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('A`)はドクトラセブンのようです

1名無しさん:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』

地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が

( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」

( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」

( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」

( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」

このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。

280名無しさん:2018/09/14(金) 12:33:46 ID:QC4HveNE0
殴ってきた手を持つとアームブリーカーでへし折る。

('A`)「デュワ!」

(;∴◎∀◎∴) 「ギャァァァァ!!」

('A`)「少しは痛みというものがわかったか?」

(;∴◎∀◎∴) 「キヒヒヒッヒ!」

(∴◎∀◎∴) 「やっちまったなぁ。」

('A`)「ん?」

キモ・オターが壁の顔に手を当てるとその顔がしおれていき折れた腕が完治した。

(;'A`)「何をした?!」

(∴◎∀◎∴) 「ここにある顔たちは俺が襲った連中の生命エネルギーの塊。当然それを一気に吸収すれば怪我なんてこの通り。」

(∴◎∀◎∴) 「お前が俺にダメージを与えるたびにこいつ等が犠牲になると思え。」

(∴◎∀◎∴) 「フヒヒヒヒヒ!」

(;'A`)「卑怯者め!」

手が出せないドクトラセブンをしり目に円盤のコントローラーパネルに手を伸ばす。
ポチポチと操作すると急にドクトラセブンが宙に浮き壁や床、天井に何度もたたきつけられる。
何とか回転することにより円盤による操作を弾き飛ばす。

(;'A`)「グゥゥ……」

だが思いのほかダメージが大きかった。

(∴◎∀◎∴) 「俺に逆らうやつはこうなるんだ。」

(∴◎∀◎∴) 「笑えみんな。」

アハハハハハハ

また彼女たちが大笑いし始まる。

281名無しさん:2018/09/14(金) 12:34:15 ID:QC4HveNE0
(∴◎∀◎∴) 「戻ってたまるか元の生活なんて。」

(∴◎∀◎∴) 「下に見られるだけの人生なんか……」

(∴◎∀◎∴) 「ここに居ればみんながいてくれるんだ!俺を見て笑顔をくれるんだ!」

('A`)「……」

こいつの言う通りだ。今までの人生ろくに女性と関わってきたことなんてない。
それどころか不細工だからということでひどい扱いを受けてきた。
可能性という言葉は恐ろしい。良い意味にも悪い意味にも使える。
自分だって何かのきっかけがあればこいつのようになっていたのかもしれない。

だがはっきり言えることがある。
今、俺が戦わなくては彼女たちの笑顔は取り戻せない。

('A`)「わかってない……お前は何も……」

ふらふらと立ち上がる。

(∴◎∀◎∴) 「あぁ?何がわかってないって言うんだ?」

(∴◎∀◎∴) 「俺はこの通り彼女たちの笑顔の中にいるんだ。」

('A`)「これが笑顔だと?」

('A`)「フフフ、笑わしてくれる。」

('A`)「デレさんは泣いていた。今も必死にお前なんかに負けないと戦っている。」

('A`)「他の被害者もそうだ。お前なんかに感情をとられまいと必死にな!」

('A`)「笑うだけが人間の感情じゃない、泣くことや悲しむことだってそうだ!そういったものすべてが人間に必要なんだ!」

(;∴◎∀◎∴) 「だ、黙れ!俺は笑顔という一番良い顔さえ手に入れればいいんだ!!」

('A`)「これが本当に彼女たちの笑顔だと言っているのならお前は大バカ者さ。」

(;∴◎∀◎∴) 「お前は見たことがあるというのか彼女たちの笑顔を?!」

('A`)「見たことあるさ。デレさんの笑顔は……」

('A`)「そうデレさんの笑顔……」

('A`)「……」

282名無しさん:2018/09/14(金) 12:34:39 ID:QC4HveNE0
あれ?そういえば俺、デレさんの笑顔なんて見たことないぞ。
というか女性の笑顔って見たことあるか俺?

マウントを取ろうとしたドクトラセブン。
当然といえば当然。
自分自身がそんなに女性と接してこなかったのでそんなの見たことがないのだ。

(;'A`)(女性の笑顔くらい一度くらいあるだろ思い出せ俺)

(;'A`)(……)

('A`)(この際、かーちゃんでもいい)

(;'A`)(ダメだあのババアため息か苦笑いしかしたことねぇ)

(;'A`)(となると……)

ξ゚∀゚)ξ

(;'A`)(これしかねぇ)

(;'A`)(これを笑顔とみていいのか)

(;'A`)(そもそもが女性がしていい顔じゃねぇ)

('A`)「……」

('A`)「いいかデレさんの笑顔はすごく輝いている。」

('A`)「こうなんて言うかキラキラとね。」

諦めて嘘をつくことにした。
無いんだもん仕方ない。

(;∴◎∀◎∴) 「嘘ダァァァ!!」

(;∴◎∀◎∴) 「お前ごときが見れるわけないだろぉ!!」

うん。その通り嘘さ。

283名無しさん:2018/09/14(金) 12:35:04 ID:QC4HveNE0
(#∴◎∀◎∴) 「ギリギリギリ!!」

思い切り歯ぎし、顔を真っ赤にして悔しがる。
まるで童貞だと信じていた友人がそうではなかったと知った時のような感じだ。

('A`)(よしチャンスだ!)

額のビームランプに手を当て、ドクリュウム光線の態勢をとる。

(#∴◎∀◎∴) 「馬鹿め俺を攻撃したところで意味がないぞ!!」

確かにキモ・オターを攻撃しても意味がない。
それどころか被害者の生命エネルギーが吸われてしまう。

('A`)(狙いはお前じゃない!!)

発射されたドクリュウム光線は円盤のコントローラーパネルを打ち抜く。
バチバチと火花を立て円盤の機能が停止する。
すべては円盤の力なのだ。その元を絶てばいい。

('A`)「……」

('A`)「本当は他の方法を探すべきなのだろうが、あいにくこれしか考えがひらめかなくてな。」

円盤の機能によって女性たちから集めていたエネルギーが消える。
当然壁や床、天井の顔も消える。本来あるべき彼女たちのところへ戻ったのだ。
そしてそれはキモ・オターへ流れていた生命エネルギーも消えてしまったのだ。
生命エネルギーの供給を断たれ、みるみる体がしぼみだす。

(;∴◎∀◎∴) 「あぁぁあぁ!!死にだぐなぃい!!だずげでぇ!!」

地獄の苦しみを味わった後、骨と皮だけになる。

('A`)「……」

恐ろしい人間であった。
だが自分もこうならないように気をつけなければならないのだ。
誰しも恐ろしい怪人になりえるのだから……

284名無しさん:2018/09/14(金) 12:35:43 ID:QC4HveNE0
( ^ω^)「まさか地球人が宇宙人の機械を利用してこんな恐ろしいことしてたなんてな。」

爪'ー`)「被害にあった女性たちに笑顔が戻ったといっても何だかモヤっとする。」

ξ゚⊿゚)ξ「犯人を私がこの手で直接血祭りにあげられなかったのは残念だが、デレが無事に戻ったから良しとするか。」

ξ゚⊿゚)ξ「だが、やっぱお前ら全員去勢しとけ。」

(;^ω^)「だからそれは飛躍しすぎ!」

(*'A`)「フーッ」

一枚の写真を見つめるドクオ。

ξ゚∀゚)ξζ(^ー^*ζ(*'∀`)

ホントはツーショット写真がよかったが、まあいいでしょう。
どんな報酬よりもありがたい写真だ。
元気になって良かったねデレさん。
  _
(;゚∀゚)「隊長、最近人通りの少ない夜道で恐ろしい目つきをした鬼が走り回っていると通報がありました。」

爪;'ー`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「なんだもう次に事件か。」

ξ゚⊿゚)ξ「どれこの私が一肌脱いでやろう。」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(それはお前のことだよ妖怪ツインドリル女)

そう思う隊員たちであった。

第九話『笑顔を取り戻せ』

終わり

285名無しさん:2018/09/14(金) 12:36:32 ID:QC4HveNE0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
さぁ、来週もみんなで見よう。

286名無しさん:2018/09/14(金) 14:15:00 ID:eNC6mUWE0
良かったなどくお!!!

287名無しさん:2018/09/14(金) 21:26:28 ID:ABqUiKpU0
乙!

288名無しさん:2018/09/14(金) 23:21:23 ID:EZaBAlR.0
誰もがキモ・オターになり得る…か
俺も気をつけよう

289名無しさん:2018/09/18(火) 19:31:59 ID:8Yl7RU0Q0
ツンヌがもはや人間扱いされてなくてわろす

290名無しさん:2018/09/21(金) 23:14:59 ID:0ohUMJJQ0
第十話『消されたヒーロー』

「ねえねえ、知ってる?VIPトラマン幻の最終回って。」

「なにそれ?またオカルト話?」

「昭和の特撮ヒーローが大量生産されてた頃の一作品らしいんだけど、これが市場には出回ってないらしいのよ。」

「へー、どうでも。あっ辛!この四川麻婆豆腐、辛い!トソン食べて。」

昼間の高級中華料理店、二人の女性がのんきに食事をしていた。

(゚、゚トソン「その幻の最終回がマニアの中では高額で取引されてるんだって。」

ξ゚⊿゚)ξ「特撮ヒーローとか興味ないし。あと残り食べて。」

(゚、゚トソン「ところが、その最終回を購入したマニアは行方不明になるって噂が広がってるのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「くっだらねぇ。大金の割にショボい話だったんじゃねぇの?これ食べて。」

(゚、゚トソン「私、辛いのダメだから。」

ξ゚⊿゚)ξ「チッ」

291名無しさん:2018/09/21(金) 23:15:26 ID:0ohUMJJQ0
(゚、゚トソン「残せば?」

ξ゚⊿゚)ξ「死んだばあちゃんに食べ物は残さず食べろって昔から強く言われてたから残したくないの。」

(゚、゚トソン「教育熱心なおばあちゃんがいたのにこんなのに育つとは。」

ξ゚⊿゚)ξ「子育てって大変ね。」

(゚、゚トソン「あんたが言うか。」

ξ゚⊿゚)ξ「仕方ねぇ、基地にいる豚に食わすか。店員、タッパーくれ。」

(゚、゚トソン「それじゃ会計はいつも通り経費でお願いね。それとVIPトラマン幻の最終回の件もよろしく。」

ξ゚⊿゚)ξ「それウチが調べる必要ある?」

(゚、゚トソン「私の後輩がそれを調査して行方不明なのよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおい、それなら自分で調べて記事にしろよ。」

(゚、゚トソン「特撮とか興味ないし。私は自分の興味があることしか記事にしない質だから。あんな子供だましのどこがいいんだかね。」

ξ゚⊿゚)ξ「それな。」

(゚、゚トソン「そう言うことでお願いね。」

292名無しさん:2018/09/21(金) 23:16:18 ID:0ohUMJJQ0
ξ゚⊿゚)ξ「って話が昼間あったわけよ。」

ξ゚⊿゚)ξつ「ほれブーン、四川麻婆豆腐だ食え。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)爪'ー`)「……。」

爪'ー`)「俺もう何も驚かんよ。」

('A`)「フーッ、前にも見たなこの展開。」

(,,゚Д゚)「回数重ねても許されないからなオイ。」

( ^ω^)「いや、今は腹減ってないんだが。」

ξ゚⊿゚)ξ「御託はいいからなんちゃらマンの調査行って来いよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あと豚は早く食え。」

( ^ω^)「一応これでも人類ですからね。仕方ない食うか。」

爪'ー`)「これだけは言うけど、我々はそんなくだらないこと調査しないからな。」

ξ゚⊿゚)ξ「だろうな。」
  _
(*゚∀゚)「まぁまぁ隊長、その話は割と我々がやるべき仕事かもしれませんよ。」

何やら嬉しそうにジョルジョが割り込んできた。

爪'ー`)「なに?」
  _
(*゚∀゚)「消された最終回を持つとされる有名な作品ですよ。」
  _
(*゚∀゚)「VIPトラマン、1970年代に放送開始。当時の特撮ヒーロー作品のひとつで宇宙からきた巨大ヒーローが怪獣と戦うストーリー。」
  _
(*゚∀゚)「事故のせいで防衛チームの一人と融合してしまい、ピンチの時にはVIPトラマンに変身する。」
  _
(*゚∀゚)「怪獣特撮ものだが毎週、町の模型を派手に破壊したりとなかなか迫力のある作品です。」
  _
( -∀-)「ただ、残念ながらなかなか視聴率が伸びずに全39の予定が打ち切りで全37話に……」
  _
( ゚∀゚)「しかし、今でも根強いファンが多く、現代ではかなり評価されています。」
  _
(*゚∀゚)「そして何より珍しい最終回。打ち切りの影響か、まるでなんて事のない通常回が最終回で当時の視聴者はかなりびっくりしたそうです。」

293名無しさん:2018/09/21(金) 23:17:40 ID:0ohUMJJQ0
ξ゚⊿゚)ξ「うまいそれ?」

( ^ω^)「辛いけどうまい。どこの店?」

ξ゚⊿゚)ξ「それうまいとか味覚イカレてんじゃないの?」

(,,゚Д゚)「隊長、コーヒー淹れましたよ。」

爪'ー`)「おお、ありがとう。」

('A`)「俺にもくれよ。」

(,,゚Д゚)「はいよ。」

('A`)「どうも。」

熱く語るジョルジョだが、誰もその話を聞いてくれない。
誰も興味がないようだ。ジョルジョをそっちのけで各自くつろぎ始めた。
しかし、ジョルジョは興奮しきっていてひたすら語り続ける。
自分だけの世界に入り浸っている。
  _
(*゚∀゚)「おかげでマニアの中では実は別に最終話が作られていたんじゃないのかって憶測がありまして。」
  _
(*゚∀゚)「VIPトラマンの星の連中が地球を侵略して終わるとかそんな説があったり。」
  _
(*゚∀゚)「ネットでは、何とか最終話を手に入れた猛者のやはりとんでもない話であったとの書き込みがあったり。」
  _
(*゚∀゚)「最近では数百万でその最終回が取引されているようで。」
  _
(*゚∀゚)「実は俺も貯金を全額はたいて購入しようかと考えている次第です。」
  _
(*゚∀゚)「早く見てみたいものですな。」

