したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

665マナーと教養 5→4 3/5:2009/06/06(土) 03:06:13
 苦笑すると、彼は怪訝そうにこちらを見るがすぐに視線を娘に移した。
 手に取ったハンカチが、娘の頬についたジャムを拭う。驚いたように見上げた娘には、新たなスコーンをとってやり、紅茶を注ぎ、ホットウォータージャグで薄めてちょうどいい濃度にする。
 ここは宿舎じゃなかったか?
 そんな考えが浮かんでしまうほどスマートなホスト振りだ。というか、紅茶が濃くなるのを薄めるためのお湯を用意することすら、知らなかったんだが……。
 娘の礼に、彼は頭を撫でてやることで答える。
 自分の笑みが子供を怖がらせると知っているからの行動だが、娘の顔が赤面した理由は多分分かってないだろう。
 「気に入ったか?」
 彼の言葉に娘が大きく頷く。息子も横で同じ動きをしている。
 「本当にすごく美味しいです。これ、どこで売っているんですか?」
 「うん、僕もこれもっと食べたい。父さん、買ってっていいよね」
 二人の言葉に彼が大きく瞬き、そして小さく微笑んだ。そのインパクトたるや、娘だけでなく、息子すら赤面させてしまった。
 『頼むから、娘だけじゃなくて息子まで魅了しないで欲しいのだけどね』
 端正な顔立ちは、女性どころか、男性まで魅了する。宿舎のメンバーにも何人か犠牲者がいるのだ。これ以上争奪戦を繰り広げてほしくないし、何より息子の人生を踏み外させないでほしい。
 頬が真っ赤に染まった息子を眺めながら考えてしまう。
 「これは俺が作ったんだが、もし良かったら、少し持って帰るか?」
 彼の言葉に、子供二人は頷くばかり。苦笑して、言葉を補足してやる。
 「ぜひお願いするよ。妻たちも君の料理のファンだから」
 其の言葉に彼はきょとんとした顔で瞬く。彼は、5主の妻たちとも仲が良い。
 先祖と子孫だからというより、料理のレシピの交換や4主の農業の成果を時々届けるからか。
 おかげで、ここでの悪事は4主を通して、妻たちにはかなり筒抜けなのが痛いところだが。
 「ファンは言い過ぎだろう?」
 「いいや。だって君とレシピ交換した後は必ず作るし。で、どうしても同じ味にならないとか悩んでるしねぇ」
 サンチョやその妻まで巻き込んで一緒にレシピ片手に作るのだが、どうも違うらしいと首を傾げている。
 「今度、城に来て一緒に作ってあげてくれないか?そろそろコックも巻き込んでいるんだ」
 4主は目を伏せる。
 元々、彼は他の世界に行くことをあまり好んでいないらしい。特に、直接影響がありそうな5主の世界には殆ど来てくれない。
 妻たちがこちらに来るか、または息子や娘の願いでくるのがせいぜいといったところか。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板