したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

無題という名の短編集

1 ◆qdyLzSl/PA:2010/08/02(月) 15:09:33 HOST:222.70.129.244
※名前の通り私が考えた短編を載せる場所です。
書いてる人の問題上此処に載せられる文章は大体鬱的な表現や性的表現及び暴力表現も含む可能性が多少有ると思われます。
そう言った内容が苦手なかたは閲覧をお控え願います。※

2 ◆qdyLzSl/PA:2010/08/02(月) 15:47:54 HOST:244.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
―――――――――――――――――――――――――――

ある所に一人の女の子が居ました。
女の子は極めて控えめで大人しく、何処にでも居る至って普通の女の子でした。

女の子には友達が居ました。
その友達は女の子とは反対に強気で明るく誰にでも好かれ易い性格の子でした。
女の子はその友達に憧れていて次第にその子に嫌われるのが怖くなりました。

だから彼女は嫌われない為にその友達に頼み事をされれば文句一つ言わず何でもやったし、悪口を言われたり酷い事をされたりしても怒らずへらへらと笑って受け流していました。
次第にその友達の子は女の子の事を使い勝手の良いパシリ役兼ストレス解消道具と思う様になりました。

けれども中学校の卒業式の日。女の子は間違えてその子のスカートにオレンジジュースを零してしまいました。
その時に一緒に自分のシャツにもジュースが掛かっていましたが、そんな事も気にかけずその子にただひたすら「ごめんね、ごめんね○○ちゃん。」「ごめんね、ワザとじゃないの。○○ちゃん。ごめんね、ごめんね。」と何度も謝りました。
○○ちゃんは、最後の最後まで女の子を許す所か目を合わそうとさえもしませんでした。

その後、二人は一度も会っていません。

今までその子と以外ずっと仲良くしていなかった所為でか女の子には他に友達が居ませんでした。
だから次第に女の子は学校から帰るなり部屋に引きこもり毎日パソコンの画面に向かうだけの生活をする様になりました。

女の子には取り得どころか趣味や特技さえも無く、何一つ良い所が有りませんでした。
そんな女の子が毎日家にこもってパソコンをしているばっかりでか女の子のお母さんはとうとう怒ってこう言いました。
「お前なんかさっさとこの家から出て行け!それか死ね!」
女の子はその言葉を聞いた途端、とても悲しい気持ちになりました。
けれども心の隅では「お母さんが実際にそう思っている筈無い。だって今までずっと育てて来てくれたんだもの。実際に私が死んだり何処かへ居なくなってしまったりすれば悲しむ筈だわ。」と思っていました。

その後も女の子とお母さんが口喧嘩をしてご近所さんから白い目を向けられる日々が続きました。

女の子は段々と自分のお母さんのことさえも信じられなくなってきました。
「お母さんは本当に私が要らないんだ。本当に私に死んで欲しいんだ。」

最早そんな女の子の心の支えはネット上で自分と交流をしている人たちだけ。
ネット上には女の子と特別仲の良い人が居ました。
勿論女の子はその人の本当の顔や年齢、ましてや性別さえも知りません。
けれども女の子にとってはそんな事如何でも良い問題でした。ただ、自分の話を聞いて共感してくれるだけで嬉しい、と

女の子は暇さえあれば日々その人とのチャットに明け暮れていました。

そんなある日、女の子に一通のメールが届きました。
誰からだろうか、と女の子は首を傾げつつもメールを開いてみると其処にはたった一文だけ

             さようなら。

とだけ書かれていました。

新手のチェーンメールだろうか、女の子はそう思いながら再びスクロールバーを動かしてみると

▲▲▲


其処には何時もネット上で自分と仲良くしてくれるあの人の名前が。
女の子はただ呆然とした表情でパソコンの画面を見つめていました。

気付けば女の子はマンションの屋上に居ました。
本当に無意識だったのでしょう、女の子は服はパジャマのままの上に靴さえも履いていません。

今まで学校の時以外は外に出なかった所為でか、屋上から見える風景や自分の頬に当る風がとても心地よく感じます。
女の子は柵に手を掛け、其処から見える景色を一通り眺めると――――――

泣きました。声をあげる訳でもしゃくりあげる訳でも無く、ただ涙だけをぽろぽろと流して、泣きました。

そんな自分の気持ちとは裏腹に広々と晴れ渡る空を見上げた途端、女の子は吐き気を感じました。
そして柵に手を掛け身を乗り出し―――――――――――

               
                 


                       ぐしゃっ

3 ◆qdyLzSl/PA:2010/08/02(月) 16:14:19 HOST:244.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
えっと…文章は下手ですが気軽にコメントや小説の感想等くださると嬉しいです。
小説は以前ちょっと齧って以来全くの初心者ですが皆さんどうぞよろしくお願いします。

4名無しさん:2010/08/02(月) 17:02:42 HOST:244.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
ちょっとテストです;

5美紀:2010/08/03(火) 15:27:58 HOST:125.173.73.213
入っていい?

だめならだめでもいいですんで

6名無しさん:2010/11/05(金) 20:41:46 HOST:130.138.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
何か色々混ざり合ったファンタジー小説的な物が書きたいなぁ

でも連載化させても続く訳ないしなぁ

どうせだから書きたい所だけ書いちゃおう!(・ω・´)となった結果。

――――――――――――――――――

「――――時に貴方は女媧を知っているかしら。」

くるり、僕の居る方向に振り向いたかと思えば笑みを浮ばせながら彼女は問うて来る。

「知ってますよ、確か中国神話の登場人物…でしたよね?」
「正解よ。」

答える僕に相変わらず機嫌の良さそうな笑みを浮ばせた彼女はパチパチと僕に対しての拍手を送る。
一体この人は何がしたいのだろう。

「では、その女媧が一体何をしたのかは知ってるかしら?」
「えっと、確か一番最初に人間を作り出した…とか…。」

今度の僕の答えに対して、彼女は拍手をしてくるでもなく返事を返すでもなくただひたすらに僕に向かって微笑んでいる。
クスクス。
嗚呼、嫌な笑い声だ。

「…旧約聖書に出て来るアダムとイヴ…、世界で一番最初に神に造られたと言う事で最も有力な説を持つ人物よね。」
「それがどうしました?」

「かつて創造神と言われた女媧はね、元は頭は人間身体は蛇…世で言われる所の妖怪だったのよ。つまり神とは全く逆の位置に居る存在だったって訳。」

ハッキリと言わせて貰おう、話が読めない。と言うよりも話が噛み合わない。
あからさまにもう帰りたい、というオーラを丸出しの僕の事なんて全く気にする素振りを見せず(絶対気付いてるくせに!)彼女は話を続けていく。

「それで、貴女は結局何を言いたいんですか?ただ何時ものくだらないオカルトうんちくだったらもう聞きませんよ。」

パシャン、水面の跳ねる音。

「まぁ、落ち着いて聞いて頂戴。つまり私が言いたいのはね…。」

コポリ、何かが息衝く音。

「つまり?」

「――――人間や神様だけで無くとも私の様な…所謂『人外』でも人間が作れる事は有るってはなしなのよ。」


ぼこり。
何かが産まれる、音がした。

7「荒し」の話:2010/11/24(水) 19:32:02 HOST:222.70.142.233
※なりきりに対する中傷発言など有り(あくまで此処に出てくる女の子が思った事であり、私が思った事ではないので)
 でも注意されたら一応削除依頼出すつもりですので;;


