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Cry for you

26ちんぱる:2013/05/31(金) 00:21:40
>名無しさん
だってあなた、さっきから批判的なコメントばかりじゃないですか

まだ物語も序盤なんですから、ちゃんと途中まで読んでから批判してください

29シップ:2013/05/31(金) 00:34:41
今までの内容は知っていますがこの後も楽しみです!
頑張って下さい!

30ちんぱる:2013/05/31(金) 00:35:52
>シップさん
一応、最初から書き直すつもりです!
もう少ししたら、新展開しますからおたのしみに!

32シップ:2013/05/31(金) 07:07:01
楽しみです!

自分のペースで頑張って下さい!

33WBX:2013/05/31(金) 15:19:12
応援してるので頑張って下さい! あと他の作品の更新も待ってます!

34シップ:2013/05/31(金) 16:44:55
まだ入れませんね…
どうしたんでしょう…

35ちんぱる:2013/05/31(金) 19:04:21
>シップさん
もしかしたら閉鎖したんじゃないんでしょうか…

36ちんぱる:2013/05/31(金) 19:36:33

高校デビューとは一体何だろうか。
晴人は歩きながら、そんな事を考えていた。
確か何年か前にそんな映画あったな…、最終的にまったく関係ない結論に達した。
そのぐらい緊張していた。
女子と一緒に帰るなんて、晴人にとって何年振りの事件だろうか。

「ねぇ、ねえ!」
「ん、うん?」
「聞いてる?」

どうやら彼女は隣で何かを話していたらしい。
しかし考え込むと周りが見えなくなる晴人は、全く聞いていなかった。

「ゴメン…」
「も〜う、あのね小嶋先生が…」

どうしてこの子は、俺なんかと一緒に帰ってくれているんだろうか。
朝たまたま、一緒に遅刻したってだけなのに。

その理由は明確だ。
単に彼女が、晴人のことを気にしているからだ。
だが鈍感な晴人は、全く気付いていない。

「じゃあ…私ここだから」
「お、おう」
「また明日ね」
「じゃ、じゃあな」

とカッコつけて言ってみたが、声は思いっきり震えていた。
家に入る彼女の後ろ姿を見て、ついつい見とれてしまう晴人の後頭部に、突然衝撃が走った。

「いって!!!」
「ハハハー!な〜にやってんだよ!晴人!」
「何だ…、松井か…」
「何だってなんだ!それに俺のことは大貴でいいって言ったろ?」
「分かった分かったよ!それで?一体どういうつもりだ?」

指をボキボキ言わせながら、大貴に近づいて行く。

「は、晴人くん…?い、一旦落ち着こうか…」
「じゃかぁ〜しぃわ!ボケェ〜!!」

2分後
「だからぁ〜、ホントゴメンって!」
「うるせぇ、いきなり人の頭殴っときながら、それで済んだだけ感謝しろ」
大貴は公園の木に吊るしあげられていた。
しかし、「だぁあ〜!」と野性児のように大貴は叫び、何とかロープから脱出する。

「ったく…、んで?何の用だよ?」
「いやお前がそそくさと帰るからさ、何事かと思って」
「何で今日会ったばかりのお前に、そんなこと思われなきゃいけねえんだよ!」
「なんでかなー、お前とはずっと前から友達だった気がするんだよなぁ」
「意味分かんねえよ」

37ちんぱる:2013/05/31(金) 23:05:49

「あっ!珠理奈ー!」と大貴は突然手を振り出した。
その先には中学生だろうか、その位の歳の女の子がいる。
まさか…、こいつロリコン!?と晴人は思ったが、

「あ!お兄ちゃん!」

違った。

「何やってんの?」
「友達とな!ちょっとダベってた」

大貴の事をお兄ちゃんと呼ぶ子が、晴人の顔を見ると、そそくさと大貴を連れ出した。

「なんだよ!」
「お兄ちゃん、あのカッコイイ人誰!?」
「あ?あぁ神山晴人、俺のクラスメートで親友だ!」
「晴人さん…」
「珠理奈、お前まさか…」
そう、珠理奈は晴人に一目ぼれをしていた。

「紹介して!」
「はあ!?」
「いいから!珠理奈の事、晴人さんに紹介して!」
「ったく、面倒くせえなぁ」

珠理奈にしつこく「紹介して」と言われ続けたので、しぶしぶ紹介することに。
「晴人、紹介するわ、俺の妹」
「あ、そうなんだ」と言いながらも、「だと思った」と心の中でツッコんだ。

「松井珠理奈です!初めまして」
「初めまして神山晴人です、よろしく。元気がいいね」
「ほ、ホントですか?うれしぃなぁ〜」

珠理奈は両手を顔に当て、照れている。

「あの…、は、晴人さんって呼んでもいいですか?」
「ん?別にいいよ」
「は、は、晴人さん…」と言ってみるものの、結局恥ずかしがる珠理奈。

そんな妹の様子を見て、自分まで恥ずかしくなる兄。

そろそろ帰りたいと思っている男。

さまざまな気持ちが、公園内に入り混じっていた。

38ちんぱる:2013/06/01(土) 17:59:36
「はあ…、ただいまぁ〜」
やっと松井兄妹から解放され家にたどり着いた晴人だったが、彼を迎え入れてくれるものは誰もいない。
「姉ちゃん?ん?」
テーブルの上に手紙が置いてあった。
『今日は遅くに帰りそうだから、昨日作ったシチュー食べてて!それと、ちゃんと私の分も残しておきなさいよ! 優子』
「ハイハイ…」
シチューを温め、テレビを見ながら食べた。
優子はある弁護士の秘書をしており、帰ってくる時間が遅くなることは度々ある。
だから晴人にとっては、一人でご飯を食べることは日常茶飯事だった。
「やっぱ姉ちゃんのシチュー、うめえな」
姉の作る料理の中で晴人が好きなのは、シチュー、オムライス、ハンバーグ、カレー。
この4つが彼の中では、すでに殿堂入りを果たしている。
「さてと、風呂入って寝るか」
何度この言葉を言ったことだろうか。
誰もいないのに、一人で呟くこのセリフが晴人は大嫌いだった。
でも何故か勝手に出てきてしまう。
「はあ、寂しすぎんだろ、俺…」

39ちんぱる:2013/06/01(土) 19:07:19

翌朝。
「う〜ん…、おはよう姉ちゃん」
「おはよっ、ご飯できてるわよ」
「Thanks!」
「Your Welcome!」
この謎の英語での会話のくだりは、ほぼ毎日起こっている。

「ふわぁ〜、そういやなんか変な夢見たな…」
「…どんな?」
多少ドキッとしながらも、冷静な表情で尋ねる優子。

「う〜ん…」
晴人が見た夢は…。

『晴人くん…』
『しま…、いや遥香…』
『私、晴人が好き!』
『俺もだ!愛している!』
何ていう夢を見たわけで…。

「まぁ…相当変だった」
「何それぇ〜?」

その後学校に行く支度も完了し、家を出ようとすると。
「晴人!」
「ん?」
「今日お姉ちゃん、早めに帰るから」
「おうっ」
「行ってらっしゃい!」
「行ってきます!」

こうしてまたいつもの朝が始まった。

40ちんぱる:2013/06/01(土) 19:07:50

「あ、島崎さん…」
学校に向かう晴人の前を遥香が歩いていた。
ゆっくりと桜並木を眺めながら歩く彼女の姿は、とても美しかった。
晴人は走って、遥香のもとへと向かう。

「は、島崎さ〜ん!」
一瞬「遥香」と言いかけたが、すぐにごまかす。

「あっ、は、神山くん」
一瞬「晴人」と言いかけたが、すぐにごまかした。
つまり、彼女も同じ夢を今朝がた見ていたのだ。

「お、おはよう」
「おう、い、いい天気だな」
何を言っているのか、晴人自身も分かっていない。
「そ、そうだね…」

ちなみに今日の天気は曇りである。
そのまま2人は何かを話すことも無いまま、隣に並びながら学校へ向かった。


「ねえ、神山くん」
正門の前まで来たとき、彼女が突然口を開いた。

「帰りも…一緒に帰ってくれない?」
彼女はうつむきながら、恥ずかしそうに言ってくる。
「か、かわいい…」と晴人の心の中は、すでにKO寸前だった。

「い、いいとも…」
「ホント!?じゃあ放課後、正門でね」
「おう」
まだ付き合っても無いのに、恋人気分の2人だった。

41ちんぱる:2013/06/01(土) 19:08:39

教室に入ると。

「おはよー!晴人!」
「朝から、うるせえよ!」
「何イライラしてんの?」
「駿太郎聞いてくれ、コイツな昨日…」
晴人が駿太郎に昨日の出来事を話そうとすると、

「わ〜!わ〜!」
「んだよ!うっせえな!」
「晴人!ちょっと来い!」といい、大貴は晴人を連れ廊下に飛び出た。

「昨日のことは言わないで!」
「何で?」
「イヤ…、だって男が男をつけてたなんて知られたら、完全に俺コッチになっちゃうだろ?」
そう言いながら、大貴は左手をほほに近づける。

「いいんじゃない?ソッチの人でも」
「良くねえわ!」
ちょうどそのとき、授業開始のチャイムが鳴った。


「内閣に不信任決議案を提出できるのは、衆議院だけの特権であって…」
櫻井先生の授業は分かりやすい。
丁寧に図を書いてくれて、なおかつその図を丁寧に説明してくれると生徒達に大評判だった。
「ニュースキャスターになればいいのに…」と晴人は何度思ったことだろう。

「では、今日の授業はここまで」
本日最後の授業が終わり、高校生活2日目が終わりを迎えようとしていた。

「なあなあなあ!」
「もうちょいボリューム、抑えらんねぇのか?」
「晴人さ、今から一緒にサッカー部見学に行かねっ?」
「え?」
「どうせお前、部活何やるか、まだ決めてねえんだろ?」
「ま、まあな…」と適当に答える晴人。

「そういや“なんかやりたい”って言ったけど、何やりたいんだよ?」
「いや、特には…」
「だからさぁ〜!サッカー部見学行こうぜぇ〜!」
「お、おう…」と言いながらも、晴人はあまり乗り気ではなかった。

正直、晴人はサッカーにあまり興味を持っていない。
テレビで試合を見るのは好きなのだが…。

「晴人」と、突然駿太郎から声をかけられた。
「んだよ?」
「本当は乗り気じゃないだろ、お前」
「ギクッ!」

「ギクッ!」というこの音、みなさんは心の中で鳴った音だと思っただろう。
だが実際は、晴人が思わず口から出した音である。

「“ギクッ!”って普通言わねえだろ」
「いやつい…」
「そうなのかぁ〜?晴人〜!」
「だあもう!別にいいだろ?」

「とにかく!今日は俺は先約があるんだよ!」
「おっ!あの子か?」
「誰?」
大貴が話すとややこしい事になると判断した晴人は、ヤツにラリアットをかまし、そのまま教室から出た。

「じゃ〜な〜!」
「痛ぇだろうが!」
「ドンマイ…」
「何で、お前笑ってんだよ!?」

42ちんぱる:2013/06/01(土) 19:09:13

正門に向かっていると、靴箱で遥香とバッタリ会った。
「あっ、神山くん」
「丁度良かった!」
「ねっ」

室内靴から通常のローファーに履き替え、2人は並んで歩きだす。
「そういや島崎さんは部活とか入んないの?」
「う〜ん、まだ何があるのか分かんなくて」
「そっか」

2人の目の前を、野球部の新入部員たちが通り過ぎていく。
「神山くんは?」
「えっ?」
「何か部活やらないの?」
「う〜ん、俺も特には考えてないな…」
「中学の時は何やってたの?」
彼女に質問されたのにも関わらず、晴人は黙っていた。

「神山くん?」
「ねえ、あそこのドーナツ屋で、何か買おうよ」
「う、うん…」
晴人は急ぎ足で、ドーナツ屋に入っていった。

「私、いけないこと聞いちゃったかな…?」
遥香も慌てて、晴人の後を追い店内に入る。

だがこのとき、彼女はまだ知らなかった…、晴人が抱えている爆弾に…。

43ちんぱる:2013/06/01(土) 19:13:42

ドーナツを食べながら、晴人は遥香の中学の頃の話を聞いていた。
「島崎さんはさ、中学の時、部活何やってたの?」
「私?吹奏楽部やってたんだ」
「へえ〜、何吹いてたの?」
「フルートって言うんだけど知ってる?」
「ふるーと?」
晴人は全く分かっていない。

すると店に新たな客がやってきた。

一方で理解していない晴人のために、遥香はフルートを吹く真似をしてみせる。
「こういう楽器なんだけど」
「ああ!横笛ね!」
「横笛…、うん、そんな感じかな」
「あれ?違った?」
「ちょっとだけ」と彼女は笑いながら、ドーナツを食べている。

すると、ついさっき来店してきた客が遥香に声をかけてきた。
「あれ?ぱるちゃん?」
「あっ…」
顔見知りだろうか、遥香はかなり驚いた表情を取る。

「誰?」
状況が読み込めない晴人は、彼女に尋ねた。
「同じ2組のクラスメート、私の友達」
「ふうん」

するとその友達は、2人のテーブルの空席に座ってきた。
「何!? 何!? ぱるちゃん、もう彼氏出来たの?」
「ち、違うってば! 神山くんは友達だよ…」
「へえ〜」と言いながらも、にやけながら二人を見ている“友達“。

「あっ、自己紹介遅れましたね!私、島田晴香です!」
「は、はるか…」
「そう!ぱるちゃんと同じ“はるか”なんです!ねぇ〜?」
「う、うん!」

神様というものがもし本当にいるとするなら、あまりにも気まぐれである。
「同じ名前というだけで、こうも違ってくるのか」と晴人は思った。

こっちの“遥香”は、さっきからずっとモジモジして、恥ずかしそうにしている。
かたや、こっちの“晴香”は元気がよく、正直言うと…うるさい。

「今、うるさいって思ったでしょ!」
「へっ!?」
彼女は人の心が読めるのだろうか。

「どうなんですかぁ?」
「い、いやぁ!そんなこと思ってないよ…」
「何で最後の方、声ちっちゃいんですか!」
「ちょっと!晴香!晴人さん困ってるじゃない」
ようやく“遥香”が助け船をくれた。

結局3人でドーナツを食べ、晴香とはその場で別れた。
島田晴香は嵐のように現れ去っていったのだった。

44ちんぱる:2013/06/01(土) 19:14:57

「ゴメンなさい…晴香が急に」
「いやいや、楽しかったよ!」
晴人は彼なりに、フォローしたつもりだった。
しかしそれが逆効果になるなんて、誰が予測できただろう。

「やっぱ、明るい女の子の方がいいですよね…」
「えええ!!!」
あまりの展開に、晴人は大声で驚いてしまった。
まさかの一言に、動揺している。

「そ、そんなことないって!」
「でも私、あんなに積極的にはなれませんよ…」
「そんなことないよ!」
晴人は肩を掴み、彼女の目を正面から見つめた。

「えっ…」
突然の出来事に困惑する遥香。
しかし晴人は、なおも彼女の瞳を見つめ続ける。

「俺は…、“遥香”ちゃんみたいな子がいいんだよ」
どさくさまぎれに、告白まがいの発言をした晴人。
彼にはそんな気は全くなかったが、心がとってもピュアである遥香は、それを受け入れてしまった。

「ほ、ホント?」
「うん、俺は“遥香ちゃん”みたいに大人しい子も好きだよ…、ん?」
この男はようやく、事の重大性に気付いたようだ。

「あ、あ〜!!!ち、ち、違うんだ!そのぉ〜!違くはないんだけど!違うんだ!」
まだ会って2日だというのに、急展開過ぎる。
読者がどんどん離れて行く気がした。

45ちんぱる:2013/06/01(土) 19:17:18
晴人がおろたえていると、その様子がおかしかったのか、遥香が突然笑い出した。
「アッハハハハ!」
「な、なに?」
「ねぇ!」
「ん?」
「私も…、“晴人くん”のことが好きだよっ」
その瞬間、晴人の呼吸が止まった。


