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二次キャラ聖杯戦争OZ Re:visited

100糸見沙耶香&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/10(水) 20:46:09 ID:Bc/k/oBs0
「今日も森の探索が進んだね!」

「うん、かなり進んだと思う。」

二人の少女が自分たちが管理する森の探索を終え、森の中にある自分たちの家に戻ってきていた。

ひとりは銀髪で御刀を持った少女。
彼女の名前は糸見沙耶香。この聖杯戦争の参加者である。元の世界では荒魂と呼ばれる存在から人々を御刀で守る刀使と呼ばれる存在である。

もうひとりは黒髪のショートカットにアホ毛がある少女。彼女の名前はメイプル。沙耶香が召喚したライダーのサーヴァントである。

「この世界の生活にも慣れてきたね!」

「うん」

メイプルの言葉に頷く沙耶香。

「沙耶香ちゃんは叶えたい願いはないの?」

「うん、私には叶えたい願いはないから、私はこの戦いを止めたい。」

「マスターの沙耶香ちゃんがそういうなら私も協力するよ!」

「ありがとう!」

二人は聖杯戦争を止めるために戦うことを決めったのであった。

(メイプルは可奈美に似てる気がする。)

心の中でそう思う沙耶香であった


【サーヴァント】

【クラス】
ライダー

【真名】
メイプル『本条楓』

【出典】
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います

【性別】
女性

【ステータス】
筋力C 耐久A 敏捷C 魔力C 幸運A 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
騎乗の才覚。大抵の乗り物なら人並み以下に乗りこなせる。魔獣や聖獣は乗りこなせない。

【保有スキル】

カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。
ギルド『楓の木』の中心メンバーとして活躍した彼女の逸話が昇格したスキル。

竜殺し:A
竜種を仕留めたものに備わる特殊スキルの一つ。竜種に対する攻撃力、防御力の大幅向上。

101糸見沙耶香&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/10(水) 20:46:34 ID:Bc/k/oBs0
【宝具】

『機動神』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ1〜50 最大補足:500人
自分自身の装備を破壊して銃器や刀剣を展開し、レーザーや銃弾を撃ちまくる。

『シロップ』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ1〜50 最大補足:50人
リクガメ型の亀のモンスター。彼女の大切な相棒である。

【人物背景】
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います』の主人公。

本名は『本条楓』。『メイプル』という名前は彼女が『NMO』と呼ばれる仮想空間ゲームで名乗っていた名前。

性格は明るく素直で友好的、打算や野心とは無縁。天然でドジなところもある。
ギルド『楓の木』を立ち上げた人物でもある。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。マスターを最後まで守る。

【方針】
マスターに任せる。

【把握媒体】
アニメ及び、原作小説。

【マスター】
糸見沙耶香

【出典】
刀使ノ巫女

【性別】
女性

【能力・技能】

『写し』
刀使の基本戦術で、最大の防御術。

『迅移』
刀使の攻撃戦術の一つ。通常の時間から逸して加速する。

『八幡力』
筋力を強化する。

『無念無想』
自ら無心状態になることで迅移を持続的に使用出来る。彼女はこの技の使い手。

『妙法村正』
彼女が使う御刀である。

【人物背景】
『刀使ノ巫女』の登場人物。
鎌府女学院所属の中等部一年生。

無口かつ無表情であり、言動は必要最小限程度である。刀使として能力は天才と評されてる。柳瀬舞衣との出会いをきっかに命令ではなく自分の意志で戦うようになる。
仲間と一緒に戦ってからは喜怒哀楽や他人への気遣いが徐々に増え、仲間たちからは妹のように可愛がられてる。

アニメ最終回では仲間の益子薫と一緒に親衛隊に所属している。

【マスターとして願い】
特になし。この戦いを止める。

【方針】
自分と同じ考えのマスターがいるなら協力する。人は絶対に殺さない。

【ロール】
とある森の管理人で刀使。

【把握媒体】
アニメ

102 ◆Mti19lYchg:2022/08/10(水) 20:46:58 ID:Bc/k/oBs0
以上、投下終了です。

103 ◆Mti19lYchg:2022/08/12(金) 22:46:01 ID:Q7eHFKz.0
ハーメルンの方から投稿された作品を代理投下します。

104燕結芽&ランサー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/12(金) 22:47:12 ID:Q7eHFKz.0
「あの神父のおじさん信用できるの?」

「信用できるかはともかく、聖杯戦争に付いては嘘は付いてはないと思うわよ」

ひとりの少女と女性が歩きながらそんな会話していた。

ひとりはピンク色の髪に御刀を持った少女。
彼女の名前は燕結芽。この聖杯戦争の参加者である。元の世界では荒魂と呼ばれる存在から御刀で人々を守る刀使と呼ばれる存在である。

もう一人の女性はウェーブの掛かった長髪をポニーテールして、着物を着た女性。彼女の名前は瀬名。芽が召喚したランサーのサーヴァントである。

「私は聖杯で自分の病気を治したい、それが無理ならみんなの記憶にすごい私を焼き付きたい」

「それが結芽の願いなのね。あたしの願いはある人にもう一度だけ会いたいの」

「ある人?」

結芽は瀬名のその言葉を聞いて昨日見た夢を思い出した。

その夢では瀬名と黒髪の男性が一緒にいる夢だった。

『さあ、あたしを斬るのよ!』

『そんな……』

『斬りなさい!』

『そなたを斬るなど、私にできるはずがない……!』

『まったく……あんたって人は……そんな覚悟で当主が務まると思っているの? だけど、そんなあんただから……一緒にいられて幸せだった。ありがとう……さようなら……』

そう言いながら瀬名は自害するのであった。

(もしかして瀬名お姉さんの会いたい人はあの男の人かな?)

心の中でそんなことを考える結芽であった。


【サーヴァント】

【クラス】
ランサー

【真名】
瀬名

【出典】
戦国無双5

【性別】
女性

【パラメータ】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力・C
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】

戦闘続行・A
最後まで大切な人のために戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】
無双奥義
ランク・B 種別・対人宝具 レンジ1〜10
最大補足・50人
彼女が使う無双奥義が宝具になったものである。

【人物背景】
『戦国無双5』の登場人物。

駿河の大名・今川義元の姪。徳川家康の正室でもある。叔父てある義元には、目に入れも痛くないほど可愛がられるが、それ故か勝気な性格で、家康にもよく活を入れる。その一方で愛情深く献身的な一面もあり、家康を支えるが、最後は息子の信康の武田へ内通してた罪を自分でかぶろうとして、家康に感謝と別れを伝え、自害する。

【サーヴァントとしての願い】
徳川家康にもう一度と会いたい。

【方針】
マスターに任せるが自分でも考える。

【把握媒体】
ゲーム戦国無双5

105燕結芽&ランサー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/12(金) 22:47:31 ID:Q7eHFKz.0
【マスター】
燕結芽

【出典】
刀使ノ巫女

【性別】
女性

【能力・技能】

『写し』
刀使の基本戦術で、最大の防御術。

『迅移』
刀使の攻撃戦術の一つ。通常の時間から逸して加速する。

『八幡力』
筋力を強化する。

【Weapon】
『ニッカリ青江』
彼女が使う御刀。

【ロール】
とある学園の学生で刀使

【人物背景】
『刀使ノ巫女』の登場人物。
折神家親衛隊の第四席に所属。最年少の12歳である。

かつて回復不可能な病に身体を蝕まれた過去があり、それ故か「すごい私をみんなの記憶に焼き付きたい」という思いがあり勝手な行動をすることがある。

わがままな性格であるが、仲間想いの一面もある。刀使としては神童と呼ばれるほどの実力者である。

参加時期はアニメで死ぬ直前でこの戦いに参加している。

【マスターとしての願い】
病気を治す。それが無理ならすごい自分をみんなの記憶に焼き付きたい。

【方針】
まだなにも考えてない。

【把握媒体】
アニメ

106 ◆Mti19lYchg:2022/08/12(金) 22:47:56 ID:Q7eHFKz.0
以上、投下終了です。

107 ◆Mti19lYchg:2022/08/13(土) 23:09:26 ID:1igg2sEY0
ハーメルンの方から投稿された作品を代理投下します。

108ルーラー・リーファ『桐ヶ谷直葉』◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/13(土) 23:10:24 ID:1igg2sEY0
「まさか僕の他にもルーラーが召喚されていたなんてね」

「あたしも自分がルーラーで召喚されたのには驚いたけどね」

ルーラーのサーヴァントであるアルヴィース前に別のルーラーが現れたのである。

金髪の髪にシルフ族と思われる姿をしている少女。彼女の名前はリーファ。この聖杯戦争でアルヴィースとは別に呼ばれたルーラーのサーヴァントであり、聖杯が聖杯戦争を管理するため保険で呼んだサーヴァントだと思われる。

「君の真名はリーファだね」

「そういうあなたの真名はアルヴィースだよね」

お互いの真名を言い当てる二人。

「それで君はこれからどうするんだ?」

「他にルーラーがいるならあたしはこの聖杯戦争には関わらないけど、他のサーヴァントが無関係な人を襲ったり、魂食いをしたら、絶対に止めるよ」

それだけ伝えると、リーファは姿を消してしまう。


【サーヴァント】

【クラス】
ルーラー

【真名】
リーファ『桐ヶ谷直葉』

【出典】
ソードアート・オンライン

【性別】
女性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力A 幸運B 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

真名看破:A
ルーラーとして召喚されると、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。

神明裁決:A
ルーラーとしての最高特権。
聖杯戦争に参加した全てのサーヴァントに二回令呪を行使することができる。
他のサーヴァント用の令呪を転用することは不可。

【保有スキル】
魔力放出:B
魔力で作り上げた翼で空を飛ぶ力。
これにより空中戦が可能になっている。
本来の彼女の能力がスキルに昇格したものである。

戦闘続行:A
彼女が最後まで大切な人たちやみんなのために戦い続けた逸話が昇格したクラス。

【宝具】
『スーパーアカウント03・地母神テラリア』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ1〜10 最大補足:1人
アンダーワールドで彼女が使用したスーパーアカウント。地母神テラリアの姿になれる。
無制限自動回復という回復能力を持つ。
ただ回復はしても苦痛などは消えない。

【人物背景】
『ソードアート・オンライン』の『フェアリィ・ダンス編』の登場人物。

本名は『桐ヶ谷直葉』。
リーファという名前は彼女が『アルヴヘイム・オンライン』、略称して『ALO』という仮想空間ゲームで名乗っていた名前。
種族はシルフ族。今回の聖杯戦争では『AL O』の姿で召喚されている。

剣道で鍛えた剣の腕と反射神経で種族内ではかなりの実力者。魔法も得意としている。

メインヒロインのアスナを探して『ALO』の世界に現れた主人公のキリトに助けられ、アスナがいると思われる世界樹までキリトを案内をしている。アスナを助けた後はキリトやその仲間たちと行動するようになり、絆を深めている。

実は現実世界では主人公てあるキリトの妹である「両親を事故で亡くしったキリトが親戚である彼女の家に養子になったため、血縁上は従妹になる。」

【サーヴァントとしての願い】
特になし。聖杯戦争を最後まで見守る。

【方針】
基本的に聖杯戦争には関わらないが、他のサーヴァントが無関係な人を襲ったり、魂食いをしたり全力で止める。

【把握媒体】
原作小説及び、アニメシリーズ。

109 ◆Mti19lYchg:2022/08/13(土) 23:10:44 ID:1igg2sEY0
投下終了です。

110 ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:39:32 ID:IKCEvzd20
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

111 ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:40:39 ID:IKCEvzd20
「このたい焼き美味しいですね! 藍にも食べさせてあげたいですね!」

「確かにこのたい焼き美味しいね!」

学園の屋上に二人の少女がいた。
ひとりは黒髪にCHARMと呼ばれる武器を持つ少女。彼女の名前は相澤一葉。この聖杯戦争の参加者である。元の世界ではヒュージと呼ばれる存在から人々を守るリリィと呼ばれる存在である。

もうひとりはピンク色の髪に忍者のような服装をした少女。彼女の名前は源モモ。一葉が召喚したアサシンのサーヴァントである。

二人はたい焼きを食べながら聖杯戦争の話をしていた。

「一葉ちゃんは本当に聖杯を求めなくていいの?」

「はい、私は聖杯を求めません。聖杯があれば私の世界を救うことはできるのかもしれませんが、そのために誰かが犠牲になるのは間違ってると思いますから、だから私はこの戦いを止めたいです!」

「そっか……。なら、私は一葉ちゃんの力になるよ! 私は一葉ちゃんのサーヴァントだからね!」

「ありがとうございます! モモさん!」

こうして二人は聖杯戦争を止めるために戦うことを決めたのであった。


【サーヴァント】

【クラス】
アサシン

【真名】
源モモ

【出典】
リリースザスパイス

【性別】
女性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運C 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
気配庶断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。

【保有スキル】

戦闘続行:B
大切なものを守るために最後まで戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

単独行動:B
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失ってから二日間現界可能。
単独でも戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】
託されし魂
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ1〜10 最大補足・100人
彼女が師匠から受け継いだ想いが宝具になったもの。自らの能力を一時的に上げ、敵を全力で倒す。

【人物背景】
『リリースザスパイス』の主人公。
『ツキカゲ』と呼ばれる組織に所属するスパイ。コードネームは『百地』。

高校の先輩でもある『半蔵門雪』の弟子。
武器は師匠と同じ日本刀を使用する。

視力が良く、夜目が利き、嗅覚に優れてる。
他人の肌を舐めると、その人の健康状態や感情を把握することができる特殊能力を持つ。

クラスメイトであり、『ツキカゲ』の先輩である『八千代命』と『石川五恵』に才能を見出され、『ツキカゲ』にスカウトされる。

それから師匠である『半蔵門雪』に鍛えられ
『ツキカゲ』の一員になる。

最初の頃は失敗も多く、悩むこともあったが、仲間たちに支えられながら成長していく。

『モウリョウ』と呼ばれる敵を壊滅させた後は、師匠である雪が『ツキカゲ』としての記憶を消し、一般人に戻ることを決意すると、
最初は躊躇するも師匠から想いと魂を受け継ぎ、雪に感謝を伝え、自分の手で雪の記憶を消したのであった。それから数カ月に彼女にも弟子ができていた。

性格は明るく、どんな時もあきらめず、正義感は誰よりも強い。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。マスターを最後まで守る。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
アニメ

112 ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:40:49 ID:IKCEvzd20
【マスター】
相澤一葉

【出典】
アサルトリリィ

【性別】
女性

【能力・技能】

『レジスタ』
彼女のレアスキル。あらゆる効果をもたらす複合スキル。

『ブルドカング』
彼女が使うCHARMである。

【人物背景】
『アサルトリリィ』の登場人物。
私立エレンスゲ女学園所属の高校一年生。
トップレギオン『LGヘルヴォル』のリーダーにして、学園の序列第1位である。

真面目で正義感が強いが、うっかりミスがたまにある。

エレンスゲの犠牲を出す戦い方を変えようとしてるなどエレンスゲの良心とも言える存在。

実はかつてエレンスゲが引き起こした『日の出町の惨劇』の生き残りである。

その時にとある少女に助けてもらい
その少女に憧れ、その少女のようになりたいと思いリリィを目指した。

参加時期はゲームのメインストーリー第2章終了後である。

【マスターとしての願い】
特になし。この戦いを止める。
仲間との約束もあるため自分も絶対に死なない、誰も死なせない。

【方針】
協力してくれてマスターを探す。

【ロール】
とある学園の学生でリリィ。

【把握素体】
ゲーム及び、舞台

113相澤一葉&アサシン ◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:41:31 ID:IKCEvzd20
以上投下終了です。続けて投下します。

114傭兵システム:ヘクトール ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:42:16 ID:IKCEvzd20
◇傭兵
金銭などの利益により雇われ、直接に利害関係の無い戦争に参加する兵である。


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【規定】
一つ、傭兵のサーヴァントは原則として「主催側のサーヴァント」である。
主催側への命令が最優先であり、令呪は主催側が有する。
また、如何なる場合において、マスター側に対するサーヴァントの譲渡は認められない。

一つ、傭兵のサーヴァントはQPを対価としてマスター達に貸与される。
違反行為への侵害が発生しない限り、如何なるマスターにも可能とする。
ただし、命令を従う是非はサーヴァントの判断に委ねられる。

一つ、傭兵のサーヴァントは聖杯にかける願いの一切を与えられない。
消滅を義務とする

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「♪〜〜」

鼻歌交じりに階段を歩く、無精ひげの壮年の男性。
スーツジャケットを肩にかけ、カッターシャツはだらしなく着崩す。
口には咥えているタバコ。煙が風に吹かれ、消されていく。

壮年の男性の足が止まる。

数段先の踊り場には鎧武者。
時代錯誤の甲冑を羽織り、腰に刀を携えていた。

「――ヘクトール、だな?」
「ん〜?」

壮年の男性はわざとらしく見渡す。

「そいつはオジサンのことかな?アンタに名乗った覚えなんかないし、人違いなんじゃないかね〜?」

お気楽な調子に答える男性。

ヘクトールとは、トロイアの智将として名を馳せたギリシャ神話の英傑である。

武者は男性を無視して、看板を指した。

「あからさまなヒントを晒しておきながら、よくも言う。」

店の名は、『BARトロイア』
雑居ビルの一角にある小さなBARであった。

タバコを一吹するヘクトール。

「……今、ここで戦っても何も得られないと思うよ?」

刀を抜き、殺気を放つ武者。
対して、ヘクトールはヘラヘラとした調子を崩さない。

「いやいや、本当本当。何の意味もないって。だって、オジサンは『主催側』だからさ。」
「……何?」

刀を下ろす武者。

「知らないのかい?『傭兵システム』ってのをさ。
『主催側がQPに応じてサーヴァントを貸し与える』っていう、隠しルールさ。」

武者は目を細める。

「何だそれは。何の企みがあって追加されたというのだ。」
「さぁ?上の考えは知らないな。」

頭を掻くヘクトール。苦笑みを浮かべる。

(……少なくとも後半は、「参加者同士」の戦いよりかは、「残留参加者側対主催側」の戦いになるだろうからねぇ。)

笑みを浮かべながら、タバコが一吹するヘクトール。

(表向きは支援でも、「戦力をある程度は減らしておくため」とか「覚悟を確かめるため」とか、そういう思惑があっても、不思議じゃないでしょ。)

床に落ちていくタバコの灰。

「……邪魔をした。」

武者は刀を納め、霊体化した。

地面に棄てられるタバコの吸い殻。

「――それと、先に言っておくぜ?」

ヘクトールは吸い殻を踏みつける。

顔付きは、真剣に変わった。

「オジサン。こう見えて仕事はこなすタイプだってな」

115傭兵システム:ヘクトール ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:42:34 ID:IKCEvzd20
【サーヴァント】

【クラス】
ランサー

【真名】
ヘクトール

【出典】
Fate/Grand Order

【性別】


【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運B 宝具B

【属性】
秩序・中庸

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
乗り物を乗りこなす能力。Bランクで魔獣・聖獣ランク以外を乗りこなすことが出来る。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。

【保有スキル】
仕切り直し:B
戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻し、技の条件を初期値に戻す。

軍略:C+
多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に有利な補正がつく。守戦において高い戦術力ボーナスを獲得する。

友誼の証明:C
敵対サーヴァントが精神汚染スキルを保有していない場合、相手の戦意をある程度抑制し、話し合いに持ち込むことが出来る。聖杯戦争においては、一時的な同盟を組む際に有利な判定を得る。

【宝具】
『不毀の極槍』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:50人
世界のあらゆる物を貫くとされる投槍。
右肘から噴射炎が発生してより投擲される。槍は圧縮された魔力を帯び、着弾と同時に大爆発を起こす。
アキレウスの「蒼天囲みし小世界」かアイアスの「ロー・アイアス」、あるいはそれらに匹敵する防御宝具でなければこの槍を防ぎきることはできない。

『不毀の極剣』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
ローランの使う「不毀の極聖」と同一のもの。元々ヘクトールが所有していたが、宝具としてのモノは柄にあった聖遺物は存在しないため、大ダメージを与えるだけの単純な宝具に留まっている。
『不毀の極槍』と同一のものであるため、同時使用はできない。

【weapon】
「不毀の極槍」

【人物背景】
「トロイア戦争」において、トロイア側の総大将として軍勢を指揮した智将。
圧倒的な兵力差を誇るアカイア軍を一時は敗走寸前にまで追い込んだが、アキレウスの前に敗れることとなった。

お気楽なノリとやる気のない言動で振る舞っているが、根は義理堅く、頼まれた仕事は必ず成功させる誠実な面も持つ。

【サーヴァントとしての願い】
願いはない。主催側のサーヴァントとして仕事を全うする。

【方針】
仕事は仕事として割り切る。
ルールに違反していない限りは、雇い主には忠実。
ただ、決まりなので、主催側の意向を優先する。

【ロール】
平時はタウンゼン街の一角にある「BARトロイア」の店主

【把握媒体】
「Fate/Grand Order」など。

116傭兵システム:ヘクトール ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:42:55 ID:IKCEvzd20
以上投下終了です。続けて投下します。

117傭兵システム:無銘 ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:43:27 ID:IKCEvzd20
◇傭兵
金銭などの利益により雇われ、直接に利害関係の無い戦争に参加する兵である。


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【規定】
一つ、傭兵のサーヴァントは原則として「主催側のサーヴァント」である。
主催側への命令が最優先であり、令呪は主催側が有する。
また、如何なる場合において、マスター側に対するサーヴァントの譲渡は認められない。

一つ、傭兵のサーヴァントはQPを対価としてマスター達に貸与される。
違反行為への侵害が発生しない限り、如何なるマスターにも可能とする。
ただし、命令を従う是非はサーヴァントの判断に委ねられる。

一つ、傭兵のサーヴァントは自身の願望に関する一切を与えられない。


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飲み干したカップがテーブルのソーサーに戻る。
胸元には警視のバッジ、ブラックのスーツを来た青年がチェアに座っていた。
青年の肌は浅黒く、髪は白髪に染まっていた。

「――世界を創造する『天の聖杯』。人の手に余る代物だと思うがね。」

目の前に座っているミザリィ。
笑みを浮かべて、凝視していた。

「一人の運命を望みとし、一家の運命を望みとし、一国の運命を望みとしたとして……。
そのような一個人の理想を礎とした『理』では、世界を制するなど到底及ばないだろう。
もし、そこに理想が実現したとしても、周りに広がっているのは見放された世界だ。」

腕を組み、足を組む、青年。

「手の届かない世界の裏側というのは、苦しみも絶えない。
飢餓や紛争、貧困、差別……。あらゆる無秩序がその地に根付いていくだろう。
世界に見放された者達が辿る運命とは、常に不平等なものさ」

本棚の裏に佇むアビゲイル。
アビゲイルの顔は、俯いていた。

「私としても、これ以上の仕事は増えてほしくないものだ。
『理』に見放された世界の掃除など、御免被る。」

溜息を吐く、青年。

ミザリィは笑みを浮かべたまま、凝視を止めていなかった。

『貴方は、他人に期待しないの?
勝ち残ったマスター達が、世界の『理』を制し、不平等を覆す結末を。』

顎に手の甲を置くミザリィ。人を試すような眼差し。

古時計の振り子だけが、店内に響いている。

ミザリィの目をみつめる青年、しばらくして鼻で笑う。

「理想主義な君と違って、私は現実主義のつまらない男でね。
吐いて捨てるような甘い期待など、他者にかける気にはなれない。」

青年は、徐に席を立ち始める。

「さて、そろそろお暇させていただくよ。いくらだい?」
『そうね……今日は1000QPでいいわ』
「相も変わらず、適当な値段設定だな……。」

ミザリィは席を立つと、青年から目を離す。

青年はQPを置き、身は霊体になった。



マークライト街は、雪景色であった。

空は灰雲で覆われ、雪は降りしきる。
風は靡き、雪は舞う。無音の間に、風音は鳴る。

(――いいだろう、せいぜい無駄な足掻きをするとしよう。)

傭兵に与する、アーチャーのサーヴァント「エミヤ」。
彼は抑止に名を売り渡した、「無銘」の武人であった。

118傭兵システム:無銘 ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:43:43 ID:IKCEvzd20
【サーヴァント】

【クラス】
アーチャー

【真名】
エミヤ

【出典】
Fate/stay night

【性別】


【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具?

【属性】
中立・中庸

【クラス別能力】
対魔力:D
一工程による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:C
マスターからの魔力供給を断っても自立できる能力。ランクCならマスターを失っても一日間現界可能。

【保有スキル】
心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

千里眼:C+
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力。プラスは魔術による瞬間的な向上を含めたもの。

魔術:C-
オーソドックスな魔術を習得。道具の本質を一時的に增幅する「強化」、物質の構造を把握し、一時的に複製する「投影」を得意とする。

【宝具】
『無限の剣製』
ランク:E〜A++ 種別:??? レンジ:??? 最大捕捉:???
大魔術『固有結界』の一つ。
結界内には、あらゆる「剣を形成する要素」が満たされており、視認した武器や防具は、結界内の剣の一振りとしてストックされている。
通常に使用される投影品は、投影魔術を介して、外界に引き出したものである。

「複製品の能力は本物よりランクが一つ落ちる」、「神造兵装クラスになると原則投影出来ない」などの点がある。

【weapon】
「投影武器」

【人物背景】
「死後の自分」を抑止力に売り渡した、名前のない守護者。
人類滅亡の回避として、原因である加害者と被害者の皆殺しを義務とする「掃除屋」である。

その正体は「正義の味方」になることを目指し、たどり着いた衛宮士郎。
かつては正義の味方という理想に絶望し、多くの者を殺めた贖罪として「過去の衛宮士郎を殺す」目的としていたことさえもあった。
今は対峙した記録がある第五次聖杯戦争の中で、「答え」を得たという。

人間の醜さに辟易したが故、皮肉屋かつ悲観的な現実主義者となっているが、根はお人好しで世話好きな人物。

【サーヴァントとしての願い】
願いはなし。サーヴァントの契約である以上、とりあえず役割に則る。

【方針】
雇い主の命令にはとりあえず従うが、反対すれば、命令に背く。
魂食いの可能性があるかどうか(射殺対象かどうか)の内部調査も兼ねている。

【ロール】
平時のロールは警視庁公安部。階級は警視。

【把握媒体】
「Fate/stay night」の原作ゲーム・アニメ・マンガなど。

119 ◆Mti19lYchg:2022/08/14(日) 20:44:02 ID:IKCEvzd20
以上、投下終了です。

120 ◆Mti19lYchg:2022/08/16(火) 11:08:43 ID:R/kjo1yk0
支援掲示板に投稿された作品を代理投下します。

121 ◆Mti19lYchg:2022/08/16(火) 11:09:36 ID:R/kjo1yk0

「きみがぼくのマスターなの?」
バニーガールのような姿をした、上半身裸で白髪の男がボクに問いかけた。
突如彼が現れて黒い影を蹴散らしたかと思えば、ボクたちはいつのまにか見たこともない礼拝堂の中にいた。その状況に驚きつつも、彼に質問を返す。
「そういうキミは、もしかしなくてもサーヴァントだよね?」
彼はこくんと頷き、再びこちらを見る。
「じゃあ間違いない。初めまして、ボクがキミのマスター・・・ってことになるのかな、”超高校級の幸運”狛枝凪斗だよ。よろしくね」
 サーヴァントは圧倒的な才能を持つ存在であり、くだらない才能しかないボクとは次元の違う、絶対的な希望だ。にもかかわらず、こうして相まみえるだけでなくマスターになれるとは。まだ聖杯戦争について正確に把握しているわけじゃないけど、それでもとんでもない幸運であるのは明らかだ。
「まあ、ボクなんかがキミのマスターだというのも、なんだか申し訳ない気はするけどね」
 苦笑しつつ、彼に目を向ける。彼は相変わらずぼんやりした表情でこちらを見つめたままだ。
「で、良かったらキミが誰なのか、教えてくれないかな?」
 ボクがそう言うと、彼はおもむろに口を開いた。
「”卯”の戦士。『異常に殺す』憂城」
 彼——憂城クンは、口の端を歪めてニヤリと笑った。その無邪気だけどどこか壮絶な笑顔は、憂城クンが常識を超越した存在であること、そんな彼を生み出す聖杯なるものが確かに存在することをボクに直感させるのに十分なものだった。
憂城クンは高い足音を鳴り響かせて歩み寄ってくる。
「きみの願いはなに?」
 呟いたあと目の前で立ち止まり、こちらに顔を寄せて囁く。
「僕の夢はね、世界中のみんなとお友達になることだよ。だから聖杯にお願いして、夢を叶えてもらうんだ〜。いいでしょ? いいでしょ?」
 憂城クンは、心底楽しそうに目を細めた。そしてボクはその願いを聞いて肩を震わせる。
「素晴らしいよ! 凡人とは比べ物にならないほどにスケールの大きい願いだ! それを聞いた後にボクのようなクズの願いを言うのは少し恥ずかしいな…」
 そう言いつつ、ボクは喜々として想いを語る。
「キミはさ、”希望”って何だと思う?」
 文字通り目と鼻の先にある彼の顔に向けてほほ笑む。
「ボクが思うに、”希望”というのは、前向きな意志と才能…それらによって生み出される絶対的な『良きもの』なんだ。そして聖杯戦争は、才能ある人たちが、どうしても叶えたい願いをかけて争い合う場…。つまり希望と希望がぶつかり合って、より強い希望が残っていくわけでしょ? そうして、最後まで残った"最も強い希望"を……ボクはこの目で見てみたい。できることなら、そこに至る手助けをしたい。そのためならボクの命なんていくらでも差し出すよ」
「だから、ボクの願いはこの聖杯戦争で希望と希望の科学反応を見届けること・・・。だから、聖杯にかける願いなんて無いんだよね。まあ強いて言えば、世界をもっと希望に溢れたものにすること、かな」
 ボクは恍惚とした表情をしながらそう話を締めくくった。

122狛枝凪斗&アサシン◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/16(火) 11:10:09 ID:R/kjo1yk0
「うんうん。何事も前向きが一番だよねぇ」
憂城クンは1歩後ろに下がり何度もうなずく。そして、すっと手を差し出した。
「じゃあさ、お友達になってよ。友情の証として握手しよう? 握手」
「喜んで! ははっ、キミのような素晴らしい人と友達になれるなんて光栄だなあ!」
 ボクは当然差し伸べられた手を握ろうとして——コケた。
 直後、頭上を大鉈が走る。驚いたボクはとっさに床を転がって距離を取る。
「あれあれあれ、おかしいなあ。なんで避けれたの?」
 数メートル先で、憂城クンは大鉈を上下に振りながら、首を傾げている。
確かにあの一撃を意識して避けるなんて芸当、ボクなんかには絶対できない。ただ、今のは——
「“たまたま”だよ」
「ボクの才能忘れちゃった? まあくだらない才能ではあるけどさ、これでも”超高校級の幸運”なんだよ? だからさ、さっきの攻撃も避けたんじゃなくて、大鉈が振るわれたタイミングで”偶然”転んだだけなんだ」
「……攻撃したんじゃないよ? ただちょっと驚かせようとしただけだよ? 本当だよ? 信じて?」
 憂城クンはさも心外だとでも言うように反論する。
「いや、それは流石に嘘でしょ」
 ボクはわかりやすすぎる嘘に苦笑いする。
「キミの希望のためなら殺されるのは大歓迎さ。…けど、ボクの幸運は役に立つし、考え事も得意だから勝ち抜くためのプランも作ってあげられる。だから殺すなら、キミが聖杯に願いを叶えてもらってからの方が、より大きな希望に近づくんじゃないかな」
「…それもそうだね。お友達になってからじゃあ、扱いづらそうだし。じゃあ、殺すのは後にするよ」
 しばらく沈黙した後、そう言って大鉈を背中の尻尾にしまう。
 良かった。殺されてもいいというのは本当だけど、できれば聖杯戦争で希望の輝きを目に焼き付けてからがいい。
「話し合いは終わったか?」
 背後から声が聞こえる。この世界にきた直後に聞こえた、壮年の男性の声だ。
「さあ、始めよう。ボクたちの、希望に溢れた聖杯戦争を」
 ボクは期待に胸を躍らせながら、憂城クンに呼びかけた。

123狛枝凪斗&アサシン◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/16(火) 11:10:27 ID:R/kjo1yk0

【サーヴァント】

【CLASS】
アサシン
 

【真名】
憂城
 

【出典】
十二大戦
 

【性別】

 

【ステータス】

筋力C 耐久D 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具EX


【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
気配遮断:D
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。

【保有スキル】
戦闘続行:B
死体となった自分を能力により活動させた逸話が昇華されて獲得したスキル。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

人間観察:D
人々を観察し、理解する技術。

心眼(真):D
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。

【宝具】
死体作り(ネクロマンチスト)
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:2  最大捕捉:3人
死体を使役できる。使役できる死体は、自分が直接殺すか、既に使役している死体が殺したものに限られる。死体はバラバラになっても活動できる。体のリミッターが外れるため、筋力のパラメーターが一段階上がる(一般人の死体ならD相当)。
マスターの死体を操る場合、死んだ直後に能力を使えば令呪及びサーヴァントとの契約関係は維持され、死体を通じて間接的に令呪を行使できる。使役状態の維持には一定の魔力が必要。
対象の生前の記憶・技術・スキル・魔力・宝具などは死体になってからも有効であり、十全に用いることができる。ただし意思や知能はほとんどない。死体は焼かれると使役状態が解除されるほか、凍結によって動きを封じることができる。使役者は、使役される死体と五感を共有できる。
常時発動型であり、真名解放は不要。

【weapon】
『三月兎』『白兎』
 

【人物背景】
第12回十二大戦に参加した「卯」の戦士。巧みな戦術で参加者を次々と殺害した。
殺した相手と本人に曰く「お友達」になれる(使役できる)能力『死体作り(ネクロマンチスト)』の使い手。
突飛な言動をするが、コミュニケーションは取れる。
失井と妬良の即席タッグと交戦し「生きている人間同士が信頼を結べる」という憂城にとってあり得ない光景を見たこともあり、殺される寸前に自殺を選び、自身の能力の対象下に自身を置くことで死体となった後も脱落することなく十二大戦を継続する。自殺直後の段階で失井によって細切れにされるも、砂粒を操作して筋線維や小腸、歯といった人体のパーツを使って無茶苦茶な設計を無理矢理体を修復した上で、奇襲のために砂粒をその内部に潜ませた。かくして奇襲は成功し、失井を押さえつけることに成功するが無茶な計画のために崩壊した体を修復している隙に寝住が回収した必爺の「醜怪送り」によって消滅した。

 
【サーヴァントとしての願い】
世界中の人とお友達になること。

124狛枝凪斗&アサシン◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/16(火) 11:10:42 ID:R/kjo1yk0
 

【方針】
聖杯を手に入れるためならば手段を選ばない。


【マスター】
狛枝凪斗
 

【出典】
スーパーダンガンロンパ2
 

【性別】
男性
 

【能力・技能】
“超高校級の幸運”
確率が大きく絡む事柄において良くも悪くも狙った目か最良の目を確実に引き当てる。
ただし、前段階として何らかの不幸に見舞われるという難儀な制約がある。

【weapon】
無し
 

【人物背景】
南国でのコロシアイに巻き込まれた人物。
推理力が高く、学級裁判においても重要な発言をすることの多いポジション。
常に仲間が持つ希望の力、そして自分の肩書である「超高校級の幸運」という才能を信じている。特に前者への信頼は盲信に近いほど強い。
仲間が殺人をするよう誘導するなど、希望という目的のためなら手段は選ばない。
自身の幸運をゴミのような才能と嘲っている。
自分を含めたクラスメイトたちが超高校級の絶望だったと知り、絶望を根絶やしにするためにトリックを用いて自殺し、超高校級の絶望の全滅を狙った。
 

【マスターとしての願い】
聖杯戦争における希望と希望のぶつかり合い及び、結果として残る最も強い希望を見ること。
希望のために尽力すること。
聖杯にかける望みは特に無いが、強いて言えば希望に溢れた世界にしたい。
 

【方針】
希望と希望のぶつかり合い(殺し合い)を促進する。
絶望は希望の踏み台として利用。
才能ある者の望みを最大限尊重する。
 

【ロール】
高校生
 

【把握媒体】
ゲーム

125 ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:43:48 ID:FcX6YOs60
支援掲示板に投稿された作品を代理投下します。

126 ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:44:37 ID:FcX6YOs60
「この紅茶は美味しいわね!」

「確かにこの紅茶は美味しい!」

二人の少女が部屋で紅茶を飲んでいた。
ひとりは銀髪にCHARMと呼ばれる武器を持つ少女。彼女の名前は今叶星。この聖杯戦争の参加者である。元の世界ではヒュージと呼ばれる存在から人々を守るリリィと呼ばれる存在である。

もうひとりは栗色のポニーテールの少女。
彼女の名前はサリー。叶星が召喚したアサシンのサーヴァントである。

二人は紅茶を飲みながら聖杯戦争の話をしていた。

「叶星には願いはないの?」

「聖杯があればたくさんの人をヒュージから救うことも、守ることも、できるかもしれない。だけど、そのために他の誰かを犠牲にするのは間違ってると思うから、私はこの戦いを止めたい!」

「マスターの叶星がそう言うなら私はそれに協力するよ!」

「ありがとう! サリーさん!」

二人は聖杯戦争を止めるために動くことを決めったのであった。


【サーヴァント】

【クラス】
アサシン

【真名】
サリー『白峰理沙』

【性別】
女性

【出典】
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います

【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷A 魔力B 幸運B 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に優れてる。

【保有スキル】
単独行動:B
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失ってから二日間現界可能。
単独でも活躍した彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】

ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:50人
彼女の相棒である白い狐のモンスター。
彼女をサポートする大切な相棒。

【人物背景】
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います』の登場人物。

本名は『白峰理沙』。『サリー』という名前は彼女が『NMO』と呼ばれる仮想空間ゲームで名乗っていた名前。主人公の『メイプル』とは親友。

人間離れした集中力と身体能力がある人物。
観察眼かなり鋭い。『楓の木』と呼ばれるギルドのメンバーでもある。

ちなみにお化けが苦手らしい。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。最後までマスターを守る。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
原作小説及び、アニメ

127今叶星&アサシン◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:44:57 ID:FcX6YOs60
【マスター】
今叶星

【出典】
アサルトリリィ

【性別】
女性

【能力・技能】

『レジスタ』
彼女が持つレアスキル。あらゆる効果を持つ複合スキル。

『クラウ・ソラス 先行量産型』
彼女が使うCHARMである。

【人物背景】
『アサルトリリィ』の登場人物。
神庭女子藝術高校所属の高校二年生。
レギオン『グラン・エプレ』のリーダー。

凛とした立ち振る舞いで明るくメンバーを纏めているが、実は本来は臆病な性格であるが
責任感が強く、自分の責務を果たそうとする。

『グラン・エプレ』のメンバー『宮川高嶺』とは幼馴染の親友である。

参戦時期はゲームのメインストーリー2章終了後である。

【マスターとしての願い】
特になし。この戦いを止める。

【方針】
協力してくれるマスターを探す。

【ロール】
とある学園の学生でリリィ。

【把握素体】
ゲーム及び、舞台。

128今叶星&アサシン◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:45:19 ID:FcX6YOs60
以上、投下終了です。続けて投下します。

129傭兵システム:『燕青』◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:45:59 ID:FcX6YOs60
◇傭兵
金銭などの利益により雇われ、直接に利害関係の無い戦争に参加する兵である。


=======================
=======================

【規定】
一つ、傭兵のサーヴァントは原則として「主催側のサーヴァント」である。
主催側への命令が最優先であり、令呪は主催側が有する。
また、如何なる場合において、マスター側に対するサーヴァントの譲渡は認められない。

一つ、傭兵のサーヴァントはQPを対価としてマスター達に貸与される。
違反行為への侵害が発生しない限り、如何なるマスターにも可能とする。
ただし、命令を従う是非はサーヴァントの判断に委ねられる。

一つ、傭兵のサーヴァントは聖杯にかける願いの一切を与えられない。

=======================
=======================


――歓楽街「アンダーダウンエリア」。

“ここは、無頼漢の俺に似合いの街だ”

街の至る所に点在する、ネオン看板。
修繕もされていない、荒れた街の通り。
忙しなく鳴る、行き交う民衆のガヤ。

“喉を焼く強酒、脂っこい食事、騒がしい音楽”

ウォッカをラッパ飲みする、大柄の男性達。
屋台脇で立ち食いしている、風俗嬢達。
クラブ中に流れ響く、EDMと歓声。

“毎日が楽しい莫迦騒ぎ。終わりのない享楽を謳歌している”

踊り子が流麗に舞う、パブのステージ。
チップが行き渡しが行われる、ルーレットテーブル。

“どいつこいつも、本能で生きているんだろうさ。
運命ってものを悟っているのなら、本能が求めるのは快楽だと思うぜ”

互いに喜々して殴り合う、闘技場のリング。
ラブホテルに男性を引き込んでいく、泥酔の女性。

“そりゃあいい。終われば、消えるかもしれない身なんだ。
今を十二分に楽しんで生きていりゃいい。どうせなら、笑ったまま消えろ”

壁際に横たわる男性。這い回る蠅の群れ。
薄暗い路地裏。路地の先にはネオンの明かり。

“俺の在り方は、この街と変わらない”

F-7地区を中心とした、小さな夜景。
遠ざかるほど、無明が続く、仮想の夜界。

“今、生きているのは単なる本能。意味なんかなく、理由なんかない”

輝くを放つ聖杯。
魔力が地に零れ落ち、霊体が成立する。

“楽しければ、まぁいい。拳闘も、諜報も、見物も、悪くはないね”

街の一角で繰り広げられる、人を越えた者の死闘。
都市内に潜伏している、令呪を手に持つマスター達。
寒空の下、作業員達が働いている、ライブ会場の準備。

“現界の終わりが来るその時まで、この世で享楽を謳歌しよう。俺はそう決めた”

華と龍の刺青をあしらった、黒い長髪を束ねた男の背中。

“聖杯を捧ぐ主など、俺は持つ気はない”


「――燕青」

殺気が込められた声色。
同時に、「燕青」なる男の足も止まる。

燕青の背後に、鎧兜を纏った戦士が槍を構えている。

「己が主人を持たず、願望を望まぬ貴様に、世に留まる筋合いはない」

緩やかに身を翻し、前方に構える燕青。
槍の切っ先は、燕青を捉えていた。

「貴様が主催側だろうと関係はない。魔力のため、その命を頂く――」

その場は、街の喧騒が遮られていた。
流れる闘気が、人や音を吞み込みつつあった。

同時。戦士の槍と燕青の足が動いた。


――我が忠義はすでに無く。今はただ一人の侠客として拳を振るうのみ

130傭兵システム:『燕青』◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:46:15 ID:FcX6YOs60
【サーヴァント】

【クラス】
アサシン

【真名】
燕青

【出典】
Fate/Grand Order

【性別】


【ステータス】
筋力B 耐久D 敏捷A+ 魔力D 幸運B 宝具D

【クラス別能力】
気配遮断:C
アサシンのクラススキル。サーヴァントとしての気配を断つ。
隠密行動に適している。自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは落ちる。

【保有スキル】
中国拳法:EX
中華の合理。宇宙と一体になる事を目的とした武術をどれほど極めたかの値。
修得の難易度は最高レベルで、Aでようやく“修得した”と言えるレベル。
原点である「水滸伝」に拳法の具体的なエピソードはないが、現存する様々な拳法の開祖として信仰されている。

無頼漢:A
騎乗スキル・単独行動スキルの複合スキル。
オマケとして宴会に強くなるなどの効果を持つ。

諜報:A
敵組織に潜入し、強い信頼を得ることができる程度の技量。
敵側にその名を知られてさえいなければ、まったく問題なく情報を横流しできる。

天巧星:A+
災いを為すという百八の星が転生した者たちの一人。
魔星の生まれ変わり、生まれついて災厄と業を背負う。
巧緻に極めて優れた天巧星である。

ドッペルゲンガー:B+
礼装のように装着された幻霊。「自己」を限りなく希釈することによる、変身スキル。
一部スキルなども模倣可能だが、宝具は不可。
使用すると投影した人物の記憶も残してしまうため、自己が曖昧になるというデメリットを持つ。

【宝具】
『十面埋伏・無影の如く』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜3 最大捕捉:1人
燕青拳独特の歩法による分身打撃。
魔法の域にこそ達していないものの、第三者の視覚ではまず捉えられぬ高速歩法による連撃。
その様はまさに影すら地面に映らぬ有様だったとか。

【weapon】
素手

【人物背景】
「水滸伝」に登場する無頼漢、燕青。
主である盧俊義を慕い忠義を尽くしていたが、盧と袂を分かち、行方を暗ます。

後に中国拳法の流派の一つ「燕青拳」の開祖として箔付けされたこともあり、世に知れ渡ることになる。

楽観家で、本能で生きているような侠客。
無頼漢として誇りを持ち合わせており、筋の通った好漢である。
幻霊として憑いているドッペルゲンガーとは相性が悪く、情緒不安定な性格になってしまう。

【サーヴァントとしての願い】
願いはなし。無頼漢として享楽に興じ、一人の侠客として拳を振るう

【方針】
基本的には雇い先側に就いて戦うこととする。
雇い先がないなら、年始の祭りを楽しみつつ、適当に人が集まりそうなところに向かっていく。
無頼の誇りや義理、そして金で動くが、特定の主人を持つ気にはなれない。

【ロール】
アンダーダウンエリアを根城とするギャング

【把握媒体】
「Fate/Grand Order」など。

131 ◆Mti19lYchg:2022/08/17(水) 12:46:34 ID:FcX6YOs60
以上、投下終了です。

132 ◆Mti19lYchg:2022/08/18(木) 00:04:24 ID:LjPO6jCc0
オープニングを一部変更しました。これで何の力もない一般人も参加させやすくなったのではないかと思います。
何かご意見があれば頂戴したいです。

「信用できない。元の世界に帰りたいというのなら、それでも構わない。
 聖壇の奥に扉がある。そこを潜れば元の世界に帰還できる」
 だが、と綺礼は言葉をはさむ。
「君たちマスターはこの世界に来た時点で肉体を『賢者の石』と呼ばれる物質に変換されている。
 元の世界に戻っても元通りとは限らない。おそらく肉体や精神に変質が起こりうるだろう。
 それを防ぐには強い『意志』が必要となってくる。サーヴァントを召喚した時のような、な。
 そして、聖杯戦争が始まれば、聖杯を手に入れ元の世界に帰還できるのはただ一人。それ以外は勝者の造る宇宙に転生することになる。
 君は違うだろうが、それを許容できないというのなら、もしくは元の世界に戻れるという事も信用できないというのなら。
 他者を殺し、騙し、屍山血河を築き、それでも尚叶えたい願いがあるのなら」
 綺麗は身を一歩引き、凛に対し半身になった。
「君の背後の扉を開き、聖杯戦争の舞台へ進みたまえ。そして汝自身を以って最強を証明せよ。
 さすれば万能の願望器は、君の手に与えられん」

133 ◆Mti19lYchg:2022/08/18(木) 00:05:22 ID:LjPO6jCc0
肉体を→魂をでした。

134 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:02:54 ID:FdGKvV6s0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

135一柳梨璃&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:03:28 ID:FdGKvV6s0

「士さんは写真を撮るのが好きなんですか?」

「そうだな。趣味の一つかもしれないな」

ひとりの少女とひとりの青年がとある学園の屋上にいた。

ピンク色の髪にCHARMと呼ばれる武器を持つ少女。彼女の名前は一柳梨璃。元の世界ではヒュージと呼ばれる存在から人々を守るリリィと呼ばれる存在である。

もうひとりのカメラを持った青年の名前は門矢士。梨璃が召喚したライダーのサーヴァントである。

「お前は本当に聖杯は求めないのか?」

士がそんなことを梨璃に聞く。

「誰かを犠牲して自分の願いを叶えるのは間違ってると思いますから、わたしはこの戦いを止めたいです!」

「マスターのお前がそう言うなら、俺はサーヴァントとして最後まで協力してやるよ」

「ありがとうございます!」

「そろそろ戻るぞ」

「はい!」


【マスター】
一柳梨璃

【出典】
アサルトリリィ

【性別】
女性

【能力・技能】
『カリスマ(ラプラス)』
彼女が持つレアスキル。
邪悪なマギの力から身を守る浄化のスキル。

『グングニル』
彼女が使うCHARMである。

【人物背景】
『アサルトリリィ』の主人公。
私立百合ケ丘女学院所属の高校一年生。
レギオン『LGラーズグリーズ(一柳隊)』のリーダー。

人当たりがよい性格で、いつの間にか周囲から好かれるという才能の持ち主。
何事にも一生懸命。少し天然だが明るく優しい性格。

二年前の甲州撤退戦で『白井夢結』に助けられて以来、夢結に憧れてリリィを目指したのである。

リリィになってからは絆を深めた仲間たちと一緒にヒュージと戦い、成長していく。

仲間のひとりであり、妹のように可愛がっていた『一柳結梨』がヒュージとの戦闘で命を落としてしまう。これにより彼女自身も結梨を守れなかったことに絶望するが、仲間たちに助けられ、再び前に進み出しだ。

それからもたくさんの出会いや戦いを通し成長していく。

参戦時期はゲームのメインストーリー第二章終了後である。

【マスターとしての願い】
特になし。この戦いを止める。

【方針】
協力してくれるマスターを探す。

【ロール】
とある学園の生徒でリリィ

【把握素体】
アニメ、ゲーム、舞台、漫画

136一柳梨璃&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:03:46 ID:FdGKvV6s0
【サーヴァント】

【クラス】
ライダー

【真名】
門矢士『仮面ライダーディケイド』

【出典】
仮面ライダーディケイド

【性別】
男性

【ステータス】
筋力A 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。

騎乗:B
騎乗の才覚。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。魔獣や聖獣は乗りこなせない。

【保有スキル】

単独行動:B
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。

戦闘続行:A
どんな時も最後まで戦い続けた彼の逸話が昇格したスキル。

【宝具】
コンプリートフォーム
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:500人
仮面ライダーディケイドの最強フォーム。
クウガ〜キバまでの平成仮面ライダーの最終フォームを召喚し、同時攻撃する。

【人物背景】
『仮面ライダーディケイド』の主人公。
ディケイドの変身者でもある。

かなりの自身家で、誰に対しても尊大な態度を取る。襲われてる人を守ろうとする熱いハートも持っている。

あらゆる世界を旅した人物。写真を撮るのが趣味。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。最後までマスターに協力する。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
テレビドラマ【仮面ライダーディケイド&劇場版】

137 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:04:03 ID:FdGKvV6s0
続けて投下します。

138 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:05:07 ID:FdGKvV6s0
 高窓から薄く光が差し込むだけの薄暗い礼拝堂の中。普段は使われていないのか、長椅子や床にはうっすらと埃が積もっている。廃墟然としていて、人がいないのが当たり前だとさえ感じさせられるこの場所に、どういうわけか三人の男が立っていた。
 そのうちの一人であるツンツン頭の少年、上条当麻は向かい合って立っている神父服の男、言峰綺礼の目を見る。
「つまりもうすぐこの世界で聖杯戦争ってのが行われて、それで最後まで残ったマスターとサーヴァントが聖杯に願いを叶えてもらえるってことか?」
 上条は綺礼が先ほどまで話していた、聖杯戦争のルールについてそう要約した。
 綺礼は口の端を吊り上げて、それにうなずく。
「ずいぶんと物分かりが良いな。大抵のマスターは、そこで信じられない、何かの冗談か詐欺に決まってると言い出すものだが」
 上条は半信半疑な様子ながらも、絶対にあり得ないと一笑に付しているようではなかった。それは上条が元居た世界で、魔神や悪魔といった、聖杯にも匹敵する圧倒的な力の存在を幾度も体感したことも大きいだろう。
「上条当麻、君に叶えたい願いがあるのなら、この聖杯戦争で勝て。なにせ万能の願望器たる聖杯の力があれば、富や権力はもちろん、世界平和や人類滅亡だって実現できる」
 そして、と綺礼は上条の後方を見る。そこには、身動き一つせず沈黙している、白いコートの男が立っている。
「彼が、パートーナーとして君を勝利へ導く存在、サーヴァントな訳だ」
 上条は綺礼の視線につられたように後ろを見る。
 視線の先にいる白いコートの男はフードをかぶりうつむいているため、表情をこちらから窺い知ることはできない。ただ、彼の口元がきつく引き結ばれているのだけが見て取れる。
 自分も関係者であるというのに、ここまで一切喋っていない。
 顔の前でいくら手をかざしても無反応なので、上条はあのー、聞こえてますかー、無視するようならコンビニでエッチなお姉さんのグラビア本を買ってきてあなたの顔に近づけますよー、などと呼び掛けてみるが、依然として彼はうつむいたままだ。
 やがて反応が無いことに諦めたのか、上条はため息をついて綺礼に向き直る。
「俺は聖杯にかける望みなんてない。俺だって、えっちで巨乳な管理人のお姉さんとむふふなことをしたいとか、インデックスに家事をして欲しいって思ってるけど、そんなもん誰かと戦って実現するようなもんじゃないだろ。泣いてる誰かを助けるにしたって、聖杯の力で簡単に解決してしまうようじゃ、きっとどこかで歪みがでるし、真剣に考えて苦しんでるその誰かの想いを蔑ろにしちまう。だからおかしいことをしてるやつがいたら俺がぶん殴ってでも改めさせるし、運命は自分の力で切り開いてみせる。だから、そんな幻想の力はいらねぇ」
 上条は拳を握りしめ、綺礼を睨みつける。
「では、君はこの聖杯戦争から離脱するということで構わないか?」
 綺礼は目を細め、心なしかつまらなさそうな口調で決定を促す。
「俺は——っ?!」

139 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:05:33 ID:FdGKvV6s0
 口を開き何かを言おうとする上条。だが急に嫌な予感がしてとっさにその場を飛びのく。
 次の瞬間、雷が落ちたような轟音が礼拝堂に響き渡った。
 上条は床を転がって長椅子の脚に頭をぶつけながらも、なんとか起き上がる。そこで上条が見たのは、白いコートの男が、先ほどまで上条の立っていた位置の床に銛を突き立て、大穴を開けている所だった。
 男の攻撃で舞った埃に咳ごみながら、上条は顔を歪める。
「急にどうしたっていうんだ!」
 驚きで頭が上手く回らないが、とりあえずこのままで座り込んでいるのはまずい。上条はふらつきながら立ち上がり、散らばった木片を踏み潰しながら礼拝堂の出入り口へ走る。
 だが。
(間に合わない!)
 男は走る上条の方を向くと、床を踏みしめて跳躍し、弾丸の如く一気に距離を詰める。
 上条は戦闘のエキスパートであり、これまで強力な魔術師や能力者を幾度も打倒してきた。だが、それはあくまで幻想殺しあっての成果だ。単純な身体能力で攻めてくる相手には無力だし、手も足もでない。
つまり。上条はあのサーヴァントに勝てない。
「——っ?!」
 迫りくる暴力に、上条はなす術もない。
「やめろ!」
 上条はただ、そう叫ぶことしかできなかった。
 本来、その叫びは何の意味もないもので、普通ならそのまま槍で貫かれ殺されていたのだろう。だがこれは聖杯戦争。普通であるはずがない。
 その叫びに共鳴するように、上条の左手に刻まれた令呪が赤く輝く。そして男の銛は、上条の喉元に突き付けられたところでぴたりと止まった。直後、銛の猛烈な勢いで生じた風が、上条の頬を撫でる。男は頬を引きつらせながらしばらく銛を震わせたが、最終的にそのまま銛をおろす。
「助かった…のか?」
 上条は呟きを漏らし、既に輝きを失った左手の令呪に目を向ける。
(もしかして今のが令呪の力なのか? だとしたら——)
 男の方へ再び目を向ける。男は目の前で仏像のように突っ立ったまま、動かない。
「なあ、なんでこんなことを」
 したんだ、と上条が言い終わる前に、男は口を動かし、何かを言った。そして上条のいる場所の反対側、牧師が説教をする台の方へ走り抜ける。そしてステンドガラスに体をぶつけて耳障りな音をさせながら割り、外へ飛び出していく。
「おい!!」
 上条の制止も聞かず、着地した彼はそのまま走り去っていく。
 ただの人間である上条の脚力では、サーヴァントであるあの男に追いつくことなどできない。上条にできるのはただ割れたステンドグラスの残骸を見つめることだけだった。
 そこに、部屋の隅の方から綺礼が、周囲を見渡しながら歩み寄ってくる。
「ずいぶんと派手にやってくれたものだな、君のサーヴァントは。…さて改めて問おう。上条当麻、君は聖杯戦争から離脱するということでいいか?」
 綺礼の言葉に、上条は何も答えない。それを受けた綺礼はふん、と鼻を鳴らし、立ち去ろうとする。
「離脱するということだな。ならば私はそのための準備を」
「あいつは言ってた」
 上条は綺礼の言葉を遮る。
「『エレインと擬神兵を救ってみせる』って」
 立ち去る直前に男が呟いた言葉を思い出す。
「あいつにはきっとすごく大切な人たちがいて。その人たちは聖杯の力がないとどうしようもないくらい追い詰められてる。助けるためには聖杯がどうしても必要だったのに、俺がそれをいらないと言ったからあいつは怒ったし絶望したんだ。
 それでだからあいつはたった一人で聖杯を手に入れようとして! 俺はあいつをこのままにして、自分だけ温かい世界に帰るなんて絶対にできない! あいつから詳しい事情を聞いて何とかしてやるまで、あいつを追い続ける! だから俺は」
 上条は力強い声で宣言する。
「聖杯戦争に参加してやる!」

140 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:05:54 ID:FdGKvV6s0
【サーヴァント】

【CLASS】
バーサーカー
 

【真名】
ハンク・ヘンリエット
 

【出典】
かつて神だった獣たちへ
 

【性別】

 

【ステータス】

筋力C 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具A


【属性】

秩序・狂

【クラス別能力】

狂化:B
全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。特定の言葉のみ、時たましゃべることがある。
【保有スキル】

獣殺し:B
擬神兵を狩り続けたことから得たスキル。自身に猛獣特攻状態を付与。

神性:B
擬神兵の生成には神の鉱石であるソムニウムが用いられている上うえ、人々から神として畏怖されていることから得たスキル。

【宝具】

月に叫ぶ獣(ウェアウルフ)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:無し  最大捕捉:無し
夜に真名を解放することで人狼に変身できる。真名を解放しなくても夜であればある程度力を用いることができ、その場合人間状態のままの姿で、髪が白くなる。
真名解放無しだと、元のステータスに対して筋力のランクが1段階上昇。真名を解放すると元のステータスに対して幸運以外の全ステータスが一段階上昇。

神を喰らう獣(フェンリル)
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:無し  最大捕捉:無し
夜に真名を解放することで巨大な白狼になる。破壊衝動の赴くままに全てを破壊する。
発動中は幸運を含む全ステータスが、元のステータスに対して2段階上昇する。

 
【weapon】
銛:刃の近くに爆薬が巻かれており、爆薬についている紐を引っ張ることで爆発する。
 

【人物背景】

パトリア大陸の内戦で擬神兵部隊を率いた男性。擬神兵としての姿はウェアウルフであり、擬神兵の中でも数少ない、人と獣の姿に自在に変化することのできる力を持つ。
普段は黒髪だが、ウェアウルフとしての力を発現すると髪が白髪になり、ウェアウルフの力が最大に出せる夜には巨大な人狼へと変化し、驚異的な力を発揮する。
内戦が終わってからはパトリアの軍部で特技曹長として活動している。 内戦中の擬神兵部隊における「人の心無くした者は仲間の手で葬る」という訓戒を実践に移すため、各地で問題を起こす擬神兵たちを殺して回る。
このことから巷では“獣狩り”と呼ばれているが、本人としては決して望んでかつての同胞たちを手にかけているわけではなく、話が通じそうな相手に対しては必ず説得を試みている。
擬神兵部隊の隊長時代には、多くの部下から慕われる良き上官であり、これは多くの擬神兵たちが未だにハンク・ヘンリエットのことを「隊長」と呼ぶことからも分かる。
 

【サーヴァントとしての願い】
擬神兵を人として蘇らせること。
エレインを復活させること。
 
【方針】
擬神兵の暴走を彷彿とさせる者は全て殺す。
聖杯戦争に勝利するためにやむを得ない場合は、殺人も辞さない。

141 ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:06:17 ID:FdGKvV6s0
【マスター】
上条当麻
 

【出典】
とある魔術の禁書目録
 

【性別】

 

【能力・技能】
幻想殺し(イマジンブレイカー)
自らの右手に触れたあらゆる異能の力を全て無効化してしまう能力。サーヴァントや令呪、NPCに対しても効果がある。
令呪に触れた場合は令呪が消え、サーヴァントとの契約関係が切れる。サーヴァントに対しては、一瞬触れただけでもかなりの魔力が消える。
NPCは消える。パラディウム・シティの一部として設定されているものについては、無効化されて消えるよりも速く聖杯が修復するため、触れても見た目上は変化が無い。
 

【weapon】
無し
 

【人物背景】
学園都市で暮らす高校生。性格は基本的には面倒臭がりかつ無気力で、面倒だと感じる事からは全身全霊をもって逃げようとする…と自認している。
しかし実際は、誰かに助けを求められれば、それが誰であれ、どんな事態であれ助けようと真摯に奮闘するタイプ。
逆に自分から他人に助けを求める事はかなり珍しく、騒動の渦中へと単身で乗り込むことも多い。
戦いに身を投じてでも人を救い出す理由については「見捨てる理由が一つもないから」とのこと。
対照的に、自分の事情は一人で抱え込む悪癖がある。
かなりの不幸体質なのだが、これは自分に来る幸運を右手が消していることが原因。
 

【マスターとしての願い】
ハンク・ヘンリエットの暴走を止め、彼の問題を解決すること。

 
【方針】
ハンク・ヘンリエットと対話を試みる。

 
【ロール】
高校生
 

【令呪の形・位置】
左手の甲にある。

【把握媒体】
アニメ・小説

【備考】
上条は令呪を1画消費していて、バーサーカーは上条に危害を加えられません。
マスターとサーヴァントは現在別行動です。

142上条当麻&バーサーカー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/21(日) 06:07:01 ID:FdGKvV6s0
以上、投下終了です。

143 ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:39:18 ID:Vx1RsfUg0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

144 ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:40:29 ID:Vx1RsfUg0
 とある廃工場の中。昼にも関わらず全体的に薄暗く、汚れた作業道具や機械の部品があちらこちらに散らばっている。かつてはうるさいくらいに音を響かせながら機械が稼働していたのであろうが、今はそのほとんどが撤去され、残った機械はガラクタとなってすっかり錆びついている。聞こえてくるのは、その工場を住処とする野生動物の鳴き声くらいなもの…のはずなのだが、何故か今日は工場全体に女の声が響き渡っている。
その声の発生源となっている女は、工場の中でも特にがらんとしていて広い部屋、その真ん中にぽつんと立ち、項垂れている。
「何とかやりきった…でもやっぱり地味に疲れたよ。二度目とは言え、人を殺すのってエネルギーいるよね」
 女は眼鏡を外し、血の汚れをティッシュで拭いてから再度かけ直す。
「というか、よりにもよって刺殺を選んじゃったのは失敗だったなあ…。服にべったり返り血ついちゃったし、床からすごい匂いするし、最悪だよ」
 上着の袖や履いているスカートを撫でて眉尻を下げ、とほほ、と困ったように下の方を見る。
 視線の先には、服を血で赤く染めた男が転がっていた。首の辺りが掻き切られていて、そこからあふれ出した血の池が、女の足元まで広がっている。出血量からして確実に死んでいると言っていいだろう。
「一回霊体化したら服の汚れはリセットできるし、場所も移動すればいいだけなんだけど…地味にそんな時間はないよね」
 はは、と女は諦めたように力なく笑いながら少しかがみこんで、手の中にある、血に濡れたナイフを血の池の外側に置いた。そしてすぐに立ち上がり、目を閉じて小さく息を吸う。
 次の瞬間。彼女の白い右手が赤く輝き、紋章が浮かび上がる。それが何なのかは見る者が見ればわかる。令呪だ。
 目を開けた彼女は令呪に加え、いつのまにか手の中に白地のカードがあることを確認し、堪えられなくなったようにふふっと笑いをこぼす。成功だ。そして高らかに声を張り上げる。
「さあ来て! 私のサーヴァント!」
 その声に呼応するように、みるみるうちに目の眩むような白い光で、部屋が満たされていく。
 そうしてから何秒経っただろうか。光が収まった後にいたのは、その女の他にもう一人。白いスクール水着を着た、スタイル抜群の少女だ。
 少女は、しばらく無表情で女を見た後、短く「だれ?」と呟く。
 それに対し女は硬直し——目を輝かせて早口でまくしたてる。
「えっ、巨乳スク水美少女とかやばいよ! あざとかわいすぎる! それってあなたの世界だと標準服だったりするのかな? ってあっえともしかして同業者? 同好の士だったりする? だとしたらすごくうれしい! コスプレ趣味の人って地味にいないんだよね! というかその衣装凝ってる! どんな素材なのか触っても…あっごめんオタク特有の早口になっちゃってて!」
 女の怒涛の勢いに反し、少女の方は全く表情を崩さない。そしてもう一度「だれ?」と言いわずかに首を傾げる。
 流石に女もこれでクールダウンしたらしく、眼鏡の位置を調節し、背筋をぴんと伸ばす。
「えっと…地味にはじめましてだね。私は”超高校級のコスプレイヤー”白銀つむぎ。サーヴァントにしてマスター。大冒険の途中で出てくる氷と炎の半身を併せ持つ岩石生命体的な、相反する二つの属性を持つ、地味に特殊な存在だよ」
 『サーヴァントにしてマスター』という言葉が興味を引いたのか、少女はピクリと眉を動かす。だが何も言うことなく白銀の全身を上から下まで見て、尋ねた。
「そのぶつぶつはなに?」
 白銀は自分の身体を見下ろす。少女の言うぶつぶつ——蕁麻疹は、手首や太ももなど、見える範囲の肌の至る所で発生していた。顔に手を当ててみてもやはりざらざらしていて、蕁麻疹が顔にも出ていることがわかる。
白銀は「ああやっぱり気になるよね」とため息を漏らす。
「それについては話の順序的に後に話すことにしていいかな。とりあえず先に君の名前も教えてほしいな」
「スイムスイム」
 少女——スイムスイムは即答する。

145白銀つむぎ&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:41:15 ID:Vx1RsfUg0
「サーヴァントにしてマスターって?」
 ぶつぶつの話は後にすると言われたことを受け、他に気になったことを話題に上げる。
「あはは…マイペースなんだね。もうちょっと自己紹介的なのを期待してたんだけど…まあ私も人のこと言えないか」
 白銀はどんよりとした様子で苦笑する。
「私は元々そこにいる彼から、サーヴァントとして召喚されたんだよ」
 白銀は転がっている死体を指さす。
「けど彼は聖杯戦争に地味に消極的で…元の世界に帰還しようとしてたんだ。でもわたしは聖杯にどうしても叶えてほしい願いがあったから、すごく困っちゃって…だから一日だけここを観光したいってお願いしたんだ。それで廃工場(ここ)に連れてきて…ぐさりと」
 その結果がこれなんだけどね、と白銀は自分の服をぽんぽんと叩く。
「サーヴァントがサーヴァントを召喚できた理由は?」
 スイムスイムは死体を一瞥した後、白銀を顔を見つめた。
「それは地味にスキルのおかげなんだよね。わたしの才能は”超高校級のコスプレイヤー”だから変装とか地味に得意なんだけど…それがEXランクの変化スキルに化けたんだよ。そのスキルが特殊で、自分の魂の在り方まで変化させられるものだった。で、これなら聖杯すらも騙せるんじゃないかって思ったんだ。
 だからマスターを殺してすぐに、そのスキルでわたしの魂を彼の魂に模倣(コスプレ)して、聖杯の認証を誤魔化した。…彼の魂は既に消滅してるから、必然的にわたしが彼で、令呪の持ち主だということになる。
 で、面白いのはここからでね、令呪を手に入れた後、わたしはスキルを解除したんだ。スキルを使っただけで、わたしの魂であることは変わらないから、マスターとしての資格は維持される。そしたら聖杯はさらに勘違いしたんだ。彼(わたし)がまだサーヴァントを召喚していないって。『彼』はサーヴァントを召喚したけど、突如出現したマスター、『白銀つむぎ』はまだサーヴァントを召喚していないって。正直この辺は賭けだったんだけど、ほんと上手くいってよかったよ」
 白銀はにやにやしながら、かゆいのか顔をぽりぽりとかく。
「で、この蕁麻疹は変身スキルの副作用だよ。わたし、現実の人間の変装をするのがどうしても無理なんだ。それってコスプレじゃなくてモノマネじゃんって思っちゃうし、コスプレイヤーとしての矜持に反するんだよね…それでもやろうとするとアレルギー反応みたいになって全身に蕁麻疹が出来ちゃうんだ」
 スイムスイムは白銀の言葉を聞き流す。彼女の中では、そこはもう重要なポイントでは無かった。
 疑問に思ったのだ。果たして本当にそんなことが可能なのか? そんなに都合よく聖杯を騙し、動かせるものなのか? 聖杯システムの穴をつくにしても、そのやり方は強引に過ぎる。だが今は情報不足で、真偽のほどはわからない。ただ、現に白銀はサーヴァントの身で令呪を持っていて、スイムスイムを召喚した。それは確かなことだ。ならばどの道白銀をマスターとして活動する他ない。
 ならば問題はむしろ——
「白銀と活動するのはいい。けど条件がある」
「何かな?」
「私がリーダーになること」
えっ、と白銀は素っ頓狂な声をあげる。
「形式上は白銀がマスター。でも作戦立案と指揮は私がやる。主導権は私」
 スイムスイムとしてもここは譲れないところなのか、語気を強めて強調する。
「まあ地味なわたしがやるより、そっちの方が絵になると思うし、別にいいけど…リーダーに拘りがあるの?」 
白銀からの問いかけに、こくんとうなずく。
「わたしはルーラにならないといけないから」
「ルーラ?」
「お姫様。強くて賢くて頼りになるリーダーで、憧れの対象。皆がそれに近づこうとすることで組織が活性化する。…だからわたしもルーラに、お姫様になろうとした。けど、駄目だった。わたしはルーラのような、偉大なリーダーじゃなかった。ルーラになれなかったから手下を死なせた」
 スイムスイムはわずかに目を伏せる。
「でも、ルーラが言ってた。『リーダーになろうという強い意思があれば、それだけで最低限の資質はある』。…一度失敗したけど、まだルーラになれる可能性は残されてる。わたしにはルーラしかない。ルーラになれるならなんでもする。だから」
 一呼吸置く。
「聖杯にお願いして、ルーラになる」
 相変わらず平坦で抑揚のない声だったが、白銀には確かな覚悟、強い意思が込められているように思えた。