目を子供のようにキラキラと輝かせている。
人生において趣味を見つけることは大切なことだ。
それがどんな趣味でも他人の目を気にする必要はない。
自分の好きなことを語るのはいいことだ。
だがそれは時と場合を考えよう。

294名無しさん:2018/09/21(金) 23:18:17 ID:0ohUMJJQ0
(,,゚Д゚)「さて俺はパトロール行ってくるよ。」

( ^ω^)「ドクオこれから新型兵器のテストに行くぞ。」

('A`)「今回の新型爆弾はどれほどの威力かな。」

ξ゚⊿゚)ξ「そろそろデザートの時間だな。どこに食いに行くか。」

爪'ー`)「おっと会議の時間がもうすぐだな。」

ジョルジョをおいて各々作戦室を後にする。
  _
(*゚∀゚)「個人的には通常回のような最終回は割と好きですね。」
  _
(*゚∀゚)「それこそまだまだこれからVIPトラマンの物語は続いていくのだというようで。」
  _
(*゚∀-)「でも一番好きな回は第八話の……」
  _
(;゚∀゚)「あれ?みんな?」

それからすぐにみんなVIPトラマンのことなど忘れてしまった。
ただ一人ジョルジョのみ、その話を聞いてから幻の最終回を購入することを決意していた。

295名無しさん:2018/09/21(金) 23:18:39 ID:0ohUMJJQ0
それから数日後。
  _
(*゚∀゚)「♪〜」

('A`)「どうしたジョルジョ、鼻歌なんか歌いながら?いいことでもあったか?」
  _
(*゚∀゚)「やっとネットでVIPトラマン最終回を購入できそうなんだ。」

('A`)「なんだっけそれ。つまらなくて打ち切られたやつだっけ?」
  _
(#゚∀゚)「馬鹿なことを言うな!!VIPトラマンは素晴らしい作品なんだ!!」
  _
(#゚∀゚)「見たこともないニワカ以下のカスは黙ってろ!」

(;'A`)「お、おぉ。すまなかった。」

熱狂的なファンの前でけなすのダメ絶対。
  _
( ゚∀゚)「しかし、購入の仕方が謎すぎるんだよな。」
  _
( ゚∀゚)「現金で数百万を手で持ちながらパソコンの前に座り、相手さんから送られてきたメールのURLに飛ぶだけだってんだから。」

('A`)「からかわれてんじゃないか?」
  _
( ゚∀゚)「VIPトラマンファンの同志がそんなことするかよ。早速自分の部屋で見て来るぜ!」

('A`)「今日は防衛会議があるそうだから遅れるなよ。」
  _
( ゚∀゚)「ああ、後でな。」

そうして別れた後、ジョルジョは会議には来なかった。
基地のどこを探しても見つからず、噂の事件に巻き込まれたとされた。

296名無しさん:2018/09/21(金) 23:19:06 ID:0ohUMJJQ0
爪#'ー`)「まったくぶったるんどる!!」

爪#'ー`)「防衛隊のメンバーが自分の趣味で事件に巻き込まれたなどと!」

( ^ω^)「事件を調査した結果、幻の最終回自体は昭和から噂されていたようですが、実際に行方不明になるのはここ数か月からのようです。」

(,,゚Д゚)「その最終回を見たとされる書き込みを見ると。」

『あんな恐ろしい最終回とは……』『まさかそんな展開になるなんて涙が止まらない』『これを見ないで人生を終えるなんて考えられないよ』
『やっぱVIPトラマンはVIPトラマンだぜ!』『VIPトラマン最低!ファンやめます』

(,,゚Д゚)「などあまり内容が語られていないのばかりです。」

('A`)「被害者はみなネットで最終回を売っているという人物と接触。」

('A`)「その人物の言う通り、現金で数百万を手で持ちながらパソコンの前に座り、相手さんから送られてきたメールのURLに飛んだもよう。」

('A`)「メールのURLも知らべましたが、なんのページにもつながらないようです。」

爪'ー`)「人間一人、突然消失するのが地球人の仕業とは考えにくい。敵は宇宙人だと思われる。」

爪'ー`)「ギコはジョルジュの使用したパソコンに何か痕跡がないか調べてくれ。」

爪'ー`)「制作元のVIP谷プロにその幻の最終回が有るのか無いのか確認をドクオとブーン頼む。」

(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「私これから○ンハンやるけど、いい?」

爪'ー`)「君はいつも通りでいいよ。」

隊長がツンヌを見る目はすべてをあきらめているようだ。

297名無しさん:2018/09/21(金) 23:19:37 ID:0ohUMJJQ0
ヴィプンターでVIP谷プロに向かう二人。
社員に話を聞くとそんな最終回は存在しない。ただのくだらない噂だと追い返された。

( ^ω^)「まあそうでしょうね。」

('A`)「本当は隠しているだけかもしれんぞ。」

('A`)「倉庫に忍び込んでテープを確認しない限りないとは言い切れん。」

( ^ω^)「それじゃ、不法侵入やっちゃいますか。」

こそこそと忍び込む。
地球の平和を守るためなら多少の不正行為は目をつぶってもらう。

('A`)「これは違いそうだな。」

( ^ω^)「お!これ鏡男じゃん懐かしい。」

ガサゴソと音を立てながら調べていると倉庫の扉が開いた。

(;^ω^)(;'A`)「!」

掃除のじいさん「誰じゃ!そこで何をしている!」

事情を説明すると社員には黙ってくれるそうだ。
そしてこのじいさんは当時の撮影班の一人だということだ。

掃除のじいさん「そうじゃ。わしもあのVIPトラマンの制作にかかわっていたのじゃ。」

('A`)「じゃあ噂されてる幻の最終回ってあるのか?」

掃除のじいさん「フーッ」

タバコを吸いながら話し始めた。

298名無しさん:2018/09/21(金) 23:20:09 ID:0ohUMJJQ0
掃除のじいさん「最終回は放送されたあの話が最終話さ。」

掃除のじいさん「当時はだいぶ言われたよ。これのどこが最終回だって。強敵も出なければVIPトラマンは自分の星に帰ったりしない。」

掃除のじいさん「出てきた怪獣もなんてことのない奴、ストーリーもいつも通りの大したことのない話。」

掃除のじいさん「翌週に至っては最終回だと思わなかった人たちから大量の電話が来たよ。今週は休みなのかって。」

( ^ω^)「やっぱりただのガセだったか。」

('A`)「しかし、なぜそんな最終回にしたんだ?」

掃除のじいさん「視聴率が振るわなかったからね。予定に大幅に削られたのもあるな。」

掃除のじいさん「なにせ裏番組のフル面ライダーが人気過ぎてね。同じ特撮なのにかなりの差をつけられよ。」

( ^ω^)「フル面ライダーって今もシリーズの続くあれか。今のはフル面ライダーAってやつがやってるな。」

掃除のじいさん「こっちも負けじといろいろ話が面白くなるように工夫とかしてみたんだがな。」

掃除のじいさん「でもそれは自己満足だったんだ。自分たちはこれは面白いだろうってやってみたが、面白いかどうか決めるのは視聴者なんだ。」

掃除のじいさん「回を重ねるごとにその差がどんどんわかっていったよ。」

掃除のじいさん「向こうは大成功、こっちは失敗作。悔しかったな。それでもあきらめずに頑張ったさ。」

掃除のじいさん「こっちだってそれなりに面白いんだぞって。まあ結果、打ち切りだけどね。」

('A`)「……」

299名無しさん:2018/09/21(金) 23:20:36 ID:0ohUMJJQ0
掃除のじいさん「でもあの頃は大変だったけど楽しかったよ。」

掃除のじいさん「近所の子供たちがVIPトラマンのどこどこが面白いとか、あのシーンがかっこよかったって言ってくれてね。」

掃除のじいさん「それだけでも作った甲斐があったよ。今もVIPトラマンが好きだって言ってくれる人たちがいるらしいしね。」

掃除のじいさん「そうやって楽しんでもらえることが一番なんだよ。だから最終回はこの先もまだまだ続いていく終わり方にしたんだ。」

('A`)「なるほどいろいろ考えがあったんですね。」

掃除のじいさん「それともう一つ。『彼』の終わりを我々が考えるなどというのがね……」

('A`)「彼?」

( ^ω^)「誰のことです?」

掃除のじいさん「VIPトラマンにはモデルがいるんだ。正直この作品自体が『彼』が存在したことを忘れないように作ったものなんだが。」

掃除のじいさん「これ以上のことは言えない。君たちは目的を果たしたんだろ、早く帰りなさい。いい加減見つかるぞ。」

気になることだが長居はできそうにない。そそくさとその場を後にする。
通信で隊長に報告を済ませると基地へと向かう。

爪#'ー`)「ムムム、こうも何も手掛かりがないとな。」

いらだちを隠せない隊長は胸ポケットから煙草を取り出すと口にくわえてライターを取り出す。
火をつけようとしたところで殺気に気づく。

ξ#゚⊿゚)ξ9m

鋭い目つきで睨みつけながら壁に書かれた文字を指さしている。

『禁煙』

悪かったね。そう言い残して喫煙所に向かう。
昔はよく吸っていたが、最近は健康を考えてたまにしか吸わないようにしている。
大体吸うときはイライラが収まらない時だ。

300名無しさん:2018/09/21(金) 23:21:11 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)「あれ?」

喫煙所がある場所に着いたがそこには何もない。

清掃のおばちゃん「あら隊長どうされました?」

爪'ー`)「ここに喫煙所ってなかったっけ?」

清掃のおばちゃん「何言ってんのよ隊長さん、基地内は全部禁煙になったじゃない。」

清掃のおばちゃん「ツンヌちゃんが頑張って働きかけて排除したの知らないの?」

爪'ー`)「……」

仕事以外で自分の気に入らないことに全力出すあの子はなんなの?
結局一服するために基地の外まで出る羽目になる。
タバコをくわえて火をつけようとするがなかなかつかない。
ガスが切れていたか?

(,,゚Д゚)「どうぞ。」

どうやら先にいたギコが火をつけた。

爪'ー`)y‐「フーッ。ありがとう。」

(,,゚Д゚)y‐「隊長も一服ですか?珍しいですね。」

爪'ー`)y‐「一服のつもりだったんだが作戦室からここまではなかなかな運動だよ。」

(,,゚Д゚)y‐「ハハ、全くです。気軽に吸えませんからね近頃は。」

爪'ー`)y‐「昔は作戦室でもみんなで吸ってたもんなんだがな。」

(,,゚Д゚)y‐「今はみんな吸いませんからね。」

爪'ー`)y‐「ブーンとか吸ってなかったか?」

(,,゚Д゚)y‐「子供出来てからやめたそうです。」

爪'ー`)y‐「いいねぇ一発でやめれて。俺なんて何度挑戦したことか。」

301名無しさん:2018/09/21(金) 23:21:33 ID:0ohUMJJQ0
(,,゚Д゚)y‐「俺は彼女には悪いですが、生涯現役で吸わせてもらいますよ。」

爪'ー`)y‐「そう意気込んでた奴らはどんどんとやめていったなぁ。」

(,,゚Д゚)y‐「値上げや世間的に許されなくなってきてますからね。でも俺は負けないですよそんな波に。」

爪'ー`)y‐「しっかりと分煙してればいいじゃないかよ。もう少し俺たちを認めてくれよ世間のみなさんよぉ。」

そんな戯言を言いながら二本目のタバコに火をつける。

(,,゚Д゚)y‐「そう言えばVIPトラマンって隊長が子どもの頃やってたやつなんじゃないですか?」

爪'ー`)y‐「……」

爪'ー`)y‐「俺はガキの頃は特撮なんてまがい物、見てなかったな。」

爪'ー`)y‐「何せ本物のヒーローがいたからな。」

(,,゚Д゚)y‐「?」

爪'ー`)y‐「フーッ」

爪'ー`)y‐「なあギコ、昔この地球に怪獣が実際に居たことは知ってるか?」

(,,゚Д゚)y‐「そんなの小学校の歴史で習いますよ。我々の前の組織、VIP特捜隊が全て退治したって教えられましたよ。」

爪'ー`)y‐「ああ、そう教えているらしいな。」

爪'ー`)y‐「いいかギコこれから言うことは絶対に誰にも言うなよ。」

(,,゚Д゚)y‐「はい?」

302名無しさん:2018/09/21(金) 23:22:17 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)y‐「確かに俺がガキの頃にはまだ怪獣がいてVIP特捜隊が戦ってたよ。でもそれだけじゃない。」