「苦しい…、何で俺は息を止めてんだ…?」と晴人は思っていた。
疑問に思うことすらおかしい位、当たり前のことを考えている。
理由はひとつ、彼女の突然の告白に、晴人の全思考回路が停止したからだ。
そろそろ、空気を補給しないとマズイんじゃないだろうか…。

「ブハッ!」
やっとした。

「大丈夫?」
「ご、ゴメン!ぜ、全然整理できてないんだけど」
「ウフフ」
「ちょっ!笑うとこじゃないでしょ!」
「ゴメンゴメン、ウフフ」
「もぅ…、かえ…ろっか?」
「うん」といって遥香は、左手を差し出した。

「何?」と聞いてみるも。
「ん!」と言っただけで彼女は手を差し出し続けている。

何故、この男は「手をつないで」という女の子のかわいらしい暗黙のメッセージを理解してやれないのだろうか。

「あっ…、手を繋げばいいのか…」
最初からそうすればいいのである。
そうして2人は、出会って2日という異常な早さで付き合い始めた。

そしてここから、2人の永遠に続くラブストーリーが、本格的に幕を開けるのである。

46ちんぱる:2013/06/01(土) 19:24:02

-7年前の夏-

時は過ぎ、夏。
「あっちぃ…、夏ってだけで何でこんなに暑いんだ…」
今年もこの時期がやってきた。
晴人にとっては、高校生になって初めての夏休み。
しかし部活に入っていない晴人は、1日中家で無駄な時間を過ごしていた。

「こら!朝っぱらからダラダラしてんじゃねえよ!」
「んだよ、姉ちゃん!」
「これ、買ってきて」と、優子は晴人にメモを渡した。

「はあ?歯ブラシセットに、シャンプーハットだあ?何に使うんだよ、こんなの」
「いいからいいから!駅前のスーパーで安売りしてたから、早く買ってきて!」

仕方なく買い物に出た晴人は、駅前を歩いているとある広告看板が目にとまった。

『渡辺麻友 NEWシングル発売!!』

今をときめく人気アイドル「渡辺麻友」、クラスでも彼女の話題で盛り上がっていた。


数週間前

「なあなあ!昨日の音ステ見た?」
大貴のテンションは、今日もバカなくらい上がっていた。

『音楽ステーション』、通称『音ステ』、人気のある生放送の音楽番組で、毎回いろんな歌手が出ている。

「見てないけど」
「なぁ〜んだぁとぉ〜!お前昨日の放送見てないとは!人生の半分損してるぞ!」
「じゃあ人生の半分は、得してんだな?」
「うっ」
晴人の反論に何も言えなくなる大貴。

「で?誰が出てたんだよ?」
「“まゆゆ”だよ!“まゆゆ”!」
「“まゆゆ”?」
駿太郎はそういうのには疎いらしく、キョトンとしていた。

「最近人気のアイドルのこと」
「ああ、アイドルね…」
「はぁ〜まゆゆかわいいよなぁ〜、何せあの清純そうな表情、そして時折見せる最強のアイドルスマイル!クゥ〜!たまらねえぜ!」

晴人は、大貴がそんな事を言っていたことを思い出しながら、看板を見ていた。

「ったく、アイツのどこがそんなにいいんだか…」
あたかも知り合いのような言い方である。

「さて、買いもん、買いもん!」
晴人は駅前のスーパーに向かった。

47ちんぱる:2013/06/01(土) 19:51:26

時は少し戻り、都内某所…。

「えっ!?オフ!?」
東京の街の中を走る一台の車の中には、一人の女性が運転していた。
後ろには女の子が座っている。

「はい!社長にムリ言って、明日から3週間ほど休みをもらえました!」
「さすが!ひっさしぶりのオフだぁ〜、やったぁ〜!」
「そのかわり!帰ってきたら、新曲のレコーディングやら、PV撮影やらで忙しいからね」
「うん、分かってまぁす!」

女の子の名前は、渡辺麻友。
先程も説明したが、今をときめくスーパーアイドル。
そんな彼女も一人の人間、たまの息抜きぐらい欲しいのだ。

「そうだ!久しぶりにお姉ちゃんのとこ行ってみよ!」
そういうと、彼女はある所に電話した。

48ちんぱる:2013/06/01(土) 19:55:55

晴人は駅前のスーパーで、姉の優子に頼まれた買い物をしていた。
「え〜っと、シャンプーハットは買ったし、あとは歯ブラシセットっと…」

スーパーの中を歩き回っていると、見覚えのある顔を見かけた。
「あれ?さやちゃん?」

晴人が声をかけたのは、小学校からの同級生の山本彩。
「あっ、晴人!え!?なんでいんの?」
「いやちょっと買い物にね、さやちゃんは?」
「見たら分かるやろ、アタシも買いもんや!」

彩は幼少期は大阪に住んでいたらしく、関西弁が結構強い。

「晴人、学校楽しい?」
「うん、楽しいよ」
「部活とか入ったりした?」
「いや…」
すると晴人は、何も言わず、ただ黙り始めてしまった。

「もしかして、まだ気にしてるん?」
「イヤ別に、気にしているわけじゃ…」と言うも、黙り込んでしまった。

「仕方ないやん、あれは晴人のせいとちゃうで!」
彼女にフォローされながらも、晴人の心の中は、沢山の鎖で締めつけられていた。

49ちんぱる:2013/06/01(土) 21:27:01

おつかいを済まし、スーパーから自宅に帰る道中、晴人は昔のことを思い出していた。

彼が中学のとき、起こしてしまったある“事故”。
そのことが語られるのは、まだ先の話である。

「俺のせいなんだよ…」と小さく呟く。
その声が誰かに届くことはなかった。


少し落ち込んで家に帰り玄関に入ると、早速見慣れない靴を発見した。
スーパーに買い物に行く前は、こんなの無かったはずだ。

「ま、まさか…」
嫌な予感とは、まさにこのことである。
おそるおそるリビングに向かうと、晴人の予感は寸分の狂いも無く的中した。

「何でいんだよ…」
そこには、仲良くトランプをする女子2人がいた。
一人は晴人の姉、優子。
もう一人は、ついさっき街中で見かけた顔だった。

「あ!おかえりぃ〜」
「“おかえりぃ〜”じゃねえよ、何でさらっといんだよ!“麻友”!」

神山家に来ていた来客とは、まぎれもなくあの“渡辺麻友”だった。
何を隠そう、麻友は晴人姉弟とにとって“いとこ”にあたる人物なのである。

「何でって、そりゃあオフだからに決まってるでしょ」
「オフだからって、何も俺んちに来ることねえだろ?」
「だってぇ〜最近、優子お姉ちゃんに会えなかったからぁ〜」
「カワイイこと言ってくれるねぇ〜」
この2人は、いつもこうやってイチャイチャするのが恒例となっている。
突然2人は両手をωの形にし、「おしりω!」と声をそろえた。

「だからなんだよ、それ」
別に興味はないが、とりあえず聞いてみる。

「おしりとおしりの誓いよ!」
「意味分かんねえ…」
聞いて後悔する、これも恒例の事だ。

こうして3週間、国民的アイドルの渡辺麻友が、神山家に泊まることになった。
「勝手に、話進めてんじゃねえよ!!!」

50ちんぱる:2013/06/01(土) 21:27:42

麻友が晴人達の家に来て、3日が過ぎた頃だった。

「ねえ、どっか連れてって」
突然のいとこのお誘い…、しかも相手は、国民的アイドル…。
そんな女の子からのお誘いを断る人間がいるわけ…。

「断る」

いた。

「なんでよ〜!別にいいじゃ〜ん!」
「良くねえよ!俺にだって用事があるんだよ!」
夏休み真っ只中である晴人には、彼女がいる。
島崎遥香、入学式に運命的な出会いをした(本人の思い込み)彼女。
そんな彼女と、夏休みに入って一度も会えていない。

どうやら家族と、3泊4日の沖縄旅行に行ったらしいのだ。
そしてついに昨夜、遥香からの電話がかかってきた。

「もしもし?」
「あっ、もしもし?晴人くん?」
「おう、遥香?」
「うん!」と彼女は元気よく答えた。

「実はね、さっき東京に帰って来たんだけど…」
「何?」
「あの…、明日会えないかな?」
「ま、マジ!?」
「ダメ…?」
「全然!むしろ大歓迎!!!」ということで本日は、遥香との久々のデートなのである。

話を現在に戻そう…。
「何よ!用事って!?」
「なぁんで、お前に言わなきゃいけねえんだよ!」
「い〜じゃん!どうせ大した用事じゃないんでしょ?」
「ムカッ!あんだとぉ!」
「なによぉ!」

一触即発寸前に、家のチャイムが鳴った。
「はいは〜い!今行くねぇ〜!」
インターホンに映る、愛する人に答える晴人。

「だ、誰?」
「お前には関係ねえだろ」と晴人が麻友の方を振り返ったとき、すでに彼女の姿はなかった。

「は〜い」と、なぜか玄関のドアを開けている。

「てめっ!何してやがんだ!」
「…どちら様?」
「あ、あ、あの…、島崎遥香です…」
「しまざき?」
麻友は遥香を睨んでいた。
そんな彼女に怯える遥香。

そこにようやく彼女の王子様がやってきた。
「てめえな!なに勝手にドア開けてんだよ!」
「あっ、晴人くん」
「あっ…、おはよう、遥香」とさっきとは打って変わって、笑顔を見せる晴人。

「ちょっと!あたしを差し置いて何イチャイチャしてんのよ!」
「うるせえな、お前はアッチ行けよ!」
「何よ!」と麻友が晴人の胸ぐらをつかんだ瞬間、

「あぁ〜〜!!!!!!」
突然、遥香が大声で叫んだ。

「な、何?どうしたの?」
初めて大きな声を出す彼女に、晴人は戸惑っていた。

「も、も、もしかして…、わ、渡辺麻友さん…?」
「え、ええ…」
「うわぁ〜!スゴイ!こんなところで会えるなんて!スゴイスゴイ!」
人が変わったように、テンションが上がり出す遥香。

何が起きているのか、全く理解出来ていない晴人だった。

51ちんぱる:2013/06/01(土) 21:28:13

気付くと、遥香は家にお邪魔している。
「え〜!じゃあ晴人くんとまゆゆって、いとこなのぉ!?」
「そんなに驚くことか?」
「驚くよぉ!」

晴人にとって、この展開は意外だった。
まさか遥香が、アイドルファンだったとは…。
だが、彼女の新たな一面もまた、愛おしく思える晴人だった。

「あ、あの!」
彼女はあこがれの存在である麻友に、勇気を振り絞って話しかけた。

「なに?」
「ま、まゆゆさんって…、その…、“CG”って本当ですか!?」
「えっ…?」
「は…?」
晴人は思った、この子は相当ピュアなんだろう…。
仮に麻友が“CG”だったとして、じゃあ今、ここにいるコイツは一体誰なんだ…。

「遥香…」
「へっ?」
「そんなわけ…、ないだろ」
優しい声でツッコむ晴人であった。

52ちんぱる:2013/06/01(土) 21:28:45

「じゃあ、俺らは出掛けるから」
遥香の興奮も落ち着いたところで、晴人は家を出ることに。

「ええ〜!!私も連れて行ってよぉ!」
「何でだよ!」
「いいじゃ〜ん!ねっ?“ぱるる”っ!」
「ぱ、“ぱるる”!?」
晴人の声はガッツリ裏返った。

「だってぇ遥香ちゃん、なんか“ぱるる”ぽいじゃん」
「イヤイヤイヤ!意味分かんねんだけど!」
「私は“ぱるる”でいいと思う…」
恥ずかしそうにして答える遥香。

「遥香!?」
何故だか腑に落ちない晴人であった。

53ちんぱる:2013/06/01(土) 21:29:16

晴人は今、洋服を着ているマネキンの前に立っている。
「いつも思うが、何でこんな肌白いんだ…?」
訳が分からないことを呟く。

「ねえねえ晴人くん、コレとかどうかな?」
一緒に買い物に来た彼女が、晴人に服を見せてきた。
「ん?そっちもいいけど、こっちの柄とかどう?」
晴人的に気になった服を彼女に差し出してみた。
「えぇ〜、こんな派手なの着れないよぉ」

「じゃあ、いいよ」と元の場所に戻そうとすると。

「着る」
「えっ?」
「待ってて」とそう言い残し、彼女は試着室へと向かった。
「負けず嫌いだなぁ」と思いながらも、そんな彼女がまた愛おしい。

「ふぅん、晴人ってセンス良かったんだ」
隣にバカデカいサングラスをつけて、マスクをしている人物がいる。
事情を知らなければ、変質者と間違えられてもおかしくない。

「うっせぇ、てか何でついて来てんだよ」
「いいじゃん、どうせ家にいても、優子お姉ちゃん仕事でいないから、一人だし」
「邪魔すんなよ」
「はいは〜い」
ようやく遥香が試着室から出てきた。
晴人が勧めた洋服を身にまとって。

「ど、どうかな…?」
「か、カワイイ…」
「ホントぉ?じゃあこれにしよっかな」
「じゃあこれください」と晴人は近くにいた店員にそう告げた。

「えっ?」
「俺が払うよ」
「キモっ!!」
男らしさをとにかくアピールしている晴人に、麻友が即答でキツめのツッコミを入れた。

「き、キモイって…、お前な…」
「ささっ!ぱるる!次どこ行こっか?」
「聞けよ!」
そんな二人のやり取りを、遥香は黙って見ていた。
2人がうらやましく、自分の知らない彼を知っている麻友のことが、何故だか許せなかった。

「何なの…?この気持ち…」
初めての“嫉妬”を感じていた。

54ちんぱる:2013/06/01(土) 21:29:50

買い物も終わり、晴人の家までやってきた。
「じゃあ、私はここで…」
「ええ〜!ぱるるも入りなよ!」
今日1日会っただけで、遥香と麻友はすっかり仲良くなった。

「え、でも…」
「全然構わないって!ねえ?晴人!」
「おう、全然大丈夫だよ」と遥香に優しく微笑む晴人。

「じゃ、じゃあ…」
遥香は恐る恐る家に上がった。
家にはすでに優子が帰っている。

「おっかえりぃ〜、ってお客さん?」
「あ、はじめまして…、島崎遥香です…」
「へえ〜」とニヤニヤしながら優子は、遥香の事を見ていた。

「何、ニヤニヤしてんだよ」
「晴人!」
優子は晴人を引っ張り、遥香に聞こえないぐらいの声で話した。

「アンタ、良くあんなカワイイ子、とっ捕まえたわね」
「ば、バッカ!」
慌てて遥香の方を見る晴人。
彼女は不安そうにこちらの様子をうかがっていた。

「どうぞ!どうぞ!狭いとこだけど、上がってって!」
麻友が何故か、しきっている。
「お前んちじゃねえかんな!」

55ちんぱる:2013/06/01(土) 21:30:20

「いっただっきま〜す!」
夕食、神山家にはルールがあり、週に1回は晴人が作ることになっている。
これは晴人自ら作り出したルールであって…。

「“いっつも姉ちゃん働いてるから、週に1回ぐらいなら俺が作ってあげるよ”とか言われちゃって〜!」
優子は晩ご飯を食べながら、思い出を遥香と麻友に話していた。

「へえ〜晴人くん、優しいんだね」
「そ、そんなことねえけど…」
「あ〜、照れてるぅ〜!」
優子がすかさず、茶化してきた。

「うるさいなぁ、さっさと食いなよ!」
「はいはい」
その後も会話は弾み、気付くと時刻は夜10時を指していた。

「あっ!遥香、時間大丈夫?」
「あ…」
完全に忘れていたようだ。

「どうしよう…」
「すぐに送ってくよ!」
「ええ〜!せっかくだから泊まってってよぉ〜!」
まだ、駄々をこねる麻友。

「いいかげんにしろよ、遥香のご家族にも迷惑だろ!」
「ううん、ウチなら大丈夫」
「何で?」
「だってママに、『朝帰りになっても、パパには内緒にしておくから。』って言われたの」
この子の母親は何を言ってるんだろうか。
しかも彼女は、母親の言葉の意味を全く理解していない様子だった。

