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.。.:*・゚☆虹空☆.。.:*・゚
202
:
海
:2009/09/03(木) 15:34:34 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
その手紙は白紙。
白紙に綴られるはなにか。
白紙に綴られるは『想い』
誰かを想う、ささやかな想い。
203
:
栞
:2009/09/03(木) 20:17:06 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》
>>202
なるほど、白紙に綴られるのは『想い』かぁ。
私だったら何が綴られてるかなぁ?
う〜ん・・・・想いは想いでもケンカ友の男子からの苦情だったり(笑
204
:
海
:2009/09/04(金) 14:17:07 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
栞>>
※あくまでもうちの考えです(笑
ケンカ友達がいるっていいことだよ^^
うちもケンカ友達の男子(幼馴染)いるし(笑
なんかね、気を許しあってるというか…気が楽というかb
自分をさらけ出せるからいいんだよねw
でも最近、ラブレターとか書かないよね^^;
205
:
海
:2009/09/04(金) 15:29:02 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
自由を掴み取ってごらん。
この自由なき監獄の中で。
一生とらわれの身。
光の差さぬこの監獄で、
お前がどうやって自由をつかむのか楽しみだよ……。
206
:
海
:2009/09/04(金) 15:29:52 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
神様。
あなたは世界のすべてを、知っているのですか―――…?
どこかで泣いている人がいることも、
どこかで悲嘆にくれている人がいることも、
どこかで闇に飲み込まれそうになっている人がいることも。
それらすべてを、ご存知ですか?
知っているのならお願いします。
私は何も望みません。
何を引き換えにしてもかまいませんから……。
大切な人を、帰してください。
207
:
栞
:2009/09/04(金) 19:42:33 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》そうかぁ。海みたいに考えたらケンカ友も良いかもww
言われてみればその人には何の遠慮も無しで居れるというか・・・。
楽なんだよねぇ^^
>>206
最後の〝大切な人を、帰してください〟のところで泣きそうになった;;
何かほんと切なくなるなぁ。
208
:
海
:2009/09/05(土) 09:58:52 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
栞>>
友達なんだけどケンカ友達ね、みたいなw
楽なのが一番だよッ+。
うちは今でも友達として関係続いてるよb
相談相手もケンカ友達だし(笑
泣きそうに!?
泣きそうになってしまうほどの詩は書いてないよ(笑
でも本当にそうなってくれたなら嬉しい^^*
209
:
海
:2009/09/05(土) 10:52:53 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
儚い命。
儚い―――夢。
『生きたい』
って言ったのならば、
あなた方はどんな顔をするのでしょう。
この与えられた短い命。
叶うはずないとわかっていて夢見た将来。
それらを覆したいと言ったのならば。
あなた方は今でも僕を、
「恨んでいますか…?」
210
:
海
:2009/09/05(土) 10:53:43 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
裏設定。←
>>209
病室のベットに横たわる少年の想い詩です。
病気に蝕まれ、そう長くない命を抱えていて。
いつ死ぬかわからないのに、夢見てしまった将来のこと。
少年のいう「あなた方」とは、『両親』のことです。
彼、両親から虐待を受けていてですね…「いらない」と言われてしまったのです。
だから、生きることは意味がないと。誰にも愛されないと。
「僕は、いつまで恨まれるのかな…」
生まれてきたことで迷惑になっていると言われてしまったのですね…。
両親に恨まれ続けている限り、彼は「生きたい」と言えないのです。
211
:
海
:2009/09/05(土) 14:06:44 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
そうやって何もかもを隠すつもりですか?
言いたくないのなら深追いしないよ。
無理に聞き出そうだなんて思わない。
でも。
言って欲しいことだってあることを、
秘密にして欲しくないことがあることを、
あなたは知っていますか?
いつまでも隠していられるだなんて思わないで。
212
:
栞
:2009/09/06(日) 15:12:50 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》ほんと楽が一番だよねっ!!
私も親友の前では何か素丸出しというか・・・。
>>211
隠し事とかあるよねぇ・・・・。
で、それがバレてちょい危なくなっちゃったりって事が;;
213
:
海
:2009/09/06(日) 15:54:21 HOST:116-65-139-64.rev.home.ne.jp
栞>>
親友がいることがうらやましい^^*
うち親友っていないからさ;;
ばれそうになるとめちゃあせる(笑
そしてこの隠し事が浮気だったら笑える←
214
:
栞
:2009/09/11(金) 20:21:59 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海》親友・・・・っていっても、私の気まぐれな性格からか
一時期何か嫌に思えてくる時があるんだよね;;
でもやっぱり時が経てば元通り、みたいな・・・。
ほんと私気まぐれで^^;
215
:
海
:2009/11/07(土) 16:48:39 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
――― 愛されることを知らない人は、
愛される喜びを知らない。 ―――
――― 愛することを知らない人は、
愛する歓楽を知らない。 ―――
216
:
海
:2009/11/07(土) 16:49:05 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
良かったら、手を取り合ってみないかい?
僕の手は、君よりも冷たいけれど。
僕の手は、君よりも血を吸っているけれど。
そうだとしても。
共に戦い抜くために、この手を取ってはくれまいか?
217
:
海
:2009/11/07(土) 16:49:27 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
そうか、これが『夢』なのか。
ありもしない世界に入り浸り、
目が覚めたら現実へと引き戻される。
現実と幻想の、架け橋であるもの。
そうか、これが『愛』なのか。
目に見えない形のないもの、
誰もが心の奥に秘めている、とても尊いもの。
触れられると、温かい。
そうか、これが『命』なのか。
森羅万象に与えられた、神からの最初の贈り物。
善にも悪にも転ぶ、理解しがたい謎。
失ったら、二度と手に入ることはないもの。
そうか、これが『心』なのか。
どこにあるのかわからないもの。
どうやって生まれてきたのか解明できない。
自分の中にあるものだと、必ず実感できるもの。
我は、まだ知らないことが多そうだ。
218
:
海
:2009/11/07(土) 16:49:48 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
――― できるところまで、行ってみない?
これから、何が起こるかわからないけれど。
これから、何を失うのかわからないけれど。
けれど。
僕らは失うものなんて一つもないから。
すべてを置き去りに進むのだから、
怖いものなんて、―――一つもない。
219
:
海
:2009/11/07(土) 16:50:15 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
『夢』が君たちを強くするのなら、
『希望』が君たちの背を押しているのなら。
僕は。
『復讐』が僕の強さとなり、
『執念』が僕の背を押している。
220
:
海
:2009/11/07(土) 16:50:44 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
――― 僕らの違うもの?
嗚呼、それはなんのことかな?
忘れてしまったよ。
もう、遠い遠い儚い記憶。
白百合から滴る朝露のごとく、
僕の記憶から滑り落ちてしまったみたいだ。
嘘。
覚えているよ。
『君』と『僕』の違いをね。
――― 『人』か『悪魔』かと、いうことをね。
221
:
海
:2009/11/07(土) 16:51:10 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
上手く言葉をつなげられなくて、
いつも足りない言葉しか言っていなくて。
それでも、にーちゃだけは聞き取ってくれた。
同級生は聞いてもくれない、
目も見てはくれない。
―――…だって、僕は『犯罪者』だから。
記憶が残っていないのが恨めしいんだ。
記憶がないから、自分の罪がなにかもわからない。
そんな僕だけど。
存在を、認めてくれる人がいた。
ありがとう、にーちゃ。
222
:
海
:2009/11/07(土) 16:51:30 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
どうしようもないときは、泣いたらいいんだよ。
泣いたって、その苦しみから逃れられるわけじゃないけど。
けど、泣いてたって何も始まらないじゃん。
泣いてる暇があるなら、胸はりなよ。
堂々としてればいいじゃん。
――― また、起き上がればいいじゃん。
起き上がれるでしょ?
なら、早く起きてよ。
223
:
海
:2009/11/07(土) 16:51:50 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
たまには、起きてみてもいいんじゃないかって。
たまには、前を向いてもいいんじゃないかって。
______ 許されることではなかったとしても。
224
:
海
:2009/11/07(土) 16:52:28 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 僕の好きなもの、知りたいのかい?
残念だね。
それを知ったところで、君はどうするのかな?
僕の好きなものを持ってきてくれるのかい?
―――…無理だろう。
君に持ってこれるはずがない。
持ってこれたら、僕は君を褒め称えよう。
我が世界に君臨する神々と同じように、
君を厚かましく褒め称えてあげようじゃないか。
持ってこれたら、ね。
225
:
海
:2009/11/07(土) 16:53:08 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ この壁を、取り払いたい。
簡単に取り払うことができたなら、
簡単に乗り越えることができたなら。
きっと自分は、燃えるような想いをしなかっただろう。
締め付けられるような苦しみも、
昇天するような幸福な幸せも、
きっと味わうことができなかったはずだ。
―――― いつか、取り払ってみせる。
分厚い大きな、高い壁を。
226
:
海
:2009/11/07(土) 16:53:30 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
________ 簡単に手に入る感情だったなら。
そしたらきっと、「真実の愛」を知らない。
手に入らないからこそ、燃え上がる想いがある。
227
:
海
:2009/11/07(土) 16:54:07 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
―――あ、鈴の音。
ちりんちりんとどこからか響いてくる、
なんて物憂げな透き通る音。
毎夜聞こえるこの鈴の音は、
どこから鳴っているのかも、誰が鳴らしているのかもわからない。
けれど聞こえているのは自分だけのよう。
____ いつか、鈴の音の正体をつきとめてもいいですか?
228
:
海
:2009/11/07(土) 16:54:26 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 嗚呼、魅惑的だね。
その絹のような肌。
その潤いのある瞳。
その形の良い唇。
その艶やかな髪。
すべてが我を魅了する。
我のためだけに、子守唄を歌ってはくれまいか?
―――― 魅惑の華よ。
229
:
海
:2009/11/07(土) 16:55:30 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 教えてほしいことが、ひとつだけ。
どうやったら君がこちらを向いてくれるのか。
どうやったら君を口説き落とすことができるのか。
どうやったら―――…君は彼から離れるのか。
もう、面影に頼るのはやめないか?
___ 彼はもう、いないだろう?
なのになぜそこまで執着する。
僕は「彼」に似ていると、そういったのは君だろう?
だって僕は―――……彼の『クローン』なのだから。
230
:
海
:2009/11/07(土) 16:56:10 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
____ 幸せでしたね、あの頃は。
『ちょ、梓ばっかりずるいーっ!』
『だって秋桜可愛いから…』
『恭南さんも梓さんも可愛いですよ』
三人で笑いあっていた頃は戻ってこないけれど。
それでも、私は幸せでした。
コスモスのネックレス。
三人が写っている写真。
これから起こる悲劇も知らず、笑顔の自分たち。
まさかいなくなってしまうだなんて。
『……秋桜、お墓参り、行こうか』
『……そう、ですね…。椿と、コスモスを持っていきましょうか』
大事な人を失いすぎた親友は、今でも強く生きています。
_____ Dear.椿先生 and 梓さん
231
:
海
:2009/11/07(土) 16:56:48 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ 欲しいものは、すべて手から零れていく。
零れていくのを、ただただ見ていただけの自分。
また掬おうとも思わずに。
それが愚かだったということに、いまさら気づいた。
232
:
海
:2009/11/07(土) 16:57:08 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
________ さあ、進むことをしよう。
何にも屈しない勇気を持って。
何にも吹かれない意思を持って。
233
:
海
:2009/11/07(土) 16:59:48 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
>>215
から、今まで溜め込んでいた詩(紛い物もありますが)を載せました。
詩というより誰かの思いを綴っているものもありますが;
サボっていた分を一気に載せたという感じですね。
こんなものたちでよければ読んでやってくださいb
234
:
海
:2009/11/08(日) 13:54:47 HOST:119-171-142-179.rev.home.ne.jp
_____ もう、そんなことは言わない。
欲しいものを「欲しくない」とは言わない。
欲しいんだ。
何にも屈しない勇気をもつ、君が。
君だけが。
235
:
海
:2009/11/21(土) 10:55:46 HOST:119-171-144-210.rev.home.ne.jp
苦しかった。
つらかった。
______ そうだね。
だって、苦しいのはあたりまえ。
だって、つらいのもあたりまえ。
楽しいだけだったなら。
嬉しいだけだったなら。
人はきっと、成長しない。
236
:
海
:2009/11/21(土) 10:56:25 HOST:119-171-144-210.rev.home.ne.jp
______ ひとつひとつに迷いがなければ。
______ ひとつひとつに確信がもてれば。
出口のない迷宮を、彷徨うことはないのかな。
237
:
海
:2009/11/21(土) 10:56:58 HOST:119-171-144-210.rev.home.ne.jp
「秋桜さん、今日もまた生けているのですね」
襖から差し込んでくる光が遮られたことがわかると、秋桜はゆっくりとその相手を見やる。彼女が振り向くとともに結わいている桜色の髪が肩を流れ、耳上に飾られている桃の髪飾りがしゃらりと音をたてた。
そして秋桜が微笑みかけると、襖に正座をし、無表情で彼女が生けている花を見つめていた人物はすっと腰を軽くあげたままで部屋へと入ってくる。
「毎日の日課ですから…」
「生けたくもない花を生けるのも日課ですか」
使用人たちが聞いたら無礼だと叱られるような言葉や態度、最悪の場合、解雇ということだって考えられるのに、彼はそういったことを気にしていないらしく思ったことは遠慮なくぶつけてくる。その素直さが秋桜には必要だったから、彼女はあえてそういう人物を自分専用の使用人とした。
―――生けたくもない花。
それは、華道家元本家の肩書きの元、展覧会へ出品しなければならない作品。
やらなければならないと思いながら生けることを、秋桜は何よりも悲しんでいた。花は、自分の感性のままに表現するものだから。
「私は秋桜さんがすることに文句は言いませんが。こうして傍で仕えさせていただいているだけで感謝しておりますので」
その感謝の気持ちも、彼は表情に出さない。時間が刻を刻んでいくように淡々と述べられる言葉。
「櫂さんは、幸せですか?」
いつだったか、「さんをつける必要はありません」と言われたことがあったけれど、自分に仕えてくれている人を呼び捨てにはできなくて今でもそれは健在だった。
―――幸せですか?
あなたは、私に仕えていて。
ほとんどの自分の自由をすべて私に捧げていて。
「……幸せじゃなかったなら、私はここに残っていませんよ」
なんて回りくどい言い方なのだろう。
それでもあたたかみのある言葉に思えて、秋桜はゆっくり微笑んだ。
238
:
海
:2009/11/27(金) 18:28:55 HOST:60-62-120-46.rev.home.ne.jp
______ 守りたいものはたくさんあった。
この手から零れ落ちるくらい、たくさんあったのに。
――― 守りきることができたのは、ひとつもなかった。
239
:
海
:2009/11/27(金) 18:30:14 HOST:60-62-120-46.rev.home.ne.jp
____ 結局僕は、なにもできなかった。
____ なにも、……できなかったんだ。
僕は君から、「奪う」ことしかできなかった。
僕は君に、「与える」ことができなかったんだ。
君の大切なものだけ存分に奪っておいて、
君になにも与えることができなかった。
――― こんな僕の、伴侶となってくれますか?
240
:
海
:2009/12/04(金) 13:48:42 HOST:116-65-143-187.rev.home.ne.jp
_____ もう、後戻りはできない。
なにもかもが遅すぎた。
決断するのも。
行動するのも。
―――……愛して、しまったことも。
俺が愛さなければ、君は傷つかなかった。
俺が感情のない人形だったら、君の涙を見つけることもなかった。
すべての責任は、俺にあるんだ。
―――だから。
君の手で葬り去って。
そしたら俺は、君から俺の記憶を消し去ろう。
……もう、君が苦しまないように。
241
:
大地・怜也・珠洲(海)
:2009/12/10(木) 18:47:26 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
手に入れるのは難しいのに、
________手離すことは簡単だ。
手に入れるのは難しくて、
________それを守り抜くのはもっと難しい。
242
:
海
:2009/12/10(木) 18:48:06 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
そうやってまた、いろいろなものを切り捨てていくの?
_______それには、代わりなんてないんだよ。
簡単に代わりが見つかるなんて思わないで。
そんなに簡単に見つかるのなら、
―――この世にあるものは、すべて“不必要”だ。
243
:
海
:2009/12/13(日) 10:04:01 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
_______叶うことはないとわかっているから、
私はこんなにも冷たくなれる。
「こんなところで話してないでさ」
本当は嬉しいのに。
「あの子と話せばいいじゃん」
冷たく突き放すしかできない自分。
感情のないふりをして、
興味がないように振舞って。
_____馬鹿だね。
それでも、諦めることができないんだ。
244
:
海
:2009/12/13(日) 10:04:50 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
閉じ込められた牢屋の中で、
私は救われるのを待ち望んでいた。
窓から差し込む朝日を、何度見たことだろう。
窓から見える夕日を、何度見つめたことだろう。
______外で瞬く星空に、何度願ったことだろう。
いつか救われるはずだと、自分に信じて言い聞かせた。
そうしないと、自分が崩れていく気がしたの。
けれどある日、私は子供を身ごもった。
_____黄金の雨に魅せられて。
それが偉大なるゼウス神だと知ったのは、
それからもう少し、先のこと。
245
:
海
:2009/12/13(日) 10:21:06 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
僕はずっと想ってるよ。
_____遠く離れた、空の果てから。
約束、守れなくてごめんね。
―――傍にいること、できなかった。
償っても償いきれないほどの罪。
それを抱えて僕は召された。
お願いします、神様。
一度だけ……一度だけでいいから。
______僕を、彼女の傍に。
246
:
麗奈
◆5M/IdXYC42
:2009/12/13(日) 15:18:11 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
はじめまして♪
読ませていただきましたww
描写の仕方がうまいですねbb
なんか読んでて素直にそう思いました!
実は初めましてじゃないんですb
学園アリス掲示板のある人ですよ^^*
私の小説「恋嘘」もよろしくですww
>海さん
247
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/13(日) 23:14:31 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
こここ、こんにちわ!((
どーもです、紅桜です!
今まで陰ながら愛読し、密かに(?)海に憧れを抱いていた読者です(ノω・*
感情の表現もうまいし、何より説明文が好きです←
私にもその文才分けてください、って本気で思ってまs((
これからも応援してます。
気が向いたらじゃんっじゃん感想書いちゃいます。え、ウザい?((
それでは、これにて失礼ノ゛
>海
248
:
海
:2009/12/16(水) 17:15:25 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
麗奈さん>>
こちらこそ初めまして^^*
自分のことは適当に呼んでやってくださいノシ
描写の仕方がうまいだなんてもったいないお言葉…!
嬉し恥ずかしです(ノω`*)
Σ学アリ掲示板にいるのですか!?
それはぜひあちらでも挨拶しなければ…!+。
「恋嘘」なんて素敵な題名ですね+。
早速お邪魔させていただきますvv
249
:
海
:2009/12/16(水) 17:20:40 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
憧れなんておこがましいΣ//
愛読なんてものすごく嬉しい(きらっきら
ΣΣわけられるほどの文才なんて持ち合わせていないのに(驚愕
じゃんじゃん書いてくれるの!?+。
そしたらうちも書いちゃいますvv
250
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/16(水) 21:33:55 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
…何と言われようと憧れ続けます+((
嬉しい…それは良かったよ。それに、そう言われるとこっちも嬉しい(//ω//)
�瑤┐АĄ€ 弔犬磴〜燭鬚發蕕┐个いい鵑澄³瑤Ľ�
じゃんじゃん書きます、暇を持て余してるんでb
うん。書いてくれたら多分テンションあがるよ!←
>海
251
:
海
:2009/12/17(木) 16:19:10 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
でもうちに憧れても何も真似する部分がありませぬよノシ+。
むしろ与えてください。(真顔
ぜひ自分に才能を分けてください…!
うん、うちも暇を持て余してる+。(テスト期間でも普通に←
そしたら早速書きにいこう!←
252
:
海
:2009/12/17(木) 17:02:44 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
______とりあえずは、笑っていよう。
自分に不利な状況でも、
誰もいなくて寂しいときも、
変な疑いをかけられたとしても。
無理に笑顔をつくって、笑っていよう。
―――そうしたら、誰も近づいてこなくなるから。
253
:
海
:2009/12/17(木) 17:19:47 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
「触らないで!」
______残酷な、拒絶の言葉だったね。
そんなことを言ったのに、君はずっと傍にいてくれたよね。
―――馬鹿みたいに言った拒絶を、守り続けながら。
絶対に触らなかったね。
傍にいたのに、私に触れることをしなかったね。
______「……ごめん、…ね……」
こんなことになるとわかっていたら、
私はもう少し、素直になれたのだろうか。
254
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/20(日) 21:03:45 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
頑張って探すy�瑤Ľ�
…与えられるくらいなら自信もつくのにね…(溜息
才能は分けられませんが元気を上げます…!�瑤い蕕覆�
え、テストって何?って感じで現実逃避してるからね+((
ただしテンションが上がっても何もありませんのでご注意をb
>海
255
:
海
:2009/12/22(火) 18:06:25 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
マジですかΣ笑
さっきブログめぐりしてたら、「紅桜」って人のブログ見つけて、思わず「え! 紅桜!?」ってものすごく驚愕してしまった自分((
元気もらえるなら嬉しいy((
最近落ち込み気味なの、危ないの(涙
テンションあがったらうちもあがるy((
256
:
海
:2009/12/22(火) 19:12:20 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
『ありがとう』
『ごめんなさい』
______これは魔法の言葉だと、教えてくれたのは誰だったろう。
『大丈夫だよ』
『心配しないで』
______これは自分を追いつめると、教えてくれたのも誰だったろう。
『大好きだよ』
______これは特定の人だけに告げるのだと、
______教えてくれたのは母だった。
257
:
海
:2009/12/24(木) 18:29:16 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
―――『メリー・クリスマス』
聖なる夜に、魔法の言葉を紡ぎましょう。
聖なる夜に、世界へ輝きを与えましょう。
―――『メリー・クリスマス』
聖なる夜に、あなたへ言葉を送ります。
聖なる夜に、あなたから言葉をもらいます。
―――『メリー・クリスマス』
生まれてきてくれて、ありがとう。
258
:
紅桜
◆H2afPHIwUk
:2009/12/24(木) 19:59:52 HOST:i121-114-126-244.s04.a013.ap.plala.or.jp
マジです。本気と書いてマジ+←
残念ながらブログなんて面倒な物私に管理できそうにないぜ(p_-。
じゃあ元気を与えよう!いくよ、ふうあちゃー!!�徧�
ど、どうして!?明日はクリスマスよ!?((
マジでか、そしたら上がりまくりだノ++
>海
259
:
海
:2009/12/25(金) 11:11:23 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
紅桜>>
臨機応変と書いていい加減と読むべし!(ぇ
確かにブログは面倒だ(笑/←ブログ持ち
でも楽しいのも一理あるb
その効果音可愛すぎr((
クリスマス……フッ、塾さ(遠目/涙
260
:
海
:2009/12/31(木) 08:50:09 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
愛されたいと願って生まれてきたのに、
_______僕を愛してくれる人はいなかった。
愛したいと願って生きてきたのに、
_______僕は愛せる人に出会わなかった。
僕は、独り。
それでもいいと思うようになったら、
僕は一生、『独り』の檻から抜け出せないのだと思う。
261
:
海
:2009/12/31(木) 23:45:07 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
どうしようもなく悔しいときは、
_______真っ青な空を見上げよう。
どうしようもなく苦しいときは、
_______沈む夕日を見つめよう。
そして「明日からまたがんばろう」と、
自分の中で意気込めばいい。
262
:
海
:2009/12/31(木) 23:45:46 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
こぼした。こぼれた。こぼす。
手のひらから、―――星の雫を。
手のひらから、―――守るべきものが。
手のひらから、―――想いを。
きらきらと瞬く星の雫をこぼしました。
大切なものがこぼれました。
愛しい想いをこぼしました。
263
:
海
:2010/01/01(金) 18:24:36 HOST:116-65-140-79.rev.home.ne.jp
決められたレールの上を歩いているだけではいけないと、
決められた未来を見据えているだけではいけないと、
_______教えてくれたのは君でした。
決められていないレールの上を歩いていくのは楽しいことだと、
決められていない未来を見据えるのは自分への挑戦だと、
_______教えてくれたのも君でした。
264
:
海
:2010/01/04(月) 16:53:52 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
_______笑顔で、「さようなら」を告げよう。
泣いて別れるなんて後味が悪いから。
僕にも君にも、罪悪感が残ってしまう。
―――そんなの、嫌でしょ?
