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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

1名無しさん:2012/07/23(月) 20:55:39 ID:FfmC0Dnw
勝手にスレを立てさせて頂きました。

薄汚い妄想だろうが職人のSSにも満たない話など、何でも良いから書きたい事は此処に書け!

Q、何か書きたいけど投下する勇気が持てない…
A、恐れるな! 勇気と誇りを持って書きこもう! 我々はアブノーマル! どんな話(餌)にも食いつくのだからぁッ!

126適当:2012/09/17(月) 12:34:20 ID:P.l0XHTU
題:【九つの試練】

……目が覚めると俺は、真っ白い空間にいた。辺りを見回すと誰もおらず、部屋の中はしんとしている。俺はPIA(アメリカのポケモンによる諜報機関)のスカウトを受け、成田空港へ移動する途中、突然何者かに襲われ、監禁されて現在に至る。“はぁ…”と深いため息が出るもなってしまった現実(モノ)は仕方ない。唯一の救いは、手足が動かせ体の自由がきくということだけだった。俺はだるい体を起こし、前方を見ると9つの扉がある。1番左端の扉よりももう少し視線をずらした先に、扉があり【EXIT】と書かれている。

「やった…出口だ。」

俺はあっさり出口を見つけた事にはしゃぎ、二足から四足へと切り替えて走りだした。扉の前につくと取ってを取り、押したり引いたりする…が俺の期待もむなしくその扉は開かない。“はぁ…”とため息が出るも、よくよく考えたら監禁しているのだから当たり前のことだ。いつまでも出られない扉に対して試行錯誤するわけにはいかないので、部屋の中をじっくり見回ることにした。
俺はまず9つの扉に視線を移した。扉には、業火・氾濫・雷神・光・闇・若葉・零下・伝説・幻想と書かれている。ご丁寧にもすべて日本語表記だった。とすると俺をさらった連中は、“日本出身である可能性が高い”と勝手に推測した。俺は試しに出口の一番近くにある業火の扉に手をかけ、ノブを回そうとした。が、何故か開かず代わりに後ろから機械音が鳴り響いた。何事かと思い後ろを振り返ると、中央に赤い布と後ろの壁に何やら液晶画面が設置されている。液晶画面を見ると日本語表記でこう書かれていた。

【君は我々に監禁されている。この部屋から出たければ9つの課題をクリアせよ。君の推定レベルは30、だが相手は50レベル以上だ。この難題を、知・心・技・体を使って乗り越えよ。】

「はぁ…何を言ってんだか。」

俺は両手を肩の高さまで持ってきて、小さく首を横に振り“やれやれ”というポーズを取る。説明文は尚も続く。

【君にはできるだけ強さのハンデがなくなるように、武器を支給して置いた。高周波ブレードと不死のハチマキだ。更に各ステージには、各番人勝つための箱が用意されている。箱の種類は4つの種類がある。
【赤:武器 青:補助 緑 回復・医療品 金特殊】
これらの箱は各ステージにいくつか設置されている。設置している場所は教えられないが、一度見つけた設置場所は以降変わらない。

127適当:2012/09/17(月) 12:40:02 ID:P.l0XHTU
“なるほど…”俺は独り言を小さく呟き中央のケースへと目を向けた。距離が遠くて何が入っているかはわからないので、とりあえずケースまで近づくことにした。

「日本刀…か?それにこれは…?」

ケースの中身は、鞘に入れられた“素戔嗚尊(スサノオ)”と入った黒い刀と赤い“喝”という文字が入ったハチマキだった。それぞれには説明書らしき紙がついていた。

【支給武器 八紋刀(暴神 スサノオ)】
八つの波紋を刀身に纏い、通常の木刀の八倍の打撃を与えることが出来る。使用方法は使用者が鞘から刀を抜くと自動的に八つの波紋を刀身に纏う。
【支給補助 不死之鉢巻】
これは必ず装備することを推奨する。このハチマキを頭に巻くだけでどんな痛撃でも必ず体力10%以下にはならない。この10%は君がどんなに攻撃を受けてこの部屋へ帰って来ても、最低限の行動が出来る程の体力でしかないので注意すること。装備しなくても構わないが、戦闘中に瀕死もしくは死亡しても我々は一切の保障はしない。ここには、病院のように治療室がない為必ず身につけること。

「……………」

俺は言葉が出なかった。刀には驚いたが、もう一つの赤い布を見て自分の置かれている状況を深く理解したからだ。“死亡”その言葉が脳裏に引っかかる。“俺には死闘が要求されている…。最悪の場合生きてここから出られないかもしれない。”戦闘を強いられるモルモットのように扱われている事をようやく理解した。悲観的になるのも嫌だったので、俺は刀を手に取り鞘から抜いた。

シャン…ブーン

“通常の日本刀と変わらない金属音、僅かな機械音…なるほどこれが高周波ブレードというヤツか…。”俺はそう思い1つの刀身に寄り添うように短く間隔を開けて左・右に直線状の青白い波紋を纏っている刀を見つめた。
波紋…それで一つ思い出した事があった。生物が身に纏っている波紋を読み取り、青白い波動を駆使して闘う“ルカリオ”という格闘に特化した不思議な生き物がいる。俺は接近戦闘に自信があったため、そいつと一度は闘って見たかった。だが、それもかなわず、訳のわからない白い箱のような部屋に閉じ込められ、生死に関わる戦闘を強いられるハメになってしまった。俺の推定レベルが連中に知られたという事は、眠っている合間に測定されたんだろう。

128適当:2012/09/17(月) 12:44:42 ID:P.l0XHTU
俺は強さは実際に戦闘しなければ測れないとばかり思っていた。“なぜ、測定している間に目が覚めなかったのか”後悔するがもう遅い。俺は連中の思い通りに動かされている。ここでいくら後悔しても意味が無いので、とりあえず首に巻いている赤いスカーフを空中に投げ、両手で刀を握りしめた。