「じゃあ、決定ね!」
「ちょっと、姉ちゃん!」
「いいじゃん、いいじゃん!」
「ぱるる!そうと決まったら、一緒にお風呂入ろっ!」
「はいっ!」
晴人が干渉するスキも与えず、話はドンドンドンドン進んでいった。

優子は自分の部屋に戻り、遥香と麻友は風呂場に向かい、1人リビングに取り残される晴人。
気付くと彼は、皿洗いを始めていた。

「…フゥ」と一息入れ、大きく深呼吸し

「話を勝手に進めるなぁぁああああ!!!!!!!!」
静かな住宅街に、彼の叫びがこだました。

56ちんぱる:2013/06/01(土) 21:30:51

その頃、風呂場では。

「ん?何か今、声しなかった?」
「そ、そうですか?」

遥香と麻友は仲良くお風呂に入っていた。
遥香の心拍数は今現在、とんでもないことになっている。
憧れのアイドルと一緒に、風呂に入っているなんて、彼女にとって夢のような時間だった。

「ねっ!ぱるる!」
「は、はいっ!な、なんですか…?“まゆゆさん”…」
「フフフ、そんなにかしこまらなくてもいいのにぃ、しかも“まゆゆさん”って、ニックネームと敬語が混ざってんじゃん!」
「あ!ご、ゴメンなさい!」
しかし遥香の緊張は一向に解けない。

「もぉ〜!堅い〜!だったら…」
麻友の目が一瞬キラッと光った。

「コチョコチョコチョコチョ!」
「アハハハハハ!!!!」
「ホレホレ!おしりも触ってやろうかのぉ〜!」
「キャッ!やめて〜!」
このときの麻友は、完全におっさんと化していた。

「うるせえぞ!もうちょっと静かに入れ!」
脱衣所から、晴人の怒鳴り声がした。

「ちょっ!何こっちに来てんのよ!」
「2人がうるさいからだろ!」
「へんた〜い!」
「なっ!誰が変態だ!」
「ねえ?ぱるるもそう思うでしょ?」
「うん!晴人くんのエッチ〜!」
「は、遥香まで…」

ホームなのに、何故かアウェー感を感じる晴人なのであった。

57ちんぱる:2013/06/01(土) 21:31:22

遥香は風呂から上がり、麻友に下着等を借りた。
「晴人くん」
「ん?」
「お風呂、ありがとねっ」
「お、おう」
笑顔の彼女に、ドキッとしてしまう晴人。

風呂上がりで、髪がまだ少し濡れているせいか、少し色気を感じる。

「何してるの?」
「えっ?ああ、姉ちゃんの明日の弁当作ってんの」
「へぇ〜、晴人くんってホント優しいんだね」
「んなことねえよ、ただ姉ちゃんには、感謝してもしきれねえ恩があるっつうか」

晴人が優子に感謝しているのは、母親代わりに育ててくれたことだけじゃない。
彼が困ったとき、必ず助けてくれたのは姉の優子だった。

「そっか、いいなぁ」
「でも遥香にも弟がいんだろ?」
「うん、歳離れてるけど」
「いくつ?」
「う〜ん、今9歳」
「そっか」
なんてたわいもない話をしてみる。
気付けば、2人きりだった。

テレビでは、ドラマが流れている。
家庭教師が家族を崩壊させるという、なんとも言いようのないドラマだ。
二人はそのドラマには見向きもせず、お互いに見つめ合っていた。

「は、恥ずかしいね…」と遥香は思わず目を逸らした。
実を言うと、晴人達はまだキスもしていない。
お互い恥ずかしがり屋なのだ。
でも、この日の晴人は違う。

「遥香…」
「う、うん…」
「好きだ」
「し、知ってるよ」
「だよな」
「うん」
こんなチャンスはめったには来ない、晴人はこれに懸けていた。

遥香の頭をそっと自分の腕で包み、唇を重ね合わせた。

58ちんぱる:2013/06/01(土) 21:36:29

「…んっ」
ほんのわずかな時間だったが、二人にとっては永遠に感じた。

「ゴメン…、急に…」
「ううん」と首を横に振る彼女はすごく嬉しそうだった。

「晴人くんに、ファーストキスとられちゃった」
「え、ま、マジ!?」
彼女にとって晴人は“初恋の相手”。
そんな彼にファーストキスされるなんて夢にも思ってなかった遥香は、今にも天に昇っていきそうな感覚だった。

「晴人くん」
「ん?」
「…ってして」
「え?」
「ギュッってして…」
言われるままに、晴人は優しく抱きしめる。

「フフフ」
「なんだよ?」
「晴人くんの身体、あったかぁい」
「そうか?なら良かったよ」
「ぅ〜ん、きもちぃ〜なぁ〜」
「フッ、そうかそうか」

「ふわぁ〜、眠くなっちゃった…」
「じゃあ、もう寝なっ」
「うん」というものの、彼女は晴人から離れようとしない。

「あ、あの…、遥香?」
「…ぅん?」
「あの…、麻友の部屋で寝るんじゃねえの?」
「ぅん…寝るよ…」
眠たそうにしながらも、晴人の質問に答える遥香。
その身体は一向に動かない。

「ちょ、ちょっ!遥香!?」
「すぅ〜…、すぅ〜…」
「マジかよ…」
結局晴人に抱きついたまま、遥香は寝てしまった。

「起きろよぉ〜、お〜い!…ったく」
起こさないようにそっとお姫様だっこをし、遥香を麻友の部屋まで連れて行った。
しかし…。

「な、何だこれは…」
麻友に貸している部屋は、もともと何もなかったはずだったのだが、見事に散らかっていた。

「これじゃ寝かせらんねえじゃねえか…」
仕方なく優子の部屋に向かうも…。

ガチャガチャ!
「アイツ!部屋の鍵閉めてやがる!!」
晴人にとって、マズい状況となっていた。

59ちんぱる:2013/06/01(土) 21:39:59

仕方なく、自分のベッドに遥香を寝かせる晴人。
「マズイな…、考えれば考えるほどマズイ…」
女の子が自分のベッドで寝ている。
それだけで晴人にとっては大事件だった。

「すぅ〜…すぅ〜…」
彼氏がテンパっている隣で、遥香はすやすやと寝ている。
晴人は、彼女の寝顔に思わず見とれている。

「か、カワイイ…」
「すぅ〜…、フフッ」
よほど幸せな夢を見ているのだろう。
彼女は寝ながら笑っていた。

「晴人くん…、しゅき…、すぅ〜…」
「フッ、俺もだよ」と彼女のほほに、軽くキスをした。


翌朝。
「おっはよぉ〜!」
今日も元気120%の優子が、リビングに下りてくる。

「おはよ〜」
「あれ?まゆゆもう起きてたの?」
「うん!今日は行くところがあってねぇ〜」
「どこどこぉ〜?」

その頃、晴人の部屋では。
「…な、なんで?」
遥香は今、自分が置かれている状況が理解出来ていなかった。

そりゃそうだ。
朝、目を覚ますと、彼氏のベッドの上で寝ていたのだから。

「もしかして…、私…、“しちゃった”の…?」
んなわけない。
なぜなら、その彼氏は、床に敷かれた座布団の上で寝ているからだ。
起きたら、200%体を痛めていることだろう。

「そんな…、“はじめて”を覚えてないなんて…」
そんなことをまだ言っている遥香。
ボーっとしていると。

「っん、んぁ〜!おはよう、遥香」
ようやく晴人が目を覚ました。

「ふぇっ!?」
「何だよ、その“ふえっ!?”って」
晴人には、朝からわけのわからないことをする彼女が面白かった。

「あ、あのさ…、晴人くん…」
「なに?」
「も、もしかして…、私たち…」
「“した”よ」
その瞬間、遥香は強烈なめまいに襲われた。

バタッ
再びベッドに寝る。
「お、おい!遥香!?お〜い!」
「うぅ〜ん…、うぅ〜ん…」
小犬みたいにうめき声をあげる遥香だった。

「あらら、また寝ちゃったよ…」
「晴人〜!」と優子が呼ぶ声がする。
「はいはい! ちょっと待ってて!」
起こすとかわいそうだと思った晴人は、そのままにしておいてあげた。

60シップ:2013/06/01(土) 23:20:04
気づいたらもうここですか!!
楽しみです!
頑張って下さい!

61ちんぱる:2013/06/02(日) 00:03:48
>シップさん
ありがとうございます!
とりあえず、溜まってる分は大量更新したいと思います!

62ちんぱる:2013/06/02(日) 00:05:03

「優子お姉ちゃん!」
「なに?」
「実はね…、昨日の夜、ぱるるが私の部屋に寝る予定だったんだけど…」
「うん」
「朝起きたら、居なかったの」
「誰が?」
「ぱるる」

「うっそ!」
「お姉ちゃんの所に居た?」
「居なかった、って言うか私、部屋に鍵かけてるし」
「何で鍵かけるの?」
「晴人に襲われないためよぉ」と冗談を言っていると、
「誰が襲うか!!」
朝からきれいにツッコミが決まった。

「ねえねえ、ぱるる帰っちゃったの?」
「いや、俺の部屋でまだ寝てるよ」
晴人がそう言った瞬間、2人の表情が固まった。

「えっ?何?」
「晴人…、さすがにアンタ、それは…」
「はっ?」
「サイテー」
「はぁ? 何が? 言っとくけど、何も変なことはやってねえかんな!」
あらぬ疑いをかけられた晴人は、その後2人を納得させるのに時間がかかった。

「あ、ぱるる」
寝ぼけ眼の遥香がようやく下りてきた。
「ぉはよぅござぃます」
「ウフフ、あ行が全部小文字になってるよ」
「ふぇ?」


「さ〜て、朝飯も食ったことだし、そろそろ行こうか?」
「うん」
「また来てね」
「お世話になりました」
「じゃあね!ぱるる!」
「うんっ!」

63ちんぱる:2013/06/02(日) 00:05:40

「ゴメンね、急にお泊まりさせてもらっちゃって」
「全然、麻友の友達になってくれたみたいだし、こっちこそありがとうだよ」
二人は手を繋ぎながら、遥香の家へと向かっていた。

「あ、あのね…、晴人くん」
「なに?」
「そ、その…、私…、昨日のこと全然覚えてなくて…」
「キスの事?」
「き、キス!?」
彼女にとって、予想していなかった答えが返ってきたので、思わずびっくりした。

「うん、ゴメンな」
「あ、あの、その先は?」
「その先?」
「う、ううん! な、なんでもない!」
「ん?」
晴人には彼女がなぜ顔を真っ赤にしているのかが、分からなかった。

気付くと、彼女の家の前に到着した。
「じゃあ、またね」
「おう」
笑顔で送り出し、来た道を戻る晴人。
「ただいま〜」と遥香の声がする。
昨日のことを思い出し、少しニヤけていると。

「どこ行ってたんだ!!!!!」
突然大きな声がした。

64ちんぱる:2013/06/02(日) 00:08:52

「えっ!?」
声の主を探すと、遥香の家からだった。
そ〜っと、様子をうかがっていると。
遥香が玄関先でうつむいていた。

「連絡もしないで、どこに行ってたと聞いているんだ!」
「あ、あなた…」
どうやら彼女の父親が相当ご立腹らしい。

「ゴメンなさい…、友達の家に行ってて…」
「本当に友達か?」
父親は感がいいみたいだ。
「う、うん…」
「名前は?」
「え…」
「名前を教えなさい!」
その様子を見ていて、居ても経ってもいられなくなった晴人は、思わず飛び出してしまった。

「ゴメンなさい! 俺が引きとめました!」
謎の男が突然登場したことにより、彼女のご両親は開いた口が塞がらなかった。
遥香は「あちゃ〜」と言わんばかりの顔をしている。

「誰だ、君は?」
父親の声は、彼女に話しかけていた時とうって変わって、ドスのきいた低い声になっていた。

「か、神山晴人です! 遥香さんと…、御嬢さんとお付き合いさせていただいてます!」
まるで結婚報告のような状況だ。
しかも、彼女の家の玄関先で。

68ステージ:2013/06/02(日) 19:58:22
まだ入れませんね・・・

ホントに閉鎖したんでしょうか・・・



小説は相変わらず面白いですね!

69レッズ:2013/06/02(日) 20:12:25
お久しぶりです
やっぱりこの作品好きです!
頑張ってください★

70シップ:2013/06/02(日) 20:32:32
閉鎖してしまったらこちらの小説しかないので頑張って下さい!

71名無しさん:2013/06/02(日) 20:58:18
これのどこが神AKB小説なのwwww?

宣伝するなら違う場所でやれこっちはいい迷惑なんだよ

72ちんぱる:2013/06/02(日) 21:05:31
>名無しさん
宣伝?何の話ですか?
僕はそんなことした覚えないですよ

74ちんぱる:2013/06/02(日) 22:12:08

「付き合ってる?君と遥香がか?」
「は、はい!」
晴人の声は震えていた。
父親はゆっくりと晴人に近づいてくる。
思わず後ずさりしてしまうほどの気迫だ。

「そうか…」
父親の右手が上がり、それが勢い良く振り降ろされた。

「殴られる!」誰もがそう思った瞬間。
父親の手は晴人の肩の上に優しく置かれた。

「えっ!?」
「君が遥香の彼氏か!そうかそうか!それはよかったなぁ!」
なぜか彼女の父親は上機嫌であった。

「ハハ、ハハ、ハハハハハ…」
父親に合わせて晴人も笑ったが、その表情は明らかにひきつっていた。

75名無しさん:2013/06/02(日) 22:26:06
人が書いてたものを勝手に消すのはおかしい

AKB48妄想小説って名前なんだから妄想で書いても問題ないだろ

ローカルルールにも記載しないで随分とふざけたことしてくれるね

このことはしたらば掲示板運営に報告させてもらうから

76ちんぱる:2013/06/02(日) 22:31:58
>名無しさん
しかし、あれはあまりにも卑猥すぎる内容じゃありませんでしたか?
ああいう作品は、世間一般的にもあまりいい印象をもたれないと思います。

77ちんぱる:2013/06/02(日) 22:32:59
でももし、それがあなたにとって
不快に思われたとしたら、申し訳ございません。
今後、気をつけさせていただきます。

78名無しさん:2013/06/02(日) 22:40:55
そういう部類の作品を載せられるのが嫌ならローカルルールに記載すべき

したらば掲示板というのは、掲示板ごとにルールが違うからちゃんとローカルルールに書いてないと利用者はわかってくれないよ

79ちんぱる(板野友美 速報14位→6/8 1位!):2013/06/02(日) 22:43:28
分かりました。
申し訳ございませんでした。

ただ先程のような、あらしの方が立てたスレなどは削除しても構わないですよね?

80名無しさん:2013/06/02(日) 22:46:25
問題ないですよ

きわどい場合はその人に確認を取るか、運営に報告などすれば大丈夫

81ちんぱる(板野友美 速報14位→6/8 1位!):2013/06/02(日) 22:50:26
分かりました。

ご指摘ありがとうございました

82ステージ:2013/06/04(火) 20:37:16
続きがきになる

83レッズ:2013/06/08(土) 21:54:14
更新待ってます

84名無しさん:2013/06/08(土) 22:52:19
続きすごく楽しみです!
更新待ってます

85WBX:2013/06/09(日) 23:24:22
続き気になります!更新お願いします!

86名無しさん:2013/06/11(火) 16:37:31
更新お願いします!

