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〜神天〜

1ひらりん君:2011/03/15(火) 22:10:09 HOST:222-151-086-010.jp.fiberbit.net
ここで小説書くのは初めてです。
なにかと誤字脱字の可能性大なのでよろしくお願いしますm(_ _)m
書こうと思っているのは、ファンタジー系(魔法や何やら)が主です。たまに恋愛、感動、などなど入れていくつもりです。
感想、アドバイスも受付しますので気が向いたらいつでもどうぞ!(堅苦しいですが^^;)
もし面白いと感じたら、次はこんなの書いて欲しい等のリクエストも出来ればやってみようと思います。

2ひらりん君:2011/03/15(火) 23:08:24 HOST:222-151-086-010.jp.fiberbit.net
1page
それはいつもの帰り道のことだった・・・・
ただ一直線に延びている通学路、その上をただ歩くだけのつまらない時間・・・・
なぜか今日はいつもの通学路にこんな気持ちを抱いた。

今の自分は迷いがある。自分でも気付くくらい重傷な迷いが・・・・
自分の助けを見つけるべく学校ではなるべく夢のある本を読んでいた。
俺、暁忍(あかつき しのぶ)は、生きる希望が何なのかが分からない状態にあった。
家に着き、こぢんまりした自分の部屋にうずくまっていた。
そのときだった、今日は新聞でも見たとおり風がほとんど無い日なのに窓がガタガタ音を上げていたのは。
そして、フッと静かになると窓がゆっくりと開いた。
そこには黒装束の仮面をかぶった優男が現れた。
「おっ、お前ドロボーか!?」
仮面の男は冷静に答えた。
「こんな堂々とした泥棒はいませんよ、普通ならもっと警戒して進入してくるでしょう」
忍は足がすくんで抵抗の意図も相手に見せることさえ出来なかった。
「暁忍・・・・年齢14、男・・・・」
仮面の男は何かを読んでいる様子だった。
「失礼、私は君に話しがあってここに来たのだ」
「俺に・・・話し?」
「さよう、突然だが私は悪魔だ」
(何を言っているんだ?冗談にしてはキツ過ぎる、かといってあんな入り方をしてきた奴だまさかとは思うが・・・・)
忍は少し考えてからこう言った。
「冗談言うな、どんな方法で入ってきたかは知らないが警察を呼ぶぞ!」
「まあ、最初から信じてくれる者など早々いないのだが」
そう言って仮面の男は黒いマントを外した、すると体は仮面と手足だけのようなまるで透明人間を見ている様だった。
「お、お前・・・本当に・・・」
「これでたいていの者は私を悪魔と信用する。あと、一つ注意させて貰いますが、魂を取りに来たのではありません。いちいち言わないと人間は悪魔の存在を古い考え方しかしませんからね」

3ひらりん君:2011/03/19(土) 16:19:14 HOST:222-151-086-013.jp.fiberbit.net
2page
「迷える者を救う、其れが悪魔の仕事ですので」
「・・・以外だな、にしても何でここに?」
「案外物分かりがいいようですね。先ほど言いましたように迷いがある者に現れるのです」
「つまり、何をしに?」
「とりあえず、一通り話しますと・・・」
話の内容はこうだった
地球上には現実世界以外に存在する世界があり、悪魔や天使が住人として存在している。そしてその場所を「神天」という。
神天の住人は現実世界とほとんど変わらぬ生活をしているが、ひとつ違った場所がある。
それは、人間の行いを監視する神域があり、仮面の男はそこの監視官の一人らしい。
監視官は迷える人間にだけ現れ、任務を預ける。
預ける者にはクラス分けされS、A、B、Cと分けられる(大→小)
「任務って何だよ」
「それは、神域の住人の反乱を防ぐことです」
「反乱?」
「神域の住人中から、神の中の王、神王に刃向かう者がいるのです。その者達は現実世界を我が者にし、勢力を拡大させ最後に神域・・・いや、神天ごと支配しようとしているのです。」
「なんだか随分ベタな内容だな・・・・でもどうやって支配すんの?」
「悪魔、または天使は人間にある特殊能力を授けることが出来ます。」
「ふーん、でも何で自分達で戦わないの?」
「神天でも戦争は御法度ですから、神王が能力を制限しているのです。それに将来的には人間達にも友好を深めるためとか何とか・・・」
「・・・でもなぜ迷える者だけ?」
「原因ははっきりしていませんが迷いのある者だけに能力が取り憑きます」
「何だか分からない事だらけのようが・・・」
「人生知らないことが幸せということもありますし・・・・」
「・・・・」
「・・・まあ、とりあえずつもる話しは明日と言うことで契約の方を」
仮面の男は一枚の紙と渡した
規則1
能力を必要以外時に使うことを禁ずる
規則2
神天の情報を外部に伝えることを禁ずる
規則3
契約を交わした悪魔、または天使は団体内の隊長でありその命令を状況に応じて聞くべし
「これを了承の上ここに氏名を書いてください」
「もしそれで、自分の迷いがはれるなら・・・」
忍は契約書にサインをした。
「もうあなたも能力者です。能力に圧倒されないように明日までは安静にしていてください」
「で、俺の能力って?」
「それはそのときが来たら・・・それと私は仮面の男という名ではなく『レイゼン』です」
「随分遅い自己紹介だな・・・・」
気が付いたらレイゼンは消えていた・・・