―――――――――――――――――――――――――

真夜中の午前2時。

その日私は明日学校が有るにも関わらず何時もと同じ様にネットの海を漁り続けていた。
有る時はチャットで顔も見えない相手と朝まで駄弁り、有る時は某大掲示板なんかでスレッドを建てたり、また有る時は出会い系サイトなんかで明らかにいやらしい事目当てのメッセージに対して騙しメールを送ったり。
今日はなんだかダルくてとてもでは無いが、あまり人と話したい気分ではなく大人しく自分の好きなネット小説家さんのブログ等を見て回っていたりしていた。

其のとき、ふとと有るサイトの名前が私の目に止まった。
オリなり掲示板@××

オリなり、という言葉には私には聞き覚えがあった。
確かオリジナルキャラクターになりきって交流をしよう、等とそう言った趣旨の物だった筈。
私が未だ小さく、ネットをやり始めた時の頃どう言った経緯でこういったサイトに辿り着いたかは知らないが、ほんの少しだけやっていた時期が有った、様な気がする。
と言ってもあの頃の私は全くルールやマナーを知らない上に人の話を聞かないばかりだったので、「出てけ」「不快」等と理由も分からずコテンパンに中傷され、顔の見えない相手に対して怯えていた気がする。
其れ以来、そう言った趣旨の掲示板に行くのはパッタリと止めてしまった。

懐かしいながらもあまり思い出したくない出来事だな、と思いつつも現時点で「オリなり」がどの様に進化しているのかと気になったので其のリンク先をクリックしてみた。
2秒ともしない内にページが開くと、真っ先に私は一番最初に目に入ったスレッドをまたクリックしてみた。

「―――――――――うわっ、キモッ。」

暫くして自分でも無意識の内にそんな言葉が零れ落ちてきた。
ちなみにスレッドの内容は至って平々凡々な学園物、等と言った奴だった。けれど其れに対してこんな感想を漏らした訳ではない。
私が瞬時に見て気持ち悪い、と思ったのは奴等の書いたプロフィールの自意識過剰さだった。

ほとんどの奴が「整った顔つき」「綺麗な金髪」「名家のお嬢様」等と言った物で、見てる方が思わず「そんな完璧人間居るか」等と叫びたくなるほどのものだった。

いや、でもこのスレッドだけの事かも。そう思い私は気を取り直してまた別のスレッドを見てみる事にした。

ああ、けど何処を見ても自意識過剰な気持ち悪い奴等ばっかり。
あからさまに自分が特別に見られたいとしか思えない自己中心的な書き方しかされていなかった。

取り合えず一通りあがっているスレッドにザッと目を通すと私は額に手を当ててハァ、と呆れ切ったかのようにため息を零した。
此れはもう見ていられないな、と言うよりも最初から私には関係無い事だ。
そう自分に言い聞かせ、そろそろネットサーフィンに戻ろうとした、が、

ふと、私の中で一つの好奇心が芽生えた。


―――――――荒らしたら、どうなるんだろう。


此処は見た所では私よりは幾分年下でネット経験がそれほど無い奴等ばかりだと見て取れた。
だから某大掲示板とは違い、荒らしに対して慌てたり反論したりするかもしれない。

そんな可笑しな期待を抱きながら、私は自分の指先に有る「あ」のキーを連打していく。


ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


もうここいらでいいかな、と思い今度は小指でエンターキーを軽く叩く。
「投稿されました」と言う画面が表示されると、私は直ぐ傍に有った目覚まし時計に目をやった。
4時。私がパソコンを立ち上げた時からもう二時間も立ったのか。

明日ももう早い、と思い私はパソコンを机の上に戻し布団の中に体を丸め込むかのようにして包まった。
―――――明日、奴等がどんな反応をしているのか、見てみたいしまた明日あの掲示板に行ってみようかな。

そんな事をぼんやりと頭の中で考えながら私は眠りに入った。

8 ◆Gv599Z9CwU:2010/11/26(金) 15:11:34 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp

初めましてこんにちは、海と申すものです。


>>7の小説に思わず頷いてしまったやつです←
オリキャラ掲示板は最近低年齢化が進行してきているので、この小説を読んでこの問題を強く意識しました。
荒らしに反論してしまうのも、掲示板初心者さんでよくあることです。
荒らしの人もそれをわかっているからしてくるのだと思うのですが、それは本人に聞いてみないとわかりませんね。
現在の掲示板のことを題材に書いた小説を始めて拝見して、個人的にはいいなあと思いますb


それでは、貴重なレスおよび突然失礼しました。
またひょっこり現れるかもしれませんが、そのときは生あたたかい目で見てやってくださいませ。

9名無しさん:2010/11/28(日) 16:21:11 HOST:116.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
>>海様

えっえっえっ初めましてではないです、スミマセンこんにちは(何
そうですね、私も一応掲示板のいち利用者なんですが、以前に比べてあの掲示板は大分過疎ったなー、と言う気持ちが強いですね。
でも最近は荒しが減って来てる様で何よりです。
そうですね、私もこの小説を書くに当たって色々と悩みました。やっぱり、こう言う事をする気持ちは当事者さんにしか分からないのでしょうね。
最初は眠い勢いで書いたこんな駄文にそんな有り難いお言葉を頂けて、本当に嬉しいです。

いえいえ、わざわざ感想くださり有難う御座いました。
はい!また何時でもお待ちしております!

10「夢」の話:2010/12/03(金) 16:55:41 HOST:30.140.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
荒しの話は気が向いたときにまた更新ということで(待
取り合えず一週間に一回更新できるように目指したいと思います。

今回は小説というよりも詩か独白に近いもの。


※念の為、グロ表現あります。苦手な方注意。
―――――――――――

夢を見た。

ハッキリとまではいかない物のそこはかとなく何が起こったのか、とか大概の内容が分かる辺り自分の中でも結構印象深い夢だったのだろう。
場所は昔父と訪れたことのあるキャンプ場。其処に学校の皆でキャンプに来る事になった。
そこで私はトイレに行った。別に実際に用を足したかったわけでは無いと思うのだが、何故か私はトイレに居た。
私が入ったトイレの便器の中には死体が有った。四肢と頭部はもがれ、胴体だけとなった血塗れの死体が。

おもむろに、私のクラスメイトが急に私の居たトイレの中に入ってくると死体に気付いていないのか躊躇無く其れを、流した。

其処で目が覚めた。
そして私は思い出した。あの死体が着ていた服は当時私が一番嫌っていた「トモダチ」が良く着ている服にソックリだったと言う事に。

夢を見た。

何故か私の頭の中でずっと同じ音楽ばかりが鳴り響く夢だ。最初私はイヤホンを付けており、其れから発せられている物だと気付きイヤホンを取ってみたのだがどう言うことか音楽が鳴り止まない。
取り合えず其の後も私はどうやって音楽を鳴り止ませるか、と様々な方法を試して見た。けれども何れも全て無駄であったが。
もう私の耳は直らないのだろうか、と絶望しかけていた私だがこうやって音楽がずっと耳の中で鳴り続けていれば人の声を聞かずに済む、と言う事に対して一種の安堵のような物も抱いていた。

そして私はまた、目を覚ました。

どうやら音楽プレーヤーを付けてイヤホンをはめた侭眠ってしまっていたらしい。何とも間抜けな。
だが、其の頃の私は少なくとも自分の周りの者達の小言や悪口、陰口、嫌な噂を聞きたくないと思っていたのも確かで。


嗚呼、そう言えば誰かが言っていたな。夢は現実の鏡だと。



                         其れ以来私は自分が思う「悪夢」を鮮明に覚えるようになった。

11優斗:2010/12/03(金) 19:15:38 HOST:p5012-ipad01matuyama.ehime.ocn.ne.jp
はじめまして

優斗というものです!!

