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自民党政権綜合スレ

1チバQ:2012/12/01(土) 19:12:22
前スレに続き、政権の枠組みがはっきりしないので、
スレタイトルはシンプルに。
「政策」「政権課題」「政権人事」などの話題のこのスレで。

【民主党政権綜合スレ】
実質前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1251865116/l50

【自公保観察スレ】
自民党公明党の党内政局はこちら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1067007932/l50

【政治とカネ】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1245815657/l50

【第46回衆議院議員総選挙(2013年?)】
2012年12月16日投開票の衆院選はこちら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1252036284/l50

>>2以降しばらくは、衆院選の争点関係の話で行きましょう。

2チバQ:2012/12/01(土) 19:13:28
http://senkyo.mainichi.jp/news/20121201ddm008010040000c.html
2012衆院選:金融政策、異例の争点化 成長戦略行き詰まり
毎日新聞 2012年12月01日 東京朝刊

 衆院選の各党の選挙公約(マニフェスト)に、日銀の金融政策に関わる項目が目立ち、30日の日本記者クラブ主催の党首討論会でも金融緩和をテーマに舌戦が交わされた。「金融政策がこれほど大きな争点になるのは初めて」(エコノミスト)の異例の事態だが、有効な経済の成長戦略を見いだせない政治の行き詰まりの裏返しとも言える。【葛西大博】

 最初に仕掛けたのは、自民党の安倍晋三総裁。衆院解散が確定した翌日の11月15日、東京都内での講演で「日銀と政策協調をしてインフレ目標を持ち、無制限に緩和する」などと金融政策の手法について踏み込んで発言した。30日の党首討論では「野党の立場だから、例えば、ということで手段にも言及しているが、もし首相になったら手段は申し上げない」と言及。金融政策は日銀が決めるとの考えを示し、ややトーンダウンしたが、同党の政権公約には「物価目標(2%)を設定し、大胆な金融緩和策を断行」「日銀法改正も視野に政府・日銀の連携強化の仕組みを整える」などを盛り込んだ。

 日本維新の会は衆院選公約に「日銀法改正により政府と日銀の役割分担・責任の所在を明確化する」と盛り込んだ。29日に都内で会見した橋下徹代表代行は「あまりに日銀に独立性が強すぎる。(政府と日銀との関係は)地方自治体の首長と教育委員会の関係とそっくりだ」と述べ、自身が大阪で進める教育改革を例えに、日銀法改正に取り組む姿勢を示した。

 民主党のマニフェストは「10月に初めて作成した共同文書に基づき、デフレ脱却に向けて政府・日銀一体で最大限の努力を行う」と控えめな表現だ。30日の党首討論で野田佳彦首相は「当面の物価上昇率の目標として1%としているが、現実的な数字だ」と間接的に自民党の公約を批判。「日銀の独立性を担保した上で、連携しながらデフレ脱却の取り組みを強化したい」と述べ、「日銀の独立性」の見直しにまで踏み込む自民党や維新の会との違いを強調した。

 金融政策が争点に浮上していることについて市場関係者は「国の財政が厳しく、金融政策に頼らざるを得ないのはどの政党も同じ」(銀行幹部)と指摘する。日銀の白川方明総裁は、「(デフレ脱却は)思い切った規制緩和をはじめ、政府による成長力強化の取り組みが重要」(20日の記者会見)と、政治による金融緩和圧力をけん制する。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「成長戦略をなおざりにし、日銀に金融緩和を迫るのは政治の責任転嫁だ」と指摘する。

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 ■ことば

 ◇日銀法
 日銀の役割や業務、組織のあり方などを定めた法律。戦時中の1942年に制定された旧日銀法を97年に改正(施行は98年)した。旧法下で政府が日銀に対して持っていた業務命令権、総裁解任権などの強い権限を全面的に見直し、日銀の政府からの独立性を高めた。ただ、デフレからの脱却が遅れていることから、法改正により日銀に対する政府の権限を再び強め、大胆な金融緩和を進めるべきだとの議論が持ち上がっている。

3チバQ:2012/12/01(土) 19:14:26
http://senkyo.mainichi.jp/news/20121201k0000e040188000c.html
衆院選:「女性宮家」 皇室典範改正、自民内に強い反発
毎日新聞 2012年12月01日 11時14分(最終更新 12月01日 11時23分)

 女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設を巡る論議の行方が、不透明になっている。民主党政権は10月に今後の議論の柱となる論点整理を発表し、来年にも皇室典範の改正法案を国会に提出する構えだったが、自民党内などに強い反発の声がある。衆院選の結果次第では議論が棚上げされる可能性があり、女性皇族も気をもんでいるという。【長谷川豊】

 女性宮家問題がクローズアップされるようになったのは昨年10月。羽毛田(はけた)信吾宮内庁長官(当時)が、現在の皇室典範の規定に従うと女性皇族は結婚して次々皇室を離れ、皇族が極端に少なくなり活動に支障が出るとの危惧を野田佳彦首相に伝えたことがきっかけ。政府は今年2〜7月、12人の有識者からのヒアリングを実施した。

 10月には、天皇の子と孫に当たる内親王に限定した上で(1)結婚後も皇族の身分を維持する女性宮家の創設を優先して検討する(2)結婚後も国家公務員の身分で皇室活動を支援する−−との2案を併記した論点整理を発表。実現には皇室典範の改正が必要となるため、政府は12月10日まで国民の意見を求め、来年中の国会提出を検討していた。

 しかし、自民党内には保守派を中心に「女性・女系天皇容認論につながり、天皇制の根幹を揺るがす」と今回の論点整理の内容に反発する声が強い。中心となる「皇室の伝統を守る会」の会長を務めているのは自民党の安倍晋三総裁だ。

 また、日本維新の会の石原慎太郎代表は東京都知事だった06年の記者会見で「(皇位継承は)女であろうと、男であろうと結構だ」と発言したことがある。ただ、今回の論点整理に対する考え方は明らかではない。

 内閣官房皇室典範改正準備室によると、国民からメールやファクスで多くの意見が寄せられているが、担当者は「今後のことは全く白紙。我々も選挙の行く末を息を潜めて見守っている状態」という。衆院選で政権の枠組みが変われば、典範改正のスケジュールに影響が出るのは必至だ。

 現在、未婚の女性皇族は8人おり、このうち6人は成人。皇室関係者によると、女性皇族の間で結婚などを念頭に「どうなるのでしょうね」と話題になることもあるという。

4名無しさん:2012/12/01(土) 19:14:32
連立の組み替えや中途参加があるかもしれないので自民以外の党名は省略

5チバQ:2012/12/01(土) 19:17:10
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20121201ddlk01010183000c.html
12年末この国を選ぶ・北海道:アイヌ施策「期待持てぬ」 生活改善へ願い切実、議論は文化振興のみ /北海道
毎日新聞 2012年12月01日 地方版

 09年衆院選後の政権交代には、苦悩の歴史を背負うアイヌ民族も暮らしの改善を期待した。だがこの3年で何が変わったのか。次の衆院選(4日公示、16日投票)を前に、その現実を見た。

   ◆  ◆

 早坂ユカさん(43)は、札幌市豊平区の借家に子供2人と住んでいる。一戸建ての小さな建物。近くには豊平川が流れる。22歳から洋裁などの仕事をしながら1人で子供を育て、今は知床のホテルでアイヌ民芸品の委託販売をしている。余裕のある暮らしではない。

 今春、長男駿(しゅん)さん(22)が奨学金を頼りに札幌大学を卒業した。しかし、正規の勤め口が見つからず、臨時職員として市アイヌ文化交流センター「ピリカコタン」で働いている。月収は13万円。早坂さんは「奨学金は4年間で約360万円。9月に返済を求める通知が来たが、収入が少ないので猶予してもらった。少しずつ返しても重荷。消費増税でさらに負担も増える」と不満を漏らす。

 長女由似(ゆに)さん(20)も札幌大の2年。アイヌ子弟を対象にした札幌大の「ウレシパ奨学生」として学費は免除されている。だが生活費にするため、1カ月約5万円の奨学金を借りている。この返済もいつかはやってくる。

 四女のさやかさん(18)が来春の大学進学を目指す札幌市東区の川上裕子さん(64)の悩みも学資。さやかさんは今春高校を卒業し、アルバイトで学資をためている。

 川上さんは前回衆院選後、首相になった鳩山由紀夫氏に期待した。「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(アイヌ議連)会長で、アイヌ問題に理解があると信じていた。「でも結局何も変わらなかった。どの政治家も、自分の首をつなぐため政党を渡り歩くばかり」と失望感でいっぱいだ。

   ◇  ◇

 長い差別の中で生活の糧を奪われ、十分な教育も受けられなかったアイヌ。道の06年度の調査で、大学進学率は17・4%。全体の38・5%とは大きな隔たりがある。北海道大の08年の調査では、道内のアイヌの平均年収は197万円で、300万円未満が7割も占めた。期待する施策は、子供の進学や学力向上への支援が51・0%で最も多く、差別のない社会の実現、雇用対策拡充が続いた。

 道は76年度からアイヌに学資給付を始めたが、82年度から無利子貸し付けに後退した。現在の上限は、国公立大生で月額5万1000円、私立大生8万2000円。卒業後、年収によって返済は最大5年間猶予されるが、猶予条件も段階的に切り下げられ、11年度の年収400万円以下から13年度に300万円以下となる。

   ◇  ◇

 アイヌを先住民族と認めることを政府に求めた国会決議(08年7月)を基に、国はアイヌ施策の検討を本格化し、09年12月には政府のアイヌ政策推進会議が発足。アイヌ文化の復興・発展を目指す「民族共生の象徴空間」を白老町に設けることを決めたが、最も望まれている進学や就労支援はほとんど進んでいない。道外に住むアイヌも対象にしなければならず、予算もかなり必要になるからだ。

 北海道アイヌ協会札幌支部で生活相談員を19年間務めた多原良子事務局次長(61)は「国会決議は期待をもたせたが、議論されるのは文化の振興ばかり」と指摘する。それはそれで大切だが、景気低迷でしわ寄せを受けるのは低所得者が多いアイヌら弱者。生活改善への願いは切実ながら、次の衆院戦に大きな期待ももてずにいる。【千々部一好】

6チバQ:2012/12/01(土) 19:18:21
http://mainichi.jp/select/news/20121130dde041010011000c.html
12年末・この国を選ぶ:肝炎患う35歳、遠い「正社員」 働く意欲、くむ政治を
毎日新聞 2012年11月30日 東京夕刊

 ◇「派遣の仕事、今月たった1日」
 30日発表された10月の完全失業率は4・2%で、前月に比べ横ばいだった。厳しい雇用環境が続く中、衆院選まであと16日。千葉県柏市の無職男性(35)は「仕事がない限りこの厳しい生活が続くと思うと、暗い気持ちになる」と話す。働く意欲はあるのに、仕事が見つからない。政治に期待するしかないだけに、今回の選挙には関心を持っているという。

 最低賃金の時給のパート、特殊免許が必要な仕事……。男性は業務用スーパーで購入した1袋28円の即席めんをすすりながら求人情報を眺め、深いため息をついた。11月初旬に派遣の仕事が1日入ってから、まったく仕事がなくなった。

 C型肝炎に感染しているうえ、以前には白血病を患っていた。肉体労働など体力を必要とする仕事は難しい。正社員の安定した仕事を探しハローワークに通うが、仕事を検索するパソコンを使うまで2時間待ち、30台あるパソコンはいつも仕事を探す人で埋まっていた。ようやく仕事を探せるようになっても、理容師や特殊車両の運転など資格が必要な求人ばかりが多かった。

 少しでも収入を得るため、今年2月から派遣で働き始めた。日給は7200円で、中国から輸入されたパソコンの部品を梱包(こんぽう)する仕事だった。仕事が入れば必ず働いた。9月末までは月に12回ほど仕事が入っていたが、10月に入ると、ぴたりと仕事の連絡がなくなった。尖閣諸島問題で日中関係が悪化する中、中国からの輸入が止まったのが原因らしい。10月に2日、11月初旬に1日働いただけだ。

 生活保護を受給しているが、派遣で働いた賃金のうち5000円は毎回「収入」として認定され、保護費から差し引かれる。保護費が出ると、業務用スーパーで即席めんをまとめ買いし、寝る時は電気のブレーカーを落とすなど節約に努める。

 安定した仕事があれば、生活保護に頼らなくても生活する自信はある。だが現状は厳しく、やはり政治に何とかしてほしいと思う。

 男性は「政権交代で派遣法改正に期待したが、私たちのためにならない改正だった。どの政党が具体的に雇用を増やす政策を考えているのかよく見比べ、労働者のために働いてくれる政党を支持したい」と語った。【東海林智】

7チバQ:2012/12/01(土) 19:18:50
http://mainichi.jp/area/news/20121130ddq041010010000c.html
12年末・この国を選ぶ:中小企業、法人税率下がったけれど…赤字企業、恩恵なし 「仕事創出する政治を」
毎日新聞 2012年11月30日 中部朝刊

