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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

5232/7:2012/05/12(土) 17:36:19 ID:???
「あのさ。ねーちゃんって、普段学校ではどんな感じなんですか?」
『ちょ、ちょっと、大輝』
 質問の内容に、私はまた、慌てて止めようとした。学校での私を家族に知られるのも
嫌だったし、家での私を別府君に知られたくも無い。しかし大輝は私を全く無視して、
ワクワクした顔で別府君を見ていた。
「うーん…… 大人しくて、真面目で……友達と話してる時も、はしゃいだりする事は
なくて、休み時間も本とか読んでる方が多くて、イメージで言えば物静かな感じってと
ころかな?」
 別府君が語る私のイメージに、私自身もついつい真剣に聞き入ってしまった。別府君
が見ていた私のイメージが、私がそうありたいと願っていた姿に近かったのでホッとす
る。しかし、次の大輝の一声が、またも私を慌てさせた。
「へーっ? ねーちゃんが、物静か……ねえ?」
「あれ? 何か意外だった?」
 キョトンとする別府君に頷き、大輝が何故か得意そうな顔で答え始める。
「だって、物静かって…… ねーちゃんてさ。家では……」
 恐れていた事態に、私は即座にチョコを一つ手に取ると、抜く手も見せずに大輝の顔
に向かって投げつけた。それは的確に大輝のおでこを捉える。
「あいてっ!!」
 咄嗟におでこを押さえ、大輝が私に向き直った。
「何すんだよ、ねーちゃんっ!!」
『余計な事言わないの。人様に身内の恥を晒してどうするつもりなのよ。貴方は』
 てっきり、まだ言い返してくるかと思ったのに、大輝はいきなりプッと吹き出した。
「……貴方……だって……普段ぜってーそんなこと……って……やっべ……超おもしれー……」
 決めた。別府君が帰ったら、大輝は絶対にシメる。もうただでさえパジャマ姿での応
対で十分恥を晒しているのに、この上家での私をあれこれバラされたら、もう別府君の
顔をまともに見ることすら出来なくなってしまう。女の子の恥を、しかも密かに想って
いる人にバラそうとしたらどういう事になるか、大輝にはきっちり教育しなければ。
『勝手に笑ってなさい。いっそそのまま笑い死ねばいいわ』
 そう吐き捨ててから、別府君を見ると彼は興味津々な様子で私達を見ていた。
『何? 私のことジッと見て。何かあるの?』


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