「たぁ!!」

俺はひらひらと落ちてくるスカーフを横に一閃した。まだ宙に浮いているスカーフの表面に八つの細長い窪みが出来ている。どうやら同時に複数の木刀を扇状に構えて切ったようにダメージを与えられるらしい。地面に落ちたスカーフを拾い再び首へ巻きつける。
余談だが、この赤いスカーフをいつでも首に巻いている事には理由がある。このスカーフは俺の彼女の綾というミュウが、俺の誕生日に初めて贈ってくれたものだ。“いつでも彼女がそばに居てくれる”ことを願って俺は首へ巻き付けている。さて、余談はこれくらいにして再び現実に戻る事にする。
俺は八紋刀を背中にくくりつけ胸の位置に紐を縛り付けた。しかし、“妙だ…なんだか落ち着かない。”いや、そんなことより私服を着ている状態ではあまりにもおかしい…。”俺は部屋に私服以外にかわりになる服にないかと部屋中を探し回る。立方体の形をした白い部屋を前後左右と調べていると意外にも、一匹の生き物が生活できるような施設は整っていた。便所に風呂、食事をする場所に洗濯乾燥機まで置かれている。

「随分と親切な誘拐犯だな。」

俺は連中に皮肉を言うように少し大きな声で呟くが、寂しく部屋に響き渡る程度だ。“しかし…風呂に壁がなくシャワーと湯船だけ設置されているのはどうなんだ?誰もいない、見ている者もいないと解っていても入りずらい。日本は恥の文化だ。恥ずかしい事を隠すのが最も優先事項なハズなのに。それを分かっていないのか?まさか、連中は日本の文化を完全に知らないのか?あるいは連中は日本出身ではないのか?それとも……。”様々な疑問が浮かび上がるが考えても全くの無意味、無駄なのでもうやめることにした。これらはすべて中央から右へ並んで設置されている。食事をする場所に移動すると、電子レンジのような機械が壁に設置されているだけだ。“今は、腹が減っていないから気にしないが、昼飯、夕飯っていつ出てくるんだ?特に後ろには何も書かれていない。

129適当:2012/09/17(月) 12:52:14 ID:P.l0XHTU
“書き忘れか…気まぐれか…頭を使えってことなんだろうか…。”電子レンジのような機械を眺めているのも退屈なのでとりあえず前方へ移動することにした。9つの扉の他に奇妙な装置がある。

「何だこれは…?」

装置には9つの窪みがありくぼみの上には、扉に対応した言葉が書かれたプレートがある。くぼみの下にはこう書かれている。

【各番人が守りし、9つの紋章を集めよ。すべて集まりし時、そなたの道は開かれん。】

“何なんだコイツらは?日本の古語を使って日本出身だとでも言いたいのか?とすると、風呂の件はただのはずかしめか?仮に奴らがはずかしめの為に壁を取っているとすれば、どこかにカメラがあるはず。”俺は天井の角の四カ所を見つめるが何もない。“じゃあ、ただ面倒くさかっただけか…。”と勝手に思い直した時装置の横に一着の白いスーツがかかっている事を目にする。

【戦闘用スーツ吸汗性抜群!動きやすい!以上】

“バカにしてるのか!?何だか腹がたってきた…。”連中を殴りたくなる気持ちを抑えスーツを手に取る。スーツは全身に身につけるタイプで俺のサイズにぴったり。おまけに尻尾を通す穴までついている。“しかし、まさかゴムじゃないよな?俺の技は電気頼りなんだが…。”そう言えば俺がどんな奴であるかを言うことを忘れてたな。俺は“仁”という名を持つピカチュウだ。ピカチュウと言えば“カワイイ”と言われているが、俺は違う。自賛だが、“カッコイイ”方だと思っている。その証拠に目は通常のようにクリッとした目ではなく若干鋭い。まぁ、見ようよっちゃ“イカツイ”に当てはまるんだが、彼女の綾も“カッコイイ”方だと言ってくれたので見た目に関しては保障する。さて、自己紹介も兼ねて俺の特徴を語ったところで話を戻す。俺は、腹を立てた文章の説明がついたスーツを着た。“うん。確かに、ピッタリだ。”柔道着はあまり好きじゃなかった。暑いし、汗がしみ込むとかなりキツイ臭いがする。鼻が効くねずみに族するので“これはたまったものじゃない。ん?そう言えば…今何時だ?”俺はそう思い腕時計を見た。が、そこには普段つけているやつではなく、金属製で黒がベースで所々に赤い線が入っている腕時計がついていた。しかも、何やらボタンは赤いボタン1つしかない…。時間を合わせるダイヤルもない。だが、きちんと時間と日付が表示されているデジタル時計だった。

130適当:2012/09/17(月) 12:58:50 ID:P.l0XHTU
そして、何やら日付表示の下に【day1】と英語表記で一日目と書かれていた。

「一日目?これは一体なんだ?」

この奇妙な時計に独り言を呟き考えるが、“何かの一日目なんだろう”と勝手に解釈して9つの扉に目線を移動させた。9つの扉のノブの下には【LOCK】か【OPEN】と言うプレートがはまっていた。今【OPEN】となっている扉は、業火・氾濫・雷神・光・若葉・零下と書かれている扉だ。そして各扉のの表記には、どんなステージで闘うかも書いてあった。

【業火→火山、氾濫→湖、雷神→荒地、光→草原1、闇→森、若葉→草原2、零下→雪原、伝説→森2 幻想→?】

「なぜ幻想だけが?」

“幻想だけどこか教えない…という事はもしかすると、この世ではなくあの世か、作り出した空間か…それとも単なる脅しか?”公開しないということにはそれなりの理由が考えられるが、開かない扉の事を考えても仕方ないので9つの扉が見渡せる中央まで歩を進め、前へ振り返って見つめる。後ろに書かれていた内容は【20レベル以上の差があるという事】・【アイテムが入った色付きの箱があること】。これらを踏まえ俺は顎に手を添えて考える。