 民主党が09年衆院選で掲げたマニフェストのうち、「中小企業の法人税率引き下げ」は実現された。しかし、売り上げ規模の小さな町工場にとって「減税の恩恵は限定的」との指摘もある。12月の衆院選を目前に、経営者らは景気底上げ政策を切望している。【高橋昌紀】

 名古屋市港区の金属旋盤加工業「テクノバランス」は社員4人。できあがったばかりの長さ18ミリの金属ピンを社員が丹念にチェックする。だが、いくつかの工作機械には「休眠設備」と書かれた札がぶら下がっていた。河合玲児(れいじ)社長(47)は「受注はリーマン・ショック前の8割ぐらい」と明かす。

 03年10月に独立し日産8000〜9000個。主に自動車や事務機器メーカー向けだが「本当の末端。孫請けの孫請け」と河合社長は話す。どのような製品に使われるか分からない部品もある。突然の発注を受け徹夜になることもあるが、「『できません』では次の仕事を失ってしまう」。

 11年10月から1年間の利益は、なんとか100万円を超えそうだ。ただし、08年のリーマン・ショックで被った数百万円の借金がいまだにのしかかる。河合社長は「法人税減税など微々たるもの」と言う。

 リーマン・ショック後、全国の倒産件数は月1000件超で高止まりしている。民主党は09年衆院選のマニフェストで、中小企業の法人税率を18%から11%に引き下げ、「小さな会社や工場を支える」とうたった。自民党も10年の参院選で、中小企業の法人税率引き下げを訴えた。

 財源不足から15%への引き下げにとどまったものの、減税は今年4月から実施された。法人所得1500万円の企業なら、1年で約26万円の減税になるという。民主党議員としてマニフェスト策定に携わった中山義活氏は「道半ばだが、現場から評価する声をもらっている」と話す。

 しかし、政策研究大学院大学の橋本久義特任教授は「法人税は黒字企業にしか課されない。中小企業の大半が赤字の現状では、効果は極めて限定的」とみる。中小企業の経営に詳しい元国税庁職員の高木重利税理士も「現場には何のインパクトもない」と、09年の民主党マニフェストを「看板倒れだった」と指摘する。

 河合社長は今年9月、会社設立後初めて新入社員を採用した。一緒に独立してくれた古参社員が60歳を超え、技術伝承の必要を感じたからだ。人件費は増える。しかし「発注元に迷惑はかけられない。その意地がある」。機械オイルで滑りやすくなった床に踏ん張り、河合社長は力を込めて言った。

 「町工場にとって、モノ作りこそすべて。たとえどんなに利幅が少なくても、どんなに小さな注文でも、仕事があれば頑張れる。政府は法人税うんぬんでなく、仕事を創出する努力をしてほしい」

8チバQ:2012/12/01(土) 19:20:17
http://mainichi.jp/select/news/20121128dde041010004000c.html
12年末・この国を選ぶ:東京・江戸川スーパー堤防予定地 廃止?継続?方針は
毎日新聞 2012年11月28日 東京夕刊

 ◇現場住民「うんざり」
 完成まで400年、12兆円かかると批判された国の「スーパー堤防事業」。民主党政権は事業仕分けで「廃止」と判定したが、東日本大震災後に「縮小して継続」と方針転換した。自民党は公共事業に巨額の投資をする国土強靱(きょうじん)化基本法の制定を衆院選の公約に掲げており、選挙の結果次第で再び国の方針が変わる可能性もある。振り回されるのは、いつも現場の住民たちだ。【青島顕】

 「スーパー無駄遣いとして廃止にします」。10年10月にあった政府の事業仕分け。仕分け人の民主党衆院議員が高らかに宣言した。この様子をテレビで見た東京・江戸川右岸のスーパー堤防の予定地に住む女性(51)は「バンザイした」。

 女性の住む江戸川区北小岩1丁目東部地区(1・4ヘクタール、約90戸)は川とJR総武線、国道に囲まれた住宅地。区は地区全体を盛り土してスーパー堤防を造成し、その上に街を造る事業を進める。担当者は「古い家が多く、(スーパー堤防を)一歩でも進めたい」と説明する。

 区は約43億円の費用を国と折半する意向で、11年度に事業決定した。まだ国と協定は結んでおらず、国の予算もついていないが、国土交通省は震災後に各地のスーパー堤防事業を「縮小して継続」とし、江戸川区内の河川を事業対象として残している。

 事業が始まれば、地区は最高約7メートルの高さまで盛り土される。住民には移転費用は払われるが、いったん立ち退き、再開発後に戻ってこなければならない。この女性は「80代、90代の高齢者もいる。2度引っ越すのは無理だ」と話す。

 地区内の住民11人は昨年11月、区を相手に事業取り消しを求めた裁判を起こした。その1人、高橋喜子さん(83)は「川が氾濫したことはない」と言う。

 自民党は6月、10年間で200兆円を公共事業に投資する国土強靱化基本法案を国会に提出。公明党も10年間に100兆円の投資を打ち出した。

 投資先は明らかではないが、女性は「仕分け後の民主にがっかり、自公にもうんざり。弱者の立場に立つ政党に入れたいが、どこか分からない」。住民の澤地俊夫さん(66)は「ここより大震災の復興にお金を回して、と言いたい」と話している。

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 ■ことば

 ◇スーパー堤防

 200年に1度の大洪水に耐えられるよう堤防の幅を高さの30倍(200〜400メートル)に広げる事業。87年に始まり、首都圏、近畿圏の6河川の計873キロを整備する計画だったが、会計検査院の調べでは整備済みは9キロ(1・1%)。国土交通省は事業規模を120キロに縮小して進める方針だ。

9チバQ:2012/12/01(土) 19:24:07
http://mainichi.jp/select/news/20121127k0000m010075000c2.html
12年末この国を選ぶ:最終処分場、打開策なく
毎日新聞 2012年11月26日 22時32分(最終更新 11月26日 23時22分)
 東京電力福島第1原発事故で生じた汚泥などの高濃度放射性廃棄物を巡り、最終処分場の候補地に選ばれた栃木県矢板市に、野党の衆院選立候補予定者が相次ぎ訪れている。地元との調整がないまま候補地として提示し、混乱を招いた政府・与党の「失策」を突くためだ。しかし政権交代を目指す野党側も打開策までは示せない。地元の有権者はいらだちを募らせている。

 10月17日=社民▽同21日=公明▽同22日=みんな▽11月7日=自民▽同22日=再び社民。衆院解散と前後して、いずれも5〜10人の視察団が同市の農協職員、小野崎俊行さん(63)らのガイドで候補地を巡った。小野崎さんは計画の白紙撤回を求めて地元商工会など約80団体が加入する「市民同盟会」の会長を引き受けている。

 横光克彦副環境相(当時)が矢板市役所を訪れ、栃木県内で発生した指定廃棄物(放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル超)の最終処分場候補地として、同市内の国有林野を示したのは9月上旬。周辺に民家が1軒しかなく、生態系への影響が少ないことなどが「適地」の理由だ。遠藤忠市長は「寝耳に水」とその場で拒否した。

 候補地がある塩田(しおだ)地区では約75世帯が暮らし、近くを流れる簗目(やなめ)川にはサワガニ、ヤマメ、ドジョウが生息する。地元の小学校は自然学習の場として大切にしてきた。小野崎さんもこの地区で生まれ育った一人だ。そんな自然豊かな地区には今、赤いのぼりに「処分場候補地にノー」などと書かれたスローガンがひしめく。

 「住民の生活を無視した決め方は間違っている」「環境省の選定基準はいいかげんだ」。視察には野党幹部も訪れ、テレビカメラを前に批判する。小野崎さんは「衆院選後の白紙撤回を期待しているし、ぜひそうなってほしい」と話す。ただ、今回の衆院選には多くの政党が乱立しており、処分場の行方が政権の枠組みに左右されそうなのが気がかりだ。

 一方、「周辺に1軒だけ」の民家には永井士規夫さん(72)が暮らす。妻が相続した土地という。埼玉県川口市の自宅と行ったり来たりの生活だが、余生を過ごすために来春、生活の拠点をこの家に移す予定だった。処分場候補地までの距離は約300メートル。永井さんは「廃棄物を発生させた責任が誰にあるかという問題を置き去りにしたまま、処分場を押しつけようとしている。撤回してほしいが、野党も具体策を示していない」と憤る。

 矢板市に続き、茨城県内の最終処分場候補地に選ばれた高萩市でも「市民同盟」が結成された。両市長は今月9日、白紙撤回を求める共同合意書に署名。矢板市では12月2日、1万人の動員を目指して野外集会を開くなど有権者の「反乱」が続く。【岩壁峻】

 ◇福島、汚染土問題手つかず
 福島第1原発を抱え、汚染土などの処分の流れが他県と異なる福島県の事情はより複雑だ。「県内の中間貯蔵施設」で一時保管した後「県外の最終処分場」に運ぶ計画だが、ともに場所は未定。政府は7月、一時保管を「30年以内」と閣議決定したものの、県側が求めた法制化は新政権に持ち越された。地元では「なしくずしに最終処分場となるのでは」との懸念から、中間貯蔵施設の事前調査にも応じていない。

 同施設の候補地として国は8月、原発がある双葉郡の大熊・双葉・楢葉3町の計12カ所を提示した。9カ所が集中する大熊町は海沿いの大半が同施設で埋め尽くされる形で、帰宅を望む住民らの反発は強い。国は今も、12カ所を選んだ理由の説明行脚などに追われ、大幅な遅れが確実な情勢だ。

 矢板市のように、同じ栃木県内の汚染土さえ受け入れ場所が決まらない一方で、福島県の汚染土の行き場を県外に確保できるのか。新政権が解決できる保証はない。【泉谷由梨子】

10チバQ:2012/12/01(土) 19:25:12
http://mainichi.jp/area/news/20121125ddp041010008000c.html
12年末・この国を選ぶ:自民「国土強靱化」に注目 ゼネコン、期待と懸念
毎日新聞 2012年11月25日 西部朝刊

 自民党が次の衆院選に掲げる「国土強靱(きょうじん)化計画」にゼネコン各社が注目しているようだ。野田佳彦首相が衆院解散を宣言した翌日の15日、各社の株価が一時急上昇。自民党が勝利すれば、業界全体が活気づくとの見方が広がったためとみられる。「自民政権になれば追い風」と待望論がある一方、防災対策などで10年間に200兆円といわれる同計画に「税金の無駄遣いにつながるのでは」と懸念の声も上がっている。【町田徳丈、三木陽介】

 15日の鹿島株は前日の218円から6・42%上昇して232円となった。清水建設も前日比7・93%高の245円。日経平均株価は同1・9%上昇したが、ゼネコン各社は6〜8%高だった。その後も多くの社の株価が解散宣言前の水準を超えている。

 大和証券の寺岡秀明シニアアナリストは「ゼネコン株がそろって5〜6%上昇するのは珍しい」と指摘。カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストも「国土強靱化計画でゼネコン株は久々の上げ潮局面になると市場が先取りをした」と分析する。業界内にも「政権が代われば公共事業が増えると投資家が考えたのでは」(準大手ゼネコン幹部)との見方がある。

 複雑な胸中の業界関係者もいる。大手ゼネコン社員は「『コンクリートから人へ』の民主党から代わるならありがたい」と漏らす一方で、「本当に必要な投資をするのならいいが、選挙の人気取りで掲げるのはいかがなものか」と言う。「土建国家再来」と批判されるのを警戒している様子だ。

 別の大手社員は株価上昇を「イメージ先行」と冷静にみる。大手ゼネコンの受注高のうち官公庁発注は2割前後といい「ゼネコンは公共事業で潤っている印象があるが、民間受注の方が多い」と語る。

 ◇公明も100兆円投資公約
 次の衆院選では、公明党も防災、減災に10年間で100兆円を集中投資する公約を発表。公共事業への姿勢も問われる選挙戦になりそうだ。

 ◇「選挙目当て」
 法政大の五十嵐敬喜教授(公共事業論)は「人口が減って使われなくなるインフラも続出する。どこが政権を取っても、今後どのような公共事業が必要か国民的議論が不可欠だ」と指摘する。

 また、福岡市の印刷業の男性(64)は「今どき公共事業を前面に打ち出すのは時代錯誤で、選挙目当てのような気がする。消費増税分を回されないか心配だ」と話した。

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 ■ことば

 ◇国土強靱化計画

 東日本大震災からの復興と災害に強い国づくりを提唱した自民党の政策。基本法案を速やかに成立させ、今後10年間で▽津波堤防や河川堤防の強化▽橋や公共施設、港湾岸壁の耐震化▽台風・豪雨被害防止のダム整備▽老朽化する道路橋の更新−−など多岐にわたるインフラを整備するとしている。予算規模は200兆円とされたが、自民党が発表した衆院選の政権公約では具体的な金額を示さなかった。国が多額の借金を抱える中で公共事業を増やせば、財政がさらに悪化するとの懸念もある。