87黒蜜もち:2013/06/16(日) 17:45:29
全部読みした。

ぱるるのかわいさ100%でてますね。

こちらも更新ファイトです。

88ちんぱる(吉本荒野よ、永遠に…):2013/06/19(水) 23:23:41
「まあまあまあ、座ってゆっくりしてってくれ!」
なぜか晴人は、遥香の自宅の和室に通されていた。

「はあ…、失礼します…」
「ゴメンね、お父さんが紛らわしいことしちゃって」
奥から愛おしい彼女がお茶をもってやってきた。

「いや、そんなことは…“ないですよ”」
「なんで敬語?」
「いや、だって…」とチラリと父親の方を見た。
「アッハハハ!気にしないでくれ、いつもの通りで構わないよ」
晴人が思ってた以上に優しそうなお父さんである。

島崎浩之(51)、遥香の父親で、大手広告代理店の専務をやっているらしい。
島崎裕子(40)、こちらは遥香の母親で、見た目通り優しそうな人だ。
そして、島崎家には他にも家族が…。

「痛った!」
突然、晴人の足元に激痛が走る。
「ああ〜!こらぁ、ロン!ダメでしょ〜、お客さんの足を噛んじゃぁ」
遥香は彼の足もとにいたチワワを抱き寄せた。
「スマンな、ウチのロンが」
「いや…」
それにしても、浩之は結構関西なまりが強い。
「ウチはな、犬を4匹飼ってんねん」
「よ、4匹もですか」
すると隣でチワワの頭を撫でていた遥香が、説明しだした。
「アメリカン・コッカー・スパニエルが1匹、ポメラニアン2匹、でチワワのロン」
「犬好きなんだ?」
「うん!だって癒されるでしょ?」

89ちんぱる(吉本荒野よ、永遠に…):2013/06/19(水) 23:36:26
久しぶりに更新してみました(笑)
いかがでしょう?

90名無しさん:2013/06/20(木) 06:38:22
更新ありがとうございます!
この小説大好きです!
また更新お願いします!

91レッズ:2013/06/20(木) 16:38:01
更新ありがとうございます!

92ちんぱる(吉本荒野よ、永遠に…):2013/06/20(木) 19:32:26
「もしかして…、犬キライ?」と不安そうな表情で尋ねてきた。
「いや、そんな事無いよ」
「よかったぁ〜」
晴人はどちらかというと猫派の人間だったが、ここは彼女に合わせてあげることにした。

「それより、晴人くん」と突然、浩之が深刻な顔で語り出した。
「は、はい…」と思わず背筋を伸ばす。
「君は本気で、遥香の事を想ってくれているのか?」
「ちょっと、パパ」
彼女の言葉を遮り、晴人は質問に答えた。
「はい、想ってます。誰よりも彼女を…、遥香さんの事を」
浩之は晴人の目をまっすぐ見てくる。
ここは逸らすわけにはいかなかった。

しばらくして笑顔になり、「そうか、なら頼んだよ」と握手してくれた。
そのときから既に、晴人の決意は固まっていたのだろう。

93ちんぱる(吉本荒野よ、永遠に…):2013/06/20(木) 21:11:48
>>90の名無しさん
そうですか、すごく嬉しいです!

>レッズさん
お待たせしました!

94ちんぱる(吉本荒野よ、永遠に…):2013/06/20(木) 22:29:40

「け、結婚!?」
神山優子、25歳。弁護士の秘書をしている。
この日は親友の前田敦子からの報告に驚いていた。
「え…あっちゃん、結婚するの?」
「うん…」と顔を赤くしているのは、前田敦子。
優子の高校の同級生で、唯一無二の親友である。

「だれ?だれ?どんな人?」
「喫茶店の店長やってる人なんだけどね、すごく優しくてあったかいんだ。」
「そっかぁ」
「それでね!ハヤシライスが美味しいの!」
「ハヤシライス?」
「うん!その人の得意料理なんだ」
「へぇ〜、あっちゃんがそんな人とねぇ」と親友の幸せを自分のことのように喜ぶ優子。

「優子は?彼氏とか作んないの?」
「へっ?あたし?」
「うん」
「あたしは…、いいよ」
「なんでぇ?優子カワイイし、高校のときだってモテてたじゃん」
「いやいや、あたしは今忙しいから」と何とか話をうまく逸らす。

実際、優子はそのルックスとスタイルから多くの男性にアプローチされたことは何度もある。
しかし、どれも優子の好みには合わなかった。
そんなことよりも大事な弟が高校卒業するまで、養わなくてはならない。
そんな気持ちから彼女はいつからか、恋をするなんて事を忘れてしまっていたのだった。

95ちんぱる(吉本荒野よ、永遠に…):2013/06/20(木) 23:38:27
更新しました!

96名無しさん:2013/06/21(金) 06:35:31
ありがとうございます!

97ちんぱる:2013/06/22(土) 20:52:53

敦子と別れ、帰り道。
「やっばい、ちょっと飲みすぎちゃったかも…」
完全に千鳥足の優子に近づく不穏な影があった。
「あれ?お姉ちゃん、こんなとこでなにやってんのかな?」
近付いてきたのは2人のチンピラ。
どうやら優子を格好のターゲットにしたらしい。

「何でもないです!アッチ行ってください」
「まあまあ、そんなこと言わずにさ、俺らとイイコトしない?」
「いいです!」
しかし、チンピラは一向に引こうとしない。
「もういい加減にしてよ!」ともっていたカバンを振りまわすと、チンピラの1人に命中してしまった。

「痛ってえなぁ、何すんだテメエ!」
チンピラは優子の頭を掴むと、そのまま放り投げた。
彼女の華奢な体はアスファルトの地面の上に転がってゆく。
チンピラが今にも襲いかかりそうだったそのとき、「何やってるんだ!」と男の声がした。
声のする方を見ると、スーツ姿の男性がそこに立っていた。

「んだよアンタ、アンタには関係ないだろ?」
「彼女を離せ、彼女嫌がってるじゃないか」
「はあ?ウゼえよ!」とチンピラの1人が男性に殴りかかろうとすると、彼はいとも簡単にその拳を避け、相手の体にボディーブローを入れた。
「お、おい!大丈夫かよ!」
「ヤベえ…、逃げんぞ!」とチンピラ共はあっさり退散していった。

「大丈夫ですか?」と優子に手を差し伸べる男性。
「ありがとうございます…」
「あ、血出てるじゃないですか…」
「ホントだ…」気付くと、足の傷から血が出ていた。
アスファルトの上を転がったとき、擦り剥いたのだろう。

「大丈夫ですよ!このぐらい」と笑ってごまかしたが、それは通用しなかった。
「大丈夫じゃないです、早く消毒しないと!」

98ちんぱる:2013/06/23(日) 12:54:59

結局男性の家に、お邪魔することになってしまった。
男性は「さあ、そこ座って」と救急箱をもってきた。
「スミマセン、何から何まで」
「いえ!それよりあんな時間に、ひとりで歩いていたら危ないですよ」
「はい、気を付けます…」と言い、優子は男性の部屋をまじまじと見た。
一般的な男性の部屋に比べ、とてもきれいで清潔感のある部屋だ。

「よし、これでOK!」
「ありがとうございます、あのお礼に何か…」
「いえ!そんなの結構で…」と言い終わる前に、男のお腹から大きな音がした。

「アハハハ、じゃあ何か作りますね?」
「いや!そんな、お構いなく…」
「こういうのは、ちゃんと甘えた方が女性にモテますよ」と笑いながら冗談を言った。
時刻は12:30を過ぎる頃だった。

99ちんぱる:2013/06/23(日) 15:29:42

2人は優子の得意料理の一つであるオムライスを食べていた。
「へえ〜、じゃあ櫻井さんって学校の先生なんですか」
「はい、今年1年生を担当することになったんです」
「うちの弟も、今年高校1年生なんですよ」

「そうなんですか、えっと…」
櫻井は優子のことを何と呼べばいいのか分からなく迷っていた。
「“優子”でいいですよ」と彼女が言ってくれるまで、悩み続けるところだった。

「優子さんは、お仕事は何を?」
「秘書です。弁護士秘書をやってます」
「へぇ、それはスゴイですね」
「いえ、まだ出来たばっかりの事務所なんで雑用ばっかですよ」
楽しく話しているうちに、時刻は2時半を指していた。

「今日は本当にありがとうございました」
「いえ、こちらこそ。ご飯ご馳走になっちゃって」
「また食べたくなったら、いつでも連絡くださいね」と冗談のつもりで言ったのだが
「分かりました」と笑顔で返された途端、彼女の中で何かが始まった。

100ちんぱる:2013/06/23(日) 19:03:05

「じゃあお世話になりました!」と麻友がようやく出て行く日が来た。
「また来てね!しりり!」
「うん!おしり子お姉ちゃん!」
「いつからお前らは、そんな変態な名前になったんだよ」と晴人が冷静にツッコんだ。

「麻友ちゃ〜ん!」と遠くから走って来る女の子がいた。
「あっ!ぱるる〜!」
遥香は手を振りながらこっちに向かってきたが、途中で思いっきり転んでしまった。

「ちょっ!遥香!?」と思わず彼女のもとへ駆け寄る晴人。
「大丈夫かよ?」
「イタタ、大丈夫…」と目に涙を浮かべる遥香。
「泣いてんじゃん…」
晴人の言葉をよそに、麻友の元へと駆け寄った。

「麻友ちゃん、これ!」と遥香が差し出したのは可愛いリボンで装飾された箱だった。
「なにコレ?」
「クッキー、久しぶりに作ったから上手く出来てるか分からないけど…」
「大事にするね!」と麻友は遥香に抱きついた。

「ホラホラ、早くしねえと柏木さん待ってんだろうが」
柏木さんとは麻友のマネージャーの柏木由紀のことである。
彼女は麻友のデビュー以来、ずっと傍にいて今では母親代わり…。
「今、柏木さんの説明は別によくね?」
それもそうである。

101ちんぱる:2013/06/24(月) 18:28:54

-7年前の秋-
「ええ〜!!!!」
始業式早々、騒々しいヤツがいた。

その大声の主は「ま、まゆゆが居たの?この街に?」と言って腰を抜かしている。
「おう」
“何か問題でも?”と言わんばかりの表情を浮かべている晴人。

「何で教えてくんないんだよぉ〜!」
「だって別にいいかなって思って」
「いいわけねぇだろが!」と興奮度MAXの大貴に興味が失せた晴人は、大掃除に取り掛かった。

2学期に入り、掃除場所も大きく変わった。
1学期は教室掃除だったのだが、今回から5階建ての校舎の一番上。
そう、屋上掃除なのである。
事実上サボることが出来るから、掃除決めの際には男子の激戦区と化す。
まあ男子2:女子3の割合であるため、女子の目を気にして手を休めることは出来ない…。
なぜなら…。

「コラぁ!神山くんと松井くん!ダメだよ、掃除サボっちゃ!」とクラスの学級委員長の子が怒ってやってきた。
高橋みなみ、自分から学級委員長になると立候補した元気のいい女の子だ。

「あ〜高橋さん、ゴメンなさい」
「私に謝ったってしょうがないでしょ」と笑顔で返す。
ちなみにさっきの大声を出していたのがウソみたいに大人しくなっている大貴は、高橋に一目ぼれしていた。
「あ、あのっ!高橋さん!」
「はい?」と振り向く彼女のポニーテールがキレイになびいている。
「こ、今度さ!!」

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン。
「はい、帰るぞ〜」と晴人は大貴の首根っこを掴み、そのまま校内に入っていった。

「何だったんだろう?」と高橋が首をかしげていると、同じ屋上掃除の板野が近寄ってきた。
「高橋さん、災難だね…」と謎の一言を残すと、彼女も校内に戻った。
「どゆこと!?」
頭の上に?マークが浮かんでは消え、浮かんでは消えている高橋だった。

102ぱんだ:2013/06/30(日) 20:05:37
最初から読みました!
面白いです!頑張って下さい

103ちんぱる:2013/06/30(日) 22:41:22
>ぱんださん
ありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!

104ちんぱる:2013/06/30(日) 23:00:11

そして迎えた放課後。
少しずつ青空を、闇が包むのが早くなるこの時期。
正門で、大好きな人を待つ女の子がいた。

「お待たせ、遥香!」
「あっ、晴人くん」
「ゴメンね、ちょっと先生に呼び出されちゃって…。待ったでしょ?」
「ううん、わたし晴人くんだったら、待つのぐらいへーき!」

極上の笑顔をしっかりと受け取った晴人は、担任に呼び出された内容など
すっかり吹き飛んでしまうほど、テンションがMAXになった。
「そ、そっか…。でも女の子を待たせちゃったのはあれだから、なんか奢るよ」
「ホント?だったらぁ、う〜んとね」と楽しそうに考える彼女の姿を見ているだけで、晴人は幸せだった。


しかし遥香に連れてこられたのは、以前から通っているドーナツ屋だった。
「また、ドーナツでいいの?」
「うん!この、ぷるぷるしたドーナツがいい!」
「そっか。じゃあそれと、俺は…」
彼女のリクエストのドーナツと、自分の分のドーナツを選び取り
レジで会計を済ませ、いつものように店内で食べる。

「それよりさ、晴人くん、何で先生に呼び出されたの?」
「えっ…」
「もしかして、テストで点数悪かったとか?」
「ち、違うよ!」と慌ててジュースを飲もうとするが、一気に飲んでしまったためむせてしまった。

「ゴホッゴホッ!」
「大丈夫!?」
「う、うん…。大丈夫大丈夫…」
「ホントに?よかったぁ」

ドーナツ屋の近くに立っているビルの屋上に映るスクリーンには
渡辺麻友の新曲が流れていた。
「あ、まゆゆだ!」
「えっ?ああ、そうだな」
「やっぱカワイイなぁ」
「“ラッパ練習中”?あいつラッパなんて吹けねえだろ」

「ねぇ、まゆゆからあれから連絡きた?」
「ねえよ、あいつだって忙しいんだろ。そんなしょっちゅう、ウチに来れるわけねえよ」

「そうだよなぁ、そう簡単に会えるわけねえもんなぁ〜」
「そうそう…、っておい」
気付くと晴人の隣には、大貴が座っていた。
「あ?」と素っ頓狂な顔でとぼける大貴。

「何でテメエがいるんだよ?」
「いや、晴人くんがご馳走してくれるからって…」
「ちげえだろ!」と調子に乗る大貴を後ろから引っぱたいたのは、駿太郎だった。

「ちょっ、駿太郎まで!」
「わりぃ、コイツがどうしてもって言うからさ」
「いいだろ?別に〜」
「良くねえよ!」と晴人と駿太郎は声をそろえてツッコんだ。
そんな3人の様子をただただ、遥香は見ているだけしかできなかった。

105ぱんだ:2013/07/01(月) 19:43:09
更新おつかれさまです!

106ダンシング:2013/07/03(水) 22:54:11
面白いです更新待ってます

107ちんぱる:2013/07/04(木) 20:02:34
>ぱんださん
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


>ダンシングさん
ありがとうございます!
もう少しお待ちください(笑)

108ダンシング:2013/07/11(木) 19:50:13
まだっすか

109T:2013/07/11(木) 21:42:42
じっくり待ちましょうよ
焦ってもいいことないですから

110ちんぱる:2013/07/11(木) 22:54:06

目の前で繰り広げられているドタバタ劇に対処しきれない遥香の存在に、ようやく晴人は気付いた。
「あ、ゴメン。コイツら、俺のクラスメート」
「あっ、そうなんだ…」
戸惑いを隠し切れていない遥香を、好奇心溢れる眼差しで見ている大貴。
晴人と一緒にいる人物のことが全く分からない、駿太郎。
晴人は一人ずつ、彼女に彼らの事を紹介した。

「し、島崎遥香です…。よろしくお願いします…」
やはりどこか緊張している。

彼女は極度の人見知りだと言う事は、晴人は既に承知の上だ。
だがそのとき気になったのは、何故自ら、自分に話しかけてきたのかと言う事だった。
その事を聞く度に、彼女は、
「う〜ん、なんでだろ?晴人くんは、何か、大丈夫な気がしたんだよね」と謎の答えを返すのみだった。

「そっか、晴人の彼女か」と頷きながら事情を把握した駿太郎の隣に座っている大貴は
相変わらず大型ビジョンに映る麻友の姿を凝視していた。
「はあ〜、まゆゆって、ホント、カワイイよな〜」
「まだ言ってんのかよ」
「だってさ、カワイ過ぎんだろ!常識じゃ考えらんないぜ、あのルックスは」
「はいはい」と適当に晴人はあしらったが、意外にも遥香が食いついた。

「分かります!まゆゆってホントかわいいですよね!」
「おっ!遥香ちゃんもその口かい?」
「はい!」
「おお〜!思わぬところに同士がいたか〜!」と何故か握手を交わす二人。
駿太郎と晴人はやれやれと言わんばかりに、両手をあげていた。

「んで、結局何しに来たんだよ、お前ら」
「だからぁ、最近遊び誘っても付き合い悪いだろ?お前。だから、これはもしかしたら“コレ”でも出来たかと思ってさ」
“コレ”と言いながら、小指を突き出すそのそぶりは、数十年昔のトレンディドラマを思い出す姿だった。

「古いんだよ!」
まあ、妥当なツッコミである。

111ちんぱる:2013/07/11(木) 22:54:46
>ダンシングさん
お待たせいたしました!
遅くなって本当に申し訳ございません!