「ステージが湖の方がやりやすそうだ。湖という事は水タイプかもしれんな…。」

俺はそう呟き、急いで私服のそばに置いてある刀を背に結びその扉へ入った。ガチャ…キィィィ…
「あっ!?これは…どうなっている!?」

扉の向こうには巨大な湖が広がっていた。“扉の感覚がお互い狭い為にどこかに瞬間移動をしたとしか考えられない。テレポートとはエスパータイプの技だ。だが、まさか扉を介して実現するとは…。”俺が驚いていると向こう側から声が聞こえた。

「あら?私の相手はあなた?可愛い坊やね。」

声の主の方向を見ると青色の軍服を着た一匹のシャワーズがいた。声から推測するに女(雌)の軍人が…。彼女は優しい表情を浮かべて前足を添え優雅に笑っていた。彼女は話を続ける。

「ルールはわかる?あなたが私を気絶させるか、闘えなくなるまで体力を奪うかのどちらかで勝ちよ。逆にあなたは私に戦闘不能の状態にさせられるか腕についた時計の赤いリタイアボタンを押せば負けとなるわ。戦闘開始は、スピーカーから【レディーゴー】という声が聞こえるから、聞こえ次第戦闘開始よ。」
「説明どうも。」
「どういたしまして。」

131適当:2012/09/17(月) 13:02:55 ID:P.l0XHTU
俺がお礼を返すとにっこりと微笑み彼女は返した。俺は背中の刀に手を伸ばし口にくわえ、すぐに行動できる構えをとった。その数秒後スピーカーから合図がかかる。

『READY…GO!!』

俺と彼女はその合図を聞くと二匹共走り出した。しかし、俺はあくまで【アイテム】を探す為、彼女から必死に逃げている。彼女は俺は追いつくには、走りでは分が悪いと察したのか、湖に飛び込んだ。中央に湖が陣取ってある為、俺がどこへ行動しても彼女はすぐ近くの位置に移動出来る。俺は追いつかれないように高速移動でスピードを高め、夢中で突っ走った。入って来た位置から100m地点で何か光っている物を発見した。

「やった…金色の箱だ!!これはツイてる…。」

俺は心踊らせ箱のフタに手をかけた。中にはどんなものが…とワクワクしながら開けるとかなり期待ハズレのものだった。【塩 NaCl 500g】と書かれた小袋とシェイカーがあっただけだった。

「塩!?塩なんて何に使うんだ…バカにしている…。」
「やっと追いついたわ。」
「う…もう追い…つかれたか…。」

俺が金色の箱の中身に落胆している時に、彼女に背後を取られた。俺は手に持っていたアイテムをすぐに離し、口にくわえていた刀を手に持ち替えて、湖へ飛び込んだ。俺は潜って必死に泳いで逃げようとすると、後方から彼女の声がかかるな。

「おもしろいわね。私相手に水の中で戦闘を挑むとはね。」

“ふっ…かかったな。俺が何も考えなしに飛び込むと思うが?俺は優雅に笑い続ける彼女に不敵な笑みで返し、電気を一気に放出させる。

「くらえ!!十万ボルトォォォォォ!!」
バチ バチ バチ バチ…

電気は俺の体から水中へと流れている。しかし、彼女は何の苦しみを見せることなくクスクスと笑っていた。

「は?なぜだ!?意味がわからん…。」
「坊や、もういいかしら?」
「な!?」

彼女はスピードをつけて俺へ突撃してくる。俺は急いで刀で防御しようとするが、水中で刀は使えない。胸元に持ってくる動きがかなり遅くなる中、彼女は自分自身に周りに強烈な水流をまとわせ、なみのりを繰り出す。
バシン
「ぐわぁ!!」
バシャアン

俺はなすすべなく腹に攻撃が当たり地上へと放り出された。背中を強く強打したため、なかなか立ち上がる事が出来ない。なんとか力を絞って立ち上がろうとするが、時既に遅し。彼女が俺の前方にいた。

132適当:2012/09/17(月) 13:08:08 ID:P.l0XHTU
「もう、おしまいのようね。」
「く…くそぉ…」

彼女はゆっくりと俺へ歩みを進める。“やはり水の中での水流のアッパーカットはダメージが大きすぎたか…。”俺はいまだに上半身しか起こせていない。彼女は俺の近くまで来ると、起き上がりかけていた俺を乱暴に押し倒し、前足を胸に乗せて身動きが取れないようにする。俺は電気で反撃しようとするが、想像以上のダメージに全く放出することが出来ない。彼女は片目を開け、眉間にシワを寄せて苦しみの表情を浮かべる俺を覗きこんで口を開いた。

「坊や…いいこと教えてあげる。真水は電気を通さないのよ?」
「え?」
「電気を通すには電解質が溶けていないといけないのよ。学校で習わなかった?」
「は……」

俺はそれを言われて目を丸くして驚いた。彼女は目をつむりクスクスと笑って口を開いた。

「かわいい坊や。また明日ね。」
バコォォン
「ぐお!!」

彼女は俺の胸に乗っけていた前足で俺のあごを殴り飛ばす。俺は空中で一回転して地面に強打しうつぶせ状態のままで目の前の景色が見えなくなった。


気がつくと俺は元の真っ白い部屋で倒れていた。体に激痛が走り、疲労が一気に俺を襲った。俺はすぐに起き上がれそうになかったので、うつぶせから仰向け状態に体勢を変え、真っ白な天井を眺める。

「電解質…そうか!!忘れていた…。」

俺は瞬時に学生時代の科学の授業を思い出した。“真水に電気を通しても酸素と水素に分解する作業にしかならず、水全体に電流は行き渡らない。電気を通すにはイオンと呼ばれる電解質を介さなければならない。イオンには+イオンと−イオンとあり、イオン結合して単体となる時に初めて電流が流れる。あの金色の箱の場合は食塩 別名塩化ナトリウム…。つまりNaClで構成されており、食塩をあの専用シェイカーに入れ水と一緒にかき混ぜてNaOHとHClに組み換えなければならない。組み替える際に電流を流すと、Na+、H2O(水)、Cl2と分かれ違う形に結合する。この時にしか水に電流は流れない。