146白銀つむぎ&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:41:55 ID:Vx1RsfUg0
「なるほどね。本当にそのルーラって人が大好きなんだ! わかるよ。わたしも推しキャラになりたくてなりたくてしょうがないから、コスプレしてるところもあるし!」
 白銀は胸のあたりでぐっと握りこぶしを作り、共感を示す。
「じゃあさ、これから結構人を殺すことになると思うんだけど…ルーラになるためならやれる?」
 まともなサーヴァントならまずNOを突き付けるだろう。少なくともやむを得ない場合に限定するくらいはするはずだ。
 だが、スイムスイムはまともではない。
「ルーラが言ってた。『手段を選んでいるうちは2流。一流のリーダーは、どんな手を使ってでも目標を達成する。その後で、周りにそれが正しかったと認めさせればいい』。…殺すことに問題は無い」
 スイムスイムは無表情で、無感動に言った。だがこれまで色々な人間を見てきた白銀にはわかる。表面上では感情が無いようにも思えるが、その胸の中には激情が渦巻いていることが。ルーラなる者への強い執着。粘り気のある狂気。そしてお姫様になりたいという願望。そういったものがルーラの言葉の解釈を歪め、スイムスイムに極端な思想を抱かせるようになったのだろう。
「ルーラが言ってた。『リーダーたるもの、手下が何を考えているかを常に把握しておくべき。そうすることで利用しやすくなる』。白銀の願いを教えて」
「いや『利用しやすくなる』まで言ったら駄目でしょ! 魂胆が筒抜けだよ?! もうちょっとルーラの言葉隠した方がいいよ!」
白銀は激しくつっこむ。
「あぁ、このわたしが、ツッコミしかできないなんて…一応わたし、ボケとツッコミを両立できる二刀流だったんだけどなぁ」
 明日の方角を向き、たそがれる。
「気を取り直して…えぇっと、わたしの望みだよね? …それは『ダンガンロンパの復活』だよ!」
 腰に手を当て、胸を張る。
「ダンガンロンパ?」
 スイムスイムの知らない単語が出てきた。
「ダンガンロンパっていうのはね! 閉鎖空間に閉じ込められた、超高校級と呼ばれる才能の持ち主たちが生き残りをかけてコロシアイをするゲームなんだよ! ただ殺し合うだけじゃなくて、殺人が起こった後学級裁判で推理を…」
 スイッチが入ったのか、白銀はダンガンロンパについて語りまくる。鼻息を荒くして目を見開き、早口でほとんど息継ぎをすることなくにじり寄ってくる様は、変態さながらである。
「もういい。十分」
 マイペースさに定評のあるスイムスイムも、これには耐えかねた。
「あっ、ごめん! オタクって、自分の好きなものに興味を持ってもらえると、つい押しつけがましく説明しちゃうんだよね…気を付けててもついやっちゃうんだよ…」
 白銀は頭を抱えて座り込む。
「復活させるというのはどういうこと?」
 スイムスイムは白銀の様子に構うことなく尋ねる。
「えっと、それがね。53回目のダンガンロンパは、わたしが参加者に交じって運営してたんだけど…色々やらかしちゃって、結局参加者たちにダンガンロンパというコンテンツそのものを破壊されちゃって…。
 恐らく今はもうあの世界にダンガンロンパは存在しない。わたしの生きがいである至高のエンターテインメントは終わってしまった。それは覆せないくらいに決定的だった。
 でも、さ。聖杯の力があれば話は別だよね。万能の願望器なら、万難を排してダンガンロンパを再開するくらいたやすいはず。だからお願い。ダンガンロンパを…わたしの希望を復活させるために、協力して。スイムスイムさん」
 今までの軽い様子から一転、白銀は真剣な表情でスイムスイムの目を見る。
「ルーラが言ってた。『利用できるものは何でも利用しろ』。目的を達成するのに白銀は利用できそうだから、手を貸す」
 スイムスイムのその言葉に、白銀は頬を紅潮させ、涙を浮かべる。
「ありがとう! スイムスイムちゃん! わたしたち、ズッ友だよ!」
 血まみれの服で抱き着いてくる、全身蕁麻疹の白銀を、スイムスイムは押しのける。
「ルーラが言ってた。『手下とリーダーの関係はあっても、友達なんていい加減な関係はない』。早く離れて……血生臭いから」

147白銀つむぎ&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:42:49 ID:Vx1RsfUg0

【サーヴァント】

【CLASS】
ランサー
 

【真名】
スイムスイム
 

【出典】
魔法少女育成計画
 

【性別】

 

【ステータス】

筋力D 耐久B 敏捷D 魔力C 幸運C 宝具A

【属性】
混沌・善

【クラス別能力】
対魔力:C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

【保有スキル】
カリスマ:E
国を統率はできても、兵の士気が極端に下がる。ただし、一軍を率いる将官程度の役職であれば、天賦の才と言えるランクである。

心眼(真):C
修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

【宝具】
透潜万中(スイミング・マジック)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:無し  最大捕捉:無し
自分の体を物質透過出来るようにする能力。発動するとあらゆるモノを泳ぐが如くすり抜けられるようになる。スイムスイムがモノと認識したあらゆる物体を透過でき、地面・壁・置物はもちろん相手の攻撃や防御まで通り抜けられる。ただし光・音・衝撃波は透過不可能。また、透過中は自分のコスチューム以外の物体を携行することができない。
 

【weapon】
『ルーラ』
薙刀に似た武器。スイムスイムのコスチュームの一部で、能力使用中も携行できる。非常に頑丈で、壊れることはまずあり得ない。名前はスイムスイムが心酔する人物の名からとられた。
 
【人物背景】
本来の姿は小学1年生の7歳と非常に幼い。そのためニンジンが苦手だったり漢字が読めなかったりと年相応な面も見せる。
同じ魔法少女であり所属するチームのリーダーであるルーラの事を、狂信的なほどに崇拝しており、彼女に理想の女性像を抱き「憧れていたお姫様」だと思っている。
そんな中、ある出来事をきっかけに自分が「憧れていたお姫様」になることを目指し始めるのだが、その中で彼女はルーラを殺すことを思いつき、謀殺。所属するチームのリーダーの座に収まった。
リーダーとなってからはルーラのやり方を”自分なりの解釈で”踏襲する。その踏襲ぶりは徹底しており、ルーラの生前の発言を実行するためならば、大事に思っている仲間さえも殺害する。
冷静で高い戦術眼を持っており、殺人に躊躇がない。そのため魔法少女同士の戦いの中で、彼女の率いるチームは多くの魔法少女を殺害できた。しかしその過程で恨みを買い、殺害される。
 

【サーヴァントとしての願い】
ルーラと同等かそれ以上のリーダーになる。
 

【方針】
聖杯のためなら、残虐なこともする。
生前のルーラの言葉には絶対に従う。いかなる場合でも例外は無い。

148白銀つむぎ&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:43:08 ID:Vx1RsfUg0
【マスター】
白銀つむぎ
 


【出典】
ニューダンガンロンパV3
 

【性別】

 

【能力・技能】
マスターでありながら、同時にサーヴァントでもある。
以下、サーヴァントとしてのステータス等を記述する。

【CLASS】
キャスター

【ステータス】

筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運B 宝具EX

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
陣地作成:EX
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。膨大な魔力があれば、『才囚学園』を形成することが可能。
道具作成:B
魔術的な道具の中でも、変装に関わるもののみを作成できる。
 

【保有スキル】
変化:EX
任意の対象に完全に変身することができる。変身の精度は極めて高く、魂の在り方など、存在の本質的なレベルで模倣することが可能。真名看破や魂喰いにおいても偽装は有効であり、聖杯すらも騙せる。ただしパラメーターは変わらない。

【宝具】
才囚学園
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:10〜100 最大捕捉:1000人
外界とは隔絶された学園を生成する。学園の中では、モノクマやエグイサルなどの兵器が多数配備されている。

模倣犯(コスプレイヤー)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
自己または他者に、全く別の人格・記憶・才能を任意に与える。この宝具を発動させるには、相手を無力化する必要がある。

【weapon】
無し。
 

【人物背景】
漫画やゲーム、アニメのフィクションキャラクターの、高い再現性をもつコスプレをする《超高校級のコスプレイヤー》。
本人は自分が「地味」であることに一種のコンプレックスを抱いているらしく、自身の才能や趣味を「地味」と前置きしてから主張していた。普段でも「地味に〜」が口癖となっている。
フィクションキャラクターなら男でも女でもほぼ完璧になりきることができるが、「リアルの変装」に対しては嫌悪感を抱き、「リアルの人間」のコスプレをするとアレルギーが出てしまう体質。
実はコロシアイ学園生活の首謀者であり、コロシアイの様子をエンターテイメントとして世界中に配信していた。
しかし最終的に主人公たちの策により視聴者たちがコロシアイへの興味を失い、興行としてのダンガンロンパは崩壊することになった。
白銀はそのことに深く失望し、失意の中瓦礫に押しつぶされて死んだ。


【マスターとしての願い】
ダンガンロンパの復活。
 

【方針】
聖杯の獲得を目指す。
残虐な行為を厭わない。
 

【ロール】
高校生
 

【令呪の形・位置】
右手にある。

【把握媒体】
ゲーム

【備考】
白銀はランサーの召喚に成功した後、自分の端末と腕輪を取得している。他のマスターと同様にその機能を用いることができる。
サーヴァントとしての白銀の依り代は自分自身である。

149 ◆Mti19lYchg:2022/08/22(月) 23:43:36 ID:Vx1RsfUg0
以上、投下終了です。

150 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:35:04 ID:jZxxxWR20
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

151刀藤綺凛&アーチャー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:35:32 ID:jZxxxWR20
とある学園の剣道場で銀髪の少女が素振りをしていた。彼女の名前は刀藤綺凛。この聖杯戦争の参加者である。

「見事なものね」

「加賀さん……?」

綺凛の前に現れたのは黒髪でサイドテールの女性。彼女の名前は加賀。今回の聖杯戦争で綺凛が召喚したアーチャーのサーヴァントである。

「加賀さん、私の剣はどうでしたか?」

「見事なものよ。その歳で、あのレベルの腕前ならな間違いなくあなたは天才よ」

加賀は綺凛の剣の腕前を褒める。

「私の……願いは……叶うでしょか?」

「聖杯を手に入れば叶うと思うわ」

「そう……ですか」

(ただ、彼女は聖杯戦争に参加するには優しすぎるわね……)

加賀は心の中でそう思うのであった。


【サーヴァント】

【クラス】
アーチャー

【真名】
加賀

【性別】
女性

【出典】
艦隊これくしょん

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を似ってしても、傷つけるのは難しい。

単独行動:A
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクAならば、マスターを失っても一週間は現界可能。

【保有スキル】

嵐の航海者:A
「船」と認識されるものを駆る才能を示すスキル。

戦闘続行:A
最後まで戦場で戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】

加賀改二
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:500人。
加賀改二の姿になることにより自分の能力を上げ、敵を倒す。

【人物背景】
『艦隊これくしょん』の登場人物。
『加賀型1番艦』の艦娘。

口数が少なめなクールな艦娘。
感情がないわけではなく、怒っていても喜んでいても静かなげである。

冷静沈着ように見えて、実は激情家だったりする。

ちなみにかなりの大食いである。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。聖杯にも聖杯戦争にも興味はないが、マスターのことは最後まで守る。

【方針】
マスターに任せる。ただマスターには人殺しはあまりさせたくない。

【把握素体】
ゲーム及び、アニメ。
今回の聖杯戦争ではアニメ版の彼女が召喚されている。

152刀藤綺凛&アーチャー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:35:48 ID:jZxxxWR20
【マスター】
刀藤綺凛

【出典】
学戦都市アスタリスク

【性別】
女性

【能力・技能】

『刀藤流』
彼女が使う剣術

『千羽切』
彼女が使う日本刀

【人物背景】
『学戦都市アスタリスク』の登場人物。

『疾風迅雷』の二つ名を持つ天才剣士。
刀藤流宗家の生まれで、中等部一年生で学園の序列一位になった少女。ただ性格は気弱で引っ込み思案である。

彼女の願いは正当防衛でありながら刑務所に収監された父親を助けること。

参加時期は主人公の『天霧綾斗』と出会う少し前である。

【マスターとしての願い】
父親を助ける。

【方針】
あまり犠牲者を出さない方法で聖杯を手に入れる。

【ロール】
とある学園の剣道部員。

【把握素体】
原作小説及び、アニメ。

153 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:36:14 ID:jZxxxWR20
投下終了です。続けて投下します。

154ルーラー:リエール◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:36:44 ID:jZxxxWR20
この世界の聖杯戦争では、あらゆる並行世界、多元宇宙よりサーヴァントが召喚される。

そして、彼女も今回の聖杯戦争でルーラーとして召喚されたサーヴァントである。

「まさか私がルーラーで召喚されるとはな」

金髪の少女の名前はリエール。
今回の聖杯戦争で聖杯が聖杯戦争を管理するために保険として召喚したルーラーである。

「私は聖杯には興味ないが……ルーラーとしての役割は果たすとしよう」

ちなみに彼女はこの世界に召喚されてからは
食べ歩きとかをしていた……。


【サーヴァント】

【クラス】
ルーラー

【真名】
リエール

【出典】
邪神ちゃんドロップキック

【性別】
女性

【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力A 幸運B 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現在の魔術では彼女は傷つけられない。

真名看破:A
ルーラーとして召喚されると、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。

神明裁決:A
ルーラーとしての最高特権。
聖杯戦争に参加した全てのサーヴァントに二回令呪を行使することができる。
他のサーヴァント用の令呪を転用するのは不可。

【保有スキル】
直感:A
戦闘時に常に自身にとって最適な展開を感じ取る能力。

【宝具】
『神の裁き』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:500人
彼女の全力の力からを放ち、全ての敵を殲滅する。

【人物背景】
『邪神ちゃんドロップキック』の登場人物。

幼い少女の姿をしているが、天使たちから『主』と呼ばれる神である。

強大な力を持ってはいるが、子供っぽい一面もある。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。ルーラーの役割を果たす。

【方針】
無関係な人間や魂食いをするサーヴァントがいたら全力で止める。

【把握素体】
原作漫画及び、アニメ2期&3期『本格的に登場するのは3期から』

155 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:37:06 ID:jZxxxWR20
投下終了です。続けて投下します。

156長瀬琴乃&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:38:06 ID:jZxxxWR20
「本当に私の願いは叶うの?」

「君の願いはなに?」

とある学園の屋上で少女と少年が話をしていた。
長い黒髪の少女の名前は長瀬琴乃。今回の聖杯戦争の参加者である。

もうひとりの少年の名前は常磐ソウゴ。
今回の聖杯戦争で琴乃が召喚したライダーのサーヴァントである。

「私は……お姉ちゃんが事故で亡くなる過去をなかったことにしたい!」

自分の願いをソウゴに伝える琴乃。

「過去を変えるのは難しいと思う」

「でも、聖杯はどんな願いも叶えられるんでしょう!」

「聖杯でも過去を変えられるかは分からない。 それに、過去は変えられないと思う。 例え望んではない結果だとしても……受け入れるしかないんだ。 でも、未来は変えられる!」

「未来……?」

過去を変えたい琴乃と過去を変える難しいさを誰よりも知ってるソウゴ。この二人の聖杯戦争はどうなるのか……?


【マスター】
長瀬琴乃

【出典】
アイドリープライド

【性別】
女性

【能力・技能】
なし

【人物背景】
『アイドリープライド』の主人公のひとり。

クールで真面目な性格。『長瀬麻奈』という仲の良い姉がいたが、麻奈がアイドルになってから、自分に構ってくれなくなった姉に対して屈折した思いを抱くようなる。そして、姉の麻奈に対して暴言を吐いてしまい、その翌日に麻奈が交通事故で死亡してしまう。
彼女の願いはその交通事故をなかったことにするこである。

参戦時期は『川咲さくら』たちと出会う少し前である。

【マスターとしての願い】
お姉ちゃんが交通事故で死亡したことをなかったことにする。それが無理ならもう一度だけお姉ちゃんに会いたい。

【方針】
なるべく犠牲を出さない方法をとる。

【ロール】
学生

【把握素体】
アニメ及び、ゲーム。

157長瀬琴乃&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:38:27 ID:jZxxxWR20
【サーヴァント】

【クラス】
ライダー

【真名】
常磐ソウゴ

【出典】
仮面ライダージオウ

【性別】
男性

【ステータス】
腕力B 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以下に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する

【保有スキル】
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。

カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。

【宝具】
『グランドジオウ』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:500人
歴代平成仮面ライダーを最強フォームで召喚し、一斉に必殺技を放つ。

【人物背景】
『仮面ライダージオウ』の主人公。
仮面ライダージオウの変身者でもある。

王様になることを夢に見ていた少年。
仮面ライダージオウに変身したことにより
戦いに巻き込まれていくが、戦いを通し成長し、大切な仲間たちとも硬い絆で繋がっていく。最後の戦いでは『アナザーディケイド』を倒し、未来の自分にも向き合ってる。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。マスターを最後まで守る。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
テレビドラマ『仮面ライダージオウ&劇場版』

158 ◆Mti19lYchg:2022/08/27(土) 10:38:54 ID:jZxxxWR20
以上、投下終了です。

159 ◆Mti19lYchg:2022/08/29(月) 18:17:13 ID:4VgfixYM0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

160 ◆Mti19lYchg:2022/08/29(月) 18:18:39 ID:4VgfixYM0
人種に問わず、多くの顧客で賑わっている真昼のフードコートで二人の男性が食事して居た。
白いスーツで藤色の長髪に虹色のメッシュを入れており、その部分を編んで金のリングで留めている長身かつ眉目秀麗な若い男、万灯雪侍ともう片方はどこか幼げな印象のある青年戦闘員Dが食事して居た。
戦闘員Dは何か思いだして

「なぁ、聞いて良いか?」

食事を止めて万灯雪侍に質問した

「答える範囲では」

万灯雪侍も食事を止めた。

「そんじゃあ、この世界?に来る前に黒い靄みたいな奴を俺が倒したじゃん」

「そうだね」

「そん時あんたがなって居た奴は何だ?
 まるで怪人だったぞ」

「そうは言わない
怪人ではなく…」

万灯雪侍は懐から空に瞬くオーロラでAと書かれたメモリ、オーロラメモリを出して

「ドーパントさ」

「どーぱんと?
 そんな小さい箱みたいなやつが?」

「そうは言わない」

「じゃあ何て言うんだ?」

「ガイアメモリのさ」

「がいあめもり……
 アアァァ!!どーぱんと、とがいあめもり聞いた事がないし
 この街は分からないことだらけだ」

戦闘員Dは頭を掻いた。

「ああ、その通りだ
 何せこの世界は私の世界と君の世界ではお目にかからない物ばかりだから」

「にしてもあんたの世界の人間はそんなものを使って……その……どーぱんとになりたいとか随分ぶっ飛んでいるな」

「しょうがない。
 何せ此れは完璧で何年経ってもこれ以上の発明品を人類は生み出せていないのさ」

「完璧ね……
 その……がいあめもりて言う物は他にも有るのか?」

「勿論とも」

万灯雪侍はオーロラメモリーを仕舞って他のメモリーを出した
書かれているイラストは溶岩が吹き出る火山でM、ティラノサウルスの横顔でt、身体を丸めたゴキブリでC、尖った爪を持つ左腕でV、トリケラトプスの横顔でTと等々色々有った

「随分あるな」

「ガイアメモリと言えど数は無数に有るんだ」

「ふう〜ん、其れで此れをばら撒くのか?」

「勿論私達が有利に動く為に」

「そうかい」

戦闘員Dは食事を再開して万灯雪侍も食事を再開した。

161万灯雪侍&セイバー◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/08/29(月) 18:19:54 ID:4VgfixYM0
【サーヴァント】
【CLASS】
セイバー
 
【真名】
戦闘員D
 
【出典】
戦隊大失格
 
【性別】
男性
 
【ステータス】
筋力C 耐久A+ 敏捷C 魔力C 幸運A+ 宝具C

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
対魔力:E

【保有スキル】

単独行動:B
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失ってから二日間現界可能。
単独でも戦い続けた彼の逸話が昇格したスキル。

カリスマ:B

メタモルフォーゼ:A

不老不死A
どんな傷を負っても修復する。
※竜神と名の付く武器、もしくは再生阻害付与の武器からダメージを受けると再生スピードが落ちる

戦闘続行:EX

【宝具】
ドラゴンガジェド バーストモード
ランク:D 種別:対人宝具 宝具 レンジ:1〜5 最大捕捉:10人

【weapon】
ドラゴンガジェド

【人物背景】
幹部怪人に手に生まれた戦闘員
身体を再構築する能力によって人間への擬態を得意としており、人間態はどこか幼げな印象のある青年の姿。
幹部がいなくとも悪の勝利を信じ、他のメンバーを鼓舞するが、その一方でこの境遇を受け入れてしまいそうな事も自覚している。
仕組まれた戦いによって度重なる敗北の末に自身が悪役ですらない事を痛感し、ドラゴンキーパーを倒すべく単独で行動し始める。

解説元ピクシブ辞典

【サーヴァントとしての願い】
此れと言った願いは無い
(自分の手でドラゴンキーパー倒したい為)

【方針】
メタモルフォーゼを上手く活用して敵を騙して倒す

162万灯雪侍&セイバー◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/08/29(月) 18:20:13 ID:4VgfixYM0
【マスター】
万灯雪侍
 
【出典】
風都探偵
 
【性別】
男性
 
【能力・技能】
不明?
多分、閉ざされた空間や室内に忽然と現れる能力だと思う

【weapon】
ガイアドライバーrex
オーロラメモリ

【人物背景】
容姿
藤色の長髪に虹色のメッシュを入れており、その部分を編んで金のリングで留めていると、特徴的な容姿をしている。
長身かつ眉目秀麗な若い男で、服装は常に白いスーツ。

性格
一人称は「私」。
言葉遣いは穏やかで紳士然とした好人物であり、高いカリスマ性を以て『街』の住民を纏めあげている。
部下からは老若男女を問わず慕われているようで、とりわけ準幹部の二階堂守は彼に心酔している。
ハイドープである前提条件は付くが、接触した相手がたとえどんな卑劣漢であろうと、穏やかな態度を変えない。
相手の投げかけた言葉を「そうは言わない」と、やんわりとした口調で否定した後、彼の思う表現に直して伝える口癖がある。
ただし、接触したものの見込み違いだった者や、大きな失態を犯した者については、あからさまに見下した態度で「クズ」や「ブザマ」となじる場面も見られる。
また『裏風都』建造の際、使役した多量のロード・ドーパント達が喰らったであろう数多くの犠牲者たちについても「理想の世界を築くための『美しい犠牲』」と称したり、
自身と関わりを持ったドーパントたちが敗れた際は「後始末」「君たちの街に申し訳ない」と称して変身者を始末する等、本性は極めて冷酷である。
その様はフィリップをして「正真正銘の『悪魔』、そのものだ」と言わしめたが、本人は「私は『悪魔』ではなく『天使』なんだ」と返していた。
恐らくフィリップが『悪魔』と呼ばれた過去への皮肉と推測され、この事からフィリップや『ミュージアム』の詳しい情報を得ていることも伺わせる。
組織の運営者としては、人員に対して非常に寛容。
「好きにさせた方が、才能が弾ける人間というのもいる」を基本スタンスに、各配下の行動理念等にほとんど口出しはせず、よほど下手を打たない限りは多額の資金等で援助しつつ見守るに留めている。
側近として従える五条一葉/スクリーム・ドーパントの扱いはその顕著な例であり、彼女の趣味である猟奇殺人はお目付役を付けつつも黙認している。
一方で仮面ライダー達に関しては「立場こそ違えど、ハイドープに限りなく近い超人」と最大限に評価しており、それ故に可能な限り接触を避けるのを基本方針とする等、『街』最大のリスクとして捉えている様子。
ある事情から、不本意にも彼らに協力を求めざるを得ない事態となった際も、有事を想定して二人の最高戦力を忍ばせていたり、翔太郎らに提供した資料には自分達の不利になる情報は一切載せず、「国家間の文書」と評される程に徹底して隙を見せない。
その割には自身の名をあっさりと明かし、フィリップに対し「後で検索してみたまえ。まあ、すぐに落胆するだろうが。」とも言ってのけたが……?。

解説元ピクシブ百科事典

【マスターとしての願い】
自分が行っている計画の保険確保 

【方針】
他のマスターと同盟を組み
見込みのあるマスター、キャスターにはガイアメモリを渡してある程度一緒に行動する
 
【ロール】
大手会社の社長
 
【把握媒体】
風都探偵 漫画 アニメ

163 ◆Mti19lYchg:2022/08/29(月) 18:20:35 ID:4VgfixYM0
以上、投下終了します。

164 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:50:22 ID:T.tpVC8Y0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

165 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:51:10 ID:T.tpVC8Y0
「全然釣れないわね……」

「そのうち釣れるよ! それに誰かと一緒にいられるだけで私は楽しいよ!」

二人の少女が一緒に釣りをしていた。

ひとりは黄色みがかった白髪の少女。
彼女の名前は錦木千束。この聖杯戦争の参加者である。元の世界では『DA』と呼ばれる国を守る組織に所属している。

もうひとりは黒髪の少女。彼女の名前は夏木花。千束が召喚したアサシンのサーヴァントである。

「それで千束は本当に聖杯は求めなくていいの? 聖杯があればあなた心臓も治せるのよ」

「それでも私には聖杯は必要ないかな。それに私は……自分が幸せだと思えるから! 聖杯は必要ない!」

千束が笑顔で聖杯は必要ないと花に伝える。

「千束がそれでいいなら私はもう何も言わない!」

花も笑顔で千束にそう伝える。

「花にこそなにか願いはないの?」

今度は千束が花に願いを聞く。

「私も特にないかな。聖杯にも興味ない」

「そっか……。花! 魚が釣れそうだよ!」

「本当だ! 絶対に釣る!」

釣りを楽しむ二人であった。


【サーヴァント】

【クラス】
アサシン

【真名】
夏木花

【出典】
仮面ライダーリバイス

【性別】
女性

【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に優れてる。

【保有スキル】

カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。

【宝具】
『アギレラ』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:100人

自分の過去と向き合い、前に進み出した、彼女の想いが宝具になったもの。自らの能力を上げ、敵を倒す。

【人物背景】
『仮面ライダーリバイス』の登場人物。
『仮面ライダーアギレラ』の変身者。

『デッドマンズ』と呼ばれる敵組織に所属していた少女。『デッドマンズ』に所属していた頃は『アギレラ』の名前は名乗っていた。

『五十嵐さくら(仮面ライダージャンヌ)』に救ってもらってからは『アギレラ』の名前を捨て、『夏木花』と名乗っている。

『アギレラ』の時のようなぶりっ子は鳴りを潜め、言いたいことをはっきりというようになった。

それから『仮面ライダーアギレラ』の変身者になり、最後まで戦い抜いた。

戦い終結後は新たな組織『ブルーバード』に所属している。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。マスターを最後まで守る。

【方針】
マスターに任せる。

【把握素体】
テレビドラマ『仮面ライダーリバイス&劇場版』

166 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:51:20 ID:T.tpVC8Y0
【マスター】
錦木千束

【出典】
リコリス・リコイル

【性別】
女性

【能力・技能】

『銃弾避け』
卓越した洞察力と常人離れした視覚によって
相手の射線と射撃のタイミングを見抜き、放たれた銃弾を回避する。

『デドニクス・コンバットマスター』
彼女が使用する銃。カバンに装備している。

『拘束用銃』
ワイヤーを発射して相手を拘束する。

『非殺傷弾』
彼女が使用するゴム弾。かなりの威力があるが、相手を殺さない銃弾。

【人物背景】
【リコリス・リコイル】の主人公。
『DA』と呼ばれる組織に所属している。

いつも笑顔で、明日より今日を全力で楽しむ少女。『喫茶リコリコ』で看板娘として親しまれており、人助けもたくさんしている。

実は『DA』に所属するリコリスでは歴代最強と呼ばれている。

だが心臓に問題があり、命の危険があったが、『殺しの天才』と見出され、『アラン機関』と呼ばれる組織から人口心臓を移植されている(それでも成人までしか生きられないとされている。)

絶対に人は殺さず、敵でも絶対に殺すことはない。

参戦時期はアニメ第9話で『井ノ上たきな』にデートに誘われる少し前。

【マスターとしての願い】
特になし。聖杯戦争を止める。

【方針】
協力してくれるマスターを探す。
絶対に誰も殺さない。犠牲も絶対に出さない。

【ロール】
とある学園の学生。

【把握素体】
アニメ

167錦木千束&アサシン◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:51:54 ID:T.tpVC8Y0
以上、投下終了です。続けて投下します。

168コラソン&アルターエゴ◇.aVFsM47H6 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:52:37 ID:T.tpVC8Y0
数多もの英霊、つまりは歴史に名を連ねた英雄を現代に呼び出し戦わせる、という催し。最後の一人になるまで戦い、残った一組が願望機たる聖杯を得られる。これが、聖杯戦争における基本も基本、大前提となるルールである。

 そんな、聖杯戦争に於いて重要となる要素の一つが、自身のサーヴァントの強さであることを、マスターの男──────『コラソン』は理解している。
単純に、戦闘能力が高ければ正面からの戦闘で敵を制圧、その腕っぷしだけで聖杯まで到達しうる可能性もあった。
四皇、海軍大将、王下七武海……兄の、ドフラミンゴ。コラソン自身、単騎のみで世界すらも揺るがす存在を知っていたことも起因する。

 その点で言えば、自身が呼び寄せたサーヴァント……“アルターエゴ”にコラソンは信を置いてはいなかった。エクストラクラス、アルターエゴというクラスが、どのような性能を持つか、その部分が未知である、というのもそうだ。
更に、性能は普通、アルターエゴが言うには宝具こそ少々多様性が聞くが、取れる手が少ないのだ。
先行きが見えない暗澹たる気持ちを切り替える為にも、コラソンは煙草を吹かす事にした。この見慣れない、パラディウム・シティという都市では煙草を一服する時も喫煙所を探さなければならない、という事を知った時は大変驚いたものだ。
道端で煙草に火を付けた時の周囲の目線、そしてアルターエゴの一言でそれを思い知ったコラソンは、うんざりしたように肩を竦め、火をつける。カフェの、喫煙席。
そこに、コラソンとアルターエゴは小休止していた。

【おい、マスター】

 聖杯戦争が始まって幾ばくも無いというのに、雲行きは暗い。特に、この聖杯を欲する、という方針を取っているコラソンは、それを色濃く感じてしまう。
自身の持つ能力が戦闘ではなく諜報、裏で行動することに長けているのも一因だった。
単純に、サーヴァントの強さがアルターエゴを上回る相手と戦う際、取れる行動がマスターの暗殺しかない、というのが、痛い。
最後の一組、己の力のみを用いて戦わざるを得ない場面に於いて、頼れるものが無いのだ。

(最低でも、他の主従と交渉は必須、か……)
【おい、マスター……】

 はあ、と煙を吐いた。現状で言えばコラソンとアルターエゴの主従は、他の聖杯戦争参加者と比べても、弱い。間違いなく、下から数えた方が早い二人だ。それでも、この戦いに勝ち残るには、他の主従との協力、言わば同盟が必要だろうな、とコラソンは考えていた。
戦力的で劣るなら、人数差、兵力差で勝ちにいくしかない。この案にはアルターエゴからも支持されている。
「弱くて済まない」とも謝られた。

(そこは気にすることじゃねェ、とは言ってるんだが……)
【……気づいていないのか……?】

 今でこそ、霊体化で姿は伺えないものの、アルターエゴの気分は、少し落ち込んでいるのが読み取れた。
召喚直後、寡黙な方で、表情からも感情が読み取ずらい、アルターエゴの眉が、ほんの少し寄ったのを、コラソンは見逃さなかった。
何か気に障る事を言ってしまったか、と言えば、そういうわけでもないらしいが。

【なあ、アルターエゴ。いや──────『アイカワハジメ』】

 何を思ったか、コラソンは念話を始める。アルターエゴ、その真名を呼んだ。

【あんたには感謝している。おれの願いの為に、手を貸してくれて】

 息を吞むような、呼吸音。アルターエゴが動揺しているのが、念話越しでも読み取れた。
この英霊は、果たして如何なる道程を以って、サーヴァントに至ったのか、コラソンは知らない。
野暮であるから、と必要以上に聞くこともしなかった。ただ、彼が英霊と至る前は、確かに幸せであった、という事は聞いていた。だから、アルターエゴには願いが無い、と。

────おれの兄は……ドンキホーテ・ドフラミンゴは化け物だった────

【だから、今一度聞きたい。あんたには、本当は叶えたい願いがあるんじゃねェか】

【それは、無い】

 即答だった。間髪入れずに、コラソンに返答する、アルターエゴ。

────きっと、兄は近い将来、おれの世界を壊すだろう。ようやく兄の手から逃れられたあいつだって、兄が、ドフラミンゴがいる限り真に幸せにはなれねェ。だが、それをおれは止められない……だから、聖杯がいる────

169コラソン&アルターエゴ◇.aVFsM47H6 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:52:54 ID:T.tpVC8Y0
【ただ……そうだな。一つ、俺の問いに答えてくれないか、マスター……いや、『ロシナンテ』】

 今度は、アルターエゴが問いかける番だった。平素のものよりも、低い声。コラソンは、アルターエゴがこの問いに掛ける真剣さを、感じ取った。この問いには、自身の全霊を以って、彼と共に戦う者として、真摯に答えるべきだと、コラソンは思う。
この答えを濁す事は、アルターエゴの大事な何かを、蔑ろにしてしまうことを直感していた。

────そうさ、おれの願いは────

【兄を殺す以外に、道はないのか】

【それは、無い】

 コラソンもまた、即答だった。それだけは、譲れなかった。あの時、引けなかった引き金。死んだはずの己が、この世界に招かれた。ならば今の己の役目は最後のやり残し、きっとそれを引くことだろうと、確信していた。

【……そうか】

 言うなり、アルターエゴは押し黙った。一度、煙を吐いたコラソンが、再び問いかける。
今のやり取りで、何か、確信めいたものをコラソンは感じていた。

【アルターエゴ、あんたは……幸せだった、と言ってたな。だから、願いはいらねェと】

 この、アルターエゴも地獄を見たのだろうか、とコラソンは思う。
自身が“下界”に下った時。天竜人に苦しめられた人々の叫ぶ怨嗟、それに負けぬ声量で、子供だけは助けてくれと叫ぶ父、床に伏した母、夜叉へと目覚めた、兄。
コラソンがそれらに苦しめられたのと同じように、アルターエゴも、何かで苦しんでいたのではあるまいか。そして、それを救ったのは。

【“家族”に、救われたのか】

【……ああ、その通りだ】

 アルターエゴが続けた。ほんの少し、念話越しの声が、揺れる。

【だから、マスター。もう一度、俺は聞くぞ】

 何だ、と惚けることはコラソンには出来なかった。

【兄を殺す以外に、道はないのか。例えお前たちが殺し合う事が運命だとしても、俺は─────】

「……ないさ」

 その時の、コラソンの声が、震えている事に、アルターエゴは気づいていたのだった。
本心では、コラソンが、ロシナンテが兄を殺す以外の道は無いのか、誰よりも、それも無意識のうちに惑っている事の、証左であった。
何をどうやっても、兄に引き金を引けないことは、既に自らの過去が証明しているというのに。

【……分かった。俺はお前の想いを尊重する。お前の願いの為に、戦おう。マスター】

 アルターエゴは、それを指摘しない事にした。
かつて、『人の想い』に、仲間の自己犠牲により、幸せを得ることができた、正真正銘の化け物、『ジョーカーアンデッド/仮面ライダーカリス』は、いや。
『相川始』は、だからこそコラソンの為に戦う事を決めたのだ。兄を止める、それ以外の理由。
その誰かの為に戦う、その想いまでもを否定することは、出来なかったから。

【すまねェな、アルターエゴ】

【気にするな、マスター。それよりだ】

 今度は、普段の声色に戻って、アルターエゴが呼びかける。
そういえば肩が熱い。この店は冷房が効いていて、熱いと感じる事などない筈だが……?

【服が燃えているぞ】

「な……!?」

 アルターエゴの一言に、コラソンはハッとした表情を露にした。最初に付けた煙草が、肩口の傍に位置している。ここで漸くコラソンは、煙草の火がマントに燃え移っている事に気が付いたのだった。

170コラソン&アルターエゴ◇.aVFsM47H6 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:53:11 ID:T.tpVC8Y0
【CLASS】
アルターエゴ
【真名】
相川始
【出典】
仮面ライダー剣
【性別】
男性
【ステータス】
筋力:C 耐久:B+++ 敏捷:C 魔力:C 幸運:B 宝具:EX (変身時)
【属性】
秩序・中庸
【クラス別能力】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
神性:E
【保有スキル】
戦闘続行:B+++
最後まで運命と戦い続けた彼の逸話が昇格したスキル。
魔力放出:C
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、その魔力を放つ事によって能力を向上させるスキル。嘗て封印したアンデッドの力を使用することで成立している。それ故に、放出される魔力の属性も複数使用可能。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
騎乗の才覚。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。魔獣や聖獣は乗りこなせない。
【宝具】
『永遠の切り札(仮面ライダーカリス)』
ランク:C〜B種別:対人宝具 レンジ: 1〜10  最大捕捉:──
十三体のアンデッドが封印されているラウズカードの行使を可能とする、相川始のライダーとしての姿。

『シャドーチェイサー』
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:10人
宝具『永遠の切り札(仮面ライダーカリス)』使用時、付近にバイクが存在した時のみ発動する。対象となるバイクは、嘗てアルターエゴが使用していたバイク、「シャドーチェイサー」へと姿を変える。

『温かい家族との記憶(スイート・ハート)』
ランク:EX 種別:対界、対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
アルターエゴをアルターエゴたらしめる宝具。ジョーカーアンデッドとしてでなく、守ると誓った一人の少女を守るライダーとして顕現した彼は、もう世界を滅ぼす怪物にはならない。

【weapon】

醒弓カリスアロー:カリスの姿で使用する弓型の武器であり、弧の部分は剣としても使える。
ラウザーを装着し、カードをラウズする事で必殺技も使える。

【人物背景】
嘗ては世界を滅ぼす怪物と定められたもの。けれど、仲間の自己犠牲を以て救われた者。
今この場に立つ、『相川始』はジョーカーアンデッドではなく、ただ一人の少女を守るために戦った仮面ライダーカリスという側面のみが再現された存在である。
言わば、反英霊ジョーカーアンデッドのオルタナティブ、とも言える存在。

【サーヴァントとしての願い】
存在しない……けれど、もしも自分を与えられたら。もう一人のジョーカーを救うのかもしれない。
【方針】
現時点では聖杯獲得。できることならコラソンには別の願いを見つけて欲しい。

171コラソン&アルターエゴ◇.aVFsM47H6 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:53:26 ID:T.tpVC8Y0
【マスター】
コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ
【出典】
ONE PIECE
【性別】

【能力・技能】
『ナギナギの実』
超人(パラミシア)系の悪魔の実である。音を消したり、周囲の音を聞こえなくさせることが可能。
【weapon】
なし
【人物背景】
“海賊”ドンキホーテ・ドフラミンゴの弟であり、“海軍”本部元帥センゴクの養子であり、ある少年の、たった一人の味方。
【マスターとしての願い】
聖杯を獲得し、ドンキホーテ・ドフラミンゴを殺す。──────本当に?
【方針】
聖杯獲得。
【ロール】
浮浪者。普段は日雇いバイトで生活費を稼いでいる。
【把握媒体】
コラソンは漫画、ONE PIECEの761話〜767話、798話を読めば把握可能。ONE PIECE公式アプリを使えば無料で把握可能。
相川始は特撮番組、仮面ライダーブレイドの把握が必須。

172 ◆Mti19lYchg:2022/09/02(金) 21:53:47 ID:T.tpVC8Y0
以上、投下終了です。

173 ◆Mti19lYchg:2022/09/09(金) 01:28:08 ID:wk5fwUaY0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

174井ノ上たきな&ランサー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/09(金) 01:28:39 ID:wk5fwUaY0
「あなたは本当に三国志の趙雲なんですよね?」

「もちろん! 私こそが三国志一のイケメン! 趙雲です!」

「私のイメージする趙雲とは違う気がします……」

とある部屋で少女と青年が話をしていた。

ひとりは長い黒髪の少女。彼女の名前は井ノ上たきな。この聖杯戦争の参加者である。元の世界では『DA』と呼ばれる国を守る組織に所属している。

もうひとりは長い黒髪の青年。彼の名前は趙雲子龍。たきなが召喚したランサーのサーヴァントである。

「それでマスターの願いはなんですか?」

趙雲がたきなに願いについて聞く。

「私は千束の……友達の心臓を治したいです!」

たきなは自分の願いを趙雲に伝える。

「わかりました! この三国志一のイケメン! 趙雲にお任せください!」

「た、頼りにしてます……」

友達の心臓を治したいたきなと三国志一のイケメンを自称する趙雲の聖杯戦争はどうなるのか……。


【サーヴァント】

【クラス】
ランサー

【真名】
趙雲子龍

【出典】
新解釈・三國志

【性別】
男性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力C 幸運B 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
対魔力:C
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。

【保有スキル】
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。

【宝具】
『三国志一のイケメン』
ランク:B 種別・対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:100人
彼の想いが宝具になったもの。自分が三国志一のイケメンという強い想いが宝具になり、自分の能力を上げ、敵を倒す。

【人物背景】
『新解釈・三國志』の登場人物。

『劉備』に従える『蜀』の武将。
常にモデルのようなポーズを取ったり、話すときには独特の間を取ったりする、鼻に付くイケメン武将。しかし、戦闘の実力は高い。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。マスターの願いを叶える。

【方針】
マスターに任せる。

【把握素体】
映画『新解釈・三國志』

175井ノ上たきな&ランサー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/09(金) 01:28:55 ID:wk5fwUaY0
【マスター】
井ノ上たきな

【出典】
リコリス・リコイル

【性別】
女性

【能力・技能】

『射撃』
拳銃の射撃精度が高く、相手の人体の急所をピンポイントで立て続けに撃ち抜いたり、空間を飛ぶドローンを撃ち落としたり、かなりの腕前である。

『S&W M&P9』
彼女が使う銃である。

『拘束用銃』
ワイヤーを発射して敵を拘束する。

【人物背景】
『リコリス・リコイル』の登場人物。
主人公『錦木千束』と並ぶもう一人の主人公でもある。『DA』と呼ばれる組織に所属している。

クールで真面目な性格。元は『DA』の本部に所属していたが、任務中に問題を起こしたため、『喫茶リコリコ』に左遷される。
そこで主人公『錦木千束』と出会い、バディを組むことになる。

当初は『DA』本部への復帰に執着していたが、千束との出会いもあり、考え方が変わり、笑顔も見せるようになった。

ちなみにファッションに対してはかなり無頓着である。男用のトランクスを着用してたこともある……。

参戦時期はアニメ第9話で千束をデートに誘う少し前。

【マスターとしての願い】
千束の心臓を治す。

【方針】
聖杯は手に入れる。ただ人は殺さないが、悪人には容赦しない。

【ロール】
とある学園の学生

【把握素体】
アニメ

176 ◆Mti19lYchg:2022/09/09(金) 01:29:15 ID:wk5fwUaY0
以上、投下終了です。

177 ◆Mti19lYchg:2022/09/10(土) 17:57:38 ID:canaFvJI0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

178 ◆Mti19lYchg:2022/09/10(土) 17:58:31 ID:canaFvJI0
 古びた礼拝堂の中。換気されていないのか、かび臭い匂いが充満し、舞い散る埃が高窓からの光を受けてキラキラと輝いている。
 そして、その光が照らす先には一人の青年がいた。彼が座っている長椅子は所々腐っており、少し身動きするだけでギシギシと鳴る。服には埃が積もっており、何かにこすったのか、袖に黒い汚れがついている。
 だが彼はそういったことをまるで気にする様子がなく、ただうつむくのみであった。その端整な顔はどこか憂いを帯びたような表情で、儚くも寂れた雰囲気に調和している。その様子は詩的な雰囲気を醸し出しており、まるで舞台の主演のような存在感がある。
 しかしそれは全て、彼が手元に持つ携帯ゲーム機のせいで台無しとなっていた。
『か、勘違いしないでよね! あんたがどうしてもっていうなら、付き合ってあげてもいいってだけなんだからね…///』
 礼拝堂に響き渡る、可愛らしい声。その発生源たるゲーム機の画面には、頬を染めた可愛らしい女の子のイラストが描かれていた。
「攻略完了。ふっ、落とし神たる僕の腕をもってすれば、君の心を打ちぬくことくらい造作もない…」
 彼はニヤニヤと画面を見つめ、眼鏡をくいっと直す。ふへへ、と気持ち悪い笑い声を漏らすその様は、まさにオタクと言った感じだ。
 次のヒロインの攻略に取り掛かるつもりなのか、セーブした後、いくつか前のセーブデータをロードする。
 そんな彼のもとに、黒い神父服を着た男が音を立てずに近づいてきた。
「元の世界に帰還する準備ができた。…本当にこれで良いのか」
「聖杯なんて興味はない」
 男の問いかけに、青年はゲーム画面を見ながらそっけなく返す。
「今まで必死こいて攻略したり世界を救わされたりしてようやく平穏が訪れたんだ。プレイしなくちゃいけないギャルゲーが山のように溜まっているというのに、戦争なんかしてる暇はない。…それに、僕が死んで悲しむ人がいることだしな」
 ゲーム機を持ちながらすくっと立ち上がり、尻のあたりをパンパンとはたいて埃を落とす。
「そうか。ではもうなにも言うまい。帰還ゲートはそこの扉だ。すぐにでも使用可能だから好きに使うといい」
 神父服の男は説教台の隣にある扉を指さす。
 青年はゲーム画面を見ながら歩き、扉の前に立つ。そしてドアノブに手をかけ
「いけませんわ」
 耳元で囁かれる。若い女性の声だ。
「籠の中に私を置きざりにして、ご自分だけ外へ羽ばたこうだなんて」
 青年は振り向く。
 背後にいたのは、一体の人形。全長数十センチの西洋人形が宙に浮いて、たおやかにほほ笑んでいた。
「人聞きの悪いことを言うな。僕はただ自分の元居た場所に帰るだけだ。お前に責められる筋合いはないだろ」
「ここで私と戯れるという選択肢はありませんの? 女性の絵を見るのもお人形遊びも、さして変わりはないように思えますのに」
 人形は口を動かして言葉を紡ぐ。
「私ならば、絵の中の女性と違い、貴方自身を愛することができる。聖杯も、私の力があれば必ずや貴方の手にするところとなるでしょう」
 人形は胸の前で手を合わせ、上目遣いで青年の目をみつめる。
「何度も言うように、僕には聖杯で叶えたい望みなんてない。そもそも」
 青年はゲーム画面に視線を戻す。
「三次元にだって、僕を愛してくれる人たちはいるし、僕もそいつらを…大事に思っている。ギャルゲーだけが全てというわけじゃないんだ」
「…では貴方はその方達と共に在ることを選ぶというのですか? ここで私を愛しては下さらないの?」
 人形は目を伏せて呟く。
 青年はゲーム画面の方を向きながら、しばらく沈黙する。
「お前が僕を必要としているのはわかる。けどやらなきゃ死ぬというのでもないのに、お前を攻略するようなことは…できない」
 それは決別の言葉だった。人形の願いを切り捨てる。愛する演技すらしない。自分だけ幸せになる。彼はそう言ったのだ。
 じゃあな、と青年は別れの言葉を口にする。そして今度こそドアノブを掴もうとして——失敗した。右腕が動かないのだ。
 右腕を見る。そこには何本もの白い茨が巻き付いている。

179 ◆Mti19lYchg:2022/09/10(土) 17:58:47 ID:canaFvJI0
 振り向く。人形がいる。それほど広くないはずの礼拝堂がどこまでも広くなっていて、壁が見えない。
 どうなっている。その疑問を口にするより先に悲鳴が出る。
「ぐっ、がああ!」
 痛みの発生元である右腕——茨の巻き付いていた右腕の方へ再度首を回す。
 けれど、そこには何も無かった。肩より先にあるはずの腕が無くて、地面に落ちていた。その傍らには、刃物を持った兵士の人形。
 喪失感。絶望。そういった感情が頭の中をぐるぐると回る。
「申し訳ありません。令呪を使われては少々困りますので」
 人形は先ほどと同様の笑みを浮かべた。
 ヤンデレか、と青年は混乱した頭で理解する。どうやら対応を間違えたようだ。この僕とあろうものが。
 脂汗をかきながらも、必死に思考を巡らせる。
 どうすればこの状況を打開できる。何か手はあるはずだ。とりあえず会話して、相手のパーソナリティを探って——
 ゴン、と頭の方に鈍い衝撃が走る。視界がチカチカとしながら暗くなってゆく。地に伏せる青年が最後に見たのは、目に狂気を宿して笑う、金髪の西洋人形。
「貴方には、私の苗床となって頂きますわ。直接ご助力を頂けないのは残念ですけれど、共に頑張りましょう」

180 ◆Mti19lYchg:2022/09/10(土) 17:59:04 ID:canaFvJI0
【サーヴァント】

【CLASS】
キャスター
 
【真名】
雪華綺晶
 
【出典】
ローゼンメイデン
 
【性別】

 
【ステータス】

筋力E 耐久D 敏捷D 魔力A++ 幸運B 宝具EX

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
陣地作成:EX
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。自分が支配する、固有の世界を構築することができる。

道具作成:C
魔力を帯びた器具を作成できる。
作れるのは「契約の指輪」のみ。「契約の指輪」をつけた者を疑似的なマスターにし、自身の依り代及び魔力供給源にすることができる。
 
【保有スキル】
変化:A
アストラル体になることができる。霊体化とは異なり、姿を見せたり能力を行使することができるが、現実世界への強い干渉はできない。

魔力放出:A
自身の肉体や武器に魔力を帯びさせ、ジェット噴射のように瞬間的に放出することで能力を向上させる。

【宝具】
奇しき第七の薔薇(ローザミスティカ)
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1000 最大捕捉:10000人
他者の精神に干渉する宝具。幻影を見せたり、夢の中の記憶を覗いたりするほか、相手を動揺させることで対象を昏睡状態にすることができる。その効果範囲は広大で、幻影を現実世界に浸食させて対象を偽りの世界に閉じ込めることが可能。自身が支配する世界では、絶大な力を振るうことができるが、偽りの世界であるが故に、そこで起こった出来事(生死含め)は現実世界に反映されない。また、現実世界において白薔薇を自在に操って対象を拘束できる。魔力供給ができる者(マスターなど)の精神を自分の世界に閉じ込めることで魔力の供給源に出来る(魂喰いではない)。

【weapon】
無し
 
【人物背景】
ローゼンメイデンシリーズの第7ドール。実体の無い精神だけの存在として作られた存在。右目の白薔薇は眼帯ではなく、眼窩から直接生えている。物語本編の実質のラスボスであり、最後にして最強のドールとしてドールズの前に立ちはだかる。
性格は極めて狡猾で用心深く抜け目が無く、常軌を逸しているとしか言えない猟奇的な行動を取る。一人称は『私』で、口調は丁寧だがその行動は狂気を孕んでおり、人格、思考ともに破綻しているうえにストーカーかつヤンデレ気質であるためかなりの危険人物(ドール)である。彼女が狂気に囚われている理由としては、ほかの姉妹たちがラプラスの魔に導かれ既に旅立った後に誕生した為、一人だけ取り残された彼女は、精神体の存在であるが故に帰るべき場所も手を差し伸べてくれる人物も誰1人としていなかったため、ほかの姉妹たちへの強い憧れや嫉妬、そして深い孤独感に心が支配されてしまったことが要因となっている。官能的な仕草が多く、他の姉妹たちが持ち合わせているものを全て手に入れたいという欲しがり屋さんな一面も持っている。ローゼンメイデンの中でも桁違いに強大であり、一時はドールと契約者のほとんどを壊滅状態に追い込んだ。契約者及び元契約者の精神を苗床にして活動するという力を持っており、幻覚を操る他、精神攻撃を得意としている。肉体を持つことを渇望している一方で、ローゼンメイデンの本質であるローザミスティカに対しては「必要ない」と興味を示しておらず、ローゼンメイデンの存在意義からすると異常といえる思想を持つ。最終的に、自分を認めてくれるマスターと肉体を得たため、心の闇が解消された。

181 ◆Mti19lYchg:2022/09/10(土) 17:59:23 ID:canaFvJI0
【サーヴァントとしての願い】
受肉すること。
自分を愛してくれる(ローゼンメイデンにとっての)マスターを得ること。

【方針】
聖杯を求める。そのためならば手段を選ばない。

【備考】
雪華綺晶が召喚された時期は、アニメ3期途中で、巻かなかった世界で実体を得る直前期。サーヴァントなので、その後の展開や最終巻以降の記憶も保持している。
自分が後に愛されることを知っているが、サーヴァントとして存在する自分を愛してくれる者はいないため、やはり孤独を感じている。

【マスター】
桂木桂馬

【出典】
神のみぞ知るセカイ
 
【性別】

 
【能力・技能】
分刻みでの行動を覚えていたり、数千本単位のゲームの台詞やルートを覚え言えるなど記憶力が極めて良い。相手の本心を見透かす洞察力、女神や悪魔すら出し抜く機転など、文字通り天才的な頭脳を持つ。学業においても非常に成績優秀。

【weapon】
無し
 
【人物背景】
ギャルゲーをこよなく愛する高校生。左利き。類まれなる容貌と頭脳、情熱を持つ……が、それらはもっぱらギャルゲーのスピード攻略に向けられている。
傲岸不遜な態度と授業中にもゲームに勤しむ等の日頃の行いの悪さから、高等部一の変人として中等部にも名前が知れ渡っている。クラスメイトからは「オタメガネ」「オタメガ」のあだ名で呼ばれ軽蔑されており友人はいない。また、色々とあらぬ噂を立てられている。しかし、何者に日和見することなく頑なに自らの決めた生き様を貫くその姿は強いと言える。
ひょんなことから、「女性を攻略しなければ死ぬ」という契約を結ばされ、ギャルゲーの知識を活かして攻略を進めることになる。
最後は無事全ての問題を解決し、三次元のとある女性に恋をする。
 
【マスターとしての願い】
生きて帰ること。
 
【方針】
雪華綺晶の世界から脱出する。
本選になった以上帰ることはできないので、信用できるマスターを見つけてその人物を優勝者にして元の世界に帰してもらう。
自分はギャルゲーをしたり大切な人たちと過ごせればそれで良いので、聖杯など必要ない。
 
【ロール】
高校生
 
【令呪の形・位置】
右手にある。

【把握媒体】
アニメ・漫画

【備考】
現在は幻影の世界に閉じ込められ、意識不明。
その世界で右腕を切り落とされているが、現実世界に帰還できれば右腕は復活する。

182桂木桂馬&キャスター◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/09/10(土) 17:59:53 ID:canaFvJI0
以上、投下終了です。

183 ◆Mti19lYchg:2022/09/12(月) 12:11:21 ID:gUa.B7zI0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

184ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ&アサシン ◆Mti19lYchg:2022/09/12(月) 12:12:13 ID:gUa.B7zI0
"あの子を――――レオを守ってあげてね。"

それが、ユリウスにおける唯一の生きる意義だった。


ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ。
彼はハーウェイ家のデザインベビーとして生を受けた。

――だが、彼は"失敗作"であった。
胎児の状態で期待されていた全ての能力値は低かった。
老化速度は、常人の二倍。推定個体寿命は、最長で25年しかなかった。

"無駄"。
長くは生きられないユリウスを、利益を生む余地がない個体と、廃棄された。
それでも、なお彼は生き延び、やがて対テロ部隊の隊長として生存価値を認められるようになっていた。


その中か、ユリウスにとって、いつの話だったかは覚えていない。
出来の悪い映画のようで、現実感がないとすら感じ、笑い話だと切り捨てていた。

レオの母、アリシアとの約束。
自分を唯一「失敗作」ではなく、個人として認めてくれた愛すべき人。

後継を盤石にするため、彼女はレオの父から"命令を受けた人間"の手によって暗殺された。
その彼女が、殺しにきた相手に対し、微笑みを浮かべながら交わした、たったひとつの"約束"。
忠実に守る言葉となり、叶えるべき遺志となり、いつしか彼の心の支えとなっていた。


レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ。
西欧財閥の現筆頭。ユリウスにとっては、肉親の情もない異母兄弟。
"王にさせること"が、「ハーウェイ家の一員」として果たすべき義務であり、彼の仕事であった。

ただ、王の勝利がどのような形であれ、ユリウスに関心がない。
ユリウスはレオの忠臣などではない。義務を遂行する仕事人である。
イレギュラーな天の聖杯に移ろうとも、レオが望む以上、思うことはない。

自分は勝利の礎となるのみ。
どの戦争であったとしても、――"ただ殺すのみ"、なのだ。


そして、それは召喚させたサーヴァントとも通じていた。

"――――また汚れ仕事か……まあいい。いつものことさ"

顔を隠すほどの赤頭巾を被り、鋼鉄の胴鎧を纏ったアサシン。
近代兵器を主武器に、高速の機動力を以て、合理的に仕留めていく。
無駄口を叩かず、冷徹に義務を遂行し、一切の情や願いを持ち合わせない男。


ユリウスにとって、彼はこれ以上にない仕事人であった。


■■■■■■■■■■■■■■■■■


"――――あの子達をよろしくね。"

そんな幻聴に導かれるがまま、ユリウスという男と契約線を接続させられた。

185ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ&アサシン ◆Mti19lYchg:2022/09/12(月) 12:12:48 ID:gUa.B7zI0
彼は、抑止力の代行者。
人類の"存続するべき"と願う集合無意識が生み出した防衛装置の使者。
自らが望んだ運命の果て、抑止の輪へと召し上げられた、「顔の無い正義」の一人。

個体名は、"エミヤ"。
人間だった頃の名は、"衛宮切嗣"という男であった。

(……迷惑な話だ。)

だが、この聖杯戦争に抑止力の意向はない。
なんとも傍迷惑で、なんとも身勝手な幻聴の主の仕業。
相手は何者で、何のために動かしたのかわからないまま、一方的に投げてくる。

そして、"あの子達"とは一体誰のことを指すのか、見当もつかなかった。

(筋違いじゃないか。僕の頼むのは。)

まず、自分に頼むのは「筋違い」とすら思う。
正義の味方として、世界を救うため、小を見捨ててきた。
そんな自分に、"個人を救ってほしい"など、見当違いも甚だしい。

(関係はない。――――僕にやれることは、掃除ぐらいなものさ。)

彼は、サーヴァントの義務だけを果たすのみ。
マスターの事情なんて知ったことでなく、聞きたいとも思っていない。
戦いの行方に対しても、マスターに対しても、救ってほしい誰かにも、何の関心もない。


そして彼は、銃弾を装填した。

186ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ&アサシン ◆Mti19lYchg:2022/09/12(月) 12:13:10 ID:gUa.B7zI0
【クラス】
アサシン

【真名】
エミヤ〔アサシン〕

【出典】
Fate/Grand Order

【性別】


【ステータス】
筋力D 耐久C 敏捷A+ 魔力C 幸運EX(E) 宝具

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
気配遮断:A+
自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

単独行動:A
単身での行動に生前から慣れていた彼に与えられたスキル。マスターからの魔力供給がなくとも、最大で一週間程度の現界が可能となる。

【保有スキル】
魔術:B
魔術を習得している。翻って、魔術を知るが故に魔術師を殺す術に長けている。本スキルのランクは、本来であればキャスターとの戦闘時には各種判定のボーナスとして働く。

スケープゴート:C
戦場を生き抜く狡猾なテクニックの集合。生贄、身代りとしての意味を持つ。

聖杯の寵愛:A++
何処かの時代の聖杯に、彼は深く愛されている。その愛は世界最高の呪いにも等しい。
本スキルの存在によって、彼の幸運ランクは跳ね上げられている。
特定の条件なくしては突破できない敵サーヴァントの能力さえ突破可能。
ただしこの幸運は、他者の幸福を無慈悲に奪う。
本来ならば、聖杯から囁きかけられる「声」は彼の耳に届かないものだが、聖杯との縁を持つ上級NPCなどの存在からか、影響力も上昇し、稀に耳にしてしまう。

【宝具】
『時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:1人
自身の時間流を操作する能力。
生前の彼が有していた能力「固有時制御(タイムアルター)」を基礎としている。
時間流の加速によって高速攻撃や移動を行い、減速によってバイオリズムを停滞させて隠行を行うのが「固有時制御」の運用方法である。

宝具として昇華されたこの力により、彼は対人戦において無敵とも呼べる超連続攻撃を可能とする。
また宝具化された影響なのか、世界のバックアップを受けているのかは不明だが、解除時に世界の修正力を受けるデメリットがなくなっている。

『神秘轢断(ファンタズム・パニッシュメント)』
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:0〜2 最大捕捉:1人
自身の起源である「切断」「結合」の二重属性の力が具現・カタチにしたもの。 その力が込められているナイフ。
生前使用していた礼装魔弾「起源弾」と同様、魔術回路ないし魔術刻印、或いははそれに似たモノを体内に有する相手に対して致命的なダメージを与える

【weapon】
「補助兵器」
キャレコM950やトンプソン・コンテンダー、閃光弾といったものを用いる。

【人物背景】
抑止力の代行者となった衛宮切嗣。
正史と異なり、「アインツベルン」が部外者を必要とする戦略を行使しなかったことで、出会うはずだった妻と出会わなかった。
故に妻との離別もなく、離別による挫折もなかったため、最後まで「正義の味方」を辞められず、死後も安息と救いを求めることもなく、自ら抑止力の一部となった。

異なる世界で何の面識もないため、彼にとって、衛宮切嗣を知る者の多くは"他人"の関係。
ただ、何故かはわからない複雑な感情が湧き上がってしまう。

なお、正しい人類史には存在せず、彼が召喚されたのはあらゆる次元が交差する「天の聖杯」の影響。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。ただサーヴァントとして義務を遂行するのみ。

【方針】
情報収集、暗殺、破壊工作と裏方に徹する。
目的のために手段は選ばないが、あくまで義務の範疇。

【把握媒体】
「Fate/Grand Order」など。

187ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ&アサシン ◆Mti19lYchg:2022/09/12(月) 12:13:28 ID:gUa.B7zI0
【マスター】
ユリウス・ベルキスク・ハーヴェイ

【出典】
Fate/EXTRA

【性別】


【能力・技能】
ハーウェイの暗殺者として優れた経験と技量を持つ。
隠密行動に長けており、生半可な監視なら容易に掻い潜れる。

【weapon】
封印や回復といった補助用のコードキャストを所有。
銃器やナイフといった暗殺用の道具を所持している。

【人物背景】
西欧財閥直轄の組織に所属する殺し屋。
西欧財閥の筆頭であるレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイとは異母兄弟に当たるが、互いに肉親の情はない。

デザインベビーの失敗作として生を受けた経緯があり、「利益を生まない」として廃棄されてきた。
生き延びたいという執念で、対テロ部隊の隊長にまで登り詰め、ハーウェイに敵対する勢力達の掃討・鎮圧する暗殺者として知れ渡る存在となっていった。

生存価値もなく、「レオを勝利させる」という義務感のためだけに生きているため、人間性を捨てた冷徹非情な人物として映る。
しかし、根は完全に人間性を捨ててはおらず、友として信頼した者には情も厚い。

【マスターとしての願い】
レオの勝利。それ以外は求めていない。

【方針】
レオ陣営とは同盟を組んでおり、意向・補助に従事する。
傍ら、レオの勝利にとって弊害となり得るマスター達を排除していく。

【ロール】
D-4地区黒いビルの大企業に属するエージェント。

【把握媒体】
「Fate/EXTRA」など。

188 ◆Mti19lYchg:2022/09/12(月) 12:13:54 ID:gUa.B7zI0
以上、投下終了です。

189 ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:45:26 ID:jZhpFb6Y0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

190オネスト&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:45:53 ID:jZhpFb6Y0
 高価な調度品が所狭しと置かれた、悪趣味な部屋の中。でっぷりと太った壮年の男が、長く伸びた白いひげをいじりながら、金ぴかの装飾が施された椅子に深く座っている。彼の正面には、白いスク水を着た女が身動き一つせず立っており、男の方を無感動に見つめる。
「私は元居た世界で大臣を務めており、逆賊を処刑したりして懸命に皇帝のため、国のために尽くしてきたのですが…それを理解できぬ愚民どもが帝国を滅ぼし、私も奴らの手で惨たらしく殺されました。私がここの世界で目覚めた時、そのときの苦しみを思い出して失神してしまった程度には恐ろしい体験でしたとも」
 男は両手を挙げ、肩をすくめながら口角を上げる。
「ですが私は今、あなたという仕えるべき新たな主を得た。あなたは今まで見てきたどの人間よりも優れた、王としての資質をお持ちでいらっしゃる。このような偉大なお方の覇道を隣で支えられるとはなんたる幸運! 聖杯からはマスターという身分を与えられてはおりますが、このオネスト、家臣として粉骨砕身の意気でご助力致しますぞ」
 オネストは立ち上がり、女の一歩手前まで進みそのまま跪く。
 女はその背中を、ぼうっとした様子で見下ろす。そして口を開いた。
「わたしがリーダーとしてオネストを上手く使う。他の参加者は力で屈服させて従わせるか、殺す。手にした聖杯の力は全てわたしのもの。オネストには、それまでの働き次第で褒美を取らせる。これでいい?」
「ええ、それでよろしいかと」
 オネストは頭を上げ、にこりと笑う。
 だが内心は。
(馬鹿が! あなたから王の資質なぞ全く感じませんよ。こういうタイプは王だリーダーだと褒めそやしておけば、簡単に操れる。あなたから感じるのは、せいぜい思い通りに動く使い捨ての駒の資質といったところでしょうか。サーヴァント(奴隷)の名にピッタリですねぇ! ふひゃっ、ふひひっ、ぷっくくく、ぎゃはははは!! 駄目だ、笑いが、笑いが止まらないぃ! 笑っているのを見られるわけにはいかないのに! 私がこいつをバカにしていることがバレてしまうぅ!)
 オネストは暴れる表情筋を必死に抑え、喉から飛び出る笑い声を鎮めて穏やかな顔を張り付ける。
(とはいえ。このサーヴァントは人殺しに躊躇はないタイプのようですし、そのあたりは本当にありがたいですねぇ)
 オネストは女の澱んだ目を見る。
(この聖杯戦争、私はどう動きましょうか。できるだけ不幸をばらまいて、血と肉躍る地獄絵図としゃれこみたいところですなぁ!)


【サーヴァント】

【CLASS】
ランサー


【真名】
スイムスイム


【出典】
魔法少女育成計画


【性別】



【ステータス】

筋力D 耐久B 敏捷D 魔力C 幸運C 宝具A

【属性】
混沌・善

191オネスト&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:46:14 ID:jZhpFb6Y0
【クラス別能力】
対魔力:C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

【保有スキル】
カリスマ:E
国を統率はできても、兵の士気が極端に下がる。ただし、一軍を率いる将官程度の役職であれば、天賦の才と言えるランクである。

心眼(真):C
修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

【宝具】
透潜万中(スイミング・マジック)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:無し  最大捕捉:無し
自分の体を物質透過出来るようにする能力。発動するとあらゆるモノを泳ぐが如くすり抜けられるようになる。スイムスイムがモノと認識したあらゆる物体を透過でき、地面・壁・置物はもちろん相手の攻撃や防御まで通り抜けられる。ただし光・音・衝撃波は透過不可能。また、透過中は自分のコスチューム以外の物体を携行することができない。


【weapon】
『ルーラ』
薙刀に似た武器。スイムスイムのコスチュームの一部で、能力使用中も携行できる。非常に頑丈で、壊れることはまずあり得ない。名前はスイムスイムが心酔する人物の名からとられた。

【人物背景】
本来の姿は小学1年生の7歳と非常に幼い。そのためニンジンが苦手だったり漢字が読めなかったりと年相応な面も見せる。
同じ魔法少女であり所属するチームのリーダーであるルーラの事を、狂信的なほどに崇拝しており、彼女に理想の女性像を抱き「憧れていたお姫様」だと思っている。
そんな中、ある出来事をきっかけに自分が「憧れていたお姫様」になることを目指し始めるのだが、その中で彼女はルーラを殺すことを思いつき、謀殺。所属するチームのリーダーの座に収まった。
リーダーとなってからはルーラのやり方を”自分なりの解釈で”踏襲する。その踏襲ぶりは徹底しており、ルーラの生前の発言を実行するためならば、大事に思っている仲間さえも殺害する。
冷静で高い戦術眼を持っており、殺人に躊躇がない。そのため魔法少女同士の戦いの中で、彼女の率いるチームは多くの魔法少女を殺害できた。しかしその過程で恨みを買い、殺害される。


【サーヴァントとしての願い】
ルーラと同等かそれ以上のリーダーになる。


【方針】
聖杯のためなら、残虐なこともする。
生前のルーラの言葉には絶対に従う。いかなる場合でも例外は無い。

192オネスト&ランサー◇DUsgYayewA ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:46:32 ID:jZhpFb6Y0
【マスター】
オネスト
 
【出典】
アカメが斬る!
 