4ひらりん君:2011/03/20(日) 12:02:37 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
3page〜①
気が付くと忍は部屋のベッドの上だった。
「夢・・・だったのか?」
時計はすでに午前7時を指していた。
忍はいつものように学生服に着替え、朝食を取り学校へと向かった。
学校に着き、忍のクラス、2-Aの教室の時計を見ると8時を指していた。しかし誰の気配もいた形跡も残っていなかった。
「・・・?この時間なら何人かは来ていい時間なはずなのに」
「おっと、少し失敗してしまいましたね。」
犯人はレイゼンだった。
「夢じゃ・・・無かったか」
「当然です。私があなたを眠らせただけです。にしても時間を止めるのはやはり大変ですね」
「お前、時間を止められるのか!?」
「久々で人間以外は動いたままですがね。後で直しておきますよ」
「んで、何しに来たんだよ」
「この学校に能力者が潜んでいます。それをあなたは相手の能力消さなくてはいけません」
「いきなりこんな仕事かよ、でか俺の能力はどんなのか聞いてなかったぞ」
「ランダムですので決まりはありません。能力を引き出せなければ能力の力に圧倒されのみ込められます」
「はぁ〜!んなの聞いてねぇぞ!」
「まぁ、言ってませんからね」
「そろそろ限界が来たので、後はよろしくお願いします」
「え、ちょ・・・」
急にあたりが騒がしくなり普段の学校生活に戻っていった・・・
「よっ、忍!浮かない顔してどうしたぁ!」
声を掛けてきたのは同じ2-Aの赤城錬次(せきじょう れんじ)
中一の頃からの友達で暑苦しいクラスのムードメーカー、少々兄貴肌な所も。家は中華料理の店を営んでいる
「た、ただの寝不足」
「そうか、気をつけろよ一日の体力のためにも!」
「ああ・・・」
何かと騒がしいが忍はこのクラスが案外好きだった、4時間目が終わり給食に時間・・・・
「ったく、レイゼンの奴。何にも起こらねぇじゃん」
こんなイライラした気持ちも給食の時間はすぐに消えた。なぜなら・・・・
「あ、忍君!テーブルクロスやっといてくれる・・・?」
声を掛けたのは水島千觶(みずしま ちさと)
大人しく優しい、吹奏楽部に所属する音楽美少女
忍は千觶にぞっこんだった。
「あ〜わかった、やっとくよ」
「ありがと、じゃね!」
忍はこの時間が一番至福の時だった・・・そんな時間も過ぎ放課後・・・
「忍!帰ろーぜ」
「ごめん錬次、ちょっと学校に用事あって・・・」
「そうか、じゃな!」
錬次はいっそう暑苦しく掛けていった。
人影も少なくなった校舎・・・・
「レイゼン!おいレイゼン!」
黒い光が現れその中からレイゼンが現れた
「そんな大声出さなくても聞こえてますよ、それにいまので能力者に気付かれたようですよ・・・」
「えっ?」
振り返ると一人の人影ボォッと立っていた・・・・

5ひらりん君:2011/03/21(月) 15:14:52 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
3page〜②
「よお、忍」
人影の正体は、大野宏茂(おおの ひろしげ)
小学校からの知り合いだが中学からクラスが離れた、喧嘩っ早い性格
「能力者としては上級者ですね」
「俺としては冷静に対処できないんだけど!」
すると後ろに赤い角を生やした悪魔が現れた
「ケケケ、久しいなレイゼン。ザコ引き連れて何やってんだ?やっとお前も仲間に入る決断をしたか?」
「あなた達反乱者を消す如く現れたまでです。」
「レイゼン、この悪魔は?(天使じゃないよね^^;)」
「彼は、ゼビラル。A級の悪魔です(私もA級ですが)」
「レイゼン、こんなド素人の人間で俺の人間に刃向かうつもりか、ケケ!おもしれぇ。シゲ、奴を消せ!」
「おう!やってやるぜ!」
「ま、まて。話し合えば分かる!」
「駄目です。忍、洗脳されています」
「忍、よそ見していると痛い目見るぜ」
大野の周りに青白く光る魔法陣が現れた
「レイゼン、俺の魔法って・・・」
「気合いで出して下さい、本人次第なので。気合いです!」
「どこの熱血教師だよ!」
大野の魔法陣から青白い炎が吹き出した
忍は間一髪避けきった
「熱っ!」
「気をつけて下さい彼は炎の能力者です」
今度は魔法陣から大きな火の玉が忍を襲った。
「うわっ」
そのとき、忍の足下から紫の魔法陣が飛び出し忍の影が盾となり攻撃を防いだ
「こ、これは・・・」
「影成術、自分の影を自在に操る形操魔法です」
「何となく感覚掴めた・・・ような気がする」
「ふざけるな!食らえ!」
火の玉がまた忍を襲う
「こ、こうか!」
忍の影が火の玉を打ち消し、ムチのように撓らせ大野を吹き飛ばした。
「うわぁ!」
大野は壁にぶち当たり気絶した
「ケケ、やられたか。以外だな、これほどの能力者を受け持つなんて」
ゼビラルは光の中へと消えていった・・・・
「最初にしてはなかなかの戦い振りでしたよ」
「死ぬかと思った〜・・・ていうかいつか死ぬよ俺!」
夕空がやけに目に染みる一日だった・・・

6ひらりん君:2011/03/27(日) 18:41:47 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
4page〜①
春風の吹くさわやかな朝・・・・
前回はバトルシーンがありゴタゴタしていたが忍は「進級」の悩みを抱えていた
「4月から中三か〜。受験生になりたくないなぁ・・・・」
「春休み中お邪魔しますよ。」
レイゼンが扉の中からすり抜けて出てきた
「お前ホントに場所弁えないのな・・・」
「しょうがないでしょう、ノックしようにもすり抜けちゃうんですから。それよりも今後の能力者狩りについてですが・・・」
「こんなのがいるのに中三なんてなれないだろー」
「現実逃避しないで下さい。今後はエリア自体のこともあるのでスリーマンセルで仕事を行って貰います」
「エリア?スリーマンセル?」
「エリアとは今現在の住居を中心にし、半径60キロ以内の範囲が忍の仕事範囲です。」
「ろ、60キロ・・・・」
「これでも少ない方です。将来的にはもっと広くしますがね。レベルがレベルですので」
「ホントに悪魔だ、こいつ・・・」
「スリーマンセルとは3人一組のチームです」
「あと二人は?」
「一つのエリアに早々素質のある人間は居ませんから、じっくり探すしかないですね。まぁ私の仕事ですが」
「んじゃ、レイゼンの仕事がてらに俺も散歩でもするかな」
「君ももう受験生ですよ少しは勉強した方が良いのでは?」
「息抜きだって」
二人は外に飛び出し、大通りを少し外れた静かなコンクリートの道をゆっくり歩いた
「ここの地区もしっかり把握させて貰いますか」
「こっちはこの地区で一番大きい公園、さすがにこの時間あんまり人いねぇな」
「何だかまた気の波が発生していますね・・・」
「嫌なこというなよ〜」
すると向こうから勢いよく走ってくる者が・・・・
「ん?忍じゃないか!どうしたこんな所で」
「錬次!お前毎朝ここの道走ってんの!?」
「おう!いやぁ〜目が覚めるぜ」
「ホント朝から暑苦しい奴・・・・」
「今日はノルマが多目だからじゃあな!」
錬次は走り去っていった
「レイゼンあいつは?チームの一員になれないの?」
「どう見ても悩みなど無さそうじゃないですか、まぁ事によれば素質がないわけではないですが。しかしあの気の波は・・?」
ふたりの前に突然強い風が吹いてきた
「うっなんだこれ」
「あのときの気の波です」
風の中から赤いジャケットを着た金髪の少年が現れた
「やあ、忍君、レイゼン君」
「お前、誰だよ」
「はて、私も見覚えがありませんが」
「僕はゼビラルに能力を貰ったシェブ・ロック。奴のやり方が気に入らなくてね、スリーマンセルに入れて貰いたいんだ」
レイゼンはなにやら分厚い本を取り出し開いた。
「残念ながら神天法第142条により他の悪魔、または天使に能力を受けつぐ場合今の能力を捨てなければならない、また能力を再度受けつぐときには次の悪魔か天使の了承がいる」
「大丈夫、それを受け付けるための手続きは神天で行ってきたから」
「そこまでして貰ってすみませんが私からの了承がおりません。大きなリスクがありますしね」
「別に偵察するためと思っているなら違うけど、まぁひとつ腕試しといきますか・・・」
「何で朝から困難ばっかり!!」