爪'ー`)y‐「『彼』もいたんだ。」

(,,゚Д゚)y‐「彼?」

爪'ー`)y‐「みんなモナトラマンって呼んでいたよ。」

(,,゚Д゚)y‐「まさかドクトラセブンみたいなやつがいたんですか?!」

爪'ー`)y‐「あんな奴と一緒にするな。彼は本当に強くてみんなの憧れだったよ。」

爪'ー`)y‐「俺も彼に憧れヴィプトラ警備隊を志したさ。」

(,,゚Д゚)y‐「しかしなぜそんなヒーローがいた形跡がないのですか?」

爪-ー-)y‐「今も覚えている。俺もその場にいたからな。彼は最後に負けてしまったんだ。」

爪'ー`)y‐「侵略者が作り出した最強の宇宙恐竜に。」

爪'ー`)y‐「そしてその宇宙恐竜をVIP特捜隊が倒し、彼の仲間が彼を宇宙へと連れていってしまったよ。」

爪-ー-)y‐「その後は全世界で彼の記録を抹消して彼のことをしゃべったりするものが出れば逮捕。」

(,,゚Д゚)y‐「まさか手柄を一人占めして、今まで地球人だけで戦っていたように情報統制したってことですか!!」

爪'ー`)y‐「ああ、俺も当時はそう思って必死で抵抗したさ。意味がなかったがな。」

爪'ー`)y‐「でも今ならその選択もわかる。」

303名無しさん:2018/09/21(金) 23:22:50 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)y‐「彼は地球人にとって希望になりすぎたんだ。希望が無くなってしまうということは絶望さ。」

爪'ー`)y‐「だから我々地球人は嘘をついて自分たちをごまかすことにしたんだ。モナトラマンなんていなかった、すべて自分たちの力でやっていたんだと。」

爪'ー`)y‐「そうして偽りの希望と平和を作り出したんだ。みんなの憧れを消してね。」

(,,゚Д゚)y‐「消されたヒーローですか。」

爪'ー`)y‐「俺はずっと思っていたよ。彼は傷をいやしたけど今の地球を見て失望したんじゃないのかと。」

爪'ー`)y‐「だから彼はもうこの星に来ないんだと。」

爪'ー`)y‐「そしてらあいつが現れやがった。」

爪'ー`)y‐「どうやら彼は育てていたようだ。自分の教え子をな。」

(,,゚Д゚)y‐「フーッ」

(,,゚Д゚)y‐「だから最初ドクトラセブンを見たとき攻撃しなかったんですね。」

爪'ー`)y‐「フッ、てんでなっちゃいなかったがな。」

爪'ー`)y‐「でも地球ならあいつを任せられるって思ったんだろうな。」

(,,゚Д゚)y‐「ええ、偉大なヒーローの教え子なら俺たちも力を貸しましょう。」

タバコの火を消し作戦室に戻る。
少し長居しすぎたかな。

304名無しさん:2018/09/21(金) 23:23:17 ID:0ohUMJJQ0
爪'ー`)「さて諸君、こうなったら強行策に出るぞ。」

爪'ー`)「最終回を購入したいと敵に接触し、敵のもとに転送しされてアタックをかける。」

(;'A`)「かなり危険じゃないですか?」

( ^ω^)「肉を切らせて骨を断つわけですね。」

(,,゚Д゚)「危険ではありますが手っ取り早いですね。」

(;'A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「おら、さっさと志願兵出て来いよ。」

( ^ω^)「よし俺が。」

(,,゚Д゚)「いやいや俺が。」

∩(;'A`) スッ

爪'ー`)( ^ω^)(,,゚Д゚)「!?」

ξ゚⊿゚)ξ「オイオイ、弱虫大丈夫か?足震えてるぞ。」

(;'A`)(本当は行きたくねぇよ)

(;'A`)(でももし行き先が宇宙空間だったりしたら俺じゃないと……)

爪'ー`)「それならドクオに頼もう。頼んだぞ!」

(;'A`)「りょ……了解です。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!ここに来た時よりもいい顔になってきたじゃん!」

( ^ω^)「いつでも変わってやるからな。」

(,,゚Д゚)「何が起こるかわからんから気をつけろよ。」

(;'∀`)b  ニターッ

精一杯の強がりだ。

305名無しさん:2018/09/21(金) 23:23:56 ID:0ohUMJJQ0
割と簡単に標的とコンタクトが取れた。
あとは噂通りに準備をして相手からのメールを待つ。

(;'A`)「き、来た……」

みんなは少し離れた所から見守っている。

(;'A`)「フーッ」

落ち着けよ俺。
向こう側に敵がたくさんお出ましでも落ち着いて対応だ。
発信機も付けていくんだから時間を稼げれば助けが来る。

('A`)「よし行くか!」

覚悟を決めてメールのURLをクリックする。

('A`)「うん?!」

ぐにゃりと体が曲がりながらパソコンの画面へと吸い込まれていく。

( ^ω^)「なるほどこうやって被害者と金を回収していたのか。」

爪'ー`)「発信機は?」

(,,゚Д゚)「現在特定中!」

ξ゚⊿゚)ξ「あの現金くれるなら私行ってもよかったかも。」

爪;'ー`)「君はおとなしくしてましょうね。」

(,,゚Д゚)「発信機の場所を特定しました!場所は○○の高級マンションです。」

( ^ω^)「高級マンションとは中々いいとこに潜んでたもんだ。」

爪'ー`)「よし出発するぞ!」

( ^ω^)(,,゚Д゚)「了解!」

306名無しさん:2018/09/21(金) 23:24:25 ID:0ohUMJJQ0
('A`)「ここは?」

どうやらどこかの部屋に出た。
おっ高そうな家具が置いてある。外を見れば高層ビルが見えた。
マンションの一室か?

「あ?何で転送された人間に意識があるんだ?」

(;'A`)「だ、誰だ!」

声がする方へと振り向く。

(-_-)「普通の人間ならば転送された影響で当分意識がないんだが。」

(-_-)「さてはお前はドクトラセブンだな。」

('A`)「お前はヒッキー星人だな。」

骸骨のように細い手足、体で色も真っ白の宇宙人だ。

('A`)「さらった人たちはどこだ!ジョルジョを返せ!」

(-_-)「フフフ、彼らなら洗脳して地方の深夜コンビニのバイトをさせてるよ。」

('A`)「は?」

307名無しさん:2018/09/21(金) 23:24:49 ID:0ohUMJJQ0
(-_-)「ドクトラセブンよ愚かだと思わないか自分で働くのは。」

(-_-)「こうして間抜けな地球人を利用すれば働かずしていい生活が送れる。最高じゃないか。」

('A`)「働け、この引きこもり野郎!」

(-_-)「一度このおいしい方法を見つけたらやめられないね。」

(-_-)「地球人は愚かだよ、存在しない最終回に食いつき大金を持ってきてくれるとは。」

(-_-)「公式で否定されているのに、マニアというものは馬鹿なことに金を使ってくれるよ。」

('A`)「それで捕まえた人間を洗脳してバイトさせてバイト代を着服するって魂胆か。」

(-_-)「三食外食、キャバクラ、風俗行きまくり。貧乏人にはマネできないさ。」

(#'A`)「この野郎羨ましい生活送りやがって!苦労して金を稼ぐことを知れ!」

(-_-)「労働などという低俗なことは奴隷どもにやらせるのが一番だ。地球はいい。奴隷が多くて。」

(#'A`)「だがお前の企みもここまでだ。」

(#'A`)「デュワ!」

ドクトラセブンに変身しながら飛びかかる。
ヒッキー星人も負けじと応戦しながら巨大化する。

308名無しさん:2018/09/21(金) 23:41:08 ID:0ohUMJJQ0
(;'A`)「グワー」

見た目の割に怪力の持ち主らしく投げてばされるドクトラセブン。
立ち上がりにワンツー、フック、アッパーとコンビネーションをきれいに決めるヒッキー星人。

(;'A`)「ひぎぃ」

あっという間にグロッキー。

(-_-)「噂通り大したことない奴だな君は。」

(;'A`)「……!」

(;'A`)「なぁお前、VIPトラマンは見たことあるか?」

(-_-)「あぁ?馬鹿言えあんなお子ちゃまなもん見るかよ。」

(;'∀`)「ダメだなぁ、自分が利用するものはしっかり目を通しておかなきゃ。」

(-_-)「なんだ負け惜しみか?」

問答無用で渾身の右ストレートを放とうとした瞬間、ヒッキー星人の背中にレーザー攻撃が命中した。

(;-_-)「ギャァ!なんだ?!」

振り返るとヴィプトラホーク1号が攻撃してきた。

309名無しさん:2018/09/21(金) 23:41:37 ID:0ohUMJJQ0
(;-_-)「おのれ虫けらどもがぁ!」

('A`)「貴様の相手は俺だ。」

後ろから捕まえるとジャーマンスープレックスを決める。

(;-_-)「ゴフ」

爪'ー`)「今だ爆弾投下。」

( ^ω^)「了解、爆弾投下。」

ヴィプトラホーク1号のウエポンベイが開くと大量の爆弾がヒッキー星人めがけて投下された。

(;-_-)「ぁがガガガ」

('A`)「VIPトラマンは一人で戦ってたんじゃないぜ、彼には仲間がいたんだ。」

見事な連係プレイ。
ドクトラセブンが隙を作り、そこにヴィプトラホーク1号が攻撃。
悶えているヒッキー星人にドクトラセブンが追撃。

(;-_-)「一対一で戦えよ卑怯者!」

('A`)「侵略者に慈悲はない。」

310名無しさん:2018/09/21(金) 23:42:10 ID:0ohUMJJQ0
ロケット弾の弾幕が降り注ぐ。
身動きが取れない相手にドクトラショットを叩き込む。

(;-_-)「アアアアアアア!」

あえなく爆発四散。

(;'A`)「はぁはぁ…」

額のビームランプが激しく点滅する。
援護がなければ危なかった。

(,,゚Д゚)「何とか退治できましたね。」

爪'ー`)「ひやひやさせやがって。」

(;'∀`)b  ニカッ

( ^ω^)「あのキモイ顔はどうにかならんのかな。」

爪'ー`)「顔はどうにもならんさ。さて我々は帰るぞ。」

( ^ω^)「了解。」

311名無しさん:2018/09/21(金) 23:42:39 ID:0ohUMJJQ0
ほどなくしてさらわれていた人たちも発見され保護された。

爪'ー`)「どんな趣味を持つのは構わないが、くれぐれも仕事に支障は出さないでくれよ。」
  _
(;゚∀゚)「ご迷惑をおかけしました。」

('A`)「おいジョルジョ、VIPトラマン気になって見てみたが面白いじゃないか。」
  _
( ゚∀゚)「だろだろ!やっぱ特撮ヒーローはいいだろ!」

('A`)(すごく親近感がわくんだよな)

ξ゚⊿゚)ξ「正直、私はベルトで変身して戦う方がいいな。」

('A`)「?!」
  _
( ゚∀゚)「お、ツンヌもか。フル面ライダーもいいぞ。」
  _
( ゚∀゚)「お勧めはフル面ライダーZZだな。」
  _
( ゚∀゚)「あれは――

ξ゚⊿゚)ξ「いや特撮じゃなくて。現実にそういうの配備してもらいたいの。」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでも今のフル面ライダーって巨大な敵とも戦うらしいじゃない。」

ξ゚⊿゚)ξ「なら私もベルトで変身して巨大な宇宙人と戦いたいな。」

(;'A`)「……」

312名無しさん:2018/09/21(金) 23:43:04 ID:0ohUMJJQ0
( ^ω^)「想像しただけでも恐ろしいな。」

爪'ー`)「冗談抜きで一度頭を改造された方がいいと思うよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、お前の顔のこと言われてるぞ。」

(;'A`)「俺のことじゃないからね。」

ξ゚⊿゚)ξ「カー、そういう組織があればそこに就職したのに。」

( ^ω^)「むしろよくここに就職できたな。」

ξ゚⊿゚)ξ「変身できれば私一人で活躍してグッズ販売でガッポリ稼げるのに。」
  _
(;゚∀゚)「ヒーローにあるまじき行為だな。」

ξ゚⊿゚)ξ「私はもっと褒めたたえられたい!」

(;'A`)「こいつは力を手に入れちゃダメなタイプだ。」

(,,゚Д゚)「……」

(,,-Д-)「見返りを求めず、自分のために戦わない。」

(,,-Д-)「たとえ存在を消されようとも力を持たない人のために戦う。」

(,,゚Д゚)「そういうことですね隊長。」

爪'ー`)「ああそうさ。」
  _
( ゚∀゚)('A`)( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「?」

('A`)(なんだろう、大事な場面ではしょられてた気がした)

第十話『消されたヒーロー』

終わり

313名無しさん:2018/09/21(金) 23:43:28 ID:0ohUMJJQ0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

314名無しさん:2018/09/22(土) 00:10:09 ID:kPQEadrg0
おつ!
ドクオやるじゃん

315名無しさん:2018/09/22(土) 01:54:23 ID:Uk/Ja4M20
モナトラマン糞テキトーにドクオ配備してるじゃねーか!

