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『邪気眼少女』 *Another Story*
1
:
心愛
:2013/02/03(日) 17:30:58 HOST:proxy10046.docomo.ne.jp
こんにちは、または初めまして。
心愛(ここあ)と申します。
拙くて見るに耐えない駄文ですが精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。
感想等戴ければ泣いて喜びます。
ですが、ここあは非常に小心者です。一つの批判にもガクブルしてしまうと思われます。
なので、厳しい御言葉はできるだけオブラートに包んで戴けると嬉しいです(>_<)
また、ここあが不要と判断した書き込みは、誠に勝手ながら反応しないことがあります。申し訳ありません。
内容としては、『邪気眼少女の攻略法。』の番外編集となります。
本編とはまた違う登場人物からの視点で展開していく予定ですので、こちらも併せて御覧戴ければ幸いです。
148
:
心愛
:2013/08/12(月) 21:02:16 HOST:proxyag109.docomo.ne.jp
しかし、彼には申し訳ない話だけれど、一般人である圭様の存在は、家柄を重んじる結野家にとって大きなマイナス要素となる。
美羽様が圭様と結ばれると仮定すれば、お二人への風当たりも当然厳しいものになることは否めない。
「………」
いつの間にかお嬢様が話題をすり替えたらしく、息子の自慢話で盛り上がり始めた一同を視界に入れながら、私は酷く憂鬱な気分になった。
―――『美羽ちゃんがこんな汚い世界に関わらずに本当に好きな人と結ばれるためには、あたしが美羽ちゃんの分まで、ちょっとやそっとのことじゃ揺らがないくらい、絶対的な権力を持てばいいんだよ。
そうしたら、お父さんもお偉い方も、文句は言えないでしょう?』
美羽様が持ち込んだ“良くない話”をないことにするくらい、自分が誰からも祝福されるような、華々しい結婚をすればいい。
お嬢様にとって、結婚は利用するものだ。
身につけた手腕と伴侶の家名を以て圧倒的な地位に君臨していれば、どんな層から美羽様のことを反対されても力ずくで丸め込むことができる。
たとえこれから先、好きな人ができたとしても、お嬢様はその想いを自ら断ち切り、美羽様の為に平気な顔で恋心を犠牲にするだろう。
お嬢様はそういう方だ。
まだ多感な高校生の身にもかかわらず重い責任を進んで背負う覚悟を決め、涼やかな微笑みを振りまいている。
お嬢様にとって美羽様は安らぎの象徴で、圧力に押し潰されず自分を保ち、努力を続ける理由でもある。
しかし、この世界で唯一、何よりもお嬢様を追い詰める存在でもあるのだ。
私の胸の奥に秘めた、この想いが報われることはない。
だから、私はお嬢様との未来は望まない。望めるはずもない。
ただ、せめて―――
そこで、カツン、と磨き抜かれた大理石が鳴る音が聴覚を刺激し、しばし物思いに沈んでいた私は我に返った。
「やあ、美空さん。お久しぶりですね」
一目で上等だと分かるスーツを纏う紳士が微笑み、お嬢様に話しかけた。
お嬢様を取り囲んでいた方たちが遠慮がちに、僅かながら身を退く。
お嬢様の今までの話し相手と比べて格段に若い彼は、日本屈指の大財閥の当主を父親に持つ、
「西條様。本当にお久しぶりです」
「ええ。美空さんはお会いするたびに美しくなっていらっしゃる気がしますよ」
「西條様は相変わらずですね」
お嬢様が口元を隠して笑う。
西條様はそれから、自分が新しいホテルのオープンに携わっていることなどをお嬢様に話した。
「わぁ、素敵ですね。また伺うのが楽しみです」
「それなのですが」
西條様はお嬢様に、そのホテル内に出店するスイーツの店の試食会に来てほしいと熱心に誘いをかける。
若い女性の意見を聞きたいのだそうだ。
他の存在を無視し、いささか強引にお嬢様一人に話しかける西條様を邪険にできない周りの方々は一様に、どこか気に入らない表情をしている。
彼がお嬢様を特別な意味で、お気に召しているのは誰の目にも明らかで。
私は深いことは考えず、衝動的に歩き出した。
「……ご歓談のところ申し訳ございません、お嬢様。そろそろ」
「もう時間? ……すみません、そのお話はまたいつか」
相手の機嫌を損ねないよう細心の注意を払って、お嬢様は終始にこやかな笑顔を保っていた。
それを見て、自分の中に黒い感情が湧き上がるのを感じる。
……面白く、ない。
不愉快さを顔に出すことなく一礼し、私はお嬢様を連れて外へと向かった。
「どしたの昴、予定よりちょっとだけど早……うわっ」
言いながら危うく転びかけ、すぐさまサッと差し出した片腕でお嬢様の身体を抱き留める。
……私といるときには緊張が解ける、というのは喜ばしいことなのだけれど。
「ごめんごめん。……あ、もしかして心配しちゃった?」
お嬢様がくるりと回って私の顔を見上げ、小さく吹き出す。
「大丈夫だって、アレは信用してないから。この前の資料見たでしょ? いくら何でもあんなのと結婚する気はないよ」
つまらない嫉妬だと察した上での茶化すような言葉に、私の苛つきはますます募っていった。
149
:
ピーチ
:2013/08/12(月) 21:57:09 HOST:em114-51-39-50.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
美空先輩自分犠牲にしちゃダメですよ!?
……あんなのって、あんなのって?←
150
:
たっくん
:2013/08/13(火) 10:52:43 HOST:zaq31fa533d.zaq.ne.jp
>>149
ピーチさん貴方の曲を歌います。
【ピーチと、さよならするのはツライけど】
ピーチが死んだ〜♪ピーチが死んだ〜♪
いい気味だ〜♪いい気味だ〜♪
さよならす〜るの〜は〜ツラ〜いい〜けど〜♪
寿命だよ♪仕方がない♪
ここは天国♪さんずの川♪
151
:
心愛
:2013/08/13(火) 19:29:29 HOST:proxyag011.docomo.ne.jp
>>ピーチ
ごめん、分かりにくかったかな!
あんなのイコール、美空に下心ありの西條。
昴は嫌な顔せずに話につきあう美空に、ちょっとイラッとしてるのです。
美空がホテルに顔利くのはこういう人たちと仲いいから(・∀・)
152
:
心愛
:2013/08/13(火) 19:29:57 HOST:proxyag012.docomo.ne.jp
―――幼い頃から、汚い大人に囲まれて育った。
権謀術数が渦巻く環境で幼年期を過ごしてきたあたしには、相手が信頼できる者かどうか瞬時に見極める直感が備わっていた。
その点、昴はパーフェクトと言ってもいい。
真面目で口が堅く、ある程度融通も利く。
清涼感のある面差し、穏やかな声。女性的な優美さのあるシルエット。
優しく誠実そうな瞳。
自分は庶民の出だし学がない、と謙遜するけど、どんなところを連れて歩いても決して恥ずかしくない容姿。
駐車場所に向かって隣を歩く、いつになく険しい表情をした昴を、ちらりと横目で見上げる。
社交辞令だらけのパーティー。
穢れた世界で共にすべてを見てきながら、それでも優しさを、人間らしい愛情を忘れない昴が羨ましい。
あたしは狡猾な人間だ。
表面上は社交的に振る舞っていても、いつだって冷徹に損得を計算し、巧く本性を隠している。
今まで結野は華々しい業績の裏でいくつものライバル他社を潰し、成り上がってきた。
あたしにも、優雅に微笑みながら同じことをやる日が必ずくるのだから。
見せかけだけで打算的なあたしと違って、まっすぐで純粋で、触れたら壊れてしまいそうに繊細な美羽ちゃん。
誰より愛しい存在を巻き込まないために、あたしは今日も嘘をつき、自分を偽りの笑みで飾りつける。
昴が、こんな一癖も二癖もあるあたしを何故か恋い慕っていることも、身分違いの恋に葛藤し、必死に隠そうとしていることも、観察力に長けたあたしには手に取るように解る。
……たまに、可哀想になるくらい。
「ね、昴」
あたしは可愛らしく作った声をかけ、こちらを見た昴に無邪気な笑顔を向けた。
「あたしが結婚したらさ、昴はどうする? あたしとしては、ずっと付いてきてほしいなぁ」
昴を傷つけ、それによって彼を立ち直らせる目的で、あたしは残酷な言葉をつらつらと吐く。
「あたしのドジも上手く助けてくれるし、あたしの愚痴聞かせられるの昴くらいだし」
静謐さを感じさせる淡いブルーの双眸が、闇の中淋しげに輝く。
あー……これは、ちょっと本気で堪(こた)えてる、かな。
あたしは『真面目な昴はまだ、裏がありそうな西條のことを気にしているんだ、と解釈した』風を表面上だけ装いつつ、周りを意識して声のボリュームを落とした。
「あはは。だから、西條は有り得ないってば。条件としては文句なしに合格だけどね」
わざとらしい笑い声を上げ、昴をさらに、じわじわと追い込んでいく。
いつもと違って美羽ちゃんみたいに下ろした髪が、夜風を孕んでふわりと広がった。
153
:
心愛
:2013/08/13(火) 19:30:55 HOST:proxyag060.docomo.ne.jp
「……あーあ、もっと良さげな人いないかなぁ。家はウチを凌ぐくらい力あって、そのくせ単純で利用しやすそうなさ」
過ちに気づけ。
あたしが選ぶ未来の男に、執事が嫉妬する権利なんかないんだって。
痛みを隠して微笑む、いつもの昴に戻ってよ。
それでも直接的なことは言わないあたり、あたしも大概性格悪いな、解ってたけど。と苦笑する。
そこで―――あたしを驚かせたのは、予想外に鋭く響く叫びだった。
「……お嬢様!」
え、と良く回るはずの思考が完全に停止した。
転んでもいないのに、突如伸びてきた腕に強く引き寄せられる。
胸に額が当たり、昴に抱きしめられていると自慢の脳が理解するのに、数秒は要した。
昴が切羽詰まった声で懇願してくる。
「お願いです……! お嬢様の決意を改めてほしいとは言いません。ですがせめて、あなたを幸せにできる人を選んで下さい……!」
押さえつける手に力を込められ、息が詰まった。
「私は、あなたの優しさのせいで、あなたが不幸になるのだけは耐えられない……っ」
きゅう、と心臓が縮むような心地がした。
優しい、って、誰が。なに、言ってんの?