7ひらりん君:2011/03/28(月) 17:41:33 HOST:222-151-086-013.jp.fiberbit.net
4page〜②
「ハハハ、冗談に決まっているじゃないですか。僕は能力を捨てたんですよ」
「あ〜、そっか・・・シェブ・ロック君だっけ?」
「シェブ、で良いですよ。ですがレイゼン君入れてくれない訳を聞きましょうか」
レイゼンはフッっと一息入れてから話し始めた
「悪魔、天使狩りをしている人間が居ると聞いていましたがあなたでしたか」
シェブはニヤリとしてこう言った
「残念、ばれてしまいましたか、レイゼン君・・・・」
「悪魔、天使狩り?」
「忍には出来れば教えないつもりでしたが・・・悪魔や天使は事故などで死んだ人間の残りの寿命を貰って不老不死状態にあります。ですが悪魔や天使が人間界に出入りすることが増えたおかげで神天の不利益な情報が流れ、悪魔や天使の寿命を刈り取ろうとする者達が居るのです」
「マジでか・・・・」
「フフ、ばれたからには本当の戦闘を始めますか・・・」
シェブの周りに赤い魔法陣が渦巻いた
「熱線砲!」
赤い熱線が忍の体を貫いた
「うがぁ!あ、熱い!」
「奴は熔接魔法の熱線術が使えるようですね・・・」
「くっ、だったら俺も!」
忍の周りに紫の魔法陣が現れた
魔法陣の中の影がムチのように撓った・・・・・
「俺だってこの日のために考えに考えたんだ!」

8ひらりん君:2011/04/02(土) 23:57:42 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
4page〜③
忍は自分の影を高い踏み台のようにし、高く飛び上がった。
そして落下時にズボンの裾の影を利用し、ハンマーのような形に仕上げシェブに斬りかかった。
シェブはそれをひらりとかわした。周りは土煙が舞い人の姿が見えなかった。
土煙が晴れると同時にあたりが急に暗くなった
「忍、すみません。今回はいったん戦闘を中止させて下さい」
どうやらレイゼンの仕業のようだ
「レイゼン・・・・お前どうしたんだ!?」
よく見るとレイゼンの右の片腕無くなっている
「奴にやられました。休めばこのくらいは回復しますが、この戦いは危険です。いったんワープします」
気が付くとふたりは忍の部屋にいた。
「レイゼン・・・お前大丈夫か?」
レイゼンは少し息が荒かった
「ええ・・・少し寿命を刈り取られただけです。また拾えばいいこと・・・・しかし戦闘スタイルをここまで編み出しているとは・・・・」
「来れでも結構出した方なんだ。それよりお前は休めよ、早く魂でも拾ってこい」
「ではこれにて・・・」
レイゼンは黒い光に包まれ消えた
「しかしこの世界はどうなってんだ?全く・・・」
それからというものレイゼンは現れず始業式が始まりいつもの学校生活に戻っていった
そんな登校時のことだった
「アイツどうしてんのかな・・・そういえばここで考え事して家帰ったらアイツにあったんだっけ」
ふと、気付くと黒い光からまたレイゼンが姿を現し、右腕は元に戻っていた様子だった
「お久しぶりです」
「ホントだな、案外暇すぎた感じだよ。腕もう大丈夫なのか?」
「ええ、おかげさまで」
「にしてもこの前のあいつは何だったんだ?」
「前の話しましたが悪魔天使狩りの人間です。あの戦闘中土煙が上がったときに魂の一部を抜かれました。多分ゼビラルを知っていたということは奴は殺されましたね」
「そうか・・・状況的にも厳しいな・・・・よし、学校に着いたから身を隠してろよ」
そうしてまたレイゼンは姿を消した
そして放課後・・・・・
「レイゼーン!出ってコーイ!」
「いい加減にして下さい、身を隠しているのにこれじゃバレまくりですよ」
「アハハ、悪い悪い・・・」
「今回は依頼が来ていますよ。」
「え?依頼?」
「契約した能力者には届くんですよ、仕事をサボらないために。」
「なんだよしっかりやってんのにな」
「ハァ、全く・・・依頼内容が熱線術の使い手を倒すことなのです。この前の・・・」
「え!」
「私も依頼内容が厳しいと訴えたのですが、神天側も何かと都合上厳しいもので・・・」
「よ、よっしゃ!とにかくいこうぜ・・・」
「それがこの学校内にいる模様です」
「またかよ・・・・」
すると後ろから声が掛かった
「それは僕のことかな忍君・・・・」

9ひらりん君:2011/04/03(日) 17:56:58 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
4page〜④
運動系の部活がない水曜日の学校のグラウンドだった。
まさに後ろから声が掛かったのはシェブ・ロック本人だった。
「今回は逃さないよ。君の悪魔を完全に狩ってみせる」
シェブの周りに赤い魔法陣が渦巻いた。
「くらえ!」
シェブの手から赤く染まった熱線が解き放たれた
「俺も一能力者として必ずお前を捕まえる!(なったばかりだけど)」
忍の周りに紫の魔法陣が現れた
忍の影は盾に変形し、熱線の束を防いだ
「三回もこのパターンで引きずって来たんだ、倒さずに終われるか!」
「少なからずいるかもしれない読者目線ですね・・・」
忍の影は地面で円状に増幅し、棘のように形を変えシェブに斬りかかった
シェブはそれをヒラリとかわし影の棘を踏み場にし大きく飛び上がった
「何!?」
シェブは手に熱気を増幅させ殴りかかった。
忍は避けきれず左肩に攻撃を食らった
「ぐあぁぁ!!」
忍の左肩からは勢いよく煙が吹き出し血が大量に流れ出ていた
「君は戦いの本当の怖さを知らない。僕達、悪魔天使狩りは命を掛けてでも不老不死を手に入れたい。寿命で死ぬのと戦いで死ぬのなんて五十歩百歩。永遠の生地を手に入れるんだ!」
「そこまでして・・・・永遠を・・・手に入れたいのか・・・命は尽きるからこそ美しいんだ!」
忍は学生服の袖の影を利用し、剣のような形を作りシェブの不意を突いて胴を斬った
「グハアァ!!」
よろけた隙に影を縄のようにしシェブを捕らえた
「レイゼン、これどうすんの?」
「・・・忍君、人を物扱いしないで欲しいな」
「お尋ね者の身で良くそんなことが言えますね全く・・・・彼は私が連れていきますので先に帰宅していて下さい」
「分かった、じゃあ頼むな」
レイゼンはなにやら札のような物を取り出しシェブに貼り付けた。すると黒い電流が流れシェブを捕らえた
「くそぉ・・・・僕の計画が・・・・」
「永遠が欲しい人には本当の幸せは訪れませんよ。まあ君には必要のない幸せなのかもしれませんけどね」
「本当の幸せか・・・・」
レイゼンは黒い光に包まれ消えていった・・・・