11チバQ:2012/12/01(土) 19:25:55
http://mainichi.jp/area/news/20121124ddg041010005000c.html
12年末・この国を選ぶ:北方領土、10年で7首相が交渉 安定政権で進展を 平均年齢78歳超え、元島民「時間がない」
毎日新聞 2012年11月24日 西部夕刊

 ソ連軍の侵攻で北方領土・国後(くなしり)島を追われた北海道根室市の96歳の男性が9月、腎不全で静かに息を引き取った。民主政権に領土問題の進展を期待し、最後まで希望を抱いていた一人だ。戦後67年が経過し、元島民の平均年齢は78歳を超えた。残された時間はそう多くない。次の政権は解決に向けどう取り組むのか。元島民は衆院選の論争を見つめている。【本間浩昭】

 亡くなったのは、島の東側のオダイバケで生まれ育ち、漁業で生計を立てていた宮谷内(みやうち)克治さん。引き揚げ後は新天地を奥尻島に求めたが暮らしは苦しく、「少しでも故郷の近くで」と1951年、根室に移り住んだ。

 長年、支部の理事も務めた根っからの自民党員。だが09年の政権交代で衆院北海道9区選出の民主党、鳩山由紀夫氏(65)が首相に就任し、「半年から1年以内に」北方領土問題の進展を図りたいと意欲を示すと、当時93歳の宮谷内さんの期待は高まった。歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)両島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言(1956年)を結んだ鳩山一郎氏の孫の言葉だ。「俺は100まで生きる」。家族にそう話し、行く末を見守る決意をした。

 だが鳩山氏は1年ももたずに退陣。メドベージェフ氏がロシア大統領として初めて国後島を訪問し、日露関係は「冷戦後最悪」と言われるまでに悪化した。今年になっても、李明博(イミョンバク)韓国大統領の竹島上陸、尖閣諸島問題にからんだ中国の態度硬化で、「最近の政府は北方領土どころではなくなっている」と元島民らには映る。

 過去10年間で日本の首相は7人を数え、民主政権でも3人だ。一方、ロシアのプーチン大統領は首相時代も含め13年在任している。宮谷内さんの死後も、望郷の念を引き継ぐ長男、宮谷内亮一・千島歯舞諸島居住者連盟根室支部長(69)は「これでまともな交渉ができるはずがない」と憤る。そして、政権交代後を「失われた3年」として無念に思いながら、「安定した政権で交渉の積み上げを」と強調した。

12チバQ:2012/12/01(土) 19:27:10
http://mainichi.jp/select/news/20121123ddm041010106000c.html
12年末・この国を選ぶ:宙に浮く機密費公開 自公→消極的 民主→政権獲得で二の足?
毎日新聞 2012年11月23日 東京朝刊

 ◇衆院選、争点になる気配なし
 09年の政権交代で期待された内閣官房報償費(官房機密費)の使途公開。自民、公明両党は消極的で、野党時代に公開を主張した民主党も、政権獲得後35億円近くを使ったのに公開に踏み切らなかった。大阪地裁は22日、市民団体が機密費の不開示決定を取り消すよう求めた訴訟の判決で3月に続き一部の決定を取り消したが、機密費公開が総選挙の争点となる気配はない。【青島顕】

 官房機密費は「国政への寄与」などを名目に官房長官の判断で支出され、会計検査院に対する使途の証明が免除されている。政府によると、政権交代した09年9月〜今年11月5日に計35億2000万円が支出され、うち約3886万円が未使用で国庫に返納された。

 機密費を巡っては自公政権の03年、「公開できるものは公開するか」と問われた福田康夫官房長官(当時)が「基本的にはそういうことでしょう」と答えたが、基準は作られなかった。

 民主党は野党時代の01年、支払い記録書の作成を義務付け、機密性に応じて10〜25年後に公表させる機密費改革法案を提出した。政権獲得後の10年には、鳩山由紀夫首相(同)が「適当な年月を経た後、すべて公開するよう準備に取りかかっている」と発言。公開基準作りの検討を口にした藤村修官房長官は9月「うやむやにすることは絶対ない」と述べたが、実現していない。

 政治資金に詳しい岩井奉信(ともあき)・日本大教授(政治学)は「25〜30年後などに公開するルールを情報公開法の枠組みの中に作るべきだ。外遊のせんべつや選挙費用といううわさもあったが、ルールができれば公開を意識して使う」と提言する。

 NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「使途の記録があるかさえ分からず、高度の政治判断で使われているとして説明もない。民主党は官邸に入って機密費の見方が変わったのだろうが、知ったからこそ説明できることもあるはず。自公政権は政権に復帰するなら、おざなりにしてきた説明責任を果たしてほしい」と話した。

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 ◇官房機密費の使途公開をめぐる動き
01年6月 民主党が10〜25年後の原則公表を明記した機密費改革法案を提出
02年4月 共産党が宮沢喜一内閣時代の「機密費の支出の一部書類」を公表
03年9月 福田康夫官房長官が公開に前向きな発言
09年9月 河村建夫官房長官が政権交代直前、機密費2億5000万円を支出。民主党政権誕生後、平野博文官房長官が機密費について「そんなものあるんですか」
10年3月 鳩山由紀夫首相が一定期間経過後の全面公開を表明。平野長官は鳩山首相の公開方針に否定的見解
   5月 野中広務元官房長官が小渕恵三内閣時代の機密費の使途の一部を明かす
   6月 菅直人首相が一定期間後の使途の公開を検討する意向を示す
12年3月 大阪地裁が支出相手が特定されない文書の一部公開を命じる判決。藤村修官房長官が秋にも公開基準とりまとめの意向示す
   9月 藤村長官が公開基準とりまとめを先送り
 ※役職は当時

13チバQ:2012/12/01(土) 19:27:52
http://mainichi.jp/select/news/20121121dde041010003000c.html
12年末・この国を選ぶ:就活生「雇用を」 数十社応募、内定ゼロ 「選挙考える余裕ない」本音も
毎日新聞 2012年11月21日 東京夕刊

 衆院選に向け立候補予定者たちが走り出す中、「就職氷河期」に直面する大学生たちは厳しい就職活動を強いられている。就活を1年以上続けている人も多く、50社、60社へのエントリーも珍しくない。各党は競い合うように景気対策を打ち出すなど選挙に向けたPRに努めるが「政治が就職難を解決してくれるのか」とあきらめの声も漏れる。【古関俊樹】

 東京都新宿区のイベント会場で20日開かれた企業の合同説明会には、リクルートスーツ姿の就活生約1100人が集まった。

 宮城県登米(とめ)市の男子学生(22)は就活2年目。今春、大学を卒業した後は研究生として大学に籍を置き、都内の企業説明会に通う。アルバイトでためた金を取り崩し、往復2万円を超える新幹線代やホテル代を賄っているという。

 昨年は地元のIT企業など2社から内定をもらったが、いずれも取り消された。東日本大震災の影響なのかと思ったが、企業側からは「申し訳ない」と電話が1本あっただけ。今年はこれまで約30社に応募したが結果が出ない。「政治には景気を良くしてほしいが、今は選挙のことを考える余裕はありません」

 金融や不動産業界への就職を目指す東京都多摩市のアルバイト、斎藤秀平さん(23)は「ハローワークでは1人の求人に100人以上が応募する。政治家にはもっと雇用を増やしてほしいが、各党が就活生のためにどんな政策を取っているのかが分からない」と訴える。大学生だった昨年は約50社に応募したが失敗。1人暮らしで就活を続けるが経済的に苦しく、「電車賃がかさむ都心の説明会に行くのに、二の足を踏む」とこぼした。

 60社にエントリーし、まだ内定がもらえない埼玉県所沢市の大学4年の女子学生(22)は、来月の衆院選に投票に行こうと決めている。「たくさんの政党ができて、政治が動いているので関心を持つようになった。公約を見て、景気を良くして就活をスムーズにしてくれるような政党に投票したい」。メーカーへの就職を希望する東京都板橋区の大学4年の男子学生(22)は「投票には行くが、政治家は就職難を解決してくれない。自分で何とかするしかない」と話した。

 文部科学省のまとめでは、今年3月に大学を卒業した約56万人のうち、就職も進学もしなかったり、非正規雇用などの不安定な仕事に就いたりした学生は12万8224人(約23%)に上った。

 各地で企業説明会を実施している「学情」(大阪市)の瀬戸本浩司ゼネラルマネージャーは「今後も厳しい採用状況は続くとみられ、職業教育など恒久的な支援態勢作りが必要だ。政党は政局ばかりに力を入れるのでなく、若者のために協力して対策を取ってほしい」と話している。

14チバQ:2012/12/01(土) 19:28:55
http://mainichi.jp/select/news/20121119dde041010004000c.html
12年末・この国を選ぶ:浮かび消えた「最低でも県外移設」 期待、幻滅、やり場がない
毎日新聞 2012年11月19日 東京夕刊

 ◇「沖縄の我慢、限界」
 「最低でも県外移設に向けて行動を起こす」。前回衆院選直前の09年7月、民主党代表だった鳩山由紀夫氏は米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)についてそう発言し、米軍基地に苦悩する沖縄の人々に大きな期待を抱かせた。同県嘉手納(かでな)町の行政書士、福地義広さん(51)もその一人。その後の国の迷走ぶりに幻滅し、1カ月後に控えた衆院選の選択先を決めかねている。【福永方人】

 米軍の戦闘機やヘリが離着陸するたびに、ごう音が青空を切り裂く。「うるさいでしょ? 朝晩も平気で飛ぶからたまらない」

 米空軍嘉手納基地のある嘉手納町。福地さんは、基地が見渡せる知人宅の屋上でため息をついた。昨年4月、夜間から早朝までの米軍機飛行差し止めなどを求める嘉手納爆音訴訟団に加わり、副団長を務める。

 4年前までは那覇地裁の書記官だった。沖縄支部(沖縄市)にいた94年、同訴訟の1審判決があり、判決文を原告側の弁護士に手渡した。判決は米軍機の騒音による精神的被害を認定し、国に賠償金の支払いを命じたが、飛行差し止め請求は棄却した。「被害を認めながら差し止めないのはおかしい」と疑問を抱いた。

 在日米軍基地の74%が集中する沖縄。福地さんは95年の米兵による少女暴行事件に抗議する県民大会に参加するなどしているうちに「基地に囲まれた不条理を強く意識するようになった」。自民政権が続く限り状況は変わらないと感じていた時、鳩山氏の「最低でも県外」発言を聞いた。「度肝を抜かれましたよ。半信半疑だったが、明言するからには戦略があるはずだと思った」

 島に期待が広がり、福地さんも民主に1票を託した。沖縄の4選挙区で民主は大勝し、自民は全滅した。

 しかし、鳩山氏は早々に県外移設を断念。「ある」と言った腹案もなかった。福地さんは「謝ったって駄目だ。沖縄の県外移設への思いはもう止まらない」と語気を強める。かといって、自民党は「県外」を打ち出すそぶりさえ見せない。

 永田町が迷走を繰り返す間、地元の反対を押し切って米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが強行配備され、凶悪な米兵事件もなくならない。

 「ウチナーンチュ(沖縄の人)の我慢はもう限界を超えていますよ。政治が動かない限り基地問題は進展しませんが、政治への信頼は完全になくなりました。何を信じて投票すればいいのか」

15チバQ:2012/12/01(土) 19:30:11
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121127-00000009-mailo-l02
乱:’12衆院選・争点の現場から/1 TPP 将来への不安、倍増 /青森
毎日新聞 11月27日(火)10時56分配信

 ◇「売れる作物、海外へ」の声も
 水田が広がるつがる市の木造地区。コメ農家の菊地靖さん(52)は衆院選を前に困惑していた。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉参加が争点に急浮上したためだ。「農家は将来に不安を抱えている。TPPで不安は2倍になった」
 TPP参加で関税が撤廃されれば、安価な外国産農産物が大量に流入する恐れがあるとして、全国の農家らは反対運動を展開。JAグループ青森は22日、党と候補者が共に反対であることを衆院選の推薦条件とした。菊地さんもこの条件を投票の基準にするつもりだ。
 だが、県内では明確に賛成を表明する立候補予定者は少数にとどまる。大半は反対か、参加に慎重な立場だ。党本部と立候補予定者の主張が食い違う場合もあり、投票の判断を難しくしている。
 県内の農家を取り巻く環境は、極めて厳しい。高齢化や後継者不足は年々深刻になっている。菊地さんの集落約30戸には、50歳未満の農家はいない。菊地さんも父(78)と2人で水田約5ヘクタールを耕作する。中高生の娘2人は農業以外の道に進むことを希望しているため後継者はいない。
 人手不足を補う窮余の策として、3分の2の水田で種もみをじかまきしている。「収量は1割減るが、育苗の手間を省ける。稲刈りなどの時期だけ人を雇う」。肥料を工夫して収量を増やす努力もしているが、まだ効果は上がっていない。
 農家の苦境の背景には、主食の多様化など長期的なコメ余り状況を受けた米価の下落がある。菊地さんも08年ごろ、価格の下落に転作の補助金減額が重なり、赤字寸前に追い込まれた。「就農して34年間で一番苦しい時期だった」。周囲ではコメ作りをやめる農家が相次いだ。
 東日本大震災の後、米価はやや高値傾向が続いている。消費者の買いだめや卸業者の在庫拡大が原因だ。菊地さんの手元に残る金額も2倍になったが、「高値はいつまでも続かない。あぶく銭だ」。将来への不安解消にはつながっていない。
 こうした中でTPPに参加すれば、農家は一気に減り“廃村化”が加速する懸念がある。「国全体の経済は良くなるかもしれないが、地方の集落はどうなるのか。格差への配慮がなければ農家の“一揆”が起きる」
 一方、県内でもTPPを望む声がある。県りんご輸出協会の太田一民理事長は、将来の東南アジア諸国のTPP参加もにらみ、既にインドネシアなど各国で市場調査を実施している。
 太田理事長は「国産農産物は、価格では外国産に対抗できない」と言い切る。その上で「コメ農家が多すぎるから価格が下がる。高付加価値で売れる作物を作り、海外へ打って出るべきだ」と訴える。
   ◇  ◇
 12月4日公示、同16日投開票の衆院選は、TPPや消費増税など賛否相半ばする重要政策への有権者の判断が注目される。争点の現場で、一票に託す思いを探った。=つづく
11月27日朝刊

