもろにお前関係だろと言いかけて、なんとなくやめる。
オレは何も返事をしていない。曖昧なまま逃げて、お前は別にそれでいいと言った。だから決着がついたことにした。そのまま今に至って、わざわざ呼び出してシンシアの話をしているオレも相当どうかと思うし、呼び出れてのこのこやって来てるお前もそれでいいのかと言いたくなる。8主、お前はオレが好きなんじゃないのかと。
でもこんな話をできそうなのが奴くらいしかいなくて奴の好意に甘えていることだけは確かで、罪悪感を抱えながら奴に会うのはひどく微妙な気分だ。
「…………その、お前に」
「ああ。そうでしたね」
そうでしたねってなんでもない涼しい顔で奴が流した。なんなんだお前、あんなに真っ赤になって必死になってオレに打ち明けたくせに、オレばっかそのことで悩んでバカみたいだ。
「……じゃあ少しは考えてくれたんだ?」
「バカ言うな。ありえん」
「ですよねーいんですけど別に」
どうこうしようとかじゃないし、と付け加える奴の顔は晴れやかで、意味もなく腹が立った。お前が変なこと言い出すからオレが混乱してるってのに、お前は他人顔なんだな。

80984のはなし 2:2011/03/06(日) 22:07:04
「人の気持ちってのは、コントロールできるものじゃないですしね。僕が4主さんを好きになったのも、しょうがないっつーか流れっつーか」
「だいたいさあ、なんで好きだと思ったわけ?」
「うーん、最初はずばり顔ですね。僕、面食いなんで」
「顔………」
顔だけの男と言われてるようで、密かに傷付いた。顔、ね。ふーん。つまらん。
「でもこの人案外不器用かなあと思ったら、なんかこういてもたってもいられなくなっちゃって」
「ふーん……」
「たぶん、理屈じゃないんだと思います。一緒にいたいとか、触りたいとか。見ていたいとか」
「……………」
8主は、オレにオレを好きだと打ち明けてからすごく素直に自分の気持ちを言うようになった。前みたいにつっかかってくるけど、最終的に何が言いたいのかよくわからない感じじゃなくて、もっとストレートに感情が来る。それだけに何も返せない自分が申し訳なくて、でも同情でどうこうは最低だと思うし何をどうすればいいかわからないまま、オレはひたすら黙っている。
木でできたベンチに並んで座るオレと8主の間には、一人分くらいのスペースが空いていて、それがそのまま心の距離みたいだなと思う。それ以上、近くはならない。
「あ」
それまでの話の流れを無視して、突然奴が呟いた。
「え?」
「……いや、でも、なあ……」
腕組をしながら、8主が頭をかしげる。そのはっきりしない態度にイラっとする。
「なんなんだよ?」
「いや、でもあまりに自惚れてるというか……」
「?言ってみろよ」
「……僕に告白されて、少しは僕のこと考えました?」
「は?!」
「だから、すねちゃったんじゃないですかねシンシアさん」
「お前、アホか……ふざけんな」
「いや!真剣なんですけど」
「つきあってられん、お前に話したオレがバカだった。時間を無駄にした」
「そんなー!せっかくの4主さんからのお呼出でうきうきしてきた僕の立場は!」
「知らん。勝手に期待するな。ていうか期待するな」
「わかってますけどね……」
そこで本気でしょげた顔を見せるから、長いつきあいでオレもそれが演技じゃないってわかっちゃうから余計悪いことしたって思うんだよ。そう思わせるお前がずるくて、期待させてるけどその気はない自分もずるくて、面倒臭いと本気で思う。
ずっとこんな関係が続くんだろうか。お前はきつくないか?オレはもっとお前と楽に話がしたいよ。
シンシアの話をしていたのにすっかりずれまくって、オレはあろうことかシンシアのことを忘れていた。たぶん、そういうのが始まりだったんだと思う。

81084のはなし 3:2011/03/06(日) 22:07:40
2 衝動 【4主】

もしかして、が確信に変わる。シンシアはもう二週間姿を見せない。いなくなってしまったのかな、シンシア。
今までも二、三日いなかったことはあった。でもふと気付くとまた隣に戻ってきて、オレの顔を眺めてからにっこりと笑った。その度オレは安心して、戻ってきてくれたんだねと抱き締めようとして、触れない事実に打ちのめされた。
オレは意外と落ち着いている。シンシアについて8主とは逐一話し合っていて、こんな話にクソ真面目につきあってくれる8主に申し訳ないやらやるせないやらでどうしていいかわからないんだけど、奴に話をすると嘘みたいに気持ちが落ち着く。奴が、困りましたねとか言って相づちを打って目が合うと、シンシアがいなくて不安だとか怖いとかどうしようっていうのが全部すっと消えて、奴の声とか手の動きとかそういうものばかりが気になる。8主の手は意外とごつくて、オレはその手が嫌いじゃない。話をしながら、指なげえなとかそいういうことばかり考えている。
なんだか変だと思う。おかしいと思う。
今日も、これから話をしに行く。例のあの外のベンチだ。あそこはもう暗黙の了解で落ち合い場所みたいになっていて、約束の時間が近くなると小走りにそこへ向かっている自分に気付き、嫌になるほど恥ずかしくなる。何してるんだろ。ただあそこにいけば8主がいるってのが、自分にものすごく安心感を与えているらしいのはわかってきた。なんてオレは浅ましいんだろうか。リスクは負いたくない癖に、安心感だけは欲しいなんて。
こんなのおかしいよな。

「よ」
「どうも」
今日も今日とて二人とも時間ぴったりにここへやってきた。顔を見たらなんとなく笑いそうになって、オレは明後日の方向を向いてごまかす。
「その後、どうですか?」
神妙に8主が切り出した。ひざの上に頬杖をついて、指を組む。オレはいつからこんなにこいつの動作を気にするようになったんだ?
「全然。いない」
「そうですか……」
赤いバンダナが、いつもより緩く巻いてあって風になびいている。飛ばされそうで気になって、つい手をのばした。
「お前、これ飛びそう」
言いながら、8主の顔を覗き込む形で頭の両側でバンダナを掴む。何も考えていなかった。奴の髪ごとバンダナを掴み感触を感じて、ものすごく変な顔をしている8主と真正面で目があってから、しまったと思った。
8主は怪訝そうな顔で、オレからバンダナを受け取った。手が、軽く触れた。
「…………すみません」
「あ、いや」
バツが悪いとはこのことだ。奴はオレのことが好きで、オレは期待させるようなことはしないつもりだった。無意識に何してんだろう。あんなに近い距離で、もろに顔を見てしまった。
8主は赤くなったり焦ったりせず、ただ不信な視線をオレによこした。当然だと思った。
「……僕、ちょっともう行きますね」
「ああ……」
バンダナを頭に結び直しながら、奴が立ち上がる。オレは8主の方を見れなかった。シンシアのことはもう、完全に頭から抜け落ちていた。触ってしまった8主の髪とか、一瞬触れた手とか、オレに向けられた見開かれた目とかそういうものが駆け巡っていた。何をしているんだろう。
ちょっと前に言ってた8主の言葉を思い出す。理屈じゃなく、一緒にいたいとか触りたいとか見ていたいと思う。これってなんのことだっけな。

81184のはなし 4:2011/03/06(日) 22:08:56
2 衝動 【8主】

びっくりした。何が起こったのかよくわからなかった。
自分の部屋に逃げるように帰ってきて、僕はベッドにへたり込む。
バンダナを両側から押さえられて、ていうかまずそんなことを4主さんがしようと思ったのが不思議だった。
目が合って、あの人は当然のように僕の顔を見た。全然好きとかそういう感情は含まなかったけど、真正面から僕を見て、僕の表情を見てやっとまずいという顔をした。
なんでそんなに無防備なんだろう。僕が彼をどういうふうに好きかわかってるのかな。少し腹が立った。
本当は、いつだって触りたい。本人の意志がどうであろうと、行けと言われたら飛びついてしまう自信がある。ただ、僕は人として落ちぶれたくない。嫌がる人相手にどうこうしようという気はない。
わかってんだろうか。彼は何を考えているのだろう。ちょっとよくわからなくなった。
考え出すと猛烈にむかついてきて、そもそもあの人は今僕を利用しているとか、なんでちゃんと返事をくれないんだろうとか、ダメならダメでなんで期待を持たすようなことを何回もするのか理解できないとか、不満はいくらでも出てきた。
何がしたいんだろう。僕はその度律儀に振り回されて、いいように使われる。好きだから、会いたいから僕はなんだって尻尾を振って彼のやりたいようにやらせるけど、彼は僕に甘え過ぎじゃないのか。
見返りもないのに、愛想よく彼に合わせている自分が急に空しくなった。可哀想なのは哀れなのはむしろ僕だ。
泣きたくなって、そのままベッドに倒れ込んだ。

ちょうど僕が彼に告白をした日に、シンシアさんは消えた。関係はあるのか偶然なのか。
ずっと好きで、でもだからといって男同士でどうこうする勇気もなくて、でもどうにもできなくなって一人で抱えてるのがバカらしくなって、僕は僕が4主さんを友情じゃなく好きなんだと伝えた。
僕もわざわざ外のあのベンチに呼び出し、嫌々ながらもちゃんと時間通りに来た4主さんの顔を見たら胸がつまった。律儀で、不器用で、どうしようもなく人の良い彼が好きで好きで仕方なくなった。
実際本人を前にしたら全然言葉が出てこなくて、絞り出すみたいに僕はなんとか彼に好きだと告げた。
4主さんは明らかに困ってたけど、一応ありがとうごめんと言って薄く笑った。その顔がまた好きで、見とれ僕は何も言えなくなった。それでいいと思った。僕が彼を好きなことを知ってくれるだけでいい、それ以上は望まない。
人を本気で好きになるのは、こんなに苦しいことなのか。何もいらないから生きていてくれるだけでいいなんて、こんな気持ちがあるなんて知らなかった。何がなんだかわからなくて苦しいけど、それで彼を煩わせたくなくて僕はもう口を噤んだ。
僕らは未だに手さえ触れていない。僕はちょっと触れそうにない。

81284のはなし 5:2011/03/06(日) 22:11:42
3 困惑 【8主】

気が付いたらどっぷり暮れていて、どうやら僕はあのまま眠り込んだらしかった。
8時半すぎ。夕食の時間は一時間以上も前に過ぎている。どうしよう何も残ってなかったら。育ち盛りの男集団なんて飯に関してはただの野獣だ。飯の時間にいない者の取り分は、自動的に他の者の腹に収まる。残飯などはまずありえない。実に合理的でエコ的だ。
まあなくても仕方ない、切なく鳴る腹をなだめるためとりあえず台所へ向かった。
いつもはまだこの時間なら騒がしいはずの台所は、今日は静まり返っていて人の気配がしない。
でも明かりが点いている。誰かはいるみたいだ。ドアから中を覗いたら、4主さんが一人で皿をつついていた。十人掛けの広いテーブルの隅で一人、ぽつりと座っていた。
その姿に、息が詰まった。何で誰もいないの、この人に一人で夕食なんて食べさせちゃダメだ。この時間まで待っても誰も現れずしびれを切らしたのだろう。些細なことだけど、そんなことで一人だと実感させたくはなかった。淋しい気持ちになんてさせたくなかった。全身から滲み出る彼の淋しさに、切なくて苦しくて不甲斐なくて憤りにも似た感情を覚える。
シンシアさん、どこに行ってしまったですか。何でこの人を一人で放っておくんですか。
と思った瞬間、風もないのに台所のドアがけたたましい音をたてて閉まった。人はこれを心霊現象と呼ぶ。なんだか背筋が薄ら寒い。
その音で、4主さんがこちらに振り向いた。目が合った彼はものすごいしかめっつらで、でもなんだか心細げな顔をしていてとても申し訳なくなった。
「……何してんだよ」
不機嫌に僕に声をかける。咄嗟に取り繕おうとしてる4主さんがいじらしくて可愛すぎて、その頭を撫で回してぐちゃぐちゃにしてやりたいと思った。行動に移す勇気もないし実際にやってしまったら歯止めが効かなくなりそうで、そんな衝動は全部想像で終わる。
「……間違えて勢いついちゃって」
僕がやったんじゃないけど。
「一人ですか?」
「ん。みんな出掛けたみたいだな」
今までも二人だったことなんていっぱいあるし、ラッキーとか思ってたけど、今このタイミングではまずい。できれば避けたかった。でも一人にはしたくない。
「……座れば?」
言いながら4主さんが立ち上がる。彼の食事はまだ途中で、僕の分を用意しようとしてくれることに、座ってから気付いた。頭が働かなくて嫌になる。
彼の向かいに腰を下ろしぶんぶんと頭を振っていたら、一式を載せたお盆を持って4主さんが戻って来た。
「犬かよ」
「あ、すみません……」
いつもこんなことしてくれるわけじゃない。さっきの罪悪感から優しいのか、とにかく珍しい彼の態度に面食らう。
「…………大量に、作っちまったんだよな」
ぽつりと決まりが悪そうに呟いて、皿を僕の前に置いた。
「それは……」
返事に困った。殊勝な物言いが、らしくない。
彼はどうやら食欲がないらしく、自分の皿によそった分を持て余していた。つつきはするけど口には運ばない。
そっぽを向きながら行儀悪くスプーンを握り、何も言わず時折僕が食べている様子を伺う。会話は一切なかった。重い沈黙が充満し、僕の食事する音だけが響く。この上なく非常に気まずい。
視線を痛いくらい感じて、緊張しすぎて物を飲み込むのが苦しかった。味なんてわからなかった。
なんなんだこれ、新婚さんか。部屋を包むのは、幸せいっぱいな空気じゃなくてものすごい緊張感だけど。

81384のはなし 6:2011/03/06(日) 22:12:03
必死で飲み下す僕を見ていた彼の目が、ふと止まった。
「おい」
呼ばれて顔を上げたら、彼の手が伸びてきて僕の頬に付いていたらしき米粒をつまんだ。
う、わー………………。
さすがにそれは即行でティッシュで拭われたけど、僕はもうそれどころじゃなかった。顔が赤くなるのがわかった。やばい、そんな子供っぽいとこ見られて、しかも取ってもらって恥ずかしくて彼の顔が見られない。
おかしい。絶対に彼は何かおかしい。なんなんだこの幸せラッシュは。ときめき死にしてしまいそうだ。
「ガキだな」
そう言って鼻で笑う4主さんは、うっすら楽しそうだ。おかしい、いつも僕が彼をからかって逆上させるのに、これじゃ立場が逆だ。
僕はまだ混乱の真っ只中で、返す憎まれ口が出てこない。いつまでも黙り込んで様子がおかしい僕を訝しんで、彼が僕を呼んだ。
「8主」
「わーっ!ちょっと待って!」
「は?」
「すみません、ちょっと、僕、あの……」
「?」
「……期待します、そういうことをされると」
4主さんが、あ、という顔をした。みるみるうちに彼の顔が赤く染まった。その反応って何なんだろう。ここのところ本当に彼がわからない。
額を押さえて4主さんが真っ赤になりながら、聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。
「……完全に、無意識だった」
「無意識……」
「さっきのも。……おかしいなオレ……」
それは確かだったので否定しなかった。彼の中で一体何が起こってるんだろう。
「悪い、オレもう寝るわ。片付け……」
「あ、ああ、……やっときます」
「おお頼む」
ふらふらと立ち上がり、ドアや壁にぶつかりながら4主さんは台所から出て行った。一人残されて僕は盛大に息を吐き出した。呼吸するのもも苦しかった。触れられた頬がそこだけ熱を持ってじんわり熱い。否が応にも意識してしまって叫び出したくなった。
最近さんといると疲れる。今みたいな無意識な彼の態度に、いちいち舞い上がったり打ちのめされたり浮き沈みが激しくてとても消耗する。更に困るのは、僕はそれが嫌じゃないことだ。
好きな相手を振り回すのは楽しい。でも振り回されるのは正直もっと楽しくて、つい期待してしまう。
僕はテーブルに突っ伏した。恋ってこんなに面倒臭くて格好悪くて苦しいものだっけ。触れられただけで赤くなったり、そんな柄じゃないのに全然うまくできないしコントロールが効かない。
残された二人分の食器が今の出来事を強調してるようで、僕はそれをなるべく見ずに乱暴に流しに突っ込んだ。

81484のはなし 7:2011/03/06(日) 22:12:48
4 自覚 【4主】

昨日の今日で気が重い。でも行かないのは、感じが悪い。約束の時間はもうあと10分までに迫っている。
昨日の失態は、今思い返しても自分らしくなかった。でも深い意味なんてまったくなくて、飛ばされそうとか米ついてるとか思ったから動いただけだ。これが他の奴で、例えば2主だったとしても自分は動いただろう。なぜ相手が変わるだけで、そこに含まれる意味も変わってくるのか。なぜ8主相手だと、あんなにも気まずくなるんだろう。
答えは一つ、奴がオレを好きでしかもフラれてるからだ。そういうのいちいち気にして行動してられるか。バカらしくて蹴りを入れてやりたくなる。
しかし、なぜオレは突然奴にそんなことナチュラルにしちゃってんだ?わからないのはそこだ。そしてなぜその一瞬を思い出すと、ちょっと待て!!と自分に言いたくなる程恥ずかしいのに、何度も何度も頭の中で反芻してるんだ?どっちも一瞬の出来事なのに、スローモーションみたいに焼き付いて離れない。嫌に色が鮮やかで、奴の服が目にうるさい。
そんなことをウダウダ考えてる間に、時間が来てしまった。ああ、行かなきゃ。あの赤いバンダナがオレを待ってる。忠犬みたいにひたすら奴は待つだろう。どうしようもなく、たまらない気持ちになった。

いつも通り二人して並んでベンチに座るが、一向に会話が続かない。ていうか話がない。お互い黙り尽くして下を向いている。気がつけば以前より座る位置が近くて、オレが腕を組み替えると8主の腕に当たる。その度に心臓が跳ね上がる。ものすごく緊張している。何だって奴相手にこんなに緊張してるんだろう。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「…………なあ」
沈黙に耐え兼ねてついにオレが声をかけたら、奴が息を吸い込みそれが器官に入ったらしく、思いきりむせた。
「ぶはっげほっ」
「おおっ何だ大丈夫か!?」
「ごほっ…………すみません、なんか、あの」
「なんか?」
一瞬間を置いて、涙目の8主が言いにくそうに口を開く。
「なんか緊張して……」
奴は言うや否や背中を丸め、頭を抱え込んで顔を腕で覆った。
仕方ないので、まだむせているその背中をさすってやる。痩せて筋ばった背中で、骨の感触がした。
あまりに情けない姿だったので、オレは気が抜けてしまった。
二人して同じように緊張してたことにも、なんだか安心した。オレだけじゃなくてよかった。
だから、つい気を抜きすぎたんだと思う。ガードがなくなると、自分でも思ってもみなかったことが口をついて出ることって本当にある。それで初めて知るのだ、心の奥底で無意識に望んでいた本音を。

81584のはなし 8:2011/03/06(日) 22:13:12
お互い緊張が解けしばらく無駄話をして、やっといつものペースに戻ったところで、なんとなく聞いてみようという気になった。
オレとの唯一の共通点。その体に流れる、人間じゃないものの血についてだ。同じような境遇でありながら、オレ達はそれについて話をしたことはなかった。オレは意識して避けていた。して楽しい話じゃないし、傷を舐め合うのは御免だ。
ただふと、奴の考えを聞いてみたいと思った。
「お前はさ、先のこととか考えるか?」
「先のことって?」
「オレもお前も、たぶん半端なく長生きだろ。今の仲間がみんな、先に死んで誰もいなくなった時のこと」
「えー……」
8主はものすごく意外そうな、不思議な顔をした。そして実にあっけらかんと言い放った。
「考えてどうするんですか?」
「え?」
「だって、別に竜神里の人もいるし、僕の世界に長生きな人もチラホラいるし、別に何がどうってことはないんじゃないですか?」
「…………」
「みんなが先に死んじゃうのは悲しいけど……まあ僕が最期を看取ってあげられるし」
「看取る…………」
「いなくなっちゃうのはどうすることもできないし、いなくなった分、仲間を作れば淋しくないと思うんです」
「…………」
「しかも4主さんもいて、楽し……いやいや、退屈しなそうじゃないですか」
「……………………」
想像もしてなかった答えだった。オレは一人残された後、どう生きていくのか不安で不安でたまらなかったのに、奴の考えは不安なんて微塵もないシンプルで楽天的ものだった。それでいいのか?オレが考え過ぎなんだろうか。
うらやましくて、少し焦がれた。なんて強くてしなやかな生き方なんだろう。そんな風に考えることもできるのかと、目からウロコが落ちた。オレもそういう考え方ができてたら何かが変わっただろうか。
「……僕は、4主さんと一緒にいれたらいいなと思ってます」
8主が急に真剣な口調でそんなことを言い出した。
「…………」
勘弁してくれ、このタイミングでそんなことを言うなよ。オレもそうだったらいいなと思ってしまった。それを認めたくなくて、全力で否定しなきゃと思った。
「…………じょーだんじゃない」
「…………」
「だから好きだとか、そうういうのやめようぜ」
8主が明らかに不機嫌な顔になった。オレは、このまま奴に諦めさせるつもりだった。だってオレたち、男同士だ。バカげてる。何ができると言うんだ。
だったらこのままでいる方がいいじゃないか。それの方が、当たり前にずっと……。
「好きで、つきあって、ダメになったらずっと一緒にいられないじゃんか、よ…………」
あれ?
今、なんか、サラっとすごく重大なことを、口走ったような…………。
あれ?え?
……………………。
頭の中も、視界も一瞬真っ白になった。
オレは今何を言った?
……………………。
8主も固まっている。風が、一斉に、吹いた。

「わーーーー!!」
「わーーーー!!」
叫んだのは同時だった。
オレは8主の顔も見ずに一目散にそこから走って逃げた。8主はよく見えなかったけど、たぶん動かなかった。
何言ってるんだ。何考えてるんだ。
あんなの。
あんなの、まるでプロポーズじゃないか。
知らなかった。気付かなかった。最高にバカじゃないかオレ。なんてことだ。
オレ、8主が好きなんだ。
ずっと一緒にいたいんだ。だから、今のままでいたかったんだ。なんつー鈍さなんだろう。でも今、はっきりと言葉で自覚した。
なんだかもう、何もかも投げ出したくなった。心穏やかに生きていきたいのに、8主が嵐のように波紋を落とす。オレはそれに怒ったり傷ついたりはしゃいだりして、平穏なんて夢のまた夢だ。これはひどく疲れるけど、死ぬほど心地がいい。
もうごまかせなくなってしまった。8主からも自分の気持ちからも逃げられない。覚悟を決めなければいけない。
吹き荒れるその嵐の中に身を投じる、覚悟を。

81684のはなし 9:2011/03/06(日) 22:14:46
5 終わりと始まり 【4主】

夕食の時間になっても、風呂の時間になっても8主が降りてこない。
他の奴らは特に気にもせず、思い思いに散りもう寝静まった。オレは8主の部屋の前にいる。
軽くノックをしてみた。返事がない。思いきってドアノブを回したら、カギはかかっていなかったらしくあっさり開いた。
「8主」
ベッドの端で、もぞもぞ動く物体があった。毛布にくるまって奴はぐっすり寝ていた。いい身分だな!と思ったが、何も言わずオレもベッドに腰を降ろす。
部屋をぐるりと見回してから、改めて汚い部屋だと思って思わず苦笑の声が漏れる。
毛布から見える奴の髪の毛がごわごわで、さっき触ったその感触を思い出した。
「……8主、オレさ」
独り言のつもりだった。誰も、聞いてなくていいと思った。ぽつりと本音を吐き出す。
「話をしてる時、ずっとお前の手を見てて」
ずっとお前の手を見ながら思ってたんだ。おかしいかもしれないけど。
「思ったんだ。オレ、おかしいよな」
毛布からはみ出ている、8主の右手を見る。ゆるく握られていて、骨張ってる痩せた手。
「……その手に触ってみたいなんて」


【8主】
誰か部屋に入ってきた音で、目が覚めた。僕はあのまま眠り込んだらしい。この子供体質に少し呆れつつ、眠い目を擦る。
「8主」
4主さんの声だった。彼はゆっくりとベッドの対岸に座り、僕の方をみて声を漏らして苦笑した。
あまりの恥ずかしさに僕はもう狸寝入りを決め込んだ。どうせ僕は子供っぽくて頼りないよ。
「……8主、オレさ」
4主さんがぽつりと言う。最初、僕が起きてることをわかってるのかと思ったが、どうやらそうではなさそうだった。いつもよりすごく声が優しい。そうだこの人、本当は優しい人なのに。
「話をしてる時、ずっとお前の手を見てて」
僕の手?右手が毛布からはみ出てて、意識して動かさないように注意する。妙に緊張する。
「思ったんだ。オレ、おかしいよな」
何がおかしいいんだろう。でもなんだか慈しむような優しい声が、耳に残って僕はずっとこの声を聞いていたいと思った。
「……その手に触ってみたいなんて」

