しかし、需要が追いつく前にアメリカは不況に突入、消費者が自由に使える支出は急激に減少した。こう話すのは、コネチカット大学不動産センター(Center for Real Estate)のジョン・クラップ(John Clapp)教授だ。
同教授によると「現在、アメリカの1人あたりの小売面積は、必要量の2倍もしくは3倍にのぼる」
投資調査会社モーニングスターによると、1人あたりの小売面積は、アメリカで23.5平方フィート(約2.2平方メートル)と最も大きく、カナダの16.4平方フィート(約1.5平方メートル)、オーストラリアの11.1平方フィート(約1.0平方メートル)と続く。
アメリカにおける小売面積の余剰は、1平方フィートあたりの売上高の低下を招いた。不動産調査会社グリーンストリート・アドバイザーズによると、シアーズのような小売業者が2006年の水準を取り戻すには、店舗の半数近くを閉鎖しなければならない。
加えて、ヘルスケア、テクノロジー、教育などその他の分野で消費者の支出が増えていることを考えれば、ここ10年間でショッピングモールから客足が遠のいてしまったことにも納得がいく。
また、いざ「モノ」を買うとなっても、消費者の大半は正規の価格を支払うことはない。不況時に学び、それ以来身に付いた消費習慣だ。シアーズやメイシーズといった正規の価格で販売する百貨店が苦しみもがく一方、TJマックス(TJ Maxx)やマーシャルズ(Marshals)、ロス・ストアーズ(Ross Stores)などのディスカウントストアは盛況だ。
急成長を遂げるeコマースは、いずれ小売業全体に対し、更なる影響力を持つだろう。しかし、現時点でeコマースを小売業低迷の最大の元凶として責めるのは、お門違いだ。
[原文:There's one major thing everyone gets wrong about Amazon and the retail apocalypse]
(翻訳:Yuta Machida)
閉店予定の店舗数を含むブランドもある。より詳しい情報は以下の記事から(英語です)。
RadioShack(ラジオシャック)
JCPenney(JCペニー)
Sears and Kmart(シアーズおよびKマート)
Sears and Kmart(シアーズおよびKマート)の続報
Macy's(メイシーズ)
Payless ShoeSource(ペイレス シューズソース)
[原文:More than 5,000 stores are shutting down ? here's the full list] http://www.businessinsider.com/list-of-stores-closing-2017-6
(翻訳:増田隆幸)