【性別】

 
【能力・技能】
その太った肉体は本人の異常なほど念の入った暗殺対策の賜物であり、若い頃に皇拳寺で積んだ壮絶な修行と特殊な鍛錬法によって筋肉と脂肪を天然の鎧とすることに成功しており、並みの人間なら致命打となるレベルの重傷でも普通に動き回れるほどの頑強さと生命力を有している。拳法の腕前も超一流である。
 
【weapon】
帝具「絶対制限・イレイストーン」
 帝具であるならば発動と同時に問答無用で破壊・無効化してしまえる力を持つ宝石型のアンチ帝具だが、一度使用すると一週間は再使用不可能になる。帝具以外に使用することはできない。

【人物背景】
柔らかい物腰に常に敬語で接する温厚そうな人物だが、それは表面上の振る舞いに過ぎない。
その実若い頃から自らの権力と権勢をどこまでも高め、世界さえ好き放題にしたいと本気で考えていたほどの利己主義と強欲の権化のような野心家であり、目的のためには手段を選ばない。
自身の歪んだ権力欲・支配欲を満たせるなら民がどれほど苦しもうとも蚊ほども気に掛けないどころか、むしろその状態の方が都合がいいとばかりに敢えてそうなるよう仕向け、あまつさえそれをメシウマで眺めてしまえる、残虐・冷酷な悪辣の極みを行くド外道。
それでいて自身の性格や行為の悪性をよく自覚しているので、権力の維持や保身に関する対策・行動は異様なほどに徹底しており、種々の謀略を張り巡らせつつ利用できるものは何でも利用し、邪魔者は見せしめも兼ねて惨たらしく殺してから排除する。
また、「若い内はひたすら研鑽を積むべし」という努力家の一面を有し、自身も野心を果たすために、ひたすら知識・肉体両面を鍛えながら下地作りに奔走する若年時代を過ごした。
最後は反乱軍によって惨たらしく処刑された。
 

【マスターとしての願い】
聖杯を手に入れ、世界を手中に収める。
 
【方針】
聖杯を手に入れるためならば手段を選ばない。
できるだけ残虐なことをして、気持ちよく優勝したい。
 
【ロール】
パラディウム・シティ議会の議長
 
【把握媒体】
アニメ・漫画

193 ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:47:00 ID:jZhpFb6Y0
以上、投下終了です。続けて投下します。

194クルミ&セイバー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:48:21 ID:jZhpFb6Y0
「無理です!? 戦とか絶対無理!?」

「お前はサーヴァントなんだろう!!」

「俺は喋る係だから! 風林火山の「山」担当だから!」

「お前は本当に三国志の劉備なのか……」

とある部屋で少女と男性が喧嘩をしていた。

ひとりは長い金髪の少女。彼女の名前クルミ。
この聖杯戦争の参加者である。元の世界では天才ハッカーとして活動している。

もうひとりの黒髪の男性の名前は劉備玄徳。
クルミが召喚したセイバーのサーヴァントである。

「そもそも戦うのは関羽や張飛の係だから! 俺は喋る係だから! 戦とか絶対に無理!?」

「それなら召喚に応じるな!! 」

さて、この二人の聖杯戦争はどうなるのか……。


【サーヴァント】

【クラス】
セイバー

【真名】
劉備玄徳

【出典】
新解釈・三國志

【性別】
男性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力C 幸運B 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。

騎乗:B
騎乗の才覚。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。魔獣や聖獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。

【宝具】

『桃園の誓い』
ランク:A 対軍宝具 レンジ:1〜100人 最大補足:1000人
彼が『関羽』と『張飛』と義兄弟の誓いをした逸話が宝具になったもの。義兄弟の『関羽』と『張飛』を召喚し、3人で敵をを殲滅する。自分の能力も一時的に上げる。

【人物背景】
『新解釈・三國志』の主人公。

『蜀』の君主。戦嫌いの小心者で、さらにわがままで面倒臭がりという、武人らしくない人間性だが、酒に酔うとカリスマ性が溢れる立派な武人に豹変する。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。できれば戦いたくない。

【方針】
マスターに任せる。

【把握素体】
映画『新解釈・三國志』

195クルミ&セイバー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:48:37 ID:jZhpFb6Y0
【マスター】
クルミ

【出典】
リコリス・リコイル

【性別】
女性

【能力・技能】

『ハッキング』
彼女の腕前ならどんなセキュリティもハッキングできてしまう。

『ドローン』
彼女が情報収集に使うドローン。

【人物背景】
『リコリス・リコイル』の登場人物。

国籍・年齢が不明な少女。その正体は、最強のハッカー『ウォールナット』である。

同僚のハッカー『ロボ太』の裏切りにより
命を狙われるが、主人公『錦木千束』たちに助けてもらい、自分は死んだことにして、
千束たちにのもとに身を寄せる。

仲間になってからは千束たちの任命にも協力している。

参戦時期は『井ノ上たきな』が千束をデートに誘う少し前。

【マスターとしての願い】
千束の心臓を治す。

【方針】
人は殺さないが、聖杯は手に入れる。

【ロール】
とある学園の生徒。

【把握素体】
アニメ

196 ◆Mti19lYchg:2022/09/14(水) 17:48:55 ID:jZhpFb6Y0
以上、投下終了です。

197 ◆Mti19lYchg:2022/09/22(木) 10:36:46 ID:KZtx3QWs0
こちらでは本スレの方に2ヶ月近く投下がありません。
何が原因なのか恥を忍んで是非お教え願います。

198◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:31:19 ID:???0
本スレであるこちらに直接投下させていただきます。
何か不都合がございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

199◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:36:43 ID:???0
「ここは……、私天国にいるの……?」
見渡す限りに満点の星で埋め尽くされた宇宙のような空間の中で銀色の瞳に毛先が紅い黒髪のショートヘア、そして真紅のマントが特徴的な少女、ルビー・ローズは自らの現状に戸惑いの声をあげていた。

彼女はアトラスとマントルの市民をヴァキュオに逃がすために仲間たちと共に避難中継地にて市民の避難誘導を行っていたところ、突如として強襲してきたシンダー・フォール及びニオポリタンと交戦し、シンダーの手によって奈落の底に落とされたはずなのだ。

避難中継地に向かう前、中継地を創造した創造の杖の精、アンブロシウスはルビーにこう警告した。
『決して落ちてはならない』

あの警告は『落ちたら死ぬ』という意味だと思っていた。実際通路の下は底の見えない深い闇しかなかった。普通に考えれば人間は一定以上の高さから転落すれば地面に激突した瞬間にその衝撃で死ぬ。ましてやルビーは直前の戦いで自分の身を守るオーラを失っている状態なのだ。だからシンダーによって奈落の底に落とされた時、彼女は自身が死んだと思ったのだ。

「安心したまえ、ここは天国ではない。これから行われるのは万能の願望器『聖杯』を求めて戦いあう『聖杯戦争』、その予選が行われる空間だ」
「!?っだ、誰っ!?」
その時ルビーの耳に見知らぬ男性の声が聞こえてきた。ルビーは驚いて辺りを見回すが声の主の姿を見ることは出来ない。
「自己紹介は後でいいだろう。君がこの聖杯戦争に呼ばれた理由は一つ、君が自らの意思で『星晶石』を受け取ったからだ。」
「『星晶石』?一体どういう……?っあ!?それってもしかして!?」
彼女は避難中継地において市民の避難誘導を行っていた際、ある一人の女性と出会っていたことを思い出した。

その女性は緑色のウェーブがかかった髪に左目を隠している前髪のひと房が紫色をしていた印象的な姿をしていた。
ルビーは彼女から「持っていればいいことがある」と言われ虹色に輝く金平糖のような形状の石を3つ差し出されたのだ。ルビーも最初受け取るかどうか悩んだのだが「お礼はいいから」と言われたので好意に甘えてその石を受け取ったのだ。その直後のシンダーの襲撃による混乱でルビーは女性のことをすっかり忘れてしまっていたのだが今にして思えばあの時受け取った石が男の言う『星晶石』なのであろうことを察する。

「……とりあえず一つ聞きたいんだけど『聖杯』って何?」
ルビーは警戒心を抱きつつも姿の見えぬ男に対して質問を投げかける。
「先ほど言った通り、あらゆる者のあらゆる願いを叶えることができる代物だ。君の手に舞い戻った腰の武器も聖杯の力の一端の一つだよ。」
「『舞い戻った』ってどういう……っあ!?」
ルビーは自身の腰に目をやると信じられない光景が目に入った。
何故なら彼女の腰には奈落の底に落とされる直前、ニオポリタンとの戦闘で奈落の底に落とされて失ったはずの愛用武器、『クレセント・ローズ』が装着されていたのだ。
最初は男の話に対してルビーは半信半疑であったのだが失われたはずの愛武器が自分の手に舞い戻った事実を見て、男の話が虚偽ではなく真実なのではと感じ始める。
「……それで、私はどうすればいいの?」
だがルビーは男のことを完全に信用したわけでは無い。ルビーは未だ警戒心を抱きつつも男に次の説明を求める。
「先ほども言った通り君にはこれから予選を受けてもらう。君の両手にはそれぞれ端末と君の代闘士となる古今東西の英雄の写し身『サーヴァント』を召喚するために必要なカード『セイントグラフ』があるだろう?端末で使える地図機能で、表示された場所まで進んでくれたまえ」

 ◇ ◇ ◇

200◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:38:58 ID:???0
ルビーは最初、男の言っていることは何かの罠だと思ったのだが取り敢えず他に何をしたらいいのか分からない以上、従うしかないという結論に達し、地図アプリを頼りに指示された場所へ向かう。
やがて目的地にたどり着くとルビーの目の前に円形の魔法陣が描き出され、そこから黒い人型の影のようなものが現れる。

「!?……まさかこいつ、グリム!?」
ルビーは目の前の人型の影を見て、その影が彼女とその仲間たちが元の世界で戦っている敵、破壊の獣『グリム』だと考えた。だがその考えはまたしても聞こえてきた男の声によって即座に否定される。

「違うな、そいつはグリムではない。そいつは『シャドウ』というサーヴァントのなり損ないだ。彼を倒せば、君は晴れて予選突破となる。」
「グリムじゃないって……それってどういうこと!?」
ルビーは声の主に問いただすが声の主はそれを意に介さず言葉を続ける。
「もっとも君に敵意を持って襲いかかって来るという点においてはそいつも君が元の世界で戦った『グリム』と同じと言えるが。ああ、そうそう、一つ忠告しておくが自分一人でそいつを倒そうと思わないほうがいい。シャドウは生身の人間では絶対に倒せない。だが打ち倒すための鍵は既に君の中にある。私から君に与えられるヒントは以上だ。」
「ちょっと!まだあなたには聞きたいことが!!」
ルビーは叫ぶが男の声が再び聞こえることはなかった。

「ああ、もう!!」
ルビーは憤るが兎に角今は目の前の危機を乗り越えなければ話は始まらない。ルビーは腰に装着したクレセント・ローズを手に取ると収納形態から小銃形態へと変形させ、そのまま銃口を目の前の影の頭部と思われる部位に向けて引き金を引く。
発射された銃弾はシャドウの頭部を吹き飛ばすがシャドウは吹き飛ばされた頭部を再構成すると何事もなかったかのように向かってくる。
「銃弾は効かない……なら、これならどう!」

銃弾は効かないと判断するや否や、ルビーはクレセント・ローズを小銃形態から大鎌形態へと変形させ、自らのセンブランス―――『ペダル・バースト』を発動してシャドウに急接近しクレセント・ローズを振りかぶると大鎌の刃をシャドウの首めがけて振り抜き、その首を一太刀で跳ね飛ばす。だが結果は先ほどと同じであった。
分断されたシャドウの首が元の体に戻ると元の形に戻るように組み合わさり、そのまま何事もなかったかのように手に持った剣を振るう。
「そんな、銃撃も斬撃も効かないなんて……きゃあ!?」
自らの攻撃が効かなかったことによる動揺で反応が遅れたルビーはシャドウが振るった剣によって自らの手にある武器、クレセント・ローズを弾き飛ばされる。

「くっ……」
自らの武器を失ったルビーはセンブランスを発動して後ろに後退しようとするがシャドウは先ほど以上のスピードでルビーに追いすがると剣を振るいながらルビーを仕留めようとする。
(銃撃も斬撃も効かない……一体どうしたら……)
ルビーは敵の攻撃を躱しながら目の前の敵をどうすれば倒せるのか思案していた。

先ほどの男の声は「自分一人の力ではそいつを倒せない」と言っていた。
それは実力的な問題ではなく自分自身の力だけでは『物理的に』倒すこと自体が出来ないという意味だったのではとルビーは考えていた。
それなら先ほどの再生能力にも説明がつくとルビーは考えていた。

だがそれが分かったところでどうすればいいかルビーの中では答えを見いだせずにいた。
ルビーは武器も無い丸腰の状態ではただの非力な少女だ。素手による攻撃を仕掛けた所で相手にダメージを与えるどころか足止めすることすら出来ないであろうということはルビーは過去の経験から痛いほど理解していた。
先ほどの男の声は「打ち倒すための鍵は既に君の中にある」と言っていたが目の前の敵がグリムではない以上、『銀の眼』の力で目の前の敵を倒せるとは思えなかった。
敵の攻撃を回避しながらこの状況を打破する手段を必死に考えていたルビーであったがやがてそれにも限界が訪れる。

201◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:40:20 ID:???0
「!?しまっ……」

攻撃を回避した際、ルビーは体のバランスを崩してしまい、尻餅をつく形で転倒してしまう。そしてシャドウはルビーに立ち上がらせる猶予を与えることもなく、そのままルビーの頭上に剣を振り下ろそうとする。

(ああ……私、ここで死んじゃうんだ……死んだら、大好きなママの所に行くのかなあ……)

ルビーは自身に迫りくる剣を見ながら、不思議と遅く感じられる時間の中で、今は亡き母、サマー・ローズのことを思い起こしながら自らの死を受け入れようとしていた。だが、

『しっかりしなさい!ルビー!!』

……え?ワイス?

『こんなところで諦めてどうするんです!?あなたはいつだってどんな時でも諦めずに前に進み続けてきたでしょう!?それなのに今更諦めて全てを投げ出すなんてこの私が許しませんわよ!?』

……ああ、そうだ。危うく諦めるところだった。ワイスは今でも避難中継地でペニーと一緒にシンダーと戦っている。ブレイクとヤンだって自分がこうして生きているんだからきっと今でも何処かで生きているはずだ。それなのに自分がここで諦めてどうするのか。ここで諦めたらチームRWBYの皆にも天国の母親にも申し訳が立たないだろう。だから今ここにいないワイスが私の目を覚まさせてくれたのだ。それに……

「……私はまだ、ここで諦めたくない!!」

ルビーが心の中の感情を爆発させた瞬間、握っていたカード「セイントグラフ」が宙を舞うと光を発し、無地の面に絵が浮かび上がった。

その光にシャドウは攻撃を中断して後方へ下がる。
光が消え去った後、そこには人型の姿をした存在がそこにはいた。
いや、体形こそ人間に酷似していたもののその存在は誰が見ても人ならざる人外の存在だと分かる姿をしていた。
体は青緑色の体色をしており頭部には鹿の角のようなものが生え、吊り上がった眼は複雑な配色をしており手足はすらりと細長く、翼のような形状の巨大な耳を持ちキツネのような尻尾を持っていた。体の大きさこそ人間とほとんど変わりがなかったものの、ルビーはその存在からただならぬ力を感じ取っていた。
だが、サーヴァントのなり損ないであり、本能や理性を持たないシャドウはそれに構うことなく呼び出されたその存在に襲いかかった。
が_____

『雑魚が』
一瞬だった。
その存在は手に持った槍で襲いかかってきたシャドウを切り払うとシャドウの上半身と下半身は両断され、シャドウは断末魔を上げる事すら叶わず塵に帰る。

ルビーは尻餅を着きながらその光景をただ見ていることしか出来なかった。

(すごい……今の攻撃、私には見えなかった。一体こいつ、何者なの……?)

ルビーが思案しているとその存在はルビーの方に振り向き、ルビーを観察するかのようにじっと見下ろす。

(でも私を助けてくれたんだし、取り敢えず私の味方ってことでいいんだよね?挨拶しないと……)

そう思いながらルビーが立ち上がろうとした瞬間、急にルビーの頭の中に思念が流れ込んでくる。

『我の名はフェクト・エフィリス。ランサーのサーヴァントだ。問おう。小娘よ、貴様が我のマスターか?』


 ◇ ◇ ◇

202◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:41:37 ID:???0
ルビー・ローズとフェクト・エフィリスはいつの間にか教会の礼拝堂らしき場所へ転送されていた。因みにルビーは転送される前にクレセント・ローズをしっかり回収していた。

「ようこそ、見事試練を乗り越えた聖杯戦争のマスターよ。私は言峰綺礼。この聖杯戦争の監督役を務めている」

突如としてルビーの耳に『予選』の空間に呼ばれた時に聞こえてきた声と同じ声が聞こえてくる。ルビーが驚いて声が聞こえてきた方向を向くとそこには背の高い神父のような服装をした男がいた。

「……あなたが私に最初に話しかけてきた声の主?」

ルビーは警戒しながらも言峰と名乗った男に対し問いかける。

「まあ、そう警戒しなくてもいい。私はあくまで中立の立場だ。そちらから危害を加えてこない限り、こちらも危害を加えるつもりはない。」
「……」

ルビーは未だ言峰に対する警戒を解く気はなかったが、彼がこちらに危害を加える気がないということが分かったのと取り敢えず彼の話を聞かなければ話が進まないと感じ、彼の話を聞くことにする。

ルビーは言峰から聖杯戦争のルールについて一通り教わった。

聖杯によって選ばれた(今回の場合は星晶石が招待状)参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。

「……つまりどんな願いでも叶える物体のようなものがあってそれを巡って最後の一組になるまで殺しあえと。」
「ほう、随分と物分かりがいいな。大抵のマスターは荒唐無稽と一笑に付すか、何かの冗談か詐欺だと言い出すものなのだが。」

ルビーは半信半疑ながらも、聖杯の話を「有り得ない」と一笑に付さなかったのには理由があった。
ルビーの故郷であるレムナントにはそれぞれ「知識のランプ」「創造の杖」「破壊の剣」「選択の王冠」と呼ばれる4つの聖遺物が存在していた。
「破壊の剣」と「選択の王冠」についてはどのような効果を発揮するのか分からないものの、「知識のランプ」の力で常人には決して知りえることの出来ないオズピンとセイラムの大昔の過去を知ることが出来、「創造の杖」の力でアトラスとマントルの市民を避難させるための異次元空間を創造することが出来、ルビー自身もそれらのレリックの凄まじい性能を直に目にしてきた。
更に4つのレリックをすべて集めるとレムナントを創造した光の神と闇の神を召喚することが出来、セイラム達闇の勢力はそれを狙って活動しているということをルビーはオズピンから聞かされていた。
レリックは活用するためには条件や制約も多く、一つ一つは言峰の語る聖杯には及ばない力しかないものの、レリックの存在や力を知っているルビーにとって聖杯の話を「有り得ない」の一言で片づけることは出来なかったのだ。

だがその上でルビーはある一つの結論に達する。

「……申し訳ありませんが私は聖杯戦争は辞退します。」
「……ほう、それは何故だね?」

言峰は不思議そうにルビーに問いかける。

ルビーは今回の聖杯戦争に呼ばれる直前、セイラムの脅威から人々を救うという名目で手段を選ばなくなっていったアイアンウッドの暴走を思い出していた。

彼は元々自分の考えが絶対という一面もあったのだがセイラムの脅威を目の当たりにしてからは手段すら選ばなくなっていき、セイラムから逃げるためマントルの人々を見捨てて創造の杖の力でアトラスをセイラムの手の届かない大気圏上空まで飛ばそうとする、創造の杖を手に入れるために女神ウィンターに選ばれたペニーにウイルスを仕込んで無理やり封印を解放させようとする、失敗したと分かればペニーが戻らなければマントルに爆弾を落として人々を虐殺すると脅すなど自分が守ろうとする人々のためにそれ以外を切り捨てようとし、それを実現するためには非人道的な策すら躊躇せず実行する彼の暴走のことを思い出していた。


仮にセイラムを倒すために自身とそのパートナーであるサーヴァント以外の全てのマスターとサーヴァントの血で自らの手を汚し、手に入れた聖杯の力でセイラムを倒したとしてもそれでワイスもブレイクもヤンもそれを喜ぶのであろうか?

そんなことに手を汚したが最後、自分たちが散々否定したアイアンウッドと何も変わらなくなってしまうことにルビーは気づいていた。

203◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:43:16 ID:???0
「私は自身の目的のために手段を選ばず、他者を平気で切り捨てる人を見てきました。聖杯で願いを叶えるなんてその人のやったことと何も変わらないし私はそんなことをしたくありません。私を元の世界に帰してくれればそれで十分です。」
ルビーは銀の瞳で言峰を真っ直ぐ見つめ、はっきりと答える。
「では、君はこの聖杯戦争から離脱するということで構わないか?」
 綺礼は目を細め、心なしかつまらなさそうな口調で決定を促す。
ルビーが口を開こうとしたその時だった。

『待て』
突如、二人の会話に割って入る者がいた。
それはこれまでルビーと言峰のやり取りに対し、沈黙を守っていたランサーのサーヴァント、フェクト・エフィリスであった。
「何かね?ランサー。」
会話に割って入ってきたエフィリスに対し、言峰は要件を聞く。
『我はそこの小娘に用がある。貴様は口を挟むな。』
「……いいだろう。」
エフィリスの言葉に言峰は後ろに下がり、エフィリスはルビーの正面に立つ。

『おい、小娘。』
「小娘じゃないよ。私には『ルビー・ローズ』っていう名前があるの。」
エフィリスの威圧的な思念にルビーは動じることもなく、しっかりと目を見据えながら言う。
『聖杯戦争への辞退は我が許さぬ。貴様には何が何でも我のマスターとして参加してもらう。』
「どうして?決めるのは貴方じゃなくて私のはずだけど?」
ルビーの問いに対してエフィリスは自らの目的を語る。
『我には聖杯に叶えてもらう願いがあるのだ……』
エフィリスは拳を握りしめながら言う。
『我の願いは受肉……、それもただの受肉ではない。我から分かれた『片割れ』無しでも維持できる全盛期の完全な体による受肉、それこそが我が聖杯にかける願いだ……』
「……」

ルビーはエフィリスの話を聞きながら、言峰から聞かされたサーヴァントについての話を思い出していた。
サーヴァントは生きている存在ではなく、死んだ存在が『座』と呼ばれる場所から現世に召喚された言わば幽霊みたいな存在であるということ。
そして聖杯戦争で召喚されるサーヴァントには聖杯に自らの願いを叶えてもらうためにマスターに協力する者も多く、そのサーヴァントの中には「自らの受肉」を目的とした者も多くいると言峰は言っていた。
だがそれでもルビーは納得できたわけでは無かった。エフィリスが何が目的で『受肉』を望むのかが分からないからだ。それにエフィリスが言っていた『片割れ』が何なのかについてもルビーは気になっていた。

「……だったら聞かせて。あなたは受肉して一体何がしたいの?それに『片割れ』って?」
『……』
エフィリスは暫し考えたがやがて意を決したかのように語りだす。
『……我には復讐したい相手がいるのだ。』
「……あなたに一体何があったの?」
ルビーはエフィリスの怒りと憎しみに満ちた表情からその相手に相当な強い怨みを持っていることを察する。そしてエフィリスはルビーに自身の過去を語り始めた。

かつてとある一つの星に降り立った際にその星の原住民が組織した研究対策チームに捕えられ、研究材料とされたこと。それから30年後に実験中の事故により自身の片割れである『ID-F87』フェクト・エフィリンが自身から分離し、施設から脱走したこと。それにより活動停止に追い込まれ、研究材料としての価値もないと判断された原住民により観光客相手の見世物とされたこと。やがて原住民たちが研究成果から手に入れた惑星間ワープ技術を使って、自身を置き去りにして遠い星に旅立っていったこと。
その後長い年月をかけ、ようやく片割れであるフェクト・エフィリンを取り戻したものの、ピンクの邪魔者『星のカービィ』によってフェクト・エフィリンを奪い返され、戦いの末に『星のカービィ』によって倒されたこと。

それら全てを、エフィリスはルビーに語って見せた。
『我は復讐をしたいのだ。我を捕え、見世物にし、あまつさえ置き去りにした憎き原住民どもと我の計画を台無しにした憎き『星のカービィ』にな。あの時は片割れの抵抗と奪取が原因で敗北したが今度はそうはいかぬ。聖杯によって片割れなど必要ない完全な体を手に入れ、奴らがどこにいようと必ず見つけ出し、今度こそ復讐を遂げて見せよう……』
「……」
ルビーはエフィリスの話を聞き、彼からアダムやシンダー、ニオと同じ匂いを感じていた。
シンダーはビーコン陥落の際に自身の銀の眼の暴走により重傷を負ってから、ニオは同じくビーコン陥落の際、彼女のパートナーであるローマン・トーチウィックを殺したと思いこまされてから、復讐のために二人から命を狙われていた。
この聖杯戦争に呼ばれる直前にも避難中継地にて二人から襲撃を受け、危うく殺されそうになったりもした。

204◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:45:48 ID:???0
アダムに関しては彼に直接会ったことはなく、チームメンバーで彼と深い因縁があったブレイク・ベラドンナから話を聞いただけだが、彼はブレイクに強い執着心を見せ、自らの元から離れたブレイクに対する強い逆恨みから自身の姉でブレイクのパートナーであったヤン・シャオロンの腕を切り落とし、ホワイトファングの指導者の地位を失った後、はるばる遠くのアーガスまでブレイクを追跡してブレイクに襲いかかってきたことをルビーはブレイクとヤンに聞かされていた。
ルビーはエフィリスを捕え、研究材料にし、見世物にした原住民とエフィリスと戦った『星のカービィ』の人となりがどのようなものなのかを知っているわけでは無い(人ではないかもしれないが)。
しかし彼の語る『復讐』がアダムやシンダーやニオと同じ『逆恨み』からくるものではないかとルビーは感じ取っていた。
そう思ったルビーは一つの結論を導き出す。

「……悪いけど私はあなたとは組めない。」
『……何だと?』
ルビーはエフィリスの目を見据え、はっきりと言い放つ。
「私は原住民の人たちやカービィがどんな人だったのかは知らない。でも私は逆恨みで復讐をしようとしている人を知っているしあなたからは彼らと同じ匂いがする。私は逆恨みの復讐に加担することは出来ない。」
『そうか……』
エフィリスは目を閉じると
『自らの意思で我に協力する気がないのなら……力づくで従わせるまで!!』
エフィリスは目をカッと見開いた。

「え?それはどういう……う、あああああああああああああ!?」
その瞬間、ルビーの頭の中にエフィリスの強い思念が流れ込んできた。ルビーは頭を押さえてうずくまる。
『ピンクの邪魔者と仮面の騎士は洗脳できなかったが……貴様はかつてのレオンガルフ同様、洗脳して我が傀儡として働いてもらおう。』
「うわあああああああああああああ!!」

そう言いながらもエフィリスはルビーに思念を送り続け、ルビーは必死に抵抗する。
だがルビーはエフィリスの思念を受け続けながらも、エフィリスに対し問いを投げかける。
「ね……ねえ……あなたは……復讐を遂げた後に……どうする……つもりなの……?」
『ほう、まだ喋れるだけの元気が残っていたか。いいだろう、どうせ貴様が知ったところで我が傀儡となれば関係のない話だ。特別に教えてやろう。』
そう言うとエフィリスはルビーに対し、はっきりと言い放つ。

『我が最終目標はあらゆる生物を吸収し、究極の生命体となることだ。』
ルビーはエフィリスの思念に耐えながらも今の発言を聞いて自分の考えが間違っていないということを確信する。
恐らくエフィリスは降り立った星の生物をすべて吸収しようとし、原住民たちはそれを止めようと戦ったのであろう。カービィも復活したエフィリスが侵略活動を再開したからそれを止めるために戦い、そしてエフィリスを倒したのだろう。
そしてその思いがルビーの口から自然とあふれ出していた。

「はは……やっぱりただの逆恨みじゃない……やっぱり私はあなたに協力出来ないよ……」
『貴様……』
エフィリスの表情は僅かに苛立ちを募らせていた。
「それに……あなたはとても可哀そう……侵略しなければ生きていけないだなんて……」
『黙れ……』
「そんなんだから……あなたは誰からも受け入れてもらえないんだよ……自分の半身からすらも……」
『黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇ!!!』

エフィリスは怒りのままに叫ぶとルビーに送り込む思念を更に強くする。
「うわあああああああああああああああああああああ!!」
だがその思念の洪水からもルビーは必死に耐え続けた。やがてエフィリスから送り込まれる思念は徐々に弱くなり、ルビーに送り込まれる思念は完全にストップする。

『フン、あの仮面の騎士の時と同じように耐えられるとはな。この手段はとりたくはなかったが仕方がない。』
そう言うとエフィリスは床に手をつき、息も絶え絶えなルビーに近づくと手に持った槍を逆手に持ち、槍の穂先をルビーに向ける。
『貴様が我が意に添わぬのであれば貴様を殺し、別のマスターと契約して洗脳するのみ。』
そう言うとエフィリスは手に持った槍の穂先をルビーに向けたまま上に振り上げ、
『死ね。』
槍をルビーに振り下ろし、そのまま貫こうとする。

205◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:47:34 ID:???0
だがその二人の間に割って入る者がいた。
「待て、ランサー。」
その言葉にエフィリスは振り下ろそうとした槍をピタリと止める。
『……口を挟むなと言ったはずだが?』
そういうと槍の穂先をルビーに向けたままエフィリスは顔だけを声の主に向ける。
その正体は今まで事態を静観していた言峰綺礼であった。

「なに、私は聖杯戦争のルールに反するようなことをしなければ君たちの行動や方針に口を挟むつもりはない。ただ一つだけ君に忠告しておきたいことがあってね。」
『……何だ?』
エフィリスは言峰に問いかける。
「君は何故、『ID-F87』フェクト・エフィリン無しでその体を維持できているか疑問に思ったことは無いかね?」
『どういうことだ?』
エフィリスの疑問に答えるように言峰は言葉を続ける。

「それはそこにいるマスター、ルビー・ローズ君が君が現世に留まるための要石となっているからだ。」
言峰はルビーを指さす。
「つまり君がルビー君を殺せば君は自らの体を維持することが出来なくなり、ドロドロに溶けてまともに行動することも出来なくなるだろう。」
言峰は更に言葉を続ける。
「そして魔力が切れれば君は消えてしまう……つまり君は戦うこともなく、この聖杯戦争から脱落するということだ。それでも良ければ君の自由にしたまえ。私は止めはしない。」
『……チッ』
エフィリスは舌打ちすると手に持った槍を降ろす。

それを確認した言峰は次にルビーに語り掛けていた。
「ああ、そうそう。ルビー君にも言っておきたいことがあるのでね。」
「……何ですか?」
ようやく消耗から回復しつつあったルビーはおぼつかない足取りながらも立ち上がる。
「勘違いしているようだが君が仮にこの聖杯戦争に参加しなかったとしても聖杯戦争は予定通りに行われる。そして参加したマスターとサーヴァント同士で聖杯を巡って殺し合いが発生するだろう。要は君たちが手を下すかそれとも他の誰かが手を下すかそれが変わるだけの話だ。」

それに、と言峰は更に言葉を続ける。
「聖杯の力は数多の平行世界・多元宇宙へと及ぶ。手にした者の願いによっては君の世界にも影響が及ぶかもしれん。そのうえでよく考えたまえ。聖杯戦争を辞退し元の世界に帰るか、聖杯戦争に参加しマスターとしてサーヴァントと共に戦い抜き、聖杯を目指すか。」
「……」
ルビーは考えていた。レムナントは現在、セイラムによる侵攻が続いており状況ははっきり言っていいとはいえない。だがルビーにとって大切な仲間────ワイス・シュニー、ブレイク・ベラドンナ、ヤン・シャオロンらチームメンバーにチームJNPRとの出会いはかけがいの無いものであり、世界を変えられることによって大切な仲間たちとの出会いを無かったことにされるのは耐え難いことであった。
ルビーは何かを決意したかのような表情で言峰を見据え、言葉を発する。

「私……聖杯戦争に参加します!」
『!?』
「ほう……それはどういった風の吹きまわしかな?」
言峰の疑問に対し、ルビーは理由を話す。

「何も聖杯を求めることだけが闘いじゃないと思うんです。私が参加しなくてもこの聖杯戦争で誰かが犠牲になるのならそれを見て見ぬふりをすることは出来ないし、聖杯に邪悪な願いを叶えてもらおうとか聖杯を手に入れるために手段を選ばずに誰かを殺すことも厭わないマスターとサーヴァントも参加しているかもしれない。私はそんなマスターやサーヴァントと戦って誰も犠牲者が出ないようにしたい。それが私の闘いです。」
「そうか、それが君の『闘い』か……だが。」
言峰はエフィリスの方を見ると、
「果たして『彼』は君の方針に納得するかな?」
『……』
再びルビーの方を見て、言峰はある提案をする。

「説得が無理だと思うならここで令呪を使うのも一つの手だ。令呪は期間が長期的であればあるほど効果が薄くなるが使わないよりはよっぽど効果があるだろう。どうするかね?」
「いいえ、使いません。」
だがルビーは言峰の提案をきっぱりと断った。
「令呪で無理やり従わせたって信頼関係は生まれません。そんなことをしたら『彼』が私にやったことと同じことをしたことになります。私一人で話をつけるのであなたは口出ししないでください。」
「……分かった。」
ルビーの言葉に言峰は再び後ろに下がり、ルビーはエフィリスの正面に立つ。

206◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:52:42 ID:???0
『驚いたな。まさか自分の意思で聖杯戦争に参加するとは。』
まず最初に口を開いたのはエフィリスの方であった。だがその声は喜びよりもむしろ驚きの感情の方が大きかった。
「勘違いしないで。私はあなたの目的に賛同したわけじゃないから。逆恨みで復讐することも全ての生物を吸収して究極の生命体になることも。」
『では令呪も使わずにどうするつもりだ?まさか我と戦うつもりか?』
そういうとエフィリスは手に持った槍の矛先をルビーに向ける。

だがルビーの口から出たのはエフィリスにとっては予想外の言葉であった。
「……でもあなたの境遇には同情できる。」
『!?』
そういうルビーの目は真摯そのもので、エフィリスはその目を見て彼女の言葉には嘘や偽りが無いと感じることが出来た。
「だってあなたは原住民の人たちに捕えられて狭いカプセルの中に閉じ込められて研究材料にされて、その価値が無くなったら見世物にされて、それも飽きられたらあなたを置き去りにして遠い星に旅立っていったんでしょ?勿論侵略してきたあなたにも非はあるけど私にはあなたを閉じ込めて研究材料にした研究所の人たちとあなたを見世物にして飽きたら置き去りにした原住民の人たちの方がよっぽど酷い連中だと思うし、あなたが怒りと憎しみを抱くのも当然だと思うよ。」
『……では何故、我の目的に賛同できぬ?』
エフィリスの疑問に対し、ルビーは答えを出す。

「それはあなたの目的によってみんなが……そして何より、あなた自身が悲しい思いをするから……」
『!!?』
ルビーの目に湛えられた涙を見て、エフィリスは激しく動揺していた。その涙が安い哀れみや同情などではなく、本気の悲しみで流れたものであると察したからだ。
「私はね……昔は友人とか仲間とかいらないと思ってた……でもワイスとブレイクに出会ってチームを組んで……ジョーンとピュラとノーラとレンとも仲良くなって……これからもその絆がずっと続くと思ってたのに……目の前でピュラが死んで……私はそれを助けることも出来なくて……その時にすごく悲しい気持ちになったんだ……。」
『……』
エフィリスにはワイスにブレイク、ジョーン、ピュラ、ノーラ、レンがどのような人物なのかは分からなかった。
だが彼女の様子から、彼女にとって彼らがとても大切な仲間であろうことが何となく察することが出来た。

「ねえ……全ての生命を吸収して究極の生命体になったら……その後あなたはどうするの?」
『!?……そ、それは……』
考えたこともなかった。エフィリスにとっては究極の生命体になることが最終目標であり、その後のことは全く考えていなかったのだ。
「全ての生命を吸収しちゃったら周りに誰もいなくなってあなた一人になっちゃうんだよ?仲間や友達もいない世界でたった一人で生きていけるの?」
『……』
「私は嫌だな……だってワイスもブレイクもヤンも、ジョーンもノーラもレンも、みんないなくなっちゃったら私にとっては何よりも辛いことだもん……」
『……我は……』
エフィリスは迷っていた。星を侵略し、生物を吸収し、究極の生命体を目指すことは自分にとっては生き甲斐であり、それ以外の生き方など全く考えたこともなかったのだ。
悩むエフィリスにルビーは次の言葉をかける。

「私はあなたを閉じ込めて見世物にした人達みたいなことはしない。何をどうしたいかはあなたの自由にしていいし、どうしても受肉の願いを叶えたいなら私が誰の犠牲も出さずに聖杯を手に入れる方法を探してあげる。」
でも、とルビーは言葉を付け加える。
「だけどこれだけは約束して。私が許さない限り誰かの命を奪うようなことはしないって。それが守れないなら私は今度こそこの聖杯戦争を降りるし、そのためにあなたに命を奪われる覚悟はある。その上でどうしたいか、あなた自身で考えて決めて。」
『……』
エフィリスは暫し沈黙する。そして……

『いいだろう。』
「え?」
エフィリスは結論を出す。
『貴様は我を見世物にした原住民どもとは違うようだ。我は貴様が気に入った。貴様の意思を尊重してそのうえで共に聖杯を目指して戦おうではないか。』
「話はついたようだな。」
話し合いに決着がついたと判断したのか、言峰は再び前へ歩み出る。

207◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:53:33 ID:???0
「ルビー・ローズ。君の参戦を聞き入れた。聖杯は君を歓迎するだろう。細かいルールは端末のヘルプで参照できるが他に質問はあるかね?」
言峰の最後の問いかけにルビーは決意を込めた表情で答える。
その表情は先ほどまでの涙を流して泣いていた少女のそれではなく、これから戦地に赴くことを覚悟した戦士のものであった。
「ありません。もう話が無いならこれで失礼します。さっ、行こうランサー。」
ルビーは言峰に背を向けるとそのまま振り返ることもなく、エフィリスを連れて教会の出口である扉に向かって歩く。
「喜べ銀の眼の戦士。君の願いはようやく叶う」
綺礼は立ち去ろうとするルビーの背中へそう言葉を投げかける―――

―――ルビー・ローズとフェクト・エフィリスは教会を後にした。


◇   ◇   ◇


「やああああああああああ!!」

A地区の山脈を背にした草原地帯にてルビーは自身の体よりも大きい魔獣の首を自らの愛用武器、クレセント・ローズの大鎌の刃で刈り取っていた。
「ふ〜、今日のお仕事はこれでお終い!」

ルビー・ローズに与えられたロールは『ハンター』。
ハンターとは野草や果物を採取したり、野に住む獣や、凶暴な魔獣を狩猟し、それらを売却して金銭を得る職業であり、元の世界でハンター養成学校に通って訓練をし、人々の平和を脅かすグリムと戦い、アトラスにて念願のプロのハンター・ライセンスを獲得したルビーにとって、この与えられた職業はまさに天職といえるものであった。
因みにエフィリスはルビーとの約束通り久しぶりの自由を満喫していた。
今はルビーの上空を自由に飛び回っている。

やがてエフィリスはルビーの仕事が終わったことに気づいたのか、上空からルビーの元に降りてくる。
『終わったようだな。』
「う〜ん、でもこんな大きな魔獣どうやって運ぼう?」
『我が抱えて飛んで運ぼうか?』
「ダメダメダメダメ!市街地だと目立っちゃうよ!」
『なら我がこの魔獣を吸収』
「わーっ!!それはもっとダメ!!ちゃんと引き渡して売却しないとQPを貰えなくなっちゃうから!!」
エフィリスのボケに対しルビーはツッコミを入れる。ルビーの表情は教会の時とは違って明るい笑顔に包まれていた。
ルビーは本来は明るく表情豊かで子供っぽい性格であり、今までそれを押し殺していたのだがその必要が無い今だけは本来の性格で振る舞うことが出来た。
『冗談だ。この魔獣は我が抱えて地上を歩いて運ぼう。』
「うん、でもまずは一旦支給された生活拠点に運んで整理して、一旦休憩してから引き渡しに行こう。」
そう言うとエフィリスは魔獣の死骸を抱え、ルビーと一緒に生活拠点に向かって歩き出していた。

『……初めて会った時と比べて随分明るくなったな。』
「普段の私はいつもこんな感じだよ?あなたこそ、最初に会ったころと比べて随分丸くなったんじゃない?」
『我は貴様との契約と約束を守っているだけだ。我は何も変わってはおらぬ。』
「もう、素直じゃないんだから〜!」
お互い、軽口を叩きながら二人は帰り道を歩いていくのであった。

208◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:55:23 ID:???0
【サーヴァント】


【CLASS】
ランサー

【真名】
フェクト・エフィリス

【出典】
星のカービィ ディスカバリー

【性別】
不明

【ステータス】

筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力B 幸運E 宝具A++

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

復讐者:B
自らを捕え、研究材料とし、挙句の果てに見学ツアーの見世物として晒し者にした原住民への怒りと復讐心がスキルとなったもの。エフィリスはランサーのクラスとして現界したがアヴェンジャーとしての側面も持つためこのスキルを有する。効果としては周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情を自らの力に変換するもの。

【保有スキル】
空間転移能力:A++
異空間を意のままに操る能力。星型の入り口をした異空間ゲートを作り出し、そこを通ることによって異なる場所、異なる世界へ容易に移動したり、異なる世界の住民を呼び寄せたり、自らの思念で異空間を一つ作り上げることが出来る。戦闘にも応用が可能で後述の宝具の行使にもこのスキルを用いる他、異空間ロードから槍を召喚して攻撃することも可能。

飛行:A
空中を飛ぶ能力。重力に囚われることなく空中を自在に飛行し、音速を遥かに凌駕する速度で高速戦闘を行うことが可能。

テレパシー:B
自らの思念を相手に送り込む能力。自らの言葉を思念として相手に送ることで言葉を発することなく相手に直接自身の言葉や意思を伝えることが可能なほか、強い思念を送り込むことで対象を洗脳し、操ることが可能。ただし、強い精神力を持つものを操ることは出来ない。

縮地:A
瞬時に相手との間合いを詰める技術。多くの武術、武道が追い求める歩法の極み。単純な素早さではなく、歩法、体捌き、呼吸、死角など幾多の現象が絡み合って完成する。エフィリスの場合は最上級であるAランクに達しているため、上記の空間転移能力に頼らずに次元跳躍ばりの速度で瞬時に相手との間合いを詰めることが可能。

【宝具】
『地球外文明の存在確率の高さとそれらが確認されない矛盾に対する答え(フェルミパラドックス・アンサー)』
ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000人
真名解放によって周囲の空間を塗り替え、空中に作られた巨大な異空間ロードから崩壊した建物の残骸を固めて作られた無数の隕石を降り注がせ、最後に異空間ロードと同じ大きさの巨大な隕石を落下させ敵を粉砕し、更に追い打ちをかけるようにエフィリス自身が隕石に紛れて敵に突進し、そのまま槍で敵を貫いてトドメをさす。

『遺伝子の修復(ゲノム・リペアーズ)』
ランク:C+ 種別:対人(自身)宝具 レンジ:-  最大補足:1人
3体に分身してその場から動かなくなり、一定時間経過後に自らが負った傷を修復する宝具。この宝具を発動している間本体は無防備となり攻撃を受ければ消える2体の分身を一度だけ呼び出すしか出来ず、一定時間経過前に本体が一定以上の攻撃を受けると回復は中断され、逆に本体が受けた攻撃分のダメージを負ってしまうため、時間が経過するまでマスターか同盟相手のサーヴァントに守ってもらう必要がある。

【weapon】
「アンタレス」
槍の芯と槍先が水色になっており、クリーム色とマゼンタの二重螺旋が巻き付いている禍々しい形状の槍。武器として相手を刺し貫いたり切り払ったり出来るほか、槍のような形状をした光弾「軌道性パルサー」を生成し、敵に射出することで遠距離攻撃をすることも可能。

209◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:56:08 ID:???0

【人物背景】
本編(星のカービィ ディスカバリー)の時代より遥か昔、まだ先住民が生息していた時代の「新世界」を単身で侵略しに降り立った宇宙生物。襲来してからは多くの原生種に対し侵略活動を続けていたが、多大な力と凶暴性を危険視したその世界の原住民たちによって組織された研究対策チームによって無力化・捕獲される。その後、捕獲した研究対策チームから『ID-F86』のコードネームを付けられ、空間転移能力の研究材料として保管されていたが、研究開発から30年後に起きたワープ実験事故により別個体ID-F87が分離し逃走するトラブルが発生、それが原因で活動停止に追い込まれてしまう。その後ラボ・ディスカバールのエターナルカプセルに保存され、「ドキドキ発見ドリームツアー」の目玉として見世物にされていた。
そして先住民は研究によって得た技術で手狭となった母星を捨てて宇宙に旅立っていき、その後長い間放置されていたが近年になって漸くある程度力が使えるまでに回復して目覚め、同様に残された動物の子孫のリーダーであるレオンガルフをテレパシーによって洗脳し、ビースト軍団を結成させ自身の復活のために暗躍していた。
ビースト軍団に自身から分離した片割れ、『ID-F87』フェクト・エフィリンを捜索させつつ、自らの空間転移能力で呼び寄せたワドルディ達をビースト軍団に捕えさせ、奴隷同然の扱いで働かせてラボの電力を供給させたり同じく空間転移能力で呼び寄せたデデデ大王を洗脳し自らの手駒としていたが同じく偶然呼び寄せてしまったカービィによってビースト軍団は次々に倒され、リーダーのレオンガルフまで倒されてしまう。業を煮やしてレオンガルフを始めとしたビースト軍団を取り込み、巨大なスライムのような形態となってカービィに挑み敗北するが、隙をついて『ID-F87』フェクト・エフィリンを取り込み全盛期の力を取り戻した完全体として復活。カービィと死闘を繰り広げるが最終的にフェクト・エフィリンを引き剝がされてしまい、最後のあがきとして空間転移能力の最大出力でカービィの故郷であるポップスターそのものを新世界にぶつけようとするがモンスタートレーラーと一体化したカービィの突撃を喰らい消滅する。

侵略活動への野心は捨ててはおらず、復活後も次の星への侵略を企んでいた。

【サーヴァントとしての願い】
片割れを必要としない全盛期の完全な肉体での受肉。願いが叶った後どうするかはこれから考える。
【方針】
聖杯を求める。ただしマスターであるルビー・ローズの意思は尊重する。

【把握媒体】
ゲーム「星のカービィ ディスカバリー」をご参照ください。プレイ動画及びムービーがYoutubeなどの動画サイトにUPされています。
より詳しい設定や性格、口調を把握したい場合は角川つばさ文庫の小説版「星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編」及び「星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編」をご参照ください。


【マスター】
ルビー・ローズ

【出典】
RWBY

【性別】
女性

【能力・技能】
『ペダル・バースト』

「高速移動」とも呼ばれているルビーの固有能力。この能力を用いると瞬間移動のように目にもとまらぬ速度で移動することが出来る。この能力を使用すると彼女の通り道に赤い薔薇の花弁が舞う。この能力の実態はルビー自身を分子レベルに分解し、質量を無視してある地点から別の地点まで超高速で移動して再構成するものであり、この能力を応用することで味方に対しても能力を使用して一緒に移動することが出来る。

『オーラ』

レムナントの世界において生命を持つものが十分な訓練を積むことで使えるようになる能力。使用することで全身をバリアのようなもので包み、敵の攻撃によるダメージを軽減し、致命傷から保護してくれる。ただし戦闘中にダメージを受け続けたり絶えず使用し続けると劣化していき、最終的には枯渇して使用不能になってしまう。

【weapon】
「クレセント・ローズ」
ルビー自身が自作した大鎌と狙撃銃の機能を併せ持つ大口径狙撃鎌。
「収納形態」「小銃形態」「大鎌形態」の三つの形態に変形させることが出来、通常は運搬に適した「収納形態」でルビーの腰に装着されているが、戦闘の際は取り回しのいいボルトアクションライフルとして運用可能な「小銃形態」と、大鎌としての近接戦闘能力と長距離狙撃銃としての遠距離攻撃能力を併せ持った「大鎌形態」の2つの形態を使い分けることが出来る複合変形武器。ルビーは射撃の反動を利用して跳躍や空中ジャンプ、高速移動中の加速に利用したり、鎌での斬撃をより強力なものにするなどといった使い方もしている。また大鎌形態での射撃時に鎌の刃を地面に突き刺してモノポッド代わりにして射撃することもできる。

210◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 19:56:56 ID:???0

【人物背景】
ハンター養成学校のビーコンアカデミーで結成されたチームRWBYのリーダーで当代における“銀の瞳の戦士”の一人。
幼少期からおとぎ話に出てくる偉大なハンターに憧れており、偶然居合わせたダストショップにてローマン・トーチウィック率いる強盗の集団を撃退、その活躍をビーコンアカデミーの校長のオズピンに見初められ、15歳でありながらビーコンアカデミーへの飛び級入学を認められた。

基本的に明るく前向きな性格で、どんな逆境でも諦めずに進んでいく強い心を持っている。
一方で親しくない相手とは積極的なコミュニケーションを避けようとする消極的な一面もあり、入学当初は新しい友人関係を築くことに消極的だった。
しかしビーコンでの生活を経てその傾向は改善されていき、チームRWBYやチームJNPRのメンバーを始め、様々な人物と交流するようになっていった。
優れたリーダーシップ及び高い作戦立案能力や発想能力を持っており、始め、リーダーとして抜擢された時には、リーダーになったという意味をあまり理解していないようだったが、その後のオズピンとの会話でリーダーとしての役目に真剣に向き合うようになり、有能かつ頼れるリーダーになるため遅くまで勉強する姿勢を見せ、危機的状況を打破するために的確な作戦を立ててそれを実行したり強力な敵を撃破するための連携攻撃を素早く発想したりするなどリーダーとしての才能を開花させていき、叔父のクロウ・ブランウェンやかつての名ハンター、マリーアからも彼女の明るさと強い心は一目置かれている。

ビーコン陥落事件の際にチームJNPRのメンバーであったピュラ・ニコスがシンダー・フォールに殺害される瞬間に居合わせてしまい、その悲しみとショックで『銀の眼』の力を暴走させてシンダーに重傷を負わせた。その後チームメイトのヤン・シャオロンからアカデミー陥落と、同じくチームメイトであるワイス・シュニー及びブレイク・ベラドンナと離れ離れになってしまった事を知り、さらにクロウから母・サマーの事と「銀の眼の戦士」の伝承と、シンダー達がヘイヴンへ向かった事を聞き、シンダーを追いにヘイヴンへ旅立つ事を決意、チームJNPRのメンバーであったジョーン・アーク、ノーラ・ヴァルキリー、ライ・レンの賛同を得てその3名と共にチーム「RNJR」を結成する。その後ヘイヴンで自身以外のチームRWBYのメンバー3名と合流に成功し、ヘイブンにおける戦いで知識のレリックの回収に成功し、レリックの安全の確保のためにアトラスに旅立つことになるがたどり着いたアトラスでセイラムの軍勢の襲撃とそれによるアイアンウッドの暴走に巻き込まれ、アトラスとマントルの市民を避難させるために創造のレリックの力で避難中継地を創造してもらったが、市民の避難誘導中にシンダー・フォール及びその仲間のニオポリタンの襲撃を受け、その戦闘の中でシンダーとニオによって次元の狭間に落とされてしまい生死不明となる。

【マスターとしての願い】
誰かを苦しめたり不幸にしたりするような願いを持つマスターや、聖杯を手に入れるためには手段を選ばず誰かを殺すことも厭わないマスターとサーヴァントには聖杯を渡さないし、必要なら戦って止めることも辞さない。誰も傷つけずに聖杯を手に入れられるならサーヴァントの願いを叶えてあげたい。

【方針】
聖杯戦争を止めようとするマスター、誰も傷つけずに聖杯を手に入れて願いを叶えたいマスターがいたら交渉して協力を取り付ける。やむを得ない場合を除き、可能な限り人は殺さない。

【ロール】
魔獣狩りで生計をたてているハンター

【令呪の形・位置】
左手甲の位置。薔薇の紋章の形をしている。

【把握媒体】
アニメ「RWBY」Volume1、2、3、4、5、6、7、8の日本語吹き替え版及びアニメ「RWBY 氷雪帝国」、漫画版「RWBY 氷雪帝国」などをご参照ください。
原作アニメの日本語吹き替え版及び氷雪帝国はAmazon Prime Video、Abemaプレミアム、dアニメストアその他配信サイトで全編配信中です。
漫画版「RWBY 氷雪帝国」は電撃大王で連載中で単行本も発売されています。

211◆A1Sj87dFpOM:2022/09/22(木) 20:00:21 ID:???0
以上で投下終了です。最初は支援掲示板の方に書き込もうと思ったのですが、
書き込めなかったので、こちらに直接候補作を投稿させていただきました。
タイトルは書いてませんが、候補作のタイトルは「WELCOME TO THE NEW WORLD!」です。
何か不都合があればご指摘よろしくお願いいたします。

212名無しさん:2022/09/23(金) 12:24:13 ID:.3ZIGNtw0
>>197

ここに来なくっても、他の場所から投下が来てるので問題なくないですか?
物凄い上から目線なことを承知で言いますと、一度採用した主従を台無しにする形でリスタートという判断をした以上、
企画主として信頼が落ちている中、ここで書き手・候補作を集めることは難しいと思います。

どうしても集めたいというのなら、人が来るまで自分で投げ続けるしかないと思います。
現に企画主さんが>>64 で積極的に投下するつもりなのでと述べていますので、候補作から本編完結まで
一人で通すつもりでスローペースでも投げ続ければいいと思います。
そうすれば他の方から信頼度も上がり、自ずと他の書き手も来ると思います。

213 ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 14:10:15 ID:9iuT4S0I0
この度のご投稿、誠にありがとうございます。
Prime会員なので今度アニメを見てみようと思いますが、ルビーの明るくも覚悟のある性格がいいですね。
エフィリスの復讐心も当然ながらも、ルビーとの会話で少しずつ変化していくようするもいいです。
両者の関係がもう少し見てみたいと思わせてくれるSSでした。ご投稿ありがとうございました。

214 ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 18:07:30 ID:9iuT4S0I0
>>212
ご忠告ありがとうございます。こちらでも自分としては中途半端に書いている候補作があるのでいくつか投下してみるつもりです。

215 ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 20:37:46 ID:9iuT4S0I0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

216特殊討伐令対象者:セイバー(アルテラ) ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 20:38:04 ID:9iuT4S0I0
「……儚い文明だ。これでは機械装置の類と何も変わらない。」

空虚な眼差しで、都市をみつめていた。
彼女の目に映る全ては、飾り付けられた箱庭。
役目を終れば停止するだけの仮初の文明、しか映らない。

「私が破壊するまでもない。時が経てば停止する文明など、」

"自らの手を下す必要もなし"、と冷淡な口調に切り捨てる。
彼女は"文明を滅ぼすため"に存在する、生まれながらにして破壊の機械。
文明社会とは根幹より相容れないが、"聖杯の機能"と理解するが故、受け入れていた。

「……………………。」

女性の髪は銀色、褐色の肌に白色の礼装を身に纏っていた。
前身には特徴的な紋章が浮かび、三色の光を放つ剣を手にする。

彼女の名は、「アルテラ」。
セイバークラスで現界しているサーヴァント。

「ここにいたのかい。」
「…………アルヴィースか。」

アルテラの背後より現れたアルヴィース。
何の感情もなく、何の警戒もなく、アルテラは振り向き、視線を向ける。

「いいのか?私は討伐対象だろう。」
「問題ないさ。正規の討伐令じゃないからね。」

事実を聴く問いに対し、アルヴィースは穏やかな調子で答えた。
そこには"敵ではない"、という意思があり、親しみが込められていた。


彼女は通常と異なる背景の中に存在していた。
まず、このアルテラを使役するマスターはいない。
主催側からの特殊召喚された、主催側のサーヴァントである。

それに加えて、何の罪もないにも関わらず"討伐令がかけられている"。

"特殊討伐令対象者"。
ペナルティとは関係なく、討伐対象の役割を命じられたサーヴァント。
それは"討伐されるべき者"ではなく、"討伐されるための試練"として在る。
つまり、"成長のために討ち取られること"を狙いに用意されたボスであった。

217特殊討伐令対象者:セイバー(アルテラ) ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 20:38:33 ID:9iuT4S0I0
「……アルテラ。君の口から改めて聞きたい。文明の破壊者である君が文明を破壊することなく、聖杯戦争を留まっている目的は何なのか。」

穏やかさから一転して、アルヴィースは問いかける。
それは、"わからない"からではなく、"記録を残すため"の質問であった。

一方の、アルテラは何も変わらない。
現界は強制はされていない。自由はアルテラにあり、留まっているのは自身の選択からであった。

「私の目的は、『強い文明の芽を見届けること』だ。」
「強い文明の芽?」

アルテラは迷いなく答えた。

「『天の聖杯』は文明を創造させるもの。お前達が呼ぶ『理』とは文明の芽だ。」

『天の聖杯』は理想の世界を創造させる機械。
世界の創造とは、即ち文明の創造であると彼女は判断した。

つまり、聖杯の獲得を目指すこと、示す『理』は、アルテラにとって"新たな文明を築く芽"であった。

「強い文明とは、力の強さだけではない。
どんなに破壊されても、どんなに蹂躙されても、何度でも立ち上がる"意志"の強さ。
利己のために築かれるものではなく、利他のために皆と築き上げる"慈しみ"の強さ。
数多の強さを持つ"良い文明"こそ、真に破壊のできない強い文明だ。」

強い文明とは、"心"を含めて在るべきもの。
次代に拓かれるべき文明は、世に続くべき良い文明と見ていた。

「利己のためにある悪い文明であれば、私は破壊し尽くす。
砕けてしまうような弱い文明であれば、生き残る資格はない。
試練として神の鞭を振るい、文明の芽を破壊する。……それが私にできることだ。」

自分は破壊することしかできない。それを理解している。
だが、試練として立つならば、破壊はためになるだろう。

参加者の文明を試すが故、この立場を受け入れている。

「『理』を見定める、ということかい?」
「お前達の言葉で表すならば、そう呼ぶ。」

機械のように冷淡に返答する。
見定めるべき文明は、これからマスター達が示す『理』にある。

「わかった。ありがとう、付き合わせてしまって。」

聞き入れたとして、アルヴィースは去った。
アルテラの周りは静寂の空間を取り戻す。

「戦いは……まだか」

自分の役割を静かに待っていた。

天の聖杯に希望を求める者達。
それは即ち、創造される次なる文明の芽。

お前達が滅びる側に立つか、生き残る側に立つか。


――――私はそれを見届ける。

218特殊討伐令対象者:セイバー(アルテラ) ◇TUV54iMsXU ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 20:38:48 ID:9iuT4S0I0
【サーヴァント】

【クラス】
セイバー

【真名】
アルテラ

【出典】
Fate/Grand Order

【性別】


【ステータス】
筋力B 耐久A 敏捷A 魔力B 幸運A 宝具A+

【クラス別能力】
対魔力:B
セイバーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。
一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:A
セイバーのクラススキル。乗り物を乗りこなす能力。
「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
Aランクなら竜種以外の幻想種までなら乗りこなすことが出来る。

【保有スキル】
神性:B
神霊適性を持つかどうか。アルテラ自身は神霊との血縁関係を有していないが、欧州世界を蹂躙した事実は神威とされ、畏怖の対象となって「神の懲罰」「神の鞭」の二つ名を得るに至った。
このことから、地上で英霊となったアルテラは神霊適性を高ランクで有する。

軍略:B
多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に有利な補正がつく。

天性の肉体:EX
生まれながらに生物として完全な肉体を持つ。
一時的に筋力のパラメーターをアップさせることが可能となる。
更に、どれだけカロリーを摂取しても基本デザイン(体型)は変化しない。

星の紋章:EX
体に刻まれた独特の紋様。何らかの高度な術式による紋―――――フンヌ族に特有の紋と言う訳ではなく、アルテラという個人が有する不可思議の紋である。
ランクが高いほどに威力は増していく。紋を通じて魔力を消費する事で、瞬間的に任意の身体部位の能力を向上させることが可能。
魔力放出スキルほどの爆発的な上昇値はないが、魔力消費が少なく燃費がいい。更に、直感スキルの効果も兼ね備えた特殊スキルでもある

【宝具】
『軍神の剣(フォトン・レイ) 』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉:200人
「神の懲罰」、「神の鞭」と畏怖された武勇と恐怖が、軍神マルスの剣を得たとの逸話と合わさって生まれたと思われる世界を焼く宝具。
長剣の剣状をしていながらどこか未来的な意匠を思わせる三色の光で構成された「刀身」は、地上に於ける「あらゆる存在」を破壊し得るという。
「刀身」を鞭のようにしならせる他、真名解放を行うことで「刀身」は虹の如き魔力光を放ち、流星の如き突進を持って敵陣を広範に渡って殲滅する。真の力を解放した時、ランクと種別が上昇する。

『涙の星、軍神の剣(ティアードロップ・フォトン・レイ) 』
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1〜99 最大補足:900人
空中に魔法陣を展開、マルスと接続し、その力の一端である旭光を魔法陣より敵に照射する。
真名解放と同時にアルテラの指定した地点に対して、遥か上空から突き立てられる光の柱──衛星軌道上に仮想顕現した軍神マルスが振るう光の巨剣。太古の、戦闘の概念がカタチとなったモノ。
真なる軍神の剣で広範囲を殲滅する衛星兵器と言うべき代物で、軍神の剣は攻撃座標を指定するためのポインターに過ぎない。

【weapon】
『軍神の剣(フォトン・レイ) 』

【人物背景】
アッティラ・ザ・フン。西アジアからロシア・東欧・ガリアにまで及ぶ広大な版図を制した五世紀の大英雄。
破壊や蹂躙に徹し、西ローマ帝国の滅亡を招いたとされる純然たる「戦闘王」。
対照的に統治には成功せず、死後に帝国は急速に瓦解し消え果てた。

その正体は、サハラ砂漠に朽ちた蹂躙の巨人「セファール」の遺体から発見された、セファールの頭脳体のバックアップ。
生まれながらにして軍神の剣を握り、セファールとしての記憶を失い、「アッティラ」として人間と誤認したまま地上を駆け抜けていた。

セファールの使命が根底に刻まれており、今もなお自分を文明を滅ぼすのための装置として機能している。

【サーヴァントとしての願い】
文明の芽を破壊する。その上で、強い文明を見定める。

【方針】
(試練として)天の聖杯へ願望を持つ者達を殺戮する。
一箇所に留まらず、都市中を徘徊し、敵を捕捉していく。

【把握媒体】
「Fate/Grand Order」、「Fate/EXTELLA」など。

【備考】
Matrixの全情報とマップの位置情報が開示されております。

219 ◆Mti19lYchg:2022/09/23(金) 20:39:08 ID:9iuT4S0I0
以上、投下終了です。

220名無しさん:2022/09/27(火) 06:53:15 ID:mAAaoBEI0
>>214
氏の「人の話を聴かず、受け止められない」姿勢がまず問題なのではないでしょうか。

ちゃんと聴いて受け止めているなら、自身の悪い部分を改めることを返すのが筋というものでしょう。

ですが、貴方は何を改めているんですか?大抵、自分の意向だけ言って終わりじゃないですか。

どう思っているのかはわかりませんが、私の目には「自分にとって不都合な意見を無視している」ようにしか見えません。

そんな自己中心的な姿勢では、周りからの信頼を落ちても無理ないかと。

221 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:25:53 ID:9D0YLGe20
>>220
まず、全般的に謝罪が必要でした。
勝手に企画を中断し、やり直すというのは今まで投稿してくださった皆様に対し無礼でした。
作品と投下してくださった皆様、この企画を見てくれていてくれた皆様にこの場を以って謝罪いたします。

そして、自分の悪いところとなると口先だけで何もしていないという事に尽きると思います。
一応、この後に候補作を投下する予定ですが、今のストックからすると1週間に1.2作は投下できると思います。
あと、ルールと舞台設定をいくらか簡略化しました。
これからも、自分の悪いところのご指摘願えれば幸いです。

222剣鬼賛歌 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:26:25 ID:9D0YLGe20
 この街『パラディウムシティ』にはさまざまな人種がいる。そのためいろいろな噂が流れている。
 例えば――犯罪者を狩る、サムライとニンジャの二人組のような。

 都市の中にある湖には、大きな中洲がある。
 そう、少々の銃声程度では周囲の住民に気づかれないほどに。
 その中で起こる爆音、そして炎。周囲に立ち込める硝煙の匂い。
 中州は四人の男により正しく戦場と化した。

 追う側は二人。
 一人はボディアーマーにフルフェイスヘルメットの完全武装の兵士。
 一人は迷彩色のズボンに上半身は何も着ず、筋骨隆々の身体をさらしている男。肩には弾帯をたすき掛けにしている。
 二人の軍人は、手にそれぞれFN F2000とM134を抱えていた。
 
 追われる側は二人。
 1人は下半身に黒い小袴、足袋。上は手に手甲、長袖の黒い着物の上から羽織を着た総髪隻眼の男。
 彼は人間業とは思えないほど、縦横無尽に林を駆け、十数mを飛び跳ねる。
 もう一人はジャケットにジーンズ。顔に掛けたサングラスの淵からのぞく目尻には、頬まで届く深い傷跡。手にする杖から見ても、彼が盲目である事は一目瞭然だった。
 だが、彼は盲目とはとても思えないほど、まるで見えているかのように走っている。

 もし、彼らの生死を分けた理由を求めるとするならば。
 それは、心構えだったのかもしれない。

 林の中、木の裏側に片目総髪のサーヴァントは逃げ込んだ。
 軍人が木ごと砕かんとミニガンのスイッチを押そうとした瞬間、総髪の男は手より輪状の武具を召喚し、上空へ投げた。
 その行動に何の意味があるのか、軍人が一瞬思考したことで、二人の生死を分けた。
 暗闇の中、ぷつん、と何かが切れる音が鳴り、次に軍人の真上から銀で編まれた網が落下した。
 軍人の身体に絡みつく網。皮膚にまとわりつく違和感。男は自分の慢心に対し激怒する。
 初めからあのサーヴァントはこの場所に罠を仕掛けていたのだ!
 だが、この程度ならミニガンの銃口を相手に狙い、スイッチを押すのに支障はない。
 男は銃口を向けようとし――そこで初めて罠が一つだけでないことを悟った。
 男の真上から独特の飛来音を発し、落下する輪状の武器。総髪のサーヴァントは既に棍を召喚し、振りかぶっている。
「輪とこの棍、どちらを避ける!」
 総髪の男が叫ぶ。
 軍人のサーヴァントは一瞬戸惑う。だが瞬時に思考を切り替え、遠くの間合いより投げられる棍より近くの輪を避ける方が先決と判断。
 地面に転がり、輪を避け――そこで思考が途絶えた。
 軍人のサーヴァントは総髪のサーヴァントの操る棍の特性と威力、速度を見誤っていたのだ。
 総髪の男はまるで稲妻のごとく棍の節を外して伸ばし――節の間に鎖が仕込まれている七節棍と呼ばれる武器だ――軍人の男の頭蓋を打ち砕いていた。

 軍服と盲目の男の戦いも佳境を迎えていた。
 軍服の男は弾倉を落とす。球を打ち尽くしたと見た盲目の男は、目の前の男に向かった突進した。
 だが、実は軍人の男はライフルの薬室に一発弾丸を残していた。
 この距離なら外しようが無い。男はヘルメットの中でほくそ笑む。

 その余裕が、二人の生死を分けた。

223剣鬼賛歌 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:27:28 ID:9D0YLGe20
 ライフルから銃弾が発射。頭部へと確実に命中するはずだった弾丸は、正眼に構えた刀に直撃し――二つに分かれ、男の背後にある木に当たった。

 ライフルの弾を剣で斬った!?