81784のはなし 10:2011/03/06(日) 22:15:06
耳を疑った。言葉が出なかったけど瞬間思わず僕は起き上がってしまって、マンガのように飛び上がって驚いた4主さんがそのまま床に崩れ落ちた。
「なっ!え!!……ええー!?」
「よっ4主さん!あのー!」
立ち上がれないまま後ずさる4主さんに、僕は詰め寄った。もう正気じゃなかった。理性なんて完全に失っていたた。
「いっ今の!あの!」
「いやいやいやいや!!うそうそ!マジ嘘だから!」
言いながら必死で顔を隠す4主さんまであと50センチくらいのところまで、僕はにじり寄る。壁際に彼を追い詰めて、覆い被さるように両手を掴んだ。なんとなく支配欲が満足して、僕はその気があったんだなとか頭の片隅で思う。
「……こっちを見て」
「…………いやだ」
「4主さん!今の、なんですか!」
「嘘だって!間違いだから!」
「確かにこの耳で聞いちゃったんですが!」
「なんで聞いてんだよ!狸寝入りとかマジ感じわりいよ!」
「最初は本当に寝てたんです!」
「理由にならねえ!!」
何がなんでも顔を見せたくないらしい4主さんが、身をよじってうつ伏せになろうとする。僕は彼に馬乗りになって全力でそれを阻止する。掴んだ両腕をがっちり握って、上に引き上げる。
「いたいって!お前!」
「意地っ張りな人にはっおしおきです!」
「ふざけんな!殺すぞ!」
「殺せばいい!どうせ!」
言いながら、僕は泣きそうになった。なぜここまで嫌がられて否定されてるんだろう。なんだか何をしても報われない自分が哀れで、いっそこのままやることやっちゃえばいいと思った。4主さんの意志なんてどうでもいい。嫌がって泣けばいい。僕をいいように振り回してきた罰だ。
思いながら、また涙が出た。後悔して泣く自分をリアルに見てしまった。どうしてこう、何もかもうまくいかないんだろう。
「…………8主」
今度は僕が顔を隠す番だった。込み上げてくる涙が止められなくて、掴んでいた彼の両手を離し僕は僕の顔を隠した。
「8主、ごめん」
4主さんに馬乗りになりながら、僕は嗚咽を漏らして泣いた。今彼にしてしまった暴力や、自分の浅ましさに打ちのめされた。好きだけでそれ以上望まないって思ってたのに、そこからなんて遠いところに自分は今いるんだろう。なぜ好きだけじゃダメで、それより深いことを望むのか。
4主さんが身を起こしてそっと僕の両腕に触れる。
「4主、さん」
しゃくりあげながら彼を呼んだ。
「うん」
「僕、は、あなたが好きだ」
「うん」
「だから、僕ができることは、全部、してあげたいって思った」
思ってた。自分ができることは、全部惜しみなく彼に与えてあげればいいと思った。
「でも、気がついたら、僕はあなたからの見返りを期待してる」
こっちが好きで勝手にやってることで、4主さんが望んだことじゃないのに、やってあげたことに対して見返りを望んでいる。最低なことだと思う。
「そんな自分が嫌で、でも4主さんは僕を否定したり期待させたりするから、僕もだんだんわからなくなってきて」
「ごめん8主。違うんだって」
「だんだん本当に好きなのか、もうただの執着なのかわからなくなってきて……」
「ごめん、な」
彼のおでこと僕のおでこがぶつかった。そんなに近い距離に顔がきてることに気がつかなくて、顔を上げたら唇が一瞬ぶつかった。
「え…………」
「あ、わり」
頭が真っ白になった。4主さんも意図してなかったことらしく、謝ってからものすごく焦って顔を離した。
「……………………」
「……………………」
気まずくてお互いしばらく黙り込んだ。今の、どう思ったんだろう。4主さんの様子を伺おうと思ってちらっと視線を上げたら、同じように僕を覗き込んだ彼とばっちり目が合って、確信した。
お互い、今のキスもどきでもう完全に友情の域を超えたことを理解した。だって僕はもっとキスしたいと思ったし、彼もたぶん同じ気持ちだと思う。こんなんじゃ全然満足できない。
「4主さん」
「…………」
何も答えないのが答えなんだと勝手に解釈して、僕は意を決して手を伸ばした。
首筋にかかる髪を、ゆっくりと払いながら首に触れる。僕が息を飲んだら4主さんも飲んで、なんだか笑ってしまう。緊張しすぎてどうにかなりそうで息を止める。
彼は目を伏せていて、緑色の睫が影を作る。吸い寄せられるようにまぶたに触れた。くすぐったそうに彼が苦笑して、それが可愛過ぎて嫌になった。なんなんだ、突然降って湧いた幸せに目が眩む。
4主さんはずっと何も言わなかった。一回目を閉じて、僕を見た。
友情の終わりと、始まった何かを感じた。今度は触れるだけじゃないキスをした。

81884のはなし 11:2011/03/06(日) 22:17:47
※性描写が含まれています。苦手な方は飛ばして下さいませ。

6 ネイキッド 【4主】

8主の舌が口の中に入って来て、好き勝手に口内を荒らす。嵐みたいに、何回も何回も角度を変えて、飽きる事なくキスが続く。息が続かないと思ったけど8主は全然平気そうで、負けたくなくてオレも平気なふりをする。
やっと離れていったと思ったら今度は首筋にキスをされて、声が出そうになった。
ゆっくりと上体を押され、完全に奴に組み敷かれた状態になる。せめてベッドの上でと思ったけど、お互いにそんな余裕はなかった。奴の体重を感じて、なんとなく落ち着かない気持ちになる。奴の首筋は日の匂いと汗の匂いが混じった匂いがして、でも嫌いじゃなかった。
オレの耳をなめながら、手をオレの上着にかける。ちょっと待てと言いたくなってでも意地で言葉を飲み込んだ。奴の手が上着の中で滑り、最初はためらいがちに、次第に無遠慮にオレの体をまさぐり思わず息が漏れた。
「ん……」
「ダメ?」
耳元で奴が囁いたその声だけで、どうにかなりそうだと思った。なんて声だ。聞いたこともないような甘くて熱っぽい声。語尾が粘る。
一人で冷静を保とうとしてる自分がバカらしくなって、もう雰囲気に酔ってしまおうと思った。こんなのはきっと酔ったもん勝ちだろう。だから、サービスで言ってやろうという気になった。
「8主」
「ん?」
「……お前がオレにしたかったこと、全部やっていいから」
「…………」
8主はがっくりうなだれて黙ってしまった。なんか失敗したかなと思って顔を覗き込んだら、真っ赤になってしつこくオレの視線を避けようとする。さすがに調子に乗りすぎたかと訂正しようとした時、やっと奴が口を開いた。
「夢かなこれ……」
「は?」
「なんかもう嬉しすぎて、死にそう」
そう言った奴が胸が詰まるほど可愛くて、思わずオレは奴の首にしがみついた。そのまま奴の乱れた頭にのっかっていたバンダナを外してやる。
上着をたくしあげられて脱がされそうになって、腰骨が直に床にあたって痛いなと思って床を見たら、8主がやっと気がついて申し訳無さそうな顔をして、ひどく焦りながら上着を丁寧に戻した。
「すみません、ベッドに行きましょう……」
「あ、ああ……」
立ち上がって促されるままベッドへ行こうとすると、また8主が何かに気付いたらしく慌ただしく部屋を出ようとした。
「何!」
「あ、あの!だって何か潤滑油とかないと痛いと思うんですけど……」
「潤滑油?」
どうせオレは初めてでそっち方面の知識なんて薄い。奴の言う通りに任せようと思った。

81984のはなし 12:2011/03/06(日) 22:18:19
※性描写が含まれています。苦手な方は飛ばして下さいませ。

一人残されて、ベッドの中で待ってるのもなんだかなと思って、オレはベッドの端っこに腰を降ろす。落ち着かなくて、好きにされるのを待ってるオレが気恥ずかしくてこのまま逃げてしまいたいと思った。自分の吐いた息が熱くてびっくりする。
五分もしないうちに8主が謎の小瓶を持って戻ってきて、残念なようなほっとしたような気分になった。
8主も座ってるオレを見て、なんとも言えない顔をした。
「それ……」
「なんか風呂場にあったんですけど、たぶん3女さんか4女さんのマッサージオイルみたいの」
「そんなん使ってんのかあいつら」
「まあ女性ですから……」
そういう、セックスするにあたって直接的な物が用意されて、なんだか本当にもう戻れないところにきたなと思う。一線を超えてしまったら本当にもう誤魔化すことはできない。
「……いなくなってるかと、ちょっと思った」
8主がぽつりと言った。オレも逃げようかと思ったとは言わないでおいた。
ここからまた仕切り直しなんて、ひどく馬鹿げていてバツが悪すぎて顔が見られないと思ったけど、奴は同じようにオレにのしかかり、押さえ込むように上からキスをくれる。思わず目を強くつぶったら、8主が息を漏らして笑った。
「へへ」
「……何それ」
自分の黄色い上着を乱暴に脱ぎながら、奴は笑っていた。
「……すごい、緊張してます」
「なんで?お前、別に始めてじゃないんだろ」
よっぽどオレの方がと言いかけて、奴の顔を見て二の句をつなぐのをやめた。そんな嬉しそうな顔しないでくれ。やめてくれよ、オレなんてそんなお前が思ってるほど大層なもんじゃないだろ。
言葉が出なくなって、オレは8主の肩に額を押し付けた。
今度は一気に上着を脱がされ、驚く間もなくまたキスが降ってくる。それに応えようとして、無意識に奴のシャツを強く握りしめる。奴はそこで初めて気がついたみたいに、自分のシャツを急いで脱いだ。そのままブーツとズボンを脱ぎ、少し躊躇ってから下着も脱ぐ。裸になった奴は、華奢だと思ってたけどこそまでじゃなくて、ちゃんと筋肉のついている細身の体つきをしていた。
オレも自分で脱いだ方がいいのかと思ってブーツに手をかけたら、奴がもう片方のブーツを脱がし、オレの肩に軽く歯を立てた。
「いてっ」
突然の奇行にびっくりして呆気に取られていたら、その隙に下着ごと全部脱がされた。なんなんだ。奴はいたずらっ子みたいな顔でにやついている。
「かわいい」
「…………むかつく」
こいつはこういう奴だった。いつだって主導権を握ろうとして勝手に暴走して失敗してオレの神経を逆撫でする。アホか学習しろと思うけど、いつまでも同じことを繰り返して失敗する8主を、馬鹿な子ほどかわいいと思ったことがあるなんて口が裂けても言わない。
奴のことなんか、オレは知ってるつもりで全然何も知らない。どんなことで喜んで、どんなことで泣くのかなんて興味もなかった。今は、何をしたらこいつは笑うんだろうと必死で考えてる。こんなオレなんて頭からまるごとくれてやる。だからもっとお前のことを教えてくれよ。
裸で抱き合うと体温が直に伝わってきて、今までよりもっと近くに感じた。どうしようもなくなって噛み付くみたいに8主にキスをした。

82084のはなし 13:2011/03/06(日) 22:18:56
7 再会 【4主】

目が覚めて、見なれない天井で一瞬驚いてから、状況を理解する。明け方で、カーテンの端からうっすら光が漏れている。黄色くて白い朝の光。部屋の中はグレーで、静まり返っていて少し冷たい。
隣には8主がいびきをかいて寝ていて、いつだって同じペースで無礼なこいつを見ていると安心する。シリアスになりきれなくてオレを泣かそうとして勢いあまって自分で泣いてしまう8主が、たぶん長いことオレは好きだったんだろう。自分でも気がつかないくらい緩やかに、低温火傷みたいにじっくりと8主の熱にやられ、オレはもう何もかも8主に許した。
与えることも与えられることも、優しくすることも優しくされることも。行為自体は痛すぎて何がなんだかわからなかった。ただ8主の手や声や唇の感触とかがいちいち嫌になるほど優しくて、大事にしようとしてくれてることだけはわかった。それで十分だと思った。
いろいろなことが、変わってきている。そういう流れなんだろう。
カーテンから漏れる光が、色を増した。
何があっても人としての自分を捨てられなかった。一番幸せだった時、一番辛かった時、愛や強さを教えてくれたのは人だった。だから、自分も人でありたかった。彼等と同じように太く短くそして強く、一瞬の閃光みたいに生きて死にたいと望んだ。
しかしどうやらそれは叶わなそうで、天空人でもなく人にもなりきれず長い間居場所を探していた。どこにいっても後ろめたさや疎外感を感じて、子供の頃のように何も考えず堂々と当たり前に生きられる場所を探して求めていた。
同時に、この先の気が遠くなるほど長い時間をオレは一人で生きていくんだなと、ぼんやりと考えていた。シンシアもいなくなった今、天空人の血の入ったオレと時間を共有できる人間なんているはずがない。
先は長過ぎて見えなさ過ぎて、不安なのかどうなのかもわからなかった。そこに現れたのが、同じように人外の血を半分持っている8主だった。
渡りに船、みたいな感じだったんだと思う。きっと無意識に、オレ達はずっと一緒にいられる存在を探していたんだろう。初めて会った時から、なぜか目が追わずにはいられなくて、その赤いバンダナをいつも探した。シンシアを裏切ろうとしている自分が許せなくて、気付かない振りをしてきた。
でもずっと好きだったんだ。

光が漏れているカーテンを、そっと開けてみた。
言葉を失った。色の洪水みたいな、圧倒的な光がそこにはあった。色とりどりの極彩色の光たち。刺すように強くてでも優しく自分を包む、昔は当たり前に見えていた光だ。
そうだ、ずっと忘れていた。モノクロの世界を生きていた。世界はこんなに美しかった。失われてから長い間つよく切望していたのに、そのことすら忘れていた。
ずっとここにあったのに、見えていなかった。何もかも失ったあの日、この気持ちも亡くした。世界はあの頃と同じように美しくて優しかったのに、拒んでいたのは自分だった。全てが終わってからも、自分のせいで失われた人達に対して、自分だけ自分のために光の世界で生きていくのが後ろめたくてとても辛くて、ずっと背を向けて目隠しをしていた。
自分の役目は終わったのに、自分はなぜ終わらないのか、まるで罰みたいに生かされているのか、その意味をあれから長く考えていた。
今度は自分で選んだ道を自分のためだけに自由に行けるのに、それを追放や黙殺のように捉えていた。身一つで投げ出されたのだと思っていた。
与えられたのは罰じゃなくて自由だった。
今初めて、感謝したくなった。再びこの景色を見れたことに、生かされたことに、そして8主に。
あれから一人で生きてきたつもりだった。でも本当はいつだって守られていた。何ひとつ、優しくないものなんてなかった。
ごめん。ありがとう。何を言っても言葉では足りなくて、感情が渦みたいに溢れ出して息を飲んだ。
涙が止まらなかった。

「シンシア」
こんなところにいたんだね。やっと会えたね。
ごめんね、今までありがとう。もう、君がいなくても大丈夫だよ。
生きていくからちゃんと。
一緒にいてくれてありがとう。
オレは、君のことも、ずっと好きだったよ。
君がオレのことを好きでいてくれたことも、ちゃんとわかってたよ。
一生に大事に持っておくね。ありがとう。
シンシアは、今までで一番きれいで美しくて笑顔だった。

82184のはなし 14ラスト:2011/03/06(日) 22:19:58
8 愛にすべてを 【8主】

起きた時、そこに寝てるのは僕一人だった。起きぬけに抱きしめるとか、目覚めのキスとかしたかったのに全然ムードのかけらもなく、4主さんは今日も早起きだった。
起こしてくれればいいのに。こんな朝なのに、別にどうでもいいのかな。なんだか僕だけ浮かれてて淋しい。
しぶしぶ身を起こして、なぜか畳まれてまとめられている服を着る。確かその辺に焦って脱ぎ捨てたやつで、4主さんが拾って畳んだのかと思うと異常に恥ずかしくなった。マメな男となんて付き合うもんじゃない。
昨日の色々で乱れた部屋の箇所は全部きれいに整えられていて、まるごと夢だったと言われれば信じてしまいそうだった。そんなに証拠隠滅したいかと疑いたくなる。
後悔してたらどうしよう。
昨日の出来事を証明するものはもう何もなくて、でも僕は彼の声や熱を覚えていて、思い出しては苦しくなりそうだった。最中、僕はずっと彼の睫の生え際や眉間や口元を見ていて、何も言わない4主さんの反応をそれらの微妙な変化で判断するしかなかった。やっぱり相当痛かったみたいだけど、必死で我慢して僕を受け入れようとする彼に胸が詰まった。
与えることや優しくすることはそんなに難しいことじゃない。難しいのはそれを維持していくことだ。彼の警戒心が解けた。僕はその信頼を無くさないように、大事にしよう。
大丈夫、僕はいなくならない。突然嘘のように消えたりなんかしない。
だから安心していい。安心して僕を好きになっていい。大丈夫だからもう、大事な人を持つのを怖がらなくていい。
なんだか泣きたくなった。奪われてしまったものにいつまでも捕われている彼が、小動物のようにうずくまって身を守るしかなかった彼が、今やっと過去になろうとしている。痛々しいその姿をもう見なくて済む。
やっと夜が明けたような、やっと日の光を見たような気分だった。
心の底から祈った。彼と、僕の未来を。

朝から騒がしいキッチンに行くといつもの面子が食卓を囲んでいて、本当に飯を食ってるだけなのかと言いたくなるほど激しいアクションを繰り広げていた。あまりに日常すぎて気が抜けた。
何があったって日常は変わらなくて、そのことに死ぬほど安心する。
その輪の中で、4主さんはうるせーとか言いながら乱暴にコーヒーを注いでいた。
食卓にはきちんと人数分の朝食が並べられていて、こんな日くらい他の人の飯とかどーでもいーじゃないですかと思ったが、彼には譲れぬ問題なんだろう。
キッチンに入ろうとした時、顔を上げた彼と目が合った。あ。僕は一瞬頭が真っ白になって反応が遅れた。
彼は微かに笑った。
その顔を見て、なんとなくもう全部ふっきれたのかなと思った。とりあえずあれでよかったみたいだ。初めて見る穏やかな顔だったから、見なれなくて変な感じがした。
僕も思わず笑顔を返した。
これから楽しいこと、僕といっぱいしよう。もういいって言うくらい退屈しない毎日を送ろう。
嫌になるくらい一緒にいよう。何度だって喧嘩しよう。僕はあなたのために悩むことなんか全然構わない。悩み疲れても平気。
「おっせーよ!」
4主さんが声を張り上げた。隠し切れない笑みが、照れと混じって動揺したらしく思い切りコーヒーをこぼしていた。僕もにやけるのが止められなくて、反射的に憎まれ口を叩いた。
「鳥さんみたいに朝日と同時には起きられませんから!」
「なんだと!表出ろ!」
「望むところです!」
言い合いながら二人して外へ駆け出した。どちらともなく手を伸ばして、僕ら手をつないだ。
顔を見合わせて笑いあった。意味がわからないくらい気持ちが高揚して、目に見えるものすべてが大事で美しく見えた。むせかえるような光に溢れていて全部がキラキラしていた。
隣で屈託なく笑う彼に、抱きしめて百万回でもキスしよう。繋いだ手を二度と離さないように大切に握り締めた。

おしまい

822名無しの勇者:2011/03/07(月) 21:16:58
>>808

ちょ…待ってくれ…
こんな一気に萌えさせないでくれ…!
GJ!そしてごちそうさま!!

823名無しの勇者:2011/03/08(火) 00:46:23
萌えすぎてベッドから落ちた

824名無しの勇者:2011/03/17(木) 00:06:08
>>808
久々に覗いてみたら素晴らしい84が
不器用で手探りな二人にひたすら萌えましたGJ!

82584中心オールキャラ 1/3:2011/03/20(日) 21:57:49
超監督4女


8主「4主さん、僕がツンデレ属性なのは知っていますよね?」
4主「あぁ、なんかそうらしいな」
8主「だから、いつも素直になれないんですけど・・・
   今日は4主さんに伝えたいことがあるんです」
4主「伝えたいこと・・・?」
8主「はい。僕は・・・ずっと前から4主さんのことが・・・」
4主「俺の、ことが・・・?」
8主「・・・・・・ウェッ」
4主「・・・・・・ウエェェエエ」


『はい、カァーーット』


4女「ちょっとぉ!早く次の台詞言ってよ!」
8主「いやいやいや、無理ですって!見てくださいよこの鳥肌。
こんなん続けてたら4主さんみたいになっちゃいますよ」
4主「表出ろこのクソ竜。見ろ!俺のこの蕁麻疹を!」
4女「もう!またすぐ喧嘩して!主演二人がそんなんじゃ撮影がうまくいかないじゃない!
   真面目にやってよね!」

4・8主『いや、無理!!』

4女「困ったわねぇ・・・」
8主「だいたい、BLってなんですか、BLって」
4女「ボーイズラブよ!今流行ってんのよ、主に私らの中でw」
4主「お前らの中でかよwwwテラ迷惑wwwwww」
4女「うるさいわねぇ。大体、一度引き受けた仕事をそう簡単に投げ出すのはよくないわ!
ねぇ、3女ちゃん!」
3女「・・・まあ、男らしくはないな、うん」
8主「・・・3女さんもハマってるんですか?その、BLに・・・」
3女「いや、アタシは興味ないって言ったんだけど、4女が無理やり・・・!」
4女「でも、面白かったんだよねー?」
3女「まあ、うん・・・」
4女「こんだけ野郎どもがそろってる宿舎だもん、
やっぱBLストーリーのひとつやふたつあってもいいじゃない?」
4主「野郎どもがそろってるってだけでBLな世界が溢れてたらまずいと思うぞ、jk」
4女「もう、さっきからうっさいわねぇ!次が控えてんだからさっさと済ますわよ!」
4主「次って・・・俺らのほかにも哀れな犠牲者が?」
4女「モチのロンよ!5主による1主と2主の調教ものと、
6主と7主の兄弟設定ものを予定してるわ」
3女「男3主は編集を頼んであるから、今回は出演はなしだ」

4・8主『・・・・・・・・・('A`)』

82684中心オールキャラ 2/3:2011/03/20(日) 21:59:12
4主「えー・・・とりあえず、男ども全員集合」
8主「皆さん何でこの話を引き受けたのかkwsk」

5主「僕は、妻二人にも見てみたいって言われたしなぁ。
それに人でも魔物でも優しく調教するのは慣れてるしね」
4主「なんか今最後にサラリとすごいこと言ったな。じゃあ次は1主」
1主「俺はローラに『楽しみにしておりますわ、ぽっ』って言われてさ・・・。
  『はい・いいえ』の無限ループするという選択肢すら与えて貰えなかった('A`)」
8主「・・・無限ループがないっていうのが必ずしも良いってわけじゃないんですねぇ。
じゃあ、次は2主さん」
2主「俺はご先祖に頼まれたからな!
びーえるってなにかよくわからないけど、ムーンも応援してくれてたしがんばるぞ!」
4主「・・・まあ、俺もシンシアちゃんに頼まれて、BLの意味も分からず引き受けちゃったしな・・・」
8主「そうなんですよね。実は僕もミーちゃんに頼まれて(ry」
  (まあ本当はどさくさに紛れて4主さんにあんなことやそんなこと
   ギシギシアンアンイヤンソコハダメヨバカーンってできると思って引き受けたんですけどね(・∀・)ニヤニヤ)

4主「ん?なんか今寒気が・・・まぁいい。じゃあ次は6主」
6主「俺はおにいちゃんとして妹の頼みは断るわけにはいかないからな!」
8主「妹の頼みとあれば、BLだろうと何だろうと引き受ける6主さんはおにいちゃんの鏡ですね。
   えぇと、7主さんは?」
7主「僕はマリベルに『アンタも参加してみたらどう?べ、別に私が見たいってわけじゃないんだからね!』
  って言われたからなんだけど、たまにはこういうお尻が痛そうなプレイもいいかなって。ハァハァ」
4主「MはBLすら受け入れるのか・・・?んで、今回安全圏にいる3主は?」
3主「どこが安全圏だよ!3女と4女のGLものならともかく、
   何が楽しくて俺のPCでお前らのBL編集せにゃならんのだ!コレハアラテノイジメデスカ…?」
8主「確かに、そういう意味では安全圏からは程遠いどころか
   PCの中はブラクラまみれで悲惨ですねw」

82784中心オールキャラ 3/3:2011/03/20(日) 21:59:48
4女「はいはい、休憩おしまい!さっさと再開しないと
   告白シーンから3段飛ばししていきなりベットシーンのとこやらすわよ!?」
4主「おまwwwそんなシーンまで撮るつもりだったのか」
4女「当たり前でしょ!つーか、むしろそこが本番ですからwww」
4主「悪いがそこまでは付き合いきれんな。おい、8主。
   いつまでもこんな阿呆なことに付き合ってないで帰るぞ」
4女「ちょっとぉ!途中で帰る気!?」
4主「当たり前だ!ほれ、8主行くぞ!」
8主「・・・4主さん」
4主「ん?なんだ?」
8主「僕はやっぱり物事を途中で放り投げるのはよくないと思うんですよ(・∀・)ニコニコ」
4主「はぁ!?」
8主「4女さん、次はベットシーンでしたよね。
   ・・・はい、4主さん、暴れないでくださいねー」
4主「おい!こら!!8主てめぇ何考えてやがるっ!」
8主「大丈夫ですよ、僕はゴッドランサーと呼ばれている男ですよ?
   下のヤリの方のテクにも自信があります('∀`)b☆」
4主「意味がわからないし笑えない!
   いいからその当たっとるもんをどうにかしてくれ!」
8主「うん、それ無理!・・・ですよ、っと」
4主「わっ、ばかっ!どこ触って・・・ぁ、ん・・・っ」

4女「やればできるじゃない、アンタたち!さあこの調子で『ガンガンいくわよ!』」

8主「イエッサー☆」
4主「・・・モウオヨメニイケナイヨシンシアチャンクスン」




3主「えー・・・最後にこれだけは入れさせてもらうぞ。
 
  『この物語はフィクションであり実在する人物、団体、事件、
   その他の固有名詞や現象などとはなんの関係もありません。嘘っぱちです。
   どっか似ていたとしてもそれはたまたま偶然です。他人のそら似です。』

  ・・・これでよし・・・か?」

828825:2011/03/20(日) 22:03:40
久しぶりに覗いたら再燃したのでちょっと投下。
9が発売される前に書いたネタなのでちょっと色々
おかしなところがあるかもしれませんが
そこは広い心でみてやって下さい。

>>808さんちょう萌えました!

