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それは散り逝く者への子守唄(半リレー)

1レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 14:58 ID:0uOxJwL6
半リレーとは…
まず普通のリレー小説は、皆さんが任意で参加できる。自由度の高い小説ですが。
  この半リレー小説というのは、基本は皆様が書いていらっしゃる。長編小説です。
  ではどこら辺が「半」なのかというと、上で書いてますが「小説書いてみたいけど…長編を書く自身無いよ〜」また「書こうと思うけど、ちょっと練習してみたい」
  など、ちょっと書いてみたい!という願望を叶えようというものです。つまりちょっと興味で書きたいと思ったら…。一言言っていただければ貴方も参加できるというわけです。
  簡単に言っちゃえば許可が必要か否か…の違いなのですが…。

※本人が学生のため更新が少し遅れてしまうかもしれませんがご了承ください。
※荒らし行為or他人様の名前を無断で使い悪事行為をされた方には遠慮しません。
 管理人様に即通告。場合によっては警察沙汰も辞さないつもりです。
※「小説書いてみたいけど…長編を書く自身無いよ〜」また「書こうと思うけど、ちょっと練習してみたい」など…。ちょっと参加してみたいという人は申し出ていただいて私が確認しましたら参加OKです!!

 京翔学院中学校3−1組生徒名簿
男子1番石田 琢磨  女子1番愛 姫
男子2番上原 瑞樹  女子2番青原 ナミ
男子3番架原 恭司  女子3番天美 奈津子
男子4番川上 健斗  女子4番上鶴 稚奈
男子5番川久保 一真 女子5番小平 月子
男子6番菅原 仁   女子6番澤野 花実
男子7番桐生 雅貴  女子7番高木 かりん
男子8番幻双 匠   女子8番高杉 賀子
男子9番高杉 未来  女子9番谷 朝香
男子10番月草 弘法  女子10番廿楽 澪
男子11番西島 雅樹  女子11番七海 きき
男子12番前田 優   女子12番成瀬 あすみ
男子13番水島 翔吾  女子13番花原 京香
男子14番如月 奈壱斗 女子14番伏吹 光
男子15番山師 達樹  女子15番眞鍋 柳子
男子16番山田 浩二  女子16番夜野 紫苑
           女子17番吉田 佳林

2蜜 </b><font color=#FF0000>(u5UmjW1o)</font><b>:2004/01/18(日) 15:52 ID:4oG8l/3.
名簿完成おめでとうございます。
本編開始も楽しみにしてます。頑張って下さい。

3レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 16:11 ID:0uOxJwL6
☆一学期中間試験成績席次☆ 五教科得点/100×5
1高杉 賀子  481/500【学年トップ】  21吉田 佳林 279
2川久保 一真 453           22架原 恭司 267  
3小平 月子 435           23天美 奈津子260    
4水島 翔吾 429           24川上 健斗 258
5上鶴 稚奈 410           25如月 奈壱斗254
6前田 優 392【今回は頑張った】  26青原 ナミ 251【長く風邪引いてた…。】
7菅原 仁   388【国語学年トップ】  27西島 雅樹 250
8夜野 紫苑  384           28澤野 花実 247
9月草 弘法  380           29水島 翔吾 245
10七海 きき  377           30愛 姫   240
11谷 朝香   360           31山師 達樹 231【学期怪我をした】
12成瀬 あすみ 351           32高木 かりん 201
13花原 京香  344           33上原 瑞樹  195
14伏吹 光   330           
15高杉 未来  322【姉のおかげ…(笑)】
16山田 浩二  317
17桐生 雅貴  310
18眞鍋 柳子  300
19幻双 匠   291
20石田 琢磨  284

4レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 16:12 ID:0uOxJwL6
何と無く成績表を作ってみました(え

5レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 16:54 ID:0uOxJwL6
000 Prologue-1 中学男子バスケットボール全国大会会場にて…

 京翔学院はバスケットの名門校として有名である。
そして今回も京翔学院の3年連続全国制覇で間違いない…。と思われていたが、
会場のスコアボードには
『準決勝第二試合…ハーフタイム。京翔学院中28-112槙田第三中』
残り半分で84点差をひっくり返せるか…
誰もがあきらめていた。
「まだ終わってねぇ…まだ…終わってねぇよ」
と部長である水島 翔吾(男子13番)が全員に叱咤をしている。
「でもよ…ハァ…あいつら…背ぇ…高すぎだろ…」
と菅原 仁(男子6番)が返した。平均身長が15cmも違うのだ、嘆くのも当然といえば当然である。
「いいか!お前ら何逃げ腰になってるんだ!うちらには全国一のスピードがある。いいか…まだ半分だ…あきらめるんじゃない!」
そんな部員達の話を聞いていた顧問である夏野が、声を張り上げ一人一人の背中を叩いていった。
「よし…第三クォーターのメンバー発表するぞ…前田、菅原、水島。お前らは引き続き頼む。それから木野に変わって川久保。大下(副部長である)。この5人でいくぞ」
「はい!!」
部員達の声が会場内に響き渡った。
メンバーは円陣を組み水島
「俺たちはまだ終わっちゃいない!いくぞ!」
「おう!」
メンバーは円陣を組み水島(男子13番)の一言に
前田 優(男子12番)、菅原 仁(男子6番)川久保 一真(男子5番)そして大下は答えた。
そして…彼らはコートへと駆けていった――


応援席にはレギュラー以外の男子バスケ部の面々と先程女子の試合が終わった

6レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 17:26 ID:0uOxJwL6
001 Prologue-2 見守る者達

応援席にはレギュラー以外の男子バスケ部の面々と先程女子の試合が終わった高杉 賀子(女子8番)と眞鍋 柳子(女子15番)そして天美 奈津子(女子3番)とそして多分姉に連れてこられたのであろう高杉 未来(男子9番)が居た。
「ねぇ…ちょっと…マズくない…?」
今までの試合の流れを見ていた天美がそう言うと、
「どうしたんだろ…みんな…いつもより動きが悪い気がするよ…」
先程から点数が入るたびに一喜一憂していた賀子もちと不安気に言った。
「ほんとよね〜菅原とかいつもの感じと違うしね〜オイコラ!!なにやってんだぁぁ!!!」
と、眞鍋が吼えた…。
「うるさい…眠れんだろ…」
突っ込んだのはイスをベットにしている未来だった…。
「・・・」
呆れる天美。そして…「寝ちゃ駄目でしょ」と起こす賀子。
こんな未来を抜かした三人はこれでもたった今4-182という大差で女子バスケ部の決勝進出を決めてきたバスケの強者である。
「まぁ…みんなを信じようよ…ほらハーフタイム終わったし…」
未来をなんとか起こした賀子がそう言った。
「お…川久保君ようやく登場ね…」
と眞鍋が背番号を見ただけで言い当てた。
「ということは…もしかして…ウチの男子4人も出てるわね…」
「そりゃ楽しみだな…」
と起きたての未来が眼を擦りながら呟いた。
「みんながんばれ〜」
賀子はコートにいる男子達に手を振っていた。



この試合…124-130という近年稀に見る白熱した戦いになった。
そしてその年槙田第三中は悲願の初優勝を手にした――

7かかかーー!!:2004/01/18(日) 19:39 ID:STusIzus
読ませて頂きました!!
面白いです。      これからも頑張ってください!!

8koko:2004/01/18(日) 20:51 ID:V3oztwr2
名簿完成そして本編開始おめでとうございます。
あまり関係ないことかもしれませんが成績表に水島翔吾が二人いますよ
たぶん廿楽澪さんと間違えてると思います。

9秋菜:2004/01/18(日) 21:09 ID:lKWyL5nw
名簿完成&本編開始おめでとうございます☆
おもしろいです!!これからも頑張って下さいね!
応援してます♪

10レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 21:33 ID:0uOxJwL6
>kokoさん
…マジッすね。すいません
>かかかーー!!さん、秋葉さん
どうもっす
頑張りますんでよろしくです。

11ここす:2004/01/19(月) 20:13 ID:STusIzus
楽しいっス!!

12インビシブル:2004/01/19(月) 20:58 ID:xysNQTEk
結構面白いですねw頑張ってください

13レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 21:38 ID:0uOxJwL6
002 ここから始まる物語〜The tale which begins from here〜

 ここ、京翔学院中学校の3−1はエリートクラスと言われていた。
三年間学年トップを維持し続けている高杉 賀子(女子8番)や夜野 紫苑(女子16番)。それに、成瀬 あすみ(女子12番)に上鶴 稚奈(女子4番)そして月草 弘法(男子男子10番)など、生徒会の主要メンバーもこのクラスに集中しているくらいだ。
無論勉強だけではない。全国トップクラスを誇る京翔学院の男女バスケのレギュラーもこのクラスは有している。まさに文武両道が上手く整った、ある意味理想的なクラスである。

 「残念だったね…バスケ」
「悔しいけど全力でぶつかったからね…それで負けたんだから仕方ないよ」
賀子は、登校してきた、前田 優(男子12番)の姿を見つけると話しかけてきた。
向こうのほうでは、そんな優を睨む幻双 匠(男子8番)如月 奈壱斗(男子14番)が居た。
今日は8月31日。修学旅行の事前指導である。中学三年にとっては明日は、長崎への修学旅行の日である。
皆。長期休み明けで、上原 瑞樹(男子2番)のように「ダルい…冬休みよ…さっさと来い」
と言いながら机に突っ伏している奴も居れば、長期休みの積もり積もったネタ話を披露している奴も居た。もちろん二週間前にあったバスケの全国大会の話をしている奴もいた。
そんな他愛も無い時間が20分くらい過ぎた頃だろうか――
ちょうど担任の松野が教室に入ってきた。

「はーい。全員座れ〜。別にいいな〜。大体の話は明日の始業式で話すからな〜。さて…明日は修学旅行の日だが…お前ら何か忘れてないか?」
「?」
生徒のほとんどは、頭上にクエスチョンマークが出ていたが、ああ。あれか――と思い出す生徒も中には居た。
「はい。一学期期末試験の答案だ…。全教科まとめてあるからな〜」
はぁ――と息を吐いたのは高木 かりん(女子7番)。
彼女は理解している。松野がただ答案を返すわけが無い――と。
「もちろん、今回も成績優良者順に返すからな〜」
「え゛え゛〜っ」
「はいはい。最初からえ゛〜なんていうなら勉強して来い」
「よし返すぞ〜。高杉 賀子」
「はい」
「次〜川久保 一真に上鶴 稚奈それから小平 月子」
「はい・・・」「は〜い」「あ…ここやはり間違ってたか…」
ちなみに反応は小平 月子(女子5番)、上鶴 稚奈(女子4番)、川久保 一真(男子5番)の順である。
「で次が…おお今回は頑張ったな高杉 未来」
「え゛…マジ」
「マジだ」
松野の歯がキラリと光った。
「つっしゃあ〜」
「はいはい騒ぐのもいいが次〜水島 翔吾に夜野 紫苑。んで菅原 仁〜」
「ま…コレぐらいね・・・」
と呟いたのは夜野 紫苑(女子16番)である。

14レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 22:00 ID:0uOxJwL6
「うわっ…ここ馬鹿してるし!」
教室の端で頭を抑えているのは水島 翔吾(男子13番)。
「あ・・・国語97点か…」
97点で納得していないのは菅原 仁(男子6番)。
「んで…七海 ききに前田 優か…。」
と・・・次々に呼ばれていった。
そして――
時は来た――
一学期のベストオブバカの決定をする時が――
まだ呼ばれていないのは――
上原 瑞樹(男子2番)。愛 姫(女子1番)。高木 かりん(女子7番)の3人。
「今回はそこそこ頑張った!」「ううっ…ビリなんかになったらまた、ききに勉強しなよ〜とかなまったるい声で小うるさく注意されちゃう」「別っに〜どうでもいいし」
なんとなく情けない闘気が渦巻く教室で――
「さて…ワースト3だが31位高木 かりん。」
「はーい☆」
マジデスカと言いたげな上原を横目にうれしそうに答案を取りにいく高木であった。
ゴクッ――
ここからだ…
「32位…は愛 姫」
チーン。                        
山師 達樹(男子15番)が2連覇おめでとうと、冷ややかな視線を送っていた。

上原 瑞樹は思った――
俺って――
可哀想――

と――

15レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 22:47 ID:0uOxJwL6
ここすさん。インビシブルさんどうもです。

16ビーズ:2004/01/19(月) 23:02 ID:2ZJtVyVI
つまり他人任せだけど権利は自分にあるってことですよね??
なんか・・・微妙

という個人意見^^;

17レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 23:07 ID:0uOxJwL6
>ビーズさんへ
いえ…もし他の方が書かれた場合は、それぞれの話の著作権は各個人にあります。

18秋菜:2004/01/20(火) 00:08 ID:5NYYjbfQ
面白いです!生徒紹介もしっかりとしてあって分かりやすいです☆
次回も期待しています!!頑張って下さいね^^

19レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/20(火) 22:26 ID:Sop2x8vE
003 僕達の修学旅行1〜My study travellingⅠ〜

 9月1日。晴れ。今日はようやく待ちに待った修学旅行の日。
そして――
運命の歯車が狂いだす日――

京翔学院中校庭にて――
ちなみにバスの到着を待っているのだが・・・。
「ねぇねぇ天美ちゃん…旅館について…夜になったら…しようね…」
伏吹 光(女子14番)が相変わらずのあま〜い声で、天美 奈津子を口説いている。
「なんつうか…淫靡に聞こえるのは俺だけだろうか…」
隣で伏吹達のやり取りを聞いていた上原が呟いた。
「いや…俺もだ。後で部屋を覗きにでも行くか・・・」
そんな呟きに答えるのは石田 琢磨(男子1番)。
「部屋覗いたら・・・・・・」
そう言い、藁人形をちらりとみせる小平。
「・・・スイマセンでした・・・」
「にこっ・・・」
微笑すると何事も無く去っていく小平に、石田と上原は恐怖を覚えたのは言うまでも無く――
ちなみに生徒会の面々は何かと忙しいらしくこの場には居なかった。
「あっ・・・バス来ましたよ〜せんせ〜。」
ずっと校門を見ていた。青原 ナミ(女子2番/ちなみに本日も胸元のボタンを閉じてなく何回生活指導の先生に怒られたか・・・)
が、修学旅行に参加する先生を呼びにいった。

日は紅く―――
空はどこまでも蒼く―――
そして―――
僕らは―――
そのバスに乗った―――


事態が明らかに畏怖すべき時に当って、これを恐れぬということは、明智に乏しいか、
これを欠いているかの徴(しるし)ともなるわけだな
ラブレー【ラブレー第四之書 パンタグリュエル物語】より

20おk:2004/01/21(水) 14:15 ID:RSdDUxP6
やっとはじまった!

21レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 11:01 ID:TNHSuqUY
004 僕達の修学旅行2〜My study travellingⅡ〜

 そのバスは確実に悪夢へと進んでいた――
「な、な、なぁ旅館についたらなにするよ?」
「おおwお約束な質問だな♪。やっぱそーだな・・・・・・」
「そんなことで本気で悩むなよ…」
先ほどからバスの後方で騒いでいるのは山師と石田である。

その2,3列ほど前の席では小平が恒例のタロット占いをしていた。
「ねぇねぇ…でた?」
「・・・逆位置の運命の輪」
「どんな意味なの?」
「悪化、不運な方向への展開、幸運の後の落とし穴、タイミングを逃す、見込み違い、すれ違い。歯車の回転がどこかで狂ったかのように、悪い方向へと物事が進んで行く・・・」
「え゛マジ」
伏吹が驚いたように変な声を上げた。
「マジ・・・」
小平はそんな事も気にせずただ返答するだけだった…。

優は、賀子と話していた。
「ねぇ前田くんってさ好きな娘とかいるの?」
「へ?い・・・いや別に・・・いないけど」
「そーなんだ…」
「まぁ…そのうちできると思うけどね」
「なーに二人でこそこそと話してんのよっ!!」
「あっ!姫!そんなに強く蹴ったらだめでしょ!」
そんな中。愛 姫とその保護者(失礼)こと七海 ききの二人が話に入ってきた。
「で何話してたのよ」
「いや…賀子が好きな娘はいるのか?って…」
「で・・・どうなのよ?」
「いや…いないけど…」
「ツマンナイ人生してるわね〜」
「わわっ!姫失礼だよ」
二人の圧倒的なオーラに賀子もただただ圧倒されている。
「で…姫は何しに来たんだ?」
優がようやく話を変えることに成功した。
「え・・・ああ・・・なんか眠いから。話でもしようかなと思って…ホラ七海も賀子も…皆も寝ちゃってるからさ…」
「何か…おかしくないか?」
「何がよ…」
「い・・・や・・・」
意識がそこで飛んだ。
「えっ?ちょっと優ぅ?ねぇ…優?おーい起きなさいよ」
「まったく・・・もういいや私も寝ちゃえ・・・」

22レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 11:50 ID:TNHSuqUY
>おkさんへ
お待たせしてしまいスイマセン

23流し読み:2004/01/22(木) 13:01 ID:ScnSRuEo
しょうがないですね。止まってるようなので少し書いてあげますw

そう言い終えると、姫は持っていたコップを落とし、唐突にだらりと上半身を前に倒した。
姫の落としたカップからこぼれたジュースは床をつたって、散らばっていたタロットカードを湿らせた。
頭が座席の後部についている飲み物を置くカップに衝突したが、そのまま姫の意識は戻らなかった。
バスに乗っていた他の生徒たちも、同様に意識を失っていった。
座席の上についている送風口から、ある種の気体が放出されているのに気づいた者は、誰もいなかった。
暖気と混ざり合いながらバス内に拡散していったのは、亜酸化窒素と呼ばれる気体だった。
この気体は主に医療用に使われ、全身麻酔などの用途に広く用いられているものだった。
亜酸化窒素はすべての生徒が意識を失った後も、バス内をくまなく覆うよう噴霧されつづけた。

24流し読み:2004/01/22(木) 13:19 ID:ScnSRuEo
五分後、ガスマスクをつけてハンドルを握っていた運転手は、ブレーキを軽く踏んでバスのスピードを緩めた。
そして、同じようにマスクを装着したバスガイドの方を向き、左手の親指で肩越しに後ろの座席を指した。
「全員、確認してくれ」
マスク越しに、低くくぐもった声が発せられた。
それを聞くと、バスガイドは顔を大きく動かしてうなずいた。
バスガイドは、乗り降りする階段の近くにある、ビデオなどをしまって置くための収納ボックスを開けた。
そこにはビデオデッキや、ゲームなどに使うスケッチブックなどが収められていたが、バスガイドが取り出したのは別の物だった。
口と鼻を塞ぐマスクのついた、スプレー缶だ。
それは睡眠状態になっていない生徒の意識を奪うために用意された、亜酸化窒素の吸入器だった。
さらにバスガイドは、ビデオデッキのかたわらから、伸縮式の警棒を取った。
手に握って腕を振った。
すると、警棒は金属音を響かせながら、即座に伸びて護身用具となった。
運転手は足元についていたレバーを操作し、バス内の亜酸化窒素を除去するための外気を取り入れた。
彼女がそれを使った時に火花が起こり、亜酸化窒素に引火する可能性があるからだ。
検知器に連動している緑色のランプが点灯し、残留する亜酸化窒素が無くなった事を知らせた。
バスガイドは腰のホルダーにスプレー缶を装着すると、警棒を構えながら、バスの前後に伸びる長い通路を歩いて行った。

25流し読み </b><font color=#FF0000>(PZlFKFj6)</font><b>:2004/01/22(木) 13:24 ID:ScnSRuEo
一応、トリップつけます。
忙しくてこれ以上は関われないと思うので、後は勝手に書いて下さいw

26レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 16:28 ID:TNHSuqUY
>流し読みさん
別に止まってませんが…それと許可無く書かないでいただきたい。
ですが…、止まっていると判断出来た状況ならば謝りますが
勝手に書き込むのはこれっきりにしていただきたい。

27得たい人:2004/01/22(木) 17:57 ID:tZPVM0HA
もうリレーできないんでレベッカさん一人で書いたらどうですか?

28レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 18:00 ID:TNHSuqUY
>得たい人さん
そうすっね…考えときます。

29レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 20:55 ID:TNHSuqUY
せっかく書いてもらったからそれに繋げるか…

30レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 21:54 ID:TNHSuqUY
005 目覚め〜Waking〜

 優は目覚めると異変に気が付いた。
ここはバスの中じゃないと(んなもの見りゃわかるのだが)そして、目の前には兵士らしき人物がいて。
とりあえず
「此処。何処ですか?」
聞いてみる事にした。
すると部屋の端に居た。責任者らしき女性が歩いてきた。
「此処?此処はね…ふふっ…日本から遠く離れた島だよ☆」
微笑みながらその女性は答えた。
「は?」
(まて、確かに長崎には島はそこそこ多いが…日本から遠く離れた島?五島列島の一つか?というか…島なんて目的地にあったっけ?)
そして彼が出した答え。それは、
まさか――
いや…そんな訳無い。これは夢だ。夢なら寝てしまおう――
でも…
「あら…寝ちゃ駄目だめだよ☆…」
この女が寝かせてくれない――
「なんでですか…」
「ふふ…これから大切なお話があるからね〜」
大切な話?予定地変更とか?――
「あら…それなりに皆起きたみたいだね☆…ごめんね〜みんな寝ている子を起こしてくれないかな☆」
いろいろな場所から「あいつ。誰だよ」「ねぇ此処は何処?」
など声が上がっている。

「はい〜はい。皆いろいろと質問があると思うけど、今は話を聞いてね〜☆」
そう言って教卓(らしきもの)をバンバンと2回叩いた。
「単刀直入に言うね〜☆みんなには…殺し合いをしてもらいま〜す☆」
やはりそうだったか――
あれ?でも首輪が無い?どうしてだ?
「ふざけんな!何が殺し合いだ!そんなのは本だけの話だろ!」
そう、叫んだのは山田 浩二(男子16番)。
「そうね…本来なら本だけの話、でも〜ね☆ある程度のお金を警察と政府に払えばぁ〜。無かった事にするぐらいできるのよ☆金持ちの道楽ってやつだよ☆」
金持ちの道楽?
なんてこった・・・
「で…でも首輪が無いじゃないか!!」
いまだに信じることができないのか、山田がさらに続けた。
「ふふ・・・君はよく知ってるね〜☆そう本来のBRなら首輪をつけてたよね〜☆で〜も、そうすると首輪がなにかのマチガイで取れちゃうかもしれないから〜☆爆弾は…君達のお腹の中にありま〜す☆」
そう言ってその女は自分のお腹を指した。
「あ…でも☆吐いたり…その…排泄行為なんかじゃ出ないから安心してね☆」
「でも・・・・・・」
ようやく山田は黙った。
「それじゃ公平に武器と出発順をくじで決めたいと思いま〜す☆それじゃ出席番号順にこの二つのくじをひいてね〜☆」

最悪だ――
本当にBRみたいだ――

くじをひいている琢磨を見ながら優は思った。

31レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 22:56 ID:TNHSuqUY
配布武器と出発順(出席番号前に表記)
4男子1番石田 琢磨 ColtM1911A1    
21男子2番上原 瑞樹 オートボウガン
8男子3番架原 恭司 スペツナズナイフ 
15男子4番川上 健斗 BerettaM92FS
20男子5番川久保 一真 100円ライター
12男子6番菅原 仁 火炎放射器
25男子7番桐生 雅貴 手榴弾
28男子8番幻双 匠 ピアノ線
1男子9番高杉 未来  もずく
33男子10番月草 弘法 IngramM11
16男子11番西島 雅樹 スタンガン
6男子12番前田 優   RemingtonM31
31男子13番水島 翔吾 水鉄砲
11男子14番如月 奈壱斗 コンバットナイフ
30男子15番山師 達樹 配布アイテムリスト
2男子16番山田 浩二  偽典

18女子1番愛 姫 S&WM29 9女子13番花原 京香 毒薬
24女子2番青原 ナミ 日本刀 22女子14番伏吹 光  釘バット
29女子3番天美 奈津子 大鎌 13女子15番眞鍋 柳子 折り畳み式槍
3女子4番上鶴 稚奈 DesartEagle.44Magnum   26女子16番夜野 紫苑 札束
32女子5番小平 月子 出刃包丁 17女子17番吉田 佳林 クマのぬいぐるみ型爆弾
14女子6番澤野 花実  Hi-StandardDerringer
23女子7番高木 かりん 富和工業64式小銃
7女子8番高杉 賀子 医療セット
5女子9番谷 朝香 手裏剣
27女子10番廿楽 澪   伸縮式特殊警棒
19女子11番七海 きき 人物探知機
10女子12番成瀬 あすみ 硫酸入り水鉄砲

32レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 22:57 ID:TNHSuqUY
うわっ・・・分かりにくい…スイマセンです。

33紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/01/22(木) 23:16 ID:77k.nu46
私の夜野紫苑の支給武器札束ってのがナイスです(笑)

34インビシブル:2004/01/23(金) 05:49 ID:xysNQTEk
あちきの山下達樹も配布アイテムリストは結構使いやすそうですねw

35流し読み </b><font color=#FF0000>(PZlFKFj6)</font><b>:2004/01/23(金) 11:29 ID:ScnSRuEo
>別に止まってませんが…それと許可無く書かないでいただきたい。
>ですが…、止まっていると判断出来た状況ならば謝りますが
>勝手に書き込むのはこれっきりにしていただきたい。

ははあ、それは申し訳ありませんでしたねw
長編を書く自信の無い人が書く時には、レベッカさんからアドバイスを受けるようにして参加するような意味だと思っていたので。
では、私が書いた部分(23番と24番)は無視して貰ってもかまいません。

36レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 17:15 ID:X/AEvWjI
>流し読みさん。

理解していただいて幸いです。
また、僕はまだまだ教わるほうです。
それとせっかく書いてもらったので23、24番は使わせていただきます。

37レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 17:56 ID:1PN.Uxp2
それぞれの武器説明

☆ColtM1911A1☆一般的にはコルトガバメントという名前の呼ばれ方が有名。1911年に米軍に正式採用され米国政府が認証した、と言う意味でガバメント(Goverment=政府)と呼ばれる。
        口径.45ACP 装填数7+1

☆オートボウガン☆大型のボウガン。赤松 義生が持っていたものよりさらに大きくなり威力が増強されたがその分扱いにくい。

☆スペツナズナイフ☆旧ソ連軍の使用した発射式暗殺用ナイフ。鍔にあたる部分にあるスイッチを押す事で刀を前方に飛ばす事ができる。

☆BerettaM92FS☆現代軍用拳銃の傑作のひとつ。15発と装弾数が多い。1911A1の後継としても米陸軍にも採用された。(採用名M9)。
        口径9mm×19 装填数15+1

☆100円ライター☆人類の知恵の象徴である火を最も簡単におこすための道具。ちなみに火遊びは厳禁

☆火炎放射器☆可燃性の液体を圧縮空気にてスプレーすると同時に点火装置で着火して火炎を放射する装置。射程は短いが制圧力は高い。

☆手榴弾☆言わずとしてたパイナップル。安全ピンを抜き投げればボーンッ!。ちなみに威力の高いアメリカ製。

☆ピアノ線☆強強度ワイアーの総称。何処からともなく必殺仕事人のテーマでも流れてきそうなアイテム。ちなみに、現在のピアノ線は最新技術により恐ろしいまでの強度を獲得している。

☆もずく☆褐藻類モズク科。血液浄化、抗癌性などが指摘されており、注目を集めている。ローカロリー。

☆IngramM11☆イングラムM10の改良型。小型化し連射速度か上がったが扱いづらい。
       口径.38ACP 装弾数32+1
補足IngramM10:コンパクトなサブマシンガン。弾をばら撒いて敵を制圧するタイプの銃なので命中精度は悪い。射速が早く約2秒で弾薬を撃ちつくす。
       口径.38ACP 装填数30+1

38レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 18:23 ID:1PN.Uxp2
☆スタンガン☆高圧電流を相手に流し込み、相手に手足の麻痺などを引き起こす武器。

☆RemingtonM31☆ポンプアクション式の散弾銃。小さな球弾を大量にばらまくので近距離ならかなり有利。
       口径12Ga  装填数4+1

☆水鉄砲☆ただの水鉄砲。最近の水鉄砲って・・・すごいよね・・・。

☆コンバットナイフ☆米陸軍に採用されている軍用ナイフ。グリップから刃まで反射防止のために漆黒に塗られている。サバイバル用品としてもかなり優秀な一品。

☆配布アイテムリスト☆今あなたのご覧になってるモノ。ちなみに正式的なものは写真と所持者の名簿付き。使い方によっては銃にも匹敵する武器(アイテム?)

☆偽典☆聖典の写本。叩かれると痛い。「――かつて悩めた人よ、かつて憂いた人よ・・・」

☆S&WM29☆通称『44マグナム』。映画「ダーティハリー」において主人公キャラのハンが使った事で一躍有名になったリボルバー銃。
     口径.44Mag 装填数6

☆日本刀☆一見なんの変哲もない刀だが、その刃にはトリカブトの毒が塗ってあるのでかすり傷でも逝っちゃいます。南無南無〜。

☆大鎌☆よくゲームやマンガなどで死神が持っているあの鎌。せっかくなので再現してみました。ただものすごく重いよ?振れる?

☆DesartEagle.44Magnum☆.44マグナム弾を使用。.357バージョンであった。パワー不足が解消されている。安定した威力と性能を誇る。

☆出刃包丁☆分厚い刃を持つ和包丁。その重さを利用して魚や鳥を骨ごと叩き切ったり、捌いたりする。

☆Hi-StandardDerringer☆ハンドバッグなどに忍ばせたりする拳銃として有名。小口径だがマグナム弾を使用する。トリガーが重い上に2発のみしか装填できないため撃ち合いには不向き。メリルの愛銃としても有名。

☆富和工業64式小銃☆日本国産の自動小銃。他国の銃と比べて数倍の値がする高級品。命中精度は高いが、部品点数が多く整備面に弱点を抱える。
          口径7.62mm×51 装填数20+1

39レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 18:49 ID:1PN.Uxp2
☆医療セット☆普通の学校においてある普通の救急セット。

☆手裏剣☆日本の忍者が使った言われる。菱形手裏剣。刃の部分に遅効性の毒が塗ってある。使いこなすには熟練の腕が必要。

☆伸縮式特殊警棒☆世界中の警察官が装備している殴打武器。持ち運びやすさの割に威力は大きい。

☆人物探知機☆携帯電話型探知機。参加者に対応した番号が表示される。

☆硫酸入り水鉄砲☆H2Oの代わりにH2SO4が入った水鉄砲。おもちゃとおもって油断したら。火傷するよ〜。

☆毒薬☆シアン化カリウムの入ったビン。料理に入れてしまえばかってに向こうが死んでくれます。

☆釘バット☆バットに大量の釘を打ち込んだもの。一昔前はハリセン、100tハンマーに並ぶツッコミ道具だった。

☆折り畳み式槍☆折り畳んでコンパクトに収納できる槍。かさばりません。

☆札束☆相手を買収するもよし株成金の如く燃やして明かりにするも良し。

☆クマのぬいぐるみ型爆弾☆一見可愛らしいぬいぐるみだが、その正体は小型爆弾。小さい建物なら吹き飛ばせるほどの爆発力を持つ

40レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 19:25 ID:1PN.Uxp2
006 ゲーム開始は満月の夜と共に〜A game start is the night of a full moon〜

 「え〜と今、それぞれのアイテムの準備しているから、ちょっと待っててね〜☆」
すべてのくじを収集、確認した女が言った。
「ちなみにルールはみんな知ってるかな?知らない人もいるみたいだからね☆最初にこの島は日本から遠く離れてま〜す☆あと禁止エリアって言うのがあるんだけど…まぁそれは後でね☆ちなみに期限3日。期限を過ぎると皆ボ〜ンだからね☆ちなみに放送は毎日4回。さっき言った禁止エリアもこれに関わってくるからね。この島は100のエリアに分類されてます☆各放送ではそれまでの死者とどの位置が危ないか放送されま〜す☆なんで危ないかって?そんなの決まってるじゃない!禁止エリアに入ったらボーン!だからね☆Are you OK?ごめんね〜おねいさん説明下手だから分かりにくかったでしょ☆でもそのうち分かるからね☆」
「あっ!そういえば名前言ってなかったね〜☆私の名前は『秋小路 夢』っていうからよろしくね☆」
甲高い声で一人騒いでるな…
そうとだけしか優は思わなかった。

果たして俺は…七原 秋也のようになれるだろうか?