いきなりすみませんが‥

男の子ですか?オレゎ男なんですけど‥

12「思考」の放棄。:2010/12/04(土) 22:37:29 HOST:124.77.117.8

とある日の昼下がり。

「先生。」

眼鏡に学ラン、男Verのオカッパ頭をした少年は目の前にある雑誌に目を通しながらも隣に居る人間に声を掛けた。

「んー?」

少年に先生、と呼ばれた長い赤毛を持った男性は、コーヒーを飲みながら間延びした返事を返す。

「どうして人類は月に住めないのでしょうか?」

少年、ようやく雑誌から手を離した青年と向き合うかのようにして話す。

「僕は確かに先生だけど、あくまでジャパニーズの先生だからね。そう言うのはサイエンスの教師に聞けばいいんじゃないのかな?」

そんな少年の質問に苦笑しつつも、青年は答えるなり再びコーヒーを口に含んだ。

「でも月に上陸することが可能なら住む事だって出来る筈ですよね?」

けれども少年、青年の話を聞き入れるつもりはまったく無いらしい。

「それはー…、酸素が無いからじゃないかな?」

この子は、ちゃんと人の話を聞くつもりはあるのか?と内で思いながらも青年は律儀に返事をする。

「酸素、ですか。」

少年、あごに手を当てて考え込む。

「そう、酸素。」

青年、再度コーヒーを自らの口に流し込む。

「酸素を作る為にはやっぱり、植物が必要ですよね?」

暫く考え込んだ後に、少年は再び口を開いた。

「んー、そうなんじゃない?」

最早話を聞く気は無いのか、青年は生返事だ。
だがしかし、この子供の話を聞くのはとても面白い。そう思った青年は言葉の後に再び言葉を繋いだ。

「君は本当に考えるのが好きだね。学者にでもなったらどうだい?」

微笑む青年に少年、無表情ながらもハッキリとそれを拒否するかのように首を横に振る。

「どうせだから学者なんかよりも月に植物を埋めに行くために宇宙飛行士にでもなろうかと思います。」


三秒後、青年の高らかな笑い声と手をたたく音が辺りに静かに鳴り響いた。


――――――――

何も考えずに書くからこうなる。

13「思考」の放棄。:2010/12/04(土) 22:40:15 HOST:8.117.77.124.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
ああ、間違えた(・ω・`)

下から三行目の「だがしかし、この子供の話を聞くのは〜」では無く「この子供の相手をするのは〜」でした。
眠いから矛盾ばっかORZ

14人間のクズ:2010/12/25(土) 13:17:31 HOST:248.134.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
※性的表現及び暴力表現有ります。近親相姦描写も有り※
※ただ女の子が報われないだけの話※


昔父が私に教えてくれた。
「出来る」子供は人の目を見るだけで分かる。
「普通」の子供は言われて漸く分かる。
そして最も「出来ない」子供は叩かれて漸く分かるのだ、と。

恐らく私は父が言うところの「出来ない子供」に分類されるらしく、物心ついた頃から「こんな事も出来ないのか」「此れだからお前は」と言われて虐待に近い暴力行為を受けていた。
其の度に私は縮こまり「ごめんなさいお父さん許してくださいごめんなさいでした」と泣きながら繰返すしか無かった。
また、私が生まれた頃から家には母が居なかった。

偶に私の泣き声や父の怒声を聞き付けて近所の住民達が私の事を心配してくれたが、別に警察に訴えようとか思った事は無かった。
だって私は実際に父が言うとおり「出来ない子」なのだ。
何度言われても何度殴られてもまた何度でも私は同じ間違いを繰返す。
そしてまた、何度でも。



そんな暑い夏の有る日のこと。

私は部屋で一人、薄いせんべい布団の上に横たわっていた。
体中が痛い筈なのに、体の感覚が良く分からなくて力が入らない。目頭が熱い。涙が出る。喉が痛い。頭が痛い。違う、全身痛い。
足の間に残る感覚となにかがきもちわるい。上手く息が出来ない。涙が止まらない。心なしかアンモニア臭までして来た様な気がする。

私の隣にさっきまで居た筈のあの男は、もう居ない。

何が有ったんだっけ、と私は混乱する頭で何とか考えようとする。
なんだったっけああそうだえーとわたしはたしかそれでどうしてこんなことになんで
嗚呼、そうだ。私はまた父に怒られていたのだ、「何時もどおり」に。けれども今日は心なしか父の様子が可笑しかった、様な気がする。

あの時、確か殴られて床にぐったりを放り出される私を見て、父は―――――
それで?それで?それで?それでそれでそれでそれで
あああああああああああ、えっと、ああああああああああ
そうだ、ああああああああああああああ、おもおもおもおもおもおも思い出した

そうだ、ああ、思いだした気がする。全て、とはいかずとも大体は。
此れもまた、父にとっては「出来ない子」に対する教育の一環なのだろうか。
そうかもしれないし、そうじゃ無いのかも知れない。

けれども、ああ


「ごめ…、なさ…、もう、しませ…。」

其れでもやっぱり私は

「ごめんなさい、もうしません。」

彼の目から見たら何時だって「出来ない子」なのだろう

「ごめんなさい、もうしません!!!」




神様、私は後何度同じ間違いを繰り返し後何度殴られれば漸く「出来る子」になるのでしょうか?


――――――

性なる夜にメリークルシミマス!

15雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/12/28(火) 19:34:31 HOST:119-231-181-246f1.shg1.eonet.ne.jp
 
はじめまして、陰から覗いていた者です。|・ω・)
すごく描写が上手くて尊敬します。
目の前にその光景が浮かんでくるようで、私の言葉なんかでは伝えきれませんが、本当に素晴らしいです! 私もこういう小説が書けるようになりたいです。
特に、私個人の感想としては、>>7は今のオリなりの方でも当てはまる事だと思い共感できましたし、>>14では本気で鳥肌たつかと思いました。寧ろたちました。
では、また楽しみにしていますノシ

16名無しさん:2011/01/21(金) 22:22:55 HOST:124.77.119.186
>>雪音様

うわああ最近ぜんっぜんこっちの掲示板覗いてなかったのでお返事がこんな遅れちゃってすいません…!;
陰から覗いていて下さったなんてうわーうわー嬉しいです有難う御座います!
それと描写が上手いなんてそんな事有りませんよ、本っっっ当に;;
私自身もまず最初に脳内でイメージを思い描いてから文章を書きだすようにしているので、その様に言って頂け大変嬉しい限りです!
>>7の小説は共感をして下さる方が多いようですが、私としては>>14はちょっと失敗かなーとか思ってたり…
有難う御座います!更新は此れからも途切れ途切れですがなるべく頑張ります!