16チバQ:2012/12/01(土) 19:30:38
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121128-00000070-mailo-l02
乱:’12衆院選・争点の現場から/2 原子力 揺れる住民の思い /青森
毎日新聞 11月28日(水)11時55分配信

 ◇「推進」「脱原発」不透明に
 「このまま工事がなかったら、この先どうなるんだろうと思った」
 大間町で140年続く老舗旅館を経営する阿部いく子さん(61)は、大間原発の工事が東京電力福島第1原発事故で中断した影響を振り返った。
 客の7割が原発の作業員だったが、事故後1週間で全員が退去。全く客の来ない日が続いた。昨年の売り上げは4割減。工事による宿泊増を見据え、6年前に借金して全館を改築したが、返済もままならないという。
 工事は今年10月に再開したが、本格工事は来春からとあって作業員はあまり戻ってきていない。全燃料にプルトニウムを使う世界初の原発に対する怖さも事故後に感じるようになった。政治が不安定な状況の中、大間原発がこのまま稼働できるかも分からない。「原発がなくなるのなら、旅館をやめてもいいんじゃないか」。夫と話し合ったこともある。だが、阿部さんは工事再開に期待をかける。「福島の人のことを考えれば複雑な気持ち。でも、まず生活しないといけないから」
 1年半ぶりに工事を再開した大間原発。町内に表立った反対運動はない。衆院選の翌週に投票日を迎える町長選も、計画を推進する金澤満春町長(62)の無投票3選が濃厚だ。
 背景には、町財政の多くを大間原発に依存している現状がある。町が1983年度から今年度までに受け取った電源3法交付金は、町の一般会計予算の2・5倍に当たる125億円。小中学校や大間病院の運営、人件費、町道整備など、あらゆるところに充ててきた。
 2014年11月(当初予定)に原発が運転を始めれば、町には交付金増額に加え、16年間で420億〜430億円の固定資産税も入る。町はこれを当て込み、函館市と結ぶフェリーの新造に昨年度、16億円を投じた。「工事が始まり安堵(あんど)している」。金澤町長は期待感を隠さない。
 だが、反対を明言する町民もいる。元マグロ漁師の近江松夫さん(68)は「あんな危険なものと共存はありえない」と、70年代初めの計画時から反対してきた一人だ。
 当時は何十人もの漁師が反対だった。しかし、港の埋め立てや温排水に伴う漁業補償が入ると、次第に賛成に回った。受け取ったのは1人500万〜1000万円だった。「家族が工事関係で働いていたり、補償を受け取ったりで、表立って声に出さねえだけ。町民の半分は反対だ」と言う。
 近江さんは、町議会などに住民説明会や住民投票の実施を求めているが、実現の見込みはない。「事故が起きたら、どこにも逃げる場所はねえ。一巻の終わりだ」と憤る。
 政府は「30年代原発ゼロ」と「核燃料サイクル継続」という矛盾した政策を立て、大間原発の建設継続を容認した。だが、衆院選で「推進」と「脱原発」が争点になり、再び不透明に。大間原発の行く末とともに、町民の思いも揺れている。=つづく
11月28日朝刊

17チバQ:2012/12/01(土) 19:31:00
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121130-00000076-mailo-l02
乱:’12衆院選・争点の現場から/3 震災復興 政治家の本気度見えず /青森
毎日新聞 11月30日(金)11時34分配信

 ◇「早く元の生活に戻して」
 「昭和40年代までは馬が放牧されていたんです」
 今月25日の午後。西日が差す八戸市東部の観光名所・種差海岸を環境省中央環境審議会の委員10人が訪れた。来年5月に予定される「三陸復興国立公園」編入にむけた視察で、一行はボランティアで海岸の清掃に取り組む「はちのへ小さな浜の会」の中里栄久寿事務局長(70)らから、天然芝生地の成り立ちや震災の被害状況などの説明を受け、美しい海岸の風景を堪能した。
 審議会の竹内和彦部会長は「自然の恵みと共に脅威とも付き合う意味がある。津波の記憶を残しつつ整備できれば」と強調した。
 「国立公園化でメディアの露出も増える。私たちにとって最後のチャンスだ」
 種差観光協会の柳沢卓美会長(64)は歓迎する。市内随一の観光地も、昭和40年代をピークに客が減り続け、5軒あった旅館が1軒になるなど低迷に苦しむ。津波での芝生地への影響はなかったが、近くの漁港では漁船が流されるなど甚大な被害に見舞われた。柳沢さんは「長期低迷で設備投資ができない悪循環に陥っていた。やっと意欲が出てくる」と期待を寄せる。
 八戸市の復興は、他の三陸沿岸地域よりも順調だ。津波で約4割が倒壊した八戸港最大の防波堤「八太郎北防波堤」は修復が進み、自力再建が難しい被災者に自治体が用意する災害公営(復興)住宅の建設も始まった。
 しかし、被災した市民からは「復興を実感できない」との声も聞かれる。
 「政局ばかりで、決められない政治が続いた」。八戸市湊地区の男性(64)は吐き捨てるように言った。胸の高さまで来た津波の影響で自宅は半壊。家財道具ごと水につかったが、新築はかなわず、義援金などで修復して何とか暮らしているという。経営する魚介類販売店も震災後は売り上げが減少の一途といい「一向に良くならない。政治には期待できない」と切り捨てた。
 八戸市では市川地区や湊地区など沿岸部で254棟が全壊し、147棟が大規模半壊の被害に見舞われた。いまだ108世帯269人が市営住宅などでの避難生活を余儀なくされている。浸水区域では再建された真新しい住宅の合間に、無残な基礎だけをさらす家々もある。
 「ハコモノだけじゃなく、被災した人たちがいち早く元の生活に戻れるようにして」。JR陸奥湊駅前の市場で働く女性(60)は訴える。「迅速な震災復興」「復興予算の使途見直し」−−。各党が掲げる公約は、被災者の思いとすれ違う。駅前で弁当を販売していた男性(58)はつぶやいた。「震災で関心が集まった去年より売り上げが落ちている。政治家の復興への本気度が見えない」=つづく
11月30日朝刊

18チバQ:2012/12/01(土) 19:31:20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000016-mailo-l02
乱:’12衆院選・争点の現場から/4止 消費増税 「企業殺すことと同じ」 /青森
毎日新聞 12月1日(土)11時6分配信

 ◇税率軽減「信用できるのか」
 「消費税を上げることは企業を殺すことと同じです」
 陸奥湾に面した外ケ浜町平舘で、特産の「焼き干し」などを製造・販売する「外ケ浜物産」専務の福井久子さん(58)は、危機感を訴える。
 地元漁師から購入したイワシやアジ、タイなどを天日干しし、炭火で焼く昔ながらの製法にこだわり、品質の高い伝統商品を地道に作っている。タコの薫製やホタテのつくだ煮なども人気商品だ。
 普段は新青森駅などで委託販売しているが、イベントなどの機会を見つけては販売に乗り出している。「最近は消費者の財布のひもが固くなっている。特に震災後は、その傾向が強い」と福井さん。スーパー3店舗に出荷する、とれたての魚介類も以前の半分しか注文がない。
 「消費税を上げたら消費者は財布のひもを緩めるどころか、財布をバッグから出さなくなる」と嘆く。商品への消費税転嫁をどうするかが最大の課題となるが、「そのまま転嫁したら間違いなく顧客が離れる。しかし、何%か自社負担したら、経営が苦しくなる。零細企業はどうしたらいいのか」と、行き場のない状況だ。
 帝国データバンク仙台支店が東北6県の企業1276社(有効回答620社)を対象に行った消費税率引き上げの調査では、税率引き上げ分を「販売価格に転嫁できない」とした企業が43%余りに上った。
 青森市本町にある創業1858(安政5)年の「武内製飴所」社長、武内喜兵衛さん(75)は「商売は良いものを適正な価格で売ることが基本。材料の砂糖を国産から輸入品の調整糖に切り替えていくしかないのかなあ」と思案する。選挙ではこれまで支持してきた政党でなく、今回に限り消費増税に反対の党に投票するつもりだ。
 福井さん、武内さんともに「景気を浮揚させてから消費増税するべきで、順序が逆。増税で景気は悪化するだけだ」と異口同音に憤る。
   ◇  ◇
 消費者はどうだろうか。青森市内に住む女性(41)は、中学生の子供1人の母親。約10年前に離婚して実家に戻り、事務の仕事で手取り約12万円の月給で生活する。育ち盛りの子供を抱え、食費や教育費を差し引けば毎月ほとんど残らない。
 消費増税となれば、「普段から切り詰めているので生活費はこれ以上削りようがない。子供の高校入学などのため、毎月2万円ずつ積み立てている定期預金を半分に削らないとやっていけない」と不安げだ。
 自民党は政権公約で、消費増税に伴う低所得者対策として、食料品など生活必需品の税率を下げる軽減税率の検討を盛り込んだ。他党も対策を検討しているが、「新党が乱立しているし、どの党の何を信用していいのか分からない」。=おわり
 (この企画は吉田勝、高橋真志、酒造唯、神崎修一が担当しました)
12月1日朝刊

19チバQ:2012/12/01(土) 19:32:43
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121129-00000295-mailo-l17
問われるもの:’12衆院選石川の課題/上 北陸新幹線 /石川
毎日新聞 11月29日(木)16時29分配信

 ◇新駅構想、政権で一変
 「県の姿勢が大事なんですよ。国交省もそこを見ている」−−。
 今年8月19日に開かれた、自民党県連の役員らと谷本正憲知事ら県幹部との県政懇談会の席で、森喜朗元首相が向かいに座った谷本知事に厳しい口調で訴えた。JR北陸線加賀笠間駅(白山市笠間町)近くに北陸新幹線の認可駅「白山新駅」を誘致する構想の実現に向けて県が力を入れるよう、迫ったのだ。
 白山新駅が実現すれば、金沢、小松、加賀温泉に続く県内四つ目の新幹線駅。当初は、主に14年度開業予定の金沢駅を終点とする列車を回送後に収容する「白山総合車両基地」(同市北安田町など)に併設する構想だった。
 しかし、構想を取り巻く環境は今年6月に北陸新幹線金沢−敦賀間着工が認可され、敦賀に車両基地を置くことになって大きく変わった。敦賀の基地でも列車を収容するため、白山の基地に入る列車は減り、同時に新駅に停車する列車も減ることになった。採算が取れないとみられ、構想は頓挫した。
 森元首相らはあきらめず、代替案として白山車両基地の南西約2キロにある北陸線の加賀笠間駅近くに建設する案を提唱した。白山市選出の自民党県議がその背景を解説する。「自民党が衆院選で勝ち、政権を取れば新駅が認可される可能性は高まる。『政権交代』を見越した話だ」。
 一方の民主党。石川1区から出馬予定の民主前職、奥田建氏は国土交通省の副大臣として新幹線問題を担当していたが、代替案は協議されることもなく奥田氏を“素通り”して浮上した形となったという。同党県連代表の一川保夫参院議員は8月、「北陸新幹線の整備促進をしてきた各界関係者の結束を乱す」と不快感を示した。
 民主県連の幹部は一川氏の発言を、「国と沿線の各自治体とで駅数を調整した結果、民主党政権が敦賀延伸を認可した。決定後に突然『石川だけ駅数を増やしてほしい』というのでは他県の反発を招く」と解説する。
 課題になりそうなのが財政負担だが、白山市は整備費を50〜60億円と見積もった上で、「認可駅になると建設費は国が3分の2を負担。市と県の負担は20億円ほど」という。
 しかし、より問題なのは金沢との区間の短さだろう。在来線のJR北陸線金沢−加賀笠間駅間は約14キロで、所要時間は普通列車でも15分。距離の近さでいえば東海道新幹線の東京−品川間は所要時間は約7〜8分だが、品川駅設置には、都内での乗り換えの利便性向上が見込めた。白山新駅の需要や利点について白山市は「企業の新規進出が見込める」などとするが、具体的な試算はまだ定かではない。
 「金沢開業の経済効果を県内の各地に行き渡らせる」との願いにうなずく人は多いだろう。だが、公共事業に厳しい視線が注がれる中で新たな負担を抱えることや、設置の必要性について国民や沿線他県の理解を得ながら進められるのか。国政の判断力と調整力が求められる。
  ◇     ◇
 29年ぶりに師走に行われる総選挙。“審判の時”を前に県内で問われる課題を追った。
11月29日朝刊