いや…どうだろう…

でも…これだけは言える…

絶対に皆で脱出してやる…と。

そんなこんなで何分過ぎただろうか…
いまだにあの秋小路とかいう女は喋り続けている。
最近の政治はどうだとか、最新のリップの色が気に入らないだとか、はっきり言ってどうでもいい…
そんな時だった。
二人の兵士がデイバックの積んである荷台を持ってきた。

いよいよか――

「はい☆準備できたみたいだね〜☆」
「それでは9月2日午前0時05分BR開始〜☆」

「それでは出発番号1番高杉 未来君!」
「はい…」
賀子が心配そうに見つめている。
そんな未来は皆に一礼すると走って出て行った――

殺し合いは今始まった――

【残り33人】

41レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/24(土) 17:14 ID:cbTvtxcM
007 そして僕の番が来て・・・〜And my watch comes...〜

 「次は〜出発番号4番石田 琢磨君☆」
だが琢磨は動かなかった。
「何をしている!早くしろ!」
兵士の一人が叫んだ。
それでも琢磨は動かなかった。
「俺はこんなクソゲームになんか乗らない!」
「あらら〜☆早速出ましたか〜☆」
秋小路が困ったようにこめかみに指を当てていた。
「しかたないですね〜☆」
秋小路が静かに右手を上げた。
同時に部屋に居た全ての兵士が琢磨に銃を向けた。
「いまなら☆まだ間に合うよ〜☆」
「琢磨!」
達樹が心配そうに見ている。
室内に緊張が走る。
「どうしますか?あと5数えるまでに答えをお願いしますね☆」

「5」
「琢磨!いいから行け!」
「嫌だ!俺は…俺は…」

「4」
「頼む行ってくれ…」
「みんなは理不尽だと思わないのかよ!」

「3」
その時意外な人物が語りだした。
「行け・・・今お前が死んでも何もならん…理不尽なのは分かっている…。だけど死ぬな!生きろ!」
翔吾だった。

翔吾が語る間にもカウントは進んだ。
「2」
「生きてこいつらに仕返しをすれば良い…だから今は、生きろ!」
「・・・・・・」

「1」
「分った…行きゃいいんだろ」
兵士達が静かに銃を下ろした。
「はぁ〜い☆ヒヤヒヤしたけど理解してくれて、おねーさんうれしいです☆」
「けっ…」
そう言い残しデイバックを受け取った琢磨は出て行った。

42レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/24(土) 17:24 ID:cbTvtxcM
「え〜と☆無駄な時間を過ごしてしまいましたが・・・次は、出発番号5番谷 朝香さん☆」
「はい」
いつもの、授業で当てられた時のように朝香は静かに立ち上がった。
そして…
「私は殺しなんてしないから」
そう言い残し駆け足で出て行った。

「はい無駄な努力がんばってね〜☆」
この女は…
「え〜と次は出発番号6番前田 優君☆」
「はい」

何故だろう――
秋小路までの距離が長く感じられた――
「はいデイバックね〜☆」
「・・・・・・」
「あ〜ら怖い怖い☆」
俺は一回秋小路を睨み。
「俺は皆を信じてるからな」
静かに俺は出て行った――

嘲笑う匠を背にして――

絶対にみんなでこの島を脱出してやる――


【残り33人】

43kurosuke:2004/01/24(土) 21:08 ID:S4m7G/ZI
こうして、レベッカさんの小説を連続して読めると嬉しいですね。
いろいろと大変な事はあると思いますが頑張って下さい。
一番最初の成績表を載せるところとか、面白いアイデアだと思います

44レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 01:56 ID:sTyt9QSA
>korosukeさんへ
うれしいです。これからもよろしくお願いします。

45レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 12:40 ID:fdVy.dow
007 姉の憂鬱〜An elder sister is melancholy〜

 優は、校門の前に居た。
とにかく誰かと協力して脱出を謀りたい。
俺の前に出て行ったのは
未来、浩二、上鶴さん、それから琢磨に、谷さんの5人だ。
できれば上鶴さんに会いたい。
彼女はクラスでもかなりの人気者だ…
彼女が協力してくれれば、自然と人も集まる。
だが…彼女は今何処に…
次に出てくるのは誰だ?
もうそろそろのはず――
人影が見えた。
誰だ?
「あれ?前田君」
「賀子か…」
うん、賀子なら大当たりだ――
「賀子。一緒にこのゲームを止めないか?」
「うん…いいけど…未来を知らない?」
「ごめん…分らない」
「ううん…いいよ前田君が悪いわけじゃないからね」
その時だった。
「死ねぇ前田、高杉ぃ!!」
驚いて振り返るとそこに居たのは架原 恭司(男子3番)だった。
恭司の右手には月光で鈍く光るナイフ。
「お…い恭司…嘘だろ…」
「ちょっと架原君…」
とっさに賀子を俺の後ろへと庇う
「何が信じてるだ…誰も助けてくれるわけないだろ戯言もいい加減にしろ!」
かすかに恭司は震えている。
怖いのだ、こいつも――
この状況が――
ちらりと花原が見えた。
俺は逃げろと目配せをした。
状況が読めたのか花原も静かに頷いた。

46レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 12:54 ID:fdVy.dow
よし――
なんとか他の奴を巻き込まずに済んだ。
恭司も花原には気づいていない。
「さぁ…死んでくれよ前田…高杉」
ごくりと一度唾を飲む
やけに時間が長く感じる――

「前田君!!高杉さん避けて!!」
えっ!?成瀬?…と花原――
「うぎゃゃっアチィ」
「これは硫酸よ…さぁ架原ぁ!前田君と高杉さんから離れなさい!!」
「ちっ…」
背中をさすりながら架原は闇へと消えた。
「大丈夫?」
心配そうに成瀬 あすみ(女子12番)が駆け寄る。
「ああ…大丈夫だ」
「うん平気だよ…でもどうして?」
「花原さんが必死で私に助けを呼んだのよ…」
京香も静かに頷いた。
「とにかく此処をいったん離れよう」
「そうね…」

このゲームに乗ってしまった奴がいた――

もしまた架原に遭遇した時、俺は彼女達を守れるだろうか――

恭司…なんでだよ…

俺、分らねぇよ…

【残り33人】

47もやし </b><font color=#FF0000>(VhibhzPQ)</font><b>:2004/01/25(日) 19:23 ID:shj2zV8M
やっぱレベッカさんも文章、上手いですね〜。
それで、結局この小説はリレーではなくレベッカさん所有の長編、ということになるのでしょうか。

48レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 19:31 ID:b1mIVVLo
>もやしさん
すいません、そうなっちゃいますね。本当にすいません

49レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/26(月) 20:05 ID:L.tj0ICw
008 ききの場合〜In case of KIKI〜

 優達が校門前から去ってからもうすでに数分が経とうとしていた。
その間もいろいろな生徒がこの門を駆けて行った。
そして次で19人目、すなわち出発番号19七海 きき。
「はう…姫の後だったら待っててもらえばよかったよ〜」
出発の順番はくじなのでそれもまた運である。
「そういえば〜。私のアイテムって探知機だったような」
そう言いデイバックを漁り始める。
中には食料、懐中電灯、コンパス、文房具、地図が入っていた。
そして奥のほうに液晶の付いた機械を見つけた。
「ああっ〜。これかぁ〜」
ボタンをぽちっとな――
するとこの島の地図と青のシンボルの近くに数字。そして赤のシンボルの近くに数字と2種類のマークとその他のこの島の施設の記号が現れた。
「青は男子…だよねぇ」
まわりには自分しかいないが呟く。
すると島の中央部に進む大量のシンボルが目に付いた。
「青の12、赤の8、赤の12、赤の13か…まぁいいや…今は姫を探さないと」
「え〜と赤の1は…何処だろ?」
「あっあった、って姫…もしかして走ってる…?」
ものすごい勢いで移動する赤の1。
特に誰かに追いかけられているというわけでもなさそうだが…
そんなことは過保護のききには関係なかった。
姫が危ない――

滅多に走らない姫が走ってるなんて――

誤解とは恐ろしいものである――

単に地図を最大まで拡大しているから速く移動しているように見えるだけなのだが、機械オンチの彼女にそれが分かるわけなく――

姫――

今助けるからね――

決意――

理由はともかく彼女は決意した――

【残り33人】

50レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/27(火) 18:10 ID:EQ8SOoMk
009 狂った獣がそこに1〜Deviates the animal which thereⅠ〜

 恭司はとにかく走っていた。
行き先も分からなければ、何処を走っているかも分からないが
とにかく背中を一度水で冷やしたい――
それだけが彼を動かしていた。

くそ…硫酸なんて…予想外だった

背中がまだいてぇ…

成瀬…次見つけたときは容赦しねぇ…

その時彼が耳にしたのは水の音。

ちょうどいい小川か…湖か…
視界が開けたところにあったのは湖だった。
とても水が綺麗で、こんな夜中でもかなり深いところまで透けて見えている。
それに今宵は満月。
湖に浮かび揺れる満月。
一度人を殺しかけた恭司もこの幽玄かつ荘厳な風景に
ただゴクリとつばを飲み見惚れていた。
しかし見惚れているわけにもいかない、恭司は再び現実世界に戻った。
背中を一度冷やそう――

湖の水をすくい背中にかける

気持ちよかった。

ただ彼の背後に分厚い本を持った――

偽典を持った山田 浩二(男子16番)がいる事を気づくのは――

まだ…無理なようだ――

【残り33人】

51レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/28(水) 19:01 ID:QYmOEEh2
010 狂った獣がそこに2〜Deviates the animal which thereⅡ〜

「うらぁぁぁぁっっ」
浩二は覚悟を決め恭司に飛び掛かった。
ガスッ―――
後頭部に渾身の一撃の偽典。
不意打ちは見事に成功だった。
「あ・・・く・・・っ」
恭司は気を失った。

「はぁはぁ…死んだか?」
浩二は手首を探った。

いや――

生きてる――

やはりこんな分厚いだけの本じゃ人は殺せないか――

しかたない――

浩二は恭司の頭を掴み、そのまま湖に沈めた。

ブクブクとあわがたっている。

恭司は目を覚ましたのかもがいている――

だが――

浩二は離さない――

運悪く恭司はナイフをデイバックにしまっていた。
くそ…俺の負けか――
恭司の意識はそこで途絶えた。

「ふう…ようやくくたばったか…俺を馬鹿にしてきた奴はこうなる運命なんだよ…クククッ」

湖に浮かぶ満月。
そこに浮かぶひとつの死体――
ゲームは始まったばかり――


【残り32人 男子3番架原 恭司 死亡】

52レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/30(金) 18:20 ID:SocouCr.
011 弟の悲劇〜Tragedy of younger brother〜

 未来は、灯台にいた。せいかくに言えば灯台の休憩室のベットの上。
やっぱ姉さんを待ってたほうが良かったかな――
でも…いつ出てくるか分からない――
やっぱり危険だよな――
そんな事を考えながらデイバックをちらりと見る。
俺の当たったアイテム――
人を殺すことも、傷つけることも無い。
ある意味平和な物――
ただひとつだけ許せない――

何故『もずく』!?

俺『もずく』だけは食えないのによ――

かったるい――

まったく…『もずく』なんて…ただ酸っぱくて、なんかヌメヌメ(※めかぶと混ざってます)してるし…ていうか『もずく』って海草のどの位置だよ!!

はぁ――

俺って可愛そう――

姉さん…俺…やっぱりこれだけは食えません。

もうくじで『もずく』の文字を見た瞬間――

姉さん。事件です!!――

って思ったよ…マジで…

はぁとため息を一つ――

寝よう――

そしてこれが夢であると願おうか――

なんて…詩的(?)にしめてみたり――

灯台に近づく一つの影を彼は知らずに眠りに就く
来るのは天使か悪魔か――

それは神のみぞ知る

【残り32人】

53流し読み </b><font color=#FF0000>(PZlFKFj6)</font><b>:2004/01/31(土) 15:33 ID:ScnSRuEo
書かせてくださいw

54レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/31(土) 18:07 ID:SocouCr.
>流し読みさん
お気持ちはありがたいのですが、
一応普通の長編としてやることに決めましたので…。
ご了承ください

55レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/01(日) 00:19 ID:SocouCr.
012 賢明に、そしてゆっくりと。早く走るやつは転ぶ〜Wisely, and slow; they stumble that run fast〜

 生きるとは何のことか――生きるとは、死にかけているようなものを
     絶えず自分から突き放していくことである。
                       【ニーチェ『華やかな知識』】


「それじゃ最後になっちゃったけど出発番号33番月草 弘法クン☆」
「・・・」
弘法は無言で立ち上がった――
「はい、これデイバックね、いってらっしゃい☆」

そんなやり取りから約5分が経っていた。
今まで全ての奴の出発時の表情を見てきた――

多分――匠と浩二…それから夜野会長…

この3人は、あの時の表情からして…確実にこのゲームに乗ってしまっただろう
俺は――
優を信じたい、助けてやりたい――
多分…匠はいち早く奈壱斗を探しそして優をいち早く殺すだろう――

いや――

一人で行ったかもしれない――

匠もなんだかんだ言って友人の事を考えている――

そんな奴が友の手を汚す選択をするだろうか?

するはずがない――

俺は――

絶対に優を殺させない――

絶対に――

「俺たちは脱出す・・・」

シュッッ――

何かが頬を擦った――

血?

今の音からして――

銃ではない――

ソレハマンゲツニハンシャシタ――

ピ、ピアノ線――

木と木の間に綺麗に張ってあるピアノ線――

さすがに某奪還屋の仲間の糸使いように綺麗には張ってないが…

「よぉ…」
その声は何処からともなく聞こえた
「その声は匠!?」
「ご名答」
何処だ?何処にいる?木の上か?草むらか?
ガサッッ――
草むらが動いた――
パァァァン――
俺は容赦なく撃った
幸いにも俺のアイテムは銃――
ピアノ線になんか負けるわけがない――

トサッ――
後ろから物音がした。
「残念、正解は木の上でした」

なに!?

振り返ろうとしたときには――

自分の首にピアノ線が巻きついていた――

「いいもん持ってんじゃん…それ…俺にくれよ…」
「だめだ…お前なんかにやったら…」
「そうか…じゃさよなら」
キュッ…ブシャャャャァッッ――

沢山の返り血を浴びながら…匠は狂ったように笑った――
静かに…
静かに…

【残り31人 男子10番月草 弘法 死亡】

56レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/01(日) 22:09 ID:SocouCr.
013 そして僕らは…〜And as for us...〜

 恭司に襲われてから僕らはただ闇雲に歩いていた。
皆無口に…淡々と歩いていた。

もうこのゲームに乗ってしまっている奴が居た――

それだけで皆を黙らせるに十分すぎる事だった。
「これから…どうしよっか?」
おもむろに話し始めたのは賀子だった。
「俺は…今は何処か…拠点にする場所を見つけたい」
俺は静かに言った
「まだゲームに乗ってない奴だって居る!恭司だってもしかしたら説得できるかもしれない」
その恭司はすでに亡き者なのだが、それを知る術は無く。
「浩二や琢磨がその例だ!!」
「そうだよね…私も前田君を信じるよ」
賀子は笑顔でそう言ってくれた
嬉しかった――
「そうね…私達が中心になればきっとみんなも」
成瀬さんもつづく
そして花原さんも静かに頷いてくれた

俺は本当に良い友達を持ったと思う――

「みんな…ありがとう」
俺は素直に感謝の言葉を漏らした。
「なに言ってんの…感謝したいのは私達のほうよ」
「へ?」
「あの時…前田君が『俺は皆を信じてるからな』なんて…言ってくれなかったら私達は…もっと大変な事になってたかもしれないし…」
ご丁寧に成瀬は俺の真似(全然似てないけど)もしてくれた。
というか他人に自分の真似をされると結構恥ずかしい――
くすくすと花原も笑っている

そうだよな・・・皆、殺し合いなんてしたくないはずだ――

俺はやっぱり信じてる、皆…生きて帰ろうぜ!!

そう決意したのと同時に…遠くに民家が見えた。
よかった…あそこで一度休もう――
俺の足取りは軽かった―――

【残り31人】

57レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 01:31 ID:SocouCr.
あ…途中から「さん」づけじゃなくなってる…(遅

58そわーん:2004/02/02(月) 20:10 ID:STusIzus
楽しいぞ!!

59レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 20:30 ID:HfcA16Lg
>そわーんさん
マジで嬉しいです。これからもよろしくです。

60レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 21:21 ID:HfcA16Lg
014 本の世界だと信じていたから〜It believed that it is the world of the book〜
 
 上鶴 稚奈(女子4番)は灯台を見つけそれを目指して歩いていた。

それは放課後、伏吹さんが紹介してくれた本だった
「ねぇねぇ稚奈ちゃん☆この本面白いから読んでみなよ〜♪」
そう言って手渡された一冊の厚い本。
タイトルは
『BATTLE ROYALE』
「いいけど…私…読むの遅いから…返すの遅くなっちゃうよ?」
「いーよいーよ、そんなの気にしないから。まーまー読んでみなって」
「うん、分かったよありがとうね」
本を読む事は嫌いじゃなかった、しかもちょうど新しいのを買おうかとしていたところだったから助かったと思った。
その時はただカバンに入れそのまま生徒会の集まりに出た。
私はすっかり忘れていた――
家に帰って、次の日の準備をしている時に見つけた

そうだった借りてたんだったっけ――

多分明日、感想を聞いてくるだろう――

少し呼んでおかないと――

そして彼女はその本を開いた。
まず表紙を捲ると地図が書いてあった。
物語の舞台だろうか?
でも…禁止エリアの進行ってなんだろう?まぁいいや…呼んでくうちにわかるよね

『生徒はミカンじゃないんです』
あ…金八先生だ…第何期だったっけ…まぁいいや

え…バトルロイヤルって…プロレス?・・・ああなんだ、試合形式の一つか…でも…何で?
そして…ページを捲る。
本編は始まった――
そこからは彼女の想像を超えた世界だった。
表現のリアルさに彼女は吐き気もした…
でも確実にその世界にのめり込んでいった―――
そして…気づいた時には朝だった。
そして今読んでいるのは…旗上が滝口に「スカートの下も調べろ」と言っているシーンだった(ちなみに本小説P457上6行目)
ちなみに…そのシーンで彼女は、
(光子怖いけど…スカートはね…)
と思ったのは…別の話で――

その日の授業は辛かった…のも言わなくても分かるわけで…
それでも伏吹さんに感想を言ったら…喜んでくれた。

それは本だから…客観的に見れるわけで…
そんな金持ちの道楽の為に…私たちは殺し合いをさせられている…
「考えなくちゃ…脱出する方法…考えなくちゃ」
そして…彼女は灯台の目の前に居た――

内海さん見たいにはならないよね…――
そう考えてる自分に苦笑した


【残り31人】

61さいたま </b><font color=#FF0000>(zqJxReHw)</font><b>:2004/02/02(月) 21:28 ID:OAsEqacg
初めて読ませていただきました。(と言ってもまだ最初の部分だけですが・・・これからどんどん読ませていただきますね。)面白いですね。特に最初の成績表なんかも
アイディアが良く出ていますね。本文もとても良いので、頑張って下さい。

62レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 21:37 ID:HfcA16Lg
>さいたまさん
ありがとうございます!!
私もさいたまさんの文章を読ませてもらってます☆

63レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/03(火) 21:43 ID:NIwIxlw.
015 灯台にて〜At lighthouse〜

 未来は、夢の中に居た。
灯台の休憩所にしては珍しくフカフカのベットだ。
そんなベットがあって…
少々睡魔が来ていて…
疲れていたら…

そりゃもう眠るしかねぇよ!!

そんな考えに到った未来の思考。

ガタッ…キィィィッ
「あの〜誰か居ますかぁ?」
入ってきたのはもちろん稚奈。
「くぅ〜くぅ〜」
「・・・高杉君?」
「くぅ〜」
体を揺さぶるがまったく起きる気配がない
「お〜い」
「くぅ〜」
「ねぇねぇ…」
「くぅ〜」
「…ま!いっか寝かせてあげよう」
もちろん稚奈には人を殺すなんて考えは微塵もない。
それに高杉くんならきっと信頼してもいい――
そんな風に思っていた。
「…姉さん…だから…もずくは…」
「えっ!?」
なぜか分からないが…凄く夢の中でピンチらしい…。寝顔がそれを物語っている。
「ほら…布団しっかり被らないと…」
布団をしっかりとかけてあげる
「なかなか…可愛い寝顔なんだ…高杉くん…」
我ながら随分と恥ずかしい事してるな〜と思う。
私の本命は…違う人だけど…
まぁ…起きるまで…ちょっと私も寝ちゃお―――

なんで…上鶴さんが来てるんだよ!!――
起きるに起きれねぇ――
ちなみに稚奈に布団をかぶせられたあたりから起きていた。
うわっ…ていうか…やっぱ上鶴さん美人だ――
って!!そうじゃなくて!!!!
え〜と…どう起きれば…自然だろうか…
って!!
上鶴さん…
ベットに腰掛けて眠るつもりですかっ!!

ちなみに未来の足の辺りに座り、横の壁に頭を押さえて寝ている。

うわっ!!しかもこっちに倒れてきたし――
トスッ――
ちょうど…彼の太ももの辺りに彼女の頭がある状態になった。

というか…上鶴さん可愛いです…
そして…もうちょっと自分を大切にしてください…

姉さん。事件です!!
僕の理性が保ちません!!マジで…


【残り31人】

64:2004/02/03(火) 23:24 ID:STusIzus
楽しいです!! 毎日書いてくれてるし、最高です♪

そして・・・未来君ある意味ピンチだー!!

がんばって!!

65レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/04(水) 00:50 ID:/mMdrp5g
>本さん
どうもです!
これからもよろしくです!!
はたして稚奈ちゃんは貞操(失礼)を守れるのかっ!!
どうぞお楽しみに〜♪

66レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/04(水) 20:46 ID:R1ACi/Kw
016 彼方と夜の虹に〜You and in rainbow of night〜

 谷 朝香(女子9番)は、森の中を彷徨っていた。
まだ外は暗い。そして懐中電灯も無しに光のあまり差し込まない森を歩いたいた。
満月の光は深いところではまったく入ってきてなかった。
危険な行為だが安全な行為でもある。
まず周りが見えないという事は、相手からも私が見えないという事――
それ故に安全な面もある――
森といってもたかだか島の中にある森なのだ――
だが、
無駄な体力を消費し、自分が地図上の何処に居るのか分からなくなる。
それは危険な行為でもある――
BestではないがBetterである。かつWorstではないがWorseでもある。
そんな選択を彼女はした。
無論、この選択をする前にいろいろな行動を思考した。
それでも…彼女は自分の命を取った。
下手に見つかりやすいところを歩いて襲われたら元も子もないと―――
私は確かに見た――
私が部屋を出るとき―――
匠のあの目を――
私は見た――
殺意に満ちたあの目を――
匠は…必ず殺る――
私の武器は手裏剣。
こんなのを上手く扱えるわけが無い。
つまり、今の私は丸腰同然。
相手がハズレのアイテムだとしても…返り討ちに遭うことも想定される。
そんな危険な真似は出来ない…
出来るわけがない…
それにしても…眠くなってきちゃった…
マズい…この状況は…
駄目・・・こんな状況下で…眠ったら…
ドサッッ――

終わったわね…私――



そこで彼女の意識は途絶えた―――


【残り31人】

67インビシブル:2004/02/04(水) 21:14 ID:wniIGyRo
結構面白いです!
しばらくきてなかったので初めから一気に読みました

68レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/04(水) 21:16 ID:R1ACi/Kw
>インビシブルさん
嬉しいです!今後ともよろしくお願いします☆

69レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 20:34 ID:GiM.n0QA
017 理性〜Reason〜

 あれから何分たったでしょうか…
未だに…彼女は僕の太ももを枕にしております…
そして…
僕の理性は崩壊寸前でございます。
俺も15歳の男…アレには興味があるわけで…
そして…目の前には極上の美少女が無防備に僕の太ももを枕に…寝ているわけで…
姉さん…刑務所まで…迎えに来てください。
そして…
いただきます!










って!!駄目じゃん!!それ…
危うく、本当に文字通りやってしまう所でした…。
起きてくれっ!!
今度は念じてみましょうか…
「う〜ん」
おっ!起きたか!?
「これ…食べてもいい?」
して欲しいけど…駄目です!!
ていうか…そんなお約束な寝言ってありですか!!

まだまだ彼女は起きそうに無く―――

そして…理性は…


【残り31人】

70レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 20:35 ID:GiM.n0QA
下品ネタになってしまった

71レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 21:02 ID:GiM.n0QA
018 紅の満月〜Full moon of crimson〜

 夜野 紫苑(女子16番)は、堂々と道を歩いていた。
彼女のアイテムは札束。
はっきり言って何に使えばいいのか分からないアイテム。
だが…
彼女の考えはこうだ。
相手が何を持っているのか分からないのに襲ってくる馬鹿はいない、それに私のアイテムは札束。優や一真、賀子みたいな、いわゆる真面目な人たちは引っかからないだろうが、瑞樹みたいな…奴は必ず買収できる
それは、冷静にクラスの面子の性格を考えた結果である。
そんな時、声をかけられた。
「よっ!夜野さん」
「その声は…川上君ね」
相手の顔は見ていないが声を聞けば一通りだれだか分かる。
「相変わらず…だな」
紫苑の答えに声の主も冷静な…そして低い声になる。
「それで…なんの用かしら?」
「一緒に行動しないか?」
「その行為に私に何のメリットがあるのかしら?」
「俺のアイテムは銃だ」
「ふふっ…」
その答えに紫苑は微笑する
「ええ…いいわよ」
「ありがとな…」
そして紫苑は声の主、川上 健斗(男子4番)の方を向いた。
「で…夜野さん…アンタのアイテムは?」
「期待しないほうがいいわ」
「なんだよ…」
「コレよコレ」
そう言って札束を見せる
「・・・大変だな」
「ありがと」
「でもよ…うまく使えばって事も…」
「ええ…そうゆうこと」
「んで…まずどうする?」
「そうね…洞窟かなんかを見つけたいわ」
「なんで…わざわざ?」
「はぁ…いい?民家や診療所なんかにいたら誰がくるかわからないじゃない」
「・・・さいですか」
「じゃ…やっぱ海岸線を…」
「そうね…」
「じゃ…善は急げというし…行くか?」
「そうね…行きましょうか」

こうして…一人の頭脳派と体育会系の――
夜野 紫苑と川上 健斗というコンビが生まれた。
彼らのアイテム…
札束とベレッタ。
紫苑にしてみれば良い護衛ができた。
川上にしてみればクラス屈指の頭脳で脱出できるかも…と希望ができた。
この二人に死角はあるのか?

それは神のみぞ知る―――

【残り31人】

72キング:2004/02/05(木) 22:00 ID:STusIzus
いいね〜!!楽しいよ♪

未来君が特にいい!!

73秋菜:2004/02/05(木) 22:41 ID:1DK6V2iI
面白いです!!何か中学生の雰囲気がよく伝わってきますね☆
続きも楽しみにしています!頑張って下さい♪

74レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 23:20 ID:GiM.n0QA
>キングさん
どうもです!
未来君…どうなるんでしょうかねぇ。
お楽しみに☆


>秋菜さん

嬉しいです☆雰囲気は多分私が学生だから…ではないでしょうか☆

75インビシブル:2004/02/06(金) 04:00 ID:wniIGyRo
頭脳と体育系のペア・・・.
かなり衝突しそうですが面白いですねー

76レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/06(金) 21:05 ID:GiM.n0QA
019 姫の愚痴〜Grumble of HIME〜

 愛 姫―――
それが彼女の名前。両親は『お姫様のように美しくあれ』ということでつけた名だが…
どこぞやのフランス王妃の如くわがままに育ちました。
もうBefore After付きそうなくらいの激しい変化ですよ・・・・・・。
幼稚園まで激しく素直だったのに…
まぁ…それは置いといて―――

さて…そんな激しく無意味な前置きはいいとして…
今彼女は、ある意味危機に陥っている。
目の前には桐生 雅貴(男子7番)、いわゆるいじめっ子という奴だ。
「お前の武器…よこせ」
「いやよ!なんであんたなんかに…」
もしや…『俺のものは俺のもの…お前のものは俺のもの』で有名なジャイアニズムの支持者?
さり気なく失礼な姫…それは皆が理解しているが…
「まぁいい…くそチビ」
「なんですって!!」
「まな板」
「きっーーー!!」
「おお〜誰とも言ってないのに怒ったってことは、認めてるってことだな。関心関心」
「う゛う゛」
「というか…くそチビ…お前のアイテムは何だよ」
「びーーーっだ。誰がアンタなんかに教えるもんですかっ!」
ちなみに…お前らはガキかっ!!というツッコミが激しくしたくなる口喧嘩が始まってからすでに早10分。いまだに解決の糸口すら見えておりません
「言っとくが…答えによっちゃ…」
ちらりとパイナップル…否。手榴弾を見せる、そしてさり気なく…殺意のこもった声で…
効果はてきめんだった――――
「え〜と…私は銃かな」
「ふ〜ん…よこせ」
「嫌」
「よこせって」
「嫌!」
「よこせ!!」
「嫌!!!」
あの…本当に君たち…中学3年?
ちなみに…その時すでに七海 きき(女子11番)が姫の所まで到着していたが…
木の陰から見たのは――
二人仲良く戯れる兄と妹…だったらしい―――

そして…木の陰からやさしく見守る母…

それは余談なのだが―――

こちらも一波乱ありそうであった―――


【残り31人】

77レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/06(金) 21:09 ID:GiM.n0QA
>インビシブルさん
どうもです!!二人にはいろいろともめていただく所存でございまする(笑)

78レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/07(土) 17:12 ID:GiM.n0QA
020 美しき破壊神〜It is beautiful, it comes, destructive God〜

 伏吹 光(女子14番)、澤野 花実(女子6番)、眞鍋 柳子(女子15番)、青原 ナミ(女子2番)の四名は共に行動していた。
皆女子の中心的グループに所属し、それなりに仲も良い。
彼女らのアイテム。刀に銃、釘バットに槍。
そこそこの戦力である。
「それでさ…まずどーしよっか?」
問いかけたのは柳子。
「私は、かりんを探したいかな…」
「私もそれでいいや、かりん可愛いし」
仲間を増やす派はナミと光。そして今は高木 かりん(女子7番)を探したいと――
だが、花実だけは
「ええっ…かりん…私はちょっとな…」
かりんとそんなに仲の良くない花実にとっては、かなり切実な問題である。
「で…柳子は…どうしたいの?」
「私?私は…そうだねぇ…なんか家とかを見つけたいけど…それは後でいいよ」
「そう?じゃかりん…を…あっ!!小平さんじゃん!!」
見つけたのはナミ
前方には人形のようにほっそりとした。少女―――
小平 月子(女子5番)がいた。
「なにしてんの〜」
手を振る光。
ちなみにここに居る全員占いが好きなため…彼女を呼び止めるのに特に異論は無かった。
「みなさん…どちらへ?」
「きゃ〜☆月子ちゃん今日も可愛い☆」
抱きつく光を無視し、表情一つ変えずに質問する、月子に花実は違和感を覚えた。
「そうねぇ…私は反対なんだけど…かりんを探し…」
グシュッ―――
何かが腹に刺さった。
そして月子は花実の耳元で囁いた。
「あなたの運勢…今日は正位置の死神…でしたよ」
「え…」
「ちょっと…月子ちゃん…なにやってんの…」
ザシュッ――
「あっくぅ…」
柳子から声が漏れる。
次に刺されたのは柳子。
パンッ――
月子の足元の土が跳ねた。
「月子…乗っちゃったんだ…」
ナミの質問に月子は一度微笑んだ。
多分――
肯定の意味だろう。
「ごめんね…月子」
パンッ――
だが…弾は当たらない。
その小さな銃には…もう弾は…
カチッカチッ―――
そんな…なんなのよこの不良品はっ!!――
ナミは自分の不運を恨んだ。
早く…花実と柳子を治療しないと…
だが…
月子は攻撃してこなかった。
それよりも少しずつ間合いをとっている…
「まだ…貴女たちは殺しません…それでは」
追いかけようと光はしたがナミがそれを止めた。
「痛い…痛いよ……」
柳子は生きているみたいだが…花実の息は…すでに無かった。
突然の月子の襲撃――

それが残していったもの――


それは大きな…とても大きな…


虚空感だった――

だが…それよりも…柳子を治療しなければ…
と彼女らは立ち上がった。

【残り30人 女子6番澤野 花実 死亡】

79レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/07(土) 17:35 ID:GiM.n0QA
021 主の居ない神社にて〜At the shrine where the main thing does not stay〜

 天美 奈津子(女子3番)と如月 奈壱斗(男子14番)は神社に居た。
正確に言えば…一緒に来たわけではない。
奈津子が神社に来たときにはすでに奈壱斗が居た。
別に仲が悪いわけでもなく特に仲が良いわけでもない…
だが…匠を通して話すようにはなった。
奈壱斗から見たら、匠から話しかける事は無かった。常に奈津子が話しかけていた。しかも匠はかったるそうに返事をするだけだった。
しかも中二の時に、付き合ってるんじゃないかあの二人―――と噂になったときも特に匠は否定するわけでも無く…いつも通りに過ごしていた。
「ねぇ…あのさ」
思考を破る一つの声。もちろん奈津子だ。
「なんだ?」
「匠…何処にいるんだろうね…」
「さあな…」
奈津子は、他の男子は君をつけているが、匠だけは呼び捨てで呼んでいた。
「ねぇ…」
「なんだ?」
「私…匠探してくる…」
「いちいち俺に言うな…」
そう奈壱斗が言ったときには走り出していた。
その声が聞こえたか微妙だが――
「まったく…世話の焼ける奴らだ…」
壱奈斗は苦笑すると、そのまま眠りについた。


【残り30人】

80ばんば:2004/02/07(土) 19:24 ID:STusIzus
すごい楽しいです!!
次の展開が楽しみです。

いっぱい書いてねーー!!

81秋菜:2004/02/07(土) 22:58 ID:xICIFFcY
すごい面白いですねー!!
一人一人の個性がすっごく出てます☆
これからどんな展開になってくんでしょう!?
次回を楽しみにしています♪

82レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/07(土) 23:11 ID:/J.TwPy6
>ばんばさん
どうもです!!一応例外を除き一日一話のペースでやっていきたいのでよろしくです。

>秋菜さん
今後の展開をお楽しみに!!

83レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/08(日) 15:39 ID:bXgqV4Bs
022 ツキニネガイヲ〜It requires to the moon〜

 廿楽 澪(女子10番)――――
管理者たちは、彼女の事を監視していた。
島の最南端にある診療所に入ってから30分…
一度も言葉を発していない。
今彼女は一人で行動している。
だか、いくら一人といえど30分以上言葉を発しないのはおかしいのである。
しかも…生命反応はしっかりとある――――
「秋小路様…もう35分になります」
「そう☆ありがとね〜☆…さぁ〜て何を企んでるのかな☆まさか…あなたが注目されるとは思わなかったよ☆廿楽さん☆」
いまだにモニターには変動は無かった。



その本人、体内にある爆弾…について調べていた。
彼女の考えとしてはBRを見る限り、自分の位置、や生命活動、それから自分の声などは管理者側に筒抜けだろう。
なら…ずっと…会話をしなければ、相手…管理者側は故障だと思い、何らかのアクションをするはず…
そこに脱出の糸口があるかもしれない。
引っ込み思案で…皆に迷惑かけてきた私だけど…今は違う…私は皆のためにやるべき事がある…。
それにさっき診療所の倉庫から拡声器を手に入れた。
これで一方的ではあるけれども…皆ともコンタクトがとれる。

絶対に…殺し合いなんてさせない…あの本のような悪夢は絶対に避けなければいけない…

私は…生まれ変わるんだ…
今日から…生まれ変わるんだ…

少女の願いを胸に…
今…運命が動き出す。
2人と怪我人が1人…こちらへと向かって歩いてくる――――


【残り30人】

84レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/08(日) 23:16 ID:bXgqV4Bs
023 伝えたい思いがあるから…俺は逃げない〜Because there is the thinking which we would like to convey... we does not escape〜

 水島 翔吾(男子13番)には好きな人が居る――――
その名は上鶴 稚奈(女子4番)。
それは…2年の時だった。バスケの試合に応援に来ていた彼女を見て――――
それは一目惚れ―――
その時は一瞬…俺もしかして幼女好き…いわゆるロリコ○―――
と嘆いたが…。それでも思いは止まらなかった、止められなかった―――

そう…上鶴が…優の事を好きだとしても…

俺は――――


伝えたい――――






この思いを――――



もう何分経っただろうか…

ちらりと腕時計を見る

AM4:30

まだまだ日の出一時間くらいかかるか――

その時…目の前に誰かの気配がした―――
しかも二人―――

「琢磨!!達樹!!」
その声に影――石田 琢磨(男子1番)と山師 達樹(男子16番)もこちらの存在に気づいたようだった。
駆け寄る3人。
「大丈夫だったか?琢磨、達樹」
「ああ…」
「俺も平気だ」
ほんの数時間しか会っていなかったが――
数年間会えなかった友との再会のように喜べた。
「なぁ…一緒に行動しようぜ」
それは琢磨からの誘い。


だけど―――





俺には―――










やるべき事がある――――




「いや…ごめん…俺、探してる人がいるから」
「そうか?じゃあな…」
俺は足早に立ち去った―――


「なんか…杉村みたいだな…翔吾の奴」
「本当に…そうなったら…あまりにも報われねえよ」
その二人の会話は…俺には聞こえなかった―――



【残り30人】

85レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 16:08 ID:bXgqV4Bs
024 目覚めるとそこには…〜When it awakes, there...〜

 稚奈は、目を覚ました―――
そして目の前には―――





「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」




バチーンッッッッ!!!








「あはは…ごめんね未来君…」
「いや…気にしてないからイイっす…」
右の頬に赤い手の跡をつけた未来が答えた――
「あ…え〜と…今何時かな?」
ちらりと時計を見る未来―――

AM4:45

「う〜ん…まだご飯には早いけど…お腹空いちゃったし…何か作るね」
「え…あ…でも悪いし…」
「…償わせて…ネ」
「・・・・・・」
だまって頷く未来…
かなりのクリティカルヒットだった―――
とは本人に言えるわけなく…
そして稚奈がベットから降りようとした時―――


バターンッ!


勢いよく開くトビラ


「なになに!!今の悲鳴!!」
高木 かりん(女子7番)が見たのは―――
ベットの上で…話す男女―――


沈黙―――


沈黙―――


沈黙―――


「失礼しました〜」

キィィィィッバタン

職員室から出る要領で出る、かりん

沈黙―――


沈黙―――


沈黙―――

「って待て!!高木っ!!何か誤解して!!」
時すでに遅し―――


未来君の苦労はまだまだ続く―――


【残り30人】

86レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 16:08 ID:bXgqV4Bs
ちなみに夜にもう一話書きます〜

87レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 19:34 ID:bXgqV4Bs
『それは散り逝く者への子守唄』イメージ曲
http://210.239.46.181/download/67255/songs151/hakarowap2.mp3
八乙女葦菜 『どうかこの手を離さないで』

88レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 19:34 ID:bXgqV4Bs
あ…しくじった。

89レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 19:52 ID:bXgqV4Bs
↑の二つは気にしないでください…

90ばんば:2004/02/09(月) 20:16 ID:STusIzus
夜の方も楽しみにしてます!!

91キング:2004/02/09(月) 20:16 ID:STusIzus
楽しいよ〜!!

がんばってね〜

92レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 20:38 ID:bXgqV4Bs
025 遭遇〜Encount〜
 
 月子は、途方もなく歩いていた。
柳子達を襲撃してから早10分―――
彼女はひたすらに…ただひたすらに歩いていた。
その姿は…マリオネット―――
一切の人間味が感じられない―――
月子がいる場所だけ18世紀のフランスのような感じだった――
そんな中――
「うりゃゃゃあっ!!」
木の上から人が降ってきた―――
否。
バチバチと音を出すスタンガンを右手に―――
西島 雅樹(男子11番)が降ってきた――
はっきり言って木が折れなかっただけでも奇跡かもしれない――
そんな雅樹の襲撃にも彼女は無表情だった。
いや――
哀れみのこもった笑みを浮べた。
それが雅樹を逆上させた―――
「デブをなめるなぁぁぁ」
突進してくる雅樹。
「くすっ―――貴方は逆位置の戦車ね」
そう呟いた。
そしてスタンガンを華麗なステップで避け懐に飛び込んだ―――


グシュッ―――
グシュッ――――
グシュグシュグシュ―――

計5回刺した―――


返り血を浴びながら彼女は笑みを浮べた―――

「ふふっ…ふふふふっ…」


☆逆位置の戦車〔Ⅶ THE CHARIOT〕の意味☆
コントロールが利かない状態、暴走、スキャンダル、事故、失敗、逃避、早合点、悪戦苦闘、足踏み状態、故障。
 誰かとの会話、争いなどがもとで、トラブルが起きる。助けが欲しいときに助けが得られない。
 突然アイデアや価値のあるものが潰れ、幻想が崩壊し、失望する。全てを放り出したくなる


【残り29人 男子11番西島 雅樹 死亡】

93レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 20:39 ID:bXgqV4Bs
>ばんばさん
どうもです!

