[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
201-
301-
401-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
.。.:*・゚☆虹空☆.。.:*・゚
1
:
海
:2009/02/11(水) 16:27:28 HOST:61-24-199-199.rev.home.ne.jp
初めましての方が多いかと思います^^
海と申します。
ときどき書いていきたいと思っていますので、よろしくです☆
登場人物などは多くなると思いますので、そのたびに書いていきます。
改めて、スレ&スレ主をよろしくお願いします^^
412
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/14(土) 18:16:27 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
「好きだよ」
とても甘い言葉なのに、どこか空虚で、中身のない言の葉だった。
その意味を深く考えなかったし、考えようともしなかった。
――ただ、いつもの笑顔が違ったということだけはわかっていた。
「好きなんだ、君のことが」
……ああ、違和感はこれだったんだ。
笑っていても、どこか中身のない、空っぽの笑顔。
(「彼」がいないから、あなたはそんなにも悲しそうなのね)
413
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/14(土) 18:18:40 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
414
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:22:44 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
【世界を愛せない青年と、世界に見放された少女】
身体が熱い。全身が炎に巻かれているかのように熱く燃えている。
震える身体を抱きしめるように両腕を回して、業火の中にかろうじて見える町を見つめた。なにもかもが炎に巻きこまれて崩れ去っていく。きれいな教会も、よく遊んだ広場も、すべてが褪せて色を失っていった。
夕食の支度をしていたら、山賊に襲撃された小さな村。
(父さん、母さん……)
あの炎の中に、父母は横たわっている。もう動くことも、やさしい笑顔を見ることもなく、ふたりは勢いづいて燃え盛る悪魔に飲みこまれていくのだ。
(身内はきっと引き取ってくれない)
それにそこまで歩いて行ける距離ではないから、着くまでに自分が生きているかさえも危うい。……それでも、生き延びなければならないのだ。
きゅっと強く唇を結んで、長い黒髪をなびかせて佇んだ少女―――ソフィー・アリアンは、行く当てもなく歩きだした。
果実をもぎって齧り、落ちている木の実を拾って食べ、木の根元で眠る。人とはかけ離れた生活を送っていたある日。……救い主はいるのだと、思った。
「そんなところで寝るな」
あきれたような声音に反して、そっと差しだされた大きな手。独りだった孤独から解放されて、ソフィーは思わずその手を掴んでいた。
――それが、世界を守っている青年ラウルとの出会いだった。
◇◇
「ラウル、各地で起こっている生態系の異常、ここに置いておくわね」
「……ああ、気が向いたときにやる」
「あのねえ……世界を守っているんだからきちんと仕事しなさい!」
優雅に窓辺に腰かけているラウルを叱責して、ソフィーはうず高く積みあげられている書類を見やった。今にも崩れ落ちそうなそれをなんとか押さえる。
「なぜ我が世界などのために動かなければならない。生態系は人間が壊したものだろう、それを我に押しつけるなんてどうかしている」
膝まで伸びる金髪を後ろに払いつつ、ラウルはどうでもいいことだと言い放つ。
「生態系のバランスを崩したのは人間だ。それに、多少なら勝手に生態系は元に戻る。誰かが横から関与する必要なんてない」
「でも、それじゃあラウルはなにをするのよ」
「……世界の均衡を保つ、ただそれだけだ」
そう言うときのラウルは、紅い瞳に敵意を滲ませて忌々しくつぶやく。彼がこの役割を快く思っていないことは最近わかってきたところだが、世界を守っているというのはとても尊いことなのではとソフィーは思う。誰もができるわけではないはずだ。
ジャラリと重苦しく鳴る宝杖を揺らし、ラウルは小さな溜息を吐く。
「世界など、人間の都合で善にも悪にも転ぶ」
――ときどき、ラウルは謎めいたことを言う。
ソフィーは世界を知らない。どんなものが広がっているのかもわからないし、どんな人が生活しているのかもわからない。もしかしたら変わった生物がいるのかもしれないし、自分が住んでいたところと同じ生物かもしれない。
(私の知らない世界を、この人は知っている)
きっと、善も悪も、その目で見てきたのだろう。柘榴石のような、その瞳で。
「……それより、ソフィー。そろそろ市場の時間じゃないか?」
「え? ……あ!」
ソフィーとラウルが住んでいる城館の下にある、栄えた街。そこで一日に一回だけ、決まった時間に行われる市場は、水揚げされたばかりの鮮魚や取れたての野菜などが並び、ソフィーにとって楽しみのひとつでもあった。
変わったものを見つけることもあり、そして人との会話も増える。生き生きしている人々を見るのは、とても気持ちがよかった。その生活を守っているのがラウルだという事実も、ソフィーの気持ちに喜びをプラスする。
「今日も新鮮な野菜や魚があったら買ってくるわね」
「ああ」
短い返事を耳に入れて、ドアを出る前にラウルと机の上の書類を見やる。するとその視線の意味に気づいてか、ラウルは盛大な溜息を吐いてしぶしぶといった具合に机へと腰かけ、嫌そうな顔で一枚の書類を手に取った。
それを確認してから、ソフィーは部屋のドアを開けた。
「行ってきます」
415
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:23:36 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◇
市場の時間とあって、街はごった返して賑やかだった。時折すれ違いざまに人にぶつかりそうになりながら、ソフィーは街を歩く。
「安いよ安いよー!」
辺りに響く濁声を聞きつつ、なにかいいものがないかと見回しながら歩いていく。ラウルの好む食材がわからないから、ソフィーはいつも迷うのだ。
「基本、なんでも食べてくれるからいいんだけど……」
出せば出したものを文句を言わずに食べてくれる。けれど好き嫌いがないというのは自分に興味がないというのと等しい。興味がないから、好き嫌いもない。
それはなんて、寂しい。
「……あ」
ふと目に入った果物。硬い殻で覆われていて中身がどうなのかはわからない。
「お嬢さん、それが気になるかい?」
「あ、はい。見たことのないものだったので……」
「滅多に取れないものなんだよ。今ここに並んでいるのも一種の奇跡さね」
「へえ……」
やさしげな印象のおばあさんに説明され、ソフィーはわずかに目を輝かせる。
「これってどう調理したらおいしくいただけますか?」
「どんな料理にも合うということらしい。炒めても茹でても、そのままでも」
そんな万能な食材がこの世に存在するものなのか。
得体の知れない果物だということも忘れ、ソフィーはそれをふたつ手に取り、笑顔で金を払ったのだった。
416
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:24:16 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◇
「……で? 見たことのないものだったけどおばあさんが説明してくれたから買ってきた? そんな理由で買ったのかお前は」
目の前に置かれたふたつの果物を嫌そうな顔で凝視しながら、ラウルはあきれ混じりに言って溜息を吐いた。その間にもそれらを凝視している。まるでなにかを探るように、どこかで見たことがあるとでも言いたげな視線で。
「だって、親切なおばあさんだったから……」
「だからといって知らないものをむやみやたらに買うものじゃない」
「そうなんだけど、でも……知らないものって試しに買ってみたいって思うじゃない?」
「思わない。残念ながら我はお前とは考えが違うんだ」
「そんなことは承知の上! とりあえずなにか作ってくる」
「……これらでか?」
「ちょっとしたもの。茶菓子……みたいな」
「あいにく、ここには紅茶などないがな」
「わかってるわよ」
変わった形のそれらふたつを抱えて、ソフィーは少し離れたキッチンへ立つ。しばらくすると心地よい調理の音が響いてきて、ラウルは椅子にもたれかかったまま書類にペンを走らせた。
世界に見放された少女が、人を信頼して買ったという。誰を頼ることもできず路頭に迷い、普通なら世界も人をも憎むのが当然だと思っていた。
そのラウルの価値観を、ソフィーは鮮やかに裏切ってみせたのだ。
「……なぜ、世界を憎まない」
小さな小さなつぶやきは、誰に聞こえることもなく空間へ溶けていく。
「憎んでいれば、壊してやることだっていとわないのに」
簡単に、壊してだってやるのに。