優しいのはどっちだって話だよ。
昴は、あたしなんかのことを好きになってしまったばかりに、狡賢いお嬢様に振り回される可哀想な被害者じゃない。
なのに潔く身を退いて、あたしの幸福を願うような、
そこまで考えて、無性に泣きたくなった。
全身を包み込む温かさを感じ、瞼の裏に熱いものが滲みそうになる。
こんな無様な姿じゃ、普通の女の子と変わらない。
昴はさらに続けようとする。
「なぜなら私は、誰よりもお嬢様のことを―――」
これ以上は、駄目だ。
「―――――っ!」
あたしは昴を、持てる力のすべてを出して思い切り突き飛ばした。
昴はよろけて反射的に体勢を立て直し、次いで、己のしでかしたことの重大さにやっと気づいたようで、はっと息を呑み青ざめる。
「も、申し訳……っ」
「昴」
大丈夫、演技は得意だ。
舞い散る吹雪のように冷たい声にも、震えひとつない。
「今回だけは見逃す。後はないよ」
あたしは凍れる刃のような侮蔑の視線で、立ち尽くす昴を突き刺した。
「執事如きが、あたしの事情に口出ししないで」
……これで、あたしのことなんて嫌いになってくれたらいい。
そうしたら楽になれるのに。
昴に背中を向けて髪を翻し、急かすように歩き出しながら、あたしは切に願った。
154
:
ピーチ
:2013/08/14(水) 00:52:52 HOST:em1-114-0-148.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
美空先輩優しすぎるよ!
だって結局昴さんのために言ってるんでしょ!? 優しすぎるよ美空先輩!
でも自己犠牲は読者としても辛いです←
155
:
心愛
:2013/08/14(水) 19:19:04 HOST:proxyag003.docomo.ne.jp
>>ピーチ
それを分かってくれると嬉しいよ!
このままじゃ昴がつらいだけだから、どうせ報われないなら嫌いになっちゃえ、って考えてるんだよね美空。
悪ぶってるけど結局…? って感じです。
大丈夫! ここあにバッドエンドは書けないから!
これからちょっと犯罪的な事件に巻き込まれますがね!
156
:
心愛
:2013/08/14(水) 19:19:53 HOST:proxyag004.docomo.ne.jp
「それで、そのとき美空がさー」
「ちょっと、やめてよ小百合(さゆり)ー!」
一日の授業が終わって、放課後。
同好会の活動は休みのため、あたしは荷物をまとめると、友達二人と昇降口を出た。
学校前にまで来られて目立つのが嫌という理由で、昴には歩いて十分ほどの距離にある駅に、迎えの車を停めてもらっている。
あんなことがあっても、あたしたちの関係は変わらない。
あたしの失敗を昴がフォローして、あたしの策略に昴が困った顔をしながら協力して、そんな、いつも通りの日常。
……歪んでいると思う。
それでもあたしたちはお互いに、こうして誤魔化しあうしかできないんだ。
「ほんっとに、美空のドジは―――おうわっ」
突然視界に見慣れないものが現れ、陽気に喋っていた友達が唖然として立ち止まる。
校門を出てすぐのところに、大型の高級車が停まっていた。
ドアが開き、きっちりとスーツで固めた男が出てくる。
「えっ、なにあれ」
車にも彼にも見覚えはないけど、あたし絡みと見て間違いない。
……面倒なことになりそうだ。
美羽ちゃんはまだ学校にいたはず、とこんなときにも先に妹の安全確認をする自分に呆れながら、あたしは大人しく彼が近づいてくるのを待った。
「お引き留めして申し訳ございません。結野美空様、ですね?」
「そうですが」
腰の低さからどこかの使用人だろうと推測する。
あたしの学校を調べてわざわざ待ち伏せしていたのだとすれば、何か目的があるはずだ。
「お手数ですが、こちらをご覧戴けますか」
真意を探ろうと黙考していると、無地の封筒を手渡された。
怪訝に思いながらも開封し、中身を取り出して確認した途端、サッと全身の血の気が引く。
あたしは意識してやや大げさに驚きを露わにし、小刻みに震える手で元の状態に戻して突き返した。
「これからお時間、よろしいですか?」
「わ……分かり、ました」
こんなものを見せられて断れるわけがない。
脅迫に屈したあたしは“怯え”に顔を青ざめさせながら、こくりと頷く。
……さて、どうしようかな。
「ちょっと美空! 大丈夫なの!?」
「何今の、写真? 変なことに巻き込まれてないよね!?」
……巻き込まれてる、どころか。
あたしは深刻な表情を崩してへらりと呑気そうに笑うと、詰め寄る二人の肩を叩いた。
「大丈夫大丈夫ー。知り合いだから」
「そ……そう、なの?」
「そうそう」
そう言って笑ってから、あたしは今まで頭の中で考えていた台詞を早口でまくし立てた。
「あ! ほんとごめん、美羽ちゃん……えっと、これから来ると思うんだけど。ゴスロリ着た子に、先に帰っててって伝えてくれる? ちょっと寄り道したいから、って」
できるだけ美羽ちゃんにこういう事態を悟られるのは避けたかったけど、これはさすがに仕方ないかな。
美羽ちゃんだって馬鹿じゃない。メールでも電話でもなく友達に伝言を頼んだことに、不信感を抱くはずだ。
訳あってケータイを使えないのだと解釈して、あいつに言ってくれれば、それでいい。
後はあたしと、あいつの仕事だ。
向こうの目的はあたし一人、美羽ちゃんが危害を加えられることは考えにくい。
危険な目に遭うのはあたしだけで十分だ。
……友達からは運がないって思われるけど、あたしはやっぱり、最高に運がいい。
あたしが長女に生まれてきて、本当に良かった。
美羽ちゃんがこんなつまらないことなんて関係なく生きて、安全なところにいることができて、本当に良かった。
心からそう思う。
―――……さて、駆け引きといきますか。
あたしは現状を打破すべく頭を巡らせながら、男性に恭しい動作で導かれ、車に乗り込んだ。
157
:
心愛
:2013/08/15(木) 18:28:34 HOST:proxyag092.docomo.ne.jp
ふっと途絶えていた意識が浮上して、あたしは瞼を開けた。
立派な建物に着いたところで車から降りて、少し歩いたらすぐに背後から押さえつけられ、薬品を嗅がされて―――そこからの記憶が綺麗に抜け落ちている。
鈍った頭を叩き起こし、あたしは試しに後ろ手に縛られた手首を動かしてみた。
つるりとした太い紐。
その気になれば抜け出せるような緩い拘束に、完全に舐められてるなと少しありがたく思う。
どうやら相手は逃げられることより、暴れて傷でもつけられることの方を恐れているようだった。
背中や太股の下には柔らかな素材、上等なソファの感触。ここまでくると丁重すぎて笑えてくる。
普通こういうのって無造作に床に転がしたり、椅子に縛り付けたりするものじゃない?
まあ確かに、乱暴なことをして結野家の令嬢に万一のことがあったら、笑い事じゃ済まないからね。
次に首の位置を変えないまま慎重に辺りをぐるりと見回し、広い部屋に誰もいないことを確認する。
チャンスだ。
逃げる、ではなく、考え、状況を整理するための。
今逃げたって、せっかく大人しく誘拐されてあげた意味がないから。
壁や床は一目で高級と分かる代物だけど、家具の類がほとんど見当たらない。
何もなかった部屋に、あたしを座らせるためだけにソファを運び込んだような殺風景さだった。
人の気配が少ないから、普段は使っていない別荘か何かってとこかな。
視界の隅に、自分のバッグを見つける。
もしかしたらケータイは取り上げられているかもしれない。他のものを弄られてないといいんだけど。
それから、脱出経路。
最悪の場合は、何もかも諦めて自力でその局面を切り抜けなければならない。
あたしは窓の方を見やった。
カーテンがきっちりと閉められていて、ここが何階なのかも分からない。
かといって、配置されているだろう見張りを振り切って扉から逃走するのは、いくらあたしの足でも無理がある。
脱出は、ほぼ不可能。
……こんなとき、変に賢しいくせにか弱い女の肉体を持つ自分が嫌になるけど。
使える武器は全部使って、
―――やるしか、ない。
そのとき、ギィィ……と音を立てて、扉が開いた。
タイムアップか、とあたしは瞬時に思考を切り替える。
部屋の内側から鍵をかけ、こちらに歩み寄ってくる人物。
車に乗り込んだときから、本当はある程度予想はついていた。
でも、あたしは目を見開き、衝撃を受けたように取り乱す素振りを見せる。
「そんなっ、西條様……! どうして!」
相手は大の男だ。もしもあたしの言葉に激昂し、感情的になられたらあたしに為す術はない。
ここは様子を見るためにも、大人しく可憐で、あまりの恐怖に力なく震える哀れなお嬢様を演じきるべきだ。
「手荒な真似をして本当に申し訳ありません。傷はつきませんでしたか」
信じられない、という表情で絶句し、あたしはふらふらと立ち上がった。
「西條様が、こんな……。放して下さい! 家に知られたら、いくら西條様でもただで済むわけが……っ」
「分かっていらっしゃるでしょう? あなたのお家にに知られることはありませんよ」
もちろん、解ってる。
落ち着けるように「お掛け下さい」と言われ、あたしは弱々しく西條を睨みながらそれに従った。
「あなたの執事は、なかなかに情熱的な男のようですね」
スッと差し出されたのは、先ほど見せられたのと同じ、一枚の写真。
暗闇の中、燕尾服の男とドレスの娘が抱き合っている。
黒に塗り潰された画面の中でも、昴の特徴はしっかりと押さえられるようになっていた。
たとえ野外とはいえ、パーティー会場という目立つ場所で主人にこんなことをするなんて。
あたし個人を脅すチャンスを虎視眈々と狙っていた輩からしてみれば、格好の餌だ。
あの馬鹿執事、とあたしは胸中で彼を思い切り罵る。
……いや、あいつの所為だけではないか。
あたしがもっと早く動揺から立ち直って、あいつの暴走を止められていればこんな面倒なことにはならなかったのに。
158
:
たっくん
:2013/08/16(金) 13:26:00 HOST:zaq31fa533d.zaq.ne.jp
【新幹線の頭文字は何故、新なのか?】
当スレは新幹線について語るスレです。
古くても新しくても結構。年代は問いません。
御盆休み新幹線旅行された方いらっしゃいますか・・?
ところでピーチさんに質問が御座います。
新幹線というのは何故、新幹線なのでしょうか・・?
