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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

94384 4/6:2015/02/27(金) 00:27:21
びく、と身体が震えたのを見咎めて思わず半眼になる。
相変わらず入口で足を止めたまま、4主さんはそこから一歩も動かない。

「どうしたんですか?早くしてください」
「……信用、できない」
「酷いなあ。確かに普段の僕は色々嘘をついたりはぐらかしたりしてばかりですけど、
 今ここでやらかすほどに捻くれちゃあいないですよ」

だから、さっさとここまで来てみせて下さい。
そう言葉にしないまま訴えると、4主さんはひくりと喉を震わせ、奥歯を強く噛み締めたようだった。
そんなことをしたところで何も変わりやしないだろうに。
僕は溜息をひとつ吐くと、その場から動けずにいる4主さんに向かってやれやれと手を差し伸べた。


「ほら」
「っ、なに、」
「いつまでそうして怯えているんです。ここには貴方を閉じ込める人も、貴方を置いていく人も居ませんよ。居るのは僕だけです。
 ……僕は、貴方を置いてはいかない」
「ッ!!」


暗闇にも随分目が慣れてきて、僅かながら4主さんの表情も読み取れるようになった。
紫がかった深い蒼の双眸が子供みたいにぽかんと僕を見つめている。
なんて顔をしてるんだろう。
折角の美形もこれじゃあ台無しだ。

「置いていったりしませんよ。僕はちゃんと貴方の前に、こうして存在している。生きている」
「……はっしゅ」
「だから4主さん」


おいで。


しばらく呆けた後、4主さんは恐る恐る、といった感じで漸く足を踏み出した。一歩、二歩、三歩と震える手を伸ばしながら、
亀の歩みよりも遅い速度で僕の手を目指して近付いて来る。
やがてその指先が触れるか触れないかまで接近したあたりで、ぐい、と手首を掴んで引き寄せた。

「なっ……」
「はい、ゴール」

身長こそ負けてはいるものの、腕力に関してなら4主さんとの間にさほど差はない。むしろ僕に分があるくらいだ。
僕自身そりゃあお世辞にも体格がいいとは言えないけれど、これでも一応暗黒神を打倒した身なのだ。
少なくとも、この人の頭を抱え込むくらいの胸の厚さはある。


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