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Cry for you

41ちんぱる:2013/06/01(土) 19:08:39

教室に入ると。

「おはよー!晴人!」
「朝から、うるせえよ!」
「何イライラしてんの?」
「駿太郎聞いてくれ、コイツな昨日…」
晴人が駿太郎に昨日の出来事を話そうとすると、

「わ〜!わ〜!」
「んだよ!うっせえな!」
「晴人!ちょっと来い!」といい、大貴は晴人を連れ廊下に飛び出た。

「昨日のことは言わないで!」
「何で?」
「イヤ…、だって男が男をつけてたなんて知られたら、完全に俺コッチになっちゃうだろ?」
そう言いながら、大貴は左手をほほに近づける。

「いいんじゃない?ソッチの人でも」
「良くねえわ!」
ちょうどそのとき、授業開始のチャイムが鳴った。


「内閣に不信任決議案を提出できるのは、衆議院だけの特権であって…」
櫻井先生の授業は分かりやすい。
丁寧に図を書いてくれて、なおかつその図を丁寧に説明してくれると生徒達に大評判だった。
「ニュースキャスターになればいいのに…」と晴人は何度思ったことだろう。

「では、今日の授業はここまで」
本日最後の授業が終わり、高校生活2日目が終わりを迎えようとしていた。

「なあなあなあ!」
「もうちょいボリューム、抑えらんねぇのか?」
「晴人さ、今から一緒にサッカー部見学に行かねっ?」
「え?」
「どうせお前、部活何やるか、まだ決めてねえんだろ?」
「ま、まあな…」と適当に答える晴人。

「そういや“なんかやりたい”って言ったけど、何やりたいんだよ?」
「いや、特には…」
「だからさぁ〜!サッカー部見学行こうぜぇ〜!」
「お、おう…」と言いながらも、晴人はあまり乗り気ではなかった。

正直、晴人はサッカーにあまり興味を持っていない。
テレビで試合を見るのは好きなのだが…。

「晴人」と、突然駿太郎から声をかけられた。
「んだよ?」
「本当は乗り気じゃないだろ、お前」
「ギクッ!」

「ギクッ!」というこの音、みなさんは心の中で鳴った音だと思っただろう。
だが実際は、晴人が思わず口から出した音である。

「“ギクッ!”って普通言わねえだろ」
「いやつい…」
「そうなのかぁ〜?晴人〜!」
「だあもう!別にいいだろ?」

「とにかく!今日は俺は先約があるんだよ!」
「おっ!あの子か?」
「誰?」
大貴が話すとややこしい事になると判断した晴人は、ヤツにラリアットをかまし、そのまま教室から出た。

「じゃ〜な〜!」
「痛ぇだろうが!」
「ドンマイ…」
「何で、お前笑ってんだよ!?」


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