昔から疑問を抱いていました。
何十年も経過してるのに今だに新幹線の頭文字は『新しい』なんですよ〜
これはどういう事でしょうか・・?凄く不思議です。
新幹線、開通から何年経過してるか御存じですか・・?かなり古いんですよ。
古くても新幹線なんですよ
私だったら古幹線(こかんせん)とか旧幹線(きゅうかんせん)と言いますがね。
ピーチさん
御存じでしたら教えて下さい。
159
:
たっくん
:2013/08/16(金) 15:24:21 HOST:zaq31fa533d.zaq.ne.jp
【ダイアナ・ストーリー】
ピーチの肛門はダイアナ
ウンコ→大→ウンコをする穴→大の穴→だいあな→ダイアナ
と、このようになっております。
今回は大まかな内容となっておりますが、
次回、細かい部分を解説していきますので宜しく。
やはりチームワークは大切だと思います。
160
:
たっくん
:2013/08/16(金) 15:34:01 HOST:zaq31fa533d.zaq.ne.jp
【ピーチの肛門はダイアナ 】
ダイアナというのは言わずと知れた白人女性です。
しかしこの場合いのダイアナは通常ダイアナとは異なります。
今回はピーチの肛門を意味します。
どういう意味か・・?簡単にご説明致しましょう。
皆様これ何と読みますか?→『大穴』
おおあな・・ではありませんよ。
ウンコは大ですよね?大をする穴は肛門
大の穴・・略して、だいあな
ウンコ→大→ウンコをする穴→大の穴→だいのあな→だいあな(省略形)→ダイアナ(片仮名)
と、このようになっております。分かって頂けましたか?
今回は大まかな内容となっておりますが、
次回、細かい部分を解説していきますので宜しく。
やはりチームワークは大切だと思います。
161
:
たっくん
:2013/08/16(金) 15:38:04 HOST:zaq31fa533d.zaq.ne.jp
ちなみにピーチさんの場合いは
肛門、アソコ、共にダイアナ(大穴)です。
先ほど、お尻は大便をする穴だから大穴と申しましたが
これはあくまでも男性の場合いです。
これはあくまでも私の推測に過ぎませんが、
おそらく私の勘が正しければピーチさんのアソコの穴は
直径約10cmメートルほどだと思いますので
こちらも大穴です。
別の意味でね。というわけで、
162
:
心愛
:2013/08/16(金) 22:17:33 HOST:proxy10012.docomo.ne.jp
「何でも彼は、美空さんの結婚に反対するようなことを叫んでいたとか」
これはどこからどう見ても、お嬢様と使用人の危険な関係の証拠写真だ。
昴の想いに気づいてからずっとあたしが危ぶんでいたことが、今現実となってしまったことになる。
「これは立派なスキャンダルです。流出しては、困りますよね?」
社長令嬢が執事と恋仲にある、などとでっち上げた情報と共にこの写真をばらまかれたら、あたしと昴個人どころか、結野家だって一巻の終わりだ。
だから、写真のデータを西條が握っている限り、あたしは下手に動けない。
そもそもこれを校門前で見せられたのも、付いて来なければこの画像を良いようにする、と暗にあたしを脅すためだ。
「……一ノ瀬が私にそういった感情を抱いていたのは事実ですが、私もこの後厳しく叱りました。私に、彼との交際関係は一切ありません!」
「たとえそうだとしても、黙って提供する分には変わりませんよ。向こうで勝手に、センセーショナルな記事に仕立て上げてくれるでしょう」
「、……っ」
絶望に打ちひしがれるあたしを見て、西條がつらそうに顔を曇らせる。
「そんなお顔をなさらないで下さい、美空さん。あなたが苦しむ様を見ると、心が痛みます」
嘘つけ、と詰りたいところだが―――案外、そうでもないかもしれない。
自分の容姿が抜群という自覚はあるし、誰からも好かれる淑女に見えるように努力してきた。
西條が作り物の“結野美空”に対してそれなりに愛着を持っていることは、普段からの態度、そしてこんな思い切った手段に打って出たことからも分かる。
「こちらの要求はひとつ。簡単なことです」
西條の顔が近づいた。
「私との婚約を約束して下されば、データはこの場で破棄、今日のことは口外しないとお誓い戴いた上で帰りの車を用意します」
……そうくると思った。
こいつが欲しているのは、あたしの心じゃなくて会社の跡継ぎとしてのあたしだ。
容姿、身分、全てに秀でた才女は西條の御曹司の相手として申し分ない。
他の誰かに取られる前に無理にでも約束させ、家系に結野の血筋を取り入れる。
あたしを都合良く利用してこちらの経営に色々口出しし、最終的には結野の権力の一端も掌握する。
それが、こいつの目的。
「一言、一言だけ、そう口に出して証明して下されば良いのです」
さあ、と促され、あたしは不安げに瞳を揺らす。
落ち着け。
落ち着いて、頭を冷やせ。
もっと冷淡に、冷徹に、冷酷に、状況を分析して最善の方法を弾き出せ。
まず、婚約すると言うだけでいい、なんて嘘。
その場の口約束で終わらせるわけがない。
録音されていると考えるのが妥当―――とすれば、この部屋のどこかに仕込んでいるはずだ。
本当に素直に消すとは到底思えないけど、仮に写真のデータがなくなったとして、あたしが西條を裏切るようなことがあれば録った音源を持ち出されるだろう。
不本意だったのだと訴えようとしても、不都合な箇所は捏造し放題。証拠があると丸め込まれてしまう。
「そんな……こと……」
動揺に躊躇うふりをしながら、あたしは不自由な手をこっそりと動かしてみる。力を入れれば引きちぎれそうだけど、まだそのときじゃない。
あたしの狙いは写真のデータを破棄させ、上手く煙に巻いてここから脱出すること。
でも西條に迫られているこの状況で、そんなことができるはずもなく。
「どうしても嫌だと仰るのなら……そうですね。あの執事を愛人として迎え入れても構いませんよ」
「……ですから、一ノ瀬は―――」
せめてあそこのバッグまで辿り着ければ、それでなくとも何か理由をつけて持ってこさせるとか……いや、それだけではまだ条件として弱い。
だとしたら、今は第三者が介入してくるまでの時間稼ぎを兼ねて―――先手を打っておくか。
ほんの僅かでも、その可能性に賭けるほかない。
逆境を覆して優位に立つには、何においても運と度胸は必要不可欠だ。
「―――西條様、」
ひとまずの方針を決めたあたしは、企みを悟られないよう細心の注意を払いながら、その作戦を開始した。
163
:
たっくん
:2013/08/18(日) 00:51:57 HOST:zaq31fa5813.zaq.ne.jp
前回ピーチの肛門はダイアナ(大穴)という御話をしましたが、
今回はまた別の御話です。
ピーチさんに質問が御座います。下記の文を読んでお答え下さい。
たっくん
『タイに行って来たんだよ』
ピーチ
『タイか〜いいね〜。』
たっくん
『タイは蒸し暑かったな〜。タイ人なんて真っ黒に日焼けしてましたよ
それを見て確信しましたね。あ〜これがホントのタイ焼きなんだな〜と・・。』
ピーチ
『・・・・・・・。』
たっくん
『何ですか今の間は・・?』
ピーチ
『いや・・何でそこで、たい焼きが出てくるのかな〜って・・。』
たっくん
『だってタイ人が日焼けしてたんだからタイ焼きでしょう?』
ピーチ
『あっそ。』
タイヤキの本当の意味は
タイ人が焼けた状態なのではないでしょうか・・?
164
:
たっくん
:2013/08/18(日) 00:52:07 HOST:zaq31fa5813.zaq.ne.jp
前回ピーチの肛門はダイアナ(大穴)という御話をしましたが、
今回はまた別の御話です。
ピーチさんに質問が御座います。下記の文を読んでお答え下さい。
たっくん
『タイに行って来たんだよ』
ピーチ
『タイか〜いいね〜。』
たっくん
『タイは蒸し暑かったな〜。タイ人なんて真っ黒に日焼けしてましたよ
それを見て確信しましたね。あ〜これがホントのタイ焼きなんだな〜と・・。』
ピーチ
『・・・・・・・。』
たっくん
『何ですか今の間は・・?』
ピーチ
『いや・・何でそこで、たい焼きが出てくるのかな〜って・・。』
たっくん
『だってタイ人が日焼けしてたんだからタイ焼きでしょう?』
ピーチ
『あっそ。』
タイヤキの本当の意味は
タイ人が焼けた状態なのではないでしょうか・・?
165
:
たっくん
:2013/08/18(日) 01:00:00 HOST:zaq31fa5813.zaq.ne.jp
さよならするのはツライですが、
ピーチさんのような無能はいずれ逝きます。
それでは一曲
【アホのピーチ&心愛、とさよならするのはツライけど】
アホのピーチに捧げる一曲です。
アホはあの世へ逝くというのが今回のテーマです。
当サイトの利用者(皆様)も例外ではありません。
作詞・たくや
【1番 ピーチさんの祖母編】
ババアが死んだ〜♪ババアが死んだ〜♪
いい気味だ〜♪いい気味だ〜♪
さよならす〜るの〜は〜ツラ〜いい〜けど〜♪
寿命だよ♪仕方がない♪
ピーチが逝くまでごきげんよう♪
【2番】
ハハ〜(母)〜が死んだ〜♪ハハ〜(母)が死んだ〜♪
いい死に顔だ〜♪いい死に顔だ〜♪
ピーチの〜な〜みだ〜が〜ポタリと背中に〜♪
つめてぇな〜♪つめてぇな〜♪
ピーチが逝くまでごきげんよう♪
【3番】
ピーチが死んだ〜♪ピーチが死んだ〜♪
ここは何処〜?ここは何処〜?