10ひらりん君:2011/04/10(日) 00:15:52 HOST:222-151-086-021.jp.fiberbit.net
5page〜①
あなたは恋愛をしたことがあるだろうか?
人生の中で身近にスリルやその中での成長することが出来るのは「恋愛」であろう
恋愛において「スリル」や「成長」という言葉で最初何を思い浮かべただろうか?
「スリル」は嫌われないかという危機感。
「成長」は失恋からの立ち直りを感じさせると思う。
臆病な日本人の思考。その思考は現代も昔も変わらない・・・・・・・・・
学校、昼休み
「・・・・・・」
「どうしたんですか、忍」
「うるせー、黙ってろレイゼン」
レイゼンと忍は空き教室から廊下を見ていた。
「水島千觶さんでしたっけ?出さないんですか、そのラブレター」
「出したいけど、やっぱり競争率高いしなぁ〜。」
「人間の中でも日本人という人種は臆病なものですね・・・」
「だったらお前は恋愛したことあるのかよ!」
「師には冷酷に育て上げられましたからね、欲しくても恋愛感情は出来ないんです。」
「お前の師匠ってお前がこんなのだからお前よりもっと冷酷なんだろうな・・・」
「戦いの時のあの勇ましさはどこに行ったんですか?その程度のことで情けない・・・」
「恋愛を知らないお前が怖いわ!」
キーンコーンカーンコーン・・・・
昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。
「まあ、いいか廊下で張り込みしても来なかったし・・・・」
「ラテン系が一割忍に混ざればいいですけど、運ですかねここは」
レイゼンは日当たりの悪い空き教室の影に消えていった。
「言いっぱなしかよ」
結局何もなく放課後を迎え、レイゼンが忍の下校を待ち校門の影から現れた
「結局出したんですか、あの手紙」
忍は少しふてくされていた。
「どうせ俺は臆病だよ」
「・・・・・ま、出だしが出だしですから・・・」
そこへ宙を舞いながら白スーツのちびっ子がキョロキョロしながらふらふらと進んでいた
「あ?なんだあのちびっ子坊ちゃんは?」
すると、こちらに気付いたのか進行方向をこちらに向け真っ直ぐ進んできた。
「今、聞きまちたよ。『ちびっ子』言いまちたね!」
「なんだこいつ・・・・?」
「ボクは『ちびっ子』じゃないでしゅ!」
「忍、彼は愛天使という神域の従業員です」
「愛天使?」
「はい。まあ簡単に言えば恋のキューピッドといったところでしょうか」
「なかなか物分かりの良い戦闘部隊の悪魔でしゅ」
「恋の・・・キューピッド・・・」
「忍、契約書には神天の協力者になると神域の者の能力に頼れないと書かれていますが」
「うぅっ・・・・」
「水島さんとは今回クラスも違いますし、縁がなかったということですね」
「グサッ!」
「そりゃ残念でしゅね、人間」
忍は石と化した・・・・・・
「石と化した忍はほっといてこんな高度を下げて飛ぶなんて気付かれてしまいますよ」
「これには訳があるんでしゅ。実はキューピッドの矢と弓を落としてしまったのでしゅ」
「また何上そのようなことを・・・・?」
「この前このあたりで恋の助けを必要としてそうな匂いがしたのでここの学校に侵入しようとしたら、校庭から原爆発が起きて飛ばされてしまったのでしゅ」
「・・・・私達、ですね」
「明日午後4時には契約通りに恋愛遂行しなければならないのでしゅが・・・・・」
「それは大罪物ですね・・・・忍!捜索を手伝いますよ!石から立ち直って下さい。明日の午後四時に見つけ出さなければ本物の首が掛かります・・・・」
「・・・・え」

11ひらりん君:2011/04/10(日) 21:01:34 HOST:222-151-086-009.jp.fiberbit.net
5page〜②
レイゼンと忍は市街地を走り回っていた。
「ハァ、全然見つかんないって!」
「見つからないではなく、見つけなければならないのです。だいたい神天法第47条により、神域経営者による仕事の妨害は死に値させる とあるのですから」
「神域って厳しいとこなんだな・・・ふぅ、交番に届いてたりしないか探してみっか!レイゼンはあっちを頼む」
「了解しました」
   一時間後
「レイゼン、見つかったか?・・・・」
「いいえ、その調子ではそっちもみたいですね・・・」
「おまえらホントにやる気あるんでしゅか?」
「うるせー!ちびっ子!」
「ボクはちびっ子じゃないでしゅ!」
「だったら名前ぐらい明かしたらどうなんだよ!」
「そ、それはでしゅね・・・」
「忍、説明を付け足させてもらいます。愛天使とはあまり物心を付かせると人の愛を汚してしまう恐れがあるため心が健全であることが条件です。だから幼い人の魂や、人間以外の生物の魂が条件となっています。彼は言葉こそ与えられた身ですが、幼い故に名前を持たず死に至った魂という訳なのですよ」
「そ、そうだったのか・・・・悪かったな」
「分かればいいんでしゅ!さっさと弓と矢を探すんでしゅよ!」
「調子良いな〜。全く・・・」
忍は渋々と探しに行った。
「忍、この辺りで落ちたのは確実ですので、あの高台以外は考えられません」
「あの高台か、ちびっ子の飛行高度が低めで助かったぜ・・・・しかし高台とはどういう偶然^^;」
  高台
「とりあえず侵入は出来たけど・・・・監視カメラに丸見え・・・・」
「大丈夫です。私が止めておきました。」
「その辺は抜かりないな・・・・よしっ!いくぞ!」
高台の最上部と続く螺旋階段は高度が増すごとに重みを感じた。
「上の方に何か魔力を感じますね・・・・」
「弓と矢の魔力じゃなくてか?」
夕焼けの染みる空模様は黒い霧に包まれていった