>キングさん

ありがとうございます

94秋菜:2004/02/09(月) 20:41 ID:7tdDr6hk
面白いです!!テンポが良くて楽しいですね☆
一人一人の今後がすごく気になります!!
次回も楽しみにしています♪頑張って下さい^^

95レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 21:52 ID:bXgqV4Bs
>秋菜さん
ありがとうございます☆
がんばりますよ〜♪

96レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 22:54 ID:bXgqV4Bs
    http://classicmp3.iis.ne.jp/air.mp3←コレを聞きながらお楽しみください
026 生きるべき者は…匠VS月子VS紫苑・健斗1〜As for the person who should live...TAKUMI VS TSUKIKO VS SION&KENT Ⅰ〜

 月子は足を止めた―――
目の前には…血だらけ(返り血)の匠が立っていた。
「くすっ」
月子は微笑した。
とても美しい笑みだ。
「・・・・・・」
そんな月子見て匠は、恐怖を覚えた。

この俺が…怯えている?そんな馬鹿な―――

そして…何も言わずに、月子は右手に包丁を左手にスタンガンを構えた―――

そして…匠もそっと銃を構えた―――

言い知れぬ緊張感が辺りを包む。

この二人に言葉は必要なかった。

そう―――

ただ生きるか…死ぬか…

DEAD or ALIVE

ただそれだけ―――

日の出の太陽が…二人を照らした―――

私は死ねない―――
奈津子に会うまでは負けられない―――

二つの意思が交錯した。
「お前ら…その血…手前ら!!!殺りやがったな!!」
その声の主…
川上 健斗は怒りに体を震わせていた。
「ちょっと…川か…み君」
そして…少し遅れてやって来た紫苑は息を飲んだ…
二人とも全身血だらけだった…
最初は怪我かと思ったが…彼女の冷静な脳は…他人の血と理解した―――
「貴方達…川上君…」
「ああ…」
「私達は…正義の下に…貴方達に宣戦布告するわ」
その様子を見ていた月子は
獲物が増えたと喜んでいた…笑っていた…

もう全てが狂っていた―――

その様子を見ていた匠は
こちらを一度睨み
「俺は死なない…死ねない」
そう呟いた。


何処で間違ってしまったのだろうか?



健斗は静かに銃を…
紫苑は手頃な大きさの石を持った―――


私は死ねない…――月子


俺は…奈津子に会うまでは…死ねない――匠


貴方達を私は永久に許さない――紫苑


お前ら…人間のクズだ…――健斗




奈津子は懸命に走っていた。
嫌な予感がする―――
もう匠に会えないんじゃないか?――
そんな気がして…



ナミ達は懸命に柳子を運んでいた。

あともう少し…あともう少しだから…お願い…死なないで―――


奈壱斗はすでに起きて…
日の出を見ていた―――

匠…奈津子…一緒に帰ろう―――



そして…優は、民家にて賀子達と早めの朝食を取っていた。

もしかしたら…最後の晩餐になるかもしれない―――



未来は…灯台に登り。

島全体を眺めていた―――


姉さん…何で…俺たち戦わなきゃいけないんだろうな?


稚奈は朝食を作りながら…日の出を浴びていた。

優君…会いたいよ―――


姫達は…日の出の美しさにただ見惚れていた。
 

なんで・・・私達殺し合いなんかしてんのよ?―――


川久保 一真(男子5番)は、たまたま見つけてしまった弘法の死体を埋葬していた。

やはり…現実なのだな―――



琢磨達は先程別れた友を・・・


絶対に杉村みたくなるなよ―――



朝香は未だに深い眠りの中だった

その夢の中では―――

皆、修学旅行を楽しんでいた。


澪は…未だに言葉を発しない


私達は帰るんだ―――


浩二は未だに湖に居た


安らかに眠れ―――


かりんは、もう一人のかりんこと吉田 佳林(女子17番)と共に未来達を笑いに行こうとしていた。

まだ…現実はここにある―――
殺し合いなんかしないよね、みんな―――

秘めたる思いを胸に…現実へと…


そして…月子が動き出した―――


運命が今…動き出す―――




【残り29名】

97キング:2004/02/09(月) 23:54 ID:STusIzus
匠君と月子の勝負が楽しみです!!
がんばれ〜

98レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 01:46 ID:bXgqV4Bs
>キングさん

どうもです!!結構長くなるかもしれませんこの戦い…

そしてどんどん乱入が…

99レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 19:23 ID:bXgqV4Bs
027 生きるべき者は…匠VS月子VS紫苑・健斗2〜As for the person who should live...TAKUMI VS TSUKIKO VS SION&KENT Ⅱ〜

月子は微笑みながら匠へと突進した―――
その姿に匠は恐怖を覚えた―――

パァァァン―――

だが外れた―――

月子は弾道を読みながら匠へと近づいている。
彼女の華奢な体つきからは想像もつかないが…彼女は女子の中で体育の成績は五指に入る。
「くすっ…貴方は…私を殺せるかしら?」
マズい―――

匠は一歩退いた―――
その選択は功を奏す。


パァァン


健斗は撃った。

外れはしたが月子は止まった。

チャンスは訪れた―――

匠は銃を構えたが、撃たなかった…いや撃てなかった。

背中に走る激痛―――

「くっ…」
思わず声が漏れた。
「私の事をお忘れなく…」
紫苑だった。
紫苑が…背中に石で強烈な一撃を見舞った。
「なめるなよ…」
匠は怯む事無く撃った。
パァァァン―――
「きゃっっ…くぁ」
撃った弾は紫苑の脇腹を掠めた。
そして休む事無く半歩ほどずれた。
そしてその行動からコンマ一秒で月子の包丁がもと居た場所にあった。

油断も隙もあったもんじゃない―――

パァァン―――

「ッッ…」
健斗の撃った弾は月子の背中を掠める。

この女…川上の行動まで読んでやがる―――

先程から月子の行動には一切の無駄が無かった。

そんな事を考える間も無く。
今度はスタンガンが匠を襲う。
「ちっ…」
それを払い除けると、
半歩後ろと下がる。

ブンッッッ―――

紫苑だ。

だが…勢いをつけ過ぎたのか、よろめいた。

ザシッッッ―――

月子は見逃さなかった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
パァァァァン―――
紫苑の悲痛な叫びが辺りをこだました―――
健斗が撃ったその銃撃音は叫びによって打ち消されたが…

匠は健斗の狙った場所にはすでに居なかった。

くっ…夜野さん…―――

紫苑は立ち上がった。
刺されたが、傷はそんなに深くなかった―――
そして…この二人を止めなければという使命感が彼女を立たせた―――

私は…負けない―――

キュッ

紫苑は首に違和感を覚えた。

なに?これ…

健斗はしまったという顔をした。


匠がピアノ線で紫苑の首を絞めていた。

「さて…銃を捨て…」

バチバチッ―――

言い終わる前に月子のスタンガンが匠を―――

「このアマっ!!!」
匠は全精力をもって月子を叩いた。

その勢いに吹き飛ばされる月子。

パァァァン―――

片手で紫苑を締めながら撃った。

「っあ…」
月子胸に直撃した。
そのまま月子は倒れた。

勝った―――

「さあ川上…銃をこっちによこせ」

匠は勝ち誇ったように健斗に言い放った―――

【残り29名】

100レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 19:40 ID:bXgqV4Bs
登場キャラが多いのは大変だった…

101キング:2004/02/10(火) 22:10 ID:STusIzus
匠強いなー!!

102レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 22:49 ID:bXgqV4Bs
>キングさん

彼は強いです。彼には強い信念がありますからね

103レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/11(水) 00:06 ID:bXgqV4Bs
    http://ayumoe.chat-jp.com/mp3/th_09piano.mp3←月子のイメージ曲
028 生きるべき者は…匠VS月子VS紫苑・健斗3〜As for the person who should live...TAKUMI VS TSUKIKO VS SION&KENT Ⅲ〜

 健斗はごくりと唾を飲んだ。
そして…ちらりと月子を見た。武器であった包丁を手放しぐったりとしている。だが…スタンガンは握ったまま…
一撃だったか…
「目を逸らしてんじゃねぇよ」
キュッ―――
「あくっ…」
ビアノ線をさらに締める。
紫苑の意識はもうはっきりとしていないかもしれない…

だから俺は…銃を投げた―――


カチャッ


銃が地についた―――


そして健斗は月子の方を一度見た…


居ない?


「私の事を甘く見すぎましたね…」

バチバチバチッ―――

「ぐぁっ…」


「私は…先程防弾チョッキを手に入れましてね…」
にやりと月子が微笑んだ。

悪魔だ―――

匠は素直に思った。

そう月子はここに来る前に廃墟で防弾チョッキを手に入れていた。
つまり―――
先程、健斗に撃たれた背中…まったく痛くないにもかかわらずそれなりに痛そうな声を出した。
そして匠に撃たれた時も―――

どこまでも…どんなに出し抜いたと思っても…
月子は前を走る。


そしていつのまにか紫苑はピアノ線から抜け出していた。


月子は包丁を拾い。
こう言った―――




「それでは…第2ラウンド―――開始ですね。ふふっ・・・」





小平 月子――――

それは―――

常に盤上の駒を操る…神の如く―――




【残り29名】

104レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/11(水) 14:57 ID:bXgqV4Bs
029 乱入者〜Intruder〜

 健斗から銃までは少々離れすぎている。
そこで紫苑が取ることになるのだが…
そうすると隙が出来る。さらに匠に背中を向けることとなる。
それはいわば自殺行為―――
しかし、その自殺行為をしなければ、確実二人に殺される。

なら―――

健斗が銃を取りにいこうと、決意した時には紫苑は動いていた。


無論、匠が銃を構えた。

させるわけにはいかない―――

そう思ったのと同時に手頃な石を拾い、匠に向かい投げた。

ガキッッ―――

銃にヒットした。

それだけでも十分―――

バチッ…バチッ―――


匠にスタンガンを突きつけようとしていた月子が焦っている。


スタンガンの電気が切れようとしている。


「ありがと川上君」

よし――
紫苑が銃を無事に手に入れた―――

「形勢逆て…ん…だ」
背中に走る激痛―――

月子ではない…無論匠でも…

彼らは、視野で確認できるところに居る―――

じゃあ誰だ?

「匠…は私が守る…」

まさか…その声は…

匠も驚いた顔を隠せないでいる―――


その声の主―――

天美 奈津子は大鎌を健斗の背中に刺していた。


パァァァァン―――

間髪入れずに紫苑が撃った―――


奈津子の顔に傷が付いた。

掠めただけか―――


だが―――

パァァァン

「あぅっ」
紫苑の悲痛な声がした。
匠が撃った―――
しかも的確に―――

「っあ……」

ドサッ―――
倒れた―――
だがまだ息はある…


「夜野さ…」
パァァァン―――

駆け寄ろうとした健斗の体から血が噴出す―――

「うそだろ…」


「奈津子を傷付けたな…」




月子は分が悪いし判断したのか、
紫苑の銃とデイパックを奪うと走り去った。


奈津子は追いかけようとしたが、匠がそれを制した。


決死の争いの終幕は呆気なかった―――



健斗は―――

俺…死ぬのかな?
と考えると
そのまま眠りについた。

幸い…急所には弾は当たってなかった―――

【残り29名】

105レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/11(水) 15:09 ID:bXgqV4Bs
030 血塗られた再会〜Meeting again which is smeared with blood〜

「奈津子…」
匠は静かに駆け寄り抱きしめた。
「共にいこう…」
「うん…ずっと…いっしょだよ?」
「ああ…」
抱きしめあったままお互いの気持ちを確認しあった。

そして―――
「もう…ここにも用は無い…」
離れた匠は、健斗のディパックを奪うと、奈津子と共に去っていった―――



紫苑は、二人が去ったのを確認すると、這い蹲りながら健斗に近づいた。

「川上君…大丈夫?」
だが無論返事は無く――

紫苑は一瞬最悪の事態を考えたが
手首を触りまだ脈があることを確認すると、安心したようにひとつため息をはいた。

「私達も…時間の問題ね…」
紫苑はそう呟き深い眠りについた―――





死を覚悟した二人だが神は二人を見捨てなかった。

「おい…誰か倒れてるぞ!!」
「は?って…おい川上」
琢磨と達樹であった。

【残り29名】

106レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/12(木) 20:44 ID:qBY7cJaE
031 信じたいから…第一回定時放送〜Because we would like to believe... first fixed time broadcast〜

       AM6:00

 「はい〜☆みんな〜朝の6時になりました〜☆秋小路 夢ですよ〜☆寝てる子は起きてねぇ〜☆」
「はい今から☆これまでに亡くなったお友達と☆わくわく禁止エリアの発表だよ☆」
この島には似合わない能天気で無垢な声が島に響く―――
「ではまず死者の発ぴょ〜う☆」

「男子3番架原 恭司 君
 男子10番月草 弘法 君
 男子11番西島 雅樹 君
 女子6番澤野 花実 さん
   
です☆あはは〜ちょっとペース遅いよ〜☆」

「それでは禁止エリアの発ぴょ〜う☆午前6時30分からF-4。午前7時からB-10。午前8時からH-1。午前9時からE-1。午前10時からG-1。午前11時からE-2だよ〜☆気をつけてね〜☆バイバイ☆」



【残り29名】

107レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/13(金) 22:10 ID:FChdjAnk
032 現実と悲しみと理想と〜Actuality and sorrow and ideal〜

 放送を聴いた優は愕然とした―――
なんで
なんで殺しあってるんだよ!
友達だろ?何でだよ・・・
そんな民家の窓辺に座って、愕然としている優を心配そうに見ている賀子だが、かける言葉が見つからないのか、それとも自分も戸惑っているのかただ困ったように虚空を見つめている。
花原も無言ながらかなりショックなのだろう―――
放送から水を流しっぱなしである(食器を洗っていた)。

そして、優よりもショックを受けているのが、あすみである。
硫酸をかけたぐらいで人が死ぬとは思えないが―――

それが原因で……
と嫌でも考えてしまう。

そして―――
そんな民家を目指す一つの影―――

その影は、二人―――

正確に言えば四人。
二人がそれぞれ一人ずつ背負っている。


琢磨と達樹――――
そして紫苑と健斗である。

「もうすぐ家に着く、そこで一度応急手当をしよう」
「そうだな」
琢磨の誘いに頷く達樹。
「くそ…なんでこんなことになってるんだよ…」
「・・・・・・」
「というか…」
「なんだ?達樹?」
「あのさ・・・こんなことを思うのは不謹慎だけどさ…夜野さん…デカイ」
「は!?」
一瞬何がなんだか分からないのか凄い戸惑った顔をした。琢磨だが…その意味を理解したのか
「お前…最悪だな」
「でもよぉ〜。俺も男なんだよ…こうやって背負ってるとさ嫌でも背中に当たる。軟らかい感触が…」
「・・・はぁ〜」
あからさまにわざと大きくため息をつく琢磨。
うらやましくないと言えば嘘だが―――
こんな状況下でも他人を笑わせる(?)事ができる達樹に感心していた。
「よし…ついたぞ〜っておい!!優」
窓辺に座っている優が見えたのか
片手を挙げアピールする。
優も気づいたのか
誰かと話している。
そして玄関がいきなり開いた。
「どうしたの?石田君、山師君」
「おわっ…高杉姉さん」
「高杉さん」
ちなみに達樹、琢磨の順である。
「とにかく入って!一応ベットにその二人を…」
「あ…「はい」」
優の奴、気が利くな―――
と琢磨は思った。
ついでに休んでいこう―――
と達樹は思った。


一応二人は親友である―――


【残り29名】

108紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/02/13(金) 22:53 ID:6oULdG3w
やっぱり男の子ですね、達樹君^^
とても面白いです、次回も頑張って下さい。

ああ、こんな短い感想しか書けない自分がいる・・・・−−;

109レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/13(金) 23:10 ID:FChdjAnk
>紅桜さん

短くてもというか全然短くないです☆めちゃ嬉しいです!!!!これからも頑張りますのでよろしくです!!!

110インビシブル:2004/02/14(土) 07:37 ID:wniIGyRo
本当ですね達樹君。
何か同じ男として分かるような気がします<笑

レベッカさん>
最近暖かくなりましたが油断しないで風邪引かないで
頑張ってくださいね

111レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/14(土) 18:51 ID:FChdjAnk
>インビジブルさん
ありがとうございます☆インビジブルさんもお体を大切に

112レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/14(土) 19:18 ID:FChdjAnk
033 究極の選択〜Ultimate selection〜

 川久保 一真(男子5番)は、弘法の埋葬を終え森を歩いていた。
陽も結構昇ってきたな…
漆黒の森にもちらほらと陽だまりが出来始めていた。
放送が流れてからすでに15分

4人か…
4人も…ととるか4人しか…ととるか…

まぁ――――
それは置いといちゃいけないが置いといて…

禁止エリアをチェックしとかないと…

そして地図を見る。
自分はここに居る場所からしてF-4の中央部か…
時間は…6時15分…
今居るのがF-4…
F-4…
F-4?
・・・・・・
マテ!!
F-4だと!!
急がねば…
と走り出そうとした時―――
見えてしまった―――
暢気かどうかは知らないが…幸せそうに寝ている朝香を―――






「ち…手間のかかる女だ…」
今彼は…デイパック2個と人一人を背負っている―――
足がよろめいている。
残りもう9分しかないのに…緊張感が無いのはなぜだろう―――
「くぅ…」
「寝るな…と言って起こしたいが…こんな時に起きられたら…何言われるか分かったモンじゃない」
「というか…重い。ダイエットしろこのアマ…」
言いたい放題である―――
そして残り8分…距離は目算にして700m
けして間に合わない距離ではないが…
いま彼はうん十キロとデイパックを持っている―――

全てを投げ出して自分だけ逃げたいが…
女子なんか助けたくないが…
その前に彼はお人好しである!!!

ちなみに背中に当たる感触なんかあったモンじゃない…ちなみに夜野が88と谷が77…その差11cmということは内緒。

そして彼の怒りは頂点に達する寸前…

逃げられるかなぁ―――
どうだろ?
そんな事を考え始めたとき…そして心中を覚悟した時


そんなギリギリの中で偽典とナイフを持った…あの男が近づいてきていた―――

禁止エリア発動まで残り5分―――


【残り29名】

113レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/14(土) 23:17 ID:FChdjAnk
今更ながら設定!!

まず…それは散り逝く者への子守唄は大東亜ではありません。

現代日本です。
そうです普通にBRとかが映画でやっている現代日本…
西暦2003年9月1日〜
の話です。

↓微妙にネタバレ注意↓


では何故日本国なのにBRをするか?というと
裏で世界の大富豪達が新しいギャンブルとしてこのBRが選ばれました。
もちろんそれをインターポールなどが許すわけありませんが金で押さえ込み
国連などの国際組織や政府は見てみぬフリをしています。
腹にある爆弾は映画や本を見る限りもしかしたら首輪では取れてしまう恐れありということで体内に爆弾などを入れました。
ちなみにそのためだけに爆弾を世界でも有数の企業が共同で開発。
そして今回がはじめてのBRであります。
アメリカのラスベガスに作られたホールに世界でも有数の著名人などが集まりこのBRの様子を見ています。


こんな感じです設定は…あと質問などあったら気軽にどうぞ☆

114紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/02/15(日) 01:47 ID:6oULdG3w
川久保君、朝香ちゃんを無事助けられるか?!
そして偽典とナイフを持って近づいてくる人影は?
川久保君たちの運命や如何に!?

・・・・・すいません次回予告風ですね^^;
とても面白いです、次回もがんばってください。

115レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/15(日) 13:07 ID:FChdjAnk
>紅桜さん

ありがとうございます☆

116レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/15(日) 23:24 ID:FChdjAnk
034 間違っても心中だけは嫌だからなと彼は言う〜By mistake therefore just suicide hate when is, he call〜

 ガサッ―――
足音にふと立ち止まる。
そして…
「死ねぇぇぇ」
それは突進してきた―――
ナイフを持って―――
「浩二ぃ!?」
とっさに避ける。
我ながらよく避けれたと思う。
もう誤解がどうとか言ってはいられない―――
朝香の体をゆさゆさと揺さる
「ん…あれ?川久保くん!?何やってるのよ!!」
「ち…説明は後だ…とにかくあっちの太陽の方に向かって走れ」
「え…あ…うん」
一真の背中から降りた朝香は訳も分からず走っていった。
そして一真はすばやく朝香のデイパックから…アイテムらしきものをとると構えた…
手裏剣か―――
一真は変な物が出なくてよかったと素直に喜んだ。
浩二は、たかが手裏剣かと嘲笑った。

そして…浩二が突進してきた。
「うりゃゃあ」
その時、浩二は鍔の部分にあるボタンを押してしまっていた。
ストッ―――
一真の後ろにあった木に刃が刺さった。

えっ―――

浩二が驚いた表情をしていた。
その瞬間を見逃さなかった。

シユッッ
上手く飛んだ―――

トス
浩二の手に刺さった――

「ふん…こんな手裏剣なんざ」
そう言って浩二が偽典を持ってむ突進してきたが…
途中で足取りがフラフラになった。

そして…そのまま

カフッ――
「な…なんで?」
血を吐き倒れた。

疑問に思った一真は警戒しながら近寄って脈を取ったが…
すでにそれはただの魂の抜け殻になっていた。

なるほど…毒か―――

一瞬で理解した一真はそのまま立ち上がり
歩き出した―――

残り2分半か…

時計をちらりと見た一真はため息をついた
ギリギリか…

その時だった
「お〜い川久保君〜」
無論朝香だ。
「どうして来た…早く逃げろ!!」
「なによ!冷静に考えたら襲われてたから助けに来てあげたのに」
「ここがあと二分くらいで禁エリにな・・・」
ドサッ――
倒れた。
額に冷や汗が出ていた。
まさかと思い。手裏剣を持った指を見た―――
案の定真新しい切り傷があった。
ちっ――
「どうしたの?川久保君!!」
ピッ―――
お腹から音が鳴り出した。なかなか滑稽だ。そして駆け寄る朝香。
「早く行け馬鹿!」
もう声も出すのも辛い。
「嫌よ!!」
「イイから行け馬鹿!!」
ピッ――――――ピッ――――――
「馬鹿だから分かりません・・・」
「なんでだよ!!お前まで…」
ピッ――――ピッ――――
「好きだからに決まってるでしょ!!」
「はっ!?何言ってるんだよ…お前は」
ピッ――ピッ――ピッ――
「私は川久保君の事が好きです…これで残る理由は必要十分よ!!」
「ちっ…これだから女は」
ピッピッピッピッ―――
「俺も…馬鹿かもな…」
ピピピピピピピピピピピピピピピピピ
笑っていた―――
二人とも―――
幸せそうな笑顔で―――






バァァァァン―――




【残り26名 男子16番山田 浩二  男子5番川久保 一真  女子9番谷 朝香 死亡】

117紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/02/15(日) 23:31 ID:6oULdG3w
朝香ちゃん、一途ですねぇ〜^^
川久保君も、最後は幸せに死ねてとてもよかったです。
次回も、頑張って下さい。

118レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/15(日) 23:39 ID:FChdjAnk
>紅桜さん
ありがとうです☆
一応このシーンはずっと前から考えていましたのでようやく実現できて結構嬉しいです。

それと何故川久保君の毒が遅れたかというと…
毒は刺さったときを考え刃先からすこし離れたところに多く塗ってあったため
すこし命が長引きました。

119レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/16(月) 21:43 ID:FChdjAnk
035 新婚生活と勝手に想像する彼と早く思いの人と会いたい彼女〜Newly-married life and him who is imagined selfishly to be quick her who would like to meet favorite with the person〜

 貞操の危機から早30分が経った。
今彼らは食事を対面にそれぞれ座っている。
ちなみにメニューは
ご飯と卵焼きと味噌汁と何かの肉・・・多分豚肉とのことらしい…
稚奈の料理の腕は極上だっ―――
と素直に思う未来。
ちなみにその本人はまださっき叩いたことを悔いているのか
申し訳なさそうに味噌汁をすすりながらこちらをちらりと見ている。
その行動が激しく可愛いと思う。
ちなみに会話は一切無い―――
先程のかりんの出現以来、なんとなく重苦しい雰囲気が辺りを包んでいる(ちなみにその雰囲気を作っているのは稚奈である。)。
そして…そんな空気を知ってか知らずか…
未来君の頭はパラレルワールドに突入していた。

なんか、新婚夫婦って感じだよな〜。
ああ…なんかいい―――このアンニュイな食事風景。
というか…これで裸エプロンだったらもう完璧だな―――

って…いやいや裸エプロンはマズいな…さすがに
というか…なんで俺の頭はこんなにも淫乱なんだ…。


姉さん…僕も健全な男子でした…

そして彼女の頭は

はぁ…気まずいよね…
なんか未来君へんな雰囲気をさっきから出してるし…
顔で笑っててもやっぱ怒ってるよね―――
ううっ…なんかどう話しかけて良いか分からないよぉ…


まったくかみ合わない二人―――
それでも…そこそこに上手くやっている―――

まだ二人はこのデスゲームからは程遠い存在であることは間違いない。
そう…彼らはまだ現実に近い存在―――
であった。


バァァァァン―――
その時爆発音がした。
そう―――二つの命が散ったあの…爆発。

それはここからほんの100m東へ行ったところの事だった。

だが…その二人の物語の真実を知るわけが無く―――
「今のは…なんだ?」
「え、あ、なんだろうね?」
「ま…いいか」
「う、うん…そうだね」
暢気な二人であった―――


【残り26名】

120秋菜:2004/02/16(月) 23:43 ID:P9f84Mn6
朝香ちゃんの一途さが好きですー!!
何か3人とも素敵な終わり方でしたね…。
そして稚奈と未来君の2人、何かほのぼのでいいですねぇ☆
これからも応援しています!頑張って下さい!!

121気ダルマ:2004/02/17(火) 00:41 ID:STusIzus
楽しいです!!頑張ってください。

122レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/17(火) 06:17 ID:FChdjAnk
>秋菜さん
ありがとうございます☆
ほのぼのですか…私には未来君がブラック&ピンクにしか思えませんよ…(笑)

>気ダルマさん
はい☆がんばりまっせ〜
応援よろしくです☆

123レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/17(火) 22:01 ID:FChdjAnk
036 破滅を導く天使〜The angel which leads ruin〜

 月子は匠達との戦闘後、通りを堂々と歩いていた―――
無論、傷など一つも無い。

只今の彼女の装備アイテム
BerettaM92FS。
出刃包丁。
防弾チョッキ。

遠距離、近接距離ともに申し分ない。
今の彼女は人であり人にあらず、だが悪魔というにはあまりにも華奢で、儚い面影で、可憐で――――
それは…能天使はカマエル。
それは…破滅の天使―――

そんな彼女は…一度奪ったデイパックを見た。
そして中にあったアイテム…弾丸と札束。

そう…紫苑と健斗はアイテムを一つまとめにしていた―――
それが今あだなった。

そして――今彼女には戦いの女神の加護があるように思えた。

全てが彼女に幸運を生んでいた。

そんな彼女の目にとまったのは―――

一軒の民家だった。

その民家へと続く…血の跡…。

彼女はニヤリと笑うと―――
民家を目指して・・・歩いていった。


彼女の戦いはまだ始まったばかり―――


「くすっ…やっぱりの占いは…当たるのね…」
彼女の当たったカード…
それは、正位置のⅣ皇帝であった。


彼女は…止まらない…
狂気という名の魔物に取り付かれた天使――――
それは…
小平 月子―――


【残り26名】


正位置のTHE EMPEROR(皇帝)の意味
主導権を握る・リーダー・安定性・頼りになること・行動力・強い意志・目的達成の能力の向上
http://egotism.to/2_tarot/tarot_image/t_4_emperor.jpg

124レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/17(火) 22:02 ID:FChdjAnk
追記
――――カマエル(Kamael)――――
大天使。エッセネ派の信仰体系では、火曜日がカマエルに割り当てら
れている。クェメルあるいはケムエル(Kemuel:神の会衆の意)とも呼
ばれ、かつては能天使階級の指揮官であったが、今ではケムエルの名で
1万2千の破壊の天使を率いている。神の命によって破壊を行うわけで
あるが、カマエルを堕天使とみなす説もある。モーゼが神からトーラー
(旧約聖書の最初の五書。モーゼの戒律を含む)を授かろうとした時、
モーゼが神の許可を得ていることを知らなかったため、それを妨げよう
としたところ、逆にモーゼに打ち滅ぼされてしまう。しかし、その後復
活したらしく、ゲッセマネの園で苦悶するキリストを助けもした。

125レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/18(水) 23:21 ID:FChdjAnk
037 望まれざる再会〜Meeting again which is not desired〜

 琢磨は、民家のリビングでソファーに座り京香の淹れた紅茶をすすっていた。
ちなみに葉はセカンドフラッシュのフルリーフ(オレンジぺコ)でアールグレイ。
琢磨は無糖派である。
そのほうが紅茶本来の旨みを感じることが出来るからだ。
その向かいのソファーには優と賀子が同じく紅茶を、さらにちょうど左側のソファーすべてを使って達樹が寝ている。
あすみと京香は紫苑と健斗を個室のベットに眠らせ看護をしている。
一応あすみの報告では弾は貫通しているとのことだった。その点では良かったが…
問題なのは血が足りないのだ。銃で恐ろしいのは弾が体内に残ることともう一つ…多量出血による失血症―――
これはどうすることも出来ない…輸血をしない限り…
一応包帯を巻いていた。応急処置にしては上出来だ。
「しかし…とんだハーレムだな…優よ…」
琢磨は窓を見ながらそして深刻な顔をしながら言った。
「ブッッッ―――くっ…ゴハッ…ゴホゴホ」
一瞬吐き出しかけた優、焦って飲み込んだらしくむせている。
「だ、大丈夫?前田君…」
賀子が優の背中をさすっている。
「あ、ありがと賀子。というか…琢磨。お前はいったい何を言い出すんだ…」
「いやでもよ…高杉さんに花原さん…それに成瀬さんの3人も連れて…なぁ?」
いや……なぁ?なんて聞かれても――――
という顔を優はしている。
「な、なりゆきだ」
優がそれなりの間をもって出した結論―――。
「・・・あ、そう」
もっと面白い答えを要求していた琢磨はがっくり。
やはり優にボケは務まらない…
と琢磨は思った。
そんな二人のやり取りを楽しそうに微笑みながら見ている賀子。
そんな賀子をちらりと見ながら
やっぱり…未来の事…心の奥底では心配してんだろうな…
そんな思考をめぐらせた時
こちらにくるに一つの影が窓を通して視野に入った。
あれは…小平さん!!血だらけじゃないか!!
「お、おい優!!」
「なんだよ…急に大きな声で…」
琢磨が指差す方に目線を送った。
「…月子―――」
優は立ち上がり月子を迎えようと立ち上がった。
「賀子と琢磨は応急処置の準備を…」
「うん」
賀子のすばやい対応。
なるほど…良い連携だ
と琢磨は思った。
「じゃあ…石田君はお湯を沸かして?」
「ああ…」
琢磨はキッチンへと向かった。



優は玄関を出ると、すぐに月子へと向かって走っていった。
彼は気づかなかった。
血だらけにしては痛がる素振りも見せずに歩いているということを―――
「月子!平気か?」
駆け寄る優を見ながら
破滅の天使はニヤリと微笑んだ。



【残り26名】

126gyaxtupu:2004/02/19(木) 00:08 ID:STusIzus
次が楽しみです!!

頑張ってください。

127レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/19(木) 00:13 ID:FChdjAnk
>gyaxtupuさん
ありがとうございます☆
次回
彼らはいったいどうなってしまうのかっ!!!(懐かしい)

お楽しみに

128レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/20(金) 18:35 ID:1EvNnKj2
038 紅の鳥が鳴く頃に〜The time where the bird of red calls〜

 「月子。大丈夫か?」
先程から同じような事しか言っていないが、激痛が走るのはその者のみである(月子自身に傷は一切無い)。
月子は考えていた。近づいてくる優―――
敵意は無い。というか…彼の辞書に敵意という言葉が存在するのかさえ疑わしい―――
よって…彼は丸腰…楽勝…。
さて…銃か包丁か…スタンガンはあとで充電器でバッテリーを充電するからいいとして…
どっちにしようか?
そんなことを考えていると優が自分の近くのまでやってきていた。
銃を使いたかったけど…銃声とこの間合い。包丁かしら―――


月子まで目算より大分距離があった。
遠くから見ても生々しい血。近くで見るとその服に付着した血はすでに黒く変色し見るに耐えないものと化していた。
そして一言。
「すぐに治療しよう…すぐそこの民家で―――」
グジュッ―――
腹に何かが刺さった。
「えっ…」
優は一瞬何が起こったかまったく理解できずにいた。
そして…半テンポ遅れて来る激痛―――む
「くぁっ…」
月子を見るとすでに包丁を振り下ろさんとしていた。
それをとっさの本能が避ける。
「月子…どうしたんだよ?」
「・・・・・・」
痛みに耐えながらも説得をする。
月子はその姿に苛ついた。いつもなら…その優の姿が立派だと思っていたのに…他人を信頼する心を尊敬していたのに…今は違った。
「月子…殺すなら…俺を…最後にしてくれよ…な?」
「・・・・・・」
彼女は無言で包丁を振り上げた―――




【残り26名】

129レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/21(土) 18:09 ID:00hjtHEc
039 異変〜Accident〜

 「なぁ…優遅くねぇか?」
そう投げかけたのは琢磨だった。
「そうね…何かあったのかしら?」
「ちと…見てくるな…」
「ええ…気をつけて…」
琢磨は嫌な予感がしていた。
何かに締め付けられるような…
そんな気分だった。
彼はリビングで自分のアイテムである『コルトガバメント』を持ち、達樹のアイテムである『配布アイテムリスト』をパラパラと捲っていった。
そして目にとまったのが…



女子5番小平 月子  出発番号 32
    出刃包丁



わざわざ顔写真付きである。
包丁か―――
急がないとマズい――――
琢磨は一目散に駆け出した。
玄関を蹴り開け、そのまま走った。
ヤケに遠く感じたが…確実にヤラれている・・・
視力はそんなに良いほうじゃないが―――
確実にヤラれている・・・
そう…月子は包丁を振り上げているところだった


「小平ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
怒りに身を任せ…問答無用に一発

パァァァァァァァァァン――――





撃った―――





しかし外れた。


走りながら撃つという行為はかなり命中率を下げる――――
だが―――
そんなことは言ってはいられない―――

平気で友人を殺すような奴は許さない―――



琢磨は再び銃を構えた――――


【残り26名】

130レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/21(土) 18:26 ID:00hjtHEc
040 願い〜Request〜

 優は、突然の銃声に驚いた―――
そして…音のした方を見ると…そこにいたのは琢磨だった―――
しかも…怒りに身を任せ、周りが見えなくなっている―――
「逃げろ…月子―――」
しかし…月子は冷静にその冷たい眼差しで琢磨を見ている。
そして…すでに琢磨は銃を構えている―――


マズい―――


パァァァァァン――――


肩から…血が舞った・・・










そして…
肩を押さえながら優は…
「もう…やめろよ…なんで、殺しあってるんだよ、俺ら…おかしいだろ…」
肩ひざをつく―――それでも喋るのを止めない
「この殺し合いが…強要されているものなら…何故みんなで協力して打開しようとしない…何故抵抗しようとしないんだよ・・・そうしなかったら・・・、このゲームを管理している奴等の…おもうつぼじゃねぇかよ…なぁ?月子…琢磨…」


その言葉を聞いたとき…琢磨は愕然とした…
俺が忘れていたもの―――


月子は目の前で苦しんでいる優を見て…
逃げ出した―――
その目からは…太陽光を浴び輝くものが流れていた―――


そして…優はそこで気を失った―――
琢磨は急いで優を担ぐと…そのまま民家へと急いだ…


【残り26名】

131レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/22(日) 22:22 ID:00hjtHEc
041 旅立ち〜Going on a journey〜

 琢磨は優を民家へとつれて帰ると、すぐさま賀子が向かい入れた。
銃声を聞きただ事でないと感じたらしい―――
すでに痛み止めなどの用意も出来ていた。


優を寝かすし、リビングへ戻るとおもむろに賀子は琢磨に質問した
「月子さん…なんですね?撃ったのは…」
「いや…違うよ…撃ったのは管理者だ」
琢磨は月子が改心してくれると信じて、あえて嘘をついた―――
「そう…ですか…」
ほっと…肩をなでおろした賀子
「それよりも…高杉さん…貴女も寝たほうが…いいですよ?」
「でも…」
「見張りなら、そこで寝てる達樹でするからさ…」
「そうですか?」
「ああ…」
「分かりました…それではお言葉に甘えさせていただきます」
一礼すると賀子はリビングを出て行った―――
「さて…起きろ」
琢磨はすでに起きていて…そして寝たフリをしていた友人に話かけた。
「一応、夜野さんがA型の+。川上がO型+だようだ…」
まったく…この配布アイテムリストには何処まで書いてあるのか…
ただただ、驚く琢磨だった。
「それじゃ…行くか」
「ああ…」
琢磨と達樹はおもむろに立ち上がり置手紙を一つ残し民家を出て行った―――



  優、高杉さん、成瀬さん、花原さんへ
 

   俺たち…石田 琢磨と山師 達樹は夜野さんと健斗の
   血液を手に入れるために診療所に行ってきます。
   もちろん、すぐに帰ってきます。まぁ…こんな島だから
   かかる時間なんてたかが知れてるし…。
   一応、俺たちに配布されたアイテムはもって行きます。

                     デハデハ 琢磨&達樹より





【残り26名】

132キング:2004/02/23(月) 01:52 ID:STusIzus
やっぱ、面白いです!!

