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Cry for you

158ちんぱる:2013/08/07(水) 20:24:56

明りを消すと、互いの息の音がはっきりと聞こえてくる。
どんなに静かな空気に慣れているものでも、今の状況は耐え難いものだった。
その時だった。

「ねえ、一緒に寝てくれない?」

ベッドの方で一人寝ていたはずの遥香が、そう言った。
確かに言った。
決して晴人の聞き間違いではない。

「い、いいのかよ…?」
「うん…」

気付くと、遥香は移動して、一人分の空きスペースを用意した。
晴人は恐る恐る、その空きスペースを埋めると、そのまま固まったかのように動けなくなってしまった。

「ねえ、晴人くん」
「な、なんだ?」
「信じてもいいんだよね?」

突然の問いかけに晴人は思わず戸惑ってしまった。

「さっきの言葉、“どこにも行かない”って、信じていいんだよね?」

重たい雰囲気で話し始めたものだから、晴人は一瞬何事かと思ったが
彼女にとっては大事なことだった。

「ああ、どこにも行かないよ。ってかお前こそ、どっか行くんじゃねえぞ」
「当たり前じゃん」

気付くと二人は、布団の中で手を繋いでいた。
それは互いの体温を感じ取れるほど、お互いを確かめ合うことの出来るものだった。


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