20チバQ:2012/12/01(土) 19:33:17
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121130-00000198-mailo-l17
問われるもの:’12衆院選石川の課題/中 地域活性化 /石川
毎日新聞 11月30日(金)15時11分配信

 ◇自分たちで、できることを
 「立入禁止」−−。フランス・ベルサイユ宮殿を模したという王朝風の白い壁の建物で、警告の黄色いテープが風に揺れていた。輪島市朝市通りに建つ「イナチュウ美術館」は、運営主体の輪島塗製造販売大手「稲忠漆芸堂」が先月、金沢地裁から民事再生手続きの廃止決定を受けた影響で、営業を停止したままだ。
 「美術館が閉まってから、店の売り上げは2割減った」。蕨(わらび)国子さん(68)がため息混じりに語った。朝市通り沿い、美術館から約60メートルほどの場所でレストラン「わら庄」を開く。能登牛のステーキ丼などが、美術館を訪れる観光客に好評だが、今は通りの人影もまばらで、シャッターを閉じたままの店もある。衆院選の公示が来月に迫るがテレビ画面の向こうで展開される舌戦を遠く感じてもいる。「地方のことを考える人や政党に投票したい。だけど、“どんな政権になっても何も変わらないかもしれない”と思えば関心も薄れる」
 地域の活性化は民主党が「政権交代」を訴えた09年衆院選でも大きなテーマだった。マニフェストで掲げた「高速道路無料化」は、各論中の「地域主権」の項目にあった。旅行などで地方まで出かける人が増え、物流のコストも下がる、として経済効果を期待したのだ。一方、今回の衆院選で「政権奪還」を目指す自民党は、今月21日に発表した政権公約の中で「地域の再生」をうたい、高速道路など交通網整備や国内での観光旅行の促進などを掲げる。
 交通網整備や、利便性の向上が、地域の経済に好影響を与える−−。北陸新幹線の金沢開業や、来年の能登有料道路無料化への期待は大きい。だが、この機会を生かせるか、別の課題がある。
 稲忠の経営破綻のあおりで、キリコ祭りの巨大な灯籠(とうろう)を展示する観光施設「キリコ会館」(輪島市)は一度営業停止となり、元副館長の竹中正治さん(51)は解雇された。だが輪島商工会議所が「観光スポットが消滅する」との危機感から運営を引き継ぎ、営業を再開。竹中さんは再就職先を探す傍ら、会館の運営を手伝い、見学者を案内する。「輪島の観光存続のためなら喜んで手伝う。北陸新幹線が金沢まで開業し、有料道路無料化が始まっても、お客さんを受け入れる場所がなければ誰も来てくれなくなる」
 ◇     ◇
 「昔はいつも夜遅くまで、通りから『カタカタ』と、お客さんが出歩くげたの音が聞こえていた。今はさっぱり」。地盤沈下の著しい加賀温泉街で、最大級の山代温泉(加賀市)。表通りに店舗を開く女性(49)がなげく。
 01年には年間105万人の観光客が山代温泉を訪れたが、景気低迷で11年には86万人に激減。苦境の象徴のように9月、100年の歴史を持つ地元の老舗旅館「ホテル百万石」が経営不振で閉鎖した。女性は、「いつまでも『政治が何かをしてくれる』と待っていても仕方ない。自分たちでできることから始める」と話す。温泉街では空き店舗活用や温泉内の周遊キャンペーンなどを続ける。
 今回の衆院選で、民主党のマニフェストから「高速道路無料化」の文字は消えた。12月16日の投開票日は、3年前の政権交代の“教訓”はどこにあるのか、見つめる機会でもある。
11月30日朝刊

21チバQ:2012/12/01(土) 19:33:45
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000230-mailo-l17
問われるもの:’12衆院選石川の課題/下 志賀原発 /石川
毎日新聞 12月1日(土)16時20分配信

 ◇「継続」「反対」緊要な一票
 「石川に原発ってあるの?」−−。
 金沢市の主婦、魚住順子さん(43)は北陸電力志賀原発(志賀町)の廃炉を求めて同市で行われたデモに参加した時、通りがかった若い女性から聞かれたことが忘れられない。「金沢は志賀町から離れているが、深刻な事故が起きたら影響がないとはいえない。今まで関心のなかった人も、よく考えて選挙で意志を示してほしい」と思う。
 自らも福島第1原発の事故までは、原発についての関心は薄かったが、事故後は次々に疑問が浮かんだ。「本当に原発がなければ、電力が賄えないのだろうか」「食品は本当に安全なのだろうか」−−。2児の母で、子どもたちへの影響を考える。今年7月、ツイッターを通じ、金沢市内で反原発のデモがあると知って初めて参加した。現在も毎週金曜日、街頭で反原発を訴える取り組みに加わる。特に若い人たちには「棄権しないで、選挙に行ってほしい」と呼びかける。
 「二大政党」から「第三極」が話題となり政党の数は増えた。魚住さんは「今まではそんなに真剣に考えて投票していなかった。でも今回は日本が今後『脱原発』の方向に向かうのかを決める大事な選挙」と考えている。
 ◇     ◇
 「経済対策に政策の重点があるのはいつも通りだが、これまで正面から政治家が原発に対する考えを問われたことはなかった」
 過去に志賀原発の運転差し止めなどを求めた訴訟で、原告団事務局長を務めた羽咋市の多名賀哲也さん(69)は、近づく総選挙に期待をかける。安定ヨウ素剤の備蓄など、原発事故に備えた防災活動に取り組む市民団体「命のネットワーク」代表でもある。
 嘉田由紀子滋賀県知事の日本未来の党結党などで、原発問題が大きな争点になると感じる。多名賀さんは「志賀町や私の住む羽咋市など近隣では、生活や経済を原発に依存しているから、『原発をなくしたい』と思う人は多いのに表立って声を上げにくい。今回の選挙は、そんな人が意志を示すチャンスだ」と話す。
 ◇     ◇
 総選挙が近づき、政治家の口から「脱原発」や「卒原発」という言葉を聞く機会も増えたが、志賀原発が建つ志賀町赤住の区長、坂下孝夫さん(65)はその度に「選挙目当てで聞こえのいい言葉を言っているだけ」と苦り切る。
 町民はかつて志賀原発の建設への賛否で二分された。対立から親類でも顔を合わせなくなったり、「一緒にできない」と地域の祭りが中止になった。計画段階からでは約40年が過ぎ、原発のある暮らしが前提になった。「町にこれという産業はない。原発に絡んだ仕事がなくなれば、ここで暮らしていけない」
 7月、原子力安全・保安院(当時)専門家会合で、志賀原発1号機敷地直下の「S−1断層」に活断層の疑いが浮上。国の指針からは「廃炉」の可能性すらあり、危機感が募る。坂下さんは「地方の原発が都市部の電力をまかなっている。軽々しく『脱原発』と言わず、エネルギー政策を具体的に考える人たちが政権を担うよう、投票に行く」と力を込めた。
 ◇     ◇
 明日の日本を託す人たちを選ぶ時が迫る。私たちが抱えた課題は重く、すぐに解決するのは難しいかもしれない。それでも歩みを進めるために、それぞれの一票がある。=おわり(この連載は横田美晴、松井豊、丹下友紀子、宮本翔平が担当しました)
12月1日朝刊

22チバQ:2012/12/01(土) 19:34:29
http://www.at-s.com/news/detail/474544964.html
検証3年 民主政権の約束 (1)高速道路無料化(2012/11/26 14:16)

 「復興予算に充てるために5年間凍結している。うやむやにしたわけではなく、取り下げたわけでもない」

 11日、藤枝市で開かれた民主党前衆院議員の後援会総会。講師に招かれた前原誠司国家戦略担当相(50)は語気強く高速道路無料化を語った。政権交代後、最初の国土交通相として旗振り役を担っただけに強いこだわりがある。ただ、参加者の反応は鈍かった。

 高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る―。前回衆院選の民主党マニフェストの目玉政策は、3年間で全国の一部区間で社会実験が行われただけ。東日本大震災後は1200億円の実験予算が復興に回った。

 自民、公明両党は2011年8月、公債発行特例法案を成立させる条件として菅直人首相(当時)に「高速道路無料化、高校無償化、戸別所得補償も見直すべきだ」と迫った。利用者減で強い反発があった他の交通機関への影響も含め、社会実験の成果と課題を地方に聞くことより、国会はマニフェストをめぐる政争に明け暮れた。

 結局“看板倒れ”になった無料化。身内の民主からも「全くできなかった政策」=林芳久仁県連幹事長(68)=との落胆が広がる。県の幹部は「大風呂敷を広げ過ぎた。震災がなくても、原則無料化に必要とされた1・3兆円程度の財源確保は難しかった」と指摘した。

 一方、県内では無料化社会実験で手応えを実感した地域がある。東富士五湖道路の地元小山町では、観光需要の掘り起こしにつながったとの見方があり、「何とか(無料化を)復活させてほしいという要望は根強い」(町商工観光課)という。同じく実験対象だった西富士道路では、通勤客の利便性が向上した半面、一般道接続部での渋滞が問題になった。富士宮市の角入一典都市整備部長(59)は「メリット、デメリット両方あったのが率直な感想」と振り返る。

◇−−−◇−−−◇

※2009年衆院選「民主党マニフェスト」から抜粋
 高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る
 【政策目的】流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。
 産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。
 高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。
 【具体策】割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。
 【所要額】1.3兆円程度

◇−−−◇−−−◇


影響、慎重に考えるべき
 静岡経済研究所・中嶋寿志専務理事(60) 高速道路無料化という言葉は心地のいい響きだが、さまざまな経済的、社会的な影響をもう少し慎重に考えるべきだった。政策目的の一つに物流コストを下げることがあり、その考え方自体は一概に間違いとは言えない。ただ、これほどのデフレ経済になると効果が実感できず、余計に評価を難しくしている。高速道路網が発達している県内では実現すれば交流人口拡大などの点で一定のインパクトを与えただろうが、出て行く人が増える側面があったことも忘れてはならない。

◇−−−◇−−−◇

 3年前の衆院選で民主党を大勝に導き、歴史的な政権交代を果たす原動力となったマニフェスト。国民との約束はどこまで実現されたのか。県内の現場を取材し、検証した。

23チバQ:2012/12/01(土) 19:34:47
http://www.at-s.com/news/detail/474545203.html
検証3年 民主政権の約束 (2)高校授業料無償化(2012/11/27 14:13)

「実現」で中退者減少 
 高校授業料無償化は「実現」―。民主党は23日に発行した機関紙で、ひときわ目立つ扱いで取り上げた。前回選で打ち出した数多くの政策の中で、「実現」は農家の戸別所得補償と2項目だけだ。

 経済的な理由で高校を中退した生徒は無償化前の2008年度に全国で2208人だったが、10年度は1043人に半減。県内公立校でも08年度40人、09年度42人だった経済的理由の中退者数が10年度14人、11年度17人に大幅に減った。県教委学校教育課は「授業料無償化の影響が大きい」とみる。

 「数は少ない」と条件付きながら、「民主党が実現した施策」と高く評価するのは、高校教員らでつくる県高校障害児学校教職員組合の深田祐文書記長(50)。県公立高校PTA連絡協議会の鈴木敏彦会長(55)も「どこの家計も苦しく、子育て世帯はありがたい」と話す。

 ただ、教育現場では評価が割れる。無償化に費やされる予算は全国で毎年度約4000億円。巨額の財源が充てられる一方で、現場には「教育の質の向上につながっていない」との受け止めがある。

 公立の授業料と同額の就学支援金が支給された私学関係者も効果に懐疑的。公立への志願者流出などの影響は少ないが、県私学協会の松村龍夫常務理事(65)は巨額予算について「教育面でも他に使うべきところがあるのではないか」と手厳しい。

 「授業料の無償化は教育施策というより理念」と指摘するのは公立高校長でつくる県高校長協会の水元敏夫会長=県立静岡高校長=(58)。無償化に一定の効果は認めながらも「費用対効果で一概に評価できない。総合的に高校教育が充実したのかという視点が重要」と述べ、予算全体に占める教育費の割合にも注目すべきとの見方を示している。