くしゃりと前髪を掴む。わずらわしいほどまばゆい金の髪を妬ましそうに見つめて、ラウルはちっと舌打ちした。
ふとよぎるのはソフィーの艶やかな黒髪。腰まで伸びたそれは陽の光をあびてさらに艶やかに見え、まだ幼さの残る顔立ちによく映える。
(ソフィーが金の髪のほうが似合っているな)
自分の姿を鏡に写して見たことはないが、おそらくソフィーのほうが似合っているだろうとラウルは思う。そうすれば金髪碧眼で、とても見栄えのする少女になるだろうに。
「……ラウル?」
突然呼ばれた名前にはっとしてそちらを見やる。そこにはソフィーがバスケットを抱えて立ち、心配そうに双眸が揺れていた。
「いや……なんでもない」
「そう? ならいいけど。それより茶菓子、結構早くできたと思わない?」
目の前に突きだされたバスケットの中に詰めこまれている、さまざまな形のクッキー。中にはいびつなものもあるが、それはそれで仕方ない。
「確かに早いな。あの得体の知れないもののおかげか?」
「どういうこと? ラウル、あの果物のこと知ってるのっ?」
「どこかで見たことあると思ってな、思いだした」
一度しか食べたことのないものではあったが、あの外見と中身とのギャップが激しかったものをたやすく忘れていた自分自身に腹が立つ。
「思いだしたといっても名前じゃなくてふたつ名だけどな」
「ニックネームみたいな?」
「そうだな、通称それは『神の果物』だ」
「神様の……?」
「神が食べると言われているものだ。外見にそぐわず、中身は甘美。明らかに神が好むようなものじゃないか」
神なんているのかと聞かれれば、知らないと答えるが。
「だからこれも甘い」
ひとつのクッキーをつまんで口に運ぶ。入れた瞬間広がる甘みに少々むせそうになるのを必死で抑え、なんとか飲みこむ。
「おいしい?」
「……甘いがな」
はあ、と溜息を吐いて、ずっと気になっていた疑問を投げかけた。
「――なぜお前は、世界を憎まない?」
問いかければ、なにを言うのだとばかりに首がかしげられる。
「お前は世界に見捨てられたのと同じだ。両親を殺され、親戚を頼ることもできず、誰かが助けてくれたわけでもない。普通だったら悲観的になるものだろう?」
「それは……」
「お前さえ望めば、たやすく世界を壊してやるのに」
驚きに、青藍色の瞳が見開かれる。そして彼女は―――微笑んだ。
「でも、世界は悲しいことにあふれているわけじゃない。悲しいことがあれば、楽しいことがもっと楽しくなる。母さんは、苦痛はスパイスだって言ってた」
「…………」
「つらいことがあっても、そのあとに楽しいことが来るって信じてるから。だから、世界を憎まないで生きていける。それにラウルは私のことを助けてくれたわ、全員に見放されただなんて思ってない」
「……お前は、お人よしだな」
「ラウルがそう言うなら、きっとそうでしょうね」
朗らかにソフィーは笑う。
いつか、世界を憎まずにいられる日が来るのだろうか。誇りをもって今の自分の役をまっとうできる日が。
やさしく笑うソフィーを見て、ラウルはそう思わずにはいられなかった。
417
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/08/29(日) 15:26:17 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
418
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/06(月) 16:23:34 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
【優声】
「ねえ、マスター」
「ん? どうしたんだい、リリー」
触り心地のいいふわふわのテディベアを抱きしめ、金の巻き毛を揺らしたリリーはてくてくと彼の元へと歩いていく。その間マスターと呼ばれた男は、青白く光るパソコンのディスプレイとにらめっこしていた。カタカタとキーボードを打つ手、真剣そのものの顔、すべてリリーが見てきた彼の姿だ。
そして、春風のような穏やかな声。
すんなりと身体を抜けていくその声が、リリーはとても好きだった。
「マスター、今……忙しい?」
「うーん? でもすぐ終わらせないといけないことでもないし、リリーと話す時間くらいはあるよ」
「本当? そしたら絵本っ、絵本読んでっ」
「リリーはその絵本好きだなあ」
テディベアとの間に挟んでいた古ぼけた絵本を取りだし、リリーは定位置である男の膝の上にちょこんと座る。踏みそうになる巻き毛は男がそっと掬ってくれる。それがわかっているからリリーは安心して定位置に居座ることができるのだ。
「じゃあ――」
やさしく紡がれた音に目を閉じて、リリーは心地よさにうっとりと酔いしれる。
この音は、自分の世界を壊さない。
壊さずに、新しい音を加えてくれる。煩わしさのない、とてもたおやかな。
身体があたたかくなることの意味を知らず、少女は与えられるものを享受するのだった。
419
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/06(月) 16:24:46 HOST:61-26-251-166.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
○SSS○
優声
>>418
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
420
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/13(月) 15:55:04 HOST:61-24-233-23.rev.home.ne.jp
【無言、それでも大切な】
太陽が地平線へ姿を隠そうという時刻。夕暮れ特有の淡いオレンジの光が辺りの建物を照らし、空にはぽつりぽつりと黒い点が見え、それらはどこか遠くへと飛んでいった。
まだ夏の暑さが残っているからか、夕方になっても涼しくなることはなく、少し歩いただけでワイシャツに汗が滲んでしまう。帰ったら真っ先にシャワーを浴びようと思いつつ、少女は隣を歩く青年を見あげた。
自分より頭ひとつ分高い身長、ワイシャツの中に着ている赤いTシャツは袖と裾から思いきりはみ出ていて、視線を下へとずらせば七部長けにまくられたズボンが目に入る。そしていつもつけられている左手首の青いリストバンド。ちらりと顔を見れば、その顔は無表情だった。
(それもいつものことだけど)
学校にいるときは友人と楽しく談話している姿をよく見かける。男女関係なく話しているから、おそらく女性が嫌いとかそういうわけではないのだと思う。
(もし嫌いだったら、こうして一緒に帰ってくれることだってないはずだし、それに……)
思ってから羞恥に頬を染める。彼は前を見ているから真っ赤な顔を見られる心配はないが、先ほどからすれ違う人に不可思議な視線を送られているのはきっと気のせいではない。
(無言で歩いているからだよね、多分)
なにか話題でも見つけて話しかけられればいいのだが、共通の話題が見つからない。クラスはもちろんのこと、取っている教科も違い、部活や委員会が同じわけでもない。どれかひとつでも当てはまるものがあれば、そこから話を膨らませていくことはたやすいのに、見つからないのだからどうしようもない。
(それに「恋人」になっても前とほとんど関係は変わらないし……)
恋人になる前も、適度に話している関係だった。本来ならばまったく接点のない間柄なのだが、自分の友人が彼と同じ中学でよく話していたこともあって、廊下ですれ違ったりすると友人が彼を引きとめ話すことで必然的にかかわりを持つようになった。そのときも彼は感情を表情に出していたはずだ。
それくらいの接点だったから、特にこれといって意識することはなかったし、友人が話しかけていたからてっきり彼女が彼を好きなのだと思っていた。けれどそれを言ったら「中学のよしみ! それにあいつ、なんだかんだで頼りがいあるんだよー?」なんて笑顔で言われてしまい、勘違いをしていた自分を恥じたものだ。
それ以来、友人が彼を誘って三人で出かけることが増え、時折彼の友人も交えて四人で出かけたりと、傍から見ればダブルデートならぬものをしていることに気づいたのはつい最近になってからだ。そのときは意識もしていなかったし、付き合いのいい男友達の認識だけだったから、今になって思い返すと穴に入ってしまいたいくらい恥ずかしい。
付き合い始めたきっかけを思いだそうとしたところで、前を向きっぱなしだった彼がこちらを向く。
「あのさ……」
「?」
遠慮がちにかけられた言葉に首をかしげて応答すると、意を決したように彼が口を開いた。
「俺誰かと付き合うの初めてで、なにをどうすればいいのかとか、話の話題とか振れないからさ……。学校で話しているのは回りがフォローしてくれる安心感があるからで、ふたりきりだとどうもいつもの調子が出なくて……」
「あ……」
それは自分にも言えることだ。
学校だったらなにか自分が間違ったことを言っても周りが突っ込んでくれたりして、自然と話が盛りあがる。けれどふたりだとその盛りあがりにも欠け、ギクシャクしてしまう関係を隠すことはできない。
「それにお互い共通の話題もないしさ、お互いに……話しかけづらいよな」
苦笑混じりに彼が言う。こちらからでは細かい表情が逆行になってしまって見えないが、おそらく苦い顔をしているのだと思う。
(同じことを、考えていた?)