829名無しの勇者:2011/03/23(水) 19:04:48
>>825
嫁にいけない4主さんには、むしろ婿の方から来ると思います。
賑やかで楽しかったよ、乙でした

830名無しの勇者:2011/04/02(土) 04:50:20
>>808-821
萌えとか通り越して号泣した
もう、ただただ幸せになってくれとしか

>>825
とりあえず最後の3主のフォロー(?)に笑ったw

831名無しの勇者:2011/04/08(金) 19:31:30
>>808-821
萌えすぎて胸が苦しい
ありがとう

>>825
ホイホイうまいこと操られてる面々にワロタ

83248  注意書き:2011/05/22(日) 19:36:27
真剣に48です。シリアス悲恋気味です。
B○MP OF ○HIKINの「ラ○・メイカー」が元ネタになってます。
苦手な方や歌のイメージを壊されたくない方はご注意ください。

83348  (1):2011/05/22(日) 19:37:56

コンコン
「……」
コンコン
「……」
コンコン
「……もう、なんだよ……誰だ?」
「名乗るほど大した名じゃないですが」
「帰れ」
「あっ、ひどい。僕まだ名乗ってすらいな」
「帰れ」
「せめて用件尋ねてくださいよ!」
「……何しに来たんだ」
「あなたに笑顔を持ってきました」
「呼んでない。帰れ」
「寒いので入れてください」
「冗談じゃねえ」
「よっこいしょっと」
「なに座ってんだよ」
「ドア越しにでも4主さんと背中合わせになろうと思って」
「…………」
「あ、びっくりしてますね? なんでドアに寄りかかって座ってるのわかったんだろうって?
 まあ声の近さもありますけど一番の要因は勘ってやつですかね」
「いいから早く帰れ。……俺に構うな」
「構うなと言われると構いたくなっちゃうのが男心ってやつですが」
「……っうるせえな! 消えろっつってんだろ、二度と俺の前に姿見せんな!」
「…………。
 ……なんか、そこまで言われるの久々ですね。ああ、耐性無くなっちゃったかも。地味に堪えます」
「……」
「懐かしいですよね。いっぱい周りに怒られましたけど、でも僕なりに考えてるつもりだったんですよ。
 2主さんの勉強にちょっかい出すのも、鳥鳥言うのも。……宿舎崩壊はちょっと違いますけど」
「……そうだな」
「でもなんだかんだで当人同士はわかってたんですよね。本気じゃなくてじゃれ合いだって」
「……俺は結構本気だった」
「え、そうなんですか。僕なりにマジギレ一歩手前でさじ加減計ってたつもりだったんですが」
「あれでか。だとしたらお前の感性疑う」
「それは残念です。ところでこのドアまだ開かないんですか?」
「開かない。帰れ。死ね」
「うわぁちょっと泣きますよホント」
「やめろ鬱陶しい。……早く帰ればいいだろ、トロデーンに」
「……」

834名無しの勇者:2011/05/22(日) 19:39:40
wktk

83548  (2):2011/05/22(日) 19:39:42

「最初はね、あなたのこと嫌いでしたよ」
「……」
「だって最初の印象なんて、苦労してんのは自分だけじゃないのに勝手にトリップとかして
 現実見ないで悲劇のヒーローぶった挙句竜の端くれってだけの理由で関係ない僕とかにまで因縁つけたり、
 結構最悪じゃないですか。いや正直ほんと嫌いでした。あっはっは」
「……」
「だからぶっちゃけ、最初のほうは結構悪意あったんですよね、えへへ。
 ……そうですね、その辺はすみませんでした」
「……」
「なんか、まだまだ僕も子供だったんですよね。それこそ相手がどんな辛さ抱えてるかなんて、
 僕一人が計り知ることはできないのに。それができてたら、今も色々違ったんでしょうかね」
「……」
「……4主さんは、いつだって反応を返してくれましたよね。僕のしょーもない悪意も善意も冗談も、
 なんだかんだ言って毎回ちゃんと受け止めて、返してくれましたよね」
「……」
「まあ、その反応っていうのが大体ギガソードとかギガデインとかの手痛い感じでしたけど。
 でも、無視することはなくて」
「……」
「本気で嫌われてるんじゃないのが、嬉しくて」
「……」
「……」
「……」
「やっぱり開けてもらえませんか」
「帰ってくれ」
「あはは……なんか本当久しぶりですね、ここまで拒否されるのも」
「……」
「……最初は、悪意でしたけど」
「……」
「それでも、僕は……いつからか、本当に……」
「……」
「本気で……あなたに、笑ってほしかったん、です……っ」


(……泣き声)
(泣き声)
(……泣いてんのか)
(ああ、そっか。4主さんも泣いてたのか……)

83648  (3):2011/05/22(日) 19:40:56

「……疲れた」
「そうですね」
「……ここまで来てまだ俺に笑えって言うのか?」
「生き甲斐みたいなもんですから。笑顔を見れなきゃ帰れません」
「……なんでだよ」
「帰れません」
「……」

「……8主」
「はい?」
「……開けないんじゃなくて、開けられない、んだ」
「……」
「……途中から……別に俺らは、嫌い合ってるんじゃないんだって。
 それが、わかって、嬉しかったのは……お前だけじゃ、なくて」
「……」
「しかも、どっかで俺は……失くした居場所とか、果てない寿命とか、
 この身に流れる血とか、色んなもんをごっちゃにしてて」
「……」
「これから先、ずっと……お前の傍にいられたらって、思ってた」

「……開けたいなら、開けてくれ。鍵なんか最初からかかってない。
 俺から開けることはできない。ただ俺は、俺からは、お前に顔向けできない」

「……なんとか言ってくれ……。
 8主、そこにいるんだろ?」

「……いないのか?
 まさか……おい、8主?」

「8主。…………――――8主!!」

ドガシャーン

「……は、な、」
「ていうかわざわざドアから入る必要ありませんよね、そういえば。
 任せてください、僕の手にかかれば最後のカギですら敵じゃなごふっ」
「よりによって壁けやぶんな、このどアホ!!」
「い、いたたた……いやだってコレそういう話ですから」
「そういう話って。とにかくちゃんと直しておけよ、俺の部屋の壁」
「直しておけってことは僕またここに来てもいいんですよね」
「は?」
「今確かにそう言いましたよね。直しにくるからここにいてもいいんですよね。
 というわけで4主さん、僕の話を聞いてください」

「僕、ミーちゃんと結婚します」

83748  (4):2011/05/22(日) 19:42:17

「……」
「他の皆さんには伝えたんですけど、4主さんだけどうしても入れ違いになって、伝えられなくて。
 遅くなってすみません」
「……知ってる」
「そうでしょうね。そう思ったからここに来ました」
「……」
「4主さん。僕のエゴだってわかってます。でもお願いします。
 ……笑ってください。あなたの笑顔を、僕にください」

「…………4主さん」
「……」
「誰も抱きしめてくれなんて言ってないです」
「……」
「そんなとこで笑っても顔が見えなきゃ意味ないじゃないですか」
「……黙ってろ」
「ていうか嫁入り前の清い身体ですよ」
「婿だろ」
「些細な問題です」
「些細なのか」
「些細です」
「……ふ」
「あ」
「……。お前の泣き顔が笑えるなと思って」
「4主さんの泣き顔の方が笑えますよ。ほら鏡」
「なんでそんなもん持ってんだよ。確かに笑、え……る」
「……笑ってますよ」
「……」
「笑ってます。笑っていられますよ、ずっと。僕なんかいなくても」
「……当たり前だろ。自惚れんな」
「さっきまでビービー泣いてたくせに、口の減らない人ですね。
 でも、だったら……それなら、いいんです」
「……」

「きっと……いつか、果てしなく未来には、ここに帰ってくるんでしょうけど」
「……ああ」
「それまでちょっと、行ってきますから」
「ああ。……鍵開けて、待ってるから」


ルララ ルラ ルララ ルラ…

83848  あとがき:2011/05/22(日) 19:43:48
すみません、毛色が違うというか間違ってるかもと投下に踏み切るまで悩んだんですが、
たまにはこういうのもどうでしょう、ということで。
一人でも楽しんでもらえれば幸いです。

839名無しの勇者:2011/05/22(日) 20:07:49
果てしなく未来には帰ってくる、ってのが切ねぇなぁ
寿命的に

8408→4:2011/06/13(月) 02:24:02
自覚があるんだかないんだかの8→4を投下

8418→4 1/3:2011/06/13(月) 02:25:11
梅雨という独特の時季を迎えたこちらの世界では中休みとでもいうのだろうか、久々に晴れた日が続いていた。
だがTVの週間天気予報では明日から再び崩れがちになるという。貴重な晴れ間を謳歌するようにはためく洗濯物を横切り、8主は大きく開けた庭の一部を陣取る。
せっかくの晴天・休暇日・10時のプリンで満たされた腹具合。
これほどの至福が揃っているのだ、満喫しない手はないだろう。乾いた大地に大きく手足を広げて木陰に寝転がれば、空と雲、そして若葉が織りなす見事なコントラストが視界を彩る。
澄んだ空色と瑞々しい緑にかの人のイメージを重ね、眩しさを覚えて8主は目を伏せた。
瞼の裏には朝食後に会話を交わした相手の姿が焼きついたように鮮明に浮かんでいる。
肩元へと緩やかに流れる翠緑の髪、磨き上げられた象牙にも劣らぬ白い肌、整った顔立ちに印象的な碧い瞳。しかし折角の端整なそれらは、しかめっ面によって残念なことになっている。
さらには続いた言葉も厳しく耳に痛いもの。
『梅雨はまだ長いんだ。今日のうちに不気味なダンジョンと化した部屋を片しておけよ』
落ち着いた声音とは裏腹に有無を言わせぬ魔王もかくやという凄味を効かせて、村の作業へと出かけて行った4主を見送りかれこれ2時間は経ったか。
他の面々も皆(ニート兼宿舎警備員以外)は出払った宿舎内。
先程まで身を置いていた自分の部屋の現状を思い起こし、嘆息する。
多少の乱雑さはいなめないものの、さりとて不便を感じることもなく慣れてしまえば快適とさえ思える空間。だが、いざ掃除をするとなると何故ああも絶望を抱かせる場所となるのだろうか。このままではゾーマが得をするだけだと作業を中断したはいいが部屋を出るのも、ドアを閉めるのも一苦労だった。
10時のプリンによって絶望の供給は断たれたわけだが、掃除を再開すれば絶望の無限ループは免れない。
しかしサボってしまえばドラゴンヌッコロス補強版のギガソードが唸りをあげる……
不意に。
8主のそんなダラダラとした取り留めのない思考を逸らすように、風が涼やかな流れに変わる。鋭くも清麗な気配が近づいてくるのを感覚に捉えた。
噂をすれば影とはよく言ったものだ。
知らず口元が緩みそうになるが引き締める。目もまだ開けずに気配がこちらへと辿り着くのを待ってから、口だけを開いた。
「腐っても主人公の一人である僕が絶望に臨み、図らずも魔王に力を与えてしまうような真似はいかがなものかと思った次第です」
「お前が腐っているのには同意するが、それは戯れ言であって言い訳にはならんだろ」
「というわけで来月から本気出します」
「ダメ人間の常套句じゃねえか」
相手の打てば響く反応はいつも8主の心を躍らせる。
堪えきれない気持ちでようやく瞼を上げれば、4主が懐疑心もあらわに腕を組み、双眸を眇めて見下ろしていた。澄んだ蒼穹を思わせる瞳は光の加減か長い睫毛が落とす影によるものか、深みを増した瑠璃色に色づいている。
脳裏に映していたしかめっ面と違わず、現実もまた相変わらずの表情だ。彼が8主に向ける視線や表情の大抵は(日頃の行いがものをいうのだろう)険しく冷然としている。
8主は内心含み笑う。
いつからか不快げに寄せられた眉根や獰猛ささえ漂うそれを、8主は艶やかなものと錯覚するようになった。
そそられるのは嗜虐心か、被虐心か。

8428→4 2/3:2011/06/13(月) 02:26:29
わき返る健全とは言い難い自分でも不可解な感情をいつも通りに笑みへと昇華して、訝る4主に構わず会話を続ける。
「ダメ人間だなんて失敬な。3主さんの『来世から本気出す』っていう言い分に比べれば僕は随分まともな方ですよ?」
矛先を逸らさんとした8主の発言に4主がげんなりとした顔をする。
「だめだアイツ、早くなんとかしn……いや、3主のことは今はどうでもいい。お前のほうも大概だろうが。俺は今朝、今日中に部屋の掃除を済ませろと言ったはずだ。こんなとこで寝てる暇はないぞ」
「しかしですね、僕の部屋の状態は日々の錬金生活で積み重ねて築き上げていった賜物です。一日や二日でどうにか出来るものではありません。4主さんはご存じでしょうか?かのとんち僧侶いわく、あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみと」
「OK、お前のやる気はあてにならんということがよく分かった。今更だがな!」
4主の吐き捨てる言葉の勢いと怒りを湛える瞳に酔い痴れつつ、身を起こす。
わずかに縮んだ距離感。
今や視界には雄大な青と白と緑のコントラストは色褪せ、眼前の青年こそが映える。
「久しぶりの晴れ空です。こんなに綺麗な情景が広がってるんですから、もう少しだけ堪能させてくださいよ」
言い訳めいた8主の言葉を受けて静かに空を見上げた彼が、表情から怒りを収めたように見えたのは麗らかな大空に心奪われたからだろうか。それとも。
愁いを帯びた端麗な横顔に、胸が疼いた。
4主は目を伏せて大きく息をついた。なにかを堪えるようにこめかみに手を当て、再び開いた目で8主を見据えて宣告する。
「……いいだろう。あと10分程度なら許容してやる。それ以上は片付ける権利を放棄したとみなし、こちらでがらくたダンジョン殲滅作戦を遂行する」
愁眉の影もない冷静沈着な指揮官の目だった。
「ちょっと待ってください。部屋そのものを殲滅するような言い方が引っ掛かるんですが」
天候に反した話題の雲行きの不穏さに飛び跳ねる勢いで立ち上がり、8主は慌てて抗議する。
「失敬な。果汁組じゃあるまいし」
「その言い草こそが失敬ですよ!まあ、4主さんにかぎって崩壊ルートの進行は心配してませんけど。明らかに僕の持ち物の行方が怪しいじゃないですか。そもそもがらくた呼ばわりもひどいじゃないですか。この世に雑草などという草がないように、あの部屋にもがらくたなどという物はありません。すべてが尊い宝物ですよ!」
「おもしろくない、出直してまいれ」
「そんなひどい!がらくた呼ばわりの上に渾身の訴えをジョーク扱い!?」
「おもしろくない、出直してまいれ」
「2度も言った!?このフレーズでループはなんともシュール!!あ、なんか語感いいですねこれ。このフレーズでループはなんともシュール!」
「どや顔で言うな。イラッとくるわ」
「ああ、よかった。このままボケ倒されたらどうしようかと思いましたよ……」

8438→4 3/3:2011/06/13(月) 02:27:22
4主のリアクションが素に戻り、息つく間もないやりとりに一区切りつく。
8主は安堵とも疲労ともつかない、それでいてどこか浮き立つ気持ちに自嘲混じりの嘆息とともに肩を落とした。
喜怒哀楽のすべてに合致しているようで、すべてが当てはまらない。自分でも持て余し気味のよく分からない感情を4主が無自覚に引き出し、かき乱す。
鳥ネタ全盛の険悪とした以前の状況から脱した現在の、この振り回し振り回される関係は不快感よりも言いようもない心地良さを8主の胸に生じさせるから、どうにも彼はやみつきになる。
「ほれ、こんなことやってる暇があったら部屋の掃除にとりかかるぞ」
呆れた気持ちを4主はそのまま表情に滲ませながら、それでも。
わざわざ村の仕事を早めに切り上げてまで、8主には余る作業に手を貸そうと戻って来てくれた。
きっと、こんな心遣いにこそ惹かれてやまないのかもしれない。
「でもあと5分くらいはいいですよね?」
「ああ?」
「10分程度なら許すって」
「まぁな。だが適当に切り上げろよ。俺は先に部屋で作業……なんだよ?」
踵を返す動作に移ろうとした身体を引き留めるため伸ばした手は、辛うじて4主の袖を掴む。腕を掴む度胸はなかった。いや、この場合は勇気だろうか?
「そうつれないことは言わずに。毒を食らわば皿まで、死なば諸共の戦場へと向かう前にこの久々の晴天を一緒に満喫しませんか?」
悪態や挑発ならいくらでも出てくるのに。絞り出した本音は減らず口が精々だ。
「……毒やら戦場やらという自覚があるなら、何故そうならないように努めんのだお前は」
肩をすくめた4主のもっともな返しと半眼の咎める視線は痛い。
けれど振り払われなかった手が、密かな望みを汲んでくれた気がした。

そうして二人でわりと和やかなひとときを過ごしたわけだが。
いざ8主の部屋に入らんとすると限界を迎えた扉が吹き飛び、二人まとめて廊下でがらくたに埋もれ、説教と言い訳の不毛なやりとりに移行するのはご愛嬌だろう。

84434女体化ネタ注意 1/1:2011/07/14(木) 22:25:08

3主「いきなりで悪いが4主、童貞を卒業したい」
4主「ほらよ」つ切れ込み入り蒟蒻
3主「ばっ…そういうのじゃなくてだな、ヤらせてくれればいいじゃないか」
4主「そんな事言われたって俺男だし。
それにここではそっちの意味で童貞卒業してんだろ」
3主「ヤダヤダー!女の子とヤるまで童貞なんだー!!」
4主「意味わかんねぇよ!!
しかも女になんかなれるか!」
3主「そこでモシャスの出番ですよお兄さん」
4主「誰がお兄さんだ。
それにあれは誰かに変身する訳であって俺であって俺でないんだぞ」
3主「出来れば女になったお前とヤりたい」
4主「4女に言ってギガソード喰らって来い」
3主「モシャスの応用で何とかなんねーのかよ!!」
4主「頑張れば部分的変化は出来るだろうけど…」
3主「よしならやってみろ」
4主「やだよ、ヤられるし」
3主「わーってるって。俺もそこんとこ男だから我慢するよ」
4主「男だから心配なんだが…モシャス!」

4主は女の姿に変身した!

3主「おおーっ!!スゲェ超可愛い!
美人で胸でかくて細身って正直タイプだわ」
女4「厨2の男が好きそうな2次元の美少女にピッタリ当て嵌まってる訳だな。
もういいだろ、元に戻るぞ」
3主「あっ、ちょ待っ」ゴンッ
女4「なんだよ何処触ってn」
3主「バランスが…わわっ倒れる!」グラッ
女4「俺巻き添え…きゃーっ!!」

ドンガラガッシャーン!!

3主「イタタタ…大丈夫か4主?」
女4「んぅ……ここは…?
貴方は…?」
3主「へ?」
女4「私のご主人様ですか?」

4主はそう言うと頬を赤らめながらふわりと柔らかな笑みを浮かべた。
どうやら家政夫という記憶とこの状況から記憶が混乱しているらしい。
どうするよ俺!?



続く?

845名無しの勇者:2011/07/14(木) 23:48:34
女体化は一言入れて欲しかった…

846名無しの勇者:2011/07/15(金) 13:50:31
名前欄にはそう書いてあるんだから避けようと思えば避けれたんじゃ?
個人的には続いて欲しい

847名無しの勇者:2011/07/15(金) 23:11:11
あ、名前欄にありましたね…失礼しました

848844続き 1/1 女体化ネタ注意:2011/07/21(木) 22:46:05
女4「3主様、お食事をご用意いたしました」
3主「ん。」
女4「では私は洗濯物を干してまいしますね」

にこっと明るい笑顔を残して去る彼女は4主がモシャスで美少女に変身した姿だ。
俺の趣味でこの前5主から分けて貰い、それを改造したエプロンを素裸の上に纏う、俗に言う裸エプロンとかいうやつをしてもらっている。
記憶が混乱して俺>4主という等式を刻み込んでしまったが、幸い今宿舎には俺達しかいない。
だがこの状況をいつまでもそのまんまにする訳にもいかない。(特に4女にばれるとヤバいし)

女4「〜♪」

しなやかな脚に形の良い尻、キュッと締まったウエストなのに丸く柔らかそうな胸は横から見ればその形が如何に美しいかよく分かる。
日に照らされる白い肌と風に揺られる度に見えるうなじに、俺の息子はバイキルト状態だった。

3主「!!(いかんいかん!)」

こんな格好をさせるんじゃ無かったと自分の行いを後悔した。
話を戻そう。
今すぐ4主を襲い××××したいのは事実だがこのままにする訳にもいかないんだ、うん!
4主のおっぱいに顔を埋めてクンカクンカしたいとか、股を開かせて×××をなめ回したいとかも考えるが、それより先に元に戻してやらないと。
だがどうすればいいのか…?
息子を宥めてPCを開いた。

3主「とりあえずYahooだな…」
女4「ご主人様?」
3主「なんだ?」
女4「その…ご主人様の、モノが…」
3主「あ…」

顔を紅潮させて俺のバイキルト状態の息子を指す4主。
その表情だけでグッとくるが、それと同時に見られたというショックを受けた。
この前自家発電中に2主が部屋に来た時依頼のショックだ。

3主「(やべー、すげぇ恥ずかしい)
あの…」
女4「私が、」
3主「はい?」
女4「私がご主人を…慰めさせて頂きます」
3主「えー!!!」

来た!?童貞卒業の時が遂に!?
今?今ですかwwえぇw神龍?
4主はPCを置くちゃぶ台の下に潜り込み俺の息子に震える指を添えた。

女4「すごくビクビクしてて…熱い…」

緊張の余りPCの画面しか見れないが、脱がされる時の布が皮膚を擦る感覚と、柔らかいものが固いそれに触れた途端、つい背筋をびくっと伸びてしまった。
上下に擦り徐々にリズムを付けて行くにつれ、粘着質の音がして恥ずかしい表情を4主に見られていないか、この心臓の鼓動が伝わっていないか等、とにかく集中できなかった。



続くかも?

84952ほのぼの1/4:2011/07/22(金) 21:05:16
2主「はー今日も疲れたぞー…ん?
   おーい5主!何やってるんだー?」
5主「やあ、お帰り2主。今ビニールプールを膨らませていた所だったんだ」シュコシュコ
2主「びにーるぷーる?」
5主「ビニールでできた小さなプールだよ
   あまりにも暑いから水浴びしたくなってね。2主も入るかい?」シュコシュコ
2主「おう入るぞ!大変そうだから手伝うんだぞ!」
5主「ふふっありがとう」ニッコリ
2主「おやすいごようだぞ!」シュコシュコシュコシュコシュコシュコ
5主「はやっ!もう終わっちゃった!?」
2主「えへへじゃあ準備してくるんだぞ!」ワクワク
5主「僕は皆を誘ってみようかな…一応ね」

85052ほのぼの2/4:2011/07/22(金) 21:09:25
5主「1主と3主は部屋で討論、4主と8主は台所でじゃれ愛
   6主と7主は一緒に海にお出掛け…結局僕達だけか」
2主「だれも来れなかったのはざんねんだな…」シュン
5主「よし!」
2主「?」
5主「せっかく2主が膨らませてくれたんだ。僕達だけでも楽しもう!」ニコ
2主「おう!楽しむぞー!!」ワクワク

〜キャッキャウフフ〜

5主「2主は色んな武器を使いこなすだけあって良い身体してるよね
   何か特別な鍛練とかしてるのかい?」ペタペタ
2主「毎朝すぶりして……」ビクッ
5主「ん?」サワサワ
2主「くすぐった…!……ッふ……あはははは!」バシャッ
5主「2主の弱点見つけた」クス
2主「あははっ!…うひゃっ…耳はぁ…こ、こうさんだぞー!……ひぁっ」バタバタ
5主「ふふ……さて、どうしようかなー…」サワサワ

85152ほのぼの3/4:2011/07/22(金) 21:13:23
1主「くぉらー!!!!そこまでっ!教育的指導メラ!!」ダダダダダ
3主「お、ビニールプールなのにすげーでかいな。ヒャッホー!」バチャバチャ
5主「ちぇっ残念、時間切れか」ヒョイ
2主「おー!ご先祖たちも来たのか!」ニコニコ
1主「大丈夫か!?まだ何もされてないか!?腰は痛くないか!?」
3主「おい流石に5主もそこまで鬼畜じゃ…」
1主「ご先祖は甘い!!相手はDQ界屈指のハーレム王だぞ!?
   うっかりしててうぶな2主が傷物にされたらどうするんだ!?」
3主「…ッ…そこまで子孫が可愛いんならお前が四六時中くっついて
   ガードしてやりゃいいだろバーカバーカカニ歩き!!!」

85252ほのぼの4/4:2011/07/22(金) 21:19:27
バタン!ダダダダダ

8主「ちょ、なにもそんなに怒らなくても!」
4主「うるせえ!最近おとなしいと思ってたら久しぶりにてめえは!!」
8主「何が気に入らないんですか!?生クリームですか!?それとも…」
4主「それ以上何か言ったら1週間お前のおやつは無いと思え!!」ギガソード!
6主「呼ばれて飛び出てお兄ちゃーん!!」バーン
7主「誰も呼んで無いから降りてきてよ!」
6主「俺の理想としては樹の上よりもランプの中から飛び出たい!」
7主「じゃあランプっぽい壺あげるから我慢してね
   ちょっと150年くらい出れないけど」
6主「それブオーンの壺じゃん!やだ5主に返してらっしゃい!!」

ワイワイギャーギャー!!

2主「みんな集まるとにぎやかだな!」ニコニコ
5主「ふふっそうだね。…後で皆でスイカ食べようか
   こんな事もあろうかと冷やしておいたから」
2主「おおっ!さすが5主だぞ!」5主「それほどでもないさ」
2主「それほどでもないのか」

「…2人きりも楽しかったな」

終わり

853名無しの勇者:2011/07/22(金) 21:33:10
ほのぼの(´∀`*)

854名無しの勇者:2011/07/23(土) 08:02:01
やだ可愛い!

…8主は生クリームを何に使ったのだ!?

855名無しの勇者:2011/07/25(月) 19:49:00
ありがとうございます。それは4主と8主だけの秘密なのです
決してプリンプry…なんてしていませんとも

8561/1:2011/08/18(木) 12:39:40

8主「もう我慢出来ません!」
4主「まだ駄目だやわらかくなってないだろう」
8主「もうグチョグチョじゃないですか!!
早く入れさせて下さい!!」
4主「まだ。
ほら、トロトロしてきて旨そうだろ?」
8主「だから我慢出来ないんですよっ!!」
4主「ったく、全く理性を抑制出来ないんだな。
でも俺が駄目と言ったら駄目だ」
8主「うぅ〜…せっかく固いのに…」

5主「(はっ!!なんだこの薔薇の花びらが舞うおピンクの空間は。
この様子だと4主が8主に焦らしプレイ?いやいや、これはいつもの調子の「実はぬかづけ作ってました」的な「実は〜だった」オチである可能性が高い。
うん、ここはスルーで…)」

4主「よし、もういいぞ」
8主「やったー!!もう待ちきれ…あっ」バシャッ
4主「熱っ!!……何しやがんだ。
顔に付いてベタベタするじゃねぇか」
8主「す、すみません…でもすごくおいしそう」ピチョ
4主「あっそれはやめろっ!!」

5主「(なーんてこったい!!まさかの予想妄想的中!!
801板とはいえこの状況をやすやすと見過ごすなんて天を仰ぎそそり立つパパの息子…5勇じゃないよ!が黙っていないぜ!!
DQ5主人公こと5主、いざ参る!!)」

5主「お二人さんで何楽しい事やってんだい?
パパもいれとくれー!!!」バンッ
4主「は?」
8主「あぁ丁度よかった5主さん。
ミートソーススパゲティーをつくったのに4主さんがこぼしちゃったので片付けを手伝って下さい」
4主「はぁ!?お前がこぼしたんだろうが!!
床に落ちた汚ぇもんまで食べようとする食い意地の悪さを先に治せ!」
8主「よして下さいよ、ケツが痒くなってきます」
4主「褒めてねぇ…って何処行くんだ5主?
5主ー?」





7主「どうしたの5主さん元気ないよ?」
5主「あぁ…僕そろそろこのノリから解放されたいよ」
7主「よくわかんないけど、とりあえずお水でも飲みなよ」
5主「あ、でも息子…5勇じゃ(ry)は元気だよ!!」
7主「やっぱり羊に飛ばされて下さい」


.

857名無しの勇者:2011/09/19(月) 12:02:58
皆さん文章ウマウマ。萌える

今読み返してたんだが、靭帯さんは完結しないのだろうか…
べ、別に私は応援してるとかいうわけじゃないけどッ!

858名無しの勇者:2011/09/20(火) 11:33:30
ログ読んでると続きをwktkしちゃうよね
でも今年災害が続いているから書き手さんたちの安否が心配
色々大変な方もいらっしゃるだろうから

作戦:気長に待とうぜ!

859名無しの勇者:2011/09/22(木) 21:38:04
>>858 応!!

860名無しの勇者:2011/10/10(月) 19:41:05
誰かおらんかね〜

861名無しの勇者:2011/10/10(月) 23:15:12
いるよー

862名無しの勇者:2011/10/11(火) 01:24:25
ここにもいるよー

863名無しの勇者:2011/10/12(水) 00:01:51
まだまだいるよw
静かに投下期待…

864名無しの勇者:2011/11/06(日) 01:22:10
まだまだおりますとも

865名無しの勇者:2011/11/09(水) 15:57:50
まだまだ!