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※2009年衆院選「民主党マニフェスト」から抜粋
 公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担を軽減する
 【政策目的】家庭の状況に関わらず、全ての意志ある高校生・大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくる。
 【具体策】公立高校生のいる世帯に対し、授業料相当額を助成し、実質的に授業料を無料とする。
 私立高校生のいる世帯に対し、年額12万円(低所得世帯は24万円)の助成を行う。
 大学などの学生に、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。
 【所要額】9000億円程度

◇−−−◇−−−◇

教育機会保障は画期的
 日大文理学部教育社会学・広田照幸教授(53) 高校授業料無償化は学習者の権利を保障するという観点で画期的で、評価されて良い。多額の予算が必要な政策にしっかりと取り組んだ。高卒は就職する場合に最低限必要な「資格」で、行政が無償化を通じて高校の教育機会を保障すべきだ。世界的にも公立の高校教育は無料が主流になっている。所得制限は権利保障の理念とは別の話。事務的費用を考慮しても所得制限すべきではない。

24チバQ:2012/12/01(土) 19:35:07
http://www.at-s.com/news/detail/474545577.html
検証3年 民主政権の約束 (3)子ども手当(2012/11/28 14:49)

理念が先行 看板倒れ
 民主党が看板政策に掲げ、政権交代の原動力となった子ども手当。鳩山由紀夫元首相は「子育ては社会全体が助け合い、負担する」と訴え、子どもを生み育てることに不安を抱いていた多くの世帯が期待を寄せた政策だ。

 2009年衆院選のマニフェスト(政権公約)で、初年度は月額1万3千円、2年目から2万6千円を支給すると約束した。保護者の所得制限を設けず、財源は「国の総予算の全面組み替えで捻出できる」と説明した。

 初年度の支給は1万3千円で10年度から始まった。財源捻出がままならない状況の中で2年目を迎え、東日本大震災が発生。11年度途中から3歳未満と第3子以降の3歳〜小学生に限って1万5千円に増額した。

 1歳の長女を育てる静岡市駿河区の主婦(29)は、買い物中の商店街で「子育てには1万5千円でも本当に助かる。手当とともに幅広い支援策を続けてほしい」と歓迎した。支給対象は中学生まで拡大し、子育て世帯に政策を評価する声はある。だが、財源捻出と制度維持に窮した民主は自民、公明両党との「3党合意」で、12年度から自公政権時代の児童手当を再導入した。所得制限が復活し、「誰しもあまねく」の理念は曖昧になった。野党に譲歩を重ねた末に“降伏”した形で、金看板は瓦解(がかい)した。

 民主党県連の小長井由雄政調会長(59)は「満額」支給未達成を「野党時代の情報が少ない中で公約をつくり、正確な算出が困難だったのでは」と弁明する。これに対し、自民党県連の宮沢正美政調会長(63)は「選挙目当てで裏付けも無く、有権者を買収したようなもの。破たんは目に見えていた」と手厳しい。

 子育て支援策は大型選挙のたび、各党の目玉施策になる。子ども手当は支給額や支給対象が目まぐるしく変わり、地方自治体も対応に追われた。

 6月現在で6万5千の支給対象世帯を持つ浜松市は計3回電算システムを改修した。子育て支援課の堀内治之課長(53)は「子育て支援には安定した制度設計が不可欠」とくぎを刺し、「どの政権になっても、これ以上の混乱はやめてほしい」と本音を漏らした。

◇−−−◇−−−◇

※2009年衆院選「民主党マニフェスト」から抜粋
 年額31万2000円の「子ども手当」を創設する
 【政策目的】次代の社会を担う子ども1人ひとりの育ちを社会全体で応援する。
 子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる。
 【具体策】中学卒業までの子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)の「子ども手当」を創設する(2010年度は半額)。
 相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などへ切り替える。
 【所要額】5.3兆円程度

◇−−−◇−−−◇

長期・安定的制度確立を
 浜松学院大・佐藤克昭教授(68) 「社会が育てる」との理念の下に創設したことは評価したいが、財源の検証が不十分だった。手当を生活費に使ったり、将来教育費に充てるために貯蓄に回したりする世帯も多い。「ばらまき」とも言われかねない現金給付以外の支給方法もあったのではないか。長期・安定的な制度の確立が不可欠なのに支給額や支給要件の変更を重ね、地方自治体にも混乱を招いた。手当だけで子育て世帯の生活は守れず、保育所入所を待つ待機児童や幼保一体化の問題と一体的にとらえたビジョンの中で、制度の今後を考えていく必要がある。

25チバQ:2012/12/01(土) 19:35:24
http://www.at-s.com/news/detail/474545868.html
検証3年 民主政権の約束 (4)一括交付金(2012/11/29 14:30)

裁量拡大も減額続く
 県庁で11月上旬開かれた県交通基盤部道路局調整会議は、新技術導入や用地交渉の遅れで予算残となった1500万円の取り扱いを協議した。

 「予算の有効活用を図り早期効果が出る事業を提案してほしい」「県道を長寿命化する舗装工事に回したい」

 これまで、国の補助金を他事業に流用するには、国との事前調整や変更申請など手続きに30日以上かかった。だが、この日話し合った1500万円は、一括交付金(地域自主戦略交付金)を充てた県道整備。手続きは簡略化され、事実上、事後報告だけでいい。県道路整備課は「自治体が優先順位を付けて事業を進められ、柔軟対応が図れる」と受け止める。

 地域主権改革を「1丁目1番地」に位置付けた民主党。省庁ごとに配分する補助金を再編統合し、地方が自由に使える財源を生むのが狙いだ。2011年度から一括交付金が始まり、12年度には配分対象を都道府県から政令市に広げ、対象事業も増えた。

 12年度に県が交付を受けた一括交付金は132億円(国費ベース)に上る。11年度比で14億円増えた。国庫支出金のうち一括交付金の割合は10%を超え、「自由度が広がった」(財政担当者)。静岡、浜松両市も「優先的に実施したい事業に重点配分できた。地域の自主性を高める取り組みが一歩前進した」と評価する。

 ただ、懸念は消えない。県や市町の財政担当者の間では、自民党の小泉政権当時に行われた「三位一体改革」で、国のひも付き補助金や税源配分の見直しが不十分なまま、地方が自由に使える地方交付税が大幅に削減された、と語り草になっている。

 案の定、一括交付金の主要事業である社会資本整備費は減少を続け、11年度はピーク時の半分以下に。井ノ口秀彦県交通基盤部政策監は「一括交付金化されても、(維持管理費など)必要総額が確保できなければ工夫する余地はなく、一括化の意味はない」と断じる。

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※2009年衆院選「民主党マニフェスト」から抜粋
 【政策目的】明治維新以来続いた中央集権体制を抜本的に改め、「地域主権国家」へと転換する。
 中央政府は国レベルの仕事に専念し、国と地方自治体の関係を、上下・主従の関係から対等・協力の関係へ改める。地方政府が地域の実情にあった行政サービスを提供できるようにする。
 【具体策】国から地方への「ひもつき補助金」を廃止し、基本的に地方が自由に使える「一括交付金」として交付する。義務教育・社会保障の必要額は確保する。
 「一括交付金」化により、効率的に財源を活用できるようになるとともに補助金申請が不要になるため、補助金に関わる経費と人件費を削減する。

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地域主権への制度設計示せ
 静岡大人文社会科学部・日詰一幸教授(57) 用途が制限されるひも付き補助金を一括交付金に変えたことで、自治体は裁量幅が広がり、自らの政策に生かす方向に動いた。中央集権型から地域主権型に国の形を変える方向にかじを切った取り組みと言える。ただ、民主政権発足時に比べて次第にトーンダウンした点は否めない。一括交付金は額や対象事業も十分ではなく、効果を検証しづらい状況にある。国の財源も厳しい中、どこまで拡大できるかが鍵だろう。自治体は一括交付金を使いこなせる政策形成力が問われる。衆院選では地域主権を進める制度設計を示すことが各党に求められる。

26チバQ:2012/12/01(土) 19:35:43
http://www.at-s.com/news/detail/474546193.html
検証3年 民主政権の約束 (5)完 戸別所得補償制度(2012/11/30 14:19)

農家の経営上向かず
 県農業経営士協会耕種部会の太田重一部会長(58)=磐田市=は、3年前から戸別所得補償制度の補償対象となる飼料米の生産を始めた。「農家の恒常的なコスト割れを補填(ほてん)し、食料自給率を向上させる」。太田さんは制度の理念をこう評価する。

 戸別所得補償は民主党が2009年総選挙で目玉政策の一つとして掲げた。米の生産調整(減反)や水田の転作などに応じることを条件に、交付金が直接支払われる。

 主食用米の所得補償は作付面積10アール当たり1万5千円。ただ、デフレ経済進行や消費減による米価低迷の一方、肥料代や燃料費の高止まりが収益を圧迫する。「コメ農家は大金をもらったと言われるが、経費を差し引けば制度加入前と所得はほぼ変わらない」と太田さんは打ち明ける。

 農林水産省によると、12年度の申請件数は約115万件で、5ヘクタール以上の農家では98%が制度に加入。県内は6444件と前年度比微増で推移し、3年間で制度が農家に浸透したとみられる。

 専業、兼業を問わず補助金が一律交付される補償制度は「選挙の票を目的にしたばらまきだ」との批判もある。県稲作研究会の寺田隆雄会長(60)=袋井市=は「農地の規模集約や大型化を妨げる」と弊害を指摘する。

 所得補償に充てた予算は12年度で6900億円。今後、交付総額が増えれば、国の財源を圧迫する。一方、食料自給率は11年度も40%を割り込み、改善の兆しは見えない。「不況で税収減となれば、制度打ち切りもある」(寺田さん)。

 目まぐるしく変化してきた戦後の農業政策は、「猫の目」ともやゆされる。JA静岡中央会は「政権交代のたびに農政が変わるようでは現場が困る」とくぎを刺す。

◇−−−◇−−−◇

※2009年衆院選「民主党マニフェスト」から抜粋
戸別所得補償制度で農山漁村を再生する
 【政策目的】農山漁村を6次産業化し、活性化する。主要穀物などでは完全自給を目指す。小規模経営の農家を含めて農業の継続を可能とし、農村環境を維持する。
 【具体策】農畜産物の販売価格と生産費の差額を基本とする「戸別所得補償制度」を販売農家に実施する。規模、品質、環境保全、主食用米からの転作などに応じた加算を行う。畜産・酪農業、漁業に対しても、農業の仕組みを基本として、所得補償制度を導入する。
 【所要額】1.4兆円程度

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明確な保護基準示せ
 静岡産業大情報学部・堀川知広教授(61) 戸別所得補償は、今後の農業政策の方向性として間違っていない。米国、欧州でも農家への直接支払いによる農政に重点が置かれている。貿易自由化で安価な海外農産物が流入すれば、農業者を支える必要がある。農業者は、自然環境や景観を守る役割も果たしている。補償対象を野菜や茶、果樹まで拡充しても良い。一方で、国は重点的に保護する農家の経営像を明確に示すべき。消費者にも理解され、持続可能な所得補償の在り方が求められる。

27チバQ:2012/12/01(土) 19:39:39
http://www.chugoku-np.co.jp/senkyo/syuin/12/News/chugoku/Sc201211280001.html
国保、きしむ制度 TPPや原発の影、議論埋没に懸念
 ▽加入者 重い負担/自治体も悲鳴

 国民の約4分の1が加入する国民健康保険は、制度疲労が著しい。背景には高齢化や景気低迷による財政難があり、運営する市町村が財源を確保するために保険料(税)を引き上げる例も目立つ。衆院選を前に、加入者からは「社会保障の議論を深めてほしい」との声が上がる。

 「払いたくても払えない」。5日、三原市役所の地下1階会議室に「市国保制度をよくする会」のメンバー十数人の声が響いた。約8千人分の賛同署名を携えて保険税の引き下げを求めた。「これ以上高くなると無理だ」。メンバーの建設業男性(53)=三原市=はうなだれた。市は2010、12年度に保険税をそれぞれ9・7%引き上げている。

 3人の子どもがいる男性は、9年前に独立。数年は順調で年収500万円を超える年もあったが、不況の影響で5年前から仕事は激減。年間約50万円の保険税が払えなくなった。貯金はない。

 月二十数万円の収入から、半分近くはアパートの家賃と借金返済で消える。月約5万円の保険税の負担は重い。男性は「食費を切りつめる毎日。生活をどう守るのか、選挙ではより具体的な政策を聞きたい」と話す。

 消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法は8月に成立。消費税率は14年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げる予定だ。しかし衆院選の前哨戦で、肝心の社会保障政策は原発や環太平洋連携協定(TPP)などに埋没。立候補予定者たちから具体的な主張は聞こえてこない。

 一方、国保制度を担う自治体からも悲鳴が上がる。三原市は「保険税収が伸びない中で、医療費は増える。税率を上げざるを得ない『悪循環』になっている」という。広島、山口の両県内では本年度、計42市町のうち18市町が保険料(税)を上げた。