同じように、思って悩んでいたのだろうか。
そう考えると、自然にこぼれてしまう笑みをどうすることもできない。同じことで悩んでいただなんて、なんだかとてもくすぐったくて……それでいてなぜか嬉しい。
「え、俺なにかおかしなこと言った……?」
「違うの、そうじゃなくて……私も、同じことを思っていたから」
きっかけがあれば話せるのに、と。
「……なんだ、じゃあ別に俺が悪いわけじゃないのか」
安堵の溜息を吐いて、彼は小さく笑った。その表情が夕日に照らされて一層際立ってやさしく見えた。
「そうだ、暑いからアイス食べていかない? 近くにアイス売ってる店あるしさ」
「うん、帰りにアイス食べていくなんて、高校生の特権って感じがする」
「言われてみればそうかも。なら、さ」
右手をぎゅっと掴まれる。
「早く食べに行こう」
学校で見たことのある無邪気な笑顔を見つめて、少女もまた笑顔で大きく頷いた。
421
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/09/13(月) 15:56:03 HOST:61-24-233-23.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
○SSS○
優声
>>418
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
422
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/02(土) 10:42:43 HOST:61-24-253-231.rev.home.ne.jp
【あなたがやさしいからいけないのよ】
「おかえり」
「うん。……ただいま」
キイ、とどこか耳障りな音をたてる扉を開けると、そこにはいつもの長身のシルエットがあった。袖に小ぶりのフリルのついたシルクのワイシャツを胸元まで肌蹴させ、明らかに寝起きだとわかる跳ねた黒髪、そしていまだ夢の中を彷徨っているのではないかと思わせるダークバイオレットの瞳。
「なにも人間にされなかったかい?」
「されなかった。それにされるもなにも、ただ街へ出かけていただけ。買い物ついでに行っていたの、私の記憶が正しければあなたはそれを許可してくれたはずだけど?」
「そうだね、許可した。でも僕は君が人間なんていう低脳で無知で愚かなやつに傷つけられることを許可した覚えはないよ。傷つけられたら僕が代わりに殺してあげる」
紳士のごとく穏やかな笑みをたたえながら、目の前の男は物騒なことをさらりと言いのける。物騒だと思っているのはこちらだけで、当の本人にとっては物騒なことでもなんでもないのだということを、時折忘れることがある。
そんな言葉に不覚にも嬉しいと思ってしまう自分がいることは紛れもない事実で、思わず心の中で頭を振った。
(この男がやさしいからいけないのよ)
なににおいてもやさしすぎるからだ。「吸血鬼」という大層な種族のくせに、人間を誰彼かまわず貪るだけの種族のくせに、なぜか彼の瞳は―――いつも、あたたかい。
燃え盛る炎とは違った熱さ、灼熱の大地のものでもなく、アルコールランプが燃えているときの静けさでもない。一言で説明できない瞳の、その奥にある真相を知りたいと思った。
「ねえ」
「ん?」
「どうして、私を拾ってくれたの?」
吸血鬼なら血を吸い取ってくれてよかったのに。腹の足しにでもすればよかったのに。
そう言うと世界で一番やさしい吸血鬼は、尖った八重歯を覗かせて秀麗に微笑んでみせた。
「君が、とても寂しそうだったから。そして、僕のことを怖がらずにいてくれたから」
423
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/02(土) 10:43:47 HOST:61-24-253-231.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
424
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/12(火) 22:40:29 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
ああ、さようなら―――。
私(わたくし)の、いとしきご主人様(マイロード)。
___________
ハロウィンが近づいておりますゆえ、なにかハロウィン関係のものを創作しようかと模索中です。
なにかいいアイデアがありましたらお申し付けくださいませ。
自分の拙作でよろしければ喜んで創作させていただきます。
425
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/14(木) 17:31:39 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【二種類の子供】
「世の中の子供にはね、二種類いるんだ」
穏やかな声が、ゆっくりと言葉を紡ぐ。さらさらとペンを走らせ、目はまっすぐに一枚の紙へ注がれていた。
その横顔を見ながら、ひとりの女生徒は「へえ」とつぶやく。
「どんな子供だと思う?」
「え? うーん……お金持ち、とか」
「そうだね、それもひとつだ」
この人はまれに、理解しがたいことを言う。
相手を考えさせるような、もしくは道化師のように惑わすような。
『考える』ことから逃れられない迷宮(ラビリンス)へと、落とされる。
「……先生の思う、二種類の子供って?」
知りたいと、思ってしまう。
すると彼はどこか悲しげに微笑んで、
「戦争を知らない子供と、平和を知らない子供だよ」
それが大きな差であることが、君にわかるかい?
426
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/14(木) 17:32:40 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
427
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/17(日) 15:48:04 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【モノクロームの世界】
「今は写真もカラーだから、瞬間を鮮明に思いだせるのがいいよなあ」
家族旅行で出かけた先で撮った写真を見て、父は唐突につぶやいた。父が見ている写真は、母と私と妹が遠距離法を利用して遊び心でやったものだ。母の手のひらに私と妹が乗っている写真。
「そうよねえ、昔はカラーじゃなかったものね」
「ビデオなんて高性能なものもなかったしなあ。そう考えると、進化しているんだなあ文明は」
「どんどん便利になっていくわよねえ」
しみじみと会話を続ける両親を横目に、私は小学生の妹とテレビを観ている。写真がカラーではなくモノクロであった時代を平成生まれの私は知らないが、教科書等で見たことは何度かあった。
戦時中の写真、公害問題が起こったときの市民の暴動、偉人の写真。明治の写真は教科書でもモノクロで写っていたから、それらの写真はモノクロで脳裏にインプットされている。
私は、モノクロ写真もいいものだと思う。
カラーとはまた違った世界が一枚の中に凝縮されているように感じられて、どこか懐かしさを漂わせる。その時代を生きてきたわけでもないのにだ。
そう考えると、モノクロ写真にはなにか不思議な力があるのだろうかとも思えてしまう。
「カラーじゃないって、どういうこと?」
ふと、妹が言葉を発す。
「写真は昔、カラーじゃなかったの?」
純粋な少女の問いに、父は鷹揚に頷いてみせた。
「そうだよ。昔は色なんてついていない写真だったんだ。黒か白か、濃いか薄いか」
「それもそれで味があっていいんだけどねえ。今じゃもう、カラーが主流になってしまったけれど」
「それって……」
妹が、首をかしげて問う。
「昔は、白黒しかない世界だったってこと?」
(――え?)
「写真が白黒に写るってことは、世界が白黒だけだったってことなの?」
両親も私も、思わず言葉を失った。
私たちからすれば「当たり前」のことでも、妹にとっては「不可思議なこと」だったのだ。
___________
「当たり前」のことを疑わなくなること。
そうなってしまったら、人間は「疑問」という文字を忘れるのでしょう。
428
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/17(日) 15:51:05 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
429
:
友里名
:2010/10/17(日) 19:57:13 HOST:KHP059134125043.ppp-bb.dion.ne.jp
初めまして!友里名です。
入らしてもらいます。
皆様、よろしくお願いいたします。(初めてです。)
430
:
友里名
:2010/10/17(日) 20:25:21 HOST:KHP059134125043.ppp-bb.dion.ne.jp
『miracle』
ある、春のことでした___
私の名前は、宝来 優希愛(ホウライ ユキア)ブスで馬鹿で運動のできない
ただのヘタレ。でも、特意なことは、誰でも仲良くなること、これだけ
だけど。年齢は、12歳小学6年生。
こんな私は、いつものように、宿題を忘れて、怒られて、居残り。
どうせ…と思いながら、今年もやって行こうと思う。
でも、1つだけ気に食わないことがある。
それは____
優「はぁ〜〜!?また〜!また、アイツと同じクラス!!ふざけんなっつ
ーの!も〜ぅ」
?「どうしたの?優希愛、もしかして…また、真辺と同じクラスにな
ったの??^^」この、いかにも、ボケてそうな子。この子は、私の親
友である。名前は、宮野 楓(ミヤノ カエデ)。学校では、けっこうな秀
才。
優「ちょっと!楓〜人事だと思って〜!?まったく…」私は、ため息
をした。だって、あいつは…悪魔同然である!女子のことを馬鹿呼ばわ
りするし、でも頭がよくて、運動神経抜群。なんか、すっごい悔しい!