突如ばあさんがピーチの背中に〜♪
ひさしぶり〜♪ひさしぶり〜♪
ここは天国〜♪さんずの川♪
あの世へ逝った〜♪ピーチが逝った〜♪
いいとこだ〜♪いいとこだ〜♪
現世にいた頃にゃ気がつかなかった〜♪
持病だよ♪仕方がない♪
ここは上州〜♪さんずの湯♪
娘が死んだ〜♪娘が死んだ〜♪
ピーチさんの〜♪ピーチさんの〜♪
ついに娘までポックリ倒れた〜♪
持病だよ♪仕方がない♪
次に時代までごきげんよう♪
ババンババンバンバン♪ババンババンバンバン♪
いい湯だな〜♪いい湯だな〜♪
さよなら〜す〜るのは〜ツラ〜いい〜けど〜
時間だよ♪仕方がない♪
ここは〜みず〜うみ〜♪さんずの川♪
ピーチさんまた会う日までごきげんよう♪
166
:
たっくん
:2013/08/18(日) 01:00:22 HOST:zaq31fa5813.zaq.ne.jp
さよならするのはツライですが、
ピーチさんのような無能はいずれ逝きます。
それでは一曲
【アホのピーチ&心愛、とさよならするのはツライけど】
アホのピーチに捧げる一曲です。
アホはあの世へ逝くというのが今回のテーマです。
当サイトの利用者(皆様)も例外ではありません。
作詞・たくや
【1番 ピーチさんの祖母編】
ババアが死んだ〜♪ババアが死んだ〜♪
いい気味だ〜♪いい気味だ〜♪
さよならす〜るの〜は〜ツラ〜いい〜けど〜♪
寿命だよ♪仕方がない♪
ピーチが逝くまでごきげんよう♪
【2番】
ハハ〜(母)〜が死んだ〜♪ハハ〜(母)が死んだ〜♪
いい死に顔だ〜♪いい死に顔だ〜♪
ピーチの〜な〜みだ〜が〜ポタリと背中に〜♪
つめてぇな〜♪つめてぇな〜♪
ピーチが逝くまでごきげんよう♪
【3番】
ピーチが死んだ〜♪ピーチが死んだ〜♪
ここは何処〜?ここは何処〜?
突如ばあさんがピーチの背中に〜♪
ひさしぶり〜♪ひさしぶり〜♪
ここは天国〜♪さんずの川♪
あの世へ逝った〜♪ピーチが逝った〜♪
いいとこだ〜♪いいとこだ〜♪
現世にいた頃にゃ気がつかなかった〜♪
持病だよ♪仕方がない♪
ここは上州〜♪さんずの湯♪
娘が死んだ〜♪娘が死んだ〜♪
ピーチさんの〜♪ピーチさんの〜♪
ついに娘までポックリ倒れた〜♪
持病だよ♪仕方がない♪
次に時代までごきげんよう♪
ババンババンバンバン♪ババンババンバンバン♪
いい湯だな〜♪いい湯だな〜♪
さよなら〜す〜るのは〜ツラ〜いい〜けど〜
時間だよ♪仕方がない♪
ここは〜みず〜うみ〜♪さんずの川♪
ピーチさんまた会う日までごきげんよう♪
さようなら〜
167
:
たっくん
:2013/08/19(月) 12:38:03 HOST:zaq31fa5184.zaq.ne.jp
当スレッドは博打専門です。
と言っても、一般的な賭け事とは違います
皆さん動物園は御存じですよね〜。
もしピーチさんが肉食動物(主に虎など)と一夜を共にしたらどうなるか・・
という実験を行いたいんです。
もしピーチさんをオリの中に入れたらどうなるでしょう・・?
ピーチさんは食われるか、それとも食われずに済むか・・?
二つに一つです。
今回はそれを賭けのテーマにしようと思います
『食われるに決まってるだろう』とおっしゃる方もおられると思いますが、
必ずしもそうなるとは限りません。確かに野生ならそれも考えられます。
しかし動物園の動物は野生ではありません。
ちゃんと、しつけ、教育をされてる動物なので
善、悪の区別はちゃんとついてると思います。
難しいところです。
私は、食われないほうに200円 賭けます。
皆さんは『食われる』ほうに賭けて下さい。
もしピーチさんが肉食動物に食べられましたら
潔く負けを認め、200円を投げだします。
ただし、食べられずに済んだら
貴方達から200円を頂戴致しますのでご了承下さい。
突然ですが歌を一曲、御披露致します。
【血しぶき飛び散る森の中】
ある日〜♪森の中〜♪♪クマさんに〜♪食われた〜♪
血が飛ぶ森の道〜♪ピーチが〜食われた〜♪
168
:
心愛
:2013/08/19(月) 19:55:34 HOST:proxyag095.docomo.ne.jp
「私の自由を奪って、脅迫して無理矢理婚約を取り付けようとするなんて……そんなこと間違っています。お願いですから、考え直して下さい」
「お許し下さい、美空さん。あなたを手に入れるには、こうするしかなかったのです」
……かかった。
あたしはとりあえず、その成果に満足する。
後はひたすら時間を稼ぐのみ、だ。
「美空さんはただ、受け入れてくれるだけでいいのですよ。そうしたらすぐに楽になります」
「……ですから、……私は……」
たっぷりと間を含んで俯くあたし。
こっちからべらべらと喋ったら怪しまれる。
「私のどこが不満ですか? 西條の地位は結野にも劣りませんし、金もあります。これからは、美空さんに不自由な思いはさせません」
「……確かに、西條様は素晴らしい方です。ですが、それとこれとは話が別です」
なかなか強情に渋るあたしに、西條は痺れを切らしたようだった。
「仕方がないですね」
腕を伸ばし、あたしの胸元に手を掛ける。
まずい、と本能が警鐘を鳴らした。
「言うことを聞いて下さらないと、私も酷いことをしてしまうかもしれません」
「やっ……、やめて下さい!」
ボタンがひとつ、ゆっくりと時間をかけて外される。
本気だ、と相手の目を見て思わずぞっとした。
でも、耐えるしかない。
気を失ってから目が覚めるまで、それから西條と話していた時間を考えると、助けを期待するにはまだ無理がある。
女とはいえ、あたしは将来家を継ぐ身だ。これくらい我慢できなくてどうする。
何に代えても与えられた立場を守りきる。それがあたしの役目でしょう!?
演技のためだけではなく勝手に震え出す身体を叱咤し、絶対に屈してやるかと決意を固める。
何か、何かこいつの注意を逸らせることは―――!
と、目まぐるしく回転する頭の片隅で違和感をとらえ、あたしはハッとして目を見開いた。
こちらへと、徐々に物音が近づいてくる。
バタバタと忙しない足音と怒号に、西條が手を離して怪訝な顔を上げた。
―――まさか、
その正体に思い当たった次の瞬間、ドアを勢い良く蹴破り、黒い影が飛び込んでくる。
169
:
心愛
:2013/08/19(月) 19:56:52 HOST:proxyag046.docomo.ne.jp
「―――お嬢様ッ!」
……嘘。
「昴……」
あたしはらしくもなく呆けてしまう。
だって、あまりにも早い。
予想を大幅に超えている。
でも、と口元に笑みが浮かんだ。
―――さすがは、あたしの執事だ。
はあ、はあと荒い呼吸。
全力疾走して来たのだろう、とめどなく滴る汗が燕尾服を濡らしている。
淡いブルーの瞳が、あたしと、覆い被さるような体勢のまま動きを止めた西條を映すなり激しい怒りに燃え上がった。
「……っの、野郎……!」
「昴!」
今にも感情に任せて西條に掴みかかりそうな昴に、あたしは鋭い声で怒鳴った。
「あたしは大丈夫だから、それ! 胸ポケットのレコーダー!」
西條がぎょっとした顔をする。
いくら怒りに我を忘れていても、従順な執事はすぐに命令通りの行動を示した。
西條を押さえつけ、すぐに指定通りのものを奪い取る。
小型録音機だ。
混乱に乗じて持ち逃げされたらたまらないからね、気をつけてチェックしておいて良かった。
がっくりとうなだれる西條に戦意がないのを確認すると、昴は次に、あたしの方に近づいてくる。
そして微妙に視線を逸らしながら、数個だけ外されたボタンを留めた。
「……いや、先にこっちをなんとかしてよ」
縛られた腕を揺らしてアピールすれば、難なくするりと拘束を解かれる。
録音機を受け取り、あたしはそれを自由になった片手で弄びながら立ち上がった。
さてさて、どう考えてもこっちが有利になった今、ここは一気に決めちゃいますかね。
「西條様。状況はお分かりですね?」
西條の名前を挙げ、あたしが置かれている状況を丁寧に説明して、それを西條が肯定したやり取りが録られているこのレコーダーは、こちらの手に渡った瞬間からあたしの武器となる。
「このことを広めたくなければ、お互いに、この件はなかったことにするのが賢明かと」
西條は黙り込んでいる。
それなら、とあたしは部屋の隅まで歩き、自分のバッグを手に取った。
その中から小さな紙の束を掴み、床に叩きつける。
散乱した写真を見て、西條がサッと青ざめた。
それぞれに相手の違う若い女性とホテルに入る場面や、とある企業との密談現場など、表沙汰にしたら明らかにまずいことになるシーンばかりが、西條の顔つきでばっちり写っている。
「今後妙な動きが見られるのであれば、こちらも併せて遠慮なく公表させて戴きますので、そのつもりで」
もはや顔面蒼白の西條に向けてあたしは優雅に微笑み、とどめの一言を言い放つ。
「―――私の執事の狼藉、大変申し訳ありませんでした。……ドアの修理代は、いつでも請求して下さいね?」
170
:
心愛
:2013/08/19(月) 20:00:15 HOST:proxy10003.docomo.ne.jp
「いやー、まさか昴があんな声出す日が来るとはね。なんだっけ、『この野郎』?」
「……情けないところをお見せしました」
あのときの鬼気迫る形相とは似ても似つかない、文字通り情けない顔をする昴。
「つい、頭に血が昇りまして……。ですが、お嬢様がご無事で、本当に良かった」
「……ふーん」
眉を下げて微笑む顔を何故か直視できなくて、ついと視線を逸らした。
あたしは曖昧な返事をすると、どうしてこんなに早くここに辿り着けたのか尋ねる。
「ご学友の方にお話を伺ってすぐ、車の目撃情報を辿って飛ばして来ましたので。見張りもかなり少なくて助かりました」
さらりと言うが、異常事態だと察知し、迷わず動ける決断力と実行力はかなりのものだ。それを実際にやってのけるのだから凄い。
「ですが……少し、意外でした」
「うん?」
「お嬢様のことですから、許す代わりに結野家が有利になるような条件を提示なさるのかと」
そんなことか、とあたしは苦笑する。
「十分すぎるくらい有利になったじゃない。とんでもなく大きな“借り”を作ったんだよ? あの西條を傘下に入れるとか、身体張った甲斐があったよね」
「……あなたという方は……」
でも、あたしの陰謀だって、昴がいなければ全部成り立たなかった。
いくら危険な賭けでも、昴なら絶対来てくれるって、あたしは信じてたから。
……言ってはやらないけど。
「で、西條のことは誰にも知られてない?」
「はい。旦那様には連絡しておりませんし、ご友人たちにもとっさに誤魔化しておきました」
それなら美羽ちゃんにも上手く言っておいてくれたのか、とほっとする。
こんな目に遭ったなんてこと、できるだけ誰にも内緒にしておきたかったから。
昴は穏やかに笑み、足を止めて車のドアに手をかける。
「―――ただ、ご友人とお話ししている間にお会いした美羽様と圭様には事情を説明した上、そのまま同行して戴いておりますが」
「は」
暗いから遠くからではよく分からなかったけど、後部座席にふたつの影。
「美空!」
「美空先輩っ」
あたしはぐるりと首を捻ると、昴に噛みついた。
「騙したね!?」
「何のことか分かりかねます」
いつになく反抗的な態度で、そっぽを向く昴。
……お、怒ってる。
あたしが一人で敵地に乗り込んだこと、絶対怒ってる。
って、あたしが脅迫されたのはそもそもあんたのせいなんですけど!