>Tさん
スミマセン、ありがとうございます。

112ちんぱる:2013/07/12(金) 01:54:33

「それでさぁ、晴人に言ったんだよ!まゆゆに会わせてくれって、そしたらさ、“無理”の一言だよ!どう思う!?」
先程から、大貴は晴人に対する文句を遥香にこぼしていた。
当の本人は、「は、はぁ…」と完璧に困ってしまっている。
「当たり前だろうが、つーか遥香が困ってんだからいい加減にしろ」
「は、“遥香”だって!もうそんな間柄なんだ、ぱるちゃん」
気が付くと、島田晴香も同席している。

「何で晴香がいるの?」
「え?何か楽しそうなことやってたから」
「え〜、やだぁ〜」
「やだぁ〜って何でよ!」とツッコミながらも、楽しそうな晴香。
どうやらこの2人は相当仲が良いようだ。

「あれ?君は誰?」
ようやく駿太郎が晴香の存在に気付いた。
「あ、島田晴香です!女子テニス部に所属しています!ぱるちゃんとはクラスメートなんです、ね〜」
「うん」

「そっか、あ、俺は時田駿太郎。んで、このうるさいのが…」
「うるさいって何だよ!」
すかさずツッコミを入れる大貴。しかしそれはあえなく、駿太郎に鮮やかなまでにスルーされた。
「松井大貴です!よろしくぅ!」
「よろしくお願いします!」
体育会系の二人は、がっちりと固い握手を交わしていた。
そんな中、遥香はようやく席に、彼氏がいないことに気付いた。

「あれ?晴人くんは?」
「ああ、なんかさっき電話しに外に行ったけど」と駿太郎が教えてくれた。
入口の方に目をやると、確かに電話で誰かと話している晴人の姿があった。
遥香は席を立ち、彼の元へと寄った。

「晴人くん」
声をかけた時、ちょうど向こうも電話を終えた所のようだった。
「おお、どうした?」
「だって、急にいなくなっちゃうから」
「ゴメンゴメン、姉さんから電話でさ」
「お姉さん?」
「今日、帰り遅くなるって。またカレーかよ…」

ここんところ、優子も忙しいらしく、残業が長引くことがしょっちゅうだった。
そのため、作り置きしているカレーを温めて食べるのだが、さすがに4日連続は飽きてしまう。
そんな中、晴人の耳に思わぬ言葉が飛び込んできた。
「よ、よかったら…作ろっか?晩ごはん…」
「えっ…?」

ハトが豆鉄砲を食らった。
思いっきり直撃だった。

113ちんぱる:2013/07/12(金) 23:55:54

晴人は家までの距離が、こんなに近かったのかと思うほどビックリしている。
実際はそんなことはないのだが、ただ単に、時間が立つのが、早く感じられたためである。

みんなと別れる時、島田は空気を読んでくれたのか、気付くと姿は見当たらなかった。
しかし大貴は、そんなこともお構いなしに、ドンドンからんでくる。
だが、駿太郎が何とか大貴を釣ってくれたおかげで、二人はこっそり抜け出すことが出来た。

「にしても、本当にいいのか?」
「うん」
「遥香って料理得意だったっけ?」
確かに一物の不安はぬぐえない。
彼女が料理上手なんて、わずか半年の付き合いだが、初耳だ。

「だいじょ〜ぶ、ママがよく作ってくれる豚キムチおにぎりを作るから」
「な、なんじゃそりゃ…」
楽しみでもあり、不安でもある晴人は彼女と手を繋ぎながら、自宅へと向かっていた。

114ぱんだ:2013/07/13(土) 18:27:25
更新おつかれさまです!

自分のペースで頑張って下さい!

115名無しさん、いらっしゃい!:2013/07/15(月) 21:58:53
わすごーい(失笑)

116名無しさん:2013/07/15(月) 23:38:41
とてもおもしろいです!
更新頑張ってください!

117Tさん:2013/07/18(木) 17:46:41
珠理奈はもう終わりですか?

118ちんぱる:2013/07/18(木) 23:13:09
>Tさん

もう少ししたら登場させますんで、お待ちください(笑)

119Tさん:2013/07/18(木) 23:28:22
楽しみにしてます
更新頑張ってください!

120youwm:2013/07/22(月) 19:24:11
いつも楽しみにしてます( ̄▽ ̄)
頑張って下さい( ^ω^ )

121ちんぱる:2013/07/22(月) 21:04:37

「どうぞ!召し上がれ!」と笑顔で机の上に置かれたのは、明らかに
ぐっちゃぐっちゃになったおにぎりと言い難いものだった。

「お、おう…」と苦笑いで返すものの、どう食べたらいいのか全く分からない。
期待のまなざしで見つめる遥香。
その期待にこたえようと必死の晴人。

正直、彼にとってこの時間は耐え難いものだった。
「うん…、おいしいよ…」
その味はとても薄かったという。

122ちんぱる:2013/07/22(月) 21:16:28

「絶対美味しくなかったんでしょ!?」
「いや、美味かったって!」
「ウソ!顔が引きつってる!」
核心を疲れた晴人は、思わず後ろを向き、最上級の笑顔を作ってから再び前を向いた。
「そ、そんなことねえって!」
「今の約2秒は一体何よ?」
「ウッ…」
それ以上晴人は何も言えなくなってしまった。

「ゴメン…、正直言うと、味がちょっと薄かったかなって…」
「やっぱり…」
晴人の予想通り、うなだれる遥香。
そんな彼女を必死に晴人はフォローし始めた。
「いやでも、ちょっとだよ!“ほんのちょっと”薄かったってだけで、味は最高、最高」
「いいよ、無理しなくて」と彼女はとうとう膝を抱え、顔をうずめてしまった。

やっべ〜、泣かせちまったよ…。
晴人は心の中でそう呟くと、彼女の元へそっと近づき、後ろから覆うような形で抱きしめた。
「ありがとう、俺のためにわざわざ作ってくれて。その気持ちは十分、いや十二分に伝わったよ」
「ホント?」と涙目で晴人の目を見つめる遥香。
「ホントホント、ごちそうさまでした。遥香」と優しく微笑み、彼女の額にキスをした。
突然のキスに彼女は一瞬目を閉じたが、すぐにまた開くと彼の顔を見て、よほどうれしかったのか、少しだけ笑顔になった。

123youwm:2013/07/22(月) 21:37:21
更新ありがとうございます( ^ω^ )

これからも自分のペースで頑張って下さい( ̄▽ ̄)

124Tさん:2013/07/22(月) 22:18:36
更新お疲れさまです
今後も頑張ってください

125レッズ:2013/07/25(木) 18:14:20
晴人優しいですね。
遥香は相変わらずぽんこつでかわいいですね。

126マル数:2013/07/26(金) 22:58:06
早く続きがみたいです。

127マル数:2013/07/28(日) 19:30:12
まだですか?
続きがきになります。

128ぱるるLOVE!:2013/07/28(日) 21:10:55
次が気になります。頑張ってください!応援しています!

129ちんぱる:2013/07/28(日) 21:41:20

ソファーの上で満足そうに、ぐっすり眠っている遥香の姿を確認してから、晴人はそっと風呂へと向かった。
限界までお湯が張られた湯船の中に、溢れるのも気にせず、晴人は豪快に入った。
「ああ〜!ふぅ〜」
顔を軽く洗い流した後、天井を見上げていると、大事な事を一つ思い出した。
「そうだ、部活…。どうしよっかな…」

今日の放課後、担任の櫻井から呼び出された理由は、晴人の部活に入部するかどうかについてだった。
「どうして部活に入らないんだ?」
「まあ、ちょっと…」と話を濁らしていたが、さすがに今回はそれも無理な様だった。

「まあ、無理にとは言わないんだけどな。でもな正直、この学校、部活をやってると何かと都合がいいんだよ。
 例えば、大会出て単位が貰えたりだとかな」
「は、はあ…」
「そう言う訳だから、とりあえず一度帰って考えてみてくれ」

部活、晴人にとってそれほどまでに関わりたくないものはなかった。
あの日、自分が部活を優先したばっかりに…。

「くそっ!」
晴人は、暖かい水の表面を強くたたいた。
拳が通った所から、波ができ、それによって浴槽の水があふれて行った。

130マル数:2013/07/28(日) 22:30:05
ありがとうございます。
もっとみたいです。

131ちんぱる:2013/07/28(日) 22:31:29
>マル数さん
もう少々お待ち下さい(笑)

132つまさき:2013/07/28(日) 23:10:36
いつも楽しみにしてみてます〜
頑張ってください♪

133ぱるるLOVE!:2013/07/29(月) 11:54:16
続き気になります。自分のペースで頑張って書いてください!

134さやねー推し:2013/07/29(月) 12:06:01
面白いです。
楽しみにしてます。

135ぱるるLOVE!:2013/07/29(月) 13:52:05
ちんぱるさん ファイトです!

136Tさん:2013/07/29(月) 15:24:58
更新頑張ってください

137youwm:2013/07/29(月) 18:34:07
僕も楽しみにしてます( ^ω^ )
頑張って下さい( ̄▽ ̄)

138まゆゆ推し:2013/07/29(月) 18:44:52
アイツの何がいいんだか...

139まゆゆ推し:2013/07/29(月) 21:24:56
何ほざいとんじゃ貴様

140すまん、「ら」をつけ忘れた:2013/07/29(月) 21:27:59
すまん、「ら」をつけ忘れた

141マル数:2013/07/31(水) 22:08:08
まだかな?

142ちんぱる:2013/08/02(金) 19:55:43

風呂からあがると、遥香がリビングで立ちつくしていた。
「どうしたの?」と頭をタオルで掻きながら尋ねると、彼女が振り向いた。

「どこ行ってたの〜?」
何故か涙目の彼女は、そう訴えてきた。

「どこって、風呂だけど?」
すると彼女は鼻をすすりながら、晴人の胸に飛び込んだ。

「うわっ!どうした?」
「怖い夢見ちゃった…」
「どんな?」
「晴人くんが…、ぐすっ、どっか遠くに行っちゃう夢…」

たかが夢なのに、晴人は一瞬そう思ったが
何も言わず、優しく抱きしめながら彼女の頭を撫でた。

「どこにも行かないよ。俺が遥香のそばから離れるわけ無いだろ?」
「う、うん…」
「だからもう泣くな、な?」
「うん…」
彼のぬくもりを感じながら、遥香はより強く彼に抱きついた。

143youwm:2013/08/02(金) 21:07:23
更新ありがとうございます( ^ω^ )

いつも楽しみにしてます( ̄▽ ̄)

144マル数:2013/08/03(土) 11:57:43
もっと沢山見たいです。

145ぱるるLOVE:2013/08/03(土) 12:22:09
更新ありがとうございます!続きよろしくお願いします!

146ちんぱる:2013/08/03(土) 12:36:42
>youwmさん
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。

>マル数さん
もっとですか!?分かりました(笑)
頑張ります。

>ぱるるLOVEさん
了解しました!

147マル数:2013/08/03(土) 21:58:46
更新まだですかな?

148マル数:2013/08/04(日) 19:27:46
まだですか?

149ちんぱる:2013/08/04(日) 19:32:33
>マル数さん
もうちょっと待ってください!

今、制作している途中ですので!

150ちんぱる:2013/08/04(日) 20:56:08

その夜。

「うん、うん。友達の家に泊まってくから。うん、じゃあね」
晴人の隣で、遥香は母親に連絡をしていた。
内容は、『友達の家に泊まる』ということ。
もちろん、“友達”ではないが…。

「いいのか?泊まってっても」
「いいのいいの、こうしてずっと一緒にいたかったんだ」
明日は土曜日というものの、晴人はなぜかそわそわして落ち着きがなかった。

「どうしたの?」と彼女が聞き出すまで、彼の口は閉ざされたままであっただろう。
「いや、あのさ…。二人っきりでってのがちょっと何か…、落ち着かなくて」

さっきから椅子に座ったり、立ったり、座ったりを繰り返す晴人。
そんな彼を見ておかしかったのか、遥香は笑い出した。

「な、何だよ?」
「だって、全然落ち着かないんだもん。ウフフ」

ずっと二人でいたい。
彼を見ながら、遥香はそう思った。

151マル数:2013/08/04(日) 21:45:04
更新ありがとうございます。

152ぱるるLOVE:2013/08/04(日) 21:57:11
ちんぱるさん、更新ありがとうございます。

153Tさん:2013/08/04(日) 22:31:04
更新お疲れさまです
Dear My Sister改の方は更新するのやめたのですか?

154ちんぱる:2013/08/04(日) 22:49:53
>Tさん
辞めてないですよ!

ちょっとネタ不足で、現在制作中ですので

もうしばらくお待ちを…。

155Tさん:2013/08/05(月) 00:41:45
了解しました
すいません
焦らしてしまって

156マル数:2013/08/05(月) 23:16:59
早く続きが見たいです。

157マル数:2013/08/06(火) 22:54:01
ちんぱるさん早く続きが見たいです。

158ちんぱる:2013/08/07(水) 20:24:56

明りを消すと、互いの息の音がはっきりと聞こえてくる。
どんなに静かな空気に慣れているものでも、今の状況は耐え難いものだった。
その時だった。

「ねえ、一緒に寝てくれない?」

ベッドの方で一人寝ていたはずの遥香が、そう言った。
確かに言った。
決して晴人の聞き間違いではない。

「い、いいのかよ…?」
「うん…」

気付くと、遥香は移動して、一人分の空きスペースを用意した。
晴人は恐る恐る、その空きスペースを埋めると、そのまま固まったかのように動けなくなってしまった。

「ねえ、晴人くん」
「な、なんだ?」
「信じてもいいんだよね?」

突然の問いかけに晴人は思わず戸惑ってしまった。

「さっきの言葉、“どこにも行かない”って、信じていいんだよね?」

重たい雰囲気で話し始めたものだから、晴人は一瞬何事かと思ったが
彼女にとっては大事なことだった。

「ああ、どこにも行かないよ。ってかお前こそ、どっか行くんじゃねえぞ」
「当たり前じゃん」

気付くと二人は、布団の中で手を繋いでいた。
それは互いの体温を感じ取れるほど、お互いを確かめ合うことの出来るものだった。

159ぱるるLOVE:2013/08/07(水) 21:19:51
更新ありがとうございます!

160名無しさん、いらっしゃい!:2013/08/08(木) 06:55:26
更新ありがとうございます( ^ω^ )

次も楽しみにしてます( ̄▽ ̄)

161マル数:2013/08/08(木) 21:07:55
早く続きが知りたいです。

162マル数:2013/08/09(金) 21:22:54
更新ありがとうございます。
更新まってます。

163ちんぱる:2013/08/09(金) 21:32:02

その夜、優子がこっそり帰宅すると、家の異変に気付いた。

「あれ?誰か来てる…?」

靴が普段より一つ多いことに、鋭く気付いたのだった。

「はっは〜ん、さては晴人くん。遥香ちゃんとイチャコラしてんな。
 よし、ここはお姉さんが一肌脱ぎますか」

何故一肌脱ぐのか分からないが、優子は着ていたジャケットを脱ぐと
晴人の部屋へと向かった。

164マル数:2013/08/09(金) 22:10:54
更新ありがとうございます。

165ぱるるLOVE:2013/08/10(土) 00:17:52
更新ありがとうございます!気になるので次よろしくお願いします!

