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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

6191/4:2012/09/28(金) 20:23:43 ID:???
先週までのうだるような暑さはどこへやら。天候は九月が終わりかけだと気付くや否や、思い出したように寒々しい北風をふかし始める。
道行く人の服装も、もはや半袖姿が珍しいくらい。中にはコートを羽織る気の早い奴もいた。

そんな秋の日曜、昼下がり。
俺は猫又モドキのちなみさんから猫パンチを受けつつ、退屈な休日を惰眠して過ごしていた。

「………にゃ」

ちなみさんは明らかに眠ろうとしている俺の事など一切お構いなしに、
にゃあにゃあと口やかましく鳴きながらぷにぷにした肉球をスタンプのように押し当てる。
この人っぽいが猫っぽくもある生き物は100年生きただか油をすすっただか言われている猫耳少女で、名を椎水ちなみ。
今時珍しい平屋の我が家にいつのまにやら居つき始めた、それはそれは厄介な居候なのである。

「……てい、てい」

強引に瞼を閉じ続けるも、ちなみさんは構わず肉球で俺の顔を圧迫してくる。
大企業の社長ごっこでも始めたのだろうか。スタンプ押しがしたいなら、外に干してある布団の上でやってほしいのだが。

「…………」

尚も無視を決め込んでいると、やがてスタンプを押す手が止まる。
とはいえ、この様子じゃ諦めていないだろう。
長い付き合いだ。目を閉じていても、頬を膨らまし不機嫌になるちなみさんの姿が手にとるように想像できる。
さて、どう出るかと俺が様子を伺っていると──。

「…じゃきん」
「待て、爪を出すな」

流石にそれは洒落にならない。俺は慌てて飛び起き、まさに今爪を出し始めたちなみさんをどうどうと宥める。

「人が寝入っている隙に何をする気ですかちなみさん」
「……だって、起きないから」
「起きてほしいならそう言ってくださいよ。人語喋れるでしょう貴方」

とは言いつつも、もうすっかり起きてしまった事も事実。
俺は仕方なく布団替わりのタオルケットを畳み、枕を押し入れに押し込んだ。


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