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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』

160小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/11(土) 06:06:48
>>159

  「……いえ――『ありません』」

  「赤い町並みを見て、いつか耳にした『赤い空』の話を思い出したものですから……」

  「もし、この町の空が赤ければ――『似つかわしい』のではないか、と……」

探りを入れるつもりは少しもなかったと言えば、嘘になる。
しかし、期待していた訳ではない。
ただ、『スタンド使いであることを隠そうとしていない』という可能性はなくなった。

  「そうですね……」

  「これで時間が分かるというのは……何か不思議に思えます」

  「『神秘的』というと少し違うかもしれませんが……」

  「何となく……この町には似合っているような――」

  「――そんな気がします……」

この『日時計』に、これ以上の気になる点は見当たらなかった。
少し変わった名物ではあるけれど、おかしいとは思えない。
少なくとも、今のところは。

  「……『遊園地』があるというようなお話も聞きました」

  「どのような場所か見てみたいと思うのですが……」

案内板を眺めて、『遊園地』の位置を調べる。
現在地から歩いていける距離なら、道順を頭に入れておきたい。
もし遠ければ、この近くにバス停などがないか確かめる。
小さくても『遊園地』なら、そこに行くまでの『交通機関』も用意されているかもしれない。
そういった移動手段があるなら、それを利用することも考えたい。

161黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/11(土) 20:04:22
>>159
「見たところ……相当大きそうですね……。
 近頃は、防犯を意識して……関係者以外立入禁止が普通……。
 ……どういう学校なのか……少し興味があります……」

ホテルの類があるか確認する。
遊園地があるならどこかしらで泊まれそうだが。

(ガイドさんたちは……予定外という感じでしたが……どうするんでしょう?
 私は別に……外でも寝れますけど……)

162宗海『エトセトラ』:2019/05/12(日) 22:50:07
>>159
「では、『タクシー』で参りましょう」

タクシーを待つ。

163『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/13(月) 14:20:14
>>160(小石川)

「…………ああ、『夕方』になったら、きっと映えますよね〜。
 あのカメラマンのヒトがここに滞在してんのも分かる気がするなぁ〜」

この青年の言葉は『軽く』中身が見えない。
単に詰まっていないだけなのかもしれないが、
あえて詰めていない、としてもおかしくはない。
悪意か善意か、それについても判然とはしない。

「町自体が神秘的? っていうか、『浮世離れ』してるっていうか?
 雰囲気の話ですけど〜〜、なんかそういうの、良い感じですよね〜〜」

スタンド影響下の謎の町と分かるなら、警戒は誰でもするだろう。
もっとも、日時計の前で彼女の考えたであろうポーズを決めていた小角などは、
知人が多いからか場慣れしているのか、目に見える慌てはもう消えていたが。

「遊園地? いいですねぇ、こういうとこのローカル遊園地って味がありますよ。
 おれも、そ〜こまで詳しいってわけじゃあ、ないんですけどぉ〜〜〜」

「『なんでそんなデザインにした?』って言いたくなるようなキャラがいたりとか〜〜っ」

歩いて行けなくもない……気はするが、相当に疲れる距離ではある。
それよりはこの近くと、遊園地の付近に書かれたバス停の表記をアテにするのが良さそうだ。

「じゃ、遊園地行ってみます? おれ、遊園地とか結構行くんで得意ですよ」

           ヘラッ

どうやら緑里はこの後も同行するようだ。

・・・というより、このナンパ男は何も言わなくても着いて来そうな気はする。
もし何か理由があって着いて来てほしくない時が来たら、明言した方が良さそうだ。

>>161(黒峰)

ホテルは近辺にも見つかる。硬い名前から察するに、ビジネスホテルだろう。
それから推定『旅館』も一軒……これは商店街の方にあるようだ。
ほかに遊園地の側にもホテルはあるらしく、泊まる場所には困るまい。

「デカい『大学』とかなら知らない人が入れるのもまーよくあるけど、
 名前的に『高校』でしょこれ。流石に校舎とかには入れないんでしょーけど」

「歩いて行けなくもない距離っぽいし、行きたいなら行っても良いけど? 行きたいならね」

笹井は、無意味とは分かっているのだろうが、
最新型スマホの画面を未練っぽく撫でつつ言う。

>>162(宗海)

タクシーはすぐに到着し、二人を載せて『隕石落下地点』に向かった。
運転手は特に雑談を好む者でもなく、出雲もそれに口は開かない。
道路はさほど混んでおらず、赤い街並みがハイスピードで流れていく。
沈黙が苦にはならない程度には『華やか』に映える風景ではあったが、
住んでいる人間も『特別』かと言えば、特にそういうわけでもないらしく、
星見町と違いがあるなら、『歩き携帯』がほとんど見られないくらいだ。

・・・・・・十数分後には、『それ』が見えた。

「着きましたよ、『隕石落下跡』」

「早速、落下跡見に行くッスか?
 それともこの辺の散策でも?
 ――まあ、赤くもないただの公園ッスけど」

止まったタクシーから降りれば、自然公園のような趣きの風景。
流石に芝生や木々まで赤いはずもなく、空気の澄んだ冷たさ以外は『普通』だ。

「観光スポットにはイマイチですけど、
 地元民はここで犬の散歩とかしてるッスね」

と出雲が言う。その視線の先には確かに、犬連れの若い女性がいるようだった。
特に際立って目立つ様子もない。空が赤い以外にこの町に異常は・・・『今のところ』見られない。

164小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/14(火) 00:53:16
>>163

  「――ええ……行きましょう」

今は、一人にならなければいけない理由はない。
むしろ、それを防ぐために同行を申し出たのだから。
もし差し迫った危険などが見えれば、それに応じて対応を考えたい。

  「『遊園地』までは、バスが通っているようです」

  「『バス停』は……」

周囲を見渡し、この近くにあるらしい『バス停』を探す。
見つかったら、出発時間と行き先を確かめたい。
今の時間に最も近い便に乗って、『遊園地』に向かうことにする。

   ――……

バスの車内にいた時から、『スーサイド・ライフ』を発現し続けている。
しばらく何も起こらないなら、今は消しておくべきだろうか。
ただ、その後で起こる何かを見落とす可能性があるかもしれない。
それを考えると、解除することがためらわれる。
今の状態から疲労を感じるまで、まだ猶予があるかどうかを確認したい。

165黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/14(火) 19:22:37
>>163
「行ってみたいですね……。
 ……特に何もなく……すぐ他所へ向かうことになるかもしれませんけど……」

歩いて行ってみよう。

166ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/14(火) 22:34:24
>>159
「なるほど」
「では、『商店街』へ向かいましょう」

スマートフォンで現在時刻を確認し、3人を待って目的地へ移動しようとする。

167宗海『エトセトラ』:2019/05/14(火) 23:00:29
>>163(GM)
「『クレーター』がハッキリと目立つのなら、
 行ってみたいですけれど、――――『説明書き』はあります?」

自身もタクシーから降りると、澄んだ空気を静かに吸い込んだ。

「クイズ。世界で一番、隕石が発見されてる場所は?
 ……答えは『南極』。世界のおよそ『8割』の隕石が、
 『南極』で発見されてますけれど――――」

「別に『地軸』や『重力』の影響で、
 『南極』にたくさん落下するわけじゃあないんですよ」

別段、意味のある行為ではないが、
話をしながら『犬種』を確認する。宗海は『犬派』だ。

「周りが『氷』だから、見つかりやすいだけ。
 ですから、『落下跡』が残る程の『隕石』であれば、
 『神話』や『伝説』が残るんじゃないか、って思いましたけど」

「――――大体の『落下地点』は、近現代でもない限り、
 その『落下』に尾ひれが付きまとうものですから……」

168<削除>:<削除>
<削除>

169<削除>:<削除>
<削除>

170『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/15(水) 16:35:17
>>164(小石川)

遊園地のほうに向かうバスは、数分後にも訪れるようだった。
周り・・・『おかっぱ』『小角』らを特に気にしないのであれば、
問題なくバスに乗り込み、そのまま遊園地に到着してしまえそうだ。

「バスですか〜。おれ小銭めっちゃあるんでバラしたかったら言って下さ〜い」

疲労については――――『スーサイド・ライフ』は『2時間』は能力を持続させられる。
まだ1時間も経過していない今、運動を伴っているとはいえはっきりした疲れはない。

問題があるとすれば、深く刺したとはいえ『刃』に固定などはない事か。
歩き回っているだけならいいが、足を動かせば当然それだけ『干渉』する。
もちろん、落としてしまっても『スタンド使い』以外には見られないし、
見られたとしても何か『攻撃』しているわけでもないので、致命的ではないにせよ。
逆に『帽子』で隠している『耳目』は、何かの拍子で見られれば『よろしくない』だろう。

>>165(黒峰)

「学校だもんね。校庭開放っても、別に『観光地』じゃなくて地元民向けでしょーし」

               スタスタ
                    スタ
笹井も歩いてついて来る。
地図通り、そう時間がかからず『それ』が見えてきた――――まずは『時計塔』が。
そしてそれが何の建物なのか考えるより早く、隣接する清廉な『校舎』が。

「デカッ」

笹井のシンプルな感想も無理はないかもしれない。
星見町が誇る『小中高大一貫校』の『清月』にも匹敵する学舎。

                       ――――『私立鏡ヶ丘学園』だ。

>>166(ヨロズ)

現在時刻は『11時50分』を過ぎている。商店街に着くころには『12時』を回るだろう。

『大丸』:
「そろそろお腹すいて来ますしね、私がすいてるわけじゃないすけど」

『仲真』:
「『名物』とかあるのかなぁ〜? あたし、えと、甘いものとか食べたいなぁ〜!」

『小角』:
「う、うむ、行こうか。……この町の『謎』を解く鍵は、今のところ見当たらないしな」

小角はさほど周囲を探索していなかったようなので、鍵がないとは言い切れないが、
まあ、確かに赤い霧の『ヒント』のようなものが配置されていたりはしなかった。
あるいは――――スタンド能力の影響である以上、『そんなものはない』かもしれないが。

          スタ

             スタ

『小角』:
「………………………………よ、ヨロズさん、ちょっといいかい」

そうして商店街に向け歩く道中・・・相変わらず、三人組の中では先頭を歩く小角が小さな声で話しかけてきた。

>>167(宗海)

「まあ、映像記録が残ってるような『最近』落ちた物でもないし、
 今ある『クレーター』が、本当に隕石で出来た物なのかどうか」

「その辺はわかんないッスけど……ありますよ、一応。
 それに『説明書き』も。もうちょっと歩きますけどね。
 ――――『伝承』とかが好きなんスか?」

             ザッ

「この町は、『そういうの』はそこまで多くはないんスよね〜」

犬種は『チワワ』だ。別段、珍しいものでもないが、『王道』の愛らしさがある。
出雲に着いていけば、『落下痕』と説明書きにたどり着くまでにそう時間はかからない。

       ザッ

「・・・・・・?」

その出雲が足を止めたとき、視界にまだ『それらしい』ものはなかった。
彼の視線の先には普通に今風な恰好の男がいるだけだったし、彼も少しして、歩くのを再開した。

171黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/16(木) 18:55:43
>>170
「……これは……本当に大きい……。
 ちょっと、予想以上に……」

人はいる様子だろうか?

172小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/16(木) 19:43:08
>>170

このままバスに乗って、『遊園地』に向かってもいい。
ただ、彼女――小角がスタンド使いであることは知っている。
今後のことを考えると、彼女には伝えておくべきかもしれない。

  「……ここで少し待っていて下さいますか?」

緑里に一言掛けてから、移動を始めた少女達の方へ歩いていく。
三人とは顔を合わせていたが、『おかっぱ』の少女とは初対面だ。
まず、『おかっぱ』の少女に向かって会釈したい。

  「――こんにちは……」

簡単な挨拶を済ませてから、『小角』に近付く。
他の少女が近くにいれば、『小角』を少し離れた所に呼びたい。
できる限り伏せることにした以上、他の少女に聞かせたくはない。

  「……ここに来たのはツアーの予定ではありません」

  「何か分かったら……またお知らせします」

  「――それでは……」

それだけを伝え、呼び止められることがなければバス停に戻りたい。
その後は、考えていた通りバスに乗って『遊園地』に向かうつもりでいる。

173ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/16(木) 22:56:54
>>170

(日時計とスマートフォンに時差はほぼ無し)
(13時半に一度バスに戻るとして、そうですね……)

ふと空を見上げるヨロズ。
空の色、雲の様子、日の高さなどを簡単に確認しようとした。

「ええ、何か食べに行きましょうか」ウィーン

視線を下げて三人を確認し、出発する。

 スッ
スッ

(『おかしなこと』は、間違いなく発生している)
   
   シュイーン

(しかし、まだ『何も起こっていない』とも言えます)

(『何かが起こる前にミステリーツアーを中止して帰還を目指す』か)

(『何も起こさずにミステリーツアーを完了させる』か)

(私は、どちらを目指すべきでしょうか……)




>『小角』:
>「………………………………よ、ヨロズさん、ちょっといいかい」

「はい」ギュインッ

行動方針を選択しかねていたヨロズだったが、
ホウムから声をかけられれば歩きながら顔を彼女に向ける。

174『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/17(金) 22:57:55
>>171(黒峰)

とにかく大きい――――が、現実的にあり得なくはない規模なのが、
これが『スタンド』による錯覚や幻覚ではないことを示しているようだった。

「これなら『開放』してもよさそうだわ、 
 校庭とかどう考えても持て余してそうだし」

「それにホラ、警備員もいるし」

人は――――警備員がいた。

門に配備されているようで、所謂『警備バイト』の雰囲気ではない。
いや、雇用形態はバイトかもしれないが・・・説明を受けただけの素人、という雰囲気ではない。

>>172(小石川)

「ん、ああ、い〜ぃですよ〜。バス来そうになったら呼びま〜すからね」

緑里をその場に待たせて、小角に一声かけに行く。
特にそれで彼の心象に影響するような事もなさそうだ。

       スタスタ

その『おかっぱの少女』らは、今まさにどこかに歩き出そうとしていた。
とはいえ十分追いつけるような距離ではあり、緑里から離れすぎる事もない。

小石川が話しかけたとき、おかっぱの少女に小角が話しかけようとしていた気もしたが、
これについては『タイミングの事故』であり、小石川に何か責任があるわけではないだろう。

『大丸』:
「あ、ども」

『仲真』:
「こんにちはぁ〜」

『小角』:
「やあ、小石川さん……む、な、なんだい?
 すまないヨロズさん、それにシャロたちも。少し彼女の要件を済ませてくるよ」

挨拶をして、小角を誘い出して『情報』を伝えることには成功した。
元から知り合いという事もあり、他の二人がそれを疑問視することもない。
なお、おかっぱの少女については『ヨロズ』という名前なようだ。

『小角』:
「…………なっ……い、いや。その可能性は、あり得るとは思っていたが」

そして――――不吉な『裏事情』に、彼女の顔がみるみる内に強張っていくのを感じる。
仲真や大丸は特にこの『秘密の共有』に聞き耳を立てたりはしないようだが、『ヨロズ』はどうだろう。

(※ヨロズ組との時系列調整のため、このレスではバス停に戻っていません)

>>173(ヨロズ)

『大丸』:
「シャロ昨日何食べた? 昨日の晩な」

『仲真』:
「えぇ〜〜〜〜〜〜っとぉ、パン…………フランスパンと、シチューと…………」

空は、赤い。だが『赤いだけ』で、血の匂いも不吉な唸り声もない。
喧噪があるわけでも、明らかに異様な建物があるわけでもない。
まだ何も起きていないのか、それとも『何か起きるわけではない』のか。
行動の指針すら、少なくとも今この場で『答え』が示される事はなさそうだ。

『小角』:
「わっ……! き、きみ、フクロウみたいだなあ……オホン」

             「じ…………実はだね…………」

そしてどこかためらいがちな小角が二の句を継ごうとした、ちょうどその時。

『喪服の女』:
「――こんにちは……」

『大丸』:
「あ、ども」

『仲真』:
「こんにちはぁ〜」

そうして商店街に向かおうとすると、『喪服の女性』が挨拶をしてきた。
彼女は『小石川』というらしく――――『この三人』とはすでに顔見知りのようだ。

『小角』:
「やっ、やあ。小石川さん……む、な、なんだい?
 すまないヨロズさん、それにシャロたちも。少し彼女の要件を済ませてくるよ」

そして、彼女の目当てはどうやら『小角』だったらしい――――
小角のほうも、彼女からの呼びかけには何か意味があるのか、そちらに寄っていく。

何か秘密の話でもあるのだろうか? 少し離れた位置から見る限り、
小石川の話を聞いた小角の顔色は露骨に『旅の高揚』が冷めつつあった。

その小角からの話についても、要件が済むのを待ってからか……あるいは、今ここで改めて聞くか?

(※小石川PCとの時系列調整を行っております)

175宗海『エトセトラ』:2019/05/17(金) 23:52:54
>>170
> ――――『伝承』とかが好きなんスか?」

  「ええ、不思議なことですけれど、
   根も葉もない『伝承』というのは、早々根付かないですから。
   ……ある意味で、『真実』を映している、そう思えるんです」

『チワワ』を目で追って、小さく手を振りながら、『出雲』に応える。
とりあえずは『出雲』の背を追って、『落下跡』まで歩いていく。

176小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/18(土) 08:03:34
>>174

離れた場所に呼んで話をする以上、疑問を持たれても仕方がない。
ただ、それを含めても話はしておいた方がいいように思われた。
なにしろ、事態が事態なのだから。

  「……ええ、そのようです」

  「矢田さんと運転手さんのお話ですが――」

  「小角さんには、お伝えしておこうと……」

『ヨロズ』という名前の少女は、今が初対面だ。
他の三人とも親しい間柄ではないが、ある程度のタイプは理解できた。
『ヨロズ』は、どのようなタイプの少女なのだろうか。

  「……あまり広めるべきでない話だとは思っています」

  「ただ、こういった状況ですので……」

  「――『もしもの事』がありますから……」

できる限り声量を落として言葉を続ける。
伝えるべき内容は概ね伝えられた。
話を終えようとした時、『天雨』に言及していないことに気付く。

  「……私の隣に座っていた女性も事情を知っています」

  「それから――彼女も私達と『同じもの』を持っているようです」

  「今、私からお伝えすることはここまでです……」

そう言って、話を締めくくる。
話に対する『小角』の反応を待ち、三人の少女達の様子は浮遊する『目』で確認する。
その後は誰かに呼び止められない限り、バス停に向かって歩いていきたい。

177ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/18(土) 13:55:03
>>174
(…ふくろう、ですか)

「こんにちは。ヨロズと申します」キュイーン

喪服の女性『小石川』に丁寧に頭を下げて挨拶を返すヨロズ。

(3人と知り合いなのに、ホウムさんだけに話があるのは奇妙ですが)
(尚更、強引に探るべきではなさそうですね)

立ち止まって、ホウムが戻ってくるまで待つことを選択する。

178黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/18(土) 23:19:46
>>174
「開放してると言っても……さすがに、見張りは必要ですよね……。
 しかし……こんな大きな学校を作るほど、人口は多いんでしょうか……?」

警備員以外、生徒や教師の姿はなさそうだろうか?

179『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/19(日) 23:03:45
>>175(宗海)

         キャンッ

チワワは一度宗海のほうを見て短く鳴いたが、そのまま飼い主を連れて去る。

「『火のない所に煙は立たぬ』――――なんて言いますもんね」


    スタ
         スタ

              「ああ、見えてきたッス」

                     「……よ」

    オ オ オ オ オ ・ ・ ・ 

                      ザッ…

隕石の落下地点――――というにはあまり派手ではないが、
確かにそこには『クレーター』のように『凹んだ痕』がある。
が、それよりはそこに設置されている『記念碑』の方が目立つ。
伝承を目当てにするならなおのこと、そちらを見る方が話は早そうだ。

ともかく出雲は、それを前にして足を止める。

――――周りに、人はいないようだ。あまり流行っていないらしい。足跡など、いた形跡はあるが。

>>176(小石川)

浮遊する目で見る限り、三人はおとなしく待っているようだ。

「つ……伝えてくれてありがとう。わかった、わたしも広めはしないよ。
 小石川さんと……え、ええと、あの『ドレスみたいな服』を着てた人だね」

   「……覚えておこう。いざというときのために」

               「…………じゃあ、わ、わたしは『商店街』に行くから」

話を聞き終えた小角は、明らかな異常事態に――――慌ててこそいるが、騒ぐことはない。
まだ若い彼女も『スタンド使い』として、なにかしらの経験値を積んでいるのかもしれない。

言葉通り、小角は『ヨロズ』のほうに戻っていく。
今話したことをそのまま横流しにする、という事はなさそうだ。
少なくとも、『小角が知る限り』彼女は『使い手』ではないという事か?

             クルッ

「……小石川さん、わ、わたしは『探偵』だ。
 謎を解く専門家だ。そして……わたしの『能力』も」

                 「…………もしだぞ」

「も、もし『何か手掛かりがあれば』……次にわたしに会ったとき、教えてくれないだろうか?」

                       「こ、答えも……次に会ったときでいいよ」

――――そして立ち去る前、小角は最後に振り返って、小石川にそのような提案を投げかけてきた。
いずれにせよ、バス停に戻るとちょうど、バスが来た。それに乗り込んだ小石川は、じきに『目的地』に着くだろう。

180『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/19(日) 23:03:55
>>177(ヨロズ)

しばらくすると、小角が何か返答してこちらに戻り・・・一度振り返り、何か一言。
それを最後まで聞いた小石川は、そのまま『緑里』待つバス停へと立ち去った。
ちょうどというほどでもないがそのすぐ後にバスが来て、彼女はそれに乗り込んだ。
行先は――――『べにかがみファミリーランド前』とある。遊園地の名前だった。

『小角』:
「た、ただいま。待たせてしまってすまないね……それじゃあ行こうか」

『仲真』:
「おかえりぃ〜、けっこうしゃべってたねえ。何のお話だったの?」

『小角』:
「そ、それはだね……いろいろこう、あるのだよ……探偵にはね!」

『仲真』:
「そっかぁ、『探偵』の知り合いなんだぁ? ホーちゃん知り合い多いもんねぇ」

『小角』:
「ま、まあ……そんなところさ。さ、とにかく商店街に向かおうっ!」

戻ってきた小角の笑みは、どこか引きつっているようだった。
・・・先ほど言いかけていた話の続きがすぐに始まらないのは、何か理由があるのだろうか?

>>178(黒峰)

「むしろ見張りにクソ高い予算割けるから開放してんのかもね。
 大学とかもそういうとこあるじゃん、警備員があちこちにいてさァ」

旅行が組まれているように、今日は一応季節休暇を考慮せずとも『休日』のため、
そのあたりの事情もあるのかもしれない――――が、生徒らしき声は時折聞こえる。

「人口……確かにそうね、こんな田舎なのに」

「昔は人がいたのか、清月みたいに一貫校か、それか単に『1人頭の面積』が広いんじゃない?」

ただ、教師らしい姿は見えない。校門近くにいる理由もない、という事かもしれない。
待っていれば学生などはここに来るかもしれないが、入りたいなら警備員に話すのが早そうだ。

181小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/20(月) 16:53:43
>>179

同意の意を込めて、小角に向けて軽く頷いてから立ち去る。
彼女の能力は分からないが、この状況を解決する助けになってくれるように思えた。
そのためにも、まず何かしらの手掛かりを掴まなければいけない。
『スタンド』を持っていて事情を知っているのは、少なくとも自分を含めて三人。
この状況の中で足りているとは思えないけれど、今は出来るだけの事をするしかない。

  「――お待たせしました」

緑里に声を掛けてバスに乗り込み、空いている席に腰を下ろす。
やはり、このバスも『赤い色』が目立つのだろうか?
今の内に、バスの外観や内装を確かめておきたい。
そして、運転手や他の乗客にも目を向ける。
普通のバスと比べて、何か変わった所がないか確認したい。

  「『遊園地』……私が最後に行ったのは、学生の頃だったように思います」

  「何だか、とても懐かしい気がしますね……」

記憶の一部を思い返しながら、窓の外を見やる。
また、乗客の中に何か話している人がいれば、そちらに『目』と『耳』を送る。
最初にしたように座席の足元付近に位置取らせ、『聞き耳』を立てたい。
もしかすると、何か有用な情報が得られるかもしれない。
誰かに見つかりそうになった時は、すぐに解除して消すつもりでいる。

182黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/20(月) 20:27:20
>>180
「あの、すいません……」

警備員に話しかける。

「私達は観光でこの街に来たんですけど……この学校、ずいぶん大きいですね……」

183ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/20(月) 23:33:01
>>180

「なるほど」
「ホウムさんは探偵の活動もなさっているのですね」
「頼もしい限り、です」ギュイン

ホウムが戻って来たのを確認すれば、また商店街に向けて歩き始めるヨロズ。

「大急ぎで謎を解く必要は『まだ無い』と、私はとりあえず判断します」
「まずは昼食にしようと思うのですが、いかがでしょう」

少し不自然な表情を見せていたホウムに目を合わせて問いかけた。

184宗海『エトセトラ』:2019/05/21(火) 00:37:09
>>179
「あら、結構大きいのね」

素直に感嘆を示した。
目測でどれくらいの大きさだろうか。
――――と思ったが、『記念碑』に記載があるだろうか。
まずは『記念碑』の記述に目を通してみる。

185『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/21(火) 23:22:28
>>181(小石川)

バスは外装こそ『えんじ色』のような、落ち着いた赤系統の色だったが、
内装については『星見町』のそれとさほど変わらない内装であったし、
乗客にも異常な様子などはない。この町は『空』以外、今のところ普通だ。

「大丈〜夫ですよ。スマホ、繋がらないけど『ダウンロード』した本とかは読めますし」

        ブロロロロロ

「前付き合ってた子とか、平気で3時間待たせるとか――――っと、と。
 元カノの話はNGぃ〜ですよねぇ。たまに思い出しちゃうんですよね〜〜〜」

街道を走るバスの乗客はあまり、多いとはいえなかった。
雑談に勤しむ住民などは輪をかけて少なく、有用な情報は見当たらない。
休日とはいえ、遊ぶならこの昼間からではなく朝からにする……から、か?

「社会人になったら、中々なさそうですもんね〜、行く時間とかぁ〜〜〜」

「どんなアトラクションが好きとか〜〜〜あったりします?
 ジェットコースターは無理とか、観覧車は最後がいいとかそういう希望もね」

とりとめのない話をしながらしばらくバスが走れば、『観覧車』が見えてきた。
それから・・・おそらく『ジェットコースター』のものであろう、レールも見える。

     《『べにかがみファミリーランド前』》

              《『べにかがみファミリーランド前』停車しまァーす》

                  「・・・それじゃ、降りましょっか〜〜〜」

>>182(黒峰)

『警備員』:
「あー、はい、観光……『校内見学』ですか?
 本校は御覧の通り、『 ―――  ザザッ 』地方でも有数の敷地面積と」

「『鏡ヶ丘校生』である以上、人との交流もまた『勉強』――――という方針」

           「それゆえ、『校庭開放』を行っております。
            もちろん警備のほうも『有数』ですので、
            将来ご子女を通わせたいという事でも、
            どうぞご安心いただければ、と思います、はい」

どうやら『見学』を望む観光客がそこそこ多いようで、若干そうと決めてかかった口調だ。
笹井は何か返答しようとしている気もする。黒峰から何かなければ、対応を彼女に任せるのも手だ。

186『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/21(火) 23:22:39
>>183(ヨロズ)

             スタ
                 スタ

『小角』:
「『星見町』で『謎』あるところにわたしあり! ――――そう呼ばれるつもりさ。
 も、もちろん探偵漫画みたいに『行く先々で謎が起きる』のを望んでいるのではないぞ!」

『仲真』:
「七つ道具とかももう考えてるもんねぇ〜。あたしもそういうこれ!っていうのほしいなあ」

『大丸』:
「ルーペと、なんか……丈夫なペンとか見せられた記憶あるな」

三人を交え、会話をしながら歩く『ヨロズ』。
そして――――小角と目を合わせるが、その大きな瞳は自然に少しそらされた。

『小角』:
「そっ」
「そ、そうだな。み、ミステリーツアーなんだ、焦りすぎるのも禁物……うむ、うむ」

何だろうか? 小石川と話す前と――――何か『事情が変わった』というのか?
ヨロズへの警戒や敵意は感じられない。先ほど何かを言い出す時のような不安も感じない。

『大丸』:
「何食べ行きます? 名物とかあれば、それかファミレスあれば早いすけど」

『仲真』:
「せっかく旅行なんだし、珍しいもの食べたぁい」

食事話を始める二人はともかく――――小角と、あるいはあの小石川には何か秘密があるのかもしれない。

>>184(宗海)

「…………ああ」

黙って周囲を見渡していた出雲だったが、宗海の言葉に振り向き、うなずく。

「隕石のクレーターにしちゃ小さいらしいッスけど、ま〜十分ないサイズっていうか」

                「『宇宙のパワー』は感じますよね」

――――――記念碑には、『隕石』についての記載が『記念碑的に』印されていた。
というのは娯楽が勝るわけでも、学術的な見地にあるわけでもない、簡素なものという事だ。

クレーターの大きさは具体的な『数字』では書いていないが、
目測とほぼ変わらない『人が5人は寝ころべる』位の大きさのようだ。

逆に言えば、小規模なものはすぐに風化してしまうクレーターの中で、
落下は『18XX年』――――百と数十年以上は『痕跡』を保っているという、
その事実こそが『記念』として碑を立てるに値する、のかもしれない。
それ以外で驚くべき神話などはない。近代ということもあったし、
クレーターや隕石を発見した当時の人々の様子など、実に庶民的な内容だ。

そして、それを生み出した隕石自体は、さる『刀工』の手によって『加工』され――――

「で…………なんかおもろい事書いてたッスか? 気になる『伝承』とか?」

             ・ ・ ・
――――いわゆる『流星刀』として、今は『鏡ヶ丘ミュージアム』に寄贈され『展示』されている、とのことだ。

187小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/22(水) 01:58:49
>>185

  「――……」

昔の恋人の話を耳にして、また『彼』のことを思い出す。
『彼』とは、一緒に遊園地へ行ったことはなかった。
二人とも自然のある場所や、静かな場所が好きだったから。
もし、今――隣にいるのが『彼』だったら。
『彼』と私は、どんなアトラクションに乗っただろう……。

  「……ええ、行きましょう」

バスを降りたら、入場料を払って園内に入る。
車窓から眺めた限り、特に変わった所はなかったように思う。
実際に見る内部の様子は、どのようなものなのだろう。

  「……少し歩きませんか?」

  「どんなものがあるのか見てから――」

  「ここで何をするか決めましょう……」

遊園地なら、普通は案内板が用意されている。
まず、それを見つけたい。
きっと、分りやすい場所に設置されているはず。
施設を紹介するためのパンフレットも、どこかで配布されているのではないだろうか。
もし見つかれば、それを手に取りたい。

  「――緑里さんは……どんなアトラクションがお好きですか?」

歩きながら、遊園地の職員や他の入場者を『前後の目』で追う。
バスの中では、特に気になる点は見当たらなかった。
ここも同じなのだろうか。

188黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/23(木) 00:01:29
>>185
(……今のノイズは……)

「……ええと、警備員さんはさっき……何地方って言いました……?」

小声で笹井に尋ねる。

189ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/23(木) 21:32:35
>>186
タッ

「小石川さんが」

ホウムが逸らした視線の先に移動して言葉を続けるヨロズ。

「信用できる存在で」

「『仕掛人』ではないと、ホウムさんが確信を持っているのであれば」

「何か事情が変わったのだとしても」
「それで問題はありません」キュイン

進行方向へ向き直る。

「ともかく、行きましょうか」
「わかりやすい名物があると良いのですが」

190宗海『エトセトラ』:2019/05/23(木) 23:07:03
>>186
「明治辺りに落ちてきた……。

 結構、新しいのね。
 ――――ああ、『流星刀』があるそう、です」

『流星刀』の部分を指差し、指の腹でなぞっていく。

    「百数十年前となると、日本でも『近代戦』の時期ね。
     『日露戦争』の戦勝祈願に、鍛えたのかしら?」

    「――――ええ、面白い話が書いてあるわ。
     私は『夏の大三角』や『ミルキーウェイ』を見て、
     乙な気分に浸るのも好きだけれど、」

    「一つの事件で、人がどう動いたのか。
     ……そういうのも好きなの、行きましょうか。
     『鏡ヶ丘ミュージアム』、どこにあるのかしら?」

191『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/24(金) 00:28:27
>>187(小石川)

「い〜ですよ。遊園地っていつも『駆け足』になるんで〜。
 ファストパスがどうとか? そーいうの抜きで歩くのもありですね〜」

入場料は都市部の遊園地に比べてかなり安かったが、
園内の様子も――――値段相応、といった雰囲気だ。


        スタ
          スタ

「ん〜〜〜そ〜ですね、こういうとこにあるのなら『ミラーハウス』とか?」

       「あとは、ま〜普通に『ジェットコースター』とか?」

どこか哀愁の漂う着ぐるみキャラクターから風船を渡され、
パンフレットについても、特に問題なく手に入れられた。
案内板もすぐに見つかる。読むためには一度立ち止まる必要はあるが。

「逆に『メリーゴーランド』とかはちょぉーーーっと退屈かな、とか思いますけどね」

「なんとゆーかこう、『スリル』とか、『非日常』ってのがい〜〜いんですよ。
 旅行が好きってのも、その辺かな〜って自己分析してみたり、するわけですけどぉー」

                    ヘラヘラ

なお、前後の目は今のところは――――気になるもの、というのは見つけられていない。
客数はまばらで、錯覚だろうが時折歩いているのが見当たる着ぐるみのほうが多く感じるほどだ。

>>188(黒峰)

「? さあ……? よく聞こえなかったけど。
 でも、ここならどう考えても東海でしょ。多分滑舌悪いんじゃない?」

あまり気にしていないのは性格なのか、どうか。
・・・さらに追及するか、それともここまでにして話を続けるかは自由だ。

>>189(ヨロズ) 

「わっ、な、なんだいその動き……」

回り込むようなヨロズの動きに面食らう小角。

「し……『信用』か。……・100パーセント信用は出来ないかもしれない。
 それほど親しいわけじゃあないし……でも、『これは彼女のとは違う』んだ。
 ……あっ! いや、つまりだね。こ、こんな大それた仕掛けを……いや。オホン!」

  「か……彼女はだなあ」

     「『女優さん』とかじゃないから、違う……ということだ!
       そう、そういうことだ。とにかく『仕掛け人じゃあない』」

「それはまず間違いないと確信できる……これは、信じてくれていい」

小角には何かそれ以外にも根拠があるようだったが、
この少女は意外と『警戒心』が強いのかあまり核心を話そうとしない。

「す、すまないが……それだけだっ。わたしが今、ヨロズさんに言えることは……」

ともかく、進行方向に向き直れば三人は変わらず後ろをついて歩いてくる。

      スタ

         スタ

何か三人で話しているようだが、
あまり声が大きくないためよく聞こえない。
ヨロズの話をしているわけではなさそうだが。

           スタ

              スタ

そのままもうしばらく歩いていくと――――ちょうど視界の先に『看板』が見えてきた。
商店街の入り口にはつきものの『アーチ』状の看板。少しずつ、人通りも増えている気がした。

>>190(宗海)

「『流星刀』――――隕石、あ〜『隕鉄』で作った刀ッスね。
 さすがに時代が時代ですし、実用品として作られたってよりは、
 ま〜おっしゃる通り何かの『祈願』って見方が、多いらしいッスよ」

「昔のことなんで――――当時生きてたヒトしか、答えは知らないスけど」

         ザリッ

「えーと、博物館……ミュージアムは『鏡ヶ丘学園』のすぐ近くッスね。
 こっから鏡が丘学園は――――えーと、今からなら『8分後』位にバス出てたはずッス」

記憶力が良いのだろうか。単に町に慣れている、というだけか。
彼は赤色の腕時計を見ながら、出雲は公園の入り口のほうに振り向き、指で示す。

「ここ出てすぐ左にバス停ありますけど……案内、この後も続けた方が良いッスか?」

         「あーいやっ」

「めんどいとかじゃなくて、逆に『流れで着いて来てるけど断りづらい』とかなら」

         「バス停まで見送って、おれは別んとこ行きますけど――――ってね」

192小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/24(金) 01:48:15
>>191

着ぐるみに会釈して、風船を受け取る。
歩きながら、パンフレットに軽く目を通したい。
こうした施設のパンフレットには、簡単な地図が載っていることが多い。
そこに地図が載っていても載っていなくても、案内板の前で立ち止まる。
場所を確かめるなら、そちらの方が詳しいだろう。

  「『ミラーハウス』――そういった場所は特に『非日常』が強いように思います」

  「……ここにもあるでしょうか?」

案内板を見て、『ミラーハウス』があるかどうか確かめる。
見つかったら、そこに向かいたい。
なければ、『ジェットコースター』に向かうつもりでいる。
高い所から見渡せば、何かが分かるかもしれない。
『観覧車』の方が適しているが、今は緑里の希望を優先したい。

193黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/24(金) 23:34:15
>>191
「……まあ、そうですね……」

(少なくともノイズは……聞こえてなさそうですね……。
 聞こえていればさすがに、滑舌どころではない違和感がある……はず……。
 ……何らかの力が精神に作用していると……いうことでしょうか……)

ひとまず追求は止め、笹井がなにか話すつもりなら任せよう。

194ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/25(土) 22:07:15
>>191
「……」ガシャーンガシャーン

商店街へ向かうヨロズ。

(小石川さんについては、概ね見当がつきましたが)
(ーーやはり言い方が悪かったでしょうか)

ガシャーンガシャーン
ガシャーンガシャーン

右手と右足、左手と左足が同時に出る奇妙な歩き方になりながら目的地に着けば
町並みを見渡して、土産物屋や飲食店を探そうとする。

195宗海『エトセトラ』:2019/05/26(日) 21:26:24
>>191(宗海)
「いいえ、むしろ『案内』して頂きたいくらい。

 だって、『スマートフォン』も使えないのでは、
 とてもとても、一人で回るだなんて、出来ませんから」

『出雲』の配慮には首を振って、同行を促す。
何にせよ、『ミュージアム』に行って『流星刀』を見てみたい。

196『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/27(月) 04:49:12
>>192(小石川)

会釈に、着ぐるみは愛想のいいポーズで答えてきた。
そうはいっても(小石川に経験があるかは知らないが)巨大テーマパークのような、
ファンサービスと夢を両立した動きというより、ほとんど人間らしさが隠せない愛想だった。

                  キャッキャッ

それでも、前方に見えた子供連れの家族は楽しそうにしている。等身大の幸せってやつかもしれない。

「デカい遊園地なら〜〜〜そこ自体が『非日常』って感じですけど…、
 こ〜いうとこでお手軽に楽しむなら、『強い』かな〜って思うんですよね〜」

パンフレットに目を通すが――――そこに『現在地』は載っていないので、わかりづらい。
案内板を見れば、とりあえず『ミラーハウス』はあるようだ。『ジェットコースター』も近い。

いずれにせよ、そこに歩いていくことになるだろう。
なお、高所を望むなら『ジェットコースター』と『観覧車』以外に、
いわゆる『バンジージャンプ』などもあるようだ。
立って周りを見渡せることを考えれば、一考の余地はあるかもしれない。

>>193(黒峰)

ひとまずは追及しないことを選んだ。警備員も笹井も、突っ込んでは来ない。

『笹井』:
「あー、ええと、『観光』がてら『校内見学』したいんですけどォ。
 料金とかかかったりとか、なんか手続きとかいったりするんです?」

『警備員』:
「校内は料金は不要ですが、隣接の『博物館』では別でお支払いが必要です、ハイ。
 それと手続きというほどではありませんが、入口で見学者向けの入場証をお渡ししております」

いくら警備が充実していても、入場者管理は必要という事だろう。
もしここを散策するのであれば、このまま笹井に任せてしまってもいいだろう。

               ザワ…

風が吹き、入り口近くの花壇の花が揺れた。自然豊かで、寝るのにも悪くはなさそうな校内だ。

>>194(ヨロズ)

         トコトコ
               スタスタ
                    ザッザッ

足跡は後ろから、三つついてくる。
小角の発言から察せる『小石川』の『根拠』はおそらく、正しいものだろう。
核心までは教えてくれなかったのは、言い方の問題か、答える小角の性格か。

     ザッ

『大丸』:
「ふーん、シャッター街って感じじゃなくっていい感じすね」

『小角』:
「ひねくれた言い方はよしたまえ。いろんな店があって目移りするな……」

言葉通り、土産物屋や地元向けと見える『食料品』を扱う店もあるし、
ちょっとした食事をとれる店も多い。山間部だからか『鮮魚』などは少ないが、
肉屋や漬物屋、まんじゅう専門、甘味、あとは客にはなれないが飲み屋などもある。

『仲真』:
「あたし、お団子とか食べたいなぁ〜」

                      スタ スタ

――――と、前方を歩いているのは『同じバス』に乗っていた『緑のロリータ服の女』だ。

『ロリータ服』:
「…………あら、ごきげんよう。あなた方も『散策』でして?」

           チラッ

                 「……」

彼女は問いながら、何故か『小角』に視線を向けた。小角も……意味ありげに彼女を一瞥する。
そして、彼女ととくに絡んでいるようには見えないが、付近にこれも同じバスにいた『別の女子三人グループ』もいた。

>>195(宗海)

「……そッスか。それじゃあご一緒させていただきますよ」

             ザッ

あいまいな笑みを浮かべた出雲は、宗海に同行して歩き出す。
彼が言う学園に向かうバスも、そう時間を置かずに到着した。

理由がなければそれに乗り込み、じきに現場にたどり着けるだろう。

「紅鏡町は分かりやすい『観光名所』はあんま多くないスから、
 観光するなら、まあ、誰か案内はいた方が良い……でしょうしね」

「ちなみに、同行の方は誰か――――
 この町を知ってる方とか、いらっしゃったりします?」

            「皆さん初のご来訪……ッスよね?
             あー、『雰囲気』がそういう感じだったんで」

バスに乗り込む前に、出雲はそのようなことを聞いてきた。どういう意図かは、顔からは読めない。

197小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/27(月) 13:26:32
>>196

  「――……」

幸せそうな家族連れが視界に入り、同時に『彼』の事を思い出した。
そして、『彼』と共に築くはずだった家庭の幻像に想いを馳せる。
いくら願っても叶わない願いだと分かっていても、そうせずにはいられなかった。

  「あの……緑里さん」

  「――『バンジージャンプ』の経験は、おありですか?」

『ミラーハウス』に向かうつもりだったが、案内板を見て予定を変更する。
さっき見た家族のせいか、妙に晴れない気持ちが心の中にあった。
私は、それを払拭したかったのかもしれない。

  「……私は、まだありません」

  「一度試してみたいと思うのですが……」

緑里に告げて、『バンジージャンプ』のアトラクションへ向かう。
普段とは違うことをして、気持ちを切り替えたい。
今は、そういう気分だった。

198黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/27(月) 22:10:38
>>196
「博物館もあるんですね……」

入り口へ入場証を貰いに行こう。

(校内のどこかしらには……『ここはどこなのか?』がわかるものがあるはず……。
 ……賞状とか、トロフィーとかは……来客用の玄関あたりですかね……?)

199ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/28(火) 22:53:43
>>196
「……」

少しの沈黙の間に落ち着いたのか、人間らしい歩き方に戻るヨロズ。

「ええ、それではあちらにーー」

そう発声しながら甘味処の方向を向いたところで、声のかけられた方向を向く。

「ええ、散策ですね」
「『ミステリー』を解くには、まだ情報がたりません、ので」

『緑のロリータ服の女』に応答する。

200『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/05/29(水) 22:47:00
>>197(小石川)

「おっ、『積極的』ですね〜〜〜〜。バンジーはもちろん、『経験者』ですよ」

「『転落死』の疑似体験なんて、まさに『非日常』ですし。アレは良〜〜〜いですよ」

                 ヘラッ

軽薄な笑みを浮かべる緑里にはやはり小石川の『憧憬』は伝わらないようだが、
伝わって余計な気を使ってくるのと、客観的にどちらがいいのかは難しいところだ。
幸福な無関心という暗雲に包まれたこの遊園地では、彼の態度も『太陽』に思えなくはない。

     『ワイ』

          『ワイ』


アトラクションが近づくと、寂れ気味とはいえさすがに活気がある。
多少並ぶようだが、『バンジージャンプ』はそう時間ががかるものでもない。
おそらく、たいして待たずに『転落死』することができるだろう。

「こ〜いう『スリル系』好きだっての、意外ですねなァんか」

             「『大人の女性』って印象でしたんで〜〜〜」

>>198(黒峰)

「鏡が丘学園そのものの施設ではないんですが、
 提携して学生の学習活動にも使用させていただいております」

「それでは、是非ごゆっくりとご見学ください」

入り口に行くと――――名簿のようなものに名前を書かされ、
首から紐で提げるタイプの『入場証』を手渡された。

「こちら、『首から提げたまま』にしておいてくださいね。
 そうでないと『入場許可』が出てるかどうか、警備の方にわかりませんから」

入場口の警備を務める中年の男性が、穏やかな笑みと共に横に一歩、どく。

>>199(ヨロズ)

視界に入った甘味処には『団子』の形をした看板がぶら下がっている。
店の軒下にも席があるほか、店内には小上がりの飲食スペースが見える。

『ロリータ服の女』:
「そう――――そうですわね、この町はあまりに『謎が多い』」

                フッ

「目に見える謎も、見えない謎も、ね」

『小角』:
「う、うむ…………その通りだよきみ。解くべき謎が多すぎる……」

落ち着いた口調だが、目は一点に定めず、ヨロズと小角……そして空を見る。
意味深な雰囲気を漂わせる『奇抜』な女の登場に、大丸や仲真は一瞬反応を失う。

『仲真』:
「……そっ、そうですねぇ〜。なんだかミステリアスな感じの町ですよねぇ」

それでも社交性の賜物か仲真は無難な言葉を返すも、女は微笑に留め言葉を続ける。

『ロリータ服の女』:
「私(わたくし)も手がかりを探しているところですの。
 なにせ、『ミステリーツアー』ですものね、
 いきなりすべてが解ける、とは考えていませんけれど、
 こうして散策していれば、何かヒントがあるかも、と思いまして」
  
                        『少女』:
                        「おおっ見てください!!
                         まだ春なのにかき氷がありますよ!!!」

「――――ああ、貴女方も今からお食事でしたかしら? ごめんあそばせ、お邪魔してしまって」

どういう関係性なのかは不明だが、『別の女子三人』の一人が上げた声に一瞬振り向き、
それからヨロズたちに向き直り、小さく頭を上げて謝罪する。話を打ち切るならいいタイミングだろう。

201黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/05/30(木) 20:34:32
>>200
「はい……ありがとうございます」

入場証を首にかけて入る。
校舎は何階建てだろうか?

202宗海『エトセトラ』:2019/05/30(木) 22:24:56
>>196
>「ちなみに、同行の方は誰か――――
> この町を知ってる方とか、いらっしゃったりします?」

   「さぁ……?

    私達、『ミステリーツアー』でこの町に来ましたから、
    バスに降りて初めて、『紅鏡町』を知った方が、ほとんどじゃないかしら」

真っ赤な街並みにおっかなびっくりな『雰囲気』が出ていたのだろう。
問い掛ける『出雲』に対し、なんでもないように答える。

   「着いたら実家だった、なんて不幸な方がいたら、
    愚痴の一つでも聞こえてきそうなものですけれど、
    そんなことは聞いていませんし……」

203小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/30(木) 23:44:17
>>200

『転落死』の疑似体験。
こういった機会でもなければ味わうことはないだろう。
常備している『鎮静剤』の代わりとして試してみたい気持ちもあった。

  「いえ……その――」

  「私も『非日常』を感じてみたくなったもので……」

  「せっかくの旅行ですから……」

何かの事故が起きて、途中で『命綱』が切れたりしないだろうか。
切れて欲しいとは思わないけれど、同時に切れることを期待する部分もある。
その二つは、どちらも自分にとって本心だった。

  「……どれくらいの高さがあるのでしょうね」

先に飛び降りる人が見えれば、その様子を観察して大まかな流れを把握しておく。
所定の位置に立てば、比較的遠くまで見渡すことができるだろう。
そこから、この町の謎を解くための手掛かりが得られるかもしれない。

204ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/05/31(金) 20:34:33
>>200

「いえ、よろしければまた後ほど」

そう答えて、店内へ向かおうとする。

205『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/01(土) 00:24:27
>>201(黒峰)

「あ、それと校内の撮影などは『禁止』しておりますので! ご了承ください!」

生徒の安全――――プライバシ―なども考えれば、それは仕方ないかもしれない。

              サァァ ・・・

門を抜け、少し歩いて敷地に入ると――――噴水が見えた。
近くに腰掛ける女学生は木を見ながら『スケッチブック』にペンを走らせる。
映画のセットと言われれば納得してしまいかねない『風景』だ。

「デカいわ〜。写メ撮りたい。バレるかな? どう思う?」

ロクでもないことを言い出す笹井。つながらなくてもスマホは手放せないようだ。
校舎については、とりあえず左右に『1つずつ』見えるが、どちらも『5階』はありそうだ。

>>202(宗海)

「――――そッスか、いや、そうスね、それが……いや、それはそれでいいッスね」

               「新鮮というか、案内しがいがあって。
                にしても、『ミステリーツアー』……か」

       ブロロロ……

 「『紅鏡町』は……」

             ……
                  「いい町ッスよ。本当に。きっと、好きになりますよ」

                        ……        

そうして――――特にバスが爆発するなどもなく、『鏡が丘』に到着した。
まず目に入るのは『学園』だ。生徒数がそう多い地域とも思えないのだが、広大な学び舎に見える。
それなりの『お嬢様学校』ないし『お坊ちゃま学校』、というやつなのかもしれない。共学かもしれないが。

「ミュージアムはこっちッスね。学園と隣接してて、学生は気軽に入場できるんスよ」

                「自習スペースとかもあったりして、ま〜『図書館』感覚でも」

     ザッ  ザッ

ガイドさながらの解説トークを挟みつつ、出雲はゆっくりと『こっち』と指した方へと歩き出した。

206『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/01(土) 00:24:38
>>203(小石川)

      ヘラッ

「い〜〜〜いですねえ、そのスタンス。好きです。あ、『スタンスが』ね!
 もちろん、お姉さんのことも『Like』ですよ。少なくとも〜〜〜今のところは」

             ヘラッ

「ほ〜んと、『旅行』は『非日常』じゃなくっちゃあ」

軽薄な笑みが、軽薄なままで喜びにあふれているようだった。
この軽くて薄い感情で、彼の『幸福』にとっては十分なのだろう。
感情は重ければ重いほどいい、と、誰が決めたわけでもない。

「ん〜〜〜、10mはあるぅ、かな? 
 20かそこら、あんま高くはないな〜〜〜〜。
 なんとゆーかまさに、小さい遊園地って感じで〜すね」

            「初心者にはちょうどいい、かもォ〜っ?」

                        ワ  ァ ァ  ァ  ァ ァ ッッ

今まさに、家族連れの父親らしき人物が決死のダイブに挑んだようだ。
しっかりした感じのゴム紐があるとはいえ、傍から見ていても結構な『死』の感はある。

   ボ ヨォォン

そしてゴムの反動でエアマットの上で弾む姿は、どこか『達成感』に満ちているようでもある・・・

>>204(ヨロズ)

『天雨』:
「ええ、また、集合したときにでもお会いしましょう――――ご機嫌麗しゅう」

                     スゥ

「ああ、それと私、『天雨サトリ』と申しますわ。以後お見知りおきを」

いわゆる『カーテシー』のしぐさを見せ、『天雨』はその場を歩き去った。
そうして、ヨロズら一同は『和菓子屋』兼『甘味処』の小上がりへと通された。

『仲真』:
「わぁ〜本格的っ! あたし、こぉいうお店好きなんですぅ〜〜〜」

『大丸』:
「写メ撮っていいのかなこういうトコって。
 いきなり竹刀で叩かれて追い出されたりしねーかな」

         スッ

『小角』:
「メニューがひとつしかないな、いや当たり前か……誰から見る?」

『仲真』:
「こーいうときは横のテーブルから取っちゃっていいと思うよぉ。他にお客さんいないし!」

『小角』:
「な、なるほど……冴えてるねきみ」

                     スッ

四人掛けの座敷に、ごく自然に向かい合う形――――と言えば聞こえはいいが、
隣り合わない形で座る『小角』と『大丸』。そして立ち往生からメニューを取りに動く『仲真』。

ヨロズは、どうしようか。老店主は特に何を言うでもなく、老成した笑みで様子を眺めている。

207小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/01(土) 09:57:29
>>206

もし、下にマットがなかったら。
そして、途中でゴムが切れてしまったら。
先に飛び降りた人の様子を見て、無意識に想像してしまう。

  「……やはり見た目よりも『安全』なようですね」

  「当たり前といえば当たり前なのでしょうが……」

少なくとも、今ここで事故が起きるようなことはなさそうに思えた。
自分の番が来ても、それは同じなのだろう。
そのことに対して安堵しつつも、残念に感じる部分があったことは否定できない。

  「――私の番が来る時は……荷物を預かって頂けませんか?」

荷物を持ったまま飛ぶことはないと思うので、その時には緑里に預かってもらう。
あとは、静かに飛び降りる順番を待つ。
きっと、その時は直に来るだろう。

208黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/02(日) 20:12:18
>>205
「……さすがに……禁止行為は、だめでしょう……。
 色んな人に……迷惑がかかります……。
 ……気持ちはわかりますけど……」

改めてデカさにちょっと気圧されるが、とりあえず学生のもとへ。

「ちょっとすみません……。
 来客用の玄関には、どう行けばいいでしょうか……」

209宗海『エトセトラ』:2019/06/02(日) 23:45:47
>>205
「そう。明日には帰ってしまいますけれど、
 滞在している間は、愉しませて頂きますね」

『鏡が丘』に到着し、広大な学び舎を眺める。

    「私の町にも、小中高大一環のマンモス校舎がありますけれど、
     匹敵するわね。……地域の『箱モノ』も兼ねてるからかしら」

『出雲』の後ろをついていく。

210ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/06/03(月) 22:11:04
>>206

「……ヨロズと、申します。では……」ウィーン

去りゆく『天雨サトリ』を軽く頭を下げて見送るヨロズ。

そして店内へと入ると、着席せず足を進める。

「『宇治金時ミルク』、あればそれでお願いします」

メニューを見る事なく、店主はゆっくりと近づきながら注文する。

「そして、伺いたい事があります」

「まず」
「ここは何県でしょうか?」ウィーン

211<削除>:<削除>
<削除>

212『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/03(月) 22:51:43
>>207(小石川)

「まーそりゃ、当たり前ですよ〜。
 死ぬかも!?ってスリルが好きなヤツはいても、
 本気で死にたいヤツなんて、そーうはいないですし?
 死にたい言ってて本当〜に死にたがってたやつ、
 あんま聞いたこともなぁ〜〜いですしねぇ〜〜」

へらへらと語りつつ、列に並ぶ緑里。
順番は小石川の後なので、荷物は預かってもらえる。

・・・死にたい。

この作り物の『臨死体験』は、どうにも出来は良くない。
見ていても死ねる気はまるでしないし、そういう娯楽だ。
順番が来て……荷物を預け、小石川は高所へと上がる。

        ヒュオ オオ オオ・・・

ゴム紐付きの胴衣を取り付けられる間、柵が死路を阻む。
その腕を振り払い、柵を超えれば、死ねるかもしれない。

『係員』:
「準備出来たら言ってくださいねッ」

遊園地の制服か『パレード』のような格好の少女が、
救命胴衣を取り付け終えた小石川に声を掛けてきた。
なお、胴衣を着けてくれたスタッフは別にいる男性だ。
柵があるとはいえ、何かあった時のための人員は必要ということか。

           オオオオ・・・


胴衣がとても頼もしく胴体を支えている。
今となっては、もう、飛び降りても絶対に助かる。それが分かる。

>>208(黒峰)

『笹井』:
「わかってるわかってる、わかってるわよ、冗談よ。
 ただ、旅の思い出に写メって王道じゃない?
 ここはそんなに映えが良いわけではなさそうだけどさ」

SNSに投稿でもカマそうとしてたのだろうか?
冗談という響きが、いまひとつ頼りにならない女だ。

『女生徒』:
「あっ、こんにちは。見学の方ですか?
 えーと……玄関というと、校舎内の見学ですか?」

礼節を教えられているのか、ややぎこちないが、
筆を止め姿勢を正しつつ頭を下げてくる女生徒。

「それでしたら、あちらの校舎だと聞いてます。
 あの、入場証を見せたら入れると思います。
 ちなみに、新入生の保護者の方とかですか?
 お二人とも、あの、すごく若く見えますけど…………」

観光目的の見学と同じくらいには、それも多いのかもしれない。

「あ、私のはインタビューとかじゃないですから!
 私、報道部じゃないので。見ての通り、美術部です」

213『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/03(月) 22:51:53
>>209(宗海)

「清月学園……でしたっけね。あの町も行ったことはあるっスよ」

学園の名前を挙げる声は淀みない。
比較的最近にでも訪れたのかもしれない。

「体育館も貸し出してますし、校庭も解放してますし。
 おっしゃる通りそういうポジションでもありますね。
 …………ま、今から行くのは『ミュージアム』っスけど」

入り口で簡単な入場手続きを済ませ、入場証を受け取る。
少し歩くと、『同じバスの乗客』の二人組(>>208)がいた。
女学生と話しており、こちらには特に気づいていない様子だ。

「今日来てる生徒がいるとしたら、それは『部活動』でしょうね。
 ああ、ミュージアムはこっちの方っス。ちなみに有料っすけど、
 まあそんな高くない、数百円なんで……『持ち合わせ』は大丈夫っスか?」

>>210(ヨロズ)

『小角』:
「わたしはこのクリームあんみつがいい。
 白玉団子も入ってみるみたいだぞ、シャロ」

『仲真』:
「えぇとぉ、じゃああたしもそれで〜」

『大丸』:
「ヨロズさん、座らないんすか? あ、私はみぞれ氷で。
 それと、ここって写真とか撮っていい感じっすかね」

『店主』:
「はぁいぃ、少々お待ちくださいませねぇ……
 えぇ、えぇ、写真は良いですけど……
 大きな音とか光は出さないでちょうだいねえ。
 ……? 県? 不思議なこと聞きますねぇ……
 えぇ、ここは、『―ザザッ――ザッ』県ですけど」

ヨロズと店主のやりとりが聞こえたのか、
三人も訝しげな顔でこちらに視線を向けてきた。

『小角』:
「?? ……ラジオか何かつけてるのかね?」

『仲真』:
「えぇとぉ、すいませんもう一回言ってくれますかぁ?」

『店主』:
「えぇ、ですからねぇ、ここは『―ザッ―ガガッ――』県で……」

・・・?

何かがおかしい。
宇治抹茶ミルクは、あるようだが……何か、それ以外の所が、おかしい。

214小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/04(火) 11:05:42
>>212

胴衣の取り付けの最中、発作的に今すぐ飛び降りたい衝動に駆られた。
思い留まったのは、右手の指輪が視界に入ったせいかもしれない。
この世を去った『彼』が残してくれた、形見の結婚指輪。

  「……ありがとうございます」

飛び降りても死なない。
これは娯楽なのだから、それが当然のこと。
ただ――心の片隅で『残念』に感じたのは事実だった。

  「――……」

静かに深呼吸して、『両目』で周囲を観察する。
この場所から、出来るだけ遠くまで町全体を見渡す。
目立つような何かが見つかれば、手掛かりになるかもしれない。

  ――『治生』さん……。

  「……行きます」

係員に声を掛け、帽子を押さえて飛び降りる。
いっそ、このままあなたの下へ行ければ――。
あり得ないことだと分かっていても、そう思わずにはいられなかった。

215黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/04(火) 20:57:06
>>212
「いえ、私達は……ただの観光です……。
 びっくりするほど……大きい学校ですね……。
 ……地元以外からも……入学する生徒さんは多いのでしょうか……」

女学生の絵をちらりと見る。
カラーであればその色合いが『夕焼けっぽい』かを確認したい。

216ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/06/05(水) 21:36:16
>>212

「なる、ほど」
「ご回答感謝します」

ヨロズはそう発して方向転換し、ホウムの向かいに座る。

「……」

全員の注文が済めば、3人の顔を見ながら口を開く。

「先程見た案内板には、『紅鏡町』の周囲の情報が一切記されていませんでした。十分な余白はあるにもかかわらず、です」

「私は『紅鏡町』が異質なモノである可能性ばかり考えていましたが」
「もしかしたら、ここへ来た私たちが異常な状態になっているのかもしれません」
「例えば『紅鏡町』の周囲の情報を得られなくなっている、とかです」
「どうあれ、『紅鏡町』そのものに危険はなさそうだと、現時点では判断します」

そこまで話せば、バッグに右手を入れて『ボーダーリーヴァー』を起動。
スマートフォンに接続し、時間と電波状態を再確認する。

「皆さんは、どう思いますか」
「何か、小さな違和感等でも、ありましたら聞かせていただきたいです」ウィーン

注文の品が来るまで、右手の『ボーダーリーヴァー』を接続させながら訊ねる。

217宗海『エトセトラ』:2019/06/05(水) 23:37:48
>>213
「あら、隣県なのに。

 ご苦労ですね。
 ――――『卒業アルバム』の撮影ですか?」

カメラマンが学園に訪れる用事として、真っ先に思い至る。
二人の乗客に視線を走らせ、ハンドバッグに手を入れる。

    「流石に、それくらいなら」

『500円玉』を取り出しておく。

218『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/06(木) 23:06:10
>>214(小石川)

        オ  オ

          オ オ オ

              オ オ ・・・

吹き荒ぶ高所の風の中、『遠方』までどこも『赤い霧の空』が続く世界。
血の匂いを錯覚しかねない目の眩むような風景。地上の『赤い町』とは、また違う。

―――――?

          『ジジッ』

                 『ジジジ』

                            ――――そうだ。違う。

一か所だけ……ここからでも分かる。いや。違う、『ここからだからわかる』。
来たのとは逆方向、『遊園地』の向こうに広がる森の向こうに……一点だけ、『歪み』がある。
小石川達の乗ってきたバスのせいか? 『違う』……スタンドの影響だとして、位置に関連がなさすぎる。

              ピョンッ

   グ

           オォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ



その風景を頭に残しながら、小石川は宙を舞った。

どんな『自傷』よりも死に近い転落だったが、頼りになるゴム紐がその感覚を娯楽の域に留めていた。

>>215(黒峰)

『女性徒』:
「そう、そうですか、観光。ええと、紅鏡町にようこそ。
 当校はのびのびとした環境で、勉学だけでなく幅広い知見を育てて……
 あ。はい、紅鏡町には、そんなに学生もいないですし……
 いちおう寮も用意されてるので、いろんなところから生徒が来てますよ」

のびのびとした、環境。
その言葉の通り絵は健やかな『青空』を描いている。

『笹井』:
「風景画かァ。高校の時に描いて以来だわ」

笹井の目にも、やはりそれが異様には映らないようだった。

・・・だが、『黒峰』の目は閉塞と不穏に満ちた『赤色の空』しか映せない。

219『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/06(木) 23:09:23
>>216(ヨロズ)

               ストンッ

席に着いたヨロズ。大丸はすでに怪訝そうな表情を緩めていたが、
小角については眉間にしわを寄せ、考え込むようなポーズを見せていた。

『仲真』:
「こ、声がらがらだったねぇ。風邪とか流行ってるのかな……?」

そして仲真は、困惑一色といった表情だ。
何かがおかしい、それはどこか緩い雰囲気の彼女にもわかり始めている。

スマートフォンを確認するが、時間は今までと『地続き』だ。
12時を回っている・・・そして、アンテナが示すのは『圏外』。

『小角』:
「推理するが…………こ、『ここはG県だと思う』」

ぽつり、と小角がつぶやいた。その言葉は『ヨロズ』に向いている気がした。

『小角』:
「わたしや、ヨロズさんが推理したり『口に出す』分には問題はないらしい。
 わたしたちがおかしな状態になっているなら、そこも妨げられそうな気がする。
 そうなるとやはり、『この町』に何かが起きているのではないか……
 あるいは、こ、『この町が何かで起きた町なんじゃないか』と、思えてならない……」

                  ゴクリ

『大丸』:
「異質って言っても……なんか、セットとか演出とかじゃないんすか?
 それに危険っていうのはないでしょ、今時そんなんSNSでいくらでも拡散されるんだし」

『仲真』:
「セットなら……ちょっと大掛かりすぎるかなぁって気はしますけどぉ……」
 
           「あっ、でも、ロッちゃんの言うこともわかるしなぁ……」

小角は言葉と共に、入り口の方――――厳密にはその『空』を見たようだった。
多くを語ろうとしない彼女だが、追随して同じ方角を見た仲真の怪訝そうな顔と、
小角自身の『確信』を帯びたような視線には、何か大きな違いがあるように思える。

・・・『ボーダー・リーヴァー』に異常などはない。スマホそのものにも異常はなさそうに思える。

>>217(宗海)

乗客たちは、女生徒の描く『絵』を見ながら会話しているようだった(>>215
何か芸術に興味でもあるのだろうか? 単なる『交流』の一環なのかもしれないが。

『出雲』:
「えー確か全体が『清月学園』で、『ナントカ等部』が下から上まで。ややこしいッスよね」

笑みを浮かべ、視線を空に走らせる出雲。『星見町』の方角を見ているつもりだろうか。

「あの町は……知り合いが、一応いるんスよ。だから何度か行ってますね。
 ま、この前行ったときはソレじゃなくって、仕事がメインでしたけど。
 あ〜卒業式じゃなくて、もうちょい前っすね。去年の、『学園祭』ってヤツッス」

                  ハハハ

「とにかく被写体の数も多いんで、カメラマンも引く手あまたってところで。
 オレはこの町だけじゃあなくって一応、このあたり一帯が仕事場なんでね、
 フリーでギリギリやってる身分なんで、呼んでくれたなら!ッてすぐ駆け付けましたよ」

そこまでごく最近、というわけでもないようだった。
彼くらいの年になると、『数か月前』までは『最近』だったりするのだろう。

「用意いいスね。それじゃ、行きましょうか――――っと、あそこの二人も『ツアー客』でしたっけ」

               「なんか用とかあるなら、ここで待っときますけど?」
 
宗海の走らせる視線に気づいたのかそう問いかけてきたが、特に必要ないならすぐ歩き出すだろう。

220小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/07(金) 14:37:47
>>218

まるで世界全体を覆い尽くしているかのように、果てしなく続く『赤い空』。
その奇妙な世界の中で、人々は普通に振舞っている。
それが却って、この町の『異質さ』を際立たせているように感じた。

  「――……」

あるいは、『世界の切れ目』のようなものが見えるのではとも思っていた。
しかし、自分が考えていた以上に『赤い空』は広い。
実際に目の当たりにしたことで、その事実を改めて実感した。

  ――『森』……。

落下の感覚を味わいながら、先程の光景を思い浮かべる。
手掛かりらしいものといえば、それしかないだろう。
当面は、そちらを調べてみるのが良さそうに思えた。

  「……ッ――」

『命綱が切れる可能性』を、直前まで期待していた自分がいる。
そうならなかったことに安心しながら、心の中には幾らかの『物足りなさ』が残った。
きっと今の自分は、それらが入り混じったような表情をしているのだろう。

  ――『治生』さん……。

  ――私は……。

地上に降りたら、係員が胴衣を外しに来るのを待つ。
次は、緑里が飛び降りる番だった。
ひとまず彼に預けた荷物を受け取り、緑里の跳躍を見守る。

  ――私は……まだ生きています。

それが済んだら、一旦『観覧車』に向かうつもりでいる。
地上からだと、木々に遮られて『歪み』の位置が分かりづらくなってしまう。
出来るだけ正確な位置を、『観覧車』の窓から把握しておきたい。

221宗海『エトセトラ』:2019/06/08(土) 16:41:02
>>219
「あちらは『生徒数』が多いですから、
 催し物も『活気』があって、撮り甲斐があるでしょうね」

    「『星見町』は、どちらだったかしら。
     ここは『A県』だから、より『西方向』ですけれど」

アウトドア慣れしてはいないので、
パッと『東西南北』を確認する方法は思いつかない。

>               「なんか用とかあるなら、ここで待っときますけど?」

    「いいえ、行きましょう」

      「『流星刀』に興味があるの」

それだけ言い残して、『入場』の受付を済ませたい。

222黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/08(土) 20:20:15
>>218
(……町の住人に、夕焼けが見える人はいるんでしょうか……。
 バス客でも見えていたのは一部でしたが……)

「……なるほど。
 ありがとうございました……」

学生にお礼を言って教えられた玄関へ向かおう。

223『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/09(日) 05:11:12
>>220(小石川)

赤い空――――それが実際のところ『どこまで』なのかはわからない。
目に見える限りなのかもしれないし、あるいは単に見えているだけで、
実際の範囲というのはそれほど広いわけでもないのかもしれないが、
いずれにせよ『森』の方角に見える『異常』には何か意味があるだろう。

    ・・・

          ・・・
               
                ・・・

地上に戻ると、やや『浮遊感』を感じた。
それが収まるかどうか、といううちに緑里から荷物を受け取る。

「叫んだりしないんですねぇ〜。なんか『もっとスリルが欲しい』〜ってな顔でしたよ」

「それじゃ、行ってきま〜す」

物足りなさはやはり顔に出ていたようだが、この浅い男から深い追及などはなかった。
彼も言葉に反して絶叫などはすることもなく、高所からの跳躍を事も無げに済ませ戻ってくる。

「ん〜〜〜でも、自分でやったら確かにアレはちょっと物足りなァ〜いですね。
 やっぱこう、『生きるか死ぬか』みたいなスリルこそ『非日常』かな〜〜〜ってぇ」

               「次、どうしま〜す?」

観覧車に向かうのであれば、何となく歩き出したらしい彼についていけばその方角だ。

>>221(宗海)

『出雲』
「どちら――――方角ッスか? ……さあ、どっちッスかねえ。
 さすがに、いきなり言われてもそこまではピンとこないッス。
 まあ、ここからだと『東』だとは思うッスけど…………ね」

返答はどこか、あいまいだ。
視界の端では同乗客二人が『校舎』方向に歩いていくが、
宗海と出雲はそちらではなく『ミュージアム』方面に向かう。

    ・・・

         ・・・
 
                 ザッ
    
                     ザッ

少しだけ歩き――――赤煉瓦つくりの『アーチ』をくぐると、その先に入り口があった。

『受付』:
「ご来館ありがとうございます――――入場料、学生は300円、大人500円頂いております」

                  スッ

受付の男性に入場料を支払えば、空調の整った清潔な『文化施設』が視界に広がる。
展示のほかに学生向けの『自習スペース』や、『シアター』なども用意されていると、案内板も見えた。

『出雲』:
「『流星刀』はこっちッス。――――――触ったりは、出来ないッスけどね。当たり前ッスけど」 

                               スタ
                                   スタ

>>222(黒峰)

『女子生徒』:            
「いえ、お気になさらず……えと、ぜひ色々御覧になっていってくださいね。それでは」

               ペコリ

女子生徒に見送られて、『校舎』の玄関のほうへと向かう『黒峰』ら。
もちろん教室などをすべて見られるかは分からないところだったが、
何か面白いものはあるかもしれない――――

『笹井』:
「なんか浮かない顔してるけど? 眠い? いやいつも眠いんだっけ?」

移動の際、『外ハネ』が特徴的な少女(>>221)と『出雲』が歩いているのが視界に入った。
向こうからこちらに特にアクションはないようだったが、ここにいる事は覚えていてもいいかもしれない。

224小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/09(日) 15:05:17
>>223

この『赤い町』こそが、今は何よりも大きな『非日常』。
それに比べると、むしろバンジージャンプは『日常的』とさえ呼べるかもしれない。
緑里の言葉を聞いて、そんな考えが頭をよぎった。

  「『非日常』――そうですね……」

  「ええ……そう思います」

今、自分達は紛れもなく『非日常』の中にいる。
緑里の言うような『差し迫った危険』は、今のところ感じられない。
ただ、分からない部分が多いことに不安を感じるのは確かだった。

  「――『観覧車』は、いかがですか?」

  「丁度この先にあるようです……」

彼の横に立って歩きながら、『観覧車』の方向へ向かう。
乗ることができたら、先程の歪みの位置を改めて確認したい。
『観覧車』なら、後ろに並ぶ人のために早く飛び降りる必要もない。

  ――もし、写真に写るなら……。

移動の最中に、頭の中で考える。
この世界で、スマートフォンのカメラ機能は使えるだろうか。
あの『歪み』を撮影することができるなら、試してみるべきかもしれない。

225黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/10(月) 18:34:18
>>223
「……眠いのもそうですが……少し……気になることが……」

(言うべきか言わざるべきか……悩みますが、向こうから尋ねてきたのなら……。
 ……信じてくれなくても、『寝ぼけている』と誤魔化すことは、できるでしょう……。
 笹井さんは……あまり細かいこと気にしないタイプのようですし……)

「……『空』が。
 私には……まだお昼だと言うのに、夕焼けのように赤く見えるのです……」

226宗海『エトセトラ』:2019/06/10(月) 22:16:14
>>223
「ショーケース越しでしょうね」

『流星刀』を見てみる。

227<削除>:<削除>
<削除>

228『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/12(水) 15:29:43
>>224(小石川)

『緑里』:
「昼から乗るのは初めてですけど〜〜〜、いいんじゃないですか?」

   「ま〜〜〜;『ロマンチックさ』には欠けますけど」

           「……」
 
             「晩にまた来れるとも限らないし?」

空を見上げ、返答する緑里。

観覧車には、緑里の言葉通り『時間』のせいか、
たいした待ち時間もなく乗車することができた。

『少女』:
「それではァ、ごゆっくり『紅鏡町』の景色をお楽しみくださァ〜〜〜い」

パレードの衣装……遊園地の『制服』なのか?
楽隊のような恰好をしたスタッフらしき少女が、案内を務めた。

そして……

               〜〜〜〜〜♪

ファンシーなBGMとともに、ゴンドラが赤い空に向けて上昇し始める。
歪みは、もう少し上がって『木』にさえぎられて見えない……『地上』にあるのだろうか。

>>225(黒峰)

「へ? 何言ってんの? ……普通に『青空』に見えるけどォ?
 『寝ぼけてる』んじゃないの? それかなに、なんかポエムなの?」

笹井には、見えていない。
彼女と、あるいは女生徒と自分の違いは何なのだろうか?
あるいは笹井と女生徒も『同じ』とは限らないのかもしれないが。

「そんなんなってたら皆騒ぐし、なんか錯覚とか、そういうのでしょ」

                                ザワ…

吹く風に揺れる花壇の花の音が聞こえる程度には、誰も騒いでいる様子もない。
赤い空を目にしている人間は、非常に『限られている』のは、ほぼ間違いないだろう。

>>226(宗海)

「展示物じゃなくっても、刃物ッスからね」

――――『流星刀』は、特に異変などもなく『展示』されている。

それを納めるためであろう『鞘』はさすがに隕鉄製ではないようだが、
実用品としては過度なほど、緻密な細工が施された『工芸』的な美。

                オ  オ  オ  ォ ォ ォ ・ ・ ・

「……」

鎮座する刀身の光沢は、『鋼』とは異なる・・・『宗海』の目にもそれが分かる。
分かる? 違う。『知っている』。

ある冬の田園風景、『上ノ田村』――――宗海は『それ』に近いものを、既に『知っている』。

「どうスか? 『流星刀』――――――なんか、感じます? 『歴史』とか」

                       「……『神秘』とか」

出雲が、その『鞘と刃』に視線を向けながら声をかけてきた。
他にこの展示を見ている客は、少なくとも『今のところ』は、誰もいないようだった。

229小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/12(水) 21:10:32
>>228

少女に会釈をしてから、ゆっくりとゴンドラに乗り込む。
そういえば、『飛び降りた』時も同じような格好の少女を見かけた。
彼女が着ているのは、バンジージャンプの場所で見た少女と同じ服装だろうか。
その二つを、頭の中で照らし合わせてみたい。
また、外見から分かる年頃や顔立ちについても可能な限り思い出す。

  「集合は『二時間後』――でしたね……」

スマートフォンを取り出して、今の時刻を確認する。
ロータリーを離れてから、どれくらいの時間が経ったのだろう。
今頃、矢田と運転手の二人は今後どうするか話し合っているのだろうか。

  「――先ほど、向こうの方に『森』が見えました」

  「『自然』は……お好きですか?」

窓の外を眺めながら、ゴンドラが上昇しきるのを待つ。
一番上まで来たら、まず『歪み』の位置を探したい。
見つかったら、その方向を見ながら緑里に声を掛ける。
あの『歪み』が、誰にでも見えるものなのかどうか。
『見えていない振り』をする場合もあるが、参考の一つにはなるかもしれない。

  「私は――晴れている日は森の中を散歩します」

  「『森林浴』をするのが好きなので……」

緑里が入らないように配慮して、スマートフォンのカメラで『歪み』の撮影を試みたい。
写らない可能性が高いと思われるので、『歪み』が中心に入るように撮影する。
ゴンドラの位置と併せれば、後から『歪み』の位置を確かめる参考にはなるはず。
小角からも、『手掛かり』の入手を頼まれている。
『手掛かりになる可能性のあるもの』は、出来る限り当たっておきたい。

230黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/13(木) 20:41:46
>>228
「バスで……何人か、外を見て反応していましたよね……。
 おそらくあの人達も……空の様子に気づいていたと思います……」

スマホで空の写真を撮ってみる。

231ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/06/13(木) 21:11:28
>>219

「……G県、M県、N県、Y県、A県」
「なるほど」

深く頷くヨロズ。

「確かに、何か事件があって切り離された町であると考えた方が辻褄があうかもしれません」

「となるとあの『霧』が出入り口と設定されているのですかね」
「ともかく、食べ終わりましたら一度バスに戻る事を提案します」
「そろそろ『集合時間』も近づいてきましたし」

232『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/14(金) 21:42:17
>>229(小石川)

服装については、制服なのだろう。同じだ。
年頃は近そうだったが、顔は流石に違うようだ。
・・・特に見覚え、既視感もない気はする。
顔を見ただけで正確な年齢は読めないが、
おそらくは『高校生』くらいではないだろうか?
地元の学生が、バイトでもしているのかもしれない。

「そうですねぇ〜〜〜、あんときから二時間後」

    「今で『一時間ちょっと』は過ぎてますねえ」

緑里もスマホを取り出し、見ている。
12時は過ぎている――――13時までは、多少は時間はある。

「自然? ん〜〜〜そうですね、嫌いじゃあないですよ。
 森林浴なんてのが似合う身分でもないんですけど、
 一時……そ〜いうのが好きな子と、仲良かったんで」

       「バードウォッチングとか、したっけなァ〜……」


            〜〜〜♪

そして・・・見え始めた。空間そのものに広がる『歪み』。
あれは『何』なんだ? ――――緑里の視線も、遅れて向く。

       「・・・・・・」

            「あれが、その『森』ですか〜?」

言葉に僅かに遅れがあったような気がする。
見えているのか――――あの歪み。それを『気のせい』としたのか、
小石川には見えていないと考え黙っているのか、それとも別の理由か。

          パシャ

スマートフォンには、赤い空と同じで『映らない』。
これに近い性質があるとすれば――――『スタンド能力』や、その影響だ。

>>230(黒峰)


「ああ! そーいえばなんか騒いでる子たちいたわ、
 コスプレみたいな恰好の子が多かったから、
 なんかホラ、『そういうの』だと思ったけど……
 あんたはそういう感じではないし、じゃあ、マジ?」

「……『モスキート音』みたいな話なのかなァ。
 ホラ、聞こえない人がいるっていう音……よね?
 いや、あれは子供には聞こえない音、だっけ。
 まあいいや、あれと同じで……同じようなもんで」

           パシャ

スマホに映る空は『青空』だ。
黒峰に、『それ』を試した経験があるかは知らない。
だが、一般論で言えば――――『スタンド』を映すのと、同じだ。
空そのものがスタンドなのか、赤い霧だけがスタンドなのか、
完全には読めないが、『物理的ではない存在』が、この空に介在している。

「見えないあたしにはフーンって話だけど、
 見えちゃうあんたには、大変な話なのかもね」

             ぱしゃっ

真似して空を撮る笹井のスマホでもやはり青い空が映るので、スマホの個体差でもないだろう。
・・・そのような話をしていると、向かっている『校舎玄関』から、一人、女子生徒が出てくるののも見える。

>>231(ヨロズ)

『小角』:
「た、試してくれてありがとう。わたしにも普通に聞こえた。
 やはり、『この町のもの』が外のことを表現できない……
 あるいは、外を知らない? ……表現しようとしてもできないのか、
 それともそもそも表現するつもりもないのか、難しいところだね」

県名を口に出すヨロズ。自分にも、小角の耳にも問題なく聞こえたようだ。
仲真も分からなさそうだが何度かうなずいており……おそらく大丸にも正常に聞こえている。

『大丸』:
「うーん、切り離されたっていうか、この企画のために『作られた』って感じじゃないんすか。
 ミステリーツアーのために町一つ隔離するとか、さすがに無理があるんじゃないすかね?」

『小角』:
「町を作り出す、か。ううむ、たしかにそれもあり得ない話ではない……」

現実的な視点しか持ちようのない大丸は疑問を呈する。小角もまだ答えには遠いようだ。

『大丸』:
「とりあえず、行動方針はヨロズさんに賛成す。食べ終わったら、いい時間でしょ」

『仲真』:
「たとえだよぉ、たとえ〜。あっうん、あたしもバスに戻るんでいいと思いまぁす」

そうこうしていると、注文していた品を老店主が席まで運んできた。
とりあえずこれを食べてしまってもいいし、何か店主に聞くことがあるなら、それも悪くはないだろう。

233小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/15(土) 17:28:19
>>232

スマートフォンを下ろし、『歪み』を見つめる。
ここから分かる範囲で大体の大きさを測ると共に、『歪み』の周囲の状況を確認する。
また、地上から見た時に目印になりそうなものを探したい。

  「ええ――『あれ』です」

現時点では、あの『歪み』が最大にして唯一の手掛かり。
確かめない訳にはいかない。
それも、出来るだけ早く。

  「あの……」

  「――よろしければ、ご一緒に行ってみませんか?」

『歪み』に視線を向けたまま、緑里に提案したい。
彼に話を振ったのは、この言葉が不自然になることを防ぐためでもある。
一人で行っても構わないが、可能なら二人で行くべきだろう。

  「……『ミラーハウス』がお好きでしたね」

  「その後で――というのはいかがでしょう?」

『歪み』から視線を外し、緑里に微笑する。
彼の答えを聞いてから、今度はロータリーのある方向を眺めてみたい。
バスが見えるのであれば、近くに人がいないか見ておく。

234宗海『エトセトラ』:2019/06/16(日) 18:32:51
>>228
飾られた『流星刀』をまじまじと眺める。

    「『美しい』、と思います。

     『鋼』とは違う、『黒曜』の煌めき。
     決して、『殺傷』の為に作られた『凶器』ではない。

     救済を求めて彫られた『仏像』のように、
     超常的な『神秘』を願って、この一振りが生まれたのでしょうね」

純粋な『感想』ではあるが、かの寒村にて出会った『石像』、
その存在を知らずしては、決して出てこなかった言葉だ。

    「『天』から降りたという『現象』そのものが、
     この『隕鉄』を特別な何かに変えた、そう思います。

     『月の石』はメディアによる『ブーム』の産物ですが、
     もっと強い『熱意』を込める何かがなければ、
     『刀匠』の方も、わざわざ『隕鉄』を加工しようなど、到底思わないはず」

235黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/16(日) 18:51:34
>>232
「写真で見るぶんには……ちゃんとお昼らしく青空ですね……」

校舎から出てきた生徒を見る。

236ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/06/16(日) 22:07:40
>>232

「何か、最近変わったことはありませんでしたか?」

店主に問う。

237『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/18(火) 00:01:53
>>233(小石川)

単に『森』が広がっているだけで、分かりやすい印を探すのは難しいが、
比較的近くに……『送電塔』が見える。あれを目印にしてもいいだろう。
大きさはそれほどでもない。車は通れるくらい・・・ではないだろうか?
周囲の状況については、繰り返すようだが『単に森』と言ってよさそうだ。
木々の影に何かがあってもおかしくはないが、ここからでは見えないだろう。

また――――ロータリーはさすがに見えない。
方角を把握していても『建物』などに遮られるし、
何より距離がそれなりにある。少なくとも人間が見える距離ではない。

「森林浴デートって感じですか〜〜〜、それも悪くない、ですねえ〜〜〜ッ・・・!」

          ニィィ…

「いや、むしろすごくイイ。『ミラーハウス』で迷いまくるなんかよりね。
 ……あ〜、もちろん実は興味あるとかでしたら、そっちからでもいいですけど〜〜〜ッ」

「…………森のほうが『興味深い』って感じの顔、してますもんね〜〜〜?」

微笑みに応えるかのように、緑里の笑みも深まる。
彼も歪みが見えていて、興味があるのか――――それとも『役得』でも狙っているのか?

                 ・・・やはり真意は読めないが、同行は出来そうだ。

>>234(宗海)

視線を吸い込む――――と形容しても言い過ぎではない程度に、『それ』は印象的だ。
出雲も、宗海の横に立ってそれに向ける視線には『熱』が感じられる。

「………………なるほど、ッスね」

           ズ ズ

「確かに、美しい。『魔性』ッスよ…………この刀はね」

                ズ ズ

「普通の『隕鉄』で刀を作る――――ってのは、相当難しいらしいッス。
 刀工が扱う鋼とはまるで性質が違うし、『刀の形』にするのさえ一苦労。
 だから、他で現存してる『流星刀』ってのは、『鋼入り』の混ぜモンなんス」

         「でも」

「こいつは違う――――『純粋な隕鉄』。何も合わせていない、隕鉄だけで作られた『刃』」

               「それは、『隕鉄』自身が望んだ形だった――――と。
                 これを鍛えた『刀工』は、言い残していたそうッス。
                  『夢十夜』の『仁王』が埋まった木みてェーに、
                    隕鉄自体が『刃』の形に刀工を導いた……なんてね」

         スゥ

出雲の指先が、展示の横の壁に備えられた『解説文』を指す。
例え話や言い回しはともかくとして、彼の語ったような内容が、書かれている。

「…………なんてのは、ここに書いてることッスけどね。
 『昔の人』の言ってることで、それが本当かなんてのは分からない……けど、この『刃と鞘』が、
 『道楽』や『流行』だけで作られたものじゃあないのは間違いない。武器でもない。コレは、『そういうのじゃあない』」

              「これはきっと……『儀式』のための刃ッス。
               まさに人間が、『神秘』に足を踏み入れるためのね」

                ズ  ズ
                                『カッ』
                          『チッ』

「…………………心当たり、あるッスか? 『隕石』が人間にもたらす、『熱意』ってヤツに」

そして・・・その指、その腕には、に『赤い外骨格』が螺旋状に巻き付いた、『豪腕』が重なっている。

238『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/18(火) 00:02:24
>>235(黒峰)

『笹井』:
「一応言っとくと、あたしにはこの写真と同じように見えてるから。
 雲の位置とかも同じだし……あんたも空の色以外は普通に見えてるのよね?」

写真の空と黒峰の見る空で違うのは『色』だけだ。
薄雲のかかり方や、鳥などがいない点、相違点は見いだせない。

『女子生徒』:
「どうも、どうも……こんにちは。校内見学の方ですよね?
 それにしては空ばかり眺められて、いるようですケド……」

       「それに……ねえ、なんだか……面白い話をしてらっしゃいませんか!?」 

生徒は、やや灰色がかった髪の少女だ。
片腕には『報道部』の腕章がある。言葉のイメージ通り耳聡いのか、興味津々といった様子で寄ってきた。

>>236(ヨロズ)

『店主』:
「変わった……そうねぇ、特に思いつかないけれどねえ……
 ああ。今日は時季でもないのに観光の方が多いみたいで嬉しいですけれどねえ。
 それ以外だと、特には思いつきませんけれど……ねえ?」

商売としてはありがたい話なのだろうが、『意味』があるのかは分からない。

具体的に『どんなこと』があったのか知りたい、という目星があれば、
より情報は引き出しやすくなるかもしれないが・・・
とはいえ、この店主が核心に迫るような情報を知っているとも限らない。

『大丸』:
「とりあえず、これいただきます。ヨロズさんも食べましょ」

『小角』:
「うむ……甘いものを食べれば思考が冴えるかもしれない。いただきます」

『仲真』:
「あっ、いただきま〜〜〜す」

ともかく三名は甘味を食べ始める。これを食べ終えたらどうするか・・・まだ時間はある。
他の店で聞き込むか、この店でさらに情報を深く掘るか、何か別の場所に行ってみるか。
あるいは室内遊戯の面々と、緩やかな時間の経過に身を任せるのも一つの手なのかもしれない。
現状、目に見えての異変は赤い空だけだが、時間や場所が違えば『何かある』可能性はある。

・・・店の外をちょうど例の『別の女子三人』が横切っていった。天雨はいない。
それぞれ『饅頭』のようなものや袋などを持って歩いており、どこか別の場所で食べるつもりなのだろう。

239小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/18(火) 16:22:58
>>237

緑里の考えは読めなかった。
分かりやすいように見えて、掴み所がない。
そんな印象を受ける人物だと感じる。

  「ええ……おっしゃる通りです」

  「よく、お分かりになりますね……」

無理に否定せず、彼に話を合わせることにした。
実際、森の方が気になっているのは確かなのだから。
彼の方から言い出してくれたのは、却って良かったかもしれない。

  「――先程も私の考えを言い当てられたでしょう」

緑里に同行してもらうのは、彼を一人にしないためだけではない。
『歪み』に対する彼の様子を見るのも、目的の内に含んでいる。
近くで見れば、また違った反応がないとも限らない。

  「『物足りないようだ』……と」

この『異変』の原因が『内部』にある可能性も、完全には否定できない。
それが緑里だという証拠はないが、そうではないという根拠もない。
少なくとも、今のところは。

  「……鋭い観察力をお持ちなのですね」

『観覧車』を降りたら、まず『遊園地』から出ることにする。
森まで歩いて行けそうなら、徒歩で入り口付近まで移動する。
距離が遠い場合はタクシーを探し、それに乗って森の入り口まで進みたい。

240黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/19(水) 19:15:37
>>238
「そうですね……空以外は、ごく普通に見えます……」

>「どうも、どうも……こんにちは。校内見学の方ですよね?
> それにしては空ばかり眺められて、いるようですケド……」

>       「それに……ねえ、なんだか……面白い話をしてらっしゃいませんか!?」 

「……ええと、はい、私達は見学者ですが……あなたは……?」

あなたは? と言っても腕章からして報道部員なのだろうけど。

241宗海『エトセトラ』:2019/06/19(水) 22:57:22
>>237
>「こいつは違う――――『純粋な隕鉄』。
> 何も合わせていない、隕鉄だけで作られた『刃』」

    「でしたら、この『流星刀』は、純度100%のミステリー」

    「……『チャンドラヴァルマンの鉄柱』もビックリね。
     『ダマスカス鋼』のように、失われた『技術』なのか、
     それとも、与り知らぬ『超自然』に導かれたのか――――」

『出雲』の言葉を聞き、傍らに置かれた『説明書き』に視線を走らせ、
何よりも、鎮座する『魔剣』の佇まいに只ならぬ『魅力』を覚え、

                ズ  ズ
                                『カッ』
                          『チッ』

だからこそ、『出雲』から浮き上がる『豪腕』への反応が、遅れたのだ。
浮き上がる赤色の『ヴィジョン』を、確かに視界に留め、思考を巡らせる。

     「……『心当たり』は、あるわ。

      恐らく、私はその『片鱗』を宿している」

額に浮かぶ『汗滴』を指先で拭いながら、黒髪の毛先を手櫛で梳く。
動作に意味はない。何の布石でもない。唯、細く伸びた指間で毛艶を拭う。

     「けれど、私に宿ったのは『熱意』じゃあなかったわ。
      確固たる『柱』よ。かの鉄柱のように、錆び行くことのない『礎』が……」

     「この点から、食い違ってしまったけれど。
      ――――どうなのかしら? 私達、『協力』し合えるの?」

単純な『危害』を加えるならば、郊外の『隕石痕』の方が手っ取り早い。
そして、『不意打ち』であれば既に行っている。……彼の目的はまだ不明だが、
可能性があるとするならば、『隕石』に興味の惹かれた人間を探すこと。

それ即ち、『スタンド使い』を探すことに他ならない。

242『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/21(金) 21:10:47
>>239(小石川)

「だって――――ねえ? 夢中で見てましたも〜ん。あの『森』を、ね?
 観覧車から景色見るときに……な〜んもない『森』見る人って相当森好きでしょ〜!
 ホラ、町のほう見たら屋根がそろいもそろって赤くって綺麗ですよ〜〜〜?」

     「それに〜、ミラーハウスは俺の好みに合わせてくれたわけで、
      でも森には自分から行きたいって言いだしてくれたでしょ〜?
      それなら森のほうを優先したくなるのは、『男のサガ』ってやつですよ〜」

先ほど『言い当てた』件には特に言及がなかったが、
小石川自身表情に出ている可能性を考えていたように、
普通に『顔に出ていた』のを見られたのかもしれない。
それだけ顔をじろじろ見ているのは、男もとい『ナンパ男』のサガだろうか。

           ゴウン
                   ゴウン

                        シューー

観覧車はやがて地上に戻り、件のスタッフらしき少女が扉を開けた。

「それじゃ〜〜〜行きましょっか、『森』」

距離感は完全には把握できかねるが、『タクシー』を探す時間と『歩く時間』を考えれば、
それほど大きな差はないだろう――――徒歩で移動し始め、しばらくすると『木々』が見えてくる。

              オ   オ    オ    

  
                     『ザワ』  『ザワ…』

風で葉が揺れる音が聞こえる。この奥地に『歪み』があるはずだ――――幸い、地面はある程度整備されている。

>>240(黒峰)

『少女』:
「エエ、申し遅れました……鏡ヶ丘学園、報道部の者です!」

            ペコ…

「見学に来られた方には、よく『取材』を申し入れておりまして。
 それにお二人、地元民でもないでしょう? 興味深い話が聴けそうです!
 ・・・それに、それを抜きにしても『ユーモア』のある話をしてるじゃあないですか?」

      クイ

            「『空が赤く見える』――――とか?
             ねえ、それ、詳しく聞かせてくれません?」

少女は指を空に向ける。彼女にも赤く見えているなら、もう少し慌ててもよさそうなものだ。

>>241(宗海)

『出雲』:
「いずれにせよ――――『オーパーツ』ッスね。
 この世には、存在しえないはずの……解明不可能な遺物」

             スッ

「だから、こいつを欲しがるヤツは必ずいる」

髪を梳くしぐさを見て、男の『スタンド』の腕は『ホールドアップ』のような構えを取る。
危害を加えるつもりはない、というサインだろう。だが警戒もしている――――という。

「『柱』に、『礎』・・・つまり『他人に振りかざす為』の物とは考えていない。
 あくまで自分を律するとか、確立するとか、そーいう物として『力』を捉えている。
 もちろん、『自分を貫く』ために力を振るうことは、あるんでしょうけど――――」

                『カッ』 

「いや。良い例えッスね。オレにはきっとそういう答えは出せない」

                     『チッ』

「オレは『協力』し合えると思うっス。いや、むしろ『お願いしたい』」

                  ――― シュン

そして腕のヴィジョンは、その存在感を即座に消失させる。
信用を得られたのは彼の洞察力が優れているからというより、
何か『策』を講ずることなく、『宗海』の誠実な応対によるものだろう。

「試すっていうか、見定めるような真似をしたのを、まずは謝ります。
 ただ……今、この『紅鏡町』に…………『危険』が入り込んでいる。
 そいつらの狙いは、この『流星刀』にある……その『可能性』が高い」

                フゥーーーーーッ ・ ・ ・ 
 
「……自分の目で見たわけじゃないッスから、『可能性』ッスけど。
 この町に来て、隕石に興味を示した人間を『放置』は出来なかった。
 いやまあ、ここまでべったり横について回る気は……なかったんスけどね」

様々な点について、『なぜ』や『どうして』は、今のところ見えて来ないし――――
彼が『正当性』を以て『守る』立場に立っているのかは、分からないところだ。

が、ともかく出雲としては、宗海の『素性』を知らないなりに・・・『協力』の可能性を見出しているようだ。

243宗海『エトセトラ』:2019/06/21(金) 21:57:46
>>242
「『入り込んでいる』、というのは。

 ――――私達の参加している『ミステリーツアー』に、
 『スタンド使い』がいて、『流星刀』を狙っている……」

     「『出雲』さんが言いたいのは、
      そーいう『懸念』かしら。それとも、そーいう『確信』?」

ヴィジョンの『解除』を確認し、ゆっくりと話しかける。
ヨソモノ相手に行き過ぎた『警戒』を抱いた彼が、
たまたま『ビンゴ』を拾った、そういう可能性も否定できない。

   「何かしらの『スタンド能力』による『影響』が、
    私達の乗る『観光バス』の接近と共に進行し、
    『町』への到着と共に、気付かぬように『発揮』された……」

   「それなら、『危険』を察知した貴方が、
    『バス』の到着を待って、『写真』を撮った理由も解るわ」

『目』で見たわけはないなら、他の四感に頼っ『超感覚』。
――――若しくは、『肉眼』ではない『媒介』を用いた『超視覚』。
彼が『写真』を撮った理由は、果たして『観光客』への『チップ』の要求だけだったか。

   「――――私は『久遠宗海』。
    見ての通り、唯の弱々しい『女子高生(モブ)』に過ぎないけれど」

   「猫を噛むだけの『力』は持っているわ。名前は『有象無象(エトセトラ)』」

『流星刀』を狙った『スタンド使い』が本当にいるのなら、
それが飾られた『展示室』は、最も『危険』な場所だ。
だが、彼が『流星刀』を重要視するのであれば、
『破損』のリスクを犯してまで、暴れる可能性は低い。

この場所に陣取って、まずは『出雲』の仔細を確かめる。

244小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/22(土) 05:44:37
>>242

普段なら、森の散策は乱れた気持ちを落ち着かせてくれる。
しかし今は、葉が揺れる音を聞いて心なしか緊張を感じた。
この奥には、正体の分からない『歪み』が存在しているのだから。

  「……せっかくですから、少し歩きましょうか」

  「幸い、道は整備されているようですし……」

緑里に声を掛けて、森に続く道を歩き出す。
口には出さないが、目的地は先程の『歪み』。
目印となる『送電塔』を頼りにして、進んでいきたい。

  「『以前の旅行』でも……森の中を歩いたことがありました」

歩きながら、看板の類や伐採の跡など、人の手が入った痕跡を探す。
町の人々にとって、この『森』が『どのような場所なのか』を知る参考にしたかった。
それが分かれば、他の新しい手掛かりを得るための助けになるかもしれない。

  「――『ウソ』という鳥を見たことを覚えています」

本体の目は正面を見つめ、切り離した『目』は引き続き後方付近に気を配る。
機会があれば、『目』を動かして少しだけ緑里の様子を確かめておく。
彼に何らかの危害が及ばないためでもあり、それ以外の理由もあった。

245黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/22(土) 21:04:47
>>242
「はあ……。
 ……詳しく、と言われましても……そのまま、『空が赤い』以上のことは……。
 例えばこの街にそういう伝承は……あったりするんでしょうか……?」

246ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』:2019/06/23(日) 21:47:11
>>238

「なるほど」
「いつでも観光客がいるわけではないのですね」

そう言いながら店の外を通る3人を目で追っていたが
特に追うことはせず、出されたものに手をつける。

シャクシャク シャクシャク キーン

247『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/24(月) 01:11:57
>>243(宗海)

「それは――――『懸念』ッスね」

「流石に事情を全部ゲロる気は、ないッスけど。……『共に進行』じゃないんス。
 町に別から『危険』が入ってきたのと、あんたらのバスが来たタイミングが近すぎる。
 別から来た危険はあんまりにもいきなりだったんで『正確な位置』までわからなかったんスけど、
 それで警戒してる時に来たあんたらは、バスって目印もあって『察知』することが出来たってワケで」
 
「要するに――――『何かが起きたタイミングで』『普段来ないバスが来た』んス。
 それなら……『何かを起こしたヤツの仲間』がそっちにも紛れてる、としてもおかしくはない」

        「だから、言いがかりみてーッスけど警戒させてもらってました。
          写真はその通りで。どんな人間がいるか、把握しときたかった」

そこまで『バスが来る』のが珍しいのだろうか。神経が過敏すぎるのか。
いずれにせよ、何か確信があるわけではないようだ――――バスについては。

「久遠さん――――と、『その他色々(エトセトラ)』ッスか。
 …………ま、『弱々しい』ってのは話半分で受け取りますよ。
 自分から『弱い』って言い出すスタンド使いは、だいたい『厄介』」

「それにその目。『修羅場』の一つや二つは、潜ってきてそうだ」

            ザッ

「こいつは『イレテ・ユンヌ・フォワ』――――オレの『熱意』」

                   『カチッ』 『カチッ』

全身は見せない――――やはり、腕だけが重なっている。
そして、発現されたばかりのそれはすぐに解除される。
腕しかないスタンドという風でもないので、これも警戒の証だろうか。

「とにかく…………『未知の危険』の狙いは、まず間違いなく『流星刀』。
 この町で悪党に『狙われる』のは――――こいつ、くらいしか思いつかないんでね」

                オ  オ  オ  ・・・

「ここでずっと待ってるのも考えたんですが、出来るならここに来る前に敵の正体が掴みたい。
 もし敵がここに辿り着いて乱戦になったら、あの刀を守れる保証は……あんまりないッスし」

                   「・・・その手段があいにく思いつかないんスけど。
                    『もう片方』から来た連中はもう、分散してるだろうし」

>>244(小石川)

緑里は、『目』の見える範囲で何かをしているような様子はない。
ただ歩いている……大きく広がるポンチョの下に両手を入れ、どこか『蝙蝠』のように。

「いいですよ〜、『森の入り口』だけ見て帰るのも謎ですからね〜〜〜っ」

           ザッ
                  ザッ

道には、『足跡』がある。
森から出てきたであろう人間の足跡だ。

どうやら――――人の出入りは、かなり最近にでも、あるようだ。
反面看板らしい看板は無い。が、道の横に茂る草は刈られている。
おそらく送電塔の整備など、必要最低限の人間だけが使う道なのだろう。

「『森』ね〜、『送電塔』みたいなのさっき見えましたし、
 それ用に整備してるんですかね? 『子供の遊び場』って風ではないですし」

           「『遭難』とかしないように、しないとなァ〜〜〜」

    ザッ   
          ザッ
                ザッ 
                       ザッ ・・・
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜、『ウソ』!」

「なぁ〜〜んでしたっけ、なんか小さい鳥ですよねェ〜?
 バードウォッチング……あんま真剣に、やらなかったんだよなァ。
 昔の彼女が探してたなあ。見せてやりたいとか言ってさ〜〜〜〜ッ」

     「『主水くんウソつきだからちょうどいい』〜〜〜とか言ってェ」

              「か〜〜〜わいい、子だったなあァ〜〜〜〜〜〜」

       ザッ ・ ・ ・

しばらく、歩き続ける――――送電塔は、もう近い。
ふと、足跡が『横道』から出ている箇所が見えた。それより先、道には足跡がない。

        ・・・道の向こう、『送電塔』から来たわけではないのか?
            そしてその方向を見れば、木々のはざまに『歪み』が見える。

248『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/24(月) 01:12:22
>>245(黒峰)

『報道部員』:
「いえいえ、『ファンタジー』じゃありませんから。
 『夕焼け』や『異常気象』ならともかくとして……
 『一部の人』にしか見えない『赤い空』なんて初耳ですよ」

『笹井』:
「ああ、異常気象とかでそうなるのは聞いたことあるわ、地震の前兆だっけ。
 これはこのヒトしか見えてないっぽいから、そういうのじゃないだろうけど」

笹井の言っていることは根拠がなさそうだ、ネットの受け売りとかだろう。
ただ実際、『空が赤くなる』現象自体は確認されている――――が。

『報道部員』:
「いえ、その人だけじゃあないんですけど…………ああいえ、詳しくは知らないんですね。
 となると他の人にもあたって見るべきかしらん、『情報は足で稼げ』と言うことだし……」

                 ブツ  ブツ

「ちなみに『赤い空』を見たって人、一応確認ですけど『バスの中に他にいました』?」

                               ・ ・ ・ ?