12ひらりん君:2011/04/14(木) 21:33:27 HOST:222-151-086-012.jp.fiberbit.net
5page〜③
「なんか、だんだん霧濃くなってね?それになんか気分悪いし・・・・」
「霧雲系の能力でしょうか・・・?どっちみち注意が必要ですね」
最上部へ近づくほど威圧感も増していった。
 高台 最上部
「うわっ!霧で全く前が見えねーよ!」
「・・・・・」
「弓矢、弓矢っと・・・って見えねーよ!」
「忍、誰かいます・・・」
気配に気付いたように段々と黒い霧は晴れていった。
「何だぁ今の?・・・まぁいいや、お!弓矢あるやん!」
忍は弓矢に近づいた。しかし見えない壁のような物にぶつかった
「な、なんだこれ!?」
「どうやらここに何者かがいたのは間違いないようですね」
「今は・・・・午後二時か・・・もう四時まで時間がないってのに・・・」
「霧雲系のトラップですね・・・トラップは弱点があるので特定の魔法の力を加えれば解けます」
「じゃあ俺の影成系魔法は〜?」
「無理です」
「あ、そう・・・・」
「ですが、特定の解除方法は影成系は持ち合わせてあるはずです・・・ここで習得するほかありませんね・・・・」
「もう時間がない!やってやるぜ・・・・!」

13ひらりん君:2011/04/16(土) 10:49:02 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
5page〜④
「・・・でどうやんの?」
「影成魔法は本来、解除用に開発されたものなんです。今でさえかなり改良されていますが」
「解除用?」
「はい、神天が戦争時代の頃、魔法を改良し罠系の魔法を解除する魔法が開発されたのです。しかし影成魔法は攻撃系に改良され、解除用の力が大幅に減ってしまいましたが」
「大丈夫なのか、俺の解除魔法は・・・・」
「どっちみち時間がありません、やりましょう」
弓矢の前に張られたバリアーは少し太陽の光を浴びてこちらを「こいよ」と挑発しているようだった。
忍は魔法陣を敷きバリアーを影で叩き付けた。しかし、バリアーは何度叩き付けられても無傷だった。
「・・・駄目か」
「これでは攻撃になってしまいますよ。力を込めるのではなく、加除する標的と周波数をリンクさせる感じで・・・」
「こうか・・・?」
忍の魔法陣が強いに光を帯びて輝きだした。それに合わせて張られていたバリアーも同じ光を帯びて輝いた。
「標的を自分の一体にしまして・・・・」
帯びていた光は次第に強くなって・・・・・
「一気に解除するっ!」
ガラスコップから勢いよく溢れ出す水のように、光はバリアーを突き破り空間の彼方へと消えていった。
「こ、これが解除魔法・・・」
「どうやら一々説明しなくても出来た見たいですね。さあ、弓矢を持って戻りましょう!」

「ふんふん、傷は一つも無しでしゅね。ま、セーフといったところでしゅ!」
「(うぜーっ!くそガキがー!)」
「では、私どもはこれで・・・」
「次は気をつけるんでしゅよ!」
「ちびっ子ももっと高く飛ぶんだなっ!」
「う、うるさいでしゅ!」
「子ども相手に大人げないですよ、忍・・・」
「お前も子ども扱いするのはやめるでしゅっ!」

「彼奴がシェブとかいう悪魔天使狩りの野郎を倒した暁忍か〜・・・あのバリアーを破るとはね、少しは手間掛けて作ったつもりだったんだけど」
「ゲシシ!まあ良いでねぇか。いつか戦える時を楽しみにしようぞ。ゲシシ!」

 暁家 忍の部屋
「だぁ〜!疲れた〜!魔法使うのがこんなに疲れるとは」
「まあ、解除魔法は魔力を大幅に使用しますからね。慣れれば疲れなくなりますよ」
「にしてもあの霧とバリアーは何だったんだろうな」
「霧とバリアーは属性が違う魔法です。おそらく能力者2人が弓矢の力を察知して近づいた形跡だった、などが考えられますね」
「この近くにも結構能力者がいるんだな〜」
「まだスリーマンセルも組めていませんし、早いところもう1人スカウトした方が良さそうですね」
 学校 廊下
「うーむ・・・・・」
「出さないんですか、今日もそのラブレター」
「契約取り消せばあのちび来るかな〜?なんて・・・・」
「・・・・・学校ではホントに成長がないですね・・・」

14ひらりん君:2011/04/22(金) 23:51:01 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
6page〜①
いつものように忍の部屋の壁からすり抜けてレイゼンが姿を現した。
「おお、レイゼン。どうだ、2人目の使えそうな奴見つかったか?」
「・・・・今のところはまだ。場所も限られていますから人の運命に掛けるしかないですね」
「俺も一人で仕事こなすのはキツイからな、受験生だし」
今の言葉を物ともせず忍に依頼書を突き出した。
「しかし任務も充分大事なのでこっちも引けませんよ」
依頼に詳細はこうだった。

=========================

依頼種 魔獣退治

生息場所 43ーRT地点生息
    
魔力種 霧雲系

礼品  40000$

=========================

「礼品 40000$・・・・・」
「ちなみに金銭的な物は全て私が預からせてもらいます」
「なぬぃ!そういや悪魔天使狩りの奴を倒した時も・・・・」
「あれはたしか750000$でしたね」
「7っ!・・・・・でも今度が40000$ってことは今度のは弱いんだろ?」
「金額の決め方は逃走率です」
「トーソーリツ?」
「逃げずに追われれば戦う、という傾向が多ければ力量を計りやすいですからね。魔獣が意図的に召喚された物なら力量は計りにくく低い数値になってもおかしくありません」
「ってことは、魔獣ってのが弱いとは限らない」
「・・・ということですね。だいたいあの時間帯とあの場所なら影を利用することは簡単なはずですよ」
忍は疲れた様子でベッドに潜り込んだ。
「忍、ちなみにこの『43-pt』は君の学校みたいですよ」
「なっ!」
驚いてベッドから飛び起きるとレイゼンは面白がった、しかし少し困った表情で
「明日はもっと疲れますよ」
といい残しまた壁の向こうにすり抜けて消えていった。
レイゼンが去った後忍は一つ悔しさ故に舌打ちをし、曇った表情で眠りについた・・・
 翌日 学校 
一時間目、早くも授業に飽き飽きしていた忍はシャーペンを回しながら白紙のプリントを眺めていた。
すると教室に「ドォーン」という爆発音と一緒に衝撃波が走った。教室中のガラスが割れ、教室・・・廊下にまで悲鳴が聞こえるようだった。
避難放送が流れ、案の定「爆発原因は不明」という言葉が一緒に流れた。