だから『笑顔で』別れを告げよう。
「さようなら」と、僕は笑顔で別れるから。
265
:
海
:2010/01/04(月) 17:30:23 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
簡単に頷くことができるのなら、
_______こんなに楽なことはないよ。
頷けないから困ってるんだ。
それを君は知らないよね?
知るはずもない、か。
266
:
栞
:2010/01/05(火) 20:41:33 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
何故か一時此処に来てませんでした←((スイマセン
…というか、こんなにも素敵詩が書ける海は凄いよ!!
うちは似たようなパターンばっかになっちゃうから…((遠目
これからは地道にコメ返していきたいと思っております^^*
267
:
海
:2010/01/07(木) 11:55:31 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
栞>>
大丈夫、うちも時々忘れるかr((
だってもう詩しか載せてないぜ?;←
Σうちだって似たようなパターンのもの多しだよ!?
本当にもう似ているのしか載せてないんじゃないかと思われるほどに似ているのだけだよ!?
268
:
海
:2010/01/07(木) 11:58:16 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
「大好き」なんて、言ってほしくなかったよね。
「一緒にいて」なんて、聞きたくなかったよね。
―――困らせて、ごめんね。
269
:
海
:2010/01/09(土) 17:54:25 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
※文章のみです。
目が痛くなる可能性もあるので、読むのが苦手な方はスルー推奨。
煌々と輝く満月が頭上を飾るとき。どこからか狼の遠吠えが聞こえたとき。辺りの木々が一斉に静まったとき。
そして……漆黒に際立つ十字架が目に入ったとき。
決して深入りしてはならぬ。早々にその場から立ち去るべし。なぜならば……、
―――『眠りから覚めたお姫様は、見られることを嫌うからだ』。
暗闇の中、光が溢れだしていたとしたら、それはお姫様のお目覚めだ。とても美しく、その光は見るものを魅了する。ガラスの欠片の如く煌めきながら、お姫様のお目覚めを祝福している。
だから何も見なかったと、そう思って走りなさい。決して後ろを振り向かず、好奇心と恐怖心に負けてはならぬ。
負けてしまったら最期。
お姫様に従順な騎士が、君に襲いかかってくるぞ。
けれどそのお姫様は、心優しき素直なお方。きっと見逃してくれるだろう。だからといって、それを他言したら二度はない。騎士に襲われるのが目に見えている。
噂によると、お姫様は攻め入られた隣国のお方らしい。王族の血を途絶えさせるわけにはいかないと、この国へ逃げてきたという。
隣国の姫は愛らしいと謳われていたね。小鳥のように愛らしく、人前での態度は王族の威厳を放っており、その立ち姿は女神の如く麗しい。
色素の薄い髪色と、それと同じ瞳。聞いたところによると、毎日桜色のドレスを着ていたそうな……。
―――お姫様は身を隠しておられる。決して他言は許されぬ。
270
:
みむ
:2010/01/10(日) 21:13:38 HOST:119-231-144-211.eonet.ne.jp
三年に一度しかない書き込み★☆
この書き込みであなたの運命がかわるよ♪♪
1、今片思いしている異性と両思いになれちゃう☆
(無視した場合→二度と両思いになる事はありません)>>>>>>>2、うまくいかない恋人と超ラブラブになれちゃう
(無視した場合→ラブラブにならないで恋人から別れを告げられちゃいます)
3、にがてな科目が大得意になる☆
(無視した場合→にがてな科目じゃなく、すべての科目がにがてになっちゃいます
4、仲良くなりたい友達と親友になれる☆
(無視した場合→仲良くなれずもっと、仲が悪くなります)
5、貧乏な生活が金持ちの生活に変わる☆
(無視した場合→貧乏どころじゃなくホームレスみたいになっちゃいます)
6、今友達と喧嘩中、又はいじめられたりする人はその問題から解放される
(無視した場合→喧嘩やいじめがもっとひどくなります)→これを14箇所にはってネ♪あなたの願い事が叶いま〜す!!
これをやった貴方は夢や学校一のモテ子に
なりますw
やんなかったら不幸が突撃します
もうココまで読んでしまった人は最低3ヵ所は回さないと絶対不幸が100%突撃して死亡するでしょう
これをやった人は実際に
両思いになれたり、
学校一のモテ子になれたり、
夢が叶ったり
欲しい物が手に入ったり
キスされたり
告られたり
一気に幸せが手に入ります
だから移せば移すほどお得!
その他にもたっくさん叶った人がいます
だから回してね失敗した人なんていません
271
:
海
:2010/01/11(月) 18:02:11 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
そこはとても、不思議な世界。
現実とは似て非なるもの。時間の流れは現実より遅く、その世界の住人もどこか一風変わっている。
……おや? どうやら、子猫が迷い込んだみたいだね。
黒の燕尾服を身にまとい、片手に銀の懐中時計を握り締め、駆けていく兎を追いかけているようだ。ああ、哀れな子猫。そのまま行ったら君は現実へ戻れないよ。
まあ、僕の知ったことじゃないけどね。
子猫がどうなろうとも、僕の知ったことじゃない。戻れなかったらそれはそれ、戻れたならそれもそれ。僕にとっては同じこと。ただそれだけだ。
……今度はまた、毛色の違った黒猫か。今日は迷い子が多いようだ。
先ほどの子猫を追いかけているのかな? 直感で進んでいるのか、それとも確信があるのか。僕では断定できないね。
ああ、子猫はそっちへ行ったよ。やはりこれは確信があるのだろうか。この世界でたった一人を捜すだなんて、不可能に近いというものだ。愚か者のすることなのに。
けれど退屈しのぎにはなりそうだよ。もう少し、君たちを観察させてもらうとしよう。
あれ? いつの間に僕のところへ来たんだい? ……ああ、ここは時間がゆっくりだったね。
そんなに焦らなくてもいいよ。君たちを観察してとても愉快だった。変わっているね、ここの住人になってもいいくらいだ。
わかったよ。そのお礼に教えてあげよう。
―――『現実世界へ戻る方法を』。
幸運を祈ってるよ。
……さあ、次の迷い子は君かもしれない。
272
:
海
:2010/01/11(月) 18:02:58 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp
もし、この世界で僕らだけしかいなかったなら。
君は僕の『華』であろう。
何の取り柄もない、何の特徴のない僕に、それだけで華やかさを与えてくれる。君がいるだけで、僕は違った人になれると思う。それくらい、君の存在は大きいということ。
僕はただの付属品で構わないから。君を際立たせる、脇役の存在でいい。
もし、僕が地球だったなら。
君は僕を包む『宇宙』であろう。
僕は君がいたから存在しているのだと、君がいなかったら僕の存在は歴史に刻まれることはないのだと。君から生まれた星も、惑星も、天文学で教えられることはない。
君から生まれた星たちを、僕はじっと見つめている。……ああ、なんて綺麗な星なんだろう。君の心そのもので、僕は触れてはいけないのだと思ってしまう。神聖なる『宇宙』を、僕の手で汚してはいけない。
君は僕の『華』であり、君は僕にとっての『宇宙』である。
273
:
海
:2010/01/16(土) 16:01:08 HOST:119-175-176-20.rev.home.ne.jp
太陽が地平線へ沈み始め、辺りに帳(とばり)をおろす。
まだ空は群青色に染まっていて、地平線は綺麗なオレンジのグラデーションがかかっている。その空を見上げた一人の街娘は、小脇に数冊の本を抱え、軽い足取りで駆けていく。
街外れの、古ぼけた図書館。手入れが行き届いていないのか、塗装が剥がれ落ち無造作に剥き出しになった壁に、近辺に群生している蔦が寄り添うように伸びていた。当初はとても美しい朱色だったらしく、塗装が剥がれ落ちてしまった今でもその色を垣間見ることができる。
背中へ垂らされた髪を風に靡かせ駆けていく街娘を、沈む太陽が優しく照らし、顔や服をオレンジに染め上げていた。
彼女の着いた図書館は、街外れで目立たないところにあるうえ、とても小さい。大型の図書館ができてからはそちらを使う住人が増え、この図書館は人の出入りが少なくなってしまった。置いてある書物の数も少なく、薄暗さも混じって、さらに人が寄り付かなくなってしまったのだ。けれど彼女は、この図書館が好きだった。
幼い頃から使っているので馴染み深いというのもあったし、なによりこの図書館の静けさが好きだった。街の図書館は居心地が悪かった。静かに本を読んでいたい彼女にとって、周りがあまりにも騒々しかったからだ。それに比べ、ここは人が寄り付かないこともあってものすごく静かである。時折、小鳥の鳴く声が聞こえたり、木々のざわめきが聞こえたりと、自然の中にいるような空間はここでしか味わえないものだった。
ギイ…と重く軋むドアを開けて中へ入ると、カウンターで優雅にコーヒーを啜っている青年が真っ先に目に入った。ドアが開かれたことに気づくと彼は顔を手元の本から上げ、いらっしゃいませ、と微笑んでみせる。そんな彼の微笑みに羞恥から頬を赤く染めた少女は、まっすぐにカウンターへと歩んでいく。
―――それは秘密の密会。
本を新たに棚から取り出し、少女は青年の座るカウンターへ入っていく。そして二人で、他愛もない話をし始めた。
彼らを見守るのは、これから訪れる夜だけ。
外では一番星が煌々と輝いている。
……まだ、あと少し。
この幸せな時間を噛み締めながら、少女は青年へ寄り添うのだった。
274
:
海
:2010/01/22(金) 15:55:21 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
【煌めきの奏鳴曲(ソナタ)】
ピアノソナタ第五番。
目を瞑っていると聴き慣れた音符がするりと耳へ入ってくる。これは幼い頃からずっと聴いている、いわば子守唄のようなものだ。普段、仕事で家にいない両親の代わりに、近所に住む三つ上のお兄さんがよく顔を出しに来てくれていた。
その彼がいつも弾いていたのが、このピアノソナタだ。
自分にはピアノというものの奥深さはわからないが、彼から紡がれる音符たちはどれも澄んでいて、音符が空に舞い上がるときにきらきらと太陽の光をうけて輝いているように見えた。そう言ったら、「音は弾き手の気持ちや思いが音符に乗せられて聴き手に伝わるから、いつどんなときでも気を抜けない」と幸せそうに笑っていた。
ピアノが好きなのかと問いかければ、いつもひとつ返事で答えが返ってくる。そのときの彼の表情は普段から想像できないほどの笑みで、それを見た自分が頬を赤く染めあげるのを、きっと彼は知らない。
聴き慣れたピアノソナタ。それは同時に、自分が彼とどのくらいの時間を共にしているかがわかる。
出会ってから十年が経った。自分は十五歳、彼は十八歳。
八歳の頃からピアノソナタを弾いていたと言うと、誰しもが驚くと言っていた。無理もないと思う。彼はその頃からピアノセンスに長けていて、将来は有望なピアニストになるだろうと、周囲から期待されていたからだ。そして彼はそんな期待に応え、着実に実力をあげている。
けれど普段は周囲から遠巻きにされる雰囲気で、どこか近寄りがたいというか話しかけずらいというか……そのためか、彼が誰かと帰っている様子は見たことがない。帰ったら真っ先にピアノの音色が響いてくるし、家にある中型のピアノで曲を弾いてくれたりもした。
彼はいまだに自分のことを世話してくれている。相変わらず両親は仕事で忙しく家に帰ってくることがほとんどない。そんな家庭なのに自分が横道に反れていないのは、きっと彼のおかげだろうとふと思った。
◇◇
自分は十七歳、彼は二十歳。彼が成人式を迎える日だ。
彼は地元の音楽大学へ進学し、さっそくその才能を開花させていると風の噂で聞いた。それを真っ先に伝えてみたら、ふいっとそっぽを向かれ、「……いちいち報告はいらない」と言われた。それが照れ隠しだと知ったのは、彼の妹経由だ。
「これからもピアノソナタ、聴ける?」
「いくらでも弾く。……あれは、一種の思い出の曲だし」
そう幸せそうに微笑みながら歩いていくふたつの影が、夕焼けに照らされたアスファルトの上を長く飾っていた。
******
文章だけで頑張ろうかと思ったが最後の方で挫折したorz
275
:
海
:2010/01/25(月) 12:18:16 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
それは、もう最後。
枯れることのない、血のような花。
ただ咲いているだけ。ただ風に揺れているだけ。
……けれどその花は、時たま物憂げに空を見る。
どこから見ても、空に広がるのは一面の蒼。雲ひとつ浮かんでおらず、春のあたたかく優しい陽の光が燦々と降り注いでいる。そしてその花の影をもつくっていた。
吹いてくるのは生あたたかい春の風。どこからかかぐわしい花の香りを運んできて、一輪の花を横切っていく。
それに揺れるは、紅い花。
血を塗ったように紅い緋色の花弁は、どんな風が吹いても定位置を離れることはない。そして根にしっかり根付いている茎も、折れたりすることはなかった。
毎日毎日、紅い花は揺れている。なにかを誘うように、なにかを待っているかのように。
空から一筋のきらびやかな光が差し込んだと思うと、その花はいっそう優しく揺れてみせた。
276
:
海
:2010/01/26(火) 21:12:09 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「冬だね」
「……うん。…寒くなるから、今日はあたたかくして寝てよ?」
「もう、心配性だなぁ、純は」
ちらちらと降る雪を見つめて、春歌(はるか)はすうっと微笑んだ。
閉じられた窓から見えるのはゆっくりと地面へ落ちていく雪で、先ほど外へ出たときの寒さはこれだったのかと純は思った。
今日は冬一番の寒さらしい。そうなると、雪が降るのも納得できる。
純の目の前でじっと外を見つめている春歌に、彼は黙ったままその肩へ毛布を掛ける。すると彼女はありがとうと再び微笑んで、掛けられた毛布を小さな手でぎゅっと握り締めた。
「雪って、やわらかい?」
「そうだね……触れたらすぐに溶けてしまうかな」
「繊細なんだね、雪って……」
まるでその手にあるかのように、彼女は空へそっと手をかざす。かざした手のひらの中に窓の外の雪が重なり、それは音もなく降っていく。純がちらりと春歌を見やると、彼女はシーツの上に手を下ろしていた。
「遊びたいな。早く元気になりたい」
「そしたら、一緒に遊ぼう。雪だるまやかまくら作って」
「楽しそう……純たちはいつもそうやって遊んでるんだね」
「自分たちで遊びを考えたりもしてるよ」
「そうなの? ならなおさら元気にならないとっ」
両手で拳をつくり笑顔を向ける春歌に、純はどこか複雑そうな笑みを浮かべた。
……このベットから、起き上がれる日が来るとは思えない。
彼女は生まれたときからずっとこのまま。ベットから起き上がることもなければ、地面を自分の足で踏んだこともない。
春歌の世界は、窓から見えるものだけ。
「春が、楽しみだな」
唐突に、彼女が言った。
「この雪が溶けたら春が来るでしょう? そうしたら、また一緒に桜を見ようね」
ふわりと微笑む春歌に、純はこくりと小さく頷いた。視線の先には、雪の重みで今にも折れてしまいそうな桜の枝。……春歌も、病気の重みに潰されているのだろうか。
「……そうだね。まずは一緒に冬を越えよう」
ぎゅっと力強く手を握り締めて、純は一人、目を伏せた。
277
:
海
:2010/01/26(火) 21:14:01 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
バレンタインは特別なイベント。
……そんなこと、誰が決めたの?
「……はあ」
本日何度目なのかわからないため息をついて、沙羅は騒々しい教室を見渡した。それぞれに趣向を凝らし、綺麗にラッピングされたものを持ち寄って、クラスの女子は耳に残る甲高い声をあげている。
それに興味がないように見せかけている男子たちも、ちらちらと彼女らの様子を伺っているのが見てとれた。
―――バレンタインは、嫌い。
心の中で悪態をついて、がたりとその場を立った。いつもなら皆その音に注目するが、今回は騒々しいせいでなにも聞こえなかったらしい。誰も音に反応しなかった。
それを好都合だと思い、沙羅は静かに教室を出た。
この日だけはどうしても好きになれない。
過去の出来事がトラウマになっているのかと訊かれれば、そうだと素直に言えない自分がいる。確かにそれが原因なのかもしれないが、はっきりとはわからない。
自分で自分のことがわからないだなんて、滑稽だ。
「今日一日はここで過ごそうか」
辿り着いたのは屋上。毎日なにかがあるとここへ来る。……いや、逃げている、と言ったほうが正しいのかもしれない。
今頃あの教室はチョコの匂いが充満しているだろうし、あの状態で授業を受けられるとは思えない。それにここの学校の教師はほとんどいい加減だから、まともに授業なんてしないだろう。ならばここで一日潰せばいい。
出てくるときに机の中から持ってきた読みかけの本を開いて、西日もあたる場所の壁に寄りかかった。
―――いつかさ、沙羅がバレンタインを楽しめるようになることを祈ってるよ。
……無理だよ、父さん。あんなことがあって、好きだなんて言えない。
寂しげに微笑んで頭を撫でてくれた父の顔が思い浮かんで、沙羅は思い切り頭を振った。
そして開いたままの本に目を通し始め、黙々と読み続けるのだった。
278
:
海
:2010/02/03(水) 16:38:42 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
―――大丈夫だよ。大丈夫。
握りしめた手のひらはとても冷たくて、
握りしめてくれた手のひらは、とてもあたたかかった。
「なにを根拠に大丈夫だと言うの?」
その言葉を鵜呑みにしろと?
僕が地を這う現実を、君はきちんと見ているの?
「根拠なんてないよ。ただ、……いつか救われることを信じているから」
それは見えないものだったから。
当時の僕は、信じることができなかっただけだ。
279
:
海
:2010/02/09(火) 18:07:23 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
陰陽が混ざるとき。
_______世界は混沌へと巻き込まれる。
280
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/02/09(火) 18:19:40 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
久々に来たぞえ(・ω・)ノノ←
うーん…いつ読んでも海の小説&詩はいいねぇ+*
心がホッとしたよww
また来るwそしてコメするから頑張ってちょ^^
んじゃ、see you∀ノシ
281
:
海
:2010/02/10(水) 17:52:54 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
お久しぶりでしーv
そんなこと言ってくれて嬉しいよ(感涙
よくここまで気力が続いてるなぁ、と自分で自分を褒める(涙
暇なときにでも作品をまとめてみよう、うん+。
282
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/02/10(水) 18:03:37 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
よし、じゃあ、なでてあげよう((←
イイ子イイ子\(∀・
ゆっくり海の詩を鑑賞できないからそうしてくれると助かるω
ってまたコメしに来た麗奈ですたw
おじゃましてごめんよっ…
靴の跡をふいておかなきゃ…←((は?
283
:
海
:2010/02/10(水) 18:21:03 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
うにゃー^^*(ぇ
うん、じゃあまとめてみるー+。
けどかなりの時間を有するー(笑
よし、今から少しだけまとめてみるよb
何をおっしゃるウサギさんΣ(△・
むしろ残してくださいそのままでッ!+。
284
:
海
:2010/02/10(水) 18:36:26 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
心に響くは君の音
>>28
凍
>>192
異世界風味
>>220
、
>>224
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
285
:
海
:2010/02/10(水) 18:42:04 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
凍
>>192
異世界風味
>>220
、
>>224
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
○小説○
>>269
、
>>271
、
>>272
、
>>273
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
286
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/02/10(水) 20:53:25 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
かわいいねぇ^^*←
ますますなでたくなr(((ry
読んだぜぃ+°何度読んでも泣きそうになる…
特に神話がいいな∀♪
急がなきゃ急がなきゃ!
時間がなーい!急がなきゃ!
(どこいくの?)
。。。どこだっけ?
