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Cry for you

50ちんぱる:2013/06/01(土) 21:27:42

麻友が晴人達の家に来て、3日が過ぎた頃だった。

「ねえ、どっか連れてって」
突然のいとこのお誘い…、しかも相手は、国民的アイドル…。
そんな女の子からのお誘いを断る人間がいるわけ…。

「断る」

いた。

「なんでよ〜!別にいいじゃ〜ん!」
「良くねえよ!俺にだって用事があるんだよ!」
夏休み真っ只中である晴人には、彼女がいる。
島崎遥香、入学式に運命的な出会いをした(本人の思い込み)彼女。
そんな彼女と、夏休みに入って一度も会えていない。

どうやら家族と、3泊4日の沖縄旅行に行ったらしいのだ。
そしてついに昨夜、遥香からの電話がかかってきた。

「もしもし?」
「あっ、もしもし?晴人くん?」
「おう、遥香?」
「うん!」と彼女は元気よく答えた。

「実はね、さっき東京に帰って来たんだけど…」
「何?」
「あの…、明日会えないかな?」
「ま、マジ!?」
「ダメ…?」
「全然!むしろ大歓迎!!!」ということで本日は、遥香との久々のデートなのである。

話を現在に戻そう…。
「何よ!用事って!?」
「なぁんで、お前に言わなきゃいけねえんだよ!」
「い〜じゃん!どうせ大した用事じゃないんでしょ?」
「ムカッ!あんだとぉ!」
「なによぉ!」

一触即発寸前に、家のチャイムが鳴った。
「はいは〜い!今行くねぇ〜!」
インターホンに映る、愛する人に答える晴人。

「だ、誰?」
「お前には関係ねえだろ」と晴人が麻友の方を振り返ったとき、すでに彼女の姿はなかった。

「は〜い」と、なぜか玄関のドアを開けている。

「てめっ!何してやがんだ!」
「…どちら様?」
「あ、あ、あの…、島崎遥香です…」
「しまざき?」
麻友は遥香を睨んでいた。
そんな彼女に怯える遥香。

そこにようやく彼女の王子様がやってきた。
「てめえな!なに勝手にドア開けてんだよ!」
「あっ、晴人くん」
「あっ…、おはよう、遥香」とさっきとは打って変わって、笑顔を見せる晴人。

「ちょっと!あたしを差し置いて何イチャイチャしてんのよ!」
「うるせえな、お前はアッチ行けよ!」
「何よ!」と麻友が晴人の胸ぐらをつかんだ瞬間、

「あぁ〜〜!!!!!!」
突然、遥香が大声で叫んだ。

「な、何?どうしたの?」
初めて大きな声を出す彼女に、晴人は戸惑っていた。

「も、も、もしかして…、わ、渡辺麻友さん…?」
「え、ええ…」
「うわぁ〜!スゴイ!こんなところで会えるなんて!スゴイスゴイ!」
人が変わったように、テンションが上がり出す遥香。

何が起きているのか、全く理解出来ていない晴人だった。


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