>>246(ヨロズ)

「そうですねぇ、大した観光名所があるわけでもないですもの……
 そのために町を真っ赤にしたりしたけれど、それもねえ。
 見た目だけ変えたって、そう何度も人が来てくれる程じゃあ、ねえ」

                 キャイ
                   キャイ

外の三人の会話は聞こえては来ないが、
主に一人が盛り上がっており、かしましい様子だった。
逆に内一人はまるでつられて盛り上がる様子もなさそうに、
気がかりな視線を空に向け・・・他二人と共にそのまま見えない所へ歩き去った。

――――もしかすると彼女も『赤い空』が見えるのかもしれない。
だからどう、というわけではないが、協力の可能性はあるし、
逆の言い方をすれば『放っておいても何か貢献してくれる』可能性もある。

「特に若い子はね……景色よりレジャーのほうがお好きでしょう?
 地元の子だって、あえてこういうところには来てくれませんし。
 最近はコンビニなんかで、お菓子もいくらでも買えますからねえ。
 お嬢ちゃんたちみたいな年頃の子は、本当に、久しぶりのお客さんだわ」

            ニコォ…

「お茶、おかわりもできますから。ゆっくりしていってちょうだいねえ」

旅情を味わうにはいい店かもしれない。小角らもしばし甘味に集中している。
ヨロズのほうで何か行動の方針――――バスに戻る以外にあるなら、今言い出せば間に合うだろう。

逆に何も言わないなら、もうじき食べ終わるであろう彼女らに合わせ、あとはバスに戻るだけになる。

249小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/24(月) 17:01:40
>>247

今の場合、送電塔は単なる目印に過ぎない。
あくまでも目的は、『歪み』の正体を確かめること。
だから、どうしても『横道』に入る必要がある。

  「……今、ご覧になりましたか?」

  「向こうの方で、『小さな鳥』が見えたのですが……」

その場で足を止めて、『横道』に視線を向ける。
『森』の中に鳥がいるのは、ごく自然なこと。
もちろん、それは『この場所』にも当てはまるだろう。

  「もしかすると……『ウソ』かもしれません」

  「――行ってみませんか?」

静かに振り返り、緑里に微笑み掛ける。
『鳥が見えた』というのは、本当のことではない。
彼に言った言葉は、私の『嘘』だった。

250黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/24(月) 23:50:27
>>248
「……。
 何人か……『いました』。
 ……伝承は無くとも……なにか気になることでも……?」

単なる『記事になるかもしれないから食いついてみた』、というふうではないような気がする……。

251宗海『エトセトラ』:2019/06/26(水) 20:34:26
>>247
「『敵の正体』を掴む。
 『流星刀』を護る。

  ――――大丈夫、『策』ならあるわ」

『ショーケース』に付属する『センサー』、
周囲に『監視カメラ』の有無を確認する。
また、この展示室は『扉』を閉ざせば『密室』になるか、確認したい。

『出雲』の傍へと近づき、耳打ちをする。

    「――――『流星刀』、盗んじゃいましょう。
     『ターゲット』が消失すれば、敵は必ず『手掛かり』を探す」

    「当然でしょう? 世界に一つしかない『隕鉄刀』なのよ。
     それを『盗人』から『盗み返す』だけで、簡単に手に入るのだから。
     限られた『ツアー』の中で動くのなら、絶好の『隙』になる」

    「敵が動かなければ、その程度の『熱意』ということよ。
     後でコッソリと返して、知らんぷりすれば心配ないわ」

『ハンドバック』に手を入れ、『エトセトラA』を発現。
『双眼鏡』を噛み削らせ、『真っ二つ』にしてバッグから取り出す。

    「私の『エトセトラ』なら、
     『ショーケース』も『飴玉』と一緒。
     この『密室』の外から『破り取れる』わ」

『共犯』の示唆によって自身のスタンド能力を明かす理由を作り、
それは『イレテ・ユンヌ・フォワ』の詳細を語らせる切欠となる。
何より、『ショーケース』を静かに破れるという『結果』が、
計画そのものへの『説得力』を高めるだろう。

    「スタンド使いに『共謀罪』はないのよ。
     つまりは『やる』か『やらない』か。
     それとも、『立ち聞き』で終わらせる気?」

最悪、『失敗』したとしても『未遂』の犯行は町内に伝わる。
そうなればどの道、『犯人』は黙ってはいられないだろう。

252『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/27(木) 23:21:57
>>249(小石川)

「……いや? 見てなかったですねェ〜〜〜。良いですよ、行きましょうか!」

              「『こっち』ですよねえ〜?」
 
      ガササッ

           ガサッ

「『ウソ』でもなんでも〜、
 こういう『探検』みたいなの『イイ』ですよね〜ッ」

   ザッ ・・・

「『順路』をめぐるのだけが、旅じゃあないってゆ〜か? これも『スリル』かな〜」

草木をかき分け、横道に入る。

                     『ザザッ』 

木や地面はごく普通にそこにあり、見える光景も本当に、特に違和感はない。
だからこそ、ただそこにある『空間のゆがみ』としか言えない何かが際立っている。

    『ガガガッ』

                  オ       『ガガ』
                       オ   
                            オ

       「う…………」

    オ               「ウ……ぐ…………」

            オ   
                  オ

その光景が何を意味するのか――――

『緑里』:
「………………………………………」

空間に開いた『穴』を中心に、さながら前衛芸術のように『罅われ』『ねじれ』た森の一角。
その穴の向こうは――――『霧』が広がる峠。かすかに覗くその空の色は、透き通るような『空色』の空。

                       ・・・そして、どこかから微かに聞こえるうめき声。

>>250(黒峰)

『報道部員』:
「ああやっぱり、私の聞き違えじゃあなかったんですね。
 まあ……『気になる事』と言いますか、これは『特ダネ』ですけどね。
 私しかおそらく掴んでいない情報なんですが…………内緒ですよ?」

         スゥーー ・・・

もったいぶるように言葉をためる少女。
そして辺りを少し見まわし、誰もいないのを見てから・・・口を開いた。

「伝承どころかね―――――『今日外から来た人』だけなんですよ。
 この町で『赤い空』の話をしてるのは、ね。
 こんな偶然ってあります? 私は、ないと思いますよ……!」

彼女がどのようにしてそれを知ったのかも謎ではあったが、
それ以上に『奇妙』な現象・・・それでは赤く染まる『紅鏡町』を見る人間はあまりに限られる。

なぜ? どうして? どういう目的で――――あるいは『事故』で、そうなっているのか。
 
「で、見えてる人に何か共通点があるのかな〜、と思いまして。
 ちなみに、『どんな人』だったかとか、お分かりになられます?」

『笹井』:
「……どんなやつらだっけ、騒いでたの。あたしあんまり覚えてないわ。覚えてる?」

253『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/06/27(木) 23:33:08
>>251(宗海)

「――――策?」

ショーケースにセンサーは、少なくとも見当たる限りではない。予算が無いのだろうか?
それとも『価値』が真に理解されていないのか。一応監視カメラは、天井の隅に存在する。

また、展示室を密室にするのは不可能ではないが、あまり現実的ではなさそうだ。
確かに扉はあり、閉じる事も出来るだろうが現在は解放されっぱなしだし――――
なにせ、他の展示品もある――――幸い客こそ他にはいないが、それなりに広い空間で、
外には学芸員などもいた。もし仮に閉じたとしてすぐに開かれるなりする可能性は高い。

「いやッ、それは――――――いや、いやいや」

ともかく。宗海の囁きに、出雲は驚愕の表情を見せる。

「『盗む』ッて」     「・・・『おれら』で?」

「そりゃ――――まあそりゃあ、確かに、いい案、ッスけど。
 未知の敵相手にここで待ち構えてるよりは、こっちから動く方が良い、ってのは。
 それにその能力なら確かに、間違いなく『盗み出す』事も……」

       「いやでも」       「しかし、ッス、よ」
  
                         「…………」

             「…………いや」

      「おれの」

双眼鏡に、視線が落とされる。

「おれの――――『イレテ・ユンヌ・フォア』は」

          ズギュルル
                ッ

                    『カチッ』

「作り出した『時計の針』――――――を突き刺した、魂の無い存在を『止められる』」

       『コチッ』

発現した腕、その手に現れる『ねじれた針』は、なるほど『長針』のようにも見える。
宗海の話術、示した『結果』が、彼の口を開かせる。能力の全貌では、無いのだろうが。
少なくとも、宗海がしたように『試して見せてくれる』様子はないようだった。

・・・だが、出雲の表情には『出し惜しみ』は無い。『本心の熱意』を帯びているようだった。

「…………悩んでる時間は、惜しい。『やりましょう』――――その前に一つだけ聞きたい」 

                 「『謀(はかりごと)を共にする』のを越えて、
                  そこまで協力してくれるのはすごォ〜くありがたい。
                  『共犯』になる――――その『対価』は? 何か、『望み』でもあるんスか?」

254小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/28(金) 00:52:20
>>252

思わず声を上げてしまうことを堪え、その場に立ち尽くす。
遠目から見ていても、それが異様な光景であることは分かった。
近くで確かめたことで、その『異常さ』が一層強烈に感じられる。

  「……申し訳ありません」

  「どうやら『小鳥』を見失ってしまったようです……」

努めて平静と変わらない声色を意識して、緑里に呼び掛ける。
それによって、彼の反応を確かめたい。
ここまで目立った反応を見せなかった彼だが、念のために確認する。

  「もしかすると……『見えにくい場所』にいるのかもしれません」

『穴』に向かって歩いていき、五メートルほど手前で立ち止まる。
『向こうの景色』を見ると、この『穴』の奥が『現実の世界』である可能性が考えられる。
おそらくは正常な色であろう『空色の空』が、それを裏付けている。

  「――とても小さな鳥でしたから……」

『呻き声』が聞こえていない風を装いながら、辺りに視線を巡らせて緑里の注意を引く。
その間に、切り離し済みの『目』を操作する。
後頭部から背中、背中から脚を通って、地面に下ろしたい。

  「ああ――」

『森の中の横道』なら、地面には草が生い茂っているだろう。
それを物陰として利用すれば、緑里が視線を下に向けたとしても気付かれにくいはず。
草に隠れながら『目』を『穴』まで進ませ、そのまま『通過』を試みる。

  ――ここに『誰か』がいる……。

  「……『鳴き声』で分かるかもしれませんね」

『呻き声』が人のものだとすれば、『声の主』がいるはず。
声に耳を澄まし、それが聞こえてくる方向を掴みたい。
『助け』を必要としている人なのか、それとも――。

255小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/06/28(金) 01:01:03
>>254

『穴』が空中にあるなら、四メートルほど手前で立ち止まる。
そこから一旦『目』を地面に下ろして進ませ、自分の身体の陰で『穴』に飛び込ませたい。

256黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/06/29(土) 19:15:11
>>252
「……どんな……と、言われましても……。
 ええと……女性が多かった? ……ような……」

記憶を手繰り寄せながら。

257宗海『エトセトラ』:2019/06/30(日) 17:34:04
>>253
>「おれの――――『イレテ・ユンヌ・フォア』は」

>「作り出した『時計の針』――――――を突き刺した、魂の無い存在を『止められる』」

    「――――『決定』ね」

『防犯センサー』が存在しない理由は納得できる。
『監視カメラ』がある上、展示規模が小さければ『有人警備』で事足りる。
何より、簡単な悪戯で『誤作動』を起こすセンサーは、『学校』と相性が悪い。

    「その針、『投げられる』?

     狙いは『監視カメラ』よ。
     私達は部屋の外に退避し、『監視カメラ』の時間を止める。
     そうすれば、私達が『盗み』を働く間も、『無人空間』を中継し続ける」

    「少なくとも、『レンズ』に縛ってスタンド能力を行使すれば、
     『電子機構を活かしたまま』、『レンズ』だけが無人空間を映し続ける」

『ショーケース』の構造を確認する。
台座部分に『収納スペース』などはないだろうか。

    「今のところ、『望み』はないわ。
     きっと、貴方が叶えるには『大きすぎる』から。

     貴方が何がなんでも『流星刀』を手に入れようとするなら、
     その『スタンド能力』を利用して、容易く奪い取っているはず」

ある種の『隕石』が『スタンド能力』を目覚めさせる。
限られた者のみが知る『情報』を知り、『悪意』があるのなら、
既に得た『スタンド能力』を以て、実力を行使しているはずだ。

    「――――そうしていないのは、悪事を働く『人間』ではないからよ。
     だから、この『流星刀』を貴方に預ける、――――そういう話、ってだけ」

ニコリを微笑むと、『出雲』の袖を掴んで、引っ張る。
外へと退出するように、促した。

258『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/01(月) 23:55:06
>>254(小石川)

           「あ」

「ああーーっ、いや、いいんですよぉ〜っ。
 鳥は見失いやすいもんですしねえ。
 大人しくしてる鳥が見たいなら動物園でいいんですし〜?」

緑里は動揺している…………ように思える。
その感情は決定的ではない。だが、『なぜ決定的でない』のか。
何もない人間に、『動揺していることを隠したがる理由』があるのか?

      スゥーーーー ・ ・ ・

草陰を抜ける目は、そのまま『空間の穴』を抜けて『外』に出る。
冷たい空気の感覚は小石川が立つ森の中と地続きだったが、
やはりその空は『空色』――正常な空だ。通過に抵抗もない。

            そして・・・

 「ぐ…………」

         「…………?」

「う…………だ、誰か…………いる、のか?」

声は、歪みの外から聞こえるのが分かる。
つまり・・・音についても、物体と同じく通過出来るようだ。

この歪みを超えるか・・・それとも、超えずに何とかして外の声と接触するか。

>>255(黒峰)

『報道部員』:
「なるほど、女性ですか………………確かに。
 …………『赤い空』の話を私が聴いたのも、
 ほとんどは女性でした。全員ではないですけど」

得心したような様子で頷く、報道部の少女。
懐から取り出したメモ帳に何事かを書き込み、
穏やかな笑みを浮かべて小さく一礼した。

「……さて。私は他の人にも話を聞きに行こうと思います。
 『情報は足で稼げ』――どんな便利な道具を持ってても、それが鉄則」

    スッ…

        『ピョコッ』              

「――――それでは、校内見学をお楽しみくださいね」

そして・・・校門の方へと歩を進めるべく動き出したその足。
彼女が踏んでいた地面に『花』のような物が咲いている。
ずっと踏みっぱなしだったのだろうか? それにしては元気なものだ・・・

『笹井』:
「どーする? 学校の中もっと見て回る? 帰る?
 集合時間まで……まーそんなに余裕はないけど、
 さすがに広いっても学校の中見るくらいはいけるよね」

259『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/01(月) 23:55:32
>>256(宗海)

宗海の言葉にやや考える様子を見せる出雲。その間にショーケースの構造は調べられた。
台座部分には引き出し式の収納が存在する。何に使うのかは分からないが、
理由があると言うよりは、『収納付きの台』を流用しただけかもしれない。

・・・とはいえ当然というか『鍵』は掛かっているようだし、
現在使われているのかも不明――つまり鍵の有無も不明だが、
宗海には『マスターキー』がある。そこは問題あるまい。

「――そうスね。その作戦通りの事は、出来ますよ。
 カメラの機能を保たせたまま、リアルタイムの録画を止める。
 ただ、カメラの『時間を止めてる』ってわけじゃあないッスから・・・
 もしアドリブで何かやるなら、そこんとこはヨロシクって事で」

時計の針という形状が招いた誤解だが、言い方にはやや含みが伺える。
時計。能力の『外見』には『無意味』なものも珍しくはないが・・・
類推するには、『場数』と『推理』に長けた宗海と言えど材料は足りなそうだ。

        スタ   スタ

「そ、ッスか。ま、おれは確かにそうそう大それた事が出来る男でもない。
 それに・・・きっと、たぶん、『善人』なんかでもない。
 ――せめて、その『信用』にはしっかり答えるくらいは、させてもらうッスけど」

袖を引かれた出雲は、スタンドに『針』を固く握らせ、
促されるままに外に出る。その表情から感情は読みづらいが、
少なくとも信任を口にした宗海への悪意は感じない。喜びや安堵とも、違うようだが。

「『イレテ・ユンヌ・フォア』」

    グググッ

        「――もう後戻りは出来ないッスよ」

           ヒュ ォォッ

そしてスタンドの腕が、さながら弩の如く引き絞られ・・・投擲のフォームに入る。

今ならギリギリ止められる。何か最終確認があるのなら、今だ。
逆に止めないのであれば、『針』は次の瞬間には監視カメラを射抜いているだろう。

260小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/02(火) 04:53:01
>>258

目の前の『歪み』も『赤い空』も、どちらも写真には写らなかった。
そして、『赤い空』は一般人には見えないらしい。
それらを考え合わせると、『歪み』もスタンド使いだけに見えていると思える。

  「ええ――」

  「でも……まだ近くにいるような気がします」

もし自分の考えている前提が正しいなら、一般人が『歪み』を前にして驚くことはない。
動揺する者がいるとすれば、『それが見える人』だけなのだから。
彼には――緑里の目には、どのような景色が見えているのだろう。

  「この辺りを少し探してみたいのですが……」

  「緑里さんは『あちらの方』を見てきて頂けませんか?」

そう言って、ここに来るまで通ってきた『横道』の方向に視線を向ける。
緑里の真意については、まだ分からない部分が多い。
だから、今は深い追及をすることは控える。

  「最初に見た辺りにいるのを見落としていたのかもしれません」

  「ここで見当たらなければ……私も向こうへ戻るつもりです」

ひとまず緑里と離れ、一人になりたい。
木に止まる小鳥を探すように辺りを見渡しながら、彼の姿が十分に遠ざかるのを待つ。
それから、『歪み』の方へ足を進める。

  「はい――私は『ここ』にいます」

緑里に聞こえないように、声を落として『歪みの外』に声を掛ける。
また、ポケットに入れていた『耳』を操作し、『目』と同じく『歪みの外』へ進ませる。
草陰を這わせ、それらが『声の主』に見えないように注意を払う。

  「……『あなた』は、どなたですか?」

  「もし何かお手伝い出来ることがあれば……おっしゃって下さい」

『声の主』の状況を知るために、『歪み』を通して言葉を送る。
そして、『耳』で詳しい方向を探り、その方向にいるであろう『声の主』を目視確認したい。
言葉で伝えられる状況と、実際の様子に食い違いがないかどうかを知るために。

261黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/03(水) 19:58:50
>>258
「そうですね……。
 あ……ちょっと待ってください」

立ち去ろうとする報道部員を呼び止める。

「……私達は、お昼ごろにバスでこの街に来ましたが……他にも『外から来た人』はいるんですか……?」

262宗海『エトセトラ』:2019/07/03(水) 22:15:24
>>259(宗海)
「どうせやるなら、早い方がいいわ」

『エトセトラB〜E』をハンドバッグ内に発現し、
いずれも『レモンキャンディ』を包装フィルムごと齧らせ、
ヴィジョン内に『キャンディ』のみを貯蔵させていく。

      「行きましょう、放って」

      「そして、私の方は見ないでくれるかしら。
       『エトセトラ』は、とても臆病なのだから」

周囲の人気が消えた時、『出雲』に命じる。
『監視カメラ』が停止したならば、ショーケースの前へ立つ。

      「大事なのは、どのタイミングで『犯罪』になるか。

       『監視カメラ』を止めたのであれば、まだセーフよ。
        けれど、『流星刀』を盗んだのなら、完全にアウト」

      「アウトへの着手を、ギリギリまで引き延ばす」

台座の『引き出し』に手を伸ばし、『エトセトラF』を掌内に発現。
『F』に『鍵穴』と『デッドボルト』を齧らせ、無理矢理開錠する。

      「『引き出し』から忍び込ませた『エトセトラ』の群れが、
       『台座』を刳り貫いて『流星刀』を引きずり落とす」

      「後は『発覚』を遅らせるだけよ。
       本当は『贋作』を展示するのがセオリーですけれど、
       そんな時間もありませんから、『間に合わせ』ですけれど」

開錠を終えたら『引き出し』に生まれた穴間に指先を入れ、
『エトセトラG〜P』を引き出し内に発現する。

ここまでの行動すべて、『宗海』は『指紋』を残さないようにする。

263『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/05(金) 21:45:19
>>260(小石川)

『緑里』:
「あ〜〜〜……ええ、んじゃ、向こうのほうを見てきますんで」

       ザッ  ザッ

           「『鳥』ィ〜、がいたら呼んでくださいね」

  ザッ ・・・

「もしくは何もいなくっても。そ〜う遠くまで見に行くつもりはないんで」

緑里のほうは――――少なくともこの状況にこだわる理由は無いらしい。
ポンチョに隠れていた手で小さく行く先を示し、すぐに背中は見えなくなる。
そもそも『真意』と言えるような目的があるのか、という段階から謎であり、
彼の存在は状況の『ノイズ』になりえる。離れさせたのはおそらく英断だ。

                ザッ
                       ザッ
        ザリッ――――
                           ヒュォォォォ・・・

『???』:
「だッ………………『誰だ』?」

       「『その声』」

            「『あいつら』の中にはいなかった……ぐ……」

      ヒュ ウ ウ 

耳もまた歪みの外に出る――――外の『峠』は厳密には車道沿いのガードレールの外で、
多少なりとも草木は生えている。そこに忍ばせれば、気づかれずに視聴覚を飛ばせる。

「この町の住民では、ない……はずだ、お前は誰だ……

             お……俺は……『アリーナ』の『笹暮(ささぐれ)』」

                       「お前…………は…………何処の、何者だ……!?」

そして――――目は捉えた。

倒れているのは、『スーツ』を着た灰色の髪の男・・・うつぶせの状態で顔を上げている。   
角度的に上半身しか見えていないが、各所に負傷が見え、その苦悶の声も――――『演技』とは到底思えない。          

>>261(黒峰)

「ん? なんですか、何か他に情報でも――――」

報道部員はすぐに足を止め、振り返る。
そして黒峰の質問には事も無げに言葉を――――

「え〜、そうですね。『森』のほうから入ってきた人たちが――――」

             「それにしても、なんで『森』なんかから来たんでしょうね?」

というにはやや大きな疑問符を語尾に乗せながら、紡ぐ。
森。『紅鏡町』の一部なのだろうか? 少女は、言葉と共に最初『観覧車』が見えた方角を見ている。

264『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/05(金) 21:45:31
>>262(宗海)

「見ない? ――いや、理由は聞かないッス。
 どんな能力であれ、見せたいって方が珍しい」

宗海の要請は、特に疑問も挟まれず承諾される。
警戒心がない、と言うよりは協力者への信用か、
・・・警戒せずともいざとなれば対処可能という驕りか。

「『大は小を兼ねる』――――『時間経過』だけはそうは行かないッスね」

                      「始めましょう」
             ヒ                
                         ュン 
                  『シュゴッ』

投じられた針は、閃光のように視界から消え『監視カメラ』を射抜く。
速い。破壊力については不明瞭だが、精密性もかなりのレベルだろう。
いずれにせよ、監視カメラは物理的破損を伴わないまま、『動作』を停止した。

「これで、カメラを止めたのは『100%能力』――――
 偶然の故障もあるし、立証のしようもない。『証拠』は残りません。
 けど盗むとなると、物が無くなったタイミングでそこにいた人間は容疑者になる」

「――――ってのはわざわざ説明するまでもなく、分かってるみたいッスね」

そして・・・

        『ガッ』     『ガガガガガガ』

                           『ガガガガガガガガ』

「………………」

――――『エトセトラ』の仕事もまた、極めて精密かつ迅速だ。
出雲は言いつけ通り、入り口の側を向いており『工程』を見る様子はない。
単に目をそらしているだけではなく、一応の見張りも兼ねているのだろうか。
ともかく、鍵やその機構を壊して無理やり解錠するなどはお手の物。
それにより生まれる風穴は、『蟻の一穴』と言うには致命的すぎる侵入経路。

「つまり『間に合わせ』なら用意できる……と? オレには残念ながら、アテはないッスけど」

宗海の理想通り、監視カメラに急かされる事もなく行われる作業は指紋も残りはしないだろう。
偶然ここに他のスタンド使いが来る、といった様子も今のところはなく、後は純粋に『策』の巧緻が結果となる。

265小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/06(土) 00:08:38
>>263

『アリーナ』――その存在と関わりを持ったことは多少あった。
詳しくは知らないが、街の秩序を保つことを目的としていると聞いている。
『アリーナ』が動いているということは、秩序を乱す『何か』があるのだろうか。

  「私は『小石川』――『ミステリーツアー』の参加者です」

  「『旅行』の最中に、偶然この町に迷い込んでしまいました」

言葉に応じながら、『目』と『耳』を引き戻す。
彼――『笹暮』の話は信じられる。
出来るなら、彼から現状を脱するための手掛かりを得たい。

  「――今、そちらに伺います」

意を決して『歪みの外側』へ足を踏み入れる。
それと入れ替わりに、『目』と『耳』を『歪みの内側』に配置しておく。
緑里か、あるいは別の誰かが近付いた時に、すぐ気付けるように。

  「『同じバス』に乗っていた方達も、この町に来ています」

  「今ここにいるのは、私だけですが……」

笹暮の姿を見つけたら、近寄って負傷の具合を確かめる。
出血している箇所があれば、手持ちの『包帯』で止血したい。

  「教えて下さい――ここで何が……?」

266黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/06(土) 22:09:58
>>263
「その口ぶりだと……その人達は……道なき道を来た、ということでしょうか……?」

(謎の外来人……この空の異変に関係が……あるかもしれません)

267『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/08(月) 01:28:25
>>265(小石川)

「ッ…………『ミステリー……ツアー』……?」
   
                  「『偶然』、か……」

   「…………『惹かれ合う運命』か」

『アリーナ』と小石川の接点はごく、薄いものだ。
それでも――――これが『異常事態』であることの裏付けにはなる。
 
          シュイ――――― ・・・

目と耳と入れ替わるように、『外』への足を踏み出した小石川。
倒れている『笹暮』は――――流血は数か所に見られる。
が、どちらかと言えばその負傷は『打撃』による物に見え、
重傷や致命傷と言える手傷は見当たらない――――問題は、そこではない。

           『ギシッ』

                『ギシ…』

  「『襲撃』だ」

           「俺が……ここを訪れる事がバレていた……」

                   「ハァ……」   「らしい」

「『情報系』がいるのか……」

            「……」

                 「……雇われてるのか」

  『ギシッ』


                     身じろぎする彼の――――『脚』。

「…………『バス』……お前はスタンド使いのようだが……『他』にはいるのか……」

                          「……『戦力』は……ハァ…………」

両足が『組み替えられている』のだ。『ブロック玩具』でも遊ぶかのように、気安く。
さながら『螺旋』のように、二本の足が一つに、捻じれる形で繋げられ・・・背の低い『木』の根元に結ばれている。

>>266(黒峰)

「道なき……う〜〜〜ん、森……森の向こうって」

           『ザザッ』 

「森の向こ」
                『ザザザッ』

二度ほど言葉を途切れさせつつ、少女は言葉をつなげる。
違和感の自覚、そこにははないのかもしれない――――

「そうですねえ、『何処から来たのかわからない』ってことになるんですかね」

            「さて、今はどのあたりにいるか……
              バスで来た人たちより、気になって来ましたよ」

                       フフフ

笑みを浮かべ、そのまま再び歩き出す。どこに行くのかは不明だが、
特に『着いてこい』といった雰囲気でもない。着いて行っても止められはしなさそうだが。

268小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/08(月) 04:49:12
>>267

その瞬間、思わず足が止まった。
無意識の内に、大きく目が見開かれる。
目の当たりにしたのは、自分が想像もしていなかった光景だった。

  「――……!!」

スタンドが関わっている以上、こうした場面を見ることは覚悟していたつもりだった。
そのような状況に関わった経験も、何度かある。
それでも、やはり実際に目にすると冷静ではいられない。

  (酷い……)

同時に、二つの感情が心の中に湧き起こる。
この状況をもたらした力に対する畏怖と、その力を受けたであろう笹暮を案じる思い。
それらが入り交じり、胸の奥に鋭い痛みが走った。

  「……います」

  「私の他に少なくとも『二人』は……」

何よりも、今は落ち着かなければいけない。
それを自分自身に言い聞かせ、慎重に笹暮の問い掛けに答える。
ふと彼の顔に向けていた視線を、『木の根元』に向ける。

  「その……」

  「――『お手伝い』が必要ですか?」

会話を続けながら、おもむろにスカートの裾を持ち上げる。
脚に刺さった『スーサイド・ライフ』を逆手で引き抜き、手の中で回転させて順手に変える。
それと共に、笹暮の足が結んである『木の太さ』を目で確かめる。

  「差し支えなければ教えて下さい……」

  「……何故『ここ』を訪れたのですか?」

  「この場所に……何があるのですか?」

『アリーナ』が動くには、それだけの理由があるはず。
それは、この町を覆う『赤い空』と無関係ではないだろう。
おそらくは、笹暮を襲った人間も――。

269宗海『エトセトラ』:2019/07/08(月) 20:09:31
>>264
>「つまり『間に合わせ』なら用意できる……と?
> オレには残念ながら、アテはないッスけど」


   「多少の時間が掛かるから、
    代わりに飾ったりは出来ないけれど」

   「――――今後の展開によっては、
    必要になってくるかも知れないわね」

『エトセトラG〜P』が『天井』を齧り、
頭上のショーケースに鎮座する『流星刀』を、
引き出しの中へと引きずり落とす。

   「私に出来るのは、『目くらまし』が精一杯よ」

『ペットボトル』を取り出し、その中身を口にする。
正確には、『口内』に発現した『エトセトラQ』に飲ませる。

   「ところで、貴方の『時を止めるように見せる能力』だけれど、

    ――――例えば、『破片同士』をくっつけたまま固定して、
    しばらく維持しておくことも出来るのかしら?」

270黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/09(火) 19:09:07
>>267
「……?」

(これは……『森の向こうが何処かわからない』ということ……?)

「……一度、校舎内の階段を上がって……街を俯瞰してみませんか……?
 屋上までは……出られないかもしれませんが……」

笹井に提案する。

271『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/11(木) 14:19:54
>>268(小石川)

「―――――― ・・・ ここに、『逃げ込んだ男』に、用があった。
 大した用じゃあない、『アリーナ』としての用ではあるが。
 剣呑な話でもないし、争う気もない……だが、必要な事では、ある……」

                 ギシ…

     「ハァ……『この状況を作った人間』とおそらく同じ男だが」

            「俺を襲った連中の狙いは『そいつ』自体じゃないらしい」

木の太さは――――具体的な寸法はさすがに読めないが、
手に持つ『スーサイド・ライフ』の刃渡り『25cm』よりは一回り太い。
小石川の腕力と愛刀の切れ味で切断するとなると、かなり骨が折れるだろう。
誰かほかのスタンド使いでも呼んでくるか、策を講じるか。

「……『刃』のスタンドか、中々珍しい……な」

笹暮は『脚から刃を引き抜く』衝撃的な光景にやや目を細めつつ、言葉を続ける。

「目的は…………二つ」 「ゲホッ、いや・・・『三つ』か、お前たちにとっては」

    「フゥ……『この状況』の元となった男を、探し出すこと。
     お前らにとっては……脱出の助けになるかもしれない。
     俺にとっては、これが本題だ……仕事の……ハァ……」

 「……『襲撃者』を捕獲或いは撃破すること。
  おそらく……放置しておくのは……不味い」

                     「・・・『手伝え』とは、強制できない。
                       危険だ。……だから他の乗客を集めて、
                       『この穴から脱出する』のも、それはそれでいい」

男が提示する『問題』は、あくまで男の問題だ。別に聞き入れる必要はないだろう。
例えば一人で脱出しても良いし――――何か、他の方法を探してもいい。選択権は小石川にある。

>>269(宗海)

                    ゴトンッ

飾られていた『流星刀』は――――無事に『引き出し』の中へ落ちたようだ。
展示を見張る監視カメラも無い今、それを見咎める者は、誰一人としていない。

        ゴクッ
           ゴクッ

『ペットボトル』の中身を飲み干す『宗海』を、『出雲』は横目に見て言葉に頷いていたが。

「……『破片同士』が『くっついている』瞬間があれば大丈夫ッスよ。
 もちろん、『針』を使う事にはなりますけど。『作戦』の一部ッスか?」

      「『引き出しに隠しとく』ってので、終わりじゃあないんでしょうけど」

盗む、という言葉からそのように考えているようだ。
果たして『宗海』の権謀術策は、どこまでを見据えた物なのか――――――

                            スタ
                               スタ

「……『学芸員』がこっち来るッス。おれが時間稼ぎをしますけど、ここから遠ざけた方が?」

と、彼の懸念にもあったようにこちらに『スタッフ』が歩いてきているようだ。
特に宗海らに何か用があるのではなく、客がいるところを『見回っている』だけだとは思われるが。

>>270(黒峰)

『笹井』:
「ん? いいけど。この後どこ行くかとか決めるにしても見まわすのはいいと思うし。
 あの子はもういいの? って別にもういいか。今から追いかけるのもしんどいしね」

報道部員はすでに二人からは遠ざかっており、
彼女が踏んでいた謎の『花』だけがそこに残っていた。

          スタスタ

「『赤い空』っていうの、近づいても平気なの? そう見えてるだけだし平気なのかな」

笹井なりに『黒峰』の言動を心配しているのか、声をかけてきつつ彼女は校舎へ歩き出す。

272小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/11(木) 18:32:33
>>271

『スーサイド・ライフ』は、あくまでも『ナイフ』のスタンド。
取り回しに優れる代わりに、大きなものを切るには向いていない。
見た所では、木の太さもそれなりにある。
やはり、どうしても難しいと言わざるを得ない。
ただ、それでも――。

  「……教えて頂けませんか?」

  「あなたが追っていた男性の『人相』や『背格好』などを……」

会話を続けながら、木に近付いて『スーサイド・ライフ』を構える。
狙うのは、結び目の上辺り。
その位置めがけて、刃を斜めに振り下ろす(破ス精CBB)
人間以上のスピードとプロフェッショナルの精度で、同じ箇所を連続して切り続ける。
少しずつ削っていくようにして、溝を深くしていきたい。

  「それから――あなたを襲った人達の『特徴』を……」

笹暮の話の中で、『連中』という表現が気に掛かった。
相手が一人なら、そんな言い方はしないだろう。
襲ってきたのは一人で、別の場所に仲間がいるという意味かもしれない。
いずれにしても、単独で動いているとは考えにくい。
少なくとも、笹暮を襲った人間についての情報は知っておきたかった。

  「……ツアーに参加している人の多くは『一般人』です」

  「その方達は……無事に帰さなければいけません」

ある程度『振り下ろし』を繰り返してから、木の反対側に回る。
そして、最初に付けた傷と向かい合う位置を狙い、同じ動作を行う。
両側から溝を作ることで、木の耐久性を落としていきたい。
難しいことは分かっていても、やらずにはいられなかった。
苦しんでいる笹暮のために、『自分に出来る何か』をしたかった。

  「ですが――私は『お手伝い』するつもりです……」

  「少しでもお役に立てるのであれば……『私に出来るだけの事』をしたいのです」

負傷して苦しんでいる様子の笹暮の姿が、今は亡き『彼』と重なって見えた。
だからこそ、笹暮を助けたいと思った。
彼のために何かをしたいと。
笹暮を愛する人がいれば、彼に万一の事があった時、きっと悲しむだろう。
その人のためにも――私は『彼』に力を貸したい。

273黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/13(土) 19:44:52
>>271
「そうですね……赤く見えるだけで、それ以外には何も……おや」

しゃがみ込み、『花』を観察する。

「……この花……最初からありましたっけ……?
 さっきの子が……踏んでいたような……?」

274『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/14(日) 03:01:15
>>272(小石川)

     ガッ   ガッ

「『出来るだけのこと』――――――か」

                   ガッ   ガッ

           「ハぁ……ゲホ、『協力』の対価としては、
             情報くらいは……しっかり、渡さないとな」

     「それが今の俺に、出来る事……だな」

『スーサイド・ライフ』の刃を繰り返し、繰り返し、木の幹に打ち込む。
まるで木こりがそうするかのように……しかしこれは相当、無理がある。
もちろん続ければいつかは折れるだろう。だが、刃が先に毀れてもおかしくはない。

「…………襲撃者の一味は『3人』いた。男が二人と、女が一人。
 人型のスタンドと……女が、『銃』のスタンド……あと一人は、分からない。
 ヴィジョンの細部や背格好は……よく見えなかった、奇襲だったし、
 ……服を教えても『脱ぐ』『着替える』『他人に着せる』、意味がない。
 なり替わり放題だ――――が、俺を実際に襲い、拘束した奴は……『銀髪の男』だった。
 そいつが『人型のスタンド』の使い手……ハァー……『分解して組み立てる』ような能力か……」

      「目立つ格好をわざわざするような奴は……大抵どこか『おかしい』。
        ブレーキが利かない、アクセルの踏み方がおかしい……どちらにせよ」

           「一般人はもちろんだが……『身の安全』を優先すべきだ。
             自分も、な……ゲホッ! ……俺が言っても……説得力に欠けるが」

満身創痍の笹暮は、小石川に情報を出し渋る事はしない。
民間人ではあるが、今や彼よりよほど『動ける』人間――それを頼る事を躊躇わない性格がある。

               ゴソッ

「そして追っていた男は――――――――――ああ……スマホをやられたんで『画像』が出せない」

笹暮のスタンド―――『海賊』のように片手が『フック』、もとい『鉤』になった人型が、
彼のごく近くの草むらに落ちた『スマホ』を拾う。なるほど言葉通り『破壊』されていた。

         「だが、分かっている事は多い。比較的だが……な。
          男で……俺よりは年下、髪は黒……染めてなければ。
          この町に『逃避』したときは……そうだったと聞いている。
          逃避した理由は知らない……俺達から逃げたという訳では無いと思うが。
          …………そして、そう、『スタンド使い』だ。非常に……『希少』で『便利』な能力で」

                  「その関係で……用があった、のだが…………な」

>>273(黒峰)

         「・・・・・・??」

「『花』まで見え出したの? 『幻覚』っぽさ上がってきたけど大丈夫?」

どうにも、これも『笹井』には見えていないらしい。
何なのだろうか? 『普通の花』ではないのは間違いなさそうだが、
動きや雰囲気に『危険性』などは感じられない――――

「アタシそれも見えないし赤い空も見えないし、調べたりするのは手伝えないけど」

         「いや、見えないからいいってコトもあるか。あるでしょ?
           二人とも見えてたら何が変なのかわかんなくなるしさ」

笹井の中でどっちが『変』なのかは――――明言はしないが、そういうことだろう。

275小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/14(日) 11:34:30
>>274

木肌を少しずつ削りながら、忘れられない記憶が鮮明に蘇る。
『彼』が苦しんでいる時に、私は何もしてあげられなかった。
ただ、『彼』の命が尽きていくのを見守る事しか出来なかった。

  ――駄目……こんな事をしても彼を助けられない……。

自分は木こりではないし、『スーサイド・ライフ』は斧ではない。
笹暮を拘束から解放するには、『力』も『道具』も不足していた。
心を苛む無力感に抗うように、『望みのない作業』を続ける。

  「……その三人は何か話していませんでしたか?」

  「会話か独り言か……」

もし会話していれば、そこから行動の手掛かりを得られるかもしれない。
そうでなくとも、口にした言葉や喋り方は性格の一部を知る参考に出来る。
ただ『スマートフォン』を壊した所を見ると、簡単に証拠を残すとは思えなかった。

  「――追われている男性の『人となり』は分からないでしょうか?」

  「それが分かれば……彼を探す参考になるかもしれません」

性格によっては、行きそうな場所に見当をつけやすくなるかもしれない。
外見は特徴的とは言えず、それだけで探すのは不可能に近いだろう。
たとえ、この町にいる事は間違いないとしても。

  「それから――その男性の『能力』について教えて下さい」

  「……聞かせて頂ける範囲で構いません」

分かっているのは、『赤い空』に覆われた世界を作る事。
そして、『歪み』から出入り出来る事だ。
それ以上の何かが分かるのであれば、知っておきたかった。

276黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/14(日) 21:09:24
>>274
「そう……ですね……」

花の色は何色だろうか?
無駄かもしれないが、一応写真を撮っておこう。

「……階段は……どこでしょうかね……」

校舎に入り、階段を探す。

277宗海『エトセトラ』:2019/07/14(日) 21:32:52
>>270
>>『ペットボトル』を取り出し、その中身を口にする。
>>正確には、『口内』に発現した『エトセトラQ』に飲ませる。

>『ペットボトル』の中身を飲み干す『宗海』を、『出雲』は横目に見て言葉に頷いていたが。

『ペットボトル』の中身は飲み干さない。
『エトセトラQ』の一匹が貯蔵できる分のみ、『一握り』程度だ。

     「私が対応するわ。

      ――――貴方は『流星刀』を回収して」

口元に手を当て、『エトセトラQ』を口内から回収する。
そして、>>262で『レモンキャンディ』を齧らせていた、
『エトセトラB〜E』と共に、『引き出し』へ潜らせ、『通常解除』する。

    「『アウト』の発覚を、ギリギリまで引き延ばす。

     ……『エトセトラ』。
     魂を持たない物体を、極限まで『弱く』する能力。

     キャンディは『粉砂糖』に、水は『霧』に。
     そして、交じり合った二つの物体は――――」

『砂糖水』で作られた『霧』はガラスケースに付着する。
そして、引き出し内の全ての『エトセトラ』から『木屑』を吐き出させる。
(『貯蔵』後、破壊されたり吐き出した物体は『粉塵』にはならない。)

    「木くずが『水』を吸湿し、ガラスに『砂糖粒』を残す。
     即席の『曇りガラス』よ。ガラスが割れてたら『非常事態』だけど」

    「ガラスが曇ってるってくらいなら、
     誰かに見つかっても、わざわざ『学芸員』を呼ばないわ」

『出雲』の下へ歩み寄る。
その足取りは覚束なさそうに、額を抑えながら移動する。
いかにも弱々しい振る舞いで。喉奥をへばりつかせて吐息を荒げて。

    「あ、後は……。 お、お願いね……。

     貴方のスタンドで、『引き出し』の時を止めるの。
     鍵穴と、……ハァ、 ァ、引き出し内に削った『底板』がある。

     ……それを、利用して、引き出しの『穴』を、埋め、て……。
     針も、鋭利なら、出来るはず……だから………… ケホッ」

『ハンドバッグ』の中から『目薬』を取り出す。
掌内に隠した『目薬』を一滴、片目に垂らす。……だけではない。

    ガリッ
                バフッ

中の液体を、もう片方の掌内に隠した『エトセトラR』に飲ませ、
通常解除。自身の額に浴びせ、疑似的な『発汗』に見せかける。

    「(『コチドリ』やキジの一種は、『偽傷』という本能を持つ。
      巣の付近で遭遇した『捕食者』から、隠された『卵』や『ヒナ』を護るため、

      敢えて、翼をバタつかせ、地面をのたうち、捕食者を引き付けるッ)」

    「(半死半生の振りをし、『捕食者』を巣から引き離したら、
      何事もなかったように、空へと飛び立ってしまうのよ……)」

『弱肉強食』の自然界においても、『弱者』が生き残る戦術は存在する。

278『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/16(火) 07:33:05
>>275(小石川)

                 ガッ ・・・

「や……やめておけ、そろそろ……『ヴィジョン』とはいえ…………『痛める』ぞ」

          ガッ ・・・

「気持ちは……ゲホ、十分受け取った。その刃は……振るうなら、『悪党』に」

『振るうべきではない』とは口にしなかった。
それは現実を見ているとも言えるし、独善的とも言えた。
実際のところ、これ以上繰り返せば刃か『腕』を痛めてもおかしくはない。

「―――――――――――――『隕石』」

「『隕石』を求めている……そんな話をしていたが……詳しくは分からない」

         「この空間にそんな物があるのかも……俺は知らない。
          それは最終目的で……ここは過程なのかも……しれないが」

                「当てずっぽうにせよ、確信があるにせよ、
                 そいつらが……『危険』なのは変わらない」

笹暮も、『紅鏡町』について詳しいわけではないのかもしれない。
経緯について知っていても、それ自体は知らないというのは、ままある事だ。

「人となり……『懐古家』らしいが、だからと言って『着物を着てる』とか、
 ……『レトロファッション』で出歩くほど気合の入ったヤツでは…………無い」

         「持ち物も『古い品』という訳では無かった、
           ……少なくとも俺が追っていた限りでは」

  「……持っていたカメラも、確か……『デジタル』だったからな」

懐古趣味――――この町に何か『歴史』を感じさせるような場所があれば、
もし嗜好の赴くままに行動しているのなら、そこにいてもおかしくはないだろう。
もちろん、己の意志を持つ人間である以上、予定外はあるだろうが――――

笹暮は拾わせたスマホを手元に置いたうえでスタンドを解除し、話を続ける。

       「……『機密』、だが」

「……空間を『作った』のは、十中八九……そいつじゃあない。
 別の理由で存在する空間を、『維持』しているのが……能力だ。
 詳しい事情は……これ以上は喋れない、だが、これは言える」

          「俺が追っていた男……そいつの、能力は」

                                   ・ ・ ・ ・ ・ ・
                       「―――――『時を繰り返させる』」  

        /´〉,、     | ̄|rヘ
  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´              (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                  `ー-、__,|    `"

279『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/16(火) 07:33:27
>>276(黒峰)

             ヒュゥゥ  ・ ・ ・ ・ 

花は『白』で、軽く見た感じではどこか造花のような不自然さが感じられる。
写真には写らない。風にも揺れない。だが、確かにそこに見えている。

この『空』と同じかどうかはともかく、尋常な存在ではない。
あの報道部員の少女に関係する何か――――なのかもしれない。

「あ、階段あった。金持ち学校なだけあって流石にホコリとか全然無いわね〜ッ」

ともかく校舎に入れば階段はすぐに見つかった。そのまま上っていけば、
意外なことに、もし望むのであれば『屋上』についても入ることが出来そうだった。
今時屋上を開放しているのも珍しいが、地上から見えた金網に、安全を任せているのだろう。

>>277(宗海)

ペットボトルの中身は無事に『一握り分』だけ貯蔵されていた。
もちろん、必要以上に飲み干してはいない。そこはそれで、間違いなかった。
だからこそ、『キャンディ』の粉末を取り込んだ群れと共に『引き出し』の中に潜り、
そこで『木屑』の準備を終えていた群れと合流して―――――――――

        『ボフッ』

                 『シュゥーーーーーーーーー ・・・』

ガラスの内側から、極めて繊細に――――――――粒子達が『真実』を覆い隠す。
そして宗海自身も、『策略』を織り成すべく『偽装』を行う。出雲は会心の表情で首肯し。

『出雲』:
「なるほど、ですね――――――――――『イレテ・ユンヌ・フォア』」
  
                     ザッ ・・・

展示台へと、己のスタンドの腕をその手に重ねて、歩を進める。

「想像以上に、上手くやってくれたッスね……『エトセトラ』。
 タネの分かってるおれでも『一見』じゃ何が起きてるかわからない。
 仮に何も知らない客が見たって、刀が無い事にすぐには気づけない。
 この『発想』と『応用』……敵に回さなくて良かった。手を組めて良かった」

                     「本当にね」

「さて。『刀』を回収し、『工作』の痕跡を隠す。
 おれの能力ならどっちも……おかげで、簡単に出来る『役目』です。
 こっちは任されました、そっちも……お気をつけて。ああ、それと」

             「流石に、ここに長居すべきじゃあないッスね、
              刀を持ってここで待機するわけにもいかない。
              ――――『合流』するなら、この建物の外で」

気を付けて、という言葉には真に迫るものがあった。
宗海の『演技』は、これも『タネが分かっている』出雲にさえ効いているらしい。

狡猾な『弱者の知恵』――――その支援を受けて、与えられた彼の役目を果たすべく動く。 
それを見届けることはできない。宗海には宗海の役目が生じた。それをどう遂行するか、が先に来る。

『学芸員』:
「………………」

               ザッ
                     ザッ

展示室に向けて歩いてくる、学芸員の男性。特に何かを気にしているような様子もない、自然体。
出雲が元居た場所……入り口付近に立つ、宗海に視線を向けてきた。その『発汗』と『涙』に何かを見たのか。

「……あのぉ、大丈夫ですか? 顔色悪いですけど……どこか痛いとか?」

遠慮がちに声をかけてきたのは、心配以上にそれも『職務』だからだろう。
学園に併設された施設。利用生徒と思われているなら、見過ごすことは単なる客以上の責任問題にもなり得る話だ。

280小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/16(火) 19:30:15
>>278

笹暮の言葉を忠告を受けて、『スーサイド・ライフ』を握る手を止める。
冷静さを失いかけていた。
あるいは、本当に失っていたのかもしれない。

  「――分かりました……」

『スーサイド・ライフ』を下ろし、笹暮に向き直る。
一瞬だけ、その姿が『彼』と重なって見えた。
幻は霞のように消え去り、次の言葉に耳を傾ける。

  「『隕石』……ですか?」

それが何を意味するのかは分からない。
ただ、笹暮は彼らが『危険』であると言う。
笹暮自身の受けた負傷が、その裏付けとなっている。

  「……心に留めておきます」

『隕石』の事は、心の片隅に置いておく。
今は、目の前にある問題を優先して考えなくてはいけないのだから。
この一件の原因とも呼べる、追われている男性の事を。

  ――『カメラ』……。

反射的に思い浮かんだのは、この町に来て最初に見かけた彼の姿。
『カメラを持っている』というのは、この件に関係している理由としては頼りない。
確かな事は、まだ何も言えない。

  「つまり……『この町』は――」

  「『紅鏡町』は、繰り返される事で維持されている世界……だと?」

意外な答えだった。
それは、『この世界を作る何か』が別に存在する事を意味する。
『スタンド使い』なのか、それとも『違うもの』なのか……。

  「……この世界を『作っている要因』があるのですね」

  「それについては……無理にはお聞きしません」

気にならないと言えば嘘になるし、必要なら聞いておきたかった。
それが捜索に必要な情報だとすれば、笹暮が伏せる事は考えにくい。
だから、今ここで答えられないのなら、それでも構わない。

  「『維持』している男性は――追われている事を知っているのですか?」

  「『あなた』や『三人組』に……」

追われている自覚があるなら、警戒しているはず。
もし見つけられたとしても、迂闊に接触するのは良くないだろう。
その場合は、何か方法を考える必要があるかもしれない。

281黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/16(火) 23:25:56
>>279
「屋上まで……上がれるんですね……。
 ……漫画とかアニメだけだと思ってました……」

屋上へ向かい、『森』とやらを確認したい。

282『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/17(水) 14:11:00
>>280(小石川)

手を止める。疲労を感じる。肉体にも、精神にもだ。
かなり長期間の連続発現を行っているせいもあるだろう。

「……………俺は……これくらいじゃ、死なない」

        「ゲホッ」

「時間はかかるだろうが……俺が戻らなければ、
 いずれ救援も、ハァ……来るだろう。
 あまり気にするな……お前に『責任』は無いんだ」

「『責任』がない事に全力になる必要なんかない……」

彼が『連絡手段』を奪われている以上、
アリーナの増援が今すぐに来ることはないはずだ。
事件の早期解決は・・・解決するなら、自分達の手が必要となる。

「『隕石』……いずれにせよ、『狙う物』のために、
 スタンド使い相手とはいえ……『こういう事』をできる連中だ」

       「……何をしでかしても、おかしくは……ない」

隕石――――それそのものに対処する必要があるのかは不明だが、
それを狙う人間が『危険人物』であることを把握できたのは、意味がある。

「さあ、な……俺の動きに勘づいていた、可能性は……無くはない。
 し知っていたとしても、忘れているかもしれない……これも可能性の話だが。
 いずれにせよ、『紅鏡町』……は、俺が知る限り『現実逃避』の世界……だ」

「……『誰も知らない町』」  「本当なら……『こんな町は存在しない』んだからな」

『能力』により維持される謎めいた町――――

恐らくはその成り立ち自体はこの事件には無関係なのだろうし、
あるいは『笹暮』ないし『アリーナ』も明確には理解していないのかもしれない。
言葉ぶりは何かを隠しており、全く知らないという様子ではないが、
『事件の解決に寄与できるような知識』を今、伏せる理由もないだろう。

           「それと……『三人組』のことは、知らないはずだ。
            …………『隕石』が狙いだというのなら、
            以前からアイツを追っていたとは考えられない……」

>>281(黒峰)

「友達、の通ってた学校がめっちゃ治安悪くて、
 屋上の鍵壊して勝手に入ってたとか聞いた事あるわ」

「ここはそういう感じじゃないけど――――
 逆に治安いいから開放してんのかもね。
 ホラ、頭いい学校のほうが『私服登校』多かったりするじゃん」

              「するでしょ?」

謎の持論に同意を求めつつ、屋上のドアを開ける笹井。
安全対策と見える金網が張り巡らされてこそいるが、
開放的な空間だ。整備も行き届いているようで、花壇さえある。

「森……あっちかな」

はたして、『森』とは何なのか――――マンモス校の最高層から見る景色は、
赤い空に近く、そして一面に赤い屋根が広がる『非現実的』な世界だ。

その一角に、満ちる緑――――『観覧車』等も見える『遊園地』の方角に、森があり。

                    オ

                         オ
                             オ
                                   ォ

そこに――――『空間のひずみ』のようなものが、見える。この町の現実を穿つかのように。

笹井は同じところを見ているのに、何もコメントをしていない。
あれも『空』や『花』と同じ、普通の人間には見えない光景なのか?

・・・ひずみの中心に何があるのかはさすがに遠すぎて視認できなかったが、『何かある』のは間違いない。

283小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/17(水) 19:09:48
>>282

『ダメージ』とは異なる種類の疲労感が、身体に圧し掛かる。
持続時間の限界は、知識の上では理解していた。
それを経験として体感したのは、これが初めてだった。

  「……お気遣いありがとうございます」

やや疲れながらも、平時の表情を取り戻して微笑する。
少なくとも、今は自分が笹暮を助ける側であるはず。
その彼に、余計な心配をさせたくなかった。
また、彼の気遣いが嬉しかった事も事実としてある。
だから、その気持ちには応えたいと感じていた。

  「では……『気付いている可能性は高くない』と解釈させて頂きます」

そうなると、彼は笹暮や三人組から逃げてきた訳ではないと思えた。
何か目を背けたくなるような現実があり、そこから逃げている。
総合して考えると、決して不自然な話ではない。

  ――『現実逃避』……。

その言葉が、心の奥で静かに響いた。
『彼』がいない世界で生きる事が辛くなった時、私は自分自身を傷付けている。
ほんの少しだけ『死』に近付く事で、心の辛さを忘れるために。

  「……概ね理解できました」

この町は、『過去に存在した町』を繰り返しているものだと思っていた。
しかし、実際は『実在しない町』を繰り返しているらしい。
『維持』できなければ、やはり消えてしまうのだろうか。
即座に消えてしまうのか、それとも本来は短時間しか存在できないのか。
いずれにしても、『儚い世界』のように感じた。

  「『向こう側』で人を待たせています……」

  「ですから……そろそろ戻らなければいけません」

バスに戻る時間もあるし、持続時間の限界も近くなっている。
これからのために、『紅鏡町』に戻る必要があるだろう。
考えるべき事は、山のようにあるのだから。

  「『信頼の証』として……私の『能力』をお教えします」

空いている手で、帽子を軽く持ち上げてみせる。
そこに見えるのは、片方の『目』と『耳』が切除された顔。
眼窩は空洞であり、耳は根元から切り落とされている。

  「――『目』と『耳』は『歪みの中』です」

  「それでは……」

笹暮との会話を終えたら、『歪み』を通って『紅鏡町』に舞い戻る。
『目』と『耳』を元通り接合し、『スーサイド・ライフ』を解除する。
それから、緑里が待っている場所に歩いていきたい。

284黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/18(木) 20:53:10
>>282
「そう……ですね……たぶん」

なんとなく圧を感じたので同意しておき、街の様子を見る。

「この街の建物は……どこも屋根が赤いですね……。
 ……そのせいで……ごく普通の緑色の森が…逆に異物感があります……」

ぐるりと見回し、『ひずみ』は他にないか確認する。

285『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/22(月) 16:57:37
>>283(小石川)

初めて体感する『持続力』に伴う疲労は決して無視できるものではない。
特に、スタンド戦闘中にこれに陥れば『致命的』な結果を生むだろう。
だが、今は問題ない。疲労は少しずつ、回復していくのを感じる。
閾値を超えなかったからか、状況ゆえに麻痺しているのかは分からない。
十分に動けるのは確かだ――――これから、やらなければならない事がある。

『笹暮』:
「なるほど…………『利便性』の高い能力、だな…………」

               ズズ

「…………『オフビート・ミミック』」

「『鍵を開ける能力』…………『証』なら……『借り』は作りたくないんでな」

           「…………行け。待ち人が安全とも……限らない」

先ほどと同じ、鉤手のスタンドが手でこの場を去るように促す。
それに従う形で『空間のゆがみ』を通って『非現実』の森へ戻る小石川――――

    ザッ
          ザッ

                 オ オ オ ォォォォ ・・・

木々の間を吹き抜けた風も、どこも変わらないのに『現実味』をどこか失ったように感じる。      
ここが『実在しない』のか、あるいはリアリティの根拠となる『モデルがある』のかは分からないが、
その朧げな儚さは小石川自身の過去、心情に由来するのか、それともこの世界を生んだ心の風景なのか・・・

                       ザッ 
                            ザッ

『緑里』:
「――――――ど〜でした?」

                 「『鳥』」

                         「いましたか〜ッ?」

笹暮の不吉な言葉に反して、待ち人――――『緑里』は特に危険にさらされている様子もなく、待っていた。

>>284(黒峰)

「あたしの高校も私服だったんだよね〜〜〜」

二つの言葉の中に無言の主張がある。まあ、無視してもいいだろう・・・

         オ ォォォォ  ・・・

他にひずみは無い――――イレギュラーな存在なのかもしれない。
自分たちが来た方角にも無いようだった。アレは、『何』なのだろうか?
また『町』と思われる範囲より外は、霧のせいか、あまり見えなかった。

「秋だったらほんとに真っ赤だったんだろうね〜。緑と赤って目ェ痛くなるわ」

向かうならタクシーなり、探せばバスなりもあるだろう。そう時間はかからないと思われた。
向かわないなら、やはりバスに帰ることになるだろうか。この学内をまだ巡るのであれば、
めぼしい施設としては――――大きな『図書館』か『博物館』のような建物が見える。後は校舎だ。

286黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/22(月) 20:26:36
>>285
「なかなか面白くはありますが……日常的に見たい景色では、ないですね……」

街の写真を何枚か撮る(『ひずみ』は写らないだろうけれど)。

「……森や、遊園地の方に……行ってみませんか」

287小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/22(月) 22:50:19
>>285

傷を負った笹暮を残していくのは、後ろ髪を引かれる思いを感じた。
しかし、自分がいたとしても彼のために出来る事はない。
彼のために出来る事は、『歪み』の向こう側にあるのだから。

  「……お待たせして申し訳ありません」

緑里の姿を見つけて、静かに頭を下げる。
彼の様子から判断すると、何事もなかったように思えた。
その事に対して、ひとまず安堵する。

  「ええ……『見つけました』」

  「『どこか』へ飛んでいってしまいましたが……」

この町の『どこか』にいる一羽の『鳥』。
それを探さなくてはいけない。
『三人』の手に落ちる前に。

  「――行きましょう」

緑里を促し、森の出口に向かって歩き出す。
その間に、バスに戻るまでの残り時間を確認しておきたい。
他の参加者やツアー側の二人は、今頃どうしているのだろう……。

288『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/23(火) 23:33:02
>>286(黒峰)

「まあね〜、しょせんは観光地って感じ?
 住む町って感じじゃないっていうかさ、
 住む人のことはあんま考えてなさそうだよね」

「観光で来たり、写真で見る分にはキレーだけど」

       パシャッ   パシャッ

写真にはやはりひずみは写らないようだった。
そういうもの、なのだろう。

「いいけど、バス戻らなくていいの?
 別にいいか。このツアー、予定通りじゃないっぽいし」

       「なんかおかしなことになってるんでしょ?」

いい加減な物言いだが、黒峰の語る『異常』への理解があるのか、
彼女なりにツアー全体の先行きのあやしさを感じているのか、承諾された。
特に学校内で止められるようなこともなく――――二人は校外に出る事となる。
何かやり残した事が無ければ、近くにあるバス停から遊園地のほうに向かえそうだ。

>>287(小石川)

眼窩に戻る前、その目が見た笹暮の目は『覚悟』があった。
引き留めるようなものではなかった――――小石川に出来る事はなかった。

「そうですか〜〜〜ッ。残念ですね〜
 ちなみに、こっちにも何も無かったですね」
 
                    「気になるもの、とかは」
      ザッ  ザッ

「そろそろ戻らないとヤバいですもんね〜〜〜、行きましょ行きましょ」

緑里は何をそれ以上言うでもなく、歩き出している。
森の出口はそう遠くはないし、タクシーなどを駆使すれば、
恐らくは――――ぎりぎりになるかもしれないが、バスには戻れるはずだ。

「…………『どこか』」

                    ザッ   ザッ

「小石川さん、『どこか』ってのは〜〜〜」  「……?」    ザッザッザッザッザッ 

                       「……足音?」

その彼が、思い立ったかのような顔で何かを言おうとしたとき――――前方から、足音が聞こえてくる。

                                 ・・・『何か』がこちらに来ている。
                                     ・・・やり過ごすか、それとも。

289小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/24(水) 20:27:32
>>288

静かな森の中を歩いていく。
胸の奥で考えを巡らせながら。
緑里が何かを言いかけたのを聞いて現実に引き戻され、彼の方に顔を向ける。

  「ええ――何でしょう、か……?」

地面を踏みしめる音が耳に届き、足を止める。
辺りに視線を走らせ、身を隠せそうな場所を探したい。
整備されていない横道なら、近くにもあるのではないだろうか。

  ――……。

笹暮の話を聞いた後では、どうしても警戒せざるを得なかった。
ひとまず身を隠し、相手の姿を確認する事を優先したい。
ただ、そのためには避けて通れない問題がある。

  ――彼は……。

今は一人ではなく、緑里が同行している。
彼だけを、この場に残していく訳にはいかない。
近付いてくるのが三人組の誰かである可能性は、否定できないのだから。

         ソッ……

口元に人差し指を立て、緑里に『音を立てないように』伝える。
それから緑里に背中を向けて、隠れられそうな場所に歩いていきたい。
胸元に左手を翳し、再び『スーサイド・ライフ』を発現する。

              シュッ――

緑里に見られないように注意して、もう一度『眼球』を切除する。
『眼球』は身体の陰を通るように移動させ、最終的に地面の上に下ろしたい。
そして、そのまま草陰に残しておく。

290小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/24(水) 20:36:14
>>289

『眼球』を切除した後、『スーサイド・ライフ』を心臓付近に突き刺す。
根元まで深々と突き立て、バッグの陰になるようにして隠しておきたい。

291黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/25(木) 19:16:06
>>288
「……あ、そろそろ戻るべきですかね……。
 ないとは思いますが……取り残されるのも嫌ですし……」

気になるところの多い街だが、いったんバスに戻ってツアー関係者の様子を確認しておこう。

292『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/25(木) 21:34:04
>>289-290(小石川)

「……!」

               スゥッ

木の陰がある。緑里も、異論を挟むでもなく身を隠す。
口元に立てた指に首肯が返ってきた。

     シュッ――

          トス ン

目を切り取って草陰に隠し、己の心臓に刃を突き立てる。
常識では『自殺行為』だが、小石川にとっては『生命線』だ。

              ザッザッザッザッザッ

「・・・・・・」

       カチャッ カチャッ…

歩いてくるのは、腰から細いチェーンを提げた若い男だった。
『今風』なファッションに、あちこちに結び付けた鎖のアクセサリー。

          ・・・『周囲を見渡す』ような動きをしながら、歩いている。

>>291(黒峰)

「どっちでもいいけどね。戻るならそろそろ時間かなって」

            ザッ ザッ

――――そして二人はバスに戻る。

全員は、戻ってきていない。
ある程度……『リーマン風の男』や『男女カップル』など、
比較的『常識』の色を感じる顔ぶれはバス周辺に見えるが、
喪服の女やロリータの女、『学生達』の姿も見えない。

「皆戻ってくんの遅いね〜〜〜。
 これならあたしらも急がなくてよかったかな?」

また当然ながらスタッフ二人はここにいる。
バス周辺に戻って来た二人に視線を向けてくる様子はない。

293小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/25(木) 22:12:16
>>292

森の中にある未整備の横道。
ここを訪れる人間が多いとは思えない。
何かしらの理由でもなければ。

  ――『何か』を探して……?

彼の動きは、辺りを窺っているように見える。
何かを探しているのだろうか。
それとも、『自分以外の人間』の気配を感じたのかもしれない。

  「――……」

『目』を操作して、悟られないように男の後を追う。
射程の限界は『10m』なので、いずれは射程外になるだろう。
それでも、彼が向かう方向だけは掴んでおきたい。

  ――あるいは……。

彼が『三人組』の一人だとしたら、『歪み』の方向へ行くつもりかもしれない。
不測の問題が起きて、それについて笹暮から何かを聞き出そうとしている事も考えられる。
彼らと同じく外から来た人間である『ツアー関係者達』の存在に気付いたとすれば、
それを笹暮が呼んだ『アリーナ』の応援だと考える可能性もあるのではないだろうか。

     チラ……

それとなく、緑里の様子を確認する。
こちらの行動に同意を示してくれたが、彼は今どう思っているのだろう。
今後のために、彼の事も考えにいれておかなければいけない。

294黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/27(土) 20:34:38
>>292
「……『赤い空』が見えていたとおぼしき人は……戻っていませんね……」

スタッフ2人の様子を見る。
何かしら会話しているようなら聞き耳をたてたい。

295『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/28(日) 23:57:03
>>293(小石川)

果たして小石川の想像通り――――進路は概ね『歪み』の方角だ。
なぜ? 何があったのかは読めない。手には『スマホ』を持っているようだ。

             ザッ
                      ザッ

やがて男は周囲を見渡すのを止め、
真っすぐに歪みのほうへ歩いていく。

・・・止めるべきだろうか。それとも。

『緑里』:
「…………」

                         …ザッ  ザッ

緑里は――――木の陰に慎重に身を隠していたが、
若い男が完全にその場からは見えなくなると、表情に弛緩が見える。

       ズズ ズ

「……俺の顔に、なんかついてますか〜〜〜?」

視線に気づいたらしく、小声で、冗談めかした問いかけが返ってきた。
彼を気に掛けるとして、立ち位置をどう想定しておくか――――敵か味方か。

どのような立場であれ、警戒や隠蔽はあり得る話だ。状況自体、異常なのだから。

>>294(黒峰)

『笹井』:
「見えたならなんかしてるのかもね。
 赤い空の原因探してるとか……
 あんたとあたしもそうしてたみたいに」

「それでなんかに巻き込まれたとか……」

        ザワ…

             ザワ…

集まった人間たちは特に慌てていたり、
騒いでいたりはしなかったが・・・
状況の不自然さゆえか落ち着きはあまりない。

『スタッフ』:
「…………」

スタッフらは時計を見ている。
会話はしていない――――

重要な話は恐らく一同がバスを離れている内に済んでいるのだろう。
とはいえ、聞きたいことを聞けば教えてくれることもあるかもしれない。

296小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/29(月) 03:22:16
>>295

『スマートフォン』――最初に思い浮かぶのは、どこかに『連絡』する事。
この場所で連絡が通じただろうか。
まだ確認していなければ、その事を改めて確かめておく。
連絡が不通だったとしても、『歪みの外』なら携帯電話も使える可能性は高い。
そのために『歪みの外』へ出ようとしているという解釈も出来る。

  「ええ――髪に『葉っぱ』が付いていますよ」

もしかすると、あの男性から何か手掛かりが得られるかもしれない。
彼の後を追いたいが、緑里を連れて行く事は出来ない。
何が起こるか分からないし、何が起きても不思議はないのだから。

  「はい……取れました」

緑里の頭に手を伸ばして、『葉を取り去る動作』をする。
実際には、そこには何も存在していない。
しかし、緑里から確かめる事は出来ないだろう。

  「さっき、この近くに『小鳥』が留まっていたのですが――」

  「彼の足音に驚いて逃げてしまったようですね……」

男性が『本体の視界』から見えなくなった時点で、隠れていた木陰から出る。
切り離した『目』は、出来る限り彼を追いかけ続ける。
向かう先が『歪み』の方向だと分かった以上、途中で追えなくなっても大きな問題はないはず。

  「――バスに戻りましょう」

緑里に声を掛けて、歩き出す。
ただ、本当に立ち去るつもりはなかった。
次の行動のためには、まず緑里を先に帰しておく必要がある。

297黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/29(月) 20:25:20
>>295
「たとえば『森から来た人たち』とトラブルに……とかですか……。
 ……ないとは言いきれないのが少し怖いところですね……」

スタッフに近づき話しかける。

「このあとは……どうするんでしょうか……?
 どこか、別のところへ移動するんですか……?」

298『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/31(水) 03:02:06
>>296(小石川)

意味もなくスマホを手に持って歩く人間も、いるだろうが――――
小石川自身のスマホは少なくとも、圏外になっている。
繋がらないスマホを意味もなく手に持って歩くのは、よほどでなければ無いだろう。

               スゥ…

「ああ――――そうでしたか〜〜〜、どうもどうも」

           「それじゃあ」

                 「この森にもう用はないですし〜」

                     「ええ、戻りましょうか」

    ザリッ…

緑里の思惑は、この状況に至っても分からないままだ。
スタンド使いなのかも、そうでないのかもハッキリはしない。
だが、今となってはそれを探るまでもなく確かな事がある。
彼は小石川に危害を加える気は無く、この件に積極的に関わりたい訳でもないらしい。

「タクシーでも呼びますか〜〜〜?」

・・・つまり『この場から離脱させる』のが一番無難な対応なのは間違いない。

    ザッ
             ザッ

本体の資格から男は消えた。二人は地面を踏みしめ、その場から歩き出す。
切り離している『目』も、少なくとも今はただ歩いている男を映すだけだ。
必然的に、『歩き出す方向』と『目を負わせる方向』は逆になる。射程の限界は近い。

                    ザッ

                  ―――――では、ここからどうするか。

>>297(黒峰)

『笹井』:
「地元の人とトラブルになる事もあんじゃない?
 『空赤くないですか?』とか聞いて回ってたらさ、
 変な人だと思われて通報されたりしてたりするのかも」

              オ ォ ォォォ ・・・

『運転手』:
「……まだ戻ってきていない人がいますので、
 もう少し待とうかどうか相談していたところです」

黒峰の質問には、年老いた運転手が応対する。

「すでに『人数』が入れる場所は予約してありますので、そこに移動を……」

                『ズ  ズズ  ズ  ・・・』

                     スタッ  スタッ

そこに――――

歩いてくるのは『ツアー客』ではない、痩せぎすの男だ。間違いなくこちらに来ている。

299小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/31(水) 19:09:36
>>298

緑里と共に歩き始める。
例の男性も、まだ『視界内』に留めている。
ここまでは問題ない。

  「……ええ、そうしましょう」

  「『タクシー』を――」

歩きながら、おもむろに空のポケットを探る。
そこには、最初から何も入っていない。
大事なのは、緑里に『何かを探しているように見せる』こと。

  「……すみません」

  「どうやら『ハンカチ』を落としてしまったようです」

  「少し探してみたいので、先に戻っていて下さいませんか?」

『歪み』に近付く男性を追うために、緑里には先に帰っていてもらいたい。
だから、『落し物』を口実にして彼と分かれる。
緑里と行動を共にするのは、もう限界だろう。

  「もし見つからなくても……あまり遅くならない内に戻るつもりです」

  「バスに戻ったら――『その事』を伝えておいて頂けますか?」

ここで『一緒に探す』と言われてしまうと困る事になる。
そうなる前に、緑里に『伝言』を頼む。
確実に一人になれるように念を入れておきたい。

300黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/31(水) 23:12:20
>>298
「……。
 なんでしょう、あの人……」

男の様子を注視する。

301『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/02(金) 00:43:29
>>299(小石川)

           ザッザッ…  ザッ

「ん」  「どうしたんですか〜〜〜ぁ、『ハンカチ』? そんなん後でも」

          ザ…

「……いや、そうですね、もう時間も時間ですし。
 バスが移動するなら、待っといてもらわなきゃですもんね〜」

                クルッ

              「それじゃ…………お気をつけて。
               木の上とか? 穴の中とか?
               ――――危ないとこにありそうなら、
               諦めて帰ってくるのも手だと思いますよ〜〜〜」

緑里は、小石川の思案が功を奏したか、その場をおとなしく立ち去ってくれる。
彼がこの場にいないことは、この場合メリットしかない。
潜在的には一人になる事がデメリットとなる可能性もあるのかもしれないが、
選ばなかった道の目に見えない不安より、目に見える不安を排除した事に大きな意味がある。

それに――――『緑里をバスに帰した』事にも、何か意味が生まれるかもしれない。
いずれにせよ、その結果が分かるのはこの状況を潜り抜けた、その先のことではある。

              オ 
                 オ 
                     オ   
                        ォォ  
                            ・ 
                              ・
                                ・

風が吹く。赤い空だが、風に色は無い。透明で、重みもない。
だが色を、粘度を帯びたかのように、空気が重くなるのを感じた。
もちろんそれは錯覚であり、空気に何か異常があるわけではない。
今から進む道に『通過』出来る瞬間は無い。『関門』が続く。
スタンド使いとしての『経験』が――――それを告げている。

まだ、空間の歪み――――外の世界、あるいは笹暮の方から異常が起きている様子は届かない。
今から動けば、仮に何かが起きようとしているとしても、それが起きる前に間に合うかもしれない。

>>300(黒峰)

その男に気づいたのは一同の中でも一部だったし、
さらにあえて注視しようとしたのは『黒峰』と、
今話していて釣られて視線を向けたバスの運転手、
それから、所在無げに追随していた笹井くらいだった。

「―――――――――フゥーーーーーーー ・・・」 「『クール』に」

         『ピキ』

                  『ピキピキ』

    『ピキ』

「…………『クール』になれ」

          ザッ  ザッ

                  「『クール』になれ」

男は『ファーコート』を纏っていたが、それでも痩せているのが分かる体形だ。
黒い髪も『アフロ』――――とほとんど言えるような、質感を感じさせる形に整えていた。
目元には隈も見え、健康そうには見えないが、足取りは悠々と、そして堂々としている。

「……………………『予定外』の事態には、な。
 誰もが、『クール』になってな……心の『おあしす』を守るもんだぜ」

              「『抑え込み』」

                         「『熱くならず』」

そして――――その手に持った『赤いペットボトル』は、不自然に『霜』が張っており。

        「シィーーーーーーッ ・・・ 『静かに』」

                        『ヒュンッ』
                                  「『遂行する』」

   『ピキ』
               『ピシッ』

それを把握できた次の瞬間には、男の傍らに浮かんだ『人型ヴィジョン』の手で、運転手へと投じられる。
軌道を読み切るよりも早く、投擲は着弾するだろう。距離は『10m』ほどあるが、速度はそれほどに『速い(スB)』。

302小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/02(金) 04:06:11
>>301

  「――ありがとうございます」

緑里に一時の別れを告げて、改めて目の前の問題と向き合う。
ここから先には、少なからず『危険』が潜んでいるだろう。
全身を包む空気に、ただならぬ気配を感じるような気さえする。

  ――落ち着いて……。

静かに深呼吸する。
『スタンド』の源は『精神』の力。
気持ちが乱れていては、満足な動きは出来なくなる。

  「――……」

『目』が射程外にならないように、慎重に歩き出す。
例の男性と切り離した『目』、切り離した『目』と本体の間の距離は十分に開けておく。
こちらの足音が相手の耳に入らないように、注意深く進んでいきたい。

  ――ごめんなさい……。

  ――少しの間だけ……『あなた』を肌から離します。

右手にある『形見の指輪』を抜き取って、ポケットに仕舞う。
手を切り離してから解除した時に、『置き去り』にしないために。
『彼』と離れるのは辛いが、これから起こり得る事態を考えると止むを得ない。

       ズッ

『スーサイド・ライフ』を胸から引き抜いて、左手に持つ。
その刃で、『小指の先端部分』を身体から切り落とす。
『第一関節から上に当たる部分』を両手ともに切り離し、左右のポケットに一本ずつ忍ばせる。

  「――……」

現時点で最も大切なのは、この先で起こっている『状況』を把握すること。
それによって、取るべき行動は変わってくるのだから。
自然と早まる鼓動を抑えながら、森の中を歩き続ける。

303黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/02(金) 19:26:55
>>301
「……!
 何を……、攻撃……!?」

『オールナイト・トレイン』を発現し、前足で運転手を突き飛ばす(スB)。
ペットボトルには触れないようにしたい。
見た感じ、男が持っている(持っていた)ペットボトルは投擲した1つだけだろうか?

304『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/04(日) 02:19:46
>>302(小石川)

幸いにして――――『今すぐ』何かが起きるわけではない。
何かが起きているであろう現場に、己の足で踏み込むのだ。
覚悟を決める時間はその気になれば、いくらでもある。

          ザッ   ザッ

                   スル…

指輪を、ポケットにしまう。

    ズッ

引き抜いた刃で両手の小指を短く落とし、ポケットにしまう。

          ザッ  ザッ

歪みへと、歩いていく。

行動はよどみなく、動きにも滞りは無い。
それでも早まる鼓動とは相対的に、一歩一歩に重みが乗る。

                ザッ  ザッ ――――

やがて、『目』が、その『光景』を文字通り、先行して捉えた。
件の『鎖』ファッションの男性は、ある種想定通りに『歪み』の外に出ていく。

                         ・・・そして、笹暮の元へ。

>>303(黒峰)

『??』:
「――――!!!! それは」

              「『スタンド』」

                      ・ ・ ・ ・ ・ ・
                     「聞いていないぞ……!?」

     ド
        カッ!! 

ほとんど同等の速度であれば――――
『オールナイト・トレイン』の行動のほうが着弾よりはるかに速い。
ボトルを防ぐのではなく『運転手を逃がす』動きも、優れた判断だ。

                         カシャンッ

凍り付いていたらしきボトルが、数mほど背後で砕け散った。

『運転手』:
「のわぁッ、と、とッ!?」  「い、一体急に何を――――!?」

運転手は幸いにして転倒などもしなかったようだ。
面食らった様子で、黒峰と男を交互に見る運転手。

集まる『ツアー一同』にも、ざわめきが見え始める中、
持っていた『ペットボトル』を躱された男は歩みを止め、後ずさる。
もう片方の手は後ろに隠れており、ここからでは見えない。

『??』:
「……フゥーーーー、違う、クールにだ。想定外にこそクールに対応する」

              「……お前。お前だ。女。
               『焦らず』『冷静に』答えてもらう。
               …………『どこの差し金』で動いてるッ!?」

『笹井』:
「な、なにあいつ。
 あんた知り合い? 知り合いじゃないよね?
 攻撃って……え。何、やばいやつ?」

冷静に、とは言うがその口調は粗さを抑えきれていない。彼我の距離は『12m』ほど。

305小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/04(日) 05:37:00
>>304

本体は『歪みの内側』で立ち止まり、身を隠せそうな場所で息を潜める。
そして、『目』だけを『歪みの外側』に移動させたい。
先程も試みた行動を、ここで改めて行う。

さらに、続けて『耳』を切り落とす。
これも『目』と同じく、『歪みの外側』へ進ませる。
先行させた『目』で正確な位置を把握しながら、見つからないように注意を払って移動させたい。

  ――残っているのは『一つ』……。

              パーツ
これで切り離している『部位』は四つ。
限界数である五つに近いが、実際に操作しているのは二つだけ。
意識の集中が乱れるような事はないはず。

  ――『笹暮』さん……。

しなければならないのは、『状況』の確認。
あの男性が誰なのか、そして何をしようとしているのか。
まず、それらを確かめなければいけない。

重要なのは、こちらの存在を知られないこと。
気付かれてしまった時点で、情報を得る事は相応に難しくなってしまう。
少なくとも男性の素性と目的を確かめるまでは、気取られる訳にはいかない。

306黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/04(日) 23:10:53
>>304
「……知りません……見たこともない人です」

少し前に出て距離を取られすぎないようにする。
また『オールナイト・トレイン』の前足に枕を持たせておく。

「あなたが何を言っているのか……わかりません……。
 私達はただのツアーで、この街に来ただけで……。
 ……『差し金』とは……?」

307『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/06(火) 12:00:45
>>305(小石川)

         ガサッ……

林の中で『身を隠せる場所』となると、木陰だ。
足元の茂みが多少の音を立てはするものの、
この程度で気付かれることはまずもって無いだろう。

     サクッ
        スパッ

目。耳。
両の小指。

これで『四つ』……とはいえ小石川の考え通り、
操作するのはうち二つなら『集中』の問題は無さそうだ。
問題は疲労だが、これも余程のことがない限りは、
行動不能なレベルに達することは考えなくて良いだろう。

      ザッ……

そして・・・飛ばした耳目は、光景を捉え続ける。

『笹暮』:
「ぐっ…………お、前は…………」

『???』:
「ッせーーーな! てか、オッさん起きたのかよ。
 兄貴があんだけボコったのによォー……まあいいや。
 今から『電話』すんだからよォォーーーッ、
 黙っとけや。喋ってもらうのはその後だからな!
 別働隊だか増援だか、仲間連れてやがった事をよォォ」
  
   「余計な事したら、エェ? 分かるか?
    オレは兄貴ほど優しくねーぞォーーー
    ギリ、ギリ、死なねぇ位に刻んでやんぜェ!?」

獰猛な口調で笹暮に語り掛けつつ、
指を銃のような形にして彼に突き付ける若い男。

もう片手でスマートフォンを取り出し、通話を始める。

彼の発言に笹暮は目立って言葉を返さない。
……脅しに従っているとも、黙秘を貫いているとも言える。

>>306(黒峰)

          ボフッ

ごく一般的な枕を発現し、前足に保持させた。
素材は不明瞭だが、黒峰の家の枕に近い気がした。

『??』:
「…………こっちも知り合いのつもりはない。
 差し金……『アリーナ』の手勢じゃないのか!?
 ツアーだと? 偶然……スタンド使いがこの世界に……?」

        ザワ…  ザワ…

『運転手』:
「なッ……何…………何をいきなり…………!」

「あ、あの男がいきなり、何かを投げて……!?」

攻撃を辛うじて避けさせられた形になる運転手は、
やはり狼狽した様子でペットボトルと男を交互に見る。

男は集団を見回す……騒めきが広がり始める。
それは今はまだ、動きには発展していない。

『??』:
「クールに…………クールになって考えれば、
 ありえない話というわけではないのだろうが……!?」

「……………………つまりお前ら、何も知らないと?
  何も知らないし……『知るつもりもない』と……?」

         シュゥゥーーーーー ・・・

   ポタ   ポタ

「なッ……………………なんだそれは……………予想外の上塗りッ!?」


男の困惑に伴うかのように彼の指先から水滴が滴る。
顔からもだ。予想外の事態に、冷や汗を隠せないのだろうか。

308小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/06(火) 22:13:05
>>307

『歪みの外』の様子を観察して、大体の状況は読み取れた。
まず、あの『チェーンの若者』が三人組の一人なのは間違いない。
彼が発した言葉から、それが分かる。
そして、おそらく彼は『ミステリーツアーメンバー』を『アリーナ関係者』だと考えている。
だから、それについて笹暮から情報を引き出そうとしているのだろう。

  ――『電話』……。

どこかに電話を掛ける事が、彼が『歪みの外』へ出た『もう一つの目的』。
気になるのは『相手』と『内容』。
『歪みの中』では電話は通じないのだから、相手は『歪みの外』にいる事になる。
それが誰なのか、そして何を話すつもりなのか。
今は、それらを突き止めたい。

  ――……。

通話が終われば、『チェーンの若者』は笹暮に矛先を向けるだろう。
その時『どうするべき』なのかは、まだ迷いがあった。
笹暮を助けるために、彼と若者の間に割って入る事は出来る。
しかし、それが本当に笹暮を助ける事になるのだろうか。
『事態の収拾』を考えれば、『終わった後』で若者を追いかけるべきなのかもしれない。

笹暮は傷を負っていて、自分の力で動く事も難しい。
もし自分が二人の間に割り込んだとして、あの若者が笹暮を『盾にしない』という保障はない。
ふと、また『以前の旅行』を思い出す。
あの時も、同じような場面があった事を覚えている。
行動を共にしていた『彼女』を人質にされた時、それに対して私は屈する道を選んだ。

その後、対立していた『彼ら』とは一応の和解を遂げる事が出来た。
だが、あの時と同じような結末を迎えられるとは思えない。
これまで得られた情報を総合すると、『そうならない可能性』の方が高いだろう。
そうなった場合、笹暮と同じように行動不能の状態にされてしまうかもしれない。
万一そうなってしまったら――笹暮を『助ける』事は出来なくなる。

309黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/07(水) 21:42:47
>>307
「……『アリーナ』とやらが、なんなのかもわかりません。
 あなたの目的は何なんでしょう……?」

(……彼の能力は……精神状態を物理的な熱に変換している……?)