琢磨&達樹は血液を手に入れることができるのか!!楽しみです。
がんばれー

133レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/23(月) 06:08 ID:00hjtHEc
>キングさん

ありがとうございます☆
今後ともよろしくおねがいします

134レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/23(月) 23:41 ID:00hjtHEc
042 意思→遺志〜intention→Last wish〜

 澪は、無言ながらも準備を始めていた。
今彼女の手元には初期配布アイテムである伸縮式特殊警棒。
そして拡声器。
そろそろかな・・・誰かが来るとしたら・・・管理者の誰かが来るとしたら・・・
先制攻撃あるのみ―――

そして―――
診療所の入り口からは死角になっている場所で構える―――

そして――――

診療所のドアが開いた―――

バンッッ―――

「柳子…もう平気よ・・・」

バシュ…ドゴッ・・・グチャッ――――


それは…大いなる誤算―――

「柳子っ!!」
敵だと思っていたのに・・・
敵だと・・・
「澪ぉぉっ!」
ナミが怒り狂ったように叫んだ…
逃げなきゃ――――
澪は直感的にそう察知し・・・ディバックと拡声器を持ちその場を去った―――

ナミたちは追わなかった・・・追えなかった・・・
それよりも柳子が心配だったからだ…


しかし―――


もう息は無かった―――





私は―――何してるのよ!!

澪は自分を恨んだ。


とにかく走った。走った―――

澪は走った。

その姿を匠と奈津子に見られていたということも知らずに―――

【残り25名女子15番眞鍋 柳子 死亡】

135レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/24(火) 22:08 ID:cRjkQQcU
043 続く殺人〜The homicide which continues〜

 匠と奈津子は静かに澪をつけることにした。
無論すでに銃の弾をつめてあり、鎌もいつでも取り出せるようにしてある―――
ちなみに武器は全て匠が所持をしている。
奈津子には殺人をさせたくない―――
という匠自身の願望からである。
奈壱斗を探したいが今は一人でもライバルを消しておきたい―――
と・・・。




澪はとにかく・・・自分の犯してしまった過ちを拭い去るかのように―――
とにかく走っていた。
目の前に見えたのは灯台―――

あそこに行こう―――

そして・・・一度落ち着こう―――




匠たちは動き始めた―――
相手は何を持っているか分からない―――
多分灯台に入ろうとしているだろう―――
なら今ここで殺るか・・・

カチッ

匠は銃を構えた―――
距離は約30m。

奈美子は黙って匠の事を見ていた―――
その視線は恐怖では無い。
もう彼女にも彼を止めることは出来ない―――


パァァァァァンッッ――――

一発―――

それは澪の右腕を貫いた。

「っぁ!!」
澪は何がおきたか分からなかったが・・・
右腕に走る激痛で理解した―――


撃たれた―――


と・・・



そして・・・澪は覚悟をした・・・

自分の死を――――


どうせ死ぬんだから・・・派手に暴れようかな?――――



【残り25名】

136レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/25(水) 23:14 ID:cRjkQQcU
044 止まらない衝動〜The impulse which does not stop〜

 パァァァァン―――
二発目。

それは…彼女の、澪の右足を貫いた―――

「あくっ・・・」
走る激痛―――
さすがに声が漏れた。


でもいっか・・・私死ぬんだし―――

これくらいの激痛がなによ・・・私はそれよりも酷いことを・・・痛いことを犯してしまったのだから――――

「うりゃぁぁぁぁぁぁ」
だから私は…幻双君と天美さんに向かって走り出した―――

拳銃の弾?

そんなものは・・・なんでもない!!!

痛くもなければ・・・痒くもない!!

「ちっ・・・狂ってやがる」
匠がつぶやいた―――
「鎌借りるぞ?」
「うん・・・気をつけてね?」
「ああ」
そしてた匠は鎌を構えた―――

澪と匠の距離・・・約15m
勝負は一瞬―――

澪は警棒を―――
匠は鎌を―――

バキッ―――グシュッー――
「くっ・・・」「あうっ・・・」

警棒は脇腹を殴り。鎌は胸を貫いていた。
「匠っ!」
心配そうに奈津子が言ったが、匠は安心させるかのように一度微笑んだ―――
グシュ――――
そして微笑んだまま鎌を抜いた―――



「さて・・・」
「これからどうするの?匠」
「あそこにいく・・・」
そういって指差した先には灯台―――


もう止まらない・・・止められない・・・

【残り24名 女子10番廿楽 澪 死亡】

137キング:2004/02/26(木) 01:31 ID:STusIzus
楽しいぞー!!

そして、まさか灯台にはあの2人が・・・・・楽しみだー!!

138レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/26(木) 20:27 ID:cRjkQQcU
>キングさん

いつもいつもありがとうございます☆
どうぞお楽しみに〜

139レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/26(木) 21:20 ID:cRjkQQcU
045 油断〜Carelessness〜

 キィィィィィッ・・・・バタン――――
匠は灯台の休憩室に入ったが・・・
そこには誰もいなかった―――
「ちっ・・・」
舌打ちをする・・・
台所には食器が置いてあった―――
どうやらギリギリで逃げられたみたいだ・・・
匠は奈津子の姿を確認し休憩を取ろうとした時だった―――

カチャッ―――
「動くなよ?匠・・・」
匠のこめかみに突きつけられた銃―――
それは・・・稚奈の配布アイテムである。デザートイーグル
「あんだけ・・・灯台の付近で銃をぶっ放してくれたら・・・気づかない人間なんて居ないぜ?」
「匠っ!?」
「おっと・・・動かないでくれよ?天美さん・・・人殺しを・・・生かしておくほど俺はやさしくないんだ・・・」
カチャリ―――
銃を構えなおす未来・・・
ちらりと・・・出入り口を見る。
上鶴さんは屋上に隠れている・・・屋上にだけは登らせてはならない―――

そして匠はあせっていた。

しまった・・・鎌も銃も俺が持っている・・・

匠の額に冷や汗が流れる―――

「何人だ?」
「さぁな・・・」
「匠!!」
奈津子はもう今にも匠に向かって走り出しそうだった・・・
「いいから・・・答えろ・・・何人殺した?」
「さぁな?」
カチャッ――――
引き金に力を込める・・・
「ラストだ・・・何人だ?」
「さあなっ!!」
「匠っ!!」

ボスッ―――

パァァァン―――


匠の肘が未来のみぞおちに衝撃を与える・・・

匠は銃を撃つ瞬間を狙っていた―――

そう・・・銃を撃ったことのない人間は打つ撃つ時に一度引き金を見る―――
そう視線がそれるということ・・・
そして・・・発砲がワンテンポ遅れるということ。

それはこの島で手に入れた知識―――


ドザァァァッ・・・ドンッ――――

吹き飛び、壁に衝突する未来―――
カチャッッ―――
すかさず匠は銃を構える。未来は銃を手放してしまっていた―――
「チェックメイトだ・・・高杉 未来君・・・」
にやりと匠が笑った・・・
「くっ・・・姉さんごめん・・・」
未来がつぶやいた・・・


形勢は逆転した――――






「未来!?」
賀子は急に目覚めた―――
なにか・・・嫌な予感がして・・・
心がモヤモヤしている。

一卵性双生児として生まれた私たち・・・こんな事は前にもあった―――

あの時も急に・・・未来の事が心配になった―――


そしてそのときは・・・未来は交通事故にあっていた・・・
そう・・・私が急に心配になった同時刻に―――

未来―――――

賀子は祈りだした。
このモヤモヤ感が外れるようにと・・・

まだ・・・置手紙には気づいていなかった。







「ははは・・・姉さんごめんか・・・安心しろ・・・すぐに賀子も天国に連れてってやるよ」



上鶴さん・・・見つからないでくれよっ―――――




パァァァァァァン――――

銃弾は爆音とともに発射された――――



【残り25名】

140幸成:2004/02/26(木) 21:36 ID:1.9ATgw2
ちらりとこんばんは(何

レベッカさんは更新頻度が速いし、表現巧いしで羨ましい限りです。
これからもがんばってください。

141キング:2004/02/26(木) 22:31 ID:STusIzus
未来君は死ぬのかーーーーー?

楽しみだー!!  この調子でがんばってください。

143レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/26(木) 22:58 ID:cRjkQQcU
>幸成さん
どうもです☆なんというか・・・私にはもったいないお言葉です♪

>キングさん
いつもいつもありがとうございます♪
これからもよろしくお願いします☆

144tp-18:2004/02/26(木) 23:57 ID:SxiXzQiE
お姉さんの絵上手過ぎじゃないですか??
いつも楽しませてもらってます
これからもがんばってください

145みつき:2004/02/27(金) 01:57 ID:tabU/xvo
レスはしていなかったのですが(すみません〜!!)いつも楽しく読ませていただいていますv
マイキャラ話で申し訳ないのですが、月子がやたらかっこよく書いて頂けて、本当に嬉しいです!お姉さんの月子絵も素敵で、保存して壁紙にしたいくらいです(おい)!
文章もとっても読みやすいし、更新も早いのでとても楽しいです!これからも頑張ってください★

146秋菜:2004/02/27(金) 08:55 ID:vmyNqnNU
うわぁ…面白すぎです!!すっごくテンポが良くて素敵ですね!!
匠君は怖いですねぇ…。未来君死んでしまうのか!!?
次回が楽しみです!!頑張って下さい!!

147妖駆 紅丸:2004/02/27(金) 16:21 ID:qcWG0dG.
おぉ・・面白いですね〜
達樹と琢磨を応援してます〜
男なのにかっこいいとは・・やりますな達樹殿・・(笑

148レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/27(金) 17:26 ID:cRjkQQcU
Σうわっ!学校に行っていてる間に、凄い嬉いっす☆

>tp-18 さん
どうもです☆これからもよろしく〜♪
一応・・・姉は美大生ですからね。絵は得意だそうです・・・

>みつきさん
レスしていなくても読んでいただけているだけでも嬉しいですよ♪

>秋菜さん
いつもどうも〜☆次回もお楽しみにっ!!!!

>妖駆 紅丸さん
達樹くんっすか・・・うちの姉曰く・・・保健室のベットでサボり中だそうです・・・。
分かりにくいことこの上なし・・・です。

149レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/27(金) 18:36 ID:cRjkQQcU
046 美しき破壊神と弓射る愚者〜It is beautiful, the foolish person who comes and destructive God and the bow it shoots〜

 撃たれた・・・
未来は目を瞑りそう思った。
ああ・・・もう。何でこんなところで死んでんだよ・・・俺・・・
ていうか・・・あいつに『魁!クロマティー高校』の2巻貸したままじゃねぇか・・・
彼はまだ気づかない・・・体の何処も痛くないということに・・・


匠は何が起きたか分からずにいた・・・

何故弾道がずれた?―――
「た、匠・・・」
奈津子の声で我に返る・・・腕を見た・・・
そこに刺さっているのは・・・矢・・・

なるほど・・・拳銃を持っている腕に矢が刺さったら・・・弾道も外れる・・・

痛みが走ったが・・・彼はそんなのを気にはしない―――
冷静に出入り口の方を睨んだ。

そこにいたのは――――
上原 瑞樹(男子2番)であった。
「人を殺しちゃあいけねぇなぁ・・・匠さんよぉ」
にやりと瑞樹は笑った・・・それは完全にそして絶対な勝者の笑み。
「未来・・・さっさと起きろよ」
「え・・・あ・・・痛くねぇ」
今更気づいた未来・・・
そして・・・銃を取ろうと・・・
カチャッ―――
「奈津子奪えっ!」
「えっ・・・あっうん!」
奈津子の反応が遅れた―――
無論銃をとったのは未来。

チャッキ―――

カチャッ―――

デザートイーグルとオートボウガン・・・

再び形勢は逆転した――――

「くっ・・・」
匠は、自分の運を呪った―――

こんなところで死ぬわけにはいかない・・・思考せよ・・・考えろ・・・。銃とボウガン・・・突破口はある・・・。
「匠・・・」
「動くな・・・先に逃げてろ・・・」
匠はそう言い、思考の世界へとのめりこんだ――――
「でも・・・」
「・・・・・・」
返事はない―――

言い知れぬ雰囲気が辺りを包む――――




そんな中・・・灯台に近づく一つの影・・・
それは、目を赤くした・・・小平 月子―――

それは美しき破壊神であり・・・破滅の天使――――


ふたたび・・・悪夢が始まろうとしていた。

【残り25名】

150紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/02/27(金) 19:00 ID:Gw03.CZo
どーでもいいんですけど、【136】で廿楽澪が死んで、残り24名になったハズですよね?
けど、それ以降が残り25名になってるんですけど・・・
感想も書かず、こんな事指摘してゴメンナサイ。

151レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/27(金) 19:05 ID:cRjkQQcU
>紅桜さん
うぉぉぉぉしまったぁぁぁ!!!ご指摘ありがとうございます☆

152キング:2004/02/28(土) 01:49 ID:STusIzus
お姉さん絵うまいですね。(言うの遅いけど)

また、書いて欲しいです。 がんばれ〜!!

153レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/28(土) 12:25 ID:UYL6fibQ
>キングさん

は〜い機会があったら頼んでみます。

154レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/28(土) 15:47 ID:UYL6fibQ
047 葛藤〜Trouble〜

 未来は銃を強く握った。

今・・・殺らなければ・・・こいつは・・・再び殺人を続ける・・・そう・・・今やらなきゃ・・・今―――

そう思いながら自分の腕が微かに震えていることに気づいた。

ははっ・・・怖いか・・・高杉 未来よ・・・。そうだよなぁ・・・人殺そうとしてんだもんな・・・。そりゃ怖いよなぁ・・・

そんなことを考えている自分に嘲笑した。

でもよ・・・未来さんよ。今やらないと・・・自分が殺されるで?上鶴さんも・・・姉さんも・・・みんな殺されるぜ?

分かってる―――

でも―――

殺せるわけないじゃないか―――

震えが大きくなってきた。


匠がにやりと微笑んだ。
そして―――

匠はまず瑞樹に突進した。

突然の行動に対処が遅れた瑞樹―――


カチャッ―――
はっと我に返り匠を狙ったが未来だが・・・

すでにボウガンは奪われていた。

瑞樹は吹っ飛び出入り口付近で悶えていた。

みぞおちに一発。
それだけで人間はかなりのダメージを受ける。
さらに優位に立っていた状況からの転落・・・精神的ダメージも大きい。

それは瑞樹も同じだった―――

どうしても・・・銃が撃てない―――

心の中にある“なにか”が銃を撃つという単純な行動を制していた。

負けた―――

未来は自分の不甲斐無さを恨んだ。

上鶴さん・・・ごめん・・・守りきれなかったよ・・・今度こそ・・・殺されたよ・・・

未来は覚悟し再び目を瞑った―――

パァァァンッ――――
「あら・・・外れちゃったわ・・・」
「ちっ・・・小平か・・・」
「あら・・・お久しぶりね?」

は?―――

再び目を開けた―――

そこにいたのは・・・銃を持った―――


小平さん?

「ふふ・・・お姫様はちゃんと守りなさいよ?高杉君・・・」

「は?・・・まさか!!」
「大丈夫よ・・・ちゃんと保護してあるから・・・」
にこりと微笑んだ。

その笑みには・・・先ほどまでの・・・破壊神のような・・・破滅の天使のような・・・冷たい笑みではなかった。


そう―――


純粋な・・・清らかな笑みだった。

「奈津子・・・逃げてろ・・・」
なにもすることができずただ震えている奈津子に・・・匠は放った・・・
先ほどとは違った語調に・・・
静かに頷いた・・・。

「さて・・・未来君・・・入り口で上鶴さんが待ってるわ・・・瑞樹君を連れて・・・行きなさい?」

それは・・・子を見る母のような口調だった・・・だが・・・その中にかすかに含まれる・・・決意。それを未来は受け取った。

「分かりました・・・」
静かに頷き・・・未来は休憩室を後にした――――


「さて・・・私は・・・貴方を止めに来たんだけど・・・」
「ふん・・・」
「そう・・・」


そして―――二人は武器を構えた――――



【残り24名】

155秋菜:2004/02/28(土) 18:17 ID:jMIb3mLM
うわぁ月子ちゃんかっこいい〜!!何か姉や母といった感じで素敵ですね♪
次回の匠君VS月子ちゃんの対決がすごく楽しみです!
何か佳境に差し掛かってきましたね☆
そして前回のレスで書くの忘れましたが、お姉さんの絵、すっごくキレイですね!
どれも美しすぎで見入ってしまいました!
稚奈もめちゃくちゃ可愛く書いていただいて…全部保存したいです☆
では…次回も楽しみにしています。お体に気を付けて頑張って下さいね^^

156秋菜:2004/02/28(土) 18:18 ID:jMIb3mLM
↑あぁ〜ごめんなさい><sageで書いてしまいました…。
連レスお許しください…。

157キング:2004/02/28(土) 19:34 ID:STusIzus
月子ちゃんかっこいいですね〜!!
そして、守られて助かった未来君もこれから期待したいです。

頑張ってください!!

158レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/28(土) 20:19 ID:Jyos5HJM
>秋菜さん
連レスでも気にしないでください!!そしてありがとうございます☆

>キングさん
いつもいつもありがとうございます☆
そしてこれからもよろしくお願いします

159レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/28(土) 22:32 ID:Jyos5HJM
048 舞う天使〜The angel which it whirls〜

 奈津子が出ていったのを確認すると匠は、銃をしまった。
それは・・・月子が防弾チョッキを着ているからである。
そして鎌を構えた―――
広い場所なら銃の方が圧倒的に有利だが・・・

ここは密閉された一室――――

勝敗はまったく見えない――――

「あら・・・新兵器?」
「・・・ビームでも出てくれると助かるんだがな・・・」
「それは大変ね・・・」

それにしても・・・この女はこんなに喋る人間だったか?―――

匠はふと・・・思った。

何かを待っているための時間稼ぎのために・・・こんなに喋っているとしたら?――――
匠はちっ、と一度舌打ちをした。





未来、稚奈の2人は行く当てもなくただ・・・とぼとぼと歩いていた。
奈津子は・・・行く場所があるといって・・・山に向かっていった―――
たしか・・・神社に行くと言っていた気がする。
そして・・・無言のまま数分経った時
高木 かりん(女子7番)と吉田 佳林 (女子17番)に遭遇した。
「あれ?お二人さんどうしたの?」
それは・・・先ほどあらぬ誤解を持ったまま出て行ったほうの“かりん"である。
「え・・・あっ高木さ・・・ん」
未来は、あの時の事を思い出したのか・・・顔がみるみる赤くなっていた。
ちなみに稚奈もである。
「それよりもさ・・・さっき小平さんに会ってね・・・防弾チョッキりかわりに・・・そのぬいぐるみを頂戴って言われてね・・・」
それを聞いた瞬間・・・頭に集まっていた血が一瞬にして引いた
「ああ・・・後・・・そのぬいぐるみ・・・爆弾だよ?って言ったんだけど・・・それでいいって」
吉田がそれに付け加えた―――

そう・・・それは小平 月子の決意―――

「あれ・・・?どうしたの?高杉君?」
「・・・・・・・・・ごめん・・・上鶴さん・・・天美さん・・・俺・・・行かなきゃ・・・」

俺は・・・いつも助けてもらってばかりだった・・・姉さんに・・・優に・・・そして小平さんに・・・

もう助けてもらうだけの人生なんて嫌だ―――
「上鶴さん・・・」
その一言で彼女は全て悟った―――
そして・・・
彼女は銃を・・・そっと・・・渡して・・・
「・・・いってらっしゃい・・・私は・・・そうね・・・あそこにある・・・民家で待ってるよ?」
「うん・・・」

「ねぇ・・・なんか二人の世界にはいってない?」
「そうね」
そんな横で二人のかりんは話し合っていた――――
「それじゃ・・・行って来るよ」
決意を胸に―――
今彼は歩き出した――――


「さて・・・何を企んでるんだ?」
「あら・・・分かっちゃった?・・・でも内緒よ」
「ちっ・・・短期決戦でいかせてもらうぜ?」
「どうぞ・・・ご自由に」
匠は鎌を振り上げ月子に向かい走り出した――――


【残り24名】

160レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/28(土) 22:34 ID:Jyos5HJM
訂正
「・・・・・・・・・ごめん・・・上鶴さん・・・天美さん・・・俺・・・行かなきゃ・・・」
            ↓
「・・・・・・・・・ごめん・・・上鶴さん・・・高木さん・・・俺・・・行かなきゃ・・・」

です。すいません

161レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/29(日) 14:42 ID:Jyos5HJM
049 慧眼〜Sharp insight〜

 チッチッチッチッチッチッ――――
ぬいぐるみ型の時限爆弾は時を刻む。
それは・・・灯台の屋上に備えてある―――
稚奈を保護したときに置いてきたものだ。
爆発まであと10分。それまでは匠を灯台内に留めておかなくてはならない――――

「うらぁぁぁぁぁぁっっ」
滅多に声を張り上げない匠が吼えた。
そこにあるのは殺人衝動―――

月子はすっと右に避け包丁を出す―――

無論。匠は鎌を横に振る――――
それをしゃがんで避けそして足の力だけで懐に飛び込む

鎌は確かに脅威の武器・・・でも懐に飛び込みさえすれば―――

匠は後ろに飛びそれを許さない―――

そして鎌の刃で包丁を防ぐ

カィィィン――――

耳に障る金属音が響く―――
「あくっ・・・」
衝撃が月子の肘に伝わる―――
それに伴い走る激痛―――

包丁を落としそうになるのを必死で押さえる。
包丁をしっかりと握る―――
しかし・・・力が上手くはいらない―――


匠は確信した―――


勝てると―――





未来は・・・歩くのをやめ走り出していた。
そんなに遠くまでは歩いてないはず―――
遠くに見える灯台を見ながらそう思った―――
「くそっ!!なんで・・なんで気づかなかったんだ!!」
あまりにも不甲斐無さ過ぎる自分に叱咤する―――
走れ―――走れ―――もっと速く―――
自分の限界なんて知ったこっちゃない

とにかく走れ―――





「ふっ・・・どうした?」
「あら?心配してくれるの?あ・り・が・と・う」
「ちっ・・・死ねぇぇ」
鎌を振り上げた――――


チャッキッ―――
「銃の存在忘れちゃ駄目よ?」
「ちっ・・・」
即座に月子は鎌の範囲内から脱出する。
そしてちらり休憩室内の時計を見る

あと7分―――


匠は視線がそれたのを見逃さなかった――――



【残り24名】

162レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/01(月) 00:50 ID:Jyos5HJM
050 目覚め・・・惨劇の後そして女の戦い〜Awaking... after the tragedy and fight of woman〜

 紫苑は、はっと目を覚ました。
ベットに寝ていた。
どうやら誰かに運ばれたらしいわね―――
横を見ると椅子に座って成瀬さんが寝ている―――

どうやら看病してくれたみたいね―――

それにしてもすこしお腹が減ったわ―――

なにか食べ物を―――

そう思いベットから降りようとしたが・・・ふらついた、危険を感じベットに座り込む―――

どうやら軽い貧血みたいだ・・・。

それもそうか・・・小平さんに・・・刺されて・・・幻双君に・・・撃たれたんだっけ―――

そして自分の身体を見て気づいた―――

服は真新しく・・・傷も包帯でしっかりとされ・・・多分消毒もだろう・・・。

もう一度紫苑はあすみの方を見て一度

ありがとう―――

とつぶやくと再び眠りについた―――


賀子は、優の眠る部屋にいた―――
「ねぇ・・・前田君・・・」
「・・・すう・・・すう・・・すう」
無論返事はない聞こえるのは単なる規則的な呼吸音。
ちなみに彼女が優の寝顔を見つめてはじめてからすでに15分。軽いストーカー気味である。
それは・・・心にあるモヤモヤ感をすこしでも忘れたいからである―――



稚奈は、民家のドアを叩いた―――
トントンッ―――

沈黙――――

沈黙――――

沈黙――――

トントンッ―――

「やっぱ誰もいないか〜なら入っちゃお」
とノブに手をかけた瞬間―――

勢い良く引っ張られた―――
「きゃっ」
「えっ・・・あ・・・ごめんなさい」
ドアを開けたのは賀子である―――



「ごめんなさいね・・・」
「いえ・・・気にしないでください」
今いる場所はリビング―――
置手紙は未だに気づかれず―――
「ところで・・・高杉さんだけなんですか?今ここにいるのって・・・」
「えっと・・・一応私と・・・前田君・・・。成瀬さんと花原さん・・・夜野さんに・・・川上君と・・・かな」
「えっ・・・前田君」
稚奈が反応した。
「あの・・・会いたい―――」
「駄目」
即答。
一瞬二人の間に火花が散る―――
「会いたいんですけど・・・」
「寝てるから駄目」
いつもの賀子からは考えられない口調である―――
「会いた」「駄目」

火花が散った―――



【残り24名】

163キング:2004/03/01(月) 01:31 ID:STusIzus
女の戦いは怖いなー。

次が楽しみです。ひきつずき頑張ってください!!

164レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/01(月) 18:04 ID:HDTuSnbg
>キングさん

はいどうも〜。いつもいつもありがとうございま〜す☆

まぁ・・・怖いですよ・・・優君・・・モテていいな〜と自分で書きながら思ってたりします・・・

165秋菜:2004/03/01(月) 20:44 ID:7spPiaBU
面白いです!女の戦いってこんなのありますよねw
普段は出さないのに、ここぞ!って時に火花散る…。
稚奈は優君に会えるんでしょうけw^^;?
月子ちゃんVS匠君の戦いの続きも楽しみにしています!
応援していますので頑張って下さいね☆

166レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/01(月) 20:56 ID:HDTuSnbg
051 喧嘩の後〜After the quarrel〜

 姫は、雅貴との喧嘩に疲れたのか支給されたペットボトルの水を一気に飲み干した。
その光景に雅貴は唖然としている。
「んっ・・・んっ・・・んっ・・・ぷはぁっ」
「・・・・・・・・・」
「なに見てんのよ!」
「え・・・あ・・・いや」
ちなみに二人とも一度日の出のときには喧嘩をやめたが、その後再び―――
そして・・・放送なんてまったく聞いていない。
ききは聞いているが――――
ちなみにそのききは、二人の微笑ましい口喧嘩をにこにこしながら見ている―――
彼女にとっては怒っている姫も可愛いらしい――――
「んで・・・どうすんだよこれから」
「ふ〜んだ。私はききと行動するからいいよ〜だ」
「そうか・・・じゃあな」
「え・・・っちょっと」
「別にお前らと行動する義理はねぇよ」
「そ、そんなか弱い女の子二人を置いて行くつもり?」
「はぁぁぁぁぁ?」
「なっ・・・ちょっと何よその態度!そしてそのさも・・・んなことあるわけねえじゃねぇかチビっていう態度は!!」
「ほぉ〜チビっていうのは理解してたんだな?」
「うっ・・・うっさいわね・・・ちっちゃい子が好き〜って言う人もいるのよ?」
「それは単なる社会的不適合者・・・だろ。それともなんだ?お前はロリコンがタイプなのか?」
「んなわけ!!あるかっっっ!!」
ゲシッと一発脇腹に蹴り・・・といきたかったが・・・あいにく背の差で・・・腰に一撃であった。
「ふん・・・てめーのなんざ食らっても痛くねぇんだよ!!」
「きぃぃぃぃむかつくぅぅぅぅ」
「あ〜あ〜ヒステリックになるな・・・チビ」
「うっさいわねぇぇ」
「じゃあな・・・Adeus」
「な、なによ・・・アデューって?」
「は?」
雅貴の足が止まる。
ここまで馬鹿だったかこの女・・・
「ポルトガル語だ・・・意味は『さよなら』・・・っていうか・・・んな事もしらねぇのかよ!!」
「違うわよ」
「じゃ・・・Arrivederci」
「・・・ありーべてるちぃ?」
「アリーヴェベェルチだ!!」
「そういう意味じゃないって!!なんでさよなら、なのよって言ってんの!!この脳なし馬鹿」
「だからお前と一緒にいる義理はねぇっぅの!!!!それともなんだ?もしかして・・・怖いのか?」
「んなわけ・・・ないでしょ・・・・・・」
「そうか?じゃ・・・次は〜Au revoir」
今度こそ・・・と思ったが―――
よこにはひょこひょことついてくる影・・・
「ほらぁ〜きき、いくよ〜」
「あっ・・・はい〜待ってください〜」
「・・・・・・・・・・・・」
「何黙ってんのよ?」
「もういい・・・」
こめかみを押さえつつ雅貴は

こいつ・・・もう嫌だ―――

と・・・思った。


【残り24名】

167レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/01(月) 21:08 ID:HDTuSnbg
>秋菜さん
どうも〜
月子VS匠は次回です☆お楽しみに♪
賀子姉ぇ・・・・・・って感じです自分でも書いててそう思ったり☆

168キング:2004/03/02(火) 01:57 ID:STusIzus
なんか姫と雅貴の関係は複雑な感じがしまね〜。

そしてついに今度は、月子VS匠ですか〜・・楽しみです!!

169レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/02(火) 19:42 ID:HDTuSnbg
052 月に夢を・・・永訣に光を・・・最後の7分1〜In moon dream... in the last parting light... last 7 minutesⅠ〜

 オォォン―――
しまった・・・と思ったときには既に遅かった。
パサッッッ――――
とっさに避けた。どうにか鎌の攻撃は避けることができたがすこし服がはだけた―――
それは・・・最も恐れていた事態の発覚であった―――
匠がにやりと笑った。
「お前・・・防弾チョッキはどうした?」
「ふふっ・・・この下に着てたりしてね・・・」
「ふん・・・」
匠は右手に鎌を・・・左手に銃を持った。
チャキッ――――
「ははは・・・防弾チョッキを着ていると・・・勝手に考えていた俺が馬鹿みたいだな」
「そうね」
「だが・・・チョッキを捨てた、お前はさらに馬鹿だ・・・」
「そうね」
チャキッ―――
月子も銃を構える。

チッチッチッチッチッチッ――――

時計の音がやけに大きく聞こえた・・・

月子は少々震えていた。
そう初めて・・・死というものを感じていた。
幸いなのが匠は震えていることには気づいていないということだ。
私は・・・大変な事をしてしまっていたみたいね――――

ごめんね・・・みんな―――


ふふっ・・・謝ってもおそいけどね―――

パァァァァン―――

一発の銃声が響いた―――


【残り24名】

170レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/03(水) 20:16 ID:HDTuSnbg
053 月に夢を・・・永訣に光を・・・最後の7分2〜In moon dream... in the last parting light... last 7 minutesⅡ〜

 「くっ・・・あっ・・・」
月子の鮮血が舞った―――

撃ち遅れた―――

いや―――

撃てなかった―――
いや・・・望んでいたのかもしれない・・・こうなることを―――

それが・・・みんなへの償いとなるのなら・・・

私はこの死を受け入れたというのだろうか―――

そう・・・心の奥底で―――

「かはっ・・・」
血が口から吹き出た。

痛いを通り越して何も感じないわ―――

これが“死"というものなのね―――

今の月子の目には全てがスローモーションに見えた。

トンッ・・・バタリッッ

膝から落ちた―――

どうやらもう足は私の体重を支えきれないみたいね―――

一応・・・体重は・・・軽いほうなんだけどね―――

匠が嘲笑しているのが見えた。

人殺しておいて・・・それはないんじゃない?

ふふっ・・・他人のことは言えないか・・・私もだしね――――




「はぁはぁ・・・」
まだ着かないのかよぉぉぉ!!くそぉっ!!――――
未来は焦りが目立ってきていた。
けして足が遅いわけではない―――
だが・・・
焦りが空回りしていた。
「はぁはぁ・・・」
バタッ
「くっ・・・痛くない・・・痛くない・・・痛くないに・・・・決まっている」
転んでもすぐさま立ち上がる―――
急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ急げ――――

俺はまだ走れる―――

俺はまだ――――


その時だった―――

カッ―――ドォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッン――――

大爆発が起こった―――

周りの草木が揺れている―――

「あ・・・あ・・・っ」
黙って見ているしかなかった―――
その崩れゆく灯台を――――
「あ・・・嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!」
未来の悲痛な叫びは・・・崩れゆく灯台の爆音にかき消された―――


【残り24名? 男子8番幻双 匠 女子5番小平 月子 共に生死不明】

171秋菜:2004/03/03(水) 22:26 ID:I6qcUr.A
月子ちゃん切ないですねぇ><
みんなへの償いとか…彼女もこのプログラムで成長したんでしょうね。
そして未来君…間に合わなかったのでしょうか!?
月子ちゃん&匠君の生死は!?
次回がとっても気になります☆
頑張って下さい!!

172レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/03(水) 23:11 ID:HDTuSnbg
>秋菜さん

どうも〜。一応月子ちゃんが劇的に変化したのが優の説得でした☆
んで・・・未来君・・・残念ですが・・・間に合いませんでした。(合掌)

173レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/03(水) 23:22 ID:HDTuSnbg
http://www.nitroplus.co.jp/pc/ranking/gunimage/M4_Wiche.jpg
全然関係ないけど・・・そのうち出そうと思っている武器・・・
先にイメージCGを作ってみたのでどうぞ・・・

M4−Judgment of God
装弾数24発/弓矢5本。
BRで・・・桐が持ったら大変なことになってます・・・多分この武器

174レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/04(木) 20:45 ID:KUWksdc.
054 事実〜Fact〜

 「まだ結果はでないのかな?☆」
「すみません・・・秋小路様・・・いまだ電波障害が起こっております」
「アナタが謝る事じゃないよ☆」
島の最北端に位置する管理施設―――
先ほどまで廿楽 澪を監視していたが当の本人が死亡してしまったため、通常業務に戻ろうとした矢先の爆発―――

とある二人を除いては別に異常はないが―――
とある二人だけ・・・体内にある監視装置からの電波がここに届かなくなっていた。
そのためこの二人だけ復旧するまで体内にある管理システムを一時停止してある。
無論、誤作動を起こさないためだ。
ピピッ―――
「復旧しました―――」
「生命反応はどお?☆」
ピピピッ―――
ディスプレイにとある二人の情報が映りだした――――




未来は終わった場所―――灯台だったモノの上に居た――――
彼は探していた―――
「嘘だろ?小平さん・・・」
生きている希望を―――

だが・・・探してはいけなかった―――

彼は見つけてしまった―――

月子が持っていたはずの銃を―――

そして・・・

その横には・・・

月子がいつも肌身離さず持っていたはずの・・・ほとんど灰になりかけているタロット―――

そのタロットも・・・ところどころ黒くすでに灰になっているところもあるが・・・まだ文字が読み取れる部分もあった。

それを拾い上げ・・・天にかざした―――

太陽が透けて見えた――――

そして・・・自然と涙が溢れてきた――――

タロットだったものを握り締め・・・彼は・・・静かに泣いた・・・


ありがとう・・・小平さん・・・そして・・・さようなら・・・




匠は爆発の衝撃で痛めた足を引きずり歩いていた。
月子を撃った後彼はすぐさま脱出した―――
そしてその10秒後・・・爆発――――
爆発の衝撃で吹き飛ばされ足を痛めてしまったのだった。

ちっ・・・死ぬわけにはいかない―――
匠にとって・・・月子との戦闘は大いなる痛手となった―――



「女子5番小平月子の生命反応・・・確認できませんでした―――」
モニターを見ていたとある兵士が報告した。
「了解・・・全員起立。脱帽のうえ・・・黙祷――――」
報告を受けた兵士の隊長がそう言った。
それは一人一人に行われていた―――

そう・・・皆こんなことはしたくないのだ・・・いくら給料で金を貰っていたとしても・・・

またひとり、罪の無い生徒が穢れた大人たちの犠牲になった――――
とある兵士は黙祷をしながら何もできない不甲斐無い自分に怒りを感じていた――――


【残り23名 女子5番小平 月子 死亡】

175妖駆 紅丸:2004/03/05(金) 19:03 ID:qcWG0dG.
あぁ・・ついに月子さんが・・・
ageです

176レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/05(金) 20:03 ID:Tl1kCcC6
055 事後〜After the fact〜

 「会わせ・・・」
「駄目」
ちなみに27回目である。
「会わせない・・・?」
「ええ」
「う゛〜」
賀子はそんなセコい手には引っかからなかった。
その時――――
ドゴォォォォォォォォォォン――――
爆音そして続く大きな振動―――
「な・・・なに?」
稚奈はそんな言葉を漏らしたが・・・一つの結論に達した。

灯台でなにかがあったと―――

一瞬未来の顔がよぎるが・・・首を横に振りそれを否定する。

駄目だよ・・・死んじゃうなんて・・・考えちゃ―――

沈黙――――
「何かしら?今のは・・・」
「多分・・・灯台が・・・爆発したんだと・・・」
「そう・・・」
賀子は深くは追求しなかった。

「高杉さん!!・・・今の爆発は?」
川上の看病をしていた花原がリビングに走りこんできた。
「あ・・・花原さんどうも」
「え・・・あ・・・はい」
挨拶を交わす―――
「心配しないで平気だと思うわ・・・どうやら灯台が爆発しただけみたいだから・・・」
「え・・・はい」
賀子は静かに微笑みながら言った―――



「う・・・あっ・・・」
優は先ほどの爆音で目を覚ました―――
「あれ・・・ここは・・・」
周りを見る―――

どうやら・・・民家まで運ばれたみたいだ―――

とにかく起きよう―――
「くっ・・・」
すこし脇腹と肺のあたりが痛いが特に気にするほどでもない
「ふう・・・礼を言わないとな・・・」

キィィィッバタン―――

「ふう・・・ありがとね・・・治療してくれて」
「前田君!!」
リビングに来るやいなやいきなりの大声に迎えられた―――
「あ・・・稚奈。大丈夫だったか?」
「ええ・・・もちろんですよ」
「そう良かった」
稚奈はソファーから立って迎えている。
「こほん。前田君・・・もう大丈夫なんですか?」
賀子はわざとらしくせきを一つ―――
「え・・・ああ・・・・うんもしかして賀子が?」
「ええ・・・そうですよ」
「ありがとう」
「いえ・・・別にお礼はいいですよ」
「それでも一応さ」
「ところで・・・まだ紫苑と健斗は・・・」
「はい・・・まだ意識は・・・」
「あと・・・あれ?琢磨たちは?」
「そういえば・・・先ほどからいらっしゃいませんよ?」
そんな二人の会話を聞きながら稚奈は、テーブルを見ると・・・医療セットの下にひっそりと紙があるのを見つけた。
「あの・・・これ・・・」
一通り目を通した後。稚奈は、二人を呼んだ―――
「ん?どうした?」
「これを・・・」
優は紙を受け取った。


沈黙―――


「・・・頼むぞ・・・」
そしてそう呟いた―――

【残り23名】

177レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/05(金) 20:06 ID:Tl1kCcC6
>妖駆 紅丸
ageどうもです!!
月子さんは・・・・・・ですよ。はい・・・

178秋菜:2004/03/06(土) 00:17 ID:Epi6wSTI
月子ちゃんが…未来君のセリフが何か切ないですね…。
匠君は死んでなかったんですねぇ。これから彼がどう動くかも楽しみです。
後、このプログラムでは兵士達も人道的なんですね!
稚奈も無事(?)優君に会えて良かったですw
次回も楽しみにしています!頑張って下さい!!

179レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/06(土) 11:35 ID:Spgy0fJc
>秋菜さん
はい。いつもありがとうございます☆人道的ですよ〜大東亜じゃないっすからね・・・まぁぶっちゃけていえば・・・兵士は自衛隊ですから・・・。

180レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/06(土) 13:06 ID:Spgy0fJc
056 親友〜Best friend〜

 奈壱斗は一人神社で待っていた―――
一人は女子。もう一人は男子―――

その一人の男子は、親からの愛を貰っていない――――
生まれてくることを拒絶された存在―――

日々の虐待―――

そして今・・・彼の親は刑務所にいる―――

初めて彼と出会ったのは幼稚園の時―――

その時はかなりの勢いで拒絶された、逃げられた―――

木の上、屋根の上・・・トイレの個室の中―――

それでも俺は彼に話しかけ続けた。

そして・・・そんな俺たちに興味を示す女子がいた。

そんな彼女も・・・俺と一緒になって彼を追い掛け回した―――

ねぇ遊ぼうよ?―――

嫌だ、どうせお前らも俺を拒絶するんだろ?―――

ねぇ『きょぜつ』ってなあに?―――

知るか。自分で調べろ―――

ええっ・・・そんなこと言わないで教えてよ匠ちゃん―――

ちゃん付けで呼ぶな。だいたいお前ら俺を笑いに来たんだろ―――

そんなことないよ?みんな友達だよ?だから・・・一緒に遊ぼうよ?―――

ちっ・・・いいぜ遊んでやるよ―――

ありがとう匠ちゃん―――

その言葉が・・・彼をどんなに潤したか・・・言霊とは・・・素晴らしいものだ。

それからは・・・いつも三人一緒だった―――
なにをするにも三人一組―――

小学校のころには・・・ニワトリを飼育小屋から逃がしたりした。いろいろとやった。

そんな中・・・一人の少女は芸能界を志した。
俺たちはそんな彼女をバックアップした。

そして雑誌のモデルのオーディションの合格通知が来たとき―――
三人でめいっぱい騒いだ―――

それでもまだ・・・匠は、俺たち以外との人付き合いは苦手だった―――

中二のとき・・・俺と匠と奈津子は別々のクラスになった。(中一のときは奈津子だけ別クラスだった)

そしてその日は新学年の初登校日―――
俺は隣の席の奴に話しかけられた―――
「俺の名前は前田優。よろしく」
握手を求められた―――
「よろしく。俺は如月奈壱斗」
素直にそれを受けた。

余談だが・・・俺の前には川上 健斗が・・・斜め右後ろ・・・ちょうど優のうしろの席には上鶴 稚奈がいた。

俺は早速、優に匠たちを紹介した―――

奈津子は一年のときクラスが一緒だったらしく普通に接したが―――

匠は戸惑っていた―――

それは別に珍しくなかったが、その日は何かが違った―――

そう・・・優の親は・・・匠の親を弁護した・・・。そう・・・弁護士だった。

匠はそれを知った以来優を恨んだ―――

親を弁護しやがってと・・・あんなボケ親を・・・―――

俺はそんな匠の理不尽な怒りをどうすることもできないまま・・・今に到っている―――



「はあ・・・はあ」
そしてその回想は一人の少女の登場により中断される―――

「奈津子か・・・」
「匠が・・・匠が・・・」
今にも泣き出しそうだった。
「・・・・・・」
もう一人いた。
確か・・・上原 瑞樹だったか・・・
「殺されちゃうよ・・・匠が・・・小平さんに・・・」
俺は視線を瑞樹に向けたが
「・・・じゃあな・・・護衛の任務は終わった」
その一言を残し去った。
「・・・だいじょうぶだ。匠は・・・」
平気だ・・・といいかけて止まる。さっきの爆発―――

何かがあったに違いない―――

だが俺は
「平気だ・・・だから待っていよう」
根拠もなしに言ってしまった。
「うん・・・」

俺たちは信じて待つことにした。


【残り23名】

181キング:2004/03/06(土) 21:52 ID:STusIzus
たのしいぞ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
匠はどうなったのか!!

182レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/06(土) 23:55 ID:iOhFNY9Q
>キングさん

どうも〜お楽しみに

183レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/07(日) 16:16 ID:KXZ4TTrM
057 希望を胸に・・・生きようと彼の瞳は問いかけた〜That... you will live in the chest, that pupil questioned desire〜

 翔吾は灯台の爆発を聞き、灯台の跡地へと向かっていた。
まさか―――上鶴さんが・・・

と嫌でも考えてしまうのは人間の性かもしれない・・・
そんな想いを首を横に振り否定する・・・だが・・・否定しても否定しても・・・その想いは濃くなる一方である。

くそっ――――




未来は、灯台だったものの中から・・・使えそうなものを探していた。

いつまでも泣いているわけにもいかない―――

俺は・・・生きなきゃいけない・・・何があっても・・・それが・・・彼女の・・・小平さんの遺志なのだから―――

ガラララッ・・・カラン―――
瓦礫の山を漁る・・・むろん使えるものなんてそんなには無い・・・というかまったく無いに等しい

「ふう・・・」
ため息一つ。時計を見る


AM11:30


そろそろか・・・

第二回定時放送まで・・・

今度は何人だろう・・・

姉さんは・・・無事かな?・・・

「何やってるんだ?高杉?」
はっと我に返り武器にとっさに手をかけるが姿を確認するとその行為を中断する。
「よ。水島」
「大丈夫だったか?」
「ああ」
何気ない会話が幸せであったりする。
「誰か探してるのか?」
未来は、水島が息を切らしているのを見て質問した(自分も息を切らして入るのだが)。
「上鶴さんを探してるんだ・・・その次に・・・菅原を・・・」
「そうか・・・上鶴さんを・・・」
未来の額に冷や汗が流れる・・・

そういえば・・・おいて来ちゃったけど・・・大丈夫かな・・・一人で・・・

マズいよなぁ・・・一人は・・・

「い、いや・・・し、知らんよ」
「そうか・・・というかなんでそんな声がおかしいんだ?」
「へ、ああい、いや・・・いまラップに凝っててさ。YO〜チェケラッチョ」
「・・・まぁいいやじゃあな〜」
「ああ・・・」
翔吾は、その場から居なくなった―――

「ふう・・・言わなくて良かったのかな・・・まぁいいか・・・そういえば・・・菅原・・名にやってんのかな」
彼は再び作業を始めた。




そんな話に出てきた菅原 仁(男子6番)は港にいた。
船は無いと分かっていても、やはり確認をしてしまう。
「くそっ・・・コレだけか・・・」
彼が持っているのは軽油

何か武器になるものは考え、自分のアイテムである火炎放射器を最大限に利用できるものと考え・・・燃料があると思われる港に来ている。

まぁいい・・・無いよりかはマシか・・・

まぁいいや・・・軽油が入っただけでもよしとしよう―――



【残り23名】

184レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/08(月) 18:39 ID:KXZ4TTrM
え〜と・・・入院する事になりましたので・・・数週間ほど・・・中断します・・・


肺に・・・穴があいてたよ・・・びっくり

185紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/03/08(月) 18:42 ID:Gw03.CZo
マジですか!?
お大事にして下さいね。楽しみにしていますから!

186秋菜:2004/03/08(月) 18:45 ID:6j8Eqvmg
え!?大丈夫ですか!?
私の友達も前肺に穴が開いてた事がありました^^;
入院生活頑張って下さいね。
レベッカさん&小説の復活、待ってます☆

187インビシブル:2004/03/08(月) 19:06 ID:PlZf/o/g
退院するまでageときますね

188tp-18:2004/03/08(月) 19:41 ID:SxiXzQiE
体は唯一生まれてから死ぬまで自分自身のものです
大事にしてやってください
小説よりも体優先でお願いしますよ

189レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/11(木) 14:09 ID:QyLHIbPI
>紅桜さん
どうも〜予定では2週間でしたが・・・4日で退院しました〜マジびっくりです

>秋菜さん
私は『気胸』でしたが?ご友人様はなんだったんでしょうね〜

>インビシブルさん
どうも〜お心遣いありがとうございます

>tp-18さん
はい。その通りですね〜☆以後気をつけます♪

190レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/11(木) 18:46 ID:X/AXbrd6
058 新たな殺人鬼〜New homicide person〜

 ナミは、静かに怒りに震えていた―――
光は未だに柳子だったものを抱きしめたまま静かに―――

もうすでに30分以上・・・ずっとその状態が続いている―――

それは戸惑いと怒りと・・・

「ねぇ―――私達・・・友達だよね」
「えっ?」
突然のナミの問いかけに反応できない光。

「ねぇ?トモダチだよね」
「う、うん」


光は愕然とした―――

ナミは―――

だったらさ・・・みんな殺して・・・二人だけで脱出しようよ―――


月子の襲撃・・・そして澪の奇襲―――

ナミの精神力の・・・理性のキャパシティーから溢れた“なにか"・・・

それは留まる所を知らずに溢れ続けた―――

「それで・・・光は裏切らないよね?」
「・・・・・・」
「ねぇ?なんとか言ってよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
光は許せなかった・・・現実から逃げてしまった目の前に居る友人が―――

「駄目だよ・・・人を殺しちゃ」
「何でよ!!もう疲れたのよ・・・みんな壊しちゃえば・・・」
「なんで―――」
「そう・・・光も裏切るんだ・・・」
「なんで・・・」
「だって・・・だってそうでしょ!!」
「なんで・・・」
「さよなら・・・光」
そう言ってナミは刀を構えた。

光は動けなかった―――
いや・・・動こうとしなかった―――

【残り23名】

191レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/11(木) 23:45 ID:BDWWQgJ2
059 続く殺人・・・第二回定時放送〜The homicide which continues... second fixed time broadcast〜


   PM0:00

「はい☆皆さんおっ昼だっよ〜♪秋小路 夢でぇ〜す☆いぇい!!いつも通りいってみよーっ☆」

そして―――死者の発表が始まった―――

 男子5番川久保 一真  君
 男子16番山田 浩二   君
 女子5番小平 月子  さん
 女子9番谷 朝香   さん
女子10番廿楽 澪 さん
女子15番眞鍋 柳子 さん

の以上6名で〜す☆朝とあわせてピッタンコ10名で〜す☆でもまだまだ遅いよ?おねーさん♪悲しいな〜☆」

「そして禁止エーリアターイム☆午後1時からF−2。午後2時からB−3。午後3時からC−1です☆頑張ってね〜」

「ああっと・・・忘れてた忘れてた・・・みんなも分かってるよね☆さっき灯台で爆発がありましたぁぁ♪あれは別に事故とかじゃないから安心して殺し合いをしてね〜♪デハデハ〜☆」

192レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/12(金) 19:53 ID:BDWWQgJ2
060 諦観〜Clear vision〜

 琢磨達は、着実に診療所に近付いていた。
はっきりいって民家を出て行ってから一度も問題は起こっていない(問題が起こったら大変なのだが)
無論、上手く行っているからといって気を緩めないのは琢磨だが――――
もう片方・・・つまり達樹は能天気にも鼻歌なんかを歌っていたりと・・・

武器、俺が持ってて良かったぁ―――

琢磨は正直にそう思った。
「よし・・・後もう少しだな・・・」
地図見ながら琢磨が言った。
「ああ♪そうだな〜って・・・アレじゃないか?」
達樹が指差す方向にはポツリと一軒の建物。
「ああ・・・多分・・・そうだな」
もう一度地図に目をやり、それを確認する。
「よし早速行くぞぉぉっ!」
「走るなって・・・」

カシャャャアァァン―――
「えっ!?」
その時だった。
遠くにまでひびくその音―――

そうガラスの割れた音―――
「裏切り者ぉぉぉぉぉ」
そして続く怒れる叫び
「なっ・・・」
琢磨は突然の出来事に足を止めた。もちろん達樹もである。
そして・・・数秒遅れて診療所から出てきたその人物―――
「伏吹さん・・・とナ、ナミ・・・」
誰が見ても光が襲われていた。
「くっ・・・行くぞ達樹」
「ああ・・・」
琢磨はコルトガバメントを・・・達樹は民家から持ってきた包丁を―――
そして走り出した―――



「やめろ!!!!止めなければ撃つ!!」
琢磨の叫びが響いた―――
「えっ!?・・・石田くん・・・と山師・・・くん」
光は、力なく呟いた。
ナミには聞こえていなかった―――
いや・・・聞こうとしていなかったのか―――
「止まれっ!!」
琢磨は再び叫んだ―――


【残り23名】

193レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/12(金) 21:45 ID:BDWWQgJ2
http://multianq.uic.to/mesganq.cgi?room=bsqr
人気投票開催!!
上位キャラには物語り内でなにかが!!死者も・・・(え

194紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/03/12(金) 21:49 ID:x1QhGnSc
復活、おめでとうございますw
人気投票!?Σ(´Д`)
小説掲示板ではおおよそ初めてでは!?
上位キャラ、一体何が起こるんでしょうか?楽しみですw
つうかさっそくMyキャラに入れてきました(何

195レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/12(金) 22:15 ID:BDWWQgJ2
>紅桜さん
どうもありがとうございます☆
というかもう7票も・・・まだ私・・・票入れてないのに・・・

196奈菜:2004/03/12(金) 23:49 ID:5WFbexwo
最初から一気に読まさせていただきました。
非常に面白いと思います。
ところで灯台で気絶して、未来君たちに連れて行かれたと思われる上原瑞希君は何処へ行ったのでしょうか?

197レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/13(土) 00:01 ID:BDWWQgJ2
>奈菜さん

え〜とですね・・・書き忘れですね・・・一応ですね・・・あのあと起こして 
未来、稚奈組と奈津子組に分かれたときに奈津子一人だと危ないということで
奈津子の護衛をしてるんですね・・・一応56話の最後のほうにちょっと出てます。
すいません

198インビシブル:2004/03/13(土) 07:40 ID:PlZf/o/g
月子さん・・・タロット好きだったのに・・・.

199レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/13(土) 11:38 ID:BDWWQgJ2
>インビジブルさん
でも・・・この投票で何かが・・・あるかも知れません・・・(ニヤリ)

200レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/13(土) 12:33 ID:BDWWQgJ2
061 彼なりの説得〜Persuasion of his appearance〜

 だが――――
ナミはまったく聞いていなかった―――
「くっ・・・伏吹さん逃げろ!!」
琢磨が促したが光は震えて立てるような状況ではなかった。

銃に力がこもる――――

また・・・撃たなきゃならないのか?――――

嫌だ・・・でも――――

撃たなきゃ―――

撃たなきゃ?マテ・・・なに俺は相手を撃つ事前提で話を進めてるんだ?―――

どうした俺?いつもなら・・・話し合いに持ち込むだろ?喧嘩の時も――――

なのに・・・なんでだよ!!なんで・・・なんで相手を殺すことばかり考えてるんだよ!!!――――


そう考えている今も光はじりじりと追い詰められていた。

ゴメン・・・俺・・・撃てねぇ――――

俺自身が・・・信じられねえ―――

そしてナミが刀を振り上げた。

琢磨はすまないとめを閉じようとした刹那―――

琢磨の横を何かが走った―――


グシュッ―――

「うぁぁっ」
ナミが叫んだ。その衝撃で刀を落とした。

ナミの手・・・その右手に刺さっていたのは・・・包丁だった。

達樹は静かにナミ達に向かって歩き出した。
琢磨はいつもと違うその雰囲気にただ見ているしかなかった。
「安易に・・・人を殺そうとするな・・・」
達樹は、静かにだが・・・怒りのこもったその言葉を・・・吐いた。
そして・・・刀を回収すると、ナミの手を取り、立たせた。
ナミは我に返ったが今度はその顔は殺されるという恐怖一色だった。
無論そんなに右手は深い傷ではない。だが・・・攻撃されたという意識だけが彼女を震えさせた。怖がらせた。
そんなナミに達樹は一言。
「消毒するぞ・・・・バカ女・・・」
その一言残し達樹はさっさと診療所に入っていった。
残された3人はただただその後を目で追っていた―――

だが・・・中には柳子の死体があることを思い出したナミは走ってその後を追った。
琢磨と光は、いままで見たことも無かった達樹の雰囲気に未だに動けずにいた―――

「・・・い、行こうか・・・」
「へ!?あ・・・うん。そうね・・・」
そして静かに二人も歩き出した―――


【残り23名】

201レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/13(土) 12:35 ID:BDWWQgJ2
ちなみに投票の期限は在りません。そろそろやろっかな〜って時に見て上位の人をいじくります。ええいじくりますとも―――

202秋菜:2004/03/13(土) 18:14 ID:6890ZC0M
風引いて寝込んでて数日来れませんでした^^;
更新お疲れ様です☆てかお体はもう大丈夫なんですか?
私の友達の病名は知りませんが…肺に穴が開いて2回程入院していました。
レベッカさんもお体には気をつけてくださいね!
そして琢磨君達、勇敢ですねぇ!!かっこいいです!!
今から人気投票投稿してきますねー♪

203オンドゥルルラギッタンディスカー:2004/03/13(土) 18:19 ID:pXdRjeF6
人気投票のところで流れている曲はレベッカさんが作ったものですか? 凄いです・・・(ゴクリ

204レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/13(土) 19:09 ID:8CD0RjQY
>秋菜さん
それはお大事に・・・お互いに健康でいきましょ〜☆

>オンドゥルルラギッタンディスカーさん

いえ・・・アレは私の友人からもらったものですね

205レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/14(日) 10:01 ID:8CD0RjQY
062 触れてはいけない事〜Speaking, is not good〜

 ナミが、診療所に入ると達樹はすでにいろいろと準備をしていた。
ナミは柳子の死体を一度ちらりと見た。
達樹は柳子の死体には触れずにテキパキと準備をしている。
達樹自身もその事には触れてはいけないと理解していめのかも知れない―――
それはナミにとってもありがたい事であった。
「よし・・・青原さん。手・・・見して」
「あ・・・うん、わかった」
素直に達樹の要求に従った。
「ん・・・っと。ごめんな・・・つい・・・」
アルコールの匂いの中、達樹は自分の行動を謝った。
手際の良い達樹の救急術に
「うん・・・別にいいよ。それよりもさ・・・達樹君って・・・誰か親族にお医者さんでもいるの?」
「何言ってんだ・・・俺は医者の息子だぞ・・・」
「え!!マジ・・・」
達樹の発言に驚いたのはちょうど今まさに診療所に入ってきたばかりの琢磨であった。

達樹とは長い付き合いの彼も達樹が医者の息子だとは気づかなかった。
というよりも初耳である。

「ま・・・んな事はどうでもいいだろ」
「どうでもいいけど・・・達樹君・・・貴方、川田タイプじゃないと思うわよ?」
「はい?」
「わかんないならいいわ・・・」
光の意味ありげなツッコミもBATTLE ROYALEなんて厚い本を読めない―――否―――読もうともしない彼にとっては無意味であった。
「ねぇ・・・達樹君」
「なに?」
ナミの右手に包帯を巻きながら光に答える。
「俺の鉈の方がデカくて強力だもんな・・・って言ってみてくれる?」
「は?」
「いいから言ってみてよ」
「俺の鉈の方がデカくて強力だもんな」
「う〜ん・・・違うわね・・・」
「???」
達樹の頭はクエスチョンマークでいっぱいだった。


なにがしたいんだ?伏吹さんは?――――

達樹は悩んだが、まったく理解できないのでそこで悩むのを止めた。
「よし・・・琢磨。さっさと血液・・・確保して帰るか」
「ああそうだな」


ちなみに次は誰だろうと本気で悩む伏吹はあえて見てみぬフリをしようと決めた達樹であった―――


【残り23名】

206レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/14(日) 22:53 ID:8CD0RjQY
063 未来の事〜Thing of MIRAI〜

 「ふぅ・・・これぐらいでいっか」
未来は手を止めた。
彼が灯台だったもの・・・つまりはガレキの山から手にいれた物は―――

鉄パイプ
月子が使っていたと思われる刃先が少し溶けた包丁


そして・・・


タロットだったもの・・・


その中で一枚だけまったく無傷だったものがあった。

そのカードは――――

XIII 死神 DEATH

・・・最初はなんでこんなのが、と思ったが―――
ふと・・・見つけて拾ったとき逆位置だったのに気づき・・・捨てるのを止めた。

それに・・・コレは月子さんの遺志だ。捨てるなんてとんでもない!!


そう思った未来はこの死神のタロットをポケットにしまった。


「よし・・・行こう」
未来は呟き歩き出した。
不確かな未来へ――――――





秋小路 夢は不思議がっていた―――

あの爆弾は死体が木っ端微塵になるほどの威力はなかったはず・・・無論抱きかかえて爆発させれば話は別だが・・・
しかし・・・爆弾を置いた場所は灯台の最上階。つまり・・・導光を出す場所に設置したはず・・・
それ故木っ端微塵になることは無いと思われる―――
焼死体は見つかっても・・・何も残らないというのはいささか不自然だ。

無論兵士を派遣したわけではない・・・ただ未来の様子をじっと監視していただけなのだが――――
それでも彼はまんべんなく探していた。
それは・・・灯台近くに設置してある監視カメラの映像で確認できた。
そんな彼が何のアクションも示さない―――
すなわち死体が無かったと考える。
それは当然の成り行きであり思考である。


小平 月子・・・彼女に何があったのだろうか―――

それは・・・神のみぞ知る――――



【残り23名】
逆位置ⅩⅢ死神 DEATHの説明
再生、思い切った転換による成功、回復、再出発、創造、更新、生まれ変わり、心機一転、九死に一生を得る。
 仕切りなおしをして、新たにスタートすることが最善の道となる。
 不死鳥のようにあなたは灰の中から蘇える。そして、新たなスタートを切ることができる。
 過去のしがらみを断ち切ることができる。
 だめになったものにしがみつくのではなく、いったん無に戻してやり直した方がうまくいく場合があることを知る。

207秋菜:2004/03/15(月) 14:25 ID:ZqQLHKDs
えっ!?月子ちゃんは生きているのでしょうか!?
何か意味深な秋小路さんの言葉…気になりますね!
次回も楽しみにしています!頑張って下さい♪

208レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/15(月) 17:40 ID:8CD0RjQY
>秋菜さん

さて・・・ん〜どうでしょう?
まそれはこれからのお楽しみ〜

209レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/15(月) 23:25 ID:8CD0RjQY
064 帰り道〜The way back〜

 琢磨と達樹は輸血パックを手に入れ(ちなみにAB型やB型も一応持ってきていた)
ナミと光とは別れた。


多分もうあんな事はしないだろう―――


そう信じて・・・あえて別れた―――


それでも・・・まだ人を殺そうとするならば・・・伏吹さんは犠牲になるだろう―――


伏吹さんには悪いが・・・


しかし・・・殺されるようなことがあれば・・・



俺が・・・ナミを・・・殺す――――


琢磨はそう決意した―――
あの時・・・性格か豹変した達樹を見てから―――


今はまた・・・いつもの通りだ―――

「なぁ琢磨〜」
「何だ?」
「優の奴・・・誰だと思う?」
「は?」
「いや・・だから、あんなハーレム状態で・・・誰にも手を出さないなんて・・・ありえないだろ」
「?・・・いや!ありえねえのは・・・お前の頭だ・・・」
「んな分けないさ!!優・・・か・・・寝ている夜野さんを・・・・・・いや・・・乱交・・・・・・いいなぁ・・・」


ボゲシッ!!!――――


この後・・・達樹の頭にタンコブができたことは・・・言うまでも無く・・・


【残り23名】

210レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/17(水) 00:00 ID:A9qQMVh2
065 リコリスの花を・・・〜flower of RIKORISU...〜

 京香は。健斗の看病を続けていた。
そう―――
第二回定時放送の時も―――

静かに・・・静かに・・・

その健斗は眠ったまま―――

時だけが静かに動いていた――――

ガチャッ――――

「どうだ?様子は?」
「あいかわらずですね・・・」
「そうか・・・」
「前田さん・・・」
「なんだ?」
「リコリスの花言葉、知ってますか?」
「―――いや」
「花言葉は・・・悲しい思い出」

思い出という言葉が、ちくりと俺の胸の片隅を刺す――――

そう・・・もう帰ってこないのだ―――

この悪夢の島で・・・散っていった仲間達は――――

「紅い花なら慰めを、白い花なら忘却を―――貴方は・・・どちらをお望みですか?」

「は、花原?」

俺が知っているのは、スパイダーリリー(蜘蛛百合)とも呼ばれるリコリスの花は、見た目のたおやかさとは裏腹に強力な毒を持つことで知られている。軽い中毒でさえ嘔吐や下痢を引き起こし、摂取量によっては全身の痙攣を伴う呼吸不全によって、無残な死をもたらす――――
という事実だけ・・・。

そして俺の母さんが好きだった花だ―――


いまはもう・・・いないけど―――

「どうしたんだよ・・・?」
そんな事を思いながら言葉を続けた。

「いえ・・・なんでもありません・・・ただ・・・」
「ただ?」
「いえ・・・秘密です」
そう言ってしぃーのポーズを取る。

「?」

くすりと笑う京香を見てますます頭の中がクエスチョンになっていく優であった。

「ま・・・いっか」
「はい・・・その通りです。何事も転換が大事・・・ですよ」
「ま・・・そうだな」
「ええ・・・」
「あ・・・そうだ・・・昼飯・・・できたから・・来いよ?」
「あ・・・はい、わかりました」
ガチャッ――――

ちなみに・・・今回は稚奈が作ったらしい――――

その二人はどちらが作るかで・・・また火花を散らしていたが―――



【残り23名】

211レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/17(水) 00:01 ID:A9qQMVh2
ちなみに二人の争いを明日。書きます。

212レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/18(木) 00:13 ID:A9qQMVh2
066 女の戦い第二戦〜Fight second game of woman〜

 それは・・・数分前のこと――――
ちょうど・・・第二回定時放送が終わった頃である―――
「・・・これで・・・10人か」
「そうですね・・・」
「くそっ――――」

ドゴッッ――


カベに拳を打ち付ける―――
「「前田くん・・・」」
見事に稚奈と賀子の声がハモった―――
だが・・・今はそんな事を気にしている元気は無い(というか・・・別に日常でもそんなに気にすることは無い)

「前田くんは悪くないよ?」
「だけど・・・俺に・・・何か出来たかもしれないだろ・・・」
優は弱々しく呟いた。
賀子のそんな優を静かに見ていた―――

そして・・・

「ご飯に・・・しましょうか・・・」
「・・・・・・ごめん」
優は答えず・・・リビングを出て行った。

「高杉さん・・・今・・・ご飯なんて気分じゃ・・・」
「今は・・・そっとしておいてあげましょう・・・」
「私が・・・前田君に・・・持って行きますから料理・・・」
「・・・・・・いや・・・私が」
「いえ・・・私が持っていきますから・・・」
「・・・わた」
「持っていきますから」

ガチャッ―――
その時・・・優がリビングに入ってきた―――
「ど、どうしたんですか?前田君」
「・・・ごめん・・・お腹減った・・・」
恥ずかしそうに話す優。

「くす・・・分かりました。何か・・・お作りしますね?」
「いや!!」
キッチンへ向かおうとした賀子を止めるその声―――
「私がつくりますから・・・高杉さんは・・・ゆっっっっっっっくり休んでてください」
「んふふっ・・・別に心配してくれなくて平気よ?」
「え〜と・・・賀子ぉ?稚奈ぁ?」
優の話なんて今の二人には聞こえていない―――
「そんなこと言って〜本当は疲れてるんじゃないですか?」
「いえ・・・だから平気ですって」
「ねぇ前田君・・・どっちの料理食べたい?」
「・・・えっ!俺!?」
ここで俺にパスするなよ・・・稚奈ぁ〜――――
と思いながら・・・
「う〜ん・・・さっき賀子の料理食べたから稚奈の食べてみたいかな?」
「はい!!もちろん!!作っちゃうよ!!」

ち〜ん・・・という効果音でもなっただろうか・・・賀子の周りが・・・白く感じられた―――


無論・・・優は気づかないが・・・



【残り23名 女子8番高杉 賀子 敗北】

213レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/18(木) 16:41 ID:GPHuoIHI
067 会う為に〜In order to meet〜

 「くっ・・・」
匠は、ゲームスタート時から奈壱斗と約束していた山にある神社を目指していた。

特に外傷は見られないが・・・足が少し痛んでいる―――

それ故少々山道は辛い―――

「ちっ・・・」

バシッッ―――

足を一発殴る―――

どれくらい歩いただろうか・・・第二回定時放送も山の中で聞いていた―――

無論・・・月子が死んだということも・・・知っている。

だが・・・匠は疑問に思っていた。

あの女が―――
そんなに簡単に死ぬのか?―――

と、だが・・・そんな考えをすぐさま否定する―――

あの場面からは誰も・・・逃げられない―――
ただでさえ・・・胸に一発を受けているんだ―――
無理に・・・決まっている―――
そう・・・杞憂だ―――

そんな事を考えているうちにお目当ての場所である神社が見えてきた―――

「よし・・・もうすぐか・・・」

そう呟くと―――匠はバタリと倒れた―――

今までの疲れと・・・ずっと張り詰めていた緊張感を・・・解いたからであった―――

【残り23名】

214サンヨ:2004/03/18(木) 21:34 ID:Hn26L4Sc
難しいけど面白そうだねw

215レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/18(木) 23:10 ID:GPHuoIHI
>サンヨさん

む、難しいですかね?ま・・・いいです。どうも〜

216レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/19(金) 20:13 ID:GPHuoIHI
068 再会と別れと銃弾と1〜Meeting again separation and bulletⅠ〜

 奈津子はすでに我慢の限界にきていた。
さきほどから・・・幾度となく、「探しにいきたい」「駄目だ・・・」
という様な会話の繰り返しであったが・・・
もうすでに・・・限界である・・・。

「ごめん・・・行く・・・」
そう言い残し走っていった―――
奈壱斗は奈津子らしからぬその行動に唖然としながらも―――
やはり・・・無駄だったかと・・・
ため息を一つ吐きながら思った―――

奈津子は、静かに待っていろ―――と言われたら忠実に待っているタイプである――――

だが―――

匠の事になると・・・凶変する―――

そういった人間なのである―――天美 奈津子は――――
だから奈壱斗は止めても無駄という事は知っていた。
それでも一応たてまえとして止めていた―――

「ふぅ・・・やはり世話のかかる奴らだ・・・」
奈壱斗は空を見上げ物思いにふけり始めた―――



奈津子は山道をゆっくりと下っていた。
本当はさっさと降りて行きたいところだが・・・
もしすれ違っていたら大変と思い・・・ゆっくり・・・ゆっくりと
その歩みを進めていった―――
「匠・・・どこ・・・?」
祈るように呟きながら・・・一歩ずつ・・・一歩ずつ・・・
「ねぇ・・・何処・・・」
その祈りが通じたのだろうか・・・
奈津子の目に・・・山道で倒れている・・・男・・・すなわち匠が入った。
「た、匠!!!」
奈津子は急いで駆け寄った―――
だが・・・匠の規則正しい呼吸を聞くと、安心したように

静かに・・・抱き寄せ・・・
「匠・・・」
再会の余韻に浸っていた―――


【残り23名】

217キング:2004/03/19(金) 23:32 ID:STusIzus
こんにちわ。お久しぶりです。
いつのまにかすごい事になっていてびっくりしました。
このままいい作品を作っていってください。
応援しています。

218レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/20(土) 01:52 ID:huCO9Z.E
>キングさん

どうも〜☆
ありがとうございます。ますます完結させる意欲が出てきましたのでよろしくお願いします。

219レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/20(土) 23:07 ID:QrKo1TYk
069 再会と別れと銃弾と2〜Meeting again separation and bulletⅡ〜

 数分後―――
奈津子は、はっと我に返った。
そういえば山の中だった―――
早く・・・戻らないと―――
「匠・・・起きて・・・」
「・・・ん・・・」
ゆさゆさと体を揺すったが、反応は少し顔を歪める程度・・・
「起きて・・・匠・・・起きてよ〜匠」
ポカポカポカというアニメ的な効果音が鳴りそうな勢いで何回を優しく殴る(本当に優しく)
「ん・・・ん゛〜」
「ねぇねぇ」
「だぁぁぁぁぁぁっじゃかしいわ!!」
「ふぁぁぁぁっ!!」
匠は奈津子がいてビックリ・・・奈津子は匠らしからぬその言葉にビックリであった。
「な・・・なんで奈津子が・・・」
流石に冷静な匠も顔の驚愕の色を隠すことが出来ない―――

「そこの神社に奈壱斗と一緒にいたんだよあと・・・上原君もいたけど・・・どっかに行っちゃった」
「そうか・・・」
「うん、だから♪いこっ?」
「ああ・・・分かった」
匠は立ち上がり奈津子の横に立った。

腰には鎌。ポケットには銃を・・・そしてデイバックには弾丸。
それを持っているということを知っているのは奈津子だけである―――
そう奈壱斗は知らない―――

そして奈壱斗は人殺しを望んではいない―――

それは・・・二人とも知らないことだった―――

「行くか」
「うん」
奈津子は匠の腕に自分の腕を絡ませた。
「・・・」
匠は一瞬恥ずかしそうな素振りを見せたが・・・すぐにいつもの冷たいその素顔に戻った


【残り23名】

220秋菜:2004/03/20(土) 23:11 ID:hadHxi4I
奈津子ちゃんと匠君、無事会えたんですねー!
お互いにとって良かったですね☆
次回も楽しみにしています!!頑張って下さい☆

221レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/21(日) 16:57 ID:QrKo1TYk
>秋菜さん
はい〜♪頑張っちゃいますよ〜☆

222レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/21(日) 23:22 ID:QrKo1TYk
070 再会と別れと銃弾と3〜Meeting again separation and bulletⅢ〜

神社に着くと、すぐさま奈壱斗が向かい入れた。
匠も奈壱斗の姿を確認すると安心したのか、そのまま崩れるように寝入った。
その匠を運ぶのは奈壱斗の役目であったが・・・
その時・・・奈壱斗は血のついた鎌を見て―――
一度・・・ため息をついたが奈津子はそれに気付かなかった。