うわーーーwww超デジャブww
287
:
海
:2010/02/11(木) 12:16:36 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
にー、にーっ(^^*(もう逝けばいいと思う←
アネモネ好きなのですよーっ!vv
神話も花も花言葉もb
これから神話類を増やしていこうかなー、とも考えてます+。
不思議の国のアリスーっ! アリスーっ!(ぇ
あのウサギさんが着ている燕尾服が好きです。←
銀の懐中時計持って走ってるとかvv
288
:
海
:2010/02/13(土) 09:59:45 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
【女神が恋し紅い花】
「アプロディテ、今日も行くのか?」
「ええ、アレス。……あなたには、不快なことでしかないとしても」
「……」
ふわりと頬を撫でていく春風が、腰まで伸ばされた女神の金の髪を靡かせた。頭には大きな金の髪飾りをつけており、風が吹くたびに、そこから下がる真珠がしゃらしゃらと涼やかな音をたてた。
女神は足元までを覆う絹の衣を翻し、隣を歩く男神を振り返ることなく歩いていく。その態度にむっとした表情をした男神アレスは、ぐいっと思い切り女神の腕を引っ張る。その痛さに、女神は美麗な顔をゆがめて抗議した。
「なにするのよアレス! 私は行かなければならないのっ」
「なぜ。彼はお前の愛人か?」
「違うわよっ……けど、あの子は私の傍にいたのよ。世話だってしてくれて、侍女と同じくらいの働きをしてくれたわ。その彼が今、私を待って咲いてるの。私が行かなくて誰が行くのよっ」
金の髪から覗く透き通った水色の瞳が、真剣なまなざしでアレスを見やる。その決意のまなざしを受け、アレスはふう、と小さくため息をついた。そして掴んでいた女神の腕を離し、掴みすぎて赤く痕のついてしまった場所を、指先でそっと撫でる。
「……わかった。けれど、いつもの時間までには戻ってきてくれ」
「そうするつもりよ。あなたとの時間も大切にしたいもの」
愛しむように撫で、アレスはその痕にそっと口付ける。そして名残惜しそうに口を離し、金の髪を一房持ち上げてそちらにも口付けをした。それがくすぐったかったのか、女神はくすくすと笑う。
「アレス、あなたはまだ子供ね」
「……断じて違う」
「大丈夫よ、ちゃんと戻ってくるわ。それまでエリスとでも戯れていて?」
「エリスか……」
脱力したような声音に、アプロディテはなおもくすくすと笑い続ける。そしてむっとしたアレスから離れ、すうっとひとつ微笑をこぼした。
「行ってくるわね」
そう言ったアプロディテは、駆け足で彼の元へと急ぐ。草原は女神が走り抜けるたびに息吹き、花は咲き乱れ木々は芽を出す。
息が切れつつ彼女がついた場所には、ぽつんと一輪、紅い花が咲いている。女神が歩み寄ってそっと包み込むと、その花は嬉しそうに花弁を揺らした。
「……アドニス、あなたはアネモネとなっても素敵ね」
そして女神は、アネモネの花に接吻をする。
289
:
海
:2010/02/13(土) 10:03:39 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
凍
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女神が恋し紅い花
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:
海
:2010/02/15(月) 20:43:06 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
透き通ったその空を見れば、
僕らはひとりじゃないと実感できる。
―――ほら、どこかで誰かが僕を呼んでいる。
そのために存在しているのだと、
箱庭のような空間でそう思った。
291
:
海
:2010/02/15(月) 20:43:45 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
凍
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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アネモネが見上げる意味は、
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:
海
:2010/02/17(水) 15:59:37 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
手に入らないとわかっていたからこそ、手に入れたいと思った。
手に入れてもすぐに零れ落ちてしまうと、頭のどこかでわかっていたのかもしれない。
―――けれど、そうだとしても手に入れたかった。
自らの身を滅ぼすことになろうとも。
君の甘美な甘さが、僕の心を、身体を、蝕んでいく。
見えない鎖で繋ぎとめられているかのよう。
君に僕は溺れていく。酔っていく。狂っていく。
僕の目の前に映るは君だけ。
―――ほら、もう少しで手に届く。
293
:
海
:2010/02/17(水) 16:00:30 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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海
:2010/02/20(土) 11:20:42 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
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○小説○
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君は華、君は宇宙
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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アネモネが見上げる意味は、
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:
海
:2010/02/20(土) 11:28:11 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
_____「この青い薔薇はどうしたのです?」
_____「くれたの。……昨日の真夜中、仮面をつけた人が」
また、来てくれるのかな。
鮮やかな蒼い色をした薔薇を手に。
隠された仮面の下の素顔を見てみたいと望むのは、いけないこと?
―――きっと、堕ちたのね。
堕ちる、堕ちて、堕ちていく。
深く、深く、地の底まで。
連れ出して、この城館から。
296
:
海
:2010/02/20(土) 11:28:53 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
>>288
297
:
海
:2010/02/20(土) 11:39:52 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「ごめん」と小さくつぶやいた唇は、かすかに血が滲んでいた。
______それは、とても強く唇を噛み締めていたということ。
「ごめん」と訴えかける揺れた瞳から、一滴の涙が零れ落ちた。
______それは、今の状況をとても嘆いているということ。
ならば私は、あなたが帰ってくることを祈りましょう。
唇を彩る血を指で拭き取って、零れていく涙にそっと口付けて。
幾度となく日が昇ろうと、幾度となく日が沈もうと。
298
:
海
:2010/02/21(日) 09:20:43 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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299
:
海
:2010/02/28(日) 09:27:00 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
【ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―】
「この小節からト音記号に変えたほうがいいのかなぁ……」
ぶつぶつとつぶやきながら、ひとりの少女が五線譜を前に悩みこんでいた。机に置かれた一枚の五線譜。それになにかを書き込もうとしているのだろうが、右手に握られたシャーペンが動く気配は一向にない。しまいには俗に言うペン回しというものを始める始末である。
彼女の右手を優雅に回るペンはとまらない。先ほどから休むことなく回り続けている。落とすことがないところを見ると、どうやら回すことに慣れているらしい。暇なときはいつも回しているのだろう。
がちゃりと扉が開き、ひとりの少年が入ってきた。それに彼女も気づいたらしいが、特になんの関心も持たず微動だにしない。
「……あれ? まだやってなかったの?」
「……思いつかないの、いちいち刺激しないで」
背後からかけられた声にも彼女は振り向くことなく返事をする。見据えているのはやはり五線譜で、どこか睨んでいるようにも見える。
そんな彼女をちらりと見やり、しばらくその場に立ち尽くしていた少年だったが、小さくため息をつくと少女の隣へ無遠慮に座った。そこには少女の鞄が置かれていたが、彼は邪魔なものだと思ったのだろう、掴んで無造作に端へと追いやる。
もちろんそれに彼女は激昂し、彼を睨む。力が相当こもっているらしく、シャーペンを握っている右手は白かった。けれどそんな彼女の睨みは痛くないのだというように、彼はさらりと受け流す。その態度が彼女の怒りを煽っていることを知ってのことなのだろうか。
「なにしに来たの? 私を馬鹿にしに来たの?」
「ここは僕の教室だよ。僕がどこでなにをしてようが君には関係ないよね」
「立ち去ってほしいんだけど。私、今ものすごく必死なの」
「見れてばわかるよ。だから手伝ってあげようとしているんだけど。僕が手伝ってくれるなんて、きっと全校生徒の憧れの的だよ?」
「頼んでない」
長机にどかっと足を乗せ、背もたれに体を預ける彼を一瞥し、彼女は何事もなかったかのように再び五線譜へと目を通し始める。
五線譜にはいくつかの小節に音符が書き込まれていて、作曲の途中だということが見て取れた。その音符も最後の三小節目で切れており、彼女がそこで悩んでいるということがわかる。
「それで、悩んでたのはその変わり目のこと?」
「……そうだけど」
「幻想的にしたいならト音記号に変えるべきだね、音が流れるような構成にすれば、もっと幻想的な情景が思い浮かびやすい。逆にヘ音記号にした場合、暗黒なイメージが付きやすい。力強くしたい場合もヘ音記号のほうがインパクトがあるよ」
「……さすが、優等生と言うべきところだね。性格に問題ありだけど」
「いちいちうるさいね、君は。教えてあげたんだから感謝してもらいたいな」
「だから頼んでないって」
この俺様主義の優等生はなんなのか。
誰に問いかけたって、返ってくる答えは決まっている。
天才音楽少年でしょ? と。
「……まあ、君が弾くものならなんでもいいんだけど」
ぽそりとつぶやいた声は、静けさの残る教室へ消えていく。
西日が教室へ入り込んでいる。部活終了のチャイムが鳴る。
―――鼓動が、どきんと大きく脈打つ。
「……なら、下手でも最後まで聴いてくれるの?」
恥ずかしさで語尾が震える。顔が赤いのは夕日のせいだと、自分に言い聞かせる。
「もちろんだよ。結果がどうであれ、ね」
少し微笑みながら彼は言った。
それを直視することができず、彼女は手元のペンを走らせたのだった。
300
:
海
:2010/02/28(日) 09:27:48 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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神話
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
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君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
301
:
海
:2010/02/28(日) 11:43:10 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
―――夢を、見ていた。
辺り一面はやわらかな草が敷き詰めている草原で、その草原を涼やかに風が通り抜けていく。風に揺れる草はさらさらと音を立て、自分の履いているズボンにあたって擦れた音がしている。
ふと上を向けば、炎帝は光を弱めている。日没が近いからというわけではないようで、どうやらもともと弱いだけらしい。普段なら直接見ることはできないのに、それは肉眼で直視することができた。
草原の向こう側には、頂点が白い山と透き通った青空が見える。この景色は、いつかの本で見たことがあった。
けれどその本がどんなものだったのか思い出せない。
******
続きが抜け落ちてしまった作品orz
ここからどうもっていこうとしてたんだ自分……。
歳……かなぁ…(涙
302
:
あああ
:2010/02/28(日) 11:49:54 HOST:softbank126023006045.bbtec.net
これはアメリカのゲームです。1度やってみて
ください。
これは、たった3分でできるゲームです。試し
てみてください。
驚く結果をご覧いただけます。
このゲームを考えた本人は、メールを読んでか
らたった10分で願い事がかなったそうです。
このゲームは、おもしろく、かつ、あっと驚く
結果を貴方にもたらすでしょう。
約束してください。絶対に先を読まず、1行ず
つ進む事。
たった3分ですから、ためす価値ありです。
まず、ペンと、紙をご用意下さい。
先を読むと、願い事が叶わなくなります。
1,まず、1番から、11番まで、縦に数字を
書いてください。
2,1番と2番の横に好きな3〜7の数字をそ
れぞれお書き下さい。
3,3番と7番の横に知っている人の名前をお
書き下さい。(必ず、興味のある性別名前を書
く事。男なら女の人、女なら男の人、ゲイなら
同姓の名前をかく)
必ず、1行ずつ進んでください。先を読むと、
なにもかもなくなります。
4,4,5,6番の横それぞれに、自分の知っ
ている人の名前をお書き下さい。これは、家族
の人でも知り合いや、友人、誰でも結構です。
まだ、先を見てはいけませんよ!!
5,8、9、10、11番の横に、歌のタイト
ルをお書き下さい。
6,最後にお願い事をして下さい。
さて、ゲームの解説です。
1)このゲームの事を、2番に書いた数字の人
に伝えて下さい。
2)3番に書いた人は貴方の愛する人です。
3)7番に書いた人は、好きだけれど叶わぬ恋
の相手です。
4)4番に書いた人は、貴方がとても大切に思
う人です。
5)5番に書いた人は、貴方の事をとても良く
理解してくれる相手です。
6)6番に書いた人は、貴方に幸運をもたらし
てくれる人です。
7)8番に書いた歌は、3番に書いた人を表す
歌。
8)9番に書いた歌は、7番に書いた人を表す
歌。
9)10番に書いた歌は、貴方の心の中を表す
歌。
10)そして、11番に書いた歌は、貴方の人
生を表す歌です。
この書き込みを読んでから、1時間以内に10
個の掲示板にこの書き込みをコピーして貼って
下さい。
そうすれば、あなたの願い事は叶うでしょう。
もし、貼らなければ、願い事を逆のことが起こ
るでしょう。とても奇妙ですが当たってません
か?
303
:
海
:2010/03/04(木) 17:33:20 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
もしさ、それだけが形となって目の前に現れたなら。
僕らはきっと、触ることをしないだろうね。
もしさ、過去に戻れるならばと問いかけられたなら。
―――僕はきっと、戻ってしまうだろう。
304
:
海
:2010/03/04(木) 17:39:48 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
大好きなんだとつぶやくだけなら、
―――誰にだってできることだ。
そう、思ってしまったから。
僕は誰にでも決まった言葉を並べるのでしょう。
305
:
海
:2010/03/04(木) 17:42:17 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
言葉が嫌いになったのはいつからだった?
言葉が雑音に聞こえ始めたのはいつからだったろう。
思い出すことができないほど、自分は嫌いになったということか。
……そう思ったら、自分があまりにも滑稽だった。
306
:
海
:2010/03/04(木) 17:54:56 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
ぐしゃ、とつぶされた花びらが舞っていく。
蒼い花弁は重力にそって落ちていき、床へと向かう。
それをわずらわしいと思うのはいけないことなのか。
横目で見れば、手に残るは折れそうな茎。
今にも崩れ去ってしまいそうなのに、その茎は折れなかった。
どんなに振っても、どんなに投げつけても。
―――崩れ去ることはなかった。
それがどこか君に思えて。
僕はまた、その茎を壁へと投げつけた。
307
:
海
:2010/03/04(木) 18:04:16 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「不可能の代名詞、それが蒼い薔薇だよ」
記憶の片隅。忘れ去っていた声。深く考えなかった言葉。
それらがいっせいに思いだされた。
追いやられていた、幼き日の小さな記憶。
忘れていた、安堵する声。
意味のわかっていなかった、最期の言葉。
不可能。
この言葉を聞いたから、人は努力することを覚えた。
改良を加え、自分がそれをつくりだせるように。
……今思いだすなんて、滑稽だ。
もっと早くに、思いだせればよかったよ。
308
:
海
:2010/03/04(木) 18:11:09 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「なぜ父さんは、売れないのに絵を描き続けるんだ?」
描いていたって家計の足しになんかならないのに。
買う人がほとんどいないことを、誰よりもよく知っていた。
―――その答えは、単純だった。
「好きだからだよ。……母さんがね、好きだと言ってくれたんだ」
記憶の片隅に残っている、幼き日の母の姿。
時間が刻一刻と過ぎるたびに、その姿は薄れていく。
とめようとしても、やはり姿は薄れていくだけだった。
父が描いた、生前の母の姿。
それは今の自分に必要なものだったのかもしれない。
309
:
海
:2010/03/04(木) 18:14:24 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
この世に必要なものも不必要なものも、同じくらいあふれている。
必要なものがひとつあれば、不必要なものもひとつあるのだ。
それを否定するなんて、なんとも滑稽な話じゃないか。
310
:
海
:2010/03/04(木) 18:21:24 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
溜め込んでいた詩を一気にupしました。
>>309
だけブログにも掲載しています。
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
神話
>>244
>>193
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
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:
海
:2010/03/04(木) 18:22:41 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
なぜしくじった;
訂正版。
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
312
:
海
:2010/03/07(日) 18:05:49 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
指先から滴る液体は、僕を苦しめる毒薬だった。
君の片手に握られた小瓶。
中に入っているは紅蓮。
それを貪りたいがために、僕は自らの身を削る。
それを手に入れたいがために、僕は君を殺してしまう。
それならば―――
僕はこの身を、投げうろうじゃないか。
313
:
海
:2010/03/07(日) 18:06:23 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
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:
海
:2010/03/10(水) 16:57:45 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
「アプロディテさま」
透き通った少年独特の声が神殿へ響き渡り、反響してすうっと消えていく。それを聞いてか否か、きらびやかな金の柱の影からゆっくりと女神は現れ、つけられた真珠の髪飾りがしゃらしゃらと涼やかな音をたてた。
少年は女神にひとつ微笑みを向けて、軽やかにそちらへと駆けていく。それを愛しげに見つめた女神は、そんな少年を両手で受け止め抱きしめた。そして彼はどこかくすぐったそうに笑う。
「くすぐったいですよーっ」
「あら、アドニス。あなた大人っぽくなったわね」
「そうですかっ? アプロディテさまを守れるようになりたいので、狩猟に励んでいるからでしょうか」
「それは嬉しいわ。でも狩猟は危ないから気をつけてね」
嬉々として話すアドニスとは対照的に、彼女は美麗な顔を曇らせて不安げにしている。そんな表情を読み取り、少年は「大丈夫ですよ」というように微笑み、そして小さな手で女神の頬を撫でた。
たったそれだけで彼女の顔には笑みが戻る。
「そういえばアプロディテさま、昨日狩猟に出かけたところ、とても素敵な薔薇が咲いている場所があったんです。今日もこれから行くつもりなので、一輪持ち帰ってきますね!」
「怪我には気をつけてね? 薔薇も好きだけれど、あなたが無事に帰ってきてくれることがなによりも嬉しいわ」
「もちろんです! アプロディテさまを悲しませるようなことはしません」
腕の中で少年は微笑んでみせる。彼の笑顔は神々でさえ一目おくほどの美しさだ。
それを見て女神は複雑な笑みを浮かべ、つけられている髪飾りから一粒の真珠を外す。そして驚いている少年の手へとそれを握らせた。
「私の代わりよ。必ず無事に帰ってきてね」
それは、女神の切実な願い。
「わかりました。僕は必ず無事に戻ってくると、愛と美の女神アプロディテさまに誓います」
ぎゅっと手のひらを祈るように握り、少年は瞼を閉じる。そしてしばしの沈黙の後、アドニスは瞳を開き、まっすぐに女神を見つめた。それぞれの瞳にはお互いしか映っていない。
「では、行ってきます!」
深く頭を下げ、アドニスは元気よく神殿を出て行った。
―――女神が少年を見たのは、これが最後だった。
315
:
海
:2010/03/10(水) 16:58:21 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
>>288
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316
:
海
:2010/03/13(土) 14:40:36 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
ぽとり。ぽとり。
腕を伝って床へ滴り落ちていくものを、僕は一心不乱に見つめている。
ぽとり。ぽとり。
もう我慢できなくなって、僕はそれを飲み干した。
317
:
海
:2010/03/13(土) 14:47:23 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
一歩。たったの一歩。
踏み出せばいいものを、踏み出せない自分に腹が立つ。
この距離が心地よくて、この距離を壊したくなくて。
ただ笑っている君を見ているだけで幸せだった。
ただ話しかけてくれる君が愛しかった。
たったの一歩が、踏み出せない。
318
:
海
:2010/03/13(土) 14:57:36 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
許されない恋を、僕は初めて経験した。
その相手は隣国の姫君。
それでいて、自国の―――敵国。
限られた時間の中で、僕らはふたりだけの約束をした。
「僕は、必ずあなたを迎えに行きます」
319
:
海
:2010/03/13(土) 15:14:18 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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:
海
:2010/03/20(土) 15:48:52 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
しばらくご無沙汰でした、海です。
オリジナルのアイデアが浮かばず、放浪の旅に出ていましt((
……嘘です、版権作品に力を注ぎ込んでました(遠目
余談ですが、明日の21日で我がブログの一周年です。
長かったような短かったような……それでもよく小説書いてこれたな、これも皆様のおかげです(感涙
影ながら支えてくださっている方々もいますので、彼らのためにも書き続けなければ、の思いです。
書くのは楽しいんですけどね!←
もっと文才がほしいです。切実に。
321
:
誄
:2010/03/21(日) 10:10:41 HOST:softbank219182178139.bbtec.net
海>>
おめでとーっ!
今日で、一周年だったんだね+。 てか、本当に早いよね、そう思うと!
一周年記念、何かお書きしたい気持ちでいっぱいなんですが+。 ←
オリジナルの方で、何かリクがあれば書くよb
海、文才めっちゃあるよっΣ
なのにもっと欲しいとかよくばりすg(蹴/殴
322
:
海
:2010/03/21(日) 17:25:48 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
誄>>
よくここまで続けてこれたなって自分でも驚きだよ(笑
マジですか!? じゃあ拍手でvv
いや、ないよΣ
切実にほしいです、だってありえねえぇぇ!!(ぇ
323
:
海
:2010/03/22(月) 15:08:12 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
曇天の空に一筋の光が走ったとき、雷神が降臨すると言われている。
どこに降り立つのかも、どんな神様なのかも、姿を見ることはできない。けれどこの世界の人々にとって雷神は崇拝すべき対象であり、神と人間の国を守ってくれているとも言い伝えられていた。
◇◇
「トール、そろそろ雷を落としてはくれまいか。このままお前がなにもせずにいると、人間の世界が干からびてしまう」
嘆くようにつぶやかれた男の声に、寝転がっていた青年は視線だけを注ぐ。男は露わになっている片方の瞳を青年へと向けており、もう片方の眼は黒い眼帯に覆われていた。
立っているだけでもその男からは威厳が漂っている。思わず息を呑んでしまうほどのものであるにもかかわらず、青年は何事もないかのようにため息をついた。
「ため息をつきたいのはこっちだよ。雨を降らさなければ作物が育たず、生贄も捧げられない」
「……ふーん」
「それだけで済まさないでくれ……トール、お前はあくまでも“アース神族最強の雷神”なんだぞ? 頼む、父の願いをきいてくれ」
「……」
両手を合わせて頭を下げる父に対しても、彼は眉をひそめただけだ。
トールと呼ばれた青年の父は“アース神族の最高神”オーディンで、普段は全世界が見渡せる玉座に座っている。しかし世界に雨が足りないと知って、息子の雷神トールのもとへと足を運んだのだ。
そんな父の心の中を、思慮に欠けているトールが考えるはずもなく。
「……で? どのくらい降らせばいいんだ?」
再びため息をついたトールは上半身を起こし、小さくそうつぶやいた。面倒な様子が明らかに見て取れるが、オーディンは気にした様子もなく、顔を輝かせて嬉々としている。
「そうだなあ……洪水にならない程度に頼む」
「……わかったよ」
煩わしそうに頭を掻いたトールは、気だるげに立ち上がる。そして雨を降らせるために、ゆっくりとした足取りで歩いていった。
324
:
海
:2010/03/22(月) 15:11:50 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
○詩○
異世界風味
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○小説○
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/25(木) 18:14:48 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
>>323
なんの話だ、と思った方へ。
これは北欧神話の、雷神トールのお話です。
実際はこんな気だるい雰囲気な神様ではない……はずΣ
ブログで「オーディンがかわいいvv」というコメントをいただけて嬉しかったです、でも多分こんな雰囲気は微塵もないよ、実際の神話だったら(^▽^)ハハハ
そんな北欧神話のことを知りたいならばこちら⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
326
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/25(木) 18:18:35 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
北欧神話を知れるサイトを紹介したのであればギリシアも……ということで。
ギリシア神話を知りたいのであればこちら⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
327
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/25(木) 18:21:57 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
最初からこうしてればよかった……貴重なレスを無駄にしたorz
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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君は華、君は宇宙
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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アース神族最強の雷神
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328
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/28(日) 18:30:17 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
きっと僕は、根本から否定してほしかったのだと思う。
曖昧なやさしさなんていらない。
曖昧な冷たさなんていらない。
やさしくするならやさしくしてよ。
冷たくするなら冷たくして。
そしたら僕は―――それに全力で応えるから。
329
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/29(月) 10:45:42 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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>>288
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アース神族最強の雷神
>>323
330
:
麗奈
◆RPCh7f6d4s
:2010/03/29(月) 10:50:18 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
お久しぶりー^^
かなりこのサイト自体放置してたよー(Д`;;)ノ
ってことで、まずはここに来てしまったZE★
なんかサイトの案内。。。?があるっw
行きます行きます行きます行きまs((((←
>海
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:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/29(月) 12:25:55 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
俺も一時期放置してたから大丈夫だよww←
うん、案内……あったほうがいいかなぁって;
学アリのほうでも案内を設けてるし、そしたら見ている人がいるのかさえも危ういけどとりあえずは載っけとくかー、てノリだけどね☆(逝ってこい
ΣΣ連呼!