前進し、徐々に距離を詰めていく。

310『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/08(木) 22:41:45
>>308(小石川)

『???』:
「もしもしッ …………………」

     ヒソッ
        ヒソッ

若者は、声のトーンをやや落として話し始める。
『聞き耳』がある可能性を危惧しているにしては、
先ほどまで脅すように張り上げていた声が不可解だ。
単に『秘密』の多い内容だからそうしているだけか、
何らかの理由で今、情報の秘匿に思い至ったのか、
そのあたりは答えの出る問いではないだろう……

ともかく。

耳の現在の位置では、会話の内容は拾いきれない。
目で見ている限り、電話が『繋がっている』ことと、
彼が口を動かして何か話しているのは間違いないが、
会話の内容を知るためにはもう少し近付ける必要がある。

      …………


          …………

『笹暮』:
「フゥーーー…………ゲホッ…………」

        ガサッ…

身じろぎする笹暮に、地面に生えた背の低い草が揺れる。
男は一瞥し、眉根を寄せるが、すぐ通話に意識を戻す。
幸い歪みの外は峠であり……やはり多少の草木はある。
気付かれずに耳を近づけることは無理な話ではない。

また少なくとも男は今笹暮に暴行を加える様子は無く、
このまま観察していても、今は誰も傷つかないし、
状況次第では介入しないより穏便に済むかもしれない。
最適解というものは、存在しても神のみぞ知る物だ。

『???』:
「何ッ …………!?」

会話は、進んでいるらしい。
電話の内容は……彼にとっても想定外の事のようだ。
わざわざここに足を運んでまで聞いているのだから、
ある意味当然かもしれないが、ともかくまだ話は続く。

311『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/08(木) 22:42:06
>>309(黒峰)

『笹井』:
「あたしもソレ知らないわ、アリーナっての」

ネットで流行ってる物とかでもなさそうだ。

『??』:
「アリーナを…………知らない?
 ……いや、それも全然……あり得るか。
 誰がアイツらの事を教えて回るわけでもない……」

       ピシッ

「目的……目的…………! いやッ話す必要はない。
 事情を知らない人間に、話すメリットがない……
 メリットがないなら話さない、それが合理的な考え方」

      「つまり…………クールだからな」

  ピシッ

「それとも話せば『協力』してくれるとでも……?
 あるいは……クールに、『黙認』してくれるか?」

              シュウウゥ…

「……………………無駄な戦いは俺も望みじゃないぜ。
 そうだ、一つだけ説明出来ることがある…………
 お前らにとっては……何も害はない目的だって事だ。
 今この場では……な。『未来』までは保証出来ないが」

黒峰の推測が的中しているのかは分からないが、
彼の語気が落ち着いて来るに従い水滴は止まった。

「お前らの存在はイレギュラーだし、目的に無関係だ。
 …………事情を知らないまま、何もしないなら、
 俺は、黙ってここを回れ右してもいい…………冷静にな」

分かるのは、少なくとも『アリーナ』とやらでなければ、
今すぐ暴行を……無差別に加える意思はない、という点か。
黒峰が前に立ち話している事、攻撃が一度切りだった事、
あるいは目立ってこの危険な男に絡まれたくないからか、
乗客らの騒ぎは少しずつ収まり始めている…………ただし。

『運転手』:
「け…………警察を、警察を呼びましょう。
 わけのわらかないことを言っているヤツを、
 対話で何とか出来るとは思えないッ…………!
 早く車の中に……鍵を掛ければ、安全になります……!」

困惑と焦りに震える声で、運転手が小声で勧めてくる。
バスガイドの矢田は事態から一歩引いた位置にいるが、
彼女についてもやはりバスの車内には戻っていない。
率先して逃げ隠れは出来ない……『責任』があるという事か。

312小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/09(金) 08:39:55
>>310

ここで動かずにいても情報は得られず、状況は変わらない。
最優先にしなければいけないのは、『通話』を聞くこと。
少なくとも、それが何か重要な内容である事は想像がつく。
ここで躊躇っていては、その間に『話』が終わってしまう。
もちろん危険はあるとしても、多少は止むを得ない。

  ――もう……少し……。

重要なのは二点。
『見つからないこと』と、『電話の内容が聞き取れること』。
この二点を『最低限のレベル』で両立出来る位置を探して、そこに『耳』を移動させたい。
あまり近付きすぎると発見される恐れが高まる。
それを少しでも防ぐために、あくまでも『最低限』で抑えておく。

  ――落ち着いて……。

『目』は動かさず、今の位置で待機させる。
本体も同じように動かない。
もし『射程距離』が足りなくなるようなら、それに合わせて近付きたい。
万一『耳』か『目』が見つかったら、即座に『解除』して消すつもりでいる。
『再生』に『四つ分』の時間を要するのは痛手だが、手元に戻せば本体の位置を知られてしまう。

313黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/09(金) 20:38:07
>>311
「……『アリーナ』とか、あなたが何をしているのかは……あなたの言う通り、おそらく私達には関係ないのでしょう。
 ただ、ひとつだけ私達に関係することで……どうしても知りたいことがあります……。
 ……『この街は、なんなんですか?』」

案外話の通じる相手かもしれない……と、思っていたところで運転手がなにか余計なことを……。

「……あの、大丈夫ですから……むやみに刺激するようなことは……」

314『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/11(日) 18:49:55
>>312(小石川)

              スゥ ――――――  

                   カサ…  カサ

『笹暮』:
「………………?」

耳を近づける・・・背の低い草がわずかに揺れるが、
電話に耳を傾けている以上、この程度なら問題あるまい。

『???』:
「――――『アリーナ』から派遣したのは間違いなくッ
  ……こいつだけだってェーーー裏は取れてるってことは……
   兄貴が見つけた『いるはずのねェ連中』は一体何なんですッ」

      「……や、そこンとこは兄貴にしか…………
        とりあえずそっちは、不安スけど『レイト』が今、
         偵察を……あっハイ、確認はこの後すぐしますッ」

若者の会話は、当然ながら『一方的』だ。
電話の向こうにいる相手の声を聴き取るには、
極めて距離が近くなければならない。
この、安全性を保てる距離では断片的な情報が精いっぱいだ。

『???』:
「兄貴は今…………ハイ、予定通り『例のブツ』の場所の特定に。
  まだ完了はしてないですが、ほぼ確定ってとこまで来てます。
   オレはこの連絡のために、今外で。ハイ、すぐ兄貴と合流します。
    内部での連絡は、スマホは使えないんで、ハイ、ちゃんと持ってます」

電話は、そろそろ終わるのかもしれない――――
あくまで『最低限』を保ち目的を完遂するか、
欲を出してより込み入った事情を知ることを狙うか。

あるいは――――聞き耳を立てる以上の動きをする選択肢も、難しいが無くはないだろう。

>>313(黒峰)

『??』:
「―――――この町? さあ……兄貴なら知ってるのかもな。
 ここが何かなんてハッキリ言って俺には関係ない。
 隠された町なのか、作られた町なのか……誰がやったのかも、な」
 
    フゥ――― ・・・

     「……一応言っとくが兄貴に会わせてやる気はないぜ。
      お前らは二つに一つ、何も知らないまま帰るか……
      あるいは俺と戦って終わるか……クールに考えて決めな」

               『ピキ』  『ピキ』

要するに、その二つの選択肢以外は彼にとって都合が悪いのだ。
むやみに戦う気はないという言葉は、つまり用があれば戦うという事。
戦いに――――あるいは暴力に、自信が無ければ吐けない言葉だ。

『運転手』:
「だ、大丈夫……!?」

運転手は黒峰の言葉を飲み込めないようだったが――――

『笹井』:
「…………よくわかんないけど、『空』とか『花』とかと同じ話してる? してるよね?」

笹井は――――行動を共にし、『付いて来させてきた』彼女は、
何も分からない、事情も見えないなりに『判断』することが出来た。

『笹井』:
「運転手さん、ここはほっといた方が良いよ、運転手さんは一回止めたんだし責任ないでしょ」

『運転手』:
「しかし…………」

少なくとも会話の中で運転手より妨害が入る事はないだろう。彼なりの善意や責任だとして、邪魔は邪魔だ。

315小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/12(月) 00:22:52
>>314

おそらくは若者が『兄貴』と呼んでいるのが、笹暮から聞いた『銀髪の男』なのだろう。
『レイト』というのは、三人組の『女性』の名前である可能性が高いように思える。
会話の内容から判断すると、電話の向こうにいるのは、そのどちらでもなさそうだ。
笹暮が『アリーナ』に属しているように、彼らも何かの組織あるいは集団の一員なのだろうか。
そうだとすれば、若者の通話相手も『同じ所属』だという考えが成り立つ。

今やるべきなのは、『情報を集めること』と『周知すること』。
彼らについて知ることができても、自分が知っているだけでは意味は薄い。
もし攻撃されて動けない状態になってしまえば、そこで止まってしまう。
他のツアー参加者達に、このことを伝えなければいけない。
事態に対応することができる『スタンド使い』達に、情報を知らせる必要がある。

  ――でも……。

  ――まだ……もう少し……。

ただ、まだ森からは立ち去らない。
今の段階で、可能な限りの情報は集めておきたい。
だから、『電話が終わる前』に『目』と『耳』を笹暮の近くに移動させる。
目的は、笹暮だけに『目』と『耳』の存在を気付かせること。
当然、若者には気付かれないように細心の注意を払う。

笹暮には、『スーサイド・ライフ』の『能力』を教えてある。
切り離された『目』と『耳』を見れば、こちらが『見聞き』していることが分かるはず。
笹暮が若者と会話して『他の情報』を引き出してくれれば、こちらにも把握できる。
そのような意図があることを、『目』と『耳』に気付かせることで笹暮に伝えたい。
確実性が乏しいことは承知しているが、彼の『洞察力』に賭ける。

笹暮が気付いてくれたら、すぐに『目』と『耳』を木陰か草陰に隠しておく。
その位置から、笹暮と若者のやり取りを見届ける。
これから起きることを、できるだけ確認したい。

316黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/13(火) 20:03:01
>>314
「ああ……聞きたいことはひとつと言ったのに、すみませんが……まだありました。
 ……あなたに私達を襲う理由は無いとして……『アリーナ』とやらは、どうでしょうか……?
 もしも襲われうるなら……自衛のための情報はほしいところですが……」

一応、『オールナイト・トレイン』が男と運転手の間に来るように移動しておこう。

317『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/14(水) 21:18:21
>>315(小石川)

『レイト』――――イントネーションは『毛糸』に近いもので、
下の名前だとすれば違和感がある。男性名、とは限らないだろう。
少なくとも笹暮が確認した以上、『女』がいるのは間違いないのだから、
その人物が未だ姿を見せない『女』である、と考えるのは自然な流れだ。

敵――――の、『集団』。
少なくとも3名を超える『徒党』を組んだスタンド使いが動いている。
その全てが実働を担い、襲ってくるとは限らないが、警戒は必要だ。
そう、こちらも『集団』としての警戒――小石川1人ではなく、周知による連帯。
小石川の考え方は、事態から身を守り、脱するうえで極めて『正しい』。

                    ガサ

                         ガサ…

草に擦れた耳目、特に目が、痛痒感を本体に伝える。
だがそれは――――必要経費としては安いものと言えるだろう。
電話を終えていない若者は足元にあえて注意を向けない。
笹暮の近くに――――『彼の視界』に、その位置を移すのは容易い。

『???』:
「え? あ。ハイ、『レイト』は今、そう、でェー……ハイ、
  どっちかは偵察に使うかも、って。ハイッ兄貴に了解取ってます。
   本人にも伝えてるんで、ハイ、そこは問題ないィーー、ハズです。
    予定とは、ちょっと違いますけど、レイトがどうしてもって……」

『笹暮』:
「…………!」

そして――――――

『笹暮』:
「……………………『現場判断』で『作戦』を変えたのか? ……暴力以外は『三流』だな」

『???』:
「…………ああァーーー?」

                  ギョロッ

笹暮の吐いた言葉は、『情報収集』の取っ掛かりとしては『苛烈』な響きを帯びている。
小石川の判断は間違いではないが、『情報を引き出す』という意図は正確に伝わっただろうか――――

                 ・・・彼は何か『別の役割』を己に課した、可能性もある。

>>316(黒峰)

          ドスンッ

                ドスンッ

ベッドを模した『四足獣』の巨体が、運転手の前に出る。
男はそれに警戒の構えを見せるが、それ以上の動きは無いと気づいたか、
懐に入れかけていた左手を引き、頬から垂れる汗を拭い取った。

『??』:
「フンッ、連中は『警察』の真似事をしていやがる……俺達の邪魔をしやがって……
 逆に言えば何もしないヤツには何も手を…………出さないんじゃないのか?
 俺も連中には詳しくねえ、兄貴か……それか、レイ……いやっ、これ以上はナシだ」

              「余計な口を滑らせようったって、
                そうはいかねえ……俺は既にクールだぜ」

この男は『下っ端』か何かなのだろう――――大したことは知らないと見える。
もしこの男を経由して、『真相への接近や解決を望む』のであれば―――――
兄貴とされる人物、あるいは別の仲間に引き合わせてもらうか、探すしかないだろう。
打ちのめすか、説得するか、それとも男の口の軽さに期待し、話し続けるのも良いかもしれない。

逆に、この男にまつわる問題は『警察』と称されるその組織に解決を任せてしまう選択も考えられる。
その場合、やるべきことはこの男との接触ではなく、この町から出ることになってくるだろう。

                     ・・・今、話に割って入る人間はいない。
                         黒峰の判断が今後の方針にも直結しえる。

318小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/15(木) 01:25:21
>>317

私には、スタンド使いと敵対した経験は少ない。
その中で学んだことは、何よりも『冷静さ』を欠いてはいけないということ。
彼――笹暮が、どのように解釈したのかは分からない。
もしかすると、上手く伝わらなかったのかもしれない。
しかし、それは客観的に見て大きなマイナスにはならない。

  ――笹暮さん……!

こちらの存在には、まだ気付かれていない。
つまり、『選択の権利』は未だに『こちら側』が持っていることになる。
このまま『見聞き』し続けることもできるし、途中で立ち去ることもできる。
どちらを選んだとしても、今の段階で若者から攻撃される可能性は限りなく低い。
まず状況を見守り、それが済んだ後で『若者を尾行する』か『バスに戻る』か選ぶのが無難だろう。

  ――だけど……。

ただし、ここで『笹暮を見捨てれば』――だ。
彼の挑発的な言葉に対する若者の反応を見れば、次の光景を想像することは容易い。
笹暮の行動は、あくまで『彼自身の意思』で行ったもの。
しかし、その『きっかけ』を作ったのは私自身。
どうすべきなのか――再び迷いが生じる。

  ――……。

今は、『観察』を続ける他ないだろう。
笹暮に『目』と『耳』を気付かせた『当初の目的』も、決して忘れてはいない。
第一に優先しなければいけないのは、さらなる『情報収集』。
『その後の行動』は、状況の変化を見てから判断する。
場合によっては、『第三の選択肢』を選ばなければならなくなることも考慮に入れる。

319黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/15(木) 23:14:56
>>317
(……警察の真似事……。
 そんな相手と争うこの人達は、まあ『いい人』ではないのでしょうね……『アリーナ』が正義とも、限りませんけど。
 ……この人もあまり詳しくなさそうですし、いま争っても……大した得はなさそうですね……)

「そうですか……貴重な情報、ありがとうございます……」

お礼を言い、(現時点では)敵対の意思がないことを示す。

(まだ戻ってきていないツアー客の方たちが……もし戻ってきたら、お話を伺いたいところですが……)

320『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/16(金) 19:23:08
>>318(小石川)

笹暮は今日初めて会った相手で、素性も人柄も読めない。
彼の判断に委ねた以上、状況もまた『読めない』のは必然だ。
しかし――――小石川の考えは誤ってはいない。
若い男は確実に小石川や目と耳に気づいてはいないし、
気付いたとしても『笹暮』から気をそらすのは到底無理だろう。

・・・小石川の考えが正しいのは『良い方向』だけではない。  

『笹暮』:
「ハァ……不意を打たれたときは、正直驚いたよ。
  ここの存在……あるいは俺がここに来るのを、
   俺の動きに先んじて……把握する、諜報の能力。
    ……間違いなく……『手練れ』だと思わされたし、
     ……『兄貴』とやらの『暴力』も、大したもんらしい」

『???』:
「あッあァ――……すみません、黙らせたはずのヤツが騒ぎ出しまして。
  ハイッ、アリーナのォーーーー、です。名前? は知りませんけど。
   眼鏡? や、かけてないです、スーツでもないですね。…………ハイ」

           「…………ハイッ、兄貴からも許可は」

『笹暮』:
「だが…………他は……『素人』だというのが……会話で分かった。
 ……このレベルで……『アリーナ』の裏をかけるとは思えない。
 糸を引いてる奴がいるんだろ……ゲホッ。上手く使っている……奴が」

『???』:
「…………言ったよなァーーーー余計な事すんなってよォォーーーーー」

『笹暮』:
「余計……本当にそうか? ……お前らの開く扉が決まる、ハァ……瀬戸際だぞ。
 『アリーナ』も知っての通り一枚岩じゃあないが……『3人』消す程度は、動かせる」

           「今なら…………糸を切るだけで済むかもしれない。
              俺の話には……お前にとっても価値が……あるはずだ」

笹暮は挑発的に、わずかに視線を上げる。言葉がどこまで真意かは不明だ。
対する若者の顔にはどこか鼻白むような笑みが一瞬浮かび、獰猛な表情に混ざる。

『???』:
「ハッ、『3人』ンンーーーーーーーーーー?」

             「見積りが甘ェーーーーよオッサン。
               『アリーナ』だか何だか知らねえが、
                 言ったよな、俺は兄貴ほど優しくねえし」

                        「それによォーーー、賢くもねえェェーーー」

       『ジャララララララッ』
                『ズギャ〜〜〜ン!』

    「『フレッシュ&ブラッド』ッッ!!!」


その手に発現したのは――――『銃』のスタンドだ。

リアリティーのある拳銃というより玩具の『ウォーターガン』の趣だが、陳腐さを剣呑さが塗り潰す。
その赤い銃身からは、彼のアクセサリーの如く『鎖』が伸び――――それらは僅かに蠢いているようにも見える。

>>319(黒峰)

素性は不明瞭だが・・・いきなり凍ったボトルを投げてくる男だ。
少なくとも、『清廉潔白』な善人という事はあり得ないだろう。
絶対悪なのか、状況が生んだ相対的な悪なのかは分からないし、
彼自身にそもそも善悪の自意識があるのかも見えないが・・・

『??』:
「チッ、礼なんかするな。…………お前らが妙なことをしないなら、
 これ以上待たせるわけにもいかない……俺はもうここを離れるからな。
 …………警告はした、何か余計なことをしようとするなよ!
 それに知ろうともするな……その時はあくまでクールに、やる事をやらせてもらうからな」

                「…………後を着けたりもするなよ!」

     ジリ 
          ジリ…        

あくまで『オールナイト・トレイン』を警戒した様子で、男は後ずさるように離れていく。
逃がせば再度見つけるのは困難だろうが、特に捕まえる必要がないなら、別に問題にはならない。

他のツアー客の戻りに関しては、時間も時間だし、自然に戻ってくるメンツはじきに揃うだろう。
来ないとすれば、笹井が触れていたように――――赤い空やそれにまつわる何かに巻き込まれている可能性もあるか。

321小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/17(土) 00:35:51
>>320

  ――……!

『銃』のスタンド――事前に笹暮から聞いていたヴィジョン。
基本的には『外見通り』だとしたら、離れた位置から『撃ってくる』のだろう。
『ナイフ』である『スーサイド・ライフ』にとっては、その時点で多少の辛さを感じる。
ただ、もし同時に一つの対象しか狙えないのなら『距離の差』を埋める方法はあるはず。
『スーサイド・ライフ』の『能力』なら、『的』を増やすことができる。

しかし、『能力』があるのは向こうも同じこと。
今の時点で分かるのは、『水鉄砲』、『赤』、『鎖』、『脈動』。
そして、名前に冠された『血肉』という言葉。
『水鉄砲』が『肉』だとしたら『中身』は『血』で、『鎖』は『血管』だろうか。
全体的に、どこか生々しいイメージを想起させるスタンドに思える。

  ――笹暮さん……あなたは……。

最初、若者は『ギリギリ死なない位に』と言っていた。
つまり、三人組の総意としては、積極的に笹暮の命を奪う意思はないと読み取れる。
そのつもりだったとしたら、『拘束』などしなかったはず。
それが『兄貴分』の意向なら、下にいるであろう若者が、それに反する行動に出る可能性は高くない。
笹暮を殺せば、『兄貴分』の意に背くことになるだろうから。

この若者が、挑発に乗りやすいタイプであることは何となく察しがつく。
平然とした態度を装っていても、内心の苛立ちが伝わってくる。
だからこそ、笹暮も敢えて挑戦的な態度を取っているのだろう。
そして、そういった人間は力に訴えることで問題を解決する傾向が強い。
今まさに、あの若者がしようとしているように。

  ――ごめん……なさい……。

ここで若者の前に出て、彼の行動の妨害を試みる選択肢もある。
しかし、それでは『当初の目的』が達成できなくなる。
何より、自ら身体を張ってくれている笹暮の決意を無駄にしてしまう。
さらに今の距離では、こちらが若者に何かするよりも若者が笹暮に何かする方が早い。
出て行った直後に笹暮を人質にされては、全てが水泡に帰すことになる。

引き続き観察を続ける。
何一つ見落とす訳にはいかない。
笹暮の背中を押した自分には、その責任がある。
『スタンドを出した』ということは、当然それを使うはず。
そこから、多少なりとも『能力の片鱗』を掴みたい。

322黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/19(月) 19:48:27
>>320
「……ひとまず、暴力事件は避けられたようですね……。
 ええと……この中で……まだ帰ってきてない人たちと、自由行動中に一緒に行動したり、どこへ行くとか聞いたりした人は……いますか……?」

ツアー客たちに尋ねる。

「もしも電話番号等を知っていれば……連絡してほしいところですけど……」

323『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/21(水) 09:52:17
>>321(小石川)

『???』:
「ハイッ、ほどほどに――――ほどほどに、『わからせます』」

          ジャラッ

              ジャラッ

「兄貴からも、それはやっていいと。ハイまた、掛け直し」

          「あッハイ」

                 「それじゃあ、それで。
                   失礼ィーーーーします」

鎖の垂れる銃を構え、その銃口を向けながら笹暮の周囲をうろつく若い男。
やがて彼は電話を止め、耳の高さに上げていた手を、銃身に重ねるように添える。
片手で撃つ、ようなスタンドではないという事だろうか?

     『ドクッ』    『ドクッ』                         

『???』:
「今から始めるのは『尋問』のつもりだったんだけどよォーーーー。
  気が変わったッ! ……『拷問』だッ! その意味が分かるかァーーー?」

                   『ドクンッ』

『笹暮』:
「…………『答えても答えなくても痛めつける』とでも? そん」

                 『バチャァッ』

                    「…………!?」

若い男の言葉に、あくまで挑発的に応えようとした『笹暮』の背に、その弾丸が『垂らされる』。
弾丸――――というのは語弊があるか。それは『液体』だ。赤い液体。風に乗り、嫌な臭いが伝わる。

                                 ・・・『血』だ。 

『笹暮』:
「ぐ、むッ…………」

『???』:
「答えたとしても本当とは限らねェーーからよぉ、
  ナメた口が利けなくなるまで『追い詰めて』吐かせるってんだ」

          「『フレッシュ&ブラッド』……ド派手に殺すだけが能じゃねえェーーー」

苦悶の声。あの『血』に何らかの攻撃能力があるのだろうか――――能力の『片鱗』が伺える。
そして、若い男は彼なりに『殺さない』手段をとっているであろうことも、だ。小石川の見立ては、今の所正しい。

                          ガガッ ザザーー

そしてこの『音』は・・・耳を近づけていたから聞こえる。大きな音ではない。若い男の、ジーンズのポケットから聞こえる。

324『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/21(水) 09:52:30

>>322(黒峰)

不健康そうなアフロヘアの男は、そのままバスから見える範囲から姿を消す。
最後に見えた動きはポケットから何か……『携帯電話』か『トランシーバ』のような物を出す所だ。

『矢田』:
「……い、行きましたねぇ〜〜〜。あ……あの男は一体……
 いえ、すみません、ありがとうございました、ワタシ共が何とかすべきところを」

急な事態に口をつぐんでいたバスガイドの矢田が、ようやく安堵の声を漏らす。

『運転手』:
「電話番号は、ツアーへの申し込み時点で全員分集めております……し、
 非常事態ですからそれを利用するのもやむを得ないとは思いますが……」

             チラッ

『矢田』:
「……この町、電波が極端に悪いみたいで〜〜〜ッ。電話が全然つながらないんですよぉ……」

『笹井』:
「携帯は普通につくけど、電波はずっと入らないよね。だからアプリとかも使えないもん」

仮に電波が良い場所、というのが存在して、
そこを見つけて電話を掛けたとしても、
まだ帰っていない客がそこにいるとは限らない。

『リーマン風の男』:
「直接聞いたわけじゃあないですが、確かあの……『ゴスロリ』って言うんですか?
 派手な格好をした女の人と、若い女の子たちが『商店街』を見に行くって言っていたような」

『カップルの女』:
「あの…………後ろに座ってた『不良』っぽい人たち……
 確か遊園地に行くって……声が大きかったから聞こえてたけど」

『カップルの男』:
「や、どうだったかな、その後やっぱ大きい学校が見たいとか話してた気も」

彼らを探し、連れ戻すのを目的とするなら、やはり尋ね回る事になるか。

と、そこに。

                     ――――  ザッ

『緑里』:
「…………いや〜〜〜〜〜〜すいません遅れちゃってぇ〜〜〜〜〜〜」

彼は確か、『緑里』と言った。ポンチョを羽織った男で……いつの間にか、バスの方へ歩いて来ている。
彼は今まで何処にいたのだろうか? 確か『喪服の女』と一緒にいたはずだ。その彼女の姿は見えない。

『緑里』:
「それでぇ〜〜〜〜〜っと、まだ出発する雰囲気じゃ………………あ!?」

運転手に用があるのか、何か言いかけながらこちらに近づいて来ていた彼は『黒峰』に視線を向けた時、固まった。

                      ・・・『見えている』のか? 『オールナイト・トレイン』が。

325小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/21(水) 22:58:00
>>323

現状を維持しつつ、『歪みの中』で息を潜めて観察を続ける。
何かの拍子に若者が気付く恐れもあるので、『目』と『耳』の位置は離しておく。
片方が見つかったとしても、そちらを囮にして一方を自由にするために。

  ――『拷問』……。

その言葉と同時に、『派手に殺す』という一言が『耳』に届く。
彼は、誰かを『殺した』事があるのだろうか。
そうした人間を目の当たりにしている事実を改めて感じ、緊張が高まる。

  ――赤い液体……。

  ――やはり……あれは……。

それが『血液』らしいことは、色や匂いや『血肉』という名前からも窺えた。
自傷した時に見ている、肌を伝う細い線のような血とは違うように感じられる。
量が多いせいもあるが、別の理由もあった。

  ――……。

それは、苦しむ笹暮の姿だった。
彼は、私が合図を送ったことで自らを犠牲にしている。
間接的に、私が彼を苦しめている。

  ――『音』が……?

新たな手掛かりに成り得る『音』のことは気に掛かるが、笹暮や若者の動きから『目』は離せない。
若者に近付いたとしても、『音』の正体が分かるとも思えない。
『音』には気を配るが、『歪みの外』にいる二人の様子を掴むことを最優先にするのは変わらない。

326黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/22(木) 20:37:14
>>324
(……電波が通じないから、トランシーバーということですか……。
 準備がいいですね……。
 少なくとも彼らの仲間内に……この街に詳しい人がいそうです)

と、ちょうど一人帰ってきた。

>「それでぇ〜〜〜〜〜っと、まだ出発する雰囲気じゃ………………あ!?」

「……」

とりあえず危険は去ったわけだし『オールナイト・トレイン』を解除する。
※『オールナイト・トレイン』は実体化している。

(……あの反応、『道端にベッドがあることを不思議がる』という感じではないような……?)

327『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/23(金) 21:26:19
>>325(小石川)

料理をしたことのない人間が、レシピだけ見て料理を語るとする。
……内容が正しくとも、実の伴わない、どこかあいまいなものになる。
何も気持ちの問題ではなく……受け売り以上の事が分からないなら、
どうしても話は答えを辿るだけか、冗長なものとなる。メッキはすぐに剥がれる。

…………あるいは、『暴力の世界』も同じなのかもしれない。
彼の言葉には事態への『慣れ』こそ伺えないにしても、余分がない。
舞い上がるわけでも、緊張するわけでもない。初の体験では、無いのだろう。

『笹暮』:
「っ、ぐ、ム…………た、『弾が触れた所を傷付ける』…………水鉄砲…………」

      「噂には……聞いたことが…………」

顔を上げ、事態を把握しようと…………
あるいは小石川に把握させようと努める笹暮。

         ドグッ

『笹暮』:
「ぐむッ」

『???』:
「うるせェェーーーよ、そんな話は聞いてねえ。
 聞いてるのは……てめーのお仲間の事だ。
 ここに来るのは一人って『聞いてた』のに、
 中に『妙な連中』がいるらしいからなァーーーーッ」

        「『別働隊』か」

               「『別の派閥』か?
                どっちにしてもよォー」

「知ってる事を、血反吐と一緒に全部吐いてもらわねえとなァーーー……あん?」

その頭を踏みつけて地に伏せさせ、
己の『目的』を遂行しようと……動いていたが、
尻ポケットから『音』の発生源を取り出す若い男。

            ・・・あれは、『トランシーバー』だろうか?

>>326(黒峰)

そう・・・『オールナイト・トレイン』は実体化したスタンドだ。
異様な話をする暴漢という、より強い衝撃が立ち去った今、
あるいは彼が去った上で、突然『動くベッド』が消えた今、
『それ』がいた場所と黒峰を見比べるのは緑里だけではない。
だが、笹井や運転手たちの、目をぱちくりとさせる様子とは違い……
緑里の驚き方はどこか『厄介そう』な表情を含んでいたように見えた。

『運転手』:
「え……ええ、まあ、まだ戻って来てない方が多いので。
 連絡手段もありませんし、集まって来るまではここで待つしかない、かと」

『緑里』:
「……なーるほどぉーーー、そういう事だったんですねぇー。
 いやちょうど……ホラ。『喪服』のお姉さんから伝言をね。
 落とし物をして探したいから出発を待ってくれないか、って」

「『遊園地の方の林』で『大事なハンカチ』を落としたとかでーーー」

早速一人、居場所が分かった。
しかし……伝言役を用意したとはいえ、一人で『林』などに残って探し物とは。
そのハンカチが、よほど大事なものなのだろうか? それとも・・・『何か』あるのか。

328小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/24(土) 05:55:12
>>327

  ――ごめんなさい……。

傷付けられる笹暮を前にしながら、刻々と変化する状況の把握に専念する。
それが、自分で決めたことなのだから。
頭では分かっていても、無意識の内に唇を噛んでいた。

今のところ、ヴィジョンから分かる以上の情報は少ない。
『水鉄砲』のスタンドであり、『血』のような液体を飛ばせる。
そして、当たることで何かの能力が降り掛かる。
笹暮の言葉通りなら、それはダメージをもたらす類のものだろう。
もし『ダメージの種類』を知ることができれば、大きな収穫になりうる。

笹暮が『血液』を浴びた部分を、『目』で注視する。
そこが今どのような状態になっているのか、出来る限り正確に確かめたい。
このスタンドは、『銃弾』ではなく『液体』である所に大きな意味があるように思える。

  ――あれで連絡を……?

『トランシーバー』――日常生活の中では、あまり見かけない機器だった。
主に、警備員やイベントスタッフなどが使っているイメージがある。
それが『歪みの中』との連絡用であることは、おそらく間違いないはず。
携帯電話の代わりだと考えれば、筋は通る。
『歪み』の中で携帯電話は使えないが、『トランシーバー』は使えるということだろうか。

  ――『トランシーバー』……。

『フレッシュ&ブラッド』の能力は気に掛かるが、『トランシーバー』のことも気になっていた。
推測が正しいとすれば、なぜ『トランシーバー』は使えるのか。
それが分かれば、この『世界』を理解する助けになるかもしれない。
何かしらの『条件』のようなものがあるのなら、知らないよりは知っていた方が動きやすくなる。
笹暮が浴びた『血液』を観察してから、『トランシーバー』の方に注意を移す。

329黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/25(日) 20:55:42
>>327
「その喪服の方は……林で何を……?」

緑里の様子をじぃ〜っと見ながら尋ねる。

330『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/27(火) 21:54:08
>>328(小石川)

笹暮とて、『自分で決めたこと』――――だ。
大声を出して小石川の存在をバラすことで、
矛先を自分から逸らすことも極論出来る状況だ。
彼もまた、『自分で決めて』小石川に託そうとしている。

『???』:
「…………良いところで…………いや」

       「……チッ、熱くなりすぎてるかァーー」

トランシーバーを耳に当てる若い男だが、
携帯電話を取った時に比べると急ぐ様子が無い。
連絡相手の候補に緊急性が無い、のだろうか。
あるいは単に今の状況に興が乗っているだけか。

『笹暮』:
「…………っ……!」

ひとまず、暴力の手は止まる。
しかし笹暮は苦しんでいるままに見える。
目が捉える限り・・・血が触れている箇所が『抉られ』続けている。
さながら、浴びせられた血が笹暮の体を掘り返そうとしているかのように。

『???』:
「ああッ聞こえてますッて、兄貴――――え?
 ハイ、合流はァー、もちろん忘れてないッス。 
  ああ、レイト『の』が……あーはいッ、その件今吐かせようと……ハイッ?」

       「…………いやいやッ、信用するんスかッ!?
         本人ならまだしも、『アレ』じゃ丸め込まれた可能性も……」

そして、トランシーバーの通信相手は『兄貴』なる人物のようだ。
携帯電話とその機器の顕著な違いは、通信距離が短い事。
途中に施設を介する携帯と違い、無線機はそれ自体が極小の通信施設だ。

なぜ使えるのか? 違いがあるとすれば、そこになるか――――無論特殊な条件の可能性もあるが。

>>329(黒峰)

『緑里』:
「いやぁー、普通に、なんか『森林浴』がしたいってコトでー。
 遊園地で『観覧車』乗った時に見えた……林が気になったみたいでね」

            「散歩がてら着いて行った感じで」

  「『バードウォッチング』もしつつ?」

目が泳いでいる。

「途中でーーー、なんか……気になる『鳥』がいたみたいで。
 それを追ってしばらく離れてたんですけど、その時に落としたんでしょーね……」

それに……汗一つ無かった顔に、若干の焦りが感じられる。
何か、負い目でも感じているのか。『伝言の役目』は、間違いなく果たしているのに?

         「……とりあえず『あんま見つからないなら戻って来い』とは、
          た〜しかに、しっかり言っといたんで……ねえ?
          町のすぐ近くですし、危ない事とかはなんにもない……でしょ」

森ならともかく、林だ。それも気軽に入れるような……確かに普通に考えれば、大きな危険はないはずではある。

331小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/28(水) 03:08:53
>>330

  ――ッ!

笹暮の身体が、『血』によって抉られている。
その光景を見て、驚きを隠せなかった。
ここから見る限り、彼が受けている苦痛は相当なものだろう。
だけど、『目』を逸らしてはいけない。
『全てを見届ける』ことが笹暮の望みであり、自分の目的なのだから。

  ――『レイト』……。

おそらくは三人組の一人で、『偵察』ができるような能力の持ち主。
しかし、『偵察』というキーワードだけでは能力の予測を立てることはできない。
『スーサイド・ライフ』も『偵察』を行うことができるが、それは能力の『一部』だ。
『偵察』という言葉を聞いただけでは、
『本体の身体を切断して遠隔操作するナイフ』という結論に至ることは難しい。
それと同じように、『レイト』の大部分は未だ謎に包まれている。

ただ、分かっていることもある。
若者は先程の電話で、『どちらかは偵察に使う』と言っていた。
『どちらか』という言葉は、大抵は『二つあるもの』に対して使われる。
それが『レイトのスタンド』を指しているとしたら、最低でも『二つ』ある可能性が高い。
もしかすると、もっと多いかもしれない。

トランシーバーが使える理由――少し考えて、それが理解できた。
『歪み』によって、『内側』と『外側』は切り離されている。
発信された電波は、『歪みの外』に出ることができないのだろう。
だから携帯電話は圏外になっているし、トランシーバーの使用には何の支障もない。
そして、話はそれだけではない。

彼らは、事前にトランシーバーを持ち込んでいる。
つまり、この世界の『特性』を把握した上で来ているという事になる。
他にも、何か用意している可能性はある。
あくまで偶然に迷い込んだ自分達とは違う。
『地の利』は、彼らの側にあるのかもしれない。

  ――……。

あれから、どれくらいの時間が経っただろう。
もう全員がバスに戻っているのだろうか。
これまでの会話の内容から、こちらの存在自体は既に知られていることは分かる。
問題は、『人数』まで正確に把握されているかどうか。
『人数』を知られていないなら、このまま別行動を続ける意味はある。

332黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/28(水) 20:22:45
>>330
「すぐ近く、ですか……。
 ……すみませんが、案内していただけますか?
 一人で探すより……複数人で探したほうが、効率がいいと思いますし……。
 そういうわけで……そうですね、もし30分探しても見つからなければ……一旦戻ってきます……」

スタッフに伝え、緑里に案内させることを強引に規定事項にする。

333『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/30(金) 01:23:58
>>331(小石川)

            『グジュッ』

                      『グジュッ』

血が肉を抉る『フレッシュ&ブラッド』――――能力の全容は掴めないが、
間違いないのは、それが放つ『血に触れるべきではない』という事だろう。

それ以上に謎めいた『レイトの能力』については、片鱗に触れる事も難しい。
使うところを見たわけではないし、そもそも『偵察の能力』なのかも不明だ。
だが、小石川の考える通り『推測』することは不可能ではない。
いずれ……それを役に立てられる時も、来るかもしれない。
スタンドの世界では『知っている』事は想像以上に大きなアドバンテージとなる。

     ・・・

           ・・・

                 ・・・

『???』:
「…………まァーーー、兄貴がそういうなら俺は何とも。
 予定には無かったトコですし。ハイ、俺は接触はしてねェーッス」

          「『俺らの目的』も――――――
            完全に把握してる奴は、『あいつ』と、
            今ここでどうとでも出来る『こいつ』だけ」

                   「の、ハズでェーす、ね。
                     レイトも、そこは喋らせないでしょ」

男はトランシーバーの通話にある程度の集中を見せており、
それは少なくとも、もうしばらくは続くように思われる。
目的という言葉も出ている以上、彼らは『笹暮』と同じく、
この空間ないし『空間の中の何か』に用があって来たのだろう。
ともかく――――何か仕掛けるなり、撤収を選ぶなり、今は良いタイミングだ。

経過した時間は、30分には満たないが――――あの時点でのバスへの帰還状況が分からない。
とはいえ、『普通の』乗客であれば・・・つまりスケジュールを守る人間は、もう戻っているはずだ。

>>332(黒峰)

『緑里』:
「えっ、案内―――――――あーいやっ、町の周辺ってだけで、
 こっからはそこそこかかるっていうか? ホラ、あの、遊園地の方で」

『笹井』:
「でもその人来ないとみんな出発出来ないじゃん。ね? 出来ないでしょ?」

『運転手』:
「………………しかし」

『笹井』:
「それにさ、ほかにもまだ戻って来てない人いるんだし、
 どっちにしてもしばらく出られないんだしさぁ。その間に探しに行く方がいいじゃん。
 でもこれ運転できるの一人だけなんだし、運転手さんが探しに行くわけにもいかないじゃん」

「だったらこの子に案内させて、あたしらで行った方が早いじゃんね。早いでしょ?」

運転手が遮りかけるが、口の早い笹井が援護射撃を入れ、二の句を飲み込ませる。
無理にでも言い終えないあたり、何か責任問題であるとか、そういう懸念だったのだろう。

『運転手』:
「……わかりました、30分、30分経ったら必ず戻って来てください。
 それと、もしほかの乗客の方にお会いしたら、早く戻ってくるようにお伝えを」

『矢田』:
「い、いいんですかぁ〜そんな…………ワタシたちでなんとかすべきなんじゃ」

『運転手』:
「…………私達はバスに残っている方々への案内や、運転の役目もありますから…………」

まだ何かと不安はある、ようだが――――スタッフサイドからの了解は得る事が出来た。
規定事項となった以上、それを跳ねのけるほどの『理由』は緑里にも無いらしく、彼は頭をかく。

『緑里』:
「……じゃ〜〜〜〜案内しますけど、そんなゾロゾロ行ってもしょーがないですし?
 そっちのお姉さんは、バスに残ってもらっていいですかねーーー?
 おれに両手に花は荷が重いと言いますか、二人エスコート出来る自信もないですし〜〜〜」

                       ヘラッ…

彼が指したのは『笹井』だ。
つまり、黒峰のみの同行を望んでいる――――軽率に浮かぶ笑みの奥の、本音は読めない。

334小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/30(金) 19:06:48
>>333

若者の言う『あいつ』というのが、誰を指すかは分からない。
笹暮と同じアリーナの仲間なのだろうか。
しかし、笹暮は一人で来ている様子だった。
三人組もアリーナの増援が来ることは想定していなかった。
そう考えると、アリーナとは無関係の人物という可能性も出てくる。

それ以上に、『そこはレイトも喋らせない』という一言が気に掛かる。
『レイトが喋らない』というなら自然だ。
自分達の目的を迂闊に口に出したりはしないという意味として受け取れる。
しかし、『喋らせない』というと解釈の仕方が違ってくる。
この場合、『喋らない』のは『レイト』ではないことになるからだ。

『レイト』のスタンドは、おそらく『偵察』ができる。
そして『喋らせる』ことができるし『喋らせない』こともできる。
ふと思い浮かんだのは、以前の旅行で行動を共にした少女のスタンドだった。
『フラジール・デイズ』――人間そっくりの姿を持ち、会話を交わすことも可能なスタンド。
推測するしかない今の段階では思いつきに過ぎないが、可能性の一つとして頭の隅に置いておく。

  ――……。

何か仕掛けることも考えたが、こちらの存在を気取られる可能性が高い。
危険を冒すだけの価値があるなら、試す意味はある。
しかし、今は得られた情報を持ち帰るのが最優先。
『気付かれることなく一方的に見聞きしていた』というのは、少なくない利点に繋がる。
それを代償にする程の価値は、今は薄いと判断する。

  ――笹暮さん、私は行きます。

『目』と『耳』を本体の下へ戻し、自分も森の出口へ向かって歩き出す。

                  ステルス
余計なことはせず、最後まで『隠密』に徹する。

                   パーツ
もし可能であれば、笹暮だけに『部位』の姿を見せておきたい。
それによって、こちらの『引き上げ』を知らせておく。
『目』と『耳』は、本体から8〜9mほど後方に配置して、若者が出てくる気配を監視する。

335黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/30(金) 20:35:53
>>333
「……ええ、私は構いません……。
 笹井さんは、バスで待っていてもらえますか」

(このきな臭い流れの中で、果たしてハンカチを探すだけで済むかは怪しいですし……。
 ……この場に留まってくれたほうが安心できますね……)

「……それでは行きましょう……」

携帯で時計を確認し、緑里の案内についていく。

336『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/01(日) 01:37:10
>>334(小石川)

若者は『小石川』という第三者の存在を知らないがゆえに、
当事者の言葉を惜しげなく使って話を続けてしまう。
それは情報を齎すが、同時に解きようのない謎をも、齎してしまう。
悪意の中に浮かぶ謎めいた人物相関――――あるいは、個々人を超えた思惑の糸。
小石川が選ぶ選択はそれを無理に断ち切る事ではなく、情報のまま持ち帰る事だ。
混迷の状況に唯一の正解は存在しない。選んだ答えから導かれる未来が、次に選ぶ今になるだけ。

『???』:
「―――――――! ――――――・・・」

                「――――――!」

耳と目を引き戻せば、声を張っているわけでもないトランシーバの会話は拾えない。
が、少なくとも若者が笹暮と同じ『外の世界』にいることは確認できているし、
出てきて後ろから近づいてくれば、接敵よりも早く認知する事が出来るだろう。

また、引き上げる際に笹暮と『目と目が合った』。
彼の首肯は苦境の中で、確信に満ちていた。

そして、森を歩く『小石川』は――――――


             ザッ

                    ザッ


――――――森の出口から、『何か』が、こちらに来る。足音が。

             ザッ

                  ザッ

一定のリズムが、その音が、距離として積み重なるように、近づいてくる。小石川と、鉢合わせかねない。

>>335(黒峰)

『笹井』:
「ん、あたしはそこまで行きたいわけでもないし、別に良いけどね」

        ヒソ

「……なんか変な事されたらすぐ戻って来ちゃいなよ。
 探し物くらい別に一人でもできるだろうしさ、
 ナンパ好きみたいな話してたじゃん、その子、最初に」

                  ヒソ

「そーいうの、心配しなくていいのかもしれないケド。
 でも、なんていうの、見えてる世界が違うとしても同じ人間だし?
 あんたもさ、アタシらとはちょっと違うっぽいけど……違わないとこのが多いでしょ?」

笹井は何も知らない人間だが、黒峰の『常人』ではない所を察してはいて、
それでも必ずどこかに残る――――少なくとも人間であるところに、案じる言葉があった。

そこから去る前に時計を確認すると、集合時間は既に過ぎているようだった。
ハンカチを探すという理由を伝えた上で来ていない女性はともかく、
学生達など、本当に姿が見えない面々はどうしているのだろう――――

          ザッ…

『緑里』:
「遊園地までフルで歩きは流石にキツいんでーーー、タクシーなり、バスなり」

             「や、バスはそんな都合よく来ないか」

「…………それともー、なんとゆーか……『自前の足』に自信あります? お姉さん」   

緑里はそのようなことを口にしながら、バスから離れ、恐らく遊園地の方角へと足を進めている。
しばらくすればバスは見えなくなるだろう。町には人通りが少なく、道も空いている。目的地まで、そう遠くはなさそうだ。

337小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/01(日) 18:30:23
>>336

振り返らずに、真っ直ぐ歩いていく。
背後に配置した『目』で、後方の様子は把握できる。
何よりも、やるべきことがあるからこそ振り返らない。

  「――……!」

足音の正体は分からない。
ただ確かなことは、『誰か』が来たということ。
そして、その『誰か』は『三人組の仲間』かもしれない。

すぐさま近くの木陰に身を隠し、姿勢を低くする。
伝言を頼んであるので、もしかすると自分を探しに来ているとも考えられる。
そうではない可能性もある以上、ここは慎重に動くことを選ぶ。

本体が身を隠すと同時に、『目』を適当な草陰に潜ませる。
近付く『誰か』に見つからないように物陰を進ませ、足音の主を確かめたい。
次の行動を判断するために、まず相手の姿を確認しておく。

もし若者の仲間なら、避けて通らなければならない。
そうでなかったとしても、大きな問題がある。
このまま先に行かせてしまうと、あの若者と対面してしまう可能性が高いからだ。

万一のために、『耳』は本体の下まで戻しておく。
当然、これも見られないように注意して行う。
まだ『接合』はしない。

338黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/02(月) 19:42:40
>>336
「はい……お気遣いありがとうございます」

笹井に礼を言い、歩き出す。

>「…………それともー、なんとゆーか……『自前の足』に自信あります? お姉さん」

「……私はあまり運動は……得意ではありません……。

 ……いえ、腹の探り合いはやめておきましょう。
 はっきり聞きます、あなたも……『スタンド使い』ですか……?」

339『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/04(水) 19:51:37
>>337(小石川)

背後の目は今の所、進展があるような様子は捉えない。
状況が急転しているわけではない、という事だろう。
そう、少なくとも『背後』については、間違いなく。

だからこそ、その『目』を自身の安全確保に用いるのは正しい判断だ。
今ここで小石川が接敵する事になれば、それこそ笹暮にとっても不本意だろう。
もっとも、勝算があるのならば話はまた変わってくるだろうが・・・

     ザッ   ザッ

            ザッ…

土を踏みしめ、近付く足音の主の姿は・・・すぐに捉える事が出来た。
パーカーのフードを深く被り、そのファッション・スタイルはどことなく、
あの若者に近い、あるいは、あの若者が近いものを持っているように見える。
そして何より・・・その手には、『トランシーバー』が見えた。

      ザッ…………

『パーカーの男』:
「ああ…………近くまで来た。一旦状況整理が必要だ。
 レイトも、呼び戻したほうが良い…………かもな」

「偶然か、連中の仕込みか…………どっちにしろ、
 妙な事が同時多発的に起きている……からな。
 現状の認識のまま『決行』するのは…………難しい」

        「仕込みだとすると最悪、時を改め……………………?」

   スッ

男は大きくもなく小さくもない、落ち着いた声で話し続けていたが・・・
ふと、立ち止まってしゃがみ込んだ。土を見る。そのパーカーから覗く髪の色は、『銀』。


「…………………………レイトも既に、こっちに来た…………のか?」


>>338(黒峰)

『緑里』:
「…………………………………………………」

     『カラカラカラ』

         『カラカラ』

軽い音が、彼の羽織るポンチョの中から聞こえた。
子どもの遊ぶ風車のような…………自然ではない音。
ヴィジョンを見せるほどは信用していない、という事か。

「それで……」

「…………………『スタンド使い』の俺に、なんかあります?
 もしあんたもそうならーーー分かるでしょ、ここは何かヤバい。
 空が赤いからとか〜、変な空間があるからとか〜、
 気になるトコも多いですし、それ以上に……妙な感じがする」

言葉に確信はない。
彼が特別な何かを知っているというわけではなく、
何かきな臭さを感じ取ったか、あるいは性格か。

「確認ですけどーーー、今から俺らは、あの喪服のお姉さんを迎えに行くだけ」

           「……そう考えていいんですよね?」

足を止めず、問いかけてきた。
もし、違う――と、そう言ったとして、すぐに何か仕掛けてくるような前触れは見えない。

340小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/04(水) 21:14:39
>>339

笹暮から聞いた話から、その男性が『兄貴分』なのは間違いない。
トランシーバーで会話している相手は、さっきの若者だろう。
そして、どうやら全員が一ヶ所に集まろうとしているようだ。

  ――『足跡』……!

おそらく、銀髪の男性が見ているのは『それ』だろう。
このまま放置していては、辺りを探されて厄介なことになりかねない。
それを妨げるために、彼の気を引く手を打つ。

まず、回収した『耳』を接合する。
そして彼が地面を見ている隙に、ポケットから『小指』を二本飛ばす。
発見されないように、木陰や草陰を介して『歪み』の方向に向かわせる。

銀髪の男性には、この場から立ち去ってもらわなければならない。
だが引き返させるのは無理だろうし、何より意味がない。
だから、彼には今すぐ前に進んでもらう。

『小指』を『歪み』の方向に送り込んだら、それぞれを『別々の物陰』に配置する。
その二つは近い場所ではなく、『二つ目』は『一つ目』の『奥側』だ。
それが完了したら、まず『手前側』の『小指』で故意に音を立てる。

銀髪の男性に、その音を気付かせる。
足跡を見つけるような注意深い人間なら、おそらく気付くだろう。
その方向に向かうように、彼の動きを誘いたい。

こちらが脱出するためには、彼の注意を一点に向けておく必要がある。
しかし、『一つ』だけでは不安が残る。
だから、『二つ』用意する。

『小指』と平行して、『目』は適宜の移動を行う。
銀髪の男性を見張りながら、本体の近くまで引き戻す。
『小指』が最優先なので、もし操作に遅れが出るようなら『目』は後回しでも構わない。

341黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/05(木) 19:08:07
>>339
「……はい。
 道すがら……情報交換をしたい、とは思いますけど……。
 つい先程、私達のもとへ……攻撃的な人物が現れました……。
 ……私達が部外者であると認識すると、それ以上何もせず立ち去ってくれましたが。
 しかし彼のような人物は……他に何人もいるようで、必ずしもこちらの言い分を聞いてくれるとは限りません……」

先程の男を思い起こしながら緑里に尋ねる。

「……喪服の方……本当に、ただハンカチを落としただけですか……?」

342『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/07(土) 03:23:24
>>340(小石川)

        スゥーー  ピタ

                       ヒューーン

耳は問題なく接合でき、飛ばした指も気づかれない。
人間の意識は一つだ。2か所を同時には意識できない。
目的を果たしながら『足跡』を隠す二重の警戒は出来なかった、
それと同じ。有能であれ生じる、当然の隙を小石川も突く。

           ガサッ


『パーカーの男』:
「…………『音』だ。『ゴウ』、お前のいる方向から妙な音がした」

      ザッ
          ザッ

「良い、俺が調べる…………お前は『犬』を見張ってろ。
 窮鼠は猫を噛む。そして手負いの犬は危険だ。
 そうじゃなくとも、増援が……来ないとも言い切れない、からな」

            ズ ズ ズ ズ ・・・

       「――――――『デストルドー』」

小指が隠れる、茂みの方向へ男は歩いていく。
その傍らに発現したのは――――『人型スタンド』だ。

         ピシッ     ピシッ  

足先から、頭の先まで、無数の『線』が入ったその姿。
継接ぎめいているが一定の法則性も感じさせ・・・

                        『バラッ』

1つ目の茂みまでの距離『5m』。
その右拳が、線に沿ってヴィジョン全体から『切り離される』。

>>341(黒峰)

『緑里』:
「…………さあ? 落としてないとは言い切れないですねー。
 確かなのは俺らは林の中に妙な『穴』を、空から見つけた。
 っと、もちろんその人は飛べませんから『観覧車』からですけどね」

              スッ

「たぶん『だから』林に行こう、って話を切り出した」

視線の先は、進行方向と一致している。
遠景に見える影は、町に入った当初にも見えた観覧車で間違いないのだろう。

「俺と違って『何かを見つけた』のかも……しれませんけどー、
 あんとき口に出してたのは『ハンカチ』のことだけ。
 俺も巻き込まれたくはないんで、『踏み込み』はしませんでしたからー」

              「結局、戻ってくることになりましたけどーーー」

無責任、と言ってもいい軽薄な口調だが、 責任があるとも言い切れない。
そもそも彼も、もちろん黒峰も、『巻き込まれた人間』――――
この町を出る事、あるいは身を守る事に繋がるか分からないことに、義務はない。

「攻撃的な人物ってのが『集団』なら、その『穴』も『赤い空』もそいつらのせい?
 その辺は何も言ってない……いや、部外者扱いしてくるってことは、言わないか〜〜〜」

                      ヒュオォォォーーー

「林まで向かう手段は……『タクシー』使いますか。俺の能力、二人で行くには向いてないんでー」

この町にもタクシーは比較的見かける。捕まえ、乗り込むと決めれば……すぐに目的地へ向かえる。

343小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/07(土) 21:43:02
>>342

  ――身体を『切り離す』スタンド……。

『デストルドー』――予想では、スタンドの一部を『線』に沿って『分割』できる能力。
笹暮を襲ったのが彼であるなら、おそらく他者に対しても可能なのだろう。
笹暮の脚が組み替えられたようになっていたのが、その裏付けになる。

  ――似ている……。

ヴィジョンの違いこそあるが、『切り離す』という点では『スーサイド・ライフ』と共通している。
そのことに対して、何か奇妙な『縁』のようなものを感じた。
これも、ある種の『引力』なのだろうか。

スタンド自体を動かさずに『右手』だけを切り離したということは、
      パーツ
分離した『部位』を遠隔操作できると考えるのが自然だろう。
自分自身にも『同じようなこと』が可能だからこそ、そういう方向に考えが働く。
その推測が間違っていなければ、次には『右手』が茂みに向かうはずだ。

  ――まずは……。

最初に、切り離された『右手』を出来る限り引き付けたい。
相手のスタンドが未知である以上、
次の瞬間には『小指』が見つかってしまうという可能性も否定できない。
右手の『動き』と『スピード』に気を配り、行動の『タイミング』を図る。

  ――それから……。

『デストルドー』の『右手』が一つ目の茂みに近付いた時を見計らい、
『第二の小指』で『二度目の音』を立てる。
ここで重要なのは、『第一の小指』が発見される前に『二度目の音』を立てることだ。

                    パーツ
その直後に――切り離している『部位』を『解除』する。

『第一の音』の奥から『第二の音』が聞こえ、その向こう側には『歪み』が存在している。
二つの物音に『時間差』を置く(>>340)ことで、彼の意識を『歪み』の方向に誘導することが狙いだ。
それによって、『歪み』の反対側である『森の出口に向かう道』を手薄にしたい。

もし本体の目で状況確認が可能なら、解除前に『目』は接合しておきたいが、困難なら止めておく。
『再生』の時間が延びるのは不安だが、
今は何よりも『タイミング』を合わせることを最優先しなければいけない。
解除した後で本体に残された片目を切り離し、物陰から銀髪の男性と『デストルドー』を警戒する。

344黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/08(日) 19:17:42
>>342
(『その人は飛べません』に『俺の能力、二人で行くには向いてない』……。
 ……一人で空を飛べるような能力……?)

「そうですね……タクシーで行きましょうか。
 ……『穴』というのは、地面に開いてるんですか……?」

タクシーを止めて向かう。

345『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/08(日) 23:57:28
>>343(小石川)

               デストルドー
似ている――――そう、『死の欲動』と称されたそのスタンドは、似ていた。
小石川の手の中の刃に、似た能力。恐らく細部や、そこに至る精神は違うのだろう。

似ているからと言って、『何をするのか』を推測することは不可能だ。
だが、似ているからこそ『何が出来るか』を推測する事は不可能ではない。

            ズ

                ズズズ
                       ズ……

浮かぶ右手が茂みへと向かってくる。想定通り。
速度は『スーサイド・ライフ』の部位とさほど変わるまい。
だからこそ距離を引き付ける事も、タイミング取りも『可能』。
目を自身に接合するのは――――これも『困難』ではない。
小石川の目論見は全てにおいて成功だ。

                  ……ザッ

『パーカーの男』:
「………………………………『音』」

     「『二度目』だ。別の位置から聞こえた……気がする。
        『一度目』の位置に拳を飛ばしたのと、ほぼ間を置かずだ。
          音源が『移動した』なら……『その間にも音がする』だろう」

              「音源は『二つある』と考えるのが自然だ。
                ……いや、『ゴウ』は動かなくていい。
                 お前を釣るための可能性も、無くはない。
                  俺を釣るためなら……それは意図が読めない。
                   それにこういうのは……やはり『確かめたい』」

音でおびき寄せ。別の茂みからも音が鳴り。鳴らした指は二本とも解除された。
確かめたところでそこには何も残らなくとも、彼は確かめざるを得ない状況を作れた。
そもそも彼には『森を出ようとし』『自分を警戒している誰か』など想像の外のはずだ。
トランシーバーによるリアルタイムの報告も、潜む小石川に『状況』を伝えてくれている。

                   ザシュンッ

そして、改めて切り離したもう片方の目で――――

『パーカーの男』:
「…………………………………」

            ザワッ

                  『バ ラララララ   ララララ』

                         『バ   ララ ララ  ララ』

「『あっけなさすぎる』」   「『動物』はここにいない………………」

浮遊する右手が入り込んだ『茂み』が、無数の『ブロック』上に分解されて崩れ去っていくのが、見える。
彼本体自身はその場から茂みに近寄ることなく、むしろ周囲を警戒している。『慎重』な性格なのだろうか。

>>344(黒峰)

能力を明かす意図は無いのだろうが、推し量れなくもない言動も垣間見える。
差し迫った危機は無いとはいえ、『危険地帯』に赴く緊張感ゆえか、曲がりなりにも協力者への油断ゆえか。
ともかくタクシーはすぐに見つかり、止まった。緑里が短く目的地を答え、渦中へと動き出す。

『緑里』:
「『空間に開いた穴』……なんてのはマンガっぽい表現ですけど、
 マジでそう表現するしかない感じ、ですかね〜。
 ああいうスタンドなのか、何かのスタンドの影響なのか。
 とりあえず『自然現象』であんな風にはならないでしょ〜〜〜って感じです」

「位置の高さの話なら、『地上』のハズですよ。おれは、近くでは見てないんでアレですけど」

道は空いており、これならば『遊園地』――――そこに隣接した『林』に着くのは本当にすぐだろう。

346小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/09(月) 03:21:54
>>345

今のところ、彼は進みも下がりもしていない。
慎重な人間を誘導することは難しいだろう。
だからといって、いつまでも留まっている訳にはいかなかった。
ここに三人が集まってしまえば、いよいよ脱出が困難になる。
彼を動かすことが出来ないならば――こちらから動く。

  ――どうか上手くいって……。

『指』が再生しきるのを待たずに、次の行動を起こす。
まず、銀髪の男性に向けている『目』を本体と接合する。
そして、『右足』と『左足』と『下半身』を切り落とす。

  ――いえ……。

           パーツ
切り離した『三つの部位』は、すぐに解除してしまう。
一つ当たりの再生時間は『40秒』――『指』と合わせて再生完了まで『160秒』を要することになる。
普通なら短く抑えるべき再生時間だが、今に限っては長い方が都合がいい。

  ――必ず成功させなければ……。

一時的に『上半身だけ』の状態になった身体から、再び『目』を抉り出す。
その視界から、引き続き銀髪の男性を警戒する。
『姿』を見られず『音』も立てなければ、見つかる可能性を極めて低く出来るはず。
もちろん単なる理屈の話であって、それを実行することは簡単ではない。
自分が今やろうとしているのは、まさしく『それ』だった。

347黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/09(月) 22:01:13
>>345
「……見えた穴は……一つですか……?」

一応、タクシーの窓から外の様子を見ておく。

348『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/11(水) 01:06:09
>>346(小石川)

           ザシュゥゥーーーーーーーーッ

               ザクッ
       ザクッ!

両足、そして下半身。
上半身を切り離した――――とも形容できるが、
下半身を解除した今は、浮かぶ上半身こそが小石川だ。

        オ

            オ  オ
                   オォォ・・・

ばらばらに崩れ去った茂みを、男はしばし眺めている。
再び切り離した目はそれを問題なく捉えている――

『パーカーの男』:
「『無い』」「いや……『虫』が立てた音にしては大きすぎた、と思う」

「もちろん風なんか吹いちゃ……いなかった。
 茂みから出たなら、やはり『その時にも音がする』
 ……荒唐無稽だが、俺達はあり得ると知っているはずだ」

               「…………『スタンドが潜んでいた可能性』がある。
                 二つの音源を考えれば、『設置する能力』か。
                  群体型か、あるいは……『俺に似ているスタンド』か」

男の視線が周囲をさまよう。小石川がいる側にも向いたが、気付かれはしていない。
彼も危険性はさておき、『いちスタンド使い』である以上『気付かせない』よう動けば問題は無い。

「だとすれば、俺を『奥にやりたい』なら……そこで待ち伏せをしている、かもな」

                 「……あるいは、別方向から不意を打ってくるか?」

          ザ…

「…………『レイト』が来るのを待つ……のが、分かりやすい解決ではあるが」

逡巡の表情を見せ、男は『デストルドー』の右手をスタンドの元に引き戻す。
再生までの時間、のこり『150秒』と僅か。地に足着いた作戦で、浮かぶ小石川はどう動く?

>>347(黒峰)

『緑里』:
「見えた範囲ではーーー、間違いないですね」

赤い町並みが窓の外を流れていく。
穴など見当たらない、調和した風景だ。

「他にあるとしてもそれを探す気なんてしませんけどーーー」

タクシー運転手はその、客観的に謎めいた会話に口を挟まない。
やがて風景は赤が薄れ始め、『遊園地』の看板が姿を見せた。

                     ・・・もうじき到着だ。

349小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/11(水) 09:28:48
>>348

『姿』を見られず『音』も立てずに、この場から離脱する。
ごく当たり前に考えれば、大きな困難を伴う行動だろう。
しかし――『スーサイド・ライフ』であれば、それを『可能』に出来る。
その準備として、『下半身』を丸ごと『取り除いた』。
さらに、残る『上半身』を『バラバラ(>>346)』に『切り刻む』。

                                     パーツ
『頭』を『本体』として、それ以外の『右腕』、『左腕』、『胴体』を『部位』として切り落とす。
『スーサイド・ライフ』は『胴体』に突き立て、浮遊が出来ない『頭』を『両腕』で抱える。
片腕だけの力では不安が残るが、『両腕』なら足りるはず。
『胴体』を先頭にして、その後ろに『頭』および『両腕』、さらに後方に『目』を配置する。
背後は『目』で警戒を払い、前方の視界は『頭』で確保する。

 パーツ
『部位』は浮遊できるが、『本体』は浮遊できない。

           パーツ
しかし、『本体』を『部位』で運べば問題はなくなる。

 パーツ
『部位』のパワーは非力なので、大きな『本体』を運ぶことは難しい。
逆に言えば、『本体』が小さくなれば運ぶことが出来る。
頭一つ分なら、おそらく十分だろう。

浮遊すれば、足音がする可能性は物理的に『ゼロ』になる。
身体を『コンパクト』にすることによって、通常なら隠れられない場所に身を潜めることも可能になる。

                                  パーツ
不安要素は、『本体』である『頭』を除いて同時に四つの『部位』を操作しなければいけないことだ。
操作に支障が生じることを防ぐため、なるべく同じ方向に進ませるようにする。
発見される恐れがある場合は、個別の物陰に隠れながら順番に進ませればいい。

銀髪の男性から遠ざかることが出来れば、当面の危険は回避できる。
そして、彼が動かないというなら、こちらから距離を離せばいい。
障害物の多い脇道を進み続け、接近されない限り発見される恐れのない『安全圏』まで逃げ切る。
そこから大きく迂回するルートで、改めて出口方面に向かうのだ。
時間は掛かるが、最終的に出口へ到達出来れば『脱出』という目的は達せられる。

350黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/11(水) 23:42:28
>>348
「穴の先がどこへ通じているのか気になりますが……。
 ……まずは合流が第一ですね」

到着するのを待つ。

351『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/12(木) 23:24:15
>>349(小石川)

               ザシュッ

                 ザシュッ

                     ザシュッ!

あまりに凄惨な光景にも映り得る自傷行為は、
小石川にとっては窮地を脱するための合理的な手段だ。
下半身という支えを失い、胴をも失った頭が地に落ちる前に、
浮遊する両腕がそれを確保し、派手な落下音を立てる事を防いだ。

       オ   オ   オ   ・ ・ ・

これで、総身の半分以上を失った。
再生までには『160秒』に加えてこれでさらに『120秒』加算され、
経過している時間も合わせて考えれば――――『4分半』ほど。

もし接敵すれば反撃は困難だが、接敵を避けるにはこの上ない策だ。
同じ操作をする分には、同時操作もそれほど苦ではない。
これまでスタンドをフル回転させてきたゆえの疲労こそ気になるが、
この局面を切り抜けるまでは問題ないだろう。狙い通り、木々の間を抜けていく。

                       オ    オ   オ    ・ ・ ・

パーカーの――――銀髪の男が、それを追ってくる様子はない。
今なおあの茂みを調査しているのか、それとも諦めて移動でもしただろうか。
小石川という『存在するかも分からない』『この場から離れる人間』を追う余裕は、
姿を残さない二重の『物音』のこともあって、彼の中には残っていないと思われる。

結論――――確かな事は、『スーサイド・ライフ』を活かし、今の状況を切り抜けたという事。
迂回しながらも木々はやがてまばらになり始め、再生まで『1分』程を残して『出口』が見えてくる。

              ブォォォーーーーーーーーーーン ・・・

――――そこに、やや遠くから聞こえてくる『車』の音。
遊園地からは少々離れているこの林に、何の用があるというのだろうか――――?

>>350(黒峰)

『緑里』:
「ですねーーー。っと、見えてきましたよ。あの林……森?
 どっちでもい〜いですけど、木が茂ってる、あそこがそうです!」

              ォォォーーーーーーーーーー ・・・

辺りに人気は無く、タクシーのエンジン音程度しか聞こえない。

「運転手さん、そろそろこの辺で止めてくださーい。
 あの辺、車道は無かったんでー。ちょっとだけ歩きますよ」

        「もう用とか全部済んでてくれたらいいんですけど〜〜〜」

言い終わるのが早いか、運転手は言葉に応えて道脇に寄り、車を止めた。
支払いは緑里がカード(誰でも契約できるランクのものだ)を取り出し、手早く済ませる。

                            ガチャッ…

『タクシー運転手』:
「……またのご利用、お待ちしております」

――――ドアが開いた。

『林』に、少なくともここから見えるような異変は無い……急ぐなら、すぐにでも着くだろう。

352小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/13(金) 01:34:58
>>351

今までにない程にスタンドを駆使し続け、精神的な疲労感を強く覚える。
しかし、森の出口は近く、追ってくる気配もない。
最後まで気は抜けないが、『目の前の危機』は脱したらしい。

  「――ふぅ……」

本体の身体を切り離すことが『スーサイド・ライフ』の能力。
とはいえ、ここまで大掛かりに全身を切り刻んだ経験はなかった。
いくらかの不安はあったものの、無事に成功させられたことに安堵の吐息が零れる。

  ――車の音……。

まず頭に浮かんだのは、『レイト』の存在だった。
三人は一ヶ所に集合しようとしているはず。
丁度ここに到着したという可能性は、時間的にも不思議はない。

  「――……」

まだ接合せず、バラバラの状態のままで木陰に隠れて様子を窺う。
誰が車から降りるのかを確かめたい。
もし『レイト』らしき人物なら、向こうが立ち去ったことを確認してから森を出る必要がある。

353黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/13(金) 21:24:05
>>351
「……ありがとうございました……」

タクシーを降りて林に向かう。

「さて、どこにいるか……。
 ……とりあえず穴へ向かいましょうか……。
 喪服の方も、おそらくそこへ向かったでしょうから……」

354『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/15(日) 06:58:57
>>352(小石川)

不安要素は幾らかあった――が、少なくとも当座は切り抜けられた。
この先にも『やるべき事』はあるかもしれないが、今を切り抜けたのは大きい。
暫定・敵である銀髪の一味が小石川というスタンド使いの存在を知らない以上、
彼らから追撃を受ける可能性は今、0に等しい。唯一の懸念は車の音の正体だったが。

        ザッ
           ザッ

               ザッ

草を踏み鳴らし、その方角から歩いてくるのは『緑里』で間違いない。
そしてもう一人……あれはバスに同乗していた女性だ。敵とは思えない。
何か話しているようだが、聞かせるような声量ではなく、まだここからでは聞こえない。

・・・こうなると、『レイト』なる人物は『まだ』ここには来ていないのだろう。或いは入れ違ったか。

>>353(黒峰)

周囲にはまるで人はいない。遠くから風に乗って、遊園地のBGMが聞こえる程に。
もっとも、軽快でポップな曲調は状況にさほど合ってはいないが・・・

        ザッ
           ザッ

               ザッ

林の周辺は緑里が言っていたように車道も何もないが、
ある程度人の手は加わっており、歩くのに支障はない。
観光客が行こう、と思い立って行ける林なのだから、
森歩きに危険が伴うような場所では勿論無いのだろう。

『緑里』:
「………………あ〜〜〜んまりヤバそうなら引き返しましょーねー。
 スタンド使いなんだしー、ヤバい一線超えるのは自己責任でしょ」

          「見捨てるってつもりは、ないですけど〜〜〜」

空間に空いていたという謎めいた『穴』は、ここからでも見えない。
とはいえ言葉に反して緑里の歩み自体には迷いはなく、方角は把握しているのだろう。
歩く先には『送電塔』のようなものの頭が見えているので、あれが目印なのかもしれない。

355黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/15(日) 22:03:19
>>354
「それはそうですが……こちらに飛び火しないとも、限りませんから……」

周囲を見回しつつ緑里についていく。

356小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/15(日) 22:34:38
>>354

近付いてくるのは『レイト』らしき人物ではなかった。
そうなると、別の問題が出てくる。
今、森の中には『例の二人』が留まっている。
森に入ると、彼らと鉢合わせしてしまう可能性が高い。
それを防ぐ必要がある。

  ――急がないと……。

ただ、身体が欠けた状態で出て行く訳はいかない。
物陰に隠れて『再生』を待つ。
残り時間は、どれくらいだろうか。
待っている間に『ハンカチ』を取り出しておきたい。
一人で残った理由は、それを捜すためということになっているのだから。

  ――もし出くわしてしまったら……。

彼らが森の中に入ることを止められなかったら。
その場合のことも考えに入れておかなければいけない。
欠損部分が再生しきった後も、『目』だけは残しておく。
全身を接合してから新たに『耳』を切り落とし、森の外へ出たい。
『スーサイド・ライフ』は脚に突き刺し、『目』と『耳』はポケットの中に移す。

357『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/16(月) 01:43:55
>>355(黒峰)

『緑里』:
「俺だけじゃなくって全員、誰にも
 『火の粉』で尻に火が付かない内に、
 おさらばしたい……とこですけど〜〜〜」

「まー……覚悟ってヤツは、しといた方が良いか……」

周囲に何ら人影などは無く、目立った物もない。
緑里も慎重な歩みでこそあるが特に足は止めず、
もうじき林の入り口へと差し掛かろうとしている。

少なくとも――――探し物を終えて、森林の外で待っていたりはしない、のか?
二人の会話に割り込む声は無い。僅かな風に草木が揺れる音くらいで、激しい音は無かった。

>>356(小石川)

再生までは――――『30秒』は必要だ。
30秒。短いようで、今は途方もなく長く感じる時間。
女性は周囲を見渡しながら、緑里は慎重ながら真っすぐ森の入り口へ。

『黒峰』:
「それはそうですが……こちらに飛び火しないとも、限りませんから……」

『緑里』:
「俺だけじゃなくって全員、誰にも
 『火の粉』で尻に火が付かない内に、
 おさらばしたい……とこですけど〜〜〜」

「まー……覚悟ってヤツは、しといた方が良いか……」

彼らの会話以外には、僅かに吹く風程度しか音を立てていなかった。
背後からの追手は無い、という事だが――――姿を現すべきか、もう少しだけ待つべきか。

                               ・・・あと『20秒』は、残っていた。

>黒峰・小石川

               ブ
                     オォォォーーーーーーーーン ・ ・ ・

――――張り詰めるような静寂に切り込むように、遠方から『エンジン音』が聞こえてきた。

358小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/16(月) 02:40:01
>>357

その場に留まって、全身の再生を待つ。
緑里と同行の女性――その二人を強引に引き止める手はないでもない。
ただ、今は『タイミング』が悪い。
この何もない森に、そう何人も人が来るとは思えない。
おそらく、ほぼ間違いなく『レイト』だろう。

  ――今は……まだ……。

まだ姿は見せない。
少なくとも、再生が終わるまでは。
このままだと、緑里達が『レイト』と接触する可能性は大きい。
トラブルを避けられるかもしれないし、そうならないかもしれない。
その時に手助けするためには、発見されていない方が都合がいいはず。

  ――少し休まないと……。

再生が完了したら身体を元に戻し、一旦『スーサイド・ライフ』を解除する。
ここまでに少しスタンドを酷使しすぎた。
いざという時に支障を来たさないように、小休止を挟んでおく。
その後で、再び『目』と『耳』を切り落とす。
分離させた二つの感覚器を密かに飛ばして、あちら側の状況を把握したい。

359黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/16(月) 22:58:21
>>357
「……大声で呼びかけたほうがいいのでしょうか……。
 私、あの人の名前知らないんですけども……」

>               ブ
>                     オォォォーーーーーーーーン ・ ・ ・

「……?
 あの音は……?」

音のする方を見る。

360『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/17(火) 23:43:31
>>358(小石川)

思考の収束に追い付くように、再生は完了した。
小休止として『スーサイド・ライフ』を解除するが、
それほどにすぐ『再発現』しては休まる実感はない。

どちらにしても、時間的制約もある。
再び感覚器を飛ばすまでは…………至っていない。
が、切り取る事は完了した。耳と目が緩やかに浮かぶ。

その間にもエンジン音は徐々に近づいて来る…………もうじき、到達するだろう。

>>359(黒峰)

『緑里』:
「このまま見当たらなきゃ、そうするしかないですよね〜〜〜多分」

「あの喪服のお姉さんは『小石川』〜〜、『文子』? さんだったかな……
 人の名前覚えんのって、あーんまり得意な方じゃ無いんですけどーーー」

            「ん?」

自信なさげに名を口に出す緑里だったが、
彼の視線も次の瞬間にはその『音』の方へと向く。

それは・・・『バイク』のようだった。
ヘルメットを被っている事と、まだ距離があるため、
正確な姿は掴めないが、線の細いシルエットは女性的だ。

・・・・・・遊園地に来たならこの道を走って来る理由はない。単に通りすがり、だろうか。

361小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/18(水) 01:18:10
>>360

音が近いということは、間もなく到着するのだろう。
ふと、自分が焦りを感じていることに気付いた。
気持ちが急いていては、失敗を犯す元にもなりかねない。

  ――……。

『目』と『耳』を戻し、『スーサイド・ライフ』を解除する。
木陰に身体を預けるようにして隠れ、様子を窺う。
見える光景から、大まかな状況は分かると思いたい。

  ――そう……落ち着かないと……。

精神を休めるために、しばらくスタンドの使用を控える方向に考えを変えた。
何か手伝いが必要になったとしても、『今すぐ』ではないはず。
それを成功させるためにも、休息は蔑ろにできない。

362黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/18(水) 21:24:05
>>360
「バイクのエンジン音……ですか……。
 乗っている人は、喪服……ではないですね、さすがに……」

一応手近な木の陰に隠れ、バイクがどこへ向かっているのか確認する。

363『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/20(金) 01:22:44
>>361(小石川)

考え通り、木の陰から普通に見るだけでも状況は窺える。
もちろん目と耳を近づけた場合に比べれば質は劣るにせよ、
小声で話す人間も、怪しい動きをする者もいないなら十分だろう。

           ――――― ・・・

精神を落ち着かせる。スタンドを完全に解除したのが久方ぶりに感じる。
発現中は気にならない程度の消耗も、無くなれば重荷の降りた心地がする。
いざというとき、今、この時間が『差』を生むことになるかもしれない。

――――そうこうしていると、緑里と女性がそそくさと木の陰に隠れた。小石川からは多少距離がある。

>>362(黒峰)

『緑里』:
「……自転車ならまだしも、バイクなら普通ロックくらいしてる。
 よっぽど強引に奪いでもしなきゃ〜ってハナシですけど、 
 喪服のお姉さん含めて……バスに乗ってたヒトが乗ってるとは思えない」

               「隠れるのは大正〜〜〜解っぽい、ですね……!」

     ガササッ
              ススッ

緊張感からか饒舌に状況を口に出す緑里と、共に木陰に隠れる。
幸いにして隠れる場所には困らず、何の注意もせず林の外から見れば発見は困難だろう。

>両者

互いには気づかず、森林との境目に比較的近い木陰に隠れる小石川と黒峰。
やがて少し離れた所にバイクが止まり、ヘルメットを投げ捨ててその『少女』が現れた。
露出は少ないが、フリルで華美に飾られたワンピース。そして首、耳、指を飾る『宝石』。

・・・バスにいた人間ではない。『現地民』なのか? それとも。

『???』:
「…………」

          キョロッ  キョロッ

                      …ゴソッ

小動物を思わせる――――あるいは演じるような動作で周囲を見渡し、懐から出したのは『トランシーバー』だ。

364小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/20(金) 14:29:47
>>363

二人が隠れてくれたことに安堵する。
ただ、疑問も生まれた。
なぜ二人は隠れたのだろう。
隠れるというのは、『危険』から逃れようとする行動だ。
つまり、『危険』があることを知っていると考えられる。

  ――……。

自分は『ハンカチを探す』としか言っていない。
それだけなら、隠れる必要はないはず。
彼らも別の場所で『危険』があることを知ったのだろうか。
緑里とは行動を共にしていたので、彼は察していたのかもしれない。
それを、同行者の女性に伝えたとも思える。

  ――もしかすると……。

あるいは、ここに来たということは『別の意味』もあるのかもしれない。
はっきり確認はしなかったが、緑里は『スタンド使い』の可能性がある。
その彼と一緒に来ている彼女も、『スタンド使い』ということは有り得る。
もし、そうだとしたら協力することができるだろう。
『誰か』の動きだけではなく、二人の様子にも出来るだけ注意しておきたい。

365黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/20(金) 23:39:47
>>363
「トランシーバー……。
 バスの方に来た男の人も……トランシーバーを持っていました。
 ……もしかしたら、仲間なのかもしれません……」

黒峰達と少女の間の距離はどれくらいだろうか?

366『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/22(日) 17:33:18
>>364(小石川)

緑里らは木の陰におり、様子の全ては窺えないが、
逆に言えば、隠れたまま木の陰から出る様子はない。
意味もなく陰に入っただけではない――――のだろう。
つまり、小石川の想像通り『察した』か『何かあって』隠れた可能性が高い。

>>365(黒峰)

『緑里』:
「見た目はカワイイ感じですけど〜〜〜、
 『スタンド使い』の仲間なら『スタンド使い』でしょーね。
 ……『バスに来た男』と、あの子。最低でも二人、か」

声を潜め、木の陰に縮こまるように様子をうかがう緑里。
黒峰とも緑里とも、目測でだが『10m』ほど距離がある。
『スタンド使い』の一味――――そう仮定しても、瞬時の攻撃は困難だろう。

>両者

           キョロッ   キョロッ

片手でトランシーバーを弄りながら辺りを見渡す少女。

        オ  オ ォ ォ ォ ・ ・ ・

風邪は緩やかだが、穏やかとは言えない空気が漂う。

『???』:
「…………」

          スッ

「……こちら『レイト』、こちら『レイト』」
 
            「『イズくん』『ゴウくん』聞こえるぅ?」

     ギュ

少女はもう片手でネックレスの『宝石』を弄びながら、森の方へと少しずつ動き始める。
スタンドの像を発現するような様子はない。もちろん、一般人の可能性もゼロじゃあない……が。

367小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/22(日) 20:21:29
>>366
黒峰PCに対するレスの内容は、位置的に小石川にも見えているでしょうか?

368黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/22(日) 23:21:15
>>366
「……しばらく、盗み聞きしましょう……。
 この状況の手がかりがあるかもしれません……」

レイトの様子を注視する。

369小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/23(月) 21:47:54
>>366

  ――『レイト』……。

『三人目』の名前が『レイト』なのは確認できた。
笹暮から聞いた話と照らし合わせると、これで『全員』が揃ったことになる。
ここから『どう動くか』を考えなくてはいけない。

  ――あれは……『ネックレス』?

スタンドのヴィジョンらしいものを見ることは出来ていない。
しかし、『ヴィジョンがないスタンド』なのかもしれない。
あるいは、実体化していて気付きにくいとも思える。

              パーツ
『スーサイド・ライフ』の『部位』も、『スタンドに干渉できる実物』だ。
多少の違いはあれど、近いものはある。

  ――……。

ひとまず、『レイト』と名乗る少女が立ち去るのを待つ。
彼女の姿が完全に見えなくなってから、二人と合流したい。
話しておくべきことは、あまりに多いのだから。

370『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/24(火) 23:45:30
>>368(黒峰)

緑里は、黙って頷く。
見ている分には気づかれる事もないだろう。

>>369(小石川)

男が二人、女が一人――――聞いていた話と合致する。
全てが『笹暮の見たまま』なら、彼女も『銃のスタンド』を使うのだろうか?
いずれにせよ、今はまだ『何か』を見せる様子はない。歩いているだけだ。

>両者

『レイト』:
「うん、今あの、来た時の林の前まで来てる〜」

       「ん〜ん、いないいない。
         その妙な連中のこととかは、
          合流してから話させるから〜」

                 カリ カリ

「二人とももう戻ってるんだよね? ん〜、レイトもすぐ行くからぁ〜」

彩られた丸い爪で、宝石の表面を撫でるようにしながら『レイト』は歩く。
歩調、声色、どちらも『緩い』――――まるで『危険』とは思えないほどに。

「えぇ? 大丈夫だよぉ〜。もし変なのがいても……頼れる『カレ』がついてるもぉん」

警戒心などもさほど強くないのか、隠れているそれぞれに気づく様子もなく、
話し声もトーンを落とさないままで『森林』の入り口に差し掛かり、そのまま道を進んでいく。
特に呼び止めたりしないのであれば、彼女が去るのにそう時間はいらない。緩いが、淀みもないのだ。

371小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/25(水) 12:22:17
>>370

少女の発言から考えられることは幾つかあった。
『話させる』という奇妙な言い回しに、
あの『宝石』が関わっているとも思える。
それとも、『宝石』を触っているのは単なる癖かもしれない。

そして、おそらくは彼女も『銃』のスタンドを持っているのだろう。
ただ、一ヶ所に『銃のスタンド』が『二つ』というのは、
気に掛かると言えば気に掛かる。
しかし、それだけなら偶然と同じレベルだ。

自分は経験が少ないが、それでも分かることはある。
『能力』というのは、明確に見えていない段階から分かるものではない。
今は『相手の能力に出来ること』を考えるより、
『自分の能力に出来ること』を優先して考えるべきだ。

    スゥゥゥ――……

先程と比べると、多少は疲れも薄れてくれただろうか。
それを願いながら、再び『スーサイド・ライフ』を発現する。
続けて『目』と『耳』を切除し、『レイト』らしき少女を密かに追いかけたい。
森の中に消えた後で、別の何かが起こるかもしれない。
射程の限界である『10m』までは、念のために観察を続けておく。

            ……チラ

別の場所に隠れている二人の様子も確かめておきたい。
彼らが動くなら、こちらも何かする必要が出てくる。
いずれにしても、『本体の視界』から少女が消えるまでは動かない。

372黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/25(水) 21:50:50
>>370
(妙な連中……対抗組織(?)のことでしょうか……?
 あるいは、私達のことかもしれませんが……)

「……彼女、なにか目的があってこの林に来たようです。
 『穴』があるのは……彼女の向かう先ですか……?
 ……小石川さんが『穴』を目指したとすれば、鉢合わせる可能性もありますが……」

小声で緑里に尋ねつつ、静かに距離をとってレイトを尾行したい。

373『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/27(金) 09:52:38
>>371(小石川)

疲労感は――――少しは解消されたように思える。
『スーサイド・ライフ』を握る手に、心に、淀みなどは幾ばくも無い。

              『ザシュッ』

切り離した目と耳を密かに――――潜ませながら飛ばせば、
ほとんど油断しているといえる『レイト』は容易に追跡可能だ。

ただ、油断しているということは『何もしない』ということだ。
森に入ってからはトランシーバーの会話もひと段落したのか、聞くのに専念しているのか、
耳の近くに当ててはいるが話すこともなく、宝石を弄るのもまばらで、何も起きたりはしない。

そして二人は…………女性のほうが木の陰から出て、『レイト』の後を尾行するように動き出した。
レイトが木陰から見た視界から消える……という、タイミングでのことだ。気付かれる可能性は低いだろう。

>>372(黒峰)

レイト、そしてあの時の男――――彼ら(?)の言葉には謎が多い。
そして行動にもだ。『小石川』は何かを知っているのだろうか――?

