テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)で行われた、米最大の市民権団体、全米黒人地位向上協会(National Association for the Advancement of Colored People、NAACP)の集会で演説したロムニー氏は果敢にも、初の黒人大統領となったオバマ大統領に対する厳しい批判を繰り広げた。
だがロムニー氏には困難な戦いが待ち受けている。幾つかの州では、投票の際に政府発行の身分証明書の提示を義務化する動きが共和党主導で行われており、もともと民主党寄りの傾向がある非白人層や貧困層からは反発が強い。また、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権時代に導入された減税を富裕層も含めた全ての国民に適用するとも宣言していることで、労働階級の票が離れる可能性もある。(c)AFP/Nicholas Kamm
重機オペレーターのロジャー・レナード(Roger Leonard)さんは、米公共ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR、National Public Radio)に対し、これまでは2週間の労働で900ドル(約7万1000円)の小切手を受け取っていたが、今は340ドル(約2万7000円)しかもらえなくなったと語る。
米大統領選は泥沼化の様相を呈している。米国の行く末を真剣に案じる有権者なら、候補者の容姿などに執着している場合ではないだろう。だが、ライアン氏の青い瞳や鍛えられた腹筋は実際、社会保障制度の縮小を掲げる同氏の主張を押しのけてメディアの話題をさらいつつある。民主党寄りで知られる米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)でさえ、ロムニー氏とライアン氏を「キュートな共和党コンビ」と表現したほどだ。
芸能情報サイトTMZは、ライアン氏について「米国史上最もホットな副大統領候補といえるかもしれない。ただ、政策はどうでもいい」と評している。(c)AFP/Sebastian Smith
ミシェル夫人はさらに、若者や女性、そして支持層の中心である黒人の有権者に支持を呼びかけるため、テレビ番組に幾度となく登場している。人気トーク番組「トゥナイト・ショー・ウィズ・ジェイ・レノ(The Tonight Show with Jay Leno)」では、ロンドン五輪に出場した女子体操のギャビー・ダグラス(Gabby Douglas)選手とともにゲスト出演した。
大統領選候補者に配偶者が及ぼす政治的影響について研究しているブリッジウォーター州立大学(Bridgewater State University)のブライアン・フレデリック(Brian Frederick)氏は、「2008年と今年の(大統領選の)大きな違いは、(3年半の)実績があることと、好感度が下がったことだ」と指摘した。その上で、「ミシェル夫人については過去4年間、(オバマ大統領と)同じように好感度が大きく下がることはなかった。人気が高い代理人が付いていることは、大統領の助けになるだろう」とコメントした。(c)AFP/Stephen Collinson
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権下でホワイトハウス(White House)と財務省の報道官を務め、現在はコンサルティング会社ハミルトン・プレース・ストラテジーズ(Hamilton Place Strategies)の共同経営者となっているトニー・フラット(Tony Fratto)氏は、ツイッターは選挙の流れを変えることができると話している。
デジタルメディアを専門とするフロリダ州立大学(Florida State University)のジャネット・カスティロ(Jeanette Castillo)氏は、ロムニー氏は政治活動委員会(PAC)からより多くの資金と支持を集めているため、「ソーシャルメディア資本にどれほどの価値があるのか、注目している」と語る。「(ソーシャルメディア資本が)どの程度人々を動員し、選挙に参加させることができるかを見るのが楽しみです」