316名無しさん:2018/09/22(土) 09:05:43 ID:ruK5tAFU0
乙!
地球の扱いワロタ

317名無しさん:2018/09/23(日) 03:53:47 ID:3A6pLGuY0
実はモナトラマンも落ちこぼれだったりしたのかな?
色々と繋がってきて面白い

318名無しさん:2018/09/28(金) 12:20:37 ID:6keEnkms0
第十一話『この恨み』

観測員「ん?なんだこのデータは?」

その日ヴィプトラ警備隊に謎の音声データが送り込まれてきた。

観測員「フォックス隊長、これがどこからともなく送られてきたのですが何でしょう?」

爪'ー`)「どれ一度流してみよう。」

謎の音声データを再生する。

『% %#”&”#$$’!#%』

( ^ω^)「なんだこりゃ?誰かいたずらで送ってきたか?」
  _
( ゚∀゚)「一応いろいろなデータと照合してみましょう。」

爪'ー`)「頼んだぞ。」

爪'ー`)「侵略者の通信などでなければいいが。」

('A`)(これは宇宙語)

('A`)(俺に助けを求めていたな)

('A`)(罠かもしれないが行ってみるか)

('A`)「隊長、パトロールに行ってきます。」

爪'ー`)「気をつけてな。」

ドクオは急いでその音声データで示された場所へと向かった。
目的地に着きヴィプンターを停めてあたりを見回す。

319名無しさん:2018/09/28(金) 12:21:05 ID:6keEnkms0
('A`)「言われた通りに来てやったぞ。出てこい。」

『よかった、よかった。ちゃんと来てくれたんだね。』

('A`)「!」

声のする方へと振り返る。

( `ー´)「助けてくれよドクトラセブン。一大事なんだ。」

('A`)「貴様は残虐非道なネーノ星人ではないか?!」

( `ー´)「確かに我が種族は残虐非道で有名だが、私は違うよ。みんな一緒にしないでくれ。」

('A`)「それで助けてほしいこととはなんだ?」

( `ー´)「実は申し訳ないのだがね、たまたま通りかかってこの星を見つけて調査の一環で地球人を一人拉致したんだ。」

('A`)「のっけから何やってんの君?」

( `ー´)「まあまあそこはいいでしょ。宇宙船に連れ込んだらその子がパニックになっちゃって。」

( `ー´)「転んだ拍子に頭ぶつけたら打ちどころが悪かったみたいで死んじゃってさ。」

(;'A`)「な……」

(#'A`)「貴様何やってるんだ!!」

(;`ー´)「本当に事故だったんだよ。信じてくれ。正義の味方は相手を信じることから始まるんだろ。」

(#'A`)「グググ……」

(#'A`)「それで困っているというわけか。」

(;`ー´)「それで困っているんだが、君が思っているのと違うと思う。」

('A`)「?」

( `ー´)「そしたら出るようになったんだよ。」

(;`ー´)「俺の宇宙船で幽霊が。」

(;'A`)「え?」

320名無しさん:2018/09/28(金) 12:21:36 ID:6keEnkms0
一人では怖くて宇宙船に戻れないということで一緒についていくことになった。
ネーノ星人が腕時計のボタンを押すと一瞬で宇宙にある宇宙船にワープした。

(;'A`)「ゆ、幽霊だなんてこの宇宙旅行が当たり前の時代に何を言っているのかね。」

ちょっと冷房が効きすぎではないかこの宇宙船。震えているのは決して怖いからじゃないんだからね。

(;`ー´)「幽霊が出るようになってからラップ音がしたり物が勝手に宙に浮いたり、挙句の果てには宇宙船の機能が停止してしまったよ。」

(;'A`)「物音は宇宙船が故障してるから変な音が鳴ってるだけで、物が浮くのはここが宇宙だからだろ。」

(;`ー´)「この船は新品だし故障してないかの確認はしたよ。それに重力発生装置やごく一部の機能は生きてるし。」

(;'A`)「……。」

(;`ー´)「だからドクトラセブン、早く幽霊を倒してくれ。自分の星に帰れないんだよ。」

(;'A`)「仕方ない。まあどうせ幽霊なんていないと思うがね。」

恐る恐るドクトラアイを装着して変身する。

(☆A☆)「デュワァ」

ドクトラセブンの目が光る。
普段では見れないものを浮かび上がれせることができるのだ。
船内を一通り見渡すが何も見つからない。

('A`)「ほら言った通り幽霊なんていなかったろ。」

('A`)「船の故障だよ。俺も手伝うから一緒に探そうぜ。」

( `ー´)「なんだ故障だったのか。よかったよかった。」

('A`)「フフフ。」

( `ー´)「へへへ。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

大いに笑う。誰にだって間違いはあるのさ。

321名無しさん:2018/09/28(金) 12:21:59 ID:6keEnkms0
('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

('∀`)( `∀´)

('∀`)д( `∀´)

('A`)川д( `ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)

(;`ー´)「ワーーープ!!」

すぐさま腕時計のボタンを押す。
一瞬にして地球へとワープする二人。

(;'A`)「何あれ今の??」

(;`ー´)「だから言ったろ幽霊が出るって。」

(;'A`)「正直俺には除霊なんてできないぞ。」

(;`ー´)「何かいい方法はない?」

(;'A`)「あー。塩まいたり盛り塩したらいいんじゃないか。」

( `ー´)「いいねそれ。」

そういうことになりそのまま近くのスーパーに向かう。
塩以外にも線香なども購入することにした。

322名無しさん:2018/09/28(金) 12:22:21 ID:6keEnkms0
( `ー´)「おいドクトラセブン、だいぶ地球人にジロジロ見られてるぞ。」

一般人A「奥さん見てアレ。ドクトラセブンじゃないの?」

一般人B「本当だわ。宇宙人も買い物するのね。」

ヒソヒソ

一般人C「お、ドクトラセブンじゃん、写真とっとこ。」

カシャッ

( `ー´)「マナーがなってないなここの連中は。そこから教育してやれよ。」

('A`)「おかしいな、いつもはこんなに見られることなかったのに。」

それはそうだ。ドクトラセブンのまま買い物していれば注目を浴びる。

レジ店員「当店のポイントカードはお持ちですか?」

('A`)「ああはい、あります。」

どこからともなく財布を取り出しカードを渡す。

レジ店員(ウチのカード持ってるんだ、まさか常連?)

レジ店員(というかどこから財布出した?)

謎の空間からとモノを取り出すのはよくあることだ。

323名無しさん:2018/09/28(金) 12:22:42 ID:6keEnkms0
買い物を済ませてまた宇宙船へと向かう。
適当に塩をまき、それっぽくお経を唱える。
ところどころに盛り塩をしておく。

('A`)「フーッ、これだけやれば被害者の怒りもおさまるだろう。」

( `ー´)「しっかり成仏してくれよ。」

一応様子を見るため少し滞在する。
船内にあるネーノ茶を飲みながら雑談。

( `ー´)「どうなん、地球防衛の仕事は?」

('A`)「結構手慣れてきた感じかな。俺にかかればこんなもんよ。」

( `ー´)「へー。」

('A`)「ネーノはどうよ。」

( `ー´)「最近はどこも規制が厳しくてね。なかなか残虐なことできないぜ。」

('A`)「おいおい、お前も残虐行為やってんじゃないかよ。」

( `ー´)「いっけねー。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

盛り上がっているところで異変が起きた。
少しずつ盛り塩が勝手に動き出したのだ。

('A`)「あ……」

ズズズズズ……

音を立てながらゆっくりと何か文字になっていく。

『この恨みはらさでおくべきか』

('A`;)(;`ー´)「……。」

('A`;)д(;`ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)「!!!」

(;`ー´)「ワーーープ!!」

すぐさま腕時計のボタンを押す。
一瞬にして地球へとワープするネーノ星人。

324名無しさん:2018/09/28(金) 12:23:40 ID:6keEnkms0
('A`;)川д川

(;'A`)川д川

(;'∀`)「あ、どうも。」

(;'∀`)川д川「……。」

(゚A゚)人「ドクトラワーーープ!!」

ドクトラワープとはドクトラセブンの必殺ワープだ。
両手を合わせて念じることで一瞬にして遠くへとワープできるのだ。
ただし、エネルギーを激しく消耗するので多用はできない。

(;゚A゚)「はぁはぁ…」

( `ー´)「どう?倒してきた?」

(;゚A゚)「倒してきた?じゃねぇぇぇ!!」

(;゚A゚)「俺を置いていくなよ!!」

( `ー´)「そこは天下無敵のドクトラセブン様に頑張ってもらおうと思って。」

(;'A`)「本当に出し抜きとかやめよう。」

( `ー´)「でも困った。めっちゃ怒ってる。」

( `ー´)「この星で頼りになる奴おらんの?」

('A`)「ヴィプトラ警備隊以外の連中で頼れそうなやつといえば……」

('A`)「あいつがいたな。」

325名無しさん:2018/09/28(金) 12:24:13 ID:6keEnkms0
ちゃぶ台を囲みながらお茶を飲む三人。

('A`)「今度からほうじ茶置いてくれよ。」

( `ー´)「お茶ならジャスミン茶がよかったな。」

≫(‘♀’)≪ 「来るなり文句とはいい度胸してるじゃないか君ら。」

( `ー´)「しかし、チョウチンアンコウ星人の生き残りがいるとは驚いたね。」

( `ー´)「てっきり絶滅したもんだと思ったぞ。」

≫(‘♀’)≪ 「それでどうしたんだい?」

('A`)「かれこれしかじかで。」

≫(‘♀’)≪ 「それは私に言われてもどうしよもないよ。」

( `ー´)「そこを何とか。同じ宇宙人同士じゃないか。」

( `ー´)「手伝ってくれないならチョウチンアンコウ星を滅ぼすぞ!」

( `ー´)「ってもうないんだった。」

('A`)「おいおい、ブラックなジョークはやめてやれよ。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

≫(‘♀’)≪ 「……。」

≫(‘♀’)≪ 「正直、事故だというのは嘘だと私は思っている。」

(;`ー´)「ちょ…本当だよ信じてくれよ。」

('A`)「おいおい人さんよぉ、長旅で信じる心を忘れちまったのか?他人を信じること、それが大切なのだよ。」

≫(-♀-)≪ 「君がそう言うなら私はこれ以上は何も言わないよ。」

≫(‘♀’)≪ 「幽霊で困っているというなら、専門である寺とかに行ったらどうだい。」

('A`)「流石は人さん、ナイスアイディア!」

( `ー´)「よくやった絶滅危惧種!せいぜい長生きして絶滅を長引かせろよ。」

( `ー´)「それじゃ寺に行こうぜドクトラセブン。」

326名無しさん:2018/09/28(金) 12:24:36 ID:6keEnkms0
適当な寺を見つけて坊さんに泣きつく。

( `ー´)「―――っていうことなんだよ助けてくれ坊さん。」

('A`)「相手は宇宙人だが信じてください。」

お坊さん「いや……ドクトラセブンが言うなら信じましょうか。」

お坊さん「しかし、ネーノ星人さん。あなたはかなりの恨みを買ったようですね。」

お坊さん「こんなに禍々しい怨念は初めてですよ。」

(;`ー´)「……。」

お坊さん「一番大切なのは心の底からの謝罪です。誠心誠意謝ることが許されることでは必要ですよ。」

(;`ー´)「何度も心の底から謝っているのだがな。」

お坊さん「……。」

お坊さん「いいでしょう。ではこのお札を宇宙船の中に貼りなさい。」

お坊さん「あなたのことを守ってくれるでしょう。」

( `ー´)「話が早いな坊さん、ありがとよ。」

('A`)「ご協力感謝です。では。」

お札を受け取るなり颯爽と飛び出していく二人。

お坊さん(正直あれ程の恨み,お札で封じ込めるか)

お坊さん(何をしたのか知りませんがこの世は因果応報ですよ)

327名無しさん:2018/09/28(金) 12:24:59 ID:6keEnkms0
宇宙船に着くなり素早くお札を張り付ける。

( `ー´)「よし、これであいつも成仏したんかな?」

('A`)「安らかに眠り給え。」

( `ー´)「お前は運が悪かったんだよ。恨むなら自分の運命を恨め。」

('A`)「まあこれで解決ってわけか。」

( `ー´)「いや本当助かった。呪い殺されるんじゃないかと思ったからな。」

('A`)「これからは今までの行いを悔いて生きて行けよ。」

( `ー´)「坊さんにでもなるかな。そうすりゃ自分で除霊もできるし。」

('A`)「コラァ!反省が見られないぞ!」

( `ー´)「おっとこりゃ失礼。」

('∀`)( `∀´)「アハハハハハハ!」

無事事件も解決したし最後は笑って締めよう。
そう思って馬鹿笑いしている時だった。
突然バリバリッと音を立ててお札が破け飛んだ。

('∀`)( `∀´)「!!!」

('A`)川д( `ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)

(゚A゚)人(;`ー´)「ワーーープ!!」

二人してワープする。

328名無しさん:2018/09/28(金) 12:25:27 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「あのクソ坊主!!効果ねぇ札なんて渡しやがって許さねぇぞ!!」

(;゚A゚)「お前ー!!また置いてこうとしたろ!!」

( `ー´)「いや時間稼ぎになるかなって。」

(;゚A゚)「あんなのと戦えるか―!!!」

( `ー´)「落ち着けよ。次の作戦を考えないと。」

(;゚A゚)「はぁはぁ…」

('A`)「しかし坊さんの札でもダメとなるとな。」

二人して次の作戦を考えている最中、後ろの方で空間がゆがむ気配がした。

('A`)д( `ー´)

('A`;)川д川(;`ー´)

(;`ー´)「嘘だろ!!!なんで???」

川д川9m「オ…オボエタ……」

ドクトラセブンを指さす。

(;'A`)「ハハ……嘘やん……」

死んでから成長するって嘘でしょ。
あの技習得するのにすごく苦労したんだよ?
そんな見よう見まねで出来る普通?

