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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』

649小石川文子『スーサイド・ライフ』:2020/03/08(日) 16:08:31
>>648

今のところ、『増援の存在』を疑う意見は出ていない。
彼らは、『アリーナの増援が到着する』前提で話を進めている。
確認の術がない以上、当然といえば当然かもしれないが、
こちらにとっては都合がいい。
ただし、人質のような状態になっている笹暮の安否を考えると、
天雨達を待つ猶予は少ないだろう。
最悪の場合、この話し合いが終わった直後に、
命を奪われる可能性も有り得る。

  ――人数は『三対四』……。

『ギリースーツの男』を含めれば『三対五』だが、
この場に彼はいないようだ。
もっとも、自由に姿を消せるのなら、
どこかに潜んでいても不思議はない。
少なくとも、見える範囲では『三対四』と考えられる。
その戦力差なら、確かに不利ではあるが、
『まだ何とか出来ない程ではない』。
彼らの方針が『撤退』に傾くようであれば、
今ここで姿を見せて牽制し、そのまま『取引』に持ち込むことも、
それほど非現実的な策ではないかもしれない。

  ――このままだと『時間』もない……。

笹暮が死んでしまえば、当然『取引』は成り立たなくなる。
つまり、笹暮の命があることは、彼らにとっても利益に繋がる。
そのことを知らないから、笹暮を殺すことにも躊躇いがない。
それなら、彼らに『教えればいい』。
そうすれば最低でも、
笹暮がすぐに殺されてしまう可能性は消せる。
『取引』に入れば、天雨達が到着するまでの時間稼ぎも出来る。
その途中で天雨達が来てくれたなら、こちらの人数が増え、
さらに交渉を進めやすくすることも出来るはず。

  ――でも……。

これは一人では決められない。
彼らを牽制するには、『三人』でなければ駄目だ。
自分だけが単独で動いても、十分な効果は得られない。
出雲の位置は掴んでいる。
残る黒峰の位置を把握してからでなければ事は起こせない。

  ――今は……。

右手に『血の付いたハンカチ』を握る。
そして、そのまま『手』を切り落とす。
『ハンカチを握った手』を『紅鏡町』の中に飛ばす。
先行している『目』を使い、物陰を辿って移動させる。
彼らから見て『やや遠目の位置』に待機させ、
そこで『タイミング』を待つ。


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