15ひらりん君:2011/04/23(土) 15:52:32 HOST:222-151-086-017.jp.fiberbit.net
6page〜②
避難している人混みに紛れて忍は教室にいた。
それを察知したかのようにレイゼンがまた壁の向こうから現れた。
「やはり、来ましたね」
「ああ、早いとこ片付けなきゃな」
2人が窓から飛び出そうとすると火の放たれた廊下を誰かが走って来る音がした。
錬次だ。即座にレイゼンは姿を隠した。
「おい!忍!早くここから離れろ!」
「れ、錬次!お前こそ何やッてんだよ!」
錬次は忍の腕を引っ張った。
「今からならまだ間に合う、早く逃げるぞ!」
まずいことになった。このままだと魔獣の破壊活動を手放すことになる。しかし、錬次を放って置けば火の海に晒されるだろう。
一体どうすれば・・・・・・・
考えた末忍の口からはこんな言葉が出た。
「分かった、じゃ行こう!」
忍と錬次は燃えさかる道をがむしゃらに進んでいった。
(頼むぜ、レイゼン・・・)
(私の変身魔法『チェンジ』を甘く見てはなりませんよ)
90度の曲がり角で忍は窓の外へ、レイゼンは忍に姿を変え錬次と行動した。
「ふーっ!危ねっ!しかしレイゼンの魔法があんなもんだったとは・・・・」
 正門側中庭
「くそぉ、レイゼンは今俺の替わりになってくれてるし勝てっかな・・・・」
すると上空から大きな黒い霧が見えた。
「もしかして、あれか?」
黒い霧は一点に集中して集まり強大なコウモリの形に変化した。
「今回もめっちゃ強そうだな・・・」
忍は渋々言いながら壁に影の段差を作り飛び越えるようにして魔獣に接近していった。
魔獣は「ギゴォォッ!」という叫び声を上げ忍に突進してきた。
「うおっ!来た来た〜!」
忍は思いっきりジャンプして魔獣の上を飛び越えた。
「これでも食らえ!」
忍は魔法陣を敷き自分の影を槍の様にし、魔獣を狙った。
魔獣は向かってくる影に対し自らの体を再度霧状に戻し攻撃を回避した。
「ええぇ!あんなの有りかよ・・・」
今度は魔獣が体を元に戻し圧力を高めた空気弾を打ち込んできた。
忍は即座に影で盾を作った。しかし、影は弾かれ空気弾が忍に直撃した。
「ぐうぅっ!何でだ!?何で俺の影が通用しないんだ!?」
レイゼンが焦げたコンクリートの地面から現れた。
「霧雲系の魔法は影成の魔法と打ち消し合う効果を持ちます。通常の攻撃で倒すのは少し難しいでしょう」
「レイゼン!」
「やっと避難が終わりましたよ。にしてもいきなりこう騒ぎを大きくされては大変ですね警察も動き出したようですし・・・」
「だったら尚更早く終わらせなきゃな。でも、俺の魔法は効いてアイツの攻撃が効くってどういう事だよ」
「本来霧と影は大きく分けた属性の中の『闇』に入ります。同じ属性では効果が少し薄いのですが、生体変化の出来る霧ではほとんどの攻撃をかわしほとんどの防御に効果がありません」
「それならどうやって攻撃するか・・・」
迷いの中、容赦無く魔獣は迫ってくる。

16ひらりん君:2011/04/24(日) 18:55:33 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
6page〜③
「くそぉ!」
忍はただがむしゃらに攻撃をかわし続けた。
「忍、ひとまず建物の中に逃げましょう。」
二人は屋上の階段を下りていった。
その中を魔獣は霧状になって追ってきている。
走って、走って北校舎の階段で魔獣をいったん振り切った。しかし、階段の方も火が回ってきている。
「ちくしょおっ!何か倒す手だては無いのかよぉ!」
「霧雲は風と水の属性の合成魔法種です。それ故強い熱を加えれば蒸発するはず何ですが・・・・」
「この燃えさかる校舎でも全く蒸発してないだろ!」
「おそらく、体の周りに気流を作り熱を外に放出していると思われます。それに通常の火より温度の高い物でないと蒸発できません(魔獣なので)」
「もう、威力が薄くても攻撃するしかないだろ!」
忍は魔獣を後ろから影で叩き付けた。当たったようだがほとんどすり抜けたようだった。
魔獣は吠えながら急接近してくる。
忍はかわそうとしたが魔獣がまたコウモリの姿に変わり、翼の部分に左腕を切りつけられた。
「うあぁぁっ!」
魔獣はUターンしてこちらに向かってくる。
「くっ、それなら!」
忍は火の回った校舎の壁中に魔法陣を敷いた。
「食らえ!化け物がぁ!」
魔法陣から火で照らされ出来た影が槍のように鋭く尖り魔獣に勢いよく突き刺さった。
魔獣は苦しそうにうなり声を上げ霧状に体を元に戻した。
同時に忍の体に衝撃が走り魔の前がぐらついた。
「ううっ!」
魔獣は体を元の状態に戻そうとしている。しかし忍の体はいうことを聞かない。さらにその背後には火が迫っている。
「後もうちょっとだってのに・・・・」
そのとき一直線に延びる熱線が魔獣を襲い、霧の魔獣はあっという間に蒸発してしまった。
「!?」
煙の向こうに人の影が現れ、人影は煙を払い姿を見せた。
「やあ!久しぶりだね、忍君!」
人影はシェブ・ロックだった。
忍は目を疑った。
「お、お前なんで!?」
「君にあの言葉を聞かせてもらってから目が覚めてね、向こうでしっかり反省し仕事に戻ることになってね」
「おやおや、2人でだいぶ話が進んでいるようですが、消防士などに『逃げ遅れた人』と思われますよ」
「そうだな、速く逃げるぞ!」
忍達は警察沙汰にならないよう裏門から逃げた。

「あーらら、君の作戦失敗してるよ〜」
「ゲシッ!?シェブって野郎が来たのは想定外だったぜぃ。どっちにしろ帰ればお叱りを受けるんだ、ゲシシ!」
「しゃーない、次はボクらが出払うしかないか〜」

17ひらりん君:2011/04/27(水) 23:50:54 HOST:222-151-086-012.jp.fiberbit.net
7page〜①
 放課後
「っつぅ〜!今日もつらかった〜!」
忍が背伸びをしながら学校の正門を通ると、門に腕組みをしながら寄っかかってるシェブがいた。
「やっ!忍君」
「おう!シェブ、どうした?こんな所まで来て」
「神天からの通達でね、現実世界本部みたいのが出来たってさ」
「現実世界本部?」
「ああ、なんでもスリーマンセルを組むメンバーを雇ったり何なりと出来るらしく、そのせいかレイゼン君も出払ってるようだよ」
「そういやレイゼンを最近見ないと思ったら・・・」
「本来は忙しい地位に立っている悪魔だからね」
「んで、言いたいことはそれだけか?俺も受験生なんで勉強の一つや二つしなきゃいけないもんで」
シェブは少し得意げな顔で言った。
「僕が君たちのスリーマンセルに付いた」
今度は逆に忍が顔をしかめて言った。
「いきなしそんな風に言われてもなぁ。そりゃ一度は助けてもらった身だが、本当に改心したんだろうな」
「疑われるのも無理はないけどね、それにこの前の事件を境に僕の熱線の熔接能力は捨て払ったさ」
「じゃあ、お前レイゼンに能力を・・・」
「ピンポーン!熱線の変な癖を早いとこ直さないとね」
そんな話しをしている内に学校内は誰もいない状態になった、夕日も沈みかけている。
周りからは少しずつ明かりが付いて、一つだけおかしかったのは音が急に静かになった事だ・・・・
すると、上空からふわっと何かが舞い降りてきた。
それは青い髪をしており、なにやら少し奇妙な紫のマント姿の少年が立っていた。
「はーじめまして、お二人さん」
そして何より嫌なくらい慣れ慣れしかった。
「この前の高台の解除能力、素晴らしかったよ。」
この言い方、あのバリアーを作った張本人であることは忍にも薄々気付いていた。