17惨め。:2011/02/02(水) 10:46:28 HOST:222.70.129.131
自分が惨めで惨めで仕方ない男の子の話。

―――――――

 俺は自分の両親が嫌いだ。
 別に俺に対して暴力を振るったり、きつく当たって来たりする訳でも無い。寧ろそんな単純な理由だったらどれ程良かっただろうか。
 親は逆に俺を愛し過ぎている。だからこそ私はそんな両親が嫌いで嫌いで堪らないんだ。

 物心ついた頃から我が家は貧乏だった。
 父親は病弱でとても仕事が出来る様な体の持ち主では無かった為常に床に伏せっていた。
 母親はそんな父親の代わりに働いた。自分の時間を磨り減らしてまで俺と父の為に一生懸命働いた。結果、母は身体を壊した。

 さぁ、両親がそんな状態になってしまったら一家心中か俺が働くしか道は残されていない。
 当然の如く俺は後者を選んだ。

 其れからの俺の生活は最悪だった。昼間はみすぼらしい格好を装って『靴磨き』として働き夜は街角で身売り同然の様な事をして知らない男や女に向かって股を開く。
 働く自分を自覚する度に俺はとても惨めな気分になった。
 今の俺がこんな状態になってしまったのは全て両親の所為だ、あいつ等さえ居なければ。
 目を閉じて無体な行為に耐えながら何度そう考えた事か、何度脳内で父と母を自らの手で絞め殺す想像をした事か!!!! 
 想像だけでは無い、本当に殺しを実行しようとした事だって幾度かは有った。けれども出来なかった。

 其れは父と母が俺を「愛して」いるからだ。
 この選択を取ったのはあくまで両親ではなく「俺」なのだ。自分が死にたくないが為に。
 何時だって両親はボロボロになって帰って来る俺を見るなり自分達が苦しい思いをした様な顔をするんだ。
 父は力の無い細い腕で俺をきつく抱き締めて、母は泣きながら俺に頭を下げて「ゴメンね、ゴメンね。」と謝罪をしてくる。

 ゴメンね、こんな事をアナタにさせる位ならば私達が死んだ方がマシなのに。ゴメンね、ゴメンね、ゴメンね。

 母の其の言葉を聞く度に俺は何故か胸が締め付けられる様な思いがして、急に両親がいとおしい気持ちにかられるのだ。
 だから俺はそんな母親に対して「俺が頑張れば良いだけだから。」としか返せなくなる。

 止めろ止めろ止めろ!!!!嗚呼、俺はなんて惨めな人間なんだろうか!!!
 
 外では父と母を殺す想像をしていざこんな両親を目の前にすれば「愛しい」だなんて。
 だからこそ、嫌いだった。この親が。
 両親が謝る度に俺は自分がどれだけ惨めな人間なのか自覚する羽目になる。

 けれども、嫌いだけど、両親と同じ位に自分も彼等を愛していた。

 だからこそ俺はまた惨めな気分になって、自分で自分を虐げる。
 決して死にたい訳でも無いのに首に紐を巻き其れを死なない程度に限界ギリギリまで締め上げる。
 
 脳内で両親を殺し、家に帰る度に其の両親の「愛」によって自分が惨めだと自覚し、自分が惨めだと自覚した事によってまた自分を虐げる。

 其れが俺の日課となっていた。


 嗚呼、なんて悲しき連鎖なのだろうか!!!!!

18*:2011/02/03(木) 16:15:54 HOST:222.70.128.206
明るい話が書きたかったのに…(・3・)あるぇー?

―――――――――― 

 私には一人妹が居た。
 私の家は所謂大家族、と言う奴で私を含めて5人の男兄弟と先程話した末の妹が一人居る。
 そんな大人数でありながらも我が家は訳有って片親で、常に忙しい父親の変わりに長男である私がこの兄弟達の世話をしてやり仕切る役でも有った。
 妹は未だ小さく初めて我が家に産まれて来た女の子と言う事も有ってか他の兄弟達は大層彼女を可愛がった。勿論私も例外及ばずで有る。
 
 そんなある日の事だ。
 私以外の男兄弟全員が家を空けなければならない用事が出来てしまった。
 次男はバンド仲間の家に泊まりに、三男は部活の野外合宿、四男はクラスメイトの家に勉強会(泊まり)に、五男はそんな四男に誘われ彼も一緒に泊まりに行った。
 結果家には私と末妹だけが残されてしまった。
 先程も言ったとおり私は末妹の事を酷く可愛がっていた。けれども其れは他の家族につられる様に、で有って実際に彼女自身が一人っきりに可愛がってやっていた訳では無い。
 其の為最初の内こそはどの様に接してやれば、と戸惑っていた私で有ったが私が思っていたよりも末妹はそれ程手間の掛かる子供では無かった。
 物覚えが良く、あまり我侭を言わない。時には自分から家事を手伝いたい、と私に言って来た事も有った。元よりも大人しく内向的な性格だとは思っていたが此処まで手間が掛からないとは自分でも正直驚きだった。
 
 其の為その日一日は男兄弟達が騒がしい日に比べて寂しい気持ちは有る物の幾分か快適に思えた。

 だが其の日の夕方。
 急に末妹が「腹が痛い」と言って寝込んでしまったのだ。
 決して吐きたい訳でもトイレに行きたい訳でも食べ過ぎた訳でも無いらしく、病院に連れて行こうかとオロオロしていたが流石に自分と彼女以外の家族が居ない間にが家を空ける訳にはいかない。
 其の為私は非情ながらも苦しそうに腹を抑えて仰向けの状態で寝る彼女の傍で家の中だけで出来る限りの対処法を取ってやった。
 暫くして痛みが治まって来たのか、未だ顔を顰めては居る物の先程の様な呻き声は聞こえない。そんな末妹の気を少しでも楽にしてやる為に、と私は彼女の腹を軽く擦ってやろうとする。

 其の時である。

 「…おか、さん…。」

「!」

「苦しい、苦しいよぉ。おかあさん。助けて…。」

 末妹は腹の痛みを耐える様な声色でぐずりながらも懸命にそう言う。
 私は其の瞬間、苦しそうにする妹を心配することも忘れ思考をある一点に集中させた。

 (ああ。)


 (其処で目の前に居る私、では無く母親を求めるのか。)

 世話をしてやっている私でも無く、私達の為に働く父親でもなく。
 まともに関わった記憶さえも無い、私達を置いて別の男の元へと言ったあの最低な女を求めるのか。

 其れを知った瞬間、私の中に嫉妬とも怒りとも劣情とも取れぬ複雑な感情が湧き上がった。
 

 *

一時間ほど経って漸く腹の痛みが収まったのか末妹は安らかな表情で眠りに就いている。


 そんな妹の表情を見て、私は少し泣いてしまった。

19名無しさん:2011/02/24(木) 20:17:43 HOST:3.142.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
ちょっと長いお話が書きたくて。

---------

 其の日はとても、暑い日だった。

 本当に気温が高い所為で暑いのか、其れともボクの体だけが焼き付く様に熱いのか―――
 そんな曖昧な感覚と共に体の上に何かズッシリとした乗っかっている様な気がする。
               ・・・
 否、実際に乗っているのだ。誰かがボクの上に

 辺りは暗く、一体誰がボクの上に乗っているのか認識が出来ない。
 女なのか、男なのか、若いのか、老いてるのか、どんな体系で、一体どうしてこんな事をしているのかさえも。
 けれども、ただ其処に居て息を潜める様に何一つ言葉を発さず、自分の下に居るボクを見つめている事だけはハッキリと分かった。

 暫くしてそいつは壊れ物を扱うかの様にボクの首にソッとやさしく触れたかと思えば―――息の根を止めんばかりの勢いで首に指を絡め、強く、激しく、締め付けて来た。

 瞬間、きゅっと喉が絞まり息が出来なくなる。
 苦しさの余り足をバタバタと上下に激しく揺らし、そいつを押しやろうと腕に力を込めるが、其の度に首に添えられた指の力が強まって行く様な気がして中々上手くいかない。
 次第にボクは抵抗することを忘れ、酸素を求め陸に上がったばかりの魚みたいにパクパクと口を動かす。
 けれども、ただひゅっひゅっと短く喉で音が鳴るだけで其処が酸素を通す事は無かった。

 段々と視界が霞み、頭がガンガンと殴られた様に痛み、意識が遠のいて行く。

 其処で未だにギリギリとボクの首を締めるそいつの口が暗闇の中でゆっくりと動くのが分かった。

 

 え? 何? 何だ? 何て言ったんだ? 聞こえない!!