「ああ…という事はあれを水に溶かして、あの女(雌)の体にかけてダメージを倍増させろという事か…。」

133適当:2012/09/17(月) 13:12:58 ID:P.l0XHTU
その後すぐに、もう一つの違う事実を思い出した。“あの箱の中身が硫酸であれば、あの女の体にかけるだけで、体の水分を一気に蒸発させ倒すことができた。彼女は水タイプの為、脱水作用がとてつもない液体をかければ、体の水分が奪われたちまちが溶けてしまうだろう。だが、いくら強いとはいえ、生物の体が液体のようにドロドロ溶ける様は見たくない。しかも、雌だ。いくらなんでもその殺し方は残酷過ぎる。”俺が様々な事を思い出している間に体の疲れも大分マシになり立ち上がる事が出来た。

「腹が減ったな…。」

激戦によりスタミナを削りすぎたのか、俺の体が何かを口に入れろとせかしてきた。俺はよろよろと歩き出すと何やらいい匂いがしてきた。鼻をくんくん動かして元をたどってみると電子レンジもどきの機械から食事が盛りつけられているトレーが出ていた。量はまぁまぁあり、腹八分目くらいにはなるだろう。時計を見ると、デジタル表記で【20:30】と表示され下の方には小さく【YOU LOSE】と表示されていた。“なるほど…この時計は勝ちか負けかも知ることが出来るのか…。”“負け”という表記を見て先刻の彼女との対戦を思い出した。

「水に飛び込んだのは自殺行為だったな。」

俺は1日目は簡単に負けすぎた。彼女の技の情報はなみのりしかない。1つの技を水中でくらいダウンを奪われ、技でも何でもない前足のアッパーカットをくらって気絶したのだから。その日20以上のレベルの差を思い知らされた。作戦を練り、周囲を常に警戒するように心がけた。充分に反省した所でトレーに乗っている食事に手をかける。今日のメニューは牛肉ステーキと野菜サラダ…主食はパンで飲み物はわけのわからない。青い色をした物だった。俺はフォークとナイフを取り夢中でそれらはを口に運んだ。“こんなに腹が減ったのは日本ではなかった。とすると俺の今までの闘いはかなりぬるかったという事か。”やがて最後の一切れの肉を口に入れかみしめのどを通らせると空腹を満たされる快感に思わずため息が出る。食べ物を食べると異様にのどが渇くことに気づく。目の前を見ると青色の液体が入ったグラスしか残ってない。スープが付いていれば、飲まなくても良かったかもしれないが、それもない為のどを潤すことを優先した。

134適当:2012/09/17(月) 13:22:27 ID:P.l0XHTU
ゴク…
「うぇ…まずい…なんだこりゃ?」

俺は液体の味のまずさに絶句した。“コレをジュースにしたのか?お茶だったらまだ飲めるが…青色の液体の味はものすごく渋い。“渋柿の比ではないとでも言っておくか…いや柿自体そんなに渋くないか…。”しかし、俺は妙な感覚に陥る。

「なんだ…さっきまでの疲れが少し取れた気がする。」

俺は我慢してもう一口、もう一口と液体をのどに入れていった。すると同様の感覚が得られた。どうやらこの飲み物は、疲労回復効果があるらしい。疲れていては闘えない。俺は、目をつむりその飲み物をのどへ流し込んだ。さっき食べた食事の美味さの余韻がウソのようにすべて無くなり、口の中をマズい味が支配した。

「回復する事はしたが、飲まなきゃよかった…。」

俺は顔をしかめて、空になったグラスをトレーに置いた。食事を済ませた俺は風呂へ入ることにした。食事場所から右へ進むと真っ白のシャワーに、真っ白の湯船がある。俺はスーツに手をかけるが、辺りをキョロキョロと見回してしまう。

「本当に…誰も見てないよな?」

部屋の中には当然誰もおらず、こんな心配する必要はない。だが、普段は裸を他の誰かに見せる事はない。見せた事があるのは、性交をする時に“綾”に見せたぐらいだ。しかし、いくら確認しても誰もいないし、監視カメラらしき物も全く見当たらない。俺は安心してスーツを脱ぎ、シャワーで軽く体を洗い体を震わせて水気を飛ばした。人間みたいに喋ったりするが、体は動物に近いのでタオルで拭いたりせずこの程度で充分だ。再びスーツを着て風呂場から離れて中央までとぼとぼと歩いて行った。

「ふわぁ…なんか眠いな…。」

俺は一瞬“部屋の明かりを消さずに本当に寝ることが出来るのか!?”と思ったがその心配は無用だった。激しい睡魔に襲われて、気絶するようにその日は眠った。

135適当:2012/09/17(月) 13:26:27 ID:P.l0XHTU
Day2
俺が目を覚ましても相変わらず昨日のままだ。前方には9つの扉と小さなくぼみがある装置。右には食事をする所、風呂場、洗濯乾燥機…全くもってつまらない。“後ろの液晶画面には変わったことが表記されているだろうか。”と思い後ろを振り返っても、昨日と同じ文章が表示されているだけだった。時計を見ると正午前だった。“どんだけ疲れていたんだ!?”と思い急いで飛び起きた。