166youwm:2013/08/11(日) 13:35:51
更新ありがとうございます( ̄▽ ̄)

次も楽しみにしてます(笑)

167名無し イエーイ笑:2013/08/11(日) 15:22:18
全部読みました

とても面白いですw

これからも更新よろしくお願いします。

168マル数:2013/08/13(火) 20:31:59
早く続きがみたいです。

169レッズ:2013/08/14(水) 21:59:33
がんばってください!
応援してます!

170ちんぱる:2013/08/16(金) 16:50:51

そっと晴人の部屋を開けると、二人は仲良く手を握り合いながら寝ていた。

「なぁんだ、“アレ”はやってないのか…」

何かを期待していた自分がアホらしくなった。
幸せそうに眠る二人の姿を見て、優子は優しく微笑み
「ったく、純粋なんだから」と小さく呟くと
彼らを起こさないよう、そっとドアを閉めた。

台所に向かい、昨夜のカレーが入った鍋の蓋を開けると
あまり量が減って無いことに気づいた。
そしてテーブルの上には、べチャっとなったおにぎりらしき物体がラップに包まれ置かれている。
その横には手紙が添えてあった。

“姉ちゃんへ、お仕事お疲れさん!
 遥香が『おにぎり』を作ってくれたから、姉ちゃんの分も残しておいたよ。
 『味は』美味しかったから食べてみて!
 それと冷蔵庫の中に、姉ちゃんの好きなプリンを入れてるからね。
 おやすみなさい    晴人”

彼女の瞳からは、ぽろぽろと涙が零れていた。
嬉しいような、寂しいような。
複雑な気持ちが、彼女の中で渦を巻いていた。

171ちんぱる:2013/08/16(金) 16:51:30

更新遅くなってスミマセン!

お待たせしました!

172マル数:2013/08/16(金) 17:29:48
更新ありがとうございました。

173レッズ:2013/08/16(金) 19:53:24
更新ありがとうございました。
次の更新も楽しみにしてます。

174名無し イエーイ笑:2013/08/16(金) 21:47:48
更新ありがとうございます。

次も楽しみにしています笑

175ぱるるLOVE:2013/08/17(土) 09:44:09
更新ありがとうございます!がんばってください!

176カルガモ:2013/08/19(月) 02:09:41
ちんぱるさんの作品はヤバイ大好きです!!これからもがんばってください!

177名無しさん、いらっしゃい!:2013/08/19(月) 23:35:49
最高です!胸がキュンキュンして寝れません!

178いつかの名無し:2013/08/20(火) 15:20:03
皆さんは どういうお仕事を?

179ぱるるLOVE:2013/08/20(火) 23:59:23
中3です。

180名無しさん、いらっしゃい!:2013/08/23(金) 09:02:17
更新頑張ってください!

181MIX:2013/08/23(金) 18:36:35
全て読ませて頂きました
面白いです!
それにぱるるも最高!
これからも頑張って下さい!

182レッズ:2013/08/25(日) 18:31:31
ちんぱるさん、がんばってください!

18303袋の王子様:2013/08/26(月) 09:14:28
今日始めて読ませていただきました!
最初は大した期待せずに読み始めたのですが、読み始めたらおもしろくて気が付いたら全部読んでました!

続きめっちゃ気になります!
更新頑張ってください!
応援してます!!

184ぱるるlove:2013/08/27(火) 22:54:52
続きが気になる
頑張ってください
応援しちょります

185ぱるるLOVE:2013/09/01(日) 11:44:30
早く続きが見たいです!

186マル数:2013/09/04(水) 22:02:31
早く続きが見たいです。

187杜忠:2013/09/05(木) 01:40:51
追い込むつもりはないですけど早く続きが読みたいです。

188名無しさん、いらっしゃい!:2013/09/06(金) 18:55:43
続きを早く……

189ちんぱる:2013/09/06(金) 19:38:44
皆さんお久しぶりです。

しばらくの間、私情で掲載できず
申し訳ありません。

今夜、再び書きたいと思うので
よろしくお願いいたします!

190MIX:2013/09/06(金) 20:11:28
おぉー
これからもお願いします!!
頑張って下さい!!

191レッズ:2013/09/06(金) 20:35:46
待ってました!
頑張ってください!

192ちんぱる:2013/09/06(金) 23:48:41
朝。
気持ちよく目覚めた晴人の隣には、未だ寝息を立てながら幸せそうに眠る彼女の姿がある。
彼女の髪を優しく撫で、ゆっくりと部屋から出た彼は
顔を洗いに洗面台に向かった。

「あれ、姉ちゃん」

晴人より先に起きた優子は、顔を洗い、歯磨きをしていた。

「おはよう、晴人」

口に含んだ歯磨き粉の泡を流してから、ようやく喋り出した。

「早いね、今日」
「そう?まあ、お姉ちゃんはいつも忙しいですから!」

そう言って弟の頭を軽く叩くと、リビングに向かった。

「ほい、朝めし」
「サンキュー」

晴人も顔を洗った後、リビングに向かうと
優子が朝食のトーストを用意してくれた。

「昨日はイチャイチャしたみたいで、楽しかったですか?」

わざとらしく聞いてきた質問に、飲んでいた牛乳を思わず吹き出してしまった。

「あ〜あ、汚いな、もう・・・」
「何、また覗いたの!?」
「あのさ、ああいうときは男のあんたがリードしなきゃだめでしょ?」
「ば、バカ言ってんじゃねえよ!」

朝からとんでもない目に会ってしまったと、慌てている弟を
優子は笑いながら見ていた。

193杜忠:2013/09/08(日) 04:23:57
ハハハ…。

194ぱるるLOVE:2013/09/08(日) 13:15:29
待ってました!更新ありがとうございます!

195youwm:2013/09/10(火) 19:15:30
更新ありがとうございます( ̄▽ ̄)

196MIX:2013/09/10(火) 22:03:26
更新ありがとうございます!!

197マル数:2013/09/14(土) 18:24:42
続きがきになります。

198名無し イエーイ笑:2013/09/14(土) 19:23:54
更新ありがとうございます

続きが気になります

199名無しさん、いらっしゃい!:2013/09/16(月) 21:02:22
続きが早く見たいです

200マル数:2013/09/16(月) 21:02:33
続きが早く見たいです

201マル数:2013/09/16(月) 21:02:46
続きが早く見たいです

202名前無し:2013/09/16(月) 23:22:51
更新待ってます!!

203名無しさん、いらっしゃい!:2013/09/17(火) 21:25:42
更新お願いします!

204MIX:2013/09/23(月) 09:55:30
更新お願いします!!

205ちんぱる:2013/09/23(月) 18:09:44
しばらくしてから、ようやく目覚めた遥香は
ゆっくりと下へ降りてきた。

「・・・ぅん?」

すると、リビングの方から何やら話し声が聞こえてくる。
状況からして、晴人とその姉である事はすぐに分かった。
だが遥香自身、寝ぼけている為、何を話しているのかは全く理解できない。
それでも一生懸命、内容を把握しようと聞き耳を立てると。

「・・・好きだわ」

男の低い声が聞こえた。

「えっ!?」
「俺やっぱ、姉ちゃんの・・・、好きだわ」
「そんな・・・」

昨夜の甘いひと時は一体どこへ?
一気に悲しい思いが込み上げてきた。
このまま家を飛び出してしまおうか、そこまで考えたが
いかんせん、今の彼女の姿はダボダボのパジャマを着ている。
突然泊まる事にしたので、晴人が中学の頃まで来ていた
緑色のパジャマを着るしかなかったからだ。
だがこんな姿で、飛び出していけば
巡回中の警察官に補導されてしまうのは、目に見えている。
仕方なしに部屋に戻ろうとしていると、リビングから晴人が現れた。

「あっ、おはよう。遥香」
「あ・・・、うん。おはよう・・・」
「どうした、元気ないけど?」
「う、うん・・・。何でもない・・・」
「何でもない訳ないだろ、ちょっとこっち来な」

そう言って彼は彼女の前髪を捲り、互いの額と額を付けた。

「う〜ん、熱は無いみたいだな・・・」
「みゅっ!」

あまりの急接近の緊張のあまり、変な声を出してしまった。

「アハハハ、何だよみゅっ!って。よし、飯食うか?」
「う、うん・・・」

彼に手を引いてもらい、彼女はようやくリビングへと向かった。

206マル数:2013/09/23(月) 21:37:57
更新ありがとうございます。
焦らず更新してください。

207ぱるるLOVE:2013/09/23(月) 23:30:42
更新ありがとうございます。お久しぶりですね。

208ちんぱる:2013/09/24(火) 00:17:28
>マル数さん
ありがとうございます。
スローペースではありますが今後ともよろしくお願いします。

>ぱるるLOVEさん
そうですね、長らくお待たせしてしまい、申し訳ございません!

209ぱるるLOVE:2013/09/24(火) 17:16:27
>ちんぱるさん
いえいえ、マイペースでがんばってください。

210MIX:2013/09/24(火) 22:49:13
更新ありがとうございます!
これからも頑張って下さい!

211名無し イェーイ笑:2013/09/25(水) 13:51:50
更新ありがとうございます

これからも更新よろしくお願いします

212名無しさん、いらっしゃい!:2013/09/26(木) 20:20:18
更新はやく!

213youwm:2013/09/28(土) 20:06:28
面白かったです( ̄▽ ̄)
また更新お願いします( ^ω^ )

214マル数:2013/09/30(月) 21:42:13
はやく続きが気になります。

215名無しさん、いらっしゃい!:2013/10/02(水) 16:39:46
続きを…………

216名無しさん、いらっしゃい!:2013/10/05(土) 22:30:00
更新を…………

217ちんぱる:2013/10/06(日) 00:31:41

「アッハハハ!私が?晴人に告られた?無い無い無い!」
「違うんですか?」

勇気を振り絞り、先程の会話の内容を尋ねたが
二人に笑い飛ばされてしまった。

「全然違うよ、俺は、姉ちゃんの“作る飯”が好きって言ったの」
「あ、そうなんだ・・・」

「ゴメンね、嫉妬しちゃった?」と意地悪そうに優子は聞く。

「し、してませんってば!」
「アハハハ、ゴメンゴメン!」
「姉ちゃん、あんまり遥香を苛めんなって」
「苛めてないわよ〜、ひどいな〜」

3人でいる事が、不自然に感じられる事の無いまま
朝が始まった。

218ぱるるLOVE:2013/10/06(日) 10:13:53
更新ありがとうございます!急げとは言いません、マイペースで頑張ってください('∀')

219名無し イェーイ笑:2013/10/06(日) 22:46:09
更新ありがとうございます!

とても面白いです

これからも更新お願いします。

220MIX:2013/10/07(月) 18:16:28
更新ありがとうございます! これからもよろしくおねがいします。

221マル数:2013/10/13(日) 21:42:43
早く続きがみたいです

222名無しさん、いらっしゃい!:2013/10/13(日) 22:10:26
更新待ってます!

223MIX:2013/10/17(木) 18:19:58
更新待ってま〜す!!

224たくみ:2013/10/18(金) 11:36:54
ドキドキします!
続きがんばってください!

225マル数:2013/10/24(木) 18:37:15
はよ続きがみたいです

226MIX:2013/10/25(金) 19:50:22
更新待ってますっ!!

227名無しさん、いらっしゃい!:2013/10/26(土) 11:42:09
更新をお願いします

228?:2013/10/29(火) 18:54:56
初めて観ました面白いです

早く続きが観たいです

229名無しさん、いらっしゃい!:2013/10/31(木) 20:37:07
とっととしろよな

230:2013/10/31(木) 21:58:32
早く続き観たい

231名無しさん、いらっしゃい!:2013/11/03(日) 19:34:09
はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ はやくしろ

232名無しさん、いらっしゃい!:2013/11/04(月) 00:02:50
ちんぱるさん
どうしたんだろう

233MIX:2013/11/04(月) 00:49:18
ちんぱるさーん!!

234ぱるるLOVE:2013/11/04(月) 10:48:25
ちんぱるさん 何かありましたか? 大丈夫ですか?

235名無しさん、いらっしゃい!:2013/11/05(火) 12:10:49
待ってまーす

236kk:2013/11/05(火) 18:29:34
ちんぱるさんお願いします

この小説大好きです

237ぱるる推し:2013/11/07(木) 16:42:16
どうしたんですか

238ぱるる推し:2013/11/07(木) 16:42:43
どうしたんですか

239ぱるるLOVE:2013/11/07(木) 17:06:49
さっき学校のテスト終わって帰って来たのですが.....ちんぱるさん どうしたんですか?大丈夫ですか?

240:2013/11/07(木) 17:32:10
ちんぱるさ〜ん

241hyde**LOVE:2013/11/07(木) 21:20:07
続きが読みたいよー

242ぱるるLOVE:2013/11/07(木) 22:15:50
みんな ちんぱるさんのこと待ってますよ

243ちんぱる:2013/11/07(木) 22:59:40
皆さん、大変お待たせして申し訳ございません。
諸事情のため、しばらく書く事が出来ませんでした。

今日、このあと少しだけですが更新したいと思いますので
もうしばらくお待ちください。

244:2013/11/07(木) 23:53:34
おぉ〜

245ちんぱる:2013/11/07(木) 23:58:45
二人は一度別れ、着替えてから再び集まろうという話をした。
そして彼女を見送った直後、晴人の元へ彼の姉が近づいてきた。

「カワイ〜イねぇ、遥香ちゃん。あんな良い子でさぁ」
「姉ちゃん、また“おっさん化”してるぞ」
「うるさい、でもホント、アンタ、大事にしないとダメよ?」
「何が?」
「遥香ちゃんの事に決まってるじゃない!
 アンタみたいなヤツの事、あんなに好きになってくれる子、もう現れないわよ」
「遠まわしに、俺の事、馬鹿にするな」
「あっ、バレた?」

舌を少し出すと、優子はおどけながらリビングに戻った。
晴人も朝食で使った食器を洗うため、一度リビングに入る。

「そういや、姉ちゃん。今日仕事は?」
「お休み〜ですっ!」
「ウソ、かなり久しぶりじゃない?」
「うん、先生がさ“たまには休め〜”って言ってくれたの。
 だから、今日はお姉ちゃんはお休みです!」

優子が、皿の上にまだ残っていたスクランブルエッグを
完食するのを待ってから、晴人は回収した。

「姉ちゃんもさ、いい加減、彼氏でも作ったら?」
「うふふ、そうね〜」

晴人にこんな事を言われて、何故か嬉しそうな表情を浮かべる優子。
今まで無かった反応に、少し戸惑いを隠せなかった。

「何、どうしたの?ニヤニヤして」
「お姉ちゃん、今日、デートなんだぁ」
「はぁ!?誰と!?」
「ウフフ、ないしょ〜!」

階段を勢いよく上っていくその姿は、20代の女性の姿ではなく
恋する乙女の姿だった。
姉が昇りきった階段を見つめ、晴人は未だに現実を受け止めきれずにいた。

「ね、姉ちゃんに・・・、彼氏・・・?」

246:2013/11/08(金) 00:15:56
久しぶりに見れて嬉しいです

これからも頑張ってください

247MIX:2013/11/08(金) 12:18:13
久しぶりに見れて良かったです!!
これからもお願いします!!

248ぱるるLOVE:2013/11/08(金) 18:41:22
久しぶりですね。更新頑張って下さい。待ってます。

249名無し イェーイ笑:2013/11/08(金) 21:41:24
久しぶりです!