勝てることと言ったら、身長と体の柔らかさ。はぁ〜でも、かかわんな
きゃいいのよ!でも、かかわってしまう。まぁ、いいや!今年も頑張ろ
う!?
楓「(本当にここまでクラスが一緒だと運命みたい。さぁ、真辺は、こ
の子をどう変えてくれるのかしら?あんなにも、人としゃべらなかった
、ユキアを変えてくれた。次は、この子をどう変えてくれるのかな?showt
imeの始まりね。私も、この子に力を貸さなきゃ。miracleを起こさせる
努力をね。さぁ、これからが、楽しみだわ。)」
そう、楓が思った後、桜が囁くように、桜の木が一斉に揺れたのだった
____
優「か〜え〜で〜!行くよ!!早く〜!?」
楓「あ、うん。待って!」
続く
431
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/24(日) 14:59:52 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【紅葉舞い散るころに】
ざあっと強い風が吹き抜けていく。同時に木からはがれた無数の紅葉が、秋空の中を踊りながら舞い落ちていった。
――その木の上に座りこむ、ひとりの青年。
長くたなびく銀髪、双方の瞳に宿る青藍色はどこか懐かしみを帯びて穏やかに光り、緩められた着物は舞い散る紅葉の色に淡く染まっていた。そしてほかの人と違う決定的な証拠である、頭からはえた狐の耳。それはやわらかそうで、そっと吹きつける風に揺れていた。
青年が、紅葉を一枚手に取る。
真っ白な磁器のように見える手と、燃えるように紅い紅葉が対となり、美しい造形をつくりあげていた。ふと手のひらに葉を乗せた青年は、ふうっとかすかに息を吹きかける。そうしてその葉は逆らうことなく地面へと落ちていった。
その様子を見届けてから、青年はとんっと軽やかに地面へと降りたつ。相当高い木から降りたというのに、涼しい顔で怪我ひとつなく、かといって揺らぐわけでもなく。彼が人間離れしているということが安易に理解できる。
「ああ、ここは変わらないんだな……」
彼は小さくつぶやいて、さくさくと音を鳴らしながら歩き始める。目的はただひとつなのだと言わんばかりにはっきりとした歩みで。
「巫女様は……もう、代替わりしたのか……?」
ひっそりとたたずむ社を彼は複雑な表情で見つめる。先ほどまで浮かんでいた懐かしみの色は影を潜め、代わりに浮かびあがるのはなんとも言えぬ色。そして瞳を鋭くすがめて社の前を箒で掃いている女性を見つめ、今度はゆっくりとそちらへ歩き始めた。
――ふたつの視線が絡みあうのは、数秒後。
____________
「我は社を見守る者」
――彼は紅葉が舞い散ると同時に、現れる。
432
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/10/24(日) 15:24:01 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
433
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/13(土) 12:33:47 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
「おはよう」
と言うことが簡単なように、
「さようなら」
も簡単に言えればいいのに。
___________
それはただ、私が弱虫なだけ。
434
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/13(土) 12:35:58 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
【その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ】
「暇だ」
「…………」
「暇なんだ」
「……ならその前にある書物を読んでいたらどうだ。暇ではなくなるぞ」
「ええっ! ジャック、それは俺に勉強しろって言ってるのか!?」
「それ以外になにがある」
「うわー、相変わらずひどいよなー」
「…………」
無言で椅子に寄りかかり書物を読むジャックの隣で、ブライトは暇だと何度も繰り返す。ジャックの言うとおり彼の目の前には書物が積み重なっており、いつか崩れてしまうのではないかと不安になってしまうほど高く積みあげられている。
机にうつぶせになりその山をちらりと見やったブライトが盛大な溜息を吐いた。
「溜息をつきたいのはこっちだ。ブライト、お前いい加減にレポート提出しないとリリューシュ教授から鉄拳食らうぞ」
「ははっ、その前に逃げてやるさ。第一、なんで魔法についてのレポートなんて書かないといけないんだよ? しかも魔法を使って書いたらリリューシュ教授はあっさりと見破るし……俺たち魔法使いなんだから、魔法を使ったっていいだろ?」
「…………」
「なのに手書きで絶対提出だなんて、溜息したくもなるさ」
いまだ書物に手をつけようともしないブライトを尻目に、ジャックはすらすらとペンを走らせていく。灰色がかった銀髪から覗くアクアマリン蒼石の瞳はまっすぐに紙へと注がれていた。
無言でいるジャックをじっと見つめていたブライトだったが、その作業を中断する様子がないことを確認すると自らも仕方なしといった具合に書物へと手を伸ばす。それに一瞬目をみはったジャックは、すぐに何事もなかったかのように元の作業へと戻った。
――そうして、何時間が経過したのだろうか。
ずっと同じ姿勢でいたジャックは小さく伸びをし、書物の壁の向こう側に心地よさそうに眠っているブライトの姿を見つけ、あからさまに大きな溜息をつく。
(あいつは……書物を読んでいたんじゃないのか)
少なくともちらりと見やったときには書物を手にしていたのだから、読んでいたものだと思いたい。机を横切りブライトをとんとんと軽く叩いてみる。すると彼は反射的に大声をあげて飛び起きた。
「うるさい」
「うわあぁぁ! いや、ちゃんと読んでたからな? きちんとレポートのために読んだからな書物!」
「わかった、わかったから大声をあげるな。耳が痛い」
「まさかジャックが起きてるなんて思わなかった……お前が起きる前にレポートを仕上げようと思ってたからさ」
「……なにについて書いたんだ?」
ジャックの問いかけに、ブライトは淡く微笑んでみせた。
「秘密」
そのときまで。
ブライトの笑みに先ほどと違うものを感じ、ジャックは彼を問い詰めようと口を開く。それを待たず、ブライトはレポートと書物を小脇に抱えて走り去った。突然の出来事に呆然と立ちすくむジャックに、離れたところからブライトの声が反響して響いてくる。
「レポートって、確か早く出して合格をもらったら金貨がもらえるんだよなー?」
「! あいつっ……」
「ほら早く追いかけてこないと俺が金貨もらうからなー! まあ、ジャックがそれでもいいって言うんなら俺は構わないけどー!」
「……っ、いいわけないだろう!」
リリューシュ教授の私室は東の尖塔の最上階。今から走っていくのには距離がある。
そうだとわかっていても、ブライトを追いかけなければならなかった。
「お前っ、俺の読んでいた書物も持っているだろう!」
問えば、返ってくる笑い声。
これはもう追いかけるしかないようだと、ジャックもまた走りだした。
_________
ブログにて友人絵師さんに挿絵を描いていただきました。
興味がある方はこちら⇒「ttp://leems0707.blog12.fc2.com/blog-entry-46.html#more」
435
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/13(土) 12:38:42 HOST:61-24-255-20.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
、
>>433
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
436
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/26(金) 14:37:21 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
この小説掲示板のスレ放棄があまりにもひどいぞ……。
皆さん、小説を書くのであればせめて50は超えましょう……! 立てて一桁で放棄するなんてあんまりですよorz
長編が書ききれる自信がないと思ったら、短編も交えて書いていってはいかがでしょうか?
息抜きという形で書くのもよし、自分みたいにもう短編メインでもよし!
せっかく立てたスレです。末永く大切に使用してくださいませ。
そしてこの掲示板では感想・意見交換が少ないのではないかと。
感想をもらえれば執筆意欲も湧きあがるでしょうし、同じ物書き同士、感想を書いてみてはいかがでしょう?