866名無しの勇者:2011/11/23(水) 11:01:52
静かに投下キターイ

867名無しの勇者:2011/11/23(水) 11:24:12
待つだけじゃなく自分で書いてみるといいかもよー

868歴代衣装 13編 1/3:2011/11/24(木) 20:18:24
ぬるい上に84編が過去レスと微妙にネタ被りですが、久しぶりに9をやったら書きたくなったので投下。
13と84です。

3主?「ただいま帰りました!」
1主「ご先祖!?出かけてたのか!?月曜日でもないのに!?
  火水木金は世間の視線が冷たいから外に行かない、
  土日祝日はリア充とのエンカウント率が高いから外に行かない
  なんて言ってたじゃないか!!」
3主?「あ、いや……」
1主「とうとう一人で外に出る積極性を手に入れたか……子孫は嬉しい!!」

ガバッ

3主?「わっ!?ちょっと待って下さ、」
1主「なに今更照れてるんだか。今日は小さいなーFC版か?」
3主?「あの、違うんです、僕……」
1主「……昨日つけたはずの痕がない。まさか……」
9主「3主先輩の衣装を装備してますが、9主です」
1主「うっわごめん間違えた! 忘れてくれ!!」
パッ
9主「は、はい」
1主「でもお前、なんでこんなとこに?」
9主「こんなとこって……宿舎じゃないですか」
1主「いや、ここは宿舎であって宿舎じゃないんだ」
9主「???」
1主「とにかく頼む。早く本家に帰ってここのことは忘れてくれ」
9主「え、でも」

  クエスト111.11111(ry
  ローラ愛よ!無限に!

9主「はっ! これはクエスト!? ……グスッ」
1主「どうした9主!? なんでいきなり泣き出すんだ!?」
9主「あ、すいません。クエスト配信が止まって久しいので、新しいのを受けられるのが嬉しくてつい……」
1主「そういや一時期9女と『クエストがしたい』ってクエストを出し合ってたな」
9主「そして無限ループと化し1主先輩を泣かせてしまいました。あの時はすみませんでした」
1主「二度としないように。じゃあ、俺のクエスト受けてもらえるな?」

  宿舎(?)の1主から、この場所を忘れるように頼まれた。
  このクエストを受注しますか?

869歴代衣装 13編 2/3:2011/11/24(木) 20:19:30
9主「クエストのタイトルと内容に一切関係がないのが気になりますが……はい!」
1主「よしよしいい子だ。じゃあお礼に俺のグローブを……」
3主「9主。このブルーオーブやるよ」
1主「ご先祖!?いつの間に」
3主「お前が9主に抱きついてたあたりから」
1主「いや違うんだ誤解なんだご先祖チョットマツガエタダケデウワキナンカシマセンオレハゴセンゾヲアイシテマス」
9主「1主さんがカタカナで不思議なことを言っています。
  イシテマス? 僕の知らない呪文でしょうか。レミーラとかギラみたいな」
3主「ローラに言い訳してる時みたいになってんなw そもそも間違えんなって話だが」
1主「ご先祖がようやく外に出る気になったのかと思うと嬉しくて判断力が低下し……」
3主「それより9主、ほら」
1主「若干の皮肉を込めた渾身の言い訳がスルーされた!!」
9主「わぁ、ありがとうございます!」
1主「9主、お前もか!!」

  クエストをクリアしました!

  宿舎(?)の1主から、この場所を忘れるように頼まれた。
  1 2 の …… ポカン! ですべて忘れ、3主からブルーオーブをもらった。
  このクエストは何度でもループできるぞ。
9主「あれ、ここどこだろう? 宿舎に似てるけど……もしかしてダンジョン? 今度9女と探索に来ようかな」

870歴代衣装 13編 3/3:2011/11/24(木) 20:20:23
3主「……よし、とりあえず帰ったか。9主をここに染めるのは抵抗あるもんな」
1主「しかしいいのか、ブルーオーブなんて渡して」
3主「もう使わねーし。それにお前からのお下がりを9主がもらうとか気にくわん」
1主「ご先祖はかわいいな」
3主「そんなことねぇし」
1主「そんなことあるって」
3主「……なんで嬉しそうなんだよ?」
1主「妬いたのかなと思って」
3主「そんなことはある」
1主「そっちはあるのか……。変な所で素直だな」
3主「ローラ愛ねー」
1主「ぐっ……それもか」
3主「お前らなんだかんだいってラブラブだもんなー。いや別に構わないんだぜ?
  お前とローラ姫がくっつかないと2主たち消えちまうし。そのへんのことは分かってて付き合ってんだし。
  でもなー。こっちにいる時まで『ローラ愛』かー。へー」
1主「い、いやあれはローラの愛が無限ループなだけで プルルル
  ヒィ!! ごめんよローラアイシテルヨオレノローラヘノアイモムゲンダヨ!!」
そんなひどいそんなひどいそんなひどい
3主「…………。なぁローラ姫、1主のやつ、さっき9主に抱きついてたぞ」
1主「ふっ、甘いなご先祖。ローラ判定では男はノーカンだ」
3主「あれ? 9主? 9女? なにせ俺ってば、俺と9主が見分けられない男の先祖だからな。
  どっちの9主だったかわかんねぇや。9女かも?」
1主「ご先祖ォォォォ!!」
そんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどい
1主「違うんだよローラ、あれは男の方の9主だし、そもそもご先祖と間違えただけで」
3主「衣装だけで俺と9主を間違えるなんてそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどい」
1主「サラウンドはやめろ!!」
3主「そんなひど……むぐ」
チュ
3主「!?」
1主「とにかく誤解だから、うん分かった、それじゃあ今会いに行きます!」
ピッ
1主「はあ……なんとか乗り切ったな。ん、どうしたんだご先祖。顔を赤くして」
3主「に……ニヤニヤしながら言ってんじゃねー!! なんで黙らせる方法がキスなんだ!!」
1主「基本だろ」
3主「しかもこのままローラのとこ行くんだろ!? ほんっと信じらんねえこのスケコマシ!!」
1主「古いなw てか何、もしかして今ので感じた?」
3主「うるせー呪われろ!!」
1主「そんなに俺にローラの所に行ってほしくないと。ご先祖はかわいいなー。
  心配しなくても、ご先祖への愛も無限だよ。なんとかして今日中に帰ってくるから機嫌直してくれって」
3主「……知らん」
1主「こんやもおたのしみしような」
3主「……………勝手にしろ!!」

871歴代衣装 84編 1/3:2011/11/24(木) 20:22:04
4主「……ということがあったと3主から聞いたんだが」
8主「きのうはおたのしみでしたね。要はのろけられただけじゃないですか」
4主「ま、それはお互いさまだしな」
8主「えっ、ちょっ、4主さん僕のこと3主さんにのろけたりしてるんですか!? うわー聞きたいなぁ!!」
4主「いや俺の場合愚痴しかない」
8主「orz」
4主「にしても、羨ましいよな歴代衣装」
8主「そうですねー」
4主「アイテム収集の名目で何回でもピサロをヌッコロせるんだもんな」
8主「そっちですか……」
4主「お前は違うのか?」
8主「あ、いや、そうですね。確かに魔王を何度も倒せるってのは気分いいですよね。
  別に4主さんの衣装手に入れてスーハーしたいなんて考えてません。暗黒神にかけてホントです」
4主「ラプソーンに誓う気かお前は」
8主「えぇ、だから嘘です」
4主「おいこら」
8主「思うだけなら自由じゃないですか!」
4主「口に出してるじゃねぇか!」

872歴代衣装 84編 2/3:2011/11/24(木) 20:22:54
8主「っていうかどうせならコスプレ衣装じゃなくて本物をもらいますよ」
4主「……ドルマゲスが天空の服とズボンを落とす訳をなんとなく把握した」
8主「何言ってるんですか! あんな水陸両用ピエロなんかに、僕が4主さんの服を渡すわけないでしょう!」
4主「自分で振っといてなんだが、お前が俺の服を手に入れることは確定なのか?」
8主「4主さんのタンスから盗った分は全部ちゃんと僕の部屋に保存してあります!!」
4主「よし分かった表に出ろ、むしろ牢屋に入ってこい!!」
8主「そんなひどい」
4主「なにが『思うだけなら自由』だ! 口に出すどころか実行済みとはな」
8主「僕はドラクエの主人公なので人のタンスを漁っても罪にはならないんです」
4主「俺はドラクエ4の主人公だから仲間を投獄しても許されるんだよ」
8主「……DS版のはずの4主さんの笑顔がFC版のように怖いので、謹んで処分を受けることにしようと思います」
4主「素直でよろしい」
8主「でもどこの牢屋に行けばいいんでしょう。こんな下らない理由で使わせてくれる牢屋があるとは思えませんけど」
4主「確かに。……っていうか自分で言うなよ」
8主「まあ僕はとっくに4主さんの愛の虜ですけどね」
4主「寒い。いろんな意味で」
8主「じゃあ人肌で暖めあいましょうか!」
4主「お前は5主か!!」
8主「4主さんが相手なら5主さんをも越えてみせますよ ドヤァ」
4主「いやいらん。重婚したいとか言い出されたらイヤだ」
8主「…………痛恨のいちげき! 僕は心に848のときめきを受けた!
  唐突なデレは卑怯だと思います。びわー」
バタッ
8主「…………」
4主「……おいこら。倒れ込んだ振りして匂いを嗅ぐな」
8主「スーハースーハー」
4主「へんじがない ただのしかばねにしてしまおう」
8主「待って待って生き返ります! だからギガソードはやめてください」
4主「ったく」
8主「ふふ、やっぱり本物の4主さんが一番ですね」
ギュー
4主「はぁ……。今までの話の流れがなきゃ心に484ぐらいのときめきを受けてるところなんだけどな」

873歴代衣装 84編 3/3:2011/11/24(木) 20:23:51
3主「……ということがあったと4主から聞」
1主「無限ループダメ、ゼッタイ!」

874歴代衣装 おまけ:2011/11/24(木) 20:26:31
ネタ的に帰ってもらいましたが、別に9主の参戦を否定する気はありません。
むしろありだと思います、292とか。

2主「なぁなぁ9主、おれ、9主のことすきだぞ!!」
9主「ありがとうございます、ぼくも2主さんのこと大好きです!」
2主「そっか、じゃあおれたちはりょう思いなんだな!」
9主「そうですね、嬉しいです!」

1主「……何だろう、2主と9主が穢れないままなのは喜ばしいはずなのに妙にツッコミをいれたい気持ちが湧いてくる」
5主「ならここで僕が二人にツッコんで入れ ぬわー!」
1主「ベギラマ」

875名無しの勇者:2011/11/25(金) 23:02:28
>>868-874 うわあ…!久々の投稿ktkr

>>4主「へんじがない ただのしかばねにしてしまおう」
8主「待って待って生き返ります! だからギガソードはやめてください」

ここに笑いましたww

876名無しの勇者:2011/11/26(土) 22:07:31
GJと言いたい所だけど蛇足イラネだな。
余り者同士でカップリングとか、せんでええよ。
そんなフォローいらないから。
個人サイトでもないのに作者の言い訳付け足されると萎えるわー
次回は黙ってネタだけを投稿してね。

877名無しの勇者:2011/11/28(月) 13:21:16
ありがたやありがたや!
久しぶりの投稿面白かった!

>>876
すごいなあんた…何様なんだ…

878名無しの勇者:2011/12/17(土) 23:12:58
221 :嫌い :2011/12/17(土) 22:42:19.15 ID:tO+977TI0
竜探求の主雑設定のCP全般

長らく親しんで来ただけにツイッターなどで雪崩れ込んで来た腐女子らに吐き気
職人さんらが築き上げて来た主達のキャラをそういう目で見られる事が耐えがたい
つうか特殊なジャンルなんだから鍵も掛けず堂々と腐萌えしてんじゃねえよ

879名無しの勇者:2011/12/18(日) 13:38:00
ドラゴンクオーターか

880Lin:2012/01/02(月) 15:22:27
無事に年明けましたね。
年明け早々ですが、いきなり濃いものを投下します
・3×8or3→8
・3主がどS
・被害者な8主
・監禁凌辱系
・濃いめの性描写
以上が駄目な方はどうぞ閲覧をお控えください
よろしい方はどうぞ

881遊び 38 1/4:2012/01/02(月) 15:30:40
「珍しいですね、3主さんが僕をわざわざ部屋に呼ぶなんて」
「んー?ああ、まあ……ちょっとな」
僕と3主さんっていうのは、何ともいえない微妙な間柄だ。弄りやすい人ってわけではないし、宿舎の中でも一緒に過ごす時間が少ない(3主さんがパソコンやって自室に引きこもっている)ため、格別に仲が良いというわけでもないからだ。まあ部屋はプライベートな空間だから他人を呼ぶ呼ばないなんて個人の自由ではあるのだが、彼のことをご先祖、と呼び慕っている1主さんでさえ部屋に呼ぶなんてことはあまり無いのでは、と過去を思い出してみる
そんな3主さんの部屋をぐるりと見渡すと、ベッドと電子機器があるくらいで、あとはほとんど何もない。ただし僕の部屋よりはよっぽど片付いているが

はてさて、用事がある、と言われて来たのだがなんの用事だろうか。用件を聞こうと彼の方を振り返る。しかしそこには彼の姿は無かった
「3主さん?」

「用事ってのは、かなり頼みにくいことなんだが」
どさっという、物が床に落下したような音がした
3主が剣を鞘にいれたまま、水平に構えたポーズで止まっている。そしてその足元には、首筋に打撃を加えられてうつ伏せに倒れた8主がいた
「……ごめんな。少しだけ、遊びに付き合ってくれ」
薄れゆく意識の中で3主の声が響く
8主は無理矢理声を絞り出した。バンダナ越しに頭に彼の手の感触があって、剣の鋭い打撃とそれの差異にどうも違和感を拭えなかったのだ
「あ、そび……?」
「まだ意識があったのか。そう、お遊びだ」
それはどんな?
それが一番大事だというのに、そう聞く前に、自分の瞼はついに閉じられてしまった

882遊び 38 2/4:2012/01/02(月) 15:33:52
「本当にやっちまったな」

こうも容易く引っ掛かるとは。しかしそれは相手が無防備なのではなく自分が異常なのだろうことは火を見るより明らかだ。そして自分はそれを重々理解している。理解しながらも自分の手は、自室のドアの鍵を閉めに延びた。かちゃりとロックされた音がする
3主は自嘲の意味を込め頭をわしわしと掻いたあと、気絶して床で寝ている8主を見やる。冒険者のわりには特に筋肉が付いているようには見えない、少年のような肢体。着痩せしているのかどうか、と3主は考えを巡らせた
「まあいいや。どうせ……」
ひとりごちながら彼は8主の腕を掴むと身体を引き上げ、肩に背負う。ずしりとした重みがかかるが、彼はなんてことは無いかのように歩く
そして自らの寝台の上に彼を仰向けに横たわらせた。ぎしりと軋む音がなんだか生々しい
「直ぐにわかることだしな」
そう言うと彼はパソコンを置いているテーブルの近くにある宅配物の箱から、何やら拘束具を取り出した
それをベッドサイドに引っ掛けて固定してから、反対側を8主の左手首に掛け、繋ぐ。右手首も同様にした
あとは邪魔になるだろうと思い、彼のバンダナと、服を留めているベルトを外して、胸元の紐を弛める。また、蹴られては敵わないとブーツを脱がした
バンダナとベルトは邪魔になりそうだと思い、機械的にベッドのすぐ下に放り投げた
その作業を終えてもなお、彼はなんてことはない健やかな顔で眠っている
3主はそろそろ起こしてやろうかと思い、彼の半分開いたままの唇に、自ら口付けをした

883遊び 38 3/4:2012/01/02(月) 15:40:37
息が、苦しい
そしていつもより頭と腹が、若干すかすかする気がする
「う……んん」
口が、呼吸できないように塞がれているのか。いや、これは……何かが暴れている?
感覚が戻ってくると、8主はばっと目を開いた
目の前に陰が出来ていて顔は断定できないが、誰かが自分の口内を貪っているのはわかる
8主は相手を突き離そうと、腕に力をいれた。しかし、それは何か固いものによって阻まれる
「ん!ん、んーー!!」
唯一動く両足で、自分の上にのし掛かる存在の腹の辺りを締め付けると、ようやく気付いたようにその相手はこちらから唇を離した
「お目覚めか、8主」
顔を見て驚愕したと同時に先程の出来事を思いだし、彼は不愉快さを隠さずに3主に食って掛かった
「遊びってなんのことです。それと、何で僕が固定されてるんですか」
「手錠がお気に召さないか?」
「手錠!僕にそんなもの付けて楽しいですか?」
「質問ばかりだな、お前。動揺してるのか」
「当たり前じゃないですか。遊びに手錠って、リアル警泥でもする気ですか」
「俺のいた世界では泥警って言うぜ」
「……それはどうでもいいですよ」
「冷たいな。4主とはあんなに仲が良いのに」
「へ?……うあ、」
チュニックの裾から冷たい手がするりと、肌の上を這い上がってくる。寒気を感じ小さく身震いをした8主の胸の飾りにその手は到達した。やわやわとこちらに触れてくる行為に、彼は怪訝そうな目を3主に向ける
「あのー、一応言っときますけど僕は男ですよ?そんなとこで感じるわけが無いじゃないですか」
「遊びの意味、理解できたか」
「そりゃあここまでされちゃえば嫌でもわかります」
8主の口調は至って強気なうえ、いまだ諦めずに腕をガシャガシャと動かしている
気力は充分なようだーー
3主はそう思うと、暗く笑った

884遊び 38 4/?:2012/01/02(月) 15:51:12
「感じない、か」
飾りをぎゅっと、それなりに力を入れて強めにつまんだ
「いっ!」
8主の背がびくんとしなる
「なに、8主って痛みが良かったりするのか?」
「痛くて捻り潰されるかと思ったんです!」
「ふーん……」
青いチュニックをたくしあげれば、痛みのせいでか存在を主張しだした赤い飾りが目に入った
それを唇で挟むと、8主の胸に鳥肌がたったのがわかった
しかし止めずに、それを舐めて吸って歯を立てたりした
「これの何が楽しいんですか」
しかしまったく表情を変えない8主が、半ばうんざりしたような声音を出す。まあいきなりよがらせるのは無理だな、と3主は胸のうちで呟くと、身体を起こし、ズボンの前を寛げて、膝だちになり8主に告げた
「口開けて」
「……は?」
流石の彼もぽかんとしたような表情をしている。言われたことが理解できないといった表情。彼が知らないことを教え込もうとしているのだと思うと、知らずに背筋がぞくぞくした
ぐいっとその前髪を掴み、その反動で開いた口に、硬度を増した自身をいれて、あとはもう噛みきられないうちに自分で動かす。ほどよく熱くて、溶けてしまいそうな感じがした
8主の口から漏れ聞こえる苦し気な声とか、顔とか、見てるだけでも中々やばかったが

終わりは唐突だった
「ーー!!」
頬から鎖骨にかけて熱い液体をかけられた感覚があり、目を見開く。同性に掛けられただなんて、屈辱もいいところだ
「えろい格好だな、8主」
しかし、上から暗い笑みを浮かべてこちらを見下げる3主さんに、悪態をつくのは憚られた
「所有印みたいだ、これ」
こちらの頬を指でなぞる彼は、どこか恍惚としたような表情を浮かべている。それには思わずぞっとしてしまった
「所有印……」
「そ。お前はその手錠を外せない限りはここから出られない」
3主さんは寝台から降りると、こちらと自分の衣服をご丁寧にも整え、此処から出ていこうとした
「ちょっと、ふざけてないで外してくださいよ!」
「ああ、そうだ」
ドアに手を掛けた所で、彼の動きがぴたりと止み、顔だけがこちらを向く
「今さらだけど、パソコン使う時の音が五月蝿いってずっと注意されてたんだよ。でも音消すの嫌だったから、この部屋、防音にしたんだ」
「はあ!?いつの間にそんな改築してたんですか」
「いつだろうな。まあとにかく、どんだけ騒いでも音漏れはしないから」
「……」
そんな音をうるさいというような繊細な神経の持ち主が宿舎にいるかどうかはさておき。

「また夜に“遊ぼう”な」
ドアは静かにぱたんと閉められた。部屋には一人、監禁されている青年を残して

885Lin:2012/01/02(月) 16:02:43
半端で申し訳ありませんが、いったんここで切らせていただきます。
続きの更新は近々やります

886名無しの勇者:2012/01/03(火) 10:46:26
あけおめ!
投下おつです!38!うっひょい!
続き楽しみにしてます!!
地の文の視点がばらばらなのがちょっと気になりました…

887Lin:2012/01/07(土) 09:40:44
38 遊びの続きです

38、監禁凌辱もの
3主→どS+狂いかけ
8主→哀れな被害者
以上が駄目な方、スルーお願いします
痛い内容ですが、苦情は勘弁してください…

>>886
38わっひょい!コールありがとうございます(*´∀`)
ご指摘もありがとうございます、言われるまで気づかなんだ…;今回もころころ視点は変わりますが、自分なりに訂正はしたつもりです…。読んで萌えていただけると嬉しいです

88838 遊び 5:2012/01/07(土) 09:44:40
side:8主

ガチャガチャ、という音ばかりが響く。もしかしたら手錠から抜けられるかもしれないと努力をしているのだが、取れないのだ。何か特殊な素材を使用した手錠なのかもしれないと思う。それをどうして3主さんが持っていたかは謎だが
「……ネットで買ったんですかね」
カーテンで半分ほど閉まっている窓を見ると、早いことに外は橙色から紫に変わりかけの色に染まり、少しずつ夜の闇が忍び寄っているのがわかる
「また夜に遊ぼうな、だなんて冗談じゃないです」
今度は一体何をされるのやらーー考えただけで背筋が凍る
だから再び手錠を揺し始めた

「よお、8主」
暫くして、ドアの開閉音とともに自分を呼ぶ声がした。続いてカギが締められ電気が付けられる音。部屋に入ってきたのはもちろん3主さんで、トレイの上に、まだ湯気の出ている食事を僕に持ってきた
それはいつも食べているものと変わりないメニューで、箸まで投げて寄越される
「これ、4主さんが作ったものですか?」
「ああ、俺の分だから遠慮すんな。好き嫌いするなよ」
どこから取り出したのかは分からないが、手錠の鍵を使って右手だけそれが外される
手首を見ると赤く擦れ、痣のようになっていて、自分でいうのも何だが痛々しかった
「……万年ラーメン好きのあなたには好き嫌いとか言われたくありません」
「そっか」
くすりと笑った気配がしてそちらを見ると、今日の昼とは違う、いつも通りの3主さんがそこにいて、どこからか調達してきたのだろう、湯を注いだカップラーメンをもってパソコンの前に座っていた
ーー自分の左手首に掛かる手錠と、今目の前にいる、この普段通りの3主さんの、どちらが現実なのか、一瞬分からなくなる
そのまま、もそもそと箸を進めるも、結局トレイにのせられた食事の半分も喉を通らなかった
「ちゃんと食べろよ」
わざわざ持ってきたのに、という顔をした3主さんはかなり不満ありげにこちらを見ている
「こんな状況で、食欲なんてありませんよ」
「じゃあもう食べないのか?」
答えるかわりに、トレイを近くにあった机の上に押しやる。食べ物を残すなんてことはしたくないが、本当に食欲が湧かない
「食べといた方がいいと思うけどな……後のためにも」
呟きと同時にパソコンをシャットダウンした音が聞こえて、どうしたものかと気になった。顔をあげると、途端に照明のスイッチの音が聞こえて、部屋の中が真っ暗になった

88938 遊び 6:2012/01/07(土) 09:49:11
急に暗くなった部屋を見て、いつの間にか本格的な夜が訪れていたことに気付いた。その暗闇に目を慣らしている間に、ぐいっと右手が強い力で引っ張られ、体勢が崩れて寝台に背中からダイブする。右手が引っ張られ、再びベッドサイドに繋がれたのが音でわかった
(もしかしたら今のが脱出のチャンスだったのかも……)
ぼーっとしていた自分の間抜けさに思わず小さく笑う

「余裕だな」
少しむっとしたような3主さんの声が頭上から聞こえた
「あ、ちょっと」
下腹部への唐突な刺激に身体は愚かしいほど素直なもので、即座に背筋にぞわぞわとしたものが走る
3主さんの手がこちらの腰にかかった。と思いきや、素早くズボンを下ろされる
「い、いきなり……」
「まあな」
温い吐息が下腹部にかかるのがわかって息を詰めると、ぱくりと銜えられた。その確かな熱が触覚を犯し、下腹部から聞こえる水音が聴覚を犯す
「うあ……やだ、やだ、嫌ですってば!」
その音を消すように8主は叫ぶ。素直に熱を帯びる身体がなんとも恨めしい
何かが込み上げ、背中をそらせて手のひらに爪を立てて耐える
しかし、次に先端を刺激されたら、もう耐えることなど出来なかった。
目の前がくらくらとし、沸き上がった熱が覚めていく
そしてその全てが収まった頃に唇が離れていった感触があった
「の、飲んだんですか?」
「ああ、うん」
至極当たり前のように返答され、一瞬目眩を覚えた。しかし息を整える間もなしに、胸の飾りを再び探りあてられる。きゅっと摘ままれた時に、ピリッとした痛痒いようなものが走る
どうやら達したあとの敏感な身体はその刺激さえ快いものにすり替えたらしい。まったく、厄介だ
「さ、触らないでください……!」
「んー?昼の余裕はどうしたんだよ」
自分の上にのし掛かる相手は、呑気にそんなことを比較している。対して僕は与えられる刺激にひたすら耐えている。そんな最中、不意に3主さんが理解不能な言葉を呟いた
「でもあんまり虐めすぎると、さすがの8主でも体力がもたなくなっちゃうかな」
体力がもたない?何の話をしているのかはさっぱりだが、なんとなく嫌な予感はした
まあこののち、その予感は見事に当たってしまうわけだが。

89038 遊び 7:2012/01/07(土) 09:57:57
side:3主

手首には手錠が擦れて赤い痕がつき、胸は苦しげに上下している。窓から仄かに漏れる月明かりがそんな彼の姿をうっすらと照らし出す。その姿に思わず目を細めた
「そう、まだ続きがある」
「本当に止めてください。もう僕若くないんで」
「なんだその変な逃げ口上は。まだ元気だろうよ」
「うぁっ!嫌なもんは嫌なんです、急にこんなの、あんまりじゃないですか!」
ぐりっと膝で刺激を加えると、8主の口からはそんな言葉が溢れ出した。俺は行為の手を一旦止めて、押し黙る
暗闇でもわかるほど8主は黙ってこちらを凝視している。見られていると話しづらいんだが、まあいいか
「……自分でもよく分かってるつもりなんだ。嫌々言われると泣かせたくなるって」
「筋金入りのサドですね」
「多分そうだな」
「僕はマゾではありません。よって放してください」
「嫌だ」
「宿舎にいる仲間じゃないですか。一生のお願いです」
「これでもだいぶ迷ったんだよ。でもこういう結果になった」
「性別は越えられちゃう壁なんですか」
「越えてみないとわからないだろ、そんなの」
……エンドレス。
ああもうキリがない。そろそろ黙らせようか、と思い8主の両足を持ち上げる。さて、初めてやることだらけだが上手くいくかどうか。あまり自信はないが、まぁなるようになるだろう
8主は急なその格好に抵抗するのを忘れ、茫然とこちらの様子をうかがっているようだった。まあ、あちらからしたら、自分の両足の間に俺がいるのだから、そういう反応が妥当だとは思う
「俺、いい加減限界なんだ」
「え、え、あの、無理です!」
何が始まるかは分からずとも、彼なりに危機感は感じとったのだろう。8主はここでようやく腰を離そうと激しく身をよじり、脚をばたつかせ始めた。そんな彼を見てくすくすと笑ってしまう。もちろん脚を離す気などさらさらない
「……悪いけど、もう遅い」
のこのこと俺の部屋にやって来た時点で、既に。
そう呟き、8主の後ろに宛がった自らのそれを、中に押し進め始める。そのきつさに慣らすのを忘れていたことに気付くが、もう止められない
「あぐっ!」
受け入れている側である8主は、その痛みに悲鳴じみた声をあげた。だが、この感覚は凄い
3主は身体を繋げたまま、8主の顔を覗き込んだ
その目をぎゅっと閉じた顔には、先程まであった余裕や強気な態度なんてものはもう欠片もない。今その顔に浮かぶのは、俺から与えられている苦痛だけだ
「わかってないと思うから言うけど、その顔、やばい」
ずん、と思いきり穿ったせいか、その痛みに思いきり背をそらせる8主は(あくまで俺から見たらだが)なんとも扇情的だ
「ひっ……」
彼が鋭く息を呑む。おそらく奥まで入ったからだろう。信じられないことに全部収まった。接合部からは血が流れているため、相当8主の身体に負担がかかっていそうだが。
うん、やはりこういう行為に臨む際は潤滑剤を使わねばと密かに決めた
まあ次があるかどうかは別として、だが。

