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二次キャラ聖杯戦争OZ Re:visited
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◆A1Sj87dFpOM
:2022/11/26(土) 20:25:18 ID:???0
そう言われてもイチゴは素直に信じる気になれなかった。変身状態のまま暫く睨み合いが続くがやがてしびれを切らしたのか言峰が口を開く。
「さて、いい加減君も変身を解除してくれないかね?このままでは話を進めることが出来ない。このままずっと睨み合ってるわけにはいかないだろう?」
「……分かりました。」
イチゴは未だ男を信用することは出来なかったが取り敢えず向こうが危害を加えてこないことが分かると変身を解除して元の桃宮いちごの姿に戻り、言峰の話を聞くことにする。
いちごは言峰から聖杯戦争のルールについて一通り教わった。
聖杯によって選ばれた(今回の場合は星晶石が招待状)参加者であるマスターとそのサーヴァントが生き残りをかけて戦うということ。
聖杯はどんな願いでも叶える願望機であり、手に入れられればありとあらゆる願いを叶えることが可能だということ。
そして聖杯にアクセスするためには令呪の存在が必要不可欠であり、3画全て失えば失格となるということ。
「……なに、それ……幾ら何でも意味分かんないよぉ……」
「まあ、そうだろうな。大体のマスターは君のように荒唐無稽な夢物語と一蹴するのが普通だ。」
いちごは自らもミュウミュウに変身したり、宇宙からやってきたエイリアンと戦ったりしている身ではあるが、言峰の話はそんな自らの実体験を遥かに上回るような荒唐無稽な話であり、自らがミュウミュウであることと、キッシュ達エイリアンの存在を除けば普通の女子高生に過ぎないいちごにとっては言峰の話を現実として受け入れるのは無理がある話であった。
それに仮に言峰の話が全て本当の事だったとしてもいちごはこの聖杯戦争に参加する気にはなれなかった。
「……もう帰して……」
「ん?」
訝しむ言峰に対し、いちごは自らの意思をはっきりと伝える。
「私は願いを叶えるために他の誰かを殺すなんてそんなこと全然理解できないし、そんなことに参加なんてしたくない!!私はそんなことに参加なんてしたくないから私を元の世界に帰して!!」
「そうか……君はこの聖杯戦争に参加しないというのか……」
綺礼は目を細め、心なしかつまらなさそうな口調になる。
「君が参加したくないと言うのであれば私からはもう何も言うまい。帰還ゲートはそこの扉だ。すぐにでも使用可能だから好きに使うといい」
言峰綺礼は説教台の隣にある扉を指さす。いちごがその扉の存在を確認し、真っ直ぐ扉に向かおうとした時だった。
「あら、あなたは本当にそれでいいのかしら?」
帰還ゲートに向かおうとしたいちごの背中に幼い声が投げかけられた。
それはこれまでいちごとと言峰のやり取りに対し、沈黙を守っていたアーチャーのサーヴァント、フランドール・スカーレットであった。
フランドールの言葉に反応したのか、いちごはその場で足を止め、フランドールの方に向き直る。
「本当にそれでいいのかって……それってどういうこと?」
「だってあなたは地球の未来を守る魔法少女『東京ミュウミュウ』なんでしょ?目の前で人の命が奪われようとしているのにそれから目を背けて元の世界に逃げ帰るなんて……恥ずかしいとは思わないの?」
自分よりも幼い少女に上から目線で説教されたことが我慢ならなかったのか、いちごは思わずその場で憤慨する。
「何よ!!まだ小さな子供のくせに分かったような口をきいて!!あなたに一体何が分かるっていうの!?」
「あら、あなたは相手を見た目で判断するのかしら?言っとくけど私はあなたよりも遥かに長い年月を生きているのよ?」
普通なら今のフランドールの言葉をハッタリだと一蹴する所であるが、いちごはそうすることは出来なかった。
確かに目の前の少女、フランドール・スカーレットは見た目だけなら自身よりとずっと幼い少女であるが普通の生物では有り得ないような奇妙な形状の翼や彼女の身に纏う雰囲気、そして何より予選でシャドウ相手に見せた圧倒的な強さから、目の前の少女の発言がハッタリではなく本当のことなのではないかといちごは感じていた。
「それとも……私はあなたのことをこう呼べばいいのかしら?『いちごのおねえちゃん』?」
「!!?」
フランドールの言葉にいちごは思わずズキューンときてしまった。彼女の仲間の中にはいちごの事を「いちごのお姉ちゃん」と呼び慕う、メンバー最年少の黄歩鈴がいたがそんな歩鈴よりも幼い容姿のフランドールに「いちごのおねえちゃん」と呼ばれたことでいちごの心は思わず揺り動かされてしまったのだ。
「か……かわいいぃぃぃーーーーー!!!」
いちごはたまらずフランドールに駆け寄り、彼女に急接近すると彼女の小さな身体を抱き上げる。彼女は元々可愛いものが好きという女の子らしい趣味があったのだが、それだけでなく彼女は家では兄弟姉妹がいない一人っ子であったため、妹の存在に心の中では密かに憧れを抱いていたのだ。
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