 そして、ボクの意識は途切れた。

20名無しさん:2011/05/27(金) 17:08:23 HOST:222.70.143.158
書きたい物はいっぱい有るのに何からどうやって書けば良いのか分からない…ぬぐぐ
それよりもお前続かせるって言った筈の駄作達の続き書けよって言うね

21旧作:2011/06/11(土) 20:42:58 HOST:222.70.129.245
コレは私一人だけの物語では有りません

皆で作っていく物語です

だから時々どうしようもなく苦しくて辛くて面白くて愛しいんです

コレはたった一つの絵本に綴られたとても短くとても小さな物語です

『世界』とは呼ぶにはあまりにも小さな小さな世界

けれどもそんな小さな世界で得られる小さな幸せを幾つも折り重ねればいつかは大きな大きな幸せになるんでしょう

人とかかわりあって泣いて、笑って、怒って、悩んで、苦しんで

中々思い通りにならないのが可笑しくてまた泣いて、笑って、苦しむ

でもそんな中でも何処か楽しいと感じるアナタが居るはずです

そんな幸せだらけの世界の中に私は居るんです



                     だから何でか幸せすぎてたまに泣きたくなってしまうんです


―――――――――――

ネタが無いので昔別の掲示板で書いた小説や詩をば

22旧作:2011/06/11(土) 20:47:08 HOST:245.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn

例えば、

小さい頃は誰よりも足が速いことが自慢だった。
誰よりもテストの点数が良くて頭がいい事が自慢だった。
誰よりも絵を上手く描けることが自慢だった。
誰よりも歌を歌うのが上手だった事が自慢だった。
誰よりも皆を纏めるのが上手くて、クラスの人気者だということが自慢だった。

例えば、

大きくなって勉強が忙しくなり走る事が少なくなった。
急に勉強についていけなくなる自分に焦りを感じた。
世の中には自分よりももっと上手い人間が居ることに気づき、絵を描くのを止めたくなった。
声変わりして行くにつれて歌が段々と歌えなくなってしまった。
自分は正しい事を言っていた筈なのに周りと意見が食違い、其れにより孤立する羽目になってしまった。

例えば、
何故自分は他人と違うのだろうと自分を嫌った時が有った。
少しでも自分は他人と違って特別な所がある筈だ、と思ったときがあった。
毎日毎日同じ事の繰り返しばかりで、つまらないと思っていた時があった。
今日もまた何時も通り過ごせたと言う事に素直に幸せだと感じれるときがあった。

世の中にはたくさんの人間が居る。そして皆が皆自分に一番有った形で人生を過ごしている。
此れはそんな「成長しながらも退化していく」人達の時に可笑しく、時に悲しく、時に愛しい物語。

―――――――――――――――――

これ>>0に持って行きゃあ良かった。

23旧作:2011/06/11(土) 20:49:13 HOST:245.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn

小さい頃から読み聞かされた童話。
だが今となって僕からしたら其れは理不尽で大分常識を無視した狂ったお話だった。

子供たちは何時だってそう、ヒロインとヒーローが幸せになれる事だけを考えて其の幸せの為に犠牲となった人々の事等微塵も考えない。
「だって主人公が幸せになるのは当たり前の事でしょ。」
そうだ、皆口を揃えてそう言うね。

嗚呼、人魚姫。哀れな娘。
わざわざ自由と声を引き換えにまでして自分の恋を叶えに来たと言うのに。
だが残念、君は確かにこの物語のスポットライトを当てられた主人公では有った。でも愛しの王子様のお姫様は君じゃあ事足りなかったんだ。
嗚呼、最初から叶う訳無いと諦めてただ陸に恋焦がる人魚として行き続けていれば、わざわざ泡となって消える必要も無かったのに!

嗚呼、悪い狼、哀れな奴め。
自分の食欲を満たす為にいたいけな少女とを騙し老婆を喰らう。だが如何だろう間抜けな君は食欲から来る眠気に勝てず、其の侭ベッドで眠りこけてしまった。
最終的に猟師に見つかり腹に石を詰めらた侭滝へと流され重さによって溺れ死ぬ。
でも彼はただ単に自分の食欲を満たそうとしていただけだったんだ、食べなければ生きていけないから。少女を騙したのはちょっとしたおふざけさ。
人間だって腹が減ったら動物を殺すだろう、其れと大して変わりは無いのさ!

嗚呼、意地悪な二人のお姉さん、哀れな女。
自分よりも美しく気立ての良い妹、気に食わない。だから嫉妬し虐めてやった。彼女の惨めな姿見て小さく嘲笑う。
ある日憧れの王子様「このガラスの靴を履ける方を私のお妃として迎え入れます。」
「お母様、如何しましょう。靴が小さくて足が入りません。」「では踵をナイフで切り落しなさい。」
意地悪な二人のお姉さん、実の母に促され踵を真っ赤に染める。だがそんな足でガラスの靴を履いてみろ、真赤に彩られた其の靴は有る意味美しい。
結局それに気付いた王子様、踵を切り落してまで自分に見合おうとしてくれた女の事等払いのけ灰かぶりの元へと一直線
嗚呼、所詮私達の様な醜い雌豚は意地悪な姉としての席に着くことしか出来ないのか。

なんて理不尽、なんて理不尽、なんて素敵。
所詮こんなもんさ、誰かが幸せになるためには誰かが不幸にならなければいけない。
皆が皆、物語の主人公になれるなんて大間違い!

悪役は悪役で居る事しか出来ないし、脇役は脇役で居る事しか出来ないのだから。
そしてボクはそんな世界が大嫌いさ!

―――――――――――

中二病怖ぇwwwwwwwww

24旧作:2011/06/11(土) 20:52:57 HOST:245.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn

 僕はパパとママが喧嘩する日が好きだった。だって其の日は兄ちゃんが特別に何時もより僕に構ってくれるから。
 僕のパパとママは仲が悪い。と言うよりも意見が噛み合わないことが多い所為で何時も喧嘩してばっかりだ。
 小さい頃は未だ良かった。でも僕達が大きくなっていくに連れて二人が喧嘩をする回数も多くなっていった。

 喧嘩するとき二人は難しい事ばかり言うからいったい何が原因で喧嘩してるのか僕には全く分からない。

 だから僕は二人が喧嘩してる間は自分の部屋の隅で布団を被り偶に聞こえてくるパパの怒鳴り声や物が割れるみたいな音を聞きながらただ怯えるしか無いんだ。
 でもずっとそうしてると暫くして学校から帰ってきた兄ちゃんが怯える僕を布団を被らせたまま抱き上げながらパパとママに気づかれない様に忍び足で自分の部屋へと連れてってくれる。

 兄ちゃんはパパとママが喧嘩してる間自分の部屋に入る時、絶対に鍵を閉める事を忘れない。

 前まではよく兄ちゃんの部屋か僕の部屋を行き来しながら二人で遊んだりしていた。
 でも今年になって「じゅけんせい」って言うのになった兄ちゃんはテストとか模試とかの勉強で部屋に篭ってばかりで、遊んでくれる機会が少なくなった。

 でも、この日だけは特別なんだ。パパとママが喧嘩する日、兄ちゃんはどんなに忙しくても必ず僕に構ってくれる。

―――――――――――――

続きます。

25旧作:2011/06/11(土) 20:55:16 HOST:245.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
>>24続き



 兄ちゃんの部屋に居る間僕たちは大抵お互い最近学校で起きた事や嬉しかった出来事とか
 とにかく今までちゃんとまともに話せなかった分、たくさんお喋りするんだ。
 取り合えずお互いひとしきりお話しあった後、兄ちゃんは僕に対して申し訳なさそうな顔を向けながらも其の日の分の勉強を始める。