「くっ…時間を無駄にした。早く行かねば。」

俺は食事場所へ行き、用意されていた朝食を済ませ、額に巻きつけたハチマキを気合いを入れるようにキツくしめて、昨日と同じ戦場へと歩を進めた。


昨日と同じ風景だが、昨日とは意識が違う。向こう側の扉から青色の軍服を身につけた雌のシャワーズがやって来た。

「坊や、“おはよう”。じゃなくて、“こんにちわ”かしら?」

彼女は俺に優しい表情を見せ前足を口元に当て、くすくすと優雅に笑っている。“バカにしやがって…。”俺はそう思い彼女に言い返した。

「俺は、“坊や”じゃない。俺は成人男性(雄)だ。」
「あら?ごめんなさい。見た目がかわいくってよ。」
「俺は、かわいいとは思わないんだがな。」
「そう?」

俺は鋭い目つきで睨みつけるが、彼女は相変わらず優雅に笑っていた。態度はムカついてくるが、どこか気高く優美な雰囲気を纏っているのは否めない。

「さぁ、構えなさい。私から、存分に逃げないとね。」
「言われなくてもやってやるさ。」

彼女は嘲るように言うが、俺は冷静に言い返した。冷静さを見失って、20もの差がある相手に直接立ち向かっていくのは避けたい。最初から俺に勝ち目は無いため設置された箱の中身を頼るしかなかった。

『READY…GO!!』

俺は昨日と同じ合図を聞くと、正面から左へ向かって全速力で走りだした。“昨日のように刀をくわえてからでは遅い…走ることに集中しなければ、彼女は湖を介して簡単に追いついて来る。俺が100m走った先には運良く赤色の箱が設置されていた。昨日のように、箱を見つけては…という感じではたちまち追いつかれてしまう。急いで箱を開け中をくまなく調べる。説明書と【SMORK・G】と表記された3つの白煙手榴弾を発見した。手榴弾なんて使い方はわかっている。父が軍出身の為に、一度疑似体験をやった事があるからだ。俺は3つのスモークグレーネードを腰に着け、再び走り出す。

136適当:2012/09/17(月) 13:31:50 ID:P.l0XHTU
走り出した先には緑の箱があった。背後を見るが彼女はまだいない。緑色の箱を開けると混乱防止薬があった。

「混乱?“みずのはどう”か?」
「見つけたわよ。」
「!?」

俺が振り返ると彼女の姿が見える。彼女は俺の姿を見つけて口元を吊り上げている。俺はすぐさま戦闘体勢に切り替え、刀を口にくわえ両手を握りしめた。

「いい顔ね。らしくなってきたじゃない?」
「それはどうも」

彼女は目を瞑り笑い始めた。俺はスモークグレーネードを手に持ち、栓を抜いて転がすように投げた。

パン…パシュウウウ…
「ゴホゴホ…何?けむり?どこから?」

“今だ、彼女は煙を払っている。俺は彼女に向かって走り電磁波を拳を通じてあてた。

バン…バチ…
「…体が動かない。そう、そういうことね。」

俺は彼女の目の前に現れ、くわえていた刀を両手で握りしめ、彼女の前足へと連続で叩き込む。

バシン、バシン、バシン、バシン
「うおぉぉぉぉ!!」
「痛!…なかなか痛いわねコレ。だけどね。」
ガシッ…
「!?」
「もうあなたの麻痺は、とっくに切れてるわよ?」
ガン
「ぐわぁ!!」

俺は彼女に刀をつかまれ、前足で思いっきり空中へ上げられた。しかし、昨日のように背中から強打するという事を逃れる為に、空中後転で地面に足を着き体勢を整えた。

「なかなか…上出来ね。昨日の負け姿がウソみたい。」
「そんなに余裕があるのか?では、今度は感電するがいい。」

俺は殴られたあごをさすり、再び刀を口へくわえ電気を溜める。

「出すのが遅いわね。終わらせてあげるわ。」

すると彼女は口から強烈な水の弾丸を放った。“ハイドロポンプか…ならギリギリ持ちこたえられるかも知れない……。”そう思った矢先にあたり金属音が鳴り響く。

ガキン…シュルルル…サク

俺は両手に持っていた刀を水によって弾かれた。“なぜだ…ハイドロポンプの原理を突いて刀を降ったつもりだが…。”俺が刀を飛ばされたことに驚いていると、彼女は高らかと笑い出した。

「あっはっはっ!!あなた本当に面白いわね。私のハイドロカノンを真っ正面から受けるなんて…。」
「はぁ!?なんだ…それは…。」
「知らないの?だったら教えてあげる。」
パシュン、パシュン、パシュン
「うぉ!? くっ!! うわぁ!!」

137適当:2012/09/17(月) 13:37:28 ID:P.l0XHTU
彼女は先程放った水の弾丸を俺に向かって連射してきた。俺は落ちている刀を拾いに行けずかわすので精一杯だった。命中した場所はすべて穴が開いており、すさまじい威力を物語っている。

「はぁ…はぁ…はぁ…うっ。」
「もう限界のようね。トドメをさしてあげる。」
ポワーン ピシュン
「ぐわぁ!!」

俺は彼女の攻撃をよけ過ぎて動けなくなっていた。彼女は俺は体をめがけて輪状の水弾を放つ。みずのはどうが当たった俺に、更なる悲劇が襲いかかった。

「くっ…あ…頭が…うはぁ…。」
「混乱したようね。もういいかしら。」

俺は強烈な水の打撃により、めまいに襲われ平衡感覚を失い仰向けに倒れて、こめかみを押さえ出す。彼女は仰向け状態の俺に接近し、昨日と同じように胸に前足を乗せた。彼女が強めに体重を乗せてきたので、その反動で目が覚めた。

「ぐっ…はぁ…はぁ…。」
「さぁ、終わりね。まずは、その腰についてある煙玉を外しなさい。」
「さぁな…はぁ…はぁ…そんな物は持っていない。」

俺は彼女に対してシラを切ると、彼女の前足が再び上がり俺へ押しつけられた。

「ぐわぁぁぁぁ!!」
「聞こえなかったの?持ち帰りなんてさせないからね。それとも、気絶して取ってもらう?」
「くっ…わかった。お前の言う通りにする。」

俺は先程の水の弾丸の威力が、どれほどか知っているので素直に要求を呑み、腰についてある2つのスモークグレーネードを外した。彼女は地面に置いたスモークグレーネードを押さえていない前足で自分の元へ手繰り寄せ、2つ共口にくわえ首を90度振って、湖へと投げ入れた。スモークグレーネードを捨て再び俺の顔を覗き込みながら口元を吊り上げ、ささやくように言い放った。