『緑里』:
「ええ、向かう先。この道を進んでった先、ですね〜……
 『穴』が目的かーーー、それとも『穴』は待ち合わせ場所ってだけか」

          「……ってぇ、追うんですかーーー……!?」

疑問の言葉を投げかけてこそいるが、彼も必要性は理解しているだろう。
小石川が入り口にいない以上、レイトを追うにせよ何にせよ『穴の方』へ行くのは『正しい』。

視界から遠ざかるレイトは特に後ろを振り返ったり、周囲を警戒する様子を見せる事もない。尾行は容易だろう。

374小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/27(金) 15:41:31
>>373

一般人のツアー関係者は、危険のある『紅鏡町』から一刻も早く逃がしたい。
ただ、『三人組』が集まっている今は無理だろう。
それをするのは、彼らが立ち去った後にする必要がある。
まず、『ここから出る方法があること』を伝えなければいけない。
それから機会を見て、彼らを森に連れて来るべきだろうか。

  ――でも、その前に……。

『スーサイド・ライフ』を太腿に突き刺し、『目』と『耳』は追跡を続ける。
完全に見失ってしまうまでには、多少の時間があるはず。
その間に、やっておきたいことがある。
『レイト』を追い始めた女性と接触することだ。
帽子の角度を確認し、静かに木陰から出て女性に歩み寄っていく。

  「あの……私を捜しに来て頂いたのでしょうか?」

  「――お待たせして申し訳ありません……」

謝罪の言葉と共に、深々と頭を下げる。
その手には、事前に取り出していた『ハンカチ』を持っておく。
ここに残った『表向きの理由』は、それだったからだ。
彼女がスタンド使いなら、この事態に対応するために協力し合える。
もし一般人だった場合は、彼女に危険が及ばないようにするつもりだった。

375黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/28(土) 20:55:20
>>373-374
「……他に手がかりもありませんし……」

尾行を続ける……と、まさに探していた小石川から声をかけられた。

「……!
 あ……はい、小石川さん……ですね。
 ……『ご無事』で何よりです」

376『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/29(日) 20:17:20
>>374(小石川)

目と耳はレイトを追うが、特筆する動きや言葉はない。
気付かれることも、ない。『10m』には既に達した。

そして……木陰から出て、やって来た二人に話しかける。

『黒峰』:
「……!
 あ……はい、小石川さん……ですね。
 ……『ご無事』で何よりです」

推測通りといったところか、『探しに来て』いたようだ。

>>375(黒峰)

合流した小石川は、まさに『何事も無い』ようだ。
喪服にいくらか、森林の草土のような汚れこそあるが、
それ以上は何もない。『何かあった』可能性はあっても、
上手く立ち回って切り抜けた…………と、言ったところか。

そして……手にはハンカチ。
探しもの、と言う『理由』は、もう解決したということだ。

>両者

一同は、森林の小径で遭遇する。レイトを名乗る少女はもう見えない位置だ。
向こうがこちらに気づくことも無いし、こちらから向こうを伺うのも、もう難しい。

・・・つまり、仕切り直せるタイミングだ。

『緑里』:
「……………いやぁ〜〜〜〜これっくらい待った内に入らないですよ!
 少なくとも、おれはね……ハンカチも見つかってよかったよかった〜。
 じゃ、そろそろ戻らないと……他の人達も戻ってる頃かも、しれないですしィー?」

開口一番、緑里が小石川にかけ、黒峰に目配せするのは、
帰還を促す言葉…………深追いを拒む言葉と言うべきか。

それに従うのも、手ではある。
事実、バスには他の乗客が戻り出している可能性はある。
時計は集合時間をそれなりに過ぎているし、戻る時間もある。

377小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/30(月) 13:17:53
>>375-376

『目』と『耳』は消す。
同時に『スーサイド・ライフ』も解除する。
これ以上の追跡を続けても、新しい収穫があるようには思えない。

  「……ええ、そうですね。
   わざわざ呼びに来て下さって、ありがとうございます」

『天雨』と『小角』の二人はスタンド使いであることが確定している。
最低でも、その二人には知らせておく必要があるだろう。
『三人組』が集まっている今なら、それを妨害される心配もない。

  「ご心配をお掛けしてしまったことを改めてお詫びします。
   あの……お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

気に掛かることは他にもあった。
この二人がスタンド使いなのかどうか。
緑里には可能性があったが、女性の方は関わりが少ない。

  「――『ハンカチ』をなくしてしまったもので……」

  「緑里さんからお聞きかと思いますが……」

女性が口にした『ご無事』というのは言葉通りの意味とも受け取れる。
ただ、二人は『レイト」が来た時に身を隠していた。
それを考えると、『ご無事』というのは別の意味があるように思えた。

378黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/30(月) 20:03:57
>>376-377
「黒峰と言います……。
 ……『ハンカチ』が見つかったことは、結構ですが……目的はそれだけですか?
 さきほど女性の向かった先に、空間に開いたような『穴』があるそうですね……」

『穴』やレイトは気になるが、しかし緑里の言う通りまずは戻るべきか。
バススタッフ達との約束もあるし。

「……まあ、それはそれとして、一度バスに戻るべきかもしれません。
 バスの皆さんも……こんな赤い空の下で待ちぼうけは、あまりしたくないでしょう……」

379『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/02(水) 04:28:47
>>377(小石川)
>>378(黒峰)

状況を整理する二人――――小石川の考え通り、邪魔が入る余地は無い。
逆にこちらから『謎の集団』の動向を探る術もないが、問題は無いだろう。

もちろん、あまりに長時間この場にとどまり続けていれば、
森には――――恐らくだが出入口と言える出入口はここしかない以上、
奥にいるであろう彼らがここに引き返してくる可能性はあるが、
その場合も足音や話し声など、事前に察知する手段はいくらでもある。

『緑里』:
「……ま〜〜〜何があるとしてもーーー、
 この3人だけで全部やる必要もないでしょ。
 とりあえず一回、戻りましょうよ、ねぇーっ?」

単刀直入な『黒峰』の言葉に、緑里は若干顔を引きつらせるが、
バスへの帰還の流れは彼の望む所でもある。特に、異論はさしはさまれない。

「妙な連中も、いるみたいですし〜〜〜〜〜〜??」

『空間の穴』――それに対しても異論を挟まない事は、小石川には意外な反応かもしれない。

380小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/02(水) 16:17:24
>>378-379

  「……ええ、『穴』はありました。それについて道々お話します」

  「その他にも、お耳に入れておきたいことが幾つか……。
   お二人のおっしゃる通り、ひとまず戻りましょう」

バスに向かうため、踵を返して歩き出す。
ここに留まるつもりはなく、むしろ早く戻りたかった。
そうしなければ伝えられないのだから。
自分は残って、『三人組』を追うことも考えた。
ただ、『連絡手段がない』というマイナスが大きい。

  「今……森の中には先程の女性の仲間が集まっています。
   彼らは、『この世界を維持している男性』を捜す目的を持っていると聞きました。
   この世界そのものは、『別の力』だと……」

『赤い空』が見えているということは、
彼女も『スタンド使い』と考えていいだろう。
そうであるなら、彼女にも伝える必要がある。
そして、もう一つ気になることがあった。

  「あの……『穴』のことですが……」

  「黒峰さんは、どこで『そのこと』を?」

黒峰の口ぶりからして、
彼女自身は穴のことは知っているが見てはいないことが分かる。
他にも『穴』を見た人が、参加者の中にいたのだろうか。
それとも、この『紅鏡町』の住人から聞いたのかもしれない。
あるいは――『緑里から聞いた』か。
道すがら、そのことを確かめたい。

381黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/03(木) 21:01:32
>>379-380
「世界、ですか……。
 確かに、おかしな街とは思っていましたが……。
 ……『穴』は……緑里さんから聞きました」

バスへと向かう。

382『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/04(金) 23:04:03
>>380(小石川)
>>381(黒峰)

『緑里』:
「ええ……そうですね〜〜〜っ。
 近くで見たいとは思わないけど、聞いてはおきたい。
 タクシー、捕まえられたらいいんですけど〜〜〜」

安堵したような声色で返す緑里。
彼自身の『逃避』の気持ちももちろんあるだろうし、
小石川が撤退を決断した事への安堵もあるだろう。

              ザッ
                  ザッ

帰路――――あるいは、ここに戻ってくるなら『往路』。

『緑里』:
「…………『世界を維持する力』、ですかァ」

緑里は言葉を探しながら、『黒峰』の言葉に続く。

「『観覧車』で穴を見たのは、あなただけじゃあ〜なかった。
 おれも『アレ』が見えた。……あの時点では『好奇心』もあった」

             「でも、近くまで来たら嫌な予感が……ね。
               『深入りすべきじゃ〜ない』、そう思ったんです」

彼の行動は『スタンド使いとしての経験』が生んだ『恐怖』によるもの、なのだろう。
或いは別の何か――――背景があるのかもしれないが、彼が語るのはそこまでだ。

しばらく歩いていると『タクシー』が見つかった。部外者抜きで話したい事があれば、今のうちだろう。

383小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/05(土) 00:32:55
>>381-382

  「――そう……ですか」

緑里がスタンド使いであったことには、さほどの驚きは感じなかった。
今までの反応を見れば、そうであっても不思議はない。
そして、彼がスタンド使いであるなら気兼ねなく話を続けられる。

  「『穴』の向こうは『元の世界』と繋がっています。
   そこから『外』に出れば、ひとまずは『安全』かと……」

  「……少なくとも『スタンドを持たない方』は、
   『向こう側』へ避難して頂くべきだと思います。
   緑里さん――もし外へ出るなら、
   そういった方の付き添いをして頂けませんか?」

  「スタンドを見ることの出来るのは『スタンド使い』だけですから……」

複数の『スタンド使い』が活動している状況で、
『一般人』だけで行動するのは危険が伴う。
最低でも、一人は『スタンド使い』が付いているべきだろう。
その役目は自分でも構わないが、
もし緑里が『外』に出ることを望むなら頼んでおきたい。

  「それから……私の『能力』をお伝えしておきます」

『スーサイド・ライフ』を発現し、『小指』を根元から切り落とす。
浮遊する指を空中で操作してから、『スーサイド・ライフ』を解除する。
失われた『小指』が徐々に再生しているのが分かるだろう。

  「『目』と『耳』は『再生途中』です」

おもむろに帽子を持ち上げて、片方の目と耳が欠けた顔を晒す。
それから帽子の角度を直し、タクシーに乗り込みたい。
他にも伝えるべきことはあるが、それはバスに戻ってから話すことにする。

384黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/06(日) 22:52:46
>>382-383
「……私の能力は、これです」

『オールナイト・トレイン』を発現する。

「便利ですよ……いつでもどこでも、ぐっすり眠れるんです。
 ベッドメイクも自由自在で……柄もその日の気分で変えたり……。
 ……。
 ……コホン。
 いまこの世界には、私達ツアー関係者を除けば……少なくとも2つの勢力があるようです。
 その2つが……具体的に、どう争っているのかはわかりませんが……」

タクシーに着く前にスタンドを消しておく。

385『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/07(月) 21:45:57
>>383(小石川)
>>384(黒峰)

『緑里』:
「逆に言えばーーー、そんな出入口があるあたり、
 ふつ〜に道を走っても町を出られないってのは、
 まあ、あえて試すまでも無いって感じですかね。
 出ようとすると危険がある……って可能性もありますし」

もちろん、『近道』として開けた穴であって、
正規の出入り口は単純に『道路』という可能性もある。
が、確実に出られる場所がある、というのは収穫だ。

「おれのスタンドは、見せるほどじゃないですけど。
 まーーー、この状況なら『速く動ける』くらいで、
 快適なものを出すとか、偵察に使ってやれるとか、
 そーーーいうのは無いですね。ウソじゃーなくね」

そうして互いにスタンドを示し合う小石川と黒峰。
緑里はその流れにあまり、乗ることはなく…………
黒峰の極めて『特殊』な形状を持つスタンドや、
小石川の欠損部位に驚く様子を見せていたが、
同時に……何かを考えている様子でもあった。そして。

「……というかですねーっ」

口を開いたのは、小石川が先に告げた『避難』のアイディアに対して、だ。

「『おれがツアー客を外に引率する』の、そりゃ〜ね、もちろんいいですよ。やります!
 はっきり言って、こんな得体の知れない空間に少しも残りたくはないですし……
 スタンド使いとしてそれくらいの役はやりますけどー……小石川サンは何する気なんですか?
 その言い方だと、『おれ以外のスタンド使いは中に残る』って話になりますよね〜ッ」

「残って…………どーーする気なんです?
 この世界に『解決すべき何か』なんか、あるんですか?
 例の……二つの勢力ってヤツらがなんか争ってるなら、
 そこに乱入したって、おれたちの得にはならなく……ないですか?」

実際――――どう、なのだろうか?
あの不審な男女らの『危険性』は看過すべきでは無いかもしれないが、
彼らにもなにか予想外の事態が起きているのは小石川の知る通りで、
もし放置していても、このまま何もなく『引き上げる』だけかもしれない。

すなわち緑里が言っているのは、小石川と黒峰も、ここで引き上げるべきなんじゃないのか――
そういう考えだ。臆病な意見だが、リターンよりリスクの低さを優先する考えは『選択肢』としてあり得る。

ともかく、何か問題がなければ三人はタクシーに乗り込んで、道中は何事もなく…………停車中のバスが見えてくる。

386小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/07(月) 22:56:06
>>384-385

これまでの関わりから、緑里の性格は概ね理解していた。
おそらくは、『危険を避けること』を何よりも重視する人間なのだろう。
それが分かったからこそ、引率する役目を頼んだのだ。

  「……ありがとうございます」

感謝の言葉と共に、丁寧に頭を下げる。
続いて示された彼の提案に、黙って耳を傾けた。
緑里の意見は『正論』だと感じる。
筋が通っていて、一つの考え方として正しい。
それに対しての返事は、ごく簡潔なものだ。

  「――心に留めておきます」

口にするのは、その一言だけ。
これまでにない、はっきりした口調で緑里に告げる
意味する所は、『一緒に出る気はない』ということ。
傷付いた笹暮のため、自分に出来る限りの事はしたい。
たとえ残るのは『自分一人だけ』であっても、それは変わらない。

  「見えてきましたね……」

  「バスに着いたら――詳しい話をお聞かせします」

今の内に、天雨と小角の姿を捜す。
もう戻っているだろうか。
同じ『スタンド使い』として、彼女達にも事情を話しておきたい。

387黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/08(火) 20:35:56
>>385-386
「まあ……そうですね……。
 この街が、実在しない……ゲームの世界のようなものであれば、無理に関わる必要はないかもしれません……。
 ……少し好奇心はありますけど……」

バスに残ったツアー客たちの様子を確かめる。

388『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/08(火) 21:43:34
>>386(小石川)
>>387(黒峰)

『緑里』:
「どっちにしても……おれは『言いました』からねーーーっ」

『危険を避ける』。彼にとっては、他人のそれも――――
あるいは自分の次くらいには避けるべきなのかもしれない。

                   ブゥゥゥーーーーーン ・・・

バス周辺には、数名の人間が見受けられる。
『小角』は見当たらないが、『天雨』はその中にいる。
また、バスの中にいる人間も増えているように思えた。

特別に負傷しているような様子のものだとか、
憔悴していたり、騒いでいたりするものはいない。
騒ぎの無さに関してはもともと乗客には大人が多く、
『騒ぎそう』なタイプがいないことも一因かもしれないが、
少なくとも想定以上のトラブルなどは、起きていないようだ。

          ガチャッ ・・・

車の、ドアが開いた。

支払いを求めるタクシーの運転手に、金銭を手渡す緑里。
車から降りる一同に、天雨が歩み寄ってくるのが見える。

『天雨』:
「――――お帰りなさいまし、お三方」

その手には『アンティークの如雨露』のような『スタンド』。
緑里は額に軽く手を添えたあと、小さく手を挙げて応じた。

               ――――まだ、『どちらの道』も選べる。

389小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/08(火) 22:35:23
>>387-388

  「――お待たせして申し訳ありません」

天雨に一礼を返す。
彼女には、多少の事情は伝えてあった。
スタンドを出しているのも、それが理由かもしれない。

  「天雨さん……『内々』でお耳に入れたい事があります」

  「宜しければ、黒峰さんと緑里さんも……」

三人に呼び掛け、他の人間に聞かれない場所へ移動する。
天雨以外の二人には、既知の部分もあるだろう。
ただ、今は天雨がいるため、改めて話しておく。

  「まず、
   この世界は『何らかのスタンド』によって作られたものです。
   そして、
   それを維持する力を持つ『別のスタンド使い』がいるようです。
   『彼』は……二つの勢力に追われています」

  「片方は『アリーナ』――
   『秩序』を保つことを目的とする組織だと聞いています……。
   今ここに来ているのは『笹暮』という男性で、
   彼は襲われて身動きの取れない状態になっていました」

  「彼を攻撃したのは『三人のスタンド使い』……
   彼らが『もう一つの勢力』です」

  「内訳は男性が二人と、女性が一人……。
   男性のスタンドは『人型』と『水鉄砲』です。
   笹暮さんの話では、女性のスタンドも『銃』だそうですが……」

  「『人型』の能力は、
   触れたものを『ブロック』のように分解することです。
   スタンド自体も、
   一部を切り離して『遠隔操作』することが出来るようでした」

  「……森の中には『出口』があります。
   『歪み』のような『穴』を通ると、
   元の世界に戻ることが出来ました」

  「ただ、今は『三人』が森に集まっています。
   ですから、
   様子を見て皆さんを外にお送りするべきだと思うのですが……」

そこで話を止めて、天雨の反応を見る。
彼女が脱出を選ぶなら、一緒に外へ出るべきだろう。
『スタンド使い』だからといって引き止めることは出来ないし、
そのつもりもなかった。

390黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/09(水) 23:43:29
>>388-389
「世界を維持している人が……狙われているということは……。
 この世界が存在すると、現実の方に悪影響があるということ……なんでしょうか……?
 ……あるいは、その能力を利用して……別のことを企んでいるのか……」

391『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/10(木) 04:32:14
>>389(小石川)
>>390(黒峰)

カーテシーのようなしぐさで、一礼を返す天雨。
スタンド発現の意図は不明だが、不自然ではない。

『天雨』:
「よろしくってよ! 私も着くのが遅れてしまったから」

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

黒峰に加え緑里、天雨にも『顛末』を離す小石川。

『緑里』:
「………………想像の何倍も『ヤバい』ですね〜〜〜ッ」

緑里は端的な感想を漏らすと、再び思考の色を見せる。

『天雨』:
「そう、ですわね。『スタンド使い』である私たちには、
 巻き込まれた身とはいえ――――『一般人』たちを、
 町の外に送り届けるという『義務』がございますわ。
 ノヴレス・オブリージュ……力あるものの責任でしてよ」

小石川の話の間、天雨は相槌を挟んでいたが、
言葉を発したのは、小石川が彼女の反応を見てからだった。
彼女の『責任』は、内に留まって『問題を解決する』よりも、
少なくとも優先順位としては、『一般人』達を護送し外へ出るのが上らしい。

・・・それが終わった後に内の問題に関わるかどうかは、別問題として。

『天雨』:
「『アリーナ』は、私も一度ビジネスで関わった事がありましてよ。
 コネクションといえるほどのコネクションは、ありませんけれど。
 スタンド能力を商売に使い、スタンド使い相手に商売をする集団――――
 それから……いくつもの『派閥』に分かれているとか。
 主観だけれど、あまり、『盤石の組織』とは言えない印象を受けましたわ」

「彼らが今すぐ……その笹暮という方の救援に来て、
 その流れで全てが解決する、とは考えにくいですわね」

或いは話し出すタイミングを考えていたのかもしれず、
そう思えるほどには、緑里に比べて多弁だった。

「『世界を作り出すスタンド』と『作った世界を何らかの手段で維持するスタンド』。
 価値が大きいのは前者に感じますけれど――――後者も十分に『すさまじい』。
 そうした大規模なスタンドなら、『アリーナ』が欲するのもおかしくは無いですわね。
 あるいは、何か目的のある『過激集団』が狙うのも……そういう事はあり得ますわ」

強大なスタンド使いは、人間世界の技術を超えた『現象』で、個人の存在のみで趨勢を変えうる。
天雨はそのような例を知っているのか、『アリーナ』と『謎の勢力』の存在には、大きく驚くことはない。

『緑里』:
「…………っで。『謎の勢力』はその『彼』を狙ってここに来たってなら、
 それを手に入れる邪魔さえしなきゃ〜〜〜おれらとぶつかる理由はない、か」

『天雨』:
「……そうとも限らなくってよ。居合わせたから、消す。
 それくらい短絡的なヤツがいてもおかしくありませんわ。
 森を抜けるなら、そうですわね。小石川さんのおっしゃる通り、
 様子を見て……いきなり全員で歩いていくような事は避けたいですわね」

『緑里』:
「ってゆーか黒峰サン、バスに来たっていう『攻撃的なヤツ』も、
 その三人の誰かーーー、ってコトなんですかね?
 だとしたら刺激しなければ、おれらが立ち去る邪魔はしないんじゃないです?
 小石川サン、そいつら見た目の特徴とかってあります? 一人は、さっきの女の子でしょーーけど」

話し合いは続く。不在の小角ら、一部の乗客らが戻ってきていない以上、
今すぐに『全員で外に出る』事は出来ないし、ここで方針や詳細を詰めるのも悪い事ではなさそうだ。

392小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/10(木) 20:57:49
>>390-391

  「……それは分かりません。
   ただ……ないとは言い切れないと思います」

  「『現実への影響』も『能力の利用』も……」

黒峰の言葉に対し、そのように返す。
実際、分かっていない部分は多いのだ。
『アリーナ』にしても『三人組』にしても、追われている男性にしても。

  「『特徴』――ですか……」

  「……一人は『パーカー』を着ていました。
   『フード』を被っていたので、顔は見ていません」

  「もう一人は、『鎖』のアクセサリーが目立つ方です。
   服装は、どちらも同じような雰囲気のようでした」

  「女性は若い方で……
   宝石の付いた『ネックレス』を身に着けていました」

二人の外見を思い出しながら、緑里に答える。
『レイト』については、黒峰達も知っているだろう。
ただ、まだ知らないであろう天雨のために伝えておく。

  「あの……他の方達は?」

  「お戻りになっていない方が何人かいらっしゃるようですが……」

ツアー関係者達を避難させるためには、
その前にしなくてはいけないことがある。
全員を集合させることだ。
それが済まなければ、次の行動には進めない。

  「まず……全員に集まって頂くことが必要かと思います。
   行き先が分かるなら、迎えに行くことを考えても良いかと……」

今の時点で、帰ってきていないのは何人くらいだろうか?
多少の時間が過ぎても揃わないことは、旅行では珍しくない。
ただ、何か『トラブル』が起きて遅れている可能性も考えられる。

393黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/11(金) 19:49:27
>>391-392
「バスに来た人は……『アリーナ』とは、敵対していたと思います……。
 仲間のことは、『兄貴』ともう一人……そう、確か『レイ……』と言いかけていました。
 ……おそらく『レイト』……先程、森に来た女性のことでしょう」

394『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/12(土) 02:11:00
>>392(小石川)
>>393(黒峰)

『緑里』:
「つまり、黒峰サンの話整理すると――――『アリーナと敵対する謎の勢力』は、
 その『兄貴』ってヤツ、『兄貴って呼んだヤツ』、それに『レイト』って女〜〜〜で、
 小石川サンが見たのもちょうど三人、男が二人で女が一人ーーー、ですよね?」

そういうことになる、のだろうか。
少なくとも緑里はそのように考えているらしく、
目撃していない天雨は何もそれには返さない。

『天雨』:
「私が引率していた子たちは、今はバスの中にいましてよ。
 一番活動的な子が、もう疲れてしまってるみたいだから。
 それと、あの『探偵』の子たちはバスの中に。
 スタンド使いとはいえ、ご学友たちは一般人みたいだから、
 ひとまず戻ってきたみたいですわね。集合時間の少し後、くらいに」

『小角』:
「………………………」

天雨の言葉でバスの中に視線を向ければ……窓からこちらを見ている『小角』と目が合う。
つまり窓際席に座っており、通路側には彼女の友人が座っているので、来づらそうだが……
友人を連れ立っている以上、あまり積極的な行動は取れなかったのかもしれない。或いは性格か。 

まず完全に見当たらないのは、黒峰が学校でニアミスした『外ハネ』の髪の少女か。
彼女に関しては、あの飛行帽の男――――『出雲』を連れていたのが最後の目撃だ。

逆に、目立つ面々としては『城井』は既にバスの中にいる。
『責任感』の強い彼らしく、規定時間通りに戻ってきていたようだ。

また、自己紹介をしていた関係で言えば――――あの『武谷』と『ヤス』も姿が見当たらない。
どちらかといえば『ヤンチャ』そうな彼らのこと、時間を破るのはおかしな話ではないだろう。


              ・・・

                     ・・・

                            ・・・さて。

行方が知れない人間も、『待てば』戻ってくる可能性は高い。探しに行くのは逆に、アテがなさすぎる。 
このまま話しているなり、待つことを決めるなりすれば……『全員がそろう』タイミングは来るかもしれない。

(★現在レスしている両参加者が『希望する』なら、乗客は『PC』含め全員バスに戻ってきたものと扱います)

395小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/12(土) 15:09:18
>>393-394

車内の小角と目線を合わせ、話をする意思があることを伝える。
彼女とは約束があった。
後で機会を見つけて話しておきたい。

  「ええ、『三人』については間違いありません」

  「……少し待ってみましょう」

  「もしかすると――ここに向かっている途中かもしれません」

焦って行動してはいけない。
行き先が分からないのでは、捜しに行くことは出来ないのだから。
今は、しばらく待つことを選ぶ。

  「『避難』の方法ですが――」

  「途中までバスで向かうとしても『出口』は脇道にあります。
   そこからは徒歩で進むしかないようですね……」

  「もう一つ気になることが……」

  「おそらく……バスは目立つでしょう。
   それは大勢で歩くのも同じことですが……」

  「――何か考える必要があるかもしれませんね……」

見えるのなら矢田と運転手の様子を確かめておく。
まず最初に、彼らと話し合った方が良いだろうか。
いきなり全員に知らせるよりは円滑に事が進められるように思えた。

396黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/12(土) 22:21:57
>>394-395
「そうですね……探すあてもありませんし、とりあえずは待ってみましょう……。
 ……目立つことについては……誰かが囮になって三人組やアリーナを引きつける、とかでしょうか……。
 もちろん、囮役には相応のリスクがありますが……」

397『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/14(月) 21:27:35
>>395(小石川)
>>396(黒峰)

『天雨』:
「乗客たちを納得させるのはスタッフの方に協力して貰うとして、
 上手く『避難』の流れにしたとして、『襲撃』されれば瓦解しますものね。
 囮作戦の場合は――――私たちの誰かが、という事になるのかしら?
 あるいは一人じゃなく、複数名でかく乱する手もあるでしょうけれど。
 『スタンド能力』も『人材』と同様、『組み合わせ』が肝要ですもの」

『緑里』:
「囮、をやるとしてー、『こっちから刺激して誘導する』みたいなのは、
 本末転倒だとは思うんですよね〜。襲われない可能性もあるわけで。
 というか、出入り口の穴の前にそいつらがたむろしてるとしたら、
 誘導も限度はあるでしょうし? 3人全員誘い出すってのはムズくないですかね〜ッ?」

「正面から行って、どう通してもらうかーーー、って方向性もアリじゃないです?」

小石川は小角に目配せを送る。頷かれたが、今すぐ動き出しはしない。
一般人の連れ合いがいるからあまり自由に動けないというのは、
知り合い同士で来ていれば避けがたい状況だ。小角だけとも限らない。
あるいは、力を見せたがらない緑里のような人間もいるだろう。
プランが明確になれば、そうした面々も協力できる可能性はある。

『運転手』:
「……………」

『矢田』:
「……………」

運転手と矢田は、何事か声を潜めて話し合っているようだ。
この状況を静観するわけにはいかないのが彼らの立場だが、
一般人に過ぎず企業母体のサポートも受けられない今となっては、
出来るのは同じ一般人にどう働きかけるか……くらいのものだろう。

小石川の視線を感じたのか、矢田が運転手にそれを手で示す。
こちらの『個性的な集団』の話し合いが何を意味するものなのか……
黒峰の『スタンド』を見た彼らには、多少の察しは芽生え始めている可能性はある。

       ・・・

         ・・・

           ・・・

しばらくすると、『武谷』と『ヤス』がいくらかの土産物を持って、
それから更に間をおいて、疲労した様子の『外ハネの少女』がバスに戻って来る。

                      ざっ

                          ざっ・・・

そして・・・彼女と共にバスに近づいて来たのは飛行帽の男、『出雲』だ。
多少の負傷を見せる彼は宗海を車内に促し、こちらの集団に向けて歩いて来る。

398小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/15(火) 18:15:24
>>396-397

天雨の話は現実的で筋が通っている。
争いを極力避ける緑里の話も一理あると思えた。
行動の方針に関しては、まだ詰めていく部分が多い。

  「今後どのように動くにしても……
   『先行して様子を見る役割』は必要になるかと思います」

  「差し支えなければ、その役目は私が行います。
   私の『能力』は情報収集に適していますので……」

  「ここでは携帯電話が使えませんが、私なら『連絡』も出来ます。
   『10m以内』になりますが……」

『スーサイド・ライフ』は隠密行動に向いている。
そうでなければ、森から戻ってくることは出来なかっただろう。
だからこそ、自分がすべきだと感じた。

  「……まず矢田さんと運転手さんに話をしてはいかがでしょう?」

  「全員に知らせる前に、
   お二人に話しておいた方が良いかと……」

その時、近付く出雲の姿が見えた。
負傷しているということは、不測の事態があったことが予想される。
もしかすると、『三人組』に関係しているのかもしれない。

  「彼は……」

  「……『何か』起きたようですね」

出雲から話があるのなら、聞いておきたい。
話しているのを見て、こちらに来たのかもしれないけれど。
もしかすると、新しいことが分かるかもしれない。

399黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/15(火) 20:18:28
>>397-398
「では……偵察はおまかせします。

 ……あの人は……。
 怪我を……していますね……。
 ……誰かと争った、のでしょうか……?」

出雲の様子を見る。

400『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/16(水) 21:35:51
>>398(小石川)
>>399(黒峰)

『天雨』:
「そうですわね……偵察の必要性に異論はありませんわ。
 私の能力も、周囲の哨戒には使えますけれど……
 少人数で先行するのにはあまり、向いていませんの。
 あとは……そうですわね。疲労の回復にも使えますわよ」

小石川の役割を黒峰に追随するように肯定する天雨。
そして彼女の手の如雨露が水を零し、そこに『芽』が出る。

『緑里』:
「……スタンド使いとはいえ、レディに一人で危険な役目を背負わせる気か?
 って思われそうですけど〜。おれのも偵察向きじゃないんで。
 少なくとも、この環境じゃ〜ですけど……すぐに変わりそうには、なァ〜いですし」

緑里も同じく、だ。手を空に翳し、分かったような顔ですぐに引っ込める。

『天雨』:
「ええ……私達だけで、バスは動かせませんものね」

         ザッ……

天雨が小石川の提案に頷いた時、ちょうど出雲が一同から少し離れて足を止めた。
アレは黒峰の洞察通り、『コケて出来た怪我』というわけではないだろう・・・

そして。

『出雲』:
《あーーー……単刀直入に言うッス。おれには皆さんをここから"護送する"責任がある》

             《……作戦会議なら、おれも混ぜて欲しい》

スタンド使いにしか聞こえず――『発せない』言葉で、そう告げた。
天雨は如雨露を胸の前で構え、緑里もまた、不審げな視線を彼に向けている。

出雲の傍には……いや、彼と重なるようにして、『赤い外骨格』が巻き付くように備わる豪腕が浮かんでいる。

401小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/16(水) 23:03:40
>>399-400

『出雲のスタンド』を見て、手の中に『スーサイド・ライフ』を発現する。
警戒のためではなく、『意思疎通』のために。
天雨や緑里の気持ちも理解できるが、敵意ある人物とも思えなかった。

  《『あなたも』――ですか……》

出雲に対し、こちらも『スタンドの声』で応じる。
彼が『スタンド使い』だったことは意外に感じられた。
負傷した理由も、その辺りにあるのだろうか。

  《あの……大変恐縮ですが……》

  《私達は、あなたが『どのような方か』を存じ上げていません》

  《――よろしければ……『説明』して下さいませんか?》

彼は『責任』と言い切った。
ツアー関係者のように、『偶然巻き込まれた人間』とは違うのだろう。
しかし、『三人組』の仲間とは思えない。
かといって『アリーナ』とも考えにくかった。
あるいは、『追われている男性』の身内かもしれない。

402黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/17(木) 20:48:37
>>400-401
「護送、とは……?
 ……その怪我からすると……誰かと敵対しているということでしょうか……。
 ただのツアー客である私達も狙われるというのなら……相手はかなりアブナイようですが……」

ここで再度『オールナイト・トレイン』を発現させると、バスの一般人たちに無用な混乱や警戒を起こしそうなので自分はやめておく。

403『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/19(土) 11:27:32
>>401(小石川)
>>402(黒峰)

『天雨』:
「…………『警戒』させていただきますわよ!
 この状況に現れた『スタンド使い』、その時点で。
 『10cc』……『奇襲』を目論めばすぐ分かりますわ」

天雨は、足元に如雨露の『水』を注ぎ始める。
それが、彼女の『戦い』の発端になる動きなのだろう。
そこには、瑞々しい緑の若葉が『芽吹き』始める。

『出雲』:
《警戒……したままでいいッス。『意図』をお話しします。
 経緯全てを話すと長くなるし、あんまり意味が無い。
 ですから要点を言いますが……この『紅鏡町』は……
 おれの『スタンド』で、この状態を『保って』ます。
 別のスタンド使いが作った、『時限付きの夢』を…………》

《『イレテ・ユンヌ・フォア』…………『時を繰り返させる能力』》

簡潔な言葉だったが、つまりそれは、この男こそ、
アリーナの『笹暮』が話していた……『維持の能力』。

身内、ではない。この男が――『張本人』だ。

『出雲』:
《…………あんたらがバスで来た時…………おれは『危険』だと思った。
 同じタイミングでこの町に入り込んで来た『危険』と、関係があると。
 だけど、『久遠さん』から話を聞いた限り……そして協力した限り、
 あんたらはただ、巻き込まれただけ…………『迷い込んだ』だけ。だからおれには、
 危険を『排除』する…………それより前に、あんたらをここから逃す『責任』がある。
 『出口』は……おあつらえ向きに、敵の方から用意してくれたみたいっスからね》

小石川や天雨のスタンドを見て、彼は一歩後ずさる。
その発現に敵意を感じているわけではないだろうが、
警戒に応え、お互いに『射程』から遠ざかるためか。

久遠……というのは、彼を連れていたあの『外ハネ』の少女だろう。
彼女の知られざる『共闘』が、彼がこの判断に行き着くのを導いた。
当の本人は、バスから出てこない……外傷はないが、疲弊が激しいのかもしれない。

『出雲』:
《…………おれは、この町を『終わらせる』つもりはない…………っスし、
 この町が『外からの危険』に襲われたら、何が目当てだろうが迷わず『撃退』する。
 ……だけど、もし…………完全に『迷い込んだ』人間がいたとしたら?
 ……それは、迷い込んだ人間は悪くない。おれがこの町を残していることに『責任』がある》

         ザリ…

《とはいえこの町は……誰かが『スタンド』で穴でも開けない限り、外と繋がる事はないんス。
 それは、絶対に。……『おれの心象世界』から生み出されたこの町には……
 他人が迷い込む余地は、本来はない。そういう『能力』らしいッスから。
 けど……穴を開けてでも入りたい『紅鏡町』を残してるってのが、責任と言えなくはない》

彼の言葉が、どこまで『真実』で、あるいはどこまで『主観』かは分からない。
だが…………鍵を握るこの男が『護送』を選んだのは、そうした事情によるもの、という事だ。

404小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/19(土) 17:28:26
>>402-403

出雲の発言を聞き、両目を軽く見開いた。
『身内』ではなく『本人』だったが、ある程度の予想があったために、
驚きは大きくはなかった。
おそらくは、これで『全ての人間』が出揃ったことになるだろう。

  「……事情は分かりました」

『黙っていること』があったとしても、彼の言葉に偽りはないと思える。
今の状況で人数が増えることは助かるので、
少なくとも一般人の避難が済むまでは協力したい。
天雨や緑里が警戒する気持ちも理解できる。
しかし、二人とも思慮深い性格であることが察せられるので、
頑なに拒否することはないのではないだろうか。
近くにいた方が『監視』をしやすいという考え方もできるだろう。

  「――よろしくお願い致します……」

出雲に向かい、丁寧に頭を下げる。
ただ、それと同時に、心の奥には別の考えも存在した。
最終的に、彼のことを『アリーナ』に知らせるべきか否か。
彼自身は悪意のある人間には見えない。
もし、ここに残ることが彼の幸せであるなら、
それを尊重したいと感じる。

  ――『能力』……。

『穴』を開けた者がいるとすれば、あの『三人組』だろうか。
それとも『笹暮』かもしれない。
『鍵を開ける能力』なら、『入口を開けられる』とも解釈できる。
確認していなかったため、その点については分からない。
しかし、『入口を作れる人間』がいることは『確実』だ。

  ――……。

たとえ、ここで脅威を退けたとしても、それで終わるとは思えない。
きっと、いつかは『次』が来るだろう。
そもそも、『入口を作れる人間』が一人とも限らないのだ。
『スーサイド・ライフ』と『デストルドー』という似通った能力の存在が、
それを物語っている。
その度に、また巻き込まれる人間が出るかもしれない。

  「とにかく、まずは『お二人』と話をしたいのですが……」

  「――よろしいでしょうか?」

矢田と運転手を一瞥し、全員に問い掛ける。
出雲に対して自分の取るべき行動は、まだ決めていない。
今は、脱出の準備を進めることを優先する。

405黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/20(日) 20:02:42
>>403-404
「……この街が存在することで……現実の方に、なにか不具合が起きる……。
 そういった可能性はありますか……?
 ……特に実害がないのであれば、なぜあなたは『敵』に狙われているのでしょう……?」

バススタッフへの対処は小石川に任せ、自分は出雲と会話を続ける。

406『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/20(日) 21:19:01
>>404(小石川)

『出雲』:
「……ええ、よろしくお願いします。こちらこそ」

ひとまずの『協調』に応じてか、声は精神でなく耳に届いた。

『天雨』:
「……『敵対』する気はないなら、私は何も言いませんわ。
 警戒は続けますけど、ここで私だけ断固拒否したって、
 敵が一人増えるだけで……『プラス』がありませんもの」

天雨は小石川の推察通り、『警戒』しながらも、
出雲の協力を『受け入れる』方針のようだ。
緑里もそれ以上何かを言うでもない……
彼の性格からすれば、ヘタに一人で反抗はするまい。

――――『アリーナ』に求められている男、『出雲』。
あるいは、今後も『迷い込む』人間が生まれ得る『紅鏡町』。

どうすべきかは、今この時点で決める必要はないだろう。
が、『知っている』小石川には、望むならば決める事も出来る。
遠からず訪れるであろう町からの脱出までに、考えておく意味はある。

『出雲』:
「おれは、そちらに合わせます。お任せします」

『天雨』:
「良いと思いますわ。彼らはスタンド使いではないでしょうけれど、
 バスの運転や人の誘導については私達より『プロ』でしょうから。
 もしかしたら作戦立案にも役に立つかも、しれませんもの……」

『緑里』:
「……騒いだりされるとめんどい事になりそ〜ですから、
 こっちに呼んで、バスからは離れた所で話しますか〜〜〜」

                「さっきから、こっち見てますしねーーー」

緑里の言葉通り、バスの運転手とバスガイドの矢田は『こちらの集団』を見ている。
そして・・・運転手が何か言いかけるよりも少し早く動いた矢田が『こちら』へ歩いてきた。

>>405(黒峰)

『出雲』:
「……敵に狙われてるのは、おれ自身じゃないと思ってます。
 この町……いや、この町にある『現実では失われた物』ッス。
 恐らくは、ですけど。十分……狙うに値する『物』がある。
 とはいえ『手に入れた』としても外には持ち出せない、
 ひと時の『夢』でしかない……ッスけど、それでも『価値』はある」

「それを妙な連中が手にしたら……現実に害が及ぶ可能性はある、でしょうね。
 ただそれは……『兵器博物館』から『重火器』をテロリストが盗んだら危険だ、
 って次元の話で……『この町があるから害がある』とは、言いたくないッスけど」

出雲は率直に、黒峰の疑問に返答した。
正しいのかどうかは分からないが、彼の主観ではそうだ。

この街が存在するだけでは危険はないが、『この街に存在する何か』に危険性があり、
それを『外敵』が手にするようなことがあれば『実害』もあるかもしれない――――という事だ。

407小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/21(月) 20:28:12
>>406

出雲のことは、ひとまず黒峰に任せることにした。
二人から離れるように、少しだけ移動する。
彼らの話が矢田に聞こえると、良くないかもしれない。

  「……矢田さんでしたね」

  「私は『小石川』という者です……」

  「先程はお待たせしてしまい……申し訳ありませんでした」

ごく普通の挨拶をして、丁寧に頭を下げる。
こちらから話を切り出すのではなく、相手が何か告げるのを待つ。
その反応によって、言うべき言葉を選びたい。

408黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/21(月) 23:59:37
>>406
「……?
 持ち出すことができないのに……現実に害が及ぶんですか……?
 ……重火器の例えで言えば、武器そのものではなく、設計図や隠し場所……つまりなんらかの『情報』を狙っている、ということでしょうか……?」

409『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/22(火) 23:57:26
>>407(小石川)

『矢田』:
「あッ、いえ、こちらこそ申し訳ございませんッ。
 ミステリーツアーとはいえ、進行に不備が」

ガイドとして話している時よりおとなしい口調だが、
これが素というよりは、状況に起因するものだろう。
顔色や目の動きが、それを裏付けている。

「あのォ……」

          「その」

   スゥ…

「バスガイドとして、こんな事、言っていいのか分からないんですけどッ」

「……何か、起きてるんです、よねッ……!?
 わ、私には分からない、何か……皆さんにだけ、分かる事がッ」

>>408(黒峰)

『黒峰』:
「…………いい例えッス。
 そうスね、『それ自体』じゃないのは正しい。
 というかおれのたとえが良くなかった……
 アレは重火器ってよりは、『生物兵器』ッス。
 外に持ち出されるのは……それを受けた人間の『症状』」

そこまで言い終えてから、出雲は息を吸う。
回りくどい言い方を止め、『核心』に迫るための姿勢。

「――――『スタンド』の発現要因の一つは、
 地球外から隕石に乗って飛来した『ウイルス』と言われてるッス」

410小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/23(水) 05:05:45
>>409

  「……ええ」

軽く頷いて、『肯定』の意を示す。
向こうから話を切り出してくれたのは幸いだった。
それは、『話を聞くつもりがある』という事なのだから。

  「この町から出る方法があります。
   あちらに見える森の中に、外へ通じる『出口』を見つけました。
   そこ以外からは出られません」

説明しながら、ついさっきまでいた方向を一瞥する。
あの三人は、まだ残っているのだろうか。
笹暮と出会った時は、一人もいなかった。
ただ、彼らの警戒心は強くなっているだろう。
それが脱出の障害になることは、十分に予想できる。

  「ただ、そのためには『問題』が……。
   ツアー参加者の他に、『私達と同じような方』が『三人』います。
   男性二人と女性一人のグループで……」

  「彼らは、森の中で人に『危害』を加えていました……。
   それを考えると……もしかすると危険な人物かもしれません」

  「ですので……見つからないように外へ出る必要があります。
   『万一のこと』を考えて……」

はっきりと『彼らは危険だ』とは言わなかった。
闇雲に恐怖を煽っても、彼女の動揺を強めてしまう。
ただでさえ不測の事態が起きている。
今は『危険の可能性』を伝えるだけでいい。
それに、『彼ら』の素性も全て分かってはいない。
だからこそ、『危険である理由』を詳しく説明するのが難しい。
もちろん、『スタンド能力』のことも含めて。

  「……こちらでは『何か』ありましたか?」

  「私がいない間に……」

411黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/24(木) 20:49:18
>>409
「……!
 ウィルス……それを保持した『何か』が、この街にある……?
 ……まさか、その『何か』を使って……スタンド使いを増やそうとしているということですか……?」

412『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/25(金) 23:30:04
>>410(小石川)

『矢田』:
「そ……そんなことが………………」

矢田は話を聞くと、過度に取り乱すことはせず、
しかし明らかに『おののく』様子を見せている。
現実に起きたそれを『把握している』とはいえ、
聞いてすぐに『理解できる』とは限らない。
『スタンド能力の実例』を見せても、それは同じだろう。

『矢田』:
「わ、分かりました。運転手には私からも説明しますッ。
 『何かがおかしい』のは私達も気付いてました、
 でも、動きを決めるには情報が……」

「いえッ、覚悟が足りてなかった……でも、もう動くしかないッ」

だが、理解せずとも『どうすべきか』を判断する事は出来る。
あるいは小石川のスタンスが、その判断を助けたのかもしれない。

『矢田』:
「あ、あなたがいない……来るまでの間です、よね?」

「それは……ふ、不審な男が来て。……覚えてますッ。
 『ファーコート』に『アフロヘア』で、痩せた感じで……
 『バスガイド』ですから、人の顔を覚えるのは得意でッ」

……? 妙な情報だった。
『アフロヘアの男』など、いただろうか――――?

「それで、あちらの方が……『ベッド』のような物を出して」

      「何か話し合って」

「それで、男は立ち去って行った……そういうことがありましたッ」

>>411(黒峰)

『出雲』:
「呑み込みが早くて、助かります。
 ――――『隕石の刀』の、『鞘と刃』。
 『それ自体』は『この町の一部』として発現した以上、
 この町から出すことはできないッス。そういう『ルール』」

「ですが、それがもたらす影響は外に持ち出せる。
 ここで怪我を負えば『外』に出ても怪我は消えないし、
 何かものを食べれば、栄養も満腹感も『現実』になる。 
 ……『ウィルス感染』も、『現実の物』として持ち出せる」
          
「連中がどこまで知ってるのかは分からないッス。
 もしかすると何も知らず……『刃自体を持ち出す気』だったり、
 すべてを知っててスタンドか何かで『持ち出せると思ってたり』、 
 あるいは……あなたの想像通り、『ここで増やすつもり』かもしれない」

            チラッ

出雲は『バス』を見た。
十数人もの『一般人』が――あるいは巻き込まれたスタンド使いが乗るバスを。
小石川は矢田と話しており、『天雨』と『緑里』は今の所、どちらにも口を挟まない。
というより、彼ら同士で何か話をしている。

「……そうはさせませんが、それにあなたたちを巻き込む気はない」

413小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/26(土) 17:58:48
>>412

やはり、『こちら』にも来ていた。
バスの存在を知っていたのだから、それは不思議なことではない。
ただ、矢田が言ったような人物は『三人組』の中にはいない。
笹暮の話を信じるなら、他に仲間がいたとも考えにくい。
有り得る可能性としては、『レイト』しかないだろう。

  「――そうですか……」

『デストルドー』と『フレッシュ・アンド・ブラッド』は目撃した。
直感だが、
どちらも見た目以上に複雑な能力を持っているとは思えない。
不明点が多いということからも、やはり『レイト』が最も疑わしい。
現時点で考えられるとすれば、
バスに来たのはレイトの能力によって生み出された存在か、
あるいは操られた誰かだろう。
森の中で聞いた『どちらかは偵察に使う』という発言とも一致する。

  「……運転手さんを呼んで頂けますか?」

  「『今後の行動』について話し合いたいのです。
   他の参加者の方にも……
   最終的には伝える必要があるでしょう……」

  「ただ、その前に運転手さんと矢田さん――
   それから私達とで話し合っておくのが良いのではないかと……」

相手のことを考えるのは後回しでいい。
今は自分達について検討すべきだろう。
まず、ツアー側の二人とスタンド使い達で話し合い、
大まかな動きを決めたい。
いずれにしても、斥候の役目は自分が果たすつもりだった。
自分がいない間にバスに来ていたのなら、
姿を見られている心配もないはず。

414黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/26(土) 20:38:53
>>412
「なるほど……刀と鞘、ですか。
 そんなものがあるんですね……。
 ……相手は確かに、よからぬことを……考えていそうではあります……。
 ……あなたがそれを阻止しようとしているのはわかりましたが……ほかに味方はいるのですか?」

415『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/27(日) 02:29:44
>>413(小石川)

存在しないはずの、『4人目』。
敵の能力は『読めない』が、『推測』は出来る。
スタンド能力は、ある程度の幅はあっても『一人一能力』。

『分解』を引き起こしていた『デストルドー』や、
『攻撃能力』と思われる『フレッシュ&ブラッド』に、
人数を増やしたり、隠蔽したりする側面は想像し難い。
勿論『可能性』はあるだろうが――――

『矢田』:
「…………わかりましたッ。呼んできますからッ」

矢田は言葉通り、運転手に声を掛けに戻る。
すぐに戻ってくるだろう。その前に天雨と緑里が、こちらに来た。

『天雨』:
「交渉の役目、お見事でしたわ。
 ……バスガイドと運転手にさえ話が通れば、
 あとは敵スタンド使いだけが『課題』ですわね」

『緑里』:
「一番デカい課題、ですけどねーーー。
 避けるにせよ、話すにせよ……倒すにせよーーー」

>>414(黒峰)

『出雲』:
「『刃』に限らず、古代から……『隕石』やその加工品ってヤツは、
 特別な意味……『神秘』が、つきものだったそうッス。
 それはただ単に物珍しさからじゃあなく……あの『刃』みたいに、
 『神秘の現象』を実際に引き起こしてたから、かもしれない」

ここにあるのはあくまで、『ひと時の夢』に過ぎないと出雲は語った。
現実では失われたといい、持ち出せないソレでさえ、このような『騒動』に繋がっている。
『そんなものがあった』のだ……おそらくは、過去にいくつも。或いは、今も。

『出雲』:
「味方は……………残念でもないッスけど、いないッス。
 外の世界にいる人間の中で、ここのことを伝えてるのは、
 ここを作った人間だけ……あいつは急に呼び出せるわけでもない。
 そしてこの世界の住人には、『外絡みのトラブルの話』をしても今一通じない。
 それは、おれとしても……本来は、悪くない話では、あるんスけど」

「……とにかく、『阻止』するために動けるのはおれだけ、ッス」

出雲の言葉には若干の含みが感じられたが、
それは今追及するには、あまり時間がなさそうだ。
小石川が話を終え、バスガイドが『運転手』に何かを報告している。

>両者

そうして・・・バスガイドの矢田は、無事に『運転手』を引き連れ戻ってくる。
小石川と黒峰。天雨、緑里、出雲。この5人に加え『運営側』の二人。
話し合うのに必要な、つまり……『動ける』面々は揃った。

何もなければ、このまま方針を定め――――『存在しない町』の物語が、『結末』へ走り出す時が来る

416小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/27(日) 16:48:10
>>415

  「運転手さん……『事情』は矢田さんからお聞き及びでしょうか?」

  「不躾ながら『協力』させて頂きたく思います……」

やって来る運転手を見て、そちらに挨拶する。
スタンド使いではないとはいえ、参加者に指示を出すなら、
運営側である彼らからの方が自然に行えるはず。
それを鑑みて、あくまでも『協力』という点を強調しておきたい。

  「最初に大まかな『方針』を決めたいと思うのですが――」

  「『見つからずに避難する』のを最良として……。
   それが出来なかった場合は『交渉』」

  「それも失敗した場合は――
   『力を使う』ということではいかがでしょうか……?」

全員が揃った時点で、そのように提案する。
『力を使う』というのは、文字通り『腕ずくで通る』という意味だ。
もちろん、それをしない方法であったとしても、
『能力』は使わなければいけないだろう。

  「『方法』については――私に『ある程度の考え』が……」

  「まず、私が森の様子を確かめてきます。
   私がいない間に、『ここへ来ていた方』がいたと……
   矢田さんからお聞きしました」

  「私は姿を見られていないと思われますので……。
   そして――私には、
   『知られずに行動する』のに適した『特技』があります」

一般人の二人がいるので、出来るだけ分かりやすい表現を用いた。
『スーサイド・ライフ』の能力は、一般人にも見ることが出来る。
ただ、ここで『使ってみせる』ことは躊躇われた。
そして、ここまで言って話を区切る。
まだ続きがあるのだが、ひとまず全員の反応を見ておきたい。

417黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/28(月) 20:19:01
>>415-416
「……そうですか。
 わかりました……」

(……この世界を維持したい理由はなんなのか……聞きそびれましたね……。
 重要ではないかもしれませんが……)

もう少し聞きたいことはあったが、スタッフたちがやってきたので一旦はここまでにしておこう。

「偵察は、はい、小石川さんにお任せします……」

418『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/30(水) 01:10:51
>>416(小石川)
>>417(黒峰)

『運転手』:
「まだ…………事態を飲み込めてはいませんが。
 上からの指示も仰げない状況ですから……
 ここは協力に感謝し、『脱出』……を、目指したい」

「……私には普通の町にしか思えないので、
 『脱出』というのはどうも、口にして違和感はありますが……」

閉塞感を煽る『赤い空』も、彼や矢田には外とつながる青い空でしかない。
とはいえ、事態が『尋常ではない』事は理解できているらしく、協力を取り付けられた。
小石川の考え通り、一方的な『指示』にしなかったのも、その要因かもしれない。

『緑里』:
「ええ〜、その方針が『最適』だと思いますよ。
 敵だって用があってここに来てるー……んです、
 わざわざ仕掛けなければ、争わずに済む可能性は高い」

小石川の提案に、彼の持論を繰り返し主張する緑里。

『出雲』:
「そこはまあ……敵の考え次第、ッスけど。最悪、敵の目当てに『アテ』があるおれがいる。
 手ぶらで帰るわけにはいかず、とりあえずで襲ってくる……みたいな程度の低い相手でも、
 おれさえ残れば、迷い込んだだけの皆さんは帰して貰える可能性は高いでしょう」

希望的とも、あるいは彼を犠牲と考えれば『悲観的』とも言える肯定をする出雲。
事態に『ついていく』事に集中しているであろう運転手と矢田も首肯する。

『天雨』:
「適材適所、妥当ですわね。異論の挟みようがありませんわ」

能力を活かしての偵察も、先ほどそれを聞いていた天雨が真っ先に肯定したが・・・

『矢田』:
「…………あ、あのぉ〜ッ、『特技』というのは……
 それも、何か、『不思議な方法』なんでしょうかッ」

矢田が疑問を差し挟んだ。彼女はスタンドを知らない。『説明』が詳細に必要かは、微妙な所だ。

419小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/30(水) 03:48:09
>>418

  「……ええ、そう考えて下さって間違いありません」

矢田の言葉に返しながら、どうすべきか迷っていた。
『疑問』は『不信』に繋がる恐れもある。
ささいな綻びが、後になって大きく響いてこないとも限らない。
その可能性を考えると、やはり答えておくべきだろう。
ただ、不要な動揺を避けるためには『方法』を選ぶ必要がある。

  「実際にお見せします。
   矢田さん……『筆記用具』をお持ちでしょうか?」

  「今から私は少し離れますので……。
   その間に、適当な紙に書いて頂きたいのです。
   絵でも文章でも……どんなものでも構いません」

  「私が右手を上げたら――それを私の方に向けて下さい。
   『10秒』数えてから、見えないように仕舞って頂けますか?」
   
  「そこに書かれていた内容を、私が読み取ります……」

矢田に告げ、六人に背を向けて歩き出す。
まずバスの陰に入り、そこで『目』を切り離す。
バスの下を通って『目』を移動させ、
他の人間に見つからない程度の距離まで近付けたい。
それが済み次第、バスの陰から出て『目』から『10m』の距離を取る。
全ての準備を終えたら、六人に『背を向けたまま』右手を上げる。

420黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/30(水) 21:29:02
>>418-419
「……」

小石川と矢田のやり取りを見守る。

421『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/31(木) 22:15:39
>>419(小石川)
>>420(黒峰)

この場に小石川を邪魔したり口を挟むものはいない。
『スーサイド・ライフ』の手練れはその間隙を穿ち、
状況に対して完璧な『準備』をするのに何ら苦労しない。
目玉は最適な配置に付き、誰も何かを疑う様子はない。

『天雨』:
「お手並み拝見、とさせていただきますわ」

『緑里』:
「…………」

緑里や天雨、黒峰は気付いてもおかしくはないだろうが、
あえてそれを矢田や運転手に告げる必要も、ないだろう。

『矢田』:
「は、はい……小さいメモ帳ですけど」

      サラサラ

        サラサラサラ

手元のメモ帳に何かペンを走らせる矢田。

「………………描きましたけどッ」

「これはどういう……?」

しばらくすると、完成したらしい。
全ての準備を終え、右手を挙げた『小石川』――――

       『ギョロ』

その剥き出しの眼球は、いつでも描かれた『猫の絵』を捉えられる。
これは、たしかに一般人にストレートに見せるべき絵面ではない。
不要な動揺を招かないという、小石川の発想は全くもって正しいだろう。

>黒峰

実演に集中している『小石川』には見えないだろうが、
バス車内からその光景を見ている人間は複数いる。
スタンド使いなのか、興味があるだけかは知らないが、
確実に『興味本位』で間違い無いのは『笹井』だろう。
『武谷とヤス』や『マスクを付けた少女』などは不明だ。
この先の『状況』に関わってくるかどうか読めないが、
知っておけば何かに役に立つ…………と、言えなくはない。

422小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/01(金) 12:56:33
>>421

矢田がメモ帳を仕舞うのを待って、六人の下に戻る。
その途中で『スーサイド・ライフ』を解除する。
これで残るものは何もない。

  「……『猫の絵』ですね」

  「詳しく言うと――」

矢田が描いた絵の内容を指摘し、その特徴を告げる。
『疑問に対する解答』としては十分だろう。
原理を理解しなくても、『出来ること』が分かってもらえれば問題ない。

  「私には……『離れた場所を見ること』が出来ます」

  「今のように『後ろを向いたまま』でも……」

  「――いかがでしょうか?」

そこまで言って、矢田と運転手の反応を窺う。
納得してくれただろうか。
それがなければ、本当の意味で協力することは出来ない。

423黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/01(金) 20:00:50
>>421
「……」

(……実は隠れスタンド使いがまだいる……そんな可能性もゼロではありません……。
 とはいえわざわざ敵対する理由は……無いと思いたいですが……)

424『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/02(土) 01:30:42
>>422(小石川)
>>423(黒峰)

『矢田』:
「…………………!! すっ、すッご、どうやって!?」

『天雨』:
「『どうやったのかは分からない』……
 それが『不思議な力』ですのよ、矢田さん。
 分かったところで、使い手以外で再現は出来ない。
 だからこそ『偵察』のための『戦略的価値』がありますのよ」

『矢田』:
「な……なるほどッ? とにかく、ハイッ、十分分かりましたッ。
 こういう特技があるんでしたら、『先に行く』はお任せすべきですねッ」

『運転手』:
「…………ええ」

矢田は誰よりそれを『実感』させられ、
運転手もまた今の光景で『理解』した。
これで、改めて全員が――――いや、この場にいる全員が『協力体制』になる。

『運転手』:
「では…………森の中に問題がなければ、
 バスから皆さん降りていただき……『出口』……へ、矢田さんが誘導を。
 苦しいですが……『ミステリーツアーの一環』として、ここは扱います」

『矢田』:
「は、はいッ」

矢田の言葉で遮られていた小石川の『考え』を、
引き継ぐように運転手がゆっくりと言葉を並べ始める。

『運転手』:
「そして、この町を出た後は……即刻『本社』に連絡し、指示を仰ぐつもりです。
 バスは『出口』からは出せない……でしょう? だから、代わりの足がいる。
 ……出た先の近くに町でもあれば、そこまでは徒歩移動も考えますが。
 いずれにせよ、代わりのバスか、タクシー券か何かを手配し、『帰路』を用意する」

            「ここから出て……皆さんが『星見町』に帰る。
             そこまでは、『不思議な力』はありませんが……
             ツアーバス一筋『10年』、責任を果たさせて頂きます」

                「それとも……そうではない『案』は、ありますか?」

小石川や黒峰の中に既に案があるのであれば、反論や差し込む余地はあるだろう。

425小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/02(土) 07:31:22
>>424

  「ええ……『異論』はありません」

  「ただ――森の中に『問題』があった場合なのですが……」

運転手の口から提案された意見は、
自分が言おうと思っていた内容と概ね一致していた。
しかし、『例の三人』が森に残っている可能性は十分にある。
その時は、何か方法を用意しなければいけないだろう。

  「……おっしゃる通り、バスは『出口』からは出せません。
   そして、あのバスは『目立つ』でしょう」

  「『いざという時』は、
   『バスに注意を引き付ける』というのはいかがでしょうか……?
   もし森に『誰か』がいたとして……
   少なくとも『時間稼ぎ』にはなるはずです」
   
  「その間に、皆さんを『出口』まで誘導して頂けませんか?」

森の中に『三人全員』がいるとしても、
これで『分散』させることは出来ると考えた。
それだけでも、幾らかの隙を作るだけの効果はあると思いたい。
だが、この方法は最低でも『運転する人間』が残る必要がある。

  「――『運転』は……」

バスに慣れているであろう運転手に頼むのが一番かもしれない。
しかし、責任ある立場とはいえ、彼は『スタンド使い』ではないのだ。
危険があるかもしれない役目を、
『一般人』の彼に負わせてしまうことには躊躇いがあった。

426黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/04(月) 19:39:13
>>424-425
「運転手さんに任せる、ということになりますかね……。
 ……その場合、私が護衛としてつきましょう。
 私の『特技』なら、バスにもついていけますから……。
 最終的には私が相手をしている間に、運転手さんはバスを乗り捨ててこっそり『出口』に向かっていただければ……」

427『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/05(火) 23:56:35
>>425(小石川)
>>426(黒峰)

『天雨』:
「確かに――――それならバスは持って来いですわね。
 大きくて、頑丈。バスを運んでこれる場所であれば、
 運転する事も出来ますものね。つまり動きもとても速い。
 私達のような特技を持つ人間も、大半は処理に困るでしょう」

『緑里』:
「そうですねーーー、正面から相手するなら『バイク』でも危ない」

緑里もその言葉にうなずく。
現に、この中で単体で大型のバスにあらゆる意味で付いていけるのは、
搦手抜きでは――――名乗り出た『黒峰』くらいの物といえるだろう。

スタンド使いは一般人よりはるかに優位にいる。
だが、一般人が持つ全ての技術を持つわけではないし、
一般人が操る『機械』や『武器』に勝てるとは限らない。

『運転手』:
「……バスの運転は、ご存じでしょうが『普通免許』と別の技術が必要です。
 ここは……私がやる、やるほかにないでしょう。囮のようで、ぞっとしませんが……
 それが必要な局面だという事は、空気でわかります。……責任を口にした手前、お任せください」

『天雨』:
「『ノヴレス・オブリージュ』。私は支持しますわよ。
 仰る通り、バスの運転は私も出来ませんもの」

小石川の躊躇いも、また空気として伝わったのだろうか。
運転手は緊張の面持ちだが、作戦の要点に志願する。

『運転手』:
「……護衛というのがどのようにやるのかは……
 察せませんが、それは私が口出し出来る事では、ないでしょう。
 とはいえバスを乗り捨てるには多少の時間がかかります…………
 映画のカーアクションのようにはいかない、出口に向かうならなおさらです」

428小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/06(水) 09:06:23
>>426-427

この中でバスの扱いに最も精通しているのは運転手だ。
素人の自分から見ても、
バスの運転が普通の自動車よりも難しいことは理解できた。
慣れていない者だと、十分に動かせないことは大いに有り得る。

  「よろしくお願いします……」

  「……すみません」

運転手に頭を下げて、二つの言葉を告げる。
一つは感謝、もう一つは謝罪。
それしか出来ないことを、心から申し訳なく思った。

  「バスを使うかどうかは『状況』によりますので……
   必要だと感じられた時は利用しましょう」

  「黒峰さん――その時は、お願いします」

彼女のスタンドには、まだ未知の部分も多い。
しかし、何らかの『自信』があることが窺えた。
だからこそ、彼女のことを信じられた。

  「――具体的な『段取り』を決めたいのですが……」

  「先程も申し上げた通り、私が『先頭』に立ちます。
   そして、その後ろから『参加者の方々』を……」

  「一つお願いしたいのですが……
   どなたか私と参加者の方々の間に入って頂けませんか?」

  「私が確認した内容を、
   『参加者側に伝える役割』を担って頂きたいのです。
   私が直接お伝えすることは距離的に難しいので……」

  「それをしてしまうと、見つかる恐れも大きくなります。
   ですので、どなたか……」

矢田と運転手以外の四人の顔を見渡す。
黒峰には、万一のためにバスの近くにいてもらう方がいいだろう。
出雲は、まだ人となりが明らかにはなっていない。
緑里は能力が不明だ。
この中では、天雨が適しているように思えた。

  「天雨さん――お願いできますか?」

出雲が現れた時、彼女は『奇襲を目論めば分かる』と言った。
もしかすると、
『動きを掴む』ような能力を持っているのではないだろうか。
後方にいる参加者達の様子を知ることもできるのかもしれない。

429黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/06(水) 21:17:37
>>427-428
「……了解しました……。
 運転手さんたちには、少し前にベッドを見せましたよね……あれが私の『特技』です……。
 車のように乗り回せますから、機動性は充分です……。
 ……敵を一時でも足止めできれば、走行するバスに追いつくことは困難でしょう。
 脱出するために、必ずしも敵を倒す必要はありません……」

430『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/08(金) 00:32:30
>>428(小石川)
>>429(黒峰)

『出雲』:
「――――足止めが必要になれば、その時はおれも。
 おれはこの町の外に出るつもりはありませんから、
 最後、黒峰さんが脱出する時間は確実に稼げるはずッス」

人となりが明らかでないとはいえ、
『脱出』が必要無いのは彼だけだ。
黒峰と並ぶ、足止め役としてカウントすれば良いだろう。

『天雨』:
「ええ、お任せくださいまし。私の『特技』は『補佐全般』。
 『索敵』もまたその一環。この中の誰より的確に行える自信がありますわ」

天雨も、言葉通り自信に満ち溢れた笑みで答える。

『緑里』:
「じゃーーー、おれは後ろの方で万が一のとき、
 逃げ遅れたりはぐれる乗客が出ないように見ときますよ。
 敵が出て矢田さんが誘導すればふつ〜は着いてくでしょうけど、
 正義感とかイキりで残るヒトがいたら、ヤ〜バいですからね〜〜〜」

そして緑里も、だ。彼も役目を買って出る。
危険性は低いが、全体の安全性を高めるには必要かもしれない。
勿論、何かあるならそれを彼に任せるのでもいいだろう。

『運転手』:
「…………謝られることなんてありません。
 こうなれば、やるべきことを、全員やるだけです……!」

作戦の概要はこれでまとまったと判断するなら、運転手もすでに準備は出来ている。

431小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/08(金) 08:48:31
>>429-430

  「皆さん――よろしくお願いします」

  「必ず『成功』させましょう」

これで一通りの話し合いは済んだように思う。
今は時間が惜しい。
できるだけ早く行動を起こした方がいいだろう。

  「私からは以上です……」

  「参加者の方々に伝えるのは、
   矢田さん達にお任せしてよろしいでしょうか?」

  「私は先に行っておきますので……
   その間に『周知』をお願いします」

止められなければ、そのまま歩き出したい。
少し進んだ所で立ち止まり、天雨の方に向き直る。
そして、再び『スーサイド・ライフ』を発現する。

  「天雨さん――途中まで同行して頂けませんか?」

  「『先程お願いした件』について、道々お話したいことが……」

『スーサイド・ライフ』の射程距離を考えると、
『仲介役』をしてもらうためには一緒に来てもらう必要がある。
彼女に何か用があるなら、その場で少し待つ。
同時に、どこか近くに『タクシー』が見えないか探しておきたい。

432黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/08(金) 23:31:01
>>430
「……ありがとうございます。
 よろしくお願いします」

出雲に礼を言い、とりあえずはバスの方へ。

433『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/09(土) 01:34:38
>>431(小石川)

脱出作戦の種は撒かれ、議論という水も遣った。
後は行動により、それを実らせるだけだ。その時は近い。

『出雲』:
「…………御武運を。今はただ、祈ってるッス」

『矢田』:
「はいッ、この後の行程をあくまでツアーの一環として、
 なるべく混乱を招かないように……伝えておきますッ」

他の一同は、もともと乗客ではない出雲を除き、
一旦バスの車内へと引き上げていく。

残ったのは小石川、そして天雨。作戦の第一段階だ。

『天雨』:
「ええ、勿論…………よろしくてよ。
 状況が動き出して仕舞えば話してはいられない。
 全て予定通りに行くとは限らないけれど…………
 予定を持っていれば、それを指針に出来ますもの。
 詰められる点は、今のうちに詰めておくべきですわね」

     ツカッ ツカッ

今になって特に用も無いらしく、如雨露を構え、
少し離れて小石川の後ろを付いてくる天雨。

歩きながら周囲を見渡せば……タクシーは一台見つかった。

>>432(黒峰)

バスに戻る黒峰。
小石川と天雨、出雲を除く一同も、同じく乗車する。
現時点では『どうなるか』が分からない以上、
彼女らから報告があるまでは『待機』せざるを得ない。

『矢田』:
「 …………… えぇ〜〜〜〜みなさまッ!
  たいっへん、長らくお待たせいたしましたぁ〜ッ 」

    「 この不思議な町! 『紅鏡町』観光は! 楽しんでいただけましたかぁ〜〜っ!? 」

矢田のアナウンスへの反応はあまり著しくはない。
危険に遭遇はしておらずとも疲弊している人間が多く、
何かが起きていることを察している人間も、また多い。

とはいえ表立っての反発は無い。
寝ている者を除けば、みなガイドの話を聞いていた。

「 えー! これから当ツアーの、次の行程について説明させていただきまぁすッ 」

・・・と、その時。

『??』:
《…………き、聞こえるかい。外にいた人たち》

        《聞こえるなら反応してくれ》

これは……『スタンド会話』か?
バス車内の誰かがスタンド会話で話しかけてきている。

434黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/09(土) 19:41:28
>>433
「……」

(案の定……隠れスタンド使いはいた、ようですね……)

『……はい……聞こえます』

こちらもスタンド会話で返す。

435小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/09(土) 21:38:28
>>433

  「――天雨さん……『これ』を」

タクシーに向かって歩き出す。
その途中で、『スーサイド・ライフ』を振るう。
『耳』と『小指』を切り落とし、その二つを天雨に渡しておく。

  「何か伝えることがある時は『耳』に向かって話して下さい」

  「こちらから返答する時は『指』を使います……」

  「手の平に『文字』を書きますので……
   それを読み取って頂けますか?」

  「『10m』が限界ですが、
   『トランシーバー』の代わりにはなるかと思います……」

  「私が先に進みます。天雨さんは後ろで待機を……」

タクシーに乗り込む前に、それだけ話しておく。
もし自分に何かが起きた時も、情報は伝達できるようにしておきたい。
彼女が承知してくれたら、天雨と共にタクシーに乗り込む。

436『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/11(月) 02:17:16
>>434(黒峰)

『矢田』:
「 当バスはッ このあと『紅鏡町』が誇ります〜〜〜〜〜 」

            「 『森林浴』の名所に向かいましてッ 」

  「 バスを降りて、森の中のコースを散歩する予定でェ〜〜〜す 」

「 そこでは『今までにない出来事』も待ち受けている、かもッ!? 」

                    ザワ  ザワ

『笹井』:
「森林浴だって。あんたマイナスイオンとか信じてる?
 ……それとも、これもなんか、『よくわかんない話』だったりする?」

笹井も外での集まりから、何かの『事態』を察してはいるのだろう。
他の乗客の反応はまちまちだ。緑里は「良いですねぇ〜〜〜」と歓声を上げた。

それより・・・いや、優先度が高いとは限らないが、スタンド会話は続く。

『??』:
≪や、やっぱりスタンド使いの集まりだったのだね?
  ……わ……わたしも『スタンド使い』なんだ。
  自慢じゃあないが、けっこう大した能力なんだぞ。
  それに、それを扱うわたしの知性の方もね……ふふん≫
  
≪ただあいにくだが、一緒にいる……友だちは『ちがう』んだ。
  それもあって、この町の謎はまだあまり解き明かせていないのだが……
  とにかくこの町は明らかに何かおかしい……きみ達は何かわかったのかね!?≫

彼女は――――スタンド使いゆえに『赤い空』は見えているだろう。
が、連れ合いの一般人がいれば、その異常は『連れから目を離せない』理由に変わる。
覇気のない口調もあってどの程度のスタンド使いなのかは謎だが、町について未だ無知なのは必然か。

>>435(小石川)

「……どうしても、『ショッキング』な絵面ですわね。
 先ほど見せないように動いたのは英断でしたわ。
 あなたは考えて動ける……信用に足る人間でしてよ」

          スゥ

「ええ、『文字』……そうですわね、それに加えて、
 簡単な符丁を用意しておきましょう。念には念を、ですわ。
 私の言葉に『イエス』なら『1回たたく』。『ノー』であれば『2回たたく』。 
 丸やバツだと、『オー』や『エックス』と区別できませんもの。
 ああ、それと……緊急の危険自体なら『爪を立てる』んですの。
 私の手のひらが傷ついても良い。それくらい、しっかりとね」

              「――――よろしくって?」

耳と指を手に取り、それを掌に包んで、
天雨もまたタクシーに乗り込もうとする。

運転手は行先を聞けばすぐに『目的地』まで飛ばしてくれるだろう。

437小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/11(月) 19:16:46
>>436

  「……ええ、行きましょう」

『スーサイド・ライフ』を脚に突き刺して、外部から見えないように隠す。
それが済んだらタクシーに乗り込む。
矢田が時間を稼いでいる間に、情報を持ち帰らなければいけない。

  「――まで、お願いします」

運転手に、森から少し離れた所で止めてもらえるように頼みたい。
その条件さえ満たしていれば、具体的な場所には拘らない。
この役割は、少しでも疑いを抱かれた時点で失敗と思うべきだろう。
少なくとも、それくらいの緊張感を持って臨む必要がある。
『そういう人間』が相手なのだし、
『そういう人間を出し抜かなければいけない』のだから。
まず、入り口付近は見張られている可能性もある。
そうだとすれば、近くで降りるのは危険だ。

  「――……」

『緊急の危険』――ない方が好ましいことは間違いない。
もしそうなったとしても、情報だけは伝えたい。
最低限の役目を果たさなければ、『出口』に近付く意味がない。
状況次第によっては、自分が『囮役』になることも考えていた。
元々、他の参加者達が脱出した後も残る気でいたのだから。

438黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/11(月) 21:05:55
>>436
「マイナスイオンは……あまり信じられませんね……。
 ……森では、少々『トラブル』が起きるかと思います……」

『はあ……。
 ……ここはスタンド使いによって作られた異世界……のようです。
 現実へ脱出できる穴が森にあるので……みんなでこれからそこへ向かう、という流れです……。
 ええと、あなたのお名前は……?
 私は黒峰と言います……』

439『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/13(水) 10:05:39
>>437(小石川)

              スゥ……

常套手段ではあるが、脚を鞘にすればほぼ間違いなく発見はされない。
自己完結した完成度の高い手は、繰り返しても中々『陳腐化』しないのが強みだ。

やがて車は止まり、代金は天雨が支払った。
彼女に言わせればこれも、『ノヴレス・オヴリージュ』だろう。

『天雨』:
「……私は戦いは得手ではないけれど、
 貴女一人よりは二人の方が、きっとよろしくてよ。
 繰り返すけれど、緊急事態があれば……すぐ伝達なさい」

小石川の立ち振る舞いに何かを感じたのか、
天雨は案じるような言葉を送ってくる。

視界の先に森が広がる。異様な光景などはない。
あるいは、彼等『危険集団』も既に帰っている・・・
そんな展開もあり得るかのように、思わせるほどだ。

もっとも、希望通り距離はまだそれなりに離れており、
至近距離になれば……変わるかもしれないのだが、
少なくとも森に立ち入るまでに何か起きる空気はない。

      オ  オ  オ  オ   オ

風が唸るように吹き、木々を揺らす音はここまで聞こえた。
小石川を待ち構えるかのように・・・後は、足を踏み入れるだけだ。

>>438(黒峰)

『矢田』:
「 出発までにもう少々時間ありますのでぇぇ〜〜〜〜っ 」

        「 お手洗い 」

    「 お飲み物ッ 」

「 などなどッ、準備の方は今のうちにお済ませくださいませぇぇ〜〜〜〜 」

    ザワザワザワ…

数名が席を立つ。
彼らに特に何か意図があるわけではなさそうだったが、
同じく立ち上がった緑里がそれとなく目配せを寄越す。
はぐれる人間が出ないようにする、といった所だろうか。

『笹井』:
「あたしもマイナスイオンは信じてないケドさぁ。
 森林浴は『フィトンチッド』ってのが効くらしいわ。
 ちょっと前に流行ったときに調べたから本当の事」

「トラブル、ね。トラブル……
 私が気を付けといたらなんとかなる? どう?」

笹井は・・・豆知識を披露したかったのだろうか?
あるいは不安を増す状況に、日常を保ちたかったのか。

『??』:
《…………な、なんだ! もう解決の糸口は掴めていたのだね。
 それなら良かった……謎は残るが、い、命には代えられないからな》

謎の声の主は安堵した口調で返してくる。
そして・・・

《わたしの名前は『小角(オヅノ)』…………よろしく、黒峰さん。
 それと、さ、先に言っておくけれど、わたしの能力には期待しないでほしい。
 事情があってね、異空間とはいえあまり『濫用』は出来ないんだ。それに…………
 もう、ここに解くべき謎はないのだろう? あとは出るだけ、なら》

440小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/13(水) 19:30:22
>>439

  「……分かりました」

  「天雨さん――私の後ろへ……」

  「できるだけ『10m』の距離を保っておいて下さいますか?」

天雨に告げてから、森の入口へ近付いていく。
まだ何も見えないが、まだ何も分からない。
だから、『最悪の最悪』まで想定して動く。

入口に着いたら、まず『バイク』を確認する。
『レイト』らしき少女が乗っていたはずだ。
それがあるかないかも、一つの判断材料になる。

付近に誰もいないことを確かめたら、次の行動に移る。
脚に隠した『刃』を引き抜いて、『目』を刳り貫き、また『鞘』に戻す。
『目』を遠隔操作し、自分の立つ地点から『10m先』まで先行させる。
こうすることで、『目』と天雨の間に『20m』の距離を作る。
本体である自分を『目』と天雨を繋ぐ『中継基地』にするということだ。

自分は入口から動かず、まず『目』だけを向かわせる。
射程限界まで進めてから、本体も後を追って森に踏み込む。
周囲の安全を慎重に確認しながら、調べる範囲を拡大していきたい。

441黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/13(水) 21:05:17
>>439
「どうでしょう……。
 もし不審人物とかが近づいてきたら、車内に入れないほうがいいでしょうけど……」

『……残念ながら、敵対勢力がいて、妨害される可能性があります……。
 その場合は私が追い払うつもりですが……出来る範囲で、協力をお願いしたいです』

442『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/13(水) 23:38:28
>>440(小石川)

バイクは存在した。森の中に乗り入れるのは困難だろう。
とはいえ、森から出て町に向かっているなら放置はあるまい。
目をくりぬく光景には、天雨はもう慣れたようだった。

「ええ――――付かず離れず、10mで行きますわ」

             スッ

「そして、『10cc』」
「私が水を掛けた場所には花が咲く。射程は15m……
 そしてその花が、私に近くの『振動』を教えてくれますの」
          
                サワワワワ…

「花の命はほんの短い時間ですけれど、保険にはなりましてよ」

彼女は取り出した如雨露で、
足元に水を撒き始める。  
特に今は感知する物もないようで、飛んでいく目を見守る。

そして――――1m、5m、10m。 目も特に、何も感知するものはない。     
小石川が森に足を踏み入れると、天雨も動きだす。11m、15m、20m……何もない。

「『計画に狂いが出て、すでに撤退した』――――それならありがたいのだけれど」

天雨の声が、ささやくほどの声量で『耳』から受け取れる。それも、あり得ない話ではないが。

>>441(黒峰)

『笹井』:
「ふぅん……そうなんだ。
 でもあたしさ、喧嘩とか得意じゃないのよね。
 車内に入れないか……どうすればいいかな……」

笹井も何か考えてはいるようだが、
スタンド使いではない以上、
出来る助力はささやかな域に留まるだろう。

『小角』:
≪てっ……敵対勢力か……ここを作った人間か?
  い、いや、それは別に『どちらでもいい』のか……どうせ敵だ。
  ただ、しかしだね、残念ながらわたしのスタンドには『攻撃力』はない≫

         ≪協力は……で、出来なくはないが。
          出来る事なら……わたしの友達から離れたい。
          こんな事態に、あまり深入りしてほしくないんだ。
          でも……わたしが近くにいないと『異常』を察せない。
          だから、彼女らを見ていてくれる『スタンド使い』が必要だ。
          きみが見ていてくれても良いし、さ、さっきの仲間の誰かでも≫

  ≪それと……人数も欲しい。
    わたしの能力は『協力』で力を増すのだが、
    事情を知っている人間か……もしくは、
    事情を『知らせて構わない人間』が条件になるんだ。
    わたし一人でも極論いいのだが、多ければ多いほど……≫

≪わたしは……完璧な『情報』をきみたちに提供できる。どんな『情報』でもね≫

443小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/14(木) 00:14:00
>>442

バイクは『移動手段』だ。
遠くに移動するのなら使うはずだし、移動しないのなら使う必要はない。
順当に考えれば、『バイクを使っていない』ということは、
『レイトは移動していない』という結論になる。

        トンッ

指で天雨の掌中を一度だけ叩く。
これは厳密には『イエス』ではなく、
『撤退していたなら嬉しい』という言葉に対する『同意』のサインだ。
特に返事をする必要もないかもしれないが、
定期的に反応を返しておくことで、
いざという時の対応に遅れを出すことのないようにしておきたい。

  ――『誰もいない』……?『本当』に……?

既に引き上げてくれたなら『最善』だが、警戒は怠らない。
依然として、『三人全員が森に残っている』という前提で動く。
何も問題が起こらなければ、そのまま『出口』の方向に進み続ける。
移動の際は、できる限り遮蔽物の近くにいることを意識する。
第一の目標として、『出口』を『目』の視界内に収めたい。

444黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/14(木) 19:49:35
>>442
「無理はせず……。
 なにか怪しい人を見つけたら教えてくれるだけでもいいですし……」

『このバス内で協力者となりえるのは……私と、さっき外へ出た緑里さんと、スタンド使いではないですがスタッフのお二人……ですね……。
 敵との戦闘になった場合、私は車外へ出ることになりますので……見張り役は、緑里さんが適任かと思います』

445『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/14(木) 23:41:42
>>443(小石川)

『天雨』:
「反応、感謝いたしますわ。
 ――――今の所何もない、ようですわね」

足音は聞こえないが、振り返れば天雨も着いて来ている。
振り返ることが出来る程度に、前方には何も見当たらない。

              オ オ オ オ ・ ・ ・

気になるのは――――先ほど『デストルドー』が力をふるい、
バラバラにされていた『茂み』の痕跡さえ見たらない事か。
森に草の茂みなど幾つでもあるが、あの『破壊』の痕が無い。
なぜなのか。いずれにせよ、それ以上の疑問が起きる余地もない。

                      オ   オ   オ   オ   ・  ・  ・

『???』:
「…………………………」

そして――――

      「……『彼』も予想できていなかった、
       多大な『イレギュラー』がある以上……
       …………あまり無理な動きは出来ない。
       ここに『アレ』があるとしても…………だ」

「……ああ…………
 これ以上は『アリーナ』が嗅ぎつける可能性も、ある…………」

出口の『穴』の付近に一人、『木』を『椅子』のように『組み替え』、
そこに座る男がいたl。銀髪の男……間違いなく『デストルドー』の本体。

「…………そうだな、『無関係』なら……だが、
 その女性のスタンスが全体のスタンスとも……限らない。
 深追いはしないが……………『素通り』させるのも、どうかと、な」

     「……心配性か? ……そうかもな。 レイト……駒は動かせるか?」

トランシーバーを手にする彼はまだこちらに気づいてはいない。目からの距離は『15m』ほど。

>>444(黒峰)

『笹井』:
「あそっか、ま〜そんな変なヤツいたら
 あたし以外でも気づきそうだけど、
 一応……ちょっと気を付けとこっかな」

小石川が偵察に出ている役に立つかは分からないが、
これも保険にはなるだろう。仮に実を結ばなくても意味はある。

『小角』:
≪そ、そうか……出来る人がいるんだね。
  ただわたしの能力はそれなりに『時間』がいる。
  戦闘中にリアルタイムで調べるというよりは、  
  『今のうちに調べておく』方が、どちらかといえば得意なんだ≫

≪もちろん戦闘が起きてから、必要な情報を探る事も出来るが……
  どちらもする、というのは難しい。発動にその、『お金がかかる』のでね。
  それも『特別なお金』で、『現金』に限る……今のわたしには持ち合わせが少ない≫

珍しいタイプのスタンドだが、『金銭』という特別な対価は『効果』の大きさも予感させる。
この場で緑里や小角の友人に話を付けて『先に調査しておく』のか、それとも、
何かが起きてから目の前の『何を調べるべきかはっきりした状況』を解決するのか。

≪いつ調べるか、何を調べるか…………ううむ≫

小角自身には、話を聞いたばかりのためか現状でははっきりした『ビジョン』は無さそうだ。
黒峰の方でしてほしい方向性があるのであれば、それを指示すればやってくれるかもしれない。
あるいは放っておいても、それはそれで事態に合わせて動いてくれる……のかもしれない。

『???』:
≪………………その敵ってのは、『スタンド使い』だろ?
  どういう能力のヤツがいるのかは……わかってんのか?
  分からないなら……それを調べたら『優位』に立てるんじゃねえの≫

と、そこにさらに別の『スタンド会話』が重なる。少なくとも『もう一人』……息をひそめる使い手がいる。

446小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/15(金) 01:25:00
>>445

  ――……!

その場で立ち止まり、すぐに適当な木陰に身を隠す。
相手の方から『情報』を提供してくれているなら、
それに逆らう必要はない。
『銀髪の男』が喋り終わるまで、話を聴き続ける。

        ヒ ト リ
        
              イ ル

『指』を使って、後方の天雨に『サイン』を送る。
賢明な彼女なら、こちらの動きを見て隠れてくれるはず。
まずは、このまま状況を窺う。

  ――『駒』……。

やはり、『バスに来た男』というのは『操られた人間』か、
『レイトの能力で作られた何者か』らしかった。
傍目には普通の人間と変わらず、本体の指示で動かせる。
いつか共闘した『フラジール・デイズ』と似たような存在なのだろう。

そう考えると、『銃』の点は引っ掛かる。
もしかすると、操っている相手が『スタンド使い』なら、
その『スタンド』を使えるのかもしれないが、想像の域を出ない。
あるいは、何か『複製』のような能力かもしれないし、
『フレッシュ&ブラッド』が『二丁』あるのかもしれない。

  ――『行き先』は……。

『駒』の目的地は、おそらく『バス』だろう。
会話の脈絡から判断すると、そうとしか考えられない。
最も不味いのは、今はバスの近くに『出雲』がいるということ。
彼の存在を知られないようにしなくてはいけない。
こちらからはどうすることもできないので、
それは黒峰達に任せるしかない。

         ヨ ウ ス 
       
               ヲ
       
                 ミ ル

『指』を使って、後方の天雨にサインを送る。
次に確かめたいのは『残る二人』の所在だ。
トランシーバーの会話から、それを掴むことができるかもしれない。

  ――……。

どうやら『銀髪の男』は、あの場所から動く気がないと思っていい。
そのために『椅子』まで作っているのだから。
あの場所に陣取って、
通過しようとする人間に『チェック』を入れるつもりなのだろう。
不審を確かめずにはいられない彼の『慎重さ』を利用すれば、
無理にでも動かす手は幾らか思いつく。
しかし、『安全に検問を通過すればいいだけ』で済むなら、
それを使う必要はない。

447黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/15(金) 20:18:32
>>445
『……あなたは……?』

(まだ、スタンド使いがいたんですね……)

『敵の能力……私が知っているのは、少し前にこのバスが襲撃されたときに……見たスタンドだけですね……。
 ……詳細はわかりませんが……物体の温度と本体の感情を同期させているように思えました……。
 他に二人、仲間がいるようですが……そちらの能力はわかりません……。
 確かに、能力は事前に知っておきたいですが……できますか?』

448『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/16(土) 02:14:45
>>446(小石川)

            サッ……

木陰に身を隠せば、なおのこと見つかる可能性は低い。
天雨も当然、小石川の伝達ですぐに身を隠してくれた。
偵察に来た甲斐は大いにあったと言って良いだろう。

『銀髪の男』:
「……そう………それもそうではある。無用な接触自体が、
 連中の……俺たちへの……『敵意』に繋がる可能性もある。
 ……そんな藪蛇には心底意味がない…………それが『最悪』だ。
 それに……あの職員への奇襲とは訳が違う……事前情報もなく、
 人数もスタンドも…………何も分からない。全滅さえ『心配』だ……」

「それならまだこちらから完全な奇襲の方が…………幾分か早いが、意味も薄い」

文脈から察するに、彼らに積極的な敵対の意図は、やはり今も無い。

「だから…………そうだ…………『駒』を用いたいが…………」

「………………だが……ああ、だろうな…………やはり『足りない』」

・・・正体不明のバスに対しては、だ。
社会正義や道徳、小石川の信ずるもの、守るべき物、価値観には対立し得る。
少なくとも裏にどんな理由があれ、敵対したスタンド使いに『あそこまでやる』男だ。

「…………ああ」

「…………………………なら……待ち伏せが丸いか。
 凡人共はともかく、スタンド使いはやはり『素通し』は不味い。
 ゆえに…………『駒』で敵意を確かめ…………必要なら『狩る』
 ……おれの『デストルドー』ならば…………問題なく遂行出来る。

 ……この役目はゴウには任せられない…………レイト、お前の駒が頼りだ。
 ……ああ。駒のせいで敵意を燃やされたなら…………最悪、捨ててくれ」

         「ああ…………苦労を掛けるが…………ゴウには、おれから説明する」

               ザッ

木の椅子から男は腰を上げ、緩やかに立ち上がる。
が、椅子を元に戻す様子はない。すぐ戻るのだろう。
出口の外へと歩いていく……『ゴウ』に説明するために、のはずだ。

そうなると、通話相手であろう『レイト』は、『出口の外にはいない』……という事だろうか?

>>447(黒峰)

『小角』:
《な、なんだい急に…………!》

『??』:
《…………………そっちの奴(小角)と似た事情だ。
 ツレの問題ってだけじゃないけど…………………
 あんまり派手に動けない。必要なら動くけど……
 …………それより、出来るんだろ? ……能力の調査も》

『小角』:
《も、もちろんそれは可能だ! ……おほん、それに能力だけじゃあないぞ。
 相手のおおまかな人数から配置、伏兵の有無や、こちらの推察が合ってるかの確認!
 他にもなんだって……ああ、『はい』と『いいえ』で答えられるならなんだって分かるのさ!》

要はなんでも出来る、という事だろう。
必要なのは彼女が支払う対価と、能力を発動するための環境の作成。
あるいはこの場では使わず、実際に接敵した相手や状況をリアルタイムで調べさせるか。

『小角』:
《能力の方で具体的に言えば…………もちろんきみが考えてくれていいのだが。
 その『温度の能力』の条件や性能をもっと深く掘り下げることも出来るし、
 未知の能力の中に『特定の能力があるか、ないか』を調べたりとか……そういうのも出来るぞ。
 例えばだね、『広範囲を巻き込む攻撃』を使えるスタンド使いがいるかどうか……とかだ!》

・・・小石川が戻るまで、あるいは動く必要が生じるまでなら、考える余地はあるだろう。

449小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/16(土) 03:24:09
>>448

『レイト』がバイクを動かしていない理由は何か。
遠くに行くなら使うだろうから、近くにいると考えられる。
少なくとも、トランシーバーが通じる程度の距離だ。
そういえば、彼女はヘルメットを『投げ捨てていた』。
単に荒い性格だからとか、
機嫌が悪かったなどという理由とは思えない。
『置く』ではなく『投げ捨てた』ということは、
ずっと使い続ける気は最初からなく、
あくまで『一時的に利用しただけ』の可能性がある。
そう考えると、バイクの有無は大して重要ではない。

  ――……。

まず、『銀髪の男』が『出口』を固めている。
そして、『ゴウ』が『笹暮の監視』を継続している。
『レイト』は『駒』を使って『バス』を見張り、
それを『銀髪の男』に報告している。
情報を整理すると、概ねこういう形になるだろう。
これだけ掴めれば、もう『十分』だ。

    ヒトリメ デグチ マエ

         フタリメ デグチ ソト

             サンニンメ バス カンシ

天雨に『サイン』を送る。
彼らは、自分達の考えが筒抜けになっていることを知らない。
『情報戦』という分野なら、こちらに分がある。

    デグチマエ ケンモン

          メイカクナ テキイ ナシ

               ウマクスレバ ツウカ カノウ

後は、この情報を持ち帰るだけだ。
『駒』が探りに来るまでには間に合わないだろうが、早い方がいい。
そして、『メッセンジャー』は一人いれば事足りる。

    モドッテ クダサイ

          ワタシ ノコル

天雨に『帰還』を指示する。
そして、自分はこのまま待機を続ける。
『斥候』の役目は終わった。
ここからは万一の場合に備えて『伏兵』になる。
何かトラブルが起きた時に、隙を作れるようにするために。

450黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/16(土) 20:21:58
>>448
『では……とりあえず「広範囲攻撃のスタンド使い」と、「バスの走行に追いつけるスタンド使い」の有無を調べてもらえますか……。
 お金というのはどれくらい必要なのでしょう……?』

451『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/17(日) 23:47:28
>>449(小石川)

トランシーバーの『有効距離』は機種によって異なる。
500mに満たないものも、数キロに及ぶものもあるが、
それでも長くて『10km』は届かない――――

数キロ。中継点にレイトがいるのであれば、
バス付近の駒とこの森の奥を繋ぐことは不可能ではない。
それほど広い街でもない。タクシーならすぐに行き来できる距離。

『天雨』:
「…………深追いは厳禁でしてよ」

短い言葉をかけ、天雨はおそらく、バスに帰還するため動き始めた。
深追いはしない――――この場に残る小石川に『危険』は起こり得るが、
その可能性を突き詰めて『押し問答』をするつもりは、彼女にないらしい。

        オ  オ  オ  オ  ・・・

木々を揺らす風の中、銀髪の男はトランシーバーもしまい、出口の外に去る。
小石川の存在が気付かれているとは思えない。伏兵を望むなら、その障害は無い……か?

                                    ガサ …    ガサ …

>>450(黒峰)

『小角』:
≪わかった、そのあたりについて調べよう。
 お金は……わたしにしかたぶん支払えない。
 必要なのは『行動』で手に入れた『マネー』なんだ。
 お給料とかお小遣いじゃだめで……1回に『1万』≫

≪同じような話題について質問し続けると増額していくが、
  2回目までは1万……3回目で2万、その後ずっと増えていく≫

≪わたしの所持金は……今ここにあるのは『5万』だけ、だ≫

行動で手に入れた、マネー。
何を意味する言葉なのかは不明瞭だが、
はっきりしているのは『現金』であることと、
『黒峰は現時点でそれを所持していないこと』だ(※『ミッションマネー』に限定)

『小角』:
「…………」

       スクッ

≪今立ったのがわたしだ。……バスの外で『調査』を行いたい。
  うまくわたしの『友だち』が着いてくるのを足止めするか……
  もしくは外にいる『緑里』という人に話を通してくれるかい?≫

おもむろに座席の一つから立ち上がったのは、シルバーブロンドの髪の少女。
そして横に座っている友だちらしき『ベレー帽』の少女が、何事か話しかけようとしている。

452小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/18(月) 00:32:47
>>451

  トンッ

最後に『イエス』のサインを送り、天雨と別れる。
『耳』と『指』はまだ回収せず、そのまま物陰に潜ませておく。
そして、『音が聞こえる方向』を、気付かれないように『目』で確認する。
『レイト』が戻ってきたとは思えないので、『駒』の片方だろうか。
『どちらかは偵察に使う』という言葉から、
最低でも『二人』いることは予想できる。
もし、片方にはバスを探らせて、もう片方には森を探らせているなら、
対処する必要が出てくる。
もし見つかったとしても、目的を悟られなければ乗り切る手はある。

本体は木陰に隠れたまま、もっと隠れやすそうな場所がないか探す。
より面積が大きく、『出口』から離れすぎない場所がいい。
可能なら、『銀髪の男』が戻ってくる前に、
より都合の良い場所へ移っておきたい。

453小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/18(月) 00:59:23
>>452

『音の正体』を突き止めるのが最優先なので、移動はまだしない。

454黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/18(月) 19:14:59
>>451
『了解しました……』

「……ちょっと、外へ行ってきます……」

笹井に告げてバスの外へ。
緑里の姿を探す。

455『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/19(火) 03:50:00
>>452(小石川)

          ザッ …   ザッ …

足音――――何者だ? 分からない。誰かが歩いているのは分かる。
小さな足音ではない。おそらくは『大人』で間違いないだろう。
眼球を用いて方向を確認する。木々の狭間から、その姿が遠くに見えた。

       ザッ …  ザッ …

――――『アフロヘア』

黒いアフロヘアに、『防寒着』……ファーコートを着た痩せぎすの男。
バスガイドの矢田が口にしていた、小石川にとっては『未見』の男だ。

                    ザッ …

       キョロ   キョロ

距離は離れており、間には木々もある。すぐに発見されるような事はあるまい。
敵に手勢が二人いるのは、小石川の推測が正しければほとんど『確定』だろう。
その内一人は哨戒か、探査か、あるいはバス側に既に顔が割れているからか、
この森に残り……小石川が『動く』事に対して、大きな障害になり得る。目算『20m』。

>>454(黒峰)

『笹井』:
「あたしも……は、行かない方が良い感じか」

笹井が着いて来るような事もなく、バスの車外に出る事が出来た。
外には緑里が、バスから離れすぎない程度の位置で……どこを見ている?
乗客たちがはぐれないように眺めている、とも取れなくはないが……

『緑里』:
「…………」

        ≪…………? どうかしました〜?≫

周囲の全体を見渡しているようで、彼の視線は一定の範囲でのみ動いていた。
何かに気づいたのかもしれないし……それを追求するのと要件、優先順位は黒峰次第だ。

456小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/19(火) 05:32:28
>>455

  ――『四人目』……。

おそらく『駒』は二人いる。
『こちら』をここに残した理由は、
やはり『一度バスに向かわせているから』という可能性が高い。
つまり、バスを探りに来るのは『もう一人の方』ということになる。

  ――……。

思考を巡らせる。
もし『駒』が『人』ではなく『スタンド』だとしても、
強引に排除しようとすれば本体には分かってしまうだろう。
そうなれば、安全に脱出する道は閉ざされてしまう。
しかし、このまま動き続けるのも危険だ。
『スーサイド・ライフ』の能力を駆使すれば、
『隠れ切る』ことは不可能ではないにしても、
『その先』を考えると、消耗は最小限に抑えたい。

  ――『残る利益』よりも……
     今は『見つかった時のリスク』の方が大きい……。

『駒』の様子に注意を払い、隙を見て森の外に向かって移動する。
『四人目』が森を徘徊していることも伝えなければいけない。
そのために、一旦バスに戻ることにする。

457黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/19(火) 22:15:59
>>455
『バスの中にいたスタンド使いの方が、協力してくれるそうです……。
 ただ、何も知らない友人を巻き込みたくないとのことで……着いてきそうなら足止めをお願いしたいのですが……。
 ……そちらの方に、何か気になるものでも?』

緑里が見ていたと思われる方を眺める。

458『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/20(水) 23:19:55
>>456(小石川)

バスへ戻るのであれば、森を抜ける事になる。
それに大きな苦労はない……敵はそれほど大人数でもない。
勿論『レイト』の能力次第では覆る前提ではあったが、
少なくとも人海戦術でバスを跡形もなく消し去るだとか、
無限に捜索の手を回せるなら先程の『通話』と合わない。

  ザッ……

           ザッ……

アフロヘアの男も、こちらに気づく様子は無い。
遠ざかっていく足音に迷いはない。

    ………

         ………

森の外に出ても……やはり特に異変などは無かった。
敵も何かの考えがあって動いている以上は、
その線を踏まない限りは何も起きないのかもしれない。

森の入り口には変わらずバイクが放置されている。
これを取りにレイトがここを訪れる、という様子も無い。

帰りのタクシーはすぐに見つかった。
運転手に聞けば天雨がタクシーに乗る際もう一台呼ぶよう手配していた、との事だ。

バスまでは行きと同じく、十分と掛からないだろう。

>>457(黒峰)

『緑里』:
《ふーん、泣かせる友情ですね〜〜〜。
 ま、非常事態っても人間関係とか性格ばっかりは、
 曲げられないところもあるでしょーけど》

《まーいいですよ、ただその代わり…………》

        クル

唐突に、緑里はその方向に背を向ける。
そして手に持ったスマホに文字を打ち込み……

『 さっきから あの方向に 不審な奴がいます 』

『 おれがここ離れる必要あるなら
 そいつをそれとなく見張ってくれます? 』

            ・・・『不審な奴』?

