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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

144適当:2012/09/17(月) 14:20:21 ID:P.l0XHTU
「ありがとう。私のわがままに付き合ってくれて。」
「…君が突き合わせたんじゃないか…。」
「そうね。ごめんなさい。これ…。」

彼女はそう言って軍服の胸に輝いている“β”の文字が書かれたバッチを俺の手へ握らせた。言う事がかなり遅れたが、彼女は上半身だけ軍服を身にまとい、下半身は野生と同じだ。理由は四足歩行の生き物(ポケモン)は下を履くことが出来ず、上を通すことしか出来ない。俺は、意外にも本当にお礼をしてくれたので驚いた声で言い返した。

「いいのか?俺は君を倒していない。」
「うん。いいの。システムを悪用したから。それに、あなたにも随分と酷い目にあわせちゃったし。」
「そうか。では遠慮なくいただく。ついでにリタイアボタンを押してくれないか?」
「その必要はないわ。危険信号を解除したから、もう元に戻ると思うわ。」

彼女の最後の言葉と聞き、俺の体は“氾濫”のステージから消え、元の白い空間へと戻った。


「………」
相変わらず白い天井…だが、それが俺を安心させてくれる。“終わったんだ…ようやく地獄から解放された。それでいて安堵の表情を浮かべため息をついた。しかし、俺はある事を思い出した。

「あっ!!スーツと刀を忘れてしまった!!」

俺は一瞬焦り立ち上がろうとするが、手も足も動かせないので、立てるハズも無かった。俺があきらめかけて横を向くと…。

「ああ!!ある!!どういうことだ…?」

その光景を見た俺は、目を丸くして一般の可愛いピカチュウみたいになっていたに違いない。しかし、そうなる事に無理はなかった。後ろの壁にも、前にも何も書いてないのである。

「ひょっとすると…彼女が!?」

俺は再びあの無理強いさせたシャワーズの顔を思い出した。いや、本当は思いだしたくも無かったが、彼女には予想外の優しい一面があるという事に驚いた。ステージクリアの証である小さなバッチをくれたのもそうだが、彼女は本当はスゴく良く女性(雌)だったかもしれない。俺は思わず、しかめていた顔をほころばせた。

「ふっ…いい所あるじゃないか。」

その後、体力もようやく回復し動けるようになり、夕飯を済ませ入浴を済ませ、スーツは洗濯乾燥機に任せ、倒れるように寝て二日目が終了した。もちろん手には彼女がくれた“意外な優しさ”を握りしめながら。

【試練1 氾濫 完】


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