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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

1tun:2011/08/11(木) 01:48:49 ID:???
プロバイダー規制や本スレの空気などでSSを投下できない人が、
本スレの代わりにこっちでSSを投下するスレ。

sageるとIDが???になるので恥ずかしい人にはお勧め。

521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/12(土) 17:35:22 ID:???
>>502-511の続き

5221/7:2012/05/12(土) 17:35:58 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その4

 驚いて体をビクッと震わせてしまうが、何とか取り乱さずに私は弟に向き直った。
『何でこっちに顔出してくるの? 大人しく向こうにいなさいってば』
「だって、お菓子なくなっちゃったからさ。お母さんに聞いたら、ねーちゃんに断わっ
て、少し分けて貰って来なさいって」
 私は、呆れてため息をつく。全く、母もこういう時くらい気を遣って大輝を寄り付か
せないようにしてくれればいいのに何で真逆な事をするんだろうと。
「あ、いいよ。好きなだけ持って行っても」
 別府君がお菓子の盛ってある皿を差し出すと、珍しく大輝が礼儀正しく頭を下げた。
「あ、すみません。それじゃあ、ちょっと貰います」
 大輝がチョコやらクッキーやらおかきやらを適当に自分が持って来た皿に取る。それ
を見つつ、私は小さく愚痴った。
『……大体、二人にしてはお菓子の量が多過ぎなのよ。お母さんってば何を張り切って
るんだか……ホント、バカみたいなんだから……』
 どうせ男の子が初めて家に来たもんだから、テンション上がったに決まっている。本
当にそういう所は困った親だ。
「ん? ねーちゃん、今何か言った?」
 どうやら、大輝に聞こえてしまったらしい。私は澄ました顔で首を横に振った。
『別に、何でもないわ。いいから、用が済んだらとっとと向こう行きなさいよね』
 しかし大輝はリビングから出て行こうとはせず、私を無視して別府君に向き直った。
「あのさ、別府さん。ちょっと聞きたいんだけど」
『ちょっと、大輝』
 何やら好奇心満々な大輝を制しようと、私は厳しい声を出す。しかし大輝はうっとう
しそうな顔で私の方を向くと、口を尖らせた。
「いーじゃんかよ。俺にもちょっと話させてくれたって。ね、いいでしょ? 別府さん」
「え? ああ。俺は構わないけど」
 別府君がそう答えてから、私に向かって少し我慢していてくれというように頷いてみ
せる。私としては、大輝が何か余計な事を言い出しかねなくて嫌だったが、別府君にそ
う諭されては、黙るしかなかった。

5232/7:2012/05/12(土) 17:36:19 ID:???
「あのさ。ねーちゃんって、普段学校ではどんな感じなんですか?」
『ちょ、ちょっと、大輝』
 質問の内容に、私はまた、慌てて止めようとした。学校での私を家族に知られるのも
嫌だったし、家での私を別府君に知られたくも無い。しかし大輝は私を全く無視して、
ワクワクした顔で別府君を見ていた。
「うーん…… 大人しくて、真面目で……友達と話してる時も、はしゃいだりする事は
なくて、休み時間も本とか読んでる方が多くて、イメージで言えば物静かな感じってと
ころかな?」
 別府君が語る私のイメージに、私自身もついつい真剣に聞き入ってしまった。別府君
が見ていた私のイメージが、私がそうありたいと願っていた姿に近かったのでホッとす
る。しかし、次の大輝の一声が、またも私を慌てさせた。
「へーっ? ねーちゃんが、物静か……ねえ?」
「あれ? 何か意外だった?」
 キョトンとする別府君に頷き、大輝が何故か得意そうな顔で答え始める。
「だって、物静かって…… ねーちゃんてさ。家では……」
 恐れていた事態に、私は即座にチョコを一つ手に取ると、抜く手も見せずに大輝の顔
に向かって投げつけた。それは的確に大輝のおでこを捉える。
「あいてっ!!」
 咄嗟におでこを押さえ、大輝が私に向き直った。
「何すんだよ、ねーちゃんっ!!」
『余計な事言わないの。人様に身内の恥を晒してどうするつもりなのよ。貴方は』
 てっきり、まだ言い返してくるかと思ったのに、大輝はいきなりプッと吹き出した。
「……貴方……だって……普段ぜってーそんなこと……って……やっべ……超おもしれー……」
 決めた。別府君が帰ったら、大輝は絶対にシメる。もうただでさえパジャマ姿での応
対で十分恥を晒しているのに、この上家での私をあれこれバラされたら、もう別府君の
顔をまともに見ることすら出来なくなってしまう。女の子の恥を、しかも密かに想って
いる人にバラそうとしたらどういう事になるか、大輝にはきっちり教育しなければ。
『勝手に笑ってなさい。いっそそのまま笑い死ねばいいわ』
 そう吐き捨ててから、別府君を見ると彼は興味津々な様子で私達を見ていた。
『何? 私のことジッと見て。何かあるの?』

5243/7:2012/05/12(土) 17:36:45 ID:???
 何か嫌な予感に駆られつつ聞くと、別府君はハッとした顔になり、それから慌てて答える。
「いやその……委員長がさ。何かこう……弟さんと絡むのって、何か意外な感じだな」
 そう感想を漏らす別府君に、私はワザとらしく呆れたため息をついた。
『確かに、弟がいるなんて言った事はないけどね。でも別に全然意外でもないと思うけ
ど。というか、弟がいて何か悪い?』
 厳しい言い方で相手の意見を封じ、同時に興味も殺ごうとした。別府君は急いで弁解する。
「ああ、ゴメン。気に触ったかな……? 今まで、委員長と弟っていうイメージが無かっ
たからさ。しかも、性格真逆で、快活な感じだし」
『真逆で快活って……じゃあ私は暗いってこと?』
 揚げ足を取ってみせると、別府君は慌てて否定する。
「いや。暗いとはちょっと雰囲気が違うと思うんだけど……笑う時も絶対大笑いとかし
ないしさ。上手く言えないけど……」
 その時、またしても大輝が口を挟んでくる。
「へーっ。姉ちゃんってさ。家だと普通にしゃべるんだけどな。ていうか、どっちかっ
てと怒ってばっかだけど。あ、あとお笑いの――」
 調子に乗ってしゃべる大輝に、私は慌てて立ち上がって背後に回ると、手で口を押さ
えて封じた。もがこうとする大輝を押さえつけ、耳元に口を近付けると、別府君に聞こ
えないよう小声で脅した。
『アンタね。これ以上余計な事言ったら、絶対許さないから。後で死ぬほど酷い目に遭
わせるけど、いい?』
 弟と姉とはいえ、大輝はまだ中学生でしかもすばしっこいが背も小さく力もそんなに
強い訳ではない。まだ、知恵を使えば色々と逆襲は出来るし、力技以外でも、弟を酷い
目に合わせる方法はいくらでもある。
『全く…… 病み上がりなのに余計な運動させないでよ』
 大輝を放し、ソファに戻ると大輝がつまらなそうに文句を言った。
「ちぇっ。ゴメンね、別府さん。姉ちゃんの事、色々話したかったけど、言ったら殺すって」
『ちょっと、大輝っ!!』
 瞬時に私は、大輝を睨み付ける。せっかく小声で言った事を一言でバラされたら、何
の意味もない。しかも、余計大げさに言ってるし。

5254/7:2012/05/12(土) 17:37:10 ID:???
「ハハハ。怖いな委員長」
 冗談交じりに言って、別府君が笑う。ほら。変な印象植え付けられたじゃない、と私
は内心舌打ちする。
『もう、いい加減邪魔しないで向こう行ってなさい。いいわね?』
 強い口調で大輝に命令すると、大輝は不満そうに口を尖らせた。
「何だよ。せっかく姉ちゃんの面白い話が出来ると思ったのに。つまんね」
『人をネタにして面白がるんじゃないわよ、このバカ!!』
 リビングから出て行く大輝に後ろから怒鳴りつけてから、私は両肘を膝の上に乗せて
前屈みの格好でため息をついた。
「ゴメン。何か、余計な事色々話しちゃったみたいで」
 済まなそうな顔で謝る別府君を見て、私は軽く首を横に振る。
『いいわよ。元々は家に上げた母と、余計な事ばかりしゃべる大輝が悪いんだから。も
っとも、それに乗った別府君にも責任ないとは言えないけどね』
 それを聞いて、うぐ、と別府君が呻く。どうも私には、多少なりとも別府君のせいに
する癖が付いているようだ。これは少し、反省する余地がある。
「だからゴメンって。それより、委員長少し疲れてない?」
 もう一度頭を下げてから、今度は気遣うような顔をして、別府君が私を見た。
『うーん……そうね。少しは……』
 言いかけて、私ははたと迷う。ここで疲れたと言ってしまったら、別府君が帰ってし
まうのではないだろうかと。それは残念だが、しかし一方ではこのまま家にいられると、
私の本性がますます明らかになってしまう危険性も十分にある。葛藤の末に、私は決めた。
「どうしたの?」
 途中で言葉を切った私を不審に思ったのか、別府君が聞いてくる。それに私は首を振っ
て言った。
『ううん。やっぱりちょっと疲れてるみたい』
 口に出してしまってから、やっぱり少し後悔する。しかし、すぐに私は思い直した。
こんな状況で下手に本性を曝け出すくらいなら、今日は我慢した方がいい。これできっ
かけは出来たんだし、欲張らない方がいいと。
「そっか。やっぱり病み上がりだもんね。ちょっと、無理させちゃったかな?」
 予想通り、申し訳無さそうな顔を見せる別府君に、私は首を横に振った。

5265/7:2012/05/12(土) 17:37:33 ID:???
『無理してるって思ったら、その時点で即、お帰り願ってるわよ。何で私が別府君相手
に無理して接待しなくちゃならないのよ』
「アハハ。そりゃ、確かにそーだ」
 いつもと変わらぬ毒舌を吐いた私に、別府君が安心したように笑う。それから、傍に
置いてあったバッグに手を掛けて引き寄せた。
「でも、いつまでも委員長に相手させて、万が一ぶり返させたらマズイし。今日はここ
で失礼することにするよ」
『そう。なら、玄関まで送るわ』
 努めて冷静に、私は頷いて立ち上がった。続いて別府君も立ち上がり、キッチンの方
に声を掛けた。
「すみません。今日はお世話になりました。お茶とお菓子ありがとうございました。美
味しかったです」
 すると、母が顔を出し、笑顔を見せた。
『あら? もう帰っちゃうの。ごめんなさいね、大したおもてなしも出来なくて』
「いえ。とんでもないです。本当にご馳走になっちゃって」
 ペコリと別府君が頭を下げた。普段、学校でしか見てないからか、私は意外と礼儀正
しい一面を彼が持っていることに驚くと共に感心する。
『いいええ。良かったらまた遊びに来て。涼香も喜ぶでしょうし』
「喜ばないわよ」
 典型的な挨拶の言葉とはいえ、我慢出来ずに小さくツッコミを入れると、即座に母の
お叱りが飛んで来た。
『こら、涼香。そういう事は言わないのっ!!』
『知らないわよそんなの。大人の嘘に付き合ってられないわ』
 ツン、とそっぽを向く私に、母が呆れた声を出した。
『全くこの子ってば、いつまで経っても子供なんだから。少しは別府君のしっかりした
態度を見習いなさい』
「あ、いえいえ。僕の方こそ委員長――涼香さんには、いつも迷惑ばかり掛けてますから」
 私はチラリと横目ではにかんだ笑顔を見せる彼を見た。今ちょっと、名前で呼ばれた
事にドキリとしてしまったのは秘密だ。
『もういいでしょ。行くわよ』

5276/7:2012/05/12(土) 17:37:56 ID:???
 別府君の方に手を伸ばし、手首を掴むと私は軽く引っ張って促す。
「あ、ああ。それじゃあすみません。今日はこれで失礼します」
 もう一度お辞儀をする別府君に、母は微笑みながら頷いてみせた。
『ええ。じゃあまた、是非』
 二人のやり取りを終えるまで待ってから、私と別府君は玄関に戻った。無言で靴を履
く別府君を、私も無言で見守る。それから立ち上がると彼は、私に向き直った。
「今日はゴメン。軽くお見舞いというか、様子窺うだけのつもりだったのに、却ってい
ろいろとお世話になっちゃって」
『……まあ、仕方ないわ。悪いと思ってるなら、私が学校に出てから、何か軽い埋め合
わせでもして。それで清算にしましょう』
 無愛想な言い方をしたが、私はちょっぴり期待を込めてはいた。これでまた一つ、別
府君と繋がりが保てる。彼とこうして約束を続けていければ、少しずつ、親密度も増し
ていけるのかもしれない。
「了解。それじゃあ、委員長が気を遣わない程度のお礼を何か考えとくよ」
 ニッコリと笑って頷く彼に、真顔で私も頷き返す。
『急ぐ必要はないわ。どのみちそんなに期待もしてないし』
「そんな事言わないでくれって。まあ、期待され過ぎても文句言われるから困るけど、
少しくらいは期待してくれた方が、こっちもやる気出るってもんだぜ」
『だから、そんなに、って言ったのよ。分からない?』
 言い方によって受け止められ方が変わるけど、ほぼ同じ意味の事を言っていると仄め
かすと、それに気付いて別府君が頭を掻いた。
「いや、ゴメン。まあ、その……そういう事ならいいんだ。うん」
 済まなそうな態度で謝る彼を見るといつも、もう少し柔らかな物言いすれば良かった
かなと反省する。しかし、いつもそれは、口に出してしまった後の事だ。軽く自己嫌悪
に陥りつつ、だから私はいつものように、それにはもう触れずに話を先に進める。
『まあ、明日からは普通に学校行けるから。もう安穏とした日々はないと思いなさいよね』
 私としては冗談交じりに言ったつもりだったのだが、全くユーモアがなかったらしく、
別府君は慌てて手振りでそれを否定した。
「いやいやいや。今までもちゃんとやってたから。ホントだって。明日来れば分かるし」

5287/7:2012/05/12(土) 17:38:24 ID:???
 私はフン、と鼻を鳴らす。半分はその言葉の信憑性を疑って。残りの半分は冗談が下手くそだった事に対して。
『そうね。じゃあ、明日を楽しみにしてるわ』
 私の言葉に、別府君が頷く。それがキッカケになって、彼はバッグを肩に掛けて手を
軽く上げた。
「ああ。それじゃあ……また、明日な」
『ええ。また明日ね』
 別府君がクルリと踵を返す。玄関のドアハンドルに手を掛け、回す。そして、私の見
ている前で、彼はゆっくりと外に出て、最後に私の方を振り返って笑顔で手を振ると、
ドアを静かに締めた。



続きます。

529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/13(日) 01:11:15 ID:???
慌てるいいんちょは可愛いのう
GJ!!