 驚愕した男は慌てて弾倉をライフルに挿入しようとし。
「遅い!」
 瞬間、盲目の男は軍人のマスターに斟酌の間合いまで接近していた。三間半を一息で詰める古流剣術の歩法だ。
 男は真上に刀を掲げ、振り下ろす。軍人はとっさにライフルを掲げ盾にした。
 刀とライフル。本来ならば防げるはずが、ライフルは鏡のような断面を残し、切断された。
 さらに男は振りおろした両腕を返し、瞬時に切り上げる。徹甲弾でさえ防ぐNIJ規格レベルIVのボディアーマーがあっさりと切り裂かれた。
 軍人のマスターは切断面から血を噴出させ、どう、と音を立て倒れた。

 男は刀の血振るいをし、残心。周囲に殺気を感じないことを確認し、杖に納刀した。
 杖を地面に突いた男に、暗闇の中何処からか近づいてきた総髪のサーヴァントが話しかけた。

「護、そちらも無事だったようだな」
「無事と言えば無事だが……今一つな戦いだった、土鬼」
 サングラスをかけた盲目のマスター――土方護は総髪隻眼のサーヴァント――土鬼に対し、不満をあらわにした。
「一撃で相手を仕留めるべきだった。切り上げの際に予備の拳銃を突きつけられたら、そこでお仕舞いだったからな」
 護はサングラスのフレームを中指で押し上げ、土鬼に対し顔を向けた。まるで、見えているかのように。否、彼は真実盲目だが『見えて』いるのだ。
 護の視界を見る者がいれば、一昔前の3Dゲームか3DCADを想起するだろう。護の目に映る光景は、黒いバックに白いワイヤーフレームで構成された世界だからだ。
 その理由は護の書けるサングラスにある。このサングラスは、サングラスと杖の先端から発せられた超音波の反響音から立体映像を分析、構成し網膜に直接投影する最新鋭の視覚障害者用補助システムなのだ。
 本来は単体だと解析が遅れ、スパコンのバックアップがあってリアルタイムで機能する代物だが、なぜか現在も問題なく使用できている。
 聖杯戦争に参加する盲人に対する、せめてものハンディってやつか。そう護は判断していたが、理由は不明である。
 何時停止するか分からないゆえさほど期待はしていないが、敵が見えないと勘違いするなら利用する。その程度には護はサングラスの利点をとらえていた。
 実際護は見えずとも他の四感で戦える鍛錬を積み、殺気で敵の位置を判断する事が可能なのだから。

「そっちこそ、お前がその気なら一撃で仕留められたんじゃないのか」
「かもしれん。だが俺はまだ、サーヴァント戦にも現代戦にも熟知していない。敵を知り、己を知らばというやつだ。
 特に、サーヴァントとマスター2人に対しどのように接すれば、一騎ずつ分けられるか知りたかった」
「そういえばお前の望みからすればそれを知るのは当然か。全く『サーヴァントとの一騎討ち』ってのは……およそ暗殺者(アサシン)らしくない望みだよな」
「クラスは俺が決めた訳じゃない。俺を、いや英霊を完全に召喚するのは聖杯といえど不可能だった。そのためクラスを当てはめる必要があった。
 そして俺の適性はアサシン以外になかった。それだけの事だ」
 護は懐からサーヴァントカードを取り出し、手で回した。
「俺は聖杯なんぞ興味は無いし、勝手に人を呼び出し殺し合いをさせる奴の思惑通りに動きたくない気持ちもあるが」
 護は杖の先を指で弾いた。
「一方でそんな事はどうでもいい、と考える自分もいる。俺が求めているのはこの剣を振るえる『戦場』と『理由』だからな」
「戦場ならお前の時代にもあるのではないか?」
「お前のように剣術や棒術が実戦で使われる時代ならまだいいさ。
 だがさっき戦った連中のように、銃器が戦闘の主たる武器に変わった現代で剣を振るう事しかできない阿呆がどう生きていけばいい?」
 護は杖の先で地面をたたいた。
「だから、手前勝手に人を呼びつけサーヴァントとやらを召喚させ、さあ戦えというのは腹が立つが、戦いそのものはむしろ望むところなのさ」

224剣鬼賛歌 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:27:47 ID:9D0YLGe20
「随分と身勝手な理屈だ」
「自ら望んだ道だ。その程度の覚悟は必要だろう。俺は『手段』のためなら『目的』は選ばんからな」
「そこは俺も同じだ。俺がこの聖杯戦争に求めるのは、聖杯を手中に収める『結果』ではなくそこまでの『過程』。俺の修めた裏の武芸が古今東西の英霊相手にどこまで通用するかだからな」
 土鬼は袖の内に手を収めた。
「問題は、この聖杯戦争の場合、誰がマスターに選ばれるか、俺たちサーヴァントには基準が不明という事だ。最悪の場合、何も知らない女子供がマスターになる可能性もある」
「そういう事態も有り得るか。覚悟も戦う術もない奴を戦争に巻き込めば、面倒くさい事になると決まっているんだ。全く、ふざけやがって」
 冷静な土鬼に対し、護は忌々しげに舌打ちした。
「そういう女子供となると、剣も鈍るか?」
 土鬼の問いに対し、護は足を止め、土鬼を睨みつけた。
「勘違いするなよ。相手がサーヴァントという『凶器』を俺にぶつけるのなら、例え女子供だろうと敵だ。そして俺自身が追い詰められれば、何者の命も絶つ! 過去そうしてきたようにな」
「祖に遭うては祖を斬り、仏に遭えば仏を斬る……というところか。それでも、無辜の人間まで殺そうとしないあたり、凶刃を振るう血に飢えた人斬りという訳でもないのはありがたい」
「もし、俺がそんな虐殺者だったらどうする気だった?」
「そんな奴、さっさと打ち殺して他のマスターを探すか、次の機会を狙ったさ」
「こいつ……」
 護と土鬼は互いを見つめ笑いあった。

 常識の枠を踏み越えた行動を、人は時に『狂気』と呼ぶ。それを為す者を『鬼』と呼ぶ。
 この二人は正しく習得した技を極める事のみを目的とする『剣鬼』であった。

225剣鬼賛歌 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:28:10 ID:9D0YLGe20
【サーヴァント】
【CLASS】
 アサシン

【真名】
 土鬼

【性別】
 男性

【出展】
 闇の土鬼

【パラメーター】
 筋力C 耐久D+ 敏捷A 魔力E 幸運A 宝具B

【属性】
 中立・中庸

【クラス別能力】
気配遮断:A+
 サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。
 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
千里眼:D
 視力の良さ。動体視力、遠近感、周辺視野、暗順応の向上。

直感:A
 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。
 鍛錬、戦闘経験により研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知に近い。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

一寸の見切り:A
 敵の攻撃に対し、間合いを計り回避する能力。同じ敵の同じ技は一度見れば完全に見切ることが出来る。
 但しランク以上の見切りを阻害するスキルでの攻撃、範囲攻撃や技術での回避が不可能な攻撃は、これに該当しない。

常在戦場の心得:B
 常に十全の戦闘能力を発揮するため、盤石の態勢を整える技術。
 デバフを無効化し、状態異常の防御や回復に有利な補正を得る。

戦闘続行:A+
 万人に一人の生命力。
 HPが0になっても、判定次第で蘇生する。

左腕不随:B+
 前兆なく突発的に左腕が麻痺し、長くて2時間は指一本動かすこともできなくなる。
 頭部に打撃を加えられると発症する可能性が高まり、回復するまでの時間も長引く。

【宝具】
『闇の土鬼』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:― 最大補足:―
 裏の武芸を極めた土鬼の象徴。
 闇の武芸における全ての武具を魔力の続く限り無限に召喚し、自在に操る。
 武具はDランク相当の宝具として扱われる。

 七節棍:七つの節に鎖が仕込まれてあり、土鬼の技術により伸縮自在。
     土鬼はこれを主武器とし、両端を敵の間近で投げる戦法を用いる。
 霞のつぶて:指で石、または鉄の玉を弾く。他の武芸では「指弾」「如意珠」とも呼ばれる技。
       ただの石ころが、土鬼の手にかかればDランク相当の宝具と化す。
 錫杖:先端が尖っていて、槍としても使える。
 尺八:吹けば毒針が発射される。
 仕込み傘:傘の根元に針が仕込まれており、さらに骨も針になっている。
      心臓を突いても痛みはなく、肉が閉まり傷跡を残さず出血もしないが、数十分後確実に死ぬ。
 輪:中国武術で使う圏に近い。
   投擲や紐を付けて振り回して用いる。
 銀線:極細で出来た鋼の糸。
    太い木の幹や人間の首も両断する。
 銀網:髪のように細い鋼の糸で編まれた網。
    蜘蛛の巣のように相手をとらえる。
 梅吒:梅の花を模した武具。ひもにつけて振り回す。
    先端の針には毒がある。
 飛孤:熊の爪を模した武具。紐に付けて投擲する。
    当たれば爪が肉に食い込むよう作られている。
 多条鞭:ある時は一本に纏わり相手を打ち据え、ある時は十数本に分かれ相手を絡め取る。
 双条鞭:二本の軟鞭。当たれば骨も折れる威力を誇る。
 毒針:長さ二寸程度の細い針。
    土鬼は飛ばした武具の影に隠れるよう投擲する使用法を好む。
 手甲鉤:手甲に取り付けられる熊の爪の様な武具。
 投縄:両端に分銅が付けられており、相手に絡みつくように作られている。
    縄に針が付けられている物もあり、針には毒が染み込ませてある。
 編笠:目元まで覆い隠す深い編み笠。
    頭頂部には鉄板が仕込んであり、盾としても使える。
 仕込み槍:先端部に鎖を仕込んだ節があり、伸縮自在。
 角手:手にはめる太い針が付いた、ナックルダスター状の武具。
 含み針:口中に含み、不意を突いて吐き出す。
 弓矢:Dランク相当の宝具ではあるが、ごく普通の弓矢。
 刀:Dランク相当の宝具ではあるが、ごく普通の打刀。

『血風陣』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2〜50 最大補足:100人
 生前戦ってきた血風党の党員を召喚し、連携による波状攻撃、一斉攻撃を仕掛ける。党員の武具は上記『闇の土鬼』にある物と同一である。
 本来この宝具は土鬼の物ではないが、並行世界の同一存在『直系の怒鬼』の影響により、使用できるようになった。

【weapon】
 宝具欄を参照。

226剣鬼賛歌 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:28:26 ID:9D0YLGe20
【人物背景】
 横山光輝作「闇の土鬼」の主人公。
 元は貧しい農家に生まれ、口減らしに土へ埋められる。
 だが極めて稀な生命力を持っていたこの赤子は土中で泣き叫び、恐れた父親に鍬を振るわれるが、それでも生きていた。
 その生命力に注目した大谷主水という裏の武芸を修めた武芸者に拾われ、土鬼と名付けられた。
 十数年後、血風党という暗殺集団の脱党者だった主水は元同士に襲われ、死の間際に土鬼に対し裏の武芸で天下一の武芸者を目指す夢、それを土鬼に託そうとした旨を語る。
 それを聞いた土鬼は要人暗殺のために結成されたはずが、平和な時代で単なる血に飢えた暗殺集団に堕ちた血風党を滅ぼし、その過程で裏の武芸を究めんと決意した。
 紆余曲折の末、血風党の長、無明斎と対峙するが、無明斎は圧倒的な優位にありながら土鬼を殺そうとしなかった。
 幕府の急速な大名弾圧から血風党の末路を悟り、せめて自分が編み出した裏の武芸を土鬼に残し、完成させてほしいと願ったからであった。
 血風党の四天王を倒し、本拠の血風城まで辿り着いた土鬼に無明斎は稽古をつけ、裏の武芸のすべてを伝えた。
 その後、刺客として現れた柳生十兵衛と戦い、無明斎の前で打ち破り裏の武芸を極めた事を証明する。
 土鬼は血風党の始末をつけ自決する無明斎、炎に包まれる血風城を見届けた後、いずこかへと去った。
 その後の土鬼の行方は、定かではない。

 人生の目的は裏の武芸の神髄を見極める事で、対戦した宮本武蔵(土鬼はそうとは知らず戦っている)から「お前は死ぬまで敵を求めてさまようだろう」と評されている。

【方針】
 サーヴァントとの一騎打ちを望む。

【把握媒体】
 横山光輝作「闇の土鬼」全三巻が発売中です。

227剣鬼賛歌 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:28:45 ID:9D0YLGe20
【マスター】
 土方護

【出展】
 死が二人を分かつまで

【性別】
 男性

【能力・技能】
 一刀流、新当流、無外流、示現流など複数の流派を習得している。
 達人の腕前と「断罪」が合わさり、飛来する拳銃、小銃の弾丸、鉄パイプ、自動車のドア、超硬合金、果てはミサイルまで切断する。

【weapon】
 単分子刀「断罪」
 鞘が盲人用の杖に偽装されている仕込み刀。銘の断罪は刀匠が犯罪に対する思いにより入れてある。
 切れ刃の部分が単分子層で形成されており、理論上あらゆる物質を切断できる。

 大太刀「鬼包丁」
 刀身三尺を超える実戦刀。
 こちらも切れ刃が単分子層なのか、ビルの鉄柱をも一刀両断できる。

 ナイフ
 ジャケットの内に忍ばせている。数は十数本。
 刀の間合いより遠い相手に対し用いる。

 サングラス
 超音波の反響音を解析した映像を、網膜に直接投影する。
 銃の弾道予測プログラムが搭載されており、銃口の向きから事前に弾丸の予想軌道を映像にして示す。
 他に音声を識別し、人物を登録する機能や、骨振動を利用した通信機能、補聴機付。
 本来マスターに与えられる端末のアプリが全てこの中に内蔵されている。

【人物背景】
 漫画『死が二人を分かつまで』の主人公。
 少年の頃、飲酒運転の事故に巻き込まれ両親を失う。その後祖父の知人である剣術の師範に引き取られ、剣の修行に没頭していた。
 他者から見て異常な程の鍛錬の量は如何なる理由か不明だったが、もしかしたら両親の敵を討つためだったのかもしれない、と推測されていた。
 そして中学二年の時、事故を起こした男が酔っぱらい道端で寝ている姿をまるでゴミを見るかのような目つきで見据え、敵に対する関心を失ってしまう。
 だが剣術をやめることなく、さらに激しい修行を自らに課してゆく。稽古時間は日に15時間という常軌を逸した量だった。
 二十歳を越えた頃、師匠との闇稽古で師を打ち殺し、真に剣鬼の道へと突き進むことになる。
 その後、繁華街でヤクザ相手に喧嘩を吹っ掛けたりしていたようだが、エレメンツ・ネットワークという犯罪被害者を母体としたヴィジランテグループに所属。
 現代戦闘の軍事訓練を受けた後、派遣先のチェチェンで戦闘中、炸裂弾の破片を至近距離で浴び視力を失う。
 日本に帰還後、目が見えなくても戦えるよう鍛錬を積んでいたが、エレメンツ・ネットワークによる最新鋭の視覚補助システムの提供及び実験を条件に都市犯罪に対する自警を承諾する。
 そして、テスト中に将来の伴侶となる遠山遥と出会う事になる。

 性格は天邪鬼。自称剣を極める事しか頭にない一般社会不適合者。
 悪人相手には容赦がなく手足三本を切り落としたり、一度斬った腕の腱を、縫合手術を受けた後もう一回斬りに行ったりとかなりドS。
 かといって外道というほどでもなく、独自の正義感をもち、子供相手には悪態をつきつつも優しい一面がある。
 子供でも犯罪者なら剣で掌を刺し貫いたりするが。

 この護が召喚された時間軸は最終回、全てが終わった後、数年後に結婚するまでの間である。

【マスターとしての願い】
 剣を振るえる戦場を望む。相手が強者で悪党ならば尚良し。

【方針】
 マスターとの一騎打ちに持ち込めるよう、状況を整理していく。

【ロール】
 防衛隊隊員

【把握媒体】
 漫画が全26巻発売中です。

228 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:29:09 ID:9D0YLGe20
以上で投下終了です。

229 ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:29:23 ID:9D0YLGe20
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

230東郷隷歌&オール・フォー・ワン◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:29:55 ID:9D0YLGe20
とある研究所に一人の男が入って来た。
見た目は黒いスーツを着ていて顔は何故か上半分が影で見えない。
男は我が物顔で入ってエレベーターに向かって行くので其れに気が付いた受付の女性か

「あの、すみません」

呼び止めて

「何かね?」

男は振り返る

「すいません。
 此処は関係者以外立ち入り禁止の場所になって居ますので
 身分証明書などのご提示をお願い致します」

「あぁ、其れはすまなかったね。
 だけど僕には必要ないから」

男は受付嬢の目をよく見る

「必要n……」

受付の女性が最後まで言えずに目が段々とハイライトになって完全にハイライトになると。

「此れは失礼しました|オ《・》|ー《・》|ル《・》|フ《・》|ォ《・》|ー《・》|ワ《・》|ン《・》様
 |東《・》|郷《・》|隷《・》|歌《・》様は現在プライベート研究所に居ます」

「そうかい、ならアレを戴こう」

「畏まりました」

受付の女性は引き出しからカードを取り出すと見せかけて腕の袖口からカードを取り出して
オールフォーワンに差し出して。

「IDは此方になります」

「ありがとう」

オールフォーワンはIDカードを受け取り再度エレベーターに向かう。

受付の女性が姿勢よく待機して居ると徐々に目の色が戻って来て

「ないとはどうy……あれ、私誰に話しかけていたんだけ?」

受付の女性は腕の袖口を触りながら何かを思い出そうとしていた。

「そう言えば何で私手首を擦っているのかしら?」

先程の出来事を覚えていなかった。
その間にオールフォーワンはエレベーターに乗り渡されたIDカードを下のパネルに翳すとエレベーターは動き出した。
そしてある程度の階層に到着するとオールフォーワンはエレベーターから出て廊下を歩き始めた。
廊下には無数のバイオポットにバイオ液体が満たされてその中には|脳がむき出しでもう人間とは呼べない怪物《脳無》が至るに入って居た。

231東郷隷歌&オール・フォー・ワン◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:30:13 ID:9D0YLGe20
そして廊下の先の扉を開けると
目の前に無数のタブレットや書物が浮遊する中デスクワークをする青い長髪の女が居て

「やぁ作業はどうかね?
 隷歌」

オールフォーワンは青い長髪の女に呼びかけると青い長髪の女は気が付いて作業を止めてオールフォーワンの方に向く

「あら、いらっしゃったんですね。
 オールフォーワン」

「あぁ、作業の進行状況が気になってね。
 其れと追加の材料を集めて来たかね」

オールフォーワンが

[パチン]

指を鳴らすと何もない空間から臭気を伴う黒い液体が溢れて来て其処から脳無が現れた
両手には鎖を持ってその先には様々の種族が鎖で縛られていた

「ええ、丁度良かったです。
 材料が切れたばかりで連絡を入れる所でした」

「其れは良かった。
 それにしてもこの短期間で脳無を作るとわ」

「いえオールフォーワンが|先生《氏子達磨》が長年作られた研究データを自分を見た記憶を他人に見せる個性で見せてくれました。ので
 其れにこの世界には様々な物が有りますので」

東郷隷歌が義足の足で椅子から立ち上がり部屋の壁に近くに有った棚の方に向けて手を軽く動かすと棚の上に置いていたアタッシュケースと矢が浮いて東郷隷歌の方に近づいて来た。

「随分僕が与えた個性|念力《サイコキネシス》を慣れて来たね」

「ええ、反復練習は幼い時から行っていますので此れぐらいは簡単に出来ますわ」

そしてアタッシュケースと矢が東郷隷歌の目の前に到着して東郷隷歌は其れを手に取り先に矢の矢じりを見る

「宇宙から飛来した隕石からもたらされたウィルスに染まった岩石から作られ、矢じりで体に傷をつけ、ウィルスに感染し抗体が持った者が人智を超えた力スタンドと言う物を与える〔スタンドの矢〕と」

今度はアタッシュケースを開ける。
中に入って居たのは
様々なイメージした形状にアレンジされた、アルファベットのイニシャルが刻まれているUSBメモリ〔ガイアメモリ〕が入って居た。

「地球に宿る記憶をUSBメモリに記録してで人をドーパンドに進化させる〔ガイアメモリ〕」

「〔ガイアメモリ〕に関してはよく複製出来たね」

「えぇ、此れには少し骨が折れましたが
 オールフォーワンが彼ら洗脳してくれたお陰で作業が捗りましたよ」

東郷隷歌が〔スタンドの矢〕と〔ガイアメモリ〕が入ったアタッシュケースを床に置いて|念力《サイコキネシス》で近くに有ったタブレットを引き寄せてある画面を見せると四人の男性が黙々と作業していた。
彼らは上位NPCのルーク・ランカスター、咲夜栄介、若妻仁、東堂幸三
彼らは〔ガイアメモリ〕の基盤を作った人物だ。
本来ならルーク・ランカスター以外は〔ガイアメモリ〕の制作は協力しないがオールフォーワンが洗脳させて無理矢理に協力させてある

「いやいや、彼らを調べて見つけて、そして一から完成させた君には頭が上がらないよ」

「其れは高く評価しすぎですよ」

二人の会話は悪魔の様に弾む

232東郷隷歌&オール・フォー・ワン◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:30:33 ID:9D0YLGe20
【マスター】
東郷隷歌

【出典】
トリアージX
 
【性別】
女性

【能力・技能】
観察眼
相手の少しの癖や動きを見逃さずに相手を追い詰める事が出来る

人体研究
人を使った人体研究が得意で高確率で成功する。

交渉
さまざまな研究機関を手玉に取って自分がやりたい環境を手に入れられる手腕がある
 
個性|念力《サイコキネシス》
東郷隷歌が個性がどんなものか興味があって実験の一環でオール・フォー・ワンで投入させてもらった個性

【weapon】
マグナム
トリアージ|#20《コミック》
CASE:9
NIGHT OF THE NED
IX
Realizationに登場した銃

【人物背景】
本作のキーパーソン。18歳(?)。
身長157cm(義足を含む)。
スリーサイズ:B90(Gカップ) / W57 / H88cm。
シリンジの頂点に立つ青い長髪の女。
通称「姫」。
両足ともに義足で車椅子生活を送る。
図抜けた頭脳の持ち主。
D99に強い執着を見せ、望月から「最も切除するべき腫瘍」と見なされている。
飛岡市の隣りにある櫻小路市内の三澄学園高校に入り込み、そこの生徒たちに対してD99を用いて人体強化改造を行っていた。
父の遺産を受け継いで海外へ渡り、さまざまな研究機関を手玉に取ってD99を研究してきた。
その後、飛城を使ってD99とそれ由来の生成物を新型麻薬と偽り、飛岡市に送り続けた。
物語中盤にて、小夜の異母妹であることが判明する。
「メタ」騒動を影から操っている。
その目的はD99感染者に意図的な突然変異を起こさせ、そこから新種のハイジェッターを生むことで、飛岡市をその実験場とした。

【マスターとしての願い】
原初D99を自身の身体に投入する事
 

【方針】
聖杯を求める。
オール・フォー・ワンの能力と自身の技術をフル活用して異界の能力を搭載した脳無軍団を作って他のマスターを襲わせる。
 

【ロール】
とある研究所の若き所長

【令呪の形・位置】
左手甲の位置。注射の形をしている。

233東郷隷歌&オール・フォー・ワン◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:30:57 ID:9D0YLGe20
【把握媒体】

トリアージX、コミックとアニメ

参考書、Pixiv辞典


【サーヴァント】

【CLASS】
キャスター

【真名】
|オール・フォー・ワン《死柄木■■■■》

【出典】
僕のヒーロアカデミア
 
【性別】
男性

【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具A+

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
対魔力:A
魔術をほぼ無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは遥かに難しい。

カリスマ:A
軍隊を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。
ある時は望まぬ個性に悩む者から|個性《能力》を取り去り、ある時は力を欲する者に個性を与えることで、次第に支持者を増やし勢力を拡大していった為手に入れた

【保有スキル】

空間転移能力:C
|個性《能力》『転送』を使って異空間を意のままに操る能力。
臭気を伴う黒い液体をゲートとして、対象の人物を転送する。
別の場所へ転送する場合は自分と馴染み深い人物の下にしか転送できない。
転送距離はひどく短いとは言うものの、5km圏内は可能のようである。

飛行:A
|個性《能力》を用いて空中を飛ぶ。
重力に囚われることなく空中を自在に飛行し、音速を遥かに凌駕する速度で高速戦闘を行うことが可能。

縮地:A
|個性《能力》を用いて瞬時に相手との間合いを詰める技術。
 
|個性《能力》の強制発動:A+++
その名の通り対象の|能力《個性》を強制的に発動させる。
今の所意識を失った人間の個性のみを発動させている。

234東郷隷歌&オール・フォー・ワン◇/GOUCPcJFI ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:31:18 ID:9D0YLGe20
【宝具】

『オール・フォー・ワン』

ランク:A+++ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:100人

他者の"|個性《能力》"を奪い自身の"|個性《能力》"にする。
他者から奪った複数の"|個性《能力》"を個別で使用できるだけでなく、複合させて使用することもできる。
奪った"|個性《能力》"を他者に与える事も可能で、相手の頭に手を置くことで|個性《能力》の強奪・付与を実行する。
作中の他人の|個性《能力》に依存する|個性《能力》は異形型などの一部の|個性《能力》には適応されない事が多いが、この|個性《能力》は異形型にも適応する
ただし、遺伝子と深く結びついている|個性《能力》を移動させるのは相応のリスクを伴っており、他者へ付与する場合は負荷に耐えきれず物言わぬ人形の様になってしまう事もあったという。
この能力を駆使して、ある時は望まぬ個性に悩む者から|個性《能力》を取り去り、ある時は力を欲する者に個性を与えることで、次第に支持者を増やし勢力を拡大していったという。
また、対象が既に別の|個性《能力》を持っている場合、与えた|個性《能力》と混ざり合い、新たな|個性《能力》へと変化する事がある。
『ワン・フォー・オール』もそうして生まれた|個性《能力》の一つであり、彼が自身の弟に与えた「力をストックする|個性《能力》」と、その弟が持っていた「"|個性《能力》"を与えるだけの"|個性《能力》"」が合わさって誕生したものである。
オールマイトはこの話を「正義はいつも悪より生まれ出ずる」と皮肉な言葉と共に語っている。
彼がどれだけの数の"|個性《能力》"を持つかは計り知れず、それらを駆使した戦闘力もまた底が知れない。
なお、かつてのオールマイトとの決戦に敗れた事で、それまでにストックしていた|個性《能力》の殆どを手放さざるを得なくなったため、それに伴い戦闘スタイルを一新させたとの事。
更に現在使っている『オール・フォー・ワン』はドクターによって複製された物であり、オリジナルはある人物に継承させるために保管されていた。
唯一欠点を挙げるとすれば、AFO自体で出来ることは生命体の|個性《能力》を"奪う"か"与える"だけであり、何もない所へ"破棄"は出来ない。
そのため自身にとってデメリットになる|個性《能力》を奪った場合、誰かに押し付けるまでその影響を受け続けるはめになる。

【人物背景】

初代『ワン・フォー・オール』の使い手の兄であり、性別が男性である事と苗字が死柄木以外は一切が謎に包まれており、名前も不明であることから、彼の個性である『オール・フォー・ワン』の名で呼ばれている。
一人称はその姿に似つかわしくない「僕」と、まるで少年の様な喋り方をする。
そして、自分のことについて話すとき語尾に「だぜ。」と付けるのが癖。
極めて狡猾な悪の権化と言える人物で、その邪悪なプレッシャーに緑谷らは直接相対していないにも関わらず、自身の死を連想した程。
人の心の隙間に付け入るのに長けており、恩を売って配下を増やし、敵を煽って自滅を誘う。
オールマイトに敗れた時の事は彼にとって大きなトラウマとなっており、それゆえにオールマイトへの嫌がらせには特に執心している。
ただその感情の根幹が本当に「憎悪」であるかどうかは不明である。ホークスがその印象から「あいつずーっと笑ってません?」と言っているように、まるで子供が玩具で遊ぶようにして多くの人々の運命を弄んでいるのかもしれない。
|No.59《本編59話》の姿は、先の戦いで顔の大半が砕かれて瘢痕で覆われている(口元以外はほぼのっぺらぼう状態)というグロテスクなものであり、さらに呼吸器系も損傷したため顔や首に生命維持の様なチューブが何本も繋がれていた。
(ドクター曰く、超再生を手に入れるのがあと5年早ければこうはならなかったらしい。)
が聖杯戦争で呼ばれた事に先の戦いをする前の全盛期に戻っていた

【サーヴァントとしての願い】
全盛期を維持して最終決戦に挑む

【方針】
聖杯を求める。
自身の能力とマスターの技術をフル活用して異界の能力を搭載した脳無軍団を作って他のマスターを襲わせる。

【把握媒体】
僕のヒーローアカデミア|Vol.35《コミック》|No.343《本編343話》辺り

参考書、Pixiv辞典

235I ◆Mti19lYchg:2022/09/27(火) 17:31:45 ID:9D0YLGe20
以上、投下終了です。

236 ◆Mti19lYchg:2022/09/28(水) 17:52:10 ID:SdLgHuf60
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

237ありす&セイバー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/28(水) 17:52:39 ID:SdLgHuf60
「あなたが私のマスターでいいのかしら?」

彼女の名前は白井夢結。今回の聖杯戦争で召喚されたセイバーのサーヴァントである。長い黒髪の少女である。

「そうよ、あたしがあなたマスターよ。セイバーのお姉ちゃん」

彼女の名前はありす。今回の聖杯戦争の参加者のひとりである。白と水色のドレスを身に纏った少女。

(まだ子供? それにこの子はもしかして……)

夢結は自分のマスターを見てなにかを感じた。

「お姉ちゃん、一緒に鬼ごっこしましょう!」

「待ちなさい!」

ありすを追いかける夢結。

(あの子はやっぱり……ゴースト?)

そんなことを想いながらありすを追いかける夢結。


【サーヴァント】

【クラス】
セイバー

【真名】
白井夢結

【出典】
アサルトリリィ

【性別】
女性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力A 幸運C 宝具B

【属性】
中立 善

【クラス別能力】
対魔力:A
A以下の魔術を全てキャンセル。事実上、現在の魔術師ではセイバーには傷をつけられない。

騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣や聖獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。彼女が一柳隊の副隊長として活躍した逸話が昇格したスキル。

単独行動:B
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
単独でも戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】
『ルナティックトランサー』
ランク:A 種別:対ヒュージ宝具 レンジ:1〜50 最大確保500人
彼女のリリィとしてのレアスキルが宝具になったもの。精神を通常のままバーサーク状態で戦うことが可能な危険な宝具。一度発動すれば目の前の敵を殲滅するまで止まらない。

238ありす&セイバー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/09/28(水) 17:52:57 ID:SdLgHuf60

【人物背景】
『アサルトリリィ』の登場人物。

『百合ケ丘女学院』に所属する『リリィ』として『ヒュージ』と戦い抜いた『リリィ』のひとり。

物語が始める二年前の『甲州撤退戦』で主人公『一柳梨璃』を救出しているが、その直後に信頼していたな仲間の『川添美鈴』が死亡してしまい、これにより他人から距離を置くようになってしまう。

それから二年後、かつて救出した梨璃と再会し、自分の過去と向き合い、『一柳隊』の副隊長として仲間たちと一緒に戦い、梨璃の成長を見守ることになった。

【サーヴァントとして願い】
特になし。マスターのことは守る。

【方針】
考え中

【把握素体】
アニメ、ゲーム、舞台、漫画

【マスター】
ありす

【出典】
フェイトエクストラ

【性別】
女性

【能力・技能】

『魔力』
巨大な魔力を消費しても平気でおり
本来ないのマスターなりありえないことも可能にしてしまう。

『火吹きトカゲのフライパン』
彼女が持つコードキャスト。
炎魔力ダメージを与える。

『紅茶のマーチ』
彼女の持つコードキャスト。
サーヴァントの体力を回復する。

【人物背景】
『フェイトエクストラ』の登場人物。

儚げな印象をの、人形のような少女。

基本的に、遊び盛りの無邪気な子供。
寂しがり屋で、人見知り。

その正体は……サイバーゴーストである。

【マスターとして願い】
みんなと遊びたい。

【方針】
考えてない。

【ロール】
小学生。

【把握素体】
ゲーム及び、アニメ、漫画

239 ◆Mti19lYchg:2022/09/28(水) 17:53:25 ID:SdLgHuf60
以上、投下終了です。

240 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:48:52 ID:buV8nJF.0
支援掲示板に投下された作品を代理投下します。

241ラニ・VⅢ&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:49:30 ID:buV8nJF.0

「あなたが私のマスターですか?」

長い黒髪の少女の名前は東郷美森。
今回の聖杯戦争で召喚されたライダーのサーヴァントである。

「はい、私があなたのマスターです」

彼女の名前はラニ・VⅢ。今回の聖杯戦争の参加者のひとりである。褐色肌の眼鏡をしている少女である。

(彼女はもしかして……人間じゃない?)

自分のマスターを見てなにかを感じた美森。

「ライダー、これからよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします、マスター」

お互いに握手をするふたり。

(彼女はやっぱり……ホンムクルス)

この二人の聖杯戦争はどうなるのか?


【サーヴァント】

【クラス】
ライダー

【真名】
東郷美森

【出典】
結城友奈は勇者である

【性別】
女性

【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力A 幸運C 宝具B

【属性】
中立・善

【クラス別能力】

対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現在の魔術師ではライダーには傷をつけられない。

騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣や聖獣は乗りこなせない。

【保有スキル】

戦闘続行:A
最後まで勇者として戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】
『バーテックス』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜1000 最大補足:1000人
かつて彼女が世界を滅ぼすために人類の敵であるバーテックスを引き寄せた逸話が宝具になったもの。大量のバーテックスを召喚して敵も味方も関係なく殲滅する危険な宝具。

『満開』
ランク:B 種別:対バーテックス宝具 レンジ:1〜50 最大補足:500人
勇者たちの切り札が宝具になったもの。
巫女衣装になり、武装も強化され、敵を殲滅する。

【人物背景】
『結城友奈は勇者である』の登場人物。

主人公『結城友奈』の親友。『バーテックス』と呼ばれる人類の敵と戦った『勇者』のひとり。『勇者部』のメンバーのひとりでもある。

その正体は前日譚の物語となる『鷲尾須美は勇者である』の主人公『鷲尾須美』本人である。

【サーヴァントとして願い】
特になし。マスターを最後まで守る。

【方針】
人を殺すことはなるべく避ける。
聖杯に興味はないが、危険なものなら破壊する。

【把握素体】
アニメシリーズ及び、ゲーム。

242ラニ・VⅢ&ライダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:50:38 ID:buV8nJF.0
【マスター】
ラニ・VⅢ

【出典】
フェイトエクストラ

【性別】
女性

【能力・技能】
『錬金術・占星術』
彼女が得意とするもの。

【人類背景】
『フェイトエクストラ』の登場人物。

感情の超伏に乏しく、人間味をほとんど感じられない少女。その正体はとある人物によって造られた『ホンムクルス』である。

自分を造った錬金術師を師と呼び、その命令に従っている。

【マスターとして願い】
願いはなく、師の命令に従うだけ。

【方針】
他のマスターの動きを見る。

【ロール】
とある学園の学生

【把握素体】
ゲーム及び、アニメ、漫画。

243 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:51:03 ID:buV8nJF.0
投下終了です。続けて投下します。

244飯島恋花&ランサー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:51:38 ID:buV8nJF.0

「この世界のラーメンも美味しいわね!」

「確かにこのラーメン美味しい!」

とある店で二人の少女がラーメンを食べていた。

茶色の髪の少女の名前は飯島恋花。この聖杯戦争の参加者である。元の世界ではCHARMと呼ばれる武器でヒュージから人々を守るリリィと呼ばれる存在である。

もうひとりの茶色の髪の少女の名前は立花響
今回の聖杯戦争で恋花が召喚したランサーのサーヴァントである。

「恋花ちゃんには叶えたい願いはあるの?」

響が恋花に願いについて聞く。

「聖杯があればあたしの世界を救うことはできるかもしれないけど、誰かを犠牲にして叶えても意味がない。それはヘルヴォルの……一葉の正義に反することだから。あたしは聖杯は求めない。あたしはこの聖杯戦争を止めたいと思ってる」

自分の願いを響に伝える恋花。

「私もこの聖杯戦争を止めたい! そして、この聖杯戦争に参加者してるマスターやサーヴァントたちと話し合いをしたい! きっと、分かり合えるはずだから!」

(この子はやっぱり……一葉に似てるわね)

響を見てそう感じた恋花だった。


【サーヴァント】

【クラス】
ランサー

【真名】
立花響

【出典】
戦姫絶唱シンフォギアシリーズ

【性別】
女性

【ステータス】
筋力A 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運D 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術発動における詩唱が三節以下のものを無効化する。

【保有スキル】
戦闘続行:B
どんな時も最後まで戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

神殺し:A
神霊、亡霊、神性のスキルを有するサーヴァントへの攻撃にプラス補正。

【宝具】
『エクスドライブ』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:1000人
絶唱と呼ばれる、シンフォギア装者の最大の攻撃が宝具になったもの。最大の攻撃ではあるが発動するとかなりの負担がかかる。

【人物背景】
『戦姫絶唱シンフォギア』の主人公。
『ガングニール』の『シンフォギア装者』でもある。

明るい性格で、かなりのお人好し。
人と手を繋ぐことを絶対に諦めない性格で
敵であってもわかり合うために手を伸ばすことを諦めない。

『天羽奏』に助けてもらったことによりその意志と力を受け継ぐことになった。

【サーヴァントとしてるの願い】
特になし。マスターを守り、聖杯戦争を止める。全てのマスターとサーヴァントと手を繋ぐ。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
アニメシリーズ及び、ゲーム。

245飯島恋花&ランサー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:52:06 ID:buV8nJF.0
【マスター】
飯島恋花

【出典】
アサルトリリィ

【性別】
女性

【能力・技能】
『フェイズトランセンデンス』
彼女が持つレアスキル。
マギを凝縮させ瞬間的に無限大に近い
消費エネルギーのマギを使用した攻撃を可能とする一撃必殺のレアスキル。

『ブルンツヴィーク』
彼女が使用するCHARM。

【人物背景】
『アサルトリリィ』の登場人物。
『エレンスゲ女学園』所属の高校二年生。
トップレギオン『ヘルヴォル』のメンバーでもある。学園の序列は第13位である。

お洒落好きで面倒見の良い性格。『ヘルヴォル』ムードメーカー。

かつて先代の『ヘルヴォル』に所属していた過去があり、とある理由から一度自分の夢を諦めてしまい、『ヘルヴォル』からも距離を置いていた。

序列1位の『相澤一葉』に選ばれ、再び親友の『初鹿野瑶』と一緒に『ヘルヴォル』に所属し、戦うことになる。

一葉のやり方に反発しながらも、一葉と一緒に戦うことを決意し、一葉を支えていく行く。

ちなみにラーメンが大好物。

参加時期はゲームのメインストーリー2章終了後。

【マスターとして願い】
特になし。聖杯戦争を止める。

【方針】
協力してくれるマスターを探す。

【ロール】
とある学園の学生でリリィ

【把握素体】
ゲーム及び、舞台

246 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:52:32 ID:buV8nJF.0
投下終了です。続けて投下します。

247 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:53:37 ID:buV8nJF.0
『いつまでも、一緒いると誓った』

『誓えたことが、安らぎだった』

『こいつのことが、大切だと思った』

『思えたことが、喜びだった』

『幸せにしてやると、言ってやれた』

『言えたことで、満たされていた』

『こんなに色々なものを、こいつから受け取っていた』

『なのに、俺は_____』


「聖杯戦争か……俺はあいつを……クトリを幸せにしてやりたかった……」

そこには黒髪の青年がいた。彼の名前はヴィレム・クメシャ。この聖杯戦争の参加者である。

「俺は!! クトリを幸せにしたかった!!」

悲しそうな顔でそう叫ぶヴィレム。

「それがあなたの願い?」

「お前は……?」

ヴィレムの前に紫色の長い髪の少女が現れる。

「私の名前は一柳結梨。シールダーのサーヴァントだよ。よろしくね!」

これがヴィレムと結梨の出会いである。


『私に結梨という、大切な名前をくれた人がいた』

『私を人間だと、受け入れてくれた人たちがいた』

『私に帰る場所を、大切な居場所をくれた人たちがいた』

「梨璃……私……出来たよ……」


「あれは……結梨の……夢?」

結梨との出会いから数日後。ヴィレムは結梨の夢を見ていたらしい。

「あいつは仲間を守ったんだな……」

ヴィレムと結梨の聖杯戦争はどうなるのか……。

248 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:53:48 ID:buV8nJF.0
【サーヴァント】

【クラス】
シールダー

【真名】
一柳結梨

【出典】
アサルトリリィ

【性別】
女性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力A 幸運C 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現在の魔術師ではシールダーは傷をつけられない。

騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣や聖獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
戦闘続行:B
最後まで戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

単独行動:B
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失ってから二日間現界可能。単独で戦い抜いた彼女の逸話が昇格したスキル。

【宝具】
『レアスキル』
ランク:A 種別:対ヒュージ宝具 レンジ:発動するレアスキルで変化する 最大補足:発動するレアスキルにより変化する。
彼女のリリィとしてのレアスキルが宝具になったもの。あらゆるレアスキルが使える彼女は状況によってレアスキルを発動する。

【人物背景】
『アサルトリリィ』の登場人物。
『私立百合ケ丘女学院』に所属する『リリィ』。レギオン『LGラーズグリーズ(一柳隊)』のメンバーでもある。

海岸で調査任務をしていた『一柳隊』に保護された謎の少女。

主人公『一柳梨璃』に『結梨』という名前を付けてもらい。その名前を大切にしている。

実はその正体は『ヒュージ』の細胞から生み出された『人造リリィ』である。

最後は『ヒュージ』と相打ちになり命を落とすが、大切な仲間を守ったのである。

【サーヴァントとしての願い】
梨璃にまた会いたいと思うが、誰かを犠牲して願い叶えるのは間違いだと思い聖杯は求めない。マスターを守り抜く。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
アニメ及び、ゲーム。

249 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:54:17 ID:buV8nJF.0
【マスター】
ヴィレム・クメシュ

【出典】
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?

【性別】
男性

【能力・技能】
かつては準勇者として戦かっており
戦闘力は高いが、現在は自分が戦うだけで死ぬ可能があるほど体が壊れてるが、もしもかしたらこの世界なら……。

【人物背景】
『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』の主人公。

数百年前に滅ぼされた人間族の生き残りにして、元準勇者の青年。

妖精兵の少女『クトリ・ノタ・セニオリス』出会い、お互いに衝突しながらも相手のことを大切に思うようになる。

参戦時期はクトリの最後を見た直後である。

【マスターとしての願い】
クトリを幸せにしたいが、誰かを犠牲にしていいのか悩んでいる。

【方針】
考え中

【ロール】
とある学園の学生。

【把握素体】
原作小説及び、アニメ

250ヴィレム・クメシュ&シールダー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:54:55 ID:buV8nJF.0
投下終了です。続けて投下します。

251衛藤可奈美&セイヴァー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:55:32 ID:buV8nJF.0
『いつまでも、一緒いるよと誓った』

『誓えたことが、幸せだった』

『この人のことが、好きだなと思った』

『思えたことが、幸せだった』

『幸せにしてやると、言ってもらえた』

『言ってもらえたことが、幸せだった』

『こんなにもたくさんの幸せを、あの人にわけてもらった』

『だから、きっと_____』

「今の私は、誰が何と言おうと、世界で一番、幸せな女の子だ!」


「あれは……クトリちゃんの記憶?」

茶色の髪の少女が目を覚ます。彼女の名前は衛藤可奈美。この聖杯戦争の参加者である。
元の世界では荒魂と呼ばれる存在から御刀で人々を守る刀使と呼ばれる存在である。

「クトリちゃんは幸せだったのかな?」

自分が召喚したサーヴァントの記憶を見た
可奈美はそんなことを思っていた。

「ようやく起きたわね……」

「クトリちゃん! おはよう!」

「おはよう、もうお昼だけどね……」

「そうなの!?」

可奈美を起こしたに来た少女の名前はクトリ・ノタ・セニオリス。青空の髪に、凪のような眼を持つ黄金妖精『レプラカーン』の少女。可奈美が召喚したセイヴァーのサーヴァントである。

「お腹空いたでしょう? お昼食べましょう」

「うん、ありがとう!」

二人は場所を移動しお昼を食べる。

「クトリちゃん」

「手合わせはしないわよ」

「まだ何も言ってないのに!?」

「言わなくてもわかるわよ……」

どうやら剣術マニアの可奈美はクトリに手合わせを何度も頼んでいるが断わられているらしい。

「クトリちゃんはセイバーなんだよね?」

「セイバーじゃなくてセイヴァーよ!」

「違いがわからない……」

セイバーとセイヴァーの違いがわからない可奈美であった。

「そんなことよりも可奈美に叶えたい願いはないの?」

クトリが願いについて可奈美に聞く。

「私には叶えたい願いはないかな。 それに誰かを犠牲して願いを叶えるのは間違ってると思うから。だから私は聖杯戦争を止めたい!」

「可奈美がそれでいいなら私はそれに従うだけよ」

「クトリちゃんには叶えたい願いはないの?」

今度は可奈美がクトリに願いについて聞く。

「私の願いはある人にもう一度だけ会いたい。それが私の願い。だけど、他の誰かを犠牲にしてまで叶えるつもりはないわよ」

「クトリちゃんはその人のことが……」

「好きだったわよ。もう一度だけ彼に会えるなら……『ありがとう』って言いたいかな」

「そっか……」

クトリの話を聞いて暗い表情になる可奈美。

「私のことは気にしなくても大丈夫。私はもう幸せだったから! だから、可奈美は自分の思った通りに動けばいいのよ」

「うん、ありがとう!」

この二人の聖杯戦争の物語はどうなるのか。

252衛藤可奈美&セイヴァー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:55:52 ID:buV8nJF.0
【サーヴァント】

【クラス】
セイヴァー

【真名】
クトリ・ノタ・セニオリス

【出典】
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?

【性別】
女性

【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具A

【属性】
中立・善

【クラス別能力】
カリスマ:E
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。

対英雄:A
英雄を相手にした際、そのパラメータをダウンさせる。ただし反英雄には効果は薄い。

【保有スキル】
魔力放出:A
魔力で作り上げた翼で空を飛ぶ力。
これにより空中戦が可能になっている。
本来の彼女の能力がスキルに昇格したもの。

単独行動:A
マスターから魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクAならば、マスターを失っても一週間現界可能。
単独でも戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

獣殺し:A
魔獣や野生動物に特効。
十七種の獣と呼ばれる存在と戦い続けた彼女の逸話が昇格したスキル。

戦闘続行:A
彼女が最後まで大切な人のために戦い続けた逸話が昇格したスキル。

対魔力:A
A以下の魔術を全てキャンセル。事実上、現在の魔術師ではセイヴァーには傷をつけられない。

【宝具】
『セニオリス』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:500人
クトリの愛剣。最強の聖剣の人振り。
刀身に触れた相手の力を利用する剣。
相手が強大であるほどその力を発揮する。
真名開放することにより、どんな相手も死者に変える世界改変の呪いが発動する。

『妖精郷の門』
ランク:A 種別:対獣宝具 レンジ:1〜50 最大補足:1000人
自らの妖精郷を開き、急激に魔力をおこすことにより、自分を爆弾にして自爆する宝具。

『クトリ・ノタ・セニオリス』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大補足:1000人。
彼女の想いが宝具になったもの。
自分の攻撃力を最大にまで上げ、敵を殲滅する。この宝具を使うと彼女の髪は赤色になる。

【人物背景】
『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』の主人公のひとりにして、メインヒロインでもある。

黄金妖精『レプラカーン』の『妖精兵』の少女。『セニオリス』の適合者でもある。

主人公『ヴィレム・クメシュ』と出会い
反発しながらもヴィレムを好きになっていく。

最後は複数の獣の攻撃を同時に受け魔力の爆発を起こし、最後にヴィレムに感謝の言葉を残し死亡する。

彼女の15年の生涯はここに終わったのであった。

【サーヴァントとしての願い】
もう一度だけ会いたい人がいるが、誰かを犠牲にしてまで叶える気はない。マスターを最後まで守る。

【方針】
マスターに任せる

【把握素体】
原作小説及び、アニメ。

253衛藤可奈美&セイヴァー◇L4nNqWs2T6 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:56:09 ID:buV8nJF.0
【マスター】
衛藤可奈美

【出典】
刀使ノ巫女

【性別】
女性

【能力・技能】

『写し』
刀使の基本戦術で、最大の防衛術。

『迅移』
刀使の攻撃術の一つ。通常の時間から逸して加速する。

『八幡力』
筋力を強化する。

『無刀取り』
相手の刀を素手で止める技。

『千鳥』
彼女が使う御刀。別名雷切とも呼ばれている。彼女の母親がかつて使っていた御刀でもある。

【人物背景】
『刀使ノ巫女』の主人公。
『美濃関学院』所属の中学二年生。

明るく前向きな性格で、友達も多い。
剣術マニアで、剣術のことになると目の色が変わる。

『十条姫和』との出会いをきっかけに大きな戦いに巻き込まれていく。

ちなみに彼女の亡くなった母親も刀使である。

参戦時期はアニメ終了後である。

【マスターとしての願い】
特になし。誰も死なせない、誰も殺させない、全てを守る。でも、手合わせはしたい。

【方針】
協力してくれるマスターを探す。

【ロール】
とある学園の生徒で刀使。

【把握素体】
アニメ

254 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:56:29 ID:buV8nJF.0
以上、投下終了です。

255 ◆Mti19lYchg:2022/10/06(木) 18:57:38 ID:buV8nJF.0
あと、候補作投下終了期限を11月30日に延長します。

256◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:20:54 ID:???0
本スレであるこちらに直接投下させていただきます。
何か不都合がございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

257◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:29:18 ID:???0
「ちょっと……、どこよここわああああぁぁぁぁッッ!!?」

暗闇に星々が輝く宇宙のような空間の中、ピンク色の髪の少女、リリア・クーデルフェイトは自らの置かれた状況にひどく憤慨していた。

「ようこそ、常ならぬ願望を抱く新たなマスター候補者よ」
「!?だ、誰よアンタ!姿を見せなさい!!」
そのとき、どこからか壮年の男と思わしき声が響き、リリアは驚いて辺りを見回すが声の主の姿を見ることは出来ない。

「少し落ち着きたまえ、これから行われるのは万能の願望機『聖杯』を求めて戦いあう『聖杯戦争』、そしてここはその予選が行われる空間だ」
「はあっ!?私そんなものに参加した覚えはないんですけど!?」
リリアは男の言う『聖杯戦争』に参加を表明した覚えは全くなかった。オブシディアン魔法史担当教諭の起こした事件によって自らの手で主人であるアルトを殺害、自身との命を共有させる形で蘇生させ、自らの正体が露見し落ち込むヴェルメイを彼女の背中を押す形で叱咤激励し、アルトとヴェルメイの絆を見て自らはアルトから身を引くことを決め、寮の自室で魔法薬を処分するか悩んでいた所を呼ばれてここに来たのだ。

「君には覚えが無いかね?君は自らの意思で『星晶石』を受け取っただろう?それによって君はこの聖杯戦争に導かれたのだ。」
「は?『星晶石』って一体何の話……っあ!?」
彼女はこの予選に呼ばれる前、ブロンズスクエアの魔導師になるための試験を間近に控えており、願掛けとしてお守りを買うために『アンティークショップ・美紗里』という名前のお店を訪れており、そこの「ミザリィ」と名乗る店長の勧めで購入した3つの金平糖のような形の石のことを思い出したのだ。今にして思えばあれが、というよりそれしか心当たりがないのだがあの石が男の言う『星晶石』なのだろうということを察する。

「あぁ〜〜〜〜〜やっぱりあの時別の物を買っておけば良かったわもう!!」
「まあいいではないか。」
「良くないわ!!」
まあそれはさておき、と男が言うと
「ではこれより予選を開始する。」
その言葉と共にリリアの目の前に円形の魔法陣が描き出され、そこから黒い人型の影のようなものが現れる。

「な、何よこいつ!?」
「そいつは『シャドウ』というサーヴァントのなり損ないだ。」
男の説明によるとこのシャドウを倒せば予選をクリアしたことになるらしい。
「そして君の手には『セイントグラフ』があるだろう?それを使って『サーヴァント』を召喚し、目の前の敵を倒したまえ。」
「……一応聞くけど、その『サーヴァント』っていうのは使い魔みたいなものよね?」
「……まあ有り体に言えばそうなるな。」
リリアは男から確認を取ると、
「ふふん、じゃあその必要はないわね。」

その言葉と共にリリアの手から魔法陣が発生し、
「召喚!!」
その言葉と共に彼女の体ほどの大きさの魔法陣が現れ、そこから両手が鳥の翼の形をし、足元が竜巻で構成された少女のような姿をした精霊が召喚される。
「こんな『なり損ない』ごとき『サーヴァント』とやらを召喚する必要もないわ!私とセルフィードの合体魔法は強力よ!こんな奴軽く粉砕してやるわ!」
その言葉と共に彼女の頭上に巨大な竜巻のような魔法が発生し、
「砕け散りなさい!!」
その言葉と共にリリアは竜巻をシャドウに向かって放つ。竜巻はシャドウに直撃し、巨大な爆発が発生する。

「よっし!どんなもんよ!サーヴァントだか何だか知らないけどなり損ないの使い魔ごとき私とセルフィードの敵じゃないわね!」
勝ち誇るリリアであったが彼女の目の前に広がっていたのは信じられない光景であった。
「……え?」
何と竜巻の直撃をくらったはずのシャドウが原型を保ったままその場に立ち尽くしていたのである。

258◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:30:38 ID:???0
呆気にとられる彼女に対し、男の声は説明する。
「ああ、そうそう。サーヴァントは使い魔としては最上級の存在だ。君が従えているような低級の使い魔で倒せると思わないほうがいい。」
「そ、それを早く言いなさいよ!!」
(な、何よそれ!?使い魔としては最上級!?と、いうことは……目の前のこいつはゴールド……いや、下手したらプラチナスクエア級の使い魔の可能性があるってこと!?)

リリアの世界ではリリア達見習い魔導師を最底辺として始まり、そこから上の「ブロンズスクエア」と呼ばれる初級魔導師、「シルバースクエア」と呼ばれる中級魔導師、「ゴールドスクエア」と呼ばれる上級魔導師から成る序列関係が存在し、更にゴールドスクエアよりも上の序列として「魔導を極めし者」「プラチナスクエア」と呼ばれる最上級魔導師が存在していた。

もし『サーヴァント』と呼ばれる存在が男の言う通り使い魔として最上級の存在であるならば、目の前のシャドウはゴールドスクエア、下手したらプラチナスクエアの魔導師の使い魔クラスの力を持っている可能性が高く、とてもリリアのような見習い魔導師が勝てる存在ではないとリリアは瞬時に理解した。

だったらこの状況を切り抜けるにはどうしたらいいか、方法は一つしかなかった。
「あーもう!!言うとおりにするのは癪だけどサーヴァントにはサーヴァントよ!来なさい私のサーヴァント!我が声に応じ目の前の敵を粉砕しなさい!」
リリアはセイントグラフを掲げサーヴァントを召喚しようとする……が、それに対しセイントグラフは全く反応しなかった。
「ちょ、ちょっと何で召喚出来ないの!?この『セイントグラフ』を使えばサーヴァントを召喚出来るんでしょ!?まさかあいつ、私に嘘ついたんじゃ!?」

そんなリリアの事情に構うことなくシャドウは手にした弓に矢を番え、リリアを射ろうとする。
「ちょ、ちょっと噓でしょ!?こっちはまだサーヴァントを召喚出来てないっていうのに……」
だがシャドウは待ってはくれない。リリアは何とかこの場を切り抜ける手段を探していると、ふと何かを思い出したかのようにポケットの中に手を入れ、そこから緑色の液体が入った試験管を取り出す。

「そ、そうだった!この透明薬ならこの場を切り抜けることが……」
リリアは予選に参加する直前に寮の自室で自身が作成した透明薬を処分するか悩んでおり、その際の透明薬10本を持参したまま参加したことを思い出したのだ。
リリアは試験管の蓋を外すと中に入っていた透明薬を飲み干す。するとリリアの体がまるでそこに何もなかったかのように透明になる。
(な、何とかこれであいつから逃げきれれば……)
が、シャドウはリリアのいる位置が完全に分かっているかのように番えていた矢を正確にリリアに向かって射る。

(……は!?)
リリアは辛うじて射られた矢を回避したがその間にもシャドウは次の矢を弓に番え始める。
(な、なんであいつは私のいる場所が分かるの!?……ってしまったああああ!!この透明薬は服を脱いで全裸にならないと相手に丸わかりなんだったあああああ!!)
そう、リリアの作成した透明薬が透明に出来るのは飲んだ者の肉体「だけ」で着ている服や下着(後靴やリボン等)を透明にすることは出来ず、それらを全て脱いで全裸にならないと相手に丸わかりになってしまい、透明になった意味がないという代物だったのである。
それに気づいたリリアは服や下着などを脱ぎ散らかしながら脱兎のごとくその場から逃げ出し、シャドウは逃がすまいと脱ぎ散らかされた服や下着等を目印にその後を追うのであった……。


そして予選開始場所から少し離れた場所には、リリアを見失ってしまい、辺りを見渡しながらリリアを探すシャドウと、そこから少し離れた場所に服や下着、靴やリボン等を全て脱ぎ、一糸纏わぬ全裸になった透明なリリアが息を切らしながらシャドウの様子を伺っていた。

259◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:31:38 ID:???0
(何で私の後を正確に追いかけてくるのよもう!)
当然ながらそれはシャドウがリリアが脱ぎ散らかした服や下着等を目印にしたからなのだがだからといって男子寮に潜入した時のようにあらかじめ服や下着等を脱ぐという選択肢があるわけがなく、敵が悠長に服を脱いでいる間待ってくれるわけがないのでどうしようもないことなのだが。
(さて……何とか逃げ切ることが出来たけど……どうやってあいつを倒せば……)

リリアは足元にあるセイントグラフに目を移した。このセイントグラフは服や下着等を脱ぎ散らかしながらも最後までずっと手に持っていたものだ。
男の声は「セイントグラフを使ってサーヴァントを召喚しろ」と言っていた。実際自身とセルフィードとの合体魔法がシャドウに通じなかった以上、同じサーヴァントでないとあのシャドウと呼ばれたサーヴァントに太刀打ちすることは出来ないのであろう。

しかし先ほどリリアがサーヴァントを召喚しようとしてもセイントグラフは全く反応しなかった。
そのため恐らくサーヴァントの召喚には何か条件があると思われたのだがリリアにはその条件が全く分からなかった。

(ああもう!ホントどうしたらいいのよ!!)
リリアは必死に考えたのだが答えを見出すことは出来ない。だが時間は無情にも待ってはくれなかった。
自身の身体を見ると薬の効果が切れたのか透明化が解除され、リリアの裸身が再び曝け出されていた。
「ちょ!?このタイミングで時間切れ!?」
そしてシャドウもそれに気づいたのであろう。再び自らの弓に矢を番え、リリアに狙いを定めていた。

「ひっ……いや……」
リリアの心の中にあったのは羞恥心ではなく恐怖心であった。彼女はオブシディアン先生の手によって暴走したヴェルメイによってアルトが致命傷を負い、絶命した瞬間を目の前ではっきりと目撃したことがあるのだ。あの時はヴェルメイがアルトと命を共有したことで蘇生することが出来たが、絶命したアルトの虚ろな目は今でもはっきりと脳内に刻み込まれていた。

あの弓から矢が放たれれば自分もあの時のアルトみたいに絶命する。
その恐怖心から彼女はその場でへたり込んでしまい、その場から動くことも立ち上がることも出来ずにいた。
(い……いや……私はまだ死にたくない……)
だが恐怖心に飲み込まれそうになっても、リリアは生への渇望をまだ捨ててはいなかった。
アルトが完全に死んだと思ったとき自分がとても悲しい思いをしたように、もし自分が死んだらアルトも悲しい思いをするだろう。

それにまだブロンズスクエアにすらなっていないのにこんな訳の分からないものに巻き込まれて死ぬなんてそんなことは到底納得出来なかった。
(そうよ……こんなところで……訳も分からず死ぬなんて納得いくかあああああああああ!!)
その思いがリリアの体の中を駆け巡った瞬間、偶然リリアが手をつけていたセイントグラフが空中に浮かび強い光を発する。

その光に対しシャドウは動揺したのか警戒したのかは不明だが攻撃を中断する。
やがて光が消え去ると、そこにはリリアの身体よりもずっと小さな奇妙な生物が宙に浮いていた。
茶色い卵型の体を黄色い歯車模様が描かれた青いフードで包み、口元を覆うベルトを通して白いマントを羽織っていた。目は黄色く、頭には円錐状の耳のようなものが生えていた。

その存在をシャドウは自身よりも格下と判断したのか再び弓に矢を番え、矢を放とうとする。
だがその行為に対してその生物はクックックと笑いながら両手で口元を抑え、笑みを浮かべる。
そしてこう言い放った。

260◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:32:23 ID:???0
「ナァンダ、ボクの初戦の相手はコンナ格下の雑魚カァ。チョット物足りないナァ。」
その言葉と同時にその生物は両手を上にあげると生物の頭上に魔法陣が現れる。
そしてシャドウは矢を放つが生物の頭上の魔法陣は矢と生物の間に割り込むように移動し、魔法陣から小型のブラックホールが発生、矢はブラックホールに吸い込まれやがてブラックホールは消滅しその場所は元の何もない空間に戻っていた。

自身の攻撃が打ち消されたことにシャドウは動じる様子もなく次の矢を弓に番え、弓を引き絞るが気づいた時には標的の生物の姿がどこにもないことに気づき、辺りを見渡す。
(ちょっと、あいつどこに消えたのよ!?まさか私を置いて逃げたんじゃ!?)

リリアも召喚された生物の姿を探して辺りを見渡すが次の瞬間、先ほどのブラックホールのようなものがシャドウの背後に一瞬だけ現れ、その中から先ほどの生物が出現する。
「バイバイ♪」
その言葉と同時に生物は両手を上にあげると一瞬で魔法陣が現れ、そこから生物の身体を遥かに超える大きさの大剣が召喚される。

シャドウは背後の生物に気づき振り返るが生物の行動の方が早かった。
生物は目にも止まらぬ速度で大剣を振り下ろすとシャドウの体は縦に真っ二つに両断され、霧散、消滅した。

リリアには目の前で起こったことに対して理解は追いつかなかった。ただ一つ言えるのは無事にサーヴァントは召喚され、シャドウは倒されたということだけだった。
そのことを理解した途端、リリアの緊張の糸は切れ、ドッと疲れが押し寄せてくる。
「あ〜〜〜〜助かったあ〜〜〜〜本当に死ぬかと思ったあ〜〜〜〜〜!」
そう言うとリリアは大きく伸びをして床に大の字になって寝転がり、生の実感を噛み締める。
やがて生物はリリアに気付くとフワフワと空中を浮遊しながらリリアに近づき、やがてリリアの目の前に来るとリリアに対し自己紹介をする。

「サーヴァント、キャスター。真名はマホロア。問おウ、貴女がボクのマスターカ?……ナアーンテ、一度言って見たかったンダヨネェ。……ッテ」
だがマホロアはある事実に気付いたのかリリアの身体をまじまじと見て率直な感想を漏らす。
「キミ……ヒョットして俗に言う『痴女』なのカナ?」
「!?」
マホロアの言葉にリリアは自分が一糸纏わぬ全裸であることを思い出し、急激に恥ずかしさがこみあげてくる。
そして顔を赤らめながら両手で胸と股間を隠し、こう言い放った。
「な、何見てんのよエッチ!!」
リリアとマホロアがそんなやり取りをしている内に二人のいる空間が闇に呑まれ、二人は教会の礼拝堂らしき場所へと転送される。
そして礼拝堂の奥からこの教会の神父であり、この聖杯戦争の監督役でもある男、言峰綺礼が姿を現す。

「ようこそ、見事試練を乗り越えた聖杯戦争のマスターよ。私は言峰綺礼。この聖杯戦争の監督役を……」
だが言峰の言葉は途中で途切れてしまった。何故なら言峰の目の前には恥ずかしそうに顔を赤らめながら両手で胸と股間の大事な場所を隠していた全裸のリリアの姿がそこにあったからだ。
言峰は体ごと後ろを向き、リリアにこう告げる。
「……早く服を着たまえ。このままだと話を進めることが出来ない。」
「分かってるわよそんなこと!!」

261◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:33:02 ID:???0


 ◇ ◇ ◇


十分後、礼拝堂には元通り服や下着等を全て着直したリリアとそのサーヴァントのマホロア、そして言峰綺礼の姿がそこにはあった。
幸いなことにリリア、マホロアと一緒にリリアが脱ぎ散らかした服、下着、それに靴や靴下やリボン、リリア自身が持ち込んだ透明薬残り9本とサーヴァントカードに変化したセイントグラフ、予選開始時にリリアに支給されたスマートフォン型の端末等、それら全てが礼拝堂に転送され、床に散乱する形で配置されていたためリリアはそれらを全て回収することが出来た。
勿論着替えている間はマホロアも言峰も一時退室させていたが。

言峰はリリアに率直な感想を述べる。
「しかし驚いたな。私は今まで監督役として幾人ものマスターを見てきたが全裸で予選を突破したものは君が初めてだ。」
「あの時はああするしかなかったからしょうがないでしょ!!」
言峰の感想にリリアは顔を赤らめて頬を膨らませ、マホロアはクックックと笑いながらその様子を楽しそうに眺めている。
「まあそれはさておき、君は聖杯戦争のことについて何も知らないであろう。監督役として私から君に教えられる限りのことを話すからとりあえず話だけでも聞きたまえ。」
そう言うと言峰はリリアに聖杯戦争の説明をゆっくりと始めた。

聖杯によって選ばれた参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。

「……以上だ。他に何か質問はあるかな?」
「……荒唐無稽、としか言いようがないわね。」
リリアは言峰の話を聞いても素直に信じる気にはなれなかった。宇宙を創造したり世界すら作り変えたりするような聖遺物なんてそんなの仮にプラチナスクエアの魔導師たちが力を合わせたとしても作り上げるなんてことは不可能だ。
当の言峰も、「納得できなくて無理もない」という反応を示している。

「でも、ボクは『聖杯』はチャンと存在すると思うナァ。」
その時、リリアと言峰の会話に割り込む者がいた。今まで両者の会話を黙って聞いていたマホロアである。
「何であんたはそう思うのよ?」
「ボクの故郷はネ、『ハルカンドラ』って言う所なんだケド、今は滅びてしまッテいるんだけド、大昔にはとても高度な文明が栄えてイテ、そこで『聖杯』に匹敵するホドの数多くの聖遺物が作り出されたんダァ。」

マホロアはリリアにハルカンドラで生み出された数々の聖遺物の話を語った。
夢を生み出す不思議な杖「スターロッド」、呼び出した者の願いを叶える機械仕掛けの大彗星「ギャラクティック・ノヴァ」、映し出された願いを叶える神聖な鏡「ディメンションミラー」、心を持ち異空間を通ることで遠い場所まで移動することが出来戦闘能力を備える天かける船「ローア」、手に入れた者に無限の力を与える秘宝「マスタークラウン」。
どれも『聖杯』に迫る、もしくは匹敵しかねないほどの強大な力を秘めたアイテム達であり、それらの存在を知っており一部を所持すらしているマホロアにとって『聖杯』は荒唐無稽な夢物語ではなく実在するものだとマホロアはリリアに強く力説した。

リリアは最初、マホロアがリリアを聖杯戦争に参加させるためにでっち上げの作り話をしていると考えたのだが先ほどのシャドウ戦で見せたマホロアの圧倒的強さからそれらの力の一端に触れているというのもあながち嘘ではないと考える。
だがそれでもリリアは聖杯戦争に参加するかどうかは迷っていた。
「あらゆる願いを叶える願望機」なんて例えプラチナスクエアクラスの魔導師ですら喉から手が出るほど欲しがるようなとんでもない代物であり、そんなものを一介の見習い魔導師である自分が手に入れるなんて元の世界にいた頃に周りの人間に言おうもんなら「夢物語」と一蹴されるような事であり、それが現実として目の前にあるというのは非常に魅力的な案件であると言えた。

だがそのために自分以外のマスター、つまり他人を殺すことにはリリアは強い抵抗感があった。
彼女は聖杯戦争に参加する前、自らの研究、欲望のために5人の犠牲者を出し、ヴェルメイを暴走させアルトを一度は死に至らしめたオブシディアン先生のことを思い出していた。
最終的に5人の犠牲者は昏睡状態から回復し、アルトもヴェルメイと命を共有する形で助かったものの、他人を犠牲にして願いを叶える願望機を手に入れるなんてそんなことをしたら自分もオブシディアン先生と同じ穴の狢になってしまうのではと考えたのだ。

262◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:34:08 ID:???0
「オヤオヤァ?随分と悩んでいるようだネェ?こんな機会を逃したら2度とチャンスは巡ってこないと思うケドォ?」
「うっさいわね!参加するかどうか決めるのは私なんだからあんたは黙ってなさい!」
そう、あくまで聖杯戦争に参加するかどうか決めるのはマスターであり、サーヴァントには決定権はない。だからマスターが不参加の意向を示せばサーヴァントがいくら参加したがっても参加することは出来ないのだ。
だがそれを承知の上でマホロアはリリアにアドバイスを与える。
「……マア、ボクに決定権は無いからネ、最終的に決めるのはキミだけどキミにアドバイスを送るコト位は出来るヨォ。……キミ、誰かを殺すことに対して強い抵抗感があっテ、それで参加するかどうか迷ってるンデショ?」
「!?な、何であんたにそんなことが分かるのよ!?」
マホロアに図星をつかれたリリアはマホロアに問いかけるがマホロアはリリアを無視して言峰の方を向き、言峰に質問をする。

「ネェ、言峰神父ゥ?マスターは絶対に殺さなきゃダメなのカイ?ソレトモマスターを殺さないで聖杯を手に入れることは可能ナノカナ?」
マホロアの問いに対し言峰は回答する。
「……結論から言ってしまえばマスターを殺さなければならないという決まりはない。聖杯に触れられるのは霊体であるサーヴァントのみ、マスターが生存していてもサーヴァントが失われればその時点で失格となる。」
「ワァオ!ヨカッタねえリリア!マスターの命を奪わなくても良いってサ!」

ただし、と言峰はリリアとマホロアに忠告する。
「サーヴァントを失い失格となったとしてもマスターはその時点で脱落するわけでは無い。他のサーヴァントを奪うか、もしくは主を失ったはぐれサーヴァントと再契約すれば復帰することも可能となる。つまりサーヴァントを失ったからと言ってそのマスターが何もできず完全に無力化する訳では無い。」
それに、と言峰は更に付け加えるように忠告する。

「サーヴァントは同じサーヴァントを以てしても倒すことは難しい。だからこそマスターを狙って潰すのが聖杯戦争におけるセオリーだ。君たちのやり方ではこの聖杯戦争を勝ち抜くことは難しいだろう。その上でよく考えて決めたまえ。」
言峰の言葉にリリアは思案する。
確かにリリアが手も足も出なかったシャドウをマホロアは何の苦も無く倒して見せた。
それほどまでにマスターとサーヴァントには絶対的な力の差があるということだ。
そしてそれは他のマスターとサーヴァントにも同じことが言えるだろう。
悩むリリアに対し、マホロアは彼女の耳元に近づき、囁きかける。

「ダァ〜イジョウブだって。ボクの強さはミタダロ?他のマスター連中だってボク程の当たりサーヴァントと都合よく組めている訳ないサ。上手く立ち回れば絶対勝てるッテ。」
それに、とマホロアは更に言葉を付け加える。
「サーヴァントはオリジナルはトックに死んでいて聖杯戦争で出てくるのは『座』と呼ばれる所から召喚されたコピーみたいなもので死んでもただ『座』に帰るだけなんだッテ。ダカラサーヴァントを殺してもそんなに気に病む必要はナイヨォ。」
そして最後にマホロアはこう言葉を付け加える。
「ソレトモ……キミは折角のチャンスをフイにして後悔しながら生きていくのカナ?」
「!?」

マホロアの言葉にリリアはアルトがヴェルメイを召喚してからの出来事を思い出していた。
元々ヴェルメイはアルトが使い魔を召喚出来ず留年の危機に瀕していた際、偶然発見した召喚魔術の本を使って召喚した使い魔で最初、授業中にも関わらずアルトとイチャイチャしている彼女が気に入らず彼女に決闘を申し込んだのだが手も足も出ずに敗北、力の差を思い知らされていた。
その後も特別試験で自身が魔獣ケルベロスに襲われそうになった際、ヴェルメイが圧倒的な力でケルベロスを倒したこと、アルトが自身よりずっと格上のゴールドスクエアに決闘試合を挑み、ヴェルメイとのコンビネーションで勝利したこと、それらを傍らで見ているたびにアルトが雲の上の存在になってしまったのではと感じていた。

263◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:35:03 ID:???0
そしてオブシディアン先生が本性を現しヴェルメイに薬を打ち込みそれが原因でヴェルメイが暴走、先生を殺そうとしてそれを庇ったアルトが命を落とした時も、ヴェルメイが自身に従わず逆上した先生が化け物に変貌して襲いかかってきたときも、ヴェルメイに敵わないと判断した先生が逃亡しようとした時も、自身も現場に居合わせていたにも関わらず、何も出来ずにただ怯えて事態を傍観するしかなかった自分の無力さを呪ったりしたものだ。

だがアルトがヴェルメイと使い魔の契約を結んでからあれほどの活躍を見せたように、自身もこのマホロアと契約し使い魔にすることが出来ればどうだろうか?
あれほどの強さを見せたマホロアを使い魔にすることが出来たならばアルトと肩を並べることも、今までは憧れでしかなかったプラチナスクエアの魔導師になることも夢ではないかもしれない。
ついでにヴェルメイにあの時の決闘試合のリベンジを申し込み、雪辱を果たすことが出来るのであれば言うことなしであった。

決意を固めたリリアは言峰の方を向き、はっきりと宣言する。

「分かったわよ……その聖杯戦争に私も参加してやるわ!!」
「ワァオ!!分かってくれたんダネェ!!」
「フッ……いいだろう。」

リリアの宣言を聞いてマホロアは大袈裟に喜び、言峰は勝ち誇った表情を浮かべる。
「リリア・クーデルフェイト。君の参戦を聞き入れた。聖杯は君を歓迎するだろう。」
言峰がリリアに祝辞の言葉を述べるとリリアは言峰に確認を取る。
「説明はこれで終わり?」
「細かいルールは端末のヘルプで参照できるが、何か質問はあるかな?」
「ないわよ。もうあなたからは十分すぎるほど話は聞けたしね。もう用が無いなら失礼させてもらうわ。」
「フッ……素直じゃないな。」
リリアは言峰に背を向けるとマホロアを連れて教会の出入り口である扉を開き、両者ともに教会を後にする。
その背後で────。

「────喜べ少女よ。君の願いは、ようやく叶う。」

言峰は立ち去るリリアの背中に言葉を投げかけるがリリアはその言葉に立ち止まることも振り返ることもなかった。


◇   ◇   ◇


時刻は誰もが寝静まった深夜1時、C―5地区の月海原学園 初等部。
日中は学校に通う生徒や先生で賑わうこの学園も、現在では生徒、先生共々既に帰宅しており、学園は夜の静寂に包まれていた。
そんな学園の屋外に設営された授業用のプールから金網一つを隔てた外の道路に、リリア・クーデルフェイトは手ぶらで訪れていた。

厳密には使い魔のセルフィードとサーヴァントのマホロアを引き連れて来ていたのだがリリアがこれから行うことを他の人間に見られたら非常にまずいことになるため、彼らにはこの周辺やプールの近くに誰かいないかチェックし、もし仮に誰か近づいてきたらすぐにリリアに知らせるための見張り役を頼んでいるため、リリアの目の届く範囲に両者の姿はなかった。
最も他の人間に見られたら非常にまずいことといってもリリアがこれから行うことは学校の金銭や物品を盗むような窃盗行為や学校の施設や備品を壊すような破壊行為では断じてなく、リリア自身もそのような行為を行うつもりは決してなかった。

リリアは金網に手を掛けて金網をよじ登り、金網の頂きに立つとケガをしないようにプールサイドにゆっくりと降りてプールサイドに立つと、周囲に誰かいないか確認するために辺りを見渡し、今度こそ誰もいないことを確認するとおもむろに着ている制服のリボンに手を掛ける。

264◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:35:46 ID:???0
「はぁ……こんな事しちゃいけないって分かってるけど……別にいいわよね。見られなきゃ裸じゃないし誰かに迷惑がかかるようなことをする訳じゃないんだから。」
そう、リリアがこれから行おうとしていることは「夜の誰もいないプールを全裸で泳ぐ」ことであった。元々リリアは特別試験の時に自身が調合した透明薬が飲んだ者の服や下着等を透明にすることが出来ないことに気付き、実際に全裸になって非常に恥ずかしかったため、それに慣れるために誰もいない場所で全裸になる訓練をしていた所、それが癖になってしまい今では時々ストレス解消のために誰もいない時間と場所を見つけては全裸になることを密かに繰り返していた。

それにリリアは以前寮の警備を掻い潜るために透明薬を飲んで全裸になって男子寮に潜入し、合鍵を使ってアルトの部屋に無断侵入したことがあるため、こういった行為に対する罪悪感が薄いという側面もあった。
リリアは慣れた手つきで靴や靴下、着ていた制服を脱いで下着姿になると躊躇することなく下着まで脱いで一糸纏わぬ全裸となる。

そして脱いだ制服や下着等を一か所に纏めると大きな音を立てないように静かにプールの中に入り、壁を蹴ってゆっくりと泳ぎ始めた。
(裸で水の中を泳ぐのって気持ちいい……まるで人魚になったみたい……)
彼女は全身で水を感じながら泳ぐというより、まるで水と戯れるかのようにプールを一周し、やがてプールの真ん中にくると体を水にあずけるかのように仰向けになって水面に浮かび、夜の星空を眺める。

「きれい……」
そう思わず呟いてしまうほど綺麗な星空を眺めながら、リリアは聖杯戦争及びマホロアのことについて考えていた。
マホロアの口車に乗せられて勢いで参加を表明したものの、実を言うと彼女には未だに聖杯戦争に対する不安が残っていた。

オブシディアン先生は確かに自身の欲望のために5人の犠牲者を出し、ヴェルメイを暴走させて従わせようとし、異形の怪物にまで成り下がった外道であることには違いないが、彼とて最初からそうだったわけではなく、その場の感情でゴールドスクエアに決闘試合を申し込んだアルトを心配してたしなめ、ヴェルメイとの関係に悩むアルトの相談に乗ってあげるなど本性を現す前は「いい先生」であることは間違いなかった。今にして思えばあれは自身の本性を隠すための仮面だったのであろうがではもし彼が最初からクソ外道というわけではなく、悪魔の力に魅入られる前は今まで自分たちに見せていた「いい先生」としての顔が本当の物だったとしたら?誘惑に負けて道を踏み外してしまったのだとしたら自身もまたオブシディアン先生と同じ道を歩む可能性がリリアの頭の中をよぎっていた。

最初はマスターを殺さない不殺主義を貫いていても聖杯を手に入れたいという誘惑に負け、他のマスターの命を奪うようになっていったら自身もオブシディアン先生と何も変わらなくなってしまうのではないかという不安が確かにあった。
それに自身のサーヴァントであるマホロアに対しても、心の中では彼を完全に信用してはいけないという気持ちもあった。
確かに彼が語ったハルカンドラ文明の遺産の話はリリアにとっては聖杯同様荒唐無稽な話であったが彼がシャドウを倒したときに見せた圧倒的な力のことを考えると「それらの力の一端に触れた」というのもあながち嘘ではないと思えていた。
だが彼からはどこか、オブシディアン先生と同じ『嘘』の匂いが感じられる気がするのだ。普段の言動の胡散臭さもそうだが、自身を巧みに聖杯戦争への参加へと誘導した彼の口のうまさは、まるでそれだけで世の中を渡り歩いて来たのではないかと思えるほどの巧みさがあったのだ。

「……まっ、万が一の場合でもこの令呪があれば大丈夫よねきっと。」
リリアは右手をあげ手の甲にある令呪をじっと見つめた。令呪とは聖杯戦争の参加者であるマスターに3画配布される自身のサーヴァントに対する絶対命令権であり、これを使って命令すればその命令にサーヴァントは基本的に逆らうことは出来ず、絶対服従するしか出来なくなるため、これがある限りマホロアが自身に危害を加えることは出来ないとリリアは考えていた。

「……これ以上ここに留まっているとそろそろマズいわね……」
色々考えたいこともまだまだあったがこれ以上ここに留まって誰か人が来たら色々と面倒なことになるとリリアは考えたため、彼女はプールから出ると脱いだ下着や服等を着直し、再び金網を乗り越えてマホロアとセルフィードを迎えに行くのであった……

265◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:37:00 ID:???0
リリアが全裸でプールを泳いでいるその頃、見張りを言いつけられたマホロアは夜空を眺めながら自身のマスターのことを考えていた。
「……ナーンカ変な子がボクのマスターになっちゃったなあホント。」
マホロアの住んでいた世界では服を着ている種族と服を着ていない種族が当たり前のように混在して生活している世界ではあったのだが、彼女と初めて会ったとき全裸姿だったのは流石にギョッとしたものだ。彼女はやむを得ない事故だと主張しているが今現在も全裸で夜のプールを泳ぎ、自身に見張りを頼むあたり、やはり彼女は露出願望のある痴女なのではとマホロアは考えていた。