そこから新しい輪が広がっていくかもしれません。
誰かが始めないと動かないということは承知しているので、自分、今日から感想を書いてみようかなあと。
今までこれ見よがしに読み逃げを行っていたのですが、執筆者さんと交流をもてるのなら飛んで行きます。
自分と同じ考えを持っている方がいたら嬉しいなあと感じる今日この頃です。
437
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/11/27(土) 13:20:47 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
コメントするの久しぶりだね(汗)
なかなか来れんでごめんなさいorz これからはちょくちょく(来れたら)来ますゞ
>>436
確かにそうだよねー。放置ならまだしも放棄スレは結構あるよね……;
自分もスレ放棄しちゃってるから何とも言えないけど、1話だけ書いて終わり、とかスレ立てて終わり、とか目立つよね(泣)
立てて満足しちゃうのかね? ただ単に時間がないとか事情があるのなら一言書いていけばいいのにね><
確かに交流が増えれば小説を書かなくても、コメントの返事をするために掲示板を利用するだろうし。
だからって交流だけの掲示板になったら「小説掲示板」にならないんだけどね……。
低年齢化(自分も結構低年齢から利用してるけどorz)もあるけど、せめてものルールもわかってほしいし。
とりあえず時間がないから私自身実行には移せそうにはないです; ごめんね(・ω・`)
海の小説も、この掲示板の活性化もひそかに楽しみにしてます←
438
:
海@削除人
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/28(日) 18:11:39 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
誄>>
俺も最近来たり来なかったりが激しいから大丈夫だよ^^
ははっ、俺も前は放置してたしなあ……でも今はここまで生き残ってますが←
400超えたってよくやったよ自分……(感涙
みんなも感想くれたりして、なんだかんだ活性化してたと思われますよ^^
あ、その事情書くやつはぜひしてもらいたいかも;
交流だけの掲示板でも使用してくれるなら俺は嬉しいかも←
放置や放棄よりはぜんぜんいいしねb
低年齢化はここだけに限らずいろんなところで進行しているらしいでし(・ω・`)
やっぱりネットの普及は一種あると思われ。
まあでも、パソコンできなかったら就職できないのが今の社会の現状だしなあ……悪いことじゃないんだが。
誄が多忙なのは理解してるから大丈夫だよー^^
俺の小説を楽しみにする、だと……!? 恐れ多いようわああああ!←
でも誄に楽しみにしてるよって言われるとやる気のバロメーターが右上がりします!(笑
活性化したら嬉しいよね!^^*
439
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/29(月) 13:13:09 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
まだ先だなんて言ってると、その日はやってくる。
そして嵐のように、過ぎていく。
【クリスマス、一歩手前】
特に理由なく街中を歩いていると、まばゆいイルミネーションに目が眩んだ。あんなにきらびやかにする必要はないのではないかと思ってしまうほど、ショーウインドウから街路樹、はては入り口の置物までがきらきらと輝いている。
クリスマスシーズンが近づくと必ずこういった景色になるこの街は、普段の落ちついた雰囲気から一転、騒々しいように感じてしまう。あの静かな雰囲気が好きなのにと思いつつ、すれ違う恋人同士の会話に苦笑して―――ふと、足をとめた。
赤や緑といったクリスマスカラーで飾られたショーウインドウ。そこに鎮座しているあたたかそうなマフラーを見やって、いつも手をこすりあわせている少女の顔が思い浮かんだ。
思わず、口元を手で覆う。
「別に好きだからとかじゃなくて……いつも寒そうだなって思っただけで」
誰に言うわけでもなく、ぼそりとつぶやく。
「マフラーあげたらあんなに寒そうにすることはなくなるよな」
寒いのなら防寒具を身につけてくればいいのにと、何度思ったことか。言おうとして言葉が喉に詰まって、結局そのまま言えずに終わって。
「…………」
言えない代わりにあげたら、彼女はどんな顔をするのだろう。
(笑ってくれたら、いい)
ショーウインドウの前に立ち尽くしていた青年は、店の中へと足を踏み入れた。
―――――――
この季節はクリスマスシーズンですよね。リア充めww
空野は恋人いないのでクリスマスは家族で過ごします。アメリカン。
皆さんのクリスマスの過ごし方気になります(・ω・*)
440
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/11/29(月) 13:15:32 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
、
>>433
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
クリスマス、一歩手前
>>439
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
441
:
李得実
:2010/11/30(火) 22:08:55 HOST:EM114-51-54-162.pool.e-mobile.ne.jp
「本日宣言します!〜」=“万国万民主権者側の“普遍的受益群の奪還へ向けた言動群の継続宣言などを!〜 2010.11・30(火曜)大阪
その“万国万民主権者側の“普遍的受益群の太枠の定義や目的などとは、以下の通りです!〜
“李得実(“万国万民愛奪還)主義は=“銀河系をも越えていく…
“原始からの→“現在→“半永久的に継続中の“大自然太陽法の“大恩恵群に沿い、そこからもたらされ続けている、“万国万民側への贈与物群(“地球天然資源群=“ウランや〜“金や〜“プラチナや〜“白金や、“メタンハイグレードや、“携帯電話の電池資源や、安価部類の“石油や“ガスなどや、「あらゆる“地球天然資源群」に含まれており、さらには“地熱や〜“風力や〜“海流や〜“海水内の資源群やオゾン層などの超膨大なる資源群や、超莫大なる“エネルギー群などなどを合計すれば、超莫大なる“地球天然資源群であり、これらすべては“大自然太陽法の“大恩恵群そのものである。その“万国万民側の普遍的な受益物であり、誰にも侵されてはならない“普遍的受益権利群です!…
約750年以前の“マルコポーロたちも確認している「“ジバング=黄金や銀や亜鉛などの保有大国日本」の意味といわれているように、日本列島には太古より「世界最大級の“地球天然資源群」が保有&再生産中(マグマ活動群や自然活動群などにより)である=※かかる地球天然資源群は=推定額・約十数万兆円分以上〜☆1家に5千万円分以上を返還しても充分に余裕がある〜☆これらすべてが、“大自然太陽法の“大恩恵群による“万国万民側の普遍的な受益権利群の一部です!〜
“先進技術大国の“日本体制側は、すでに、同資源群の回収技術群も保持しており、なおさらに、そのかかる“資源群の“万国万民主権者側への返還への責任と義務は多大である〜
“国家体制や、あらゆる体制や〜権力体や〜組織体といえども、侵す(強奪や詐取など)権利など保持などしていないにもかかわらず、この“万国万民側の普遍的受益権利群を、なんらの正当性も権利もなく踏みにじり、強奪&詐取&支配&抑圧群を継続中であり、“超不当極まる““超蛮行であり、とうてい許せるものではないことを確認し、かかる“抗議群と、かかる“万国万民主権群の“奪還へ向けた“非暴力革命への言動群の再継続を“万国万民側へ再宣言をするものです!〜
かかる、地球天然資源群を万民主権者側へ返還できなければ、すでに、「“国家体制=地方と中央政府とその“三権(立法&行政&司法)制度」側としての資格も理由も存在していないことを再証明していることになり、この愚劣極まる“日本体制とは=血税群などを主食にしている“公僕に過ぎず“公僕以上でも“公僕以下でもない、“万民主権者側への“公僕奉仕体に過ぎないことを再確認すべきです!〜あきらかに、“公僕義務違反群体に堕落腐敗群したままです!=