そして今彼らがいるのは6畳の和室。その畳は最近良く使われる正方形の形をした琉球畳。
6畳で12枚だ―――
微妙に色の違う・・・一つとして同じものは存在しない。まさに手作りの素晴らしい畳である。
そんな事は彼らには関係ないのだが・・・
そこに奈津子がすばやく布団などの寝具一式を用意し・・・今はそこに匠が寝ている。
そして・・・奈壱斗は、匠が熟睡しているのを確認すると・・・縁側でお茶を飲む奈津子に対し、あの話を切り出した。
「何人・・・だ?」
「えっ?・・・・・・」
最初は何の話をしているのか分からないといった様子だったが・・・すぐにその意味を理解すると俯いた。
「何人だ?」
奈壱斗は静かに・・・かつ・・・怒りの篭ったその声で・・・
奈津子はただただ黙るのみ―――
「しかたなかっ・・・」
「仕方が無いからといって・・・人を殺していいのか?」
「そ、それは!!正当防・・・」
「銃の弾が、結構減っている・・・そんなに襲われたのか?」
奈壱斗は血のついた鎌を見て・・・はっとなり、奈津子が布団の準備をしている間に匠のカバンを調べていた―――
中にあったのは・・・ピアノ線や血のついた警棒などなど―――
それを見て奈壱斗は確信していた。もうすでに・・・乗ってしまったのだと―――
「頼む・・・正直に言ってくれ・・・何人だ?」
「分からない・・・・・・私と会ってからは・・・澪さんと・・・多分月子さんの二人・・・」
「・・・そうか・・・ゴメンな・・・言うのも辛かっただろう」
そう言うと奈壱斗は・・・自分のデイパックから・・・漆黒のナイフを取り出した。・・・その黒さは・・・光を反射させない・・・
「な・・・なにをするの!!」
奈津子は、すぐさま立ち上がった。
「・・・すまん・・・親友として・・・俺は匠を止める!」
奈壱斗の目は、決意に満ちていた。
奈津子はその目に一度怯んだが・・・
すぐさま止めなければと―――
「駄目っ・・・駄目だよ・・・私達は帰るんだよ!!」
「俺は・・・人を殺していく匠なんて見たくないんだよ!!」
すでに奈壱斗は匠の首筋にナイフをつきつけていた―――

【残り23名】

223レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/22(月) 21:50 ID:Si0DqcEw
071 再会と別れと銃弾と4〜Meeting again separation and bulletⅣ〜
   http://www.pmeyw.com/m/other/musicbox2-3.mid

 奈壱斗は、ナイフに力をこめた―――


ザシュッ―――

「あ・・・あっ・・・」
奈津子は、言葉を失った。
「くぁっ・・・」
奈壱斗の脇腹から流れる血液・・・そして刺さっている鎌―――
「あれだけ騒いでいて・・・起きないとでも思ってたか?」
「くっ・・・」
脇腹を気にせずそのままナイフを喉に刺そうとするが軽く避けられる―――
すでに布団は赤が侵食していた。
「ふん・・・」
奈壱斗の脇を転がりすぐさま立ち上がる。その立ち上がる力を利用して鎌を抜く。

不覚であった―――まさか寝ている時まで鎌を所持しているとは―――

「うぁっ・・・」
奈壱斗は呻いた―――
「裏切るんだな・・・お前も・・・」
匠は呟いた。
「殺しをするお前なんか・・・見たくないんだよ」
「黙れ・・・黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」
常にクールな匠が怒りを現にした。
そして取りしたのは・・・銃―――


「くっ・・・」
奈壱斗は、流石にマズいと思ったが・・・


遅かった―――



パァァァン―――



ちょうど鎌の刺さった辺りに一発―――


銃弾が掠めた―――

その銃弾は畳に穴を空けた―――

「くっ・・・」
足を止めるわけにはいかない―――

奈壱斗は脇腹を押さえながら縁側を飛び越え―――

そのまま森の中に消えた―――


パンパンパンパン――――

匠は何度も奈壱斗の消えていった方に発砲した。

「やめて」
奈津子に抱きつかれるまで・・・

ただ・・・抱きつかれても・・・奈壱斗の消えたほうを睨んだままであった―――


裏切った―――


それは・・・最も信頼していた人間の裏切りに対する悲しみであり・・・怒りである―――



【残り23名】

224レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/23(火) 22:46 ID:G0cUPCJ6
072 逃亡〜Escape〜

 奈壱斗は死ぬわけにはいかない―――
と、山を降りていた。
まずは形勢を建て直し・・・そして匠を―――
俺の手で・・・


かならず・・・殺す―――



そして・・・俺も死ぬ―――




だから今は・・・




死ねない―――




死ぬわけにはいかない―――


だが・・・その想いとは裏腹に視界が歪んできた―――
そして足取りはもうフラフラである。

「はぁ・・・はぁ・・・」
すでに脇腹から溢れる血で服は赤一色に染まっている―――

「はぁ・・・くっ・・・」
歩くこともままらなくなり―――

その場にある木に寄りかかる―――
「はぁ・・・はぁ・・・」
目が霞んでいる―――

血があきらかに足りない―――

がくりとその場に座り込む―――

「無様だな・・・」
あまりにもあっけなさ過ぎる最後に・・・嘲笑する。

「そうだな・・・無様だな」
「ん?誰・・・だ・・・?」
「失礼な・・・友人の顔も覚えてないのか?」
「・・・す・・・ま・・・ん・・・すでに・・・目・・・が見えない・・・」
「・・・そっか」
「で・・・誰だ?」
「ん〜愛の貴公子・・・上原・・・み」
「瑞樹か・・・」
ガクッ―――
そんな瑞樹のアクションも・・・見えてはいない―――
「・・・・・・」
「お〜い・・・奈壱斗さぁん」
「・・・・・・」
「アレ?おい・・・ちょ・・・おい!!!」
「・・・・・・」
「奈壱斗ぉっっっっっ!!」
瑞樹の叫びが・・・島に響き渡った―――


【残り23名】

225レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/24(水) 19:48 ID:HHHDkl4U
073 到着〜Arrival〜

 琢磨たちはもうすでに民家を目で確認できるほどの位置まで来ていた――――
光とナミの一件があったがそれ以外は特にコレといった問題も無く。
順調であった―――
「んあ〜腹減った・・・」
「ん〜ああそうだな」
達樹の暢気な欠伸交じりの声に琢磨も気だるそうに答える
「つーか・・・寝てねぇから辛れぇ・・・」
「・・・お前。すっっっっっっっっっごっっっく寝てたよな・・・」
「何をっっ!!あんなの寝てるのうちに入るかっっっ!!」
「十二分に・・・入ると思うぞ・・・」
「俺の辞書には睡眠は9時間以上と決まっているのだっ!!」
「・・・あっそ・・・」
コイツと真面目に話してる俺がアホみたいだと・・・頭を抱える琢磨―――
「うぅ〜ツレナイ奴だな・・・こんなにも親友がツッコミを待っているというのに・・・」
「フザケルナ・・・俺はお前とコンビを組んだ覚えは無い―――ピンで勝手にやっていなさい・・・」
「・・・・・・うう〜しどい奴だな・・・」


その時・・・確かに耳に入った―――
「奈壱斗ぉっっっっっ!!」
という声が―――


「なんだ?今の・・・」
「如月・・・に何かあったんじゃないのか?」
「そうだな・・・」
「行くか・・・」
「もちろん・・・」

この二人に、見て見ぬフリという行為は出来なかった―――





この選択が―――









悲劇を呼ぶことになるのだった―――




【残り23名】

226秋菜:2004/03/24(水) 22:40 ID:l1djMMUA
「再会と別れと銃弾と」面白かったです!すごいドラマが詰まってて…。
奈壱斗君はどうなってしまうんでしょうか!?
琢磨君達のことも気になります!
いいところで終わってますもんねー(>ω<)!!
次回も期待してます!頑張って下さい^^

227キング:2004/03/24(水) 23:00 ID:STusIzus
次の展開がたのしみです!!

ガンバレー

228レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/25(木) 00:45 ID:fZfi8Iio
>秋菜さん
ありがとうございます!!
これからもよろしくです♪

>キングさん
どうも☆次回をお楽しみに♪

229レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/25(木) 20:28 ID:fZfi8Iio
074 ヴァンパイア〜Vampire〜
  http://superkwd.hp.infoseek.co.jp/body/midi/sho.mid

 瑞樹は、奈壱斗の頬に触れた―――

冷たい―――

もう死んでいる!?―――
そう思った彼は、奈壱斗の手首に触れる―――

脈はある―――

じゃあ何だ?体温が下がっている理由―――

顔がやけに白い―――

瑞樹は理科の勉強をしておけば良かったと思った―――

後の祭りだな―――

ちっ・・・やっぱ・・・血が足りねえのか?―――

その考えは的中していた。


何型だ?奈壱斗の奴―――

申し訳ないと思いながらも・・・荷物や服のポケットなどを漁る―――

そして・・・胸ポケットから・・・・生徒手帳を見つけた。
生徒証には無表情な・・・どちらかというと・・・睨みつけているような写真も貼られている―――

え〜と緊急連絡先・・・じゃねぇ―――
パラパラとページを捲っていく・・・こういった時に限って・・・目的のページがなかなか見つからないものである―――

くそっ・・・くそっ―――
そしてようやく見つけたそのページ・・・
え〜と・・・血液型・・・A型か―――

診療所まではここから―――
次に目を向けたのは・・・全員に配られた地図である。

くそっ・・・遠すぎる―――
流石に地図の読み方ぐらいは理解している瑞樹である。

そして・・・瑞樹と奈壱斗は・・・仲の良い友でもある―――


それ故―――


助けたいと思う気持ちも人一倍である―――


そして・・・その時―――

「如月っ!!」
「お前かっ・・・瑞樹・・・お前がやったのかっ!!」

琢磨と達樹が現れた―――

誤解という・・・手土産つきで―――

「違う・・・俺じゃない・・・というかお前ら・・・その血液は何処で?」
「人殺しに・・・教える義理は無い」
琢磨は、即瑞樹の質問を斬った―――
「そうかい・・・」
瑞樹は・・・俯いた―――


ダッタラ・・・ウバウマデダヨナァ?―――



瑞樹の何かが・・・音を立てて崩れた―――


そして・・・静かにボウガンを向けた―――


ソノチヲヨコセ―――



狂気は・・・伝染する―――


【残り23名】

230レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/26(金) 16:36 ID:V1d5Te1o
075 ヴァンパイアハンター・・・自鳴琴の響きを・・・〜Vampire hunter...Sound of music box...〜
   http://www.ipc-tokai.or.jp/~op66/today4/031016noc2.mid


バシュュッ―――
一発目―――
ボウガンから放たれた矢は琢磨の頬をかすめ後ろの木に刺さった―――
頬を暖かい鮮血が伝う―――
「くっ・・・」
咄嗟に銃を構える琢磨だが・・・
すでに2発目が用意されていた。


マズイ―――


そう思ったときには遅いと・・・分かっている琢磨―――

咄嗟に目を瞑ってしまう―――

それは危険な行為と分かっていても―――

やはり瞑ってしまう―――

グシュ―――
バシュュッッッ―――


血が舞った―――

それは瑞樹から・・・そして・・・その右の脇腹には包丁―――

瑞樹の視線の先には・・・

睨みつける達樹―――
「                      」
言葉が出なかった―――

パァァァァン―――
そして追い討ちの胸への一発―――

あまりにも・・・痛みが感じられず・・・笑えた―――
そしてそのまま・・・
笑いながら・・・崩れた―――
「                         」

やはり・・・声は出ない―――
その代わり口に感じたのは鉄のいやな味―――

ああ・・・血だな―――

そし思ったのと共に安心した―――


脳は・・・まだ正常だと―――

琢磨達がどんな顔をしているか・・・見てみたいが・・・もう目も見えないし・・・耳も聞こえない―――

あご辺りで何か流れている―――

まぁ・・・血だろう―――

当たり前だよなぁ・・・俺・・・死ぬんだしよ―――

奈壱斗ぉ・・・ゴメンな・・・俺・・・何もできなかったよ・・・


そこで・・・彼の・・・

彼の魂のオルゴールは途絶えた―――



「・・・死んだよ。そっちは?」
達樹は静かに言った―――
「・・・まだ息はある・・・急ぐぞ」
「ああ・・・」
琢磨が荷物を持ち―――
達樹は奈壱斗を背負った―――



【残り22名 男子2番上原 瑞樹 死亡】

231レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/27(土) 20:23 ID:RDpaVET6
076 昼飯の話〜Story of lunch〜

 それは・・・ちょうど奈壱斗と匠が、布団の上で戦っていた頃。
語弊を招く恐れがあるので訂正―――
奈壱斗と匠が布団の上で・・・鎌とコンバットナイフを使って命をかけて闘っていた頃である。
その時は―――
いわゆる昼飯時である―――

この戦いは食料は十二分に用意されているが―――
やはり人の作った物が食べたいと思っているのは―――

桐生 雅貴―――


である。


ききは料理が上手いだろう―――

姫は・・・だが―――


つまり料理をするという行為に関しては問題はない―――


だが・・・肝心なのは・・・料理をする場所が無いという事だ―――

「うう・・腹減った」
「ふ〜ん・・・なに?もうくたばってんの?うわ〜。らしくないわね〜」
「黙れ」
姫の悪態にも慣れてきた―――
ついでに避し方もばっちりである―――
「あの〜・・・大丈夫ですか?」
そしてききは、こんな俺にも優しく接してくれる―――

嬉しいが将来が心配である―――

誰とでも話す・・・いいことだとは思うが、世の中は・・・そう甘くはない―――

京翔学院は偏差値が68と頭の良い学校ではある―――
俺も小3から・・・ずっと進学塾に通わされた―――

合格を確認した時の達成感とこみ上げてきた涙は忘れないだろう―――


だが―――

頭のいい学校だろうと―――


悪の道に走る奴は走る―――


俺みたいにな―――


だがら・・・心配である―――

グゥゥゥッッ―――
「あんた・・・真面目な顔して・・・ダッサ」
「黙れ」
「ふふ・・・それでは一度休憩しましょうか?」
「そうね」
「ああ・・・さっさと飯にするぞ」
「アンタの為に休んでやってるんだから・・・少しは感謝しなさい?」
雅貴は、ものすごく理不尽なものを感じた―――

ちなみに・・・雅貴は当然として自分の荷物は自分で持っている―――

だが・・・何故か・・・もう二人分の荷物も持っている―――

きき分は、良いとしよう―――


だが・・・何故に姫の分を持たなきゃならんのだ?―――

さっきから聞いてりゃエラソーに・・・

雅貴は、頭を抱えた――ー

そして・・・支給されたパンにかぶりついた―――

濃厚なカスタードとふんわりとしたパンの絶大なるハーモニー―――

雅貴が最も好きなパンである―――

そんなクリームパンの味に少し笑みのこぼれる雅貴であった―――


そんな笑みは姫に・・・キモイと一蹴されたのだった―――


【残り22名】

232レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/27(土) 23:05 ID:RDpaVET6
どうも〜イメージ絵その2です。
もうめくるめく姉の妄想世界が展開されております・・・
水島 翔吾 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031211.jpg
七海 きき http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031127.jpg
花原 京香 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020511.jpg
高木 かりんhttp://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020611.jpg
眞鍋 柳子 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021205.jpg
川上 健斗 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020728.jpg
青原 ナミ http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021126.jpg
桐生 雅貴 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021019.jpg
谷 朝香  http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/040309.jpg
愛 姫   http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/040323.jpg
廿楽 澪  http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/040327.jpg

何かもう・・・美形ぞろいや・・・このクラス・・・

233レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/28(日) 02:14 ID:RDpaVET6
え〜と・・・残るイメージ絵は
  <男子>
上原 瑞樹  架原 恭司
川久保 一真 菅原 仁
西島 雅樹  山田 浩二
  <女子>
澤野 花実  伏吹 光
吉田 佳林
     以上9名と・・・

234レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/28(日) 02:51 ID:RDpaVET6
  全員分イメージ絵が揃いましたので―――
京翔学院3-2
男子1番石田 琢磨 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/010909.jpg
男子2番上原 瑞樹 http://jp.msnusers.com/m5llbeuerpua0j96d2b1p9h4n2/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/%E3%83%94%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%2F020321%5B1%5D.jpg
男子3番架原 恭司 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031021.jpg
男子4番川上 健斗 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020728.jpg
男子5番川久保 一真http://jp.msnusers.com/_Secure/0RAAAAFkS90MOfJKn7aVo54kkD07bMqjr3EalB0Crj*rp0bN0XadxzgMJER12HcNOKFGThTn2iL75R5DGfMMGXJE0mgOmpzW*QYy0YmOwKnE/020607%5B1%5D.jpg?dc=4675465580820871988
男子6番菅原 仁  http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/030710.jpg
男子7番桐生 雅貴 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021019.jpg
男子8番幻双 匠  http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/011120.jpg
男子9番高杉 未来 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/image/y-112.jpg(&稚奈)
男子10番月草 弘法 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020315.jpg
男子11番西島 雅樹(太る前)http://jp.msnusers.com/_Secure/0RACz*1QSwkI!fsHhWaHmRcZFnCzMbWnoK2sk*Wq7ivdk*yuHJ0aFloXfj6sr2xccUQcmJwuqYob6vsHeJ4obLYdl!uKTcWd27Gg7PwSuevA/020404%5B1%5D.jpg?dc=4675465580817292848 
男子12番前田 優  http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020508.jpg 
男子13番水島 翔吾 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031211.jpg
男子14番如月 奈壱斗http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/010919.jpg
男子15番山師 達樹 http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/010316.jpg  
男子16番山田 浩二(出家前)http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/image/y-75.jpg

まず男子16名・・・。
スイマセン・・・我が姉が・・・ハゲとデブはバランス崩れるから・・・という理由で・・・
Beforeに逃げました。ご了承ください。あと・・・アップロード先を間違えましたね・・・ええ・・・アドレスが大変なことに・・・

235レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/28(日) 02:59 ID:RDpaVET6
京翔学院3-1
女子1番愛 姫  http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/040323.jpg
女子2番青原 ナミhttp://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021126.jpg
女子3番天美 奈津子http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/image/top0208.jpg
女子4番上鶴 稚奈http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/image/y-112.jpg(&未来)
女子5番小平 月子http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031209.jpg
女子6番澤野 花実http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020405.jpg
女子7番高木 かりんhttp://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020611.jpg
女子8番高杉 賀子http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021208.jpg
女子9番谷 朝香http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/040309.jpg
女子10番廿楽 澪http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/040327.jpg
女子11番七海 ききhttp://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031127.jpg
女子12番成瀬 あすみhttp://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/031113.jpg
女子13番花原 京香http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020511.jpg
女子14番伏吹 光http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020429.jpg
女子15番眞鍋 柳子http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021205.jpg
女子16番夜野 紫苑http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/021031.jpg
女子17番吉田 佳林http://yurasara.hp.infoseek.co.jp/yura/rakugaki/020323.jpg

以上京翔学院3-1でした。

訂正→男子のところが3-2になってますが3-1の間違いです。


なんつぅか・・・美形ばっかや・・・

236レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/28(日) 03:31 ID:RDpaVET6
077 帰還・・・そして愛の輸血大作戦1〜Return...And transfusion large maneuvers of loveⅠ〜

 琢磨達が玄関のドアを叩いたのは、瑞樹の死から10分後の事だった―――
奈壱斗の事もあり急ぎたかったが―――
瑞樹を殺したという罪悪感が足を遅らせた―――

ドンドンッ―――
「お〜い・・・優ぅ?空けてくれ〜。荷物多くてな」

静寂―――
静寂―――
まさか―――

嫌な予感が琢磨の脳裏を過ぎった―――
「くそっ!!」
荷物をその場に置き―――
ドアを勢いよく開けた―――


「あっ・・・おかえり」
そこには・・・食卓に座る、優・・・とその他の面々―――
何故か・・・人が増えている―――

恐るべし前田 優―――

そう思った。琢磨―――

「ていうか・・・居るなら返事しろ!!」
「ごめん・・・今この二人が・・・」
そう言われあたりを見渡す・・・
賀子と稚奈が睨みあっている―――

「な・・・なにがあった?」
「いや・・・話すと長くなるからさ・・・後で・・・」
「ああ・・・分かった・・・って!!」
「どうした?」
「急患だ!急患!!」
そういって玄関まで走っていく琢磨。



そして・・・つれてきたのは・・・

輸血パック―――
その他医療器具―――
オートボウガン―――
人一名―――


「奈壱斗っ!!」
優はソファーに寝かされた、姿を見て驚愕の声を上げた―――

まさか―――奈壱斗だとは思わなかった―――

「とにかく血が足りないみたいだ・・・さっさとはじめよう」
琢磨の言葉に食事をしていた者達も一同に首を縦に一度振った―――

パン・・・パンパン―――
達樹が、奈壱斗の腕を叩き血管を浮かばせる―――
そこに注射を刺す・・・そしてもう片側に輸血パックを繋げる―――

本来の病院ならもっとしっかりとした器財があるはずだが・・・今は仕方が無い―――
「よし・・・上手くいってるな」
パックから流れる血を見て琢磨が安堵の声を上げる―――
「ああ・・・」
優も安心したように同意する。
「よし・・・夜野さんと健斗のもやっちまおうか・・・さっさとな、腹も減ったし―――」
「ああ・・・そうだな」
「賀子たちは食べてなよ?後は琢磨と達樹とで3人でやっちゃうから」
「そ・・・そうですか?分かりました―――」
賀子が申し訳なさそうに一礼し、リビングへと向かった―――
その流れに稚奈と京香もついていった―――

「よっし!やっちまうか」
達樹の声に意気揚々と紫苑の眠る部屋へと入っていく3人だった―――

【残り22名】

237レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/29(月) 00:11 ID:RDpaVET6
078 愛の輸血大作戦2〜Transfusion large maneuvers of loveⅡ〜

 キィィィッッ・・・バタン―――
静かに開けているつもりでも・・・物音がたってしまう―――
そして―――


悪気がないのに―――


「静かにしろよ・・・」
と・・・琢磨に言われる(優はそんなに言わない)―――

すっごく理不尽な何かを感じている達樹であった。
「ほら・・・医者の息子よ・・・朕は腹が減っておる・・・さっさとやりたまえ」
琢磨の奴―――
と思いながらも、ここで騒いだら夜野さんに迷惑がかかると思い―――
振り上げた拳を握り締めながら降ろすのであった―――

ペチ・・・ペチペチ―――
先程の奈壱斗とはものすごい勢いで優しさが違う―――


「よっし・・・ここでいっか」
腕をきゅっと締め血管を浮き出させる―――

「ごめん・・・」
そう言いながらか細い腕に注射針を刺す―――

何故か善の行為をしているのに罪悪感に狩られる―――
「よっし・・・上手くいってるな」
「ああ・・・んじゃ次は健斗だな」
「ああ・・・」

「なにやってんだ?」
どっこいしょと立ち上がった達樹は、一度伸びをして・・・窓の外を見ている優に話しかけた。
「いや・・・ここから崩れた灯台が見えるな〜と思ってさ・・・」
「あっ本当だ」
その視線の先には、彼方先にうっすらと見える瓦礫の山。
それは・・・灯台だったもの―――

そして―――

未来にとっては・・・思い出深き場所―――

それを3人は知るよしも無いが―――


「ま・・・後でもゆっくり見れるだろ?さっさとしろよ?」
琢磨が、ドアに寄りかかり催促している―――

「ああ・・・」
3人は紫苑の部屋を静かに出た―――

【残り22名】

238レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/29(月) 22:56 ID:PNek3G/.
079 愛の輸血大作戦3〜Transfusion large maneuvers of loveⅢ〜

 「さて・・・次は健斗だな〜」
「だな・・・さっさと終わらせて飯食って・・・寝たい・・・」
琢磨がそう言うと、達樹も・・・ああ俺も――――と返した。
優はそんな二人を苦笑いしながら見ていた―――

健斗の部屋は紫苑の部屋を出てすぐ向かい側である―――
この民家は改めて見るとものすごい豪邸である―――
8LDKで・・・こんな島に何故立てられたのか・・・もっといい場所があるのでは?―――
優がそんなことを考えているうちにすでに健斗の部屋内―――
というかすでに達樹は手際良くすでに健斗の手に注射針を刺していた―――
「はい終了―――さ〜て飯飯っ!!」
達樹は、血が上手く流れているのを確認するとさっさと部屋を出て行った―――
「んじゃ・・・俺らも行くか?」
「だな・・・」
琢磨と優は呆れたように一度ため息をついてから部屋を出て行った―――


【残り22名】

239レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/29(月) 22:57 ID:PNek3G/.
すいません今日はちと忙しくて・・・更新が少なめです。

240キング:2004/03/29(月) 23:16 ID:STusIzus
いや、いつもがんばってもらってるんで少しでも書いて
くれるだけで充分っすよ!!

241レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/30(火) 13:57 ID:PNek3G/.
>キングさん
ありがとうございますっ☆

Σっていうか!!次で80話かっ・・・

242レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/30(火) 14:34 ID:PNek3G/.
080 何故私達は戦うのか・・・〜Why as for us, whether fighting...〜

 雅貴達は、軽い昼食を摂り終え歩き出しそして診療所近くまで来ていた―――
「診療所だな・・・すこし薬とかもらっていくか?」
雅貴が地図を片手に言うと
「そうですね・・・少し貰っていきましょう」
ききもそれに賛同した―――
姫はききが言うならしかたないと黙っている―――



一方ナミ達は和解をし、柳子のためにも生き残ろう―――

どんな手段をつかってでも―――

と、決意を固めていた―――

その時―――

ゴンッ、と鈍い後が外から聞こえた―――

二人は一度頷き。武器を構えた―――


「何やってんのよ・・・」
「うっせーなでっけぇ石に躓いて、柵にぶつかっただけだ―――」
「うわっ・・・ダッサー」
「黙れ」
「まぁ・・・いいわさっさと取っちゃいましょ?」
「だな・・・」

そのまま姫が診療所に入ろうとしたとき―――
雅貴が悟った―――
殺しの気を―――
不良で―――
喧嘩に明け暮れる彼だからこそ・・・気付けたのかもしれない―――

「伏せろっ!!!」
「えっなによ!!?」
訳が分からず言われるがままに伏せる姫―――
その上空を―――
安全ピンの外れた・・・手榴弾が飛んでいった―――
「こっちに走れっ!!」
「えっえっ?」
3―――
姫が走り出す―――

ナミ達は侵入してきたそれを目では確認したもののまだ動けずにいた―――

2―――
本能的にマズいと感じたのか、ナミはテーブルを立てて、バリケードをつくりそこに隠れた―――
姫は一応安全圏に入った―――

1―――
光は、ナミの作ったバリケードに向かい走った―――



ドオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッ――――

「くぁっ・・・」
ナミがバリケードから顔を出した―――
そこには四散した光があった。
ナミは、ただ呆然とソレを見ていたが―――
ゆっくりと診療所を出て
雅貴達に向かい走り出した―――
「うりぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
だが―――
雅貴の方が数枚上手であった―――
手榴弾を投げてからその場で拾った小石を全力投球した―――

ブジュッ―――

嫌な音がした―――

小石が目に刺さっていた―――
「あう・・・」
ナミが足を止めた―――
雅貴は容赦なく石でナミの頭を叩いた―――

ズガッ―――

「っ・・・あ・・・」

バタッ―――

そして倒れた―――

姫とききは、ただそれを眺めているしかなかった―――


【残り20名 女子2番青原 ナミ 女子14番伏吹 光 死亡】

243mow </b><font color=#FF0000>(C7CjNPu2)</font><b>:2004/03/30(火) 15:58 ID:gNTbJdp.
80話おめでとうございます(*>_<)b
かげながら読ませていただいてますwがんばってくださいw

244レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/30(火) 21:39 ID:pEdfxXJ.
>mowさん
ありがとうございます☆
これからもよろしくです♪

245レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/03/31(水) 20:14 ID:njdmdA5k
081 連戦〜Successive battles〜

 「な・・・なにやってんのよ・・・」
姫は、目の前に広がったその光景をただ見つめながら―――
「・・・そうするしかなかった―――」
雅貴は、静かに答えた―――
「嘘・・・嘘よ!!人殺し!!」
姫の目の焦点が合っていない―――

パァァァァァン―――

容赦なく姫が発砲した。

しかし、弾丸はあさっての方向に飛んでいった―――


その時だ。
雅貴はその音を耳にした―――

ジャキッ―――

雅貴の本能が危険を訴えた―――

「伏せろ!!!」
その言葉に、姫もききも静かに従い伏せた―――

刹那―――

パララララララララララララララララララララララララッ―――

銃弾の雨だ―――

ジャキッ―――

その銃弾が止んだ―――

雅貴は、二人にアイコンタクトで伏せていろと送った―――

それを二人とも理解したのか静かに頷いた。
さすがに姫も正気に戻っていた。

雅貴は、止んだのを見計らい・・・。

相手が居ると思われる茂みに石を投げた。とにかく投げた。ジャンジャン投げた。

とにかく相手に攻撃させたら終わりである―――

手榴弾は残り4個。

よし――

覚悟を決めるか―――

そう思いながら雅貴は、安全ピンを取った―――

【残り20名】

246レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/01(木) 18:59 ID:4C4x/AW.
082 覚悟という名の刃〜The blade of the name, preparedness〜

 かりんは、防弾チョッキを装備し、そして富和工業64式小銃を構えて茂みの中にいた。
だいたい10m行ったところには佳林がいた。

二人は、雅貴達がナミ達を殺すのを見てしまっていた―――

そして芽生えた感情―――

許せない―――

絶対に殺してやる―――

と、

そして再び銃を構えようとした時、黒いなにかが飛んできた―――

えっ?―――

ころんと地面に転がったソレ―――

ヤバッ―――
と思い、かりんは横に転がった。

ドオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッ――――

地面を通して振動が伝わる。
手榴弾か―――

かりんはその場ですっと立ち上がった―――

辺りは砂煙が充満している―――

遠くなんて見えたものじゃない―――

けど・・・それは相手も同じ―――

パラララララララララララララッ―――

容赦なく撃った―――

「うっ・・・」

やった!!―――

そう思った刹那―――

ドゴッ―――

後ろから頭を叩かれた。

「・・・あ・・・う・・・」
ドサッ―――

そこでかりんは倒れた。


「まったくあぶねぇな・・・なに誤爆してんだ・・・まったくよぉ」
雅貴は一度額の汗をぬぐい、かりんの持っていた富和工業64式小銃を持ち―――

そのまま姫達の元へと歩き出した。

「馬鹿やろうが・・・なんで殺しあってんだよ・・・俺らはよ・・・」
雅貴は、静かに呟いた―――


【残り18名 女子7番高木 かりん 女子17番吉田 佳林 死亡】

247レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/02(金) 16:48 ID:/4ZfWlS.
083 そして日の入りとともに〜And with sunset〜

 仁は、軽油を手に入れてから港を離れ島の道沿いに歩いていた。
すでに、太陽は4分の1ぐらい沈み強い西日を発していた。
誰彼時か・・・

誰彼・・・強烈な西日で歩いている人が誰だか分からなくなるそんな時間帯―――

ま・・・いっかこんな感傷に浸ってても何も始まらんし―――

とりあえず・・・重い―――

ちなみに軽油5ℓを一人で持っている。
かなり辛い。

その時、目の前を救世主が通った―――

「み、水島っー」
「ん?」
翔吾が振り返った。
「何やってんだ?」
「いや・・・見ての通り・・・軽油を運んでんだが・・・」
「そっじゃ・・・頑張れ〜」
有無を言わさず走り去っていった―――
「ゆ・・・友情って・・・儚い・・・」
仁は、小さくなっていく儚い友情の背を見つめながらぼやいた。

「と・・・とりあえず・・・やっぱり怪しいのは北だよな」
地図を見ながら呟く。
「南の方には結構建物があるのに北側には少ない・・・多分・・・最北端辺りに管理施設があるんじゃないか?・・・」
さっきから独り言をぼやき続けている―――
だがそのぼやきは的を得ている―――

「よっし!こうなったらいっちょこの菅原 仁15歳やりますかな!」
そう宣言し彼は北にあるはずの管理施設を目指して歩き出した。

ズルズルと軽油を引きずりながら―――


そして・・・この独り言が管理者には筒抜けであるということも知らずに―――


【残り18名】

248レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/03(土) 23:06 ID:ZfCkOOFQ
084 未来と賀子→未来と過去〜MIRAI and KAKO→Future and past〜

 未来は、一人道沿いに歩いていた―――
手には、鉄パイプと包丁―――

絶対に・・・生きよう―――

姉さんと・・・みんなと――――


脱出してやろうじゃないか!!―――


小平さんのためにも・・・


「俺は・・・小平さんが好きなのかもな・・・」
そんな事をポツリと呟いている―――

そして顔が赤くなっていくのも分かった―――

「な・・・なにを言っているんだ俺は・・・」

というか・・・もうすぐ暗くなるな―――

急ごうか―――

とりあえず・・・民家だったよな―――

上鶴さんもいるみたいだし・・・

というか・・・一人で平気かな―――

とりあえず・・・急がないと・・・もしかしたら一人かもしれない―――


そう考えると寒気がした―――

やべぇ―――

急がねぇと―――


そう思い彼は走り出した―――

できれば姉さんと一緒に居て欲しいんだけど―――

そんなに上手くはいかないか・・・


彼は、知る由もない―――


そんなに上手くいっているという事に―――

姉弟の再会まで―――

後もう少しであった―――

【残り18名】

249レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/04(日) 23:37 ID:ZfCkOOFQ
085 彼らの決意1〜Their determinations Ⅰ〜

 優たちは、夕飯の前にリビングに集まっていた―――
琢磨と達樹の苦労もあってか・・・
奈壱斗も健斗も紫苑もすでに復帰していた―――


「それで・・・本当なんだね?未来が来るって?」
「うん・・・」
稚奈の発言に賀子も安心したようであった。
「よし―――これからについて話し合うのは未来が来ても遅くないか・・・それじゃ・・・ゴハンにしようか?」
「待ってくれ・・・」
優の誘いを制したのは奈壱斗だった。
「どうした?」
「匠についてだ・・・」
匠という言葉にかすかに健斗、稚奈、紫苑が反応した―――
特に健斗は、奈壱斗の事を睨んでいた―――
「なんだ?」
申し訳なさそうに俯く奈壱斗に優しく声をかける優。
「止めてくれ・・・匠を・・・止めてくれ―――頼む!!」
奈壱斗は、土下座をしていた。
奈壱斗の突然の行動に周りの皆はただただ奈壱斗を見ているだけであった――
「帰ろうぜ?みんなで・・・」
優は奈壱斗の耳元でそう呟くと急に立ち上がり
「さっってぇぇ!!飯にしようかぁ〜確か・・・今回は賀子が作ったんだよな?」
「ええ・・・私が作らせていただきました」
「さっきみたけど美味しそうだったわよ?」
あすみがそれに続き場を盛り上げた―――
「おおっ・・・姉さんの料理が・・・」
「達樹ぃ・・・羽目を外すなよ頼むから・・・」
琢磨は頭を抱えていた―――
とりあえず・・・達樹にその発言はムダであることは間違いない―――
「それでは・・・食器などを用意しますね?」
京香は賀子に続いていった―――
奈壱斗は、申し訳なさそうにリビングのソファーに座っていた。
「とりあえず・・・今は・・・笑いなさい?嘘でもいいから・・・」
そんな奈壱斗に紫苑はそう呟き―――
京香達の手伝いへといった―――


笑っていなさい・・・か―――

そうだな―――

奈壱斗は、静かに頷き立ち上がった―――

匠・・・絶対にお前を止めてやるからな・・・待ってろ―――


【残り18名】

250キング:2004/04/05(月) 10:20 ID:STusIzus
未来君のことが気になるな〜

これからの展開がたのしみです。

頑張ってください。

251レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/05(月) 22:56 ID:ZfCkOOFQ
>キングさん
いつもいつもどうも♪
これからもよろしく〜♪

252レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/05(月) 23:57 ID:ZfCkOOFQ
086 彼らの決意2。そして再会〜Their determinations Ⅱ And meeting again〜

未来は、民家の目の前に来ていた―――
「こ・・・ここで良いんだよな?」
一応窓には内側からカーテンが閉められているため確認できないが・・・一応灯りが点いているのでここだと思った。



一方室内―――
賀子と稚奈がそろって優に「はい、あ〜ん」なんていう漫画みたいなことをやっていた―――
それを恨めしそうに見る達樹・・・と、ちと遠慮して琢磨。
くすくすと笑っているのは京香。
どっちかさっさと選びなさいよ〜♪と状況を楽しんでいるのはあすみ。
いやぁ・・・相変わらずモテるな・・・と素直に感心する健斗。
―――とりあえず見てみぬフリをする奈壱斗。
クールを装いながらもなんとなーく気になる紫苑。

なかなか濃い面子である。
その時だった―――
「未来?」
賀子がそう呟いた。
「へ?」
優が、何のことかも分からずにただただ呆然。
それは・・・皆も同じ・・・と思いきや達樹と健斗はそのまま黙々と食べ続けていた。
「ごめんなさい・・・」
賀子はそう言った席を立ち玄関へと向かっていった。



未来は、ふぅ―――と一度息を整え玄関を叩こうとした瞬間・・・玄関が開いた。

そのまま空を切る拳―――

そして・・・そのまま拳に伝わる柔らかな感触―――



「姉さ・・・」
「未来!!」
とりあえず胸に拳を当てたまま再会を喜ぶ・・・そしてさり気なく拳を胸から離す。

幸い賀子は
気にしては居ないようだった―――

「とりあえず・・・中入りなさい?今暖かいもの用意してあげるから」
「え・・・あ・・・うん」
中から聞こえてきた会話に結構人数が居ることを悟り少し安心する―――


「よっ!未来♪」
一番最初に声で迎えたのは、達樹であった。
「上鶴さん・・・良かった・・・無事で・・・」
「うん・・・ありがとね」
しかし未来は達樹の事など眼中に無く―――

「未来・・・ゴハンよ?」
賀子が味噌汁などいろいろと運んできた。
そして賀子自身も自分の座っていた席に座ろうとしたが・・・


何故かその場所に紫苑が座っていた―――
「あ・・・あの〜」
「なにかしら?」

「・・・・・・」

とりあえず賀子はしぶしぶもともと紫苑が座っていた席へと座るのだった―――

【残り18名】

253レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/06(火) 23:48 ID:zYnOt9gA
087 彼らの決意3。英断の時〜Their determinations Ⅱ At the time of prompt decision〜

 「さて・・・ちょっといいかな?」
食事もまだ済んでないにせよ落ち着いてきた頃合―――
優がついにその話を切り出した―――
「ん?なんだ〜」
達樹が、3杯目になるご飯に海苔の佃煮を乗せながら答えた。
「これからの事についてなんだ―――」
その一言に場が真剣な雰囲気に包まれた―――
「・・・それでどうするんだ?」
「とりあえず・・・3人のグループを2組、2人のグループを2組の計4組で・・・管理施設を攻めたいと思うんだ・・・」
「・・・管理施設の場所・・・分かるのか?」
「大体の目星はついてる・・・でも確実かどうか分からない・・・だから・・・確認しに行きたいと思うんだ・・・」
琢磨の疑問に優は静かに答えた―――
「とりあえず・・・賀子はここに残って欲しい・・・」
「でも・・・」
賀子が心配そうに言ったので優はすこし微笑んで。大丈夫だから―――と呟いた。

「それで・・・残る組と確認組・・・に分けたいと思う」
「・・・・・・」
その場の全員が静まり返っていた―――

そして・・・発表されたそのメンバー

確認組―――

優・紫苑・稚奈・未来・達樹―――


残り組―――

賀子・京香・あすみ・奈壱斗・健斗・琢磨―――

「健斗・・・奈壱斗・・・琢磨・・・お願いがある・・・」
そしてメンバー発表を終えると優は静かに言った―――
「なんだ?」
琢磨が、それに答えた―――
「もし俺達に何かあったら・・・その時は・・・全力で守って欲しい・・・彼女たちを・・・そして、琢磨・・・お前がみんなをまとめて・・・脱出してくれ・・・」
「分かってる・・・分かってるさ・・・」

それは・・・英断の決意・・・
そして―――
運命を変える為の大きな大きな剣―――

そして・・・明日の朝―――

彼らの戦いは始まる―――

日常への・・・あの日々への―――



俺達は・・・絶対に戻る―――


散っていった仲間達のためにも―――


【残り18名】

254キング:2004/04/07(水) 00:05 ID:STusIzus
これから、優たちと匠たちのこうどうが気になります。

頑張ってください!!