 其の間僕はやる事が無く、退屈だ。
 そんな時兄ちゃんは何時もは「耳が悪くなるから駄目」と言って絶対に貸してくれないMP3プレイヤーを「ちょっとだけな」と言って特別に貸してくれる。

 いつか大きくなったら欲しいな、と思ってるMP3プレイヤーを貸して貰えるのはとても嬉しい。
 でも僕はどっちかと言えば兄ちゃんとお話してるほうが好きだ。
 けれど其の事を口に出したらきっと兄ちゃんに迷惑を掛けてしまうだろうから僕はただ黙って音楽を聴きながら兄ちゃんの勉強が終わるのを大人しく待つ。

 一時間位経つと、流石に音楽を聴くのに飽きてきて本棚を探ったりする僕に兄ちゃんはそろそろ寝るか、と声を掛けてくる。
 それを聞いて僕はすぐさま首を縦に振る。

 だって、兄ちゃんと同じ空間に居る仲で僕は一緒に寝るときが一番好きだったから。
 先ず兄ちゃんは寝る前に必ず僕に一冊絵本を読んでくれる。
 前までは僕がずっといい子にしてた日とか学校のテストで良い点が取れた時とかは特別に三冊読んでくれる時とかもあったけど、今年に入ってからは何をしても一冊しか読んでくれなかった。
 其れでも、僕は良かった。

 僕の大好きな兄ちゃんが僕の好きな絵本を読ませてくれる。これ以上に嬉しいことは無い。

 それに兄ちゃんも一冊しか読んであげられないのが申し訳ない、と思っているのか一冊と言ってもなるべくページ数が多く読み応えの有りそうで僕の好きそうな絵本を選んでくれる。
 クラスの子達にこの事を知られたらこの年にもなって未だ絵本なんて読んでもらってるのか、なんて言われるかもしれない。
 でもやっぱり、兄ちゃんに絵本を読んでもらうのが何よりも好きだった。

 絵本を読み終えたら電気を消して寝る。

 寝る時、パパとママが未だに喧嘩してる時が良く有るから兄ちゃんは余計な音が聞こえないように僕の耳に手を当てて抱き締めてくれるかのようにして眠る。
 其のたびに僕は苦笑しながら「苦しいよ、兄ちゃん」と小さな声でつぶやき、兄ちゃんの背中を軽くたたく。そうすると兄ちゃんは明るく笑い、腕の力を緩めてくれた。

 正直、僕もパパとママが喧嘩するのは嫌いだ。パパは怖い顔して怒鳴るしママは子供みたいにわぁわぁ泣くし
 でもこの瞬間、兄ちゃんと一緒に居る間だけはそう言うのもなんだか全部如何でもよくなるような気がして

 僕は兄ちゃんさえ居れば其れでいい。それ以外、何もいらない。僕はそう思ってた。


 だから、なのかな。そんな事を思ったから俺が今お父さんと喧嘩したときみたいに甲高い声で泣き叫ぶお母さんに殴られてるのは。

―――――――――――

何度「兄ちゃん」って言ったのか数えてみたい位兄ちゃん兄ちゃん煩ぇなコイツ

26とある少女の遺書:2011/06/12(日) 13:46:51 HOST:223.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
※百合表現、性的表現、暴力注意

拝啓、きみへ送ります。
先ず初めにこの手紙を読むに当たってきみがこの手紙を手にする頃には私はもうこの世に居ないだろうと言うありきたりな言葉で最初を飾る事を謝罪します。

頭の中で色々な感情が混ざり合って何から話せば良いのか分かりませんが、次にこれだけは送らせて下さい。
私はきみの事を慕っていました。

友情なんて言葉じゃ言い表せない、恋情や愛情と呼ぶにも未だ生温い。そう、それはまるで狂気の沙汰の様な。
今だからこそ言えます。私は狂気的なほどまでにきみの事を愛していました。
きみは私にとってまさに太陽の様な存在でした。否、本当の太陽でさえもきみの暖かさと明るさには敵うまいでしょうに。
今まで人間の汚い所しか知らず、世界の真っ暗でどろどろとしたはじっこの部分ばっかり見詰めていた私にとってきみの眩さは時には毒となって私の心や体を蝕みました。
けれどもぼかぁそれ以上にきみと一緒に居れる事が幸せで幸せで。きみと少しでも離れている間は空が本当に晴れていても私の周りにだけ雨が降っている様な気持になりました。
とにかくきみと一緒に居れるだけで良かった。それ以上は望まなかった。最初の内は。

きみは憶えているかな、あれは私が初めてきみの家に遊びに行った時。
きみは嬉しそうに「一番の友達だ」と言って優しく可憐に微笑みながらきみに飼われている犬を見せてくれたよね。
私はあの時心底あの犬が羨ましくて羨ましくて堪らなかった。家の中でもきみと一緒に居れる事も勿論、一番の友達ときみが言った瞬間私の中でどうしようも無い劣情が湧き上がりその犬になりたくなった。
けれども私は人間なので犬になる事が出来ません。
だから、きみがあれに頬擦りする度に頭を撫でる度にあれがきみに触れられた箇所を削ぎ落としてしまおうかと思いました。
だけどそうすると優しいきみはきっと悲しむでしょう。
私はきみが悲しむのは嫌です。きみの涙を見るのも嫌いです。
もしも耐えられずきみが泣き出してしまった時は、私はきみの涙を一粒残らずガラス瓶の中に入れてそれを全て飲み干してしまいましょう。

だからこそぼかぁきみを悲しませるきみの両親が嫌いだった。
あれは確か私がきみの家に13回目に遊びに行った時だったね、きみは両親が何時も居ないのは仕事が忙しいから仕方ない、我慢しなくては我が侭なんて言っちゃいけないと言いましたね。
その時のきみの笑顔はとても寂しげで、私はきみの両親を憎むと同時にああきみはなんて優しくて健気な子なんだ、マザーテレサでさえもきみの優しさと慈しみには勝てないだろうと思いました。
きみと言う存在を産み出してくれたきみの両親には勿論感謝している。
けれどももしもきみの両親が仕事の出張先で不慮の事故に遭って亡くなってしまった場合は私はきみの母さんにも父さんにも妹にも姉にも兄にも弟にもなれる覚悟でした。

―――――――

続きます

27とある少女の遺書:2011/06/12(日) 13:48:39 HOST:223.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
>>26の続き
※引き続き、百合、性的、残虐表現注意

そしてきみはきっとこれは多分憶えているでしょう、つい最近の、そうあれは私がきみの家に遊びに行ったのは丁度78回目で泊まる事になったのは31回の時でしたね。
きみにとってはもう半年も前の事になるのでしょうけど、私の心はあの日からずっときみの所為で止まったままです。
その日は雨がとても激しい日でしたね。でも私にとっての太陽はきみだから本物の太陽が引っ込んでいても私はこれっぽっちも息苦しくはありません。
私がそんな風に物思いに耽りながら窓を眺めていた時に丁度きみは言いましたね。「恋人が出来た」と
最初、きみが何を言ったのか分からず失礼ながらも聞き返してしまった私にきみはまたはにかんだ様な笑みを浮かべたね。それを見て私の心の中には確かに「嫉妬」の感情が芽生えた。それは私が普段きみが別の人と関わる度に垣間見える感情よりも醜く真っ黒に変色したドロドロとした物でした。
その時私は今すぐにでも自分の気持ちをきみにぶちまけてしまいそうになるのを耐えつつ、それは誰なのかと聞いたらきみは「秘密」とだけ答えました。

