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『邪気眼少女』 *Another Story*
168
:
心愛
:2013/08/19(月) 19:55:34 HOST:proxyag095.docomo.ne.jp
「私の自由を奪って、脅迫して無理矢理婚約を取り付けようとするなんて……そんなこと間違っています。お願いですから、考え直して下さい」
「お許し下さい、美空さん。あなたを手に入れるには、こうするしかなかったのです」
……かかった。
あたしはとりあえず、その成果に満足する。
後はひたすら時間を稼ぐのみ、だ。
「美空さんはただ、受け入れてくれるだけでいいのですよ。そうしたらすぐに楽になります」
「……ですから、……私は……」
たっぷりと間を含んで俯くあたし。
こっちからべらべらと喋ったら怪しまれる。
「私のどこが不満ですか? 西條の地位は結野にも劣りませんし、金もあります。これからは、美空さんに不自由な思いはさせません」
「……確かに、西條様は素晴らしい方です。ですが、それとこれとは話が別です」
なかなか強情に渋るあたしに、西條は痺れを切らしたようだった。
「仕方がないですね」
腕を伸ばし、あたしの胸元に手を掛ける。
まずい、と本能が警鐘を鳴らした。
「言うことを聞いて下さらないと、私も酷いことをしてしまうかもしれません」
「やっ……、やめて下さい!」
ボタンがひとつ、ゆっくりと時間をかけて外される。
本気だ、と相手の目を見て思わずぞっとした。
でも、耐えるしかない。
気を失ってから目が覚めるまで、それから西條と話していた時間を考えると、助けを期待するにはまだ無理がある。
女とはいえ、あたしは将来家を継ぐ身だ。これくらい我慢できなくてどうする。
何に代えても与えられた立場を守りきる。それがあたしの役目でしょう!?
演技のためだけではなく勝手に震え出す身体を叱咤し、絶対に屈してやるかと決意を固める。
何か、何かこいつの注意を逸らせることは―――!
と、目まぐるしく回転する頭の片隅で違和感をとらえ、あたしはハッとして目を見開いた。
こちらへと、徐々に物音が近づいてくる。
バタバタと忙しない足音と怒号に、西條が手を離して怪訝な顔を上げた。
―――まさか、
その正体に思い当たった次の瞬間、ドアを勢い良く蹴破り、黒い影が飛び込んでくる。
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