☆かかる“普遍的受益権利群に目覚めた“万国万民主権者側からの、参加や茶話交流や〜交信や支援などを希求するものです!〜
☆“日本体制側によって、侵害&剥奪など継続中であるが、分割的でも回復時には、“万国万民側に平和権と〜幸福権と〜繁栄権が奪還復興できることも、“大自然太陽法の“大恩恵に沿い必然です!〜“万国万民側は自信をもってこの、このかかる“正当権利群=“万国万民裕福&幸福権の奪還言動群を実行しましょう!〜
☆「本日、再宣言しました!〜」=“万国万民主権者側の“普遍的受益群の奪還へ向けた言動群の継続宣言などを以上の通りに… 2010.11・30(火曜)大阪
※全文例外を含む。 ☆「“巨悪巨罪群の告発センター」村長。 ☆「“万国万民による“万国不可侵条約の加入の実現の会」など〜
“大自然太陽法に沿い、非暴力による「“おとなしい“万国の“万民平和革命主義(“反巨悪巨罪主義」の思想言動者の・李 得実 ☆万国万民との茶話交流を!〜
“体制側と強く係わっている“体制利権屋グループ賊らは、ろくでもない野蛮人種であることが多い?〜尊敬に値するようなまともな人種では、まともには勤まらない巣窟が、“公僕に過ぎない「“日本体制賊=地方と中央政府とその“三権(立法&行政&司法)制度賊側の各利権権力職場」=「“巨悪巨罪群センター」=「“公僕放棄と“公僕義務違反賊」=「“公僕墓場賊に過ぎない?〜」、“日本体制とは=“未来永劫に残すべき、全銀河系にも存在すらも許されない、野蛮人類賊への反省と教訓用の「銀河系“地球博物館」になる運命でしょう!?〜
“李得実(“万国万民愛奪還)主義は=“銀河系をも越えていく…
442
:
李得実
:2010/11/30(火) 22:10:37 HOST:EM114-51-54-162.pool.e-mobile.ne.jp
☆“日本体制側によって、侵害&剥奪など継続中であるが、分割的でも回復時には、“万国万民側に平和権と〜幸福権と〜繁栄権が奪還復興できることも、“大自然太陽法の“大恩恵に沿い必然です!〜“万国万民側は自信をもってこの、このかかる“正当権利群=“万国万民裕福&幸福権の奪還言動群を実行しましょう!〜
☆「本日、再宣言しました!〜」=“万国万民主権者側の“普遍的受益群の奪還へ向けた言動群の継続宣言などを以上の通りに… 2010.11・30(火曜)大阪
※全文例外を含む。 ☆「“巨悪巨罪群の告発センター」村長。 ☆「“万国万民による“万国不可侵条約の加入の実現の会」など〜
“大自然太陽法に沿い、非暴力による「“おとなしい“万国の“万民平和革命主義(“反巨悪巨罪主義」の思想言動者の・李 得実 ☆万国万民との茶話交流を!〜
91555723090 pj,ne.omocod@atarumirir pj,oc.oohayg@3atarumir
逆読みを〜
“体制側と強く係わっている“体制利権屋グループ賊らは、ろくでもない野蛮人種であることが多い?〜尊敬に値するようなまともな人種では、まともには勤まらない巣窟が、“公僕に過ぎない「“日本体制賊=地方と中央政府とその“三権(立法&行政&司法)制度賊側の各利権権力職場」=「“巨悪巨罪群センター」=「“公僕放棄と“公僕義務違反賊」=「“公僕墓場賊に過ぎない?〜」、“日本体制とは=“未来永劫に残すべき、全銀河系にも存在すらも許されない、野蛮人類賊への反省と教訓用の「銀河系“地球博物館」になる運命でしょう!?〜
“李得実(“万国万民愛奪還)主義は=“銀河系をも越えていく…
443
:
李得実
:2010/12/01(水) 18:09:53 HOST:EM114-51-150-120.pool.e-mobile.ne.jp
“警察や〜“検察や〜“裁判所や〜“各体制役所側の裏金問題を最近になってから、ようやく“告発者(“ヒーロー=“体制側のスパイ手先か?)が現れて、少しずつ問題視と報道などされるようになってはいるが、あまりの“体制の“巨悪巨罪センター側への不満群をつのらせている“万民被害者側をあざむくために“本丸は隠ぺいして“小ガス抜きだけの可能性がある?…、「“日本体制の“巨悪巨罪センター」側の常とう手段だ?〜、※“子供だましの“数万分の1程度の告発に過ぎないともいえる?〜
「“日本体制側の“巨悪巨罪群センター」ぶりは、暗殺群なども乱発し、すでに世界的にも有名で、古くから取りざたされており、“裏金群程度ではなく、凄まじい「“体制の“巨悪巨罪群センター」=“本丸(巨悪巣窟)は、“告発ヒーローたちもその取り巻き連も結束して避け続けている?〜、
“数粒か数滴程度の告発だけでは、“やらないよりましな程度との非難群は、恐らくは、さけられないでしょう?!〜“超根腐れ状態により内部崩壊して“体制巨悪巣窟=“本丸もやがて明らかになること必然のよう?、“体制手先スパイ告発者らとは、まったく別次元で明らかになりそう?〜、
※全文例外を含む。 ☆「“巨悪巨罪群の告発センター」村長。 ☆「“万国万民による“万国不可侵条約の加入の実現の会」など〜
“大自然太陽法に沿い、非暴力による「“おとなしい“万国の“万民平和革命主義(“反巨悪巨罪主義」の思想言動者の・李 得実 ☆万国万民との茶話交流を!〜
91555723090 pj,ne.omocod@atarumirir pj,oc.oohay@3atarumir
※逆読みを〜連絡先。
444
:
名無しさん
:2010/12/03(金) 20:32:12 HOST:30.140.70.222.broad.xw.sh.dynamic.163data.com.cn
私の今の時間帯ではこんばんは。
「無題という名の短編集」の管理者です。以前は私のスレッドの方にコメント下さり大変有難う御座います^^*
ついでに未だ名前は無いので、どうぞ名無しさんとでもクズとでも好きにお呼び下さい(待
其れと最新作(クリスマス、一歩手前)だけですが小説拝見させて頂きました。
文章の書き方がとても上手ですね+長いのに、無駄が無く心理描写や行動描写が分かり易く其れに内容がちゃんとしっかりとしていて、とても読み易いなぁと思いました。
私はついつい文章に無駄が入ってしまいがちなので…、憧れます。
今度また別の小説も拝見させて頂こうかと思います。
では今回の所は此れにて、
また縁が有りましたら。
445
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/12/11(土) 17:12:33 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
まぁ何にせよ、ルール熟読とある程度の常識をお願いしたいよねorz
掲示板利用者の1人1人がもっと意識を高めれば絶対に掲示板って活性化すると思うし+。
低年齢化…やっぱ結構進んでるんだねー(汗)
学園アリスのほうも最近全然知らない人多くて敷居が高く感じる←
スレもたくさん立ってていい事なんだけど、全然知らない世界って感じで恐ろしいわ(笑)
多忙ですが顔を出します!><
12月…1月…、なんか一番多忙な季節な気がするけど←
「クリスマス、一歩手前」読んだーっw
プレゼントされた女の子はきっと笑ってくれるだろうなぁって思いますvv
こんな風に温かく想われてるって幸せだなぁ(´`*
446
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/12/15(水) 10:52:20 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
>>444
さん>>
こんにちは! お返事が遅くなり申し訳ありません;
それでは名前が決定する日をわくわくしながら待っていますねv
Σ小説を読んでくださったなんてありがとうございます!(;ω;)
まさか文章を褒めていただけるとは思わず…! 読みやすいと言われることがなによりの糧です。
なるべく無駄を減らすように心がけてはいるので、そこを見ていただけていたとは(感涙
ΣΣ憧れるだなんて滅相もございませんっ!;
稚拙な文章ばかりが並びますが、お暇つぶしにでも読んでくださったなら幸いです^^*
自分もまたお邪魔させていただきますねv
コメントありがとうございました!
誄>>
ネットが普及しているから仕方ないけどねb
学アリのほうは俺も感じたww 知り合いが数名しかいないというww
自分のスレくらいしか顔出せなくなったぜよ(・ω・`)
学アリに小説スレが増えてきてどうすればいいのか困る今日この頃←
俺も多忙だけど年賀状書かないと…!