89138 遊び 8:2012/01/07(土) 10:08:39
side:8主

遊び、の名の通り、人形のように好き勝手にがくがくと揺すられている。自分のなかで熱い何かが蠢く音がする。とにかく酷く痛くて苦しい
しかし思いに反し、律動は徐々に速さを増す
こちらからうっすらと見える3主さんの顔は楽しそうに笑んでいて、見なければよかったと後悔させられるような表情だった
それから幾ばくかもしないうちに、体内に熱いものが注がれて、何かが中で脈打ってるのまで伝わる
「うーん。やっぱ痛かったか、今のだと」
何ですかその緩い感じは。心も身体も痛いなんてもんじゃ済みませんよ……。
それらすべては声には出ずに、瞼がどんどん重くなる
頬を優しく撫でられ、何かを拭われるような感触があった。いやにスースーすると思っていたけど、自分でも気づかないうちに泣いてたのか

「ごめんな」
うっすらと3主さんの声が聞こえた。謝るくらいなら最初からしなければいいじゃないですか。そんな悪態をつく間もなく、僕の視界は黒く塗りつぶされた


×××××××


眩しくて目を醒ますと、朝になっていた
辺りを見渡しても3主さんはいない。そろそろと上体を起こすと案の定下半身が半端なくずきずきして、顔をしかめる
「あれ……」
腕が自由に動くことに驚く。手錠が外されているのだ。手首の、擦れて鬱血した痕も消され、衣服も身体も身綺麗にされている
「うわ、酷い声だ」
散々泣いたり喘いだりしたせいで、声はすっかり掠れている。まったく、あんな鬼畜な人が勇者の元祖だなんて、世も末だ
心中で毒づいてみる
ただ、疑問に思うこともいくらかあった。
どうせ手酷くするなら、最後まで手酷くすればいいのに、それなのに後片付けとかは必ずやっていって、何か妙に謝られたりなんなりしてーーああもう、結局相手が何をしたかったのか、さっぱりわからなくて頭が混乱する
「……訳わかんないですよ。なんなんですか」
そういえば、まだ聞いていないことがある。なんで僕にこんなことをしたのかーー
置かれているブーツを履き、ベルトを閉めバンダナを頭の後ろで結ぶ。立ち上がると足は若干ふらついたが、なんとか踏ん張って歩き出し、3主さんの部屋を出て、リビングへ行った

「8主先輩!」
そこには9主くんがいた。いや、彼だけでなく皆さん勢揃いだった。なんとまあ賑やかな
「どうかしたんですか?眼が腫れていますよ」
そう聞かれて気付く。そんなにも泣いたのか……いや、正確には泣かされたのか、だが。
「大丈夫、ちょっと寝不足なだけですから」
「随分ひどい声だね。それと、急にいなくなったから驚いたよ。あっちの世界にでも帰ってたのかい?」
「……ええ、まあ。そんなところです」
「そうだな。一緒に遊ぶぞって言ってたのに、俺のことなんかほったらかして行っちまうんだから」
声のした方を見ると、2主さんと一緒にいる3主さんが何もなかったかのようにこちらに話し掛けてきた
「ああ、そうでしたね。すみません」
腕が震えそうになるのを必死で抑えた
「じゃあ、また今度な」
「僕出来ない約束はしない主義なんですよ」
「なんだよ、冷たい」
「だからーー」
どすどすと歩いて3主さんに近付き、その腕をがしりと掴み、立ち上がらせる
「今、遊びましょう」
そう言って自分なりには精一杯の笑顔をつくり、腕を引っ張る
「え、あの、8主?」
「確か3主さんの部屋でゲームする予定でしたよね!?」
そう言って有無を言わせずに、再び部屋まで連れて行った
……聞くべきことがあると思っていたから。

89238 遊び 9:2012/01/07(土) 10:34:11
「……」
3主さんの部屋のドアを後ろ手に閉める
僕の前には3主さんが、わけがわからないといった表情をしてこちらを見ている
「僕、これでも怒ってるんです」
「ああ」
「ああ、じゃありません。返事は?」
「……はい」
その時の僕の顔は、自分では見られはしないが3主さんの反応からして恐ろしい形相をしていたのではないかと思った
少しばかり胸のうちがすかっとしたとしたところで、本題に入ることにした
「なんで僕にあんなことをしたんですか」
「……」
「黙ってたって分からないじゃないですか」
「ごめん」
「昨日から謝ってばかりですね」
「聞こえてたのか?」
「ええ。伝説の勇者様が随分情けない声を出すものだなあと」
3主さんは下を向いてしまった。その様子は酷く頼りなげで、とても昨日と同一人物だとは思えない
「聞くまでは、梃子でも動きませんよ」
「……」
しかし彼は押し黙ったままだ
あれ、なんかまずい。目頭が熱くなってきて慌てる
「何か、僕が3主さんの気に食わないことでもしたんですか」
ぐっと奥歯を噛み締めた。そうじゃないと声が震えそうだったから。3主さんはというと、こちらを唖然と見つめている
「僕が嫌いだから、あんなことをしたんですか」
仲間だと思っていたから。男に無理矢理されてショックだったから。多分その両方が、僕を泣かせている要因だ

「……違う」
こちらの頬に手が当てられ、また涙を拭われる。なんだか、いつもこちらばかり泣いている気がして癪に触る
「その逆だ。嫌いな奴になんてあんなことはしない」
はあ、と息をつかれ、両肩に重みを感じた。3主さんが、両腕を乗せてこちらに寄りかかっている。お互いの睫毛が見えるくらいの距離感で、俯いてなんとも情けない顔をしている彼がいた
「言っときますけど、僕はまだ許せませんから」
「わかってる」
「でも許せるように努力はします」
「え……」
ぱっとその顔が上がる。本当に昨日とは別人みたいだと思って、小さく笑ってしまった
まだ僕は3主さんを見て笑える。なら、きっと大丈夫だろう。いつか昨日の出来事を忘れられる日が来るに違いないーーそう思った


「なあ8主。こんな状況で言うのも何だが、聞いていいか」
「なんですか」
「ーーなんでこの部屋に戻って来たんだ?」
「……あの、ちょっと」
そこで、しがみつかれている肩が痛いことに気付いた。3主さんの力が異様に強いのだ。引き剥がそうとはするが、それも出来ない
「可哀想だと思ってせっかく解放してやったのに、本当に無防備だな」
3主さんの顔は、先程までの情けない表情から、能面のような無表情に変わっていた。思わず気圧されてドアにもたれ掛かる。まずい、非常にまずい。これじゃあまた、同じ結果になる。知ってはいるけれど、情けないことに手足が固まったように動かない
「今度は自分から誘ってきたんだから、もっと酷くしてもいいってこと?」
「何言ってるんですか」
「そんなに怯えられると、肯定としかとれないけど」
「違う!僕はただ、戻りたかっただけなんですよ!」
何もなかった頃みたいに。
べろ、と首筋を舐められて悲鳴をあげながらもそう言った
「……馬鹿だな、8主は」
しかしその願いは、笑いながら弾かれた
「ここまで来たら、もう無理に決まってるだろ」
そう言われ無遠慮に服の中に手が入ってくる。なんて冷たい手なんだろうーー感じるより前にそう思った
「3主さんなんて、大嫌いだ」
いつの間にか俯いていた僕の頤に冷たい指がかかる
「それでいい」
「最低ですよ」
「知ってる」
口内から水音がして、そこで舌が絡められているのだとようやく気付く。熱くなる身体とは逆に心は冷えて底に沈んでいくのがよくわかった。膝が震える。足を引っかけられるとあっさりと転び、床に叩きつけられた
なんでそんなに楽しげな様子で笑うんだろう。強敵と戦うような経験をしても、ここまで身がすくむような恐怖は感じたことがなかった
しかしそれとは対照的に、こちらを見下ろしているその目はあまりにも暗くて、底の知れない沼のような色をしている
「こっちに来るな」
「無理だな」
「やだ!嫌だっ!誰か……」
すぐ近くにはドアがあるのに、届かない。あと少しでノブに手が届くのに……!
敬語さえ忘れて半狂乱になる
しかし伸ばした腕は掴まれた
彼が目の前にいる。起こしていた上体が倒される。顔が近づく

「自業自得だな、8主。これから俺とずーっと遊ぶんだから、少しくらいは楽しそうにしてくれよ?」
その言葉は、僕の耳には死刑宣告みたいに聞こえた

89338 遊び 10:2012/01/07(土) 10:46:38
side:3主

「最近、8主くんのこと見てないなあ」

7主が不意に一人ごちる。その場にいた4、5、6主もその話に乗り始めた
「7主もか?俺もだいぶ会ってないんだよな」
「俺も見てねーな。まあ静かになって嬉しいが」
「とか言って実は4主が一番寂しがってたり……なんてね」
「ギガソー」
「うわ、ちょっと待って!」
「ド」
「ぬわーーーーーー!」
「……。でも、正直心配だよね。もう1ヶ月くらい会ってないし」
「そうだな。無断で1ヶ月も宿舎抜けるような奴じゃないから、尚更な」
何言ってるんだよ、凄く近くにいるじゃないか、とは俺は言わない。椅子から立ち上がり、部屋へ向かおうと歩き出す
「もう行くのかい?」
早々に復活したらしい5主が、こちらに聞いてくる。俺はそれに微笑んで返した
「パソコンやろうと思ってな」
まあ本当はパソコンよりもっと楽しいことをするんだけど。それに4主があきれた顔をしてこちらを見てくる
「お前は……。まあいいや、夕飯には降りてこいよ」
「ああ」
相変わらずのオカンっぷりだ、とは言わなかった。言っていざこざになったら、大事な“遊び”の時間が減ってしまうだろうから

「あいつ、何かあったのかな」
3主が部屋に行ったことを確認してから、不意に6主がそう言った
「は?どうしてだよ」
4主が怪訝そうな声で6主に聞き返す。それに6主は頭を掻きながら言った
「よくは分からないんだけど、なんかこう……影ができたっていうか」
「なんだそりゃ」
気のせいだろうけどな、と6主は肩をすくめた


×××××××××

もう喘ぐ元気もないのだろう。代わりに、何かが振動するような低い音ばかりが部屋に響いていた
1ヶ月間、後ろにバイブを突っ込んでいれば自然といい所も見つかり、艶めいた声があがるようになった。
その瞳だけが気だるげに動いて、こちらのことを自分を閉じ込めた当人だと認識する
「これ……止めて……」
「いやだ」
そう言って白濁にまみれた彼の腹を指でついと撫でると、それだけでも彼は身体を震わせ、ぎゅっと目を閉じた
「3主さん……、もう嫌だ……」
あれから1ヶ月経ってもまだ否定し続ける気力のある彼は、なんというか、流石だと思う
「8主から遊ぼうって誘ったのにか?」
「……違う、」
「違わない」
「嘘だ」
「じゃあなんでこんなに気持ち良さそうなんだよ」
白濁のついた指を見せつけて、また1つ何かが壊されたような8主の表情を見る
ああ、そそられる
「……僕が、誘った?」
「そう。忘れたのか」
またそんな、虚ろな瞳で泣きそうな顔をして。
「好きだよ、8主」
もうそう言ったって、どうせ相手に伝わりはしないのだろうが。最初は罪悪感もあった。けれど今は暗い喜びの方が大きくて、そんなものはいつの間にか霞んでしまった。だからこの遊びはまだまだ終わらせる気はない。
「だから、もっと泣いて」
そう言って俺は、さながら壊れかけの玩具のようになった8主の、腫れた瞼にキスをした

××××××××

894Lin:2012/01/07(土) 10:48:28
以上で投下終了です
お目汚し失礼しました
指摘される点が沢山あると思うので、そっと教えていただけると有り難いです

895投稿小説リスト:2012/03/17(土) 18:40:33
>>4-10 :61 / >>13-14 :84 / >>20-23 :84fromDQFFサロン
>>28-33 :13 / >>39 :23 / >>40-41 :56

>>45-48 【Ligament】[1] / >>56-59 【Ligament】[2] / >>64-70 【Ligament】[3]
>>83-88 【Ligament】[4] / >>103-108 【Ligament】[5] / >>136-144 【Ligament】[6]
>>154-160 【Ligament】[7] / >>164-170 【Ligament】[8] / >>176-181 【Ligament】[9] 
>>186-193 【Ligament】[10] / >>376-379 :【Ligament】[11] / 未完

>>50-52 :7→キーファ前提7→6 / >>62 :5小ネタ

>>73-77 :8→4媚薬エロ[1] / >>96-99 :8→4媚薬エロ[2] / >>113-120 :8→4媚薬エロ[3] 

>>80 :5小ネタ / >>92 :131小ネタ
>>125 :5勇→4ほのぼの[1] / >>129 :5勇→4ほのぼの[2] / >>526 :5勇→4ほのぼの[3]

>>133 :84小ネタ / >>203 :84小ネタ / >>210 :本スレネタ / >>214 :67・>>210追加ネタ
>>226 :84小ネタ / >>233-239 :48 / >>247 :57・67 / >>248 :53・13

>>254 :7&4 / >>257 :34? / >>260 :34?・>>257便乗 / >>261 :>>257別ver
>>267 :67 / >>272-275 :1←3?・4←8? / >>281 :1→3?

>>287-290 :1&3同じ部屋に閉じ込めてみた / >>291-292 :4&8同じ部屋に閉じ込めてみた
>>294-295 :6&7同じ部屋に閉じ込めてみた / >>296 :2&5同じ部屋に閉じ込めてみた

>>302 :67 / >>306-307 :24? / >>312 :上6←7←下6・>>306-307便乗

>>320-326 :13暗め[1] / >>330-336 :13暗め[2] / >>342-346 :13暗め[3]
>>350-355 :13暗め[4] / >>359-364 :13暗め[5] / 完結

>>384-394 :4&5 / >>398 :名無しさん、54への熱き分析

>>403-412 :8→3監禁調教物[1] / >>426-436 :8→3監禁調教物[2] / >>444-448 :8→3監禁調教物[3]
>>454-460 :8→3監禁調教物[4] / >>467-476 :8→3監禁調教物[5] / 未完

896投稿小説リスト:2012/03/17(土) 18:41:22
>>480-481 :1→3 / >>484-487 :2→1 / >>490-491 :67 / >>493-497 :78or87(48、67前提)
>>501-502 :4→2?24? / >>506-510 :78ほのぼの / >>513 :1→3・本スレ23(382−389)ネタ

>>518-519 :8→4前提8&2 / >>524-525 :84・>>518-519の後日談 / >>531 :84
>>533-534 :858? / >>537-539 :8&6・果汁の本領>>533-534続き / >>543 :13

>>547-552 :848・6←7 / >>560-561 :84 / >>574-579 :5&2 / >>585-593 :1→←3←4
>>595 :つぶあん派vsこしあん派  >>597-599 :6→←7  >>605-612 :8→4・67

>>617 :13 / >>620 :67 / >>622-623 :84 / >>626-628 :73 / >>634-636 :羊×3(エログロ?注意)

>>638-639 :1+4【体格】 / >>643-645 :3→4←5【彼にとっての】 / >>647-650 :24【ムヒョウジョウ】
>>654-658 :3→4【過去と今と……】 / >>663-667 :5→4【マナーと教養】 / >>671-674 :6+4【色気】
>>677-680 :7→4【やさしさ】  >>682-688 :8→4【強く儚い導き】
>>692-697 :84(if世界)【変わるもの変わらないもの】 / >>700-703 :34【cherry】

>>704 :1+4 / >>725 :1→3前提14[1] / >>757 :1→3前提14[2]
>>729-732 :13+5 / >>737 :8+4 / >>740 :84 / >>742-752 :84 / >>764 :8+4
>>775-776 :1→3 / >>781 :8→4 / >>785-788 :48 / >>791 :545勇ほのぼの

>>796-804 :8→4【恋愛睡眠のすすめ】 / >>808-821 :【84のはなし】

>>825-827 :84中心オールキャラ / >>832-837 :48  >>841-843 :8→4
>>844 :34(女体化ネタ注意)/  >>848 :34(女体化ネタ注意)>>844続き
>>849-852 :52ほのぼの / >>856 :84?+5

>>868-870 :【歴代衣装13編】 / >>871-873 :【歴代衣装84編】 / >>874 :【歴代衣装おまけ編】

>>880-884 :38【遊び】[1] / >>887-893 :38【遊び】[2]

897348:2012/03/18(日) 13:44:11

3主「こんな感じに>>895-896リストアップしていったが、こうして改めてみるとすごい量だ。圧倒されるな」
4主「レスも900間近だしな。しかし本当すごいな」
3主「作成作業中、読みふけってしまって完成まで予想以上に時間がかかってしまった」
4主「あー、古新聞の処分で俺も似たようなことやってた」
3主「あるあるwwwで、どうよこれ。ネタ数トップから一言」
4主「ぅ、しかしスレの趣旨が特殊なだけになんとも……」
8主「笑えばいいと思いますよ」
3主「8主、いつのまに!?」
8主「4主さんを嬉々として部屋に連れ込んで行くのを見たので。ドアの隙間から様子を窺ってました」
4主「はたから見たら不審者そのものだろうな、おまえの行動は。よそ様でやるなよ」
3主「そのカメラの用途はあえて問うまい」
8主「しかしまあ、圧巻たる量ですね。作品投稿というのは愛なくしては始まりませんよ」
3主「まったくだ。だが本スレもこの場所も最近は過疎気味なのが残念だな」
8主「この場所はまだ連載途中の作品もありますしねえ」
4主「気持ちは分かるが……やはりまだ昨年の混乱は片付いていないし、賑わいを求めても仕方ないだろう」
3主「そうだな。マターリしつつ過去ログを読んで、懐かしさに浸るもよし」
8主「読んだログから感銘を受けて、投下に挑戦してくれる方も現れるかもしれませんし」
4主「この緩やかさも悪くはないさ。ってことで>>858の作戦を拝借しよう」

さくせん [> きながにいこうぜ!

8主「……ところでオチはどうするんです?」
4主「え。俺、そういうの無理。オチ担当は3主に一任する」
3主「賑わいもオチもそう人に求めるな。不平を言うより進んで明かりをつけようぜ」
8主「ごもっともで。では言い出しっぺの法則に従い、僕がひとはだ脱がせましょう。3主さんはカメラをお願いします」
3主「おれにまかせろ!」
4主「待て8主。なぜ俺の服に手をかける。3主も言われるままカメラ構えてんじゃねーよ!」
3主「いいじゃねーか。俺にオチを任せたお前も悪い」
8主「まあこの場所での求められるオチと言えば、こういうことでしょう」
● REC
4主「え、ちょ、や、やめっ……!」

898名無しの勇者:2012/03/19(月) 09:57:45
おおお!おつです!

899名無しの勇者:2012/04/14(土) 22:11:00
ほしゅほしゅ

9004→7:2012/06/05(火) 06:41:59
過去ログ読んで萌えたので初期の4主→ビビり7主

4主「(暇だ……。珍しく宿舎に誰もいない)」
ガチャ
7主「ただいまー。って、うわっ4主さん!?」
4主「よう、おかえり(二人きりだ。少しは仲良くなれるか?)」
7主「(すすす凄い勢いで、ここ、こっち睨んでる!)
   あ、あのあのあのた、ただいま戻りました!」
4主「いや、なんで敬礼してんの?」
7主「あ、悪魔のように口元が歪んだー!
   ぼぼ僕、いや4主さんに対して僕なんて一人称は不遜すぎますよね! いくらでも謝ります! なんなら今すぐ消えます。死にます。
   だから、その僕を藪蚊よりも惨めに叩き潰す為に振り上げたその手をおろしてくださいましませた!
   な、なんでラスボス相手に僕一人なんだよー! 助けてマリベル、アイラ、キーファ!」
4主「(7主、思ってること口に出てる)いや、これはたんなる挨拶で……」
7主「あ、挨拶!? そ、そうですよね! 出会いがしらに辻斬りのごとく、痛恨の一撃で相手を叩き潰すのが魔界流の挨拶ですよね!?
   死にたくない死にたくない死にたくないシニタクナイシニタクナイ」
4主「あ、いや、あのな……(魔界流?)」
7主「ヒィィィ、お父さんお父さん魔王が僕を手招きするよ!」
4主「(シューベルト?)いや、7主あのな……」
7主「な、なんで僕の名前を!? ま、まさか! 太陽も恐れるその凶悪顔でフィッシュベルのみんなを脅して僕の情報を聞き出したの!?」
4主「いや、俺たち元々顔見知り……」
7主「ひどいよ! 僕だけならともかく、村のみんなまで!」
4主「……なんでそうなる」
7主「ウワアァァに睨んでる! メデューサより恐ろしい顔が僕を睨んでる! い、石になっちゃうぅ……!」
4主「(あー、もう。うるさいな)メデューサに睨まれたものがなぜ石になっちまうのか知ってるか?」ニヤ
7主「(゚д゚)……
   (゚д゚ )≡( ゚д ゚)ブンブンブン
   (てか、顔近い顔近い! イシニナッチャウヨ、シンゾウトマルダレカザオリク)」
4主「それはな、メデューサのあまりに恐ろしい形相のせいで、恐怖にすくみ上がった心臓が止まっちまうからさ」ニヤリ
7主「(ミミモトデササヤカナイデ! テラコワス! イ、イマナニカセナカヲツメタイモノガ……! )」
チュ
7主「ク、クチビルニヤアラカイカンショ…qあwせdrftgyせきばんlp」
4主「(お、静かになった)」
7主「……( ゚д ゚)……」

5主「そうして、7主が石像になったまま8年の月日が流れた……」
1主「流れてない。流れてない」
4主「あ、二人ともおかえり」
二人「ただいま」
7主「……( ゚д ゚)……」

901名無しの勇者:2012/06/07(木) 23:29:15
可愛いよ二人とも可愛いよ

902名無しの勇者:2012/08/28(火) 11:44:28
魔笛かw
二人ともかわいいなー

903名無しの勇者:2012/08/31(金) 09:04:31
こんな二人はいやだ

昔書いてたもの。48


■背景がお花畑

4主「ヌッコロス」

8主「チッ、見つかっちゃいましたか…」

4主「逃げんなw待てコラww」

8主「あははw捕まえてみやがれですww」

キャーキャー

他主「………」




■褒め愛?

4主「ああ8主か…今日もまた鱗に似たすべすべな肌だな」イチャイチャ

8主「4主さんこそ、鳥みたいに柔らかい髪の毛…羨ましいです」イチャイチャ


7主「ねえあれはなんなの!?楽しいの!?」

6主「まあそう取り乱すな7主。俺もさっきから悪寒がひどくてな」

3主「メガンテ寸前の爆弾岩を見ているようでどうも落ち着かない」




■新婚さん風に

8主「4主さ〜ん、料理手伝いますよ!」

4主「ああ、助かる」

8主「わ、指切りました」

4主「馬鹿だな8主、慌てすぎだ。指見せろ」

8主「よ、4主さん…わざわざ舐めなくても」



3主「いつから宿舎はリア充の巣窟に…ぐは(砂吐」

6主「いつから…だろうな、おぇ(吐血」

7主「うわぁぁん、鳥肌MAXだよーー!(タヒ」

6主「7主が犠牲に…許すまじ4主8主」






9042/2:2012/08/31(金) 09:07:16
スマソ上の続き。48



〜その後。楽屋裏〜



8主「ふふ……」

4主「くく……」

4主8主「「あははははは!」」

8主「見事な演技でしたよ、4主さん」

4主「8主もな。あの3人の顔は見ものだったぜ」

8主「珍しく馬が合いましたね。じゃあ誤解を解きに行きましょうか」

4主「なあ、8主」

8主「なんですか?」

4主「……俺は、誤解されたままでいいんだが」

8主「へ?」

4主「だから……ああもう、こっち向け」

8主「……」

4主「……」

8主「な、なな、なんできききキスなんか……」

4主「俺はこういうことを8主としたいって言ってるんだよ。で、お前はどうなんだ?」

8主「べ、別に…そんなこと言われても嬉しくなんて全然ないんですからねっっ!」

4主「そのわりに顔が赤いな」

8主「気のせいです!」


1主「ドアの前に棺が一つ。あと3主と6主が倒れてるな」

2主「ふたりとも、なにやらあわをふいているぞ……ドアのむこうになにかあるのか?」

5主「決して覗いてはいけないよ2主。向こうには大人の世界が広がつてゐる」

9主「何がともあれお二人に祝福を!良かったですね」ニコニコ

905名無しの勇者:2012/08/31(金) 09:22:23
>>903-904のもんです。
1主の言う3主→ご先祖に脳内変換してください
間違い多くて本当すまん

906名無しの勇者:2012/10/12(金) 19:15:17

最初は、ただ「純粋な人だなぁ。」と思った。
だって彼は、僕が冗談でついた嘘もそのまま丸ごと信じてしまう。
僕はそれが面白くて、何度も何度も繰り返し彼に嘘を教えた。
だけど彼はそれを、「そうなのか、8主は賢いな!」と言って尊敬の目で
僕を見てくれた。正直、そんな彼にあきれることもあった。
そんなやりとりをしていく内に彼に関していろんなことを知った。
ローレシアの王子であること、1主さんと3主さんをとても尊敬していること、
なかなかロンダルキアが突破できないこと、仲間がとても大切なこと・・・
次第に僕は彼のことを一つ知るたびにもっともっと彼のことを知りたいと
思うようになった。
この時点での僕の彼に対する感情は「尊敬」に他ならなかった。
・・・はずなのに。いつからだろう、彼に送る感情が「愛情」に
変わったのは。いや、きっかけなんて多分なかった。
ふとした時、「ああ、自分は彼が好きなんだな。」と思った。
でも、僕は自分の気持ちに気がついても何もできなかった。
僕の独りよがりの思いで、彼と、みんなとの幸せな日常を壊すなんて
できなかったから。今までどうり、彼の近くに居られれば幸せ。
そう思っていた。
・・・なのに。4主さんが彼に勉強を教え始めた。

907名無しの勇者:2013/01/14(月) 12:55:35
とりあえずほのぼの84

4主「まーたコイツは…」
8主「スースー ムニャムニャ」
4主「おい、8主。こんなとこで寝てたら風邪ひくぞー早く炬燵から出  ろ」
8主「スースー」
4主「おい、8sy…」ガシッ
8主「ムニャ……4しゅさ…ん」
4主「……(手、握られた…)」
4主「…(いつもなら…こんなのんびり出来ないよな…)」
8主「……」ムニャムニャ
4主「…まぁ、たまにはこういうのもいいか…」
8主「ふにー…」
4主「何か猫みたいだな…」
8主「4主…さんの手…冷たくて気持ちいい…です…」
4主「そっか…あー…俺も何か眠くなって…き…たな…」スースー

ーーーーーーーーーーーーー

5主「あ、二人ともこんなとこで寝ちゃってーとりあえず風邪ひくといけないから炬燵からだしとっこと」

5主「ソファーに寝かして毛布を掛けてっと」
5主「ふぅ、これでよし」
5主「……」
5主「にしてもこの二人、いつも喧嘩してるけどホントは仲良いんだなー」

5主「こんな手握りながら寝ちゃってさ」

スースー

908907:2013/01/14(月) 13:00:54
うああっすみませんっ!
4主の「炬燵から〜」のセリフの最後ん所間違って空白入れてしまいましたああ!
読みずらくてすいません、ちょっと吊ってきます!