とてもおもしろいです(^O^)/

これからも頑張ってください(≧∇≦)

250:2013/11/10(日) 13:52:33
昔部活で何があったが知りたいです

251:2013/11/10(日) 22:20:46
早く続きが観たいです

252あかさたな:2013/11/13(水) 04:53:18
どうしたんですか?

253:2013/11/14(木) 17:25:15
早く続きが観たいです

254名無しさん、いらっしゃい!:2013/11/16(土) 23:32:55
ちんぱるさ〜ん

255ぱるるだ〜いすき:2013/11/17(日) 23:06:21
続きがきになる………

256ぱるる推し:2013/11/17(日) 23:39:36
大丈夫ですか最近更新が遅いですけど気長に待っているので頑張ってください

257ぱるるLOVE:2013/11/18(月) 18:32:29
更新頑張ってください

258ちんぱる:2013/11/24(日) 10:41:33
みなさん、ご無沙汰しております。
私情が重なり、中々更新する事が出来ませんでした。
年明けまで、かなりのローペースで更新する事になると思いますが
今後とも今作をご覧になっていただければと思います。

今日は出来れば、一話分か二話分、掲載したいと思っております。

259ちんぱる:2013/11/24(日) 11:17:38
「ねえ、どこ行くのぉ?」

遥香が何度尋ねても、彼はうん、と曖昧な回答しかせず
ずっと前を目で追っている。
時間通りに晴人の家に戻ってきた遥香に、ちょっとデートしないと誘われたのは良かったのだが
中々、手も繋いでくれないむず痒さが遥香を襲っていた。

「ねえってばぁ!」
「あっ、ゴメン。何だっけ?」
「だからぁ、どこ行くの?ってか、さっきから誰を追ってるの?」
「あっ、いや・・・」

彼女は身を乗り出し、先程まで晴人が見ていた方向に目をやると
そこには今朝方、顔を合わせたばかりの彼の姉がいた。

「お姉さん?」
「なんか、姉ちゃんに彼氏が出来たっぽい・・・」
「えっ、もしかして、それで追っかけてるの?」
「い、いや・・・、べ、別にそんな訳ないよ!べ、別に、“相手がどんな人かなぁ”とか
 これっぽっちもお、思ってねえし!」
「思ってんじゃん」
「ぐっ・・・」

姉が弟の事を思うように、弟もまた姉の事を心配する所があったのだ。

「しょーがないなぁ、最初から、そうだったらそうって、言ってくれればいいのに」
「ゴメン・・・」
「ううん、晴人君とこうやってデートもできるし、それになんだか、刑事ドラマみたいで楽しいじゃん!」
「だ、だよな?」

意外とノリノリな彼女に驚きつつも、心の中でホッと一息つく晴人であった。

「ホラ、お姉さん、見失っちゃうよ!」
「お、おう!わ、分かってるって・・・」

再び優子がいる方向に目を戻すと、ようやく彼女が待っていた人物が現れた。
その姿を見て、晴人は口を大きく開ける。

「あれが、お姉さんの彼氏かな・・・、カッコいい人だね」
「せ、先生・・・」
「えっ!?」

姉が手を振り、その姿を見て近づいてきた相手は
晴人の担任である、櫻井翔だった。

260ぱるるLOVE:2013/11/24(日) 13:34:45
更新ありがとうございます。ローペースでも構いません。更新頑張ってください!

261マル数:2013/11/24(日) 17:34:50
更新ありがとうございます。
続き早くみたいです。

262名無し イェーイ笑:2013/11/24(日) 18:44:10
更新ありがとうございます(≧∇≦)

とてもおもしろいです!

もっと続きが気になりました笑笑

263レッズ:2013/11/24(日) 20:12:50
頑張ってください。
応援してます。

264MIX:2013/11/25(月) 19:46:32
更新ありがとうございます!!
頑張って下さい!!

265マル数:2013/11/28(木) 20:35:34
更新待ってます

266名無し:2013/11/29(金) 15:31:08
更新はよ

267:2013/12/01(日) 18:53:53
早く続き見たいです

268名無しさん、いらっしゃい!:2013/12/02(月) 17:42:27
ちんぱるさんどうしたんだろー

269ぱるるLOVE:2013/12/02(月) 18:02:04
はやく続きが見たいです。

270Love&ぱるる:2013/12/03(火) 22:37:47
とてもおもしろいです。
がんばってください

271マル数:2013/12/03(火) 23:36:23
早く続きみたいです

272ぱるる推し:2013/12/07(土) 18:57:49
更新が遅いですけど頑張ってください

273ちんぱる:2013/12/07(土) 23:54:20
櫻井は優子に一礼をし、彼女も合わせて一礼をした。
そしてお互いに顔を上げると、笑顔になり、何やら楽しそうに会話をしていた。
そんな二人を、晴人と遥香は遠くから見ていた。

「もしかして、お姉さんと櫻井先生って付き合ってるのかな?」
「分かんない・・・、でも、見た感じ、それっぽいよな・・・」
「うん・・・。って、晴人くん?」
「ん?」
「もしかして、泣いてんの?」
「えっ・・・」

そのとき、ようやく彼は自分の瞳が潤んでいる事に気がついた。
姉に彼氏が出来た。
そのことが、彼にとってショックだったのか。
それとも、ようやく姉が幸せになる順番が回ってきた事が、よほど嬉しかったのか。
そのときは、どちらだったか分かることは無かったが
しばらくしてから、後者の方だったのだと晴人は改めて思う事になる。
まだ楽しげに話す二人の姿をもう一度見てから、晴人は自分の彼女の方に振りかえった。

「よし、これで目的は終わった」
「えっ、いいの?」
「おう、姉ちゃんの彼氏がどんなのか、見ておきたかっただけだからな。
 チャラい奴だったら殴ってやろうかと思ってたけど、先生だったら、そうもいかないだろ」
「ウフフ、そうだね」
「よし!じゃあ、デートに行くか!」
「うんっ!」

彼は遥香の手を握ると、まっすぐそのまま歩き始めた。
二人が見ていた事に気がつかない優子と櫻井は、まだ喋っている。

「そうなんですか?スミマセン、弟がご迷惑をおかけして・・・」
「いえ!でも、せっかくの大事な高校の3年間を、部活も何もしないで
 無駄に過ごすのも何だかなって、僕が勝手に思っただけなんです。
 スミマセン、余計なマネをして・・・」
「アハハ、ありがとうございます。先生ってやっぱりお優しいんですね」
「いえ、こんなに弟思いのお姉さんがいて、晴人君はホント羨ましい限りです」
「誉めても何も出ませんよ?」
「アハハハ!大丈夫ですよ。それじゃあ、そろそろ行きますか?」
「そうですね、行きましょう!」

二人は並んで、駅前にあるショッピングモールの中に入って行った。

274MIX:2013/12/08(日) 08:34:52
更新ありがとうございます!!

275ぱるぱる:2013/12/08(日) 08:57:56
更新ありがとうございます!

276名無し イェーイ笑:2013/12/08(日) 10:51:38
更新ありがとうございます(≧∇≦)
とても面白いです!

277マル数:2013/12/08(日) 12:15:24
更新ありがとうござい
続き待ってます

278ぱるるLOVE:2013/12/08(日) 14:23:21
更新ありがとうございます!

279:2013/12/08(日) 17:05:07
続き待ってます

280dailove:2013/12/08(日) 20:30:49
続きが超気になります!
更新頑張ってください!
ちなみに僕の小説「嵐のメンバーとAKB48のメンバーが付き合う!?」もよろしくお願いします!(笑)

281Love&ぱるる:2013/12/08(日) 21:52:03
更新ありがとうございます
続き、楽しみです。

282:2013/12/09(月) 23:03:08
続き待ってます

283名無しさん、いらっしゃい!:2013/12/11(水) 18:51:18
ちんぱるさんどしたんだろー

285名無しさん、いらっしゃい!:2013/12/11(水) 23:32:25
3DSが2年で他界しました.....DSiは遅い!ちんぱるさん、更新がんばってください!

286:2013/12/12(木) 18:45:58
頑張ってください

287ちんぱる:2013/12/14(土) 00:06:02
>284は偽物です。
注意してください。

288:2013/12/15(日) 10:13:19
わかりました

289名無しさん、いらっしゃい!:2013/12/15(日) 22:52:22
早く続き見たい

290ぱるるLOVE:2013/12/17(火) 17:56:16
3DSって ぶっ叩いたら復活するんですね、初めて知りました。続き待ってます。頑張ってください。

291ぱるる推し:2013/12/19(木) 12:43:49
ちんぱるさん頑張ってください   楽しみに待っているので

293マル数:2013/12/20(金) 21:14:18
ちんぱるさん頑張ってください

294ぱるるLOVE:2013/12/21(土) 12:37:16
ちんぱるさん、頑張って続き書いて下さい。

297名無し イェーイ笑:2013/12/21(土) 15:56:49
ちんぱるさん頑張ってください(≧∇≦)

299Love&ぱるる:2013/12/21(土) 21:15:16
286 289
はぁ〜調子に乗ってるのそっちだろ!!人をののしって楽しむような奴のほうがいかれてるよ。
別に人がなにを好きでもいいでしょ、小学校で習わなかったのか?

300Love&ぱるる:2013/12/21(土) 21:21:48
上の書き込み286 288じゃなくて296 298

303Love&ぱるる:2013/12/21(土) 21:54:48
じゃあもしも、おまえが好きな人がいて「整形してる奴とつきあってるからおまえは糞だ。」って言われたらどうする?
好きな人から嫌いって言われても好きって言うんだったらそれでいいだろ?
何にお金を使うかなんて、人の自由だろ?
欲しいものがある、見たいものがある、聞きたい音楽がある、そのために一生懸命働く。それのどこが悪い?
この世の中は欲があるからこそ成り立っているんだぞ!

305Love&ぱるる:2013/12/21(土) 23:04:30
あのなぁ〜一部にそういう人がいるからってAKBは全員俺らをそう思っているっていう考えやめた方がいいぞ
AKB=卑怯って言うのは
被差別部落出身=自分等より下の奴
っていうさべつと同じじゃないか?
もしおまえが不良が多い学校にいておまえは不良じゃないのにみんなから避けられたらどう思う?傷つくだろ?AKBの人たちもそんな気持ちになるんだぞ!

307名無しさん、いらっしゃい!:2013/12/22(日) 08:37:19
ナズーリンとか言うおかしい奴の意見には、何一つ共感しねーなww
一般的思考と少しずれた頭をお持ちになってるのかな?ww

311名無しさん、いらっしゃい!:2013/12/22(日) 10:59:05
アンチだったら此処来ないんじゃ?

312Love&ぱるる:2013/12/22(日) 11:48:20
AKBの良いとこ?
そんな野暮な質問するな、おまえの彼女のどこがいい?なんて聞かれたらどうする?ないなんて言うか?そりゃあ人によってかわいい、スポーツができる、歌がうまいいろいろあるだろ、おまえの言ってることは、他人のアイデンティティーを傷つけているんだぞ!!
もしAKBでない別の人がカバーしてたらおまえはどう言う?

317ぱるるLOVE:2013/12/22(日) 22:33:12
なるほど、じゃあど田舎のガキでCDも一度も買ったことがなく握手会にも行ったことのないテレビで見ることだけしかできないこの僕は消え失せないでいいんですね?騙されているわけでもないし

321ぱるるLOVE:2013/12/22(日) 22:49:34
お休みなさい。僕も風呂はいって寝ます。

322ぱるるLOVE:2013/12/22(日) 22:55:24
前言撤回まだ寝ません。荒しって楽しいんですか?やったことないんで分かんないんですけど

323ぱるるLOVE:2013/12/22(日) 22:56:49
風呂はいってきます。

324ちんぱる:2013/12/22(日) 23:15:15 HOST:nx10935.fip.synapse.ne.jp
>>ぱるるLOVEさん

お風呂に入るのはいいですが、ここでアンチと言い争わないでもらってもいいですか?
ここは小説を書く場でもあり、その感想を書いてもらう場所なのです・・・。
アンチの方に腹を立てる気持ちも分かりますが
彼らは所詮、昼間からああいう事を書く事しかやることが無い、暇人なのです。
ですので、相手にしないでそのままにしてもらえたらと思います。
彼らには、私の方から何らかの処罰を、すでにさせていただいておりますので。

長らく更新しなかったうえに、偉そうなことを書いてしまい
本当に申し訳ございませんでした。
今後とも、応援していただければと思います。

325Love&ぱるる:2013/12/22(日) 23:52:47 HOST:176.244.12.221.megaegg.ne.jp
ちんぱるさんありがとうございます。頑張ってください。

326ぱるるLOVE:2013/12/22(日) 23:55:23 HOST:p2068-ipngn100106tottori.tottori.ocn.ne.jp
ちんぱるさん、すいません。反省します。受験近くて勉強ばかりでイライラしてた時にアレだったので…

327MIX:2013/12/23(月) 07:53:21 HOST:p10177-ipngn100207niho.hiroshima.ocn.ne.jp
ちんぱるさん 頑張って下さい!!

328:2013/12/23(月) 17:42:34 HOST:61-21-235-219.rev.home.ne.jp
言い争いに参加で 出来なくていません
ちんぱるさん頑張ってください

329MIX:2013/12/24(火) 22:06:11 HOST:p10177-ipngn100207niho.hiroshima.ocn.ne.jp
ぱるるが「世界で最も美しい顔100人」ランクイン!! すごいですね!

330Love&ぱるる:2013/12/24(火) 22:50:54 HOST:64.242.12.221.megaegg.ne.jp
MIXさん私も記事見ました。ぱるるすごい!!

331ぱるるLOVE:2013/12/25(水) 00:08:25 HOST:p2068-ipngn100106tottori.tottori.ocn.ne.jp
さっき記事みました。すごいですね。浜崎あゆみのランクインした理由は何なんでしょうか?

332:2013/12/26(木) 18:18:17 HOST:61-21-235-219.rev.home.ne.jp
続き待ってます

333MIX:2014/01/01(水) 00:06:35 HOST:p10177-ipngn100207niho.hiroshima.ocn.ne.jp
あけましておめでとうございます!!

334:2014/01/01(水) 02:17:08
みなさん開けましておめでとうございます

335ぱるるLOVE:2014/01/01(水) 03:45:19
明けましておめでとうございます。

336ちんぱる:2014/01/02(木) 23:04:38
新年、明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。

最近、更新まったくできず
申し訳ございません!
今月いっぱいまで、今しばらくお待ちしていただければと思います。
私事ではございますが、受験生のため
しばらく作品制作に取り組むことが、出来ません。
受験が終わり次第、皆様のもとに
続きをお届けしたいと思いますので
今月まではお待ちいただければと思います。

誠に勝手ではございますが、今年も応援のほうをいただければ嬉しい限りです。

337MIX:2014/01/02(木) 23:39:21
ちんぱるさん 受験頑張って下さい!!

338MIX:2014/01/02(木) 23:39:42
ちんぱるさん 受験頑張って下さい!!

339MIX:2014/01/02(木) 23:40:55
あれ 2つ同じのが・・・

340ぱるるLOVE:2014/01/03(金) 10:52:53
ちんぱるさん 受験頑張って下さい

341名無し イェーイ笑:2014/01/03(金) 11:40:40
受験がんばってください

342:2014/01/03(金) 16:11:44
頑張ってください

343水火:2014/01/04(土) 23:04:09
受験頑張ってください(^_^)

344水火:2014/01/04(土) 23:08:14
受験頑張ってください(^_^)

345:2014/01/07(火) 22:12:11
頑張って

346Love&ぱるる:2014/01/08(水) 20:59:09
頑張ってください。
って俺も受験勉強しなきゃ.....