「……マッ、ボクの口車に簡単に乗せられちゃうような単純な性格だったのはタスカッタケドネ。」
正直マホロアは彼女が聖杯戦争を降りて自身の世界に帰ると言い出したらどうしようかと思っていた。
聖杯戦争に参加するかどうかの決定権はマスターにあり、サーヴァントが参加したいかどうかは関係ない。更に予選期間の間中は聖杯戦争に参加しないことを選択したマスターは自由に元の世界に帰還することが出来た。
だからといって無理に引き留めようにもマスターには令呪があるし、仮に万が一にもマスターを殺してしまった場合は、マホロアの場合は「単独行動」のスキルがあるとはいえ新たなマスターを見つけられる保証はないため出来れば最初に契約したマスターを上手く言い包めて参加してもらったほうがマホロアにとってはリスクが少ないと考えたからだ。

「……それにしても彼女も可哀想だネェ、ボクみたいな『嘘吐き』が自分のサーヴァントだなんてサ。」
リリアは聖杯にかける望みとして「自身のサーヴァントであるマホロアを自分の世界に連れて帰って使い魔にする」とマホロアに語っていた。それに対しマホロアは「ワァオ!!それは素晴らしい願いダネェ!頑張って優勝してその願いが叶うとイイネェ!!」と言ったがそれは勿論嘘だ。
マホロアは自由人であり誰かの下に就くなんてことが嫌いな性格なため、リリアの願いが叶うなんてことは真っ平御免だった。
そのためこの聖杯戦争の優勝が確定した瞬間、マホロアはリリアを始末し、聖杯に自分の願いだけを叶えてもらうつもりであった。

マホロアの願い、それは「マホロアが最初から全世界、全宇宙ありとあらゆる全ての支配者であり、それを全ての存在が当たり前の常識として受け入れておりそれを誰一人として疑問にも思わない」世界を作り上げることであった。
マホロアは以前カービィ達を騙してランディアを倒させマスタークラウンを手に入れ、マスタークラウンから無限の力を手に入れ全宇宙の支配者になろうとカービィに戦いを挑んで敗れ去ったことがあった。

その戦いで「力のみを頼って支配しようとしてもより大きな力によって敗れ去る」ことを学んだマホロアは『力』ではなく自らのアイデンティティである『嘘』で全てを支配しようと考えたのだ。
この聖杯戦争で優勝者に与えられる聖杯には世界の法則、常識、事実それら全てを改変して使用者の願いを叶える力があるとマホロアは言峰から聞いていた。
更に望むのであれば手に入れた者の思うがままに世界を動かし、欲望を全て叶える事も可能だということも。
ならばその聖杯の力でマホロア自身が最初からありとあらゆるすべての存在の支配者であり、それを誰一人として疑問に思わず、全ての存在がそれを受け入れた世界に改変するつもりであった。

マホロアは生まれたときから今までずっと嘘を付きつづけて生きてきた。ついたあだ名が「虚言の魔術師」であり嘘そのものが彼のアイデンティティであり誇りでもあった。
自身のサーヴァントとしての表向きのクラスである「キャスター」だって彼の本当のクラスではなく、本当のクラスは通常の7つのクラスとは別の『エクストラクラス』と呼ばれる特殊なクラスなのであるが、今の時点ではマホロアはそれを明かすつもりはなく、表向きのクラスである「キャスター」で通すつもりでいた。
ただ、彼自身もカービィ達との間に友情を全く感じなかったわけではなく、ジャマハート騒動の時にはカービィ達と共闘して三魔官やハイネス、復活した破神エンデ・ニルと戦ったり、その後デデデ大王とメタナイトがタッグを組んで「バディファイターズタワー」という塔を建てカービィに挑んだ時にはカービィとタッグを組んでデデデ大王とメタナイトのタッグと戦ったりしたこともあった。
……最も、今でも宇宙の支配者となる野心をまだ捨てたわけでは無いし、現段階ではマスターであるリリアにカービィ達に対するような友情の気持ちを持ってはいないが。

266◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:37:48 ID:???0
それでもカービィ達と共闘した今でも『嘘』は彼にとって自身の全てであり、嘘をつくことをやめて『虚言の魔術師』の名前を返上してしまったら自身のアイデンティティそのものを全否定するような気がしていた。
だから聖杯に願って「力による支配」ではなく「嘘による支配」をマホロアは成し遂げるつもりでいた。マホロアが全世界、全宇宙全ての支配者であることが常識であり、それをカービィでさえ全く疑問にも思わないような、そんな力づくではなく嘘で成し遂げられた支配を。

「……ボクはどこまでいっても、噓吐きなんだよナァ。」
最も、カービィ達との共闘で力を合わせる事の大切さを学んだマホロアにとって、他のマスターやサーヴァント達を敵に回して袋叩きにあうことは何としても避けたいことだったので、聖杯戦争中は自身に友好的に接してくるマスターやサーヴァントには友好的なふりをして協力関係を結び、有利な陣営を見定めて上手く立ち回るつもりでいた。自身の優勝が確定するその瞬間まで。

「……オット、そろそろボクの『ご主人様』がボクを呼びに来た見たいダ。そろそろ行かないとネ。」
色々考えている内にリリアは既にプールからあがったのであろう。リリアがマホロアを呼ぶ声がしてくる。
(クククッ、マアボクが優勝するその瞬間まで精々役に立ってくれよ『ご主人サマ』。)
マホロアはそんなことを考えながら自身を呼ぶリリアの元に向かうのであった……。

267◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:39:30 ID:???0
【サーヴァント】


【クラス】
キャスター

【真名】
マホロア




























【真名熔解】

【真のクラス】
プリテンダー

【真の真名】
虚言の魔術師 マホロア

【出典】
星のカービィシリーズ

【性別】
不明

【ステータス】

筋力Ⅾ 耐久C 敏捷B+ 魔力EX 幸運 A 宝具 EX

【属性】
混沌・悪

【クラス別能力】
陣地作成:EX
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。マホロアは独力で遊園地や図書館を建設しているためこのスキルを高いレベルで有する。

道具作成:A+
魔力を帯びた器具を作成できる。
マホロアはよろずやとしてジェムリンゴと引き換えに剣、ハンマー、フラスコ、杖といった武器やヘルム、メット、キャップ、ハットといった防具、体力や攻撃力を上げる薬や前述の武器のステータスを上げる書物などを作成可能。またそれらの武器や防具、薬や書物の作成はジェムリンゴでなくとも魔力を持った宝石など魔力さえ持っていれば他の物で代替可能と思われる。マホロア自身は上記のジェムリンゴを模した爆弾を自力で作成可能であり、戦闘時に武器として使用することもできる。

騎乗:A
幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。マホロアは古代ハルカンドラ文明の遺産である天かける船「ローア」を自在に乗りこなせるためこのスキルを有する。

単独行動:EX
フェイカーのクラススキル。マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクEXならば、マスター不在でも長期間現界可能。
 ただし、宝具を最大出力の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。プリテンダーのクラスがフェイカーと≒とされているため、マホロアもこのクラススキルを有している。

偽装工作:B
フェイカーのクラススキル。ステータス及びクラスを偽装する能力で、Bであれば、他のクラスやステータスを相手に見せる事も可能。プリテンダーのクラスがフェイカーと≒とされているため、単独行動同様マホロアもこのクラススキルを有している。

268◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:40:12 ID:???0
【保有スキル】
高速詠唱:EX
魔術の詠唱を早める能力。神言ではないが、スキルとしての強さは神言すら凌駕しており、神言すら不可能な「無言かつ身振り一つで大魔術を発動させる」という行為を可能とする。
呪文・魔術回路の接続を必要とせず、詠唱の長さと威力が比例するという法則も適応外。
マホロアはこのスキルにより後述の宝具も含めた魔術全般を通常攻撃のようにタイムラグ無しで連発することが可能。

虚言の鼓舞:A+
都合のいい言葉で味方を鼓舞し、能力を向上させる。マホロアの虚言癖がスキルとなったもので、言葉巧みに味方を煽てることに長けていたことからこのスキルを有する。

商売人:B
プププ王国のよろずや店主及びダイヤモンド・タウンの薬の行商人としての功績がスキルとなっており、発動すると味方全体の魔力が回復するが代償として魔力を回復した味方全ての体力少しがマホロアに吸収される。本人曰く「アゲタんだから返してヨネェ」とのこと。

友情の誠意:A
イカサマタマゴであり、ドノツラフレンズであるマホロア。そんな彼でもカービィとの出会いで自らの心境に変化が訪れたのか、友情の在り方について考えるようになった。マスターが自身のマスターとして相応しくないと判断すればプリテンダーとしての本性を露わにし容赦なく裏切るが、マスターが彼と真の友情関係を結ぶことに成功し、マスターとして認めることに成功すればその誠意に応えるため決して裏切ることなくその力をマスターのために打算無しで振るう。


【宝具】
『ブラックホール』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜30 最大捕捉:100人
頭上に自身と同じ大きさの魔法陣を作り出し、そこからブラックホールを発生させ敵を攻撃する。マホロアの目の届く範囲内であればすぐにブラックホールを発生させずに魔法陣を自由に移動させて発生場所を自由に決めることが出来、発生したブラックホールは低位の魔術や飛び道具等を吸い込んで無効化させることもできる。更にスキルによって一度使用した後すぐさま再使用が可能なため、通常攻撃のような感覚で気軽に使用できる。

『超・必殺剣(ウルトラソード)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1〜80 最大補足:500人
自身の身の丈を遥かに超える紫色の巨大な大剣を召喚し、自身の前方を斬りはらう。斬撃の範囲は自身の真後ろを除く真上や真下を含めた前方広範囲で、更にブラックホール同様魔力消費も少なく、通常攻撃のような感覚で連発が可能なため、マホロアはこの宝具と上記のブラックホールを連発して手数で敵を圧倒する戦法を好む。

『天翔ける古代船(トベマホローア)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000人
古代ハルカンドラ文明の遺産であり、マホロアの所有船であるローアを召喚し、前方に突撃させ体当たりで敵を粉砕する。ただし威力こそEXランク宝具相応の高威力なものの、マホロア単独でこの宝具を使用することは出来ず、呼び出したローアにマスターか同盟相手のサーヴァントを乗り込ませて操縦してもらわないと突撃すること自体出来ず、更にローアを呼び出している間はマホロア自身は隙だらけと非常に使い勝手が悪いため、マホロアは基本的にこの宝具を使用したがらず、専ら使い勝手のよい上記の『ブラックホール』や『超・必殺剣』で戦うことを好む。


【weapon】
手持ち武器は無し。マホロアは上記の宝具以外にも魔術師として多数の魔術を習得しており、魔力弾(連射可能であり魔力を込めることで巨大な火球を撃つことも可能)、杭ほどの太さの魔力の棘、自らに魔力の風を纏うことによる突進、魔力で生成した自身の体を包みこむ大きさのバリア、空中浮遊魔術、空間転移魔術を習得しており、戦闘時には上記の宝具以外にもこれらの魔術を駆使して戦う。

269◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:41:04 ID:???0
【人物背景】
「星のカービィ」シリーズに登場する魔術師。初登場の「Wii」では本編開始前、ハルドラボ火山の地下の迷宮にてハルカンドラの遺産の宇宙船「ローア」を発掘しマスタークラウンを狙ってそれを守護していたランディアに挑むが返り討ちにあい、異空間ロードを通ってポップスターに命からがら逃走する。そしてポップスターで出会ったカービィ達一行に対し無垢な被害者のふりをして接触し、破損したローアのパーツとエナジースフィアの回収を依頼、そしてカービィ達がローアのパーツとエナジースフィアを全て回収するとそれを元にローアの修復に成功し、カービィ達と共にハルカンドラに戻るがランディアの迎撃にあい、カービィ達に嘘をついてランディアの退治を依頼する。そしてカービィ達がランディアの討伐に成功すると本性を現し、マスタークラウンの力で巨大な姿に変貌し自らの目的をカービィ達に明かすと全宇宙を支配すると宣言し異空間ロードに移動する。そして異空間ロードで自らを追ってきたカービィに対しローアを差し向けるが倒されてしまい、異空間でカービィと直接対決をするが一進一退の攻防の末、ウルトラソードの攻撃をくらい敗れるがその直後にマスタークラウンが暴走し第二形態へと変貌、カービィと死闘を繰り広げるが最終的には敗れ去る。
死亡したと思われていたが実は生存しており、その後の「大迷宮のトモダチを救え!」ではローアに乗ってカービィ達の元を訪れており、前述の一件があったにも関わらずカービィに「友達を救ってほしい」と依頼する厚顔無恥ぶりを発揮、当初はカービィ達に不審がられるがそれでもしつこく食い下がって懇願し、それに折れたカービィ達と共にディメンションミラーに突入するが終盤にまたしても本性を現しディメンションミラーを強奪、ディメンションミラーの力で巨大化し、カービィ達に襲いかかるがカービィ達の機転により敗れ去る。
そしてメタナイトに目的を明かすよう詰問されると「一緒に遊びたかった」「友達になりたかった」と自らの想いを吐露、同情したカービィに拘束を解かれると同時に逃亡、その際、カービィに「本当の友達になろう」と言葉をかけられ一瞬動揺するが結局逃亡する。
その後心境の変化があったのか「スターアライズ」ではドリームフレンズとしてカービィに力を貸しハイネス戦及びエンデ・ニル戦でカービィと共闘、「星のマホロア 心からのベストフレンズ」ではバルフレイナイトと戦闘しそれに勝利、「アナザーディメンションヒーローズ」ではカービィと共闘しダークサイドハイネス及び三魔官シスターズと死闘を繰り広げこれに勝利している。
その後の「カービィファイターズ2」でもカービィと共闘して「バディファイターズタワー」を攻略しデデデ大王とメタナイトのタッグと戦闘、最終的に「下弦のマスクド・デデデ」「上弦のマスクド・メタナイト」に変貌した彼らとの戦闘に勝利し彼らを正気に戻すことに成功している。
また商人としても活動しており、「カービィハンターズ」ではよろず屋の店主として、「無限の歯車」では薬の行商人としてカービィに武器や薬を販売したりしている。
当聖杯戦争では「スターアライズ」のドリームフレンズとして「かつてはカービィを騙し敵として立ち塞がったがその後心境が変化し、カービィの味方として共に共闘した」姿で召喚されており、腹黒い性格は相変わらずであるがマスター次第では平気で裏切る可能性も、上記のように「心からのベストフレンズ」として共に共闘できる可能性もどちらも孕んだ存在となっている。

【サーヴァントとしての願い】
マホロアが最初から全世界、全宇宙ありとあらゆる全ての支配者であり、それを全ての存在が当たり前の常識として受け入れておりそれを誰一人として疑問にも思わない、そんな嘘で支配された世界を創り、自身をその世界の支配者にしてほしい

【方針】
表向きはリリアの意向に賛同し、友好的に振る舞うが優勝が確定した瞬間に彼女を切り捨てる。有利な陣営を見定め、自身が有利になるように立ち回る。

270◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:41:49 ID:???0
【把握媒体】
ゲーム「星のカービィ Wii」「カービィハンターズZ」「スーパーカービィハンターズ」「星のカービィ スターアライズ」「カービィファイターズ2」、小説「星のカービィ 大迷宮のトモダチを救え!の巻」「星のカービィ 結成!カービィハンターズZの巻」「星のカービィ スーパーカービィハンターズ大激闘!の巻」「星のカービィ 夢幻の歯車を探せ!」「星のカービィ 天駆ける船と虚言の魔術師」などをご参照ください。ゲームはプレイ動画及びムービーがYoutubeなどの動画サイトにUPされています。小説は現在書店にて絶賛発売中です。
Wiiのマホロアを知りたい場合はカービィWiiのプレイ動画及びムービー、及び小説の「星のカービィ 天駆ける船と虚言の魔術師」を重点的に、ドリームフレンズとしてのマホロアを知りたい場合は「スターアライズ」のマホロア関係のプレイ動画及びムービーを重点的に見た方がいいかもしれません。


【マスター】
リリア・クーデルフェイト

【出典】
金装のヴェルメイユ 〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜

【性別】
女性

【能力・技能】
『使い魔 セルフィード』
リリアが契約した使い魔(サーヴァントとは別)で風の上級精霊。『召喚』の掛け声とともに呼び出され、リリア自身の魔法と合体させた合体魔法(名称不明。見た目はドラクエのバギ系統に似ている)で敵を攻撃する。
強さのほどは不明だがヴェルメイに上記の合体魔法で全くダメージを与えられなかったことと、特別試験においてケルベロスと直接戦おうとせず、後述の透明薬でやり過ごす選択を取ったことから、大して強くない可能性が高い。


【weapon】
「透明薬」
リリア自身が作成した試験管に入った緑色の薬。アルト曰く「卒業生でも作れる人が少ない高度な魔法薬」とのことでこの薬を飲むと全身が透明になり相手から視認されなくなる。ただし着ている服や下着等は透明にならずそのままなため完全な透明になるためには服や下着等を全て脱いで全裸にならなければならない。また音や匂い等は誤魔化せず、一定時間が過ぎると薬が切れて効果が解除されてしまう。当聖杯戦争においてはリリア自身が処分しようか悩んでいた10本の透明薬をそのまま持ち込んだまま参加したため、予選で消費した1本を除き、現在9本所持している。

271◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:42:28 ID:???0
【人物背景】
王立オルティギア魔法学院の中等部2回生(初登場時1回生)の見習い魔導師で年齢はおそらく13〜14歳。主人公のアルト・ゴールドフィルドの幼馴染であり彼に強い恋心を抱いているため彼の使い魔となったヴェルメイのアルトに対する積極的なアプローチに嫉妬し、アルトに決闘を申し込むがヴェルメイに手も足も出ず敗北し、アルトとの約束で(表面上は)ヴェルメイと和解する。作中ではヴェルメイが規格外に強いため目立たないが高度な魔法薬である透明薬の作成に成功したり、2回生の成績優秀者3名の中の一人に選ばれているため、プラチナスクエアやゴールドスクエアの魔導師と比べれば強さが大幅に劣るだけで見習い魔導師の中では優秀な魔導師だと思われる。痴女である可能性があり、学年代表を決める特別試験に合格するため、番犬であるケルベロスを出し抜いて妖精の花を手に入れるため自身が作成した透明薬を飲んだ後、全裸にならなければ完全な透明になれないことに気づき、恥ずかしがりながらも全裸になってその身一つで妖精の花を手に入れようとしたり、課題にかこつけてアルトを誘惑するヴェルメイに怒り、正体を暴くため透明薬の性質を理解した上で透明薬を飲んで全裸になり男子寮のアルトの部屋に忍び込んだり、ブロンズスクエアの認定試験の試験勉強の際に薄着の興奮状態でアルトに詰め寄るなど、羞恥心が薄く全裸になることに対する抵抗意識が低いと思われる。その一方で前述の特別試験でケルベロスに襲われた自身を助けてくれたことに感謝し手に入れた妖精の花をアルトに譲ったり、ヴェルメイが悪魔であることを理解した上で落ち込むヴェルメイを叱咤激励し、アルトとヴェルメイの絆を理解して彼女の背中を押して自身はアルトから身を引くなど義理人情に厚い一面も持っている。

【マスターとしての願い】
自身のサーヴァントであるマホロアを元の世界に連れ帰って自身の使い魔にする。

【方針】
他のマスターを殺さず、サーヴァントだけを倒すことで優勝を狙う。マホロアのことを完全に信用はしない。

【ロール】
アカデミーの学生

【令呪の形・位置】
右手の甲にある

【把握媒体】
「金装のヴェルメイユ 〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」の漫画及びアニメなどをご参照ください。漫画は月刊少年ガンガンで連載中で単行本は現在6巻まで出ています。アニメはAmazon Prime Video、Abemaプレミアム、dアニメストアその他配信サイトで全編配信中です。

272◆A1Sj87dFpOM:2022/10/07(金) 21:45:50 ID:???0
以上で投下終了です。
タイトルは書いてませんが、候補作のタイトルは「嘘つきマホロアくんと裸のリリアちゃん」です。
何か不都合があればご指摘よろしくお願いいたします。

273◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:08:14 ID:???0
本スレであるこちらに直接投下させていただきます。
何か不都合がございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

274◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:09:37 ID:???0
「ここは……、はっ、私もとうとう地獄行きかい。」

暗闇に星々が輝く宇宙のような空間の中、白銀の生地に天に昇る龍が金糸で刺繍されたチャイナドレスを着た老婆がいた。

彼女の名はカイレ、スレイン法国にて「真なる神器」と呼ばれる「傾城傾国」を任されるという大役を背負った人物であり、破滅の竜王の復活に対処するため護衛に漆黒聖典をつけて出撃した所、ヤツメウナギのような見た目をした未知のアンデットと遭遇し、隊長の指示で傾城傾国をアンデットに使用したものの、アンデットの反撃によって重傷を負い、必死の治療も虚しくそのまま死亡したはずなのだ。

彼女にはここに来た理由がまるで見当がつかなかったが思い当たる節が一つだけあった。
漆黒聖典の護衛の元で任務に向かう途中、先行していた第十二席次「天上天下」が虹色に光る金平糖のような形状の石を3つ発見し、回収したことがあったのだ。
最初は未知のマジックアイテムだと思い、第七席次「占星千里」の道具鑑定魔法で鑑定しようとしたのだが彼女でもどのようなマジックアイテムだったのか全く分からなかったため、とりあえず危険は無いと判断し3つとも自身が預かっていたのだがまさかあのマジックアイテムの効果でこの場所に転移したのでは……、とカイレの頭の中に様々な可能性が浮かび上がっていた。
その時、突如として声が虚空から響いてきた。

「半分正解で半分不正解だ。」
「!?だ、誰だい!?姿を見せな!!」
カイレは声の主を探して辺りを見回すがその姿を見ることは出来ない。高位の隠蔽魔法か伝達魔法でも使っているのか、カイレはそう考えつつも声の主はそんなカイレの様子を気にせず言葉を続ける。

「まずご老人。星晶石に導かれたというあなたの考え、そのことに関しては正解だ。
だが、ここは地獄では無い。寧ろ、蘇るチャンスを与えられた天国に近い場所。
例えるなら、「予選会場」という言い方が正しいだろうか。石はそのチケットみたいなものだ。
……だからあなたにはまず『予選』を勝ち抜いてもらわなければならない。」

「予選……?何だいそれは?」
カイレがそう問いかけたとき、突如としてカイレの目の前に円形の魔法陣が描き出され、そこから黒い人型の影のようなものが現れる。
「!?召喚魔法か!!」
カイレは目の前の現象には見覚えがあった。何故なら漆黒聖典の第五席次であるクアイエッセ・ハゼイア・クインティアが召喚魔法と召喚したモンスターの使役に特化したビーストテイマーであり、それ以外にも第三席次と第十一席次が召喚魔法を使うことが出来たため、彼らが召喚魔法を使うのを何度か見たことがあることからカイレは目の前の出来事が召喚魔法によるモンスターの召喚だと理解することが出来たのだ。

「察しが早いな。それは『シャドウ』というサーヴァントのなり損ないだ。彼を倒せば晴れて予選突破となる。」
「はあっ!?冗談じゃないよあたし一人でどうやって戦えと言うんだい!!」
男の言葉に対しカイレは抗議する。彼女は装備しているワールドアイテムを除けば全く戦闘能力を持たない老婆であり、だからこそ任務に就く際にはその弱点を補うために漆黒聖典の護衛を付ける必要があったのであるが今は漆黒聖典もいない彼女一人の状態である。
だがそんなカイレの抗議に答えるかのように男は言葉を続ける。
「安心したまえ。あなたの手にはあなたの代わりに戦う古今東西の英雄の写し身『サーヴァント』を召喚するために必要なカード『セイントグラフ』がある。」
「?ひょっとしてこれかい?」

275◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:10:45 ID:???0
カイレは自分の手を見るといつの間にかトランプ程の大きさのカードがカイレの手の中に収められていた。
「シャドウはサーヴァントでしか倒すことが出来ない。そのセイントグラフでサーヴァントを召喚し、敵を倒したまえ。」
「……はっ、アタシもようやく要領というものが掴めてきたよ。」
実を言うとカイレも男の言う『セイントグラフ』と似た効果を持つマジックアイテムの存在を知っていた。

陽光聖典の隊長であるニグンがガゼフ・ストロノーフ抹殺の密命を帯びた際、神官長から『サモン・エンジェル・7th/第七位階天使召喚』が封じられたマジックアイテム「魔封じの水晶」を授かって出撃したことがあり、謎の魔法詠唱者と交戦した際に使用(結果は惨敗だったらしいが)したことをカイレは知っていた。
恐らくこの『セイントグラフ』というマジックアイテムは魔封じの水晶と同じ要領で使用するものだとカイレは認識していた。

だがそうこうしている間にシャドウは手にした弓に矢を番え始める。
カイレは手に持ったセイントグラフを掲げて叫んだ。
「来な、アタシのサーヴァント!我が声に応じ、目の前の敵を討ち滅ぼせ!!」
……だがそんな叫びも虚しく、セイントグラフは何の反応も示さなかった。
そしてそんなカイレの事情に構うことなく、シャドウは番えた矢をカイレの足に向かって射る。
「チクショウ!何でサーヴァントが召喚出来な……ぐあっ!」
射られた矢はカイレのゴボウのような足を貫通し、カイレはその痛みから膝をつく。

(何故召喚出来なかった!?……まさかあの男、アタシに嘘ついたっていうのかい!?それともこのマジックアイテムには何か発動条件があるとでもいうのか!?)
カイレはセイントグラフの発動条件が何なのか必死に思案したが、シャドウは再び弓に矢を番え、番えた矢をカイレのもう一方の足に向かって射る。
「ぐっ……」
射られた矢はカイレの足を貫通し、両足を矢で射られたカイレは痛みからその場でうずくまり、動けなくなる。

そしてシャドウは動けなくなったカイレにトドメを刺すべく、弓に矢を番え始めた。
(ははっ……あたしもここで終わりかい……)
カイレは自らの死を覚悟した。だがその時、カイレの脳内に謎のアンデットの攻撃を喰らった時の光景がフラッシュバックする。
(冗談じゃないよ……折角チャンスを掴んだんだ……何も出来ずにむざむざと死んでたまるかい……)
カイレの中にアンデットに対する強い怒りと憎しみの感情が燃え上がった時、手に持ったセイントグラフが妖しく光り始める。
(何より……あのアンデットに対してまだお礼参りもしてないからねぇ!!)
カイレの中の怒りと憎しみの感情が最高潮に達した瞬間、セイントグラフが宙を舞い、辺りは大きな光に包まれた。
その光にシャドウは攻撃を中断して後方へ下がる。

光が消え去った後、カイレとシャドウの間に巨大な怪物が現れていた。
その怪物は翼のない二足歩行の巨大なドラゴンのような姿をしていた。100メートルを優に超えるであろう巨体を持ち、体形こそ人間に酷似しているものの、全身銀色で口吻の短い竜のような頭部を持ち、四本指の手に長く強靭な四肢を持ち、背中には板状の背びれが生え長い尻尾を持っていた。

カイレは恐らく目の前の怪物が、自身が呼び出したサーヴァントであろうことを察する。
(……何だいこいつは?まさかアタシは竜王を召喚したとでも言うのかい?)
カイレは自身が召喚したサーヴァントの正体を考察していた。カイレが住んでいた世界は大昔は強大な力を誇るドラゴンたちが支配していた。だが500年前に現れた八欲王と呼ばれる存在によってドラゴン達のほとんどは倒され、現在では戦いに参加しなかった一部のドラゴンが生き残っているのみとされていた。

恐らく召喚したのは生き残った竜王の中の一体とカイレは考えたのだが、法国が存在を把握していたのは白金の竜王「ツァインドルクス=ヴァルシオン」を始めとしたアーグランド評議国の永久評議員の5匹の竜王、自身の任務に大きく関わっている破滅の竜王、既に滅んだとされている朽棺の竜王「キュアイーリム=ロスマルヴァ―」、地下の巨大な洞窟に籠っているとされている常闇の竜王、本国は死亡したと判断している吸血の竜王、竜王国の女王であるドラウディロン・オーリウクルスの曽祖父である七彩の竜王、詳細が不明な聖天の竜王と千刃の竜王、そしてツァインドルクス=ヴァルシオンの父親である竜帝であるが、目の前の怪物は法国の情報の中にあったそれらの竜王たちの特徴のどれにも合致しなかった。

276◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:11:31 ID:???0
強いて言えばドラゴン・キンと呼ばれるドラゴン種が逆三角形の体格、人間とドラゴンを融合させたような骨格、大木のような尻尾を持った直立した翼のないドラゴンに似た容姿と目の前の怪物と合致した特徴を持っていたのだが、恐らくドラゴン・キンの中で突然変異で生まれた個体が力をつけ、竜王となったのが自身が召喚した怪物の正体であり、表舞台に出てこなかったため法国も存在を把握していなかったのだろうとカイレは考えていた。

「まあ、こいつの正体はどうでもいいさね。こいつの実力を見ればそれもハッキリすることさ。さっ、アンタは私が召喚したんだから私がご主人様だよ。まずは目の前のコイツを倒しな。」
……がカイレの指示に対し、怪物は微動だにもしなかった。
「?どうしたんだい?アタシの命令が聞こえなかったのかい?」
だが怪物は目の前のシャドウ……ではなく、カイレの方に振り向いてきた。

「!?おい!アンタは敵味方の区別もつかないのかい!?」
(くっ……仕方ないね、これを使うしか……)
攻撃される、そう判断したカイレは自身に装備されたワールドアイテム「傾城傾国」の使用を決断する。カイレが念じると傾城傾国に刺繍された龍が光り、そこから光の龍が飛び出し怪物に直撃する。
だがそれと、怪物が腕を振り上げカイレを叩き潰そうとしたのはほぼ同時だった。
そして怪物は振り上げた腕をカイレに向かって振り下ろし、カイレを叩き潰そうとする。

……が、振り下ろされた腕はカイレの眼前スレスレで停止していた。傾城傾国による洗脳支配がギリギリの所で間に合ったのである。
「……ふう、危ないところだったよ。傾城傾国が無かったらアタシは今頃ミンチになっていた所さね。」
カイレは自身の眼前にいる怪物を見上げる。怪物はカイレの指示があるまで待機状態に入っているのか、その場から微動だにもしなかった。
「兎に角、今度こそこれでアタシはアンタのご主人様だよ。さっ、まずは最初の命令を与えるよ。あの「シャドウ」とかいう黒い影みたいなやつを叩き潰しな。」
カイレの指示に反応したのか、怪物はシャドウの方に向き直ると左脚を振り上げる。

シャドウはその場から逃げ出そうとするがそれよりも早く怪物はシャドウに向かって左脚を振り下ろし、全体重を乗せて踏み潰す。
そしてシャドウが脚を上げるとそこにはシャドウの姿はなく、ただ消滅したということが伺えた。
「ふっ、どうやらこいつの実力は本物みたいだね。」
カイレは自らが呼び出したサーヴァントの実力に満足していた。

ドラゴン・キンは特殊能力をほとんど持っていないモンスターであるがその剛腕となかなか尽きない体力は上位モンスターに匹敵すると言われており、恐らくこの怪物も特殊能力の代わりに単純な体力とパワーを追及していった結果、それだけで竜王たちと同等、もしくはそれを凌駕する力を得た特殊個体であろうとカイレは推察していた。

制御できないという点は大きな欠点であったが、傾城傾国による洗脳支配が成功した以上、その点に関しては心配はいらないとカイレは判断していた。何故なら傾城傾国による洗脳支配を解除する方法はカイレが知る限りでは存在せず、サーヴァントそのものが消滅するかもしくは使用したカイレ自身が死ぬまで洗脳支配は有効であり、それまでこのサーヴァントは自身に忠実であり続けるだろうとカイレは考えていた。
しばらくすると、現在いる空間の明かりは消えていき、辺りは暗闇に覆われた。
徐々に光が構成されていき、風景らしきものが表示されていった。

晴れた先にあった施設は、素朴でありながらも広々とした礼拝堂であった。
室内にはサーヴァントはいない。背後のガラスの先には、召喚されたサーヴァントが見えている。
どうにも図体は礼拝堂に入りきらないと判断してか、外に分けられたということらしい。
「……はっ、召喚魔法の次は転移魔法かい。どうにもこの『聖杯戦争』の主催者とやらは高位の魔法詠唱者らしいね。」

277◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:12:28 ID:???0
カイレは自身とサーヴァントに行使された魔法として「上位転移」の魔法の可能性を考えたのだが、「上位転移」は第七位階魔法であり、更にカイレの住んでいた世界では「逸脱者」ですら第六位階魔法の行使が限界であるため、恐らくこの聖杯戦争の主催者はかつての六大神や八欲王と同等、もしくは凌駕する力を持った高位の魔法詠唱者であろうとカイレは考えていた。

「────ようこそ、試練を乗り越えた聖杯戦争のマスターよ。」
「!?その声はさっきの!!」
突如としてカイレの耳に予選の時に聞こえてきた声と同じ声が聞こえてくる。
「私は、言峰綺礼。此度の聖杯戦争において監督役を務めている者だ。」
カイレが声が聞こえてきた方向を向くと、そこには背の高い神父のような服装をした男がいた。
カイレは男の外見から、恐らく第四席次「神聖呪歌」と同じ信仰系魔法詠唱者ではないかと考える。

「……あんた、魔法詠唱者だね?それも信仰系の。」
カイレの問いかけに対し、男はフッと笑うと、
「なに、私は魔術師としては平凡でね。治癒魔術こそ得意だがそれ以外の魔術は平凡な物しか使えない。……その代わりに八極拳やアンデット退散には精通しているつもりだが。」
「……やっぱりアンタは信仰系魔法詠唱者じゃないか。」
カイレは治癒魔術やアンデットに対する退散能力、近接格闘に精通していることから、恐らく言峰はクレリックの職を修めているのではないかと考える。

「さて、そろそろ解説に入りたいところだが……その前に、サーヴァントを霊体化してもらいたい。このまま立たされていても迷惑なのでな。」
「……霊体化?アタシが召喚したのはドラゴン系だろ?アストラル系でも無いのにどうしてそんなことが出来るんだい?」
カイレの疑問に対し、言峰は説明する。
「サーヴァントは実体を持った幽霊の類だ。意思によって物質的な肉体を分解し、物理的に消すことができる。」

言峰の説明に対し、カイレはサーヴァントの正体について考察する。カイレが知る限りでサーヴァントに近い特性を持つモンスターは60レベル程の強さを持つ上位アンデットのペイルライダーであるが、このモンスターは実体と非実体を使い分けることが出来、空を飛ぶこともできる厄介なアンデットであり、対処できるのは漆黒聖典でも神人である隊長か番外席次のみという強力なアンデットである。恐らくサーヴァントというのは死んだモンスターをアンデッド作成でペイルライダーの種族特性を持ったアストラル系のアンデッドとして蘇らせ使役させた存在なのであろうと思われた。で、あれば自身が召喚したサーヴァントの正体が何なのかも自ずと分かってくる。恐らく正体は過去に八欲王に戦いを挑み、敗北して死亡した竜王の中の一体なのであろうとカイレは考えていた。

カイレは試しに自身のサーヴァントに対し、霊体化の命令を与える。
すると怪物はカイレの命令を受けると体を非実体の霊体と化し、物理的に姿を消した。
「……驚いたね。あんたの言ったことは本当のようだ。」
「理解してもらえたかなミセス・カイレ。……さて、あなたのサーヴァントから聖杯戦争について聞くのは難しいだろう。代わりに私が聖杯戦争について一通りあなたに解説してあげよう。」
そしてカイレは言峰から聖杯戦争の説明を受けることとなった。

聖杯によって選ばれた(今回の場合は星晶石が招待状)参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。

278◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:13:26 ID:???0
「……成程。そして最後の一組になればその『聖杯』とやらが手に入るって訳かい。」
カイレは言峰の説明を聞き、ニヤリと口を歪める。
カイレが言峰の言う『聖杯』の存在を信じたのには理由があった。

スレイン法国では法国を建国した六大神とドラゴンの大半を殺し世界を支配した八欲王に関する伝承が数多く残されていた。現在自身が装備している「傾城傾国」も六大神が遺した「ワールドアイテム」と呼ばれる最高級のマジックアイテムであるが、六大神が伝え残した資料によると「ワールドアイテム」は傾城傾国以外にも複数存在しており、その中でも『二十』と呼ばれるものは世界そのものに影響を与えるほどの強大な力を持つとされ、かつて『始原の魔法』しか魔法が存在しなかった世界に位階魔法が広まったのは八欲王が『二十』を使用して世界の法則を歪め、『始原の魔法』が失われ世界中の人間やモンスターの間で使われる魔法として位階魔法を主流にさせたという文献があったからだ。

それに蘇生魔法でも蘇生が不可能だった自身をこうして蘇らせ、ワールドアイテムごとここに呼び寄せるなんてことは同じワールドアイテムでも不可能な事であり、『聖杯』が「二十」に匹敵、下手したらそれすら上回りかねない力を持つアイテムであることは明白であった。
そのことから世界の法則、常識、事実それら全てを改変して使用者の願いを叶える力を持つという言峰の話も眉唾ではないとカイレは考えていた。

「さてミセス・カイレ。あなたは死者だ。その魂だけがこの場に召し上げられている。聖杯戦争を辞退することも可能だがその場合魂は霧散し消滅する。よってあなたに与えられた選択肢は二つ、この聖杯戦争に勝ち残って最後の勝利者となって聖杯を手に入れるか、それとも自ら自決し命を断つか、さあどうする?」
言峰の問いに対しカイレは
「自決だって?冗談じゃないよ。」
そう即答するとカイレはニヤリと笑いながら、
「この聖杯戦争、アタシも乗ってやろうじゃないか。」
「ほう……」
カイレは聖杯戦争への参加を表明し、言峰は笑みを浮かべる。

カイレは聖杯に対し叶えたい願いがあった。カイレには自身を殺したアンデッドに対する強い怒りと憎しみの気持ちがあり、また法国周辺には人間種に害をなす亜人種や異形種が数多く存在していたため、自身の蘇生と共に現在自身が従えている竜王と共に元の世界に帰還、自身を殺したアンデッドに対する報復と、人間種に害をなす亜人種や異形種共の殲滅に自身が従えた竜王を用いるつもりでいた。
「では汝、自らの力を以って最強を証明せよ。奇跡を欲するならばな。」
「はっ、あんたには世話になったね。これで失礼させてもらうよ。付いてきな、ライダー。」
カイレは言峰に背を向け、教会の出入り口である扉を開き、礼拝堂を後にする。
その後ろをカイレの命を受けたサーヴァントである怪物がただ黙って随伴していった……


◇   ◇   ◇


ここは月海原学園の校長室、そこに一人の年老いた女性がいた。カイレである。
彼女に与えられたロールは『月海原学園の校長先生』であり、表向きは生徒思いの優しい校長先生として振る舞っていた。
カイレはおもむろに部屋の奥にある校長のみが座ることを許された立派な装いの机と椅子に向かって歩き、椅子に腰を下ろして座る。
サーヴァントは霊体化させて学校付近に待機させていた。もし他のマスター、サーヴァントと接触した場合、直ぐに駆け付けられるようにするためである。

カイレは椅子に背を預けながら今後の方針について考えていた。
自身に支給された端末で確認したルールによると、NPCを大量殺害して魂喰いをした場合、監督役のサーヴァントであるルーラーから他の参加者であるマスター全員に討伐令が下されるということが書いてあった。
カイレは自身のサーヴァントの強さに自信を持っていたがだからといって他のマスターとサーヴァント全員を相手にして勝てると考えるほど彼女も愚かでなかった。

279◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:14:21 ID:???0
そうでなくても自身のサーヴァントの巨体では否応なしに目立ってしまい、他のマスターやサーヴァントに目を付けられる可能性は常に考えなくてはならないことなのだ。
カイレは自身のワールドアイテムである「傾城傾国」を自身のサーヴァントの制御に使い続けているため、他のマスターやサーヴァントに傾城傾国を使用することが出来なくなっていた。
そのため今のカイレはサーヴァントを従えている事以外は何の戦闘能力も持たないただの非力な老婆に過ぎないため、自身を直接狙われたら成す術がなく、そのことも考慮した上で慎重に立ち回る必要があった。

カイレは机の棚を開けるとその中から生徒名簿を取り出す。
幸いにして今の自分のロールである校長の立場を利用すれば、月海原学園に通う全ての生徒の情報を顔写真付きで把握することが出来た。
自分のような老婆が参加者として参加している以上、まだ未成年の子供も参加者として参加しているかもしれない。
その中には月海原学園の生徒というロールを与えられ、この学園に通っているものもいる可能性があった。

だからこそ自身に与えられた校長の立場を利用して生徒として学園に通っている参加者を見つけ出し、確実に始末するつもりでいた。
そしていずれ不要と判断すれば今の地位を捨て、他のマスターやサーヴァントが疲弊したところを狙って排除し、優勝を狙うつもりでいた。
カイレは生徒名簿を机の中にしまうと立ち上がり、後ろの窓を開けて外の景色を眺めながら一人呟いた。
「待ってなよ法国に仇なす異形種共。アタシが竜王と共に帰還するその時まで精々首を洗って待ってな。」

280◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:15:13 ID:???0

【サーヴァント】


【CLASS】
ライダー

【真名】
MECHAGODZILLA

【出典】
GODZILLAvsKONG(2021年版)

【性別】
なし

【ステータス】

筋力 A+++ 耐久 A++ 敏捷 B+ 魔力B 幸運 D 宝具A+

【属性】
秩序・狂

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:EX
乗り物を乗りこなす能力。MECHAGODZILLAはそれ自体が人間が搭乗して操る乗り物そのものであるため、彼(?)はこれ以上の騎乗を必要としない。本来は人間である芹沢漣が搭乗して制御し操るロボットであるためそれが彼(?)がライダークラスである所以なのだが現在は後述するスキルにより制御下を離れ自律している。

狂化:EX
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。元々は前述の通り芹沢漣が搭乗して操るロボットで自らの意思を持たなかったのだが、インターフェースに使用されていた生体スーパーコンピューターにゴジラに倒されたギドラのDNAが使用されていたため、起動と同時にギドラの意思が目覚め、自らの意思を持ちパイロットの芹沢の制御を離れ目に付くもの全てを破壊する狂戦士と化してしまっている。現在はマスターであるカイレのワールドアイテム「傾城傾国」により何とか制御下に置くことに成功しているが、万が一カイレの身に何かあった場合、再び制御を離れ暴走する危険性を秘めている。

単独行動:EX
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクEXならば、マスター不在でも長期間現界可能。ただし、宝具を最大出力の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。MECHAGODZILLAの場合、本来パイロットである芹沢漣の操縦が必要なロボットであったのだが、起動と同時に自らの意思を持ちパイロットの制御を離れ、単独でゴジラ及びコングと死闘を繰り広げたためこのスキルを有する。このスキルにより万が一カイレの制御下から解放された場合、暴走するMECHAGODZILLAを倒して止める必要がある。

【保有スキル】
無辜の怪獣:EX
スキル『無辜の怪物』が変化したイデススキル。人類によって創り上げられた人造タイタンであるMECHAGODZILLAはハリウッドの映像技術によりミサイルを放ち、口からビームを撃ってジェット噴射で駆け回り、全身が格闘兵器と化している。その在り方はまさに鋼鉄の怪獣。このスキルを使った時、本人(?)はテーマソングが流れてほしいと密かに思っている。

怪力:A++
魔物としての能力。自身の筋力を向上させる。自身と同等の大きさ、重さの怪獣を軽々と持ち上げ振り回すMECHAGODZILLAの筋力は自身の大きさと相まって最上級のものとなっている。

メイサーパワーコア:A+
MECHAGODZILLAの動力源となっているパワーコアで、MECHAGODZILLAにメーサーエネルギーを供給し、自身の活動に必要なエネルギーを常時生成し続けている。また爪や四肢にエネルギーを供給することで自身の格闘攻撃の威力を向上させることもできる。

アルファコール:B
自身以外のサーヴァントに対する命令権を行使できるスキル。元々はタイタン(怪獣)に対する命令権を行使できる能力だったのだが、サーヴァント化にあたって「サーヴァントに対する命令権の行使」というスキルに置き換わっている。元々はギドラが有していた能力であったがMECHAGODZILLAの生体コンピューターにはギドラのDNAが使用されているため、ギドラから引き継ぐ形でこのスキルを所有している。
このスキルを用いて命令を与えることで自身よりもずっと弱いサーヴァントを従順させ、命令に従わせることが出来る。ただし令呪による絶対命令権よりは優先権は劣るほか、一定以上の強さを持つサーヴァントを従わせることも出来ない。

281◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:16:02 ID:???0

【宝具】
『A-74プロトンスクリームキャノン』
ランク:A+ 種別:対城宝具 レンジ:1〜80 最大補足:800人
MECHAGODZILLAの口から発射される宝具。口から赤色の熱線を放ち、高熱で敵を焼き尽くしたり高熱刃の要領で敵を焼き切って両断することもできる。威力が劣る代わりに連続使用を可能とした『低出力モード』と、高い威力を誇る代わりに連続使用が不可能な『高出力モード』の二つを使い分けることが出来、高出力モードの威力は地殻を貫き地球の中心にまで通じるほどの大穴を開けるゴジラの熱線と同等以上となる。

【weapon】
全身に装備されたミサイル、三つの鋼鉄の指がついた手を回転させ敵にパンチする「ロータークロウズ」、尻尾についたドリルを回転させ敵を貫く「テイルドリル」、機械の体や四肢を使った格闘能力

【人物背景】
巨大テクノロジー企業「エイペックス・サイバネティクス」が怪獣たちの出現によって地球の支配者の座から蹴り落された人類を万物の霊長に返り咲かせるために開発した対怪獣用決戦兵器。コントロール源としてかつての闘いでゴジラに噛み千切られたギドラの頭部の頭蓋骨を使用したDNAコンピューターが採用されており、外部に置いたギドラの頭骨を改造したコクピットに当たる空間の中に乗り込んだパイロットの芹沢漣との精神リンクによって精密かつ確実な遠隔制御が可能という究極のマンマシーンインターフェースを実現している。
そのためゴジラはメカゴジラをギドラ同然の存在と認識し、これの開発が進められていた同社の施設の襲撃、破壊活動を繰り返していた。
建造当初の出力が40%しか出せない不完全な状態でもかつてコングを苦しめたスカル・デビルを一蹴出来るほどの高い戦闘能力を有していたが、同社CEOのウォルター・シモンズはその結果に満足せず、メカゴジラを完全なものとするため地球の地下奥深くの巨大空間にある未知のエネルギー源に目をつけ、モナークが検討していたコングの地下空間への移住計画に協力する形で、娘のマイア・シモンズを含めた自社の人間と機器を地下空間に送り込み、マイア・シモンズから送信された地下空洞のエネルギーのサンプルデータを基に再現したエネルギーを用いることで出力不足の問題を解決、完成にこぎつける。時を同じくしてメカゴジラの存在を察知したゴジラがメカゴジラが収容されている香港の本社に迫ってきため、迎撃のためにウォルターは起動を強行するがDNAコンピューターに使用されていたギドラの意思により自我が芽生え、パイロットである芹沢の制御を受け付けなくなり暴走、ウォルター・シモンズを殺害、芹沢を感電死させ、香港の住民たちを虐殺しながらゴジラに戦いを挑む。
当初はゴジラが直前のコングとの戦いで消耗していたこともあり終始ゴジラを圧倒、トドメを刺そうとするが復活したコングによって妨げられる。それでも2対1の状況ながらもゴジラとコングのタッグを相手に互角以上に渡り合うが人間側の機転で制御システムのコンピューターにウィスキーがかけられたことで機器が故障、一時的に機能低下する。
その隙をついてゴジラがコングの斧に熱線を放ってエネルギーをチャージ、威力を最大限に高められた斧による猛攻をくらって機体のほとんどを失うほどの大ダメージを負い、最終的にコングに頭部を引きちぎられ、機能停止する。

【サーヴァントとしての願い】
全ての存在の破壊

【方針】
(制御下にある限りは)カイレの意向に従う。

【把握媒体】
モンスターバースシリーズ4作目『GODZILLAvsKONG(2021年版)』をご参照ください。レンタルDVD、ブルーレイが全国のTSUTAYA及びGEOで絶賛レンタル中です。
動画配信サイトではU-NEXTやFODプレミアムやAmazonプライムビデオ等で絶賛配信中なのでそちらでご覧になってもいいかもしれません。

282◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:16:52 ID:???0


【マスター】
カイレ

【出典】
オーバーロード

【性別】
女性

【能力・技能】
なし

【weapon】
「傾城傾国」
スレイン法国を建国した六大神が遺した「真なる神器」とも呼ばれる最高級のマジックアイテム「ワールドアイテム」の一つで見た目は白銀の生地に天に昇る龍が金糸で刺繍されたチャイナドレス。
効果は使用した相手を洗脳し支配するものであるが、この効果は相手の耐性を無視して絶対に洗脳支配するという超凶悪なものであり、またこの効果で洗脳支配されてしまうと最上位魔法である超位魔法「星に願いを」の力を以てしても解除することが出来なくなってしまう。そのため対処するには他のワールドアイテムをあらかじめ装備して「世界の守り」と呼ばれる特殊なバフ効果で耐性を得るか、ワールドチャンピオンのスキルをタイミング良く使用して防ぐか、「二十」と呼ばれる上位のワールドアイテムの効果で解除するか、もしくは洗脳支配されたものを殺すしか解除する方法はない。
ただしこの効果で相手を洗脳支配している間、洗脳した相手が死ぬなどして効果が解除されるまで他の相手に使用することは出来なくなる。
当聖杯戦争において、カイレは自身のサーヴァントであるMECHAGODZILLAを制御する手段としてこのワールドアイテムを用いているため、他のマスターやサーヴァントに対して使用することが実質出来なくなっている。

【人物背景】
オーバーロードの作中世界に存在している国家「スレイン法国」に所属している高齢の女性で前述のワールドアイテムを任されていることと神人である漆黒聖典の隊長に様付けで呼ばれていることから法国でも高い地位に就いていると思われる。
作中では陽光聖典のニグンを監視していた土の巫女姫が謎の爆発で死亡したため、破滅の竜王の復活と判断した上層部からの命令で漆黒聖典の護衛付きで出撃、その途中でシャルティア・ブラットフォールンと接触、交戦状態に入ったため隊長の指示でワールドアイテム「傾城傾国」を使用、シャルティアの洗脳に成功するがシャルティアの反撃をくらって重傷を負い、シャルティアを放置して本国に撤退するもその後死亡する。

【マスターとしての願い】
MECHAGODZILLAを従えたまま元の世界で生き返らせてもらい、MECHAGODZILLAの力で自身を殺したアンデット(シャルティア)と法国や人類に害をなす異形種共を皆殺しにする。

【方針】
序盤は自らの立場を利用して情報収集と対象への接近を行い、一人ずつ確実に排除する。
だが、不要と判断すれば地位を切り捨て、独力で勝利を狙っていく。
魔力喰いなどで悪目立ちするようなことはなるべく避け、複数のサーヴァントから袋叩きにあうような事態は避けるようにする。

【ロール】
月海原学園の校長先生

【令呪の形・位置】
右手甲の位置。スレイン法国の国旗のイラストと同じ形をしている。

【把握媒体】
小説「オーバーロード」及びそのアニメ版と漫画版をご参照ください。カイレは原作小説では3巻、漫画版は4巻、アニメでは1期10話に出てくるので最低限それだけ見ればカイレの把握は可能です。

283◆A1Sj87dFpOM:2022/10/10(月) 15:19:39 ID:???0
以上で投下終了です。
タイトルは書いてませんが、候補作のタイトルは一応「カイレ&ライダー」でお願いします。
何か不都合があればご指摘よろしくお願いいたします。

284 ◆Mti19lYchg:2022/10/11(火) 22:20:23 ID:2Q2WNizc0
毎度こちらにご投稿いただき誠にありがとうございます。支援掲示板の方に禁止の項目は一切触れていないので投下可能なはずなのですが。
>>嘘つきマホロアくんと裸のリリアちゃん
どこか噓、怪しさを感じ取りながらもリリアは力に魅せられてしまっているようですね。
根はかなりいい子なのでマホロアとうまくやっていけるといいのですが。
マホロアの方も嘘をつき続ける事がアイデンティティでも、友情を感じることもある様で、そこがカギになりそうですね。
ご投稿、ありがとうございました。

カイレ&ライダー
おめでとうございます。ゴジラシリーズの怪獣を出したのは二次聖杯戦争企画で私が知る限り貴方が二人目です。
しかしこんなでかいの最高級の洗脳のマジックアイテムを持っていたとはいえよく制御できるものです。魔力による維持も大変でしょうし。
カイレ倒してもメカゴジラ暴れっぱなしとなるともう聖杯戦争というより怪獣大戦争ですね。
ご投稿、ありがとうございました。

285 ◆QUsdteUiKY:2022/10/16(日) 08:58:19 ID:kKp3AbkM0
投下します

286仮面ライダーという在り方 ◆QUsdteUiKY:2022/10/16(日) 09:00:40 ID:kKp3AbkM0
剣崎一真。――仮面ライダーブレイド。
彼は正義の味方の体現者と言えるほどに熱く、正義感の強い男だ。
しかしそれゆえに自己犠牲すら厭わない面もあり親友の相川始を救うために異形と成り果て、運命と戦う道を選んだ。
しかし剣崎は運命と戦い、やがて勝利することだろう。何故なら彼は「勝ってみせる」とまで言ったのだから。



「剣崎さん。私は……どうしたらいいのかわかりません……」

水色髪の小柄な少女――香風智乃が聖杯戦争に対する自身の想いを告げる。
いつものように日常を過ごしていたら、いきなり聖杯戦争というよくわからないものに巻き込まれた。
はっきり言ってチノからしたら意味不明。納得も理解も出来ない状況だ。

叶えたい願い?
そんなものは――少なくとも誰かを犠牲にしてまで叶えたいような願いはない。
そもそも日常を過ごしていたチノからしたら、誰かを蹴落としてまで願いを叶えるということ自体が理解不能だ。
この聖杯戦争は命懸けでも叶えたい願いがある――そんなマスターが必然的に集まっているのだろうが、稀にチノのようなマスターも存在するのだろう。

運が悪い。そうとしか言いようがない事実だ。
だがチノが召喚したサーヴァント――彼はそういうマスターにとっては大当たり。
ヒーローや正義の味方を絵に描いたような――本当に紛れもない英雄である。

「チノちゃんは何もしなくていいさ。俺がチノちゃんやココアちゃん――みんなを守る」

チノに召喚されたサーヴァント――剣崎一真はチノや彼女にとって大切な人々を守ると、何の条件も提示せずに言い切った。

剣崎は仮面ライダー。戦えない人々を守るのが仕事であり、使命だ。
そして剣崎一真の在り方とは仮面ライダーの体現に他ならない。彼ほど仮面ライダーという言葉が相応しい者もなかなか居ないだろう。

叶えたい願い?
当然、あるに決まってる。
今の剣崎は姿こそ人間と変わらないが、その実態は異形だ。もう二度と親友達に再会出来ない。
だから人間に戻って彼らと再び――なんて気持ちがないわけじゃない。

だが。
それでもいきなり聖杯戦争に巻き込まれて困っているマスターがいるのなら、剣崎は喜んで手を差し伸べる。
そもそも誰かを犠牲に願いを叶えるなんて――それ自体が彼にとって論外だ。

叶えたい願いはある。だがそれを理由に人々の命を奪えるほど、剣崎は利己的になれない。
元から自分より他人のことばかり優先する男だ。親友の為に異形になるという自己犠牲を果たしたが、それでも彼の心に後悔はない。……親友の方が剣崎と会えないことをどう思っているのかは、別だが。

「ありがとうございます。でも剣崎さんには叶えたい願いがないんですか?」
「今、俺が叶えたい願いか。――チノちゃんや戦えない人々を守って、聖杯戦争を止めることかな」

それは嘘偽りない心からの本音。
聖杯戦争が理不尽な犠牲を強いるというのなら、それを止める。
自分が人間に戻るとか、そんなことよりも今はそれが一番の叶えたいことだ。

「でもそれは願いというより、俺のやりたいことだ。聖杯に何かを願うつもりなんてないし、みんなのことは自分の力で守る」

聖杯にて願いを叶えるのではなく、自らの手で他者を助けて『やりたいこと』を叶える。
それが剣崎の方針で――つまり彼はいつもと変わらない。サーヴァントになろうが、聖杯戦争に参加しようが、剣崎一真は仮面ライダーだ。

チノの事情についてはある程度聞いている。
保登心愛――彼女の話をする時のチノは、こんな状況でもなんだか楽しそうで。
そのエピソードの数々を聞くに、まるで姉妹だ。姉妹のように仲が良い――というより本当に姉妹のように聞こえる。

(きっと始がチノちゃんに呼び出されても、チノちゃんを守るために戦ったんだろうな)

相川始。
それは剣崎がその身が異形と成り果てようとも救おうとした――そして救った、大切な親友。
彼がチノやココアのことを知ったら、彼女達姉妹を助けるために戦っていたに違いない。

いや――それは何も始に限った話じゃないだろう。
橘朔也も上城睦月も――剣崎の仲間たちがサーヴァントとして呼ばれていたなら、きっとチノに力を貸す。
何故なら彼らは、仮面ライダーなのだから。

287仮面ライダーという在り方 ◆QUsdteUiKY:2022/10/16(日) 09:00:57 ID:kKp3AbkM0

そして当然、剣崎もまた仮面ライダー。
聖杯戦争という運命と戦う為に仮面ライダーブレイドは立ち上がる。たとえどんなサーヴァントやマスターが待ち受けていようとも――彼らの願いを奪うことになろうとも。
決して誰も、傷付けさせやしない。戦えない人々の代わりに、自分が戦う。

「みんな、ですか」
「ああ。サーヴァントも。マスターも。それ以外のこの聖杯戦争に巻き込また人々も――みんな俺が守ってみせる。聖杯戦争という運命に負けたくない。――諦めたくないんだ」

そんなふうに語る剣崎の表情は真剣そのもので。
聖杯戦争からみんなを守るなんて、まるで理想(ゆめ)のような話なのに――彼が本気でそんな理想を叶えようとしてるのがチノにも伝わってくる。

香風智乃はただの一般人だ。
聖杯戦争に対する覚悟なんてまだ何も決まっちゃいない。
賢者の石だとか、サーヴァントだとか、聖杯戦争だとか。まだまだ何も理解出来てない。

素直に元の世界に帰還するという手もあったが、当然強い『意志』なんてものは持ち合わせていない。肉体や精神に変質が起こりうると言われて――不安で怖かった。
だから聖杯戦争に参加せざるを得なかった。自らの手で元の世界へ帰るという『覚悟』すら出来なかったから。

他者を殺し、騙し、屍山血河を築き、それでも尚叶えたい願い?
最強を証明する?
チノからしたら馬鹿げている話だ。しかし聖杯戦争に参加してしまった以上――聖杯を獲得するしかないのかもしれないと思ってた。

だが剣崎が選択肢を与えてくれた。
聖杯戦争を止める。そして元の世界に帰る。
その道が困難を極めることくらいチノにもわかるが――剣崎なら本当に聖杯戦争を止められるかもしれない。
そう思わせる何かが剣崎一真という男――ライダーにはあった。

「でもサーヴァントはマスターの協力無しではあまり力を発揮出来ないと思います」

チノの言葉を剣崎は否定出来ない。たしかにマスターが協力してくれた方がサーヴァントは真価を発揮出来る。
剣崎は一人で全てを背負い込もうとしていたが――それがどれほど無茶なことか。

「だから私も出来る限り協力します。聖杯戦争には反対ですが、剣崎さんの意見には賛成なので……。聖杯戦争を止めるために協力します」
「ありがとう。なるべくチノちゃんには負担を掛けたくないけど……チノちゃんがそう言うなら、令呪とかでサポートはしてもらうかもしれない」
「わかりました。それくらい、私に任せてください」

チノは剣崎と語り合っているカフェ――ラビットハウスによく似ているが、そうじゃない場所――でコーヒーを淹れると剣崎に出した。

「これからよろしくお願いします、剣崎さん」
「ああ。これからよろしく、チノちゃん。それと二人きりの時は大丈夫だけど……それ以外だと俺のことはクラス名で呼んだ方が安全かもしれない」
「わかりました。では誰かいる時はライダーさんと呼びます」

288仮面ライダーという在り方 ◆QUsdteUiKY:2022/10/16(日) 09:01:45 ID:kKp3AbkM0
【CLASS】
ライダー
【真名】
剣崎一真
【出典】
仮面ライダー剣
【性別】
男性
【ステータス】
筋力:C+ 耐久:C+ 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:C 宝具:EX (ブレイド変身時)

筋力:A+ 耐久:B+ 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:C 宝具:EX (キングフォーム変身時)

【属性】
秩序・中庸
【クラス別能力】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
融合係数:A
 アンデッドとどれだけ深く融合しているか、を示す値。
 装着者の精神状態によって変化し、怒りや強い思いによって闘志が高まるのに呼応して上昇、逆に恐れや迷いを抱くことで闘志が失われると低下する。
 融合係数が高まれば筋力、敏捷にプラスの補正を得るが、逆に低下するとマイナスの補正を受ける。
ライダーはラウズカードがない状態でもこの融合係数。つまり精神力によって圧倒的強者を撃破した逸話がある

守護騎士:A
 怪物から人々を守護する、都市伝説の仮面ライダー。
 宝具である鎧を装備している時にのみ付与されるスキル。
 他者を守る時、人を護りたいというライダーの意志により、宝具である鎧との融合係数が向上することで、一時的に防御力を上昇させることができる。

勇猛:A
 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

【宝具】
『永遠の切り札(仮面ライダーブレイド)』
ランク:C〜B 種別:対人宝具 レンジ: 1〜10  最大捕捉:──
十三体のアンデッドが封印されているラウズカードの行使を可能とする、剣崎一真の仮面ライダーとしての姿。
通常フォームへさらに魔力を注ぎ込むことで強化形態であるジャックフォームに変身することが可能となる。
ジャックフォーム時は背中に翼が生成され高い空戦能力を得る。
これで変身して戦うのが基本(というか変身しなきゃ他のサーヴァントとロクに戦えない)であり、通常フォームへの変身は魔力をあまり消費せず燃費が良い

『運命の切り札(仮面ライダーブレイド キングフォーム)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ: 1〜10  最大捕捉:──
13体の全アンデッドと同時融合することにより圧倒的な戦闘能力を持つ仮面ライダーブレイド・キングフォームに変身できる。

本来であればコーカサスビートルアンデッドの能力をその身に宿すはずだったが、ブレイドの変身者である剣崎のアンデッドとの融合係数が高かったため、13体のスペードスートのアンデッドすべてと融合した――という正真正銘、規格外のフォーム。

『ブルースペイダー』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:10人
仮面ライダーブレイド専用として人類基盤史研究所、通称「BOARD(ボード)」から支給されたビークル。
変身者であるライダーはブレイドでの戦闘時だけでなく、日常的にも移動手段として用いている。
非常に剛性が高く、並のバイクを遥かに上回る出力と合わせて、強力な攻撃手段としてアンデッドへの体当たりも行う。また、ブレイドの脳波操作によって、遠方からでも無人操縦で呼び出すことが可能。
 ラウズカード覚醒機能を搭載しており、サンダーディアー(スペード6)をラウズ(リード)して電撃を纏いながら突進攻撃を行う「サンダースペイダー」、マッハジャガー(スペード9)をラウズしてブルースペイダーをスピードアップする「マッハスペイダー」を発動した。

カードをラウズせず移動手段として使う分にはあまり魔力を消費しない

【weapon】
醒剣ブレイラウザー:ブレイドの姿で使用する剣型の武器。通常フォーム、ジャックフォーム時の主武装。
カードをラウズする事で必殺技も使える。

ラウズアブゾーバー:本体中央部のインサート・リーダにカテゴリーQのラウズカードを装填し、本体側部のスラッシュ・リーダーにカテゴリーJ、もしくはカテゴリーKのラウズカードをラウズ(リード)することで、ジャックフォームおよびキングフォームへのフォームチェンジを果たす。

重醒剣キングラウザー:キングフォームに変身すると同時に実体化する大剣型カードリーダー。ブレイラウザーとの併用も可能。

【人物背景】
自己犠牲の果てに異形となり、親友を救った男

【サーヴァントとしての願い】
存在する……けれど、誰かを犠牲にしてまで叶える気はない。人々を守る
【方針】
チノや人々(聖杯戦争に無関係の民間人含む)を守りながら、聖杯戦争を止める

289仮面ライダーという在り方 ◆QUsdteUiKY:2022/10/16(日) 09:02:13 ID:kKp3AbkM0
【マスター】
香風智乃
【出典】
ご注文はうさぎですか?
【性別】

【能力・技能】
香りだけでコーヒーの銘柄を当てることができるという特技をもつ。一方で味覚は年相応で、コーヒーはミルクや砂糖を入れなければ飲めない
趣味はチェス、ジグソーパズル、ボトルシップなどの一人遊び系。コーヒー占い(カフェ・ド・マンシー)もできる。
【weapon】
なし
【人物背景】
木組みの街で日常を送っていた少女。自称姉のココアと仲が良く、なんだかんだ影響を受けている

【マスターとしての願い】
なし。聖杯戦争を止める

【方針】
剣崎に協力して聖杯戦争を止める

【ロール】
カフェの店員

【把握媒体】
チノはアニメか漫画。
剣崎一真は特撮番組、仮面ライダーブレイドの把握が必須。

290 ◆QUsdteUiKY:2022/10/16(日) 09:03:46 ID:kKp3AbkM0
投下終了です
剣崎はぼくのかんがえたサーヴァント wiki 及び◆.aVFsM47H6氏の コラソン&アルターエゴの相川始を参考にさせていただきました

291◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:17:04 ID:???0
本スレであるこちらに直接投下させていただきます。
何か不都合がございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

292◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:21:36 ID:???0
■■■


誘いに導かれしものは
疾風にさらわれ その風が闇の化身と知る


贄は避けられぬ闇に覆われしまま
生果てるまで吸い尽くされ
給仕はひたすらに主への緑酒を捧げ続ける


贅を尽くし満を持して 闇は月光の下 姿を現す


■■■



「ここは……どこ……?」
一筋の光すらない闇の中。一人の少女が虚ろな目で闇を見上げていた。
少女の名は七海千秋。希望ヶ峰学園77期生で『超高校級のゲーマー』の肩書を持つ高校生であり、学級委員長として同じ77期生の皆をまとめ上げて来たものの、『超高校級の絶望』江ノ島盾子の手に落ちた担任の先生の雪染ちさを助けるため、クラスメイトの皆と共に江ノ島盾子の拠点に突入したものの、江ノ島盾子の仕掛けた罠にかかってクラスメイトの皆と分断、江ノ島盾子の手によっておしおきという名の公開処刑にかけられ、江ノ島の用意したデストラップダンジョンから脱出するために傷つき、痛みを堪えながらも必死に歩き続け、ゴールだと思った最後の扉を開けた途端、発動したトラップによって全身を串刺しにされ、瀕死の重傷を負いながらもその場に現れた日向はじめに寄り添おうと傷だらけの身体を必死に動かして前進しようとして力及ばず倒れ、友への思い、生への執着、やり残したことに対する無念をさけびながら日向はじめの目の前で力尽き、息絶えたはずなのだ。

七海は自身の身体を確かめる。痛みは既になく、体中にあった傷は全て綺麗さっぱり無くなっている。幾ら何でも誰かによって助け出され、治療されたとも考えにくい。ということは、
「はは……やっぱりここは、あの世ってやつだよね……」
考えられる可能性としてはここは天国で今の自分は死んだ幽霊であるという可能性だ。というより、普通ならそうとしか考えられなかった。
だがその考えは突如として虚空より響いてきた見知らぬ男性の声によって否定される。

「安心したまえ。ここはあの世ではない。」
声と同時に、空間がひび割れ、新たな景色が作り出される。
そこは星々が煌めく、宇宙を彷彿とさせるようなどこか幻想的な空間であった。
だが七海はその美しい景色に目をくれることはなく、声の主に対して最大限の警戒をはらいながら問いかける。

「あなたは誰!?江ノ島盾子の仲間!?私を蘇らせて今度は一体何を企んでるの!?」
だが男の声は七海の言葉を即座に否定する。
「安心したまえ。私は江ノ島盾子とは無関係だ。これから行われるのは万能の願望器『聖杯』を求めて戦いあう『聖杯戦争』、そしてここはその予選が行われる空間だ」
だが男の言葉に対し、七海は懐疑的な言葉を投げかける。

「……あなたの言うことが本当なら、私をどうやってここまで連れてきたの?」
七海の質問に対し、男の声は疑問に答えるかのように語り始める。
「まず、君は江ノ島盾子の手によって命を落とした。それは紛れもない事実だ。だが君は死の間際まで星晶石を所持していた。それによって君は聖杯に選ばれ、この聖杯戦争に呼ばれた。君の身体の傷が全て無くなっている理由は、この空間内に召喚された際に自動的に『賢者の石』に変換され、君の肉体は魂の情報により全て復元されたからだよ。」
「『星晶石』?それって一体……あっ!ひょっとして……」
七海は男の言う『星晶石』について一つだけ心当たりがあった。
彼女は連絡が取れなくなった日向はじめに会うために、予備学科の校門前でゲームをしながら待っていた際、ある一人の女性と出会っていたことを思い出した。

293◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:22:20 ID:???0
その女性は緑色のウェーブがかかった髪に左目を隠している前髪のひと房が紫色をしていた印象的な姿をしていた。
突然見知らぬ女性に声を掛けられたことで最初はビックリしたものの、話をしている内に次第に打ち解けていき、彼女に日向はじめのことを打ち明けた際、「これを持っていればもしもの時、きっとあなたの助けになる」と言われ、虹色に輝く金平糖のような形状の石を3つ差し出されたのだ。
七海は最初受け取るかどうか悩んだのだが「お礼はいいから」と言われ、好意に甘えてその石を受け取り、それ以来お守り代わりとして肌身離さず持ち歩いていたのだ。
あれ以降その女性と再び会うことはなかったのだが、今にして思えばあの石が男の言う『星晶石』なのであろうことを察する。

だが七海の警戒心は未だ解けることはなかった。自らに星晶石を渡した女性も、虚空から聞こえてくる男の声も本当に江ノ島盾子と無関係である保証はない。
悪趣味な江ノ島の事である。ひょっとしたら瀕死の重傷を負った自身を回収、治療し再び何らかのゲームに参加させている可能性もなきにしもあらずであり、男も女も江ノ島に雇われた、もしくは同志として江ノ島に協力している可能性は十分にあった。

「……一つ聞かせて。『聖杯』って一体何なの?」
「先ほども言った通り、あらゆる者のあらゆる願いを叶えることができる代物だ。絶命した君を蘇らせ、傷を負う前の元の身体に復元したのも聖杯の力の一端の一つだよ。」
「……」

男の言葉に対し、七海は半信半疑であった。七海は『超高校級のゲーマー』と呼ばれるほどのゲーム好きだが現実とゲームを混同するような考え方はしていなかった。
『どんな願いでも叶えるアイテム』なんてそれこそゲームの中にしか出てこないような代物であり、現実に存在するなんて言われても素直に信じる方が頭がどうかしている。
だがその一方で死んだ人間である自身を蘇らせる、もしくは仮に自身の息があるうちに助け出すことに成功し治療したとしても、あれほどあった体中の傷を跡一つ残さず治すなんてことはどんな超高校級の才能を以てしても不可能、よしんば可能だったとしてもそれは最早才能ではなく異能、超常能力の領域であり、男の言葉も全くのデタラメではなく真実の可能性もあるのでは、と七海は考える。

「……それで、私はどうすればいいの?」
だがだからといって七海は男が江ノ島と無関係だと完全に信用したわけでは無かった。もし仮に無関係だったとしても江ノ島が自身を第三者に高額で売り渡し、自身を買い取ったその第三者が江ノ島と同様、余興や自らの趣味でこのようなゲームを自身に受けさせている可能性も無きにしろあらずであり、七海は未だ警戒心を抱きつつも男に次の説明を求める。
「先ほども言った通り君にはこれから予選を受けてもらう。君の両手にはそれぞれ端末と君の代闘士となる古今東西の英雄の写し身『サーヴァント』を召喚するために必要なカード『セイントグラフ』があるだろう?端末で使える地図機能で、表示された場所まで進んでくれたまえ」

294◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:23:02 ID:???0

 ◇ ◇ ◇


七海は最初、その場から動けずにいた。理由としてはまず男の指示が罠である可能性が高かったからだ。江ノ島盾子のやり口をその身で直に味わった経験から、男も江ノ島同様、指示された場所で罠にかけるつもりなのでは、と七海は考えていた。
だがその一方でこんな右も左も分からない場所で指示を無視して無闇に動き回ってもかえって状況が悪化する可能性も高かった。

ゲームも同じだ。何もせずにただ黙って立ち尽くしていたり、右も左も分からない場所で指示を無視した行動をとっても事態は何も好転しない。むしろ悪化する可能性すらあった。
七海は『超高校級のゲーマー』としての自身の経験を信じることにし、男の指示通りに地図アプリを頼りに指示された場所へ向かう。
やがて目的地にたどり着くと七海の前に円形の魔法陣が描き出され、そこから黒い人型の影のようなものが現れる。

「!?……やっぱり、罠!?」
今の状況はゲーム的に言えばRPGのゲームで敵とエンカウントしたような状態にあたるだろう。
そしてその考えはまたしても聞こえてきた男の声によって肯定される。
「さすがは『超高校級のゲーマー』、察しが早くて助かるな。そいつは『シャドウ』というサーヴァントのなり損ないだ。彼を倒せば、君は晴れて予選突破となる。」
「倒せば予選突破となる」と言われても七海はこの状況をどうやって突破すればいいか分からなかった。彼女は『超高校級』といってもそれはゲーマーとしての話であり、それ以外は何の戦闘能力も持たないただの普通の少女であった。
目の前の『シャドウ』と呼ばれた存在は手に弓を持っていた。どう考えても丸腰で戦いを挑んでも勝てる相手ではないだろう。
そんな七海に対し、男はヒントを与えるかのように言葉を続ける。

「『どうやって倒せばいいか分からない』といった顔をしているな。そんな君に私から一つアドバイスを授けてあげよう。シャドウを倒せるのはサーヴァントだけだ。そして先ほども言った通り、君の手にはサーヴァントを召喚するために必要なカード『セイントグラフ』があるだろう?そのセイントグラフでサーヴァントを召喚出来ればサーヴァントはシャドウを打ち倒し、君は晴れて予選をクリアできるだろう。私から与えられるヒントは以上だ。」
「召喚?そんなの一体どうやって……」

七海は自分の手の中にあるトランプ程の大きさのカードを見ながら困惑する。七海はゲーマーとしてゲームの中で『召喚』をしたことはあっても現実で『召喚』をしたことはなかった。
だがそんな七海の疑問に対し、男の声が聞こえることは二度となかった。
だが現実として目の前のシャドウは弓に矢を番え始めている。もうあまり猶予は残されていなかった。

七海は『超高校級のゲーマー』としての知識をフル動員し、召喚するための方法を模索する。
普通、RPGにおいて何かしら『召喚』するためには召喚魔法と呼ばれる特別な魔法を用いるか、もしくは専用のアイテムを使って呼び出すのが一般的であった。
だが当然ながら七海は魔法は使えないし、恐らく専用のアイテムにあたるのがこの『セイントグラフ』なのであろうが七海にはこのアイテムの使い方が全く分からなかった。
だが迷っている時間はない。

295◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:24:08 ID:???0

七海はゲームでの召喚のイメージから、手に持ったセイントグラフを掲げ、同級生の一人である中二病の田中眼蛇夢から教わったオリジナルの召喚口上を叫んだ。
「……我が盟約に従いて、来たれ 我が盟友よ。我の呼びかけに応じ我が元に来たれ。そしてその力を以て、我が敵を討ち滅ぼせ、召喚!!」
……だがその呼びかけに対し、セイントグラフは何の反応も示さなかった。
そしてそんな七海に構うことなく、シャドウは容赦なく七海の足に向かって番えた矢を射る。
「どうして!?どうして召喚出来な……あ、あああああああぁぁぁぁぁ!!」
放たれた矢は七海の右足を貫通し、七海は激痛のあまり倒れそうになるが決して倒れまいと足を踏ん張って堪える。
だがその間にもシャドウは容赦なく次の矢を番え始める。
(召喚出来なかった……やっぱり罠だったんだ……私をいたぶり殺すための……)
七海の脳内に、今この場にいないはずの江ノ島盾子が自分を嘲笑う声が聞こえてくるようだった。

『お〜っと七海さん召喚失敗!これは致命的だあ〜〜!召喚MPが足りなかったかあ〜〜!?』

(……うるさい。どうせあんたもどこかで私を見てるんでしょ?一度ならず二度までも私にこんな仕打ちをして一体何が楽しいの?)
そんな七海の脳内での問いに対し、まるで回答するかのような江ノ島の声が聞こえてくるかのようだった。

『そりゃあだって、あんたが絶望に染まる顔を見るのが楽しいからに決まってるでしょ?希望の象徴である超高校級の生徒たちをまとめ上げたクラス委員長が一度ならず二度までも絶望の末に殺される!これ以上の絶望は無いってもんでしょ!!』

そしてその言葉が終わると同時にシャドウは番えた矢を七海の左足に向かって放ち、放たれた矢は七海の左足を貫通する。

「つ、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

右足だけでなく左足にも激痛が走り、七海は涙を流しながら必死に倒れまいと堪えるが最早歩くことは出来ず、立っているだけで精一杯であった。
そしてシャドウは動けなくなった七海にトドメを刺すべく、弓に矢を番え始める。

そしてそんな七海の脳内に、江ノ島が自らを嘲笑うかのような声が聞こえてくるかのようだった。

『ってゆーかぁ?奇跡なんて起こるはずないじゃん。あんたを助けになんか、絶対に誰も来ないよ?』

うるさい。黙れ。

『そう……奇跡なんか起きねえんだよぉ!!』

(……負けない……私は……あなたなんかに負けない!!絶対に……必ず来てくれる!!こんな所で終わったりしない!!)