18ひらりん君:2011/04/29(金) 23:49:04 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
7page〜②
忍は少し身構えた感じで聴いた。
「お前は・・・?」
少年は身構えた様子の忍に対して何も動じず、少し笑みを浮かべて答えた。
「ボクはInnist(イニスト)幹部のシェルト。でさぁ、ボクの高台の時のバリアーどうやったら解けたの?あの新作のヤツは自信あったんだけどなぁ」
「イニスト?」
「あっれ?知ってるんだと思ってたけど、成り立てひよっこ能力者じゃ知らないのも無理ないか〜。反乱軍の軍隊名をInnist(イニスト)って言うんだよ〜」
「は、反乱者だと!?」
幹部のシェルトはあざ笑うように言葉を返した。
「そーんな驚かなくても言いじゃんっ、いつかは戦う敵同士なんだし早いか遅いかでしょ。君も能力者ならいつでも攻撃態勢を整えておくべきだと思うよ〜」
忍は強く拳を握りしめ、いかにも戦闘態勢というように構えた、それを落ち着かせるようにシェブは忍の肩をポンとたたき一歩踏み出し前へ出た。
「要するにシェルト君、君は何をしに来たんだい?」
シェルトは口を軽く手で抑え笑いを堪えた。
「せっかちだなぁ、そんなことをすると寿命縮まっちゃうよ」
その言葉に対してシェブはまた冷静に話す。
「周りにバリアーを張っておいて戦う気満々じゃない、とでも言うつもりかい?」
さすがにシェルトの方も馬鹿馬鹿しくなったのか、笑うのを止め今までに見せなかった真剣な表情を浮かべた。
「それじゃ、君から霊として神天に行ってくるかい?」
「その言葉、そっくりそのままお返しするよ」
何秒かシェブとシェルトは睨み合っていた。
「やーめたやめた!からかい甲斐が無いなぁ〜。本来は暁忍一人をからかってやるつもりだったのに、変にキャラ被りなヤツがいると調子でないや」
シェルトは最初の笑った表情を戻した。
「次合う時を楽しみにしているよ〜」
シェルトはそう言い残して強い光とともに去っていった。
「シェブ、お前随分口達者なんだな・・・」
「・・・・そうでもないさ。それより明日休みだろう?本部の地図を渡しておくから来てくれよ」
忍は白い2つ折りの小さな紙を渡された。
「それと忍君、君は・・・・・」
「ん?何だ?」
「・・・・いや、何でもない。気にしないでくれ、それじゃ」
シェブは何か言いたそうだったが、黙って背を向け去っていった。

 翌日
「ん〜と、ここを左に曲がって、その次ここを・・・・・」
忍が地図の通りに街道を曲がっていった先には静かな街には合うと思えないほどの大きなビルが建っていた。
「ま、まさかここじゃないよな・・・・・てか、間違ってたら大恥じゃ済まないし・・・・」
忍がビルの入り口を行ったり来たりしていると、そこにシェブが通りかかった。
「あれ?忍君じゃないか、早いね、もう来てくれたのか」
「ああ、そうなんだけどどこか分かんなくなっちって・・・・」
「分かんないって、目の前にあるじゃないか。この大きなビルだよ」
「えええええぇぇぇっ!!!どんだけ良いとこ設けてるんだよ!」
「なんでもある天使の能力者が大手会社の経営者らしく、その一式を貸して貰える事になったそうだよ。立ち入りが許可されてる所なら問題ないから大丈夫」
「案外能力者って数多いんだな・・・・」
「まあ、言ってみれば神天の乱世だからね。数が多くないと」
「・・・・まあそうだな」
忍はまだ少し圧倒されながらも、恐る恐る本部に足を踏み入れた。

19ひらりん君:2011/04/30(土) 15:57:18 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
7page〜③
「忍君、こっちが本部だから入り口間違えないようにね」
シェブが指さした場所には、学校の階段の近くにある非常口様な鉄扉が立っていた。
「随分ついで扱いされてるな・・・・」
「まあ、大きい部屋らしいし借りられただけ良しとしようよ」
忍はその扉をゆっくりと開いた。
扉を開くとついでで作られた場所とは思えない空間が広がっていた。
入り口は両手を横に真っ直ぐ伸ばすぐらいの幅で、そこまで広くは無かったが両側には機械っぽいものがびっしり取り付けられ、それをカモフラージュするようにログハウスのような雰囲気に仕立ててあった。
「うおっ!なんかすげー!」
忍が感動していると通路からレイゼンが現れた。
「お久しぶりですお二人とも、その場で少しじっとしていて下さい」
なにやら両側の機械で何かしているようで、上から赤いレーザーがスキャンするように下りてきた。
「お待たせしました。もう良いですよ。とりあえずセキュリティも万全で無ければいけないので、登録だけはさせていただきました」
レイゼンの歩く方向へ付いていくと大きな場所へ出た。そこもまた凄く、大きく広い空間にカフェテリアにあるようなテーブルがいくつか並び、端の方には依頼書が張ってある掲示板がある。
「では説明をします。ここは言わば能力者の集うギルトとでも言いましょうか、休憩や情報交換、能力者を雇ったりすることが主となります。それと一人一人の個室があるので道具などの保管に使って下さい」
「すんげぇ設備だな・・・・」
「あと、ショップもありますので必要不可欠な道具を揃えることも出来ます」
「忍君、早速仕事といこうか」
「おうっ!そうだな・・・・これとかどうかな?」
レイゼンが途端に話を切った。
「忍、君の能力の成長には圧倒しますがこのまま 敵と戦って成長 なんてシチュエーションは通用しません。いままで忙しくて出来ませんでしたが、身体的な能力の向上を目指してもらいます」
「え?じゃあ仕事の方は?」
「確かに君は、戦いから新たな価値観を見つけ出し本当の迷いを消す事が最終目標になりますが、それには段階ってものが必要となります。つまりその第一段階、修行をしてもらいます」
「忍君達、大変そうだね。じゃ頑張れ〜」
「何を言っているんですか?君にもまだ能力を授けたばかり、早速手放す・・・なんてことは出来ないんですからね」
「な、なるほど・・・・」
そうして、本部見学もつかの間、忍達の修行がスタートした。