459小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/20(水) 23:54:34
>>458

『指』は接合する。
『目』と『耳』はポケットの中に忍ばせておく。
発見されなかったのは幸いだった。
『待ち構える』やり方を選んでいる以上、
あちらからの積極的な干渉はないものと思っていいだろう。
ただ、こちらから踏み込めば話は別になる
そのための『準備』は万全にしておかなければいけない。
天雨の手回しに感謝しつつ、タクシーに乗り込む。

  ――最低でも森の中に『三人』……。

もし『武力衝突』になれば、苦しい状況になることが予想できる。
もちろん、そうならない道を進むつもりだ。
少なくとも、矢田や運転手を含めたツアー関係者の脱出が済むまでは。

  ――『もう一人』は今頃……。

『駒』の一人は、バスの様子を探りに行っているはずだ。
ここで見つかると、『偵察』の件が露呈する恐れがあるかもしれない。
それを考慮に入れて、バスから離れた所でタクシーを降りる。
そして、帽子の陰になる後頭部付近に『目』を浮かばせる。
その視界を利用し、背を向けたまま密かにバスの様子を確認したい。

460黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/21(木) 19:36:21
>>458
『……はい、よろしくお願いします……』

緑里が示した先を確認する。
一応ガン見はしないように、ちらりと。

461『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/22(金) 02:11:15
>>459(小石川)

必要な接合は終え、目と耳に関しては切り離したままだ。
タクシー運転手も、特にそれに気づくような様子はないし、
仮に気づいたとして『デリカシー』があれば言及はすまい。

        ブロロロロ・・・

森の中にいる敵スタンド使いは『3名』。
『レイト』を合わせれば4名、その駒がスタンド使いなら、
さらに増える。こちらの正確な『戦力』の数は分からないが、
大きく見劣りはしない――――が、『優ってもいない』

                      バタン

タクシーを降りた位置は、バス乗り場となっている広場に対し
位置関係的にはこちらが高台になっている路面沿いだ。
距離で言えば目測で、『30m』以上は離れているだろう。
ちょうど見下ろすような形でバスの様子をうかがう事が出来る。

出来るのだ。

       オ
            オ

                    オ

               『そのようにしている男が既にいるから』。

>>460(黒峰)

『緑里』:
≪じゃ〜〜〜、おれがその『友だち』って子を足止めしてみます≫

≪その間――――お願いしますよ≫

             ザッ

緑里はバスの方に歩いていく。そして黒峰の視線は・・・捉えた。

>>459(小石川)
>>460(黒峰)

黒峰がちらと見た先。
あるいは小石川が帽子に隠した『目』で見た先。

『???』:
「・・・」

バスの停留所を高台から見下ろす男は――――全くの『未見』だ。

……いつからいたのか?
バスの外には出雲もいた。彼はまだ気付いていない。
スタンドがどのようなものでも、本体の知覚力や運はまた別だ。

その男の接近のタイミングが、単に巧妙だっただけか?
距離は30m以上はある。ただ気付くタイミングが無かった。
そのようにも十分考えられる。多くの人間は車内にいたし、
あえてその方角を見ようとしなければ、大して目立つ姿でもない。
あるいは…………少なくとも、今わかるのは風貌だけだ。

髪を後ろで縛ったヘアスタイルに、リムレスの眼鏡を掛けた若者。
背を向けている小石川にも、ガン見はしない黒峰にも特別反応は示さない。

                      だが―――――『無関係』とは思えない。

462小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/22(金) 06:04:20
>>461

十中八九、彼が送り込まれた『駒』と見ていい。
そうであれば、このまま真っ直ぐバスに戻る訳にはいかない。
こちらの動きは、出来る限り相手に悟られたくはない。

  ――……。

バスを見張る男性から、静かに距離を置く。
ひとまず、射程距離の半分である『5m』ほど離れておきたい。
同時に、本体の目で、近くに座れる場所がないか探す。
あれば、そこに腰を下ろしたい。
なければ立ったままで構わない。

どちらにしても、切り離した『目』は男性の動きを捉え続ける。
つまり、『バスを見張る男性を見張る』という事だ。
その際、本体は逆の方向を向いておく。
『見られている』という意識を、相手に与えないようにする。
あくまでも秘密裏に事を行う。

また、彼の服装を見ておく。
ポケットやフードの有無を確かめたい。
要するに、『物が入る場所』があるかどうかだ。

463黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/22(金) 19:48:30
>>461
(明らかに……怪しいですね……。
 ……遠巻きに監視しているあたり、敵側でしょうか……)

向こうが今の所アクションを起こさないなら、とりあえず小角を待つとする。

464『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/23(土) 23:40:50
>>462(小石川)

男は自分から離れる小石川に気づく様子は無い。
距離は『5m』・・・ベンチに腰掛け、切り離した目で見張る。

>>463(黒峰)

大きな動きは何もない。『監視役』に過ぎないという事か。

緑里がバスに入って少しすると、小角が一人で車外に出た。
そして、黒峰のほうに歩いてくる。

『小角』:
「……ふう、きみが彼を手配してくれたのだね。礼を言うよ。
 改めて自己紹介するが……『小角宝梦(オヅノ ホウム)』だ」

「……普段は『探偵』を志している。
 そんなわたしのスタンドは『調査』に特化していてね」

尊大な口調には、どこか焦りが浮かんでいる。
緑里もあまり長い時間は稼げそうにない、という事か。

「とりあえず、バスの窓から見えないところで『調査』をしようと思う」

       キョロ    キョロ

           「き、きみはついてきてくれるかい?
            ……それとも、ここで待っているかね?」

協力――――そういえば『人数が多いほど効力が増す』と言っていた。
黒峰が着いて行けばそれが実現する。が、あの男を見張っておくべきか、どうか。

>両者

             ス…

メガネの若者は、懐から何か……いや、あれは『トランシーバー』だ。通信機器を取り出した。

465小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/24(日) 07:12:26
>>464

おそらく、あのトランシーバーは『レイト』との連絡用だろう。
『銀髪の男』の可能性もあるが、彼は『レイト』に命じていた。
単純に距離の問題かもしれないが、
『レイト』を通す必要があるとすれば、
『メガネの若者』の連絡先は『レイト』だと考えるのが自然だ。
そして、『駒』も連絡には『道具』を使う必要がある。
その点についても『フラジール・デイズ』と似ているように思う。

  ――まだ動けない……。

  ――今は……まだ……。

いずれにせよ、『会話の内容』は聞いておく必要があるだろう。
小声で喋る可能性を考慮に入れて、切り離し済みの『耳』を使う。
『耳』をポケットから出し、若者の背後から音もなく接近させる。
ただ、ここで急に振り返られると見つかってしまう。
それに対処するため、腰の高さ程度の位置に留めておく。

466黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/24(日) 20:03:10
>>464
「ついていきますが……実はあちらに、怪しい人物がいます。
 ツアー客だけでなく、あちらからも見えない位置がいいかと……」

小角に男のことを伝え、着いていく。

(トランシーバー……やはり敵側ですね……。
 ……わざわざ監視するということは、私の言葉はあまり信用されていないかもしれません……。
 やはり戦闘を覚悟しておくべきですか……)

467『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/25(月) 03:56:56
>>465(小石川)

男はトランシーバーに、極めて小さな声で吹き込む。
何を言っているのかは……『5m』ある今は聞こえない。
耳を切り離しておいたのは、ここで功を奏する。
ポケットから出したそれはほとんど予備動作もなく、
彼の視線より明らかに低い位置を飛んで近付く・・・

『???』:
「あ………………あの言ってた『例の女』と、
 見たことない子供が………………銀の髪の。
 ウン、こっちに来てはないよ……大丈夫、心配しないで」

「…………まだバレてない…………と思う。
 周りを見回してた男も、バスに引っ込んでったし……」

       「……会話? それは聞こえないよ。
         聞こえるとこまで行くとバレるし……」

やはり、監視している。

      クルッ

そして・・・『考え』は功を奏した。
振り返った彼の視線に、『耳』は入っていないだろう。

「…………」

「………………近くに人は……いた。一人ね。
  でも、バスの乗客じゃないっぽいよ……え?
    だって、『喪服』だし……ウン、住人だと思う」

       「大丈夫……こっち見てないし…………」

彼は小石川に視線を向けた状態で……『誤解』を報告する。

>>466(黒峰)

『小角』:
「あ、怪しい男だと……!? うう、いや、でも、そうか。
 敵がいるなら……わたしたちのことを放ってはおかないか……」

驚愕する小角だが、状況は飲み込めたらしい。
やたらとその方向を凝視したりはせず、
一度だけ視界を周囲に巡らせてから頷いた。

「わかった。そ、それじゃあ……
 そいつからも見えなさそうな位置に行こう……!
 わたしの能力は発動中の『隙』も大きい。
 不意打ちとかされると、こわいからな…………」

バスの……現在地から見て裏側へと歩き出す。
特に誰かに引き止められたりすることもなく、
人気のない場所まで移動する事は可能だろう。

『出雲』:
「……? どうしたんスか? こっちに自販機とかは無いっスけど」

と、引き止めるわけでは無いが声がかかった。
小石川が戻ってくるまで車外待機している『出雲』も、
このバス付近かつ車内からは目立たない位置にいたのだ。

468小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/25(月) 19:01:04
>>467

これで彼らに姿を確認されてしまった。
気付かれないまま動くのが理想だったが仕方がない。
こちらから接近する以上、いずれは捕捉されていただろう。
認識されたことは必要最低限の代償として捉える。
それに、まだツアー客の一人であることは知られていない。

  ――だけど……『無理』はできない……。

ただし、今後は今まで以上に慎重に行動する必要がある。
今は『偶然』で通せるが、何度も居合わせれば疑われる。
彼らの警戒具合を見ると、
『二度目』の時点で疑いが掛かると考えるべきだろう。
あるいは、既に疑われかけているかもしれない。
『駒』からの報告を、
『レイト』が100%信じるかどうかは不明なのだから。

  ――いえ……弱気になっては……。

しかし、それを利用することもできるはず。
こちらに注意が向けば、その分だけバスの監視は疎かになる。
逆に、バスに集中するのであれば、
こちらに注意は向きにくくなるだろう。
二つの目が『別々の方向』を向かない限り、
両方を同時に見張ることはできない。
そして、『スーサイド・ライフ』には『それ』ができる。

  ――今は……まだ……。

『見張り』を継続する。
少なくとも、トランシーバー越しの会話が続くまでは。
ここに居座られていては、真っ直ぐバスに戻ることはできない。
必要なら、またタクシーを使うことにする。
バスの裏で降ろしてもらえれば、姿を見られずに済む。

469黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/25(月) 22:33:22
>>467
「こちら、協力者の小角さんです……。
 敵対者について情報収集を行ってくれるそうです……。
 ええと、2人より3人のほうが……効果は上がるんですか?
 ……だとすれば、出雲さんにも協力してもらったほうがいいでしょうか……」

出雲に事情を説明する。

「……それと、向こうの方にこちらを監視しているらしき人物がいます。
 トランシーバーで連絡を取っているようですが、今はまだ具体的な行動は起こしていません……」

470『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/26(火) 21:33:03
>>468(小石川)

『???』:
「………………え? ああうん、連絡とかもしてない。
 ただそこにいるだけだよ。聞かれてもない……
 え? あ……うん、そうだね。万が一もあるよね」

      スタ… スタ…

小石川から視線を切らず、若者は歩き出す。
距離を取るように……だ。耳からも、当然遠くなる。
それでいて、バスに向かうのは見られてしまう。
再び耳を動かすか……この『見られながら』で可能か?

「……………」

         ボソボソ

トランシーバー越しの会話はもう聞こえない。が、続いてはいる。

        ブロロロ

・・・と、こちらに近づいてくる『タクシー』が遠くの方に見えた。
小石川が来たのとは逆方向だ。そういえば、天雨の姿はバスの方に見えなかった。

               ロロロ……

乗客はここからは流石に見えないが・・・彼女が乗っている可能性は高いだろう。
到着順の前後は、来た方角も踏まえ、尾行を恐れての回り道などを考えれば有り得る範囲だ。

少なくとも、何か剣呑な様子などは無い。もし仮に天雨でなくとも危険な何か、という事は無いと見える。

>>469(黒峰)

『出雲』:
「情報系スタンド、ッスね! ありがたいッス。
 おれ、そういうの出来ないから…………協力?」

『小角』:
「無論、上がるとも。2人より3人、3人より4人。
 そうだね、だいたい5人くらいまでなら『囲める』か」

     スゥーーー

小角の手がなにもない中空を撫でる。
いや……撫でた手の高さに『それ』が現れている。
木盤……四隅に『円』が、中心に『太陽』が描かれた盤。

『小角』:
「これこそご……わたしの『イル・ソン・パティ』。
 い、いいかい、まず……くれぐれもこの能力の事は他言無用だよ?
 さっきも触れたけど……お金を払うことで『質問』に答えてくれる能力!
 盤を囲む人数が多いほど、一度の支払いでたくさん質問できるのさ」

手袋をつけた小角の手が、その表面に添えられた。

『出雲』:
「どんな質問でも……ッスか?」

『小角』:
「イエスかノーで答えられるなら、ね。……くれぐれも他言無用だよきみたち!」

なるほど、存在を言いふらせば『ロクなことにならない』能力だろう。
小角の説明に頷いた後、出雲は黒峰が示す『監視者』の方角を見る。
もっとも、バスが遮蔽物になっているため、互いに見えないだろうが・・・

『出雲』:
「……情報収集の価値を考えたらおれもこれには参加したい、ッスけど。
 いると分かってる監視を野放しにしておくのも、まー、上手くはないッスよね」

彼は目を細める。とはいえ何か行動を強行するつもりはないようだった。
彼にとっては『巻き込んだ』形であるバスの面々を危害に晒さないためには、当然ではある。

471小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/27(水) 00:06:03
>>470

やはり警戒されてしまっている。
そうであるなら、『盗聴』の続行は困難だろう。
無理に接近すれば、敵と判断される恐れも出てくる。
視線を向けられている間は、決して動かない。
若者が注意を外す時を待つ。

  ――これ以上は……。

切り離している『耳』は地面に下ろし、自分とは別の方向に移動させ、
適当な物陰に隠す。
こちらに注意を向けているなら、気付かれないで済むはず。
もし見られそうであれば『消す』が、そうでないなら残しておきたい。
『目』による『監視』は引き続き行う。
若者の注意が逸れるタイミングを確認するために。

  ――天雨さん……?

乗客が彼女であることは予想できた。
自分も、向こうに戻らなければいけない。
若者が立ち止まった後で、彼とバスから遠ざかる方向に歩き出す。
姿を見られない場所まで離れてから、近くでタクシーを探したい。
それに乗って十分ほど走ってもらって到着時間をズラし、
『駒』の視界から見えないバスの裏側で止めてもらうつもりだ。

472黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/27(水) 19:57:24
>>470
「……まあ、そうですね……。
 出雲さんは警戒にあたってもらって、ひとまずは私と小角さんの2人でやりましょうか……。
 『広範囲攻撃のスタンド使い』『バスの走行に追いつけるスタンド使い』……の2つ、ですね」

協力のためになにかすることがあれば従う。
指を乗せるとか。

473『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/11/29(金) 03:10:56
>>471(小石川)

若者の注意も無制限ではない。
バスを見張るという本題も、あるからだろう。
しばらくすると再び、バスの方を見始めた。
これならば耳も消さずに残したままで隠し、
この場から歩き出す事は可能だろう。

             ブロロロロロ・・・

そんな小石川の横を通り過ぎるタクシーは、
やはり『天雨』が乗り込んでいるようだった。

彼女と目が合う。

                 ・・・

                     キーッ ・・・

そして少し経つと、小石川の歩く先……眼鏡の若者から十分離れた位置で『停車』した。
今から改めて探すまでもなく、『タクシー』は用意されたという事になる。

>>472(黒峰)

『出雲』:
「万一仕掛けてきた時、
 誰も見てないのは怖いッスからね。
 もし何も無さそうなら戻ってくるッス」

          ザ…

出雲はバスの向こうへ歩き去る。
安全を確保できたかは不明だし、
杞憂かもしれないが、『安心』は取れる。

『小角』:
「……よし、それでは調査を始めよう」

そして小角はスタンドにまさしく『指を乗せる』――――

「調査テーマは……『敵対しえる未知のスタンド使いについて』」

                     ズオオ ・・・

黒峰もまた指を乗せ、小角が意味深な言葉を諳んじれば、
指を添えられた『太陽』の模様が『コイン』として浮かび上がる。

「『二人で質問をする』なら、質問は1万円で、
 わたしたちが1度ずつ……2つ行えるぞ。
 ……まずはわたしからやってみよう」

「『現在わたしたちを敵視や危険視しているスタンド使いで、
  わたしたちが乗ってきたバスの走行に追いつけるものはいる?』」

                 ズ
           ズ

                ズ

コインが動き出す――――ひとりでにだ。
少しだけ迷う動きを見せたそれは、『いいえ』という答えを導き出す事になる。

474小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/11/29(金) 20:17:33
>>473

若者が見ていない隙を狙って、『耳』をポケットに戻す。
『目』も同じように、逆側のポケットに入れておく。
一旦ここを離れる以上、今は見張る必要はない。
この『目』を使うのは、バスに戻った時になるだろう。
監視役の若者に姿を見せることなく、密かに様子を窺うために。

  ――ありがとうございます……。

目が合った際、天雨にアイコンタクトを送る。
そして、彼女が停めてくれたタクシーに乗り込む。
先程の考えに従い、少しの間その近辺を走ってもらう。
そうすることで、到着時間に時間差を作る。
その後で、『駒』の視界外になるバスの裏側に停めてもらう。

475黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/11/29(金) 23:12:53
>>473
「……ひとまず、逃走手段としてバスは有効……ということでよいのでしょうか……。
 次は私が質問すればいいんですね……?
 ええと、『私達を敵視している人物の中に、広範囲……半径10m以上の範囲をまとめて攻撃できるようなスタンド使いはいますか?』」

476『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/01(日) 05:57:15
>>474(小石川)

アイコンタクトには、天雨の頷きと笑みが返ってきた。
そして車内に乗り込むと、『飴』を手渡される。

『天雨』:
「ご無事みたいで……何よりですわ。
 それと……あの男。あれが『敵』の一人ですのね?」

味は『コーヒー味』と『クリーム味』を一つずつ。
天雨がすでに指定しているのか……運転手は車を走らせる。

「念のため、迂回を依頼しておいて助かりましたわ……」

そして、バスの裏側……と言える方角へ回り込んでいく。
経路からして、あの見張りの男に察知される可能性は低い。

今のうちに車内で何かしておきたいなら、その程度の時間はある。

>>475(黒峰)

『小角』:
「うむ、全員乗り込んでいれば……そうなるだろうね。
 少なくとも全速力で走るバスには追いつけない……
 つまり移動能力を持つ敵はいないか、質は低いのだな」

     ススス

そしてコインは盤の中央に戻る。
黒峰の問いかけには、小角が首肯し、
二人の指を乗せたコインは再び動き出した。

        スススス…

            … スス

     『ピタ』

「……! これは……いや、妥当ではあるか」

・・・答えは、『いいえ』だ。

「10m範囲への同時攻撃なんて、怖すぎるからな。
 少なくとも全員が一掃されたりはしないようだ……
 ど、どうする? まだ調査を続けることはできるよ。
 今ので一万円使って、次も一万円で質問二つだ」

「たとえばだね、5m範囲ならできるのかとか……
 範囲でなくても、何人もに同時に攻撃できるかとかね」

調べるべきことは、あるといえばいくらでもある。
もちろん、敵とは未知の状態で接敵するのが『普通』であり、
情報を得ることはあくまでアドバンテージを広げる事でしかない。
他に準備に時間を費やすことでも、アドバンテージは得られる。
何かする事があるのであればこの辺りで切り上げるのも手だろうし、
話を付けて小角一人に任せ、自分は別の動きをする手もあるだろう。

477小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/01(日) 16:12:52
>>476

  「……ご心配をお掛けして申し訳ありません」

謝罪と共に頭を下げて、飴を受け取る。
彼女の手回しの良さには助けられた。
おそらくは、それが彼女の強さの一つなのだろう。

  「ええ……それに、森の中に『もう一人』いました。
   あちらの方達は『五人』で全員かと……」

  「『どう動くか』――ですね……」

彼らは森の中で待ち伏せしている。
こちらがバスを囮にしても、誘いに乗ってくるとは思えない。
それなら、バスで森の前まで行ってしまった方が安全だろう。
監視されているというなら、それを利用する。
要するに、彼らに『通してもいい』と思わせればいいのだから。

  「天雨さん――失礼ですが、
   『エコバッグ』のようなものをお持ちでしょうか?
   他の方にもお聞きするつもりなのですが……」

  「できれば『三つ』あればと思うのですが……
   『二つ』でも何とかできるかと思います」

  「私は、まだツアー客の一人だとは知られていません。
   いなかったとしても……不自然には思われないでしょう。
   万一のために、『見られずに移動できれば』と……」

『スーサイド・ライフ』の能力があれば、それが可能だ。
そのためには、十分な数か大きさを持つ『バッグ』が必要になる。
そして、それを『運んでくれる手』も。

478黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/01(日) 23:32:33
>>476
「いえ、10m以上バスで逃げてもらえば……巻き込む心配はない、とわかれば充分です。
 あと2つ……飛び道具の有無と、こちらのことを調べられるスタンド使いの有無を知りたいところです……。
 ……敵からの情報収集については、特に位置情報が筒抜けになるかどうかが重要ですね……」

ということで『私達を敵視している人物の中に、射程10m以上の飛び道具攻撃を行えるスタンド、または武器を所持している人物はいますか?』と尋ねる。

479『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/02(月) 02:03:28
>>477(小石川)

「『ノヴレス・オブリージュ』ですわ。
 もしくは、そうですわね……言い換えるなら、
 あなたたちのサポートをするのが、私の『適所』」

「だから……いくらでも、私に心を配らせてくださいまし。
 その代わり貴女は貴女の『適所』で力を発揮して頂戴」

やがて、進行方向にバスが見えてきた。
その近くで『黒峰』と『小角』が、何かしているようだ。

「そう、五人……やはり『戦ってどうにか出来る』数ではありませんわね。
 こちらのスタンド使いも、数だけなら見劣りしないでしょうけれど、
 こちらにだけ『守るべきもの』がありますもの。策は必要ですわね」

ともかくとして、小石川は自身の準備を進める。
そのために必要な『エコバッグ』については……

「エコバッグ? そうですわね、1つならありますわよ。
 何に使うのかは………………いえ、察しましたわ。
 これは私の想像が正しければだけど…………
 信用出来て事態を把握してる人に中身を預ければ、
 普通のカバンでも『代用』にはなりませんこと?」

「いずれにせよ、『運ぶ』人間は理解者である必要がありますわね」

天雨からは、そのように応じてきた。
いずれにしても、もうじき合流するのに困らない位置に停車出来そうだ。

>>478(黒峰)

「わかった、では次はその辺りを調べようではないか。
 『イルソンくん』……このテーマで二周目を続けていくぞ」

自身のスタンドに呼びかける小角。
木盤に意志は感じられないが、儀式か何かだろうか?

ともかく。

>『私達を敵視している人物の中に、射程10m以上の飛び道具攻撃を行えるスタンド、または武器を所持している人物はいますか?』


         スススス…… 『ピタ』

「『はい』と出たっ……敵には遠隔攻撃使いがいるぞ!
 ま、マフィアとかで拳銃を普通に持ってるとかか、
 単にそういうスタンド使いがいるというだけか……ううむ」

コインが止まったのは『はい』だ。
そういえば『小石川』が目撃した話(>>389)で、
敵一味の『水鉄砲』『銃』のスタンドが触れられていた。
それが恐らく、射程10m以上を誇るのだろう。

「ではわたしは…………『わたし達を危険視したり警戒してる人物やその仲間に、情報を探るようなスタンド使いはいる?』」

        ススス… 『ピタ』

こちらも迷いなくコインは進み、答えは『いいえ』だ。
敵には情報系の能力者はいない。見張りさえも人力だ。
少なくともこちらと違い、情報格差を押し付ける手はない。

「さて……これで、二周が終わった。
 三周目からは『二万』『三万』と増えていくが、
 わたしのお小遣いはあと『三万円だけ』になった……!」

「このテーマで質問を継続するなら、あと一周だけだが……どうしよう?」

480小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/02(月) 19:02:20
>>479

  「『守るべき人達』を攻撃される……
   あるいは人質にされる……」

  「そういった危険はあってはいけないことだと、私も思います」

  「ただ……今のところ、
   『戦わなければならない必要性』は薄いようですね」

天雨の言う通り、もし戦う事になれば分が悪い。
しかし、偵察した限りでは、
彼らには積極的な戦意は見られなかった。
万一の可能性は常にあるものの、
現時点では交戦の危険は低いはず。

  「ええ、『鞄』でも『袋』でも構いません。
   外から中身が見えず、
   十分なスペースを確保できるのであれば……」

  「天雨さん――ひとまず、
   そのエコバッグを貸して頂けませんか?」

彼女には、こちらの意図が伝わったと感じた。
まず、天雨からエコバッグを借りておきたい。
それで一つ分になるが、まだ数が足りない。
自分のバッグも使うつもりではあるが、大きさが不安だった。
もっと容量の大きなものが見つかれば、更にいい。

  「それから……『運び手の一人』をお願いしたいのですが……」

天雨は状況を理解しており、信頼に値するスタンド使いだ。
もし了承が得られるのであれば、彼女に依頼したい。
いずれにしても、最低『三人』程は必要になる。

    スッ

  「黒峰さん、小角さん――これは……?」

タクシーを下車したら、近くにいる二人に声を掛ける。
同時に、ポケットに忍ばせていた『目』を外に出し、操作する。
こちらを見張っているであろう『駒』の姿が見えるかどうか、
密かにバスの陰から確認する。

481黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/02(月) 23:21:27
>>479
「……とりあえず知っておくべき情報は、得られたと思います……。
 またあとで何か調べることが増えるかもしれませんが……それはそのときに……」

と、ちょうど小石川が戻ってきた。

「こちらの小角さんに協力していただき……敵の情報を探っていました。
 わかったことは……まず『バスに追いつけるスタンド使いはいない』。
 『範囲攻撃できるスタンド使いはいない』。
 『飛び道具の持ち主はいる』……これはすでに小石川さんから聞いていましたね……失念していました。
 そして『情報を探るスタンド使いはいない』……。
 大雑把ですがこれで全てです。
 ……他になにか、調べておきたいことはありますか……?」

482『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/03(火) 05:04:51
>>480(小石川)

『天雨』:
「そうですのね? ……戦わずに済むのであれば、それに越した事はありませんわ。
 仮に敵がどのような悪漢でも、私達は『警察』じゃあないですもの……
 重要なのは危険を切り抜ける事で、悪者を退治することではありませんものね」

小石川の推察に、天雨は胸を撫で下ろす。
彼女も『好戦的』とは言えないタイプなのだろう。
少なくとも、そのスタンドは戦闘に向いたタイプには見えない。

『天雨』:
「どちらの申し出も、よろしくてよ。とりあえず今はバッグですわね……これを」

            スッ

鞄の中から、丁寧に畳まれたエコバッグを手渡してきた。
運び手も、任せることが出来る……これでまず『一人』だ。

      バタン

そしてタクシーから下車し、外に出る小石川。
天雨は、その間に支払いを済ませている。
『目』を操作してバスの陰から様子を伺えば、
例の男については、まだ監視している様子だった。
監視するという事は、『動き』を報告するという事。
こちらに動きがない限りは彼も動けないのかもしれない。

『小角』:
「あっ! 小石川さんっ……い、今はだね」

小角が反応する。今している事の説明は、『黒峰』の口から引き継がれた。

>>481(黒峰)

『小角』:
「そうかい? それじゃあまたいつでも……いや……オホン。
 わたし一人の時なら、いつでも声をかけてくれたまえ。
 一人じゃない時なら……一人になれるよう努力はする」

「もしまたわたしの力が必要であれば……
 わたしとわたしの『イル・ソン・パティ』で、
 持ち合わせがある限り、何でも調べてみせるとも」

と、撤収しそうな勢いの小角だったが、
そこにちょうど『小石川』と天雨が帰ってきた。

『小角』:
「あっ! 小石川さんっ……い、今はだね」

小石川とは知人なのか振り向いた小角が言いかけるが、
それより黒峰が『小石川』に状況を説明する方が早い。

小角の仔梟のような視線が、二人の間を行き来している。
彼女のスタンドは、今はまだ発現したままだ。
調査を再開するなら、声をかければしてくれるだろう。

483小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/03(火) 14:52:41
>>481
>>482

  「――ありがとうございます……」

黒峰の話を聞いてから、彼女に頭を下げる。
調べるというのは、この『木盤』を使うのだろうか。
黒峰のスタンドとは違うということは、小角のスタンドなのだろう。

  「……こちらも分かったことをお伝えします。
   森の中には『三人』の男性がいました。
   一人は『出口の前』で……。
   もう一人は『出口の外』で待機しています……」

  「三人目は森の中を『巡回』しているようです。
   『レイト』と呼ばれている女性は見当たりませんでした……。
   ただ……おそらく彼女は、
   バスの動向を窺っているのではないかと思います」

  「今もバスを見張っている男性は、
   彼女からの指示を受けているようですので……。
   以前、『人間に酷似したスタンド』を見たことがあります。
   もしかすると……
   『森を巡回している男性』と『見張り役の男性』も、
   『そういうスタンド』なのかもしれません」

  「今のところ、彼らに『明確な敵意』はないようでした。
   ですが……『出口の周囲』からは動かないでしょう。
   私達が来るのを待って、
   『敵に成り得るかどうか』を確認するつもりのようです……」

こちらからも、偵察で得た情報を知らせておく。
そして、頭の中で考えを巡らせる。
『三人組』には注意を払う必要があるが、
他にも気に掛かることがあった。

  「……そうですね。『二つ』程あります」

    スゥッ――

言葉を告げながら、辺りに軽く視線を走らせる。
それは、『敵』を警戒してのことではなかった。
近くに『出雲』がいないことを確かめてから、再び口を開く。

  「その前に、お願いしたいのですが……。
   今から言う内容は、
   出雲さんには伏せておいて下さいませんか……?」

  「『この紅鏡町を作り出した原因となる存在が、
   今も存命しているかどうか』」

  「『その存在は出雲さんの家族や友人または恋人など、
   単なる知人以上の間柄かどうか』」

  「この『二点』について――です……」

  「……調べることが出来るでしょうか?」

自分が予想する一つ目の答えは『ノー』だった。
あくまで推測の域を出ないが、それについて多少の根拠はある。
『この世界』は、出雲の能力なしでは維持することが出来ない。
その理由として、元々『極端に持続力に乏しい』と考えるよりは、
『既に本体が死亡している』ために再発現できず、
出雲の能力が消えれば自然消滅すると考えた方が、
より自然なように思えるからだ。
そして、もし二つ目の答えが『イエス』だとすれば、
出雲が『紅鏡町』の存続に執着する理由も、
おぼろげながら察しがつく。

  ――こんなことを考えてしまうのは……
     自分を重ね過ぎているのかもしれないけれど……。

484黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/03(火) 23:14:07
>>482-483
「合計5人ですか……。
 ……あと『1枠』、質問ができますね……。
 では、最後に『レイトの指示を受けている人物たちは、指示されていないことでも自分で判断して行動するか?』を確認するとします……」

485『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/04(水) 01:18:32
>>483(小石川)
>>484(黒峰)

『天雨』:
「人間そのものを作り出すスタンド……
 というのは私も見たことがありましてよ。
 もちろんこの敵がそうとは限りませんけれどね。
 単に人数をカモフラージュしたり、フットワークを軽くするために、
 『部下』を運搬できるようなスタンドを使っているのかもしれませんわ」

ともかく……情報交換を行う小石川と黒峰。
そして更なる『調査』は続く。
小石川、そして黒峰の追加の申し出に、小角はうなずく。

『小角』:
「よ、よし、それなら……『テーマ』を変えよう。
 今までの質問より『大きなテーマ』にね。
 そう、つまり、『今の紅鏡町を取り巻く状況について』だ」

             ズ
                ズ

「テーマのリセットで……必要資金はまた『1万円』から。
 小石川さんたちも加わった今、あと『2周で8つ』質問できるっ!」

『天雨』:
「たち。私も頭数に含めていますのね?よろしくってよ。
 ――――『レイトのスタンドは、自立した存在を作り出せる?』」

『テーマ』という概念が正確に何を意味するのかは不明だが、
『イル・ソン・パティ』の発動において、何か重要なものなのだろう。

「そしてわたしは『名探偵』のたまご……
 依頼を口外したりはしないとも。
 そのかわり『調査方法』は、本当に他言無用だぞ」

「――――では、はじめよう。まず4つだ」

四つの質問を、黒峰と小石川、小角、天雨が一つずつ受け持つ。
回答は以下のような物だった・・・

『レイトの指示を受けている人物たちは、指示されていないことでも自分で判断して行動するか?』
――――『はい』

『レイトのスタンドは、自立した存在を作り出せる?』
――――『いいえ』

『この紅鏡町を作り出した原因となる存在が、今も存命しているかどうか』
――――『いいえ』

『その存在は出雲さんの家族や友人または恋人など、単なる知人以上の間柄かどうか』
――――『はい』

                      ・・・『真実の盤』は、それを淡々と『暴きだした』。

>黒峰

回答が示される一方、黒峰は『出雲』の『矛盾する』言葉を聞いている。
『外の世界にいる人間の中で、ここのことを伝えてるのは、
 ここを作った人間だけ……あいつは急に呼び出せるわけでもない』

――――『存命ではない』事を知らないのか、それとも別の事情があるのか?

これはこの世界から脱出するために必要な謎ではない。そこは、ほぼ間違いないだろう。

486小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/04(水) 16:10:28
>>484
>>485

  「『一万円』……?『お金』が必要なのですか?」

    スッ

バッグを開けて、『貯金通帳』を取り出す。
『スタンドにまつわる事件で得たお金』を管理しているものだ。
それを、小角に差し出す。

  「『六十万円』あります。
   もし足りなくなった時は、これをお使い下さい」

『レイト』の能力について分からない点は、まだ多い。
ただ、少なくとも『実体化したスタンド』ではなくなった。
そうなると人間を操っているか、
単にレイトに協力している一般人かもしれない。
監視していた若者の口振りからは、
『操られている』という雰囲気は薄かった。
『レイト』が『銃のスタンド』を持っているらしいという、
笹暮の証言とも合わなくなる。

  「『レイト』と呼ばれる女性も、
   『銃のスタンド』を使っていたらしいと聞きました……」

  「彼女のスタンドについて掴むなら、
   その部分を重視する必要があるかもしれませんね……」

しかし、これについては置いておく。
もし見る必要があれば、いずれ向こうから見せてくれるだろう。
脱出するために知らなくてはいけない情報でもない。

  「……『質問』してもよろしいでしょうか?」

  「『紅鏡町を作り出した存在の死因は、
   他殺・自殺・病死のいずれかに含まれますか?』」

『自然死』以外で、この中に敢えて入れていない可能性がある。
それは『事故死』だ。
もし『ノー』であれば『事故死』の確率は極めて高くなるし、
『イエス』であっても『三つの内のどれか』まで絞れる。
『事故死』――その言葉が、一瞬『彼の死』を思い起こさせた。
右手にある形見の指輪に視線を落とし、また顔を上げる。

  「……もう一つ『質問』させて頂きます」

  「『出雲さんが紅鏡町の存続に執着する理由は、
   紅鏡町を作り出した存在の死と関係がありますか?』」

これが自分の考えている結論だった。
もし自分なら、愛する者の面影は、いつまでも残し続けたいと思う。
たとえ、それが倫理や道徳に背くものだったとしても。
もちろん、出雲の考えは分からない。
しかし、『もし自分なら』――きっと、そう思うだろうと感じた。

487黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/04(水) 20:06:16
>>485-486
「……レイトを抑えれば協力者(?)も止まるかと期待しましたが……」

>『この紅鏡町を作り出した原因となる存在が、今も存命しているかどうか』
>――――『いいえ』

>『外の世界にいる人間の中で、ここのことを伝えてるのは、
> ここを作った人間だけ……あいつは急に呼び出せるわけでもない』

「……?
 出雲さんは……この街を作り出した人物が、まだ生きていると思っているフシがありました。
 『あいつは急には呼び出せない』と……。
 仕事かなにかで忙しいと思っていたか……あるいは、寝たきりなどで移動自体が難しい状態だったのかもしれません」

気になるが、とりあえず『イル・ソン・パティ』の回答を待つ。

488小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/05(木) 04:21:41
>>486
現金支払いのみの場合は『六十万円入りの封筒』を差し出す。

489『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/05(木) 12:42:29
>>486(小石川)
>>487(黒峰)

『天雨』:
「ねえ小石川さん……確かにこの世界の成り立ちは気になりますし、
 それがここを脱する上でヒントにはなるかもしれませんわね。
 でも、私達が必ず切り抜けなければならない敵の方が重要度は……あら!」

「……失礼。『出資者』の貴女の質問に何か言うのは、
 これ以上は差し出がましいというもの、ですわね」

小石川の質問には天雨がやや渋い表情を見せたが、
差し出された『封筒』を見ると、得心した様子で頷いた。
言葉に嫌味や皮肉は感じられない。『本音』だろう。
ビジネスを重んじる彼女は、出資者の重要性を知る。

『小角』:
「ろ、六十万……!? いいのかいこんなに!?
 こんな大掛かりな調査、久しぶりだ…………
 いや、わ、わかった。ありがたく受け取るよ。
 もちろん使い切らなかったらちゃんと返すからね」

同じく封筒には小角も元々丸い目を目を丸くするが、
どこか慣れた様子でそれを受け取り、皆に見せた上で、
自分の服のポケットに半ば見える形で突き刺した。

『小角』:
「…………うーむ、黒峰さんの疑問はもっともだ。
 出雲さんが『その人物』が……その、生きてると思ってるなら、
 ここをそれほど重要視している理由は薄くなってしまう気がする」

「…………とりあえず、情報が欲しい。続けよう」

ここで小石川の挙げた2つの質問のうち、片方は小角の口によって行われた。

>「『紅鏡町を作り出した存在の死因は、
  他殺・自殺・病死のいずれかに含まれますか?』」
  
――『はい』

>「『出雲さんが紅鏡町の存続に執着する理由は、
  紅鏡町を作り出した存在の死と関係がありますか?』」

――『はい』

『小角』:
「関係がある、か……ううむ? それならば……二度と会えないとは思っていないのに、
 ここに呼び寄せることは不可能ではない……よ、よくわからないな……彼らの能力が関係しているのか?」

それら質問への回答は、小石川の推測を裏付けていく。
が、黒峰の聞いた話が矛盾として引っかかってくる。
紅鏡町の成り立ちを把握するにはそこは解消すべき点だ。

『天雨』:
「……質問は一巡で、一人1つでしたわね。
 小石川さんと小角さんとで1つずつだから、
 あと私と黒峰さんの分は残っていますわ。
 黒峰さん、このターンに何か質問はありまして?
 私は『レイト』の能力をもう少し掘り下げたいけれど」

天雨は小石川の姿勢に理解こそ示してはいたが……あるいはだからこそ、
彼女自身の『質問権』は、ぶつかる可能性が残る敵の能力の把握に費やすだろう。
それを考えれば、小石川は『出雲』の謎に集中出来るのかもしれない。黒峰はどうするか。

『小角』:
「いささかゲームのような言い方になるが……質問のパスも可能だぞ。
 いずれにしてもだね、このターンが終わればわたしの資金は残り1万円。
 そして次のターンには『2万円』が必要だ……わたしだけじゃ足りない。
 再確認だが小石川さん、これは本当に……『使っていい』お金なのだね?」

あるいは質問自体を打ち切るという選択肢もあるだろう。

動く前だからこそ、こうして調べる時間を取れる。知った上で対策出来る。
しかし小石川の考え通り……動けば、問わずにして、自然と分かることも多い。

490『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/05(木) 12:43:49
>>489(訂正)

『小角』:
「関係がある、か……ううむ? それならば……二度と会えないとは思ってい【ない】のに、
 ここに呼び寄せることは不可能ではない……よ、よくわからないな……彼らの能力が関係しているのか?」

      ↓

『小角』:
「関係がある、か……ううむ? それならば……二度と会えないとは思ってい【る】のに、
 ここに呼び寄せることは不可能ではない……よ、よくわからないな……彼らの能力が関係しているのか?」

491黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/05(木) 19:46:47
>>489
「この街と出雲さんの関係は少し気になりますけど……私からは特に調べたいことはありません。
 ……必要なら小石川さんの代理で質問しますが、何かありますか……?」

小石川に尋ねる。

492小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/05(木) 20:39:02
>>487
>>489

  「……ええ、勿論です」

改めて小角に告げる。
これといった使い道がなく、今まで残していたものだった。
この瞬間に役立つのであれば、それが最も有効な使い道だ。

  「天雨さんのおっしゃることは理解しているつもりです。
   ただ……どうしても『気に掛かる』もので……」

彼女の言う通り、敵の情報を得ることは重要だろう。
しかし、彼らは積極的に攻撃はしてこないはず。
『出口前の検問』を通り過ぎてしまえば、それで済む。
争いが起こらないなら、情報を得ることは必ずしも必要ではない。
逆に争いが起こるのであれば、能力は自ずと目にすることになる。

  「『矛盾』――ですか……」

  「『この世界を作った存在』は既にいない。
   出雲さんも、そのことを知っている。
   そして、『いつかは呼び出せる』と思っている」

  「『この世界を作った存在』が命を落としたから、
   彼は『この世界』に留まり続け、
   『この世界』を残し続ける道を選んだことになりますね……」

  「私が考える限りでは……
   現時点で一番納得のいく理由は一つあります」

  「『この町を作った存在』を『呼び戻せる方法』があって、
   そのためには、『この世界を存続させておく必要』がある。
   そして、『その方法』は『この町の中』にある。
   彼は『町』から出るつもりがない。
   町の外に『方法』があるなら、
   『外に出ない』という行動と食い違ってしまう。
   あるいは、『いつかは』呼び出せるというのなら、
   方法というよりは『時間』が必要なのかもしれない」

  「要約すると、この世界に彼が留まり続ける理由は、
   『この世界を生み出した存在を生き返らせるため』……
   ではないでしょうか」

心が動揺しかけている自分に言い聞かせるために、
努めて冷静な口調で続ける。
死んだ者を生き返らせる方法など、本当にあるのだろうか。
あるかもしれない。
それが可能なスタンドが存在しても不思議はないだろう。
それならば――。

  「『アリーナ』の笹暮さんの話では、
   この世界は『現実逃避』の世界だそうです。
   それを加味すると、
   『呼び戻せる方法がある』と彼が思い込んでいるだけで、
   その方法は実際には存在しないという可能性もあるでしょう」

もしかすると、『彼』も生き返らせることができるのかもしれない。
考えまいとしても、無意識に心に浮かんでしまう。
それを振り切るために、敢えて淡々とした口調で言葉を続ける。

  「……『死因』は他殺・自殺・病死のいずれかです。
   先程は考えていませんでしたが、
   『脳死』は『死亡』に含まれるのでしょうか?」

  「身体は生きているというのなら、
   生き返らせることも不可能ではないようにも思えますが……」

もし『死んだ者を生き返らせる方法』があるなら、私も知りたい。
心の奥で、そう思ってしまっていることは否定できなかった。
出雲のことが気に掛かるのは、そのせいでもあるのだろうか。

  「あるいは……この世界を、
   『本体が夢想した過去という概念の実体化』として見れば、
   既に存在しない人間を、
   『過去の幻影』として登場させられるのかもしれません。
   たとえば、この町の『住人』のように。
   それも、一つの可能性としては有り得るかと思います」

>>491

  「そうですね……では――」

  「『出雲さんが紅鏡町に留まり続ける理由は、
   この町を生み出した存在を生き返らせるためですか?』」

  「……これを私の代わりに質問して頂けますか?」

493黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/05(木) 21:36:06
>>492
「了解しました。
 では……『出雲さんが紅鏡町に留まり続ける理由は、この町を生み出した存在を生き返らせるためですか?』」

494『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/06(金) 01:58:28
>>491 >>493(黒峰)
>>492(小石川)

『天雨』:
「私も『気になる』気持ちは分かりますわ。
 目の前の問題は私の方で詰めておきますから、
 貴女は『本題』になり得る、この町の謎をお調べになって」

「『レイトの能力は、他の人間の支配や操作が出来る?』」

                スス … ピタッ

――――『いいえ』

『天雨』:
「あくまで『上下』……とは限らないけれど、
 人間関係で指示を出している、のかしら?
 組織的に動いているなら有り得なくは無いですわね」

天雨は言葉通り、事前に敵の性質を見極め続ける。
そして相談の末――――『小石川』は『黒峰』に質問を委託する。

『小角』:
「の……『脳死が死亡に含まれるか』は、わたしには分からない。
 『定義』がはっきりしていないからね……たぶん『イルソン君』も『未知』と扱う案件だ」

「だからこそ、特にそこに触れずに質問した以上……
 回答では、『他殺・自殺・病死』に含めてはいないと思うぞ。
 つまり……『脳死からの回復を見込んでいる』わけじゃあないはずだ。
 完全に『体も死んでいる』うえで、『会える』と思っているのならば……」

>『出雲さんが紅鏡町に留まり続ける理由は、この町を生み出した存在を生き返らせるためですか?』

            スススス…

      ススス

                   ピタ

――『いいえ』だ。

答えが出るまでにコインがやや迷いを見せたのは、
言葉の『定義』に難しさがあった、という事だろうか。

いずれにせよ。

『小角』:
「む……『生き返らせる』ではない、のか!?」

小石川の『葛藤』は、それが幸とするか、不幸とするか――――否定される。
『死んだものを生き返らせる手段』は少なくとも、この町には『存在しない』らしい。

「ううむ、小石川さんのはきれいな推理だと思ったのだが……
 『幻影だから生き返らせてるわけじゃない』とか、なのだろうか……?
 それとも……謎の根幹にわたし達も知らないスタンドが絡んでいるなら、かなり難しいぞ」

スタンド能力は無限の可能性がある。
死んでも生き返る能力、他人を生き返らせる能力、幽霊になる能力、『あの世』を具現化する能力。
小角がぶつぶつとつぶやいて挙げる『死者と会える未知のスタンド』は、どれも『ありえる』のだ。


「……ど、どうする小石川さん、まだ調査を続けてみるかい?」

495小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/06(金) 18:22:18
>>494

無意識の内に、大きく落胆の表情を浮かべる。
『死者を生き返らせる方法』など、あるはずがない。
そんな当たり前の事実が、心に重く圧し掛かる。

  「そう――ですか……」

  「そうですか……」

消え入るように微かな声で、同じ言葉を呟く。
しかし、今は沈んでいる時ではない。
元々、こちらが勝手な期待を求めただけなのだから。

  「いえ……失礼しました。
   正解に『迷い』があったというだけで十分です」

  「――死んだ人を生き返らせることは出来なくても、
   『別の方法』があるかもしれませんから……」

生き返らせることは出来ない。
しかし、別の何かはあるかもしれない。
どうしても期待してしまう気持ちがあるのは事実だった。

  「……ええ、続けましょう。
   天雨さん、『この質問』をしてみて下さいませんか?」

  「『レイトのスタンドは銃のヴィジョンかどうか』」

  「彼女が『人を使っている』という部分は一旦忘れましょう。
   彼女のスタンドについて掴むのであれば、
   明確な証言だけに絞り込んで考えたいのです」

  「笹暮さんは、『彼女のスタンドは銃だった』と言っていました。
   彼女のスタンドに関する『確かな情報』は、それだけです。
   ですから、そこに集中すべきではないかと……」

レイトのスタンドは謎だ。
それというのは、『はっきりスタンドだと分かるもの』を、
まだ一度も見ていないという点にある。
つまり、ゴウの『水鉄砲』や銀髪の男の『人型』に類する何かを。

極端な言い方をすれば、レイトはスタンド使いではなく、
二人に協力する一般人という見方も出来なくはない。
しかし、それを否定する証言が一つだけ存在する。
すなわち、笹暮から得られた証言だ。

それだけが、レイトをスタンド使いだと断定しうる、
唯一の根拠になっていると言ってもいい。
一般人を一時的にスタンド使いに変えるような、
特殊な能力も存在するかもしれない。
しかし、その仮説は、銀髪の男やゴウの能力とは食い違う。

  「それから――『私の質問』をさせて頂きます」

  「『既に死亡している紅鏡町の本体を、
   紅鏡町に呼び出すことは可能ですか?』」

  「これで、出雲さんの思い込みかどうかが分かるはずです。
   本当に『可能』かどうか……それを確認させて下さい」

  「この町に誰よりも詳しいであろう彼が、
   単なる思い込みだけで動いているとも考えにくいですが、
   これは大事な部分ですので……」

答えが出るまで時間が掛かったということは、
『全く掠りもしていない』ということではない。
少なくとも、『似たようなこと』であるのは確かだ。
それが何かは知らないし、特定するのは無理に近いだろう。
人によって大きく解釈が分かれるような、
曖昧かつ複雑な疑問を解き解すのは、
『六十万』では余りにも少ない。
だからこそ、『呼び出す』という、より範囲の広い表現を使った。

そして、場合によっては、それに『手を貸す』ことも考えている。
もちろん、避難が完了した後のことだ。
そのためには今の内に出来るだけのことを知っておく必要がある。
本当に死者を呼び出せるのなら、呼び出してもらいたい。
私は――それを見たい。

496黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/06(金) 21:53:35
>>494
「……そういえば。
 協力者について一つ確認しておきます……。
 『アフロヘアの男性のスタンド能力には、自身の感情が影響しますか?』
 ……おそらく、温度と同期させるものだと思うのですが」

497『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/06(金) 23:18:44
>>495(小石川)
>>496(黒峰)

同じテーマの3週目で必要経費は『2万円』となり、
小角の残金1万と小石川の『60万』から1万が『消える』
つまり小角の資金は、ここで『0』になった。

              ズズズ

『調査費』を受け取った……のであろう『イル・ソン・パティ』を、
小角は頼もしげに見つめ、それから一同の顔を見回した。

『小角』:
「よし、3週目に入ろう。時間は有限ではあるが、
 だからこそ今のうちに調べられる事は調べておかねば、だ」

>『アフロヘアの男性のスタンド能力には、自身の感情が影響しますか?』

                  スススス ピタ

――――『はい』だ。
黒峰の推測が正しいかは不明だが、『条件』は間違いなさそうだ。

『天雨』:
「よろしくてよ、小石川さん。
 確定情報から洗い直すのは『堅実』ですわ。
 ……『レイトのスタンドは、銃のヴィジョン?』」

          ススス … ピタ

『いいえ』。

『小角』:
「む!? ……ど、どういうことだ?
 まさか『モデルガン』を持ち歩いているのを、
 スタンドと勘違いした……なんてことはないだろう……?」

迷いなく止まったコインは『確定情報』を覆す。……何だ?
笹暮の証言に嘘があったのか? あるいは……これは、何を意味する回答だ?

『小角』:
「す、すまないが小石川さん。わたしはこれを掘り下げるぞ。
 『レイトという人物の持ってた銃は、“スタンド能力”に関係する物体か?』」

                   ススス ピタ

「む……むう……?」

これは、コインは真っすぐ『はい』へ。
銃のスタンドではないが、スタンドに関係する銃を持っていた。
レイトのスタンド、という『謎』には『シンプルな答え』が無いのか?

ともかく。

『既に死亡している紅鏡町の本体を、
   紅鏡町に呼び出すことは可能ですか?』

                スススス

                   ススス … 『ピタ』
 
                                  ――――『はい』。

498小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/07(土) 00:34:33
>>496

  「……待って下さい。
   『バスに来た男性』はスタンドを持っていたのですか?」

  「いえ……それも当然かもしれませんね。
   『スタンド使いの一味に加わっている人間』ならば……」

  「黒峰さん、それについて詳しく聞かせて頂けませんか?」

この話は、自分にとっては全くの『初耳』だ。
今まで詳しく聞いておかなかったのは迂闊だった。
そうなってくると、
『今バスを見張っている方』もスタンド使いの可能性が浮上する。

>>497

  「一つ確かなことがあるとすれば、
   『水鉄砲を銃とは呼ばない』ということです」

  「笹暮さんは『彼女のスタンドは銃のスタンド』と言いましたが、
   決して『水鉄砲のスタンドだった』とは言いませんでした。
   つまり、『仲間のスタンドをコピーした』というような可能性は、
   この場合は有り得ません」

  「……天雨さん、もう一つ『質問』して頂けないでしょうか?」

  「『現在バスを見張っている男性はスタンド使いかどうか』」

  「よろしければ、この点について確認をお願いします。
   一般人だとしたら……危険は『多少』減ります。
   もちろん、楽観は禁物ですが……」

  「そして――
   もし『付き人』のどちらかが『銃のスタンド』を持っていれば、
   あるいは……」

レイトに関しては、他の三人に任せる。
自分が最も関心を抱いているのは、『紅鏡町の本体』についてだ。
呼び出すことが『可能』であることが確定した今、
胸中の思いは更に強くなった。

  「『既に死亡している紅鏡町の本体を紅鏡町に呼び出した場合、
   その存在は生前と同様の自我を備えていますか?』」

  「――これが『私からの質問』です」

知りたいのは、その本体と『意思の疎通』が可能かどうかだ。
自分を取り巻く状況に対して、『本人』はどう思っているのか。
『出雲を通して』ではなく、『本人の口』から直接聞きたい。

499黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/07(土) 23:35:46
>>497-498
「おそらく推測は当たり……でしょうか」

>「黒峰さん、それについて詳しく聞かせて頂けませんか?」

アフロヘアが襲撃してきたときのことを説明する。

「……少なくとも私がスタンド使いであるという情報は、相手側には共有されているでしょうね……」

500『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/08(日) 00:47:17
>>498(小石川)

『天雨』:
「感情がトリガーのスタンドなら――――
 怒らせたり、悲しませたり、驚かせたりすれば、
 能力を『機能不全』に出来るかもしれませんわね。
 戦わないのが一番にしても、情報は収穫ですわ」

『小角』:
「しかし……下手なことをすると強くなったりするかもしれないぞ?
 トリガーが具体的に何かを調べた方がいいのではないか……
 い、いや、それよりは『レイト』のスタンドの謎を解くべきか……ううむ」

『天雨』:
「いずれにしても、『自分の意図しないタイミング』でなら、
 強くなるのは弱くなるのとそう変わらなくってよ。
 プラスもマイナスも、制御下にあるから作戦に組み込めるんですもの」

そして情報を改めて共有する『黒峰』と、『小石川』――――
小石川の推測には、黙考していた天雨が口を開く。

『天雨』:
「どうかしら……それは、そうとも限らないんでもなくって?
 その笹暮という方が『しっかり見た』のを前提としたとしても、
 水鉄砲のような見た目のスタンドの総称は『銃』になりませんこと?」

「いわゆる『人型スタンド』のような感覚で、
 『銃型スタンド』と言ったのかもしれませんわ」

これについては――――実際、断定は出来ない。
笹暮は『ヴィジョンの詳細は分からなかった』と語っていた。
また、小石川自身の初見の際も――――

>その手に発現したのは――――『銃』のスタンドだ(>>320

第一印象は『銃』という所があった。一応『水鉄砲』は『銃』のカテゴリに含められる。
が、小石川の考えも自然ではある。『有り得なくはない』が、『違うかもしれない』

いずれにせよ、『3周目』が始まった。
小石川の封筒からはさらに資金が消える。
残りは、『56万円』となった。

『天雨』:
「ともかく――――よろしくてよ、『現在バスを見張っている男性はスタンド使いですの?』」

                  ススス …  ピタ

――――『はい』だ。

『天雨』:
「見張りに適した能力……であれば厄介ですわね。
 最悪、この調査ものぞき見されているかもしれない」

『小角』:
「そ、それは困るぞ。調べている事を知られていては、
 調査を逆用されかねない……罠を張られかねない!
 い、『今この町にわれわれ以外で、調査の内容を認識している人間はいるか!?』」

         ススス ピタ

            ――――『いいえ』

『小角』:
「ふ……ふう」

>『既に死亡している紅鏡町の本体を紅鏡町に呼び出した場合、
>   その存在は生前と同様の自我を備えていますか?』

そして、もう一つの質問……小石川の質問に、続けてコインが動き出す。

                    スススス

                スス…

     ピタ

                           ――――中央から、再び『はい』へと。

501小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/08(日) 04:21:02
>>500

  「――他に気に掛かることは……」

  「笹暮さんは『レイトのスタンド』を見ています。
   それは彼の言葉から分かります。
   そして……彼は『水鉄砲のスタンド』も見ています」

  「彼が『水鉄砲のスタンド』を見た時、
   私自身も同じ場所にいました。
   私は隠れて様子を見ていました。
   笹暮さんも、私が見ていることを知っていました」

  「彼は……敢えて喋ることで、私に情報を伝えてくれました。
   ですが、彼は『水鉄砲のスタンド』と『銃のスタンド』が、
   同じものであることを匂わせるような言葉は言いませんでした」

  「彼は『銃』と『水鉄砲』の両方を見ています。
   もし、その二つが同じ外見だったとして、
   それについて言及しなかったのは何故か……。
   『気付かなかったから』だと考えれば――筋は通るでしょう」

  「私が考える可能性は二つあります……。
   一つは、先程も申し上げた通りです」

  「もう一つは、彼は『レイトのスタンド』を、
   『はっきりとは見ていないかもしれない』ということです。
   彼は、『不意打ち』されたと言っていましたから……
   根拠としては十分です」

  「仮にシルエットしか見えていなかったとしたら、
   天雨さんのおっしゃる通り、
   『水鉄砲』を『銃』と表現しても不自然ではないでしょう。
   そうであるなら……
   『レイトの銃は水鉄砲と同一』という仮説も成り立ちます」

全員に周知するために、自分の推測は全て口に出しておく。
不安なのは、スタンド使いが『五人』いるということだ。
出雲と協力関係を築けたとしても『二人』だけ。
つまり、状況は『二対五』ということになる。
正面から衝突することになれば、まともな対抗は不可能だろう。
彼らが撤退してくれるか、正面衝突を回避出来れば、
まだ可能性は残されているかもしれない。
出雲は敵意ある侵入者は排除するという考えのようだったが、
『一対五』だと知った上での判断かどうかは尋ねる必要がある。

  「天雨さん、『四週目』の質問なのですが……」

  「『笹暮さんが目撃したレイトの銃とは、
   水鉄砲のスタンドであるフレッシュ&ブラッドと、
   同一あるいは近いものですか?』」

  「……これを私の代わりにお願いしてもよろしいでしょうか?」

そう言ってから、天雨から小角に視線を向ける。
正直なところ、自分も胸の内は穏やかとは言い難い。
だからこそ、彼女の動揺した様子を見て、
却って落ち着くことが出来たのかもしれない。

  「バスを見張っていた男性の『連絡』は聴いておきました。
   『会話は聞こえない。これ以上近づけば見つかる』。
   トランシーバー越しに、そう連絡していたようです」

  「彼には、私達の会話は聞こえません。
   もし聞こうとすれば、
   見張りが露見する距離まで近付く必要がある」

  「私は……そのように解釈しています」

口元に微笑を浮かべて、そのように告げる。
上手く出来たかどうかは分からない。
ただ、彼女のために何かを言いたかった。

  「小角さん、『四週目の質問』ですが……
   『私の質問』を代行して頂けないでしょうか?」

  「ただ……まだ決めていません。
   『次の答え』によって、質問の内容を考えたいのです」

>>499

  「……よく分かりました」

  「――ありがとうございます」

  「黒峰さん……お願いがあります。
   差し支えがなければ『私の質問』を代行して下さいませんか?」

  「『既に死亡している紅鏡町の本体を、
   紅鏡町に呼び出すためには、
   一般的な感覚から見て、
   長い時間や複雑な方法を要しますか?』」

  「……これを質問して頂きたいのです」

502黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/08(日) 22:14:55
>>500-501
「了解しました……。
 『既に死亡している紅鏡町の本体を紅鏡町に呼び出すためには、一般的な感覚から見て長い時間や複雑な方法を要しますか?』」

503『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/09(月) 02:33:47
>>501(小石川)
>>502(黒峰)

『天雨』:
「私としても、そこは確かめておきたかった。
 構わなくってよ――――四週目はそうしましょう。
 ただ、そろそろ――――『どこまで掘り下げるか』を、
 決めておいた方がいいかもしれませんわね。
 時間も有限。お金を使い切るまで、とはいかないでしょう」

バスの乗客たちは今の所は何もアクションを見せない。
が、いつまでもここでとどまっている事も出来ないだろう。
『敵の情報』はその気になれば『底なし』に存在するからこそ、
何を知るのか、どこまで知るのか、それは定める必要が生まれつつある。

『小角』:
「……そ、そうなのかい。それなら安心……か。
 うむ、質問の代行はかまわないとも。この調子で『町の謎』を知り、
 もしここを作った人間を呼び出せれば、無条件で出られてもおかしくはないっ!」

それが可能なのかは分からない。
作った人間に例え自我があるとしても。
分かるのは――――質問したことだけだ。

>『既に死亡している紅鏡町の本体を紅鏡町に呼び出すためには、一般的な感覚から見て長い時間や複雑な方法を要しますか?』

                    ススス … ピタ

                                ――――『いいえ』

『小角』:
「ふむ、条件は複雑ではないし、時間もかからない……
 だが、出雲さん曰く簡単に呼び出せるわけではない……か。
 ううむ……そもそも『こちらがその気なら呼び出せる』のかが気になるな」

「つまりだね、呼び出すのはこちらの自由だけど、
 来るかは相手の気分次第とか……そういうのだと当てはまる、のでは?」

小石川の言葉が功を奏したか、多少落ち着いた様子で考察を述べる小角。
ともあれ、『三周目』は終わった。四週目には――――まだ突入はしていない。するかどうかは四人次第だ。

504小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/09(月) 05:31:56
>>503

  「……『費用』は『有るだけ』使っても構いませんが、
   このまま長々と時間を掛けられないことは承知しています」

  「『四週目』を始めましょう。
   ひとまず天雨さんは、先程の質問をお願いします。
   黒峰さん、小角さん……
   もし質問がないのであれば、
   私に『質問の権利』を委ねて下さいませんか?
   これから先、私の質問を代行して頂きたいのです」

  「私は……
   『この町の本体』を知ることに集中したいと考えています。
   そのために、一つでも多くの質問を使いたいのです。
   これが自分勝手な頼みであることは分かっています」

  「どうか……お願いします……」

そう言って、二人に頭を下げる。
天雨が言った通り、敵について知る方が重要度は高い。
これは我侭な言い分でしかないだろう。
ただ、自分は『この町』について知りたい。
このまま無事に町を去ることが出来れば、おそらくは安全だろう。
しかし、それだけで済ませたくないという思いがある。
それは、出雲に自分を重ねて見ているせいかもしれない。
死者を呼び戻せるという話に、
一縷の希望を夢見ているせいかもしれない。
理由は何にせよ、知りたいのだ。

  「……『本体』を呼び出すことは難しくない。
   それなのに、出雲さんは『本体』を呼び出していない。
   なぜ?どうして彼は呼び出さないのか……」

  「最も簡単に考えられる答えは『呼び出したくない』から……。
   これなら筋が通る……。
   でも、そんなことが有り得るのかどうか……」

  「『本体』は彼と関わりが深い。
   きっと愛着もあったはず……
   それなのに、『呼び出したくない』とは考えられない……」

  「呼び出すことは『可能』。しかも『難しくない』。
   それなら、なぜ呼び出さないのか……」

  「呼び出すと何か不都合が起こる?
   たとえば、その『呼び出した本体』に危害が及ぶような……。
   確かに、今の状況なら当てはまらないこともない……」

  「そのためには、
   彼が『呼び出したいと思っているかどうか』を、
   確かめるべき……?」

目を閉じて、微かな声で呟く。
半ば周囲を忘れたような状態で、思索に没頭する。
しかし、小角の言葉を聞いて我に返った。

  「……それは確かに有り得るかもしれません。
   私は『呼び出す』という言葉を、
   その時点で完結するものと見なしていました。
   つまり、こちらが呼び出した瞬間に、
   この場に現れるようなものだと考えていたのです。
   『死者にも意思がある』ことを前提とした能力なら、
   その考えは『妥当』です」

  「いえ、『それ以上』でしょう……。
   この場合、『呼び出し』という言葉ではなく、
   『呼び掛け』という表現の方が適切のように思います」

  「『呼び掛け』と『応答』が別々だとしたら?

   彼が何度も『呼び掛け』を行っているとしたら?

   そして、未だに『成功していない』としたら?

   彼が『いつかは成功させたい』と考えているとしたら?

   そのためには『町の維持』が不可欠だとしたら?

   だから『町を残したい』と考えているとしたら?」

やや乱れの見える口調で、一息に言い切る。
少しの間、荒れた呼吸を繰り返す。
それから深呼吸して、気持ちを落ち着ける。

  「『既に死亡している紅鏡町の本体を、
   紅鏡町に呼び出すためには、
   紅鏡町の本体自身の同意が必要ですか?』」

  「これが『二つ目の質問』です」

  「そして――仮に『これが正しい』とすれば、
   『本体』は『来ることを望んでいない』ことになる……」

505黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/09(月) 20:22:03
>>503-504
「……ええ、構いません。
 小石川さんにとって、必要なことなのでしょう……協力します」

506『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/10(火) 06:22:06
>>504(小石川)

『小角』:
「では、次の周回だ……オホンッ。そういえばわたしも『四周目』と言っていたが、
 よく考えるとさっきの時点で四周目だったぞ……今から始まるのは『五周目』だね」

「それと……わたしも、さっきも言った通りきみの質問の『代行』でかまわない。
 むろん、わたし自身何も考えてないわけじゃあない……必要なら口出しはするぞ!」

……三周目(>>497)と四周目(>>500-503)で得られた情報が、少しずつ真相に迫りつつある。
この『五周目』で、どこまで近づけるだろうか。『小石川』の持ち込んだ資金は、残り『52万円』だ。

『天雨』:
「――ええ、この質問は重要ですわね。
 『笹暮さんが目撃したレイトの銃とは、
  水鉄砲のスタンドであるフレッシュ&ブラッドと、
  同一あるいは近いものかしら?』」

              ススス…
                     ピタッ

――――『はい』

まずは天雨が、小石川の返答に首肯したのち質問を投げた。
答えは『はい』――――これも一つの前提が覆る話ではある。

『小角』:
「むっ……なら笹暮という人は『同じだと気づかなかった』か、
 それとも『レイトの持っていた銃』を見ていなかったか、か!」

『天雨』:
「……こうなると『なぜ同一と気づかなかったか』より、
 『なぜ同一か』の方が……私には重要に思えますわ。
 気付かない理由は、ヒューマンエラーの可能性が高い。
 けど『同一になる理由』は、能力のシステム自体の話ですもの。
 解き明かす必要があるとしたら、後者だと思いましてよ。
 レイトの能力なのか、別の誰かがスタンドを複製できるのか……」

――――いずれにせよまだ結論は出ない。関心は『小石川の質問』に移る。

『小角』:
「『イル・ソン・パティ』は『人が集まる』ことで力を増す。
 お金の用意もだし、単純に質問の回数が増える事もだが、
 いろんなひとの考えが集まるのが、一番大きな理由だと思うんだ」

「……わたしも『その推理』が、正しいような気がする」

自問自答に没頭する様子を心許なげに見つめていた小角も、
小石川が新たに口に出した『問い』には大きく頷く。

『天雨』:
「あるいは一度や二度、あるいは幾度か『成功はしている』のかもしれませんわ。
 けれど、呼び出せても『ずっととどめておくことは出来ない』……
 そして試みが『毎回成功するとは限らない』……だから町を維持して、
 『会える機会、可能性』をいつまでも残しておきたい。そういう可能性もありますわね」
 
「私にはまだ、経験はないから……『想い』の大きさは、推し量るしかない。
 いいえ……『推し量れさえしない』のかも、しれませんけれど。…………
 『大切な人に、もう一度会いたい』……もしも己の力でそれが叶うなら、
 『一度といわず、何度も会いたい』と考えてしまうのは、自然に思えますもの」

天雨も、その推測に概ね理解を示したうえで、少し異なる考察を述べる。
それからカバンを漁り、未開封の『水』のボトルを静かに、小石川に手渡してきた。
小石川の表情や語調の乱れを、気遣ったのかもしれない。

そして、答えは――――

『既に死亡している紅鏡町の本体を、
 紅鏡町に呼び出すためには、
 紅鏡町の本体自身の同意が必要ですか?』

                ススス

                        スススス ピタ

                                     ――――『はい』

507小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/10(火) 20:30:20
>>505

  「黒峰さん、ありがとうございます」

  「そう言って頂けると心強く思います……」

  「本当に……ありがとうございます」

>>506

  「天雨さん、小角さん――」

  「ありがとうございます……」

  「……すみません、天雨さん」

天雨と小角に感謝を告げた後、
天雨から受け取った水で喉を潤す。
自分の心に生じる乱れは、この町の影響ではないだろう。
私は、この件に執着しすぎているのかもしれない。
真実に近付こうとする程に、感情が溶岩のように沸き立つ。
抑えようとしても、それを止めることが出来ない。

  「『コピーする能力』――総合的に考えると、大方その方向……」

  「もしよろしければ、『敵の能力』に関しては、
   ひとまず『調査』を打ち切りたいと思います。
   二つのことを同時に質問していると、
   『どちらも半端で終わる』可能性が出てきますので……。
   もちろん、余裕があれば『調査』はしたいと思いますが……」

  「次の質問の前に……皆さんにお伝えしたいことがあります」

  「私は、この町に残ります。
   出口から外に出る所までは、私も同行します。
   その後で、また町の中に戻るつもりです」

  「代わりの乗り物が到着しても、私は乗りません。
   帰りの手段は、どうにか考えます。
   ですので……どうか気になさらないで下さい」

  「矢田さんと運転手さん……それから出雲さんには、
   このことを伏せておいて頂けますか?
   矢田さん達には、代わりの乗り物に乗り込んだ後で、
   知らせて下さい」

  「出雲さんには――『私から』お伝えします」

  「――それから……」

  「申し訳ありませんが……少し考えさせて下さい」

そこまで言って、再び目を閉じる。
同時に、発現したままの『スーサイド・ライフ』も解除しておく。
こちらに動きがない限り、向こうにも目立つ動きはないだろう。

508小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/10(火) 20:31:28
>>507

  「これまでの情報を纏めると、『今まで成功していない』か、
   あるいは『何度かは成功しているが毎回ではない』……」

  「つまり、呼び掛けても『応答がない』か、
   もしくは『拒否される』ことがある……。
   そうだとすれば、『紅鏡町の本体』は、この町に出てくることを、
   完全に肯定的に受け止めてはいないことになる……」

  「もし完全に肯定しているなら、『いつでも呼び出せる』はず。
   長い時間も複雑な手順も掛からないのだから……」

  「そうだとすれば、なぜ出てこないのか……。
   なぜ出てきてくれないのか……。
   おそらくは『本体』にとっても、会いたい相手のはず……」

  「会いたいなら会いに行く。
   会いたくないなら会わない。
   会いたいのに会わない理由は……」

  「……『相手』のため?
   会いたいけど、相手のために会わない。
   相手のためにならないから会わない……。
   あるいは、お互いのためにならないから会わない……」

思考の没入の後、静かに目を開ける。

  「では……『質問』を」

  「『紅鏡町の本体は、
   出雲さんの呼び掛けに応じて紅鏡町に現れることに対して、
   一切の否定的な意思を持たず、
   完全に肯定的に受け止めていますか?』」

  「黒峰さん――お手数ですが、お願いします……」

            スッ

  「天雨さん――先程のお話ですが……私も、そう思います」

  「愛着のある相手なら、何度でも会いたい。永遠に傍にいたい。
   どのような困難や障害があったとしても。
   もし、それが倫理観や道徳観に背くことであったとしても、
   いつまでも存在していて欲しい」
   
  「――私も『そう思います』」

509黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/10(火) 23:16:10
>>506-507
「……はい……。
 『紅鏡町の本体は、出雲さんの呼び掛けに応じて紅鏡町に現れることに対して、
 一切の否定的な意思を持たず、完全に肯定的に受け止めていますか?』」

残るという宣言に少し驚きはあるが……それが本人の希望ならば、止めはしない。

510『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/12(木) 00:09:36
>>507-508(小石川)
>>509(黒峰)

赤い空は暑さとは無縁で、乾く喉は己の心の熱による物。
心火は、燃え盛る己自身の手で抑えられるものではない――――

『小角』:
「うむ、そうだね……いったんこの町の謎の方に集中……え?
 残っ……え、なっ……なにを言うんだ急に……小石川さん。
 だってきみは、ここに残って……何、何を……しようとしているんだ?」

「ひとりで残るなんて……そ、そんなの……」

小石川の示した意志に、小角は寝耳に水、当惑しきった顔で返す。
その視線の彷徨った先……天雨は、小石川をまっすぐに見ている。

『天雨』:
「………………………………小石川さん。
 貴女のする事に私が何か口出しする権利はありませんわ。
 特に、全員で協力して、無事にここを脱出した後の話なら……けれど」

            ジ…

目をそらすことは無い。

「……『策』を立てて動く最初の機会を逃せば、出られる保証はなくってよ。
 相手の目的が私たちを害する事じゃないとしても、『全員』で通るからこそ、
 相手は『未知の戦力』を警戒して強硬手段には出てこない部分もあるでしょう」
 
「でも、貴女一人で『後から出よう』とするなら……
 『消した方が早い』と考えても不思議はありませんわ。
 『ここは別世界』……きっと証拠は残らないのでしょうし、
 必要であれば暴力を躊躇わない可能性は高いでしょう」
 
「そもそも、あの空間の穴は……いつまで保つんですの?
 いつまでも……そんな保証は、どこにもなくってよ。
 帰る手段――――『そんなものは、ないかもしれない』」

「――貴女の気持ちは私には否定できない。できるはずがない。
 ……だからこそ、言える事がある。貴女も分かっていることでしょう。
 それでも、そう思わずにはいられない……それは自然なのでしょう。
 けど……『入れ込んだ気持ち』が返ってくる保証なんて、どこにも無い」

「――――貴女自身のじゃあない、他の誰かの問題に入れ込むなら、猶更」

普段より幾分か激しく、早い口調でそこまで言い終えると、天雨は息を吸う。

「フゥーーーーーッ…… 貴女は賢い。だから一度だけ言わせていただきます。
 『貴女もこの町から、私たちと一緒に、今出るべきですわ』……二度は不要、でしょう?」

その目は困惑というよりは、『確信』に満ちていた。
それでも言わねばならなかったのだろう。

『天雨』:
「…………安心なさい、貴女が残る事を言いふらしはしませんわ。
 それは間違いなく混乱を招いて……脱出を妨げる事になりかねない。
 そうなるくらいなら、私は貴女を引き留めなかった『共犯者』を選びましょう」

『小角』:
「…………」

小石川が危険を理解していても、この町に残るように。
確かめなくてはならないこと、やらねばならないことがあるように。

そして――――目を閉じた小石川にも指先でわかる。
黒峰が受け入れた新たな質問により、盤面は動き出す。

>『紅鏡町の本体は、
> 出雲さんの呼び掛けに応じて紅鏡町に現れることに対して、
> 一切の否定的な意思を持たず、
> 完全に肯定的に受け止めていますか?』

         ススス    ピタッ

――――『いいえ』

『小角』:
「小石川さん……わ、わたしに何が言えるか……
 いや、言うべきかもわからない、でも、『調査』はする。
 それは間違いなくわたしがすべきこと……『依頼』だから」

小角が顔を上げた。
視線には天雨と違い、100%の確信は無かった。
あるいは黒峰のように、受容も出来ていないのかもしれない。
それでも、今この瞬間は、間違いなく彼女も協力者だ。
依頼を受けた、探偵だから。

「この答え……迷いがある……それは『なぜ』だろう?
 小石川さんの言うように、来るのがどちらかのためにならないのか?
 それとも、ためにならないとかじゃなく、何か実害があるからか?」

「今この瞬間絶対に来ることができないなら……否定も肯定もない。
 それならば、たぶん答えは『どちらでもない』になるはずなんだ。
 本体が来られない事実を知らないとかなら話は別として、
 『来られない』ではなく、『来ない』可能性は高い、と見ていいだろうね」

そしてやはり当惑は醒めない様子ながらも、現状に対するいくらかの推理を口にした。

511小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/12(木) 20:16:08
>>509
>>510

  「皆さん――ありがとうございます」

  「……ありがとうございます」

天雨の意見は正しい。
自分でも、そう思う。
しかし、もう決めた。
このまま帰れば後悔する。
だからこそ確かめたい。
それを見届けずに元の世界に戻ることは出来ない。
この見知らぬ世界で力尽きたとしても。

    スッ――

右手の薬指に光る指輪を撫でる。
心残りがあるとするなら、かつて『彼』と交わした約束のこと。
私が命を落とせば、それを果たすことは出来なくなる。

  ――ごめんなさい……。

  ――でも、私は……。

心の中で、自分の我侭を『彼』に謝罪する。
そして、気持ちを切り替えて思考を働かせる。
今は目の前の問題に集中しなければいけない。

  「『実害』があるのは間違いない……。
   現に、今『それ』が起こっている……」

  「そもそも紅鏡町がなければ、
   今の問題が起こることはなかった……。
   この町があることによって、
   『この町を維持する者』が狙われている……。
   町がなければ、彼が狙われることはない……」

  「『本体』は、彼が傷付くことを望んでいない……。
   そして、町が存在しなければ彼が傷付くことはない……」

  「『紅鏡町の本体が、紅鏡町に現れることに対して、
   幾らかの否定的な意思を持っているのは、
   この町が存在することによって、
   出雲さんに危険が及ぶ可能性を考えているからですか?』」

  「――小角さん、お願いします」

512黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/12(木) 23:15:46
>>510-511
「……」

成り行きを見守る。

513『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/13(金) 23:51:12
>>511(小石川)
>>512(黒峰)

天雨は小石川の『感謝』の言葉に、改めて察したのだろう。
小角は――――少なくとも今は、何も言わないようにしたのだろう。


『小角』:
「わかった……それを聞こう、小石川さん」

「……『紅鏡町の本体が、紅鏡町に現れることに対して、
    いくらかの否定的な意思を持っているのは、
    この町が存在することによって、
    出雲さんに危険が及ぶ可能性を考えているからか?』


         ススス

盤面に乗せられた指が、答えへと導かれる。


                  スススス

            ピタッ


              ――――――――『はい』

                               …ザッ  …ザッ

バスの向こう側から、こちらに誰かが歩いてくる。
まだこの『調査』を目に出来る距離でも、声が届きそうな距離でもない。
そして、極めて低い可能性を除けば、状況から考えるに『敵』でもないだろう。

514小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/14(土) 05:31:51
>>512
>>513

  「これで……」

             スッ

静かに目を開け、視線の先にある木盤を見つめる。
示された『答え』は、自分の予想したものと同じだった。
小角の言葉が、それを導いた。

  「これで、私の知りたかったことは概ね分かりました」

その時、誰かの足音が耳に届いた。
近付く気配を感じ、木盤を囲む三人に目配せする。
誰かは分からないが、『用意』はしておく。

  「皆さん――お願いします」

  「『この町について調べたこと』は、どうか『内密』に……」

改めて三人に伝え、相手の動向を待つ。
『次の周』をどうするか。
それは、『近付いてくる相手が誰か』による。

515黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/14(土) 19:31:41
>>513-514
「はい、そのほうがいいでしょう……。

 ……誰か来ますね……」

近づいてくる人物を確認する。

516『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/14(土) 22:52:35
>>514(小石川)
>>515(黒峰)

調査は『五周目』を終えたところで、一旦の収束を得る。

得られた情報で、何をなすのか。
直接的な行動に長けるスタンド使いは、小石川と黒峰だ。
町からの脱出……そして、小石川にとってはその後の事。
最後の『本題』に向かう時間が、迫りつつあった。

『天雨』:
「ええ……勿論ですわ。話して得をする事も無いでしょう」

『小角』:
「……うむ、守秘義務は探偵の基本、だ」

小角がそれとなく位置取りを変えて、
近付いてくる者から盤を隠す…………

      ザッ   ザッ

飛行帽を被った青年……『出雲』の視線から。
彼は調査自体は知っている。隠す意味は無くなったが、
小角にとって、この盤は見せびらかす物ではないらしい。

『出雲』:
「『敵』の調査、進捗どんな感じッスか?
 こっちは特に動きないんで、戻ってきたんスけど。
 監視してる奴は変わらず一人……能力を使う様子はナシ」

「こっちが動くのを報告するんでしょうから、
 ま、今動きがないのはある意味自然ではあるッスね」

彼の目に特別な感情は伺えないように見えた。
少なくとも調査の経緯は見ていなかったのだろう。

『出雲』:
「もう、調査が十分なら……そろそろ、『出発』ッスね。
 まだ兆候はないッスけど、待たせ続ければ他の乗客が何か、
 予測不可能な動きをする確率も上がっていく……そうなる前に」

更なる調査が必要なら、行う余地はまだあるようだ。
もっとも、それは彼の面前で行える調査には限られてくるが・・・どうする?

517小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/15(日) 00:01:36
>>515
>>516

  「……ええ、『価値のある情報』は得られたと思います」

  「まず、あちらの総数は『五人』です。
   その全員が『スタンド使い』であることも分かりました」

  「銀髪の男性はヴィジョンや物体を分解する『人型』、
   ゴウと呼ばれる男性は『水鉄砲』、
   レイトと呼ばれている女性は――
   おそらく『コピー』に関する能力……」

  「最初にバスに接触してきた男性は、
   『感情』に関連する能力のようです。
   今バスを見張っている彼については、まだ分かりません」

  「これは『偵察』で分かったことですが……
   二人は『出口』の近くで待ち伏せしています。
   一人は、森の中を巡回していたようです」

  「もう一人は、ここでバスを見張っている……。
   残りの一人――レイトの位置は不明ですが、
   森とバスの中間付近にいるのではないかと……」

出雲に伝えながら、言葉に対する彼の反応を窺う。
数の上では圧倒的に不利な状況。
それを知った彼が、どのような態度を示すかを確かめる。

  「……『敵について』の最後の調査を始めても構いませんか?
   ここからは出雲さんにも加わって頂きましょう」

  「――お願い出来ますか?」

出雲を見て、それから他の三人に視線を巡らせる。
彼が来てしまった以上、『町についての調査』は切り上げる。
それよりも、質問の数が一つ増えるというメリットを活用すべきだ。

  「その前に質問の方針を決めたいのですが……」

  「……少しだけ考えさせて下さい」

  「敵の中に『戦闘向きのスタンド使い』が何人いるか……。
   『人型』と『水鉄砲』、そして『コピー』も含めれば三人……」

  「問題は残る二人……。
   黒峰さんが接触した一人は、おそらく戦闘が出来る……。
   そうでなければ正面から一人で来ることは考えにくい……。
   もっと目立たないように探ろうと思えば、
   そのための方法は幾らでもあった……」

  「そう考えると、戦闘が可能なのは『四人』……。
   あとの一人は……。
   戦えるのが『四人』と『五人』では大きく違う……」

  「私は、今バスを見張っている彼が、
   『戦闘に向かない能力』を持っているかどうかを、
   聞いてみたいと思います」

これは『質問』ではない。
自分が何を調べたいと思っているかを、
四人に伝えるための『意見』だ。
時間は迫っているが、焦って質問を無駄にしては元も子もない。

518黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/15(日) 23:20:48
>>516-517
「そうですね……。
 では……私は『この世界と外の世界を繋ぐ穴を開けたのは、私達を監視しているグループの誰かか?』を聞きましょう……」

519『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/16(月) 21:57:55
>>517(小石川)
>>518(黒峰)

『出雲』:
「……………『五人』……全員!?
 スタンド使いが、五人も徒党を……マジか。
 そういう『戦力』の用意を気軽に出来る組織は、
 あらかた『滅んだ』って話を聞いたハズ、なんスけど」

「…………存在が眉唾のはずのこの『紅鏡町』に、それだけの数を割く…………?
 今、結果論で言うなら『価値』はあるかもしれねェーッスけど、
 それだけの人数を動かすなら、動く前段階で何か確信はあるハズ……」

「……もしくは余程無軌道な連中か……
 どっちにせよ、そうスか、五人……」

小石川の説明を聞いた出雲の表情は、楽観は無い。
だが絶望も無い……あるのは『覚悟』に思えた。
覚悟。聞こえのいい言葉だがそれは『意味』を要しない。
何か策がある可能性はあるが……捨て鉢の覚悟でもおかしくはない。

『出雲』:
「…………………分かりました、これは『調査』しとかないとヤバい。
 おれも手を貸します。万一の場合でも、絶対に護送を成功させるためにも。
 とりあえず黒峰さんの質問は……念のため、『必要』だと思うッス。
 敵の意思でいつでも穴を開けたり閉じたり出来るのか、それとも別の要因なのか。
 おれとか……この空間自体に、そんな事が起きる理由はないッスからね」

説明が功を奏したか、出雲も滞りなく調査に加わる意思を見せる。
盤面を囲む人間はこれで五人。迎える六周目の質問権は、今までで最多となる。

『天雨』:
「異論ございませんわ。……気になるのはやはり『レイト』の能力。
 いえ、この場合『どのように銃を増やしたのか』と言うべきかしら。
 コピーに何か条件があるのか……自分が使うだけか、人にも渡せるのか。
 あくまで、レイト側のコピー能力、という仮定によるものだけれど……」

『小角』:
「うむ、続けるのであれば、わたしからも異論はないとも。
 ただ……小石川さんの質問、その聞き方は少し危ういかもしれない。
 なにせ戦闘に向かないスタンド、というものの定義は人によるからさ」

3名はそれぞれ小石川の方針に納得を示すが、その中で小角だけは講釈を添える。
彼女のスタンドである『イル・ソン・パティ』には、彼女が最も詳しい。
 
「むろん、わたしくらい分かりやすく向かない、なら一発で綺麗な答えが出るだろう。
 あまりやりたくないが……た、戦いの役にたつ技もある。それでも『はい』になるだろうね。
 だがね……戦いに使えるかどうかのボーダー上、みたいな能力だと、答えの精度が落ちるんだ。
 『はい』と出たのに、能力を活かしてこちらを翻弄し罠にかけて来たりしてもおかしくない。
 代わりに……たとえばだね、『スタンドのヴィジョンや、発動する能力に、人間を超えた破壊力を有する部分はありますか?』
 ……このような聞き方なら、『はい』と『いいえ』以外の迷いやブレは生まれないわけだ」

「まあ、もちろん…………このように具体的に聞くことにも欠点はあるがね。
 次は『じゃあスピードは?』『破壊力もスピードも関係のない殺傷力は?』
 聞くべき事項が、無限と思えるくらいに増えてしまう……悩みどころだ。
 ……どうするかは小石川さんに任せるよ。わたしも後者が絶対良い、とは言い切れないからね」

ただ、詳しいからと状況への最適解を常に引けるわけではないようだが・・・
この助言を受け入れるか、考え方の一つとして留保するかは、小石川次第となる。

520小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/16(月) 23:50:14
>>518
>>519

黒峰の質問を聞いて、正直なところ少し困った。
その答えは、おそらく『ノー』だ。
『根拠』もある。
だが、それを出雲に聞かせることが、
ここに残ろうとする自分にとってマイナスになる可能性があるのだ。
『その人間さえいなくなれば町に入れなくなる』と、
彼に思わせるのは不味い。

『入口』あるいは『出口』を作ったのは笹暮の能力だろう。
詳しく聞いた訳ではないが、彼の能力は『開錠』。
数多くいるであろう人員の中から、
彼がえらばれて派遣されたのは、
決して単に手が空いていたからではないはず。
アリーナは、紅鏡町や出雲について、
ある程度の情報を掴んでいる様子だった。
情報を持ちながら、
『入れない人間』を一人で現地に寄越すというのは考えにくい。
彼は『入れるからこそ送られた』と考えるのが、
一番納得のいく答えだ。
根拠というのは、それだけではない。

敵は、笹暮を生かしている。
彼らは障害となる者に対して容赦がない。
そして、彼らにとって、笹暮は明確に『敵』だ。
たとえば、『人質にする』とか、
『情報を引き出すため』という可能性もあるだろう。
しかし、わざわざ『意識がある状態』にしておく理由はない。
誰かに情報を喋られないように気絶でもさせておけばいい。
眠らされていた笹暮が自分で意識を取り戻した可能性もある。
だが、ゴウは彼を黙らせなかった。
ゴウが彼を攻撃したのは、笹暮が彼を挑発したからに過ぎない。

笹暮が殺されず、
意識も奪われていない理由は、
『彼の能力が作用しないと出入りが出来ない』からだと考えられる。
それなら、『殺さずに意識は残して動けなくしている』理由になる。
彼らが笹暮を奇襲したという点も、その裏付けになるだろう。
つまり、『入ろうとして入口を開けた直後』を狙ったと思われるのだ。
もちろん100%の確証がある訳ではないが、これが自分の考えだ。

  「――……」

  「黒峰さん……」

  「いえ――何でもありません……」

黒峰に視線を送り、何かを言いかけて口を閉ざす。
ここで自分が説明すれば、
『笹暮の能力さえなければ入れなくなる可能性』を、
出雲に知られてしまうことになる。
他の質問に切り替えてもらえれば、それを回避することが出来る。
しかし、彼女の質問権は彼女自身にある。
彼女の質問は彼女の意思に委ねる。

  「『戦闘要員』が『五人』か『四人』か……。
   私は……それを知りたいと思っています。
   『四人』なら多少は危険が減るでしょう……」

  「『もし私と彼が、他者の介入のない一対一の条件で、
   相手を再起不能にすることを目的として、
   お互いの能力を駆使して正面から戦ったら
   彼の方が有利ですか?』」

  「……これではどうでしょう。
   私は『自分の能力』は、よく分かっているつもりです。
   それを基準にして、
   『有利か不利か』を判断するというのは……。
   『能力』や『性能』が分からなくとも、
   最低限それだけ分かれば十分です」

小角の方を向いて、言葉を返す。
たとえば、仮に『一対一』で『こちらが有利』だとすれば、
状況が『二対一』なら『より確実』になる。
どうしても適切な質問を出せないようなら、
こちらの意図に沿う質問を、
本体である彼女に『依頼』することも考える。
この『調査方法』について誰よりも熟知しているのは彼女だ。
貴重な時間を無為にするよりは、その方がいい。

521小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/16(月) 23:52:47
>>520

まだ『質問』はしない。

522黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/17(火) 19:29:12
>>519-520
(……ふむ)

小石川がなにか言いたげ、ということは自分の質問はあまり適切ではないということかと判断。

「……いま、『見張りの見張り』はいないのですよね。
 私はそれほど聞きたいわけでもないですし……こちらはお任せしておきます」

その場を移動する。
できれば調査の話し声が聞こえる程度の距離を保ちたい。

523『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/18(水) 22:31:31
>>520(小石川)
>>521(黒峰)

ありとあらゆる真実を暴き出すという事は――――
即ち『不都合な真実』をも容赦なく暴き出すという事だ。
小石川の考察する『根拠』には、驚くほどに『筋』が通っている。
確証はない。……『今、確証があれば不味い』という発想も恐らく『正しい』
出雲が目の前にいる状況では、『聞かない』事が最も確実な対策だろう。

ただ、『小石川』の牽制の意図は『黒峰』には忖度できたが、
天雨や小角、そしてほかならぬ出雲自身にどうかは分からない。
『6周目』が始まれば、誰かがすぐに聞いてしまってもおかしくはない。

『小角』:
「うむ……そうだね、それならば『答え』は出やすいと思う。
 わたしにはそれより良い聞き方は……少なくともすぐは思いつかない」

「無論、時間を掛ければできるかもしれないが……」

『天雨』:
「あまり長い時間を取るべき状況ではない――――それは前提ですわ。
 小石川さんの聞き方で、十分に質問の『目的』を達成する事にはなるでしょう。
 そして『リサーチ』に重要なのは一つでも多くを得る事ではなく、必要なものを得る事!」

         「ビジネスのみならず、探偵稼業でもそう……では、ないかしら?」

『小角』:
「そ、その通りだとも。わたしもそう言おうと思っていたんだ。
 ……ん、黒峰さん……いや、そうだね。『見張りの見張り』は必要だ。
 敵のスタンド能力が分からない以上、いつなにをしてくるかもわからないからな」

『出雲』:
「そうッスね。動きが無いのも、『見張りを見張られてるのに途中で気づいた』
 からって可能性もゼロではないッスから。お気をつけて。……おれらは、そろそろ『調査』に入りますか」

黒峰はその場を離れる――――バスの向こう側まで出ると話し声はぎりぎり聞こえない。
見張りの見張りをこなしつつ調査内容も聞く、というのは、黒峰だけの努力では難しいように思える。
なお、例の『見張りの若者』はやや位置取りを変えてはいるが、相変わらずこちらを見張っているようだった。

524小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/18(水) 23:26:32
>>522
>>523

一度『出口の話題』が出てしまった以上、
黒峰が聞かなくても他の誰かが聞く可能性は大いに有り得る。
出雲にしても、その話題には興味を示していた。
彼の口から同じ質問が出る可能性は高いと言える。

  「――……」

事前に考えを伝えていなかったのは、自分のミスだった。
ただ、ここは黒峰には残っていてもらいたい。
彼女がいるだけで、質問の数が一つ増えるのだから。
むしろ、『出口の質問』で一つ費やすとすれば、
黒峰が抜けた分だけ損をすることになってしまう。
彼女がいてくれれば、残り四つの質問を活用できる。

  「……黒峰さん、よければ私の質問を代行して頂けませんか?
   内容は、今さっき私が話したもので結構です」

  「『今バスを見張っている男性と小石川が、
   他者の介入のない一対一の条件で、
   相手を再起不能にすることを目的として、
   お互いの能力を駆使して正面から戦ったら
   彼の方が有利ですか?』」

  「これをお願いします。
   『もう一つの質問』の方は、その間に考えておきますので……」

  「……申し訳ありません」

黒峰に呼び掛けて、先程までと同じように『代行』を頼みたい。
その結果を聞いてから、もう一つの質問を検討する。
出雲を加えたとしても『二対五』という圧倒的『戦力差』――
積極的な争いは避けたいが、万一は常に有り得る。

  「それから、今の内に聞いておきたいのですが……」

  「どなたか『中身が空の袋か鞄』をお持ちではないですか?
   『空にしてもいい袋か鞄』でも構いません」

  「外から中身が見えず、
   このエコバッグ以上の大きさがあるものが望ましいのですが……」

           ス……

天雨から受け取ったエコバッグを全員に見せる。
『目的』のためには、あと二つあれば十分だ。
一つでもどうにかやれないことはないかもしれないが、
二つなら尚良い。

525黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/19(木) 20:21:18
>>523-524
「はあ……それは構いませんが……。
 ……袋は、私のバッグを中身を抜いて使っていただいても構いません……」

自身の肩掛けバッグを示す。
調査を開始したら質問する。

「『今バスを見張っている男性と小石川さんが、他者の介入のない一対一の条件で、相手を再起不能にすることを目的として、
 お互いの能力を駆使して正面から戦ったら彼の方が有利ですか?』」

526『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/20(金) 00:33:27
>>524(小石川)
>>525(黒峰)

『出雲』:
「カバン……そういうのは持ってないッスね。
 まー、その辺で売ってるんじゃないかとは思うッスけど……」

『小角』:
「かばんや袋はバスの中に置いてきてしまったが……なにか作戦に使うのかね?」

出雲と小角はそれを今『持っていない』。
小角は厳密に言えば持っているのだが、
それはこの場にはない。取りに行く時間が必要になる。

『小角』:
「ともかく、調査はこれで『六周目』だ。質問に入っていこうか!」

戻ってきた黒峰の質問に、コインが動き出す。
六週目。『5万円』のマイナスが生じ、『52万円』から『47万』まで減少する。

>『今バスを見張っている男性と小石川が、
>他者の介入のない一対一の条件で、
>相手を再起不能にすることを目的として、
>お互いの能力を駆使して正面から戦ったら
>彼の方が有利ですか?』

                  ススス
                      スススス

                           ススス … ピタ

―――――――『いいえ』だ。

『出雲』:
「『使い手の腕前』の問題と、『能力の相性』の問題。
 その辺がどこまで絡んでくるかは未知数ッスけど、
 完全な『スタンド戦闘の専門家』ってわけじゃあ、なさそうッスね」

『天雨』:
「私の理解では、だけど……
 小石川さんの能力は純粋な戦闘用ではありませんものね。
 恐らく、あの『見張り』もそう。『非戦闘員』かどうかは分からないけれど」

527小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/20(金) 17:45:07
>>525
>>526

  「ありがとうございます、黒峰さん。
   おそらく……後でお借りすると思います」

  「すぐに必要な訳ではありませんが……。
   小角さん――後で確認して頂けますか?」

残り一つ。
それだけあれば、目的は達せる。
小角が持っていれば、それを借りるし、
彼女に持ち合わせがなければ、緑里に話を持ち掛けることにする。

  「一対一の戦闘では『スーサイド・ライフ』よりも不利……」

今まで情報収集や隠密行動に利用してきたように、
『スーサイド・ライフ』は幅広い局面で活用の利く能力だ。
天雨の言う通り、決して戦闘に特化したスタンドではない。
しかし、『ナイフのヴィジョン』と『本体の技量』で、
標準的な戦闘も十分に行える。

  「天雨さんのおっしゃる通り、
   私のスタンドは争いに特別向いた能力ではありません。
   ですが……出来ない訳でもありません」

  「『上限』は分かりました。次は『下限』を確認しましょう……」

  「『先程の質問と同じ条件で、
    今バスを見張っている彼と天雨さんが戦った場合、
     彼の方が有利ですか?』」

  「……これを『私からの質問』とさせて下さい」

天雨のスタンドは、おそらく自分以上に戦闘向きではないだろう。
これまで見てきた情報から、それが窺える。
『10cc』より上か下かで、相手の『下限』を推し量る。

528黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/20(金) 21:49:28
>>526-527
「彼は戦闘向きでないからこそ見張り役……ということでしょうか……」

この場で自分の役目は一旦終えたということで、見張りの見張りへ向かう。
最終的な調査結果はあとで聞かせてもらえるだろう。

529『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/22(日) 08:02:33
>>527(小石川)
>>528(黒峰)

『小角』:
「うむ、かまわないぞ。おみやげ用に持ってきた袋があったはずなんだ。
 ……おみやげなどと言っている場合では、なくなってしまったけどね」

エコバッグは確保できる……と考えて良いだろう。
いずれにしても質問の手番は進む。

>『先程の質問と同じ条件で、
> 今バスを見張っている彼と天雨さんが戦った場合、
> 彼の方が有利ですか?』」

『天雨』:
「私の戦力は……そうですわね、『一般人』に少し毛が生えた程度。そう言って過言ではなくってよ。
 護身術程度は教わっているけれど、そのような物は、スタンド使い同士なら誤差でしょう?
 ですから少なくとも、1vs1でなら……私に不利な人間は、完全な『非戦闘員』でしょうけど」

         スススス   ピタ

――――『はい』


『天雨』:
「…………そうではない、みたいでしてよ」

・・・どうやら、その天雨よりはいくらか優っているようだった。
彼がスタンドを戦闘に一切転用出来ないなら、そうはならないだろう。

『出雲』:
「『人型なり何なりヴィジョンはあるけど戦闘に使える能力じゃない』か、
 『小石川さんと同程度には戦闘に使える能力で、本体が戦闘を得意としない』?
 『何かピンポイントな能力で、今は使えないから見張りに回された』って線もある。
 まあそんなとこッスかね…………少なくとも『戦えない』わけじゃあないってコトだ。
 捨て駒じゃないなら『退避』に向いた能力か、それか本当に『監視』専門か……?」

『小角』:
「ううむ、次に何を聞くか悩ましいところだが……
 ああ黒峰さん、行ってらっしゃい。何かあればすぐ伝えてくれたまえ!」

『出雲』:
「ま、戻って来るより、こっちが解散する方が早いとは思うッスけど――おれも質問いいスか?
 …………それとも、小石川さんがまだなんか聞きたいコトあるなら、代わりに聞くッスけど?」

「おれより先に調査始めてますし……今おれに見えてないとこも、見えてそうッスから」

残りの質問者は天雨、小角、出雲。それで『六周目』が一巡することになる。

出雲は調査に協力的だ。彼の目的を考えれば、敵の情報は必須のものだろう。
あるいは単に、そういう性格という部分もあるのかもしれないが……どちらにせよ、質問数を増やせる。

ただもちろん、任せるのであれば彼は彼なりに、気になっているところを聞くだろう。

>>528(黒峰)

バスの『向かい側』……監視を受けている側に戻った黒峰の目に、特に異常は見当たらない
発車を待っている乗客達が無闇にバスから出たりもしておらず、『異常』は…………いや、そもそも。

         ・・・

               ・・・

   ・・・


………………………見当たらない。あの『監視』の男は、『どこにいった』のだろうか?