332
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/29(月) 12:27:06 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
海が性懲りもなく書き方を小説風にしてみたよ。(多分二度としない
うん、読みにくい。これは友人に頼まれた自作小説のキャラが元。
原稿用紙200〜400枚は意外ときつかった……楽しかったけど。
天高く伸びる太陽が世界を照らしている。それを煩わしげに見上げたひとりの生徒は、小さく舌打ちをして木陰へと身を潜める。葉の間から陽の光がもれており、木漏れ日をつくっていた。
木の幹に寄りかかりながらその生徒はため息をつく。木漏れ日が彼の制服や顔に模様をつくっていて、どこからか吹いてくるそよ風がやさしく頬を撫でていった。
まだ寒さの残る時期だからか制服を着ていても肌寒い。彼は腕をさする。そのさすったところに意味はあったのだろうか。
どこからか明るい笑い声が響いてきた。ただのくだらない雑談だと、彼はゆっくりと黒曜石の双眸を閉じた。
『―――……だよっ』
遠い遠い記憶の果て。忘れかけていた、過去の記憶。
『―――ね? 劉!』
懐かしい、自分を呼ぶ声。
『……うん。そうだね』
笑って答える、過去の自分。
これから起きることが何なのかも知らずに、ただただ無邪気に笑っている、今となっては信じられない光景。
ふたりを取り巻いているやわらかな光はさまざまなものに姿を変え、幼い彼らを喜ばせていた。淡く黄金に輝いたかと思えば豹の姿になり、はたまた蒼くきらめけば海豚の姿へと変わる。それを掴むように伸ばされる、小さな手。
なにもかもがすり抜けていった、忌々しい自らの手。
『これからもずーっと、だよ?』
過去の記憶が先ほどより鮮明によみがえってくる。周りの景色も色鮮やかになる。彼らの表情もはっきりと見える。
笑顔で差し伸べてくる小指に、過去の自分はなんの躊躇いもなく自らの小指を絡めた。そしてお決まりの台詞をふたりで言う。
『嘘ついたら針千本飲ーます!』
『指切った』
針千本飲まなきゃいけなかったのはお前だろ。お前は簡単にそれを破った。「いつでもできる」という名目で。
俺にとっては「いつでもできる」わけじゃなかったんだ。
―――俺は、お前の前から消える存在だったから。
「……いやな過去だったな……最悪なものをみた」
閉じられていた瞳を開けると、その景色は先ほどと変わらずにその場にある。そよ風に揺らぐ葉も、どこからか聞こえてくる笑い声も、なにもかもが先ほどと同じ。
なにかが変わっていればよかったとでも言うのか? 馬鹿馬鹿しい。
自分で自分を叱責し、彼は気だるそうに教室へと歩んでいくのだった。
333
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/29(月) 12:29:07 HOST:61-26-250-103.rev.home.ne.jp
劉って名前にしたのは三国志の劉備を俺が好きだから←
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
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神話
>>244
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
アース神族最強の雷神
>>323
334
:
栞
:2010/03/30(火) 10:55:59 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
はろー*゜
えっ、友人から頼まれるの!?
何か海、作家さんみたいv
私も三国志好きだよw
孔明が好きかなぁ。だって凄いよ彼のたてる作戦は!!!!(黙
…というのをリアル友にも語ってた←
335
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/30(火) 17:32:39 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
はろろ〜んっ♪
学アリのほうで楽しみにしてます、天使悪魔パラレル+。
栞のパラレル好きだ、マイナーなテーマなのにもかかわらず自分なりの世界観を描いてて、ぜひとも参考にしたいぞ俺は!
自分の世界観を相手に伝えるのが上手いよね、栞は(´`*
友人が「小説の挿絵を練習したいの!」と言ってくるのです。
だから「……ページ数は如何しますか;←諦めた」「単行本くらいで! 描けたらこっちでコピーして冊子にしていい?」「いいよー。それ俺にもくれ!」「了解(笑」てな感じのが……前回ので二回目かな?
一度目は文化祭のとき^^;
今年の文化祭は小説を冊子として出品するよ^^+。(絵は諦めt((
ΣΣ仲間がいらっしゃった―――!+。(きらっきら
孔明いいよねv 弟の友達に「孔明」って名前の男の子が←
夷陵の戦いの陣はすごいと思う、陸遜を欺けたしね! 最後には破られたがorz
俺はやっぱり蜀が一番好きだなぁ^^*
336
:
栞
:2010/03/30(火) 19:20:27 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
海にそんな風に褒められたら嬉しすぎて舞い上がっちゃうy(調子に乗りましたね、ハイ。
せっ世界観を伝えるのが上手いぃ?!ただ空想して勝手に世界作ってるだけだって!!!
なるほど、挿絵の練習をしたいから海に小説を頼むのですね。
Σって単行本くらい?!長くない、それって長くn(黙
文化祭で小説を冊子として出品となっ!!良いな、その冊子欲しい♪
孔明って名前の子がいるの!?珍しくてカッコいい名前だね+゜
だよねー。最後には破られちゃったけど、本当の意味で陸遜は孔明には敵わないと思う!…と信じてる←
んで友達にも三国志好きな人居るんだけど(といっても男子だけど
いろいろな人物にリアルの人を当てはめたりしてたんだよね。
そして曹操にピッタリの人を見つけたんだ(黒笑
337
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/03/31(水) 10:09:59 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
え? 俺に褒められて嬉しいのかい!?Σ
自分より文才がないやつに褒められているのだよ!?ΣΣ
それがいいのではないかぁ♪ 自分の世界を持ってるっていいことだと思いますよ+。
挿絵ってカラーと同じくらいモノクロが大事よね;
原稿用紙200〜400ですねorz 長かったよ…二ヶ月かかったもんね^^;
マジで!? 送りつけようk((
孔明が三国志の中で一番頭脳明晰だと信じてるよ!
ほうほう、……って、曹操!?
当てはまりにくい人物じゃないですか! すごいなww
338
:
栞
:2010/03/31(水) 13:22:25 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
海に文才が無いわけないでしょ――!!!
文才がありふれている海のい褒められるからこそ、嬉しいんだってば!
うんうん、モノクロも大事だよねぇ。
凄い、二ヶ月もかけて書き上げたのか!!!
うちには絶対無理ですな。何故なら途中で飽きて放りだすと思うから←
自分のイメージでは曹操って賢くてでも残酷って感じなんですよ。
んでそれにピッタリの女のコが居るんですよねぇ。
ほんっと賢いよあのコは:裏と表の使い分け方が!!!!!
表は良い人、裏はかなりの意地悪ちゃんだもんw(ぇ
…あのコに騙されている男子多数です←
339
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/01(木) 10:16:43 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
ないですよ!?ΣΣ
でもモノクロってさりげなく難しいよねorz
書き上げるならまだしも、それをコピーするからね(=▽=)
でも考えてみれば作家さん……すごいよね(遠目
俺も結構飽きっぽいよ? 続いたのは友人の恐ろしさゆえ(遠目
俺のイメージと一緒だb 賢いんだけど臣下をばっさり切る、という;
裏表Σ それ怖い、ものすっごく怖いよ!
中学のころにもいたなぁ…頭いいのに裏では人をいじめまくってるというorz
それ知ったときしばらく本当か疑ったからね^^;
340
:
栞
:2010/04/01(木) 12:40:42 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
やっぱ作家さんは凄いですよねぇ…。
ほんと裏表のある人は怖いよ;
でもそういう人って殆ど裏と表を上手に使いこなしてるからあまり周囲には分からないんだよね。
だから賢い人じゃないと無理だから、ある意味尊敬だよ…。
しかしそういう人とはあまり同じクラスとかにはなりたくないね^^;
341
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/02(金) 10:09:10 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
作家さんて、原稿提出期限とかあるんだよねorz
すごいと思う、守れるの(ぇ
俺普通に提出期限とか忘れてるからね☆(Σ興味関心意欲
一種の器用ですよね;
使い分けるなんてそんな高度な技術、俺は絶対使えません(キパッ
うんうん、仲良しで集めてほしいと何度思ったことか(涙
342
:
栞
:2010/04/02(金) 18:33:52 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
提出期限Σ…すご、作家さんたちは皆それを守っているのか(当たり前
絶対あたしは守れないね!!(Σ言い切った
期限が来ても「もうちょっと待って!!」っていうのを繰り返してそうだし←
あたしも使い分けるなんて絶対無理だな。
だって不器用だもん★(黙
それにそういうの嫌いだもん。素でいけよ!!みたいな←
343
:
大地・空・その他☆棗(海)
:2010/04/03(土) 10:20:35 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
うん、俺も守れないと思うよ!
そして迷惑かかるのは担当者さん…((
担当者さんが一番ひやひやしてるよね、きっと;
俺は素をさらしすぎるらしいww
男子に女と見られてないよ絶対←
344
:
栞
:2010/04/04(日) 20:12:21 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
それ一緒ー!!!
男子には何か男友達のノリで話しちゃうし←
だってね、男兄弟に挟まれて育ったせいか兄弟より男らしくなっちゃったんだm(黙
…でも言い換えれば男子にも態度を変えていないということにならないかなb
男子と女子とで態度を極端に変えるよりかは良いんzy(
345
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/05(月) 14:34:10 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
そうそう、男子の中でも趣味が合う人だっているし^^b
てことは、栞は兄と弟がいるということかい!?
いいなっ、お兄さんほしいなぁー…。
うん、それよりは遥かにいいと思うよ^^*
俺と素で付き合ってくれる友達好きだぜー!
346
:
栞
:2010/04/05(月) 16:04:06 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
だよね〜。ってか男友達で何で女に産まれてきてくれなかったのかと思う人いるs(
意外と男子のほうが話しがあうというね←
うん、兄と弟がいるよb
お兄さんほしいかい!?じゃぁ差し上げm(嘘です、う〜そ〜←
あたしはカッコいい同年代の従兄弟が欲s(
でもあたしの場合は素で話しすぎて怒られる;
友達からよく「栞はストレートに言いすぎっ!」…と。
あ、これは素とか関係ないか←
347
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/06(火) 09:49:09 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
俺も普段から一人称が「俺」「僕」とか言ってるしね←
「お前なんで男に生まれなかったんだよ」って笑いながら言われたりするのよねww
俺だって男に生まれたかったさ!(Σ
お兄さん欲しかったんだぜ(涙
俺は長女だからさ、絶対ありえないんだよねorz
従兄弟なら7歳上のお兄ちゃんがいr((
俺はストレートに言われるの慣れてるy((
348
:
栞
:2010/04/06(火) 18:38:19 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
あ、普段から一人称「俺」とか「僕」なんだ!
あたしは普段は自分の名前です〜。でも直そうかなって思ってるけどね;
Σ笑いながらそういうこと言われるのか!!
ということは海はカッコ良かったr(黙らっしゃい
あー、友達にもいるなぁ。「男に生まれたかったー!!」って言ってるv
へぇ、海は長女なんだぁ^^
自分的に長女は世話が上手いってイメージがあるb(ま、イメージだけどね。
あたしも従兄弟自体はいっぱいいるんですよ。
ただ女が多いし、男はいるけどかなりの年下だし(涙
あたしも結構慣れてるかな〜。
ずばっという友達が多いんで←
349
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/07(水) 16:17:56 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
言ってる言ってるww
「僕」って言うときと「俺」って言うときは使い分けてる←
笑いながら言われるなんてなかなかないよね←
Σいやいや、会ったら間違いなく幻滅するから!
身長低いからねΣ
ならばそのイメージは排除しましょうb(ぇ
女の子いるのが羨ましい!+。
類は友を呼ぶ、って言うけどね(笑
350
:
麗奈
◆s4TKSKc9l2
:2010/04/08(木) 22:21:25 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
非常に申しにくいんだけどね…
お願いです―っ!!!
私が立てたスレに海のギリシャ神話風小説のせてくれないっ??
お願いしまーすっ←
>海
351
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/09(金) 15:29:39 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
スランプ差し掛かりました。なんかもう…小説書けないですorz
情景描写が書けないとか…もう致命的なんじゃないかな(涙
書き方研究中にこうなりましたとかね……orz|||
麗奈>>
構わんですよーb でも麗奈のスレに載せちゃっていいのかい?;
ジャンル違うし、現代風のを書いてるのに思いっきり神話なんですが…;
なんで俺の小説なのだ!?Σ
352
:
麗奈
◆s4TKSKc9l2
:2010/04/09(金) 18:57:32 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
説明不足だったね…orz
パラレル小説を書きせんか?のところに載せてほしいのだよ^^
とにかく書いてほしかったからか急いで省略してしまった…
ってことでいいでふか?←
>海
353
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 08:54:47 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
麗香>>
それは学アリのほうでいいんだよね?
むしろ俺のでいいなら載せますよ喜んで!^^*
なら新作ができ次第、そちらに載せますb
354
:
語り主
◆s4TKSKc9l2
:2010/04/10(土) 09:27:06 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
違うのぉ泣
あぅぅx…自分の説明の仕方がおかしいんだねっ…
えっと、この小説掲示板の「。+*キミとここで出会った*+。【パラレル】」
に書き込んでほしいんだっ
全然wけのわからに文でごめんねっ泣
海≫
355
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 09:31:55 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
ああ! あそこか!(今探してきt((
いえいえ、なんか説明を読んできたら面白そうだったよvv
童話とかそういうの好きだぜ俺!+。
さっそく書き込んで行ってきます!(意味不明((
356
:
麗奈
◆s4TKSKc9l2
:2010/04/10(土) 09:38:22 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
ありがとうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
海、愛してr((((
>海
357
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 09:44:16 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
俺だって愛してるy((
ごめんよ、今すぐ行ってきますっ!;
358
:
麗奈
◆s4TKSKc9l2
:2010/04/10(土) 09:45:44 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
やーん←
私ったらもてちゃって困っちゃu(((
行ってらっしゃい、あなt(((((
>海
359
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 10:05:26 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
ただいま、ハn((
過去載せたものでもよかったかな?;
新作を書こうと思ったけど「今俺スランプじゃん!Σ」って思いだして、急遽過去のものを引っ張り出しましたorz
360
:
麗奈
◆s4TKSKc9l2
:2010/04/10(土) 10:11:19 HOST:189.net112138065.t-com.ne.jp
あなたご飯にする?お風呂にする?それともわたs(((
それでも嬉しいんだよぉ^^*
スランプ早く治るといいね?私はいつでもすらんぷだからなれたさb
>海
361
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 10:14:26 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
麗奈>>
とりあえずご飯がいいな^^*(マジでご飯食べたい←
スランプ治りましたら必ずや書きますので!;
かれこれ数週間……今までこんなに長いスランプはなかった(涙
ΣΣそれは嘘でしょう!
362
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 10:42:59 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
お願いです、壊さないでください。
_____こんな世界でも、私はこの世界を愛しているんです。
ここでしか生きられない、理由を見つけたから。
だから―――世界を、壊すだなんて言わないで。
363
:
大地・空・その他☆棗(海)
:2010/04/10(土) 11:03:51 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
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>>224
、
>>292
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>>312
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>>316
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>>318
神話
>>244
>>193
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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アース神族最強の雷神
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364
:
桜川 日和
◆/3htnogkOM
:2010/04/10(土) 13:24:17 HOST:p2025-ipbfp2005tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp
>>海サマ+゚
初めましてbb+
桜川です^^v
海さんの小説を影ながら、いつも読んでいます。
私は、趣味でギリシア神話(以下神話)などを調べたりしています;;
海さんが神話を題材にして書いていた時はすごく感動しました!!
これからも、更新した時はコメ&応援しています!!
365
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/10(土) 18:19:56 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
桜川日和さん(
>>364
)>>
わわわっ、こちらこそ初めまして!
「様」つけされるほどの者ではありませんよ(((゜Д゜;)))
Σ読んでくださっていたのですか!? すみません駄文の集まりでorz
仲間がいらっしゃった―――ッ!!+。(Σ黙れ
神話の創作意欲は湧き上がるもので、思わず自分の想像を盛り込ませて書いてしまいました^^;
まだアプロディテ女神とアドニスのものしか書いていませんが(ギリシア神話)、これから増やしていけたらな、と思っております><
これからもお付き合いしてくださったら幸いです!
拙いものたちではありますが、楽しんでくださったならこれほど嬉しいことはありません(´`*
366
:
栞
:2010/04/10(土) 22:12:50 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
ちょっと来れてなかったですね><
海+゜
個人的にあまり身長は気にしないという←
ていうかね、海の低いはあたしの低いじゃないと思うんだよね!!
だってあたし低いから;
男好きではないんですがね、何か自分は男子とのほうが気があうんですよね^^;
自分が男まさりだから←
それに女子だといろいろ気を遣っちゃうというか…。
>>362
ほんと、壊さないでほしいよn(
場所とか人間関係とかまぁ何でも言えることだけど、自分が愛しているものとかを壊されるのは凄く悲しいよ;
ていうかあたしだったら壊される前に断固拒否して抗議するだろうがn(お黙り
367
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/11(日) 09:34:22 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
いやいや、マジで俺は低いのだΣ
大丈夫、栞のほうが絶対高いから^^*
だって俺……orz
男勝りええよね♪(仲間だ((
女の子の前だと男言葉使えないんですよね(遠目
でも今では友人が仲いい子だから、騒いでますww
どこかファンタジー風味だよね、書いてみて気づいたが(笑
大切にしていた壷を壊されて俺は泣きました((
抗議ww ちょっとデモ行進始めちゃうよn((
368
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/11(日) 11:24:14 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
ゆっくり、ゆっくり。
どんなに遅くてもいいんだよ。
___自分が信じる道を、歩いていこう。
369
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/11(日) 11:29:19 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
アース神族最強の雷神
>>323
370
:
栞
:2010/04/11(日) 22:13:30 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
Σ女のコの前では男言葉使えないのか!!
あたしの場合は自然と女のコの前では使わないかな。
使うのは男子と喋ってるときだけだもんb
…あ、それと親の前かn(
壷を壊されたとなΣよし、抗議しにいこu(やめれ
…てか壷を大切にしているって凄いなぁとリアルに思いましたよ、あたし←
>>368
そうか、ゆっくりで良いのか…♪
いや、あたしはゆっくりしちゃいけないな。だってそもそもゆっくりしてるから←
友達からはクラス一のマイペースと呼ばれておりましt(
371
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/12(月) 20:06:25 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
栞>>
でも気心知れた友人の前では思わず素が(笑
Σ親ww
結構大事にしてたのよね、模様がきれいだったから一目ぼれしt((
百円均一で買えるやつだよ?←
マイペースが一番さ♪
でもマイペースも悪くもなく良くもなく、って感じじゃない?
時と場合によりけりだよ^^
372
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/12(月) 20:07:11 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
今日は新入生歓迎会部活バージョンがありました。
部活が個々にパフォーマンスをして新入生を歓迎するってものなのですが!
なんと!
俺の部活である創作部に15人ほどの方が説明会に来てくださったのです!
こんなに来るとは思ってなかった部員一同((
その中3人(女1男2)はもう入部希望していらして…!+。
嬉しすぎる、後輩がたくさん入ってくる予感vv
ちなみに、俺は文化祭で小説しか書きません((
絵はね……途中で飽きるかr((
373
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/14(水) 18:20:14 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
どうやらスランプという名の病は治ったようです。
よかった……治って本当によかった……!
昨夜ルーズリーフに、ディオニュソスとアリアドネの話を書いたので、時間があるときに載せますねノノ
ディオとアリアドネ好きだ…! このカップル最高!