「良かった……。通報しようか本気で迷いましたよ。昴さんは着いてすぐ出て行っちゃうし」
後輩の圭くんが胸を撫で下ろす横で、美羽ちゃんがわなわなと身体を震わせている。
待って、まだ心の準備できてない。
「あ、あのね、これは」
「このバカ!」
悲しいかな、あたしはこの妹にだけは弱いのだ。
涙目で怒鳴りつけられれば、黙って口を噤むしかない。
「いつもそうだ! 美空は勝手に、ぼくの知らないところで無茶をするっ」
「み、美羽……ちゃん?」
すん、と洟をすすり、おろおろするあたしを睨む。
「……昔から、美空の背中が目標なんだ。届くことは決してないと分かっていても、ずっと、ひたすらに努力してぼくを守る背中に憧れを抱いていた」
でも、と美羽ちゃんが声を張り上げる。
「美空が家やぼくを守るために危険を冒すなんて、ぼくはちっとも望んでない!」
「……美羽、ちゃ……」
「心配をかけさせるな、何もかも一人で抱え込んで強がるんじゃない! こんなときくらい、家族を頼れ、バカ……っ」
ぼろぼろと涙を落とす美羽ちゃんを見て、目頭が熱くなる。
「ごめん……」
無理をして押し込めていた、恐怖や不安、一気に色んなものが遅れて押し寄せてくる。
「ごめんね、美羽ちゃん……!」
美羽ちゃんをぎゅうぎゅうと抱きしめながら泣き崩れるあたしの耳に、こんな声が遠く聞こえていた。
「それにしても……美空先輩って、結構普通の女の子だったんですね」
「そうですよ。人より少しだけ、強情で見栄っ張りで―――とても、優しい方です」
171
:
ピーチ
:2013/08/19(月) 21:39:08 HOST:em1-114-111-160.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
久しぶりー! 神文を一気読みできて幸せの絶頂に居るピーチです←
と思ったらまさかの美空先輩拉致されてるし!? ちょっと待ってよそれって犯罪だよ通報できるよ!?
美羽ちゃんはやっぱ強い! あの美空先輩を黙らせるくらいだから!((
172
:
心愛
:2013/08/20(火) 14:44:42 HOST:proxyag096.docomo.ne.jp
「―――あたし、昴のこと好きかも」
「唐突ですね」
きょとんとして、昴が言った。
「……驚かないんだ?」
「ええ。正直に言いますと、前から期待はありました」
「あそう」
何でもないような言い方にしようと決めたのはあたしだけど、こう簡単に受け入れられると逆にイラッとくるね。
もうちょっと、こう、リアクションとかないわけ?
しかめっ面のあたしに、昴が優しい声で尋ねてくる。
「急に、どうしたのです?」
「……別に、大したことじゃないけど」
……なんてね。
解ってるよ、あたしに合わせようとしてくれてるんでしょう?
心の中はどうだか知らないけど、変に驚いたりして、平然としたふりをしてるあたしが居たたまれなくならないように、同じように反応してる。
まったく、これだから昴は。
あたしは苦笑を漏らしたくなるも耐えて、今日の天気を話すときくらい自然な話し方に見えるよう、ひっそり努力を続ける。
「最近、気づいたんだよね。こんなのあたしらしくないって」
らしくない、とは。
昴のまっすぐな眼差しがなんだか妙にくすぐったい。
「それにそれは、美羽ちゃんの将来を社会的に守りたいっていうのと同じ方法で解決できる。だから決めたんだ」
つまり。
「使用人と好きあってても、恋人同士になっても、誰にも文句言えないくらいに、のし上がってみせる―――ってこと」
嘘をつくのは得意だけど、、いつまでも逃げてこそこそするような真似は好きじゃない。
利用できるものはすべて利用し、欲しいものは力ずくで手に入れ、大切にしたいものは全力で守る。
頂点に君臨していれば、それだけ圧力を強くなるだろうけど、うるさいお偉い方を丸め込むことだってきっとできるはずだ。
……ううん、やってみせる。
たとえ何年かかっても、あたしは決して諦めない。
それまで、昴とのことは公にはできない。
だから、あたしたちの距離はこのまま。
こっそりと秘めていた気持ちをきちんと伝えあった、まだ、それだけ。
お見合いの話は、周りに気づかれない程度に少しずつ減らしていこうと思うけど。
「ま、何年かかるか分かんないけどね」
「いくらでも待ちます」
即答する昴に、あたしは意地悪く笑って言う。
「もし、あたしが凄く頑張って、それでも許してもらえなかったら?」
「土下座でも何でも致しましょう。それでも無理なら……どうしましょうか」
これまたあっさりと答える昴。
あたしはちょっと拍子抜けする。
「本気なの?」
「はい。お嬢様と添い遂げるための苦労なら、喜んで」
「……そんな情けない真似しないでよ。あたしが恥かくから」
それを聞いて、昴は柔らかに微笑を零した。
「駆け落ちというのもなかなか魅力的ですが」
「バカじゃないの? 美羽ちゃんを置いていけるわけないでしょ? 今までの努力が全部水の泡じゃない」
「そうですね。冗談です」
昴はにこにこと楽しそうだ。
最愛のお嬢様と心が通じ合っていることが分かったのだから浮かれるのも当然か、と半ば上から目線にその訳を捉えていると、その昴の方から話題を転換した。
「ところで、お嬢様」
「ん?」
「私が、お嬢様も私と同じ気持ちなのではと淡く期待を抱いていた理由ですが」
「それ言っちゃうんだ……」
できれば聞きたくない。
でも、昴があたしのポーカーフェイスを見破ったとなれば興味があるのも事実だ。
あたしが本気で止めないのを確認してから、昴は再び口を開く。
173
:
心愛
:2013/08/20(火) 14:45:34 HOST:proxyag048.docomo.ne.jp
「圭様たちとの旅行に同行させて戴いたとき、酔ったお嬢様がそのような内容を匂わせるようなことを仰っていたから、なのです」
「……そうだっけ」
全然覚えてない。
曖昧に靄がかかった記憶を掘り起こそうとしていると、
「まだありますよ」
昴が楽しげに続ける。
「お嬢様は、他人に弱点を見せたがらない方です。不慮の出来事―――主に照れくさいことや恥ずかしいことが起こると、とっさに平静を装いますね。その取り繕った表情は恐ろしい程の精度で、私などは到底気づきようもありません」
キラキラと光を取り込む湖みたいに綺麗な色に澄んだ双眸が、近づく。
「でも、本当の意味で完全には隠しきれずに」
何言ってんのこいつ、という呆れた表情を保ち続けるあたしの顔の横に、冷たい指が這わせられた。
「―――こうして、耳だけを赤くなさいます」
数十秒間、あたしは固まっていた。
かなりの沈黙のあと、ひくりと引き攣る頬を抑えられずに声を絞り出す。
「え、なに。そんなにあたしの耳、やばい?」
「はい」
真面目に頷く昴。
あたしは「うーわー……」と漏らすと、近くにあったふかふかのクッションを手繰り寄せてぼふっと顔をうずめた。
「今こっち見たら殺す」
「殴られるくらいなら構いませんが。……耳、見えてますし」
「殺す!」
あたしの罵声にも上品にくすくすと笑う昴。
「ちなみに、私が部屋に入ったときからそうでしたよ。なので話の内容は大体」
「もういい喋るな黙って」
まさか、あたしが昴に一本取られるなんて……最悪だ。
むぐぐ、と生まれて初めての屈辱に唸るあたし。
そして少しおいてから、昴がそっと呟いた。
「……お嬢様は、美羽様とそっくりですよ」
ちらりと彼の様子を窺えば、口元が優しく綻んでいる。
「色々な気持ちを隠して、美羽様の幸せのためにずっと闘ってきた。縛りの多い生活にもめげず、強く純粋に、美羽様のことを考えてきた」
視線が合わさる。
日本人らしからぬ蒼色は、どこまでも透き通っていて。
「その想いを持つ方が、どうして汚れているのです?」
美羽ちゃんは綺麗ないい子だけど、あたしは汚く打算的な人間だと、心の中でも、昴に対しても何度も繰り返してきた。
それを、昴は微笑みながら否定する。
「綺麗で優しくて、強くて脆い。だからこそ、悲しい方―――」
「……」
「頭が良いのに不器用で、いつでも偽悪的に振る舞っていて。そんなお嬢様のことを知れば知るほど、私はあなたを好きに」
「っあ――――――――!!」
耐えきれなくなったあたしは両耳を押さえて、声の限り叫び昴の発言を掻き消した。
「なんなの!? そんなにあたしを追い詰めたいの!? 今日の昴、なんかムカつくんだけど!」
「申し訳ありません」
全然申し訳なく思ってなさそうな顔で言うな。
あーもう、意味分かんない。
耳が熱い。自慢の頭脳もお手上げだ。
「ほんと、なに考えてんの……っ」
「怖いくらい、お嬢様のことばかりですよ」
「開き直んな!」
とんだ性悪執事だよ! なんで今まで見抜けなかったかな、あたしは!
「紅茶! 紅茶淹れてきて!」
追い出しにかかったあたしに、昴が困ったように言う。
「そういえば、お嬢様。そのカップですが、落としても割れないようプラスチック製のものにしようか検討中なのですが……いかがしましょう」
「あたしは子供か!」
「子供よりたちが悪……何でもございません」
やっぱり悔しいから、このままやられっぱなしにはならないけど。
―――こんな関係も、まぁ、ありなんじゃないかな……なんて、思った。
174
:
心愛
:2013/08/20(火) 14:53:37 HOST:proxyag047.docomo.ne.jp
>>ピーチ
おひさー!