5301/3:2012/05/20(日) 02:09:28 ID:???
【ツンデレと一緒に弁当を食べたら】

 昼休み、とある人物を探して中庭をぷらぷら歩いてると、目的の人物を木陰で見つけた。
「よっす先輩」
「…………」
 先輩は俺を一瞥しただけで、視線を元に戻してしまった。
 小学生みたいな見た目だが、驚くべきことに年上だ。そんな先輩が足を投げ出し、芝生の上に座り込んでいる。そして、そのちんちくりんな体躯とは正反対の大きな弁当箱を広げていた。
「今日も弁当箱がでけーな。隣いいか?」
「…………」(ぷるぷる)
「許可を得たので座らせてもらおう」
 先輩が『許可なんて出してない』という感じのじとーっとした視線を向けてきたが、気づかないフリをしつつ先輩の隣に腰を下ろす。
「俺も飯を食いに来たんだ。先輩、よければ少し俺の弁当と交換しないか?」
 先輩はしばし逡巡すると、こっくりうなずいた。
「よし、この漬物を生贄に捧げ、先輩のハンバーグを召喚する!」
 先輩が俺の手をかじりだしたので、トレードは拒否されたと見ていいだろう。この先輩は八重歯が異常に尖っており、野生動物に噛まれるが如き痛みなので噛まないで欲しい。
「あいたた……分かった、分かったよ。先輩、どれ食べたい?」
 弁当箱を見せると、先輩は腕を組んでじっくりと考えだした。その隙に先輩の弁当を見る。なんか全体的に茶色い。女の子の食う弁当じゃない気がする。でも美味そうだ。コロッケをひとついただく。
「……? ……っ!!!」
 ばれた。先輩は俺の口元のコロッケを見て、驚愕の表情を浮かべている。
「あ、いや、おいしそうだったので、つい。てへ、ごめりんこ☆」
「…………」
 静かに先輩が涙をこぼした。
「うええっ!? ごっ、ごめん先輩! まさか泣くとは思わなくて! 俺が全面的に悪かった! だからどうか泣き止んで!」
「…………」
「えっ? 弁当全部くれたら許すって? ……いや先輩、流石にそれは……」
「…………」(涙じわーっ)
「分かった、分かったから泣かないでっ!?」
 そう言うなり、先輩はニコーっと笑った。嘘泣きなのか。魔女め。
 とはいえ、言ってしまったものは仕方ない。粛々と先輩の弁当箱を渡す。
「♪」

5312/3:2012/05/20(日) 02:09:49 ID:???
 先輩はご機嫌な感じで俺の昼飯をもがもがと貪り出した。
「はぁ……なんてこった。折角先輩と一緒に飯を食おうと思ったのに、よもや昼抜きになろうとは……」
 先輩の動きがぴたりと止まった。
「ん? どした先輩?」
「…………」
「え、わざわざ私とご飯食べに来たの、って? あー、うん、まあそのような感じ。結果はけんもほろろだけどな」
 先輩はしばらく黙って何やら考えた後、俺の弁当箱を勢い良くこちらに向けた。慣性の法則により、中の漬物がどういうわけか俺の両目にうまいこと直撃、前が見えねえ。
「目が、目がぁ〜!」
「……! ……!」
 痛くて目を開けられないが、何やら先輩が慌てている気配を感じる。
「大丈夫だ先輩。味は抜群だが目に入ると失明する恐れのある添加物を入れた漬物が目に当たってしまったが、大丈夫だ」
 先輩の慌てっぷりが増した気配がする。
「嘘だよ、嘘。今日も先輩は騙されやすくていいなあ」ナデナデ
「…………」(がぶがぶ)
 目を拭いて先輩の頭をなでたら、復讐とばかりに噛まれた。
「それにしても、よもや慣性の法則アタック(属性:漬物)をしかけてこようとは。今日も先輩は侮れないな」
 ぽふりと先輩の頭に手を乗せつつうんうんうなずいてると、『そんなつもりじゃない』という呟きが耳に届いた。
「で、どしたんだ? 弁当箱をこっちに向けたりして」
「…………」
「え? 一緒に食べる? いやでも先輩、さっき俺の弁当全部よこせって」
「…………」(ぷるぷる)
「いや、ぷるぷるじゃなくて、さっき」
「…………」(ぷるぷる)
「……はぁ。言ってないのな?」
 先輩は無表情にコクコクうなずいた。
「んじゃ、改めて一緒に食うか、先輩?」
 先輩は小さな笑みを浮かべながら、再びコクコクうなずいた。
「相変わらずロリ心を刺激する物体だなあ、これは」ムニムニ
「……! ……!」
 なんか可愛かったので先輩のほっぺを引っ張ったら怒られた。

5323/3:2012/05/20(日) 02:10:09 ID:???
「ロリ心なんて刺激するはずない? ないすぼでーなお姉さんをいじめるな? 先輩、無乳はないすぼでーではないと何度言ったら」
 先輩の胸は貧乳を通り越して隆起など皆無と言っていいほどつるぺたなので、いつもこのように俺にいじられる。
「…………」(がぶがぶ)
「先輩、痛い」
 そしていつものように俺の背後に回って頭をかじるので、やめてほしい。
「まったく、先輩には困ったものだ」
 戻ってきた先輩の猿もかくやと思える動きで確保し、膝に乗せて抱っこ。しかるのち頭をなでなで。この一連の所作大好きです。
「…………」
「抱っこするな? そうしたいのは山々なんだが、断る」
「…………」
 先輩が普通に絶句した。
「それにしても先輩は可愛いな。娘とかにしてえ」
「…………」
「娘じゃなくて彼女? いやいや、俺と先輩じゃどう見ても親子にしか見えないだろう。あ、大丈夫です、俺には娘萌えも備わっていますから!」
 先輩が俺をクソ虫を見る目で見てきた。
「…………」
 それどころか実際に言われた。
「なんでこの小さいのは見た目は可愛いのにこんな口が悪いかなあ」
 とりあえず復讐とばかりに先輩のほっぺを引っ張る。
「…………」
「触るな変態? そう言うがな、先輩。俺はいつだって先輩を触りたいし、そして変態なのはもう諦めてください」
 先輩の目と口の動きが俺をクソ虫だと言い切る。
「ええい、口の悪いちびっ子め。そんな口が悪いといたづらしないぞ!」
「……! ……」
 一瞬焦った先輩だったが、好都合だったことがばれたようで、死ねと言われた。
「……分かった、俺も男だ。あと7、80年後に死ぬよ」
「…………」
「寿命禁止? なんて厳しい。とりあえず飯でも食いながら俺の死因を探さないか?」
 といった感じで、今日も先輩と一緒に仲良く弁当を食ったのだった。

533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/20(日) 10:22:02 ID:???
>>532
ロリッ娘無口先輩可愛いなあ
GJ!!

534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/20(日) 14:56:37 ID:???
ロリっ子に腹上死しられるとか胸熱

535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/20(日) 22:45:53 ID:???
週刊いいんちょ

>>521-528の続きです

5361/4:2012/05/20(日) 22:46:20 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その5

『フゥ……』
 緊張が一気に解け、私はその場に腰を下ろした。
『全く……生きた心地がしなかったわよ……』
 何だか電池が切れたかのように疲れが襲ってくる。しかし、まだこの疲れに身を委ね
る訳には行かない。やる事がまだ残っているのだ。
『友紀に電話して、思いっきり文句言ってやらなきゃならないけど、とりあえずそっち
は後にして……と』
 もう一度気力を奮い起こすと、私は立ち上がってリビングへと戻った。
『大輝っ!!』
 私達が出た後で、リビングに戻ってマンガを読んでいた大輝に、私は怒鳴った。
「何だよねーちゃん、うるさいなー」
『うるさいな、じゃないっ!!』
 つかつかと早足で大輝に近付くと、前屈みに睨み付けた。
『アンタね。何だってクラスの男子の前で、人のプライベートをいちいちしゃべろうと
すんのよ。デリカシーが無いにも程があるわっ!!』
「だーって、ねーちゃん面白かったんだもん」
 マンガを置いて私を見上げた大輝の顔には、からかうようなニヤニヤ笑いが張り付いていた。
『面白いって何がよ?』
 返答次第によってはただでは置かないと凄みを利かせるも、大輝は全く意に介す事な
く、人のモノマネをする。
「……別に。ただ面白いから面白いって答えただけよ。何か問題でもあるのかしら?」
『ぐぬぬ……』
 澄ました顔で、クールな私を演技してみせる大輝に、私は思わず歯噛みした。大輝の
バカにした態度を、どうやってとっちめてやろうかと考える。
「ねーちゃんって、学校であんななんだな。お澄まししてれば美人に見えるってもんで
もねーのに」
 その言葉に、ついに私の怒りは頂点に達した。

5372/4:2012/05/20(日) 22:46:42 ID:???
『この……大輝いーっ!!』
「おわっ!? な、何すんだよねーちゃん」
『何すんだじゃない!! 散々人をバカにしてっ!! 姉をバカにするとどうなるか、
思い知らせてやるわっ!!』
 とにかく大輝をとっ捕まえて、痛めつけなければ気が済まない。スルリと私の腕を抜
けて逃げる大輝を、私は素早く追いかける。
「ちょっ!! ねーちゃん、まだ暴れちゃダメだろが!! 病人のクセに」
『うるさい知ったことかあっ!! そう思うんだったら大人しく捕まんなさい!!』
「冗談言うなよ。姉ちゃんてば、下手に手加減知らないんだから」
 キッチンを抜けて廊下に逃げる大輝を、駆け足で追うと母の怒声が背中に飛んで来た。
『ちょっと!! 何やってんの二人とも!!』
「大輝捕まえるだけ!! すぐ済むから」
 そう言葉を投げ返しつつも、私は手を伸ばして大輝を捕まえようとする。廊下の入り
口では失敗したが、玄関脇にある二階への階段を上ろうとしたところで大輝がけつまずく。
「あイタッ!!」
 ぶつけた足を押さえたその瞬間を逃さず、私は大輝の服を掴む。そのまま引き寄せて
背後から抱きかかえる。
『さあ、捕まえたわよ。どうしてくれようかしら』
 生意気な弟を〆るために、痛めつける方法はいくつも勉強している。その場で引き摺
り倒して私は、大輝をガッチリ捕まえる。
「離せよ、バカ。離せってば!!」
『自業自得よ。さあ、何がいい? こめかみに梅干しやってみる? それとも、顔面マッ
サージとか』
 軽めに指で大輝の眉間の脇をグリグリマッサージしてやると、大輝が痛みで身をよじった。
「痛いってば、ねーちゃん!! 止めろよな」
『こんな程度で止めるわけないでしょ? クラスの男子の前で人に恥かかせるような真
似して、絶対に許さないんだからね』
「アイテテテテテ!!」
 足で体をホールドしてから、背後から両手を使って顔面のツボを思いっきり押してや
る。これって自分でもやった事があるが、かなり痛いのだ。

