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二次キャラ聖杯戦争OZ Re:visited

336◆A1Sj87dFpOM:2022/11/26(土) 20:27:47 ID:???0
「……ねえ、私はどうしたらいいと思う?私は人を殺してでも願いなんて叶えたいとは思わない。勿論願いがないと言えば噓になるけどそのために人を殺すなんて嫌。そんな私に何か出来ることが本当にあるの?」
「あら、簡単じゃない。エイリアンの襲来や石油の噴出が『異変』であるのならこの聖杯戦争もまた『異変』と呼べるものじゃないかしら?それを解決するのもまた、魔法少女としての使命じゃないかしら?」
「……」
フランドールの言葉を聞いてもいちごの内には未だ迷いがあった。東京タワーでの決戦以来、キッシュ達エイリアンの活動は報告されておらずミュウミュウとして活動する必要性は元の世界では現状失われているがだからといって殺し合いに身を投じるのには未だ引け目を感じていた。

いちごはダメもとで言峰綺礼に質問をしてみる。
「あの……もし仮に私が聖杯戦争に参加しなかったとして……それで参加人数が足りなくなって聖杯戦争が中止に……なったりはしませんかね?」
だがいちごの質問に対し、言峰は無情にも首を振り、回答する。
「残念だがそれはないな。仮に君が参加しなかったとしても聖杯戦争は他の参加主従で予定通りに行われる。そして参加したマスターとサーヴァント同士で聖杯を巡って殺し合いが発生するだろう。要はこの聖杯戦争に君たちが参加して介入するかしないか、それが変わるだけの話だ。」
それに、と言峰は更に言葉を続ける。
「聖杯の力は数多の平行世界・多元宇宙へと及ぶ。手にした者の願いによっては君の世界にも影響が及ぶかもしれん。そのうえでよく考えたまえ。聖杯戦争を辞退し元の世界に帰るか、聖杯戦争に参加しマスターとしてサーヴァントと共に戦い抜き、聖杯を目指すか。」
「……」

言峰の言葉を聞き、いちごのこれからの方針が固まりつつあった。いちごは欲張りなのである。いちごは青山雅也が大好きである。だがそれだけでなく、同じミュウミュウの仲間として出会った藍沢みんと、碧川れたす、黄歩鈴、藤原ざくろとの絆も、彼女たちとカフェミュウミュウで皆とお喋りをしたりして楽しく過ごした時間も、カフェミュウミュウで赤坂圭一郎が作ってくれる美味しいケーキも、自分の大切なお父さんとお母さんも、学校の友人である本条みわと柳田もえも、青山雅也と一緒に行った動物園や河原もみんなみんな大好きなのであった。
それら全てを聖杯の力によって歪められ、失ってしまうことはいちごにとっては何よりも耐え難いことであった。

いちごは決意を固めた表情で言峰を見据え、言葉を発する。
「私……聖杯戦争に参加します!」
「へえ……覚悟は決まったようね。」
「ほう……それはどういった風の吹きまわしかな?」
言峰の疑問に対し、いちごは理由を話す。
「私だってまだ誰かを殺して願いを叶えたくないという気持ちはある……でもミュウミュウになったその日から、この力を誰かを救うために使うと決めていました。目の前で誰かの命が奪われようとしているのにそれを見て見ぬふりをする位なら……私はその人に手を差し伸べて全力で救うことを選びます。それがミュウミュウとして私にできる闘いです。」
「フッ……いいだろう。」
いちごの宣言に対し、言峰は笑みを浮かべる。

「桃宮いちご。君の参戦を聞き入れた。聖杯は君を歓迎するだろう。細かいルールは端末のヘルプで参照できるが他に質問はあるかね?」
言峰の最後の問いかけにいちごは決意を込めた表情で答える。
「大丈夫です。話がこれで終わりならこれで失礼します。さっ、行くよアーチャー。」
「一時はどうなるかと思ったけどこれで一安心ね。これであなたも立派な魔法少女だわ。」
「だから私は魔法少女じゃなくてミュウミュウだってば。」
いちごとフランドールはそんなやり取りをしながら言峰に背を向けて、、教会の出口である扉に向かって歩く。
「喜べ東京ミュウミュウ。君の願いはようやく叶う。」
綺礼は立ち去ろうとするいちごの背中へそう言葉を投げかける―――

―――桃宮いちごとフランドール・スカーレットは教会を後にした。


◇   ◇   ◇


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