七海の中の『希望』の感情が最高潮に達した瞬間、握っていたカード「セイントグラフ」が宙を舞うと辺りは大きな光に包まれ、無地の面に絵が浮かび上がった。

その光にシャドウは攻撃を中断して後方へ下がる。
光が消え去った後、七海とシャドウの間に巨大なドラゴンが現れていた。
全身は薄く光沢を帯びた白銀色の甲殻に覆われ、胸元と手首には紅色の体毛が生え、顔全体も白い鋭角的な甲殻に覆われ頭部には2本の金色の角が生えており、翼は鮮血の如き深紅の翼膜で形成され、尻尾の先端は三又の槍のような形状になっていた。
七海はそのドラゴンに見覚えがあった。そのドラゴンの正体は七海も最近プレイしていた大人気ゲーム「モンスターハンター」に登場するモンスターであり、その最新作の看板モンスターであったからだ。七海はそのドラゴンの名をゆっくりと口にする。
「……爵銀龍……メル・ゼナ……」

296◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:25:16 ID:???0

七海はそのドラゴンの登場に対して、驚きと同時に安堵の気持ちを感じていた。
何故なら恐らくメル・ゼナは自身が呼び出したサーヴァントであり、自身の強い気持ちに反応して召喚されたものであろうと思われたからだ。
「はは……やっぱり……やればなんとか……なるってやつだよね……」
だがメル・ゼナはシャドウではなく、七海の方に向き直る。

「……え?」
一瞬だった。メル・ゼナは前脚を手のように使い、七海を掴み上げ、締め上げる。
「あ、ああああああああああああああ!!」
凄まじい力だ。骨がきしみ、内臓が圧迫されるのを感じる。七海は苦痛と共に自らの考えの甘さを痛感していた。
「モンスターハンター」のモンスターたちは基本的に人間たちと敵対関係にあり、特に古龍種はそれらのモンスターたちの頂点に立つ「生きた天災」と呼ばれる別格の存在であり、人類の生活圏を度々襲撃し、甚大な被害をもたらす危険な存在でもあった。

事実メル・ゼナも城塞高地を始めとした様々な地を滅ぼし、王国を何度も滅亡の淵に追いやってきた危険なモンスターであり、そんな存在が人間に従順するなんて普通なら有り得ないことであった。そうでなくとも七海はゲーム内で素材集めのためにメル・ゼナのクエストを何度も周回しており、恐らくこのメル・ゼナは今まで狩られ続けていた同族たちの恨みを一身に背負っているのでは、と七海は感じていた。
恐らく古龍に人間の言葉なんて分からないだろう、とは思いつつも、七海は苦痛で意識が飛びそうになりながらも自らを締め上げるメル・ゼナに向かって語り掛ける。

「はは……やっぱり……あなたも……私の事……恨んでいるんだよね……」
「……」

メル・ゼナは締め上げる力を緩めない。だがそれにも構わず、七海はメル・ゼナに語り掛け続ける。

「あなたたちにとって……人間は敵だもんね……それに……仲間たちを……たくさん失って……怒っているんだよね……」
「……」

メル・ゼナは七海に対し何も語り掛けない。ただ赤い眼で七海を見つめ続ける。

「いいよ……ゲームのキャラに殺されるなんて……『超高校級のゲーマー』らしい最期だもんね……それであなたの恨みが晴れるなら……本望だよね……」

だがその時不思議なことが起こった。七海の体から光が発せられるとそれを浴びたメル・ゼナにある変化が起こる。

スッ
「……え?」

なんとメル・ゼナが七海を掴みあげていた前脚をゆっくりと地面に降ろすと七海を優しく開放する。
七海自身にも一体何が起こったのかさっぱり分からなかった。
ただ一つ言えることは目の前のメル・ゼナから先ほどのような敵意は感じられず、代わりにメル・ゼナの身体から光の糸のようなものが発生している。

(あの糸……もしかして……)

ゲームをプレイしていた経験から七海は躊躇せずその糸を手に取ると糸は七海の体を引き寄せるような形で運び、メル・ゼナの背中に騎乗するような形で七海は着地する。
七海はゲームをプレイしていた経験から、これから自分が何をすればいいのか手に取るように分かった。

297◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:26:00 ID:???0

操竜、それはカムラの里の周辺地域に生息している『翔蟲』の雌の個体が出す『鉄蟲糸』と呼ばれる極めて強靭な糸をモンスターに絡め、それをハンターが手に取ることでハンターがモンスターを操り、戦うことが出来る技術であり、メル・ゼナがライダーのサーヴァントとして召喚された最大の理由でもあった。
このスキルを使うことでメル・ゼナの身体に鉄蟲糸が再現され、それをマスターが手綱兼操り糸として手に取ることでメル・ゼナとマスターが一心同体となって戦うことが出来、『騎乗する』ライダーではなく『騎乗される』ライダーとしてマスターと共に戦うことが出来る能力でもあった。
七海は鉄蟲糸を手に、自身のサーヴァントであるメル・ゼナに呼びかけるように叫ぶ。
「行くよ、ライダー!!」
「グォオオオオオオオオオオオオ!!」

七海の呼びかけに答えるかのようにメル・ゼナは咆哮し、シャドウはそれに気圧されるかのように怯むがすぐさま立て直し反撃しようとする。

だがシャドウが立て直すよりもメル・ゼナの攻撃の方が早かった。

(まずは弱攻撃!)
七海は鉄蟲糸でメル・ゼナに指示を出すと、メル・ゼナは自身の翼についた巨大な翼爪をシャドウに向かって振り下ろし、シャドウを翼爪で刺し貫く。

翼爪が胴体を貫通したシャドウは霧散、消滅するが戦いはこれで終わりではなく、すぐさま先ほどと似たような形で2体のシャドウが現れる。

(次は回避!)
七海は慌てずに『翔蟲ゲージ』と呼ばれるものを消費して回避行動をとりメル・ゼナの攻撃後の後隙をキャンセルする。

(お次は↓強攻撃!)
そしてシャドウが動き出す前にメル・ゼナに指示を与え、翼を振り上げることで衝撃波を発生させ敵を攻撃する技「翼一閃」で一体目のシャドウを攻撃、衝撃波の直撃を喰らったシャドウは両断され、霧散、消滅する。
そして七海は最後の翔蟲ゲージを消費して回避行動をメル・ゼナにとらせ攻撃後の隙をキャンセル、再び「翼一閃」で最後のシャドウを攻撃、衝撃波の直撃を喰らったシャドウは霧散、消滅する。

(これで終わり……だよね?)
敵がいなくなったことを確認した七海は警戒を解くことはなく辺りを見回すが、シャドウが現れることは二度となかった。


 ◇ ◇ ◇


そして七海はメル・ゼナと共に教会の礼拝堂らしき場所へと転送された。
そして礼拝堂の奥からこの教会の神父であり、この聖杯戦争の監督役でもある男、言峰綺礼が姿を現す。

「ようこそ、見事試練を乗り越えた聖杯戦争のマスターよ。私は言峰綺礼。この聖杯戦争の監督役を務めている」

だが七海は鉄蟲糸を手放すこともメル・ゼナから降りることもなく、言峰の言葉を無視するかのように周囲に向かって叫ぶ。

「ねえ!?どうせどこかで見てるんでしょ!?こんなことさせて一体何がしたいの!?私はあなたの思い通りにはならない!!クラスの皆を返して!!」

そう、未だに七海はこの聖杯戦争を江ノ島が仕組んだものだと思っており、彼女が未だに自身の事をどこかで嘲笑いながら監視していると思っているのだ。
だがそんな七海を諫めるかのように言峰が声を掛ける。

298◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:26:39 ID:???0

「少し落ち着きたまえ。何度も言うがこの聖杯戦争に江ノ島盾子は無関係だ。」
「……!!」

七海は言峰の存在に気付くと敵意に満ちた目で言峰を睨みつける。
この男はこの聖杯戦争の関係者であり、先ほどの予選で自身は殺されそうになったのだ。
この男が江ノ島盾子と同類ではないという保証はなかった。

「そう恐い顔をするな。私はあくまで中立の立場だ。そちらから仕掛けてこない限り、こちらも君に手を出すつもりはない。」
「……」

そう言われても七海は素直に信じる気にはなれなかった。しばらく膠着状態が続くがやがてしびれを切らしたのか言峰が口を開く。

「……さて、いい加減君もサーヴァントから降りてくれないかね?このままでは話を進めることが出来ない。このままずっと睨み合ってるわけにはいかないだろう?」
「……はい。」

口ではそう言いつつも未だ男への警戒心を抱く七海は、鉄蟲糸から手を離すとゆっくりとメル・ゼナから降り、礼拝堂の床に足をつける。
メル・ゼナは借りてきた猫のようにおとなしくしているが、万が一の場合に備えて七海は言峰から一定の距離を保ちつつ、メル・ゼナの傍らから離れないようにしていた。

「さて、君は聖杯戦争のことについて何も知らないであろうし、サーヴァントから聖杯戦争について聞くのも難しいだろう。監督役として私から君に教えられる限りのことを話すからとりあえず話だけでも聞きたまえ。」
そう言うと言峰は七海に聖杯戦争の説明をゆっくりと始めた。

聖杯によって選ばれた参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。

「……以上だ。他に何か質問はあるかな?」
「……」
言峰の説明を聞き、七海はますます確信を強める。
江ノ島盾子のやり口と同じだ、と。
動機を用意し、参加者同士の殺し合いを煽る。
それこそ、江ノ島盾子が最も得意としているやり方であった。
だがその一方で、この聖杯戦争に江ノ島盾子が関わっていないというのは本当なのでは、という考えも七海の中には生まれていた。

あらゆる願いを叶え、願いの内容によっては宇宙を創造したり世界すら作り変えたりするような代物なんてそんなものは幾ら江ノ島盾子でも用意するのは不可能だし、江ノ島もそんな非現実的な物を餌としてぶら下げるようなことはしない。
それに瀕死の重傷を負った自らの全身の傷を跡一つ残さず修復したこと、宇宙空間のような未知の空間から教会の礼拝堂へと瞬時に転送したこと、そして何より現実に存在しないゲームの中のキャラであるメル・ゼナをこうして現実に召喚することが出来たこと、これらはどんな超高校級の才能を以てしても実現不可能な神の領域であり、この聖杯戦争に江ノ島は全く関与していないこと、言峰の語る聖杯の力もデタラメを言っているのではなく本当のことなのではと七海は思い始めていた。

299◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:27:24 ID:???0

だがそれでも七海の気持ちが変わるわけでは無かった。

「……帰して……」
「ん?」

訝しむ言峰に対し、七海は自らの思いを吐露する。
「私は聖杯なんていらないしそのために誰かと殺し合いなんてしたくない!!みんなの所に帰してくれればそれでいい!!クラスのみんなの所に帰して!!」

だがそれに対し言峰は首を振り、こう答える。
「残念だがそれは出来ない。」
「!?どうして!!」

憤慨する七海に対し、言峰はまるで宣告を下すかのように答える。
「先ほども言ったと思うが君は死者だ。聖杯によって蘇ったといってもそれはあくまで魂だけがこの場に召し上げられているだけだ。元の世界に戻っても魂は霧散、消滅する。よって君が選べる選択肢は二つ、この聖杯戦争に参加し最後まで勝ち残って聖杯を手に入れるか、今この場で自決し自ら命を断つか。」
「そんなの関係ない!!」

七海は我を忘れて言峰に掴みかかる。
「私はただクラスの皆と一緒に楽しくゲームをしたり修学旅行とか色んな所に遊びに行ったり、日向君と一緒にゲームがしたかっただけなの!!殺し合いなんて望んでない!!超高校級の絶望とかカムクラ計画とかもうウンザリ!!私の学校生活を返して!!」

七海は先ほどの言峰の言葉を忘れたかのように更に激しく詰め寄るがそれに対し言峰は何ら動じることもなく、ただ冷笑を返すだけだった。

やがて七海は言峰から手を離すと目から涙を流し顔をおさえその場にへたり込む。

「みんなの……所に……帰してよぉ……」

そこには聖杯戦争のマスターでも超高級の才能を持つ生徒でもない、一人の等身大の少女の姿がそこにあった。
そんな七海に対し、言峰は言葉をかける。

「助言になるかどうかは分からないが……確かにこの聖杯戦争は江ノ島盾子は無関係だが、君の大好きなその『クラスメイト』の内の一人がこの聖杯戦争に参加しているかもしれないぞ?」
「……え?」

『クラスメイト』という単語に反応したのか、七海は泣くのをやめ、顔を上げる。

「「クラスメイトの誰かが参加している」って……ねえ!!それって誰なの!?『クラスメイト』の内の『誰』が参加しているの!?ねえ、答えてよねえ!!」

七海は再び言峰に詰め寄るが、言峰は首を振りこう答える。

「残念だがそれに答えることは出来ない。私はあくまで中立の立場だ。参加者に他の参加者の情報を流しては公平性に欠けるのでね。どうしても確かめたいのならこの聖杯戦争に参加し、自分の目で確かめたまえ。」

その言葉を聞くや否や、七海は言峰から手を放して距離を取り、メル・ゼナの傍らに戻ると決意に満ちた表情で宣言する。

「私……やっぱり聖杯戦争に参加します!」
「フッ……いいだろう。」
七海の宣言に対し、言峰は笑みを浮かべる。

「七海千秋。君の参戦を聞き入れた。聖杯は君を歓迎するだろう。細かいルールは端末のヘルプで参照できるが他に質問は……」
だが言峰が最後まで言い切らない内に七海は言峰に背を向け、教会の出口である扉に向かって走り出し、メル・ゼナも七海の後ろに続く。
「もうあなたと話すことはありません。これで失礼します。行くよ、ライダー!」
七海は背中越しにそう言い残し、扉を開けて外に出ると、鉄蟲糸を手に取ってメル・ゼナの背中に騎乗し、メル・ゼナと共に聖杯戦争の舞台であるパラディウム・シティに向かって走り出す。
その背後で────。

「────喜べ超高校級のゲーマーよ。君の願いは、ようやく叶う。」

言峰は立ち去る七海とメル・ゼナの背を見ながらこうつぶやいていた……。

300◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:28:19 ID:???0


◇   ◇   ◇


「ごきげんよう、七海さん。」
「おはよう、七海さん。」
「お、おはようございますぅ〜、七海さ……あっ!?」
「またかよこのゲロブタ女!!」
「よう、七海。」
「ガッハッハッハッハッハ!今日も元気か七海!!」
「これはこれはマドモワゼル。七海さん、今日もご機嫌麗しゅう。」
「よう七海元気か!?オレは元気だぜ!!」
「あっ、七海さんおはよ……ソニアさぁ〜〜ん!あなたと今日も一緒に登校出来て俺はとても幸せです!」
「七海千秋よ、我が暗黒破壊四天王が貴様との再会を心待ちにしていたぞ。」
「七海さぁ〜ん、あなたと会えなかった間、唯吹はとても寂しかったッス!」
「七海、おはよう。」
「お……おはよう……七海さん……。」
「みんな、おはよう。」

ここは月海原学園の通学路、そこで七海千秋はかつての希望ヶ峰学園の77期生……の再現NPCたちと一緒に月海原学園に通学していた。
彼女に与えられたロールは『月海原学園に通う高校生』であり、NPC達もソニア・ネヴァーマインド、小泉真昼、罪木蜜柑、西園寺日寄子、九頭龍冬彦、弐大猫丸、花村輝々、終里赤音、左右田和一、田中眼蛇夢、澪田唯吹、辺古山ペコ、御手洗亮太、以上13名が再現されていた。
彼らに囲まれている七海の顔は予選会場や教会の礼拝堂にいたときと異なり、穏やかで優しい笑顔で包まれていた。

彼女はゲームの事や大切なクラスメイトや先生の事となるとつい熱くなってしまう一面もあるものの、本来は優しくて穏やかな性格であり、聖杯戦争に参加する直前に江ノ島盾子によって大切な先生やクラスメイト達を洗脳され、自身も理不尽にいたぶられ殺されたことから心が荒んでしまい、本来の性格が鳴りを潜めてしまっていたものの、仮初のNPCとはいえかつてのクラスメイト達との生活を取り戻せたことから、その生活の中で心の傷は徐々に癒え、本来の穏やかな性格に戻りつつあった。

再現NPC達は全員外見、性格、人間関係等がそっくりそのまま再現されていたものの、超高校級の才能だけは再現されておらず、全員普通の高校生となっていた。

でも七海にとってはそれで良かった。七海が欲しかったのは超高校級の才能で希望ヶ峰学園に入学したことによる地位や名誉ではなく、仲良しなクラスメイト達との楽しい学園生活であり、例えそれが聖杯戦争の間だけの仮初の生活だったとしてもそれで満足であった。

やがて学園の自身のクラスに着き、全員席に座るとしばらくして自身のクラスの担任にあたる教師が教室に入ってきた。
「はーい!みんなーちゅうもーく!!これからホームルームを始めまーす!!」

自身のクラスの担任はかつて希望ヶ峰学園で自身のクラスの担任を務めた元・超高校級の家政婦、雪染ちさ……の再現NPCであった。

彼女もクラスメイト同様、容姿や性格等はそっくりそのまま再現されていたものの、恐らく超高校級の家政婦の才能はない、ただの普通の女性教師であろうと思われた。

雪染が話をする中、七海は教室とクラスメイト達を見回す。
確かに担任の雪染を含めた自分自身を除くクラスの皆はほとんど再現されていたが、ある『2名』だけが同じクラスのNPCとして再現されていなかった。
一人は『超高校級の詐欺師』だ。彼は名前や経歴等が全て不明な正体不明の人物であり、狙った人間の声、雰囲気、性格など、全てを真似ることが出来る詐欺師の才能を持った人物であり、学園生活では御手洗亮太に変装し、御手洗亮太の名を語って本人の代わりに学園に登校していた。
彼に関しては才能を持たず、普通の高校生として学園に登校する彼を再現できなかったため、欠番になったのであろうと思われたが、七海は彼よりもNPCとして再現されなかったもう一人の人物の方が気になっていた。

301◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:29:07 ID:???0

(狛枝くん……)
そう、狛枝凪斗、彼だけが詐欺師を除けば自身のクラスメイトの中で唯一NPCとして再現されなかった人物である。

七海の同級生たちは変わった性格をした変人が多かったのであるがその中でも狛枝は変人を通り越してどこか得体の知れない性格、考え方をしていた。

彼は『希望』こそが全て、絶対という考え方をしていたのであるが、彼の場合は最早それは『盲信』『異常』の領域にまで達している上に『希望』のためなら手段すら選ばない側面があり、実技試験を延期してもらうために76期生の3人の先輩たちをハメて試験で安藤先輩の用意したお菓子に下剤を混入、体育館に爆弾を設置してその後自身のバックと忌村先輩のバックをすり替え、忌村先輩に爆弾のスイッチを押させ体育館を爆破、結果先輩たち3人を退学に追い込んだり、罪木さんを探すために地下の隠し部屋に突入、そこで江ノ島盾子と初めて出会った際、「希望を守るため」「希望の踏み台に相応しいかどうか試す」など訳の分からないことを言いながら海外で入手した拳銃で江ノ島を射殺しようとするなど、『希望』のためなら手段すら選ばず、一線を越えるようなことでも躊躇なく実行する彼の異常性は、変人ぞろいの同級生たちの中でも特に異質な、言わば『イレギュラー』と言えるような存在であった。

……でもそんな彼でも、自分にとっては大切なクラスメイトの内の一人だ。
彼は他のクラスメイト達と比べると付き合いが長いとは言えない。
前述の爆破事件の一件で彼は無期限停学処分をくらい、再開したのは自分が死ぬ直前、江ノ島の謀略によって予備学科生徒たちが暴動を起こし学園が混乱に包まれた中での再開で、程なくして自身が江ノ島の手によって殺されたため、彼との付き合いは他のクラスメイト達と比較すると少ないと言わざるを得なかった。
それでも彼も大切なクラスメイトの内の一人であることには変わりがない。雨が降りしきる中、カムクラと化した日向はじめの手によって重傷を負った彼を一人で抱えて必死で教室に戻ったあの時の事は今でも忘れてはいない。

言峰は「『クラスメイト』の内の一人がこの聖杯戦争に参加しているかもしれない」と言っていた。この言葉が自身がこの聖杯戦争に参加した最大の理由の一つなのだが、クラスメイト達の再現NPC達を見て、その答えがハッキリと見えてきた。

勿論、参加した『クラスメイト』が超高校級の詐欺師である可能性も無きにしろあらずなのであるが、彼の性格を考えるとこの聖杯戦争に自ら望んで参加している可能性は非常に低いと思われた。

彼の事だ。「希望のため」と言いながら自ら望んでこの聖杯戦争に参加し、希望のために手段すら選ばず活動する可能性は非常に高いと思われた。

だから自分はクラスの委員長として彼を見つけ出し、彼を止めなくてはならない。
そして聖杯への願いで死者である自身を蘇らせ、彼……狛枝凪斗と自身のサーヴァントであるメル・ゼナと共に元の自身の世界に帰還、世界を絶望に染め上げようとしている江ノ島盾子を今度こそ止めなくてはならない。

七海は決意に満ちた表情で窓の外を見つめていた。
(待っててね……狛枝くん。絶対にあなたを見つけ出して見せるから。)

そうこうしているうちに雪染先生の話はクラスの学級委員長を誰がやるかという所にまでなっていた。

「立候補で決めても良かったんだけど、独断と偏見で決めちゃいました。」
そう雪染はあっけからんと言うと、
「このクラスの学級委員長を、七海千秋さんにお願いすることにしました!」
この雪染の決定に対し、クラスの皆も
「七海さんならピッタリです!」
「俺もソニアさんに賛成です!」
「別にいいんじゃねえか?」
「ワシも賛成じゃ!」
「俺も構わねえぞ。」
「私も一向に構わん。」
「異議なしッス!」
「私もかな。」
「いいんじゃない?」
「ナイスパンチ!」
「わ、私も七海さんなら……」
「フッ……それが世界の選択か。」
「ぼ……僕も賛成するよ……」
と、誰一人として反対意見は出ず、全員一致で「七海千秋を学級委員長に推薦」という話の流れになった。
「七海さん、どうかしら?皆もこう言ってくれてるし、引き受けてもらえない?」
この雪染の問いに対し、七海の回答は早かった。

「……はい!喜んで引き受けます!」

302◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:29:55 ID:???0
【サーヴァント】


【CLASS】
ライダー

【真名】
爵銀龍 メル・ゼナ

【出典】
モンスターハンターライズ:サンブレイク

【性別】
不明

【ステータス】

筋力 A+ 耐久 A 敏捷A 魔力 C 幸運 D 宝具A

【属性】
中立・中庸

【クラス別能力】
対魔力: C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:EX
乗り物を乗りこなす能力。後述の理由からメル・ゼナ自身が人間が騎乗して操る乗り物そのものであるため、彼(?)はこれ以上の騎乗を必要としない。

竜種:EX
最強の幻想種たる竜種である事の証。その出自と格ゆえにEXという規格外のランクを持つ。



【保有スキル】
操竜:A
メル・ゼナをライダー足らしめているスキル。発動するとメル・ゼナの身体の各部位から「鉄蟲糸」と呼ばれる手綱兼操り糸のようなものが発生し、マスター自身がメル・ゼナに騎乗し鉄蟲糸を手に持つことでマスターとメル・ゼナが一心同体となりマスターの意思に合わせてメル・ゼナの行動を制御することが出来るようになる。このスキルによってメル・ゼナは「騎乗する」ライダーとしてではなく、「騎乗される」ライダーとしてマスターと共に戦う。

咆哮:A
その咆哮を聞いたものを怯ませ、一定時間の間行動不能にさせる。行動中の場合はその行動を中断させることも可能。
「勇猛」スキルや耳栓などの物理的に咆哮を聞かない手段を用いれば軽減や無力化が可能。

吸血:B
吸血行為と血を浴びることによる体力吸収&回復。ランクが上がるほど、吸収力が上昇する。メル・ゼナの場合は対象の精気を吸収することによって後述の宝具の発動を可能としている。

飛行:B
翼を用いて自在に飛行できる能力。飛翔して敵の後ろに回り込んで攻撃出来る他、後述の仕切り直しとの併用も可能だがメル・ゼナの場合は空戦よりも陸戦の方が得意なため、通常の飛竜種よりもランクが一段階劣る。

仕切り直し:B
戦闘から離脱する能力。
完全に捕捉された状況であろうとも、ほぼ確実に離脱することができる。
飛行能力などを併用し上空へと逃れた場合、離脱を阻止することは不可能に近い。

【宝具】
『血氣活性』
ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:-  最大補足:1人
吸血により吸収した精気を解放することで自身の本性を露わにした真の姿を解放する。
この宝具を発動すると各部の紅色の体毛が一層鮮やかに輝き出し、白銀だった甲殻は黒ずみ、口元や胸・手首の羽毛、槍状の尾の三叉部分などに紅色の靄を纏うようになる。また自身のステータスを全て1ランク上昇させる他、全身を黒い霧で包んでその直後に敵の至近距離にまで瞬間移動する「ダークロードブリス」も使用可能になり、後述の宝具を発動するためにはこの宝具を発動することが必要不可欠となる。

『ナイトメアクレイドル』
ランク:A+ 種別:対城宝具 レンジ:1〜80 最大補足:800人
上記の『血氣活性』を発動中に発動可能となる宝具。発動するとメル・ゼナが上空に舞い上がり、口からビーム状の龍属性のブレスで周囲一帯を焼き払い、その直後に巨大な球状の龍属性のブレスを真下に向かって吐き出す。
投下された龍属性ブレスは地面に接触すると炸裂して周囲に衝撃波を放った後、蛇行する衝撃波状の龍属性エネルギーをいくつも奔らせる。
ただしこの宝具を発動すると『血氣活性』は強制解除されてしまう。

303◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:30:38 ID:???0

【weapon】
翼についた巨大な翼爪や三又の槍のような形状に発達した尾を駆使した攻撃、龍属性のブレス攻撃や衝撃波状のエネルギー波、自らの肉体や身体能力を用いた格闘術

【人物背景】
ゲーム「モンスターハンターライズ:サンブレイク」の看板モンスターにして、同ゲームのメインモンスターを務めるモンスターの中の最上位種「古龍種」の中の一体。
物語開始よりも数百年前、舞台となる観測拠点エルガドを有する王国に突如として現れ、それ以降幾度となく王国を滅亡の淵に立たせるまでに追い込み、今なお“王域を統べる龍”として君臨する大型の古龍種。
王国を何度も崩壊の危機に追い込んだ過去から、王国の人々からは広く恐れられており、その脅威を排除することは王国全体の悲願とされている。
気高い佇まいと美しく優雅な見た目を持つが、しかしその性格は残忍にして狡猾であり、獲物を襲う際にも正面から堂々と戦いを仕掛けるような事はせずに夜の闇に紛れて襲撃を行い、自らの手をできる限り汚さずに全てを得ようとするかのような狡猾な振る舞いを見せる事もある。
また、爵銀龍という別名に相応しいプライドの高さも持ち合わせているようで、
自分が相手をするのにふさわしい者を見定め、力を持つ者相手には技と速さで、
素早く技巧に長ける外敵にはその力で持って沈める戦い方を好む。
同じ「王域三公」に属する剛纏獣ガランゴルム、氷狼竜ルナガロンと比較しても別格の危険度と実力を誇るとされており、メル・ゼナの出現と共に王都近辺に空いた「大穴」の調査のため本作の舞台となる観測拠点エルガドが設立されている。
また「噛生虫キュリア」と呼ばれる謎の生物と共生関係にあり、目撃情報によればメル・ゼナはキュリアを自らの配下として使役するかのように扱い、周囲の獲物や相対する外敵から精気を吸収させ、自身に献上させるような姿が見られたという。
また、メル・ゼナはキュリアが有する毒で体内を満たし、自らの力として行使するという適応性を見せている。
キュリアが目撃される少し前より王域生物がその縄張りを離れて他地方へ侵出する異変が発生しており、この“モンスターの異変”について観測拠点エルガドが調査を行なっていた。
その結果、この現象はキュリアが精気の奪取を目的としてモンスターを噛み、牙から毒性の強いウイルスが入り込む事によって王域生物が狂暴化した事が原因であったと結論付けられ、キュリアを従えるメル・ゼナこそがこの一連の事件の首魁であると目されている。
ストーリー中では氷狼竜ルナガロンを倒したカムラの里から招かれた猛き炎であるハンターと王国騎士であるフィオレーネの前に突如として現れ、猛き炎を翻弄、自らに挑んできたフィオレーネに意識不明の重傷を負わせ、悠々とその場から飛び去る。
その後長らく姿を見せなかったものの、エルガドの調査員に城塞高地を拠点としていたことを暴かれ、城塞高地に乗り込んできた猛き炎と重傷から回復したフィオレーネのタッグを迎え撃つが死闘の末に打ち倒される。
だがキュリアの本当の宿主はメル・ゼナではなく、『冥淵龍ガイアデルム』と呼ばれる超大型古龍であり、大穴を開けた本当の真犯人もガイアデルムであり、メル・ゼナは地上に進出しようとしていたガイアデルムを食い止めようとしていただけであることが後に判明する。
その後百竜ノ淵源ナルハタタヒメと戦うハンターたちの前に別個体が登場、ハンターたちと共闘し百竜ノ淵源ナルハタタヒメの討伐に助力している。

当聖杯戦争において召喚されたメル・ゼナは百竜ノ淵源ナルハタタヒメ戦においてハンターたちと共闘した個体である。


【サーヴァントとしての願い】
(自身の種の存続に関わるような事態にならない限り)特になし

【方針】
マスターと共に戦う

【把握媒体】
ゲーム「モンスターハンターライズ:サンブレイク」をご参照ください。プレイ動画及びムービーがYoutubeなどの動画サイトにUPされています。
メル・ゼナに絞って把握したい場合は「メル・ゼナ」と検索することでヒットする動画を見るのがいいかもしれません。

304◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:31:42 ID:???0

【マスター】
七海千秋

【出典】
ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 絶望編

【性別】
女性

【能力・技能】
『超高校級のゲーマー』
「ダンガンロンパ」シリーズの物語の中心となる学園「希望ヶ峰学園」において本科生徒として在籍を許される条件として存在する『現役の高校生であること』『特定の分野や職種において大人のプロと同等かそれ以上の才能を発揮、あるいは成果を出していること』の二つを満たすことで希望ヶ峰学園の本科入学と共に得られる称号で、七海千秋がゲーマーとしての才能を学園に認められたことで本科入学と共に得た称号。
上述のようにあくまで『才能』『肩書』の範疇であり、異能の類ではないのだが、七海千秋が聖杯の力によって蘇ったことにより聖杯の力により異能の領域にまで昇華されている。
能力の効果としては「ゲーム作品出典のサーヴァントの召喚に成功した場合、サーヴァントとの信頼度及び絆レベルにプラス補正が掛かる」というもの。

【weapon】
なし

【人物背景】
希望ヶ峰学園77期生の一人で、経緯は不明だがゲーマーとしての才能を認められ、希望ヶ峰学園のスカウトマンである黄桜公一にスカウトされ、『超高校級のゲーマー』として希望ヶ峰学園の本科生徒として入学した女子生徒の一人。肩書通り超がつくほどのゲーム好きで、初登場時は歩きながらゲームに夢中になって他の男子生徒にぶつかるまで気づかなかったり、担任の先生が話をしている最中や、教室が壊れるレベルの乱闘騒ぎが近くで起こってもゲームに夢中になっているほどであり、「私にはゲームしかない」と自虐する一面もあるほどであった。
入学した当初は「ゲームの才能で友達なんて出来るわけがない」と友達作りを諦めていたのだが、担任の雪染ちさから「一人で楽しいゲームなら、みんなと遊べばもっと楽しい」とアドバイスをもらったことで、教室に自らの私物のゲームを持ち込み他の77期生の生徒とゲーム大会を開き、親交を深めるために他の生徒たちと一緒にゲームを楽しんだり、教室の修理に追われ食事をまともにとってない皆に気を遣って同級生の花村輝々に肉じゃがをリクエストしたりするなど徐々に皆と打ち解けていった。
そんな折、雪染から77期生の学級委員に推薦され、最初は拒否するも他の生徒たちからの賛同を得たことで学級委員になることを了承する。
その後上記の経験から心境の変化があったのか、仲の良い男子生徒である日向はじめに「君にもし才能が無かったらどうする?」と問われた際に「人生は才能が全てじゃない、人と関わって思い出を作ることで才能よりも大切な希望が生まれる」「たとえ自分に才能が無かったとしても私はそれとは関係なくゲームが大好き」と自らの考え、思いを日向に吐露している。
その後カムクラプロジェクトの被験者になることを決意した日向に新作ゲームを一緒にプレイすることを誘うも「大事な用事があって出来ない」と断られ、これが最後の別れになると知らずに日向を見送る。
だがその後も音信不通になった日向はじめへの執着を捨てることが出来ず、雪染に日向のことを聞いたり連日予備学科の校門前で日向はじめを待ち続け、再開の時を待ち続けていた。
その後江ノ島盾子の謀略により予備学科生徒たちによる暴動が起きる中、学園に帰還した狛枝凪斗の証言を受け、行方不明になったクラスメイトの罪木蜜柑の捜索に向かうが、捜索のために狛枝と行動を共にした際、偶然隠し部屋を発見し狛枝と共に潜入するもそこで偶然本物の御手洗亮太を発見、その直後に隠し部屋にやってきた江ノ島盾子を射殺しようとする狛枝を制止するも、そこに乱入し狛枝に重傷を負わせたカムクライズルと対面する。
最初は日向がカムクラに変貌したことを理解できず再開を喜ぶも、「お前のことを知らない」と拒絶され、その直後に江ノ島盾子が自身に対し自らが黒幕であることを暴露、直後に乱入してきた雪染にその場を任せ、重傷を負った狛枝を抱えて教室に戻る。

305◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:32:25 ID:???0
その後雪染救出に対し狛枝が否定的な意見を述べる中、押し黙るクラスメイト達に自身の雪染に対する思いを吐露、クラスメイト達に発破をかけ雪染救出の決意を固める。
そして雪染を救出すべくクラスメイト達と共に隠し部屋に突入するも江ノ島に洗脳されていた罪木の裏切りにあいクラスメイト達と離れ離れになる。
そして行き着いた通路で既に江ノ島に洗脳されていた雪染と再会、雪染が洗脳されていることに気付かないまま行動を共にする。
そして辿り着いた先で本性を現した雪染によってエレベーターに押し込まれ、そして江ノ島盾子に委員長としてのまとめ役であることに目を付けていたことを告げられ、絶望ビデオを完成させるための生贄としておしおきと言う名の処刑にかけられることになる。
そして江ノ島が用意した死のデスダンジョンにおいて仕掛けられたトラップにより左腕、右足、頭部と体の各部位を負傷しながらもモニター越しに自らの処刑を笑いながら眺めていた江ノ島に対し、痛みを堪えながら自身が決して折れないことと必ず野望を食い止めることを涙を流しながら宣言する。
その後も苦痛を堪えながらも決して諦めないことを宣言し脱出を目指すも、それを嘲笑うかのように江ノ島の作動させたトラップによって左脚を貫かれてしまう。
それでも決して諦めることも心が折れる事もなく自らを嘲笑する江ノ島に対し最後まで抗い続けることを宣言、痛みを堪えながら辿り着いた先にあった扉を開け、そこで大好きなクラスメイト達と雪染の幻影を見るが直後に作動したトラップにより全身を串刺しにされ致命傷を負ってしまう。
だがその状態でも辛うじて生きており、その場に訪れたカムクラに気付くとかつてのカムクラの名である日向の名で必死に呼びかけ続ける。それに対しカムクラに以前の記憶が完全に消去されたことを告げられても決して諦める事はなく、ボロボロの身体を必死に動かして必死に起き上がろうとするもそれも叶わず倒れてしまう。
その光景を理解できないカムクラに対し希望ヶ峰学園で共に過ごしたクラスメイトが心の底から大好きだったという気持ちを吐露、「死にたくない」と自らの死に対する無念を叫びながら「日向君ともう一度ゲームがしたかった」と自らの無念をカムクラに伝え、力尽き絶命する。

「スーパーダンガンロンパ2」に登場する七海千秋とは別人であり、スーダン2に登場する七海千秋の正体は77期生が「もう一度七海千秋に会いたい」という気持ちが全員一致したことで生み出された存在だったとされている。

【マスターとしての願い】
聖杯の力で死者である自身を蘇生、狛枝とメル・ゼナと共に元の世界に帰還、江ノ島盾子を止める

【方針】
狛枝凪斗が参加していたら探し出して見つけ出し、合流する。聖杯戦争を止めようとするマスター、誰も傷つけずに聖杯を手に入れて願いを叶えたいマスターがいたら交渉して協力を取り付ける。人を殺すようなことは絶対にしない。

【ロール】
月海原学園の高校生

【令呪の形・位置】
右手の甲の位置。希望ヶ峰学園の校章の形をしている。

【把握媒体】
アニメ「ダンガンロンパ3 絶望編」をご参照ください。アニメはdアニメストアその他配信サイトで全編配信中です。ゲーム「スーパーダンガンロンパ2」に登場する七海千秋は厳密には別人なので無理に把握しなくてもいいかもしれません。

306◆A1Sj87dFpOM:2022/10/16(日) 19:38:23 ID:???0
以上で投下終了です。
タイトルは書いてませんが、候補作のタイトルは「さよなら希望ヶ峰学園、ようこそ月海原学園」です。
内容を読めば分かると思いますが、NPCの中で狛枝だけ再現されていないのは、
他の書き手様が投稿した候補作の中に狛枝凪斗がマスターの作品があるため、
ある程度その候補作を意識した内容にしたためです。
一緒に採用するかどうかは企画主様にお任せします。
何か不都合があればご指摘よろしくお願いいたします。

307 ◆Mti19lYchg:2022/10/22(土) 17:26:12 ID:0aq1cPqg0
コロナワクチンの副反応による高熱、一週につき一作というノルマを果たせなかった恥からなかなか返答できませんでした。申し訳ありません。

>>仮面ライダーという在り方
何の力もない一般人が参加しにくいこの聖杯戦争企画で、ほぼ初の一般的な感性のチノ。
そんな中、仮面ライダーの剣崎がサーヴァントになってくれたのは実に幸運です。
サーヴァントとしてはアンデッドとしての召喚ではないようなので、願いが勝手に決められていないのもいいことですね。
ご投稿、ありがとうございました。

>>さよなら希望ヶ峰学園、ようこそ月海原学園
両方の原作は未見なのですが、千秋の強さ、弱さと、メル・ゼナの暴れっぷりが伝わってくる作品でした。
生き返りたいがその為に人を殺す気はない千秋がどこまで行けるのか楽しみになってきますね。
ところで千秋のゲームのメタ知識は出来ればこの作品内のみで留めていただければありがたいです。他にゲーム原作のキャラがサーヴァントになっているのであらかじめ能力を知っているとちょっと有利すぎるかと。
後、凪斗組と同時に採用するかは検討中です。
ご投稿、ありがとうございました。

308◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 10:59:34 ID:???0
本スレであるこちらに直接投下させていただきます。
何か不都合がございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

309◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:00:44 ID:???0
「ちょっと……、ここはどこですのおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

暗闇に星々が輝く宇宙のような空間の中、ウェーブがかかった長髪の金髪の少女の上半身に蛇の下半身をもった異形の少女が自らの置かれた状況に対し憤慨の声をあげていた。
少女の名は邪神ちゃん、オカルト好きの女子大生「花園ゆりね」によって魔界から召喚された蛇の悪魔であり、帰還の呪文が分からないため現在はゆりねの住むアパートに居候している立場でもあった。

「ようこそ、常ならぬ願望を抱く新たなマスター候補者よ」
「!?だ、誰だテメエ姿を見せやがれ!!」
そのとき、どこからか壮年の男と思わしき声が響き、邪神ちゃんは驚いて辺りを見回すが声の主の姿を見ることは出来ない。

「『何故ここに呼ばれたのか分からない』といった顔をしているな。ではその答えを教えてあげよう。君は自らの意思で『星晶石』を手にしただろう?それによって君はこの聖杯戦争に導かれたのだ。」
「は?そんなもん手にした覚え……っあ!!?」
邪神ちゃんはここに来る直前、神保町をブラブラしていた際に偶然虹色に光る金平糖のような形状の石を3つ発見していたのだ。あまりに綺麗だったもんで「質屋に入れて大金を手に入れよう」と考え、周りに誰もいないことを確認し勝手にネコババしたのであるが今にして思えばあの石が男の言う『星晶石』なのであろうことを察する。

「くううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!こんなことになるって分かっていたら拾わなかったのに!!」
「こうなったのには君にも責任があると思うがね。」
「うるさいですの!!」
まあそれはさておき、と男が言うと
「まず君にはこれから予選を受けてもらう」
「やだ」
男の声に対し、床に寝そべり鼻をほじりながら邪神ちゃんは即答する。
「だーれがテメエの指図なんか受けるかっつの。私を元の世界に帰してくれるまでここから梃子でも動きませんの。」
「……」
そう、邪神ちゃんはこの通りクズな性格な上に人の指示で動くことが大嫌いなため、男の指示で予選を受けるつもりは毛頭なかった。

やがて男の声はため息らしきものを吐くと、
「……それならこちらで予選を勝手に始めさせてもらう。」
「?」
男の言葉と共に邪神ちゃんの目の前に円形の魔法陣が描き出され、そこから黒い人型の影のようなものが現れる。
「なんですのこいつは?」
邪神ちゃんの疑問に対し男の声は答える。
「そいつは『シャドウ』というサーヴァントのなり損ないだ。彼を倒せば、君は晴れて予選突破となる。」
「へえ……こいつを倒せばねえ……」
男の言葉に対し、邪神ちゃんはニヤリと口を歪ませる。
邪神ちゃんは自分よりも格下の存在を見下す一面もあり、それ故に見た目が大して強くなさそうなシャドウを格下だと彼女は判断したのである。
「だったら今すぐこいつを倒してさっさと予選を突破させてもらいますの!喰らえ殺人ドロップキックと並ぶ第二の殺人技ロイヤルコペンハーゲン!!」
そして彼女は技名を叫びながら目の前のシャドウに向かって利き腕の右手によるストレートパンチをシャドウに向かって放つ。

……が、パンチこそ直撃したもののシャドウに対しダメージを与えられた様子は全くなかった。
「……え?」
呆気にとられる邪神ちゃんに対し、シャドウは邪神ちゃんを押し倒すとそのまま馬乗りになり、邪神ちゃんの顔面に向かって拳の連打を放つ。
「ちょおぶっ何でぶへっ効かなぐはっ助けぐへっ!?」
邪神ちゃんはシャドウに殴られながらも自らの疑問を口にする。そう、邪神ちゃんはいつもはいばっているがその実力は「魔界最弱」と称されるほど弱く、相手を舐めてかかっては返り討ちにあうのがお約束であった。
(や……やばい死ぬ死ぬ死ぬ!!た、助けてくれゆりね!!)
邪神ちゃんはシャドウに殴られながらも脳内に花園ゆりねの姿を思い浮かべる。
すると邪神ちゃんの脳内のゆりねが何か語り掛けてくるような幻聴が聞こえた。

310◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:01:35 ID:???0

『馬鹿ね邪神ちゃん。ネコババなんてするからバチが当たったのよ。自らが招いた結末なのだから諦めて受け入れなさい。』

(そ、そんな……そんなこと言わずに助けてくれゆりね……)
邪神ちゃんはシャドウに殴られ続けながらも目に涙を浮かべ、脳内のゆりねに懇願する。
……が、その時邪神ちゃんは自らが大切なことを忘れていたことに気付く。
(……あれ?何で私ゆりねなんかに懇願しているんだ?)
そう、元々邪神ちゃんは花園ゆりねに召喚されたことで魔界に帰れなくなってしまったため、魔界に帰るために日々ゆりねの命を狙っていたはずである。
そのことを思い出した邪神ちゃんの中に自らが置かれている状況と花園ゆりねに対する激しい怒りの感情が芽生え、それに呼応するかのように邪神ちゃんが持っていたセイントグラフが妖しく光り始める。
(そうだ……私は花園ゆりねを殺し、魔界に帰るんだ。だから……こんなところで終わってたまるかああぁぁぁぁぁぁ!!!)
邪神ちゃんの中の怒りの感情が最高潮に達した瞬間、セイントグラフが宙を舞い、辺りは大きな光に包まれた。
その光に驚いたのか警戒したのかは分からないが、シャドウは邪神ちゃんから離れ、大きく後ろに後退する。

光が消え去った後、邪神ちゃんとシャドウの間に一人の戦士が出現していた。
全身を白金の鎧で身を包んでおり年齢や性別等を見た目だけで窺い知ることは出来ない。そしてその手には先端に槍状の刃がつき、両側に翼のように広がる大鎌の刃がついた、まるで十字槍のような禍々しい形状の大鎌が握られていた。邪神ちゃんは最初、何が起こったのか分からず呆気にとられていたのだが恐らく目の前の戦士がシャドウに殴られ続けていた自分を助けてくれたのだと察する。
だが、サーヴァントのなり損ないであり、本能や理性を持たないシャドウは一切恐れることなく、呼び出されたその存在に襲いかかった。
が_____

『武技「双空斬」「剛腕剛撃」「流水加速」』

一瞬だった。戦士が大鎌を振るうとその軌跡上に二つの刃のオーラが発生し、まるで飛び道具のように刃のオーラがシャドウに向かって飛ばされ、刃の直撃によってシャドウは切り刻まれ、霧散、消滅する。

その光景を邪神ちゃんはただ見ていることしか出来なかった。ただ一つだけ言えるのはシャドウは倒されたため、邪神ちゃんは無事に予選を突破できたということだけだった。

「あ゛〜〜〜〜よかったあ〜〜〜〜〜死ぬかと思いましたのお。」
邪神ちゃんは安堵感からか、床に仰向けになって寝転がる。
やがて戦士は邪神ちゃんに気付くと邪神ちゃんの方に振り向いてツカツカと歩み寄り、やがて邪神ちゃんの目の前にくると兜をゆっくりと外す。

兜の中から現れたのは少女の顔であった。外見年齢は邪神ちゃんとそう変わらない位であろうか。肩まで伸びた髪は邪神ちゃんから見て左半分が白銀、右半分が漆黒の2色に分けられており、眼の色も左右で違うオッドアイという特徴的な容姿をしていた。

まさか兜の中の顔が少女だと思わなかったのか、呆気にとられている邪神ちゃんに対し、サーヴァントである少女は自己紹介をする。

「サーヴァント、ランサー。真名、アンティリーネ・ヘラン・フーシェ。……アンタが私のマスター?」

311◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:02:31 ID:???0


 ◇ ◇ ◇


邪神ちゃんとアンティリーネは気が付くといつの間にか教会の礼拝堂らしき場所へ転送されていた。

「────ようこそ、試練を乗り越えた聖杯戦争のマスターよ。」

声と同時に礼拝堂の奥からこの教会の神父であり、この聖杯戦争の監督役でもある男、言峰綺礼が姿を現す。
「私は、言峰綺礼。此度の聖杯戦争において監督役を務めている者だ。」
「あ゛ーーーーーーっ!!お前その声はさっきの!!」
邪神ちゃんは言峰の声から、最初に予選会場で聞こえてきた声と同じだと察すると、下半身を器用に動かして言峰に近づき、言峰に掴みかかる。
「テメー何してくれてんだ勝手に予選始めやがって!!危うく死にかけたじゃねーか!!」
「まあ落ち着きたまえ。私はあくまで中立の立場だ。そちらから危害を加えてこない限り、こちらも危害を加えるつもりはない。」
「どこがだどこが!!」
言峰の言葉に対し、邪神ちゃんは更に憤慨する。が、
「君は何か望む願いは無いかね?この聖杯戦争に優勝すれば何でも望む願いを叶えることが出来るぞ?」
「……今、何て言った?」
「何でも望む願いを叶える事が出来る」という言葉に反応したのか、邪神ちゃんは急に真顔になると言峰から手を放す。
「今の話、もっと良く詳しく聞かせるですの。」
「ふっ……いいだろう。」

そう言うと言峰は邪神ちゃんに聖杯戦争の説明をゆっくりと始めた。

聖杯によって選ばれた(今回の場合は星晶石が招待状)参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。

「……つまり本当に聖杯を手に入れれば、どんな願いでも望むだけ叶える事が出来るということですの?」
「無論、そのためには最後の一組まで生き残る必要があるがな。君は何か叶えたい願いでもあるのかな?」
「ふっふっふっふっふ、よくぞ聞いてくれましたの。」

邪神ちゃんは意味深な含み笑いをすると指をビシィという効果音が聞こえそうなくらい大袈裟なポーズをしながら指差し、言峰の質問に答える。

「私の願い……それは元の世界に帰ることなんですの!!」
「……は?」

言峰は「何を言っているんだ?」といった顔で邪神ちゃんを見ると説教台の隣にある扉を指差し、邪神ちゃんに説明をする。

「い……いや……別に参加したくないのであればそこの帰還ゲートから元の世界に帰れるのだが……」
困惑する言峰に対し、邪神ちゃんは力説する。
「いーや!あの扉の向こうの世界は私が帰るべき世界にあらず!!私は聖杯の力で花園ゆりねを殺し、契約を解除して元の魔界に帰る!!それこそが私が聖杯にかける願いなんですの!!」
そんな回りくどい願い方をしなくても聖杯の力で契約を解除するとか魔界に強制送還してもらうとか他に方法はあるだろうと思わなくもないが、彼女はまだ願いを言い足りないのか言葉を続ける。
「後はー、聖杯の力で一生働かなくてもいいような使い切れないほどの大金を手に入れるとか。大金が手に入ったら好きなだけパチ打ったりソシャゲに課金しまくったり……うへ、うへへへへへへへへへへ。」
捕らぬ狸の皮算用とはよく言ったもので今から聖杯の使い道を思い浮かべながら恍惚の表情を浮かべる邪神ちゃんに対し、言峰は困惑しながらも参加の意思を聞く。

「で、では君はこの聖杯戦争に参加するということで構わないのだな?」
「はいはいはい!!参加します参加します!!いや是非とも参加させてください!!」
「わ、分かった……いいだろう……」
言峰が邪神ちゃんの意思を汲み取ろうとした時だった。

312◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:03:14 ID:???0

「私は嫌よ。」

その時、突如として二人の会話に割って入る者がいた。
それはこれまで邪神ちゃんと言峰のやり取りに対し、沈黙を守っていたランサーのサーヴァント、アンティリーネであった。
「ん?ランサー、どうして君は参加したくないのかね?」
会話に割って入ってきたアンティリーネに対し、言峰は疑問を投げかける。
だがその二人の間に更に割って入って来るものがいた。邪神ちゃんである。
「……おい、神父。」
邪神ちゃんは言峰から背を向け、アンティリーネの方に向き直る。その声には明らかな怒気が混じっていた。
「私は今からこいつと話をつけてくる。テメエは口を挟むな。」
「……いいだろう。」
邪神ちゃんの言葉に言峰は後ろに下がり、邪神ちゃんはアンティリーネと向かい合う。
「……おい、ランサー。今何つった?」
「何度も言わせないでよ。私はね、あんたとは組みたくないと言ってんの。あんたのような亜人種とはね。」
「……は?」
邪神ちゃんは「意味が分からない」と言った顔をした。やがて邪神ちゃんは「馬鹿にされた」と感じたのか、突如として激昂し、大声でまくし立てまくる。

「テメー亜人って何だ亜人って!!私は魔界の農林水産省的な所の一番偉い人の娘、誇り高き魔貴族の邪の神、邪神ちゃんだ!!亜人なんてあんな連中と一緒にすんな!!」
憤慨する邪神ちゃんに対し、アンティリーネは冷静に反論する。
「だってあんたの見た目、どう見てもナーガじゃない。」
「……へ?」
アンティリーネが邪神ちゃんを悪魔ではなく、亜人種だと判断したのには理由があった。

アンティリーネの住んでいた世界にも種族としての悪魔は存在していたが、それとは別に『亜人種』に分類される種族の中に「ナーガ」と呼ばれるモンスターが存在していた。
ナーガは胸から上は人間で、それより下は蛇という外見を持つ種族であり、幾つもの亜種が存在するが、どの種も人間に対しては友好的ではないモンスターであった。
それに目の前の少女は自らの事を『魔貴族』と称していたがアンティリーネの知る限り悪魔の上位モンスターの中には「デーモン」や「魔将」と呼ばれる存在はいても、「魔貴族」と呼ばれるモンスターは存在していなかった。

……最も、法国が存在を把握していないだけで「魔貴族」と呼ばれる悪魔の上位モンスターがどこかに存在している可能性はあるし、更にこれは自身がアインズ・ウール・ゴウン魔導国の捕虜となった際に聞いた話であるが、リ・エスティーゼ王国が魔導国によって滅ぼされた際、王国の第三王女であるラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフと彼女の従者である騎士クライムが自らの助命と引き換えに魔導国に忠誠を誓い、その証明として『堕落の種子』と呼ばれるマジックアイテムで自らの種族を人間種から悪魔に種族変更したという話を聞いたことがあった。
「ナーガって何だナーガって!!私は!!誇り高き魔貴族の邪神ちゃんだ!!ナーガじゃねーよバーカ!!」

もしかしたら……彼女の正体はナーガの少女が何かしらの手段で『堕落の種子』を手に入れ、ラナー王女と同様、自らの種族をナーガから悪魔、それも「魔貴族」なる未知の種族へと種族変更した存在なのでは、とアンティリーネは考えていた。
確かめてみる必要がある。そう考えたアンティリーネは彼女に尋ねてみることにする。
「それとも……あんたは『堕落の種子』でナーガから悪魔に種族変更したとでも言うのかしら?」
「……は?『堕落の種子』?種族変更?何言ってんだお前?」
聞いた自分が馬鹿だったとアンティリーネは今更ながら後悔する。でもこれではっきりしたことがあった。
恐らく彼女が悪魔であることも「魔貴族」なる種族であることも全て自称だ、とアンティリーネは判断する。
どういうメリットがあるか分からないがやはり目の前の少女はナーガで、自らが悪魔であること、更には「魔貴族」なる存在しない種族をでっち上げ、自らがそれだと吹聴しているのだとアンティリーネは判断する。

313◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:04:00 ID:???0

だが彼女が悪魔だろうがナーガだろうが結論は変わらない。
彼女の祖国であるスレイン法国では人間こそが神に選ばれた民である宗教概念を持ち、人間以外の他種族は殲滅すべしという理念を掲げていた。
そのため法国は自身も所属していた漆黒聖典を始めとした『六色聖典』と呼ばれる特殊部隊などを用いて亜人種や異形種などの他種族を積極的に排除しており、そのおかげで自国や周囲の人間国家の安全が保たれていた側面があった。
それに彼女……アンティリーネは「漆黒聖典 番外席次 絶死絶命」として、そして法国を建国した六大神の血をひき、その力を覚醒させた『神人』として、そしてスレイン法国の最高戦力でもある人類の守り手として目の前の亜人の少女と手を組むなんてことは絶対に出来なかった。

もし仮に自分が目の前の亜人の少女をマスターと認め、服従を誓ってしまったらどうなってしまうのであろうか?
そんなことをしたら自らが愛し、自らの命を懸けてでも救おうとした大好きな祖国を裏切ることになってしまう。
彼女にも聖杯にかける願いはあったが、祖国を裏切る位ならいっそのことこの聖杯戦争を辞退する方がマシだと考えたのだ。
「とにかく、私はアンタとは組めない。私がアンタに言えることはただそれだけよ。どうしても参加したければアンタ一人で勝手に参加しなさい。」
「……」

邪神ちゃんは俯き、ただ押し黙っていた。やっと諦めてくれたか、とアンティリーネは安堵するが、その直後、邪神ちゃんが何かを呟き始める。
「……ち……」
「ち?」
何を言っているのか、とアンティリーネは訝しむが、その直後にとった邪神ちゃんの予想外の行動にアンティリーネは驚愕する。
「チクショオォォォォォォォォーーーーーーーー!!!こうなったら力ずくで従わせてやる!!食らえ必殺!!邪神ちゃんドロップキィィィィーーーーーーク!!!」
なんと邪神ちゃんが垂直に飛び上がったかと思うと、尻尾の向きをアンティリーネの方に向け、そのまま一直線にアンティリーネに向かって突撃してくる。

アンティリーネは「ちぃ!」と口の中で舌打ちをする。可能性としては考えていないわけではなかったが、まさか本当に実力行使に打って出てくるとは思わなかったのだ。
アンティリーネは愛用武器の大鎌を手に取り構える。その顔にはいつもの笑みはない、最大限の警戒を払った顔であった。
アンティリーネがここまで警戒するのには理由があった。
ナーガには幾つもの亜種が存在するがその中には「スワンプ・ナーガ」と呼ばれるレベル80に達するモンスターが存在していた。
もし仮に目の前の少女がスワンプ・ナーガであった場合、レベル88のアンティリーネでも全力で戦わなければ足元をすくわれかねない可能性があり、その可能性を考えアンティリーネは目の前の少女を全力で打ち倒すことを決めていた。

そしてアンティリーネは邪神ちゃんを引き付けると自らの武技を発動する。

「武技『流水加速』『超回避』」

その武技の発動は目を見張る結果を生み出す。
まるで時間が操作されたかのような間延びした空間―――粘度の高い液体の中に落ちたように全ての動きが鈍くなる中、邪神ちゃんの速度もやけに遅くなる。
しかし、アンティリーネだけはこの緩やかな世界の中でも同じ速さを維持し、素早く邪神ちゃんの背後に回り込む。そして、

「武技『剛腕剛撃』『超斬撃』」

ザンッ スパッ
「あ゛」

勝敗は一瞬にして決した。武技を使用したアンティリーネの振るった大鎌の斬撃によって邪神ちゃんの上半身と下半身は両断され、礼拝堂の床に大量の血をまき散らしながら落下する。
流石にそれを見かねたのか、事の次第を見守っていた言峰がアンティリーネに声を掛ける。
「おいおい、君たち同士が争うのは勝手だがあんまし礼拝堂を汚さないでくれ。後片付けが大変なのでね。」
「先に手を出してきたのはこいつよ。礼拝堂を汚したのは悪いと思っているけど文句なら私じゃなくてそこに転がっているコイツに言ったら?」
あまりの呆気なさにアンティリーネも正直拍子抜けしていた。でもそれも別におかしなことではないとも思っていた。

314◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:04:42 ID:???0

ナーガ種だって幾つもの亜種が存在するが別にそれら全てがスワンプ・ナーガ並みに強いわけでは無い。
例えばトブの大森林には以前は南の大魔獣、東の巨人、西の魔蛇の通称『三大』と呼ばれるモンスターが生息しておりその内の一体『西の魔蛇』リュラリュース・スぺニア・アイ・インダルンがナーガ種であったのであるが、彼のレベルは30代だったと言われており、事実魔導国建国前にトブの大森林を訪れた魔導王によって『東の巨人』グ共々簡単に制圧され服従を誓わされており、現在彼は魔導国の入国管理官の一人として入国希望者への講習の仕事をしているとアンティリーネは耳に挟んだことがあった。

もし仮に自身が殺した少女が『西の魔蛇』と同レベル、下手したらそれ以下だったとするならばレベル88の自身に勝てないのは至極当然の話であり、それ以前にまともなスキルや魔法を使わずただ突撃してくるだけの例えるなら『ガキが棒を振り回しているだけ』の戦い方をするような相手にアンティリーネは負けるつもりは毛頭なかった。

「だが良かったのかね?マスターはサーヴァントが現世に留まるための要石、それを殺してしまった君はいずれ消滅してしまう。その事に対する後悔はないかね?」
「別にいいわよ。亜人と手を組むなんてそんなことは祖国に対する裏切り行為、大好きな祖国を裏切る位ならいっそこのまま消滅した方がいいし、その事に対する後悔なんてないわ。」
自身のマスターを殺したアンティリーネの気持ちはむしろ晴れ晴れとしていた。彼女にも聖杯にかける願いはあるしそれを叶えられないことに対する無念や後悔の気持ちはある。でもそのために自らが命を懸け必死になって守ろうとした法国を裏切ってでも願いを叶えるつもりはなかった。そんなことをしてまで願いを叶えたとしても法国の人々は決して喜ばないだろう。
だからこの結果も自らの運命だと素直に受け入れて消滅する。その事に対する後悔の気持ちはアンティリーネには無かった。

「……?」
だがアンティリーネは自らの下半身に何か違和感を感じ、その違和感の正体を確かめるため、視線を下に向ける。その視線の先の光景を見た途端、彼女の目は驚愕で見開かれていた。
何と上半身『だけ』の状態になった邪神ちゃんが自らの足元に縋り付き、目を涙で潤わせ、懇願するような表情でアンティリーネを見上げていたのである。
予想外の展開にアンティリーネも正直驚いていた。自らに『沙羅双樹の慈悲』のような自動回復魔法でもかけているのか、それともHPや生命力に極振りしたビルド構成でもしているのかとアンティリーネは考えたのだがそんな彼女の考えをよそに邪神ちゃんはアンティリーネに懇願する。
「お゛ね゛がい゛し゛ま゛ず!!あ゛な゛ださ゛ま゛し゛か゛い゛な゛い゛ん゛です゛!!い゛っじょに゛さ゛ん゛がし゛でく゛だざい゛!!どう゛がお゛ね゛がい゛じま゛ず!!」
涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら懇願する邪神ちゃんを見て、アンティリーネの心は揺れ動いていた。

アンティリーネは自らの手に握られている大鎌―――『カロンの導き』に目をやる。
このカロンの導きはスレイン法国を建国した六大神の一柱である死の神、スルシャーナが愛用した武器で魔法を内蔵、使用することが出来、その中には第八位階魔法である即死魔法『デス』も含まれていた。
幾らこの少女の生命力が並外れていても即死魔法の『デス』を叩きこめば流石に死ぬだろう。
だがそれでいいのか、という気持ちがアンティリーネの中に生まれていた。
確かにアンティリーネは法国を愛してはいたが、法国の人間以外の他種族に対する差別感情は常軌を逸しており、人間に敵対意識を持っていない種族まで殲滅しようとしたり、同じ人間であっても異種族と仲良くしようとする者を迫害したりするレベルにまで達しており、アンティリーネも内心では流石にやり過ぎなのでは、もうちょっと緩和してもいいのではと思っていたのだが神人であり人類の守り手である立場上、法国上層部にその旨を言い出せないでいた。

そしてもう一つ、アンティリーネは自分の足元で懇願する少女を見つめながら、エルフ国で戦った魔導国の幹部のダークエルフの少女のことを思い出していた。
彼女は六大神と八欲王の血を受け継ぎその力を覚醒させた神人として今まで誰も自分に敵う存在はいないと思っていたのだが、任務でエルフ国を襲撃しエルフの王であり血縁上の父親であるデケム・ホウガンを自らの手で殺害した直後、彼女がその事実を知ったのは魔導国の捕虜になった後の話であるが―――デケムを追いかけてきた魔導国の幹部であるダークエルフの少女と交戦、自らの持ちうる全てを使って少女に喰らいつくも力及ばず敗北、そのまま魔導国の捕虜になってしまったのだ。

315◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:05:56 ID:???0

自分は今まで口では「敗北を知りたい」なんて言っていたがそれは本当は自らに流れる血を、自分の力を否定したかっただけであり、敗北を知って初めて、本当に負けることの悔しさを知ったのだ。
敗北とは敵の攻撃に倒れることではない。我が身を賭してでも叶えたい願いを無残に砕かれること、覆しようのない絶望をもたらされることなのだ。
もし仮に目の前の少女の想いを無残に踏みにじり、『デス』を使って少女の息の根を完全に止めたとしたらどうなるのであろうか。
そんなことをしたら自身もあのダークエルフの少女と、そしてアインズ・ウール・ゴウン魔導国と何も変わらなくなってしまう。

アンティリーネは迷った。そして考えに考えぬき……そして決断する。
「……重傷治癒(ヘビーリカバー)。」
「……え゛?」
アンティリーネは自身の使える最高位の治癒魔法を邪神ちゃんに使うと、邪神ちゃんの身体は緑色の光に一瞬だけ包まれ、傷口から流れる血は止まる。
「私だって神官職は修めているからね、完治には程遠いかもしれないけど後はあんたの生命力で何とかしなさい。」
そう言うとアンティリーネは両手で邪神ちゃんの両脇を抱えると邪神ちゃんを持ち上げ自身の目線に合わせる。

「あんたには負けたわ。あんたの言う通り、私もあんたのサーヴァントして聖杯戦争に参加してあげる。だからあんたも私のマスターとしてやれるだけのことはやりなさい。」
「……う゛……」
アンティリーネの言葉に邪神ちゃんの目から再び大粒の涙がこぼれる。そして、
「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!!あ゛り゛がどう゛あ゛り゛がどう゛わ゛だじのサーヴァント!ごれ゛がら゛も゛わ゛だじのた゛め゛に゛だだがっでぐれ゛ぇ〜〜〜〜〜!!」
邪神ちゃんは泣きじゃくりながらアンティリーネに抱き着き、その様子を見た言峰が二人に話しかける。

「どうやら話は着いたようだな。」
その言葉を聞いたアンティリーネは邪神ちゃんを引き剥がすと邪神ちゃんを自身の脇に抱え、言峰に背を向けると床に転がっている邪神ちゃんの下半身を拾い、それをもう片方の脇に抱え、改めて言峰の方に向き直る。
「邪神ちゃん、そしてアンティリーネ・ヘラン・フーシェ。君たちの参戦を聞き入れた。聖杯は君たちを歓迎するだろう。細かいルールは端末のヘルプで参照できるが他に質問はあるかね?」
言峰の問いにアンティリーネはフッっと笑うと、
「特にないわね。まあ、でも強いて言うなら……世話になったアンタには私から『ありがとう』の言葉を送るわ。」
「ちょ……それ私のセリフ……」
「フッ……」
そう言うとアンティリーネは邪神ちゃんを抱えたまま言峰に背を向け、教会の出口である扉に向かって歩く。
「喜べ魔貴族、そして神人よ。君たちの願いはようやく叶う。」
綺礼は立ち去ろうとするアンティリーネの背中へそう言葉を投げかける―――

