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Cry for you

43ちんぱる:2013/06/01(土) 19:13:42

ドーナツを食べながら、晴人は遥香の中学の頃の話を聞いていた。
「島崎さんはさ、中学の時、部活何やってたの?」
「私?吹奏楽部やってたんだ」
「へえ〜、何吹いてたの?」
「フルートって言うんだけど知ってる?」
「ふるーと?」
晴人は全く分かっていない。

すると店に新たな客がやってきた。

一方で理解していない晴人のために、遥香はフルートを吹く真似をしてみせる。
「こういう楽器なんだけど」
「ああ!横笛ね!」
「横笛…、うん、そんな感じかな」
「あれ?違った?」
「ちょっとだけ」と彼女は笑いながら、ドーナツを食べている。

すると、ついさっき来店してきた客が遥香に声をかけてきた。
「あれ?ぱるちゃん?」
「あっ…」
顔見知りだろうか、遥香はかなり驚いた表情を取る。

「誰?」
状況が読み込めない晴人は、彼女に尋ねた。
「同じ2組のクラスメート、私の友達」
「ふうん」

するとその友達は、2人のテーブルの空席に座ってきた。
「何!? 何!? ぱるちゃん、もう彼氏出来たの?」
「ち、違うってば! 神山くんは友達だよ…」
「へえ〜」と言いながらも、にやけながら二人を見ている“友達“。

「あっ、自己紹介遅れましたね!私、島田晴香です!」
「は、はるか…」
「そう!ぱるちゃんと同じ“はるか”なんです!ねぇ〜?」
「う、うん!」

神様というものがもし本当にいるとするなら、あまりにも気まぐれである。
「同じ名前というだけで、こうも違ってくるのか」と晴人は思った。

こっちの“遥香”は、さっきからずっとモジモジして、恥ずかしそうにしている。
かたや、こっちの“晴香”は元気がよく、正直言うと…うるさい。

「今、うるさいって思ったでしょ!」
「へっ!?」
彼女は人の心が読めるのだろうか。

「どうなんですかぁ?」
「い、いやぁ!そんなこと思ってないよ…」
「何で最後の方、声ちっちゃいんですか!」
「ちょっと!晴香!晴人さん困ってるじゃない」
ようやく“遥香”が助け船をくれた。

結局3人でドーナツを食べ、晴香とはその場で別れた。
島田晴香は嵐のように現れ去っていったのだった。


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