530小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/22(日) 14:10:48
>>529

  「小角さん――ありがとうございます」

これで、『入れ物』は三つ。
自分のバッグを合わせれば四つになる。
十分な数だ。

  「……少なくとも純粋な戦闘では『10cc以上』かつ、
   『スーサイド・ライフ以下』と考えていいでしょう」

  「おそらくは――その『中間の何処か』……。
   戦闘能力は皆無ではなく、強いとも言えない……」

出雲のような能力の推理はしない。
『戦闘における相対的な強さ』が分かれば良かったのだ。
考えなければならないことが多いために、
一人の能力について深く検証する余裕がないというのもある。
『一対一』で有利なら、『二対一』なら更に確実。
笹暮がされたように『不意打ち』を仕掛ければ、もっと確実になる。
戦闘は避けたい。
しかし、万一避けられない場合は、まず『一人』を減らす。

  「――彼に関しては、ここまでにしましょう。
   次は、『レイト』について調べたいのですが……」

  「彼女は『コピー』に関する能力を持っているというのが、
   今の見解です。
   天雨さんが言われたように、
   その『条件』の一端を把握しておきたい――と……」

  「つまり……持ち主の『許可』がいるかどうか。
   『貸して欲しい』と言っても、相手に断られる場合もあります。
   普通は、それでは貸してもらえません」
   
  「どれだけ強く望んでいたとしても、
   相手に『その気』がなければ意味がない。
   相手が応じてくれなければ、『願い』は達せられない」

  「『そういった可能性』があるかどうか……」

話しながら、それとなく出雲の顔を窺う。
意図的に『紅鏡町の本体』の話と重ね合わせることで、
彼の反応を見る。
出雲の意識を『出口』の話題から逸らす意味合いもある。

  「『レイトがフレッシュ&ブラッドを使うためには、
    フレッシュ&ブラッドの本体の許可が必要ですか?』」

  「これを聞いてみたいのですが……いかがでしょうか?」

自分以外の三人に尋ねる。
まだ質問はしない。
その前に意見を聞いておきたい。

  「それから出雲さん……
   『人を閉じ込めておける場所』に心当たりはありませんか?」

  「使う必要がなければいいのですが……念のためです」

バスを見張っている彼を捕らえた場合の用意だ。
戦闘能力が高くないなら、
たとえば『壁を破って逃げる』ということは考えにくい。
もちろん能力にもよるだろうが、その時は『動けない状態』にする。

531黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/22(日) 23:42:37
>>529
「……!
 いない……。
 ……仮に、監視を続行しつつ場所を移動したとすれば……」

急いで小石川たちのもとへ戻り、調査の様子が見える範囲に男の姿がないか探す。

「見張りがいなくなっています……。
 仲間の元へ戻ったのか……あるいは、こちら側へ移動したのかもしれません……」

532『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/23(月) 01:05:12
>>530(小石川)
>>531(黒峰)

『天雨』:
「『能力を無条件でコピーできる』だなんて、
 それは、あまりに強力すぎますもの。
 勿論スタンドにも強弱はあるでしょうけれど、
 同じ人間が運用する以上『限度』はあるはずですわ。
 小石川さんの言う条件……それなら、自然ですわね」

『小角』:
「わたしも、そう思う。
 どんなにすごい能力も……いやすごい能力こそ!
 むずかしい条件や、デメリットがあるのが普通なんだ。
 そこを調べる事には、意味がある……その質問で行こう!」

小角はスタンド戦闘に詳しいのだろうか?
この少女は自信過剰な気があり、そこは読みづらい。
が、いずれにしても『同意』は得られそうだった。

『出雲』:
「……そうスね。『自己完結』していない『熱意』は、
 どれだけ熱量があっても、結果に繋がらない事はある」

「『自己完結』どころか、『他人ありき』なら……猶更でしょうね」

出雲の言葉の、真意までは分からない。だがこれも同意だろう。
質問すべきことはあらかた固まった。そして直面する事態は。

『出雲』:
「閉じ込める? ……ああ。『空き家』は把握してますが、『近く』はないッス。
 単に『人間を封じ込めたい』なら、その手段は……おれにはありますよ」

           チラ

                「『使う必要』は、あるかもしれないッスね」

戻ってきた黒峰の報告に、出雲は傍らにスタンドの『腕』を浮かべる。
その手に浮かぶ細長い物体は、捻じ曲がった『時計の針』……彼は注意深く周囲を見渡す。

『小角』:
「な、なんだと!? ほんのちょっとの間に……人がいなくなるのを待ってたのか!?」

『天雨』:
「……『戻った』なら、ルートも特定できない以上追いつくのは至難でしょう。
 動きを見せないから戻るように指示を受けた、これも十分『有り得る』話ですわ。
 ……周辺にいるなら、そしてこの調査を見ているなら、その方が『よろしくない』ですわね」

                キョロッ   

                        キョロッ

『小角』:
「ど、どうする……調査を割いて『付近にいるかどうか』を調べるかっ!?」

『出雲』:
「…………残ってるにせよ戻ったにせよ、『予断』を許す状況じゃァーなさそうッスね」

天雨は足元に散水し、『草』を結界のように展開する―――――小角は周囲を見渡す。何かに気づく様子は無い。

533小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/23(月) 02:04:53
>>531

  「……分かりました。『警戒』をお願いします」

周囲の見張りは黒峰に任せておく。
『目』を解除しなければ良かったとも思った。
しかし、今更どうにもならない。
それに、『後』のことを考えると、
精神の消耗は抑えなければならなかったのだ。
どちらにしても、過ぎたことは仕方がない。

>>532

  「……落ち着きましょう。立ち去ったなら、それでいい。
   見られているなら『どうしようもない』」

自分自身に言い聞かせるように、言葉を告げる。
ただ、心中は穏やかではない。
もし見られているとしたら『最悪』だ。
『調査していることを知られることが』ではない。
『自分がツアー客の仲間だと知られることが』だ。

  「しかし……見つからずに見張りが出来るのなら、
   既にしているはずです」

  「彼は、『会話の内容が聞こえないか』と尋ねられていました。
   彼は『聞こえない。これ以上近付くと見つかる』と答えた。
   見つからずに見張れるなら、
   『これから確かめる』と答えてもおかしくない……」

  「そして『これ以上近付くと見つかる』ということは、
   『まだ見つかっていない』ということです。
   少なくとも、彼はそう考えていた。
   『見張りの見張り』に気付いたとは考えにくい……」

自分には、密かに考えている『策』があった。
それが成功する確率は、決して高いとは言えない。
しかし、『戦わずに敵を引き上げさせられる可能性』はある。
そのためには、自分が『ツアー客と無関係』だと、
敵側に思わせておく必要がある。
万一知られてしまったら、計画が破綻する恐れが出てくるからだ。

  「いずれにせよ……聞いてみれば分かることです」

  「『バスの人間以外で、
    現在この調査の様子を見ている人間がいますか?』」

        スッ

  「小角さん――お願いします」

動揺する小角の肩に手を置き、
それまでよりも柔らかい声色で『質問』を頼む。
使いたくはないが、こればかりは確認する必要がある。
その答え次第によっては、
大幅に『策』を練り直さなければならない。

534黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/23(月) 18:37:30
>>532-533
「こちら側には……今のところ姿が見えませんね……。
 ……私は改めて、あちらを見張ってきます……」

再度反対側へ。
念の為もともと男がいた場所を再確認し、その後広い範囲を確認する。

535『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/24(火) 21:54:24
>>533(小石川)
>>534(黒峰)

小石川の支えもあり、小角は言われたまま質問を行う。

>『バスの人間以外で、
> 現在この調査の様子を見ている人間がいますか?』

――――『いいえ』

『小角』:
「き、杞憂……か。それならいいんだ……ふう。
 すまないねみんな、お騒がせをしてしまって」

『天雨』:
「杞憂――――そうですわね、『今は』
 …………あえて、厳しい事を言わせていただきますけれど、
 この『調査』は今しか分からない。『まだ見ていないだけ』かもしれない」

「『今は見ていない』のは間違いない。 
 けれど、それは『この場から帰った』と同義ではなくってよ。
 ただ、小石川さんの仰る通り……『見ている』としたら方法が読めませんわ」

「透明化や遠隔視のような能力があるなら、
 姿を見せて近づく理由もないでしょうもの」

天雨はあくまで冷静に、一同の顔を見渡して見解を述べる。
それは事実だ。『イル・ソン・パティ』は今この瞬間の全能を授けるが、
一瞬先については予見する事さえかなわない。それは、人間の領分だ。

『出雲』:
「見張りの見張りに気づいたとも考えにくい――――ッスけど」

                     シュン

出雲はスタンドのヴィジョンを解除する。

「こっちの動きを不審に思った可能性はあるッスね。
 バスが『動かない』ことをか、『黒峰さん』を含めた人間が、
 この『バスの裏』に行って戻ってこないことをか……」

          「それで新しい動きを始めた可能性はあるッスよね」

>黒峰

黒峰はバスの――――出雲の言い方で言えば『バスの表』に戻る。
元居た場所には男の姿はない。

                    オ オ オ オ  ・・・

が、別の位置にいる――――『バスの裏側』に回り込むような移動。
移動――――いつ、移動していたのだろう。誰もいなかったタイミングでか?
出雲と黒峰が入れ替わる間なら、先ほど見当たらなかったのはなぜだろうか。

ともかく確かにあの位置、というより距離では『何をしているのか』までは見えないだろうが、
人が集まっていることは、見えていてもおかしくはない。もちろん、今の黒峰の動きもだ。

536小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/24(火) 22:53:46
>>535

少なくとも、まだ見られてはいないのだろう。
しかし、天雨や出雲の言う通り、油断は出来ない。
調査の完了を待たず、早急に『準備』を終えてしまう必要がある。

  「……天雨さん、お願いがあります。
   小角さんの『エコバッグ』を取りに行って下さいませんか?
   それから、このことを緑里さんにも……」

  「小角さん――バッグの『場所』を教えて下さい」

  「『レイトがフレッシュ&ブラッドを使うためには、
    フレッシュ&ブラッドの本体の許可が必要ですか?』」

  「……出雲さんには、この『質問』をお願いします」

          ズシュッ

三人に声を掛け、『スーサイド・ライフ』を発現して『片目』を抉る。
車体の下を通って、黒峰の向かった先に追随させる。
『存在するかもしれない敵』に発見されないよう、
車体の陰から周囲を観察したい。
『スーサイド・ライフ』は脚に隠す。
それから『天雨のエコバッグ』を取り出し、
『自分のバッグ』の口を開ける。

537黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/25(水) 19:02:19
>>535
「いた……。
 ……さっきはたまたま死角にいただけ……?」

今裏に行かれれば、たとえ小角のスタンドをとっさに隠しても『複数人が集まって何かをしていた』ことはバレるだろう。
なのであえてはっきりと男の方を見て、さらにそちらへ向かうような素振りを見せてこちらに注目させる。

538小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/25(水) 19:25:21
まだ黒峰のバッグは借りていない状態でしょうか?

539『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/25(水) 22:13:51
>>538(小石川・回答)
借りているものとしていただいて構いません。

540小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/27(金) 11:57:02
>>539
回答感謝します

>>536

『自分のバッグ』と『天雨のエコバッグ』を地面に置く。
上記の行動に加え、『黒峰のバッグ』の口を開ける。
これも地面に置いておく。

541『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/27(金) 23:58:24
>>536 >>540(小石川)

『天雨』:
「畏まりましてよ。小角さん、座席のどこにございますの?」

『小角』:
「う、うむ。『座席のポケット』というのかな……前の座席の」

『天雨』:
「網のようになっているところですわね。すぐ取ってきますわ。
 説明を求められたら、上手く付けてくるつもりだけれど…… 
 少なくとも、小角さん本人が行くよりは『されづらい』ハズですし、
 場合によっては緑里さんにも手伝わせる。少しばかりお待ちくださいまし」

天雨はそう言い残してバスに向かう。
説明通り、多少の時間は要するかもしれないが、問題はないだろう。
その間は小石川にも『やれること』があるからだ。

『出雲』:
「ああ、そうでした、その質問をするとこでしたね――――それじゃあ」

「『レイトがフレッシュ&ブラッドを使うためには、
 フレッシュ&ブラッドの本体の許可が必要ッスか?』」

出雲には彼自身の質問――小石川には望ましくない質問――もあるが、
他の2人への支持と並行して行われる指示が、否応なく質問内容を決める。
小石川の判断が活きた形だ。そして、得られた回答は。

                      ――――――『はい』

『出雲』:
「まあ、そりゃ、そうだ……」

           フゥ ―― ・・・

「……あー、つまり、『こっちの能力』を無断使用は出来ないわけッスね。
 こうなると気になるのは、『敵の他の能力』は既に許可を取ってんのか。
 あるいは『他の能力の許可を今から取る事が出来る』のか、ってところッスかね」

出雲は答えに対し、そのような見解を述べる。
小石川は――――目玉を切断し、偵察に向かわせる。3つのバッグも、準備は出来ている。

>>537(黒峰)

『??』:
「…………………!」

         サッ

             「……!」

                  「……!」

敵は『狙い通り』――――近付くそぶりを見せる黒峰に気づいた。
慌てた様子でトランシーバーを耳に当て、何かを捲し立てている。そして。
 
        『ズギュン』

あれは――彼自身が『纏う』ような形で発現されたのは、『スタンド』だ。
その意匠は、スマートな体形が一回り大きく膨らむシルエットの、『ギリースーツ』!

           キラ  キラ

    ・・・ただし、『隠密』目的のハズのそれは妙に『きらびやか』で、逆に『目立っている』が。

542『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/27(金) 23:59:32
>>541(追記)
小石川の片目にも、その光景は見えている。
天雨は、まだ黒峰の見える範囲には移動していない(バスの裏側から表に移動する『間』)

543小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/28(土) 02:18:07
>>541>>542

  「そう――ですね……」

質問に対する出雲の反応には、
『紅鏡町の本体』のことも含まれているのだろう。
どちらも『相手側の許可』がいる。
『許可』が必要なら、出雲の言う通り、
『こちら側の能力』が『コピー』されることはない。

  「……今、黒峰さんが『敵』に見られました。
   あちらの注意を引いてくれているようです」

  「彼は何か言っていますが……
   おそらくは『見つかった』というところでしょう。
   それが演技でなければ、
   やはり気付いていなかったようですね……」

  「……『スタンド』を身に纏っています。
   何か体を覆う『スーツ』のようなもののようですが……」

身に纏うスタンドは、過去の旅行中に見た覚えがある。
自分が目撃したのは、
『ボクシンググローブとボクシングシューズ』のヴィジョンだった。
だから、厳密には違うかもしれない。

  「『器具以外のスタンドであっても、
   本体の許可があればレイトは使うことが出来ますか?』」

  「この質問は、いかがでしょうか……?
   どんなスタンドでも『コピー』出来るのであれば、
   『残り四人のスタンド』全てを使える……」

  「あるいは……」

  「『レイトが他人のスタンドを使うためには、
    元々の本体が近くにいる必要がありますか?』」

  「レイトが『フレッシュ&ブラッド』を使っていたのは、
   元々の本体の近くでした。
   『離れていても使える』のかどうか……」

小角と出雲に問い掛けながら、『スーサイド・ライフ』を抜く。
まず『耳』を切り落とし、それから『下半身』を本体から両断する。
さらに『上半身』を『右』と『左』に分割し、最後に『頭』を刎ねる。
『目』・『耳』・『頭』・『右上半身』・『左上半身』・『下半身』という、
『六つのパーツ』に全身をバラバラ(>>536)に『解体』する。
『本体』は『頭』だ。

  「すみません……お手数ですが、手伝って下さいませんか?
   小角さんは『私』を『私のバッグ』に詰めて下さい。
   入ればいいのですが……」

  「出雲さんは、
   『下半身』を『黒峰さんのバッグ』に詰めて頂けますか?
   もし入らなければ、
   『天雨さんのエコバッグ』に『黒峰さんの荷物』を移して下さい」

  「それから、『天雨さんのエコバッグ』に『右上半身』を……。
   『黒峰さんの荷物』があっても、何とか入るかと思います」

二人に指示を出し、『準備』を手伝ってもらう。
その際、脚と腕を折り曲げて、出来るだけ『スペース』を稼ぐ。
残る『左上半身』は、
天雨に頼んだ『小角のエコバッグ』に入れるつもりでいる。
『耳』は、ひとまず車体の下に隠す。
念のため、『目』と同じ位置まで進ませておきたい。

544黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/28(土) 20:35:04
>>541
(ひとまず、注意を向けることには成功しました……。
 相手は恐らく……私がスタンド使いであることは伝えられているはず……)

相手がスタンドを発現したのを見て足を止める。
刺激は与えすぎないように……この場での戦闘は得策ではない。

(やたらと光を反射する纏うスタンド……『光学迷彩』?
 ……先程姿を見失ったのも、説明がつきますね……)

545『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/30(月) 02:46:22
>>543(小石川)

『出雲』:
「『纏うタイプ』で小石川さんよりは弱い……
 ってことは、『戦闘用』の能力じゃあないでしょうね」

ここにいる人間では恐らくスタンド戦に慣れているであろう、
出雲の見解はそうなる――――小角も、それに頷く。

『小角』:
「纏うスタンドは身体能力が上がる……らしいからね」

小石川が過去に見た『スティング』も、そうだった。
絶対ではないが普遍の性質なのかもしれない。

『小角』:
「質問は……そうだね、それでいい気がする……
 要は『フレッシュ&ブラッド』以外も使えるかどうかが重要だからね。
 『器具』は他にいないだろうし、それで確かめることは可能だろう」

『出雲』:
「レイトの能力の詳細まで分かれば一番ッスけど、
 『手札』がどんだけあるのかさえ分かれば十分ッスからね。
 コピーは他にあるのか、コピーしたものはいつでもどこでも使えるのか、
 混ぜ返すなら、『コピーするだけの能力』なのか、別の何かなのか……」

『小角』:
「うむ、一応……レイトの能力でコピーしてるとは限らないからね。
 『フレッシュ&ブラッド』が増やせるとか、コピーして配る能力の仲間がいるとか」

質問への見解をそれぞれが述べる。そして――――

『出雲』:
「うおッ……と、なるほど、そういう『用途』」

『小角』:
「や、やはり、ぞっとする光景だが……わかった、やらせてもらうよ」

小石川の作戦もまた、進行する。
切り分けた全身が詰め込まれていく。
『6つ』――――能力の限界点まで、活用する。
己を捌く刃の冴えは、度重なる発動による疲労に曇らず、むしろ滑らかに感じた。

目と耳だけが外界に残される。それらは、『黒峰』と同じ以下の光景を捉える。

>>544(黒峰)

                タッ

                    『キラ…』

ギリースーツの男は――――その場を離れるように動く(スB相当)
トランシーバーを耳に当てている、つまり指示を仰いでいるのは変わりない。
少なくとも、まだ独断で何かの動きをするほど『追い詰めすぎて』はいない。

その際、全身に纏わりつく『きらめき』が少し、薄れたように見える。
黒峰が足を止めると、彼も足を止めた。見張りに適した位置ではなくなっただろう。
こちらからも、相手の姿はしっかりとは確認できない程度の位置関係になった。

ここからどうするか。戦闘は得策ではない。それは方針上間違いない。
そのうえで、『放置する』か、『追い払う』か、『追いかける』か、他の何かをするか。
追うならば、追いつけるかはともかく見失いはしないだろう。黒峰と『オールナイト・トレイン』ならば。

546小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/30(月) 15:48:06
>>545

『目』と『耳』だけは外に出しておく必要がある。
外界からの情報を得るために。
『頭』を本体にしたのは、『最悪の状況』を想定してのことだった。
『頭以外』を本体にしてしまうと、
本体以外を『総解除』する手が使えなくなる。
頭部の再生中は意識が途絶するため、
文字通り『思考停止』に陥ってしまうからだ。

  「ええ……。私も、お二人と私も同じ意見です」

『見張り』として送り込まれている以上、その役割は果たすだろう。
しかし、既に調べたように、
彼の純粋な戦闘能力は『スーサイド・ライフ』に劣るはず。
それに加えて、スタンド使いが何人いるかも分からない所へ、
一人で攻撃を仕掛けてくるとは思えない。

  「では、『これ』で……」

  「『器具以外のスタンドであっても、
   本体の許可があればレイトは使うことが出来ますか?』」

  「小角さん――お願いします」

『バッグの中』から、小角に『最後の質問』を頼む。
『パーツ』は全て入っただろうか。
あとは天雨が戻ってくれば、ひとまずの『準備』を完了させられる。

  「……ここで『何かしている』と感付かれたとしても、
   まだ『弁明』は効きます。
   『万一に備えて話し合っていた』と言えば説明はつくでしょう」

  「彼らにしても、私達を完全に信じている訳ではありません。
   それと同じようなことを私達がしていたとしても、
   おかしくはないはずです」

  「『もしもの時』は……全員で『口裏』を合わせましょう」

自分の考えを二人に話しておく。
今すべきことは他にはない。
念のため、まだ残っているであろう『左上半身』を、
黒峰のバッグの陰に移動させる。
『スーツのスタンド使い』に近付かれても、見られないようにしたい。
『スーサイド・ライフ』は『左手』に握っている。

547黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/30(月) 19:47:00
>>545
(速い……追えば追いつけないことはないでしょうが……。
 ……追い払おうとすれば、バスからだいぶ離れることになります……。
 ……まだ作戦を決行していない状況で……単独行動すべきではないでしょう……。
 敵から私への警戒度があがったとすれば、そのぶんバスへの注意はわずかでも下がるはず。
 そう考えれば……悪い状況ではないかもしれません……)

足を止めたまま男の様子を見る。
きらめきは今も薄れたまま?

548『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/12/30(月) 23:16:11
>>546(小石川)

>『器具以外のスタンドであっても、
> 本体の許可があればレイトは使うことが出来ますか?』」

      スス  ピタ

小角に任せた『最後の質問』に、コインはごく速やかに『いいえ』を示した。

『出雲』:
「……よし。これなら能力の正体はどうあれ……敵の背後に大組織があって、
 そこに『レイト』がコピー出来る器具型スタンド使いが大勢いるとか、
 そーいうんじゃなけりゃ使えんのは『フレッシュ&ブラッド』だけッスね」

もちろんそれでも十分な脅威ではあるだろう。
ゴウの操る『フレッシュ&ブラッド』は他者を容易に傷付ける能力で、
その詳細について、未だに不明な部分がほとんどだ。危険性は減っていない。

だが、同じ危険性でも敵の底が見えないのと明らかになっているのはまるで違う。
そして、敵にはこちらの情報はほとんど無い。戦うも戦わないも、『質的優位』は約束される。

そして……小石川の考えには出雲と小角も同意する。

『出雲』:
「皆さんが来たのはあくまで偶然……それは間違いないことッスからね。
 『もしかしたら何か企んでいる』くらいなら、寧ろさっさと追い返したいでしょう。
 戦いを避けられないとすれば……こっちが敵意を持っている、そう思われた時だ」

『小角』:
「わたし……たちの目的は、『帰ること』だからね。
 そこに嘘はないし、すくなくともわたしたちから戦う気はない。
 それをわかってもらえれば……危害は加えて来ないと、思いたいな」

左上半身をバッグの陰に隠しているうちに、天雨が小さな袋を持ってこちらに歩いている。
すると小角が顔を上げ、「わたしのバッグだ」と小石川に告げた……準備は、およそ整ったらしい。

>>547(黒峰)

作戦は既に練られている。追う必要は、何か理由がなければ無いだろう。
足を止めた黒峰の判断は正しいはずだ……ちょうどその時視界に隅に、バスから出てくる天雨が見えた。
手には小さなエコバッグがある。小角のそれを回収してきたのだろう。
黒峰の方を一瞥するも、『取り込み中』と悟ったらしくバスの裏へ移動する。

…………そして。

        キラ…

               キラ…… キラ

ギリースーツに纏わりつくきらめきは、彼の足が止まると再びその濃度を増し始めている。
彼自身が何かの動作をしている様子はない。トランシーバーによって、連絡を続けているだけだ。

549小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/12/31(火) 02:08:01
>>548

  「……十分な情報です。
   小角さん――『調査』をして頂き、ありがとうございました」

これで『フレッシュ&ブラッド以外は使えない』ことが確定した。
『銃』というのは、確かに強いだろう。
しかし、他のスタンドは使えないと分かれば『心構え』ができる。
『別のスタンドに切り替えてくる可能性』を、
考えに入れる必要がなくなったのは大きい。
たとえば、『デストルドーが二体になる』というような事態を、
あらかじめ想定しておく心配を消せるのだから。

  「天雨さん、私は『ここ』です……。
   『小角さんのバッグ』に『これ』を入れて頂けませんか?」

天雨に呼び掛け、『小角のエコバッグ』の中に、
『左上半身』を収めたい。
それで、『姿を隠す』という目的は達成できる。
次は、『運び手』を頼んでおく必要がある。

  「小角さん、お願いがあります。
   私の『左上半身』を運んで頂けないでしょうか?」

  「『中身』を見られないように……」

この役割は、事情を知っている者でなければならない。
だからこそ、小角に『運び手』の一人を頼みたい。
承知してもらえるかは別として、残る二つは、
黒峰と緑里に依頼するつもりでいる。

  「もし矢田さんと運転手さんに私の所在を尋ねられたら、
   『小石川は大丈夫だ』と伝えて下さい。
   矢田さん達は、私の『能力』を知りませんが、
   『力があること』はご存知ですので……」

スタンド使いではないとはいえ、彼らも事情は把握している。
全てを説明せずとも、察してくれると思いたい。
二人から納得が得られなければ、
『バラバラに切り刻まれた身体』を見せなければならなくなる。

  「ひとまず黒峰さんに戻って頂くべきかと思います。
  「『見張りの見張り』は、私が引き継いでおきますので……」

  「出雲さん――黒峰さんを呼んできて下さいませんか?
   彼女がいない間の『調査』で分かったことも、
   伝えて頂ければ……」

注意を引いてくれている黒峰を、出雲に呼んで来てもらうよう頼む。
とりあえず、一度集まるべきだろう。
黒峰・天雨・緑里の三人には、内々で話しておきたいこともある。
出雲に聞かれては不味いので、
彼が離れた間に、天雨には軽く伝えておきたかった。
小角にも、『運搬』について話さなければならない。

550黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/12/31(火) 19:50:36
>>548
(迷彩は止まっている間は強く、動くと薄れる……ということでしょうか)

相手が目立った行動を起こさないならこちらも何もしない。
きらめきの濃度(迷彩効果が増していくようならその効果)がどこまで上がるのが観察する。

551『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/01(水) 02:53:45
>>549(小石川)

『小角』:
「……うむ。わたしの仕事が、役に立ったならよかった!」

小角のスタンドからは、天雨と出雲が指を離す。
この町での役割を果たした探偵の秘術道具は、
浮かび上がるコインが元の『絵柄』に戻る形で沈黙する。

『天雨』:
「バッグを持ってきましたわよ。あら――――ああ!
 小石川さん……『そういう風に』なっておりましたのね」

             「ええ、畏まりましてよ」

       スッ

             ギッ  ギ…

『小角』:
「わ……わかった。落とさないようにも……説明にも気を付けるよ」

多少詰め込んだ感はあるが、まず袋には詰められた。
そして、運び手を依頼された小角も、恐る恐るながら頷く。
その首肯には、矢田ら運営スタッフへの説明問題も含まれている。

『天雨』:
「ええ、必要であればもう少し説明は付け足しますわ。
 彼女らも深入りはしないでしょう……中を見ない限りは」

「けれど……お連れの方がいる小角さんだと、
 隠すのは一筋縄ではいかないんじゃあなくって?
 カモフラージュのために上から布でも被せるべきかしら」

懸念を口にはするが、天雨も小石川の判断を支持している。

『出雲』:
「――――そうスね。呼び戻してくるッス」

出雲はこの場を去った。
あとは能力の『盤』からそっと手を離した小角と、黙考する天雨がこの場に残っている。
緑里はまだこの場に来る様子は無い。バスの中で役割を果たしているのかもしれない。

>>550(黒峰)

相手は通信を続けているようだ。大きな動きはない。
きらめきの濃度は『一定のライン』で止まったようだが、
それにより姿が見えづらくなるような事は無い・・・むしろ目立つ。

            ザッ…

バスの方から足音が聞こえる。
誰かが黒峰の方に歩いて来たようだ。
振り向くにせよ向かないにせよ、
耳に『スタンドの声』が届いてくる。

         ――来たのは『出雲』だ。

『出雲』:
≪――――黒峰さん、バスの方に戻ってきてください。
  戻れそうにない状況……戻れない状況なら、説明しとくッスけど≫

≪見張りの見張り自体は、小石川さんが能力で続けるそうッス≫

――――ここに残る理由が無ければ、小石川らは合流を望んでいるようだ。

552小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/01(水) 05:09:46
>>551

  「『布』――ですか……」

天雨の指摘は納得できるものだった。
かといって、事情を知らない人間に運んでもらう訳にはいかない。
一人に複数を持ってもらうというのも危険だ。
決して軽いものではないし、何より目立ちやすくなる。
『その後』のことを考慮しても、やはり別々にしておく方がいい。

  「……『小石川から預かったもの』というのは、
   いかがでしょうか?」

  「『大事なものだから』と付け加えておけば……
   積極的に見られることを避けられるかもしれません」

  「その上で何かの布を掛けておけば、より安全かと……」

森に到着する前にしておきたいことは『三つ』。
その内の一つは『身を隠すこと』。
つまり、これで『第一段階』は完了した。
『運び手』を依頼することが『第二の段階』。
そして、三人に『策』を明かすのが『第三段階』だ。

  「『運搬』のことですが……」

  「天雨さんには『私』を運んで頂きたいのです。
   『下半身』は緑里さんに……
   黒峰さんには『右上半身』をお願いするつもりです」

黒峰のスタンドは、明確な戦闘能力を備えているように感じた。
もし『万一』が起きた時、彼女は貴重な存在だ。
彼女に『頭』を持ってもらうと、
行動の足枷になってしまう恐れがある。
だから、彼女には『それ以外』を持ってもらいたい。
緑里に『下半身』を運んで欲しいのは、単純に『重さ』の問題だ。

  「それから、『その後』について……」

  「考えているのは『二つ』です。
   『森の中で出る』か『出口を抜けてから出るか』……」

  「……森の中は警戒が厳しいでしょう。
   ですから、今の所は『後者』のつもりでおります。
   『鞄を隠せる場所』がありましたら、
   そこにバッグを下ろして下さい」

  「それが難しい場合は、見つからないよう、
   私が『自力』で外に出ます……。
   その時は中で『強めに揺れますので』、
   バッグの口を開けておいて頂けないでしょうか?」

  「ただ、『頭』だけは動かせませんので……。
   『鞄を下ろす』のが難しい場合でも、
   『私』の入ったバッグだけは、
   何とか悟られないように隠しておいて下さいませんか?」

  「本体の『頭』さえ残っていれば、
   そこから『全身』を『再生』することも出来ます。
   万一の時は、『頭以外』を全て解除してしまえば……
   『他のバッグ』を気にする必要はなくなります」

出雲が場を離れたのを見計らって、
天雨と小角に相談を持ち掛ける。
それ以外にも、まだ話すべきことがある。
『第三の段階』についての話だ。

  「天雨さん――『敵への対応』について、
   私に『考え』が……。
   これには、天雨さんと黒峰さん、
   それに緑里さんに手伝って頂く必要があるかと思います。
   彼らを引き上げさせられる『可能性』を、私なりに検討しました」
   
  「……成功する保障は、どこにもありません。
   協力を断られても仕方がないと思っています。
   これは、私の勝手なお願いです……」

  「ただ――どうか、話だけでも聞いて頂きたいのです……」

おそらく、出雲はすぐに戻ってくるだろう。
だから、今は触れるだけに留める。
折を見て、『詳しい内容』を伝えることにしたい。
机上の空論に過ぎないのかもしれない。
ただ、これが自分の考え得る精一杯の『策』だ。

553黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/01(水) 22:18:14
>>551
(……光学迷彩ではないかもしれませんが……姿を誤魔化すような能力はあると見るべきでしょうね……)

「……了解しました……」

出雲の言葉に応じてバスの方へ戻る。

554『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/02(木) 22:27:04
>>552(小石川)

『天雨』:
「それは……名案ですわね。なにより……小角さん自身の大事な物とするより、
 他の人から預かった……とした方が見られにくいのは間違いありませんわ。
 それに小石川さんと、小角さんのご友人の方は深い関わりがない。距離がありますもの……」

天雨は言葉にしないが、小石川の『風貌』も、その『不干渉』を助けるだろう。
喪服というキーワードは、一定のラインより先に『踏み込み難い』印象を与える。
小石川と話す上での『接しやすさ』とは違う軸……避けがたい『印象』というものだ。

・・・そして『第二の段階』についての説明は、特に異論なく受け入れられる。
小角が左上半身、黒峰が右上半身、緑里が下半身、そして天雨が頭を担当する。
おそらく、何か理由がなければ、緑里も『脱出』への協力を惜しむことはないだろう。

『天雨』:
「委細承知致しましたわ。……今、全員が目的を果たすにはそれが最適の策でしょう。
 もちろん……貴女の言う『考え』次第で、そちらが最適になるでしょうけれど」

『小角』:
「……? わたしは……何かすることはないのかい?
 小石川さん、その『考え』とは……一体なんなんだ?」

……ちょうど話し出す前に、『黒峰』がこちらに戻ってくるのが視界に入った。

出雲はまだ、こちらに戻ってきてはいない。が、『目』の捉える光景からして、もうじきだろう。
彼にバレずに、かつ落ち着いた状況で『作戦』を話す機会があるとすれば……恐らくは、今が最後となる。

>>553(黒峰)

謎めいた『きらめく迷彩』を纏う男は、やはりその場から大きく動く様子はない。

『出雲』:
《……黒峰さんが外してる間の調査内容は一応伝えとくッスけど、
 もし敵の『レイト』がコピーの能力を持ってるとしても、
 『器具型以外は使えない』し『フレッシュ&ブラッドは許可がいる』そうっス》

         《迷彩と銃の組み合わせとかは出来ないわけッスね》

出雲は、男を見据えながら黒峰に先に戻るように促す。
彼もあえて今、独断の動きをするつもりは無いだろう。
先に戻る際、背を見せる事になる黒峰の『殿』の役目というところか。

いずれにせよ戻った黒峰は……小石川が天雨と小角に、秘された『考え』を告げる場に立ち会う。

555<削除>:<削除>
<削除>

556小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/03(金) 00:15:56
>>553>>554

  「ありがとうございます……。
   天雨さん、のちほど『ポケット』を拝借できますか?」

  「『見張りの見張り』が済んだら、
   『目』と『耳』を入れておく場所が必要になりますので……」

外部の情報を得るためとはいえ、
ずっと出しておくと見つかる可能性がある。
必要のない時は、
『頭』を任せた天雨のポケットの中に忍ばせておきたい。
本体である『頭』なら、得た情報を『言葉』で伝えられるからだ。

  「……黒峰さんにも聞いて頂きたいと思います。
   私の『考え』について……」

  「――お話します」

  「私の存在は、『ツアー客とは無関係』だと思われています……。
   そして、彼らのリーダーである男性は『用心深い』。
   『その二つ』を利用します」

  「私が『アリーナの構成員』を名乗り、彼らと『取引』する。
   それが――私の考えた『策』です」

  「『同僚』である笹暮さんを解放し、紅鏡町から立ち去れば、
   『アリーナ』も追撃はしない……。
   『アリーナ』が紅鏡町に来た目的は、
   彼らを攻撃することではないから……」

  「もし応じなければ、
   『外に出た時に呼んだアリーナの増援』が、
   彼らに攻撃を仕掛ける……。
   そして、『彼らの能力も既にアリーナには知られている』……」

  「黒峰さんと天雨さん、それから緑里さんには、
   『私から協力を依頼されたスタンド使い』に、
   なって頂きたいのです。
   外に出て立ち去った後で、
   また『出口』の前まで戻ってきて欲しいのです」

  「『人数』を同じにして、『交渉』をしやすくするためです。
   戦う必要はありません。
   十分な距離を置いて、その場にいて下さるだけで結構です」

  「……『外に出た時』、
   黒峰さんには『アリーナへの連絡』をお願いしたいのです。
   『アリーナの小石川』に、
   『増援の要請』と『敵の能力の情報提供』を頼まれたと……。
   もちろん、本当ではありません」

  「携帯電話で『どこかに連絡する演技』と、
   『どこかから連絡を受けている演技』をして頂きたいのです。
   それを、事前に彼らの一人に見せておく……。
   『増援を呼んであり敵の情報も周知済み』という言葉に、
   『信憑性』を持たせるために……」

  「……もしかすると、見抜かれるかもしれません。
   ただ、彼らのリーダーは『慎重な人物』……。
   少しでも『可能性』があるなら……
   それを完全に無視することは難しいはずです」

  「もし私の話が『事実』だったなら……
   『交渉』が決裂した時には、
   『同じ人数のスタンド使い』と戦闘になる。
   しかも、こちら側は『彼らの能力に関する情報』を持っている。
   仮に彼らが勝利しても、『アリーナの増援との連戦』になる」

  「……以上が、私の『考え』です」

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453529937/26-29
(パスワード:death)

上の内容を、三人に伝える。
大きな危険は承知の上だが、
上手くすれば争うことなく場を鎮められるかもしれない。
小角が入れば、こちらの方が『人数』が増え、
より『交渉』を有利に進められるだろう。
しかし、彼女を含めるのは抵抗があった。
スタンド使いとはいえ、
まだ年端も行かない少女を巻き込むことは出来なかった。

557黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/03(金) 19:43:02
>>554>>556
「……バスに危害が及ばないように、かつ振り切らないようにうまく追跡させる必要がありますが……。
 私個人を追わせるという形にすれば……なんとかなると思います……。
 敵から見れば、ただのバス客たちよりも……スタンド使いの私のほうが脅威度は高いでしょう」

小石川の作戦に頷く。

558小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/03(金) 21:36:30
>>556

  「……もちろん、『一般人の脱出』が最優先です。
   ですから、『取引』を行うのは、
   『皆さんの脱出の完了を確認した後』になります……」

※詳細に話すと長くなるため、
 レス内ではかなり簡略化して説明しています。
 >>556で提示した暗号スレに詳しく書いてありますので、
 そちらも併せて目を通しておいて頂けるとありがたく思います。

559『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/05(日) 00:55:28
>>556(小石川)
>>557(黒峰)

『小角』:
「な、なるほど……見た目が『子供』のわたしがいても、
 相手を威圧するのにあんまり意味が無い、ということか……
 その作戦なら、わたしが参加しないのも納得は出来る」

「それに……黒峰さんの考えも正しいと思う。
 相手がわたしたちを狙ってはない以上、
 スタンド使いが乗っていないバスを優先なんかしない。
 みんなが町から出て行くならなおさら、追いかけたりはしないだろう」

「……あ、天雨さんはどう思うんだい?」

『天雨』:
「…………………そうね、悪くない、いえ。『良い作戦』ですわ」

ポケットの使用を首肯したうえで、
天雨は最初にまず、そう答えた。

『天雨』:
「相手はこちらが偽物だと断じられるはずがない。
 『アリーナ構成員』を襲っている事実がある以上、
 もし仮に何か『増援のないない保証』を持っている……
 例えば『連絡を不可能にしている』ような事があっても、
 『万一』の可能性は常に恐れているでしょうものね」

「敵の動き次第の部分も大きいでしょう。
 もしかすると想定より理性が低く、
 追い詰められたとみると慎重さも捨てて、
 無理やり突破して逃げようとするかもしれない。
 緑里さんや……元のスタンスからすれば私もですけれど、
 土壇場で『危険』を嫌って『戻ってこない』かも、しれないですわ」
 
「そういう『可能性』はいくらかあるでしょうけれど。
 けれどそうね……『大筋』として、『優れて』いますわ」

全てが上手くいくとは限らないが、
少なくとも、天雨の考えでは『無理』はない。
破たんしておらず、決まった際のリターンは絶大。
敵の背景や行動次第では歪む可能性はあったが、
それはどのような作戦でも『そういうもの』だろう。

――――『作戦がある』事には、大きな意味がある。

              ・・・ ザッ

『出雲』:
「戻りました。――――? なんか、追加で詰めてるところでも?」

戻ってきた出雲が、何か話し合う一同に声を掛ける。
小石川の目に映っている限りでは、『ギリースーツの男』は大きく動かない。
彼がこちらに戻ってきたのもそれを見届けたからだろう。
 
                    ・・・『動く』準備は、既にできている。

560小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/05(日) 15:57:29
>>557>>559

これで、話すべきことは全て話し終えた。
必要な情報を収集し、それに基づいて方針を定めた。
あとは、それを『実行』に移すだけ。

  「……いえ、間違いのないように『確認』していただけです」

  「天雨さん――『先程の件』は、
   緑里さんにも伝えておいて頂けますか?」

まず出雲に答え、続いて天雨に告げる。
『先程の件』というのは、黒峰達に話した内容のことだ。
『頭』を運んでもらう都合上、自分も同じ場にいることにはなるが、
『バッグの中』から話す訳にはいかない。

  「バスに戻りましょう。
   公には、これは『ミステリーツアーの一環』……。
   矢田さん達の方から、何か指示があるかと思いますので……」

  「――皆さん、『私の荷物』をお願いします」

バッグに潜んで身を隠している今、
『時期』が来るか何か起こるまで動くことは出来ない。
その間に出来ることと言えば、『目』と『耳』で見張るくらいだろう。
引き続き、『ギリースーツの男』には注意を向けておく。
『射程外』になるようであれば、それに応じて距離を調整する。
少なくとも、『本体』あるいは『部位』から、
『10m』以上離れなければ問題はない。

561黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/05(日) 23:46:47
>>559-560
「了解です……」

ひとまずバスへ戻る。
ギリースーツの男は小石川が見張っているだろうし、それ以外の場所を一応見ておく。

562小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/06(月) 20:29:14
>>560

天雨がバスに乗り込むまでは見張りを続け、
バスに乗る前に『目』と『耳』を天雨のポケットの中に移す。

563『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/07(火) 05:09:54
>>560 >>562(小石川)
>>561(黒峰)

『出雲』:
「……そう、ッスか。それじゃあ…………行きましょうか。
 例の男が動く様子は無いッスから、これ以上気にしてはられない」

『天雨』:
「承りましたわ。……万事、上手くいかせましょう」

出雲は言葉を疑う事は……少なくとも何らかの疑念を表に出す事はなく、
小石川の言葉に頷く。天雨も、なにか異論を挟む事無く了承の首肯。

また、出雲の言葉通り……小石川の視界に、ギリースーツの男の大きな動きは無い。
トランシーバーで指示を仰ぎ続けているのは見えるが、指針が固まっていないのか、
それとも黒峰に警戒されているのは承知で、監視を只続けるのが指示なのか……

いずれにしても、一同は……特に邪魔立てもなく、『荷物』となった小石川を手にバスに戻る。

             ・ ・ ・ ・ ・車内。

雰囲気は、待たされたにしては悪化していない。事情を知る緑里やスタッフ達、
あるいは姿を見せはしないが存在するらしい、協力的なスタンド使いが尽力したのかもしれない。
少なくとも緑里については、一同が車内に戻ったのを見ると安堵の表情を浮かべた。

        ヒソッ

『矢田』:
「……………………………………あのー、もう出発で大丈夫な感じですかッ……?」

そして……座席に戻る際、ガイドの矢田が『黒峰』に声を掛けてきた。
小石川の見えない姿を探しているのか、視線はやや彷徨うが……それ以上の疑問はない。

答えれば、この車は最終局面の旅路へ向かうだろう。仮に何かあるなら今の内だ。

564小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/07(火) 18:18:59
>>563

こちらから出来ることは何もない。
バスが発車した時点で、見張りも姿を消すだろう。
くっついてこられるだけのスピードがあるとは考えにくい。

  ――……。

黒峰の答えを待つ。
『自分がいないことの説明』も既に話してある。
その点の問題はない。

  ――だけど……『本番』は今から……。

『一般人』を逃がし、『敵』と交渉し、『出雲』とも話をする。
それらを一つ一つ、確実にこなしていかなければいけない。
自分のやるべきことを思い返し、改めて心を引き締める。

565黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/07(火) 21:43:29
>>563
「……はい、大丈夫です。
 小石川さんは……別行動となります……。
 彼女も……なんと言いますか、私と同じで……『普通ではない』ので……心配はいりません……」

気にする必要はないと伝えて、発車を促す。

566『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/08(水) 20:55:43
>>564(小石川)
>>565(黒峰)

『矢田』:
「…………………」

      チラ

矢田は黒峰の答えに運転手と顔を見合わせたが・・・

「…………分かりましたッ。それでは…………」

      「 はぁ〜〜〜〜〜〜いッ 」

         「 大ぃ〜〜〜〜変、長らくお待たせしましたッ 」

全員が席に着いたのを確認すると、マイクを手に取り、
アナウンスを開始する。彼女の役割を果たすために。

小石川も、黒峰も・・・それぞれの役割はこの先に待つ。
少なくとも小石川には、確実に待ち受けている。
状況は最終局面と言わざるを得ないが、
同時に最大の山場を迎えようとしている。

「 これよりッ 当バスはァ〜〜〜〜
 『紅鏡町』の名所 …… とされておりまぁす! 」

「『紅鏡……大森林』の入り口へと! 向かっていきまァァ〜〜〜〜すッ 」

名前は、即興だろう。
疑問を呈するものはいない。この町は、誰も知らない。
おそらく、きっと、本当はどこにもない町なのだから。

「 そこでは森林浴として、地元の皆さまに人気のコースを歩きますのでぇぇ〜〜〜〜ッ 」

          「 エぇ〜皆さま、はぐれないようっ 」

      「 何か不思議なことがあっても慌てず騒がず〜〜ッ 」

   「 森の中を、進んで行きましょおォ〜〜〜〜 」

            ザワ…

         ザワ…

僅かなざわめきはあったが、トラブルなどは起きない。
バスは静かにエンジンを吹かし始め・・・『出口』の鎮座する森へと走り出す。

        ブロロロロ…………… … … …

車内は静かだった。勿論黒峰は誰かに話しかけることも出来るが、
何か目的が無いのであれば、到着を待っていても問題はないだろう。

出雲は乗車はしていないようだったが・・・彼はこの町をよく知り、住まう人間だ。
タクシーか何か、或いは乗客たちは持ち得ない、乗用車などの用意があるのだろう。

567小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/08(水) 21:28:51
>>566

やはりプロというべきか、彼らに話をしたのは正解だった。
これが『ミステリーツアー』だったことも幸いだったのだろう。
多少の不自然さは自然に見せてくれる。
今は静かに『到着』を待つ。
動くタイミングは、その後になる。

568黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/09(木) 20:18:00
>>566
窓から外を眺めつつ、到着を待つ。

569『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/10(金) 23:56:10
>>567(小石川)
>>568(黒峰)

紅鏡町の光景が、窓の外を通り過ぎていく。
日時計、学舎、商店街、そして、遊園地。
全てが出雲の沈む幻想の町なのだろうか?
赤色の空が現実であることだけを否定している。
純紅の風景にやがて、緑が混じり始める。そして。

               …… プシュ ゥ ゥ ぅ 

――――バスは、『森』にほど近い場所に停車する。

『矢田』:
「 はぁ〜〜〜い、到着いたしましたッ。ここが『紅鏡大森林』 」

           「 空気がと〜〜〜っても 」

                   「 綺麗で有名なんでェ〜す! 」

  「 えぇ〜〜〜では! お忘れ物ございませんよう!
    お手回り品にご注意して、降車してくださぁ〜〜〜い! 」

                バタン・・・


開いたドアから入り込んでくる空気は、確かに澄んだものだ。
だがそれ以上に張り詰めている。『終局』の『始まり』の気配を風が運ぶ。
目に見える範囲に不審な光景はない。見張りの男が追い付いてくる様子もない。

乗客たちが順々に外に出ていく。小石川の頭を持つ天雨も、慎重な足取りで外へ。

570小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/11(土) 00:56:52
>>569

バスが到着したことは、敵方にも知られているだろう。
それは別として、こちら側からも存在を知らせることは却って安全だ。
『密かに忍び寄って攻撃する気がない』証明になるのだから。

  「『いよいよ』――ですね……」

          スルッ

  「……『後ろ』は私が確認しておきます」

小声で天雨に呼び掛け、他の乗客に見られないようにして、
ポケットから『目』だけを出す。
バッグの陰になるような位置に配置し、後方を見張っておく。
『向こうから仕掛けてくる』とは考えにくいが、用心は怠らない。

571黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/11(土) 20:01:55
>>569
バスから降りる。

(……こんな状況でなければ、落ち着いて眠れそうないい森ですが……。
 残念です……)

572『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/12(日) 09:33:57
>>570(小石川)

・・・敵の方針は、推測は出来ても、まだ確定しているわけではない。
あるいは敵の中に、推測通りの方針に反する行いをする者がいてもおかしくはない。
小石川の警戒は、意味があるだろう……配置した目が後方を監視する。

         フワ…

バスと、来た道の方角が見える。
現状では、特に怪しい動きなどが視界に入る事はない。乗客達は全員降車した。

>>571(黒峰)

森は現実のそれと何ら遜色ない。見た目にも、そして木々の香りも。
眠りを妨げるものがあるとすれば、まさしくそれはこの状況だけだ。
今は何も起きる気配は無い。ガイドの誘導で、乗客一同はバスの前に集まる。

>両者

『矢田』:
「 はぁいッ それでは、早速! 森の中に入っていきたいと思いまァ〜〜〜す! 」

      「平和な森ではありますがッ」

            「 何が起きるかは〜〜〜分かりません! 」

『天雨』:
「…………フフ、何か……仕込みがありそうですわね。不粋な推測だけれど」

            ヒソ…

・・・天雨が近くにだけ聞こえる程度の声量で、示唆的につぶやく。
彼女は勿論知っている。他の乗客に『心の準備』をさせるためだろうか?
あるいは他の乗客達に合わせ、自然な反応を装ったのかもしれない。

状況や矢田の語り口調から、関係者以外にも『仕込み』は察せてもおかしくはない。
・・・矢田の方針としても、今から起きることは『仕込み』で通したいはずだ。

『矢田』:
「 足元にはお気をつけて! はぐれないように! 皆さん準備はよろしいですかァ〜〜〜ッ? 」

準備。小石川や黒峰は既に、済ませている。
小石川の入ったバッグは・・・予定通り行き渡っている。
緑里が増えた荷物を土産を買い過ぎたと語るのが聞こえる。
小角は連れ二人に挟まれ、真剣な表情でカバンを抱えている。

乗客達も特に異論は唱えない。じきに動き出す。
出雲の姿はまだ見えない・・・が、来た道の方角からバイクの音が聞こえてくる。
タイミングを考えれば、彼がこちらに来たと考えるのが自然だろう。

小石川の視界には、運転手もバスを降りるべく手荷物を纏めているのが見える。
この先にはバスは進めない。入り込めば、あらゆる意味で後戻りは難しい。

573小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/12(日) 17:20:45
>>572

  ――既に見られていてもおかしくない……。

『仕込み』に協力したい気持ちはあるが、今の状態では難しい。
現状で動かせるのは『目』と『耳』だけ。
それらは情報収集に使わなければいけない。
出来ることは少ないが、見張りは続行する。
また、エンジン音が聞こえた方向に『視線』を向けて、
そちらの様子を見ておく。
出雲は、どの程度の距離を保って同行してくるつもりなのか。
その辺りを確かめておきたい。

  ――いえ……。

おそらく、敵方の注意は『ミステリーツアーの一向』に向くはず。
しかし、それを差し引いても、出雲が敵に発見されるのは良くない。
敵は出雲を追っているのだから。
もし彼が発見されてしまえば、
その時点でスタンド使い同士の戦闘が起こる可能性がある。
そうなった場合、『交渉』に持ち込む猶予もなくなるかもしれない。
もっとも、同じような懸念は出雲にもあるだろう。
敵の人数を知っているのだから、尚更そうだ。

  ――『既に見られている』と考えなければいけない……。

574黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/12(日) 22:34:32
>>572
一応、集団の外寄りを歩く。

(仮に敵が私に攻撃を仕掛ける場合、集団の中心にいれば……他の方たちも巻き添えになる可能性があります……。
 ……さすがに相手も……そこまで過激ではないと思いたいですが、念には念を入れておくべきでしょう……)

575『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/14(火) 21:28:30
>>573(小石川)
>>574(黒峰)

出雲のバイクは・・・小石川達からは見えないところで停車したらしい。
少なくとも、一瞬で同行が見破られるような距離で着いてくる訳ではないようだ。
混戦状態になれば彼は戦力だが、そのような望ましくない状態を生む原因にもなる。
非常時と理想的な作戦進行の両立を思えば、順当とは言えるだろう。

・・・そして。


      ザッ――

             ザッ――


一同は森林の小径を歩む。
黒峰と同じく、天雨や緑里も集団の外周を埋めている。
小石川は分散する形で・・・外に出ているその目には、
ごく普通の、なんの異変もない森の景色が流れていく。


                  ザッ――

                         ザッ――



    ザッザッザッ…

             ガサ   ガサ


やがて足音に、明らかな異物が混じり始めた。
・・・そもそも森を歩む十数の足音が揃っていたわけではなかったが、
それらの異物はこちらとは別の方向から、聞こえてくるようだった。

        ガサ


今は何もおきていない・・・ツアー客達も、周囲を見回す事はあっても、
矢田らの誘導から外れて、一同から逸れるような動きを取ることはない。

謎の足音の意図は読めない。気付かれないように動くつもりは、ないようだ。
勿論、敵はこちらが来ることを見張りを介し把握しているだろう。
気付かれるのは前提で、何らかの目的の元、動きの自由度を優先している・・・それもあり得る。

576小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/15(水) 12:55:49
>>575

最初に偵察した時点では、
リーダーが自分自身でツアー客達の素性を確かめ、
問題がないと判断すれば通すという段取りだった。
少なくとも、彼らの会話を聞いた限りでは、
そういう話になっていたはず。
それでも、不意打ちを仕掛けてくる可能性はゼロではない。
万一そうなった場合、こちらも応戦を迫られることになるだろう。
しかし、それは相手の出方次第だ。

         グルッ

足音の方向に『目』を向ける。
事前に森の中で確認していたのは三人。
その内の二人は動く気配がなかった。
状況から考えると、森の中を巡回していた男の可能性が高い。
こちらに接触を図ってくるつもりなら、それに乗ればいいし、
そうでなかったとしても、こちらから何かをする意味はないだろう。

577黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/15(水) 22:42:41
>>575
「……」

(どこまで近づいてくるか……遠巻きに見張るだけならそれが一番ですが……。
 ……足音を隠そうとしていないあたり、期待はできなさそうです……)

足音のする方を見る。

578『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/16(木) 23:18:25
>>576(小石川)
>>577(黒峰)

         ザッ

      ザッザッ

木々の間を歩く・・・『アフロの男』が何かを仕掛けてくるような様子はない。
手に持った『トランシーバー』で、小声で何かを通信しているだけだ。
それを隠す様子はない。見せ付けるほどではないが、露骨な動きではある。

更に傍らには・・・『黒峰』はバス前で1度目にしている、人型のヴィジョン。
白系統のボディ。『管』状に隆起する紫のラインが、足先や指先から心臓に伸びる。

方針が転換したのか? 『駒』で確かめ、『必要性』があれば『狩る』・・・その真意は?
読めない事柄は多い。だが、目の前の物事には問題なく対応出来ている。

『矢田』:
「 いや〜〜〜〜っ とっても空気が美味し〜〜いっ! 自然の中にある町、憧れちゃいますねェ〜〜〜〜っ 」

話ぶりに緊張こそ感じるが、誘導(ガイド)のプロである矢田に任せている。ツアーの体裁を保っている。
それゆえに・・・ツアー客達は『目に見えた異変』があるまでは『従順』だ。

             ザッ――

                ザッ――


やがて、森の景色は小石川には見覚えのある・・・印象深い光景に移っていく。
『目印となる、送電塔』・・・『銀髪』らが待ち構えるであろう、空間の『穴』までは、もうほど近い。

579小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/17(金) 00:14:27
>>578

『アフロの男』の動きを見ると、
『様子を窺って何か起きたら知らせる』という段階だと考える。
もしかすると、次の瞬間には、
奇襲を仕掛けてくるという可能性もなくはないかもしれない。
ただ、『銀髪の男』の性格を考えると、
『明確な危険がある』という確信がない状態で、
大きな動きに出る可能性は低い。
いくら用心深い人間でも、冷静さをかなぐり捨てることもあるだろう。
しかし、『相手の立場』に立って考えると、
今の段階で攻撃を決断するのは、まだ早すぎるように思える。

  「――『もう少し』です……」

  「……黒峰さんと緑里さんにも一言お願い出来ますか?」

バッグの中から、天雨に小さく告げる。
彼らの考えや行動に変化があろうとなかろうと、
こちらの方針は変わらない。
積極的に攻撃してくるのでない限り、
こちらから仕掛けるのは『明確な敵意の証明』になる。
それを選んでしまった時点で、
『交渉』の可能性は消えると考えるべきだろう。
今は何よりも、慎重に立ち回らなければいけない。

         スルッ

天雨のポケットから、密かに『耳』を送り出す。
手近な物陰に隠れながら、『アフロの男』に接近を試みる。
目的は、会話の内容を聞き取ること。
『見つからずに話が聞こえる程度の距離』まで近付きたい。
現在の状況から、
『発見される可能性が高い』と感じられるのであれば諦める。

580黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/17(金) 20:48:17
>>578
(……『怪しすぎる』こと……それが怪しいようにも思えます……。
 陽動の可能性もある……?)

アフロの男から一旦視線を切り、別の方向を見回して他の人物の姿がないか確認する。

581『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/19(日) 02:42:19
>>579(小石川)

一同は林道を止まらずに進む。じき、『穴』が見える。

アフロの男が監視を行い、逐一報告をする。
報告次第で動きを決める――――あり得る話だ。

『天雨』:
≪……ええ、承りましたわ≫

        スッ

天雨はまず緑里にゆっくりと歩み寄り、
スタンドの声で『それ』を告げた。
それから、周囲を見回す黒峰の側に。

      スゥ…

そして――――小石川は潜ませていた耳を飛ばす。
アフロの男の注意力がよほどでなければ気付かれまい。

『アフロの男』:
≪……も、……大きな動きは無し、ハイ……様です≫

      ≪やはり『見敵必殺』は無い……ええ、余計な動きも。
         ああ、いえ、そうでした。…………話して……ですね≫ 

             ≪…………例の女は……とも、特に無いです≫

ただ、潜む意図は低いとして、声を張り上げるわけでもない。
発見されない可能性の低い位置取りでは、全ての発音を拾う事は難しい。

>>580(黒峰)

『天雨』:
≪黒峰さん、もうじき――――『場所』に着くそうですわ≫

天雨が、自然な足取りでこちらに歩み寄りそう告げた。
一同は林道を止まらずに進む。じき、件の『穴』が見えるだろう。

目的地が近付いても、小石川の『耳』が接近しても、
少なくとも今アフロの男は大きく動く様子は無い。
だが、『怪しい』――――そう。『怪しすぎる』挙動。
それが何かを隠しているのではないか、という可能性。

              『パラ』

                 『パラ』

――――『目』だ。

人物ではないが、スタンド使いである黒峰には見える。
アフロの男とは逆サイド、空中、木々の狭間に見える。

            『スタンドの片目』だけが、そこに浮いている。

582小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/19(日) 17:48:38
>>581

これ以上の接近はしない。
会話の内容を聞き取るのは、あくまで保険のようなもの。
そのために大きな危険を冒すのは本末転倒だ。
途切れ途切れに聞く限りでは、やはり現状報告に思える。
『例の女』というのは、おそらく黒峰のことを指すのだろう。

  ――もう……『出口』が近い……。

『歪み』が見えたら、一旦『目』と『耳』を天雨のポケットに戻す。
外に出しておいてもいいが、万一にも見つかった場合、
今後の動きを破綻させることになりかねない。
もし気取られそうになったら『解除』するが、それは最終手段だ。
今それをすれば、本体である『頭以外』は全て消滅してしまう。
『完全再生』までの時間を考えれば、そのリスクは計り知れない。

583小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/19(日) 17:54:15
>>582

  「……やはり彼の役目は『現状報告』のようですね」

バッグの中から、小声で天雨に伝える。
特に付け加えていないが、天雨は気が回る人物だ。
彼女なら、黒峰や緑里にも伝達してくれるだろう。

584黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/19(日) 21:02:16
>>581
『……天雨さん。
 あの男と反対側……目が浮いています。
 ……あれが男のスタンドなのか、監視以上の目的があるのかは……わかりませんが、こちらが『本命』なのかもしれません』

天雨に伝える。
アフロの男のスタンド(あるいは男自身)の目はどうなっている?

585『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/21(火) 00:18:56
>>582(小石川)
>>583(黒峰)

黒峰は見る・・・『浮遊する目』を。
そして両目を備えた、『アフロ』のスタンドを。
あの目は『何』なのだろうか?

『天雨』:
≪……二重の監視か、あの男は『囮』かしら?
 どちらにしても、こちらが気付いていない間も
 攻撃はしてこなかった……ここで仕掛けては来ませんわね≫

天雨の口を介し、互いの報告は耳に入る。
また、天雨は緑里にも自然に近づき、それを伝えている。

『アフロの男』:
≪…………!? は、はい……はい、大丈夫です。
  見ての通りッ……ハイ、このまま、ハイ…………≫

               ≪継続で…………はい≫

アフロの男は報告以外の動きはない。
継続。この状況は彼らにも『想定内の進行』なのか。
それとも、打つべき手を探るための行動なのか。


    ザッ


         ザッ―――――


『小角』:
「――――――!!」

小角が、ついで緑里や天雨が、ほんのわずかに足を止めた。
或いは他のツアー客にもそれらしき反応を示したものはいたが、
今から追及している時間は――――この『事件』の先にしか無い。

そして、それは小石川の『偵察』の終わりをも意味する。
スタンド使いの目に――――『歪み』が、その輪郭が木々の向こうに覗く。

586小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/21(火) 01:34:31
>>585

予定通り、『目』と『耳』を天雨のポケットに戻す。
もしかすると、また使う場面もあるかもしれない。
しかし、今は必要はないと見る。
ここからは、黒峰達に一任する形になるだろう。
自分が動くのは、『出口』を抜けた後なのだから。

  「『歪み』の向こうには、
   『アリーナ』の笹暮さんが捕らわれています。
   彼は敵ではありませんが……」

  「……『他の方』が驚かないように配慮をお願いします」

敵方が本格的に動く前に、声を潜めて天雨に告げておく。
最優先にすべきは、相手の出方を窺うこと。
そして、これから起こることは『ミステリーツアーの範疇』なのだ。
プロである矢田が上手く取り繕ってくれるとは思うが、
彼女はスタンド使いではない。
実際に現場を目の当たりにした時、
動揺することなく全て『仕込み』で通せるかどうかという点には、
一抹の不安は残るが、
その辺りは事情を知る天雨達がフォローしてくれるだろう。

  ――このまま素通りさせてはくれない……。

  ――『彼ら』は必ず動く……。

既に『姿』は見せているのだ。
『攻撃』にしろ『対話』にしろ、
この一瞬後には接触してきてもおかしくない。
いや、事前の偵察で得た情報から判断すると、
接触してこなければおかしいだろう。

  「お願いがあります……。
   『状況』は口に出して教えて下さい」

  「『不審に思われない程度』に……」

そのように、天雨に頼みたい。
『目』と『耳』を戻した後は、本体の耳で聞くしかない。
逐一言葉にしてもらえれば、情報量の不足を補える。

587黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/21(火) 21:15:07
>>585
(……あの男のスタンドとは、いまいちイメージが繋がりません。
 仲間のスタンドでしょうか……?
 ……もちろん、予断は禁物ですが……)

『目』はどこを見ているだろうか?

588『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/22(水) 22:35:28
>>586(小石川)

天雨のポケットに戻る目、そして耳を遮るものはない。

『天雨』:
「……ええ、そうさせていただきますわ」

そして、彼女への指示伝達も・・・だ。
どこまでやってくれるかは、分からない。だが任せる事は出来る。

>>587(黒峰)

目は『黒峰』を・・・次いで『天雨』を見ている。

>両者

やがて・・・・・・一同は足を止めた。まずは先頭を行く矢田が。
そして、天雨ら、黒峰以外のスタンド使いが。・・・両者の理由は異なる。

『笹井』:
「なっ…………に、これ??」

黒峰を通し僅かに『真相』に近い笹井も、声を上げざるを得ない。

『矢田』:
「え」       「ええぇーーーーッ、ッッと!」

「……………ご、ご覧くださぁ〜〜い! 森の中に! なんと〜〜〜ッ」

矢田も同じだ。そして。

『天雨』:
「『木で作られた門』……!? 木材を切り出したというより、
 まるで『木をそのまま門の形にした』……木を『組み替えた』かのようですわ」

       「……とても、素晴らしい『建築』ですわね!」

「けれど、それ以上に気になるのは……あの門の向こうの景色。森の中とは思えなくってよ!?」

答えは、天雨が口に出した。小石川にも間違いなく聞こえるように。
そう、それは『門』のようだった。森の木々を『組み替え』て作られていた。
扉はない。高さ3mほどの、アーチ状の門・・・『歪みの外』を、縁取るかのように。

・・・外の景色。黒峰の知る笹井の反応、そして今の矢田から伺うに、一般人に『歪み』は見えない。
が、『外』は見えている。誘導をする上では、それは悪いことではない。

                 ・・・だが、『組み替え』だ。


        オ オ オ オ オ ・ ・ ・


門の中心に番のように立つのは、『スタンド』のヴィジョン。本体は姿が見えない。
小石川がその姿を見たならば、それを知っていた。それは・・・『デストルドー』という名を持つ。
だが、天雨はその存在について口に出さない。『不自然になる』事を避けられず、逡巡している。

黒峰は見ている。その『片目』は今欠けており・・・『左手の先』も、見当たらない。

589小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/23(木) 01:07:55
>>588

『木で作られた門』、『組み替えた』、『向こうの景色』。
天雨の言葉から推察できるのは、
『木を組み替えて作られた門の向こう側に出口がある』ということ。
それが『デストルドー』の能力によるものであることは察しがつく。

  ――『門』……。

敵の能力が関わっているのは明白。
普通に考えれば、門を通るのは避けるべきだろう。
避けて進めればいいが、それが無理なら通るしかない。
逆に、待ち受ける相手にとっては有利な状況と言える。
網を張っている以上、確実に『先手』が取れるからだ。

  ――もし近くに『本体』がいれば……
      おそらく矢田さん達も言及する……。

『銀髪の男』については、誰も口にしていない。
そのことから、見える位置に彼はいないと判断する。
しかし、待ち伏せを決めていた彼がいないはずはない。
最後まで姿を見せないつもりか、様子見の最中なのか。
いずれにしても、どこかで確実に見ている。

  ――『今は』出来ることはない……。

天雨の助力で、外の状況はある程度把握できている。
しかし、こちらから何かすることは出来ない。
万一に備えて、『動く準備』や『解除の心積もり』程度はしておく。

  ――……。

気に掛かることは、もう一つあった。
『アフロの男』は、さっき驚いたような反応を見せていた。
会話から推測すると、『銀髪の男』から何か言われたのだろう。
何を言われたのか。
引っ掛かるのは、そこだった。

590黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/23(木) 22:30:29
>>588
『あのスタンド……片目がありません……。
 ほぼ間違いなく、あれが……こちらを監視していたスタンドでしょう。
 ……そして……左手も無いということは、どこかに潜んでいるということ……』

「……あの景色は……映像でしょうか……?」

石か枝を拾い、門(穴)に向けて放り投げる。
また、多少距離を取りつつ回り込んで横や後ろから見てみたい。
『デストルドー』が黒峰の行動に対してどのように反応するかも確認しておく。

(どう考えても無策に通ろうとするのは危険……。
 最低限の情報収集はすべきでしょう……)

591『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/24(金) 23:06:14
>>590(小石川)
>>591(黒峰)

『矢田』:
「 え〜〜〜〜、とても不思議な光景ですがっ! 」

          「 はたしてこの・・・『門』の先には何が! 」

                  「 一見ふつうの『道』に見えますが〜〜〜 」

矢田は、まだ動きださない。
一同――――『事情を知る一同』が動かないからだろう。

              ヒュッ

『笹井』:
「わっ、何してんの!」

黒峰の投げた『枝』に、笹井が驚き、他のツアー客も振り向く。
そして門に立ちふさがっている『デストルドー』は・・・

                     シュン

それに対して、何ら反応は見せない。
能力を行使することも、残った手でつかみ取る事も。
枝は門の外に落ちた。『外の世界』とは地続きで間違いない。

『仲真』:
「『門の向こう』……あの〜〜、ガイドさん。
 もしかして今から『あっち』に行くんですかぁ?」

『刈崎』:
「なるほど、ミステリーツアー。
 でも、だとしたら、バスは――――?」

『武谷』:
「ヘッ。ビビってんのかおめーら?
 おれ的には『ソソる』展開だけどよぉ〜〜〜」


                スゥ ―――― ・ ・ ・

枝を少しだけ振り返ってから、『デストルドー』は『門の右側』にズレる。

             クイッ

そして、手招きする。 ・・・『行く手を阻むつもり』は無い、という事だろうか?

                    ザッ

一同の後方……林の中からの、つまりアフロの男の足音は今は止まっている。
門を抜けるべきか、それとも。『どういう動きをするのか』確かめられているのは、黒峰らもなのかもしれない。

592小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/25(土) 00:39:05
>>591

『外の様子』は、詳しくは分からない。
しかし、笹井の言葉から判断して、
『誰かが何かをしたらしい』程度は察せられる。
大きな動揺がないことから、それは敵方の動きではないのだろう。
だからといって、一般人の参加者達が何かしたとも思えない。
おそらくは、『こちら側のスタンド使いの誰か』だと考える。

  ――この様子だと、まだ大きな変化はない……。

仮に通らなかったとして、他にどんな選択肢があるだろう。
参加者達のことを考えると、一刻も早く『町』から出る必要がある。
ここで立ち止まり続けても時間の浪費にしかならず、
引き返しても意味がない。
そして、考えうる『最悪の状況』でもない限り、
こちらから仕掛けることは出来ない。
それらの可能性を除外すると、やはり『通る』以外になさそうだ。

  ――未知の存在を警戒するのは『自然な反応』……。

  ――彼らも、ここまでは想定内のはず。

『通るしかない』のだろう。
この状況を動かすためには、他の方法は思い浮かばない。
彼は『誘っている』。
それに乗って相手の反応を引き出せれば、
次の行動を決める指針を得られる。
危険は拭い切れないにしても、
今のままでは状況を先に進められないのも確かだ。
それに、後ろには『出雲』がいる。
本当に万一の場合は、彼が助けになってくれることを期待したい。

593黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/25(土) 21:13:14
>>591
(はっきり妨害する様子は無し……。
 罠の可能性もありますが……虎穴に入らずんば虎子を得ず、ですね……。
 ……他の、スタンド使いでない方たちに先導させるわけにもいきませんし)

戦闘能力を考えれば最初に飛び込むべきは自分だろう。
特に『デストルドー』を警戒しつつ、穴の先へ進む。

594『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/26(日) 05:39:39
>>592(小石川)
>>593(黒峰)

             ザッ―――

                  ザッ――――


黒峰が、まず動いた。
『デストルドー』はその場から動かない。
他のスタンド使いが、強襲してくる事もない。

            ザッ――――


『デストルドー』:
≪――――『ベッドのスタンド使い』だな≫

≪聞いている……我々に関わるつもりはないと≫

           ≪それは『現実的』な判断だ。
             ……『支持』するし、『尊重』したい≫

穴の先に足を踏み出すべく、歩む黒峰。

≪大勢の『一般人』がいる……スタンド使いに抵抗できない人間が≫

足音と言葉だけが聞こえる。
小石川にも――――その場にいる全員に聞こえる声だ。
矢田は『事情』を知る黒峰が動いた事で、言葉を止めている。

≪『一般人』を巻き込む理由はない……余計な禍根を生むし、
  得られるものもほとんどない。それに簡単に制圧されてしまう。
  まずお前たちであれば……『倫理』や『道徳』が邪魔をするだろう≫
 
          ≪なにせ……お前達はここに『迷い込んだだけ』。 
           今はそう考えている…………だからこそ、
           これもほとんどありえない話だが………………
           『ありえるとすればスタンド使いだと考えている』≫

言葉の意図は読めない。
朗々たる『意思表示』はこちらの反応をうかがうためか。
それとも、『思考』を口に出し整理しているのか。

『デストルドー』の視線が、ツアー客の一同に走る。そして、黒峰に。

≪広場にいたらしいスタンド使いが……ここにいない。お前らに同行していない。
  あの『飛行帽の男』が『町の住民』だったなら……『ソレ』を『託した』可能性がある≫

                              ザッ――――

≪――――――――時間は掛けない。『手荷物』を確認させてもらえるか?≫

               黒峰と『デストルドー』の・・・すなわち『門』までの距離は、『2m』。

595小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/26(日) 20:43:31
>>594

もし、呼び掛けられたのが自分であったら、まずこう答える。
『広場にいたらしいスタンド使い』とは誰か?
『ソレ』とは何か?
話を聞く限り、彼の言い回しは何処か『曖昧』だ。
こちらを揺さぶるために、意図的にそうしているようにも感じられる。

そして自分なら、次にこう持ちかける。
『見てもいいが触れたら敵意があるものと見なす』――と。
これで、多少の誤魔化しは効く。
ただし、相手が『どこまで調べるつもりなのか』にもよる。
時間は掛けないと言っているが、
全員分の荷物を徹底的に確かめる気があるのかどうか。

      パーツ
必要なら『部位』は『解除』すればいい。
『本体』は隠せないが、『頭』には『ツバの広い帽子』を被っている。
一見しただけで、そこに『頭』があるとは気付きにくいかもしれない。
もちろん、確実ではないだろう。
発見される確率を、より下げる『手』を打つ必要がある。

        スルゥッ

天雨のポケットの中で、『目』と『耳』を同時に上方向に動かす。
『外に出ようとしていること』を、彼女に悟らせるためだ。
そうすることによって、
『敵方に見つかりにくい角度』に位置調整してもらう。
ここで急に飛び出すと、そこを押さえられてしまう恐れがある。
だから、外に出る前の『事前準備』をしておくのだ。

今、見つかるのは絶対に不味い。
だから、何としても発見されないよう細工しなければならない。
『荷物の確認以上に優先すべき何か』があれば、
そちらに注意を向けられるはず。
音を出して別方向に誘導するという手も考えたが、
それは既に使ってしまった。
用心深い『銀髪の男』の注意を引くための『別の手段』を考える。

596黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/26(日) 21:29:23
>>594
『……はい。
 あなた方の懸念はわかりますが……“私はすでに穴をくぐろうとしています”。
 ここで……いきなりカバンを開け始めるのは、他のツアー客たちから見て明らかに不自然……。
 ……穴を抜けてから、携帯電話でも取り出すふりをすればそれほど違和感はないでしょう……』

(もし敵が……全員こちら側にいるとすれば、手荷物の確認前に現実側に移動するのは止めようとすると思いますが……。
 逆に、止めなければ現実側にも……仲間を待機させている可能性が高いでしょう……)

少し歩みを緩め、恐る恐るというふうに穴に近づく。

597『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/28(火) 06:11:14
>>595(小石川)
>>596(黒峰)

思考を巡らせる小石川――天雨にサインを送る。
当然『すべて』意図が伝わる訳ではないが、
この時は小石川の伝え方が功を奏したようだ。

          スゥ…

天雨が、ごく自然な範囲で動く。
ガイドである『矢田』に近寄る素振りでありながら、
その実は『矢田の周りに集まるツアー客』に紛れる。

『仲真』:
「が、ガイドさぁん、あの人勝手に向こうに行っちゃいそうですよぉ〜?」

『小角』:
「……ま、まあ……ガイドさんがなにも言わないあたり、
 おそらく……この門をどうするかも『ミステリー』の一環なのだろう!
 ここは彼女の様子を見てからどうするかを決めようではないか」

『大丸』:
「ミステリーツアーってそういうもんなのか……?」

ツアー客たちはほぼ門を注視しており、天雨のポケットに意識は向けない。
敵方……『デストルドー』とアフロの男からは、人集りの中の天雨の様子は伺いづらい。
どこに分離した目があろうと、『遮るもの』があればその先は見えない。

そして・・・黒峰の言葉に、不気味なスタンドは『首肯』する。

《成る程な……『利』がある。『外に出てもらう』のは、此方としても願ったりだ》

         クイ

             《………………まず外に出てもらおう。
              カバンを見せてもらうのは……その後でいい》

手で門の外を示す『デストルドー』。
矢田や小角、緑里の視線を感じる。空間を穿ったような穴が目の前に広がる。

《進むのを………………恐れる気持ちは分かる。それは正常だ……
 この状況で……まさか安心をしろとも言わない。安心とはそんな軽い言葉ではない》


《だが…………あえて言うなら、罠なんてものは仕掛けていない》


         オ オ  オ オ ・・・

《お前らを害するのが目的なら…………偵察や検問に時間を割いたりはしない》

        《…………………暴力でなら、数の優位はこちらにあるのだから》

初春の涼やかな風を感じる。停滞した赤い町ではなく、現実の世界の風を。
剣呑な気配は無い……また、穴から見える範囲には人影などは無い。

しかし、黒峰の推察通り……『敵のスタンド使い』はまだ人数がいるはずだ。
そして『デストルドー』は『外に出る事』を止めようとはしていない。
外に出た瞬間に黒峰が行動を起こす……そうした可能性は、彼らにも想定出来るはずだ。

598小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/28(火) 18:51:32
>>597

黒峰が上手く時間稼ぎをしてくれたお陰で、
今すぐ発見されることはなくなった。
しかし、予断を許さない状況であることに変わりはない。
今の内に、出来る限りの手段は用意しておく。
まず『目』と『耳』をポケットから出し、その場で『出雲』の姿を捜す。
見つかる可能性を考慮して、まだ人垣の中からは離さない。

手助けを申し出た以上、そう遠くない距離に彼はいるはず。
もちろん、すぐに分かってしまうような場所ではないだろう。
しかし、必要な時に間に合わないのでは意味がない。
そう考えると、駆けつけられる程度の距離内だと推測できる。
見つけられなければ、今はそれでもいい。

続いて、『隠れられる場所』を探す。
人間一人分ならいざしらず、『目』や『耳』程度なら、
そこまで苦労はしないだろう。
出雲を見つけることが出来ても出来なくても、人垣が崩れる前に、
そこへ移動するつもりでいる。
その場所を経由して出雲を捜したい。
手を借りる必要がないのが一番だが、万が一の『保険』だ。

599黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/28(火) 21:36:37
>>597
(……。
 無理に引き延ばしても……怪しまれるだけですね……)

『……確かに、あなたの言うことももっともです。
 意を決するとしましょう……』

穴をくぐり、外へ出る。
すぐに周囲を見回して人影がないか確認する。

600『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/01/29(水) 22:15:34
>>598(小石川)

          スゥ ・・・

ポケットから浮かび上がる『耳目』が、協力者を探す。
出雲の姿は後方に見えた。アフロの男より、更に後ろだ。
木々の影に隠れているが、小石川らには死角ではない。

また、耳や目を隠すに足るスペースはいくらでもある。
森には茂みや木陰など、人一人を隠せる空間さえ多い。
耳や目といった、小さな部位であればなんら問題はない。

>>599(黒峰)

《その判断は『正しい』…………》

『デストルドー』の言葉を背に、黒峰は外の世界に出る。
それは驚くほどに何の『違和』も『変化』もない一歩だ。

     ザッ―――

周囲を見渡す。
穴からは見えない位置に・・・男が一人。

『銀髪の男』:
「………………さて。『荷物』を見せて貰えるか?」

銀の髪の男の声は『デストルドー』のそれと一致する。

他に、仲間……護衛らしき影は無いが……周囲は『峠』のような地形で、
木々もそれなりに茂っている。人が隠れる余地は、幾らでもある。

601小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/01/29(水) 23:16:40
>>600

出雲の姿は見えた。
そして、おそらく黒峰の方も限界が近いだろう。
『覚悟』を決めなければならない。
意を決して、天雨に囁き掛ける。
他の参加者達の話し声があれば、聞かれにくいと判断した。

  「……『私』が帽子で隠れているか確認して下さい」

  「――今から『消します』」

  「彼らには『見てもいいが触れたら攻撃と見なす』と……」

『目』と『耳』を出雲の方向へ飛ばす。
そして、微かな音を立てて存在を気付かせる。
能力は教えてあるので、それが『誰のものか』は分かるはず。

  「すぐ後に緑里さん達が続いてくれれば……
   何とか押し通せるかもしれません」

  「強引ですが、『それ』で進みましょう……」

  「……『行って下さい』」

                           パーツ
そして、彼女が『出口』に向かった段階で、『部位』を『解除』する。
これで、『頭以外』が発見される可能性はなくなる。
同時に、出雲に向かった『目』と『耳』も消えることになる。
『わざわざ送って遣したものを消す』という行動。
この『サイン』によって、『緊急事態』であることを伝えたい。

『解除』した時点で『再生』が始まる。
そうなれば、もはや隠れ続けることは不可能になる。
だから、一秒でも早くチェックを抜けてしまわなければならない。

 パーツ
『部位』が消えたことは、黒峰・緑里・小角にも伝わるだろう。
それによって彼らにも『合図』を送り、『本体の隠蔽』に助力を仰ぐ。
完全な無防備状態となった今の自分に出来るのは、
それくらいしかない。

602黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/01/30(木) 22:49:07
>>600
(……彼が本体……。
 他に仲間が待機しているかどうかは……判断できませんね……)

穴から死角になる位置でカバンの口を開けて地面に置く。
そしてカバンから少し離れてから、存分に調べてくださいとジェスチャー。

「はい……どうぞ、ご確認を……」

603『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/02(日) 03:00:03
>>601(小石川)

小石川の取った判断は、部位の解除……残るのは頭部のみとなった。
切り離しておける部位の限界数までを、一斉解除。『耳と目』は小さく、
両半分の上半身と下半身は大きい……合計時間は『160秒』に達する。
それはカウントダウンのようでもある。勿論『意味するところ』は『能力使用不可』ではない。

・・・小石川の頭部から、全身が『再生』してしまうまでのカウントダウンだ。
小石川の考え通り、もはや事態は『性急性』を帯びて動き始めている。

だが、頭部だけになった小石川には、今そこに干渉する術は残されていない・・・

>>602(黒峰)

ふと、鞄の中が『とても軽くなった』のを感じた。
見た目の大きな変化はないが……思い当たる理由はある。
鞄を開ければ、それはより明確に明らかになるだろう。

        ストン…

『銀髪の男』:
「何か考えがあるとしても…………………『素直』なのはいいことだ。
 『慎重』に事に当たろうとして……結果的に『迂遠』になる人間は多い」

「事にあたる前の時間をかけ過ぎて、期を逃してしまう……という意味だ。
 おれ自身がそうなっていなければいいが……安心しろ、私物に手は出さない」

           ゴソ

              「おれ達の探し物は……それなりに『大きい』」

鞄を開け、その中を探るのは『デストルドー』の、切り離された片手だ。
外に待機している彼の側に配置されていたらしい。彼自身は鞄に触れない。

「………………………………………問題はなさそうだ」

そして……それも、しばらくと言うほど時間を掛けずに完了し、口が閉じられた。

「…………言うまでもないが、『厄介ごと』に巻き込まれたくはないはず。
 ここで起きたことは……『他言』も『詮索』も、すべきではない………………」

鞄が、スタンドの手に運ばれ黒峰の前に渡される。その中身に『小石川』の身体は、今はもう無い。

604『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/02(日) 03:00:13
>黒峰

門の外からでも、以下の光景は目に入るし、耳に聞こえる。

『緑里』:
「…………じゃ〜っ! 黒峰さんも無事出たみたいですし、おれらも行きますか〜〜〜」

『天雨』:
「そうですわね、ガイドさん……そういう行程という理解で、よろしくって?」

緑里や天雨は消えた重みに反応し、矢田に目配せをしながら足を動かす。
場をスムーズに動かすためだろう。矢田も、少し遅れて声を上げた。

『矢田』:
「そ、そうですね! それじゃあ皆さん、順番に〜! あの門を潜って外に行きましょーーー!!」

           ザワ…

         ザワ…

・・・ぎこちなくも、ツアー客一同が動き出す。

『デストルドー』:
《…………スタンド使い以外は……
 預ける相手にする『妥当性』が極めて低い。
 そしてこの検査にそもそも『気付けない』》

《スタンド使いが他に紛れているとして……
 抵抗をしないなら、それはそれで構わない。
 ……おれ達の『探し物』を預けられているなら、
 抵抗をしないという事は……『本末転倒』もいい所だ》

そこに近寄った『デストルドー』は、客らの手荷物に触れていく。
手で底に触れ……また鞄の口を軽く開け、浮遊する『切り離していた目』で覗き込む。

スタンドの言葉通り、ツアー客の中にそれに気付く様子のものは見当たらない。
彼の精度が高いのか、それとも門と空間の穴という、視覚的異常に気を取られているか。

《………………………………『杞憂』のようだ、『確実』とは言えないが》

門の外側へ、列を成すツアー客が出始めている。
黒峰にはそれが見える。銀髪の男は、特にその者達に何をするでもない。
逆にその者達も、銀髪の男に視線を向けはしても何かを仕掛けたりはしない。
峠に人がいるのは珍しくはあっても、赤い町ほどのことではない。

            スタッ…

      スタッ…
     
そして今・・・『天雨』が門を通過しようとしている。
小石川は彼女に『荷物に触るのは攻撃とみなす旨を言う』ように伝えたが、
彼女はそれを言わない・・・厳密には『言えない』と言って良いだろう。
スタンド使いである事。抵抗的な態度を示す事。どちらもが『検閲』を厳しくしかねない。

          スタッ

検閲に気づかないようなていで、人混みの中にいる段階で鞄の口に軽く手を添え、
自然な所作で『荷物の奥まで探られる』ような事態を防ごうとしている。
また、後ろには緑里が続いており、どこか『焦った風』を所作に浮かべている。

彼らだけで問題なく切り抜けられるかは分からない。
天雨がスタンド使いだとはバレているとは限らない。
示すような根拠はないが、バレていてもおかしくはない。

・・・『出雲』も恐らくはだが、動きを何か用意している。
小石川が部位の解除前に行っていた、耳と目を用いた働きかけは働いている。
何をする気かは読めないが、彼の目的は一同をこの町から逃す事だ。

605小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/02(日) 04:22:00
>>603

考えてみれば、明確に敵方の前でスタンドを発現したのは、
黒峰だけだった。
それ以外の人間は、
そもそもスタンド使いであることを知られていないとしても、
不思議はない。
その点を考慮すれば、
何も言わずに通過してしまうのが安全なのは間違いないだろう。

『解除』を実行した今、自分に出来ることはない。
比喩ではなく、『本当の意味』で何もない。
強いて言えば、出来るだけ身体を縮めておくことくらいだが、
下手に動くと逆に目に留まる可能性がある。
だから、鞄の中で息を殺して、
可能な限り動かないように身を潜める。
普段なら『早く再生して欲しい』と考えるところが、
『再生してしまうと困る』と思わされるのは『皮肉』に感じた。

  ――ここで見つかれば……『全て』が終わる……。

『スタンドに関わる事件』に遭遇したことは何度かあった。
不思議な工場に迷い込み、奇妙な集まりに巻き込まれ、
スタンド使いの一派と戦い、追う者と追われる者の争いに介入した。
その中で学んだのは、落ち着きを失わないこと。
動揺した精神状態から成功は生まれない。
何よりも大切なのは、常に平静を保つことだ。

  ――落ち着いて……気を確かに……。

今は、状況を把握している黒峰・天雨・緑里に委ねる他ない。
万一の場合を考えて、出雲にも『合図』は送った。
それが、今の自分に出来る『最大限』だ。
彼が動いてくれたとして、何をしてくれるかは分からない。
ただ、今は信じるしかない。

文字通り『動けない身』ではあるが、思考することだけは止めない。
検問を通過したら、緑里に『壁』になってもらい、
その裏で天雨に鞄を置いてもらう。
その時に鞄から出て、手頃な場所に身を隠すつもりでいる。

606黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/02(日) 21:48:31
>>603-604
(あの……仕草。
 私のカバンからは消えましたが、天雨さんのカバンには残っている……ということ?
 しかし……ツアー客はそれなりに大人数……。
 空港の手荷物検査のように……じっと順番待ちしてはくれません。
 ……確認は大雑把にならざるを得ないはず……。
 そこからさらにリソースを、削る……)

「……緑里さん。
 どうかしましたか……?」

あえて緑里に声をかける。
焦っている緑里は、銀髪の男からは明らかに不審に見えるはず。
そちらに注目すればその分天雨への警戒度は下がり、検閲も多少緩むかもしれない。
逆に緑里への検閲は念入りに行われるだろうが、そちらは空なのでいくらでも調べて構わないし、
むしろ『きっちり調べたうえで何も出てこなかった』という結果はこちらの利となる。

607『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/05(水) 14:09:28
>>605(小石川)
>>606(黒峰)

『緑里』:
「ん、ああ、いやぁ〜? 何もないですよぉ〜〜〜、何も、ほんとに〜〜〜」

黒峰の意図を汲んだのか、
声を掛けられた緑里は挙動不審の色を強める。
視線を意図的に『デストルドー』周辺にさまよわせている。

           ザッザッザッ

                     ザッザッ


『デストルドー』:
≪――――――――――――――― ・・・≫


       ザッ ・・・


『デストルドー』の視線もまた――――『緑里』に向くのを感じた。
ごく自然に堂々と歩を進める『天雨』のカバンは、浅くしか触れられない。

『検閲そのもの』を無力化する事は出来ない。
だが、『検閲に割く注意』を限りなく無力には出来る。
そもそも相手が探しているものは『小石川』――
すなわち『生物の頭部』であることも、功を奏したのだろう。

                        ―――― ザッ

『天雨』:
「門を……抜けましたわ! それにしても……ここはどこなのかしら?」

背後で『デストルドー』が緑里のカバンにひときわ長い時間を掛けるのを感じながら、
天雨は――――そして『小石川』は外の世界に脱した。だが、それは『終わり』を意味しない。

『銀髪の男』:
「…………」

           フゥ ――― ・・・

外には銀髪の男――――『デストルドー』の本体がいる。
彼は門から出る人々から怪訝な目で見られながらも、
姿を隠すことは無く集団をやや遠巻きに見ている。
そして小石川の『再生』までの時間は、『100秒』を切っている。

緑里についても、遅れて検閲を抜けて門の外に出てきた。『壁』に……人一人の壁で『銀髪の男』の目を誤魔化せるか、だ。
なにより緑里は黒峰の計もあり、『警戒』を買っている……カバンには何もなくとも、『銀髪の男』の視線は、彼に向いている気がする。

608小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/05(水) 21:00:12
>>607

『当初の計画』通りに事を運ぶ。
鞄を調べられたのは『予想外』であっても『予定外』ではない。
『外に出た後の行動』は事前に説明してある(>>552)。
こちらから指示を出さずとも、天雨は予定通り行動してくれるだろう。
黒峰が緑里に注意を向けてくれたことで、天雨は動きやすくなるはず。

  「……急いで下さい」

おそらく分かっているとは思うが、小声で天雨を促す。
もちろん他の乗客達の会話に紛れて。
それが困難であれば何も言わない。

  ――『時間』がない……。

笹暮のことも気に掛かる。
あの姿が目に入れば、誰かが反応してもおかしくない。
彼について乗客達が全く触れないというのは、
『見当たらない』ということだろうか。

609黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/06(木) 20:33:14
>>607
(この場所で隠れるには限界があります……。
 ……もう一つミスディレクションで……視線をそらす)

周囲を見回しながら集団から離れるように移動する。
現在地の確認を装っているものの、相手からすれば黒峰の単独行動は気になるはず。

610『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/07(金) 22:41:43
>>608(小石川)

「……敵が一人しか、姿を見せてなくってよ。
  どこが『置ける場所』なのか…………いえ。
   時間制限には替えられない……動きますわ」

汗を拭うような動作で軽く鞄を持ち上げた、
天雨の小声が小石川に小さく聞こえてくる。

『天雨』:
「……そろそろ全員出てくる頃合い、かしら?」

それから……天雨がほんの少し移動するのを感じる。
感じる……外の出来事は周囲の反応である程度分かる。
笹暮について、乗客がその姿を見れば分かるはずだ。
相手も事を荒立てたくない……不要な諍いを避けたいなら、
彼を『隠す』ことをしていても、おかしくはないだろう。

           スト…

       ガサッ

鞄が地面に置かれたのを感じる。
わずかに草が擦れるような音がする。『茂み』か何かに置かれたのだろう。

鞄の口は空いている。…………行動を起こすことは、いつでも出来ると思われる状況だ。

>>609(黒峰)

黒峰が動く。スタンド使いの動きに敵は気を『割かざるを得ない』。
銀髪の男、そしてまだ門の外におり、『運転手』らの検閲を行う『デストルドー』も、
黒峰の方に視線を向けたように感じた。これで他の人間は動きやすい。

また、周辺の警戒そのものも意味がある。『一挙両得』の行動は値千金だ。
周辺には露骨な『異常』はないが……曖昧な表現にはなってしまうものの、
他の人間の『気配』を感じた。銀髪の男だけではない……他の誰かの視線。
あるいは、意識できるほどではない……僅かな物音、草の揺れ、違和感……

『天雨』:
「……そろそろ全員出てくる頃合い、かしら?」

天雨が、その間に集団を僅かに……『門を覗きに行く』ように動いて離れ、
『デストルドー』からは死角になるであろう『外側』の茂みに、鞄を置いた。

鞄の中には小石川がいる…………彼女の能力の時間制限はおそらく、かなり近いだろう。

611小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/07(金) 23:35:05
>>610

再生完了までの残り時間はどれ程でしょうか?
また、鞄内のスペースにはもう余裕はないでしょうか?

612黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/08(土) 22:31:26
>>610
(……おそらく、いますね。
 敵の仲間が……何人かはわかりませんが……)

あまり離れすぎない位置でいったん止まる。
警戒を超えて完全に怪しまれるのはよろしくない。

613『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/09(日) 08:05:42
>>611(小石川・回答)
>再生完了までの残り時間はどれ程でしょうか?
レス中の最後の時点で、再生完了までは『70秒』を切っています。

>また、鞄内のスペースにはもう余裕はないでしょうか?
カバン内のスペースには、まだ若干の余裕はあります。

614小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/09(日) 10:22:46
>>613
回答感謝します。

>>610

事前に偵察した時、『外』を見張っていたのは『ゴウ』だった。
天雨の言葉によると、その彼が今は見当たらないらしい。
銀髪の男は、おそらく笹暮を見えないように隠している。
それと同じように、仲間を隠している可能性は十分にある。
自分自身を囮にしておいて、
別の場所に『伏兵』を用意するというのは有り得る話だ。

『フレッシュ&ブラッド』は飛び道具。
離れた場所からでも攻撃が出来る。
その役目には打ってつけだろう。
あるいは、既に狙いをつけられているかもしれない。
それを考慮すると、ここで迂闊には飛び出せない。

  「……もう少しだけ『時間稼ぎ』をお願いします」

  「ほんの少しだけ……」

  「その後で――『外に出ます』」

呟くように天雨に告げて、可能な範囲で外部に耳を澄ます。
今の自分に選べる選択肢は『出る』か『出ない』かの二つしかない。
敵の動きを警戒して、『その間』を取る。
すなわち、『一拍の間を置いてから出る』ということだ。
そのために、少しだけ『待つ時間』を作る。

いずれにせよ、今の状態では出て直ぐの行動は難しい。
出た後の事を考えて、より最適なタイミングで鞄から抜ける。
今は黒峰が気を引いてくれているようだ。
彼女に甘えることになってしまうが、
敵方の注意が確実に逸れると思える瞬間を狙う。
少しのミスも許されない状況である以上、
予想されるリスクは少しでも抑えなければいけない。

615『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/10(月) 17:24:27
>>612(黒峰)

足を止める。銀髪の男と、『デストルドー』の視線は離れない。
意味深な印象を与える事に成功している……慎重な男は警戒を隠さない。
『デストルドー』の分離した左手も、彼の側を離れる動きは見せない。
門の内側では、『検問』はもう残すところ数名だ。スタンド使いは全員外にいる。

『銀髪の男』:
「………………」

           ボソッ   ボソッ

トランシーバーに吹き込む声は聞こえないが・・・

《…………『デストルドー』に、反応したように思える者もいた。
 『スタンド使いは引き合うさだめ』……他にも、紛れているんだろうな。
 だが……やはり戦意が無い。そして…………『ブツ』を持っている者もいない》

            《……なら、大人しく出ていけば手出しはしなくていい》

同時翻訳めいて、『デストルドー』の声が響く。
それは誰に聞かせるものなのか…………当然と言うべきか答える声はない。

《…………『余計な手出し』は、決してしない方がいい。戦う意味はお互いに無い》

いずれにせよ付け加えるようなその言葉は、黒峰に向けられているようだった。
そう黒峰に。『小石川』や天雨の暗躍、緑里や小角の関与は、彼はまだ気付けていない。

そして・・・

              ドシャッ!

小石川を隠し、戻って来ようとしていた天雨が、躓いたように唐突に『転倒した』。

攻撃には思えない。何事もなかったように天雨は立ち上がろうとしている。
ならば単なるアクシデントか? ・・・それも違う。状況がそれを示す。

『笹井』:
「ウワッ……派手にこけたね、大丈夫?」

『天雨』:
「……………………ご心配には及びませんわ、足下が縺れましたの」

『緑里』:
「歩きにくそ〜な格好してますもんねェーーー」

ツアー客の視線は、一時的に彼女に集まる。そして・・・銀髪の男の視線もだ。
黒峰だけで気を引くことの限界を察したゆえのアドリブか、あるいは小石川の指示か。  

それ以上露骨な動きはない――警戒され過ぎて小石川が早期に気付かれるのを避ける為だろう。
ゆえに銀髪の男の視線も、あくまで『一時的』ではあるだろうが……それでも鞄を置いた茂みから、離れる。

>>614(小石川)

斃れた笹暮の姿も、『遠隔攻撃』を行える『ゴウ』の姿もないのは、
小石川の考え通りこちらから『隠している』……その可能性が最も高いだろう。
偶然見えない位置にいる、あるいはツアー客の到着を待たず撤退している、
そうした可能性も無くはないが、リーダー格の男一人が姿を見せる根拠に薄い。

そんな中で彼のスタンドの言葉も、聞こえてくる・・・(『黒峰』宛の部分を参照)

         トン…

天雨が離れる前、一度だけその指先が鞄を叩いた。それは符丁だ。
あの時(>>436)は逆だった……『言葉にイエスなら、一回叩く』。
言葉にするよりも早く、小石川にならば通じると判断したのだろう。

とはいえ、彼女が目立ちすぎれば彼女の『行動』も警戒されてしまう。
慎重な男は、『いつの間にか持っていないカバン』に気付いても妙ではない。
とはいえ、その時に小石川がカバンを出ていれば怪しまれはしても確信には至らない。

いずれにせよ・・・天雨はひとまず、集団の中に戻っていくようだった。
足音が離れていく。彼女が目で追われれば間違いなく、一旦はこの茂みは無警戒になる。

そして。

              ドシャッ!

『笹井』:
「ウワッ……派手にこけたね、大丈夫?」

『天雨』:
「……………………ご心配には及びませんわ、足下が縺れましたの」

『緑里』:
「歩きにくそ〜な格好してますもんねェーーー」


天雨の足音が途絶え、地面に転げたのが音と言葉で分かった。悲鳴などはない。
襲われた・・・のではないだろう。彼女は小石川の言葉に答え、『時間を稼ぐ』ために動いた。
怪しまれる可能性はあるが、彼女は既に茂み……『門』からは離れていて、男の警戒はそちらに向く。

・・・・・・ならば今この瞬間、門の側の茂みを見ている人間が果たしているだろうか?

616黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/10(月) 21:42:02
>>615
(言葉通りの意味でしょうか……『それ以上単独行動するな』という、警告のようにも思えますが……。
 ……いずれにせよ、このくらいが限界でしょう……)

ひとまずバス客たちのもとへ戻る。

617小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/11(火) 00:31:12
>>615

二つの意味で『限界』が迫っている。
『隠蔽』と『再生時間』だ。
その両方が尽きようとしている。
行動しなければいけない。
今すぐに。

  「――……」

天雨と黒峰の支援がある内に、意を決して動く。
再生途中の身体で、地面を這いずるようにして鞄から抜け出る。
物音は極力立てないように努力する。
出ることが出来たら、可能な限り姿勢を低くして身を隠す。
その場で『再生』の完了を待ちながら、状況の把握に集中する。

618『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/12(水) 19:39:54
>>616(黒峰)
>>617(小石川)

バス客の元に戻った黒峰――――そして、無事カバンを出た小石川。
二人は、門を通って全ての……『出雲』を除く全ての人間が外に出たのを見る。

       ザワ

               ザワ

見慣れない峠に出た一同は、
興味深げに、或いは不安げに周囲を見渡す。
『武谷』などは『門』にスマホのカメラを向けており、
緑里も一般観光客を装うためか、それに追従する。

『矢田』:
「―――――――――――・・・」

   チラ

『運転手』:
「…………」

         コク

矢田が運転手にアイコンタクトを送り、
彼は他の人間と同じく、携帯電話を取り出す。
が、目的は溜まった通知の確認やネットの閲覧ではなく、
一同の帰還に必要な、ツアー会社の本社への連絡だろう。

『銀髪の男』:
「…………」

≪これで……全員か? あの男はやはり『町の住民』……≫

            ≪スタンド使いの防衛戦力か…………≫

それを察しているからか、あるいは単純に面倒を避けてか、
『デストルドー』を己の傍に引き戻した銀髪の男は妨害などはせず、
スタンドだけを一同を見張る位置に残して、より遠巻きな位置へ移る。

≪…………ここで待つつもりか?
  …………歩けなくもない距離に『町』があるが≫

彼からすれば、ここに大集団がいるのは面倒なのだろう――――が、
ここでツアー会社の手配を待つとしても危害はやはり加えられないはずだ。

>>617(小石川)

                    ガサ…

門の傍の茂みの中にいる小石川は、『門の裏側』から物音を聞いた。
つまり空間に平面的に入った罅、穿たれた穴の、『裏側』――――
門から出てきた、つまり『表側』に出たツアー客たちからは死角の位置だ。

――――――――――――――――――――――――――――
             大体のイメージ図
 

                客達
                
                ↑(門の表から出てきた)

       茂◎茂茂  門門門 茂茂茂茂

              ★

◎:小石川がいる位置。人一人隠れるには十分な茂み。
★:裏側の物音がした位置。

――――――――――――――――――――――――――――

再生までに要する時間は、全員が門を出るまでの間にほぼリミットに迫っている。あと『20秒』ほどもないだろう。

619小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/13(木) 00:06:04
>>618

音が聞こえたのは門の向こう側――つまり『紅鏡町の中』。
良い方に考えれば出雲かもしれない。
彼には手助けしてくれるように合図を送っていた。
しかし、それは希望的観測でしかないだろう。
そこにいるのは『敵側の人間』かもしれないのだから。

  ――まだ……。

  ――全てを終えるまでは気を抜けない……。

そのまま再生の完了を待つ。
再生が完了次第、再び『スーサイド・ライフ』を発現する。
まず胴体を両断し、『上半身』と『下半身』に分断する。
本体は『上半身』だ。
本体を二分割することで隠しやすくしておく。

続いて『目』を切り離す。
物音の正体を確かめるためだが、まだ実行はしない。
敵方に見つかるかもしれない懸念もある。
そして、音の正体を見極めるためでもある。
その場で待機し、『音の主』の動向を窺う。

620黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/13(木) 20:29:01
>>618
(……。
 車で移動するより……徒歩での移動のほうが、『電話』の様子を自然に盗み聞きさせられそうです)

スマホの地図アプリを起動し、近くの町を確認。
矢田に近づいて小声で会話する。

「町まではそれほど離れていないそうです……。
 ……会社からのバスが到着するのは……いつになるかわかりませんし、まずは移動したほうがいいかと思います……」

621『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/14(金) 22:39:21
>>619(小石川)

門をくぐった向こう側――――『紅鏡町の中』からの音かもしれない。
が、もしかすると『門を迂回した裏側』からの音なのかもしれない。
二つの世界を繋ぐ穴は立体的なものではなく、空間に平面的に穿たれた形だ。
それをくぐった向こう側は『紅鏡町』だが、迂回して裏に回ることもできる。

いずれにせよ、『再生』は完了した。
幸いにしてそれで物音が立つことはなく、
『スーサイド・ライフ』による両断も済んだ。
目の切除も、その気になれば既に出来ていた程度に猶予がある。

              ・・・

                   ・・・

物音は連続するものではない。
『偶然』か、『もう鳴らさないようにした』か――――紅鏡町の中に動きは無さそうだ。
出雲も待機しているはずだが、動きが無いのは『今は上手くいっている』からだろう。

そうしているうちに、恐らく黒峰の誘導もあってツアー集団がこの場から動き始めるのが見える・・・

>>620(黒峰)

地図アプリで確認すると、男の言葉に嘘はない。近隣の町は『徒歩30分』圏内だ。
思ったより人里に近いらしい。若者が多い事もあり、不満は出ても無理はない距離だ。

『矢田』:
「そ、そうですねッ……とりあえず歩き出すよう誘導しますッ」

その言葉通り、矢田がツアー客たちに『ここから移動する』事を告げる。
若干のざわつきはあったが―――――

『緑里』:
「まー、普通の旅行じゃないのは分かってましたからね〜。歩いた先を楽しみにしときますか」

『武谷』:
「ニイちゃんの言う通りだぜッ! こんなに『自然』の中歩くのも、普段ねえ事だしよォ〜〜〜ッ」

フォローを図った緑里や、特に裏もなく賛同したらしいポジティブな男・武谷の言葉で、集団は動き始める。

『銀髪の男』:
「…………」

≪『ベッド』のスタンド使い……お前の判断は最後まで正しかった。
   ……そう、ここで『最後』だ。『この先』は……お互い関与する事はないのだから≫

        ボソ…

         ≪だから……忠告だけはしておく。『ここであったことは忘れた方が良い』……≫

最後――――ではない。小石川の、そして黒峰の賛同する『計画』通りであれば、『本番』は『この後』だ。

622小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/15(土) 01:07:37
>>621

ツアー客達が近い位置にいる間に、『下半身』を動かす。
より隠れやすい位置に微調整するために。
話し声が聞こえる今なら、多少の音であれば紛れると考えた。
彼らが立ち去ってしまった後では誤魔化せなくなる。
後のことを考えて、今の内に済ませておく。

  ――『音』が聞こえない……。

そして、『目』と『耳』を切除する。
周囲に気を配り、敵方の注意がツアー客に向いているであろう隙に、
『目』と『耳』を『門の向こう側』へ送り込む。
見つかる危険も考えたが、『これから』のために情報収集は必要だ。
後回しにすると調べにくくなってしまう。
やるなら今しかないだろう。

623黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/15(土) 21:25:17
>>621
集団とともに移動する。
銀髪の男に盗み聞きされるとこの場で直接呼び止められかねないが、『隠れて監視している敵』ならおそらく姿を現さず聞くに徹するだろう。
そのためにも銀髪の男からは少し離れる必要がある。

624『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/16(日) 22:46:38
>>622(小石川)

下半身は茂みの中に完全に隠す事が出来る。
門の外も、中――――紅鏡町に関しても、
自然環境の中であり、隠れ場所には富んでいる。

          シャッ

              ドシュッ

感覚器を切り離すのも何度目だろうか。
手つきに、刃さばきに手慣れを自覚できる。
あるいは、『スーサイド・ライフ』そのものに。

           『フワ…』

門を再度くぐる目と耳は――――再び『物音』を聴きとった。
低い位置からだ。何かが地面と擦れるような、そういう音がする。

>>623(黒峰)

集団は言葉を交わすものはあっても、足を止める事はない。
そこに紛れて歩き去る黒峰を、銀髪の男は視界からついに外す。
ベッドのスタンド、つまり『遠距離ではない』というイメージも、
その判断に繋がっているのかもしれない。彼は門の側を向く。

       ザッ

           ザッ

『天雨』:
「…………」

           チラ

天雨の視線を感じた。彼女は手にスマホを持ち、軽く上げて黒峰に見せる。
銀髪の男はもう見ていない・・・『監視している人間』がいるかは、言い切れない。

                   ・・・電波は十分だ。『電話のふり』に違和はない。

625小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/17(月) 09:01:29
>>624

この『慣れ』は、争いの中で形成されたもの。
それは果たして良いことなのだろうか。
少しだけ考えて、頭を切り替える。

  ――今の内に、なるべく有利な状況を作らないと……。

『目』と『耳』を手近な物陰に移動させる。
隠れながら、少しずつ音の方向に近付いていく。
出雲か、あるいは敵か。
まずは、その正体を確認する。
平行して、追加で『小指』を一本切り落とす。

  ――そのために……『出来ること』をする。

『外』にいる銀髪の男や、
潜んでいるかもしれない彼の仲間も油断ならない。
そのまま留まるのか『中』へ戻るのか。
相手の行動によっても、以後の方針は変わってくる。

626黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/17(月) 20:38:39
>>624
スマホを取り出し、どこかへかける動作。

「……もしもし。
 『アリーナ』の方ですか?
 ……小石川さんから、言伝を頼まれました……。
 はい……。
 『増援』を、お願いしますと……。
 それと……相手側の『スタンド能力』についても、お伝えします……」

この場で攻撃される可能性もゼロではない以上、念の為周囲を警戒しておく。

627『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/18(火) 16:47:34
>>625(小石川)

               カサッ…

多少、草葉に触れつつも物陰に目と耳を隠し、
音に近付けていく。小指も、問題なく切り落とせた。

『銀髪の男』:
「…………」

          スチャ

銀髪の男は門の側を向いたまま、トランシーバーを手に取る。
取るが、口を開くわけではない。『聴いている』ように思える所作だ。

『銀髪の男』:
「…………」

                  スゥ――― ・・・

そして視界を周囲に巡らせる。『何かを警戒する必要』が生じた、のか。
いずれにせよ、小石川の切り離した側の目と耳は……光景を捉える。

                ゴ   ゴ   ゴ   ゴ

『ゴウ』:
「…………全員行ったか?」

『アフロの男』:
「ハイ……レイトさんが、全員行ったとの事です」

                    ――――『敵』だ。

『ゴウ』:
「クソッ、めんどくせェーーー連中だったぜ。
 どういう偶然だよ? で……兄貴はまだか……?」

『アフロの男』:
「まだ、何か気になる事があるんじゃ……『イズ』兄貴は慎重ですし」

『ゴウ』:
「ヘッ、慎重じゃねェーやつがいるみてェな言い方だな、え?」

『アフロの男』:
「い、いや。そういうわけでは……」

水鉄砲のスタンド使い『ゴウ』と、あの『アフロの男』――――そして。

        ゴ ゴ  ゴ  ゴ

地面に倒れた状態で、『高速』された『笹暮』――――
足だけでなく『手』も、『組み替え』られ『両手を繋ぎ合わせられている』。

                          ズザ…

『ゴウ』:
「動くなッ、つってんだろォォーがッ……
 ……連中が消えたならさっさと『ブツ』探して、
 このカギ野郎ともオサラバしてェもんだぜ、なァー?」

『アフロの男』:
「あ、ハイッ、そうですね……『鞘と刃』……あれさえあれば」

・・・死んではいない。意識はあるようだ。
口には『布』を巻かれていて、声は出せそうもない。見えるし、聞こえる。
 
>>626(黒峰)

           ザッ

              ザッ

歩く一同の中で、『黒峰』は『計画』を実行する。
それはこの町の事変を終わらせるための一手だ。

     ザッ

         ザッ

周囲に動きはない――――『観察者』がいるとして、
その人物が今すぐ行動を始める保証はない以上、
これが功を奏したのか――――それも判断は出来ない。
とはいえ周辺に隠れているなら、聞かせるには声量は十分だろう。

『矢田』:
「そろそろ春の足音も聞こえる季節、ハイキングも気持ちが良いですねッ」

『天雨』:
「全くですわ。『歩く』というのも、たまには良いものですわね……」

歩き続ければ、いずれは町が見えてくるだろう。順調だが……一つ、問題もある。
『町を出た後は途中でツアー会社の車を降り、タクシーで折り返す』のが『小石川』の立てたプランだった。

『トラブルは起きていない』が、計画での想定と今の状況は異なる。このまま進行すべきだろうか――――

628小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/18(火) 21:08:22
>>627

トランシーバーというのは『送受信』する機能を持つ機械だ。
おそらく、銀髪の男――『イズ』は、
誰かからの通信を受け取っているのではないだろうか。
『門の中』の会話と合わせて考えると、
それがレイトである可能性は十分にある。

  ――笹暮さん……!

やはり、まだ彼は生かされている。
そして、一部とはいえ相手の所在を把握することが出来た。
彼らの言う『ブツ』というのが『鞘と刃』と呼ばれる何かであることも。
笹暮から聞いた『隕石』と関係しているのかもしれない。
さらに情報を得るために、会話に『耳』を澄ます。

  ――『二人』……。

現時点で確認が取れたのは、『外』に一人と『中』に二人。
これで三人。
残り二人の居場所は分からない。

ただ、レイトに関しては『予想』は出来る。
『全員行った』というのがレイトからの連絡なら、
彼女はそれを確認できる位置にいると考えられるからだ。
そして、彼女も『フレッシュ&ブラッド』を扱うことが出来る。
つまり、『遠距離攻撃』が可能であり、
ゴウと同じく『伏兵』にも適しているということになる。
その点を考慮に入れると、
レイトが『門の外』に潜んでいても不思議はない。

  ――『出来ること』をする……。

  ――今のためではなく、『これからのため』に。

後で役に立つと思えることは、一つでも多くしておきたい。
今は、笹暮にこちらの存在を気付かせることくらいだろう。
しかし、それを試みるにはタイミングが悪い。

        パーツ
笹暮だけに『部位』を見せられるような位置を探しながら、
二人に隙が生じる瞬間を待つ。
切り落としたばかりの『小指』を使って物音を立て、
無理矢理隙を作ることも考えたが、
それは『イズ』に報告されてしまうと見ていいだろう。
彼が警戒の構えを見せている以上、尚更リスクは無視できない。

629黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/20(木) 20:59:35
>>627
一通りそれらしい偽通話をし終えたら電話を切る。
そして天雨に小声で話しかける。

「代わりのバスがいつ来るかはわかりませんから……町についたら、すぐに引き返しましょう……。
 ……天雨さんは……今のうちに、タクシー会社へ連絡をお願いします。
 ……しかし、それでもそれなりの時間がかかるでしょうから……その間、小石川さんのほうでなにが起こるかわかりません。
 なので……私は先に、町につく前に戻ります……」

天雨が電話するのを観察者(いれば)に見せてから、集団から離れて『出口』近くまで戻る。
一応もと来た道とは少し外れた森の中を進む。
当然、敵(特に観察者)からの攻撃は警戒しておく必要がある。

630『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/22(土) 23:09:21
>>628(小石川)

『笹暮』は生きている――――『生かされている』
生殺与奪の権は確実に、既に敵二人の手の中にあり、
それを握り潰すために力を籠めるのは、引き金を引く指だけで十分だ。

『ゴウ』:
「そうだ。『鞘と刃』…………やっぱ兄貴はすげェ〜。
 この情報も、例の『協力者』とか言うヤツも、
 全部兄貴が見つけてきたようなモンだからな……」

会話から情報を更に取りたいところだが・・・

『ゴウ』:
「……っと」

           スチャ

話を止め、トランシーバーを手に取る『ゴウ』。
これは先ほどの『イズ』と同じ動作だ。『聴く』ような動作。

『アフロの男』:
「…………」

      キョロ  キョロ

その間アフロの男は念のためという事か、周囲を見渡している。

二人。そう――――あと『三人はいる』事になる。
一人は『イズ』――――『銀髪の男』で間違いない。
また内一人は町で見張りをしていたあの男であり、
ここに追いついてくるまでにはまだ時間が必要だろう。
残る一人は『レイト』と呼ばれるあの女。
スタンド使いの全貌は恐らく見えている。

だが、それらがどう動いているのか、動くのかは読めない。
二人に隙が出来る様子は、少なくとも今すぐにはない。
笹暮にだけパーツを見せる事は、彼の顔側に回り込めば可能だろうか・・・

>>629(黒峰)

『天雨』:
「……ええ、そうね。今の内に連絡するのが良さそうですわ」

           prrr
                 prrr

集団から少し離れ、電話を掛ける天雨。
町の名前やタクシー会社は調べ済なのだろう。
・・・観察者がそれを見ているのかは分からない。
少なくとも通常の状態で、見ている事がバレるような動きはしないだろう。

『天雨』:
「ただ、今この場であそこに戻るのは……『見つかる』リスクも高くってよ。
 今、怪しい動きをしているところを見つかればあの方々の警戒も厳しくなる」
 
               「……細心の注意を払うべきですわ」

それでも、小石川を長時間置き去りにする選択は天雨も主張しない。
電話を始めた天雨――――『何処から見られているか』は分からない。
あるいは、『今もまだ見られているのか』についても。監視があるとして、どこまで着いて来る?

峠道の脇、木々の茂る森林地帯を辿って歩けば、『出口』まではそれほど時間はかからないはずだ。
少しずつ風景が逆戻りしていく。いつの間にか列を抜けたことへのフォローは、天雨や緑里がしてくれるだろう。

631小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/23(日) 09:53:22
>>630

彼らの『目的』が済めば、その後は――。
無意識の内に、『不穏な考え』が頭に浮かんだ。
しかし、それは恐らく事実に近いのだろう。
彼らが笹暮を生かしているのは、そうする意味があるからだ。
意味がなくなれば、生かしておく理由も消えてしまうのだから。

  ――いえ……。

  ――そうさせないために……動かなければ。

現在地から周囲を観察して、回り込めそうなルートを検討する。
見づらければ、今の場所から出ない範囲で位置を変更する。
また、同時に出雲の姿がないか探しておきたい。
最後に出雲を見た辺りを確認する。
もし大きく動いていなければ、その付近にいる可能性が高い。

  ――『出来ること』をする……。

今の段階で出来ることは多くない。
しかし、何も出来ない訳ではない。
完全ではないが敵の位置は掴めた。
後は、出雲の確認と笹暮への連絡だ。
限られた時間の中で同時に行う。

632黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/23(日) 20:26:24
>>630
(……『オールナイト・トレイン』で移動すれば早いですが……森といえどもさすがに目立ちすぎますね……)

回り込むように森の中を進む。
スマホのGPSを使えば迷う心配はないだろう。

633『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/25(火) 02:55:04
>>631(小石川)

                  ザザザ…

緩やかに風が吹き、草葉が揺れる長閑な瞬間にも、
小石川は目の前の事態に思考を回転させている。

回り込めそうなルートは一つある。
ゴウは笹暮の頭側の位置に立っている。
つまり、ゴウの背中側に回り込むことで、
背中を向けたゴウからは当然見えないが、
笹暮からは見える位置に移動する事が出来る。

簡素に図示するなら、こうだ。

―――――――――――――――――――――

           アフロ


   ゴウ     頭笹足


―――――――――――――――――――――

小石川は現在、アフロの男とは逆側の側面に位置していることになる。
そして出雲の姿は、最後にいた位置と変わっていない。彼もまた様子を窺っているのか?

>>632(黒峰)

『オールナイト・トレイン』の精度は中々の物だが、
森の中を疾走すれば枝葉が無視できない音を立てる。
足を使う判断は正しいだろう・・・やがて、風景は振りだしに戻る。
銀髪の男が、木々の隙間から遠くに見える。動いてはいないようだ。

                ザザザ…

草葉が風に揺れる。
相手はこちらに気付いていない――――『監視』している人間はどうか。

634小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/25(火) 15:05:40
>>633

タイミングを見計らって、『目』と『耳』を回り込ませる。
狙い通り、こちらの存在を笹暮に気付かせたい。
移動には、可能な限り細心の注意を払う。

  ――出雲さん……。

味方の一人であるとはいえ、彼も不確定要素だ。
計画に支障が出てしまうことを考えて、
出雲には『出た後』のことは伝えなかった。
圧倒的多数を相手に単独で向かっていくことはないとは思うが、
行動には気を配っておく必要がある。

  ――『外』に変化は……?

ともかく、こちらから本格的に動くのは『外』に変化が起きてから。
『町の中』だけでなく、『町の外』にも注意しておかなければいけない。
視界は良くないだろうが、
本体の目と耳も同時に働かせて情報収集に努める。

635黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/25(火) 20:50:56
>>633
(さっきの男が一人……他には……)

まずは状況を確認しつつ、可能なら『出口』の裏側へまわり、反対側からも街へ入れるのか(街の景色が見えるのか)を確認しておきたい。

636『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/27(木) 22:21:37
>>635(小石川)

出雲は状況を注視している。
彼の正義感がいかほどのものかは分からないが、
少なくとも『笹暮』救出にすべてを破綻させる『無謀』は無い。

        スゥーーーー ・・・

目と耳を回り込ませる。『笹暮』には見える位置だろう。
笹暮の顔も見える。傷は多いが、致命傷などはやはり無い。
彼は僅かに目を見開く。『気付いた』ようだが、それ以上の反応は見込めない。

また、『外』では……銀髪の男、『イズ』がパーカーを被り直し、
そして『トランシーバー』を持って何かをささやいているのが見える。
タイミングから考えても受話を行っている『ゴウ』に何かを伝えているのだろう。
イズ自身はその場から動かない。『紅鏡町の中へ合流する』動きは見えない。

             タッタッ

・・・また、足音が聞こえる。遠方、ツアー客の去った方角から誰かが走ってくる。

それとほぼ同じタイミングで、『中』でも別の動きがあった。

『ゴウ』:
「…………やべぇーーーぞ。おい『トウゲ』!
 こっち来いッ。兄貴にレイトから報告があったッ! 耳貸せェーッ……」

『アフロの男』:
「あッ……はい!」

……『笹暮にも聞かせたくない話』なのか、
トランシーバーを降ろしたゴウはアフロの男を己の傍に招く。
レイトから彼に直接の報告ではないのは、指揮系統の関係か、
それともトランシーバーの距離の問題か、また別の理由なのか。

      ボソ

               ボソッ

耳打ちをしている。手に持った『銃』こそ笹暮に向けているが、注意は逸れている。

>>636(黒峰)

銀髪の男は――――パーカーを被り、『トランシーバー』に何かを発話している。
誰が受け手なのかは不明だが、周囲に人間がいるような様子は見受けられない。
森の中を静かに通れば、『出口の裏側』には回れた。『町の景色』は、こちらからも見える。
非常に不思議な感覚だが、『表側から見た町の景色』と全く同じ光景だ。入る先も、同じだろう。

             タッタッ

・・・そして。足音が聞こえる。
遠方、黒峰が戻ってきたのと同じ、ツアー客が去った方角から誰かが走ってくる。
ツアー客の他の誰かとは思えない。『監視者』か・・・黒峰の動きを見ての、想定外の動きなら『不用心』にも説明はつく。

637小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/02/28(金) 14:19:46
>>636

見つからない限り、出雲の位置は今のままでいいだろう。
笹暮も、無事を確認できたのなら良しとする。
こちらの存在を知らせたことは、
後から何かしらの形で活きてくるかもしれない。
その前に、動き続ける状況に対応することが先決だ。
どうやら彼らを動かす『何か』が起こったらしい。

『レイトからイズ』へ『イズからゴウ』へ情報が伝わったのなら、
大本は『レイト』ということになる。
それを考えに入れると、
やはり『レイト』は『町の外』にいた可能性が高くなる。
一向が出て行った後になって、
『町の中』で大きな変化が起こるとは考えにくい。
何かが起こるとすれば、『町の外』である方が自然だ。
そして『町の外』にいたのなら、
外で起きた変化に早く気付けたとしても不思議はない。

そうすると、たった今の足音にも説明がつく。
それは『イズ』でも『ゴウ』でも『トウゲ』でもない。
また、『ギリースーツのスタンド使い』でもないだろう。
残るのは『レイト』しかいない。
おそらく足音の主は『レイト』であり、
彼女は『町の外』に潜んでいたのではないだろうか。

    ススッ……

見張っている二人の注意が逸れた隙に、『目』を動かす。
気付いてくれるかは分からないが、
出雲がいる方向に視線を向けて、
彼の位置を笹暮に伝えておく。
笹暮にとっては追っている相手である以上、
『利害の問題』が生じる恐れはある。
しかし、状況を考えれば協力が必要になることは分かるはず。
今は『未知のリスク』よりも、
『目に見える利益の確保』を優先して動くべきだろう。

638黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/02/28(金) 22:02:41
>>636
(トランシーバー……連絡をしているのか……それとも受けているのか……。
 私の行動について『観察者』が連絡するのは十分に有り得る話……。
 ……あの足音……慌てているとすれば、私を見失っているんでしょうか?
 私の位置がわかっていれば……もう少し慎重に近づいてきそうなものです)

音の主から木の陰に隠れてみる。

639『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/02/29(土) 23:02:23
>>637(小石川)

『トウゲ』:
「なッ……………………そ、そんな『偶然』って『出来すぎ』」

『ゴウ』:
「シッ! ……クソ、とにかく兄貴に判断してもらうしかねェー」

「レイトも呼び戻してるそうだ……」

         ススッ

小石川が動かす目に、『敵』二人は気付かない。
密談を終えたとはいえ、その内容に動転している。
出来すぎた偶然……それが彼にとって悪い意味なのは明白。
或いは、黒峰らに頼んである『作戦』が進行しているのかもしれない。

そして笹暮には――――目に気付くことが出来る。
とはいえ、『視線』による示唆だけで、
意図まで伝わったかどうかは読めない・・・
笹暮は片目を閉じて見せる。『気付いたのは間違いない』。

           タッ…

              … タッ

外では足音が止んだのが聞こえる。
然程意識を集中せずとも、その場に現れた――――『レイト』が分かる。
トランシーバーを翳しており、会話をしていたものと思われる。
また、銀髪の男『イズ』が現れた彼女に近付いていく様子もだ。

     キョロ  キョロ

周囲を見渡している。そしてその手には――――『フレッシュ&ブラッド』がある。
奇妙なのは――『それ』とはわかるのだが、『ゴウ』の物とはやや意匠が異なっている。

                           ・・・『簡素』な作りに見える。
『イズ』:
「…………レイト。『間違いない』んだな?」

『レイト』:
「ぜ、絶対間違いないよぉイズくぅん……! 『アリーナ』に増援をお願いってぇ〜!」

                   「『コイシカワ』ってゆう人に頼まれたってぇ〜」

『イズ』:
「…………………『コイシカワ』……『何者』だ………………?」

合流した彼らの会話は、付近に『笹暮』がいないためかこの距離なら聞こえる程度の声量だ。

>>638(黒峰)

           タッ…

              … タッ

やがて黒峰の視界で足を止めたのは、『少女』だった。
フリルが華美なワンピースに、あちこちに着けた宝石のアクセサリー。

・・・『レイト』と呼ばれる女だ。トランシーバーを持って、耳の近くにかざしている。
逆の手には『水鉄砲』を思わせる、『銃器』のスタンド――――『フレッシュ&ブラッド』を発現していた。

             キョロ  キョロ

明らかに黒峰の姿を見失っている。
……『追跡』は得意ではないのか。『頭が回る』タイプではないのか。
銀髪の男は、彼女の姿を認めると構えていたトランシーバーを降ろし、スタンドを伴って歩み寄る。

『銀髪の男』:
「…………レイト。『間違いない』んだな?」

『レイト』:
「ぜ、絶対間違いないよぉイズくぅん……! 『アリーナ』に増援をお願いってぇ〜!」

                   「『コイシカワ』って人に頼まれたってぇ〜」

『銀髪の男』:
「…………………『コイシカワ』……『何者』だ………………?」

――――合流した彼らの会話が示すのは、黒峰の偽電話は功を奏したという事実だ。
(★確認ですが、『彼らの能力』についても『偽電話』で実際に口に出したと考えてよろしいですか?)

640小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/01(日) 15:03:38
>>639

    ススッ……

話し合う二人の方向に視線を向け、また笹暮に向き直る。
そうすることで、
この『トラブル』に自分が関与していることを伝えたい。
完全に伝えられるとは思わないが、万一のために。

レイトが持つ『フレッシュ&ブラッド』。
もし外見通りの中身なら、
『100%の再現は出来ない』と考えるべきだろうか。
あくまで借り物であるから使いこなせないというのは、
十分に有り得る話だ。

  ――ここまでは大丈夫……。

やはり、リーダーである『イズ』の存在こそが最重要。
彼さえ納得させることが出来れば、
他の四人が異を唱える可能性は低いはず。
逆に言えば、彼が納得しない限り、四人も引き上げてはくれない。

  ――だけど……まだ早い。

敵方の反応からすると、おそらく黒峰が動いてくれたのだろう。
しかし、まだ行動を起こすタイミングではない。
保障はないが、三人が戻って来てくれるのを待つしかない。
今は、彼らの話を見聞きすることに意識を傾ける。
増援が来るという『ブラフ』に対する彼らの出方を確認することで、
細かな動き方を定める指針を得る。
あるいは、笹暮から何か聞き出そうとするかもしれないが、
彼は『小石川というスタンド使い』を知っているし、
それが『今ここにいる』ことも伝えてある。
『何かある』と察して、話を合わせてくれることを祈りたい。

641黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/01(日) 20:43:06
>>639
(見失ってくれたのは、天雨さんたちと合流しやすくて助かります……。
 小石川さんの姿は見えませんが……どこかに隠れているのでしょうか……?
 ……捕まって尋問されている、というふうではありませんし……)

会話が聞こえる距離を保ちつつ、タクシーを待つために町寄りの位置へ移動する。

>(★確認ですが、『彼らの能力』についても『偽電話』で実際に口に出したと考えてよろしいですか?)
yes

642『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/03(火) 01:06:46
>>640(小石川)

『トウゲ』:
「イズ兄貴にこっちに来てもらうしかない……ですよね」

『ゴウ』:
「こいつから目ェー離すって選択肢はねぇからな」

笹暮からの明確な返答こそないが、
彼の目は死んでいない。『何か』は伝わるだろう。

ゴウはトランシーバーを再び取り出す・・・『イズ』を呼ぶのだろう。

>>641(黒峰)

『小石川』の姿は、痕跡なども含めてどこにもない。
ありえるとすれば黒峰と同じく森に潜んでいるか、
あるいは『紅鏡町』の『中』に既に入っているかだろう。

>両者

どちらも、イズとレイトの会話、そして行動は感知できる。

『イズ』:
「…………『アリーナ』が『増援』を送ってくれば、
  流石に我々だけでは対応できない事態になる。
   『ツアー客』でただでさえ想定外の状態なのだから」

『レイト』:
「それにね、あのね、『イズくん』や『ゴウくん』の『能力』も、
 『ちゃんとわかっては無さそう』だったけど……電話で伝えてた」

『イズ』:
「…………ベッドのスタンド使いには、
 『おれは見せた』が『ゴウは見せていない』。
 『ゴウが見せた』のは『鍵男』にだけだ……
 レイト……お前の『ソーシャル・ノウ・ハウ』については……?」

                   スタッ
『レイト』:
「? あたしの能力は……『全然違う事言ってた』かなぁ〜〜〜」

               「『勘違いしてるんだと思う』……」

『イズ』:
「…………………『内通』の線はない、か。
 奴が俺達を『捨てる』ために駒を動かすとして……
 『レイトの能力を知っているなら言わない理由がない』」

イズは『紅鏡町への入り口』へと、足を踏み出す。

『イズ』:
「……………『コイシカワ』……ならば、あの『鍵男』と繋がっているか?」

『レイト』:
「あたしは分かんないけど……イズくんがそう思うならきっとそうだよぉ〜」

レイトも、一歩後ろを続く。歩きながらイズがトランシーバーを手に取るのが見える。
今の所『天雨らのタクシー』がここに到着するような兆候はない。『どう動くべきか』……だ。

643小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/03(火) 10:54:32
>>642

ここまでは、概ね『予定通り』に進んでいる。
レイトの能力は気に掛かりはするが、追究はしない。
彼女の能力を暴くことが目的ではないからだ。

  ――いえ……まだ動けない。

今すぐ敵の前に姿を曝したとしても、
十分な効果が見込めるとは思えない。
『こちらの数』と『相手の数』を同じ状況にし、
『人数の優位』をなくしてからでなければ。
相手の方が数が多いと、こちらが取引を持ち掛ける前に、
有無を言わさず黙らせに来る恐れがある。
場合によっては、天雨達が到着するまでの時間稼ぎは必要だ。
しかし、本格的に動くのは、あくまでも『その後』。

  ――彼が『勘の良い相手』なら……。

『コイシカワ』が『笹暮』と『ツアー客』の間にいる。
おそらく、彼はそう思っているのだろう。
今まで彼らに『正体』を知られたことはない。
だが、偵察を終えてバスに戻った時に、
一度だけ姿を確認されてしまっている。
イズが鋭い人間なら、
『喪服の女』と『コイシカワ』を結び付けて考えてもおかしくない。

  ――……。

切り離し済み(>>625)の『小指』を、別の物陰に移動させる。
これまで通り、見つからないように慎重に行う。
物陰に隠れながら前進し、射程限界の『10m』まで進ませたい。
『入口付近』の本体を中心として、『町の中』に『目』・『耳』を、
『町の外』に『指』を配置する形になる。
時間稼ぎが必要になった時のための『囮』だ。

644黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/03(火) 23:17:51
>>642
(『勘違い』……。
 さすがに答えまでは教えてくれませんか……しかし、それでも『答えが間違っている』ことだけでもわかったのは僥倖です……)

現状では姿を晒すのはリスクが高い。
なのでこの場で待機する。
2人共紅鏡町へ向かったら天雨へ電話し、あとどれくらいで到着するか確認したい。

645『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/06(金) 00:02:41
>>643(小石川)

レイトの『ソーシャル・ノウ・ハウ』は、謎が多い能力だ。
そもそも彼女に起きている現象が単一の能力の結果なのか、
そうであったとして本人の物なのか、そこから不明が満ちている。
なにせスタンド能力はしばしば、『結果』に『過程』を伴わないものだ。

『ゴウ』:
「……………」

                   ボソッ ボソッ

「…………あァッ、マジですか! じゃァ〜〜〜待ってますンで! どうぞッ」

ゴウがトランシーバーで会話をする間、トウゲが笹暮を見下ろす。
つまり周囲を警戒している者などいないため、小指は町の外へ移動させられた。

そして――――それと入れ替わるように。

                 ――――  ザッ

                          ――――  ザッ

『イズ』:
「…………」

『レイト』:
「ゴウく〜ん、トウゲくぅん、戻ってきたよぉ〜〜〜」

パーカーを目深く被ったイズと、大きく手を振りながら歩いてくるイズが、この場に現れる。
笹暮の表情――――元より憔悴しているが――――も、『4人』の集合には緊張の色を帯びていた。

>>644(黒峰)

正答は読めないが、『詳細』を知るのは必須ではない。
戦わずして状況を納めるのであればなおさらのこと。

やがて二人は紅鏡町の中に入って行った。
そこから行う天雨への電話は、問題なくつながる。

『天雨』:
「ご機嫌よう。……ええ、町が見えて来たところですわ。
 タクシーには待機してもらっているからそこの待ち時間は無いとして」

「……『15分』は見ておいていただけると、助かりますわね」

到着までの時間は短くはない。
作戦を遂行する為には、どこかにいるであろう小石川と、『二人』で場を持たせる必要があるという事だ。

646小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/06(金) 17:20:27
>>645

彼らにとって、まだ笹暮は必要なはず。
だから、『命』を奪われることはないとは思う。
しかし、情報を引き出すために暴力を使うことは有り得る。

  ――ごめんなさい……。

それでも、今すぐ助けに行くことは出来ない。
正面からぶつかっては、まず勝ち目はない。
『増援』の存在を匂わせたとはいえ、
まだ彼らが交渉に応じてくれるかどうかも分からない。
現状のままでは『不確定要素』が多い。
ここで飛び出しては、それこそ彼を助けることは出来なくなる。

    スッ

バッグを探り、『果物ナイフ』を取り出す。
自分にとっての『鎮静剤』。
『スーサイド・ライフ』では、自分を傷付けることが出来ない。
どれだけ刺しても切っても、痛みも出血もない。
だから、自分には『これ』が必要だった。

      ツゥゥゥゥゥ――……ッ

親指の腹に刃を這わせ、軽く血を流す。
それから果物ナイフをしまい、代わりに『ハンカチ』を取り出す。
ハンカチに指を押し付け、血を付着させておく。
血が乾くまで、少し待つ。
真新しい血だと知られてしまうのを防ぐためだ。

647黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/06(金) 23:44:35
>>645
「了解しました……。
 ……ところで、さきほど敵の会話を聞いたのですが……レイトの能力の推理は、どうやら全くのハズレのようです……。
 代わりに他の推理は……少々不正確ながらも……概ね当たっていたようでした……」

さっき得た情報を伝えておく。

(15分……その間ぼーっとしているわけにもいきません。
 小石川さんがこちらに残っているなら……コンタクトを取りたいところですが……)

そもそも敵が全員中に戻ったとはっきり言い切れるわけでもない。
そちらを探る意味も込めて、穴の周辺をぐるりと周って確認したい。

648『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/08(日) 03:25:47
>>646(小石川)

果物ナイフを取り出し、僅かな傷をつけた。
無為なる自傷ではない――――ハンカチに血を付ける。
3月のまだ冷えた風は、それをすぐに乾かしてくれる。

『イズ』:
「…………『状況』は伝えた通りだ。時間はあまり残されていない」

『ゴウ』:
「兄貴……」

『イズ』:
「……『吐かせる』にしても、恐らくこいつは『ブツ』の場所は知らないだろう」

              「『そういう任務でここに来たわけじゃあない筈』」

笹暮に彼らが『暴力』をふるう可能性は、常に存在する。
イズが身をかがめ、その顔を覗き込む。笹暮は目を逸らさずにそれを見返す。

『レイト』:
「でも調べて大体の場所は絞れたんだしぃ〜、何とか間に合わないかなあ?」

『イズ』:
「ああ…………だが『飛行帽の男』がツアー客に『託さなかった』なら、
 そいつ自身が持ち出している可能性も高い。見つけるには一手間がいる」

『ゴウ』:
「まず行くだけ行ってみる――――のは、リスクありすぎますかねェ〜?」

『イズ』:
「出入り口を封鎖されれば突破は困難……
 『増援』は『本来ありえない』事態だ。慎重に当たるべきだろう。
 呑気に『なんとかなる』では…………済ませてはいけない。
 『鞘と刃』は絶大な『力』だが、それを手にするのは『生きたおれ達』だ」

    「今すぐ此処を離れるか……その場合、こいつは『用済み』になるが」

 「或いは『仲介人』の情報だけは吐かせてからにするか」

          「或いは、『迎撃』するか……
           少なくとも無策で『再突入』だけは『ありえない』」

慎重な男、イズの考えはそのようなものだ。
仲介人とは『小石川』を指すものだろう。

・・・それを聴いているゴウには、異論があるようにも感じられる。

>>647(黒峰)

『天雨』:
「そうですのね……小角さんに頼んで再調査をしても良いけれど、
 彼女からもう一度ご友人から引き離すのには少し時間が要りますわ。
 到着が遅れる可能性も出てくるけど……いかがかしら、そちらの状況は」

「……遅れてでも、『正確な情報』を持参した方がよろしくて?」

天雨に頼めば、時間をかけて『レイト』の情報を割り出してくれる可能性はある。
100%上手くいくとは限らないし、『これ以上時間がかかる』のは『危険性』も高いが・・・

                                   ガサ

穴の周辺を見渡すと、小さな何かがそこで動いたのが見えた。草陰に隠れる位置だ。

649小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/08(日) 16:08:31
>>648

今のところ、『増援の存在』を疑う意見は出ていない。
彼らは、『アリーナの増援が到着する』前提で話を進めている。
確認の術がない以上、当然といえば当然かもしれないが、
こちらにとっては都合がいい。
ただし、人質のような状態になっている笹暮の安否を考えると、
天雨達を待つ猶予は少ないだろう。
最悪の場合、この話し合いが終わった直後に、
命を奪われる可能性も有り得る。

  ――人数は『三対四』……。

『ギリースーツの男』を含めれば『三対五』だが、
この場に彼はいないようだ。
もっとも、自由に姿を消せるのなら、
どこかに潜んでいても不思議はない。
少なくとも、見える範囲では『三対四』と考えられる。
その戦力差なら、確かに不利ではあるが、
『まだ何とか出来ない程ではない』。
彼らの方針が『撤退』に傾くようであれば、
今ここで姿を見せて牽制し、そのまま『取引』に持ち込むことも、
それほど非現実的な策ではないかもしれない。

  ――このままだと『時間』もない……。

笹暮が死んでしまえば、当然『取引』は成り立たなくなる。
つまり、笹暮の命があることは、彼らにとっても利益に繋がる。
そのことを知らないから、笹暮を殺すことにも躊躇いがない。
それなら、彼らに『教えればいい』。
そうすれば最低でも、
笹暮がすぐに殺されてしまう可能性は消せる。
『取引』に入れば、天雨達が到着するまでの時間稼ぎも出来る。
その途中で天雨達が来てくれたなら、こちらの人数が増え、
さらに交渉を進めやすくすることも出来るはず。

  ――でも……。

これは一人では決められない。
彼らを牽制するには、『三人』でなければ駄目だ。
自分だけが単独で動いても、十分な効果は得られない。
出雲の位置は掴んでいる。
残る黒峰の位置を把握してからでなければ事は起こせない。

  ――今は……。

右手に『血の付いたハンカチ』を握る。
そして、そのまま『手』を切り落とす。
『ハンカチを握った手』を『紅鏡町』の中に飛ばす。
先行している『目』を使い、物陰を辿って移動させる。
彼らから見て『やや遠目の位置』に待機させ、
そこで『タイミング』を待つ。

650黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/09(月) 19:06:01
>>648
「そうですね……。
 ……彼らの口ぶりからして、レイトの能力は私達にとって……厄介なものである可能性が高そうです……。
 調査をお願いできますか……。
 結果が出たら……電話していただけると助かります」

(……今のは……?)

動いた『何か』を確認する。

651『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/11(水) 03:18:10
>>649(小石川)

ギリースーツの男は『今は』ここにいない。
が、『再起不能』になったわけではない以上、
天雨らと同じく『やがて戻ってくる』だろう。
それが天雨らより先か、後かは分からない。

『ゴウ』:
「兄貴ィ……『何もなしで逃げる』のは『ナシ』じゃねェーすか」

『イズ』:
「……確かに、今すぐ離れれば『収穫』は何もない。
 『鍵男』がいなければ、この『町』に立ち入る手段が無い以上は」

       「だが失う物も『少ない』」

             「『アリーナの増援』……それがあった以上、
               『彼』も我々に強く出られる『道理』は無いだろう」

笹暮の前から立ち上がり、ゴウに応じるイズ。
ゴウの弁には兄貴と呼び従う相手に対しても隠せない熱があるが、
イズの論にも納得する部分はあるのか、それ以上激する様子は無い。

『ゴウ』:
「そこですよォッ、野郎ォーーー……この件が終わったらいずれにしても」

『レイト』:
「ご、ゴウくぅん、イズくんも〜」

             チラ

「こいつに聞かせていいの? そのあたりの話ぃ……」

『笹暮』:
「…………」

『イズ』:
「……………そうだな、『コイシカワ』の件もある。
  ……まだこいつに油断するべきではない、正論だ。レイト」

密かに動く小石川の策略は、論議を進める彼らには感知しえないものだ。
目で見ることで正確に把握した『物陰』を通して、手は無事に移動させられる。

そこには――――用意した『ハンカチ』も無事に握られている。これを『どう使うか』だ。

>>650(黒峰)

『天雨』:
「『戦う』のは本意ではないにせよ、相手にもそうとは限らない。
 それに『戦わずして勝つ』ようなスタンド、という可能性もありますものね。
 畏まりましたわ。緑里さんにも手伝わせてなるべく早く済ませます」

「それでは……小石川さんにも、気を付けるようにお伝えくださいまし」

それ以上特に用が無ければ、天雨からの電話は一旦切れる。
緑里と彼女がどれほどの早さで事をなせるかは分からないが、
口ぶりからしても状況からしても、そうすぐではないだろう。

そして――――

                  ・ ・ ・

黒峰が発見したのは、草陰に配された『小指』だ。
小指、だけ。切り離されたそれは『出血』等を伴わない。『小石川の能力』だ。

652小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/11(水) 11:55:03
>>651

  ――……『彼』?

それが彼らの上に立つ人間なのだろうか。
ただ、話しぶりから判断すると、
彼らはあまり良い印象を持っていないらしい。
どちらかというと、仕方なく従っているような雰囲気を感じる。
それを考えると、単純に『上司』という訳でもないように思う。
何かの理由で一時的に雇われているのかもしれない。

  ――まだ『早い』……。

『ハンカチ』を用意したのは『時間稼ぎ』のためだ。
そこに『血』を付けておいたのは、より注意を引くため。
『遠目の距離』を選んだのは、
『近付く』という一手間を掛けさせるため。
話し合いが終わり、彼らが動き始めるタイミングを待つ。
笹暮に危険が及ぶ場合、
ひとまず『これ』を使って場を凌ぐつもりでいる。

  ――……。

『町の外』にいる本体の目で、見える範囲を観察する。
黒峰達が戻ってくる気配がないかどうか確認しておきたい。
そう早く到着できるとは思っていないが、心の中に焦りがあった。

653黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/12(木) 19:47:08
>>651
(……これは、おそらく……というかほぼ間違いなく小石川さん……ですよね。
 今どういう状況なのかわかりませんが……私がすでに戻っていることは、伝えておくべきでしょう……)

小指をそっと拾う。

654『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/13(金) 23:25:01
>>652(小石川)

彼らと、その『協力者』たる存在の関係は不明だ。
それを語る口は開かれず、一同は一旦沈黙を保つ。

その時。

           ス…

外に出していた『指』が、何者かに『拾い上げられた』。
本体の目を向ければ、それを行ったのは『黒峰』だ。
何らかの理由で、彼女だけが先に『戻ってきた』らしい。

『イズ』:
「…………いずれにせよ『テルヤ』が帰還するまでは時間が要る。
 アレも仲間だ、そして俺達の情報を当然、共有している。
 そして……放置して帰って、『アリーナ』の尋問を受ければ吐くだろう」

『ゴウ』:
「じゃァーーー、それまでは」

           ギロ ・・・

『イズ』:
「……情報を取るにせよ、迎撃にせよ、
 『コイシカワ』を知るのはこの男だけだろう。
 まずは『そこだけは最低限吐いてもらおう』」

                  「……ゴウ。トウゲと『血盟』を」

――――――そして、彼らもまた『動き』を見せようとしている。

>>653(黒峰)

『指』を拾い上げた。やはり指だ……異常な状態などでもない。
また、小石川本人が戦闘を開始しているような兆候、物音なども感じない。
能力射程範囲にはいるし、能力を発動してもいるが、まだ何もしていない。
『スーサイド・ライフ』やその応用の全貌は不明にせよ、彼女が近くに潜んでいるのは確かだ。

655小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/14(土) 04:15:16
>>654

『テルヤ』というのは、『五人目』の名前で間違いないだろう。
そして、合流まで時間が掛かるということは、
この場にはいないと思っていい。
少なくとも、今なら『三対四』だ。
しかし、まだ動くには準備不足。
こちらも多少の話し合いはしておく必要がある。

  「――黒峰さん」

  「黒峰さん……『こちら』です」

身を潜めている場所から、黒峰に呼び掛ける。
彼らが全員『町の中』にいるのなら、聞かれる心配はない。
イズは、笹暮を『尋問』するつもりらしい。
すぐに命を奪うようなことはしないはず。
その間に、『次の動き』について黒峰と相談しておきたい。

  「……今、彼らは全員『中』にいます」

  「他の方は……?」

現状、考えている方針は『二つ』ある。
天雨達が間に合いそうなら、このまま到着を待ってから動く。
もし間に合わないなら、到着を待たずに動く。
どちらにするか、決めておかなければいけない。
『残り時間』は、笹暮の体力と精神力も大きく関わってくる。

656黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/14(土) 20:59:08
>>654-655
「!
 ……小石川さん。
 ご無事で何よりです……」

天雨たちはあとから来ること、レイトの能力の再調査をしてもらっていることを伝える。

657『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/16(月) 05:25:06
>>655(小石川)

ゴウが手にする『フレッシュ&ブラッド』から、
意味ありげに蠢き垂れていた『鎖』――――それが動いた。

『トウゲ』:
「ぐッ…………」

動いて……トウゲの腕に、その先端が『突き刺さった』のが見えた。

『レイト』:
「痛いよねぇ〜〜〜それ。ゴウくぅんなんとかならないの?」

                  『ズギュ』

『ゴウ』:
「わがまま言うんじゃねえェーーー、痛くねえだろトウゲェ!」

          『ズギュ』

『トウゲ』:
「は、はい、大丈夫です…………」

これが何を意味するのかは誰も口にしない――――イズも、無言で様子を見守る。
潜む『出雲』もやはり動きを見せる様子は無い。が、既に『スタンドの腕』を発現しているのが見えた。

いずれにせよ黒峰への呼びかけは、気付かれずに成功した。
彼女いわく、『天雨』ら他の協力者は『小角』に依頼し、
レイトの能力を探り直してからこちらにタクシーで向かうようだ。
また、調査をしない場合でここまでの時間は『15分』と、天雨は見積もった。
それから多少の時間は経っているとはいえ、『10分以上』は間違いなく、まだかかる。

                                             ・・・ ・・・ ・・・ 間に合うか?
   
>>656(黒峰)

小石川からの呼びかけに応じる――――彼女も今の所は無事だ。
また、天雨らに関しての事情も、問題なく伝えることが出来た。

658小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/16(月) 16:48:56
>>657

すぐに向かう場合で15分。
調査を頼んでいるのだから、それ以上は必要になる。
『20分』か『25分』か――あるいは『もっと』かもしれない。

  「……『二つの案』があります。
   天雨さん達を『待ってから行動する』か、
   それとも『待たずに行動する』か……」

  「一応、私の方でも『時間稼ぎ』の用意はしています。
   ただ、それで作れる時間は長くても数分かと……」

『ハンカチ』で稼げる時間は、
多めに見積もっても二・三分が限界だと思う。
天雨達が到着するまで持たせることは不可能だ。
それを考えると、
やはり自分達が先に動いた方がいいと考えられる。
しかし、一度動いてしまうと後戻りは出来なくなる。
『敵方の情報』を可能な限り掴んでから動き出すべきだろう。

  「……天雨さん達は間に合わないかもしれません。
   ここにいる私達が先に動いて、
   『交渉』で天雨さん達が到着するまでの時間を稼ぐ……」

  「そのような形にするのがいいかと思うのですが……
   いかがでしょうか?」

  「彼らの一人――
   『姿を消すスタンド使い』は、まだ戻っていないようです。
   いつ合流するか分かりませんが……彼らは今『四人』です」

黒峰に意見を求める。
同時に、『目』と『耳』を使って見聞きした光景も伝えておく。
おそらくは、あれが『血盟』なのだろう。
『水鉄砲』には『水』が必要になる。
あれが水の代わりに『血』を使うというのなら、
『補充』をしているのかもしれない。

  「『指』は……持っていて下さい。
   もし黒峰さんの助けが必要になった時は、
   『激しく動きますので』……」

 パーツ
『部位』の位置は感覚で分かる。
黒峰が見えない場所にいたとしても、位置を掴むことが出来る。
持っていてもらえば、こちらの危険を伝えられると同時に、
味方の居場所も把握していられる。

659黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/17(火) 20:38:20
>>657-658
「了解です……。
 現状、相手は私のことを見失っていると思われますが……どうしましょう。
 ……姿を隠しておくべきか……いっしょに出ていくべきか……」

『指』はとりあえずポケットの中へ。

660『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/18(水) 03:45:15
>>658(小石川)

イズらは『血盟』とやらを行う二名を中心に、動きを見せない。
トウゲは苦悶を表情に浮かべ、繋がる鎖は脈を打つ。
相談事をするならば、今が正真正銘、『最後』かもしれない。

(★GMが止めるか、参加者が相談終了とするまで相談は自由とします)

>二名

情報共有と、策の立案――――『敵』は今すぐ動く様子は無い。
何か準備をするにせよ、話すだけに留めるにせよ、『好機』と言える。

指に関しては、問題なく黒峰のポケットに入った。動けばすぐに分かる。

(★GMの判定が必要な行動の場合、判定を入れます)

661小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/18(水) 14:49:08
>>659

  「……では、こうしてはいかがでしょうか。
   最初に私が姿を見せて、彼らに『取引』を持ち掛けます。
   まずは、それで向こうの『出方』を確かめましょう。
   一人で現れた相手に対して、
   話を聞くつもりがあるのかどうか……」

  「黒峰さんは、『出口』の近くに隠れていて下さい。
   彼らは脱出を妨害されることを危惧しているようなので、
   必要に応じて『出口』を『封鎖』して頂きたいのです。
   天雨さん達が到着した時は、そちらへの対応もお願いします」

黒峰の姿を確認されていないことによるメリットは少なくない。
それをすぐに捨ててしまうよりは、活かした方がいいだろう。
リーダーである『イズ』は、
頭ごなしに力で解決したがる人物ではない。
『話がある』と言えば、それを即座に切り捨てはしないはず。
自分達に大きく関わる内容であるなら、
なおさら聞かざるを得なくなる。

  「もし危険な状況になった場合は、『指』でお知らせします。
   そうなったら、姿を見せて彼らを牽制して下さい。
   今、出雲さんも近くに来ています。
   私達が動けば、彼も何らかの行動を起こしてくれるかと……」

662黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/19(木) 21:32:08
>>661
「……了解です。
 『姿を消すスタンド使い』は……中と外、どちらにいるかは……わかりますか……?」

天雨からの電話を待つことを考えたら、なるべく電波の届く外にいたほうがいいだろう。

663小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/19(木) 22:45:15
>>662

  「それは……分かりません。
   ただ、おそらく『中の何処か』にいるのではないでしょうか」

  「もし外にいるのなら、
   ここで私達が話していることも知っているはずです。
   そして、それは『中』にいる四人にも伝わるでしょう。
   特に反応がないということは、
   『外にはいない』と考えていいかと……」

  「それから――」

町の中に設置している『耳』を回収する。
それを、黒峰に差し出したい。
『目』と『手』は現場に残しておく。

  「……『これ』をお渡しします。
   新しいことが分かった時は、『これ』に向けて喋って下さい。
   『10m』までなら届きますので……」

  「何か私に聞くことがあった場合も、『これ』で……。
   返答は『指』で行います。
   『イエス』なら『一回』、『ノー』なら『二回』……
   『指』を動かします」

664黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/21(土) 19:36:32
>>663
「……なるほど。
 わかりました」

こちらからはこれ以上特に相談することはありません。

665小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/21(土) 20:22:36
>>664

話し合いは、もう十分だろう。
あとは、それを実行に移すだけ。
分離させていた上半身と下半身を『接合』する。
そして、隠れ場所の茂みから姿を現す。
本格的に『動くべき時』が来たようだ。

  「――では……お願いします」

黒峰に告げて『入口』に近付きながら、
もう片方の『小指』を切り落とす。
その『指』はポケットの中に入れる。
『スーサイド・ライフ』は、脚に突き刺して隠しておく。

        スッ……

事前に設置した『手』を操作し、
『血の付いたハンカチ』を落とす(>>649)。
狙いは、町の中にいる四人の注意を引くこと。
同時に『手』を本体の下まで戻し、『接合』する。
『目』を使って四人の反応を窺い、
『紅鏡町』に進入するタイミングを計る。
全員の意識がハンカチに向いた時に入れるのが理想だ。

666『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/24(火) 12:27:13
>>661-665(小石川・黒峰)

紅鏡町から耳を回収した事で、彼らの『会話』はもう分らない。
が、問題は無いだろう。『見聞きする』時間は、もう直に終わる。
残った『手』がそれを始動させ、『目』で確かめることが出来る。

                ガサ…

茂みから出た小石川は、『全身』を持っている。
無いのは片目、片耳、指2本と、片手。
ナイフは脚に突き刺して保持し、指の内一本はポケットへ。
黒峰にもその姿は確認できる。『敵』からは、まだだろう。
そして黒峰の方は渡された『耳』と『指』を持って出口へ隠れる。

                ―――― 『始まる』


    ヒ
       ラ
          ・
             ・
                ・

>小石川

『ゴウ』:
「兄貴ッ!!、  !  ―――――――――――――――!!!!」

小石川の目が捉えた最初の光景は、
『ハンカチ』を指さし何事かをイズに叫ぶゴウの姿。
血盟、とされる行動を終えたのか、『銃の鎖』は既に。

『トウゲ』:
「…………!?」

トウゲの腕から抜けており――――そのトウゲも『ハンカチ』に気付く。
気付くが、彼はそれに何をできるわけでもない。ゴウとイズの出方を伺っている。

『イズ』:
「…………」

そして、『イズ』は……『デストルドー』を、ハンカチへと近づける。
慎重に。ハンカチに何らかの罠があると考えるのは自然だろう。
またレイトも、イズに何かを話しかけながらハンカチを見ている。

全員だ。間違いなく『ハンカチに意識を向けている状況』だ。
唯一イズ本体のみ、『周囲を警戒している』ようではあるが、
彼もスタンドに意識を割く以上、その警戒は決して強くは無い。

そしてもう一つ、見える光景は――――

『出雲』:
「………………………………………………」

――――『出雲のスタンド』の手に、『捻じれた針』のような物が発現されている!

小石川が注意を惹くという事は、出雲への注意が逸れるという事。彼はそれを『好機』と受け取った。
周囲を見渡すイズに見つかる危険性はあるが、そうなれば今度は『小石川への注意が疎かになる』タイミングだ。

667小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/24(火) 18:39:21
>>666

全員の意識がハンカチに向けられている隙に、
『手』を回収して本体と接合する。
役目を果たした今、もう残しておく意味がないからだ。
それに、『指』ならまだしも『手』がないというのは、
さすがに誤魔化しきれない。

  ――出雲さん……彼は何を……?

『能力』が分からない以上、何をするかは予想もつかないが、
状況を考えれば『攻撃』なのは間違いないだろう。
選択肢は二つある。
まず、今すぐ自分が姿を現すことで、出雲の攻撃を阻止する。
あるいは、出雲が何かをしている間に『紅鏡町』に侵入する。
どちらにも、それぞれメリットとデメリットが考えられる。

前者のメリットは、
こちら側に攻撃の意思がない根拠を示せること。
デメリットは、密かに町に入るのが不可能になるということ。
後者のメリットは、存在を知られずに町に入れること。
デメリットは、こちらから攻撃を行うことで、
後の『交渉』に悪影響を及ぼす可能性が出るということ。
一長一短だ。

少しの迷いの後で、『後者』を選ぶことにした。
『出雲のスタンド』の一端を見ることも出来るからだ。
今は味方だが、もし五人を引き上げさせることに成功したなら、
次は出雲と話をしなければならないだろう。
その時のために、彼について少しでも知っておく必要がある。
もちろん出雲と争う気などはないが、
スタンドが『精神の象徴』であるのなら、
それを知ることは本体を知ることにも繋がるはず。

  ――捻れた針……時を繰り返す……。

  ――捻れた時間……捻れた時針……?

心中で思考を巡らせながら、行動を起こす。
四人の注意が逸れている間に、再び『紅鏡町』に踏み込む。
まだ『接触』はせず、入ってすぐに手近な場所に身を隠す。

668黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/25(水) 22:33:02
>>666
穴に対して自分たちが出てきたのとは裏側へ回り込む。
外からは両面ともに同じ景色が見えるとしても中から見える景色はどちらか一つのみ。
入り口が2つに出口が1つの不自然な形だが、それ故に一方の入り口は中からは死角となる。
……と思われるが、なんらかの方法で切り替えられる可能性も一応ある。
さすがに真正面には立たず、やや斜めの位置から中の様子を伺いたい。

669『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/26(木) 01:03:10
>>667(小石川)
>>668(黒峰)

小石川は紅鏡町へ踏み込み、
黒峰は『中からは見えないと思われる側』に立つ。
敵がこちらに注意を向けようがない現状、小石川には『状況』は容易に観察できる。
黒峰からは全ては見えないが・・・『声』は問題なくここまで届いてくる。

『レイト』:
「え」

            
         ド

             シュン
                   !!


イズがその攻撃に気付いた時には、既に『始まっている』。
瞬時に投じられた針が突き立てられたのは・・・『レイト』の背だ。

『イズ』:
「やはり……『伏兵』ッ! ハンカチは『囮』……『コイシカワ』か」

        「――――ゴウ! 『6時の方角』だ」

『トウゲ』:
「えッ……!?」

                   ジャキ    ジャキ

『ゴウ』:
「……野郎ッ! 『フレッシュ&ブラッド』ォォーーーーーーー!!!」

               ババババババババババハ!!!!

サブマシンガンの如き勢いで掃射される『血の弾丸』が、出雲の隠れる木々を薙ぐ!
悲鳴は上がらない。少なくとも直撃はしなかったようだ。文字通りの血煙も、弾丸のそれだろう。

『ゴウ』:
「はぁァーーーー・・・ッ」

『イズ』:
「……隠れたか。『追撃』をしてくるわけではない……」

そして、レイトは――――

『レイト』:
「え」

       『カチッ』

              「え」

                      『カチッ』

                                「え」

『外傷』は見られない。出血もない。倒れる事も無い。姿勢が『崩れる』事もない。
針が突き刺さったその瞬間を、『繰り返し続けている』・・・小石川には特に、『そのように感じられた』。

『ゴウ』:
「糞がァ〜〜〜〜なんだッこりゃァ〜〜よォッ!
 レイトッ、おいレイトどうなったァッ!?」

『イズ』:
「待て。備えろ……まだ『第二射』が来てもおかしくはない。ハンカチは捨て置く。
 気になるのは……今の速度で適当な『石』でも投げていれば『殺害』も出来たはず」

        「コイシカワが一人ならば、増援が来るまでの『足止め』か?
          なぜ初撃で殺さなかった……いずれにせよ、『デストルドー』」

イズはその様子を見て、『デストルドー』を己の元に引き戻す。
小石川らは完全にフリーだ。『警戒』はされていても、実際に行動に出た出雲のいる方角以上のそれは無い。
『足止め』。イズの推察はおそらく、当たらずとも遠からず、といったところだろう。

『イズ』:
「『どういうつもり』かは知らないが……これ以上、予定を狂わされては困る」

性急に思える『攻撃』だったが、それ以上の追い打ちがない事も含め……出雲は『独走』し過ぎるわけでもない。
ハンカチで気を引いたのに合わせて、『一人減らし』『更に自分に気を引いた』……『殺していない』のも、『余地』を遺しているのだろうか?
 
                                             ・・・それが功を奏するかは不明だが。

670小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/26(木) 20:41:50
>>669

奇妙な『繰り返し』に陥ったレイト。
そして、リズムを刻むように聞こえてくる『音』。
やはり、あの『針』は『時針』だと考えて良さそうだ。

  ――残りは『三人』……。

  ――これで『数』は同じ……。

『見えない一人』の存在を抜きにすれば、『三対三』だ。
もし天雨達が間に合わなくても、頭数は同じになった。
間に合ってくれた場合、こちらの方が数の上で優位に立てる。

    スッ

両手で帽子の角度を軽く直す。
失った『目』と『耳』が見えないように調整する。
それが済んだら――『動く時』だ。

           ザッ

  「――『私』をお探しですか?」

物陰から姿を現し、残る三人に言葉を投げ掛ける。
こちら側が有利であることを印象付けるために、
攻撃的ではなくとも、毅然とした態度を心掛けておく。
相手に弱みを見せることは、『交渉』の失敗に繋がりかねない。

  「こちらから、これ以上の攻撃をするつもりはありません。
   そちらの方に『止め』を刺さなかったことは、
   『その証』だと思って下さい」

  「『デストルドー』のイズさん――
   『リーダー』である貴方に『お話』があります。
   貴方達に大きく関わる内容です」

  「――聞く気はありますか?」

イズを名指しで指定するのは、
ゴウとトウゲが話に割り込んでくるのを防ぐため。
また、イズがリーダーであることを知っているのを、
彼らに教えるためでもある。
それによって、こちらが情報を掴んでいることを匂わせておく。
なお、出て行く前に『指』は物陰に残す。
『万一の用意』だ。

671黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/27(金) 20:21:23
>>669
適当な落ち葉を拾い、穴から中へそっと放り込んでみる。
見えるだけでなく本当に入れるかどうかを念の為確認しておく。
相手が小石川に注目している今なら黒峰の行動が見られることもないだろう。

672『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/28(土) 02:09:36
>>670(小石川)

       『カチッ』

              「え」

                      『カチッ』

繰り返し続けるレイト――――――そして、指を残して姿を笑わす小石川。
状況は変化し続ける。『出雲』の姿は見えないが、彼もまだ近くにいるだろう。

『イズ』:
「…………………………『お出まし』か」

『トウゲ』:
「あ……兄貴、こいつッ……!」

『イズ』:
「『待て』……良い。クールになるんだトウゲ……
 ……『背中』はお前に預けるぞ、ゴウ。おれは……こいつと『話す』」

『ゴウ』:
「………………あァ、しっかり頼みますよ。トウゲぇー分かってんな!」

『トウゲ』:
「はッ……はい」

ゴウはイズの後ろに下がり、『出雲がいた方向』を向いている。
そしてイズは……『デストルドー』を、『捻じれた針』に触れさせる。

『イズ』:
「…………アリーナの『コイシカワ』だな」

銀の髪を持つ男の声色は、今までと変わらず落ち着き払っている。
深く被っていたパーカーのフードを上げ、相貌を小石川から逸らさない。

「……随分強気なものだ。『増援』は相当な数を呼んだらしい。
 ……せめて、『武器を持っていない』事くらいは示したらどうだ?」

                     スゥーーー ・・・

「もっとも、スタンド使いには何の意味もない作法だが。……要件を聞こう」

自らもそうするように、両手を挙げるよう小石川に指し示すイズ。
その間にも『デストルドー』の指が触れた『針』が、『分解』され形を変え始める・・・

>>671(黒峰)

          ヒラ・・・

落ち葉は問題なく紅鏡町の中に入って行った。
見えるだけではなく入れるし、その際に勢いの減退なども無いようだ。
例えば投擲などを行って問題はないだろうし、小石川の例を見るにスタンド能力も『境』を超えられる。

673小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/28(土) 18:27:15
>>672

  「ええ、おっしゃる通りです。
   『武器を持っていない証明』は、
   スタンド使い相手には意味がない……」

イズの言葉を繰り返し――
おもむろに『スカート』を持ち上げていく。
その下に隠された『スーサイド・ライフ』。
スタンドのヴィジョンを、三人の眼前に曝すために。

  「私は『武器を持っています』。
   『攻撃しない』ことは『警戒しない』ことではない……」

  「――違いますか?」

手を上げて見せると、
既に『切り離し済み』であることを知られてしまう。
だから、『スーサイド・ライフ』に視線を誘導する。
彼らからすれば『敵のスタンド』――
それを気にしない訳にはいかない。
こちらから『武器』を見せることは、
逆に敵意のない証にもなるはず。
たとえヴィジョンだけでも、
相手の動きを推し量る参考になるのだから。

しかし、念のために『もう一押し』しておく。
同じような能力を持つイズは、
『スーサイド・ライフ』の能力に感付く恐れがある。
だから――こうする。

  「『スーサイド・ライフ』――」

片手を伸ばし、そのまま『スーサイド・ライフ』を引き抜く。
そして、続けざまに自らの『首を刎ねる』。
それは物理法則に従わず、地面に落下しない。
すぐに『元の位置』に戻り、接合する。
この行動の目的は、『今この場で切り離して見せる』ことで、
『既に切り離している事実』をカモフラージュすること。
能力の一部を見せることによって、
不信感を取り除くことも狙いだ。
万一『戦闘』になった時は、
どちらにせよ見せることになるのだから。

  「――『あなたと似た力』だとお考え下さい」

  「……『本題』に入ります。
   彼――『笹暮』さんを解放して頂きたいのです」

  「元々この町へ来たのは、
   あなた方を攻撃するためではありません。
   笹暮さんを解放して立ち去るのなら……
   私達は『追撃』を行いません」

  「もし応じて頂けない場合は――
   『相応の対処』を取ることになるでしょう」

出来るだけ手短になるように、単刀直入にイズに告げる。
おそらく、『針』が『分解』されてしまえば、
『レイトに掛けられた能力』も解除される。
イズが話に乗ったのは、『時間稼ぎ』の意味もあるのだろう。
レイトが復活してしまうと、不確定要素が一つ増えてしまう。
そうなる前に、話を進めてしまいたい。

674黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/28(土) 23:17:13
>>672
小石川や敵以外の場所を覗いて確認したい。
黒峰たちが出る前となにか変わっているところはある?

(まだ合流していないらしい一人も……気をつけなければなりません)

675『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/03/30(月) 08:03:16
>>673(小石川)

『イズ』:
「…………『武器を産み出すスタンド』もある。
  『武器のスタンドとは限らない』が……成る程、違わない」

武器を引き抜いた瞬間には緊張が走ったが、
断たれ、浮かび、再び繋がる首をイズはただ見据える。

「そして確かにおれの『デストルドー』に似ている……面白くもない、が」

「……つまりこの『針』はお前の能力ではない……『最低で2人』
 いや……『全員が動く』とは限らない。『3人』は来ていてもおかしくない」

『デストルドー』は針に触れたまま動くことは無い。
針は『遊び終えたブロック玩具』のように崩れ始めている・・・

『トウゲ』:
「…………舐めやがって、『アイツ』俺達をす……」

『ゴウ』:
「トウゲェー黙ってろてめェーッ!」

『イズ』:
「逆だ。舐めていない…………『アリーナ』はともかく、
 この女は『相応の準備』をしておれ達に臨んでいると考えろ」

          「でなければ……『自殺志願者』だ。
           それはそれで……面倒という事……
           いずれにせよ、そうだな。話をしよう…………」

トウゲとゴウの声には憤りが籠っている。が、
イズはそれをスタンドの片手を上げて制する。
話をするつもりはある、という事だろう。
『乗るつもりがある』のかどうかは別の話だ。

「…………」

「お前が……『手打ち』を提案したいのは分かった。
 『双方手出しをしない』……『無かった事にする』……」

「おれ達はこの場を去れば、『笹暮』にそれ以上手を出せない保証があるな。
 それで………………『そちら側が、今後追撃をしない保証』はどこにある?
 この『笹暮』と合意は取れているのか? ……その上の連中とは?
 『元は攻撃するつもりではない』としても、事態の『報復』に出ないとは言い切れない。
 おれ達の目的をこの男が上に伝えれば……それも追撃の理由になる」
 
「……単刀直入に返そう。おれは、お前を信用できない。
 『アリーナ』という巨獣の手綱を、一介のスタッフであろうお前が握れるか?
 いつ約束を反故にした軍勢による追撃が始まるか分からず日々を生きるよりは、
 この場で、お前ら全員を、『しっかりと消す』方が『安心』なんじゃあないか……?」

「『悪党との約束なんぞを、守る理由がどこにある?』……決まり文句だ。どう考える?」

>>674(黒峰)

小石川と相対する敵以外で、大きく動くものは見当たらない。
敵の一人『レイト』の動きを止めたであろう『出雲』についても、
反撃を避けるためか、どこかに隠れたらしく姿が見えない。
また、幸いか『最後の一人』……『迷彩の男』はまだ現れない。
が、生きているのであれば必ずここに戻ってくるのは確かだ。

               …

                  …

その時――――黒峰の『携帯』に『着信』があった。これは『天雨』からだろう。

676<削除>:<削除>
<削除>

677小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/30(月) 19:16:13
>>675

実際には、ここに『増援』など来ない。
そして、自分も『アリーナの関係者』ではないのだ。
もし彼らが頭から疑っていたら、とっくに攻撃されていただろう。

  「私には、アリーナ全体を動かせる力はありません。
   私に出来るのは、
   あくまで『個人としての保証』に限られます。
   『レイトさんに追撃を行わなかったこと』、
   『不意打ちを仕掛けずに出てきたこと』、
   『自分からスタンドを見せたこと』。
   以上が『私からの保証』です」

少なくとも、彼らにブラフを信じさせたことで、
『一つの段階』は越えている。
この策を最後まで押し通すしかない。
薄氷の上を歩くような状況なのは変わらないが、
これが唯一の手段なのだから。

  「私には、遠く離れた相手を追跡する能力はありません。
   笹暮さんも、今の状態では、
   あなた方を追いかけることは叶わない……。
   アリーナは、あなた達を見失うことになります」

黒峰の『オールナイト・トレイン』はバスにも追いつける。
おそらく、彼女なら追跡可能なのだろう。
しかし、今は伏せておく。

  「ただ……『増援』が到着した後では、
   それは難しくなるでしょう。
   彼らには彼らの考えがあり、
   私の一存では決められなくなる。
   彼らが私と『違う判断』を下す可能性は否定出来ません」

『取引』が可能なのは、
存在しない『架空の増援』が到着するまでの間だけ。
こうして話している最中にも、時間は消費されていく。
その『タイムリミット』を彼らに意識させる。

  「あなた方が戦うことを望んだ場合、私達も抵抗します。
   現時点では、そちらが有利かもしれません。
   私達が敗れる可能性は少なくない……」
 
  「ですが――あなた達も『無傷』ではいられません。
   そして、その頃には『増援』も到着しているでしょう。
   傷を負った身体で、そのまま戦うことになります」

  「それでも、
   『この場で一戦交える方が良い』とお考えなら――」

              ス ッ

  「――どうぞ」

イズに背中を向け、こちらが『本気』であることを示す。
その間も、切り離し済みの『目』で、状況は確認している。
本当に攻撃の気配があれば、即座に対応して動けるように。

678黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/03/31(火) 19:39:20
>>675
「!
 ……もしもし」

穴越しの観察は継続しつつ、電話に出る。

679『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/02(木) 01:52:10
>>677(小石川)

『イズ』:
「…………成る程、『お前は信用できない』が、
 『お前以外は信用以前の問題である』という事だな。
 確かに、それなら今すぐ此処を離れることが、
 おれ達の安全に繋がるのは確かだ……ただし」

               スゥー ・・・

『イズ』自身の手が、『笹暮』を指す。

「……お前の言葉には引っ掛かる点がある。
 『笹暮』が、おれ達への怨恨で……いや。
 根本的に、『任務』として『おれ達の討伐』を、
 上の人間から命じられる可能性は十分あるだろう。
 その場合、連中の豊富な『情報網』がおれ達を追い詰める事になる」

「お前がこの場に見逃し、黙っている分には、成る程……問題は起きない。
 だが『この男』が黙っている保証がどこにある? 『追えないから諦める』のか?
 ……この男の派閥がどうかは知らないが、『情報系のスタンド』もあるはず。
 そうでなければ……おれ達のスタンドをお前が事前に把握しているのも妙だ」

「引っ掛かったのはそこだ……おれの『説得』をするとき、
 おれ達の一番の不安材料は確かに『お前の行動』になる。
 だが次に『アリーナが事後どう動くか』が来るのは予想できる範囲。
 ……お前ほど聡明なスタンド使いが、なぜそれを見落としているのか」

                「『アリーナのコイシカワ』。
                 『笹暮がおれ達の情報を上に伝える、
                 そのリスクを…………『どう考えている』?
                 『最後に』……それは答えてもらいたい」

それが、彼の――――そして彼らの行動を決めるのだろう。
『デストルドー』の触れた針は既に完全に解体され、手の動き一つで『引き抜かれる』。

>>678(黒峰)

現状、聞こえてくる会話以上の動きは無い。
電話に集中しても、さほど問題はなさそうだ。
次の瞬間がどうかは小石川次第だが。

『天雨』:
「ご機嫌麗しゅう、黒峰さん。調査が済みましたわ。
 もうすでにタクシーに乗り込んでおりましてよ……
 『レイトのスタンド』について、今この場で話してよろしくって?
 貴女の方で場所を変えたり、する必要はございますかしら?」

通話口の向こうから聞こえるのは、紛れもなく天雨の声だ。
また、車の走行音と思しき音も遠く聞こえる。
こちらに向かってきていると見て間違いあるまい。

「いずれにせよ、重要な結論だけ言っておきますわ。
 彼女の能力は『コピー』じゃない――――――
 『銃を複製した』のは、『銃の持ち主』の方でしてよ」

        「――――分かった限りの詳細を話してもよろしくって?」

680小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/02(木) 20:26:45
>>679

背を向けたまま、思考を巡らせる。
落ち着きを失ってはいけない。
自身に言い聞かせ、はやる気持ちを抑える。
おそらく、『あと少し』の所まで来ているはず。
この局面で表情を読み取られないのは、ありがたかった。

  「『笹暮さんが上に伝える』……
   そのリスクは、『彼が知っている』ことが前提になります。
   『知られて困る情報』を、
   あなた方が彼に見せたとは思えません」

  「彼の『オフビート・ミミック』なしでは、
   あなた達は『町の中』に入れない。
   だから、用が済むまでは、
   笹暮さんを生かしておく必要があった。
   それを考えて、
   あなた方も情報の漏洩には気を遣っていたはずです」

彼らは笹暮に不意打ちを仕掛け、
彼のスマートフォンを破壊している。
つい先程も、イズとゴウの言い合いを、
レイトが止めている場面があった。
彼らが、情報の漏洩を避けていることは明らかだ。

  「あなた方について、彼は『ほとんど知らない』……。
   そのことは、あなた達の方がよくご存知のはずです」

  「そうであれば――伝えたところでリスクは生じません」

事実として、笹暮が知っていることは、ほとんどないのだろう。
彼から聞いたのは断片的な情報だけだった。
自分が知っているのは、
『小角の能力』によって情報を得られたからだ。

  「……『私の存在』を、
   あなた方はいつ頃から認識していましたか?
   『バスの近くのベンチに座っていた時』――
   おそらく、その時が最初でしょう。
   『テルヤ』さんが、私のことを伝えたはずです」

  「あの場に私がいたのは、
   『市井のスタンド使い』に協力を求めるためです。
   乗客の中にもスタンド使いがいたのは、
   あなた方もご承知の通りです。
   『トウゲ』さんも、
   『ベッドのスタンド使い』と接触していましたね……」

  「乗客の中には、
   『情報を扱うスタンド使い』が居合わせていました。
   あなた達の情報は、
   『その方の能力』を通して得られたものです」

  「今後アリーナが、
   そのスタンド使いから情報を得る可能性はあるでしょう。
   ですが、ここで笹暮さんを手に掛けたとしても、
   『可能性』を消せるわけではない……。
   『該当するスタンド使い』は既に『町』を出てしまっています。
   今から追いかけますか?」

  「笹暮さんの命が絶たれた時点で、
   『交渉の余地』はなくなります。
   私達は、あなた達と戦わなければならなくなるでしょう。
   あなた方は出来るだけ時間を掛けずに、
   私達を制圧する必要がある……」

  「私達に時間の制限はありません。
   あなた達を足止めし、
   増援が到着するまでの時間を稼ぐことが出来れば、
   役目は十分に果たせます」

            ス ゥ ッ

  「ですが……私は『それ』を望みません。
   私はアリーナの人間ですが、
   笹暮さんを救いたいと考えています」

  「『彼』は――私個人にとって大切な人でもあるからです」

静かに振り返ると、傷付いて倒れている笹暮の姿に、
今も愛し続ける『彼』の姿が重なる。
だからこそ、何としても笹暮を助けたい。
それは、最初に森の中で彼と出会った時から感じていることだ。

  「もし、あなた方が彼を手に掛けようとするなら……
   私は『命懸け』でそれを阻みます」

  「もし、あなた方が彼を手に掛けたなら――
   私は『絶対に』あなた達をこの町から出しません」

少なくとも今この瞬間、笹暮は『彼』だ。
『彼』を救わなければならない。
だから、笹暮のために『全力』を尽くす。

681黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/02(木) 23:36:40
>>679
「……はい、いま話していただいて問題ありません……。
 小石川さんも聞いています……」

小石川の『耳』を電話のそばに持ち、天雨の声が聞こえるようにする。

682『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/04(土) 23:34:03
>>680(小石川)

『イズ』:
「………………成る程、な。

      どうやら……今、『上手』はお前らしい」

イズは、小石川の言葉に頷く。
口先だけで動いた首ではない。
小石川の『信念』『計画』――――両翼がそれを成した。

『イズ』:
「この女の言うことが事実なら……ここで『口封じ』をした所で、
 おれ達の情報を握った本命はそれこそ、『追いようがない』。
 ……情報源になったスタンド使いがいるのはほぼ『間違いない』が、
 それが誰かははっきり分からず……『何者か』も探りようがない。
 ならば……ここで殺すことに、『憂さ晴らし』以上の意味は無い」

『ゴウ』:
「兄貴……それじゃァー」

『イズ』:
「……この女に乗る方が、今は『可能性』を残せるだろう。
 『彼』の描いた絵に乗っていて良いのかも……『疑問』が出て来た」

         「少なくとも、続行の『強行』はすべきではない……」

『トウゲ』:
「で、でもイズの兄貴……どうせ『追われる可能性が残る』ならッ、
 ……この町の『ブツ』を回収して、それを使って『対抗』すれば」

『イズ』:
「……駄目だ。アレはそういった『雑事』の解決に使う物ではない。
 そして……この場で使おうとしても……恐らく大きな効果は無いだろう。
 おれが知る限りでだが、アレは『武器』のような単純な『力』ではない。
 …………まして、手に入る保証も極めて低い。……『止むを得ない』」

               「……『交渉』に乗るのが、『生存』の道だ。
                トウゲ……『弁え』なくてはならない……」

     シュルゥ ―――― ・・・

『ゴウ』:
「兄貴ィーーーッ…………クソッ、この女……チィィ〜〜〜ッ……」

イズは『針』をスタンドに引き抜かせていく。
ゴウは不満を隠せない様子ながら、それを行動に移すほど『短絡』ではない。

『イズ』:
「コイシカワ…………お前の提案に乗る事は、おれ達にも得になるようだ。 
 だが……ハイ、では今すぐ全員で引き払います、とは言えない。
 ……おれたちが背を向けて去る前に、『ベッドのスタンド使い』と
 何より…………『針を投じたスタンド使い』には、姿を見せて貰いたい」

「交渉をしたという事実を隠れ蓑に『後ろから撃つ』ような真似は……
 『敵』であるおれ達になら、してもおかしくは無い。アリーナはそういう組織だ」

「おれ達は生き残りたい、お前は『その男』を生き残らせたい…………
 お前の『命懸け』の覚悟を信じるからこそ、『この場の安全』を保証してほしい。
 …………増援はともかく、『この場にいる面々』の意思は統一出来るだろう」

――――撤退の『安全』を求めるイズの言葉とは別に、黒峰に預けた『耳』からも声が聞こえる。また。

>>681(黒峰)

天雨は話し始める。小石川にも、それは問題なく聞こえるだろう。

『天雨』:
「よろしくてよ…………まず『銃の能力』について。
 これは『条件を満たすと、他人に複製できる』ようですわ。
 その条件までは詳しくは調べきれませんでしたけれど……
 『口頭や心中の同意だけでなく、目に見える行動が必要』で、
 『代償が必要』『代償は概念的なものではなく物質的なもの』でしてよ。
 そして、調べた時点では……『レイト』以外には、銃は『複製』されていなかった。
 今は分かりませんわ。数分前のことだから、『妙な行動があった』なら話は別かもしれない」

「では、『レイトの能力』は何なのか――――これも結論から言うと」

          「――――彼女自身のスタンドは『非戦闘員』ですわ。
           『コピーをする能力ではなく』『能力による殺傷性を持たない』。
           そして『味方を回復させたり出来ず』『移動させるような能力ではない』。
           『YES』と『NO』で調べているから、『具体的な答え』には遠いけれど」

「『YES』が出たのは、『情報を得る能力』で、『人を運搬するのに役に立つ能力』。……続けてよろしくって?」

ほとんど一息に話し終えて、続きを話すべきかを促す。
小石川の方では――――話し合いが、一定の『落着』を、迎えようとしているように見えるが……どうするべきか。

683小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/05(日) 07:30:19
>>682

僅かな綻びも許されない綱渡りの交渉は、
徐々に纏まりつつあるようだった。
それでも、まだ気は抜けない。
文字通り『全て』を終えられるまでは。

  「……分かりました」

彼らは出雲を狙っていた。
それを考えると、ここで出雲が姿を見せるのは不安が残る。
しかし、拒否することはできない。
今まで積み上げてきたものが水の泡になってしまう。
先に進むためには、イズの要求を呑むしかないだろう。

  「『出雲さん』――お願いします」

出雲が身を潜めていた木陰に向かって呼び掛ける。
今ここで出てこなければ、話し合いが決裂する恐れもある。
そのことは、彼にも分かるはず。
敵の前に姿を現すのは危険を伴うが、今は必要なことだ。
だからこそ、この場に姿を見せてもらいたい。

        グルッ

同時に、『目』で周囲を見渡し、
付近に『テルヤ』が来ていないか確かめる。
イズの態度に偽りは感じられないが、
『交渉を建前にする』というのは彼らにも当てはまる。
所在不明の『五人目』の存在が、
未知の不安要素にならないとも限らない。

  「『ベッドのスタンド使い』も近くにいます……」

  「まもなく来てくれるでしょう」

当初の取り決めに従い、黒峰に預けていた『指』を動かす。
『こちらに来て欲しい』というサインだ。
天雨との通話は続いているようだが、
今は交渉の方を優先すべきだと判断した。

  ――『血盟』……。

おそらく、あれが『複製の条件』だと思って間違いないだろう。
それが正しければ、今はトウゲも、
『フレッシュ&ブラッド』を使えるようになっているはず。
彼が『血盟』を受けていた時、
レイトがゴウに『痛い』と話していたのは、
彼女も『血盟』を受けたからだと考えれば納得できる。

684黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/06(月) 19:27:40
>>682-683
「了解です……。
 続きを……いえ、少し待ってください」

小石川から合図があったので向かう必要があるが、穴をくぐれば電波が届かなくなる。
どうせ通話が切れてしまうなら持っていく意味もないだろう。

「……すみません、今から街へ向かいます。
 ただ、スマホは通話状態のまま、穴の外へ置いておきます……。
 小石川さんの『耳』も一緒に置いておきますので……こちらから返事はできませんが、情報の続きをお願いします……」

天雨に伝え、スマホと『耳』を置いて穴をくぐる。

685『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/07(火) 23:40:50
>>683(小石川)

『出雲』:
「………………………」

             ザッ

声に応じて、『出雲』が姿を現す。
彼の傍らにはやはり、『スタンドの腕』。
そこには『先ほどより短い針』が握られている。
イズ、ゴウの緊張が高まるのを感じ、
またゴウは手の銃をそちらに向ける。
出雲自身、表情には強張ったものがある。

『テルヤ』の姿は――――『見当たらない』ようだ。
ここにまだ到着していない、ということだろうか。

そして小石川の『耳』には、天雨からの『情報』が続く。

『天雨』:
「……そこから私たちは、もう少し掘り下げを行いましたの。
 『レイトが得られる情報は私達のスタンドが含まれるか』は『NO』。
 『レイトたちの目的を、条件を満たせば達成できる能力か』も『NO』」

「『レイトが得られる情報は私達の作戦を破たんさせるか』――――これも『NO』」

>>684(黒峰)

『天雨』:
「ええ――――畏まりましたわ。
 このまま続けます。……くれぐれも気を付けてくださいまし」

電話を耳と共に置いて、『紅鏡町』の中へ向かう。
黒峰には聞こえなくなるが……この動きは『賢明』だろう。

「そちらに着くには、まだもう少し掛かる見込みですわ。でも、もう直に……」

その言葉が最後に聞こえて、『町の中』へと黒峰は足を踏み入れる・・・

>両者

黒峰が姿を現すと――――『イズ』は『一同』を大きく見渡した。
スタンド使いが、7名。倒れた『笹暮』も合わせて数えるなら『8名』。
それだけの数が……こうして、この場に揃い姿を見せている。

                バ

                  ラ

そして『レイトに刺さった針』が『抜ける』と、
繰り返しに囚われていた彼女も――呆気にとられた顔で、周囲を見渡す。

『イズ』:
「……………『誠意』は理解した。
  ……『殺気』は無いでもないが、それは『理解』出来る」

            「…………ゴウ。レイト。トウゲ。
              『分かる』な? ……例え『ブラフ』があろうと、
               この状況は『この女を信じる』以外の『択』が無い」

『ゴウ』:
「…………クソアマァ〜〜〜〜ッ」

              ジリ…

『イズ』:
「…………おれは『彼』に確認を取る必要を感じている。いずれにせよ、『出る』ぞ……この町から」

686小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/08(水) 04:35:36
>>685

『長い針』と『短い針』。
そこから思い浮かぶのは『長針』と『短針』。
『種類』がある以上、何か『違い』があると考えるべきだろう。

  ――これは……まるで……。

  ――『あの時』のような……。

目の前の状況を見て、『かつて遭遇した事件』を思い出す。
『廃校』となった建物で、『スタンド使いの一団』と交戦した。
最後には、敵方から『取引』を持ち掛けられ、
それに応じる道を選んだ。
今は反対に、こちらから『交渉』を仕掛け、相手を説得した。
どちらも『人質』がおり、あの時も『旅行中の出来事』だった。
奇妙な巡り合わせ。
『デジャビュ』――そんな言葉が胸に去来する。

  「『もう二人』……こちらへ向かっています」

  「乗客の中にいたスタンド使いです。
   『万一のため』……事前に呼んでおきました」

イズ達が出て行くタイミングが天雨達の到着と重なる可能性もある。
そうなった場合、『騙まし討ち』だと受け取られてしまいかねない。
それを防ぐために、今の内に天雨達の存在をイズに話しておく。

  「もちろん彼らにも『争う意思』はありません……」

  「――その中に『情報を扱うスタンド使い』は含まれていません」

天雨から伝えられた情報を総合すると、
『レイトの能力』が今から大きな障害になるとは考えにくい。
油断は出来ないが、この場において最も重要なのはイズの判断。
彼らが実際に『紅鏡町』を離れるのを見届けることが最優先だ。

687黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/09(木) 19:30:53
>>685
「……」

状況を見守る。
相手方はおそらくリーダーのイズに従うだろうが、一応警戒しておく。

688『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/10(金) 03:10:55
>>686(小石川)
>>687(黒峰)

『出雲』は――――彼らから目を離す事なく、スタンドを構え『静観』する。
彼がイズやゴウ、レイトに隙を見せる事は、まずありえないだろう。

『ゴウ』:
「『万一』だァ〜〜〜ッ!? 『アリーナの増援』呼んどいて他にどんな」

『イズ』:
「……………………先の話からするに、増援は『別派閥』のはず。
 『個人的な協力者』も呼んでいるのは……慎重な、理解できる手だ。
 この女には……推測だが、『個人的事情』も、あるようだからな…………」

小石川の言葉は若干の違和をゴウに生んだようだったが、
慎重路線のイズには強い警戒を持たれるものではなかったようだ。
天雨らがアリーナの増援と勘違いされることは、これで無くなった。

『イズ』:
「…………ゴウ。レイト。トウゲ。
 先に車に戻っておけ……おれは少し、テルヤを待つ。
 そしてその間に……『彼』に、電話を一本を入れておく」                                …

                    「『分かった』か……?」

『レイト』:
「い、イズくんがそう言うならぁ……」

『ゴウ』:
「…………トウゲェー、行くぞ」

                      ザッ

『イズ』:
「コイシカワ……『仲間を置いてでも今すぐ去れ』とは言わないだろう。
 おれ以外は先に撤収させる……その上で、おれは今言った通り、少しだけ待つ」

「ゴウ………………仮に『万一』……おれがいつまでも来なければ」

『ゴウ』:
「兄貴は慎重すぎんですよォー。そんな『万一』はあり得ねえ。 
 ですが……万一、そうなったなら……わかってます。その時は」

                「兄貴は『置いていく』」

『イズ』:
「ああ……それでいい。重要なのは『お前』だ……そこを、忘れるな」

                   「お前には……『替えが効かない』」

そのやり取りを終えると、ゴウとレイト、そしてトウゲは言葉通り『町の外』へと歩き出す。
ゴウは『小石川』と『黒峰』に憤った視線を、レイトはイズに気遣わしげな視線を向けながら、つまり……こちらに歩いてくる。

689小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/10(金) 06:19:57
>>688

  「……ええ、分かりました」

  「『仲間を気に掛ける思い』は理解しているつもりです……」

笹暮からは、イズ達は『危険』だと聞かされた。
実際、そのような雰囲気を感じることは否定しない。
ただ、それでも彼らを傷付けたいとは思わない。
彼らも無事でいて欲しい。
この場にいる誰も、これ以上傷付いて欲しくないと思う――。

     ――スゥッ……

その場から動くことなく、三人に視線を向ける。
ここまでは問題ない。
最も気になるのは、『彼らが連絡する相手』のことだ。
イズら一行は、
誰かから情報提供を受けているようなことを言っていた。
その人物は、どこまで知っているのだろうか。
もし、アリーナの情報をリアルタイムで把握しているとしたら、
『増援』がブラフであることを見抜かれる恐れも出てくる。
そうなった場合、ここまで積み上げてきた全てが瓦解してしまう。

それ以外にも、気に掛かる点は幾つかある。
まず、『替えが効かない』という言葉。
これは、ゴウが『武器を作り出す能力』を持つからだと考えられる。
『戦えない者が戦えるようになる』というのは、確かに貴重だ。
先程、イズは『武器を産み出すスタンドもある』と言った。
おそらく、『フレッシュ&ブラッド』を指しているのだろう。
天雨から得られた情報とも一致している。

次に、トウゲが口にした『俺達をす……』という言葉。
途中で遮られたが、これは『捨石』か『捨て駒』ではないかと思える。
イズらの情報提供者が、
彼らを『使い捨て』にする可能性があるということではないだろうか。
これまで見聞きしてきた内容から察すると、
心からの信頼関係があるようには見えない。
ありえない可能性ではないだろう。

  ――……。

『目』を動かす用意をする。
外に出た後の三人の行動を観察するために。
ただし、彼らが注目されている今は、タイミングが良くない。
『出口』から注意が逸れた時を狙って、『目』を外に送り出す。
また、今の内に『耳』を動かしておく。
『見えない』ために正確な操作は難しくなるが、
位置そのものは感覚で分かるし、
『入口』周辺の地形は記憶しているはず。
もし『電話』が発見されたとしても、『耳』は見つからないように、
別の茂みに隠しておきたい。

690黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/11(土) 22:44:18
>>688
穴の前からどいて、ゴウ達に道を譲る。
スマホはまだ小石川からの報告が続いているのか黒峰にはわからないが、見つからないことを祈るしかない。

691『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/13(月) 01:26:10
>>689(小石川)
>>690(黒峰)

『レイト』:
「イズくん……………」

『ゴウ』:
「足止めんな、兄貴なら心配はいらねえェー…………………」

               「……『勝った』と思うんじゃねェーぞ。
                俺らは『ここで終わる』チームじゃねえ……」

ゴウ、レイト、トウゲ――――『イズ』を残し、三人は『町』の外へ去る。
『見て』も引き返して襲ってくるような様子もない。『イズ』を残している以上、
余計な事も出来ないだろう。『余程の事』が無ければ、彼らは『退く』。
それは紛れもなく、小石川と黒峰の『策』が、状況に嵌った結果だ。
『耳』を遠隔操作で隠し、また『目』を送っておく事も、警戒として正しい。

残る懸念は――――『イズ』の持つ電話。

『イズ』:
「…………『見張り』は必要か? おれの『連絡』には」

       ザッ

「お前らに『戦意』が無いのは……理解している。
 同時に……『警戒している』事も、理解している。
 おれが『鍵男』……『笹暮』を痛めつけたのは事実である以上、
 おれの一挙一動には、最大限の警戒を払っていて当然だと考えている」

笹暮は『デストルドー』の影響で『組み替え』られたままの状態で、
今も倒れている。意識はあるようだが、『抵抗』出来ないままだ。
『仲間を気に掛ける』思いは彼らには確かにあるが、『敵には容赦がない』。
『イズ』も、交渉が成った今は『殺気』こそ無いが、『電話の内容』次第ではわかるまい。

「一つだけ言っておくが……『増援』を呼ぶような真似はしない。
 『確認』をしておきたいだけだ……どちらかと言えば『仲間』を待つ、ついでにな」
                                                    …

                     ザッ

『デストルドー』を伴い、『イズ』が『入り口』に向けてゆっくりと歩いてくる。
電話をするには『町外』に出る必要があるためだろう。『出雲』はスタンドを構え、その姿を注視している。

>小石川

天雨からの情報提供は続く。
今となっては『使う場面』があるかは不明瞭だが、
事態が全てにおいて『終息』しているとも、また思えない。

『天雨』:
「『人の運搬』についても、『不許可の運搬は出来ない』……
 つまり、貴女や黒峰さん、出雲さんを『拉致』したりは出来ませんわ。
 それと、『実はまだ姿を見ていない仲間を運搬している』という可能性、
 これも、『聞き方』が悪かったのでなければ、『NO』……敵は『5人』が上限」

「ですから、『レイトの能力』は――――
 あまり『気にする必要はない』と考えていますわ。
 リソースは有限。『割く』べき先は、決めなくてはならない。
 戦わないという道を選ぶのであれば、猶更の事ですわね」

692小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/13(月) 08:31:17
>>691

笹暮が傷付けられたことは『事実』としてある。
彼を愛する人がいれば、きっと悲しむだろう。
その『誰か』のためにも、彼を助けたい。

しかし、イズ達にも同じことは言える。
彼らが傷付くことで悲しむ人間もいるはず。
だから、できるなら彼らも傷付けたくはない。

イズの言うとおり、『警戒』はしている。
理想だけで全てを解決できるとは思わない。
それでも、積極的に争うことはしたくなかった。

  「黒峰さん――お願いできますか?」

  「私は、この場に残ります……」

自分は、ここから動くことなく外の様子を掴める。
また、何かあった際のバックアップもしやすい。
だから、黒峰にイズの見張りを頼みたい。

  「……今から『彼』の近くに行きます」
   
  「不都合なら――そうおっしゃって下さい」

     ザッ……

イズに告げ、すれ違う形で笹暮の方へ歩いていきたい。
念のために、『目』でイズの様子は注意しておく。
何もないとは思うが、まだ終わっていない以上、
油断はできない。

万一、『状況』が大きく変わった場合、
イズと戦うことになるかもしれない。
しかし、イズは三人に自分を置いていくよう指示した。
つまり、彼らの方はイズを含めて、
『二人』しか残らないことになる。

それに対して、こちらは『三人』。
天雨達が来れば更に増えるし、そのことはイズも知っている。
仮に今から敵対したとして、
戦力的に不利な状況で仕掛けてくるだろうか。

そう考えてみると、多少の保障にはなるとも思える。
ただ、気は抜けない。
実際にどうなるかは分からないのだから。

もし何かが起きた場合、
『情報』が切り抜ける手段になる可能性もある。
そうなった時は、天雨からの連絡が役に立つ。
少なくとも、『知らない』よりは、
『知っている』方がいいのは確かだ。

電話に関しては、天雨の判断に任せる。
繋がったままなら、こちら側の音も向こうに聞こえるはず。
足音や話し声がすれば、彼女の方で状況を察して、
通話を切ってくれるだろう。

693黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/13(月) 21:27:09
>>691-692
「……はい。
 ……お気をつけて……」

小石川の言葉にうなずき、イズが出たらあとに続く。
スマホはイズ達の目の前で拾うわけにもいかないのでとりあえず無視する。

694『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/15(水) 17:30:28
>>692(小石川)

『イズ』:
「……『余計な事』は……考えない事だ。
  だが……『問題』は……特に思いつかない」

       「好きにすればいい……
        いずれにせよこの町に入る『機』は逃した」

   ザッ

         ザッ

黒峰を連れ、イズは町の外へと歩いて行った。
笹暮に近付く動きは、『不都合ではない』という事だろう。

『笹暮』:
「………………」

笹暮は生きている。無事だ。『人数』に数えるのは困難だろうが。

                   ザッ

相手は『2人』――――こちらは、『3人』。
出雲に『撤退』し行く敵を追撃する気は無いようで、
彼はイズの動向を監視する。口を挟む事はない。

相手は、『2人』。
イズの動向は『目』で見ていても違和感はない。
外に出てすぐ電話を手に取ったのが見え、『通話』を始めるようだ。
小石川や笹暮の動向に、何らかの干渉をしてくる様子は無い。
また、スマホが発見される様子もない。『通話』状態は、不明だ。

――――――『2人』。『テルヤ』は、今どこにいるのだろうか?