溜まっている小説……載せないと、ですねorz
374
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/17(土) 10:09:18 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
【幸せ満月】
もしあのとき、彼が私を拾ってくれなければ。
――きっと私は、この世に存在していなかったのだと思う。
◇◇
「アリアドネ」
やさしく透き通った声と、ほのかに漂ってきた葡萄の香りに、アリアドネと呼ばれた少女は微笑んだ。自らを呼んだその相手がわかってしまうことと、漂う香りが彼らしいということが彼女の笑みを誘う。
やわらかな草の上に座っているアリアドネの隣に彼はゆっくりと腰かける。そしてそよ風に吹かれる彼女の髪を一房すくいとって口付け、さらりと流した。
「ディオニュソス様、今宵は満月だそうです」
「らしいね。信女たちもそう言っていた。だから宴を催すことにしたよ」
「飲みたいだけじゃないですか」
「飲まなきゃやってけないよ」
子供のように嬉々とした笑顔の青年神を、妻であるアリアドネは慈愛のこもった眼差しで見つめる。その隣で彼は懐から盃を取りだし、酒神の能力なのだろう、葡萄酒を盃に注ぐ。
そしてくいっと飲み干した。
(そういえば……ディオニュソス様に出会った夜も、満月だったっけ……)
あれは、そう―――満月の美しい夜だった。
国を捨ててまでついていった王子テセウスに置いていかれ、悲しみと絶望が心を支配していたあのとき。もう自分は独りなのだと、切り立った断崖で思い、身を投げようとしていた過去の自分。
断崖から見える満月。眼下に広がるコバルトブルー。身体を撫でていく潮風。
「死」を覚悟して、一歩前へ踏みだしたとき。
『もったいない。せっかく授かった命なのに。たったひとつなのだから、大切にしないと。君の命が泣いてしまうよ』
背後から響いた若者の声。微笑んでいたけれど、その声には逆らうことを許さない威圧感があって。
でも、とてもやさしかった。
(そして泣きじゃくったのよね……今となっては恥ずかしい思い出だけど)
小さく笑ったアリアドネに、ディオニュソスは面白そうに問いかける。
「どうしたの? いきなり笑って」
「――あなたと出会ったのも、満月の夜だったなぁって」
「……きれいだったね、あの日は。まあ、そのときはアリアドネを落ちつかせることで頭いっぱいだったけど」
「そのことには触れないでっ、ものすごく恥ずかしい過去なんだから」
「……かわいかったんだけどなぁ……」
「そっ、そんなさらりと言わないでっ」
羞恥に頬を染めあげるアリアドネを、青年神は愛おしげに見つめる。
そして、あっとなにかを思いだしたように声をあげた。
「そうそう、今日の宴だけどね。アリアドネには着飾ってもらうから」
「え!?」
「だって僕らが出会って一年だよ? 信女たちは喜んで動いてくれてるんだ。僕、アリアドネが着飾った姿が見たいんだけど……ダメ?」
眩しい笑みを向けられて、アリアドネは染まった頬をさらに染めあげる。
「……き、今日だけですからっ!」
そして彼女は、幸せの笑みをこぼす。
375
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/17(土) 10:19:41 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
>>374
久々に神話小説を書いたような……;
酒神と妻のストーリー。愛妻家ww←
サブタイトルをつけるなら、『あのときの満月も美しかった』です。
このふたりのストーリーの前に、牛の化け物のこととか、ラビリンスのこととか、テセウス王子のこととか、ほかにもストーリーがあるのですが。
でも彼らがくっつけばいいじゃない! な自分です((
ディオは放浪していると思われる。
376
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/17(土) 10:20:33 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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小さな図書館
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
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幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
377
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/22(木) 16:37:14 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
【少女の涙はなにを誘う】
窓から差しこんだ朝日が顔にあたって、サレナは煩わしそうに寝返りをうつ。するとかけられていた薄い毛布が、ぱさりと床へ落ちた。先ほどまであったぬくもりがなくなったのを感じ取って、サレナは仕方なしに上半身を起こし、まだほのかにあたたかさの残っている毛布を拾い上げてベットへと畳んで置いた。
いいタイミングとばかりに、部屋のドアがノックされる。「どうぞ」と一言そう言えば、数人の侍女が足音立てずに部屋へ入ってき、てきぱきと自らの仕事をまっとうし始める。彼女らの後から入ってきた女官が、厳しい眼をサレナに送った。その視線の意味がわかって、サレナは苦笑いを浮かべながらその場に立つ。
そんな彼女の様子にため息をついた女官は、近くの侍女になにかを言いつける。そして言いつけられた侍女が動いたのとほぼ同じ瞬間に女官は部屋を出て行く。
女官が出て行ってから、サレナは盛大にため息を吐く。
「動かないでくださいませ。お召し物が変えられません……」
下のほうから聞こえた気弱な声に、サレナは小さく苦笑する。そして言われたとおり、動かずにじっと立っていた。
部屋の隅に置かれたゴシック調のクローゼットから、まだ十と少しくらいの侍女が一着のドレスを手に抱えて持ってくる。その後ろからはサレナと同い年だと思われる侍女が、首飾りや耳飾りの入った小箱を抱えて歩いてくる。
三人係りで着つけられていくのをエメラルドグリーンの双眸で見つめ、サレナはぼんやりと昔に思いを馳せた。
(お父さんとお母さんがいたときは……もっと自由な生活だったんだけどなぁ……。自分で一日の予定を決めて……本当、楽しかった……)
じんわりと目頭が熱くなっていくのがわかって、サレナは侍女に気づかれないよう瞳を伏せ、あふれてきそうな涙を必死で堪えた。
父と母が亡くなったと聞かされたのは、約一ヶ月前のことだった。
あの日は食料確保のために父と母がそろって海へと出かけて行くのを見送って、「必ず帰ってくるからね」と言われた言葉に大きく頷き、元気よく手を振った。けれど夕方になっても両親は帰ってこなくて。
そして家に来た近所のおじさんに告げられた言葉は、深く心に突き刺さった。
『君の両親の船が波にさらわれて水没した……今、ふたりの遺体は街の外れに……』
信じたく、なかった。
嘘だと、言ってほしかった。
もうあの笑顔が見られることはないだなんて、やさしくかけてくれる声が二度と聞けないだなんて。
現実を、見たくなかった。
やさしい声で「ただいま」と言って、お父さんが抱き上げて笑ってくれて、お母さんが台所で料理をしながら微笑んでいて。
――そんな生活は、二度と戻ってこない。
そして孤児になった自分を引き取ってくれたのは、母の親友であるリアルールの家だった。けれどリアルールも後を追うように旅立ってしまって、また自分は孤独なんだと涙を流した。
その涙を拭き取ってくれたのが、リアルールの嫡子でアーリア帝国の皇太子、グラディスだったのだ。
彼は快く城へ引き入れてくれて、専用の部屋と女官までつけてくれて、毎日の食事にも娯楽にも不自由をしないよう配慮してくれている。
ただ両親が親友だったというだけでこんなにも裕福な暮らしをさせてもらえることが申し訳なくて、同時に対価が必要なのではないかと思ってしまう。おそらく彼はそんなこと思ってもいないのだろうけど、ただ住まわせてもらうにはあまりにも酷だった。
「終わりました。やはりお美しいですわ……淡い色がよくお似合いです」
「ありがとう」
侍女たちはお世辞じゃなくそう言ってくれる。
街の教会の鐘が鳴り響く。朝食の時間を告げる鐘だ。
「今日も皇太子殿下がお待ちです」
どこか嬉しそうに話す侍女の声を聞いて、サレナは長い回廊を歩いていくのだった。
378
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/22(木) 16:39:05 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
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379
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/24(土) 15:11:22 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
【天使と人間 ―同じもの―】
「同じだと思うのよね」
ふと唐突につぶやかれた言葉に、ラファルは形のいい眉を寄せて「なにがですか」と問い返した。少年とも青年とも取れる彼は、隣で小さくため息をついた女性を見やる。
女性がため息を吐くと、肩からさらりと絹のように細い髪が一房落ちる。それを見て、ラファルは背中に持つ純白の羽をそっと撫でた。太陽の光を吸い込んだ神々しい輝きを放つそれは、彼の唯一の自慢でもあった。同じ羽を持つ仲間はたくさんいるけれど、羽の輝きが一番美しいとよく言われるからだ。
周りに言われるだけならそこまで自慢するものでもなかっただろう。しかしラファルの羽のことを父であるラファエルも褒めてくれたから、だからこそ自慢できるのだと彼は自覚していた。
「今までの話、聞いていなかったの?」
「聞いていましたよ。……ですが、僕ら天使にはわからないことです」
「本当に?」
「……」
「天使だって同じじゃない? 人間だろうと天使だろうと、違うのは容姿だけで持っているものは同じなのよ」
畳みかける女性の言葉に、ラファルは思わず口をつぐむ。
天使だって誰かに置いていかれることはある。けれどそれを『孤独』と呼ぶのかはわからない。
……誰も、教えてはくれないのだから。
天使は生まれ落ちた時点で「天使」と呼ばれ、任務をこなすために生きているのだ。与えられた任務に成功し、功績をあげていけば地位の昇格だってする。反対に失敗すれば地位を剥奪されることだってあるし、地位を下げられることだってよくあることだ。
すべては、天に君臨する神と人間のため。
「――なら、あなたが思う『天使と人間の共通点』はなんですか」
生まれも育ちも考え方も、すべてが違う種族に同じものなどあるのか。
「『心』よ。真心……誰かを思いやる、あたたかい気持ち」
春風のように紡がれるやさしい声音が、鼓膜を揺らした。
「人間は誰かを愛して愛を育み、神様から授かった子供にも愛を注ぎ、愛に包まれて死んでいく。天使だって人間の傍にいて、助言や人を悪から守ってくれる。心から人間を愛していなければ、そんなことできないはずだもの」
残酷なまでに、その声はやさしい。
「……天使が皆、善良なわけではないのですよ」
声小さく、ラファルはつぶやく。
みんながみんな善で染まっているわけではない。中には不埒なことを考える輩だっている、愚かにも天に上ろうとした奴もいた。
そして――人間に恋をして、堕天した天使もいた。
だから、みんなが善良だなんて言い方をしないでほしい。
「善良なんかじゃ……」
それは自分への言い聞かせだったのだろうか。
苦しげにつぶやかれたラファルの声は、澄み切った青空へ溶けていった。
*******
天使悪魔系はマイナーな設定ではあるものの、意外と好きな設定だったり。
神話絡みのものが好きみたいですね自分((
※ラファエルに子供はいません。すべて作者の想像上です。
380
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/24(土) 15:16:40 HOST:61-24-234-103.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
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天使と人間 ―同じもの―
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アース神族最強の雷神
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381
:
海苔の佃煮
◆8ZLUiDv3K2
:2010/04/25(日) 07:47:12 HOST:p5204-ipad03okayamaima.okayama.ocn.ne.jp
神降臨。
この話が神話とかそういうのとかけたわけじゃないですよ。
神話をモチーフにした小説か・・・懐かしい。
私も久しぶりに小説書きたくなってきた・・・あの頃は邪気眼がフル活動していたもので。
神話というか、悪魔が中心の書いていました。アスモデウスとかね。
今度は妖怪とか和風の書きたい。そんな時間や腕ないのだけれども。
382
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/25(日) 17:54:48 HOST:61-26-249-90.rev.home.ne.jp
海苔の佃煮さん>>
Σ神!? はどこにいらっしゃるのでしょうか(((゜Д゜;)))
書きたくなったときは衝動に任せて書くのが一番です。(ぇ
自分もどちらかというとノリですから、ええもうすべてにおいて(遠目
悪魔も魅力的ですよね^^v あまりよく知らないものが多々ですが…orz(勉強してこよう
和風! それはぜひ読みたいです、むしろ読ませてくだs((
やはり書く際には時間が最大の敵ですよね; 一日24時間じゃ足りないです。
もし書くことがありましたらぜひ読ませてくだs((しつこい
383
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/25(日) 17:56:38 HOST:61-26-249-90.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
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384
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/27(火) 18:29:37 HOST:61-26-249-90.rev.home.ne.jp
「大丈夫。――君と生きられるなら、この羽がどうなったっていい」
変わる。変わる。変わっていく。
純白の美しき羽が、魅力的だったその羽が。
徐々に色を変えていく。
「この羽の色も、僕に似合ってると思わない?」
黒く、黒く。
漆黒を塗りたくった羽に、変わってしまった。
それでもくすむことはなく、それは強い輝きを放っている。
「――僕は『堕天使』じゃない。君と生きることを選んだ、ひとりの『天使』だ」
堕ちてしまった天使が不幸かなんて、私はいまだにわからないまま。
385
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/04/27(火) 18:30:40 HOST:61-26-249-90.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
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天使と人間 ―同じもの―
>>379
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
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幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
386
:
栞
:2010/04/30(金) 18:25:48 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
ちょっとご無沙汰しておりました栞です。
海+゜
やっぱ親の前では絶対に良いコちゃんぶったりとかもしないねb
ほんっと素を出してますよ。だって変に飾ったりする必要無いしさぁ、何より疲れるしね!!←
ていうかそもそもあんまり自分を飾ったりしないなぁ。素を知って欲しいしw
だから自分を飾ったりしてるコとかはあんまり好きじゃないかもしれないなぁ。
うんうん、マイペースも時と場合によるよね。
まぁ最低限集団行動のときとかは迅速に動かなくてはならないが。
集団行動といえば五月中旬に集団宿泊研修があるよ;行きたくないんだけd(
>>384
確かに、堕ちてしまった天使が必ずしも不幸というわけではないと思うしねぇ。
それにそういうの個人的に勝手に決め付けられたくないしね!!
自分が思ったことを他人に押し付けるなってn(黙
387
:
海苔の佃煮
◆8ZLUiDv3K2
:2010/04/30(金) 21:02:02 HOST:p5204-ipad03okayamaima.okayama.ocn.ne.jp
ただ満足させればいいのか? ただ望むものを与えればいいのか? それが天使の仕事か?
そんなものだから、人間は腐ってゆく。
そんな天使こそが、堕天使そのものだとなぜわからない。
なんか書いてる本人すらもわけわかんない。
風邪引いてるせいかな。馬鹿でも風邪引くんですね。
とりあえず和風の小説書こうと思って朝霧の巫女とか神無月の巫女とか漁っていますけど、ネタは浮かんでも文章に変える能力が全くないからどうしようもない。
あと、書いてもスレ主失踪事件になる可能性大。
388
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/01(土) 09:56:20 HOST:61-26-249-90.rev.home.ne.jp
手吊った。固定しながらキーボード打ってるってどうなのよww
吊った原因は仕事をちゃっちゃと片付けてしまおうとした自分の責任ではあるが←
栞>>
親も結構お気楽だから、着飾ってると「アホか」言われるww 本気で病院行かされたりねww
宿泊研修?+。 いいじゃない、楽しそう^^*
でもなにをしに? キャンプ的ななにかかい? そしたらそりゃ面倒d((
集団行動は結構好きだったりv ただうるさいだけだがww
俺も修学旅行……まだ先だけど12月か……。
まあ参考は「天使と悪魔がよくわかる本」と「天使・悪魔・妖精イラストギャラリー」によるものです((
なぜそんなもの持ってるんだ? なんて疑問は胸のうちに秘めといてくださいww
>>384
言ってしまえば、友人に頼まれた天使悪魔小説の設定詩なのだけどね←
原稿用紙換算300枚とかww 俺を殺す気かorz
海苔の佃煮さん>>
天使の解釈はたくさんありますしねー;
ヨーロッパでは天使学が発達したくらいですし、キリスト教との教えも同じ天使でもやはり違いますし;
Σ風邪ですか! 今年は温度差が激しかったですもんね;
一日でも早く治ることをお祈りしております…!
スレ主失踪事件は過去に自分も起こしていますよ←
半年近く失踪しておりまして、思い出したときに参上していましたから。
それに掲示板全体で無駄スレの問題が上がっていた頃でしたので。
389
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/08(土) 10:01:14 HOST:119-171-138-252.rev.home.ne.jp
五月になりましたね、いまさらながら。皆様、体調は大丈夫でしょうか?
今年はあたたかかったり寒かったり、お天道様のご機嫌がよろしくなかったようで。
ちなみに自分はそのせいか、お腹を痛めました。痛いです。それでもキーボード打ってまs((
話は変わって。
来週の水曜までに部誌用の自己紹介を提出しなければならないようです。
二枚のうち一枚はひたすら自分の趣味を語ったのですが(←)、もう一枚をどうしようか……。
友人は「小説小説! 一ページに収めるなんてもったいない小説を!」と言っていましたが、一ページに収めるとなると相当短くなるんですよね;
しかも情景描写がほとんど書けないじゃない!Σ(゜▽゜ノ)ノ
とりあえず何枚かルーズリーフに書いて、そこから選んでもらおうとは考えているのですが。
でも俺の拙作を載せてどうするww
390
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/09(日) 12:08:43 HOST:119-171-138-252.rev.home.ne.jp
【世界を、どんなものでも愛している】
「お願い、世界を壊さないで」
鈴のように美しく透き通った女性の声が、どこか悲しみを孕んで辺りへと広がっていく。ふっくらとした魅力的な唇はわなないて、草原を連想させる翡翠の瞳は不安げに揺れていた。
「――なぜ」
彼女の隣で、なんの感情も示さない男が言葉を発す。
腰までの金の髪に、見たら吸い込まれてしまいそうな蒼い瞳。見目麗しい姿で神とも思えてしまうのに、猛禽類のごとく鋭く細い眼は悪魔と同じ、そして眼下に広がる景色を睨みつけていた。
「なぜ、懇願する? この世界は、そなたの大切なものを奪っていったではないか」
怒りに、男の口調が強くなる。右手に握られた鷲の象られている宝杖がジャラジャラと重く鳴った。
それでも。そうだとしても。
「たとえそれが真実でも、私はこの世界を愛しているの」
男が、わずかに動く。
「どんなに醜くとも、どんなに悲しくとも。それ以上の美しいものにあふれている世界を、私は愛しているの」
紺碧が彼女を捕らえ、そして揺らぐ。
「だからお願い。……壊すだなんて、そんなこと言わないで」
幸も不幸も、この世界にはあふれている。
ふたつは共存しているのだから。
「そして“金の神子”……あなたも」
――どうか、世界を愛してください。
*******
部誌に提出用の小説。一ページに収めるなんてなんて酷な!(涙
もっともっと書きたいことは山ほどあったのにorz
容姿、世界観、宝杖、金の神子の説明……ああ! なんで一ページ!Σ
西洋風かつ神話風味を目指して書いてみたつもりが、やはりなにか違う。
日々精進ですねorz
391
:
丹参
:2010/05/10(月) 15:36:54 HOST:58.247.167.238
丹参(タンジン)薬理作用】:活血去オ?涼血?養血安神,血管拡張?血管下降作用、抗菌作用,臨床的には、鎮静?精神安定?鎮痛などの作用がある。丹参の薬性はおだやか...
丹参:www.besttojp.com/product/danshen.html
392
:
栞
:2010/05/12(水) 19:16:54 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
楽しいもんじゃないんですよー…。
ひたすら集団行動の練習をするんですよ。怖ーい先生に怒られながら←
先生いわく、幼稚な部分を削ぎ落としにいくらしいです。
…そして毎年必ず泣く人も出るらしいです。
ごめん、時間が無いんで小説の感想は次回にさせていただきます><
393
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/14(金) 16:49:50 HOST:119-175-176-176.rev.home.ne.jp
栞>>
Σそれはいやだ!
怖い先生ってところがやる気を削いでる!←
削ぎ落と……!?(一瞬で恐怖のどん底へ落ちていけそうだ((
しかも泣く!?!?!?
気長に待ってますです^^
394
:
栞
:2010/05/15(土) 20:39:56 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
同じ日に行く近くの中学校はカヌーとかあって楽しそうなのに、あたしの学校は全くないんだもん!!
何なんですかこの差っ(泣
何か先輩曰く、「研修が辛すぎて普段のことはあまり辛く感じなくなるよ」…だって。
励ましのつもりでいったみたいですが、全く励ましになっていませんよ先輩!!
泣くんだって、冗談ぬきで。
だからあたしも友と「どっちかが泣いたら一緒に泣こうね!!」という変な約束も交わしました(笑
395
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/16(日) 10:55:40 HOST:119-175-176-176.rev.home.ne.jp
栞>>
カヌー!(゜▽゜ノ)ノ
俺だったら真っ先に転覆してまうよΣ
しかも泳げない! ……はい、最悪ループ←
それは……損なのか得なのか;
一種の脅し文句ですよね!←
それにしても、その先輩もその地獄を味わったってことですよね…?orz
泣く、研修…? 休みたいなその日orz
396
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/16(日) 11:44:40 HOST:119-175-176-176.rev.home.ne.jp
【命の最期は、君の接吻を】
「この命が尽きるときは、君の口付けで」
少女の頬を、骨ばった男の手がゆっくりと撫でていく。なにかが切れてしまったかのようにひたすら泣き続ける少女は、その言葉にも必死に首を振るだけだ。強く握りしめている両手が震え、大きなサファイアの瞳からは大粒の涙がたえず流れている。
その涙を指で掬い取って、男は申し訳なさそうに眼を伏せた。
――命の灯火は、その間にも削られていく。
「僕の命は、もうほとんど残っていない。だから……消えてしまうときは、君の口付けで旅立ちたいんだ」
どこまでもやさしい声が、少女へと降り注ぐ。それでも彼女は泣くことをやめない。ただひたすら、そのときが来ることを嘆いている。
神を恨みこそすれ、そして天が与えた運命を呪った。
なぜ彼が昇天しなければならないのか。なぜ他の人ではいけなかったのか。
「ほら、泣いている顔は君に似合わないよ。……きっとこれは、神様からの思し召しだと思う。僕はこの世からいなくなってしまうけれど、君のことをいつまでも見守っているから……だから、笑っていて?」
この世の人とは思えないほどきれいに微笑んで、男はゆっくりと眼を閉じた。
先ほどよりも火傷をしてしまうほど熱い涙が頬を伝う。
もう動くことも、話すこともない彼を目の前に、少女の涙はシーツに染みをつくっていく。ぽたぽたと零れ落ちるそれらは、どこにしまわれていたのかと思えるほどにあふれてくる。
「嘘だって……ずっと、ずっと一緒にいようって……約束、したのに……」
穏やかな笑みをたたえる彼に少女は縋りつく。
そして、まだあたたかさの残る唇にそっと口付けた。少女の涙が彼の頬へ流れ落ちる。
窓からの陽を浴びて、それはきらりと光った。
*******
死ネタは絶対書かないと言っていた過去の自分を殴りに行きたい。←
この設定がぱっと思いつき、感情のままに書きなぐってしまった作品。
彼らはこの後、天国で再会を果たします。「ずっと一緒」という約束を、きちんと果たすのです。
397
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/16(日) 11:46:09 HOST:119-175-176-176.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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神話
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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少女の涙はなにを誘う
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天使と人間 ―同じもの―
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命の最期は、君の接吻を
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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幸せ満月
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アース神族最強の雷神
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398
:
栞
:2010/05/16(日) 18:43:37 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
海+゜
小学校の頃はカヌーもしたんだけど、もう川まで持っていくときのカヌーの重さといったら;
二人一組で持っていったんだけど、友達は全然平気そうだったのに←
ねー、脅し文句ですよねー。
もうそもそも行きたくって言ってるんだから嘘でも励ますようなこと言ってほしかったよ(
でしょうね、先輩も地獄を味わってきたんでしょう><
>>396
死ネタは自分では書けないけど、読むのはそれなりに好きだったり←
何か、お別れは悲しいけれどこういうお別れは好きかもしれないなぁ。
そうか、二人は天国で再会を果たしたのか+゜
399
:
狼一号
:2010/05/17(月) 11:52:43 HOST:58.246.255.79
美国遅時100:www.hikanpo.com/product.asp?id=114
三便宝:www.hikanpo.com/product.asp?id=113
999皮炎平軟膏:www.hikanpo.com/product.asp?id=93
片仔廣牛黄解毒片:www.hikanpo.com/product.asp?id=103
快活棒:www.hikanpo.com/product.asp?id=88
400
:
巨人
:2010/05/17(月) 11:53:57 HOST:58.246.255.79
九州神龍(カプセル):htp://www.yahookanpou.com/product/jiuzhoushenlong.html
巨根(カプセル):www.yahookanpou.com/product/jugen.html
巨人倍増枸杞カプセル:www.yahookanpou.com/product/jurenbeizenggouqi(4).html
絶對高潮(催淫カプセル):www.yahookanpou.com/product/jueduigaochao.html
401
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/18(火) 17:45:23 HOST:119-175-176-176.rev.home.ne.jp
栞>>
それって握力が必要なのでは…?Σ
俺はないからまずカヌー持てないな←
でもお泊りって結構好きだったりw
夜のトークとか、枕投げとか夜の楽しみって計り知れないよね!←
男子も恋バナをするらしい、そして盛り上がるというww
死ネタは書かないと言っていたのは誰だったんだ(お前だ
余韻の残るお別れの仕方は悲しいけれどいいよね!b
きちんととりあえずはハッピーエンドなのですv
402
:
栞
:2010/05/19(水) 18:55:00 HOST:cm119.ucat5.catvnet.ne.jp
たったさっき地獄から生還してきた栞です←
海+゜
うん、あたしもそう思う…。
握力がね、13ぐらいしか無いんですよ(泣
30超えてる友達もいるのにさ←
お泊り結構楽しかったよーw
あたしが泊まった部屋は本館から離れたところにあるキャンプセンターというところだったんですよね。
そこは遠いから移動のときめっちゃ大変だし、何よりムカデが大量発生;
部屋入ったときには一匹死んでたしね…。
ただ夜めっさ怒られましたね。
理由は2時過ぎてんのに殆どの人が起きて騒いでたからb(
中にはよく分かんないけどヤバイことしてた人も居たらしいです(^△^)/←
そして一番びっくりしたのは帰りのバス。
男子とかも皆恋バナしてんの!!!!
「お前好きな人誰?いるだろ、絶対いるだろ。おい誰だよ…」みたいなのをずっと話してたんですよ。
中には「中1で好きな人がおらん奴はおかしい」って奴もいて。
あたしはどうなるんだよっての←
403
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/05/20(木) 15:48:20 HOST:119-175-176-176.rev.home.ne.jp
栞>>
大丈夫、40超えてる友人もいた←
ムカデ!?!?!?ΣΣ
それはいったい誰が処理したんだい?(ぶるぶる
興奮すると眠れなくなるらしいねb
俺はどこでも眠れる体質だから、騒いでる中でも安眠できますがw
修学旅行で23時ぴったりに就寝いたしましたのでw
それは大概、カップルですよねww
修学旅行にそれは付き物じゃないかい?←
だって他の部屋の人が俺の部屋に来て、「入れる雰囲気じゃなかった……というより、聞いちゃいけないものを聞いてしまった気がする……」と少々、青ざめた顔で訪れましたからねb(ぇ
それがなんなのかある程度わかってしまった俺はなにも言わずに笑って流しましたw←
男子も意外と好きみたいですよ? 恋模様vv
俺もいなかったよーノノ
あとどうでもいいことだけど、こえ部なるものに登録してきました。
そしてちゃっかり歌いました、1925←
詳細(てか音源らしきもの)はブログに載せちゃったりしているので、興味があったりしたらどうぞb
先に言っとくよ? 下手だからね!