909名無しの勇者:2013/01/14(月) 18:37:29
吊らないで、吊らないで!
萌えた!ありがとうありがとう

910名無しの勇者:2013/01/16(水) 18:59:43
909さんありがとう!
このスレにまだ住人が居てくれた事が嬉しいです

あと、長編を書いてみようかと思うのですが需要ってまだありますかね…
もしあったら少しずつ投下していきたいです
(内容は848中心で67とか13とかのバトルです)

911名無しの勇者:2013/01/16(水) 20:03:37
まぁ投下してみんしゃい

912名無しの勇者:2013/01/16(水) 20:35:32
需要ありありなんでお願いします!

913名無しの勇者:2013/01/18(金) 22:06:24
911さん、912さんありがとです!
案がだいたい練れたので明日辺りに投下させてもらいます

914名無しの勇者:2013/01/18(金) 22:13:07
変換間違えました…orz
「させてもらいます」→「させていただきます」でした
変換に変なクセがついてる…直しておかなければorzorzorz

9151/5  8+4:2013/01/19(土) 22:44:58
8主「はい!こちら中継です!今僕はヨンシュ村にいます!
自然に囲まれていて空気が美味しいです!ご飯3杯いけます!
お、村人らしきひとが出てきました
怖い!顔が怖いです!眉間におもいっっきり皺がよっていま…」
4主「うるせえよ8主」
8主「何ですかもー、せっかくいい所だったのにー」
4主「どこら辺が良かったのか10文字以内で説明しろよ」
8主「4主さんの顔が怖い所」
4主「うわっ微妙な返ししやがって…というか本当にお前は手伝いにきたのか?邪魔しに来たんだったら帰れよ」
8主「もー邪魔しに来たなんてヒドイですねー」
4主「さっきから無意味な中継やってるお前が何を言う。かれこれ2時間だぞ…飽きないのかよ」
8主「いやいやー2時間なんかじゃヨンシュ村の魅力は語り尽くせませんよー」
4主「はぁ、そうかい。…まぁいい、メシにすっぞ」
8主「待ってました!」

タタタ…

9162/5  8+4:2013/01/19(土) 22:56:45
8主は俺の村によく来る
本人は手伝いに来てると言っているが、はっきりいって邪魔しかしていない
だが、何となく8主がいてくれると心なしか落ち着く
もしかしたら俺は心の底では8主を信頼しているのかも知れない
だからこんな事を言ったのだと思う


「ーなあ、自分がいなくてもいいんじゃないかって思う事はないか?」
「はい!?」
僕は手に持っていた食後のプリンを(4主さんの手作り)とスプーンを床に落としてしまう
もったいない、後で拾って食べよう
5秒ルールだ
いや、今はその事は置いておこう

今、この人はなんて言った?

「いや、もし自分がいなかったとしてもこの世界は変わらなかったんじゃないかなーと思ってさ」

『自分がいなくてもいい存在』そんな悲しい事を何故考えているんだ?

思い当たる節はある
この人は世界を救った後、自分の帰りを待ってくれる人が誰一人いなかった孤独な勇者だから

9173/5  8+4:2013/01/19(土) 23:13:04
だからと言っても今のこの人には大切な仲間がいる
決してー孤独なんかじゃない
なのに何故ーー

「何言ってるんですか4主さん、自分がいなくてもいいなんてーそんなことあるわけないじゃないですか。
それにあなたがいなければ世界は救えなかったじゃないですか、大切で必要な存在ですよ」
僕は言う、だが4主さんは
「でも、もし俺がいなくとも天空の血を引く者さえいればーその者が勇者となり、世界を救えたのかもしれないだろ?」

本当に何なんだこの人は、まるで自分が勇者としてしか必要とされてないような言葉をー
実際そうだったかもしれない
そんな扱いをこの人は受けていたと言うのだから
でもーー

「あのですねぇ、じゃあ仮にそうだったとしましょう。確かに4主さんは『勇者』としては必要ありません、ですが4主さんという人は必要なんですよっ!」
「あなたという人がいなくなったら大好きなシンシアさんや旅の仲間、宿舎の皆さんが悲しみます!絶対です!」
4主さんはこちらを少し唖然としながら見ているー
続けて僕は言う
「あなたはー他の人が自分のことをどれだけ大切に思っているか、もう少し考えてみてください!」

9184/5  8+4:2013/01/19(土) 23:29:37
僕は少し怒っていた
それには理由がある

僕はーー4主さんの事が好きだからだ
友達としてか、いやそれ以上に好きだ
不器用ながらも優しい、そんな4主さんが好きだ
だからーそんな好きな人が『自分はいなくてもいい存在だ』なんて思っていたら怒るに決まっているじゃないか
僕にとってーーいなくてはならない存在なのに
(え?日頃のイタズラ?……素直になれないのは気にしてるんですよ…)

「ーー」
4主さんは僕が怒ってるのに気付いたのか少し唖然としてる
「ーーはは」
「何ですか急に」
「いや、お前の話聞いていたらさーー何か立ち直れたわ」

ここまで人を困らせといていきなり!?
……僕がどれだけ動揺したか
もー4主さんはああああ!!

「OK!表に出て下さい!僕怒りましたからねっ!」
懐かしい台詞を言い、僕は立ち上がった

「8主?ど、どうしたんだよいきなり」
「もういいです!というかそれはこっちの台詞!ほら、行きますよ!」

9195/5  8+4:2013/01/19(土) 23:48:04
その後、俺達はいつも通り喧嘩して
こんな日はもう仕事をする気になれないので早めに作業を切り上げてグダグダしながら宿舎に戻った

本当はあんな事言うべきじゃないのも分かってはいた
ただ、こいつになら言ってもいいんじゃないかと思い言ってしまった
困らせてしまったようだし悪かったと思う
ただ、あいつが俺の事を『必要な存在』と言ってくれたことが、とても嬉しかった

だが、なぜ『自分は必要ないんあじゃないか』なんて考えだした訳はーー


ーズキ

実は最近調子が悪い。パデキアはもう飲んだが、なんだか冷たく、消えていくような感じが収まらない
それに頭の奥でこんな声が聞こえてくる
「オ前ハモウイナクテモ大丈夫ダ、ラクニナレ」

と言われている。この何だか心地いい声に流されそうになる

ーだが、8主が言ってくれた通り俺を必要としてくれている人がいる

(うし、明日からまた頑張ろう)
あいつの為ーーいや、皆のためにも

920915:2013/01/20(日) 00:01:21
今回BL要素は少なめです
色々気になる点があると思いますが生暖かい目でスルーしてやって下さい
続きはのんびり投下させていただく予定です
見てくださってありがとでした!

921名無しの勇者:2013/01/20(日) 00:54:02
乙!楽しみにしてます

9221/1 13 微妙に主ヘン:2013/01/29(火) 19:41:33
5主「はあああああああ……」
3主「ん、どうしたんだ5主。盛大にため息ついて」
5主「…いやさぁ、ちょっと名前の問題なんだけどね」
3主「ああ、トンヌラか」
5主「そう、実はこの前ヤってる時に気づいたんだけどさ…」

ーーーー回想中ーーーー

「あっ!…ふぁ……はあっ」
5主「ふふっ大丈夫かい?」
「ひっ………ん!…はふぅ………」
5主「声…我慢しなくていいよ?」グリッ
「ん!……ああ……」

ーーーーーーーー

5主「……って感じだったんだよね」
3主「おいコラお前!誰とヤってたんだよ!4Pでないって事は奥さん達ではないだろ!」
5主「ははっ誰かなぁ♪ まあそれはさておきこっからだよ」

ーーーーーーーー

「と……」
5主「ん?」
「と……トンヌ…」
5主「……え」
「はっ!…んぁあ……トン…ヌラぁ……」
5主「……」
「トンヌ、ラ…と…ンヌ……らっああああ!」

ーーーーーーーー

5主「…と、なってね」
3主「相手が誰だかはもう置いといて、確かにそれはな…トンヌラか……」
バターン!
1主「そうだよ!俺もなんだよ!分かってくれるか5主!」
3主「ああ…『おっ。て』だもんな…お前」
1主「そう!そのせいかイイ所で何だかギャグになってしまう辛さ!せっかくご先祖が俺の名前を喘ぎながら呼んでくれるのにいいいいいい!」
3主「///!おいこら1主!何どさくさに紛れて言ってんだ!」
1主「俺のご先祖がこんなに可愛いわけがありすぎるうううううって状態なのにだよ!?あんまりだ!」
5主「うんうん。だよね、だよね」
1主「わかってくれるか5主!と、いう事でご先祖!これからは小説ネームのアレフで呼んでくれ!」
3主「ちょっ何で」
1主「お願いだあああ!頼む、ご先祖!」
3主「…………いや、だってさ…は、恥ずかしいし…ってああ!い、いいだろ!別に!俺もその方が好きだし!」
1主「!……ご、ご先祖!ありがとうおお!ヤッターゴセンゾガデレテクレタァワーイ」
3主「今半角カタカナでなんて言った」
1主「きゃっほおおお!」
3主「ちょっおまw6主並にテンション高いぞww」
ワーワー
5主「……」
5主「あれ?僕忘れられちゃってる?」
5主「……じゃあヘンリーにも言っておくか」

923名無しの勇者:2013/01/29(火) 20:25:32
13!13!( ゚∀゚)o彡゜

924名無しの勇者:2013/02/07(木) 21:24:15
お゜っての発音できるご先祖Sugeeee
主ヘンもイイヨイイヨー

9251/4 5+4:2013/05/27(月) 02:19:50
BL要素少なめです。

*****
 会議が終わる。父の残した立場が恨めしい。今すぐ、妻たちの元へ向かいたいのに。
 席を立ち上がる。自分が立ち上がらなければ、皆も立ち上がれない。
 くやしい。だけど、国民を、何より残された生まれたばかりの子供たちを置いてはいけない。
 重厚な扉を開いた先に、それは佇んでいた。
 かつて父から託されたもの。一人では立つことなど物理的に無理なはずのそれが、確かにそこにあった。
 柄の意匠のドラゴンが銜える宝玉が煌く。それは、確かに宝物庫に安置していたはずの、『天空の剣』。
 きらり、きらりと意思を持つかのように宝玉が煌く。どちらかというと華奢な意匠のその剣に、誰もが近づけなかった。
 『心のままに生きなさい』
 ふと聞こえた、記憶の奥底、翡翠色の残影の声。かつて、あの人が言った言葉が耳にこだまする。
 『ここは、私が守ろう。新しい主が振るう力を持つ、そのときまで』
 今度は確かに聞こえた。いや、意思だろうか。でも、不思議とあの声と似ていた。
 新しい主?
 きらり、ともう一度、宝玉が煌く。その脳裏に、生まれたばかりの双子の、男の子の顔が浮かぶ。
 あの子が勇者?父が探していた、そして僕が探し続ける。天空の名を抱くもの?
 『さあ、貴方は貴方の心のままに。私が守ろう。子らを、この国を』
 周りがこの声を聞いていないのは明白。でも、幻聴だと思うにはあまりにその意思は強く、脳裏で瞬いた。
 僕は頷き、周りに意思を告げる。
 頭を下げた。頼む、と。本当はもっと早く下げるべきだった。王だろうがなんだろうが、人に物を頼むときは、頭を下げるものだから。
 剣がもう一度瞬く。まるで、そうだと頷いたように見えた。

9262/4 5+4:2013/05/27(月) 02:20:44
 あれはどこだったのだろう。覚えているのは一面の花畑。父は僕を何時も冒険に連れて行ってくれた。
 もちろん、危険がない場所ばかりだったけど、それでも僕は嬉しかった。
 父は僕を置いて、ほら穴に潜っていった。此処からは危険だから待っていなさいと。
 そういうことも珍しくなくて、僕は大人しく待っていた。
 僕はひとり、村の子供が教えてくれた遊びをしていた。花畑の横のあいた土地に、木の枝で丸を書き、そこを片足でぴょんぴょんと跳ねる。
 「けんぱ、けんぱ♪」
 両足、片足、両足。ぴょこぴょこと跳ねるのに僕は夢中になったけど、やがて、自分で書いた丸はすべて攻略してしまうと、手持無沙汰となった。サンチョも父と共に行ってしまったので、僕はひとりきりだ。
 緑の森に包まれたお花畑はとても綺麗だけど、何だか一人ぼっちになった気がして、僕は座り込んだ。
 「うぇ〜ん、おどぉざ〜ん」
 寂しくて、悲しくて僕は座ったまま泣きだした。
 ぐすぐすと泣いていると、影が出来た。
 「おどぉさんっ!?」
 父が帰ってきたのかと顔を上げた僕の瞳には深い緑色の髪が見えた。
 『サンチョが読んでくれたご本の妖精さん?』
 その髪の色は花畑の周りにある常緑樹のような深い色なので、そうかと思った。髪も絵本みたいに長いし。
 「……どうした?」
 見上げたまま何も言わない僕に心配になったのか、心配そうな声が掛けられた。それでも僕が何も言わないと、躊躇うように伸ばされた手が僕の頭を撫でる。
 その手はとても温かくて、僕は悲しいのがどっかにいってしまった。
 「大丈夫、か?」
 紫色の瞳が心配そうに覗きこんで来る。僕が大好きな夕焼けみたいな綺麗な色だ。
 僕が頷くと、その人は僕の横に腰を下ろした。
 見上げていると、その人は自分の膝に手をついて頭を支える。その拍子に髪がさらりと流れた。
 「…あの……」
 「ん?」
 思いきって話しかけると、その人はちゃんと僕と視線を合わせてくれる。
 「あの、僕、リュカっていうの」
 「そうか。ちゃんと挨拶が出来るんだな。えらいな」
 其の人はにこっと笑って頭を撫でてくれる。褒めてくれたのは嬉しいんだけど、聞きたいのはそれじゃなくて。
 「あの、あのね?」
 「ん?」
 「お姉ちゃんの、お名前は?」
 一生懸命頑張って聞いた瞬間、その人は膝についた手が外れ、前に伏せるような格好になる。
 何か悪いこと聞いたのだろうか?
 其の人はしばらくそのまま動かなかった。そして、不意に立ち上がる。
 「あ、あの、ごめん、怒ったっ!?」
 怒ってしまったのかと慌てて服を掴むと、その人はもう一度屈んで頭を撫でてくれた。
 「いや、そろそろ帰らないといけないんだ……坊やの待っている人もそろそろ帰ってくるから」
 そうして洞窟を指さした其の人に釣られて僕も振り向くと、聞きなれた二人の声が聞こえてきた。
 「坊や、此処で僕に会ったことは内緒な?……それと、僕はお姉ちゃんじゃなくてお兄ちゃんだから」
 そう言って、その人はくるりと背を向けて歩きだしてしまった。
 慌てて追いかけようとした僕は転んでしまい、再び顔を上げた時は森に溶けてしまったかのように、その姿を見つけることは出来なかった。

9273/4 5+4:2013/05/27(月) 02:21:48
 「リュカっ!?」
 「坊っちゃまっ!?」
 僕が寝転んだままだったので慌てて父とサンチョが駆け寄ってきた。
 父の強い手が僕を抱き上げ、目を軽く擦る。大好きな父の手を暫く味わってから、結果がどうだったと尋ねたら、どうやら、お目当てのものは見つかったけど、手に入れることが出来なかったらしい。
 それから、父は何度もここにやってきた。僕は宿屋でお留守番しているか、と言われたけど、どんなに言われても付いて行った。だって、あそこに行けば、またあの人に会えるかもしれない。
 そうして、僕の予想通り、再び僕はあの人に会った。
 僕が一人になると、まるで風のようにあの人は現れ、僕と遊んでくれた。
 だから、父に悪いと思いながら、僕はここに何度も来れることを楽しみにしていた。
 「お兄ちゃん〜っ」
 「また、来たのか」
 大きな声で呼ぶと、森から溶け出したかのように其の人は現れる。その名は教えてくれなかったので、僕は其の人をお兄ちゃんと呼んでいた。
 「あそぼっ!」
 「はいはい。今日は何をする?」
 「お絵かき〜」
 この日が終わるなんて思っていなかった。何時までも、この人と遊んでもらえると思っていた。
 いつものように持ってきた画用紙に絵を描いていると、その人が顔を上げたのが分かった。
 「お兄ちゃん?」
 「試練を乗り越えたか……リュカ、お父さんもうすぐ戻ってくるよ」
 「???」
 なぜかいつも、この人は父が戻ってくる時間を言い当てる。そして、父には決してその姿を見せないのだ。
 僕は思わず、その服の裾を掴んだ。
 「リュカ?」
 「お兄ちゃん、また、遊んでくれる?」
 どうしてそんな問いかけをしたか、解らない。だけど、何か、僕の中の誰かが、この手を離してはダメだと言っていた。
 「……リュカ」
 其の人は屈んで、僕に視線を合わせた。紫色の瞳が宝石のように煌めいている。
 「心のままに生きなさい。どんな強力な存在だろうと、心だけは、従わせられないはずだから」
 「お兄、ちゃん?」
 「自分の心だけは偽らないで。負けないで。どんなに苦しくても、明日は来るから。きっと、光は見えるはずだから……ごめんな。もう会うことは出来ない……君が頑張って、心のままに生きれば、いつかまた、会えるかもしれない」
 優しく頬を撫でる手。その人は儚く微笑んでいた。
 「……覚えていないのが一番なのだろうけどね」
 その笑顔は綺麗だけど悲しくて、だけど僕の伸ばした手は空を切り、その人の姿はかき消えた。
 そして、そのあとは何も覚えていない。

9284/4 5+4:2013/05/27(月) 02:22:37
 目の前を赤いバンダナの青年が通り過ぎる。それを追って、翡翠色の髪の少年が追いかけていく。
 5主は微笑んだ。
 ああ、あの時あれほど会いたかった人が目の前に居る。
 翡翠色の髪、紫水晶の瞳。妖精の女王より美しく、儚い笑みを浮かべたあの人。
 クロリュウヌッコロスーワーワーギャーギャ-
 『……面影、かけらもないけど』
 ちょっと泣きたくなるけど、当たり前のことだ。自分にとっての過去は彼にとっての遠い未来なのだから。
 本当は、交わらないはずだったその接点。
 あの人は知っていたのだろう。僕が頑張れば会える、と確かに言ったのだから。
 頑張って心のままに、妻たちを愛し、子供たちを愛している。
 だから、出会うことが出来た。
 「……何笑ってるんだ、エロキン」
 「其の呼び名はやめてくれる?3主」
 「この上なくお前を示す言葉だろうが。また羊アタック喰らうようなことか?」
 呆れたような眼差しが向けられる。これは自分の行いが悪いのだろう。
 「いいや、初恋の人を思い出していたんだよ」
 「おんやぁ、お安くないねぇ」
 にやりと笑うと、3主も釣られたように笑う。
 「……僕はね、あの人があんなに儚い笑みを浮かべるのをもう見たくないんだ」
 「ふぅん?」
 「だから、この宿舎を作った人には感謝している。あの子もあんなに笑うようになったしね」
 「邪悪一直線だけどなー」
 赤いバンダナを射程内に捕らえ、ギガソードが炸裂する。
 倒れた青年を足蹴に笑うさまはすっかり魔王だ。
 「……まあ、無表情より良いということで」
 「視線逸らすな、現実を見ろ現実を。なんかパワーアップしてるぞ、あいつ」
 「逸らさせてくれよ」
 思わず零れた言葉は3主に笑われてしまった。
 幸せになってほしいと思った。幸せにしたいと思った。
 ……その努力は実を結んでると思いたい。

929名無しの勇者:2013/05/27(月) 03:14:07
お姉ちゃんwww
5主かわいいなー

930名無しの勇者:2013/05/27(月) 09:03:58
かわええー

931名無しの勇者:2013/06/18(火) 23:33:18
5主可愛いw

93284 1/3:2015/02/22(日) 00:27:45
さわさわと風に靡く木々、空を流れる白い綿雲。
椅子代わりに腰掛けた切り株の脇から生える新芽に触れば、つるりと水を含んで仄かに冷たい。
元幹の樹皮のごつごつとした手触りとはまるで対照的だ。
平地よりもやや標高が高いので気温は僅かに低めだけれど、
日差しの暖かさがあるからさして寒くはない。
凛と澄んだ空気を深々と吸い込んでみれば、それだけで回復効果がありそうだった。
唯一の例外を除いては、辺りに人の気配はない。
身近な生き物と言えば草葉を這う虫や枝上を忙しなく駆ける動物たち、
それと時折上空を行き交う鳥くらいなものだ。
ぴーひょろろ、笛の音のような鳴き声が木霊する。
当然ながらオーブも紋章も此処にはない。

「相変わらずクッソ田舎ですね」

トロデーン城の周りも少し開けた地ではあるけどここまでではないし、
そもそも城自体が多くの人で賑わっているからこんな閑寂はこれっぽっちも感じない。
長閑だと言ってしまえばそれまでだけど、このあまりのド田舎感は正直どうかと思う。
こんなとこで十七年も暮らしていたのなら、そりゃあ世間知らずにもなるはずだ。
その後の旅路でそれなりに常識は身に付けたらしいけど、
最初のうちはご同行されたお仲間方も随分苦労なさったのではないだろうか。
普段は真面目くさっているあの人が時々信じられないようなボケをかます理由も、
彼が生まれ育ったこの土地を見れば推して知るべし、というものだ。

93384 2/3:2015/02/22(日) 00:28:39
「そう思うんならそんな所にボケッと座ってないで余所へ行けよ。
 さっきからずっと傍に張り付いて、監視でもしてるつもりか」
「いやですよ4主さんの監視なんて何の面白味もない。
 フィールドで突っ立って太陽の動きを眺めている方がまだ建設的です」
「じゃあそうすりゃいいだろが」

この山奥にある小さな村――最早村とも呼べないのかも知れない――に暮らす唯一のひと、
畑仕事に精を出している天空の勇者様は、持っていた鍬を杖代わりに立ててその上に顎を乗せ、じとりと此方を睨んできた。
只でさえ目つきが悪いのにそんな顔してたら、以前の7主さんみたいな気の弱い人ならば竦み上がってしまうだろう。
魔物の気配をあまり感じないのもこの所為だったりして。
一瞥するだけでトヘロスの効果。さすが魔王顔と言われるだけのことはある、面目躍如だ。

「別に出て行きたいなんて一言も言ってないでしょう、なんだってそんなに追い出そうとするんですか。
 オニ、アクマ、コケコッコ」
「最後のやつ関係ないだろが!てか前二つもいらねえよ!何なんだ、いきなりルーラしてきたかと思えばいつもみたく喧嘩売りに来たってか?
 そんな下らない理由でこんな田舎までわざわざご苦労なこった」
「4主さんって他の人にはわりと落ち着いた対応なのに、僕に対してだけは短気ですよね。
 そういう差別は良くないですよ」
「OK、胸に手を当てて日頃の行い振り返ってみろ」

おっとやばい、目が座ってきた。これ以上からかうとギガソード発動フラグだ。
やれやれと軽く肩を竦め、風で乾いた唇を湿らせる。

93484 3/3:2015/02/22(日) 00:29:21
「理由なんてないですよ」
「あ?」
「理由なんてないけど、ただなんとなく4主さんの所に来たくなったから来た。
 それだけです。何か問題が?」
「……あ、いや」
「ならいいですよね。では僕に構わず、どうぞ作業を続けて下さい。
 でも出来ればもうちょい構ってください暇なんで」
「……一つの台詞の中に矛盾が盛り沢山だぞ」

4主さんははあ、と息を吐くと、気まずそうに頬を掻いて再び鍬を握り直した。
いや違うな、あれは照れているんだ。その証拠にほら、耳の先が少し赤い。
元々肌がそう黒い方でもないから余計に目立っている。
鍬が振り上げられては下りる度、翠の髪と耳朶のスライムピアスが揺れる。
髪の毛長いよな、邪魔じゃないんだろうか。5主さんみたく結ぶとか、或いは切るかしたらいいのに。ああ、でもやっぱり切っては欲しくないかもな。勿体無いから。

「そこ、何を植える予定なんですか?」
「えーっと……春野菜をいくつか、ソラマメに玉葱にジャガイモ、水菜なんかかな。
 あとは……苺とか」
「苺、」

苺と言えばあらゆるスイーツと相性のよい食材だ。
これは我がプリン研究にも一役買ってくれるに違いない。
俄然瞳を輝かせた僕を、4主さんは子供を諫める母親のような目で見遣った。

「一応言っとくけど、皆で食べるものだからな。お前にだけ贔屓はしないぞ」
「そんなの分かってますよ。でも何が食べたいかのリクエストくらいはしてもいいでしょう?」
「何だよ」
「決まってるじゃないですか」


この閑散とした土地でただ一人、せっせと畑を耕して、家畜を飼って木を植えて。
確かにヒトこそ居ないけれど、生き物の気配はそこら中に満ち満ちている。
すべては彼がやったことだ。滅ぼされ、毒に侵された土地を蘇らせて、もう一度生命を芽吹かせた。あの、やけに野良仕事が様になっている勇者様が。



「苺プリン、食べたいです」



赤く熟れた実の収穫くらいは手伝ってあげてもいいかなと、口に広がる甘酸っぱさを追想しながら僕はちいさく微笑んだ。

935名無しの勇者:2015/02/22(日) 00:35:54
ここ見てる人どれだけ居るか分からないけど折角書いたので投下しときました。

936名無しの勇者:2015/02/22(日) 00:57:44
おおー!久々の更新があって嬉しい!

937名無しの勇者:2015/02/22(日) 01:36:44
乙!
コケコッコわろたwww

938名無しの勇者:2015/02/23(月) 14:29:15
やっぱりこの二人大好きだ!萌をありがとう!