(;'A`)「死んでからも技を習得するなんて勉強熱心ですねー。」

後ずさりしながらなんとか時間を稼ごう。

(;`ー´)「流石は社畜の星ですね。国民性がはっきりわかるよ。」

川д川「……。」

返事をすることなくゆっくり近づいてくる。
もう漏らしそう。

329名無しさん:2018/09/28(金) 12:26:38 ID:6keEnkms0
そんな時にこの地球で教えてもらった技のことを思い出した。
ブーン直伝の技だ。

『( ^ω^)「いいかドクオ。これはピンチに陥った時の一発逆転の技だ。」』

『( ^ω^)「俺もこの技で何度命を救われたか。ここぞという場面で使うんだぞ。」』

('A`)(あの技しかない)

(;'A`)(しかし、失敗したら死を意味する)

('A`)(だがこの窮地を脱すにはこの技しかない)

覚悟を決めたドクトラセブン。新技を繰り出す。
空高く飛び体をひねりながら高速回転をする。
幽霊の目の前に着地すると両膝と手を地面につけ、額も地面にこすりつける。
これがブーン直伝のジャンピング土下座。

『( ^ω^)「いや本当これが決まると、どんなことでもかあちゃんに許してもらえるんだ。」』

これは決まったろ。

('A`)「すみませんでしたぁ!!許してくださいィ!!」

('A`)「そもそも僕は何もしていないでしょう!」

('A`)「だから僕の命だけはどうか助けてぇ!!」

('A`)「何でもしますからぁ!!」

必死の命乞い。
どうだ、これなら許すしかないだろ?

ちらりと幽霊の顔を見上げる。

川д゚川

あっダメだこれ。
殺意満々な目で睨みつけてくる。

(((((;'A`)))))

震えが止まらない。ついでに失禁してた。
身体って不思議だ。追い込まれたときは勝手に震えて漏らしちゃうんだもん。

330名無しさん:2018/09/28(金) 12:27:05 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「あ、テメー!」

( `ー´)(いやでもこれが地球の謝罪の仕方か?)

( `ー´)(俺もやるしかねぇ)

滑り込みながら土下座するネーノ星人。

( `ー´)「ごめんなさい許してください!!」

( `ー´)「なかなか死ねなくなる薬を投与して一週間ほど拷問してすみませんでした!!」

(;'A`)「?!」

( `ー´)「苦しみ悶えるあなたの顔をオカズに飯を食べてごめんなさい!!」

( `ー´)「拷問でグロテスクな顔になったあなたを罵倒してすみません!!」

( `ー´)「あなたの家族も同じ目に合わせてやると言ってごめんなさい!!そんなことしませんから!!」

( `ー´)「地球も滅ぼすとか言いましたが諦めます!!」

(;'A`)「おまえ……」

(;`ー´)「ホントごめんなさい、許してくださいぃぃ!!」

(;`ー´)「地球の子供だって小さい昆虫を殺して遊んだりするだろ。あれと同じだって!」

(;`ー´)「舐めろというなら靴でも舐めますからぁ!!あ、幽霊は足ないんでしたね。」

(;`ー´)「お願い殺さないでぇ!!」

( `ー´)(これだけ謝れば許してくれるだろう)

チラリと顔を上げる。

川д゚川

あ、めっちゃ怒ってる無理だこれ。
ジョーっという音とともに失禁。

331名無しさん:2018/09/28(金) 12:27:30 ID:6keEnkms0
川д川「グルルルル……」

( `ー´)(これ死んだ)

もうネーノ星人が諦めたその時だった。

(;'A`)「待つんだ!」

幽霊とネーノ星人の間に割って入るドクトラセブン。

(;'A`)「君がこいつを呪い殺してはダメだ。」

(;'A`)「確かにこいつは君に何をされても文句は言えないことをした。」

(;'A`)「でもだからといって殺してしまっては君の清い魂が汚れてしまう。」

('A`)「君は清い魂のまま天国に行くべきだ。」

('A`)「こいつは宇宙連盟が責任をもって裁くよ。」

(;`ー´)「はい。宇宙連盟で罪を裁かれてきます!!だからお願い助けて!!」

川д゚川

(;'A`)「あ、お気に召さないのであれば彼のことは好きにしていいです。」

(;`ー´)「おいドクトラセブン、テメー!!」

(;`ー´)「ヤるならこいつも一緒にヤれ!!」

(;'A`)「やめてぇえぇぇ!!」

もう一度失禁。
すごい。まだ出るんだ。

川д川「……。」

幽霊がおれに微笑んだ気がした。

(;'A`)「?!」

スーッと天に召されるような感じで消えていく幽霊。
どうやら俺の思いが通じたようだ。

332名無しさん:2018/09/28(金) 12:27:52 ID:6keEnkms0
(;`ー´)「助かったのか?」

(;'A`)「たぶん。」

その後、宇宙船にワープして船が動くかどうか確認した。

( `ー´)「よかったすべてのシステムが動いてる。」

('A`)「そうかよかった。自分一人で宇宙連盟の本拠地まで行けるな。」

( `ー´)「ああ、そこですべてを話して罰を受けてくるよ。」

('A`)「外に出れるのはいつになるかわからないが、しっかり懺悔して来いよ。」

( `ー´)「ありがとうドクトラセブン。お前のおかげで自分のしてきたことの恐ろしさに気づけたよ。」

('A`)「では俺は帰るが、お前が生まれ変われることを願っているよ。」

そう言い残してワープしていくドクトラセブン。

( `ー´)「さて俺も行かなくてはな。」

( `ー´)「地球、なんて恐ろしい星なんだろうか。」

( `ー´)「早く立ち去ろう。」

そう呟きながら宇宙船を動かす。
残虐非道のネーノ星人も、さすがに恐ろしい出来事の後で心を入れ替えることができたのだろうか。

333名無しさん:2018/09/28(金) 12:28:14 ID:6keEnkms0
('A`)「いやー、また助けを求める弱き者を助けてしまった。」

≫(‘♀’)≪ 「自画自賛では?」

('A`)「いやいや、これがおれの実力さ。」

ズズズ

差し出されたお茶をすする。

('A`)「やっぱりお茶はほうじ茶だな。」

≫(‘♀’)≪ 「しかし、無事解決したのならなんでまたウチに来たんだい?」

('A`)「だってもうすぐデレさん帰ってくるだろ。」

≫(#‘♀’)≪ 「あぁ?」

(*'A`)「週末にデートに誘うかなと。」

≫(#‘♀’)≪ 「ハッ、残念だったな今度の週末はデレさんと映画に見に行くのさ。」

(;'A`)「な!」

(#'A`)「そんな馬鹿なことがあるか!!嘘だと言え!!」

≫(‘♀’)≪ 「残念だなぁ。これが現実なのだよ。」

<(;'A`)>「そんなの嘘だぁあぁ!」

≫(‘♀’)≪ 「ハーッハッハッハ!」

334名無しさん:2018/09/28(金) 12:28:50 ID:6keEnkms0
(;'A`)「そんなこんな魚野郎と二人でデートだなんて……。」

≫(;‘♀’)≪ 「まあ二人っきりじゃないんだがな……。」

≫(;‘♀’)≪ 「佐藤君も一緒だ。」

('A`)「それで何時にどこ集合かな?」

≫(;‘♀’)≪ 「君も来るつもりか。」

('∀`)「映画はみんなで楽しく見ようや。」

かわいそうな犠牲者が出たのは悲しいことだが、無事説得もできたし悪い奴も改心させることもできた。
相手を倒すだけがヒーローの仕事じゃないんだ。
地球人も宇宙人も変われる。それがきっと大切なんだ。

≫(‘♀’)≪ 「所で風呂に入ってくれないか。」

('A`)「?」

≫(‘♀’)≪ 「ションベン臭くてたまらん。」

(;'A`)「……」

≫(‘♀’)≪ 「気になってたんだがその体でどうやって排泄するんだ。」

('A`)「そんなんこうやってこうや。」

≫(゚♀゚)≪

見てはいけないものを見た。そんな気がした人であった。

335名無しさん:2018/09/28(金) 12:29:12 ID:6keEnkms0
( `ー´)「だいぶ地球から離れたな。」

( `ー´)「……。」

(#`ー´)「ちぃ、地球人ごときがこの俺様をあんなにも恐怖に叩き落すとは……」

(#`ー´)「絶対に許さん!!」

( `ー´)「宇宙連盟の本拠地?誰がそんなところに行くか!!」

( `ー´)「ネーノ星に帰って艦隊を連れて地球を攻撃してやる!」

( `ー´)「待っていろ地球人、地獄がどんなものか見せてやる!!」

(#`ー´)「あのクソ女の家族にはたっぷりと仕返ししてやるからな!!」

( `ー´)「フフフ!」

( `∀´)「アハハハハハハ!!」

川( `∀´)

川д( `∀´)

川д゚(;`∀´)

数日後、無人の宇宙船が発見された。

第十一話『この恨み』

終わり

336名無しさん:2018/09/28(金) 12:29:58 ID:6keEnkms0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

337名無しさん:2018/09/28(金) 15:35:34 ID:pDmNRpp60
乙!
ネーノざまぁ

338名無しさん:2018/09/28(金) 15:40:40 ID:3V9eJkDQ0
乙!
なんだかんだ地球が強い

339名無しさん:2018/09/29(土) 02:55:42 ID:74ChCoUY0
ネーノざまぁ
苦しみ抜いてし、ね

340名無しさん:2018/09/29(土) 10:46:55 ID:r5p/GYNY0
最強兵器貞子

341名無しさん:2018/10/17(水) 18:11:55 ID:i2iryNdI0
おい!ヴィプトラ警備隊なにしてるんだ。このままじゃ、地球が宇宙人に征服されちゃうだろ!!!

342名無しさん:2018/10/21(日) 01:18:12 ID:7UyEXeOI0
すみません、最近サボってました。
これから投下します。

343名無しさん:2018/10/21(日) 01:18:42 ID:7UyEXeOI0
第十二話『ペテン師』

( ^ω^)「そういえば隊長、もうすぐ新型兵器のコンペ大会ですね。」

爪'ー`)「そういえばもうそんな時期か。」

ヴィプトラ警備隊では年一回新型兵器のコンペ大会をやっている。
そこで勝ち抜いたものがヴィプトラ警備隊の装備品として支給されるようになる。
そして未完成でも見込みありと見られれば金銭的な支援などが得られるのだ。
だが逆に言えば見込みがないと判断されれば支援は切られてしまう。

(,,゚Д゚)「去年見た感じだとバルケン博士の生物兵器が今年は来るんではないですかね。」

( ^ω^)「あー、あのライオンをベースにした生物兵器を作った博士か。確かにすさまじい戦闘力だったな。」

爪'ー`)「いやどうかなあの兵器は。」

(,,゚Д゚)「隊長はあまり評価してないみたいですね。」

爪'ー`)「我々が求めるのは戦闘力のみじゃないぞ。去年は途中で暴走して危うく大惨事直前だったじゃないか。」

(,,゚Д゚)「そこを改善して乗り越えてくるのが科学者というのもじゃないですか。」

爪'ー`)「正直、生物兵器は根本的に間違ってると思うぞ。」

344名無しさん:2018/10/21(日) 01:19:15 ID:7UyEXeOI0
  _
( ゚∀゚)「俺はアサピー博士のロボット兵器に期待したいな。」

( ^ω^)「あの首だけしかなかったやつか?おしゃべりの相手が欲しいわけじゃないんだぜ俺たちは。」
  _
( ゚∀゚)「待て待てギコ。確かに去年は首だけのロボットだったが、まるで人間としゃべっているかのようなAIを完成させていたじゃないか。」

(,,゚Д゚)「確かに人間のようにしゃべっていたが、もう少し品格とか言葉使いとかどうにかしてもらいたかったがな。」

爪'ー`)「まさかステージ上から喧嘩売られるとは思わなかったよ。ホント誰かさんみたいで怖かった。」

去年参加していた四人は同時に一人の人物を見つめた。

ξ゚⊿゚)ξ「おん?どうしたお前ら?そんなに私を見つめて。」
  _
( ゚∀゚)「少なくともアップデートしてまともなAIにさえしてボディも完成すれば、これから先の宇宙人との戦闘ではロボットがやってくれるわけですから。」

爪'ー`)「そうなればいよいよ我々はロボットにとって代わられるわけだな。」
  _
(;゚∀゚)「危険な仕事が減るのはいいことではないですか。」

ξ゚⊿゚)ξ「リストラするなら老害たちから頼むぜ!」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(リストラ筆頭はお前だよ)

('A`)「しかしそんなにすごいロボットがこの地球で作られているのか?」
  _
( ゚∀゚)「ああ、ドクオは去年いなかったもんな。ちょうどその時の動画があるから見てみるか。」

そう言ってジョルジョが動画を流す。

345名無しさん:2018/10/21(日) 01:19:53 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「それでは皆さんに見ていただきたいのがこちらの『メタリックレモナ』です。」