255秋菜:2004/04/07(水) 00:14 ID:cAdXiB3Y
物語も佳境にさしかかってきましたね!!
確認組と残り組がどうなるのかが気になります!
あと匠君たちの事も…。
次回も楽しみにしています☆頑張って下さい♪

256レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/07(水) 23:36 ID:Xez81ft.
>キングさん
はい♪
コレからもよろしくデース

>秋菜さん
はい♪頑張っちゃいます!!

257レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/08(木) 00:19 ID:Xez81ft.
088 動き出す不安〜The insecure factor which starts moving〜

 匠と奈津子は食事を終えると(無言であった)。
匠は、一人縁側で物思いに耽っていた―――
手は銃に弾を込めていたのだが・・・

チャキッ―――

パァァァァン―――

縁側近くの細い枝が落ちた―――。

命中率に関しては文句無しの領域になってきた―――

よし―――

そう思い弾を一発銃に込めて立ち上がった―――
そして手に持ったのは鎌―――

「奈津子・・・研ぎ石あるか?」
「えっ?研ぎ石?う〜ん・・・分からないよ」
「そうだよな・・・」
「うん・・・ゴメンね?」
「いや・・・構わん気にするな」
和室で本を読んでいた奈津子に聞いたが無論知るわけがなかった―――

ま・・・いいか―――
とりあえず彼は血をふき取りディパックの中に鎌を仕舞い込んだ―――

彼自身の決意は・・・


明日中に奈津子を優勝させる―――

残り2名になったとき―――

俺は死ぬ―――


そう決意していた―――

「匠・・・寝ようよ〜そろそろ・・・」
「ああ・・・」
そう言って匠が振り返ったが布団が一つしかなかった―――
「・・・なんで一つ・・・」
「しかたないじゃん・・・1セットしかなかったんだもん・・・」
「そうゆう問題か?」
「そうゆう問題だよ。それに小さい頃はよく一緒に寝てたじゃない?」
「・・・絶対にわかってねぇだろ・・・」
「?」

はぁ・・・将来が心配だ・・・コイツの―――

先ほどの決意が揺らいだが・・・その揺らぎを修正し、とりあえず何事も無かったかのように布団に入った―――

「ふふっ・・・匠の足冷たいね〜」



とりあえず匠の理性は、強固なものである―――









と思う。






【残り18名】

258レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/08(木) 23:29 ID:x5/BTT/Q
089 感謝は猜疑心と共に〜As for appreciation with suspicion heart〜

 雅貴達は、あの一件・・・つまり光とナミとの交戦の事である。
その一件以来ずっと無言のまま歩き続けていた―――
そして・・・先ほど今日は野宿にしようということになり―――
そして雅貴が見張りをするという事で二人は診療所で無事だった部屋・・・倉庫から寝袋を見つけ出していた―――

だが・・・それでも言葉は一言も発してはいない―――

それは暗黙の了解―――

触れてはいけないこと―――


そして仕方なかったと・・・


そう頭の中で理解した事―――


分かってはいる・・・分かってはいるものの・・・


恐怖心が拭えない・・・私達を守ってくれた―――


それは、感謝すべきことだし賞賛すべき事・・・


でも―――


そのターゲットが私達になったら?


あんな・・・素早く、的確に、そして躊躇もせずに人を殺すことができる―――


















やっぱり・・・痛いんだろうな・・・




















・・・・・・・・・ダメダメ・・・私達は助けてもらったのに―――





・・・・・・でも怖いよ―――










だって・・・そのうち私とききと雅貴と・・・3人になった時―――










私達・・・殺されるよね・・・絶対―――





でも・・・護ってくれた―――







でも・・・













もう――――














判んないよ・・・








私を理解してくれるのは・・・きき・・・だけだよね―――







私に対して・・・唯一・・・『お金持ちのご令嬢』だから・・・という理由で付き合わなかった―――







私を単なる・・・『ひとりのトモダチ』として接してくれたのは――――




嬉しかったんだよ?






ホントハ・・・






だからさ・・・これからも一緒に居ようね?きき・・・


これからもずっと・・・ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと―――



そう思いながら・・・姫は満天の星空の下眠りについた―――


【残り18名】

259レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/10(土) 22:09 ID:2KexGn52
090 それぞれの思いと空に瞬く星々達〜The star which twinkles in the thinking and the sky of each one〜

 見張りの。未来と琢磨と優を残して他の者たちは眠りについていた―――
「う〜む・・・なんっーか生暖かいな」
「だな〜」
まだ9月に入ったばかり。夜はまだまだ寝づらい日々が続いていた―――
そんな中で愚痴を溢したのは未来―――
そしてそれに賛同する琢磨。
「う〜ん・・・確かに・・・暑い・・・」
いつもは愚痴などを溢さない優もさすがにコレには同じく賛同する―――
「さて・・・どうするべさねぇ・・・」
「どうするも、こうするも何も無いほうがいいだろ?」
「だな・・・」
未来と琢磨が話している―――
優は、それを横目で見ながら真面目に見回りをしている。
「ところで・・・どうしてたんだ?いままで・・・」
優が、どこかに行ったのを確認すると未来に聞いた―――
「俺か?」
「ああ・・・」
「俺は・・・最初・・・灯台に居て・・・・・・それから上鶴さんが来て・・・そのからすこし経ってから・・・匠達ががきて・・・そして・・・」
そこで未来の発言が止まった。
「どうした?」
「いや・・・」
「?」
「その後・・・月子さんが助けてくれて・・・」
「待て!?小平が?」
「ああ・・・そうだ・・・」
「ありえねぇよ!!アイツは・・・アイツは・・・優の事刺したんだぞ?」
「何言ってんだよ!!月子さんは俺と稚奈さんを庇って・・・」
「騙されてるんだよ・・・お前は!!」
「そんなわけあるかよ!!」
「じゃなんで?優は刺されたんだ?」
「知るか!!そっちこそ騙されてんだろ?」
「騙すのに何故刺す必要があるんだよ?」
「・・・黙れ・・・」
未来は、デザートイーグルを琢磨に向かい構えた―――
「許さん・・・俺は・・・月子さんに助けてもらった人間だ・・・絶対に・・・お前を許さない・・・」
「・・・わかったよスマン」
琢磨はここで喧嘩になったら優や他のみんなに迷惑がかかると思い、非を認めた―――

しかし・・・信じられない―――

あの小平 月子が・・・人を助けたとは―――

あの悪魔が―――

絶対に・・・騙されてるよなぁ・・・未来の奴―――



まっ・・・知らぬが仏か・・・



悪魔は滅びたりだし―――



彼は知らなかった―――


未来達を護った月子の姿を―――



そして月子の生死はいまだに不明―――


本当に死んだのだろうか―――



【残り18名】

260レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/11(日) 23:25 ID:OyCCY.kI
091 眠れない夜と十六夜の月〜Moon of night and 16th day which you cannot sleep〜

 紫苑は自室(といっても運ばれたときに寝ていた部屋なのだが)のベットの上にねっころがっていた―――
眠れないのである―――

それは夏特有の蒸し暑さ・・・もあるし・・・

この島特有の“殺"の気を感じ取った本能が眠気を妨害しているのか・・・

とりあえず・・・眠れないで居た―――

「ふう・・・不甲斐無いわね・・・」
一度水でも飲みに行こうとベットから降りそして部屋のドアノブに手をかけた―――

キィィィィッッッ――――バタン―――

静かね―――
虫の鳴き声しか聞こえないわ―――
こうゆう静けさ・・・嫌いじゃないわね―――

カチャッ―――バタン―――

リビングのドアを開けそのままキッチンへと向かう。

ジャァァァァァァッッキュッ――――

「んくっ・・・ふう・・・」

ジャァァァァッキュッ―――
自分の飲んだコップを水で濯ぎ。そしてコップ置き場にコップを置いた―――

見回りちゃんとやってるかしらね―――

まぁ・・・前田君がいるから平気・・・でしょうけど―――

このまま起きてても暇だし―――

ちょっと見てみるのも悪くないか―――

そう思い。玄関へと足を向けた―――




「なにさわいでんだ?」
優は不思議そうに問いかけた―――
「ん?ああなんでもねぇよ」
「そうか?」
「ああ」
琢磨がそう答えた。
優は、特に疑うことも無く・・・また周辺の見回りへと出かけようとした時―――

バタン
「ちゃんと仕事してるかしら?」
「ん?紫苑・・・寝なきゃ辛いだろ・・・」
「それは前田君もでしょう・・・」
「お肌に・・・」
「ふふっ・・・その先は言わないでね?」
紫苑がニコニコと笑いながら優に言った―――
優は、背筋に冷たいものを感じた―――

「で・・・どうしたんですか?夜野さん」
未来が、そう聞くと。
「ちょっと眠れないっていうものあるけど・・・前田君・・・ちょつと付き合ってくれる?」
「へ?ああ分かった・・・」
「・・・ま・・・そんな遠くには行くなよ?」
「ええ・・・分かってるわ」

そう告げると紫苑は優を連れ月夜の照らす闇へと消えていった―――

「なんだと思う?」
琢磨が未来に聞くと
「やっぱ・・・明日のことじゃねぇ?」
「かもな・・・ま・・・俺らは見回りを続けますか・・・」
「だな・・・」
そして琢磨と未来は・・・再び見回りを始めた―――

十六夜(いざよい)の照らす・・・綺麗な夜空を・・・その頭上に―――

【残り18名】

261レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/14(水) 00:20 ID:Duy6t/Eo
092 そして彼女はかく語る〜And she like this talks〜

 紫苑は、すこし民家から離れると立ち止まりおもむろに優の方を向いた。
「で?何?話って?」
「私は貴方のこと好きよ」
「は・・・い?」
唐突な告白にどう反応していいのか分からない優―――
「・・・・・・冗談よ」
「・・・・・・冗談に聞こえんちゅーに」
場面が場面だけに―――



紫苑の本心としても冗談では無いのだが―――
ここでは一応冗談と言った―――


「で・・・話って?」
「明日のことよ・・・」
「ん?なんだ?」
「単刀直入に言うわ・・・賀子さんを連れて行きなさい?」
「んな!危険だろ」
「それじゃぁ・・・選ばれた私はどうなのよ・・・」
「それは紫苑・・・君の冷静な頭脳が必要だからだよ」
「でもね・・・賀子さんを置いていったら・・・彼女狂いかねないわよ?もしくは・・・単独で・・・貴方の事を追いかけるかも・・・気付いてるんでしょ?さすがに・・・」
「そりゃ・・・まぁ・・・」
あんなに直球的に好意をぶつけられたら気付かないわけがない――
「だったら・・・連れてってあげなさい?」
「でもさ・・・」
「分かってるわよ・・・危険だっていう事も・・・それでもあえて連れて行ってあげなさい?」
「・・・分かった」
「それじゃ・・・紫苑の代わりに・・・賀子を連れて・・・」
「まって?私は行かないとは言ってないわよ?」
「・・・はぁ・・・」
「まぁまぁ・・・そんなにため息つかないの・・・」
「・・・・・・なんっうー」
「どうとでも言ってくれて結構よ?」
「まぁ・・・いいや・・・」

「ところで・・・」
帰ろうとした優が立ち止まる―――
「なに?」
「上鶴さんと賀子さん・・・どっち?」
「・・・・・・・・・・・・あのなぁ・・・」
「ふふふっ・・・冗談よ。冗談。」

とりあえず・・・紫苑には敵わないな・・・と思う優であった―――


【残り18名】

262レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/14(水) 23:12 ID:TQSfDoIA
093 深夜の大発表会。第三回定時放送〜Large concert of nighttime. Third fixed time broadcast〜

          9月3日―――AM0:00―――プログラム二日目

それは、漆黒の静寂を打ち破る声―――

「は〜い、秋小路でーす♪ごめんね〜☆午後6時にちょっと故障で放送できませんでした〜☆てへっ許してね♪」

その能天気で無垢で甲高い声は島に響いた―――
「それでは〜こーれいの死者発表♪で〜す☆
男子2番上原 瑞樹
女子2番青原 ナミ
女子7番高木 かりん
女子14番伏吹 光
女子17番吉田 佳林
の以上5名よ〜☆1日目にしてはなかなかのハイペースでオネーサンも♪賭けてる方も嬉しいデース☆」

「あっと☆それから一応君達には関係ないけど・・・オッズ発表〜☆実はね君たちは新しいギャンブルの賭け対象になってまーす♪それでこれが記念すべき第一回目のぷ・ろ・ぐ・ら・む♪そしてギャンブルと言ったら!!ラスベガース!!!いぇい☆という事は・・・実は今君たちの様子は衛星放送でラスベガスに放送してますよー♪びっくりした?というわけで・・・遅くなっちゃったけど・・・オッズ〜☆
一番夜野 紫苑ちゃん 1.4倍
二番上鶴 稚奈ちゃん 1.6倍
三番高杉 未来くん  2.2倍
次点山師 達樹くん  2.4倍

ですよ〜♪大穴狙いで頑張ってね〜☆キャハッ♪」

263秋菜:2004/04/15(木) 23:35 ID:kIZv8rWY
面白いです!!紫苑ちゃん素敵ですね☆
次回からの展開もすごく気になります!!
てかこのオッズって、人気投票からのやつですか!?
すごいアイディアですねぇ♪
次も楽しみにしています!!頑張って下さいね☆

264レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/16(金) 00:00 ID:r.jjLS4g
094 強い決意〜Strong determination〜

 定時放送が終わった―――
優は、ふぅ―――と一息。



これで・・・あと・・・18人か―――


絶対にこれ以上は――――




誰も殺させない!!―――

「行こう・・・紫苑」
「ええ・・・」
静かに彼女も頷き・・・そして彼の背中を追っていく―――



琢磨は、静かにその放送を聞き終えた―――

瑞樹・・・

未来はその琢磨を黙ってみていた―――


あすみと賀子。そして京香の3人は同じ部屋に集まり新たな被害者達に祈りを―――



奈壱斗は匠と奈津子の名が上がらなかった事に安心していた―――


死ぬなよ?俺が・・・殺すまで―――


稚奈は眠りについていた―――

やはり疲れがたまっていたのだろう―――

まさに言葉の如く・・・死んだように静かに眠っていた―――





それぞれの思いと共に―――










彼らの――――












彼らの戦争は始まる――――













明日・・・始まる――――







そして――――






運命の歯車が再び・・・彼らの未来を刻む――――











それは・・・









明か闇か―――








すべては明日にかかっている―――






【残り18名】

265レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/16(金) 00:03 ID:r.jjLS4g
>秋菜さん
ありがとうございま〜す☆
はい♪そろそろ上位者イベントがあるのでお楽しみに!!

266レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/17(土) 00:59 ID:/SdUXG0A
095 深夜・・・それは男の談義の花となりし〜Nighttime... that does to become the flower of sermon of the man〜

 達樹と健斗と奈壱斗―――
さすがに女子に部屋を使わせようということでリビングで寝ることにした3人―――

とりあえず・・・男三人が集まったとなれば・・・

まぁ先ほど紫苑が通ったが気にしない―――

「んで・・・健斗・・・お前は誰だと思う?一番の美人・・・」
「う〜む・・・上鶴さんか・・・月子さんか・・・というか・・・賀子さんも美人・・・だよなぁ」
「ああ・・・それは良く分かる」
健斗の意見に奈壱斗も賛同する。
「そ・・・そうか?」
「ああ」「絶対にそうだ」
「う〜ん・・・未来曰く家では・・・バスケか優の話しかしない・・・らしいぞ?」
「そ・・・そこまでLOVEなのか・・・彼女は」
「ああ・・・」
達樹がはぁ―――とため息一つ。
健斗もすこし呆れている―――
「幸せ者だな・・・優も―――」
奈壱斗はひとり冷静にコメント―――

「モテるって・・・いいよな・・・」
「ああ・・・いいな・・・」
「でも健斗・・・この前女子に囲まれてただろう・・・選抜大会の時―――」
「ああ・・・でもアレはアレで・・・コレはコレだろう?」

「・・・裏切り者め」
達樹の冷ややかな視線が・・・健斗へと注がれていた―――


「ん?どうした達樹?」
「・・・・・・俺寝るわな」

「そうか・・・」
「ああ・・・オヤスミ」

達樹はひとり悲しみの中眠りについた―――


【残り18名】

267レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/19(月) 21:52 ID:JKuw8MbM
096 朝。決戦の一日1〜Morning. One day of decisive battleⅠ〜

          9月3日AM7:00

 朝。そして―――

それは決戦の幕開けでもある―――

十分・・・とはいかなくともよく寝れた―――

そう思いながら賀子はキッチンに立っていた。
無論その理由は皆の朝食を作るためである―――

「〜♪〜♪」
口笛を吹きながらジャガイモの皮を剥いていく―――
手馴れた手つきである―――

「おはよ・・・」
そんな中眠そうな声と共に優がキッチンに入ってきた。
水を飲むためだ―――


キューッジャァァァァァッ―――

蛇口特有の金属と金属の摩擦音がキッチンに響く。

キュッ―――

んくっ、ふぱっ・・・
「今日は・・・ジャガイモのお味噌汁ですが・・・よろしいですか?」
「もちろんいいよ」
「そうですか・・・後数分で出来ますので皆さんを起こしてきてくださいませんか?」
「うぃ。りょーかい」
「はい。お願いします。」


             第一戦

    前田 優  VS  高杉 未来&山師 達樹&如月 奈壱斗


「起きろ〜♪」
「ん?もう・・・朝か・・・すまないなわざわざ・・・」
「いや、別に構わんさ」

【如月 奈壱斗 4秒 起床】

「さて・・・起きろ〜!!」
「・・・くぅ・・・」「ヴるざい・・・」
「・・・はぁ・・・」
「なんだ?起きないのか?」
「ああ・・・」
ため息つく優に奈壱斗が話しかける―――
奈壱斗の髪は寝癖で少したっていた。
「・・・一度寝癖治してきたらどうだ?」
「む?・・・そうだな」
奈壱斗は自分の髪の毛を触ってようやく気付いたようだ―――
「ではすぐ戻る―――」
「ああ・・・」



「・・・起きろ!!」
「くかー」「・・・・・・姉さん・・・こんなところでそんなこと・・・」
「・・・・・・なんちゅう卑猥な夢を・・・////」
未来の顔を一発蹴ったが起きそうにもなかったので―――

とりあえず後回し!!



というわけで・・・次の部屋は・・・あすみ達の部屋だった―――
【残り18名】

268キング:2004/04/21(水) 00:32 ID:STusIzus
楽しいです!!

  がんばれ〜〜♪

269レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/21(水) 18:17 ID:yTn1Cc7Q
>キングさん
どうもです・・・。最近更新が遅れて申し訳ないです・・・
m(__)m

270レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/22(木) 18:52 ID:yTn1Cc7Q
097 朝。決戦の一日2〜Morning. One day of decisive battleⅡ〜

         第二戦
前田 優&如月 奈壱斗 VS 成瀬 あすみ&花原 京香

とりあえず・・・この二人は・・・もう起きてるだろう―――
だよな―――

それが・・・部屋に入る前の二人の会話である。

しかし・・・

京香は予測通り―――

ノック(一応礼儀として)してから入ると。
おはようございます―――と微笑みながら椅子に座って読書をしていた―――

どこに本なんかあったの?と聞くと――――

ええ・・・そこの戸棚に―――
と・・・


確かに、そこには本がどっさりと綺麗に整理されて本棚を埋め尽くしていた―――

『賢者の贈り物』・・・オー・ヘンリー
『星の王子さま』・・・サン=テグジュペリ
『ソロモン最後の魔術書』・・・S・L・マグレガー・メイザース
『華やかな知識』・・・ニーチェ・フリードリヒ
『ネクロノミコン』・・・アブドゥル・ハザード

確かに・・・いろいろな書物が入ってる・・・有名どころばかりではあるが・・・中学生が読んで理解できる書物は・・・限りなく少ない―――

というか・・・なぜこんな所に死霊術書(ネクロノミコン)なんて、あるんだ?

絶対に・・・偽典(ニセモノ)だよなぁ・・・

というか・・・正典(ホンモノ)だからといってどーなるものでもないが・・・。

さて・・・そんな事をしている場合ではなかった―――

あすみを起こさなくては―――
奈壱斗はすでに思考が全て本棚に行ってしまっているから―――

とりあえず・・・ベットの近くによる―――
「起こされるのですか?」
「うんゴハンできたみたいだからね・・・」
「そうですか・・・では私が起こしますので・・・前田さんは他の方をお願いします。」
「そお?」
「ええ」
「分かった」
「ええ」
「んじゃ・・・奈壱斗行くぞ?」
「ん?分かった」

【花原 京香 無効試合 成瀬 あすみ 試合放棄】

と言うわけで・・・次は―――夜野 紫苑の部屋の前―――

【残り18名】

271レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/25(日) 00:10 ID:Vw0Urkdg
098 朝。決戦の一日3〜Morning. One day of decisive battleⅢ〜

 ゴクリ―――
優は、唾を一度飲みドアノブに手をかけた―――
ちょうど数時間前まで話していた人間を起こしに行くというのは何故か緊張する・・・

コンコン―――

ガチャ―――

すぅ・・・すぅ・・・

そこには、規則的な寝息を立てる紫苑がいた―――

「寝てるか・・・」
優はぽつりと呟く・・・
「そのようだな・・・」

     第三戦
前田 優&如月 奈壱斗 VS 夜野 紫苑

「すぅ・・・すぅ」
「起きろぉ〜?紫苑〜」
ユサユサ―――
「すまんが俺はそろそろ食卓にいくな?」
「ああ」
ユサユサ「おきてくれー」
「すう・・・お願い・・・ね・か・せ・て・・・」
「はいはい・・・」
ガシッ―――

出て行こうとした優の腕を掴むなにか・・・

無論・・・紫苑―――

「紫苑・・・お前起きているだろ?」
「すぅ・・・すぅ・・・」
「・・・おい起きてるだろ・・・」
「すぅ・・・」
「・・・・・・・・・はぁ」
指をムリヤリ離して避難する―――
「・・・さっさとこいよ?」
そう残し紫苑の部屋を出る。

「・・・ちっ」
紫苑は一度舌打ちし、むくりと起きた―――

【夜野 紫苑 5分 戦意喪失?】

【残り18名】

272キング:2004/04/25(日) 23:26 ID:STusIzus
未来君、寝すぎだ〜。

273レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/26(月) 20:21 ID:4ooMHEFc
>キングさん

マジで本当にすいません・・・更新が遅れに遅れております・・・

274キング:2004/04/26(月) 23:11 ID:STusIzus
ま〜焦らず、ゆっくりいい作品を作ってください。

275レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/26(月) 23:45 ID:4ooMHEFc
099 朝。そしてそれから・・・〜Morning. And then...〜

 何気ない食卓―――
それは・・・今日の今この瞬間まで―――

そう・・・あと数時間後には・・・俺達は・・・全てをかけた戦いに臨む―――

最後の晩餐かもしれない―――

・・・いや。そんなことは考えちゃダメだよな?

ネガティブじゃなくて・・・ポジティブに―――

そうだ・・・俺には友がいる―――

仲間が居る―――

そう・・・心強い・・・仲間だ。

頼りになる―――

まぁ・・・未だに寝てる双子弟はちと不安だけど・・・なんか卑猥で淫乱な夢を見てたしな・・・

その姉は―――

必至で起こそうとしてる―――

ちなみに今食べているこの料理も彼女が作ったものだ―――


正直・・・かなりの美人だ―――


いいお嫁さんになるだろう―――


だから・・・だからこそ生かしたい―――

彼女のことを全力で護りたい―――

ま・・・めんと向かってそんな事は言えないが


そりゃ・・・恥ずかしいし―――



ま・・・気楽に行こうかな?―――





前田 優―――


食卓にて―――

【残り18名】

276レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/28(水) 00:35 ID:gYtjaoJw
100 夢語り〜Dream talking〜

 さて―――
飯も食い終わった―――

そろそろ出発するか―――



研ぎ終わり切れ味の鋭くなった鎌―――
血のふき取り終わった警棒―――
太陽光に反射し鈍く光る・・・銀色のピアノ線―――

そして―――

弾を補充した銃―――


人を殺す武器が此処にはありすぎた―――
だが・・・それこそが自信につながるのかもしれない―――

今の彼に怖い物・・・
否・・・
怖い者・・・
否・・・
強い者などありはしなかった―――

圧倒的なまでの自信―――

そして・・・圧倒的なまでの殺意―――
理由なんてものは存在しない―――

あるのは殺意それのみ―――

それだけで殺せるのだ・・・

人は人を―――

それだけで壊れるのだ・・・

人間は―――

「行くぞ・・・奈津子」
「ええ」
「まず・・・民家で一度装備を整えて・・・一気に今日で終わらせよう・・・」
「そうだね」
「ああ・・・明日・・・いや今日の夜には・・・俺達は自由だ・・・」
「うん・・・」
「そしたら・・・」
「なに?」
「・・・・・・」
「?」
「いや・・・なんでもない」
「?」
「ほら・・・行くぞ・・・民家にな」


全ての因果が絡むかのごとく―――

全ての物語が動き出す―――

全ては―――

生きるため。
大切なものを護るため。
自分の信念のため。

彼らの戦いが始まりを告げる―――



【残り18名】

277レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/28(水) 00:41 ID:gYtjaoJw
>キングさん
ありがとうございます〜♪

278レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/28(水) 00:42 ID:gYtjaoJw
☆挨拶☆
さて・・・そんなこんなで100話です。
まぁ・・・一話一話が短いですからね。
というか・・・まだ半分も死んでませんしねぇ。
最近忙しくて更新が遅れていますがこれからも
この駄作をよろしくお願いしますm(__)m

279レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/04/28(水) 23:36 ID:GOAjxNyA
101 動き出す意思〜The intention which starts moving〜

 仁は、優達より一足早く・・・
いや―――
すでに昨日の深夜には到着していた。
そう―――

森林の中――

ひっそりと・・・隠れるかの如く。
一方は海。もう一方は崖。そんな誰も近寄らないような場所にひっそりと―――

ソレはあった―――

「ビンゴ・・・」
軽油タンクに腰掛けて呟く。
しかし、来たのはいいがさすがに疲れた―――
徹夜で運んだのは流石にマズかったか―――
まぁ・・・あと少しだ―――


管理施設―――


多分此処で間違いない―――


やってやろうじゃねぇか―――


ああ―――


この無益な戦い―――


終わらせてやるよ―――


ゆっくりと軽油タンクの蓋を開ける。



宣戦布告だよ―――

挨拶の一撃を受けやがれッ!!―――

まず彼が投げたもの―――
それは港で見つけたスキューバーダイビング用の酸素タンク。
そして緊急冷却・・・魚の保存などに使っていたのだろう・・・液体水素。

そして・・・軽油。

水素がどんどん気化してゆく―――


チャキッ―――


3。

2。

1。


ボッッッ―――ドォォォォォォォォォォォンンンンンンンンンッ――――



無論空中で大爆発―――



酸化した水素・・・H2Oつまり水が水蒸気となり―――

そして管理施設のドアに使われている。鉄は飴のようにねじれた―――


戦いは始まった―――


【残り18名】

280①ふぁん:2004/05/03(月) 21:13 ID:XDPGoWJs
サガリまくり〜・・・頑張れ!!負けるな!!力の限り!!さりげなくいつも読んでますから

281レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/03(月) 21:30 ID:1wKgI.FA
>①ファンさん
ありがとうございます。最近ちとした理由で書く意思が低下してましたが、再び書きます

本当にありがとうございます

282レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/03(月) 21:31 ID:1wKgI.FA
ちなみに・・・トリップ違うけどホンモノですよ

283レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/03(月) 22:44 ID:1wKgI.FA
102 華は散る・・・それは運命という名の悪戯として〜The bloom scatters... as for that the name, destiny as mischievous〜

 ドォォォンッッ―――
遠くで聞こえるその音に

俺は


いや



俺らは


皆・・・凍りついた


確かにソレは耳に聞こえた。

微かな爆発音。

「おい・・・聞こえたよな?今の爆発音。」
「ああ・・・・・・確かに聞こえた」
達樹のその質問に、優は肯定した。
無論―――
他の者もだ。
沈黙を続けているが、顔は緊迫の一色。

誰か死んだのか?

首輪・・・爆発したのか?

だれもの顔が皆に訴えかけていた。


ガシャャャァァァァァァァンッ――――

迂闊だった。


そう気付いたときには遅かったのかもしれない


リビングに飛び散るガラス片

そして・・・


立っていたのは匠。



あまりにもその唐突な登場に

動けなかった―――

動けなかった―――



【残り18名】

284レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/04(火) 14:28 ID:GxxRyTUU
103 悪魔の誤算〜Miscalculation of demon〜

 確かにソイツはそこにいた。
ソイツの姿を確認し、咄嗟に動いたのは奈壱斗だった。

だが

匠が持っていた銃。


それはイングラム・・・


そう―――

それは月草 弘法の配布アイテムであり・・・今日の戦いを終わらすための最終兵器。


それを構え匠は冷ややかに笑った。


動けない―――

動いた瞬間ヤられる。

いや


動かなくてもヤられる


優はさり気なく賀子を背中に庇い

匠を睨む

ここで負ける訳にはいかない―――

もう偽善は通用しない―――

殺らなければ・・・殺られる・・・

琢磨にアイコンタクトを謀る。

(いくぞ!)
(ああ・・・)
琢磨もその意思を読み取ったのか小さく頷いた。

勝負は一瞬―――

殺さなくてもいい・・・イングラムさえ奪えれば・相手の戦力を削ぐことがさえ出来れば・・・

ダッ!
その駆け音ともに優と琢磨が跳んだ。

パラッ――

本来ならばもっと弾が来るはずだった。

確かに弾は来た・・・

それは優の脇腹をかすめ飾ってあった花瓶を粉砕した。

だが・・・弾が来ない。


イングラムは匠の手に無かった。

飛んだイングラムは窓を越えていた。

当たり前である・・・重量が1.5kgを超えるイングラムを撃てばその反動は計り知れない。

イケる!

優は確信した匠の右頬を殴った。
琢磨はイングラムを奪うべく窓を飛び越えていた。


くっ―――

匠は予想外の事態に焦りを隠せなかった。
手首が痛い。
とてもじゃないが片手で撃てるような代物ではなかった。


あまりにも大きな誤算であった。


しかしそのまま殴られる匠ではない。
腰に掛けてあった鎌を左手に持ち優に襲いかかる。

怪我をしている優が避けられるハズも無い

優はしゃがんだ。

その後ろから飛んできたもの

それを確認したときには既に腕に刺さっていた―――

ボウガン!!!

鎌が落ちた。
左腕にしっかりとそれは刺さった。

達樹は、次の矢の装填に戸惑っていたのが
匠からの攻撃はなかった。
匠は窓を飛び越え外に居た。

「逃がすか!!」
「いや・・・そのままでいい」
達樹の叫びに優は静かに言った。

「もう戦えないよあいつは」

静かに匠の背中を追いながら優は続けた。


【残り18名】

285レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/04(火) 21:01 ID:tA.Cg0mo
104 宣戦布告1〜Declaration of warⅠ〜

 兵士の一人である松野は半年前結婚したばかりの新婚である。
休憩所には幸せそうに二人で写っている写真が置いてあった。
しかも、できちゃった婚らしく・・・新妻のお腹の中には3ヶ月の子がいるらしい。
幸せそうに語ってた。
まだ未婚の俺だが、結婚したらあんな感じになるのだろう・・・
そう素直に思った。
外では俺達はささやかながら松野の結婚祝いをこのゲームが始まる前にしていた。
あの時の松野の幸せそう顔が浮かぶ・・・

菅原という名の少年が向かってきているのは知っていた。
彼が軽油を持ってきているのも、彼の配布アイテムが火炎放射器というのも知っていた。
無論・・・その狙いもある程度分かっていた。

やはり・・・松野を置いてきて正解だった。
兵士の一人である岸田は、その爆発の跡を見てそう思った。
爆発の規模としては小さいがそれでも鉄は飴の様に曲がり、割れたガラスは解けて淡い赤色になっている所もあった。

チャッ―――
岸田は、銃を構えた。
相手はたかが中学生。
物語ならばここで私は倒され侵入されるだろう。
だが・・・現実は違う、そんな物語の主人公みたいなヤツはこの世には居ない
俺は兵士として働いて飯を食っている人間だ。
そこらへんの中学生に負けるわけが無い。

さぁ・・・出て来い―――

どこにいる?

私は逃げずにここに居るぞ?

さぁ!!


無音の時間が続く―――
だが・・・雰囲気は違った。
それは、自分に狙いを定めたライオンがすぐ近くに潜んでいる・・・まさにそんな雰囲気であった。

やはり、兵士として働くことで飯を食べている人間でも見えない相手を敵にする。
それは怖いことであった。
鼓動が聞こえる―――


さっさと出て来い!!
そう思っても自分から行くわけにはいかない。
今この場に派遣されたのは私一人。
深追い、それは侵入しろと言っている様なものである。

沈黙は続く―――

【残り18名】

286①ふぁん:2004/05/04(火) 22:03 ID:XDPGoWJs
おぉ〜連続更新!!
物語りもえぇ場面でしかも兵士とか絡んできてオモシロイですわぃ。
これからも頑張ってくださーい(・з・)ノ

287レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/04(火) 22:27 ID:tA.Cg0mo
>①ふぁんさん
ありがとうございます。これからも頑張らせていただきます。

288レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/05(水) 23:58 ID:tA.Cg0mo
105 絡み合う宿命〜The fate which interwinds〜

 雅貴は独り起きていた。
疲れが溜まっていたのだろう、まだ二人は眠っている。

ふぅ・・・さっきの爆発音。誰だ?

誰が殺られた?