939名無しの勇者:2015/02/27(金) 00:21:01
>>936-938

反応ありがとうございます
自分以外にもここ見てる人がまだいると分かって嬉しい


調子乗ってまた投下です
84シリアスめ、ちょい長

94084 1/6:2015/02/27(金) 00:23:19
緑溢れるこの村の中で、一カ所だけぽつんと置き去りになっている場所がある。



分厚い板を打ち付けて、更には四方に楔を穿って鎖を通し、
幾重にも鍵を掛けて封印してあるそこは彼が持つ中でも最も深い闇の記憶が眠る場所だ。
僕はその鍵のひとつひとつを開錠して鎖を解き、手にした槍で板をぶち破った。
雷光一閃。
いくら厚くても所詮は木、衝撃に耐えきれず文字通り木っ端微塵に砕け散った。
メタルキングの槍をそんな事に使うなんて、と各方面から嘆きの声が聞こえてきそうだがさして気にしない。
武器も道具も使いたいように使ってこそ活きるものだ。
厳重なバリケードを突破した先には、地下へと降りる石造りの階段がある。所々にひびが入り、隙間を苔が侵食していた。
ぽっかりと口を開くその様はまるで地獄の底へと続いているかのようにどこまでも暗い。

「……さて」

常備している松明を取り出して火を灯し、一歩ずつ階段を下っていった。よく見れば足元だけでなく壁にまで亀裂が走っている。
余程激しい衝撃を受けたのだと、否が応にも窺い知れた。
そんな禍々しい雰囲気とは裏腹に、元々そう大仰な造りでもなかった階段は程なく最深部へと到達した。
目の前にあるのはややひしゃげた木製の扉。取っ手は付いておらず、代わりに外側から掛ける型の閂がある。
しかしそれもどうやら壊れているらしく、役目を失ってぶらりと力無く垂れているだけだった。
見たところ内側から壊されているように思える。
恐らく何度も何度も殴られた所為で、閂を留める釘が外れて床に落ちたのだろう。
それを証明するように、赤茶色に錆びた釘が隅の方に転がっていた。
ひとつ深呼吸をした後で、ゆっくりと扉を開けていく。
むわ、と黴と埃の混じった臭いが鼻を襲い、地下特有の湿り気を帯びた空気が肌を撫でた。

94184 2/6:2015/02/27(金) 00:24:43
室内に入ってからすぐに、くるりと振り返って背面の扉を見遣った。
思った通り、そこには空気に触れて黒く濁った、拳形をした夥しい数の血痕があった。
割れた木片が刺さったのか、或いは叩きすぎて皮膚が裂けてしまったのか。

「何にせよ、よく指とか手とか骨折しなかったなあ。実はしてたんだけど気がつかなかった、とかかな」

きっとここから出ようとひたすらに、死に物狂いに足掻いたんだろう。
一度だけその痕をそろりと指先で辿ってから、改めて周囲を照らし出す。
煌々と燃える松明の灯に曝された室内は、予想以上に散々たる有り様だった。
そこかしこに壷や樽の破片が散らばっていて、一歩足を進める度にぱき、だのべき、だのと音を立てる。
恐らくこれもここを脱出するために扉に投げつけたんだろう。もしくはどうしようもなくなって、ただ『外』で起きている惨劇に耐えられずに壊して回ったのか。
たぶん、両方だ。
どのくらいの時間そうしていたのかまでは分からない。
きっと彼にとっては気が狂いそうになるくらいに長い時間だったに違いない。
彼はここで何を考え、何を思ったのか。どれだけの絶望をその心に負ったのか。
今はただ荒れ果て静寂に包まれた部屋で、一人扉に縋って崩折れる背中を瞼に思い描きながら、そっと肺に溜まった息を吐いた。




「…………ここで何してる」




不意に背後から掛かった声に、さして驚きもせずに振り向いた。まあ来るだろうなとは思っていた。
と言うか来て貰わなければ困る。
壊れた扉の向こう、地下室のぎりぎり外側の位置に立っている4主さんの姿を認め、僕はにこりと笑って見せた。

94284 3/6:2015/02/27(金) 00:25:56
「思ったより早かったですね。もう少しくらいはバレないかと思ってたのに」
「質問に答えろ」
「……鬼の居ぬ間に少々散策を、と思いまして」
「ここにはお前の野次馬根性を満たすようなものは無い。出ろ」

普段の数倍は声が低い。まるで呪詛を吐いているみたいだ。やや俯いているせいではっきりとした表情は見えないけれど、
前髪の隙間からのぞく眼差しは氷のように鋭くて冷たい。
そうしていると本当に魔王みたいですよ、なんて軽口も許されないくらいに張り詰めた雰囲気が辺りに満ち満ちていた。
けれど怯んではいられない。でなければ、わざわざ手間をかけてまでここに入った意味がなくなってしまう。

「他は綺麗にしてるのに、どうしてこの部屋だけは片付けてないんですか。掃除好きな4主さんらしくない」
「出ろ」
「折角の地下室なんだから、作物の貯蔵庫とかにしたらいいのに。というか元々そういう目的で使われていたんでしょう」
「早く出ろ」
「ま、多少の補修工事なんかは必要かもですが。いつもみたく6主さん経由でハッサンさんにお願いすればすぐですよ。
 なんなら代わりに頼んできてあげましょうか?」
「さっさと出ろっつってんだよ!!」


怒声が壁に反響してわんわんとうねる。俯いたまま胸元を押さえて荒い息をつく4主さんを、僕はどこか冷めたような気持ちで見つめていた。
何をしているんだろう、この人は。

「そんな風に怒鳴るくらい嫌なんだったら、潰してしまえばいいじゃないですか、この部屋。
 あんな風に面倒な鍵なんてつけていないで。何でわざわざ残してるんです?」
「っ、お前には……関係ない」
「……そうですね。確かにこの部屋のことについては、僕は関係がない」

手にしていた松明を床に落とし、先端に残っていた火を靴底で踏み消した。途端にふっと暗闇が訪れる。

「それなら、そんな所に居ないでちゃんとここへ来てそう言って下さい。僕の目を見ながら、ね。
 そしたら二度とここには近付きません。約束します」
「…………ッ」

94384 4/6:2015/02/27(金) 00:27:21
びく、と身体が震えたのを見咎めて思わず半眼になる。
相変わらず入口で足を止めたまま、4主さんはそこから一歩も動かない。

「どうしたんですか?早くしてください」
「……信用、できない」
「酷いなあ。確かに普段の僕は色々嘘をついたりはぐらかしたりしてばかりですけど、
 今ここでやらかすほどに捻くれちゃあいないですよ」

だから、さっさとここまで来てみせて下さい。
そう言葉にしないまま訴えると、4主さんはひくりと喉を震わせ、奥歯を強く噛み締めたようだった。
そんなことをしたところで何も変わりやしないだろうに。
僕は溜息をひとつ吐くと、その場から動けずにいる4主さんに向かってやれやれと手を差し伸べた。


「ほら」
「っ、なに、」
「いつまでそうして怯えているんです。ここには貴方を閉じ込める人も、貴方を置いていく人も居ませんよ。居るのは僕だけです。
 ……僕は、貴方を置いてはいかない」
「ッ!!」


暗闇にも随分目が慣れてきて、僅かながら4主さんの表情も読み取れるようになった。
紫がかった深い蒼の双眸が子供みたいにぽかんと僕を見つめている。
なんて顔をしてるんだろう。
折角の美形もこれじゃあ台無しだ。

「置いていったりしませんよ。僕はちゃんと貴方の前に、こうして存在している。生きている」
「……はっしゅ」
「だから4主さん」


おいで。


しばらく呆けた後、4主さんは恐る恐る、といった感じで漸く足を踏み出した。一歩、二歩、三歩と震える手を伸ばしながら、
亀の歩みよりも遅い速度で僕の手を目指して近付いて来る。
やがてその指先が触れるか触れないかまで接近したあたりで、ぐい、と手首を掴んで引き寄せた。

「なっ……」
「はい、ゴール」

身長こそ負けてはいるものの、腕力に関してなら4主さんとの間にさほど差はない。むしろ僕に分があるくらいだ。
僕自身そりゃあお世辞にも体格がいいとは言えないけれど、これでも一応暗黒神を打倒した身なのだ。
少なくとも、この人の頭を抱え込むくらいの胸の厚さはある。

94484 5/6:2015/02/27(金) 00:28:51
「8主、離……」
「……この部屋に近付くと、思い出すんでしょう。……ここが滅ぼされた日のこと」
「!」
「まあ、それも当然でしょうね。だからって部屋自体を潰してしまうのは、かつての思い出すらも消してしまうようで怖かった」
「…………」
「結果としてどうしようもなくなって、あんな拙い封印まがいをするに至った……そんなとこですか?」
「……そこまで分かってるなら、わざわざ言うな」
「面倒臭いようで意外と分かりやすいんですよ、貴方の思考は。まあ、だからこそこうして荒療治も出来るんですが」
「……それ、」
「はい?」
「なんで、こんなこと……しようと思ったんだ」

ここでその質問をするのか。まあ自力で悟れだなんて、この人には無理な相談かも知れないけれど。
少し考えれば気付きそうなものなのに。
けれど、これが4主さんだから仕方がない。

「そうしたかったから」
「は?」
「そうしたいと思ったから、したんですよ。4主さんの為にも、僕の為にも。それだけです」
「なんだ、それ……」

呆れを含んだ乾いた笑いがかさりと落ちた。
この人が負った傷は未だに根深い。ふとしたときに泡沫のように浮かんできては夜毎に心を苛んでいく。
青ざめた顔で、この世の終わりが訪れたとでも言わんばかりに魘される姿を一体何度見てきたことか。
いい加減何とかしないとこっちが寝不足になる。
ただそれだけの、酷く利己的な理由だ。
世界を救った勇者にしては随分と頼りなく思える背中を撫でていると、ふ、と開きっぱなしだった扉から吹き込んできた外の風を感じ
微睡むように目を閉じた。
どんよりと沈澱していた空気が、緩やかな微風に浚われていく。

94584 6/6:2015/02/27(金) 00:29:52



「……おい」
「はい?」
「いつまでこうしてるつもりだ」
「んー、もうちょっと?」
「……離せよ」
「嫌です」
「なんで」
「勿体ないですし。それに嫌なら4主さんから離れても良いんですよ」
「……嫌だ」

ぼそりと零して額を擦りつけてくる勇者様の頭をもう一度強く抱え直して、ついでに旋毛のあたりに唇を落とした。
こんな機会でもなければ出来ないことだ。僕は巡ってきたチャンスは逃さず手にする主義なのだ。
しかし美形という人種は髪の先まで余さず美形なんだなと、妙に感心してしまった。
するすると指の間をすり抜けていく翠の感触は旅の途中で触れた清流のそれによく似ている。
髪が綺麗な人は水分がたくさん含まれているから触るとひんやり冷たいのだと、確かククールあたりがそんなことを言っていた気がする。

「今度一緒に片付けましょうか、この部屋。仕方がないから手伝ってあげてもいいですよ」
「……お前の場合、まず自分の部屋を先に片付けるべきじゃないのか」
「それはできない相談ですねえ」


声にいつもの調子が戻ってきている。これなら今夜からはぐっすり安眠できそうだ。



悪夢に怯えるこのひとを、慰める手はもういらない。これからは同じ夢を見ればいいのだから。

946名無しの勇者:2015/02/27(金) 00:32:31
いいなー

947名無しの勇者:2015/02/27(金) 02:15:27
またまた乙!
萌えたよーありがとう

948名無しの勇者:2015/02/27(金) 13:01:32
乙ー
萌えすぎて変な声出た!

9491/2 484:2015/03/04(水) 18:51:48
「4主さあん。悲しい人ですよねえ、あなたって」

へらへら笑いながら、夕飯の支度をする俺へ話しかけてくる信号機。苛立ちを煽る間延びした口調。

「誰よりまともそうに見えて、その実誰よりも狂ってんですよね。よく言いますもんねえ、真の狂人は狂気を隠すって」
「黙れ」
「ま、ここの住民に、すっかりまともな人なんていませんよね。世界を救うなんていうのは、人として大切な何かを失わなくっちゃできないことです」
「黙ってろ」
「人権、安寧、故郷、父親、夢、親友、身分……。幼馴染?」
「ギガソ」
「おおっと」

呪文を奴へ向けて完成させる前に、ひやりと冷たい手が、その細さからは想像できないほど迅速にそして痛いほどの強い力で俺の口をふさいだ。くそ、こいつ力の上限500か。おれは255だのに。
奴は自分の胸元へ突きつけられた俺の指を、空いてるもう一方の手でそっと包んだ。

「すぐに手を出すの、駄目だと思いますよ。勇者として。その聖なる雷、同胞に使わないでくださいよ」
「手、離せ」
「……4主さん。そういえば僕ら、本気で相手の息の音を止めようと殺し合ったことありませんよね。いつも、本当にどっちかが力尽きる直前で、他の誰かが止めてましたもんね」
「俺はいつでもお前を殺したいと思ってるけどな」
「今。ここ。僕ら以外誰もいませんね。止める人はいないわけですね。……うわぁ、なんだか、久々にわくわくしてきちゃいました」

未知の経験へ心を躍らせる冒険者の表情。狭い村の外の世界に夢を見ていた頃の俺も、こんなに楽しそうな笑みを浮かべていただろうか。もう思い出せなかった。
奴は、俺の口を押えていた手を頬へと這わせ、うっとりと息を吐く。

「天空の勇者と、命をかけて戦う……。……とっても、素敵です」
「触るな穢れる」
「ねえ4主さん、僕と」

一回、やってみません?

ぱふぱふなら50ゴールドよ、と妖艶に微笑む娘を気取っているのか、首をかしげてあざとい上目使い。
その深い色の瞳に胸が高鳴る。もちろん怒り的な意味で。

9502/2 484:2015/03/04(水) 18:52:25

「お前、何がしたい?」
「何でもしたいですよ。だってもう、ラスボスも裏ボスもスキルタネ集めて各スキルカンストも錬金レシピコンプリートも全称号獲得も、全部ぜーんぶやっちゃったんです。
僕、兵士ながらに生粋の冒険者気質でしてね。常に冒険していたいんです。わくわくしたいんです。
でも、僕の世界はもう全部終わっちゃいました。だってもう10年、10年以上ですからね。そりゃとっくに遊びつくしちゃいましたよ」
「だから俺で遊ぼうと?」
「ええ。ここに来たのも10年前ですが、まったく飽きませんよ。終わりが無いでしょう。
終わりが無いって素晴らしいことですよ、本当に。僕は2主さんや9主君が羨ましい。
だって、ずっとずっと楽しい仲間たちとスリル満点の洞窟を攻略できるんでしょ。まだ終わりを見てない。
あの何にも代えがたい達成感と、全てをやりきったという恐ろしい空虚をまだ知らない。うらやましいことです」
「じゃあお前ロンダルキア行ってこい。それでブリザードにザラキ食らって死んで来い」
「僕寒がりなんです。この、あったかくて楽しくてにぎやかで終わりのない、楽園が大好きなんですよ。
ついでに4主さんのことも大好きです。あなたといると退屈しませんからね」
「俺はお前が大嫌いだ」
「そんなこと言って、本当は僕と喧嘩するの楽しいんでしょ?知ってますよ」
「くたばれ」
「ええ、くたばらせてみてくださいよ、さあ。どうせ教会に送られるだけですけどね。
だからこんなに退屈で仕方ないんでしょう。嫌になっちゃいますよ」
「お前、何か趣味見つけろよ。昼寝でもPCでも。錬金以外な」
「冒険が僕の趣味で、人生であるんです。退屈だと、僕、死んじゃうんです。お願いです4主さん、僕を楽しませてください」
「夕飯の支度の途中だ。手を離せ。宝の地図にでももぐってこい」
「なるほど、僕に勝てる自信がないから逃げるんですね。ははあ。
意外と臆病ですねえ、天空の勇者様も。まさにチキン」
「よし、表に出ろ」
「そうこなくっちゃ!」

輝くような笑顔になり、俺から手を離す。

「さすが4主さんです。覚悟してくださいね、今日こそ僕のブーメランの錆にしてさしあげますから!」
「こっちの台詞だ」

切っていた野菜にラップをかけて、楽しげに宿舎の庭へ向かうあいつを追いかける。
平凡な日常の中の、かつての冒険を思い出す血沸き肉躍るあいつとの喧嘩。
ほんの少しだけ楽しんでいるなんて、絶対に言ってやらない。

うきうきと弾んでいる、目に痛い色のあいつの背中。
自分の世界に飽きてしまって、英雄たちの集まるこの宿舎さえも退屈と感じてしまったその時は、自称生粋の冒険者のこいつはいったいどこへ行くのだろうか。
せいぜい極寒の地に行って凍死すればいいと思った。

951名無しの勇者:2015/03/06(金) 09:57:28
いいなあこの距離感

95264エロ 0/5:2015/03/23(月) 00:29:56
64の甘エロ投下
がっつりやってるので苦手な人は注意

95364エロ 1/5:2015/03/23(月) 00:30:29



もうとっくに日付も変わった時間帯、寝所に突然何者かがやって来たと思ったら唇を塞がれ、
そのまま息苦しさに咳き込むまでずっと胸元をまさぐられつつディープキスをされていたというのは
強姦として取り扱っても充分許される案件ではないだろうか。
馬乗りになって覆い被さり、鎖骨のあたりまで寝間着をたくし上げて好き勝手に振る舞っていた相手をぎろりと睨みつけると、
枕元の燭台のみが照らす薄闇の中で「ははは」と笑う気配があった。
「……何の真似だ、6主」
「うーん、何て言うか……夜這い?」
「疑問形かよ」
「いや最初はこんなことするつもり無かったんだけどさ。4主の寝顔見てたらムラっときて、つい」
「つい、で人を襲うのかお前は。色魔か」
「別に誰でもいいって訳じゃないぞ? 4主だから襲ったんだ」
「んなきっぱり宣言されても……っておいコラ。その手はなんだ」
「4主ってわりと着痩せするタイプだよな。服の上からだと分かんないけど、直に触るとちゃんと筋肉ついてる」
「話を聞け! って、あ……っ」
奔放に動いていた指が胸の先を掠めた途端、4主は思わず高い声を上げてしまった。その反応に気を良くしたのか、
6主はそこを重点的に責め始めた。くりくりと摘むように擦られては、指の腹でやわく押し潰される。
時折戯れるように強く爪先で弾かれて、その度に身体を震わせながら、4主はやがて自分の奥に
抗い難い熱が灯っていくのを感じていた。
「……ろく、しゅ」
「ん〜?」
「……ゆび、ばっか、嫌だ」
「足りない?」
「足りない……、舐めて」

95464エロ 2/5:2015/03/23(月) 00:31:07
今度は声に出さずにニッと笑うと、6主は請われた通りに舌を這わせた。
突起の周りを円を描くようになぞり、舌先を使って執拗にねぶる。ちゅくちゅくとわざとらしく音を立てて吸っては
揶揄うように甘噛みした。
「んあっ……、あ、あぁ」
「何だかんだで4主っていつもノッてくれるよな。そゆとこ好きだぜ」
「だ、って……お前、嫌だっつっても聞かないだろ……、っあ」
「それそれ。最終的には俺のこと甘やかしてくれんの。お返しに、今日はいっぱい気持ち良くしてやるから」
「……ん」
ちゅ、と触れるだけのキスが落とされ、それに応えるように4主の腕が首に回った。
次第に深くなる口付けの中、6主の手が下着の中へと侵入していく。
「あ……6主、ちょっと待て」
「うん? どした」
「……脱ぐ、から。服」
「ワオ積極的。でも俺的には自分で脱がしたいとこなんだけど」
「お前がやると伸びんだよ……引っ張るから。この間も俺のトランクス一枚駄目にしただろ」
「あーあれな! いや、あの時は失敗だった。悪い悪い」
「……別にいいけどさ。新しいの買ってもらったし」
「下着を贈るのってなんか意味深だよな」
「バーカ」
下らない掛け合いをしている間に身に纏っていたものをすべて脱ぎ捨てた二人は、改めてシーツの上にもたれた。
6主の硬い髪先が4主の耳朶をくすぐり、少しかさついた唇が首筋を辿る。むず痒さに身体を捩ると
その反応を面白がるように益々肌を暴かれた。

95564エロ 3/5:2015/03/23(月) 00:31:39
「あんま気付かなかったけど、こうして見ると結構日焼けしてんのな、肌」
「ん……、まあ、日中は農作業とかしてるし。っあ、」
「胸とか、脇とか、臍とか……日に当たらない部分は他のとこより白いから、暗いとかえって目立ってる。……ここも」
「ひあっ!」
唐突に触れられた4主の中心は未だ柔らかいままだったが、6主の掌がもたらす温度と摩擦にすぐに硬度を増していった。
一見武骨なようでいて意外に繊細な動きをする指先は、付け根の袋からくびれにかけてを幾度も往復し、
やがて鈴口からとろりとした液体が溢れ始めると今度はそこを中心に弄り出した。
4主が嬌声を上げるたびにふわりと目を細め、或いは舌を絡めて吐息を奪い、空いた手でまだ先程の余韻に浸る乳首を再び苛める。
やがてすっかり快楽にとろけ、性器からだらだらと涎のように蜜を垂らして喘いでいる4主の手を自分の牡へと導くと、
6主は眦に浮いた涙を拭うようにくちづけた。
「っあ、あぅ、ん……あっ」
「な、4主も俺の、さわって」
「ふ、ぁ?」
「お前の手さあ、普段から鍬とか握ったり水桶運んだりしてるから、マメできてるだろ?
 それで擦られると、すっげ、きもちいーんだ……、っく」
「は、なんか、ヘンタイくさ……」
「っ、いいじゃん、4主もきもちいーこと、スキだろ?」
「ん、すき……」
身体を起こして向かい合い、舌を重ねながら相手の性器を扱いていく。
その倒錯的な状況に、ひとつまたひとつと理性がゆっくり麻痺していった。
やがて6主の手が4主の後ろに伸び、つぷ、と孔に侵入した。既に互いの精でねらねらと濡れていた指先は
容易く内部に受け入れられ、熱く蠢く襞に飲まれていく。

95664エロ 4/5:2015/03/23(月) 00:32:10
「迎える準備万端、ってカンジ……、かな」
「あぅ! っく、うあ……!」
勝手知ったるとばかりに胎内を動き回る6主の指に、4主はひくひくと震えながら身悶えた。
やがてゆっくりと指が抜かれ、未練がましく糸を引いて惜しむそこを恥じる間もなく
内壁は次いで訪れた熱い楔に即座に食らいついていく。
ぽっかりと空いていた虚が満たされるような感覚に、4主は思わず恍惚とした息を吐いた。
「あ……ん、ああ……」
「っは、やっぱ、いつ入っても良いな、4主の中。俺用に誂えてあるみたいだ」
「っそりゃ、今まで何回ヤッてきたと思ってんだよ……。いい加減、んっ、カタチ覚えるって……あ、」
「まじで? じゃあ、こんなのも、覚えてんの……っ」
「あッ!? ぅあ、ひっ、ああぁ……!」
6主は4主の両腿を抱え込んでより深くまで穿つと、ずぽずぽと泡立つほどに激しく律動した。
固く張り詰めた牡が内側を抉るたびに四肢が跳ね、堪えきれずに溢れた飛沫が腹の上を白く汚す。
「は、ほんとだ。突くたびきゅんきゅん締まってくる……! 型でも、取られてるみたい、だ……っ」
「ふあっ、だから、そう言った……んっ、ふ、んぅ……!」
「ん……4主の中、上も下もあっついな……。最高……ッ」
「んっん、う、んー……!」
咥内を舌で、胎内を陰茎でそれぞれ犯しながら、6主は4主の身体を強くかき抱いた。
背中に回る手が爪痕を刻み、抱えていた脚が腰に絡む。
そのまま二人揃って我を忘れる程に貪り合い、やっと解放の瞬間を迎える頃には、相手の骨を折ってしまうかと思うくらい
力一杯にしがみついていた。

95764エロ 5/5:2015/03/23(月) 00:32:37
「あっあ、あぁ、あーっ……!」
「っく、ぅあ……!」
どくどくと放たれる劣情を、4主は自らも射精しながら受け入れた。恐ろしいまでの愉悦が全身を駆け巡っている。
二、三度腰を揺すられて奥の奥まで注がれてから、未だ繋がったままの相手の頬にゆるりと手を伸ばして汗を拭った。
「……抜かない、のか」
「……抜いてほしい?」
言外にまだこうしていたいと意志を示され、4主は小さく微笑んでからきゅう、と後ろを締めることで応えた。
すぐに硬さを取り戻した剛直が自分の中で膨らんでいく。その快感に酔いしれながら、降りてきた唇を迎えて食んだ。
「な、このまま抜かずに何回出来るか試してみないか?」
「……いいけど、そしたら明日一日分の掃除とか洗濯とか食事当番、全部代われよ。絶対立てなくなる」
「おっけーおっけー。とりあえずは二回目、な……っ!」
「あ……! ちょっと、急すぎ……あ、あぁっ」
再び勢い良く腰を振られ、今度はしがみつく力もなく4主はただ流されるままに喘いだ。
吐き出された精液が潤滑剤代わりになり、より深くまでを貫かれる。


その日は結局朝まで啼かされ続け、一日どころか丸二日は動けなくなった4主によって、6主は向こう一カ月の家事全般を命じられたのだった。

958名無しの勇者:2015/03/23(月) 21:22:11
甘々ごちそうさまです!
なんか4主がふわふわしててかわいいな

95984 0/3:2015/08/04(火) 00:07:44
84の日おめでとう!
ひさびさだけど投下

96084 1/3:2015/08/04(火) 00:08:57
とりあえず一番は顔です、と言われた時には、正直ぶん殴ってやろうかこの野郎、と思った。

そもそも訊いた自分も馬鹿だったのだ。恋に浮かれる町娘でもあるまいに、お前は俺のどこが好きなんだ、だなんて。本当に何とはなしに口をついて出た問いだったが、今にして思えば頭が沸いていたとしか考えられない。
けれど女々しいことだと自覚しつつも、気になるのもまた事実だった。別に相手の口からそれを言わせて愉悦を得ようなどとは思っていない。単純に疑問だったのだ。
顔を合わせれば悪態をつき合い、時には物理的に交戦し、お互い犬猿の仲もとい鳥竜の仲――この呼称は自分達の様子を見た第三者から勝手に名付けられたものであり、断じて自称している訳ではない――でありながら、ふとした瞬間には周囲の目を盗んで唇を重ね、身を寄せ合い、そのまま夜を共にすることもある。
いつからこんな間柄になっていたのか、もうはっきりとは覚えてはいないが、それでも4主は8主とのこの関係が嫌いではなかった。

それなのに、返ってきた答えがそんな身も蓋もないものだったら、思わず渋面を作るのも仕方のないことだろう。
「うわ、4主さん今の顔すっごいブサイクですよ。せっかくの美形が台無しじゃないですか。アイデンティティの崩壊です」
「俺のアイデンティティそこかよ。殴るぞ。つうか殴らせろこの野郎」
「暴力はんたーい。ヤですねえ、これだから単細胞のトリ頭さんは。顔が好みだって言って何が悪いんですか。むしろ褒めてるでしょう」
「悪いとこしかねえよ!」
「どこがですか? 赤が好きとか黄色が一番とか思うのと同じで、4主さんの顔が好きだと思うことは悪いことだと言うんですか。人の好みにケチつける気ですか? まあ確かに貴方は世間一般で言うところの美形で、だからこそ僕もその顔立ちが好きなんですが、それを悪だと責め立てるのはちゃんちゃら可笑しいってもんですよ。だいたい余程の特殊性癖でもない限り誰だって醜いよりは綺麗なものを好むでしょう。貴方はこの世に生まれ落ちてからただの一度も見た目で物事を判断したことがないとはっきり言い切れますか。世の中の人間全てを相手に美醜を以て嗜好を決めるなと糾弾して回るつもりですか?」