347ぱるる推し:2014/01/08(水) 23:13:06
今ぱるる出てた仰天ニュース見てたんですけど島崎遥香の遥香の漢字が遙香ってなってた気がする

348ぱるる推し:2014/01/08(水) 23:13:59
すいません変なかきこみして

349ぱるる推し:2014/01/08(水) 23:15:46
ちんぱるさん受験頑張ってください

350名無し:2014/01/12(日) 00:24:55
ちんぱるさん受験勉強頑張ってください!
続きを楽しみにしてます^_^

351名無し:2014/01/12(日) 00:26:15
ちんぱるさん受験勉強頑張ってください!
続きを楽しみにしてます^_^

352名無し:2014/01/12(日) 00:26:40
ちんぱるさん受験勉強頑張ってください!
続きを楽しみにしてます^_^

353名無し:2014/01/12(日) 00:27:14
ちんぱるさん受験勉強頑張ってください!
続きを楽しみにしてます^_^

354名無し:2014/01/12(日) 00:27:33
ちんぱるさん受験勉強頑張ってください!
続きを楽しみにしてます^_^

355名無し:2014/01/12(日) 00:28:00
ちんぱるさん受験勉強頑張ってください!
続きを楽しみにしてます^_^

356:2014/01/15(水) 20:32:56
頑張ってください

357Love&ぱるる:2014/01/15(水) 20:56:21
ちんぱるさん頑張ってください。
僕は、今日受験がありましたが、いつものようにしたら大丈夫でした。ちんぱるさんも、頑張ってください

358:2014/01/16(木) 21:18:13
自分は来年受験です。
今から勉強しないと!

359MIX:2014/01/17(金) 16:50:14
自分も来年受験です
頑張らないと!!

360ぱるるLOVE:2014/01/17(金) 18:27:54
滑り止めの高校特別奨学生で合格しました。来週は高専の推薦入試受けてきます。ちんぱるさんも頑張ってください。

361:2014/01/23(木) 16:34:30
頑張って

362ちんぱる:2014/01/27(月) 00:25:55
それからしばらくして、学校で晴人は
再び櫻井に呼び出された。

「失礼します・・・。なんですか、お話って?」
「うん、部活の事なんだけどさ」

その言葉を聞いて、彼は大きくため息をついてしまった。

「先生、僕は部活には・・・」
「部活じゃなくて、まずは“同好会”から始めたらどうだ?」
「えっ?」

考えもしなかった。と晴人は気付かされた。
確かにこの学校は、部活のほかに同好会という組織も存在していた。
だが、ほとんどが部活と称されており、“同好会”という組織は
もはや皆無に等しかった。

「でも、どうやって作るんですか?」
「生徒が4名以上、で、顧問の先生が1人いらっしゃったら
 それで完成だ」
「じゃあ、先生が?」
「いや、生憎、俺はサッカー部の副顧問を既に任されてある。
 悪いが、他の先生に聞いてくれないか?
 君の中で、この先生が良い!って言う人がいたら、俺も協力するんだが」

櫻井はそういったが、別に彼の中で好意を持った教師は
それほどいなかったし
また、同好会を作るかどうかも、悩んでいた。

363名無し:2014/01/27(月) 16:52:58
ちんぱるさん受験お疲れ様です!

364名無し:2014/01/27(月) 16:55:58
続きが楽しみです^_^
頑張ってください!

365Love&ぱるる:2014/01/27(月) 17:04:35
続き楽しみにしてます。
頑張ってください。

366ぱるるLOVE:2014/01/27(月) 17:38:22
更新ありがとうございます。高専合格しました。ちんぱるさんも受験頑張ってください。

367MIX:2014/01/27(月) 18:20:36
更新ありがとうございます!!
受験頑張って下さい!!

368:2014/01/27(月) 19:52:22
久しぶりに見れて嬉しいです

369名無し イェーイ笑:2014/01/28(火) 15:22:48
更新ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))
受験、お疲れ様です。

370名無し:2014/01/28(火) 23:10:19
ちんぱるさんおそれいります、
松井玲奈ちゃんは登場しますか?

371名無し:2014/01/28(火) 23:10:41
ちんぱるさんおそれいります、
松井玲奈ちゃんは登場しますか?

372名無し:2014/01/28(火) 23:10:41
ちんぱるさんおそれいります、
松井玲奈ちゃんは登場しますか?

373ぱるる推し:2014/01/30(木) 23:04:07
更新ありがとうございます 
とても楽しみでしたちんぱるさんのペースでいいのでまた更新宜しくお願いします

374:2014/01/31(金) 21:42:13
お願いしまーす

375名無し:2014/02/03(月) 23:18:48
ちんぱるさん頑張ってください!

376名無し:2014/02/03(月) 23:19:17
ちんぱるさん頑張ってください!

377:2014/02/09(日) 23:07:10
頑張ってください

378水火:2014/02/11(火) 23:25:38
ちんぱるさん 頑張ってください(^0^)

379MIX:2014/02/15(土) 08:20:19
頑張って下さい!!

390MIX:2014/02/23(日) 07:30:43
更新待ってます!!

391:2014/02/23(日) 15:01:03
頑張ってください

392MIX:2014/02/25(火) 17:43:51
大組閣・・・ぱるるはチームA!!

393ちんぱる:2014/02/25(火) 22:06:05
「同好会?」

その日の帰り道、自分の手をしっかりと握る彼女に
晴人は昼間にあったことを伝えた。

「うん、なんか、1年生でも作ろうと思ったら作れるんだってさ」
「へぇ〜、なんか面白そう!」
「そうかな・・・?」
「なんで?嫌なの?」
「いや、別にイヤじゃないけど・・・」

彼を縛りつけているトラウマが、彼自身の決断を拒んでいる事を
遥香はまだ知らない。
しかし、知らなかったからこそ
純粋に、彼の気持ちを動かそうと思い立つことが出来たのだろう。

「やろうよ!同好会!」
「えっ・・・?」
「私も入るからさ、ねっ?」
「えっ、遥香も?」
「イヤ・・・?」
「全然、イヤじゃない・・・!むしろ、いいの・・・?」
「うん?」

前に話した時、彼女は吹奏楽部に入ろうか悩んでいるということを
晴人に相談していたことがあった。

「ああ、うん・・・!あれはもういいのっ!」
「いいって・・・、本当に・・・?」
「本当!だから・・・、私も入れて・・・?お願いっ!」

気がつくと、彼女が自分の腕を絡めてきていることに晴人は気付いた。
めったにない、攻めの姿勢を見せる遥香に驚きつつも
わずかに腕に感じる柔らかな感触が、彼の体温を急上昇させていた。

394:2014/02/25(火) 23:42:04
久しぶりに見れて嬉しいです

ちんぱるさんありがとう

395ぱるる推し:2014/02/27(木) 12:26:13
更新ありがとうございます

396ぱるるLOVE:2014/02/27(木) 20:36:37
更新ありがとうございます。

397MIX:2014/02/28(金) 19:38:55
更新ありがとうございます!!

398Love&ぱるる:2014/02/28(金) 21:12:16
更新ありがとうございます

399名無し イェーイ笑:2014/03/02(日) 13:06:32
久しぶりの更新ありがとうございます(≧∇≦)

400水火:2014/03/05(水) 23:43:32
更新有り難うございます('_')

401:2014/03/11(火) 20:37:06
新しい返信待ってます!

402MIX:2014/03/19(水) 20:57:48
頑張って下さい!!

403:2014/03/25(火) 09:55:14
ちんぱるさんどしたんですか

新しい返信お願いします

404MIX:2014/03/30(日) 00:30:35
今日はぱるるの誕生日だ〜!!

405ぱるる推し:2014/03/30(日) 11:13:10
ぱるる誕生日おめでとう

406:2014/03/30(日) 17:40:57
はるる誕生日おめでとう!!

407:2014/03/30(日) 17:42:57
済まん 名前間違えた

408MIX:2014/04/03(木) 00:03:43
更新待ってます!!

409ぱるる神推し:2014/04/13(日) 20:54:31
ちんぱるさん大丈夫ですか?
更新待ってます

410ぱるる大好き:2014/04/13(日) 22:59:50
続き気になります!
更新よろしくお願いします!

411ちんぱる:2014/04/16(水) 15:45:04
「同好会かぁ、懐かしいなぁ〜」

家に帰ると、優子が先に帰っていた。
どうやら仕事が早く終わったらしい。

「姉ちゃんはさ、何やってたの?高校の頃」
「う〜ん、部活はやってなかったかな...。
 家の事とか、バイトとかで忙しかったし」
「そっか...。ゴメン、なんか変なこと聞いちゃって...」
「ううん!それよりも、ど〜するの?遥香ちゃんも入るんでしょ?」
「そうなんだよなぁ...。いや、遥香に聞いたんだけど
 何でもいいとか言われちゃってさ...」
「じゃあさ、映画同好会とかどう?」
「映画?」

食事の片付けを済ませた優子は、ソファーに座って
くつろぐ彼の隣に腰を下ろした。

「アンタ、好きじゃん。映画」
「それとこれは...」
「関係あるわよぉ、みんなで好きな映画見たり
 作ったりとかもいいんじゃない?」

半分、彼女の趣味が入っているような気もしたが
彼自身も映画は好きだったため
具体的な活動などを考え
翌日、櫻井に相談することにした。

412ぱるる神推し:2014/04/16(水) 15:53:03
更新ありがとうございます

413MIX:2014/04/16(水) 18:28:11
更新ありがとうございます!!

414ぱるる:2014/04/16(水) 22:37:36
更新ありがとうございます!

415ぱるる大好き:2014/04/16(水) 22:37:59
更新ありがとうございます!

416ぱるるLOVE:2014/04/19(土) 13:28:38
更新ありがとうございます!

417ぱるる:2014/04/26(土) 18:59:13
更新待ってます。

418:2014/04/27(日) 17:53:47
返信待ってます

419:2014/05/06(火) 21:15:29
早く次が見たいです。

420うち:2014/05/10(土) 14:21:12
早く次がみたいです

421MIX:2014/05/13(火) 18:28:19
更新待ってます!!

422ぱるるFAN:2014/05/23(金) 18:55:57
更新まってます!!!

423MIX:2014/05/29(木) 20:55:14
更新待ってます!!

424pdf ebooks:2014/06/02(月) 07:07:11
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425MIX:2014/06/09(月) 21:48:31
更新待ってます!!

426まる数:2014/06/14(土) 20:39:45
お久しぶりです。
更新まだですか?

427ぱるるLOVE:2014/06/15(日) 18:04:26
更新待ってます!

428MIX:2014/06/19(木) 21:58:12
更新お願いします!!

429:2014/06/22(日) 19:45:21
ちんぱるさん頑張ってください

430:2014/06/27(金) 18:48:37


431MIX:2014/07/09(水) 17:51:14
更新お願いします!!

432MIX:2014/07/25(金) 21:36:20
ちんぱるさん!!
更新待ってます!!

433まゆゆLOVE:2014/07/27(日) 19:49:11
更新期待しています!
頑張ってください!

434ぱるる推し:2014/08/01(金) 23:05:02
ちんぱるさん
更新してください。

435MIX:2014/08/12(火) 21:16:42
更新お願いします!!

436バボキング:2014/08/14(木) 10:14:08
初コメです☆
めっちゃおもろいです
ぱるるとのこれからが
気になる

更新お願いします

437はやく:2014/08/25(月) 09:26:51
更新してください。

438ぱーるるんるん:2014/08/25(月) 09:32:49
初コメです!
楽しませてもらってます!
もう少し、二人でイチャイチャしてるところを書いていただけないでしょうか?
更新待ってます!

439:2014/09/18(木) 20:53:04
ちんぱるさん頑張って下さい

440MIX:2014/10/15(水) 21:59:41
更新お願いします!!

441マル数:2014/11/03(月) 12:58:43
更新してください!
まってます

442MIX:2014/11/15(土) 09:44:53
更新お願いします!!

443ぱるるLove:2014/12/01(月) 16:46:07
ちんぱるさん、頑張ってください!

444ぱるる神推し中2生:2014/12/29(月) 22:29:40
3DSからです>はじめまして!ちんぱるさん!早く更新お願い致します!続きが気になって朝も起きれません。(夜も眠れませんwww)ぱるるのポンコツぶり、晴人の優しさ、このカップルはサイコーであります!この事から早めに更新していただきたいしだいです。

445MIX:2015/01/06(火) 20:44:21
更新お願いします!!

446ぱるる神推し中2生:2015/01/06(火) 22:11:04
僕も、MIXさん同様更新をしてほしいです。忙しいのは十分承知している上で、短くてもいいので更新して下さい!

447MIX:2015/03/05(木) 17:50:42
更新してくださーいって、もう無理かw

448ちんぱる:2015/03/05(木) 21:15:41
「映画同好会?」
「はい、みんなで映画を紹介し合ったりして
 それぞれの教養を深めるのが目的の同好会を作ろうかと思って・・・」

翌日、授業終わりの櫻井を呼び止めた晴人は
昨晩に姉から薦めてもらった案を駄目元で提案してみた。

「いいんじゃないか。俺も映画は好きだから、そういうのがあってもいいなって思ってたところだったんだ。」
「でも、先生はサッカー部の副顧問をすでにやられてるんですよね・・・?」
「ああ、その件なんだが・・・」

櫻井は優しく微笑みながら、晴人に話した。

「小嶋先生に頼んでみたらどうだ?」
「えっ、小嶋先生ですか?」
「ああ、彼女だったらきっと引き受けてくれると思うんだ。
 ちょうど小嶋先生は担当している部活がないからね」
「わかりました、聞いてみます」
「おう。とりあえず結果だけ教えてくれ」

そう言って櫻井は職員室へと戻っていった。
晴人はその後ろ姿を見ながら、櫻井からの提案をどうすべきか。
真剣に悩んでいた。

449MIX:2015/03/07(土) 13:24:58
おお!!
更新有り難う御座います!!
もう辞めたのかと思ってましたw

450ぱーるるんるん:2015/03/08(日) 09:05:46
更新ありがとうございます!
久しぶりの更新で、待ち遠しかったです。

451ぱるーん:2015/03/08(日) 22:03:54
次が楽しみです!
更新待ってますね!

452:2015/03/15(日) 03:33:39
ありがとうございます
次の更新を楽しみに待ってます

453MIX:2015/04/14(火) 22:29:50
更新待ってます!!

454てりゅ:2015/04/25(土) 00:23:09
書くなら最後まで書けや

455てりゅ:2015/04/25(土) 00:23:23
書くなら最後まで書けや

456ぱるる&さや姉押し:2015/05/07(木) 00:26:50
頑張ってください

457Zン:2015/05/08(金) 14:25:26
はじめまして!
ずっと、作品読ませてもらってました!
ちんぱるさんのペースでいいんで、更新、お願いします!

458MIX:2015/06/06(土) 12:36:54
更新待ってます!!

459MIX:2015/06/28(日) 13:29:20
更新待ってます!!

460MIX:2015/07/31(金) 17:08:43
更新お願いします!

461まゆゆ最高:2015/08/05(水) 18:22:17
ちんぱるさんのCry for youの世界観がとても好きです!
とても続きが気になるので少しでいいので更新待ってます!
ちなみに自分は諦められない思いを書いてます。
もしよければ読んで感想をお聞かせ願えたらと思っております。
よろしくお願いします!

462速報くん:2015/08/08(土) 12:50:53
またグループからAVデビューしてるメンバーいるやん!!!

http://www.yoasobi.co.jp/mb/st_item.cfm?bk=st_krankw.cfm&amp;mi=6914&amp;onid=tab1&amp;pn=0&amp;rm=m&amp;rs=so&amp;rt=71&amp;tab_type=undefined&amp;me=ho&amp;ii=661931&amp;ifn=1

463MIX:2015/09/06(日) 22:04:35
更新待ってます!!

464アヤや:2015/10/24(土) 23:10:44
更新待ってます‼︎

465MIX:2016/01/19(火) 20:40:34
更新待ってます!

466:2016/03/28(月) 23:07:23
更新待ってます。

467福岡内装や愛人の泉かほ:2020/05/12(火) 16:34:10
倉持ちゃんはダークコンドルがネット工作してるよ
みんな知ってるわよね?
メンバーはユダしょうた 自称雀士の練馬のもやし光一
スパンサーは福岡のパーティ名明太 内装やよ
倉持より泉かほのほうが権力あるのよ?
ダークコンドルのテーマYouTubeにあるから要チェックね


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