404
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/06/21(月) 16:49:53 HOST:61-24-253-253.rev.home.ne.jp
どうしてもそうしてほしいと望むなら、
私はすぐさま抹消してあげましょう。
この世からも、あの世からも。
405
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/06/21(月) 16:50:29 HOST:61-24-253-253.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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○小説○
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守れなかっただろ、お前はそれを
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少女の涙はなにを誘う
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命の最期は、君の接吻を
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●音楽的小説●
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/02(月) 08:41:10 HOST:59-171-87-169.rev.home.ne.jp
「兄ちゃん兄ちゃん! 大きくなってるよ!」
「ああ……そりゃ大きくなるだろ。夏の花なんだから」
「私の身長に追いつきそう……兄ちゃんは高いからそう簡単には抜かされないよね」
「ああ、そうだな」
学校帰りの服装のまま、妹の実夏は庭の隅にひっそりと佇む物置からジョウロを持って、縁側から真正面にあるひまわりに水をあげた。
去年、母が買ってきたひまわりの種を植えたところ、今年芽が出て育ったということだ。そこまで大きくはならないだろうと踏んでいたのだが、どうやらそれは間違いだったらしい。今、そのひまわりは妹より桃ひとつ分低いだけで、夏真っ盛りのときには抜かしているに違いなかった。
兄の悠は先ほど自分で切ったばかりのスイカを食べながら、楽しそうにひまわりを見つめる実夏を見やっていた。
「……そんなに見てて楽しいか?」
「楽しいよ! だって今まで庭に花なんてなかったし……」
「仕方ないだろ。父さんも母さんも忙しくて庭の手入れなんてできないんだから。俺たちだって学校あるし、毎日のようにはさすがに無理だし」
「だから夏休みだけなんだよね、花を育てられるの!」
「ひまわり限定でな」
それ限定。夏に咲く花なんて限られていて、それでいてきちんと成長してくれる花を選ばなければ来年も育てることができない。育てられなかったら実夏の夏の楽しみを奪うことになる。あくまでも自分はあまり育てていないが。
「兄ちゃん、誰か来たよ?」
「あ?」
不意をつかれてなんのことだと聞き返すより先に、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。面倒だと思いつつ重い腰をあげて見に行こうとすると、ドタドタと騒々しい足音が聞こえ、思わず顔をしかめた。
……この足音はあいつしかいない。
「やっほー! 悠も実夏も元気だったかー?」
「昴兄ちゃん!」
「……人が出るより先に勝手に上がりこむな。あと騒々しい足音をたてて走るな!」
「そんなこと気にすんなって! 従兄弟だろー? 邪険にすんなよー」
庭から手を振る実夏に笑顔で手を振りかえして、従兄弟で腐れ縁でもある昴はさも当然のように縁側へと腰かけた。その行動には慣れているものだったからなにも言わず、悠は昴の分のコップを持ってきて麦茶を注ぐ。
薄い琥珀色の麦茶をくいっと飲み干し、昴は安息の溜息をつく。
「昴兄ちゃん、今日来るなんて聞いてないよ?」
「うん、言ってないから。だって言ったら面白くないじゃん?」
「面白さを求めるな面白さを! ……来るなら来ると学校で言えばいいものを」
「言おうとしたけど部活があったからね。それに言わなくてこうやって押しかけても、悠はなんだかんだで置いてくれるし、実夏は実夏でやさしいし。だから安心して言わなかったんだよ、従兄弟ならではの信頼だと思わない?」
「従兄弟じゃなくても伝わるけどな、充分に」
その信頼はどうかとも思うが、長年の知恵だといえば聞こえはいい。
「今年も順調に成長してるね」
「ああ、実夏が世話をしているからな」
「私がんばってるよ! 枯らさないように!」
「実夏のおかげでこれを見ると夏が来たーって思えるよ。ろくでなしの悠とは違って、実夏はしっかりしてるから」
悪びれもなくさわやかな笑顔で実夏を褒める昴を、悠は思いきり睨む。けれどその視線を気にした様子もなく、笑顔のまま昴は言う。
「今年も花火とか夏祭りとか行こうね、面倒とか禁止で」
「それは明らかに俺に対してだけ言ってるよな? お前だって去年は」
「実夏も行くよね?」
「もちろん行く! 昴兄ちゃんの交渉技をまた見たい!」
悠の言葉を遮って、昴は実夏に同意を求める。昴の交渉技を妹が身につけないことをひそかに願いながら、悠は小さく溜息を吐いた。
夏が、やってくる。
そう思ったとき、かすかにひまわりが揺れたように見えた。
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/02(月) 08:42:14 HOST:59-171-87-169.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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少女の涙はなにを誘う
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天使と人間 ―同じもの―
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命の最期は、君の接吻を
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ひまわり
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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幸せ満月
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アース神族最強の雷神
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408
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/02(月) 17:17:24 HOST:59-171-87-169.rev.home.ne.jp
「毎日が楽しいってことは、毎日が楽しくないってこと?」
唐突に問われた質問に、私は答えることができなかった。
毎日が楽しい。くるくると世界が回っていることを実感できる。
毎日が楽しい。苦しいこともすべて忘れることができる。
――楽しいということは、どういうこと?
「毎日が楽しいってことは、毎日が楽しくないってこと?」
純粋な少女の問いが、私の脳を侵食して、
――捕らえて逃がさない。
409
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/02(月) 17:19:53 HOST:59-171-87-169.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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アース神族最強の雷神
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:
流浪
:2010/08/02(月) 23:25:09 HOST:KD121106116096.ppp-bb.dion.ne.jp
Σ偶然って、怖すぎる。
久し振りに立ち寄った小説掲示板で発見してしまいました;;
分かって頂けると信じて、あえて名乗りません!!(バカ
決して、ストーカーじゃないですよ?偶然ですy((←
海さんの小説、読み耽ってますけどb((コメしろ
そして、毎度多くて読み切れなくて嘆くという…orz
こんな私が言える立場じゃありませんが、応援してますノン
それでは、絶対また読みに参りますw
411
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/03(火) 10:10:20 HOST:59-171-87-169.rev.home.ne.jp
流浪さん>>
もちろんわかるに決まってますよ^^*
偶然ってすごいよね!+。
マジですか!? むしろ読み漁るほどのものではないのにorz
いえいえ、適当に読んでやってください^^w
そんな大したものは一切ないのでww
応援ありがとうございます、感無量です><
また流浪さんのブログにお邪魔させていただきますvv
412
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/14(土) 18:16:27 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
「好きだよ」
とても甘い言葉なのに、どこか空虚で、中身のない言の葉だった。
その意味を深く考えなかったし、考えようともしなかった。
――ただ、いつもの笑顔が違ったということだけはわかっていた。
「好きなんだ、君のことが」
……ああ、違和感はこれだったんだ。
笑っていても、どこか中身のない、空っぽの笑顔。
(「彼」がいないから、あなたはそんなにも悲しそうなのね)
413
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/14(土) 18:18:40 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
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アース神族最強の雷神
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:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:22:44 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
【世界を愛せない青年と、世界に見放された少女】
身体が熱い。全身が炎に巻かれているかのように熱く燃えている。
震える身体を抱きしめるように両腕を回して、業火の中にかろうじて見える町を見つめた。なにもかもが炎に巻きこまれて崩れ去っていく。きれいな教会も、よく遊んだ広場も、すべてが褪せて色を失っていった。
夕食の支度をしていたら、山賊に襲撃された小さな村。
(父さん、母さん……)
あの炎の中に、父母は横たわっている。もう動くことも、やさしい笑顔を見ることもなく、ふたりは勢いづいて燃え盛る悪魔に飲みこまれていくのだ。
(身内はきっと引き取ってくれない)
それにそこまで歩いて行ける距離ではないから、着くまでに自分が生きているかさえも危うい。……それでも、生き延びなければならないのだ。
きゅっと強く唇を結んで、長い黒髪をなびかせて佇んだ少女―――ソフィー・アリアンは、行く当てもなく歩きだした。
果実をもぎって齧り、落ちている木の実を拾って食べ、木の根元で眠る。人とはかけ離れた生活を送っていたある日。……救い主はいるのだと、思った。
「そんなところで寝るな」
あきれたような声音に反して、そっと差しだされた大きな手。独りだった孤独から解放されて、ソフィーは思わずその手を掴んでいた。
――それが、世界を守っている青年ラウルとの出会いだった。
◇◇
「ラウル、各地で起こっている生態系の異常、ここに置いておくわね」
「……ああ、気が向いたときにやる」
「あのねえ……世界を守っているんだからきちんと仕事しなさい!」
優雅に窓辺に腰かけているラウルを叱責して、ソフィーはうず高く積みあげられている書類を見やった。今にも崩れ落ちそうなそれをなんとか押さえる。
「なぜ我が世界などのために動かなければならない。生態系は人間が壊したものだろう、それを我に押しつけるなんてどうかしている」
膝まで伸びる金髪を後ろに払いつつ、ラウルはどうでもいいことだと言い放つ。
「生態系のバランスを崩したのは人間だ。それに、多少なら勝手に生態系は元に戻る。誰かが横から関与する必要なんてない」
「でも、それじゃあラウルはなにをするのよ」
「……世界の均衡を保つ、ただそれだけだ」
そう言うときのラウルは、紅い瞳に敵意を滲ませて忌々しくつぶやく。彼がこの役割を快く思っていないことは最近わかってきたところだが、世界を守っているというのはとても尊いことなのではとソフィーは思う。誰もができるわけではないはずだ。
ジャラリと重苦しく鳴る宝杖を揺らし、ラウルは小さな溜息を吐く。
「世界など、人間の都合で善にも悪にも転ぶ」
――ときどき、ラウルは謎めいたことを言う。
ソフィーは世界を知らない。どんなものが広がっているのかもわからないし、どんな人が生活しているのかもわからない。もしかしたら変わった生物がいるのかもしれないし、自分が住んでいたところと同じ生物かもしれない。
(私の知らない世界を、この人は知っている)
きっと、善も悪も、その目で見てきたのだろう。柘榴石のような、その瞳で。
「……それより、ソフィー。そろそろ市場の時間じゃないか?」
「え? ……あ!」
ソフィーとラウルが住んでいる城館の下にある、栄えた街。そこで一日に一回だけ、決まった時間に行われる市場は、水揚げされたばかりの鮮魚や取れたての野菜などが並び、ソフィーにとって楽しみのひとつでもあった。
変わったものを見つけることもあり、そして人との会話も増える。生き生きしている人々を見るのは、とても気持ちがよかった。その生活を守っているのがラウルだという事実も、ソフィーの気持ちに喜びをプラスする。
「今日も新鮮な野菜や魚があったら買ってくるわね」
「ああ」
短い返事を耳に入れて、ドアを出る前にラウルと机の上の書類を見やる。するとその視線の意味に気づいてか、ラウルは盛大な溜息を吐いてしぶしぶといった具合に机へと腰かけ、嫌そうな顔で一枚の書類を手に取った。
それを確認してから、ソフィーは部屋のドアを開けた。
「行ってきます」
415
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:23:36 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◇
市場の時間とあって、街はごった返して賑やかだった。時折すれ違いざまに人にぶつかりそうになりながら、ソフィーは街を歩く。
「安いよ安いよー!」
辺りに響く濁声を聞きつつ、なにかいいものがないかと見回しながら歩いていく。ラウルの好む食材がわからないから、ソフィーはいつも迷うのだ。
「基本、なんでも食べてくれるからいいんだけど……」
出せば出したものを文句を言わずに食べてくれる。けれど好き嫌いがないというのは自分に興味がないというのと等しい。興味がないから、好き嫌いもない。
それはなんて、寂しい。
「……あ」
ふと目に入った果物。硬い殻で覆われていて中身がどうなのかはわからない。
「お嬢さん、それが気になるかい?」
「あ、はい。見たことのないものだったので……」
「滅多に取れないものなんだよ。今ここに並んでいるのも一種の奇跡さね」
「へえ……」
やさしげな印象のおばあさんに説明され、ソフィーはわずかに目を輝かせる。
「これってどう調理したらおいしくいただけますか?」
「どんな料理にも合うということらしい。炒めても茹でても、そのままでも」
そんな万能な食材がこの世に存在するものなのか。
得体の知れない果物だということも忘れ、ソフィーはそれをふたつ手に取り、笑顔で金を払ったのだった。
416
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:24:16 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◇
「……で? 見たことのないものだったけどおばあさんが説明してくれたから買ってきた? そんな理由で買ったのかお前は」
目の前に置かれたふたつの果物を嫌そうな顔で凝視しながら、ラウルはあきれ混じりに言って溜息を吐いた。その間にもそれらを凝視している。まるでなにかを探るように、どこかで見たことがあるとでも言いたげな視線で。
「だって、親切なおばあさんだったから……」
「だからといって知らないものをむやみやたらに買うものじゃない」
「そうなんだけど、でも……知らないものって試しに買ってみたいって思うじゃない?」
「思わない。残念ながら我はお前とは考えが違うんだ」
「そんなことは承知の上! とりあえずなにか作ってくる」
「……これらでか?」
「ちょっとしたもの。茶菓子……みたいな」
「あいにく、ここには紅茶などないがな」
「わかってるわよ」
変わった形のそれらふたつを抱えて、ソフィーは少し離れたキッチンへ立つ。しばらくすると心地よい調理の音が響いてきて、ラウルは椅子にもたれかかったまま書類にペンを走らせた。
世界に見放された少女が、人を信頼して買ったという。誰を頼ることもできず路頭に迷い、普通なら世界も人をも憎むのが当然だと思っていた。
そのラウルの価値観を、ソフィーは鮮やかに裏切ってみせたのだ。
「……なぜ、世界を憎まない」
小さな小さなつぶやきは、誰に聞こえることもなく空間へ溶けていく。
「憎んでいれば、壊してやることだっていとわないのに」
簡単に、壊してだってやるのに。
くしゃりと前髪を掴む。わずらわしいほどまばゆい金の髪を妬ましそうに見つめて、ラウルはちっと舌打ちした。
ふとよぎるのはソフィーの艶やかな黒髪。腰まで伸びたそれは陽の光をあびてさらに艶やかに見え、まだ幼さの残る顔立ちによく映える。
(ソフィーが金の髪のほうが似合っているな)
自分の姿を鏡に写して見たことはないが、おそらくソフィーのほうが似合っているだろうとラウルは思う。そうすれば金髪碧眼で、とても見栄えのする少女になるだろうに。
「……ラウル?」
突然呼ばれた名前にはっとしてそちらを見やる。そこにはソフィーがバスケットを抱えて立ち、心配そうに双眸が揺れていた。
「いや……なんでもない」
「そう? ならいいけど。それより茶菓子、結構早くできたと思わない?」
目の前に突きだされたバスケットの中に詰めこまれている、さまざまな形のクッキー。中にはいびつなものもあるが、それはそれで仕方ない。
「確かに早いな。あの得体の知れないもののおかげか?」
「どういうこと? ラウル、あの果物のこと知ってるのっ?」
「どこかで見たことあると思ってな、思いだした」
一度しか食べたことのないものではあったが、あの外見と中身とのギャップが激しかったものをたやすく忘れていた自分自身に腹が立つ。
「思いだしたといっても名前じゃなくてふたつ名だけどな」
「ニックネームみたいな?」
「そうだな、通称それは『神の果物』だ」
「神様の……?」
「神が食べると言われているものだ。外見にそぐわず、中身は甘美。明らかに神が好むようなものじゃないか」
神なんているのかと聞かれれば、知らないと答えるが。
「だからこれも甘い」
ひとつのクッキーをつまんで口に運ぶ。入れた瞬間広がる甘みに少々むせそうになるのを必死で抑え、なんとか飲みこむ。
「おいしい?」
「……甘いがな」
はあ、と溜息を吐いて、ずっと気になっていた疑問を投げかけた。
「――なぜお前は、世界を憎まない?」
問いかければ、なにを言うのだとばかりに首がかしげられる。
「お前は世界に見捨てられたのと同じだ。両親を殺され、親戚を頼ることもできず、誰かが助けてくれたわけでもない。普通だったら悲観的になるものだろう?」
「それは……」
「お前さえ望めば、たやすく世界を壊してやるのに」
驚きに、青藍色の瞳が見開かれる。そして彼女は―――微笑んだ。
「でも、世界は悲しいことにあふれているわけじゃない。悲しいことがあれば、楽しいことがもっと楽しくなる。母さんは、苦痛はスパイスだって言ってた」
「…………」
「つらいことがあっても、そのあとに楽しいことが来るって信じてるから。だから、世界を憎まないで生きていける。それにラウルは私のことを助けてくれたわ、全員に見放されただなんて思ってない」
「……お前は、お人よしだな」
「ラウルがそう言うなら、きっとそうでしょうね」
朗らかにソフィーは笑う。
いつか、世界を憎まずにいられる日が来るのだろうか。誇りをもって今の自分の役をまっとうできる日が。
やさしく笑うソフィーを見て、ラウルはそう思わずにはいられなかった。
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:26:17 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/06(月) 16:23:34 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
【優声】
「ねえ、マスター」
「ん? どうしたんだい、リリー」
触り心地のいいふわふわのテディベアを抱きしめ、金の巻き毛を揺らしたリリーはてくてくと彼の元へと歩いていく。その間マスターと呼ばれた男は、青白く光るパソコンのディスプレイとにらめっこしていた。カタカタとキーボードを打つ手、真剣そのものの顔、すべてリリーが見てきた彼の姿だ。
そして、春風のような穏やかな声。
すんなりと身体を抜けていくその声が、リリーはとても好きだった。
「マスター、今……忙しい?」
「うーん? でもすぐ終わらせないといけないことでもないし、リリーと話す時間くらいはあるよ」
「本当? そしたら絵本っ、絵本読んでっ」
「リリーはその絵本好きだなあ」
テディベアとの間に挟んでいた古ぼけた絵本を取りだし、リリーは定位置である男の膝の上にちょこんと座る。踏みそうになる巻き毛は男がそっと掬ってくれる。それがわかっているからリリーは安心して定位置に居座ることができるのだ。
「じゃあ――」
やさしく紡がれた音に目を閉じて、リリーは心地よさにうっとりと酔いしれる。
この音は、自分の世界を壊さない。
壊さずに、新しい音を加えてくれる。煩わしさのない、とてもたおやかな。
身体があたたかくなることの意味を知らず、少女は与えられるものを享受するのだった。
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/06(月) 16:24:46 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/13(月) 15:55:04 HOST:61-24-233-23.rev.home.ne.jp
【無言、それでも大切な】
太陽が地平線へ姿を隠そうという時刻。夕暮れ特有の淡いオレンジの光が辺りの建物を照らし、空にはぽつりぽつりと黒い点が見え、それらはどこか遠くへと飛んでいった。
まだ夏の暑さが残っているからか、夕方になっても涼しくなることはなく、少し歩いただけでワイシャツに汗が滲んでしまう。帰ったら真っ先にシャワーを浴びようと思いつつ、少女は隣を歩く青年を見あげた。
自分より頭ひとつ分高い身長、ワイシャツの中に着ている赤いTシャツは袖と裾から思いきりはみ出ていて、視線を下へとずらせば七部長けにまくられたズボンが目に入る。そしていつもつけられている左手首の青いリストバンド。ちらりと顔を見れば、その顔は無表情だった。
(それもいつものことだけど)
学校にいるときは友人と楽しく談話している姿をよく見かける。男女関係なく話しているから、おそらく女性が嫌いとかそういうわけではないのだと思う。
(もし嫌いだったら、こうして一緒に帰ってくれることだってないはずだし、それに……)
思ってから羞恥に頬を染める。彼は前を見ているから真っ赤な顔を見られる心配はないが、先ほどからすれ違う人に不可思議な視線を送られているのはきっと気のせいではない。
(無言で歩いているからだよね、多分)
なにか話題でも見つけて話しかけられればいいのだが、共通の話題が見つからない。クラスはもちろんのこと、取っている教科も違い、部活や委員会が同じわけでもない。どれかひとつでも当てはまるものがあれば、そこから話を膨らませていくことはたやすいのに、見つからないのだからどうしようもない。
(それに「恋人」になっても前とほとんど関係は変わらないし……)
恋人になる前も、適度に話している関係だった。本来ならばまったく接点のない間柄なのだが、自分の友人が彼と同じ中学でよく話していたこともあって、廊下ですれ違ったりすると友人が彼を引きとめ話すことで必然的にかかわりを持つようになった。そのときも彼は感情を表情に出していたはずだ。
それくらいの接点だったから、特にこれといって意識することはなかったし、友人が話しかけていたからてっきり彼女が彼を好きなのだと思っていた。けれどそれを言ったら「中学のよしみ! それにあいつ、なんだかんだで頼りがいあるんだよー?」なんて笑顔で言われてしまい、勘違いをしていた自分を恥じたものだ。
それ以来、友人が彼を誘って三人で出かけることが増え、時折彼の友人も交えて四人で出かけたりと、傍から見ればダブルデートならぬものをしていることに気づいたのはつい最近になってからだ。そのときは意識もしていなかったし、付き合いのいい男友達の認識だけだったから、今になって思い返すと穴に入ってしまいたいくらい恥ずかしい。
付き合い始めたきっかけを思いだそうとしたところで、前を向きっぱなしだった彼がこちらを向く。
「あのさ……」
「?」
遠慮がちにかけられた言葉に首をかしげて応答すると、意を決したように彼が口を開いた。
「俺誰かと付き合うの初めてで、なにをどうすればいいのかとか、話の話題とか振れないからさ……。学校で話しているのは回りがフォローしてくれる安心感があるからで、ふたりきりだとどうもいつもの調子が出なくて……」
「あ……」
それは自分にも言えることだ。
学校だったらなにか自分が間違ったことを言っても周りが突っ込んでくれたりして、自然と話が盛りあがる。けれどふたりだとその盛りあがりにも欠け、ギクシャクしてしまう関係を隠すことはできない。
「それにお互い共通の話題もないしさ、お互いに……話しかけづらいよな」
苦笑混じりに彼が言う。こちらからでは細かい表情が逆行になってしまって見えないが、おそらく苦い顔をしているのだと思う。
(同じことを、考えていた?)