 厚生労働省によると、全国の加入世帯の平均所得(課税標準額)は10年度117万円。4年前から21万円減った。保険料(税)収入は全体で前年度比2・1%(634億円)の減。半面、保険給付費は同3・2%(2741億円)増で、一般会計からの穴埋めなどを除いた収支は3900億円の赤字という。

 社会保障と税の一体改革関連法で設置が決まった「社会保障制度改革国民会議」は30日初会合を開く。年金や医療などの具体的な改革案を来年8月21日までに示す予定だ。

 県立広島大大学院の住居(すみい)広士教授(保健福祉学)は「社会保障制度が衆院選の目立った争点になっていないのは残念。今は国民会議に任せるだけではなく、国民的議論にする好機だ」と指摘する。(鴻池尚)

【写真説明】国保税の未納内訳書を手にする加入者の男性

28チバQ:2012/12/01(土) 19:48:07
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121127-00000213-mailo-l31
守るべきものは?:’12衆院選/1 政党乱立、争点は何? 暮らしの現場からみると… /鳥取
毎日新聞 11月27日(火)15時39分配信

 「守るべきものは、守る」。昨年11月、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉に参加する方針を表明した野田佳彦首相は、国民にそう語りかけ理解を求めた。今後の日本で「守るべきもの」とは一体何なのだろうか。民主、自民の両党に「第三極」も絡み政党が乱立、明確な争点が見えないと言われる今回の衆院選。県民の暮らしの現場を歩き、私たちが「守るべきもの」を探った。【田中将隆】
 前回09年の衆院選で、民主党が308議席を獲得、政権交代を果たしてから約3年3カ月がたつ。今回は、その間に県内外で起こった出来事を振り返ってみた。
 ◆子ども手当
 09年当時、党の代表として選挙の顔だった鳩山由紀夫氏が政権交代後、首相となった。目玉政策の一つだった「子ども手当」は、財源を巡り一部を地方自治体が負担するという話が持ち上がったが、地方の大反対に遭う一幕も。結局、国庫で賄うことになったが、財源が足りず、当初予定していた月額2万6000円の半額で中学生以下の子どもを持つ保護者らに支給された。今年度からは元の「児童手当」を拡充する形に切り替わり、支給は続いている。
 ◆原発事故
 民主党政権として2人目の首相となった菅直人氏の船出は厳しいものとなった。10年6月の就任直後に、高速道路の無料化実験をスタートしたが、翌月の参院選で大敗。国民新党を含めた与党が過半数割れし、いわゆる「ねじれ国会」に突入した。
 解散総選挙を求める野党の声が大きくなったが、11年3月11日に東日本大震災が発生し事態は一変。一時的に選挙を求める声は無くなったものの、福島第1原発事故への対応について菅首相が責任を問われることになった。
 県内では、原発事故を契機に、島根原発(松江市)から30キロ圏に全域が入る境港市と米子市と県の3者が中国電力と原子力安全協定の締結に向けた交渉をスタート。立地自治体並みの内容とはならなかったが、同年末に原発から10キロ圏の防災対策緊急区域(EPZ)外の自治体として全国で初めて協定を締結した。現在は、立地自治体並みの内容を求め、協定の改定協議を始めている。
 ◆中小企業
 パナソニックによる三洋電機合併が決まったのは、政権交代前の08年。11年4月1日に完全子会社化された。一連の再編で、下請けなどの中小企業に大きな影響が出ており、県内の製造業の出荷額で5割以上を占めていた「電気機械産業」が激減している。
 民主党は、09年の衆院選で中小企業の法人税率を18%から11%に引き下げることをマニフェストにうたっていたが、10、11年度と見送り、ようやく今年度から15%と引き下げ幅を少なくして実現。09年12月には、リーマンショックへの対策として金融機関が企業に借入の弁済に猶予を与える「中小企業金融円滑化法」が時限立法として施行。2度、期限が延長されたが、来年3月末で終了する見込み。
 ◆TPP
 1年足らずで辞任に追い込まれた菅氏の後を継いだ野田佳彦首相は、11年11月にTPPの交渉参加に意欲を示した。経済界などから支持の声が寄せられた一方で、JAなどを中心に農業者から反発の声が上がった。

29チバQ:2012/12/01(土) 19:49:03
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121128-00000283-mailo-l31
守るべきものは?:’12衆院選/2 TPP 白バラ牛乳消える? /鳥取
毎日新聞 11月28日(水)17時21分配信

 ◇意欲失う前に裏付けある対応策を 「この子たちの未来のため」
 店頭から「白バラ牛乳」が消える? 例外規定のないまま、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加した場合、日本の農業にどのような影響を与えるか、農林水産省が2010年に試算した数字がある。それを基に、県内農業への影響を県が計算した結果、農業の生産額は年間45%(316億円)減、中でも乳業は100%減の数字がはじき出された。つまり、県内の酪農農家は無くなってしまうということだ。
 白バラ牛乳は「大山乳業農業協同組合」が生産する牛乳のブランド名。同組合は、県内の全酪農家が組合員となっている全国でも珍しい組織だ。そのため県内産の牛乳は、全て同組合を通じて商品化されている。
 鳥取は全国でも質の高い牛乳を生産することで知られる。乳の質や生産量を高めるため、牛群検定と呼ばれる検査に力を入れており、その実施率は全国1位の8割超えを誇る。年間生産量の約6万トンは、他の産地と比較して決して多くないものの、人口10万人当たりの数字は全国上位に入る。
 「さすがに100%無くなることはないと思っているが、壊滅的な状況になることは間違いないだろう」。幅田信一郎組合長も関税が全廃された場合の未来をこう予想する。
 チーズやバターなど海外産の加工品が入ってくると、現在の国産品の価格の半値以下で流通するようになる。国産品は売れなくなり、これまで加工品に使われていた北海道産の生乳がそのまま市場に出回ることに。乳業大手がひしめく北海道産の生乳は競争力が高く、結果として他都府県の生乳は市場から駆逐されてしまうという。
 「これは勝てないって思いましたよ」と話すのは、一家4世代で約55頭の乳牛を飼育する「ファーム山下」(大山町)の山下敏子さん(57)。酪農関係者らと、カナダのトロントやアメリカのサンフランシスコに視察に行った時の感想だ。「小さい農場でも100頭規模。大きいと1000頭とか。国の支援もしっかりしてるみたいだし……」
 敏子さんの夫で、社長の正太さん(52)からは「生産調整、BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫(こうていえき)と来て、ようやく終わったかと思ったらTPPですからね」とため息が漏れる。10年前、県内に300戸あった酪農農家は、今年170戸を切った。全国的に牛乳の消費が減少傾向にある中、餌の高騰なども農家に打撃を与えたからだ。TPPだけが懸案ではない。「生き物相手の仕事ということもあって、工場のように様子を見るために(生産を)止めてみようかなんてことはできないですから」
 若手の組合員で作る青年部は現在70〜80人。単純計算では、今残っている農家にも半分程度しか後継者がいないことになる。長男の大介さん(30)は「(若手のみんなは)TPPについて口には出さないが、相当気に留めているはず」と話す。「県内に就職口なんて少ないし、今更、サラリーマンになんてなれないですよ」
 大介さんには、6歳と4歳の娘、2歳と0歳の息子がいるが、酪農場を次世代に残せるかどうかが気に掛かる。「TPPに参加しなければ、なんとかなるとは思うんだけど」(大介さん)。敏子さんは、4世代目に当たる生後4カ月の龍星くんを見やり、「正直ね、私たちのことはいいんです。この子たちの未来のためにも……」と目を細め「しがみつくしかないんです」とつぶやいた。
 幅田組合長は「TPPという問題は、これから酪農を始めようという人たちの意欲を奪ってしまう」と次世代への心配を口にする。「農業を守るというのならば、(交渉に参加して)走りながら考えるのではなく、財政的に裏付けされた対応策を明確に打ち出すのが先。そうでなければ無責任だ。このままでは、将来に禍根を残すことになる」【田中将隆】
11月28日朝刊

30チバQ:2012/12/01(土) 19:49:36
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121129-00000119-mailo-l31
守るべきものは?:’12衆院選/3 原発対策 「あんたたちだけ、逃げないや」 /鳥取
毎日新聞 11月29日(木)12時32分配信

 ◇島根原発から18キロ 具体的な避難方法、介護基準を−−境港・外江地区
 「あんたたちだけ、逃げないや」
 古民家を改装した境港市外江町のデイサービスセンター「とのえの家」。1日に15〜16人のお年寄りが利用し、4〜5人のスタッフで入浴や食事などの世話をしている。
 センターがある外江地区は同市の北西端に位置し、島根原発(松江市)から直線距離で約18キロと県内で最も近い地区に当たる。もし原発事故が発生した場合、避難が必要となるが、利用者の平均年齢は80歳以上。足腰に不安を抱える人が多く、歩いての避難は難しい。利用者からは「動けないから、私たちはいいよ」などと諦めの声も漏れてくる。「だからって、置いていくわけにはいかないですよね」。センターの管理者、矢新(やしん)道子さん(53)は複雑な表情を浮かべる。
 昨年の福島第1原発事故をきっかけに、原発事故に備えた防災対策の重点区域が従来の8〜10キロ圏から、30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に広がった。UPZ圏内に入ったセンターも、避難の方法や場所などについて具体的な検討を迫られている。
 利用者には、認知症の人もいる。なぜ移動するのか、説明しても理解してもらえない可能性も高い。動きたくないと言われたら、どうすればいいのか。避難所に連れていくとして、どこまで付き添うべきなのか。家族と連絡が付かない場合は、どうするか。考え始めると切りが無いという。
 矢新さんの心配は利用者のことだけではない。「自分のことより、介護を優先してしまうと思うんです」と施設のスタッフにかかる負担も不安視する。2010年末から11年にかけ、県内全域を襲った大雪の際には、スタッフ総出で利用者をおぶったり抱えたりして、大みそかの夜までに何とか自宅に送り届けた。「公共交通機関はストップ。で、私たちはどうしようかってなるわけです」。スタッフにも、家族はいる。原発事故の場合は、被ばくの心配もあり「どこまで私たちが責任を持つ必要があるのか、本当に悩む。どういう時にどうすれば良いのか、行政が細かい基準を示してくれたら動きやすいのですが……」と頭を抱える。
 県の避難計画は現在、概要版がまとまった段階で、避難の際に乗用車の利用をどこまで認めるかなど、詳細は詰めきれていない。米子市も含めUPZ圏内の約7万3000人の避難を公共交通機関などを使って行う計画だが、移動手段の確保も懸案事項だ。
 一方で、高齢者や要介護者など「災害時要援護者」の数は、境港、米子両市が確認中。社会福祉施設や病院の入所者など分かっているだけでも2160人に上っている。これに在宅介護の人などが加わると、数は更に増えるのは間違いない。要援護者には専用の移動手段が必要になることが考えられるが、これらの確保も見通しが立っていない。
 外江地区は、地理的な要因で避難が困難との指摘もある。同地区の榧野(かやの)幹也自治連合会長(71)は同地区を「離れ小島」と表現する。同市の地形が半島のため、原発から逃げる方向は米子方面しかない。その上、津波の到来も想定している県の避難計画では、沿岸部を走る国道431号は「使えない」ことが前提となっており、米子方面に向かう道路は「確実に渋滞が起こる」(榧野会長)。米子市から一番離れた辺りに位置する同地区は、道路で渋滞が起こったら出口がふさがり、避難が最も遅れてしまう。閉じ込められてしまえば、文字通り「離れ小島」と化すというのだ。
 県が考えている避難計画では、原発から15キロ圏、20キロ圏と近い場所から順に避難することになっているが、境港市の職員も「そんな悠長なことは言ってられないと思う。我先に逃げようとする人たちで、絶対にパニックになる」と不安を隠さない。
 県は島根県と合同で避難の際にどの程度の渋滞が発生するかのシミュレーションを実施する計画を進めているが、開始時期や結論を出すタイミングは未定。3月までにまとめる地域防災計画にできる限り反映させる意向だが、どの程度盛り込めるかは不透明だという。【田中将隆】
11月29日朝刊

31チバQ:2012/12/01(土) 19:50:05
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121130-00000234-mailo-l31
守るべきものは?:’12衆院選/4 子育て支援 お金を渡せばOK? /鳥取
毎日新聞 11月30日(金)15時32分配信