学校でも書かないと間に合わないんじゃないかと思い始めた危ない((
女の子バージョンも書こうとしたけどずるずると今に至る←
書こうとするけどやる気というかバロメーターがあがらないという、どうすればいいのかねこれ((
自分にしてはまともな恋愛ものだと思われます…! いや本当w
447
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/12/19(日) 10:08:19 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
知り合い少なくなったよね、学アリの方(汗)
スレ増えるのも活性化されるのもいいことなんだけど、かなり入りづらくなってしまった;
小説スレ増えたよね! まじでビビった←
なんかもう「初めまして」で学アリの方いけそうだもん(笑)
年賀状まだ書いてないっていう^p^ ←
今日年賀状買いに行きます(笑)
女の子バージョンみたいよっ! ファイトだよ海+。
やる気かぁ……。はっちゃけるしかないんじゃん?(笑)
私は書く気がないときはゲームしたり漫画読んだり小説読んだりと自分の世界にこもります←
448
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2010/12/26(日) 17:01:46 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
誄>>
もう入りづらくなって入ってないです(^q^)
あれかな、新人さんが増えたからかな。そして重複を誰も注意しないからかな。
でも立てちゃった後だと、注意しても意味ないんだよねえ……削除だってすぐしてもらえるわけじゃないし;
レスを消すことはできますけれども。
年賀状31日に出してもいいかなって思い始めたよJK←
ええーっ! そんな無茶なことを(笑)
よし、じゃあ自分の世界にこもることにするよ←
449
:
誄
◆Hh/9IKsAlU
:2010/12/31(金) 10:41:41 HOST:softbank220001002089.bbtec.net
海>>
きっと新人さんたちは一昔のことを知らないからねぇ…。
一昔っつーか去年くらいは一行レスの注意もスレ重複の注意もかなりあったし。
がらっと掲示板利用者が変わるとまた繰り返す気がしてなんか嫌だわ(汗)
まじで?(笑)
31日に出したら私の家に1日に届かないわよ!←
自分の世界にこもってるときに誰かに邪魔されるとムカつきます(笑)
海は裏小説を書けば立ち直ると信じてるよ!((
450
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/08(土) 10:23:06 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
誄>>
そうだよねえ、注意……する人いないよっていうww
繰り返すっていうかもう繰り返しているように思うけど(・ω・`)
時間があるときにまた注意再開しようかと思ってまする。
それわかるww
というかティアラ文庫を読めばテンションマックスだよww←
451
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/24(月) 15:22:01 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
【記憶が薄れてしまうこと】
(彼が天使だからとかではなくて)
(なんて声をかければいいのか、わからなかった)
「記憶は自然と薄れていくものなんだよ」
ざあっと強い風が屋上を吹き抜けていく。私の隣に立つ青年がそうつぶやいて、彼のもつ金と薄紫の混ざった不思議な髪が、生き物のように空を舞う。
静かな蒼い瞳をたたえた秀麗な顔には表情などなくて、まるで仮面をかぶっているようだと思った。
「へえ。……天使様でも、そういうこと思うんだ」
「思っているんじゃない。事実だ」
いきなり現れて天使だと名乗った彼は、話によると好き好んでこの人間界に住んでいるらしい。普段は学校にも通っているらしく、どう考えても物好きにしか思えないのだが。
しかしやさしいわけではなくて、どちらかというと冷酷の部類。だからなのか、好きで住んでいるようには見えないのだ。
実際、羽を見せてもらったことは一度もない。
「記憶が薄れるだなんて、どうしてそんなことが言えるの?」
問えば、彼は目を伏せて黙りこみ、しばらくしてから大きく溜息を吐いた。
「――経験したからだ」
それは短い答え。
けれどその中にどこか寂しげな声音が混ざっているように感じて、私もまた黙りこんでしまったのだった。
452
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/24(月) 15:23:20 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
【水瓶座 恵みをもたらす青年】
さらさらと、涼やかな音をたてて水が地へと落ちていく。それを静かな蒼い瞳が見つめ、神々しいほどの金の髪が小さく揺れた。
「ねえ」
「……ヘベ様」
「様なんてやめてよ、今ではあなただって同じ神の仲間じゃない」
「いえ、それでも元々は人間ですし……それに、お酌の役はヘベ様のものだったでしょう」
「でも私はほかにきちんと役をもらったから、今の役はガニュメデス、あなたのものよ」
さらさら、さらさら。
すっと伸びた指が流れ落ちていく水を梳くように動き、わかれた水は周囲の雫を伴って人間の住む下界へと落ちていった。絶えず流れ続け、そして落ちていく水を、ガニュメデスはどこかあたたかみのこもった瞳で見つめる。
「あなたはいつもそういう目で見るわね。お父様が人のために作りだした水を流すときは、決まってそう。流す水に、なにか特別な感情でもあるの?」
ヘベがガニュメデスの隣に膝をつき、彼が流し続ける水をただただ見つめる。
「感情……なのかもしれない。ゼウス神が作ってくれた恵みの水を僕が人のために流しているんだと思うと、なんだか嬉しいだけです。……誰かの役にたてるということは、とても光栄なことなんだと」
「そうね、私たち神もみんなが自分の役割を持っている。たとえそれが負にしか働かないものだとしても、それがなければ世界の秩序が乱れてしまうことをみんながきっとわかっている。お父様だってアレスのことを嫌っているけど、彼がいないと勤まらないものもあるって知っているのよ」
「アレス神は残忍ではありませんよ。一度お会いしたことがありますが、とても気さくな方でした。戦場が好きというのは本当みたいですが」
「話してみると意外と楽しいのよね。役割が残酷だからそのイメージが強いだけで。ちょっと抜けているところとか文章力に弱いところとか、慣れてしまえばなんてことはないし」
「アフロディーテ様が好むのも、母性本能がくすぐられるからでしょうね」
「ふふ、そうね」
細やかで繊細な模様の描かれている水瓶から水は絶えず流れ続け、しかしそれでもきちんと終わりは来る。水の流れが悪くなったことを確認したガニュメデスはおもむろにそれを持ちあげ、傍らに静かに置いた。ちゃぷんと、まだ残った水が軽やかに鳴る。
「やはり全部は流れませんね……きっかり流れてくれれば助かるのですが」
「それはさすがに無理でしょう」
くすくすと笑うヘベに、ガニュメデスは小さく苦笑する。もちろん彼自身も無理だということはわかっているけれど、それでも淡い期待を抱いてしまうのは仕方のないことなのではないだろうか。
……人間ならば、なおさら。
「この残った水も、流れれば大地を潤す恵みになるのに」
ちらりと水瓶を見やり、そして中を覗きこんで手を突っ込み、わずかに残った水に触れて持ちあげた手を下界へとかざす。
ぽた、ぽた。
一定間隔のリズムを刻んで、雫は落ちていく。それらが少しでもなにかの役にたっていればいいと、ただただガニュメデスは祈るばかりだった。
些細なほんの一粒の水だけど、もしかしたらそれを待ち続けているかもしれない人のために、役立つかもわからない量を落とし続ける。
「……ガニュメデスは、神としてこのオリュンポスに迎えられても人間なのね」
穏やかにやさしく微笑まれて、ガニュメデスもまた微笑を返す。
神になって変わったことなどひとつもなかった。相も変わらず今でも神々を崇拝しているし、ゼウス神の許しがもらえれば下界へ降りて干ばつなどの影響を調査しに行くし、そのたびに関わる人々のあたたかみに触れ……王城で暮らしていたときと、なんら変わりのない日常。
「完璧な神になれない僕は嫌いですか?」
「嫌いじゃないわ。むしろ好ましい部類よ」
そう言って微笑まれる笑顔に、何度安心したことか。
自分がここにいる意味を、存在意義を、認めてくれる人がいることは何にも変えられないものなんだと、人間であり神である青年は思うのだった。
453
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/01/24(月) 15:26:38 HOST:119-171-156-245.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
、
>>433
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
クリスマス、一歩手前
>>439
記憶が薄れてしまうこと
>>451
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
水瓶座 恵みをもたらす青年
>>452
454
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/02/18(金) 15:18:33 HOST:119-171-141-4.rev.home.ne.jp
紅い服(ドレス)、紅い口紅(ルージュ)
紅い靴(ヒール)、紅い髪(ヘアー)
すべてを真っ赤に染めあげて
染まっていないのは
あなただけ
455
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/03/01(火) 17:14:45 HOST:61-24-232-212.rev.home.ne.jp
「あなたのためならば、僕は悪魔にだってなりましょう」
もしなってくれると言うのなら
後悔さえしないと言うならば
――その剣(つるぎ)を、わたしのためだけに振るって
456
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/04/12(火) 13:55:08 HOST:119-171-143-30.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
、
>>455
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
、
>>433
、
>>454
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
クリスマス、一歩手前
>>439
記憶が薄れてしまうこと
>>451
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
水瓶座 恵みをもたらす青年
>>452
457
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/06/08(水) 13:51:50 HOST:59-171-85-72.rev.home.ne.jp
こちらの企画⇒(☆ttp://alice3333.hanabie.com/star/easter/index.html)に参加させていただいております。
文章を書くのが好きな方、どしどしご参加ください!