同じように、思って悩んでいたのだろうか。
そう考えると、自然にこぼれてしまう笑みをどうすることもできない。同じことで悩んでいただなんて、なんだかとてもくすぐったくて……それでいてなぜか嬉しい。
「え、俺なにかおかしなこと言った……?」
「違うの、そうじゃなくて……私も、同じことを思っていたから」
きっかけがあれば話せるのに、と。
「……なんだ、じゃあ別に俺が悪いわけじゃないのか」
安堵の溜息を吐いて、彼は小さく笑った。その表情が夕日に照らされて一層際立ってやさしく見えた。
「そうだ、暑いからアイス食べていかない? 近くにアイス売ってる店あるしさ」
「うん、帰りにアイス食べていくなんて、高校生の特権って感じがする」
「言われてみればそうかも。なら、さ」
右手をぎゅっと掴まれる。
「早く食べに行こう」
学校で見たことのある無邪気な笑顔を見つめて、少女もまた笑顔で大きく頷いた。
421
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/13(月) 15:56:03 HOST:61-24-233-23.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
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:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/02(土) 10:42:43 HOST:61-24-253-231.rev.home.ne.jp
【あなたがやさしいからいけないのよ】
「おかえり」
「うん。……ただいま」
キイ、とどこか耳障りな音をたてる扉を開けると、そこにはいつもの長身のシルエットがあった。袖に小ぶりのフリルのついたシルクのワイシャツを胸元まで肌蹴させ、明らかに寝起きだとわかる跳ねた黒髪、そしていまだ夢の中を彷徨っているのではないかと思わせるダークバイオレットの瞳。
「なにも人間にされなかったかい?」
「されなかった。それにされるもなにも、ただ街へ出かけていただけ。買い物ついでに行っていたの、私の記憶が正しければあなたはそれを許可してくれたはずだけど?」
「そうだね、許可した。でも僕は君が人間なんていう低脳で無知で愚かなやつに傷つけられることを許可した覚えはないよ。傷つけられたら僕が代わりに殺してあげる」
紳士のごとく穏やかな笑みをたたえながら、目の前の男は物騒なことをさらりと言いのける。物騒だと思っているのはこちらだけで、当の本人にとっては物騒なことでもなんでもないのだということを、時折忘れることがある。
そんな言葉に不覚にも嬉しいと思ってしまう自分がいることは紛れもない事実で、思わず心の中で頭を振った。
(この男がやさしいからいけないのよ)
なににおいてもやさしすぎるからだ。「吸血鬼」という大層な種族のくせに、人間を誰彼かまわず貪るだけの種族のくせに、なぜか彼の瞳は―――いつも、あたたかい。
燃え盛る炎とは違った熱さ、灼熱の大地のものでもなく、アルコールランプが燃えているときの静けさでもない。一言で説明できない瞳の、その奥にある真相を知りたいと思った。
「ねえ」
「ん?」
「どうして、私を拾ってくれたの?」
吸血鬼なら血を吸い取ってくれてよかったのに。腹の足しにでもすればよかったのに。
そう言うと世界で一番やさしい吸血鬼は、尖った八重歯を覗かせて秀麗に微笑んでみせた。
「君が、とても寂しそうだったから。そして、僕のことを怖がらずにいてくれたから」
423
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/02(土) 10:43:47 HOST:61-24-253-231.rev.home.ne.jp
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煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/12(火) 22:40:29 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
ああ、さようなら―――。
私(わたくし)の、いとしきご主人様(マイロード)。
___________
ハロウィンが近づいておりますゆえ、なにかハロウィン関係のものを創作しようかと模索中です。
なにかいいアイデアがありましたらお申し付けくださいませ。
自分の拙作でよろしければ喜んで創作させていただきます。
425
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/14(木) 17:31:39 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【二種類の子供】
「世の中の子供にはね、二種類いるんだ」
穏やかな声が、ゆっくりと言葉を紡ぐ。さらさらとペンを走らせ、目はまっすぐに一枚の紙へ注がれていた。
その横顔を見ながら、ひとりの女生徒は「へえ」とつぶやく。
「どんな子供だと思う?」
「え? うーん……お金持ち、とか」
「そうだね、それもひとつだ」
この人はまれに、理解しがたいことを言う。
相手を考えさせるような、もしくは道化師のように惑わすような。
『考える』ことから逃れられない迷宮(ラビリンス)へと、落とされる。
「……先生の思う、二種類の子供って?」
知りたいと、思ってしまう。
すると彼はどこか悲しげに微笑んで、
「戦争を知らない子供と、平和を知らない子供だよ」
それが大きな差であることが、君にわかるかい?
426
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/14(木) 17:32:40 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/17(日) 15:48:04 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【モノクロームの世界】
「今は写真もカラーだから、瞬間を鮮明に思いだせるのがいいよなあ」
家族旅行で出かけた先で撮った写真を見て、父は唐突につぶやいた。父が見ている写真は、母と私と妹が遠距離法を利用して遊び心でやったものだ。母の手のひらに私と妹が乗っている写真。
「そうよねえ、昔はカラーじゃなかったものね」
「ビデオなんて高性能なものもなかったしなあ。そう考えると、進化しているんだなあ文明は」
「どんどん便利になっていくわよねえ」
しみじみと会話を続ける両親を横目に、私は小学生の妹とテレビを観ている。写真がカラーではなくモノクロであった時代を平成生まれの私は知らないが、教科書等で見たことは何度かあった。
戦時中の写真、公害問題が起こったときの市民の暴動、偉人の写真。明治の写真は教科書でもモノクロで写っていたから、それらの写真はモノクロで脳裏にインプットされている。
私は、モノクロ写真もいいものだと思う。
カラーとはまた違った世界が一枚の中に凝縮されているように感じられて、どこか懐かしさを漂わせる。その時代を生きてきたわけでもないのにだ。
そう考えると、モノクロ写真にはなにか不思議な力があるのだろうかとも思えてしまう。
「カラーじゃないって、どういうこと?」
ふと、妹が言葉を発す。
「写真は昔、カラーじゃなかったの?」
純粋な少女の問いに、父は鷹揚に頷いてみせた。
「そうだよ。昔は色なんてついていない写真だったんだ。黒か白か、濃いか薄いか」
「それもそれで味があっていいんだけどねえ。今じゃもう、カラーが主流になってしまったけれど」
「それって……」
妹が、首をかしげて問う。
「昔は、白黒しかない世界だったってこと?」
(――え?)
「写真が白黒に写るってことは、世界が白黒だけだったってことなの?」
両親も私も、思わず言葉を失った。
私たちからすれば「当たり前」のことでも、妹にとっては「不可思議なこと」だったのだ。
___________
「当たり前」のことを疑わなくなること。
そうなってしまったら、人間は「疑問」という文字を忘れるのでしょう。
428
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海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/17(日) 15:51:05 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
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煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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:
友里名
:2010/10/17(日) 19:57:13 HOST:KHP059134125043.ppp-bb.dion.ne.jp
初めまして!友里名です。
入らしてもらいます。
皆様、よろしくお願いいたします。(初めてです。)
430
:
友里名
:2010/10/17(日) 20:25:21 HOST:KHP059134125043.ppp-bb.dion.ne.jp
『miracle』
ある、春のことでした___
私の名前は、宝来 優希愛(ホウライ ユキア)ブスで馬鹿で運動のできない
ただのヘタレ。でも、特意なことは、誰でも仲良くなること、これだけ
だけど。年齢は、12歳小学6年生。
こんな私は、いつものように、宿題を忘れて、怒られて、居残り。
どうせ…と思いながら、今年もやって行こうと思う。
でも、1つだけ気に食わないことがある。
それは____
優「はぁ〜〜!?また〜!また、アイツと同じクラス!!ふざけんなっつ
ーの!も〜ぅ」
?「どうしたの?優希愛、もしかして…また、真辺と同じクラスにな
ったの??^^」この、いかにも、ボケてそうな子。この子は、私の親
友である。名前は、宮野 楓(ミヤノ カエデ)。学校では、けっこうな秀
才。
優「ちょっと!楓〜人事だと思って〜!?まったく…」私は、ため息
をした。だって、あいつは…悪魔同然である!女子のことを馬鹿呼ばわ
りするし、でも頭がよくて、運動神経抜群。なんか、すっごい悔しい!
勝てることと言ったら、身長と体の柔らかさ。はぁ〜でも、かかわんな
きゃいいのよ!でも、かかわってしまう。まぁ、いいや!今年も頑張ろ
う!?
楓「(本当にここまでクラスが一緒だと運命みたい。さぁ、真辺は、こ
の子をどう変えてくれるのかしら?あんなにも、人としゃべらなかった
、ユキアを変えてくれた。次は、この子をどう変えてくれるのかな?showt
imeの始まりね。私も、この子に力を貸さなきゃ。miracleを起こさせる
努力をね。さぁ、これからが、楽しみだわ。)」
そう、楓が思った後、桜が囁くように、桜の木が一斉に揺れたのだった
____
優「か〜え〜で〜!行くよ!!早く〜!?」
楓「あ、うん。待って!」
続く
431
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/24(日) 14:59:52 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【紅葉舞い散るころに】
ざあっと強い風が吹き抜けていく。同時に木からはがれた無数の紅葉が、秋空の中を踊りながら舞い落ちていった。
――その木の上に座りこむ、ひとりの青年。
長くたなびく銀髪、双方の瞳に宿る青藍色はどこか懐かしみを帯びて穏やかに光り、緩められた着物は舞い散る紅葉の色に淡く染まっていた。そしてほかの人と違う決定的な証拠である、頭からはえた狐の耳。それはやわらかそうで、そっと吹きつける風に揺れていた。
青年が、紅葉を一枚手に取る。
真っ白な磁器のように見える手と、燃えるように紅い紅葉が対となり、美しい造形をつくりあげていた。ふと手のひらに葉を乗せた青年は、ふうっとかすかに息を吹きかける。そうしてその葉は逆らうことなく地面へと落ちていった。
その様子を見届けてから、青年はとんっと軽やかに地面へと降りたつ。相当高い木から降りたというのに、涼しい顔で怪我ひとつなく、かといって揺らぐわけでもなく。彼が人間離れしているということが安易に理解できる。
「ああ、ここは変わらないんだな……」
彼は小さくつぶやいて、さくさくと音を鳴らしながら歩き始める。目的はただひとつなのだと言わんばかりにはっきりとした歩みで。
「巫女様は……もう、代替わりしたのか……?」
ひっそりとたたずむ社を彼は複雑な表情で見つめる。先ほどまで浮かんでいた懐かしみの色は影を潜め、代わりに浮かびあがるのはなんとも言えぬ色。そして瞳を鋭くすがめて社の前を箒で掃いている女性を見つめ、今度はゆっくりとそちらへ歩き始めた。
――ふたつの視線が絡みあうのは、数秒後。
____________
「我は社を見守る者」
――彼は紅葉が舞い散ると同時に、現れる。
432
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/24(日) 15:24:01 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
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>>368
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>>408
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>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
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無言、それでも大切な
>>420
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
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幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
433
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/13(土) 12:33:47 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
「おはよう」
と言うことが簡単なように、
「さようなら」
も簡単に言えればいいのに。
___________
それはただ、私が弱虫なだけ。
434
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/13(土) 12:35:58 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ】
「暇だ」
「…………」
「暇なんだ」
「……ならその前にある書物を読んでいたらどうだ。暇ではなくなるぞ」
「ええっ! ジャック、それは俺に勉強しろって言ってるのか!?」
「それ以外になにがある」
「うわー、相変わらずひどいよなー」
「…………」
無言で椅子に寄りかかり書物を読むジャックの隣で、ブライトは暇だと何度も繰り返す。ジャックの言うとおり彼の目の前には書物が積み重なっており、いつか崩れてしまうのではないかと不安になってしまうほど高く積みあげられている。
机にうつぶせになりその山をちらりと見やったブライトが盛大な溜息を吐いた。
「溜息をつきたいのはこっちだ。ブライト、お前いい加減にレポート提出しないとリリューシュ教授から鉄拳食らうぞ」
「ははっ、その前に逃げてやるさ。第一、なんで魔法についてのレポートなんて書かないといけないんだよ? しかも魔法を使って書いたらリリューシュ教授はあっさりと見破るし……俺たち魔法使いなんだから、魔法を使ったっていいだろ?」
「…………」
「なのに手書きで絶対提出だなんて、溜息したくもなるさ」
いまだ書物に手をつけようともしないブライトを尻目に、ジャックはすらすらとペンを走らせていく。灰色がかった銀髪から覗くアクアマリン蒼石の瞳はまっすぐに紙へと注がれていた。
無言でいるジャックをじっと見つめていたブライトだったが、その作業を中断する様子がないことを確認すると自らも仕方なしといった具合に書物へと手を伸ばす。それに一瞬目をみはったジャックは、すぐに何事もなかったかのように元の作業へと戻った。
――そうして、何時間が経過したのだろうか。
ずっと同じ姿勢でいたジャックは小さく伸びをし、書物の壁の向こう側に心地よさそうに眠っているブライトの姿を見つけ、あからさまに大きな溜息をつく。
(あいつは……書物を読んでいたんじゃないのか)
少なくともちらりと見やったときには書物を手にしていたのだから、読んでいたものだと思いたい。机を横切りブライトをとんとんと軽く叩いてみる。すると彼は反射的に大声をあげて飛び起きた。
「うるさい」
「うわあぁぁ! いや、ちゃんと読んでたからな? きちんとレポートのために読んだからな書物!」
「わかった、わかったから大声をあげるな。耳が痛い」
「まさかジャックが起きてるなんて思わなかった……お前が起きる前にレポートを仕上げようと思ってたからさ」
「……なにについて書いたんだ?」
ジャックの問いかけに、ブライトは淡く微笑んでみせた。
「秘密」
そのときまで。
ブライトの笑みに先ほどと違うものを感じ、ジャックは彼を問い詰めようと口を開く。それを待たず、ブライトはレポートと書物を小脇に抱えて走り去った。突然の出来事に呆然と立ちすくむジャックに、離れたところからブライトの声が反響して響いてくる。
「レポートって、確か早く出して合格をもらったら金貨がもらえるんだよなー?」
「! あいつっ……」
「ほら早く追いかけてこないと俺が金貨もらうからなー! まあ、ジャックがそれでもいいって言うんなら俺は構わないけどー!」
「……っ、いいわけないだろう!」
リリューシュ教授の私室は東の尖塔の最上階。今から走っていくのには距離がある。
そうだとわかっていても、ブライトを追いかけなければならなかった。
「お前っ、俺の読んでいた書物も持っているだろう!」
問えば、返ってくる笑い声。
これはもう追いかけるしかないようだと、ジャックもまた走りだした。
_________
ブログにて友人絵師さんに挿絵を描いていただきました。
興味がある方はこちら⇒「ttp://leems0707.blog12.fc2.com/blog-entry-46.html#more」
435
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/13(土) 12:38:42 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
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>>196
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>>199
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>>200
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>>202
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>>362
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>>368
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>>404
、
>>408
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>>433
○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
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天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
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ひまわり
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世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
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無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
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○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
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>>427
紅葉舞い散るころに
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
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●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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幸せ満月
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アース神族最強の雷神
>>323
436
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/26(金) 14:37:21 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
この小説掲示板のスレ放棄があまりにもひどいぞ……。
皆さん、小説を書くのであればせめて50は超えましょう……! 立てて一桁で放棄するなんてあんまりですよorz
長編が書ききれる自信がないと思ったら、短編も交えて書いていってはいかがでしょうか?
息抜きという形で書くのもよし、自分みたいにもう短編メインでもよし!
せっかく立てたスレです。末永く大切に使用してくださいませ。
そしてこの掲示板では感想・意見交換が少ないのではないかと。
感想をもらえれば執筆意欲も湧きあがるでしょうし、同じ物書き同士、感想を書いてみてはいかがでしょう?
そこから新しい輪が広がっていくかもしれません。
誰かが始めないと動かないということは承知しているので、自分、今日から感想を書いてみようかなあと。
今までこれ見よがしに読み逃げを行っていたのですが、執筆者さんと交流をもてるのなら飛んで行きます。
自分と同じ考えを持っている方がいたら嬉しいなあと感じる今日この頃です。
437
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/11/27(土) 13:20:47 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
コメントするの久しぶりだね(汗)
なかなか来れんでごめんなさいorz これからはちょくちょく(来れたら)来ますゞ
>>436
確かにそうだよねー。放置ならまだしも放棄スレは結構あるよね……;
自分もスレ放棄しちゃってるから何とも言えないけど、1話だけ書いて終わり、とかスレ立てて終わり、とか目立つよね(泣)
立てて満足しちゃうのかね? ただ単に時間がないとか事情があるのなら一言書いていけばいいのにね><
確かに交流が増えれば小説を書かなくても、コメントの返事をするために掲示板を利用するだろうし。
だからって交流だけの掲示板になったら「小説掲示板」にならないんだけどね……。
低年齢化(自分も結構低年齢から利用してるけどorz)もあるけど、せめてものルールもわかってほしいし。
とりあえず時間がないから私自身実行には移せそうにはないです; ごめんね(・ω・`)
海の小説も、この掲示板の活性化もひそかに楽しみにしてます←
438
:
海@削除人
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/28(日) 18:11:39 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
誄>>
俺も最近来たり来なかったりが激しいから大丈夫だよ^^
ははっ、俺も前は放置してたしなあ……でも今はここまで生き残ってますが←
400超えたってよくやったよ自分……(感涙
みんなも感想くれたりして、なんだかんだ活性化してたと思われますよ^^
あ、その事情書くやつはぜひしてもらいたいかも;
交流だけの掲示板でも使用してくれるなら俺は嬉しいかも←
放置や放棄よりはぜんぜんいいしねb
低年齢化はここだけに限らずいろんなところで進行しているらしいでし(・ω・`)
やっぱりネットの普及は一種あると思われ。
まあでも、パソコンできなかったら就職できないのが今の社会の現状だしなあ……悪いことじゃないんだが。
誄が多忙なのは理解してるから大丈夫だよー^^
俺の小説を楽しみにする、だと……!? 恐れ多いようわああああ!←
でも誄に楽しみにしてるよって言われるとやる気のバロメーターが右上がりします!(笑
活性化したら嬉しいよね!^^*
439
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/29(月) 13:13:09 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
まだ先だなんて言ってると、その日はやってくる。
そして嵐のように、過ぎていく。
【クリスマス、一歩手前】
特に理由なく街中を歩いていると、まばゆいイルミネーションに目が眩んだ。あんなにきらびやかにする必要はないのではないかと思ってしまうほど、ショーウインドウから街路樹、はては入り口の置物までがきらきらと輝いている。
クリスマスシーズンが近づくと必ずこういった景色になるこの街は、普段の落ちついた雰囲気から一転、騒々しいように感じてしまう。あの静かな雰囲気が好きなのにと思いつつ、すれ違う恋人同士の会話に苦笑して―――ふと、足をとめた。
赤や緑といったクリスマスカラーで飾られたショーウインドウ。そこに鎮座しているあたたかそうなマフラーを見やって、いつも手をこすりあわせている少女の顔が思い浮かんだ。
思わず、口元を手で覆う。
「別に好きだからとかじゃなくて……いつも寒そうだなって思っただけで」
誰に言うわけでもなく、ぼそりとつぶやく。
「マフラーあげたらあんなに寒そうにすることはなくなるよな」
寒いのなら防寒具を身につけてくればいいのにと、何度思ったことか。言おうとして言葉が喉に詰まって、結局そのまま言えずに終わって。
「…………」
言えない代わりにあげたら、彼女はどんな顔をするのだろう。
(笑ってくれたら、いい)
ショーウインドウの前に立ち尽くしていた青年は、店の中へと足を踏み入れた。
―――――――
この季節はクリスマスシーズンですよね。リア充めww
空野は恋人いないのでクリスマスは家族で過ごします。アメリカン。
皆さんのクリスマスの過ごし方気になります(・ω・*)
440
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/29(月) 13:15:32 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
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神話
>>244
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>>328
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>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
、
>>433
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
クリスマス、一歩手前
>>439
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
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441
:
李得実
:2010/11/30(火) 22:08:55 HOST:EM114-51-54-162.pool.e-mobile.ne.jp
「本日宣言します!〜」=“万国万民主権者側の“普遍的受益群の奪還へ向けた言動群の継続宣言などを!〜 2010.11・30(火曜)大阪
その“万国万民主権者側の“普遍的受益群の太枠の定義や目的などとは、以下の通りです!〜
“李得実(“万国万民愛奪還)主義は=“銀河系をも越えていく…
“原始からの→“現在→“半永久的に継続中の“大自然太陽法の“大恩恵群に沿い、そこからもたらされ続けている、“万国万民側への贈与物群(“地球天然資源群=“ウランや〜“金や〜“プラチナや〜“白金や、“メタンハイグレードや、“携帯電話の電池資源や、安価部類の“石油や“ガスなどや、「あらゆる“地球天然資源群」に含まれており、さらには“地熱や〜“風力や〜“海流や〜“海水内の資源群やオゾン層などの超膨大なる資源群や、超莫大なる“エネルギー群などなどを合計すれば、超莫大なる“地球天然資源群であり、これらすべては“大自然太陽法の“大恩恵群そのものである。その“万国万民側の普遍的な受益物であり、誰にも侵されてはならない“普遍的受益権利群です!…
約750年以前の“マルコポーロたちも確認している「“ジバング=黄金や銀や亜鉛などの保有大国日本」の意味といわれているように、日本列島には太古より「世界最大級の“地球天然資源群」が保有&再生産中(マグマ活動群や自然活動群などにより)である=※かかる地球天然資源群は=推定額・約十数万兆円分以上〜☆1家に5千万円分以上を返還しても充分に余裕がある〜☆これらすべてが、“大自然太陽法の“大恩恵群による“万国万民側の普遍的な受益権利群の一部です!〜
“先進技術大国の“日本体制側は、すでに、同資源群の回収技術群も保持しており、なおさらに、そのかかる“資源群の“万国万民主権者側への返還への責任と義務は多大である〜
“国家体制や、あらゆる体制や〜権力体や〜組織体といえども、侵す(強奪や詐取など)権利など保持などしていないにもかかわらず、この“万国万民側の普遍的受益権利群を、なんらの正当性も権利もなく踏みにじり、強奪&詐取&支配&抑圧群を継続中であり、“超不当極まる““超蛮行であり、とうてい許せるものではないことを確認し、かかる“抗議群と、かかる“万国万民主権群の“奪還へ向けた“非暴力革命への言動群の再継続を“万国万民側へ再宣言をするものです!〜
かかる、地球天然資源群を万民主権者側へ返還できなければ、すでに、「“国家体制=地方と中央政府とその“三権(立法&行政&司法)制度」側としての資格も理由も存在していないことを再証明していることになり、この愚劣極まる“日本体制とは=血税群などを主食にしている“公僕に過ぎず“公僕以上でも“公僕以下でもない、“万民主権者側への“公僕奉仕体に過ぎないことを再確認すべきです!〜あきらかに、“公僕義務違反群体に堕落腐敗群したままです!=
☆かかる“普遍的受益権利群に目覚めた“万国万民主権者側からの、参加や茶話交流や〜交信や支援などを希求するものです!〜
