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陰陽師 〜真実の能力〜

104ピーチ:2012/05/07(月) 23:50:20 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「ううん、ただ早めに帰って熱測れぅって言われて・・・」
「へ〜・・・って、じゃあ俺、邪魔してるってこと?」
「・・・いや、大丈夫だよ。どうせ夜には外出回ってるんだからさ」
「・・・あ、そう」
半分呆れた口調で返す裕也を見て、誠人はわけが分からずに、でもそのまま帰った。
「・・・誠人、そこ動くなよ」
「・・・はい・・・」
まるで、いたずらをした子供に対する言い方だ。誠人は内心、そう思った。
その内、明人が体温計を持ってきて、測るように促した。
「九度八分だとぉ!?」
見せるのを嫌がっていた誠人から、強引に体温計を奪って確認した明人が声を張り上げた。それを聞いた尭悸や守人、水希までもが目を見開いた。
「・・・誠人、寝てなさい」
水希が、静かな口調で命令した。
「いや、でも・・・」
「分かった?」
「・・・はい」
やはり、口では勝てないと判断したのか。誠人は抵抗を止め、大人しく部屋へ向かった。
「・・・やっぱり口では勝てないな。お前には」
守人が、静かに呟いた。
「まぁね、一応子供の頃からだもん」
そう言いながら、少し舌を出す水希を見て、尭悸と明人は
・・・どれだけ強かったんだ・・・
と思った。
「まぁ、それは置いといて・・・」
尭悸が、守人に誠人が部屋から逃げ出さないようにしてくれと言った。
「部屋から?」
「あぁ・・・あいつ一時期、自分の部屋の窓から外に出てたんだぞ?」
「・・・部屋の窓?」
「あぁ。ま、こんな時にそんなことができるわけないとは思うけどな・・・」
尭悸は、語尾を濁しながらも誠秋の生まれ変わりだと言うことを強調しようとしていた。
「・・・まぁな」
尭悸の言いたいことが分かって、守人も段々心配になってきたのか、たまに部屋にいるかだけ確認することになった。
「よし、行くぞ明人」
「え?もう行くの!?」
「あいつは行動が早いからな・・・お前と違って」
「・・・うるせー」
少し不貞腐れた明人を横目で見て、尭悸は笑いを堪えながらさっさと歩き出した。
「あ、おいっ!ちょっと待てよ!」
明人は喚きながら尭悸の後を追った。

陰陽師 〜心の内にあるもの〜  終わり


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