美空は拉致られてもなんか安心してられるよw
「通報して悪者にするよりも、弱みを握って裏から操った方がこっちにとってはお得じゃない?」by美空さん。
これにて昴&美空編完結!
ポーカーフェイスの達人がやりこめられるのって楽しいw
一応ハッピーエンドってことで!
次、番外編的な短い話ひとつでヒナたちが再登場(・∀・)
それで本当に、ここあの小説ライフ終わりにします。
悲しいけど仕方ない! もう本気で勉強やばい!
175
:
たっくん
:2013/08/21(水) 15:37:50 HOST:zaq31fa4a65.zaq.ne.jp
>>
以前、ダイアナというのは
>>173
大穴すなわちケツ穴と申しましたが、
ピーチさん&心愛さんはそれが非常に大規模です。
これはあくまで噂ですが、
太いダイコン一本投入してもビクともしないらしいです。
凄いですね〜尊敬します
【ダイアナ・ストーリー】
突然ですがこれから貴方達の事をダイアナと呼ばせてもらって宜しいでしょうか。
理由は・・貴方達の身体の一部にウンコが出る穴があるからです。
ありますよね?ないとは言わせません。別サイトで女性に質問しました。
ウンコ→大(だい)→ウンコを出す穴→大の穴→だいのあな→だいあな
それを片仮名で表記しますと、ダイアナ〜♪
とまあこのようになります。
品のない言い方をするとケツ穴なんです。
さて・・ここで問題になってくるのは
何故私がこの発言を避けたか・・?御存じですか?
別サイトでこの話したら
ある人が『それだったら最初からケツ穴って言えばいいじゃないか。何故遠まわしに言うんだ?』なんでおっしゃってました。
わたくし下品な発言はあまり好まない性格でして・・
こう見えても結構、上品なんですよ(笑)
だからあえてケツ穴とは言わなかったのです。
大穴(だいあな)のほうが上品かな〜なんて思いまして。
[今作のストーリー]
様々な犯罪が影に渦巻く無法都市サウスタウン
今ここに足を踏み入れた2人の女性がいる
ただ一つの肛門(お尻の穴)を救わんと闘う神
すなわちダイアナと化した女、ピーチ
ピーチの友人でありまた良きライバルでもある心愛
サウスタウンに数多く潜むと言われる
最強のウンコ
176
:
ピーチ
:2013/08/21(水) 17:07:06 HOST:em1-114-169-47.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
美空先輩がぁー! 美空先輩がブラックになってるー!?←
ポーカーフェイス……あたしもできるようになりたいな((
ヒナさんたち待ってます! あたしも勉強やばいけど!
177
:
心愛
:2013/08/21(水) 20:21:00 HOST:proxyag017.docomo.ne.jp
『Happy Valentine!』
「おは……?」
キッチンの方からほんのり漂う甘い香りが、寝起きの頭を刺激した。
……ああ、そういえば、今日はお菓子会社大勝利の日か。
こんなに俺に関係ない行事もなかろうな。
ぼんやり突っ立って考えていると、ぱたぱたと足音。
キッチンの奥から彩が満面の笑顔で駆け寄ってきた。
我が妹ながらちょっと可愛い。
「お兄ちゃんっ、今日は何の日でしょーか!」
「殉教死したローマの司祭の記念日」
「ひねくれた答え方やめようよ!」
ぷんすかしながら、後ろ手に隠していた小包を手渡してくる。
ラッピングに手抜き感はあるものの、毎年思春期の妹からチョコをもらえる俺は恵まれている部類に入るのかもしれない。
いつまでたっても俺にべったりだけど、こいつの辞書に反抗期という文字はないのだろうか。
「今年も可愛い妹の愛情たっぷりだよ! 力作!」
「ありがとう。大切にゴミ箱にしまっておくからな?」
「にゃにおうーっ! ちゃんとしたのだもん!」
冗談だっつの。
俺はそそくさとそれを回収しながら、もはやお約束となっている軽口を叩く。
「で、本命は? 今年もいないわけ?」
「いるよ」
「だよなー。彩にはまだ早…………え?」
え? うん? 今なんて?
「……でも、いくら頑張っても渡せない人なんだ」
大人びた、切ない微笑。
俺は妹の変貌ぶりとその台詞に、驚きを隠せない。
「彩……」
「パソコンの画面から出てきてくれない限り!」
「ゲームキャラかよッ!」
前にも同じツッコミしたような気がするね!
うちの妹マジ揺るぎねぇ!
がっくりする俺に彩はにへへっと笑い、
「本命かどうかは置いといて、お兄ちゃん以外にもちゃんとあげる人はいるよ?」
「? 友達?」
「んー、お兄ちゃんの知ってる人ー」
俺の知り合い。
で、彩とも面識がある、となると。
「柚木園、姫宮、美空先輩……それとも美羽?」
「さあさあどーでしょー」
にまにまとした笑みを浮かべる彩。違うってこと?
もうちょっとで答えが出てきそうな気がするのに……結局最後まで、その人物が思い浮かぶことはなかった。
゚・:*:・。☆゚・:*:・゚☆。・:*:・゚・:*:・。☆゚・:*:・゚☆。・:*:・゚
靴箱の前で、チャラい金髪を発見した。
良く見れば、その手にはコンビニなんかで良く見かけるチョコの箱。
そいつがぱかっとひとつの靴箱を開けて、それを中にがさごそ突っ込んでいるところで―――俺と、鉢合わせした。
「……………おま……」
「ちょっ、ヒナ!? なんかすげえ誤解されてる気が!」
俺、ドン引きである。
日本のバレンタインは、基本、女から男にチョコをあげる風習なはず……なんだけど。
「あ、あーうん……。なにしろ妹がアレだし、ソッチの趣味にはある程度耐性あるから。……喜んでくれるといいな!」
「ちっがぁう! バイトだっつの!」
「……は? バイト?」
爽やかに去ろうとしたところを止められる。
……春山の奇怪な行動とバイトって、全然結びつかないんだけど。
怪訝な顔の俺に、春山が短く解説。
「『登校時や下校時、靴箱の中にチョコを発見して、周りに自慢する』っていうイベント演出のための下準備係ってとこ。金なら払う、って頼まれたのよ俺」
「なんでだろう。俺、涙が止まらないよ」
モテない男子の考えることは恐ろしい。そしてとてつもなく悲しい。
「利用者は結構いるんだよね。ヒナも、今ならチョコ代の二倍で引き受けるけど? 数には余裕あるし」
「結構です」
紙袋に同じメーカーのチョコが詰まった紙袋を見せられ、俺は速攻で拒否した。
……みんな、そこまでしてほしいんだね、チョコ……。女子からでもないのに。
178
:
心愛
:2013/08/21(水) 20:25:04 HOST:proxyag018.docomo.ne.jp
>>ピーチ
美空は基本ブラック、ほぼ常にドジ、ごくたまに純情(・∀・)
最後はわいわいやりたいなーと思って季節外れのバレンタインだよ!
春山のバイトはここあの学校にやってる奴がいたんで脚色してみたw
179
:
たっくん
:2013/08/22(木) 14:53:52 HOST:zaq31fa5b2f.zaq.ne.jp
↑お前の話なんかどうでもいいんじゃアホ
つまらん書き込みすんな
180
:
ピーチ
:2013/08/22(木) 17:43:11 HOST:em1-114-235-241.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
美空先輩ある意味凄いです←
はーるーやーまーくーんっ!? あなた一体何やってんの!?
どんなバイトだよ! つか女子からじゃないんなら嬉しくなくないですかね!?
181
:
心愛
:2013/08/23(金) 21:31:36 HOST:proxyag102.docomo.ne.jp
>>ピーチ
ここあのクラスに同じことやってる男子がいたんでw
お金はもらってないけど、他の男子に頼まれて靴箱にコンビニで買ったチョコ入れてあげてた(・∀・)
女の子じゃなくても嬉しいのかな…(=_=;)
お互い虚しくないのかな…?
182
:
心愛
:2013/08/23(金) 21:31:59 HOST:proxyag102.docomo.ne.jp
>>ピーチ
ここあのクラスに同じことやってる男子がいたんでw
お金はもらってないけど、他の男子に頼まれて靴箱にコンビニで買ったチョコ入れてあげてた(・∀・)
女の子じゃなくても嬉しいのかな…(=_=;)
お互い虚しくないのかな…?
183
:
心愛
:2013/08/23(金) 21:33:07 HOST:proxyag101.docomo.ne.jp
「濃厚な死の薫りがする……」
「不吉なこと言うなこら」
昼休み、教室中に立ち込める甘い匂い。
男子たちの背中から異様なオーラが放出されているが、女子はあえて気づかぬふりである。
「姫、ちょっとこれ持って」
「……うん?」
不意に、一人の女子が姫宮に近づいた。
姫宮に一回渡してからその手に戻し、お徳用チョコの袋を高く掲げて叫ぶ。
「姫からのチョコ、千円から!」
ガタタッ!
「千五百!」
「二千!」
「オークションだとっ!?」
バレンタインは高校生が金稼ぐイベントじゃないからね! あと飢えてるからって金使いすぎだ男子!
突如として始まった争奪戦を呆れた目で眺めていると、「ヒナぁー」と数人の女子が寄ってくる。
頭にクエスチョンマークを浮かべていると、
「はい、義理ね」
「義理だけど」
「義理で良ければ」
「分かってるよちくしょうめ!」
いいじゃん! そんな強調しなくてもいいじゃん!
「一個取ってー」と差し出されたのは、大きな箱に詰まった、うずらの卵みたいな形のお菓子。
ころんとした可愛らしい見た目で、水色やピンクの砂糖衣がかけてある。こんな凝ったもの、全員分作るのか……。
他にも、丁寧にラッピングされたチョコレートブラウニーやクッキーなどなど。
女子すげえ……。これ、ほんとに手作り?
「あ、ありがと」
「ホワイトデーは三倍返しでよろしく!」
「はいはい」
軽く言いながらも、義理チョコとはいえちゃんと女子からもらうのは初めてなのでちょっと感動する。
彼女らが今度は美羽を相手にし始めたところで、スマホがメールを受信した。愛川からだ。
『甘いもん苦手なのにチョコ断れない。今度減らすの手伝え』
「うわムカつく!」
断れないって、どうせ嫌な顔ひとつせずに愛想良く受け取ってんだろあいつ……!
