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Cry for you
97
:
ちんぱる
:2013/06/22(土) 20:52:53
敦子と別れ、帰り道。
「やっばい、ちょっと飲みすぎちゃったかも…」
完全に千鳥足の優子に近づく不穏な影があった。
「あれ?お姉ちゃん、こんなとこでなにやってんのかな?」
近付いてきたのは2人のチンピラ。
どうやら優子を格好のターゲットにしたらしい。
「何でもないです!アッチ行ってください」
「まあまあ、そんなこと言わずにさ、俺らとイイコトしない?」
「いいです!」
しかし、チンピラは一向に引こうとしない。
「もういい加減にしてよ!」ともっていたカバンを振りまわすと、チンピラの1人に命中してしまった。
「痛ってえなぁ、何すんだテメエ!」
チンピラは優子の頭を掴むと、そのまま放り投げた。
彼女の華奢な体はアスファルトの地面の上に転がってゆく。
チンピラが今にも襲いかかりそうだったそのとき、「何やってるんだ!」と男の声がした。
声のする方を見ると、スーツ姿の男性がそこに立っていた。
「んだよアンタ、アンタには関係ないだろ?」
「彼女を離せ、彼女嫌がってるじゃないか」
「はあ?ウゼえよ!」とチンピラの1人が男性に殴りかかろうとすると、彼はいとも簡単にその拳を避け、相手の体にボディーブローを入れた。
「お、おい!大丈夫かよ!」
「ヤベえ…、逃げんぞ!」とチンピラ共はあっさり退散していった。
「大丈夫ですか?」と優子に手を差し伸べる男性。
「ありがとうございます…」
「あ、血出てるじゃないですか…」
「ホントだ…」気付くと、足の傷から血が出ていた。
アスファルトの上を転がったとき、擦り剥いたのだろう。
「大丈夫ですよ!このぐらい」と笑ってごまかしたが、それは通用しなかった。
「大丈夫じゃないです、早く消毒しないと!」
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