ステージ上で自己紹介を済ませてアサピー博士が机の上にかけられた布をとると、首から上のみの女型のロボットが置かれていた。

(-@∀@)「さあメタリックレモナ、皆さんにあいさつしてごらん。」

|゚ノ ^∀^)「おうテメーら、人の顔をじろじろ見てんじゃねーよ。」

口を開けばみなが期待した感情がなく丁寧な言葉でのあいさつではなく、人間らしいすらすらした喋りで汚い言葉を話し始めた。

|゚ノ ^∀^)「見せ物じゃねーんだよ!!」

(;-@∀@)「あー、メタリックレモナさん自己紹介しようか。」

|゚ノ ^∀^)「ああ、すまんそうだな。」

|゚ノ ^∀^)「あぁん?」

|゚ノ ^∀^)「おい!!そこのおっさんなにガンくれてんだよ!!」

346名無しさん:2018/10/21(日) 01:20:19 ID:7UyEXeOI0
|゚ノ ^∀^)「そこのデブの隣のテメーだよ!!えっ俺?みたいな仕草をしたお前だよ!!」

|゚ノ ^∀^)「喧嘩売ってんなら相手してやんぞ!!」

爪;'ー`)「いや、ただ普通に見てただけなんだが……。」

|゚ノ ^∀^)「どうしたかかって来いよ!テメー玉無し野郎か?」

爪;'ー`)「一応おれそれなりの地位の人間なんだが。ちょっとこれはまずいんじゃないか?」

|゚ノ ^∀^)「来ねーならこっちから行くぞ!そこの席だな!待ってろや!」

爪;'ー`)「その状態でか?」

(;-@∀@)「落ち着こうな。メタリックレモナ。」

|゚ノ ^∀^)「私はやると言ったらやるぞ!ぶちのめしてやる!」

(;-@∀@)「とりあえずおじさん謝って。」

爪;'ー`)「え?」

(;-@∀@)「こうなっちゃうと収まり効かないからさ。お願いしますよ。」

とんでもない話ではあるがここは大人になってやるか。そう思ったフォックスは軽く「すまなかった。」と頭を下げた。

|゚ノ ^∀^)「テメーは謝り方も知らねえのかよ!頭を地面にこすりつけろよ!」

(;-@∀@)「ああ!ちょっとレモナ待って!!」

そんな感じでろくに研究成果の発表もできぬままアサピー博士の発表は中断された。

347名無しさん:2018/10/21(日) 01:20:55 ID:7UyEXeOI0
(;'A`)「確かにAIのレベルは人間に近いようだがこれはちょっと……。」

爪'ー`)「今思い出してもよくあの内容で資金援助が受けられたものだ。」
  _
( ゚∀゚)「完璧な自我を持っていましたからね。自分で考えて動くこと。これが新型兵器は重要とされることですよ。」

( ^ω^)「でもあんな知能のロボット兵器が配備されても困るぜ。」

ξ゚⊿゚)ξ「そう?面白そうなやつじゃん。」
  _
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)爪;'ー`)(お前みたいのがこれ以上増えてたまるか)

(,,゚Д゚)「でもアサピー博士と言えば中々な苦労人だよな。確か去年のコンペ大会前日に奥さんを事故で亡くしてるんだっけ。」
  _
( ゚∀゚)「そこら辺のエピソードも応援したくなるんだよな。」

('A`)「おいおいマジかよ。そんな状況でよくやったなこんなこと。」
  _
( ゚∀゚)「アサピー博士、親は脳科学の世界的な研究者。博士自体も最初は脳と機械を直接繋げる研究を行うが突如としてロボット工学の道へ。」
  _
( ゚∀゚)「そこでは今まで磨いてきた脳の知識を生かし、人間に近いAIを持ったロボット兵器の開発に挑んでいた。」
  _
( ゚∀゚)「やっと形になった製品披露の前日に最愛の妻が自動車事故で端から川に転落。かなり深い河のせいで奥さんの死体は発見できなかったそうだ。」

348名無しさん:2018/10/21(日) 01:21:21 ID:7UyEXeOI0
  _
( ゚∀゚)「自分と息子を残して逝ってしまったが、挫けることなく今も兵器開発に尽力を尽くしている。」
  _
( ゚∀゚)「まさに科学者の鏡ですよ。」

( ^ω^)「うーん、ただたんに研究にとりつかれているだけじゃないのか?」

('A`)「科学者によくありがちな自分の研究第一野郎ってことか。おっそろしいったらありゃしない。」
  _
( ゚∀゚)「何言ってんだ二人とも。あのメタリックレモナは奥さんのレモナさんをモデルにして作られたんだぞ。それだけ愛した人なんだ。」

爪'ー`)「まあともかくだ。上の方から有力候補の博士護衛の仕事が回ってきている。下手したら侵略者たちに狙われるかもしれんからな。」

爪'ー`)「アサピー博士はドクオとジョルジョ、バルケン博士はブーンとギコが護衛してくれ。」
  _
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」

ξ゚⊿゚)ξ「私もどこか遊び行きたいんだけど。」

爪'ー`)「それならVIP研究所で変身ベルトの研究をしているそうだからそこの警備を頼む。」

ξ゚⊿゚)ξ「よし来た任せろ!」

各自がそれぞれの護衛場所へと向かった。

349名無しさん:2018/10/21(日) 01:21:46 ID:7UyEXeOI0
( ,'3 )「どうぞブーン隊員とギコ隊員。ここが私の研究施設だ。」

バルケン博士の研究所に入っていく二人。

(,,゚Д゚)「博士の研究は去年見させていただきいましたが、生物兵器とはすごいですよ。」

( ^ω^)「ライオンのあれは分厚い鋼鉄を豆腐のように切り刻んでいましたからね。」

( ,'3 )「お世辞はよしてくれ。結局前回は制御が利かなくなり暴走し始めてしまった。」

(,,゚Д゚)「でも今回はもうそれを克服したんじゃないですか?」

( ,'3 )「ああ。今回のは完ぺきだ。」

( ^ω^)「おお、それはぜひ拝見させていただきたいですね。」

( ,'3 )「それは困るな。情報というものはどこから漏れるかわからないからな。」

( ^ω^)「博士は我々を信用していないのですか?!」

( ,'3 )「私は今回で勝ち抜かねば次がないのだよ。だから絶対に勝たなけれならない。だから悪いが何も教えられないし見せることもない。」

( ^ω^)「そんな……。」

( ,'3 )「まあベースの生物くらいは教えてやろう。ヒグマだ。」

( ^ω^)「おお、ヒグマですか。」

( ,'3 )「そうだ。だがそれ以上は何も言わんからな。私は奴に何としても勝たなければならない。あんなロボットになんぞ負けてたまるか!」

(,,゚Д゚)「アサピー博士のことですか?」

( ,'3 )「私は長年この研究に人生を費やしてきたのだ。あんな新参者に軽く持っていかれてたまるか!」

どうやらバルケン博士はアサピー博士に対抗意識を燃やしているようだ。

350名無しさん:2018/10/21(日) 01:22:20 ID:7UyEXeOI0
('A`)「こんにちはアサピー博士。ヴィプトラ警備隊のドクオとジョルジョです。博士の護衛に参りました。」

博士の家の呼び鈴を鳴らし声をかける。
ほどなくしてアサピー博士が出てきた。

(-@∀@)「待っていましたよお二人とも。どうぞ中へ。」

自宅を改装して自宅兼研究施設にしているようで、リビングでは息子のぃょぅがTVゲームをしていた。

(-@∀@)「ほらぃょぅ、二人にあいさつして。」

(=゚ω゚)「その守り方はダメでしょ。はい、ヘッショいただき!」

小学校低学年ほどの少年はヘッドホンをしてゲームに夢中のようであった。

(-@∀@)「まったくこの子は。すみませんね、ゲームに夢中になるといつもこうで。」

('A`)「はは、楽しんでいるならいいじゃないですか。」
  _
( ゚∀゚)「いやぁでも光栄だな。あのアサピー博士とお話しできるなんて。」

(-@∀@)「光栄だなんて、僕なんてまだ大したことない科学者ですよ。」

リビングのテーブルに座りながら、博士が淹れたコーヒーをすすりながら雑談をする。
  _
( ゚∀゚)「謙遜しないでくださいよ。あんなに人間に近いAIなんて初めて見ましたよ。」

興奮気味に語るジョルジョ。

(-@∀@)「未完成なあれをそこまで評価してもらえればうれしい限りだね。」
  _
( ゚∀゚)「ちなみに今回はどんなものを披露してくださるんですか?」

(;-@∀@)「あー、悪いね。当日まで作品は絶対内緒にしたいんだ。」
  _
( ゚∀゚)「そうですか残念です。」

351名無しさん:2018/10/21(日) 01:22:48 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「最終調整がうまくいってなくてね。前回の失態から未完成のものは見せたくないんだよ。」
  _
( ゚∀゚)「コンペまで日がそんなにありませんが大丈夫ですか?」

(;-@∀@)「なんとかするさ。おかげでここんところずっと研究室にこもりっぱなしだもの。他のことに手が回らなくて大変さ。」

('A`)「それにしたらこのリビングとかだいぶきれいじゃないですか。誰か掃除でもしてるんですか?」

(;-@∀@)「あ、ああ。息子のぃょぅがやってくれているんですよ。死んだ妻に似てそういうところはちゃんとしてくれてありがたい。」

('A`)「そうなんですか。早くに母親を亡くしたのにしっかりしているんですね。」

(-@∀@)「だから僕もしっかりしないとと思うのですが、どうもうまくいかなくてね。」
  _
( ゚∀゚)「焦りは禁物ですよ。息子さんのためにも亡くなられた奥様のためにも頑張りましょう。」

(-@∀@)「ありがとう。」

('A`)「……。」

博士とジョルジョは灘何か雑談しているようだが、ドクオだけが席を立ちぃょぅの元へと歩み寄る。

('A`)「やあぃょぅ君。面白いかいそのゲームは?」

ゲームに夢中な少年にやさしく語りかける。

(=゚ω゚)「あ!馬鹿何やってんだ味方!アホみたいに凸って死んでんじゃねぇ!noobどもめ!」

(=゚ω゚)「いきなり1対5ってマジかよ。」

352名無しさん:2018/10/21(日) 01:23:15 ID:7UyEXeOI0
('A`)「……。」

('A`)「ねぇねぇそれはなんてゲーム?」

(=゚ω゚)「ああ!!クソそこにいたのかよ、やられた。」

(;'A`)「ぃょぅ君話聞いてる?」

はぁ…というため息とともにヘッドホンを外すぃょぅ少年。

(=゚ω゚)「キモ貞に付いてる目玉は飾りかよ。ヘッドホンしてんのわからなかった?」

(=゚ω゚)「このゲームはレインボーセブンスシージってFPSなんだけど音を聞くのが重要なんだよね。」

(=゚ω゚)「周りでアホみたいに騒がれると気が散るんだけど。わかるキモ貞?」

(;'A`)「それは悪かった。でもキモ貞ってなんだい?」

(=゚ω゚)「キモい童貞のことだよおっさん。」

(#゚A゚)「どどどど童貞ちゃうわ!!何を言ってるのかな君は??言ってる意味が分からないなー。子供が何を言い出すんだ。」
(#゚A゚)「いやーびっくりだねお兄さん。いきなり童貞認定されるなんて俺が。俺は経験豊富だよ。まったくこれだから子供はねー、何を根拠にそんなこと言ってんだか。」
(#゚A゚)「本当困っちゃうな。大人をからかっちゃいけないよボーイ!あんまり舐めたこと言ってるとお兄さんも穏やかにはしてられないね。」

顔を真っ赤にして早口で反論する。図星をつかれたら人間平常ではいられない。必死のウソでごまかそうとする。

(=゚ω゚)「その反応マジでキモ貞じゃん。」

(#゚A゚)「ギギギギギ!」

353名無しさん:2018/10/21(日) 01:23:42 ID:7UyEXeOI0
(=゚ω゚)「お前モテたことねぇだろキモ貞。所詮童貞野郎には無理な話か。」

(#゚A゚)「このクソガキバカにしやがって!!童貞をなめるなよ!童貞の素晴らしさもわからないで!!」

(=゚ω゚)「その歳で童貞は誇れることじゃないだろ。」

(#゚A゚)「ジョルジョ!!何か言い返してやれ!!」
  _
( ゚∀゚)「え、俺が?なんで?」

(#゚A゚)「お前も童貞だろ!こんなガキに舐められてたまるかよ!」
  _
( ゚∀゚)「???」
  _
( ゚∀゚)「いや俺は童貞じゃないんだが……。」

(;'A`)「?!」

(;'A`)「おいおいジョルジョ、冗談はやめろよ。俺たちモテない同志じゃないか。お前も童貞だろ?」
  _
( ゚∀゚)「確かにモテないが、俺だって彼女がいた時期とかはあるぜ。」

(#゚A゚)「この裏切りもんがぁ!!」

奇声を上げながらジョルジュに飛びかかるドクオ。

(=゚ω゚)「哀れだなキモ貞。」

(#゚A゚)「キィィィ!!」

子供相手に全力でキレる男、それがドクオだ。

354名無しさん:2018/10/21(日) 01:24:12 ID:7UyEXeOI0
その後、夕方には護衛を切り上げて基地へと帰る。
24時間そばにいられるとプレッシャーで作業がはかどらないそうなので夜は護衛しないということになった。

(,,゚Д゚)「今年のバルケン博士は期待できますよ。」

バルケン博士組も同様の理由で護衛から帰ってきていた。

(,,゚Д゚)「どうやらアサピー博士に対抗心を燃やしているらしくて熱意がすごかったですよ。」

爪'ー`)「確かバルケン博士はずっと生物兵器開発に人生をささげていたからな。近年やっと注目されるようになたんだ。若造には負けられないだろう。」
  _
( ゚∀゚)「でもアサピー博士も負けてませんよ。ここ数年で兵器開発で突然現れた新星ですけど、今年は完成品を見れそうです。」

( ^ω^)「どっちが制すか今から楽しみだねぇ。」

( ^ω^)「……。」

( ^ω^)「で、あいつはどうしたんだ?」

( A )「俺は童貞じゃない俺は童貞じゃない俺は童貞じゃない……」 ブツブツ

作戦室の隅でブツブツと同じ言葉を繰り返す。子供相手に完全敗北を期した哀れな敗北者だ。
  _
( ゚∀゚)「それはほっといていいと思う。」

ξ゚⊿゚)ξ「おいおい、VIP研究所も大したことなかったぞ。」

爪'ー`)「お気に召さなかったか?」

355名無しさん:2018/10/21(日) 01:24:44 ID:7UyEXeOI0
ξ゚⊿゚)ξ「試作品のベルトをつけてうろついてたらちょうど侵略者を見つけたから戦ったんだけどさ。」