【砂糖漬けの薔薇を一輪、あなたに捧げても良いですか】
「フリッド、フリッド」
「ん? ……ああ、キャルロット。どうしたんだい?」
「あなたがいつまでたっても薔薇園から戻ってこないから迎えにきたのよ。昼食も抜いているんじゃないかと思って、差し入れも持ってきたわ」
「ありがとう、キャルロット。でも今日は家庭教師が来る日じゃなかった?」
「いいのよそんなもの。そんなことより、フリッドといるほうが楽しいもの」
「それは嬉しいことを言ってくれるね」
辺り一面に広がる薔薇を絨毯みたいねと評したキャルロットは、手に持っていたバスケットを薔薇園のたったひとつのベンチへと置いた。景観を壊さないようにと、淡い茶色のベンチはフリッドが注文したものだ。人が滅多に座らないためか、そのベンチはいつも新品の風を漂わせている。
フリッドの色素の薄い金髪が日に透けて輝き、薔薇を見る青藍色の瞳がやさしそうに細められる。泥のついた手で薔薇を撫でるさまを、キャルロットはじっと見つめていた。
バスケットの中身はキャルロットが自らつくった、ハムとキュウリのサンドウィッチ。今朝、市場で仕入れてきたばかりの新鮮なものを使用した、フリッドが唯一食べやすいと言った食べ物だ。
喉も渇いているかと思って、ポットとカップも持参した。両方とも緻密な模様が描かれているキャルロットのお気に入りで、差し入れの際には必ず持ってくる。そしてポットの中身はあたたかいアールグレイ。フリッドは砂糖をいれることを好まないから、ストレートで入っている。
枯れている薔薇を名残惜しそうに摘みとるフリッドに、キャルロットは声をかけた。
「フリッド、少し休憩したらどう?」
「ああ、そうするよ」
泥で汚れた手袋をはずし、少しはたいてから、フリッドはゆっくりとした足どりでベンチに座った。そうして緊張がほどけたかのように、背もたれにぐったりと寄りかかり、微笑む。
「疲れるまで根気つめないの。身体壊れるわ」
「でも僕がいなかったら、この薔薇園を世話する人がいなくなる。それだけは絶対避けたいんだよ」
疲れた顔をしつつも微笑むフリッドに、キャルロットはカップに注いだ紅茶を渡す。それを受けとり一気に飲みほした彼は、ふうとひとつ溜息を吐いた。
「薔薇は誰かの手がなければ美しく咲かない。手が加えられることで、いっそう美しく咲くんだ。だから僕は薔薇が好きなんだよ」
やさしい光をたたえるエメラルドの瞳が、ふわりと細められた。
「大輪の花が咲いたときの喜びは、どう例えればいいのかわからないくらい嬉しくなって」
「嬉しすぎて、の間違いではなくて?」
「はは、キャルロットは本当、僕のことをよくわかっているね」
「長い付き合いだもの、わかって当然だわ」
ふふっとキャルロットが小さく笑いをこぼすと、高く結いあげられているウェーブのかかった金髪がふんわりと揺れた。手にはめられている白い純白の手袋をちらりと見やり、フリッドは申し訳なさそうに眉尻をさげる。
「本来なら、裕福な貴族の家へ嫁いでいるはずなのに……」
ぽそりとつぶやかれた言葉を、キャルロットは聞き逃さなかった。
「愛のない婚姻はいやよ。いくら爵位があったって、財産があったって、そこに愛が存在しないのなら意味がないわ。……私は、あなたと生きていたいのよ」
キャルロットのサファイアの瞳が、フリッドの目をまっすぐに見つめる。
その視線に耐えきれなくなったのか、フリッドは少し俯き、そして困ったように笑った。
「僕と生きるなら、今のように貴族の暮らしはできないよ」
「わかってるわ」
「もしかしたら、家族との関係が悪化するかもしれない」
「なら、お父様を説得してみせるわ」
「薔薇にしか興味のない、つまらない男なのに?」
「それでも私はあなたが好きだもの」
ぎゅっと握られた手を、フリッドは包みこむ。
「……本当に君は、僕にはもったいない女性だよ」
よくできすぎている。
そう言って溶けこむかのように抱きしめられた腕の中で、キャルロットは満面の笑みを浮かべた。
「キャルロット」
「なあに?」
「僕らが婚姻するときにね―――」
―――君に、砂糖漬けの薔薇を一輪あげる。
--------------------------------------------------------------------------------
(僕の愛に染まった薔薇を、)
(この世でもっとも愛した君に)
458
:
海@削除人
◆Gv599Z9CwU
:2011/06/29(水) 19:02:24 HOST:61-26-248-34.rev.home.ne.jp
君が僕についてきてくれると言うならば
僕はどんな屍も越えてみせよう
だから、お願い
―――僕を、おいていかないでくれ
459
:
璃夢
:2011/06/29(水) 22:24:03 HOST:softbank220015214027.bbtec.net
ぁげ-*
スレ主san.
小説上手すぎでふ(*ω)
師匠みたぃbb*
尊敬します^^*
ぁげ越智でふ★
460
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/07/04(月) 21:35:44 HOST:61-26-248-34.rev.home.ne.jp
璃夢さん>>
あげてくださってありがとうございます!vv
そして上手いだなんてもったいないお言葉まで…!
ししししかも師匠ですか!?�堯福❷◆❺痢─縫痢,發辰燭い覆気垢丨撞磴韻討④泙喉�
よろしければ暇なときにでもふらりとお立ち寄りくださいませ^^
461
:
海
◆Gv599Z9CwU
:2011/07/04(月) 21:36:58 HOST:61-26-248-34.rev.home.ne.jp
◇◆参考サイトさま等◆◇
ギリシア神話⇒「ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~kinokokingdom/greekmythology.html」
北欧神話⇒「ttp://homepage3.nifty.com/ryuota/norse.html」
○詩○
異世界風味
>>220
、
>>224
、
>>292
、
>>312
、
>>316
、
>>318
、
>>384
、
>>455
神話
>>244
>>193
、
>>194
、
>>195
、
>>196
、
>>199
、
>>200
、
>>202
、
>>205
、
>>206
、
>>209
>>211
、
>>215
、
>>216
、
>>217
、
>>218
、
>>219
、
>>211
、
>>222
、
>>223
、
>>225
>>226
、
>>227
、
>>229
、
>>231
、
>>232
、
>>234
、
>>235
、
>>236
、
>>238
、
>>239
>>240
、
>>290
、
>>295
、
>>297
、
>>303
、
>>304
、
>>305
、
>>306
、
>>307
、
>>308
>>309
、
>>317
、
>>328
、
>>362
、
>>368
、
>>404
、
>>408
、
>>412
、
>>433
、
>>454
>>458
○小説○
眠りから覚めしお姫様
>>269
不思議な世界
>>271
守れなかっただろ、お前はそれを
>>332
君は華、君は宇宙
>>272
小さな図書館
>>273
少女の涙はなにを誘う
>>377
天使と人間 ―同じもの―
>>379
命の最期は、君の接吻を
>>396
ひまわり
>>406
世界を愛せない青年と、世界に見放された少女
>>414
、
>>415
、
>>416
無言、それでも大切な
>>420
その魔法、なんのために使うのかは、その人次第だと思うんだよ
>>434
砂糖漬けの薔薇を一輪、あなたに捧げても良いですか
>>457
○SSS○
優声
>>418
あなたがやさしいからいけないのよ
>>422
二種類の子供
>>425
モノクロームの世界
>>427
紅葉舞い散るころに
>>431
クリスマス、一歩手前
>>439
記憶が薄れてしまうこと
>>451
●音楽的小説●
煌めきの奏鳴曲(ソナタ)
>>274
ト音記号とヘ音記号 ―高いものと低いものと―
>>299
●神話●
アネモネが見上げる意味は、
>>275
女神が恋し紅い花
>>288
、
>>314
幸せ満月
>>374
アース神族最強の雷神
>>323
水瓶座 恵みをもたらす青年
>>452
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板