5383/4:2012/05/20(日) 22:47:02 ID:???
『ほら。まずはキチンと謝れ。じゃないともっと痛めつけるからね』
「痛い痛い。痛いってば!!」
 私に似て、大輝も結構頑固だから多少痛めつけたくらいじゃ折れないのは承知の上。
そう思って更に力を込めたところで、再び母の怒声が響き渡る。
『アンタ達いい加減になさいっ!! 玄関先で何ふざけてるの。特に涼香。アンタ病み
上がりなのよ? 分かってる?』
『分かってるってば。けど大輝が――』
 言い返そうと口を開くが、途中で母の怒鳴り声にかき消される。
『けどじゃありませんっ!! 大体、玄関先でなんて、よその人に見られたら……』
 母の声のトーンが急に下がり、言葉が掻き消えて行く。驚いたような母の顔に、私は
咄嗟に玄関の方に振り返り、そして凍りついた。
『あ……』
「す、すみません。あの、ベル鳴らしたんだけど……」
 玄関先に立っていたのは、もうとっくに帰ったはずの、別府君だった。
『あ……あ……』
 言葉が何にも出て来ない。思考が物凄い勢いでグルグルと回るが、上手く考えがまと
まらない。
「ちょっと、携帯忘れちゃって、それで……いや、あの、無断で入るつもりはなかった
んだけど……いるはずなのに、全く返事がなかったからおかしいなって……それで……」
 言い訳めいた別府君の言葉も、全く私の思考に届かなかった。混乱した頭が徐々に一
つの重大な結論に辿り着く。それは――
――別府君に見られた。別府君に見られた。見られた。別府君に――
『い……やあああああああっ!!!!』
 私は大輝の事なんて忘れて立ち上がると、早くこの場から消え去りたい思いで、一目
散に階段を駆け上がった。そのまま、自室まで辿り着くと、部屋のドアを開けて飛び込
み、勢いよくドアを閉めて外界を遮断してから、私はベッドに飛び込んだ。
『何で…… 何で別府君がいるのよ……信じられない……』

5394/4:2012/05/20(日) 22:47:32 ID:???
 これで、クールで理知的なイメージは台無しになってしまった。別府君がみんなに言
うかどうかなんて問題じゃない。人前で話すのが苦手なのを逆手に取って、中学に入っ
た時から積み上げてきた学校での自分の姿。それをよりにもよって別府君の前で、崩壊
するような事をしてしまった。
『もうダメ……絶対変に思われる…… もし、別府君が今までの私を少しでも好きでい
てくれたとしたら、幻滅したに決まってる……』
 恥ずかしくて恥ずかしくて、私は堪え切れずに悶絶した。自己嫌悪で死にたくて堪らない。
『あああああっ!! 友香にだって見せたことないのにぃ……何でバレるのが別府君な
のよ。もうヤダ……ヤダヤダヤダッ!!』
 別府君の、驚いた顔を思い出す。その表情から察せられる彼の考えまでは分からない
けど、よく思うなんてないはずだ。
『うぐぅ…… 明日っから、学校行けないよ……もういっそ、このまま休み続けちゃおうかな……』
 別府君の事だから、あからさまにはバカにしないだろうけど、もう彼の目の前で凛々
しい態度を取った所で、見せ掛けの演技だってのがバレバレになってしまう。それが分
かってるのに、今までのように接するなんて出来ない。
『どうしよう……それとも、いっそ転校とか……』
 自分の思い付きを真剣に考えてみようと思った、その時ドアが静かにノックされた。
『うるさい。一人にして。今誰とも話したくない!!』
 どうせ母親だろうと突っ撥ねたが、返って来たのは、意外な声だった。
「委員長。いい?」
 その声は、別府君の声だった。


続く

540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/21(月) 00:42:15 ID:V.joO6BI
GJ!
委員長かわいい

541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/21(月) 00:54:59 ID:???
委員長かわゆいなあもう

542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/21(月) 01:20:57 ID:???
怒った委員長もかわいいよちゅっちゅ

5431/2:2012/05/31(木) 19:30:51 ID:???
【ツンデレを後ろからなでたら】

 だらりだらりと登校してると、見覚えのある頭がゆらゆらしてたので、後ろからなでてみた。
「……この手の動き、そしてこの放射される波動。タカシとみた」
「当たり」
 頭がくるりと振り返る。見慣れたちなみの顔が現れた。そのままなでり続行。
「つーか、なんだ波動って」
「……タカシの手から放たれる殺人光線?」
「知らぬ間に殺人鬼に成り果てていようとは。ちなみ、俺がこれ以上罪を重ねないよう、その手で俺を止めてくれ……!」
「分かった。殺す」
「少しくらいためらいがほしいですよね」
「……うーん。よし、殺す」
「葛藤が軽い! 愛しの人を殺すのだから、もうちょっと悩んで!」
「……別に愛しくない。むしろ、タカシがいない方が世界のためだ」
「酷い言われようだ」
「……タカシがいないと、世界中のようじょがのびのび出来て幸せだ」
「別に今でものびのびすればいいのに。さんはい」
「……私はようじょではない」
「小さいのに?」
「……小さいのに」
 そう言いながら、さりげに俺の足をグリグリと踏んでくる。気にしていないようで気にしているようだ。
「……中学生に間違われるのはともかく、小学生に間違われるのはありえない」グリグリ
「その怒りをここで発散しないで」
「……背か? 胸か?」
「どっちもです」
「…………」グリグリグリ
「そろそろ足の甲に穴が空きそうな具合です」
「……ヒモを通して携帯するのに便利」
「非常食扱いするのやめてください」

5442/2:2012/05/31(木) 19:31:11 ID:???
「……なら、いい加減私の頭をなでるのを止めるべき」
「ん? おお、そういえばずっとなでてたね」ナデナデ
「……無意識の領域か。今日もタカシは私が好き過ぎる。その想いが届くことなど未来永劫ありえないというのに」
「いや、別に好きではないです」
「…………」グリグリグリグリッ
「痛い痛い痛いっ! 踏むな! 百歩譲って踏んでいいとしても、踵で踏むな!」
「……私のことを好きなくせに好きじゃないフリをする。……ツンデレとでも呼んで欲しいのか」
「いや、だから別に」
「……やーいツンデレ。ばればれだっちゅーの」
「いや、古すぎるうえ、胸をよせてもお前には無理だ。0はいくらかけても0のままなんだ」
「……貧乳が好きなくせに、貧乳を貶める。……こんなところにまでツンデレの弊害が」
「お前もうツンデレって言いたいだけだろ」
「……少し」
 なんでちょっと恥ずかしそうなんだ。
「まあいいや。ほれ、一緒に行こうぜ」
「……でも、一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし」
「ときメモるな。そして今は下校ではなく登校中だ」
「……じゃあ安心だ」ギュッ
「ええっ!?」
「……うるさい」
 迷惑そうな顔でじろりと睨まれた。いやしかしそれどころではなくて!
「な、なんで手を握るのでせうか」
「……一緒に学校に行く場合は、友達に噂とかされないので恥ずかしくないから」
「いや、手を握ったりなんてしたら噂はされると思うのですが」
「……それは盲点だった」
「しまった、こいつ思ったより馬鹿だ!」
「……そういうこと言うと、手を離す」
「なるほど、じゃあ言わない」
「……ん」
 そんなわけで、なんか知らんがおててつないで学校へ行くことになった。でもちなみの手がやわこいからいいや!

545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 00:16:20 ID:???
ちなみんは可愛いなあ

546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 23:32:49 ID:???
ふにふにのおててにぎにぎしたい

547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/02(土) 11:39:51 ID:???
ちょっと間が空いたけど、>>535-539の続き


……先週投下した気でいたけど、投下準備だけして出掛けてしまった事にあとから気付いたぜと

5481/5:2012/06/02(土) 11:40:33 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その6

 私はガバッと体を起こしてドアを見る。しかし、次の瞬間には再び、毛布を頭から被っ
て両耳をも覆った。
『良くない!! お願い、帰って。今、会いたくないの!!』
 しかし、私に拒否されたくらいでは、別府君は諦めなかった。
「話がしたいんだ。その……何で逃げ出したのかとか、聞きたい事もあるし…… もし、
何か勘違いしてるんだとしたら、その……誤解は解いておきたいから……」
『別に誤解なんてしてないし、見ての通りよ!! もういいでしょ? 帰ってよ。ね……』
 別府君の声を聞くと辛くて堪らなくなる。これ以上、傷口を広げないで欲しい。何で
学校では演技してたのかとか、事情を説明すればするだけ、自分のダメな部分を知られ
ていくだけだ。しかし、耳を澄ませても別府君が一向に立ち去る音はしなかった。
『……どうして帰らないのよ。帰ってって言ってるのに』
 ドアの向こうの彼に問い質す。ややあって、別府君の答えが返って来た。
「……だってさ。このまま別れたら、明日から絶対気まずくなんじゃん。それはちょっ
とイヤだなって思って。だから、ちゃんと話しておかないと」
 別府君が気にして声を掛けに来てくれたのは、それはそれで嬉しい。だからと言って、
気まずくならないなんて無理だ。彼はともかく、私の方が顔を合わせられない。だから
私は、無愛想な口調で突っ撥ねた。
『別に話す事なんて……何もないわよ。見ての通りだもの。好きに思ってくれていいわよ』
 一瞬、彼の返事まで間が空く。このまま帰ってしまうのではないかとドキリとしたが、
少し経ってから、落ち着いた声で別府君の返事があった。
「……じゃあ、好きなように思っていることを話すからさ。独り言だから、委員長が聞
きたくないって言うのなら、聞かないでもいいよ」
 こういう言い方ってズルイと思う、と内心私は愚痴を言う。だって、聞かなくていい
なんて言いながら、気を引く方向に持って行くんだから。しかし、私は何も言わずに黙
って次の言葉を待った。ややあって、彼が言葉を続ける。
「……委員長はさ。イメージが崩れたとか、そういうのを気にしてるんだと思う。いつ
も冷静で凛々しくて、キリッとしている女性に憧れていて、そうなりたいと思っている
から、理想から離れた、家での自分を見られたくなかったってそういう事なんだろうなって」

5492/5:2012/06/02(土) 11:40:53 ID:???
 別府君の言い分は、当たらずとも遠からずという所だった。私は単に臆病な自分を隠
したかっただけで、彼の持つイメージは後から付いて来たものだ。だけど私は敢えて否
定しようとはせず、黙って彼の言葉を聞き続けた。
「けどさ。誰だって普通は、家と外では全然違う自分がいると思うんだ。もちろん俺だっ
てそうだし。だから、そんな事でおかしいとか、みっともないなんて、そんな事は全
然ないと思うよ」
『……本当に、そう思ってるの?』
 私は立ち上がり、ドアの向こう側の彼に向かって聞く。少しでも動揺が声に出ている
ようなら、信用しないと決めて。しかし、彼の答えは明確だった。
「うん。思ってるよ。それに、素の自分を見られるのが恥ずかしいって言うのは、それ
も分かってるし。けれど、俺は委員長が家では弟とふざけ合ったりしてたとしても、そ
れはそれで当たり前の事だと思うし、そういう委員長も新鮮でちょっといいかなとも思ったり」
『え?』
 褒められるとは想像もしていなかったので、私は驚いて聞き返した。すぐに別府君の
答えが返ってくる。
「いや。そういうギャップもいいかなって。学校ではクールで真面目な委員長が、本当
に親しい間柄の人の前では感情を表に出して笑ったり怒ったりするってのもね。それに、
根っ子の生真面目さは全然変わってないし」
 最後の一言に、ちょっと笑いが含まれているのを敏感に感じ取り、私は少しムカッと
した気分になり、不機嫌そうに聞いた。
『……それって褒めてるの? それともからかっているの? どっちよ?』
 すると一瞬間が空き、それから慌てたように別府君が弁解してきた。
「いやいやいや。可愛いなって褒めてるんだって。ただ、話してるうちに今日の委員長
の態度を思い出してさ。家での自分をダメだなんて思うところまで、いかにも完璧主義
の委員長らしいなって思ったら少しおかしくなっただけで」
『やっぱり、ちょっとバカにしてる。可愛いってごまかしてるけど、本当は面白いのが
正解なんじゃないの?』
 可愛いと言われた気恥ずかしさから、それをつい否定して私の頭はバカにされてる方
へと転換してしまう。しかし、今度はすぐさま別府君も否定し返してきた。

5503/5:2012/06/02(土) 11:41:13 ID:???
「本当だって。今にして思えば、地を出すまいと弟さんの前で頑張ってたんだなって分
かるとさ。それも余計に可愛く思えてきて」
『嘘よ。絶対からかってるわ』
「嘘じゃないってば。ドアを開けて、俺の顔を見てくれよ。マジだって顔してるから」
 その提案に、私は躊躇する。こんな状態で面と向かって別府君と相対したら、恥ずか
しくて死んでしまうかもしれない。けれど、このままじゃお互い譲れないまま、引くに
引けない状況が続くだけだ。
「大丈夫だって。俺は嘘は一言も言ってないから。せめて、俺の言う事を信用して貰え
ないと、俺もスッキリした気分で帰れないんだよ」
 最後は懇願するような口調で、別府君が説得して来る。まだ心のどこかで――いや、
むしろ全てが、恥ずかしさから逃げ出したくて仕方が無いが、同じくらい別府君の顔を
見たくなっている自分もいた。少し葛藤した後、私は決意する。
『……分かったわ』
 小さく、同意の言葉を口にして、私はドアに手を掛けた。恐る恐る、僅かにドアを開
け、隙間から別府君の姿を窺う。
「よう」
 何だか、朝の挨拶をするような気軽な口調で、別府君が片手を上げる。
『……何それ? 今日初めて会った訳でもないのに』
「いや。何となく……」
『何となくって、意味わかんないわよ。それ』
 つい、呆れたように言うと別府君は照れたように笑った。別府君も、あらたまって会
うのが恥ずかしかったのかも知れないなと思うと、何故か安堵の気持ちが湧き上がって
来る。
「ゴメン。で、どう?」
 諸々省略して、いきなり答えを求めて来た彼を、私はわざと訝しげに見つめる。
『どう?って、何がよ』
 すると別府君はたちまち困ったような顔になり、あたふたと周囲を見たり、頭を掻い
たりしてから、私の方を窺い見て、小さく聞いてきた。
「えっと、その……俺の事が信用出来るかどうかって話。もしかして……もう一度言わ
なきゃダメだとか?」