ξ゚⊿゚)ξ「視界が見ずらいのや無駄にごちゃごちゃしたもんつけてて動きずらいし受け身とりずらい。」

ξ゚⊿゚)ξ「しかも息もしにくい上に中はかなり暑いときた。」
  _
( ゚∀゚)「まだ開発段階のものなんだから仕方ないんじゃないか。」

ξ゚⊿゚)ξ「意味が分からないのがフォームチェンジとかいうの。わざわざ敵の前でガジャット切り替える必要性。」

ξ゚⊿゚)ξ「そんな隙を見せるなら初期フォームからパワータイプとスピードタイプ両方の特性いれとけよ。」
  _
(;゚∀゚)「いや、フォームチェンジはロマンだからさ。」

ξ゚⊿゚)ξ「ロマン?命懸けの戦いにそんなもんはいらねぇよ。」
  _
(;゚∀゚)「……。」

爪;'ー`)「ツンヌがまじめに批評してる?!」

ξ゚⊿゚)ξ「しかも無駄に必殺技が多すぎる。エフェクトが派手なのはいいが、一番重要なのは使いやすい技だ。」

ξ゚⊿゚)ξ「必殺パンチとキックがあれば十分なんだよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「結局脱いで素手で倒したし。」

( ^ω^)「もう君に武器は必要ないのでは?」

(,,゚Д゚)「いつも思うがツンヌは本当に地球人なのだろうか。」

ξ゚∀゚)ξ「自分にできないことを成し遂げる人間を見てひがむなよ。」

ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」

356名無しさん:2018/10/21(日) 01:25:17 ID:7UyEXeOI0
それからは基地と博士の家を行ったり来たりの日々だった。
  _
( ゚∀゚)「でも博士、なんでまた脳科学の道からロボット工学へ?」

(-@∀@)「……。」

(-@∀@)「話せば長いが、簡単に言うとロボット工学の方が僕の力を発揮できると思ったからさ。」

('A`)「脳科学のときはどんな研究を?」

(-@∀@)「脳と機械を直接つなぐ……究極を言えば機械の体に脳みそを移植するという研究かな。」
  _
( ゚∀゚)「サイボーグですか。」

(-@∀@)「そんなとこなんだけど倫理的にも実験で使えそうな脳みそ確保もできずに諦めたけどね。」

(-@∀@)「でも何においても人類にとって役に立つ研究がしたかったわけですよ。」

('A`)「立派ですね博士は。それに比べて息子ときたら。」

チラリと目を向けるといつも通りゲームをしているぃょぅ。

('A`)「立派なお父さんがいるのに君はまたゲームかね?まったくかわいげのないガキなことだ。」

(=゚ω゚)「あー、何も聞こえないなぁ。たとえ聞こえてもキモ貞という人生の負け犬に何を言われても何も思わないけど。」

357名無しさん:2018/10/21(日) 01:25:50 ID:7UyEXeOI0
(#'A`)「ギギギ…クソガキめ。」

('A`)「子供は子供らしく外で遊んだらどうだ。行きたいのであれば遊園地にだって連れてってやるぞ。」

(=゚ω゚)「先週ママとネズミーランド行ったばっかだし。」

('A`)「ああそうかい。」

('A`)「ん?ママと?」

(-@∀@)「……。」

(-@∀@)「すみませんねドクオさん。まだぃょぅはレモナが死んだことを受け入れられていないのですよ。未だにレモナを見たなどといってしまうのです。」
  _
( ゚∀゚)「なんてかわいそうな。」

('∀`)「そうかそうか。そりゃぁまだ子供だもんな。どんなに強がったって所詮は弱っちい子供よ。」

(=゚ω゚)「なんだいつもよりキモい顔しやがって。」

('∀`)「無理に強がるなよ。お兄さんが遊び相手になってやるからな。」

(=゚ω゚)「……。」

毎日のように護衛に行きアサピー博士を雑談してぃょぅに暴言を吐かれる。
そんな日々が過ぎていきいよいよコンペの前日の夕方となった。

358名無しさん:2018/10/21(日) 01:26:20 ID:7UyEXeOI0
( ^ω^)「ではバルケン博士、我々はこれで帰ります。」

(,,゚Д゚)「明日は成功を祈っています。」

( ,'3 )「ありがとう二人とも。明日は死力を尽くすよ。」

( ,'3 )(そうすべては明日なのだ)

( ,'3 )(たとどんなことをしてでも奴のロボット兵器に勝たなくてはならない)

( ,'3 )(どんな手を使ってもな…)

バルケン博士は走馬灯のようにこれまでの人生を振り返る。
周りからは自分の研究を馬鹿にされても負けずにひたすら研究を続け。
資金面では何度も頭を下げて食費などの生活費を削りすべてを研究に費やした。

( ,'3 )「……。」

恋愛や人付き合いなどすべてを犠牲にしてきた。自分にとって親しい人などいない。
それほどまでに愚直に研究のみにすべてをかけたのだ。いつか報われると信じて。
だからこそアサピー博士に負けるわけにはいかないのだ。
負け=研究の否定=自分の人生は無駄だったということになる。そんなのは許されない。

( ,'3 )「クマーよ、お前は私の最高傑作だ。必ず勝利してくれると信じている。」

(・(エ)・)「グルルルル……。」

鉄格子を挟んで自分の作品と向かい合う。
自分がこいつのすごさを一番よく知っている。
においをかげば執念深くどこまでも追跡し、圧倒的パワーと驚異的な耐久力を誇る。
相手が何であろうと負けるはずがない。

だが自分でもわかっている。ヴィプトラ警備隊が求めるのは獣臭い生物兵器ではなく、人工知能を搭載したロボット兵器だと。
でもだからといって白旗など上げられないのだ。諦めるわけにはいかない。

( ,'3 )「いざというときは戦ってでも……。」

359名無しさん:2018/10/21(日) 01:26:51 ID:7UyEXeOI0
  _
( ゚∀゚)「今日も博士との雑談楽しかったです。明日は博士の勝利を信じてますよ!」

('A`)「明日の朝は会場まで護衛に来ますのでよろしくお願いします。」

(-@∀@)「明日もよろしく頼みますよ。」

('A`)「でも博士調整は完ぺきなんですか?」

(;-@∀@)「あ、あぁ大丈夫完璧さ。」

(;-@∀@)「ではまた明日。」

(=゚ω゚)「一人で凸ってディフィーザー目標部屋に落としてってんじゃねぇ!!」

また野良に暴言を吐いているぃょぅ。
その様子をじっと見つめるアサピー博士。

(;-@∀@)(明日、明日さえ乗り切れれば……)

(-@∀@)「ぃょぅちょっといいかい?」

(=゚ω゚)「なにパパ?」

(-@∀@)「明日のことでお願いがあるんだ。」

そう言って今まで誰もいれなかった研究室にぃょぅを連れていく。

(-@∀@)(すべては明日を乗り越えること)

(-@∀@)(明日さえ乗り越えられればいいのだ)

(-@∀@)(どんなことをしてもな!!)

各々の思惑が交差する。
そうしてコンペ当日を迎えるのであった。

360名無しさん:2018/10/21(日) 01:27:22 ID:7UyEXeOI0
('A`)「おはようございます博士。お迎えに参りました。」

(-@∀@)「おはよう。何とか調整が完了したよ、見てくれ二人とも。」

ガシャン!ガシャン!と音を立てて一台の子供型ロボット兵器が歩いてきた。
その外見は小学校低学年の子供くらいの大きさだがメタリックな外装、いろいろな装置がごてごてと取り付けられている。
だが人間のように軽快に歩いて登場してきた。

(十)「おはよう。」
  _
( ゚∀゚)「おお!これが完成品ですか?」

(-@∀@)「これが私が作り上げた原子王です!」

('A`)「スゲー」

(-@∀@)「出は早く会場に行きましょう。」
  _
( ゚∀゚)「あれぃょぅ君は?」

(;-@∀@)「ぃょぅは今日は家にこもってゲームするそうなので。時間ないですし早く生きましょう。」
  _
( ゚∀゚)「そうですか。わかりました。」

('A`)「しっかしなんでまたこんなガキみたいなサイズで?」

(;-@∀@)「そりゃぁ……まぁいろいろとあってね。」

(十)「キモ貞はうろせぇないつも。」

('A`)「いろいろですか。」

('A`)「……」

('A`)(キモ貞?)

若干の違和感を感じながら会場に急ぐ三人と一台。

361名無しさん:2018/10/21(日) 01:27:50 ID:7UyEXeOI0
コンペが始まり、何人かの研究者の発表が終わらせいよいよアサピー博士の番となった。
会場には各種関係者からただの一般市民まで数千人ほどが見に来ていた。

(-@∀@)「皆さんお久しぶりです。去年は散々だったアサピーです。」

(-@∀@)「でもご安心を今年は完ぺきなものをご覧に入れましょう。」

(-@∀@)「カモン!原子王!」

その掛け声とともに観客席に手を振りながら原子王がステージ上に現れた。

(十)「どうもみなさん、俺が紹介いただいた原子王です。」

爪'ー`)「どうやら今年はまともなAIになったみたいだな。」

( ^ω^)「これなら実戦配備してもいいですね。」

最前列に座るヴィプトラ警備隊の隊員たちがああでもないこうでもないと言い合っている。

ξ゚⊿゚)ξ「しっかしまたなんでこんなちんちくりんなサイズ?」

(-@∀@)「皆さんも驚きでしょう。こんなに小さくて大丈夫なのかと。」

(-@∀@)「逆ですむしろ。僕に言わせたらね。」

(-@∀@)「何事もデカけりゃいいというものではないのですよ。戦闘においてでかいってことはただの的。」

(-@∀@)「被弾面積を減らして物にも隠れやすい方が戦闘では有利。」

(-@∀@)「そして見せてあげなさい原子王お前の運動力を。」

(十)「OK!」

ステージ上を側転バク転宙返りをきれいに決めて着地する。
おお!という歓声が巻き起こる。

(-@∀@)「小さいからこそ軽快にこのような技ができるのです。これに武器を持たせれば敵などあっという間に殲滅できますよ。」
  _
( ゚∀゚)「今年はアサピー博士に決まりですね!」

興奮気味に立ち上げるジョルジョ。

(;゚Д゚)「ま、まだだ。バルケン博士だって……」

('A`)(どうも引っかかるな……)

362名無しさん:2018/10/21(日) 01:28:26 ID:7UyEXeOI0
その頃、順番待ちをしているバルケン博士はその光景を裏方から覗いていた。

( ,'3 )「ぐ……ここまでのものを作り上げてくるとは……」

( ,'3 )(こうなれば最終手段に出るしかない)

(十)「あらよ。」

裏方で不穏な動きがあるのを知らずに逆立ち歩きをしながらステージ上を回る原子王。

(-@∀@)(順調だ、これならパターンAで大丈夫そうだ)

('A`)(……)
   _
『( ゚∀゚)「アサピー博士、親は脳科学の世界的な研究者。博士自体も最初は脳と機械を直接繋げる研究を行うが突如としてロボット工学の道へ。」』
   _
『( ゚∀゚)「やっと形になった製品披露の前日に最愛の妻が自動車事故で端から川に転落。かなり深い河のせいで奥さんの死体は発見できなかったそうだ。」

『(;-@∀@)「ぃょぅは今日は家にこもってゲームするそうなので。時間ないですし早く生きましょう。」』

『(十)「キモ貞はうろせぇないつも。」』

('A`)(まさか!)

ずっと気になることがあったドクオは発表中今までの記憶をたどっていた。
そしてそれが一本の線でつながったのだ。

('A`)「アサピー博士!あの野郎なんてことをしてやがったんだ!」

怒りに任せて立ち上がるドクオ。

363名無しさん:2018/10/21(日) 01:29:36 ID:7UyEXeOI0
去年のコンペ前日に妻が事故にあい死体は見つからない。
その翌日には妻そっくりのロボットが出てきた。
そして今年は息子の姿がなく背丈が息子と同じロボットが……
それを過去に脳と機械をつなげる研究をしていた科学者がやっていたとなるとあロボットの正体がわかったのだ。

('A`)(自分の妻と息子の脳みそを機械に移植するとはなんてことしやがる)

ステージ上のアサピー博士の元へと駆け込もうとした矢先だった。

( ,'3 )「流石ですねぇアサピー博士。」

自分の番でもないのに突如としてバルケン博士がステージ上に現れたのだ。

(;-@∀@)「ちょ…急に何ですか!?」

( ,'3 )「いえ素晴らしい作品を見ていてもたってもいられなくなってな。」

( ,'3 )「だからどうです、私の生物兵器と勝負しましょう。どちらが強いかを。」

(;-@∀@)「は?」

突然の申し出だ。

( ,'3 )「兵器たるものその強さが一番大事。そう思いませんかね会場のみなさん。」

(;゚Д゚)「バルケン博士何言ってんだ?」

( ,'3 )「今年は私かアサピー博士のどちらかだと言われているんです。手っ取り早く観客がいるところでケリを付けましょう。」

もうバルケン博士に残された道は力技しかなかった。
ここであの原子王を戦闘で破壊すれば自分にもチャンスがある。そう考えたのだ。

364名無しさん:2018/10/21(日) 01:30:06 ID:7UyEXeOI0
( ,'3 )「さあ来いクマー!」

パチンッと指を鳴らすと天井から生物兵器クマーが下りてきた。

(・(エ)・)「クマー!」

体長3mの熊の化け物だ。

( ,'3 )「私の生物兵器か貴様のロノボット兵器か、いざ勝負!」

( ,'3 )「行くのだクマー!!」

(;-@∀@)「逃げろぃょぅ!!」

そう叫ぶと原子王はダッシュで観客席の方へと逃げ込んだ。

(十)「これやべぇって!!」

一瞬にして会場が悲鳴に包まれ大混乱に陥った。

365名無しさん:2018/10/21(日) 01:30:34 ID:7UyEXeOI0
観客を盾に会場から出ようとする原子王。
それを追うクマーだが無関係な人間は傷つけられないようで思うようにあとが追えないでいる。