☆“日本体制側によって、侵害&剥奪など継続中であるが、分割的でも回復時には、“万国万民側に平和権と〜幸福権と〜繁栄権が奪還復興できることも、“大自然太陽法の“大恩恵に沿い必然です!〜“万国万民側は自信をもってこの、このかかる“正当権利群=“万国万民裕福&幸福権の奪還言動群を実行しましょう!〜
☆「本日、再宣言しました!〜」=“万国万民主権者側の“普遍的受益群の奪還へ向けた言動群の継続宣言などを以上の通りに… 2010.11・30(火曜)大阪
※全文例外を含む。 ☆「“巨悪巨罪群の告発センター」村長。 ☆「“万国万民による“万国不可侵条約の加入の実現の会」など〜
“大自然太陽法に沿い、非暴力による「“おとなしい“万国の“万民平和革命主義(“反巨悪巨罪主義」の思想言動者の・李 得実 ☆万国万民との茶話交流を!〜
“体制側と強く係わっている“体制利権屋グループ賊らは、ろくでもない野蛮人種であることが多い?〜尊敬に値するようなまともな人種では、まともには勤まらない巣窟が、“公僕に過ぎない「“日本体制賊=地方と中央政府とその“三権(立法&行政&司法)制度賊側の各利権権力職場」=「“巨悪巨罪群センター」=「“公僕放棄と“公僕義務違反賊」=「“公僕墓場賊に過ぎない?〜」、“日本体制とは=“未来永劫に残すべき、全銀河系にも存在すらも許されない、野蛮人類賊への反省と教訓用の「銀河系“地球博物館」になる運命でしょう!?〜
“李得実(“万国万民愛奪還)主義は=“銀河系をも越えていく…
442
:
李得実
:2010/11/30(火) 22:10:37 HOST:EM114-51-54-162.pool.e-mobile.ne.jp
☆“日本体制側によって、侵害&剥奪など継続中であるが、分割的でも回復時には、“万国万民側に平和権と〜幸福権と〜繁栄権が奪還復興できることも、“大自然太陽法の“大恩恵に沿い必然です!〜“万国万民側は自信をもってこの、このかかる“正当権利群=“万国万民裕福&幸福権の奪還言動群を実行しましょう!〜
☆「本日、再宣言しました!〜」=“万国万民主権者側の“普遍的受益群の奪還へ向けた言動群の継続宣言などを以上の通りに… 2010.11・30(火曜)大阪
※全文例外を含む。 ☆「“巨悪巨罪群の告発センター」村長。 ☆「“万国万民による“万国不可侵条約の加入の実現の会」など〜
“大自然太陽法に沿い、非暴力による「“おとなしい“万国の“万民平和革命主義(“反巨悪巨罪主義」の思想言動者の・李 得実 ☆万国万民との茶話交流を!〜
91555723090 pj,ne.omocod@atarumirir pj,oc.oohayg@3atarumir
逆読みを〜
“体制側と強く係わっている“体制利権屋グループ賊らは、ろくでもない野蛮人種であることが多い?〜尊敬に値するようなまともな人種では、まともには勤まらない巣窟が、“公僕に過ぎない「“日本体制賊=地方と中央政府とその“三権(立法&行政&司法)制度賊側の各利権権力職場」=「“巨悪巨罪群センター」=「“公僕放棄と“公僕義務違反賊」=「“公僕墓場賊に過ぎない?〜」、“日本体制とは=“未来永劫に残すべき、全銀河系にも存在すらも許されない、野蛮人類賊への反省と教訓用の「銀河系“地球博物館」になる運命でしょう!?〜
“李得実(“万国万民愛奪還)主義は=“銀河系をも越えていく…
443
:
李得実
:2010/12/01(水) 18:09:53 HOST:EM114-51-150-120.pool.e-mobile.ne.jp
“警察や〜“検察や〜“裁判所や〜“各体制役所側の裏金問題を最近になってから、ようやく“告発者(“ヒーロー=“体制側のスパイ手先か?)が現れて、少しずつ問題視と報道などされるようになってはいるが、あまりの“体制の“巨悪巨罪センター側への不満群をつのらせている“万民被害者側をあざむくために“本丸は隠ぺいして“小ガス抜きだけの可能性がある?…、「“日本体制の“巨悪巨罪センター」側の常とう手段だ?〜、※“子供だましの“数万分の1程度の告発に過ぎないともいえる?〜
「“日本体制側の“巨悪巨罪群センター」ぶりは、暗殺群なども乱発し、すでに世界的にも有名で、古くから取りざたされており、“裏金群程度ではなく、凄まじい「“体制の“巨悪巨罪群センター」=“本丸(巨悪巣窟)は、“告発ヒーローたちもその取り巻き連も結束して避け続けている?〜、
“数粒か数滴程度の告発だけでは、“やらないよりましな程度との非難群は、恐らくは、さけられないでしょう?!〜“超根腐れ状態により内部崩壊して“体制巨悪巣窟=“本丸もやがて明らかになること必然のよう?、“体制手先スパイ告発者らとは、まったく別次元で明らかになりそう?〜、
※全文例外を含む。 ☆「“巨悪巨罪群の告発センター」村長。 ☆「“万国万民による“万国不可侵条約の加入の実現の会」など〜
“大自然太陽法に沿い、非暴力による「“おとなしい“万国の“万民平和革命主義(“反巨悪巨罪主義」の思想言動者の・李 得実 ☆万国万民との茶話交流を!〜
91555723090 pj,ne.omocod@atarumirir pj,oc.oohay@3atarumir
※逆読みを〜連絡先。
444
:
名無しさん
:2010/12/03(金) 20:32:12 HOST:30.140.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
私の今の時間帯ではこんばんは。
「無題という名の短編集」の管理者です。以前は私のスレッドの方にコメント下さり大変有難う御座います^^*
ついでに未だ名前は無いので、どうぞ名無しさんとでもクズとでも好きにお呼び下さい(待
其れと最新作(クリスマス、一歩手前)だけですが小説拝見させて頂きました。
文章の書き方がとても上手ですね+長いのに、無駄が無く心理描写や行動描写が分かり易く其れに内容がちゃんとしっかりとしていて、とても読み易いなぁと思いました。
私はついつい文章に無駄が入ってしまいがちなので…、憧れます。
今度また別の小説も拝見させて頂こうかと思います。
では今回の所は此れにて、
また縁が有りましたら。
445
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/12/11(土) 17:12:33 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
まぁ何にせよ、ルール熟読とある程度の常識をお願いしたいよねorz
掲示板利用者の1人1人がもっと意識を高めれば絶対に掲示板って活性化すると思うし+。
低年齢化…やっぱ結構進んでるんだねー(汗)
学園アリスのほうも最近全然知らない人多くて敷居が高く感じる←
スレもたくさん立ってていい事なんだけど、全然知らない世界って感じで恐ろしいわ(笑)
多忙ですが顔を出します!><
12月…1月…、なんか一番多忙な季節な気がするけど←
「クリスマス、一歩手前」読んだーっw
プレゼントされた女の子はきっと笑ってくれるだろうなぁって思いますvv
こんな風に温かく想われてるって幸せだなぁ(´`*
446
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/12/15(水) 10:52:20 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
>>444
さん>>
こんにちは! お返事が遅くなり申し訳ありません;
それでは名前が決定する日をわくわくしながら待っていますねv
Σ小説を読んでくださったなんてありがとうございます!(;ω;)
まさか文章を褒めていただけるとは思わず…! 読みやすいと言われることがなによりの糧です。
なるべく無駄を減らすように心がけてはいるので、そこを見ていただけていたとは(感涙
ΣΣ憧れるだなんて滅相もございませんっ!;
稚拙な文章ばかりが並びますが、お暇つぶしにでも読んでくださったなら幸いです^^*
自分もまたお邪魔させていただきますねv
コメントありがとうございました!
誄>>
ネットが普及しているから仕方ないけどねb
学アリのほうは俺も感じたww 知り合いが数名しかいないというww
自分のスレくらいしか顔出せなくなったぜよ(・ω・`)
学アリに小説スレが増えてきてどうすればいいのか困る今日この頃←
俺も多忙だけど年賀状書かないと…!
学校でも書かないと間に合わないんじゃないかと思い始めた危ない((
女の子バージョンも書こうとしたけどずるずると今に至る←
書こうとするけどやる気というかバロメーターがあがらないという、どうすればいいのかねこれ((
自分にしてはまともな恋愛ものだと思われます…! いや本当w
447
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/12/19(日) 10:08:19 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
知り合い少なくなったよね、学アリの方(汗)
スレ増えるのも活性化されるのもいいことなんだけど、かなり入りづらくなってしまった;
小説スレ増えたよね! まじでビビった←
なんかもう「初めまして」で学アリの方いけそうだもん(笑)
年賀状まだ書いてないっていう^p^ ←
今日年賀状買いに行きます(笑)
女の子バージョンみたいよっ! ファイトだよ海+。
やる気かぁ……。はっちゃけるしかないんじゃん?(笑)
私は書く気がないときはゲームしたり漫画読んだり小説読んだりと自分の世界にこもります←
448
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/12/26(日) 17:01:46 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
誄>>
もう入りづらくなって入ってないです(^q^)
あれかな、新人さんが増えたからかな。そして重複を誰も注意しないからかな。
でも立てちゃった後だと、注意しても意味ないんだよねえ……削除だってすぐしてもらえるわけじゃないし;
レスを消すことはできますけれども。
年賀状31日に出してもいいかなって思い始めたよJK←
ええーっ! そんな無茶なことを(笑)
よし、じゃあ自分の世界にこもることにするよ←
449
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/12/31(金) 10:41:41 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
きっと新人さんたちは一昔のことを知らないからねぇ…。
一昔っつーか去年くらいは一行レスの注意もスレ重複の注意もかなりあったし。
がらっと掲示板利用者が変わるとまた繰り返す気がしてなんか嫌だわ(汗)
まじで?(笑)
31日に出したら私の家に1日に届かないわよ!←
自分の世界にこもってるときに誰かに邪魔されるとムカつきます(笑)
海は裏小説を書けば立ち直ると信じてるよ!((
450
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/08(土) 10:23:06 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
誄>>
そうだよねえ、注意……する人いないよっていうww
繰り返すっていうかもう繰り返しているように思うけど(・ω・`)
時間があるときにまた注意再開しようかと思ってまする。
それわかるww
というかティアラ文庫を読めばテンションマックスだよww←
451
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/24(月) 15:22:01 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
【記憶が薄れてしまうこと】
(彼が天使だからとかではなくて)
(なんて声をかければいいのか、わからなかった)
「記憶は自然と薄れていくものなんだよ」
ざあっと強い風が屋上を吹き抜けていく。私の隣に立つ青年がそうつぶやいて、彼のもつ金と薄紫の混ざった不思議な髪が、生き物のように空を舞う。
静かな蒼い瞳をたたえた秀麗な顔には表情などなくて、まるで仮面をかぶっているようだと思った。
「へえ。……天使様でも、そういうこと思うんだ」
「思っているんじゃない。事実だ」
いきなり現れて天使だと名乗った彼は、話によると好き好んでこの人間界に住んでいるらしい。普段は学校にも通っているらしく、どう考えても物好きにしか思えないのだが。
しかしやさしいわけではなくて、どちらかというと冷酷の部類。だからなのか、好きで住んでいるようには見えないのだ。
実際、羽を見せてもらったことは一度もない。
「記憶が薄れるだなんて、どうしてそんなことが言えるの?」
問えば、彼は目を伏せて黙りこみ、しばらくしてから大きく溜息を吐いた。
「――経験したからだ」
それは短い答え。
けれどその中にどこか寂しげな声音が混ざっているように感じて、私もまた黙りこんでしまったのだった。
452
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/24(月) 15:23:20 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
【水瓶座 恵みをもたらす青年】
さらさらと、涼やかな音をたてて水が地へと落ちていく。それを静かな蒼い瞳が見つめ、神々しいほどの金の髪が小さく揺れた。
「ねえ」
「……ヘベ様」
「様なんてやめてよ、今ではあなただって同じ神の仲間じゃない」
「いえ、それでも元々は人間ですし……それに、お酌の役はヘベ様のものだったでしょう」
「でも私はほかにきちんと役をもらったから、今の役はガニュメデス、あなたのものよ」
さらさら、さらさら。
すっと伸びた指が流れ落ちていく水を梳くように動き、わかれた水は周囲の雫を伴って人間の住む下界へと落ちていった。絶えず流れ続け、そして落ちていく水を、ガニュメデスはどこかあたたかみのこもった瞳で見つめる。
「あなたはいつもそういう目で見るわね。お父様が人のために作りだした水を流すときは、決まってそう。流す水に、なにか特別な感情でもあるの?」
ヘベがガニュメデスの隣に膝をつき、彼が流し続ける水をただただ見つめる。
「感情……なのかもしれない。ゼウス神が作ってくれた恵みの水を僕が人のために流しているんだと思うと、なんだか嬉しいだけです。……誰かの役にたてるということは、とても光栄なことなんだと」
「そうね、私たち神もみんなが自分の役割を持っている。たとえそれが負にしか働かないものだとしても、それがなければ世界の秩序が乱れてしまうことをみんながきっとわかっている。お父様だってアレスのことを嫌っているけど、彼がいないと勤まらないものもあるって知っているのよ」
「アレス神は残忍ではありませんよ。一度お会いしたことがありますが、とても気さくな方でした。戦場が好きというのは本当みたいですが」
「話してみると意外と楽しいのよね。役割が残酷だからそのイメージが強いだけで。ちょっと抜けているところとか文章力に弱いところとか、慣れてしまえばなんてことはないし」
「アフロディーテ様が好むのも、母性本能がくすぐられるからでしょうね」
「ふふ、そうね」
細やかで繊細な模様の描かれている水瓶から水は絶えず流れ続け、しかしそれでもきちんと終わりは来る。水の流れが悪くなったことを確認したガニュメデスはおもむろにそれを持ちあげ、傍らに静かに置いた。ちゃぷんと、まだ残った水が軽やかに鳴る。
「やはり全部は流れませんね……きっかり流れてくれれば助かるのですが」
「それはさすがに無理でしょう」
くすくすと笑うヘベに、ガニュメデスは小さく苦笑する。もちろん彼自身も無理だということはわかっているけれど、それでも淡い期待を抱いてしまうのは仕方のないことなのではないだろうか。
……人間ならば、なおさら。
「この残った水も、流れれば大地を潤す恵みになるのに」
ちらりと水瓶を見やり、そして中を覗きこんで手を突っ込み、わずかに残った水に触れて持ちあげた手を下界へとかざす。
ぽた、ぽた。
一定間隔のリズムを刻んで、雫は落ちていく。それらが少しでもなにかの役にたっていればいいと、ただただガニュメデスは祈るばかりだった。
些細なほんの一粒の水だけど、もしかしたらそれを待ち続けているかもしれない人のために、役立つかもわからない量を落とし続ける。
「……ガニュメデスは、神としてこのオリュンポスに迎えられても人間なのね」
穏やかにやさしく微笑まれて、ガニュメデスもまた微笑を返す。
神になって変わったことなどひとつもなかった。相も変わらず今でも神々を崇拝しているし、ゼウス神の許しがもらえれば下界へ降りて干ばつなどの影響を調査しに行くし、そのたびに関わる人々のあたたかみに触れ……王城で暮らしていたときと、なんら変わりのない日常。
「完璧な神になれない僕は嫌いですか?」
「嫌いじゃないわ。むしろ好ましい部類よ」
そう言って微笑まれる笑顔に、何度安心したことか。
自分がここにいる意味を、存在意義を、認めてくれる人がいることは何にも変えられないものなんだと、人間であり神である青年は思うのだった。
453
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/24(月) 15:26:38 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
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>>318
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>>384
神話
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>>433
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
クリスマス、一歩手前
>>439
記憶が薄れてしまうこと
>>451
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
水瓶座 恵みをもたらす青年
>>452
454
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/02/18(金) 15:18:33 HOST:119-171-141-4.rev.home.ne.jp
紅い服(ドレス)、紅い口紅(ルージュ)
紅い靴(ヒール)、紅い髪(ヘアー)
すべてを真っ赤に染めあげて
染まっていないのは
あなただけ
455
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/03/01(火) 17:14:45 HOST:61-24-232-212.rev.home.ne.jp
「あなたのためならば、僕は悪魔にだってなりましょう」
もしなってくれると言うのなら
後悔さえしないと言うならば
――その剣(つるぎ)を、わたしのためだけに振るって
456
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/04/12(火) 13:55:08 HOST:119-171-143-30.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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天使と人間 ―同じもの―
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命の最期は、君の接吻を
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ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
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>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
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○SSS○
優声
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あなたがやさしいからいけないのよ
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二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
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紅葉舞い散るころに
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クリスマス、一歩手前
>>439
記憶が薄れてしまうこと
>>451
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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幸せ満月
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アース神族最強の雷神
>>323
水瓶座 恵みをもたらす青年
>>452
457
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/06/08(水) 13:51:50 HOST:59-171-85-72.rev.home.ne.jp
こちらの企画⇒(☆ttp://alice3333.hanabie.com/star/easter/index.html)に参加させていただいております。
文章を書くのが好きな方、どしどしご参加ください!
【砂糖漬けの薔薇を一輪、あなたに捧げても良いですか】
「フリッド、フリッド」
「ん? ……ああ、キャルロット。どうしたんだい?」
「あなたがいつまでたっても薔薇園から戻ってこないから迎えにきたのよ。昼食も抜いているんじゃないかと思って、差し入れも持ってきたわ」
「ありがとう、キャルロット。でも今日は家庭教師が来る日じゃなかった?」
「いいのよそんなもの。そんなことより、フリッドといるほうが楽しいもの」
「それは嬉しいことを言ってくれるね」
辺り一面に広がる薔薇を絨毯みたいねと評したキャルロットは、手に持っていたバスケットを薔薇園のたったひとつのベンチへと置いた。景観を壊さないようにと、淡い茶色のベンチはフリッドが注文したものだ。人が滅多に座らないためか、そのベンチはいつも新品の風を漂わせている。
フリッドの色素の薄い金髪が日に透けて輝き、薔薇を見る青藍色の瞳がやさしそうに細められる。泥のついた手で薔薇を撫でるさまを、キャルロットはじっと見つめていた。
バスケットの中身はキャルロットが自らつくった、ハムとキュウリのサンドウィッチ。今朝、市場で仕入れてきたばかりの新鮮なものを使用した、フリッドが唯一食べやすいと言った食べ物だ。
喉も渇いているかと思って、ポットとカップも持参した。両方とも緻密な模様が描かれているキャルロットのお気に入りで、差し入れの際には必ず持ってくる。そしてポットの中身はあたたかいアールグレイ。フリッドは砂糖をいれることを好まないから、ストレートで入っている。
枯れている薔薇を名残惜しそうに摘みとるフリッドに、キャルロットは声をかけた。
「フリッド、少し休憩したらどう?」
「ああ、そうするよ」
泥で汚れた手袋をはずし、少しはたいてから、フリッドはゆっくりとした足どりでベンチに座った。そうして緊張がほどけたかのように、背もたれにぐったりと寄りかかり、微笑む。
「疲れるまで根気つめないの。身体壊れるわ」
「でも僕がいなかったら、この薔薇園を世話する人がいなくなる。それだけは絶対避けたいんだよ」
疲れた顔をしつつも微笑むフリッドに、キャルロットはカップに注いだ紅茶を渡す。それを受けとり一気に飲みほした彼は、ふうとひとつ溜息を吐いた。
「薔薇は誰かの手がなければ美しく咲かない。手が加えられることで、いっそう美しく咲くんだ。だから僕は薔薇が好きなんだよ」
やさしい光をたたえるエメラルドの瞳が、ふわりと細められた。
「大輪の花が咲いたときの喜びは、どう例えればいいのかわからないくらい嬉しくなって」
「嬉しすぎて、の間違いではなくて?」
「はは、キャルロットは本当、僕のことをよくわかっているね」
「長い付き合いだもの、わかって当然だわ」
ふふっとキャルロットが小さく笑いをこぼすと、高く結いあげられているウェーブのかかった金髪がふんわりと揺れた。手にはめられている白い純白の手袋をちらりと見やり、フリッドは申し訳なさそうに眉尻をさげる。
「本来なら、裕福な貴族の家へ嫁いでいるはずなのに……」
ぽそりとつぶやかれた言葉を、キャルロットは聞き逃さなかった。
「愛のない婚姻はいやよ。いくら爵位があったって、財産があったって、そこに愛が存在しないのなら意味がないわ。……私は、あなたと生きていたいのよ」
キャルロットのサファイアの瞳が、フリッドの目をまっすぐに見つめる。
その視線に耐えきれなくなったのか、フリッドは少し俯き、そして困ったように笑った。
「僕と生きるなら、今のように貴族の暮らしはできないよ」
「わかってるわ」
「もしかしたら、家族との関係が悪化するかもしれない」
「なら、お父様を説得してみせるわ」
「薔薇にしか興味のない、つまらない男なのに?」
「それでも私はあなたが好きだもの」
ぎゅっと握られた手を、フリッドは包みこむ。
「……本当に君は、僕にはもったいない女性だよ」
よくできすぎている。
そう言って溶けこむかのように抱きしめられた腕の中で、キャルロットは満面の笑みを浮かべた。
「キャルロット」
「なあに?」
「僕らが婚姻するときにね―――」
―――君に、砂糖漬けの薔薇を一輪あげる。
--------------------------------------------------------------------------------
(僕の愛に染まった薔薇を、)
(この世でもっとも愛した君に)
458
:
海@削除人
◆Gv599Z9CwU
:2011/06/29(水) 19:02:24 HOST:61-26-248-34.rev.home.ne.jp
君が僕についてきてくれると言うならば
僕はどんな屍も越えてみせよう
だから、お願い
―――僕を、おいていかないでくれ
459
:
璃夢
:2011/06/29(水) 22:24:03 HOST:softbank220015214027.bbtec.net
ぁげ-*
スレ主san.
小説上手すぎでふ(*ω)
師匠みたぃbb*
尊敬します^^*
ぁげ越智でふ★
460
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/07/04(月) 21:35:44 HOST:61-26-248-34.rev.home.ne.jp
璃夢さん>>
あげてくださってありがとうございます!vv
そして上手いだなんてもったいないお言葉まで…!
ししししかも師匠ですか!?�堯福❷◆❺痢─縫痢,發辰燭い覆気垢丨撞磴韻討④泙喉�
よろしければ暇なときにでもふらりとお立ち寄りくださいませ^^
461
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/07/04(月) 21:36:58 HOST:61-26-248-34.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
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神話
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○小説○
眠りから覚めしお姫様
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不思議な世界
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守れなかっただろ、お前はそれを
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君は華、君は宇宙
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小さな図書館
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少女の涙はなにを誘う
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天使と人間 ―同じもの―
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命の最期は、君の接吻を
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ひまわり
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世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
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無言、それでも大切な
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その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
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砂糖漬けの薔薇を一輪、あなたに捧げても良いですか
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○SSS○
優声
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あなたがやさしいからいけないのよ
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二種類の子供
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モノクロームの世界
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紅葉舞い散るころに
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クリスマス、一歩手前
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記憶が薄れてしまうこと
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●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
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ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
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女神が恋し紅い花
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幸せ満月
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アース神族最強の雷神
>>323
水瓶座 恵みをもたらす青年
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