5514/5:2012/06/02(土) 11:41:33 ID:???
 それに私は、もっともらしく頷いてみせた。
『当然でしょう? ちゃんと私の顔を見て、キチンと言ってくれなきゃ判断材料になり
はしないわよ。今のこの顔だけ見て判断しろだなんて、出来る訳ないでしょう』
 我ながらちょっと意地悪いかなとは思う。しかし、あんな自分を見られてしまった後
で、こうして面と向かい合うだけでも、私にとっては相当恥ずかしいのだ。彼にだって、
同じような思いをしてもらわなきゃ、割りに合わない。
「……っと……分かったよ。じゃあ、もう一度言うからさ。ちゃんと聞いててくれよ?」
 渋い顔つきで一言前置きをして、コホンと咳払いをしてから彼は顔を上げた。その顔
には、さっきまでの照れ臭そうな様子だとか冗談めかした様な様子は一切なかった。
「……少なくとも俺は、家での委員長もありだと思う。っていうか、普通だと思うし、
むしろああいう感情を表に出してる委員長も可愛いと思ってる。本当の事だし、信じて
欲しいとも思ってるよ」
 全部を言い終えた後、別府君は僅かに視線を落とした。しかし、照れ臭そうに笑った
りはせず、むしろ不安げに私の様子を見守っていた。私はといえば、面と向かって可愛
いなどと言われ、恥ずかしくて全身が熱くて身悶えしたいくらいなのを、懸命に抑えていた。
「……どう? これでも、信じてくれないかな?」
 私の返事が無い事に焦れたのか、別府君の方から答えを催促してくる。私はその間、
一生懸命彼の言葉を反芻し、答えを言おうと努力していたのだが、途中でふと、別の疑
問が湧き上がって来た。答えは決まっていたのだが、その前にまずそれを確かめてみよ
うと決意し、私は顔をうつむかせたまま、小さな声で言った。
『……答えを言う前に……一つ、聞いていいかしら?』
「何?」
 反射的に答える彼の顔が見れないまま、私はそのまま質問に入る。
『……むしろ、普段の学校での私は……別府君にはどう思われていたのかしら?』
 彼の姿を見ていないから分からないが、空いた間が、彼の動揺を窺わせた。少し経っ
て、彼の返事があった。
「えっと……でも、それはさっき弟さんがいる前でも話したと思ったけど――」
『あれはダメ!!』
 強くキッパリと言い切ってから、私は顔を上げて彼を見た。

5525/5:2012/06/02(土) 11:42:08 ID:???
『だって、あんなのよそ行きの答えじゃない。今は私と二人きりでしょう? だから、
ちゃんと本音で話して。家での私を、認めてくれたみたいに』
「一応、嘘は言ってないつもり何だけどなぁ……」
 困ったように、彼は頭を掻く。しかし、その言葉尻を突いて、私は更に追及した。
『嘘は言っていなくても、全部は話していないって事でしょう? なら、キチンと全部話して』
 私をチラリと見て、それからまた、別府君は視線を逸らす。少しの間、迷っていたが、
やがて小さく首を振って顔を上げ、私を見つめて答えた。
「まあ、綺麗だよなって思ってた。目鼻立ちやスタイルがっていうのもあるけど、全身
にまとっていた雰囲気がさ。だけど、若干近寄り難いってのもあったかな」
 近寄り難い、というのは正解だと思う。何故なら、人とのコミュニケーションが苦手
な私が、まさに身につけたかった事だから。それでも、別府君はかなりしゃべり掛けて
来た方だと思っていたのに、やはり彼でもそう感じていた事にちょっと驚く。
「まあ、そんな訳だけど…… 今日のでやっぱり、ちょっと印象変わったかな。うん」
『どういう風に?』
 彼が言葉を切ったので、私が先を促す。少し間を置いてから、頷いて彼は答えた。
「昨日までより、親しみやすくなったなって。だからって、学校での付き合い方を変え
る気はないけどさ。何ていうか、こういう可愛い所もあるんだなって知ったおかげで、
気後れせずに話せるようになった気がする」
『……あんまり、可愛いとか言わないでよ。自分では似合ってないと思ってるんだから……』
 不満気に文句を言うと、別府君は初めて、小さく笑った。
「ゴメン。でも、ホントだよ」
『バカ……ッ!!』
 真顔でこんな事を言われて、嬉しくならない女の子なんていない。ましてや、以前か
ら気になっていた男子に言われたら余計だ。
「で、どう? 今のことも含めて、俺の言ってる事信じてくれたかな?」
 もう一度彼が、今度は堂々と私の様子を窺うように聞いてくる。多分、恥ずかしい事
を言わされて却って気持ちが開き直ったのだろう。一方で私は、聞いたせいでより恥ず
かしくなってしまった。しかし、もう逃げる事は出来ない。それなのに、私はこの期に
及んで悪あがきをした。
『……答える前に、二つ……条件を付けてもいいかしら?』


続く

553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/02(土) 15:38:21 ID:???
うへええええGJ!

554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/02(土) 20:42:34 ID:???
いいんちょぺろぺろ

555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 00:52:52 ID:???
先週サボったので、今週は二回目のいいんちょ
>>547-552の続き

5561/4:2012/06/04(月) 00:53:46 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その7

「また?」
 特に嫌そうでもなく、ごく自然な感じで首を傾げる彼に、こっちの方が恥ずかしくなっ
て、私はつい憤慨してしまう。
『いいでしょう別に!! こっちだってもう十分、知られたくないこと曝け出しちゃっ
ているんだから!!』
「分かった分かった。とりあえず言ってごらんよ」
 両手で私を制し、別府君がなだめてくる。とにかくも、聞いてくれると言ってくれた
ので私は矛を収め、髪を軽くかき上げてから言った。
『……一つ目は、家での私の事は、誰にも話さないで。やっぱり、あんまり人に知られ
たくない事じゃないから』
 これは即答で了承されるかと思ったのに、意外と別府君が難しそうな顔をしているの
で、私の心に疑念と不安が湧いた。
『どうしたの? まさか、誰かに話すつもりだったとかじゃないでしょうね?』
 すると慌てて別府君がそれを否定する。
「いやいやいや。そんなつもりは無いし、決して揶揄したり面白おかしくうわさ話を広
めたりするつもりもないから」
『じゃあ、何で答えを迷ったりしたの?』
 そこを追求すると、彼は少し気恥ずかしそうに顔を背けて、小さく答えた。
「いや、その…… もし誰かがさ。委員長って冷たくて近寄り難い感じだよなって言っ
たら、そんな事はないよって。委員長ってこういう可愛らしい所もあるんだよって反論
しちゃいそうだなって思ってさ」
『そんなの、絶対にダメ!!』
 私は慌てて、別府君を制する。それならまだ、バカにされた方が余程マシだ。別府君
に可愛らしさを主張なんてされたら、本当に恥ずかし過ぎて学校に二度と行けなくなってしまう。
『いい、分かった? どんな状況であれ、家での私を人に話したりしたらダメだから
ね!! 条件云々係わらず』
「わ、分かった。分かったよ!! 何とか努力してみせるからさ」

5572/4:2012/06/04(月) 00:54:23 ID:???
 今にも掴みかからんばかりに詰め寄る私に、別府君はたじたじとなってニ、三歩交代
しつつ、何度も頷く。
『本当よね? 約束だからね?』
 それに頷くのを確認して、ようやく私は元の落ち着きを取り戻し、彼との距離を離す。
それを見て取り、別府君がホッとため息をついた。
「で、二つ目の条件は何?」
 それを聞かれ、私はドキリと心臓を高鳴らせる。これは私の人生の中で、かつて無い
ほど大胆なお願いだったからだ。一瞬、気持ちが萎えてやっぱりいいと言いそうになる。
しかし、今のチャンスを除いては、二度と私がこんなお願いをするなんて出来ないかも
しれない。そう思い直し、私は無理やりに気持ちを奮い立たせた。
『……二つ目の条件はね……』
 緊張で口が上手く動かない。それをもどかしく思いつつ、私はゆっくりと、一言ずつ言葉を続けた。
『その……別府君の……家での、姿を……私に、見せてちょうだい』
「へ……?」
 呆然とした顔の別府君に気付き、私は何かの糸が切れたように、言い訳を始める。
『ち、違うのよ!! 別に、別府君の家に行きたいとか貴方と二人きりになりたいとか、
そういう訳じゃなくって!! ただ、その……ズルイじゃない!! 私の事ばかり貴方
に見られて、私が素の別府君を見れないって言うのは、だから、その……釣り合いが取
れないじゃない。そんなの不公平よ!!』
 怒涛の如くしゃべりまくってから、私はハアハアと荒い息をついた。もはや、普段の
取り澄ました私なんてどこにもいなくなっている事にすら気付かず。別府君はしばし、
呆然と私を見つめていたが、やがておかしそうに笑い出した。
『なっ……何がおかしいのよ!!』
 恥ずかしさと怒りがない交ぜになって、私は怒鳴る。すると別府君が手を振ってそれを退けた。
「いや、ゴメン。あんまり必死だったからさ。大丈夫。変な期待とか勘違いはしないか
らさ。いいよ。いつだってウチに来ても」
『あ、当たり前でしょうそんなの!!』
 いささかまだ興奮気味ながら、ようやく私は、自分を取り戻す。もっとも、もはや意
味のない演技だけれど、それも素の自分の一つになっているのだから仕方が無い。
「じゃあ、それは今度、また話をするとして。これで全部条件が整ったわけだけど?」

5583/4:2012/06/04(月) 00:54:49 ID:???
 別府君に促され、私は小さく頷く。これ以上、もう何も引っ張る条件はなかった。もっ
とも、もう答えは決まっているし、ここまでくれば肝も据わった。私は彼の顔を見上げ、
もう一度、コクリと頷いて答えた。
『……信じるわよ。ここまで来て……信じないわけにはいかないもの……』
「ありがとう。嬉しいよ」
 ニッコリと微笑んでくれる彼にキュンとして、同時に酷く気恥ずかしくて、私はその
感情をごまかすためについ、怒って彼を睨み上げる。
「わっ……笑わないでよ。バカ!!」
 そのまま彼の胸を両の拳で叩く。彼は何も言わずにそれを受け止めた。見上げる私に
微笑み返して、頷く。
「でも、本当に嬉しいから」
 そう言って、私の両肩にそっと手を置く。すると不意に、すごく甘えたくなって、私
はそのまま彼の胸に、頭を預ける。すると別府君の手が両肩から背中に回り、優しく、
しかししっかりと私を受け止めた。
『や、やだ……こんなの、恥ずかしい……』
「大丈夫。俺だって、恥ずかしいから」
 私の感情を、そのまま受け止めて返してくれる。そんな優しさが嬉しくて、彼を見上
げる。別府君の私を見つめる目に吸い込まれそうになり、そのまま背伸びして顔を近付
けた。とその時、微かに、何かが軋む音がした。
『待って』
 あともう数センチで私と別府君の顔がくっ付くところで、私は手の平で彼の顔を押し止めた。
「何?」
『今、何か音がしたの』
 そう言って、私は別府君から体を離す。うかつだったと自分を呪う。ここは自分の家
なのだ。そして今日は家族がいた事に、今更ながらに気付かされた事を。また何か物音
がする。私は確信して階段の所まで飛ぶように駆けた。
『お母さんっ!! 大輝っ!!』

5594/4:2012/06/04(月) 00:55:34 ID:???
 リビングに逃げ込もうとする二人の姿を捉え、私は叫ぶとそのまま階段を飛ぶように下りる。
『盗み聞きってどういう事よ!! ちょっと待ちなさい大輝!! 覚悟しなさいよね!!』
「違うんだってば!! おかーさんがあいてててててて」
『あら? だって娘に彼氏が出来る瞬間でしょ? 見逃すわけには行かないじゃない。ねえ』
『しれっと言わないでよ!! ああもう!! 二人とも信じられない!!』
 家族に最悪のシーンを見られた恥ずかしさと怒りがない交ぜになって、私は恥も外聞
も振り捨てて絶叫したのだった。


終わり
今週は週末スレが立たなかった(´・ω・`)

560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 01:29:54 ID:???
委員長が可愛すぎて萌え死んだ
マジでGJ!!

561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 02:13:18 ID:???
(`・ω・´)GJ!そして続け!