ふぅ―――と一度ため息をつく。
「俺も丸くなったものだな・・・荒れていたころが懐かしい」
一度伸びをする。
「おい。お前らそろそろ行くぞ?」
「・・・・・・」「・・・・・・・・・」
「寝起きの悪い奴らめ・・・ほら行くぞ!!!」
「んっ・・・朝ですか?」「・・・・・・」
ききは、さすがと言うべきかすぐさま起きた。が、姫は・・・まったくの無反応。
「あ・・・すいません。わざわざ・・・」
「別にどうでもいいさっさとコイツを起こせ」
「え・・・あっはい!」
「ちっ・・・なんっう寝起きの悪さだ」
「昔から・・・低血圧みたいですよ?」
「そうゆう問題か?」
「起きてください。姫」
「うん・・・・・・おきるぅ」
「ちっ・・・」

起きるんだったら最初から起きろよクソが・・・


無論そんな事を口にはしないが、それでも態度に出ている。
「あれ・・・今何時?」
「えっと・・・何時ですか?」
時計を持たないききが雅貴に問いかけた。
「あ?時間?・・・7時5分か?」
「7時・・・」
「どうした?何かあるのか?」
「うんん。なにもな〜い・・・ふぁ〜眠いぃぃ」
「・・・はぁ。ん?」
「どうなさいました?」
雅貴の視界に誰かが映った。


水島か?何をやってるんだ?アイツ―――

「あれは・・・水島さんですね」「あっ水島だ」

「静かにしろ」
「何でよぉ」
まだ少し眠いのか言葉がハッキリしていない姫が反論する。
「アイツがこのゲームに乗ってないとは限らない」
「・・・そんな」
「悪いとは思う。だが・・・」
「・・・・・・」
ききは、理解しているのだろう、ただただ黙って二人を見ている。

だが、

姫は、そうはいかない。
「でももしかしたら!!仲間に・・・」
「黙れ」
目も覚めて言葉もハッキリとし叫んだ姫の口を押さえる。

それに雅貴と翔吾はそんなに仲がよくない。
こんな所で余計な戦闘は避けたかった。

そう

避けたかった。



今となってはもう遅いのだが―――

それは・・・数分前の話で・・・
目の前に居る 水島を見ながら雅貴は、自分をそして姫を呪った。


「なにやってんだよ・・・雅貴」

水島の冷たい声が聞こえた――――



【残り18名】

289エール:2004/05/10(月) 20:06 ID:hW/fNWlM
また更新とまってますなぁ。。
ショックですなぁ。。
ぜひぜひ完結まで頑張ってくださいよう。。
フレーフレーレベッカ!!!!!

290レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/10(月) 23:23 ID:6xD/Oqsc
>エールさん

どうもです。ちょっと最後のシーンまでのまとめやその他本人の諸事情でですねちと遅れております。

291エール:2004/05/10(月) 23:53 ID:hW/fNWlM
なるほど。。
そっすよねぇ。
やっぱシナリオもある程度作る時間もいりますしね。。
んなら楽しみにおとなしく待っております。。
まぁ楽しみなんで頑張ってくだせぇ。。

292レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/11(火) 00:13 ID:6xD/Oqsc
106 迷い〜Perplexity〜

 優は、静まり返ったソノ場所で遠くを見ていた。
琢磨もそれからしばらくして戻ってきた。
イングラムは手に無かった。
それでいい・・・
そのほうがいい・・・

アイツのためにも、俺達は頑張らなきゃなぁ・・・

そして意を決したように立ち上がり。
「うっし!!円陣でも組みますか?」
「なんだそりゃ・・・」
未来は、すでに臨戦態勢だった。
眼が獲物を狙う狩人の如く

「まぁ〜まぁ〜いいじゃん円陣ぐらい」
達樹がなだめる。
「んじゃみんな集まって〜」


「マテ・・・なんで俺が中央に・・・」
「袋じゃ」「私刑じゃ」「なんでやねんっ!!!」
達樹と琢磨と健斗が馬鹿をやっている。
無論中央は達樹で・・・

そんな彼らを見て笑っていることが出来る余裕があった。

「さて冗談はいいとして・・・」
そう切り出したのは散々コントをやってからのこと
「猿人組みますか?」
「・・・・・・イントネーションが違ったような気がするけど組むか」
「ああ」

そして俺らは組んだ。


懐かしいな・・・大会の時も組んだよなぁ

負けちゃったけど


懐かしい・・・か


まだ一ヶ月も経ってないのにな


アレから


アノ幸せだった日々から


でも・・・俺達は還るんだ。アノ日常へと


もう修復は出来ない


けど


新たな日常がまたそこから生まれる。


だから願いを込めて――――





「いくぞーっ!!!!」

「おぉぉぉぉっ!!!!」



【残り18名】

293レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/11(火) 00:18 ID:6xD/Oqsc
>エールさん

はい。匿名掲示板の書き込みなどを見まして、もう一度考え直そうと思いましたのでちと・・・遅れてしまいました。

294レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/11(火) 21:46 ID:6xD/Oqsc
107 意思を持つもの〜Those which have intention〜

 沈黙。
もう10分経ったかもしれないし
もしかしたら1分も経ってないかもしれない

とにかくこの嫌な雰囲気は時間感覚を鈍らせる

早く始末しないと…アイツが、松野が来てしまう。
仲間を大事にするやつだからな・・・

だが、アイツを戦わせるわけには行かない。
父親になるアイツは…絶対に

そう絶対に

コレから子育てをする者が銃なんて持っちゃいけない。

IMIウージーの銃口がが常に茂みを睨んでいる。

ウージーを扱える自信は無い。けど彼らよりかは扱える自信がある。

それにたとえ上手く扱えなかったとしてもだ。

私の胸ポケットには、ブローニングハイパワー、腰にはコルトパイソンがある。

この2丁で軽く殺せるだろう。


さぁ出て来い・・・勇気ある若者よ


もう何分経っただろうか
10分経ったかもしれないし
まだ1分も経ってないかもしれない

それは分からない。



そして沈黙は破られた―――


ヒュュッ

石だ。

投石?なめたマネを

石の来た方向に身体を向けた瞬間

今度は反対の方向から石が飛んできた。

は?何?何故?


岸田の動きが止まった。
それは混乱によるもの。


「覚悟ぉぉぉぉぉぉっ!!」
仁は右手に石を持ち茂みから飛び出した。

【残り18名】

295レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/14(金) 23:06 ID:Hjv0Impk
108 誤解〜Misunderstanding〜

 「翔吾さん?」
ききは、信じられないようなモノを見るように呟いた。

いや

信じられないようなものを見ているのだ。

顔色がソレを物語った。

「水島?どーしたのよ?急に」
姫は状況が理解できないのか、
それとも
あえて理解しようとしていないのか・・・

「お前・・・この二人をどうしよってんだよ」
「知るか。テメーの知ったことかよ?あぁ?」

緊迫。

その一語で十分。

翔吾は静かに銃を構えた。

「ん?気に入らなければ殺すっていうのか?みずしまぁぁぁぁっ!!!」
「ああ・・・お前だけな。不良。落ちこぼれ。クズ」

いつもの翔吾からは考えられない暴言。

それもそうだ。

翔吾の妹は、数年前に雅貴とツルんでいた仲間に・・・怪我を負わされた。
頬は晴れ上がり・・・それは見るも無残だったと言う。
雅貴はその場に居たが関わっては居なかった。

見ているだけだった。


そう、見ているだけ


止めようともせずに



それが、許せなかった。


妹は全治2ヶ月だった。

だが・・・

心には、深い深い傷が残った。



それ以来。犯人を捜し続けた。


そして・・・判明したとき、驚きと共に自分とそして・・・目の前に居る奴に怒りが湧いた。

こんな奴と話していた自分に。
見ていただけのアイツに


それから、二人の仲は最悪だった。


一度同じクラスにするのは辞めようと学校側で会議になったほどだ。

それでも今は同じクラス。
何の因果かは知らないが・・・学校側の作為だろう。

それにこんなちょうど良い舞台もあることだ・・・ペテンに掛けて殺してやる。


償って貰おうか―――

アンタの未来でな・・・

Die demon!!

【残り18名】

296コンドル:2004/05/15(土) 17:07 ID:alrxspe6
頑張ってくらさい!

297レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/15(土) 22:06 ID:IqU46lbA
>コンドルさん

頑張ります!!!!

298ベンじいちゃん:2004/05/15(土) 23:42 ID:g7mUgL8M
壁】д・)いいよ!いいよ〜!!完結してくださいな!!

299レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/16(日) 00:48 ID:IqU46lbA
>ベンじいちゃんさん

はい!!完結させちゃいます

300レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/16(日) 01:29 ID:IqU46lbA
109 旅立ちの日〜sailing day〜

 「それじゃあ、いってくるよ」
優は、幼子に本を読み聞かせるような優しい声で・・・
だが、その声に含まれるのは決意。

人を殺すという決意。

脱出するという決意。


「あ、そういえば未来」
「なんだ?優?」
「小麦粉持ったか?」
「ああ。持ったけど何に使うんだ?」
「ん?そりゃ向こうの基地にはエレベーターくらいあるだろうから」
「???」
「ちと・・・爆炎地獄を見せてやろうじゃん」
「はぁ?」
「ま、持っててくれればいいよ」
「りょーかい」
「紫苑・稚奈も頼むな?」
「今更どうしたの?」
「そーだよ」
「いや・・・一応な」
「帰ろうね。絶対に」
「ああ、そうだな」

そこには同じ志を持った仲間が居る。
信頼できる仲間が居る。
絶対に帰ろう。

精一杯 運命に抵抗。

いい言葉だと思う。

結局賀子は民家に残した。
それが最善手だと思ったから。



「行ったな〜」
健斗が遠くを、小さくなってゆくその背中を見ながら呟いた。
それは、この場から去ろうとしている
その男に発したのかもしれない。
「何処にいくんだ?奈壱斗」
「え?」
琢磨が驚いて振り返る。
確かにさっきまで外で彼等を見送ったはずなのに・・・俺の隣に居たはずなのに

いつのまにか・・・
「いわなくても・・・分かるだろう?」
「そうだな」
「なら止めるな・・・」
「ダメだな」
「っ・・・」
「生きて帰るんだ、自分だけ匠達とともに死のうなんて考えんじゃねぇよ」
「えっ・・・」
健斗の言葉にあすみが小さく反応した。そして続けた。
「行かせて・・・あげてほしいの」
「なっ?」
賀子もその言葉に驚きを隠せないようだった。
「だけどよ・・・」
「分かってるよ?それがどんな事か・・・でも3人一緒っていうのが日常だと思うんだ。生きて帰る。それも大事だけど・・・。ううんそれが一番大事、私達にとっては」
「違うって言うのか?」
「うん。日常のカタチって・・・いろいろとあると思うんだ。だから・・・行かせてあげて。」
「・・・攻めてこないとは限らないぞ?」
「それでもいいんじゃない?」


それが・・・彼等の日常のカタチなのだから―――


ハッキリとその言葉は聞こえた。



もう、奈壱斗の姿は無かった。


健斗は、苦笑いしていた。



ま・・・そんなのもあるか―――


【残り18名】

301レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/17(月) 22:44 ID:RttDxWSo
110 突撃の代償〜Compensation of charge〜

 考え無しに突撃したわけじゃない。
俺が貰った武器。
それは、火炎放射器。
そこそこにイイ武器だと思う。
だが、それだけだ。
それ以外には何もない。
軽油を見つけた時、咄嗟に思いついた。浅はかな作戦でしかない。
そして、液体水素ボンベを見つけたとき。さらに自分の背中を押した。

やってやろうじゃん

多分。成功したら爆音で気付くだろうしな

助けにも来てくれるだろうな・・・誰か・・・。

そんな何の根拠も無いその想い。
それが今の彼の原動力。

「うらぁぁっっっ!!!」
岸田は、突然の登場に少々混乱していたが冷静にすぐさま戻れた。

こちらに向かってくる相手に有効なのは圧倒的な弾丸で潰す。
これが有効な手段の一つである。
だが、相手が近すぎる場合。
これはあまり有効ではない。
銃の反動で隙が生まれやすいからだ。
特に岸田の持っているIMIウージーは反動がものすごい。
とてもじゃないが兵士を職としても扱うのは難しい。
ならばどうするか?
銃には近接距離の場合有効な攻撃手段がある。

それはなにか?

岸田は、両手でウージーをしっかり握り。


ボグッッッッ

即ち。鈍器として使うということ。
兵士と単なる中学生としての差がでた。

「うぐっ・・・」
吹っ飛ばされ悶える仁。
口の中に鉄の嫌な味を感じる。

立てねぇ・・・
息できねぇ・・・
こんなところで終わりかよ・・・

岸田は、静かにウージーを構え
「悪く思うな・・・少年。これも仕事だからな・・・」



終わった・・・




「そこで殺されても困るの☆縛って捕虜にしましょ☆」




え?




秋小路 夢がそこにいた――――



【残り18名】

302レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/18(火) 23:55 ID:RttDxWSo
111 ふたり一緒に〜Two people together〜

 匠は、振り向かずにただひたすらに走っていた。
右手は左腕を、左手は右腕をそれぞれ庇いながら。

くそっ、くそっ、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!

誤算だった。イングラムがあれほどまでに扱い難い物だったとは

イングラムが扱いにくいことは知っていた。だがあれほどまでとは・・・完全になめていた・・・。

手首が痛い。

幸い奴等は追いかけてこないみたいだな

馬鹿者達だな

奈津子にすこし手当てしてもらうかな?
それにしてもわざわざ置いてくることもなかった、あの場には一緒に行かせないとしても、近くに待機させておいても良かったか・・・
まぁ後悔しても仕方がないのだがな・・・

ちっ・・・


ズキズキと痛む手首を押さえ、さらに走る。




奈津子は、隠れてとある現場を見ていた。


そこに居るのは


雅貴と翔吾・・・

それから

ちょっと離れたところに

姫とききがいる。

雅貴と翔吾が言い争っているのだろうか?

翔吾の方は、銃を構えている。

姫達が止めようとしているがあえて雅貴がそれを制している様だ。

どうしよう・・・

最初にそう思った。

止めなきゃ・・・

そうとも思った。


でも動けなかった。

その場に流れる圧倒的な殺しの雰囲気。

それが足を石へと変えた。


早く来て・・・匠・・・


奈津子は静かにそう願った。


【残り18名】

303レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/20(木) 21:32 ID:rUBcT/GE
112 捕虜〜Captive〜

 「はい☆ここに居てね〜☆」
そう言われ連れて来られたのは大きなモニターのある部屋だった。
兵士達がいろいろと作業をしている。

どうやら・・・このゲームの中枢。
管理システムのある部屋に連れて来られたみたいだ。

「で・・・俺に何をしろと?」
「おっ☆よっくわかってるね〜☆おねーさん賢い子好きよ〜☆」
「・・・・・・」
「そうね。ちっちゃと説明しちゃうね☆よろしく☆」
そう言い、、夢は一人の兵士を促した。
「説明させてもらう。ちなみに先に言っておく、貴様には拒否権はない」
「はいはい・・・」
「実は、まだ原因調査中なのだが、一人だけ首輪の爆発機能が発動していない人間がいてな」
「それマジか?」
「ああ・・・誠なり」
「って・・・ことは極論脱出も・・・」
「ああ。無論可能だ。」
「・・・・・・という事はそいつをここにつれて来いと・・・」
「うむ。その理解力の速さたいしたものだ。無論、一緒に脱出を企てたり他の不可解な行動をとった場合命はない。いいな?」
「はぁ・・・で誰だ?」
「男子9番高杉 未来だ」
「え、未来?」
「聞こえなかったか?男子9番高杉 未来だ」

時が止まったように思った。
「ちなみに殺しても構わないぞ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「武器などは、残念だが支給は出来ない。ルールだからな」
「・・・・・・・・・・・・」
兵士の言葉などもう耳には入ってなかった。
「では、行きたまえ」
「ああ・・・・・・」
「さっさと行けっ!!!!!」
「へ、あ。ああ・・・」

言われるがままに仁は管理施設を飛び出していた―――

【残り18名】

304レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/23(日) 01:11 ID:tEEoZc7Q
113 親友として〜As a best friend〜

 奈壱斗は、走っていた。

まったく・・・あいつ等のために走るのはもう何度目だ?

『正』の字で数えていっても結構な数の『正』が完成しそうだ・・・。

まぁそんな愚痴をこぼしていても結局あいつ等との付き合いはやめなかった。

匠と奈津子と出会ったあの日から・・・10年以上か。

10年は長い。途轍もなく長い。日数に直したら3652日・・・時間にして87648時間。分なら5258880分。秒ならば315532800秒・・・。もう実感が沸かない。

まぁとりあえずそれだけ長く付き合ってきたというわけだ。

無論。喧嘩もした。小学校の時なんか、誕生日パーティーで喧嘩をしたこともある。
何度「お前とは絶交だ!!」と言い合ったか・・・。
「ふっ・・・」
懐かしくて・・・苦笑する。

とりあえず今は走っている。

無論、何処に行けばあいつ等に会えるかなんてわからない。

分からないけど走っている。

とりあえず俺は走る。

終焉を・・・迎えるために―――

散るときは一緒だ。


それまで死ぬなよ・・・匠・・・奈津子・・・。


【残り18名】

305レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/23(日) 01:12 ID:tEEoZc7Q
とりあえず次の更新は26日の夜か27日になります。
ちと学校の行事で出かけます

306レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/23(日) 01:12 ID:tEEoZc7Q
とりあえず次の更新は26日の夜か27日になります。
ちと学校の行事で出かけます

307毒車:2004/05/23(日) 20:43 ID:VwsqBZSY
修学旅行っすかぁ。いいっすねぇ。
次回更新お待ちしてまっす。

308レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/26(水) 21:05 ID:htkmNk.o
>毒車さん
はい〜♪楽しんできましたよ〜。ええ、むちゃくちゃに久しぶりに羽目を外しましたよ。
そして・・・プログラム無くてよかった(え゛)

309レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/26(水) 23:07 ID:htkmNk.o
114 それぞれの思案〜Thought of each one〜

 紫苑と稚奈は、優、未来、達樹の3人から一歩下がったところを歩いていた。
女性だから・・・という理由もあるだろう。
だが、それだけでもない。
一応、銃も彼らは持っている。
イングラムのようにそれこそ兵隊でも扱い難い代物・・・ではない。
両手で撃てば女性でも扱える代物だ。
しかし・・・問題はそこではない。

物理的な問題ではない・・・精神的な問題である。


そう。


咄嗟に人を殺せるか?


問題はそこだった―――


「俺たちはもう覚悟ができている・・・だから、な?」
そう切り出した。
「だからって・・・『もしもの時は逃げてくれって』そんなの無いんじゃないかなぁ・・・」
「なら・・・撃てるか?」
納得いかない、と頬を膨らませている稚奈に優は続けた。
「銃なんて撃てるよ!!」
「そう?人・・・殺せるかい?」
「っ!!」
灯台で匠達の襲撃の事を思い出していた。

あの時自分はなにをしていた?

戦闘は未来に任せて自分は屋上に隠れていたんじゃないのか?

それなのに・・・銃が撃てる?

何を言ってるの私は?

「・・・・・・」
稚奈は黙ったままであった。
「私は撃てるけど?」
そんな稚奈の横には紫苑。
彼女の瞳は決意が溢れていた。
だが。
だめだ―――
優は首を縦には振らなかった。その一言を残して・・・彼は歩き出していた。



そして今に至る。
紫苑は、納得がいかないと思っていたが、それを顔には出していなかった。
稚奈は、自分の存在意義というものに悩まされていた。無論同じく顔には出していなかったが・・・。



そして・・・それが亀裂の始まりだったのかもしれない。




【残り18名】

310レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/29(土) 23:29 ID:hfx8yGCs
115 想うこと〜〜

 銃の重みというのを、今俺は感じている。
それは物理的な重さではない。精神的な重さだ。
銃には、人の命が詰まっている。
銃は簡単に人を殺めることが出来るからだ。
だが、
やらねばならぬ時もある。


それが今だ―――


静かだ・・・・・・。
雅貴は素直にそう思った。

此処には圧倒的なまでの“死"が張り巡らされている。それにも関わらず静かだ・・・・・・。

相手も・・・翔吾も・・・銃。

どちらが迅いか・・・それで勝負は決まる。


引き金を引けば勝てる。


たったそれだけのことだ。だが・・・それが出来ない。いや・・・『たったそれだけ』というのもいささか可笑しい。

人の命を『たつたそれだけ』と・・・

「ふっ・・・」

自分の愚かさに苦笑する。

翔吾はそんな雅貴に、さらに銃を強く握った。
だが・・・向こうも同じく・・・撃てない。

撃つことなど出来ない。


今更こんな状況にしておいてなに甘えたことを考えてるんだ・・・。
幾ら自己嫌悪に陥ったとしても・・・あと一手が出来ない。

同じく翔吾も・・・笑っていた。

嘲笑・・・。まさにそれだった。





「「なにやってんだろうな・・・」」



ハモった。素晴らしく綺麗に・・・いや奇麗に。




「・・・・・・・・・・・・・・・降ろせ」
「お前からな・・・」
「・・・・・・ちっ」
雅貴は静かに銃を降ろした。




今なら信用できるかもしれない―――




何故か分からないがそう思えた。


















「やめて!!二人とも!!!」
それから奈津子が出てきたのはそんなに時間が過ぎては居なかった。



気づいたときには雅貴の銃は火を噴いていた。


そして遅れて聞こえてくる轟音。





倒れる奈津子を見るのは・・・時間を要さなかった。



【残り18名】

311レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/29(土) 23:30 ID:hfx8yGCs
【訂正】
115 想うこと〜Think〜
です。

312レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/02(水) 22:21 ID:hfx8yGCs
116 激昂〜Excitement〜
 
 匠が来たのはそんなに時間がかからなかった。
「・・・・・・・・・・・・」
匠は、黙ってその状況を見ていた。
いや黙って見ているしかなかった。

血塗れのその人。

そして、唖然としている翔吾。

黙ったまま俯いている雅貴。

姫たちもただただ、その状況を見ているしかなかった。

―――コロセ―――

―――コロセコロセコロセ―――

本能が訴えている。

―――コロセナケレバ・・・コロサレル―――

雅貴は銃を構えている。

―――ウテウテウテ!!!ナニヲシテイルンダ!!サッサトコロセ!!―――

雅貴は、顔を上げた。

・・・・・・だが、匠が居なかった。

いや、居ないのではない。

「殺す・・・」

居た。

目算で間合いは10m

匠は鎌を構えている。

撃てば勝ち。

撃てば勝てる。



「・・・・・・いくぞ」
雅貴はにやりと笑った。

今の彼に・・・翔吾が見えていなかった。

【残り18名】

313蒸し器:2004/06/05(土) 15:28 ID:PS0nMs.g
sugoku omoroi

314ぶぅ:2004/06/05(土) 18:46 ID:2lF.6QM.
I think so,too.

315レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/05(土) 20:06 ID:JH8TtgZM
>蒸し器さん
お褒めの言葉ありがとうございまーす!!!

>ぶぅさん
英語でどうもっす!!!

316レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/06(日) 00:11 ID:JH8TtgZM
117 残った者たち〜The people who remain〜

 賀子は格段に風通しの良くなったリビングの掃除をしていた。
無論スリッパは装備済みである。
右手にホウキ。左手にちりとり。
まさに標準装備である。

何故そんなものを持っているか?

理由はひとつ。

掃除するため。当然である。

ガラスを片付けながらふぅ――とため息を一つ。

「とりあえず・・・どうしましょうか・・・ガラス」
「そうだなぁ」
健斗はう〜ん、とあごに手を当て考えはじめる。

とりあえず風が入るので涼しい。だが・・・夜になったら悲惨だろう・・・。


夜を想像してみよう!!



雨が降ってきた!!うわっ。暴風だ!!家の中が悲惨なことに!!


「・・・・・・うわぁ」
「?どうしたんですか?」
「いや・・・なんでもないです。うん・・・」
「?」
「とりあえず・・・ガラスは武器になりますから取っておきますか」
「そうですね」
健斗の提案に素直に首を縦に振る。

とりあえずは・・・まだまだ平和であった。

【残り18名】

317蒸し器:2004/06/10(木) 10:41 ID:PS0nMs.g
age

318レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/10(木) 20:57 ID:JH8TtgZM
>蒸し器さん
アゲどうもです

319レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/10(木) 23:20 ID:JH8TtgZM
118 心に巣食う魔物〜The demon which lives in heart〜

 風を斬りながら走る、一つの影。
彼の走って来た方向には白い建物が聳えていた。

俺は…
自分の命のために友を……
友を……


最悪の場合殺されるだろう。


そう―――俺は友を売った。
正確に言えば売る事を決意した。
そりゃ……悪い――とは思ってる。だが、それだけだ。
偽善者を気取るつもりはない。
まさに今の俺の状態はブラックの一色。

自分の命を最優先に考えた、まさに最善の一手だ。

いや…最善ではないかな?
ま…もう決めちまったしなぁ―――
というか…俺も『悪』だなぁ……
ふぅ――自分の命が天秤に乗せられた時。迷わず俺は、俺は友を売る事を決意したんだからな…いやはや人間とは残酷な生命体だ。

あ〜やめやめ


こんな事考えるのは俺の性に合わない。


さって。何処に居るやら・・・未来君。

できれば一人で居て欲しいんだよねぇ……。

戦闘になりたくないし……

あ〜でも、施設の入り口んとこであんな事やっといて・・・それもないか?

「ったく…何処に居るやら・・・・マジでよぉ・・・。それにアレだよな。なんだよ人に頼んでおいて、武器ぐらい貸してくれてもいいじゃねぇかよ」
一人で愚痴る。

見つからない事へのストレスと…管理者たちへの不満―――


それが爆発寸前であった。


本来彼はそんなにキレやすい性格ではない。

むしろ逆である。

だがこの島の緊張感というか…雰囲気が彼を侵食し、そして、捕まった時…弾けた。

自分でも気づかないぐらいゆっくりとした侵食。

だがそれは着実に大切な何かを蝕み、そして壊した。

心に巣食う魔物・・・まさにソレだった。

ソレは。日常に居れば決して現れることは無い……。

だが、ソレはどんな人間も平等に等しく心に飼っている

そして・・・日常からは考えられない・・・非現実的な何かが起こったとき。

それは目覚める――

何か・・・は人によって違う。

家族が殺されたとき。かもしれないし、誰かに虐められた時かもしれない・・・。

一度、魔物が眼を覚ました時―――

人は…犯してはならない過ちを犯す。


そして・・・菅原 仁。いや・・・今は菅原 仁であり、菅原 仁では無かった。

彼の魔物が目覚めていた。

心で蠢く。

それは・・・悪魔の囁きを呟いている―――

【残り18名】

320秋菜:2004/06/11(金) 16:28 ID:ywXJreAo
お久しぶりです。生徒達、動き出しましたねぇ!
確認組の生徒達もどこか内心食い違っているし、奈津子ちゃんは撃たれるちゃうし。
匠君と雅貴君の戦闘も激しいものになりそうですね><
私的に仁君がどう絡んでくるのかが密かに楽しみだったりします^^;
自分のペースで頑張って下さい!応援しています。

321レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/12(土) 18:13 ID:sajNvpOg
>秋菜さん

どうも〜♪いつもいつも同じことしか書けなくて申し訳ないです。
楽しみにしていただいて本当に嬉しい限りでございますよ♪
ではガンバリマスので今後ともよろしくお願いいたします

322レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/13(日) 22:53 ID:YTYwXmtA
119 その選択が示すもの〜Those which the selection shows〜

 体に途轍もない緊張感が走る。
ここまで緊張した事なんか・・・多分ほとんど無いだろう。

ふぅ。あと数秒後にはどちらかが死んでるんだよな・・・・・・
なんで俺・・・こんなに冷静なんだろ・・・。

チャッ―――

銃口を向ける。

相手との間合いはまだある―――

まだ・・・な


引き金に力が篭る



照準―――OK!

イケる・・・勝った、クタバレ匠!!!


カッ―――

パァァァァン・・・・・・カンッ

「っあ。え・・・」


「・・・すまんな。雅貴・・・俺。お前の事・・・やっぱり信用できないや」
銃があったその場所に・・・つま先があった。
翔吾は、体がとても柔らかい。それ故、ある程度の身長差があっても・・・かかと落としが決められるのだった。


「・・・くっ」
殺気を感じ。咄嗟に身を引く
次の瞬間―――鎌が掠めた。
「っ・・・」
「逃げろ!!!」
それは姫達に向けたもの―――
だが・・・彼女らは動けなかった。

死を感じているのだろう。

匠からでる圧倒的な死―――

「ちっ・・・」
思考しているヒマは無かった。直感で全てを感じ・・・直感で避けなければ・・・

だが―――

ザグシュッッ―――ドサッッッ

「あぐ・・・」
翔吾の銃を蹴り飛ばした、その脚が落ちた。

「あ・・・あう・・・あうあうあう・・・」
匠は笑っていた。
「あうあうあう・・・ああああああああああああああああああああああああああしあしあしあしあし・・・返・・・せああああ」
ザシュ―――
「死ね・・・」
右胸に一回
「ああ゛・・・う・・・・・・あ」
ザシュ―――
左胸に一回
「・・・・あ・・・」

そのまま・・・バランスを崩した肉人形は後ろに倒れた。



それを見ているだけだった―――




まずい・・・




そう思ったのは・・・遅すぎた

匠はすでに・・・鎌をこちらに向けていた。


「・・・ちっ」
雅貴は自分を呪った。


【残り17名 男子13番水島 翔吾 死亡】

323レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/14(月) 22:38 ID:BxZACSNo
120 勝利の神〜God of victory〜

 立ち止まっている暇は無かった。
立ち止まったら鎌の餌食である。

「ちっ・・・」

シュッッ―――

鎌の空を切る音が嫌でも耳に入る。

今のところ避けてはいる。

何度も姫達に・・・逃げろ―――と目配せをしているのだが動けないでいる、まぁそれは無理もないと思う。

だが・・・そろそろ他人の心配をしている暇もなくなってきた。
「ちっ・・・」






ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・ドッ・・・・

心臓音が聞こえる・・・

あれ?私・・・どうしたんだっけ?

腰の辺りに・・・なにかヌルりとしたものが・・・・・・ん〜なんだろ?

っっっ!!!えっ?血?
手に付着したその紅き液体に驚く。
だが不思議な事に・・・そんなに痛くない・・・

痛くない?


なんで?


そう思い。体を起こそうとするが動かない・・・それだけでなく体に走る痛み。

「っぁ・・・」




フュッッッ――
風を斬る音。
音のする方向に顔だけを向ける。

「あ・・・れ?匠?」

自然と笑みがこぼれた。
「匠・・・」







銃まで遠い。誤算だった・・・。
ヒュッ――

ヂュシュ―――

「くぁっ」
掠った。右手を押さえる。

だが!!それよりも



体が動いた





「っ・・・」




まずい・・・




っ・・・これだけはしたくなかったが・・・



今しかないか・・・言うなら・・・








                               ―――頼むぞ―――





             


                                 「撃てっ・・・きき!!!」






チャキッ―――

パン・・・

「あっ・・・」

ドスッ――



匠は、一瞬富和工業64式小銃を持っているききを見て、顔をこわばらせたが・・・

今は・・・




笑っていた。





「ざまぁないな・・・」


本来連射式の銃だが・・・

女子である彼女に打てる代物ではない。

テニス部で活躍している。かりんでさえ・・・木に引っ掛けて撃っていたというのに・・・

帰宅部の彼女が撃てるわけないである。



「チェックメイトだ。雅貴」

いつのまにか逃げられない間合いまで来ていた。


「・・・終わりか」







「まて!!!匠!!!」




彼の声が聞こえたのは・・・そんな時だった。



【残り17名】

324レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/16(水) 00:30 ID:TrTOgLeA
121 信じぬ強さ〜The strength which it does not believe〜

 ふと・・・脚を止めた。

俺って・・・やっぱり裏切り者なんだよなぁ・・・・・・。

裏切り者・・・

「ふぅ―――」

いやはや・・・結構グサっとくるな・・・
でもよ・・・結局皆も俺みたいな状況になったら多分この選択をするだろうよ。
優やききだって・・・あんな偽善な奴等だってどうせ・・・心の深層はエゴに決まっている。


何が・・・―――俺は皆を信じてるからな―――だよ。結局、最後は自分だけ還ろうと思ってるんだろ?アイツも・・・

ふん・・・。俺は信じねぇ・・・。

ニヤリ―――まさにそんな風に笑っていた。


信じぬ者の強さ。だがそれは悲しき強さでもある。

友を裏切ったという罪悪感・・・そして・・・心に巣食うアノ存在―――

一度・・・俯く


「決めた・・・俺は・・・今この瞬間、全てを敵に回す。覚悟はいいか?菅原 仁よ・・・。俺は今からマーダーになる。それでも後悔はしないな?」


そして・・・小さく頷く。


一度眼を閉じ・・・そして開く。


眼が違った―――


決意の宿った・・・綺麗な瞳


悲しい・・・決意の宿った。その・・・眼。



「俺は生きて還る・・・文句ないな?皆―――」


無論。返答は無い。
しかし、それでも満足そうに一度首を縦に

そして、再び歩き始める。

今度は先ほどの様に速い足取りではなく

一歩一歩・・・確実に

その足跡には自信と殺気の二つの色があった。


清々しい気分だ・・・すげぇ気持ちいい・・・この気分ならイケるな

さっさと未来を拉致って

俺は・・・他の奴を処分と


あ・・・いや未来を殺しても良かったはず・・・

う〜んどーすっかなぁ

しかし・・・未来がどうなるか興味もある。

殺すのは惜しいなぁ・・・

う〜む・・・



いや・・・ちょっとマテよ

そういや・・・俺闇雲に走ってきたが・・・

もしかしたら・・・さっきの爆発で向かっているかもしれない


っていうかそんな事ぐらい気づけよ俺・・・


くるっと180°方向転換。

そして・・・




ダッシュ


それはもちろん待ち伏せのため。



心に巣食う魔物はちとおっちょこちょいであった。


【残り17名】

325ケツの穴レンタル屋:2004/06/21(月) 13:05 ID:Jp0Bmgu6
ageとこっと

326レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/23(水) 22:26 ID:WSbqsTnA
>ケツの穴レンタル屋さん

どうもageありがとうございます

327レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/06/24(木) 00:26 ID:WSbqsTnA
122 三人一緒に1〜Three people togetherⅠ〜

 そこに彼は立っていた。
その眼差しは、一度血塗れの少女を捕らえ、そしてすぐさま今にも人を殺しそうな彼を……。

「……何しに来た?」

「もうお前を止めはしない……死ぬときは三人一緒だ。」

「……勝手にしろ」
いつもの冷たい口調で匠は呟いた。

 雅貴は、静かに様子を伺っていたが、もう襲ってこないだろうとすると。
匠に背を向け、姫たちの方へと向かっていった。

邪魔するわけにはいかないからな……

そう思いながら、一歩ずつ。


―――あいつらは、もう……―――

「姫、きき。離れるぞ、さっさと」
「え?あ、うん・・・・・・でも」
「いいんだ。あいつ等は、あれで」
「……そうですね。行きましょう?姫」



 「そんなことよりも奈津子は大丈夫か!!!」
「だい・・・じょうぶ・・・だよ?」
掠れた声で奈津子は確かに呟いた。
「ごめんね・・・」
「謝るな」
匠は、本当に悔しそうに俯きながら返した。


そして―――

「生きろよ」
自分に背を向け、歩き出している男に一言。

「当然だ。生きて還るさ、お前達の分も生きてやるよ」
その男はそんな事を言い残して、去っていった。


 「奈津子・・・痛いだろ?痛いなら・・・今すぐに・・・」
「ううん。いいよ、最期まで見ていたいし」
「相変わらずお前等はアツいな」
「ハッ、言っとけ」
木に寄りかかっている奈津子、その近くに腰を下ろして話す匠と奈壱斗。

そこにあるのはいつもの3人だった。
「さて・・・俺達もさっさと覚悟を決めるか」
「ああ、そうだな」
さっと、取り出したのは鎌。
「刺せ」

匠は、軽くそう言い出した。


【残り17名】

328datumoushou:2004/07/02(金) 21:04 ID:6N2Ht/hk
この人やる気ないっしょ

329datumoushou:2004/07/02(金) 21:04 ID:6N2Ht/hk
どーせカオスしてばっか

330datumoushou:2004/07/05(月) 21:14 ID:6N2Ht/hk
せっかく唯一おもろかったのに・・・放置すんなら始めから書くなカス

331betray:2004/07/05(月) 21:37 ID:SxiXzQiE
カスはテメーだ、おもしろかったんなら貶すなボケ

332datumoushou:2004/07/28(水) 21:30 ID:Pf1ai1vE
死ね。
中途半端野朗。

333町子:2004/10/09(土) 12:29 ID:STusIzus
これ、また書いてほしいなー。

334柚摩:2004/10/11(月) 02:35 ID:gK4qD1yc
本当にこの作品面白いです。
いつか、この続きが読めるの楽しみにしてます。

335納豆ごはん:2004/10/24(日) 02:26 ID:Eal75xtg
じゃあ僕が続きを書きます!

しかし匠はあることを思いついた!それは・・・

あ、やっぱり思いつかないんでこの物語は終わり!
長い間ありがとね!んじゃまた今度!

336シン:2005/02/25(金) 22:17:20 ID:9AcAz2hs
これの続きおねげいします

337ラクス:2009/11/17(火) 06:37:40 ID:jastVcjA
この作家は無断転載を繰り返していると発覚しました
キャラクター絵、BGMは全部他所のサイトのパクリです

338T:2009/11/19(木) 15:20:41 ID:VmjOBs46
終わらせ屋懐かしいwww

339カガリ:2012/06/18(月) 22:31:07 ID:OOovDmqk
ニトロプラスの方から正式に抗議ありました
ゲーム会社のCGを無断転載するなんてどうかしてるよ
厚かましい


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