本命だろうが手作りだろうが高かろうが安かろうが、今度会ったら遠慮せずに食いまくってやろうと心に決める。
「柚木園くーん!」
「ごめん、次は午後からねー」
背後できゃあきゃあ歓声を上げる女子たちに笑顔を振りまいて、柚木園が廊下から教室に入ってきた。
え、ちらっと見えた順番待ちの列みたいなのなに?
まさか皆さん、柚木園に渡すために並んでるの?
「柚木園……? 今の、」
「あ、うん。午前の部は今締め切ったとこ」
……午後の部もあるの?
唖然として今日も無駄に麗しい王子様を見ているうちに、俺は奇妙なことに気がついた。
「あれ? チョコは?」
あんなにも女子たちが殺到していたというのに、戻ってきた柚木園の手にはおろか、周りにも一切チョコの類がない。
疑問を覚えていると、柚木園がにこりとした。
「紙袋とかロッカーに入るような量じゃなかったから、今先生に言って、空き教室を借りてきた。少しずつ持ち帰るよ」
「……そこまでいくとあんまり羨ましくないな……」
信じられない話だけど、普段のこいつを見ていれば信じるほかない。
前に愛川と話したときも思ったけど、モテるって大変だね。
柚木園のモテぶりは常軌を逸するけど。男性アイドルみたくトラックでも手配した方がいいんじゃね?
「なんて言うか……お疲れ? やっと休み時間ってとこか」
「いや、休んではいられないよ。今日初めて会った女の子のフルネームとクラスを、忘れないうちに単語帳に書いて暗記しないと」
「単語帳!? 暗記!?」
「大丈夫、女の子についてのことなら記憶力が五割増しになるから全然負担じゃないよ」
「そういう問題じゃねぇ!」
本当に鞄から取り出した単語帳をぺらぺら捲り始める柚木園に、俺は戦慄を隠せない。
……とりあえず、愛川にメール返しとこ。
『もっと凄い奴いるから諦めろ。女子だけど』……って感じで。
184
:
ピーチ
:2013/08/24(土) 06:32:00 HOST:em114-51-22-156.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
怖いよ!? 怖いですよみなさん!?
しかもオークションって! 男子のみなさんどこまで飢えてんの!?←
…苺花ちゃんに愛川くん、大変ですね。とくに苺花ちゃん((
185
:
心愛
:2013/08/26(月) 15:50:58 HOST:proxyag059.docomo.ne.jp
>>ピーチ
そして夕紀は一応♂というw
モテすぎてつらいってすごい贅沢だけど切実な悩みかもしれない(・∀・)
さて、次の連続二回でいよいよ完結です。 全然最終回らしくないけどそれはそれでらしいのかも。
またあとがきだけ書きにくるけど、この掲示板に来るのはもうそれきりかな(TOT)
寂しいけど…ご愛読、ありがとうございました!
186
:
心愛
:2013/08/26(月) 15:51:22 HOST:proxyag060.docomo.ne.jp
「圭くーん!」
良く通るアニメ声を弾ませ、美空先輩がひょっこり教室の窓から顔を出して手を振ってくる。
艶めくツインテールをさらさら揺らし、まだ外をひしめく柚木園ファンの皆様をたやすく押しのけ、ちゃっかりと教室内に入り込んだ。
こういうとき、有名人の彼女は特別扱いである。
「あ、王子いたー! 姫も」
小さな箱を姫宮と柚木園に手渡して、「わぁい」と姫宮が無邪気に喜んでいる隙に、柚木園に俺までかろうじて聞こえるくらいの声量で囁く。
「で、王子。姫にちゃんとあげた?」
「……え、と……ですね」
「もちろん手作りだよね? 料理上手って噂聞いてるし」
「どこからです!?」
柚木園が青ざめていた。
何故か隠したかったらしい。家庭的な女子ってポイント高いと思うんだけどな。
「悩むくらいならさっさと渡しちゃいなよー。ね、美羽ちゃん?」
「……そうだな」
むっつり口を引き結んでいた美羽が、それだけぼそりと言う。
美空先輩はそんな美羽に向かってにこっと笑うと、俺の腕を取った。
「圭くん、ちょっと外行こっか! 話あるし」
「はぁ」
ビシバシ背中に突き刺さる複数の殺意を感じながら、廊下へ。
そのまま突き当たりまで歩き、美空先輩がようやく足を止めた。
「はいこれ。買ったやつだけど」
「良かった。物凄く安心しました」
「どういう意味ー!?」
もろ市販のパッケージをありがたく受け取る。
塩味しかしないチョコとかはご遠慮願いたかったんだけど、杞憂に終わって本当に良かった。
「昴さんにはあげないんですか?」
「あー、昴? どうしよっかなぁ」
んー、と考える素振りを見せる彼女。
「この前、チョコ作りの練習に一日中付き合わせちゃったんだよね。全然上達しなくて、結局止められたけど」
「……?」
「あいつ、いつも無理して全部食べてくれるから、そのお礼っていうか? もし余ったらあげてもいいかなって」
「……へー」
……半分くらいノロケに聞こえたのは俺だけか?
料理下手な彼女の作ったものに文句言わず食べてくれる彼氏、みたいな。
まあ美空先輩は不器用で料理が下手っていうよりはただドジなだけだし、彼女でもないけどさ。
なんか最近、美空先輩がちょっとだけ分かりやすくなってきたような気がする。
「圭くん、今考えてることを口に出して言ってみてもらってもいいかな?」
「すみませんでした!」
目が怖い! 目が怖いです先輩!
笑顔の圧力にブルブル震えていると、美空先輩はころっと表情を変える。
187
:
心愛
:2013/08/26(月) 15:52:24 HOST:proxy10003.docomo.ne.jp
「で、そんなことはどうでもいいの。圭くん、美羽ちゃんからチョコもらった?」
「いやまさか」
即答する俺。
「え、だってあの美羽ですよ? あいつがバレンタインに参加しようとするわけないじゃないですか」
「そう思うでしょ?」と美空先輩は楽しそうに笑う。
「それがね、実はそうでもないの。美羽ちゃんのパソコンの履歴漁ったら、面白いくらい大量にチョコの作り方調べた形跡が」
「それやっちゃダメですよ!」
ツッコミを入れながらも、俺はあの美羽が? と内心戸惑っていた。
……う、うーむ。
「あの様子だと悩んでるうちに渡せずに終わるだろうから、圭くんから動いてあげて」
「先輩ってほんと過保護ですよね……」
゚・:*:・。☆゚・:*:・゚☆。・:*:・゚・:*:・。☆゚・:*:・゚☆。・:*:・゚
「やー、今日はいい日だー」
「ふん……君は案外、女子に好かれるようだな」
二人での帰り道。
今日一日中機嫌が悪い美羽が、面白くなさそうに言う。
なんとなくその理由を察した俺は、にこりとして用意していた一言を放った。
「一番ほしいやつはもらえてないんだけどね」
美羽が立ち止まる。
きょとんとし、ゆっくり意味を噛み砕いて、それからだんだんと頬に朱が差し始めた。
俺が笑って歩き出すと、
「……ふんっ」
「ぎゃあっ!?」
パーカーのフードに後ろからずぼっと手を突っ込まれ、バランスが崩れて軽くよろめく。
そのまま方向転換して脱兎の如く逃げ出そうとする美羽の首根っこをとっさに掴んだ。
「ぅ、い、息が……っ、離せ!」
「うわごめん!」
猫みたいに髪を逆立てながら、涙目でぜえぜえ荒い呼吸をする美羽。
俺はそんな彼女に謝って、ひょい、と背中に腕を回してフードの中に入ったものを掴み取る。
黒地に白レースのリボンという、なんとも美羽らしい箱。
「ち、違う。これはだな……っ」
息が整うやいなや、赤い顔で言い訳を早口でまくし立てる。
「たまたまチョコを作りたくなったのが2月で、たまたま上手くいって、たまたまそれを間違えて学校に持ってきてしまって、たまたまヒナがそんなことを言うから捨てるのも勿体ないかと思って」
「あーうん分かった分かった」
「嘘じゃないぞ! 吸血姫(ヴァンパイア)の血統、リルフィーユの名に賭けて誓う!」
「分かったって」
いつまでたっても頑なに認めなさそうな美羽の扱いは、もう心得ている。
「ありがと。感想、あとでメールするよ」
「……ひ、必要ない」
そわそわっと視線をさ迷わせる美羽。
「ただ、君は、」
「ちなみに俺は、甘いのも苦いのも、どっちでもいけるから」
「……そうか」
その、少しほっとしたような横顔を盗み見て。
俺は早くも、なんだか甘ったるい気分になったのだった。
188
:
ピーチ
:2013/08/26(月) 17:20:51 HOST:em1-114-124-43.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
一応なの!? そこ一応なのねぇ!?←
というより怖いです先輩! 絵がないのに怖いのすぐ分かります!
美羽ちゃん可愛い! どーしようもなく可愛い!
……のに終わっちゃうんだ。もう来れないんだよね…
あとがき待ってます!
189
:
心愛
:2013/08/27(火) 09:55:51 HOST:proxyag013.docomo.ne.jp
>>ピーチ
だって夕紀ですから(・∀・)
笑顔が怖い美空さんはやっぱりちょっとやそっとじゃ変わらないね!
ありがとう!
美羽は「銀髪に紫の瞳の大人しめな子」「毒舌吐く機械人形」みたく、ここあの理想っていうか好きな美少女像を詰め込んだヒロインなので、可愛いって言ってもらえると嬉しいですw
ツンツンしててたまにデレる邪気眼っていいよね…! 黒髪いいよね…!
とか語ってたらきりがないんで、次のあとがきというか全然あとがきじゃないあとがきでさよならにします。
ダラダラしちゃうと良くないから、スパッとやめるつもりなんだけど、いやいや返事よこせよ! ってときは言ってね(*^-^)ノ
それでは!
190
:
心愛
:2013/08/27(火) 09:56:50 HOST:proxyag014.docomo.ne.jp
*あとがきというかなんというか
『邪気眼少女の攻略法。』本編に続き、これにて番外編も完結です。
さて。まずはピーチ、本当にありがとう!