>>693(黒峰)

            ザッ

                    ザッ

イズは『黒峰』がついて来る事に異論を唱える事は無い。
彼は途中何をする様子もなく、『紅鏡町の外』に出ていく。

『イズ』:
「『ベッドのスタンド使い』……一応聞いておく」

       「お前や、乗客は……『アリーナ』とは無関係」

                 「『コイシカワ』に『頼まれた』だけ……そうだな?」

『スマホ』や『小石川の耳』が隠された茂みを漁るような事もしない。
『存在自体分からない』モノである以上、探れる余地は無い。

「それならば…………『電話』の内容を、『他言』する事は勧めない。
 『コイシカワ』にも……あの女を『仲間』と思うなら、知らせるべきではないだろう」

                     スゥ ―― ・・・

「……もっとも、そのようなつもりは無いかもしれないが。『慎重』にならなければならない」

彼自身のスマートフォンを取り出し、画面を短く操作した後、耳元に運ぶ。
『デストルドー』は全身が健在だ。『分離』せず、『黒峰』にその両目を向けている。

695小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/15(水) 20:46:37
>>694

  「笹暮さん……もう少し待っていて下さい」

  「――必ず助けます」

笹暮の近くに立ち、彼を守るような位置で待機する。
返事が返ってこないことは知っている。
それでも口に出したのは、
彼のために何かをしたかったから。
そして、自分自身に言い聞かせるためでもある。
『必ず助ける』ということを。

『五人目』が現れなければ、イズは立ち去らない。
最後に『テルヤ』を確認したのは、
バスが停まっていたロータリー付近。
それから一度も姿を見ていない。
彼が今どこで何をしているのか、気にはなる。
しかし、ここを離れる訳にはいかない以上、待つしかない。

『耳』は残しているから、『声』は聞こえる。
ただし、念には念を入れておく。
見られていないことを確かめた上で、『目』を『外』に出す。
送り先は近くにある茂みの中。
その位置から、
イズおよび先に立ち去った三人の動向を確認したい。

696黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/16(木) 23:27:28
>>694
「ええ……私はアリーナがなんなのかもよく知りませんし……。
 ……頼まれた内容以上のことをする、義理はないでしょう……」

外へ出たらとりあえずイズから距離を取る。
先に出た3人はどうしている?

697『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/19(日) 23:30:07
>>695(小石川)
>>696(黒峰)

『小石川』は飛ばした耳目で、そして黒峰は直接、
イズの『電話』の場に立ち会う事となる。
何事も無ければ、彼もまた『紅鏡町』を離れる。
『最終局面』は、極めて『静的』に訪れようとしている。

『イズ』:
「『正しい』……………お前の判断を、おれは『支持』する」

             「…………」

      『〜♪』

           『〜♪』

彼の電話は、少しの間を置いて繋がった。
『デストルドー』を己の傍に寄せ、周囲を警戒しつつ通話を始める。

他の『三名』――――ゴウ、レイト、トウゲらは見当たらない。
彼らが『ここまで来た手段』があるのだとすれば、ここは『車道』沿い。
車か何かで来たと考えるのが自然だ。そしてそれは『穴』の傍には見えない。
少し離れた所に置いていて、そこに行っている、のかもしれない。

『イズ』:
「……………おれだ。……いいや。『夢の国』には『入ってきた』」

通話相手の声は聞こえない。スピーカーなどにはなっていない。
『知る必要はない』――――イズの考えはそこにあるのだろう。自然ではある。

「その件で……あなたに『確認』せねばならない事がある。
 ……雑談は。一通り聞いてからに、していただきたい」

「『アリーナの人間がバックドアを作る』」

「『派閥の関係もあり、そいつ以外はその場にいない』
 …………『アリーナからの増援が、来ることは無い』」

         「『間違いない』か? ……おれは『慎重』でな。 
           あなたにはすでに伝えている通り、
           『間違った情報を元に仕事は出来ない』。
            その結果としておれ達が『ヘマ』をすれば、
             ……あなたにとっても、『不利益』になるからだ」

                           「…………あくまで『確認』だ」

>小石川
                                …

『笹暮』:
「……………………」

笹暮の表情は『安堵』とは程遠いが、『敬意』を感じた。
『彼をおいて脱出する』――――もっと簡単な『解決』も選べた。
今、『イズ』らとの交渉は纏まりつつあるとはいえ、見えざる『死線』は幾つもあった。

          …

『出雲』:
「…………連中の『能力』を抜きにしても負傷が酷い。
  ここを出たら、すぐに『病院』に向かった方がいいッスね」

出雲は『敵』の去った方角を見据えていたが、笹暮に視線を落とし、気を揉むように言う。

                                                             …

698小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/20(月) 05:29:03
>>697

          コク……

出雲の言葉に頷いて返す。
天雨達は、こちらに『タクシー』で向かっている。
それに笹暮を乗せて、病院まで運んでもらえば問題ない。

ただ、気がかりなこともある。
笹暮が『紅鏡町』に来たのは、出雲に用があったためだ。
『いつでも入れる』とはいえ、今のタイミングを逃すと、
次に話が出来る保障はない。

  ――……。

おそらく電話口の相手は、『間違いない』と言うのだろう。
事実、『増援が来る』というのはブラフに過ぎないのだから。
重要なのは、それを受けた後のイズの行動だ。
こちら側の話に疑いを持ち、改めて確認しに来るのか。
あるいは『情報提供者』の方を疑い、このまま立ち去るのか。

彼は、『情報提供者』を100%信頼してはいない。
もし彼が完全に信じているなら、
最初から取引には乗らなかったはず。
付け入る隙があるとすれば、そこしかない。

万一、彼が確認に来た時のために、
『反論の材料』は手元に残してある。
先程の交渉の中で、
自分には『個人的事情』があることを匂わせた。
個人的な感情というのは、
『イレギュラー』を引き起こす動機に成り得る。
『任務』としてではなく、『個人』として駆けつけた――
そういう『理由付け』が可能になる。
『情報提供者』がアリーナの動きを把握していたとしても、
個々のプライベートな部分まで掴んでいるとは考えにくい。

           スッ……

電話の様子を見届けながら、本体の目で辺りを見渡す。
既に、『テルヤ』が近くまで来ている可能性もある。
彼の能力を考えると『見える』かは怪しいが、確かめておく。

699黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/20(月) 23:22:16
>>697
(穴から一度離れた際……車が停めてある様子はありませんでした……。
 ……たまたま見える位置に停めてなかっただけ、という可能性はありますが……)

イズを視界に入れつつ、茂みが後ろになるように移動する。
万が一、後ろから不意打ちしてくるようなら茂みをかき分ける音がするだろう。

700『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/22(水) 01:31:43
>両者

『イズ』:
「…………………………『確かな事』なのだな? 『それを信じて仕事をしろ』と」

        「…………いいや」

        「そう、『戦力』を……1人とはいえ貸してくれた。
         それに利害や互いのイデオロギーからそて、
         あなたが、おれ達に『非協力的』であるとは……
         勿論考えていない。考えづらい。だが……ああ、そうだ」

「『コイシカワ』……と。そう名乗っていた。
 そう……あなたが『全知』であるとは考えていない、だが」

      「『一枚岩』ではない以上……『知らなくても不思議はない』」

                     「…………おれは『慎重』だ。
                       …………この状況、もし『間違い』があれば」

通話は『熱』を帯びつつある。
イズは猜疑心を表情に隠さず、その警戒心は『黒峰』以上に電話の向こうに響く。

「………………おれ達は『犬死に』する事になる。
 大袈裟な話じゃあない……『アリーナのコイシカワは現にここに来ている』のだから」

「分かっていただきたい。あなたが、おれの信用を得るには……
 『コイシカワの虚言の証明』……あるいは、想定の外で動いた『増援への対処』。
 そのどちらかは必要だ。あなたは『仲間』だが……『友』ではないのだから」

「おれ達の役目は『実働』……あなたの役目は必要な条件を整える事。……改めて『役目を果たしてほしい』」

>>698(小石川)

笹暮は『反論』『異論』を唱えられるような状態ではないとはいえ、
『紅鏡町』での任務を終えた訳では無い。彼の役目は果たせないかもしれない。
少なくとも、現時点での出雲に、彼の用を素直に聞く義理は無いと言っていい。
出雲自身、言葉には善意や良心だけでなく、彼の『干渉』を避ける意図もあるように感じられる。

                      …

そして、小石川は、能力だけに頼らず自身の目で周囲を見渡す……

                             …

これは――――『適切な判断』だった。

黒峰は外におり、出雲は外敵に集中している状況。
そして小石川自身も飛ばした耳目の情報に意識を割いていた。

ゆえに――――『それ』に気付けない事は、何もおかしなことではなかった。

                          …カサ                 

見えない。何も……足音なども無い。

            だが、今、『何かが動いた』……『10m』ほど離れた位置で。

>>699(黒峰)

付近に車は無い。他の乗り物も――――が、『歩ける距離』の全てを確かめてはいない。
一同が歩き去った『付近の町側』ではない、『逆側』には『あるかもしれない』。
あるいは何らかの手段で隠蔽していたか……『可能性』は無限にある。
確かなことは、茂みを背にすれば最悪の不意打ちは避けられる事。
そして、それをしでかしかねない『三人』は見当たらない事。

『イズ』:
「…………」

            『ズズ』

動きに合わせ、『デストルドー』は黒峰の側を向く。その『左手』が、手首から分離した。

701小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/22(水) 22:05:10
>>700

おそらく、イズの言う『貸与された戦力』というのは、
『テルヤ』を指すと思っていい。
イズは彼のことを、『アリーナに捕まれば吐く』と評していた。
言い方を変えれば、
『全幅の信頼』を置いているとは言い難い。
他の三人に対しては、そのような態度は見られなかった。
それらを総合すると、
元々『テルヤ』の所属は別だったと考えられる。

イズの様子は気になる。
やはり疑いを持たれてはいるが、彼にも確信はない。
電話の相手次第で状況は変わる。
しかし、今は何も出来ない。
何か出来るとすれば、『向こう』の方だろう。

  「……『気付かない振り』をして下さい」

  「『もう一人』が来ています……」

音が聞こえた位置から一旦視線を外し、出雲に囁く。
ここで現れるとすれば、『テルヤ』だと考えて間違いない。
ただ、今こちらから干渉しても意味は薄い。
それよりは、『気付いていない』と思わせておく方がいい。
そして、今の内に『もう一手』打っておく。

  「――『増援』は間もなく到着するはずです」

  「外で『何を話しているのか』は分かりませんが……
   早めに済ませて頂かなければいけません」

  「もう一人――『テルヤ』さんの居場所も不明のまま……」

『10m先』に聞こえるように、故意に声量を上げて話す。
もちろん、『テルヤ』らしき人物に聞かせるためだ。
自分が『アリーナの構成員』であるという話の信憑性を、
少しでも高めておく。
同時に、『外の様子は分からない』と思わせる狙いもある。
偽りの情報を与えて、相手の動向を窺う。

『テルヤ』が別所属の可能性が高い以上、
イズの意向を無視して、『何か』をすることも考えられる。
だが、『テルヤ』の純粋な戦闘力は『スーサイド・ライフ』以下。
正面から直接的な攻撃行動に出るとは考えにくい。
考えられるとすれば『不意打ち』。
もし『テルヤ』に何かする意思があるならば、
逆に行動を誘うことで『後の先』を取る。

702黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/23(木) 19:14:25
>>700
「!
 ……なんのつもりです……?」

左手の動きを注視する。

703『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/25(土) 00:16:47
>>701(小石川)

『出雲』:
「…………………!」

出雲は一瞬、目の動きだけで小石川を見る。
それ以上の反応は無い。『聞こえた』のは間違いあるまい。

そして・・・『テルヤ』には、聞こえただろうか。
声の大きさを考えればそれは自明だろう。
が、『反応』は今の所、見受けられない。
それは『イズ』が、まだ話を終えていない事に起因するのか、
それとも何か、別の思惑の上での『沈黙』なのだろうか……

具体的に『どこにいるか』までは分からないが、警戒は彼の動きを封じるだろう。

>>702(黒峰)

『イズ』:
「………………」

≪……『警戒』だ。
 お前がおれにそう感じたように、
 ……お前がおれに、何もしないとは限らない≫

≪『茂み』を後ろにしたなら……『背後で何かを仕込む』可能性もある≫

相当に慎重な男、らしい。『手』はそれ以上動きを見せる事は無い。

>両者

『イズ』:
「……………………………………そうか。おれも……『残念』だ」

                   スゥ
                      ー

「『スタンド』という不透明なものを扱う我々だからこそ…………
 人間同士の『信用』は、欠かせない。……『あなたは信用出来ない』」

          「ああ……あなたも、せいぜい……『気を付ける』事だ」

返答を待っていた『イズ』はやがて、短い問答の上で『携帯電話』を降ろした。

『デストルドー』は切り離した左手を己の背後に回し、
その視線を黒峰に向けたまま、彼自身が話し始める。

「……『協力者』は『増援』をやはり、『ありえない』と言っていた。
 だが……『コイシカワ』の存在という『ありえない事態が既に起きている』以上、
 『知らぬ存ぜぬ』は……おれ達の『仕事』を……『反故にする』という事」

      「…………おれはここを去る。『無事に去れるか』は、分からないが」

――――『イズ』率いる4人のスタンド使いは、『交渉』の果て、『荒事』無く『退去』させられる。

だが、不安要素は『終わっていない』。
恐らくは、小石川の考え通り『テルヤ』……彼は『協力者』の子飼い。『別の動き』も、有り得る。
また、『実働部隊』を失った『協力者』は『それで諦める』のか。『紅鏡町』に『安全』は訪れてはいまい。

704小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/25(土) 04:15:26
>>703

『四人』は引き上げる。
これで、一つの大きな『山場』は越えた。
次に問題になるのは、残る『もう一人』の存在。
すなわち『テルヤ』のこと。
今度は、彼を立ち去らせる必要がある。

状況は『三対一』。
天雨達が来てくれたなら、さらに『五対一』になる。
人数の違いは明白。
先程までとは、『戦力差』が完全に逆転している。
まず、その『事実』をテルヤに教えるべきだろう。

  「『確認』は終わった……のでしょうか?
   ここから見る限り、
   彼は『立ち去ろうとしている』ように見えますが……。
   『アリーナの増援』が来る前に、
   事が済んだのは幸いでした」

言葉を続けながら、『目』を引き戻す。
物陰を伝って木陰に配置し、『音の聞こえた位置』を見張る。
本体は逆に、その位置に背を向けておく。

  「――残っているのは『テルヤさんだけ』です」

近くにいるらしいテルヤが、現状を知らない可能性もある。
だから、意図的に現在の状態を口に出し、彼に聞かせる。
『味方』は消え、『敵の増援』が迫っている。
今の内に何らかの手を打たなければならない。
そう相手に思わせるために、『言葉』で追い詰める。

  「もうじき『天雨さん達』も到着することになっています。
   必要はないかもしれませんが……
   おそらく『増援』の前には合流できるでしょう」

天雨らの到着はブラフではない。
彼女達が来れば、それに続く増援の話にも、
さらに『信憑性』を持たせることができる。
そもそも、『イズ達が立ち去った』というのが、
大きな『説得力』になってくれるはず。

         ス ス ッ

黒峰に預けておいた『指』を動かす。
『こちらに来て欲しい』という合図だ。
テルヤが近くにいるらしいことを、彼女に伝える必要がある。

705黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/25(土) 22:17:02
>>703
「……ええ、そうしていただけると助かります……。
 小石川さんに……そう伝えてきましょう……」

イズ達が退去するというのはおそらく本当だろう。
小石川の合図に応じ、穴を通って紅鏡町に戻る。

706『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/04/27(月) 23:51:53
>>704(小石川)
>>705(黒峰)

『イズ』:
「…………おれが言う事ではないが……『彼』は『狡猾』だ。
 『テルヤ』に、こうなった時のことを指示していても……おかしくは無い」

                 ザッ

「あるいは……『第二第三の矢』があっても、妙ではない。
 ……『町』に、義理も無いだろう。あまり……『長居』は勧めない」

                   「……さらばだ」

イズは、忠告――――あるいは協力者への『あてつけ』だろうか?
それを最後に、その場を立ち去る。『他の面々』と合流するつもりだろう。

残るは『テルヤ』――――『戦闘』に向いたスタンド使いではない。
『5対1』になれば小石川たちに『敵わない』のは明白だ。
戦闘能力の高い黒峰を擁する一同にとってさえ、
数的不利は『避ける』べき局面だった。『普通に考えれば』。

          ・・・

                ・・・

問題は――――『テルヤ』が『普通に考える』人間かどうかだ。

黒峰は小石川の元に戻る。
また、小石川は『目』を引き戻す。
意味するところは『イズ』らは『視界』から消える事。
彼らは既に『盤外』の駒になったと考えれば、正しい選択だ。
『慎重な男』は去った。残るは、『何をするか分からない駒』だ。


                  ガサッ

          ガサッ


また、何かが動く音は聞こえて来る。しかし姿は見えない。
足元の草でも踏みしめているのだろうか、『見えない敵』……弱くとも『危険』だ。

                        ガサッ

『黒峰』『小石川』『出雲』……三者が出揃う。『天雨ら』が到着する様子は、まだ無い。
そして、『テルヤ』が今すぐ『ここから立ち去る』様子もない。さらなる『説得力』が必要なのか?
あるいは、『頭を回せるような人間ではない』のか……『彼をどうにかする』には、もう一手必要らしい。

                                      ガサッ

707小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/28(火) 06:35:11
>>706

テルヤの姿は『見えない』。
だから、腑に落ちない。
何故テルヤは『動いている』のか。
物音を立てているのが彼だとしたら、
悪戯に自分の居場所を教えていることになる。
彼の能力なら、じっとしていれば見つかる恐れはないのに。
何かある。
そうでなければ『おかしい』。

真っ先に考えられるのは『意識の誘導』。
本体の目で辺りを見渡す。
音が聞こえる場所ではなく、『それ以外の範囲』を注視する。

  「黒峰さん、ご無事で何よりです。
   『イズさん達』は町を出て行かれたようですね……」

  「『最後の一人』について……私の考えをお話します」

  「彼が自ら姿を現し、『町』を去るのであれば『見逃す』……」

  「しかし、我々に隠れて、
   何かしらの行動を起こそうとしている場合は――」

話しながら、『右手』を切り落とす。
その『手』を『スーサイド・ライフ』に突き刺しておく。
物音には背を向けているので、そちらにテルヤがいたとすれば、
この動きは見えないはず。

  「――『強攻策』も止むを得ないでしょう」

黒峰と出雲、そして『テルヤ』に自分の考えを伝える。
まだテルヤに敵意があるなら、
こちらも『力』で押さえ込むしかない。
今の戦力差なら、十分に『可能』だ。

ふと考える。
もしかすると、イズ達は『囮』だったのかもしれない。
彼らが動いている間に、テルヤが『目的』を遂げる。
だが、囮というのは『相手』がいることを前提とする。
自分達が来たのは完全に『イレギュラー』であり、
それを想定するような策を事前に用意していたとは考えにくい。

だが、『狡猾』な人間であれば絶対に『ない』とは言い切れない。
トラブルとは常に起こり得るものであり、
それを予想しておくのは自然だ。
問題が起きた場合、
最初からイズ達を捨て駒にするつもりだった可能性はある。
テルヤは四人とは別に動き、『隕石』の在り処を探る。
あるいは、既に『手に入れている』とも考えられる。

そして、『それ』を使って『逆転』する気だとも思える。
トウゲも同じような考えを口にしていたが、イズは却下した。
彼は慎重な性格だからだ。
だが、『そうでなければ』どうか。
イズが否定した行動を、実際にやろうとするかもしれない。

物音との距離が『5m』を切ったら、『動く』心積もりをしておく。
背を向けていても、『目』で見ているので見えれば分かる。
毛色は違うが、『見えないスタンド』とは、
以前にも対峙した経験がある。
『ホワイト・クイーン』――『白い霧』の中に、
自身や仲間を潜ませる能力。
毛色は違うが、『攻撃する時には姿が見える』というのは、
有り得ることだ。

708小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/04/28(火) 18:45:43
>>707
黒峰に預けた『指』を回収し、自分のポケットに移す。

709黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/04/28(火) 21:48:23
>>706-707
「……そうですね……。
 なるべく穏便に済ませたいですが、そうなれば……やむを得ないでしょう……」

必要なら『やる』、と足音の主に示しておく。

音が聞こえる方角の草が不自然に動いていないか確認する。

710『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/01(金) 00:01:45
>>707-708(小石川)
>>709(黒峰)

『小石川』と『黒峰』はそれぞれ、言葉で『意志』を示す。
『出雲』も頷き、『理解』を示す――――『やる準備』はある。

           ザッ

                       ザッ

――――『9m』

黒峰には『見える』・・・『足元の草の動き』。
『見えない何かが動いている』事を滑稽なほどに教える。
『隠れるため』に『動き回る』理由があるとすれば、
それは『位置を絞らせないため』という事になる。

               ザッ
 
――――『8m』

小石川自身はあえて『音以外の方向』を見る。
周囲に見当たる、怪しい兆候などは無い。
腕を落とし、そこに『スーサイド・ライフ』を刺す。
テルヤの位置が足音通りならば、この動きは見えまい。

・・・テルヤはそもそも『見えざる存在』だ。
『小石川』の疑問は、ある種『核心』を衝いている。
『なぜ見えないのに動き回る理由があるのか?』
それは隠れるため以外の理由があるのではないか?

あるいは、『そうせざるを得ない理由が』何か――――?
『理由』……スタンドによるものか、それとも『目的』か。
『テルヤ』の動きは、どこまで『計画』されたものなのか。
あるいは計画があるとして、彼はそれに従っているのか。
『不可視』の彼自身のように、彼の素性もまた『見えない』。

                      ザッ


いずれにせよ、『死力を尽くした正面戦闘』であれば『小石川が上』だ。
それは、小角の『全ての答えを知る』力が示した。あの時点での『真実』。

>『今バスを見張っている男性と小石川が、
>他者の介入のない一対一の条件で、
>相手を再起不能にすることを目的として、
>お互いの能力を駆使して正面から戦ったら
>彼の方が有利ですか?』


>―――――――『いいえ』

                               ヒュッ


―――――『姿を消す者には、正面から戦う理由などない』。


足元の草は、足音と共に動いている。音以外の方向に動きは無い。『それ以外の動きは見えない』。

711小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/01(金) 05:56:39
>>710

  「『テルヤさん』――」

  「きっと、あなたにも『事情』があるのでしょう」

『警告』はした。
そしてテルヤは足を止めず、姿も見せない。
『話をする気がない』と解釈せざるを得ない。
争いは避けたい。
しかし、『理想論』だけで全てを解決できるとは思わない。
彼の狙いは分からないが、野放しにはしておけない。
まだ『やや遠い』が、『先手』を打つ。

  「こうする事しかできないのは、私の力不足です」

  「……ごめんなさい」

イズ達と対面する前(>>670)、『万一』のために、
物陰に『指』を残しておいた。
『それ』を操作して、『物音』を立てる。
そちらにテルヤの注意が向くように仕向け、
即座に『次の行動』に移る。

振り向くと同時に、『スーサイド・ライフ』を振る。
そうすることで、串刺しになっている『手』を、
音の方向に放つ(パス精CBB)。
ただし、『命中』はさせない。
音の横を通過するように飛ばし、故意に『外す』。
相手に考える暇を与えないようにするため、
その後『歩いて』距離を詰める。

712黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/03(日) 19:32:40
>>710
『オールナイト・トレイン』を黒峰たちと『足音』の間になるように発現する。
そのサイズから障害物として、場合によっては盾として機能する(DFはあるが)。

「小石川さん……。
 『足音』は、私が来る前から……一直線に近づいてきていましたか……?」

713『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/04(月) 23:04:55

―――――――――『草間 照也』は、『彼』からの『指令』を思い出す。

まず、『イズ』率いるチームに『戦力』として協力して動く事。
それが最優先。『鞘と刃』を手に入れる……『手中に収める』。
あの『レイト』の能力なら、それが出来る可能性が高いと聞いていた。
『彼』にとって、夢幻の『鞘と刃』がいかほどの価値を持つかは分からない。
が、『彼』の求めるがままに動くのが、配下に求められる事と理解していた。

……また、万一の『背信行為』に対して『ストッパー』になる事。
言葉で『誘導する』……事は期待されていないようだったが、
とにかく、『イズ』やその血気盛んな『手下』が暴走しそうならば、
路線を修正する事……或いはただいるだけでも、『一応の牽制』にはなる。

そして――――『何もかも失敗した時』のための、第三の指令。
何らかのイレギュラーが発生し、鞘と刃を手に入れられない場合。
本来であれば『イズ』らを『そう誘導する』ように指示されていた。
テルヤの『話術』『調略』は決して優れた物ではないが、
状況は恐らく誘導を容易くする、と彼は考えているようだった。
あるいは、『イズらの注意を掻い潜る』形で……『遂行する』ように。

状況は『想像を超えて悪かった』。
彼ですら、この偶然までは予想できまい。
だが、やることは変わらない……と、『テルヤ』は考える。

 (まさか……こうも『してやられる』なんて。
   『イズ』のヤツ……『慎重』だなんて言ってたけど、
    『彼』に比べたらとんだ『節穴』……『彼の部下で正しかった』!)

    (彼も『全知』じゃあない……でも彼の指示は『この状況でも正しい』)

( …… ウン、そうだ。……正しい。 これで良い……! )

           ( 『彼』の指令通り……『遂行する』ッ )

                                        ヒュッ

―――――『彼』や『イズ』の駒になる事が、『向いている』と自認する人間だった。
自認は正しく、この男は『有能』ではない。だから『愚直に』『何も考えずに』『遂行する』。

>>711(小石川)
>>712(黒峰)

黒峰は、盾のように『オールナイト・トレイン』をカバーに入らせる。
小石川の『指』で物音を立て注意を惹く策は、その『巨体』の出現で、
インパクトを『持っていかれ』……『反応』を得られなかったかもしれない。

だが、それを差し引いても――――――――――『功を奏した』。

      シュ   
                       
             
                    ドッ


                      『キラ』
                            『キラ』

ベッドフレームの側面に、いつの間にか――――『ナイフ』が、突き刺さっている。
実体化したスタンドである『オールナイト・トレイン』には通常の刃物も『効いてしまう』。
突き立てられ動かないそれは、突如、『きらめき』ながら『現れた』ように見えた。

『???』:
「 なッ ………… !! 」

そして――――『足音の位置』に、『ほんの一瞬』だけだが、『若者』の姿が現れる。
ギリースーツのような纏うヴィジョン、リムレスの眼鏡……間違いない。見張りをしていた『テルヤ』だ。                                 



           ジワ ・・・

黒峰の脇腹から『血の赤』が滲み、『鋭い痛み』が走る。
だが、もし『オールナイト・トレイン』がいなければ……『出雲』に直撃していた軌道だ。
黒峰の傷は、致命ではない。『軽くは無い』が、『動ける程度』の傷。

テルヤの狙いは不明。だが間違いなく、『遂行』は出来ていない――――!

                           ダンッ

          『キラ』


「う、うわッ……!  !?」    「『手』ッ ・・・!?」

見えたのは、『ほんの一瞬』――――次の瞬間には地を蹴り、大きく『小石川の手』を避けるように動く。
とっさの事ゆえか、当たらない軌道だ、という事を判断できなかったのだろう。

・・・と同時に、彼の『姿が消えていく』! だが。

                      ガサッ  
                              ガサッ

                                    ―――― 『足元』の草は。

714小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/05(火) 21:28:54
>>712
>>713

  「――黒峰さん……!」

見えなくなっている間、『持っている物』も『不可視』になる。
かつて行動を共にした『フラジール・デイズ』と同じ性質。
そこに自分が思い至っていれば、
彼女は怪我を負わずに済んだのかもしれない。

  「……『いいえ』」

その言葉は、自分自身に対するものだ。
今すべきなのは『後悔』ではない。
これ以上、誰一人として傷付けさせはしない。
今は何よりも、『そのこと』を考えなければならない時だ。
そのための『手』は打っている――。

  「黒峰さん……私に『考え』があります」

『足音』は聞こえているのだから、『足の位置』は分かる。
そして、先程放った『手』は、既に『反転(>>711)』させている。
テルヤの背後に回り、その『足を掴む』ために(パス精DCC)。
せいぜい『子供の手に掴まれた』程度でしかないだろうし、
すぐに振り払われることは承知している。
だが、『一瞬の隙』を生じさせるには、それで十分。

  「私が『彼の動きを止めたら』――取り押さえて下さい」

黒峰に伝えると同時に、『歩き』から『走り』に切り替えて、
一気に距離を縮めに掛かる。
『スーサイド・ライフ』は『ナイフ』のヴィジョン。
テルヤは『接近戦』に持ち込まれることを警戒しているはず。
しかし、そのつもりは『ない』。
こちらの『本当の狙い』は――『4m』まで近付くこと。

715黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/06(水) 21:38:02
>>713-714
「いッ……た……!」

痛い、が、致命的ではない。
出雲に当たれば致命的だったかもしれないと思えば、むしろプラスだった。
小石川の言葉を受けてベッドの上に乗り、タオルケットを発現する。

716『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/08(金) 03:12:56
>>714(小石川)

『テルヤ』のスタンドに、かつての仲間の面影を見る。
『経験』は力――――『活かす』ことが出来るならば。
『小石川』は、『スタンド使い』として多くの経験を積んできた。
だからといって、常に『予想』が出来る敵とは限らない。
スタンドは無限の可能性を持つ。『結果』から探る事すら難しい。

だが……『己』を知る事は出来る。『戦い方』は、『経験』として積み上がる。

           ヒュ
                ウ
               ウ

      『ガシッ』


『テルヤ』:
「なッ 、う ……うわあァァッ!」

                      バシッ

              「手を……こ、こいつ『イズ』と似たタイプッ!?」

予想通り、『手』は簡単に振り払われる。予想外は、『想像以上に簡単だった』。
これには理由がある。『位置』は分かったが『脚の状態』は分からないこと。
『立ち止まっている』訳では無い以上、『触れられ』はしても『掴む』のは簡単ではない。
完全につかみ切ったならば『動きを止める』働きも出来ただろうが、
これはほとんど、『脚の動きに巻き込まれて弾かれた』に近い。

また――――『イズ』という『似た能力』を知っている事、
そしてそれが『小石川以上に攻撃的な能力』である事から、
『必要以上の警戒』を生んだ事も、あるのかもしれない。

>>715(黒峰)

動くと痛みが走る――――が、『動ける』。

            『ボフッ』

『オールナイト・トレイン』は『本体』を受け入れる。
眠るために最適な、特異な『スタンド』――――
その本領は、『寝るための道具』を発現出来る事。

       ファ
           サッ

『タオルケット』を一枚発現し、様子をうかがう。

>両者

        ザザッ

     「う」     『キラ …』

                「動きを抑えるだと……」

     ガサガサッ

姿は、既に完全に消えている。『見えない』敵をどう捉える?

                                    ガサッ 

               「俺の『マイ・ソロ・ホロウウォーク』の」


                         タッ

   「『見えない動き』を」
 
                      タッ

                         「抑えられるとでも……」

足元の草で、やはり『位置』は分かる。
走って近付く小石川から、距離を取ろうとしている。
だが『どういう状態なのか』は分かりづらい。

                              ―――まだ、あと『6m』。

『出雲』:
「……ナイフ!? すみません、おれを庇ってッ」

          「くっそッ……!」

                               『ギュリンッ』

『出雲』は苦虫を?み潰したように唸り、『腕だけのスタンド』に再び『針』を発現する。
だが、彼のスタンドに『小回り』の利く印象は無い。『見えない敵』に対する有効手が無いのは同じだろう。

――――『小石川』の立てる策、あるいは『黒峰』の機転が唯一の『打開』だ。

『テルヤ』は今こそ動転しているが、まだ『飛び道具』を持っている可能性もあり、
またイズが触れていたように彼以外の『第二第三の矢』が動き出していないとも限らない。

                あまり時間は掛けられない、かもしれない――――ここから、『どう動く』か。

717小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/08(金) 20:23:32
>>716

  「――……」

走り続けながら状況を確認する。
残り『6m』――『十分』だ。
『手』は動かさず、その場に残しておく。
テルヤから『2m離れる』まで。
彼は動いているのだから、こちらが動かさなければ、
勝手に距離は開いていくだろう。

まず、物陰の『指』(>>670)を使って『物音』を立て、
『僅かな時間』を作りたい。
先程は反応を得られなかったが、
逆に言えば『もう一度使える』。
もっとも、使い回しである以上、そこまでの期待はしていない。
この場にあるものは全て使い切る。
ただ、『それだけ』。

平行して、ポケットに入れておいた『指』(>>708)を、
テルヤがいると思われる方向に向けて、
『射出』(>>714)する(パス精DCC)。
自身の能力を語る『テルヤの声』を頼りに、
顔の辺りを狙って飛ばす。
完全に『予備動作ゼロ』で放たれる『飛び道具』。
それを『本体』から『2m』――
すなわち『テルヤまで4m』の地点で停止させる。
これの狙いは、テルヤの気を散らすことと、
『中継点』を設置するため。

『指弾』の『射出』から続けざまに、駆けてきた勢いを加えて、
左手の『スーサイド・ライフ』を投げ放つ(パス精CBB)。
テルヤは知る由もないことだが、
『スーサイド・ライフ』の射程距離は『2m』。
本来なら、投げたとしても『2m』までしか届かない。

                        パーツ
しかし、正確には『本体』か『いずれかの部位』から『2m』だ。

                    パーツ
つまり、『本体』と『目標』の間に『部位』を挟むことによって、
『射程距離の上乗せ』が可能になる。

『本体から指まで』で『2m』。
『指から手まで』で『4m』。
『手からテルヤまで』で『6m』。
『指』と『手』を『中継点』として、
『投げナイフ』(>>714)をテルヤまで届かせる。
先程テルヤも使った攻撃だが――
『ナイフの扱い』において、
『スーサイド・ライフ』は『プロフェッショナル』。

狙いは、テルヤの『脚』。
当てるのが難しいと判断した場合、気は進まないが、
より命中しやすいであろう『胴体』を狙う。
仮に外れたとしても『無視』は出来ないはず。
そこに隙が生じれば、黒峰のサポートにも繋げられる。
『武器を手放す』という『大きなリスク』は避けられないが、
『仲間』がいるからこそ、この『技』を使うことが出来る。

718小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/09(土) 15:16:31
>>717

『指』を放つ前、意図的に走るペースを落とし、
『指』を先行させる形とする。
こちらの速度が落ちることで距離が広がるだろうが、
それ以前に幾らかでも距離を縮めておけば、
実質的な差は軽微なものにできると判断する。

719黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/09(土) 22:41:02
>>716
小石川に合わせて『オールナイト・トレイン』でテルヤに向かって走り出す。
(小石川の攻撃の邪魔になりそうなら少し迂回する感じで)
声や足元の草を目安にして十分に接近したらすれ違いざまにタオルケットを被せる。
タオルケットの大きさがあれば多少大雑把でも引っかかりやすいだろう。
これでテルヤの動きや視界を制限し、同時に透明なテルヤを視認するための目印になる。
もちろんもたもたすればすぐ剥ぎ取られるので、すれ違ったあと即座に反転、位置的に小石川との挟み撃ちの形にしつつ『オールナイト・トレイン』の前足で押さえつける。

720『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/10(日) 23:46:45
>>717-718(小石川)
>>719(黒峰)

『小石川』の目論見は正しい。
『先ほどは反応されなかった』仕込みだが、
それは『黒峰の行動に隠れたから』だ。

『テルヤ』:
「う、ッ ・ ・ ・」

(――――違う、コイツのスタンドは『イズ』に似てるんだ)

        (物音はブラフで立てられる……!) 

つまり、『注意を惹く余地』が、まだ残っている。『一拍』。

          ヒュッ

                 「!? こ、このッ」

   『ピタッ』

     (――――!? フェイン、ト ・・・ナイフを無駄にするとこだったッ)
 
 (今攻撃を仕掛けるべきなのは『ベットのヤツ』の方だ、ウン!)

放った『指』は、さらに彼の注意を惹く。 ――――『二拍』。
『彼が何をしようとしたか』は見えないが、
『何かをしようとして、フェイントだと気づき、止めた』。 ――――『三拍』。

そして『発進』した『オールナイト・トレイン』の動きに反応せざるを得ない。『四拍』。
その『巨体』に見合わぬ速度に応じ、敵の『反撃』を掛けようと動いた、のだろう。

                     ば   さっ
                                     シュッ!

速度に乗せ、すれ違いざまに『タオルケット』を掛ける『黒峰』――
そのために伸ばした『手』に、一筋の切り傷が走る。
恐らく、刃物をまだ持っていたのだろう。痛みが遅れて来る。
とはいえ『深く斬り付ける』ほどには即応出来なかった。
小石川の放った指がゆえに、反応が遅れたのだろう。

その、反撃のために用いた、時間―――――『五拍』『六拍』『七拍』。

            ド
『テルヤ』:
「―――――――あッ?」

                        シュッ

それだけ『反応』が遅れたならば――――『速度の等しい一撃』を、回避は出来ない。
『指』を、『手』を、『中継点』とすることで『スーサイド・ライフ』の射程は『6m』に達する。
もっとも、精度が高くとも『動き回る』『透明な』的に正確に『直撃』させるのは困難な事だが、
しかしその点を、『黒峰』が被せ、抑えつけ、固定した『タオルケット』による『位置』の特定が埋める。

投じられた『スーサイド・ライフ』は、『テルヤ』の脚を深く切り裂き――――後方の地面に突き立てられた。 
射程はぎりぎり、手から『2m』範囲内。『強制解除』には至らないが、『小石川』は一時的に武器を失う。   

                         ボトッ …
                                      ボトッ … 

「う ……ぐ、なんだ……『布』……斬られたッ……」


だが。引き換えに得たものは大きい。脚を切り裂き、タオルケットをかぶせ、そして位置取りとして『挟みこんだ』。

721小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/11(月) 19:03:42
>>720

『スーサイド・ライフ』にとって、
『ヴィジョン』である『ナイフ』は『能力の核』だ。
それを手放してしまった時点で、戦力の大部分は失われる。
しかし、『何も出来ない』訳ではない。

  「『出雲さん』――お願いします……!」

『針』を構える出雲に向かって呼び掛ける。
『タオルケット』によって位置が特定された今なら、
命中させられるかもしれない。
それが不可能だったとしても問題はない。
この行動の一番の目的は、
『テルヤに出雲の存在を意識させること』なのだから。
『攻撃が来る』と思わせることで、
注意を散漫にさせる効果を狙う。

もし『投げナイフ』がテルヤに突き刺さっていた場合、
『手』で『スーサイド・ライフ』を掴んで(>>717)、
そのまま追撃を行うつもりだった。
だが、『スーサイド・ライフ』は地面に突き立っている。
すぐに回収することも考えたが、
今は攻める方を優先しなくてはいけない。

 パーツ
『部位』の射程は最大『10m』。
本体からテルヤまでは『6m』だから、『射程圏内』だ。
テルヤから『2m』の位置にある『手』を操作し、
『負傷している方の足』を掴んで『引っ張る』(パス精DCC)。
もし『出血』が見えるのであれば、簡単に見分けはつく。
先程は容易く振り払われてしまったが、
ダメージを負った分だけ力は落ちているはず。
僅かな時間稼ぎにしかならないかもしれない。
それでも、既に接近している黒峰の援護には十分だろう。

余裕があれば、『物陰』に設置してある『指』を引き戻す。
音で注意を引く手は使ってしまった以上、
もう残していても意味はない。
                  パーツ
『ナイフ』を捨てた今、使える『部位』は一つでも多くする。
足を掴むのが最優先なので、
そちらに支障を来たすようであれば止めておく。
また、『外』に置いてきた『耳』で、
『タクシーの音』が聞こえないかどうかを確認したい。

722黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/12(火) 23:23:31
>>720
「ぐ、……刃物……っ!」

(武器を手元に残すのは、当然といえば……当然……!
 ……幸い、まだ致命的な攻撃は受けていませんが……見えない刃は厄介ですね……)

『オールナイト・トレイン』から降りつつ、ふかふかの羽毛布団を発現して『オールナイト・トレイン』の両手で持たせておく。
タオルケットを被ったままでも刃物をやたらめったらに振り回すことは可能だろうが、しかしそれはせいぜい腰くらいの高さまでで足元にまで下げることはないだろう。
あるいはタオルケットを払ったり『タオルケットを透明化する』可能性もあるが、その場合でも黒峰はテルヤの背後側にいるので反応は遅れることになる。
いずれにせよ『屈んで足払い』すれば、まず間違いなく反撃を受けずに転ばせることができるはず。

723『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/14(木) 21:15:36
>>721(小石川)

『出雲』:
「………………了解、ッス!」

                ダ   ダッ

出雲は――――小石川の言葉に、『敵』へと『針』を投じる!

『テルヤ』:
「――――!? ああぁッ!?」

               『ザスッ』

『出雲』:
「……っ、『タオル』だけ」

――――が、これは『命中』しなかった。
厳密に言えば、命中はした。だが突き立てられたのは『タオルケット』に、だ。
出雲の表情を見るに、それは『望ましい』結果ではなかったらしく、
実際『レイト』がそうなったような『動きの繰り返し』も見られない。

『出雲』:
「―――――――――『直撃』させられなかった、ッスかッ!」

          『シュン』

針は即座に『解除』される。自動ではなく、出雲の意志らしい。
いずれにせよ、出血は『見えない』が、足元の草が『血に濡れる』のは見える。

                『ガシッ』

『テルヤ』:
「うっ……!?」

             ドッ

ゆえに、『足を引っ張る』のはさほど難しい事ではない。
出雲の投擲で、気を『足元』から彼の方へ引かれていたのも関係したか、
ほとんど抵抗らしい抵抗も出来ないままに、血濡れの足は姿勢を崩す。

そこに『黒峰』の放った『足払い』が合わされば――――テルヤは、あっけなく転倒する!

>>722(黒峰)

スタンドから降り、『羽毛布団』を発現し――――ここで問題が起きる。

『オールナイト・トレイン』は『四足獣』のスタンド。
両の前足で『抑えておく』事は出来ても、『保持』は困難だ。
とはいえ、発現自体は出来た。また『黒峰』が今背後に回っていて、
足払いを掛ければ『転ばせる』ことが出来るのは――――

『テルヤ』:
「うッ……!?」

                ドッ 

『事実』だ。

加えて『小石川』が『手』によって足を引っ張った事も重なる。敵は完全に転倒する!

>両者

そう、転倒したのだ――――それは『タオルケット』抜きでも分かる。
足元の草や、血痕などを見るまでも無い。

             『キラ』

                   『キラ』


『テルヤ』:
「し、しまッ…………」


地面に尻餅をつかされた状態で、『ギリースーツ』を纏った男が再び現れた。
右手には『ナイフ』――――特別なつくりなどには見えない。普通の市販品。
彼のヴィジョンからは急速に『きらめき』が失われていくのも、また見える。

          ダッ

『出雲』:
「……流石! もう『かくれんぼ』は終わりッス、ここで『動きを止める』ッ!!」

                    ダッ

『テルヤ』:
「ま、待…………ぐ、くッ、こんな…………!」

それを見た出雲は、針を投じ終えた腕を追随させ、敵へと駆けよる―――――!

724小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/14(木) 23:27:13
>>723

  「――『テルヤさん』」

おそらく、『決着』は近い――と思う。
今までの様子を見ると、ここから逆転するような手段を、
テルヤが隠し持っているとは考えにくい。
そんな策があるなら、とっくに使っているだろう。

  「……ごめんなさい」

ただ、最後まで『油断』は出来ない。
出雲が接近する前に、『本体』でテルヤに『1m』近付き、
『手』を浮遊させる。
そして――『脚の傷』に『爪を立てる』(パス精DCC)。
これで、『出雲の攻撃』が完了するまでの時間を稼ぐ。
もう不要かもしれないが、『指』を引き戻せたなら、
両方とも本体の傍らに待機させておく。

  「『出雲さん』――お任せします」

念のため、『目』で周囲を再確認する。
イズの言い残した『別の新手』が来ていないかどうか。
それを確かめる。

725黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/16(土) 23:23:25
>>723
「抵抗は……させません……!」

羽毛布団に『オールナイト・トレイン』の爪を引っ掛けて、テルヤの右手のナイフに突き刺さるように被せて押さえつける。
これで布団に刺さったナイフは振り回せず、手放さない限り右手も自由に動かせない。
(小石川や出雲の邪魔にならないよう右手のみを拘束)

726『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/17(日) 23:25:08
>>725(黒峰)
>両者

『テルヤ』:
「あ……謝るくらいなら、止めッ……こ、こんな……!」

             「ぐ」

               「ああッ!?」

足に立てた『爪』が、『集中力』を奪う。
そして『オールナイト・トレイン』の『羽毛布団』が、
柔らかく、静かに、破壊一つ伴わず『武器』を奪う。

「こんな、よ……よせよッ! おれを殺したら『あの人』が黙っ――――」

――――『スタンド使い』にとっては、両翼を?がれたようなもの。

『見えざる難敵』……その衣は、もはや完全に剥がれた。
習熟した『スーサイド・ライフ』の超絶技巧と、
『オールナイト・トレイン』の破壊力と多様な手札。
この終幕に居合わせた二人が、『無力化』に成功した。

『出雲』:
「――――――――――ッラァァァァッ!!!!!」

                   ド

                       ご
                         ォッ!!!

『テルヤ』:
「あがッ ……」

                      ――――― ドサ

                              『シュゥゥゥーーー ・・・』

そして出雲のスタンドの『掌底』が、
『難敵』の顎を打ち抜き――――仰向けに、『気絶』せしめた。

『出雲』:
「……殺しちゃいないッス。『イレテ・ユンヌ・ファワ』……『精度』は、中々のもんッスから」

           オ

                  オ
                          オ
                                 ォォォ
                                        ォ  ・・・・

「……おれ一人じゃ、こいつ一人でも『危なかった』」

「上手く言えないんで……シンプルに言うッス。……『ありがとう』」

風が静かに、しかし確かに唸る。『紅鏡町』の――――そして一同の危機は、ひとまず『排除』した。

>>724(小石川)

今の所『新手』がやってくる気配はない。
注意喚起の言葉は、慎重すぎる彼ゆえの杞憂だろうか?
それとも……いずれにせよ、『長居』をするほど『その危険』は増す。

そして。

                         ―――― ブロロロ

『耳』の方は、目当ての『音』を拾った。車が来る。『タクシー』で間違いあるまい。

727小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/18(月) 15:45:02
>>726

  「――……『終わった』ようですね」

張り詰めていた緊張が、緩やかに治まっていく。
イズ達は去り、テルヤは倒れた。
『目に見える脅威は消えた』と考えていいだろう。
しかし、まだ問題は残っている。
『これからどうするか』ということだ。

         スッ

『手』を使って『スーサイド・ライフ』を地面から引き抜く。
続けて『手』と『指』を『接合』。
『目』と『耳』は残しておく。
テルヤを送り込んだのは『狡猾』な人物。
最後まで油断は出来ない。

  「黒峰さん――傷の手当てを……」

バッグの中には持参した『包帯』が入っている。
本来は、自傷した際に使うために常備しているものだ。
それを使って、黒峰の脇腹を止血したい。
使い慣れているので、もたつくことはないと思う。
『スーサイド・ライフ』が邪魔になるなら、脚に刺しておく。

  「……『外』に『タクシー』が到着したようです」

そして、テルヤの脚にも同じように『包帯』を巻く。
きっと、彼が傷付くことで悲しむ人間もいるだろう。
出来る限り、もう誰も傷付かないようにしたい。
彼を傷付けてしまった自分に、
そんなことを思う資格はないのかもしれない。
それでも、このまま放っておくことは出来なかった。

  「出雲さん――あなたの助けがあったからこそです……」

  「……『お願い』があります。
   彼の――笹暮さんの話を聞いて頂けませんか?」

笹暮に近付き、口元を覆っている布を、
『スーサイド・ライフ』で切除する。
それから、出雲の方に向き直る。
出雲の同意が得られるならば、脅威が去った今、
笹暮も『当初の目的』を遂げることが出来るはず。

728黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/19(火) 20:30:01
>>726-727
「……ありがとうございます、小石川さん……」

ありがたく手当を受けておく。
ほぼ自分の仕事は終えた。
到着した天雨達に説明する必要があるし、ついでにスマホを回収する必要もある。

「私は外へ出ようと思いますが……彼はどうしましょう……?」

テルヤを指す。

729『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/20(水) 21:18:01
>>727(小石川)
>>728(黒峰)

そう、『終わった』……小石川はその言葉に、『実感』を覚える。
紅鏡町と出雲、或いは『鞘と刃』の全てが終わったわけではあるまい。
第二・第三の危機が『いつか』『どこかで』あるかもしれない。
だが今日巻き込まれた者としての戦い、『イズ』一味との戦いは幕引きだ。

小石川の『目』にタクシーが見えた。『帰りの足』もアレで不足は無いだろう。
その気になれば、もういつでも『紅鏡町』を離れる事は出来る…………
(※以降、希望する時点で『離脱』可能。ただし表明後にも1〜2レスは続く場合も有)

そして小石川は黒峰に、そして…………『テルヤ』にさえ包帯を巻く。
どちらも重傷という程ではない。しばらくは痛むかもしれないが、『無事』だ。
敵さえ『労わる』その行為に、出雲は意外そうな顔こそするが止めはしない。

『出雲』:
「コイツは……気に掛かる存在では、あるッス。
 でもおれがここで『尋問』したってどうなるわけでもない」

「それに――――『その筋の人間』が、やる気みたいッスから」

ずれた飛行帽を手で直しながら、出雲は『笹暮』を見やる。
その口を覆う布を、『スーサイド・ライフ』が切り裂いた。

『笹暮』:
「ゲホッ………………ああ……まずは、『感謝』を。しなくてはならない。
 俺の任務が……果たせるのは、お前達のおかげだ……間違いなく」

「いや……それ以前に、こうして生きて話が出来ているのも、だ。……礼を言いたい」

笹暮は、深く頭を下げる……『小石川』への恩義は殊更に強いだろう。
そして、タイミングは偶然の一致……彼の『組み替えられて』いた部分が、
元通りに『戻って』いく。『デストルドー』の能力射程か、持続時間の経過か。

『笹暮』:
「……その男の身柄は、『アリーナ』で確保させていただきたい。
 根本的な疑問が残ってる……『なぜ俺がここに来る事がバレていた』?
 いや……そもそも何故『ここ』の存在を知って動けていたのか。
 ……『イズ』の背後にいる者が『情報系』というだけなら話は早いが」
 
「その『協力者』について……『アリーナ』は、知る『責任』がある。
 簡単に口を割るか……『こいつ自身ちゃんと知っているのか』も、分からないが」

立ち上がる事は叶わないようだが、
笹暮は緩慢な動作で身を起こす。

『笹暮』:
「だが……今はそれより、『任務』を果たさねばならない」

「……この空間を『維持』するスタンド使い。
 その風貌……お前で、間違いないようだが」

彼の任務は、紅鏡町を維持するスタンド使いとの接触だった。
……『出雲』を探していた。それが今、この場で叶っていた。

『出雲』:
「…………だったら? 外に迷惑は、掛けてないつもりッス。
 迷い込んだ人間が出たのも……『外から穴を開けられた』から」

「まあそりゃ……話すくらいはしても良い、ッスけど」

出雲は、複雑な表情でそれに応える。
攻撃的な拒絶ではなかったが、『愉快』そうには見ていない。
穴を開けたのが笹暮であるとハッキリ理解していれば尚更だったろう。

『笹暮』:
「………………余裕もない。単刀直入に言おう。
 大まかな人物像と、『能力』についてだけで
 『詳しい事』こそ聞かされていなかった……
 だが、俺がここに来た理由は『お前』にある。
 お前という存在について……『推薦』を受けた」

笹暮はその様子に何事かを思案する風だったが、
やがて重い口を開く。『剣呑さ』は、見られない。

「この『町』を出て、『アリーナ』に来て欲しい…………俺は、『スカウト』だ」

730小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/20(水) 23:11:20
>>728-729

  「……分かりました」

笹暮に対して、小さく首を縦に振る。
テルヤの身柄を『アリーナ』が確保する。
それが最も現実的な方法だろう。
テルヤの行く末は気掛かりだったが、
『見逃す』ことは新たな災いを招きかねない。
そうしたとして、『情報源』であるテルヤ自身も、
無事でいられる保障はないのだから。

ただ、テルヤから情報を引き出すのが簡単とは思えない。
抜け目のない人物なら、
自分の部下が捕まった場合のことも考慮しているはず。
口の堅い人間を送るか、あるいは重要な情報は教えないか。
いずれにしても、対策はしていると考えるのが自然だ。
しかし、そのことについて自分が考えたとしても仕方がない。

  「黒峰さん――『外』の方は、お任せします」

天雨達への状況説明は黒峰に一任し、この場に残る。
笹暮の話には、まだ続きがありそうだ。
普通、何の見返りもなしに、
『スカウト』が成功するとは考えにくい。
『アリーナ』側も、そのことは理解しているはず。
何らかの『交渉材料』がある――と思える。

だが、出雲の『紅鏡町』に対する執着心は、
並大抵のものではない。
余程のことがない限り、承知することは有り得ないだろう。
もし自分が彼の立場だったとしても、そうするからだ。
『死に別れた愛する人』と再び出会えるのなら、
そのために全てを捧げられる。
私も――そう思う。

731小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/21(木) 01:12:15
>>730

  「――彼は『外』へ連れて行きましょう」

  「黒峰さん……お願い出来ますか?」

倒れているテルヤに肩を貸して、その身体を起こす。
黒峰が承諾してくれるなら、『オールナイト・トレイン』の上に、
テルヤを寝かせておきたい。
彼が持っていたナイフは取り上げて、バッグの中に収めておく。

732黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/21(木) 21:23:35
>>729
「了解です……」

テルヤを『オールナイト・トレイン』に乗せて外へ出る。
スマホを回収し、天雨達に状況を説明。

733『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/22(金) 02:05:46
>>730-731(小石川)

『黒峰』に外を任せる――――『タクシー』は帰りの足でもある。
場合によっては、彼女はそのままそれに乗り込む事になるだろう。
『幕』は既に引きつつある。今『紅鏡町』で紡がれるのは、『その先』だ。
運び出されるテルヤを一瞥する笹暮に、出雲は言葉を返す。

『出雲』:
「…………言っちゃなんスけど、
 ここにいれば、なにも困らないんスよ。
 出る理由も、あんたらに付く理由も無い。
 おれは『今に満足して』……」

出雲の『紅鏡町』への執着は、小石川にとっては重なるものだ。
笹暮とて、『何も知らない』で臨んでいるはずはない。

『笹暮』:
「………………『お前を推薦した者』は。そうは考えていない」

その声色は、自信とまでは言えないが裏付けが感じられる。

『出雲』:
「……おれの考えの、何が分かると?」

『笹暮』:
「さあ、な。俺には分からん…………
 だが……浅い読みではあるが、
 『能力』に限度があるのは推測できる。
 空間の方も……維持をするお前の方も」

『出雲』:
「ハッ! おれの『イレテ・ユンヌ・フォワ』にッ、限度なんて……」

対する出雲の声には、徐々に不信が滲んでいた。
負傷者である笹暮に対してだからこそ、
あるいは小石川が立ち会っているからこそ、
己を抑えている部分もあるのだろう、と思わせる。

『笹暮』:
「それに」

「『お前の会いたがっている人間』には……
 もっと深い所で、分かるのかもしれない」

『出雲』:
「……は……ッ!?」

その『熱』が、笹暮の言葉を聴いて漏れた『疑問符』の中で、霧散したようだった。

>>732(黒峰)

スマートフォンは無事に回収できた。
テルヤを乗せた『オールナイト・トレイン』を連れて、
黒峰は『外』……天雨と緑里に、合流する。

『緑里』:
「なるほど……ひとまずは『解決』、って事ですね〜」

           「『大元』の黒幕は、ともかく」

『天雨』:
「ええ……そのようですわね。
 つまり、『安全が確保された』とは言えない。
 この場からは、一刻も早く離れるべきですわ。
 少なくとも……『残る理由がない』者は」

            ス…

天雨は『タクシー』の後部座席を指さす。
彼女自身、会話のために降車はしているが、
増援が不要となった今『長居』のつもりは無いらしく、
手荷物などは車内に残しているのが見えた。

「黒峰さん。小石川さんは……やっぱり、
 ここからすぐに離れるつもりは、無いようだったかしら?」

『緑里』:
「『多少』なら待つべきでしょ〜けどね、そこは『話通り』なんでしょ?」

           「『帰りの手段は自分で考える』って。……薄情ですけど〜。
              待ってる内に『敵の増援が来た』じゃ、お話にならないですよ」

『天雨』:
「……ええ、残ると言っていたのは彼女自身の意志。
 『リスク』を度外視してまで、そのフォローに回るのは『合理』を欠く……けれど」

「…………気が変わった可能性もありますわ。待てる範囲では、待ちましょう」

車に乗り込めば、後は小石川を待つ事になる。積極的に動く理由は終わる。
何かやり残した事……あるいは気がかりなどがなければ、『乗り込む』事を選ぶべきと感じた。

(※車に乗り込む場合は、当ミッションでの『黒峰』PCのレスは『何もなければ』それが最終になります)

734小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/22(金) 13:33:11
>>733

『推薦者』――
その人物が笹暮を動かした存在だと考えていい。
テルヤの上司と同じく『指示する者』。
全く気にならないと言えば嘘になる。
しかし、それについて尋ねることはしない。
不用意に話を拗れさせる要因に成り得る。
笹暮が答えるとは限らないし、
全てを知っている訳ではないかもしれない。
いずれにせよ、出雲も言及していない以上、
こちらから聞く必要は感じない。

  「――出雲さん」

  「『なぜ応答が無いのか』……ご存知ですか?」

出雲に動揺が生じた隙に口を挟む。
『小角』の協力で得た『情報』。
この瞬間、それを活かせる。

  「『あなたのため』です」

  「『紅鏡町』が在る限り、今回のように、
   あなたに危険が及ぶ可能性が残り続ける」
   
  「だから――呼び掛けても『応答しない』」

  「一度でも会えば、また会いたくなってしまうから……」

  「あなたを思うからこそ……『会いたくても会わない』のです」

笹暮の説得を援護するという理由もある。
ただ、それ以上に強いのは、
『事実』を伝えておきたいという気持ちだ。
このままでは、お互いの思いが分からないまま、
ずっと擦れ違い続けてしまうだろう。
出雲は『呼び掛け』を続け、相手は拒否し続ける。
その時間を永遠に『繰り返す』というのは、
あまりにも『残酷』すぎる。

735黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2020/05/22(金) 22:44:09
>>733
「中で話がどうなるかわかりませんが……私が別れた時点では、『すぐに戻る』というふうでは無かったように思います……」

車に乗り込む。

736『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/24(日) 03:20:47
>>734(小石川)

踏み込めば『聞ける』可能性はあるにせよ、
小石川は『聞かない』事に意味を見出す。
最良かは分からないが、『正しい』考えだろう。
説得が重なったからか、笹暮も言及はしない。

そして、その『説得』もまた――――――

『出雲』:
「……………………………そう、なんスね」

出雲に、それを信ずるにたる『根拠』は無い。
『小角』の『イル・ソン・パティ』の能力は、
彼女の能力が『事実』と知り、また信じる事でこそ、
情報の『確度』を保証するもの……『信じさせる』効果は無い。

だが、『小石川』の言葉には『実感』があった。
『聴こえのいい言葉』ではない、『熱』があった。
あるいは、小石川という人間への信頼からかもしれない。
あるいは、『出雲』の中に、『その可能性』は埋火として燻り、
真に迫った言葉がそれを燃やしたのかもしれない――――

彼はしばらく、地面を見ていた。あるいは、己が立つ『紅鏡町』を。

『笹暮』:
「『会いたい人間』に会う方法は、待つだけとは限らない」

そして笹暮が、示唆的に言葉を続ける。

「……『なぜ、この場所を俺が知っているのか』。
 俺には……単に『ここを教えられた』というだけの事。
 『上はなぜ知っているのか』……それは詳しくないし、
 大きな意味があるとも、考えてはいなかったが………」
 
黙する出雲に、言葉を続ける。
『この町を作った人間以外、この町』

「お前にとっては……それは、大きな『意味』があるはず」

彼がそれをどう受け取っているのかは、分からない。
だが、『小石川』の説得を受けた時点で――――彼の揺らぎは、既に。

『出雲』:
「……………ここには。『おれの記憶』と『あいつの存在』だけはあった」

             「悲しくっても」

                   「ホンモノじゃなくても」

「記憶の中の『あの町』があった。……『仲間』たちが、いたんス。
 それを形作ってる……あいつの『能力』も、間違いなくあった。
 あいつの能力なら……ここでなら、また会えると思ってた。
 残し続けてれば、会いたい時に会えはしなくても、『いつか』……」

「来てくれると……思ってたんス」            

  「……だから繰り返し続けた。何度も、何度も、何度も、何度も、この町を」 
  
                          「…………」
               クルッ

彼は、『歩き出す』――――『出口』ではなく、『紅鏡町』の中へ。

「…………」

「お別れを、してきます。『長居は危険』――――分かってる。                                            
                     それでも、この町に……おれの『挽歌』に」            

                                        「さよならを」

737『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/24(日) 03:21:15
>>735(黒峰)

『緑里』:
「ま〜〜〜………俺らに出来るのは、『待つ』か『行く』か」

      「とりあえず……もうちょっとは、待ちますか〜〜〜」

                       ・ ・ ・  バタン

車のドアが閉まる。
カーシートに背を預けると、
疲労と、負傷による倦怠感が黒峰にのしかかる。

『天雨』:
「…………少なくとも一般人が無事に帰れたのは、きっと、
 貴女という『抑止力』がこちらにいると、相手が知っていたのも大きい。
 やれることは、全てやりましたわ。貴女は……『責務』を果たした。
 それだけは、間違いない事……あとは、彼女もそうある事を信じましょう」

小石川は町の中で、『何か』を成し遂げるのだろうか――――
あえて介入する事を選ばないなら、『待つ』事が最大の貢献にもなり得る。
落ちていく意識は、黒峰を、久方ぶりに感じる『眠り』へと誘う ・・・

つまり――――この『不思議な町』で起きたことは、起きて見ていた『現実』だ。
次に目を覚ましても消えない『記憶』として、それを持ち帰る事が、出来るだろう。

             黒峰 唯『オールナイト・トレイン』  →  『紅鏡町』から脱する。

(★報酬、負傷などの『リザルト』は全体の終了をもう少々お待ちください)

738小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/24(日) 11:29:40
>>736

根拠を示せない以上、否定されることは覚悟の上だった。
だが、そんなことは関係ない。
やれるだけのことをしておきたかったという、それだけのこと。

  「笹暮さん、少しだけ待っていて下さい」

笹暮の言葉からは、複雑な背景の存在が窺い知れる。
しかし、それを自分が知らなければならない理由は薄いだろう。
心に引っ掛かったのは、そこではない。

  ――『治生さん』……。

『会いたい人間に会う方法』――
その一言が心の中で強く響いた。
『この命を絶てば会える』という甘美な誘惑が、
胸の奥に生じる。
無意識にバッグを探り、『自傷用』の『果物ナイフ』を取り出す。
それを手にしたまま、両目を深く閉じる。
まもなく、静かに『ナイフ』をバッグの中に戻した。

  「……近くまで、ご一緒します」

出雲は、これから『別れの挨拶』に向かおうとしている。
そんな時に『血』を見せてしまっては、
最後の場面に水を差すことになる。
『目』と『耳』を『接合』し、『スーサイド・ライフ』を『完全解除』。
帽子のつばに両手を添えて角度を水平に戻し、
居住まいを正して出雲の後に続く。
『紅鏡町』の終焉を見届けるために。

739『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/24(日) 23:09:44
>>738(小石川)

複雑に入り組んだ背景を知らなくとも、人は『本質』に近づける。
笹暮の『示唆』するような話し振りには『意味』があるのだろうが、
考え尽くした言葉より、小石川の『共感』が、より彼に近かった。

        『シュ ン ・・・』

この『戦い』の中で活用し尽くした『スーサイド・ライフ』が、消えた。
超長期の発現となったが、その刃には不思議な程に『活力』を感じた。

              ザッ …

                   ザッ…

『笹暮』:
「ああ……仕事柄、待つのは得意だ。
 ……そいつを『外に出そうとした』以上、そうする『責任』もある」

「ここで待つ……どうせ、動き回れる身体でもないからな」


笹暮を背に、出雲は…………小石川は、『紅鏡町』の中へと歩いていく。
彼は小石川の同行に礼は言わない。が、止める事もない。最後の巡礼へと、歩くだけ。

          ザッ…

『出雲』:
「………………………」


風景は移り変わる。森を抜け、遊園地が見える。遠景には赤い屋根の群れ。
出雲は、無言でカメラのシャッターを切りながら、歩いていく。
 
               ザッ…

この歩程は、彼にとっては無限に等しい時間かもしれないが……小石川にも十分な時間ではある。

                   ザッ

出雲は、遊園地の敷地から覗く観覧車を見上げ、歩く。
特別な想いは、この町の全てに対してあるのだろう。
その全てに時間を割けない事も、彼は理解していた。

彼に何か……あるいはそれ以外でも、『何か』到着までにする事があれば、今のうちかもしれない。

740小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/25(月) 20:24:58
>>739

  ザッ……

『赤』に彩られた奇妙な世界――『紅鏡町』を歩く。
誰も知らない町。
本来ならば存在しない町。
『維持者』である出雲の力が働かなくなれば、
一時の幻のように消えてしまうのだろう。
これから訪れるであろう『結末』を思うと、
この町の儚さが一際強いものに感じられた。

          スゥ……

出雲の背中から、『右手の指輪』に視線を移す。
『左手の指輪』と対になった『形見の指輪』。
しばらくの間、目線を落として指輪を見つめていた。
有り得ないと思いながらも、『彼の声』が聞こえることを、
心の何処かで期待していたのかもしれない。
この耳を打つのは、どこまでも続く『静寂』だけ。

私は『彼』に会うことは出来ない。
会いたいと思ったことは何度もある。
いっそ一思いに自分の喉を掻き切り、
命を断ち切りたい衝動に駆られたことは数え切れない。
しかし、その度に辛うじて踏み止まった。
『生きなければならない理由』があるから。

この胸には『約束』がある。
『彼の命の分まで生きる』という誓い。
顔を合わせることも、声を聞くことも叶わない。
それでも――約束がある限り、この『想い』を貫くことが出来る。
『真の愛』とは『死を超越する愛』だと、私は信じている。

出雲の考えは分からない。
彼も、私の考えは分からないのだから。
ただ、この瞬間――私は彼に自分自身を重ねて見ていた。
だからこそ、出雲の心が救われることを心から願った。
私が彼に同行したのは、そのためだったのかもしれない。

                     ザッ……

741『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/26(火) 03:56:19
>>740

赤い空。赤い建物。その中で生きる人々も、夢幻。
紅鏡町の風景は――――『偽り』だとしても、
生きた町として小石川の視界の中を流れていく。
町は、その終わりを悟る事なくただそこにある。

            ザッ

                ザッ


『出雲』:
「…………『なくなった』ものは、二度と見る事が出来ない」

           ザッ

「でも、『また見たい』って気持ちは『あっていい』と思うんス」

小石川に、話しているのか。独り言なのかは、読み取りづらい。

                   ザッ

「そして……『それが叶うことがあっても良い』……」

「この世界には『スタンド』がある……先に進んで、
 進んで、進み続ければ……いつか『奇跡』もあるかもしれない」

                     「でも」

        ザッ

                ――――  ザッ

「もし『叶わない』としても……時間はきっと、先に進めなきゃ、いけないんスよね」

―――― ・・・ やがて、出雲が足を止めたのは『日時計広場』だった。

「今から、この町を『終わらせ』ます……『イレテ・ユンヌ・フォア』。
 時計の針で『時間を繰り返す』能力……創り出せるのは、『秒針』『長針』『短針』」

                          『ズギュン!』              

「そして『日時計』の『指針』――――この町は『1日』を繰り返してた。
 『もう存在できない』現実にたどり着かずに……ずっと同じ夢を繰り返して、
 ずっと続けて来た。おれのスタンドには、そうする事が出来たし、
 おれはそうする事しか、出来なかった。『終わらせたくなかった』」
 
「町も……そこにいる仲間も、町を作るあいつの力が、ここに残り続ける事も」

出雲は、日時計の『指針』の前に立ち、『イレテ・ユンヌ・フォア』の腕を発現する。
 
「……おれの『日時計』を消せば、『繰り返す時』は終わる」

      ザッ

「つまり、『維持できなくなった』世界は『解除』されます。……ここは本当は、『もう存在しない町』」

                 「おれの記憶の中にだけ、ずっと残す町だから」

螺旋状に構成された赤い外骨格を纏う、漆黒の豪腕が、その『指針』へと、ゆっくりと伸びる。

742小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/26(火) 18:13:32
>>741

出雲の『イレテ・ユンヌ・フォア』と、自身の『スーサイド・ライフ』。
似通っている部分があったとしても、
彼と自分は同じ人間ではない。
辿って来た『道筋』や、その先に得た『結論』が違うのは当然だ。
互いに宿る『精神の象徴』の差異が、
それを浮き彫りにしているように感じた。
しかし、『共感』する事は出来る。
この町を残したかったという気持ちも、
また会いたいと願う気持ちも、痛い程に分かる。
その彼に対して、自分が出来ることは何か。

  「『ここ』に『私』がいます」

  「『あなたの選択』を『ここ』で見届けます」

『命』は永遠ではない。
あらゆる要因によって、いつの日か『終わり』を迎える。
だが、そこで全てが終わりではない。
残された者が『記憶』として引き継ぎ、
『未来』に繋げていくことが出来る。
『彼』が、私の心に思い出を残してくれたように。
『紅鏡町』の根源が、出雲の心に深く根ざしているように。
そして、『出雲の選択』を、自分が見届けることが出来るように。
連綿と続く一本の絹糸のように、
果てしなく紡いでいくことが出来る。
その一端は、『ここ』にある。

  「『私』は――『それ』を決して忘れません」

この町の存在、この町の人々、この町で起きた出来事。
それらの全てを、生きている限り記憶し続ける。
それが――『私に出来ること』なのだろう。

  「……『あなた』は、どう思っているのですか?」

呟くように発した言葉は、
まだ見ぬ『紅鏡町の本体』に向けられたものだった。
このまま何も告げることなく、
全ての思いを胸の奥に閉じ込めたまま、
出雲と別れるつもりなのか。
私には『約束』があった。
それがあったからこそ、今日まで生きてこられた。
もし、それがなかったとすれば、既に命を絶っていただろう。

  「『そうする』のが心からの本心なら……私は止めません」

  「『そうでない』のなら……」

だから、私は『そう言った』のかもしれない。
本当に『これでいいのか』どうか。
それが、『二人』にとっての『救い』になるのだろうか。
『出雲が救われること』を願う。
同時に、『出雲が想う相手が救われること』を願っている。

743『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/27(水) 23:53:16
>>742(小石川)


小石川が発したつぶやきに、『答え』は帰ってこない。
だが、いつの間にか遠くに――――視界の端に『少女』が立っていた。
訪れた『遊園地』の、パレードの隊服のような衣装を着た、年若い少女。
小石川に、小さく頷く。

                   スッ ――――

『出雲』:
「…………小石川さん、貴女は『強い』ッス。
 『優しい』から……あなたの強さは人にも伝播する。
 周りの人間の背を支える、その『優しさ』が『強い』」

「もう一度言わせてください。 ……『ありがとう』」

       『カチッ』


             「―――――――――――『さよなら』」

二つ目の言葉は、小石川に向けられたものでは無いのだろう。
『イレテ・ユンヌ・フォア』の手が『指針』に触れ、それらが共に『消えた』。

                       
                   ジジッ 
                               ジジジ ・・・


『赤い空』が、ほころびを見せ始める。
急速にではないが、ごく緩やかに、本来の『終わり』を思い出していた。

                   ジジ 

『???』:
「ええ―――――――――――『さよなら』」

        「この夢は醒めなきゃいけないの。
         あなたのために。全ての人のために」

            「でも、『夢』は何度だって見られるもの。
             覚えててくれるなら。いつか幸せな夢で」

少女の声が、世界に響く――――その姿は、ふと、消えていた。


        「――――――『またね』」


彼女が『何』だったのかは、『出雲』にしか分からないのだろう。


『出雲』:
「………………………っ」


彼は一度だけ振り返り、そして『今』へと歩き出す。
『小石川』も、何かすることが無いのであれば、それに着いて出ていくのが良さそうだ。
 
                ――――そしてそれは、この町の『幕引き』を意味する。
                       だが幕が閉じても、物語は『演者』の記憶に残るものだ。

744小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/28(木) 05:05:38
>>743

『幻の町』を繋ぎ止めていた『力』が消え、『終わりが始まる』。
世界が静かな終焉を迎える中、無言のまま、ただ佇んでいた。
全ての発端となった『二人の別れ』を見守るために。
自分に出来ることは、言葉を掛けることでも、
他の何かをすることでもない。
『全てを見届けること』――この瞬間、
それが自分の成すべきことなのだから。

  「今すぐでなくとも――」

『少女』が消えた後、半ば無意識の内に口を開く。
それは出雲に向けたものだったのか。
それとも自分自身に向けたものだったのだろうか。
あるいは、両方だったのかもしれない。
いずれにしても、言葉を紡いでいたのは確かだった。

  「いつか、きっと――」

『先』に歩き出す出雲の背中を見つめる。
それから、『少女が立っていた場所』に視線を移す。
何もない『空白』に向けて、私は言葉を送る。

  「だから――『待っていて下さい』」

おそらく、何十年も後のことになるだろう。
『五十年後』かもしれないし、『六十年後』かもしれない。
その間、耳元で囁く『誘惑』に耐えて生き続け、
長い時間を待たなければならない。
それでも、いつか『会える時』が来る。
『約束』を果たし、この命を全うした時、きっと『彼』に会える。

  「――『治生さん』」

精一杯の微笑を湛えて、私は『彼』の名前を口にした。
視線の先には、誰の姿も見えていない。
それでも、たとえ見えなくとも、そこにいてくれると信じている。
だから、私は『未来』に歩き出すことが出来る。
いつの日か、胸を張って『彼』と『再会』するために。

745『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/29(金) 01:53:45
>>744(小石川)


小石川の言葉に、答える者は無い。
『過去』が幻として現れるような、甘美な奇跡もない。
あるのは『今』――――そして、その先に待つ『未来』。
いつか、また、会える。『未来』には『希望』がある。
それが傍目には幻想に喩えられるようなものでも、
『心』に希望を抱く事が、絶望の過去を超克する術となる。

                              ジジッ

                   ジジジ ・・・


消えゆく『幻』の町は、消えない記憶として残る。
『過ぎ去る』べき時を縫い留め続けてさえ、
『スタンド能力』は、いずれ解けてしまう魔法だ。
だがそれを織り成す『心』は、保ち続ける事も出来る。

――――『小石川』にとっての『人生』も、また続く。

         ジジ


                  ――  ザッ

いつしか、小石川と出雲は『外』にいた。
終わりかける世界が綻びを広げたのか、
あるいは、沈思の中、復路を歩き切ったのか。

広がる森に『赤』は無い――――『紅鏡町』は、痕跡さえない。
振り返れば広がる『空間のほころび』も、今では閉じつつあった。

――――続く人生の中、過ぎ去った時間は『過去』となる。

『笹暮』:
「俺の『任務』は……完了だ。
 ……お前達も『為すべきこと』を、為したのだろう」

「『そういう顔』を……している。
 『全て』が解決したわけではなくとも、
 『今』を生きる事が出来ている顔を」

        「いずれにせよ…………『星見町』までの足は、俺が用意する。
           『アリーナ』に連絡を取れば……そう時間はいらないだろうさ」

外には『笹暮』が待っていた。ある程度回復したのか、樹に凭れるように立っていた。
――――『何か』出雲や彼と話しておく事がなければ、『帰りの足』に乗り、『長い一日』は終わるだろう。

746小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/05/29(金) 18:00:34
>>745

長い道程を経て、『今日』という日を振り返る。
多くの人々と関わり、多くの出来事が起こった。
全てが終わった今、それらは既に『過去』のものとなっている。
しかし、『繋がり』が途切れることはない。
『今の自分』が立っている場所は、
過ぎ去った『過去の先』なのだから。
私は歩き続ける。
『今』の先に待つ『未来』へ辿り着くために。

  「……お待たせしました」

笹暮に向けて会釈し、それから出雲を見る。
彼らの身を案じる者は、きっと胸を撫で下ろすだろう。
誰も悲しまずに済んだことが、何よりの報酬だった。

  「お二人とも――」

  「ご無事でいらっしゃることを嬉しく思います……」

  「本当に……」

信頼できる仲間として行動を共にした『黒峰』。
天雨や小角を始めとした『スタンド使い』。
『乗客達』およびガイドの『矢田』と『運転手』。
そして――『イズ達』と『テルヤ』。
一日の間に関わった全ての人々の顔が、次々に浮かぶ。
彼らが無事であれば、彼らを想う者も、傷付かずに済む。
たとえ頼りない『理想』であろうとも、それを叶えることが、
私の『願い』。

  「長い……『長い一日』でした」

そう感じるだけで、実際は短い時間に過ぎない。
だが、その中で得たのは決して小さいものではなかった。
この事件によって、『決意』を新たにすることが出来たのだ。
それが、私を支える『力』になってくれる。
その『力』が、私を『未来』へ導いてくれると信じている。

  「――『行きましょう』」

『約束』を果たすため、『居場所』に戻る。
『星見町』――『今の自分』がいるべき場所。
そして、『希望』が待つ『未来』へ繋がる場所。

747『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:04:30
>>746(小石川)

『笹暮』:
「少なくとも……俺が無事なのは、お前のお陰だ。
 『気持ち』だけじゃあなく……お前の『力』があったからだ」

「――――迷い込んだ、他の人間達も。
 お前たち巻き込まれたスタンド使いの尽力が、
 『犠牲』を一人も出さずに事態を収めたんだ。
 ……『アリーナ』は、お前たちへの賞賛と感謝を惜しまない」

ここにいる者だけではない――――
『バス』に乗って先に立ち去った者たちも含めて、
誰もが『無事』のまま、この長い一日は終わった。
目立った負傷のある黒峰も、長く残る傷ではない。
敵であった一味でさえ、『テルヤ』以外は負傷は無い。

戦いにおいて、多くの者は敵を倒す事に力を尽くす。
だが、『傷付け合わない』ために願い、尽力する事が出来る。
小石川の強さは、そこにあるのだろう―――――

『出雲』:
「ええ―――――行きましょう。『星見町』へ」

                       「……『今』の、続きへ」


やがて……笹暮が呼んだ『アリーナ』の者が、
帰りの足、『車』に乗って一同を迎えに訪れる。

どこにも存在しない、夢幻の町。
そこに鎮座した『流星刀』……『鞘と刃』。
それを狙う一味と、その背後に立つ謎めいた『協力者』。
いずれも、『夢幻』ではない。

そして、町で出会った人々。
積んだ経験。願い、叶えた『理想』。
多くの人間と織り成した、『未来』への道筋。
それもまた『現実』だ。
 
今日、紅鏡町の物語は終わる――――――そして、『星見町へと続いていく』。                                  

――――――――――――――――――――――――――――――――――

小石川文子『スーサイド・ライフ』 →『無傷』 
                       『ツアー会社』より『10万円』
                       『アリーナ』より『70万円』 計『80万円』

黒峰 唯『オールナイト・トレイン』 →『左手切り傷』『右脇腹刺し傷』『全治2週間』
                       『ツアー会社』より『10万円』
                       『アリーナ』より『70万円』  計『80万円』

宗海『エトセトラ』           
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』      
城井 達己『サクリファイス・セオリー』 →『無傷』 『ツアー会社』より『10万円』


――――――――――――――――――――――――――――――――――

                          『サヨナラ_エレジィ・タウン』→おしまい。

748『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:15:59

【紅鏡町の住民】『出雲 明』のスタンド。
屈強な体躯を誇るヴィジョン。
螺旋状に巻き付く『真紅の外骨格』を身にまとう。

能力は――――『時を繰り返す』事。
スタンドの手から『歪んだ時計の針』のような物体を作り出し、
それを突き刺すことで、対象とその周囲の時間を『ループ』させる。

出せる針は『秒針』『長針』『短針』に加えて、
いわゆる『日時計』に用いられる『指針』が存在し、
先に挙げた三本はそれぞれ『秒・分・時間』単位のループを、
そして『指針』は『1日』単位のループを引き起こし続ける。

一同が見た際は『腕だけ』の様子だったが、
本来は通常通り、『全身』がある人型スタンドらしい。
超長期の『指針』の発現は、まるで『砂時計』のように、
彼の精神と体力を徐々に消耗させ、ヴィジョンを喪わせていった。

なお、紅鏡町の『空間的隔絶』は彼の能力とは無関係。
彼の能力は、作り出された『空間』の本来の解除を踏み倒し、
半永久的に『維持』するためだけに振るわれていたと思われる。

『イレテ・ユンヌ・フォワ』Il etait une fois
破壊力:? スピード:? 射程距離:E(1m)
持続力:A 精密動作性:? 成長性:E

749『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:18:48

【協力者】『草間 輝矢(テルヤ)』のスタンド。
ギリースーツのようなデザインの纏うタイプ。

通常の『迷彩効果』とは逆に、
彼は『動き回っていると見えなくなる』。
発現時には『きらめき』で覆われていて、
動き始めるとそれは少しずつ散っていく。
十分に動けば、きらめきの消失と共に、
彼の姿は『視認』する事が不可能になる。

手に持っている物も能力は反映され、
手放しても『動いている限り』は反映が続く。
投擲による『目に見えない狙撃』は、凶悪。

『マイ・ソロ・ホロウウォーク』My Solo Hollow Walks
破壊力:C スピード:B 射程距離:E(1m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

750『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:24:53

【侵入者のリーダー】『イズ』のスタンド。
人型で、各部に無数の『線』が入っている。
どこか継接ぎのようだが、よく見れば規則的。

自身のヴィジョンを『バラバラ』に分解し、操る。
ヴィジョンに触れたものも、『バラバラ』になる。
バラバラになったものは『ブロック玩具』状になり、
このスタンドの手によって自由に組み替えられる。

それ以上の詳細は不明。

『デストルドー』Destrudo
破壊力:? スピード:? 射程距離:B
持続力:C 精密動作性:? 成長性:D

751『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:27:45

【侵入者】『ゴウ』のスタンド。
『オモチャの水鉄砲』のようなヴィジョン。
銃身の後部に鎖状のパーツを有しており、
これの先端が本体の『腕』などに繋がる。

戦闘時には『血液』を『弾丸』にし、乱射する。
また『血の契り』を交わせば、その相手の手にも、
性能はやや劣るが同質の銃を発現させられる。

それ以上の詳細は不明。

『フレッシュ&ブラッド』Flesh and Blood
破壊力:B スピード:B 射程距離:?
持続力:? 精密動作性:? 成長性:B

752『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:30:23

【侵入者の下っ端】『トウゲ』のスタンド。

両肩に『温度計』が付いた人型のヴィジョン。
肩から中指の先まで、紫色の『管』が通っている。

本体の『感情状態』に応じて、
『温度』の上下を発生させてしまう。
能力対象に出来るのは『自身の肉体』のみ。
ただし、体液などもその範疇に含まれる。

威嚇程度にしか使われず、詳細はほぼ不明。

『コールドヘイト・ウォームブラッド』Cold Hate, Warm Blood
破壊力:? スピード:? 射程距離:?
持続力:? 精密動作性:? 成長性:B

753『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2020/05/31(日) 02:34:52

【侵入者の紅一点】『レイト』のスタンド。

『異性』の『好感度』を情報化して、把握する能力。
その上で特定の条件を満たせば、相手を『宝石』に変える。

詳細の大部分は不明。
戦闘には不向きな能力と見られる。

『ソーシャル・ノウ・ハウ』
破壊力:? スピード:?  射程距離:?
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?


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