562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 02:44:03 ID:V.joO6BI
すばらしい
是非とも続きをお願いしたい

563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/05(火) 20:51:18 ID:???
おつ
後日談をば

564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/18(月) 00:52:42 ID:O9opzTYo
唐突に湧いたけど本スレないしほのぼのは規制されてるしこっちでやる

・寝起きの歯磨きツンデレ

「ふぁ〜……おはようちなみ」
「んー…………」 シャコシャコ
「一緒に寝てたんだから、起こしてくれれば良かったのに」 シャコシャコ
「んー…………」 シャコシャコ
「ちなは朝本当に弱いなぁ」 シャコシャコ、ナデナデ
「んー……!」 ペシッ
「おっと、ゴメンゴメン」
「ん…………ん……?」 シャコシャ…
「ん? どした?」 シャコシャコ
「……おい…………その歯ブラシは……私のだ……馬鹿者……歯ブラシ交換とは……朝っぱらから……悪趣味な……変態め……」 ペチペチ
「それは俺のなんだけど? お寝ぼけさん?」
「ん……? えっ……! あ、こ……これは……!」 アタフタ
「いやー、ちなみが朝っぱらから歯ブラシ交換なんてバカップルみたいなプレイがしたいとなると今日は会社休まないといけないかもなー」 ニヤニヤ
「ぇっ…………ば、馬鹿者……タカシが……自分のと……私のを……すり替えたのだ……変態め……」
「そんなバカな、俺の方が遅く起きたんだぜ? て言うかちなみ、今、会社休むってとこに反応しただろ」
「…………っ」 ビクッ
「あーもー可愛いなぁー!」 ギュッ
「んっ……♡ …………ば、馬鹿者……まだ……口ゆすいでないっ……!」
「ゆすいでからならいいの?」
「ぅぐっ……! ……ば……ばか……」 プイッ

その日は結局仕事休んでずっと家でイチャイチャしてました
地方公務員万歳

565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/18(月) 00:55:12 ID:O9opzTYo
おわり

寝起きのツンデレはいつもの鉄壁ガードが緩くなって簡単に落とせそう





鉄壁であって絶壁なんていってないよちなみん確かにちなみんのは絶壁だけど今は関係n(ターン

566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/18(月) 09:14:35 ID:???
>>564
ちなみん可愛すぎて死んだ

567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/28(木) 23:54:35 ID:1dXFnXow
>>220

「ちなー」
「……なに」
「最近なんか疲れてるよな」
「………………そんなことはない」
「嘘つけ、今の沈黙は少し長かったぞ」
「そんなことはない」
「沈黙がないときも嘘ついてる時だ」
「……むぅ……」
「つーわけで、マッサージしてやろう」
「……タカシはマッサージと称して……私にセクハラを敢行するつもり………………変態め」
「まあまあ。ほら、そこにうつ伏せになって」
「……ん」 ポスッ
「枕の臭い嗅いでもいいからないいからな」
「…………そんなことはしない……ばか」
「はいはい。んじゃ、始めっぞー」 ギュムッ
「んっ……!」
「あ、強かったか?」
「……別に……押されたから肺から……空気が出ただけ」
「そっか。じゃ、続けるからな。痛かったら言えよ」 ギュムギュム
「ん……ぅ……ふっ……」 ピクッ、ピクンッ
「なんだちなみ、お前肩は凝ってないけど腰ガッチガチだな」 ギュムギュム
「んっ……そ……そう……?」 ピクンッ
「ああ、気持ちいいだろ? さっきからピクピクしてるし」 ギュムギュム
「んっ…………そんなことない……下手く……そっ……!?」 ビクンッ
「ん? どした?」
「な、なんでもない…………(今……?)」
「そうかー?」 ギュムギュム
「んっ……ぅ……ふっ……」 ピクピク
「んー」 ギュムギュム、ムギュッ
「んっ……!?(またっ……!?)」 ビクッ
「はは、そんなに気持ちいいか?」 ムギュムギュ
「んっ……! ぁっ……! んぅ……!(っ……おしり……手……当たって……!)」 ビクッ、ビクッ!
「あんまり動くとやりずらいって。ちょっと我慢しろよー」 ムギュムギュ
「ぁっ……はっ……! ふぅっ……!(タカシの匂い……も……っ! これっ…………きも……ち……!)」
「ふんっ!」 ギュウッ
「はぁっ……! ぅんっ……! っ……ぁ!」 ビックンッ‼
「はいおわり。どうだ?俺のテクもなかなかだろ?」
「はぁ……はぁ…………うるさい……ばか……」 ビクッ、ビクッ
「ちなは素直じゃないなー」 ナデナデ
「………………ばか…… (……また今度……やってもらおう……)」

568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/28(木) 23:55:13 ID:1dXFnXow
なんか避難所で連投規制食らったからこっちに書いた
ちなみん可愛いよちゅっちゅ

569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/29(金) 00:14:31 ID:???
おっきっき

570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/29(金) 13:07:00 ID:???
エロ――――――いッッッ!!!!!

GJぅ!!

571ほのぼのの方>>426:2012/07/29(日) 00:16:12 ID:AEPHrqiw
「ぅー……あっつぃ……」
「…………」
「……暑いー……ぅー……」
「…………」
「ぅー……」
「うーうー言うのを止めなさい!」
「……うるさい……ばか」
某うみねこの明言を突きつけたら馬鹿呼ばわりされた。くすん。
因みに、俺のベッドの上でうーうーごろごろしてるのは妖怪ちなみん。『因みに』だけに。
家主の知らぬ間に部屋に侵入し、ベッドを我が物顔で占領する妖怪だ。あといろいろ小さ「へぶっ」まくらが飛んできた。
「何をする」
「……失敬な」
日本語での会話が成立しない。さては日本の妖怪ではないな?
「……ばかの考えることなど……顔を見ればわかる」
「なんだと?」
ようし、その挑戦受けて立とう。エロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエエロエロエry(公共の電波には乗せられないため他の単語で代用してお送りしております)。
「……変態」
「妖怪ではなくサイキッカーだったか……」
「……そんな嫌らしい顔をしてたら……誰でも……こう言わざるを得ない…………変態」
二回も言われた。くすん。
「……そんなことより」
「ん?」
部屋の中をぐるりと見回すちなみ。
止せやい。恥ずかしいだろ?\(//∇//)\テレテレ
「……なぜこの部屋には……クーラーが無い」
「貧乏だから?」
「……今すぐ買って来い」
なん……だと……!?話が全く噛み合わないっ……!
「俺の話聞いてた?」
「……だって暑い」
ぐぬぬ。なんというお嬢様だ。
「それなら自分の巣に帰れよ。お前ん家は全室にエアコン完備だろーが」
そう、ちなみの家はお金持ち。トイレにすらエアコンがあるほどだ。そんなお金持ちと幼馴染な俺は幸運と言うべきか不運と言うべきか。
以前、長時間トイレに居座ることでお腹が冷えて腹を下し、さらに腹を下したせいで長時間トイレに篭ることになりまたお腹を冷やし……という無限ループにハマった時はもう終わりだと思った。
「……巣……?」
「そうだそうだー。巣に帰れー。この妖怪ちなみん」
「……私の巣は……」
「なんだ?ふてぶてしくもそのベッドの上が巣だとでも言うつもりか。この悪トゥめ!」
「ばっ……ばか……!」
な、なに顔真っ赤にしてんだよ!可愛いなぁ!
ちなみんは可愛いなぁ!
「ルパンダーイブ!」
「きゃっ……!?」
「ちなみんはかわゆいのぅかわゆいのぅ!」
「なっ……ば、ばか……あ、暑い……! 暑苦しいっ……! っ……離れろっ……!」
「むぎぎ」
むふふ……真っ赤な顔で抵抗しても説得力は無いも同然ですぞちなみん氏〜。
それに、オスの本能としては、獲物が抵抗するほど燃え上がると言うものっ!
「ほーれつかまえたー」
「…………暑い……ばか」
どうにか捕獲には成功したが後ろから抱えるような格好になってしまったのでこれではちなみの顔が見えない。どうしたものか。
ま、いいか。
柔らかくて小っちゃくてあったかくて抱き心地最強だし。
しかもこの体制なら
「ふー」
「にゃぁっ……!?」
ちなみの弱点である耳が責め放題だし。
「……ゃっ……!」
「あのさーちなみー」
「み……耳元でっ……しゃべっ……るなぁっ……!」
「俺も、ちなみの顔見ればなに考えてるかわかるよ」
「なんっ……の……っ……はなしっ……!」
ピクピクと痙攣するみたいに震えるちなみを抑えるように、ちょっと強めに抱きしめる。
代わりに耳元で話すのは止めて、つむじに顔をうずめて問いかける。くんくん。あーいい匂い。
「なんでだかわかる?」
「っ……?」
「わかんないなら『なんで』ってきいてみて」
「……な……なんで……?」
一拍溜めて、耳元で、止めの一言。
「ちなみのこと、好きだから」
「…………ぁ……」
耳どころか首まで真っ赤に染めて、ちなみが絞り出した台詞は
「…………あつい……ばか」
素直じゃないなぁ。

572ほのぼのの方>>426:2012/07/29(日) 00:16:33 ID:???
終わり
ちなみんもふもふ!

573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:24:57 ID:E9yYo4hY
もふもふ

574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:56:35 ID:???
これはもふもふせざるを得ないな!
もふもふ!!

575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 22:25:34 ID:???
「……最近……モールス信号にはまっている」

「ほほう。何を隠そう、俺も中二病時代散々やったから覚えてるぜ」

「……ばかのくせに……いや……ばかだからこそ……?」

「なんという言い草。なんなら確かめてみるか?」

「……よろしい……なら……今から私が信号を伝えるから……それを解読しろ」

「伝えるって、どうやって?」

「……後ろ」

「うしろ?」

「……背中をとんつーするから……後ろ向け」

「ああ、なるほど。はいよ」 クルッ

「……ん。……じゃあ……いくよ」

「んー」

「…………」 ゴクリ

「? 早くしろよ」

「……うるさい……わかってる…………いくよ」

「ん」

「…………」 ドキドキ

・・
・-・・ --- ・・・- ・
-・-- --- ・・-

「……?」

「…………」 ドキドキ

「なぁ、これってもしかして……」

「……な……なに……?」

「…………アルファベットのほう?」

「…………は?」

「俺、五十音の方は完璧なんだけどアルファベットの方はちょっと……」

「…………はぁ……所詮は……バカシ」

「くっ、だ、だけどなぁ! 五十音の方は完璧なんだ! そっちでやってくれよ!」

「……いい……もう帰る」

「ちくしょー!」

「(……期待した私が……馬鹿だった)」

576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 22:27:02 ID:???
終わり

唐突に湧き出る脳汁

577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/31(火) 22:14:09 ID:???
予想はできるがちなみんはモールスでなんて送ったんだろうwwww

GJ!

578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 02:14:11 ID:p4rk/rBA
「…………」 ガチャッ
「zzz」
「…………」 コソコソ
「zzz……ん……」
「……っ!」 ビクッ
「…………zzz」
「…………ホッ……」
「zzz」
「…………」 ジー
「zzz」
「…………」 ペタペタ
「zzz……ん〜……」
「!!」 ビク
「ん…………ちな……み」
「!?」 アタフタ
「ペタペタ……つるぺた…………ぷにぷに………………zzz」
「…………ハァ……」
「……zzz」
「…………」
「…………す……き……」
「〜っ!?」 ビクゥッ
「……ぅきすぎ…………ブラジャー……デカイの…………買うから……だぞ……」
「…………」
「……zzz」
「…………」 チラッ
「zzz」
「…………」 フニフニ
「zzz」
「ムフー」
「zzz」
「…………」 グイッ
「zzz」
「っ」 ギュムッ
「zzz」 …フニッ
「っ……」 ピクン
「zzz」 フニフニ
「っ……んっ…………!」 ピクッ
「zzz」 フニフニ
「んぅ……っ……!」 ピクピク
「zzz」 フニフニフニフニッ、ムギュッ
「っ!? ぁ……! ん……っ……!」 ビックンッ!
「……zzz」
「っ……ハァ……ハァ……」 ピクピク
「zzz」
「…………フゥ……」
「zzz」
「…………」
「zzz」
「…………」 モゾモゾ
「zzz」
「…………お兄ちゃん……」 ギュッ

〜翌朝〜

「おはようちなみ……ファ〜……」
「おはようございます兄さん。今日もだらしないですね」
「はいはい……」
「どうせ昨夜も夜更かしして嫌らしいコトシてたんでしょう? この変態」
「今日の朝飯は?」
「ベーコンエッグとサラダとトーストです。早く食べてください。それと、今日のお弁当は唐揚げとほうれん草、サラダとアスパラの肉巻ですから。残さず食べてくださいね」
「言われなくても、美味いもんは全部食うに決まってんだろ」 モソモソ
「そ、そうですか。ま、まぁ、私が作ったんだから当然ですよね」
「そうだよ」
「っ……そ……そうですかっ……」
「……ところで」
「えっ? な、なんですか?」
「ちなみ、昨夜俺の部屋に来た?」
「」 ビクッ
「なんか、起きたらちなみの匂いがすげーしたから……」
「き、気のせいじゃないですか!? わたっ、私今日日直なので先に行きますねっ!」 ガタタンッ
「あれ、昨日も日直だったんじゃ……」
「気のせいですよ! い、行って来ますッ!」 ドタドタ
「お、おー」
「戸締りしっかりしてくださいねっ!」 バタンッ!
「はいよー…………フッ……愛い奴め」


「(大丈夫お兄ちゃんは鈍感だから絶対気づいてないはずあぁでももし気づかれてたら恥ずかしくて死ぬ!)」
「ちなみは今日も一人百面相ねー」
「そうだね友ちゃん。一枚撮っとく?」
「せっかくの百面相なんだから百枚ぐらいいっときなさい」
「」 イヤンイヤン

579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 02:15:21 ID:p4rk/rBA
おわり
敬語妹は秘密のおな(ゲフンゲフン)にハマって止められなくなる可愛い!