―――邪神ちゃんとアンティリーネ・ヘラン・フーシェは教会を後にした。


◇   ◇   ◇

ここはC-4地区、センターロード街にあるとあるパチンコ店。
「また負けましたの……」
悲壮感溢れる表情でパチンコ店の自動ドアから一人の少女が出てきた。邪神ちゃんである。
因みにあの後持ち前の再生能力で上半身と下半身は無事にくっつき、現在の彼女はすっかり元通りの身体になっていた。
彼女に与えられたロールは一応『フリーター』なのであるが彼女は本日、偶然見つけたパチンコ店で一山当てようとパチを打ったものの、案の定負けてしまい軍事費として支給されたQP(クォンタムピーズ)を10万ほどスッてしまったのである。
因みにこういったことは元の世界でも邪神ちゃんは日常的にやらかしており、その度に親友のメデューサからお金を借りたり花園ゆりねの怒りを買ってお仕置きされるなんてことは日常茶飯事な光景なのであった。

316◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:06:40 ID:???0

「ううぅぅぅ、打たなきゃよかった〜。何で打っちゃったんだろう?何でたった30分で中身が空になるんだろう?この路地に入りさえしなければ、特売時間なんて気にせずにスーパーに行っていれば……。この右手が、リールを回せと私に囁く……くぅ!何で震えて唸るんですの!?あぁ!人生の無情なさ!時の神様、願わくばお店に入る前の時間に、戻してぇ〜!!」
勿論そんなことを言っても時間が戻る訳がなく、邪神ちゃんは自身の発言の無意味さを悟る。
「……はぁ、もう家に帰るしかありませんの……」
そう言うと邪神ちゃんは自身に支給された生活拠点であるアパートへの帰路につく。
やがてアパートにたどり着き、割り当てられた自分の部屋のドアを開けると部屋の真ん中に置かれた机のそばに座っていた少女が帰宅した彼女を出迎えた。

「お帰り」
少女は軽い口調で邪神ちゃんに声を掛ける。その少女は髪の片方が白銀、もう片方が漆黒の二色に分けられた髪色に瞳の色も左右で異なるオッドアイという特徴的な容姿をしていた。彼女はアンティリーネ・ヘラン・フーシェ、邪神ちゃんが召喚したランサーのサーヴァントである。
彼女は手に持っていたルービックキューブを机の上にコトン、と置くと邪神ちゃんを詰問するかのような言葉を投げかける。

「ねえ、邪神ちゃん。あんた、私に何か言うべきことがあるでしょ?」
「い……いや、別に何も……」
「あるでしょ?」
「……は、はい……パチでQPをスッちゃいました……」
「いくら?」
「じゅ……10万ほど……」
邪神ちゃんのその言葉を聞くとアンティリーネは呆れたようにため息をつく。

「ねえ、邪神ちゃん。あれは今後の生活や戦いに必要な大切な軍資金なのよ?何でパチンコなんてくだらないことにつぎ込んじゃったの?」
「い……いつもの癖で……」
アンティリーネはため息をつくと物思いに耽るかのような表情で邪神ちゃんに語り掛ける。
「いい事教えてあげましょうか?私の祖国のスレイン法国はね?『六大神』と呼ばれる偉大な6名の神様たちが建国なさった国なんだけどその『六大神』様が遺した日記や手記にこんなことが書いてあったのよ。」
「あ……あの……それが私と一体どういう関係があるわけで……?」
「黙って聞いて。」
「は、はい……」

アンティリーネの言葉に邪神ちゃんは黙るとアンティリーネはそのまま話を続ける。
「この日記や手記は風の神『輝煌天使ねこにゃん』様、光の神『アーラ・アラフ』様、闇の神『スルシャーナ』様の3名のやり取りを残したものなんだけどね、『超レアアイテムの指輪を手に入れるために課金ガチャに給料全額つぎ込んじまったwwwwwww』『指輪はめる指開放も課金、課金すればするほど強くなる職業、習得魔法追加も課金、ギルドのNPC作成レベル上限アップも課金、ユグドラシル運営はプレイヤーに課金させることしか考えていないのかよwwwwwwwwww』『ユグドラシル運営クソクソクソクソクソwwwwwwwww』『ユグドラシル運営は金の亡者wwwwwwwww』『だけど俺らは今更ユグドラシルを辞めるわけにはいかないし辞めたら今までの課金が全額無駄になっちゃうんでこれからもジャンジャンプレイしてジャンジャン課金しまーすwwwwwwwww』……そりゃあもう酷いもんよ。偉大なる六大神様達も『運営』なる存在に金をむしり取られていったんだなって。」
「へ……へえ……国を建国した神様たちも色々と大変だったんですね……」
「パチンコも同じよ。どうせあーいった所は胴元が勝つ仕組みになってんだから『運営』なる存在と同じで金をむしり取ることしか考えていないのよ。分かったらあんなところに行くのはやめなさい。」
「……」

アンティリーネの言葉に邪神ちゃんは暫し押し黙った。しかし、
「こ、今回はたまたま運が悪かっただけなんだ!次は絶対勝つ!次はツキが向いている気がするんだ!次やれば今回の損失以上の大儲けが出来そうな気がするんだ!だから見逃してくれなっなっ!!」
「……」
性懲りもなく言い訳をする邪神ちゃんに対しアンティリーネは暫し押し黙る。そして、
「……ねえ、来て。」
「?」
突如としてアンティリーネは両手を広げると邪神ちゃんにこちらに来るように誘う。
邪神ちゃんは彼女の意図が分からなかったのだが他に何をすればいいのか分からないのでとりあえず誘いに乗りアンティリーネの方に近づく。

317◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:07:35 ID:???0

やがて邪神ちゃんがアンティリーネの真正面に来るとアンティリーネは彼女の腰回りに抱き着く。
「……ねえ、邪神ちゃん。こんなアンタでも私はアンタの事が大好きよ。だってあなたは私のたった一人のマスターなんですもの。」
「……え?」
アンティリーネの予想外の言葉と行動に邪神ちゃんは戸惑いの表情を見せる。
「だからマスター。私はあなたにずっとついていくわ。これからも一緒に頑張って戦って聖杯を一緒に手に入れて願いを叶えましょう。」
「……うっ……うっ……」
アンティリーネからかけられた言葉に邪神ちゃんの目は涙ぐみ、目から大粒の涙が溢れる。そして、
「うわああぁぁぁぁぁん!!あ゛り゛がどう゛!あ゛り゛がどう゛!私のサーヴァント!!これからも一緒に頑張って戦って聖杯を絶対に手に入れよう!!」
邪神ちゃんは大泣きしながらアンティリーネの背に抱き着く。が、しかし、

「……な訳ないでしょう。」
「え?」
突如としてアンティリーネは邪神ちゃんの腰に回していた両手に力を籠め、邪神ちゃんが逃げられないようにガッチリと固定する
「あ……あの……ランサー、さん……?」
「ねえ、邪神ちゃん。私の祖国のスレイン法国がどんな理念を掲げているか知ってる?『人間こそが神に選ばれた民である、人間以外の他種族は殲滅すべし』だって。私はそんな法国の事が大好きよ。だから私はアンタのことが大嫌い。」
アンティリーネが言葉を紡ぐ間にもアンティリーネの両腕に籠められた力は徐々に増していき、邪神ちゃんは自らの腹部が圧迫されていくのを感じる。
「あの……ランサーさん……さっきと言ってることが違いません……?」
「ねえ、私が漆黒聖典でどんな役回りだったか知ってる?漆黒聖典は法国最強の戦士たちで結成されたエリート部隊なんだけど中には自らの強さを鼻にかけて増長する奴がいるの。そんな奴を叩きのめして自らの身の程をわきまえさせるのが法国最強の戦士である私の役目。」
そう言っている間にもアンティリーネの両腕の力はどんどん増していく。邪神ちゃんは身の危険を感じ、必死に離れようと力を込めるが、まるで頑丈な鎖で拘束されたように離れることが出来ない。

「く、くそ!離せ、離しやがれ!!」
「そうやって叩きのめした隊員の中に漆黒聖典から脱走した奴がいてね……元・漆黒聖典第九席次『疾風走破』―――第五席次のクアイエッセ・ハゼイア・クインティアの妹で名前は確か……クレマンティーヌと言ったかしら?アイツ、脱走した先で漆黒の英雄、モモンと戦って死んだらしいんだけどその死に方が随分と特徴的でね?だから私はあなたに彼女の殺され方をこの場で再現しようと思うの。」
そう言うとアンティリーネの両腕の力はますます増していき、邪神ちゃんは次第に息苦しくなり、骨が軋み内臓がどんどん圧迫されていく感覚に襲われる。
「クソがあぁぁぁ!!死ね!死ね!ぶっ殺してやる!!」
「ねえ、彼女はどんな気持ちだったんだろう。逃げようとしても逃げられず、死の恐怖と苦しみを味わいながらゆっくりと死んでいく感覚。あなたには彼女の気持ちが分かる?」
邪神ちゃんは半狂乱でアンティリーネの背中を拳で叩き、爪が剝がれるほどの勢いで引っ掻き、前歯で噛みつく。だがその全てはアンティリーネに通じず、邪神ちゃんに語り掛けながら両腕の力を更に強める。

「そもそもスレイン法国とか漆黒聖典とか疾風走破とか言ってることが訳分かんねぇよ!!死ね!死ねぇ!!」
「そんなに暴れないでよ。これは罰よ。勝手なことをしたあなたへのね。自らが犯した罪の重さをその身に味わいながらゆっくり反省しなさい。」
そしてトドメとばかりに両腕の力を最大限に強める。
ゴキリという太い骨がへし折れた音が聞こえた。

318◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:09:07 ID:???0

「……凄まじい生命力ね。これで死なないだなんて。」
アンティリーネの目の前には腰が有り得ない角度で折れ曲がった邪神ちゃんが転がっていた。口から泡を吹き、目は白目を剝いているが心臓は動き、呼吸はしていることは確認できた。
治癒魔法をかけてあげようかと一瞬考えたが彼女の生命力と再生能力なら暫くすれば元通りに回復するだろう。それにこれは罰だ。治癒魔法をかけるよりも暫くこのまま放置しておいて自らの行いを反省させるべきであろう。
アンティリーネは部屋の窓を開け、外の景色を眺める。自らの祖国の理念に背いてまで彼女と手を組み、参加した聖杯戦争であるが今になって無事に勝ち上がれるかかなり不安になってしまっていた。自身のマスターは確かに生命力、再生能力は目を見張るものがあるが致命的なまでにオツムが足りなかった。

それに他の参加者のサーヴァントの中にはかつて戦ったダークエルフの少女と同等、下手したらそれ以上の強さのサーヴァントもいるかもしれない。
そんな状況で馬鹿なマスターに振り回されていたら勝てる闘いも勝てなくなってしまう。
だから自分が彼女の手綱を握ってやらなければならない。戦士としての闘いの経験は幼少期から訓練を積んできた自分の方が彼女よりも圧倒的に上なのだ。
唯一彼女が自分よりも勝っている点があるとすれば並外れた生命力であろうがそれならばいっそ下手に動いてもらわずにに持ち前の生命力と再生能力で敵の攻撃に耐えてくれた方がよっぽど役に立つとさえいえた。

もう後戻りは出来ない。法国は今もアインズ・ウール・ゴウン魔導国の脅威に晒されているかもしれない。そのため唯一の頼みの綱は自身が優勝し聖杯を手に入れる事しか道は残されていなかった。アンティリーネは夜空を見上げ決意を固める。

「待っててね法国の皆。私が聖杯を手に入れさえすればきっと法国を救うことが出来るから。」


【サーヴァント】


【CLASS】
ランサー

【真名】
アンティリーネ・ヘラン・フーシェ

【出典】
オーバーロード

【性別】
女性

【ステータス】

筋力 B 耐久 A 敏捷 A 魔力B 幸運 D 宝具 EX

【属性】
秩序・善

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

気配遮断:C
サーヴァントしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を断てば発見することは難しい。
アンティリーネはランサーのクラスとして現界したが、ローグの職業レベルを1レベル、アサシンの職業レベルを5レベル修めているためこのスキルを有する。

狂化:B
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。
本来は「狂戦士」のクラス特性であるのだが、アンティリーネはバーサーカーの職業レベルを10レベル修めているため、「気配遮断」同様このスキルを有する。
また後述するように彼女自身は真っ当な性格をしており、普通に意思疎通も可能で高い思考能力を用いて冷静に立ち回ることが出来るが、幼少期の辛い経験からどこか狂気的な一面を覗かせることもある。

時間停止耐性:A
時間停止に対する耐性。相手が時間停止効果があるスキル、魔法、宝具を使ってきてもその影響を受けることがない。
アンティリーネの場合は時間停止に対する耐性の描写や言及はないものの、
① 作中でアインズが「レベル70以上は全員時間停止に耐性があって当たり前(アンティリーネのレベルは88)」と発言していること
② アンティリーネよりも格下のデケム・ホウガンに時間停止魔法が効かなかったこと
以上の二つの理由から彼女にも時間停止に対する耐性が存在していると思われる。

319◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:10:05 ID:???0

【保有スキル】
生まれながらの異能(タレント):EX
文字通りその人物が生まれたときに習得できる独自能力。アンティリーネのそれは大陸でも十指に入る最強クラスのものであり、能力は『自身の装備した武器や防具の以前の使用者の切り札を行使できる』というもの。彼女は死の神スルシャーナが愛用していた武器である『カロンの導き』を装備しているため、このスキルによりスルシャーナの切り札であった後述の宝具の使用を可能としている。

武技:A
転移後の世界の戦士たちが使うオリジナルスキル。アンティリーネは転移後の世界の戦士の中では最高峰の戦士なため数多くの武技を使用できる。確認できる中では「回避」「超回避」「可能性超知覚」「能力超向上」「防御超強化」「痛覚鈍化」「剛腕剛撃」「即応反射」「超斬撃」「超貫通」「流水加速」「双空斬」「疾風超走破」を使用可能。

異端判決:B
インクイジターの職業レベルを10レベル修めたことで取得したスキル。発動すると相手サーヴァントのスキル・魔術・宝具を使用した際の消費魔力を僅かに上昇させる。効果は戦闘中は永続的に続くので一回一回の消費魔力上昇は微々たるものでも長期戦になるほど負担の増加は確実に結果となって現れる。

異端断罪:B
インクイジターの職業レベルを10レベル修めたことで取得したスキル。こちらも発動すると相手サーヴァントのスキル・魔術・宝具の発動失敗確率を上昇させる。この効果でスキル・魔術・宝具の発動に失敗しても魔力はそのまま消費してしまう。

治癒:C
神官職であるクレリックを10レベル、その上位職のハイクレリックを10レベル修めたことにより使用可能となったスキル。第三位階治癒魔法の「重傷治癒(ヘビーリカバー)」を使い自身の傷は勿論、他者の傷を癒すことも出来る。

エクスキューショナー:A
エクスキューショナーの職業レベルを10レベル修めたことで取得したスキル。スキルの効果は「自身のスター集中度アップ」「クリティカル威力アップ」「斬撃ダメージ上昇」の3つの複合効果となっている。

【宝具】
『The goal of all life is death(あらゆる生ある者の目指すところは死である)』
ランク:EX 種別:対人(自身)宝具 レンジ:-  最大補足:1人
アンティリーネが前述のスキルの力を行使することにより使用可能となる宝具。
発動すると使用者の背後に十二の時を示す時計が浮かび上がり、この状態で発動した即死技は、相手にヒットしても効果を発揮するまで12秒掛かるようになってしまうものの、
12秒経ってしまえば相手はありとあらゆる耐性等を無視して問答無用で即死する。ただし効果を発揮する12秒の間にスキルや宝具などで予め蘇生効果を付与されると蘇生効果と即死効果が相殺されてしまい、事実上無効化されてしまう。
また一度使用すると100時間のクールタイムが必要となり、それまで再使用することは出来なくなる。アンティリーネ自身は即死技や即死魔法を覚えていないので後述の自身の武器である『カロンの導き』に内蔵された即死魔法の『デス』と組み合わせることでこの宝具を有効活用することが可能となっている。


『死せる勇者の魂(エインヘイヤル)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:-  最大補足:1人
アンティリーネが『レッサーワルキューレ/オールマイティ』の職業レベルを5レベル修めたことにより使用可能となった宝具。発動すると魔法行使能力やスキルの一部を使用できないものの、使用者と同じ武装、同じ能力値、同じ耐性を持つ全身白色の分身体を創造することが出来る。この分身体は使役者の思考で命令を下すことが出来、戦闘中でも使役者と息の合った連携プレイで敵と戦闘してくれる。
本来この宝具はAランク宝具なのであるがアンティリーネが取得しているのが通常のワルキューレ職ではなくそれよりも劣るレッサーワルキューレ職なのであることと、武器種一つに特化しておらず様々な武器を使いこなすためのオールマイティ職である等の理由により、宝具ランクが1ランク落ちてしまっており、それによって創造できる分身体のステータスが使役者本人よりも1ランク落ちてしまっている。

320◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:10:57 ID:???0

【weapon】
「カロンの導き」
スレイン法国を建国した六大神の一人『死の神 スルシャーナ』が愛用していた武器で見た目は先端に槍状の刃がつき、両側に翼のように広がる大鎌の刃がついた、十字槍のような禍々しい形状の大鎌。大鎌として相手を切り裂くことが出来る他、槍のように相手を刺突して攻撃することも出来る。
また魔法も内蔵されており、8時間で2回第八位階即死魔法『デス』を使用することが出来る他、
攻撃に負の追加ダメージを加える「死者の炎」
知性のないアンデッドから身を守る「不死者忌避」
死体を媒介にアンデッドを作り出せる「不死者創造」
相手を病気にする「病気」
退散抵抗のないアンデッドを一撃で滅ぼすチャンスを得る「不死に眠りを」
様々な視線効果の中から選択して能力を得る「邪視」
視線攻撃を防ぎつつ恐怖効果などを強化する「死面」
詳細不明な「栄光の手」
これら8つの魔法の中から一つを選択して合計で4時間ごとに5回発動することも出来る。
また「スパルティアト」と呼ばれるアンデッドの兵隊を召喚、使役することも可能で一度に召喚、使役可能な数は5体まで、24時間で合計30体召喚することが可能。

「風神の鎧」
スレイン法国を建国した六大神の一人『風の神 輝煌天使ねこにゃん』が愛用していた白金の鎧。彼はタンク職の聖騎士であったためこの鎧は装着者の防御力、耐久力を格段にアップさせる効果があると思われる。

321◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:11:47 ID:???0

【人物背景】
作中に存在する国家「スレイン法国」の特殊部隊「六色聖典」の中でも最強の部隊「漆黒聖典」に所属する少女で「番外席次 絶死絶命」の二つ名を与えられ、法国を建国した六大神(プレイヤー)の血を受け継ぎ、その力を覚醒させた法国でも3人しかいない『神人』の中の一人でレベルは88。
その力は転移後の世界における現地人の中では真なる竜王を除けば最強の強さを誇る戦士であり、同じ神人である漆黒聖典第一席次『隊長』ですら手も足も出ずに叩きのめされており、元漆黒聖典第九席次のクレマンティーヌからは「人外領域すら超越した漆黒聖典最強の化け物。六大神の血を引くとされる先祖返りのアンチクショウ」と非常に恐れられており、作者からは「異世界のオーバーロード」と称されている。
外見に反して実年齢は100歳を超していると思われ、普段は法国の秘宝である六大神の遺した伝説の武具を守護する任に就いており、暇な時は六大神が遺したルービックキューブで時間を潰している。
また漆黒聖典の中でも自らの強さに鼻をかけ、つけあがって増長した隊員を叩きのめし、身の程を弁えさせ矯正させる役目も担っており、作中で確認出来る中では前述の隊長、クレマンティーヌと第十一席次「無限魔力」の3名が彼女の洗礼を受けており、隊長はかつては「俺一人で漆黒聖典だ!( -`д-´)キリッ」と言い切るほどの傲慢な性格であったのだが前述の通り彼女に手も足も出ずに叩きのめされ、馬の小便で顔を洗わされ「俺はゴミだ」と自らの身の程を弁えさせられ、無限魔力は彼女に叩きのめされた後は彼女に媚びを売るほどの卑屈な性格となり、クレマンティーヌは漆黒聖典を脱走した後も彼女の事を非常に恐れているような発言をしている。
ただしこれに関しては上記の3名の性格の方に問題があった可能性が高く、アンティリーネ自身は後述するように割とまともな性格をしている。
両親はエルフ国の国王「デケム・ホウガン」と法国の切り札であった女性「ファーイン」であり、かつてデケムはファーインを騙して捕え、鎖で縛った状態で彼女を犯し続けたのであるが出産の前にファーインは漆黒聖典に奪還され、法国でファーインは彼女を出産している。
そのような経緯があるためファーインは彼女に対して八つ当たり同然の憎しみの感情を向けており、幼少期は彼女から虐待同然の苛烈な訓練を施されており、しかも「これは死んでも蘇生できる程の実力は既に備えているから例え死んだとしても何一つ問題はない」とまで言い切られている。
そのため一緒に食事をしたり誕生日を祝ってもらうどころか彼女から褒めてもらったり名前を呼んでもらったことすら一切なく、アンティリーネ自身は母親の苛烈な訓練から自身を庇ってくれたり、とろとろの美味しいオムレツを作ってくれた家事手伝いのナズルという女性が大好きだったと語っている。
早い段階から登場していたものの長らく出番がなかったが、法国とエルフ国の戦争が大詰めに入ったことでエルフ王(前述のデケム)を仕留めるための討伐命令を上層部より命じられ、エルフ国の王城に潜入、デケムの子供や妻たちを全員虐殺し、直前のアインズ戦で敗走したデケムを彼の自室で待ち構え、部屋に戻ってきた彼を殺害することに成功する。その際にデケムや彼の妻や子供たちを殺害した理由について、彼に犯された母の恨みを彼女に代わって晴らしたかったということと、仮に生かしておいたとしてもどの道法国ではエルフは奴隷になる運命しか待っていないため、それなら殺して楽にしてあげようという気持ちがあったということを語っている。
だがその直後にアインズの命令でデケムを追ってきたマーレ・ベロ・フィオーレと鉢合わせしてしまい、交戦状態に入ってしまう。
神人としての身体能力と数々の武技、治癒魔法やアンデッド召喚等を駆使してマーレに食い下がるも、レベル100のマーレとのスペック差を埋めることが出来ず徐々に劣勢となる。

322◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:12:58 ID:???0
起死回生を狙って切り札である「The goal of all life is death」と即死魔法の『デス』とのコンボを発動するもマーレの発動した蘇生魔法である「不死鳥の炎」により相殺、無効化されてしまう。
その際にマーレが魔導国の関係者であること、魔導王がエルフ国の王都を訪れていることを悟り、今までの出来事全てが魔導王の戦略、策謀、陰謀だったのではと考え絶望しかけるが自らが愛する法国を守るため命を捨てて戦うことを決意、もう一つの切り札である「死せる勇者の魂」を発動しマーレに猛攻を仕掛けるがマーレの切り札である「小災厄」をくらい薄れゆく意識の中で本当は敗北を知りたかった訳ではなく愛情を与えられなかった日々をもたらした自分の力と、母親を否定したかったという言い訳に過ぎなかったこと、愛する法国を守るために本当は負けたくなかったことを悟りながら敗北する。
敗北後は瀕死の状態で辛うじて生きていたがマーレと合流したアインズの手によって捕獲、ナザリックに連行されて捕虜となり第五階層の氷結牢獄に投獄され、アインズが記憶操作の魔法を彼女に使った事によりシャルティアを洗脳した犯人がスレイン法国であることをアインズは悟り、魔導国の全戦力を以て法国を攻め滅ぼすことをアインズは決意する。
その後彼女がどうなったかは現時点では不明。

16巻のキャラ紹介において彼女の敗因は同格以上の存在との戦闘経験の無さが致命的なミスであったと語られており、信仰系魔法等でキチンと自身にバフをかけていれば、マーレとの接近戦において互角以下の戦いにはならなかったと語られている。

【サーヴァントとしての願い】
アインズ・ウール・ゴウン魔導国の消滅

【方針】
馬鹿なマスターの手綱を握りつつ、聖杯の獲得を目指す。
自身よりも格上の存在を視野に入れながら警戒して行動する。

【把握媒体】
小説「オーバーロード」の15・16巻「半森妖精の神人 上巻 下巻」をご参照ください。2冊とも書店にて現在好評発売中です。動画サイト等でも「アンティリーネ」「番外席次」と検索すれば彼女のキャラ紹介を見ることが出来るのでそちらで把握しても大丈夫です。


【マスター】
邪神ちゃん

【出典】
邪神ちゃんドロップキック

【性別】
女性

【能力・技能】
『不死身の肉体』

魔界に住む悪魔として彼女に備わっている能力。刃物で刺されたり腕や尻尾等を切断されても暫く放置するか傷薬等を塗るだけで簡単に肉体を治療、修復をすることが可能で挙句の果てには縦に真っ二つに両断されたり、グチャグチャのミンチ状の肉塊状態になるレベルで肉体を損傷しても生存が可能で時間をかければその状態からも肉体を修復、復元することが出来る。作中での発言から彼女の固有能力ではなく魔界の悪魔は全て同様の肉体を有していると思われるが彼女以外で肉体を損傷するレベルのダメージを負った悪魔が登場しないことと同じ魔界の悪魔であるヴァンパイア族は頭部を吹き飛ばされれば死ぬという発言も出ているため真相は不明。また作中での発言から完全な不死ではなく死の概念が存在すると思われるので例えば上記のアンティリーネが使うような即死魔法等を叩きこめば普通に死ぬと思われる。また痛覚も普通に存在する。

【weapon】
なし

323◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:13:37 ID:???0

【人物背景】
オカルト好きの女子大生の花園ゆりねが古本屋で手に入れた魔導書に書かれた悪魔召喚の儀式により召喚された魔界の悪魔で帰還魔法が書かれている魔導書下巻をゆりねが未所持であったため魔界に帰れなくなり、仕方なく彼女のアパートに居候することになった悪魔の少女。帰還魔法以外にも召喚主であるゆりねが死ねば契約が解除されて魔界に帰れるため、日々彼女の命を狙い続けているものの、その度に返り討ちにあうことがお約束となっている。外見年齢は16歳くらいで実年齢は数千〜数万歳位。作中で判明したレベルは46(現在ではもっと下がっている可能性もある)
性格は一言で表すなら「クズ」そのものであり自分より弱い者に対して尊大な態度を取り、いじめや嫌がらせ、物品や食料の強奪などを平然と行う上に勝つために卑怯な手段を用いることを厭わず、自分より強い者には下手に出る。
友人の悪魔としてメデューサやミノスが存在するが両名とも悪魔でありながら邪神ちゃんとは似ても似つかぬ聖人のような性格をしており、特にメデューサには普段自分の要求する物を買わせたり、小遣いとして金をせがんだりと彼女のヒモ同然の関係になっている。その一方で完全な外道という訳ではなく、幼少期に魔界の学校で恐れられ孤立していたミノスを恐れることなく友人として誘い、それによって彼女が皆と仲良く遊ぶきっかけを作ったり、メデューサの連絡袋を笑った同級生の悪魔に激昂し我を忘れて暴れたり、天使の輪を失いホームレスとなった天使のぺこらに対しクリスマスに食事を誘ったり、ゆりねがインフルエンザで倒れた際にミノス達に協力を頼んで彼女を助けたりするなど優しい一面もあり、メデューサからは「根はすごく優しい」、ゆりねからは「一緒にいると変わっちゃう」と好評価を受ける場面もある。

【マスターとしての願い】
花園ゆりねを抹殺してもらい元の魔界に帰還する。後一生遊んで暮らしても使い切れないほどの大金が欲しい。

【方針】
他のマスターやサーヴァントを全て蹴り落して優勝、聖杯を手に入れることを目指す。

【ロール】
フリーター

【令呪の形・位置】
右手の甲にある

【把握媒体】
漫画及びアニメ「邪神ちゃんドロップキック」をご参照ください。漫画は現在単行本が19巻出ていて書店で絶賛発売中です。アニメは1期、2期、3期等が出ていてAmazon Prime Video、Abemaプレミアム、dアニメストアその他配信サイトで全編配信中です。

【備考】
邪神ちゃんがパチンコでスッてしまったため、支給された軍事費の中から現在10万QP消費されています。

324◆A1Sj87dFpOM:2022/10/30(日) 11:18:38 ID:???0
以上で投下終了です。
タイトルは書いてませんが、候補作のタイトルは「番外ちゃんドロップキック」です。
他の書き手様が投稿した候補作の中にルーラーのサーヴァントでリエールが参加している候補作が
ありますが一緒に採用するかどうかは企画主様にお任せします。
何か不都合があればご指摘よろしくお願いいたします。

325 ◆Mti19lYchg:2022/11/04(金) 01:35:21 ID:9iwJbLC.0
>>番外ちゃんドロップキック
邪神ちゃんのドロップキックからの胴輪切り。パチンコですってのベアハッグで何度も痛い目見る姿が楽しいです。
アンティリーネは差別偏見を除けば割かしまともですが、ケンシロウのごとき邪神ちゃんへの虐待、お互いが変にかみ合って北斗の拳ばりのボケ突込みですね。
この命がけのお笑いコンビ、果たしてまともに戦うことができるのでしょうか。
ご投稿、ありがとうございました。

余談。現在リエールを採用する予定はありません。

326◆A1Sj87dFpOM:2022/11/07(月) 07:28:02 ID:???0
♦Mti19lYchg様、毎度自分の投下した候補作への感想ありがとうございます。
自分が支援掲示板に作品を投稿しない、というより出来ないのはそちらの掲示板用
のトリップがなくてそれがないとエラーメッセージが出て書き込みが出来ないからです。
少し前に管理者問い合わせでその旨を伝えたメールを送ったと思うのですが御覧になったでしょうか?
後もう一つ、現在決まっている参加者についてですがそちらの支援掲示板の書き込みで
「現在決まっている参加者は前に答えたのと同じです。」と答えられていましたが、
決められた面子を見た所、ランサーとライダーが歯抜けになっていられますが
ランサーとライダーは参加しないのでしょうか?それともランサー組、ライダー組はこれから決めるのでしょうか?
今すぐ答えられなくてもいいですし、これを見てからでもいいので答えてくださればありがたいです。
よろしくお願いいたします。

327◆A1Sj87dFpOM:2022/11/15(火) 06:41:26 ID:???0
おはようございます。今日は11月15日と11月の折り返し地点になりましたので、
丁度良いタイミングと思いましてこうして確認の意味を込めて書き込みを行いたいと思います。
♦Mti19lYchg様、11月も半ばの時期に差し掛かったにも関わらず一週間以上も誰も書き込みを行っていませんが、
自分が支援掲示板であなた様に送ったメールはちゃんと読んでくださったでしょうか?
つい先ほど念押しの意味を込めてもう一度メールを送りましたが可能なら確認だけでもして下さらないでしょうか?
後もう2点だけ、どうしても確認したいことがございますので見て頂いた後でも構いませんので返答やあなた様の考えをお聞かせ頂きたいと存じます。

①ランサー組とライダー組はどうするおつもりなのか?
支援掲示板での「聖杯戦争の参加者について」の問答において、
「10月も半分終了したので現在決まっている参加者はを聞いても大丈夫ですか?」という質問に対して、あなた様は「現在決まっている参加者は前に答えたのと同じです。」と
お答えされていましたが、気になって確認してみた所、ランサーとライダーの枠が空席となっていました。
これはどういうことなのでしょうか?別にこの企画は所詮二次創作なので本家聖杯戦争みたいに7クラス全部揃ってなくてもいいだろと言われてしまえば反論できませんし、
一部を除けばランサー組やライダー組が出てくる候補作ばかり投稿する自分にこんな質問をする資格はないかもしれません。
しかし聖杯戦争は7クラス揃ってなんぼという所があるのでランサーとライダーの枠が空席なのはどうしてもモヤモヤするのです。
それともランサー組とライダー組はまだ決めている最中で誰を採用するかまだ決まっていないのでしょうか?あなた様に何か考えがあるのでしたらどうかお聞かせ下さらないでしょうか?

②他のクラス(セイバー、アーチャー、キャスター、アサシン、バーサーカー、エクストラ)の主従は別の組み合わせを新しく採用するつもりはないのか?
これは自分の候補作の制作意欲に関わって来るので聞きたいのですが、ランサー組とライダー組に関しては上記の質問の通りですが、
他のクラスの主従に関しては既に決めた組み合わせで変えるつもりはないのでしょうか?
それともこれから新しく投稿された候補作によっては変えることも有り得るのでしょうか?
今後の候補作の制作意欲にも関わってくるのであなた様の考えをお聞かせ頂けないでしょうか?

以上です。上記の質問や要望に関してはこの書き込みを見てからでも構いません。
もう11月も半ばに差し掛かりましたしあなた様の都合次第でもいいので確認や回答をよろしくお願いいたします。

328 ◆Mti19lYchg:2022/11/15(火) 23:25:17 ID:9rt.o3hI0
◆A1Sj87dFpOM様
どうも掲示板の調子がおかしく、メールが届いていませんでした。
質問に関してですが1,2合わせてお答えします。
現在暫定的に決定しているのは以下の組です。

レオナルド・ビスタリオ・ハーヴェイ&セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)
巴あや&セイバー(ジークフリート)
衛藤可奈美&セイバー(クトリ・ノタ・セニオリス)
二階堂ルイ&アーチャー(アラン・シルヴァスタ)
ジョセフ・ジョースター&アーチャー(エンタープライズ)
ヴィヴィ&アーチャー(エックス)
オネスト&ランサー(スイムスイム)
ルビー・ローズ&ランサー(フェクト・エフィリス)
邪神ちゃん&ランサー(アンティリーネ・ヘラン・フーシェ)
吉野順平&ライダー(五代雄介)
香風智乃&ライダー(剣崎一真)
七海千秋&ライダー(爵銀龍 メル・ゼナ)
新条アカネ&キャスター μ(ミュウ)
間桐桜&キャスター(黄川人)
リリア・クーデルフェイト&キャスター(マホロア)
千翼&アサシン(金木研)
狛枝凪斗&アサシン(憂城)
ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ&アサシン(エミヤ〔アサシン〕)
エドワード・エルリック&バーサーカー(空条承太郎)
上条当麻&バーサーカー(ハンク・ヘンリエット)
ザキラ&バーサーカー(バラモスゾンビ)
衛宮士郎&アルターエゴ(沖田総司〔オルタ〕)
コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ&アルターエゴ(相川始)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ブレイド(ホムラ/ヒカリ)

傭兵システム:アーチャー(エミヤ)
傭兵システム:アサシン(燕青)
傭兵システム:ランサー(クー・フーリン)

これ以上増やすと把握が困難になりそうなので、一旦これで纏めてみます。
まだ期間があるので入れ替えは十分にあり得ます。

329◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:21:27 ID:???0
本スレであるこちらに直接投下させていただきます。
何か不都合がございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

330◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:22:25 ID:???0
「ちょっと……ここはどこおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

暗闇に星々が輝く宇宙のような空間の中、赤茶色の髪色の少女が自らの置かれた状況に戸惑いの叫び声をあげていた。
少女の名は桃宮いちご、地球を侵略しようと企むエイリアンとそのエイリアンが放つキメラアニマと戦うため、「μプロジェクト」によってレッド・データ・アニマルの遺伝子を打ち込まれた5人の少女達「東京ミュウミュウ」の内の一人でイリオモテヤマネコの遺伝子をその身に宿し、「ミュウイチゴ」に変身して敵と戦う少女で、少し前に東京タワーでの決戦でキッシュ達を始めとしたエイリアンの大規模作戦を阻止し、雨の降りしきる中で想い人である青山雅也の告白を受け取り、彼に自らの想いを伝えたのであるが、まさかそれから数日後にこのような事態に巻き込まれるとは夢にも思っていなかったのだ。

「ようこそ、常ならぬ願望を抱く新たなマスター候補者よ」
その時、いちごの耳に見知らぬ男性の声が聞こえてきた。
「!?あなたは誰!?キッシュ達の仲間!?また新しいエイリアンなの!?」
いちごは姿が見えぬ男性に対し、男性とキッシュ達エイリアンとの関与を疑うが男性の声はいちごの疑問を否定する。
「安心したまえ。私は君が言う『エイリアン』とは全くの無関係だ。これから行われるのは万能の願望器『聖杯』を求めて戦いあう『聖杯戦争』、そしてここはその予選が行われる空間だ」
男の言葉に対し、いちごの理解は全く追いつかなかった。『願望機』だの『聖杯』だの男の口から聞いたこともないようなワードが次々と出てきたうえに、予選とか言われてもいちご自身にはそんなものに立候補した覚えは全くなかったからだ。

「『願望機』だとか『聖杯』だとかそんなもの一体何なのか私には全然分かんないし、『予選』とか言われても私はそんなものに立候補した覚えは全くないよぉ!!」
「ふむ……君は身に覚えがないと言うのか。では答えを教えてあげよう。君は自らの意思で『星晶石』を受け取っただろう?それによって君はこの聖杯戦争に導かれたのだ。」
「えっ……『星晶石』って一体何の話……っあ!!?」
いちごは男の言う『星晶石』について一つだけ心当たりがあった。
彼女はエイリアン達との東京タワーでの決戦前に想い人の青山雅也に人気バンド「Tierra」のライブのチケットを譲られ、一緒にライブに行く約束をしており、想い人との大切なイベントを絶対に成功させたいと思った彼女は願掛けとしてお守りを買うために『アンティークショップ・美紗里』という名前のお店を訪れており、緑色のウェーブがかかった髪に左目を隠している前髪のひと房が紫色をしていた印象的な姿をしていた「ミザリィ」と名乗る店長の勧めで購入した3つの金平糖のような形の石のことを思い出したのだ。今にして思えばあれが、というよりそれしか心当たりがないのだがあの石が男の言う『星晶石』なのだろうということを察する。

「ふえ〜〜〜〜〜〜〜ん!こんなことなら別の物を買えばよかった〜〜〜〜!」
「まあいいではないか。」
「良くない!!」
まあそれはさておき、と男が言うと
「ではこれより予選を開始する。」
その言葉と共にいちごの目の前に円形の魔法陣が描き出され、そこから黒い人型の影のようなものが現れる。

331◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:23:09 ID:???0
「!?……まさか……キメラアニマ!?」
いちごは目の前の人型の影を見て、その影が彼女とその仲間たちが元の世界で戦っている敵、エイリアン達が送り込んでくる刺客『キメラアニマ』だと考えた。だがその考えはまたしても聞こえてきた男の声によって即座に否定される。
「違うな、そいつはキメラアニマではない。そいつは『シャドウ』というサーヴァントのなり損ないだ。彼を倒せば、君は晴れて予選突破となる。」
「キメラアニマじゃない!?それに『サーヴァント』って……分かんないことが多すぎるよお!!」
『願望機』『聖杯』に続き『サーヴァント』といういちごの知らない単語がまたしても出てきていちごの混乱はますます増すが男はそれを意に介さず言葉を続ける。
「もっとも君に敵意を持って襲いかかって来るという点においてはそいつも君が元の世界で戦った『キメラアニマ』と同じと言えるが。ああ、そうそう、一つ忠告しておくが自分一人でそいつを倒そうと思わないほうがいい。シャドウは生身の人間では絶対に倒せない。だが打ち倒すための鍵は既に君の中にある。私から君に与えられるヒントは以上だ。」
「ねえ、待って!!あなたにはまだ聞きたいことが……」
いちごは叫ぶが男の声が再び聞こえることはなかった。

「もぉ〜〜〜〜〜!!こうなったらヤケだぁ!!」
兎に角今は目の前の敵を倒すしかない。そう判断したいちごは変身を決意する。
『ミュウミュウイチゴ!メタモルフォーゼ!!』
いちごが変身のための掛け声を叫ぶといちごの身体が光に包まれ、いちごはピンク色の可愛らしいドレスのような衣装に赤色の髪と頭と尻に猫の耳と尻尾を生やした魔法少女『ミュウイチゴ』へと変身する。
「やいやいそこの黒いモヤモヤ!私はこんな訳の分からないところに無理やり連れてこられて、しかも訳の分からない単語を色々と並べられて無理やり戦わされてすっごく頭にきてるんだから!お礼にタップリ!ご奉仕するニャン!」
いちごはお得意の決め台詞を放つと
「ストロベルベル!」
ミュウイチゴに変身することで装備できる武器の名を叫ぶと尻尾についたベル付きのリボンが姿を変え、持ち手がピンク色のふさふさのファー仕様となっているリング状の武器となりミュウイチゴの手に装備される。

『リボーン ストロベリー チェーーーーック!!』
ミュウイチゴが技名を叫ぶとストロベルベルの中心のイチゴ型の装飾にピンク色のエネルギーが収束され、そこからハート型の巨大なエネルギー弾がシャドウに向けて発射され、シャドウに直撃、シャドウの体にハート型の穴が形成される。
「やった!」
イチゴが喜んだ直後、イチゴの目に信じられない光景が映し出された。
なんとシャドウの体に作られたハート型の穴がたちまち塞がるとシャドウの体は元の姿に戻り、そのまま何事もなかったかのようにミュウイチゴに向かって突進してくる。
「え……うそ……」
自らの必殺技が効かなかったことにイチゴは激しく動揺するがシャドウはそれに構うことなく手に持った剣を振るい、ミュウイチゴの手からストロベルベルを弾き飛ばす。
「きゃあ!」
ストロベルベルを弾き飛ばされ丸腰になったミュウイチゴに対し、シャドウは容赦なく剣を振るい、ミュウイチゴを仕留めようとしてくる。

332◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:23:53 ID:???0
(必殺技が効かなかった……こいつを倒すには一体どうしたらいいの……)
ミュウイチゴの身体能力でシャドウの振るう剣を必死に躱しながらイチゴは必死に思案する。イチゴは確かに東京ミュウミュウに選ばれた戦士の一人だがミュウミュウになる前はただの普通の女子高校生でしかなかった。それに必殺技を放てば大体のキメラアニマを倒すことが出来たしピンチになっても他のミュウミュウの仲間たちの助けでいつも切り抜けることが出来た。故に戦闘に関してはずぶの素人であるイチゴにとっては仲間の助けなしにこの場を切り抜ける方法がどうしても思いつかなかったのだ。

(さっきの声は私の中にコイツを打ち倒す方法があると言っていた……でも私はどうしたらコイツを倒せるのか方法がまるで分からない……ああ、もう!一体どうしたらいいのよ〜〜〜〜〜!!)
イチゴは彼女なりに目の前の敵を打ち倒す方法を必死に考え続けるがやがてそれにも限界が訪れる。
「!?いたっ……」
シャドウの振るった剣がイチゴの足を捉え、切り裂いたのである。幸いにもミュウイチゴとなったことで肉体強度も飛躍的に上昇したため深手にならずに済んだがあまりの痛みに体のバランスを崩し、尻餅をつく形で転倒してしまう。
シャドウはその隙を見逃すことは無く、イチゴを叩き斬るべく容赦なくイチゴの頭上に向かって剣を振り下ろそうとする。

(ああ……私、死んじゃうんだ……ごめん、みんと、れたす、プリン、ざくろさん、私はここまでみたい……)

イチゴは自身に迫りくる剣を見ながら、不思議と遅く感じられる時間の中で、同じミュウミュウの仲間である藍沢みんと、碧川れたす、黄歩鈴、藤原ざくろのことを思い起こしていた。

(青山くん……死ぬ前にせめてあなたと結ばれて結婚して……あなたの子供を産んで幸せな家庭を築きたかったよ……)

そして最後にイチゴの脳裏に浮かんだのだ想い人である青山雅也の顔であった。だが、

『いちご!しっかりするんだいちご!!』

え……青山くん……

青山雅也の声が脳裏に響いた瞬間、自らの考えの愚かさをイチゴは痛感した。そうだ、キッシュ達エイリアンの侵攻はまだ終わってない。また彼らの侵攻が再開された時、地球の平和は誰が守るのか。ミュウミュウは5人揃っての『東京ミュウミュウ』である。自分がここで死んでしまったら残されたみんと、れたす、プリン、ざくろに申し訳が立たない。
それに自身の青山への恋心はこの程度で諦められるようなものではなかったはずだ。ミュウミュウとして地球の平和を守る使命を果たすためにも、青山雅也と結ばれる夢を果たすためにも自身がここで死ぬわけには絶対にいかなかった。

(そうだよ……東京ミュウミュウとして地球の平和にご奉仕するためにも……大好きな青山君と結ばれるためにも……私はまだ、ここで死ぬわけにはいかない……)

イチゴのミュウミュウとしての使命感と青山雅也への強い恋心の気持ちが強くなった瞬間、イチゴが手に持っていたセイントグラフがそれに呼応するかのように光り始める。

(私はまだ……ここで諦めたく、ない!!)
そしてイチゴのミュウミュウとして使命感と青山雅也への恋心の気持ちが最高潮に達した瞬間、セイントグラフが宙を舞い、辺りは大きな光に包まれた。

333◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:24:34 ID:???0
その光にシャドウは攻撃を中断して後方へ下がる。
光が消え去った後、ミュウイチゴとシャドウの間に一人の幼い少女が現れていた。
だがその少女はただの幼い少女と形容するには異様な姿をしていた。
外見年齢はミュウミュウの仲間である黄歩鈴よりも更に幼い小学生位の年齢に見えた。
深紅の瞳に薄い黄色の髪をサイドテールに纏め、頭にナイトキャップのような帽子を被っており、血の色のようにも見える紅いドレスのような服装に紅い靴を履いていた。
そして背中には翼……というよりは一対の枝に綺麗な宝石のようなものが合計八つぶら下がっていると表現した方が正しいものが翼のような形で背中から直に生えており、手には剣……というよりは長針と短針が一体化して巨大に伸び、尚且つ歪んだような形状をした奇妙な武器を得物として持っていた。

イチゴはその少女に対し、頭の中で思ったことを直ぐに口に出していた。
「逃げて!そいつは私たちを殺そうとしている!ここにいたらあなたも巻き込まれる!私が時間稼ぎをするからあなたはその隙に……」
だがその少女はイチゴの言葉に対し、予想外の返答を返してきた。
「逃げる、ですって?こんな雑魚相手に?私も舐められたものね。」
その言葉と同時にシャドウは少女に向かって突進してきた。それに対応するかのように少女の武器に炎が宿り、まるで神話の武器の再現とも言えるような炎の剣が形成される。
同時だった。
シャドウが少女に向かって剣を振るうのと少女が炎の剣をシャドウに向かって振るうのは全く同時だったにも関わらずシャドウの剣は少女を傷つけることは出来ず、シャドウだけが炎の剣によって一方的に焼き斬られ、霧散、消滅する。
だが戦いはこれで終わりではなかった。今度は二つの魔法陣から先ほどと似たような形で弓を持ったシャドウと槍を持ったシャドウが現れる。
だがそれに対する少女の対応も早かった。

少女の武器から炎が消えると少女は武器をまるで弓のような形に持ち替え、弓を持ったシャドウに対しまるで白くて太い針のような矢を武器から連続発射し、放たれた矢によってシャドウは全身を刺し貫かれ、霧散、消滅する。
そして最後に残った槍のシャドウが跳躍し、少女を上から刺し貫こうとするが少女は再び武器を剣のような形に持ち替えると武器に再び炎が宿り、降下してきたシャドウに炎の斬撃を放つ。そして最後に残ったシャドウは炎の斬撃によって一方的に切り裂かれ、霧散、消滅する。
シャドウが倒された後、再びシャドウが現れることは無く、その事実が戦いは終わり、少女が勝利したことを証明していた。

(強い……ただ見ているだけしか出来なかった……この子、いったい何者なの……)

イチゴは目の前の少女の正体が誰なのかは分からなかった。ただ少女の圧倒的な強さと異様な見た目から、自分たちミュウミュウともキッシュ達エイリアンとも違う、何か別の存在なのではないかと感じていた。

やがて少女は戦いが終わったことを確認すると、浮遊しながらイチゴに近づき、イチゴの目の前に降り立つと可愛らしさと礼儀正しさが同居したような幼い声でイチゴに自己紹介する。

「サーヴァント、アーチャー。真名はフランドール・スカーレット。……貴方が私のマスターさん?」


 ◇ ◇ ◇


ミュウイチゴとフランドールは気が付くといつの間にか教会の礼拝堂らしき場所へ転送されていた。

「ようこそ、見事試練を乗り越えた聖杯戦争のマスターよ。私は言峰綺礼。この聖杯戦争の監督役を務めている」

突如としてイチゴの耳に『予選』の空間に呼ばれた時に聞こえてきた声と同じ声が聞こえてくる。イチゴが驚いて声が聞こえてきた方向を向くとそこにはこの教会の神父であり、この聖杯戦争の監督役でもある男、言峰綺礼の姿があった。

「あなたは誰?キッシュ達の仲間?私をこんなところに連れてきて一体何を企んでるの?」

イチゴは変身を解くことはなく、ストロベルベルを手に言峰を警戒しながら睨みつける。

「まあ、落ち着きたまえ。さっきも言った通り、私とこの聖杯戦争は君たちの言う『エイリアン』とは全くの無関係だ。それに私の立場はあくまで中立、そちらから仕掛けてこない限り、こちらも君に危害を加えるつもりはない。」
「……」

334◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:25:18 ID:???0
そう言われてもイチゴは素直に信じる気になれなかった。変身状態のまま暫く睨み合いが続くがやがてしびれを切らしたのか言峰が口を開く。

「さて、いい加減君も変身を解除してくれないかね?このままでは話を進めることが出来ない。このままずっと睨み合ってるわけにはいかないだろう?」
「……分かりました。」

イチゴは未だ男を信用することは出来なかったが取り敢えず向こうが危害を加えてこないことが分かると変身を解除して元の桃宮いちごの姿に戻り、言峰の話を聞くことにする。

いちごは言峰から聖杯戦争のルールについて一通り教わった。

聖杯によって選ばれた(今回の場合は星晶石が招待状)参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。

「……なに、それ……幾ら何でも意味分かんないよぉ……」
「まあ、そうだろうな。大体のマスターは君のように荒唐無稽な夢物語と一蹴するのが普通だ。」

いちごは自らもミュウミュウに変身したり、宇宙からやってきたエイリアンと戦ったりしている身ではあるが、言峰の話はそんな自らの実体験を遥かに上回るような荒唐無稽な話であり、自らがミュウミュウであることと、キッシュ達エイリアンの存在を除けば普通の女子高生に過ぎないいちごにとっては言峰の話を現実として受け入れるのは無理がある話であった。

それに仮に言峰の話が全て本当の事だったとしてもいちごはこの聖杯戦争に参加する気にはなれなかった。

「……もう帰して……」
「ん?」

訝しむ言峰に対し、いちごは自らの意思をはっきりと伝える。

「私は願いを叶えるために他の誰かを殺すなんてそんなこと全然理解できないし、そんなことに参加なんてしたくない!!私はそんなことに参加なんてしたくないから私を元の世界に帰して!!」
「そうか……君はこの聖杯戦争に参加しないというのか……」
綺礼は目を細め、心なしかつまらなさそうな口調になる。
「君が参加したくないと言うのであれば私からはもう何も言うまい。帰還ゲートはそこの扉だ。すぐにでも使用可能だから好きに使うといい」
言峰綺礼は説教台の隣にある扉を指さす。いちごがその扉の存在を確認し、真っ直ぐ扉に向かおうとした時だった。

「あら、あなたは本当にそれでいいのかしら?」

帰還ゲートに向かおうとしたいちごの背中に幼い声が投げかけられた。
それはこれまでいちごとと言峰のやり取りに対し、沈黙を守っていたアーチャーのサーヴァント、フランドール・スカーレットであった。
フランドールの言葉に反応したのか、いちごはその場で足を止め、フランドールの方に向き直る。
「本当にそれでいいのかって……それってどういうこと?」
「だってあなたは地球の未来を守る魔法少女『東京ミュウミュウ』なんでしょ?目の前で人の命が奪われようとしているのにそれから目を背けて元の世界に逃げ帰るなんて……恥ずかしいとは思わないの?」
自分よりも幼い少女に上から目線で説教されたことが我慢ならなかったのか、いちごは思わずその場で憤慨する。
「何よ!!まだ小さな子供のくせに分かったような口をきいて!!あなたに一体何が分かるっていうの!?」
「あら、あなたは相手を見た目で判断するのかしら?言っとくけど私はあなたよりも遥かに長い年月を生きているのよ?」
普通なら今のフランドールの言葉をハッタリだと一蹴する所であるが、いちごはそうすることは出来なかった。

確かに目の前の少女、フランドール・スカーレットは見た目だけなら自身よりとずっと幼い少女であるが普通の生物では有り得ないような奇妙な形状の翼や彼女の身に纏う雰囲気、そして何より予選でシャドウ相手に見せた圧倒的な強さから、目の前の少女の発言がハッタリではなく本当のことなのではないかといちごは感じていた。
「それとも……私はあなたのことをこう呼べばいいのかしら?『いちごのおねえちゃん』?」
「!!?」
フランドールの言葉にいちごは思わずズキューンときてしまった。彼女の仲間の中にはいちごの事を「いちごのお姉ちゃん」と呼び慕う、メンバー最年少の黄歩鈴がいたがそんな歩鈴よりも幼い容姿のフランドールに「いちごのおねえちゃん」と呼ばれたことでいちごの心は思わず揺り動かされてしまったのだ。
「か……かわいいぃぃぃーーーーー!!!」
いちごはたまらずフランドールに駆け寄り、彼女に急接近すると彼女の小さな身体を抱き上げる。彼女は元々可愛いものが好きという女の子らしい趣味があったのだが、それだけでなく彼女は家では兄弟姉妹がいない一人っ子であったため、妹の存在に心の中では密かに憧れを抱いていたのだ。

335◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:26:44 ID:???0
「ちょっ……やめてよいい加減に離れなさい!」
だがフランドールはいちごに抱きしめられたことを迷惑と感じたのか、小さな身体からは想像も出来ないような凄まじい力でいちごを無理やり引き剥がすと背中の翼で空中に浮遊し、いちごを真上から見下ろせる位置で浮遊する。
「勘違いしないで頂戴。さっきのは冗談で言っただけよ。私が本当に姉と呼び慕うのはレミリアお姉様だけ、あんたのような人間を姉と呼び慕うなんてそんなことは絶対に有り得ない話だわ。」
フランドールは先ほどまでとは打って変わって冷たい声色でイチゴを見下す。その表情は礼拝堂が薄暗いこともあっていちごからはハッキリと伺うことは出来ない。だが薄暗い闇の中でもフランドールの目だけが紅く不気味に輝いており、先ほどの発言と相まっていちごは目の前の少女が人間ではなく別の何かなのではないかという思いを強くする。

「あなた……一体何者なの?」
いちごは思わず少女に問いかけていた。その問いかけに対し、フランドールは答えを口にする。
「私?私が何者なのかですって?そうねえ、敢えて表現するなら……吸血鬼で破壊神で……そしてあなたと同じ魔法少女と言った方が正しいかしら?」
「……え?吸血鬼?破壊神?魔法少女?一体何を言ってるのあなた?」
意味が分からなかった。吸血鬼だとか破壊神だとか魔法少女だとか肩書が多すぎて目の前の少女の正体がますます分からなくなってしまったのだ。

「それにあなた……元の世界では『エイリアン』って連中と戦っていたと言っていたわね?その『エイリアン』って連中……そいつらは饕餮尤魔や摩多羅隠岐奈よりも強いのかしら?」
「は?……饕餮尤魔とか摩多羅隠岐奈って……誰?」
「え?知らないの?饕餮尤魔は剛欲同盟の同盟長で、摩多羅隠岐奈は幻想郷を創った賢者の一人よ?あの二人を知らないなんてあんたどんだけ田舎暮らしなのよ?」
意味が分からなかった。『聖杯』『聖杯戦争』に続いて『幻想郷』だの『剛欲同盟』だの自分の知らないワードがまたしても飛び出してきていちごの頭はパンクしそうになっていた。
そんないちごの様子に毒気が抜かれたのか、フランドールは空中を浮遊することをやめゆっくりと床に降り立つ。
「ねえ!吸血鬼だとか破壊神だとか魔法少女だとか幻想郷だとか剛欲同盟だとか饕餮尤魔だとか摩多羅隠岐奈だとか私の知らない単語ばかり並べられてもあなたのことが全然分かんないんだけど!?ちゃんと一から説明してくんないと分かんないよぉ!?」
「あーはいはい、説明不足だったわね、ちゃんと一から全部説明してあげるからよく聞いて頂戴。」

こうしてフランドールはいちごに対して自らの出身や最近の自らの経験をいちごに語って見せた。
幻想郷は「外の世界」と称される人間社会とは隔絶された秘境であること。その幻想郷には「紅魔館」と呼ばれる勢力が存在し自身はその勢力の長であるレミリア・スカーレットの妹で自身は姉を含めた幻想郷に二人しかいない吸血鬼の内の一人であるということ。ついこの間石油が幻想郷中で噴出する異変が発生し、その犯人である剛欲同盟の同盟長である饕餮尤魔を倒すために幻想郷を創り上げた賢者の一人である摩多羅隠岐奈に自身が目を付けられ、彼女の依頼で饕餮に戦いを挑み、死闘の末に勝利を収めて異変を解決したこと。その後隠岐奈が用意した試練である「剛欲な挑戦」に挑み、戦いの連続でボロボロになりながらも最後に待ち構えていた隠岐奈と戦い、死闘の末に勝利を収めて隠岐奈に認められたこと。フランはそれらの出来事をいちごに自慢げに語って見せた。

「どう?あなただってエイリアンの襲来という『異変』を解決したかもしれないけど私だって石油噴出という『異変』を解決したのよ?これで私をあなたと同じ『魔法少女』として認めてくれるかしら?」
「……」
いちごはフランドールの話を聞いてやはり目の前の少女が只者ではないということを改めて痛感していた。彼女の話を聞いているだけでも饕餮尤魔や摩多羅隠岐奈が如何に強大な存在であるかということが嫌というほど伝わってきた。仮に自身を含めたミュウミュウの5人の力を合わせて饕餮や隠岐奈に戦いを挑んでも恐らく勝つことは出来ないであろう。
そんな存在に勝った目の前の少女の実力は本物だといちごも認めざるを得なかった。
……最も、それでも『吸血鬼』だの『破壊神』だの『魔法少女』だのと肩書が多すぎだとは思うが。

336◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:27:47 ID:???0
「……ねえ、私はどうしたらいいと思う?私は人を殺してでも願いなんて叶えたいとは思わない。勿論願いがないと言えば噓になるけどそのために人を殺すなんて嫌。そんな私に何か出来ることが本当にあるの?」
「あら、簡単じゃない。エイリアンの襲来や石油の噴出が『異変』であるのならこの聖杯戦争もまた『異変』と呼べるものじゃないかしら?それを解決するのもまた、魔法少女としての使命じゃないかしら?」
「……」
フランドールの言葉を聞いてもいちごの内には未だ迷いがあった。東京タワーでの決戦以来、キッシュ達エイリアンの活動は報告されておらずミュウミュウとして活動する必要性は元の世界では現状失われているがだからといって殺し合いに身を投じるのには未だ引け目を感じていた。

いちごはダメもとで言峰綺礼に質問をしてみる。
「あの……もし仮に私が聖杯戦争に参加しなかったとして……それで参加人数が足りなくなって聖杯戦争が中止に……なったりはしませんかね?」
だがいちごの質問に対し、言峰は無情にも首を振り、回答する。
「残念だがそれはないな。仮に君が参加しなかったとしても聖杯戦争は他の参加主従で予定通りに行われる。そして参加したマスターとサーヴァント同士で聖杯を巡って殺し合いが発生するだろう。要はこの聖杯戦争に君たちが参加して介入するかしないか、それが変わるだけの話だ。」
それに、と言峰は更に言葉を続ける。
「聖杯の力は数多の平行世界・多元宇宙へと及ぶ。手にした者の願いによっては君の世界にも影響が及ぶかもしれん。そのうえでよく考えたまえ。聖杯戦争を辞退し元の世界に帰るか、聖杯戦争に参加しマスターとしてサーヴァントと共に戦い抜き、聖杯を目指すか。」
「……」

言峰の言葉を聞き、いちごのこれからの方針が固まりつつあった。いちごは欲張りなのである。いちごは青山雅也が大好きである。だがそれだけでなく、同じミュウミュウの仲間として出会った藍沢みんと、碧川れたす、黄歩鈴、藤原ざくろとの絆も、彼女たちとカフェミュウミュウで皆とお喋りをしたりして楽しく過ごした時間も、カフェミュウミュウで赤坂圭一郎が作ってくれる美味しいケーキも、自分の大切なお父さんとお母さんも、学校の友人である本条みわと柳田もえも、青山雅也と一緒に行った動物園や河原もみんなみんな大好きなのであった。
それら全てを聖杯の力によって歪められ、失ってしまうことはいちごにとっては何よりも耐え難いことであった。

いちごは決意を固めた表情で言峰を見据え、言葉を発する。
「私……聖杯戦争に参加します!」
「へえ……覚悟は決まったようね。」
「ほう……それはどういった風の吹きまわしかな?」
言峰の疑問に対し、いちごは理由を話す。
「私だってまだ誰かを殺して願いを叶えたくないという気持ちはある……でもミュウミュウになったその日から、この力を誰かを救うために使うと決めていました。目の前で誰かの命が奪われようとしているのにそれを見て見ぬふりをする位なら……私はその人に手を差し伸べて全力で救うことを選びます。それがミュウミュウとして私にできる闘いです。」
「フッ……いいだろう。」
いちごの宣言に対し、言峰は笑みを浮かべる。

「桃宮いちご。君の参戦を聞き入れた。聖杯は君を歓迎するだろう。細かいルールは端末のヘルプで参照できるが他に質問はあるかね?」
言峰の最後の問いかけにいちごは決意を込めた表情で答える。
「大丈夫です。話がこれで終わりならこれで失礼します。さっ、行くよアーチャー。」
「一時はどうなるかと思ったけどこれで一安心ね。これであなたも立派な魔法少女だわ。」
「だから私は魔法少女じゃなくてミュウミュウだってば。」
いちごとフランドールはそんなやり取りをしながら言峰に背を向けて、、教会の出口である扉に向かって歩く。
「喜べ東京ミュウミュウ。君の願いはようやく叶う。」
綺礼は立ち去ろうとするいちごの背中へそう言葉を投げかける―――

―――桃宮いちごとフランドール・スカーレットは教会を後にした。


◇   ◇   ◇

337◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:28:45 ID:???0
時刻は夜の7時、ここはC-4地区、多目的超高層ビル「ビックアイ」前の待ち合わせスポットとして人気の広場。

「桃宮さん!ごめん、待った?」
「ううん、青山君。私も今来たばかりだから全然待ってないよ。」

桃宮いちごは想い人であり、現在は恋人となった青山雅也……の再現NPCと「ビックアイ」前でデートの待ち合わせをしていた。
彼はあくまで再現NPCであるものの、容姿、性格、そしていちごとの関係がそっくりそのまま再現されており、そのため東京タワーでの決戦後における彼からの告白を受けた後の彼との関係がこの聖杯戦争においてそのまま維持されており、今日は彼との夜のデートを「ビックアイ」で過ごすために「ビックアイ」前で待ち合わせをしていたのだ。
何故「ビックアイ」なのかというと「ビックアイ」の内にはショッピングモール、図書館、映画館、プラネタリウムといった若い男女のデートに最適な施設が幾つか存在しており、いちごは青山と一緒に映画館で映画を見たりプラネタリウムで星空を眺めたり、ショッピングモールで一緒に買い物をする予定を立ててきたのだ。

「ご機嫌ね、マスター。」
「えへへっ、そりゃあ、もう……って、え!?」
再現NPCとはいえ、大好きな青山とのデートで浮かれているいちごの背後から、突如として聞き覚えのある声が聞こえてくる。
驚いて背後を振り返るとそこには自身がこの聖杯戦争で召喚したアーチャーのサーヴァント、フランドール・スカーレットがそこにいたのだ。
「な、なんであんたがここにいんのよ!?」
「あら、今はもう夜の7時よ?吸血鬼にとって苦手な太陽はもう出ていないし外を出歩こうが私の勝手でしょ?それにこのパラディウム・シティには亜人種や異人種も普通に出歩いてるし、私が街をうろついていたって別に誰もおかしいとは思わないわよ。」
「そ、そういうことじゃなくて別に私にくっついていなくたってあんたは問題ないはずでしょ!?なんで私のデートについてくんのよ!?」

そう、フランドールはアーチャーのサーヴァントであり、アーチャーにはクラススキルとして「単独行動」のスキルがある。このスキルによってフランドールはいちごからある程度離れて自由に行動しても支障が少ないはずなのだ。
「何故って……あんたがベタ惚れな『青山雅也』って人間がどんな奴か顔を拝んでおこうと思って。これから長い付き合いになるかもしれないんだから挨拶をするのが当然でしょ?」
「う、うるさい!余計なお世話!!」
「い、いちご……」
いちごがフランドールの態度に憤慨した次の瞬間、青山に肩を叩かれハッとなって後ろを振り返る。

「えっと……この子は?」
「あっ……え、えっと……」
青山の問いに対し、いちごは直ぐに答えることは出来なかった。まさかこの子が吸血鬼だとか自身が召喚したサーヴァントだなんて馬鹿正直に言えるわけがない。いちごは少し悩み、適当に嘘をつくことにする。
「えっと……私は家で外国人一家をホームステイさせていて、この子は一家の娘さんなの。だから彼女とは血のつながりはないんだけど……私にとっては妹同然に可愛がっていて……それで……」
咄嗟にでっち上げた作り話であるが青山はいちごの話を信じたのか、フランドールの前に来てしゃがんでフランドールの目線に合わせると自己紹介をする。
「初めまして、僕の名前は青山雅也。君の名前は?」
青山が自己紹介をするとフランドールはスカートのすそを上げ、丁寧にお辞儀をすると自らも自己紹介をする。
「初めまして、私の名前はフランドール・スカーレットです。いちごさんには毎日お世話になっています。」
フランドールは最初、クラス名で自己紹介しようかと考えたのだが相手は聖杯戦争の参加者ではなく、聖杯戦争のことを何も知らないNPCであり、そういった相手にクラス名で自己紹介する方が逆に不自然と考え、真名で自己紹介することにしたのだ。
「へえ、フランちゃんっていうのか。日本語が上手なんだね。」
「はい、お父さん、お母さん、それにいちごさん一家の人たちが一生懸命日本語を教えてくれましたから。」
勿論嘘だ。フランドールは生まれた瞬間から、両親がいない状態で、いや、最早そもそも両親が存在するのかどうかすら分からないまま、姉のレミリアと共に今までずっと紅魔館で生きてきたし、博麗霊夢や霧雨魔理沙と普通に会話できる以上、日本語は普通に話せるのであるがそんなことを話したら逆に話がややこしくなるのでいちごの話に合わせてあげているのだ。

338◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:29:27 ID:???0
「それでフランちゃんはどうするの?よかったら一緒に行く?」
「いえ、大丈夫です。いちごさんの恋人がどんな人なのか気になって挨拶に来ただけですから。それでは私はこれで。」
「そっか、でももう今は夜遅いからね。悪い人に絡まれないように気を付けて帰るんだよ。」
「ありがとうございます。じゃあね、いちごのおねえちゃん。デート楽しんできてね。」
そういうとフランドールは二人に背を向けて歩き出し、雑踏に紛れて見えなくなってしまった。

(も〜〜〜〜〜〜〜う!!どうせ私たちのことをからかいに来ただけなのに何が「ありがとうございます」よ全く!!)
フランドールの背を見ながらいちごが心の中で憤慨していると突如として空から雨が降ってきた。
「?……雨……青山君、早く「ビックアイ」に入ろっか。」
いちごがそう言って青山に背を向けると、突如として青山は自分が着ていたパーカーをいちごに被せてきた。
「……濡れるよ。」
「……青山君……」

あの時と同じだ。自分が今一緒にいる青山雅也は本人ではなく、ただの再現NPCであるということはいちごは理解しているはずなのであるが、それでも胸の高鳴り、ドキドキ、興奮を抑えることは出来なかった。
(だ……ダメ……落ち着け、私。でないと、青山君の前で……ね、猫耳が……)
ピョコッ、そんな擬音と共にいちごの願いも虚しく、いちごの頭部から猫の耳が生える。
(で……出ちゃった〜〜〜〜〜〜。ど、どうしよう……)
「……いちごが本当の猫だったら、このまま連れて帰れるのにな……」
あの時と同じだ。今の言葉は本気ではなく、ただの比喩表現だということは分かってはいるのだが、今の青山の言葉を聞いて、胸の高鳴り、ドキドキ、興奮が自分の中で更に上昇していくのが嫌でも実感できた。
(ど、どうしよう……これ以上は……もうダメ……)
このままでは限界が来る、そう判断したいちごは思わず駆け出していた。
「ご、ごめんなさい!」
「いちご!!」
青山の制止も虚しく、いちごはパーカーを被ったまま、夜のパラディウム・シティの街中へ消えていった……

『はぁ……はぁ……危なかったぁ……もー何でいっつもこうなの?いっつもいい所で猫耳が出ちゃうんだからぁ。』
夜のパラディウム・シティの街中、パーカーを被った何かが路地を歩いていた。因みに
先ほどの雨はにわか雨だったのか、つい先ほど止んだばかりであった。そして強い風が吹くとパーカーが何処かへ飛んでいき、パーカーの下の存在の姿が露わになる。
『ん?あ、あれ?』
その存在は自らの違和感に気付いたのか、近くのビルのガラスを鏡代わりにして、自らの姿をまじまじと見つめる。
『う……嘘ぉぉぉーーーーー!!?私ってば、また猫になっちゃったよぉぉぉ!!?』
そう、その存在の正体は猫化してしまった桃宮いちごであった。彼女はイリオモテヤマネコのDNAとの適合率が上昇し過ぎたあまり、ある一定の条件を満たすと強制的に猫化してしまう体質になってしまっており、以前も猫化したことで大変な思いを経験したばかりであった。

「ママー、あの猫ちゃんかわいー。」
猫化したいちごの存在に気付いたのであろうか、子供のNPCがいちごに近づき、いちごに触ろうとしてくる。
『もぉ〜〜〜〜〜〜!!!一体どうしたらいいのぉーーーーー!!?』
「まってー、ネコちゃーん。」
突然の不測の事態に混乱したのか、いちごは子供から逃げるように走り出し、裏路地の中に迷い込む。
そして裏路地を進もうとした瞬間、いちごは何か大きなものにぶつかり、弾き飛ばされてしまう。

339◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:30:09 ID:???0
『あたた……って、ええっ!?』
いちごは目の前の存在が何なのか確認した途端、あまりの衝撃に思わず固まってしまう。
何と目の前にいたのは以前いちごが猫化した際にキスをしようとしつこく絡んできた黄色いデブ猫……の再現NPCであった。
まさかこのような形で再会する羽目になってしまうとは思わなかったのか、いちごは恐怖のあまりその場で固まってしまう。
やがてデブ猫はいちごの存在に気付いたのか、ゆっくりといちごの方に振り向き、口からよだれを垂らす。

『おんやぁ〜、カワイ子ちゃんがいる〜!』
(な……何でコイツがここにいんの!?)
『ぼ、ぼ、僕チンとデートしな〜い?』
(ぜ、絶対イヤーーーーーー!!!)
いちごが恐怖でその場で震えているのを恥ずかしがっていると勘違いしたのか、デブ猫は更にアプローチをかけてくる。
『いや〜だニャ〜〜、そんな恥ずかしがらなくていいのに〜〜照れ屋さ〜ん。』
『い……イヤぁーーー!!』
兎に角デブ猫から逃れようといちごはデブ猫とは反対方向に逃げ出すが、デブ猫は逃すまいといちごをしつこく追いかけ回す。
(もぉ〜〜〜何でこんな目にぃ〜〜〜!!)
逃げるいちごをデブ猫が捕まえようとしたその時であった。

何と何処からともなく一匹のコウモリがその場に現れ、デブ猫に襲いかかってきたのだ。
「ギィーーー!!ギィーーーー!!!」
『な、何よこのコウモリは!?い、痛い痛い痛いやめてやめて!!お、お助け〜〜〜〜!!』
コウモリの激しい攻撃にこりゃたまらんと思ったのか、デブ猫はいちごとコウモリから離れるように何処かへ逃げ去っていった。
(た、助けてくれたの……?でも何で……?)
突然の事態に状況がよくのみこめなかったのか、いちごは唖然として空中のコウモリを見つめる。
すると突然、いちごの頭の中に聞き覚えのある声が響いてきた。

『マスター、マスター。』
『え……この声……もしかしてアーチャー!?』
何と声の主はアーチャーのサーヴァント、フランドール・スカーレットであった。
いちごはフランドールの姿を確認しようと辺りを見回すがその姿を確認することは出来ない。
『一体何処にいるの!?姿位見せてよ!?』
『ここよここ、今あなたの目の前にいるじゃない。』
『えっ……それってもしかして……』
いちごはフランドールの発言から、目の前にいるコウモリの正体を察する。
『まさか……あなたがそうだというの?一体その姿はどうしたの!?』
『あら、私は吸血鬼なんだからコウモリへの変身能力位持っていて当たり前じゃない。それに驚いたわ、あなたも猫への変身能力を持っていたのね。』
『なりたくてなった訳じゃない〜〜〜!それにあなた帰ったんじゃなかったの!?』
『そんなの嘘に決まってるじゃない。帰ったふりをしてあんたの様子をずっと見てたのよ。』
『じゃあ何ですぐに助けてくれなかったの!?』
『さっきまでにわか雨が降ってたでしょ?吸血鬼は流水を渡れないのよ。だから雨が止むまで私は動くことが出来なかったわけ。』
そう言うとフランドールはコウモリへの変身を解除し元の姿に戻る。

「さっ、何がしたいのか分からないけどもう十分楽しんだでしょ?あんたも早く元の姿に戻ったら?」
『……出来ないの。』
「……え?」
いちごの意外な発言に最初フランは面食らった様子であったが、やがて全てを察するといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「……もしかしてあんた……自分の能力の制御が出来ないの?それで年上ぶってただなんておっかしー!」
『笑わないでよ!大体この体質だってなりたくてなった訳じゃないんだから!』
「じゃあその姿から元の姿に戻る方法はあるの?……まさか一生その姿のままって訳にはいかないでしょ?」
『……あるけど……』
「なぁんだ、あるじゃない。じゃあ早く言ってよ。」
フランドールが催促するといちごは決意したような表情になり、フランドールを見る。

『……キスをして……』
「……は?」
最初、フランドールは何かの冗談で言ったのかと思った。だがいちごの真剣な表情から、冗談ではなく本気で言っているのだということを察する。
『お願い、キスをして。キスをしてくれないと私は元に戻れないの。だからキスをしてお願い!』
「……んー。」
フランドールは最初、何か考えるような仕草をしていたが、やがてどうするか決めたのか、しゃがんでいちごの目線に合わせると自らの意を伝える。

340◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:31:01 ID:???0
「……いいわよ。」
『え!?ホント!?』
「ただし条件があるわ。」
『え!?一体何!?』
一体何を言われるというのだろうか、いちごは思わず身構えるがそれに対し、フランドールは悪戯っぽい笑みを浮かべ、条件を伝える。
「取り敢えず私に付き合ってくれない?そうしたらその後でキスでも何でもしてあげる。」
『え?それってどういう……え、ええっ〜〜〜〜!?』
言うなり、フランドールは猫化したいちごを抱えるとそのまま空中に飛び上がり、パラディウム・シティの夜空を駆け抜けるように何処かへ飛び去っていった……


―――ここはA地区のどこかの森林の中にある泉。

『た、助けてよぉ〜〜!猫は泳げないんだよぉ〜〜!』
「ほらほら、頑張って。あと少しだから。」
泉の、比較的陸に近い浅瀬で、猫かきで必死に泳ぎながらフランの所まで泳ごうとする猫化いちごと、そこから少し離れた所に、水遊びをするために服や下着等を全て脱いで一糸纏わぬ全裸となったフランドールが、楽しそうな笑顔でいちごに水をかけていた。
『だから私は泳げないんだって〜〜!もう勘弁してよぉ〜〜〜!』
「そんなことはないわよ。だってあなた、イリオモテヤマネコのDNAを体に打ち込まれたんでしょ?だからあなたは本当は泳げるのよ。」
『えっ……それってどういう……?』

よく、猫は泳ぐことは出来ないと言われており、実際大体の猫はそうなのであるが、猫の中には環境に適応した結果、泳ぐことが出来る猫も存在していた。
そう、イリオモテヤマネコがまさにそれである。
イリオモテヤマネコは沖縄県の西表島のみに生息しており、そこの大自然で生き抜くために陸の小動物だけでなく、水の中を潜って泳いでエビや魚を狩猟して食べる生活を送っていた。そのため彼らは猫でありながら泳ぎが大得意なのだ。
だからイリオモテヤマネコのDNAを打ち込まれた桃宮いちごだって、猫化した状態でも本来は泳ぎが大得意なはずなのだ。

やがていちご自身も水に慣れたのか、泳ぎがスムーズになり、猫化した状態で水の中をスイスイと泳ぎ始める。
(すごい……イリオモテヤマネコって泳げるんだ……私、今まで知らなかった……)
そういった知識量においても、所詮レッドデータアニマルの知識を齧った程度しか知らない桃宮いちごと、紅魔館でパチュリー・ノーレッジから借りた本を色々と読み漁って知識を蓄えたフランドール・スカーレットとの間で、圧倒的な開きがあるのであった。
やがていちごは泳いでフランドールの元にたどり着くと、フランドールはいちごを抱え、翼で空中を浮遊する。

「何だ、やれば出来るじゃん。」
『ねえ、こんなことやらせたくてわざわざここまで連れてきたの?』
「んー、それもあるけどあなたには私の能力の一端を見てもらいたいと思って。」
(……あれ?確か吸血鬼は流水を渡れないんじゃなかったっけ?何でこの子は平気なの?)
そう、吸血鬼は流水を渡れない、それは日光と並んで有名な弱点であり、それはフラン自身も確かにそう言っていたはずなのだ。
何故なのか、いちごがそう考えていると突如として木々の間から何者かが姿を現す。

グルルルルルルルルル……
(え!?魔獣!?どうしよー!こんなタイミングで出てくるなんて!!)
現れたのは一匹の血に飢えた魔獣であった。そもそもここはA地区、魔獣の生息域であり、この場に魔獣が現れるのは何らおかしいことではなかった。
ミュウイチゴの状態ならともかく、ミュウイチゴに変身できない猫の状態では魔獣に対して勝ち目はない、そう思っていちごがフランドールの顔を見た瞬間、いちごは背筋が凍るような感覚に襲われる。
何故ならいちごが見たフランドールの表情は先ほどまでの純粋無垢な幼い少女のそれではなく、幼い少女が……いや、人間がするとは思えないような狂気すら感じるような恐ろしい笑みを浮かべていたのだ。
「……それに、女の子の裸を覗くような変態さんにはここで退場してもらわないとね。」
ボンッ!!
その言葉と同時だった。フランドールが手を握りしめると魔獣の頭部がザクロのように弾け飛び、頭部を失った魔獣はその場で倒れ、息絶える。
(え……今の何?一体何が起こったというの?)

341◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:31:48 ID:???0
いちごは目の前で起こった出来事が全く理解できなかった。戸惑いながらも再びフランドールの顔には先ほどの笑みは既になく、外見相応の純粋無垢な笑顔がそこにはあった。
「驚いた?これが私の能力『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』、この能力は元々持っていたんだけど最近になって能力を鍛え直して実戦で使いやすいように調整したんだ。」
そう、フランドールは最近の石油噴出異変の解決の前に、摩多羅隠岐奈の協力の元、自らの能力を鍛え直し、弱点である流水をカバーするために吸収してしまった水や石油を魔力消費の代替として消費、排出することでダメージを避けると同時に遠距離の敵に能力を行使することが可能となり、弱い敵なら一撃で倒せ、一定以上の実力者相手でもダメージを与えることが出来るようになっていたのだ。
これが流水が弱点の吸血鬼であるフランドールがある程度水に耐えることが出来るカラクリの正体であった。

「さて、もうこれで用件も済んだし、あなたの望み通り、キスをしてあなたを元の姿に戻してあげる。」
『えっ!?ちょ、ちょっと今ここでそれをしたら……』
いちごの制止も虚しく、フランドールは猫化いちごと唇をあわせキスをし……いちごの姿は元の人間の姿に戻る。そう、泉の真上の空中で。
「あ」
「あ゛」
気付いた時には時すでに遅しであった。いちごはバランスを崩して空中から落下し、そして。
バッシャアアアアァァァン!!
服を着たまま泉に豪快にダイブしてしまう。そして水の中から顔を出したいちごの目は完全に涙目であった。
「も〜〜〜〜イヤァァァァァァ!!!何で私がこんな目にィィィィィ!!?」

少し時間が経過した後、泉には一糸纏わぬ全裸の桃宮いちごの姿がそこにはあった。
因みに服や下着等は先ほど泉に豪快にダイブしたことでずぶ濡れになってしまっており、乾かすために全て干している最中であった。
「うう……恥ずかしい……」
「ごめんごめん、悪かったって。どうせここには他に人はまず来ないし、乾くまで私と一緒に遊びましょうよ。」
基本野外で肌を晒すことに慣れていないいちごは顔を赤らめるが、やがてどうせ他に人は来ないだろうし、ここには同性のフランドールしかいないと開き直ると、サーヴァントであるフランドールとの親睦を深めるため、彼女と水遊びをすることにする。

「きゃはは、それそれ〜!」
「も〜う、冷たいってば〜!」
いちごとフランドールは暫し時を忘れ、お互い水をかけあいながら水と戯れ続けていた。
やがて暫くすると、フランドールは突如として手を止め、いちごに予想外の言葉をかける。
「……ねえ、抱っこして。」
「……え?」
最初、彼女は自分をからかうために言ったと思ったのだが、彼女の寂しそうな顔から冗談で言っているのではないというのを悟り、ゆっくりと彼女の傍まで近づき、抱き上げる。
(……あったかい……)
フランを抱き上げたいちごは彼女の温もりを直に感じていた。お互い全裸で素肌で直に触れ合っていることで温もりを直に感じ取れているような気がするのだ。

(私も……将来、青山君と結婚して……子供を産んでお母さんになったらこうして自分の子供を抱いたりする時が来るのかなあ……)
将来の青山雅也との結婚、そして青山との子供を出産して母親になり、自らが産んだ子供を抱く未来の自分の姿を想像していると不意にフランの口から予想外の言葉が飛び出してきた。
「……いちごのおねえちゃん……」
「……え?」
最初、彼女はまた自分をからかうために言ったのだと思った。だが今までのからかうような口調ではなく、どこか寂しそうな、か細い口調であることにいちごは気づいていた。
いちごはフランから聞かされていた彼女の今までの出来事や境遇を思い出していた。

342◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:32:34 ID:???0
彼女……フランドール・スカーレットは幻想郷でまず最初に行動を起こし、紅霧異変という騒動を起こした紅魔館の主、レミリア・スカーレットの妹で、彼女自身もその騒動の前後辺りのタイミングで博麗の巫女である博麗霊夢と戦い、早い段階から存在を認知されていたのであるが、その後も幻想郷で数々の異変が発生したにも関わらず、彼女はそれらの異変にほとんど関与することはなかった。
では紅魔館が異変に関わらなかったのかと言えばそんなことはなかったのだが、基本的に異変解決のために行動を起こしていたのはメイド長である十六夜咲夜がほとんどで、たまにレミリアが行動を起こすことがあったり、基本的に図書館にいることが多いパチュリーでさえ、何かしらの形で外出し異変に関わることもあったというのにフランドールは彼女たちと違い、表舞台に出てくることは最近までほとんどなかった。

何故か、それは彼女は基本的に地下に幽閉されており、咲夜やレミリアと異なり積極的に自ら行動を起こすことが出来ず、いつも異変解決に向かう彼女たちを紅魔館で見送る役目しか出来なかったのだ。それ故にほとんど交友関係が広がることもなく、彼女と深い関りがあるのは同じ紅魔館のメンバーしかいなかった。それはこれから先もずっと続き、いずれは過去の存在として誰からも忘れ去られ、埋もれていく存在になっていくのだと思われていた。

だが最近になってそんな彼女の境遇に、ある一つの大きな変化が訪れた。
幻想郷を創った賢者の一人、摩多羅隠岐奈が彼女の元を訪れたのである。
最初はまさか賢者が自分の所を訪れるとは思っていなかったらしく、とても驚いたらしいのだが石油噴出騒動の主犯である饕餮尤魔を倒すため、全てを破壊する力を持つ彼女の力が必要だと力説されたため、久しぶりに自身も行動を起こすことを決め、そのために隠岐奈と特訓をしてブランクの解消と自らの力を高めることに成功し、立ちはだかる様々な敵を倒した後、異変の主犯である饕餮尤魔と対峙、饕餮の強大な力に傷つきながらも死闘の末に饕餮を破壊、異変を解決することに成功したというのである。

その後は摩多羅隠岐奈の主催した「剛欲な挑戦」に挑戦し、隠岐奈に認めてもらいたい一心で数々の強敵たちと戦い、傷つきながらもボロボロの身体で最後に待ち構えていた隠岐奈と対決、必死の思いで戦い、最終的に彼女を下し、彼女に認められたという。そしてその際に彼女に挑戦成功の証として贈られた「すばらしい!君は破壊神として崇められるだろう」と書かれた彼女の直筆のサイン入り色紙は今でも紅魔館の地下の彼女の自室に大切に飾られているという。

(フラン……)
いちごは自身が抱いているフランドールを見ながら彼女が戦った饕餮尤魔、摩多羅隠岐奈のことを彼女の話の中から思い出していた。
饕餮尤魔、彼女は幻想郷に存在する畜生界の三大組織の勁牙組、鬼傑組と肩を並べる剛欲同盟の長で表向きは畜生界最弱を装っているが実際は畜生界でも最強の力を持つ存在で「何でも吸収する程度の能力」という強力な能力を持ち、博麗の巫女である博麗霊夢ですら彼女の討伐を諦め、異変解決を投げ出した程の存在であるということをいちごはフランから聞いていた。
そして摩多羅隠岐奈は八雲紫と肩を並べる幻想郷を創った賢者の一人で後戸の神・障碍の神・能楽の神・宿神・星神・地母神・能楽の神・星の神・養蚕の神・障碍の神・被差別民の神・幻想郷の賢者と数多くの肩書を持つ正真正銘の神様で尊大で自身家な性格とそれに裏打ちされた強大な力と強力な能力を持ち、最強でこそないものの彼女に勝てる存在は幻想郷では数えるほどしかいないともいちごはフランから聞かされていた。

343◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:33:26 ID:???0
いちごは当然両者に会ったことも彼女らの戦いぶりを見たわけでもないので詳しくは分からないものの、フランの話を聞くだけでももし仮に自分が……いや、ミュウミュウの5人の力を合わせて饕餮や隠岐奈に戦いを挑んでもまず勝てないであろうということは何となく感じていた。
そんな強大な存在に立ち向かっていったのだ。自分の手の中にあるこの幼い少女が。怖かっただろう、辛かっただろう。でも「異変を解決したかった」「賢者に認めてもらいたかった」その一心で饕餮や隠岐奈に戦いを挑んだのだ。

それまで誰からも相手にもされず、孤独だった彼女にとって饕餮尤魔や摩多羅隠岐奈は自らの存在意義や幻想郷での居場所を証明してくれる存在であったのであろう。
そんな彼女たちからも相手にされなくなってしまったらまた誰からも忘れ去られていった孤独な日々に逆戻りしてしまうのかもしれない。
先ほどの呟きもそんな気持ちが思わず声に出てしまい、自身の事を単なる戦力やマスターとしてではなく、そんな自分を無視せず常に相手をしてくれる存在として見ているのではないかと感じたのだ。

そう考えるとやっぱり元の世界に帰らずこの聖杯戦争に参加して良かったと思う。
彼女は表面上は気取ってはいたがもし仮に自身が元の世界に帰ってしまっていたら彼女はまた誰からも相手にされない孤独な存在に逆戻りしていたかもしれない。
そんな不安な気持ちでいっぱいだったかもしれないのだ。
いちごはフランを強くギュッと抱きしめる。
元の世界で侵攻を再開しているだろうキッシュ達エイリアンやそれと戦っているであろう仲間の4人に対する申し訳なさや不安は確かにある。
だけど人々を守る東京ミュウミュウとして、そして何より自身が抱いている少女のマスターとして、それら全てを投げ出して元の世界に帰る気持ちにはなれなかった。
いちごは改めて決意を固める。ミュウミュウに選ばれたものとして、そして目の前の少女のマスターとして、人々を救い、聖杯戦争を共に戦い抜こうと。

その決意の気持ちが、いちごの口から自然と溢れていた。
「……もう一人にしないからね、フラン。」


【サーヴァント】

【CLASS】
アーチャー

【真名】
フランドール・スカーレット

【出典】
東方projectシリーズ

【性別】
女性

【ステータス】

筋力A 耐久B 敏捷 A 魔力B+ 幸運 C 宝具A+

【属性】
混沌・善

【クラス別能力】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

単独行動:A
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクAならば、マスターを失っても一週間現界可能。

344◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:34:05 ID:???0
【保有スキル】
グレイズ:EX
「弾幕ごっこ」「少女達の遊び」と呼ばれるフランドールを始めとした幻想郷の人間・妖怪・神々の少女たちが戦いの中で身に着けた能力。このスキルによってフランドールの通常攻撃に「グレイズ属性」と呼ばれる属性が付与され、通常攻撃している間は敵の通常攻撃に一切被弾することがなくなり、完全無敵の状態となる。またフランドールはそれ以外にも任意で蝙蝠に変身することが出来、その状態においてもフラン自身に「グレイズ属性」が付与され、通常攻撃に対して完全無敵となる。ただし蝙蝠に変身している間は魔力消費が激しくなるため、長時間変身を維持することは出来ない。また通常攻撃が途切れると「グレイズ属性」が消滅して無敵状態が解除されてしまう他、宝具に対しては「グレイズ属性」が付与されていても無敵が適応されず通常通りに喰らってしまう。

幻想の吸血鬼:A
幻想郷という隔離された世界に存在する吸血鬼。
スキルランク同等の怪力・飛行・吸血・変化のスキルを兼ね備える複合スキルだが代償として太陽・流水に対して極端に弱くなってしまっており太陽光や流水を一定以上照射、吸収してしまうとダメージを負ってしまう。ただし流水に関しては後述のスキルを使うことである程度カバーすることが可能。また上記のグレイズと飛行・変化能力を併用することで魔力消費量が激しくなる代わりに飛行・変化中に自身に「グレイズ属性」を付与することが可能なほか、「グレイズ属性」を付与しないことで魔力消費量を抑えて飛行・変化能力を行使することも可能。

ありとあらゆるものを破壊する程度の能力:A
幻想郷における実力者の少女達が兼ね備える能力の中でフランドールが有している能力。後述の宝具の発動に必要不可欠な能力であり魔力の代わりに吸収した流水・石油・流血等を魔力の代替として消費することで後述の宝具の発動を可能としている。また代替を用いずに直接魔力を消費することで宝具を発動することも出来る。
またこの能力を応用することで鍵のかかったドアに触れることで鍵だけを破壊してドアを開閉するといった芸当も可能。


【宝具】
『きゅっとしてドカーン』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1人
前述の「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」を行使することで使用可能となる宝具。万物には『目』と呼ばれる「その物の一番弱い箇所」と称される急所が存在し、それをロックオンして手で握り潰すことで『目』を直接攻撃する。相手をロックオンできなくても蓄積した流水を消費することが可能なため、流水の蓄積によるダメージを避けるために流水を消費する目的で空撃ちすることも可能。

『禁符・スカーレットニヒリティ』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1人
幻想郷の賢者である摩多羅隠岐奈との特訓で新たに獲得した必殺の宝具。一定以上の流水・石油・流血かもしくは自身の魔力を一定以上消費することで使用可能となる宝具で破壊エネルギーを凝縮した紅く輝くリンゴ型の爆弾を生成し、それを敵に直接ぶつけて爆破することで敵を爆砕する。元々フランドールはこの宝具を有していなかったものの、隠岐奈との特訓で「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」を成長させたことで「剛欲異聞」において新たにこの技を新規に獲得している。

【weapon】
「レーヴァテイン」
フランドール・スカーレットが愛用する北欧神話に登場する伝説の武器の名を冠した武器で、見た目は時計の長針と短針が一体化して巨大化し、尚且つ歪んだような形状をした奇妙な見た目の剣。元ネタ通りに炎を纏わせることで炎の大剣として相手を焼き切る近接武器として扱えるほか、武器の持ち方を変えることで弓として扱うことも出来、この状態では魔力で作り出した矢を発射して遠距離の敵を攻撃する遠距離武器として扱うことも出来る遠近両用の万能武器。
この戦法は「剛欲異聞」においてフランドールが前述の「スカーレットニヒリティ」と共に摩多羅隠岐奈との特訓で編み出した戦い方であり、彼女が当聖杯戦争において「アーチャー」のクラスで現界した最大の理由である。

345◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:34:46 ID:???0

【人物背景】
「東方project」の舞台である幻想郷の勢力の一つである「紅魔館」の主、レミリア・スカーレットの妹で幻想郷に二人しかいない吸血鬼の内の一人で作中での発言から年齢は少なくとも495歳以上だと思われる。
初登場は「東方project」の事実上の第一作にあたる「東方紅魔郷」のEXステージで本ゲームの裏ボスを務めており、本編の紅霧異変の一件で異変解決にあたった博麗霊夢に興味を持ち、紅魔館の外に出ようとした所、勢力の一員で紅魔館の図書館の管理人を務めているパチュリー・ノーレッジによって館の周囲に雨を降らせるという方法で阻止され、その一件の調査で館を訪れた博麗霊夢と対面、霊夢に勝負を挑むものの死闘の末に敗北する。
二次創作においては「姉のレミリアを始めとした紅魔館の他のメンバーによって強制的に地下に幽閉されており、そんな自らの置かれた境遇に悩み苦しみ、外への自由を求め続ける」みたいなキャラ付けをされることが多いが、公式漫画である「東方智霊奇伝」に登場した際に「自分は閉じ込められてなんていなかった」「苦手な日光も当たらず無償で衣食住を提供してくれる居心地のいい快適な生活に不満なんてない」「そもそも自らの能力で何でも破壊できるのだから自身を閉じ込めるなんてそもそも無理」と上記の二次創作におけるキャラ付けを否定するような発言をしている。だがその一方で後述の「東方剛欲異聞」においては幻想郷の賢者である摩多羅隠岐奈は「危険な能力故に閉じ込められていたから鬱憤が溜まっていたんだろう。」と考察しているため実際の真相は不明。
初期の頃から登場していたキャラであり知名度や人気が非常に高いキャラでありながらも上記のスタンスの関係もあってほとんど活動せず長らく出番がない状態であったのだが「東方剛欲異聞」において幻想郷の各地で石油が流出する異変が発生しその犯人とされる饕餮尤魔を倒すため、彼女の「ありとあらゆるものを吸収する能力」に対抗すべく、幻想郷の賢者である摩多羅隠岐奈が秘密裏に彼女に接触し饕餮討伐を依頼、これを承諾する。そして隠岐奈の能力の支援を得て各地を転々とし、異変解決のため幻想郷に住まう人妖たちと戦いを繰り広げるがその最中偶然にも博麗霊夢と再会する。そして彼女と会話していく中で彼女が饕餮討伐を諦めたこと、異変解決を投げ出したことに失望する。その際、「以前自分の所にやってきたお前は全てを破壊する目をしていた」「その頃を思い出せ、敵は殲滅せよ」と自身の霊夢に対する感情をぶつけ、彼女と戦闘を繰り広げそれに勝利している。
そして石油の海の最奥にて異変の主犯格である饕餮尤魔と遂に対峙、彼女と戦いを繰り広げる。戦闘においては当初は優勢に戦いを進めるものの、血の池地獄から注ぎ込まれる力を吸収されたことで饕餮がパワーアップしてしまい、形勢を逆転される。それでも何とか饕餮を追い詰めるものの追い詰められた饕餮は奥の手である「お腹を空かせたグリードモンスター」を発動、それに対抗するため隠岐奈と共に編み出した新技である「スカーレットニヒリティ」を発動させ、死闘の末に饕餮を破壊、異変を解決することに成功する。
その後饕餮は血の池地獄の管理人となり、隠岐奈から近況報告と異変解決達成の知らせを受け取り、お互い挨拶を交わした後隠岐奈と別れる。
その後隠岐奈が用意した「剛欲な挑戦」に挑み幾多の強敵と戦いを繰り広げた後最後に現れた摩多羅隠岐奈と戦い、死闘の末に勝利している。

「剛欲異聞」にて描かれた石油噴出異変の真の黒幕は摩多羅隠岐奈であり、石油を自身の管理下に置くため饕餮を共通の敵に仕立て上げ、異変が解決した後堂々と石油を自身の管理下に置くことが今回の異変において彼女が仕組んだシナリオであったことがEDにおいて語られている。

346◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:35:43 ID:???0

【サーヴァントとしての願い】
強いていうなら日光に晒されても大丈夫な身体にしてもらい、太陽光の下でも自由に出歩くことが出来るようになりたい。後幻想郷中の皆にもっと相手にしてもらえるようになりたい。

【方針】
また孤独に戻るのは嫌なのでマスターと一緒に戦いたい。一人はもう嫌なのでマスターと別れたくない。

【把握媒体】
「東方紅魔郷」「東方文花帖」「東方智霊奇伝」「東方剛欲異聞」などをご参照ください。「東方智霊奇伝」は全国の書店にて絶賛発売中で「東方剛欲異聞」はNintendo Switchにて絶賛配信中です。ただ「剛欲異聞」は難易度が非常に高いためキャラ把握をしたいだけならYoutubeなどの動画サイトで把握した方がいいかもしれません。またフランドール単体で知りたいなら動画サイト等でキャラ解説動画があるのでそちらで把握してもいいかもしれません。



【マスター】
桃宮いちご

【出典】
東京ミュウミュウ にゅ〜

【性別】
女性

【能力・技能】
『ミュウイチゴ』
イリオモテヤマネコのDNAを打ち込まれたことによって備わった能力。「ミュウミュウ・イチゴ・メタモルフォーゼ!」の掛け声と共に「東京ミュウミュウ」の一人である魔法少女「ミュウイチゴ」に変身することが出来る。この姿になると身体能力と肉体強度が飛躍的に上昇する他、後述する武器である「ストロベルベル」を装備することが出来る。

『猫変化』
イリオモテヤマネコのDNAとの適合率が上昇し過ぎたことによって強制的に身についてしまった能力。ある一定の条件を満たすと肉体が猫の姿に強制的に変化してしまう。この姿になってしまうと前述のミュウイチゴへの変身が不可能になってしまう他、人間時の思考を維持できるものの人間の言葉を話すことが出来なくなり猫の鳴き声を出すことしか出来なくなってしまう。
また自らの意思で人間の姿に戻ることは出来ず、この状態を解除するには他の生物とキスをすることでしか解除する方法はない。
作中での描写から「興奮状態となり心拍数が一定以上の数値に達すること」がこの能力の発動条件だと思われるが「何故戦闘時における興奮状態でこの能力が発動しないのか」「何故変身が解除された際に変身前に着ていた服がそのままの状態で維持されているのか」「猫に変身した際に着ていた服が猫化に巻き込まれるなら何故羽織っていたパーカーが猫化に巻き込まれなかったのか」「猫に変身していた際に河で溺れたりシャワーを浴びたりしていたのに人間に戻った際に何故服がずぶ濡れになっていなかったのか」等色々と不可解な部分も多い謎の多い能力。

【weapon】
「ストロベルベル」
「ミュウイチゴ」に変身することによって装備することが出来る武器で見た目は中心にイチゴ型の装飾が付いて装飾の下にベルがぶら下がっており、持ち手がピンク色のふさふさのファー仕様となっているリング状の武器。
エネルギーを込めることによってベルが付いた装飾の部分からピンク色のハート型のエネルギー弾「リボーン ストロベリー チェック」を放つことが出来る。
また出力を抑えることでエネルギー弾を連射することも可能なほか、ブーメランのように直接敵に投げつけて攻撃することも可能。

347◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:36:23 ID:???0

【人物背景】
元々は同級生で剣道部のエースである青山雅也に恋心を抱く普通の女子高校生であったのだがある時学校に潜入していた藍沢みんとから受け取ったチケットを手に青山をデートに誘い、デートのために訪れたレッド・データ・アニマル展で彼女の適合率の高さに目を付けていた白金稜によって「μプロジェクト」の対象に選ばれ、イリオモテヤマネコのDNAを打ち込まれ地球を侵略しようとしているエイリアンに対抗する戦士である「東京ミュウミュウ」の内の一人「ミュウイチゴ」に変身する力を得た少女。
初戦闘で「ミュウイチゴ」に変身し、エイリアンが送り込んだ生物兵器である「キメラアニマ」を倒した後、「μプロジェクト」の中心人物である白金稜と赤坂圭一郎に自らが戦わなくてはならない敵とミュウミュウとしての使命を二人に告げられ、普段は高校に通ったり白金達のアジトである「カフェミュウミュウ」でアルバイトをしたりしつつ、既に仲間になっていた「ミュウミント」こと藍沢みんとと自分自身を除く他の3人の仲間を捜索しつつ、エイリアンやキメラアニマと戦う「東京ミュウミュウ」として活動していくことになる。
基本的には少々ドジっ子で天然ボケの慌てん坊だが、根は真面目でカフェ内では物凄い働き者で、戦いとなると一気にリーダーっぷりを発揮する一面もある。
終盤、青山に対する思いから興奮しすぎたことととイリオモテヤマネコのDNAとの適合率が上昇し過ぎた結果、猫に変身してしまい元に戻るために奔走、河で溺れて青山に自宅に連れ込まれそこで正体がバレそうになったり、青山宅から脱出した後猫の姿のままで街中をさ迷い歩くが、時を同じくしてキッシュ達エイリアンが東京タワーで大規模な作戦を展開し、それを食い止めるためミュウミュウの他の仲間4人が必死になって戦っている姿をニュースで偶然知ってしまう。
それを見たことで仲間の元に駆け付けることを決意、何とか元の人間の姿に戻ることに成功し、直後ミュウイチゴに変身して仲間の元に駆け付け、戦いの末にキッシュ達エイリアンの作戦を阻止することに成功する。
だがその日は青山と「Tierra」のライブを一緒に見に行くことを約束していた日であり、遅刻が確定したことを理解しつつも青山に自身の想いを伝えるため、雨が降りしきる中必死になって会場に向かい、たどり着いた会場で雨の中自身を待っていた青山に告白され、自身も青山に自らの想いを伝え、晴れて二人は恋人として結ばれる。

【マスターとしての願い】
出来ればキッシュ達エイリアンを聖杯の力で撃退したいとは思うが、そのために他の人を殺すのは論外だし、エイリアン達は自分たちの力で何とかするつもりなので、聖杯を求めるよりも困っている人を助ける方向で活動したいと思う。もし聖杯が手に入っても自身ではなく、サーヴァントの願いの方を叶えてあげたい。

【方針】
東京ミュウミュウとして誰かを苦しめたり不幸にしたりするような願いを持つマスターや、聖杯を手に入れるためには手段を選ばず誰かを殺すことも厭わないマスターとサーヴァントがいたら戦って止めて聖杯戦争の未来にご奉仕する。でも人を殺すようなことはしたくない。

【ロール】
カフェのアルバイトをしつつ月海原学園に通っている高校生

【令呪の形・位置】
右手の甲の位置。右太ももの内側の股の付け根にあるアザと同じ形をしている。

【把握媒体】
漫画「東京ミュウミュウ」及びアニメ「東京ミュウミュウ」「東京ミュウミュウ にゅ〜」などをご参照ください。漫画は新装版が現在10巻出ています。アニメは旧版、新版共にdアニメストアその他配信サイトで全編配信中で、新版は2023年4月に第二期が放送されます。キャラ設定や造形等は2022年の新版「にゅ〜」の方に寄せているので把握する場合は「にゅ〜」の方を把握した方がいいかもしれません。

348◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:43:53 ID:???0
以上で投下終了です。
タイトルは書いてませんが、候補作のタイトルは「魔法少女 ミュウスカーレット」です。
もう締め切りが迫って来ているので候補作の投稿はこれで最後にします。
またこの作品及び主従を暫定組と入れ替えるかどうかは企画主様の裁量にお任せします。
また当聖杯戦争におきましては『正式な』(←ここ重要)参加者が全て決まり次第、自分は可能な限り本編の制作、投稿をしていきたいと思います。
それまで当企画を楽しみにしつつ正式に参加者が全て決まるまで待ちたいと思います。
何か不都合があればご指摘よろしくお願いいたします。

349 ◆Mti19lYchg:2022/11/28(月) 00:28:57 ID:U2aoRq/Y0
◆A1Sj87dFpOM様 数々の魅力あるチームとSSのご投稿、ありがとうございます。
>>魔法少女 ミュウスカーレット
いちごとフラン。どこか姉妹のようでそうとも言えない互いによりあう関係性がいいですね。
特にいちごが参加する理由としてフランの孤独を放っておけなかったというのがいいです。
ご投稿、ありがとうございました。

追伸。現在ほぼ決定した参加者を発表します。

No.01 遠坂凛 セイバー ライカ
No.02 巴あや セイバー ジークフリート
No.03 レオナルド・ビスタリオ・ハーヴェイ セイバー アルトリア・ペンドラゴン
No.04 衛藤可奈美 セイバー クトリ・ノタ・セニオリス
No.05 二階堂ルイ アーチャー アラン・シルヴァスタ
No.06 ジョセフ・ジョースター アーチャー エンタープライズ
No.07 ヴィヴィ アーチャー エックス
No.08 桃宮いちご アーチャー フランドール・スカーレット
No.09 オネスト ランサー スイムスイム
No.10 ルビー・ローズ ランサー フェクト・エフィリス
No.11 邪神ちゃん ランサー アンティリーネ・ヘラン・フーシェ
No.12 吉野順平 ライダー 五代雄介
No.13 尾形百之助 ライダー ゾルタン・アッカネン
No.14 香風智乃 ライダー 剣崎一真
No.15 七海千秋 ライダー 爵銀龍 メル・ゼナ
No.16 新条アカネ キャスター μ(ミュウ)
No.17 間桐桜 キャスター 黄川人
No.18 桂木桂馬 キャスター 雪華綺晶
No.19 千翼 アサシン 金木研
No.20 ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ アサシン エミヤ〔アサシン〕
No.21 錦木千束 アサシン 夏木花
No.22 狛枝凪斗 アサシン 憂城
No.23 ザキラ バーサーカー バラモスゾンビ
No.24 エドワード・エルリック バーサーカー 空条承太郎
No.25 上条当麻 バーサーカー ハンク・ヘンリエット
No.26 衛宮士郎 アルターエゴ 沖田総司〔オルタ〕
No.27 小蝶辺明日子(■■■■) アルターエゴ ウォルター・C・ドルネーズ
No.28 コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ アルターエゴ 相川始
No.29 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン ブレイド ホムラ/ヒカリ

【傭兵システム】 アーチャー エミヤ
【傭兵システム】 ランサー クー・フーリン
【傭兵システム】 アサシン 燕青

少し多いようでしたら、ここから3チームほど減らします。

350名無しさん:2022/11/28(月) 15:27:29 ID:53h95URQ0
自分で書き切れもしないのにむやみやたらと参加者を増やす悪癖やめなよ。

351無名:2022/11/28(月) 20:07:36 ID:gOiDn1Ds0
批判を書かれてますが大丈夫ですか?
あまり気にしない方がいいですよ。参加者をどれだけ登場されるかは管理者さんが決めることですからね。

もしも批判が続くなら弁護士さん相談するのも一つの手かもしれないです。

よけいお世話ならすいません。

352◆A1Sj87dFpOM:2022/11/28(月) 20:33:57 ID:???0
>>350
ならあなたも書き手として参加したらどうですか?これはリレー小説です。
一人だけで創り上げる訳ではなく、皆で参加して書き上げて創り上げる、それがリレー小説なんですから、
人手は多ければ多いほどいいと思います。現時点では参加者は確定ではなくあくまで暫定なのでまだ書きませんが、
締め切り日が過ぎて参加者が確定したら候補作を提出した以上、責任をもって本編も書きたいと思っています。
後◆Mti19lYchg様、↑の方の意見を擁護する訳ではありませんが、
参加主従を減らすことを検討されているようですが、
他の聖杯ロワの企画である「Fate/Over The Horizon」は参加主従は合計23組、
「Fate/Aeon」は参加主従は24組なのでそれらの企画も参考に検討されてもいいかと思います。
最終的に決めるのは企画主様なので企画主様の裁量にお任せしますが、未把握作品の把握の手間や
書き手が離れていくことによる企画の停滞、それによる企画の過疎化はファンとしては悲しいことですし、
なんとしても避けたいと思うので企画の継続のためにもある程度検討はされてもいいかと思いますし、
あなた様が決めたことであれば自分も従います。来月初めの締め切り終了日の後日までお待ちしています。

353無名:2022/11/28(月) 20:42:19 ID:gOiDn1Ds0
>>352

354無名:2022/11/28(月) 20:46:23 ID:gOiDn1Ds0
>>352
あの、あなたのことを言ったわけではないのですが……勘違いさせちゃいました……すいません。あなたは自分の考えを持っているので批判とは思ってはいなかったのですが……違う人のことだったんですが……不愉快させたならすいません。

355 ◆Mti19lYchg:2022/11/28(月) 23:34:34 ID:U2aoRq/Y0
>>350
やはり多すぎると自分でも思っていたので減らしました。いかが最終決定になります。

No.01 遠坂凛 セイバー ライカ
No.02 巴あや セイバー ジークフリート
No.03 レオナルド・ビスタリオ・ハーヴェイ セイバー アルトリア・ペンドラゴン
No.04 衛藤可奈美 セイバー クトリ・ノタ・セニオリス
No.05 二階堂ルイ アーチャー アラン・シルヴァスタ
No.06 ジョセフ・ジョースター アーチャー エンタープライズ
No.07 ヴィヴィ アーチャー エックス
No.08 桃宮いちご アーチャー フランドール・スカーレット
No.09 オネスト ランサー スイムスイム
No.10 ルビー・ローズ ランサー フェクト・エフィリス
No.11 邪神ちゃん ランサー アンティリーネ・ヘラン・フーシェ
No.12 吉野順平 ライダー 五代雄介
No.13 香風智乃 ライダー 剣崎一真
No.14 七海千秋 ライダー 爵銀龍 メル・ゼナ
No.15 ウィキッド/水口茉莉絵 ライダー ドンキホーテ・ドフラミンゴ
No.16 新条アカネ キャスター μ(ミュウ)
No.17 間桐桜 キャスター 黄川人
No.18 千翼 アサシン 金木研
No.19 ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ アサシン エミヤ〔アサシン〕
No.20 狛枝凪斗 アサシン 憂城
No.21 ザキラ バーサーカー バラモスゾンビ
No.22 エドワード・エルリック バーサーカー 空条承太郎
No.23 上条当麻 バーサーカー ハンク・ヘンリエット
No.24 衛宮士郎 アルターエゴ 沖田総司〔オルタ〕
No.25 コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ アルターエゴ 相川始
No.26 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン ブレイド ホムラ/ヒカリ

【傭兵システム】 アーチャー エミヤ
【傭兵システム】 ランサー クー・フーリン
【傭兵システム】 アサシン 燕青

356◆A1Sj87dFpOM:2022/11/29(火) 18:47:36 ID:???0
◆Mti19lYchg様、↑の面子が最終決定とのことですが、オープニングはいつ投稿されるのでしょうか?
旧企画を見返してみた所、参戦面子が正式に決定された後に「聖杯戦争、開幕」のタイトルで
オープニングにあたる作品が投稿されていましたが、やはり正式な締め切り最終日である明日の11月30日が過ぎた後、
12月以降に投稿される予定なのでしょうか?当然ですが自分はオープニング投稿後に本編を投稿したいので、
どうする予定なのか聞かせてくれるだけでもありがたいです。お返事お待ちしております。

357 ◆Mti19lYchg:2022/11/29(火) 20:13:24 ID:.UcjwXNI0
>>356
一つNPCを取り上げたSSを書いた後、12月中にOPを投下します。

358◆A1Sj87dFpOM:2022/11/30(水) 18:55:51 ID:???0
◆Mti19lYchg様、本日は11月30日、締め切り最終日となりました。
明日以降から本編制作を本格的に開始したいと思い、参考までに旧作の本編を見てみた所、二つほど気になる点がございましたので、
出来れば早めに回答して下さればありがたいです。ではいきます。

①参加主従達は本編開始直後から他の主従が誰なのか全員把握している設定なのか?
まず気になった点としては参加主従達が本編開始直後から既に同盟を結んでいたり、他の主従の事を把握していて
いきなり戦闘が始まったりするような展開が旧作には開始直後から見られた点でした。
そこで質問なのですがこの聖杯ロワにおいては参加主従は他の主従の顔、容姿、位置情報や与えられたロール等を
全て把握している設定なのでしょうか?

②参加しているキャラの出展作品から雑魚敵や上級NPCといった形でキャラを出すのはありなのか?
これも旧作本編の中にあった展開なのですが、参加キャラの出展作品から雑魚敵や上級NPCという形で
参加主従とは別のキャラが登場するという展開がありました(例えば雑魚敵としてドラクエからスノードラゴンやごくらくちょうが出てきたり、
上級NPCとしてまどマギから鹿目まどかや暁美ほむらが出てきたり)
これを自分の採用候補作に当てはめるなら例えば雑魚敵枠として「RWBY」からベオウルフやアーサ、「ディスカバリー」からバッファルホーンやガブルネーク、
「オーバーロード」からデスナイトやナザリックオールドガーダー、「モンハン」からランポスやフロギィなどを雑魚敵ポジションで出したり
上級NPCとして上記の作品からネームド敵(具体的に誰を出すかはまだ決めていませんが)を出したりするとかそういった展開はありなのでしょうか?

返答次第では今後の制作本編の内容が大幅に変わって来るので出来れば早めに返答をいただけるとありがたいです。
回答お願い申し上げます。

359 ◆Mti19lYchg:2022/12/01(木) 01:08:22 ID:8IiaznF.0
>>358

①基本的にはマスターはお互いを知らない設定です。
ただし、キャスターなど一部のマスター組は多少マスターやサーヴァントを知っています。
他にも自作のヴィヴィはほとんどの組にマスターだと知れ渡っています。
初話でマスター達が同盟を組んでいるという設定はありです。

②雑魚敵に関してですが、今回は聖杯もしくはそれに値する願望器のある世界のみで限定して登場させてください。
上級NPCですが、こちらも同じくそのキャラ自身が願望器を宿していたか、願望器を造ったなど深いかかわりを持つキャラでしたら登場させてもOKです。

360 ◆TUV54iMsXU:2022/12/01(木) 06:34:15 ID:tXV03CFM0
>>358
①の事前にマスターのことを把握していたり、同盟を組んでいたりするという設定についてですが。
恐らく、このロワの猶予期間が一ヶ月弱とかなり長く、加えて活動拠点(月海原学園やアカデミー)やロールが同じになる組み合わせも多いため、という点によるものかと思いますね。
故に「同じ場所に長期間居て、知らないのは無理があるのでは」という暗黙の了解が生じ、結果として「開始前から関係が構築されている」という飛躍した展開に繋がっていったかと思います。

361◆A1Sj87dFpOM:2022/12/01(木) 19:05:39 ID:???0
>>359
分かりました。自分としては最初から同盟を組んでいるよりも
参加者同士の出会いの経緯を書いた方が面白いと思うのでその方向で書いてみたいと思います。
それと上級NPCのことについてですが、旧作本編に登場したまどかやほむらやジークのように
「登場できなかったあのキャラやこのキャラを上級NPCとして勝手に登場させようぜ」みたいな感じで、
上級NPC扱いでキャラを登場させることが頻繁に繰り返されるようだと何でもありになってしまいますし、
キリが無くなると思うのでいっそのこと「NPC情報」にあらかじめ記載されている上級NPC以外のキャラは
上級NPCとして無断で登場させることは一切禁止位の制約を思い切って設けるのはどうでしょうか?
後、もう二つほど◆Mti19lYchg様に確認したいことと要望したいことがあるのでいいでしょうか?
一つ目は確認したいことですが、当聖杯戦争には「霊基研究所」という施設があって、そこでは「霊基再臨」が出来るという設定ですが、
旧作本編の中で五代の制約の中に『凄まじき戦士(アルティメットフォーム)は霊基再臨後まで変身できません』というのがあったり、
坂田銀時の制約の中に『亡虚の龍脈刀は一段階の霊基再臨されない限り、使用できません』というのがあって、それを見て思ったのですが、
例えば自分の採用サーヴァントで例えますと『フェクト・エフィリスを霊基再臨でカオス・エフィリスに強化する』とか
『メル・ゼナを霊基再臨で特殊個体メル・ゼナ(分かりやすく言うとリオレウス希少種とか激昂したラージャンとか怨嗟響めくマガイマガドとか傀異克服クシャルダオラ見たいな感じの強化個体です)に強化する』
といったようなそういった展開は『あり』なのでしょうか?自分は過去にfgoをプレイしていた時期がありましたので霊基再臨がどういったものなのか大体知っているつもりですが、
上記のように霊基再臨を利用して、サーヴァントを物語途中で強化するみたいなことは『あり』なのでしょうか?
それとも霊基再臨は上記のようにサーヴァントへの制約みたいな扱いにした方がいいのでしょうか?
また、霊基再臨での強化がありな場合、どのような条件で霊基再臨が可能なのかそういった設定や指定は何かあるでしょうか?
後もう一つは要望ですが、支援掲示板の方で本スレや予約スレが出来たようなので、出来れば予約や作品投稿はそちらでしたいと思っている次第なので
どうにか支援掲示板に書き込みが出来るよう、キャップやトリップを発行していただけないでしょうか?
先ほど念押しのために支援掲示板に要望を送りましたが、出来れば確認をよろしくお願いします。

362 ◆Mti19lYchg:2022/12/02(金) 23:28:22 ID:lItaiD4Y0
>>361
NPCに関してですが、同じくキリが無くなりそうなのでアポクリファのジークを入れて、それで勝手な登場は禁止という事にします。
霊基再臨ですが、サーヴァントが本来の力を発揮できるという設定にしようと思ってました。
設定や条件は考えてなくて、CCCにでた神話礼装を使えるようになる、ラスボス戦で強化できる仕様として考えてまして。
ですので、途中の霊基再臨に関しては衣装が変わって能力値はそのままということで。
ですが、これだとあまり意味なさそうなのでいっそ削除してしまいましょうか。ややこしくなりそうですし。
後、支援掲示板についてですが要望が届いていませんでした。
一応制限はすべて解除したはずですから、もう一度スレッドに書き込んでみてくれませんか?
度々ご迷惑をかけて申し訳ありません。

363◆A1Sj87dFpOM:2022/12/03(土) 10:05:25 ID:???0
>>362
ありがとうございます。支援掲示板のことですが試しに先ほど書き込みをしてみた所、
「ERROR!! 正引きと逆引きの結果が矛盾しています」というエラーメッセージが出て書き込みが出来ませんでした。
以前本スレに書き込みをしようとして同じエラーメッセージが出たことがあったのですが、
その時は管理人に要望を送ってキャップとトリップを発行してもらってそれを用いて書き込みをした所、
エラーメッセージが出ることなく無事に書き込みをすることが出来ました。
これから書き手として参加する以上、支援掲示板の本スレや予約スレを利用したいと思っている次第なので、
先ほど「掲示板管理者に連絡」を利用してキャップとトリップの発行要望を送ったので、
確認をお願いできないでしょうか?何度も何度もすいません……

364 ◆Mti19lYchg:2022/12/03(土) 12:33:55 ID:4UQ1UzsQ0
>>362
先ほどハンドル名の追加を行い、メールで送信しました。
内容のハンドル名とパスワードを使って試してみてください。

365◆A1Sj87dFpOM:2022/12/03(土) 15:51:46 ID:???0
>>364
無事書き込み出来ました!testスレに書き込みしたのでそちらで確認してください。
どうもありがとうございます。

366 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:41:51 ID:YHvrBbEw0
NPCの話が時間かかりそうなので先にOPを投下します。

367聖杯戦争 開幕 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:42:45 ID:YHvrBbEw0
 あなたは唐突に中空に浮かんでいた。
 そこは、まるで小惑星帯のように星々が動き、またぶつかり合っている宇宙空間のようだ。
 周囲を見渡すと、銀髪の青年が目の前に立っていることに気づいた。
「やあ。この地に最後まで残ったマスター」
 青年は柔らかい物腰で語り掛ける。
「改めて自己紹介しておこう。僕はこの聖杯戦争を司る裁定者、ルーラーのサーヴァント『アルヴィース』だ。
 聖杯戦争の本選開始まで、後1時間も無い。そこで君に質問を一つしよう」
 アルヴィースは指を一本立てた。
「『この聖杯戦争は聖杯のあるべき場所『楽園』に辿り着く者が既に確定している。そして、それは君ではない』」
 その言葉をアルヴィースが口にした瞬間、あなたの頭の中を何かが通り抜けた。彼の言ったことは真実であると思うようになった。
「そう知ったとしても、君は戦えるかい? 奇跡に手を伸ばせるのかい?」
 聖杯を手に入れるのは自分ではない。そう悟ったあなたの返答は――

368聖杯戦争 開幕 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:43:02 ID:YHvrBbEw0
『そうだとしても、確定した未来の後は白紙でしょ? 勝者の横からぶん殴って聖杯を手に入れられる可能性がある以上、未来が決まっていても、まだ現在を変える余地があるなら私は決してあきらめないわ』
『だったらそいつが聖杯にたどり着く道を探り、横から令呪をかっさらって私が願いを叶える』
『辿り着く者が決まっていたとしても、その後聖杯を手に入れるとは限りません。あなたが測定した未来でも現在を変える権利は今を生きる僕たちにあり、そして聖杯を手に入れるのは僕です』
『だったら私は……その未来を超えて聖杯戦争を止める!』
『私は! そんなこと信じない! 私は聖杯を手に入れて過去をやり直す!』
『波紋の催眠術みてーなこと使って言われても信じられねーな。それに俺は黒幕をぶちのめすのが目的なんだ。聖杯は悪人の手に渡らなければそれでいい』
『だとしても、私は『歌で人を幸せにするため』動き続け、だからこそ人が互いを傷つけあうこの聖杯戦争を止めたいです』
『私が辿り着かなくても、マスター皆が幸せになれる。そんな願いを叶えてくれるマスターを探してご奉仕します!』
『私はきっといるだろう誰も傷つけずに聖杯を手に入れて願いを叶えたいマスター達を探してみんなでその場所へ行きます。そうすれば本当にたどり着ける人間が誰だか分からなくなっちゃいますから」
『私自身が辿り着かなくても、そのマスターを傀儡にすれば結果は変わらないですねぇ』
『…………うるせー! 勝手に未来なんて決めてんじゃね―!! 私は絶対ゆりねをブッ殺すんじゃオラ―!!』
『俺は聖杯にたどり着く結果より、そこまでの過程で何を信じたくて、何を願いたいかを知りたい。だから手に入らないとしても戦う』
『私は聖杯も奇跡も何もわかりません。ですけど聖杯戦争を止める気持ち、ライダーさんを信じる気持ちだけは持ちたいです』
『あらかじめ決まってる出来レースだったらそんな問いかけ意味あるの? ただのチートじゃない。私はそんなことを信じずに聖杯へとたどり着いてみせるわ』
『私が辿り着かなくても、マスター皆が幸せになれる。そんな願いを叶えてくれるマスターを探してご奉仕します!』
『……だったら全てぶっ潰してやる』
『私は……聖杯を手に入れる。そのためならそのたどり着く人が聖杯に向かう途中でその人を殺してでも聖杯にたどり着く』
『もし聖杯が手に入らなくても、私が先輩を殺しさえしなければそれでいいんです』
『それでも俺は最後まであきらめずに戦い、生きるよ』
『オレはどうなってもいい。ただレオが辿り着くために戦うだけだ』
『洗脳など私にとっては無意味だ。聖杯を手に入れるのは私以外にいない』
『その辿りつく者ってのは『主催者』か『黒幕』の事じゃねえのか? もしくは辿り着いたヤツをそいつらが利用するとか。どっちにしても聖杯に繋がる道を見つけ裏から操ってる黒幕野郎をブチのめしてみせるぜ』
『それなら俺はそのただ一人だけが生き残る未来をぶち壊す!』
『俺は俺が聖杯にたどり着けなくても、戦いを止めるため、人を救うため戦うだけだ』
『……オレはあの時引けなかった引き金のために戦う。無駄死にだとしても奇跡に手を伸ばす』
『それでも例えばマスターみんなでそこに行きさえすれば、誰が本当にたどり着く人間かなんてわからなくなっちゃうでしょ? 私はそのために戦うわ』

「君の『覚悟』は受け取った。その意志が強く保たれん事を」
 あなたとアルヴィースの距離が離れてゆき、小惑星帯のような景色は暗闇に塗りつぶされていった。

369聖杯戦争 開幕 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:43:25 ID:YHvrBbEw0

 ◇ ◇ ◇

 教会内で言峰綺礼とDIOがそれぞれ手を後ろに、前に組んで空中投影パネルの前に立つ。
 カウントタイマーが00:00:00:00になった瞬間、パネルにマスターの名前とサーヴァントが並んで表示された。

No.01 遠坂凛 セイバー
No.02 巴あや セイバー
No.03 レオナルド・ビスタリオ・ハーヴェイ セイバー
No.04 衛藤可奈美 セイバー
No.05 二階堂ルイ アーチャー
No.06 ジョセフ・ジョースター アーチャー
No.07 ヴィヴィ アーチャー
No.08 桃宮いちご アーチャー
No.09 オネスト ランサー
No.10 ルビー・ローズ ランサー
No.11 邪神ちゃん ランサー
No.12 吉野順平 ライダー
No.13 香風智乃 ライダー
No.14 七海千秋 ライダー
No.15 ウィキッド/水口茉莉絵 ライダー
No.16 新条アカネ キャスター
No.17 間桐桜 キャスター
No.18 千翼 アサシン
No.19 ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ アサシン
No.20 狛枝凪斗 アサシン
No.21 ザキラ バーサーカー
No.22 エドワード・エルリック バーサーカー
No.23 上条当麻 バーサーカー
No.24 衛宮士郎 アルターエゴ
No.25 コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ アルターエゴ
No.26 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン ブレイド
No.XX ミザリィ アヴェンジャー、フォーリナー

【傭兵システム】 アーチャー エミヤ
【傭兵システム】 ランサー クー・フーリン
【傭兵システム】 アサシン 燕青


「ミザリィを除いた全マスターの端末に回線を接続」
 綺礼が口を開く。
「只今を以って聖杯戦争の本戦開始を宣言する。これより各自元の世界に戻るための扉は消え去り、聖杯を手に入れ帰還できるのはただ一人となった。
 その事実を認識し、皆存分に殺し合い給え。そして汝自身を以って最強を証明せよ。
 されば『天の聖杯』は勝者の元にもたらされん」

370聖杯戦争 開幕 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:43:43 ID:YHvrBbEw0
 ◇ ◇ ◇

 ビッグアイ屋上。
 真下で正月のパレードが行進している中、ガラクシアはそれを怒りの念を込めて睨みつけた。
「憎み、恨み、叫び、吠え、全ての者に何物とも知れぬ怒りを抱いてきた同志たちよ」
 ガラクシアは高らかに宣言する。
「時は満ちた。今こそ、我らガラクシアの底無き憎悪を存分に叩きつける時だ!」
 ガラクシアの胴体から機械の部品が作り出され、一つの何かが構築されようとしている。
 出来上がっていく形は、巨大な爆弾だ。
 完成した瞬間、ガラクシアはためらいなく起爆。轟音が鳴り響き、爆風が夜空を赤く染めた。

 ◇ ◇ ◇

 物質転換炉、特別捜査官ルームにてオペレーターが叫んだ。
「『ビッグアイ』屋上で大規模な爆発が確認されました!」
「録画をズームして爆発の対象を確認」
 動揺するオペレーターに対し、冷静にアルヴィースは指示を下す。
「これは……女性です! 女性が爆弾に体を変換しているようです!」
「顔認証システムで全ての監視カメラから同一人物をチェック」
 意図が分からないままオペレーターは指示に従い検索を始めた。
「確認できました。対象一致者はB-1地区『Eアイランド』内、D-2地区『ラストアンコール』屋上。D-5地区タウンゼン街、C-6地区ティア―ブリッジ1のケーブル上です。
 その全てが、10名以上の武装した人間を連れています」
「起動兵を随伴した防衛隊を出動。武装した人間共々テロリストグループ「ガラクシア」として処理。抵抗するなら射殺も許可」
「了解しました」
 驚きを隠せないルーム内のメンバーはアルヴィースに尋ねた。
「捜査官……あれは我々にとって未知の起動兵なのでしょうか……。自我を持つ起動兵は我々も所持していますが」
「あれは憤怒と憎悪の結晶だ。これが未知というならこれから先僕たちはさらに未知なる異変を目撃することになる」
 そう言ってアルヴィースはモニターに目を向けた。
「これで全ては始まった。これからは君たちマスターが未来を、世界を創るんだ。
 叶うならば、停滞と閉塞の未来ではないことを」
 アルヴィースは誰にも聞こえぬ小声で呟く。かつて自身が見届けた『二つ』の『世界創造』を思い起こして。


――――聖杯戦争、開幕――――

371 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:44:10 ID:YHvrBbEw0
以上、投下終了です。これより予約を受け付けます。

372 ◆Mti19lYchg:2022/12/05(月) 02:58:25 ID:YHvrBbEw0
OPを一部修正しました。

『そうだとしても、確定した未来の後は白紙でしょ? 勝者の横からぶん殴って聖杯を手に入れられる可能性がある以上、未来が決まっていても、まだ現在を変える余地があるなら私は決してあきらめないわ』
『だったらそいつが聖杯にたどり着く道を探り、横から令呪をかっさらって私が願いを叶える』
『辿り着く者が決まっていたとしても、その後聖杯を手に入れるとは限りません。あなたが測定した未来でも現在を変える権利は今を生きる僕たちにあり、そして聖杯を手に入れるのは僕です』
『だったら私は……その未来を超えて聖杯戦争を止める!』
『私は! そんなこと信じない! 私は聖杯を手に入れて過去をやり直す!』
『波紋の催眠術みてーなこと使って言われても信じられねーな。それに俺は黒幕をぶちのめすのが目的なんだ。聖杯は悪人の手に渡らなければそれでいい』
『だとしても、私は『歌で人を幸せにするため』動き続け、だからこそ人が互いを傷つけあうこの聖杯戦争を止めたいです』
『私が辿り着かなくても、マスター皆が幸せになれる。そんな願いを叶えてくれるマスターを探してご奉仕します!』
『私はきっといるだろう誰も傷つけずに聖杯を手に入れて願いを叶えたいマスター達を探してみんなでその場所へ行きます。そうすれば本当にたどり着ける人間が誰だか分からなくなっちゃいますから」
『私自身が辿り着かなくても、そのマスターを傀儡にすれば結果は変わらないですねぇ』
『…………うるせー! 勝手に未来なんて決めてんじゃね―!! 私は絶対ゆりねをブッ殺すんじゃオラ―!!』
『俺は聖杯にたどり着く結果より、そこまでの過程で何を信じたくて、何を願いたいかを知りたい。だから手に入らないとしても戦う』
『私は聖杯も奇跡も何もわかりません。ですけど聖杯戦争を止める気持ち、ライダーさんを信じる気持ちだけは持ちたいです』
『あらかじめ決まってる出来レースだったらそんな問いかけ意味あるの? ただのチートじゃない。私はそんなことを信じずに聖杯へとたどり着いてみせるわ』
『私が辿り着かなくても、マスター皆が幸せになれる。そんな願いを叶えてくれるマスターを探してご奉仕します!』
『……だったら全てぶっ潰してやる』
『私は……聖杯を手に入れる。そのためならそのたどり着く人が聖杯に向かう途中でその人を殺してでも聖杯にたどり着く』
『もし聖杯が手に入らなくても、私が先輩を殺しさえしなければそれでいいんです』
『それでも俺は最後まであきらめずに戦い、生きるよ』
『オレはどうなってもいい。ただレオが辿り着くために戦うだけだ』
『誰が聖杯にたどり着いても、僕が希望に溢れた聖杯戦争にしてみせるよ』
『洗脳など私にとっては無意味だ。聖杯を手に入れるのは私以外にいない』
『その辿りつく者ってのは『主催者』か『黒幕』の事じゃねえのか? もしくは辿り着いたヤツをそいつらが利用するとか。どっちにしても聖杯に繋がる道を見つけ裏から操ってる黒幕野郎をブチのめしてみせるぜ』
『それなら俺はそのただ一人だけが生き残る未来をぶち壊す!』
『俺は俺が聖杯にたどり着けなくても、戦いを止めるため、人を救うため戦うだけだ』
『……オレはあの時引けなかった引き金のために戦う。無駄死にだとしても奇跡に手を伸ばす』
『それでも例えばマスターみんなでそこに行きさえすれば、誰が本当にたどり着く人間かなんてわからなくなっちゃうでしょ? 私はそのために戦うわ』

373 ◆Mti19lYchg:2022/12/18(日) 14:19:14 ID:j.69CfIw0
私事ですが、現在個人的な事情によりNPC達の話を完成できるめどが立っていません。
そこでOPを投下したこともあり、予約を解禁します。
ぐだぐだで申し訳ありません。

374名無しさん:2023/03/19(日) 17:24:13 ID:asMvV4pU0
これだけ、音沙汰ないことを見れば……まぁ、エターだよな。

この先の展開に対する理想もあっただろう。「忙しいから」なんて張らなくていい見栄を張るだろう。
でも、書き上げる前に「飽きてしまう」か「やる気が湧かない」で潰れてしまうのが現実ってもんだよな。

「飽きる」も、「やる気がない」も、人としては当たり前のこと。
所詮は一人一人の趣味。やらないことや出来ないことは、何も悪いことじゃない。何の責任もなければ、義務もないからね。
周りだって同じ気持ち。その結果、協力してくれなくなるのも、離れて行くのも、盛り上がらないのも、当たり前ことなのよ。

この企画は元より「失敗」に終わっていることだけどさ、現実を受け入れられなかったことが「失敗の原因」なんじゃないかな、って思う。

375 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:55:22 ID:pDl76sXU0
投下します。

376生者と死者 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:56:18 ID:pDl76sXU0
 D-2地区にある「ラストアンコール」市営図書館、コンサートホール・劇場・会議室・展示室などを擁する複合施設。文化交流にもうってつけの場所だ。
 そこで現在飛び交っているのは弾丸である。
「射殺許可が出ている。応戦せよ!」
 防衛隊と、ガラクシアグループが撃ち合う中、突然鋼製のロープがガラクシアグループを襲い、纏わり、縛り付けた。
 防衛隊がロープが出た方を見ると、そこには錬金術顧問の姿があった。
「ビル周囲の人間はあんたらが相手してくれ。オレは屋上のテロリストを無力化してくる」
 エドワード・エルリックは両手を合わせ、地面にあてた。
 すると見る見るうちに地面から柱が生え、石板が組み合わさってゆく。
 あっという間に屋上まで届く階段ができ、防衛隊の面々はぽかんを口を開けた。
「後よろしく!」
 エドと、その後ろには学生服の屈強な男が階段を上っていく。
 それを見た防衛隊の面子は銃声で事態が終わっていないことを思い出し、戦闘に入った。

377生者と死者 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:56:39 ID:pDl76sXU0
「やっと現れたな、テロリスト達を陰で操っていたサーヴァント!」
 階段を上り終わったエドは、そこにいた少女――否、違った。マスターに与えられたサーヴァントのステータスを読み取る透視力でエドは少女はサーヴァントだと認識できた。
「貴様の名は知っていた。エドワード・エルリック」
 少女が口を開く。思ったより幼い声だった。
「私達ガラクシアの者達は心臓の魔術回路を励起状態にし、手を重ねる合図で暴走させ、爆発する。
 その仕組みを魔術を知らずによくぞ見抜いたものだ。おかげで自爆し損ねた同士が大勢いる」
「錬成陣を二つに分けて、合わせることで術を発動させるタイプの錬金術師を知っていたからな。
 マスターを狙うために人を巻き込んで無理やり自爆テロなんて起こさせてんじゃねえ!」
「無理やり? 貴様は勘違いしている。我々は自分の意志で自己を証明しているのだ」
「何の証明だ!」
「我々が人類史の繁栄の裏で切り捨てられた者達である証明だ」
 そう語るガラクシアの瞳には深い憎悪の念が込められていた。
「例えばだ。一つの王国の民50万人がほぼ皆殺しにされたとする。
 その恨みの業火は消すことが出来るだろうか?
 消せたとしたら、それでどのような恩恵が得られるのだ?
 得られたものは、果たして労力をかけただけの価値があるのか?
 恩恵から得た未来はいかなるものか?」
 それを聞きエドには閃くものがあった。国土錬成陣により不老不死に限りなく近づいた父親と『お父様』の存在を。
「お前は……その王国の民50万人の魂から作られたってのか?」
「魂ではなく血だがな。だが彼らの意志は私に受け継がれている。ガラクシアとは王国の名であり、民たちの怨念により作られた自我ある明日無き兵器。つまりは私の事。
 明日を考えられるのは未来を得た者たちだ。だが私達『亡霊(デッドフェイス)』には過去の恨み、憎しみ、怒りしかない!
 もし、貴様が先へ進むことしか考えないのなら、我々はそのために切り捨ててきた者たちだ!」
 それを聞いたエドの脳裏に浮かぶのは、救えなかった一人の少女。思わずエドは手を握り締めた。

378生者と死者 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:57:04 ID:pDl76sXU0
「……ふざけんなって怒鳴りたい一方、成程ってどこか納得できる自分がいる。オレにも過去への怒りってのがあるからな。殺しはしなくても一発以上ぶん殴りたいやつがいるが、それを我慢した奴がいるから俺も我慢した男がいる。
 オレがあいつを倒し、先に進む今でも忘れられない、忘れちゃいけない事がある」
 エドは左手で右腕を強くつかんだ。
「だからオレは先に進む。だけどその過程で得た痛みから逃げることはしねぇ! そしていつか進んだ先には……救えなかった人たちに報える道があるって信じている!」
 強い意志を込めた瞳でガラクシアを見つめるエド。それを聞いたガラクシアは、承太郎に視線を向けた。
「エドワード・エルリックのサーヴァント。貴様はどうだ? 英霊となった今は敗者に何か感じることはあるか?」
 承太郎は帽子を深くかぶり直した。
「俺から言えることはただ一つ。『恨み』は人間が受け継ぐものでも『カス』の部類という事だけだぜ」
「そうか……ならば貴様から死ね!」
 そう言ったガラクシアの手が円筒状に変換されていく。組み上げられたものは大砲。
 ガラクシアは承太郎に砲口を向けて弾丸を発射。
「『オラァ!』」
 対して承太郎は身動きせず、承太郎の側に現れ立つ者――スタンド・スタープラチナを出現させ、弾丸を拳で弾き飛ばした。
 はじかれた弾丸は、承太郎達の遥か後方で爆発し、閃光が二人の影を作る。
 その影に沿うように二人はガラクシアに向かい突進した。
 ガラクシアは砲弾を連射。それをことごとく承太郎は弾く。
 続いてガラクシアは腕を長い刀に変え、横凪ぎに振るいマスター、サーヴァント共々真っ二つにしようとする。
 スタープラチナは白刃取りで受け止め、気合を入れてへし折った。
「食らい尽くせ、わが同志達よ!」
『イタダキマース!』
 その一瞬をつき、ガラクシアから人形サイズのガラクシアがボコボコと分裂して生まれ、エドたちに襲い掛かる。
 ある者は砲、ある者は刀、ガラクシアと同じ武装を体に合わせたミニチュアサイズで携えて。
「ミニチュアでも殺傷力は本物じゃねえか!」
 エドは地面に横周りしてかわし、承太郎は片っ端から人形ガラクシアを叩きのめす。
 ガラクシアは両者が対応している間に間合いを取りバックステップ。
 エドはガラクシアの着地に合わせて両掌を打ち鳴らし、屋上に両手を付けた。
 そこから屋上の一部が鋼製のロープに変じ、ガラクシアを縛り上げる。
「捕まえた。これから色々と吐いてもらうぜ」
 エドが勝ち誇った笑みを浮かべた。
「馬鹿め、捕まえられたのは、貴様らの方だ!」
 嘲笑と共にガラクシアは自分の身体を爆弾へと変化させ――

379生者と死者 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:57:22 ID:pDl76sXU0
「『スタープラチナ・ザ・ワールド』!」

 ――時は『静止』した。

 全てが停止した世界の中で、承太郎はガラクシアに近づき、爆弾が臨界状態に達している事を見て取った。
「やれやれ、これじゃあぶっ飛ばすしかねえな」
 承太郎はスタープラチナの地を這うアッパーカットで。
「オラァ!」
 ガラクシアの身体を、ロープを引きちぎる力を上空に浮かせた。
 半壊したガラクシアは十数メートルは飛んだところで停止し。
「『時は動き出す』」
 吹き飛んだガラクシアは空中で爆発した。
「何だ⁉」
 突然の空中の爆発に驚くエド。
「今お前が何かやったのか⁉」
「ああ、俺が時を止めた。爆発まで時間がなかったんでな」
「そっか、ありがとな」

「あいつが言っていたデッドフェイスって何なんだ? 下で捕まっている人たちがそうなのか?」
「俺も詳しくは知らねーが、端的に言えば『動く死者』。体は死んでも精神は活動し、生きながら死に囚われた呪いのようなもの、らしいぜ」
 最後の決戦で『お父様』が生み出したあの人達みたいなものか。そうエドは得心した。
「だからあいつらが自爆しようと、ガラクシアがそれを操って自分も自爆しようと、俺たちの聖杯戦争には何の関係もねーし、死んでいてもそれを認めないならいっそ突き付けてやるのが慈悲ってもんだ」
 エドは頭を振った。
「オレはそう知っても、あの人達を人間じゃないと思いたくない。もちろんガラクシアもだ。
 ガラクシアがオレの知っているホムンクルスとほぼ似たような存在ならなおさらだ。
 サーヴァントもデッドフェイスもこの世界を生きる人たちだ。殺しは嫌だ」
 エドの言葉に対し、承太郎は深くため息をついた。
「……やれやれだぜ。おめーは『人間』って奴の定義が広すぎだな」
「すまねえな、こんなマスターで。それでも黒幕にたどり着く気持ちは本物だ」
 エドは承太郎に背を向け、階段を下り始めた。
「構いはしない。俺の苦労が増えるだけだ」
 承太郎もそれに続いた。

380生者と死者 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:57:51 ID:pDl76sXU0
「報告です。ここでのテロリストは全て鎮圧しました。ですがB-1地区『Eアイランド』内、D-5地区タウンゼン街、C-6地区ティア―ブリッジ1にまだ残っています。
 Eアイランドは特別捜査官が向かうとのことで、錬金術顧問には残り二つのどちらかに向かって鎮圧の助力を願うとの特別捜査官からの連絡がありました」
 階段から降り切ったエドは舌打ちした。
「ったく、ガラクシアはどんだけ現れるんだ? キノコかあいつら」
 エドは顎に手を当て考える。
「よし、タウンゼン街に向かう。そこからティア―ブリッジといこう」
 そう結論を出した時、大気量の排気音が鳴り響いた。
「てめーも結構損な性格してるな」
 その正体はサイドカーを付けたバイク。それに乗った承太郎だった。
「うるせー。ここまで関わったからには最後まで面倒見てやる」
 言い終わったエドは、サイドカーに乗り一気にふかしたエンジンで急加速して発進した。
 向かう先はD-5地区。相手は同じガラクシア――


【ガラクシア@白銀のカルと蒼空の女王  消滅】


【D-2 シカルゴ街「ラストアンコール」/聖歴111年1月1日 未明】

【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]赤マント
[道具]なし
[所持金]500万QP
[思考・状況]
基本行動方針:黒幕を探り当て、ぶちのめす。
1.早く黒幕にたどり着くため、戦争の早期収束へ向かう。
2.『ジョセフとの打ち合わせ』は現在登場しているガラクシアを倒してからだ。
[備考]
『ジョセフ・ジョースター』と面識があり、打ち合わせが入っております。

【バーサーカー(空条承太郎)@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]魔力消費(小)
[装備]スタンド「スタープラチナ」
[道具]サイドカー付きバイク
[所持金]500万QP
[思考・状況]
基本行動方針:黒幕を探り当て、ぶちのめす。
1.早く黒幕にたどり着くため、戦争の早期収束へ向かう。
2.やれやれ、若いジジイか……
3.DIOの野郎がいるなら、何度でもブチのめしてやる。
[備考]

381 ◆Mti19lYchg:2023/11/20(月) 23:58:14 ID:pDl76sXU0
以上、投下終了です。


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