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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』

160小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/05/11(土) 06:06:48
>>159

  「……いえ――『ありません』」

  「赤い町並みを見て、いつか耳にした『赤い空』の話を思い出したものですから……」

  「もし、この町の空が赤ければ――『似つかわしい』のではないか、と……」

探りを入れるつもりは少しもなかったと言えば、嘘になる。
しかし、期待していた訳ではない。
ただ、『スタンド使いであることを隠そうとしていない』という可能性はなくなった。

  「そうですね……」

  「これで時間が分かるというのは……何か不思議に思えます」

  「『神秘的』というと少し違うかもしれませんが……」

  「何となく……この町には似合っているような――」

  「――そんな気がします……」

この『日時計』に、これ以上の気になる点は見当たらなかった。
少し変わった名物ではあるけれど、おかしいとは思えない。
少なくとも、今のところは。

  「……『遊園地』があるというようなお話も聞きました」

  「どのような場所か見てみたいと思うのですが……」

案内板を眺めて、『遊園地』の位置を調べる。
現在地から歩いていける距離なら、道順を頭に入れておきたい。
もし遠ければ、この近くにバス停などがないか確かめる。
小さくても『遊園地』なら、そこに行くまでの『交通機関』も用意されているかもしれない。
そういった移動手段があるなら、それを利用することも考えたい。


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