580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 03:48:23 ID:???
>>579
敬語妹はやはり素晴らしいのう!超GJ!!

581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 04:25:27 ID:???
最高です

582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 06:28:08 ID:???
>>578
GJ!!

583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/05(日) 14:40:30 ID:???
・敬語妹とラーメン食べたい

「ぁつっ!」
「あーほら、猫舌なのに無理するから」
「ひてまへん!」 ウルウル
「なにいってんだ涙目じゃん」
「麦茶いれるから待ってろ」
「……ひゅみはへん」 ウルウル
「はいはい……あれ?」
「?」
「麦茶無いぞ? 全部飲んだのか?」
「!?」
「つか氷もジュースもねーし……。水道水ってわけにもいかねーし……買ってくるか」
「ま、まてまひぇん! 今すぐひちゅようなんでひゅっ!」 ウルウル
「そんなこと言っても……」
「ぅう〜」 ウルッ
「…………しょうがない。とっておきの秘策を使おう」
「な、なんでひゅか!?」
「まず、目を瞑れ」
「ひゃ、ひゃい……ほうでふか?」
「次にベロをべーってしろ」
「? ……ほれでいいでひゅか?」
「ん、じゃあいくぞ」
「? ……ひゃい」
「んむっ」 チュルッ
「っ!?」
「ん、ぢゅっ、ん」 ヂュルレロレルチュウゥッ
「んっ!? むっ!? ふむぅっ!?」 バチィンッ‼
「ぐはぁっ!?」 ドサッ!
「なっ……ななななななななななになになにをぉっ!? 何をしてるんですか兄さんっ!?」
「いでで……なにって、怪我には唾つけとけば治るっていうから……」
「それとこれとは話が別でしょう!! いまっ……! 舌っ……ベロっ……ちゅって! ぢゅるって!!」
「だから唾つけたんだよ。直接な」
「ぁぁああああありえないですっ!! この変態!!」
「でもほら、治ったろ?」
「えっ? ……ぁ……。…………いやいやいや! 問題はそこじゃないでしょう!?」
「いいじゃん別に。治ったんだから」
「良くないですよっ! だって私っ……ふぁ、ファーストキs……ゴニョゴニョ///」
「キスなんて散々やってんじゃん。昔はお前からせがんて来てたくせに」
「ぃゃぁああああ!! 止めてください! 本当に!」
「それに今のはキスじゃないって。ベロ舐めまわしただけじゃん」
「余計に卑猥ですっ! 猥褻です! この痴漢! 大体それがキスじゃなくてなんなんですか!?」

584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/05(日) 14:40:54 ID:SpqPIeKY
「あーもーうるさいな! 治ったんだからいーじゃん!」
「よくないですよ! こんな軽いノリでキスなんかして! ……ま、まさか……他の女の子にもこんなコトを……っ!?」
「し、しねーよ! お前だけだっつーの!」
「お、お前だけだなんてそんな……///」
「なっ、なんっ……なに赤くなってんだよ!/// そもそも今のはキスじゃねーし!」
「き、キスですよ! 兄さんに無理やり唇を奪われたんですぅ!」
「舌じゃん! ベロじゃん! 唇じゃないじゃん!?」
「お、同じようなもんですよ!」
「違うね! 断じて!」
「キスについてプロフェッショナルでも無いくせに偉そうなんですよこの童貞!」
「どどどどどどどど童貞ちゃうわ! お前こそ処女のくせになに偉そうに語ってんだよ!」
「しょっ……!/// とか……女の子に向かってなんてこと言うんですか!?」
「童貞とか口にしたくせに何言ってんだ!?」
「あーもう良いですよ唇とベロオンリーでどれだけ違うか試して比べてみようじゃないですか! 」
「は、……はぁっ!? 何言ってんだ!?」
「二人ともきちんとしたキスをしたことないんだから実際ここでやって見るのが一番手っ取り早いに決まってるじゃないですか!」
「それじゃあ本末転倒だろ! キスしたかキスしてないかだろ!? ここで本当にキスしてどうすんだよ」
「きっ、キスキスって連呼しないでください変態! 通報されちゃうじゃないですか! 大体論点はキスしたかしてないかじゃないくてさっきのはキスなのかどうなのかって話なんですよ!」
「はぁ!?」
「いいから早くしてください! ほら私が目を瞑ってる間に!」
「は、はぁっ!? ちょ、なんっ……!?」
「…………///」 ドキドキ
「……くっ……!」 チュッ
「っ!」 ビクッ
「ど……どうよ……さっきのはキスじゃねーべ?」
「ちょ、ちょっとよくわかりませんね……///」
「なっ……はぁ!?」
「だ、だって一瞬だったし……///」
「か、顔赤くすんなよぉ! 反則だぞお前それ!///」
「こ、今度はちょっと長めで……///」 モジモジ
「だぁああ!! もー目ぇ瞑れ!」 ギュッ
「ひゃぁあ……/////」
「な、なんっ……か、肩つかんだだけじゃん変な声出すなよっ……!///」
「……兄さん……/////」 ドキドキ
「……んっ///」 チュゥゥッ
「んむっ……/////」 チュウッ…レルッ
「んんっ!?」 ビクッ!
「ん……ふっ……んむっ……ふぅっ……/////」 チュムッ、チュ、レルッ、レロッ、ヂュルッ
「んんっ!? ふっ……んんん〜っ!!///」
「ちゅっ……ぷはっ……ハァッ……ハァ……/////」
「はっ……なっ……ハァッ……なぁっ……!?///」
「に、兄さんに口の中を犯されて仕舞いました……/////」 ポッ
「お、犯されたのは俺の方だろ! なっ、なにしてくれてんだ!///」
「こ、こんなの……妊娠しちゃいますぅ……/////」 モジモジ
「あぁ可愛いなぁもう!!///」 ガバッ
「ひゃぁん♡/////」



「(´༎ຶ۝༎ຶ) (;´༎ຶД༎ຶ`)」 ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ… (←ラーメン屋の店員&客)

585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/05(日) 14:41:18 ID:SpqPIeKY
そんで最終的にこうなりたい

586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/06(月) 05:30:19 ID:???
>>584
店の中で何やってんだよwwwww

587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 21:37:13 ID:???
>>584
通報されるだろこれww
末永く爆発しろ

588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/10(金) 02:13:02 ID:D54wChMw
通報されちまえwwwww
GJ!!

589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:35:07 ID:EiU9WgCw
「ねー」
「あ?」 カタカタ
「彼女つくんないの?」
「うっせーボケ」 カタカタ
「お兄モテないもんねー」
「うっせーボケ」 カタカタ
「ふーん」 ゴロゴロ
「制服シワになるぞ」 カタカタ
「別に」 ゴロゴロ
「つーかヒトのベッドで寝んな」 カタカタ
「別に」 ゴロゴロ
「ったく……」 カタカタ
「…………」 ゴロゴロ
「…………」 カタカタ
「……、……ねー」 ゴロ…
「あんだよ」 カタカタ
「彼女つくんないの?」
「…………」 カタ…
「…………」
「……別に、お前がいるからいらねー」
「…………」
「…………なんつって」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………なんか言えや」
「…………馬鹿じゃないの?」 ゴロ…
「うっせ」 カタカタ
「…………」
「…………」
「……ねー」
「んだよ」 カタカタ
「いい加減枕洗いなよ」 ギュッ
「うるせーよ」 カタカタ

590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:35:29 ID:EiU9WgCw
おわり
微妙な距離感って好き

591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:52:51 ID:EiU9WgCw
「お兄」
「あ?」 カタカタ
「お兄はさー、長いのと短いの、どっち?」
「は?」 カタ…
「髪」
「ロングかショートってこと?」
「うん」
「そりゃお前……」
「……うん?」
「…………その人に似合ってりゃいいんじゃねーの?」
「…………ふーん」
「…………」
「…………」
「…………なんでそんなこと聞くんだよ」
「別に」
「……あっそ」
「……今度デートでもいこっかな」
「…………誰と」
「誰でもいいじゃん」
「あーそーですか」 カタカタ
「気になる?」
「うるせー」 カタカタ
「気になるんだ」
「……うっせーよ」 カタカタ
「…………」
「…………」 カタカタ
「……どんぐらいがいいの?」
「なにが」 カタカタ
「だから髪」
「…………」 カタ…
「…………」
「……お前なら似合うよ、どんな髪型でも」
「…………」
「…………俺の妹だかんな」 カタカタ
「…………」
「…………」 カタカタ
「……なにそれ」
「しらねーよ」 カタカタ
「…………」 ボフッ
「…………」 カタカタ
「…………」 ゴロゴロ
「…………」 カタカタ
「……枕洗った?」 ギュッ
「おめーがくせーくせー言うからだろ」 カタカタ
「ふーん」 ギュッ
「なんだよ」 カタカタ
「別に」 クンクン
「匂い嗅ぐな」 カタカタ
「なんでわかんの?」 クンクン
「本当に嗅いでんのかよ」 カタカタ
「…………ばーか」 ギュッ

592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:53:33 ID:EiU9WgCw
おわり
脳汁は出た分だけ回収するべしってばっちゃが言ってた

593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 20:12:23 ID:???
お兄って呼び方がいいなwwww

594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 07:10:55 ID:D54wChMw
GJ!この妹がデレるとこが見たい!

5951:2012/08/12(日) 08:30:40 ID:???
規制につき

タ「夏休みですね」
無「そうですね」
タ「海にでも行きませんか」
無「日焼けするから嫌」
タ「じゃあ山にでも行きませんか」
無「虫に刺されるから嫌」
タ「じゃあ何をしますか」
無「そうね・・・・・・クーラーにあたりましょう」
タ「要約するとこの部屋から出たくないということでよろしいですか」
無「だって暑いんだもの。この部屋の中が私の適温なの」
タ「そりゃあ長袖なんて着てるからじゃん。俺はむしろ寒いくらいだ」
無「忍耐力が足りないのね」
タ「いやいや、クーラー強すぎだって!省エネに少しは貢献しようよ?!」
無「コタツに入ってアイスを食べると幸せになれるでしょ?あれと同じようなものよ」
タ「・・・・・・妙に納得してしまった」
無「それにしても、急に外に出ようなんてどうしたの?珍しく」
タ「だって夏だもの。夏休みってのはもっとこう、若者は若者らしく青春を謳歌しないと」
無「・・・・・・昨日やってたサマーウォーズ、見たでしょ」
タ「え、なんで知ってるの」
無「ほんと影響されやすいんだから・・・・・・」
タ「まあ、そういうわけで。青春しませんか!」
無「その前に課題は?」
タ「そんなものは家に置いてきた」
無「一応、課題を手伝ってあげるっていうことで呼んでるつもりなんだけど・・・・・せめて持ってくるくらいの誠意は必要じゃない?」
タ「極力荷物を減らしたほうが体力の消耗もなくていいと思って」
無「そんなこと言っててアウトドア派な青春を謳歌できるわけないじゃない」
タ「確かに」
無「なのに勉強どころか課題すらしないなんて、休みというよりも時間の無駄遣いね」
タ「い、いいんだよ俺はこの時間の使い方で」
無「まあ、タカシの夏休みの浪費の仕方に興味はないけど。それに青春なら部屋の中でもできるでしょ」
タ「・・・・・・ごくり」
無「頭の中のそういう性的なのはノーサンキューで」
タ「じゃあ他になにやんのよ」
無「え、んー・・・・・・こうして何するでもなく、クーラーのきいた部屋でだらだらごろごろ高校野球を見たり」
タ「それも十分時間の浪費じゃないの」
無「だって毎日のようにタカシが来るんだから、仕方ないじゃない」
タ「それは萌茄ちゃんが僕を呼ぶからじゃないですか」
無「・・・・・・まったく、普通は他の理由も思い当たりそうなものだけれど」
タ「え?」
無「なんでもない。それより、もしかして課題まだ手をつけてないんじゃないの」
タ「ふふん、図星だ」
無「そこまで堂々と言い放たれるとさすがにむかつくわ。・・・・・・少しは手を出してもいいんじゃない?」
タ「いやー、なかなかやる気が出ないんだよね」
無「はぁ、最近よく聞くよね、何に対してもやる気のない若者世代ってやつ」
タ「いいよいいよ、どうせ僕は課題もしないクズ野郎ですよ」
無「わかってるなら良し。だから次来るときは課題ちゃんと持ってきてよ」

596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 08:32:35 ID:???
翌日

タ「もしもし?萌茄から電話なんて珍しい。今日はアンゴルモアでも降るのかな」
無『・・・・・・聞かなかったことにしてあげる。それより、なんで来ないの?もう甲子園も終わっちゃったじゃない』
タ「いやほら、行ったら課題をやらなきゃいけないわけじゃないですか。そしたらなんかこう、行く気がですね」
無『どれだけ勉強したくないの。まあ、来たくなきゃ勝手にすれば?夏休みの終わりに泣きつかれても絶対見せてあげないからね』
タ「萌茄ちゃん厳しいです・・・・・・。一応そうならないように努力はしてみるけど」
無『・・・・・・え、なに、ほんとに来ないつもりなの』
タ「いやあ、実は昨日僕の部屋にクーラーが設置されまして。ちょっとここ出たくないというか」
無『呆れた・・・・・・。私の家に来てた理由、まさかクーラーがあるからって言うんじゃないでしょうね』
タ「それが全部ってわけじゃないけど、でもまあそれもあるっちゃあるね。あ、それより明日」プッ
ツー・ツー・ツー
タ「なぜ切れたし・・・・・・」

小一時間後

ピンポーン

タ「うお、萌茄どしたの。汗だくじゃん」
無「・・・・・・そう見えるなら、すぐに飲み物とか出してくれるとすごく嬉しいんだけど」
タ「あー、はいはい。とりあえず部屋行っててよ、すぐに持ってくるから」タ「ほら、麦茶」
無「・・・・・・」ゴクゴク
タ「で、急にどうしたの。なんか急ぎの用でもあったっけ?」
無「・・・・・・」
タ「・・・・・・あ、えー?なんで喋らないの」
無「・・・・・・」バサッ
タ「・・・・・・ああ、これって課題のテキストですよね」
無「ほら、筆箱出して。課題開いて」
タ「え、ちょ、ええー・・・・・・?なんでそうなるの」
無「タカシが来ないからわざわざ私が来たんじゃない。なにか不満でもあるの?」
タ「いや、来てくれたのはすごく嬉しいんだけど、まあなんというかごにょごにょ」
無「・・・・・・タカシ、ちょっと腕だして」
タ「え、うん」
無「・・・・・・えいっ」グサッ
タ「いった!ちょ、なんでいきなりシャーペン突き刺すの?!グサッていったよ、グサって!」
無「私もいろいろとグサッときたからね。お互い様でしょ」
タ「俺何もしてないじゃん?!」
無「そうね、課題も、なんにもね。全く、毎日のように呼ばれてるのに本当に何もしないなんて、バカもいいところだわ」
タ「するって!ちゃんと課題するから!とりあえず振り上げたシャーペンおろそう?!」



人間誰しも期待するものです

597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 11:49:00 ID:???
>>596
無表情さんかっわいいなGJ!

