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陰陽師 〜真実の能力〜
112
:
ピーチ
:2012/05/15(火) 23:33:48 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・あれ?」
誠人が起きたとき、真っ先に視界に入ったものは。見渡す限りの闇。その闇の中から、どんな生き物とも取れない妖の鳴き声が、耳からではなく、直接頭に響いてくる。
≪見ツケタゾ・・・天野 誠秋・・・!≫
「・・・え?」
誠人が言葉を発する前に、誠人目掛けて、妖が飛び掛ってきた。咄嗟に両手を組み合わせようとした時、妖が笑みを堪えながら口を開いた。
≪我ノコトヲ忘レタノカ?≫
その言葉が、誠人の頭にこびりついて離れない。
≪ナラバ仕方ガナイ・・・≫
コノ場デ力尽キヨ・・・その言葉を最後に、また違う声が聞こえてきた。
「・・・と・・・誠人!!」
「おいっ!起きろ!」
「・・・え?あれ・・・!?」
「あれ、じゃない!どうした!?」
「は?」
突然のことで、何を言われているのか全く分からない誠人の頭の上に“?”のマークが浮遊していた。
「・・・もういい・・・誠人、お前今日学校休めよ」
「え?何で?」
「まだ熱あるだろーが!」
明人の見事な即答に、誠人は一瞬、自分が風邪を引いていることを忘れていた、と思った。
「・・・あ」
「ってな訳で、お前は学校休み」
「あ、いや・・・ちょっと待ってよ」
「・・・もう、守人が学校に連絡入れたぞ?」
尭悸の、遠慮がちな声を聞いた誠人が、とってもゆっくりとした動作で尭悸の方を向く。
「・・・冗談?」
「ほんと」
「・・・」
「あ、じゃあ俺行ってくるから」
「・・・・・・行ってらっしゃい」
明人は部屋を出て行ったが、尭悸は一向に部屋を出ようとしない。
続きまーす。
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