「ハイドロカノンはね、ハイドロポンプと全く威力が違うのよ。くらえば一撃、あなたはその顔の布で助かるけど、それが無しだったら死亡するわよ?」
「ハ…ハイドロカノンだと!?なぜあんな威力のある技が撃てる?お前の体格からして撃てるハズがないだろう?」
「さぁね…。うふふ…私は特別なのよ。すんなりじゃないけど、ハイドロポンプをかなり強く回転させて撃ったら出来たわ。」
「そ…そんなバカな!?」
「現実にあるから、ありえなくはないでしょ?それにしてもよく避けたわね?私あれだけ一気に撃った事って実はないのよ。うふふふふ…。」

138適当:2012/09/17(月) 13:44:16 ID:P.l0XHTU
“どうりで避けるのに精一杯だったはずだ。ハイドロポンプよりもスピードは速かった…。むしろ、3発も避けられて運が良かったと言う事か…。”俺は彼女の目から目線をずらし、先程の戦闘について思考し始めようとした時、彼女が再び口を開いた。

「さて、どうされたい?黙ってリタイアするか。それとも私ともっと遊ぶか…。」
「いや、いい。リタイアさせてもらう。」

そして俺が赤いボタンを押そうとしたその時、彼女が前足で俺の手を弾いた。俺は驚き、怒り混じりの声で反論した。

「な…何をする!?」
「うふふ…やっぱりただでは返してあげない。」
「なんだと!?」
「あなたの顔があまりにもカワイイからね。犯したくなっちゃった。」
「はぁ!?」
「言っとくけど、その為にトドメは“ハイドロカノン”ではなく“みずのはどう”にしたから。」
「もう勝負は終わ…とうぷっ!!」

彼女は俺に意味不明な発言をして、いきなり俺の口をむさぼり始めた。彼女は俺の口内へ舌を侵入させてこようとするので、俺は歯を食いしばり懸命に侵入を阻止した。すると彼女は静かに口を離した。

「そう…抵抗するのね。」
ドコッ…
「ぐはぁ!!うぷぅ!!」

俺が抵抗すると彼女は俺の腹を前足で殴り、俺の口が開いた所に口を近づけ無理矢理舌を進入させた。“今の腹からの激痛のせいでこれ以上抵抗できない…。”俺はなすすべなく口の中を弄られる。彼女は俺の口の中を舐め回し、俺の頭を両前足でつかみ出す。やがて満足したのか、俺の口から離れた。“クソ…水タイプなんだから知らんが、舌が異常にヌルヌルしていた…気持ち悪い。”俺は顔をしかめ睨みつけると彼女が不敵な笑みを浮かべる。

「おめでとう。私のファーストキスになれて。」
「はぁ…なんだ?お嬢様のつもりか?お前なんかのキスなど気持ち悪いだけだ!!」
「ふ〜ん。そう。」
ドコッ…
「ぐほぁ!!」
「あなたまだ、私に逆らう気があるようね。思う存分もて遊んであげるわ。」
「……………」

俺はもう言い返す体力すら残っていない。俺はもう彼女に抱かれスーツを脱がされていた。スーツを脱がした彼女は、俺の下半身にあるモノをずっと見つめていた。

139適当:2012/09/17(月) 13:51:35 ID:P.l0XHTU
「立派ね。いじめがいがあるわ…。」
「な…なにを…して…うおっ!!」

彼女は独り言をつぶやくと、いきなり自らの口に俺のモノを含ませた。俺は抵抗しようにも、手足すら動かせない。動かせるのは口だけだ。“みずのはどう”の時にリタイアしてれば、5分程の休憩で立ち上がれただろう。だが、腹に入れてくるパンチが強烈過ぎる為に激痛が走り、上半身を起こせずひるんでいた。彼女が舌で先端を弄ってくる為、俺には体感したくもない快感が襲ってきた。“コイツの舌は気持ちが悪い…だが、的確に俺の弱い所をついて来やがる。コイツファーストキスなんてウソだろう!?”俺には徐々に射精の意が込み上げて来た。

「どう?私のは気持ちいいでしょ?興奮しない?」
「興奮なん…ざするか。気持…ち悪いだけだ。」
「そう?でもそろそろ限界じゃない。」
「くっ……ぜ…た…いに…出すものか!!お前には…。」
ドン…
「ぐはぁ!!…うはぁ!! ちっ…くそ…。」

俺は必死に耐えていたが腹に3度目の強打、しかも今度は前足で殴るのではなく後ろ足を使って踏みつぶしてきた。俺は快感から痛みをこらえることに必死で、やむを得ず射精(だ)すハメになった。

「たっくさん出るわね。欲求不満だったんじゃないの?」
「だ…だま…れ!!お前なんぞ頼らなくても、性交(す)る相手ぐらいはいる!!」
「ふ〜ん。まぁいいけどね。おいしいから。あなたの子種を奪えて、し・あ・わ・せ。」
「くっ…下衆な雌だな。」
ドンッ…
「がはぁ!!はぁ…はぁ…はぁ…。」
「減らず口を叩くのもいい加減にしなさい。あなただけ気持ち良くなるのはズルいわ。」
「は…まさ…か?」

彼女は妖しげな笑みを俺に向け、自らの股間を俺に見せつけた。“さすがに気取るだけはあるな。綾に負けないぐらいの桃色に染まっている。彼女は俺に目線を落とし、口の動きだけで“な・め・て”と要求する。俺は苦しみながらも必死に抵抗する。

「だ…れ…が…貴様のなんぞ…貴様の淫乱な穴なん…」
ゴスッ
「がああ!!」
「じゃあ、あなた手動かせる?動かせないわよね?動かせたらとっくにリタイアボタン押せてるものねぇ〜。」
「くっ…そっ…」