96184 2/3:2015/08/04(火) 00:10:33
一分の隙も挟む余裕もなくそうまくし立てられて、4主はただ目を白黒させることしか出来なかった。
そりゃあ確かに歪なものよりは整っている方がいいし、くすんで土気色のものよりは色艶がよい方を選ぶ。
傷がついたものより無傷のがいい。なるほど確かに自分も美醜で物事を判断しているのかもしれない、野菜とか。4主は軽く混乱していた。
「そもそも貴方、人の話ちゃんと聞いてないでしょう。そんなんでよく大所帯のリーダーなんて務まりますね。
 どうせ散々迷惑掛けまくってたんじゃないですか」
「んだとテメ、」
「僕は『一番は』と言ったんです。顔以外にもちゃんとありますよ、好きなとこ」
「は、」
「体つきとか」
「やっぱ殴る」
「あとその外観と噛み合わない口の悪さとか、理知的に振舞っているように見せかけて実は直情的だとか、
 からかわれると怒るくせに構われないとこっそり落ち込む寂しがり屋だとか」
不意にさらりと髪に触れた手に、思わず肩が跳ねてしまったのは不覚としか言いようがなかった。
8主はこうして時折4主の隙をついてはスキンシップを図り、それに動揺する様を見て愉しむという質の悪い趣味がある。
髪をかき分ける指がそのまま頬に触れ、やがて掌全体で包み込んできた。掠めたスライムピアスがちりり、と硬質な音を立て、
親指だけが下唇へと移動する。そのまま幾度も往復されて、どんどんと上昇する体温を止める術を、4主は持ち合わせてはいなかった。
「そうやって今みたく僕の挙動の一つ一つに反応して赤面してるとこ、思春期迎えたオンナノコみたいで
 似合わなすぎてチョーウケるんで大好きです!」
「この野郎!」
放った拳は難なく躱され、代わりに口を塞がれた。どのみち当てる気もなければ避ける気もなかったのだから自分も相当悪趣味だ。
こんな男にまんまと絆されてしまっているのだから。
指の腹とは違った柔らかさに唇を食まれながら、4主は嘆息したい気持ちを誤魔化すように、バンダナの結び目が揺らめく首の後ろへと
手を回した。もしかしなくても今夜はきっとこのまま朝までコースだろう。
やられっぱなしは癪である。せめて逢瀬が終わるまでの間に一回くらい、いや十回くらいは何かやり返してやろう。
4主はそう心に固く誓ったのであった。

96284 3/3:2015/08/04(火) 00:11:15

***


「それで、4主さんの方、こそ、どうなんです……?」
「っ、あ? なに、がっ」
「貴方は、僕の……、どんなとこが好きかって、聞いてんです……よっ」
「ぅあっ!? んな、きゅうに……あ、そだ、」
「?」
「8、主が……俺に、キスする、とき。身長足りないせいで、いつも下から背伸びするみたくなってるとこ……
 かわいくて、けっこう、好きだな、」
「……っぶん殴りますよ、この野郎!」
「はは、これで一回……ん、ああっ!」


果たして朝を迎えるまでに、4主が自らに科した誓いを全うすることが出来たのか否かは、
本人のみぞ知るところである。

963名無しの勇者:2015/08/04(火) 00:11:55
ちょっと1/3のとこ改行失敗しました、すみません

964名無しの勇者:2015/08/04(火) 02:30:45
84の日おめ!&投下乙!
背が低いではなく身長が足りないと表現する4主になんか萌えた
背伸びしてキスする8主もかわいいー

965名無しの勇者:2015/08/04(火) 06:14:55
8/4おめ!素直じゃないからこその饒舌8主かわいいなぁ

966名無しの勇者:2015/12/15(火) 21:43:49
しばらく巡回してない間に投稿キテター
皆さん乙です楽しかったです

967名無しの勇者:2016/04/12(火) 08:50:42
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97384(エロあり) 0/2:2016/08/04(木) 23:52:18
もう一年経ったとかシンジラレナイ
懲りずに今年も84投下 84の日おめでとう
エロありなので注意

97484(エロあり) 1/2:2016/08/04(木) 23:54:28

「っあ、う、は……っ」

 寝台の上で獣のように四つん這いになり、揺れる身体を捕らえて更に奥へとねじ込んでいく。
 翠髪が振動に合わせて躍り、普段は隠されている項が露わになった。

「……4主さん、」
「ぅあっ!?」

 其処へ口づけようと身を寄せれば、繋がりがより深くなる。仰け反る背が綺麗な弧を描き、ひときわ高い嬌声が響いた。
 陽に晒されることのない首筋は他の部位に比べて色が白い。ちゅ、ちゅ、と音を立てて啄む度、組み敷いた肢体がびくびくと震え、収斂する内壁が雄を締め付けた。
 それだけで意識を持って行かれそうになるのを腹に力を入れて堪え、更に唇を落とし続ける。

「ひ、ぁあ……!」
「ほーんとココ、弱いですよね。そんなに敏感で大丈夫ですか? 髪の毛が当たるだけでも、感じちゃうんじゃ、ないですか……っ」
「っさい、なわけ……るかっ、あ!」
「どうだか、」

 悔しそうにシーツにしがみつく様を嗤いながらかぷりと歯を立ててやれば、いっそう中の締め付けが増した。
 その快感に煽られるように抱えた腰をより高く持ち上げ、突き刺すように内部を穿つ。ぱん、ぱん、と肉と肉とがぶつかり合う音が部屋に響いた。

「あぅっ、ぁ、ああぁああぁ!」
「く、っあ……!」

 襞がひときわ大きく蠢き、雄を呑み込む圧が増す。4主が達してからいくらも経たずに、8主もまた溢れる熱を放出した。

「ふ、ぁ……」

 どくどくと劣情が自分の中に注がれるのを感じ、4主が甘い声を漏らす。その口端にはたらりと涎が伝い、快楽の軌跡をまざまざと残していた。
 8主は徐に手を伸ばし、今にも滴り落ちそうなその雫を拭った。そのまま腔内まで指を入れると、噛みつかれるかという予想に反してぬめる舌に迎えられる。
 ぴちゃりぴちゃりと、まるで口淫をしているかのようないやらしい水音の合間に、互いの熱い吐息が零れ落ちた。

「ぅ、ふ」
「……指、好きなんですか?」
「んんっ」

 違うとばかりにかぶりを振っておきながら、ねぶる動きは一向に止む気配はない。
 こんな時でも意地を張るかと喉の奥だけでちいさく笑い、ちゅぷ、と生々しい音と共にふやけた指を引き抜いた。

「んぅ……っ」
「はは、糸引いてる」

 しとどに濡れた指先をゆっくりと舐める。単なる唾液でしかない筈のそれも、好いた相手のものだと思うと途端に甘く感じられるから不思議だ。
 どんな甘露よりも癖になる。
 そうして8主が極上の馳走を味わっている間、漸く責め立てから解放された4主はと言えば、倒れ込むようにシーツに身を沈め、上がった呼吸を整えるように深く息を吐いていた。

97584(エロあり) 2/3 ←ミスった:2016/08/04(木) 23:56:30
「……おい、馬鹿竜」
「何ですか阿呆鳥さん」
「イッたんなら一度抜けよ。そんで退け、重い」
「え、まだ嫌ですよ。あと三回くらいはシてからじゃないと」
「殺す気か」
「平気でしょう、枯れてる訳でもあるまいに。……それに」
「ぅあっ!?」

 横たわっていた身体を強引に起こすと、そのまま背後から抱えるような体勢を取る。
 繋がったままの局部がぐちゅりと鳴り、しなやかな太腿が大きく跳ねた。

「や、待っ、まだ」
「知ってます? イッた直後の4主さんの中って、最高に具合が良いんですよ。すごく熱くて、トロットロで……すぐ抜いちゃうなんて勿体無い」
「あ、ゆす、るな、っひ!」

 一度は萎えた筈の雄が胎内でむくむくと膨れ上がっていく。
 これ以上ないほどダイレクトに突きつけられた情欲に、只でさえ敏感になっていた下肢は制止の声とは裏腹に嬉々として自分を貫く楔に食らいついた。

「はぁっ、ぁんッ! あっあ、あぁ!」
「っあー、ほんっと、きもちい……堪んない」

 蠢く肉が、内部にずっぷりと埋め込んだ楔の根元から先端まですべてにいやらしく絡みついて離さない。少し身じろぎするだけで擦れた箇所から熱が弾け、眩暈がするほどの快感を生み出す。
 頭がとろけそうなこの感覚をもっと堪能したくて、胸部に抱き込んだ相手の肌をゆるゆると撫でさする。
 ツンと尖った先端を掠める度に爪先で引っ掻いてやると、啼声にいっそう艶が増した。

「っや、ぁあ……は、しゅ、……それ、嫌だっ」
「ど、して? ココいじられるの、好きでしょう……っ」
「すき、だけど……! そうじゃなくてっ、あ!」

 親指と人差し指で摘みあげ、くりくりと捻ってやれば4主の身体は面白いくらいに反応する。すっかり硬さを取り戻した8主の砲身を、まるで射精を促すようにきゅうきゅうと収縮しながら食んでくるのだ。
 どんなに意地を張ろうとも4主自身が悦んでいるという何よりの証拠だった。
 そんな様子に気を良くした8主がそのままゆすゆすと揺さぶりをかけながら内部の熱を愉しんでいると、それまで嬌声を紡ぐばかりだった口が不意に何事かを呟いた。

「……らを、」
「っ、え?」
「……っ」
「4主さ――うわっ!?」

 聞き返した途端にしかめ面で舌打ちされ、唐突に頭を引き寄せられる。
 無理な体勢に文句を言う前に、熟れた唇が押し付けられた。
 入り込んだ舌が歯列をなぞり、咎めるように此方の舌を噛んでいく。

「……うし、ろから、ばっかじゃなく、少しはそのツラ見せろってんだ、よ……!!」

 この馬鹿竜。
 酸欠なのか羞恥なのか判別のつけかねる状況で顔を赤らめながら罵倒する4主の姿は、8主の心臓を壊すのには充分だった。

「……ああ、もう!」
「っひぁ!?」

 どんなに身体を蹂躙し、思うままに貪っても、こんなたったの一言で敵わないと思い知らされる。惚れた弱みとはよく言ったものだ。
 弱みを握られた側の8主に出来ることと言ったら、せいぜい彼が望んだ通りに動くくらいだ。
 好き勝手に振る舞っているようで、その実彼の掌中で踊らされているだけだ。

「あ――あァ……!」
「こ……して、欲しかったんで、しょう……っ!」
「んっ、あ、ぁあああぁっ!」

 無理矢理に身体を捻って真正面から向き合い、奥の奥まで押し入っていく。しなやかな両脚を肩に引っ掛け、押し潰すように暴いてやれば、紫電の目に隠しようのない欲が浮かんだ。
 もっと欲しいとねだる獣の欲望。
 いくら特殊な血が混じろうと本能の前には逆らえないケダモノだ。
 それなら獣は獣らしく、もう余計なことは考えずに目の前の贄を余すところなく貪り尽くそう。8主はべろりと舌なめずりをし、口元にまで降りてきた汗の雫を舐めとった。

「は……っしゅ、8主、も、いく……ッ!」
「4主さん……っ」

 律動を更に速め、小刻みに揺れる肢体をつよく抱きすくめる。
 やがて8主が限界を迎えた熱を胎内に叩きつけた頃、4主もまた放った飛沫で腹部を白く汚した。

97684(エロあり) 3/3:2016/08/04(木) 23:57:09


* * *

「やっぱり結局は、そういうことなんですよね」
「……何が」
「僕と貴方が。半分違う血が流れていようが、お腹は空くし眠くもなるしセックスだってしたくなるでしょう。そこらへんは普通の人間と変わんないんだよなあと」

 額に貼りついた翠の房を、8主のやや武骨な指が緩やかに梳いていく。その感触がもたらす心地良さを瞼を閉じて享受しながら、4主は確かにな、と囁き返した。

「けど、一応カミサマ連中には貴重な存在らしいからな。あんまり好き放題サカってたらそのうち説教食らうかも知れないぞ」
「んなモン腹の足しにもなりませんね。連中が何と言おうと僕は自分が食べたいときに貴方を食べて、寝たいときに貴方と寝て、抱きたいときに貴方を抱きます」
「……全部俺かよ」
「当たり前でしょう」

 言い捨てる様はやたら豪気で、触れる唇の柔らかさとはまるで正反対なのが面白い。
 4主はくつくつと笑いながら、大嫌いな竜の血を宿す青年の背に腕を回した。


 なあ、見てるかい神様共。
 こんな自分勝手なケダモノ二匹、飼い慣らそうとするだけ無駄だよ。

977名無しの勇者:2016/08/05(金) 05:04:57
おおー!84だありがたや

978名無しの勇者:2016/08/05(金) 21:12:18
今年も84読めて嬉しいよ
ありがとう
えろいなあ……

979名無しの勇者:2016/08/28(日) 14:53:57
素敵でエロい84をありがとうございます…!!
やっぱり84はいいものだ…

98084 1/2:2016/11/05(土) 21:34:42
 単なる身体上の一器官でしかない。
 食事、呼吸、それから会話。日常生活に欠かせないものだとは理解しているが、けれどやっぱりそれだけのものだ。
 それだけなのに、どうしてこうも目が離せないのか。



「4主さん」
「あ?」
「4主さんの唇って薄いですよね」
「どこ見てんだお前」

 家計簿に向かう真剣な表情から瞬く間に呆れ顔へと変貌した4主さんは、電卓を叩く手を止めて胡乱な眼差しを僕に寄越した。

「実際そうじゃないですか。薄くてのぺっとしてて、ついでに血色もあんま良くない」
「へえ」
「おまけにカサついてる」
「ふーん」
「ちなみに僕の唇は張りがあって小振りでふっくら、此方のアスカンタ産高級リップクリームのお陰でいつでもつやつやに潤ってます」
「この世で一番どうでもいい情報をありがとよ。そのまま消え失せろ」
「失敬な。大事なことですよ」
「どこが――」

 胸倉を掴んで強引に引き寄せ、続く言葉を無理矢理に封じる。
 何回か角度を変えながらじっくりとその感触を味わった後、駄目押しにぺろりと舐め上げてから徐に顔を離した。

「ほら。柔らかくって気持ちいいでしょ?」
「…………っ」

 4主さんは何も言わない。けれど、その表情だけで返答は明確だ。
 目元を微かに紅潮させ、瞬きに合わせて紫の瞳に透ける睫毛がしなる様子はまるで絵画で、目つきを緩めて黙ってさえいればぱっと見は本当に非の打ち所のない人なんだよなあとつくづく思う。まあ黙っていなくても美形には変わりないのだけれど、如何せんガラが悪すぎる。

「全く、僕の方はこんなに気を遣ってお手入れしてるってのに、貴方ときたらまるで身嗜みに無頓着なんですから。いくら元がいいからって、あんまりほったらかしだといつかその顔劣化しますよ」
「ほっとけ! ……てかお前、まさかさっきみたいなことする為にわざわざリップクリームだなんて女々しいもん付けてるんじゃないだろうな」
「ジイシキカジョー。歴とした旅の知恵ですよ。唇が荒れてたせいで細菌に感染、なんて事になったら笑い話にもならないでしょう」

 それの予防です、と舌を出して嗤ったら、4主さんは片眉をぴくりと跳ね上げるとああそうかい、と吐き捨てて再び家計簿へと意識を戻してしまった。その横顔がさっきより不機嫌そうに見えるのは、きっと気のせいではないだろう。本当に分かりやすい人だ。

 別段、今言ったことは嘘じゃない。様々な気候の土地を飛び回る上、時にはパルミドのような不衛生な街や、はたまた闇の世界のような別次元にまで足を運ぶのだ。傷口からの感染を防ぐため、僕らの旅では少しでも怪我をすればすぐに薬草を貼るし、乾燥した地域などでは必ずリップクリームを付けるようにしている。あのヤンガスですら(ゲルダさんに脅されて仕方なくとは言え)律儀にやっていたのだ。
 けれども4主さんがほんの僅かに――僕じゃなきゃ気付きもしないレベルで気恥ずかしそうに訊いたさっきの言葉も、理由の一つでない訳ではないのだ。

98184 2/2:2016/11/05(土) 21:35:31
 この人に口付けたいがために、自分の身なりを整える。

 唇に限らず、手や指も。荒れたり掠れてたりしていないか確認して、髪も念入りに洗髪して。服装も――僕と彼とのセンスの差異は置いとくとして、皺が寄ったり汚れがついてたりなんて以ての外だ。体臭にだって気を配っている。
 そうやってこの人を惹き付ける自分を形作ることで、ほんの少しでも「もっと触れたい」とこの人に思わせることが出来たなら、それだけでもう僕の人生の一勝ってものだろう。

「ねえ4主さん。僕ってこう見えて結構負けず嫌いなんですよ」
「は? ……知ってるけど」
「だから勝負と名の付くことには必ず勝ちたいんです。そりゃもう意地でもね」
「何の話を――んっ」

 言い終わる前にまた口を塞いだ。呼吸に合わせて唇をゆるゆると動かし、4主さんのそれを食むようになぞる。翠色の髪を梳いて後頭に手をやり、もう一方の手で逃げられないように肩を抱くと、微かに身じろぎをしたのが伝わってきた。
 いつもみたく立った状態だと上を向かなければいけないが、今みたいに4主さんが座っていれば僕の方から覆い被さってのキスができる。いっそ常にそうしてて欲しい。上向いたままキスし続けるのって結構首が疲れるのだ。長ければ長いほど苦しくなるし、かと言って短く済ませる気もないし。

「ん、う……」
「は……っ、……ん」

 抱き寄せた身体の厚みに少しだけ笑う。確かに身長は一歩及ばないかも知れないが、単純な体格としてならそう負けてはいない。どころか肩や胸板の厚さに関してはこの分なら僕の勝ちだ。ざまあみろ。
 ちゅぷ、と音を立てて顔を離すと、表情こそなんとか取り繕っているものの、4主さんの瞳はすっかり熱に蕩けてしまっていた。けどまあそこに映りこんでいる自分の顔も似たようなものだったのでここは引き分けだ。

「物足りない、って顔してますねえ」
「そりゃお前だろ。馬ー鹿」


 単なる身体上の一器官でしかない。
 それでもこうして磨き上げれば、この人に対する唯一絶対の武器になる。

 さながら銃弾のような、唇という存在。

982名無しの勇者:2016/11/05(土) 23:59:11
84投下乙!
4主を惹き付けるために身なりを整える8主に萌えた

983名無しの勇者:2016/11/06(日) 06:25:34
8主健気だなぁ……

984名無しの勇者:2016/11/08(火) 16:12:53
ところでここって次スレってどうしたらいいんだろう
まだ早い?

985名無しの勇者:2016/11/10(木) 19:40:43
気になってたんだよね
まだ他のスレ動いてるのかな
そもそもスレ立て出来るんだろうか

98684 0/2:2017/08/04(金) 00:49:09
世間は11で賑わってるけど懲りずに今年も84投下に来ました
ここもまた活性化してほしいなあ

98784 1/2:2017/08/04(金) 00:49:51
 目の前がぐるぐると暗くなっていく。
 思わずその場にうずくまると、珍しく焦ったように僕の名を呼ぶ声がどこか遠くからぼやけて聞こえた。


* * *


「……あれ」

 生ぬるい雫がこめかみを伝う感覚で目が覚めた。

 気が付けば仰向けでベッドに寝転がっていて、現状を把握しきれずに暫し茫然とする。
 視界に映るのはよく見慣れた天井の壁紙だけれど、自室のそれとはだいぶ違っていた。まず煤けたりひび割れたりしていないし、人の顔に似た謎のシミもついてない。端的に言って綺麗な、ごくふつうの天井だ。
 視線だけで横を向くと、読書灯のついた小さなキャビネットの上に読みかけの本が一冊置いてあって、「夏野菜のすすめ」というタイトルと一緒にトマトやキュウリなどの野菜の写真が表紙を飾っていた。
 ここは、やはり。どう考えても。

「お、気がついたか」

 ガチャ、と扉が開くとともに掛けられた声で、誰の部屋であるかを確信した。

「……4主さん」
「具合は? 吐き気したり、頭痛かったりとかは」
「いえ、別に……」

 起き上がろうと力を入れたところでくらりと眩暈がした。咄嗟に肩を支えられ、翠色の髪がほんの微かに頬を撫でる。

「っ、」
「バカ、いきなり起きようとするやつがあるか」

 普段よく言われる「バカ」とは全然違う柔らかな声音。例えるならそう、子供に言い聞かせるような。
 一瞬だけ髪の毛が触れ合うくらいに近かった顔はすぐに遠ざかってしまい、なんとも勿体無い気分になった。出来るならもう少し匂いとか温度とかを感じていたかった。

(…………、…………は?)

 一拍おいて、瞬間的に頭を過ぎった思考のあまりの有り得なさに思わず真顔になった。いくらなんでも今のはひどい。何考えてんだ僕は。

「……気持ち悪、」
「ああほら、言わんこっちゃない。とりあえずポカリ持ってきたからこれ飲んで、あと塩飴舐めとけ。ここに置いとくから」

 思わず零れた本音を、目の前の人はうまい具合に勘違いしてくれたようだった。畑仕事に荒れた手がキャビネットの上の本を退かし、空いたスペースにペットボトルと飴の袋が置かれる。ボトルのキャップが一度開封されてからゆるめに締め直される様子を、再び寝台に横たわった僕はフィルムを覗くような心地で眺めていた。
 キャップをわざわざ開けたのは、恐らく未だ手に力の入らない僕への配慮だろう。気が回りすぎていて逆に引く。何この人。なんでこんなに、

「……優しいん、ですね」
「そうでもないだろ。ていうか、いくらなんでも病人相手にいつもみたくやり合うようなことはしねぇよ」

 それだけだ。
 その言葉にほっとしたと同時に、なんとも言えないモヤモヤが胸の内に巣くう。裏を返せば、病気でもなければこの人が僕に優しく接してくれることなどありえないということなのだから。日頃の行いを棚に上げて、心の中でだけケチんぼ、と小さく毒づいた。

「ていうか、何でまた室内で熱中症になんかなったんだよ」
「あー……何か、錬金? 新しいレシピ、試してて……気づいたら、水分取るの、忘れてました」

 程よく冷えたポカリをひとくち飲み下す。独特の甘味がすうっと身体に染み入るようだ。

98884 2/2:2017/08/04(金) 00:50:24
「……試してたって、あの部屋でか?」
「はい」

 釜にアイテムを入れては吐き出され、うまくいきそうな兆しが見えたら抱えながら壁に向かってひと走り。現代科学のアレとかコレで僕んとこの錬金も走らず出来るようになったらしいけれど、長年慣れ親しんだ手法のほうが馴染みが良い。全く悪びれずに即答すると、4主さんは呆れを隠そうともせずに溜め息をついた。

「あんな空調も効かなくて換気もできないような部屋で水も飲まずに走り続けりゃ、そりゃぶっ倒れもするだろうよ」
「……僕も、そう思って水分補給しに行ったんですけど……、時既に遅し、でした」

 階段を降りているときに一瞬ふらっときて、まあ気のせいかとそのまま食堂に向かったら、冷蔵庫へと辿り着く直前に急に目の前が暗くなった。丁度洗い物をしていた4主さんがその場に居たのは僥倖だったと思うべきなんだろう。……それがこの何とも言い難い状況を導いたのだとしても。

「……4女さんは、」
「他の女主とシンシア連れて買い物に行っちまったよ。サマーバーゲンなんだと」
「……さいで」

 間が持たない。
 下手に口を開こうとしたところで、熱にやられた今の頭じゃ碌な言葉を紡げないし、そもそもあまり喋るなと牽制されるだろう。勿論怒りからではなく心配から。
 不快な訳じゃない。落ち着かないのだ。
 こんな風にこの人から優しくされることなんて滅多にないから、どうしていいか分からなくなる。いつもは息をするように湧き出る嫌味も皮肉も、今に限って枯渇中だ。困る。本当に困る。

「そうだ、ちょっとタオル替えるぞ。冷えピタ丁度切らしててな」

 額の汗を軽く拭いてから、ぬるくなったタオルが除けられ、代わりにキンキンに冷えた新しいタオルがそっと置かれる。一瞬だけ触れた指先が同じくらいに冷たくて、恐らく氷水に漬けたのを手ずから絞ってくれたことに思い当たってしまい、落ち着いていた筈の呼吸が一気に苦しくなってしまった。この人は、本当に。

「……めてください、」
「あ?」

 もどかしさをやり過ごそうと瞼を下ろした途端、ゆるゆると溶けるような眠気が思考を侵食してきた。
 4主さんの匂いに満ちた寝台で、4主さんの看病を受けながら眠りに就く。照れ臭いのも恥ずかしいのもあるけれど、それ以上に湧き上がる嬉しさが勝ってしまうのは、きっと身体が弱ってしまっているからだ。そうに違いない。

「……んな風に、優しくされたら……、惚れ直しちゃうでしょう……」

 再び暗転する視界の向こうで、4主さんがどんな表情をしていたのかなんて、僕には知る術のひとつもなかった。


* * *


「……ばか」

 声が上擦りそうになっているのに気付き、相手が眠ってしまったと知りつつも咄嗟に口元を手で抑える。頬が熱を持っているのが嫌でも分かった。
 普段はあれだけつっかかってくる癖に、狡い。卑怯だ。言葉に出来ない非難が湧き出ては沈み、胸の奥にもどかしい澱を堆積させる。
 年上とは思えない8主の童顔にかかる焦茶の髪を払い、4主はいくらか血の気の戻った頬にそっと唇を寄せた。

 こんなときでなければ素直にもなれない、お互いの頑なさを誤魔化すように。

989名無しの勇者:2017/08/06(日) 18:20:17
84投下おつ!
氷水でも手でタオル絞る4主とそこに気付く8主に萌えた

11発売でここも賑わうといいねえ

990名無しの勇者:2017/08/13(日) 00:56:54
今年も84が見れて嬉しい
投下おつです!

991名無しの勇者:2017/08/15(火) 04:00:16
投下乙です!
萌えたよ!

992名無しの勇者:2017/10/15(日) 11:33:38
投下乙!
次スレ立ててもいいかな?テンプレはこのままでいい?

993名無しの勇者:2017/11/22(水) 14:24:14
>>992 お願いします〜!!

994名無しの勇者:2017/11/23(木) 04:22:55
次スレ立てました
テンプレ追加あればお願いします
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/3012/1511378489/

995名無しの勇者:2017/11/23(木) 05:49:25
スレ立ておつです!

996名無しの勇者:2017/11/24(金) 01:03:21
スレ立て乙!うめうめ

997名無しの勇者:2019/08/05(月) 21:34:00
埋めとく

998名無しの勇者:2020/08/04(火) 12:00:42
うめ

999名無しの勇者:2020/08/12(水) 09:48:11
うめ


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