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無題という名の短編集
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とある少女の遺書
:2011/06/12(日) 13:46:51 HOST:223.128.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
※百合表現、性的表現、暴力注意
拝啓、きみへ送ります。
先ず初めにこの手紙を読むに当たってきみがこの手紙を手にする頃には私はもうこの世に居ないだろうと言うありきたりな言葉で最初を飾る事を謝罪します。
頭の中で色々な感情が混ざり合って何から話せば良いのか分かりませんが、次にこれだけは送らせて下さい。
私はきみの事を慕っていました。
友情なんて言葉じゃ言い表せない、恋情や愛情と呼ぶにも未だ生温い。そう、それはまるで狂気の沙汰の様な。
今だからこそ言えます。私は狂気的なほどまでにきみの事を愛していました。
きみは私にとってまさに太陽の様な存在でした。否、本当の太陽でさえもきみの暖かさと明るさには敵うまいでしょうに。
今まで人間の汚い所しか知らず、世界の真っ暗でどろどろとしたはじっこの部分ばっかり見詰めていた私にとってきみの眩さは時には毒となって私の心や体を蝕みました。
けれどもぼかぁそれ以上にきみと一緒に居れる事が幸せで幸せで。きみと少しでも離れている間は空が本当に晴れていても私の周りにだけ雨が降っている様な気持になりました。
とにかくきみと一緒に居れるだけで良かった。それ以上は望まなかった。最初の内は。
きみは憶えているかな、あれは私が初めてきみの家に遊びに行った時。
きみは嬉しそうに「一番の友達だ」と言って優しく可憐に微笑みながらきみに飼われている犬を見せてくれたよね。
私はあの時心底あの犬が羨ましくて羨ましくて堪らなかった。家の中でもきみと一緒に居れる事も勿論、一番の友達ときみが言った瞬間私の中でどうしようも無い劣情が湧き上がりその犬になりたくなった。
けれども私は人間なので犬になる事が出来ません。
だから、きみがあれに頬擦りする度に頭を撫でる度にあれがきみに触れられた箇所を削ぎ落としてしまおうかと思いました。
だけどそうすると優しいきみはきっと悲しむでしょう。
私はきみが悲しむのは嫌です。きみの涙を見るのも嫌いです。
もしも耐えられずきみが泣き出してしまった時は、私はきみの涙を一粒残らずガラス瓶の中に入れてそれを全て飲み干してしまいましょう。
だからこそぼかぁきみを悲しませるきみの両親が嫌いだった。
あれは確か私がきみの家に13回目に遊びに行った時だったね、きみは両親が何時も居ないのは仕事が忙しいから仕方ない、我慢しなくては我が侭なんて言っちゃいけないと言いましたね。
その時のきみの笑顔はとても寂しげで、私はきみの両親を憎むと同時にああきみはなんて優しくて健気な子なんだ、マザーテレサでさえもきみの優しさと慈しみには勝てないだろうと思いました。
きみと言う存在を産み出してくれたきみの両親には勿論感謝している。
けれどももしもきみの両親が仕事の出張先で不慮の事故に遭って亡くなってしまった場合は私はきみの母さんにも父さんにも妹にも姉にも兄にも弟にもなれる覚悟でした。
―――――――
続きます
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