嗚呼、ああ、私はこの時ほどにきみを憎らしく思った事は有りません。

けれどもきみを困らせる訳にもいかず私は仕方なく自分できみの言う「コイビト」と言う奴を探す事にしました。
常日頃からきみと一緒に居る事が多い私は、その相手が直ぐに誰なのかが分かりました。そしてそいつがどんな奴なのかを知った瞬間、私はどうしようも無い殺意に駆られました。

私よりも背の小さい、私よりも頭の悪い、私よりも足の速くない、私よりも疎い、私よりも足の幅が小さい、私よりも鼻が低い、全体的に私よりも劣っている男。
どうしてきみはこんな私よりもずっとずっと下等な男を選んだんだ。そうだ、信じやすいきみの事だ。きっとこの男に騙されたんだね、きっとそうだ。
この手紙の序盤できみの犬の話をしたでしょう。私はあれに対しても劣等感を抱いていたけど、殺そうという気持ちにはなりませんでした。
何故ならあれは動物だからです。動物と人間を比べても何の意味が無いでしょう。
けれどもこの男は人間です。私よりもずっとずっと劣っている人間の屑です。どうして殺意を抱かない事が出来ましょうか。

私は、耐えられませんでした。
この男の唇がきみの薄い桜色の綺麗な唇に触れ合わさり舌を絡めたのかと思うとどうしようも無く鳥肌が立ちました。そう言えば、死んだ彼の唇は火で炙られた様な悲惨な跡が合ったそうですね。
この男の汚らしい××がきみの愛らしい××に挿入され性を交えたかと思うと吐き気が止まりません。そう言えば、死んだ彼の下半身は何か鉈や斧の様な鋭い物で切り刻まれ、凄惨な物になっていたそうですね。

もうお分かりでしょうに、彼を殺したのは私です。

直前の直前までは悩んだ物です。決して彼に対する同情心などではありません。だってこの男を殺したらきっときみは悲しむでしょう。
案の定きみはとても悲しみましたね。以前よりも口数が少なくなり、あまり笑わず私と居ても何時だって上の空です。
そう、まるで以前の私の様に。

きみに対する愛は何時だって揺らいだ事など無い筈なのに、このときばかりは私はきみと居ることが辛くて辛くて堪りませんでした。
彼を殺した事に私は後悔なぞしておりません。けれどもきみが見てくれない私なんて、不要です。私を見てくれないきみなんて、一緒に居たくありません。
此の侭きみと一緒に居ると私はそのうちきみの事さえも傷付けてしまうでしょう。その目を潰し、耳を剥ぎ取り、歯を全て抜き、四肢を全て捥ぎ、私しか感じる事の無い体にしてしまうかもしれません。

だから私は私自身を自分の手で終わらせる事にしました。

もうきみの太陽の様に眩い笑顔が見れなくなってしまうのかと思うと、胸が締め付けられる様にキリキリと痛みます。
きみは彼の死と私の罪に蝕まれ、一生心に大きな傷を持って人生を歩む事になるでしょう。
それでもどうか、生きて



(以下、大量の涙跡と血痕跡で滲んで文字が見えない。)


*

あなたを、狂気的なほどまでに愛していました

28 ◆sM2Akus1VA:2011/06/12(日) 14:08:34 HOST:223.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
うん、やっぱり私にはこう言うの(>>26>>27)の方が合ってるな。
久し振りに長い文章が書けて満足でした、ハイ。

次は何書こうかなーうーん…リクエスト受付とかやってみようかなぁ…
いやまぁこのスレ見てくれてる人が一体どの位居るのかも分からないんだけど

29美しき汚物:2011/06/18(土) 21:39:53 HOST:252.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
※食事の前後に閲覧する事をお勧めしません。この忠告を無視して見てしまった方は自己責任と言う事でお願いします。
 暴力、嘔吐、汚物注意。
 

 
 彼女はこの世界に存在する全人類を愛していた。
 そして彼女は何よりも傲慢であった。

 彼女が人を愛するのはあくまで自分が如何に慈悲深く、優しく美しく気高い人間なのかを周りに知らしめる為にと言うだけの演技である。
 実際、彼女は「愛」と言う物に対して非常に貪欲で有った。
 彼女が人を分け隔てなく愛するのはただ自分が愛されたいが為。愛されてこそ自分はこの世界に存在する事を許される様な気がするのだ。

 だからこそ、彼女は自分を愛さない者に対して容赦はしなかった。
 自分を愛さない人間を見付ければ当然の様に暴力を振るい、殴り、足蹴にし、罵り、痛め付け、嬲り、侮辱し、陵辱した。
 その度に彼女は言う。
 「私は貴方達の事を対等に、分け隔てなく愛していると言うのに何故貴方は私の事を愛してくれないのでしょう。理不尽では無いですか。私は折角生きる価値の無いゴミクズの様な貴方達を愛してやっていると言うのに。」

 そう、彼女にとって自分以外の人間は「ゴミクズ」で一蹴出来る存在でしか無いのだ。
 だからこそ彼女は誰に対しても対等で、残酷で、慈悲深い。


 彼はこの世界に存在する全人類を「汚物」と称し、嫌った。
 
 彼にとって人間と言う存在は道端に落ちている犬の糞と同等にしか過ぎなかった。 
 真っ黒で、腐臭を発し、視界の中に入れるのも、同じ空間で息をするのも嫌で嫌で堪らなかった。
 人と目を合わせるだけでも胸の内にどうしようも無い嫌悪感が沸き、腐臭を漂わせながら人が自分の傍に近寄ってくる度に吐き気を催した。

 また、それは彼自身に対しても同じだった。
 彼は自分の姿が鏡やガラス等に映される度に他の人間と同じ様にどうしようも無く嫌悪し、そして無性に泣きたい気持になった。
 だからこそ、彼は自分を人間だと思えない程の醜い容姿にしてしまおうと自らを痛め付けた。
 わざと頭から熱湯を被り、顔の半分を覆えるほどの大きな火傷を作り、カッターで口の端を切り刻み、鼻の皮膚を削り、素手で左の眼球を抉り出した。

 するとどうだろう、自分のその醜い顔を見て不思議と愛しいと言う感情が胸の内に湧き上がった。
 それ以来彼は、世界中の全人類が自分と同じ位に無様な姿になれば良いのに、と願う様になった。
 そうすれば自分はやっと、他人を愛する事が許されるのだ。


―――――――――――――――

続きます。

30美しき汚物:2011/06/18(土) 21:42:21 HOST:252.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
>>29続き。引き続き暴力、嘔吐、汚物注意。
 寧ろこっからが本番だぜ。


 *

 「識峰(しきみね)くんてば、こんな所に居たのね。」

 屋上にて、自らの身の丈に合ったセーラー服を纏う凛とした立ち姿の少女と彼女の目線の先―――識峰と呼ばれた少年が居た。
 識峰の身なりや立ち振る舞いは今目の前に居る少女とは全くの真逆でみすぼらしく、汚らしく、不潔だった。何よりも顔全体に巻かれた包帯から覗く火傷の跡が痛々しい。
 
 識峰は少女、黒岩(くろいわ)に声を掛けられても全く反応せずただ広々と晴れ渡る空をぼんやりとした面持ち(と言っても包帯で表情は見えないのだが)で眺めていた。
 けれどもそんな彼に対して黒岩はめげず、手にしている弁当箱を彼に向かって差し出しながら話を続けた。

