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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜
797
:
84版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)1/9
:2011/02/20(日) 22:12:45
一日目
最初は別にどうでもよかった。
端正な顔とか珍しい髪の色とか、それを上回るどす暗い不幸オーラが出過ぎてて、ヒーローにあるまじき陰気さだったので正直お近づきになりたくないと思った。今も別にどうでもいい。
ただ少し、笑った顔が見てみたい。 これはあの仏頂面がだらしなく緩んだらどうなるんだろうという興味本位で、決して好意なんかじゃない。
きっかけは意地の悪い、ちょっとしたいたずら心だ。
「いい天気ですね!」
裏庭で洗濯物を干してる4主さんに声をかける。彼が少し振り向いてとてもイヤな顔をしたのを見たら、僕はとてもいい気分になった。
4主さんは僕を無視することに決めたらしい。何も言わずに洗濯物の続きに取りかかる。
「羽を伸ばせますね!」
「お前はそんな嫌味を言いにわざわざここまでオレを追いかけてきたのか」
あ、反応があった。
「せっかくだし」
「マメだな」
吐き捨てるように言って、後はもう振り返らなかった。
最近は前みたいに簡単に激昂したりしない。お互い慣れすぎてどうでもよくなった。いつも僕が軽くあしらわれて終わる。
でもなんとなくちょっかいを出しに行かずにいられない。もうすでに半分意地だと思う。だって前みたいにすぐこっちを見てくれなくなった。
僕は苛立ちばかり募って、余計に子供みたいな手で嫌がらせをするしかない。こっちを向かせるには、そういう方法しか知らない。
「おい、手伝おうという気はないのか」
「ないです」
4主さんが舌打ちをした。条件反射だ。
悪いとは思わないけど、ひどく気分が悪くなる。4主さんの人相も一層悪くなる。
そういう顔が見たいんじゃないのに。
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