598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 13:08:30 ID:???
無表情さんのジト目prpr

599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 18:20:27 ID:???
無表情さんかわかわ!
しかしこのタカシは刺されてもよし

600以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/16(木) 21:44:40 ID:???
ほのぼのの方のお題に投下したいというのに続く規制のせいで投下できないこの気持ち
いいたいことを素直に言えずにもやもやしているツンデレと通じるものがある
ああ、ツンデレはいつもこんなに苦しい思いをしているんだね、と妄想

601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/16(木) 22:31:21 ID:???
代行スレというものがありましてですね

だから気にせず妄想しよう
そして書けたら依頼すれば、きっと誰かが転載してくれるさ

602:2012/08/17(金) 05:04:19 ID:???
お題で書いてたら遅筆で日数経過したな上に話が冗長になってお題から逸れてしまったので


タ「バイトなんてよーやるわ、ほんと。勉強は大丈夫なの?」
無「課題はもう終わったし、前期の範囲の復習はちゃんと計画たててやってるもの」
タ「いや、すごい。ほんとすごい。その調子でもしよろしければ僕の課題も」
無「期末の成績悪かったんだから、すこしは反省して勉強する気にでもなるかと思ってたけど・・・・・・」
タ「やるやる。だが、まだその時ではない」
無「何も考えてないのに伏線張るような台詞はどうかと思う」
タ「や、俺も一応色々考えてはいるんだけどね。同じ大学に行きたいし」
無「そうすれば今みたいに色々と世話してもらえるだろうって魂胆?」
タ「え、あー・・・・・・ハハ」
無「・・・・・・まあ、いいけどね。勉強頑張ったご褒美ってことにしてあげる」
タ「あれ、てっきりバカじゃないのっていわれると思ったんだけど。いやー、言ってみるもんだなあ」
無「今のままじゃ絶対無理だけどね。でも、今からなら十分時間はあると思うし。落ちたらそのときは全力でバカにするわ」
タ「そこは慰めないんですか・・・・・・」
無「一年以上先の話じゃない。私だって受かるかどうかわからないんだもの、そこまで構ってあげられるかどうか」
タ「それもそうだ」
無「それよりも、タカシは勉強よりもっと今優先しなきゃいけないことがあると思うんだけど」
タ「勉強以上に優先しなきゃいけないって、きみがいったらそれ生きるか死ぬかの分水嶺くらい重要なことじゃないか」
無「んー、そうね、そうかも。だってほら、このお腹」ふにふに
タ「いやん」
無「何言ってんだこの着痩せ豚、って程度にはまずいと思うけど」
タ「その言葉地味にグサッとくるね」
無「どうしても青春したいっていうから、私は日に焼けるのを我慢して仕方なく一緒に海に行ってあげるわけだけど、そのお腹とは並んで歩きたくないからね」
タ「ど、努力します」

603:2012/08/17(金) 05:04:55 ID:???
バイト中

無「いらっしゃいませ」
無「3点でお会計締めて567円でございます」
無「ありがとうございました、またご利用くださいませ」
店長「萌那ちゃん、おはよーす。ぼちぼちあがっていいよー」
無「はい、お疲れ様です。引き継ぎお願いしますね」
店長「いやー、ほんと萌那ちゃんが来てくれて助かったわ。覚えはいいし捌けるし可愛いし」
無「あ、う・・・・・・えと、可愛くはないと思います」
店長「赤くなっちゃってまあ。まさか言われ慣れてないの?はあ、周りの男共はほんと見る目がないなぁ」
無「私友達少ないですから」
店長「あー、あんまり表情ないから何考えてるかわからないもんねえ」
無「それ、けっこう気にしてるんですが」
店長「大丈夫大丈夫、少ないってことはいるんでしょ?友達なんてそういう繋がりから勝手に増えていくもんよ」
無「そういうものでしょうか」
店長「そういうもんよ。あ、あとこれ、バイト代ね」
無「・・・・・・あれ、なんだか多くないですか?」
店長「多い分はお礼兼お小遣いってところかな。シフト、けっこう無理目にいれちゃったし、なのに文句の一つもいわずあくせく働いてくれたし、可愛いし」
無「え、でも」
店長「いいっていいって。しかし、貰ってすぐに開くとは・・・・・・さては既に使い道が決まっているな?」
無「あ、そういうのって失礼なんですか、すみません。使い道は、・・・・・・まあ、ある程度は」
店長「なるほど、彼氏のために水着か」
無「ぶっ」
店長「わかりやすい反応だなあ」
無「違います」
店長「いやー黒の水着はやめたほうがいいと思うよ?」
無「ごふっ」
店長「マジでか」
無「ち、違いますってば」
店長「はーん、あくまでもシラを切るつもりか。いいよいいよ、それならこっちにも考えがある」
無「・・・・・・なんですか、そんなに凝視して」
店長「ちょっと黙って、いま萌那ちゃんの黒のビキニ姿を想像して」
無「やめてください」
店長「いいじゃない、実際にそんな格好をしてるわけじゃないんだし。ああ、でもちょっと大人すぎるかなー」
無「・・・・・・なんか嫌です」
店長「えー、じゃあ」ふにふに
無「・・・・・・」
店長「・・・・・・以外と着痩せするタイプ?」
無「・・・・・・」
店長「なかなかのボリューム感だこれ。この胸ならビキニも悪くないかも」もみもみ
無「・・・・・・」ぱしーん
店長「あたっ。そんながっつり叩き落さなくてもいいじゃない」
無「・・・・・・」すたすた
店長「あれ、怒った?」
無「知りません」プイッ
店長「もー、いいじゃない、減るもんじゃなし」
無「お疲れ様でした」すたすた
店長「ほんとに怒ったの?うわ、マジでごめんね・・・・・ありゃ、振り返らずに帰っちゃったよ」
店長「・・・・・・私といい勝負だな、うん」もみもみ

604:2012/08/17(金) 05:05:16 ID:???
無(・・・・・・もまれた)
無(・・・・・・もまれた)
無(・・・・・・もまれた)
無(・・・・・・私の初もみが)
店員「いらっしゃいませー」
無「ああ、そうだ、水着・・・・・・」
無(・・・・・・黒ビキニ)
店長『でもちょっと大人すぎるかなー』
無(・・・・・・)
店員「その水着気になる感じですかー?こちらで試着できるんで、もしよかったらどうぞー^^」
無「え、は、はい」シャー
無「・・・・・・促されるまま入ってしまった試着室」
無「・・・・・・そして黒ビキニ」
店員「・・・・・・どうですかー?^^」
無「・・・・・・もう少しカップが大きいのってありますか?」
店員「えっとー・・・・・・あ、すみません、それ1サイズだけみたいですう^^;」
無「あ、そうですか・・・・・・」
無「・・・・・・もう少し大人しいほうが好きなのかな」
店員「でしたら、黒字に白のドット入ってるのとかどうですかー?ほら、大人っぽいけど可愛らしいっていうか。これとか、サイズもありますし、3ピースでスカートもついてますよ^^」
無「あ、じゃあそれでお願いします」
店員「ありがとうございまーす^^」

605:2012/08/17(金) 05:05:43 ID:???
数日後、バイト先

無「おはようございます」
バイト「あれ、萌那ちん。おはよーす」
無「相変わらずゆるいですね」
バイト「いやー、そんなことないよー。これでも一生懸命働いてますん」
無「それカウンターの下でケータイいじりながらいう台詞じゃないと思います」
バイト「仕方ないよー。普段シフト入ってないからサークルの先輩からお誘いのメールが来てさー」
無「あれ、そうでしたっけ」
バイト「そうそう。じゃなきゃ私は多分まだ寝てると思うー」
無「寝る子は育つというのを体言するような台詞ですね」
バイト「やだなー、夏休みの間だけだよう。ていうか萌茄ちゃんこそ、わざわざ休みとったのにどしたのー?」
無「あれ、今日私休みでしたっけ?」
バイト「やだなあ、私と今日のシフト交替してくれって言ったの、萌茄ちゃんだよー?」
無「・・・・・・あ。」
バイト「・・・・・・もしかして忘れてたあ?」
無「あああああああ・・・・・・」
バイト「あれ、なんか焦ってる?」
無「い、いや、そんなことは・・・・・・すみません、お疲れ様です」
バイト「おぅ、全力ダッシュ・・・・・・これは彼氏も怒っちゃうだろうなあ、萌茄ちんふぁいとー」

606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/17(金) 05:06:05 ID:???
同日、タカシ宅

タ「・・・・・・どしたの、そんなに汗だくで」
無「よ、よかったら、飲み物を出してくれると嬉しいんだけど」はーはー
タ「あ、はい。麦茶でいいよね?とりあえず部屋行ってなよ」
無「・・・・・・うん」


タ「少しは落ち着いた?」
無「うん」コクコク
タ「で、一体どうしたのさ」
無「ほら、その・・・・・・一応は、約束、してるじゃない」
タ「ああ、うん。海に行く約束ね」
無「ごめんなさい」
タ「あー、えっと、うん」
無「・・・・・・怒らないの?」
タ「別に何も怒ることはないと思うけど」
無「・・・・・・そう」
タ「あれ、なんか落ち込んでる?」
無「別に、どうもしてない」
タ「嘘だ、絶対嘘だ。目がものすごい速さで泳いでる」
無「・・・・・・一応は、約束したわけだし。なのに私は―――」
タ「それよりさ、見てよこれ」バッ
無「?! ちょ、なんで急に脱ぎ出し・・・・・・」
タ「この腹筋を見よ」
無「・・・・・・」ぺしぺし
タ「いやんっ」
無「ふにふにしてない」
タ「いやー、ストイックに頑張った成果だよこれは。あれから毎日腹筋してたからね。ある意味青春かも」
無「ちょっと待って。タカシが一人で謳歌しちゃったら、私の青春はどうなるの」
タ「それはそれ、これはこれでしょ」
無「でも、せっかく海に行くんだと思って、私も少しは頑張って・・・・・・」
タ「連日バイト漬けだったね」
無「・・・・・・ちょっと待ってて」
タ「あ、えっと、はい」
無「トイレ少し長く借りるけど、違うんだからね」
タ「あとで便座ぺろぺろしておきますね」
無「そうね、そしたら後でカビキラーがどんな味なのか教えてちょうだい」

607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/17(金) 05:06:37 ID:???
数分後