俺は残る体力で手足を動かそうとするが…残念ながら指しか動かせなかった。彼女は妖しい笑みで続ける。

140適当:2012/09/17(月) 13:58:56 ID:P.l0XHTU
「ね?出来ないでしょ?だったら出来る所は1つしかないわよね?」
「う…はぁ…こと…わ」
「これ以上逆らったらみぞおちにハイドロカノン撃つわよ?さすがのハチマキも効果切れて死ぬんじゃない?」
「くそっ…わかった。来い。」
「いい子ねずみちゃんね。ほら、どうぞ。」

正直“綾”以外の割れ目を舌でなぞるなどしたくなかった。だが、もし逆らえばもう永遠に愛しい雌に会えなくなる。“俺は死にに来たんじゃない。生きるために闘っているんだ!!”そう自分に言い聞かせ、目の前の下衆の割れ目を震える舌でなぞっていく。彼女はなぞる度に感想や喘ぎ声を漏らすが“こんなの興奮したら負けだ。”と念じ目を閉じ、舌先だけに神経を集中させる。先程“どうぞ”とか俺が欲しがっている様な言い方をしているが、“俺はお前のなんかこれっぽちも欲しくはない。お前の滴り汁なんて気持ちが悪い。”

「あっはぁ!!はぁ!!んっ…いいわ…もう少…し。」
「ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ…くそっ。」
「あっ…ははん!!ああああああ!!」
「うっ…はねた…ちくしょう…。」

彼女は歓喜の声を上げ、透明な液体を勢いよく噴き出した。当然、顔を近づけていた俺は避けようがない。汚水は俺の顔を濡らしていった。“手で拭うこともできないし、なめたくもない…。”これ以上に屈辱な事があるだろうか?”と思える程の感情が込み上げて来た。汚水で濡れた顔を彼女はまじまじと見つめ妖しい笑みを浮かべた。

「おいしいでしょ?雄って雌の愛液が好きなんでしょ?」

訊かれても無視した。というかもう質問に答えたくもなかった。俺のぴんと立っていた黄色と黒の耳は、完全にやる気を無くして垂れている。俺は深くため息をつくが、彼女は続けた。

141適当:2012/09/17(月) 14:03:54 ID:P.l0XHTU
「今のあなた最高よ。鏡があったら見せてあげたいくらいに、耳も垂れてかわいい。」
「はぁ…はぁ…もう帰してくれ。俺の体力はとっくに戦闘不能のハズだ。実は君が操作しているんだろう?」
「お前から君に変えたわね。別にお前とか汚い言葉を投げかけてもいいのよ?そのかわり“殴る”けどね。」
「はぁ…質問に答えてくれないか。俺はもう昨日よりも疲弊している。戻れない事があり得ないんだ。」
「よく気づいたわね。そうよ、私が操作しているのよ。私が特別ルールを悪用しているのよ。」
「特別ルール!?」
「そ、だってあなたまだ“10%”体力が残っているでしょう?ポケモンによっちゃその“10%”でも、強大な一撃が放てる。しかも体力は減らないから攻撃し放題ってわけ。あなたが退けないのは、私が本部に危険信号を送っているから。まだ“戦闘可能、撃退せよ”って命令が出ているの。おわかり?」
「な…なんだって!?俺は…どう考えても闘える状態じゃ…。」
「だ・か・ら、悪用って言ったでしょ?軍の中にはあなたみたいな可愛くて素敵な雄(ひと)なんていないもの。」
「くっ…どうゆう言い訳だ。俺なんかより業火の扉とか雷神とかいろいろあるだろう。」

俺が彼女が俺を欲しい理由について激しく反発するが、彼女は落胆の表情を浮かべ“はぁ〜あ”と声を漏らし、話し始める。

「そっか。あなたやっぱり来たばっかりでわかんないわよね?【闇の番人】ブラッド少尉と【伝説の番人】ジョーン中尉と【幻想の番人】カオス少佐以外は、全員メスよ?」
「な…なんだって!?おい…冗談はよせ!!」
「事実よ。雌とセックスなんてしたくもないし、ブラッド少尉は好きじゃない。ジョーン中尉はおじいさんだし、カオス少佐は会ったこともない。私は、レズビアンなんてカスだと思っているから!!」
「カ…カス?」
「そう。だってよく考えなさい。なんで同性同士がセックスするの?同性になんで興味が湧くの?完全に頭がおかしいわよね?」

俺は迫真に抗議をする彼女の質問に何も答えなかった。“考えたこともないし…俺が言ったって何の意味が…。”というかコイツに決して賛同したくなかった。俺が黙っているのを見ると彼女が元の妖しい表情へと戻した。

142適当:2012/09/17(月) 14:09:10 ID:P.l0XHTU
「だから、ね?楽しみましょ。私、欲求不満なの。あなたにさっき言ったけど、本当は私自身がそうなの。軍隊ってつらいわよね。というか構成がおかしいと思うんだけどね。」
「楽しくないって言ったら怒るか?」
「怒る。けど、たぶん殴ったりはしない。もう別にあなたは私から逃げられる体力もないんですもの。」
「はぁ〜あ。もうわかった来い。好きにしろ。」

俺はもう心を折られた。なぐらないと言っているが、それはあり得ない。2発目あたりを腹に入れた時から完全不可抗力だったのだから。“はぁ…ごめん綾俺は最低な雄だ。君以外の雌と性交(す)るなんて…。”俺は打ちひしがれて目線を落とした。そんな俺に気を遣わず、彼女は子供のようにはしゃぎ出す。急に体力が回復すればぶん殴ったかもしれないが、あいにくそれは出来ない。彼女は妖しい表情を変え、優しい表情へと変える。

「君は本当にいい子ね。」
「子供じゃない。成人男性だと言っただろう。」
「子供のようなかわいい表情を持っているから、それでいいの。」
「だったら、軍をやめて雄のピカチュウを探して来たらどうだ?」
「いいえ、あなたじゃないと満足できない。それにお礼もするから…ね?」
「ふっ…ウソだろう?だって君は唯一の雄の心を掴めないんだ。だからブラッドとかというヤツと性交(や)れないんだろう?」
「う…ひどい。それは言い過ぎじゃない…。」

