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.。.:*・゚☆虹空☆.。.:*・゚

271:2010/01/11(月) 18:02:11 HOST:125-14-34-36.rev.home.ne.jp


 そこはとても、不思議な世界。
 現実とは似て非なるもの。時間の流れは現実より遅く、その世界の住人もどこか一風変わっている。
 ……おや? どうやら、子猫が迷い込んだみたいだね。
 黒の燕尾服を身にまとい、片手に銀の懐中時計を握り締め、駆けていく兎を追いかけているようだ。ああ、哀れな子猫。そのまま行ったら君は現実へ戻れないよ。
 まあ、僕の知ったことじゃないけどね。
 子猫がどうなろうとも、僕の知ったことじゃない。戻れなかったらそれはそれ、戻れたならそれもそれ。僕にとっては同じこと。ただそれだけだ。


 ……今度はまた、毛色の違った黒猫か。今日は迷い子が多いようだ。
 先ほどの子猫を追いかけているのかな? 直感で進んでいるのか、それとも確信があるのか。僕では断定できないね。
 ああ、子猫はそっちへ行ったよ。やはりこれは確信があるのだろうか。この世界でたった一人を捜すだなんて、不可能に近いというものだ。愚か者のすることなのに。
 けれど退屈しのぎにはなりそうだよ。もう少し、君たちを観察させてもらうとしよう。


 あれ? いつの間に僕のところへ来たんだい? ……ああ、ここは時間がゆっくりだったね。
 そんなに焦らなくてもいいよ。君たちを観察してとても愉快だった。変わっているね、ここの住人になってもいいくらいだ。
 わかったよ。そのお礼に教えてあげよう。



 ―――『現実世界へ戻る方法を』。



 幸運を祈ってるよ。
 ……さあ、次の迷い子は君かもしれない。


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