無「ただいま」
タ「便秘ですか?」
無「・・・・・・」
タ「その握りこぶしを振り下ろすんですか?振り下ろしちゃうんですか?」
無「別に殴ったりなんかしないわよ」
タ「で、トイレを少し長く借りて何してたのさ。わざわざトイレで」
無「何って、途中で見られるのはさすがに嫌だし」
タ「むしろそれで喜んじゃってたらかなりアブノーマルな趣向の持ち主だと思う」
無「そこまでは言わないけど、やっぱりそれなりにちゃんとした関係になってからでないと」
タ「・・・・・・え、そういう趣味だったの?え?えぇ?」
無「バカな勘繰りはやめて。・・・・・・ああもう、ちょっとあっち向いてて」
タ「いや、ちょっとさすがにここで用を足すのはやめ」
無「早く」
タ「はい」
無「・・・・・・」ごぞごそ
タ「もういいですか」
無「待って」もぞもぞ
タ「もういいですよね」
無「ああもう・・・・・・向きたきゃ向けばいいじゃない」
タ「ではお言葉に甘えぶっ」
無「・・・・・・なに」
タ「・・・・・・ここ、室内ですけど」
無「当たり前のことを言わないで」
タ「・・・・・・室内で水着っていうのは当たり前のことじゃないと思います」
無「だって、せっかく買ったのに着ないなんて勿体ないじゃない」
タ「いや、それはそうだけど。まさかトイレに行ったときに着てきたの?」
無「そう」
タ「ははーん、さてはどうしても俺に水着姿を見て欲しかったんだな?」
無「・・・・・・」
タ「目が泳いだ。顔を逸らした。ほんのり桜色に」
無「ああもう、うるさい。タカシが蚊だったらすぐにでも叩き潰してるのに」
タ「ごめんなさい。でも可愛いと思うよ、うん。すごく」
無「・・・・・・ほんとに?」
タ「ほんとほんと。柄も可愛いし、すごく似合ってる」
無「・・・・・・そう」
タ「いやしかし、これはなかなか豊かに実ってますな」
無「うるさいバカ。あんまりじろじろ見ないで」
タ「じゃあなんでわざわざ着替えてきたのさ」
無「せっかく海に行く約束して、私もわざわざ代休まで取ってたのに、肝心の当日に忘れてて全部台無しにしちゃったから」
タ「あー、うん。なるほど。んで?」
無「・・・・・・タカシだって男の子でしょ。少しは期待してたと思うし、だからそのお詫びというか・・・・・・ああもう、うるさい。もう服着るから」
タ「水着の上に着るんだ。・・・・・・そういえば、なんでさっき俺に後ろ向かせたのさ」
無「下に水着着てても、服を脱いでるところを見られるのは恥ずかしいじゃない」
タ「顔に出さないだけで本当は色々考えてんだねえ」
無「私だって乙女だもの、当然でしょ」
タ「まあ、なんとなくわかるからいいけど。ああ、それとすごく大事な話があるんだけど」
無「大事な話?」

608:2012/08/17(金) 05:07:19 ID:???
タ「そうそう、海に行く日のことなんだけどさ、どうも台風が上陸する日とドンピシャらしくて」
無「台風上陸って、冗談でしょ?快晴じゃない」
タ「うん、今日はね」
無「今日は、って、なによその言い方。台風が上陸する日が違うみたいじゃない」
タ「そうだね、だから海に行く日も今日じゃないね」
無「え?だって今日は水曜日でーーー」
タ「そうだね、海にいくのは来週の水曜日だね」
無「・・・・・・」
タ「・・・・・・」
無「・・・・・・」
タ「水着姿ごちそうさまでした」
無「・・・・・・!!!」
タ「そうだよね、冷静に考えたら何してるんだろうってなるよね」
無「やめて」
タ「予定の日取りを間違えて、約束も特に破ってなくて、なのにわざわざ水着に着替えて、しかも部屋の中でそれを見せて」
無「それ以上喋ると、今日のことを全て忘れるまで屋根から飛び降りさせるわよ」
タ「そこはせめて自分の労力を使おうよ」
無「いや。今日はもう、なんだか色々ありすぎて疲れてるんだから」
タ「そうですか」
無「私はもう寝るから。ベッド借りるからね」ぽす
タ「わざわざ来たのに寝るってどうなの」
無「確かにここはタカシの部屋だけど、私が何をしようと私の勝手でしょ?」
タ「ジャイアニズムに通じるものがあるね」
無「いいじゃない、あなたの我侭だってたまには聞いてあげてるんだから」
タ「右手で余裕で足りる数じゃないのそれ」
無「それなら、今何か一つ聞いてあげてもいい」
タ「う、急に言われると思いつかないって。じゃあ・・・・・・そうだ、おやすみのキスとか」
無「もし来年大学に受かれたら考えてあげる」
タ「今じゃないし・・・・・・」
無「そうね。でもそれで勉強をやる気が出たなら私は全力で応援するわ」
タ「ぼちぼち頑張るよ。しかし、萌茄が寝るんなら俺は結局暇なんだよなあ」
無「ならタカシも寝れば?」
タ「ベッドは萌茄が使ってるじゃん」
無「・・・・・・」
タ「どしたん」
無「・・・・・・床の上に寝ろというのはさすがに部屋の主に対してあまりに図々しいから言うけど、ベッド・・・・・・そうね、半分だけなら使ってもいいかな」
タ「それって要約すると添い寝ですか」
無「添え、とは言ってないじゃない。半分使っていいって言ってるだけ。それじゃ、本当におやすみ」ごろん
タ「ああ、はい、では遠慮なく・・・・・・いや俺の部屋だから遠慮する必要ないのか。おやすみ」ごろん

6098(〆):2012/08/17(金) 05:09:11 ID:???
 
 
 
 
タ「いやこれやっぱ添い寝だよね」
無「・・・・・・」スー
タ「・・・・・・なんだ、もう寝てるのか」
タ「海に行けそうにはないけど、これはこれで青春だよなあ」ごろん
タ「しかし、こうして寝てれば特に毒もない普通の女の子なのに」
タ「・・・・・・おでこに髪の毛はりついてるし」さわさわ
タ「いや、普通の女の子というよりは小動物というかなんというか・・・・・・」なでなで
タ「・・・・・・吐息を唇に感じるのもれっきとした間接キスではないだろうか」
タ「・・・・・・寝てるし、今ならキスくらいはしても大丈夫なのでは」
無「・・・・・・」
タ「・・・・・・あの、萌茄さん、顔が赤くなってますよ」
無「・・・・・・タカシがいるから厚くて寝苦しいだけ」ぱちくり
タ「あ、じゃあやっぱり僕床で寝ますね」
無「そのほうが涼しくて快適でしょうね」
タ「少しは引き止めてほしいよまったく。よいしょっと、とと、と」ぼふ
無「もう、揺らさないでよ。眠れないじゃない」
タ「あの、シャツの裾を掴まれてたら体を起こせません」
無「じゃあベッドで寝るしかないわね」
タ「・・・・・・もうしばらくこのまま添い寝して欲しいと素直に」
無「おやすみ」
タ「ああ、はい、おやすみなさい。・・・・・・素直じゃないなあ」
無「まんざらでもないくせに」ぎゅう

610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/17(金) 07:03:55 ID:???
>>609
GJ!! この無表情さん可愛すぎるwww

611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/18(土) 02:06:53 ID:???
やべぇかわいい!!!目覚めが気になるな…

612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/19(日) 23:29:39 ID:???
むはー
やっぱり無表情さんは至高やわぁ

613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/23(木) 03:45:10 ID:cUj.fjsE
「ねぇ」
「あ?」
「なんでファミレス?」
「この時間ならいつまでいても文句言われないから」
「文句言われなくても迷惑じゃん?」
「大丈夫」
「なにを根拠に……」
「お前が外出たいって言ったんじゃん」
「……そーだけどさー」
「なんだよ」
「……別に」
「奢るからなんでも頼めよ」
「やだ。太る」
「ん、じゃあドリンクバーでいいか?」
「いらない」
「……じゃあどうすんだよ」
「お冷でいいじゃん」
「はいはい……じゃあ俺はポテトでも食おうかな」
「なにそれ。じぶんだけ?」
「おめーがいらねっつったんだろ」
「……ふん」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………なに」
「……はぁ」
「…………チッ」
「しょぉおーがねぇえなぁぁああ……!」
「うるさい」
「うっせー、ほれ行くぞ」 グイ
「は? どこに?」
「ドライブだよ。こんな時間じゃカラオケぐらいしかねーけど、お前音痴だし」
「……お兄に言われたくないし」
「うっせーよ。ほれ行くぞ」
「…………ばか」 ギュッ

614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/23(木) 03:46:13 ID:cUj.fjsE
おわり
深夜のファミレスで見た出来事をアテレコしてみた

615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 02:06:14 ID:???
男「なあ女。こんなお土産を買ってきたんだが」
女「んー?なんねそれ?うわっ、なにこのもさっとると。……猫耳?」
男「そうそう。お前に似合うと思って」
女「に、似合うわけなかろーもん!こがんと恥ずかしゅうてつけれんよ!」
男「いや、絶対似合う。むしろ似合わないわけがない」
女「に、似合わんかったら今日の昼飯おごりやけんね?!」
男「いーから、さっさとつけなって。ほら」
女「………」
男「おお、似合う似合う」
女「な、なんかはずかしゅうて……これでよかとかにゃー……?」
男「いやもう、マジで完璧。それならどこに出しても恥ずかしくないよ、うん」
女「そがん褒められるとなんか照れるにゃー……///」
男「いやだってお前いつもにゃーにゃーって言ってるじゃん」
女「こ、これは方言やけん!仕方ないと!///」

後日

女「つかれたにゃー」
女「お腹すいたにゃー」
女「これでよかとかにゃあ……?」
男「猫耳つける?」
女「やけん、方言ってば!あーもう、うるさかにゃー!」
男「にゃー」

最近ようやくインターネットが普及しはじめたローカル地域
規制いつになったら解けるん・・・・・・?

616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 02:16:11 ID:???
俺の地元もこんな感じの方言だったら…!
素晴らしいにゃあ!

617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 08:34:47 ID:???
にゃあ可愛い!!

九州の方言かな

618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 08:49:43 ID:???
ぶっちゃけ方言いじられるのはかなり恥ずい
つまり羞恥プレイしたいほうだいってことだな

6191/4:2012/09/28(金) 20:23:43 ID:???
先週までのうだるような暑さはどこへやら。天候は九月が終わりかけだと気付くや否や、思い出したように寒々しい北風をふかし始める。
道行く人の服装も、もはや半袖姿が珍しいくらい。中にはコートを羽織る気の早い奴もいた。

そんな秋の日曜、昼下がり。
俺は猫又モドキのちなみさんから猫パンチを受けつつ、退屈な休日を惰眠して過ごしていた。

「………にゃ」

ちなみさんは明らかに眠ろうとしている俺の事など一切お構いなしに、
にゃあにゃあと口やかましく鳴きながらぷにぷにした肉球をスタンプのように押し当てる。
この人っぽいが猫っぽくもある生き物は100年生きただか油をすすっただか言われている猫耳少女で、名を椎水ちなみ。
今時珍しい平屋の我が家にいつのまにやら居つき始めた、それはそれは厄介な居候なのである。

「……てい、てい」

強引に瞼を閉じ続けるも、ちなみさんは構わず肉球で俺の顔を圧迫してくる。
大企業の社長ごっこでも始めたのだろうか。スタンプ押しがしたいなら、外に干してある布団の上でやってほしいのだが。

「…………」

尚も無視を決め込んでいると、やがてスタンプを押す手が止まる。
とはいえ、この様子じゃ諦めていないだろう。
長い付き合いだ。目を閉じていても、頬を膨らまし不機嫌になるちなみさんの姿が手にとるように想像できる。
さて、どう出るかと俺が様子を伺っていると──。

「…じゃきん」
「待て、爪を出すな」

流石にそれは洒落にならない。俺は慌てて飛び起き、まさに今爪を出し始めたちなみさんをどうどうと宥める。

「人が寝入っている隙に何をする気ですかちなみさん」
「……だって、起きないから」
「起きてほしいならそう言ってくださいよ。人語喋れるでしょう貴方」

とは言いつつも、もうすっかり起きてしまった事も事実。
俺は仕方なく布団替わりのタオルケットを畳み、枕を押し入れに押し込んだ。

6202/4:2012/09/28(金) 20:24:30 ID:???
「……で、どうしたんですか。俺と遊んで欲しいんですか?」
「なめるな。……あれ」

そう言ってちなみさんは、人の腕を上げてその先についた猫の手で指をさす。
そこは丁度、俺が枕をしまった押し入れ──の下段。あまり使ってないものを押し込んだスペースの一角に、こじんまりとした箱が閉じ込められていた。

「…七輪、ですか」

言いながら、俺はぼんやりと去年の秋を思い出す。
この七輪は親父の代から使っている年季の入った代物で、小さいころからこれを使い魚や肉、スルメ、海苔、おにぎりやパンなど色々な物を焼いて楽しんできた。
去年の秋も「消え行く日本の風景を復活させよう」と題し、庭でサンマを焼いて食べたものだ。

…そう言えば、ちなみさんと会ったのも去年の秋だっただろうか。
焼きサンマの匂いにふらふらと釣られ、庭に転がり込んできたのが最初だ。

「懐かしいですね」

そんな昔をしみじみと思い返していると、不意にかちゃ、と何かが開いたような音がする。
見ればちなみさんは器用に立って冷蔵庫を開け、中から何か細長い凶器のようなものを口に咥えた。

「それは?」
「ふぁ」

咥えたままもごもごと返事をし、俺の目の前にそれをぺいっ、と出す。
見ればそれには目があり、口があり、ヒレがある。
なんてことはない。昨日スーパーで買ってきた冷凍サンマだ。
冷たいものを咥えたせいか、ちなみさんは舌をぺっぺっと震わせていた。

「…あー、成程」

冷凍サンマと七輪。
これだけヒントを出されれば、普段鈍感と名高い俺でも何がしたいのかは容易に分かる。

「焼け、って事ですか」
「ん」

ちなみさんの簡素な答え。それに反論する理由も、特にはない。
俺は押し入れの前に屈み、七輪の入った箱を抜き出した。


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