彼女は俺の言葉を聞いて泣き出す。だが、俺はあやすつもりなんぞ、これっぽちも無い。俺は事実を突きつけた。

「どっちがひどいんだ?不可抗力のヤツに性行為を強要して、さらに殴って、無理矢理従順させている君の方が…。」
「そうしないと性交(や)ってくれないでしょ!!ここの挑戦者はムサい雄ばっかり…あなたのような本当に素敵な男性(雄)は初めてなのよ…うぅ……。」
「どれだけ飢えているんだ…。」
「しょうがないじゃない!!発情期なんだから!!本能が理性に打ち勝ってしまっているのよ…もう止めることは出来ない。」
「まさか君…それが狙いで軍隊に?」
「そうよ!!もう言うわ…そうです!!職場恋愛の方が会う時間も多いし、雄もたくさんいて選択の余地があるじゃない!!」「わかった、わかった。少し時間をくれ。」

143適当:2012/09/17(月) 14:14:57 ID:P.l0XHTU
俺はグチのはけ口じゃない。とりあえず興奮している彼女を黙らせる為に、しょうがなく言い分を受け入れることにした。“愛のない性交にしよう。俺が心から愛しているのは綾君だけだから、俺の愚行を許してくれ。コイツをとりあえず黙らせる為に。”そして決心が固まった俺は再度口を開く。

「一度だけだぞ。」
「本当に?」
「ああ、もうこれっきりだ。明日からはちゃんとリタイアさせてくれ。」

彼女は俺の目を見てゆっくりとうなずいた。俺はそれを確認すると、首を少し横に振り“さっさとやれ”という合図を送った。彼女は俺の合図を受け取るとゆっくりと俺のモノを自分の股にあてがった。

「俺はもう動けん。自分で動いてくれ。」
「うん。わかってる。」
「もしかして、処女か?」
「そうよ。」
「何で処女なのに…こんなに淫乱なんだ?」
「処女だから淫乱になるんでしょ?」
「知らない。さっさとやってくれ。」

俺は彼女に訊かれてもすぐに拒否した。彼女は相手にしてもらえず不満気な表情を浮かべるが、俺は無視して空を見上げる。“思えば、青カンなんてした事ないな…いや待て、ここは外なのか?”俺がボーっと眺め続けていると、彼女が勝手に腰を動かし始めた。喘ぎ声で勝手にはしゃいでいるが、俺はずうっとボーっとして空を眺めている。時折“綾との性交なんだ”と思い込もうとしたが、全く違う。事実なんだからしょうがない。ずっとそんな事を想っていたが、徐々に快感に襲われ息が上がり始める。だが、“これは俺が興奮しているんじゃない。下半身だけ勝手に興奮して上半身は巻き添えを食ってるだけだ。”彼女は派手に叫んで絶頂したが、俺は一言も喋らずに彼女の膣(ナカ)に出した。“出すなとせがんで来るハズがない。挑戦者に性交を求めるようなヤツが、こんなことを言うハズはない。俺のモノから出た精子と、彼女の…液が混ざり俺の股間を湿らせるが、そんなことはどうでも良く、“帰ったら風呂に入らないとな”とだけ思っていた。彼女は満足し俺の股間から自らの股の穴を外し、再び俺の顔を覗き込んで言った。

144適当:2012/09/17(月) 14:20:21 ID:P.l0XHTU
「ありがとう。私のわがままに付き合ってくれて。」
「…君が突き合わせたんじゃないか…。」
「そうね。ごめんなさい。これ…。」

彼女はそう言って軍服の胸に輝いている“β”の文字が書かれたバッチを俺の手へ握らせた。言う事がかなり遅れたが、彼女は上半身だけ軍服を身にまとい、下半身は野生と同じだ。理由は四足歩行の生き物(ポケモン)は下を履くことが出来ず、上を通すことしか出来ない。俺は、意外にも本当にお礼をしてくれたので驚いた声で言い返した。

「いいのか?俺は君を倒していない。」
「うん。いいの。システムを悪用したから。それに、あなたにも随分と酷い目にあわせちゃったし。」
「そうか。では遠慮なくいただく。ついでにリタイアボタンを押してくれないか?」
「その必要はないわ。危険信号を解除したから、もう元に戻ると思うわ。」

彼女の最後の言葉と聞き、俺の体は“氾濫”のステージから消え、元の白い空間へと戻った。


「………」
相変わらず白い天井…だが、それが俺を安心させてくれる。“終わったんだ…ようやく地獄から解放された。それでいて安堵の表情を浮かべため息をついた。しかし、俺はある事を思い出した。

「あっ!!スーツと刀を忘れてしまった!!」

俺は一瞬焦り立ち上がろうとするが、手も足も動かせないので、立てるハズも無かった。俺があきらめかけて横を向くと…。

「ああ!!ある!!どういうことだ…?」

その光景を見た俺は、目を丸くして一般の可愛いピカチュウみたいになっていたに違いない。しかし、そうなる事に無理はなかった。後ろの壁にも、前にも何も書いてないのである。

「ひょっとすると…彼女が!?」

俺は再びあの無理強いさせたシャワーズの顔を思い出した。いや、本当は思いだしたくも無かったが、彼女には予想外の優しい一面があるという事に驚いた。ステージクリアの証である小さなバッチをくれたのもそうだが、彼女は本当はスゴく良く女性(雌)だったかもしれない。俺は思わず、しかめていた顔をほころばせた。

「ふっ…いい所あるじゃないか。」

その後、体力もようやく回復し動けるようになり、夕飯を済ませ入浴を済ませ、スーツは洗濯乾燥機に任せ、倒れるように寝て二日目が終了した。もちろん手には彼女がくれた“意外な優しさ”を握りしめながら。

【試練1 氾濫 完】


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