 「識峰くん、今日もまたお昼ご飯を抜いてるんじゃないかと思って私お弁当を作って来たのよ。でももう放課後になっちゃったわね、ごめんなさい。」
 「………………。」
 「もしかして見付けるのが遅れた事に怒ってるの? ごめんなさい、明日からは早めに行動を起して早めに識峰くんを見つけられる様にするわね。」
 「………………。」
 「そう言えば昨日お弁当を食べた時は魚の小骨が喉に詰まって苦しそうにしてたでしょう、今日は魚の骨を全て抜いてから調理したから大丈夫な筈よ。だから安心して。」
 「………………。」
 「嗚呼、後今日は甘い卵焼きに挑戦してみたのよ。何時もはだし巻き卵だったから。砂糖の加減が分からなくて味が少し薄くなっちゃったけど明日はちゃんと美味しく作れる様頑張るから…。」
 「…………れ、が」
 「え?」
 「誰がお前みたいな汚物の作った飯なんか食うかよ。」

 識峰が漸く口を開き、その言葉を発した瞬間黒岩は故意か無意識かは分からないが彼の頬に向かって平手を振り上げていた。
 パンッ、と乾いた音が辺りに響く。
 細身な識峰の身体はそれだけの衝撃でも後ろに倒れ込んだ。
 一方、未だに平手を自らの顔の横に翳す黒岩は先程の笑顔とは打って変わってさながら氷の様に冷たい視線を目の前の少年に向けていた。

 どうやら平手を張られたのは火傷跡の深い部分だったのだろう、ただでさえ醜い顔を更に歪ませながら頬を抑え込む識峰に黒岩はこつこつと靴音を立てて近付いて行けばドスッと遠慮なしに自らの全体重を掛ける様に馬乗りになり彼の襟元を首を絞める様にして持ち上げた。
 識峰は苦しそうに唸り声を上げる。

 「嗚呼、貴方って本当にゴミクズ! 安心して、私も貴方が私の事を汚物と思っているのと同じ位にいいえ、それ以上に貴方の事をカスだと思っているわ!」
 「……っ離、せっ、汚れる。」
 「どうしてこの期に及んで未だ! 未だそう!! 本当に犬以下の学習能力ね、そうね、でも貴方がお望みならまた『アレ』をしてあげるわ。」

 黒岩から「アレ」と言う単語が発された途端、識峰は眉を顰め彼女の下から抜け出そうともがく。
 けれども黒岩、その細い体の一体何処からそんな力が発されているのだろうと思う位に強い力で識峰を抑え付け逃がそうとしない。

 彼に平手をかましたと共に地面に落ちてしまった弁当を自らの方に引き寄せ蓋を開けると、適当に中身のおかずを素手で掴み――自らの指ごと無理矢理識峰の口の中に押し込めた。
 
 識峰はその瞬間どうしようもなく目尻が熱くなり、口の中に入れられたモノと共に胃の中に収まっている全ての物を吐き出したくなった。
 今自分の口の中に有るのが自分が嫌っている人間の中でも更に嫌っている彼女、黒岩の作った物だと言う事も有るのだがそれ以上に人間の指が、彼女の指が、汚物の指が、自分の口の中に有ると言う事が信じ難く耐え難い事であった。

 苦しさと嫌悪にもがく彼に対し恍惚の表情を浮かばせる黒岩。
 満足したのか暫くしてやっと彼の口から手を抜いてやる。手にべとついた彼の唾液でさえも愛しく感じ、彼に見せ付ける様にしてそれをなめとってやる。

―――――――――――

続きます。

31美しき汚物:2011/06/18(土) 21:43:37 HOST:252.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
>>30続き。引き続き嘔吐、嘔吐物注意。
 初っ端からあれな感じなので改行で隠しておきます。







 そして識峰は、吐いた。
 飲み込み切れなかった具材は勿論、胃の中に納まっている全ての物も吐いた。やがて吐く物が無くなり、胃酸しか出す物が無くなってしまっても彼は吐き続けた。
 まるで口の中に残る黒岩の指の感触を懸命に打ち消すかの様にして。

 「……ぅっ、う、ぇっ…、ぉ、……っう、う、ぅううぅぅぅっううっ」

 暫くはただ嘔吐を繰り返していただけで有ったが、胃酸でさえも出すのが苦しくなって来た頃彼は唇を戦慄かせ今度は嗚咽し始めた。
 黒岩はそんな彼を見て、滑稽や可哀相等と言う感情は無く――ただひたすらに愛しいと思った。
 
 黒岩は識峰の吐き出した嘔吐物を指に絡める様にして掬い上げると、彼の包帯から露出している肌の部分に撫でるように擦り付けてやった。

 そして暫くの沈黙の後――彼の唇に口付けた。

――――――――――――

続きま、せん。
別に尻切れトンボじゃありません、こう言う終わらせ方なんです。

32キャラ紹介:2011/06/18(土) 22:13:48 HOST:252.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
美しき汚物 >>29->>31

黒岩(くろいわ):人間を愛していると言いながらクズと称して見下すクズの中のクズだよ!!
  自分を邪険に扱う人間に対しては当然の様に暴力を振るうよ!怖いね!
  容姿は暗い緑色のパッツンストレートに黒い瞳だよ!頭の横に小さなお団子を作ってるよ!
  背ちっこい上に細身なのに武道を嗜んでるよ!しかも超握力強ぇ!
  最近の趣味は人間大嫌い少年こと識峰くんにご飯を食べさせてあげる(ほぼ嫌がらせ)事だよ!

識峰(しきみね):生まれた頃から人間を汚物として見る事しか出来ない常時錯乱系少年だよ!
  一応元は女の子みたいな顔付きした美少年(笑)だったみたいなんだけど自傷癖が付いちゃって顔中酷い傷だらけだよ!
  容姿は濁った灰色の髪に赤い瞳と言う特異な色素の持ち主だよ!アルビノじゃないよ!
  人間(汚物)は勿論嫌いだけどソレ以上に黒岩が大嫌いだよ!あいつもう犬の糞とかレベルじゃねぇよ、ゴミ溜めだよゴミ溜め

とある少女の遺書 >>26>>27

私:「きみ」以外に全く興味が無い、寧ろ「きみ」以外の人間も動物も皆クズとか思っちゃってるクズの中のクズ二号だよ!
  何時もは「私」なのに偶に一人称が「ぼかぁ」とか「僕」になるよ!可笑しいね!
  容姿は毛先の切り揃えられてない黒髪のセミロングに黒い瞳だよ!死んだ魚の目だよ、レ●プ目だよ!!
  ついでに最期は自ら強力な毒を飲み、大量に吐血しながら苦しんで死んで逝きました。

きみ:何か「私」の狂愛フィルターで太陽とか称されてたけど実際はそこら辺に居るちょっと明るい至って普通な子だよ!
   特にこれといった設定は考えてないよ!

まぁ他の小説は掲示板で考えたキャラのちょっとした小噺や思っている事を吐き出したままの奴なんで特に固まったキャラ設定は無いです。

33:2011/06/28(火) 20:08:20 HOST:122.129.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
小説書きたいんだけど思い付かないんでポエムっぽいのを


今日の死亡者数約○○人。
内××人は事故死、△△人は病死、**人は自殺、※※人は他殺、##人は安楽死。
運転士の居眠り運転により轢殺、その内治るだろうと放置していた風邪をこじらせそのまま病死、陰湿ないじめに耐えられず飛び降り自殺、痴情のもつれって奴で女から怨みを買い胸をナイフで深く抉られ刺殺、家族に看取られ90歳の大往生。おめでとう寿命

世界はこんなにも沢山の人が溢れ、こんなにも沢山の死が有る。
それなのにどうして僕は未だ死んでいないんだろうね。

可笑しいね、可笑しいね、可笑しいねったら

たらったらったらったらったらったったたらったらたった


あー僕が死ぬまで後、

―――――――――――

やっべぇ吐く


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板