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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』
489
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/12/05(木) 12:42:29
>>486
(小石川)
>>487
(黒峰)
『天雨』:
「ねえ小石川さん……確かにこの世界の成り立ちは気になりますし、
それがここを脱する上でヒントにはなるかもしれませんわね。
でも、私達が必ず切り抜けなければならない敵の方が重要度は……あら!」
「……失礼。『出資者』の貴女の質問に何か言うのは、
これ以上は差し出がましいというもの、ですわね」
小石川の質問には天雨がやや渋い表情を見せたが、
差し出された『封筒』を見ると、得心した様子で頷いた。
言葉に嫌味や皮肉は感じられない。『本音』だろう。
ビジネスを重んじる彼女は、出資者の重要性を知る。
『小角』:
「ろ、六十万……!? いいのかいこんなに!?
こんな大掛かりな調査、久しぶりだ…………
いや、わ、わかった。ありがたく受け取るよ。
もちろん使い切らなかったらちゃんと返すからね」
同じく封筒には小角も元々丸い目を目を丸くするが、
どこか慣れた様子でそれを受け取り、皆に見せた上で、
自分の服のポケットに半ば見える形で突き刺した。
『小角』:
「…………うーむ、黒峰さんの疑問はもっともだ。
出雲さんが『その人物』が……その、生きてると思ってるなら、
ここをそれほど重要視している理由は薄くなってしまう気がする」
「…………とりあえず、情報が欲しい。続けよう」
ここで小石川の挙げた2つの質問のうち、片方は小角の口によって行われた。
>「『紅鏡町を作り出した存在の死因は、
他殺・自殺・病死のいずれかに含まれますか?』」
――『はい』
>「『出雲さんが紅鏡町の存続に執着する理由は、
紅鏡町を作り出した存在の死と関係がありますか?』」
――『はい』
『小角』:
「関係がある、か……ううむ? それならば……二度と会えないとは思っていないのに、
ここに呼び寄せることは不可能ではない……よ、よくわからないな……彼らの能力が関係しているのか?」
それら質問への回答は、小石川の推測を裏付けていく。
が、黒峰の聞いた話が矛盾として引っかかってくる。
紅鏡町の成り立ちを把握するにはそこは解消すべき点だ。
『天雨』:
「……質問は一巡で、一人1つでしたわね。
小石川さんと小角さんとで1つずつだから、
あと私と黒峰さんの分は残っていますわ。
黒峰さん、このターンに何か質問はありまして?
私は『レイト』の能力をもう少し掘り下げたいけれど」
天雨は小石川の姿勢に理解こそ示してはいたが……あるいはだからこそ、
彼女自身の『質問権』は、ぶつかる可能性が残る敵の能力の把握に費やすだろう。
それを考えれば、小石川は『出雲』の謎に集中出来るのかもしれない。黒峰はどうするか。
『小角』:
「いささかゲームのような言い方になるが……質問のパスも可能だぞ。
いずれにしてもだね、このターンが終わればわたしの資金は残り1万円。
そして次のターンには『2万円』が必要だ……わたしだけじゃ足りない。
再確認だが小石川さん、これは本当に……『使っていい』お金なのだね?」
あるいは質問自体を打ち切るという選択肢もあるだろう。
動く前だからこそ、こうして調べる時間を取れる。知った上で対策出来る。
しかし小石川の考え通り……動けば、問わずにして、自然と分かることも多い。
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