毎回コメくれるピーチの言葉が、どれだけ嬉しかったかわかりません。
たまに、その画面見ながらリアルに声出して「ありがとう…!」って言ってましたw
ほっといたら消えるしかない妄想を形にし続けることができたのは、ひとえにピーチのおかげです。
お世話になりっぱなしだったのに、ピーチの作品には最低限しか顔出せなくてごめんなさい。
恩を徒で返すってこういうことですよねごめんね!
ここあのキャラを使ってピーチが書いてくれて、天音ちゃんや彩織ちゃん、羽音ちゃんたちと出会うことができたコラボは、ここあの一生の宝物です。
ピーチは作家目指してるんだよね。
ピーチのキャラはひとりひとりが生き生きしてて、続きが気になる展開ばかりで、ここあサイドのキャラまで自在に操る手腕には毎回唸らされました。
ピーチなら絶対なれるよ!
あ、あと、ここあの書いてきたカスい文章からでもなんか使えそうな要素がほんのちょっとでもあったら、言い回しでも展開でも、いくらでもパクってくれていいからね☆ ピーチになら喜んでお渡しするよ!
今まで、本当にありがとう!
いつかまた、会えたらいいな。
実はまだ書きたかったネタもいっぱいあったりして……。半年後の自分がどういう精神状態にあるか分かんないけど、今はそう思ってます。
部活代わりに小説に貴重な高校生活の半分くらいを費やしていたわけだけど、後悔はしていません。
本当に楽しかった。話に詰まったときもあったけど、下手でもなんでも、待っててくれる人がいたからここまでたどり着けました。
ソフィアたちも空牙たちも美羽たちも、みんな大好きだー!
ピーチも大好きだー! 我が相棒よ永遠なれーっ!((意味わからん
うう、覚悟はしてたけど、やっぱり寂しいな!
最後までダメダメな作者でごめんなさい(´・ω・`)
今までお世話になりました!
お互いに、これからも頑張ろうね!
ばいばい!
191
:
ピーチ
:2013/08/27(火) 16:55:32 HOST:em49-252-53-13.pool.e-mobile.ne.jp
ここにゃん>>
やっぱ夕紀ちゃんは変わりませんね! 美空先輩も!
終わって欲しくないよー……あたし今本気で泣きたいの我慢してるよー…
最低限どころかコラボの時は毎回コメくれたじゃないかー! あたしはそれだけでも十分嬉しいんだよー!
またちょっとでも暇なときあったらいつでも遊びにきてね! 待ってるからね!
192
:
たっくん
:2013/08/27(火) 22:47:35 HOST:zaq31fa5258.zaq.ne.jp
>>191
馬鹿ピーチさん、こんばんは。相変わらず馬鹿ですね。
【馬鹿ピーチ姉妹】
今回たっくんは女性役です。ピーチさんは、たっくんの姉という設定でいきますね。
ではスタート
ピーチさん
『たっくん、ピーチですよ。』
たっくん
『本当にピーチさんですか?じゃあ次の質問に答えて下さい。』
ピーチ
『はい。』
たっくん
『坂田利夫はアホ。じゃあピーチさんはな〜んだ?』
ピーチ
『バカ』
そして扉を開ける・・
たっくん
『やっぱりピーチさんですね。』
ピーチ
『今日は何してるのたっくん・・?』
たっくん
『今日は新聞読んでるんですよ。』
193
:
たっくん
:2013/08/27(火) 22:48:52 HOST:zaq31fa5258.zaq.ne.jp
ピーチ
『馬鹿じゃないですか。よくそんなもの読んでるね。』
たっくん
『馬鹿・・?何でですか?新聞読むのがそんなにおかしいですか〜?』
ピーチ
『おかしいよ。だって・・あたしなんか新聞とっくに読んじゃったもん。
10年くらい前に全部読んじゃったからもう読む必要ないもん!』
たっくん
『全部読んじゃったんですかピーチさん さすが小説家ですね』
ピーチ
『だいたいね、あたし新聞って昔から嫌いだったの。』
たっくん
『何故ですか?』
ピーチ
『気に入らない理由は色々あるけど・・まず文字が気に入らないかな
新聞という名前そのものがね!』
たっくん
『どうしてですか?』
ピーチ
『だって・・新聞って新しく聞くって書くでしょう。
でも実際は見るんでしょう?耳で聞くわけじゃないんだから
新聞ってのは変だよ〜(・.・;)。
新見るとか新眺めるとかのほうがいいじゃないかな
あたしはそのように解釈しちゃうな〜(*^_^*)』
たっくん
『確かにそうですね。』
ピーチ
『きっとね・・最初に新聞作った人が文字間違えたんだよ〜。
でも間違えましたっていうの恥ずかしいからそのままシカトしてるのよきっと。
シカトって知ってる?花札に、しかごとうけん、ってのがあるんだけど
そのシカが横向いちゃうの。』
たっくん
『へぇ〜ピーチさんって何でも知ってるんですね。エライな〜』
ピーチ
『あたしエライよ〜☆(*^_^*)新聞や小説の事なら何でも聞いてよ♪』
ところでさっきから思ってたんだけど・・今たっくんが読んでる新聞って
古いやつなんじゃないの?』
たっくん
『一年くらい前のやつですね〜。』
ピーチ
『それにしても不思議だね〜。』
たっくん
『何がですか?』
ピーチ
『古くても新聞(新しく)っていうんだからね〜(*^_^*)
古いなら、古聞(こぶん)とか旧聞(きゅうぶん)とか言えばいいのにね〜
馬鹿ピーチに残された道はただ一つ・・死ぬだけです。
しかし馬鹿は死ななきゃ治らないというコトワザをどうかお忘れなく
194
:
たっくん
:2013/08/27(火) 22:54:39 HOST:zaq31fa5258.zaq.ne.jp
原作・たくや たっくん=なかもとこうじ役
ピーチ=いかりや長介役
【馬鹿ピーチ姉妹 】
たっくん
『ピーチさんに質問があります。人間って何で死ぬんですか?』
ピーチ
『あたしは死なないもんぜったい(*^_^*)』
たっくん
『どうしてですか?人間は死ぬんですよ!』
ピーチ
『あたしはぜったい死なないの!』
たっくん
『どうしてピーチさんだけ・・?』
ピーチ
『ピーチは馬鹿だから死なないのよ!☆☆♪』
たっくん
『え?馬鹿だと死なないの?』
ピーチ
『以前貴方に御話したでしょう?
昔こんなコトワザがあったの。馬鹿は死ななきゃ治らない・・と
つまり馬鹿死ななきゃ治らないんだから治す為には死ななきゃいけないのよ
ピーチは馬鹿治す気ないもん、ずっと馬鹿だもん!
だから死なないの。あなたはどうなの?』
たっくん
『私は有能です。』
ピーチ
『じゃあ死んじゃうよ。可哀想だね〜』
たっくん
『ピーチさんは死なないんでしょう。』
ピーチ
『馬鹿だからね。』
』
195
:
たっくん
:2013/08/30(金) 12:00:21 HOST:zaq31fa5b2a.zaq.ne.jp
【バカのピーチ姉妹】
ピーチ
『あたしあんたの姉のピーチだよ』
たっくん
『本当にピーチお姉ちゃん?』
ピーチ
『ええそうよ。』
たっくん
『じゃあ次の質問に答えて下さい。
2チャンネル掲示板の利用者はバカ・・・。
じゃあピーチさんの掲示板は?』
ピーチ
『あたしの掲示板は・・アホ・・。』
扉を開ける
たっくん
『やっぱりピーチお姉ちゃんか〜よく来ましたね〜。』
ピーチ
『今日何やってるの?』
たっくん
『私、学校行こうと思ってるのよ。』
ピーチ
『やめときなさい。学校はね・・バカな人が行く所なのよ。』
たっくん
『え?何でですか?』
ピーチ
『学校ってとこには先生がいるのよ。知ったかぶりしてるのが
ものを知らない人がその先生から色々教わるわけよ。
ものを知らないって事は頭が悪いから知らないのよ。
だから知ってる人は学校行く必要ないの。』
たっくん
『じゃあ私行く必要ないや・・。だって私アタマいいから。
かしこいもんね。』
ピーチ
『そうそう。だから、たっくんは行く必要ないのよ』
たっくん
『ピーチお姉さんは行ってるの?』
ピーチ
『行くよ。だってあたし頭悪いもん。
でもあれ面倒くさいよ〜。最初、小学校からはじまって
中学、高校、大学、落第入れたら何十年も行かなきゃならないのよ〜
たまんないよ〜。』
たっくん
『そんなに長いこと行くの?』
ピーチ
『でもね、バカにもね弾階があるのよ。ピンからキリまであるの。
少しバカな人と、うーんとバカな人といるの。
ちょっとバカな人は早く覚えちゃうの小学生くらいで覚えちゃうの。
でもね時々、小学校、中学校、高校まで勉強してもまだ覚えられないバカがいるのよ』
たっくん
『そういうのいるんですか!』
ピーチ
『ソイツが大学行くのよ。』
たっくん
『それで行くんですか。じゃあ高校までで覚えられたら大学行く必要ないんですね』
ピーチ
『そういう事よ。あたしなんて小学校のうちに全部覚えちゃったから
中学校行く必要なくなったもんね(*^_^*)』
196
:
たっくん
:2013/08/30(金) 12:03:32 HOST:zaq31fa5b2a.zaq.ne.jp
バカなピーチを宜しくお願いします。
彼女のバカっぷりをご覧下さいませ。
原作・たっくん
197
:
たっくん
:2013/09/05(木) 13:44:02 HOST:zaq31fa4b5b.zaq.ne.jp
【さよならするのはツライけど&いい湯だな 替え歌メドレー】
ババンババンバンバンと♪ピーチが大爆発♪
いい気味だ〜♪いい気味だ〜♪
さよならす〜るの〜は〜ツラ〜いい〜けど〜♪
寿命だよ♪仕方がない♪
ピーチが逝くまでごきげんよう♪
あの世へ逝った〜♪ピーチが逝った♪
いいとこだ〜♪いいとこだ〜♪
突如ばあさんがピーチの背中に♪
つめてぇな〜♪つめてぇな〜♪
ここは天国 さんずの川♪
ババンババンバンバン♪ババンババンバンバン♪
いい湯だな♪いい湯だな♪
ピーチのな〜みだがポタリと背中に
時間だよ♪仕方がない♪
ここは天国、さんずの川♪
千春さんピーチさん
また会う日までごきげんよう!
馬鹿姉妹を宜しくお願いします。
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