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陰陽師 〜真実の能力〜
103
:
ピーチ
:2012/05/07(月) 23:29:29 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「あ、そー言えば誠人・・・表作ってきた?」
「え?あぁ・・・作ってきたけど?」
裕也は、誠人の答えを聞いて、こう言った。
「俺も一応作ってはきたけどさ・・・こんなのでいいのか?」
裕也が見せたのは、紙に縦線や横線を引いただけの表だった。
「いいんじゃない?俺もそんな感じだよ?」
誠人は、裕也の表に比べて少しスペースが小さいだけだった。
「・・・細かいな・・・」
「え?何で?」
誠人本人は、長さを測って線を引いただけの表だった。
「まぁ、俺も長さは測ったけど・・・ほとんど適当だしな」
「へぇ・・・」
そんな話をしていると、尭悸が話に割って入った。
「誠人、お前やっぱい図書室行け」
「え?あ、いや・・・大丈夫だよ」
「え?どーした?」
尭悸の姿が見えない裕也は、首を傾げながら尋ねた。そしてその後、思い出したように言った。
「あ、もしかしてあの・・・何だっけ?誠人が前世から一緒にいる奴?」
「あ・・・まぁね・・・」
誠人は苦笑しながら答えた。そして、気付いたら尭悸の姿が見えなくなっていた。
「あ、あれ?」
そう言いながら辺りを見回すと、ドアの所から明人と明菜が顔を覗かせた。
「誠人ー!」
「・・・何でしょうか?」
「ほら、行くぞ」
「いや、だから大丈夫だって・・・うわっ!」
いきなり明人と明菜に腕を引っ張られ、誠人はバランスを崩した。
結局、二人に腕を引っ張られながら、誠人は保健室まで引きずられていった。
「架野橋先生・・・います?」
明菜が先に中に入り、その後に明人が誠人を引っ張りながら続いていく。
明菜は、保健室の中で架野橋と話をしていた。架野橋 なぎさ(かのはし なぎさ)。保健室教師だ。
「はい」
「へ?」
「体温計。熱測って」
「・・・明菜、ほんとに大丈夫だから・・・」
「いいから」
頑として譲らない明菜に折れて、誠人が体温計に手を伸ばした。
「・・・六度七分・・・」
誠人の言葉に、全員が目を見張った。そんなに低いわけがないのだ。
「だから大丈夫だって、俺言ったよ?」
もう戻るから、と言って誠人は教室に戻って行った。
「・・・何でだろう」
「あいつのことだから・・・また何かしたんじゃねぇの?」
疑問に思いながらも、明人達も教室まで駆けて行った。
「あ、誠人大丈夫か?」
「大丈夫、熱もなかったし」
その時、ちょうどチャイムが鳴った。五時間目の始まりのチャイムだ。
「あ・・・じゃあな!」
「うん」
裕也の席と誠人の席は、結構離れている。よく裕也が誠人の所に来るので、その時に限り裕也が席に着くのが遅くなる。
「・・・尭悸」
「何だ?」
「あのさぁ・・・邪魔なんだけど」
尭悸は今、誠人の机の上で大の字になっている。それを見た誠人は小声で、しかしはっきり言うと、尭悸は悪い、と言いながらその場をどいた。
その内、五時間目までが終わり全員が一気に鞄を掴み、一斉にドアの所まで走り出す。
誠人のクラスは、基本的に“帰りの会”というものが存在しない。たまに、担任の気が向いた時だけ“帰りの会”というものが存在するのだ。あくまで誠人のクラスは、だが。
「誠人ー、一緒帰ろーぜー」
「あ、うん」
「・・・誠人、今日は早めに帰れ」
「はい?」
「帰ってから、もう一回熱測れ」
「・・・大丈夫だったよ?」
誠人の反論に、尭悸は厳しく言い放った。
「お前は何しかけたか分からないからな」
「・・・・・・・・・・・・」
ただただ苦笑するばかりの誠人に、裕也が尋ねた。
「どーした?」
「・・・あ、いや、何でもない」
帰ろう、と早足で歩き出す誠人を追いながら、裕也は無意識に疑問を口にしていた。
「・・・何かあったのか?」
続きまーす。
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