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それは散り逝く者への子守唄(半リレー)

302レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/18(火) 23:55 ID:RttDxWSo
111 ふたり一緒に〜Two people together〜

 匠は、振り向かずにただひたすらに走っていた。
右手は左腕を、左手は右腕をそれぞれ庇いながら。

くそっ、くそっ、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!

誤算だった。イングラムがあれほどまでに扱い難い物だったとは

イングラムが扱いにくいことは知っていた。だがあれほどまでとは・・・完全になめていた・・・。

手首が痛い。

幸い奴等は追いかけてこないみたいだな

馬鹿者達だな

奈津子にすこし手当てしてもらうかな?
それにしてもわざわざ置いてくることもなかった、あの場には一緒に行かせないとしても、近くに待機させておいても良かったか・・・
まぁ後悔しても仕方がないのだがな・・・

ちっ・・・


ズキズキと痛む手首を押さえ、さらに走る。




奈津子は、隠れてとある現場を見ていた。


そこに居るのは


雅貴と翔吾・・・

それから

ちょっと離れたところに

姫とききがいる。

雅貴と翔吾が言い争っているのだろうか?

翔吾の方は、銃を構えている。

姫達が止めようとしているがあえて雅貴がそれを制している様だ。

どうしよう・・・

最初にそう思った。

止めなきゃ・・・

そうとも思った。


でも動けなかった。

その場に流れる圧倒的な殺しの雰囲気。

それが足を石へと変えた。


早く来て・・・匠・・・


奈津子は静かにそう願った。


【残り18名】


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