20ひらりん君:2011/05/01(日) 18:55:40 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
7page〜④
さて、修行を始めた忍達だが・・・・・
「で、何をどうしてどうやって修行すんの?」
「今までは能力を上手く使いこなしてどうにか行きましたが、能力は生命体です。自分の基礎体力が足りないと逆に自分の体を能力に占領されてしまいます」
「え・・・マジで?」
「能力を与えるとき耳が痛くなるほど言いましたが・・・・まあ、それならもう一度説明しましょう」

神天でも「魔法」と呼ばれているものがあるが、本来魔法は存在せず微生物が究極的な進化を遂げたものである。その微生物は神天の大部分を支え、生命力がとても強く生き物に能力与えることで存在する事が出来る。時には生き物を害したり、微生物の能力を使い過ぎると暴走したりすることがある。しかし人間の生命力を高める微生物もおりそれが住み着いていると体のバランスを保つことが出来る。しかしまたその微生物は人間の生命力とリンクするため、体を鍛えたり健康を保つことが重要となる。

「・・・・とまあ、能力者に最低必要源の知識を教えたはずですが」
「あー、そうだっけか?」
二人の1時間も続く会話にうんざりしたシェブは会話に突っ込んだ。
「って、この前から説明ばっかりじゃないか〜。忍君は何も知らなすぎだなぁ」
「まあ、これで一通り話しましたから、もうトレーニングに打ち込めるでしょう・・・」
「で、どこでどうやってトレーニングすんの?」
「そうですね、基礎体力向上ですから人里離れた山奥とか・・・ですかね」
「へぇ〜そんなベタな設定で良いんだ」
「見るだけなら簡単ですからね、トレーニング内容は二人とも別々ですが覚悟はしておいて下さい」
レイゼンは懐からモノクロの凹凸のある珠を取り出した。
「レイゼンそれは?」
「これは『ライドボール』といって飛行、水中などの移動手段に用いられます」
レイゼンはライドボールを投げるとライドボールは変形し、グライダーの様な形になった。
「これはシェブが使って下さい」
「えー、俺は〜?」
「私が変身魔法を使えばいい話です」
修行は次回にお預けなのであった・・・・・

21ひらりん君:2011/05/02(月) 20:55:43 HOST:222-151-086-003.jp.fiberbit.net
7page〜⑤
一層と街に離れた山奥で忍達は拠点を築いていた。
「にしても、レイゼンお前動物とかにも変身できるんだな〜」
「攻撃が出来ないよう制限はされていますけどね。鳥類、獣類は一通り心得ていますから」
レイゼンは一息ついて話し始めた。
「では、やっと特訓が始められそうですね。早速ですが、忍には今日からこのGW中このメニューをこなして貰います」
忍はレイゼンからメニューの書いてある紙を渡された、几帳面なレイゼンらしく手書きで達筆だった。
「まさか甲羅でも背負って何かしらするんじゃないよな、えっと、山の麓まで下りて薪を割るそれを担いでまたここに戻ってこれを5回・・・って軽く雑用入ってるけども〜」
「しょうがないですよ、暫くここで特訓するんですから、何かしら雑用も混ぜないといけません。後、そんなどっかの人気漫画のような特訓方はやりません。それではシェブの方もありますので」
忍は渋々と麓まで走っていった。
「ったく、レイゼンのヤツめ、基礎体力向上とか何とか言って結局雑用かよ・・・・ブツブツ」
〜一日目終了〜
 翌日 朝
「忍、起きて下さい早朝も特訓あるんですから・・・・」
「もう10分だけ・・・・」
「いや、もうこれ4回目なんですけど・・・」
「こっちも筋肉痛が激しいんだって、今日ぐらい大人しくしてても良いでしょ。勉強してるからさ〜」
「『勉強』という言葉を都合の良いときだけ使わないで下さい。だったら、教科書でも読みながら薪割り行って下さい」
「俺は二宮金次郎かっ!」
「いいから行っていてください、こっちもこっちでやること沢山あるんですから」
「そういやシェブはどんな特訓してるんだ?」
「君と違って基礎的体力が備わっているので、本格的に能力を使って実践を行っています」
「あーもーくそー!邪魔しに行ってやる!」
「何でも良いですから早く二宮金次郎になってて下さい!」
レイゼンの言葉にお構いなしで忍はシェブの特訓場を見に行った。
するとなにやらシェブが両腕をしっかりと伸ばし、集中力を高めているようだった。
「そういやシェブのヤツの新しい能力はまだ見ていなかったな・・・」
シェブは伸ばした両腕に拳をギュッと握りしめた。途端に周りに衝撃波が走った。忍は衝撃波に暫く圧倒されていたが、気が付くとシェブの周りには水煙が立ちこめていた。
「あ、あれは!?」
驚いている忍にレイゼンがやれやれと言わんばかりに話した。
「シェブに授けた能力は水災魔法といって水を操る魔法です。本来は水災害を防ぐものに使われており・・・・」
「はいはい、分かったから。そう言う説明聞き飽きたから」
「・・・・」
シェブが2人に気付いて近づいてきた。
「やあ忍君!1日しか経ってないけどもう良いの?よければ新しい能力を試してみたいんだけど」
「よっしゃあ!あの時みたいに返り討ちにしてやるぜ!」
「特訓メンニューが台無しじゃないですか、全く・・・」

22ひらりん君:2011/05/03(火) 18:52:55 HOST:222-151-086-009.jp.fiberbit.net
7page〜⑥
「じゃあ、始めようか」
傾斜のきつい山では今まさに戦いが始まろうとしていた。
「おう!久々に俺の力が発揮できるぜ!」
「ハァ、じゃあ始めますよ。練習試合開始!」
レイゼンのかけ声とともに2人は一斉に動き出した。
先手を取ったのは忍だ、山の木の影を上手く使い素早くシェブに接近していった。忍は影で作り出す刀『影刀』でシェブに斬りかかった。
シェブは木から木へ上手く飛び移っていたがさすがに素早さは忍に劣り、すぐに追いつかれてしまった。
「さすがに素早さには俺に勝てないな!」
忍の『影刀』がシェブのもう目の前に来ている。
「勝負はまだまだこれからだよ」
シェブの周りにはスカイブルーの魔法陣が敷かれた。そしてその瞬間、忍の周りに無数の水滴が浮かび、水滴は一つの水の粒になった。忍はそれに捕まり身動きが取れなくなった。
「ゴボッゴボッ!」
「忍君、あまいね。水の性質は何にでも形が変わるというのがある。それを生かした技だよ」
忍は水の中で必死にもがいている。
「忍、気絶は負けに値しますから降参か、これを抜け出さないと行けませんよ」
忍はもがきながらも魔法陣を敷いて、周りの木陰を利用して水を破壊しようとしたが水には波が立っただけで壊れまではしなかった。
(くっ、このままじゃ・・・・)


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