 ◇保育施設充実など環境整えば2人目も…
 ◇女性の就業率と共働き世帯割合、全国6位
 「お金を渡せば、『はい、OK』という話ではないですよね」。前回の09年の衆院選で民主党が目玉政策として打ち出した「子ども手当」。結婚を機に仕事を辞め、現在7カ月の娘を育てている鳥取市富安1の主婦、吉村あこさん(30)はそう語る。
 「子ども1人当たり月額2万6000円を中学卒業まで支給する」と国民と約束した子ども手当だったが、財源不足から満額支給を断念。10年6月から半額の1万3000円の支給を始めた。今年度からは所得制限付きの「新児童手当」に変わり、▽3歳未満が1万5000円▽3歳〜小学生1万円(第3子以降1万5000円)▽中学生1万円−−が支給されている。
 この日、吉村さんは娘とともに鳥取市の商店街にある一時預かり施設を訪れていた。買い物や所用を済ませる間、急な依頼でも子どもを預かってくれるため、お母さんたちに人気がある。吉村さんは、月額1万5000円の新児童手当を「ありがたいし、少ない額とは思わない」と言うが、「家計でやり繰りすれば捻出できるほどの額をもらうよりも、一時預かり施設の充実や高額な任意接種の助成などの方が助かる」と実感を込めて言う。
 子育てを巡る課題は多岐にわたる。県子育て王国推進局が今年7月にまとめた「県の少子化の現状と子育て支援の取組」によると、11年4月1日現在で年度当初の保育所の待機児数はゼロ。10年度の人口当たりの小児科医数は全国1位▽産婦人科医数は2位−−と県内の子育てを巡る環境は充実している。1人の女性が一生の間に生む子どもの数の平均を示す「合計特殊出生率」も、県内は09年が1・46(全国平均値1・37)、10年1・54(同1・39)、11年1・58(同1・39)と3年連続で増加している。
 一方で、女性の就業率と共働き世帯の割合が5割を超え、10年の国勢調査では全国6位と、働く女性が多いのも鳥取の特徴。「夫が外で働き、妻が家庭を守る」という考え方も根強く、仕事に家事にと女性にかかる負担は大きい。09年の男女共同参画意識調査の「家庭の仕事分担状況」を見ても、食事の支度や片付け、洗濯、掃除、買い物などは6割以上の家庭が女性1人でこなしている。
 0歳児の母親である同市吉成の永井なつみさん(32)は育児休業中。仕事に復帰する来年度以降は保育所に子どもを預けようと第3希望までの申し込みをして、今は結果待ち。「新年度時点の待機児はゼロだが、途中編入は難しく、必ずしも希望する保育所に入れるわけじゃない。現金でもらう手当より、子どもを預ける場所が増えた方が安心して働ける」
 県子育て応援課も「子育てをしながら働ける制度や男性の育児参加など、女性が働きやすい環境づくりは取り組むべき課題だ」と認める。男性従業員に対して育児休業を取得させた事業主に対し10万〜50万円の助成金を支給する制度を昨年度から開始したほか、子育て中の男性の就業時間の短縮、男性の育児休暇取得の推奨などを呼びかけている。
 「男性が一緒に育児をすることでパートナーとの関係性が深まる。時間に余裕ができることで女性も仕事が続けられる」。自身の体験からそう語るのは、積極的に育児に取り組む男性「イクメン」のための講演などを企画する鳥取市のNPO法人「KiRALi」の代表理事、福井正樹さん(56)。
 教員の妻と2人の娘を育てた福井さんだが、結婚した時は育児に関心は無かった。長女が生まれた27年前、「育児に協力する」と言ったところ、喜んでもらえるどころか、妻から「2人とも働いているのになんで私だけ子育てするの!」と返され大げんか。以来、子育てに対する思いを入れ替えて育児に取り組んだ。「おむつ替えなんかもできたら楽しい」。社会人となった2人の娘とは今も仲良しで、妻も仕事を続けている。
 一緒に遊ぶ子どもたちに目を細めながら、吉村さんと永井さんは声を合わせる。「子どもを生んで子どもはかわいいなあと本当に思った。安心して育てられる環境さえ整えば、2人目を生みたい」【加藤結花】
11月30日朝刊

32とはずがたり:2012/12/01(土) 19:50:36
スレタイをちゃんと「綜合」としてくれて感謝ヽ(´ー`)/

33チバQ:2012/12/01(土) 19:50:39
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000224-mailo-l31
守るべきものは?:’12衆院選/5止 中小企業 「仕事が来ない」 産業構成「バランス欠く」声も /鳥取
毎日新聞 12月1日(土)16時13分配信

 ◇「金融円滑法」は評価
 「来年からは、何の仕事に就こうかなあ」。県内に事業所を構える電気機械関連企業の管理職の男性(56)は諦め顔でつぶやいた。「だって(会社に)仕事が来ない。実のところ、リストラだってしている」
 同社は、旧三洋電機コンシューマエレクトロニクス(現三洋電機内のCEビジネスユニット)の取引企業。08年末に三洋電機とパナソニックの合併が決まってから、仕事はどんどん減っている。「具体的には言えないけど、来年中には仕事がなくなる」。そのため、事業所の閉鎖も視野に入っているという。
 大規模事業所が少ない鳥取。県内の製造業は細かい部品などを作る中小企業が支えている。中でも電子部品や電気機械などを合わせた「電気機械関連産業」は最新のデータ(2010年)で52・1%と県内出荷額の過半数を占め、今も鳥取の主要産業のはずだった。
 「とてもじゃないけど、今はそんな割合じゃないはず。3割もいかないだろう」。県内を中心に電気機械産業の企業十数社で構成する「西日本工業協同組合」の山本武幸・事務理事はそう感じている。電気機械関係の出荷額が高かったのは、県内に100社あるとも言われる三洋の関係会社によるところが大きかった。そこに仕事が無くなりつつあり、他の大手製造業も生産拠点を海外に移し始めている現在の状況は「壊滅の一歩手前。雇用対策とかでなく、根本的な改革がないと経営の維持は無理だ」と力説する。
 一方で、「今があるべき姿なのかもしれない」と話すのは、県中小企業団体中央会の清水徹男・専務理事。厳しい環境に置かれた企業を気遣いながらも、電気機械関連の産業にウエートを置きすぎていた嫌いがあるとみている。事実、電気機械産業が出荷額の5割を超える都道府県は、鳥取以外にない。「一つの事業で成り立たせていると、それが傾いた時に修正が効かない。要は、バランスを欠いていたということでしょう」
  ◇   ◇
 民主党政権は中小企業対策として何をしてきたのだろうか。09年の衆院選で掲げたマニフェストは「中小企業の法人税率を18%から11%に引き下げる」。この公約に期待感を持っていた県内の中小企業経営者は多い。長らくたなざらしになっていたものの、ようやく今年度から15%に引き下げられた。
 まだ始まったばかりだが、既に「効果は限定的だ」との声も聞こえる。法人税を払うのは黒字企業のみ。全国で6割以上が赤字となっている中小企業には恩恵はないからだ。特に厳しい経営状態となっている県内企業の“特効薬”にはならないとみられる。「税率は低ければ低いほどありがたいが、(政策の)優先順位としては低い」。それが経営者たちの本音のようだ。
 一方で、連立を組んでいる国民新党の亀井静香代表(当時)肝いりの法案として、リーマンショックへの対策のために09年末に施行された「中小企業金融円滑化法」は評価する声が多い。同法は金融機関に対して、企業の借入の弁済に猶予を持たせることなどが主な内容とされる。この施策によって救われた県内企業は「相当数に上る」(清水専務理事)という。
 ただ、問題も出てきている。来年3月末で同法の期限が切れるが、「中小企業側に危機感が無さ過ぎる」と清水専務理事は警鐘を鳴らす。
 同法は、そもそも時限立法として11年3月末には役目を終えるはずだったが、期限の延長を求める声が多く、2回にわたって延長措置を実施してきた。延長が続いたことが影響し、「地元の金融機関が何とか面倒見てくれるんだろうな」という甘い認識が県内企業に広がりつつある。
 清水専務理事は「自分たちが(返済の猶予をもらわなくても)大丈夫だからと安心しきっている。でも、取引先のことまで考えれば、どう考えても影響はあるはず。県内でも2月後半から3月にかけて、トラブルが発生するのではないか」と懸念している。(おわり)【田中将隆】
12月1日朝刊

34チバQ:2012/12/01(土) 20:02:33
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20121121/CK2012112102000124.html
2012衆院選ちば 貧困の現場から 社会保障 充実願ったが…
2012年11月21日

衆院解散の夜も副田さん(左)は、定例となっている貧困支援の夜回りを続け、野宿者と言葉を交わした=市川市で


 「社会から貧困はなくなっていない。民主党政権の三年間で、大きな変化は感じなかった」。衆院が解散した十六日夜、市川市で活動する貧困支援のNPO法人「市川ガンバの会」の副田一朗理事長(60)は、定例の夜回りの最中につぶやいた。

 副田さんは牧師だった一九八九年、北九州市の教会に在任時、貧困支援を始めた。九六年に市川市に赴任し、翌年にガンバの会を結成。路上を回り野宿者と対話し、アパートへ入居などを勧め、人知れず亡くなった野宿者を弔うこともあった。

 野宿者は全国的に減少傾向で、会が把握する野宿者数も最多だった十年前の二百五十人から、近年は八十人ほどに減った。しかし、野宿者のアフターケア、若年層の貧困など新たな問題が山積し、活動の幅は広がり続けている。

 長く貧困の現場に立ち続けた経験から「二〇〇九年の政権交代には期待した」。当時、年越し派遣村に象徴された非正規雇用問題と貧困の若年化に社会が揺れていた。社会保障政策の充実を願って民主党に一票を投じ、念願の政権交代が実現した。

 民主党政権で会にプラスもあった。対象団体の拡大で、厚生労働省の補助金がもらえるようになり、会の収入の柱の一つとなっている。

 ただ、野田政権が掲げた社会保障と税の一体改革は、「税」の部分だけが先行し「社会保障」の充実は選挙後に後回しになった。副田さんは「政権が変われば、社会保障は手つかずになる可能性だってあるでしょう。民主党は、結局最後の詰めを欠いたままだった」と危機感を募らせる。

 衆院解散の直前、会の事務所に小さな子どもを連れた三十代の夫婦が二組、駆け込んできた。二組とも失業で住まいを失い、うち一組の小中学生の子ども二人は学校にも通っていなかった。

 「子どもを抱えた若い夫婦を扱ったのは今回が初めて。貧困がここまで進行していたのかと驚いた」

 〇九年当時、民主党は盛んに格差是正を唱えたが、最近この言葉は与野党の政争の中でかき消されている。「貧困は大きな課題のはずなのになぜ各党で議論をしないのか」。副田さんの次の一票はまだ、宙に浮いているという。 (白名正和)

    ◇

 選挙直前に異例ともいえる離合集散を続ける与野党。県内にもその影響が波及する中、有権者は何を思い、次の一票にどんな思いを込めようとしているのか訪ねて聞いてみた。(この連載は随時掲載します)

35チバQ:2012/12/01(土) 20:03:01
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20121123/CK2012112302000138.html
2012衆院選ちば 脱原発 託せるのは 「裏切らない政治望む」
2012年11月23日

野田首相の自宅周辺を歩き、脱原発を訴えるデモ参加者ら=船橋市で


 「前回の衆院選では、野田さんのビラ配りを手伝ったのに、裏切られた思いだ」。衆院解散後初の日曜となった十八日、野田佳彦首相の地元・船橋市薬円台地区であった脱原発デモの群衆に、こう話す市内の男性会社員(51)の姿があった。

 男性は二〇〇九年の衆院選当時、政権に就く前の野田氏を自分たちと同じ目線に立っていると感じていた。「書いていることは命がけで実行する。書かれていないことはやらない」とマニフェストの実行を約束する姿は頼もしく見え「大丈夫だと思った」と信頼した。普段は通信工事会社に勤め、政治に関わってきたわけではないが、初めてのビラ配りは「ここで政権が変わらなくては」との思いからだった。

 でも今の首相は「財界とべったり」と憤りを見せる。デモは原発問題が起き、「子どものことを考え、後に悔いを残したくないという義務感から行くようになった」と言う。「市民目線の、裏切らない政治を望みたい」。男性はこう願いながら野田首相の地元事務所前などを歩いた。

 この日は百人以上がプラカードやのぼり旗を掲げて行進し、太鼓やかねの音とともに気勢を上げた。「子どもを守れ」「未来を守れ」。首相の事務所や自宅前に差しかかると、叫び声がひときわ熱を帯びる。

 デモは、首相が関西電力大飯原発(福井県)の再稼働を表明した直後の六月十六日に初めて行われ、七、九月に続き四回目。市民ネットワーク・ふなばしなどの呼び掛けでできた市民団体「原発さよなら千葉」が主催する。

 ネットで開催を知り、都内から参加した男性(44)は一九九六年から一年半、福島第一原発で働いていた。福島県双葉町で生まれ、原発のそばで育った。「チェルノブイリの事故もあり、いつか福島も爆発を起こすのではと妻とも話していた」。震災で何人も友人が亡くなった。助かった人も強制避難を余儀なくされ、両親は鹿児島にいる。「正直、今までは選挙には行っていなかった。今回はよく考えて投票したい」

 デモに参加する人はさまざまだが、脱原発でつながっている。船橋市の女性会社員(57)は「脱原発は譲れない。自民から民主になって、少しは良くなるかと思っていたが…。よりましな人を選んでいくしかない」。脱原発を掲げるのは中小政党が多く、反対の民意が生かされるか不安が残るという。 (村上一樹)


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