( ,'3 )「何をしている!!正々堂々戦え!!」

( ,'3 )「お前からも言わんかアサピー!」

( ,'3 )「?!」

アサピー博士がいた方を振り返るとすでに姿がなかった。

爪'ー`)「バルケン博士そこまでっだ。すぐに辞めさせろ。」

(,,゚Д゚)「バルケン博士なぜこんなことを……」」

( ,'3 )「どうしても勝ちたいんだよ私は!!」

爪'ー`)「どうやらあなたはただの身勝手な奴なようだな。」

会場の外ではなんとか逃げだした原子王とアサピー博士が合流していた。

(;-@∀@)「なんて事態だ。」

('A`)「そこまでだアサピー博士!お前の悪事は見抜いたぞ!」

原子王を追うのはクマーだけではなかったのだ。真相に気づいたドクオも後を追っていた。

(;-@∀@)「こんな時に面倒な奴が!」

(十)「あのクマ早すぎ!!」

会場を何とか抜け出したクマーは原子王に一直線で近寄り渾身の右で殴り掛かる。

(・(エ)・)「グォオォォ!!」

(十)「アアアアアアア!」

なすすべもなく原子王の頭が軽々ととんだ。

(;-@∀@)「しまったぁ!」

('A`)「???」

(・(エ)・)「???」

366名無しさん:2018/10/21(日) 01:31:08 ID:7UyEXeOI0
コロコロと転がる原子王の頭。しかし中身は空っぽ。
というか外見はロボットぽく塗装や加工しただけのフルフェイスヘルメットだったのだ。

(=゚ω゚)「アブねぇ首が飛ぶところだった!!」

その下にはぃょぅの顔があった。

あっけにとられるドクオとクマー。
予想外の出来事で体が止まる。
そうしているうちに一台の車がものすごいスピードでアサピー博士とぃょぅの元へと突っ込んできた。

|゚ノ ^∀^)「早く乗りな二人とも!パターンBだよ!」

死んだはずのレモナだった。

(-@∀@)「ナイスタイミング!」

(=゚ω゚)「流石ママだね!」

二人を乗せると急発進で逃げていく。

(;・(エ)・)「……」

(・(エ)・)「クマー!!」

動揺したが自分の使命を思い出し後を追いかけるクマー。

('A`)「は?」

未だ理解できずに立ち尽くす。

367名無しさん:2018/10/21(日) 01:31:40 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「あのクソジジイめ余計なことしてくれたな。」

(-@∀@)「おかげでパターンAが失敗したじゃないか。」

パターンAとは今年の発表を何とかごまかして資金援助をもらい、そのまま国外逃亡するという作戦だ。

|゚ノ ^∀^)「理想はパターンAだけど、失敗したら仕方ないよ。このままパターンBで逃げるよ。」

パターンBとは去年の資金援助の残りをすべて持ち出してそのまま国外逃亡するという作戦だ。

(=゚ω゚)「パパ!これ早く脱ぎたいんだけど。」

(-@∀@)「ああすまん。直ぐ脱がしてやるからな。」

あっという間に取り外される原子王の外装。
外装といっても前日の夜アサピーとレモナが適当に作ったロボットぽく見えるスーツなだけなのだ。本当のところはロボットのコスプレをしていただけだ。
そして去年のあれはレモナの顔に似せた頭だけの模型を作りそこにカメラとスピーカーとマイクを付けただけのものだ。
会場の外でレモナが適当にしゃべっていただけなのだ。
そしてその前日には交通事故にみせかけレモナが死んだようにして保険金もたんまり手に入れたのだ。

(=゚ω゚)「それでどこの国に行くの?」

(-@∀@)「ぃょぅはどの国に行きたい?」

(=゚ω゚)「ドバイとか。」

|゚ノ ^∀^)「旅行じゃないのよ。」

(-@∀@)「おっと、レモナもう少し飛ばした方がいいかもな。あの熊公がまだついてきやがる。」

|゚ノ ^∀^)「あいよ!」

アクセルをさらに踏み込み加速する。

(・(エ)・)「クマー!!」

二足歩行で猛ダッシュして追いかける。

|゚ノ ^∀^)「流石に街中でのチェイスはつらいねぇ。高速でぶっちしてやる!」

(-@∀@)「時代遅れの生物兵器がマシンの力に勝てるかってんだ!!」

(-@∀@)「ギャハハハハ!!」

高速道路に入るアサピー一行。
そこで待ち受けていたのは渋滞。

368名無しさん:2018/10/21(日) 01:32:10 ID:7UyEXeOI0
|゚ノ; ^∀^)「こんな時に!事故でもあったのか!!」

万事休す。
Uターンしようにもすでに後ろにはクマーが。

(;-@∀@)「ひぇぇ……」

(;-@∀@)「く、クマさん落ち着こうよ。原子王の正体はただの人間の子供だったんだよ。もう追ってくる必要はないよ。勝負は君たちの勝ちだ。」

(・(エ)・)「グォオォォ!!」

所詮、熊公にはそんなこと理解できずに与えられた使命を全うするためにぃょぅに襲い掛かる。

(;-@∀@)(;゚ω゚)|゚ノ; ^∀^)「ああああああああ!」

もうおしまいだ。
その時だ。

('A`)「デュワァ!」

飛んできたドクトラセブンがぃょぅとクマーの間に割って入り押しのける。

(・(エ)・)「クマー!」

クマーも負けじと組み付いてきたドクトラセブンの肩にかぶりつく。

(;'A`)「ぐわぁぁ!」

歯が肉に食い込みミシミシとすさまじい音が響く。
圧倒的な咬合力だ。流石はバルケン博士の最高傑作だけあって恐ろしい戦闘力。

369名無しさん:2018/10/21(日) 01:32:46 ID:7UyEXeOI0
26
(・(エ)・)「クマー!」

(;'A`)「あぎゃぁぁあぁぁ!」

肩から大量の血が噴出した。
このままでは食いちぎられてしまう。

(;'A`)「グウウウ……」

(;'A`)「デュワ!」

噛みついている頭をしっかり抱えるといっきに身長40メートルまで巨大化する。

(;・(エ)・)「あがががががg!!!」

噛みついていたクマーの口は裂け顎が外れる。

(;・(エ)・)「コフューコフュー」

人形のように両手でクマーをつかむと思い切り握りつぶす。
口から血や内臓を吐き出しながら絶命した。

('A`)「ふう。」

圧倒的体格差質量差の前には何物も敵わない。

(;-@∀@)「助かったのか?」

今度はアサピーたちが乗る車を持ち上げるとタイヤをもぎ取り会場の方へと飛んでいく。

(=゚ω゚)「スゲー飛んでる!!」

(=゚ω゚)「お前よく見ると気持ち悪い顔してんな。」

(=゚ω゚)「まさかお前もキモ貞?」

(#'A`)「ギギギイ」

会場付近に車を置くとそのまま空へと飛び立つドクトラセブン。

370名無しさん:2018/10/21(日) 01:33:21 ID:7UyEXeOI0
爪'ー`)「さてアサピー博士、どういうことか説明してもらいましょうか?」

すぐさまヴィプトラ警備隊に囲まれる。

( ,'3 )「貴様原子王はどこにやったのだ!!」

(;-@∀@)「ええとですね……」

('A`)「原子王などいうのは存在しませんよ。あれはただのコスプレで、こいつらはただのペテン師だったわけですよ。」

( ,'3 )「ということは私の勝ちか!」

(-@∀@)「そいつはどうだろうね。テメーの最高傑作はドクトラセブンがブツのめしたぜ。」

(-@∀@)「何よりも原子王の正体がぃょぅだとわかっても殺意満々で襲ってきたぞ。」

(-@∀@)「所詮与えられた使命を全うすることしか考えられないド畜生だってことなんだよ。」

( ,'3 )「ぐ……」

(-@∀@)「ざまあねぇなぁ!ひたすら人生をゴミクズ兵器に捧げて結果がこれだと。」

(-@∀@)「お前の人生なんだったんだろうな。」

(-@∀@)「ギャハハハハ!!」

(,,゚Д゚)「貴様は黙っていろペテン野郎!」

(,,゚Д゚)「必死に頑張ってきたバルケン博士を馬鹿にするんじゃない!」

371名無しさん:2018/10/21(日) 01:34:23 ID:7UyEXeOI0
(-@∀@)「必死に頑張ってきた?」

(-@∀@)「まじめに生きてきてこのざまじゃ笑うしかないだろwww」

(-@∀@)「こいつの人生すべてが無駄だったんだよ!」

(-@∀@)「まじめに生きてこんなクソみたいな人生なら、嘘ついてでも楽しく生きた方がましだろ!」

(-@∀@)「ギャハハハハ!!」

(#゚Д゚)「野郎!!」

爪'ー`)「落ち着けギコ。あとは警察に任せよう。」

|゚ノ ^∀^)「しかたねぇ。当分は刑務所生活を楽しむかな。」

(;'A`)「こいつらまったくへこたれてねぇ……」

爪'ー`)「ああいう連中は何言っても無駄だよ。更生のしようがない。」

( ,'3 )「は…はは……私はなんて無駄なことをしてきたんだろうか……」

(,,゚Д゚)「博士……」

その後アサピーとレモナは警察に引き渡された。
後で分かったことだが、アサピーは元々親の七光りで脳科学の科学者であったが実際には何も研究していなかったそうだ。
毎日遊び惚けていたせいでいよいよ親からすら見放された。なので親のコネを使い自称ロノボット工学者として資金だけ巻き上げ家族三人で豪遊していたらしい。
そして事件後、ぃょぅは祖父祖母に面倒を見てもらうことになったが……

(=゚ω゚)「パパもママも出所して使えそうなら面倒見てもいいが、使えなさそうなら自分でどうにかしてもらうよ。」

(=゚ω゚)「大人なんだしそれくらいは自分で責任取ってもらんないとな。俺にたかるなよ。」

とのことだ。何と可愛げのないことだろうか。これだけいい性格してりゃ人生困ることはないだろう。
まああの親にしてこの子というわけだ。
その後、バルケン博士は改造した動物が店員の喫茶店を開いたら大盛況。

( ,'3 )「いや本当、人生無駄にしてたwww」

人生気軽に生きるのが一番だ。

372名無しさん:2018/10/21(日) 01:34:52 ID:7UyEXeOI0
こうして新型兵器のコンペ大会は終わりを迎えた。

( ^ω^)「しっかし今年は大変でしたね。」

爪'ー`)「だが有能な新兵器が採用されたぞ。」
  _
( ゚∀゚)「どんなヤツです?」

爪'ー`)「変身ブレスレットを装着して戦闘の際に変身する。」

爪'ー`)「5人そろって変身したらポーズを決めて、防衛戦隊ヴィプトランジャーと叫ぶ。」

(;'A`)「?!」

爪'ー`)「人間サイズの敵にはそのまま戦闘。巨大化されたらそれぞれが専用のマシンを呼んで合体し、ヴィプトラロボで戦う。」

ξ゚⊿゚)ξ「私レッドやりたい!」

ξ゚⊿゚)ξ「主人公は私よ!」

( ^ω^)「なら俺は追加戦士枠でゴールドやる。」
  _
( ゚∀゚)「それならもうドクトラセブンもいらないですね。」

(;'A`)「ちょっと!」

(,,゚Д゚)「地球は我々地球人の手で守らないとな。」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)(,,゚Д゚)爪'ー`)ξ゚∀゚)ξ「はっはっはっはっは!」

(;'A`)(まずい俺のアイデンティティがなくなってしまう!)

爪'ー`)「まぁ嘘だけどね。」

(;'A`)「なんだ嘘か、よかった。」

373名無しさん:2018/10/21(日) 01:35:18 ID:7UyEXeOI0
( ^ω^)「おいおい、こんな嘘に騙されてんなよドクオ。」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、レッドやりてぇ。」

爪'ー`)「ま、新兵器があろうとなかろうと我々がやることは変わらないさ。」
  _
( ゚∀゚)「でもヴィプトランジャーの研究はだいぶ進んでいるみたいだな。」

(;'A`)「嘘だろ?!」
  _
( ゚∀゚)「嘘だよwww騙されすぎだろドクオwww」

ξ゚∀゚)ξ「だっせぇwww」

(#゚A゚)「キィィィ!!」

嘘は絶対よくない。
そう思うドクオであった。

第十二話『ペテン師』

終わり

374名無しさん:2018/10/21(日) 01:35:41 ID:7UyEXeOI0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。

375名無しさん:2018/10/21(日) 10:50:30 ID:ToC3XHxE0
安定して面白いな!乙

376名無しさん:2018/10/21(日) 18:13:15 ID:BqADkvGQ0
乙です

377名無しさん:2018/10/21(日) 22:53:37 ID:AV8uGID20
乙!

378名無しさん:2018/10/23(火) 07:30:12 ID:Cno0vxgM0
乙、やっと更新きたな。待ってたぞ
ってサボってたんかい!?ま、まさか文戟に浮気を・・・
ウルトラマンよろしく週1更新頑張ってくれよー

379名無しさん:2018/10/24(水) 13:08:19 ID:dWPdWM0Y0
話数が進むほど人類のロクでもなさがクローズアップされてきてワロタw


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